約 2,089,646 件
https://w.atwiki.jp/suiki/pages/188.html
「今の、魔法・・か?」 光が治まってから恐る恐る目を開けてみると、土と風は、掻き消えていた。 「あらかじめ刀にマジックキャンセルの魔法を付与しておいた。・・使えるのは、一回きりだが。」 ケイトはレオンの言った「マジックキャンセル」という単語に何か引っかかったものの、まあ何はともあれ助かったのだからよしとしよう と割り切った。 そういえばシャルトスの魔法に負けてしまったファリエルは大丈夫なのだろうか? 魔法=精神力=意識 という式がケイトの頭の中ではたっている。 のでファリエルは意識を失っているだろうと思っていたが、振り返ってみるとかろうじて上半身を起こしているファリエルが見えた。 しかもファリエルはまだ上手く力の入らない手で必死に何かを伝えようとしていて、それが前を向け、という類いのジェスチャーだとわかり前を振り返ってみた。 すると案の定、あんまり見たくなかった光景が拡がっていた。 シャルトスがまたケイト達の方を指差しながら、何かを呟いていた。 「あ、あぁぁああぁっ!?どうしようっ!?」 ケイトはその状況が何を意味しているのか気付いて混乱しきった声でそう言った。 「うーん・・。蟻妖王は一瞬で倒せるほど弱いヤツじゃないし、逃げるしかないんじゃないか?」 レオンが最もな意見を返してきた。 「・・やっぱり?」 ケイトも一応そう思っていた。 「わかってるなら早く走れ。あいつの使う魔法は『契約魔法』といって、あらかじめここら辺一帯の精霊を従わせているから精神集中もしなくていい。・・ある意味最強だ。」 「でも・・っ、アリーナが・・っ!」 そうだ。ここまで危険を承知で来たのはアリーナを助けるためだ。 そのアリーナを見捨ててノコノコ逃げたんじゃ、何も意味が無い。 「それはまた助けに来れば・・っとにかく走れっ!?」 「水よ、この者達の動きを封じろ。」 シャルトスはスゥッと目を細めた。 「さようなら、白亜。子も同然のサムト達を散々倒してくれた報いよ・・。」 と、そう言い終った時 突如として、何処かから光が溢れた。 「・・レオンの刀は、一回きりじゃ・・?」 ケイトはレオンの刀のレジスト効果だと思ったが、レオンが否定した。 「俺の刀じゃない!もっと前から・・っ」 その光は、やがて消えていった。 その後にあったのは・・ 「させないっ」 シャルトスの首に大剣の内刃を当てる 「スリープの魔法が・・レジスト、されている・・っ!?」 アリーナの姿だった。 「魔法を破棄して、シャル。」 アリーナは平坦な声でそう告げた。 「さすがにいくらアリーナ様の申し出でも、それは・・」 「貴方を殺したくないの。・・魔法を、破棄して。」 アリーナは剣を持つ手に、少しだけ力を加えた。 「・・わかりました。蟻妖王シャルトスの名の元に命じる。魔法・破棄」 アリーナは肩に揃えた自分の髪が翻ったのを確認してから、大剣を背中に戻した。 「───ああっ!?首飾りっ!!」 突如その時、ケイトが思い出したように言った。 というか、本当に忘れていた事を思い出した。 ─「アリーナ、ハッピーバースディ!」 ケイトはアリーナに小さな箱を手渡した。 「はっぴぃばぁすでい?」 「『お誕生日おめでとう』って意味なんだよ。」 「じゃぁこれって、誕生日プレゼント?」 アリーナが嬉しそうに言ったので、ケイトはニッコリと笑った。 「うん、開けてみて?」 さっそくアリーナが箱を開けてみると、中には綺麗な布と首飾りが入っていた。 「これ、お母さんと・・?」 「そう、おそろいのヤツ。破れない布でね、それにオレンジの糸で刺繍したんだー」 「ケイトは器用だよね・・ありがとう!」 アリーナは満面の笑みを浮かべた。 「それとそっちは、『反魔の金飾』って言って・・」 説明しながら、7歳の少年は、笑った。 「アリーナを悪い魔法から守ってくれるんだよ」 「その首飾り・・マジックキャンセルのレア・アイテムで、はめている主人に憑依している魔法を全てレジストするんだ・・」 「まさかケイト、プレゼントしておきながら忘れてたの!?」 アリーナは信じられない、という風に言った。 「いや、アリーナにあげたことは憶えてるけど、効果までは・・7歳のころだし。」 ケイトは頭をかいた。するとレオンが割り込むように言ってきた。 「・・まぁともかくもう大丈夫なんだな、アリーナ?」 「あー・・でもちょっとムリかも・・。体中痛いし、全速力で走ってこの洞窟から逃げるとかは期待しない方が。」 アリーナは今にも砕けそうな右膝を叱咤して言った。 「じゃぁ・・、戦うしかないと?」 「たぶん・・。ごめんね?」 「ま、そういう時もあるんじゃないか?」 レオンはもうやる気のようで、すでに帯刀から刀を抜いて構えていた。 