約 4,411,839 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3398.html
『道路さんはゆっくりできない』 7KB いじめ 日常模様 現代 D.Oリハビリ用・虐待成分小 SSの書き方とか忘れちゃったーひゃっほーい 『道路さんはゆっくりできない』 D.O 「「「「「おねーさん!ゆっくりしていってね!」」」」」 『ひゃうっ!?驚いた!』 夕食の材料を買うため家を出ると、家のすぐ近くの公園入り口前、歩道上の白線の上に、 家族と思われるゆっくり達が並んでいた。 公園側から見ると、全員が綺麗に横一列に並んでいる。 中央には成体れいむ、おそらく一家の母親かな? その右脇には赤れいむ、左脇には赤まりさ。 今にも公園に向かっておうち宣言しそうなポジショニングだけど、何だか様子がおかしい。 『なに泣きそうな顔してんの、あんた達』 「ゆ…ゆぐ、おねーざん…」 「ゆっくちたすけちぇ…」 野良ゆっくりに何かを懇願されることなど日常茶飯事ではあるが、 しかしこのれいむ達の場合、別に栄養状態も悪くなさそうだし、怪我した様子も無い。 私はゆっくりなど好きでも嫌いでもないけども、こうなってみると興味が湧いてきた。 「……くろいじめんさんは、ゆっぐぢできないんだよぉぉおお!!」 「「ゆっくちおうちにかえりちゃいよぉぉおおお!!」」 『…は?』 黒い地面と言うのはアスファルト舗装されたこの歩道のことだろう。 ……なんか、面白いことになっているようだ。 「ゆぐ、ゆぅ…れいむたち、ゆっくりぷれいすでゆっくりしてたのに、ゆぅ…」 『ほうほう』 「へんなおにーしゃんが、『こうえんのそとであしょぼう』って…」 『ふむふむ、鬼意山がね』 「それで、このしろいじめんしゃんに、れいみゅたちをおろしちぇ…」 『うんうん、白線の上にね』 「「「このくろいじめんさんにさわったら、ゆっぐぢできなくなるよっていって、どっがいっちゃったのぉぉおお!!」」」 『…ふ~ん』 れいむ一家の視線の先は、先ほどの公園。 そこそこ大きな公園だし、この一家は公園の外に出たこともなかったのだろうか。 街中に住んでいながら、アスファルト舗装の道路にすら出たことが無かったとは、よほどこの公園は餌が豊富らしい。 そんな無知で純粋で、平和に暮らしていたれいむ一家に、 その鬼意山は、舗装された道路=触れるとゆっくりできなくなる地面、と吹きこんでいったようである。 まあ、ゆっくりにとっては道路自体死亡フラグなんだから、まんざら間違ってるとも言えないけど。 「「「ゆっぐぢたすけちぇぇぇえええ!!」」」 「おねーしゃん…まりしゃたちをゆっくちたすけちぇにぇ」 「おねがいじまず!このしろいじめんさんから、そっちのゆっくりぷれいすまではこんでぐだざい!!」 『ふーん』 白い地面、路側帯の白線の上だけが安全な地面ということらしい。 なるほど。ゆっくりの力でこの白線の上から公園まで、黒い地面を踏まずにたどり着くのは無理そうだ。 …ていうか、母れいむのあんよ、すでに白線からはみ出してるけど、これは大丈夫なのかな? まあ、実際はゆっくりが道路を歩いてるなんて良く見かけるし、害なんて無いんだろうけど。 『でも無理』 「どうしちぇぇぇえええ!?」 なんか泣き顔が可愛く思えてきたからだよ。 『いや、私腕力無いから運べないよ』 「ゆ、ゆわぁぁああん!れいむの、みわくのぼでぃらいんがわざわいしたよぉぉおお!!」 「ゆ、ゆっくち!?まりしゃは?すれんだーなまりしゃならはこべりゅ?」 『う~ん、でも、この靴の上って、私一人でもギリギリ浮いてられるところだから… おちびちゃんが乗ると沈んじゃうかも』 「ゆ、ゆがーん!!」 赤ゆっくり100匹抱えても、靴が道路に沈むはず無いんだけどね。 「し、しずむのはゆっくりできないよ…」 『それに、持ち上げる時うっかり黒い地面さん触っちゃったら、私が死んじゃうかも』 「しょ、しょんなにゆっぐぢでぎにゃいのぉぉおおお!?」 無害だよ。多分。 「も…ぢょ、ゆっぐぢ…エレエレ…」 「お、おちびちゃん、あんこさんはいちゃだめぇぇええ!?」 「ゆぐ、ゆ…、みゃみゃ、れいみゅゆっくちしちゃいよぉ」 「おちびちゃん、ゆっくりできるから!すーりすーり、もうすぐゆっくりできるからね!」 「ちゅーり、ちゅーり…ちあわちぇ…」 さっそく赤れいむの精神が限界を越えたようだ。可愛い。 …ところで赤まりさは? 「ま、まりしゃはゆっくちにげりゅよ!」 道路の上にお帽子を浮かべ(?)、公園までお帽子の船で渡ろうということらしい。 小さな木の枝をオール代わりにして、なかなか本格的な船乗りまりさの雰囲気を醸し出している。 「ゆっくちのっちゃよ!ゆっく!ゆっく…どうしちぇすすまにゃいのぉぉお!?」 やっぱ無理だよねー。 まあ、帽子の下は水面じゃなくて、アスファルト舗装された地面だしね。 地面に必死でオールを突き立て、お帽子船を進めようと必死な姿は微笑ましいけど、 このまま放っておいても退屈かな…うん。 『ああ!?まりさ、大きな波が来たよ!!』 「ゆ、ゆっぴゃぁぁぁああん!?お、おちりゅぅぅうう!!」 ポテッ! あ、落ちた。 当然路面に波など無い。勝手にバランス崩しただけです。 赤まりさは、仰向けにアスファルトの地面に倒れている。 最初は放心状態だったけど、徐々に顔が赤くなり、青くなり、土気色に変色していく。 信号機のように見事な変色で、実に興味深い。 「お、おちびちゃん…?だ、だいじょう、ぶ?」 「ゆ」 『ゆ?』 「ゆっぴゃぁぁぁああああ!?ま、まりしゃ、ゆっぐぢできなくなっぢゃうぅぅうう!?」 「おねえぢゃぁぁあん!ゆっぐぢぢでぇぇえええ!」 「おぢびぢゃん!はやぐ、はやぐもどっでぎでぇぇえええ!!」 母れいむが舌でも伸ばせば届く距離なんだけど、叫ぶだけで助けないのはいかにもゆっくりらしい。 「ゆっぐぢ!?ゆっぐぢ!!ゆぐぢぃぃいいいい!!」 赤まりさはその間も、目玉が飛び出すほど両目を見開き、苦悶の表情で転げまわっている。 「いじゃい!いじゃいぃぃいいいい!?ゆっぐぢできにゃいぃぃいいい!!」 どうやら全くの無事故だったと言う訳ではなく、 良く見ると、背中(後頭部?)に小さなガラス片が食いこんでいた。 『ああ~痛そ』 「なにか、なにかまりしゃにささっちぇるぅぅううう!?きょわいよぉぉおおお!」 「おぢびぢゃぁあああん!!ゆっぐぢ、ゆっぐぢだよぉおお!」 「ゆぁぁん!おにぇーちゃんが、ゆっくちしちぇにゃいよぉぉおお!」 こうして、私がれいむ一家の家族の絆に触れて暖かい気持ちになっている間に、 赤まりさは苦痛と恐怖から逃れるために地面を転げ回り続け、 勝手に全身をアスファルト路面で傷つけて餡子をこぼしていった。 そして、 「も…ぐぢ…」 「おぢびぢゃぁぁあああん!!」 最後は苦痛から逃れるためだろう、餡子を大量に吐いて、自殺のような最後を迎えて永遠にゆっくり 『は、かわいそうだから餡子戻すね』 「ゆ、ゆぐ…や、やべぢぇ…あにゃるにいれにゃいで…」 「おちびちゃん…ぺーろぺーろ、ぺーろぺーろ、ゆっぐぢしてね…」 死なせるのは可愛そうなので吐いた餡子はあにゃるから戻してあげた。 ケガの方も、背中のガラス片を取り除いて白線の上に戻したら落ち付いて来たようで、 母れいむのぺーろぺーろで回復したようだ。 ああ、楽しかった。 「まりしゃ…ゆっくち、しちゃい…」 「ゆぅ。みゃみゃ…れいみゅたち、もうちぬの…?ゆっくちできにゃいの…?」 「おちびちゃん……ゆぅ…」 れいむ一家は万策尽きたという表情で、楽天家のゆっくりらしくもなく、 永遠に未来を失ってしまった悲しみに、全身を包んでいた。 それにしてもこの一家との時間は、実に楽しいひと時だった。 『ひょいひょい、ひょいっと。じゃーねー。』 と言う訳で、十分に堪能させてもらったので、私はささっとれいむ一家を白線から持ち上げ、 公園の入り口に置いてやり、その場を去ったのだった。 3匹の 「「「ぽかーん」」」 という表情は、驚きの表情とも、喜びや感謝の表情とも違う、実に面白い表情であった。 私も今回の件で、多少ゆっくりが好きになった。 今度飼う事も検討してみようかな。 ところでこの数分後、今度は塀の上に仲良く並べられているまりさ一家がいた。 赤ゆっくりが元は20匹くらいいたのだろうが、ほとんど地面に落下したのか、 枝から落ちた柿のように潰れた跡が塀の下に大量にあり、 両脇を赤まりさ一匹づつに囲まれた親まりさは、涙も枯れ果て放心状態だった。 さすがに可愛そうなので、親まりさだけは塀の下におろして、 近くのゴミ捨て場でゴミを漁っていたありすとすっきり―させてあげたら泣いて喜んでいたが、 私はこれをやった虐待鬼意山に出会ったとしたら、こういってやりたい。 『死なせる内は修行が足らん。未熟者め』と。 挿絵: 挿絵:ラブリーぺろんぺろんあき 挿絵:
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4595.html
『おさはゆっくりできない』 88KB 観察 差別・格差 群れ 自然界 人間なし ご覧の通り長いです。時間の空いたときにでも。 初めましての方は初めまして 他作を見てくださった方はありがとうございます。 投稿者の九郎です。 どうぞよろしく。 ――――第一章 おさになんて―――― 「ぱちゅりー!きょうからおとなりさんだね!」 「そうね、ゆっくりしていってちょうだい」 「ゆっくりしていくんだぜ!」 ぱちゅりーとれいむまりさ夫妻が挨拶を交わす。 引っ越し祝いや挨拶がてらの菓子折りといった物のやり取りはないが ゆっくり同士ではわりと交流が盛んなものだ。 たとえそれが、相手を奴隷扱いするゲスの所業であったとしても 他の個体と関わりを持とうとしないゆっくりはそう次々とはいない。 最近、ぱちゅりーの棲家の近辺に集まり始めたゆっくり達も例に違わず それぞれが顔を合わせては『ゆっくりしていってね』を連発していた。 「むっきゅん、かりばのみなおしがひつようかもしれないわね」 人間の都市開発が市街地、商業区、工業地帯と大別されていくように ゆっくりの場合も住居や狩場などが大雑把に分かたれてゆく。 そして、その土地が優良な土地であればあるほどゆっくりが集まり 自然と『群れ』というものが形成されるのだ。 「でもこまったわ、どうしよう……」 自宅で悩むのは、一番最初にこの土地に住み始めたぱちゅりーだった。 身体の弱い自分でも住みやすい土地だと目をつけたはいいが 増え続ける居住者に、狩りが難しくなり始めている。 いや、それはいい、まだいい。 それより問題なのは、群れが形成される場合にどうしても必要になるものがある。 そこまで考えて、頭の中で過去の映像が再生される。 「おさはゆっくりできないわあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」 ついうっかり、外にも聞こえる大声で叫んでしまうぱちゅりー。 かつて自分が所属していた群れの記憶。 『もりのけんじゃ』を名乗り、前任者から長を引き継いだぱちゅりー一派と 『さいきょう』を謳う群れ一番の乱暴者のまりさ一派。 その二大巨頭による舌戦、人気取り、脅迫、冷戦、賄賂、不正、そして最終戦争。 あれは地獄だった。 長の座をかけ戦い続けるぱちゅりーとまりさ。 それに伴って甘い汁を吸おうとした幹部を名乗る腰巾着達。 戦いに振り回され利用され続ける群れのゆっくり。 誰も、ゆっくりしていなかった。 何がゆっくりしていて、何がゆっくりしていないのか 自分には最後まで分からなかった。今でも分からない。 あの地獄から生き残った自分だからこそぱちゅりーは断言できる。 『おさはゆっくりできない』。 「だめよ……これは……はやくなんとかしないと……!!」 一番最初にこの土地に住み始めた自分。 後から住み始めたゆっくり達に、生活に必要な知識を披露していった。 そりゃあ、最初はいい気になったものだ。 物事を教え、皆が感心し、感謝してくれる。 ゆっくり出来たかもしれない。 だからこそ――――ぱちゅりーを長として群れを作ろうという話が出た。 待ってくれ、冗談じゃない。 それとこれとは話が違う。 むっきょおおおおおおおとその場で叫んでしまったがそういう場合じゃない。 気付けば、群れのほとんどのゆっくりがぱちゅりーを長に、と思い始めていた。 ぱちゅりーが群れだの長だのそういった話をしようとしないから その当事者がいないところで噂が一人歩きしていることに気付けなかった。 「ぱちゅりー!ぱちゅりー!いるんだぜ!?」 「む、むきゅ!?」 まともな挨拶もなしにぱちゅりーの家にずかずかとあがりこんできたのは一匹のまりさだった。 それに続いていかにもガラの悪そうなちぇんとありすが入ってくる。 「どういうことなのぜ!?ぱちゅりーのいったところにきのこさんなんてなかったのぜ!」 「ちぇんたちがわざわざみんなのためにかりにいったのにむだになったよー!」 「む、むきゅ!?それはまr」 「まったくいなかものね!それにあのひっこしてきたまりさたちはなんなの!? ありすのとかいはな『がーでにんぐ』のじゃまをするし! こーでぃねいともできないいなかものがおにわをもっていてもしょうがないでしょ!?」 「まったくだぜ!なにが『おちびちゃんのあそびばがひつようなんだよ~』なんだぜ! ちょっとたいあたりしただけでなきをいれるゆっくりなんかおうちだっていらないんだぜ!」 「そういうことだよー!おさになろうなんていってるけど ぱちゅりーにおさなんかつとまらないんだよー!わかってねー!」 「そ、それとこれとは……」 「まったくいなかものね!きょうはきぶんがわるいからはやくかえるわ!」 「じかんをむだにしだんだぜ!はやくかえってゆっくりするんだぜ!」 こちらの応答を一切聞かず、出て行く三匹。 まりさが長の座を狙うためにぱちゅりーを貶めに来たのは明白だ。 あのまりさが長になったらどうなるか?考えたくもない。 どうせ長とその幹部、またはそれに類する協力者のみ優遇され 一般のゆっくりが虐げられる最悪の掟が乱立することだろう。 そもそも、ぱちゅりーは長になる気などないのだが 良識あるゆっくりはあのまりさを長にしないために ますますぱちゅりーを長に、と推すことだろう。 長になるための根回しすらぱちゅりーが長になる追い風になっているとは 皮肉を通り越して哀れですらある。ぱちゅりーが。 「どぼじだらいいのおおおおおおおおお!!!???」 ―――――――――――――――― ぱちゅりーは悩んだ。 三日三晩、ろくに眠ることが出来なかった。 「どぼじでごうなっだ……どぼじでごうなっだ……」 もう長になっちまえよ、という意見が頭を掠めたがそれだけは駄目だ。 掟の制定、税の徴収、問題への対処、そして権力転覆を狙うまりさとの知略戦。 そんな問題と向き合い続ければ苦労を積み重ね、数日で禿げる。 そしてまりさ達乱暴者にゆっくり出来ないもの呼ばわりされる。 まりさが目先のゆっくりに囚われた掟の制定を挙げ始め、信任はがた落ちになり まりさ派が多くなってきたところで長の座を引きずり下ろされるのだ。 最後にはわずかに残った賛同者を盾にぱちゅりーが奴隷にされる。 うんうんを食べさせられ、立て続けにすっきりを強要されるのだ。エロ同人みたいに! 「むきょわあああああああああ!!!!」 束ねられた二本の髪で頭を抱えるぱちゅりー。 冗談じゃない、冗談じゃない、冗談じゃない!!! 「すっきりどれいはいやあああああああああああ!!!!」 嗚呼、お空のゆっくりプレイスのおとうさま、おかあさま。 ぱちゅりーは穢されてしまいます。 貴方達の家系が自分の代で途絶えてしまうこと、どうかお許しください。 ―――――――――――――――― 寝不足のぱちゅりーがのろのろと自宅から出てくる。 いくら思い悩んでいるとはいえ腹は減る。 群れに所属するぱちゅりー種はあまり狩りをする姿が見られないが このぱちゅりーは曲がりなりにも単独で生活しているのだ。 ただ引きこもっているだけというわけにもいかない。 「そ、そうね、きょうは、あっちのたんぽぽさんでもとろうかしら……」 何だか見られているような気がして落ち着かなかった。 いや、実際見られているのだ。 ほとんどのゆっくりは、そろそろ群れを作るべきなのではないかと思っている。 ぱちゅりー以外にも、群れへの所属経験のあるゆっくりは幹部候補に、という話も多い。 井戸端会議程度だが、掟などの素案も出始めている。 あとは、長となる者の号令をもって群れが成立するのだ。 皆『長となるべくしてここにいるぱちゅりー』にチラチラと視線を向けているのだ。 「ぱちゅりー!」 「むきゅ!?な、なにかしら!?」 ちぇんとまりさがぱちゅりーの横に立って声を掛けた。 「かおいろがわるいけどどうしたの?」 「たいちょうふりょうなんだねーわかるよー!」 二匹と視線を合わせることが出来ない。 目は泳ぎ、脂汗が出る。 「だ、だいじょう、ぶよ。ぱ、ぱちぇ、はね……」 「きょうはあめがふりそうなんだよー」 「ぱちゅりーはからだがよわいからむりしてかりにいかないほうがいいよ!」 「で、でも、ごはんさんをとりにいかないと……」 ぱちゅりーがそう言うのを待ってましたと言わんばかりにまりさは 大きなきのこを帽子から取り出した。 「ゆふんっ!きょうはたいっりょうっ!だったから ぱちゅりーにおすそわけしてあげるよ!」 「ぱちゅりーからおしえてもらったぱりばでみつけたからね!おかえしだよ!」 コロン、ときのこが地面に落ちるのを見てぱちゅりーは思った。 (せっ!せいじわいろ!!!) まさか自分はもう、あのまりさとの政治戦争に巻き込まれているのか!? 前の群れで『むきょきょ!ぱちぇはもりのけんじゃよー!』と 醜く太ったぱちゅりーが想起される。 しかし、賄賂が増えるごとに政治活動はおざなりになり とりあえず賄賂の多かった順に適当に意見を通していく。 当然そんな方法では群れの状態が立ち行かなくなり、民衆の不満が蓄積してゆく。 最終的には肥え太った何も出来ない身体を木の枝で刺し貫かれ 『もっとゆっくりしたかった……』などと辞世の句を読みつつ 散々ゆっくりしただろう、と侮蔑されながら死ぬのだ。 「むっきょおおおおおおおおおお!!!! おしょくじけんはいやああああああああ!!!! ぱちぇなにもわるいことしてないいいいいいいい!!!!」 二匹に背を向け、ぱちゅりー種とは思えない速さで逃げていった。 「おしょくじ……けん?わからないよー?」 「ぱちゅりーはなにもわるいことしてないよ……? これはまりさがあげたからおしょくじにしていいんだよ?」 ―――――――――――――――― 「むきょー……むきょ……けほっけほっ……!」 考えなしに走ったため、息が切れる。 しかも予定していた狩場とは別の場所に来てしまった。 まあいい、別に食にこだわりはない。 今日食べるごはんがあり、おうちでぐっすり眠ることが出来れば それ以上のゆっくりを望むことはしない。 「むっきゅん……」 しかし、危なかった。 あのきのこを受け取っていたらどうなっていたか想像したくない。 きっと、賄賂が徐々に増えていってこちらを調子付かせたところで 今度は逆にその汚職をネタに脅されるのだ。 決して口に出して言えないようなことを強要され 早くあいつを制裁するよう掟を操作しないと 取り返しがつかなくなるんだぜゆへへとか言われて 傀儡政権となり、責任は全て自分が取らされて 利益は全部あのまりさがもっていって、そして長の座を追われた後は捨てられて…… 「ぱちゅりー?」 「むっきょ!?」 ビクッとして振り返るとありすがいた。 比較的長くこの辺りに住んでいるありすだった。 見知った顔に安堵しつつ、平静を取り戻した表情でぱちゅりーは口を開く。 「ありす、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね。かりのちょうしはどうかしら?」 「む、むきゅ、まだはじめたばかりだからなにもないわ」 「そうなの。ありすはこれからあっちでかりをするけど、いっしょにくるかしら?」 「そうさせてもらうわ」 ありすと並び、野草を集める。 枯れた植物はバリバリして食べやすいが、量も味もいまいちだ。 逆にみずみずしい生きた植物は噛み切ったり集めたりするのが難しい。 身体能力が多少優れたまりさ種は後者を中心に集めるが ありすとぱちゅりーはその中間くらいの、程よく茶色がかった植物を選定して集めた。 黙々と作業に没頭していたぱちゅりーだったが ありすが動きを止めているのに気付き、そちらへ向き直る。 「ありす?」 ありすが少し潤んだ目でぱちゅりーを見ていた。 「ぱちゅりー……」 風が吹き抜けてゆく。 「むきゅ!?ごはんさんが!!」 「まって!!」 ありすの狩りの成果が風で一部飛ばされてしまうのを気にしたぱちゅりーが それを追おうとするが、ありすが強い語気でそれを制する。 「あ、ありす?」 ありすの目は真剣だった。 「ぱちゅりー。わたしたち、であってけっこうたつわよね?」 「むきゅ?そ、そうね」 「いっぱいおそわることがあったわ。 あたまがよくて、それでいてじぶんでかりもできて。 さいしょはがんばりやさんだとかんしんしたけど それはかんしんとはべつのかんじょうだったの」 「べつの?」 「ええ。それに、ありすのおうちのまわりにも、いっぱいゆっくりがあつまったわ。 さいきんではつがいになるゆっくりもめずらしくないし。 おちびちゃんをつくってしあわせーしてるのがうらやましかった」 「そ、そうなの」 「だから、だからね、ありすは、その、おさになったぱちゅりーと………」 ぱちゅりーは、そこまでしか聞き取れなかった。 「むきょわああああああああああああああああああああ!!!!! まくらえいぎょうおおおおおおおおおおおおおおおお!!!??? あいじんかんけいいいいいいいいいいいい!!!! ぱちぇはおさにならないいいいいいいいいいいい!!!!!」 「いっしょに……いっしょに……いっしょにゆっくり……え?」 ありすが見たのは、脱兎のように逃げるぱちゅりーの後ろ姿だった。 ―――――――――――――――― 「むきょー………むきょー………」 荒い息をしながらまた別の狩場にやってきたぱちゅりー。 「あ……ありすが……あんなやしんかだったなんて………!」 前の群れで最強を自称していたまりさを思い出す。 何匹もの愛人を作ってすっきりしまくる毎日。 だが愛人の中には本気でまりさが好きな者と、権力だけを求めるものがいた。 そして愛人同士で罵り合いが始まるのだ。 まりさを好きなものは権力狙いの者を罵倒するが、最終的には立場が弱い。 しかし、その愛がいずれ憎しみに変わってゆき、権力目当ての愛人が少しずつ消けされてゆく。 それでも愛人を作ることをやめないので最後は正妻による凶刃がまりさを襲うのだ。 最も愛した者に恨まれ、死んでゆく。 最後にはその正妻自身が自らの命を絶つ。 何も残らないバッドエンド。 「どろどろのあいぞうげきはいやあああああああああああ!!!!!」 二本の髪で頭をかきむしるぱちゅりー。 髪がボサボサになってしまっているが、それどころではなかった。 (じたいは、おもったいじょうにはやくすすんでいるわ……!) 一刻も早く、打開策を考えねばならない。 「むきゅ……」 瞳に理性的な光を取り戻すぱちゅりー。 目標の最低ラインは、自分が長にならないことだ。 今切れる手札はは以下の三つ。 ①まりさを長にする。 ②自分が長になる。 ③死ぬ。 「ぜんぜんだめじゃないのおおおおおおおおおおおお!!!」 またも頭をかきむしるぱちゅりー。 はっきり言って①≒②=③である。 落ち着け。COOLになるのよぱちぇ。と自分に言い聞かせながら条件を再確認する。 (ぱちぇがおさにすいせんされるのはここにすんでからがながいからよね……。 じゃあべつのゆっくりを……だめね。ぱちぇよりながくすんだゆっくりはいない。 ぱちぇのちしきがもんだい?ちょうしにのっていろいろしゃべりすぎたかしら……。 じゃあ、でたらめのじょうほうをまいてぱちぇがおさこうほからはずれる? だめね。それじゃあまりさがおさになっちゃう……) 独り言を言いながらうろうろとその場で歩き回る。 「な………なんなのぜ……あいつ………」 もう一方の長候補であるまりさが子分を連れて同じ狩場に来ていた。 ぱちゅりーを見るやいなや、ちょっと牽制しておこうと近づいた矢先 その様相をみてぎょっとした。 「な、なにかつぶやいているわ……」 「わからないよー?」 髪の毛ボサボサで据わった目のぱちゅりーに声を掛けるのはとても躊躇われた。 「ありす、とりあえずはなしかけてくるんだぜ!」 「な、なんでありすが!」 「つぎのおさになるまりさのめいれいがきけないのぜ!? おさになったらまっさきについほうしてやってもいいのぜ!」 