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トリステイン魔法学院の食堂は、学園の敷地内で一番背の高い、真ん中の本塔の中にあった。 「うっそォ……」 並大抵の出来事には動じないだけの経験をしてきたつもりの徐倫だったが、同じ広大な食堂でも刑務所の物とは全く違う内容に思わず呆気に取られていた。 幾人もの囚人がひしめき合う狭苦しさなど、ダンスホールのようなこの食堂には影も無く、態度のデカイ看守の代わりにメイド服姿の給仕が慎ましく貴族の食事を用意している。 ピカピカに磨かれた長テーブルの上には、徐倫のように粗末な穴倉飯を経験した事のない一般庶民でも十分感動出来てしまうほど豪勢な『朝食』が並んでいた。 "Oh, my GOD!!" 徐倫は思わずこの世界の不条理を嘆いた。 現代社会には有り得ない、分かりやすい身分制度の上下がこの食事一つに表されている。 「なんつー露骨な社会的格差ッ! あのメイドとあんたらが同じもの食ってるワケないわよね?」 「当然でしょ。ここの奉公人は皆平民よ。貴族と同じ物が食べられるわけないじゃない」 本当に微塵の疑いも無く言い切るルイズの言葉に、徐倫は眩暈がした。薄々感じていたが、この世界の社会は元の世界の中世時代に匹敵する。 もう自分の常識が通じる世界ではないのだと痛感した徐倫は、頭を抱えながらもルイズの促すまま彼女の席を引いて座らせた。 「……しかし、スゴイ料理ね」 ルイズに倣うように隣へ座る。 この世界の社会形態に当初は驚きもしたが、いざ食卓に着くと、別の感動が徐倫の中に湧き上がってきた。 言うまでも無く、一般的な庶民層出身の徐倫が食べた事はもちろん、見た事も無い豪勢な料理が視界一杯に並んでいる様はまさに圧巻だった。 「いや、ホントにスゴイわァ……」 呆けながら、無意識に顔はにやけてしまう。 目の前のでかい鳥のローストが徐倫を威圧し、同時に昨日から何も入れていない胃袋が強烈な空腹を訴えてきた。 空腹はもちろん、刑務所の粗末な食事に慣れていたこの体は、きっとテーブルの上のどの料理を受け入れても大いに満足する事だろう。 久方ぶりに『美味しいものを食べられる』という年相応の喜びが徐倫を子供のようにはしゃがせる。 「食べ物で釣られるなんて気に入らないけどさァ、朝からこんな豪勢な物食べられるんなら、あんたの使い魔も悪くないかもねェ~! ええおい! お嬢様ッ!」 既にナイフとフォークを握ってうずうずしている徐倫の肩を、ルイズがぽんぽんと叩く。不機嫌そうな視線が睨んでいた。 「え、何? ああ、はしゃぎすぎた? そうね、貴族の飯なんだから貴族らしくしないとねェ~!」 ルイズは無言で床を指差した。そこに皿が一枚置いてある。 「……皿ね」 「そうね」 「なんか貧しいものが入ってるみたいだけど」 「あのね、ホントは使い魔は、外。あんたはわたしの特別な計らいで、床」 徐倫は理解した。理解して、キレた。 「テメェー、ふざけんなァァーッ!! あたしは犬かいッ!? そーいう扱いはすんなって言ったでしょーがッ!」 「じゃあ、他の使い魔と一緒に馬小屋みたいな場所で食べる? ここに呼んだだけ、わたしはあんたを人間扱いしてんのよ!」 「奴隷扱いの間違いじゃないのォ!? せめて、そこのテーブルに着くくらいは許しないさいよ!」 「このテーブルは貴族専用よ! いい? あんたには自分の立場を理解してもらいたいの、あんたはわたしの『使い魔』としてここにいるのよっ」 「~~~……ッ!」 これ以上の言い合いが不毛であると察した徐倫は、歯を食い縛って口から出かかった罵詈雑言を飲み込んだ。 足元の皿には申し訳程度に小さな肉が浮いたスープと、その端っこに硬そうなパンが二個置いてある。直にではなく、ナプキンを敷いた上に、ちゃんとスプーンが置いてある辺り、確かに最低限人間扱いはされているようだった。 もちろん、それで気が収まるわけではないが、とりあえず徐倫は怒りの矛先を治めて床に腰を降ろした。 これが、本当に犬のようにただ皿が置かれているだけだったのなら、例えこの場にいる貴族(メイジ)全員を相手にする事になったとしてもルイズをぶん殴って大暴れした事だろう。 だが……ここは堪えた。まあいい。まだ、許容範囲内だ。ルイズへの負の感情は殺意にまで上昇したが。 自暴自棄になってはいけない。自分には『やるべき目的』があるッ! それは、この『魔法に関わる場所』に居付き、『元の世界に戻る方法を探す』という目的だッ!! 『不可能』と断言された現実を覆せる『道理を超えた方法』をッ!! 並大抵の事ではないのは理解している。だからこそ、この場所であってはならないのは―――『精神力』の消耗だ。 くだらないストレス、それに伴う『体力』へのダメージ! くだらない『消耗』があってはならない! かつて、徐倫は自分が果たすべき目的の為に地獄のような『厳正懲罰隔離房』の生活を耐え忍んだ時があった。汚物の臭いが漂う中で、虫の混じったパンを食った。 それに比べれば、こんな状況など『どうという事』無い。 『偉大なる始祖ブリミルの女王陸下よ。今朝もささやかな糧を我に与えたもうたことを感謝いたします―――』 テーブルに整然と座り並んだ貴族達が厳かに祈りを捧げる中、徐倫は意に介さずスープを啜った。 何が『ささやかな糧』だ。お前らの食事が『ささやか』ならば、こっちの食事は塵か豆粒みたいなモンだろう。 徐倫はこの国の名前などもう忘れたが、いずれここは革命で没落して歴史の教科書に載るだろう、と硬いパンを齧りながら思った。 質素ながらも、スープの味は刑務所で味わった文字通り臭い飯より何倍も美味しかった。 ただそれだけが、徐倫の中の苛立ちを僅かに解消してくれていた。 『ささやかな』朝食が終わり、次はいよいよ授業の時間らしかった。 徐倫にとっては待ち望んでいた時間だ。何はなくとも、まずはこの世界で主流となる『魔法』について知識を蓄えなければならない。 ルイズの『召喚の魔法』によってこの世界に呼ばれた以上、戻る為には同じ魔法の力が必要不可欠な筈なのだ。 徐倫を伴ったルイズが教室に入ると、先に来ていた生徒達がクスクスと笑い始めた。 徐倫に向けられた、完全な嘲笑である。 ルイズはその笑い声に顔を顰めて反応したが、もちろん徐倫は無視した。 ただ、他の生徒が連れる使い魔にだけ注意を払っていた。いずれも見た事の無い生物ばかりだが、それぞれをスタンドとして対応するぐらいの配慮は感じていた。どんな力があるのか全く未知数なのだ。 徐倫が適当な席に座ると、ルイズが睨んだ。 「……ここも貴族専用なワケ?」 「そう」 徐倫は何も言わず、ルイズの席の隣の床に腰を降ろした。 ルイズは文句を言わない徐倫の様子に首を傾げていたが、やがて教師のシュヴルーズが入室すると、そちらに集中した。 「皆さん、春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。 このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」 ルイズは俯いた。 やましい事はないのに後ろめたさを感じている表情だ。使い魔でありながら人間である自分が原因だと、徐倫は察したが、唇を噛み締めたルイズの横顔を一瞥する以外特にリアクションは取らなかった。 「おやおや。変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」 シュヴルーズが、徐倫を見てとぼけた声で言うと、教室中がどっと笑いに包まれた。 「ゼロのルイズ! 召喚できないからって、その辺歩いてた平民を連れてくるなよ!」 誰かの嘲る声が聞こえる。徐倫はもちろん気にしない。特に、これはルイズに向けられた嘲笑だ。 しかし、別段ルイズの事を想ってではないが……徐倫は苛立っていた。教壇の善人そうなババアは、悪意の有無はともかく、明確な意図を持ってルイズの失敗を話題に持ち上げた。 授業の流れを和やかにする為か何なのか知らないが、しかしこちらを『餌』として扱ったのは確かだ。 人の良さそうな顔をしているだけに、それが余計に気に入らない。 徐倫はいきり立つルイズの肩を抑えると、彼女の代わりに立ち上がり、シュヴルーズに向けて右腕を掲げ、中指を立てて微笑んだ。 「はじめまして、よろしくお願いします」 「え……ええ。よろしくね、使い魔さん。マリコルヌ、貴方もお止めなさい」 徐倫の出した右手のサインが一体どういう意味を持つのか分からないシュヴルーズは曖昧に笑って返していた。 場が治まったところで、怒りの矛先を見失ったルイズが憮然とした表情で尋ねてくる。 「ねえ、今の右手の形って、一体どういう意味なの?」 「あたしの世界の挨拶」 徐倫は何食わぬ顔で答えた。 ルイズは自分の右手の中指を立てた『Fuck You』のサインを見ながら首を傾げている。 もし、この『異世界の挨拶』がマヌケにも流行るような事があったら、その時は大笑いしながら本当の意味を教えてやろう、と徐倫は密かに笑いを堪えていた。 僅かなトラブルの後、授業は何事も無く進んだ。 この学院でも授業は春から始まるものらしく、授業内容は魔法に関する基礎的なものから始まっており、魔法初心者の徐倫にも辛うじて理解出来るものだった。 傍らのルイズからも補足を聞き出しつつ、魔法における基礎的な『四大系統』を理解していく。 『土』『火』『水』『風』の四種類ある魔法系統。ついでに失われた系統である『虚無』 更に、その系統を足す事によってメイジとしてのレベルは変わってくるらしい。並行使用可能な系統数に応じて 『ドット』『ライン』『トライアングル』『スクウェア』と上位に階級が付けられる。 そのレベルでの可能な戦闘力や能力の範疇までは分からなかったが、少なくとも『トライアングル』のシュヴルーズは単なる石ころを真鍮に変えて見せた。 ……やはりレベルを計る材料としては、曖昧すぎて足りない。 分かるような分からないような、実感の無い異世界の知識に頭を掻いていると、徐倫はふと疑問を抱いた。 「……ルイズ、あんたは幾つ系統を足せるの?」 徐倫にとって最も身近で協力も仰ぎやすいルイズのメイジとしての実力を把握しておこうという考えで口にした疑問だったが、ルイズはその問いに黙り込んでしまった。 ひょっとして、成績は悪い方なのか―――? 少しばかり失望する徐倫は、しかしすぐにその考えを改める事になる。更に悪い方向へ。 「ミス・ヴァリエール! 授業を聞いていましたか? お喋りするほど余裕があるのなら、この『錬金』は貴方にやってもらいましょう」 徐倫との会話を見咎めたシュヴルーズが、そう促した。 何故かルイズ自身や周囲がその行為に対して、ひどく気の進まない反応を見せる中、徐倫は不審に思いながらも状況を見守っていた。手っ取り早くルイズの実力を見る事が出来るのだから、止める理由など無い。 「ご指名でしょ。行ってくれば? それとも何、『失敗する自信』があるワケ?」 小声で挑発染みた言葉を呟く徐倫をキッと睨むと、ルイズは意を決したように教壇へ向かった。 途端、周囲で劇的な変化が起こる。 まるで何か災害が発生する前触れを感知でもしたかのように、生徒達が一斉に各々の机や椅子の下に隠れ始めた。 その反応に徐倫もようやく危機感を感じ始める。沈没する船の中で、自分だけが救命ボートに乗り遅れてしまったかのような焦燥。 シュヴルーズだけがニコニコと見守る中、ルイズは一心に集中して呪文を唱え、杖を振り上げて、一呼吸後に振り下ろした。 その瞬間、石ころは机ごと爆発した。 「なんだそりゃァアアアアーーッ!!?」 予想の斜め上を行く、文字通りぶっ飛んだ結果に徐倫は絶叫しながらも、爆風の中『ストーン・フリー』を発動させる。 この世界で二度目のスタンド能力使用となるが、完全に使えるかどうか考える暇も無く無意識に使用していた。自分を守る為ではない、爆風で吹き飛ぶルイズに対してだ。 自分自身も爆風に煽られながら、『ストーン・フリー』の糸を伸ばして、飛んでいくルイズの背後に『ネット』を編み込む。それは丁度ボールをキャッチする網、体を支えるハンモックのように! 壁に激突する寸前でルイズの体はネットにキャッチされたが、その勢いで何本か糸が千切れ、フィードバックとなって徐倫の指先が裂けた。 距離があって『糸』の強度が落ちた事も原因だが、何より十分にネットを編み込む事が出来なかったのだ。放出できる糸の数や長さ、そして強度も想定よりずっと足りない。 「クソッ、スタンドパワーが落ちてるのか……ッ?」 血の滴る指を押さえながら悪態を吐く。 その周囲では、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されていた。室内での爆発は凄まじい影響を周囲に与える。使い魔達は混乱し、統制を失って暴れ狂っていた。 爆心地に近く、庇えなかったシュヴルーズは黒板に激突して、倒れたまま動かない。時折痙攣しているから生きてはいるようだ。 大惨事の犯人は、煤で黒くなったボロボロの姿でむくりと立ち上がった。 爆発そのものの影響は衣服以外に及んでいないらしく、怪我は無い。壁に激突する事もなかったので痛みすらなかった。もちろん、彼女は徐倫が助けた事に気付いていないだろう。 「……ちょっと失敗したみたいね」 ハンカチで顔を拭きながら、ルイズは淡々と呟いた。しかし、努めて冷静に教室内の惨状を流そうとしている事は明白だった。 当然のように他の生徒達から反論を受けるルイズを呆然と眺めながら、徐倫は混乱する頭で『ゼロのルイズ』という呼び名の意味を正確に理解していた。 『成功率ゼロのメイジ・ルイズ』 「……やれやれだわ」 なるほど、自分のご主人様の実力は理解した。 飛びたい気分だった。まず一歩、目的達成から『遠ざかった』のだ。 自分にとって最も身近な協力者が無能という現実を知り、徐倫は元の世界へ戻る道が長く険しいものだと改めて実感したのだった―――。 To Be Continued →
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第百三十四話「三冊目『ウルトラマン物語』(その1)」 小型怪獣ドックン 登場 ルイズの精神力を奪い、彼女を昏睡状態にしてしまった六冊の『古き本』の攻略に臨む才人とゼロ。 二冊目の『わたしは地球人』では、暴走した地球人と地球原人ノンマルトの確執にウルトラセブンが 翻弄され、最後には宇宙の追放者となってしまうというゼロにとってこれ以上ないほどの苦い物語で あったが、それでも本の完結には成功した。しかし三分の一が終了した現在も、ルイズにはまだ目に 見えた変化がなかった。 ルイズを救出する本の旅も三日目を迎えた。三冊目の旅に向けて心の準備を固めていた 才人だったが、そこにタバサとシルフィードがやってきた……。 眠り続けているルイズと看護するシエスタ、それから才人たちのいる控え室に入ってきた タバサとシルフィードに対して、才人は一番に尋ねかけた。 「シルフィード、その抱えてる袋は何だ? そんなの持ってたっけ」 シルフィードは何故かズタ袋を大事そうに抱えている。訝しむ才人に、シルフィードは 早速袋の中身を披露する。 「中身はこれなのね!」 机の上で袋を開き、逆さにして振ると、赤く丸っこい物体は転げ落ちてきた。 「キュー! 狭かったぁ」 「ガラQ!?」 それはリーヴルの使い魔である、ガラQであった。才人たちはあっと驚く。 「お前たち、これどうしたんだ?」 「まさかさらってきたんですか、ミス・タバサ!?」 シエスタの発言に、何の臆面もなくうなずくタバサ。 「リーヴルについて、知ってることはないか聞き出す」 「気づかれずに捕まえるのは大変だったのね。このハネジローがパタパターって近づいて 上から鷲掴みにしたのね」 「パムー」 シルフィードの頭の上のハネジローがえっへんと胸を張った。 「よくやるな……。まぁでも、これはありがたいよ。ちょうど聞きたいことがあったんだ」 才人はガラQに対して、真っ先にこう問いかけた。 「ガラQ、見たところお前は生物じゃないな? けどハルケギニアで作られたものでもない。 どこか別の場所で作られた小型ロボットだ。そうだろ?」 ガラQの質感は明らかに有機物ではない上に、ハルケギニアでは見られない材質のようであった。 この問いについて、ガラQはあっさり答える。 「うん。ガラQ、チルソニア遊星で作られたの」 その返答にシエスタたちは驚きを見せた。 「まさかミス・リーヴルの使い魔が、ハルケギニア外の技工物だったなんて!」 「まあおかしな見た目してんなーとは思ったがな」 これを踏まえた上で、才人は続く質問をぶつける。 「じゃあお前、今俺が完結させてる『古き本』の文字を読めるんじゃないか? 宇宙人が 作ったロボットだってのなら、日本語が読めても何らおかしくない」 「読めるよ」 これまたあっさりとした回答だったが、シエスタはまた驚くとともに疑問を抱いた。 「ミス・リーヴルの話では、『古き本』の文字はどれも読めないのではなかったのですか?」 『偽証に違いない』 ジャンボットが断言した。 「嘘吐いてたってこと!? でも何のために?」 シルフィードがつぶやくと、タバサがうつむき気味に答えた。 「リーヴルはやはり何かを隠そうとしている。それにつながりそうな事柄に関しては、知らぬ ふりをしてる。恐らくはそれが理由」 「俺たちに話せないことがあるってか。いよいよきな臭くなってきたね」 デルフリンガーが柄をカチカチ鳴らして息を吐いた。 才人はいよいよ核心に入る。 「それじゃあ……リーヴルが隠してることって何だ? あいつは俺たちに、何をさせようとしてる?」 しかし、肝心なところでガラQは、 「分かんない」 「おま……仮にも使い魔なのに、主人のやろうとしてることを知らないってのかよ! かばってるんじゃないだろうな?」 厳しくにらみつける才人だが、ガラQの答えは変わらなかった。 「ホントに、何も教えてもらってないよ。リーヴル、最近何をやってるのか何も言わない」 「……どういうことでしょうか。使い魔にも秘密にしてるなんて」 シエスタの問いかけに、タバサが考え込みながら答えた。 「何かは分からないけど、よほどのこと」 「でもこの赤いのからは、これ以上何も聞き出せそうにないのね。きゅい」 肩をすくめるシルフィードだが、ガラQはこう告げた。 「でもリーヴル、何だか苦しそう。それだけは分かる」 「苦しそう……?」 『単純に、リーヴル自身に野望とかがあるってことじゃないみたいだな』 ゼロの推測にうなずいた才人は、ガラQに呼びかけた。 「ガラQ、お前リーヴルが心配か?」 「心配……」 「じゃあ俺たちに協力してくれ。リーヴルに何か、やむにやまれぬ事情があるっていうのなら 俺たちもそれを解決してやりたい。だからリーヴルについて何か分かったことがあったら、 俺たちに教えてくれ。約束してほしい」 才人の頼みを、ガラQは快く引き受けた。 「分かった! 約束!」 「よし、頼んだぜガラQ!」 約束を取り交わしたところで、リーヴルが今日の本の旅の準備を整えた旨の連絡が来たのだった。 控え室にやってきたリーヴルは残る四冊の『古き本』を机に並べ、才人を促した。 「それでは始めましょう。サイトさん、本を選んで下さい」 三番目に入る本を、才人がゼロと相談しながら吟味する。 『ゼロ、次はどれがいいと思う?』 『そうだな……。M78ワールドの歴史を題材とした本はあと一冊だ。それを先に片づけちまおう』 本の世界とはいえ、故郷のM78ワールドはゼロにとって活動しやすい世界。それを優先する ことに決まる。 「よし、それじゃあこの本だ!」 「お決まりですね。では、どうぞ良い旅を……」 リーヴルが一冊目、二冊目と同じように才人に魔法を掛け、本の世界の旅へといざなっていった……。 ‐ウルトラマン物語‐ ここはM78星雲ウルトラの星、クリスタルタウン。その外れの渓谷地帯で、一人の幼い ウルトラ族の少年が熱意を滾らせていた。 「よぉーし! 今日も頑張るぞー!」 彼の名はウルトラマンタロウ。ゾフィーやウルトラマン、セブンら兄の背中に一日でも早く いついて、立派な一人前のウルトラ戦士になることを夢見るウルトラマンの卵である。 「ほッ! やッ!」 谷底に降りたタロウは一人、格闘技の自主練習を開始する。それをひと通り済ますと、 次の訓練に移る。 