「んー・・、あ。そういえばファリエルは・・」 ケイトは地にへたり込んでいたファリエルを思い出して、また振り返った。 するとそこには、杖を支えにしてなんとか立っているファリエルの姿があった。 「ファリエル、無理したらダメだよ!?」 アリーナはファリエルに向かってそう叫んだが、レオンに隣で 「お前もな。」 と言われた。 え~なんでまた右膝の事ばれてんの!?今度こそばれてないと思ったのに・・。いや、やっぱりあの全速力では走れないってとこかな?うーん・・しっかしまぁ、私頭悪いし考えてもどうせわかんないかぁ!でも、一つわかることは───・・・ 「レオンって、目敏いよね・・・。」 うん、ホントにそうだ。 「悪いな、元々だ。」 「うぅ~~・・」 アリーナは恨めしそうにレオンを睨んだ。すると・・ 「敵を目の前にしながら無視するとは、大層な自信ですわね!蟻妖王シャルトスの名の元に命じる・・。」 シャルトスが、レオンを指差しながらそう言ってきた。 「アリーナ、レオンっ!」 ファリエルの方に掛け寄っていたケイトが注意を促す様に叫んだ。 「風よ、大地よ、水よ!彼の者の息の根を止めよ!」 「合成、魔法です・・危な、い逃げ・・」 ファリエルができる限りの声でそう叫んだ時にはすでにアリーナが動いていた。 ただ、シャルトスとレオンの間に割って入っただけだが、 効果は絶大だった。 「あ、・・ぅあ・・」 シャルトスは少し迷ったが、腕を下ろしてしまった。 「・・ねぇレオン、シャルトスは・・殺すの?」 「ふむ。俺達はただお前を助けに来ただけだから、全員無事に帰れるなら殺す必要は無いが・・。」 「じゃぁ・・シャル?」 アリーナはシャルトスに向き直ってそう言っただけだが、シャルトスは理解したようだ。 「・・行って、ください・・っ早く!」 シャルトスはレオンを睨みながらもそう言ってくれた。 「ありがと。」 「・・私はっ・・」 簡素に礼を言ったアリーナに、シャルトスは尚も告げた。 「諦めませんからっ、アリーナ様の危機には必ず!駆けつけますから・・」 「アリーナを守るのは俺1人で充分だ!」 後ろからそう言ったのはケイトで、有無を言わせずその次の瞬間にはシャルトスの魔法で吹き飛ばされていた。 誰も、止めようとはしなかった。レオンもファリエルも、アリーナも。 「ぁ、はは・・っ」 厄介事が増えたなぁと思いながら、アリーナは半ば諦めたような笑いを浮かべた。 ─教訓 蟻の巣と蜂の巣は、絶対に突付いてはいけません。 何故なら、変な人に愛の誓いをたてられるハメになるから。
https://w.atwiki.jp/gods/pages/2819.html
クリーナー ケルト神話の豊穣を司る女神。 マンスターの地下の女神とされる。 関連: キーヴァン (恋人) 別名: クリーナ
https://w.atwiki.jp/arena/pages/35.html
アリーナとは1973年にアディダスがフランスで創設したブランドで、国内の代理店はデサント。 デサントは多数のブランドを展開しているが、その中でも水着に特化したブランド。 商品展開はアジア・太平洋圏オリジナルのものとなっている。 フィットネス水着・競泳水着などを製造しており、競泳水着ではアシックス・スピード・ミズノと並ぶブランド。 繊維製品品質表示者番号はC-OS3011 申し訳ありませんが、link_ref プラグインは提供を終了し、ご利用いただけません。
https://w.atwiki.jp/bitworld/pages/199.html
名前 デス マリーナ 演:マリナ・アイコルツ 初登場 2019年 登場歴 2019年~2020年 登場コーナー 戦慄のバケバケ団 概要 悪い子におばけを送り込んでいるバケバケ団の団員。外国から来た見習いのおばけ。
https://w.atwiki.jp/histus/pages/37.html
物語中盤からエリーナ軍に変わります。 名前 攻撃力 防御力 スピード アドバイス エリーナ C B A スピードが高いので、基本操作におすすめ。攻撃力を他の仲間でカバーしたい。 フォース A D B 攻撃力は高いが、防御力は極めて低いので注意したい。 エレメント D A C 攻撃力は低いが防御力が高いので、ボス戦などで活躍する。 ゴルトバス A A A 全ての能力が高い。しかし、物語終盤まで基本操作ができないので注意。
https://w.atwiki.jp/otakuhoumon/pages/94.html
