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パソコンが苦手な人でもわかるような解説を準備しています・・・
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このページはこちらに移転しました こうやって胸に手を当ててよく考えてみ? 作詞/つまだ ここにいる 僕と対談 無実を主張 無責任だね ここにいた 君裁判官 無実は崩れ 有罪判決 シラをきって 叫んだ 泣いた 僕は 僕で あるがために 舌を切って 臨んだ苦しみ 僕は 僕を 殺してみる 我関せず我関セズ 自問自答自業自得 自覚は無いわけじゃないよ だから逃げ出したいんだよ ここにいる 僕と対談 無実を主張 無責任だね ここにいた 君裁判官 無実は崩れ 有罪判決 (このページは旧wikiから転載されました)
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静島 修吾にはわからないことが多すぎる。 高校三年、レスリング部、副部長。 頭の方はそれなりに良くはない。 だから静島 修吾にはわからない。 クラスメイト達が伏し目がちになり、何かに取りつかれた様に赤い表紙の本を読み出した理由がわからない。 放課後に脇目も振らず、どこかへ足早に消えていく理由がわからない。 まるで街中に突然、なにか知らない音楽が流れ出して、振り付けの知らない踊りを皆がさも当然の如く踊り出したのような、疎外感と焦燥ばかりが胸のなかにあった。 親友の言葉もまるで外国の言葉のようで、その重大さが不思議とわからない。 静島 修吾はわからない。 ダンスはうまく踊れない。 「大丈夫だったの?」 鳴海 延明はクレープのクリームを吸いながら問う。 「大丈夫じゃねーんだよ……部活動はしばらく禁止、おれも修吾も初めて取り調べとか受けちまったよ」 大島 大河はプラ容器に満ちたケチャップをポテトフライで掻き回しながら溜め息を吐く。 今年で無くなるレスリング部の部長としての責務が、下級生の起こした暴行事件という予想だにしない火の粉を被る結果になるとは思いもしなかった。 「せんせーもめちゃくちゃ凹んでんし、修吾はずーっとボケーッとしてるし」 「修吾くんち、大変らしいからね……お母さん」 「うん」 母親の病気が芳しくないというのは、二人も修吾の口から聞いた。 その為だろうが修吾は学校を休みがちになり、延明と大河は二人きりで過ごすことが増えている。 「進路、どうすんのかな……」 その大河の言葉は修吾に向けられた言葉だったが、それは二人の心にも同時に引っ掛かる。 「大河くんは……進学するの……?」 「んー、希望としてはな、ただ、私立大学は経済的に無理だし、今も奨学金で高校通ってッからさあ……」 「ぼくも」 ただ、延明が大河と違うのは、大河のような明確な目標を持って進路を見据えていないという点だ。 進学はした方が良さそうだが、そんな金もなければ受験だってしたくない。 ただ、大河や、修吾と離ればなれなにはなりたくない。 進路調査で進学に丸を着けたのは、そんな邪な願いからだ。 「つーてもなんか、大学行ってもなあみたいなとこあるし」 「そうなの?」 「いや……就きたい職はあるけどさ、四年制大卒以上で体育大出てないといけないし、それには金がちょっとね」 大河には確かに明確な目標があるものの、それこそ小学生の将来の夢のような現実味に欠けたもので、それに届くだけの希望はあらゆる壁に阻まれている。 「……ぼくも、最悪、うちの店で働こうかなって……」 「飲み屋の?」 「うん、親は、それでしょうがないね、みたいな空気になってるし……」 二人は希望の見えない明日を嘆いた。 はす向かいのテーブルで赤本に線を引く学生の姿すら眩しく見える。 その傍らに立て掛けた傘の先で、水溜まりが蛍光灯の光を遊ばせていた。 「ノブは、なんか、なりたい仕事とかないの」 「……わかんない」 延明は小さく呟く。 「……考えた、ことも、なかったし」 「ふーん……」 ふと、フードコートの側を目立つ不良が通りかかる。 延明の姿を見つけたようだが、対面に座する大河の睨みに気づいたか、見て見ぬ振りして去っていった。 卒業を前に反骨精神のピークを迎えているのか、あるいは連中も希望の見えない未来に捨て鉢な気持ちになっているのか、攻撃の対象に餓えている様に見受けられた。 レスリング部の二年生が商店街で起こした派手な喧嘩も、どうやらそういう連中のグループとの衝突が原因らしい。 一般女性が巻き込まれたことで警察沙汰になり、地方紙にも記事が乗ったような話まで飛び出した。 レスリング部は夏休み明けまで活動禁止、計画は全部中止、夏の合宿も無くなった。 それを受けて大河は修吾と共に、延明のそばにいることに決めている。 今の空気は何か異常だ。 ダンスはうまく踊れない。 おそらくうまく踊れる人間はそうそう居ないだろうという認識を大河と延明は確かめ合った。 それでも焦燥はとまらない。 ダンスはうまく踊れない。 あまり夢中になれなくて。 それは自分への言い訳だった。 周りの皆がおそらく足を縺れさせつつ必死に踊るのに、目を向けないための言い訳だった。 だが手を取り一緒に踊りたいかと問われれば、正直に首を縦に振ることはできない。 それには当然それぞれの理由がある。 ただ、あえて共通している理由を述べるとすれば。 ひとりきりでは、ダンスはうまく踊れないのだ。 「ただいま」 誰も居ない居間にも挨拶をするようにしたのは、少しでも口下手を解消しようという努力のひとつだった。 家に帰ればほとんど言葉を発することのなかった延明だったが、それでも友達と一年間言葉を交わして多少は受け答えがしっかりしてきた。 あえて言うのであれば、それでもやはり家族と交わす言葉が増えたというわけでもないのだが。 「……なにこれ」 テーブルの上に、茶封筒がひとつ、メモ書きと共に置いてある。 のぶちゃん 次の三者面談はいけません 封筒に先生への手紙が入っているので あした 先生に渡してください 「……」 結局、両親とちゃんと進路について話し合ったことはない。 何か互いに、この問題を先延ばしにしているような気がする。 それに対して延明は、もやもやと怒りを抱いているところはあったのだが、かといって語るところも無く、自分の答えが見つかるまではその怒りを胸の中に押し込めることにする。 鳴海 延明はわからない。 自分の求めるところがわからない。 その苛立たしさを他人に向けてはならないと、それは彼の分別だった。 でも、それでも。 母親のメモを見るときに抱く気持ちは、まるで孤児の孤独のそれだ。 まるでもう私の子供ではないのだから、私にはかかわらないでと、この質素な茶封筒の中に書かれているのではないかという思いがあった。 もやもやと、浮かぶ思いは本当に怒りなのだろうか。 蟠るこの思いはまだ怒りにも悲しみにもなりきれていなくて、それはおそらく自分が何にもなれないから形が定まらないのだろう。 「……」 ふとテーブルに飾られた、どこぞのお宅から拝借したのだろう紫陽花の褪せた色をぼんやりと眺めていた。 どうしても、逃げてしまう。 鳴海 延明にはわからない。 なぜ皆、自分の未来というものを見据えて動けるのだろう。 延明は、茶封筒を触れるのを恐れてそのまま部屋へと引きこもった。 制服を脱ぐこともせずにベッドの上へ横たわり、さなぎの様に動かなくなった。 鳴海 延明はわからない。 自分というものがわからない。 わからないまま、ただ、求められること、降りかかることに流されて生きてきた。 それで十分に満足だった。 必要としてくれる人たちができた。 それで十分に満足だった。 否。 それが利己的で独りよがりな満足であることは彼らが教えてくれた。 何か、彼らにしてあげたい。 でも、鳴海 延明にはわからない。 してあげられることがわからない。 「……修吾くん」 無意識にその名前が出た。 ここ一週間で、修吾の顔をどれだけ見ただろう。 相変わらずの仏頂面、それでも、その表情はどこか悲しげで、疲れていた。 修吾に何があったのかは直接聞いていない。 母親が長く闘病しているという話は大河から聞いた。 延明は修吾のことを気に掛けているが、深入りすれば修吾の負担になると考えてそれ以上は立ち入らなかった。 修吾に逢いたい。 でも、逢って一体なにになるのだろう。 鳴海 延明はすべての回答を先延ばしにしている。 あえてひとつ、誰にも答えられない回答がひとつだけ、その心に繋ぎとめられてはいるのだが。 静島 修吾と、ずっと一緒にいたい。 「……」 携帯電話の電話帳に修吾の名前を探して、伏せた。 声が聞きたい。 なにかをしてあげたい。 けれども、ぼくにはなんにもできない。 少しだけ画面を操作して、発信のボタンを押す。 1コール、2コール、3コール。 『もしもーし』 「大河くん」 『どした?』 電話の向こうの優しげな声に、少しだけ安堵した。 「いま、へいき……?」 『おう、七時にはバイト行かなくちゃいけないけど、それまでならぜんぜん平気』 「ごめんね」 修吾には声を掛けられないのに、大河に掛けられるのはなぜだろう。 延明は謝りながら一瞬、そのように思った。 「……声、聞きたくて」 『どした、帰ってからなんかあった?』 「親と、ちょっとね」 まるで喧嘩でもしたかのような言いぶりだ。 そんなことすら、起きやしない。 「その……修吾くん、大丈夫かなって」 『ああ、おれも心配は心配なんだよな。まあ、明日会えるだろ』 「うん」 ほかの話題が見当たらない。 さっきまで軽食を採りながら話していた相手なのだから、当然は当然なのだが。 『ノブ』 「うん」 『本当は修吾の声聞きたいんだろー』 「……うん」 大島 大河は何でもわかってしまう。 だからいつも、彼を頼ってしまう。 