「よぉし、光線の練習だ!」 タロウは近くの適当な岩を持ち上げると、それを高く投げ飛ばして的にする。 「えぇいッ!」 腕をL字に組んで、タロウショット! ……しかしへなへなと飛んでいく光線は、落下する 岩に命中しなかった。 「駄目かぁ~……! よし、もう一度だ!」 めげずに練習を重ねるタロウだが、何度やってもただ放物線を描くだけの岩に一度も当たらない。 何度か思考錯誤を重ねるも、やはり上手くはいかなかった。 「くぅ~……! 今度は飛行の特訓だ!」 気を取り直してタロウは、崖の上に再度登って空を飛ぶ練習を行う。 「行くぞ! ジュワーッ!」 しかし勢いよく飛び立ったものの、すぐにコントロールを失って谷間に真っ逆さまに転落 していった。 「うわッ!? うわーッ! あいたぁッ……!」 大きくスッ転んだタロウの姿に、どこからか笑い声が起こる。 「ワキャキャワキャワキャ!」 「誰だ!? どこにいるんだ!」 タロウが呼ぶと、崖の陰から緑色の、タロウと同等の体格の怪獣がひょっこりと姿を現した。 M78星雲に生息する怪獣の一体、ドックンだ。 「ワキャキャキャキャキャ!」 ドックンはタロウを指差してゲラゲラ笑い声を上げた。 「あー笑ったな!? 僕だって大きくなったら、兄さんたちみたいな立派なウルトラ戦士に なって、悪い怪獣をやっつけるんだからな!」 憤ったタロウがそう宣言すると、ドックンは余計に笑い転げた。 「ワキャキャワキャキャキャキャ!」 「もぉー! 見てろ、お前を怪獣退治の練習台に使ってやるッ!」 ますます怒ったタロウはドックンに飛びかかり、ボコボコと殴ってドックンを張り倒した。 「ははぁー! どんなもんだーい!」 しかしこれにドックンの方が怒り、起き上がってタロウに逆襲を始めた! 「キュウウゥゥゥッ!」 「う、うわぁー!? 来るなー! 助けてぇー!」 途端に怖がったタロウは一目散に逃げ出すが、ドックンは執拗に追いかけ回す。その鬼ごっこの 末に、タロウは崖の中腹に登って追いつめられてしまった。 「誰かー! 助けてー!」 「キュウウウウウウ!」 降りられなくなったタロウを目いっぱいに脅すドックン。――そこに一人のウルトラ戦士が ふらりと現れた。 『そこまでにしてやりな』 「キュウ?」 振り向いたドックンの頭に、青と赤のウルトラマンがポンポンと手を置いてその怒りをなだめた。 『そいつはもうお前を攻撃するつもりはねぇよ。だからそんなに脅してやるな』 ドックンを落ち着かせた見知らぬウルトラマンを見下ろして、タロウが尋ねかける。 「お兄さん、誰? 何だかセブン兄さんに雰囲気が似てるけど……」 『俺はゼロ。旅のウルトラ戦士さ』 端的に名乗ったウルトラ戦士――ゼロは、タロウを見上げて言いつけた。 『お前はこいつに謝らないといけねぇぜ。お前さんがこいつに乱暴を働いたから、こいつは こんなにもおかんむりだったんだろ』 「でも、そいつが僕のこと笑ったのが悪いんだよ?」 『ちょっと笑われたくらいでムキになるようじゃ、立派なウルトラ戦士になんてなれねぇぜ? 本当に強い戦士ってのは、他人に何と言われようともどっしり構えてるもんさ』 ゼロに諭されて、タロウは考えを改めた。 「……分かった。僕、ドックンに謝るよ!」 『よし、いい子だ。さッ、降りてきて仲直りの握手をしてやりな』 「うん!」 崖の中腹から降りてくるタロウをゼロが受け止め、タロウはドックンと握手を交わす。 「ごめんね、ドックン」 「キュウウゥ」 タロウと握手をして怒りを収めたドックンは、のそのそと自分の住処へ帰っていく。 「さよならー!」 『じゃあな。元気でやれよ!』 タロウとゼロに見送られて、ドックンは渓谷の向こうへ去っていった。それと入れ替わるように、 『ウルトラの母』がタロウたちの元にやってくる。 「まぁ、タロウ! その人はどなた?」 「あッ、お母さん!」 タロウは『ウルトラの母』の方へ駆け寄っていった。……その間に、才人がゼロに囁きかける。 『まさか、あのウルトラマンタロウの子供の姿が見られるなんてな……』 『それも本の世界ならではってとこだな』 この三冊目『ウルトラマン物語』はどうやら、ウルトラマンタロウを主役に据えた成長譚の ようであった。しかしウルトラマンが地球で活躍していた時代に、タロウが子供となっている。 本来ならこの時点でタロウはとっくに大人になっているので、本当ならあり得ないことだ。 『でもそれ以上に驚きなのは……あの『ルイズ』の姿だよ……』 『ああ……。よりによってウルトラの母の役に当てはめられるなんてな……』 ゼロは微妙な目で、ウルトラの母……の役にされているルイズを見つめた。 フジ、サトミのようにこの本でもルイズは登場人物の誰かになり切っていることは予測できたが、 今回はまさかのウルトラの母……。この本はウルトラ族の視点であり、女性が他に登場しないからと 言って、こんなのアリなのだろうか。胴体から下はウルトラ族で、顔はルイズというチグハグ加減 なのでものすごい違和感がある。もうルイズがウルトラの母のコスプレをしているようにしか見えない ので、ゼロと才人は気を抜いたら噴き出してしまいそうで内心苦しんでいた。 そんなゼロたちの心情は露知らず、ルイズはタロウから事情を聞いてゼロに向き直った。 「タロウがお世話になったようで、ありがとうございます。よろしければ、何かお礼を したいのですが……」 『いやぁ、いいんですよ。旅は道連れ世は情けってね』 ゼロが遠慮すると、また新たな人物がこの場に姿を見せた。 「ほう、なかなかの好青年だな。顔立ちも含めて、セブンを彷彿とさせる」 「お父さん!」 頭部に雄々しい二本角を生やした、偉丈夫のウルトラ戦士。タロウが父と呼んだその ウルトラ戦士こそ、宇宙警備隊大隊長にしてタロウの実父であるウルトラの父だ。 ウルトラの父はゼロを見据えると、こう切り出してきた。 「君は旅の者だそうだが、不躾だが一つ頼みごとがある。聞いてもらえないかな」 『何でしょう?』 「見たところ、君は結構……いや相当腕が立つと見た。それを見込んで、このタロウに稽古を つけてやってほしいのだ。今のタロウには練習相手がいない。私もいつも面倒を見てはやれない ので、少し悩んでいたのだ。どうだろうか?」 「えぇッ!? 僕が、この人に?」 「まぁ、あなたったら。いきなりそんな無理をお願いするなんて、失礼ですよ」 ルイズはウルトラの父をたしなめたが、ゼロは快諾した。 『いや、いいですよ。新たなウルトラ戦士の誕生にひと役買えるってのなら、こっちとしても 望むところですよ!』 「おお、やってくれるか! ありがとう!」 「まぁ、本当ですか? 重ね重ね、どうもありがとうございます」 ゼロの承諾にウルトラの父とルイズは喜び、タロウもまた諸手を挙げる。 「わーい! 僕に先生が出来たー!」 「よかったな、タロウ。彼の下で一層訓練に励んで、早く立派なウルトラ戦士になるんだぞ」 「あんまり失礼のないようにしてちょうだいね。常にウルトラ戦士の誇りを持って、恥ずかしい ことのない振る舞いを心がけなさい」 「うんッ! 僕頑張るよ!」 タロウ親子の微笑ましい家族の会話。ゼロも思わず苦笑したが、同時につぶやく。 『何だか複雑な気分だな……。俺があのタロウの先生だなんて。立場が逆転してるぜ』 現実のタロウは、ゼロの訓練生時代から宇宙警備隊の筆頭教官の立場に就いていた。ゼロは 故あってレオの管理下に置かれ、タロウから教えを受けていた時間は短かったが、それでも 確かに立場が現実世界とそっくり入れ替わっている。 それはともかく、幼きタロウはゼロの前に立って、深々とお辞儀した。 「これからよろしくお願いします、ゼロさん!」 『ああ、こっちこそビシバシ行くからな! 覚悟しとけよ!』 この本を完結させるには、タロウを一人前のウルトラ戦士に育て上げるのが最も手っ取り 早い道のようだ。ゼロは張り切ってそれに取り掛かることにした。 そして始まる、ゼロからタロウへの指導。レオ仕込みのスパルタ教導は、タロウ相手でも 手を緩めることを知らなかった。 「やぁッ!」 ゼロが放ったゼロスラッガーを標的にして、タロウがタロウショットを撃つが、静止している スラッガーにもかすりもしない。 『駄目だ駄目だ、そんなんじゃ! まるで腰が入ってねぇぜ! 射撃は土台がしっかりしてねぇと 照準なんて絶対合わねぇ。腕じゃなくて、身体全体で射線を固定するんだ!』 「は、はい!」 タロウはゼロの指示通りに腰を据えて、じっくりと撃とうとするが、スラッガーの動きが 変わって自分に向かって飛んできたので思わずのけぞる。 「うわぁッ!」 『ひるむな! 攻撃するのをじっと待ってる奴なんかいやしねぇ。敵は必ず反撃してくる! いちいちビビってたら戦いになんかなりゃしねぇぞ。恐れずに相手の動きをよく見て、 しっかりと当てていけ!』 「わ、分かりました!」 厳しいながらも的確な指導を受けて、タロウはスラッガーの軌道をよく観察する。 『そこだッ!』 そして飛びかかってきたところを射撃。初めて光線が命中した。 「やったぁー! 当たったぞぉ!」 『よーし、その調子だ! どんどん行くからな!』 タロウに対するゼロの特訓は進む。……本の世界の時間経過は早い。物語が進むにつれ、 タロウは少年の姿からみるみる内に青年の姿へと変わっていった。 しかしゼロもそうそう簡単には抜かれない。タロウとの組手であっさりと一本を取る。 「うぅッ! 一撃も当たらない……!」 『小手先の動きに惑わされるから当たらねぇのさ。視点はもっと広く取って、戦う相手の 全体を見ろ! 集中力も足りねぇぞ。自分のやってる戦いの意味は何なのか、何を背にして 戦ってるのか、それを思えば集中できねぇなんてことはないはずだッ!』 「はいッ!」 ゼロに熱心に鍛え上げられ、タロウの実力はめきめきと上がっていった。そしてその末に、 タロウ念願の時がやってきたのだった。 「ゼロさん! 父さんから指令がありました。私が地球に派遣される時がやってきました!」 『そうか、やったじゃねぇか!』 「はい! 今地球では、メフィラス星人がセブン兄さんに倒されたエレキングを復活させて 暴れさせてるようです。その退治を私が行うことになったんです!」 メフィラス星人にエレキングとは、現実ではほぼ接点のない組み合わせ。まぁそれはいいだろう。 『遂に初めての実戦ってことだな。けど本当の戦いってのは、どんな訓練よりも険しいもんだ。 お前のことは随分と鍛え込んだが、だからって一瞬たりとも油断すんじゃねぇぞ』 「承知してます! それでは私の初陣、どうか見守っていて下さい!」 『ああ。俺も後から地球に行く。そこでお前の戦いぶりをじっくりと見物させてもらうぜ。 張り切って使命を果たしな!』 「お願いします! タァーッ!」 ゼロに一礼すると、タロウは両腕を高く振り上げて宇宙へ向けて飛び上がった。 いよいよタロウのウルトラ戦士としての初戦の時が来た。悪い怪獣をやっつけて、地球を 守るのだ! がんばれ、ウルトラマンタロウ! 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第九話「泥まみれ少年ひとり」 凶獣ルガノーガー カプセル怪獣ミクラス 登場 魔法学院を訪れたアンリエッタ王女から、内乱の続くアルビオンから彼女がウェールズ皇太子にしたためた、 ゲルマニアとの軍事同盟に破局をもたらす危険な手紙の回収を命じられたルイズと才人。盗み聞きをしていたギーシュと、 アンリエッタの遣わしたグリフォン隊隊長でルイズの婚約者であるワルドも加えた四人でアルビオンに向け 旅立つこととなったが、ルイズは久しぶりに会うワルドに戸惑い、才人はそんな彼女の様子に不機嫌さを隠せない。 だが二人の思いを置いて、事態は突然急展開を見せる。港町ラ・ロシェールを目指す道の途中で、空から 凶獣ルガノーガーが一行の前に立ちふさがったのだ! ルガノーガーのおぞましき牙が、ルイズたちに襲いかかる! 「アオ――――――――ウ!」 「ワルド! 怪獣よ! こんな時に、よりによって私たちの目の前に出てくるなんて!」 「まずいな……私だけでは、到底太刀打ちできない」 前兆もあったものではないルガノーガーの出現に、魔法衛士隊の歴戦の戦士のワルドも冷や汗を垂れ流した。 彼がそうなのだから、地上のギーシュは哀れなくらい恐慌状態にあった。 「き、きみ! 大変だ! 大変だよッ! 危険な任務だとは分かってたが、怪獣が立ちはだかるなんて聞いてないよ!? あわわわ、早く逃げないと! しかしラ・ロシェールは怪獣の向こう……いやしかし、命を拾えなかったら そもそも任務はぁ!?」 「落ち着けよッ!」 あまりに取り乱すギーシュに、才人は思わず一喝した。すぐにゼロに変身して立ち向かいたいところだが、 隣のギーシュの目がある。いきなりいなくなっては、彼に怪しまれるに違いない。 「ゼロ、ここは……」 『ああ。カプセル怪獣の出番だな』 ゼロの許可が下りたので、才人はギーシュに気づかれないように銀色の小箱から青いカプセルを取り出し、 素早く投げ飛ばした。 するとカプセルから、ウインダムと同じカプセル怪獣が現れて大地に立つ。バッファローのような角を持つ 怪力自慢、ミクラスだ! 「グアアアアアアアア!」 「むッ!? もう一匹の怪獣が!」 ワルドが身構えるが、ルイズは出現のし方から、ミクラスがカプセル怪獣であることを察した。 果たしてミクラスは、ルガノーガーへと突進してルイズたちを攻撃しないように食い止め出す。 ミクラスのお陰で幾分か落ち着いたルイズがワルドに提案する。 「ワルド、一旦地上へ、サイトたちの下へ降りましょう」 「うむ、そうだね。怪獣相手に単騎で飛んでいては、逆に危険だ」 ワルドはすぐに従い、騒いでいるグリフォンを落ち着かせると、地上へと降下させた。そして才人とギーシュに向かって告げる。 「怪獣たちが戦っているのに乗じて、林に身を隠しながら先に進もう。馬もちゃんと連れてこいよ」 その言葉の通りに、四人は林の間に身を投じた。 ルガノーガーを差し向け、ルイズたちのことを観察している一団は、ミクラスがルガノーガーに 挑むところもしっかり見ていた。すると丸い頭の影が命ずる。 『そんな怪獣など、お呼びではないのだ。ルガノーガー、さっさと始末してしまえ!』 「アオ――――――――ウ!」 「グアアアアアアアア!」 ルガノーガーは左腕の首で自分を押さえつけているミクラスの腕に噛みついた。激痛を感じた ミクラスがひるんでいると、右腕の首に脚を噛みつかれる。 「グアアアアアアアア!」 「アオ――――――――ウ!」 ミクラスはそのまま持ち上げられ、放り投げられた。横に倒れたミクラスが地面に叩きつけられると、 それにより発生した震動でルイズたちは足を取られる。 「きゃあッ!」 「ルイズ! 大丈夫かい?」 よろけるルイズをすかさずワルドが支えた。 「え、ええ。ごめんなさい……」 「気にすることはない。婚約者を助けない男はいないのだからね」 こんな時にも甘い台詞を吐くワルドを、才人がじとっとにらんだ。 「アオ――――――――ウ!」 一方で、ルガノーガーは三つの口から青白い熱線を吐き、倒れたままのミクラスを攻撃した。 「グアアアアアアアア!」 三条の光線の威力はすさまじく、タフネスが売りのはずのミクラスをたちまち瀕死の状態にまで追い込んだ。 「! 戻れミクラスッ!」 それに気づいた才人がすぐにミクラスをカプセルに戻した。 ミクラスをあっさりと破ったルガノーガーは、ルイズたちの方へ振り返る。彼女たちは、 ルガノーガーからほとんど離れていない。 「うわぁー! こっちを見たぁッ!」 「アオ――――――――ウ!」 そしてルガノーガーの両肩の赤い角から、赤い稲妻がほとばしってルイズたちを林の木々ごと吹き飛ばす! 「きゃあああああああああああッ!」 大規模な爆発で四人が散り散りに吹き飛ばされる中、才人はこの混乱に乗じてウルトラゼロアイを装着した。 「デュワッ!」 瞬時にウルトラマンゼロの巨体が大地に立ち、ルガノーガーの前に立ちはだかった! 「きゃあああああああッ!」 爆風で吹き飛ばされたルイズだが、地面に叩きつけられる前に、ワルドが『レビテーション』を掛けて救った。 助けられたルイズは、ゼロの姿を目にすると、ワルドに尋ねかける。 「ギーシュはどうなったの!? ……後、サイトも!」 怪しまれないように、才人も居所を知っていながら聞いておく。 「分からない。君を助けるだけで精一杯だったから……」 「そんな……!」 さすがにギーシュの身を案じていると、いきなり場違いな女性の声がした。 「ギーシュ、しっかりしなさいよ。『フライ』くらい使いなさいな」 「め、面目ない。あまりにも恐ろしい目に遭ったから、気が動転してね……」 ゆっくりと宙に降ろされたギーシュが言い訳している相手は、何とシルフィードに乗ったキュルケだった。 もちろんタバサも一緒だ。いるはずのない二人の姿に、ルイズは思い切り面食らった。 「キュルケ!? あんた、何でここにいるのよ!?」 「はぁいルイズ。実は朝がた、窓からあんたたちが出かけようとしてるのを見て、タバサを叩き起こして 後をつけてきたのよ。そしたらいきなり怪獣が出てきて、ギーシュが危なかったから助けてあげたの。 感謝しなさい、ギーシュ」 短く説明したキュルケは、ルイズ、そしてワルドに目配せをした。 「あなたと、おひげが素敵な殿方と……ダーリン、サイトはどうしちゃったの? タバサ、あなた知ってる?」 「知らない」 二人がいるはずのない才人を捜して辺りを見回すので、ルイズがすぐにごまかす。 「サイトは遠くに飛ばされちゃったみたいだけど、多分大丈夫だわ。あれでかなり頑丈だし」 「そうよね。何だかんだでいつも、ひょっこり帰ってくるものね」 「彼はこのぼくに勝利したんだ。自分の身くらい自分で守る力があって当然だろう」 「それは関係ないと思うけど」 才人を捜すのをやめさせると、五人でゼロとルガノーガーの戦いの巻き添えを食わないように 急いでその場から退避していった。 ゼロは宇宙空手の構えを取ったまま、ルガノーガーと対峙している。 『ミクラスを簡単に倒すとは、かなり手強い怪獣のようだな。だが、負けるつもりはねぇぜ!』 唇を親指でぬぐっていると、ルガノーガーが再び熱線を放射して攻撃してきた。 「アオ――――――――ウ!」 それを飛びすさってかわしたゼロは、着地と同時にワイドゼロショットを発射する。 「セアッ!」 光線はルガノーガーの真正面に直撃したが、その胸部には少しも吸い込まれていかず、 四方八方へ弾かれて霧散した。 『何ッ!』 ルガノーガーの胸部の装甲は反射板のような構造になっており、光線を弾く仕組みになっているのである。 そして優れているのは防御だけではない。三つの口からは強力な熱線を吐き、肩の角からは赤い稲妻を放つなど、 全身に武器が存在するのだ。野生の怪獣とは思えないほどの能力の高さに、ルガノーガーは何者かが作り出した 怪獣だと言われることがある。 「アオ――――――――ウ!」 再度ルガノーガーの攻撃する番となる。肩の角から赤い稲妻を走らせる。その攻撃はゼロだけを狙っておらず、 辺り一面へ見境なく飛んでいく。もちろんルイズたちの方にも、だ。 『させるかッ!』 するとゼロは広大な面積の光のバリアー、ウルトラゼロディフェンサーを張り、自分のみならず ルイズたちのことも稲妻から守った。稲妻がやんだところで、すかさずゼロスラッガーを飛ばす。 「ジュワッ!」 ゼロスラッガーは見事角を切り落とした。これで厄介な稲妻攻撃はもう使えない。 「アオ――――――――ウ!」 『へッ! 来やがれ!』 怒り狂ったルガノーガーが三つの口にズラリと生えた牙を剥き出しにしながら、ゼロへ走っていく。 ゼロはそれを素手で迎え撃ち、肉弾戦での勝負となる。 「ドリャアッ!」 「アオ――――――――ウ!」 ルガノーガーの両手の牙を払いのけ、横拳を入れるゼロ。ルガノーガーは恐竜型らしく接近戦でも強い怪獣だが、 ゼロだってレオから授かった宇宙空手をマスターしている。力はあっても技のないルガノーガーの攻撃をさばくことは 簡単なことだった。 『おらおらおらぁッ!』 強烈なパンチを連続で叩き込んでどんどん押していく。だがその時、先端が針のように鋭くなっている ルガノーガーの尻尾が持ち上がり、素早くゼロの肩に突き刺さった! 『うぐッ!?』 