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このページではdm7iskusoバトルロワイアルのSSについてまとめていきます。 本編SS目次・投下順 【000~050】 参加者情報 参加者名簿
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河内 貴哉 (かわうちたかや) 参加歴 広島東洋カープバトルロワイアル プロ野球12球団オールスター・バトルロワイヤル 選手データ 1982年 1月 6日生 投打左投左打 身長186cm 体重80kg 血液型O型 国学院久我山高→12年広島D1位 広島東洋カープバトルロワイアル 殺害: なし 所持品:フォーク 物語内略歴 高橋建と横山竜士の呼びかけに応え出ていこうとしたが、二人が銃撃されたためパニックに陥る。 逃げる途中広池浩司に会い、以後共に行動することに。 ハッキング計画が自分に話したせいでおじゃんになってしまったことに罪悪感を感じる。 広池の計画に必要な物を求めて小学校へ向かう途中、重傷の森笠繁?を拾う。 現在小学校内で会話する広池と玉木重雄?をよそに睡眠中… 見所 (未編集) 登場章 第28章 お兄ちゃんと弟 第39章 広池と河内・2日目午前7時 第45章 ハッキング 第60章 脱出計画・前 第61章 脱出計画・後 第70章 小学校到着 第78章 事務室の筆談 番外編1 ライバルの死 プロ野球12球団オールスター・バトルロワイヤル 殺害:なし 所持品:不明(あまり役に立たない物らしい…) 物語内略歴 グレッグ・ラロッカ?、嶋重宣?と行動していたが、ラロッカが嶋から銃を奪おうとしたため緊張状態に。 しかし松坂大輔?が現れラロッカを射殺、さらに投手である河内を狙って撃ってくる。 嶋が負傷するが、西武ライオンズのスタート地点である森の中に入ったことで逃走に成功。 見所 (未編集) 登場章 9章 34章 35章 36章 名前 コメント
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1ページの分量は6~15kbくらいを予定。 それ以上になってしまったら場合によって分割しています。 番外編は基本的に本編終了後に読むのを推奨します。 external は本編の外部の話や過去の話、 extra は本編の時系列内で省かれた部分の話です ◇番外編目次-external No タイトル 登場人物 投下日 EX01 宇佐原椎也の報告書 宇佐原椎也、野町小草 2012/01/11 EX02 風来の穴空けパンチ(前)風来の穴空けパンチ(後) 東儀次郎、松乃奈々、志堂明、春崎桜冶、遥介、亮、紗子、灰奈、奇々怪々、空穴来風、他力本願 2012/02/262012/03/01 EX03 サクリファイスビル 我条白華、田中一誠、以心伝心、有象無象 s 2012/08/19 EX04 いつもと違う帰り道 会木巡、流崎言葉 2014/03/12 EX05 完全無実のアイドル#1 2014/4/02 EX06 援助交際エンドデス EX07 ダウングレード世界 EX08 親のココロ子知らず ある家族 2016/02/13 ◇番外編目次-extra No タイトル 登場人物 投下日 ex40.5 得意料理は、焼き魚 傍若無人、一刀両断 2014/05/31 本編一覧へ 四字熟語ロワTOPへ 非リレーロワTOPへ
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男 参加者氏名 数 登場話 01. アイザック・ロー 02. 飯田衛 03. 歌川角麿 04. 加藤順二 05. ギルディア・ロギンス 06. 佐伯清次郎 07. 高橋真平 08. 戸張豪 09. 西田修一 10. 早瀬明彦 11. マイケル・フィリップス 12. 森本空 13. ヤン・イーレイ 14. 芳川慶 15. リチャード・ハセガワ 16. 竜崎公太郎 17. ワイマール・チャンドラ 18. ンレキ・ド・バダ 女 参加者氏名 数 登場話 01. 及川さつき 02. カレン・ボルコフ 03. ケイト・スティンガー 04. 佐伯綾 05. シンディー・ロレンツ 06. 鈴井聖 07. 天堂バーンズ久美子 08. 戸塚奈々 09. 中山千尋 10. ナンシー・クリスティーナ 11. 半崎静 12. プリシラ 13. 辺見沙耶 14. 前田翔子 15. 向美那 16. メイ・ファルカン 17. 山田もみじ 18. 渡部忍
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【業務用ポッキー】 穴に支給。 カオスロワで◆6/が持っていたもの。
