約 2,614,577 件
https://w.atwiki.jp/777townforandroid/pages/644.html
デザイン 機種 学園黙示録HIGH SCHOOL OF THE DEAD アニメーション なし スキル効果 次ゲームに20%の確率で弱チェリーが成立する 消費SP 入手方法 スキルフィギュアガチャ LvMAX経験値 ? 限界突破素材 限界突破先 限界突破元 備考
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8204.html
前ページ次ページゼロのチェリーな使い魔 ルイズの身支度が終わると、二人は『アルヴィーズの食堂』へ向かった。 食堂に到着すると、三列の食卓には豪華な飾りつけと食事が所狭しと並べられていた。 豪華絢爛なテーブルを目の当たりにして目を輝かすフリオニール。 その様子を横目で見ていたルイズは 「あんたはあっち」 勝ち誇ったように指をさす。 フリオニールがその方向へ目線を移すと、床の上に具のないスープと硬そうなパンが置いてあった。 (いいじゃないか!ただ、だし) フリオニールは自分にそう言い聞かせるが顔で笑って心で泣いた。 「使い魔がご主人様と同じものを食べられるとでも思ったの? 本当なら使い魔は外で 食事をするところをこのわたしが『特別に』中で食べさせてあげるんだから感謝しなさい」 傷心のフリオニールにルイズは恩着せがましく言った。フリオニールの表情を見るに 使い魔教育第一弾は大成功のようだ、とルイズは満足した。 フリオニールはとぼとぼと歩き出し食事の置いてある床に座るのであった。 朝食後、ルイズとフリオニールは教室へ向かった。 大学の講堂のような広い教室の中に入ると、生徒達が様々な使い魔を引き連れていた。 どうやら人間の使い魔を連れているのはルイズだけらしく、それをネタにルイズは他の 生徒達にからかわれていた。 顔を赤くして反論するルイズ。ルイズへの嘲笑はフリオニールにも向けられているのだが、 フリオニールは心ここにあらずの心境で思考を巡らせていた。 (一緒に授業に参加すれば元の世界へ帰られるヒントを得られるかも) 「さぁ、授業を始めるわよ」 女性教師が教室へ入ってくると、喧々諤々と騒いでいた生徒達は各々席へとついた。 「絶対に許さないんだから。ツェルプストーの奴・・・」 初対面の時と同じくらいに不機嫌になって独り言を呟くルイズにフリオニールはダメ元で 「あの~、俺の席はないですよね?」 「当たり前でしょ!」 ルイズの一喝にフリオニールはビクンと反応すると諦めて床に座った。 「皆さん、春の使い魔召還は大成功のようですね。このシュヴルーズ、みなさんの使い魔を 見るのを毎年楽しみにしているのですよ」 シェヴルーズは生徒達の労をねぎらうと、教室を見渡しフリオニールに眼をとめた。 「ミス・ヴァリエール、また変わった使い魔を召喚したようですね」 シュヴルーズの発言に教室中から笑い声がおこった。 顔を真っ赤にして俯くルイズ。 その様子を気の毒そうに見上げるフリオニールを尻目に授業は始まった。 『系統魔法』と呼ばれるこの世界の魔法は土・水・火・風の四系統に加え、伝説の 系統として『虚無』が伝えられている。メイジは最低でもどれか1つの系統の 魔法が使え、メイジが魔法の杖を振るい、ルーン(魔法語)を唱え、精神力を消費 する事で魔法は発動する。 (あ~、魔法の説明か。魔法は専門じゃないしつまんないな) さらに講義は続き メイジの能力は「(同系統の重複も含め)各系統を幾つ足せるか」で示される。 また、メイジには『ドット』『ライン』『トライアングル』『スクウェア』の4階級 があり、ランクが1つ上がるごとに魔法の消費精神力は約半分になり、魔法の ランクが1つ上がるごとに精神力の消耗は約2倍になる。 (熟練度が上がれば使うエネルギーも増す、か。俺の住む世界とあまり変わらないみたいだな) メイジにはそれぞれ、その特性を顕す二つ名がついている。 (うちの「ご主人様」の二つ名は確か・・・) フリオニールは思い出そうとしたが、答えが出てこないので小声でルイズに問いかけた。 「ルイズさんの二つ名ってなんでしたっけ?」 「えっ!?」 ルイズは使い魔の質問に思わず素っ頓狂な声を出した。 「ミス・ヴァリエール。ではあなたにこの『錬金』をやってもらいましょう」 ルイズの声を挙手と勘違いしたシェヴルーズは魔法の実践をするのに彼女を指名した。 ざわめく教室。 「先生。それは止めておいた方がいいと思います」 「そうです!無茶ですよ。『ゼロ』に魔法を使わせるなんて・・・」 「また教室が滅茶苦茶にされる!」 シェヴルーズはコホンと咳払いをひとつして 「失敗を恐れていては進歩はありません。さぁ、ミス・ヴァリエール。こちらへ」 「はい」 ルイズは意を決して教壇へ向かう。すると、他の生徒と使い魔達は机の下に潜り込んだり 教室からそそくさと出て行った。 嫌な予感がしたフリオニールは、背中にかけていたアイスシールド(オーガチーフから 入手したおたから)を素早くはずして左手に持つと防御の体勢をとった。 (何が起こるんだ!?) ルイズは教壇に立つと杖を掲げてルーンを詠唱した。 すると次の瞬間、ルイズの目の前にあった石が爆発を起こした。 ちりとほこりが教室中に蔓延する。 フリオニールは防御していたこともあり被害はほとんどなかったが、至近距離にいた シェヴルーズは爆風をまともに受けて倒れていた。詠唱者であるルイズは無傷で あったが呆然と立ちすくしている。 (大変だ!) フリオニールは急いでシェヴルーズの元へ駆け寄り、『ケアル』の魔法を唱えた。 すると、意識を取り戻したシェヴルーズはゆらゆらと立ち上がり、ルイズに後片付けを 命じるとダメージが残っているのか重い足取りで保健室へと向かっていった。 