「アオ――――――――ウ!」 ただ刺さっただけではない。尻尾からゼロのエネルギーが吸い取られていく! すぐにカラータイマーが 点滅を始め、ゼロは片膝をついた。 「グッ……セアァッ!」 しかしすぐにゼロスラッガーを片手に持ち、尻尾を切断してどうにか難を逃れた。一旦距離を取るも、 消耗したエネルギーは回復しない。 『ゼ、ゼロ! 大丈夫か!? 戦えるのか!?』 才人が焦って聞いてくると、ゼロは息を切らしながらもうなずく。 『当たり前だぜ! ……って言っても、これだけエネルギーを失ったら、強力な光線技を撃つのは難しいな……』 『それってまずいんじゃないのか!? あの怪獣はまだまだ余力あるのに!』 『心配するなって! 光線技が使えないのなら、武器を使うまでだ!』 とゼロが言うと、ウルティメイトブレスレットのランプ部分が強く光り、そこから赤と青に彩られた石突の槍が現れた! 『うおッ!? こんなすげぇの持ってたのか!』 『ウルトラゼロランスだ! 見てろよぉーッ! ぜりゃあああッ!』 ゼロはすぐにそのウルトラゼロランスを、力一杯に投擲する。すると槍はルガノーガーの胸部に命中し、 反射板となっている装甲を易々と貫通した! 「アオ――――――――ウ……!」 大ダメージを受けたルガノーガーはたちまち活力を失い、ダラリと腕を垂らした。だがまだ息はある。 『すっげぇ威力ッ!』 『へへッ! そしてこいつで、フィニッシュだぁーッ!』 ゼロはとどめとして、ゼロスラッガーを空中に固定すると、ふた振りとも回し蹴りで勢いをつけて飛ばした! 父親ウルトラセブンの大技、ウルトラノック戦法を応用した、ウルトラキック戦法である。 いつもよりも更に速く宙を切り裂いていったゼロスラッガーはルガノーガーの胴体を突き抜け、 仰向けに倒れさせると、その身体が大爆発を起こした。 「ジュワッ!」 ルガノーガーに勝利したゼロは、いつものように大空へと飛んでいった。 戦いをながめていたキュルケは、ゼロの勝利に感嘆してため息を吐いた。 「相変わらずすごい強さねぇ、ウルトラマンゼロ。あんなに恐ろしい怪獣まで、あっさりやっつけちゃうんだもん。 武器まで使うなんて、むしろずるいくらいだわ」 「色んなことが出来る……」 タバサも感心してつぶやいた直後に、林の中から才人がひょっこり顔を出した。 「おッ、いたいた! 何でキュルケとタバサまでいるんだ?」 「あーん、ダーリン、どこ行ってたのよぉ! いっつも心配ばっかりさせるんだからぁ!」 「キュルケ! すぐ引っ付こうとするんじゃないわよ! サイトは私の使い魔なの!」 才人がキュルケたちのいる理由を説明されてから、ラ・ロシェールへの移動を再開しようとするのだが、 ここでギーシュが渋面を作った。 「怪獣が倒されたのはいいんだが、困ったことが起きたよ。さっき吹っ飛ばされたせいで、 馬がダメになってしまったんだ。次の駅はまだ遠いのに、ぼくとサイトの足がなくなってしまったよ」 「あら、そんなこと、何も問題ないわ。シルフィードがいるじゃない。シルフィードなら グリフォンと並走も出来るし。ねッ、タバサ、いいわよね?」 「構わない」 キュルケの提案とタバサの許可により、才人とギーシュはここからシルフィードで向かうこととなった。 「ルイズ、タバサと連れてきた私にちゃんと感謝しなさいよね」 「何でわたし限定なのよ!」 相変わらずキュルケにからかわれるルイズの背後で、シルフィードを一瞥したワルドが小さく、 憎々しげに舌打ちした。 ……ルガノーガーはゼロの手によって撃破されたが、この戦いはルガノーガーを差し向けた者たちに 一部始終を監視され、同時にゼロの能力が分析されていた。 『ウルトラマンゼロ、予想以上の強さだ。まさかルガノーガーまで圧倒するとは……』 『しかも奴はこのハルケギニアで、まだ能力の全てを見せていない。他にも隠された力があるはずだ。 奴が浮遊大陸に来る前に、それを出し切らせなければ……』 角張った頭の影と丸い頭の影が話し合うと、それを受けて、細身の影が腕を上げた。 『ではもう一体、怪獣をぶつけるとしよう。次の襲撃場所は、空だ!』 ルガノーガーの襲撃後は、ルイズたち一行はすんなりとラ・ロシェールに到着した。 入り口で怪しい男たちがこちらに矢を飛ばしてきたりもしたが、空を飛んでいるこちら側の敵ではなかった。 ひっ捕らえた男たちは自らを物取りだと主張し、特に問題もないようだったので放置することにした。 しかし到着してから一つ問題が発生した。アルビオンに向かう船は、トリステインとアルビオンが 最も近づく明後日の朝、ハルケギニアの二つの月が重なる『スヴェル』の月夜の翌日にならないと出航しないという。 しかしこればかりはどうしようもないので、ラ・ロシェールの宿で二泊を過ごすことが決定された。 そしてひと晩過ごした後の、宿のギーシュとの相部屋で、才人は物思いに耽っていた。 そこに、鞘から少しだけ刀身を出したデルフリンガーが尋ねかけてくる。 「どうした相棒。悩み事かい?」 「別に、何でもねえよ」 「そうかあ? そんな風にゃ見えねえけどね」 デルフリンガーの言う通り、才人はワルドのことを、もっと言えばワルドと比べた自分のことを考え込んでいた。 ワルドがルイズに親しそうに接しているところを目にする度に、どうも不快な気分になる。 ルイズにベタベタするな、と言いたくなる。だが、向こうは仮にもルイズの婚約者で、自分は使い魔。 立場的にもそんなことは言えないし、仮に言ったところで、自分がワルドに勝っている部分など一つもない。 今の才人はウルトラマンゼロ。だがそうなったのは単なる偶然で、ゼロの力は断じて才人のものではない。 ゼロがどれだけ強くても、八面六臂の活躍をしても、それは才人自身の評価には何ら影響されないのだ。 才人個人は、異世界に放り出されたただの人。何の因果か『ガンダールヴ』という伝説の使い魔の力を手にしたが、 それはおおっぴらには宣伝できない。れっきとした軍人で貴族のワルドに、身分で敵うはずがなかった。 自分をワルドと比較して気を落としていると、扉がノックされた。ギーシュはまだ隣のベッドで グースカ寝ているので、しかたなく才人がドアを開けた。 そこに立っていたのは、ワルドその人であった。 「おはよう。使い魔くん」 「おはようございます。でも、出発は明日の朝でしょ? こんな朝早くにどうしたんですか」 自分を悩ませる相手が実際に目の前に現れたことで、より気分を害した才人がとげとげしく聞くと、 ワルドは反対ににっこり笑った。 「きみは伝説の使い魔『ガンダールヴ』なんだろう?」 「え?」 いきなりそのことを言い当てられ、才人はきょとんとした。するとワルドは、なぜか誤魔化すように、 首をかしげて言った。 「……その、あれだ。フーケの一件で、僕はきみに興味を抱いたのだ。さきほどルイズに聞いたが、 きみは異世界からやってきたそうじゃないか。おまけに伝説の使い魔『ガンダールヴ』だそうだね」 「はぁ」 「僕は歴史と、兵に興味があってね。あの『土くれ』を捕まえた『ガンダールヴ』の腕がどのぐらいのものだか、 知りたいんだ。ちょっと手合わせ願いたい」 「手合わせってつまり、殴りっこ?」 「そのとおり」 ワルドの挑戦に、才人は闘志を燃やした。ワルドはギーシュなんかよりもずっと強いようだが、 こっちだって『ガンダールヴ』の力がある。勝負にならない、なんてことはないはずだ。 『ガンダールヴ』の腕の冴えをルイズの婚約者に見せつけてやる、と才人は思った。 「どこでやるんですか?」 「この宿は昔、アルビオンからの侵攻に備えるための砦だったんだよ。中庭に練兵場があるんだ」 そして才人とワルドは、今はただの物置き場になっている練兵場に足を運んだ。 才人がデルフリンガーを引き抜いて戦闘態勢に入るが、それをワルドは左手で制した。 「どうした?」 「立ち会いには、それなりの作法というものがある。介添え人がいなくてはね」 「介添え人?」 「安心したまえ。もう、呼んである」 ワルドがそう言うと、物陰からルイズが現れた。ルイズは二人を見ると、はっとした顔になった。 「ワルド、来いって言うから来てみれば、何をする気なの?」 「彼の実力を、ちょっと試したくなってね」 「もう、そんなバカなことやめて。今は、そんなことしているときじゃないでしょう?」 「そうだね。でも、貴族というヤツはやっかいでね。強いか弱いか、それが気になるともう、 どうにもならなくなるのさ」 ワルドの説得が無理なようなので、ルイズは才人を見た。 「やめなさい。これは、命令よ?」 しかし才人は答えない。ただ、ワルドを見つめた。 「では、介添え人も来たことだし、始めるか」 ルイズの思いをよそに、決闘が始まる。ワルドは剣のような拵えの杖を引き抜き、前方に突き出した。 そして才人とワルドが激突する。だがその戦いは、当初の才人の予想とは裏腹に、終始ワルドが優勢だった。 才人の剣戟は、ワルドに容易くいなされていた。 「きみは確かに素早い。ただの平民とは思えない。さすがは伝説の使い魔だ」 ワルドには戦いながらしゃべる余裕まであった。才人の突きをかわしたところで、後頭部に杖の一撃を叩き込む。 「しかし、隙だらけだ。速いだけで、動きは素人だ。それでは本物のメイジには勝てない。 つまり、きみではルイズを守れない」 ワルドの突きが才人に襲い来る。才人はやっとの思いで突きを受け流していくが、それが一定のリズムと 動きを持っていることに気づくのはあまりに遅かった。 「相棒! いけねえ! 魔法がくるぜ!」 デルフリンガーが叫んだときには、空気のハンマーが才人を吹き飛ばした。才人は積み上げた樽に激突し、 その拍子にデルフリンガーを落とした。拾おうとするが、ワルドに踏みつけられ、杖を突きつけられた。 「勝負あり、だ」 勝敗が決し、ルイズがおそるおそる近づいてくる。 「わかったろうルイズ。彼ではきみを守れない」 「……だって、だってあなたはあの魔法衛士隊の隊長じゃない! 陛下を守る護衛隊。強くて当たり前じゃないの!」 「そうだよ。でも、アルビオンに行っても敵を選ぶつもりかい? 強力な敵に囲まれたとき、 きみはこう言うつもりかい? わたしたちは弱いです。だから、杖を収めてくださいって」 反論したルイズだが、ワルドの指摘に何も言えなくなった。せめて才人の額から流れる血をぬぐおうと ハンカチを取り出すが、それもワルドに止められる。 「行こう、ルイズ」 「でも……」 「とりあえず、一人にしといてやろう」 ルイズは躊躇ったが、ワルドに引っ張られて去っていった。 残された才人は、地面に膝をついたまま、じっと動かない。ルイズの前で負けたことが、 才人を激しく落ち込ませていた。 「気にすんな相棒。あいつは相当の使い手だよ。スクウェアクラスかもしらんね。負けても恥じゃねえ」 デルフリンガーが慰めるが、才人はそれでもしゃべらなかった。 「惚れてる女の前で負けたのは、そりゃあ悔しいだろうけど、あんまり落ち込むなよ。俺まで悲しくなるじゃねえか。 ところで相棒、さっきの戦いの中で、また何か思い出しそうになったんだが……うーん、なんだっけかな……。 なにせ、随分大昔のことだからな……」 話し続けるデルフリンガーを、才人は問答無用で鞘に納めた。 ウルトラマンゼロは無敵の戦士。どんな敵にも負けたことがない。それに対し、自分は一端の人間にも勝てない。 その事実が、泥だらけの才人をよりみじめな思いにさせた。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
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「おや、君達どこかにでかけるのかい?」 広場にやってきたギーシュが、シルフィードに乗ろうとする育郎達を見つけた。 「この娘の家に遊びに行くのよ」 竜の背にのるキュルケが、タバサを指差して答える。 「それなら明日にすればいいいいじゃないか?虚無の曜日なんだし」 その言葉にニヤリと笑うキュルケ。 「それがね…タバサの家に泊まって、次の日はヴァリエールの家に行くのよ!」 「…確か君たちの実家は、宿敵同士じゃなかったっけ?」 「だから……… い い ん じ ゃ な い の !」 「なにがいいのよ…あんたどんな神経してるの?」 シルフィードの傍らに立つルイズが、信じられないと言う目をキュルケに向ける。 「あら、いくらラ・ヴァリエール家でも、客をいきなりとって食べるような真似は しないでしょう?」 「当たり前じゃない。例え相手がツェルプストーでも…って誰が客なのよ!?」 「 わ た し 」 毎度のやりとりを始める二人に、肩をすくめるギーシュ。 「そういえば彼女は?姿が見えないけど、なにかあったのかい?」 育郎がいつもギーシュの隣にいるはずの、モンモランシーが居ない事に気付く。 「ああ、僕の使い魔が見当たらなくてね。手分けして探してるんだ」 「君の使い魔?」 「そう、僕の可愛いヴェルダンデ!そういえばイクローに紹介した事はなかったね? 今すぐに君に見せたいのはやまやまなんだが…そうだ!君たちも一緒に」 「時間がない」 ギーシュの言葉をタバサがさえぎる。 「泊りなんだから別にいいじゃないか…そんなに急ぐものでも」 「私の家はラグドリアン湖の近く」 ラグドリアン湖はガリアと国境を跨って広がっている。対して、ヴァリエール領は ゲルマニアとの国境にあり、ラグドリアン湖との距離は結構なものである。 おかげで、虚無の曜日に日帰りで用を済ます、というわけにはいかず、タバサの家に 泊る事になったのだ。 「…でもちょっとくらいなら」 「なにやってるのよギーシュ!最近使い魔が自分をかまってくれないって泣いてたから、 こうやって一緒に探してあげたっていうのに、私だけに探させるつもり!?」 広場で話し込むギーシュを見つけ、モンモランシーは顔を真っ赤にさせて詰め寄る。 「す、すまないモンモランシー。たまたま彼らを見つけたから、つい……… あ、そうだ愛しいモンモランシー!ヴェルダンデは見つかったかい?」 「いなかったわよ… これだけ探して見つからないんだから、どこかに潜ってるんじゃないの? だったら食事の時間まで待って、その時にでも」 「フッ、僕もそう考えたんだけど…食べたらすぐその場で潜っちゃうんだ…」 がっくりと肩を落とすギーシュ。 「なにか好物でも置いて、よって来るのを待てば?」 見かねて育郎がアイデアを出す。 ちなみこの時タバサは、『そんな奴ほっとけ』と目で訴えていたのだが、残念な事に 気付いてもらえなかった。 「うーん…好物か。ミミズは勝手に食べてるし…」 「そういやおめーの使い魔って何なんだ?ミミズとか、潜るとか…カエル?」 「それは私の使い魔よ」 デルフの言葉に、モンモランシーが腰に下げた袋からカエルを取り出し、手にのせる。 「カエルを持ち歩いてるのか!?」 「あたり前じゃない、私の使い魔なんだし」 「なにか変かいイクロー?」 「い、いや別に…ルイズはカエルが嫌いだから…」 実際のところは、女の子がカエルを持ち歩く事に驚いたのだが、それを説明するのは いろいろと面倒なのでそう答える。 ちなみにこの時タバサは竜から降り、育郎をツンツンつついて、出発をせかして いるのだが、軽いカルチャーショックを味わった育郎には気付いてもらえなかった。 「じゃ、二人のケンカが終る前に戻した方がいわね。ホラ、ロビン」 騒ぐルイズを横目に、袋の口を開いて使い魔に中に入るようにうながす。 「そもそも潜るのは水の中じゃなくて地面だよ。 なんてったって、僕の使い魔はジャイアントモールだからね!」 「モール…モグラかい?」 「相棒ジャイアントモール見た事あるか?始めて見たら笑っちまう程のでかさだぜ」 「そう!僕のヴェルダンデは、見た人間が思わず微笑んでしまう愛らしさなんだ!」 「それは一度見てみたいな…」 「ああ、君が帰ってくるまでにヴェルダンデともう一度仲を深めておくよ!」 「…その必要はないみたいよ」 「へ?」 モンモランシーが指差した先の地面がモコモコと盛り上がり、茶色の大きな生き物が 地面を突き破ってあらわれた。 「おお、ヴェルダンデ…ってあれ?」 膝をついてヴェルダンデを抱きしめようとするギーシュだったが、ヴェルダンデは その横をすり抜けて、モグモグと鼻をひくつかせながら育郎にすりよった。 「っと、よしよし…この大きさはすごいな。モグモグって鳴いてるし」 「だろ?でもこいつが愛らしいたぁ…この坊主もある意味てーしたもんだ」 「そうかな?結構可愛いじゃないか」 「マジか相棒!?だってでっかいモグラだぜ?」 「ヴェルダンデ!何故僕じゃなくイクローに!?」 三者三様のリアクションをとるなか、ヴェルダンデは変わらず、モグモグいいながら 育郎に自分の鼻をこすりつけている。 ちなみにこの時タバサは、育郎の服を引っ張って『とっとと行こう』とアピールして いるのだが、ヴェルダンデが盛大にじゃれ付いているため、育郎は気づかなかった。 「ひょっとして…この子の好きなものでも持ってるんじゃないの?」 「…ミミズをかい?」 モンモランシーの言葉に、ギーシュが怪訝な顔をする。 「そうじゃなくて、宝石とか貴重な鉱石とか…貴方の使い魔は、そういう物が好きで 自分の為に探してくれるって、この前自慢してたじゃない」 「そんなのイクローがもってるわけ…もってないよね?」 二人の視線が育郎に向けられる。 「あ、ああ…そんな、宝石なんて高価なもの」 もってます 先日モット伯との一件で、育郎は宝石を手に入れている。 もしそんな物を持っていると知られたら、当然何処から手に入れたかを聞かれる だろう。しかしモット伯との事を話すわけには行かない。自分だけならまだしも、 ルイズやシエスタにまで迷惑をかける事になりかねないからだ。 だからといって『拾った』等と言うには、あまりに高価な代物である。 「ああ、そりゃ多分俺だ」 どうしたものかと困っている育郎に、デルフが助け舟をだした。 「君が?とてもそうには見えないけど」 「あ、でも確かに背中の剣に手を伸ばしてるわよ」 幸運というべきか、育郎はミス・ロングビルからもらった宝石を、小さな袋に入れ、 デルフの鞘に目立たないようにくくり付けていたのだ。なにせ育郎は使い魔の身、 ルイズの部屋に住んではいるが、自分用の家具など持たない身である。 そんなものをしまう場所など存在しないのだ。 「おめーらみたいな若造にはわかんなくても、こいつにゃ俺の凄さが分かるんだよ。 よかったな坊主、良い使い魔をもててよ!」 「うーん、ひょっとして微妙な錆び具合が珍しいのかな?」 「おめーな…」 ぐりぐり 「…どうしたんだい、タバサ?」 「早く出発を」 「ああ、ごめんごめん…怒ったかい?」 「全然」 「…本当に?」 「本当に」 「………」 頭に杖を押し付ける時に込めていた力を考えると、とてもそうは思えなかったが、 むし返すのもどうかと思い、黙っている育郎であった。