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割り込み着信 「あ゛あ~、もうどうなってるザウルス!?」 浅黒い肌をした1人の少年が、不機嫌そうな声を上げてバンダナの頭をかきむしった。 ティラノ剣山という名前のこの少年は、今デイバックを担いで、1人開けた場所を歩いている。 夜の闇の中でこうもだだっ広いと、広大さよりも殺風景さが目についた。 身内が目の前で殺されるという凄惨な出来事が起こったとはいえ、せっかくまともな場所に来れたと思ったのだが、 これではあの砂漠と同じようなものではないか。悪いことずくめもいいところだ。 「大体、兄貴は一体どうしちゃったんだドン!? あの兄貴が、あんな風に明日香先輩達を殺すはずがないザウルス!」 独り言を呟きながら、剣山はその足を進めていく。 否、前言撤回。叫びながら、だ。 「おまけに俺達にも殺し合えだなんて…ああーっ、もうわけが分からないザウルス!」 よほど単純なタイプなのか、いちいち大声を張り上げて胸のうちをぶちまける。 しかし、彼の苛立ちだけはまっとうな反応だ。 あの漆黒の鎧を身に纏いし覇王――遊城十代は、本来は強い正義感と優しさを持った熱血漢である。 そしてその人柄に触れ、強烈なシンパぶりを見せる剣山だからこそ、この突然の変化に戸惑うのも、無理はなかった。 「とにかく、兄貴がおかしくなったのには何か理由があるはずだドン! でもってそれがあるからには、きっと元に戻す方法もあるはずザウルス!」 剣山は意気込む。 わけも分からぬうちに兄貴分が様変わりし、わけも分からぬうちに先輩が殺されたバトルロワイアル。 この瞬間、彼が取るべき道は決した。 「まずは兄貴を元に戻す! そうすれば、兄貴がこの馬鹿みたいな殺し合いを終わらせてくれるはずザウルス!」 あまりにも短絡的な答え。 事実、どうやって十代を正気に戻す方法を探すかすら、未だ考えていない。 しかしその一方で、彼の選んだ道は、このゲームの核心を突いてはいた。 そう、このバトルロワイアル、主催者が中止するという手段こそが、最も安全確実な中断方法なのだ。 主催者を倒すという方法もある。だが、相手の方が強かった場合はどうしようもない。 ならば主催自らに止めさせるのが、一番安全なのである。 もっとも、それが可能か否かは別問題なのだが。 「…お?」 ふと剣山は、自分の目の前の地面が途切れていることに気付く。 その先に見える大地を見る限りでは、どうやらこの場所は、小規模な丘になっているようだ。 切れ目へと駆け出し、その下を覗き込む。 5~6メートルほど下に続く地面に、1人の女性が立っていた。 若干長めの金髪に、穏やかな目付きをした青い瞳。 基本的に異性には滅多に興味を持たない(一時期、例外あり)剣山だったが、少なくとも可愛い部類に入るであろうことは理解していた。 そしてその視線が女性の姿を探り――耳元で止まる。 (あれ…ひょっとして、携帯電話ザウルス!?) 目が見開かれた。 自分のデイバックに入っていたのは、食料と地図にコンパス、あとは武器になりそうなものくらい。 外界との通信手段となる物などはもちろん入っていなかったし、恐らく他の参加者も持っていないと思われた。 それがどうだ。眼下の女は、携帯電話などという便利な代物を持ち、しかも通話している。 誰と話しているんだ? そして何を話している? 好奇心のままに剣山は駆け出した。 手頃な斜面を見つけ、そこを一気に下り降りる。 全力疾走の後に息も切らすことなく、剣山は声を張り上げた。 「おおぉーい! そこの人ぉぉぉー!」 「っ!?」 当然のごとく女性はそれに気付き、反射的に身構えた。 「何者だ? 返答によっては…」 「わっ…とと、落ち着くザウルス! 怪しいもんじゃないドン!」 視線を鋭く尖らせて警戒する女性を身振りで宥めながら、剣山はそちらへと歩み寄っていく。 何となく明日香先輩みたいな人だ、と内心で冷や汗をかいた。髪も金色だし、声音も似ている。 実際、これはかなり危ない手段だった。相手が丸腰で、今後の方針を模索している最中だったからよかったものの、 これが武装した殺人者ならば、あっという間に殺されている。 「…ああ、気にするな。人が来ただけ…」 反応から、ひとまず即座に命を奪われることはないと判断したのか、女は冷静に電話に応じる。 しかし次の瞬間、その表情に驚きの色が宿った。 「…何だって?」 「もしもし、聞こえるか?」 剣山が女――リインフォースの元に姿を現す数分前、ヨハン=アンデルセンは、ようやく通じた電話に向けて問いかけていた。 『聞こえている。…お前は何者だ?』 返ってきたのは、リインフォースの冷静な声。 ぶしつけにかけられた誰何の言葉に、ヨハンは律儀に答える。そもそも、話しかけた側から名乗るのは礼儀というものだ。 「ヨハン=アンデルセンだ。あんたは?」 『…リインフォースという』 思ったよりも簡単に名乗りに応じてくれたことに、ヨハンは安堵していた。 こういう便利な物を持っている者は、優先的に狙われてもおかしくない。 よって警戒して名乗ってくれないのではと懸念していたのだが、どうやら自分が先に名前を言ったのが功を奏したようだ。 よって、そのまま質問に入る。 「参加者の中に知り合いはいるか?」 これだけの数だ。何人か見知った顔がいてもおかしい話ではない。 例えば、自分のデュエルアカデミアから、多数の参加者が出ているように。 それらの人員とその特徴を把握しておけば、今後の行動もある程度は楽になる。 『八神はやて、高町なのは、フェイト=T=ハラオウン、マサキ=アンドー…』 読み上げられていく名前に、ぴくりとヨハンの眉が動いた。 「高町なのはとフェイト=T=ハラオウンの2人には、俺も会ってる」 聞き覚えのある名前があったのである。 なのはとフェイトの2人は、あの砂漠の広がる世界の調査に来た、時空管理局なる組織の人間だ。 『そうなのか?』 