懸命に教室の掃除をするフリオニール。作業をしながら気落ちしているルイズを励まそうと声をかける。 「先生が無事でなによりでしたね。ところで、ルイズさんの魔法すごい破壊力ですね」 「は?」 「俺の住む世界にはあんな魔法ないですよ。ルイズさんは立派な魔法使いなんですね」 「・・・それ、嫌味で言ってるわけ?」 「とんでもない!あの魔法を駆使すればモンスターの大群もイチコロですよ」 「魔法も使えない平民に同情される筋合いなんてないわ!」 「少しは使えるんですけど・・・」 「杖も持っていないくせに!貴族を愚弄するなんて言語道断だわ!」 気まずいムードになる二人の前に赤い髪をなびかせた一人の女性が近づいてきた。 「派手にやってくれたじゃない。ミス・ヴァリエール」 「冷やかしにきたならあっちに行ってちょうだい。ミス・ツェルプストー」 「あら、私は授業が自習になったお礼を言いにきただけよ」 「お礼なんて結構よ!」 火花を散らすルイズとツェルプストー。 ツェルプストーはふとフリオニールの方へ視線を変え、 「あなたがミス・ヴァリエールの使い魔君ね」 「はじめまして。フリオニールです!」 掃除をしていた手を休め挨拶するフリオニール。 (きれいなひとだなぁ) 豊満なバストにすらっとした長身。ほのかな甘い香りを漂わす美人を前にフリオニールは 思わず鼻の下を伸ばした。 「フリオニールね。私のことはキュルケと呼んでいただいて結構よ」 「ありがとう」 「ところであなた。さっき倒れていたミス・シェヴルーズを介抱したとき、かざしていた 手が光っていたようだけど?」 「ああ、あれ。魔法はあまり得意じゃないんだけど」 「あなたメイジなの?」 「いいえ、ロッテっす」 「???シャルロッテ?」 ナイスバディのキュルケを前にして舞い上がるフリオニール。そのやり取りをジト目で 見ていたルイズは堪忍袋の緒が切れたのかキュルケに突っかかり始めた。 「人の使い魔にちょっかい出さないでいただけるかしら」 「ちょっかいとは心外だわ。あなたの使い魔、ひょっとするとすごい能力の持ち主かも しれなくてよ?」 「使い魔のことは主人であるわたしが一番知っているのでお気遣いなく」 「その言葉、確かに聞いたわよ・・・まぁ、好青年みたいだし害はないと思うけど」 キュルケはフリオニールに向けてウインクし 「私にはもっと気軽に話していただいてよくてよ?何ならそんな人使いの荒い主人を 捨てて私のところに来てもいいんだから」 と言い残すと悠然と去っていった。 前ページ次ページゼロのチェリーな使い魔
https://w.atwiki.jp/gods/pages/34934.html
バシリスク バジリスクの別名。
https://w.atwiki.jp/occultfantasy/pages/1129.html
モンスター バシリスク バジリスクかコカトリスの関係。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8208.html
前ページ次ページゼロのチェリーな使い魔 昼食時も半ばを過ぎようかという頃 キュルケと楽しそうに会話した罰としてフリオニールはルイズから昼食抜きを命じられた。 どうやら「ご主人様」はキュルケとあまり仲が良くないようだ。 (会話しただけでメシ抜きって!そんなんだからクラスメイトに嫌われるんだろ!) 憤慨するフリオニールであったが、ようやく掃除を終えるとルイズを迎えに渋々食堂へ向かった。 食堂に到着しルイズがいないか辺りを見回すと、談笑している生徒のポケットから 小瓶が落ちるのをフリオニールは目撃した。 当人は気付いていないようなので、小瓶の落ちているところへ行き屈んで拾い上げると 持ち主に差し出した。 「落ちてたよ」 「ん?何だいそれは?僕のじゃないよ」 ウェーブのかかった金髪の男子生徒は素っ気ない返事をした。薔薇の造花をシャツの 胸ポケットに挿したいかにもキザな風体だ。 二人のやり取りを見ていた薔薇男の仲間達が会話を始める。 「ん?それはモンモランシーの作っている香水じゃないか?」 「この特徴的な色合いは間違いないな。彼女のだ」 「ということはギーシュ、君は今モンモランシーと付き合っているのかい?」 「い、いや違うんだ。それは…」 ギーシュが何かを言いかけようとしたとき、近くの席に座っていた茶色のマントを 羽織った少女が突然立ち上がりギーシュの元へやってきた。 「ケ、ケティ、これには深いわけが…」 弁明しようと慌てふためくギーシュ。一方、ケティと呼ばれた少女は涙を流すと ギーシュの頬を思いっきり引っ叩いた。 「はぅ」 頬をおさえて涙目になるギーシュ。すると、そこへカールを巻いた金髪の少女が 肩を怒らせギーシュに近づく。 「モ、モンモランシー!」 モンモランシーはギーシュに罵詈雑言を浴びせると、テーブルの上のワイン瓶を掴み取り 中身をギーシュの頭上にぶちまけた。 そして、とどめに絶縁を告げたかと思うと足早に去っていった。 呆気にとられる一同。フリオニールは湧き上がる笑いを堪えて小瓶をテーブルに置くと、 「災難だったね。まぁ、なんとかなるさ!」 ギーシュの肩をポンと叩き、きびすを返して立ち去ろうとした。 「待ちたまえ!」 ギーシュはこめかみに青筋を立てながらフリオニールを呼び止めた。 「君の不注意で二人のレディのハートが傷ついた」 「えっ?俺のせい?」 「そうだ」 「(プッ!ひょっとして八つ当たり?)え~っと、俺は小瓶を拾って」 「その後何をした?」 「二股かけてた色男に返しましたよっと」 フリオニールの発言に周囲からは失笑が漏れる。 激しい怒りに肩をワナワナと震わせるギーシュ。 「!