「わ、わかったわよ……」 ありすがのろのろと慎重にぱちゅりーに近づく。 依然、ぶつぶつと独り言をつぶやくぱちゅりーにはそれが見えていない。 「ちょっと……ぱ、ぱちゅりー?」 (ぱちぇがさんぼうになるといえば……。 いえ、けんりょくこうぞうにくみこまれるじてんであうとね。 いちどおさになってからすぐやめれば……いえ、それもだめ) 「ぱちゅりー!きいてるの!?ぱちゅりー!!」 正面から話しかけたにもかかわらず気付かずに振り返ったぱちゅりーに駆け寄るありす。 「むきゅ?」 さっと振り返るぱちゅりー。 「え……」 もみ上げなどを持たないため、軽く近づいて背中を小突いてやろうと近づいたありす。 その結果。 ……ぶちゅ。 二匹は、正面衝突した。口で。 「な………な………なな…………………」 真っ赤になり絶句するありす。 「む……むきょ………むきょわ………………」 震えながら涙目になるぱちゅりー。 次の瞬間 「れいぱーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」 「ちょ、ちょっと!」 一番焦ったのはありす。 同族がレイパーとなった事例はありすとて知らないわけではない。 だが、知っているが故にレイパー呼ばわりされたありすがどうなるかも良く知っている。 「むきょ、むきょ、むきょおおおおおおおおおおお!!!!! ぱちぇのはじめてがうばわれたああああああああああああああ!!!!!」 「ちょ、ちょっとまちなさい!!この!!!いなかもの!!!!」 駆け出したぱちゅりーを追いかけるありす。 レイパー扱いされれば普通は話が通じないとみなされ制裁は避けられない。 いくら群れの形成前とはいえ、長候補のぱちゅりーを襲ったとなれば 掟がどうのという問題ではないだろう。 「ごっぢごないでええええええええええええええ!!!!」 「れいぱーじゃないって!いって!るでしょ!!この!!いなかものおおおおおお!!!!」 この追いかけっこは、ありすが追いつくまで続いた。 繰り返しの説明により、なんとかレイパーでないということを分かってもらったありすは ぱちゅりーからのお詫びを受け取ることで何とか納得し、事態は収拾する。 ―――――――――――――――― 「なんだか、さいきんぱちゅりーがへんだよ」 「まりさもそうおもうかしら?」 「ぱちゅりーのいってることがちぇんにはわからないよー……」 ぱちゅりーの奇妙な行動はとどまることを知らず、評判が落ち始めていた。 一連の行動は、自分が長にならないための回避行動だったのだが 全く違う方向でその成果は現れている。 自然、ぱちゅりーを長にという話はお流れという風潮になりつつある。 「ゆふんっ!やっぱりさいっきょうっのまりささまがおさなんだぜ!!」 「まりさをおさにするやつはいなんだね。わかれよー……」 小声でつぶやくちぇん。 ぱちゅりーは長に相応しくない。 まあそれは仕方がない。 だからといって、長がいなくていいわけではない。 ここのゆっくり達はもう、群れの体を成しているが肝心のまとめ役がいない。 「ちぇんにはなにもわからないよー……」 かつてとある群れで幹部をしていたちぇん。 群れの運営経験があるためぱちゅりーの補佐につくつもりであった。 だが、長に就任するとなると話が違ってくる。 かつて自分が所属していた群れの長ぱちゅりーのように 群れを先導してゆける自信がない。 しかし、まりさを長にするわけにもいかない。 まりさが長になればあっと言う間にまりさが全ての掟が出来上がり ゲスだらけの力だけが支配する群れが完成することだろう。 幹部候補と呼ばれる自分も、あんな奴を支えるつもりになどまったくなれないし 良い方向へ導いてゆけるはずもない。 「こまったよー……」 自分が長に立候補するという選択肢も本気で考えなければならないのだろうか。 でも、諦めきれない。 ぱちゅりーはいいゆっくりのはずなのだ。 今は評判を落としているが、以前はもっとも長に近いゆっくりだったのだ。 幹部候補と祭り上げられている自分がぱちゅりーを推せば 皆もとりあえず納得してくれるだろう。 ぱちゅりーも、実際に長になってみれば何とか頑張ってくれると信じられる。 ちぇんはもう一刻の猶予もなしと ぱちゅりーに長になることをストレートに頼みに行こうと思った。 ―――――――――――――――― 「ぱちゅりー!ぱちゅりー!!」 狩りが終わるタイミングを見計らってちぇんはぱちゅりーの自宅を訪ねた。 ぱちゅりーの『おうち』は近辺で最も豪華である。 その理由は、とりあえず作った『おうち』を完成と決め付けず 継続的な改善、拡張を続けてきた結果だ。 そんな思いを胸にし、ちぇんはますますぱちゅりーを長にしたくなる。 それに、住居や以前までの評判を考えれば ぱちゅりーはすでに実質の長をやれていたと考えたいくらいだ。 「むきゅ?」 『おうち』の中には中身が詰まってパンパンの帽子をかぶったぱちゅりーがそわそわしていた。 「ぱ、ぱちゅりーなにやって」 「むきゅ!はやくなかにはいって!!」 「ちょ、ちょっと、いたいよ!」 ぱちゅりーの髪に引っ張られながら自宅に入るちぇん。 中に入るとぱちゅりーが入り口から外を見回し、誰も入ってこないことを確認する。 「ぱちゅりー……?わからないよ……?」 「むきゅ。だれもみていないしきいてないわね」 安全確認を終えたぱちゅりーがちぇんの元へ戻ってくる。 「なにやってるの?ぱちゅりー?」 「むきゅ……あなたにはわるいことをしたわね……」 「わ、わからないよー?」 困惑するちぇん。 ぱちゅりーは申し訳なさそうに、それでいて決意をこめて言った。 「よにげよ」 「え……?」 「ぱちぇは、よにげするわ」 「わからないよおおおおおおおお!!!!????」 「しっ!!おおきなこえをださないで!!」 「わ、わかったよー……でもぱちゅりー、どうして?」 「ぱちぇは……おさになることはできないし、おさをえらぶこともできないからよ」 「わからないよー……」 「いいえ、あなたはわかっているはずよ、ちぇん。 ぱちぇのところにきたんだからら」 「ど、どういうことなの?」 ぱちゅりーは、溜め息をついた。 自分ほどではないが、ちぇんは同じ悩みを抱えている。 だからこそ分かっているし、分かってほしいと思ってしまった。 「ぱちぇはね、ゆっくりしたいの。ちぇんもそうでしょ?」 「も、もちろんだよー」 「それで、おさになればゆっくりできるとおもう?」 「お、おさはゆっくりしてるんだよ?」 「じゃあどうしてちぇんはおさにならないの?」 「………ちぇんは、おさができるほどかしこくないよー」 「それをいったらぱちぇもなの、ちぇん。 ううん。ここにすむゆっくりに、おさがつとまるゆっくりなんていないの」 「……でも、まりさはおさをやりたがってるよー……」 ぱちゅりーは、少しだけ悲しい目をした。 「そう。ぱちぇは、じぶんでおさをやりたいとはおもわない。 でも、まりさのようなゆっくりがおさになることをはんたいしきれない。 ぱちぇがみをひいたあと、まりさがおさになるのをとめられない。 だからにげるの」 「ぱちゅりー……」 「むせきにんでしょ?でもぱちぇもみんながむせきにんだといいたいわ。 ぱちぇがおさになったら、すべてのもんだいがぜんぶぱちぇのせいにされるのだから」 「わかるよー……」 「ほんとうはゆっくりのむれにおさなんていらないの。 ぱちぇはいままでゆっくりしてきたわ。ちぇんもそうだったんじゃないの?」 「だ、だけどむれをつくればゆっくりできるよ?」 「じゃあなんで、ちぇんはここにいるのかしら?」 「…………」 「ちぇんの、まえのむれはゆっくりしてたかしら?」 「ちぇんは……」 「むれのおさをやっていたら、いつころされてもおかしくないわ。 そうどうがおきればまっさきにねらわれるし そうでなくてもけんりょくやしょくりょうのたくわえをねらわれるかもしれない。 りっぱなおうちにすんで、いちばんめだつことをしているんだからね」 「ぱちゅりー、だからむれをつくるのがいやなの? このままじゃ、ここのゆっくりたちはまりさに……」 「いったでしょ?ぱちぇはむせきにんなの。 だからね。さよならしましょ?」 「………」 しばしの沈黙が生まれる。 お互い、思っていたことをぶつけた。 これで納得いかなければ衝突は避けられない。 群れを、コミュニティを作るとはこういうことだ。 そこには違った意見があり、争いがあり、最終的には滅びが訪れる。 その余波から自分のみを守るためには その隅っこで常に逃げられる体勢を維持し続けるしかない。 「ぱちゅりー」 「なに?」 「ちぇんはやっぱりぱちゅりーとさよならするのはいやだよ」 「そう……じゃあ、どうするの?」 ちぇんは少し間をため、意を決して言った。 「ちぇんも、いっしょにいくよ」 「むきゅ…?」 「ぱちゅりーのいうとおり、ちぇんはおさなんてやりたくないよ。 だけど、まりさがおさをやってるむれなんかにいたくないよ」 「だ、だけど」 「ちぇんは、たくさんのなかまをみすてるよ。 でも、ぱちゅりーだけはみすてたくないよ」 「ちぇん……」 「わるいけどいやっていってもついていくよ」 「むきゅう……でも、ちぇんはじゅんびもしてないでしょ?」 「あしでまといになるつもりはないよ。ぱちゅりーにみすてられたくないしね。 もしおいていくっていうなら、ぱちゅりーがにげだそうとしてるってみんなにいいふらすよ」 「むっきゅん……わるいゆっくりね」 「ぱちゅりーにいわれたくないんだねー」 集落が形成され、社会が発展し、技術が進歩する。 それこそが、人間が辿ってきた高度文明への道筋なのだが ゆっくりは、その途中で必ず頓挫する。 群れが形成されようとも、必ず滅びが来る。 そしてその後には何も残らない。 滅んだ世界のさらにその先では、新たなゆっくりが群れを成し始める。 それまで積み重ねられてきたプロセスが、継承されることなく。 ――――第二章 ひつようなこと―――― 「ぱちゅりぃぃぃぃぃ!!!」 「ちぇえええええええええええん!!!」 翌朝のこと。 群れの中でもっとも大きなぱちゅりーの自宅の中はもぬけの空になっていた。 最初に気付いたのは、ぱちゅりーに狩りに関する相談に来た、隣に住むまりさ。 次いで、幹部候補と言われたちぇんにそのことを報告しようと思ったら、ちぇんもいない。 二匹の失踪により、集まっていた……もう群れと呼んでよい程の規模となったゆっくり達は、大騒ぎした。 特に、優秀な群れのおこぼれに与ろうと思って越してきたゆっくり達は血相を変えている。 が、中にはその失踪を喜ぶ者たちもいる。 まりさ一派と、それに類する野心家達だ。 何も長になりたかったゆっくりは件のまりさ一匹ではない。 しかし、まりさは少なくとも阿呆ではなかった。 そういった連中を自分が長になったらどうこう、と鼻薬を嗅がせておき、協力者とした。 その手腕は確かに一ゆっくりに止まる実力ではないのだが、所詮は一ゆっくりなのだ。 まりさの目に留まらなかったゆっくりからはあからさまに疎まれていた。 「ゆふふふふ。ぱちゅりーのやつしっぽをまいてにげたのぜ」 「ゆほほほほ。これでまりさのてんかはまちがいないわね」 まりさの自宅ではまりさと腰巾着のありすが逃げたぱちゅりーを嘲笑っていた。 「まりさ!やっぱりぱちゅりーはいなくなってるんだよー!」 確認に向かわせたちぇんが戻ってくる。 「やったわねまりさ!さっそくまりさがかんがえていた『けいっかくっ』がじっこうできるわ!」 その場で跳ねて喜ぶありす。 しかしまりさはそれを冷静に受け流す。 「まあまつのぜありす。 もうすこし、そう、まりさがおさになるしかないじょうきょうを つくりだしてからのほうがいいのぜ」 今ならまりさ自身とその賛同者を使えば長になることが可能だろう。 だが、あまり力に任せてしまっては不信任のゆっくり達とのしこりを残してしまう。 なればこそ、もう少し不信任の連中の困り顔を拝んでやってから それを救うために自分が立ち上がったという筋書きを作ってやればいい。 凡庸なゆっくりなど、困っているところに 『ゆっくりさせてやる』と言いさえすれば簡単になびくものだ。 「ありす、ちぇん。わるいけどもうしばらくきゅうくつさせるのぜ」 「わかったよー」 「まりさがそういうなら」 三匹は明るい未来を想像しながら、その場でほくそ笑んだ。 ―――――――――――――――― ぱちゅりーとちぇんの両名の失踪から ゆっくりの基準で随分前と計算される時間である三日間が経過した。 その間群れでは、ぱちゅりーの知識に依存していたゆっくりが早々に行き詰り始めていた。 「わがらないよおおおおおお!!!」 「ごはんざんがどれながっだよおおおおおお!!!」 いくら種族として弱いゆっくりでも、その中では力の差がある。 特に、庇護を失って独力に頼らざるを得ない状況ではその差がはっきりと露呈する。 群れの崩壊しやすい理由の最大の理由がこれである。 ぱちゅりーの分け隔てない助力はゆっくりの生活レベルを平均化していた。 故に、実力の無いゆっくりが淘汰されることなく残り続けてしまうのだ。 さらにその不条理は群れのゆっくり全体の平均能力すら下げる結果となり 緩やかに衰退し続け、一定のタイミングをきっかけに、あっけなく崩壊するのだ。 「まりさ!まりさあああああ!!!」 「うるさいのぜ!!おまえみたいな『こくつぶし』にはもううんざりなのぜ!!」 例のぱちゅりーの家の隣に住んでいるれいむとまりさは、毎日のように喧嘩をしていた。 どうも、親切なぱちゅりーの知識や経験に寄生する気満々だったらしく れいむの頭には実ゆっくりが数をなしてぶら下がっていた。 「まりざはじぶんのごががわいぐないのおおおおおおお!!??」 「たしかにおちびちゃんはかわいいのぜ! だけどれいむはこれっぽっちもかわいくないのぜ!!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおお!!??」 どうやら喧嘩の原因は妊娠を理由にして狩りをしないれいむにまりさが不満を持ったことのようだ。 二匹の間にはもとより愛など殆ど無かったらしく、お互いがお互いを利用し、利用される関係だったのだ。 れいむは、妊娠さえしてしまえば、出産後もその先狩りをを一切しないでいいと目論んだようだ。 対してまりさは、『すっきり』することを最大の目的としていたようで その後は何かと理由をつけてれいむのことを冷遇し続けた。 「だっだらごはんざんはおいでいっでよおおおおお!!! どぼじでだぐわえまでもっでいぐのおおおおおおお!!?? れいむはにんっじんっじでるんだよ!!?? おぢびぢゃんのぶんもだべないどいげないのいげないのにいいいいい!!!」 「まりさはまいにちのかりでつかれてるのぜ! いっつもおうちでゆっくりしてるだけのれいむなんか かれはでもむーしゃむーしゃしてればいいのぜ!!」 「ばりざあ!!まっで!!いがないで!!! でいぶじんぐるまざーになっぢゃううううううう!!! どぼじで!?ねぇ!!どぼじでぞんなひどいごどがでぎるのおおおおおおお!?」 まりさはれいむを見捨てて去っていった。 未練、というより今後の生活のアテを捨てきれず、その場で大騒ぎする。 「やっぱりこうなったわね……」 「まりさもひどいけどれいむもひどいのぜ……」 近所のゆっくりは哀れみを交えた視線で捨てられたれいむを見やる。 「ゆっ!?ど、どうじょうするならごはんさんをちょうだいね!!」 「ゆふんっ!!」 「ぶべぇ!!」 「ちかよるんじゃないのぜくずれいむ!!」 「どぼじで……どぼじで……」 この期に及んで手近なゆっくりに対して寄生する気のれいむは、完全に周囲のゆっくりに見捨てられた。 「おでがいいいい!!!でいぶをゆっぐりざぜでええええええ!!! でいぶはひげきのひろいんだよ!!!げすなまりざにずでられだじんぐるまざーだよおおおお!!! だれがあのまりざをぜいっざいっじでよおおおおおおおお!!! ぞうしだらでいぶにごはんさんちょうだいね!!!たくっさんっでいいよ!!!」 「ゆへへ、もうすぐころあいなんだぜ」 この群れは、既に群れの体を成していたが未だ無法地帯のままである。 掟なんてものは存在しないので、れいむを見捨てたまりさも ひどいと思われるだけで制裁することなどできない。 長になろうと目論むまりさは、ほくそ笑みながら事態がさらに悪化するのを待った。 ―――――――――――――――― 「びゅびゃああああああああああ!!!」 「じね!!じねえええええええ!!!!」 翌日、群れに大きな悲鳴が響きわたった。 騒ぎを聞きつけたゆっくりが何だ何だと集まってくる。 「ありずのどがいはなごーでぃねいどをよぐもおおおおおお!!!!」 「でいぶはじんぐるまざーで、ゆぎゃあああああああ!!!」 ありすのくわえた木の枝がれいむの目玉を突き刺した。 そのまま振り抜かれた枝は途中で折れ、れいむの目玉に刺さったまま残る。 「どぼじで!?どぼじでごんなごどずるのおおおおおおお!!!!????」 「おうぢをあらじでごはんさんをうばっておいでどぼじでじゃないでしょおおおおおお!!!???」 昨日の妊娠したれいむが留守中のありすの家に無断侵入し、食料を漁っていたのだ。 「じねええええええええ!!!」 バキッ 「あああああああああ!!!!!でいぶのおぢびぢゃんーーーーー!!!!」 執拗な攻撃でれいむの額から伸びる、実ゆっくりをつけた茎が折れた。 たちまち実ゆっくりの表情は曇ってゆき、この世に生を受けることなく息絶えていった。 「どぼじでえええええええええ!!??」 「まだいうがごのぐぞでいぶううううううううう!!!!」 ありすのくわえたひときわ大きな石がれいむを襲う。 周りのギャラリーも止めはしない。 ゆっくり殺しはゆっくりできない。 しかし、れいむの所業は明らかに制裁されても文句の言えないレベルだ。 止めの一撃が入る瞬間、全てのゆっくりが目をそらしたその時だった。 「そこまでなんだぜ!!!!」 「ぶびゃ!!!」 例のまりさがありすに軽く体当たりをして、攻撃をそらした。 ありすは軽く負傷し、抗議の声を上げる。 「ばりざああああああああああああ!!!! どういうづもりだあああああああああああ!!!!!」 「まあまつんだぜ!まりざのはなしをきくのぜ!」 「ふざげるなああああああああああ!!!! ぞいづは!!!ありずの!!!」 「たいあたりしたことはあやまるのぜ!あまあまでゆるすのぜ!!」 「ゆっ……!?」 まりさの帽子から野いちごが転がり出る。 自然界ではそうそう手に入らないそれを見たありすはぴたりと叫ぶのをやめた。 「ゆ、ゆふんっ。まあ、はなしだけはきこうかしらっ? だけどありすがなっとくできなかったらわかってるでしょうね?」 「だいじょうぶなのぜ!」 「ばでぃざあああああ!!!あでぃがどおおおおお!!! でいぶにもあばあばぢょうだいね!!!」 「だまるのぜぐず!!!ちぇん!ありす!そいつをおさえるのぜ!!」 「ゆっくりりかいしたわ!!」「ゆっくりりかいしたよ!!」 「は、はなぜ!!ぶびゅ!!!」 ありすとちぇんに左右からのしかかられ、れいむは声を上げられなくされた。 全てのゆっくりの視線が集まる中、まりさは大声で演説を始める。 「このれいむはたしかにころされてとうっぜんっなごみゆっくりなのぜ! でも、ただころすだけじゃありすはわりにあわないのぜ?」 「どういうことなのまりさ?」 被害者のありすが野いちごを齧りながら言う。 自宅の被害の件は片付いていないのにすっかり機嫌を直している。 「そもそも、こんなにゆっくりがあつまってるのにおさがいないのはへんなのぜ! このじけんも、おきてがないからこんなおおごとになったのぜ! もとはといえばまりさがれいむをみすてたのがわるいし わるいことをしたときにどういうせいっさいっがあるかきめられていないのもよくないのぜ!」 「「「ゆぅぅ……」」」 そりゃそうだ、というより、そんなことはもう全てのゆっくりが感じていた問題だった。 今回のような大事だけでなく、日常のちょっとした小競り合いですら どういう解決法を用いれば良いか、日々皆悩んでいたのだ。 その役は暫定的に失踪したぱちゅりーが買っていたのだが 今となっては個々で解決していくしか道が無い。 「そこでっ!!」 まりさが大仰に身体を振ってふんぞり返る。 「このまりささまがおさになって、みんながゆっくりできるおきてをつくっていくのぜ!」 「そうだそうだ!」 「それがいいよ!」 まりさの協力者が四、五匹間髪入れずに賛同の声を上げる。 だが、もともと評判のあまり良くないまりさ。 「れいむははんったいっだよ!!」 「みょんもだみょん!!まりさみたいながらのわるいゆっくりではつとまらないみょん!!」 並んで見ていたれいむとみょんが反対の意思を見せる。 そんなに二匹にまりさは余裕の表情で言う。 「ゆあぁぁぁん??まりさがおさになったらわるいとでもいうのぜぇぇぇ??ゆん!みんな!」 まりさが号令を出すと、賛同者がぞろぞろとまりさの横に並んだ。 その数、十三匹。 「なんだもんくあるのぜぇぇぇぇ?なんだったらいけんをきいてやってもいいのぜぇぇぇぇぇぇ??」 「ゆ……ゆ………ゆぅぅぅ………」 お下げでそっと頬を撫でられるみょん。 嫌みったらしい笑みを浮かべて顔を近づけるまりさにこれ以上逆らえば間違いなく袋叩きに遭うだろう。 反対派が未だに多いのだが、まりさ一派のような明確な結束力を持たないので 一見すると数が多く見えるまりさ達に個々の判断で行動するのは危険すぎた。 そしてみょんとれいむの間に入り込んでボソッと小声で言う。 「……なんだったらこのばでせいっさいっしてやるのぜ?」 「「ゆひぃぃぃぃぃぃぃ!!!」」 二匹は震え上がった。 まりさの余裕の態度と、目の前に集まって睨みを利かせるまりさの賛同者にただただ怯えるしかない。 「よし!きまりなのぜ!」 まりさは振り返ると同時、先ほどまでの嫌らしい笑みを消して全員に向き直る。 「さっそく、そこのごみれいむのせいっさいっほうほうをきめるのぜ!! と、いってもじつはせいっさいっについては、まりさにはすでにかんがえがあるのぜ!!」 そう言ってれいむに近づくまりさ。 「で……でいぶに……ひどいごど……じないでね……?」 「ゆふんっ……」 ブチッ 「ゆ……あああああああああああ!!!!!」 にやりと笑うと、れいむのリボンを少し食いちぎった。 おかざりを傷つけられたれいむは、押さえられて声を出しづらい状況にもかかわらず 身を切られたかのような思いに絶叫した。 まりさはそれに構わず、食いちぎったリボンの断片を皆の見える位置にプッと吐き出す。 「これが、すべてのはんざいゆっくりにかならずあたえられるせいっさいっなのぜ! これかられいむははんざいゆっくりなのぜ! もちろんそれだけじゃないのぜ! このごみれいむはこれから、むれのどれいとして いっしょうしょくりょうをあつめさせて、むれのたくわえにするのぜ!」 「ゆえええええええええ!!!???」 「ゆっ!?まりさ!そんなばつでいいの!?」 れいむは理不尽な罰だと絶叫し、被害者のありすは抗議した。 まりさは当然の抗議だと言葉を続ける。 「もちろんそれだけじゃないのぜ! ひがいをうけたありすにはれいむがぬすみぐいしたしょくりょうをたくわえからかえすのぜ! それだけじゃないのぜ!ありすにはれいむをすきなときに せいっさいっする『けんり』をあたえるのぜ!」 「ゆっ!?ほんとうなのまりさ!」 「もちろんなのぜ?まりさはもともとあまりせいっさいっをとめるきはないのぜ! ただし、えいえんにゆっくりさせるのはだめなのぜ! そうするとしょくりょうのへんっさいっができなくなってしまうのぜ!」 「ゆゆん!それならありすもなっとくできるわ!」 「ふっ…ふざけ……ないでね……でいぶは……」 「ちぇん、ありす、ごみれいむをはなすのぜ」 「わかったよー」 ありすとちぇんがれいむから離れると、途端に大騒ぎする。 「ばりざあああああああ!!!! でいぶにごんなごどじでいいどおもっでるのがあああああああああ!!!」 「ゆぷぷ。ぽんこつおりぼんをつけたはんざいでいぶがなにかいってるのぜ」 「ばりざああああああ!!!!まずおまえをぜいっざいっじでやるううううう!!!!」 「ゆふんっ」 ドカッ 「ゆべしぃ!!」 「はんざいゆっくりがまりさにさわるななのぜ!まわりをみてみるのぜ?」 「ゆ?……ゆ………ゆぅぅ………!?」 周囲のゆっくり達は、れいむの惨めな姿を嘲笑っていた。 理不尽な制裁を受けてかわいそうな自分をかばってくれると思い込んでいたれいむは その態度に心象を一変させる。 「どぼじでぞんなめででいぶをみるのおおおおお!!??」 お飾りを損傷したゆっくり、そしてそれは犯罪者の証。 まりさが群れのゆっくりにそう吹き込んだことで、れいむは完全に侮蔑の対象となっていた。 「ゆぅ!?」 その中にれいむは、自分を捨てたまりさの姿を確認する。 「ばりざあああああああ!!!おばえが!!! おばえがでいぶをずでだぜいでええええええええええ!!!!」 「ゆっ!?」 「ぞいづも!!!ぞいづもぜいっざいっだああああああああ!!!! ぜいっざいっじろおおおおおおおおおおお!!!!!」 「だまりなさいはんざいゆっくり!!!」 「ぶげっ!!」 側近のありすに体当たりをされて強制的に黙らされるれいむ。 そしてまりさは、れいむを捨てたことを咎められるのではないかと怯えるまりさに静かに言う。 「ゆひぃぃぃぃぃい!!」 「おびえることはないのぜ。 あのごみれいむがいってるのはおきてをきめるまえのはなしなのぜ。 おきてがないときにしたことをあとからせいっさいっするのはりふじんなのぜ」 「ゆ……ほ、ほんとう?」 「はあああああああああああああああ!!?? おきてはおきてでしょおおおおおおおおおお!!!???」 「だまるのぜ!!おきてはこれからこのごみれいむをせいっさいっするところからはじめるのぜ!! みんなはちょっとずつでいいから、おきてをていっあんっしてほしいのぜ!! みんなでゆっくりできるむれをつくっていくのぜ」 「ゆぅー!」 「れいむもさんせいだよ!!」 「まりさがこのむれのおさになるのがいいわ!!」 「ゆっくりしていってね!!」 ――――第三章 おさとして―――― 例のれいむを裁いたその日からまりさは名実共に群れの長に就任した。 ありすとちぇんを幹部として迎え、一部の賛同者を抱え込んだまりさは 少しずつだが、為政者としての頭角を現していった。 表向きには皆の良き相談役として、個々の問題を解決していった。 少しずつ提案される掟を皆に周知徹底してゆき、小競り合いも減少している。 時折ゲス気質を見せるゆっくりを犯罪ゆっくりとして制裁し、奴隷も増えていった。 元々ぱちゅりーの住んでいた家を長の拠点とし 奴隷から徴収した食料も徐々に増してゆく。 長となったまりさのおかげで、群れは以前の安定を取り戻し始めていたように見えた。 少なくとも、自活できるゆっくりは犯罪の減少で暮らしがよくなっている。 「このっ!!はやくつぎのかりにいってくるのぜ!!!」 「ゆべっ!!!やべてぇ!!!もうむりなんでずううううう!!!!! でいぶもういっぼもうごげないんでううううう!!!!」 「いっぽもうごけないんならぷーすぷーすさんからにげるんじゃないのぜぇ!!」 「やべでええええええええ!!!ぷーすぷーすさんはゆるじでえええええええええ!!!!」 「だったらとっととかりにいくのぜ!!! これっぽっちしかあつめられないんならきょうは『しゅくしゃ』にはいれられないのぜ!!」 「ゆんやあ!!ゆんやあああああああああ!!!!」 長まりさはその口にくわえた木の枝で犯罪ゆっくり第一号のれいむに暴行を働いていた。 「さけべるうちはまだまだかりができるのぜ!」 「ぞんなごどありばぜん!!!でいぶもうげんがいでず!!! ありずにごはんざんはがえじだでじょおおおおおおお!!!??? どぼじでまだがりをじないどいげないのおおおおおおおお!!!???」 「どれいゆっくりを『ゆるす』ときなんていっしょうこないのぜ!!! いいからさっさとかりにいくのぜ!このごみ!!」 「ゆー、だめよおさ、ただらんぼうするだけじゃ」 そこに割って入ったのは幹部となったありす。 元々長まりさとつるんでいた仲なので基本、対等な関係が続いていた。 今の幹部ありすは、奴隷ゆっくりを収容する宿舎の看守に納まっている。 長まりさもこうして好きな時に出入りし、仕事と称して遊びに来ていた。 「みょん!れいむ!そいつをおさえなさい!」 「ゆっくりりかいしたよ!」「ゆっくりりかいしたみょん」 「ゆぅ!?やべでね!でいぶにひどいごどじないでね!!」 二匹の看守ゆっくりに左右から挟み込むように押さえられ、身動きが取れなくなる奴隷のれいむ。 「まりさ、そいつのめだまにささったえだをぐーりぐーりしてやりなさい!」 「ゆ?これなのぜ?」 「やべでえええええええええ!!!!ぞれにざわらないでええええええええ!!!」 「おとなしくするみょん!」 ジタバタと暴れるれいむの目玉には、かつての被害者ありすの刺した木の枝が残っていた。 まりさはそれをお下げで掴むと、適当に動かした。 「ぐーりぐーり」 「ぎゅびゃああああああああああ!!!!!! おでがいゆるじでえええええええ!!!!いだいのいやああああああ!!!!」 「ゆふんっ!これならどう!?それっそれっ!」 そして後ろからは幹部ありすがれいむにぺにぺにを突き立てていた。 無抵抗なれいむは長まりさと幹部ありすの好き放題に暴行される。 数分後には、本当の意味で満身創痍になったれいむが宿舎の外へ打ち捨てられた。 「びゅべぇ!!」 「さ、おさとかんぶのありすにさからったばつはそれくらいにしてあげるから とっととおしごとをしなさいね!」 「おで……が…………でいぶ………もう………むり……………」 「ふん!だったらいっしょうそこでそうやってればいいわ! ありすはかまわないわよ?いきていられればのはなしだけどね!」 「ゆんやあ………ゆんやあ………………」 れいむは自分の運命に涙した。 死にたくない。でも生きているのも辛い。 いっそ群れを抜け出してしまいたいが そんなことをするだけの度胸もバイタリティもれいむには残っていなかった。 ―――――――――――――――― 「どうしたのかなー?ちぇんにさからうきなのかなぁー?」 「ゆ………ゆぅ…………」 「ゆぷぷ。ちぇん、そのくらいにしとくんだぜ。 はんざいゆっくりでもないやつをいじめるもんじゃないんだぜ」 長まりさは、ありすと同じく幹部のポストに納まったちぇんを含む五匹ほどのゆっくりと一緒に 群れをパトロールしていた。 実際、掟破りをするゆっくりがいないか見て回る作業なのだが それが単なる正義の行いでないことは誰の目から見ても明らかであった。 「ゆああぁぁん!!??いまれいむからめをそらしたね!? なにかやましいことでもあるの!?」 「ゆうぅぅ!?しょ、しょんにゃことないのじぇ!? まりちゃはただゆっくちちてただけなのじぇ!?」 「れいむ、そんなちいさなまりさがわるいことするわけないよ、わかってねー」 「ふん!まあいいよ!」 掟破りをしていないゆっくりをどうこうするわけにもいかない。 そこのところは最低限のルールとしてパトロールをするゆっくりに徹底させていた。 しかし逆に言えば、それさえ守っていれば何をやっても許される。 言いがかりじみたことを言って尋問をしたり 家宅捜索などと称して適当な家に入り込んだり。 今ではすっかりパトロールするちぇん以下数匹のゆっくりは疎んじられていた。 ちょっとしたことで言いがかりを付けられないかと挙動に注意を払うゆっくりが増えたので 一応それも犯罪抑制につながっているのだが、民衆の不満は積もる一方だった。 誰かが鬱憤晴らしのために適当に言いがかりを付け、別のゆっくりが宥める。 そんな三文芝居を繰り返すことで辛うじて最低限のモラルは守られていた。 ―――――――――――――――― 長まりさの自宅(くどいようだがかつてのぱちゅりーの家)でまりさ、ありす、ちぇんが食事をしている。 「ゆふふふふふふ、まりさはさいっこうっのおさなのぜ! むーしゃむーしゃ、ごはんさんはおいしいのぜ!」 このまりさが長としての地位を築き上げ そして守っていられるのは、ひとえにその積極性にある。 仕事と称して一般のゆっくりをからかったり 奴隷となったゆっくりに暴行を振るったりすることを楽しんでいるのだ。 同じような立場に立たされたれいむやぱちゅりーならば 自宅で動かずにゆっくりし続けるだけの怠惰な日々を送るのだろうが まりさはそういったタイプのゲスではなかった。 相手を貶め、暴力をふるい、優位に立つことにゆっくりを感じるタイプである。 「んほほほほほほ、まりさはさいっこうっのおさね! ありすもはながたかいわ!」 「ちぇんもたくさんゆっくりできるよー! あのくちばっかりのぱちゅりーとはちがうんだねー!」 この群れは大きく分けて三つの階層に分かたれていた。 一つは一般のゆっくりの階層。 当初は長まりさを良く思っていない連中もいたが 税の取立てなどはほんの僅かで、掟を守っていれば問題なく暮らせる。 一見正しく、合理的に見えるその為政により反対派はなりを潜めていった。 ただしそれは、表向きにはという話である。 裏では何かおかしいとか、間違ってないかと考えるゆっくりがいないでもないし パトロールの鬱陶しさは問題視する声も上がっていたが 実際に掟破りをしていないゆっくりがひどい目に遭うことはなかったし 正義の御旗を掲げられては従う他無かったのである。 二つ目は奴隷ゆっくりの階層。 最初のれいむを初めとして 十匹前後の掟破りを犯したゆっくりが一まとめに『宿舎』に収監されていた。 宿舎自体が奴隷ゆっくりに掘らせたもので、そこに一括管理されることでそのシステムを維持している。 この階層に対する掟は一つ、『えいえんにゆっくりさせてはいけない』だけだった。 当初は、被害者であるゆっくりだけが対象の犯罪者を制裁できる権限を持っているというものだったが 看守はどうしても力ずくで従わせる他無く、看守は積極的に奴隷ゆっくりを苛め抜いた。 もっとも、奴隷ゆっくりが看守に逆らうのは一種の掟破りとみなされたので このシステムは容易に受け入れられた。 今では日常的に暴力を受け、行動不能に至るまで狩りやその他の重労働を課せられ続けた。 最後に長まりさ、幹部ちぇん、幹部ありすを筆頭とする当初からまりさに従っていた賛同者達。 奴隷ゆっくりの宿舎の看守である幹部ありすのグループと パトロールを行う幹部ちぇんの治安維持部隊がそれに該当する。 今や上流階級に位置するこの階層は、完全に群れを掌握していた。 長まりさが常にどちらかについて監視していたのも大きい。 この階層のゆっくりは安寧した暮らしが約束されており、掟破りが現れることはなかった。 一般のゆっくりからは申し訳程度の税しか徴収せず その収入の大部分をまかなうのは奴隷ゆっくりである。 掟破りをしたゆっくりを、ましてお飾りの欠けた負け組みのゆっくりに 一般のゆっくりが同情するようなこともなく、群れはいい具合に回り続けていた。 今や、長まりさは真の群れの長としてこの集落に君臨している。 「ゆふんっ!ありす、ちぇん。 まりさはさいっこうっの『いせいしゃ』なのぜ!」 「もちろんだよー!まりさがおさになってからちぇんはとってもゆっくりできてるよー!」 「ゆふふ、まったくあのぱちゅりーをおさにしようとしてたなんてこのむれのゆっくりは おばかばっかりね!」 「ゆぅ……?」 ありすの言葉に、まりさは露骨に嫌な顔をした。 「もうあんなくずのことはわすれるのぜ! あんぱぱちゅりーがまりさとおさのちいをあらそっていたなんてはきけがするのぜ!」 「ゆぅ…ご、ごめんなさい」 長まりさはことあるごとに失踪したぱちゅりーの名を出されることを嫌っていた。 特に奴隷階層の中では、あの時ぱちゅりーが長になっていれば、今もこの群れにいてくれればと 希望の星として神格化されているフシがある。 「まったくはらがたつのぜ!あんなやくたたずのこしぬけゆっくりがおさ!? まりさみたいなさいっきょうっのゆっくりとあんなのをいっしょにしないでほしいのぜ!」 「ゆ……」 「わからないよー……」 ぱちゅりーの存在があったが故に、奴隷ゆっくりは心の底では決してまりさを長とは認めない。 それが反抗心の火種となり、ある程度暴力に訴えなければ言うことに従わないのだ。 「そ、それよりまりさ。そろそろけっこんについてかんがえたほうがいいんじゃないかしら?」 話題を変えるために、ありすが話を切り出す。 「ゆ、そうなんだぜ。まりさもそろそろけっこんしないといきおくれになってしまうんだぜ!」 うまくまりさの気を逸らすことに成功したのを確認した二匹は安堵する。 「まりささまのゆうっしゅうっないでんしをこうせいにのこさないと このむれのしょうらいがあぶないのぜ!せかいのだいそんしつなのぜ!」 「ま、まりさはだれとけっこんするつもりなのかしら? まさか、わたしとかいうんじゃないでしょうね!?」 赤面しながら鬱陶しい視線をチラチラとまりさに向けるありす。 しかし 「ゆ?なにいってるのぜ?どれいをあいてにすっきりしまくるびっちなんかにきょうみはないのぜ!」 瞬間、ありすの時間が凍りついた。 「わかるよー!まりさはあのれいむがおこのみなんだねー!」 「ゆゆ!?そんなことないのぜ?てれるのぜ!まりさはその、だから……」 談笑を続けるちぇんとまりさはありすの変化に気付かない。 (え?どういうこと?まりさは、ありすに?ちょっと。れいむなんていまはかんけいないでしょ?) ちぇんにからかわれながらも満更ではない様子のまりさ。 長に向かって云々、とまりさが口にすることは無い。 便宜上長と幹部という形に納まっているが 何だかんだでまりさもちぇんも対等な友として見ているのだ。 だが、ありすからまりさに対する思い関してはそうでもなかったらしい。 「ゆ、ゆ、まあ、まだじかんはあるのぜ! あせってけっこんするのはよくないのぜ!」 「そうだねー。れいむはゆっくりしたゆっくりがすきだからねー!わかるよー!」 「ゆぅん!ちぇん、もうやめるのぜ!」 ありすは自分の存立基盤が崩れてゆくのを感じていた。 そこに空気の読めないまりさが追い討ちをかける。 「ありすもどれいとばかりすっきりしてないで、あいのあるすっきりをいちどはけいけんしてみるのぜ? なんだったらいいゆっくりをしょうかいするのぜ?」 プツン、と。 ありすの中にあった、切れてはいけない何かが切れる音がした。 ―――――――――――――――― 次の日から、奴隷宿舎は今まで以上の地獄と化した。 「はやくしろっていってるでしょ!!くず!ごみ!!」 「やべ!!いだ!!ゆっぐ!ゆっぐり!!ごべん!!!なざ!!!!」 鬼の形相で奴隷のまりさに暴力を振るう幹部ありす。 他の奴隷ゆっくりはただただ怯えるばかりであったが 看守ゆっくり達はその様子を呆然と見ていた。 ありすの暴力は『従わせる』という範疇を明らかに超えていた。 いや、元々いじめを楽しんでいたことがなかったとは言わないが それにしてもありすのそれは度を越していた。 「ふんっ!ほんとうにやくにたたないくずどれいね!! あんたにいきてるかちなんてないのよ!!」 「べっ…………」 ボロ雑巾のようにされたまりさは奴隷用の共同トイレに叩き落され うめき声を上げることもなくその中でうずくまった。 「あ、ありす、ちょっとやりすぎだよ……」 看守ゆっくりのれいむが恐る恐る言う。 「まともにしごとができないあのくずがいけないのよ! どうせしごとができないならどうなってもいいでしょ!?」 「で、でも、えいえんにゆっくりさせたら……」 「あんたのめはふしあな!?えいえんにゆっくりなんてしてないでしょ!? ばかなこといってないではやくしごとしなさい!!」 「ゆ、ゆっくりりかいしたよ……」 奴隷は勿論、看守ゆっくり達も表立って幹部に逆らうわけにもいかず 昨日今日のありすの豹変にビクつきながらも、仕事に戻っていった。 ―――――――――――――――― ありすの癇癪と奴隷の扱いは収まるどころか、日に日に酷くなっていった。 今まで必死の形相で狩りをしていた奴隷達は生気がなくなってゆき 次第に死んだ魚のような目をしてもそもそと草むしりのような狩りをするようになっていった。 当然、その話は長まりさの耳にも入り、ありすに注意を促すも 『えいえんにゆっくりさせていない』『やくたたずのどれいがわるい』とあまり効果は無いようだ。 ルールを破っていない以上、長まりさもあまりありすに対して強く出れない。 それに心なしか、長まりさに対するありすの態度もトゲトゲしたものになっていった。 まりさ、ありす、ちぇんの三匹で食卓を囲う回数も減ってゆき、ますます溝は深まってゆく。 そこでまりさは心の中に浮かんだ、とある計画を実行すべく動き始めるのだった。 ―――――――――――――――― 長まりさは自宅に幹部ちぇんと、一匹の一般層にいたれいむを呼び出していた。 「まりさ、だいじなおはなしってなに?」 「どうしてありすはよんじゃいけないの?わからないよー……?」 「ゆっ。それはほかでもないありすのことだからなんだぜ」 まりさは大胆にも、自分のお気に入りだった美ゆっくりのれいむを呼び出していた。 最初はちぇんからからかいじみた言葉が出たが、まりさの雰囲気はそんな軽いのりではない。 「はっきりきくのぜ、ちぇん、そしてれいむ。 あのありすはかんぶにふさわしいとおもうのぜ?」 「ゆっ!?」 「そ、それってまりさ!?」 「そうなのぜ。まりさはあのありすをこのままかんぶにしておくのはあぶないきがするのぜ」 長まりさは、あまりに凶行を繰り返すありすを見限る決断をしたのだ。 「で、でもありすは……!」 「わかっているのぜ。わかっているのぜ……」 ありすは群れ創設以来の功労者だ。 長まりさとて、何の迷いも無くありすを切り捨てることにしたわけではない。 ただ、それはありすに対して悪いとか、憐憫の思いがあるという意味とは違う。 「そのはなし、れいむはかんけいあるの?」 もっともな疑問をれいむが口にする。 「それは……れいむが、ありすのかわりにかんぶになってほしいのぜ!」 「ゆゆっ!?」 「わっ、わからないよー!?」 まりさの、最大のたくらみはそこだった。 自分のお気に入りのれいむとお近づきになりたい。 もとよりありすに対しては、友情はあっても愛情は無かった。 こちらの意思通りに動かなくなった以上、まりさにとってありすは邪魔者でしかなくなった。 これを機会にありすを排除し、れいむを自らの手中に収める。 少なくとも、まりさの中では完璧な計画となっていた。 「で、でも、ありすはなんにもわるいことしてないよー?」 この件の最大の懸念はそこである。 ありすは確かに掟ギリギリのことをしているが、掟破りはしていない。 要するに解任させる決定的な条件が無いのだ。 「ゆ!それもかんがえてあるのぜ!すべて、このさいっきょうっのまりささまにまかせるのぜ!」 ―――――――――――――――― 明朝一番に、群れには一つのお触れが発せられた。 本日、長より重大発表があると。 群れのゆっくりは若干の緊張と不信感を募らせている。 基本、全員の招集は新たな掟の制定の際に行われていたからだ。 できれば規制など無いほうがいい。 掟を増やすことは、どうしてもマイナスイメージが付きまとっていた。 そして集まった上流、一般、奴隷ゆっくりの前に長まりさが躍り出た。 次いで、幹部であるありすとちぇんがまりさの横に並ぶ。 「ゆ、ありす。ありすはまえなのぜ」 「え?そ、そう?」 ありすはまりさに促され、長まりさよりも少し前に移動した。 妙に注目を集めているせいで居心地が悪いありすはきょろきょろとまりさと地面に視線を泳がせた。 「きょうはみんなに、どーーーーーーーーーしてもそうだんしなければならないことがあるのぜ」 長の重々しい雰囲気に、一同に緊張が走る。 ただし、事前にこの召集の目的を聞かされているちぇんと、れいむと、一部の上流ゆっくりを除いてだが。 「まりさはまわりくどいのがきらいだからはっきりいうのぜ」 台詞と矛盾するが、回りくどく間を溜めながらまりさが言うと 看守ゆっくりの一部がありすの横に移動した。 「ゆ!?な、なに!?なんなのよ!?」 看守ゆっくりのフォーメーションは明らかに 犯罪ゆっくりや、奴隷ゆっくりを取り押さえる時のものだ。 「さいきん、このありすのぼうりょくのせいで どれいゆっくりがあつめるしょくりょうがへっているのぜ!」 「なにをいってるの!?あれはどれいが」 「ゆっくりだまってね!!」 「ゆぎゃ!あでぃずに……ごんなごどじて………」 「おさのはなしととちゅうみょん!だまってきくみょん!」 ありすは看守ゆっくりに取り押さえられ、法廷の被告のような状態にされる。 「ありすがいうには『おきてはやぶってない』そうなんだぜ? たしかに、どれいゆっくりにはいままでえいえんにゆっくりしたやつはいないのぜ!」 奴隷ゆっくりが抗議の声を上げようとするが、看守ゆっくりが睨みを利かせると押し黙るしかなくなる。 「だから、まりさはみんなにきこうとおもったのぜ! このありすを、このままかんぶにしておいていいのぜ!? おきてをやぶっていなければ、なにをしてもゆるされるとおもってるげすなのぜ!」 「な……ま、まりさ……」 「おとなしくしろっていってるみょん!」 「いだい!!ありずのおしりをぶったのは……いだっ!!やべなざい!!」 ありすは慌てる。 これまでも、そして他のゆっくりもギリギリのことはしてきた。 だからこそ、自分だけが制裁されるのはおかしいとか 仲間だったまりさが自分を見下していることが信じられないとか、様々な感情が渦巻く。 そして何より―――――― 「だからまりさは、このげすなありすをどれいゆっくりに『かくさげ』しようとおもうのぜ! みんな、どうおもうのぜ!?」 ――――――まりさが好きだったのに。 「ゆー!さいっていのありすはどれいにしていいよ!」 「まりさもさんせいだよ!ありすはさいきんとくにひどかったよ!」 「ちょ、あなたたち……!」 「むしろえいえんにゆっくりさせてもいいよ!!」 「とっとところしてね!!すぐでいいよ!!」 「まって、まちなさいよ………」 「「「しーね!しーね!しーね!しーね」」」 「まちなさいっていって……」 「おまえはだまってるみょん!」 「ぎゅびぃ……」 押さえつけられ、うめき声を発することしかできなくなるありす。 それでも叫ばずにはいられなかった。 ここで自分の意見を封殺されては、本当にまりさの言うとおりになってしまうから。 「ゆ!みんなのいいたいことはわかるのぜ! でも、やっぱりまりさはありすをころさないのぜ! こんなげすでも、はたらかせればむれのやくにたつのぜ!」 「まりさ!」 そんなありすを貶める言葉が飛び交う中、まりさが目をつけていたれいむが声を上げる。 「みんなはありすをえいえんにゆっくりさせてほしいっていってるよ! だから、どれいにするだけじゃありすのばつとしてはふさわしくないよ!」 「ゆ?ゆーむ……」 まりさは悩んでいるふりをする。 これも筋書きにあった提案だ。 少し間を溜めてから、まりさははっきりと言い放った。 「じゃあ、まりさとみんなのいけんのあいだをとって、ありすをどれいたちのどれいにするんだぜ!」 「ゆえええええええええええええ!!!!」 どの間をどうとればそうなるかは分からないが、その意見に全てのゆっくりが賛同した。 奴隷層からは特に強い賛成の声が上がる。 「ふざけないでっ……!ありすはっ……ありすはっ……!」 「いいかげんに……しろみょんっ!!!」 「びゅげぇ……!!」 ひときわ強く殴られたありすは中身を吐き出し、そこで意識を失った。 ―――――――――――――――― それから数日。 ありすは地獄よりもさらに深い地獄をさまよっていた。 「ほらほらっ!しまりがなくなってきたよ!」 「ゆげっ!ごがっ!あがっ!え゙っ!お゙っ……!!」 宿舎の中で奴隷ゆっくりに暴力を受け、犯され、罵倒されるだけの毎日。 少し前まで奴隷宿舎の頂点に居座っていたありすは、その最下層へと身を落としていた。 底部を丹念に傷つけられたありすはまともに行動できず 『えいえんにゆっくりさせてはいけない』という掟の下、ただただ苦しめられた。 食事は奴隷と自分のうんうんと我が子。 一歩も動くことが叶わないので狩りはしなくてすむが、完全に奴隷以下の玩具という現状。 死ぬよりも惨い仕打ちを受け、ただただ涙した。 「ほらほら!そろそろねないとあしたがつらいよ!」 「ゆぇ!?」 「ゆ、そ、そうだね!」 「まりさはもうねるよ……」 「ゆへ、ゆへへ……」 今や幹部となり、この奴隷宿舎の全てを切り盛りすることとなったれいむに注意され、寝床に着く一同。 看守に逆らったり狩りの収穫量が少なければ暴力を受ける身だが 自分たちよりも低いヒエラルキーにそのストレスをぶつけることができるようになった。 奴隷の間にも少しだが笑みがこぼれるようになり、反抗の減少、収穫量の増加につながっている。 奴隷たちが奥の寝床に引っ込んでゆくのを確認した幹部れいむは 宿舎の隅でぐったりしているありすに近づいて一言告げる。 「いまどんなきもち?」 「………!!!!」 ありすが血走った目でぎろりと睨み、今にも飛び掛らん勢いで身体をよじった。 「あっれぇ~!?どれいのどれいがはんこうてきなめをしてるよぉ~!?」 「っ!!!!!!ま、まっで………」 れいむが大げさにそう言うと、看守ゆっくりが集まってくる。 「へぇー?どれいのどれいがかんぶにたてつこうっていうんだぜ?」 「ゆぷぷぷ、これはきょうっいくっがたりてないしょうこだね!」 