タコリーナ 部屋データはこちら ルッツ村長(@tyonsaku) 2013/7/5更新 BEFORE AFTER タコリーナの部屋。 タコだしピンクだし家が海沿いだし、じゃあもうマーメイドしかないよ。 ベッドとジャグジー、どっちで寝てるんだろう… #とび森御宅訪問 #tw3ds 裏話コーナー 裏話記載を希望の方は、お名前を明記の上コメント欄に書き込んでください。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/suiki/pages/198.html
カンッ カンッ カンッ─── 「・・何の音?」 白亜の集会所のリビングでアリーナは隣でクッキーを頬張っていたファリエルに聞いた。 「ふえっと、ケヒトふぁんかウェオンほかははを・・」 「いや、何言ってるか全ッッ然わかんないから。食べてから喋りなよ。」 「ふぁ、ふぁいっ!」 ファリエルは顔を赤くしながら急いで口を動かした。 「ふぅっ、あ、あのえっとぉ、ケイトさんがレオンの刀を打ち直してるそうですよ。蟻妖王と・・私の魔法をレジストした時に、傷んでしまったそうで・・。」 少し顔を伏せたファリエルに、アリーナはワザと気付いていない風にへぇ・・と返した。 「ケイトって、そんな事出来たんだ・・・。」 「トゥール村は、鍛冶職人の村ですから・・。・・あ、アリーナさんも、何か出来るんじゃないですか?」 ファリエルはそう言ってガタッと椅子から立ち上がった。 「いや、そう言われても、何にも憶えてないし・・」 少し渋るアリーナの手を、ファリエルが強く引っ張った。 「やってみたら、何か思い出すかもしれませんよ?実戦あるのみです!」 そう言ってアリーナはほぼ強引に連行された。 「あれ、アリーナ?」 刀の柄を鉄でできた道具で持って火の燃え盛る釜に差し込んでいたケイトは、部屋に入って来たアリーナとファリエルに気付いて振り返った。 なんか本格的・・というかその前にっ!! 「住宅地に建ってる一般人の家に、何でそんな釜があるワケ!?」 いや、ホントに。間違えたらいけません、ここはさっきアリーナ達がいたリビングのすぐ下の部屋です。 「レオンが、どこからか買って来てしまって・・・一応、私の家なのですけど・・。」 ファリエルはアハハ、と苦笑しながら言った。 「在り得ない・・」 アリーナは頭を抱えた。 「おいケイト、そんなに熱してたら刃の根元が弱ってすぐ折れる様になるぞ。」 そんな在り得ない人はテキパキとケイトに指示を出していた。 「お、おう。つーか詳しいな・・。」 ケイトは釜から刀を出して隣に用意してある冷水にさっと通した。 「後は刀を打ったら終わりだ。もう釜は使わないから、アリーナもやってみれば?」 ケイトはアリーナがここへ来た目的を察してそう言ってくれた。 「え、でも何作れば・・」 アリーナがおどおどしているのを見て、ケイトは付け足した。 「アリーナのお父さんは剣職人で、お母さんは銃職人で、アリーナの使ってる武器は手作りのものだけど」 「・・・そっか。でも打ち直して壊れちゃっても嫌だしなぁ・・・」 アリーナは愛用の剣と銃をチラッと見てう~んと悩んだ。 「それでは、新しく何か作れば良いではないですか。」 ファリエルが横から何でも無い事の様にそう提案した。 「つ、作るって・・んな簡単に・・」 「あ、そういえばアリーナこの前小型の弾丸が使える銃があればって言ってたじゃん。作ってみれば?」 まぁ確かに、アナ作のB27【中】は安いし威力もあるし、使いやすい。 しかしこの頃販売している店が減ってきていて困っていたのだ。 それにレイカ作のH-D86【小】が結構良いと町でウワサだ。是非一度試してみたいものだ。 まぁ、そんな訳で小型の弾丸が使える銃が欲しいのだが・・ 「作れるかなぁ・・」 「だから実戦あるのみですって!原料はありますから、試してみればいいじゃないですか。」 「手順忘れたなら、俺が覚えてるし。」 「銃っていうのは外装を決めれば中の仕組みは殆ど一緒だからな。意外と簡単に作れるものだぞ。」 ケイトとファリエル、それにレオン(こいつは論理攻め。)にそう言われ、アリーナは渋々首を縦に振った。 「でざいんが?」 「そうそう、外装をどんなにするか、まず決めるのに絵を書くんだ。」 ファリエルが紙と鉛筆を渡してくれた。 「でも、そんな急に言われてもパッとは浮かんでこないよ・・」 「・・あ、でしたらギルドマークを入れたらどうですか?」 白亜には役所に登録された制服があって、この前ファリエルが渡してくれた。(ある知り合がデザインしたとかで、すごく良くできてた。)でも前にレオンとファリエルが制服を着て町を歩いてみたら有名ギルドなので行く人行く人に指をさされたらしい。それでファリエルが恥ずかしくてそれから一週間ぐらい家にこもってしまった時期があったので、何か理由がある時とかでないと着なくなったらしい。せっかくあんなに良いのにもったいない。 しかしまぁ、制服があるのだからマークがあったって何もおかしくない。 「で、そのマークってどんなの?」 