君は確かミス・ヴァリエールの使い魔…平民が貴族を侮辱するとどうなるか もちろんわかっているな?」 「俺はありのままに起こったことを話しただけだけど?」 「黙れ!ミス・ヴァリエールは使い魔のしつけもなっていないようだね。わかった。 僕が貴族に対する礼儀というものを叩き込んであげよう」 「えっ!?女の子にモテる方法教えてくれるの?」 フリオニールの勘違いにギーシュの仲間達は冷笑を浮かべる。一方、フリオニールは どこ吹く風の涼しげな表情だ。 「ふざけるな!…土下座したまえ」 「土下座するのはあんたの方だろ」 「平民に土下座する貴族がどこにいるんだい」 「いや、俺にじゃなくて彼女たちにさ」 「君には関係ない!さぁ、早くどげ」 「だが断る」 「断るだと?…君はこの僕をとことん侮辱する気だな。わかった。その生意気な 口が利けないよう懲らしめてやる。決闘だ!」 ギーシュの宣言にざわめく周りの生徒達。すると、フリオニールはためらいがちに 「二股が仲間の前でばれて恥ずかしいのはわかるけど、人に八つ当たりした上に決闘だなんて…」 「ふん!怖気づいたのか?」 「いや、その上負けたらもっと恥ずかしいと思うよ?」 「な、なんだと?…平民がメイジに勝てると思っているのか?」 「やってみないとわからないんじゃないかな?」 「!!!まぁ、いいだろう。せいぜいほざいているんだな。20分後に『ヴェストリの広場』に来い!逃げるなよ!」 ギーシュは捨て台詞を吐くと憤然と去って言った。 入れ替わるように席を外していたルイズ(恐らくトイレか?)が食堂へ戻ってくると、 フリオニールを見つけてやってきた。 「掃除はちゃんと終わった?」 「ばっちりです」 すると、ギーシュの仲間達が 「君の使い魔、ギーシュと決闘だって」 「せっかく召還したのに使い物にならなくなるなんて残念だね、ミス・ヴァリエール」 同情するそぶりを見せてルイズに説明した。 「ちょっとあんた!ギーシュに何やったの?」 「落し物を渡しただけですけど?」 「それで決闘になるわけないじゃない!」 「二股がばれたのを俺のせいにされました」 ルイズは事情を把握すると、 「…まぁ、いいわ。とりあえずギーシュに謝りに行きましょう」 「は?なんで俺が謝らなきゃいけないんですか!」 「あんたは平民でしょ!メイジに勝てるわけないじゃない」 「そんなのやってみなけりゃわからないでしょ!それに悪いことをしたのはあいつだ。 …二股なんてちょっと羨ましいけどさ」 「これはご主人様の命令よ!さ、謝りに行きましょう」 フリオニールの腕をつかんで歩き出そうとするルイズ。すると、フリオニールはその手を 振りほどき、 「戦う前に負けること考えるバカいるかよ」 「ご、ご主人様に向かってバ、バカとはなによ!このバカ犬!」 「とにかく、俺は行きますから」 ひとり歩き出すフリオニール。 「…もう!どうなっても知らないんだから!」 不安な表情でフリオニールの後ろ姿を見つめるルイズであった。 それから少し時が経ち すれ違う人から『ヴェストリの広場』を聞き出し何とか到着したフリオニール。 広場には既に大勢のギャラリーが集まっていた。 フリオニールはギーシュの姿を見つけると、ゆったりとした歩調で進み対峙した。 「のこのこやってくるとはね。まぁ、逃げなかっただけ良しとするか」 「お前相手に『逃げる』コマンドはないさ」 「僕はメイジだ。魔法を使わせてもらうが異存はないね?」 「いいよ?俺も使うから」 「くっ!この…君とはこれ以上話しても無駄のようだ。さぁ、お仕置きの時間だ」 ギーシュは不敵な笑みを浮かべると、胸に挿した造花の花びらを一枚抜き取り宙に投げた。 そして、ルーンを詠唱すると花びらは見る見るうちに一体のゴーレムに変化した。 (この世界の魔法は人形を作れるのか。昨日も空飛んでたし。すごいなぁ) 「行け!僕のワルキューレ!」 ギーシュの号令と共にワルキューレはフリオニールの元に突進してきた。 拳を振り上げ殴りかかるワルキューレ。フリオニールはギリギリのところでそれを 避けると、己の両拳をワルキューレの全身に叩き込んだ。 すると、ぴしぴしと音を立てたかと思うとワルキューレの肢体はバラバラになった。 「な、なんだってーっ!」 騒然とするギャラリー。 (何なんだ、あの人形。金属性か?硬いぞ!) ヨーゼフに影響されて素手の熟練度を上げた時期もあるフリオニール。しかし、途中で やめてしまった為に素手熟練度は4になったところで止まっていた。 両手で叩いたから砕くことができたものの、片手では正直厳しいだろうとフリオニールは感じていた。 「そんなバカな!素手で僕のワルキューレを砕くなんて…なるほど。君の妙な自信は そういうことだったのか。では、この『青銅』のギーシュ、遠慮なくやらせてもらうよ」 ギーシュは凛とした表情を作ると、残りの造花の花びらを全て抜き取り6体のワルキューレを作った。 今度は見事な槍も装備していた。 前ページ次ページゼロのチェリーな使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8210.html
