約 1,917,913 件
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/523.html
INFAMOUS ~悪名高き男~ part58-472~478 472 :ゲーム好き名無しさん:2011/09/16(金) 12 55 26.04 ID wykAYajX0 まだ誰もINFAMOUS ~悪名高き男~書いてないみたいなんで書いていきます。 プレイヤーの選択によって主人公が善か悪かが決まるゲームですが、大筋のストーリーは変わらないので 比較的大きく変わるところだけどのように分岐するか書いていきます。 また、サブミッションなしでメインストーリーのあらすじのみ書いていきますので、ご了承ください。 473 :INFAMOUS ~悪名高き男~:2011/09/16(金) 13 08 49.45 ID wykAYajX0 登場人物 コール……主人公。エンパイア・シティーに住むメッセンジャー(運び屋)だが、ある日運んでいた荷物の大爆発に巻き込まれ、 電気を操る力と超人的な身体能力を手に入れる。プレイヤーの選択によって性格が善か悪かが変化する。 ジーク……コールの親友でお調子者。 トリッシュ……コールの恋人。医者を目指しており、混沌とした街でも復興に全力で協力する。 モイヤ……コールにジョンとレイ・スフィアの捜索を依頼する。ジョンの妻らしいが…… ジョン……秘密結社「メンタリスト」に潜入調査しているFBI捜査官。エンパイア・シティーで連絡を絶った。 ケスラー……メンタリストのリーダーであり、強力な超能力者。全ての元凶。 サーシャ……ネオン街を占拠する「リーパー」のリーダーである女性。人の心を操る超能力者。 オールデン……スラム街を占拠する「ダストマン」のリーダーである老人。強力なサイコキネシスを使う超能力者。 474 :INFAMOUS ~悪名高き男~:2011/09/16(金) 13 13 19.16 ID wykAYajX0 プロローグ 主人公コール・マッグラスはエンパイア・シティーに暮らすメッセンジャー(運び屋)である。 ある日、彼が運んでいる荷物が街の真ん中で大爆発を起こし、何人もの人間が犠牲になった。 しかし爆心地にいたはずのコールは何故か一命を取り止め、体から電気を発する超人的な能力を手に入れた。 その後、街には疫病と犯罪が蔓延し、政府はエンパイア・シティーの隔離を決定。市民は疫病と犯罪者たちとともに街に取り残された。 そして、コールが爆心地で荷物を運んでいる映像が流されたことで、人々はコールを大爆発を引き起こしたテロリストだと思い、 恋人であるトリッシュさえもコールの元から去っていった。 身の危険を感じたコールは親友のジークとともに軍が守る橋から街の外に逃げる計画を実行するが、圧倒的な火力の前に失敗。 ジークは海に逃れ、コールは間一髪でコンテナーの中に隠れることが出来た。 そこでコールはFBI捜査官を名乗るモイヤという女性と出会った。コールが荷物を運ぶ映像を流されたのは彼女の差し金であり、 その目的はコールにある取引を持ちかけるためだった。モイヤはコールに自分の夫であるジョンを探して欲しいと依頼する。 彼女の話によると、ジョンもモイヤと同じくFBIの捜査官でメンタリストと呼ばれる組織に潜入調査をしていた。 メンタリストは超能力を研究する秘密結社である。 コールが運んでいた荷物の正体はメンタリストが作り出したレイ・スフィアという複数の人間の電気エネルギーを1人の人間に集中させる装置だった。 ジョンはレイ・スフィアについて知れべてたが、エンパイア・シティーで連絡がとれなくなったという。 モイヤの取引はジョンの捜索とレイ・スフィアの調査に協力すれば、エンパイア・シティーから外に出してやるというものだった。 コールは取引に応じ、ジョンとレイ・スフィアの捜索を開始した。 (ジークとは後に合流) ネオン街編 隔離後のネオン街はパーカーを被り、口からタールのような汚物を吐きながら攻撃する「リーパー」と呼ばれる集団に支配されていた。 コールはリーパーがタールのような液体を使い、人間から変化させられたものであること、そしてそれを操る超能力者、サーシャという女の存在を知る。 コールはリーパーと戦いながら、トリッシュの人命救助を手伝い、サーシャの精神攻撃に苦しめられながら、タールを流し込む装置を破壊していった。 全ての装置を破壊し終えたとき、コールの前に1人の男が現れる。その男の名はケスラー。 メンタリストの指導者であり、強力な超能力者である彼はコールの頭を鷲掴み、コールに未来の映像を見せた。 破壊の限りを尽くす「獣」の映像……そしてコールはケスラーこそが、自分にレイスフィアを運ばせた全ての元凶であることを悟った。 その後、モイヤからの情報でサーシャはスラム街へと向かうトンネルの中にいることを知り、コールはサーシャと対決する。 サーシャの幻術に苦しみながらも、コールは彼女を倒した。しかし、彼女を捕まえようとする寸前に、何者かがサーシャをさらっていく。 トンネルは崩れ始め、コールは戻る道を失い、スラム街へと進まざるを得なくなった……。 475 :INFAMOUS ~悪名高き男~:2011/09/16(金) 13 16 34.53 ID wykAYajX0 スラム街編 スラム街にはリーパーの姿はない。その代わりに「ダストマン」という集団が街を支配していた。 コールはスラム街でも調査を行いながらジークの頼みや、トリッシュの依頼をこなしていく。 ダストマンのリーダーであり、強力なサイコキネシスの使い手である老人オールデンはジークを捕らえ、コールを罠にはめようとする。 しかし、コールはダストマンを返り討ちにし、ジークの救出に成功した。 その後、生き残りの警察がオールデンを逮捕する計画を立てていることを知り、コールは警察の援護に向かう。 コールが敵の超能力者の作り出したゴーレムと戦っている間に、警察はオールデンの逮捕に成功。 だが、ダストマンの残党がオールデン救出のために総攻撃を仕掛けようとしている。ジークとコールは警察とともダストマンと戦った。 その最中、ジークの不注意からオールデンの拘束がとけ、見張りの警察が殺され、脱獄を許してしまう。 ジークは自分のミスでオールデンを逃がしてしまったことに罪の意識を感じ、コールはジークを責めた。 その後、コールはついにジョンを発見することができた。しかし彼が言うにはモイヤは彼の妻でもなんでもないらしい。 コールはモイヤにだまされていたのだ。レイ・スフィアを持つものはは強力なパワーを持つことになる。誰にも渡すわけにはいかない。 