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ノーマルD テクニカルD スペシャルD 曜日 ゲリラ・降臨 コラボ コイン その他 協力 レーダー 実施終了 旅立ちの塔火のダンジョン水のダンジョン木のダンジョン光のダンジョン闇のダンジョン試練の塔 ウルカヌ火山ネプトゥ氷河ディメテル樹林聖者の墓プルトゥ渓谷巨人の塔 ネルヴァ灼熱林メルクリア海底洞窟霊峰バッケスアポルォ双神殿ディエナ双神殿魔王の城 陽炎の塔極夜の塔森羅の塔聖者の墓 -深層- ヒュペリオ溶岩河オケアーノ大瀑布クローノス大密林レア・テミス寺院クレイアス監獄天へと続く塔 天上の海原ヴェスティーア大空洞プローセル凍土マルースクレーター空中都市ジュピテルジュノース島星空の神域 伝説龍の足跡天空龍の領域神王妃の不夜城勇者のアジト伝説の航路伝説の大地 練磨の闘技場極練の闘技場 stage1 豊穣の大地氷の大迷宮紅蓮街道名も信仰も無き神殿宵闇の森深淵の魔王城樹水の祠水火の祠炎樹の祠三界の神殿 stage2 ヒュプノ原生林ネレウスの入江ヘーメラウ火山地帯アイテール砂漠タロス奈落穴イーリスの虹の丘封印の塔風樹の塔水氷の塔猛炎の塔魔石龍の大洞窟 stage3 裏・深淵の魔王城裏・樹水の祠裏・水火の祠裏・炎樹の祠裏・三界の神殿裏・ヒュプノ原生林裏・ネレウスの入江裏・ヘーメラウ火山地帯裏・アイテール砂漠裏・タロス奈落穴 EX1 機械龍の巨大基地歴龍の大魔境戦国龍の領土龍騎姫の聖地神秘龍の史跡海賊龍の潜窟華龍の庭園蟲龍の密道 EX2 神王の空中庭園聖獣達の楽園伝説の山道伝説の丘陵伝説の空路伝説の雪渓伝説の樹海伝説の星海伝説の遺構伝説の空域マシンヘラ降臨!マシンゼウス降臨!マシンアテナ降臨!からくり五右衛門参上!マシンノア降臨! 闘技場 極限降臨ラッシュ!(百花繚乱)(百花繚乱2) 極限の闘技場極限の闘技場2極限の闘技場3運命の三針異形の存在列界の化身 裏・極限の闘技場裏運命の三針裏異形の存在裏列界の化身 超絶極限コロシアム 紅の華龍蒼の華龍翠の華龍橙の華龍紫の華龍 炎の蟲龍水の蟲龍地の蟲龍光の蟲龍闇の蟲龍 赤の丼龍青の丼龍緑の丼龍金の丼龍黒の丼龍 火の猫龍水の猫龍木の猫龍光の猫龍闇の猫龍 火と光の機甲龍水と闇の機甲龍木と雷の機甲龍 火と影の犬龍水と光の犬龍木と闇の犬龍 火と湖の古代龍雷と海の古代龍木と炎の古代龍 火と闇の鉄星龍水と光の鉄星龍木と焔の鉄星龍煌と地の鉄星龍冥と海の鉄星龍 赤の契約龍青の契約龍緑の契約龍橙の契約龍黒の契約龍 緋空の転界龍藍海の転界龍碧地の転界龍 火の護神龍水の護神龍木の護神龍光の護神龍闇の護神龍 火の宝珠龍水の宝珠龍木の宝珠龍光の宝珠龍闇の宝珠龍 火の戦武龍水の戦武龍木の戦武龍光の戦武龍闇の戦武龍 火の伴神龍水の伴神龍木の伴神龍光の伴神龍闇の伴神龍 月曜ダンジョン火曜ダンジョン水曜ダンジョン木曜ダンジョン金曜ダンジョン土日ダンジョン メタドラ大量発生!ルビドラ大量発生!サファドラ大量発生!エメドラ大量発生!ゴルドラ大量発生! 精霊の宝玉天使と死神潜在たまドラ発見!? ラグオデAコラボ【降臨】パズドラZコラボ【降臨】女神降臨!大泥棒参上!ヘラ・イース降臨!サタン降臨!ゼウス・ディオス降臨!ドラりん降臨!ヘラ・ウルズ降臨!大天狗降臨!アテナ降臨!タケミナカタ降臨!ベルゼブブ降臨!イザナミ降臨!ヘラクレス降臨!ドラゴンゾンビ降臨!ヘラ・ベオーク降臨!ガイア降臨!サンダルフォン降臨!ヘラ・ソエル降臨!ワダツミ降臨!ゼウス・ヴァルカン降臨!ノア降臨!トト&ソティス降臨!張飛参上!メフィスト降臨!カネツグ降臨!ゼウス・マーキュリー降臨!関銀屏参上!コシュまる降臨!暗黒騎士降臨!趙雲参上!グリモワール降臨!メジェドラ降臨!ディアゴルドス降臨!ソニア=グラン降臨!ゼウス&ヘラ降臨!かぐや姫降臨!スフィンクス降臨!アーミル降臨!周瑜参上!レジェロンテ降臨!インディゴ降臨!西遊記降臨!ヨルズ降臨!デウス=エクス=マキナ降臨!エーギル降臨!スルト降臨!ヘル降臨!ヘイムダル降臨!ヤマツミ降臨!サンタクロース降臨!タケミカヅチ降臨!ヘパイストス降臨!グラン=リバース降臨!ヨルムンガンド降臨!酒呑童子降臨!ハヌマーン降臨!セラフィス降臨!アグニ降臨!パズドラクロス・エース降臨!スタージャスティス降臨!リバティーガイスト降臨!パズドラクロス・アナ降臨!ケプリ降臨!コスモクルセイダー降臨!ミオン降臨!クラミツハ降臨!セルケト降臨!ラス降臨!ティターニア降臨!アザゼル降臨!ガチャドラ降臨!夏のガチャドラ降臨!ガチャドラ降臨!(ネイガチャドラ)秋のガチャドラ降臨!デモニアス降臨!エノク降臨!エルメ降臨!ルシャナ降臨!ジル=レガート降臨!クロガネマル降臨!ヘキサゼオン降臨!マンティコア降臨!ビッグフット降臨!白鯨降臨!パネラ降臨!エイル降臨!ソール&マーニ降臨!ニーズヘッグ降臨!リントヴルム降臨!マイネ降臨!ケツァルコアトル降臨!ザッハーク降臨!リベルタス降臨!チィリン降臨!シェヘラザード降臨!レイワ降臨!エリス降臨!ドロシー降臨!ブラフマー降臨!センリ降臨!ジャバウォック降臨!ヴィーザル降臨!ドット・ゼウス&ヘラ降臨!デザインコンテスト記念ダンジョン!ラジエル降臨!ニムエ降臨!ベレト降臨!ドット・ヴァルキリー降臨!ゼレンバス降臨! 【特殊】降臨系 ゼローグ∞降臨!ノルディス降臨!スカーレット降臨!ヴォルスーン降臨!リンシア降臨!ガイノウト降臨!ミル降臨! 超絶極限コロシアム ゲリラ ○○ドラ大量発生進化用~大量発生たまドラ大量発生!レアキャラ大量発生!ぷれドラ大量発生!降臨カーニバル精霊の宝玉ラッシュ!転生の間その他のゲリラ希石の神殿降臨希石ラッシュ! 覚醒素材降臨 西洋神 覚醒素材降臨!1西洋神 覚醒素材降臨!2和神 覚醒素材降臨!1和神 覚醒素材降臨!2東洋神 覚醒素材降臨!エジプト神 覚醒素材降臨!四獣神 覚醒素材降臨!北欧神 覚醒素材降臨!三国神 覚醒素材降臨!英雄神 覚醒素材降臨!天使 覚醒素材降臨!悪魔 覚醒素材降臨!戦国神 覚醒素材降臨! レーダードラゴン ヘパイストス=ドラゴン降臨!ノア=ドラゴン降臨!ガイア=ドラゴン降臨!ゼウス=ドラゴン降臨!ヘラ=ドラゴン降臨! (+297)降臨(ゼウス、ヘラ+297はレーダーのカテゴリ) 女神(+297)降臨!ヘラ・イース(+297)降臨!ゼウス・ディオス(+297)降臨!タケミナカタ(+297)降臨!ベルゼブブ(+297)降臨!ヘラクレス(+297)降臨!ワダツミ(+297)降臨! 【降臨五十音順】 あ 秋のガチャドラ降臨!アグニ降臨!アザゼル降臨!アテナ降臨!アーミル降臨!暗黒騎士降臨!イザナミ降臨!インディゴ降臨!ヴィーザル降臨!エイル降臨!エーギル降臨!エノク降臨!エリス降臨!エルメ降臨!大泥棒参上! か ガイア降臨!かぐや姫降臨!ガチャドラ降臨!ガチャドラ降臨!(ネイガチャドラ)カネツグ降臨!関銀屏参上!クラミツハ降臨!グラン=リバース降臨!グリモワール降臨!クロガネマル降臨!ケツァルコアトル降臨!コシュまる降臨!コスモクルセイダー降臨!ケプリ降臨! さ 西遊記降臨!サタン降臨!ザッハーク降臨!サンタクロース降臨!サンダルフォン降臨!シェヘラザード降臨!ジャバウォック降臨!周瑜参上!酒呑童子降臨!ジル=レガート降臨!スタージャスティス降臨!スフィンクス降臨!スルト降臨!ゼウス・ヴァルカン降臨!ゼウス・ディオス降臨!ゼウス&ヘラ降臨!ゼウス・マーキュリー降臨!セラフィス降臨!セルケト降臨!ゼレンバス降臨!センリ降臨!ソニア=グラン降臨!ソール&マーニ降臨! た 大天狗降臨!タケミカヅチ降臨!タケミナカタ降臨!チィリン降臨!趙雲参上!張飛参上!ディアゴルドス降臨!ティターニア降臨!デウス=エクス=マキナ降臨!デザインコンテスト記念ダンジョン!デモニアス降臨!ドット・ヴァルキリー降臨!ドット・ゼウス&ヘラ降臨!トト&ソティス降臨!ドラゴンゾンビ降臨!ドラりん降臨!ドロシー降臨! な 夏のガチャドラ降臨!ニーズヘッグ降臨!ニムエ降臨!ノア降臨! は 白鯨降臨!パズドラクロス・アナ降臨!パズドラクロス・エース降臨!パズドラZコラボ【降臨】ハヌマーン降臨!パネラ降臨!ビッグフット降臨!ブラフマー降臨!ヘイムダル降臨!ヘキサゼオン降臨!ヘパイストス降臨!ヘラ・イース降臨!ヘラ・ウルズ降臨!ヘラクレス降臨!ヘラ・ソエル降臨!ヘラ・ベオーク降臨!ヘル降臨!ベルゼブブ降臨!ベレト降臨! ま マイネ降臨!マンティコア降臨!ミオン降臨!女神降臨!メジェドラ降臨!メフィスト降臨! や ヤマツミ降臨!ヨルズ降臨!ヨルムンガンド降臨! ら ラグオデAコラボ【降臨】ラジエル降臨!ラス降臨!リバティーガイスト降臨!リベルタス降臨!リントヴルム降臨!ルシャナ降臨!レイワ降臨!レジェロンテ降臨! わ ワダツミ降臨! ポリンの塔太鼓の達人ECOコラボぐんまコラボCDコラボケリ姫コラボガンホーコラボガンホーコラボ【制限時間2分】神羅万象チョココラボカピバラさんコラボエヴァコラボCoCコラボグルーヴコースターコラボラグオデAコラボ【降臨】ドラゴンズドグマコラボ高岡市コラボアイルーでバザールコラボバットマンコラボアングリーバードコラボパズドラZコラボ【降臨】HUNTER×HUNTERコラボハローキティコラボパズバトコラボROコラボドラゴンボールコラボ聖闘士星矢コラボビックリマンコラボドラゴンボールコラボ2DCコミックスコラボ北斗の拳コラボ神羅万象チョココラボ2ファイナルファンタジーコラボデュエル・マスターズコラボ進撃の巨人コラボサンデーオールスターズコラボクローズコラボBLEACHコラボファイナルファンタジーコラボ2バットマンvsスーパーマンコラボるろうに剣心コラボキン肉マンコラボマガジンオールスターズコラボモンスターハンターコラボモンスターハンターコラボ2ジャスティス・リーグコラボ鋼の錬金術師コラボKOFコラボKOFコラボ幽☆遊☆白書コラボペルソナコラボマジック:ザ・ギャザリングコラボパワプロコラボガンホーコラボ2ガンホーコラボ2【制限時間2分】銀魂コラボソードアート・オンラインコラボ仮面ライダー昭和Ver.仮面ライダー平成Ver.妖怪ウォッチ ワールドFate/stay night[HF]コラボストリートファイターV AEクエストマクドナルド×ガチャドラ降臨!シャーマンキングクエストサンリオキャラクターズコラボチャンピオンオールスターズクエストサムライスピリッツクエスト コインダンジョン(配信履歴・ダンジョン一覧など) ガンホーコラボECOコラボ太鼓の達人ぐんまコラボグルーヴコースターコラボ高岡市コラボ ドラプラ大発生!伝説龍ラッシュ!天空龍ラッシュ!機械龍ラッシュ!超絶ドラゴンラッシュ!超絶ドラゴンラッシュ2! 極限ゴッドラッシュ!極限ヘララッシュ!極限デビルラッシュ!極限ドラゴンラッシュ!極限大和ラッシュ!超極限ドラゴンラッシュ!特殊降臨ラッシュ! ゼローグ∞降臨!ノルディス降臨!スカーレット降臨!ヴォルスーン降臨!リンシア降臨!ガイノウト降臨! ペンドラの里 ヘラ・ウルズ降臨!(5×4マス)ノア降臨!(5×4マス)かぐや姫降臨!(5×4マス)トト&ソティス降臨!(5×4マス)イザナミ降臨!(5×4マス) キングカーニバル集結!進化ラッシュ!!集結!レア進化ラッシュ!!降臨カーニバルたまドラの里超絶メタドラ降臨! 火のアンケートカーニバル水のアンケートカーニバル木のアンケートカーニバル光のアンケートカーニバル闇のアンケートカーニバル イベントダンジョン一覧(贈り物系)公式生放送プレゼントダンジョン一覧 降臨チャレンジ!チャレンジダンジョン!ランキングダンジョンタイムアタック降臨ダンジョン制限付き降臨ダンジョン 一度きりチャレンジ!超絶極限コロシアム無限回廊真・無限回廊絶・無限回廊超絶・無限回廊超壊滅・無限回廊 伝説龍ラッシュ!天空龍ラッシュ!機械龍ラッシュ!超絶ドラゴンラッシュ!超絶ドラゴンラッシュ2! 極限ゴッドラッシュ!極限ヘララッシュ!極限デビルラッシュ!極限ドラゴンラッシュ!極限大和ラッシュ!超極限ドラゴンラッシュ!超極限マシンラッシュ!超極限北欧ラッシュ!超極限中華ラッシュ! 白蛇の地下迷宮一層二層三層四層五層六層七層八層九層最終層 異聖の天上宮殿一階二階三階四階五階六階七階八階九階十階 緋炎の雲海都市一階二階三階四階五階六階七階八階九階最上階 王妃の舞踊神殿一階二階三階四階五階最上階 神王の天空境界一階二階三階四階五階最上階 魔神王の無間獄一層二層三層四層五層六層七層八層九層最終層 工龍契士の創玉殿一節二節三節四節五節六節七節八節九節最終節 クリスマスダンジョン私立パズドラ学園パズドラアイランドハロウィンナイトお正月ダンジョンジューンブライドダンジョン 火のアンケートカーニバル水のアンケートカーニバル木のアンケートカーニバル光のアンケートカーニバル闇のアンケートカーニバル 進化素材アンケートダンジョン進化素材アンケートダンジョン2 超極限アンケートラッシュ! リクウ降臨! アンケート1アンケート2アンケート3アンケート4アンケート5アンケート6アンケート7アンケート8アンケート9アンケート10アンケート11アンケート12アンケート13アンケート14アンケート15アンケート16アンケート17 光届かぬ悪魔の巣闇払う翼龍ブレイカーズジュエルの塔 協力プレイダンジョンの概要 2人でガッツリ スコアアタックダンジョン 極限ヘララッシュ!極限ゼウスラッシュ!極限デビルラッシュ!超極限ドラゴンラッシュ!極限大和ラッシュ!特殊降臨ラッシュ! 3人でワイワイ 協力!無限回廊協力!進化ラッシュ!協力!極限の闘技場協力!降臨ラッシュ!協力!超壊滅ドラゴンラッシュ!協力!輝空の闘技路超壊滅・無限回廊 協力!アグニ降臨!協力!スタージャスティス降臨!協力!デモニアス降臨!協力!ケプリ降臨!協力!リバティーガイスト降臨!協力!ルシャナ降臨!協力!ビッグフット降臨!協力!セルケト降臨!協力!アザゼル降臨!協力!ヘキサゼオン降臨!協力!ゼローグ∞降臨!協力!ノルディス降臨!協力!クロガネマル降臨!協力!白鯨降臨!協力!パネラ降臨!協力!エイル降臨!協力!ミオン降臨!協力!ジル=レガート降臨!協力!エノク降臨!協力!クラミツハ降臨!協力!ラス降臨!協力!スカーレット降臨!協力!ソール&マーニ降臨!協力!ニーズヘッグ降臨!協力!コスモクルセイダー降臨!協力!ミル降臨!協力!リントヴルム降臨!協力!マイネ降臨!協力!ケツァルコアトル降臨!協力!ザッハーク降臨!協力!リベルタス降臨!協力!ヴォルスーン降臨!協力!エルメ降臨!協力!リンシア降臨!協力!ガイノウト降臨!協力!ティターニア降臨!協力!マンティコア降臨!協力!チィリン降臨!協力!シェヘラザード降臨!協力!レイワ降臨!協力!エリス降臨!協力!ドロシー降臨!協力!ブラフマー降臨!協力!センリ降臨! 協力!モンハンコラボ!協力!進撃の巨人コラボ!協力!ファイナルファンタジーコラボ!協力!キン肉マンコラボ!協力!サンデーオールスターズ!協力!幽☆遊☆白書!協力!ペルソナ!協力!マガジンオールスターズ!協力!マジック:ザ・ギャザリング!協力!銀魂!協力!ソードアート・オンライン!協力!仮面ライダー!協力!妖怪ウォッチワールド!協力!Fate/stay night[HF]!協力!ストリートファイターV AE!協力!シャーマンキング!協力!チャンピオンオールスターズ!協力!サムライスピリッツ! α版 協力オリジナルダンジョン(実施終了) 超絶極限ゴッドラッシュ!α超絶極限デビルラッシュ!αチャレンジダンジョン!α絶・無限回廊 特別版α 上記のカテゴライズはメニュー欄を元に作成した仮のものです。編集はこちらから プレゼント形式(クリア1回のみ) ノエルラッシュ!光の星導機パーツダンジョンアーマードロップ連動降臨 降臨ダンジョン(協力対応) ゼウス=ドラゴン降臨!ガイア=ドラゴン降臨!ヘパイストス=ドラゴン降臨!ノア=ドラゴン降臨!ヘラ=ドラゴン降臨! X連動降臨(★6以下強化) ドラクリスト降臨!ウェルドール降臨!ラグウェル降臨! 数字龍喚士降臨 ディアラ降臨!グラト降臨!ウォレス降臨!アムネル降臨!エナ降臨! プラス降臨(クリア1回のみ) ゼウス(+297) 降臨!ヘラ(+297)降臨! 大泥棒(+99)参上!ノア(+99)降臨!コシュまる(+99)降臨!アテナ(+99)降臨!サタン(+99)降臨! その他 シバマル大量発生!デビニャン大量発生!パイレーツ大量発生!フェアリー大量発生! パズドラクロス・エース(+10)降臨!パズドラクロス・アナ(+10)降臨! 伝説の炎龍伝説の氷龍伝説の島龍伝説の機龍伝説の邪龍 炎の天空龍水の天空龍樹の天空龍光の天空龍闇の天空龍 焔の機械龍氷の機械龍風の機械龍皇たる機械龍滅びの機械龍 炎の歴龍水の歴龍木の歴龍光の歴龍闇の歴龍 火の戦国龍水の戦国龍風の戦国龍光の戦国龍闇の戦国龍 焔の龍騎姫海の龍騎姫風の龍騎姫聖の龍騎姫影の龍騎姫 炎の神秘龍水の神秘龍地の神秘龍光の神秘龍闇の神秘龍 紅の海賊龍蒼の海賊龍碧の海賊龍金の海賊龍黒の海賊龍 ヘラ降臨!勇者降臨!ゼウス降臨!ツインリット降臨!トライフルーツ降臨! 三蔵法師降臨!沙悟浄&猪八戒降臨!サーティワンコラボ チャレンジ1チャレンジ2チャレンジ3チャレンジ4チャレンジ5チャレンジ6チャレンジ7チャレンジ8チャレンジ9チャレンジ10チャレンジ10チャレンジ11チャレンジ12チャレンジ13チャレンジ14チャレンジ15チャレンジ16チャレンジ17チャレンジ18チャレンジ19チャレンジ20チャレンジ21チャレンジ22チャレンジ23チャレンジ24チャレンジ25チャレンジ26チャレンジ27チャレンジ28チャレンジ29チャレンジ30チャレンジ31 一度きりチャレンジ!1一度きりチャレンジ!2一度きりチャレンジ!3一度きりチャレンジ!4 ↑カテゴリを選んでください ノア=ドラゴン降臨!概要 聖舶龍 壊滅級(テクニカル) 攻略指南 コメント ノア=ドラゴン降臨! 概要 パズドラレーダー連動限定ダンジョン登場!! (公式告知) パズドラレーダーから受け取れる、地域限定配信のダンジョン。 協力プレイダンジョンに対応している。 難易度は「壊滅級」の1種類のみ。 クリアしても魔法石はもらえない。(パズドラレーダーから受け取るダンジョンの仕様) 【初実装】 2016.04.10(日) 【配布予定】 2016.04.10(日) イオンモール高岡 ガンホーフェスティバル2016 甲信越・北陸大会にて 2016.05.15(日) イオンモール福岡 ガンホーフェスティバル2016 九州大会にてガンホーフェスティバルの開催時間(10時から17時の予定)のみの配信となる。 【究極進化用素材としての使い道】 素材 進化後モンスター 聖舶神・ノア=ドラゴン 【進化用素材の編集】 聖舶龍 壊滅級(テクニカル) 【スタミナ:99 バトル:5】 獲得経験値: ※敵ステータス補正:HP1.5倍 バトル モンスター名 HP 防御 攻撃 タ|ン 使用スキル 備考 スキル名 効果 B1 紅の海賊龍・バーソロミュー 8,366,745 9,660 26,112 1 ダイヤモンドクロス 先制で使用 20ターンの間状態異常無効化(効果が切れるたびに使用) Lv21 紅の海賊龍・バーソロミューを確定ドロップ※HP50%未満で火→水に属性変化 ブラック・バート 3ターンの間攻撃力3倍(通常攻撃78,336ダメージ)(最初の行動で一度だけ使用?) 主砲発射 32,640ダメージ+ランダムで1色を火ドロップに変換(攻撃力3倍時97,920ダメージ) ロイヤル・フォーチュン 4連続攻撃 計41,780ダメージ(攻撃力3倍時125,340ダメージ)(HP50%以下で使用) B2 神癒の大天使・ラファエル 34,428,039 0 - 5 神癒の奇跡 先制 10ターンの間、闇属性の攻撃を吸収 宝箱(20,000)をドロップ 永遠の安らぎ 3連続攻撃 計1,190,988ダメージ(必ず使用) B3 蒼の海賊龍・アルビダ 14,199,251 13,800 - 1 踏んで差し上げますわ 先制(以降も、HP30%以上では「魅惑の抱擁」を除き1ターンおきに使用)50,150ダメージ+ランダム1色を回復ドロップに変換 Lv30 蒼の海賊龍・アルビダを確定ドロップ ハニーポイズン 回復ドロップを毒ドロップに変換 ブルースラッシュ 33,433ダメージ+ランダム1色を水ドロップに変換 魅惑の抱擁 リーダーが3ターンの間、行動不能(HP60%以下で使用/1回のみ/最優先) プリンセスの号令 1,672ダメージ(HP30%以下で必ず使用/1回のみ) 海龍大進撃 5連続攻撃 計501,495ダメージ(HP30%以下で必ず使用) B4 龍焔の熾天使・ウリエル 22,597,875 940 - 1 ①5個の炎弾が出現②聖なる守りがその身を包む 先制 ①炎弾が5個になる②10ターンの間、受けるダメージを半減 宝箱(20,000)をドロップ内部的に炎弾のストック数を記録しておりその残り数に従って行動を決定する 水戒の聖鎖 水属性モンスターが10ターン行動不能(水属性モンスターがいる場合、最初の行動でHP50%以上だと一度だけ使用) HP50%以上で炎弾がなくなるまでは以下のいずれかを使用 ①3個の炎弾を消費②セイントブラスト! ①炎弾が3個減る②39,180ダメージ+上から2,4列目を火と光ドロップに変化 ①2個の炎弾を消費②ホーリーピラー! ①炎弾が2個減る②29,385ダメージ+左から3列目を光、4列目を火ドロップに変化 ①1個の炎弾を消費②フォトンフレア! ①炎弾が1個減る②19,590ダメージ+ランダムで1色をお邪魔ドロップに変化 ①3個の炎弾を消費②フォトンスラッシュ! ①炎弾が1個減る②19,590ダメージ+上から3列目を火と光ドロップに変化 炎弾がなくなると以下を交互に使用 ①ヒートスタブ②スキルメルト ①現在HPの99%のダメージ②スキル使用までのターンを1〜3ターン遅延 ①グローリー…②クロス! ①12,734ダメージ+上から2列目を火ドロップに変化②12,734ダメージ+左から2列目を光ドロップに変化 HP50%以下で炎弾の残り数に応じて一度だけ使用 ①5個の炎弾を消費②セイクリッドエクスプロージョン! ①炎弾が5個減る②97,950ダメージ+全ドロップを5属性+回復に変化(炎弾が5個だったとき) ①4個の炎弾を消費②ディバインエクスプロージョン! ①炎弾が4個減る②68,565ダメージ+全ドロップを5属性に変化(炎弾が4個だったとき) ①3個の炎弾を消費②セイントエクスプロージョン! ①炎弾が3個減る②58,770ダメージ+全ドロップを火、水、木、光に変化(炎弾が3個だったとき) ①2個の炎弾を消費②ホーリーエクスプロージョン! ①炎弾が2個減る②48,975ダメージ+全ドロップを火、木、光に変化(炎弾が2個だったとき) ①1個の炎弾を消費②フォトンエクスプロージョン! ①炎弾が1個減る②39,180ダメージ+全ドロップを火と光ドロップに変化(炎弾が1個だったとき) エクスプロージョン 29,385ダメージ+全ドロップを火ドロップに変化(炎弾が0個だったとき) その後、以下を交互に使用 ①グローリー…②クロス! ①12,734ダメージ+上から2列目を火ドロップに変化②12,734ダメージ+左から2列目を光ドロップに変化 ①ヒートスタブ②スキルメルト ①現在HPの99%のダメージ②スキル使用までのターンを1〜3ターン遅延 聖炎の神託 5ターンの間、火ドロップが少し落ちやすくなる(HPが0になった時に必ず使用) B5 聖舶神・ノア=ドラゴン 52,500,000 2,180 (12,717) 1 ①アークスケイル②聖舶の護壁③蒼天の虹 先制 ①999ターンの間、状態異常無効化②99ターンの間、500万以上のダメージを無効化③1ターンの間、特定の2属性(※)の攻撃を吸収 Boss Lv10 聖舶神・ノア=ドラゴンを確定ドロップ(※)「蒼天の虹」の吸収属性は火・水・木のいずれか1つと光・闇のいずれか1つHP条件行動の優先度は10%以下 90%以下 70%以下 50%以下 30%以下 HP条件を満たさないターン ①蒼天の虹②プリズミックサンダー③ストランドサクリファイス ①1ターンの間、特定の2属性(※)の攻撃を吸収②12,717ダメージ+ランダムで1色を吸収する属性の片方に変化③6,359ダメージ+ランダムでサブ1体が1ターン行動不能(HP50%以上で必ず使用) ①レインボーブランク②ストランドサクリファイス③アークインパクト ①19,076ダメージ+ランダムで1色をお邪魔ドロップに変化②6,359ダメージ+ランダムでサブ1体が1ターン行動不能③現在HPの99%のダメージ(HP50%以下で必ず使用) HP90%以下で一度だけ使用 ①リトリートアーク②フォッグボウ・シール③ファーストジャッジメント ①1ターンの間、受けるダメージを75%減少②10ターンの間、スキル使用不能③57,227ダメージ+全ドロップを5属性に変化 HP70%以下で一度だけ使用 ①リトリートアーク②フォッグボウ・ヘイズ③セカンドジャッジメント ①1ターンの間、受けるダメージを75%減少②ドロップが真っ黒になる③76,302ダメージ+全ドロップを5属性に変化 HP50%以下で一度だけ使用 ①リトリートアーク②フォッグボウ・ゲイズ③サードジャッジメント ①1ターンの間、受けるダメージを75%減少②スキル使用までのターンを5ターン遅延③3連続攻撃 計152,604ダメージ HP30%以下で一度だけ使用 ①リトリートアーク②フォッグボウ・グレイズ③フォースジャッジメント ①1ターンの間、受けるダメージを75%減少②2ターンの間、覚醒スキル無効化③254,340ダメージ+全ドロップを5属性に変化 HP10%以下で必ず使用 ①リトリートアーク②フォッグボウ・パージ③ジャッジメントエンド ①1ターンの間、受けるダメージを75%減少②こちらにかかっている状態変化を解除(かかっていない場合は代わりに通常攻撃)③3連続攻撃 計381,510ダメージ ※HPは、グラビティ系を使用しての推測値です。 +モンスター別獲得Exp/コイン 出現モンスター別獲得Exp/コインまとめ モンスター名 Exp コイン 紅の海賊龍・バーソロミュー 22,271 20,160 神癒の大天使・ラファエル 21,197 28,080 蒼の海賊龍・アルビダ 31,815 28,800 龍焔の熾天使・ウリエル 500 11,200 聖舶神・ノア=ドラゴン 500 158,400 攻略指南 +ソロ火無効PT ノアドラの機嫌が悪いと「気がついたらサブが全員バインド状態になってた」なんてことが起こったり。 ■編成例:L覚醒ミネルヴァ F覚醒アマテラス Sシャリテマキナ 裏エルドラド×3 潜在火軽減20個(19個、HP次第では18個でもなんとかなる)。今回はアマテラスの自動回復も使うので、アマテラスは回復強化、それ以外が火軽減が良いだろう。特にミネルヴァには必ず5個つけたい。 ミネルヴァかエルドラドのいずれかにガネーシャ継承。または、いずれか2体にウンディーネとシルフ継承でもいい。残りの継承は割合ダメージなどの火力スキルで固める。 立ち回り ■1F…特筆すべき点なし。 ■2F…攻撃前にちゃんとマキナを使う。突破時に3F先制に備え、ガネーシャ(orシルフ)を起動。 ■3F…先制を受けたらマキナ。リーダーバインドは弾くので問題ない。よほど下手な盤面にしなければ毒死することもない。 ■4F…適当。遅延のせいでスキルが溜めにくいが、遅延耐性がなくてもいずれは溜まる。 ■5F 開幕マキナ。 たとえサブが全員バインドされていたとしても、自動回復とミネルヴァの軽減だけでHP50%以下でのレインボーブランク+ストランドサクリファイス+アークインパクトを受けることができる。 実際には面倒なことにならないよう、バインドを重ねがけされたサブが出てきたらアマテラスで治しておく。 注意するのはHP30%を切った時に来る2T覚醒無効。来る瞬間にガネーシャ(orウンディーネ)を張ってフォースジャッジメントを耐え、次の攻撃をミネルヴァのLSで耐え、その次に手動回復orアマテラスでしのげば覚醒無効は終わる。 また、HP50%以上から一気にHP30%以下にしてしまうと、50%切ったときの遅延を食らってから30%以下の覚醒無効が来るのでマズイ。必ず一度は30%〜50%範囲に入れよう。 天堂地獄がいる場合はそれをLに据えれば火軽減と火結界を一人で両立できる。ただしアルビダのバインドを食らう点には注意。 +マルチ用おでん狼PT・ガチャ限不要 ■両チームとも編成は同じ L 究極オーディン(オーディン=ドラゴンでも可) F 覚醒アマテラス(正月アマテラスでも可) S 究極ゼウス ヘラ、超覚醒ゼウスのアーマー・エース×2、グラウカ オデドラ×正月アマテラスの場合、MP購入とドロップ産のみでPTを組むことが可能 ゼウスアーマーのエースが自動回復×4のため安定し易いが、一応ゼローグやゼウスなど他の35%ラスゴでも可自動回復22,460(アマテラスに回復+99 潜在覚醒・回復強化×5の場合)でバーソロミューの3倍も耐える B3では回復をなるべく残さないようにする(ハートを毒に変えてくるため)毒はハートが大量にあるときに処理すれば問題ない 立ち回り ※編成例なら問題ないが、自動回復量が足りない場合はB1最初の3倍期間は回復することを忘れずに B1:全スキルを溜めて、ゴッグラ、ラスゴX、ラスゴX、グラウカで突破 B2:もう片方のチームでゴッグラ、ラスゴX、ラスゴX、グラウカで突破 B3:全スキルを溜めて、ゴッグラ、ラスゴX、ラスゴX、グラウカで突破 B4:もう片方のチームでゴッグラ、ラスゴX、ラスゴX、グラウカで突破 B5:99ターン耐久して、ゴッグラ、ラスゴX、ラスゴX、グラウカで突破 +ソロ用 タマゾーX覚醒オーディンPT LFタマゾーX覚醒オーディン S光槍の魔術神・オーディン 光槍神・オーディン=ドラゴン 適当な木属性の神キラー持ち(冥地鎮の玄武・メイメイ等) 時津風の神童・猿飛佐助 継承は妖精森の女王・ティターニアが必須。他は木を含む二色陣(天空の守護龍・アヴァロンドレイク等)や大量の木生成(探求の風・バッツ等)、木泥強(転生パールヴァティー等)で。 立ち回り ◾︎B1:HP半分を切らないように全スキルを貯めつつ、十字1個で削っていく。スキルが溜まったら木生成+泥強を使用して突破。 ◾︎B2:陣エンハでワンパン。 ◾︎B3:毒は佐助がそこそこの確率で弾く。弾かなかった場合は回復が多い時に処理する。全スキルが溜まったら木生成で突破。 ◾︎B4:陣泥強エンハでワンパンを狙う。合計で9000万出さなければならないが、キラーを活用すれば充分可能であるl ◾︎B5:バインド耐性持ちだけで自動回復7000以上あるので、1コンボだけで99ターン耐久できる。十字1個でHP半分を切らないあたりまで削っておき、大ダメージ無効化が終わったら木光を吸収していないターンに全開放して終了。 +分岐カエデ ドットブラキオスPT・マルチ用 A(先攻):Lドットブラキオス(アシスト インディゴ) S究極ゼウスディオス*2 究極ヘラベオーク*2 B(後攻):L分岐カエデ S究極ゼウスディオス*3 納涼のはぐれ馬・ケルピー 無効貫通編成例 スキルブーストはA 7個 B 8個 の合計15個 レベル、攻撃プラスは納涼のはぐれ馬・ケルピー以外すべて99で計算 納涼のはぐれ馬・ケルピーは幸福のパティシエール・ダークレディや各種属性吸収無効化スキルで可 べオーク1体を大天狗やメロンドラゴンに木属性2.5倍以上エンハか泥強スキルをアシストすればスキブ16個になるのでB1でのスキルためが不要に(AB入れ替えると快適) 立ち回り ■B1 :A1コンボスキルため → Bカエデでヘイスト ディオス インディゴで1列木21 3 の2コンボ配置※闇水ロックドロップは最後まで使うので消さないこと +配置例 配置例 □□□□□□ □□□□□闇 □水水□水□ □□□□闇□ □□□□闇□ ■B2 :Aディオスで1列木21 3 の2コンボ配置 ■B3 :先制攻撃があるがカエデのLS軽減で耐えられる → Bディオスで1列木21 3 の2コンボ配置 ■B4 :Aディオスべオーク強化後 1列木21 3 の2コンボ配置 ■B5 :Bケルピーで属性吸収無効化後 ディオスでパス → Aディオスべオークで強化後 1列木15 9無効貫通 水3闇3の4コンボ配置 ※ケルピーを打つ前にディオスを撃ってしまうとケルピーが使えない ケルピーを先に打つこと +配置例 配置例 □□□□□□ □□□闇闇闇 □□水□□□ □□水□□□ □□水□□□ A(先攻):L分岐カエデ S究極ゼウスディオス*3 納涼のはぐれ馬・ケルピー B(後攻):Lドットブラキオス(アシスト インディゴ) S究極ゼウスディオス*2 究極茨木童子 究極大天狗 上の編成からスキルため、パスを不要にした編成例 スキルブーストはA 8個 B 10個 の合計18個 最低必要個数16個 レベル、攻撃プラスは納涼のはぐれ馬・ケルピー以外すべて99で計算 納涼のはぐれ馬・ケルピーは幸福のパティシエール・ダークレディや各種属性吸収無効化スキルで可 大天狗はスキブ2以上の木属性で代用可能 茨木童子はカマエルでも可能 立ち回り ■B1 :Aディオス インディゴで1列木21 3 の2コンボ配置※闇水ロックドロップは最後まで使うので消さないこと +配置例 配置例 □□□□□□ □□□□□闇 □水水□水□ □□□□闇□ □□□□闇□ ■B2 :Bディオスで1列木21 3 の2コンボ配置 ■B3 :先制攻撃があるがカエデのLS軽減で耐えられる → Aディオスで1列木21 3 の2コンボ配置 ■B4 :B茨木童子エンハンス後 ディオス 1列木21 3 の2コンボ配置 ■B5 :エンハンス継続 Aケルピーで属性吸収無効化後 ディオス 1列木15 9無効貫通 水3闇3の4コンボ配置 ※ケルピーを打つ前にディオスを撃ってしまうとケルピーが使えない ケルピーを先に打つこと +配置例 配置例 □□□□□□ □□□闇闇闇 □□水□□□ □□水□□□ □□水□□□ コメント ※ここはフレンド募集をする場ではありません、フレンドコード交換へどうぞ。 ※ゲリライベント開催日時についてのやり取りは「不正プレイ禁止」の観点からご遠慮ください。(ただし、公式発表されたものを除きます。) ※ここはPT診断をする場ではありません、チーム編成・報告診断へどうぞ。 分岐カエデ ドットブラキオスPTを追記しました PDCで検証していますが何かあれば指摘お願いします -- 2018-03-23 17 27 31 分岐カエデがいればソロでも余裕になっちゃったなあ。あんだけ苦労してたのに。Sはロミア・転生アルテミス・テテュス・アヴァロン。 -- 2018-04-13 23 22 58 ガチャ限なし ディノX装備PT追加しました。他のレーター龍1シリーズも全部ガチャ限なしで追加していきますので参考にして下さい。 -- 2018-04-28 03 16 14 LFヨグ、Sアポルォ、転生アマテラス、転生アポロン(超覚醒で無効貫通つき)、ヨグでノーコン。ラファエルでスキル貯めてあとはワンパンでどうぞ。 -- 2018-06-12 20 38 02 諸事情でディノXPT削除しました。今まで無課金攻略とか載せてましたがここではもう編集せず後続の人におまかせします。本当ご迷惑おかけしました。m(_ _)m -- 2019-01-30 15 59 15 ソロ1枚抜きだと本当に厳しいな。手持ちじゃクリアできる編成作れそうにないわ -- 2019-08-04 06 32 21 夏の4体以下クエスト、案の定コマさんだった。 -- 2019-08-04 08 16 38 4体以下、コマさんでだれかにコンボ追加継承して二色陣打つだけ -- 2019-08-04 09 57 15 それコマさんの意味あるの? 少なくとも毎回陣を撃つ上にリーダーバインドないならRXでも変わらんし、ゼラ入るリーダーなら誰でも良くね? -- 2019-08-06 13 36 14 ゼラ二枚入りのガイルで楽勝だった。ゼラさえいればリーダーなんて誰でも良い -- 2019-08-07 10 01 54 コメント すべてのコメントを見る
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第三十六話「怪しい職人」 ロボット怪獣ビルガモ 異次元宇宙人イカルス星人 四次元ロボ獣メカギラス ロボ怪獣メガザウラ 侵略変形メカ ヘルズキング 登場 トリスタニアの住宅街。怪獣たちの襲撃や宇宙人の攻撃、更には爆弾事件により街の各地が 見るも無残に破壊されたが、幸いなことにゴルドンから採取された黄金が豊富にあり、 その一部を復興資金に充てることで、再建が急ピッチで進められていた。ただ、職人の手が トリステイン国だけでは全く足りなかったので、国外から職人を大勢招いての再建となっている。 そしてその日々の中で、住宅街に暮らす少年が寝室から、隣の復興現場に建てられた仮設住宅を 長いこと観察していた。彼は怪獣の脅威からウルトラマンゼロに救われて命は拾ったのだが、 足を骨折して自宅で療養している。しかしその中で、仮設住宅の職人が不審な行動を見せていることに 気づいたのだ。 彼の視線の先の、仮設住宅内の職人の影は、長時間座ったままであった。 (あの男、何をしてるんだろう? あそこに座ったまま、もう24時間になる。いつ食事をするんだろう? 僕が眠ってる間に眠り、食事をしたんだろうか? いや、僕は何度も目が覚めた。あの男はずっと 座ったきりだ。何をしているんだろう……。何か作ってるぞ。何を作ってるんだ?) 少年は職人の手元にあるものをよく観察しようと身を乗り出したが、職人のいるところは薄暗く、 彼の視力では何なのか確認することが出来なかった。 職人の手元では、怪しい発光体が規則的な点滅を繰り返していた。 ウェザリー主導による演劇から数日後。侵略者たちの起こす連続爆発事件の調査を続行した ルイズたちだったが、結局成果はなし。そのため仕方なく、学院に帰還することになった。 だがルイズと才人は、アンリエッタからの招集により、すぐにまた王宮へ向かうことになった。 何でも、火急の用事なのだという。もしや、連続爆発事件に何か進展があったのか。ルイズと才人は はやる気持ちを抑えて、王宮のアンリエッタの下へと駆けつけた……。 「皆さん、これをご覧下さい」 アンリエッタは王宮の会議室で、ルイズや才人、他多くの軍人に見えるように、テーブルに 一枚の大きな地図を広げた。 王宮に到着したルイズと才人はすぐに、大勢の将校が集められた会議室に通された。 二人が会議に混ぜられるや否や、アンリエッタは爆破事件についての会議を開始した。 「これはこの王宮の所在地、トリスタニアの地図です。知っての通り、現在トリスタニアでは 侵略者による爆破事件が相次いでいます。しかし、現場はほとんどが戦略上の価値が全くない ところばかり。実に不可解な行動です」 「相手はどこから現れたかもよく分からん連中。そんなのの考えることですから、我々では 予想もつかないようなものなのではないでしょうか?」 一人の将校がお手上げだと言わんばかりにぼやいたが、アンリエッタは首を横に振る。 「安易に決めつけるのはいけません。わたくしは敵の意図を探るべく、密かに街に降りて 調査をしていました」 今の言葉で、才人は劇場にアンリエッタが現れた理由を悟った。彼女もまた、ルイズたちだけに 任せるのではなく、自ら独自調査を進めていたのだ。 「その結果、爆破事件の理由について、一つの仮説が出来上がりました。まずは、今までに 起きた事件の現場を地図に記します」 皆の視線を地図に戻すアンリエッタ。 「最初にここ、次にここ……。皆さん、何かに気づきませんか?」 全ての現場に相当する部分を赤色で塗り潰すと、皆に尋ねかける。ルイズが一番に察した。 「現場の全てが……王宮から同じ程度離れた場所ですね」 ルイズが今言った通り、事件現場は全てが、王宮から等間隔の地点で発生していたのが、 地図に印すことで判明した。アンリエッタはうなずく。 「その通りです。しかし、破壊された場所はこれで全てではありません。怪獣やウチュウ人自らが 蹂躙した場所も、ここに描き込むと……」 先に現れたアボラス、バニラ、グランゴン、ラゴラスの四大怪獣やマグマ星人たち宇宙人連合の者に 破壊された場所にも色がつけられると、全員が驚愕した。 「壊されたところが、この城を取り囲んでる!」 才人の叫びに首肯するアンリエッタ。 「そうです。爆破事件は、街の破壊された箇所を繋ぐようにして起きていたのです。ただの 偶然とは思えません」 全ての街の壊された部分が赤く塗られると、王宮が360度、赤色で囲まれていることが明らかになった。 だがこれに関して、ルイズが疑問を上げる。 「偶然ではないとしたら、一体……?」 これだけではまだ、宇宙人連合が何のためにそんなことをしたのかが不明だ。それを尋ねると、 アンリエッタは話を変えた。 「今回の爆破事件の現場を修復するに当たり、この国の職人たちだけでは人手が足りません。 故に国外の者も多く呼び入れられています。わたくしが確かめたところによると、その国外の 職人たちは非常に仕事が早く、我が国の者をはるかに上回る腕前なので、今やほとんどの場所の 修復を担当しているとか」 それだけ聞くと良いことのように思えるが、アンリエッタは眉間を寄せる。 「しかしその者たちは全員、素性が完全に不明で、現地の者と親交を全く取らないとのことです。 更に、修復の合間に何やら不審な動きを見せているという話も何人もの人の口から聞きました」 アンリエッタの話した内容で、ルイズが顔を青ざめた。 「それってつまり、その職人たちは、ウチュウ人たちの送ってきた工作員ということでしょうか……!?」 「その可能性は十分にあります。最初に都を破壊し、それを直す職人を装ってトリスタニアに 堂々と侵入する作戦。それが、爆破事件の真相なのでは……。職人を装えば、何らかの危険物を 組み立てていても、家屋の修繕に見せかけてごまかすことも出来るでしょう」 「馬鹿な! ありえませんぞ!」 将校の一人が、信じられないというより認めたくないという様子で叫んだ。 だが、それを否定するかのように、直後に激しい揺れと轟音が会議室を襲った。 「きゃあッ!?」 「な、何事だ!?」 ルイズらが悲鳴を上げると、衛兵が会議室に駆け込んできて、泡を食って叫んだ。 「ほ、報告します! 先般の爆破事件のあった現場に建てられた家屋が崩壊し……金色の、 奇怪な金属製の建造物が出現しました!」 「何ですって!?」 耳を疑うばかりの内容に、アンリエッタやルイズたち、将校らは我先にと廊下に飛び出して、 窓から外の光景を確認した。 果たして、衛兵の報告通りの光景がそこにあった。トリスタニアの街並みの真ん中に、 正面の中央部分に、先に行くほど細くなっている円筒を張りつけたような窓のないビルらしき 物体がそそり立っていた。明らかに中世風のトリスタニアの風景に似つかわしくない高層建造物だ。 しかもその建造物に、どこからか飛んできた棒状のロケットと目玉のような円盤がジョイントした。 そして建造物が火を噴いて浮き上がると、その下に二本の巨大な鋼鉄の柱が入り込み、それとも結合して 柱を脚部に変えた。 全ての合体手順が済むと、奇怪な建造物は黄金色の巨大ロボットへと姿を変えた。ルイズが 声を張り上げる。 「あの合体の方法……タルブ村で見た、ウチュウ人の巨大ゴーレムに似てるわ!」 ゼロはロボットの正体を知っていた。 『あいつはビルガモ! 完成まで建築物に成り済ます、破壊活動用ロボット兵器だ! あれをトリスタニアに持ち込む計画だったって訳か……!』 これが、宇宙人連合の恐るべき作戦であった。卑劣極まるロボット怪獣ビルガモ作戦。 ビルガモは、トリスタニアの街の全滅、王宮破壊、トリステインの全国民と、ウルトラマンゼロの 壊滅の使命を帯びた、悪魔の使者であったのだ。 ビルガモは頭頂部のアンテナから破壊光波を発射し、足元の家屋を複数ひとまとめに爆破した。 街はたちまち市民たちの悲鳴に包まれる。 「何てこと! 直ちに魔法衛士隊を迎撃に出すのです! どうにか被害を抑えて!」 アンリエッタが急いで命令を下すが、衛兵が冷や汗を垂らしながら返した。 「それが、あまりに突然で前兆のないことでしたので、まだ招集も出来ておりません!」 「そんな!?」 「非常事態は、これだけではありません!」 衛兵はもう一つ、悪い知らせをもたらす。 「ゴーレム出現に前後して、レコン・キスタの空中艦隊がトリステインを目指して動き始めたと、 偵察隊からの報告が!」 「何だと! レコン・キスタめ! 先日の大敗をもう忘れたか!」 将校の一人が憎々しげにうめいた。 「現在の位置から推測するに、艦隊がトリステインの領空に入るまで、二日と少々という 結果が出ています! そちらも今から対処せねば、迎撃が間に合わなくなり、領土に侵入されます!」 「何てこった……!」 動揺して舌打ちする才人。空中艦隊にトリステインに侵入されたら、シエスタの故郷の タルブ村がまたも焼かれてしまう。アンリエッタも二つの脅威に同時に迫られ、表情を歪ませた。 「……仕方ありません。こちらの空中艦隊をラ・ロシェールに配備、残る部隊は全てゴーレムの 迎撃と住民の避難誘導を! この二つを同時に進行させるのです! 急いで!」 「はッ!」 命令を受けた将校たちは慌ただしく会議室前から散っていった。 「アニエス、あなたも銃士隊を率いて、トリスタニアの部隊の応援に!」 「はッ!」 アンリエッタは側近のアニエスも送り出した。その後で、ルイズがアンリエッタに呼びかける。 「姫さま、わたしたちにもご命令を!」 振り返ったアンリエッタは、彼女と才人には次の命令を出す。 「あのゴーレムも、通常手段では歯が立たないような強敵でしょう。ルイズには最終手段として、 『虚無』の魔法でゴーレムを破壊する任を与えます。使い魔さんはルイズを守って下さい」 「かしこまりました! すぐに現場に赴きます。わたしの『爆発』に掛かれば、あんな鉄人形なんて……!」 血気にはやるルイズだが、アンリエッタにそれを押し留められる。 「お待ちなさい。これだけの前準備を掛けた作戦です。敵戦力が、今いるだけではない恐れが 十二分にあります。そのため、最終手段と申しました。本当に後がないほどの状況になるまで、 『虚無』を使用してはなりません」 「そ、そうですか。申し訳ございません。早計でした」 過ちを認めて謝るルイズ。『虚無』の魔法は威力が絶大な分消耗がひどく、連発が出来ないことは アンリエッタも把握していた。 「分かってもらえたのなら、早く街へ。この王宮も安全とはいえません」 「承知しました!」 アンリエッタに促されて、ルイズと才人はその場を離れる。二人きりになったところで、 才人がルイズに首を向けた。 「ルイズ、気張る必要はないぜ。俺たちには、ゼロがついてるじゃないか」 『ああそうだ! ビルガモの一体や二体、この俺が侵略者のたくらみごと粉砕してやるぜ!』 才人とゼロの呼びかけにうなずき返すルイズ。 「そうだったわね。ゼロ、お願い! トリスタニアの人々を守って!」 『もちろんだ! 行くぜ才人!』 「ああ! デュワッ!」 才人は即座にウルトラゼロアイを装着した。彼の身体が青と赤の光に変わり、王宮を飛び出していった。 ビルガモはトリステイン軍の抵抗をものともせず、破壊光波を放ち続けて街を火の海に変えていた。 その破壊の勢いは怒濤の如くで、火の手はビルガモの周囲一面を丸々包んでいる。 その暴威を阻止し、人々の命を救う使者が今、ビルガモの面前に降り立つ。ウルトラマンゼロが 炎の中に立ったのだ。 「あッ! ウルトラマンゼロだ!」 火に追われて避難している人々は、ゼロの姿を目にすると、絶望の表情が一瞬に希望の顔つきに変化した。 ゼロはそれに応えるために、果敢にビルガモに向かっていく。ビルガモもまた、攻撃の矛先を街から 最大の障害に切り替えて、ガコンガコンと駆動音を鳴り響かせながら突進していった。 そして激突する両者。その結果は、ゼロが弾き飛ばされるという形になった。 『ぐッ! 重い……!』 ビルガモは元々、宇宙有数の科学力を持つバルタン星人が設計したロボット。その性能は、 あのキングジョーにも匹敵するほどと言われる。ロボット特有の超重量を全て乗せた突進攻撃の威力は、 ゼロを易々と押し返すほどであった。 そしてビルガモはよろめいたゼロに、破壊光波とボディ中央の発光部、腕の先端からの フラッシュ光線をひたすら浴びせ出した。雨あられの攻撃による爆発が、ゼロを呑み込んでいく。 『うおおぉぉぉッ!』 絶え間ない光線の連射に、ゼロは瞬く間に追い詰められる。その火力は、ゼロの脚に火を点けるほど。 ゼロは側転することで脚の炎を振り払った。 『はぁ、はぁ……くそッ、あんまりなめるんじゃねぇッ!』 炎と熱に炙られて早くも息切れするゼロだが、反対に思考は冷静になり、逆転のチャンスを探る。 そしてビルガモのアンテナから破壊光波が発射される寸前に狙いをつけた。 『今だぁッ!』 破壊光波の軌道を読み、その上にウルティメイトブレスレットを乗せる。するとブレスレットが 光波を反射し、ビルガモ自身のボディに命中した。 発光部に当たり、ビルガモは自分が炎に包まれた。バタバタ右往左往している隙をゼロはもちろん逃さない。 素早くストロングコロナゼロに変身し、ビルガモをがっしりと掴んだ。 『うおりゃあああぁぁぁぁッ!』 ストロングコロナゼロはビルガモを軽々と持ち上げ、地面に投げつけた。背部から叩きつけられた ビルガモがフラフラ起き上がっている間に、ゼロはゼロスラッガー投擲の態勢を取る。 「シェアッ!」 ふた振りの宇宙ブーメランが宙を切り裂いて飛び、ビルガモの両腕も接合部から切断した。 ビルガモは強固なボディを持つが、関節部も頑丈とはいかなかったようだ。 『これでフィニッシュだぁッ!』 腕を失いよろめいているビルガモに、ゼロは必殺のワイドゼロショットをお見舞いした。 発光部に食らったビルガモはその部分から爆発を起こし、仰向けに倒れて完全に動かなくなった。 強敵相手でも勢いに乗ったままあっと言う間に勝利したゼロ。が、彼の勘は、これで戦いが 終わりとは告げていなかった。修復現場の仮設住宅の一つに目をつけると、指を突きつけて叫ぶ。 『ビルガモを操作してた電波は、そこから出てるな! 姿を現しな、侵略者ッ!』 と叫ぶと、仮設住宅から白い煙が噴き上がり、不気味な笑い声が沸き起こる。 『イカカカカカ! さすがはウルトラマンゼロ。よく我輩がここにいると分かったじゃなイカ!』 白い煙の中から現れたのは、灰色の肌で耳がやたらと大きい魚面の巨大宇宙人だった。 首の周りには髪と髭が一体化したかのような黒い毛が肩と胸に掛けて茂っており、何故か両手を 顔の位置まで高く挙げている。侵略者のはずだが、どことなくコミカルな印象すら受ける容姿だ。 『どうも。我輩、ビルガモ作戦の責任者のイカルス星人です』 侵略者イカルス星人は、実際とぼけているような口調で名乗った。ゼロは相手に人差し指を突きつける。 『イカルス星人! お前らの作戦は失敗だ! とっとと宇宙に帰りなッ!』 そう言いつけると、イカルス星人は突然哄笑を上げた。 『イカカカカカ! イカカカカカ! イカカカカカカカカカッ!! お腹痛い』 『何がおかしい!?』 ゼロが問い返すと、イカルス星人は笑いを止め、告げる。 『まだ勝った気になるのは早いんじゃなイカぁ? 勝負はまだ一回の表! 逆転こそ我が命! ビルガモは前座。本番はここからじゃなイカ!』 『何だと!』 イカルス星人の宣言の直後に、街に次々と異変が発生した。 「キィ――――――!」 ゼロたちがいる東地区から離れた北地区に、何もない虚空からぬっと、恐竜型怪獣をそのまま 機械にしたかのようなロボット怪獣が出現した。バム星人製の異次元移動機能のあるロボット怪獣、 メカギラスだ。 「ギャアアァアアアアァ!」 西地区からは、ビルガモと同じように仮設住宅を破壊して、怪鳥型ロボットが発進した。 顔のパーツが一切なく、首は三連ビーム砲となっている。暗黒星人バビラーの主力兵器、 メガザウラである。 「ゴオオオオオオオオ!」 南地区からは青いテトラポッド型の円盤が現れたかと思いきや、すぐに無数の破片に分裂し、 それらが再構築して人型巨大ロボットとなった。ベリル星人の侵略用の戦闘メカ、ヘルズキング。 以上の三体のロボット怪獣が、トリスタニアの街中に出現した。 『これだけのロボットを仕込んでやがったのか……!』 さすがのゼロも一瞬戦慄したが、ビルガモは既に倒したので、相手の頭数は四。ウルティメイトフォースゼロ 全員を招集すれば、決して手に負えない状況ではない。 『それに、結局はお前を倒せばそれでいいはずだぜ!』 司令官はイカルス星人。ゼロは狙いをイカルス星人から外さずに攻撃を仕掛けようとするが、 イカルス星人はまたも不気味に笑う。 『イカカカカカ! そう焦るな。我輩、お前と直接戦うなんて、ひと言も言ってないじゃなイカ』 『何だと? まさか、まだロボ怪獣を残してるのか!?』 どうやら、敵戦力はこれでも終わりではないようだ。しかも、イカルス星人は次のことを言い放つ。 『それも、これから出すのが本命なのだ! 出でよぉ~!』 イカルス星人の呼び声によって、大空の彼方から、ヘルズキングのように人型のロボットが ゼロの前へと降りてくる。そのロボについて、イカルス星人が説明する。 『ウルトラマンゼロぉ! あのロボットは、お前を倒すのに実にふさわしい相手じゃなイカ! 何しろアレは、正真正銘、地球人の造ったロボットなのだからな!』 『何ぃ!? 地球製の……ロボット!?』 ゼロは驚いて、新たに出現したロボットを見上げる。 人型の機体は、モザイクのような模様に覆われている。左腕にはガトリングガン、右腕には ビーム砲とシザーアームが備えつけられている。胸部の中心には蓋があり、何をその下に 隠しているのかは不明だが、物々しい雰囲気を放っている。顔面は液晶パネルのようになっていて、 ピピピピと電子音を鳴らしながら放射状に並ぶ赤い線を光らせている。 ゼロはこのようなロボットの存在を、ダイナから聞いていた。彼が忘れることの出来ない敵の一つ。 侵略者の計略により、よりによって彼の故郷のネオフロンティアスペースの地球人類が生み出してしまった 強力無比の無人ロボット兵器。今上空から降りてくるロボットは、その兵器に特徴が一致していた。 『まさか、あれが……!』 ゼロに代わって、イカルス星人がその名を唱えた。 『電脳魔人、デスフェイサー! お前はウルトラ戦士が愛した地球人の造った兵器の手で、 あの世に行くのだぁ~!』 ネオフロンティアスペースの負の遺産、デスフェイサーが今、ゼロへの最大最強の刺客として トリステインの地に蘇った。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
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ゼロの兄貴-1 ゼロの兄貴-2 ゼロの兄貴-3 ゼロの兄貴-4 ゼロの兄貴-5 ゼロの兄貴-6 ゼロの兄貴-7 ゼロの兄貴-8 ゼロの兄貴-9 ゼロの兄貴-10 ゼロの兄貴-11 ゼロの兄貴-12 ゼロの兄貴-13 ゼロの兄貴-14 ゼロの兄貴-15 ゼロの兄貴-16 ゼロの兄貴-17 ゼロの兄貴-18 ゼロの兄貴-19 ゼロの兄貴-20 ゼロの兄貴-21 ゼロの兄貴-22 ゼロの兄貴-23 ゼロの兄貴-24 ゼロの兄貴-25 ゼロの兄貴-26 ゼロの兄貴-27 ゼロの兄貴-28 ゼロの兄貴-29 ゼロの兄貴-30 ゼロの兄貴-31 ゼロの兄貴-32 ゼロの兄貴-33 ゼロの兄貴-34 ゼロの兄貴-35 ゼロの兄貴-36 ゼロの兄貴-37 ゼロの兄貴-38 ゼロの兄貴-39 ゼロの兄貴-40 ゼロの兄貴-41 前編 ゼロの兄貴-41 後編 ゼロの兄貴-42 ゼロの兄貴-43 ゼロの兄貴-44 ゼロの兄貴-45 ゼロの兄貴-46 ゼロの兄貴-47 前編 ゼロの兄貴-47 後編 ゼロの兄貴-48 ゼロの兄貴-49 ゼロの兄貴-50 ゼロの兄貴-51 前編 ゼロの兄貴-51 後編 ゼロの兄貴-52 ゼロの兄貴-53 ゼロの兄貴-54
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前ページ次ページゼロの使い魔ももえサイズ 「うえ~ん!!! びえ~ん!!! うわあああああん!!!」 翌朝、ルイズはベッドの上でおいおいと泣いていた。 「なんで!? なんで私がこんな目に遭わなきゃいけなかったのよ!」 ルイズは泣き喚きながらももえの胸をぽかぽかと叩く。 原因はあの時のネギである。はじめ、ルイズは頭が呆けていてよくわかっていなかったのだが翌日、下腹部から血が出ているのを見た途端にルイズは青ざめた。 「まあまあ、処女膜なんて新体操をやってる人は練習中に突き破っちゃうぐらい軟い物らしいし」 「新体操って何よ! それに全然フォローになってないわよぉ!」 殴り疲れたルイズはまたえんえんと泣き始めた。これにはキュルケもタバサもももえもなす術がない。 「だいたいあんたがネギをあんなところに突き刺すからこんなことになったんじゃないのよぉ! 無機物にバージンを奪われるなんて……うっ、うわああああああんんんん!!!!」 ルイズはベッドをドコドコと叩きながら泣き喚き続ける。 「………じゃあ、後ろ…は…これで…」 メイドのメイが取り出したのはルイズが持っていた杖だった。 「いいいいい、そっ、そんな太くて硬いので逞しいので貫かれたら大変なことになるじゃない!」 それを聞いたメイは残念そうにその杖を自らの懐にしまった。 「………ってそれ、私の杖じゃないのよ! あんた何勝手に自分のものに……ってあれ?」 「…ようやく…泣き…止んで…くれ…まし…た…。」 そう言って、メイはルイズにあっさりと杖を返したのであった。 「あっ、ありがと……。」 ルイズがこの館に来て初めて口にした感謝の言葉であった。 有馬記念で四位と武に殺意を抱いたあなたに贈る「ゼロの使い魔死神ガーゴイル友情タバサの裏設定タバサの母フレイムデルフリンガーシルフィードネギ香水下級生ももえサイズ」 落ち着きを取り戻したルイズは朝食を取ると杖を持って誰もいない裏庭へと向かった。 空は昨日とはうってかわって快晴である。太陽の光が眩しいくらいだ。 だからこそルイズは誰もいない日陰を求めて裏庭へとやってきたのだ。 杖を掲げたルイズは目の前にある大木に向かって呪文を唱える。 「メラゾーマ!」 そう言うと、杖は急激に光を帯びて周りを包み込む。そして……… ちゅどーん 見事杖は暴発を起こし、爆発した。 「もう、全然駄目じゃないのよ! この前は大きな炎を上げることができたのにぃ!」 確かに周りは爆風でめちゃくちゃになっていたのだが、自分自身はなぜか無傷という事実の重要性にルイズはまだ気づいていない。 その後ルイズは、イオ・ヒャダルコ・ザラキーマ等々の呪文を唱えてみるものの結果は同じだった。 「なんでっ…! どうして……っ!!」 ルイズは悔しさのあまり地面をドンドンと叩いた。 繰り返すがルイズの半径数メートルは爆風でぼろぼろになっているのに、ルイズは全くの無傷である。 「そうだ…。これは、杖……うん、この杖が悪いのよ! ダンジョンの中では、他の杖使ってたし。うん!」 ルイズはそう結論付けた。 「あっ、でも………。」 しかし、ルイズは思い直す。さっき使った魔法はダンジョン内でよく使ってた魔法だけだ。ひょっとしたら他の魔法は使えるかもしれない。 「だめもとでしてみようかしら………」 そうつぶやきながら、ルイズは目の前の大木に向かって杖を構える。 「はああああああああああっ!!!」 ルイズは精神を集中させ、そのすべてを指先に注ぎ込む。そして杖が光りだす。 「ファイアーボール!」 そう唱えた瞬間、光が丸くて大きな炎へと変わってルイズの杖先から発射される。そして、目の前の大木がそれをもろに受けて爆発した。 「………できた。 私、できたっ! できたぁーーーーっ!!!」 しばし呆然としていたルイズだったが実感がわくと、飛び上がらんばかりに喜びを表現した。 「いやっほう! 私はもう"ゼロのルイズ"なんかじゃない! 魔法が使える! 使えるんだー!だー!だー!」 ルイズは拳を何度も振り上げて喜びまわる。さっきまで物のせいにして落ち込んでいた人物とは思えないぐらいのはしゃぎっぷりだ。 「おーすごい、そのファイアーボールってなんかかっこいいね。」 すると、影から見ていたももえが手を叩いてルイズのことをこう褒め称えた。 「さすが私の見込んだ使い魔だねっ!」 「………えっ?」 ルイズは突然の言動に頭が真っ白になりつつも状況を冷静に整理しようとした。 「っていうか私がご主人様であんたが使い魔よね? 間違ってないわよね?」 「じゃあ証拠見せてよ。」 対するももえは気だるそうにそう言った。まるで自分が主人で使い魔の反抗をあしらっているかのようだ。 「しょ、証拠ってあんた……だいたいあんたには体に紋章が 「だって私あんたより強いし。」 「いや、強い弱いとか関係ないから。だいたい、私は貴族なのよ、わかる?」 ルイズは無い胸を張って自分が貴族であることを強調する。 「そう、私は誇り高きヴァリエール家の三女。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールなのよ! あなたは使い魔なんだから私に平伏しなさい!」 ルイズは自分でしゃべりながらテンションが上昇していた。そしてそれにももえが追い討ちを掛けるかのように 「ルイ…ルイ…ルイボスゴールド?」 「ルイしかあってないじゃのよ! あんたいい加減に私の名前を覚えなさいよ!」 ルイズはももえのせいで完全に頭に血が上っていた。さっきまで長年の目標を達成して喜びの境地に達した人物とは思えないぐらいの苛立ちっぷりだ。まあ原因はももえにあるのだが 怒りのあまり、ルイズはがしっと目の前の肩に掴み掛かる。ももえの肩は肩代わりされている死神の手がついているのだがそんな事はお構い無しに、がくがくと上下に揺らす。 「だいたいあんたここに来てから使い魔らしい事何一つしてないじゃないのよぉっ!」 「え~~~~~だってぇ~~~~~わたしも下僕とかぁ~~~~はべらせたいしぃ~~~~~だいたいあんたのいう使い魔ってぇ~~~~ どうせ下着とか洗わせてぇ~~~食事とかでわざと屈辱的なことをさせてぇ~~~~キレたら鞭とかで叩いたりするんでしょぉ~~~~~~」 ももえが突然こんなしゃべりになっているのはルイズががくがくと揺らしているので首も上下にがくがく揺れているからである。 「わっ、私をなんだと思ってるのよ!」 と聞かれたももえは即答で、 「ロリツンデレピンク髪。あとぺたんこ」 ぶちっとルイズのどこかが切れた音がした。ルイズは顔を真っ赤にさせてあらん限りの力を込めてももえを突き飛ばす。 「うるさいうるさいうるさい! 属性で私を表現するなぁーーー!!!!」 怒り狂ったルイズがももえに杖を構えたその瞬間――― 「頭に乗るな小娘。」 凍てつくような声によりはっと我に返ったルイズは、恐る恐る声のした方を振り返ってみるとそこには水兵服を着た女性がいた。 「あっ、あなたは確かももえのお母さんの……もごもご 「おっと、ももえの母親についての話はそこまでだ。」 水兵服姿の女性はすかさずルイズの口に封をする。しばしルイズは腕やら身体をもがきながら暴れていたがそれも収まってルイズはその場に崩れ落ちた。 彼女はようやくルイズの口から手を離した。 「じゃ、じゃああなたの名は…」 「ふっ、よくぞ聞いてくれた。」 ルイズが崩れ落ちたままなのを気にすることなく彼女はこう宣言した。 「ある時はドクター、ある時は鍋奉行、またある時は時の神。話が変われば職も変わる。 その名は"流しの悪魔"!」 流しの悪魔と名乗った彼女はそう言って颯爽とポーズを決める。 すると今まで様子を見ていたももえが彼女に話しかけてきた。 「流しの悪魔さん、私たちに何か用ですか?」 「ああ、お前達が勝負事をはじめようとしているのを見てたらいてもたってもいられなくなってな。」 「えっ? 反応それだけ!? っていうかもうちょっと驚くなり何なりしたらどうなのよ! 私はこいつに口を押さえられてきいずみ行きの馬車に乗せられてどっかへ行こうとしていたのよ! だいたいこの人はあんたの 「よくぞ聞いてくれたっ!」 いつの間にか復活したルイズの話を完璧に無視した流しの悪魔は、今回の目的について説明し始めた。 「今回は流しの悪魔立会人! お前達の勝負私がしかと立会いして見せようではないか!」 おー。とももえは手をぱちぱちさせている。ルイズはももえに貶され、流しの悪魔に殺されかけてますます機嫌が悪くなっていく。 「ところでお前達。さっきまでどちらが強いかについて争っていたのだな?」 ルイズとももえは頷いた。すると、流しの悪魔は 「どちらが強いかなどと争うことは不毛極まりない!」 そう怒鳴ると流しの悪魔がその場で大きく足踏みをする。 すると地面がわずかながらに隆起し、ルイズのいた場所はわずかに地割れしているではないか。ルイズは戦慄した。 「いいか、逆に考えるのだよ。"どちらが主人にふさわしいのか"ではなく"どちらが使い魔にふさわしいのか"と」 「という訳で」 流しの悪魔のその宣言によって急遽はじまった、ももえとルイズのタイマン勝負。 「第1回チキチキ使い魔三本勝負~~~~~!!!!」 ギャラリーは多ければ多いほど良いという理由で呼び出された、死神家一同とキュルケとタバサもいた。 彼女らは焼け野原の上に線を引いただけの特設ステージの外から二人の様子を見守る事にした。 「やるからには勝って上下関係をはっきりとつけさせてもらうわよ。モモエ」 「それはこっちの台詞だね、ルイズちゃん。」 顔を見合わせて火花を散らせる両者。キュルケとタバサはいまいち状況が飲み込めない様子で二人とも顔を見合わせるしかなかった。 「端的に言いますとももえお嬢様の挑発にルイズさんがまんまと乗ってしまわれたのであります。」 「はあ………」 キュルケは唖然としながらも博士の話を聞いていた。すると、メイやヒルから横槍が入れられる。 「……でも、…ルイズ…さん…は……、…とても…いい…人だ…と…思いま…す」 「ああ、俺もそう思うな。あそこまでお嬢さんの行動に対してノリノリの奴なんてそうはいないからな。」 「そうなんだ………。」 オクタイ君やケモンもうんうんと頷いているのを見るとどうやらルイズは、死神家の使い魔たちからは良い印象をもたれているようだった。 「ただ、肝心のお母様がねえ………」 キュルケは流しの悪魔のほうを向いて小さくため息をついた。 「私にもわからない………。」 タバサもそう呟いた。流しの悪魔が時折向けるルイズに対する鋭い視線がタバサにとって気がかりであった。 そして流しの悪魔からまだ明かされていなかったルールについて言い渡される。 「使い魔というのは、感覚の共有、秘薬の捜索、主人の護衛。大きく分けて3つあるのだが………」 ルイズとももえがごくりと息を呑む。 「今回はそんな非現実的なことはしない。なのでかわりに家来、下僕、パシリ。この3つの称号をかけて争い、より多くのポイントをゲットしたものを勝者とする。」 「………はぁ?」 「では、そう決まったところで"家来"の称号を得るための第一勝負についてだが………」 「ちょ、ちょっと! あんたいい加減にしなさいよ! なんど私を無視すれば気が済むの………って、痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!! みっ、耳は引っ張らないでぇ!!! 痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」 「すでに勝負は始まっている。油断するな、小娘」 流しの悪魔は無表情のままルイズの右耳を引っ張っていた。ルイズの耳がだんだん赤く腫れ上がっていくのがわかる。 「おー、二人とも楽しそうにじゃれあってるねえ」 「これのどこがじゃれあってるように見えるのよぉ!」 ルイズは涙目になりながらそう叫んだ。 「仕方ないなぁ………何とかしてほしい?」 ルイズは首を激しく縦に動かす。そして、それを見たももえはカマを取り出してルイズの耳元に構える。 「じゃあ…それごとルイズの耳を切断……」 「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!」 「大丈夫、大丈夫 盲目の人でも皇帝暗殺をしようとした元気な人もいるから。だから耳ぐらいどうってことないって」 ???ものしり館??? 高漸離【こうぜんり】 中国戦国時代の人物。秦王(始皇帝)の刺客として有名な荊軻の親友である。 荊軻の復讐を目論んだ高漸離は筑の才能を生かして名前を隠して秦王に使えていた。 後に高漸離の目論みは秦王に露見したのだが、才能を惜しんだ秦王は高漸離の目を潰してそのまま仕えさせた。 高漸離は筑を投げつけて秦王を殺そうとしたが、盲目だったため外れて謀殺された。 「いやいやいやいや 目と耳じゃ全然違うから。だいたい皇帝暗殺しようとした人って元気って呼べる人なの? っていうかどうでもいいからこの手を離し…痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!! ちぎれるっ、ちぎれるっ、ちぎれるううううううううう!!!!」 すると、流しの悪魔はようやくルイズの耳から手を離した。ようやく解放されたルイズは肩で息をし、耳は真っ赤に腫れ上がっていた。 「はぁ………はぁ………はぁ………死ぬかと思ったわ。」 「死ぬかと思ったなどと言ってる内は決して死にはしないから安心しろ」 そんな二人を回避して傍から見ているももえ。 「…………」 「…………」 流しの悪魔とルイズが戯れているのをよそにタバサは思っていた疑問をももえにぶつけた。 「これって勝負に勝った方が使い魔になるんじゃ………」 「ううん。そんな事無いよ。だからわざと負けるとかそんな卑怯な真似はしないからね。」 ももえは笑顔でそう答えた。そして、その直後にさらっとこんな言葉を吐き捨てた。 「負けたらそれ以下だからね。」 「……以下なの?」 「うん、以下。」 そうこうしているうちに流しの悪魔からこんな一言が飛び込んだ。 「下僕部門 勝者 ももえ」 「……えっ、でもモモエは何も………。」 「耳をつねられて"気持ち良い"の一言も言えないようじゃ下僕失格だ。」 流しの悪魔はそのように説明する。 「あんたは大丈夫なの?」 「うん、私悪魔の体だから!」 「…………もう私の負けでいいわ…。」 能天気に答えるももえにルイズはがっくりと肩を落としたのであった。 「続いて家来勝負を行う」 そう言われて二人はももえの屋敷の中に案内される。 流しの悪魔は手馴れた様子で二人を先導した。ギャラリーもそれに付いて移動する。 「普通に迷わず通れば何事も無い家だ。しかし………」 流しの悪魔は傍らにある扉を開けた。すると――― 「なっ、何よこれ!」 ルイズが驚くのも無理は無い。そこには今までいた家とは違う空間を形成した吹雪いている一室があったのだから。 「なんだ、お前は雪は見たことが無いのか?」 「それぐらい見たことあるわよぉ! だけどこんな脈略もなく雪を見たのは初めてだから………」 耳の件があったのでどうしても強く責め立てる事が出来ないルイズ。流しの悪魔は二人にあるものを渡した。 「これは………?」 「草鞋だ」 流しの悪魔が渡したのは草鞋だった。ルイズははじめてみるそれをまじまじと見ている。 「これを見るのははじめてか?」 「うん。教科書の写真で見たことはあるけど実物を見るのははじめてかな。」 流しの悪魔はにやりと笑う。早速二人に指令を言い渡す。 「それを二人に人肌で暖めてもらう」 「「えっ………?」」 「その草鞋をどれだけ暖かくすることが出来るか。より暖かくしたほうが勝者だ。 制限時間は1時間。なお、ホッ○イロとかそういう物を使うのは禁止とする。」 そう言って流しの悪魔はももえが隠し持っていたホッ○イロを取り上げる。 不服そうなももえをよそにルイズは手に持った草鞋を注意深く観察していた。 「では、はじめっ!」 流しの悪魔が笛を吹いた瞬間、二人はオクタイ君によって部屋の中に放り出された。そして外から鍵がかけられる。 「ちなみに二人の様子は別室でモニタリングしております。」 部屋のどこかにあるスピーカーから流しの悪魔の声が聞こえてきた。 「じゃあ、私たちは休憩しながら見るから適当にがんばってくれ。 うどん食べる人ー!」 はーい!という威勢のいい声がスピーカーから聞こえてくる。頭にきたルイズは、手にした草鞋を声のする方向へ力いっぱい投げつけた。 ブチ!………ジジジジジ……… 「ナイスコントロール!」 ももえは右親指を立ててそう言った。ルイズもそれを真似してみる。そして、ルイズは壊れかけのカメラとスピーカーを完全に壊す作業に取り掛かった。 「寒い………」 不自然なまでに強くて冷たい風がルイズの身体をたたきつける。 「あんたは平気なの?」 ルイズは、こんなに寒いのに肩出し、へそ出しと露出しているのにもかかわらず平気そうにしているももえを見てそう言った。 「うん、私悪魔の身体だし。寒さとか熱さとかそういうのは平気だから」 「へぇ…………」 しかし、問題はこの草鞋だ。この草鞋をどの様にして温めるのか。ルイズは懐に入れていた草鞋を取り出してみる。 「全然暖かくない………」 元々冷え切っている草鞋をこの寒さで冷え切った身体で暖めるのは無理な話だ。ルイズが草鞋を外気に晒しているうちにどんどん草鞋に雪が積もってくる。 「うーん………」 ルイズは積もってくる雪を払いながら必死に考えていた。髪にも雪が降っているのだがそんなことを気にする余裕が無かった。 「うーん………」 困っているのはももえも同じだった。ももえ自身の体温調節は問題ないのだが、ももえの着ている服では草鞋を入れて暖められるようなスペースは無い。 「「あっ」」 二人同時に何かをひらめいたようだ。二人は草鞋をある場所に仕舞う。 吹雪が激しさを増し、腰の辺りまで雪が積もってきてはいたが、二人はゆっくりと活動を停止していった。 「………イズ、ルイズ!」 「あ………キュル…ケ?」 ルイズが目を覚ますとそこには雪が一面に広がっていた。キュルケ達は防寒着に身を包み、同じく雪に埋もれていたももえはタバサに救出されていた。 「よかった………!」 キュルケは思わずルイズを強く抱きしめる。 「大丈夫? 苦しくない?」 「くっ、苦しい………。」 キュルケの胸に挟まれたルイズは息苦しそうに足をジタバタとさせる。 「大丈夫………?」 「あー、うん。私は平気」 タバサに抱きかかえられたももえもそう答えた。こっちは比較的元気そうだ。 「ところで、草鞋はどうしたのだ?」 流しの悪魔がそう言うと、ももえは胸の谷間から草鞋を取り出した。 「はいっ」 雪のせいで部屋の室温が冷え切ってる中でももえの草鞋はほかほかと湯気を漂わせている。 「なるほど………服の表面積の圧倒的な少なさから言ってももえが不利になると思っていたのだが………よくやったな。」 流しの悪魔はももえのアイデアにいたく感心していた。 「では、ルイズの方だな。」 そう言うと、皆がルイズのほうに注目する。 「ルイズ、お前は草鞋をどこで暖めたのだ?」 「えっ」 それを問われたルイズはまたたくまに顔が紅潮し、目が泳ぎ始めた。 「えっ、えっと……草鞋は………その…」 「わしならここにおる!」 「我もここにいるぞ!」 どこからともなく甲高い男の声が聞こえてきた。ももえ達も辺りを見渡す。しかし、ルイズの顔は見る見るうちに青ざめていた。 「ま、まさか……ひょっとして…いやああああああああっ!!!」 ルイズの叫び声とともに草鞋がルイズの背中から飛び出てきた。 その草鞋もほかほかと湯気を漂わせており、暖まっているのがわかる。しかしその湯気は暖まったというより草鞋の怒りによるものだと思えて仕方が無かった。 「誇り高き、我が草鞋を尻に敷くなどの粗末な扱いをしたのはどこのどいつだ!」 「その通りじゃ! 物の正しい使い方を知らぬ小娘め! わしらを馬鹿にすると痛い目にあうぞ!」 「えっ、えっ、ええええっ!?」 「あー………ルイズちゃん、草鞋をお尻に敷いちゃったんだ。」 二足の草鞋がしゃべっているこの状況に戸惑いまくるルイズに対し、ももえは両手を開いてやれやれといった表情を作る。 「草鞋を尻に敷くなんて御法度なんだよ。この草鞋は人の足に履かれるのを喜ぶんだけど尻にしかれるとむちゃくちゃ怒るんだよ。」 「ええーーっ!!!」 「その通りじゃ! 草鞋は尻に敷くものではないのじゃ!尻に敷かれるのは女房だけで十分なのじゃ! こりごりなのじゃ! こりごりなのじゃ!」 「我も同じ意見である! 胸に挟むならまだしも尻に敷くとは言語道断! 全く、貧乳娘の発想の貧困さには困ったものである!」 草鞋はそう言いながらルイズの頭を執拗に叩き付ける。すっかり雪がやんだ部屋はパーンパーンと無駄に軽快な音とルイズが徐々に鬱陶しそうになる声で支配されていた。 「あっ、あの………草鞋さんもそれぐらいで………」 珍しくももえが仲裁に入ろうとする。しかし、興奮状態の草鞋の片割れは勢いあまってももえの頭にも軽快に叩きを食らわせる。 スパーン……ズバッ 一瞬の出来事であった。草鞋の片割れがももえの頭に叩きつけた瞬間、ももえは手にしていたカマを軽く振りかぶる。 草鞋の片割れは見事に真っ二つに割れて、ぽとりと地面に落ちてそのまま動かなくなった。 『ももえのカマで斬られた物の存在はももえが肩代わり』 「ひいっ!」 恐れをなした草鞋は一目散に逃げてしまおうと試みた。しかし、逃げようとした草鞋をルイズは左手でがっちりと掴んでいる。中指の爪は草鞋に食い込みかけていた。 「あっ、あのっ、そのっ………」 さっきとは一転して弱気になっている草鞋。ルイズは右手に持っている杖を草鞋にこすり付けた。 「あんたね………誇り高きヴァリエール家の三女である私の尻に敷かれる事がどれだけ価値があって、どれだけ需要があるのかわかってないわね。」 ルイズは冷静な口調で草鞋に語りかける。何百年も女の尻に敷かれ続けた草鞋にはそれが並々ならぬ怒りを表現していることは十分にわかっていた。 「だから………私が焼いてあげるわ」 「ひいいいいいいっ!!!!!」 草鞋は思わず悲鳴を上げた。それに構わずルイズの杖は光りだす。そして呪文は詠唱された。 「ファイアーボーォォォォォォォォル!!!!!」 刹那、大きな光に包まれた玉が至近距離で発射され、草鞋を直撃する。草鞋は断末魔の声を上げることなく爆発した。 しかし、このルイズの渾身の呪文は部屋にいるルイズ以外の人物・物を黒焦げにしてしまったのであった。 「で、使い魔勝負はどうなったの?」 とりあえず風呂に入ってさっぱりした一同は、死神家の大広間に集っていた。メイからフルーツ牛乳が振舞われそれを飲みながらももえは流しの悪魔に質問した。 「ああ、その件についてだが…………。」 皆の視線が流しの悪魔に集まる。 「とりあえず家来勝負はももえの勝ちだ。」 「えっ………でも、私ちゃんと暖めて 「いくら説明不足とはいえ、尻に草鞋を敷くのはマナー違反だぞ、ルの字 尻に敷かれたホカホカの草鞋を欲しがるのは特殊な趣向をもった大きなお友達しかおらん」 「はい………」 色々と突っ込みたいところはあったがそれに突っ込むのは危険だと察したルイズは何も言うことができなかった。 「ちなみにパシリ勝負は大きなしゃもじをもってガリア王国の王宮に進入して、イザベラ皇女と激戦の末に晩御飯をご馳走になる……なんて事を作者は考えてたらしいぞ」 「馬鹿じゃないの!?」 思わず、キュルケからの突っ込みが入った。 「じゃあ結局私がモモエの使い魔になるのね………全然釈然としないけど。」 どこか諦めの混じった声でルイズはため息をつく。しかし、 「あっ、じゃあ私が代わり使い魔になってあげようか?」 「えっ、いいの?」 ももえの突然の提案にルイズはすぐさま食いついた。 「その代わり私にも条件があるんだけど………ルイズちゃんのこと『スレイヴ』って呼んでもいい?」 「スレイヴ?」 「うん、スレイヴ。ご主人様に変わる新しい呼び名だよ。」 ももえはさわやかな笑顔でそう言った。ルイズもその呼び名が気に入ったらしく『スレイヴ』と何度も口の中で呟き続ける。 「いいわよ。いいわよ。あんたが使い魔で私がスレイヴ あー、なんか私のほうがなんかカッコイイ感じじゃない? あっはっはっはっはっはっ」 「あっはっはっはっはっはっ」 よほど嬉しかったのかルイズの高笑いは止まるところを知らなかった。 しかし、ももえの本当の意図に気づいたタバサは思わず口を開く。 「でも、スレイヴって確かど………もごもごもごもごもごもご」 「……知らぬが……仏……です…。」 メイはタバサの口を押さえつけながらそう呟いたのであった。 ※おわり これまでのご愛読 ご支援ありがとうございました ※次回からはじまる「ゼロの使い魔死神ガーゴイル友情タバサの裏設定タバサの母フレイムデルフリンガーシルフィードネギ香水草鞋下級生ももえサイズ」に乞うご期待! 前ページ次ページゼロの使い魔ももえサイズ
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生徒達が一同に会した食堂 既に席についている大勢の生徒達の後ろをルイズに従いついていく 「流石貴族、といったところか」 長テーブルに並ぶ豪勢な食事の数々にヴァニラは素直な感想を述べた 視角からの情報と匂いに胃袋が空腹を訴える 「感謝しなさいよ。あんたは特別な計らいでここで食べれるんだから」 後ろを振り返らず、どこか嬉しそうな口調で返すルイズだが その顔は心の底から込み上げるうぷぷ、という笑いを堪えるのに必死だった 先ずルイズが腰を下ろし、ヴァニラが横に座ろうとするが 「ちょっと、何やってるのよヴァニラ」 「何だと?」 不意にルイズに遮られ腰を浮かせたまま訝しげな視線を向ける 「アンタはこっちよ」 ルイズが指差したのはなんと床ッ! しかも置かれていたのは硬そうな黒パンと濁ったお湯と間違えられそうな麦のスープ!! 「・・・・・・・」 「使い魔が主人と同じ食事を食べられる訳ないでしょ。アンタはそれ食べてなさい、 よく味 わってね」 最高の笑顔で告げるルイズ ヴァニラはまた癇癪を起こしそうになるがDIOの顔を思い浮一瞥をくれ 「御蔭様でな。先に部屋に戻るぞ」 くるっと背を向けると食堂から立ち去った 残されたルイズはその背中に軽く舌を出しフォークを口に運ぶが直ぐに顔を顰める 「アイツっ!」 肉の刺さっていたフォークの先端は綺麗に削り取られていた 食堂を後にしたヴァニラは相変わらず空腹を感じていた 空腹を感じる、先程は気づかなかったがどうやら今のヴァニラにはDIOの血の効果は及んでいない。つまり吸血鬼ではなくなっているようだ 「血を吸わなくて済むのは助かるが、これからアノ食事が毎日続くようではな・・・」 ヴァニラは思わず溜息を零す。不意に 「きゃっ!」 今後の対策を考えながら廊下を歩いていると厨房から現れたシエスタに気づかずぶつかってしまい、尻餅をつかせてしまった 「ああ、すまない」 ヴァニラは反射的に手を伸ばし、助け起こす 「すいません、ヴァニラさん」 はにかんだ笑みを浮かべ立ち上がったシエスタは深々と頭を下げ 「ミス・ヴァリエールはまだお食事中のようですが・・・・どうかなさったのですか?」 と、首を傾げる 「生憎私に饗されたのはパン一つにスープだけでな、もう食べ終わった」 そう答えるのとほぼ同時にヴァニラの腹が鳴り、なんともばつが悪そうな表情を浮かべる 「そうでしたか・・・・あ、でしたらそこで賄いを食べていかれませんか?貴族の皆様のに比べれば見劣りしますが味は保障しますよ」 「いいのか?それは助かるが・・・・」 シエスタの申し出を素直に受けたいがそれによって彼女に迷惑が及ぶと自分に返って来る事となる 返事を躊躇しているとそれを察したのか 「大丈夫ですよ、残り物ですしそれでも結局多過ぎて残っちゃうんですから」 そういって笑みを浮かべる 成る程、あの人数分からだと残り物でもかなりの量になるだろう 「分かった。世話になる」 ヴァニラも漸く納得しシエスタの後について厨房に入る 「・・・・美味いな」 案内された使用人のためのテーブルでまともな食事にありついたヴァニラは率直に賞賛を述べる 「本当ですか?お口にあってよかったです」 甲斐甲斐しく給仕をしていたシエスタは嬉しそうに笑みを浮かべる 「これはお前が作ったのか?」 「ええ、私このくらいしか取り得がありませんし」 確かに昨夜の行動を見ているとどこか抜けたところがあるようだがそれを差し置いてもこの料理は美味かった 出された料理を綺麗に平らげるとヴァニラはシエスタに向き直る 「御蔭で助かった。何か礼したいんだが・・・・何かあるか?」 DIO様以外に借りを作るのは私の主義に反する、その思いがヴァニラを行動させた 「そうですね・・・・・では、デザートを配るのを手伝っていただけますか?」 ケーキの並んだトレイをヴァニラが持ち、シエスタがひとつずつ貴族に配っていく そんな事をしていると、昨夜ルイズと一緒にヴァニラを探しに来た金色の巻き髪に薔薇をシャツに刺したキザなメイジを見つけた 周りの友人が口々に彼を冷やかしている 「なあ、ギーシュ!お前、今は誰とつき合っているんだよ!」 「誰が恋人なんだ?ギーシュ!」 「つき合う?僕にそのような特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」 昨夜いえなかった文句を言ってやろうかと思ったがあまりの馬鹿らしさにその気も失せた (薔薇だと?その表現はDIO様にこそ相応しい。お前は路傍の雑草にも劣る) しかし彼のポケットからガラスの小瓶が落ちるのを見ると、一応教えてやった。 「おい、ポケットからビンが落ちたぞ」 しかしギーシュは振り向かない 無視をしているのか、それとも指摘されたことにすら気づかないヌケサクなのか ヴァニラはは床に落ちた小瓶を爪先で蹴飛ばした コッ ギーシュの踵に小瓶がぶつかり、そこでようやく彼は振り向き足元を見た 「落し物だ」 「これは僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」 ギーシュが否定したため、事実彼のポケットから落ちた物だとしても、 これ以上とやかく言わ必要は無いだろうとヴァニラは判断した 昨夜のギーシュではないがこれ以上面倒ごとに関わる気は無い だがギーシュの周りの友達が騒ぎ出す。 「その香水は、もしや!モンモランシーの香水じゃないのか?」 「そうだ!その鮮やかな紫色はモンモランシーが調合している香水だぞ!」 「つまりギーシュは今、モンモランシーとつき合っている。そうだな?」 「違う。いいかい? 彼女の名誉のために言っておくが……」 ギーシュが言い訳しようとすると、茶色いマントの女子生徒がやって来て泣き始めた。 「ギーシュ様……やはり、ミス・モンモランシーと……」 「彼等は誤解しているんだ、ケティ。僕の心の中に住んでるのは君だけ……」 パチンッ! ケティと呼ばれた少女がギーシュの頬を引っ叩くッ 「その香水が何よりの証拠ですわ! さようなら!」 ケティが去った後、今度は件のモンモランシーがやって来た 「モンモランシー。誤解だ。彼女とはただ……」 「やっぱりあの一年生に手を出していたのね?」 モンモランシーはテーブルに置かれたワインをギーシュの頭に振り下ろ・・・・すのではなく中身をドボドボと頭にぶちまける 「嘘つき!」 と怒鳴ってモンモランシーは去り、沈黙が流れた 「君が軽率に香水のビンなんか拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」 「お前が二股をかけなければ起き得なかった事態だ」 ギーシュの友達はドッと笑ったが、ギーシュは眉を釣り上げる 「いいかい?僕は君が香水のビンを蹴った時、知らないフリをした。話を合わせるくらいの機転があってもいいだろう?」 「私は無視された後一言も喋ってはいない。ヌケサクが」 「ヌケ・・・・ッ」 ヴァニラの台詞に顔を真っ赤にし、それを見たギーシュの友達がまたドッと笑う 「……いいだろう!君には礼儀というものを教えてあげた方がいいようだねッ!」 「ヌケサク如きに教えられるほど落ちぶれてはいない。礼儀を払うべき相手は心得ている、お前は器ではない」 「まだ言うか…!いいだろう『決闘』だッ!ケーキを配り終えたらヴェストリ広場へ着たまえッ!!」 そういい残しギーシュが友人とギャラリーを引き連れ広場の方向へ向かっていった ケーキを配り終えるとその頃になって騒ぎを聞きつけたルイズが長身のヴァニラに掴みかからんばかりの勢いで、実際掴みかかろうとした が届かなかったのだが――詰め寄る 「ちょっと!勝手に決闘の約束なんかしてどういうつもりよッ!?」 「大丈夫だ、お前に迷惑はかけん」 ヴァニラの答えに頭痛でもするのか米神を押さえ 「あー、もう勝手にしなさい!その代わりギーシュにあの変な力使っちゃだめだからねッ!」 もう自分は関係無いとばかりに言い捨てると大股で食堂から出て行ったが、曲がった方向は部屋ではないようだ 「あの、ヴァニラさん大丈夫なんですか・・・・?」 心配そうに見上げるシエスタに「心配するな」と、声を掛けギーシュの待つ広場へと歩いていく その足取りはどこか楽しんでいるような、軽やかなものだった To Be Continued...
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康一達が全てのケーキを配り終えた頃、騒ぎを聞きつけたルイズが康一に詰め寄ってきた。 「あんた! 何してんのよ!」 「何って、ケーキを配ってたんだけど……」 ルイズは康一の胸倉を掴んで、ガクガクと揺さぶった。 「そうじゃなくて、なんで勝手に決闘なんか約束したのか聞いてんのよ!」 「僕が約束したわけじゃあないよ」 康一は、胸倉を掴んでいたルイズの手を払いのける。 乱れた服を元に戻し、真っ直ぐな目でルイズを見つめた。 「それに、僕は間違ったことを言っちゃあいない」 ルイズはため息をついて、やれやれと肩をすくめた。 「謝っちゃいなさいよ」 「なんで? 悪いのは彼の方じゃあないか」 「怪我をしたくなかったら、謝ってきなさい。 今なら許してくれるかもしれないわ」 そう言って、ルイズは康一を説得しようとする。 しかし、当然のことだが、康一は謝る気など全くない。 「嫌だね」 「いいから」 「嫌だって言ってるんだ」 「わからずや!」 「わからずやなのはそっちだろう!」 「絶対に勝てないし、あんたは怪我をするわ。 いや、怪我済んだら運がいいわよ!」 頑として引かないルイズと康一。 その様子を見ていたシエスタが心配そうにしながら、話に割り込んできた。 「コーイチさん、私のことはいいんです。どうか、私なんかの為に決闘なんてしようとしないで下さい……」 「そうよ! 第一、メイジに平民は絶対に勝てないの!」 そう言って、康一の肩を掴んで何とか止めさせようとする。 しかし、康一の考えは変わらない。例えシエスタが許しても、康一は許せなかった。 康一はルイズの手を振り払い、周りで見ていたギャラリーに聞いた。 「ねえ、ヴェストリの広場ってどこにあるの?」 「こっちだ。平民」 康一達のやり取りを見ていた一人が、ヴェストリの広場まで案内した。 ヴェストリの広場は、魔法学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある中庭であった。 西側にある広場で、日中でも日があまり差さない。決闘にはうってつけの場所である。 普段は閑散とした広場であるが、今この場は、噂を聞きつけた生徒達で溢れかえっていた。 「諸君! 決闘だ!」 ギーシュが薔薇の造花を掲げた。広場に大きな歓声が響き渡る。 「ギーシュが決闘をするぞ! 相手はルイズの平民だ!」 ギーシュは腕を振って、歓声にこたえている。 一方、康一の方はそんな歓声など気にする様子もなく、じっとギーシュを睨んでいた。 「とりあえず、逃げずに来たことは、誉めてやろうじゃないか」 ギーシュは薔薇の花を弄りながら、余裕の笑みをうかべて言った。 「時間も惜しい、早いとこ始めるとしよう」 ギーシュは、弄っていた薔薇の花を振った。 花びらが一枚、宙に舞ったかと思うと、甲冑を着た女戦士の人形になった。 身長は人間と同じぐらいだが、体は硬い金属で出来ているようだった。 淡い太陽の光を受けて、甲冑がきらめいている。 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」 康一は、女戦士の人形をちらりと見てから、ギーシュに言った。 「……文句なんてないさ。むしろ感謝したいくらいだよ。これで僕も本気で戦えるってことだからね」 「ふん、強がりを……」 ギーシュは薔薇を振って、女戦士の人形を康一の前まで移動させた。 「おっと、言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」 女戦士の形をしたゴーレムが、康一に向かって突進してきた。 康一目掛けて、右の拳を振り下ろす。 その拳が康一の腹に命中する寸前、ゴーレムが突然、地面にめり込んだ。 ズンッと、地面の揺れと共に大きな窪みができ、ゴーレムは地面に突っ伏したまま立ち上がらなくなる。 「な……!? ど、どうしたんだ、ワルキューレ!!」 ギーシュは突然のことに驚き、半ば焦りながら、懸命に薔薇を振る。 しかし、ゴーレムは動かない。動かないというよりも、動けないといった感じで、もがき苦しんでいる。 ゴーレムが動けない理由はたった一つ。 康一が、ACT3のFREEZE攻撃を、ゴーレムに命中させていたからだ。 「くそ、どういうことだ……」 まさか、魔法を使ったのでは? と思って康一を睨みつけるが、そんなふうには見えない。 第一、杖を持っていない。杖を持ってないのに、魔法を唱えられるはずがない。 そもそも、あいつはメイジじゃなく、ただの平民じゃないか。 きっと、油断して魔法を失敗してしまったに違いない。そうに決まってる。 そう思って、ギーシュは平静を保とうとする。 そんなギーシュの様子を見てか、康一が挑発するように言った。 「キミの魔法ってのは、この程度なの?」 「なんだとッ!」 ギーシュは憤り、大きく薔薇を振った。 花びらが舞い、新たなゴーレムが六体現れる。 その全てが、康一を取り囲むようにして動き始めた。 「くっ……!」 康一は、思わず言葉を詰まらせた。 一体や二体ならば、ACT3で難なく対処できる。 しかし、既に動けなくしているのを合わせ七体ともなると、かなり分が悪かった。 現在、ACT3で動けなくできる対象は最大二体までなので、残り五体は生身で相手にしなければならないことになる。 「やれ、ワルキューレ!」 ギーシュのかけ声と共に、一斉に飛び掛るゴーレム達。 康一は、真っ先に攻撃してきたゴーレムを、ACT3のFREEZE攻撃で動けなくする。 二体目が康一に攻撃をする。ACT3でガードし、二体目の攻撃はなんとか防ぐことができた。 そうしてるうちに、三体目が康一の背中を目掛けて攻撃する。反応し切れなかった康一は、きりもみしながら吹っ飛ばされた。 「がふっ!」 康一は、うめきながら地面に叩きつけられた。 不幸中の幸いか、背中の骨は折れてはいないようだった。 しかし、生身の康一には充分すぎるほど、背中のダメージは大きかった。 「どうした平民。さっきまでの勢いは」 ギーシュが余裕の笑みを浮かべながら薔薇を弄っている。 康一はなんとか立ち上がろうとするが、背中のダメージが大きく、なかなか立ち上がれない。 そんな康一を、七体のゴーレムが悠然と見下ろした。 さっき、FREEZE攻撃で動けなくしたゴーレムも、射程距離から外れてしまったために復活していたのだった。 康一はなんとかACT3で攻撃しようとするが、七対一では為す術がなかった。 何とか立ち上がった康一の腹に、ゴーレムの重い衝撃が走る。 「がはっ!」 続けて、他のゴーレムが康一の顔面に向けて拳を振り下ろす。 「がふっ!」 さらに、背中、わき腹、足、腕と、拷問をするように、康一を攻撃するゴーレム達。 頃合いを見計らい、ギーシュが薔薇を掲げてゴーレム達を制止する。 ギーシュは薄く笑みを浮かべながら、ヨロヨロと立ち上がる康一に言った。 「さあ、謝れ。謝って命乞いすれば、助けてやる」 康一は右腕を押さえながら、ギーシュを睨みつける。 「誰が……謝るものか……」 そう言った瞬間、一体のゴーレムが康一の腹に向かって拳を振り下ろした。 康一は、うめき声をあげながら地面に崩れる。 「謝れ」 「誰が……お前なんかに……」 「……強情な奴だ。その根性だけは認めてやるよ」 薔薇を振り、ギーシュはゴーレムに攻撃を命じる。 その時、ルイズが人ごみの中から飛び出して、康一のそばに駆け寄った。 「いい加減にして! これ以上やったら……」 「ルイズ、邪魔しないでもらいたいな」 ルイズは、ギーシュを睨みつけながら怒鳴った。 「自分の使い魔が、みすみす怪我するのを、黙って見ていられるわけないじゃない!」 「この程度……怪我の内に入るもんか……」 「コーイチ!」 フラフラになりながら立ち上がった康一を見て、ルイズが悲鳴のような声で名前を呼んだ。 「やっと、僕の事を名前で呼んでくれたね……」 ルイズは震えながら、康一に向かって怒鳴る。 「もうわかったでしょう? 平民は、絶対にメイジに勝てないのよ!」 「まだ……負けたって決まったわけじゃあない……」 康一は覚束ない足取りで、ギーシュに向かって歩き出す。 ルイズがその後を追いかけ、康一の肩を掴む。 「寝てなさいよ! これ以上やったら死んじゃうわよ!」 康一は、ルイズの手を振り払った。 「ムカつくんだ」 「ムカつく? メイジに負けたって、恥でも何でもないのよ!」 康一はよろよろと歩き、ギーシュに一歩、また一歩と近づいていく。 「メイジや貴族って……そんなに偉いのかい?」 「え?」 「一生懸命働いてるシエスタさんは、見下されて……。 メイジや貴族ってだけでエバってるあいつが偉いなんて……。 『逆』じゃあないか? どうしてあいつが悪いのにシエスタさんが悪く言われなくちゃいけないんだ?」 ギーシュは、馬鹿馬鹿しいと言った表情で、康一の話を聞いている。 「言いたいことはそれだけかい?」 「……まだだ」 康一は、ギーシュを挑発するように、ゴーレムを指差して言った。 「お前の……『ワルキューレ』だっけ? ハッキリ言わせてもらうけど、全ッ然ッ弱いねッ! パワーも大したことないし、スピードだって、てんで大したことないよ。『何このガラクタ?』って感じだねッ!」 ギーシュの顔から笑みが消えた。ギリッと歯が軋む音がする。 「お前なんかより、全然凄い能力を持ってる人を、僕は知ってる。 それに比べたら、お前のワルキューレなんて『カメよりスロー』だッ!あくびがでそうだよ。 何がメイジだ! お前なんか、こんなガラクタに頼らなきゃ何も出来ない臆病者じゃあないか!」 ギーシュが体を震わせ、鋭い眼差しで、康一を睨みつける。 ゴーレムの右手が飛んで、康一の顔面を襲う。続けて腹に一発浴びせ、再び顔面に一発攻撃した。 康一は吹っ飛び、鼻が折れ、奥歯が一本抜け落ちた。 さきほどとは比較にならないくらいの一撃だった。 「もう一度……言ってみろ……」 康一は、地面に手をつきながら、やっとのことで体を立ち上がらせる。 「全ッ然ッ……効いてないぞ……ヘッポコワルキューレの攻撃なんて……!」 「貴様ァァァァアアアアア!!!」 自分の魔法をバカにされたギーシュは、怒り狂った。 ゴーレム七体が康一を取り囲み、一斉に攻撃をする。 誰もがギーシュの勝利を確信した、その時だった。 『ドッグォン』という音と共に、七対のワルキューレが全て吹っ飛ばされた。 「な!?」 勝利を確信していたギーシュは、目を疑った。 自慢の魔法でもある、ワルキューレが四方八方に吹っ飛ばされたからだ。 「うわあぁぁあああ!」 爆風と共に飛ばされてきた一体のワルキューレが、ギーシュに命中した。 ギーシュは、ワルキューレと共に、地面を転がる。 その様子を見ていた康一は、ニヤニヤと笑いながら、転げまわるギーシュを見ていた。 「ざ、ざまーみろッ!」 康一は、自分張り付いていた『ドグォン』という文字を回収して、地面にへたり込む。 「く、くそぉぉおおおお!」 ACT2の攻撃は物理的なダメージは殆どない。 そのため、ゴーレムには殆どダメージを与えていなかった。 しかしギーシュは、自分の自慢のワルキューレが傷つけられたと思い、完全に我を忘れていた。 「平民如きがぁぁぁあああー―――ッ!」 再度体勢を立て直したゴーレム達が、一斉に康一に特攻する。 康一は再びACT2で、自分に文字を貼り付けようとする。 しかし、既に体がボロボロになっているため、思うようにいかない。 「まずい……ッ! 体が言うことをきか……」 目の前に迫るワルキューレ。 間に合わない――。康一がそう思った瞬間だった。 「康一さん……!」 「えッ!?」 「なッ!?」 康一の目の前に、シエスタが盾になるように立ち塞がった。 ギーシュは、ワルキューレの攻撃を止めようとするが、その前にワルキューレの拳が、シエスタの体に命中していた。 「シエスタさんッ!!」 康一が、大きな声で叫び、シエスタの元に駆け寄った。 「シエスタさん、しっかりして下さい! シエスタさんッ!」 康一がシエスタを抱きかかえ、何度も呼びかけるが、返事はない。 ACT1で、心音の音を確認する。ドクンドクンと、正常な心音が聞こえた。 どうやら気絶しているだけのようだった。一先ず安心し、シエスタを安全なところに運んだ。 「ち、違うッ! あいつが勝手に飛び出してきたんだ! 僕のせいじゃないッ!!」 シエスタを攻撃したギーシュは、必死に言い訳をしていた。 「よくもシエスタさんを……許さない……」 ザワザワと髪の毛を逆立て、康一はギーシュを睨み付けた。 その時……。康一の左手に刻まれたルーン文字が、光りだした。 To Be Continued →