前ページ次ページゼロのチェリーな使い魔 「ギーシュが本気を出したぞ!」 熱狂するギャラリー。 ワルキューレが槍を装備しているのを目の当たりにしたフリオニールは 「武器を使うのか!?」 「これは決闘だよ?まぁ、生きるか死ぬかは君次第だがね」 勝敗は決したといわんばかりにギーシュは言い放つ。 「人間同士が殺しあっていいものか!お前といい皇帝といい人の命を何だと思っているんだ!」 「平民風情が貴族であるこの僕に説教かい?相変わらず無駄口の多い男だよ君は」 「人の命を粗末に扱う奴は許さない。絶対にだ!」 フリオニールは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の・・・とフリオニールは歯を食いしばり 両方の拳を力強く握り締めた。その時、左手に浮かぶ紋章が微かに光を帯びたがフリオニールは気付かない。 すると、息を切らせて走ってきたルイズが2人の間に割って入った。 「ギーシュ!バカな真似は止めて!決闘は禁止されているはずよ!」 「それは貴族同士の決闘だろう?ミス・ヴァリエール。これは貴族と平民の決闘だ。それに・・・」 ギーシュはフリオニールが破壊したワルキューレを指差し、 「君の使い魔はものすごい馬鹿力のようだ。災いの芽は摘んでおいた方が良い。 メイジ殺しになられても厄介だからね」 冷たく言い放った。 地面に転がるワルキューレの残骸を見て驚愕するルイズ。 「これ・・・あんたがやったの?」 「ええ。硬かったけど」 「あんたが強いのはわかったわ。けど、相手はゴーレム6体よ。いくらなんでも無茶だわ」 「あいつは人の命を軽んじている。俺はそれを正したい。どいて下さい「ご主人様」」 フリオニールは厳しい表情を変えることなく言うとルイズに下がるよう促した。 「いい?やばくなったら逃げるのよ。後はわたしが何とかするから」 何だかんだで自分のことを気にかけてくれているんだな、と嬉しい気持ちになる フリオニールであったが、ルイズが引き下がるのを合図に決闘は再開した。 6体のワルキューレは二手に分かれてフリオニールを囲い込み槍を構えた。すると、フリオニールは 一呼吸置いて『ブリンク』の魔法を唱えた。すると、分身が作り出されフリオニールは 計3人となった。(成功した!よかったぁ、と心で安堵するフリオニール。熟練度は2前半)。 「なに!『偏在』だと!」 「奴は『風のスクウェア』なのか!?」 「いや待て!あいつは杖を持っていない!」 「『先住魔法』か!?」 フリオニールの『ブリンク』を目の当たりにしたギャラリーは騒然となった。 『ブリンク』に一瞬戸惑ったギーシュであったが、気を取り直してワルキューレに号令を かけるとワルキューレ達は一斉に槍を突き出した。その内4本の槍は2人のフリオニールを 捕らえたがそのまま透過した。 残りの2本。フリオニール本体は1本を避けたが最後の1本を避けきれず左腕を切りつけられた。 フリオニールは痛みに顔をしかめたが、猛スピードで自身を傷つけたワルキューレに 接近すると拳の連打で砕いた。 すると、残りのワルキューレ5体は素早く槍を構え直して本体のフリオニールを狙う。 だが、同時にフリオニールの分身2体も本体に近づき高速でシャッフルを始めた後 ファイティングポーズをとる。 5対3の攻防。今度は幸いにも本体を狙った槍は1本のみだった為、フリオニールは 難なく突きを避けてワルキューレに拳を見舞った。 4対3。徐々に差を詰められるギーシュ。 フリオニール達(?)を眺め「ゴクッ」と生唾を飲むギーシュ。 (まさかここまでとは!落ち着け、落ち着くんだ) 辛うじて平静を保ち、深呼吸をしてフリオニールをじっくり観察すると、 (!!!よく見ると2体だけ若干色合いが薄いぞ!) 「見破った!」 ギーシュは興奮して叫び、すぐさまワルキューレに号令をかけフリオニール達を取り囲む。 そして、突き出された4本の槍は1人のフリオニールに狙いを定めていた。 (しまった!) それでもフリオニールは諦めることなく瞬時にリッパーナイフ(ゴートスのおたから) を抜刀し、 1回転することによって全ての槍をなぎ払うことを試みた。 すると、フリオニールの左手の紋章がまばゆい光を放ちナイフを持つ右手に力がみなぎると、 渾身の太刀で前方、右方、後方の槍の柄を切り落とすことに成功した。 しかし、左方の槍には間に合わずフリオニールの右腕を突き刺した。鮮血がだらだらと 流れ落ちフリオニールの顔は苦痛に歪むが、熟練度1でここまで出来たのは上出来だと思った。 命を繋いだのだから。 「小賢しい真似を!」 あと一歩のところでチャンスを逸してしまったギーシュは地団駄を踏んだ。 「危なかったぜ。俺の『ブリンク』を見破るなんてやるじゃないか(本当は熟練度が低いだけなんだけど)」 フリオニールは激痛をやせ我慢してドヤ顔を作ると、リッパーナイフを左手に持ち替え 右腕に刺さった槍を切断した。 「ふん!それでは自慢のパンチを出せまい」 槍を失ったとはいえワルキューレは4体ある。分身の判別方法も判っている。左右の腕を 傷つけることもできた。まだ流れはこっちにあるとギーシュは分析する。 「そうか、そんなに素手がいいのか」 フリオニールはリッパーナイフを上空へ投げ右手でキャッチして左腰につけている 鞘に納めると、左手で刺さった槍頭を引き抜いた。出血が一段と酷くなる。 「もう充分でしょ!やめなさい!」 フリオニールの出血を悲痛な面持ちで見つめ叫ぶルイズであったが、お構いなしに最終ラウンドは始まった。 柄のみとなった槍を棒代わりにしてフリオニールの全身を叩きつける4体のワルキューレ。 フリオニールは頭部をガードしながら打撃に耐え、隙を見つけては1体また1体と両腕の 痛みに耐えてよく頑張っ(ryワルキューレを砕いていった。 そして、残るはギーシュのみ。 フリオニールは打撃のダメージなのか貧血の為なのか、ふらふらとした歩調でゆっくりと ギーシュに接近する。 「やばい!ギーシュが殺られる!」 ギャラリーは一斉にフリオニールに杖を向ける。 「待って!」 それを静止したのはギャラリーに紛れていたキュルケであった。 「ギーシュがどうなってもいいのか!」 混乱するギャラリー。 「彼は大丈夫よ。でなきゃミス・シェヴルーズを助けたりなんてしない!」 キュルケは確信を込めて叫んだ。 (燃えたよ・・・まっ白に・・・燃えつきた・・・まっ白な灰に・・・) 自慢のワルキューレを全て素手の平民に破壊され(ナイフも使っていたが)自信を失った ギーシュは膝をつくとorzの格好になった。 