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オンライン配信によるゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。 ウルティマオンライン 【うるてぃまおんらいん】 ジャンル MMORPG 対応機種 Windows メディア ダウンロード 発売元 エレクトロニック・アーツ 開発・運営元 エレクトロニック・アーツOrigin SystemsMythic StudioBroadsword Online Game(*1) 発売日 1997年7月24日 定価 基本無料 判定 賛否両論 ポイント MMORPGの始祖、大規模ネットゲームの偉大なる先駆者自由度の高さは古今東西において唯一無二長い歴史故に良点も欠点も多い Ultimaシリーズ 概要 あらすじ UOの略史 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 オリジンのリチャード・ギャリオットによって、同氏が手掛けたウルティマシリーズの世界観を題材にした多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム、通称「UO」。 MMORPGというジャンルの先駆者と呼ばれ、後の同ジャンル作品には多大な影響を与えた。 同じジャンルの中でも比類ない程に高い自由度が特徴となっている。 世界的にヒットしたが日本プレイヤーも多く、その事もあって日本を題材にした大型アップデートも行われたほど。 「ネットに存在するもう一つの現実」とまで喩えられた本作の評価は如何に…。 あらすじ 古の魔法によって生まれた大地ソーサリア。邪悪な魔術師モンデインは不滅の宝珠の力によってソーサリアを閉じ込め支配した。しかし、異世界より召喚された冒険者によって魔術師は倒され、不死の宝珠も砕かれその企みも潰えたかの様に見えた。だが宝珠の力に掛けられた呪いは強大でその欠片はいくつものシャード(本作ではサーバーを意味する)となりソーサリアは複数に分かたれた。時は流れ、個々のシャード内で各々の歴史を刻んだソーサリアはブリタニアと呼ばれるようになった。そこには多くの異邦者(プレイヤー)たちが降り立ち、冒険に生活に…朽ち果てるまでその数だけの人生を送るのだ。 UOの略史 + 運営 運営側の沿革表 年日 沿革 概要 1996年5月13日 プレαテスト開始 1997年6月12日 βテスト開始 βサーバーの終了時に世界はデーモン侵攻による世界崩壊という衝撃的な結末を迎える。 1997年10月4日 正式サービス開始 「the Shattered Legacy」という副題がつく。 1998年9月28日 日本向けサーバー稼働開始 初の日本向けサーバ「Yamato」「Asuka」が "ワインが届く頃 "、稼働開始する。 2014年2月 開発・運営元変更 開発・運営を行ってきたEAの子会社であるMythicスタジオが解散。それに伴い、開発・運営は Broadsword Online Gameに移った。 + 拡張パッケージ一覧表 拡張パッケージ 年日 名称 略称 概要 1998年10月28日 ザ・セカンド エイジ T2A ロストランドと呼ばれる未開の土地が現れる。 2000年04月28日 ルネッサンス R 大型拡張。戦乱が続くフェルッカからトランメルへの移住が始まる。 2001年03年21日 第三の夜明け TD 3Dクライアントがリリース。3D専用のフィールドのイルシュナーが発見される。後に2Dでも遊べるようになる。 2002年02年21日 ブラックソンの復讐 LBR ブラックソーンとその軍勢によってブリタニアが大規模な侵略を受ける。 2003年02年19日 正邪の大陸 AOS 移住可能な世界マラスが現れる。そして、パラディンとネクロマンサーのスキルが追加。カスタマイズが可能な家が建築可能になる。 2004年11月02日 武刀の天地 SE 日本及びアジア圏をモチーフにしたファセットの徳之諸島が追加され、異国の武器防具、侍や忍者に関連するスキルがもたらされる。 2005年09月11日 宝珠の守人 ML 新たなる種族エルフと彼らの住まうハートウッドの町、それに新たなアイテム、魔法スキルが加わる。 2007年06月28日 甦りし王国 KR リファインされた3Dクライアントがリリース。 2009年09月09日 ステイジアン アビス SA 新たなる種族ガーゴイルの参入。新たなアイテム、戦闘・生産系スキルに彼らの故郷のテルマーが追加された。 2010年10月12日 未踏の航路 HS 海をテーマとしたコンテンツが多数追加。船舶や釣りなどにも追加要素が入った。 2015年10月8日 伝説の刻 TL 運営変更後初の拡張。魔女ミナックスが住まう要塞のあるイオドーンの谷が追加。 2018年4月11日 エンドレスジャーニー EJ 機能制限付きながら基本無料化。制限は課金で解除可能。 + シャード一覧表 地域別(国別)シャード一覧表 ※開設年代順(一部を除く) 名称 開設年日 備考 国名 名称 日本 Asuka 1998年9月28日 日本国内最古シャード。 Yamato 1998年9月28日 アスカと数時間差で開設されたシャード。 Wakoku 1998年10月31日 Hokuto 1999年1月22日 運営会社の米国担当者が公式サイトにおいて「Hokotu」と2回も誤記。ユーザー間では「ホコツ」と呼ばれる事もある。 