『電話すりゃいいじゃん、あいつ喜ぶよ』 「でも、なんか……忙しいときだと、悪いなって」 『……まあ、今はなー、確かに』 「……」 『おれも最近は学校で会うだけだし』 大河ですらそうなのだから、自分が電話などかけて甘えてしまったら、修吾にどれだけ迷惑を掛けてしまうだろう。 『まーでも、修吾もおまえの声聞きたいンじゃね? 恋人なんだから』 「そ、そういうんじゃ、ないよ……」 彼らの関係は何も進展していない。 相変わらず、触れ合いかたの異常な友達のままだ。 『……ちゃんと、好きだよって言っとけよ』 「好きだよ、でも」 『でも?』 「……好きなだけじゃ、だめだと思う」 大河はその言葉に応えるのに、わずかだが時間を要した。 「……大河くん?」 『あ、いや……ノブもちゃんと考えてるんだなって』 なにか、その声色には動揺の色が含まれていた。 『……思い詰めんなよ、あんまり』 「うん」 『お互い辛いときに寄り添える、ってのも、おれは“してあげられること”だと思うよ』 だが延明はそれを善しと出来なかった。 自分は、与える以上に受け取りすぎている。 『あ、やべえ、そろそろ着替えなきゃ……つぎ修吾に会うとき、たまには連絡しとけって言っとくよ』 「あ、あの」 『じゃ、また明日な』 電話はそれで切れてしまった。 延明は一つため息を吐き、そして再び、さなぎになる。 その週、静島 修吾は学校を続けて休んだ。 去年の猛暑と打ってかわって今年は冷夏の予報であり、六月に入って日照は極端に減り、気温が25度を下回る日も多々あった。 ようやく集中治療室から一般病棟に戻った母親の汚れ物を大量に袋に詰め、修吾が病院のエントランスを後にする。 「……」 その向こうに大河が立っていた。 人違いを疑ったが、こちらに手を振ったので小さく手を挙げてそれに応じる。 嬉しかった。 それは表情が緩びたことから大河にも通じたらしい。 「……持つか?」 「いや、いい」 「……」 修吾は負担をかけまいとしただけなのだが、大河は少し、無力な気持ちになった。 「おふくろさん、どう」 「一般病棟に戻った。峠は越えたそうだ」 「そか、ならよかった」 世界は灰色だ。 垣根の緑も、顔を出す紫陽花も、みな灰色にくすんで見える。 「……待ってたのか」 「いや、ノブを家に送るついでに寄ったら会えたからさ。そういや、ここだって言ってたかなーって」 本当は30分だけそこで待っていた。 面会時間は過ぎたので会えないと思っていた。 「それさ、洗い物?」 「おう」 「いっぺんに洗えねーだろ、うちの乾燥機使えば?」 「……」 その提案には少し驚いた。 「うちの奴、業務用のでけえ奴だから一発で終わるよ、洗濯」 「……いいのか?」 「おう」 大河は頷く。 「……んでさ」 だが、それより驚いたのは、 「うち、泊まってけよ」 大河が、自分から手を繋いだことだ。 修吾は、大河と、延明と、その“友情”の範疇を逸脱した関係を続けてしまっている。 三人の交遊は極めて良好で、今年は三人で初詣に行ったほどである。 修吾や大河は時おり延明の家に外泊もしていたが、修吾はどちらかと二人きりの時にはやはり胸の虚しさを覚えてその身を求めていた。 大河にはその度に説教をされている。 延明との関係もはっきりしないまま、拒まないからと自分を求めるのは如何なものかと。 それでも修吾は二人を必要とした。 二人が居なければ、何かがおかしくなりそうだった。 「……」 小汚く殺風景な大河の部屋。 灯りも点けず、荷物を下ろすなり、二人は固く抱き合い、唇を重ねていた。 大河から求めたのは初めてのことだった。 修吾は多少困惑はしたが、それでも嬉しく思った。 「……おめーの身体、でかすぎ」 分厚い背中に手を回しながら大河は呟く。 胸中は延明への、そして修吾への罪悪感で一杯だった。 「……」 「ごめん」 畳に身を横たえ、指を絡ませ合う。 「……なんか、あったか」 「色々ありまくりなのは解ってンだろ」 大河自身に同性愛の自覚は無いのだが、一年前の海での出来事から、修吾が恋愛対象として十分見て取れることは自認していた。 彼自身はそれを極めて重大な問題として認識する。 「おまえのことだって、スゲー心配した」 だがもう独りで受け止めるには限界だった。 今になって、修吾が自分を求めた理由も解る気がする。 「……すまん」 大河の頭を掻き抱き、修吾は自分の胸中の空洞にその身を納めた。 「……」 「……」 大河はこうなってしまうのをなるべく忌避するつもりだった。 修吾の腕のなかはあまりにも居心地が良く、自分が求めてやまないものの全てが満たされるような気持ちになるからだ。 この場所は延明の為にあるべき場所で、自分がそれに間借りするのは良くないと考える。 だが、求めてしまった。 この場所から逃れるには、相応の覚悟を必要とする。 その覚悟は痛みを伴うものだ。 修吾の腕に抱かれる度に、身をもって理解していたことなのに。 「……」 「……」 だが修吾の鼻先が近づけば、やはり吸い寄せられる様に唇を重ねてしまう。 “友達”がすることではないと考えてしまう。 「……」 そして、延明と修吾の笑顔がよぎってしまう。 「……ッ」 おまえは、どうなんだ。 大河は決して口にしない言葉を問いかける。 おまえは何か、罪悪感を抱いたことはあるか。 延明の顔がよぎることはないか。 今、おまえは、誰の顔を思いながらくちづけをしているのか。 大島 大河はわからない。 これが恋だと認めたくない。 「……ノブが」 「ん」 「めちゃくちゃ、お前のこと心配してる」 大河は修吾の胸板に身を預けながら告げた。 「……ちゃんと連絡取り合えよ、恋人だろ」 「……」 修吾は言葉を発しなかった。 「応えろ、バーカ」 大河は修吾の脇腹を、軽く殴るような仕草で小突いた。 「……心配、かけたくない」 「なら余計連絡取れッての、心配だッつうの」 「……」 修吾は大河を強く抱き寄せる。 「すまん」 「延明に言え」 抱き合ったまま、二人は黙する。 「……部活、今月一杯活動停止だってさ」 「そうか」 「その間に、進路、考えとけッて」 大河は浅く溜め息を吐く。 「……おまえ、進路は?」 「考えてない」 「……」 修吾は大河の実在を確かめるかのように、抱いたその肩を何度も擦る。 「母さんの具合がどうなるか、によるからな」 「……悪ィ」 「いいんだ」 寝返りを打ち、その胸に大河を抱え込む。 「……ずっとな」 「うん」 「俺に何ができるのか……考えてた」 「え?」 修吾は大河の額に顎を重ねている。 その為に大河は修吾の顔色を窺うことができない。 「親はさ、俺が世話焼くのを良くないと思ってるらしい」 「そ、そりゃまたなんで」 「学生は学業に専念しろってよ」 その親心は、わからないでもない。 「……でも、俺は、見捨ててるみたいで、嫌だ」 「……」 その時、大河の胸中を支配していた感情は、 「……大河?」 焦燥、だった。 「すまん、ちょっと、眠くなっちまった」 「……昼寝でもするか」 「おう」 そう誤魔化して、身を離そうとする。 だが修吾は肩を抱く手を離さなかった。 「……ちゃんと、寝れてンの?」 「少し寝不足気味だな」 言いながら一つ欠伸をする。 「……」 「ん」 大河は修吾の仏頂面を撫でた。 「……」 「気持ちよさそうな顔しやがって」 修吾は目を閉じ、されるがままになる。 「こうされると、気持ちいい」 「そうかよ」 久々の深い安息だった。 「大河」 「あん?」 「……甘えて、すまん」 その言葉に、やはり大河は少し無力な気持ちになる。 そんなに、自分は頼り甲斐が無いのだろうか。 黙ってそのまま身を預けてほしい。 そういう、独占欲が沸き起こる。 「……修吾」 「ん」 「……延明のこと、好きなんだろ」 まるで深い溜め息のような言葉が、大河の口から零れ出た。 それは自分の思いの裏返し。 利己的な自分を否定する為の言葉だ。 「……ああ」 修吾はそれに応え、首筋を撫でる大河の手を握る。 「大河も、好きだ」 「……」 嘘は、吐きたくなかった。 「……おれ、お前のそういうとこ、キライだ」 大河は目を閉じ、心臓を食い破るような胸の痛みに、身体を丸め、隣に横たわる男の体に縋って耐えた。 延明との罪悪感と、それでも修吾に甘えてしまう自分への嫌悪が混じって生まれる猛毒の化合物が、身を苛む痛みだった。 ひとりきりではダンスはうまく踊れない。 ふたりきりの三者面談で延明は、ひたすら担任に訪ねられた。 何故あなたは踊れないのかと。 鳴海 延明はわからない。 踊りかたがわからない。 何故大人たちは皆、自分が踊れる体で未来を語るのだろう。 そう問いかけて踊りかたを教えてほしいと乞うには勇気が足りない。 何故あなたは踊りかたを知らないのか。 そう怒られるのが怖かった。 そのくらい、周りの皆は赤い本片手に見事に踊ってみせている様に彼には見える。 鳴海 延明はわからない。 なぜ踊るのかがわからない。 母親がしたためた手紙の内容は、概ね延明が想像したものに則している様子だった。 ただし、それは母親なりに息子を愛しているが故にしたためられたもので、鳴海家の経済状況が恥を忍んで明かされ、頭の悪い自分に代わって延明に未来を示してほしいと悲痛な願いが込められている。 担任にはそれが気に食わなかったらしい。 両親が責任を教師に丸投げするなど言語道断で、あまりにも無責任すぎると延明は責められた。 自営業で日中は時間を取れるのだから、日にちを改めて三者面談の機会をなんとか取り付けろと指示が入った。 延明はそれらの言葉をひとりで受け止めきれずに、時おり、担任が背中に背負う窓の向こうの雨の様子をぼんやりと眺めている。 ひとりきりではダンスはうまく踊れない。 延明は両親に向けられた憤りを自分へのものとして受け止め萎縮した。 そもそも原因は自分にあるのだから、延明としてはそれを真摯に受け止めることこそが自分の責任と考えた。 