「えぇっと・・」 ファリエルはそう言って紙にサラサラとギルドマークを描いていった。 「こんなのなんですけど・・・」 「あ、いいじゃん!じゃぁこれをここに彫るとして・・」 「ところでこの銃、どこに着けるんだ?」 ケイトがそこで口を挟んだ。 確かに、このデザイン画からすると太ももには着けられない。 「背中には大剣吊ってるし・・」 「じゃあもういっそ、衣替えしてしまえば・・?」 「あー・・そうだね、もう秋だし・・」 「や、ちょっとまて。なんか事がどんどん大きくなってないか?」 「別に良いのではないですか?本人も許可してますし・・」 「う~ん、この格好身軽さ重視だからねぇ・・けっこー寒いんだよね。」 アリーナは自分の身体を見回しながらそうぼやいた。そして思いついた様に顔を上げた。 「・・・あ、ねぇねぇファリエルさぁ、あの白亜の制服作った知り合と今から連絡つく?」 「へ?あの、まさか・・?」 アリーナは右手の親指をグッと力強く前に出し、軽く左目を閉じた。 ─つまり、ウィンクした。 「ギルド『白亜』所属アリーナ・フォースの冬服一着ごちゅーもーんっ!──っつー訳で、ヨロシク!」 「え、えぇえあ、でも、彼女もいろいろいろとい忙しくおそらくそんな、え、でも」 「落ち着け、ファリエル・・・。」 ケイトはパニくって目がグルグルしているファリエルの両肩をガシッと掴んだ。 とゆぅか、何をそんなに慌てているのだろう? 「あぁああ、誠に本当に申し訳ありませんんっ」 アリーナがかなり重症っぽいファリエルを見ながらケイトに囁いてきた。 「・・ねぇ、もしかして私、また何かしちゃってたりする?」 「あー・・そうかも・・。」 ケイトもなぜファリエルがそんなに慌てているのか全くわからなかったので、とりあえずアリーナの所為にしておいたが・・ 「別にアリーナは何もしてないぞ。」 と後ろの人に全面否定された。 「あ、そうなんだ。よかったぁ~・・じゃなくてさぁ。いつの間に入って来てたのさ・・。」 アリーナはため息混じりに「じゃあもういっそ、衣替えしてしまえば・・?(ファリエル)」辺りから聞いていたであろうレオンに聞いた。 「それはまぁ、フェリエルが『じゃあもういっそ』と言っていた頃か?」 「あ・・そお。」 アリーナは自分の予想がおもしろい様に当たったので、もう1発ため息をついておいた。 「んで、ファリエルはどぉしたんだよ?」 レオンがいたことに気付いて慌てて机の角に左足の小指を当てて余りの痛さにその場にうずくまって小刻みに震えているファリエルを半ば呆れながら指差して、ケイトが聞いた。 「うむ。白亜の制服を作った俺とファリエルの知り合いというのが万店舗『ちづるん』の店長でな。」 「・・ちづるん・・?」 アリーナは目を三分の一ぐらいまで細めた。 「あぁ、店長の名が千鶴でな、そいつの愛称だ。で、ファリエルはそいつと会うたびに」 ファリエルができる限り振り返ってブンブンと顔を振っている。 しかし悲しいことに、レオンの位置からではファリエルを見る事はできない。 「言い包められるというか、苛められてな。『引っ込み思案』とかと言って。」 「いじめ・・・。」 アリーナの目は六分の一ぐらいまで細まっている。 「うむ。それでファリエルは毎回千鶴と会うのを極端に嫌がるのだ。」 「・・・。」 アリーナはもう目を閉じて、こめかみを抑えていた。 でもまあ、いつまでもそうしていたって仕方がないので5秒ぐらいで目を開けて、ふとケイトはどうしてるかな、と思って振り返ってみた。 するとケイトが聞いていたのは、アリーナと違う所だったようだ。 「レオンが・・ち、『ちづるん』・・」 ケイトはそう呟きながら、ファリエルと同じように肩を小刻みに震わせていた。 「・・・。」 アリーナは無言でケイトの脇腹に突きを見舞っておいた。 「で?今から千鶴に会いに行くのか?」 「あ、うん、会えるんだったら。冬服は早めに欲しいし・・・」 「じゃ、行くぞ。」 レオンはそう言ってまだウジウジしているファリエルを肩に担いだ。 それでファリエルが一瞬で大人しくなったのは愛の力ってヤツ? アリーナはそう思いながら床にうずくまっているケイトを起き上がらせた。 それでもケイトが動かないのはアリーナの突きが上手いこと決まったからだ。
https://w.atwiki.jp/sinrei_tukikiramei/pages/27.html
