約 228,405 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2646.html
屋上に出てきてからどれくらい経っただろう。 もうすでにかなり経った気がしないでもないが、こういうときは想像以上に時間が長く感じてしまうものだ。 それにしても一体何が起こっているんだ? 俺がもう一人いる!?どういうことだ?どこからか現れたのか? 一番ありえるのは未来から来たということだろう。となると朝比奈さんがらみか? 大きい朝比奈さんか? とにかく少しばかりややこしい事態になっているようだな。 と、そこで屋上のドアが開かれた。 「古泉、……と俺か」 『涼宮ハルヒの交流』 ―第二章― 古泉ともう一人の『俺』が屋上に出てくる。 「おや、あまり驚いていないようですね」 「さっき声が聞こえたからな。そうだろうと思っていた。もちろん最初は慌てたが」 俺は『俺』の方を向き、古泉に尋ねる。 「で、そっちの『俺』は未来から来たのか?」 「な、それはお前の方じゃないのか?」 俺の質問に『俺』が声を荒げる。 「やはりそうですか……」 古泉が呟くように口を開いた。 「古泉、どういうことだ?」 「僕も初めはそう思いました。あなたが二人いるということは、どちらかが未来から来たのだろう。 だとすると、どちらかはあなたがこの時間に二人いるということを当然知っているはず、と。 しかし、あなたとは部室に向かう際に、こちらのあなたとは今ここに来る際に少し話をしましたが、 どちらのあなたにもそのような様子は見られませんでしたから、そういうこともあるかとは思いました。 いちおう確認しますが、あなたも違うのですよね?」 もちろん俺も未来から来た、なんてことはない。 「つまり俺もそっちの『俺』も未来から来たというわけではない、ということか」 「おそらくは。ちなみに今日がいつかはご存知ですか?」 「今日?ご存知も何もG.W明けの憂鬱な月曜日だろ。……まさか、違うのか!?」 「いえ、そのとおりです。ということは未来から無理矢理に連れてこられたということもないようですね」 静観していた『俺』が口を挟む。 「そっちの俺が嘘を吐いている、ということはなさそうか?」 「おそらくそれはないかと。あなたも嘘は苦手でしょう?僕なら簡単に見破れます」 「……なんか複雑だな」 『俺』は苦笑いを浮かべている。 「じゃあどういうことなんだろうな。古泉はどう思うんだ?」 古泉はお手上げといったポーズをとる。 「正直言ってさっぱりです。ひょっとすると涼宮さんの力が関係しているのかも、という程度です」 「どういうことだ?ハルヒの力が働けばわかるんじゃないのか?」 「厳密に言いますと、涼宮さんの力は無視できるレベルにおいては常に働いている、とも言えます。 そうですね、例えて言うなら我々がまばたきをするようなものです。 まばたきの際には無意識に一瞬目をつぶりますが、普通はそれによって何かが起こることはありません。 そのレベルで涼宮さんは無意識的にいつも力を使っていると言える、ということです」 「それはまずいことなのか?」 「いえ、それによって何かに影響が出たことは、我々の知る限り今までは一度もありません」 「なら問題ないんじゃないか?」 「あくまでも『我々が知る限り』『今まで』ということです」 「なるほどな。知らない範囲で起きている可能性は完全に否定はできないということか」 「そういうことです。僕としてはまずありえないと思うのですが……、他には思い付きません」 そういって残念そうに笑う。 「ちなみにそれだとお前はどう思うんだ?」 『俺』が古泉に尋ねる。 「何らかの理由によって、あなたが二人いて欲しい、と涼宮さんが思ったのではないでしょうか」 「さっき俺が役立たずと思いっきり罵られていたからか?」 『俺』はひきつったような笑みを浮かべている。 「二人で一人前ということですか。それはまた面白いですね」 いや、面白くないし、全く笑えん。が、 「ということは俺が一人前になれば全て解決ということだな」 そのとき後ろから突然もう一人声が加わる。 「そうではない」 「「な、長門!?」」 俺と『俺』は声を合わせて振り返る。 「ああ、長門さんには後で屋上に来てもらえるよう頼んでおきました。どうにも僕の手に余りそうだったので。 ところで、違うとはどういうことでしょう?仮定が間違いということでしょうか?」 「そういう意味ではない」 「と、言いますと?」 「それで解決とは言えない」 「どういうことでしょう?……長門さんの考えを聞かせてもらえますか?」 と、手で長門の発言を促す。 「最初に言っておく。これは情報統合思念体によって起こされた現象ではない。情報統合思念体は無関係。 そして、ここにいる二人は異時間同位体ではない。つまり別の人間」 「つまり宇宙人も未来人も関係していないということですか……。なるほど」 「以上のことからこれは涼宮ハルヒによって引き起こされたものと推測できる。ただし断定はできない。 その理由は我々にも涼宮ハルヒの力の発現が確認できなかったから」 つまり消去方でハルヒの力というわけか。 「そう」 古泉は言いづらそうに長門に尋ねる。 「ところで……言い方が非常に難しいのですが。長門さんにはどちらが本来の彼かわかりますか? いえ、本来のというよりも……我々の知る彼、と言うべきでしょうか?」 「それはどっちが本物か、って意味か?」 『俺』がすぐに古泉に確認する。 「……すいません。乱暴な言い方をするとそうなります」 古泉が本当に申し訳なさそうな顔を浮かべたので、俺は慌ててフォローする。 「いや、謝ることはない。俺たちも気になるし。な?」 「ああ」 と、『俺』も頷く。 とは言ってみたものの正直言って気が気じゃない。 まさか、俺が偽者なんてことはないよな。長門が間違えることはないだろうし。頼むぜ、長門。 俺たち二人に交互に視線を合わせた後、 「どちらが本物かという意味においては判断ができない」 「どういうことでしょう?」 「我々が今まで共に過ごしてきた方を本物とする根拠がない」 「なるほど。我々がよく知るからといって、そちらの彼がが本物とは限らない、ということですか」 「そう」 「では、今まで一緒にいた彼がどちらかというのはわかるのでしょうか?」 「わかる。……今まで一年間我々と共に過ごしてきたのはあなた」 長門はそう言い『俺』の方に向き直る。 「――っ、えっ!?」 俺……じゃないのか? じゃあ、俺は? ……偽者? 偽者なのか? ハルヒの力で生まれた、偽者? 「ちょっ、ちょっと待ってくれよ!なんでだよ!」 もう何が何だかわからない。 そんな馬鹿な。 俺は昨日までもSOS団の一人として、みんなと過ごしてきたはずだ。 そして今日もさっきまで教室で授業を受けていた。クラスメイトとも会った。ハルヒとも話をした。 「落ち着いてください!別にあなたが偽者と言っているわけじゃありません」 「言ってるだろ!じゃあ俺はなんなんだよ。この記憶は嘘だっていうのかよ!どうなってんだよ!」 頭に血が上り、思わず古泉に詰め寄る。 「そ、それは……」 そのとき後ろから俺の手がギュッと握られる。 「落ち着いて。……お願い」 「な、……長門」 ハッと我に返る。 長門はじっと俺の目を見つめてくる。悲しいが、優しい目だ。 ……こんな長門の目を見たのは初めてだな。 初めて……か。 「す、すまん。古泉」 「いいえ。僕が変なことを聞いたせいです。本当にすいません」 古泉は本当に申し訳なさそうな様子だ。 別に古泉が悪いわけじゃないんだけどな。 「……いや、俺も知りたいと言ったわけだし。それに、大事なことだろ」 二人して黙り込んでしまったところに『俺』が申し訳なさそうに話を続ける。 「……長門、結局どうなっていてどうすればいいかわかるか?」 無神経なやつだな。と、少し思ったが、このままの空気は正直きつかったので実際には助かった。 まぁ、俺だしな。多少の無神経は仕方がないか。 「わからない。可能性としては古泉一樹の言ったこともあり得る」 「ならとりあえず何らかの方法でハルヒを満足させてやれば問題はないんじゃないか?」 「問題はある」 「なんでだ?この事態をおさめるにはそれしかないと思うんだが」 「違いますよ。……この事態をおさめることに少しばかり問題があるのです」 古泉が慌てて口を挟む。 どういうことだ? 少しばかり考えごとをしていたら話に全くついていけなくなっちまったぜ。参ったな。 とはいっても『俺』もついていけてないみたいだがな。 「何の問題があるんだ?」 再び尋ねている。古泉は長門と顔を見合わせた後、ゆっくりと話す。 「これが解決すると、彼が……消える可能性があります」 「どういう意味だ?」 「もし彼がどこかから来たのであればそこに帰るだけでしょうが、そうでないならば……」 「あっ!……」 『俺』の顔色が変わる。 そうだな。二人いてそれを一人に戻すということは俺が消えるってことになるか。 ……死ぬってことになるんだよな。 『俺』が慌てて俺の方を向いて言う。 「……すまん」 「いや、気にするな」 また沈黙が訪れる。 「もちろんそうでないという可能性もあります。 例えばあなたが涼宮さんの力によってパラレルワールドからやって来たというのもあり得ることですし、 逆に涼宮さんの力によってあなた以外の全てが創り変えられたということも無いとは言いきれません」 可能性か。確かにそうなんだろうが。 「でも、お前はその可能性は低いと思うんだよな?」 「……すいません」 「いや、気にするな。お前が謝ることじゃない」 とりあえずこれからどうするかが問題だな。 「古泉、なら俺はどうしたらいい?」 「そうですね。ずっとこのままでいるというわけにはいかないでしょうが、少し様子を見ましょう。 あなたにも考える時間が要りようかと」 そうだな。まだ頭の中がごちゃごちゃしてよくわからん。 「とりあえず、ゆっくりと息をつけて考えたい」 このまま『俺』と顔を合わせてたんじゃ、なんとなく落ち着かん。 家に帰ってからじっくりと考えることにするか。 ……ん、家? 「あなたは家には帰れない。私のところに」 確かに俺が二人帰ると家の中がとんでもないことになってしまうな。 「そうだな、そうするしかないか」 「そう」 長門は微かに頷く。 「けどいいのか?迷惑じゃないか?」 「ない。他に行きたい所でも?」 「いや、そういうわけじゃない。もちろんありがたい」 「なら問題ない」 結局また長門の世話になっちまうみたいだな。 「では今日のところはこのくらいにしておきますか。僕もこれからのことを考えておきます」 「ああ、頼むぜ。何かわかったらよろしくな」 「帰る」 と言って歩き出した長門に従いその場を後にする。 「俺もできるだけのことはしたいと思う。できることがあれば言ってくれ」 『俺』が後ろから声をかける。 「色々とめんどくさそうなことになってすまんな。何かあれば言うことにするさ」 ◇◇◇◇◇ 第三章へ
https://w.atwiki.jp/parranto/pages/11.html
# パルラーニャント社会主義共和国連邦憲法 ## 第一章 基本原則 ### 第一条 パルラーニャント社会主義共和国連邦(以下、パルラーニャント連邦という)は、労働者と農民の社会主義国家である。パルラーニャント連邦は、自由な共和国の揺ぎない同盟であり、全人民の為の前衛的な連邦である。 ### 第二条 パルラーニャント連邦の政治的基礎は、プロレタリアート独裁を戦いとった結果として成長し堅固になった勤労者代議員パルラーニャントである。パルラーニャント連邦のすべての権力は、パルラーニャント連邦の勤労者から選出されるパルラーニャントに属する。 ### 第三条 パルラーニャント連邦は、共産主義社会を建設するための闘争において勤労者の前衛部隊であり、かつ勤労者のすべての社会的ならびに国家的組織の指導的中核をなすパルラーニャント連邦共産党の指導を認める。 ### 第四条 パルラーニャント連邦は、パルラーニャント連邦社会主義共和国と、パルラーニャント連邦に加盟する各社会主義共和国からなる。パルラーニャント連邦に加盟する各社会主義共和国は、パルラーニャント連邦の憲法と法律に従い、自らの憲法と法律を制定する権利を有する。パルラーニャント連邦に加盟する各社会主義共和国は、パルラーニャント連邦からの自由な脱退を認められる。 ### 第五条 パルラーニャント連邦の国土は、パルラーニャント連邦に加盟する各社会主義共和国の国土からなる。パルラーニャント連邦の国境は不可侵である。パルラーニャント連邦の国土におけるすべての資源は、パルラーニャント連邦の財産である。 ### 第六条 パルラーニャント連邦の国旗は、濃赤地に金色の鎌と槌及び星を配した旗である。パルラーニャント連邦の国章は、鎌と槌と星を中心に、小麦の穂と月桂樹の枝で囲まれた紋章である。パルラーニャント連邦の国歌は、「我らが議会と共に」である。 ### 第七条 パルラーニャント連邦の公用語は、ロシア語である。パルラーニャント連邦に加盟する各社会主義共和国は、自らの公用語を定める権利を有する。 ### 第八条 パルラーニャント連邦は、平和と友好の原則に基づいて、他の国々との関係を発展させる。パルラーニャント連邦は、国際紛争の平和的解決と、全世界の人民の利益にかなう国際協力の促進に努める。 ## 第二章 市民の権利と義務 ### 第九条 パルラーニャント連邦の市民は、パルラーニャント連邦に加盟する各社会主義共和国の市民でもある。パルラーニャント連邦の市民権は、出生によってまたは法律に定められた手続きによって取得する。パルラーニャント連邦の市民権の喪失は、市民の自由意思によるものでなければならない。 ### 第十条 パルラーニャント連邦の市民は、法の下で平等である。パルラーニャント連邦の市民は、人種、民族、性別、言語、宗教、社会的出身、財産的地位、居住地、職業、政治的見解、またはその他の事由による差別を受けない。パルラーニャント連邦の市民は、法律によって保護される名誉と尊厳を有する。 ### 第十一条 パルラーニャント連邦の市民は、言論、出版、集会、結社、デモ、ストライキの自由を有する。パルラーニャント連邦の市民は、自由に政治的、社会的、文化的、宗教的な活動に参加する権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、自由に思想、良心、信仰を表明する権利を有する。 ### 第十二条 パルラーニャント連邦の市民は、選挙権と被選挙権を有する。パルラーニャント連邦の市民は、18歳に達したときから、パルラーニャント連邦のすべての国家機関と公共団体の選挙に参加する権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、23歳に達したときから、パルラーニャント連邦のすべての国家機関と公共団体の選挙に立候補する権利を有する。パルラーニャント連邦の選挙は、普通、平等、直接、秘密の原則によって行われる。 ### 第十三条 パルラーニャント連邦の市民は、労働の権利と義務を有する。パルラーニャント連邦の市民は、自らの能力と選択に応じて、社会的に有益な労働に従事する権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、労働によって得た収入に応じて、社会的ならびに個人的な需要を満たす権利を有する ### 第十四条 パルラーニャント連邦の市民は、教育の権利と義務を有する。パルラーニャント連邦の市民は、無料で一般教育を受ける権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、自らの能力と社会の需要に応じて、専門教育や高等教育を受ける権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、社会主義の理想と科学的真理に基づく教育を受ける義務を有する。 ### 第十五条 パルラーニャント連邦の市民は、保健の権利と義務を有する。パルラーニャント連邦の市民は、無料で医療を受ける権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、健康的な生活習慣を守り、予防医学や衛生規則に従う義務を有する。 ### 第十六条 パルラーニャント連邦の市民は、社会保障の権利と義務を有する。パルラーニャント連邦の市民は、労働によって得た収入に応じて、社会保険や社会福祉の制度に参加する権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、老齢、病気、障害、失業、出産、死亡などの場合に、社会保障の給付を受ける権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、社会保障の制度を守り、不正な利用や損害を防ぐ義務を有する。 ### 第十七条 パルラーニャント連邦の市民は、文化の権利と義務を有する。パルラーニャント連邦の市民は、自由に文化的な活動に参加し、文化的な財産を享受する権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、自らの創造性と才能を発揮し、文化的な貢献をする権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、社会主義の理想と人民の伝統に沿った文化の発展に努める義務を有する。 ### 第十八条 パルラーニャント連邦の市民は、環境の権利と義務を有する。パルラーニャント連邦の市民は、清潔で健康的な環境に住む権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、自然の保護と資源の合理的な利用に協力する義務を有する。 ### 第十九条 パルラーニャント連邦の市民は、国防の権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、祖国の安全と社会主義の勝利のために、武器を取って戦う権利を有する。パルラーニャント連邦の市民は、祖国の領土と主権を守り、国家の秘密を守る義務を有する。パルラーニャント連邦の市民は、応募制のもとで、軍隊に入隊する権利を有する。 ## 第三章 パルラーニャント連邦の国家機関 ### 第二十条 パルラーニャント連邦の最高国家機関は、パルラーニャント連邦最高議会である。パルラーニャント連邦最高議会は、パルラーニャント連邦の憲法と法律を制定し、パルラーニャント連邦の国家政策と国際関係を決定する。 ### 第二十一条 パルラーニャント連邦最高議会は、パルラーニャント連邦に加盟する各社会主義共和国のソビエトから選出される代議員からなる。パルラーニャント連邦最高議会の代議員の任期は、5年である。 ### 第二十二条 パルラーニャント連邦最高議会は、定期的に開催される全体会議と、常設の幹部会からなる。パルラーニャント連邦最高議会の全体会議は、年に2回開催される。パルラーニャント連邦最高議会の幹部会は、全体会議の間にパルラーニャント連邦最高議会の権限を行使する。 ### 第二十三条 パルラーニャント連邦最高議会の全体会議は、パルラーニャント連邦最高議会の代議員の過半数の出席で開会する。パルラーニャント連邦最高議会の全体会議は、出席した代議員の過半数の賛成で決議を採択する。 ### 第二十四条 パルラーニャント連邦最高議会の全体会議は、以下の権限を有する。 パルラーニャント連邦の憲法と法律を制定し、改正し、廃止する。 パルラーニャント連邦の国家予算を承認し、執行状況を監督する。 パルラーニャント連邦の国家計画を承認し、実施状況を監督する。 パルラーニャント連邦の国防政策と軍事力を決定する。 パルラーニャント連邦の外交政策と国際条約を決定する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の設置と構成を決定する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の責任者を選出し、解任する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の活動に対する信任投票を行う。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の報告を受け、評価する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の規則と指令を承認する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の監査を行う。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の紛争を調停する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の改革を提案する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の人事を決定する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の賞罰を決定する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の指導と監督を行う。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の活動に関する市民の意見や要望を聴取する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の活動に関する市民の苦情や訴えを処理する。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の活動に関する市民の教育と啓発を行う。 パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の活動に関する市民の参加と協力を促進する。 ## 第四章 パルラーニャント連邦の国家権力 ### 第二十五条 パルラーニャント連邦の国家権力は、パルラーニャント連邦最高議会と、パルラーニャント連邦最高議会の下に設置される国家機関と公共団体によって行使される。 ### 第二十六条 パルラーニャント連邦の最高国家権力機関は、パルラーニャント連邦最高議会である。パルラーニャント連邦最高議会は、パルラーニャント連邦の憲法と法律を制定し、改正し、廃止する権限を有する。 ### 第二十七条 パルラーニャント連邦の最高行政権力機関は、パルラーニャント連邦最高議会の幹部会である。パルラーニャント連邦最高議会の幹部会は、パルラーニャント連邦の国家政策と国際関係を決定し、パルラーニャント連邦の国家計画と国家予算を実施する権限を有する。 ### 第二十八条 パルラーニャント連邦の最高司法権力機関は、パルラーニャント連邦最高裁判所である。パルラーニャント連邦最高裁判所は、パルラーニャント連邦の憲法と法律に基づいて、パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体、およびパルラーニャント連邦の市民の間に生じる紛争や訴訟を審理し、判決を下す権限を有する。 ### 第二十九条 パルラーニャント連邦の最高監査権力機関は、パルラーニャント連邦内務省である。パルラーニャント連邦内務省、パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体の財政や経済の状況を監査し、報告する権限を有する。 ### 第三十条 パルラーニャント連邦の最高保安権力機関は、パルラーニャント連邦国家保安委員会である。パルラーニャント連邦国家保安委員会は、パルラーニャント連邦の国家安全保障と社会秩序の維持を担当し、パルラーニャント連邦の国家機関と公共団体、およびパルラーニャント連邦の市民の活動を監視する権限を有する。 ## 第五章 パルラーニャント連邦の公共団体 ### 第三十一条 パルラーニャント連邦の公共団体は、パルラーニャント連邦の国家機関の下に設置される社会的組織である。パルラーニャント連邦の公共団体は、パルラーニャント連邦の国家機関から委託された事業やサービスを提供する権限を有する。 ### 第三十二条 パルラーニャント連邦の公共団体は、パルラーニャント連邦の国家機関の指導や監督の下にある。パルラーニャント連邦の国家機関は、パルラーニャント連邦の公共団体の活動に対して、必要な方針や目標を設定し、評価し、改善する権限を有する。 ### 第三十三条 パルラーニャント連邦の公共団体は、パルラーニャント連邦の国家機関からの委託や補助によって、以下の分野において事業やサービスを提供する。 教育・文化・芸術・スポーツ 健康・医療・福祉 環境・資源・エネルギー 交通・通信・情報 農業・漁業・林業 工業・商業・金融 観光・レジャー・娯楽 ### 第三十四条 パルラーニャント連邦の公共団体は、パルラーニャント連邦の国家機関からの委託や補助に加えて、以下の方法によって、事業やサービスの費用を賄うことができる。 パルラーニャント連邦の国家機関からの予算配分 パルラーニャント連邦の国家機関からの融資や保証 パルラーニャント連邦の国家機関からの寄付や助成 パルラーニャント連邦の市民からの寄付や助成 パルラーニャント連邦の市民からの料金や利息の徴収 パルラーニャント連邦の市民からの商品やサービスの販売
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2498.html
俺の日常はきっと赤の他人から見れば、まあ大変ねとか、苦労なさっているんですねとか 言われてしまうようなきわめて非日常的な状態にあるんだろうが、俺にとってはこれが楽しくて仕方がない ごくごく普通の日常であると断言できる。 宇宙人・未来人・超能力者。こんなのが得体の知れない情報爆発女を中心に闊歩している世界に 俺のようなきわめて一般的平凡スペック人間がコバンザメのようにくっついて歩いている光景は、 確かに不釣り合いと言えばその通りである。が、いったんそんな現実を受け入れてしまえば、 細かいことはもうどうでもよくなり、どうやってこの微妙に非日常を満喫するか考える毎日だ。 てなわけで、本日もハルヒ発案による不思議探索パトロール中である。 相変わらず、ハルヒの望むような変なものが見つかるわけでもなく、ほとんどSOS団という謎の集団による 食べ歩き・散策・名所巡り状態になっているが。 「にしてもだ。ハルヒが本当に変なものに遭遇を望んでいるなら、とっくに見つかっていそうだけどな」 俺は朝比奈さんをうらやましくも抱き寄せほおずりしながら歩くハルヒを尻目に言う。 それにすぐ横を歩いていた古泉は苦笑しながら、 「涼宮さんにとってそういった奇怪なものを見つけることよりも、我々と一緒に遊ぶことの方が楽しいのでしょう。 そうでなければあなたの言うとおり、今頃町中がエイリアンやUMAで溢れかえっていますよ」 確かのその通りだろうな。実際に俺もそんな物騒な連中が現れずに、こうやって遊び歩いている方が遙かに楽しい。 ハルヒ自身も未知との遭遇がなくても、現状の不思議探索パトロールで満足しきっているんだろうな。 と、古泉は珍しく胡散臭さのない屈託のない笑顔で、 「このままこの日常が続けば良いですね。僕のアルバイトもいっそのこと無くなってしまった方がいいですし」 そんなことをしみじみとつぶやく。 お前達の言うようにハルヒが世界を平然と作り替えられる能力を持った神的存在って言うなら、 この平穏な日常は永遠に続くだろうよ。ハルヒがそう望み続ける間はな…… ……この時まで俺はそう確信していた。 ◇◇◇◇ 「ちょっと公園で一休みしましょう」 そうハルヒの一声で俺たちは公園のベンチに座る。ところでハルヒさん。いくら何でもずっと朝比奈さんに抱きついたままなのは どうかと思うぞ。全くうらやまし――じゃない、少しは朝比奈さんの迷惑を考えろよな。 「いいじゃん。今日は思ったよりも寒かったからカイロが必要なのよ。う~ん、さっすがみくるちゃんは暖かいわね」 「ふえ~」 ハルヒの傍若無人の振る舞いに朝比奈さんは困り切った顔を浮かべているんだが、 ついついそんな彼女にもこうエンジェル的優美かつ華麗さを感じ取って見とれてしまう俺も相当罪深い。 アーメン。俺の男としての性を許してくれたまへ。 一方の長門は相変わらずの無表情ぶりでベンチの上にちょこんと座っている。すっかり謎の超生命体印の宇宙人というよりも 文芸部部長兼SOS団最大の功労者という肩書きが似合うようになった。そんな彼女も今日もいつも通り無表情・無口で 無害なオーラを延々と見せているところから別に変なことが背後やら水面下とかでうごめいてはいなさそうだな。 ふと、ここでハルヒと目が合ってしまった。なんてこった。俺としたことが飛んだミスを。 「ちょっとキョン。のどが乾いたからみんなにジュースを買ってきなさい。あ、当然あんたのおごりでね」 「何で俺が」 横暴極まりない俺への指令に、俺は抗議の声を上げるが、ハルヒは朝比奈さんを抱きしめたまま、 「今日も遅刻したじゃん。罰金よ罰金! ほらほらぶつくさ言わないでとっとと買ってきなさい! あ、あたしは暖かい紅茶でね♪」 満面の笑み100%を浮かべているところを見ると、全く今日もいつもの傍若無人ぶり全開だな。 いつもどおりってのも安心できると言えばそうなんだが。 俺は長門と古泉、それに朝比奈さんの要望を聞くと、近くの自販機を探し始めた。 ちなみに俺の癒しの朝比奈さんは、ごめんなさいとぺこぺこしていたが、そんなに謝る必要なんてありませんよ。 あなたがアルプスの天然水が飲みたいというなら、今すぐ新幹線に飛び乗っていくことなんておやすいご用ですぜ。 しばらくきょろきょろと見回していた俺だったが、やがて公園に乗ってはしる道路の向こう側に 自販機が並んでいるのが目に入った。俺は横断歩道の信号が青になったことを確認し、小銭を数えながらそこを渡り始める。 ――キョンっ!? 後頭部に突然ハルヒの声がぶつけられる。そのあまりに突飛な声に何事だと俺は右回り180度ターンで振り返っている途中で 気がついた。俺の鼻先30センチのところにばかでかい巨大トラックがいることに。 当然ながら空中に突如出現したわけでもなく、猛スピードで信号を無視して俺に突っ込んできている。 鈍い衝撃が俺の鼻に直撃した以降、俺は何も感じなくなった―― ◇◇◇◇ ――キョンっ――キョンっ――お願い――目を開けて―― ハルヒの声だ。何だやかましい。言われなくてもすぐに起きてやるよ…… 俺はすぐにまぶたを開こうとして気がついた。どれだけ強く力を込めて目を見開こうとしても まるでそれを拒否するかのように、強くまぶたが閉じられている。目の上の筋肉辺りは動いているようだったが、 肝心のまぶたは力を込めると逆にしまりが強まる。くっそ――どうなってやがる…… ――キョンくん……どうして……こんなことに―― 次に聞こえてきたのは朝比奈さんの声だ。耳に届く美しい言葉に俺は再度目に力を入れるが、やはり開かない。 ずっと続く闇の中、朝比奈さんのすすり声だけが俺の脳内に響く。ここで気がついたが、俺の手足も俺の意志に反して 全く動かなかった。まるで全身に釘を打ち込まれたかのように身体が硬直し、直接的な痛みよりも 動くはずの俺の身体が動かないというもどかしさに、俺は強烈ないらだちを憶えた。 しばらくして朝比奈さんのすすり泣きも聞こえてこなくなった。そのままどれだけの時間が過ぎたころだろうか。 いい加減、自分の身体が動かないことにあきらめつつあったころ、今度は言い争いが聞こえてきた。 はっきりと言葉の末尾が聞こえないが、片方が古泉の声であることはすぐにわかった。聞いたことのない男の声と 激しくやり合っているみたいだ。おい古泉、そんな声を出すなんてお前らしくないぞ。どうした? しばらく意味不明な怒声のキャッチボールが続いていたが、やがてバンという大きな音とともにそれが止まった、 ――何――やってんのよ――病人の前なのよ!? 出て行って! 出て行ってよ!―― ハルヒの声だ。すまん、ハルヒ。助かったよ。これが続いていたら俺の耳がくさっちまいそうだ。 ん? 今ハルヒはとんでもないことを言わなかったか? なんだったっけ……ま、いいか。ちょっと眠くなった。寝よう…… ――やあ、キョン―― ……ん、誰だよ。人が寝ているってのに…… ――久しぶりに顔を合わせたかと思えば、こんなことになってしまうとは、ついていないと言えば良いんだろうかね? ……うっさいな、俺は眠いんだよ。寝かしてくれ…… ――僕は君が起きているつもりで話すよ。いまさらだけどね。少しでもその意味を理解できているなら―― 俺はここで眠りに落ちた…… 一体どのくらい経ったんだろうか。眠っては起きてまた眠っての繰り返しの日々。いい加減飽きてきたんだが、 起きても指一本動かせず、目すら開かないのでどうしようもない現実だ。聞こえてくるのは耳を通してではなく 頭蓋骨を伝わってくるようなぼやけた声だけ。最初はそれを聞き取ろうと努力したんだが、どうやら俺がどうこうしても 無駄なようだ。はっきり聞こえてくるときとそうでないときの違いは、俺の意志や努力とは関係なかった。 そして、久しぶりにはっきりと聞こえた声。 ――ゴメン、キョン。全部あたしの責任よ。あたしがあの時あんたを使いっ走りにしなければよかった。 ――あたしが悪いの――――――――――――ごめんなさいっ――――本当にごめんなさい――だから目を開けて――お願い―― そんな悲しそうな声を出すなよ、ハルヒ。お前のせいじゃないに決まっているだろ? 自分をあんまり責めるなよ。 らしくなさすぎるほうが帰って俺を不安にさせるんだからさ。大体、あんなことはいつもどこかで起きているんだから―― あれ? なんだっけ? 俺、なんかとんでもない目にでも遭ったのか? なんだっけ…… それから果てしない時間が過ぎたような気がする。 もうはっきりした声も聞こえなくなり、雑音のような声らしきものが俺の脳内に拡散していく毎日。 飽きたなんて言う感覚すら通り越して、意識が麻痺しているんじゃないかと思いたくなるほどの無感状態になっていた。 寝て起きて寝て起きて寝て起きて寝て起きて――もう考えることすらうっとおしくなってきている。 ――あきらめないで。 長門の声だ。すごく久しぶりに聞いた。ちょっとうれしくなる。すまないがちょっと俺の目を開ける手伝いをしてくれないか? ――今、わたしは何もできない。 そりゃまた白状だな。SOS団の仲間だろ? ――あなたと意識レベルでの言語的会話をすることが、わたしにできる唯一できること。 なら、せっかくだ。話でも聞かせてくれ。そうだな。おとぎ話でもいいぞ。いい加減、退屈で感覚が麻痺しているんだ。 ――残念ながらわたしにはあなたの身体構造の再起動を促せるような言語刺激を持ち合わせていない。 そうか。それなら仕方がないな。そろそろ眠たくなってきたから、寝るよ。 そうだ、また退屈になったら話してくれないか? ――もうこのインタフェースであなたと会うことは二度と無いかもしれない。でも聞いて。 なんだ? ――このままでは涼宮ハルヒはこの惑星にすむ知的生命体全てからの憎しみをぶつけられる。 ――そして、世界は消滅する。 は? なんだそりゃ。そんなことがあってたまるか。 ハルヒはな、確かに行動が突飛だったりわがままだったりするが、何だかんだで常識的な奴なんだよ。 人を本気で傷つけたりとかなんてしないしな。見た目で判断するんじゃねえよ。 誰も彼もが誤解しているってなら俺が教えてやる。ハルヒって奴が本当はどんな奴って事をな…… そう思った瞬間、今までの目の拘束状態が嘘だったかのように消える。 そして、俺はゆっくりと目を開いた…… ~~その1へ~~
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/20259.html
はるも【登録タグ は 初音ミク 曲 紫ハズレ】 作詞:紫ハズレ 作曲:紫ハズレ 編曲:紫ハズレ 唄:初音ミク 曲紹介 紫ハズレ氏 のボカロデビュー作。 歌詞 声が手を繋いで 船に乗って 揺れる 生まれたばかりの唄 ハルモ 波はぐらぐらと 嵐に添うけれど 怖いことのないように ハルモ ハルモ 探してる 胸の奥 まだ君には聞かせられないよ やだよ やだよ 繋いでたい 離したくない だから今は黙っておくよ ハルモ 夢も 退屈も 枕の下 埋めて 眠る夜に星は見えない ハルモ ハルモ 探してる 胸の奥 時々わからなくなるよ やだよ やだよ 繋いでてよ 離さないでよ まだ少し このままがいい ハルモ 思い出はいつも地図の上 落としものだらけの道も 闇を翔る鳥達の鳴き声みたいに遠く 渡っていけるのなら ハルモ ハルモ 祈ってる 胸の奥 君にいつか聴いてもらえるように 声よ 声を 繋いでてよ 離さないでよ まだ朝を見てないんだよ ハルモ コメント 調教が好き!! -- ノノ (2012-03-06 07 21 52) 消えてて哀しい ハルモの旅は終わったんだね… -- 名無しさん (2017-05-22 20 44 02) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/booklove/pages/104.html
初出:第175話 声(ドラマCD第4弾/第5弾/第7弾~第10弾): 小林裕介 声(アニメOVA外伝 第一章):小林裕介 家族構成 妻:ハイデマリー(故人。第一夫人) 子:胎児の段階で母と共に死亡 婚約者:アンゲリカ(第二夫人予定) 父:カルステッド 母:エルヴィーラ(カルステッドの第一夫人) 弟:ランプレヒト 甥:ジークレヒト 弟:コルネリウス 妹:ローゼマイン(非公開設定では異母妹。貴族社会の慣習上、同母妹) 異母弟:ニコラウス(カルステッドの第二夫人の息子) 父方の親戚 曾祖父:先々代アウブ・エーレンフェスト(祖父方の曾祖父) 祖父:ボニファティウス 叔父:カルステッドの異母弟(ボニファティウスの第二夫人の息子) 従弟:トラウゴット 大叔母:ボニファティウスの妹 大叔母:ボニファティウスの妹 大叔父:アーデルベルト 大叔母:イルムヒルデ(先々代アウブ・エーレンフェストの第二夫人の娘) 曾祖父:前ライゼガング伯爵(祖母方の曾祖父) 曾祖母:前ライゼガング伯爵の第二夫人(祖母方の曾祖母) 祖母:ボニファティウスの第一夫人(前ライゼガング伯爵の第二夫人の娘) 母方の親戚 曾祖父:初代ギーベ・グレッシェル(祖母方の曾祖父) 曾祖母:前ライゼガング伯爵の娘(祖母方の曾祖母) 祖父:前ギーベ・ハルデンツェル(*1) 祖母:前ライゼガング伯爵の孫娘 伯父:ギーベ・ハルデンツェル 従兄弟:(*2) 従兄弟:(*3) 大伯父または大叔父:ヴェローニカの異母兄(祖母方) 大叔父:二代目ギーベ・グレッシェル(祖母方) 容姿 髪の色:濃い緑 000000000 瞳の色:青 000000000 濃い緑の髪に青の瞳。 父とよく似た顔立ちで、体つきも大柄でがっちりしている。 地位 階級:上級貴族 職種:騎士・フェルディナンドの側近 年齢と属性関連 ローゼマインとの年齢差(夏(*4)、秋(*5)):+11 ローゼマインとの学年差:+12(冬生まれ時なので) 誕生季:冬(*6) 属性:フェルディナンドに名を捧げているため、恐らく全属性になっている(*7) エックハルト視点の回 書籍版第三部Ⅲ エピローグ SS38話 エックハルト視点 ユストクスへの土産話(書籍版短編集Ⅰにも収録) 書籍版第四部Ⅷ 巻末SS 十年間の変化 SS34話 エックハルト視点 ローゼマインが不在の冬 前編 SS35話 エックハルト視点 ローゼマインが不在の冬 後編 作中での活躍 フェルディナンドの側近、護衛騎士。 貴族院在学時、フェルディナンド情報を母に流してお小遣いを得ていた。 在学中にフェルディナンドに名捧げをしている。 フェルディナンド・ユストクス・ダンケルフェルガーの騎士見習い達と同じく、在学中の3日間の記憶を失っている。(*8) その後、フェルディナンドが神殿入りしたため主を失った。 貴族院卒業後、側近仲間のハイデマリーと結婚した。しかし、ハイデマリーはエックハルトとの子を妊娠するも、お腹の中の子どもと共に毒殺される。ヴェローニカが関与している模様(*9)。 主も妻も子も失ったエックハルトは半分死人のような状況に陥った(*10)。今でもハイデマリーを愛している。 主を失った後も彼以外に仕える気がなく、ヴィルフリートの護衛騎士への打診を断った変わり者と言われる。 実際は、フェルディナンドを神殿から出すため一番邪魔な存在であるヴェローニカ殺害の機会が増えるだろうと考え、エックハルト当人はヴィルフリートに仕える(フリをする)つもりだったが、間違いなく連座で巻き込まれる我が家を守るためカルステッドが全力で阻止した経緯がある。(*11)(*12) マインが騎士団とトロンべ討伐に出た際に同行していた。 フェルディナンドが庇護すると言ったローゼマインを、妹として大切にする。 マインの真実を知る数少ない人物の一人で、ローゼマイン関連で呼び出されることも多い。 フェルディナンドの細かい注意事項を熱心に聞き、色々と立ち回りも上手い。 普段は騎士団で雑務や新人の訓練などをしている。 フェルディナンドが還俗してからは、神殿では主に事務仕事をしている(当然騎士としての本来業務ではなく、フェルディナンドが少しでも長く研究時間を取れるようにとエックハルトが自発的に行っている仕事である)(*13)。 フェルディナンドに名を捧げて尽くす姿が、ローゼマインが名捧げを受けるのをためらう要因の一つとなった。 ボニファティウスと同じように連絡をし続けたため、フェルディナンドを工房から呼び出すことが不可能になってしまい、たびたびローゼマインを呼び出す。 ローゼマインの側近からトラウゴットが解任されてしまったため、結婚関連の話を遠ざけられることから、アンゲリカの婚約者となった。 13年春の王命により、フェルディナンドと共にアーレンスバッハに向かうことになる(*14)。 アンゲリカは戦力として主の役に立つと評価していたため、夏に結婚して同行するかどうか判断を委ねたが(*15)、残ることを選んだ彼女とは婚約を解消することとなった。 その際、適齢期や世間体よりも自分の主と信念を選んだアンゲリカの潔さを好ましく思う(*16)。 ハイデマリーのことを思い出すので、フェルディナンドの館の図書室や貴族院の図書館にはあまり近付きたがらなかったが、少しは傷が癒えてきたらしく、アーレンスバッハに向かうことになったときには図書館へ入って、懐かしそうに蔵書を見つめていた。 15年春に瀕死のフェルディナンドから名前を返された後、フェルディナンドの命令に従い、貴族院のエーレンフェスト寮に向かった。 エーレンフェストへの事情説明と証拠渡しが完了し次第、自死するつもりだったが、ローゼマインがダンケルフェルガーを引き連れてフェルディナンドを救出に赴く準備を整えていることを知り、ローゼマインらと合流、アーレンスバッハ戦に同行した。 ローゼマインによるフェルディナンド救出後、フェルディナンドの指示に従い、アーレンスバッハとダンケルフェルガーの混成部隊と共にランツェナーヴェ掃討に乗り出した。(*17) その際、領主執務室で着替える救出直後のフェルディナンドに再び名を捧げている。(*18) 令嬢達の救出とランツェナーヴェ掃討が完了した後、フェルディナンドより盗聴防止の魔術具を使った密命を受けた。(*19) ランツェナーヴェの船の制圧が完了した翌日、エーレンフェスト防衛の為、フェルディナンドと共にダンケルフェルガーの騎士達と境界門に向かった(*20)。 アーレンスバッハへ戻ってきた者達を捕縛・尋問した後、ビンデバルトでローゼマインらと合流。フラウレルムに念願(*21)の猿轡を噛ませ、エーレンフェスト領ゲルラッハへ騎獣で移動した。(*22) フェルディナンドと共に旧ベルケシュトック騎士団を蹴散らしゲルラッハ騎士団に合流し(*23)、他の騎士達と共にゲルラッハ戦を終結に導いた。 貴族院防衛戦では、奇襲に欠かせない斥候役や、見張りの排除などをアンゲリカと共に素早くこなす。(*24) アダルジーザの離宮へ突入し、騒ぐディートリンデを攻撃して気絶させ、フェルディナンドの質問に中々答えないアルステーデを踏みつけた。(*25) 講堂では中央騎士団と戦い、ラオブルートによる強力な攻撃用魔術具の(*26)大爆発から身を挺してフェルディナンドを庇った模様。(*27) その後もフェルディナンドに付き従い、名捧げ側近だけが許された貴族院図書館での護衛任務や(*28)、境界門でエアヴェルミーンの枝を守る任務などに従事した(*29)。 ローゼマインとフェルディナンドの婚約でアンゲリカとの婚約話が再度浮上。婚約式の後に双方の意思確認後、あっさり再婚約を決定。(*30) ローゼマイン視点では恋愛要素は確認できず。 実妹ローゼマインが新アウブに就任するため、エーレンフェスト出身組の中では旧アーレンスバッハの貴族関係の事情に詳しいエックハルトが騎士団長に就任しないかとの案も出たが、エックハルト本人がフェルディナンドの護衛騎士から異動することを断固拒否したため、最終的にはシュトラールが騎士団長となった。(*31) フェルディナンドに「王を殺せば王命を取り消せるのでは?」と提案してみたり、過去にはヴェローニカの暗殺を提案して却下されていたりと主最優先で周囲への影響を全く考えない問題児な面も(*32)。刺し違える覚悟ならば行けると思うと主張したローゼマインと似ているところがある(*33)。 経歴 前11年冬 誕生 前04年冬 洗礼式 前01年冬 貴族院入学 01~02年冬頃 フェルディナンドに名捧げする(*34) 03年春以降 フェルディナンドが神殿入りしたため主を失う 04年冬 貴族院卒業 06年夏頃 ハイデマリーと結婚する 06夏~07春頃 ハイデマリーが妊娠中の子供と共に死亡する(*35) ヴィルフリートの護衛騎士就任への打診を断る(*36) 08年夏 フェシュピール演奏会における基本的な警備体制の計画や根回しを担当(*37) 11年冬 アンゲリカと婚約する(*38) 13年春 アンゲリカとの婚約を解消する(*39) 13年冬 フェルディナンドの側近としてアーレンスバッハへ移動する(*40) 15年春 瀕死のフェルディナンドから名前を返される アーレンスバッハの礎取りディッターに同行する フェルディナンドに再び名を捧げる(*41) ランツェナーヴェ掃討戦に主戦力として参加する(*42) ゲルラッハ戦に主戦力として参加する(*43) 貴族院防衛戦に参戦(*44) アンゲリカと再度婚約をする(*45) 15年冬 フェルディナンドに名捧げしているため意識不明になる(*46) 作者コメント 【2016年 11月02日 活動報告 お知らせ諸々】 「本好きの下剋上第三部Ⅰ」をお手に取ってくださった方にはわかるエックハルト兄様の髪型に関するネタです。椎名様が最初に提案してくださったのは別の髪型だったのですが、「エックハルトとランプレヒトの髪型を交換してください。個人的にフェルディナンドと同じ分け目がイイです」と私がお願いして髪型が決定しました。 【2016年 12月07日 活動報告返答】 エックハルトはお坊ちゃまです。下町に行くなんてとんでもない。下町の食事処で食事? 正気か? フェルディナンド様がいらっしゃる? ならば、護衛は私以外にいないであろう。他に任せるなど言語道断って感じのお貴族様です。 珍しく弱った姿が良いという意見もあるのですね。私は少々役立たずだなと思いましたが。(笑) 【2017年 03月29日 Twitter】 >結婚から逃れるためにエルヴィーラにフェルマイネタを話すか エックハルトは「アーレンスバッハの女と結婚するよりアンゲリカがマシだと思っている」+「アンゲリカの年齢的にそろそろ嫁き遅れになる」などの判断から、これ以上結婚を引き伸ばす気がないので、逃げるためのネタにすることはありません。 ただ、主の役に立とうとして「いかにしてあの鈍いローゼマインを落とせばいいのか」相談した結果、エルヴィーラにネタを提供してしまうことはあるかもしれませんけれど。(笑) 【2017年 04月09日 Twitter】 【2017年 04月17日.06月20日 設定等まとめ Twitterこぼれ話】 >フェルディナンドに対する忠誠とハイデマリーに関して エックハルトはハイデマリーと毒を受けたが、体力があり毒に耐性があったので生き延びた。ハイデマリーとお腹の中の子供は亡くなり、生き残ったのはエックハルトのみ。 ハイデマリーの分も自分が忠誠心を捧げることで、妻子を失ったどん底時代を切り抜けたので、エックハルトは通常の二倍以上忠誠心が強くて、フェルディナンドに仕えることに固執している。 エックハルトにとってはフェルディナンドが人生の支えそのもの。フェルディナンドがいなかったら妻子と共にはるか高みへ行っていた。 【2017年 06月07日 Twitter】 【2017年 04月17日.06月20日 設定等まとめ Twitterこぼれ話】 >第三部Ⅲの発売記念SSのジェスチャーに関して 人払いした場所でなければ、この二人もさすがにこれだけ大袈裟にはしません。貴族らしく取り繕うことを知っているので、ご安心ください。 まぁ、長年仕えてきた二人にとってフェルディナンドの変化がそれだけ驚くことだったのですよ。笑 【2017年 07月18日 Twitter】 >撫で方 エックハルトは大事に両手で包み込む感じかな? アンゲリカに対してそうするまでには結構時間がかかりますね。 【2017年 07月20日 Twitter】 >夫婦関係 エックハルトとアンゲリカもそうですね。周囲には理解できなくても、二人なりの距離感を大事にする夫婦になるでしょう。 【2017年 10月11日 Twitter】 【 2017年 10月11日 活動報告】 >ウィンク考察 エック兄様:敵に狙いを定めているような険しい顔になるが、一応できる 【2021年 11月22日 Twitter】 >いい夫婦の日 エックハルト ハイデマリー ハルトムート&クラリッサに近いですよ。 フェルディナンドに仕えることを至上とする夫婦という感じでした。 あの頃はまだエックハルトの忠誠心も今の狂犬みたいなものではなく、もう少し穏やかでした。 原作小説では最初から死別しているので、こういうところではちょっと出しにくい夫婦です。 【2022年 11月04日 Twitter】 >もしもエックハルトがヴィルフリートの護衛騎士になっていたら…… 主も妻子も失って無敵の人になっちゃってるから、隙を見つけたらエックハルトは躊躇なくヴェローニカを殺害するだろうなって。 その場合、罪を問われるのはエックハルト、主のヴィルフリート、エックハルトを護衛騎士に指名したヴェローニカ、エックハルトの血族、主を救えなかったヴェローニカの護衛騎士達。 罪にならないけれど、一番責任があるのはフェルディナンドを神殿に入れて側近を解散させたジルヴェスター。 ヴィルフリートは洗礼式前ならば、主の責任としての処罰は免れるだろうけれど、妻子を失って自棄になっているエックハルトは「子」であるヴィルフリートも殺しそうだな、と個人的には思います。 多分ヴェローニカのとばっちりで殺される。 ボニファティウスを祖とするリンクベルクの一族は全員処刑。第二夫人系列のグードルーンやトラウゴットも連座。 ギーベ・ハルデンツェルやライゼガング系貴族の一部にも何かしらの処罰があるだろうけれど、その匙加減はジルヴェスター次第ですね。 ジルヴェスターは母親と息子を殺され、従兄のカルステッドや伯父のボニファティウスを含めたリンクベルクの一族を自分の手で処刑しなければならない立場になる。 でも、元はと言えばフェルディナンドを神殿に入れたのが事の発端。 もうボロボロ。 領主一族が半分消える惨状に、ジルヴェスターがフェルディナンドに泣き言を言えば、 「何故アレをヴィルフリートの護衛騎士にした? 嫌がらせ目的でアレを孫の護衛騎士にするヴェローニカも相当耄碌しているが、其方は何故止めなかった? 馬鹿ではないか?」 と真顔で追い打ちをかけられる。 (なお割烹では神殿で事後に報告を受けるだけの立場になっているフェルディナンドに対し、ジルヴェスターは「其方は自分の護衛騎士が私の母上と息子を殺したことをどう思っているのだ?」と言ってのけ「すでに私の護衛騎士ではない。そうしたのは其方だ」と返されている) 兄弟間にも深い溝ができるが、ヴェローニカとボニファティウスを失えば、魔力不足すぎて領地は立ち行かない。 ジルヴェスターはフェルディナンドを還俗させるしかない。 最終的にフェルディナンドを神殿に入れられたことを恨んでいたエックハルト以外誰も喜ばない結果になる。 そんなエーレンフェストの破滅 ifを防いだカルステッドはマジでグッジョブ。 さすが騎士団長。 領主一族も家族も領地も守った好プレー。 お母様が知ったら惚れ直すレベル。 褒めてあげてほしい。 【2023年 01月09日 Twitter】 >結婚相手 エックハルトの場合、ハイデマリーは親戚付き合いがある幼馴染み。 新婚早々に妻を亡くし、周囲からは再婚の圧力がかかる。 そして選んだ再婚相手はアンゲリカ。 職場結婚になるのかな? 燃え上がるような恋愛感情とは無縁だけれど、同じ方向に歩いて行けるし、お互いに背中を預けられる相棒。 >ローゼマインがいなかったら アンゲリカは絶対にありません。ボニファティウスが護衛騎士の訓練に力を入れず、彼女に目をかけないので、戦闘面でも階級でもエックハルトの視界に入りません。 コメント このコメント欄はwikiの情報充実のために設けた物です。 編集が苦手な方は以下のコメントフォームへ書き込んで頂ければ有志でページに取り込みます。 表示される親コメントには限りがあるので、返信の際は返信したいコメント横のチェックを付けて返信するようご協力お願いします。 神官長が当初マインを保護させるために愛人としてエック兄に押し付けようとしていた件って何話に書かれているんだっけ? (2018-11-20 07 41 11) SS17。エックハルト関連は時系列が忙しすぎる。卒業が16歳、マイン洗礼の頃に18歳、ハイデマリーが死んだのがその間。愛妾話はトロンベ討伐までの頃で、妻子が生きてたか、死後すぐなのか…。(微妙にフェル神殿入りの時期と記述が合わない気もする) (2018-11-20 13 52 22) ああ、古ぼけた木札のあれか。ありがとう (2018-11-20 14 13 18) アンゲリカが第二夫人予定ってどういうこと?前第一夫人はとっくに死んでるから普通に第一夫人じゃないのか? (2020-11-10 09 23 42) WEB版334話 (2020-11-10 09 38 07) ハイデマリーの分の忠誠心も上乗せして仕えているというのは既出だったけど、そうなる前のフェルへの忠誠心が、今の狂犬みたいなものではなく、もう少し穏やかだったというのは新規情報かな?(2021/11/28 作者活動報告) 上乗せブーストすると狂犬化するのか……。 (2021-11-29 07 04 43) 貴族院時代は「憧れというか、崇拝対象だったよ」だから、ついて行きますアニキ!くらいだったのかね。主の情報を母親に流して小遣い稼ぎしてたくらいだし (2021-11-30 10 42 51) ハイデマリーの死後、後を追おうとしてフェルに止められた。正確には生きると命じられて、後を追うことを許されなかった。 (2022-12-21 00 20 25)