すると、フリオニールは 「むやみに人を殺めようとしないと誓え!」 「くっ!・・・」 ぎゅっ、と唇をかみ締め顔を上げるギーシュ。目の前のフリオニールはボロボロだ。 自身が殴り合っても今なら勝てるのではないかという思いが一瞬頭をよぎったが、 ワルキューレの残骸が視界に入るとその着想をすぐに捨てた。 「このギーシュ・ド・グラモン、武人の誉れ高いグラモン家の男だ!祖国の為なら 命は惜しくないし蹂躙する者あれば容赦なく切る!」 「よくぞ言った!って言いたいけど、これは祖国の為じゃないよね」 「・・・わかったよ、僕の負けだ。君にも彼女達にも謝るよ」 「俺も茶化したりして悪かった」 そして、フリオニールはギーシュに手を差し出した。ギーシュは戸惑ったがその手をとり 握手を交わすとゆっくりと立ち上がった。 その光景を見て呆気にとられるギャラリー。 「な、なんだ?終わったみたいだぞ?」 「結局どっちの勝ちなのよ?」 「平民の方だろ」 「いや、奴はボロボロでギーシュは無傷だ」 「でもギーシュのあの様子じゃ・・・」 困惑するギャラリーを傍目にルイズは急いでフリオニールに駆け寄る。 「もうバカバカバカ!このバカ犬!」 「いいじゃないか!タダ、じゃなかった済んだことだし」 フリオニールはルイズに微笑を浮かべると『ケアル』の魔法を自身に唱えた。 全身が淡い光に包まれフリオニールの傷を次々に塞いでいく。 しかし、突かれた右腕の傷だけは流血を多少抑えることができただけで塞ぐことが出来なかった。 全身には痛覚もまだ残っている。 「あ、あんた、いいいい今何したの?」 「これですか?後で説明しますよ。って「ご主人様」俺の話ぜんぜん聞いてくれないじゃないですか」 「う、うるさいうるさい!後でたっぷりお仕置きだわ」 「勘弁して下さいよ。そうだ、俺かなり出血してるから栄養取らせて下さい。栄養」 「誰がご褒美なんてやるもんですか!」 丁々発止のやり取りをしながら『ヴェストリの広場』を後にする主人と使い魔。 その後ろ姿を見てギャラリーは勝者がフリオニールであることを悟った。 (ああ、タフな上に『先住魔法』(?)まで駆使する使い魔なんて、ちょっと羨ましい) 相手が悪かったなぁ、とぼやくギーシュであった。 前ページ次ページゼロのチェリーな使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8274.html
前ページゼロのチェリーな使い魔 フリオニール達が「スカボロー」の港でルイズとワルドを待ち伏せしていた頃 ルイズとワルドの乗った船がフリオニールの想像通り空賊の軍艦に拿捕されていた。 捕まえた船にトリステインの貴族が二名同乗していたので、賊はとりあえず軍艦の船蔵に 軟禁し、賊の一人がアルビオン行きの目的を問いただすときびすを返して蔵から出て行った。 空賊なんぞに屈服してたまるものか、と毅然とした態度を崩さないルイズにワルドが 「いいぞ、ルイズ。さすがは僕の花嫁だ」 すっと近づき肩を抱いて励ます。ポイントを稼ごうと躍起になっているようだ。 しばらくすると先程の賊が二人の元へやってきて 「お頭がお呼びだ」 船長室へと案内した。 狭い廊下を通り細い階段を上るとある一室の中へ入るよう促された。二人はドアを開けて 中を見渡すと豪華なディナーテーブルがあり、上座に派手な服を着飾り水晶の付いた杖を 握った男が鎮座しているのを確認した。恐らく元メイジの船長だろう。 「さぁ、名前を言え」 「大使としての扱いを要求するわ」 ルイズは恐怖に震えながらも空賊のお頭に一歩も引くことはなかった。 押し問答の末、このお頭こそがアルビオン王国の皇太子ウェールズ・テューダーその人で あることが判明した。 ウェールズは賊に扮した変装を解き、拿捕は敵の補給路を絶つ為であることを弁明すると 「アルビオン王国へようこそ大使殿。君達を試すような真似をしてすまかった。外国に 我々の味方がいるなど夢にも思わなかったのだよ」 歓迎の挨拶と無礼の謝罪をした。 ルイズとワルドは居住まいを正し自己紹介を済ますと、 「アンリエッタ姫殿下より密書を言付かって参りました」 ルイズは胸のポケットからアンリエッタの手紙を取り出した。 恭しくウェールズに近づき手紙を渡そうとしたルイズだったが 「あの・・・失礼ですが、本当に皇太子様ですか?」 躊躇いがちに伺った。するとウェールズはクスクスと笑い出し 「さっきまでの変装を見ていれば無理もない。僕はウェールズさ。何なら証拠をお見せしよう」 ルイズの指にはめられた指輪を見つめて言った。 この指輪はアンリエッタがルイズに手紙を託す際に困った時の旅の資金にでも、とプレゼントした ものでルイズはこれから一体何が起こるのか好奇心に駆られた。 ウェールズは自身の薬指に光る指輪を外すとルイズの手をとりアンリエッタの指輪に 近づけた。二つの宝石は共鳴し合い虹色の光を放った。 「僕の指輪はアルビオン王家に伝わる『風のルビー』だ。君が嵌めているのはアンリエッタの 『水のルビー』。そうだね?」 ルイズはコクリと頷く。ウェールズは微笑を浮かべ 「水と風は虹を作る。王家の間にかかる虹さ」 大使を労った。ルイズは改めて謝罪の言辞を述べ手紙をウェールズに手渡す。 ウェールズは大事そうに手紙を受け取り花押に接吻すると封を開け便箋を取り出した。 真剣な表情で手紙を読み耽るウェールズ。途中驚いたように目を見開いた瞬間があったが 最後の一行まで読み終えるとルイズとワルドを笑顔で見つめ 「了解した。しかし、姫より返して欲しいと頼まれた物は今手元にはない。ニューカッスルの 城にあるのだ。僕の宝物だからね。多少面倒だがお二人にはご足労願いたい」 ニューカッスルまで同行するように促した。 