ただ、それは決して相手の意図したものではなく、より望まない結果に向かっていることを延明はわからない。 ダンスはうまく踊れない。 手取り足取り教えられてなお、彼の現実はそこに追い付かない。 「静島くんっつったっけか、そんな大変なのか」 「おふくろさんがずっと入院してるンだってさ」 夕飯を済ませ、食器を洗う大河に父親が訊ねた。 「ウチと今おんなじ様な感じなんじゃねーかな、でも自炊とか出来るタイプじゃねえから苦労してンじゃない?」 「やけに世話焼きじゃねーか」 「お陰さまでね」 あらかたの家事を終え、大河は父親の対面に座る。 「……進路、どうすンだ」 「どーすんだ、ってもね……」 大河はぼんやりとニュースを眺める。 「……就職コースかな……家業継ぐンでもおれは構わないし」 「なんだよ、プロレスラーになるの諦めちまったのか」 「そんな小学校の時の“しょうらいのゆめ”みたいなの、今さら」 大河はそう笑ったが、父親は大河が自室に貼っていたタイガーアモールのポスターが剥がされていた事に気づいている。 それこそ大河が小学生のころ、母親と離れて暮らし始めたころに連れていったプロレスの試合からずっと、夢中になって追いかけてきた選手だ。 無論、息子に負けず劣らずのプロレスマニアである父親は、その変化を見逃さなかった。 「……家のこと、気にしてンのか」 「気にしてるよ、そりゃ」 平然と大河が言い放つ。 「大学行って、望んだ職に就けるとは限らないしね」 「就けるよう努力しろよ」 「そうなんだけどさ」 大河は目を合わさない。 「なんか、臆病になってんのかな」 「……」 「おれに出来ること、って、なんだろうってさ、考えちゃうんだよね」 父親は、それが大河の本心でないと信じたかった。 長い間、いろいろと課してきたせいもあって、せめて息子の夢は叶えてやりたいと考えていた。 だが現実は非情で、大河の言う通り、経済状況が良いわけではなく、通える大学は限られるであろうこと、夢を追うために浪人をさせてやるだけの余裕は無く、かつ、一度載せたレールを切り替えてやるだけの余力も無い。 それに父親は認めたくないであろうが、大河の胸中は本人も気づかないほど冷えて乾燥し、自身のエゴを通せるだけの矜持も既に折れてしまっていた。 大河が他人に良いように動きたがるのは自らの矜持が損なわれているからだ。 彼は他人に依存しないと自分の有り様を保つことが出来ない。 「……大河」 「親父、気にすんなよ」 大河の笑顔に、父親はかけるべき言葉を失った。 「おれはやれることをやりたいから」 この手の届かない夢は諦める。 それが、大河の笑顔の裏に秘めた彼の諦念だった。 自己嫌悪、という言葉を当てはめたならば、静島 修吾の人間性は簡単に説明できる。 苦しむ母親の姿や、奮闘する父親の姿、去っていった友達の姿を見てきた彼は、常々無力感に苛まれてきた。 それを決定づけたのが、幼少期、酒に酔った母方の親族から一度だけ言われた心ない一言だった。 木偶の坊。 彼は今でもこの言葉に縛られている。 図体ばかり大きく、頭が回らず、いつも無力で、引き回してくれる相手が居なければできることがわからない。 父親の憔悴は自分が何も出来ないからという強迫観念を、その仏頂面の裏に隠している。 鳴海 延明と大島 大河という、二つの部品が揃って初めて、彼の心は充足した。 不思議と惹かれた延明は、きっと自分のような“盾”を必要とするだろうと無意識に思って惹かれたのかもしれない。 常にそばに居た大河は、自分のようになりたいと言って自分を必要としてくれた。 自分は木偶の坊じゃない。 修吾は気づいていないが、その感情は極めてエゴイスティックなものだ。 だが、成長に伴ったか、あるいは延明や大河の姿から感じ取ったのか、その利己的な思いは何か間違っているのではないかと考えるようになった。 ことさら、延明に依存しながら大河も必要とした自分は、結局無力なのではないかとすら考えた。 それでも、二人のことを思えば、それこそ片割れの無い磁石のように身悶え、恋しく思った。 静島 修吾は眠れない。 心臓も肺臓も無くなったような喪失感が度々苛んだ。 その空洞にぴったりと収まる部品を求めていた。 大河に逢いたい。 鍛えた硬い身体、引き締まった腰を抱き寄せて、気の効いた言葉で優しく慰めてほしい。 延明に逢いたい。 包み込むのに適した小さな身体、ふんわりと柔らかい肌に頬を寄せて、心配するなと慰めてやりたい。 それは、静島 修吾という人間を現実に繋ぎ止める為に必要な二つの部品だった。 この二人だけは、必ず自分を必要としてくれる。 修吾の巨大でがらんどうの身体はこの二人の為に使いたかった。 延明と大河、この二人の中にある“静島 修吾”だけが、残された“自分”というものだった。 静島 修吾は、わからない。 どれだけこの二人が自分のために心を裂き、どれだけの負担を強いているか。 だが、それは決して彼だけの所為ではない。 修吾、延明、大河、三人ともに、その胸のなかでひとり、踊らされているに過ぎないのだ。 いくら身体を重ねても、まだ互いに心が触れあったわけではないことを、彼らは皆、わからない。 「修吾、寝れないのか」 リビングで麦茶を飲んでいると、父親がのそりと隣に座った。 「父さんこそ、寝ないともたないだろ」 「寝付けなくてさ」 父親の身体は小さい。 否、修吾の身体が大きくなりすぎたのだ。 「やっと休暇、貰えたよ」 「……」 「修吾はちゃんと学校行かないと、進路に響くだろ」 「夏休み入ったら補講受ける」 修吾はぶっきらぼうに応えた。 「母さんに、心配かけちゃだめだよ」 「……」 結局、そうだ。 何をしても、人の為にならない。 自分は大河のように他人に何かをしてやるということが出来ない。 延明のように気を使ってやることも出来ない。 「……寝る」 「明日は病院父さんが行くから、お前は、ちゃんと学校行くんだぞ」 心配をかけてしまう。 自分が、木偶の坊だから。 修吾は黙って部屋を出ていった。 それを、怒っているのだと父親は感じた。 「……」 真っ暗な部屋の中で、小さな小さな光が点滅している。 数分前に、延明からメールが届いていた。 修吾くんに会いたい 一時間程自転車を飛ばして、学校側の公園で待ち合わせた。 「修吾くん」 久々に聞いた延明の声だった。 「……ノブ」 駆け寄った延明を、そのまま抱き締める。 「ごめん、ごめんね、夜中に」 「……いや」 延明は今までに無く、力一杯自分の身体を抱き締める。 それが嬉しかった。 「……あいたかった」 「……おう、俺も」 延明の頭を撫でる。 満たされた気持ちだ。 そしてそのまま口付けた。 「……」 「……」 震える唇に優しく舌を這わせた。 大河とはまた違う口付けだった。 「……心配かけたな」 「ううん」 そしてまた抱き合った。 「修吾くん」 「ん」 「……大好きだよ」 「……」 突然の言葉が、胸にちくりと滲みた。 「ノブ」 「……」 「俺も好きだよ」 気の効いた言葉が返せなかった。 「……どうした、急に」 「ううん」 延明は少し涙声だった。 「……ぼく、なんにもしてあげられなかったから……」 「……ノブ?」 「修吾くんの為に、なんにもしてあげられなかったから」 違う。 修吾はそう思った。 「大河くんみたいに、修吾くんの為にしてあげられること、探したけど……なんにもできなくて」 そうじゃない。 修吾はそう思った。 「でもね……修吾くんのこと、大好きだから……大好きだから……」 「の、ノブ……」 「修吾くんのこと、心配していたいんだよ……」 そうじゃない。 俺は、延明に心配をかけたくない。 延明のことを心配していたい。 負担はかけたくない。 「修吾くん、ぼく、修吾くんになにが出来る……?」 「ノブ、お、俺は」 「……大好きだから……修吾くんのこと……だから」 修吾は思わず、延明を抱く手を離してしまった。 「きらいに、ならないで」 そして、その言葉が突き刺さった。 「……け、ない」 「……?」 「嫌いに、なるわけ、ないだろ」 恐ろしかった。 延明が、自分を必要としなくなることを。 「ノブは……ずっと、俺のそばにいてくれ」 そして、自分の一部でいてほしい。 がらんどうの自分の一部でいてほしい。 「……ぼく」 「……」 「修吾くんのこと、苦しめたくない」 その言葉は、まるで別れの言葉の様に聞こえて恐ろしかった。 「ノブ」 「……ッ!?」 噛み付くように、唇を重ねた。 口の中に、舌を捩じ込んだ。 心臓は激しく自己主張をし、興奮が目に見える形で膨れ上がった。 けだものの様に襲いかかった修吾を延明は恐れたが、それでも。 「……っ」 この猛獣になら、喰われてもいいと思った。 「……」 「……」 修吾は肋骨が軋みそうな程強く延明を抱き締め、その踵が浮きそうなほど自身の身体に押し付けた。 「延明ッ……」 小さく、だが苦しそうにその名を呼ぶ。 「俺、お前がいなかったら……おかしくなっちまう」 「修吾、くん」 「お前も、大河も、大好きなんだ……ッ」 嘘は、吐けなかった。 「だからッ……俺のこと、苦しめたくないとか……ッ、言わないでくれッ」 堰を切った様に涙が溢れ出した。 「俺のことッ、もっと必要としてくれ……なんでもするから……」 「……しゅう、ご、くん……」 しばらくは息もまともに出来なくなった。 延明の小さな身体に、修吾は巨体を預けて、声を上げて泣いた。 乳幼児が自分の存在を母親に知らしめる為に泣き喚くかの如く、自分の存在維持に直結した魂の叫びだった。 「……ッ、……」 「……」 鳴海 延明は、わからない。 自分の修吾への思いが、わからない。 この気持ちは、恋だと思った。 しかしどうやら、違うようだ。 静島 修吾は、好きだと言った。 自分も、大河も、好きだと言った。 やはりこれは、愛や恋と言ったものではなく、形の歪な友情なのだ。 