Lv65解放 1VS1のPvPです。 操作は一切行えず、順位に応じて対戦相手を選ぶ形となります。 上位に勝てば、その順位と入れ替わります。 下位に負けた場合も、順位が入れ替わります。 1日15回挑戦可能です。 1回戦闘すると10分のクールダウンが発生し、クールダウンが40分こえると対戦できなくなります。 毎日0時の時点で順位に応じて報酬がもらえます。 アリーナで得られる報酬でバック拡張札や復活玉、その他アイテムが交換できるので欲しいものがあれば、チェックしておいた方がいい。 交換一覧 名前 ポイント 在庫 名前 ポイント 在庫 マウント秘石 100 5 専属武器秘石 100 5 マント秘石 300 5 マウントブック-野性 1800 5 マウントブック-警戒 2000 5 マウントブック-強靭 2200 5 バッグ拡張札 50 5 復活玉 50 5 アミュレット玉(SR)バッグ 150 5 ※在庫は毎日0時にクリアされます
https://w.atwiki.jp/suiki/pages/200.html
『いらっしゃ~い・ませ』 AM 9 30。 アリーナはまだ寝惚けてんのかなぁ、と思って自分の両目を擦った。 『お客様?眼を洗われます・か?』 でも、自分の目が少し痛くなっただけだった。 そこには変わらず愛くるしい容姿の火の玉&水の玉が・・・。 「何、これぇ・・?」 アリーナは呆けた声を出してレオンを振り返った。 「迷魂[火]・赤丸と迷魂[水]・青丸だが。」 「いや、その説明じゃわかんないし。」 アリーナはそう言ってレオンの後ろに隠れているファリエルに目を移した。 「私は、何も存じませんからっ!」 ファリエルはいつもより強い口調でそう言って、もっとレオンの後ろに隠れてしまった。 ちなみに、レオンはファリエルよりふたまわりほど大きいので、真後ろに行ってしまうとファリエルは完全に見えなくなる。 「ファーリーエールー?」 ケイトはしつこくレオンの後ろからファリエルを引っ張り出そうとした。そして、アリーナの位置からは残念なことに見えなかったが、ファリエルは対抗策として迷わず魔法をぶっ放したようだ。 「~──、dsyhf;vr・dkj・p&;hd!雷光電・・!」 「ままっ、魔法を使うなよ!?」 ケイトは目の前に手をかざして、魔法が当たる時を待ったが・・ その、ファリエルが喚んだ雷が ケイトに当たる事はなかった。 「レジスト・マジック」 東洋のドレス(アリーナは初めて見たのでわからなかったが)を着た二十歳前ぐらいの女性が、いつの間にかケイトの前に立っていたから。 その人が、持っていた扇子でファリエルの魔法を防いでいたから。 ファリエルがその人を見た途端、魔法が乱れたから。 とまぁ、そんな風に理由はいろいろあったが、とにかくケイトは無事だった。 ──別に当たってもよかったのに。 とかいう言葉はアリーナの心の内だけに留めておいた。 チッ 「はぁ~い初めまして、万屋『ちずるん』店長の千鶴でぇす!ファル(←ファリエルの事らしい)ったら相も変わらず顔色悪い小心者ねぇ。店内で魔法使っちゃダメって何回言ってもその頭じゃわかんないかしら?」 「ううぅ、顔色悪いのはほっといてください!」 「あら、そこだけしか否定しないって事は、後は全部当たってるって事かしら?うんうん、覚えとくわね」 あー・・。 確かにファリエルがこの人・・じゃなくて千鶴さんが苦手な理由がわかった気がする。 「えーっとぉ、あなたがケイト君であなたがアリーナちゃんね?レオンから聞いてるわ、2人ともいらっしゃい!」 すると千鶴が突然くるっと振り返ってファリエルの時とはぜんぜん違う態度でニコッと笑いながらケイト→アリーナの順に指差して聞いた。 「そう、俺がケイト・フェラード。初めてお目にかかりますが・・・可憐な千鶴さん、ギルド白亜に入団する気はない!?」 ケイトが目をキラキラさせながらそう言ったので、アリーナとファリエルが違う目的で同じところに突きを見舞っておいた。ちなみにケイトは2人から攻撃が案外効いたようでその場に伏している。 「えー・・あ、私がアリーナ・フォースで銃剣士。よろしくおね・・」 とアリーナが自己紹介して右手を差し出すと、いきなり千鶴が 「カワイイッ!」 と言ってガバァッ!!と抱きついて来ようとして、その前に何かに跳ね返された。 最初は立ち直ったケイトかな、と思ったけどそいつが着ていたのはフリフリの・・・・。 「アリーナ様、ご無事で御座いましょうかっ!?無礼な輩から貴方様を守るのは私の役目っ、あのケイトとか言う輩も成敗しておきました!」 「シャル・・何時から 何所から・・・・・」 アリーナはなんだか頭が痛くて深ぁーいため息をついた。 「アリーナ様の危機とあらば、私は何時でも何所からでも駆け付けますとお約束したでしょう!それがアリーナ様への私の愛の証っ!!」 「あ・・・そう。」 アリーナがもういいやぁ・・と言うふうに相槌を打つと、横から千鶴がほえた。 「何よぉ!勝手に人の店に入って来て勝手な事して!khsbfw(72wbjdfw!風薙爆!」 「あの・・・。店の中では魔法を使うなと先ほどあなたが・・」 「私は店長だから何してもい・い・の!」 ファリエルのささやかな抗議を千鶴はさらっと受け流してシャルトスに魔法を放った。 「愚かな人・・木よ阻め!返せ風は汝の属、息絶えよっ!」 シャルトスも負けじと自前の契約魔法とやらを放った。 「だっからこの店じゃあたし意外魔法使ったらダメだって!」 「そんな事私の知った事ではありませんわ」 「あたしは店長だぞっ!?」 「私は蟻妖王ですわ!」 ギャアギャアと2人共一歩も譲らず、魔法も小競合いをしていた頃・・ 「2人とも、女の子なのだから怪我をしたら大変だし・・千鶴も、店を壊さないようにほどほどにね?」 その声を聞いただけで穏やかな気持ちになれるような、優しげ声が上から降ってきた。 「はお姉っ・・店は、ちゃんと壊さないようにするから!」 「誰だか存じませんが、大丈夫ですわ!壊したら弁償致しますからっ・・この方が!!」 1階をのぞけるように、宙に浮かぶ体で建て付けられている場所にいつの間にか立っていた女性に向かって、千鶴が弁解し、シャルトスも千鶴をビシッと指差しながら主張する。 『って言ってるけど、どうする、はお?あ、レオンとファリエルさん、それとケイトさんとアリーナちゃん、だよね?万屋『ちづるん』にいらっしゃ~い♪』 ・・・やっぱり、私まだ寝惚けているらしい。 千鶴とシャルトスに静止の声をかけた女性の後ろに、妙に色素が薄くて、後ろの物が見えるぐらい透けてる10歳くらいのかわいらしい少女が浮いているように見える。 しかも、その少女の足が膝の少し下から無いように見える。 ──やばい、重症かもしれない・・ 『あれれ?どうしたんですか?やっぱり赤丸達の言ったように、目を洗いますか?』 その子は心配そうな声でそう言って、一階にいるアリーナ達の所までフワフワと降りて来た。 『水神、力を貸せ!』 そして今までの雰囲気と一変して鋭い声でそう言うと、洗面器一杯分位の水をアリーナの目の前に出現させた。 「え、えぇ!?水が浮いて・・魔法!?しかも、ホントに透けてるしっ!!」 アリーナはまず突然現れた水が浮いている事に驚き、それが精神集中せずに使った魔法だと気付いて驚き、その魔法を事も無く使った少女が本当に浮いていている事に驚き、触ってみようとして触れずに貫き本当に透けている事に驚いた。 全部合わせて不思議の四連続攻撃だ。 当然アリーナの脳が処理しきれる訳が無く、アリーナの頭の上にはシャルトスと出会った時と同じく「くえすちょんまぁく」が数えきれないほど浮かびまくっていた。 『水神様に出してもらった聖水ですから、とっても綺麗で冷たいですよ。飲んだら万病に効くって云いますし、とっても有り難いお水です。』 それは本当に有り難い。 さっさとこれを飲んで、目を覚まさないと。 しかしその聖水とやらをグッと一気に飲み干しても、少女の姿は変わらずそこに在ったし、後ろを見れば火の玉と水の玉がフヨフヨと浮いていた。 アリーナは一つため息をついて、効果が出るのにはまだ時間が掛かる・・とかという考えはもう捨て、きちんと諦めて現実を見据えてみる事にした。 いや、しようとしたのだが、何だか視界が霞む・・ 「あ、れぇ?」 それに頭がボゥ──ッとするよぅ・・ 「アリーナ?」 ケイトが最初にアリーナの異変に気がついて、寄って来てくれた。 「・・ん?どうかしたの?」 次に千鶴が気づいて声をかけてくれた。 「アリーナ様・・?」 シャルトスも、次々みんなも、アリーナの方へと寄ってくる。 「顔が、赤いです・・」 『体温計を・持って来ますぅ~』 「おいシュリエ、水神・・って、どこのヤツだ?」 そう透けてる少女・シュリエに聞いたのはレオン。 『え・・、一番近くのアルテス様だけど・・。』 「・・アルテスって、確かイタズラ好きの子供の水神じゃなかったか?」 『・・もしかして?』 その2人の顔見知りっぽい会話の中で、アルテスとか近くとかってゆうのはよくわからなかったけど、「イタズラ好きの子供」ってとこが重要だ。 『水神アルテス、貴方もしや───っ』 シュリエが怒ってもかわいい顔で何かテレパシーっぽいのをした。 すると案の定、 『フン、我にそんな事要求するのが悪いのだ。神をそんな下らん事にちょくちょく使われてたまるか!』 とゆう高慢ちきな子供の声が返ってきた。 『わ、わかったわよ・・今度から気をつけるわよ・・それで、聖水の代わりに何を出したの?』 シュリエが不貞腐れてもやっぱりかわいい顔で聞き返した。 『え~と確か・・あぁそうだ。あれだ、あれ。』 「だから何なんだ」 レオンがアルテスのもったいぶった言葉に催促をする。 『社に供えられていた、清酒だったか。ま、後の事なんて我は知らんぞ。我に頼んだ主が悪いのだからな。せいぜい困る主等を見て楽しむとするか・・』 『あ!?何て事をっ・・アルテス待ちなさいっ!』 しかしシュリエの声は虚しく空に木霊し、 酒・・、御神酒を洗面器一杯分一気飲みしてしまった13歳のアリーナは、 「ぅ・・ん・・くぅー・・」 ケイトの胸に身体を任せて呑気に寝息をたてていた。