「ぢ……ぢがうの……あでぃずは……あでぃずは…………」 とっさに言い訳をしようと頭をフル回転させるありす。 そんなことをしていると、ちょうど宿舎の前を長まりさと幹部ちぇんが通りかかった。 「ま……までぃ……ざ…………」 「おさにきやすくこえをかけないでねこのくず!」 「ぶぎゃっ!!までぃざあああああああああああ!!! までぃざああああああああああ!!!! ごべんざないいいいいいいいいいいいい!!!!! あやまるがら!!!ごごろをいれがえまずがらゆるじでええええええええええ!!!!」 「だまれっていってるでしょ!!」 その言葉に反応したように長まりさは宿舎の入り口までやってくる。 ありすの縋るような目を一瞥したがしかし、れいむの方を見て言った。 「れいむ、きょうはまりさのいえでちぇんといっしょにしょくじするのぜ?」 「ゆっ!そうなの!いっしょにむーしゃむーしゃしようね!」 明るい顔で会話するれいむとまりさを見て、ありすの表情が歪む。 否定すらされなかった。 一緒に苦楽を共にした仲で、思いを寄せていたまりさに、ただのゴミのような扱いをされた。 「ゆへっ……!こいつしーしーもらしてるよ?」 「どれいいかのゆっくりだからねー!ちゃんとしーしーのしかたもおしえないと……ねっ!!」 「ぶぎゃあ!!!」 看守のちぇんの一撃を皮切りに、ありすが長まりさの名を出さなくなるまで暴行を受け 『ころして』と懇願するまでレイプが続いた。 ―――――――――――――――― 「ゆっくりできないんだぜ……」 そんな台詞を口にしたのは、一般層に住まう一匹のまりさだった。 「さいっきょうっのまりさをさしおいてなんであんなやつがおさに……」 このまりさは群れが成立する前後にこの集落を訪れたゆっくり。 優秀なぱちゅりーがいるという噂を耳にし 以前に所属していた群れを抜け出してきたのだ。 が、蓋を開けてみれば自分ではない他のまりさが長に就任していた。 しかも幹部はありすとちぇん。 どういうことだ。ここで長になっているのはぱちゅりーではなかったのか? 群れに住まうゆっくりにそのことを尋ねてみると皆、口を揃えて言った。 『ぱちゅりーはこのむれをみすてた』と。 なんだそれは。ふざけるなとまりさは憤慨した。 まりさの完璧な計画では、長に就任するぱちゅりーを抱き込み 自分がその実権を握って群れを支配してやる算段だったのだ。 ぱちゅりーがいないのでは現在の長を、と言いたいところだが 長のポストに納まっていたのはなんとまりさだったのだ。 不思議と、同じ種族では番になることのないゆっくり。 れいぱーでさえ同じありすを襲うことはないのだ。 長まりさを相手にまりさが篭絡作戦を取ることなど不可能だ。 結果このまりさは、ただの一般市民として生活することを強いられた。 別段、長という存在になり群れを良くしていくという考えはない。 まりさの中にあったのは、長として一般民と奴隷を見下してやりたいという支配欲と 同じまりさ種が自分より上の地位にいることが我慢ならなかっただけである。 しかしまりさは動かずに、いや動けずにいた。 群れの中で同じような考えを持っていたゆっくりはまりさ一匹ではない。 事実、長や幹部にたてついたゆっくりはいた。 失踪したぱちゅりー派や、ただのゲスゆっくりも含めてだ。 だがそいつらは何もなしえることなく今は奴隷宿舎に収監されている。 まりさが二の足を踏んでいるところに先駆者としてどうなるかを身をもって示してくれたのだ。 今のまりさがこうして一般市民をしていられるのは、彼らのおかげと、まりさの度胸のなさに起因する。 ただ一匹で反旗を翻したところで奴隷にされるだけ。 その後は一生奴隷宿舎での生活を強いられるだろう。 それくらいの慎重さは持ち合わせていたようだ。 「ゆぅ。なんとかするのぜ……なんとか……」 まりさはぶつぶつと独り言を言いながら、今日もまた燻っている。 ―――――――――――――――― まりさが燻り続けている間に、ある事件が起きた。 それは幹部ありすの失脚と一般層のれいむの昇進。 開いた口が塞がらなかった。 何で、何で無能なれいむなんかが幹部となり、自分が一般民のままなのだ。 抗議の声を上げたかったが、幹部となったれいむをどうこうすれば、奴隷化は免れないだろう。 しかし結果として、その事件はまりさの背中を後押しするものだった。 幹部だって失脚することがある。 そして一般民が昇進することもある。 その前例があるだけで、まりさを動かすきっかけになるには十分だった。 「いまにみてるんだぜ……」 まりさはまず最初に何をすべきか考える。 そうだ仲間だ! 奴らはいつもいつも、つるんで行動している。 こちらも相応の戦力をかき集めて まずは治安維持と称して一般民をいじめているあいつらを倒せばいいんだ! まりさは歩み始める。 自分が長になり、もっともっとゆっくりしてやる! さっそく、手近なゆっくりに声をかけた。 「みょん!ゆっくりきいてほしいんだぜ!」 「みょ?まりさ、なにかようみょん?」 最初に目に付いたのはみょんだった。 まりさの中では、れいむ、ありす、ぱちゅりーは役立たずという印象があった。 身体能力を基準としているので、それはある意味正しい。 「みょんは、さいきんのおさをみてどうおもうのぜ?」 「どういういみみょん?」 みょんは露骨に警戒を強める。 「まりさはおもうのぜ!あのまりさはおさに……」 「そこまでよ!」 まりさとみょんはその声にビクッとなる。 二匹が振り返ると同じく一般層のぱちゅりーがそこにいた。 「むきょきょきょ。はなしはきかせてもらったわ!」 「な、なんのことみょん!?みょんはかんけいないみょん!!」 「ぱちゅりーにようはないのぜ!とっととうせるのぜ!!」 「むっきょっきょっきょっきょ!」 ぱちゅりーは腹立たしい笑い方と表情をして言葉を続ける。 「あらそう?じゃあぱちぇはこのことをちぇんにほうこくしにいこうかしらねぇ~?」 「みょ!?」 「ぱ、ぱちゅりー!?」 この群れは掟に対してとても厳しい。 それは治安維持部隊にも言えることなので、掟破りと認定されない限り捕まることはないが こういった密告で監視されたり、言いがかりを付けられる回数が増えたりということは多かった。 反乱を企てるまりさとしては、それだけは避けねばならなかった。 「むきょ!だいじょうぶよまりさ、みょん! ちぇんにはだまっておいてあげるから! でもそうねぇ~、ぱちぇにもいちまいかませてもらおうかしら?」 「ゆぎぎ……」 選択の余地は無い。 ここでぱちゅりーを追い払ってしまうと幹部ちぇんにこのことを報告されてしまう。 監視が付いた中で反乱の準備を進めるというのは不可能だ。 しかし、まりさの安いプライドが邪魔をして『わかった』と即答できない。 「だいじょうぶよ!けんじゃのぱちぇのちえをかしてあげようというのだもの! このはんらんはかならずせいこうするわ!むきょきょ!」 が、ぱちゅりーの中では既にOKの返事をもらったことになっているらしい。 まりさはその態度が気に食わなかったが、結局はぱちゅりーを仲間にすることを決める。 「みょ、みょんはほんとうにかんけいないよ! はんらんなんてしたくないよ!やりたければまりさとぱちゅりーでやってね!」 「むきょきょきょきょきょ!!!これだからていのうはやくにたたないのよ!!! い~いみょん?ここでぱちぇが『みょんがはんらんをしようとしてるわぁ~』とさけんだら ど~おなるかしらぁ~?」 「みょ、みょ……」 「むきょきょ!じぶんのたちばというものがわかったようね! わかったらとっととなかまをあつめてくるのよ!すぐでいいわ!」 「みょおおおおおおおおん!?」 「ぱちゅりーはさしずしないでほしいんだぜ!! まあいいのぜ。どうせいまのおさにふまんがあるゆっくりなんてうじゃうじゃいるのぜ。 とっととなかまをあつめて、とっととまりさがおさになるのぜ!」 「むきょきょ!そのときはけんじゃのぱちぇがかんぶになってあげるわ!」 「かんがえておくのぜ……みょん!とっととなかまをあつめてくるのぜ!」 「みょおおおおおおおおおおおおお……!!!!」 ―――――――――――――――― その日の夕方。 反逆のまりさの物語は終わってしまった。 「まりさをうらぎったなぁぁぁぁぁあああああ!!!!」 「むきょおおおおおおおお!!!けんじゃのぱちぇにさわるなていのうどもおおおおお!!!!」 「おとなしくしてね!!」 「つれていくよ!!」 「びゅべ!!」 「いだっ!!いだい!!やべなざい!!!」 幹部ちぇん率いる治安維持部隊に連行されるまりさとぱちゅりーを例のみょんが無表情で見ていた。 ぱちゅりーがどうこうする前に、みょんによって反乱の作戦を密告された二匹。 火薬は、発火することなく火種を消されてしまったのだ。 「まつのぜ!!」 「ゆっ!?」 「ゆゆっ!?」 その逮捕現場に現れたのは長まりさだった。 「おまえがああああああああああ!!!! おまえがいるからあああああああああああ!!!!」 「だまってねー!!」 「いだい!!ぎゅぶっ!!!」 たちまち敵愾心をむき出しにするまりさだが、幹部ちぇんによって押さえ込まれてしまう。 「ひとつききたいのぜ。そいつはおきてやぶりをしたのぜ?」 「わ、わからないよー?でも、まりさははんらんを……」 「たしかにはんらんをおこされるのはこまるのぜ。 でも、そいつらは『まだなにもしてない』のぜ」 その場にいた一同が言われてみれば確かに……みたいな表情をする。 まりさが最初に仲間にしようとした相手が戦いを嫌うみょんだったことや ぱちゅりーがたびたびみょんを脅したはいいが、しっかり首輪をつけなかったことなど あまりにザルな計画ゆえに、何もできなかったのだ。 「おきてやぶりはせいっさいっされてとうぜんなのぜ。 だけどおきてやぶりをしてないゆっくりをせいっさいっすることなどゆるされないのぜ」 「だ、だけどだけど……」 「くどいのぜ!こんどのじけんはみょんのおかげでなにもおきなかったのぜ! だからそいつらをたいほするのはおかどちがいなのぜ!」 「わ、わからないよー……」 「はなしなさい!!」 「ゆあっ!!」 ぱちゅりーが幹部ちぇんを払いのけた。 咄嗟にもう一度捕まえようとするが、ちぇんに 周囲の非難がましい視線が突き刺さっていることに気付き、動きを止める。 「ここにいるゆっくりはだれもおきてやぶりをしてないのぜ。 だからとっととじぶんたちのしごとにもどるのぜ!いいのぜ!?」 長まりさが強く言うとギャラリーやまりさ、ぱちゅりーもそそくさとその場を離れていった。 治安維持部隊もバツが悪そうに去って行く。 幹部ちぇんの中に、一つの問題を残して。 ―――――――――――――――― その事件はすぐに群れ中のゆっくりに知れ渡ることとなった。 なんだ、掟破りをしなければ大丈夫なんだ、と。 結果として、治安維持部隊のパトロールは若干ゆるくなる。 はっきりとした掟破りを見つけない限り、強く出ることができなくなったからだ。 特に責任者であり、あの場で最後まで食い下がった幹部ちぇんは素でなめられるようになった。 「れいむはただゆっくりしてるだけだよ!」 「なんにもわるいことしてないよ!はやくあっちにいってね!」 「わから……ゆぎぎ………!」 この調子である。 逆に長まりさの悪評は、当初に比べて減少する一方だった。 あのまりさは、結構まともに長をやれてるじゃないか。 奴隷ゆっくりの扱いはちょっとひどいけど、永遠にゆっくりさせてないし。 そもそも奴隷は皆、掟破りをした犯罪ゆっくりだし。 幹部ちぇんへの叱責や、幹部ありすの降格など、身内に大しても公平。 最早群れの中で、長としてのまりさを非難する材料は殆ど無かった。 ――――第四章 はおうとじんくん―――― 「ゆ?ちかくにむれがあるのぜ?」 「れいむはそうきいたよ」 長まりさと幹部れいむは自宅で食事をしている。 幹部ちぇんとはだいぶ疎遠となり、ギクシャクした関係が続いていたが まりさはれいむとツーショットであることの方が嬉しかったので、特に気にせずにいた。 「むれ……まえはこのちかくにむれなんてなかったのぜ」 「むーしゃむーしゃ、でも、かりにいったどれいがたくさんのゆっくりをみたっていってたよ」 「むーしゃむーしゃ、ゆーん……」 そもそもこの群れは、このあたりに群れがなかったから ぱちゅりーを中心にゆっくりが集まっていったというのがきっかけで生まれたのだ。 この期に及んでぱちゅりーのことを思い出したまりさは少しイラッとした。 「むれがあるかどうかのかくにんを、どれいにまかせるわけにもいかないし……」 奴隷ゆっくりは、行く当てがないことが最大の鎖となっているのだ。 お飾りを傷つけられたことで、普通のゆっくりには侮蔑される。 だからこそ無法地帯の群れの外よりも 曲がりなりにも生きていけるこの群れに留まる他ないというシステムである。 奴隷が遭遇したゆっくりに殺されては調査にならないし まかり間違って群れに拾われて亡命でもされてしまえばそれはそれで情報が帰ってこない。 「まりさがちょくせついきたいけど、おさがむれをながくあけるわけにもいかないのぜ」 「だったら、ちぇんにいかせたらどうかな?」 「ゆ?」 まりさはこの場に姿を見せなくなっていたちぇんのことを失念していた。 「ゆ!そうなんだぜ!ちぇんはあしがはやいからちょうどいいのぜ!」 「あ、でも、ぱとろーるのほうはどうするの?」 「それこそまりさがやればいいんだぜ。いつものことなのぜ」 「ゆ!そっか!」 問題の解決をみた二匹は、さっぱりした表情で会食を続けた。 ―――――――――――――――― 「と、いうわけでちぇん。ちょうさをたのむのぜ」 「……わかったよー」 若干投げやりな返答を返す幹部ちぇん。 長まりさとの間にできた軋轢は今も元には戻っていなかった。 「ちぇん!これはじゅうようなしごとなのぜ! そんなやるきのないことではつとまらないのぜ!」 「だったらちぇんにやらせないでほしんだよー……」 「ちぇん!!!」 「わかった、わかったよー。おおごえをださないでねー」 長まりさの人気に反比例し、幹部ちぇんの評判は下がる一方だった。 元々治安維持など皆に好かれるような仕事ではない。 以前に好き勝手振舞っていたこともあり、ちぇんは群れで孤立しつつあった。 例の反乱未遂事件から、新しい掟破りが出なかったのは幸か不幸か。 「どれいがたくさんのゆっくりをみたのはあっちのかわったもようのきがはえてるほうこうなんだぜ。 ちぇんは、とりあえずいけるところまでいって、ゆっくりがいなかったかみてくるだけでいいんだぜ」 「わかったよー」 ちぇんは嫌々ながらも、調査に出発するのだった。 ―――――――――――――――― ちぇんは群れの外で、教えられた方向に向かって跳ねていた。 「まりさ……」 出会ってから、どれくらいだろう。 ありすとまりさ。 仲良くなったきっかけはもう思い出せない。 だけど、今も仲良くやっているということは絶対にない。 ありすは、使い捨てられた。 ちぇんは、まず最初にそれが納得できなかった。 確かにありすの素行は悪かったかもしれない。 しかし、その結果、あんな状態にするようなものだったのだろうか。 『どれいのどれい』。まりさはそう言った。 それは本当に、友達と思っていた者に対する仕打ちなんだろうか。 自分も、悪いことをすれば奴隷宿舎に容赦なく放り込まれるのだろうか。 ほんの少しでも、情けをかけるという選択肢は無かったのか。 「わからないよー……」 それに、自分も途中までは気付かなかったのだが ありすは、まりさのことが好きだったんじゃないのだろうか。 まりさには、感情というものがないのか。 ただ、是か非かの選択だけで生きているのだろうか。 ちぇんは、なまじまりさと仲良くしたいと思っていたが故に まりさの仕打ちが、一種の裏切り行為のように思えてならなかった。 そして最後に思う。 まりさは、本当に長にふさわしいゆっくりだったのだろうか。 ―――――――――――――――― 日が高くなった頃。 「べつに、だれもいないんだねー……」 休み休みとはいえ、朝からずっと走り続けても誰とも会うことは無かった。 そう言えばまりさは言っていた。これは奴隷から聞いた話だと。 それを思い出したちぇんは無性に腹が立った。 なんだ、ちぇんやありすにはあんなことしたくせに 奴隷の言うことは無条件に信じるのか。 「かえろう」 ちぇんが身を翻したその瞬間だった。 「ゆ?みかけないゆっくりがいるよ!」 「えっ……?」 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆ、ゆっくりしていってね?」 ―――――――――――――――― ちぇんは、一匹のまりさに案内されながら道すがら事情を聞いていた。 「ゆーう、じゃあちぇんのいたほうにむれがあるんだね!」 「そうだよ。むれができてからだいぶたつけど、しらなかったの?」 「まりさはこのあたりでうまれたゆっくりだよ! だからあんまりとおくへいったことがないんだよ!」 「わかったよー」 このまりさは狩りこそしているものの、さほど活動的な性格ではなかったようだ。 「まりさはそっちのむれにいるの?」 「ゆぅ。ちょっとちがうよ」 「ちがう?」 「たしかにまりさのおうちのまわりにはたくさんのゆっくりがいるよ。 でも、まだおさがいないんだよ」 「え…」 どこかで聞いた話だった。 「そ、そのむれに、おさはいないの?」 「ゆーう。まりさはぱちゅりーがおさになってくれればいいとおもってるんだけど なんか『おさはゆっくりできないわあああ』っていってやってくれないんだよ」 「わ、わかるよー……」 「ゆ?ちぇんはぱちゅりーのことがわかるの?」 「わかるよー……わからないけど、わかるよー……」 「ゆぅぅ???」 能天気なまりさはちぇんの言うことが理解できず、困惑した。 ―――――――――――――――― 「あいかわらず、おおきなおうちにすんでるんだねー……」 まりさと別れ、ぱちゅりーの自宅と思しき『おうち』にたどり着く。 言われなくても分かった。 このあたりで最も大きく立派な家。 ちぇんが、居住者に話をするため声をかけようとしたそのときだった。 「わきゃりゅよー!」 「ゆひゃ!!」 『おうち』から飛び出してきたのは一匹の子ちぇんだった。 ちぇんの横を通り過ぎてゆく。 「むきゅううう!!おとなしくしないとだめじゃないのおおおおお!!!」 続いて出てきたのはぱちゅりーだった。 どうも先ほどの子ちぇんの親らしい。 「むきゅ?」 「ひさしぶり……なんだねー……」 「むきょ……むきょ………」 「あいかわらずなんだねー。どうしてこんなことしてるの? わからないよー……」 「むきょわあああああああああああああ!!!!!!」 かつて険悪な仲であったまりさの腰巾着であったちぇん。 その偶然の再会にぱちゅりーは絶叫した。 対してちぇんは、むしろやっぱりという状態で冷静だった。 ―――――――――――――――― 「やっぱりまりさはおさになったのね」 「そうなんだよー……」 ぱちゅりーの自宅で、ちぇんはかつて敵であったぱちゅりーと話をしている。 「むっきゅんむっきゅん。おかーしゃん、あんまりゆっくりしてないちぇんね」 「むきゅ!?しつれいなこといわないの!」 「べつにいいんだよー。おちびちゃんのいうことだからねー」 そう、敵であったのはかつての話だ。 今は敵対する理由もないし、むしろ向こうの群れではたびたび名が出てきたので ちぇんにとってはさほど久しぶりという感じはせず、不思議な気分だった。 「そういえば、ちぇんはなにしにここにきたの? かんぶになったんでしょ?」 「……ちぇんは、まりさにいわれてむれがあるかさがしにきたんだよー。 でも、ぱちゅりーは」 「む、むきゅ!?ぱ、ぱちぇはおさじゃないわよ!?」 「わかってるよー……。ぱちゅりーはぜったいにおさにならないんだねー……」 「むっきゅん……」 ぱちゅりーは長同士会談の場を設けよう、などと切り出されるのではないかと狼狽した。 しかし、ちぇんにはそういうつもりがないことが分かり、胸をなで下ろす。 「まりさはげんき?」 「………。げんき、だよー」 「むきゅ?そういうちぇんはさっきからあまりげんきがなさそうね」 「いろいろあったんだよー……」 「……?」 ぱちゅりーが首をかしげ、間が空いた時だった。 「ちぇん!!まりさのちぇんがなんのようなの!?」 「え?」 「む、むきゅ!!ちぇん!だいじょうぶよ!だいじょうぶだから!!」 「ぱちゅりーはちぇんがまもるよー!!!」 ―――――――――――――――― 「ごめんねだよ、ちぇん……」 「むっきゅ!いきなりらんぼうするのはいけないわ!」 「いいよぱちゅりー。ちぇんはきにしてないから」 かつての敵対者であった幹部ちぇんが自宅にいれば驚くのも無理は無い。 一悶着あったが、子供がいることと、ぱちゅりーがなだめたことで何とか場は落ち着いた。 「おとーしゃん!おとーしゃんとこのちぇんはどっちのほうがはやいのー?」 「わからないよー。ちぇん(自分)もはやいけど、ちぇん(幹部)もはやいとおもうよー」 ぱちゅりーは子供を連れて奥へ入っているようにちぇんにすすめた。 最初は、敵対していたちぇんと一対一にすることを危険だと言ったが ぱちゅりーは決して折れなかった。 最終的には、子供たちを放っておくのはよくないと言う意見で なんとかちぇんも納得した。 「そういえばぱちゅりー、ちぇんといっしょになったんだねー」 「むきゅきゅ。なんだかんだでうまがあってね」 かつてはぱちゅりーだけに注目していたため断言はできないが あのちぇんと特別仲が良かったような記憶は無い。 「ちょっとはなしがながくなりすぎたわね。 きょうはとまっていくかしら?」 「……いいの?」 「だいじょうぶよ。ちぇんいっかいぶんのごはんさんくらいはあるから」 「そ、そういうことじゃなくて……」 「それに、このままちぇんをおいだしたりしたら おさまりさになにをされるかわからないしね、むきゅきゅ」 「ちぇんたちはそんなこと……!」 言い返そうとして、ハタと気付いた。 確かに、どうだろう。 かつての自分達なら間違いなくぱちゅりーの命を狙っただろう。 だが、今ならどうだ? 少なくとも自分は、戦争だ何だという話になれば反対するだろう。 まりさは、無条件にこの集落に群れの戦力を持って戦争を仕掛けたりするだろうか? いや、しないはずだ。 今のまりさは正しいことと間違ったことをきちんと考えて判断できる。 そう、変わったのだ。自分も、まりさも。 ただの一ゆっくりとして悠々自適に暮らしていた自分たちと 長と、幹部という立場に立たされた自分は違う。 だがありすは変わらなかった。 幹部という地位を得たことで成長せず、ただの一ゆっくりのままでいたから あんな状態まで身を落としていったのかもしれない。 「どうしたの?ちぇん?」 「ゆっ!?」 ぱちゅりーに顔を覗き込まれて思わずビクッとなってしまうちぇん。 そうだ。まずい。 まりさは変わった。 しかし、ここにあの憎きぱちゅりーがいると知ればどうなるのか? 昔の敵愾心を取り戻し、私怨での戦いを仕掛けてしまうのではないだろうか? 駄目だ。それを許してはいけない。 今、この集落にぱちゅりーがいることをまりさに知られてはいけない! 「ほんとにだいじょうぶ?げんきがないならもうなんにちかやんすでいく?」 「ゆっ!?い、いいよ!!ちぇんはきゅうようができたよ!!かえらないと……」 「むきゅ!?なにいってるの!?もうすぐひがおちるわよ!! むれまでどれほどのきょりがあるかしらないけど、でていくのはぱちゅりーがゆるさないわ!!」 「でも……でも………」 「なにをあせっているのかしらないけど、だめ。 いまいそいでかえったら、その『きゅうよう』とやらもはたせなくなるわよ」 「わ、わかったよー……」 ちぇんはなんとか落ち着きを取り戻したが その日、食事をしても、談笑しても、逸る気持ちを抑えることはできず 日没後も早く朝にならないかと、なかなか眠ることができなかった。 ―――――――――――――――― 翌朝、ちぇんはぱちゅりー一家に見送られていた。 「じゃあね、ちぇん」 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっきゅりちてってにぇ!!」」」 「ゆっくりしていってねー!」 ちぇんは慌ただしく集落を去る。 一晩中、自分がどうするべきかを考えた。 最初は群れなんて無かったと報告してしまおうと思った。 それでは一時しのぎにしかならない。 それに、虚偽の報告をしたことがばれるのは拙い。 次はぱちゅりーにそれとなく群れを出て行ってもらうよう説得することを考えた。 それは無理だ。 以前のぱちゅりーと違い、今はちぇんとその家族がいる。 一人で抜け出すならまだしも、身体の弱い赤ゆっくり達含み 子ぱちゅりーを連れての引越しなど不可能に近い。 できるできない以前にぱちゅりーが納得しないだろう。 最後に、ぱちゅりーにいっそ全てを話してしまおうとも思った。 本当のところ、話す直前まではもっていったのだ。 だが、言い出せなかった。 ぱちゅりーが子をなし、幸せを享受しているのを見て それを壊すようなことを言い出すことができなかった。 本当は、最悪の事態を回避するためにはぱちゅりーに言うべきだったのだが。 ちぇんは、決断することができなかった。 選択することから逃げた。 そうだ。ぱちゅりーがどうなったところで知ったことか。 戦争が起きたからって知ったことか。 幹部のちぇんは、群れの幹部として、ゆっくりしてやる。 そう開き直ったちぇんは、事実をありのままに報告することに決めた。 長が、戦いを望んだならそれでいい。 もしそれで群れが多大な被害を受けたところでそれは長の責任だ。 ちぇんは悪くない。 むしろきちんと仕事をし、虚偽を交えずに正しい報告をした優秀なゆっくりだ。 あくどい笑みを浮かべて自分の群れへ走るちぇんの目は、少しだけ赤くなっていた。 ―――――――――――――――― まりさは自宅で悩んでいた。 ちぇんの報告によればこうだ。 1.集落はあった。 2.失踪したぱちゅりーが住んでいた。 3.長が不在である。 4.故に、どういう性格の群れになるか未知数である。 以上。 「ゆーん……」 ちぇんにとっては少々意外だったが まりさはぱちゅりーの名を出しても感情的にはならなかった。 しかし実のところ、まりさは開戦する気満々である。 曰く、その集落は危険である。 まりさの下した判断だった。 そしてもう一つ、まりさが悩んでいるのはそちらの問題だった。 ――――このまま、ぱちゅりーを生かしておくのは拙い。 そのことを聞いたちぇんは涼しい顔をしていた。 わかったよーと冷めた口調で言うと自宅へと帰っていった。 ちぇんは、変わったのだ。 まりさの友達から、ただの長と幹部の関係へと。 それはぱちゅりーに対しても同じ。 どうなったところで知ったことか。 ちぇんは全てに対して投げやりになっている。 考えることを放棄したからだ。 そんなちぇんの考えなど露知らず、まりさは最終的な決定を下す。 「まりさは、せんっそうっするんだぜ!!!」 ―――――――――――――――― 次の日早速、開戦については群れのお触れとして話された。 「あいてのむれは!まだむれのかたちをしてないんだぜ! だから、いまのこうきをのがすてはないのぜ! そしてよりにもよって、こちらのむれのことをみすてたあのぱちゅりーが あちらのむれにすんでいるんだぜ!」 長まりさはあえて例のぱちゅりーの名を出した。 今の一般層では、ぱちゅりーよりも長まりさの人気が上回っていた。 まりさの治世に満足している一般層にとってのぱちゅりーは 群れの誕生の時、無用な混乱をもたらした諸悪の根源という風潮が強い。 「それに、おさのいないむれなんてむれじゃないんだぜ! おきてもない!たくわえもない!なにもない! まりさのむれのゆっくりよりかずもすくない! そんなむれのれんちゅうなんて、いくらでもころしてかまわないのぜ! いのちごいするやつだけたすけて、どれいにしてやればいいのぜ! いまのどれいゆっくり! これからつかまえるどれいはぜんぶどれいのどれいなのぜ! たくさんつかまえればすこしはゆっくりさせてやってもいいのぜ! おかざりをきずつけるなんていわず! そいつらのめのまえでびりびりにやぶりすててやればいいのぜ!」 一般層、奴隷、上流。 全てのゆっくりが気炎を上げる。 この群れに、怠惰なゆっくりは少ない。 掟が厳しいから? 環境がいいから? 犯罪ゆっくりが奴隷化されるから? 否、そうではない。 長となったまりさの、そのアグレッシブな気質に 全てのゆっくりが引っ張られているからだ。 長の自宅の前でゆっくりを率いるまりさは『覇王』となるべく道を歩み始めた。 ―――――――――――――――― 「ぱちゅりー、やっぱりいっちゃったみたいだよ」 「むきゅう……だめだったのね……」 「おかーしゃん、どうしたの?」 「なんでもないのよー……」 「むきゅきゅ!」 ぱちゅりーとちぇんの夫妻は、自宅で気落ちしていた。 「どうして、こうなっちゃうんだよー。 わからないよー……」 「むっきゅん。ぱちぇはわかるわ」 「わかるの?おしえてほしいよー」 「ぱちぇたちは、ゆっくりなのよ。 だからこうなっちゃうのよ」 「わかりたくないよー……」 「しかたないわ。もう、ぱちぇも、みんなも……」 ―――――――――――――――― 長まりさは、開戦の日を二日後と定めた。 さすがに宣言してその日に開戦というのは無理があったからだ。 だが、その判断は結果的に間違いだった。 「わっわがらないよおおおおおおおおお!!!!」 「なにごとなのぜ!?」 「わがらない!!わがらないよおおおお!!!!」 「おちつくのぜちぇん!!なにがあったか、はっきりいうのぜ!!」 「ちぇんたちのむれのゆっくりがおそわれてるよー!!!!」 ―――――――――――――――― 「じねええええええええ!!!!」 「んほ!!んほ!!んほおおおおおお!!!! ありすにすっきりされたいゆっくりはだれかしらあああああああ!!!」 「でいぶおうぢがえるうううううう!!!!」 「おまえなんかにやられないみょん!!!」 「まりささまのけんでころしてやるのぜええええええええ!!!」 集落の広場は、血戦場と化していた。 戦闘員と非戦闘員の振り分けもままならず 個々に迎撃に当たっているまりさの群れのゆっくり達は少しずつだが押されていた。 「みんなおちつくのぜ!!!きいてるかなのぜ!!!おちつくのぜ!!! みんなまりさのもとにあつまるのぜ!!!!」 戦場に出た長まりさは間断なく集まれ、集まれと叫び続ける。 その言葉に、長のまりさが何とかしてくれると思い込んだ集落のゆっくりが 確実に集結していった。 非戦闘員は長まりさの横を通り過ぎてゆく。 戦闘員はまりさの指示を仰ごうと集まってくる。 特別な工夫は無い、ただの密集戦法だ。 「みんな!!あつまってたたかうのぜ!!!あんなくずどもにまりさたちはまけないのぜ!!! がんばるのぜ!!!しにたくなかったらたたかうのぜ!!!」 ゆっくりの戦いは文字通りのぶつかり合い。 奇襲の影響でバラバラに各個撃破され、劣勢を強いられたまりさの群れだが 固まって戦うことで防御力が飛躍的に伸びていた。 陣形とも呼べないつたない戦法だが ただ適当に向かってくるだけの敵に対しては十分な効果がある。 「みょん!?えださんがおれたのぜ!?まりさのをつかうのぜ!」 「だいじょうぶだみょん!『はくろーけん』がなくってもこんなやつらにまけないみょん!」 「ちぇん!あぶないのぜ!」 「だいじょうぶだよー!」 そして何より、味方がすぐ近くにいるのは心強い。 自然、見知った仲のゆっくりがチームとなって戦うことで士気を保っていた。 「みんな!ぶじなのぜ!!」 「れいむはだいじょうぶだよ!!」 「まりさだって!!」 「じゃあさいごに、しょあくのこんげんをしまつしにいくんだぜ!!」 「ゆっゆっおおおおおおおお!!!!」 ―――――――――――――――― 「まちなさい!!けんじゃのぱちぇをおいてどこへいくき!!!」 群れのあった場所から程近く。 敵本陣……ではなく、勝利の報告を待ってのんきに食事をしていたぱちゅりーがいた。 「ばりざおうぢがえるううううううう!!!」 「どぼじでごんなごどにいいいいいいい!!!」 「むきょおおおおおおおお!!! どぼじでどいづもごいづもやぐだだずなのおおおおおおお!!!???」 この戦争を吹っかけたのは 例の群れで長候補ではなかった自称『もりのけんじゃ』のぱちゅりーだった。 ぱちゅりーに同調したわけではない、ただ自分の欲求の代弁者についてきていただけのゆっくりに リーダーを守るという考えなどなく、劣勢と見るや否や皆散り散りに逃げ去っている。 「けんじゃのぱちぇの『さくっせんっ』にまちがいはないのよおおおおお!!!! ぜったいにかてるからたたかってこいこのぐずどもおおおおおおおお!!!!」 ある種当然だが、ぱちゅりーの指示に作戦などという物は一片たりとも含まれてはいなかった。 ただ戦って、勝ってこい。そう指示しただけで何の工夫も無い。 加えて、あの集落からぱちゅりーについてきたゆっくりは 自分さえ得をすればそれで良いというゲスか、ゲス寸前のゆっくりの集まりなので 死力を尽くして戦うといった殊勝な心がけは無い。 前線に積極的に出たのは、最強という妄想に取り付かれた勘違いまりさや 適当に味方にまぎれて武勲を横取りしてやろうと目論んだ戦う気の無いみょんが中心である。 「さあ、あくのおやだまがいたのぜ!!」 「むっきょおおおおおお!!!???」 戦線を押し戻す、どころか押し切ってしまった長まりさ達はリーダーぱちゅりーの前に集団で現れた。 「おさ!さっさとそのぐずをころしてね!!」 「すぐでいいよ!!!」 「そいつはどれいにするかちもないよ!!!」 「わかってるのぜ」 怒りに震えるせいでかえって冷静な長まりさは静かにぱちゅりーの前に踊り出る。 「む、むきょ!?ぱ、ぱちぇはだまされてたのよ! げすなまりさがこのむれにいれてもらおうってぱちぇをつれだしておいて かってにせんっそうっをはじめたのよ!! そ、そうよ!ぱちぇはわるくないわ!!わるいのはにげたまりさよ!! いまからおえばつかまえられるから、ぱちぇをたすけてあんないさせなさい!!」 「…………」 まりさは何も言わなかった。 ぱちゅりーはその沈黙をいい方向にとる。 「む、むきゅ!しゅぼうしゃのまりさはあっちにむかったわ! いまからおいかければまだまにあうわ!!はやくいきましょう……ぶげぇ!!!」 ぱちゅりーがまりさから目線を外した瞬間に、木の枝を後頭部から眉間に向かって刺した。 中枢を外しているため、絶命はしていない。 「どぼ……じで…………」 「みんな!こいつはどれいにするかちもないのぜ!! だけどらくにころしてはいけないのぜ!! こいつはこのまま、むれのあきやにおいておくから、みんなのすきにするのぜ!!」 「「「ゆー!」」」 「ただし、こいつにたいしてはおきてはむししていいのぜ! みんなでこらしめてから、まんぞくしたらえいえんにゆっくりさせてもいいのぜ!! ただし、できるかぎりくるしめてやるのぜ! こいつに、こんなことをしたことを、かならずこうかいさせてやるのぜ!!」 「「「ゆおー!!!!」」」 ―――――――――――――――― 戦闘が終わって、群れの片付けが始められた。 まりさの宣言どおり、戦争の首謀者であるぱちゅりーは空き家に放り込まれ 戦災孤児や、番を失ったゆっくりの嬲り者にされている。 「ゆ、おさどこへいくの?」 集落の外へ死体を運び出していたれいむに呼び止められる。 「ちょっと、ようじができたのぜ。ついでにかりもしてくるからまってるのぜ」 「ゆ?そうなの?いってらっしゃい!」 「ああ、いってくるのぜ……」 本当は長は税収で食事をとっているので狩りなどする必要など無いのだが 一般層のれいむにはそれがおかしいことに気付けず、そのまま長を見送った。 ――――最終章 おさはゆっくりできない―――― 「また、にげるのぜ?」 「むきゅ!?」「ゆっ!?」「ゆゆぅ!?」 長まりさは、とある番と対面していた。 「まりさ……!」 「ぱちゅりーはちぇんがまもるよー!!」 「ゆぁぁぁ………!!」 「こわいよぉぉぉ………!!」 ぱちゅりーとちぇんの一家は、例の群れを離れて移動をしていた。 それに追いついたまりさは木の枝をくわえて一家を威嚇する。 明らかな戦闘体勢に緊張が走る。 その状態のまままりさが静かに口を開く。 「おまえだけは……おまえだけはゆるさないのぜ……」 その言葉を若干予想していたちぇんが、すかさず反論する。 「ちがうよ!あのたたかいにぱちゅりーはかんけいないよ! いいがかりをつけないで」 「ふざけるんじゃないのぜっ!!!!!」 「ゆぴっ!!」「ゆひぃぃぃ!!」 先程とは対照的に、大声で叫ぶまりさ。 子供達は恐怖のあまり、おそろしーしーを漏らしてしまう。 「たたかいがおきたのもっ!!! たくさんのゆっくりがしんだのもっ!!! ぜんぶおまえのせいなのぜ!!!!」 「ちがうよ!!ぱちゅりーはへいわをねがって」 「そんなことはわかってるのぜっ!!!!!」 あまりと言えばあまりの言い分に、ちぇんもぱちゅりーも呆気にとられる。 このまりさは、いったい何に対して怒っているのだろうか? それに対し、まりさの本気の想いに感化されたぱちゅりーは口を開いた。 「ぱちぇはただ、ゆっくりしたかっただけなの。 どうしてそんなにあらそおうとするの? みんなでゆっくりできたらそれでいいじゃない! ゆっくりのむれに、おさなんていらないのよ! つよいゆっくりがいて!かしこいゆっくりがいて! みんなびょうどうになかよくゆっくりすることがどうしていけないの!? ぱちぇはおさになんてなりたくなかった! どうしてみんなそれをおしつけるの!? たすけがほしければいつでもたすけるわよ! ぱちぇがおさにふさわしいって、ようするにいやなことをおしつけたいだけでしょ!? みんなかってよ!!だからぱちぇもかってにするのよ!! みんなのやっているとおり、ぱちぇがすきにゆっくりしてなにがわるいのよ!!!!!」 ぱちゅりーは抱え込んでいたものをまりさに吐き出した。 しかし、まりさはそんな悲痛な叫びを鼻で笑った。 「なにがおかしいのよ!!」 「ぱちゅりー、ちぇんいがいのゆっくりのことほんとうにたいせつにおもってるのぜ?」 「むきゅ……!?」 「ぱちゅりーは、ほかのゆっくりのことをみくだしてるのぜ!」 「そ、そんなことは……!」 「じゃあなんで『たすける』なんていうのぜ? ぱちゅりーはやさしいふりして ほかのゆっくりをゆっくりさせてやってまんぞくしてるだけなのぜ!」 「ちがうわ!!」 「ちがわないのぜ!!!たすけられたら、またたよってしまうのはとうぜんなのぜ!!! たすけてたすけてたすけて……いちばんじゅうようなときにみすてるのぜ!!! いっしょうめんどうみるきがないなら!たすけるひつようなんてないのぜ!!! ぱちゅりーはやさしくするなんていうけど、それはただのあまえなのぜ!!! じりきでゆっくりできないゆっくりなんていきているかちないのぜ!!! いっしょうおちびちゃんやっていられればくろうしないのぜ!!! そんなやつらがほかのゆっくりをゆっくりさせてやることなんてできないのぜ!!! おまえはそうやって、じりきでゆっくりできるゆっくりすらだめにするのぜ!!! あのむれがむのうなゆっくりにしはいされたのはとうぜんなのぜ!!! おまえがすべてのゆっくりをなにもできないおちびちゃんにかえたせいなのぜ!!! おさになるきがないなら!!!さいしょからじぶんだけでいきていればいいのぜ!!!!!」 ぜぇぜぇと荒い息をしながら話を終える。 ぱちゅりーは、大きなショックを受けていた。 自分は皆に優しく生きて。皆に好かれて。 自分は正しい行いをしているものだと思っていた。 なのに。 「まりさのはなしはわかったよー」 ちぇんが二匹の考えを遮るように言う。 「だけどぱちゅりーをころさせるわけにはいかないよ。 ちぇんはばかだからどっちがただしいなんてわからないよー。 でも、いのちをねらわれたらていこうするのはとうぜんだよ。わかってねー」 「……おまえがいいしょうこなのぜ。 ぱちゅりーはともかく、ちぇんがぜんりょくでにげれば まりさはおいつけないかもしれないのぜ」 「まりさ……!」 「ちぇんはそれでいいよー。 まりさのいうとおり、ぱちゅりーはいっしょう、ちぇんといきてくれるからねー」 まりさが木の枝を構えなおす。 「ぱちゅりーをいかしておいたら、またろくでもないむれができるんだぜ。 そんなげすをつくりだすぱちゅりーをみのがすほど まりさはおろかじゃないんだぜ」 「……ちぇんは、ひとつだけごかいしてたよー。 まりさは、りっぱなおさになってるよー」 「ほめたからっててごころはくわえないのぜ」 「わかってるよー」 西日の差し込むとある森林で、道を違えたゆっくりが殺しあう。 それは、ゆっくりにとって日常茶飯事に見られる光景。 自身の中身をその場に散らしたのはどちらなのか。 飛び散ったそれは逢魔が時に彩られ、血のように、赤く見えた。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2053.html
※現代設定 【お野菜でゆっくりできない】 俺の名はとしあき。どこにでもあるような名前だ。 仕事は農業を営んでいる。とはいっても体調の悪くなったオヤジの跡を継いだだけだ。 引き継いだその畑の面積も半端なく大きく、野菜類を出荷することで生計を立てている。 それまではダラダラとした毎日を過ごしていたが 今では「これぞ我が宿命」と言わんばかりに畑を耕している。 余談だが稲作もしている。 今日も今日とて朝日が昇る前から畑仕事に精を出しているんだが・・・おや? ポイン、ポイン、ポイン・・・ 「「・・・ゅ・・っ・り・・ゆ~、ゆゆっ」」 「「ゆ~、ゆ~ちょ、ゆっちゅり!」」 でたよ。ゆっくりだ。饅頭生物。 こしあん、粒あん、クリームにチョコレート、人間でゆうところの甘味を中身に持ち、 饅頭のような皮を持つ、まさに饅頭生物という意外に呼びようのない摩訶不思議ナマモノ。 広島の某紅葉饅頭のバリエーションで中身がほぼ網羅できるやつらだ。 「ゆっくりしていってね」を口癖とし、漠然と「ゆっくりする」ことを習性としている。 勝手に野山でゆっくりしてもらう分にはまったく問題ない。 ところが困ったことに、こいつらは山野から降りてきて、人間社会の営みに干渉してくる。 さらに希なことだが、実害(ゆー害)を引き起こしてくれる。 人家への侵入、あまあまを要求し人間の子どもを襲う、道路に飛び出しての交通事故etc. 数えだしたらきりがない、ゆー害の数々。 そのゆー害の中でもトップクラスの被害件数をたたき出しているのが 今まさに俺の目の前で起ころうとしている、ゆっくりによる農作物の被害だ。 「ゆゆ!ここにはおやさいさんがいっぱいあるよ!」 「ゆ~ん、さすがれいむのまりさだよ!みんなでむ~しゃむ~しゃしようね!」 「「ゆわーい、やっちゃぁ!おやしゃいしゃん!ゆっくち!ゆっくち!」」 畑は山野に近いところ、というか、より自然に近い場所に作られる。 空気の汚れた人間社会から離れた、土も水も空気もきれいなところにだ。 野菜が植物である以上あたりまえのことだ。 つまり、人間の生活圏の中で、もっともゆっくりの生活圏の近い場所に畑が作られる。 理由は色々あるが、食料不足に陥ったゆっくりは食料調達のため狩りの場所を変え移動する。 が、しょせんゆっくり。たいした距離も移動できず、またしても食料不足に陥る。 それを繰り返しながら、決して登ることなく水のようにすそ野へ、すそ野へ・・・ やがてたどり着くのが畑というわけである。 そしてゆっくりどもは盲信する。 「もりをでれば、はたけさんというゆっくりぷれいすがある」 「おやさいさんはおいしい」「おやさいさんはかってにはえてくる」 「おやさいさんはとてもゆっくりできる」と。 どこのゆっくりから伝わったのか?伝え始めたのか?それは解らない。 食欲、ゆっくりできるという盲信、自分たちから最も近いゆっくりぷれいす。 ゆっくりによる農作物の被害の件数が多いのも頷けるだろう。 実は俺のオヤジもゆー害対策に苦労して体調を悪くしてしまった。 しかし、その被害件数に反して、農作物の被害金額は意外に少ない。 被害金額だけで言えば 「道路に飛び出したゆっくりで餡スリップ事故を起こした」という 道交法の理解できない、ゆっくりによる交通事故の方が遙かに凄い被害額になっている。 それはなぜか? 農作物へのゆー害のほとんどは 「一口だけかじられて出荷できなくなった」 「柵を壊された」 「畑を荒らされた」ぐらいだからである。 「さてさてこいつらは、っと」 完全にアウトオブ眼中(笑)の俺をおいて畑に侵入をしようとしているゆっくりども。 バスケットボール大の成体まりさ、サッカーボール大の成体れいむ。 おそらくこの二匹が両親なんだろうな。 あとはテニスボール大のとんがり帽子が一匹に同じ大きさのリボン付きが一匹。 すこし大きさにばらつきがあるが、たぶんこいつらが子なのだろう。 野菜畑を前にして目を輝かせてるゆっくり家族。 「ゆ!まりさがさきにはたけさんにはいってむ~しゃむ~しゃするよ!」 そして意を決したように、いそいそと柵の隙間に帽子を突っ込む親まりさ。 しかし柵の隙間は10センチ程度しかなく・・・ 「ゆゆ!?ゆっくりまえにすすめないよ?!」 当たり前である。柵の細い棒(実は鉄の棒)くらいなら、 草のように押し曲げて通れるとでも思ったのだろうか?愚か過ぎる。 このように、成体サイズのゆっくりが入れない柵を作ればある程度の侵入は防げる。 子ゆっくりサイズなら入ってこれるだろうが、子ゆっくり単独で畑に来る事は考え難い。 親とセットのはずであるから成体の侵入が防げれば大丈夫なのだ。 「ゆゆ!まりさがんばってね!おやさいさんをとってきてね!」 「「おとーしゃんがんばっちぇー!」」 家族の無責任な応援に応えるように、柵に頭をめり込ませていく親まりさだが・・・ 「ゆ?どぼぢでま゛え゛に゛も゛う゛じろ゛に゛も゛う゛ごげな゛い゛の゛お゛ぉぉぉ?!」 どうやら帽子だけでなくその中の頭部までしっかりはまってしまったらしく 親まりさはおしり(底部)をぷりんぷりんと振り回しながら抜け出そうともがいている。 「ま、まりさ?!しっかりして!ゆっくりひっぱるからね!ひっぱるからね!」 親れいむがまりさの底部に噛みつき引っ張り始めたが・・・まあ無理だろうな。 「ゆ゛ぎぎぎい゛ぃぃぃ!い゛ぢゃい゛ぃぃぃ!や゛べでえ゛ぇぇぇ」 そこで、さっそうと俺登場(最初からずっといたけど) 「おい、おまえら。俺の畑になんかようか?」 「「「ゆ?」」」 必死に尻をふるまりさを除く3匹のゆっくりどもが俺を見上げた。 「ゆ?じゃねーよ。お れ の は た け に な ん の よ う で す か ?」 「ゆわぁぁ?!ににににににんげんさんだよ?!」 「「ゆんやぁ?!きょわいぉぉぉ!!みゃみゃたしゅけちぇぇぇ」」 「ゆぐぐぐ?!にんげんさん?!み、みんなにげてね!にげてね!(ぷりんぷりん)」 俺を見てすくみ上がるゆっくり家族、そして自分をおいて逃げるように勧める尻振りまりさ。 他のゆっくりから聞いたのか、親の教育が良かったのか。 人間の恐ろしさというものは理解できているらしい。 太陽を背に見下ろす俺と尻振りまりさを交互に見やる親れいむ。 「だめだよおぉぉぉ!ばりざをお゛いでにげれるわけないでじょおぉぉぉ?!」 「「おちょーしゃん!しっかりちてぇぇぇ」」 家族想いでゲス素質ではないようだ。・・・よし。 「おいまりさ、お前を助けてやる」 「ゆ゛~?!ごろ゛ざれ゛る゛ぅ゛ぅぅ~・・・ゆ?」 「ゆゆ?はやくまりさをたすけてあげてね!にんげんさん!」 俺は心配そうに見守る家族の前でまりさの尻(底部)を掴み引っぱった。 「ぐぎぎぎぎぃぃ~」すっぽん!とマンガのような擬音をたて、 黒いとんがり帽子を柵に残したまま、まりさは引っこ抜かれた。 「ま、まりさ?!だいじょうぶ?!」 「「ゆーんゆーん!おちょーしゃーん」」 残った帽子を取っていると、茄子型にくびれた親まりさに家族がすり寄っていた。 「さて、さっきの質問に答えてもらおうか」 「ゆーん!ゆーん・・・ゆ?」 茄子型に変形した親まりさにすり寄っていたやつらが、ふたたび俺を見上げた。 親まりさも苦痛に閉じていた目をあけ、俺の手元の帽子が目に入ったようだ。 「ま、ま、りさの、おぼうしさん・・・」 「まりさのゆっくりしたおぼうしをかえしてね!」 子ゆっくりたちも泣きそうな目で俺に訴えている。 「「かえちぇー!じじぃ!」」 訂正。子はゲス要素があるようだ。 「だめだ。さっきの質問に答えろ。俺の畑に何しに来たんだ?」 親まりさがオロオロと視線を泳がせた先、親れいむがゲジ眉を逆八の字につり上げて答えた。 「ゆゆ!みんなでおやさんさんを、たべにきたんだよ!」 「野菜を?俺の作った野菜をか?」 「そうだよ!にんげんさんがつくったおやさいさんをゆっくりいただくんだよ!」 なんてことだ。 こいつらは数多のゆっくりが妄信する「野菜は勝手にはえてくる」ではなく 野菜は人間が苦労をして栽培しているもの、と、ちゃんと理解ができている。 「俺の畑の野菜は俺が作ったもの。俺の野菜だ。 解っているのになぜ食べに来た?殺されても文句は言えないだろ?」 「ゆ、そんなのわかってるよ! でもかりにでてもごはんさんがみつからなくなったんだよ!」 「おやさいさんはゆっくりできるごはんさんなんだよ!だからたべさせてね!」 「おやしゃいしゃんをつくっちゃら、まりしゃによこすんだじぇ!」 「ひとりじめしゅるじじぃはちねぇ!」 親まりさが力強く言い放った。野菜はゆっくりできる食べ物だ、と。 人間に、永遠にゆっくりさせられる危険性があったとしても食べたい、と。 こいつらは解っていない。 解っていないが、理解する素質のあるゆっくりだ。 栽培の苦労も理解出来ないゲスオブゲスなら 「絶対に許さないよ」と間違いなく叩き潰し発酵させ畑の肥やしにところだった。 こいつらに理解させ、再び野に放てば、ゆっくりどもの間に真実が伝わるかも知れない。 野菜がゆっくりできないということを。 「・・・よし。ならば好きなだけ食うがいい」 「「「「ゆ?」」」」 俺はクイと顎をしゃくった。 ゆっくりの親子4匹は頭に?マークを浮かべ傾いている。 お野菜を殺してでも奪い取るつもりだったんだろう。 予想(こいつらの予想なんてたかが知れているが)の斜め上の返答に困惑気味だ。 「だからよ。食べていいって。お野菜さんを食べたいんだろ?」 俺は柵を2~3本引き抜いて1番大きな親まりさでも通れるようにしてやる。 「ゆ!そ、そーだよ!やっとじぶんのたちばが、りかいできたんだね!」 「おやさいさんはゆっくりいただくよ!でもそのまえにおぼうしさんをかえしてね!」 要求が通ったことに気を良くしたのか、親まりさが口元をつり上げて帽子を要求してくる。 「だめだ。お前の帽子はお野菜さんを食べられたら返してやるよ」 「ゆふん!おやさいさんはたべれるにきまってるじゃない!ばかなの?しぬの?」 いかん、増長し始めた。 「おら、とっとと食えよ」 俺は先頭の親まりさをコツンと軽く蹴って畑に叩き込んだ。 「ゆべぇ!」 「ばりざぁ!」 「「おちょーしゃーん!」」 ゆっくり親子は痛がる親まりさにする寄るように、いそいそと畑の中に入っていった。 こっそりとこいつらが引き返せないように柵を元に戻しておいた。 さて、大半の専業農家がそうであるように、うちの畑もほとんどがビニールハウスである。 その周囲にひとむね、ふたむね、寒冷紗を付けたりした露地物を栽培している。 自分で食べるだけの量を栽培するならいざ知らず、 農業で生計を立てる農家であればビニールハウスは必須だ。 気温や湿度を調節でき病害虫(ゆー害を含む)から野菜を守り、季節をずらして出荷できる。 おかげで年がら年中すべての季節の野菜や果物が店頭に並べることができる。 つまり、季節に関係なく、安定した収入を得ることができるのだ。 クリスマスケーキの時期にいちごのショートケーキがあるなど本来ならありえない話だ。 おっと話がそれた。 ゆっくりどもには、透明度の低いビニールに覆われたハウスの中身が見えるはずもなく、 やつらのいう「はたけさん」とは周囲に張り巡らした、わずかばかりの畑のことのようだ。 とは言っても、ゆっくりからすれば広大な面積になるんだろう。 さて、やつらが最初に向かったのは・・・大根か。 「ゆゆっ!だいこんさんがあるよ!」 「しろくてもちもちだね!」 「「まっちろくておいちしょーだにぇ!」」 家族揃って大根の回りに集まり歓声をあげている。しかし「真っ白くておいしそう」とは? 上の葉の部分は大根として認識してないんだろうな。ただの葉っぱには変わりないもんな。 「おちびちゃんたち!だいこんさんはあたまだけだしてじめんさんにうまってるんだよ」 「ゆっくりほーりほーりしてあげようね!ほーりほーり!」 「「ほーりほーり」」 喜々として掘り進んでいくゆっくりども。 しかし、一般的な大根は直径10センチ弱の太さ、深さも60~70センチとそれなりに深い。 ゆっくりの構造からして、口で掘るしかない。大根の回りのみを掘り進むのは到底不可能だ。 「どぼぢでだい゛ごん゛ざん゛ぼれ゛な゛い゛の゛お゛ぉぉぉ?!」 当たり前である。1本の大根を家族が取り囲んで掘れば、 お互いが邪魔になって大根から離れた位置を掘るようになる。 30分間掘り続けた結果、ムダに周囲1メートル、深さにして5センチしか掘り進めていない。 「ゆ!まりさ!だいこんさんをぬけばいいんだよ!」 「そうだね!さすがまりさのれいむはあたまがいいね!」 掘り出せないとわかると、親まりさは必死に口でくわえて引き抜こうとしている。 しかし大根掘りというものは大人の人間でもそれなりに力とコツが必要になってくる。 しっかりと根を張っていて、無理に引き抜けば途中から折れてしまうことだってある。 「ゆーしょ!ゆーしょ!ゆぎぎぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・ぶべらばっ?!」 ほれみたことか。 親まりさの歯茎が耐えきれずに歯茎から歯をむしり取られたようだ。 大根の皮にかろうじて刺さっていた歯を残したまま歯茎から餡子をまき散らして倒れた。 「ばばばばりざぁぁぁぁぁぁ?!ばりざのはがぁぁぁぁぁ?!」 「ひゅひゃいひぃひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 「「ゆんやぁぁぁ!おちょーしゃーん!」」 せっかくなんの障害もなくお野菜にありつけたのに、いきなりこの惨劇である。 「おちょーしゃんをいじめりゅ、ゆっくちできないだいこんしゃんはちね!」 おお、子まりさが親のかたきとばかりに大根に齧り付いた。 「かーじかーじ!かーじかーじ!・・・ゆ?きゃ、きゃらいよぉぉぉ?!ゆぶぅげぇ!」 「おぢびぢゃぁぁぁん?!どぼぢだのぉぉぉぉぉ?!」 大根に齧り付いていた子まりさが大根の辛味で盛大に餡子を吐き出している。 ゆっくりにとって辛味は毒に相当するそうだが、生の大根には多かれ少なかれ辛味がある。 成体ゆっくりならまだしも子ゆっくりには致死量の辛味だったようだ。 「おぢびぢゃぁん?!じっがりじでぇぇぇ!」「おひぃひぃひゃぁぁぁん?!」 親れいむと親まりさが目を見開いて子まりさに呼びかけている。 「もっ、ぢょ、ゅ・・・っり、しちゃ」 と、臨終のご挨拶を始めた死にかけ子まりさを拾い上げる。 「じじぃ!おぢびぢゃぁんを、おぢびぢゃぁんをがえぜぇぇぇ!」 親れいむが俺に突進してきたが、サッと足で押さえつける。 「落ち付けって。こいつは治療してやるから、もっと他のお野菜さんを食べたらどうだ?」 「ゆう?ほんちょう?」 家族を襲った突然の惨劇に、すでに涙目&ちーちー状態の子れいむが聞いてきた。 「ああ、本当だ。もっと他のお野菜さんを見てごらんよ」 そう言って周囲を見渡す親子を尻目に、俺は子まりさを近くの農具小屋に持って行った。 親れいむと親まりさも顔を見合わせ 「つぎのおやさいさんならきっとむーしゃむーしゃできるよ・・・」と周囲を見回し始めた。 「おきゃぁしゃん!あのきいろいおやさいいさんはなぁに?!」 畑の最奥のむねにあった黄色い穂のような実を見て子れいむが親れいむに訪ねた。 「ゆ!あれはとうもろこしさんといって、とってもあまあまなんだよ!」 「あまあましゃん?!たべちゃいよぉ!」 あまあまと聞いて子れいむがぴょんぴょん跳ねはじめた。 「おちびちゃん、わかったよ!さぁまりさ、あそこまでたべにいこうね!」 「ひゅっひゅひひゅいてひゅくひょ・・・」 全ての歯が抜け落ち、歯茎から餡子を滴らせた親まりさはすでに青息吐息だ。 親れいむと子たちの後ろをずーりずーりとついていく。 「ゆ?」 「ゆゆゆ?」 トウモロコシまでたどり着いたゆっくりどもが見上げている。 そう、種類にもよるが、うちのトウモロコシの背丈は2メートルほどある。 とてもではないがゆっくりどもの跳躍力でどうにかなる高さに実はついていないのだ。 遠目に見ればそんなに高く見えなかったが近づくほどにその高さを思い知ったようだ。 「ゆー、これじゃとうもろこしさんはたべられないよ・・・」 「ゆんやぁ!あまあましゃんたべちゃいぃぃぃ」 親れいむは俺の身長よりをはるかに越えたあまりの高さにすでにあきらめモードだが、 逆に、子れいむは「あまあま」というワードのおかげでトウモロコシにご執心の様子。 「ゆ~、どうしようまりさ・・・」 トウモロコシを食べるための良いアイデアが浮かばず親まりさの方を向いて訪ねる。 「ひゅ!ひょっひょまっへへひぇ!」 何か思いついたか、親まりさがはっと起きあがりトウモロコシに対して後ずさりを始めた。 なるほど、トウモロコシの茎に体当たりしようとしているのか。 その振動でトウモロコシの実を落とそう、もしくは茎を折ろうという魂胆か。 先の大根の失敗で、地に落ちた父親の威厳を取り戻そうとする親まりさ。 そして意を決したように突進をはじめる・・・あーあ。 「ひゅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!(ぴょんぴょんぴょん!)・・・ひゅぶべらぁ?!」 「ばばばばりざぁぁぁぁぁぁ?!」 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ」 まりさは全力かつ最大の跳躍でトウモロコシの茎にぶち当たった。 だが本当にぶち当たっただけで終わった。 帽子のないその頭部は茎の形にキレイに凹み、天を仰ぐまりさは痙攣している。 トウモロコシの茎についた実はとても硬く、切り落として収穫する。 熟した木の実のように震動で落ちるなどありえないのだ。 また2メートルの身の丈を保持するだけあってその茎も硬く、 収穫後はそのまま耕耘機で鋤き込んでしまわなければ片づけることも面倒な代物だ。 「ゆんやぁぁぁ!おちょーしゃーん!」 「ばりざぁぁぁぁぁぁ!じっがりじでぇぇぇ!」 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ」 ゆん生最期のカウントダウンをはじめた親まりさを抱え上げる。 「・・・トウモロコシも無理みたいだな」 「ばりざをっばりざをがえぜぇぇぇ!」 親れいむが俺に突進してきたが、サッと足で押さえつける。 「落ち付けって。こいつは治療してやるから、もっと他のお野菜さんを食べたらどうだ?」 「ゆ?ほんとにまりさをなおしてくれるの?」 すでに涙か何か解らない汁だらけの親れいむが右に傾きながら問いかけてくる。 「ああ、本当だとも。次のお野菜さんは食べられるといいな」 おれはさっと周囲の畑を見回し、ちょっと向こうのむねを指さした。 「なあ、れいむ。お芋なんかどうだ?」 「ゆゆ!おいもさんはほくほくであまあまでとってもゆっくりできるよ!」 「あまあましゃんたべちゃいぃぃぃ」 * o + いや、それは火を通した芋のことだろう。どこかで食ったことあるのだろうか。 「ゆっくりたべるよ!おちびちゃん、ついてきてね!」 「ゆゆーん!」 さっそく俺が指さした芋畑の向かって跳ねていくゆっくりども。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ!ゆっくりついたよ!・・・ゆ?」 「ゆー?おいもしゃんはどきょなの?」 見渡す限りの葉っぱだらけの畑。その葉もトゲトゲしてとてもゆっくりできそうにない。 「おいもさん!どこなの?!かくれてないででてきてね!」 「いじわりゅしにゃいででちぇきちぇね!」 ああ、こいつらには根菜なんて理解できんだろうな。先の大根も根菜だけどな。 「言い忘れてたけど、お芋さんは地面の下だよ。ゆっくり掘ってね」 俺の言葉を聞いた親れいむは地面を見つめた。 「ゆ?ちがうよ!おいもさんはあかくてなかはきいろでほくほくなんだよ!」 「しょうだよ!うしょちゅきのじじぃはちね!こんにゃはっぴゃしゃんなんかこーだよ!」 子れいむが見当違いな怒りにまかせて芋の葉を咬み千切ろうとした・・・ 「かーみ!かーみ、・・・ゆびげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」 「おぢびぢゃぁぁぁん?!どぼぢだのぉぉぉぉぉ?!」 根菜類、特に芋類の葉は苦くて渋みが凄い(良い子は食べちゃだめだぞ) 子れいむは白目を剥き、すでに痙攣している。 「おぢびぢゃぁぁぁん?!おぢびぢゃぁぁぁん?!」 「もっ、ぢょ、ゅ・・・っり、しちゃ」 と、臨終のご挨拶を始めた死にかけ子れいむを拾い上げる。 「じじぃ!おぢびぢゃぁんを、おぢびぢゃぁんをがえぜぇぇぇ!」 親れいむが俺に突進してきたが、サッと足で押さえつける。 「落ち付けって。こいつも治療してやるから、もっと他のお野菜さんを食べたらどうだ?」 「もう、ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛お゛や゛ざい゛ざんな゛んがい゛ら゛な゛い゛よ゛!!」 「そうかそうか、それは残念だな・・・」 「お゛や゛ざい゛ざん゛い゛ら゛な゛い゛!お゛ぢびぢゃんどばり゛ざを゛がえ゛じで!!」 涙か何か解らない汁をまき散らしながら、親れいむが懇願してきた。 おれはにんまりと頷くと、うしろの箱から親まりさ、子まりさ、子れいむを取り出した。 「まりさ!おちびちゃん!」 「れいむぅ!」「「おきゃぁしゃーん!!」」 感動の再会である。 親まりさと子ゆっくりどもには休憩で食べるつもりだったミカンを握りつぶして 果汁100%ジュースにしてぶっかけてやった。親まりさの歯は適当に埋めたらくっついた。 すーりすーりを繰り返す家族をまとめて抱え、畑の外に運び出してやる。 「どーだ、お前ら。お野菜さんとやらはゆっくりできたか?」 「「「「おやさいさんはゆっくりできないよ!!!!」」」」 まあそーなるだろうな。 野菜を掘り起こし、食すためには人間でさえ大変な苦労をする。 獣は掘り起こしたり、苦みがあるものを食べたりしない。硬いものも食べない。 そうされない為に野菜だって進化してきたのだ。獣にできないことがゆっくりにできる訳がない。 とは言え、スイカやメロンのような果実類はそれなりに被害がでるが、ハウス内なら別だ。 うちのオヤジが苦労していたのが白菜やキャベツの葉物類の被害。 これはゆっくりでも食べることができる(しかし味はほとんど無いので獣は食べない) だから俺は葉物類を露地で栽培するのをやめたのだ。 親子で寄り添い合いながら、ゆっくりと野山に帰っていく家族を眺めながら思った。 「お野菜はゆっくりできない」 このあたりに住むゆっくりにそれを広めてくれれば御の字というものだ。 おわり とりあえず自分で育てたことのある野菜について書いてみました。 もっと他の野菜編を書こうと思いましたけど、調べるのがめんどいです。
https://w.atwiki.jp/dekinaisao/pages/22.html
´/ ̄` `ヽ {\___/ \\ 冫 〃 イ ゚ . ゚ , / 〃 // 八 ゚;__}__ / , /_,.斗 / V . }ニニy―‐- 、 ∠イ . ′{/ __| /\_ ’ . . ..}ニニ/ . . . `ー | .{ . ィ ,灯)ハ} / ´ ___ }. . . }二{ . . . ハ | ハノ! . |} 弋ツ\{ んハ㍉} . ../ / ∨ } . .| . | ∨ \|{ , 弋シ / . イ / ∨ . .ト、│ 、 彡 // │ . .| リ \ r 、 / イ- ´ レ{ . / \ ___,,.. ´{ }/ ___`´} { / / /│ 入 / | iヽ ___,/ \ {ニニ! .. ト ., / / ̄ヽ | . . ノ⌒ヽ }| 「 ̄/ / i ; .、{ ⌒ゝ二二,__ /\ | // r\ハ .. .| .ヽ}\ `ー } /ノ ⌒ヾイ __n | /.. . ̄} . .フ ,イ .{ ミ ト'’r'ー 、ヽ| ′. . ./ . / { . . .ゝ..-' {ミ /∧ j. . . . ./ . .{ ∨ . . . .∧/\ //\\___/ ./ ′ ー ′} . . . .ヾ . . \\_/ ./ /{ } . . . . . . .\ . . ー‐. ./ . | }\ . . . . . . . \ . . . / . . .} できない夫の仲間その2で原作キャラその1 初めの町周辺でのレベル上げの最中に出会い、そのまま鏡イベントに突入 常識的ないい子だが、その分リインフォースの犠牲となっている 最近段々リインフォースへの扱いが黒くなったと評判である GMの話によると忍者街道まっしぐらだとか メインウエポンは短剣 ステータスはSPD>STR>DEF 装備 武器 【メエルーンズのカミソリ】威力:100 SPD+80 効果:トリップ10分の一で相手を即死させる(一戦闘二回まで) 盾 装備不可 鎧 【月下美人】 防御:60 持ち物 【ピナメイル】防御:20 ×1 【神速の服】防御:0 SPD+800 スキル ファッドエッジ センテリオン ドリュックブライシュティフト 刃鳴散ラス 雀蜂 シャドウサーキュラー 背刃襲 隠密【爆発四散 】<0T> 効果:隠密中に三十倍のダメージを与える。(スキルは使えない) ダガー(極)【カラテ】(パッシブ) 効果:装備しているダガーの攻撃力が二倍になる。ダガーなのにカラテとはこれいかに。 NINJA【ツッコミ】(パッシブ) 効果:相手が死なないように絶妙なツッコミ(物理)を加える。 追跡【ゴウランガ!】(パッシブ) 効果:相手がどこにいるかわかる+相手を逃がさない(こっちが容認したときは例外 KUNAI【超!エキサイティン!】<0T> 効果:カミソリを投げる。相手は死ぬ。 ☆NINJASLAYER【アイエエエエエ!?】(パッシブ) 効果:隠密中の相手を発見できる。 ☆NINJASLAYER【ワザマエ!】(パッシブ) 効果:相手を倒したとき、その相手を捕縛できる。 ┏盾:0 ┣片手剣:0 ┣短剣:100━短剣(真):100━短剣(極):100 ┣槍:0 ┗メイス:0 ┏索敵:0 ┣隠密:100 ┣追跡:100 ┣体術:0 ┗聞き耳:0 ┏投擲:0 ┣投剣:100━KUNAI:70 ┣軽業:100━NINJA:100━☆NINJASLAYER:500 ┣識別:0 ┣鍛冶:0 ┗釣り:0
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1919.html
【注意】 * 冗長です * 独自解釈あります * 虐待成分薄め * ネタかぶりはご容赦を 「ここはまりさたちのゆっくりぷれいすなんだぜ!!」 「ゆっくりできないじじいはさっさとでていってね!!」 ある日、家がゆっくりに荒らされていた。 うん、お仕置き決定。 【にんげんさんはゆっくりできない】 「ごべんなざいいいいい!! ばでぃざがわるがっだでずうううううう!!!」 「ゆるじでね!! がわいいでいぶをゆるじでね!!!」 一刻ほど殴り倒した結果、最初のでかい態度はきれいに消え失せた。 「お前ら、どうしてこんな目にあっているか、わかってるか?」 「ばでぃざがおにいざんのおうぢにばいっだがらでずううううう!!」 「もうじまぜんがらだずげでえええええええ!!!」 俺の熱い心も伝わったようだな、よし。 「人間さんはゆっくりできないことがわかったか?」 「わがりまじだ!! にんげんざんはゆっぐりでぎまぜん!!」 「よし、お前らのことは逃がしてやる」 「ありがどうございまず!! ありがどうございまず!!」 そして2匹はボロボロになって森に逃げていった。 どうして逃がしたのかって? この村の周囲にはゆっくりが多く、家や畑が荒らされることが頻繁にある。 相手は所詮饅頭なので退治は簡単なのだが、何しろ数が多すぎてキリがない。 だったら「人間の村に来るとひどい目にあう」と覚えこませて被害を減らせないか?ということだ。 「そんなにうまく行くものかね?」 「やってみなけりゃわからんだろうさ」 隣に住む虐待お兄さんは、潰さず逃がしたことが心残りらしい。 確かに連中が、すぐに物事を覚えるとは思いづらい。 だが、村の端に住んでいるせいで、一番の被害を被っている俺にとって、これは大事な賭けなのだ。 翌日。 「むーしゃむーしゃ、ししししあわせええええええ!!」 「うっめ!! これめっちゃうっめ!!」 俺の畑に、ボロボロのゆっくりが2匹忍び込んでいた。 「…お前ら…」 「ゆゆ!! ゆっくりできないにんげんさんなんだぜ!!」 「ゆっくりできないじじいはさっさとでt」 「おーまーえーらーーーー!!!!」 「「ゆぎゃあああああああああああああああ!!!」」 一通り殴ったり蹴ったりした後、2匹を籠に押し込んだ。 さらにボロボロになったが、2匹ともまだ生きている。 まだだ、まだ殺すわけにはいかない、俺の生活がかかっているんだ…。 「かひっ! かひっ!!」 「ゆべええええぇぇぇぇ…」 所変わって森の中の広場。 目の前には皮をちまちまと毟り取られた結果、全身くまなく餡子剥き出しになった2匹の元ゆっくり。 「いやあああああ!! こわいいいいいいいい!!」 「おもにかおがきもいいいいいいいい!!」 「やめてね!! やめてあげてね!!」 「ゆええええええん!! ゆびぇええええええええん!!」 遠巻きにこちらを囲んで喚いているのは、家を荒らしたゆっくりの群れの仲間たち。 2匹を脅しておびき出し、出てきたヤツらも脅して見物させているのだ。 「どぼぢでぞんなごとずるのおおおおおおおお!?」 「こいつらが俺のゆっくりプレイスを荒らしたからだ!」 そうさ、何も悪さをしたゆっくりを改心させる必要なんてない。 ゆっくり全体が悪さをしないようになれば良いわけで、そのために俺は2匹を見せしめにしている。 「ごべっ、ごべんなざい!! もうじまぜん!! だずげで!!」 「お前昨日もそう言っただろうがああああ!!」 「ゆびゅううううううう!!」 「ゆっ、ゆぎゃあああああああああああ!!」 怒りに任せて2匹の片方を踏み潰す。 辺りに餡子が飛び散り、それが剥き出しの餡に当たったのか、もう1匹が悲鳴を上げる。 「ゆわあああああああああああああああああ!!!」 「ゆびゃああああああ!! ごわいよおおおおおおおお!!!」 「ゆひっ、ゆひいいいいいいいい!!!」 「むぎゅー!! えれえれえれ…」 「ぼうやべでよおおおおお!! ゆっぐじじないでがえっでよおおおおおお!!」 「ゆえーん!! ゆえええええええええん!!」 見物のゆっくりたちも思い思いの悲鳴を上げる。 これだけの反応があれば、当分は荒らされる心配をしなくてもいいだろう。 「わかったかお前ら、人間さんはゆっくりできないだろう?」 「わ、わかったよ!! にんげんさんはゆっくりできないよ!!」 「今度里に下りてきたら、お前ら全部こうしてやるからな!」 「ゆぎょおおおおおおおおおおおおお!!!」 足元の餡子玉を小突くと悲鳴を上げ、それを聞いた辺りのゆっくりたちはぶるぶると震えている。 その様子に満足した俺は、もう1匹は殺さずに森を後にした。 死ぬまでに少しでも恐怖を与えるのが、あれの最後のお勤めだ。 さすがにこれだけやれば、当分は饅頭どもに悩まされることはないだろう。 そう思うと、足取りも軽かった。 それから数日後。 「いちばんえらいにんげんさんをだしてね!!」 村の外れに、ゆっくりの群れを引き連れて、ドスが現れた。 「ですよねー」 「じゃねーだろボケ」 疲れた顔でため息をついた俺を、隣のお兄さんがド突いた。 「情けをかけるだけ無駄か、あのド饅頭ども…」 「連中には人間様の道理が通らないからな。潰してやるのが一番の情けだ」 「違いない…」 村中の男衆は準備に奔走している。 もちろん、ゆっくりどもを駆除するためだ。 村にドスが現れるのは、今回が初めてじゃない。 ほぼ毎年のように現れては、同じ数だけ潰されている。 村人の対応も慣れたものだ。 「れいむとまりさにひどいことをしたにんげんさんをだしてね!!」 「それは出来んと言っておるだろう」 「わるいにんげんさんはせいさいされないといけないんだよ!! むくいなんだよ!!」 「先に悪さをしたのはお前たちだと聞いておるが?」 「ちがうよ!! ゆっくりしてたれいむとまりさが、ゆっくりできないにんげんさんにころされたんだよ!!」 村長は時間稼ぎに、ドスと押し問答を続けている。 まったく、ゆっくりというのは本当に声が大きい。 人の背丈でもなお見上げる大きさのドスの声は、この距離だと怒号にしか聞こえない。 「ゆっくりどもに俺が悪さをされたんだがな」 「はいはい、お邪魔するよ」 「ゆゆ!! わるいにんげんさんだね!!」 と、まあ、俺は村長の脇にやってきた。 別に他意があるわけじゃない、村長だけでは時間稼ぎにも限度があるからだ。 お兄さんはただの野次馬だが。 「にんげんさんにせいさいするよ!! しんでれいむとまりさにあy」 「この前、俺に会ったゆっくりはいるか?」 どうもこのドスは頭が悪く、こいつと話しても時間は稼げそうもない。 ならばと、俺は他のゆっくりに話を振ることにした。 「…ぱちぇはにんげんさんとあったわ」 ドスの後ろから、ゆっくりが1匹現れる。 確かに先日、あの場にぱちゅりーがいた覚えがある。 「俺が話したことを覚えているか?」 「むきゅ……れいむとまりさが、にんげんさんのゆっくりぷれいすをとろうとしたっていってたわ」 「どすもきいたよ!! ゆっくりできないにんげんさんがわるいんだよ!!」 …毎度毎度、餡子脳の超理論には頭が痛くなる。 というか、このドス頭が悪すぎないか? 「おいぱちゅりー、お前も俺が悪いと思うのか?」 「…にんげんさんがわるいとおもうわ」 「おいおい……」 いくらなんでも話が通じなさすぎる。 お仕置きした2匹も、泣いて謝った割には次の日にあのザマだ。 こいつら本当に物を考える力が無いんじゃないかと思えてくる。 よその村では金バッジとかいうものがあるらしいが、ウソなんじゃないか? 「おい、他のゆっくりども。お前らはどう思うんだ?」 たまらずドスの後ろの群れに声をかける。 「ゆゆ! ゆっくりできないにんげんさんがわるいにきまってるんだぜ!!」 「ゆっくりできないにんげんさんはしね!!」 「おお、ぶざまぶざま」 が、この有様だ。 「ぷぷー! ゆっくりできないなんて、にんげんさんはあわれだね!!」 「おきゃーしゃん、にんげんしゃんはかわいちょうだにぇ!!」 「あかちゃん、あれがゆんせいのらくごしゃだよ!! かしこいあかちゃんはまねしちゃいけないよ!!」 「わきゃっちゃよ、おきゃーしゃん!!」 「ゆっくりできないにんげんさんはしね!!」 「ゆっくちできにゃいにんげんしゃんはちね!!」 「ゆっくりできないにんげんさんはしね!!」 「ゆっくりできないにんげんさんはしね!!」 …何で饅頭ごときにここまで言われにゃならんのだ。 煮え返るはらわたを必死に我慢する俺を、馬鹿にしたような目つきでドスが見下ろしている。 畜生! 饅頭のクセにふざけるな! ブッ殺してやる! 「なるほど、大体わかった」 もう少しで後先考えずにドスに飛び掛るところだった俺の前に、お兄さんが進み出た。 「じゃまだよ、にんげんさん! そっちのにんげんさんにせいさいするからどいてね!」 「まあ待て、少しお兄さんの話を聞け。今からゆっくりできる話をしてやる」 「ゆ? ゆっくりできる?」 「そうだ。だから後ろのゆっくりたちを静かにさせろ」 「お、おい、何の話を…」 「いいから、ちょっと黙って聞いてろ」 しねしねと大合唱のゆっくりどもをドスになだめさせ、お兄さんは話し始めた。 「お前たち、人間さんはゆっくり出来ているか?」 「にんげんさんはゆっくりできないんだよ! じょうしきもしらないの? ばかなの?」 「ばーかばーか!」 「ばかなにんげんさんはしんでね!!」 ドスの答えに群れのゆっくりがまた囃し立て始める。 だがお兄さんはそれを無視して、何かに納得したようにうなづいている。 「実はな、人間さんはとてもゆっくり出来ているんだ」 「うそだよ! にんげんさんはゆっくりできないってみんなしってるよ!」 「じゃあお兄さんを見てみろ。ゆっくり出来ていないか?」 「ゆゆ?」 お兄さんを見るドスの眉間に皺が寄っていく。 何しろお兄さんは、獲物の山を前にして笑顔が輝いている。 「ゆう…にんげんさんはゆっくりできているよ?」 「そうだろう、お兄さんは今、とってもゆっくり出来ているぞ」 「で、でもおかしいよ! そっちのにんげんさんはゆっくりできていないよ!」 当たり前だ、クソ饅頭を前にしてニコニコできるか。 お兄さんとは違うんです。 「それはどうしてか教えてやろう」 「ゆ?」 「人間さんは、ゆっくりを見るとゆっくり出来なくなるんだ」 「ゆううううううう!?」 「ありすをみてゆっくりできないなんてとかいはじゃないわ!!」 「れいむこんなにゆっくりしてるのにいいいいいい!!」 「だって人間さんはゆっくりなんて大嫌いだからな」 「「「どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおおおおお!!?」」」 「ゆゆゆゆゆ…みんなおちついてね!!!」 お兄さんの言葉で大混乱になった群れを、ドスがまとめなおす。 「だってへんだよ! このにんげんさんはみんなをみてもゆっくりしてるよ!!」 「ゆ!? ほんとだ! とってもゆっくりしてるよ!!」 「ゆっくちゆっくち!! うしょちゅきはちんでにぇ!!」 「ああ、お兄さんはゆっくりをいじめるとゆっくり出来る人だからな」 「「「ゆわああああああああああああああ!!!」」」 あっという間にまた大恐慌。 「最後に大事なことを言うから聞いてね!!」 お兄さんの声に、ざわざわしながらも全ゆっくりが注目する。 「村の人たちはゆっくりが大嫌いだから、お兄さんはお兄さんがゆっくりするために」 「「「ゆゆっ」」」 「人間さんは、ゆっくりをゆっくりさせません!!!」 「「「ゆんやああああああああああああああああああああああ!!!」」」 直後、ピイイイと甲高い音が空を駆け上がっていった。 鏑矢の音だ。 それを合図にして、ゆっくりの群れに雨のように矢が降り注いだ。 村人がしていた準備というのがこれだ。 わさびを塗りこんだ矢を番えて、物陰から先手を狙っていたのだ。 「ゆぎゃああああああ!! がらいいいいいいいいいいい!!!」 「どずうううううううううう!?」 「ゆぎゅるぅっ!!!」 「いやあああああああ!! どすつぶさないでええええええ!!!」 大きさが災いしてハリネズミのようになったドスは、わさびの辛さにのたうち回る。 その周りでは群れのゆっくりがドスに潰され、地面は餡子まみれになっていた。 ドスさえ動けなくしてしまえば、後は烏合の衆だ。 「ヒャッハー!! お楽しみだぁー!!」 「いやあああああああああああ!!!」 鋤や鍬を抱えた村人が殺到する中に、お兄さんは素手のまま飛び込んでいった。 「つまり、『ゆっくりできない』の主語が何なのか、あいつらに伝わってなかったわけだ」 「なるほどねー」 俺は饅頭どもに『人間はゆっくり出来ない』と伝えた。 当然『人間はゆっくりにとってゆっくり出来ないものだ』という意味だ。 それをあいつらは『人間はゆっくりすることが出来ないあわれな生き物』と理解していたという。 「あいつら、自分がゆっくりすることに命を懸けているからな。 はっきりした言い方じゃないと、自分に都合よく解釈しちまうんだな」 「まあ、あの餡子脳どもも、さすがに理解しただろ」 そういって目を向けた先には、全身に矢が刺さったままのドスがいる。 「村の家は何だかわかるか?」 「ゆっぐじでぎるおうぢば、にんげんざんのゆっぐじぶれいずでず!!」 「村の畑は何だかわかるか?」 「ゆっぐじじだばだげぼ、にんげんざんのゆっぐじぶれいずでず!!」 最初は全部まとめて潰してしまうはずだったが、お兄さんの話が通じたのを見て、森に返すことになったのだ。 もちろん、教育した後でだが。 「お前たちが言うには、人間が野菜を独り占めしているそうだが?」 「にんげんざんのゆっぐじぶれいずにあるがら、にんげんざんのものでず!!」 「お前たちは人間の姿が見えないと、家や畑を勝手に荒らすな?」 「にんげんざんがいなぐでもにんげんざんのゆっぐじぶれいずでず!! りがいじまじだ!!」 お兄さんが言うには、ゆっくりにとって、ゆっくり出来ているかどうかは唯一絶対の尺度らしい。 人間がゆっくりよりも強いことはゆっくりにもわかっていたらしいが、『人間はゆっくり出来ていない』から見下していたようだ。 「ごべんだざいいいいい!!! もうじばぜんんんんんん!!!」 「ゆるじでぐだざいいい!! だずげでぐだざいいいい!!」 「にんげんざんのどごろにばぼうぎばぜん!!!」 ドスの足元には、かろうじて生き残ったゆっくりたちが数匹いる。 あの様子なら、今度という今度は村に来ることはないだろう。 「オラ! とっとと帰れ!!」 「ゆべしっ!!」 「二度と来んなコラ!!」 「ゆっぐじざぜでえええええええええ!!」 村人達のぞんざいな足蹴を受けて、ドスたちはズタボロの体を引きずりながら森に帰っていった。 季節は移ろい、恵みの秋。 あれからゆっくりは人間を警戒するようになり、めったなことでは人前に姿を現さなくなった。 しかし、この時期になると、きのこやあけびなどの恵みを求めて、村人たちが森に入っていく。 「ゆんやああああああああ!! こないでええええええええええええ!!」 「にんげんさんはいやあああああああああああ!!!」 ゆっくりたちも冬篭りに備えて活発に動いており、その結果として毎日、森は悲鳴にあふれている。 ゆっくりが捕まりにくくなり、虐待お兄さんは鬱憤がたまっているのではないか。 そう思い、隣のお兄さんに尋ねてみたが、泣き喚き逃げ惑ってくれたほうが楽しいらしい。 森の恵みもそろそろ終わり、本格的な冬支度を始める時期が近づいている。 だが、お兄さんはゆっくりの悲鳴を求めて、今日も森に向かう。 「にんげんさんはゆっくりできないいいいいいいいいいい!!!」 (完)
https://w.atwiki.jp/dq9-wiki/
ドラゴンクエスト9★攻略WIKIへようこそ 大人気RPG『ドラゴンクエスト』はついにシリーズ9作目。 詳しくはゲームの概要を見て下さい。 最新アニメ動画をチェック♪ ■YouTubeアニメ無料動画@Wiki …もっとアニメ動画を見る 当サイトについて 「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」を攻略するサイトです。 このウィキは一部を除いて誰でも編集することができます。 攻略情報をみんなでまとめてよいサイトにしていきましょう。 間違えた情報があればぜひ直してください。 編集について WIKIは初めての方でも簡単に編集できるようになっています。 わからないことは編集ガイドを見て下さい。 それでも難しい場合は最新情報掲示板にコメントしてください。 質問について 質問する前に検索エンジンや公式サイトなどで必ず一通り調べてください。 質問は、質問掲示板にコメントすると答えてくれる人がいるかも。 管理について 作成されたページは管理人の独断で変更する場合があります。 本サイトはゲーム開発・販売会社とは一切の関係もありません。 最新動画 リンク集 公式ホームページ Wikipedia 関連ニュース 「ドラクエ」の知育アプリが登場 親世代になったファンから「ドラクエの英才教育」「娘ちゃん喜んでた」と熱視線 - auone.jp プレステMusic大賞、結果発表 - アキバ総研 『DQウォーク』×『DQM』イベント第2章配信! 強敵にじくじゃくとの激闘がスタート - 電撃オンライン すぎやまこういちさん、55歳で向き合った『ドラクエ』 音楽人生たどる番組放送(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ドラクエ」のパズルゲーム「ドラゴンクエストけしケシ!」本日配信開始(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストウォーク』イベント報酬の“しっぷうのうでわ”は無事ゲット!Aクラスは本気パーティでも苦戦中!【プレイ日記第446回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 2021年のゲームトレンドは? 「ダイパリメイク」「ウマ娘」など各月のトレンドワードを発表(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ドラクエウォーク】星降りの霊杖の評価は?ガチャは引くべき? – 攻略大百科 - 攻略大百科 ドラゴンクエスト ダイの大冒険:高橋李依がカール王国の女王フローラに 「じっくりと大きな挑戦を」 - MANTANWEB(まんたんウェブ) 『ドラゴンクエストウォーク』“モンスターグランプリ”開幕!ルーキーの間はデメリットもないのでガンガン挑戦しよう【プレイ日記第442回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App ドラクエ音楽すぎやまこういちさん「お別れの会」12月11日 「一般の部」も開催(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース のっちはゲームがしたい! 第9回 ドラクエが愛され続ける理由とは? 堀井雄二さんにこの35年間の話をしてもらいました(音楽ナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『DQウォーク』11月18日より、なかまモンスターで競う「モンスターグランプリ」が開幕!(アスキー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラクエウォーク』「はおうのオノ」装備性能評価!メタル系イベントが楽しみに (2021年11月15日) - エキサイトニュース 有吉弘行、妻・夏目三久との“公園デート”でみせた「財布の管理は妻」の顔(週刊女性PRIME) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ドラクエウォーク】はおうのオノの評価は?ガチャは引くべき? – 攻略大百科 - 攻略大百科 広田レオナ、肺がん手術後5か月検診の結果を報告…5日に左股関節の炎症明かしていた(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 浜村弘一氏がゲーム産業の現状と展望を解説。2021年秋の業界セミナー“~ゲームビジネス2.0の勝者~”リポート(ファミ通.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ドラクエウォーク】11章9話ボス「しにがみのきし」の攻略方法と弱点・おすすめ耐性装備 – 攻略大百科 - 攻略大百科 『ドラクエタクト』にて本日より「ダイの大冒険」コラボイベントが開催!いまなら毎日「ジェム1000個」プレゼント(アスキー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストウォーク』「この城わが旅!日本100名城(R)キャンペーン」開催 - PR TIMES 『ドラクエX』Famiポートでビットキャッシュを買うとゲーム内アイテムがもらえるキャンペーンを開催(アスキー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラクエX』最新追加パッケージ発売記念で、渋谷に“天使”になれる体験型屋外ビジョンが設置!(アスキー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストX オンライン』プレイ日記 ハロウィンイベントで新作衣装とドレスアップ装備をゲット!(第351回)(ファミ通.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース シナリオ会社「ストーリーノート」がスタッフを募集!「ドラクエ」を手掛けてきた藤澤仁の会社で、ARG『Project ;COLD』、音ゲー『東方ダンマクカグラ』、RPG『ゲート オブ ナイトメア』などを手掛ける(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドラクエシリーズ人気ランキング、「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」を超えた1位は?(Suits-woman.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストX 天星の英雄たち オンライン』最新情報。4つめの試練場“紺碧の試練場”で出会う美しきウェディの英雄、その名はリナーシェ! - ファミ通.com 【今年で35周年】『ドラゴンクエスト』シリーズ人気ランキング 1位は「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」 2位は…? - PR TIMES 「ドラクエ」など作曲家すぎやまこういち氏敗血症性ショックで死去 90歳 - ニッカンスポーツ 「ドラゴンクエストX オンライン」、RMT・詐欺行為など9月に対処を行なったアカウント数を公表 - GAME Watch 作曲家すぎやまこういちさんが携わったドラクエ全シリーズ/一覧 - ニッカンスポーツ 『ドラクエX オフライン』発売日が2022年2月26日に決定!数量限定の超デラックス版も予約開始 - Game*Spark 「ドラゴンクエスト」×「PORTER」コラボの各種バッグ&ウォレット発売決定! - GAME Watch 「ドラクエ5」の仲間モンスター人気ランキング! 2位の「キラーマシン」を上回る1位は?(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『DQウォーク』×『DQV』イベント第3章スタート。ビアンカ、フローラ、デボラから誰を選ぶ? - 電撃オンライン 『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』がスーパーファミコンで発売された日。仲間モンスターシステムや重大な決断を迫られることが話題に【今日は何の日?】(ファミ通.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストウォーク』9月27日は新装備ふくびきが開催される!?理由は〇〇の日だから!【プレイ日記第412回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 「ドラゴンクエスト×ロフト グッズキャラバン 2021」が9月25日より順次開催。35周年記念グッズや新作トラベルグッズなどがラインナップ - 4Gamer.net 『ドラゴンクエストX』『FF14』の特別生放送や『サガ』シリーズの最新情報が発信されるスクウェア・エニックスの「TGS2021」配信イベント特設サイトが公開(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース スマホ版「ドラクエV」が9月20日までセール - アキバ総研 ヘキサドライブが「ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎」の開発に参加。開発スタッフを募集する特別採用ページを公開 - 4Gamer.net 『ドラクエタクト』全部銀ならSキャラ確定! “SWチャンスSPスカウト”が最大30連無料! - 電撃オンライン 『ドラクエ』カラフルなスライムたちがあらわれた!ネオンカラーのぬいぐるみがプライズ化!9月上旬に登場! - 電撃ホビーウェブ 『DQウォーク』前夜祭&魔鳥イベント、まもなく終了! 9月12日までにやっておきたいこと【電撃DQW日記#1045】 - 電撃オンライン 『ドラゴンクエストウォーク』×『DQ5』コラボが9月12日(日)より開催! 結婚システムやモンスターを連れ歩ける“なかまモンスター”システムなども実装予定 - ファミ通.com 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-』が9月28日よりサービス開始決定! 本日9月7日よりApp Storeでも事前登録を開始 - ファミ通.com アスキーゲーム ライアン難民救済!?『ドラクエタクト』9月14日より追憶に「DQⅣ」イベントと「鬼教官モナンの強化合宿」が追加 - ASCII.jp 関ジャニ「感慨深い」五輪開会式のドラクエ序曲で登場 アンバサダー就任 - ニッカンスポーツ スクエニ、『DQタクト』で9月1日に追加更新予定の「1周年後夜祭イベント」に登場する「キラーマジンガ」と「ワニバーン」を公開 | gamebiz - SocialGameInfo 【ドラゴンクエスト】戦闘曲が好きなナンバリングタイトルランキングTOP11! 1位は「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」【2021年最新投票結果】(1/3) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 「ドラクエウォーク」新イベント「前夜祭’21 2nd ANNIVERSARY」開催! 「Wピックアップふくびき」も登場 - GAME Watch スクエニ、オンライン会社説明会を9月18日に開催 - GAME Watch 「ドラゴンクエストX 天星の英雄たち オンライン」の最新情報が公開。天星郷フォーリオンで待ち受ける“試練場”と二人の英雄を紹介 - 4Gamer.net 「ドラゴンクエストX オンライン」,9周年を記念した特別番組を8月18日19時から配信 - 4Gamer.net 「ドラゴンクエストX」新情報に注目の9周年記念特番は8月18日に配信。忘れずに見たい「今週の公式配信番組」ピックアップ - 4Gamer.net ゲーム音楽専門の吹奏楽団が『ドラクエ』『DELTARUNE』などの楽曲を披露する演奏会を9月26日に開催。ルネこだいらにて入場無料(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストウォーク』イベント終了まであと9日!優先すべきこころやアイテムは?【プレイ日記第385回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App スマホ版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』8/9までの期間限定で33%OFFセールを開催 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 「ドラゴンクエストX 天星の英雄たち オンライン」の舞台は天使が暮らす浮遊都市“天星郷フォーリオン”。新職業“海賊”も登場 - 4Gamer.net 中川翔子さん「鳥肌!!」 入場行進でドラクエなど19のゲーム音楽 - 毎日新聞 - 毎日新聞 Nintendo Switchタイトルの大型セールがスタート。『FF9』が1273円でシリーズは軒並み半額に、『ドラクエ』『大神』『牧場物語』『ディスガイア』などもお値打ち価格(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストX オンライン』バージョン5.5最新情報。魔界を舞台にした冒険はついに完結へ! - ファミ通.com 【ドラクエ】歴代ナンバリング作品のストーリー人気ランキングTOP11! 第1位は「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」に決定!【2021年最新投票結果】(1/3) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 「ドラクエウォーク」リアルおみやげプロジェクト、第2弾・第3弾の発売が決定! - GAME Watch ドラクエ新作「12」や「3」リメーク版 対応ハード未発表なぜ(河村鳴紘) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラクエ12 選ばれし運命の炎』『ドラクエ3』HD-2Dリメイクなど新作6タイトルが発表!【DQ35周年生放送まとめ】 - ファミ通.com ドラクエ3リメイクがオクトパストラベラー風のHD-2Dグラフィックで開発中 – 攻略大百科 - 攻略大百科 Amazon、「ドラゴンクエスト35周年記念セール」を本日より開催! - GAME Watch 「ドラクエウォーク」とファッションの良好な関係 緊急事態宣言下の“ぼうけんのしょ” - WWD JAPAN.com 【ドラゴンクエストウォーク攻略】ストーリークエスト10章9話のボス“バリゲーン”攻略!HPを半分まで減らす前に準備をしっかりと | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 【ドラクエウォーク】10章9話ボス「暴嵐天バリゲーン」の攻略方法と弱点・おすすめ耐性装備 – 攻略大百科 - 攻略大百科 【ドラクエ】みんなが選んだ好きなサブタイトルランキングTOP10! 