「ああ、魔法を使う若い女性で…」 『若い…女性?』 リインフォースの怪訝そうな声が、ヨハンの言葉を遮る。 何かおかしなことでも言ったのだろうか、という疑念を浮かべるヨハンだったが、 『彼女らはまだ、幼い少女のはずだぞ?』 まさかそんなことを言われるとは、夢にも思わなかっただろう。 「は!?」 思わず間抜けな声を上げるヨハン。 自分の聞き間違いであると思いたかった。 何せ彼女らは、明らかに20代前半はいっているはず。それが「幼い」とは一体どういうことだ。 確認のためにも、再び彼は口を開く。 今の言葉が、何かの聞き間違いであることを願いつつ。 「えっと…あの人達は、時空管理局の実働部隊・機動六課の分隊長クラスで間違いないよな?」 『彼女らはまだ管理局に関わって、1年も経っていないと聞いている。本局の実働部隊も、五課までしかないはずだ』 祈りは届かなかった。 全くもって、お互いの会話が噛み合わない。 ヨハンは思わず頭を抱え込んでしまいたい衝動に駆られる。 どうやらお互いの知るなのはとフェイトは、全く異なる立場の人間のようだ。 同姓同名の別人だったのかもしれないが、2人も同時にそうなるとは考えがたい。 「…待てよ?」 その時、不意にヨハンの脳裏に浮かぶものがあった。 思い出すのは支給品の名簿。確かあれには… 「今の2人の名前…確か、なのはさん達の名前が2つあったよな?」 そうだ。 名簿には、なのはとフェイトの名前が2つ載っていたのだ。 当初は誤植かと思って無視していたのだが、今になって、ヨハンの中にある可能性が浮かぶ。 『確かにそうだが…』 「なら、俺の知ってるなのはさん達と、あんたの知ってるなのはさん達…両方が参加してる可能性があるよな?」 『…つまり、私の知らない、未来の高町なのはがここにいると言うのか?』 その言葉に、ヨハンはより一層自身の説に対する確証を強める。 自分が知らず、リインフォースが知っている「もう1人のなのはとフェイト」の存在を計りかねていた彼だったが、 なるほど確かに、彼女らがまだ幼かった頃の過去から来た存在と見なすのがアリならば、全ての疑問はクリアーだ。 恐らくこのリインフォースなる女も、過去から来た人なのだろう。 「そう考えるのが、一番しっくり来るだろうな」 『しかし、どうやってだ? どうやって奴らは時間を超えるなどという真似を?』 もっとも、新たな問題はある。 リインフォースの言った通り、過去から人間を連れてくることが、本当に可能なのかということだ。 「分からない。ただ、これだけの人間を一度にワープさせるだけの力量を考えると…」 『…ぉぉぉーい…ぉぉ…』 『ッ!?』 電話の向こうリインフォースが、遠くから聞こえた声に反応したのは、この時だった。 「? おい、どうし…」 『何者だ』 厳しい誰何の声。それだけならまだいいだろう。 しかし、次の瞬間に聞こえてきた声は、ヨハンに新たな驚きをもたらすには十分だった。 『わっ…とと、落ち着くザウルス! 怪しいもんじゃないドン!』 先ほど以上の驚愕がヨハンの表情を彩る。危うくカイザフォンを落とすところだった。 あまりに特徴的すぎる、「ザウルス」「ドン」という語尾。いくら何でもこれを聞き間違えるはずはない。 であれば、「本人」だ。まず間違いないだろう。 まさかこんなにも早く「仲間」と接触できるとは、思いもよらなかった。 「おいあんた! 今の声は…!」 電話に向かって叫ぶ。今は一分一秒が惜しい。 『…ああ、気にするな。人が来ただけ…』 「そいつに代わってくれっ!」 『…何だって?』 怪訝そうなリインフォースの声が返ってきた。 無理もないだろう。いきなり正体も知らぬ相手に代われなどと言うのだから。 しかし、ヨハンにはそれを気にしている暇はなかった。 「――そいつは俺の仲間だ!」 【一日目 AM1 28】 【現在地 B-2 平地】 【ティラノ剣山@リリカル遊戯王GX】 [参戦時期]第九話 食事中 [状態]健康 [装備]なし [道具]支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本 十代を元に戻し、ゲームを中断させてもらう。 1.殺し合いは断固反対 2.兄貴…明日香先輩達を殺すなんて、一体どうしたんだドン… 3.おお、怖…明日香先輩みたいザウルス、この人… 【リインフォース@スーパーリリカル大戦(!?)外伝 魔装機神 THE BELKA OF MAZIKAL】 [状態]健康、パイの姿 [装備]なし [道具]支給品一式、カイザフォン@マスカレード、リンディ茶スペシャルブレンド(砂糖40倍)@仮面ライダーリリカル電王sts、首領パッチソード@ナナナーナ・ナーノハ [思考・状況] 基本 はやてを生還させる(手段は問わず) 1.この男…ヨハンの仲間と聞いたが…? 2.なのはとフェイトが2人…しかも向こうは未来人だと? 3.はやて生還のために、あらゆる手段をとる。必要とあらば殺しも辞さない [備考] ※首領パッチソードの詳細を知りません 【現在地 J-6 森】 【ヨハン=アンデルセン@リリカル遊戯王GX】 [参戦時期]第九話 食事中 [状態]健康 [装備]ライサンダーZ@魔法少女リリカルなのはStrikerS――legend of EDF―― [道具]支給品一式、ファイズフォン@マスカレード、ランダム支給品0~1 [思考・状況] 基本 十代を止める 1.十代の豹変の理由など、情報を集める 2.まさか、剣山をこんなに早く見つけられるなんてな… 3.過去のなのはさん達を連れてくるなんて真似…本当にできるのか? 4.ライサンダーをマーダーに渡さない [備考] ※自分の知らない方のなのはとフェイトが、過去の人間であることに気付きました 042 本編投下順 044