ジョンから、レイ・スフィアはオールデンが作り出したゴミの塔にあることを知らされ、コールはジークとともにオールデンの塔の最上部を目指す。 最上階ではオールデンとダストマンとの戦いが待っていた。コールがオールデンとダストマンの注意を引き、ジークはついにレイ・スフィアを手に入れる。 そこに、ケスラーが現れた。オールデンはメンタリストのリーダーを父に持ち、本来ならオールデンがメンタリストのリーダーを引き継ぐはずだったが、 ケスラーが現れたことでメンタリストから追放されたのだ。オールデンはケスラーに恨みの言葉を投げかける。 コールはジークにレイ・スフィアを持って逃げるように言う。オールデンとケスラーがジークに迫る。 だがジークはコールに従わなかった。ジークは自分が超人になるためにレイ・スフィアを起動させようとしたのだ。 レイ・スフィアが起動すればコールのときと同じように大爆発が起こり何千人もの人が死ぬ――― だがレイ・スフィアは起動しなかった。ケスラーはジークに言う。「起動の仕方が間違っている」と。 ジークはコールを裏切り、ケスラーとともにゴミの塔から脱出した。 レイ・スフィアを奪われたことでオールデンは取り乱し、超能力で作られた塔が崩れ始めた。 怒りに我を忘れたオールデンは暴走し、ケスラーを追って歴史地区へと向かう橋をサイコキネシスで破壊しながら進んでいった。 レイ・スフィアを狙うオールデンは止めなければならない。コールは破壊された橋を進み、オールデンを追った。 オールデンとの直接対決。暴走したオールデンは強力なサイコキネシスでガラクタを寄せ集め巨大なゴーレムを形作りコールを攻撃する。 コールは戦いに勝利し、オールデンは海の中に落ちていった。しかし、オールデンは超能力者。この程度では死ぬことはないだろう。 コールはそのままケスラーを追い歴史地区へと向かった。 476 :INFAMOUS ~悪名高き男~:2011/09/16(金) 13 24 06.68 ID wykAYajX0 歴史地区編 歴史地区はケスラー率いるメンタリストの戦闘部隊に占拠されていた。いざというときに脱出できるように歴史地区の跳ね橋を下ろしたところで ケスラーがコールの携帯からコールに呼びかけた。ケスラーはトリッシュを人質にとり、町中に仕掛けたタイマーつきの爆弾をコールがひとつでも解除 し損ねればトリッシュを殺すという。コールは指示通りに爆弾を解除していった。だが最後に一番の試練が待ち構えていた。 右のビルの屋上からトリッシュが吊り下げられ、左のビルの屋上からは医者が5人吊り下げられていた。 爆弾が爆発すれば、どちらも落下して死ぬ。爆弾のタイマーが作動した。両方を救う時間はない。 恋人を助けるか?何人もの人間の命を救うことが出来るであろう医者を助けるか? ※ここでプレイヤーの選択によって分岐 トリッシュのほうを助けようとすると医者もトリッシュも落下して死ぬ。 医者のほうを助けようとすると医者は助けられるがトリッシュは落下して死ぬ。 どちらにしてもトリッシュを助けることはできない。 (このイベントの後、トリッシュの死の責任を感じたジークから許しを乞う電話がかかってくるがコールは拒絶する) 医者を助けた場合、トリッシュは死ぬ直前にコールのことを「誇らしく思う」 医者を死なせた場合「恥ずかしく思う」と言い残して死ぬ。 その後、復讐を誓うコールはレイ・スフィアをケスラーから取り戻すためにメンタリストとの戦いを続け、ジョンとともについにレイ・スフィアを発見する。 ※ここでプレイヤーの選択によって分岐 レイ・スフィアを起動してさらなるパワーを得るか、レイ・スフィアを破壊するか。 どちらにしろジョンはレイ・スフィアのパワーに巻き込まれて死ぬ。 477 :INFAMOUS ~悪名高き男~:2011/09/16(金) 13 26 32.63 ID wykAYajX0 ケスラーとの最終決戦 最初にレイ・スフィアが起動し、大爆発を起こした因縁の場所でケスラーと戦うことになる。 戦いの直前、コールは思い出す。ケスラーが大爆発の際、自分のそばにいたことを。 ケスラーは言う。「私は常にそばにいたさ。お前の生涯を通してな」 ケスラーは様々な強力な超能力を使い、コールを攻撃してくる。戦いの最中、コールはケスラーに頭を鷲掴みにされ地面に崩れ落ちる。 だがそのとき、ケスラーに向けて銃弾が放たれる。「相棒から手を放せ!」ジークがコールのピンチを助けに来たのだ。 「コール!逃げろ!こいつは俺がなんとかする!」しかし、超人であるケスラーに普通の人間であるジークが敵う筈が無い。 ケスラーの放った衝撃波によりジークはどこか遠くに吹き飛ばされてしまった。 しかし、その間にコールは態勢を立て直すことができた。ケスラーとの死闘が続く。 コールはケスラーに全力の電撃を放ち、ついにケスラーを倒した。勝利の余韻に浸るコール。 その耳にケスラーの呟きがきこえた。「トリッシュ愛している…私を許してくれ」 ケスラーは最後の力を振り絞り、コールの頭に自分の指めり込ませた。コールの脳内にケスラーの秘密が流れ込んでくる。 ケスラーはかつて、自らの宿敵、すべてを破壊しつくす「獣」(ビースト)を倒し得るだけの能力を持っていた。 だが、彼は自分の家族を優先し、家族とともに世界を逃げ回った。ケスラーは世界がビーストの手で地獄と化していくさまをその目で見ていた ケスラーが人々のためにビーストと戦うには手遅れになっていた。 ケスラーは最新の、そして最も危険な力を使い、二度と戻れないと知りながら過去へと旅立った。 歴史を書き換えるため、ケスラーはメンタリストの実権を握り、レイ・スフィアの開発を急いだ。 そして、大爆発、街の隔離によりコールを探し出す計画を立てたのだ。 すべてを捨てたケスラーだが、ひとつだけ手放せない過去との絆があった。それは彼の結婚式のときの写真だ。 花嫁はトリッシュ。付添い人はジーク。そして、夫はコールであった。 ケスラーとコールは同一人物だったのである。ケスラーは自分自身を救世主へと変えるためにこの時代に来た。 コールを感情に操られない人間にするために、最愛のトリッシュでさえも犠牲にしたのだ。 そしてケスラーは息絶えた。コールは未来の自分を見下ろす。ケスラーの、自分の最後のメッセージが頭に焼きついた。 ケスラーへの憎しみは消えない。「だがその時が来れば…俺は迷わないだろう」コールはビーストと戦う決意をした。 ※本編はここで終わり スタッフロール後に主人公のカルマが善か悪かで分岐する。 善ルート→人々に好かれているが、彼らが助けを求めるときにそばに自分がいるとは限らない。信じられるものも無く孤独感に苛まれるコールの独白で終わる。 悪ルート→サーシャ、オールデン、ケスラーを倒し、エンパイアシティーにコールを止められるものはいなくなった。コールは暴君として街を支配する。 478 :ゲーム好き名無しさん:2011/09/16(金) 13 33 21.48 ID wykAYajX0 以上INFAMOUS ~悪名高き男~のメインストーリーでした。 ビーストとコールの戦いはINFAMOUS2で描かれます。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1411.html