ローブをまとった怪しい男と対面するフリオニール達。 「いいんじゃない?そのかわりガゼネタ掴ませたら承知しないわよ!」 キュルケは他に当てがあるわけではないので、ラ・ロシュールから出港した船に男女一組の 貴族が乗っていて昼頃にはこのスカボローに到着しているはずである旨をローブの男に 伝えると金貨10枚を支払った。 持ち逃げされたら困るから、という理由でフリオニールがローブの男に付き添うことになり 約束が違うとゴネるローブの男の袖を引っ張ってレストランから出て行った。 フリオニールはローブの男と共に波止場をはじめ裏通りのカジノなど人が集まる場所へ 出向いて聞き込み調査をしたが目ぼしい情報を得られなかった。 どういうことだ!と怒るフリオニールにローブの男はおずおずと 「お客さん、何かの勘違いではありませんかね」 「そんなことはない!ラ・ロシェールの発着場には船はなかったんだ!」 「でしたら賊に捕まったとしか・・・」 「やっぱりそうか!?くそっ!」 「・・・お客さん、これは噂なんですがね・・・」 ローブの男は顔を近づけると小さな声で 「王党派が空賊に化けて反乱軍の物資を横取りしているそうな」 「本当か!?」 「まぁ、あくまでも噂ですし実際に目撃したものはいませんがね」 「王党派はどこにいるんだ?」 「はぁ、ニューカッスル城に篭って最後の抵抗をしてますが」 フリオニールは「ご主人様」からアルビオン行き同行を言いつけられたが何の用事で出向いて いるのかまでは判らない。 王党派が味方であるにせよ敵であるにせよニューカッスルへ行けば手がかりが得られる かもしれない、と顎に手を当てて思考を巡らせていたが意を決して 「ニューカッスルまで案内してくれ!」 「しかし、あそこは今激戦区ですよ?」 「かまわん!」 「じゃあ、保険金としてあと金貨40枚を」 ローブの男は右手を差し出し甲高い笑い声を発するのであった。 フリオニールはローブの男を伴って波止場のレストランへ戻り今後の対応を協議する。 行き違いになっては困るのでキュルケを留守番役とし、とりあえず様子見という形で フリオニール、タバサ、ローブの男の3人が出向くことになった。 留守番に文句を言うキュルケを懸命に宥めている間にシルフィードが夕日を背にやってきた。 立派な風竜を目の当たりにしローブの男はゴクッと唾を飲むと 「いやぁ、立派なドラゴンですな。これなら明日未明にはニューカッスルに着くでしょう」 お世辞を言いつつ保険金の催促をした。 やってられない、とばかりにキュルケは憤然と財布から金貨10枚を抜き出すとローブの男に 乱暴な手つきで渡した。 ローブの男は提示した金額より低い額を渡されたので文句を言おうとしたが、このような ドラゴンを飼い慣らしている連中はきっと只者ではないと考え直しひひひっ、と薄気味悪い 声を出して金貨を受け取った。 その日の夜 ルイズはニューカッスル城に無事到着しウェールズからある物を受け取ったことにより この度のミッションの折り返し地点まで来た筈なのだが何故か物憂げな表情だった。 無理もなかった。アンリエッタより受けた密命は以前、アンリエッタがウェールズに送った ラブレターを取り戻すことだったのだ。しかも内容は始祖ブリミルに誓った愛の告白が 刻まれている。始祖に誓う愛は婚姻の際の誓いである。アンリエッタがこれから嫁ごうと するゲルマニアの皇室にその手紙が伝われば重婚の誹りを受けて婚約解消となってしまう。 そうなればゲルマニアとの同盟関係も破談しレコン・キスタへ小国トリステイン1国で 立ち向かわねばならなくなるだろう。 アンリエッタは王女としての責務を果たそうとしウェールズはそれを認め自ら身を引こう としている。 深い絆で結ばれているのに引き裂かれる数奇な運命。アルビオン王家を窮地に追いやった レコン・キスタと呼ばれる反乱軍に対する怒りがルイズの心にふつふつと湧いた。 しばらくして怒りが治まると自身の使い魔がハルケギニアへ来る前にそのような組織に 属していたことをふと思い出した。 (あいつ、何やってるのかしら!?) ラ・ロシェールではぐれて以来顔を見せないフリオニールに対し不安と苛立ちを募らせる ルイズの元へワルドがやってきた。 「さぁ、ルイズ。これからパーティだ」 「ええ」 ルイズは一言返事をするとワルドと共に大使を歓迎するパーティ会場へ足を運んだ。 宴も終わり宮廷内が静けさを取り戻した頃 ニューカッスル城近郊まで到着したフリオニール達はシルフィードでこれ以上進むと捕らえられて 尋問を受けることになるだろうと考え徒歩で森の中を抜けることにした。 しばらく歩き兵隊に見つかることなく辛くも城外までたどり着いたが、城は軍艦や大勢の 兵士に取り囲まれていて落城一歩手前の様相だ。 森の木陰に隠れながら本当にここにルイズがいるのだろうか?と半信半疑になるフリオニールに ローブの男が 「着きましたぜ。さぁ、宝物庫目指して頑張りましょうや」 揉み手をして言った。この男の目的が火事場泥棒であることを理解したフリオニールと タバサはジト目でローブの男を見る。 男はひひひっ、とバツの悪そうな笑いを発すると 「何なら私がこっそりと中の様子を偵察してきましょうか?」 城へ忍び込むと言い出した。どうする?とタバサにアイコンタクトをとるフリオニール。 「え~と、桃色の髪の小柄な少女と羽帽子をかぶった口ひげの大男ですね」 ローブの男は再確認するようにぶつぶつ呟くと例によって右手を差し出した。 しかたがない、とフリオニールは背中のデルフリンガーを外して男に差し出す。 「これ、新金貨20枚で買ったんだ。本当はもっと値が張るらしい」 「あ、相棒!この俺っちを身売りするなんてひでぇじゃねぇか!」 「我慢してくれデルフ!あとでルイズさんに頼んで買い戻すから!」 「こんな怪しい奴に渡して大丈夫かよ・・・」 ローブの男は口元をニヤつかせてデルフリンガーを受け取ると 「私の記憶が確かならば通用口は向こうですな。では行ってきまっせ。もしお目当ての 人がいれば「外でお友達が待っている」と伝言しときますよ」 闇夜に消えるように静かに城壁に近づいて行った。 前ページゼロのチェリーな使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8268.html