「……」 鳴海 延明は、ひとつ、わかった。 翌日、静島 修吾は学校を休み、 鳴海 延明は、病院へ救急搬送された。 それは、延明が授業に合わせて教室を移動する最中に起きた。 学校はバイク通学を認めていないが、その構内において改造バイクで暴走行為を行った者がおり、逃げ惑う延明を執拗に追いかけ衝突、所謂“轢き逃げ”を行い、構外へ走り去ったとされる。 教師の通報により救急隊が駆けつけた時、延明は頭部からの出血と意識の昏迷が見られ、近隣の病院へと救急搬送された。 それとほぼ同時刻。 三階建て鉄筋コンクリートのアパートの一室、すなわち延明の住居にて、放火が原因と思われるボヤ騒ぎがあった。 白昼の街は数度の破裂音と煙に騒然となったが、在宅中の両親に怪我はなく、近隣住民の適切な消火活動により火は即座に消し止められた。 壁面や扉には“ホモ野郎”を始めとした心ない言葉が複数ラッカースプレーによって落書きされており、犯人はその際に使用したスプレー缶に火を着けて逃走したと推測される。 概ね一時間の間で起きた一連の事件は学校屈指の不良グループによって引き起こされたとされ、その数十分後、近隣の区域で暴走を行い、警察官によって取り押さえられた少年たちと各々の事件の目撃情報が一致したことから、延明をはねた主犯の少年を含むグループ全員が逮捕された。 鳴海 延明に命の別状はない。 身体の各所に打撲、背中や右肩に大きな擦り傷が出来、側頭部に二針縫う裂傷と、庇った右腕の骨と肋骨に僅かなヒビが入った程度だった。 脳検査の結果、脳内に出血は認められず、ただ、背中を強く打っている為に脊椎の損傷がわずかに疑われることから、大事を採って一日~二日程入院する。 大島 大河がレスリング部顧問から事件を聞いたのは放課後だった。 「……よッ」 不安で磨り潰されそうな気持ちを隠して大河が個室を覗きこむと、延明は笑顔で点滴に繋がれた左手を小さく挙げて応じた。 頭と右手にしっかりと包帯を巻かれ、痛ましい姿のまま、それでも、柔らかな笑顔を向けていた。 歩み寄ると同時に、気張っていた緊張が解れ、大河の両目から涙が溢れだす。 「よかッ……たぁ……」 ベッドの縁にもたれ掛かり、肩を震わせる大河の頬に、延明の左手が触れる。 「ごめんね」 「ごめんねじゃねェよォ……ナニがごめんねなんだよォっ……」 鼻水すら垂れてきそうな情けない笑みで答えながら、大河は延明のふんわりとした頬を軽くつねってやった。 「全身エアバッグだったから助かったみたい」 「バカか、笑えねえっての……」 延明は大河の泣き顔を初めて見た。 綺麗な瞳だな、そう思った。 別に頭を強く打った為と言う訳ではないのだが、何か自分の身に降りかかった出来事に現実味を感じられなかった。 当然のように全身は痛いし、血相を変えて飛んできた親の顔を見ればこれは現実に違いないのだが、あまりの出来事を受け止めきれてないのかもしれない。 「親父さんたちは?」 「……事情聴取、だって」 「そうか、火事とかあったもんな……」 大河はずっと、延明の手を握っている。 僅かに冷えた指先に不安を感じる。 「おかあさんパニックになってた」 「だろうな……」 「警察の人一緒に来てて……聴取の前に一瞬だけ来たんだ。すごいよ、パトカーで来たんだって」 延明は少し笑って、肋骨の痛みに微かに顔を歪めた。 「……修吾くんには、話した……?」 「おう」 「……そうか」 延明の曇った顔色を、大河が見逃すわけがない。 「……修吾くんにね」 「うん」 「好きって、言った」 「……うん」 大河にとっては、それで良い話だった。 しかし大島 大河はわからない。 胸のなかにもやつくものを、どう表すべきかわからない。 「……修吾、なんて?」 「……大好き、だって」 だが、その表情は、窓の外と同じに曇っていた。 「……」 「ぼくと、大河くんのこと、大好きだって、いってたよ」 「……あの、バカが」 大河は頭を抱えた。 だが、延明は、なぜかそれを見たとたんに小さく笑った。 「……あん?」 「ふふ……ちがうの」 少し目を離した間に、延明は顔色を変えていた。 「なんか、不思議な気持ちで」 「……?」 「ぼくだけが、修吾くんのこと、好きすぎちゃって、変になっちゃったのかな……って」 大河には、延明が何を言いたいのかがわからない。 「……でも、ぼくたち、ちゃんと友達だな……って」 その顔は曇り空に見える。 「……でもね」 「……」 「ぼく、わかった」 ブラインドの向こう、薄明かりの曇り空を、延明は見つめている。 「やっぱり、修吾くんのこと、好き」 延明は、外に泳がせていた視線を大河に向ける。 「……大河くん」 「……おう」 「ぼく、それでも、修吾くんのこと、好き」 延明の手は、大河の手を強く握ったままだった。 「……レンアイって、そんなもん、じゃねーの……かな」 「……うん」 延明は頷いた。 「……そっか、そっか……」 ひとつ、溜め息を吐いて、大河は手を離そうとした。 でも、延明は、その手を離さない。 遠雷が鳴っている。 ちいさく、遠く、何か妙に優しい音色で、鳴っている。 「……大河くん……聞いてくれる……?」 「……」 「あのね」 雨音が、静かな病室を満たしはじめた。 「ぼく、修吾くんが本当に好きなの、大河くんだと思う」 「……えっ」 「だって……ぼくはほら、こんなだし」 一年前から、延明はことある毎にこんなことを口にしていた気がする。 住む世界が違う。 「……ぼく、修吾くんが好き」 「……」 「好きだけど、なにもしてあげられない……」 声に涙が混じり始める。 「だからきっと、ぼくは修吾くんが好きなんじゃなくて、修吾くんに側にいてほしいだけなんじゃないかって……」 「そっ、バカっ、そんなんじゃ……」 唐突に発された否定の言葉に、結ばれていた手が解ける。 「……そんなの……」 「……?」 「おれと、いっしょじゃんかよ……」 大河は、立ち尽くす。 目の前に横たわる延明に、自分を重ねる。 自分は、修吾に憧れているだけ。 修吾が自分を好きだと言う気持ちに甘んじているだけ。 ふさわしいのは延明の方だと、そう、諦める気持ちだった。 「そんなんで、諦めんなよ」 そんなんで、諦めたくない。 「延明は、修吾が、好きなんだろ」 自分だって、修吾が、好きだ。 「……ノブ」 「……うん」 「……おれも……修吾が……好きかもしれない」 言いたくはなかった。 認めたくはなかった。 傷つけたくはなかった。 「……うん」 延明は、名状しがたい、だが、安堵に似た表情を浮かべた。 「ノブ」 「大河くん」 同時に呼び掛け、同時に譲り合った。 張りつめた気持ちにそれが妙に可笑しくなって、二人は小さく笑ってしまった。 その時、なにか、妙な連帯があった。 状況として相応しい表現は“敵対”なのかもわからないが、それにしては、まるで生き別れの仲間でも見つけたような、そんな安堵と喜びに満ちていた。 大河も、延明も、わからない。 その気持ちをなんと表し、如何にそれを伝えるべきかがわからない。 それでも、不思議と、二人はその気持ちを共有していた。 「の、ノブ───ッ!」 病室の入り口を破壊せん勢いでずぶ濡れの巨体が飛び込んでくる。 「しゅ、修吾くんッ!?」 「大丈夫かッ、生きてるかッ、死んでないかッ、痛いとこ無ェかッ」 「お、おめーバカかッ、そこらへん中びしょ濡れじゃねェかッ!」 グレーのスエットも真っ黒になり、シャツもほとんど半透明になっている所を見ると、駅から傘も差さずに駆けつけて来たのだろう。 「足ついてるかッ、手ェついてるかッ、手ェ折れてンじゃねぇかぁッ!!」 「痛たたたたたたッ! しゅッ、あだだだだだたたッ!!」 「馬ッ鹿おめえ怪我人揺すってンじゃねェよナニ考えてンだよ!!」 「ほんッとに馬鹿なの、みんなジャンジャン叱ってやってー、ッとに……」 男ばかり三人、むさ苦しいばかりの空間に場違いな女性の声。 「こいつほんッッとに馬鹿なの、友達怪我して運ばれてきたって、パニクってあたしに報告しにきてンの、もー呆れちゃって」 「……かあさん?」 パジャマ姿に点滴スタンドを携えて、痩せてはいるが若々しい姿の女性。 修吾はその患者を、母さんと呼んだ。 「ほらびしょ濡れのままそこら辺ビシャビシャにしてるしーッ、ほらッバスタオル! あとアンタちゃんと受け付けしてきたのッ!?」 「し、静島さんダメですッ、病室戻ってッ」 「ちょっと叱ったらすぐ帰るからちょーッとくらい目ェつぶンなさいよッ」 延明には点滴スタンド携える静島母の姿がマイクスタンド振り回す女性パンクロッカーに見えた。 「ごめんねー、修吾こういうときばっかこんなんだから……」 「い、いえいえ……」 肝心の修吾はものすごくバツの悪そうな顔をしている。 「でも安心した、修吾に友達ちゃんと出来て」 近くのスツールに腰掛けながら、母親は笑った。 「うちでもこんな暑苦しい感じだから心配してた」 「あ、暑苦しいってお母さん……」 「かっこつけたがりなんだもん」 やつれた様子は見受けられたが、不思議とその瞳は生き生きとしていた。 本当に病人なのだろうか、疑っている訳ではないが、少なくとも延明は、自分の親より元気だと思った。 「……でも」 延明は笑った。 「かっこいいよね」 「ばッ……」 修吾の顔が真っ赤になる。 「お母さん見て、あの顔」 「ヤバイ女性ホルモン超出てきた……」 「静島さァ───んッ!?」 この後、静島母が血圧の急上昇で倒れたので病室は一時騒然となった。 鳴海 延明には恐らく、微妙なタイミングで雨を降らせる能力がある。 雨上がりの道を大河と修吾は並んで歩きながら、そんなようなことを話して不安を紛らした。 「連絡、ありがとうな」 「とーぜんだろ、それより服どうすんだよ……」 隣を歩く濡れ鼠の巨人は否応無く目立つ。 「ま、通り雨だったしってなんか言われたら誤魔化しとけ」 「おう」 駅へと向かうアーケードに差し掛かる。 