トリステイン魔法学院女子寮の一室。机の上に並べられた様々な花や青色の液体が満たされた壜などを 一つ一つ選別して慎重な手つきでフラスコに詰めると呪文を唱え杖を振る。 様々な材料が溶け合いフラスコから仄かな香りが漂い始め、その抽出された液体を小さな壜に移し変えると 手で風を送り、香水の出来を確かめる。 作り出された香りに眉を顰め、壜ごとそれを廃棄してからモンモランシーは溜息を吐いた。 『香水』の二つ名を持つ彼女は日課である香水作りを行っていたのだが、失敗続きに頭を悩ませていた。 何故失敗するのか?その原因を彼女は既に知っている。昨日召喚された使い魔の所為だ。 あの使い魔の仕草や表情を見ると心が弾む。幾ら追い出そうと思ってもあの顔が頭から離れない。 視線を横にずらすとガラスの水槽の向こう側から、一匹の小さなカエルが彼女を覗き込んでいた。 鮮やかな黄色に彩られ、黒い斑点が幾つも散った使い魔のカエルに視線を同調させる。 ロビンと名付けた使い魔の眼には、頬が上気し物思いに耽る一人の少女が映し出されていた。 恋人であるギーシュをの事を思っても、ゲルマニアの女の様にこんなはしたない表情は出さない。 ギーシュの事は好き。浮気性だがそれはポーズであってモテる自分に酔っているに過ぎない。 たとえ相手がアンリエッタ王女であっても必ず自分の下に帰ってくる。そんなギーシュの事が好きだ。 だけど、この気持ちは何なのだろう?召喚の儀式で呼び出されたあの平民を見たとき心臓が高鳴った。 ギーシュの呼びかけにも気付かないくらい夢中になって見てしまった。 人を好きになった事は何度もある。だけどこんな事は初めてで、そんな自分の事が判らなくなった。 『お嬢さん。君は恋をしているね』 「誰?誰か居るの?!」 頭の中に突然響いた声に驚き周りを見渡すも、部屋の中には自分以外には誰も居ない。 とうとう幻聴が聞こえてきたかとモンモランシーは額を押さえて溜息を吐く。 『こっちだよお嬢さん。机の上を見てごらん』 また声が響いた。モンモランシーは言われた通りに机の上を見ると、使い魔のロビンが水槽から出て フラスコに背を預け、器用に腕を組んでこちらを見つめていた。 「あ、あなた喋れたの?!」 『喋る機会がなかったものでね』 ロビンはそう言って肩を竦め、カエルとは思えない態度でモンモランシーの問い掛けに答えた。 気味の悪い色をしたカエルでハズレを引いたと思っていたモンモランシーは素直に驚いた。 知性を持ったカエルなんて聞いた事がない。ロビンが何処から来たのか興味をそそられ聞いてみると、 更に驚くべき事が解った。 「本当にウチの領地に住んでたの!?」 『知らないのも無理はない』 突然変異で知恵を身につけたロビンは、生まれた池を飛び出して見聞を広める為に世界中を旅していた。 そして最後に辿り着いたのがモンモランシー家の領地だった。そこで何年かを過ごし、また旅に出ようとしたときに 目の前に鏡の様な物が現れた。魔法についても学んでいたロビンはそれの正体がメイジが使い魔を召喚する為に 使う魔法と解り、更なる知識を得る為のチャンスと思ってゲートに飛び込んだのだった。 『さて、私の事はこれ位でいいだろう。先程の話しに戻ろうか』 「な、何のことかしら?」 惚けるモンモランシーにロビンは人間の様な仕草でチッチッと指を振って見せる。 『あの人間の事さ。私が思うに一目惚れと言ったところかな?』 「な、なんで私が平民なんて好きにならなきゃいけないのよ!」 『私は一言も平民なんて言ってはいないが?』 ハッと口を噤むがもう遅い。ロビンを見ると手を顎に当て、興味深そうに赤面したモンモランシーを見つめていた。 「別に私が誰を好きになろうとあなたには関係ないでしょ!」 しかし、その言葉にロビンは首を振る。 『私は人間の恋愛感情に興味があってね。多くの動物はより良い種を残す為に優れた特徴を持つ者と交配する。 そう本能で決められている。だが、人間は違う。優秀な者が自分より遥かに劣っている者を選ぶ事が多々ある。 今の君のようにね。何故そうなるのか、私はその理由を知りたいんだ』 モンモランシーは何故か自分の考えを語ったロビンが苦悩している様に思えた。カエルの表情なんて解らないのに。 『それでは行くとするか』 ロビンは机から降りるとピョコピョコと跳ねて部屋の扉まで移動する。 「行くってどこに?」 『決まってるだろう。君の思い人のところだ』 「なな、なにを言ってるの!どうして行かなきゃならないのよ!?」 『ここで悩んでいても仕方がないだろう。どんな男なのか私も見たいしな』 「ひょっとして知らないで言ってたの?!」 『そうだ。そもそも私は今日ここから一歩も外に出てないじゃないか』 カエルは乾燥に弱いと思ったモンモランシーは、昨日の騒ぎで授業もなかったのでロビンを水槽に入れたままに していたことを思い出した。その後、行かないと一点張りだったモンモランシーは上手くロビンに言い包められて、 カエルの癖にと呟きながら渋々といった感じで部屋の外に出たのであった。 ロビンに乗せられたモンモランシーは件の相手の部屋の前で立ち尽くしていた。 ここに来るまでにどうやって話しを切り出そうかと考えを廻らしたのだが、それが拙かった。 考えれば考えるほど心が相手の事で埋め尽くされていく。 そもそもこの気持ちを伝えてどうなると言うのだ。相手と顔を会わせたのは今日が初めてだ。 なのに自分の思いを伝えたら、奇異の眼で見られるか、嫌われる。 嫌われる事だけは避けたい。なんとしても。 いや、どうして思いを伝えようとしているんだ?部屋を出るときは自分の気持ちを確かめるだけの筈だったのに。 自分の心が暴走しているのが判る。落ち着かなければならない。 だけど余り時間を掛けられない。部屋の主とは大して親しくも無いのに、こんな所でウロウロしているのを 他の誰かに見られては大変な事になる。ギーシュを悲しませてしまうかもしれない。 なまじ頭が良いだけに、モンモランシーは思考の泥沼に嵌り身動きが取れなくなっていた。 『お嬢さん入らないのか?まさかここまで来て帰るなんて言わないだろうな』 (判ってるわよ!……ちょっと気持ちを落ち着かせてただけ) ロビンに催促されて意を決し扉をノックする。暫く待ってみたが誰かが出てくる気配はない。 ノブに手を掛けて回してみるとスンナリと回った。悪いと思いつつ扉を開けて部屋を覗いてみると誰もいない。 『留守のようだな』 (そう見たいね) モンモランシーは相手が居なくてホッとすると同時に、顔が見れなくて少し残念な気持ちにもなった。 『仕方ない。出直すとしよう』 (何であなたが仕切ってるのよ。私が御主人様なんだからね、それを忘れちゃダメよ。 それから、私の事はお嬢さんじゃなくてご主人様って呼びなさい。いいわね?) 『判っているさ御主人様』 おどけた感じで答えるロビンに少し腹が立ったが、怒る様なことでもないと自分に言い聞かせ部屋を後にした。 自分の部屋に戻りロビンを水槽に戻した後、モンモランシーは気分を落ち着かせる為に風呂にでも入ろうと 窓の外を眺めながら廊下を歩いていると、中庭に何人かの人影が眼に写った。 「あれってマリコルヌ?それに…」 良く眼を凝らして見てみると、マリコルヌ、トリッシュ、サイトの三人が隠れながら何処かへと向かっていた。 その先にあるのは学院の馬を繋ぎとめている厩舎だ。 気になったモンモランシーは先回りをして厩舎に辿り着き、茂みに身を隠し息を潜めて三人を待ち受けた。 暫く待っていると思った通り三人が現れ、マリコルヌに教えてもらいながら馬に鞍を付け始めた。 (こんな夜更けにどこにいくのかしら?) 馬を使うという事は遠出をするのだろうか?それならどうして見つからない様にするんだろ? それにルイズの使い魔も一緒ってどういうこと? モンモランシーの脳裡に様々な疑問が渦巻くが、一番気になったのは親密そうな二人だった。 「私、馬に乗った事ないんだけど。サイトはある?」 「オレもねえよ」 (なにベタベタしてるのよ!) 元々嫉妬深いモンモランシーは、トリッシュとサイトが仲良さげに話しているのを見て飛び出したくなる衝動に 駆られたが、辛うじてそれを抑えて推移を見守る。 「こうやって鐙に脚を乗せて…」 「クソッ!動くんじゃねえよ!」 「シッ!静かにしなさいよ。見つかるじゃあないの」 トリッシュが嗜められたサイトが馬の乗った彼女を見上げると、腰の辺りにまで入ったスリットから覗く脚に 眼を奪われ鼻の下を伸ばす。その顔を見てモンモランシーの我慢がとうとう限界に達した。 「なに覗いてるのよ!いやらしいわね!!」 声を荒げて茂みから飛び出したモンモランシーに三人の視線が集中する。 「モンモランシー?!どうして君がここに?」 「べっ別に良いじゃない!私がどこに居ようと関係ないでしょ!」 「大アリよ。どうしてこんな所にいるのかしら?」 馬から下りたトリッシュが気モンモランシーの肩を掴み、恩人直伝の嘘を見破る方法を試そうと顔を近づける。 モンモランシーは平静を装いながらも気まずそうに顔を逸らす。 「え…とね。あなた達が隠れながらどこかに行こうとしてたから…ちょっと気なって」 「嘘は吐いてないわね。でも…」 「え?ひゃうっ……あ…」 トリッシュはモンモランシーの汗を見て嘘を吐いていないと確信するが、念の為に味も見ておこうと 頬を伝う汗を舐め取り、その感触にモンモランシーは腰が砕けて尻餅をつき呆然とトリッシュを見上げる。 その頬の色は赤を通り越して紅へと変わっていた。 「この事は誰にも言わないで貰えないかな」 問い掛けに反応せず、呆けた表情でトリッシュを見上げるモンモランシーをマリコルヌは訝む。 そして赤みが差した顔を見てある結論に達したが、その考えを有り得ないと否定する。 「行こうぜ。あんまり時間もないしな」 いつの間にか馬に跨っていたサイトの声でモンモランシーが我に返り、三人を問い詰めた。 最初はみんな口を噤んでいたが、ルイズに知らせると言うとサイトがとうとう口を割った。 「メイドの為に貴族の屋敷に乗り込むって…正気なの?!」 医務室で寝ていたモット伯の看病をしていたシエスタが、彼に見初められて屋敷に連れて行かれた事を マリコルヌから聞いたサイトとトリッシュが連れ戻すと言い出し、止めても聞かないトリッシュを心配して 仕方なくマリコルヌも着いて行くことになった事を、トリッシュの口から聞いたモンモランシーは言葉を失った。 そんな事をしたら平民のサイトとトリッシュは縛り首、貴族のマリコルヌも牢に入れられてしまう。 気を取り直し、モンモランシーがそれを精一杯伝えるが、トリッシュは被りを振る。 「そうね。その通りだと思うわ。けど…やらなくっちゃあいけないのよ」 「自分が何をしようとしているのか解ってるの?!捕まったら死んじゃうのよっ!」 「モット伯が医務室に行ったのは僕たちの責任だからさ」 マリコルヌとトリッシュがモット伯に怪我を負わせなければ、シエスタと出会わなかったと言うのだ。 それはその通りかもしれない。だったら責任は自分にもある。 「判った。用意してくるからちょっと待ってて。私も一緒に行くわ」 そう答え、マリコルヌ達の声を背中に受けながらモンモランシーは部屋に向けて走り出した。 『おやお嬢さん。慌ててどうした?』 ロビンの問い掛けを無視して、モンモランシーは秘薬屋に売る予定だった薬品を鞄に詰め込み 鍵も掛けずに部屋を飛び出した。 (モット伯にもっと強い薬を飲ませておけば、こんな事には成らなかったのに) ある薬を作ろうとしていて偶然できた、短時間だが飲ませればどんな命令でも聞かせることが出来る薬を、 眠るモット伯に飲ませて暴行事件を揉み消したのだが、それがこんな結果に成るなんて考えても見なかった。 「おま…た…せ…」 置いて行かれないか心配だったが、みんなが待っていてくれた事に安堵して厩舎に向かう。 しかし、厩舎には馬が一頭も残っていなかった。 「ど…どうしていないの?」 「それが…さっきオールド・オスマンが最後の馬に乗ってどこかに行ってしまってね」 「そんな…」 「それなら、私と一緒に乗れば良いんじゃあないの?」 トリッシュは手招きして呼び寄せるが、モンモランシーは固まって動こうとしない。 「どうしたの?…ああ、私じゃあ不安なのね」 自分の後ろに乗るのが不安なのだと合点したトリッシュは、馬を下りてモンモランシーに乗る様に促す。 「え、ええ!わたしがまえにのったほうがいいわよね!」 「大丈夫?何だか顔が赤いけど」 「だ、だいじょうぶよ!」 そう言ってモンモランシーは石像の様にギクシャク歩きながら、それでもなんとか馬に跨り、そして、背中に当たる トリッシュの胸の感触にドキドキしながら門に向かって馬を歩かせる。 (まさかな。お嬢さんの思い人が女性だったとは…これは実に!実に面白い!) こっそりとモンモランシーの鞄に忍び込んだロビンは、主人に気付かれない様にひっそりと哄笑した。
https://w.atwiki.jp/gods/pages/100515.html
アルテュールドリッシュモン(アルテュール・ド・リッシュモン) アルテュールサンセイの別名。
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/2699.html
《リオ・チェリッシュ()/Rio cherish 》 アイコン ゲスト桃 年齢 15(肉体年齢17) 性別 男 CV 渡辺明乃 身長 150㎝→168cm 種族 人間 好き 女の子 厨二臭いもの 嫌い 犬 ゲイ 堅苦しい服 得意 パイロキネシスによる爆破 ナイフ投げ 行き倒れ 演技 {「少女ゲットと思ったか!?残念だったな!!」 「あなたが私のマスターになってくれますか」 「元ご主人…………の娘のお嬢様、好い人だったなー」 } 桜色の内巻きヘアー、少女のような顔立ちの少年。 現在、実質2年の時を経て外見が変わっている。 女の子らしさを捨て、実践向きの髪型、服装に変わる。 登場する際は行き倒れている ことが多い。 パイロキネシスの超能力者で、通常のそれとは質が異なり、 物質に圧縮した念力と高熱をぶつけることで爆破させることができる。 発火させたナイフを投げるといった応用も可能。 とある貴族の使用人だったが、主人の娘に好意を抱き、 重すぎる気持ちをぶつけたところ即解雇。 行き倒れのかわいそうな少年(時には少女』を装い、 新しい主人に拾ってもらう事を待ちわびる日々を送ることとなってしまう。 衣類のチョイスが女性的故に加えて容姿のおかげもあって少女と誤解され安い。 本人は自覚しており、他者を騙しては楽しんでいる模様。 少女にあたかもなりきっているかのように振る舞う。 演技はなかなかのもの。 なお、フリルが無い服は認めないと断言している。 年上の女性が好みで、元主人の娘も4つ年上だった。 新しい主人も「年上の女の子がいい」と切に希望している。 こういった傾向は前の主人に良くしてもらった記憶が根強いため、 決してやましい理由ではない、繰り返すがやましい理由ではない。 重度の厨二病である。 ファイアボール、マリオファイナルを世界大会で目撃しマリオを純粋な子供の眼差しで尊敬し始めた。 サリーにベタ惚れしてしまい、本人に酷な扱いを受けてショックを受けるが。 諦めずに今現在も熱烈なアタックを継続した。 結果、見事世話係として認められる。 ところが、突然何の前触れもなくサリーの前から姿を消し行方不明となる。 その後、とある時間の流れが歪んだ樹海にこもり人知れず修行に励んでいたようだ。 彼の肉体は2年分の時が経過し、成長を遂げた。 ◆主な使用技 フレア 熱によって物質を発火させる念力を放つ。火力は調整出来る コメット マリオリスペクトの結果、炎の散弾を放てるようになった。 フレアで熱した空気の塊を無数に飛ばす コロナ 高温の念波を纏い繰り出す体技 派生技などに繋げやすい BGCOLOR(silver) 関連ページ サリー マリオ 関連画像 落書き(旧デザイン) http //download1.getuploader.com/g/wiki92832/157/20120930_202422.jpg 現在 キャラクター紹介へ戻る|キャラクター紹介 【ゲスト③】へ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/5563.html
トリッドラヴ トリッドラヴ アーティスト 愛島セシル(鳥海浩輔) 発売日 2022年8月10日 レーベル b-green CDデイリー最高順位 2位(2022年8月10日) 週間最高順位 4位(2022年8月16日) 月間最高順位 12位(2022年8月) 年間最高順位 77位(2022年) 初動総合売上 7631 累計総合売上 13869 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 トリッドラヴ うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ 劇中歌 2 Re alive CD/総合ランキング 週 月日 CDシングル 総合シングル 順位 週/月間枚数 累計枚数 順位 週/月間枚数 累計枚数 1 8/16 2 7631 7631 4 7631 7631 2 8/23 13 1106 8737 26 1106 8737 3 8/30 15 776 9513 20 1288 10025 2022年8月 7 9513 9513 12 10025 10025 4 9/6 241 9754 20 1177 11201 5 9/13 174 9928 924 12124 6 9/20 131 10059 678 12802 7 9/27 165 10224 165 12967 8 10/4 311 10535 311 13278 2022年9月 34 1022 10535 41 3254 13278 9 10/11 160 10695 160 13438 10 10/18 124 10819 124 13562 11 10/25 83 10902 83 13645 12 11/1 91 10993 91 13736 13 23/11/28 133 11126 133 13869 配信ランキング トリッドラヴ 週 月日 デジタルシングル 順位 週/月間DL数 累計DL数 1 8/30 23 1278 1278 2022年8月 46 1278 1278 2 9/6 14 2339 3617 3 9/13 1873 5490 4 9/20 1366 6856 関連CD マジLOVEスターリッシュツアーズ Ok, Hello World! Snow Ballade 愛をボナペティ♪ TRIGGER CHANCE Ready to be a Lady 来来☆オーライ
https://w.atwiki.jp/persona2batsu/pages/323.html
序盤 共通ルート オープニング|七姉妹学園|蝸牛山裏道|森本病院|空の科学館|GOLD|ゾディアック|青葉公園(1回目)| 中盤 南条ルート 下水処理施設|理学研究所| エリールート 珠閒瑠テレビ| 共通ルート スマイル平坂|青葉公園(2回目)|廃工場|日輪丸|海底遺跡|岩戸山| 終盤 共通ルート 地下鉄工事現場|アメノトリフネ|珠閒瑠城|モナドマンダラ フリーダンジョン ギガ・マッチョ|ムー大陸|春日山高校|防空壕(第一区画|第二区画|第三区画|第四区画|第五区画|第六区画|第七区画|第八区画) ムー大陸(ラウンド1)|ムー大陸(ラウンド2) ムー大陸(ラウンド1) マップ 出現悪魔 【1F:カジノルーム】 係員と会話制限時間10分内に噂悪魔ムッシーを倒し、戻ってくるメニュー画面、NPCとの会話、通路以外(トリッシュの泉)ではカウントされない 制限時間内に戻ってくると賞金を貰える 制限時間を過ぎると強制的にカジノルームへ戻され、「ムッシーの牙」も没収される(回収した宝箱は没収されない) 中ではセーブできない 途中で戻ることは可能制限時間を過ぎそうになったら、カジノルームへ戻ってくるといい 【3F】 南東の上り階段前でトリッシュと会話トリッシュの泉に噂悪魔ムッシーが出現する 【3F:トリッシュの泉】 入ると噂悪魔ムッシーと戦闘 アルカナ 名前 属性 スキル 耐性 アイテム LV 経験値 HP 金 噂悪魔 ムッシー 無 ブリザードブレス光子砲石化にらみ 無:光 / 闇 / 経 / 精耐:剣 / 飛 / 打 / 投 / 技 / 火 / 水 / 風 / 地 / 氷 / 核 / 万弱:電 ムッシーの牙 41 0 328 0 【1F:カジノルーム】 会話イベントミニゲームに挑戦(制限時間10秒) [メモ] 噂『衝撃、噂悪魔ムッシー上陸』を広めた後、ムー大陸の奥が探索可能になる 制限時間内に噂悪魔ムッシーを倒して戻ってくると、お金を貰えるミニゲームができる 噂悪魔ムッシーを倒した後はムー大陸の奥に入れなくなる ここで倒しても噂悪魔ムッシーはアナライズに登録されない(エクストラダンジョンで登録可能) 上へ ムー大陸(ラウンド2) マップ 出現悪魔 【1F:カジノルーム】 係員と会話制限時間10分内に噂悪魔呪いのタクシーを倒し、戻ってくるメニュー画面、NPCとの会話、通路以外(トリッシュの泉)ではカウントされない 制限時間内に戻ってくると賞金を貰える 制限時間を過ぎると強制的にカジノルームへ戻され、「呪いのタク帽」も没収される(回収した宝箱は没収されない) 中ではセーブできない 途中で戻ることは可能制限時間を過ぎそうになったら、カジノルームへ戻ってくるといい 【4F】 南東エリアで警備員と会話ビデオゲームルームの解除コードのヒント「いみない」を入手(答え「1371」) 【4F:ビデオゲームルーム】 ドアロックの解除コードを入力 入ると噂悪魔呪いのタクシーと戦闘「爆裂5連ドリフト」は戦闘から離脱するかわりにビデオゲームルームの外へ弾きとばされる アルカナ 名前 属性 スキル 耐性 アイテム LV 経験値 HP 金 噂悪魔 呪いのタクシー 無 体当たり爆裂5連ドリフト 無:光 / 闇 / 経 / 精弱:電 呪いのタク帽 52 0 416 0 ビデオゲームルームの外へ自動移動 【1F:カジノルーム】 会話イベントミニゲームに挑戦(制限時間10秒) [メモ] 噂『凄惨、噂悪魔呪いのタクシー現る』を広めた後、ムー大陸の奥が探索可能になる 制限時間内に噂悪魔呪いのタクシーを倒して戻ってくると、お金を貰えるミニゲームができる 噂悪魔呪いのタクシーを倒した後はムー大陸の奥に入れなくなる ここで倒しても噂悪魔呪いのタクシーはアナライズに登録されない(エクストラダンジョンで登録可能) 上へ
https://w.atwiki.jp/megatenroyale/pages/185.html
089話 主催者サイドの野望 太陽の陽光も月光も届かない闇の中、一人の少女が古ぼけたランプを片手に歩いていた。 此処は今回の『ゲーム』の主催者たちが集まっている〝砦〟の一角。長く、広い廊下だ。 この廊下の行く末は少女の手にしている粗末なランプが照らす小さな灯りでは到底見据えることは出来ないほど長く、 また幅も大の大人数人が手を繋いでも届かないほど広い。 その上暗く、無機質でだだっ広く、冷たい空間は無音で、かつん、かつん、と少女の足音が異様に大きく反響した。 少女の名はトリッシュ。 ピンク色のナース服を身に着け、背中に小さな羽根が生えている美しい妖精である。 彼女は妖精王オベロンの命により、回復施設を造ってペルソナ使いたちを助ける役割を担っているはずだった。 が、少々性格に難があり、金にがめついので当のペルソナ使いからは嫌われているのだが、彼女自身はそんなことあまり気にしていないようだ。 それに今は少々事情が違う。 彼女は今回、本来サポートしなければならないペルソナ使いと敵対している存在に、文字通り『雇われた』のである。 『主催者』サイドの代表者であるルイ・サイファーが今回の話を彼女に持ちかけ、報酬として一枚の小切手を差し出したのだ。 その小切手には、彼女がいくら回復施設で訪れるペルソナ使いたちに体力回復の見返りとして高額請求をしたとしても 到底稼ぎきれないような破格の金額が記されていたのである。 彼女の心変わりはあまりにも早かった。 小切手を見た瞬間、オベロンを裏切り、あっさりとペルソナ使いたちを『主催者』に売り渡したのである。 世の中、所詮は金次第。実にシンプルな思想だ。 実際彼女もオベロンの命を全うして故郷の妖精界に出戻り、一円の得にもならない奉仕に身を捧げるよりも、 実力次第でいくらでも稼げる人間界が気に入っていたところだ。未練は微塵にも存在しなかった。 彼女にとって、今更失うものは何も無かった。金以外は。 そんな彼女の『ゲーム』における役割というのは数多いる主催者たちへの伝令役である。 主催者サイドは代表者であるルシファーと腹心数名の下、主に大きく分けて四つの部門に総括される。 まず一つ目は主に自己回復制御部門である。 集められた参加者の中には魔法を操り傷を負ったとしても無限に回復する輩が数人確認され、 そんな連中が結託してこちら側に歯向かって来たことを考えると少々厄介である。 そこでこの部門を設けることにより、その能力を大幅に制限しているのだ。 二つ目は悪魔管理部門である。 スマル市は各地に悪魔が出現する区域があるが、その名の如くエリア別に悪魔の種類や能力を管理しているのである。 最初から強大な力を持った悪魔が出現すれば、下手をすると参加者全員が開始早々食い殺されかねない。 だから最初は弱い者を投入し、時期が来れば少しずつ強力な者を増援させる。それが主な役割だ。 三つ目は噂現実化制御部門である。 この『ゲーム』の舞台となっているスマル市は『這い寄る混沌』の影響で人々の口に昇る噂話が全て現実化してしまうという特殊な環境にある。 ゲームの参加者の中にはこの街に精通している者も何人かいるので、先手を打って噂の現実化を防止しているのだ。 ただし、ゲームの展開やルイ・サイファーら大幹部の意思によりシステムが解除される可能性もあるため、あくまでも防止であって停止ではない。 最後は刻印管理部門である。 参加者たち全員の首には、百パーセントの致死力を持った呪殺刻印が掘り込まれており、 この部門では主に刻印の発動と制御に関する操作を管理している。 また、この刻印には簡単ながら着用者の生存感知機能が搭載され、また遠隔操作も可能となっており、 着用者が何らかの方法で脱出を試みる等の禁止されている行動を取ったらこちらの意思で爆発させることが出来るのだ。 ただしそれには代表者であるルイ・サイファーの許可が必要で、管理者が勝手に爆破させたら厳重な処罰を受けさせられるともっぱらの噂である。 トリッシュが今回伝令を伝えるように命じられたのはまさしくこの刻印管理部門に対してであった。 照明一つ存在しない暗い廊下には、一定の間隔を置いて各部門の管理室のドアが置かれ、 まだよく道順を覚えていないトリッシュはランプでそのドアの一つ一つを確認しながら進んだ。 「えーっと……えっと、ここは……ん? 業魔殿…。何だよ悪魔制御部か~。もーっ迷子になったら労災申請してやる!」 一人大声でわめき、ジタバタとじだんだを踏みつつも、気を取り直して次の扉に進む。 次にやって来た扉は全面的に青一色の扉であった。プレートには「ベルベットルーム」と書かれている。 「あったあった、ここ! 失礼しまーっす!」 目当ての扉を見つけるや否やトリッシュはノックもせずに勢いよく青い扉を開け放った。 開くと同時にピアノ伴奏でフランスの作曲家・サティの名曲「ジムノペティ 第一番」の美しい旋律が耳に飛び込む。 そして中からはトリッシュに向かって長い鼻を持った小柄で異形の姿をした老人と、耳を塞いだオペラ歌手、目を塞いだピアニスト、 一心不乱にキャンバスに向かって悪魔を描く絵師が一斉に顔を向けた。 部屋の色彩は壁、天井、カーテンから、ピアニストのついているグランドピアノや絵師の目の前にあるキャンバスに至るまで全て青で統一されていた。 「おや、これはこれはトリッシュ様。ようこそベルベットルームへ。」 突然やって来たにも関わらず、長い鼻の老人が甲高い声でトリッシュを歓迎し、椅子を勧めた。 「やっほー。イゴール久しぶりっ。」 トリッシュは手持ちのランプをグランドピアノの上に置き、満面の笑みで小刻みに両手を振りながら差し出された椅子に腰を下ろした。 「こっち来てから会うのは初めてだね。元気してた? 相変わらず落ち着かない部屋にいるんだねー。」 「トリッシュ様こそお変わりないようで…。」 「ってゆーか、一人増えてない?」 彼女が興味を持ったのは他の三人と比べたら比較的質素な服装の絵師である。この部屋の新顔だ。 だが絵師の方は彼女に取り立てた反応は示さず、ひたすら筆を振るうことに集中していた。 「彼はフィレモン様より命を受け、本来ならば私どもと同様、この部屋でペルソナ使いたちに力を貸すべき存在ですが、今回は少々勝手が違いますので…。 彼には例の刻印を全ての参加者に描き記していただきました。」 「ふーん、この人がねぇ。ま、いーや。」 特にこちらに関心を抱いてくれない絵師の姿に飽きたのか、トリッシュはイゴールと呼ばれた老人の方に向き直った。 「所で、貴女がこの部屋に来たということは、刻印に関して何か問題でもあったのでしょうか?」 イゴールの言葉に絵師だけではなくピアニストの耳もピクリと動いた。 耳を塞いだオペラ歌手だけは聴こえていないためか、無心で静かなハミングを響かせている。 「それとはちょっと違うんだけど…。 何かね、鈴木さんが言ってたんだけど、参加者の中に脱出を目論むバカがいるらしーんだよねー。」 「ほぉ。それはそれは大変なことでございますな。」 「うん、そーゆーことだからそいつにその事をお知らせして、ちゃっちゃと刻印爆発させちゃって!」 「かしこまりました。鈴木様の指令であればルシファー様のご意思と同意。 して、それは参加者のどの者でございましょうか?」 「うん。確かえーっと…名前は…」 トリッシュは小首を傾げて小さく唸った。今回の参加者は彼女に対して一円も落とさない。 たったそれだけでも彼女にとってはその名を覚える価値も無いのである。 少々苦心しながらも何とか頭の隅から名前を捻り出し、ぽんと手を打った。 「クズノハ! クズノハ何とか…ライ…えっとごめん。やっぱり思い出せない!」 「葛葉ライドウ様でございますか?」 「そうそう。今思い出した!」 「では早速警告を出し、それに従わないようでしたらやむを得ませんね。 刻印を爆破することに致しましょう。ナナシ、ベラドンナ、そして悪魔絵師、準備はよろしいですか?」 イゴールの声に反応するように、ピアノの伴奏が変わった。ソプラノも少し攻撃的なリズムで紡ぎだされる。 絵師も手を止め、精神集中するように筆先をじっと見つめた。 初めて見る緊迫した光景に、トリッシュもわくわくした面持ちで見守っている。 イゴールがまずは葛葉ライドウに警告を出すべくタキシードの懐にしまっていたイビルホンを引っ張り出した時、青い扉が再び勢いよく開いた。 ぴたりと演奏が止まり、一時の静寂が訪れる。 「おや?」 そこから挨拶もせずにずかずかと踏み込んできたのは一人の若いメイドであった。 ショートカットの黒髪で、美しい顔立ちと均整の取れた体つきだが、真っ白な肌からは一切の生気を感じさせない、 まさしく人形のような雰囲気の持ち主である。 「……今日は随分とお客様が多いようですな。」 「突然お邪魔したことを先に詫びておきます。」 まるで高揚の無い声でそう言い、メイドは無表情に一礼した。 色素の無い真っ赤な瞳には何ら感情を抱いていないようだった。 「メアリ、少し下がるがよい。」 そのメイドを押しのけ、赤いマントを羽織り、海軍のような帽子を被った初老の男が大股でベルベットルームに入室した。 男の名はヴィクトル・フランケンシュタイン。 この男もまた、人間的な熱を感じさせない佇まいだが、メイドの少女よりは感情の起伏があるようだ。 と、ここでまたピアノの演奏が始まった。ただしの男が下界で根城にしているホテル業魔殿で流しているBGMの生演奏である。 「これはこれはヴィクトル様。悪魔管理部門総括の貴方がこのような場所に何の御用でしょうか。」 「我輩の使役する悪魔の中には少々聴力に優れた者もいてな、お主たちの会話を聞かせてもらったぞ。」 「あ! 盗み聞き!」 すかさず指を刺して非難するトリッシュを尻目にヴィクトルは続けた。 「その葛葉ライドウという男についてだが、少々我輩に任せてもらいたい。」 「ほお。確か資料によりますと貴方と葛葉と呼ばれる一族には深い縁がおありのようで。 ですが、鈴木様…いや、ルシファー様の命では刻印を爆破させよとのこと。 場合によっては命令違反ということで貴方が粛清されることになりますぞ?」 「その点は問題無い。既に話はつけてある。 それに我輩は悪魔の研究が出来るのならばサンプル提供者は葛葉でなくとも大いに結構故、奴らに与そうなどとは全く思っておらん。」 「それを聞いて安心しました。では、いかなる事情で…」 イゴールの言葉が終わらぬ内にヴィクトルはやや興奮した口ぶりで自分の計画を捲し立てた。 「聞けば葛葉ライドウはこの街の動力エネルギーを狙って動いているそうではないか。 それについては我輩よりも噂関連を管理している者の方が興味を抱いていているようだが、まぁこの際それはどうでもよい。 問題は奴が選択した脱出方法……どうやら動力エネルギーを利用して異界開きを行い、時空を超えて逃げ出す算段らしい。 悪魔が異界でどのような生態変化を起こし、そして時空移転ではどのような影響を受けるのか……実に興味深い話ではないか。 そこで最近我輩が新たに作成した悪魔を葛葉ライドウの監視役に付かせたいと思っているのだ。」 そこまで聞いた段階で、イゴールにはこの男が何をしたいのかが理解出来た。 つまり、より革新的な場面で新しく生み出した悪魔の性能をテストしてみたいということである。 その研究に対する熱意は賞賛に値するが、組織の一員としてはかなり問題があるのではないかとイゴールは思ったが、口にはしなかった。 だが、 「でもさー、それってやっぱりルール違反じゃない? つまりそのライドーってのが逃げ出すまで悪魔に守らせるってことでしょ?」 イゴールの言いたいことをトリッシュが代わりにずばりと言い放った。 彼女はこの男とメアリが生理的に受け付けないのか、先ほどから露骨に嫌そうな顔をしている。 だが、そんなことヴィクトルからすればどうでもいいことだった。 この男が関心を向ける事柄は唯一つ。己の研究に関することのみなのだ。 「それについては言うに及ばん。 悪魔は、監視役に過ぎん。それに葛葉ライドウに付かせるのは一体のみとする。そして決して奴の手助けはさせぬことを誓わそう。 それで葛葉が他者に破れるのなら仕方が無い。そういう運命だったのだと我輩は潔く諦めることとする。 勿論、何らかの不都合が生じるようならばすぐに刻印は爆破してもらって結構だ。 何なら監視役の悪魔にも刻印を掘り込んでくれてもかまわんぞ。 既にデビルカルテは取ってあるのでいくらでも複製は可能だからな。」 「ふむ…。貴方様がそこまで仰るならそれもまたご一興でしょう。して、どのような悪魔を?」 「この中から候補を選んでくれたまえ。我輩はそれに従うことにしよう。」 ヴィクトルがちらりと眼で合図をすると、背後に控えていたメアリがカルテの束をイゴールにうやうやしく差し出した。 イゴールはそれを受け取り、簡潔に眼を通しながらぱらりと捲る。その横からトリッシュが興味津々と言った面持ちで覗き込んでいた。 「さすがに随分と珍しい悪魔を揃えてらっしゃる。これは実に面白そうですな。」 「へー、魔人アリスにメギドラオン所持ピクシー、怪異ツチノコ、クダン、それからジャアクフロストかぁ…。 あ、イナバシロウサギかわいー! ボクこれがいい! ペットにする! ……うげ、魔王マーラって、監視にコレは無理なんじゃない? ボクだったらこんなグロいのいたら速攻でボコっちゃうよ。あとは……。 ……十五代目葛葉ライホー? 何だコレ?」 「では、監視役の悪魔はこの中からこちらで決めさせていただきましょう。」 「ねーねーイナバシロウサギちょーだい! ライドーにつけるのは別のヤツにして!」 「これにて我輩は失礼する。外にメアリを待たせておくのでな。どの悪魔を監視役にするか決まったら彼女を通じて言伝を頼んだぞ。」 用件の済んだヴィクトルはマントを翻し、さっさとベルベットルームを後にした。メアリも無言でそれに従い部屋を出る。 パタンと扉が閉り、まるで何事も無かったかのように音楽が最初と同じジムノペティに切り替わった。 一方トリッシュはイナバシロウサギのカルテを見ながらニヤニヤ笑っている。 「えへへ。このウサちゃんもーらいっ!」 だが、そんなトリッシュの声が漏れていたのかどうなのか、すぐさま扉が開き、再びメアリが顔を覗かせた。 「念のために申し上げておきますが、残った悪魔を勝手に着服しないように。それはまた別の場所で利用いたしますので。」 それだけ言って、返事も聞かずに再びドアが閉る。 「ケチ! 死んじゃえ! ルイ・サイファーに殺されちゃえ!」 <時刻:午前8時> 【イゴール】 主催者の一人。刻印管理部門総括 【ナナシ】、【ベラドンナ】、【悪魔絵師】も同様に刻印管理担当 【ヴィクトル・フランケンシュタイン】 主催者の一人。悪魔管理部門総括 【メアリ】も同様に悪魔管理担当 【トリッシュ】 ルシファーらと各管理部門を繋ぐ伝令役 Back 088 Next 090
https://w.atwiki.jp/reflec_beat/pages/1522.html
さくらいろチェリッシュ アニメ「きんいろモザイク」第7話挿入歌 BASIC MEDIUM HARD Level 2 4 7 Objects 60 93 281 BPM 96 TIME - Artist Rhodanthe* Version plus(Rhodanthe* PACK) 動画 攻略 名前 コメント ※攻略の際は、文頭に[BASIC] [MEDIUM] [HARD] [SPECIAL] のいずれかを置くと、どの譜面に関する情報かが分かりやすいです。 コメント(感想など) 名前 コメント ↑攻略と無関係の曲に対するコメントはこちらでお願いします。あまりにもかけ離れた内容は削除される場合があります。
https://w.atwiki.jp/viprpg2010kouhaku/pages/25.html
デュラトリ代理 ゲーム概要 トリッシュさんがデュラハンさんの頭を打って敵に当てるゲーム 全3ステージでステージが進むごとに敵の移動頻度が高くなる 得点 ステージ 得点 1 40+コンボ数x10 2 50+コンボ数x10 3 70+コンボ数x10 1ヒット目の時点で1コンボ分の点数が入る コンボ数の上限は99 コンボ数は次のステージに持ち越せる エンディング スコア 結果 1000以下 無指名 1010以上3000以下 下位ドラフト 3010以上6000以下 中位ドラフト 6010以上8000以下 上位ドラフト 8010以上10000以下 ドラフト1位 10010以上 12球団競合 名前 コメント すべてのコメントを見る 今日 - 人 昨日 - 人
https://w.atwiki.jp/flourishes/pages/2.html
メニュー トップページ プラグイン紹介 まとめサイト作成支援ツール 海外フラリッシャー 日本人フラリッシャー フラリッシュ一覧 DVD一覧 アクセスカウンター リンク @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集