前ページ次ページゼロのチェリーな使い魔 ルイズがフリオニールとワルドの決闘を知ったのは朝起きて朝食をとりに食堂へ行った時だった。 フリオニール、キュルケ、タバサの三人が同じテーブルを囲い食後のティータイムをしている。 この宿は宿泊客以外にもモーニングサービスをしているのだな、と考えるのも束の間、 「ち、ちょっとあんた達!ここで何しているのよ!」 眠気が一気に飛ぶほど驚いた。 「おはよう、ミス・ヴァリエール。あなたが使い魔を置いて行ってしまったから私達が 送って差し上げたのよ」 キュルケはルイズの薄情さを非難するように冷たく言い放つ。フリオニールも同調するように 「置いて行くなんてひどいですよ、ルイズさん!」 「悪かったわよ!わたしだって散々スピード落とすようにお願いしたんだけど・・・」 ルイズに抗議するが予想に反して謝罪の言葉が出てきてしゅんとした態度をとっているので それ以上追求しなかった。反省しているとは意外だな、と思いつつフリオニールは続けて ワルドとの決闘のことをかいつまんで報告した。 「あ、あんた・・・ご主人様の相談なしに何て勝手なことを・・・ギーシュの時といい なんでそんなに血の気が多いわけ!?」 案の定、ルイズからお叱りを受けるフリオニール。 無事にラ・ロシェールに着いていたと思えばワルドのような手練と危険な勝負事をしていたとは! 無茶をする使い魔に呆れ果てるルイズにフリオニールは恐る恐る去就を伺った。 「俺負けちゃったんで使い魔クビになるんでしょうか・・・」 「クビになんてするわけないでしょ!」 「俺がいたら足を引っ張るってワルドさんが・・・」 「それを言うならわたしが一番足手まといだわ」 何故、ワルドはフリオニールを除け者にしようとするのだろうか。フリオニールが異世界の 人間であることをワルドにも説明した方が良いのだろうか。 逡巡するルイズに鞘から少しはみ出ていたデルフリンガーが話しかける。 「ようよう貴族の娘っ子よ。相棒は『ガンダールヴ』なんだろ?連れてってやれや」 「へっ?そうなの!?」 「なんでぇ、知らねぇのかよ!」 「そういえば昨日ワルド様、大事な話があるって言ってたわ。疲れてたから明日に 延ばしてもらったんだけど・・・」 もしや大事な話とはそのことなのか?とルイズが考えていると噂をすれば影でワルドがやってきた。 ワルドはフリオニール達がいることを確認するとうんざりした顔をつくり 「君達、まだいたのかね」 ため息を吐いて毒づいた。しれっとした顔でその言葉を聞き流すフリオニール達を傍目に ルイズはワルドの姿を見るや否や『ガンダールヴ』の件を聞き始めた。 「ねぇ、ワルド様。わたしの使い魔が『ガンダールヴ』だって本当?」 「ああ、間違いないだろう。と言っても伝説は誇張されたもののようだったがね」 「信じられないわ」 「ルイズ。君はメイジとして底知れぬ才能を秘めているのかもしれない」 「嘘だわ。わたしは魔法を使えないし・・・」 「爆発を起こせるじゃないか。通常、魔法に失敗すれば精神力を消耗するだけで何も 起こらない。これひとつとっても君が只者じゃないってわかるものだ。きっと君は 始祖ブリミルのような偉大なメイジになるだろう」 「話が大きくなりすぎだわ・・・」 落ちこぼれである自身をここまで高く評価してくれることに戸惑いを隠せないルイズ。 いくら婚約者だからといって身内贔屓(?)にも程があるのではないか。 キュルケとタバサはフリオニールが本当に『ガンダールヴ』なのか疑問を感じていた。 彼の実力は異世界で戦闘の鍛錬を重ねてきた賜物であり伝説とは無関係なのではないか? しかも、仮に彼が『ガンダールヴ』だとしたら自然とルイズも『虚無』の担い手となる。 魔法の実践はからっきしダメでコモン・マジックさえ使えないこのクラスメイトにそのような 評価を下すのは早計なのではないかと思ってしまうのだった。 一方、フリオニールはハルケギニアの伝説はどうでもよいとばかりに 「で、結局俺はアルビオンまで行けばいいんですか?」 「当然でしょ。しっかり護衛しなさい」 自身の身の振り方が気になって仕方なかったが、ルイズは素っ気無い口調で同行を命じた。 ワルドはルイズの決定に不満な様子で 「僕だけでは不安かい?ルイズ」 「そうじゃないわ。けど、こいつは傷を治したり意識不明を回復させたりもできるの。 ワルド様が思っているほど役立たずじゃないわよ」 「そうか・・・わかった。しかし、ひとつ提案がある。フリオ君はいざという時の治療役 として専念して欲しい。フリオ君の身も僕が守るから剣と盾はここへ置いて行きたまえ」 フリオニール同行を反対したが覆りそうもないので妥協案を出してきた。 ルイズはフリオニールの素手の強さを知っているのでワルドの案を受け入れようとするが 留守番を言いつけられたデルフリンガーだけが猛反対で騒ぐ。 「おいおい。この俺様を置いて行くなんてバカげてるぜ!」 「うるさいのがいなくなってむしろ好都合ね」 「何言ってやがる!相棒に自分の身を自分で守れねぇ状態で戦地へ行けってぇのかよ。 ヒゲの兄ちゃんの言うことなんざ聞くこたぁねぇぞ!」 「・・・仕方がないわね。