「……この道、あと何回通るかね」 ふと、大河がつぶやいた。 「さてな、俺はこのまま行くと日数足りてなくて留年だから」 「おまっ、そういう大事なこと言えよッ」 大河はそう応じたが、そも大河にそれを言った所でどうしようもないのも事実だった。 「夏休み中、補講受ければまだ何とかなるそうだ」 「あーっ、ホッとした……」 だが、そうもほっとしていられないという気持ちが大河にはあった。 「……疑うわけじゃないんだけどさ、おふくろさん、どこが悪いの」 「……いろいろ、だな」 修吾は少し考えて答える。 「どっかがマシになればどっかが悪くなる、そんな感じだ」 「……気持ちは元気そうだったけどなあ」 「……そうだな」 本当は進路の話をしたかった。 だが、修吾の未来は自分よりもわからない。 「正直、次どこか大きな病気にかかったら、もたんかもしれんそうだ」 修吾は溜め息混じりに告げた。 「……俺はなんもしてやれない」 「“かっこつけたがり”なんて、言ってたな……」 大河もつられて溜め息を吐く。 「言われた側はたまったもんじゃねえよな」 修吾は、頷く。 「いつまで一緒に居られるかわからない」 「そうだな」 「だから……後悔、したくない」 車道の車が水溜りを轢いていく。 「だから、してあげられることはなんでもしてあげたい、てか」 「ああ」 「なんだよ、それ」 大河は少し、安堵したような顔になる。 「おれといっしょじゃんか」 「……」 きょとんとした顔をする修吾の肩を、ふざけて軽くパンチする。 鳴海 延明は二日後に退院し、その晩は学校近隣のファミリーレストランでようやく三人は落ち着いて顔を合わせた。 まだ痛ましい包帯姿だったものの、傷の治りも順調だそうだ。 だが、延明の顔は終始曇ったまま、終いには涙まで零し始める始末だ。 延明の両親が、転校、転居の手続きを、粛々と始めているという話が飛び出した。 「……」 三人が黙したまま、30分が経とうとしている。 「……この時期は、だめだろ」 大河は言い訳のように発した。 「だ、だってさ、今から転校してそのまま受験だ就職だなんて、無理だって」 「……大河」 修吾が諌める。 「……ぼくも、やだ」 延明も小さく呟く。 「やだけど……もし今の家にずっと暮らしてたら、また何かあるかもしれない……」 自分は兎も角、家族にまで被害が及んでしまった。 延明はその責任を強く感じている。 親は常々自分の為と言ってはいるが、たぶんあの家で暮らし続けるのが恐ろしいのだろう。 今日、このレストランで友達と会うと話したときも、母親は狼狽していた。 気持ちの整理が着くまで、店も休むと言う。 「おかあさんが怯えてるから……ね」 病室にいた頃は納得がいかなかったが、帰宅した家の前がビニールシートに覆い隠され、いまだに煤けた臭いがするのを見て感じた恐怖は、ようやく延明に現実を思い知らしめた。 「……ほら」 鼻を啜りながら延明は言葉を捻り出す。 「どちらにせよ……あと半年、くらいだから」 その言葉に、三人共に顔を曇らせた。 「……卒業しても」 修吾は恐ろしかった。 「……俺たち、一緒にいられるかな」 「……」 三人は押し黙る。 誰一人として、その答えはわからない。 互いの静かな願いもわからない。 「……おまえらさ」 「……うん」 「もし、もしもだけど……自分で好きな進路決めていいって、言われたら……どうしたい?」 大河がふと、持ちかけた。 「……修吾くんは、プロレスラー?」 延明も空気を変えようと応じる。 「ま、まあ……なってみたくは……なくはないか……」 「えッ、お前そんなノリなの? おれと一緒にリング上がろうよ」 大河はなんとなく、そんなことを夢見ていた。 「ん、な、なんというか……人前に出るの……恥ずかしいから……」 「今さらナニを……」 「ぷ、プロレスラーって、どうやって、なるの……?」 延明は問いかける。 「んー、とりあえず団体に就職する感じみたいだけど、学歴が大卒からだったりするから……」 「じゃあ、大河くんは、受験するんだ……」 「したいは、したいかなぁ。プロレスラー以外に、やりたいこともできたし……」 大河は顔を赤らめる。 「初耳だ」 「ま、まあ……そっちの方が目標としてフンワリしてるからな……」 「そっちの夢って……?」 延明はキラキラした瞳で大河を見る。 「ばッ……は、恥ずかしいじゃんよ……」 「……」 熱視線が注がれる。 「……体育教師……」 大河は口を尖らせながら答えた。 「……意外だな……」 「うん……」 「だッ、だから恥ずかしかったンだよ! これでもちゃんと考えてンだよ」 真っ赤になった大河の顔もなかなかにレアである。 「たッ、体育大学だと競技とかのほう行っちゃうけど……別におれは競技がやりたい訳じゃないし、就職のこと考えながらだったら、体育の分野から離れてない教職のほうがどっちの夢も追えるかなー、って……」 「……学校の先生かあ……」 延明はぼんやりと未来を想像する。 「ぼくが学校の先生……」 「ノブは、何の先生になるんだ?」 父親のような口ぶりの修吾である。 「ほ、保健室の先生になってみたい……」 延明は笑顔で答えた。 「……保健室の先生は教職じゃないんじゃないか……?」 「俺、医者だと思ってた」 「お、お医者さんにはなれないな……」 ちなみに、保健室の先生は正式な名称を“養護教諭”と言い、分類としては教職に当たる。 よく“保健医”などと呼ばれることがあるがこれは誤用であり、基本的に学校に医師が常駐していることはなく、実際に非常勤職員として“校医”と呼ばれる医師が学校には所属しているものの、学校近隣の開業医が嘱託している場合がほとんどである。 「修吾は?」 「お、俺か?」 修吾は視線を逸らす。 「……体育の先生も、いいよな……」 「おめーらッ、そのファミレスで“同じものをひとつ”見たいなノリで進路決めンのはどうかと思うよ!?」 「う」 大河はそう諌めたが、それでも内心は嬉しかった。 「……だって、なあ……」 「……みんなで、まだ、一緒にいたいし……」 こうして話は巡ってしまう。 「……」 そして再び、黙ってしまう。 「……もう、10時か」 「あんまし遅くなる前にノブ送るか」 「……うん」 三人は席を発つ。 あと、何度、こうして話せるだろうか。 語った夢も、叶うのだろうか。 答えは誰にもわからない。 未来は誰にもわからない。 「修吾くん」 「……ん」 街灯だけが道を照らす中、延明は修吾の手を取った。 「おまえらさァ、だから公共の場でそういう……」 「大河くん」 「ッ……」 差し出された手を、大河は握った。 「……」 三人の高校生男子が、手を繋いで歩いている。 その光景は端から見れば奇妙で、どこか稚拙な側面を持ちながら、その三人の関係性を的確に表している。 一人きりではダンスはうまく踊れない。 手と手を取り合いリードとフォローの調和を保ち、ダンスはそうして踊るものだ。 この奇妙な三人組は、あるいは奇妙な二人と二人の重ね合わせになりながら、これまた奇妙な調和を保とうとする。 いかにも不格好で不器用ながら、それでも確かに踊り続けていたいと願う。 彼らの心は誰にもわからない。 彼らの静かな願いもわからない。 でも、望む形が決まればつまらない。 だから彼らは他の誰かが踊らない踊りを、わからないながらに踊り続けていたいと願う。 延明を送り届けた先で、修吾と大河は明日以降の送迎も両親に願い出た。 両親は当惑していたが、延明にもせがまれ渋々了承した。 それが一介の些末な高校生が出来うる、精一杯の抵抗だった。 翌朝、約束通り二人は延明を迎えに来た。 延明は気丈に振る舞ったが、彼自身が思っている以上に心の傷は深かった様子で、学校の建物が近づくと共に緊張や動悸を訴えた。 だがそれでも、朝礼に少し遅刻しながらも彼は教室の席に着いた。 担任は延明を深く心配していたが、かといって心配していない生徒が他に居ない訳でもなく、それでいて気持ちが生徒に伝わることはあまりない。 大人の心配や尽力と言うのはそういうものだ。 多くの人々はわからない。 例えば件の傷害・放火事件を起こした生徒達の退学処分取り消しの為に金を積まれた弁護士達が生活の為に尽力していること。 そんな怪物達から教師たちが生徒の未来を守るために如何にすべきか頭を悩ませていること。 怪物の親はやはりそれ相応の怪物だったりすること。 暑い国の象や広い海の鯨が滅び行くかどうかを誰かが懸命に調べている裏で、薬漬けの痩せた身体を合わせて病に蝕まれぬ恋を確かめ合う二人がいること。 地球上の酸素、窒素、フロンガスは森の花の園にどんな風を送っているのかということ。 その日最後のニュースでも伝えきれないだけの出来事が世界中で巻き起こり、夢や恋や命が破れ、芽生え、花咲く。 多くの人々はわからない。 自分以外の人の思いがわからない。 それでも世界は廻り続けていて、誰もがそれに踊らされている。 例えばその日の五限目の終わりに、鳴海 延明は唐突に校内放送でその名を呼ばれ、あろうことか校長室に呼び出された。 その理由は、わからない。 「失礼しま」 一礼し、後ろ手に戸を閉めかけて、鳴海 延明は蒼白になった。 来賓席に座るのが自分の両親だったからだ。 「鳴海君、ご両親来るなら先に連絡くれないと」 校長室で待っていた担任は延明を咎めたが、彼の顔色、そしてその言葉に首を振って否定するのを見て、どうやら両親がアポ無しで押し掛けてきたらしいと理解した。 「先生、お話があるんですッ、ほらのぶちゃん座んなさい」 「お、おか……」 「早くほらッ、どうぞ先生も座って下さいどうぞ」 鳴海母の放つ独特のプレッシャーに二人は困惑しながら席に着く。 担任は隣に座す校長のげっそりとした顔を覗き込む。 