第1位は「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」に決定!【2021年最新投票結果】【ネタバレ注意】(1/3) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 「ドラクエウォーク」、1.5周年カウントダウンキャンペーンが本日スタート! - GAME Watch 『DQウォーク』メインストーリーは9章9話まで急いで進めるべし! その理由はコレ【電撃DQW日記#835】 - 電撃オンライン スクエニ社員に脅迫容疑で逮捕「ゲーム勝てずイライラ」 - 朝日新聞デジタル 『ドラクエ3』ゾーマに迫ったのは!? 『ドラゴンクエスト』シリーズ「見た目が最強のボス」ランキング - ふたまん+ 【ドラクエウォーク】9章6話ボス「キラーアーマー」の攻略方法と弱点|物理対策が重要 – 攻略大百科 - 攻略大百科 『ドラゴンクエストウォーク』イベントは99%終了!新メガモンに9章、海賊など楽しみが一気に押し寄せる!【プレイ日記第278回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 『ドラゴンクエストIX』が発売された日。マルチプレイが楽しかった携帯機の『DQ』、当時流行した“まさゆきの地図”が懐かしい!【今日は何の日?】 - ファミ通.com 10周年を迎えた『ドラゴンクエストIX』をなぜ400本も所有?「まさゆきの地図」を自力で出すのに2年半、『ドラクエIX』を徹底的にやり込み数字の限界に挑んだ人に聞く - ニコニコニュース 2009年発売予定のRPG、買うなら「ドラクエ9」「FF13」どっち? - CNET Japan キャラの雰囲気はドラクエ9?スマホ向け完全新作『星のドラゴンクエスト』のPV映像が公開! - 週刊アスキー - 週刊アスキー 「ドラクエ9」が半額に、スクウェア・エニックスが異例の早さで廉価版を発売へ - GIGAZINE ドラクエ9、2940円に実質値下げ--ドラクエ4、5、FF4も - CNET Japan ドラクエ9違法配信者など10名、10都道府県警が一斉取り締まり - CNET Japan ドラクエ9 『伝説の地図』発見者へのインタビューが“いい人”と話題 - はてなニュース ドラクエ9、最大の難題は「既存のファン」--今だから語れる開発秘話 - CNET Japan 噂の「まさゆき地図」は仕込みではなかった--開発者も驚くドラクエ9 - CNET Japan ドラクエ9、データ改造ソフトとのすれ違い通信に警告--宝の地図の確認を - CNET Japan 「マックでDS」,「ドラクエ9」コンテンツの配信を1か月延長 - 4Gamer.net ドラクエ9、業務用ゲーム「モンスターバトルロードII」と連動--「大魔王の地図」を配信 - CNET Japan ドラクエ9は中古品出回らず、ネット通信機能が奏功 - CNET Japan ランキングに反映されたドラクエ9はやっぱり1位! (1/2) - ASCII.jp ドラクエ9、発売4日で国内出荷本数が300万本を突破 - CNET Japan レビュー炎上、うわさ検証、マジコンジョーク――「ドラクエIX」ネタで盛り上がり - ITmedia アスキーゲーム “ドラクエ9”発売まであと2日! アキバは早朝販売の準備に追われていた (1/3) - ASCII.jp ドラクエ9が発売延期--7月11日に - CNET Japan ドラクエ10はWiiで発売--ドラクエ9は2009年3月28日、5980円で登場 - CNET Japan 『ドラクエIX』の発売延期、9割以上が「許せる」 - CNET Japan 「ドラクエ9」はDSで 来年発売 - ITmedia
https://w.atwiki.jp/bast/pages/15.html
英語の情報、教材が多すぎてできない これは私だけじゃなく、他の英語の先生も言っているんですけど、 一つのものに絞ってやった方が、英語はうまくなります。 ところがみなさん、CDブック買ってくる、次におもしろそうな英語の雑誌がでて、 それをまた買ってきて、ちょこちょこっとやる それを繰り返してると、極端な話、やらない方がかえってよかったなって 結果の人も、私何十人も見てきてます。 ■1日たった20分!酒井式 独学英語習得法 Simple Englishとは・・・ 1日20分で英語を話したい人はここをクリック>>>
https://w.atwiki.jp/maeno-takehiro/pages/265.html
ゼロ戦といえば、第二次大戦中の名戦闘機として世界的に有名になっている。 ゼロ戦は、戦時中、約一万機もつくられ、米英をはじめとする連合軍を震え上がらせたのだが、このゼロ戦を、ふたたび、大量に製作して外国に販売しようという企画が進められている。 スワ武器輸出、と目くじらを立てる平和団体も出てきそうな話だが、それは、まだ経験脱却のできない人たちの考え方だ。 ゼロ戦は、いまや、武器ではなく、日本刀と同じように高級な芸術品なのだ。 しかも、その卓越した操縦性から、現代最高のスポーツ機といっていい。 平和な時代の、健全なスポーツ用名機として、ゼロ戦は、世界各国のレジャー航空界から引き合いが殺到している。 このように、経験を離れて考えてみると、落下傘も空に飛び上がるし、過去の武器もスポーツ用品になるのだ。 経験することは、とても重要ではあるが、経験から得たものにこだわっていると、新しい企画はできない。 このことを肝に銘じておきたいものである。 人材育成コンサルタント・前野岳洋
https://w.atwiki.jp/dq9-wiki/pages/23.html
ドラゴンクエスト9 発売前ニュース 「ドラクエ」の知育アプリが登場 親世代になったファンから「ドラクエの英才教育」「娘ちゃん喜んでた」と熱視線 - auone.jp プレステMusic大賞、結果発表 - アキバ総研 『DQウォーク』×『DQM』イベント第2章配信! 強敵にじくじゃくとの激闘がスタート - 電撃オンライン すぎやまこういちさん、55歳で向き合った『ドラクエ』 音楽人生たどる番組放送(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ドラクエ」のパズルゲーム「ドラゴンクエストけしケシ!」本日配信開始(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストウォーク』イベント報酬の“しっぷうのうでわ”は無事ゲット!Aクラスは本気パーティでも苦戦中!【プレイ日記第446回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 2021年のゲームトレンドは? 「ダイパリメイク」「ウマ娘」など各月のトレンドワードを発表(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ドラクエウォーク】星降りの霊杖の評価は?ガチャは引くべき? – 攻略大百科 - 攻略大百科 ドラゴンクエスト ダイの大冒険:高橋李依がカール王国の女王フローラに 「じっくりと大きな挑戦を」 - MANTANWEB(まんたんウェブ) 『ドラゴンクエストウォーク』“モンスターグランプリ”開幕!ルーキーの間はデメリットもないのでガンガン挑戦しよう【プレイ日記第442回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App ドラクエ音楽すぎやまこういちさん「お別れの会」12月11日 「一般の部」も開催(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース のっちはゲームがしたい! 第9回 ドラクエが愛され続ける理由とは? 堀井雄二さんにこの35年間の話をしてもらいました(音楽ナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『DQウォーク』11月18日より、なかまモンスターで競う「モンスターグランプリ」が開幕!(アスキー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラクエウォーク』「はおうのオノ」装備性能評価!メタル系イベントが楽しみに (2021年11月15日) - エキサイトニュース 有吉弘行、妻・夏目三久との“公園デート”でみせた「財布の管理は妻」の顔(週刊女性PRIME) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ドラクエウォーク】はおうのオノの評価は?ガチャは引くべき? – 攻略大百科 - 攻略大百科 広田レオナ、肺がん手術後5か月検診の結果を報告…5日に左股関節の炎症明かしていた(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 浜村弘一氏がゲーム産業の現状と展望を解説。2021年秋の業界セミナー“~ゲームビジネス2.0の勝者~”リポート(ファミ通.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ドラクエウォーク】11章9話ボス「しにがみのきし」の攻略方法と弱点・おすすめ耐性装備 – 攻略大百科 - 攻略大百科 『ドラクエタクト』にて本日より「ダイの大冒険」コラボイベントが開催!いまなら毎日「ジェム1000個」プレゼント(アスキー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストウォーク』「この城わが旅!日本100名城(R)キャンペーン」開催 - PR TIMES 『ドラクエX』Famiポートでビットキャッシュを買うとゲーム内アイテムがもらえるキャンペーンを開催(アスキー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラクエX』最新追加パッケージ発売記念で、渋谷に“天使”になれる体験型屋外ビジョンが設置!(アスキー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストX オンライン』プレイ日記 ハロウィンイベントで新作衣装とドレスアップ装備をゲット!(第351回)(ファミ通.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース シナリオ会社「ストーリーノート」がスタッフを募集!「ドラクエ」を手掛けてきた藤澤仁の会社で、ARG『Project ;COLD』、音ゲー『東方ダンマクカグラ』、RPG『ゲート オブ ナイトメア』などを手掛ける(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドラクエシリーズ人気ランキング、「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」を超えた1位は?(Suits-woman.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストX 天星の英雄たち オンライン』最新情報。4つめの試練場“紺碧の試練場”で出会う美しきウェディの英雄、その名はリナーシェ! - ファミ通.com 【今年で35周年】『ドラゴンクエスト』シリーズ人気ランキング 1位は「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」 2位は…? - PR TIMES 「ドラクエ」など作曲家すぎやまこういち氏敗血症性ショックで死去 90歳 - ニッカンスポーツ 「ドラゴンクエストX オンライン」、RMT・詐欺行為など9月に対処を行なったアカウント数を公表 - GAME Watch 作曲家すぎやまこういちさんが携わったドラクエ全シリーズ/一覧 - ニッカンスポーツ 『ドラクエX オフライン』発売日が2022年2月26日に決定!数量限定の超デラックス版も予約開始 - Game*Spark 「ドラゴンクエスト」×「PORTER」コラボの各種バッグ&ウォレット発売決定! - GAME Watch 「ドラクエ5」の仲間モンスター人気ランキング! 2位の「キラーマシン」を上回る1位は?(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『DQウォーク』×『DQV』イベント第3章スタート。ビアンカ、フローラ、デボラから誰を選ぶ? - 電撃オンライン 『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』がスーパーファミコンで発売された日。仲間モンスターシステムや重大な決断を迫られることが話題に【今日は何の日?】(ファミ通.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストウォーク』9月27日は新装備ふくびきが開催される!?理由は〇〇の日だから!【プレイ日記第412回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 「ドラゴンクエスト×ロフト グッズキャラバン 2021」が9月25日より順次開催。35周年記念グッズや新作トラベルグッズなどがラインナップ - 4Gamer.net 『ドラゴンクエストX』『FF14』の特別生放送や『サガ』シリーズの最新情報が発信されるスクウェア・エニックスの「TGS2021」配信イベント特設サイトが公開(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース スマホ版「ドラクエV」が9月20日までセール - アキバ総研 ヘキサドライブが「ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎」の開発に参加。開発スタッフを募集する特別採用ページを公開 - 4Gamer.net 『ドラクエタクト』全部銀ならSキャラ確定! “SWチャンスSPスカウト”が最大30連無料! - 電撃オンライン 『ドラクエ』カラフルなスライムたちがあらわれた!ネオンカラーのぬいぐるみがプライズ化!9月上旬に登場! - 電撃ホビーウェブ 『DQウォーク』前夜祭&魔鳥イベント、まもなく終了! 9月12日までにやっておきたいこと【電撃DQW日記#1045】 - 電撃オンライン 『ドラゴンクエストウォーク』×『DQ5』コラボが9月12日(日)より開催! 結婚システムやモンスターを連れ歩ける“なかまモンスター”システムなども実装予定 - ファミ通.com 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-』が9月28日よりサービス開始決定! 本日9月7日よりApp Storeでも事前登録を開始 - ファミ通.com アスキーゲーム ライアン難民救済!?『ドラクエタクト』9月14日より追憶に「DQⅣ」イベントと「鬼教官モナンの強化合宿」が追加 - ASCII.jp 関ジャニ「感慨深い」五輪開会式のドラクエ序曲で登場 アンバサダー就任 - ニッカンスポーツ スクエニ、『DQタクト』で9月1日に追加更新予定の「1周年後夜祭イベント」に登場する「キラーマジンガ」と「ワニバーン」を公開 | gamebiz - SocialGameInfo 【ドラゴンクエスト】戦闘曲が好きなナンバリングタイトルランキングTOP11! 1位は「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」【2021年最新投票結果】(1/3) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 「ドラクエウォーク」新イベント「前夜祭’21 2nd ANNIVERSARY」開催! 「Wピックアップふくびき」も登場 - GAME Watch スクエニ、オンライン会社説明会を9月18日に開催 - GAME Watch 「ドラゴンクエストX 天星の英雄たち オンライン」の最新情報が公開。天星郷フォーリオンで待ち受ける“試練場”と二人の英雄を紹介 - 4Gamer.net 「ドラゴンクエストX オンライン」,9周年を記念した特別番組を8月18日19時から配信 - 4Gamer.net 「ドラゴンクエストX」新情報に注目の9周年記念特番は8月18日に配信。忘れずに見たい「今週の公式配信番組」ピックアップ - 4Gamer.net ゲーム音楽専門の吹奏楽団が『ドラクエ』『DELTARUNE』などの楽曲を披露する演奏会を9月26日に開催。ルネこだいらにて入場無料(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストウォーク』イベント終了まであと9日!優先すべきこころやアイテムは?【プレイ日記第385回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App スマホ版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』8/9までの期間限定で33%OFFセールを開催 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 「ドラゴンクエストX 天星の英雄たち オンライン」の舞台は天使が暮らす浮遊都市“天星郷フォーリオン”。新職業“海賊”も登場 - 4Gamer.net 中川翔子さん「鳥肌!!」 入場行進でドラクエなど19のゲーム音楽 - 毎日新聞 - 毎日新聞 Nintendo Switchタイトルの大型セールがスタート。『FF9』が1273円でシリーズは軒並み半額に、『ドラクエ』『大神』『牧場物語』『ディスガイア』などもお値打ち価格(電ファミニコゲーマー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラゴンクエストX オンライン』バージョン5.5最新情報。魔界を舞台にした冒険はついに完結へ! - ファミ通.com 【ドラクエ】歴代ナンバリング作品のストーリー人気ランキングTOP11! 第1位は「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」に決定!【2021年最新投票結果】(1/3) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 「ドラクエウォーク」リアルおみやげプロジェクト、第2弾・第3弾の発売が決定! - GAME Watch ドラクエ新作「12」や「3」リメーク版 対応ハード未発表なぜ(河村鳴紘) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ドラクエ12 選ばれし運命の炎』『ドラクエ3』HD-2Dリメイクなど新作6タイトルが発表!【DQ35周年生放送まとめ】 - ファミ通.com ドラクエ3リメイクがオクトパストラベラー風のHD-2Dグラフィックで開発中 – 攻略大百科 - 攻略大百科 Amazon、「ドラゴンクエスト35周年記念セール」を本日より開催! - GAME Watch 「ドラクエウォーク」とファッションの良好な関係 緊急事態宣言下の“ぼうけんのしょ” - WWD JAPAN.com 【ドラゴンクエストウォーク攻略】ストーリークエスト10章9話のボス“バリゲーン”攻略!HPを半分まで減らす前に準備をしっかりと | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 【ドラクエウォーク】10章9話ボス「暴嵐天バリゲーン」の攻略方法と弱点・おすすめ耐性装備 – 攻略大百科 - 攻略大百科 【ドラクエ】みんなが選んだ好きなサブタイトルランキングTOP10! 第1位は「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」に決定!【2021年最新投票結果】【ネタバレ注意】(1/3) | ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ 「ドラクエウォーク」、1.5周年カウントダウンキャンペーンが本日スタート! - GAME Watch 『DQウォーク』メインストーリーは9章9話まで急いで進めるべし! その理由はコレ【電撃DQW日記#835】 - 電撃オンライン スクエニ社員に脅迫容疑で逮捕「ゲーム勝てずイライラ」 - 朝日新聞デジタル 『ドラクエ3』ゾーマに迫ったのは!? 『ドラゴンクエスト』シリーズ「見た目が最強のボス」ランキング - ふたまん+ 【ドラクエウォーク】9章6話ボス「キラーアーマー」の攻略方法と弱点|物理対策が重要 – 攻略大百科 - 攻略大百科 『ドラゴンクエストウォーク』イベントは99%終了!新メガモンに9章、海賊など楽しみが一気に押し寄せる!【プレイ日記第278回】 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App 『ドラゴンクエストIX』が発売された日。マルチプレイが楽しかった携帯機の『DQ』、当時流行した“まさゆきの地図”が懐かしい!【今日は何の日?】 - ファミ通.com 10周年を迎えた『ドラゴンクエストIX』をなぜ400本も所有?「まさゆきの地図」を自力で出すのに2年半、『ドラクエIX』を徹底的にやり込み数字の限界に挑んだ人に聞く - ニコニコニュース 2009年発売予定のRPG、買うなら「ドラクエ9」「FF13」どっち? - CNET Japan キャラの雰囲気はドラクエ9?スマホ向け完全新作『星のドラゴンクエスト』のPV映像が公開! - 週刊アスキー - 週刊アスキー 「ドラクエ9」が半額に、スクウェア・エニックスが異例の早さで廉価版を発売へ - GIGAZINE ドラクエ9、2940円に実質値下げ--ドラクエ4、5、FF4も - CNET Japan ドラクエ9違法配信者など10名、10都道府県警が一斉取り締まり - CNET Japan ドラクエ9 『伝説の地図』発見者へのインタビューが“いい人”と話題 - はてなニュース ドラクエ9、最大の難題は「既存のファン」--今だから語れる開発秘話 - CNET Japan 噂の「まさゆき地図」は仕込みではなかった--開発者も驚くドラクエ9 - CNET Japan ドラクエ9、データ改造ソフトとのすれ違い通信に警告--宝の地図の確認を - CNET Japan 「マックでDS」,「ドラクエ9」コンテンツの配信を1か月延長 - 4Gamer.net ドラクエ9、業務用ゲーム「モンスターバトルロードII」と連動--「大魔王の地図」を配信 - CNET Japan ドラクエ9は中古品出回らず、ネット通信機能が奏功 - CNET Japan ランキングに反映されたドラクエ9はやっぱり1位! (1/2) - ASCII.jp ドラクエ9、発売4日で国内出荷本数が300万本を突破 - CNET Japan レビュー炎上、うわさ検証、マジコンジョーク――「ドラクエIX」ネタで盛り上がり - ITmedia アスキーゲーム “ドラクエ9”発売まであと2日! アキバは早朝販売の準備に追われていた (1/3) - ASCII.jp ドラクエ9が発売延期--7月11日に - CNET Japan ドラクエ10はWiiで発売--ドラクエ9は2009年3月28日、5980円で登場 - CNET Japan 『ドラクエIX』の発売延期、9割以上が「許せる」 - CNET Japan 「ドラクエ9」はDSで 来年発売 - ITmedia トップページにもどる
https://w.atwiki.jp/debian-linux/pages/22.html
ネットワーク設定の確認 デスクトップのVMware Playerのショートカットアイコンをダブルクリックして起動します。 作成した仮想マシンを選択して[仮想マシン設定の編集]をクリックします。 [ネットワークアダプタ]の項目を確認します。 デフォルトでは[NAT]になっていると思いますが、環境に応じて[ブリッジ]などを選択してみてください。