フリオニール、盾だけ置いていきなさい」 ルイズはやかましいインテリジェンスソードを早く大人しくさせたいのでワルド案の半分を 受け入れる形をとった。フリオニールはほっ、と胸を撫で下ろし 「よかったな、デルフ」 「当たりめぇよ!剣があるのに持たねぇで戦地に行くバカがどこにいるってんだ!」 相棒に祝福の言葉をかける。デルフリンガーはプロジェクトリーダーから晴れて同行の 命を受け一気にご機嫌になりワルドに悪態をついた。 一方、ワルドは軽く舌打ちし 「フリオ君。こうなった以上、君の身に何が起ころうと僕は手を貸さないのでそのつもり でいるように。僕はあくまでもルイズの護衛役なのだから」 肝っ玉の小さいことを言い捨てると小うるさいデルフリンガーを無視するようにそそくさと 食堂を出て行った。 話し合いが終わりひとまず安堵するルイズは残ったキュルケとタバサを交互に見やり 「ところで、ふたりは何でここにいるの?授業は?」 不思議そうに質問した。タバサは先程からずっと読書をしているのでキュルケが代わりに 「アルビオンへ観光旅行よ。良いタイミングだから私達もルイズについて行こうかしら」 ルイズに返答した。パーティに加わる気満々だ。 「ダ、ダメよ!これは極秘の任務なんだから!」 「あら?あなたの使い魔が盗賊団に襲われているところを私達が助けてあげたのよ。 ねっ、ダーリン」 「そうなんだ。キュルケとタバサには感謝しているよ」 「そんなことがあったの・・・悪かったわね、キュルケ、タバサ」 「味方は多い方が良いに決まっているものよ。あのワルド?さんはあんたと二人きりが いいみたいだけど」 「か、勘違いしないでよね。婚約者といっても親同士が勝手に決めたことで・・・」 「あの人のこと嫌いなの?なら私がいただいちゃおうかしら」 「ツェルプストー!あなたって人は・・・」 「冗談よ冗談」 「ワルド様のこと、嫌いじゃないわ。だけど、まだ結婚とか全然考えてないし・・・」 「結婚は勢いも大事って言うわよ。それに高齢になってから結婚して出産するとなると 母体にかかるリスクはとても大きいんだから」 「まるでおせっかい焼きの親戚のおばさんみたいな言い様ね」 「うふふ。ダーリンを巡る恋のライバルが減ってよかっただけよ」 「こいつは只の使い魔!」 ラ・ロシェールの宿屋で賑やかな日常の光景に包まれるルイズ達であった。 その日の夜 ルイズ達は船出の前夜祭を『女神の杵』の食堂でワインを嗜みながら過ごしていた。 フリオニールはいける口ではないのだがキュルケに勧められるがままにグラスを空けていた。 食べ物も胃に入れなきゃ酔いが酷くなるな、と先程から同じサラダばかり注文し食している タバサを見て余程おいしいのだろうと思い同じものを注文した。 フリオニールは期待に胸を膨らませサラダを一口食べる。 「あう・・・俺、食べた、こんな苦いの、初めて」 想像を絶する苦さに思わず盟友ガイの口調になってしまうフリオニール。 タバサは黙々とサラダを食べながら 「はしばみ草」 と苦悶するフリオニールに一言だけ説明した。 口直しにワインをがぶ飲みする。はしばみ草の苦味と酔いのダブルパンチを喰らい気分の 悪くなったフリオニールは一同に詫びを入れて2階のルイズの部屋へ戻っていった。 フリオニールは部屋に入るなり床にごろ寝する。 掃き出し窓の外から見える月は一つ。普段は二つある月が一つしかない。 (月食?日食?何て呼べばいいんだ?) ぼんやりと夜空を眺めているとドアを開く音が聞こえた。 やってきたのは「ご主人様」だった。心配で様子を見に来たようだがそんなことは 臆面にも出さない。 「ちょっとあんた、羽目外しすぎなのよ!」 「う~、すんません」 「明日は船出なんだから二日酔いになんてならないでよね!」 「酔いはとにかくあのはしばみ草ってやつが・・・」 「何でまたはしばみ草を・・・」 「だってタバサが旨そうに食べてたから」 ルイズは頭を振りフリオニールのうっかりにため息を吐いた。思っていたより体調は 良さそうだとみて話題を代える。 「ねぇ、あんたはワルド様のことどう思ってる?」 「えっ?どうって・・・」 「やけにあんたを除け者にしようとするじゃない?まさか、あんたワルド様の気に障る ような変なことをしたんじゃないでしょうね!?」 「まさか!」 「そう・・・あんたがもし『ガンダールヴ』なら武器を持っているほうが良いに決まっているのに 何で置いていけ、なんて言ったのかしら・・・」 「俺の住む世界の魔法は武器防具を装備している状態で唱えると威力が落ちたり失敗する ことがあるんです。だけどワルドさんがそんなこと知っているとは・・・」 「何なんだろう・・・」 二人は頼もしくはあるが腹の内が読めないワルドの顔を思い浮かべてその本心を探る。 フリオニールは答えが出てこないので諦めて再び窓の外に目を移すと見覚えのある物体が そびえ立っているのを発見した。 前ページ次ページゼロのチェリーな使い魔
https://w.atwiki.jp/megamitenseisj/pages/90.html
Lv HP MP 物理 銃 火炎 氷結 電撃 疾風 破魔 呪殺 万能 睡眠 毒 麻痺 魅了 封 石化 恐怖 消沈 爆弾 狂気 通常攻撃 Lv33 352 158 - - - 弱 反 弱 無 無 - 無 1 1 1 1 無 1 1 無 無 敵単体/1回/物理/追加・無し スキル 攻撃回数 属性 効果 備考 石化の呪い 1回 石化 単体に石化付着 麻痺引っ掻き 1回 物理 単体攻撃+麻痺付着 電撃反射 電撃 電撃属性攻撃を反射 通常と異なり電撃反射なので注意 主人公には「石化解放リング」を装備
https://w.atwiki.jp/basilisq/pages/7.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL