約 1,094,578 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/17510.html
【#26】 ――同じような毎日が、再度動き出した。 違うのは私の心の中だけ。 不安を抱え、情けなさまで抱え、それでもその二つから逃れられず、動くことが出来ず、同じ毎日を繰り返す。 そんな中でたった一つ、憂のことだけは大事にした。憂だけは守り続けた。 本当に、それだけが私の存在意義だった。 「大丈夫?」と、憂が問う。 「大丈夫」と、純が励ます。 私はただ、憂に「好き」と囁き続ける。 何かが狂い始めていた。 なのに、何も変わっていなかった。 歪。 私達の日常を、歪に歪ませたのは誰か。何か。 その答えは、すぐそこまで迫っていた―― 憂「――もうすぐ純ちゃん帰ってくるかな」 梓「…もうこんな時間……」 最近、時間が経つのが早いと思う。原因は……何だろう。 同じ毎日の繰り返しだと自覚したから? 心配事や不安が増えて、考えることが増えたから? 歳を取ると時間の流れが速く感じると誰かが言っていたけど……まだ年齢のせいにはしたくないかな…… 梓「……ギター片付けとこっか」 憂「そうだね」 二人での練習を止め、憂が先にギターを置きに行く。 これはいつものこと。憂はどうやら誰かを出迎えることが好きなようだから自然と私が順番を譲る形になっていった。 そして憂がギターをスタンドに立てかけると同時、入り口の扉が開く音。そして純の声。 純「たっだいまー」 憂「おかえりー」 パタパタと駆けていく憂。 その時、私がおかえりを言うよりも自分のギターをスタンドに置くことを優先したのには深い意味はない。言うなれば偶然。気分。たまたま。 でもそのおかげで玄関口の会話がよく聞こえた。 純「一人で寂しかったでしょ、憂」 ……え? 身体が動かなかった。玄関口の方を見つめた姿勢のまま何も出来なかった。 憂も、純のその言葉に何も反応出来ていない。そして玄関口のほうからは、もう一人、誰かの声がする。誰かの声が。 「ただいま、憂」 誰? 誰の声? 憂「っ……」 視界の先に、後ずさる憂の姿が映る。 それでも私は動けない。憂が怯えているのに、動けない。 ……怯えているんだ、私も。その先にいるであろう“誰か”を見たくないんだ。 純「……憂?」 純の声が聞こえ。 怯えきった憂が私の方へと走ってきて。 純「いったいどうしたの――」 純が姿を現し、私を見て絶句して。 ……その後ろから顔を覗かせる“私”と目が合った。 梓「ひっ………」 たぶんその瞬間の私は、腰を抜かして尻餅をついて、それでも必死に後ずさったんだと思う。 何かに触れた手とか、ギターが倒れる音とか、そんなのもうっすらとしか記憶にない。 憂「っ……!」 ……気がついた時には、守られるように、憂の腕に抱き締められていた。 純「……どう、いうこと…?」 私と、自分の後ろの“私”を見比べながら、純が呟く。 “私”はしばらく私と、その隣にいる憂を見比べていたけど…… 憂「純ちゃんっ!!」 純「うわっ!?」 不意に純を突き飛ばし、私の方へ走ってきて、床に倒れたムスタングのネックを両手で掴み、 梓「ひっ……」 持ち上げ、 振り上げて、 私に向けて―― 憂「ダメぇっ!!」 ……振り下ろそうとしたところを憂に突き飛ばされ、一緒に床に倒れこみ。 それでもまだギターを握って憂を振り払おうとしたその腕は、起き上がってきた純によって押さえ込まれた。 純「――ったく、危ないことするねぇ。この……えーと、梓二号は。8時にはまだ早いよ?」 梓「……笑えないよ………どういうことなの!? ねぇ、あなたは何なの!?」 梓?「………」 身動きの取れない眼前の“私”に向かって問いかけるけど、返事はない。 あの後、呆然としている私をよそに憂と純の二人はこの“私”を拘束した。 拘束なんてしたことないだろうし、暴れるしで大変そうだったけど、二人は私に手伝えとは言わなかった。 私も頭の中がごちゃごちゃだったからそれは助かるけど、そうして時間を置いて“私”に向き合っても気持ちは変わらない。 聞きたいことだらけ。それは変わらない。 何がどうなっているのか、今、目の前で座り込むこの“私”は何なのか。予想はつくけど……わからない面も多いし、認めたくない面もある。 梓「答えてよ!!!!」 憂「梓ちゃん……」 純「……少し落ち着きなって、梓。私が聞き出しておくからさ、外の空気でも吸ってくるといいよ」 梓「………」 痛々しそうな顔で私を見、気遣う憂と純を見るとさすがに少し頭も冷える。 というか、無理にでも冷やさないと二人に悪い。私が今どんな顔をしてるのかはわからないけど、少なくとも二人は本当に辛そうな顔をしてるから。 梓「……大丈夫。ごめん、急ぐことはないよね。ちゃんと縛ってるし、何も出来ないでしょ?」 梓?「……ふんっ…」 純「おーおー、見た目だけじゃなくて生意気さもそっくりだこと」 憂「純ちゃん……そんなこと言ってる場合じゃないってば」 ……でも、純のそういうところを見れると何となく安心する。私はこんなに生意気な振る舞いをした覚えはないけど。 純「ふむ。ま、何も言わなければ言わないで別にいいんだけど。想像はつくしね」 梓「………」 梓?「………」 純「……この梓二号は…ウチの梓の、ドッペルゲンガー。誰が呼び出したのかはわからないけど」 うん、まぁ、そうだよね。そうとしか考えられない。 憂に唯先輩、前例が二人もいるとさすがに私も純も自然に受け入れてしまうようで。 ……余談だけど『ウチの梓』と言ってくれたのが少し嬉しかったから、純がそれと気づかずに連れ込んだことについては言及しない。 いや、そもそも気付けと言うのが無理な問題だとも思うからね、私も。憂も唯先輩も、たった一つの違いを除いて全く同じだし。 梓?「……純は」 純「お?」 梓?「純は、私が偽者だって、そう言うの? さっきまで普通に話してたのに」 ……せっかく私が言及しなかったのに、あっちに言及されてるし。 でもきっと、純なら誰に問われようと純らしい予想通りの答えを返すんだろうなぁ。 純「うーん、あんたも『梓』なんだと思うよ。もう一人の梓。だから私は普通に話してた」 梓?「じゃあ、こんな扱いしないでよ」 純「いや、梓を傷つけようとする人を放置はできないでしょ。たとえ『梓』でも。それがあんたを二号呼ばわりする原因だし」 梓?「……私が『中野梓』だよ。純と普通に仲良く話せてた、それが証明してる!」 純「ん? そのために私と偶然出会った風を装った、ってこと?」 梓?「っ………」 確かに今の言い分を聞く限り、そういう作戦か何かだった、と考えるのが自然だけど…… 梓?「……その時は……考えてなかった」 純「……何を?」 梓?「…そんな風に、打算で純と仲良くしたつもりなんてなかった」 とても、苦しそうに。 梓?「……『中野梓』は、私は、純のことを親友だと思ってる。仲良くするのに理由なんていらないよ…」 とても悲しそうに、“私”は言う。 言いたいことはわかる。理由とか、意味とか、そういうのを求めてしまうような関係なんて、親友とは呼べない。 同時に、そう思われてしまうのも。 純「……はぁ。そうだね、私がそう言ったんだもんね。もう一人の梓、って。ごめんね」 梓?「……いいよ。私だってわかってるから。私のほうが、望まれて生まれたほうなんだ、って」 純「……どうして?」 梓?「最初からわかってた。矛盾してるんだもん、記憶と心が。目の前の光景が」 そう言い、こっちを睨みつけて。 梓?「……私の好きな人と、そこの“私”の隣にいる人が、違うんだもん」 憂「ッ……」 やっぱりというか何と言うか、向こうの“私”がドッペルゲンガーであるという事は、好きな人も違うんだ。 憂を好きな私の記憶を引き継いでおきながら、今は好きな人が違う。もしかしたらドッペルゲンガーとして生まれた時に憂のように声を聞いたのかもしれない。 ……そういえば唯先輩は、誰かの声を聞いたんだろうか? 私を好きな唯先輩は、何も言ってないはずの私の声を聞いたのだろうか? あるいは連れ戻してくれたはずの先輩全員の声を聞いたのだろうか? それとも…… 梓「……っ、ちょっと待って……」 待って。考えるより先に、明らかにしておくべきことがある…… 梓「……あなたが好きなのは、誰…?」 梓?「…唯先輩だよ。何かおかしい?」 梓「っ……」 ということは……唯先輩が求めたの? 唯先輩が、自分のことを好きな“私”を求めたの? 純「……ま、可能性としてはそりゃ真っ先に出てくるけどさ」 そう、確かに純の言う通り可能性としては当然唯先輩は浮かぶ。 私の不安通りに、いろいろなものを背負いすぎた唯先輩は諦めきれなかった。そうだとしても不思議じゃない。 憂「で、でもっ……」 純「うん、皮肉にもその唯先輩自身が例外なんだよねぇ」 ドッペルゲンガーが好きな相手が、必ずしもドッペルゲンガーを生み出すほど好いているとは限らない。 つまりここにいる“私”は……唯先輩が生み出した可能性もあるし、『唯先輩を好きな私』を欲する誰かが生み出した可能性もある。 ……後者なら、先輩達だろうか。5人でバンドをやりたがっていて、唯先輩が失恋で傷つく事を良しとしない、優しい先輩達なら有り得る。憶測に過ぎないけど、可能性は高い。 純「憂もだけど、唯先輩もあんたと同じドッペルゲンガー。それも知ってるよね?『梓』なんだから」 梓?「…もちろん」 純「じゃあ、いくつか質問したいんだけどいいかな? あんたと唯先輩達は同じ存在のはずだけど、いろいろなところが違いすぎる」 やっぱり純は私の知らないところでいろいろ考えているらしい。 そしてもちろん、私が知らないそのあたりのことは“私”も知らないはず。そこに興味を持って乗ってくるかな……? 梓?「……ま、唯先輩のことを理解するためにも、乗ってあげてもいいけど」 純「ありがと。じゃあまず一つ目。あんたは唯先輩を好きなのに、記憶の中の想いは憂に向いていた。そんな記憶と心の矛盾に、どうして向き合えたの?」 梓?「……? 言ってる意味がわかんないんだけど。普通に生きてれば気づくでしょ?」 憂「………」 憂は純に指摘されるまで目を逸らし続けていた。唯先輩も、話した感じだときっと気づいていない。 ……普通に生きてれば、か。一度死んだ二人と生きている“私”では、やっぱり見ているところが違うのだろうか。 いや、あるいは私のドッペルゲンガーだからという可能性もある。あんなに憂を好きで憂のために生きてきた私が、突然唯先輩を好きになればそりゃ自分でもおかしいと思う。 憂や唯先輩は、以前は誰かに特別恋愛感情を抱いてなかったから急に誰かを好きになってもあまり違和感を感じなかったとか…? まぁ、どれも仮説に過ぎないけど。 純「……じゃあ、その矛盾に気づいたからここに来たの?」 梓?「……そうだね。矛盾してるから、それらを無かったことにしようとした」 梓「……それら、って?」 梓?「……私は、唯先輩が求めてくれた私だから」 純「……だから何?」 梓?「…だから、そっちの“私”は、要らないでしょ?」 憂「ッ!!」 睨みつける憂の前に、純が立って視線を遮りながら問いかけを続ける。 純「唯先輩を好きで、唯先輩に好かれて、それで完璧だからこっちの梓は要らない、と」 梓?「唯先輩の理想の私がここにいるんだから、それに反する存在なんて要らないでしょ? 少なくとも私は必要だとは思わない」 ……その言葉は何かを思い出させる。 そうだ、あの時の憂だ。再会した日、駅で声を荒げていた憂の言った言葉。 ―― 「……梓ちゃんを好きじゃない私がいるっていうなら……殺してやるっ! そんなの、私が許さない!!」 ―― 私の理想に反する憂を、憂が殺そうとする。 ドッペルゲンガーである憂が、本物の憂を殺そうとした。今になって思えば、あれはそういうこと……? 梓「ねぇ純、もしかして……」 純「……ドッペルゲンガーを見た者は死ぬ。そんな都市伝説もあったねぇ」 梓「…あ…!」 17
https://w.atwiki.jp/iliasion/pages/942.html
ep.623【師匠シリーズ】「ドッペルゲンガー」 放送内容 「ドッペルゲンガー」(34) 「血」 → ep.608【師匠シリーズ】「血」 参加メンバー Tomo Kimura その他 登録されたタグ 2ちゃんねる 「ドッペルゲンガー」(師匠シリーズ34) 「血 後日談」(師匠シリーズ31) 『STEINS;GATE』 『デュラララ!!』 『呪怨』 『墓地を見おろす家』 『怪談のテープ起こし』 『魔法少女まどか☆マギカ』 コメント募集 ストリートに緊張が走る タリスマン ドッペルゲンガー 伏線回収 師匠シリーズ 店員 星新一 ⇐PREV NEXT⇒ 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/j-boysandgirls/pages/115.html
キャッペルゲンガー 特徴 2009年6月末三食に突如現れたキャナルそっくりの男。 あまりに似すぎていてキャナルのドッペルゲンガーではないかと疑われている。
https://w.atwiki.jp/kagemiya/pages/240.html
とりあえずさっと書いた物を 師匠の性格や発言がおかしい?コピーのハムメロイなんだから違う人になってて当然ですよって事で勘弁を 「師匠、とりあえず魔法陣の準備できました」 青年は頭の上に乗っているハムスターに呼びかける。 「うむ、やはり聖杯戦争と言うものは何度やっても素晴らしい血が騒ぐよ」 師匠、最初のは参加できなくて死んでたじゃんと言うツッコミを入れたかったが 前みたいに枕を咬みちぎられたら溜まったものではないので黙っておくことにした。 「しかし、今回はオランダってまた極端な所ですね」 「ふふん、どんな時でも優雅たれであるぞ弟子よ」 「それ違う人の台詞!」 「しかし……実験をしたいからと言う事で研究依頼が来たが差出人の正体も分からずのままとは妙だな」 「そうっすか?勝手にやってくれって意味だと思いますよ」 そう言って、手元にあった日記に今日の日記を書く 「また、日記かね」 「えぇ、こうやって一日の記録を付けていると、もし自分が死んだとしても自分が生きていたって記録になりますからね」 「それは、彼女の思い出を誰かに見てもらいたいという事かい?」 「いいえ?」 「違うのか」 「だって、俺はあの人に会うまでは死にませんから」 「ふむ」 「あの人にあって約束を果たすまでは……」 「そんなだから25にもなってまだ童貞なのだよ!!」 「なっ……師匠!」 「ふふーん、私の目はごまかされないぞ!あの小娘と良い仲になっているのに未だに童貞とはなぁ」 「……あの小娘って先輩はもう26ですよ?」 「だったら、余計に可哀想であろう!彼女もいい加減に別の男に……」 「師匠?」 「……うぅ!そらうー!わーん!!!!!!」 頭の上の方で泣きじゃくる師匠。 また始まったと思いながら作業を進める。 「師匠、ソラウさんは結婚したじゃないですか。しかも、師匠のお墨付きの相手と」 「でもな!でもな!あの黒子野郎は確かに良い奴だと思うよ?でもな……」 めんどくさい師匠だとため息をついて最後の仕上げにかかる さて、準備は出来た。 「師匠?すべて揃いましたよ」 「うぅ……」 「師匠!!」 「……あぁ、それでは始めようか」 「今回はランダムで行う召喚って事で触媒は無しでしたよね」 「そうだったな、しかし、どんなサーバントが来ようとも。このアーチボルト負けはせんよ!」 「また、始まった……」 「では……」 『何か長い呼び出し呪文』 (あれ?そう言えば俺の日記は?) 見ると何故か陣の上に置いてあるではないか 「あ」 「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」 閃光―― 物凄い光が当たりを包む。 そして…… 「おい、弟子よ。生きているか?」 師匠の声―― 目の前にいるようだ。 「はい、ちょっと目がくらんでますけど何とか……」 「……そうか、ならば一つ聞きたいのだが。私が呼び出した呪文は召喚の奴だったよな?」 目が少しずつ見えてくる。 「何言ってるんですか?ちゃんとした奴だったじゃないですか」 『そうそう、だから召喚されているんでしょ?』 「ねー」 『ねー』 目の前には―― もう一人の自分が居た―― …… 右手をあげてみる。 すると目の前の自分も左手をあげる。 「なんだ鏡だったか……」 いや、まてさっきまではそんなものは無かっただろう! 急に振り向く。 向こうも同じポーズで立っている。 ブレイクダンスを急にやって驚かせよう!。 これなら―― しかし、向こうも完璧にこちらをまねてくる。 流石俺!完璧すぎて怖い位だ…… 「何を遊んでいるのかね!」 あ、師匠! 二人して正座で怒られる。 「大体、こんな事をしている場合じゃないと言う事を分かっているのかね?君も!君も!」 いたい 殴られた次の瞬間 師匠が二人―― いや―― 二匹か―― 「!?」 形が変わる英霊と言う事か…… 『うむ、そういう事だぞ』 「こら、貴様!私の真似をするでない!」 あぁ、二匹のハムスターがじゃれあってる可愛い…… 動画でも撮ってあげたくなるな。 「ところで、君は一体誰なんだい?」 『私?私は――』 形が変わる。ハムスターだったものが自分の姿に―― 「おぉぅ……」 ちょっとグロかったぞ今の。 『――俺は俺。それ以外の何物でもない』 哲学か! 「そうじゃなくて名前だよ!」 『名前――』 「そうそう」 『宮尾護・25歳』 「ってちがーう!」 『好きな食べ物はハンバーグ。嫌いな食べ物は先輩の作った食べ物』 「おいおいおい」 『好みの女性はおっぱいがでかい人・不満があるとしたら先輩のおっぱいが中学の時から成長してない事』 「弟子……」 何これ恥辱プレイ? 『肝心な事を言い忘れていた』 「……なんだ?何か思い出したのか!」 『俺は童貞!』 もう良いよ!そのネタ! 「しかし、分かって来たぞ?」 え?また童貞ネタで弄るんじゃないですよね? 「君、もう一度私に変わってみてくれないかね」 『うむ』 そう言うと俺の形をした何かは師匠の姿に変わる。 「では、質問だ。私が何故この恰好になっている?」 『11年前の聖杯戦争で召喚の儀行おうとした時にアサシンのマスターの襲撃を受け死亡』 「……」 『そして、そのまま肉体は滅びたがバックアップとしてハムスターの肉体に受肉成功』 『ただし、記憶の一部を破損修復できず今の状況に至る』 「これって……」 「そうだな。こいつは相手の記憶をそのまま映す英霊なのだろう」 『アーチボルト・誕生日:4月11日血液型:B型』 「いや、英霊と言える存在ですらないのではないだろうか?」 『好きなものは自分と弟子。苦手なものは愚か者と弟子』 「って事は幽霊?」 『特技は絵画、彫刻、工芸ただしこの姿なので専ら見る専門になりつつある』 「あぁ、そうだな」 『私も童貞!』 「「もういいよ!」」 「しかし、形はいいとしても名前が無いと不便ですね」 「そうだな……」 そう言って考え込む師匠。 『童貞!童貞!』 ハムスターが童貞言いながら駆け回る。 凄いシュール過ぎるぜ…… 「なぁ、ちょっと俺の姿になってくれないか?」 『うん?』 再び変わる。 「……俺の姿に変わったって事は俺の記憶もあるんだよな」 『あるな!』 「だったら、その姿になれないか?」 我ながら無茶な願いだと思う。だが、もしかしたら―― 『残念、それ出来ない。記憶見れてもそれは俺じゃない』 やはり、無理だったか…… 『俺は俺にしかなれないでも、沢山の俺に会えば俺一杯!』 「……そうか!」 師匠が何かわかった様だ。 「不定形生物・NoBody……こいつはドッペルゲンガーだ」 「ドッペルって見たら1週間以内に死ぬって言う?」 「あぁ、形など持ってなくて当然と言うわけだ」 ドッペルゲンガー…… 『あ、真名ばr――』 目の前の自分が急に溶けだした―― しゅわしゅわと音を立て崩れて行く俺 いや、俺はここに居るって何考えてるんだ! 「いかん!真名をいった事で制御が出来なくなったぞ!」 「何あほな解説してるんですか!」 「仕方ない!弟子よ!」 「はい」 「令呪を使え!」 「えぇ!?もう?」 「仕方ないだろ!」 「知りませんからね!」 いきなりピンチになるとかなんだよもう! 「令呪を持って命ずる!ドッペルゲンガーよ俺の姿になれ!」 『あがががが……あが?』 危機一髪って所か? 「ふぅ、危ない所だったな」 「……師匠のせいだとおもうんですけどー?」 「アーチボルト、ハムスターだから知らない」 「都合のいい時だけハムスターになるー」 しかし、名前を言ったらヤバいなこれは…… 「何か対策取らないといけないんじゃ?」 「いや、大丈夫だろう」 「何でです?」 「おそらくはどpp……おっとDGは他のサーバントに変化出来ると言う英霊。 他人のサーバントがまだ集まっていない今だから消えそうになったと言うだけで 大丈夫!……のはず」 「今、何か不穏な言葉が入った?」 『入った入った』 わーい。と俺の体ではしゃぐDG。 気持ち悪いな! 「しかし、安心しては行かんぞ」 え? 「今はまだ子供の精神だから良いがこれが弟子と同じ年齢になったら……」 そういうと師匠は顔をぶるぶるさせながら死んだふりをする。 「え?ちょっと待ってよ!それって」 「ははは、弟子よ10年ちょっと良く奉公してくれたな」 「殺さないで!勝手に殺さないで!」 「早く聖杯戦争が始まると良いな」 「うわー、令呪をもってめいずr」 「馬鹿!やめろ!」 腕に絡みついて必死に止めてくる師匠。 「うわー!しにたくないー!」 『まだ、童貞捨ててないのに!』 「畜生!早く始まれよ!」 護・ハムメロイ・DPペアの前日譚終了
https://w.atwiki.jp/talewiki/pages/9656.html
ドッペルゲンガー(マキシミン) 編集 attachref 最弱Lv40,弱Lv97,中Lv124,強Lv175,最強Lv219 ■風牙刀!!! (単体,1hit,近距離,付加【スロー】)■五花月光斬!!! (単体,5hit,近距離)【取得EXP】 -335 (弱)【取得EXP】 1001 (最強)備考:DOP森=ドッペルゲンガーの森 イチゴジュース 名誉の証(マキシミン) (2),(3)-4 †爆風の目 (4.68) (2)-1 †武雷刀 (4.89) (2)-1 †エシュブレード (4.37) (3)-4 †エンシェントメイル (4.72) (2)-1†竜の大盾改 (4.85) (1)-1 最弱:DOP森(1)-1弱:DOP森(2)-1中:DOP森(2)-2,(3)-3強:DOP森(3)-4最強:DOP森(3)-1
https://w.atwiki.jp/83452/pages/17511.html
私の確かめようとしていたことも、言ってしまえば最終的にはそこに繋がる。 本当に純は私の数歩先を見据えているんだなぁ…… しかし、最初の質問に対する答えも要はそういうことなのかもしれない。 どうして矛盾に気づけたのか、じゃなくて、矛盾に気づかないといけないんだ。 矛盾に気づき、私を消そうとしないと、成り代わらないと“私”は私として生きられないんだ。 憂も唯先輩も、気づく必要がないだけなんだ。消さないといけない存在がいないから。既に自分として生きることを許されているから。 皮肉にも、『死んだ』記憶までもが残っているからこそ、気付かず生きることが許されているんだ、二人は。 そしてそんな二人でも、きっと気づいてしまうとあの時の憂のように自分を見失いかねない。 『好きじゃなかった』という事実でさえあれだけ憂は取り乱した。憂ほどの人が取り乱したんだ、『他の人を好き』なんていう事実を突きつけられた“私”がどれほどそれを『否定』したがるかは想像に容易い。 目の前にいる“私”には、矛盾をなかったことにしない限り、『中野梓』という名前が与えられることはない。 名前を、そして居場所を欲する存在、それがドッペルゲンガーなのかもしれない。そう思うと、とても必死に生きようとしている存在だとも思うけど…… 梓「……でも、だからって、私だって……死にたくないよ」 さっきの光景を思い出すと、今でも身が竦む。 そんな私を憂が抱き締めてくれて、「大丈夫だよ」と力強く囁く。 憂「梓ちゃんは、私が守るから」 梓「っ……」 その言葉は安心をくれるけど、でも同時に思ってしまうこともある。 また私は守られている。 私はいつだって守られてばかりだ。純に、憂に、そして学生時代はきっともっと多くの人に守られて。 いつも、いつも…… 梓「……大丈夫」 憂「…そう?」 梓「大丈夫だよ。大丈夫じゃないといけない」 そう、大丈夫じゃないといけない。大丈夫にならないといけない。そのはずなんだ。 強くなりたい。そう願ったはずじゃないか、私は…… 憂「……梓ちゃん?」 梓「………」 憂「梓ちゃ――」 梓?「私は、諦めないよ。私が『中野梓』になって、唯先輩に愛されるんだ…!」 純「健気だねぇ……」 憂「……っ。純ちゃん、聞きたいことはまだあるの?」 純「ん? んー、あったような気もするけど別にいいか。それよりも先に言っておきたいことが出来たよ」 憂「うん、私も」 梓「……?」 状況が掴めないでいる私をよそに、二人は“私”の前に立って、見下ろし、信じられない言葉を告げた。 梓?「……何?」 憂「……どうしても、諦めてくれないのなら」 純「私達だって、手段は選ばないつもりだよ」 梓「…っ!?」 “私”の顔が少しだけ歪む。それはきっと恐怖ゆえに。 そしてきっと私もそれに近い顔をしていると思う。直接その意思を向けられたわけじゃないから完全に同じ顔とまではいかないだろうけど、それでも同じくらい驚いたはず。 梓「ま、待ってよ二人とも。手段を選ばないって……どういうこと? 何するつもり?」 ……なんて、我ながら白々しいことを聞いたなぁとは思う。わかってるくせに。直接口にしなかったのも二人なりの気遣いだとわかっていたくせに、私は自分からそれをふいにした。 憂「……どうしても、って時は」 純「……殺す、ってことだよ」 梓「っ…!」 ……わかってたくせに。 “私”がそういう意気込みで来る以上、こちらもそれ相応の手段で返すことになるってわかってたくせに。 でも、それでも、そんなの……! 梓「お、おかしいよそんなの! そんな簡単に、こ、殺すだなんて!」 純「簡単? よく言うよ、ついさっき殺されそうになった人が」 梓「そ、それは……」 純「そこの“梓”は、簡単に殺しにきたんだよ、あんたを」 憂「梓ちゃんが殺されるのを、ただ黙って見ておくなんてできないよ、私には」 梓「だ、だからって! 相手は…相手は『人』なんだよ!? 人間として生きてるんだよ!?」 梓?「………」 純「厳密には人間じゃなくてドッペルゲンガーだけど。でもまぁそうだね、こっちの“梓”もちゃんと『梓』なんだって言ったもんね、私は」 そう、そうなんだ。 憂も唯先輩も、そして目の前の“私”もちゃんと認めている純が、そう簡単に命を奪おうとするなんて、それじゃ矛盾してる…! だってそれじゃ、結果的に向こうの“私”が劣る存在だと、命さえもどうでもいい存在だと言っているようなもので! 純「だから、諦めて欲しいんだよね。私達があんたに危害を加える時は、もうあんたを『梓』とは見なくなった時だから」 梓?「ッ……」 梓「純! やめてよ! 違うでしょ!? そういうこと言ってるんじゃないし、聞きたいんじゃないよ、私は!」 優しい二人の、そんな言葉は聞きたくない。目の前の“私”を傷つける言葉は。 いや、相手が誰であろうと聞きたくなかった。いつも通りに相手を思い遣って理解する二人らしい言葉が聞きたかった。 でも、それは叶わない。 純「……自分で言った事と矛盾してるのは認めるよ。でもそれでも、守りたいんだから仕方ないじゃん」 憂「私達が守りたいのは、こっちの梓ちゃんだから。何がどうあっても、自分に嘘をついてでも、ね」 梓「っ……やめてよ、二人とも……そんな、そんなの……かわいそうだよ……!」 梓?「………」 自分でも信じられない言葉が口をついた。命を奪いに来た相手に「かわいそう」だなんて。 でも逆に考えれば、殺されそうになった私だからこそなのかもしれない。あの時は本当に怖かった。その恐怖がわかるからこそなのかもしれない。 梓「それに……憂も純も、怖くないの…?」 純「……そうだね。人の命を奪う、それはとても怖いことだよ。だからこそ最後の手段。だからこそこの場で“梓”には諦めてほしい」 憂「……それでも、いざとなったら迷わないよ。梓ちゃんを失う方が、何万倍も怖いから」 梓「………」 ダメだ。無理だ。きっと二人の言う事は何一つ嘘偽りのない本心であって、信念だ。私にはそれを覆すことは出来ない。 私の事を大切に思ってくれているからこその信念。嬉しくて悲しい覚悟。どうにかしたいけど、私のためだからこそ私の言葉ではどうにもできない。 そして信念を覆せないという意味では、きっとこっちも二人の言葉では揺らがない。 梓?「……私は、唯先輩と結ばれないくらいなら――」 梓「っ! と、とりあえず、さ!」 純「ん?」 梓「さ、先に澪先輩に電話してみていいかな?」 とりあえず話を逸らそう。三人の誰一人として止められなくても、せめて時間を稼ごう。 何か解決の糸口が見つかるかもしれないし。“私”が縛られている以上、安全は確保されてるんだ。二人としてもそこまで結論を急ぐ理由はないはず。 憂「……どうして?」 梓「…唯先輩の件についても、あれから何も言ってないし」 気にかけてくれた先輩に対して、何も連絡しないままというのは気になってはいた。私はその気遣いをふいにした側だから、どことなく気まずくて電話し辛かったけど…… 一応、唯先輩を通じて事情は伝わっているはず。そう自分に言い聞かせて誤魔化し続けてきたけれど、それでもやっぱり不義理な気はずっとしていた。 梓「それに、もしかしたらこの“私”について何か知ってるかもしれない」 ……実はこっちがメインだったりもする。 少なくとも澪先輩達はドッペルゲンガーの生み出し方を知っている。意図的に唯先輩を生み出したんだから。 だからそれと同じようなやり方で“私”を生み出した可能性もやっぱり充分にある。ただ、それを私から尋ねるのは非常に危険だ。 なぜならば。 そう思いたくはないけど、信じていたいけど、もしかしたら先輩達は私に死んでほしかったのかもしれないから。 ドッペルゲンガーを見た人は死ぬ。本物は死ぬ。これほど有名な都市伝説を、先輩達が知らないはずはない。 知った上で私を皆の理想の『私』に入れ替えることを望んでいたとしたら、私はその望みに気づかないフリをしていた方が明らかに安全なんだ。気づいていることを察された場合、強硬手段に出るかもしれないから。 だから、電話して遠回しにこのあたりを確かめてみたい、というのが大きい。 そんなはずはないと信じていたいけど、目の前にこうしてドッペルゲンガーが存在する以上、可能性の一つとして常に視野に入れておかなくてはいけない。 ……少なくとも純は、憂に対してもそうやって接してきて、結果的に私達を守ってくれた。そのはずだ。 だから私も先輩達にそうやって接して、疑いが晴れたらその時に全部話して、協力してもらおう。そういう見積もりがあった。 さすがと言うかなんと言うか、純は私と寸分違わない考え方をしていたようで真っ先に同意してくれた。 純「んじゃ、カマかけてみますか」 でも、そう言いながら携帯電話を取り出す純の手を私は止めていた。 カマをかけるの発言からわかるとおり、考えてることは間違いなく純と全く一緒だけど、いや、一緒だからこそ止めていた。 純「……梓?」 梓「私が電話する。遠回しに確かめればいいんでしょ?」 純「そうだけど……」 梓「それに、唯先輩の件に関しては私から言わないといけないよ。その流れで話を振るんだから、私がやらないと」 純「……わかった」 ほんの少しだけ腑に落ちないといった声色で、純は手を引っ込めた。 心配してくれてるんだろう、というのはわかる。けどやっぱり、いつまでも心配されてばかりじゃいけないんだ。 そんな私の気持ちも汲んでくれたのかもしれない。そうだったらいいな、と思う。 【#27】 澪『――もしもし。梓?』 数コールの後、澪先輩の声が耳に届く。 いつもと変わらない、凛とした、それでいて優しい声。 梓「……はい。お久しぶりです、澪先輩。時間、大丈夫ですか?」 澪『ああ、まだ大丈夫だと思う』 梓「…まだ?」 「まだ」「思う」とか、澪先輩らしくない曖昧な予測で語られる言葉の真意は、すぐにわかった。 澪『うん、まだ唯が戻ってくるまで時間はあるはずだから』 梓「……唯先輩と一緒にいるんですか?」 唯先輩の名前を出した途端、二人が反応する気配がしたけど、そちらに目をやる余裕はない。 澪『鈴木さんから、何か聞いた?』 梓「あ、はい。一応、あの時に話したらしきことは全部」 澪『そうか。じゃあ説明するけど、生き返った唯と私は一緒に住んでるんだ。話すと長くなるけど――』 ――澪先輩の状況説明を纏めるとこうだ。 生き返った唯先輩の居場所に悩んだ先輩達は、みんなでお金を出し合って大学から少し離れた所に一人分の部屋を借りた。 少し離れた場所にした理由はもちろん学生の人達に唯先輩を目撃されないように、それでいて自分達が様子を見に行きやすいように。 そこに唯先輩を匿うことにしたけど、やはり一人にするのはいろいろと不安なので誰かが一緒に住むことになった。 誰でもそれなり以上に唯先輩のことは助けてあげられるけど、問題は学業や部活との両立がやはり少し難しくなること。 事情を知っていてフォローしてくれる大学の軽音部の同級生の人達がいるらしいとのことだけど、その人達の中の誰とも学科が違うムギ先輩はフォローしてもらいにくく、真っ先に気を遣われたらしい。 そして澪先輩か律先輩か、となったわけだけど、律先輩は澪先輩を推した。澪先輩をフォローすることになるであろう協力者の同じ学科の人も、同じように律先輩と同じ学科の人から推されていたらしい。 どうやら二人とも似た者同士で、『誰かにために頑張る人を手伝う』ほうが向いてる気がする、と言っていたとのこと。 そうして多くの人に助けてもらいながらの唯先輩と澪先輩の共同生活が始まった。 多くの人が助けてくれる生活が安定しないわけはなく、すぐに二人は慣れ、澪先輩は私に電話をしてきて、しばらく後に唯先輩はこの街まで足を運んだ、ということらしい。 最初のうちは人に見られる可能性を危惧し、唯先輩を家から出そうとはしなかったけど、やっぱり家の中にいてばかりじゃいけないし唯先輩も出歩きたがるということで最近は特に制約をつけたりはしていないとのこと。 ……どことなく、私達と似ている点も多くある気がした。 澪『…梓相手なら言うまでもないと思うけど、ただ一緒に住んでるだけだから。やましいことは何もないから!』 梓「あ、は、はい」 それはそうだろう。だって今の唯先輩は…私の事が好きなんだから。 それこそドッペルゲンガーを生み出してもおかしくないほどに。いや、そんなことはしないって信じてるけど! 澪『……いや、逆かな。梓にはこういう言い方しちゃいけなかったかな』 梓「……はい?」 ……信じてる、はずだったけど。 澪『憂ちゃんっていう恋人と住んでる梓には、さ』 梓「え…っ? な、なんで知って……」 澪『……あの日、唯が見てたらしいんだ。梓と憂ちゃんが、キスしてるところ』 梓「っ――!?」 ……その言葉を聞いた瞬間、信じてるはずだったものが、揺らぎ始めた。 だって、だってそんなの、考えられる限りの中でもっとも唯先輩を傷つけてしまう形でのバレ方じゃないか。 あの日ということは、フラれて傷を負ったその直後に、非情な追い討ちになる形で。 キス、それに同棲という、恋人らしさを何よりも見せ付けられる形で。 出遅れた自分を悔やみ、自分より一歩早かった憂を妬みかねない形で。 そして知らない人とのことならいざ知らず、誰よりも唯先輩に近い存在だった憂のことを隠していた私に不信感を抱きかねない形で。 ……唯先輩の胸中には、私と憂に『裏切られた』という気持ちが渦巻いていてもおかしくはない。 好きな人に裏切られ、誰よりも近しい存在に負け、自暴自棄になっていてもおかしくはない。 仮に攻撃的な感情を抱かずとも、全てがどうでもよくなるくらいに落ち込んでいてもおかしくはない。 ……そんな気持ちを抱いているなら、私を殺す存在であるドッペルゲンガーを望んでも、おかしくはない。 梓「……だとしたら、やっぱり、かなり落ち込んでました…よね?」 澪『ん、まぁ…そこは否定しないよ。でも、誰にもどうしようもなかった事だって、そう思ってる』 梓「……すいません」 澪『…私達が望んだ形じゃなかったのは事実だけど、梓は悪くないよ』 梓「それでも……結果的に、唯先輩は傷ついた」 澪『……うん』 梓「あの日、私のせいで傷ついた唯先輩を、慰めてあげられたのは澪先輩だけのはずです。私はまた、澪先輩に迷惑をかけたんです」 澪『………』 梓「だから……すみませんでした。あれからずっと、澪先輩には迷惑をかけてばかりです……」 澪『…それでも、梓は悪くないよ』 梓「……ありがとう、ございます…」 そう言ってくれる先輩達を、信じたい気持ちはとても大きい。 私の謝罪も心からのものだし、澪先輩の言葉も嘘偽りがあるようには聞こえない。 それでも…… 澪『……でもやっぱり、梓とは、別の道を歩むことになりそうだな』 そう、その事実がある以上、先輩達から見て私はもう何の価値もない存在なんだ。一緒に行けないのだから。 だから……ドッペルゲンガーを生み出してもおかしくはない。一緒に来てくれる“私”を望んでもおかしくはない。 それが大袈裟だとしても、先輩達が私を殺すことを意図したわけじゃないとしても、それでも可能性は消えない。 