https://w.atwiki.jp/pso2_filament/pages/195.html
ハル フルネーム ハル・フレサンジュ 種族 キャスト 性別 女性 身長 168 所属 アークス 誕生日 A.P.232/12/24 所属Ship Ship3 クラスレベル いろいろ IDネーム フレサンジュ +... 「時は金なり、金は時なり。さて、時間でお金は買えたでしょうか?」 メセタを稼ぐ事に執着しているキャスト。執着しすぎて非効率的になっている事がしばしば。 自身にメンテナンス機能が無く、その費用を捻出する為--------と言うのが本人の談。 戦闘能力その他は可も無く不可も無いはずなのだが、戦闘中のヘマが多い。 彼女の場合、生体パーツの方がメンテナンス費用が安い為に使用頻度が高く、洋服を着ている事も多い。 +もちもの 高級ビール10ケース ドンペリ 1本 ホワイトリボン 薄いピンクのネイルアートのパーツ ラミネート加工された教会のポストカード 小さな水色ハートに白いネイルアートのパーツ 料理のレシピ本 ※コメント欄にこのキャラクターに対する印象や感想をご自由にどうぞ。無記名で構いません 名前 コメント ― ADVERTISEMENT. ―
https://w.atwiki.jp/coharu/pages/371.html
←前へ (藤岡サイド) ハルカさんが俺とチアキちゃんの関係に気付いたようだ。 勿論、これで別にうろたえるようなことはない。寧ろ、計算どおりだ。 あの妹思いのハルカさんのことだ。 俺とチアキちゃんの関係がどこまで進んでいるのか、勘繰らずにはいられないだろう。 先程の台所でのハルカさんとの一連のやり取りを思い出す。 多少挑発的なことも言ったと思うが、アレぐらいしないとハルカさんは動かない。 と、物思いに耽っている俺の袖を引っ張る小さな影。 「藤岡……」 「あれ? チアキちゃん、みんなゲームしてるみたいだけど行かなくていいの?」 「いいんだ……それより」 チアキちゃんは熱の篭った視線で俺を見上げた。 これは最近、特に頻度が高くなった『おねだり』の視線だ。 「うーん、流石にまだ南達も起きてるしまだ不味いかな……」 TVゲームに興じて、南やチアキちゃんの友人達の楽しそうな声が居間から聞こえてくる。 「そんな……」 悲しそうに目を細めるチアキちゃん。 「はは、もしかしてお風呂に入ったせいで身体が火照ってきちゃったのかな? でも俺は『まだ』って言ったんだよ? 何もしないとは言っていない」 「じゃあ……」 「うん。皆が寝静まった後、居間で待ってるから――」 チアキちゃんは見る見るうちにその顔を希望に輝かせた。 うん、調教が上手くいっている証拠だ。 そしてTVゲーム大会も終わり、やっと皆就寝しようという頃合になった。 「ん? 何だ藤岡、お前ここで寝るのか」 泊っていくなら居間で寝ると宣言した俺に、南が意外そうな声をあげた。 「うん。流石に女の子がいる部屋で一緒に寝るわけにはいかないからさ」 「まあ確かにそうだけど……客人を居間に置き去りってのも、私のもてなしの理念に反するんだよなあ」 じゃあ、いっそのこと南のベッドで一緒に寝かせてくれればいいのに。そうすれば手っ取り早い。 そう思うものの、まさか口に出せるわけもない。 「ハルカぁー、藤岡のやつがこう言ってるからさ、布団持ってきてやってくれよ」 「……え、ええ。わかったわ……」 そして俺のことを不信の目で睨むハルカさん。 何とか周りに気持ちの同様を悟られぬよう振舞おうとしているのはわかるが、ちょっとよそよそし過ぎだ。チアキちゃんが微妙な目で見ている。 「じゃ、風邪引くなよー。あと、チアキやハルカに夜這いかけたりするなよー。特にハルカは怒らすと怖いぞー」 そう言って、あくびをしながら南は部屋へと去っていった。 夜這い? 俺はそんなことはしないよ――。だってする必要がないからね。 それに南も鈍い。 普通ならこんなことを言えばチアキちゃんあたりは「何ヘンなこと言ってるんだバカ野郎!」、とか厳しいツッコミを入れるだろうに、それをせずただ黙って俺のことを見つめる視線に気付かないのだから。 そしてチアキちゃんも含め、皆が部屋へと去っていく。 そして最後に客用の布団を居間まで運んできたハルカさんと目が合った。 「大丈夫ですよ。チアキちゃんの部屋に忍び込んだりなんかしません。 何なら見張っていてもらっても構いませんよ?」 「…………」 ハルカさんは無言のまま、布団を置いて去っていった。 そして1時間ほど経っただろうか。眠ることもなく、居間でぼーっと虚空を見つめていた俺の元に現れたのは、 「意外と早かったね、チアキちゃん」 パジャマ姿のチアキちゃんだった。 深夜だということもあり、その眼が眠そうなのは相変わらずだが、頬は上気し、ただならぬ雰囲気を醸し出している。 「もう、我慢の限界なんだ……」 「同感だね。それじゃあ早速、コッチから始めてもらおうか」 そういって俺はズボンから既に臨戦態勢の己の肉棒を取り出した。 「藤岡のオ…チン……チン」 するとチアキちゃんは小さくそう呟いて、それを握り、まるでアイスキャンディーを舐めるかのように舌を這わせ出した。 「ほうら、言った通りに夜這いはしない。但し俺からは、ね」 俺は自然とそんな独り言を呟いていた。 そう。俺からしてみれば今夜南家に泊ることになった時点で、これは予想通りの出来事。 チアキちゃんのほうから必ず求めてくるという確信があったのだ。 「それにしてもチアキちゃん、フェラチオが随分上手くなったね」 チアキちゃんはひたすらに肉棒を舐め上げ、その小さな咥内に銜え込む。 結論から言えば、チアキちゃんには大分コッチの才能があったらしい。 勿論、俺もかなりの力を入れてそれなりの調教を施したが、ここまでの進化は想定していなかった。 実際、あれから何回か、南家を訪れた機会に、南やハルカさんの目を盗んでこういう行為に及ぶ機会はあったが、回を追うごとにチアキちゃんの反応は敏感になっていき、逆に自分から奉仕することも覚えてきている。 今では俺の姿を見るだけで、股間が疼いてしょうがなくなってしまうほどらしい。 その証拠に、今日も終日チアキちゃんの様子は変だった。 どこかもじもじしているというか、何かを我慢している感じというか。 きっとハルカさんもその辺りに気付いたのだろう。 否応がなく雄の興奮神経を刺激する淫靡な水温が静かな居間に響き渡る。 チアキちゃんはとうとう俺の肉棒を口いっぱいに銜え込むと、上下に扱き始めた。 「そう。それ……かなり気持ちいいよ」 小さい口でいきり立った肉棒を咥えきるのはかなり大変だろうが、その背徳感溢れるアンバランスさが何とも堪らないのだ。 と、チアキちゃんは上下運動を停止させると、何やらもの言いたげな視線で俺を見上げている。 見ればチアキちゃんが自ら露出させた下半身は、既にびしょ濡れの大洪水状態だ。 「咥えただけでそんなに濡らしちゃうなんて、チアキちゃんはいけない子だね」 俺のからかいめいた言葉に反応することもなく数秒押し黙っていたかと思うと、チアキちゃんは意を決したように肉棒から口を離し、 「藤岡……そろそろ……」 「そろそろ……何?」 あえて聞き返してみる。可愛い子ほど苛めたくなってくるっていうのは本当だ。 「私の……に……挿れて欲しい」 「ん? よく聞こえなかったな。何を、どこに挿れて欲しいのか、はっきり言ってもらえないとわからないよ?」 チアキちゃんは困ったように視線を彷徨わせている。普段の性格に似合わず、Mなところがあるみたいだ。 いや、正確には俺がS過ぎるのか。 「私の……オマ○コに……藤岡のチ○コを挿れて欲しい……」 「はい。よく言えました。チアキちゃんはお利口さんだ」 俺はチアキちゃんの頭を思いっきり撫でてあげた。子犬のように目を細める仕種が何とも愛らしい。 「でも、前戯無しでもいいの?」 「いいんだ……今日はずっと、お前が傍にいながらお預けを喰らって、私は気が気じゃなかったんだ……」 「そうなんだ。だったら――と言いたいところだけど」 俺は一息つき、天井を見上げて言った。 「生憎、それは無理だ」 「え……」 その瞬間、チアキちゃんはまるでこの世の終わりかのような絶望の表情を浮かべた。 「……なんでダメなんだ!? 藤岡の言うとおり、フェラチオだって頑張ってしたし、私は我慢していたんだぞ!? それとも……やっぱり私のような子供相手じゃダメなのか!? 興奮しないのか!? 私のことは遊びだったのか!?」 チアキちゃんは血相を変えて、俺に飛び掛らん勢いで捲くし立て始めた。 まあ、このままだとチアキちゃんに刺されて血みどろの惨劇オチなるところだろうが、俺はそうはさせない。 「そういうわけじゃないよ。俺だって今にもチアキちゃんのアソコに挿れたくてしかたがない」 「じゃあ……! じゃあ何で!?」 そして俺はチアキちゃんを押しとどめ、首を45度回転させて、居間のドアを見やると、 「その理由は、第三者に覗かれながら――なんて流石に勘弁願いたいからかな」 「え……?」 チアキちゃんは急な俺の発言に戸惑い、目を丸くしていた。 俺はそのままドアを睨みつけて、 「出てきてくださいよ。そこにいるのはわかっているんです」 チアキちゃんは「まさか」という表情で俺と同じくドアの方向を見やった。 反応がないことに業を煮やした俺はつかつかと歩み寄っていくと、思いっきりドアを開け放った。 「確かにその目で確かめて下さいとは言いましたけれど、 こっそり隠れて妹の情事を覗き見るだなんて、流石に趣味が悪すぎです――ハルカさん」 そこにはまるで腰が砕けたかのように内股で廊下にへたり込み、信じられないモノをみたかのように顔をこわばらせたハルカさんがいた。 次へ→ 名前 コメント 5スレ目 くろおか 保管庫 黒い人氏
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2023.html
第4話 ~計画~ 「何なんだよ…何だよお前は…」 おれは突然現れたもう一人のハルヒに驚きの色を隠せなっかた。そういや古泉と長門がハルヒがもう1人現れ たみたいなこといってたな… 「何言ってるの?キョン。私がわからない?ハルヒよ。」 もう1人のハルヒは本物と違いかなり静かな雰囲気だ、それに長門みたいに無表情だ… 「違う。本物のハルヒはそこで伸びてるやつだ。お前なんかじゃない。」 俺がベッドで寝てるハルヒを指差してそう言っても、もう1人のハルヒはやはり無表情だった。 「そうね、確かにあんたの知ってる『あたし』はそれだけど、あたしもハルヒよ。偽者なんかじゃないわ。ど っちが本物かどうかなんて無いわ。どっちも本物よ。」 「じゃあ一体お前の正体は何なんだよ?ハルヒの何なんだ?おまえも本物なら何で今まででて来なかったんだ ?」 「あたしは『あたし』の能力と欲求がが具現化した姿。」 一気に聞く俺に対しても大して文句も言わずに無表情にもう1人のハルヒはかなりの衝撃的な事実を淡々と語 りだした… 「あんたも知ってるでしょ、『あたし』には願望を実現する能力が有ることを、私はそれにそのまま意思がつ いた存在。簡単に言えばあたしは『あたし』の本能、そして願望。」 そこまで言ってハルヒは一旦言葉を切った。 「だからあたしは『あたし』の望んだものを全部実現しようとしてきたわ。でもその度に『あたし』はあたし の邪魔をしてきたわ。『そんなものいるはず無い。あたしは信じない』ってね。そんな風に思われるとあたし は能力を使えないの。そうね、あたしを本能とするなら、そこにで寝てるのは理性ってところね。理性に抑え られてあたしはずっと外に出てくる事も無かったし能力を使う事も無かったわ。それ程『あたし』の理性は強 いわ。普段あんたが見てるのも理性のほうよ。」 あの迷惑暴走娘が理性とは驚きだな、本能のままに生きてるやつだと思っていたしな 「それでも時々理性が弱まる時にはあたしは少しだけ能力を使う事位は出来たわ。」 それは恐らくハルヒがキレた時の閉鎖空間や長門や朝比奈さんや古泉達の事だろう。 「で、今回に限って何でお前は姿まで現したんだ?」 「言ったでしょ。理性が弱くなれば本能のあたしは出てこれるって。まあ、いくら弱くなったって『あたし』 が寝てる間しか出てこられなかったけどね。」 ああ、それも古泉が言ってたな… 「理性が弱くなったからあたしは理性を押しのけて無理やり出てくる事も出来たわ。」 「なに!?じゃあハルヒが突然倒れたのは…」 「そうよ、無理に眠って貰ったの。もうそれ位あたしたちの力関係は逆転してるわ。」 「なんでだ?なんで急におまえの方が強くなったんだ?」 俺は本能的にこのハルヒをこのまま放って置いてはいけない気がした。 「今日は七夕よね。七夕が近づくにつれて『あたし』のジョンに会いたいって気持ちが強くなってきてね、そ れで『あたし』は無意識の内にあたしの能力を頼るようになっていったわ。