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【オープニング】 No. タイトル 登場人物 000 OP 兵士、王様、ロリ騎士、森屋英太、骨川スネ夫、二階堂永遠(若侠吉雄)、作者 【深夜】 No. タイトル 登場人物 001 小鳥遊雄一郎は炎術剣士と遭遇する 小鳥遊雄一郎、新堂まなみ 002 闇 太田太郎丸忠信 003 ロワとわしと少年 わし(星野仙一)、前原圭一 004 難解なバトロワ 柊眠兎、吉良邑子、真田基二郎
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No. タイトル 登場人物 001 スタート アンパン(粒餡)、桜餅、ババ、エクレア、ガレッド・デ・ロワ 002 こいつら菓子にしては辛すぎる アンパン(粒餡)、桜餅、ガレッド・デ・ロワ、アンパン(こしあん)、アンパン(白餡) 003 悪意から生まれし者 ポップコーン(キャラメル)、ビスケット(チョコチップ)、甘色、フルーツタルト、ビスケット(プルーン)
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隠者の出会い ◆wYOF3ar91U 「バトルロワイヤルのルールでは、生還できるのは一人となっているから、 おそらく催している者の狙いは、参加者同士の殺し合いを誘発することだ……」 自生する広葉樹が視界を埋めるほどに生い茂る森の中、まだ声変わりもしていない少年の声が木霊する。 声は幼さを残しながら、冷静で極めて整然とした知性を感じさせる物だった。 もっともそれを聞く者は、当の少年以外には誰も居ないが。 少年は暗い森の中を淀みなく歩いていく。 「だから主催者の目的を推測するには、その線から進めていかなくてはならない……」 理路整然とした言葉は少年の優れた知性を示していた。 森の中を苦も無く進む姿は少年の優れた体力を示していた。 バトルロワイヤルの中でも自分の為すべきことを探す様は少年の優れた精神力を示していた。 知性。体力。精神力。少年はその名が示す通り、あらゆる面で優れた能力を持っている。 少年の名は出木杉英才と言った。 「……とりあえず、ドラえもんと合流することを優先しよう。彼の知識は、脱出に必要になる……」 しかし今はバトルロワイヤルの渦中。 無意味に声を上げるのは自殺行為だと、出木杉も自覚している。 しかし、そこに論理の飛躍が在っても構わずに出木杉は話し続ける。 自分の意思を、自分に言い聞かせるために。 怖いのだ。 何時、自分が殺されるか判らない状況が。 まるで脱出の方法が見えない状況が。 そして脱出を志すと言葉にしていなければ、自分自身に確信が持てない状況が。 出木杉は強い倫理観と道徳意識を持っている。 殺人への忌避感もそれだけ強い。 それでも、この場では何の確信も持てないのだ。 先刻確認した名簿を信じるなら、あの未来の道具を使いこなすドラえもんですら参加者とさせられているバトルロワイヤル。 幾ら出木杉が優秀でも、脱出の方法など見当も付かない。 そして名簿に記載されている名前はドラえもん、野比のび太、剛田武、源静香以外は全く知らない物だ。 ドラえもんたちが殺し合いに乗るとは思えないが、彼らのほとんどは小学生。 悪意在る大人の手に掛かれば、容易く命を落とすだろう。 今こうしている間にも、友達が殺されているかもしれない。 それは想像しただけでも恐ろしいことだった。 何より、出木杉自身も小学生に過ぎない。 命の危険に晒された時、自分の身を守れるのか。 そして誰かを殺すことでしか自分の身を守れないとなった時、強固な意志をどこまで保てるのか。 出木杉はまだ小学生。これから学んで自分を作り上げていく人間だ。 実際のところ、今の段階では何の保障も無い人間なのだ。 生きるか死ぬかの極限状況。 ただの小学生の過ぎない出木杉にとって、それは意思を保つことすら困難な状況だった。 (…………誰か居る!!) 出木杉の声が、足が止まる。 前方約十メートル。ほとんど視界が利かない森の暗がりの中、薄ぼんやりとした影しか確認できない。 しかし確かに男の姿が在った。 大人の男。それも二メートル近くありそうな大柄な男だ。 無論、出木杉の友人にそんな大男は居ない。 出木杉の心臓が跳ね上がり、足が震える。 誰かと遭遇することも当然、想定していた。 その時の対応策も。 可能な限りリスクの少ない形で接触。 そしてとりあえずでも安全だと確認できれば情報交換をして、交渉次第では同行する。 それらの具体的な手段まで想定していたのだ。 しかし想定と現実は、全く違ったのだ。 殺し合いの状況の中で、未知の人物と接触する。 それは自ら修羅場に踏み込むと言うこと。 現実に実行するのは、出木杉の想像以上の勇気が必要だった。 これが出木杉の友人、野比のび太や剛田武や源静香ならば話は別だったかもしれない。 彼らも小学生であり、出木杉ほど優秀とは言い難い。 しかし彼らには修羅場の経験があった。 自らの命を危険に晒す冒険を潜り抜けてきた経験が。 しかし出木杉にはそんな経験は存在しない。 命がけの冒険はこれが始めてになる。 そしてただの小学生がたった一人で乗り越えるには、命がけの冒険というハードルは高過ぎた。 (……今のぼくの状態では交渉が上手く行くとは思えない。ここは接触を避けるべきだろう……) それは自分の状態を考慮しての適切な判断なのか。 自分の臆病を誤魔化すための言い訳なのか。 心中で自分でも判然としない理由を並べ立てて、出木杉は男から逃げることを選択する。 男から生い茂る木に身を隠し、出木杉はその場を離れようとする。 その優れた身体能力を活かし、木陰から木陰へと移動して行く。 そして木陰から頭だけを出して、男がこちらの存在に気付いていないかを確認。 男の姿は無かった。 不測の事態に出木杉の不安感が一気に強まる。 男は確かにそこに居たはずなのに、出木杉が目を離した僅かの隙に消えていたのだ。 周囲を見渡すが男の姿は無い。 得体の知れない不安に包まれ、出木杉はしばし呆然とその場に立ち尽くす。 「ノックしてもしも~し」 突然、頭上から声が聞こえた。 その場の雰囲気とはあまりにもそぐわない、弛緩した声。 それとともに、出木杉の頭が軽く小突かれる。 頭上を仰ぐと、先ほどの男が木の枝から逆さになってぶら下がっていた。 反射的に走り出す出木杉。 そこに状況判断も論理的思考も無い。 半ば恐慌状態に近い物があった。 「おい待て!! 人がもしもしっつってんのに、逃げ出してんじゃねー!」 暗い森の中を、何度も足を取られそうになりながら、 出木杉はそれでも止まることなく駆け抜けていく。 しかしすぐに背後から襟首を掴まれて止められる。 振り返らなくても先ほどの男だとは判った。 男は暗い森の中を、出木杉に容易く追い付いたのだ。 逃げることは不可能。 出木杉はついに死を覚悟する。 「だから逃げんなっつってんの! 人の話聞けよなぁ~。 雪男やネッシーとかに出会った時だって、悪い者と最初から考えんのはよくねえと思うのオレ。 ましてやこのハンサム顔見れば、人間だっつうことくらい分かんだろうがよ」 しかし男の口振りは対照的に、陽気さすら感じられる物だった。 出木杉は振り返って男を見る。 男は鍛え上げられた肉体の全身に傷を帯びている巨漢だった。 その風貌だけを見れば、不穏さを感じる所だ。 しかし男の軽い口調、不敵な笑みを浮かべる表情、 そして纏う雰囲気は決して不穏さを感じる物ではない。 不思議な頼もしさをすら感じられる物だった。 男の雰囲気を受けて、出木杉も冷静を取り戻す。 そして男の言葉と、先刻までの行動を思い返す。 男は出木杉より更に優れた身体能力を持つ。 その男が、頭上から不意打ちをする形で出木杉に接触してきた。 出木杉には、その行動の意図はすぐに察することができた。 男は殺し合いをするつもりは無いと。 「おれの名はジョセフ・ジョースター。ジョジョって呼んでくれ。 初対面でぶしつけだけどねェ、とりあえず名前を聞かせてくれよ」 こうして出木杉は運命の一族・ジョースター家の男、ジョセフ・ジョースターと出会った。 * 「それじゃあ名簿に在るジョースターさん……ジョセフさんが知っている名前は、ワムウとカーズ。 そしてお祖父さんのジョナサン・ジョースターとその宿敵のディオ・ブランドーだけですね?」 「だからジョジョって呼べって。……まあジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーは五十年前に死んだはずだから、 おれの知ってる二人のはずがねぇんだけどよ」 出木杉とジョセフは、すぐにお互いの自己紹介をして、 そのまま近くの木陰の岩場に向かい合って座り、情報交換を開始した。 参加者名簿の中にお互いの知人の名前が有るかを確認しあう。 出木杉の知人は四人とも殺し合いをするような人物ではないので、特に問題は無いが、 ジョセフの方は問題が大きい。 ワムウとカーズは、どちらも柱の男と呼ばれる生物である。 人間を食料としており、ジョセフとも敵対している。 極めて危険な存在と言えよう。 そしてジョセフの祖父であるジョナサン・ジョースターと、 吸血鬼でありジョナサンの宿敵でもあるディオ・ブランドーは、 五十年前に死んでいるはずなのだ。 「確かに五十年前に死んでいるのなら、ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーは本人たちではない公算は大きいです。 しかし本人たちである可能性も存在します……」 「……おいおい、じゃあ何かー? 五十年前に大西洋上で行方不明になったじいさんが、 『実は生きてましたーっ!!』って出てくるってのか?」 「……死亡する前の状態から連れて来られている可能性です」 出木杉は半世紀以上前の者たちが存在している可能性を語る。 それは時間移動の可能性。 出木杉は自分の知人であるドラえもんの出自に付いて説明する。 ドラえもんは22世紀の未来からタイムマシンでやって来た猫型ロボットなのだ。 同様の時間移動技術を以ってすれば、ジョナサンやディオを五十年前の時点から連れて来ることも可能なのだ。 「……それじゃあ、H・G・ウエルズの小説みてーなタイムマシンが本当に在るって言うのかよ?」 