https://w.atwiki.jp/suiki/pages/221.html
夢を、見たんだ。 懐かしい・・・思い出したくなかった夢。 ──昔々の幼い頃。 その日は何故か寝れなくて、水を飲もうとしたんだ。 でも、リビングの扉を開けようとして、中から光がもれてる事に気付いて。 見てみたら、お父さんと──知らない、男の人がいて・・・ 小さな小さな声で、話してたの。 よく覚えてない・・・・いや、きっと聞いてから絶望して、忘れようとしたんだ・・と思う。だからよく覚えてない・・・・・けれど。 「じゃぁな、ガイア。・・短い付き合いだったな」 知らない男の人はそう言って、ガタッと座っていたイスから立ち上がった。 「うるせーな、まだ死ぬって決まったわけじゃねーだろ」 「ははっそうか・・じゃぁせいぜい、死に物狂いで頑張れよ。“紅剣”」 「なんだ、そんな昔の名前・・」 その人はお父さんを「紅剣」と懐かしむような顔で呼んだ後、さっきまでの苦笑した顔からは想像も出来ないほど冷たい顔になった。 「──取引は四日後だ。その間、あの小娘に一生分の愛情でも注いどくんだな」 そう言い置いてその人は立ち去ろうとして、思い出したように振り返った。 そして机の上にあったワイングラスを掲げ、またあの困ったように苦笑した顔で お父さんの前にあるワイングラスを鳴らして・・・ 「…Das Schwert des Landsmannes greift es zu Ihnen an; und ein Segen.」 ──確か最後にそんなことを言っていた。 その頃の私に(まぁ今でも分からないけど)そんな英語かどうかも分からない言葉の意味なんて分からなかったけど、ただ── あの、初対面の男の人の・・まるで一生の別れみたいな顔だけが、なぜか忘れられなかった。 懐かしい、なぜか思い出すたびに大きな喪失感を覚えるから・・大嫌いな夢。 目を開けた時、意外に涙も何も流れてなくて驚いた。 ボーっとする頭で横を見てみればシャルが幸せそうな顔で寝ていて、アリーナは今まで自分が被っていた布団を掛けてあげた。 床に置いてあったスリッパに足を通して立ってみると案外ふらつく事もなく、あぁ、大丈夫なんだなとか勝手に思いながら部屋を出た。 はおのさんの部屋を出ると真ん中に大きなテーブルの置いてあるロビーに出た。下に降りる階段を遠目からでも発見したので そうかここは2階なんだ などと思いながら1階へと下りて行った つもりだったが階段の下にあったのは1階と2階の間にある中層で、そこから1階にいるファリエルや千鶴達を見留めたので、みんなの所へ行こうと思いスタスタと階段を下りて行った。 そうして1階に下りて来たアリーナを1番最初に発見したのはファリエルで、 「アリーナさん?まだ熱があるんじゃ・・・」 と言ってこっちまで駆け寄ってきた。 「へ?ありふぃな?」 1階でチャーハンを食べていたらしいケイトが驚いたという顔で振り向いて、残りのチャーハンを一気にかき込んでからファリエルと同じようにこっちへ来た。 「はお姉が薬探してんじゃなかったっけ?」 「そのはずだけど・・アリーナ、熱測って来たか?」 ケイトが自分とアリーナの額に手を当てて温度を比べながら心配そうに聞いて来たので、アリーナは素直に首を振った。 「あ・・体温計、取ってきましょうか・・・?」 「ばかファル、もし熱があるんだったらまだはお姉の部屋に寝かしとかなきゃいけないんだから、アリーナちゃんごと部屋に戻した方がいいでしょ」 「ば、バカは余計ですばかは!」 「ウソは言ってないけど?」 ファリエルが涙目になって反論しているのを見てケイトが呆れていると、アリーナの上から声がした。 「だが何にしろ、熱は測らないとな」 「え・・・・」 聞キ覚エノ アル声 サッキ聞イテタ声・・・? アリーナはびくっと強張りながらも瞬時に振り返り そこにアリーナより頭1つ半分高い位置から自分を覗きこむレオン・アレオスの顔を見た。 確かにレオンの顔なのに。 それは、さっき見た夢に出て来た・・あの男の人と、よく似て・・・・ 「いや・・、同じ・・・・っ」 「?アリーナ、何が・・・」 ──じゃぁせいぜい、死に物狂いで頑張れよ。 ──取引は四日後だ。その間、あの小娘に… レオンと、あの男の顔がピッタリ重なる。 誰?あなたは・・イヤダ、思い出したくない・・・だって、こいつは・・・・ 「・・お、父さん・・・ッ!」 そうだ、こいつはお父さんを殺─── 頭に猛烈な痛みを感じたアリーナは、近くにいた人の裾に 倒れないようにとしがみついて・・・そこで意識を失った。 目覚めたらまた、はおのの部屋だった。 すると瞼を開けた瞬間、ガシッと誰かに肩を掴まれた。 