滑稽よね、毎日ジョンに会ってる って言うのに。」 やっぱりハルヒ(本能)は俺の…とゆうかジョンの正体を知っていやがったのか。 「まあそれでもここまで逆転するにはもう少し時間がかかったんだけどね、やっぱりあんたとみくるちゃんの おかげね。」 そこでハルヒ(本能)はやっと微妙にだが、かなり邪悪に微笑んだ。かなり皮肉な笑い方だ。 「俺と朝比奈さんのおかげって、いったい俺達が何をしたってんだ。」 「何あんた、さっき『あたし』に問い詰められたばっかりなのにまだ白を切るつもりなの?」 「あ……」 そうか、俺と朝比奈さんが抱き合ってたのが… 「分かったみたいね…そうよ、あんたとみくるちゃんがいちゃついてるのを見て『あたし』はますますジョン に会いたくなったの。で、とどめはあんたがそのことを否定しなかった事でもうあたしのほうが力が強くなっ たわ。」 そんな…まさか俺がこのハルヒを表に出すきっかけになってたなんて… もうおれはまともにハルヒ達を見れなかった。 「まあ、それでもあたしが完全に力を持って『あたし』と入れ替わるにはまだ少しだけ時間がかかるんだけど ね。」 そう言ってハルヒ(本能)は机の上にある笹から何かを取ってそれを俺に差し出した。 「もう一度『あたし』に会いたいんならこれをしっかり持ってなさい。」 顔を上げると邪悪な笑みを浮かべたハルヒ(本能)が持ったハルヒの短冊があった… 翌日…俺はかなり落ちた気持ちで俯いて北高の心臓破りの坂を上っていた。 結局あのまま俺はハルヒに何の対応をすることも出来ないまま追い返されてしまった。古泉と長門に電話した が2人とも電話には出なかったし、朝比奈さんには…あんな事があった後なのでとても電話なんてできなっか た。くそっ。偉そうな事言っておきながらまた俺は何も出来なかったじゃねぇか。 「それに…ハルヒから渡されたこれも、結局持ち歩いちまってるしな…」 俺の手の中には昨日ハルヒ(本能)から渡されたハルヒの短冊があった。そんな風にハルヒ(本能)の言葉を 律儀にも守っている自分に更に憂鬱になった。 「そういや学校はどっちのハルヒが来るんだ…?」 しかしハルヒは今日は欠席だった。 そして鬱々状態で授業中もずっと考え事をしていて気付けばもう昼休みだった。俺は昼飯も食わずに歩き出し た。もちろん部室に向かって。俺は早く長門か古泉に会いたかった。 だが部室には鍵がかかっており誰も居ない様だった。それなら直接教室に押しかけてやる… 「え?長門さん?長門さんなら昨日から来てないけど。」 … 「古泉くんなら今日は休みだけど…あなた、何で休みか知ってる?」 … 何てこった…2人とも休んでるとは、こうなりゃ朝比奈さんでも… 「やあキョンくん!みくる知らないかい!?」 突然後ろから俺に声を掛けてきたのは鶴屋さんだった。 「え?朝比奈さんも今日休みなんですか?」 「うん?そうだよっ!朝から来てないんだよぉ。キョンくんなら知ってると思ったのになぁ~。」 鶴屋さんはにやにやしながら言った。変な邪推しないで下さいよ…ん、予鈴か… 「あ~、もう時間かぁ~。それじゃあまたねっ。キョンくん!」 「あ、はいさようなら…」 まさか朝比奈さんまで来ていないとはな…予想外だぜ。おっと、岡部のやつもう来やがった。これじゃ抜け出 せん。 おれは今すぐ抜け出したいのを必死に我慢し授業に望んだ。といってもちっとも聞いていなかったがな。 そうして放課後俺は急いで長門の家に向かうためにHRの終了直後に駆け出していた。 「待ってください。」 ん?そこには意外なやつが立っていた。 「古泉…どこ行ってたんだよ。」 そう、古泉がそこで俺を待ち構えていた。そして追求しようとする俺を遮って古泉は言った。 「待ってください。詳しい話はこちらで…付いて来て下さい。」 そう言って古泉は歩き出した。当然俺も付いていく。その間に何か少しでも聞きだそうとするが、 「もう少し待ってください。ここではまずいです…」 と言われてしまう。仕方ないか…こいつの目的地に着くまで待ってやるか。 そして俺たちは黙って歩いていった。 古泉に連れられて着いたのは坂の途中の少し大きめの公園だった。 「で、こんな所まで連れて来ないと話せない事って何だ?」 「その前に貴方の方こそ話さなければいけない事が有るんじゃないんですか?」 うむ、この回りくどい言い方こそまさに古泉だ、 「実はな…」 俺は昨日起こった事を全て古泉に話した。ハルヒが倒れた事、もう1人のハルヒのこと、そしてそれらが俺が 朝比奈さんを抱きしめたところをハルヒに見られたせいだと言う事も。全部言い終わると古泉が難しい顔をし て俺を見ていた。 「やはりそうでしたか。恐れていた事が起こってしまったようですね…」 「で、お前の話ってのは何なんだ?そして何でお前は学校を休んだんだ?」 「はい、実は涼宮さんが地上から消えました。」 は?なんだって?こいつは何を言ってるんだ? 「今日の未明に大規模で強力な閉鎖空間を発生させ、そこに入りました。僕たちにはそれを感知する事が出来 ても侵入する事は出来ません。入る事が出来るのは貴方だけです。」 ハルヒが消えた?いや、そんな事よりこいつは今なんて言った?強力な閉鎖空間?侵入不可?俺しか入れない だと?どういうことだ? 「なんで俺がお前らですら入れない空間には入れるんだ?だいたい何でハルヒはそんなもん作ったんだ?」 「涼宮さんはジョン・スミスに、つまり貴方に会い、その上でこの世界の自分とあなたの関係を邪魔する要素 を一切消し、洗浄するためにその空間を作った。恐らくその空間にいれば涼宮さんの世界の洗浄を受ける事を 避ける事が出来るんでしょう。まさに旧約聖書の『ノアの方舟』ですね。そしてその方舟に乗る権利を持つノ ア、それこそ貴方なんですよ。貴方はそこに入るための鍵も持っている。違いますか?」 鍵だと?何の事だ一体……いや、待てよ… 「もしかしてその鍵ってのはコイツの事か?」 俺は古泉にハルヒの短冊を見せた… 「ええ、恐らくそれが涼宮さんの方舟に乗り込むための鍵ですね。」 そうか、それなら話は早いな。 「ところで、貴方は涼宮さんの所に行くおつもりですか?」 今更何言い出すんだコイツは… 「当たり前だろ、俺しか行けないんろ、だったら俺が行ってハルヒを連れて帰ってくるしかないだろ。古泉、 ハルヒのところに行く方法を教えろ。」 俺は真剣に古泉に聞いた。しかし古泉は突然笑い出した。 「はは、やはり貴方は思った通りの方だ。」 「何だいきなり。俺は真剣な話しをしてるんだぞ。」 「いや失敬、確かにその話も重要ですが、その前に今回の件の機関の方針を聞いて貰えませんか?」 そんな事言ってる場合ではないだろうに、 「仕方ないな、手短に頼むぞ。」 だが俺は拒否しなかった。何故だかそうした方がいいような気がしたからだ。 「ありがとうございます。実は今回の件…機関は貴方が涼宮さんのところに行くのに反対しています。」 なんだと?今日はコイツに驚かされっぱなしだな。 「それと言うのも貴方がそこに行っては状況が悪化するんではないか?そもそも貴方がそこに着いたら、そこ で涼宮さんはすぐに世界を洗浄してしまうんではないのか?それこそ貴方が涼宮さんを連れ帰る暇も無く。と 言うのが機関の意見でしてね。」 「何で俺が状況を悪化させるなんて言えるんだよ!」 「それは現にあなたが朝日奈さんとあんな事をしたせいでこんな事になったと言っても良いんですよ。そんな 人が行けば何が起こるか分かりませんからね。」 「ぐ…」 反論なんて出来なかった。それは紛れも無い事実なんだから…それでも俺は反抗した。 「でもそれじゃあ何の解決にもならないだろ!」 「たしかにそうかもしれませんね。ですが、貴方が涼宮さんのところに行きさえしなければ彼女の目的である ジョン・スミスが揃いません。だから放っておけばその内諦めて帰ってくるかもしれません。」 「そんな訳あるか!ハルヒがそんな事で諦めないのはSOS団の一員であるお前もよく知ってるだろ!!」 「ああ、そうでした、SOS団のことでももう1つ話が有るんですよ。」 これ以上何が有るってんだよ… 何故だか俺はその時古泉からいつかの朝倉のようなもの感じていた。 「実は僕に機関から新しい指令が来たんですよ。その指令とは……ジョン・スミスの暗殺、つまり貴方を殺す 事です。」 は?何だって? 今俺はとんでもないアホズラを晒してるかも知れない。そりゃあそうだ、今俺は多分今までの人生の中で一番 驚いているかもしれないからな。 「驚くのも無理は有りません。しかしもう決まった事なのです。SOS団などというものが有るから涼宮さん はこんな事を起こした。こんな事になった以上SOS団にもう存在意義はありません。むしろあリスクが高す ぎます。」 「残念ですが、SOS団はもう終わりです……危険な芽は早目につまねばなりません。いや、むしろもう遅い 位です。だから、あなたには死んでもらいます。」 そう言って古泉は懐から黒光りする銃を取り出した。しかし古泉が撃つ前に古泉の後ろの茂みから突然現れた 男たちが俺に向かって撃って来た。ああ、俺、こんなとこで死んじまうのか… ズガンッ、ズガンッ…ギンギンッ…… しかし俺は死んではいなかった。何故か銃弾は俺の前に小さなナイフと共に全部落ちてたし、俺を撃った男達 は胸にナイフが刺さって倒れていた。ナイフ? 「な!!?」 古泉もびっくりした様に振り向いてた。 ー今だ!!ー 古泉がよそ見している間に俺は走って公園を抜け出した、幸い公園のすぐ横に俺の自転車を停めてる駐輪所が 有った。 今はすぐに長門に会おう! そう思った俺は全力で自転車をこいで長門の家に向かった。 死ぬ思いで自転車を漕いだおかげか、機関の奴等に追いつかれる事は無かった。 しかし古泉がSOS団を裏切るとは…………ちっ、今はこの事は後だ!早く長門のところに… そう思うが早いか、気付けばもう長門のマンションはすぐそこだった。後はこの公園を抜ければ… ん?あれは…長門か? いつものあの公園のベンチに長門が座っていた。そして俺が近づくと長門はすぅっと立ち上がった。 「おい長門。何やってるんだ?こんなところで…」 「貴方が来るのを待っていた。」 さすがは長門だ。この異常事態を察知して俺が来るときに通るであろうこの場所で待機してたって訳か。って ことは、こいつの事だから古泉の事も知ってるんじゃないのか? 「なぁ長門…古泉の事だが━━」 「知っている。古泉一樹の所属する機関は貴方を敵性と判断し、古泉一樹もそれに従いSOS団を裏切った。」 本当に、こいつは…長門に分からない事なんて世界中何処探したって無いんじゃないか? 「それなら話は早い。俺は古泉たちに捕まる前にハルヒのところに行かなきゃいけないんだ!ハルヒの空間に 行く方法を教えてくれ長門!!」 「涼宮ハルヒの特殊閉鎖空間に入るには本来貴方の持つその短冊さえ有ればすぐに入れるが、今では古泉一樹 の機関の者たちが特殊閉鎖空間への侵入を妨害しているため不可能。」 「な!?でもお前なら何とかできるんじゃないのか?」 「不可能。涼宮ハルヒの作り出す閉鎖空間において直接干渉できるのは古泉一樹の機関の超能力者達のみ。そ れに…たとえ出来たとしても、統合思念体の許可が下りない。」 「どう言うことだよ?」 「今回私達は統合思念体の判断によりあなたに協力することは出来ない。統合思念体は今回の件に限り、古泉 一樹の機関とほぼ同意見。」 おいまさか… 「それはつまり…」 「我々も貴方を危険と判断した。統合思念体は貴方の暗殺を我々インターフェースの最優先事項に決定してい る。」 いつの間にか傾いていた夕日に真っ赤に染められ淡々と俺に死刑宣告をする長門は、いつかの朝倉よりはるか に不気味に見えた… 「じょ、冗談だろ…」 「……全て事実。」 「じゃ、じゃあ、長門はどうなんだ?本気で…俺を殺すつもりなのか?」 「……………」 長門は何も言わずに俺の目を見続けていた…… 大体二分くらいだろうか…俺と長門は何も言わず、ただお互いの目を見続けていた。が、ついに長門が少しだ け動き喋りだした。 「私は貴方を殺すつもりは無い。」 「長門。」 良かった。長門は俺の仲間で居てくれるようだ。古泉の事が有った後なだけに余計に嬉しかった。 「私は貴方を信じている。だから貴方が涼宮ハルヒを連れて戻って来ると思っているている。」 「ありがとう、長門……そういえばお前は統合思念体に逆らっちまって大丈夫なのか?」あの統合思念体の事だ、 そんな事をしたら長門は消されてしまうんじゃないのか? 「平気。今の私は統合思念体と接続していない。代わりに涼宮ハルヒの能力に接続し、機能も拡大している。」 いや全く、こいつには隙というものは無いのか? と、突然長門が俺の視界から消えた。ん?急にどこいっ━ってうぉ! 見ると長門は俺のすぐ横に片手を突き出して立っていた。そして長門の2メートル程前に誰かが倒れていた。 ん?あのふわふわの栗色の髪は… 「あ、朝比奈さん?」 「ぃ、痛いですよぉ。ぅっく…っく…」 そう、それは長門が吹っ飛ばしたと思われるその人物は、半ベソかいた朝比奈さんだった。とゆうか何故長門 は朝比奈さんを吹っ飛ばすんだ? 「おい長門。何で朝比奈さんを吹っ飛ばすんだ?可哀相だろ。止めてあげなさい。」 「断る。」 「おいおい長門。おまえはいつからそんな虐めっ子になったんだ?」 すると長門はまだ半ベソ状態の朝比奈さんを指差した。 「彼女は貴方をナイフで刺殺しようとした。」 ………は?…何だって?朝比奈さんが俺を?………ナイフだって?そんな朝倉みたいな… 「な、何言ってんだよ。冗談にしては笑えなさ過ぎるぞ。」 「冗談ではない。その証拠に朝比奈みくるはナイフを右手に持っている。」 確かに朝比奈さんはナイフを持っていた。 「そんな…冗談ですよね。朝比奈さん…」 俺がそう言うと朝比奈さんはまだベソをかきながらだが立ち上がった。 