ジョセフは先刻までの陽気な態度が鳴りを潜め、低い声で出木杉に問う。 不審に思われても無理は無いと出木杉は思う。 もしドラえもんを知らなければ、自分も時間移動の話を信じることはできなかったであろう。 しかし知っている情報を秘匿にしておくことは、 ジョセフの危険や、後になってより深刻な不信に繋がる危険も在ると判断して、 ドラえもんの情報を正直に話したのだ。 もっとも、この場でジョセフと袂を分かつリスクも存在するが。 「…………ってことはよぉー、おめーは西暦1938年より未来の人間になるんじゃねーのか?」 「何でそれを!!?」 「……オーマイガッ!! まさかと思ってカマを掛けたんだが、マジかよぉ……」 しかしジョセフの言葉は出木杉の予想を超える物だった。 そして男の言葉と、先刻までの行動を思い返す。 男は出木杉より更に優れた身体能力を持つ。 その男が、頭上から不意打ちをする形で出木杉に接触してきた。 出木杉には、その行動の意図はすぐに察することができた。 男は殺し合いをするつもりは無いと。 「おれの名はジョセフ・ジョースター。ジョジョって呼んでくれ。 初対面でぶしつけだけどねェ、とりあえず名前を聞かせてくれよ」 こうして出木杉は運命の一族・ジョースター家の男、ジョセフ・ジョースターと出会った。 * 「それじゃあ名簿に在るジョースターさん……ジョセフさんが知っている名前は、ワムウとカーズ。 そしてお祖父さんのジョナサン・ジョースターとその宿敵のディオ・ブランドーだけですね?」 「だからジョジョって呼べって。……まあジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーは五十年前に死んだはずだから、 おれの知ってる二人のはずがねぇんだけどよ」 出木杉とジョセフは、すぐにお互いの自己紹介をして、 そのまま近くの木陰の岩場に向かい合って座り、情報交換を開始した。 参加者名簿の中にお互いの知人の名前が有るかを確認しあう。 出木杉の知人は四人とも殺し合いをするような人物ではないので、特に問題は無いが、 ジョセフの方は問題が大きい。 ワムウとカーズは、どちらも柱の男と呼ばれる生物である。 人間を食料としており、ジョセフとも敵対している。 極めて危険な存在と言えよう。 そしてジョセフの祖父であるジョナサン・ジョースターと、 吸血鬼でありジョナサンの宿敵でもあるディオ・ブランドーは、 五十年前に死んでいるはずなのだ。 「確かに五十年前に死んでいるのなら、ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーは本人たちではない公算は大きいです。 しかし本人たちである可能性も存在します……」 「……おいおい、じゃあ何かー? 五十年前に大西洋上で行方不明になったじいさんが、 『実は生きてましたーっ!!』って出てくるってのか?」 「……死亡する前の状態から連れて来られている可能性です」 出木杉は半世紀以上前の者たちが存在している可能性を語る。 それは時間移動の可能性。 出木杉は自分の知人であるドラえもんの出自に付いて説明する。 ドラえもんは22世紀の未来からタイムマシンでやって来た猫型ロボットなのだ。 同様の時間移動技術を以ってすれば、ジョナサンやディオを五十年前の時点から連れて来ることも可能なのだ。 「……それじゃあ、H・G・ウエルズの小説みてーなタイムマシンが本当に在るって言うのかよ?」 ジョセフは先刻までの陽気な態度が鳴りを潜め、低い声で出木杉に問う。 不審に思われても無理は無いと出木杉は思う。 もしドラえもんを知らなければ、自分も時間移動の話を信じることはできなかったであろう。 しかし知っている情報を秘匿にしておくことは、 ジョセフの危険や、後になってより深刻な不信に繋がる危険も在ると判断して、 ドラえもんの情報を正直に話したのだ。 もっとも、この場でジョセフと袂を分かつリスクも存在するが。 「…………ってことはよぉー、おめーは西暦1938年より未来の人間になるんじゃねーのか?」 「何でそれを!!?」 「……オーマイガッ!! まさかと思ってカマを掛けたんだが、マジかよぉ……」 しかしジョセフの言葉は出木杉の予想を超える物だった。 情報交換の端々から、ジョセフが自分の生きる時代より過去の人間だと言うことは、出木杉にも容易に推察できている。 それだからこそ時間移動の知識の普及していないはずなので、タイムマシンの話を信じて貰える公算は小さいと考えていた。 しかしジョセフは出木杉が未来の人間であることまで察知していたのだ。 まさかと思ってカマを掛けたと言ったが、ある程度の所信が無ければそんな真似はしないだろう。 「……おめーは日本人だろ? けどおめーの着てる服や靴は、おれの知ってる時代の日本の物だとしたら違和感があったんでな。 …………けどバトルロワイヤルの主催者がタイムスリップまで可能にするほどの技術を持ってるってなると、ちーと厄介だぜェ」 「……厄介、と言うのはどういう意味です?」 「決まってんだろ。主催者のヤローをきっちりブチのめしてやるのに、厄介だって言ってんの」 「バトルロワイヤルを脱出して、主催者を倒すことを目的にしているんですね」 「他にどうするって言うんだよー!」 出木杉にとって、ジョセフのような人間に出会うのは初めてだった。 自分より遥かに身体能力に優れ、 自分も驚くほどの洞察力を示し、 そして何の逡巡も衒いも無く脱出を試みる。 出木杉にとって、先行きの見えない脱出への道。 そこへ突然現れた希望。それがジョセフだった。 出木杉はこの地に着いてから、初めて希望を持って自分の志を口にする。 「…………ジョセフさん、ぼくも脱出を目的としています。同行をお願いできますか?」 「だからジョジョって呼べって言ってんだろ~……」 こうして出木杉は運命の一族・ジョースター家の男、ジョセフ・ジョースターと、志を同じくすべく交渉を開始する。 しかし出木杉はまだ知らなかった。 ジョースター家に纏わる、闇の一族との深い因縁を。 【C-6/森林部/一日目-深夜】 【出木杉英才@ドラえもん】 [状態]:健康 [装備]:無し [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3 [思考・行動] 基本方針:殺し合いはしない。 1:ジョセフが同行するように交渉する。 2:ドラえもんと合流する。 3:野比のび太、剛田武、源静香と合流する。 [備考] ※参戦時期は不明です。 【C-6/森林部/一日目-深夜】 【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康 [装備]:無し [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3 [思考・行動] 基本方針:バトルロワイアルを脱出して主催者を倒す。 1:出木杉と情報交換する。 2:ワムウ、カーズを倒す。 [備考] ※参戦時期は不明です。 時系列順で読む Back ]] Next [[ 投下順で読む Back 地獄とは神の実在なり Next その血の運命 GAME START 出木杉英才 GAME START ジョセフ・ジョースター
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五回目を数えたテラカオスバトルロワイアルも、数多の悲劇と禍根を残しながらも、6/らの活躍で収束の時を迎えた。 人々は、もう二度とこのような悪夢を繰り返さない事を誓い、来る日も来る日も神に祈った。 その甲斐あってか、その願いは叶うこととなる。 このロワのほとんどは関東というごく狭い範囲で起こっていた出来事のため、 関東以外の区域では、被害は奇跡的にも皆無に等しかった。 そして、関東以外の区域では大方の復興は既に終えつつあった。 再び崩壊した関東を救おうと、各地からボランティアが殺到し、復興にあたった。 復興を支援する募金も、億単位の額が集まった。 その結果、元の国力を取り戻すためには十年かかるという試算も出ていたのに、 半年も経たないくらいのハイペースで、彼らは復興を成し遂げたのである。 人々はもとの暮らしを取り戻し、今まで以上の繁栄を勝ち得た。 この驚くべきペースの国力回復は、戦後復興のモデルとして世界中から高い評価を受けた。 失われた時間は、完全に取り戻されたのだ。 我々がこの偉業を成し遂げられた理由は、二つ。 長かった地獄が終わるという開放感、 悲劇と禍根を未来永劫繰り返すまいとする、強き使命である。 そしていつしか、人々の心からはテラカオスバトルロワイアルは消えていた。 誰一人として、テラカオスバトルロワイアルの存在など、忘れていたのである。 かつてテラカオスバトルロワイアルを戦い抜き、生き抜いた勇者達を除いては。 だが、この皆で勝ち得た平和さえも、長く続きはしないものだった。 半年前の第五回テラカオスバトルロワイアルの最中、ある書類が作成されていた。 その名も、『全世界カオスロワ化計画』。 作成者は喜緑江美里。そのロワで絶対的な主催の権利を持っていた女である。 彼女は日本を壊滅させた後、全世界全てを巻き込んだカオスロワを展開するために、 第五回が始まるよりも以前から、この極秘の資料を秘密裏に作成し続けていたのである。 だが、彼女は死に絶え、カオスロワは止められた。 紙切れ同然になり、本来の役目を果たさなくなったこの書類は、邪な者の目に触れぬよう、 何者かによってカオスロワと共に闇の奥底へと葬られた。 だが、この書類を発見し、手にしてしまった者がいたのだ………。 それは終戦から半年が過ぎた時の事だった……。 「今日こそは絶対に負けないよ!」 「望むところだよ、ドラえもん」 午後七時前、東京都のとある片隅の民家で、一台のテレビをめぐった抗争が起きようとしていた。 今日のためにわざわざ気合を入れ、両者とも早めの夕飯を既に済ませているのだ。 そして迎えた午後七時……。 「始まるぞ!!」 午後七時を迎えるやいなや、両者は熾烈にチャンネル争いを始めた。 「今日はミーちゃんがこの番組に出演する晴れの舞台なんだ!観ない訳にはいかない!」 「僕だってこのアニメを観るためにわざわざ早く夕飯を済ませたんだ!絶対に譲らないぞ!」 わずか一分の間に、20回以上もチャンネルを変える熾烈なデットヒートを繰り広げる両者。 だが、このデットヒートは、ものの数分程で終わりを告げた。 ザーーーーー 突如テレビの映像が一面の砂嵐に変わってしまったのだ。 「ほらみろ、のび太君がいたずらするからテレビが壊れちゃったじゃないか!」 「何を言ってるんだ、ドラえもんが邪魔するからじゃないか!!」 砂嵐のテレビを前に、言い争いを始める二人。 