他ならぬ私のように、無意識にドッペルゲンガーを求めてしまう可能性だってあるんだから。 意図せずとも、殺しかねない存在を生み出してしまう事だってあるのだから。 愛しく想い、求め焦がれてしまう、ただそれだけの感情のせいで。 ……それでも私は、最後の望みを賭けて問う。 可能性なんてほとんどないと思っていながらも、希望を捨てきれず、問う。 梓「……もし」 澪『うん?』 梓「もし、私が……その、実は唯先輩や憂のような存在だったとしたら、それは誰が望んだんだと思います? そもそも誰かが望むと思いますか?」 澪『……梓?』 梓「…もしも、の話です」 もしも私がドッペルゲンガーだったら、それを生み出す可能性があるのは誰か。 私の最後の望みは、ここで全てを否定してくれること。先輩達の誰かがドッペルゲンガーを望む可能性も、生み出す可能性も、全てを。 私を傷つけ、殺す存在をこの世に産み落とす可能性を、全て否定してくれること。そんなことはさせないと言い切り、私にとっての絶対的な味方であってくれること。 深刻な話だというのは充分すぎるほどに伝わっているのだろう、たっぷり悩んだ後、澪先輩は口を開いた。 澪『……そんな怖いこと、考えたくもないけど。本当に、もしもの話なんだな?』 梓「はい」 澪『……だとしたら……やっぱり、唯、かな』 梓「……そう、ですか」 18
https://w.atwiki.jp/83452/pages/17516.html
実に図々しいと思う。 皆に合わせる顔がない。それは重々承知している。 でも、私自身のことなんてどうでもいいじゃないか。 私が図々しくて自分勝手で生意気で面の皮が厚い女でも、憂が幸せならそれでいいじゃないか。 私がどうしようもない奴でも、今よりも憂が幸せになれるというなら、それに乗らない理由はないはずなんだ。 私が隣にいてくれればいいって憂は言ったんだから、それを前提とした上で今より幸せにしてあげることが出来るなら、乗らない理由はないはずなんだ。 考え方がコロコロ変わり、あっちにこっちに行ったり来たり。 フラフラしてる私だけど、憂の幸せを願う気持ちだけは変わらない。 純『……え、っとね。その、私も明確な解決法ってのは思いついてないんだけどさ』 私がすんなり受け入れたことに動揺しているのか、たどたどしく純が話す。 純『でも結局は、今みたいに二人それぞれに居場所があればいいと思うんだよね』 梓「私は憂の隣に、“私”はいずれ唯先輩の隣に、ってこと?」 純『そんな感じ。居場所があって、ちゃんとそれを皆に認めてもらえれば、それだけでオッケーだと思うんだよね』 それでも『中野梓』の名義はどちらか一人だけに絞らなくちゃいけないけど、とも言うけど、それは仕方ないと思う。 名前なんてさしたる問題じゃない。幸せに生きていられて、胸を張っていられる。そんな居場所がある。それが大事なんだ。 ただ、それが何よりも難しいことだ、というのもわかってる。 梓「……私と“私”の存在を、それぞれの居場所を認めてもらうってことは、それはつまり今まで私達二人の間にあったこと全てを話すということになるよね…?」 純『まぁ、それが一番の近道かなぁ』 近道というか、ぶっちゃけそうやって話した上で認めてもらえればそれだけで解決なんだけど。 梓「……でも、それは絶対に出来ないよ」 私と“私”が互いに殺そうとしあったことなんて、皆に説明できるわけがない。 『本物』と『ドッペルゲンガー』として争ったことなんて、説明できるはずもない。 あの時に決意した通り、これは隠し通さないといけない。 でないと、“私”を生み出した人が自分を責める。殺し合う原因を生み出したことを責める。好きな人を苦しめた自分を責める。 仮に本人が気づかずとも、周囲の人にはそう映る。あの人のせいでこうなったんだ、と。 つまり、“私”を生み出した唯先輩を、苦しめてしまう結果になる。 それだけは絶対に駄目だ。唯先輩は何も悪くなんてない。話してみた私にはわかる。あの人は今だって素敵な先輩のままなんだ。まぁ、キスされたのはショックだったけど。 それでも結局はちょっとタイミングが悪かっただけ。ちょっと事情がすれ違っただけ。 それなのに、そんな素敵な唯先輩を悪者に追いやるような説明が出来るわけがない。 そう思ったからこそ、私は澪先輩にも相談せずに解決しようとしたんだ。なのに今更説明できるわけが―― 純『いや、案外なんとかなるかもしれないんだよね。上手くやれば』 梓「…どういうこと?」 純『ずっと気になってたんだけどね…… 先輩達は、一度も『ドッペルゲンガー』って口にしてない気がするんだ』 梓「っ!?」 言われて、思い返してみる。 ……確かに、確かに口に出してはいないような気はするけど…… 梓「ま、まさか……」 純『……澪先輩のネタバラシを聞いた私だから、わりと自信持って言えるよ。終始、「生き返った」って言い方だった』 梓「いや、でも……」 しかし、確かに可能性としては五分五分だ。 私達の場合は、純が『ドッペルゲンガー』という言い方を決めた。勝手に決めた。限りなく正解に近いとは思うけど、そもそも合ってるかすらわからないんだ、本当は。 だから、先輩達に教えた人と見解が一致している可能性がそもそも低い。純のような物事の見方をする人なら同じ答えに辿り着く可能性はあるけど、それだけだ。 五分五分の可能性の中で、それでも私も純も先輩達の口から『ドッペルゲンガー』という言葉を耳にした記憶は無い。 そうなると、先輩達は『ドッペルゲンガー』と定義さえしていない可能性が高くなってくる。 梓「だとしたら……ドッペルゲンガー絡みの事は言わなくても済むかもしれない…!?」 純『うん。殺し合いになった、なんて言わないでもケンカになった程度で誤魔化せるかもしれない』 ドッペルゲンガーは人を傷つける存在。ドッペルゲンガーという呼び名自体にそういう前提と先入観があるけれど。 でもそれを伏せて説明することができれば、それこそ純の言う通り、ただの喧嘩程度で通せるかもしれない。 命を奪い合おうとした存在だと説明してしまうと、聞く人にも『相容れない存在なんだ』という印象を持たせてしまうから、これは大きなメリットになる気がする。 そして『ドッペルゲンガー』と知らないとするならばそれ以上に、先輩達は、唯先輩は、ドッペルゲンガーと知っていて“私”を生み出したのではない、ということになる。 つまり、あの時の私が万が一の可能性として懸念していた「先輩達は私を不要なものと判断した」という憶測の否定に繋がる。信じていたつもりだったけど、それは素直に嬉しい。 嬉しいからこそ、これは何があっても成功させたい、という気持ちになる。 少し、光明が見えた気がした。 梓「……ねぇ純、そこに“私”も居るんでしょ?」 先輩達を誤魔化すためには“私”との口裏合わせも必要不可欠だ。 「二度と会いたくない」とは言われたけど……事情が事情だし、わかってくれると信じたい。 そんなわけで、“私”と相談しようと思って純に聞いた。……んだけど。 純『あっ!!』 梓「……何?」 純『そうだった、私に伝えてすぐ、“梓”は唯先輩に会いに行ったんだよ。憂の書き置きを持って』 梓「ええっ!?」 どうしてそんな大事なことを言われるまで忘れてるかな、純は…… 梓「っていうか、そんなことしたら唯先輩は憂を探すに決まってるじゃん!」 純『まぁ、だからこうして私が電話してるんだよ。さすがに唯先輩からの電話には出にくいでしょ?』 憂「……うん、そうかも」 梓「いや、でもそうじゃなくて、そっちじゃなくて、そんな結果が見えてるのになんで……」 憂のこととなると、唯先輩が動かないわけがない。そんなの目に見えてる。 でも私も憂も唯先輩に合わせる顔がないし、“私”としても一通りの解決の目を見たんだし、唯先輩に私達を見つけてほしくないはず。 つまり得をするのは純くらいのはず。なのに話を聞く限りでは“私”が率先して動いたとのこと。どうして? 純『隠せって言うの? あの唯先輩に、憂のことを』 梓「あ………」 そうだ、冷静に考えてみればすぐにわかる。 あまり思い上がった言い方はしたくないけど、唯先輩と憂は私を取り合う恋敵。それでありながら相手を絶対に嫌いにはなれない、そんな関係。そんな唯先輩に憂の身に起こったことを隠し通すのはきっと不可能だ。 それに、憂がそんな決断をしたことを唯先輩に隠せば、発覚した時に唯先輩は余計に傷つく。 いや、傷つくどころか唯先輩に嫌われかねない。好意を抱いている“私”なら伝えるより他に選択肢はないんだ、最初から。 もちろん、『唯先輩のためにすぐに伝えに来た』体を装いながら、それでも間に合わなかった……とするのが“私”にとってベストなシナリオなんだろうけど。 純『とりあえずそんなわけだから、“梓”と口裏を合わせるのはムリかも』 仮に純か憂が“私”の携帯に電話したところで、その隣には唯先輩が居る可能性が高い。 というか唯先輩と一緒にいたいという想いだけを胸に行動している“私”にとってはそもそも今のままでも別に構わない、と考えている可能性だってある。 仮に口裏を合わせるとしても、絶対に成功するという確証がないと乗ってこなかったんじゃないかな、とも思う。 梓「……でも、それじゃ難しくない?」 純『まぁ、ね。とりあえず私も今からそっちに行くから、合流して相談して、何かアイデアが浮かぶまでは唯先輩と接触しないように――』 と、純が言い切る前に、憂が顔を上げ、周囲を見渡した。 憂「――………」 梓「…憂?」 純の言葉の続きを聞くよりも、純に私達の居場所を伝えるよりも、憂のその行動が気になった。 けど、その行動の理由は、わかってみれば簡単なもの。とてもわかりやすいもの。 憂「……お姉ちゃん……」 唯「……憂……」 さっきよりも少し低くなった夕陽を背に、唯先輩が立っていた。 【ED≒OP】 唯先輩が私のほうを一瞥して、ほんの少しの時間だけ驚いた顔を浮かべてから、憂に向き直った。 その顔には、純粋な心配と安堵が浮かんでいる。 唯「……心配したんだよ、憂」 憂「……ごめんね」 唯「……ううん、無事ならそれでいいよ」 憂「……どうして、ここがわかったの?」 唯「憂のことだもん。わからないわけがないよ」 憂「……お姉ちゃん……」 全然理屈になっていないけど、それこそが理屈なんだろう、とも思う。 この二人の絆はそれほどのものだ、という理屈。以心伝心というか、何処に居ても通じ合ってるというか。 外見や感覚のそっくりさと言い、姉妹よりも双子と言った方がしっくりくると思ったことも一度や二度じゃない。 唯「……そして、あずにゃん」 梓「っ、は、はい」 唯「いろいろ説明して欲しいんだけど――っと?」 梓´「っ――!」 私に向き直り、そう告げた瞬間、唯先輩の後ろから走ってきた“私”が唯先輩の背中に抱きついた。 やっぱり行動を共にしていたらしい。でも“私”としても、唯先輩がこうも容易く憂と私を見つけるのは予想外だったんだろう。 私の場所からは、私と目が合った一瞬の、驚愕の、そして泣きそうな顔がよく見えた。 梓´「……唯先輩っ……!」 唯「……ごめんね。でも、知らないままじゃいられないよ」 “私”の悲痛な声は、その心情を嫌と言うほどに唯先輩に伝えたはず。 すなわち、「何も聞かないで、知らないでいて」と。でも唯先輩はそれを受け入れなかった。 理由はわからない。唯先輩はどこか自分の責であるかのような言い方をするけど、唯先輩にバレるようなことは何一つ言っていないはずなのに。 でも、その答えはすぐに唯先輩の口から告げられる。 唯「……あずにゃん、二人とも、辛そうだから」 梓「……そんなこと……」 そんなことない、と言いたかったけど、言い切れない。 私は自分で思っているよりずっと感情が顔に出やすいらしいし、“私”に至っては誰がどう見ても辛そうと言う他ない。 少なくとも、私達皆が何かを隠しているという事くらいは痛いほど伝わっているだろう。そして唯先輩はそれを知りたがっている。 おそらくは、いつも私に接するように『先輩』として。 でも、私はどう切り出せばいいかさっぱりわからないでいた。 そもそも純と相談の最中だったんだ、なのに突然何か言えと言われても―― 梓「……憂、純は?」 純『聞こえてるけど……ゴメン、何も出来そうにないね』 梓「そんな……」 純『何も考えがないのは私も一緒だよ。だったらその場に居ない私に出来ることは、何もない』 一見冷たい言い方だけど、条件が一緒なら、話す相手の顔色とかを窺える私の立場のほうがその場に合わせた『答え』を導き出せる、という意味だろう。 コミュニケーション能力に長けた純が言うのだから疑う余地はないし、言われてみればその通りだと思う。 唯「……純ちゃんなの? 電話が繋がらないと思ったら……」 憂「…純ちゃんも、引き留めようとしてくれたんだよ」 唯「そっか……ありがとね、純ちゃん」 純『いえ、そんな…。……じゃあ切るよ、梓』 梓「っ……」 憂「………」 私の返事を待たずして電話は切れた。 隣で携帯電話をしまった憂が不安そうな顔で私を見つめてくる。 ……やらなくちゃいけない。私が。 そもそも目の前に当事者がいるのに第三者が電話から状況を説明するというのも変な話だ。それでは唯先輩が納得するかさえ怪しいから、やっぱり私がやるべきなんだ。それはわかる。 ……それでも、私にちゃんと出来るのかという不安は残る。でも、もう他に道はない。ずっとずっと純に頼っていたけど、ここにきて純から私は託されたとも言える。心細いけど、やるしかない。 何も思いついていないし、どう言えばいいかもわからないけど……今度こそ私が、終わらせないと。 唯「……あずにゃん」 梓「……私、ですか?」 唯「そだね。そっちのあずにゃん。憂の隣に居てくれたあずにゃん。憂を引き留めてくれたのは、きっとあずにゃんだよね」 梓「それは……その……」 唯「手紙を見る限りは、原因もあずにゃんっぽいけど……ここにいるってことは、引き留めてくれたんだよね」 その問いに、私は何と答えればいいのか。 手紙自体が嘘だった、というのが真実だけど、それを言うと次はじゃあどうしてそんな嘘をついたのか、という方向に話が行く。 そうなってしまうと、話がどんどん遡っていって最終的には私と“私”が居場所を奪い合うような存在であることを説明しなくちゃいけなくなるような気がした。 嘘は吐きたくない。けど、唯先輩を傷つける真実に繋がるような答えを返すのはそれ以上に嫌だし、当初の私の想いに反する。 純は正直に話すのが近道だと言ったけど、それをそのまま受け止めてはいけない。純は「そうしろ」とは言わなかったんだから。 ……考えるんだ。どう言えば、唯先輩を傷つけないで済む? どう言えば、全てが丸く収まる…? 梓「えっと――」 憂「……梓ちゃんが、お姉ちゃんを好きになった。私にはそう見えたの、お姉ちゃん」 梓「……憂?」 唯「……うん、手紙にはそう書いてあるね」 私達を置き去りに、憂が唯先輩に説明する。 憂の狙いは読めなかったけど、意図はわかる。わかるというか、信じてる。 憂と私の想いは一緒なんだから、私はただ信じていればいい。信じながら、自分がするべきことを考えるんだ。 憂「…そして実際、梓ちゃんはお姉ちゃんを好きになってた。……そっちの“梓ちゃん”だったけどね」 唯「……憂も、見間違えた、ってこと?」 憂「その手紙を書いた日、私のところにいたのはそっちの“梓ちゃん”だったよ」 梓´「………」 憂「だから……あの手紙にあるようなことは、しないよ。ごめんね、お姉ちゃん。心配かけちゃって」 唯「……ううん、いいよ、憂が無事なら。これからもずっと無事なら」 憂「うん。梓ちゃんと一緒にね」 梓「………」 上手い、と思った。 全体の事情を知ってればそれは確かに嘘なんだけど、憂は一度も嘘を口にしてはいない。 “私”を見て、その手紙を書いた。そして今となってはあの手紙はなかったことにしてほしい。そうとしか言っていないんだ。 屁理屈のようだけど、それは確かに嘘ではない。隠し事はしているけれど嘘ではないし、何よりも伝えるべきことはちゃんと伝えている。 言わない方がいい真実を伏せて、伝えるべき真実を伝える。真実の『核』だけを伝える。隠し事をしている負い目はあるだろうけど、ただ漫然と全てを伝える人より二倍相手の事を考えている、とも取れる。 私も、こんな風に上手くやれれば…… 憂「梓ちゃんは、ずっといつまでも私の隣にいてくれるって言ったよ」 唯「……そっか。ありがと、あずにゃん」 梓「いえ……その、唯先輩にはちゃんと言ってなかった気がしますけど……私、憂のことが好きですから」 ちゃんと言ってれば、こんなことにはならなかったのだろうか。それはわからない。 あの時の私がちゃんと言えなかった理由は、あれ以上唯先輩を傷つけられなかったからに他ならない。 相手が憂だという事どころか、既に両想いで付き合っていることすら言えなかった。唯先輩の気持ちが叶わぬものであることを口にすることが出来なかった。 匂わせるので精一杯だったんだから、それ以上先のことが言えるはずもない。 でも、それもまた私の弱さだったのかもしれない。それが招いたのが今の状況であるのもまた事実だと思うから。 梓「……ごめんなさい。唯先輩には、憂のお姉さんには、ちゃんと言っておくべきでした」 唯「それは……うん、憂のことを隠されたのはショックだけど……でもあずにゃんも別に私にイジワルするために隠したわけじゃないでしょ?」 梓「そんなことするわけないじゃないですか!」 唯「そうだよね。あずにゃんはそんな子じゃないもんね。だから好き」 憂「お姉ちゃん……」 唯「………っ」 何とも言えない沈黙が流れる。 やっぱり唯先輩は、心のどこかで私を諦められないんだろう。ドッペルゲンガーを生み出したわけだし、それは充分わかっていたこと。この場で責めるつもりなんて全くない。 けど、それでも諦めてくれないと困る。私が好きなのは憂なんだから。諦めて、そっちにいる“私”と結ばれてくれるのが理想であって―― 梓「………」 いや、待って。ちょっと待って。 唯先輩が好きなのは私じゃない。私じゃなくて、かといって“私”でもなくて、『中野梓』が好きなんだ、唯先輩は。 唯先輩が今、“私”ではなく私に話しかけている理由は、きっとあれだけの理由。 23
https://w.atwiki.jp/souku/pages/668.html
下部地域 この地域が舞台のシナリオ シナリオ/闇世界…ドッペルゲンガーの森
https://w.atwiki.jp/yaruoperformer/pages/930.html
,イ⌒ヽ ⌒ /⌒ヽ / / \ / ⌒ヽ ' '⌒ \ / 。s≦⌒≧s。 \ / 。s≦ 。s≦⌒≧s。 ≧s。 \ / 。彳 。♂´ £s。 ≧s。 \ 。£ 。ζ `‰ `‰ \ ⌒ヽ ⌒ヽー ミ ―― ミ //  ̄`ヽ´ / \ / ヽ / \ ≡ミx { 〃 リ i 、 x' ゚v i | ゚ 、 ∥ {ヽ ' | ゚ .,' ___ ` ー‐‐ ∥ ヽ | 从 / ,ィ≦⌒≧x / ゚v ヽ v | | ゚, / ‰ ,/ ィ⊆ミx `ー´ x=ミ | .| | |ムイ .∥ / Y Y / ゚v } | i| | |Vハ - 、 ゚、 ツ ,-ミ/ , } l 人 iト、 | | .\ \ { r-。 ノ{ ゚v / / .' / .ヽ | \ ト、 |斗 ゚v ヽl { v´ 、 ',/ / / ,イ孑㌢斧≧s。 \ | \人斗笊。 / `.ー '.__.=y V ヽ ヽ/ ./ Ⅵ C 个ヾ \l{ " C ゝ .{ 、 { ゚v .', イ 。 Y / 乂 丈 ツ, 丈 ツ个。 .乂  ̄ ̄.゚。 v `x .ハ \ rx ゚ ー ` ― ´ y。` ー .r ミ 从 \ .}x -―=ミ{ ゚v .ハ ハ | ゚≧从 ゚v ∨\ / `ヽ} 人 . | 人 | / ∧ ハ ∨ ' | 个 个 | ./ / .゚y V。 .∨ | | .. イ | | / / 、 \ ./ } 人 | \ ` ` ‐ ´ ´ / | 人ノイ ./ %} \| ゚ s。 .≧s。 。s≦ イ イ|/ ∨Y \{ イノミ } ≧o。 ___ 。o≦ 。o< .人.{ .rー‐ミ/人 _ // | .ハ{i .>o。 。o≦ ‰/ \{ r' ノノ´ >…≪。_ ({___)ノ ト、 人 。 ゚>i≦‰゚ .イ£ 丈ツ ∨ .゚.ーイ | \ \ \ |√ .%/ 乂乂 ∨ | } .‰ ゚o。 |{ ,ィ⌒Y´⌒, * \\ 厂 ̄ / ゚ ≪゚./ Y ♭/ / / Y ゚y.\ 〈 / / ./≧。/ / / /Y & .∨ /| ./ / ./ / / / / ℃ ∨ / .| 名前:ドッペルゲンガーアルル 性別:女 原作:魔導物語/ぷよぷよ~ん 一人称:ボク 二人称:キミ 口調:中性的 AA:ぷよぷよ/ドッペルアルル.mlt 名前の通り、アルル・ナジャのドッペルゲンガーで「魔導物語」では雑魚キャラだった。 通称「ドッペルアルル」とも呼ばれる。 オリジナルよりクールである。 真魔導年表によるとリリスという名前らしい。 「ぷよぷよ~ん」等ではラスボス。 キャラ紹介 やる夫Wiki Wikipedia アニヲタWiki ニコ百 ピクペ 登場作品リスト タイトル 原作 役柄 頻度 リンク 備考 パルスィは宿を繁盛させたいようです オリジナル 研究枠の従業員、油断すると下剤を盛ってくる 常 まとめ rsswiki やる夫Wiki 安価 完結 正義と悪のアパート オリジナル テロリストの大幹部 脇 まとめ 予備 完結 天聖 -Reincarnation- オリジナル ノーレッジ魔法学校の晶星、ドルル・ナジャアルルの姉 準 まとめ 予備 R-18 完結 魔王ベール=ゼファーのお仕事 オリジナル 魔王学校の魔王、自称「完全なる無の魔王」 準 まとめ やる夫Wiki 完結 レミリアは青春を謳歌するようです オリジナル 異世界の村の村長 脇 まとめ 予備 あんこ 完結 短編 タイトル 原作 役柄 リンク 備考
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/4521.html
※この動画は削除されています あなた…だれ? あらすじ 夕暮れの中、上機嫌で歌っていた観鈴。 彼女の歌が上手いと言った人物の姿はなんと・・・ 解説 「アリスさん姉妹」の作者いちじょ氏の短編作品である。 「時報少女」「トイレのノロコさん」とは同じ世界観である。 出演キャラクター + ... 神尾観鈴:主役 竜子:勉強嫌い 桜:友人 知恵先生:担任 西行寺先生:亡霊先生 コメント + ... 名前 コメント