「っう、ぐすっ、長門さんの言ってる事は本当です。ひっく、わたし達の組織もキョ…うっく、キョンくんを …こっ、殺すつもりです。」 俺は今日三度目の衝撃を受けた。そして今回のが一番の衝撃だったのは言うまでもない。 「だ、だから…わたしは、うっく…キョンくんを、ひんっ…ころっ、っぐ…殺さなきゃいけません。ぅう。」 もはや朝比奈さんはベソで無く、本当に泣いていた。 しかし俺は朝比奈さんにそんな事を言われようとも全く反応する事ができなかった。 本当に、本当にショックだったのだ…古泉や長門のときもかなり動揺したが、これとはまた違う気持ちだった。 あの時は信頼とかそういうのがごちゃごちゃした気持ちだったが、今はもっと、なんだか胸の辺りが引き千切 れそうな…そんな気持ちだった。 「させない、彼は私が守る。」 「ながっ、うくぅ…な、っく…長門さん…」 長門が俺と朝比奈さんの間に立ち俺を守ろうとする。この状況では嬉しい事だが、今の俺はただ立ち尽くして 驚いている事しか出来なかった。何にも考えられなかった…考えたくも無い… 「貴方は我々の計画の邪魔。……これ以上彼を狙うなら…消えてもらう。」 「…ぐすっ、ひっく………うっ、ぅうぅぅ…」 「貴方はSOS団に所属していた。それでも彼を殺すと言う。貴方にとってあの日々は偽りだったと…貴方の 行動はそういうことになる。」 長門がそう言うと朝比奈さんは涙を浮かべた目でキッ!と長門を睨み付けた…いや、別に怖くは無いが…いや むしろ可愛い位だ。こんな時に何言ってるんだ俺は! 「なっ!長門さんはっ!うっく、ほんとにっ!そっ、そう思うんですかっ!?っくぅ…」 朝比奈さんは涙をぼろぼろ零しながら長門に向かって叫んでいた… 「あ、あ、あのっ!ぅぐっ、楽しかった日々がっ!わたしには偽りだったなんて、そんなっ、ぐすっ、ぇぐ、 そんなっ!そんな酷い事っ!ほんとに有ると思うんですかっ!?」 「………」 長門は、俺の見間違いじゃなかったとしたら、少しバツの悪そうな表情になっていた。 「ほっ、ほんとは!こ、こんな事したくないんです!ぅっぐ…出来るのなら、SOS団と…キョンくんといつ までも、ぅう…一緒に居たかったんです!!うっく、ずずぅ…それでも…それでもわたしには!禁則事項が有 るからっ!ぅぐっ、わたしは指令には逆らえない暗示にかかっているんです!……ひんっ…逆らえないんです よ。…どんな指令でも……たとえそれがっ!一番大切な人の暗殺であっても!!」 朝比奈さんはもう涙も枯れてしまった様だ。それでも未だにぇぐぇぐとベソをかいている。 しかし待て、今朝比奈さんはなんと言った?暗示?まさかこれは朝比奈さん自身の意思と全く関係なく従わさ れているのか?とゆうことは… 「朝比奈さん…貴方は本当に俺を殺したいんですか?」 「そっ、そんな訳っ…っえぐ……無いじゃないですかっ!ぅうう…」 しまった、また泣いてしまいそうだ… 「長門、禁則の暗示ってのは一体なんだ?」 俺は取り敢えず一番気になった事を聞いてみる。ひょっとしたらこれが突破口になるかもしれない… 「朝比奈みくるはこの時代に来るときに、強力な暗示を掛けられている。とても強力。」 「強力って、どのくらいだ?」 「その暗示に逆らった動きをする事が不可能になり、結果的には体の主導権すら奪えるほど…」 つまり物理的に指令には逆らえないって事か。それじゃあさっきの朝比奈さんも仕方ないな…因みに朝比奈さ んは泣きじゃくっていて、襲ってくる気配は無い。 「じゃあ長門。その暗示を取り除く事は出来ないのか?」 「出来ないわけではない。しかし今の私の状態では無理。」 「なんでだ?ハルヒの力を使って機能を拡大したんじゃないのか?」 「機能は拡大したが、それでも最低あと一体高性能なインターフェースが必要。」 なんとそれはいくらなんでも無理じゃないのか?長門は統合思念体を逆らって俺の味方に成っている訳だから な、インターフェースが協力するわけが無い。 「何で2人必要なんだ?」 「朝比奈みくるの暗示は二重構成になっている。そしてそれは片方ずつでしか解けない。片方を解き、もう片 方を解くには最初に解いたほうをそのままの状態を保持しなくてはならない。しかし両方の暗示に同時に干渉 する事は不可能。そこで暗示が解けた状態を保持する為のインターフェースが必要。」 「ほかに手は無いのか!?」 「…………私の知る限りではない。」 くっそ万事休すか… 「困ってるみたいね。私の出番かしら?」 突然かけられる声、そいつを見て俺は本日四度目の驚愕をする。 そこには…
https://w.atwiki.jp/haruhioyaji/pages/19.html
ハルヒと親父3−家族旅行プラス1 その3から 飛行機は快調に空を飛び、涼宮ハルヒは俺の二の腕に盛大に頭をぶつけて眠っている。 「おい、ハルヒ。起きろ、飯だ、機内食だぞ」 「ん……あ?」 「どっちにしろ寝ちまうんだな」 「"What would you like, beef or fish? 」 「ああ、うん。……キョン、あんた、魚とお肉、どっちがいい?」 「ああ、肉にするか」 「Can I have the fish meal ? He says he d like to have the beef.(わたしは魚料理をちょうだい、彼は肉料理を食べたいそうよ)」 「いまさら驚かんが、英語もできるのか?」 「親父の持論だと、ハロー、プリーズ、サンキュの3つとクレジット・カードがあれば、どこへ行ってもなんとかなるらしいけどね」 ハルヒがトイレに立った時、ハルヒの母さんが寄ってきた。 「キョン君、ありがとうね」 「ハルヒの飛行機嫌いのことですか?」 「ハルが小さいときに乗った飛行機で、車輪が出ないトラブルで胴体着陸したことがあってね。最初に相談しとこうかとも思ったけど、あの娘、気を使われたりするの嫌がるから」 「そうですね」 「まあ結局、何に乗るか、よりも、誰と乗るか、が重要ということね」 ハルヒがトイレから戻ってきたので、ハルヒの母さんは一度通路側に出て、ハルヒを通らせる。 「なんの話?」 「ねえ、セネカだったかしら?『大事なのは何を食べるかではなく、誰と食べるかである』というの?」 「知らない。キョン、知ってる?」 「いや、わからん」 ハルヒの母さんは肩をすくめた。次にハルヒが肩をすくめ、最後に俺が肩をすくめた。 「何やってんだ、おまえたち?」 と親父さんが言って、3人のパントマイマーは我に返った。 その後、いつのまにか俺は眠っていたらしい。 ハルヒの話では、ハルヒの左手を握りしめて、どうやっても離そうとしなかったのだそうだ。 「ったく、律儀というかバカというか」 あきれた声でハルヒは言った。 「で、結局どうしたんだ?」 「何が?」 「どうやって、手を振り解いたんだ?」 「叩いたり、つねったり、ぺろんと舐めたり、いろいろしたんだけどね」 「舐めたのか?」 「効果はなかったわね」 「うむ」 「結局、耳元に『トイレに行きたいんだけど』というのが正解だったわ」 「……」 それがパスワードか……俺のキーロック。 「ったく、律儀というかバカというか」 結局、俺が再び目覚めたのは、飛行機の車輪が大地を踏む瞬間の、ドスンという振動によってだった。 「つ、着いたのか?」 飛行機は飛行場の上をしばらく向きを変えながら走りつづけていく。 「着いたわよ」 ハルヒは笑っていた。 「寝てる人間にシートベルトをしめさせるのは骨が折れたわ」 「ああ、すまん」 「冗談よ。寝ぼけてない? 大丈夫、キョン?」 ハルヒは自分の右手を俺の顔の前で振ってみせる。 「あ、それと、これ、ありがと」 これ、というのは、俺の右手に握られたハルヒの左手だった。目の前で見せられて、何故か反射的に手を離してしまう。 「お、おう。どういたちまして」 痛っ、舌かんだ。 バカ笑いするハルヒ。 それを見て親父笑いする親父さん。 完全に止まってから、との指示を待たず荷物を出そうと立ち上がる他乗客のみなさんの目をそれほど引かなかったのは不幸中の幸いだった。 ハルヒはよほどツボにはまったのか、タラップを降りながら、まだ笑ってる。 「というより、あんたの笑いの取り方は反則よ、人倫にも劣るわ」 目に涙までためてやがる。 「そうだそうだ。笑わせるためなら尻まで見せる芸風だ」 そこに親父パワーが上乗せされる。 「別に笑いを取りに行ってないぞ」 「じゃ天然? えーん、どうしよう、親父。キョンが本当のバカになっちゃった」 自分が吐きだす一言一句に、反応して笑っているのだ、こいつは。まったく、いまいましい。 「なんだ、それっておれのせいか? キョン君、自分の墓穴は自分で掘れ」 そこに親父さんのハードボイルド(?)なボケが上乗せされる。この父娘(おやこ)、実は息もぴったりじゃないか。 飛行機を降りて地上に足を降ろすと、空港は夕暮れ時にもかかわらず、南国らしい夏の熱気を残していた。 こうなると(そういや、いつのまに着替えたんだろう?)ハルヒの親父さんの着ている派手なアロハ・シャツが妙に似合う。まだ会ったことはないが、こういういでたちの人が、現地にたくさんいそうな気がする。 俺たちは滑走路の脇の歩道を、ぶらぶらと空港の建物の方へ歩いていった。 出発の時より、さらにあっさりと、入国その他の手続きは片付いた。 飛行機の旅は、それでも負担ではあったらしく、感情的には上機嫌なハルヒは、体のほうは憔悴しているらしく、めずらしくも俺の腕を杖の代わりに握っていた。 しかしそれもトランクを受け取る頃には、ハイ・テンションが疲労感を凌駕したらしく、まるで誰かに見られたらまずいところを見られでもしたように、ぱっと手を離し、手はそのままハルヒの頭の上にあがったままで止まった。まさにホールド・アップの状態。 「傷つくなあ、なあキョン君?」 と、しなくてもいい心理描写をしてくれたのは、無論ハルヒの親父さんである。 「うっさい!」 今度はアドレナリンとトランクを身の支えにして、さっさと行こうとするハルヒ。 「バカ娘、ここは右も左も分からぬ外国だ、軽率な真似は慎め。予約してあるコテージまではレンタカーでいくから、ちょっと待ってろ」 親父さんは背中に「ワクワク」といった文字を背負うがごとく、人の波をかいくぐりながら目的のカウンターへと進んで行く。 「何が外国よ。日本語も英語も使えそうじゃない」 「暗くなってきているからよ。言葉が分かっても、意に添う人とはかぎらないわ」 ハルヒの母さんはニコニコと、空港の出口でプラカードをもって飛び跳ねている連中たちに目をやった。 「たとえばね、……『鈴木様、田中様、格安タクシー』というの見える?」 「あんなのに引っかかる奴なんていないわよ」 「おい、ハルヒ、どういう・・・」 うっ。言い終わる前に肘をいれるな。 「確かにこういう善良すぎる日本人もいるっちゃいるわね。……簡単に言えば、モグリのタクシーよ。メーターなんかついていない。こっちが道が分からぬことを良いことに、デタラメに走ってとんでもない金額を請求するのよ。日本人ってのはお人よしだから、日本語で書いてあれば山田さんだろうが佐藤さんだろうが、それだけで警戒心を緩めちゃうの、誰かさんみたいにね」 「俺は、別にだな……」 用が済んだらしく、にかっと笑った親父さんが戻ってくる。 「カーナビぐらい、おごりやがれ、べらぼうめ、と言ってやった」 「どこの江戸っ子よ?」 「そしたら、うちの車はぜんぶカーナビつきだとさ。矢印どおり走ればいい。ハルヒ、運転するか?」 「誰が?」 「家族と彼氏の命も預けられないような娘に育てた覚えはないぞ」 「眠いから相手しないわよ」 「飛行機の中じゃずっと寝てたじゃないか、キョンの腕の中で」 「何の中だって!?」 「じゃあ膝枕か?」 「どうやってシートベルトしめんのよ!?」 「はいはい。空港で親子漫才なんて、家族仲良くて母さんとてもうれしいけれど、お腹がすいちゃったわ」 このメンバーで事態を収拾してくれるのは(それができるのは)、いつもハルヒの母さんである。感謝します。 「それじゃあ、街で何か食っていくか。ハルヒ、マクドナルドを襲うぞ。お前はビッグマックを30個、おれはてりたまバーガーを25個だ」 「こんなところで村上春樹読んでる奴なんていないわよ」 「あと、少しは買い物もしないと、明日から食べるものがないわ」 と冷静な意見を述べるハルヒ母。 「聞いてのとおりだ。我々はミッションを変更して、レストランとスーパーに立ち寄ってから基地(ベース)へと帰還する。質問は?」 「というか、それが予定どおりじゃないの?」 「じゃあ、出発!」 夕食は最初に目に入った店に決めようと言う「ハラペコ事前協議」に基づき、大きな交差点にある、国際的な(?)ファミレス・チェーン店のような店に自動的に決まった。 車を駐車場に止めて中に入った俺たち4人は、無節操に多国籍なメニューを制覇するほどの勢いで注文し、そして食べた。 ハルヒの「やせてるくせに大食い」特性については言うまでもないだろう。 そしてハルヒへの遺伝子提供者もまた、そうした特性を持っていたとしても不思議ではない。 ガタイのいい親父さんは、その体と悪知恵とマシンガン・トークを維持・活動させるに必要な相当量の食料を摂取した。 ハルヒの母さんは、小柄で軽そうな外見にも関わらず、終始マイペースで食べ続け、結果として皿の山を築いた。 俺もどちらかといえば小食な方ではない。何よりも、ここは日本でなく、いつもの集合場所の喫茶店でなく、さらに言えば俺の奢りではない。ここでは、涼宮家の3人に、いかほども遅れをとらぬ大食漢ぶりを披露したとだけ記しておこう。 俺たちが宿泊するのはコテージであり、基本的に食事は自炊なので、俺たちは次に明日朝以降の食料調達を行うべく、夜10時まで開いているらしい大型スーパーへ向かった。 