「鳴海さん、先程からも再三ご説明しておりますが、延明君に危害を加えた生徒は全て退学の処分を学校は下しましたし、現在その身柄は警察署の預かるところになっています……」 「授業中に見回りをする教員も増やしておりますし、今回の事件は大変に遺憾で、教員一同改めて一層の……」 「だめなんです先生、もう、わたし、怖くて」 鳴海母は聞く耳を持たない。 「もう、この学校に延明を置いときたくないんです! またあんな目に遭うんじゃないかって、そうなったら嫌なんですわたし!」 「ですがお母さん、今この時期に突然の転校になりますと、延明君の進路に重大に影響するんです……そろそろ進路を定めて動き始めていないと軌道修正も難しくなりますから、その時期に転校はあまりにリスクが」 「リスクってなんですか! わたしはこの学校が嫌なんですゥ!」 時おり父親が諌めるが、母親は感極まって泣きだす始末で、見るからに冷静さを欠いている。 「のぶちゃんもちゃんと先生に言いなさいッ、ほらッ、学校やだって! 怖いって!」 「……」 担任は延明の顔をよく見ている。 その表情は親の恥ずかしい姿にいたたまれない思いを明確に語り、親のペースに呑まれかかっている。 「今日もガラの悪い二人組が朝から家の前で待ち構えててっ、のぶちゃんを連れていっちゃったんですよ! まだ怪我も良くなってないのに……!」 「……二組のレスリング部の二人だよね……あの、仲のいい……」 「レスリング部ッ! 新聞で見ました、商店街の事件のッ! あぁぁやっぱり脅されてたんだッ!」 「ッ……」 母親が掻き抱いた手が右肩の傷に触れ、延明は微かに顔を歪めた。 「母さん、やめなさい」 「お父さんは黙ってて下さいッ!」 その過剰さにさえ目を瞑れば、確かにそれは子を想う母の愛そのもので、ことさら子供が危険な目に遭ったからこそ、子を護りたいとの思いが強いのだろう。 そもそも、鳴海 延明の母親は遅く出来た一人息子に格別の愛情を注いできた。 してあげられることなら思い付いた順から施してやりたかった。 それが後悔の無い愛の注ぎかただった。 「のぶちゃんッ言いなさいッ、こんな怖いとこ来ないッて! 言ッ……」 「───かあさん、痛いッ!」 延明は強く母親を突き飛ばした。 「……ごめん……」 母親は驚きの表情を張り付かせたまま、反射的に呟いた。 これほどの拒絶の経験は無かった。 「……かあさん、ぼくの話、いつも、聞いてくれないッ……」 これほど延明が声を荒げた姿を、担任も、父親も、母親も見た事がない。 「だから、ずっと、勝手に決めればいいって、思ってた、でも」 「のぶちゃん」 「ぼくは、この学校を、卒業する」 延明は、母親を睨み付けた。 「決めたんだ、ぼくはッ……」 そして、その頬を、母親の手が張った。 「言うことを、聞きなさいッ……!」 だが。 「……ぼくは」 延明は、動じなかった。 「この学校を、卒業する……!」 告げられた母親は、一度、顔面が真っ青になり、その愛をはね除けられたショックは利己的な怒りに転じて、その顔を赤く染めた。 「ノ、ブ、ア、キィィィィイイイイッ!!」 掴みかかろうとする母親を力付くでソファに座らせたのは、父親だった。 「かあさん」 「ッ……」 「延明が、決めたんだよ」 父親は怒りをぶつけるでもなく、優しく諭すように、自らの伴侶を諌める。 「延明が、自分で決めたんだ」 「……」 母親は、自分の夫が、愛する我が子が、教員達が自分に向ける目線を恐ろしく思った。 責められる、そう思った。 そこから徐々に冷静になっていくと共に、自分が犯した過ちに気づいて泣き崩れた。 「……すみません……でした」 そんな母の姿を、延明は恥じた。 自分が責任を取らねばならないと、そう思った。 「……落ち着いたら、ちゃんとよく話しましょう」 頭を下げる延明に、担任は優しげな笑みで首を横に振った。 「三者面談、まだでしたもんね」 二人分の食器を洗いながら、大島 大河は自分の胸を蝕む自己嫌悪の毒の苦しみに耐えていた。 否、あるいはそれは膨らみつつある未来への漠然とした希望と現実とが、噛み合わせの悪い歯車のように胸中を磨り潰している苦しみかもしれない。 三人一緒に、同じ大学に行く。 漠然としていた夢にたったそれだけのイメージが付随した途端、現実と火花を散らしてぶつかり始める。 大学には通えない。 ひとりで、どこかの工場か何かで黙々とプレス加工の仕事でもする。 アルミニウムを曲げて伸ばして、灰色になった指先のイメージで、きらびやかな夢物語を塗りつぶす。 「大河」 父親がふと声をかけた。 「もうちょいで終わるから」 「いいからちょっとこっち来い」 風呂上がりにビールを一本開けたとおぼしき父親が、僅かに目を据わらせて手招きする。 「はい、はい」 タオルで手を拭き、大河は父親の対面に座した。 「……決めたのか、進路」 「……とりあえず、は」 あまり干渉されたい内容ではなかった。 それは有り体に言えば思春期特有の親からの自立心に起因するのかも知れないが、親が自分のことで悲しげな顔をするのを大河自身が見たくないという気持ちも強かった。 「そうか」 父親は二本目のビールを開ける。 「……」 「……」 少しだけ、視線がテレビに泳ぐ。 「大河、お前なんか、悩みあるだろ」 「え」 父親は煙草で黄ばんだ歯を見せて笑う。 「な、なんでまた」 「お前は悩みがあると強がるからな」 そして一口酒を煽る。 「母さんそっくりだ」 「……なんだそりゃ」 大河は口を尖らせたが、顔を赤らめたのは図星だったからだ。 こう言うときは腹を割ってしまった方が後腐れが無い。 「……恋人がいる奴を好きになった」 「……ほう」 父親は尋ねておきながら意外な言葉に面食らったようだ。 「そいつとは前からすげえ仲良かったし、そいつとも、その恋人とも親友だと思ってる」 本当はもっと話すべき悩み……それこそ進路のことを打ち明けたかったが、それだけの勇気は無かった。 「……二人とも、好きだから邪魔したくないし、ずっと親友でいたい。でも、おれ、絶対いつか嫉妬したりするのかな……って」 黙して父親は二口目の酒を煽る。 「……大河、母さんのこと覚えてるか?」 そしてふと、手元を見つめて語り始めた、 「……正直、あんまり」 「そうか」 三口目の酒で舌を潤す。 「情熱的なひと、だったなあ。俺にもいまいち、なんであんな人が俺と付き合ってたのかよくわかんねえ」 「知り合ったのは何処だったの?」 「大学の同期だった。専攻は全然違ったのにな」 薄く微笑みを浮かべて父親は過去を振り替える。 「今思うと馬鹿だったなぁって。卒業して、正式に付き合い始めて最初のデート、よりにもよってプロレス観に連れてっちまった……」 「うわ」 「でもよ、俺には大事な大事な試合だったんだよ」 父親の顔は複雑で、今の大河にはうまく説明がつかなかったが、何処か、悲しげで、幸せそうだった。 「タイガー・オブ・ラヴァーって知ってるか?」 「タイガーアモールの師匠の?」 「そう、そんで、全日本タイガープロレスの名前の由来になった」 タイガー・オブ・ラヴァーは数々の伝説を残し、活動期間はそう長くないにも関わらず、今でもカルト的な人気を誇り、その正体に関してもいまだにファンの間で憶測が飛び交う。 ドラマチックな試合運びに多くの観客は熱狂し、全ての出場試合はチャリティーイベントに限定され、マスクに描かれたつがいの虎の意匠は今でもオフィシャル限定グッズに描かれるほど人気の、愛と謎の戦士である。 「その、タイガーの引退試合だったんだ」 今ではその座を二代目タイガーであるタイガーアモールに明け渡し、タイガー・オブ・ラヴァーは姿を表さない。 はじめはタイガープロレス創始者その人ではと囁かれたが、体格かあまりに異なるので噂は立ち消えた。 なお、創始者はタイガーの正体を“永遠の盟友”であると語り、それ以外の全てを秘匿している。 「もう、最高の試合だったよ……なんつっても、無理やり連れてこられた母さんが大興奮だったんだから」 楽しげに父が語る。 だが、やはり瞳には深い悲しみが満ちていた。 「……それからお前が出来て結婚した。幸せだったなあ」 「……親父、おれの名前ってまさか」 「ちゃんとほかに理由はあるけどまあ、タイガーに肖った名前だよ」 大河は何か少し小恥ずかしそうな顔をした。 「……でもさ、あのひとは情熱的だったから」 父親はひとつため息を吐く。 「留学してたスペインに、婚約者がいたらしくてさ、忘れられないって、毎晩泣いてた」 「それが離婚の理由?」 「惚れた女のそんな姿、見てられなかったからな」 五口目で父親はビールを飲み干した。 「かっこつけたかったんだよ」 そして父親は悲しげに笑う。 「結局、おめーが一番迷惑被ったわけで、俺本当に馬鹿なことしたな……てね」 「……」 「そんな母さんもたまにコッチ帰ってくるからその都度逢ってるんだけどよ」 「えええええええええ!?」 当然そんなことは初耳だった。 「どっちも好きで忘れられないんだとさ」 「サイ、アク……」 貞操の貞の字すら見受けられない奔放な実母を大河はそう称した。 「まあ言うなよ……別れても結局、俺もあの人に惚れてて、他の女と付き合おうとも思わなかったしな」 大河は釈然としない。 「……それでいいの? 永遠に浮気されてるようなもんじゃん」 「側室でも俺は構わんよ」 「大奥か」 だが、寂しそうで、悲しそうでも、父親は幸せそうだった。 「お前がその人に惚れてて、ずっと追いかけていたいと願うなら、それはそれでいいんじゃねえかな」 「……」 「結局、馬鹿でも覚悟ができてる生き方の方が、俺はかっこいいと思うんだよ」 そして、笑うのだ。 「……」 「馬鹿大河、お前は何になりたい?」 父親は問いかけた。 「……タイガーになりたい、かな」 少しだけ視線を泳がせてから、父親を見た。 「あるいは、学校の先生、とか」 しょうらいのゆめ、そこから少し現実も加味した将来の夢を、大河は初めて親に語った。 「……そうか」 満足そうな笑みで、父親が席を立つ。 