「ちちち、違うと思うぞアリーナッ!!ガイアさんは、もっとこう・・・ホラ、老けてたって!!」 慌てた口調でそんな意味わからない事を言ったのはケイトだった。 「とりあえず、熱もちょっと下がってたしこれ飲んで下行くぞ!」 「?・・・う、うん」 矢継ぎ早にそう告げてケイトが差し出した、はおのさんが持って来てくれたのだろう解熱剤を飲みこんで、アリーナもケイトに続いて部屋を出た。 部屋を出ると、いきなり横にシャルトスが立っていた。 そしてまたケイトと同じようにガシッと肩を掴んで 「・・・・・・・それでも、私は好きですわっ!!」 「は!?」 とかいきなり宣言して、ではっとか言いながら窓から外へ飛び出していった。ここ2階なのに。 アリーナはえ~・・・とか思いながらしばらく呆然と立ち尽くしていたが、 「とりあえず、下に、行こう」 とケイトに言われたので、とりあえずそれに従うことにした。 中階には誰もいなくて、そのまま1階に降りると 『・・・・・・・・・・。』 丸いテーブルを囲んで座ったレオン、ファリエル、千鶴、はおの(+シュリエ)の間に、みょ~に重い沈黙が漂っていた。 ──うぇぇなんで!?なんで私が寝てる間にこん修羅場になってるの─――っ!? アリーナが言葉も出ず心の中で焦っていると、ケイトが自分の横の席に手招きしたので、素直にその席に座った。 するとそれが合図だったとでも言うように、 「なんで・・・・・・」 と言って、ファリエルが顔を覆って・・・泣きだした。 『えぇええ~~!?なぜにいきなりファリエルが泣くのぉ!?』 そしてそれを見たケイトが、キッと眉をつって糾弾する。 「─――やっぱ、直接本人に聞く!!レオン、マジなのか!?」 するとレオンの、珍しい顔が見れた。 いつも強気なレオンが・・・苦笑したような、あの、夢のあいつがしていた顔をしたのだ。 『やっぱり、レオンって・・・・・・』 そしてアリーナがそう思っている間にも、話し合い?は続く。 『レオン・・・私にだって、そんな事一言も言わなかったじゃない・・』 シュリエが少ししょげたような、それでいてすねたような口調で言った。 「つーかレオン!あんた、何歳なんだよ?その外見から言ってこの歳の子がいたら、それってケッコー犯罪まがいなんじゃ・・」 ・・は?な、何の話・・ってゆーかこの話し合いの論点って・・・・? 「私もそう思いますよ。この国では結婚は14歳からなのですから、あなたの歳では・・・」 はおのも千鶴に続いて、少し強めの口調で諭すように言う。 そうして、この場にいるアリーナ以外の人(と幽霊)達全員から責められたレオンは、やっとその重い口を開いた。 「・・・なぁ」 ゆっくり、そして少し気まずそうに・・ 「今更なんだが・・・・・・・一体、何の話をしてるんだ?」 『・・・・・・・・。』 ──そして、その場にまた、あの重ーい沈黙がおりた。 「・・~~あんたっ、ねぇ・・・・ッ!」 それから一番最初にその沈黙を破ったのは、千鶴だった。 「さっきあんただって一番近くで聞いただろ!?アリーナちゃんが、あんたを・・」 そしてそこで一回息をついて、言い直した。 「レオンが、アリーナちゃんの父さんなのかって話だろ!?」 「はぁっ!?」 その初めて知った議題に、一番驚いて声を上げたのはアリーナだった。 「な、なにそれ!?なにがどーなったらそんな話になってるのっ!?」 「だってアリーナ、さっき自分がレオンにしがみ付いて『お父さん』って言ったんじゃねーか!」 「・・ち、違うん、ですか・・・・?アリーナさん・・っ」 さっきまであまりのショックに顔を覆っていたファリエルが顔を上げ、涙をためた目ですがるようにアリーナに聞いてきた。 「違うって!レオンがガイア父さんなわけないじゃん!!むしろ、レオンは・・・・っ」 アリーナはそこで、ハッと言葉を飲み込んだ。 これは、ここで・・・ファリエルとかの前で、言うべきことではないから。 「・・・何でも、ない」 「・・・・まぁ、何にしろ誤解が解けてよかったわ。と言う訳で、アリーナちゃん」 アリーナがワケあって言葉をきったことを読みとって、はおのがパッと話題を切り替えてくれた。 そして、ポケットから取り出した物を、パクッとアリーナに咥えさせ・・しばらくして、それがピ──ッという電子音を発したのではおのが取り出して 「・・36.7。よかった、下がったわね」 やわらかい笑顔でそう告げた。 ま、そんなこんなで夕方には万屋「ちづるん」を後にした。 去り際にファリエルが今回訪ねた目的である「アリーナの冬服を注文する」事を思い出してなんとか無駄骨にはならずに済んだので、まぁ充実した1日だった・・と思っておこう。 レオンのこととか、いろいろあって疲れけど・・・ それより気になる事を思い出した。 ・・あ、そういえば あの火の球って結局何だったんだろう・・・・。