そこで、牛のように巨大なショッピングカートを、親父さんと俺とで1台ずつ押し、そこへハルヒ母とハルヒがどんどん食材を放りこんで行く。競り合いのようでありながら、ダブったものは何一つないという母娘のコンビネーション。 「いつもですか?」 俺はこっそり隣の親父さんに聞く。 「どうだろうなあ。日頃、あまり買い物に付き合わんからな。母さんは体力がないから、普段は通販なんか利用してるみたいだし、気合が入ると中央市場へ買い出しだしな」 「ほんとは品物を見て買う方がよいけれどね。最近は宅配もいろいろあるし、ネットスーパーなるものもあってね。その日の広告をネットで見て午前中に注文しとけば夕方に配達に来てくれるわ。主婦もいよいよ引きこもりの時代なのかしら」 親父さんが運転する車は、夜のなかをカーナビの矢印だけを頼りに進み、それでも十数分でコテージの管理棟のようなところに着いた。 親父さんはそこで鍵やら備品一式を受け取ってサイン、それを後部座席のハルヒの上に放り投げて出発。ハルヒは当然わめくし暴れるが、親父さんはゲラゲラ笑いだけで応じる。 数分、車で進むと、どうやら俺たちが泊まるコテージへと着いたようだった。 親父さんはガレージに車を止め、親父さんと俺でトランクをコテージの中に運び込む。 ハルヒの母さんとハルヒは、何往復かして(無論、おれたちにも手伝わせて)買い込んで来た食料をキッチンに運び込んだ。 コテージは、中央に大きなリビングがあって、その正面は大きなベランダがあり、そこから先はこのコテージ利用者のためのプライベート・ビーチとなっている。 ベランダを正面にして、リビングの左手にはキッチンや風呂、それとは別のベランダから直接入れるシャワールームなどがあり、リビングの右手には、手前から大きな寝室、中ぐらいの寝室、同じく中ぐらいの寝室、となる。 「あー、ごほん」 親父さんがわざとらしく咳払いをする。 「長旅ご苦労。飯も食ったし、後は順次、風呂に入って寝るだけだ。明日から気が狂うまで遊ぶから、それに備えて、各自英気を養うように」 そして、咳払いをもう一つ。 「なお部屋割りだが、手前のでかい寝室は俺たち夫婦が占拠する。異論は認めん、たまには年長者を敬え。なお、残りはおまえら好きに使え。父は心の準備はできてる。以上だ」 言うだけ言って、親父さんは風呂へ退避する。さすがのハルヒもハダカの親父は苦手分野のようだ。 「何言ってんのよ!バカ親父」 と、せいぜい見えなくなった親父さんに怒鳴るくらい。 「ちなみに、母も心の準備はできてます」 ニコニコと目を細くして微笑み、追い打ちをかけるハルヒ母。 「母さん!」 リビングのソファに、距離を開けて座り、親父さんとハルヒの母さんが、寝室(大)に消えるのを、二人して見届けた。 ハルヒと俺のトランクは、まだリビングに置いたままである。部屋を決めないと、着替えも取り出せず風呂にも入れない訳だが、親父さんの呪いか、いらぬプレッシャーのせいか、なんだか「先に動いた方がやられる」状態に陥ってないか、俺たち? 「と、とりあえず」 小一時間ほど続いた沈黙は、ハルヒの声で破られた。 「あたしが真ん中の部屋を使うから」 「ああ。端の部屋が俺だな」 「じゃあ、そういうことで」 「おう」 ハルヒと俺は、トランクをそれぞれ自分の部屋に押し込んだ。 ベッドに腰を下ろし、荷物も解かず、しばしぼーっとしているとノックがあった。 「あ、はい。どうぞ」 「いや、開けなくていい。……キョン、お風呂、あたし、先にいいかな?」 「……ああ、かまわんぞ」 「じゃあ、お先に」 「ああ」 しばらくして「これはまずい」ということに、俺はようやく気付いた。 リビングはそこそこ広いと言っても、俺の部屋はそのリビングを挟んで風呂の対面にある。 水音とか、シャワーの音とか、人間誰でも汚れを落としたりお湯の温かさでリラックスしたりすると漏れる声だとか、ダイレクトに届いてしまう位置ではないか、この部屋は。 喧噪を離れ、BGMは波の音だけ、という心もとない状況では、そうした音を遮るのは風呂のドアとすでに無人のリビングと薄い俺の部屋の扉だけだ。 し、静まれ、俺のジョン・スミス。 どれくらい経ったのだろう。俺はノックの音に我に返った。 「キョン、お風呂空いたから」 「わかった」 ハルヒが自分の部屋のドアを閉じる音を確認してから、俺は部屋を出て風呂へ向かった。 適当に旅の汗を流して、そそくさと部屋に戻って、そのままベッドに倒れ込む。 すると、枕元の電話が軽い電子音をたてた。って電話? 「もしもし。ディス・イズ・キョン・スピーキング?」 「室内電話。どっからかかってきたの思ったのよ?」 ハルヒか。すぐ隣なのに、なんだって電話なんてついてるんだ? 「……寝ぼけてたんだよ」 「今、部屋に入った音がしたわよ」 「……」 「キョン、そっちの部屋はどう? こっちのべッドは広いわよ。あんたんちの1.5倍はあるわね」 「うちのはシングル・ベッドだからな」 「いつも2人だと狭い感じがするわね」 「こらこら、『いつも』とか、いつもみたいなこと言うな」 「すぐ隣にいるのに室内電話ってバカみたいね」 「まあな」 そしてかけてきたのはお前だぞ、ハルヒ。 「キョン、あんた、ちょっとこっちに来なさい」 「は?」 その5へつづく
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4056.html
結局その後、俺達は飲めや騒げやなんとやらで一晩中宴会場で騒いでいた 分かった事は喜緑さんは備中と呼ばれる城下町出身の飯綱使で、眼鏡の男の人と一緒に旅をしていると言う事ぐらいだ。 その眼鏡の人は自分の名前が分からないらしく、それを含めた全ての記憶を探す旅をしているんだとか ==宴会所・朝食== ハルヒ「ねえアンタ」 眼鏡の男「なんだね?」 ハルヒ「なにか呼ばれたい名前とか無いの?眼鏡の男じゃ違和感があるわ」 眼鏡の男「そんなものはどうでも良かろう」 ハルヒ「でも眼鏡の男じゃなんかあれよねえ…」 喜緑さん「う~ん、そうですね。あ、そういえば東の方の城下町では会長なんて呼ばれてますよ?」 古泉「会長とは?」 喜緑さん「私もよく分らないんですけど…『短筒を愛する会』と呼ばれる集りのまとめ役を会長と呼ぶらしいんです」 ハルヒ「決まりね!そっちの方が呼びやすいし!アンタこれから会長って呼ぶわ」 会長「お、おいそんな勝手に…」 キョン「まあ、いいじゃないですか。眼鏡の人より呼びやすいですよ。」 会長「…まあ呼ばれ方にはそう拘らん。それより君達は此れからどうするんだね?」 キョン「此処でもう少し掘り出し物を探してから…比叡山に行こうと思っています」 会長「比叡山だと…?あらゆる生命を司る神々の住む領域…人呼んで【神霊域】と呼ばれるあの場所へか…?」 キョン「ええ、あそこが一番手っ取り早く腕を鍛える事が出来ると思うんです」 喜緑さん「やめた方がいいと思います…あの洞穴は神の領域。私の母もあの地で命を…」 キョン「・・・・」 会長「好きにすれば良い」 喜緑さん「でも・・・」 会長「止めはしない。だがもう少し時を置いても良いんじゃないか?」 キョン「・・・?」 古泉「具体的にどうすれば良いのでしょうか?」 会長「相模天狗の森に行け」 古泉「!」 ハルヒ「何よその相模天狗の森っていうのは」 古泉「僕から説明します。この城下町を少し北へ行ったところに一際不気味な森があります。それを万民は『天狗の森』と呼びます」 キョン「なんだそりゃ?天狗と戦えとでも言うのか?」 会長「その通りだ。今の君達の力がどれ程の物かは知らん。だが相模天狗と言えば古来より伝承されてきた仙術を駆使する、いわゆる仙人だ。噂によれば、かなり好戦的とも聞く。経験に勝る知恵無しとでも言うべきか…比叡山に行くつもりならその前に寄ってみて損は無いだろう。腕試し、と言ったところか」 キョン「なるほど…わかりました。色々ありがとうございました」 喜緑さん「良いんです。久しぶりに楽しかったですし・・・そうだ!今日は皆様一緒に相模市場を周りませんか?」 ハルヒ「いいわよ!有益な情報を提供してもらったし人数は多い方が楽しいわ!!」 古泉「どうやら決まりのようですね。」 長門「・・・決まり」 うお長門! 今日初めて声を聞いたぜ あれ・・・朝比奈さんは? ハルヒ「みくるちゃんなら知らない女の子に連れられてどっか行っちゃったわよ。アタシも起きたところで寝ぼけてたから止められなかったのよね」 な、なんですとっ!? ==相模城下町・市場== ???「どうだいこのお茶っ葉!めがっさいい品じゃないかなっ!!どうにょろ?」 みくる「いい品ですぅ~これも買いですぅ!」 ???「はい毎度ありぃ!」 みくる「このお店は広くて大きくてどんなお茶っ葉でもありますぅ~凄いですぅ」 ???「相模市場の中でもこの鶴屋商店はめがっさ人気の店なのさ!刀、鎧、薬、食糧なんでもござれって感じだねっ!」 みくる「こんないい店に連れてきてくれて嬉しいですぅ。本当にありがとうございますぅ~」 ???「良いって良いって!うちの親父がやってる店だからねこれっ!」 みくる「ふぇえ~!?そうだったんですかぁ?」 鶴屋さん「そうそう!アタシのことは鶴屋さんって呼んでくれていいよっ!」 みくる「私は朝比奈みくるって言います。宜しくです鶴屋さん」 鶴屋さん「よろしくっ!」 会長「私も見たぞ。確か鶴屋商店の若い娘に連れられていったな」 ハルヒ「鶴屋商店?」 会長「相模商店の中で最大の権力を持つ鶴屋家の営む店だ」 キョン「とりあえずその鶴屋商店に案内してください!」 会長「うむ。急ぐのならば走るぞ。付いてこい」 みくる「あ、みなさぁ~ん」 鶴屋さん「ん?みくるの知り合いにょろ?」 みくる「旅の仲間なんです」 キョン「あっ朝比奈さん・・・・ぜえぜえ・・」 ハルヒ「あんた早いわよ・・・はあはあ・・」 会長「こっ・・・これぐらいの速度で無ければ走るとは言わん・・・」 喜緑さん「何気合い入れて走ってるんですか・・・もう・・・」 会長「き、気合いなど入れてない!」 喜緑さん「隠したってバレバレですよ~」 会長「ま、全く何を言っているのだか」 古泉「それより朝比奈さん、ご無事で何よりです」 長門「何より・・」 みくる「ふ、ふえ?」 鶴屋さん「そういう事にょろか~ごめんよーこの子があんまりにも可愛いもんだからつい手を引きたくなったのさ」 うほっ・・・いつか見た相模美人・・・ この店の人だったんだな 流石にいい店にはいい美人がいると言ったところか・・ しかし・・・朝比奈さんまでとは言わないが・・・大盛り・・・って何を考えているんだ俺は!? 話を聞くところによると、鶴屋さんは宿屋にある物を配達しに来たらしい その時に宿の入り口で寝起きの背伸びをしている朝比奈さんを見て何となく自分の店に連れて行きたくなったらしい 動機が素晴らしく無茶苦茶だな…この人は それから遠慮する俺達を遮り、鶴屋さんがお茶と団子を御馳走してくださった ハルヒも長門も鶴屋さんとは非常に気が合うらしく、まあこれはこれで良かったと思っている。 楽しい時間を過ごす内に、日はやがて傾き、俺達は宿に戻る事になった 長門も古泉も鶴屋商店で自分の買い物をすませたらしい さて、あと一つだな・・・ ==宿屋・キョン、古泉部屋== 朝、ゆっくりと顔を見せる日の出を見つめながら、俺は一つの懸案事項を抱えていた。 それは平泉の洞窟で手に入れたこの刀…鋼忍刀(義経刀)の事である。 キョン(なぜ抜けないんだ・・・?) そう、抜けないのである。 洞窟で一度抜いたきり、後から何度やっても鞘からこの刀を抜くことが出来なかったのだ 俺が足りない頭を動かして、必死に鞘から刀を抜く方法を考えていると古泉が起きてきた 古泉「…どうもおはよう御座います。どうかされましたか?何か思い詰めているような顔付きですが・・・」 キョン「ああ、少しな」 古泉「僕で良ければ御話を伺いますよ?」 古泉「成程…つまりあれから一度も抜刀していないと?」 キョン「ああ、手入れも出来ない」 古泉「昨日、鶴屋さんに少しお話を伺ったのですが、この町の外れに宗兵衛と言う名匠が住まれていらっしゃるそうです。その方なら何か分かるかも知れません」 キョン「そうだな。今日はそこに行ってみるか」 古泉「お供しますよ。涼宮さん達はどうされます?」 キョン「あいつらも連れて行こう。特にハルヒは愛用の双剣が欠けちまったらしいからな」 古泉「了解しました」 ==相模城下町付近・山道== 鬼道丸「あの民家か…」 影の軍中忍「そのようです。捉えますか?」 鬼道丸「その必要は無い。私は頼み事を行う立場にいる。成らば、剣術家として最大限の礼儀を払うべきは、この私だろう」 影の軍中忍「相も変わらぬ剣術家精神…感服致します」 鬼道丸「行くぞ・・・」 ===相模町外れ・山道寄り== キョン「あの民家がそうなのか?」 古泉「町の人の情報によると、そうらしいですね」 ハルヒ「早くアタシの双剣直してもらいたいわ」 キョン「先に俺の刀を説明するぞ」 ハルヒ「別にいいわよ。アタシは急ぎじゃないし」 みくる「ふ、ふえええ!」 ハルヒ「どうしたのみくるちゃん?」 みくる「あ…あれ…」 ハルヒ「へ?」 みくる「ほらあそこに・・・」 ハルヒ「…!あれは」 キョン「どうしたハルヒ?」 ハルヒ「キョン、あれって影の軍じゃないの?」 黒い忍者服に身を包んだ群衆…間違いない!! キョン「!!・・・確かにそうだ!」 ハルヒ「まさか…」 古泉「どうやら目的は僕達と同じあの小屋にあるようですね」 ハルヒ「何をしに来たのかしら?」 キョン「何でもいい!あいつらの事だから何か悪事を仕出かすに違いない!」 古泉「しかしその考えは聊か早計では…」 ハルヒ「あいつらは信長が動かす影の軍よ?いい事なんかする筈ないわ!!」 そうだ、あいつらが今までどんな事をしてきたか考えれば俺達が成すべきことは決まっている!! キョン「行くぞみんな!」 涼宮ハルヒの忍劇11