しばらくして、砂嵐だったテレビ画面に、軍服を着た一人の男が映し出された。 どのチャンネルに変えてみても、同じ男の画像が映し出されるばかりだった。 「誰? この人?」 「さあ?」 見たこともない軍人の登場に二人は困惑する。しかし、映像のカメラが後ろに引くと、 見覚えのあるかぎ十字の旗が姿を現わした。見紛うことなきナチスの旗だ。 「私はハインリヒ・ヒムラーだ」 男はそう自己紹介すると、高らかに演説を始めた。 諸君はテラカオスバトルロワイアルと呼ばれるものがあったことはご存知だろうか? 忘れもしない半年前、悪の権化テラカオスを、見事に消し飛ばしてみせた勇者の物語を。 彼らのその勇姿は、正直この私も感服しきりだったよ。 もしナチスが政権を担い続けていたのなら、総統閣下に勲章を与えるよう申請してやりたいぐらいだった。 だが、このテラカオスバトルロワイアルには一つだけ問題がある。それは行動範囲の狭さだ。 ごく限られた範囲でしか物事が起こっていない、すなわち『ポケットの中の戦争』だ。 日本列島という行動範囲の指定があるのに、大多数は関東一円でしか活動していないのだ。 それすなわち、38万平方キロにわたる日本という国の国土を有意義に活用することを、 それまでの主催達が完全に怠ってきた事のあらわれに他ならないのだ。 あえて言おう、カスであると! 私は、そんなカオスロワをなんとかしたいと考え、数ヶ月にわたって行動を起こした。 その末に見つけたのが、この『全世界カオスロワ化計画』だ。 これには、全世界を舞台にしたカオスロワを展開するために必要な下準備や資料など、 効率の良いカオスロワを展開するためのあらゆる情報が、ぎっしりと詰まっている。 私はこれをもとに同志を募り、カオスロワに必要な下準備を入念に行ない続け、今日に至る。 我々は必ずや実行してみせる。かつての総統閣下も含めた、これまでの無能な主催どもに成り代わって、 真のカオスロワと言うにふさわしい、全世界を舞台にした究極のバトルロワイヤルを作り上げる事を! そして、今ここに第六回テラカオスバトルロワイアルの開始を宣言する! うろたえる人々に、あの悪夢の首輪が再び付けられる。 かつて五度ものカオスロワを経験した日本の国民は、みな一様に凍りついた。 それを知ってか知らずか、ヒムラーは演説をし終えると、ニヤリと笑って一息ついてからまた喋り始める。 「では今回のカオスロワの具体的なルールの説明を、我が同志の一人カワリーノ氏が説明する。 今のうちに聞き漏らしのないようにしておくのだな」 ヒムラーはそう言うと、長身で細目の男に放送を代わった。 「フフフ……プリキュアのみなさん、しばらくでしたねえ。 またみなさんに会える今日を楽しみにしていましたよ。 私は実行委員のカワリーノです。 これから私が今回のカオスロワのルールの説明をおこないます」 今回のカオスロワは、舞台を全世界に広げた超大規模のバトルロワイヤルです。 エベレストの山頂からマリアナ海溝の底に至るまで、全てロワの対象です。 実行期間中は、皆さんは何をしても一向に構いません。 出会った人を殺すのも、協力して助け合うのも、皆さんの器量次第です。 大陸間の移動手段も、船を使おうが、飛行機を使おうが、自力で泳ごうが自由です。 要するに、何でもありの第三次世界大戦です。 ですが、大人数の参加者を独断で一気に終結させたり、宇宙へ進出する等といった、 進行の妨げになると判断されるような行為は固く禁じます。 そうした行為を行おうとした瞬間に、首輪が爆発しますので、悪しからず。 また、当ロワの時間軸ですが、基本としてイギリスの時間を用います。 当然世界には時差がありますので、その辺は各自でお調べ下さい。 なお、イギリスは日本に比べて9時間程遅れています。 <時差に関して参考にするといいもの:http //www.w-time.com/> 「以上で私の説明は終わりです。 ご理解頂けた人もそうでない人も、ご武運をお祈りしていますよ。フフフ…」 カワリーノと名乗る男は不気味な笑みを浮かべながら、放送を終える。 「時刻はもうすぐ正午、日本時間で午後九時を迎える。 世界190ヶ国以上の国に対して同時中継してきたこの放送も、もうすぐ終える。 ではこれよりカオスロワを開始する! ……と言ってもこのままでは皆外国へ出ることなどするまい。 それゆえ、これより我々が参加者の皆を世界中の適当な場所へ送り出す。 運良く国内に留まれる者もいれば、 見たこともない土地に一人放り出される者もあるだろうが、 支給品の世界地図を確認すれば、だいたいの位置くらいは分かるだろう。 では諸君、生きていたらまた会おう!」 ヒムラーのその言葉と共に、テレビは電源を押すことなく消えた。 それと同時に、参加者達は深い眠りに落とされることになる。 視界がぼやけ、まぶたが重くなり、深い眠りに襲われる。 「ド…………ラ…………え…………も…………ん………………?」 強い眠気に耐えられず、その場に横たわって眠りこけるのび太。 ヒムラーはこれから自分達を世界のどこかに飛ばすと言っていた。 自分はどこに飛ばされるんだろう? そこでは何が待っているんだろう? しかしはっきりと分かっているのは、自分が世界のどこに飛ばされようとも、 血塗られた戦いと、数多の命を失う悲しみの連続であるということだ。 【テラカオスバトルロワイアル6th 開幕】