「ハナシついでにもう一個、タイガー・オブ・ラヴァーの伝説語っていいか」 「どーぞ」 父親はなにか戸棚を漁っている。 「その引退試合のあと、タイガーの最期のマスクがチャリティーオークションに出てな」 「……知ってる、それがレプリカかもしれないってハナシだろ」 タイガー・オブ・ラヴァーの当時の付き人を名乗る人物が、匿名のネット掲示板で明かしたことが噂の発端だ。 オークションに出されたマスクの裏面にはタイガーの直筆サインが施されているわけだが、付き人が見た最期のマスクには、後にファンから“ファイナルレター”と呼ばれる、謎のメッセージがサインに添えられているという話なのだ。 オークションに出品されたマスクにはサインのほかにメッセージは無く、本当のマスクの存在は真しやかに囁かれつつも未だに謎に包まれている。 「その“本物のマスク”がな」 父親は金属製の、煎餅でも入っていたかのような缶を取り出し、テーブルに置いた。 「ここにあるんだよ」 蓋を開くと、そこには僅かに汗染みの出来た、つがいの虎が対面する意匠の覆面が入っていた。 「う、そ、だ、ろ」 大河は言葉を失った。 「実はな、もう買い手がついてて、明後日には発送するンだけどよ」 父親はマスクを丁寧に取りだし、慎重に裏返した。 「これが、その、ファイナルレターだ」 TIGER OF LOVER───油性マジックで書かれたそのサインに添えて、力強い筆跡で、こうメッセージが残されていた。 あなたの愛する人のために 「な、な、な、なんで」 「引退試合の後、母さん興奮しちゃってさ……タイガーに会うって、セキュリティの目を掻い潜って控え室に突入しちゃったんだよ……」 父親はファイナルレターを感慨深くなぞる。 「その根性を買ってくれてさ。その場でマスクを脱いで……こいつを書いてくれたんだ」 「って、タイガーの素顔、見たのッ!?」 「それだけはお前にも話せねえ、タイガーとの約束だから墓場まで持ってくぞ俺は」 父親は再びマスクを丁寧に裏返す。 「……“あなたの愛する人のために”、こりゃあさ、本当に困った時にはこうしろって、タイガーが言ってくれたんだと思うんだよ」 父親の笑みは満足げだ。 「これで俺はお前のためのカネをつくる。大学の入学金程度にゃなるだろ」 「親父」 「だから、覚悟して生きろ。後はおめーの覚悟次第だからな」 父親は、がさついた指で大河の頭をわしわしと撫でた。 大河はその時、堰を切ったように泣いた。 昼寝をすると夜中に眠れないのはどういう訳だ。 深夜のリビングで、静島 修吾はコーヒーを飲んでいる。 角砂糖を三つも入れ、牛乳も注ぎ、まだ大人になれない口のなかに注ぎ込む。 鳴海 延明のことを考えた。 大島 大河のことを考えた。 父と母のことを考えた。 それから、自分のことを考えた。 将来を聞かれても、考えたことがなかったために答えられない。 ただ漠然と、愛する人と三人で居たいという気持ちだけが修吾を繋ぎ止めていた。 「寝れないのか」 父親が起きてきた。 「学校から帰ってすぐ、昼寝しちまったから」 「無理はするなよ」 小さな体を、椅子に押し込む。 「……父さんだって」 「大丈夫。母さんも落ち着いたから、明日はゆっくり休むよ」 倒れたので心配はしたが状況は改善の傾向があると聞いた。 「早ければ夏には退院できるそうだ」 「そうか……」 「こないだ、修吾、友達連れてきたんだって?」 問いかける父親は何処か嬉しそうだ。 「連れてきた、と言うか……友達が怪我して、見舞いに来たところに母さんが押し掛けたと言うか……」 「母さん、大喜びしてたよ。修吾に友達出来たって」 「大袈裟だよ」 だが両親としては、修吾の友達付き合いの悪さや口下手さを深く心配していたために、その事実は何より喜ばしかった。 「母さん、退院したら修吾と友達も連れて旅行行きたいってさ、早期割引なら安いだろうなんて言って」 父親は小さくため息を吐いた。 「母さん、修吾になにもしてあげてないって、すごく気にしてたんだよ」 それは、修吾の聞きたくない言葉だった。 「……母さん、病気だから……」 「うん、だから、悔しいって」 自分だって、そんな母親に、なにもできない。 「でもな、修吾」 父親は優しく語りかける。 「母さん、お前が成長を見せてくれるのが一番嬉しいんだって」 「……」 「逆にさ、修吾が自分を気にかけて、なにもできないまま大人になるのが一番見ていて辛いって」 修吾は視線を落とす。 「母さん言ってた。お前が産まれてきた時に、母さんの人生の主役はお前になったんだから、お前が幸せにならなきゃ意味無いんだよって。父さんもそう思う」 「……でも」 「お前は母さんの心配をすることはない」 少しだけ父親の語気が強まる。 「母さんの心配をするのは、母さんのパートナーの主な仕事なんだから」 だが父親は微笑んでいる。 「それを息子に取られたら、かっこわるいじゃないか」 「……父さん」 「父さん、修吾かこんなムキムキマッチョになると思わなかったしなー、だから余計かっこわるい」 コーヒーメーカーから自分のコーヒーを注ぎ、何も入れずに父親は口にした。 「……大人になるとな、あんまりかっこいいこと出来ないんだよ」 「……」 「職場ではいくつになっても叱られるし、知らない女子高生にオジサン邪魔とか言われるし」 コーヒーの香りが溜め息に混じる。 「かっこわるい大人になっちゃったなあって」 徐に父親は、テーブルの隅の預金通帳に手をかけた。 「自分の息子にもかっこわるいことしか出来ないんだよ。18年間もちょこちょこ積み立て預金するとかさ」 「……父さん?」 「修吾」 父親はまっすぐ、修吾を見据えた。 「かっこいい大人になれ」 「……」 「かっこよく生きて、かっこよく誰かを幸せにしろ」 毅然とした声だった。 「こんなこと言うのも、かっこわるいけどな」 そして、笑う。 「かっこいい息子の親なんて、かっこいいだろ」 預金通帳を修吾に渡し、その大きな手のひらを、父親は両手で包んだ。 修吾は戸惑った。 「……別に、かっこいい仕事に就けとか、そんなことじゃない」 「……」 「でも修吾、お前は、かっこよく生きろよ」 修吾の手を包む父親の手。 自分の岩のように固くなった手とは違う、小さな手。 それでも、今までに触れたどんな手よりも大きく思った。 ふと、布団に横たわり、修吾は自分の手を見た。 延明の、大河の手を取るこの手は、あの手のように大きいだろうか。 かっこよく生きる。 それがどういうことか、静島 修吾はわからない。 それでも、そう生きることで、幸せにできる人が居るならば。 かっこわるくても、かっこよく生きてみたい。 「おっす」 学校の最寄り駅から吐き出されていく人の波から、一際目立つ大柄な人影がのそりと手を挙げる。 延明と大河は、修吾に手を振って応じた。 「ノブ、駅まで一人できたのか」 「うん」 「なんだかんだ根性あるよな、ノブは」 空は相変わらずの曇り空で、褪せた色の紫陽花が首を下げている。 「怪我は?」 「明日抜糸する」 「アッ、その話題ヤだ。ぞわぞわする」 道には人と自転車の往来。 奇妙な三人組はバラバラの歩調を合わせて並んで歩く。 「母親が夏には退院できるかもしれん」 「ほんと?」 「よかったじゃん」 未だ彼らは互いの思いを確かめながらも、恐る恐るバランスを保ちながら、奇妙なその関係を続けている。 「みんなで旅行に行きたいんだと」 「旅行かあ」 「お袋さん大丈夫なのか……アグレッシブすぎる」 結局それは降りかかるであろう後の問題の先伸ばしでしかなく、その後起こりうる問題は今の空のように不透明で先行きはわからない。 「あ、あのね、ぼく、転校取り消しになった」 「おまッ、そう言うこと先に言えよッ」 「……よかった」 だが、結局、雨は降る。 「……あれ、なんか雨降ってきてない?」 「え、ぼく傘ない……」 「今日降るって言ってたか?」 晴れ空が永遠に続かない様に、空は曇り、結局雨が降る。 「わ、ヤバイヤバイヤバイ!」 「走るか」 「ぼ、ぼく、まだ、傷が……」 時には互いを嫌いになって、強がりを言って溝を深めたりもするかもしれない。 「俺が抱える」 「ちょッ、お、重くない!? ねぇ、重くない!?」 「おまッ、どんだけマッチョ思考なんだよッ」 雨降って、地固まる。 日照りが幸福でないように、止まない雨は無いように。 「ねえ、重くない!? 大丈夫!?」 「うるせぇな、舌噛むぞ!」 「どわあああ、濡れるゥゥゥウ!」 未来は、どうせわからない。 ただ、結局、雨が降る。 こうして人生は続いていくのはたしかなことで。 今の彼らに、明日の天気はわからない。 ─おわり─
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635 名前: NPCさん 2006/05/30(火) 23 15 16 ID ??? シーズン的にタイムリーなので報告。 とあるオープン例会にゲスト参加したときのこと。 番長学園サッカー編というのをやった。 シナリオとしては、弱小サッカー部の存続を賭けて、 県大会に番長達が代理出場するっていうかんじ。 もちろん「どこがサッカーなんだよ!」って試合展開なんだが、 バカ試合の連続で、GMもPLも盛り上がってた。 その中でひときわ輝いてたのが「カズダンス番長」。 カズダンスによって真空を発生し、 敵のフィールドプレイヤーをばったばったと吹き飛ばすという、 我が高校のエースストライカー。 PLもちょいとテンション高めで、ゴールしたとき奇声上げてたりした。 (まあオープン例会だし、そこのサークル員だったのでOKかなと) んで、クライマックスは「背麗尊」高校との決勝戦。 画鋲入りスパイクや、下剤弁当の罠を潜り抜けてのラストバトルだっただけに、 こっちのテンションも高い。 そしてついにマネージャー(番長をサポートする能力持ちのキャラ)の支援を受け、 カズダンス番長が全身全霊の一撃を放った! ――実演で。しかも椅子の上。 おいおい、カズダンスPLくん、君はちょっとばっかし重量級じゃないか? なんていうかファッティ。今で言うならピザだ。 しかもパイプ椅子の上じゃ…… 636 名前: NPCさん 2006/05/30(火) 23 16 32 ID ??? ズガシャーン! 637 名前: NPCさん 2006/05/30(火) 23 16 58 ID ??? 案の定、パイプ椅子がすべり、PLがダイナミックに転倒。 つか、手をついた机までひっくり返る。 あげく足ひねったらしく、結局そこのメンバーが車出して送っていった。 もちろんセッションは途中終了。 贅な肉がタプタプ踊るダンスがオモロくて 静止しそこねたのが失敗であったか…… そもそもマネージャーキャラの女の子(メンバー)はどんびきしてたらしく、 そのPLが出てってからぼろくそ言ってたのも記憶に残っている。 (「あのデブほんとつかえねぇ」とかなんとか。 セッション中おくびにも出してなかったのにw) 638 名前: NPCさん 2006/05/30(火) 23 19 41 ID ??? 俺たちには出来ない事を平然と言ってのける! そこに痺れる、憧れるゥ! >「あのデブほんとつかえねぇ」 639 名前: NPCさん 2006/05/30(火) 23 26 55 ID ??? たぷたぷ踊って怪我するピザもどうかと思うが、 当人がいなくなってから陰口叩く女もあまり関心できんな。 周囲の人間も静止しなかったらしいし、あれか、全員困ったちゃんというオチか? 640 名前: NPCさん 2006/05/30(火) 23 32 35 ID ??? すまん、喪男だからかもしれんが、その女が一番困ったちゃんに見える… 641 名前: NPCさん 2006/05/30(火) 23 38 25 ID ??? 640 いや、俺の家妹の友達の溜まり場だったから良く分かるんだが 女ってのは気心の知れた仲間と集まってる時ってこんなもんよ。 688 名前: 635,637 2006/05/31(水) 14 31 13 ID ??? 後出しですまんが、ふつーに立ってのダンス実演は、 PC紹介の時からやってた。 決勝戦のときは特別な踊りを見せたかったんじゃないかと。 ちなみに、無駄にリズム感よくてダイナミックだった。 しかも肉が時間差で躍動してた。 オニャノコに関しては、プレイ中はむしろ仲良く見えただけに意外だったというか、 やっぱり俺も「女って黒ぇぇぇぇ」って思った あとまあカズダンサーを車まで連れてくために、 肩貸して部屋から出てったメンバーの人が、 戻ってきたとき机に突っ伏してたのにはワラタw スレ101
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サポート 対象範囲/効果 属性 [自身][魔法ダメージ増加] 闇 魔法によるダメージが一定確率で増加する。レベルが上がると効果と発動確率が増加する このスキルを所持しているカード 祭囃子オセ
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旅芸人 世界に笑顔を届ける芸の旅をする者の職業。 攻撃、呪文、回復と幅広いスキルを取得する。 使用可能武器 扇、棍、短剣、盾、格闘 取得武器スキル 扇、棍、短剣、盾 防具タイプ 服 《曲芸のランク称号とその恩恵》 ランク1【ムードメーカー】 『ボケ』を取得。 旅芸人スキル… 『ヒャド』を取得。 旅芸人スキル… ランク2【大道芸人】 ランク3【有名パフォーマー】 『ツッコミ』を取得。 旅芸人スキル… 『バギ』を取得。 旅芸人スキル… ランク4【人気芸人】 ランク5【一流芸人】 『タップダンス』を取得。 旅芸人スキル… 『バイシオン』を取得。 旅芸人スキル… ランク6【カリスマ芸人】 ランク7【アクロバットスター】 『キラージャグリング』を取得。 旅芸人スキル… 『ホイミ』を取得。 旅芸人スキル… ランク8【花形スター】 『ハッスルダンス』を取得。 旅芸人スキル… 『ルカニ』を取得。 旅芸人スキル… ランク9【イリュージョニスト】 『ゴッドジャグリング』を取得。 チャージ旅芸人スキル… 『エンドオブシーン』を取得。 旅芸人スキル… ランク10【芸の神さま】 『アクロバットスター』を取得。 必殺技スキル…
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ニューカッスル ■DF N/ファブリシオ・コロッチーニ メイン/サブ CB/ コスト 7 初期OFF/DEF/PHY 215/623/295 最大OFF/DEF/PHY スキル名 スキル効果 備考 アルゼンチン G/ファブリシオ・コロッチーニ メイン/サブ CB/ コスト 13 初期OFF/DEF/PHY 249/722/342 最大OFF/DEF/PHY スキル名 スキル効果 備考 アルゼンチン ■MF G/シェイク・ティオテ メイン/サブ DMF/RMF コスト 13 初期OFF/DEF/PHY 375/597/322 最大OFF/DEF/PHY スキル名 スキル効果 備考 N+/ヨアン・カバイェ メイン/サブ OMF/RMF,DMF コスト 8 初期OFF/DEF/PHY 627/208/312 最大OFF/DEF/PHY スキル名 スキル効果 備考 N/シルヴァン・マルヴォー メイン/サブ LMF/LWG,OMF コスト 6 初期OFF/DEF/PHY 582/214/280 最大OFF/DEF/PHY スキル名 スキル効果 備考 フランス ■FW S/デンバ・バ メイン/サブ FW/LWG コスト 13 初期OFF/DEF/PHY 734/244/335 最大OFF/DEF/PHY スキル名 スキル効果 備考 セネガル N/レオン・ベスト メイン/サブ CF/ コスト 5 初期OFF/DEF/PHY 579/191/262 最大OFF/DEF/PHY スキル名 スキル効果 備考 アイルランド N/ライアン・ドナルドソン メイン/サブ FW/OMF コスト 2 初期OFF/DEF/PHY 489/166/204 最大OFF/DEF/PHY スキル名 スキル効果 備考 イングランド
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いてつくはどう No 名前 対象 S-010Ⅱ いてつくはどう 味方全体 補足 対人戦において相手の状態異常SPを防ぐ効果に加え、 相手の「ゆうき」を減らすことができるようになった。 魔王・大魔王の「まりょく」も減らせるのでタイミングをみて活用しよう。 魔王・大魔王の使うそれとの相違点はすでにかかっている状態異常や補助効果が 失われないことである。 但し、状態異常SPを防ぐ効果は、メダパニーマには、効かないので注意しよう。 例の2Pフリーズ現象は改善された模様(公式明記済み) -- 名無しさん (2010-01-09 20 49 31) つばぜり合いで負けた時にも、使える。 -- 名無しさん (2010-03-28 10 12 54) これ使うなら攻撃SPで削っておいたほうがいい。 -- 名無しさん (2010-03-30 14 06 03) 確かに。 -- 名無しさん (2010-03-30 15 08 43) 相手ゲージMAXになるターン攻撃SP+攻撃x3で倒せないor魔神切り系技のミスやダメージでない技が選択されると削り切れない状況でよく活躍するカード -- 名無しさん (2010-03-30 16 06 06) どれくらい減らせるのかな -- クエスト (2010-04-30 21 44 53) ↑相手が使う時ぐらい減らせます。 -- 大魔王 (2010-04-30 22 40 23) ↑↑ゾーマ戦で魔力が最大の時に、天空の剣でのいてつく波動だとメラゾーマ1発で回復されましたが、SPの場合はぎりぎり満タンにはなりませんでした。 -- 名無しさん (2010-05-01 03 26 00) 名前 コメント
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マリノ事務所のある、かけはしセンター(東垂水小学校 西側)で、毎週日曜日、ストリートダンスレッスンをやっています。 開始は1時30分で4時ごろまで、やっています。 対象年齢は4歳以上~中学生まで、親子でも楽しめます。 料金は、1レッスンあたりジュニア500円 体験無料です。ぜひ覗いてみてください。 問合せはメールで↓ ▼メール dance@marinofc.com
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Ⅸに登場するアイテム。 クエスト【幻の巨大魚を追え】の事実上の報酬(正式な報酬は女神の果実)。 【ゴレオン将軍】が【アギロ】から奪っていたホイッスルで、これを吹くことで【天の箱舟】を呼び出すことができる。 …が、ゴレオン将軍はこれを奪っておきながら、なぜ主人公の持つ【ガナンのもんしょう】に気づかなかったのだろうか? 主人公が死んでいるときは、仲間が吹くこともでき、主人公が残りHP1で復活する。 また、マルチプレイのゲストが吹こうとすると音が出ない。 質問スレなど箱舟がらみの地図やクエストに回答する際は「箱舟が必要で…」と回答すると、 青い木の事を指して、「箱舟は呼べるんですが、行かれないんです…」と話がすれちがう恐れがあるので、 「ホイッスルが必要です」と回答するといいだろう。 どうでもいいことだが、これを吹くことはアギロと間接キスするということになる。嬉しくない。