Izumo 1999年10月1日 日本シャードでは最も早く新パブリッシュが適用される。 Mizuho 2001年4月30日 Mugen 2001年10月16日 上級者ルールの適用される、ハードコア・シャード。 Sakura 2002年10月21日 日本で一番新しいシャード。バックストーリーではWakoku、Izumo、Mizuhoが誕生に関わっている。 アジア・オセアニア 韓国 Arirang Balhae 台湾 Formosa 豪国 Oceania ヨーロッパ 独国 Drachenfels 英国 Europa プレイヤー独自のRPイベントが活発で、そのストーリーラインは数カ月に及ぶこともある アメリカ Atlantic βテストシャードを除く最古参シャード群の一つ。歴史も長くUOで最大のギルド同盟の本拠地が存在した。2019年現在、大規模な取引シャードと化しており、一攫千金を目論む貿易商人たちがスーパーレアアイテムを求めて集結している。 Pacific 最古参シャード群の一つ。名前の由来である太平洋の通り日本シャードが開設されるまでは、SonomaやBajaなど他の西海岸シャードに日本人が居を構えていた。 Great Lakes Lake Superior かつては活発だったRPコミュニティと、PvPにおいて優れたスキルと悪辣さで名を馳せていた。 Baja Chesapeake 活発なPvPと長い歴史を持つRPコミニティが存在する。隔年で Chesapeake Olympicsというお祭りが開かれる等イベントも活発。 Napa Valley Sonoma Catskill 一見物騒な名前だがキャッツキル山脈に由来を持つ北米東部サーバ。名前から猫好きのプレイヤーが多いとか。 Lake Austin ウルティマオンラインの5周年に開設されたシャード Legends 当初 AOL Legends というAOL会員限定シャードだったが、現在は一般利用者にも開放されている。 Siege Perilous 上級者ルールの適用される、ハードコア・シャード。通称「シゲピー」 Origin 下記のTest Sosariaに代わり、変更・修正が全世界に先駆けて行われ、その調節がテストされる。プレイヤーも自由にログインすることができ、ステータスやアイテムの正史絵などのコマンドを自由に使え、新要素の検証も等にも使えるが、不定期でサーバーの中身がワイプされる点に注意。 現在閉鎖済 Test Sosaria 常設されていたテストシャード。開発陣によって色々な仕様がテストされていたが、Origin開設に伴い廃止。また、これとは別に臨時のシャードが設置され、テストが行われる事がある Abyss 1998年のハロウィンに設置された期間限定のイベントシャード。プレイヤーはモンスターに扮し、他のプレイヤーや一般NPCをAbyssに叩き込ませるという、この分野では初の「楽しい」シャード。 Farmageddon 1998年の感謝祭に設置された期間限定のイベントシャード。Farm(農場)+armageddon(ハルマゲドン)の合成語で、内容もその題名に準じて農夫と家畜たちが大戦争を繰り広げる、「愉快な」シャード。 Santa s Slay 1998年のクリスマスに設置された期間限定のイベントシャード。上記Farmageddonに触発されて作られたシャード。プレイヤーはサンタ等に扮し、人々をSlayしていくという、これまた「微笑ましい」シャード。 Shard of the Dead 2005年のハロウィンに設置された期間限定のイベントシャード。 韓国 Baekdu ハードコア・シャード。2002年6月閉鎖。 システム 冒険の地ファセット ファッセットとは同一のサーバーに存在する世界を意味する。プレイヤーはこのファセットを行き来し、冒険や生活、場所によっては定住することができる。 現在は8つの世界にわかれており、一部入るにはアカウントを対応する拡張パッケージにアップグレードしなければ入れない。 トランメル:キャラクター作成時にプレイヤーが最初に降り立つファセット。平和で秩序が保たれており犯罪者や殺人者のプレイヤーは基本的に行き来することはできない。モンスターとの闘いが主でありほぼPvEのみのファセット。多くのプレイヤーがここを拠点としていることが多い。 フェルッカとは対になる世界であり、基本的な地形は大体同じだが、風景は荒れておらず、細かい地形等の違いもある。 フェルッカを除く他のファセットは、大体がトランメルとほぼ同じルールで運用されている(特殊ルールシャードを除く)。 フェルッカ:混沌と戦乱に満ちたファセット。木は枯れ果て街道には墓石や無残に朽ちた死体などが骸を晒している等、荒れ果てた風景が広がる。PvPに関して制限は無く、PK(プレイヤーキラー)や窃盗などがまかり通っている。特殊ルールシャードを除くとPKや犯罪者はここのファセットでしか活動できない。 独自の対人コンテンツが実装されており、町の支配権をめぐった派閥間の闘争が行われている。 リスクは高いものの、モンスタードロップの品質が他のファセットに比べて良く資源の産出量が多く(2倍)、フェルッカのみでしか手に入らない貴重なアイテムがあるなどリスクはあるがリターンも大きい。 イルシュナー:移動魔法に制限が掛かっており、探索は徒歩が基本となっているファセット。ブリタニアを裏切った王ロード・ブラックソーンの居城がある。稀にパラゴンと呼ばれる強化モンスターが通常沸きするシステムがあり、危険ながらも倒せれば大きな見返りが期待できる。 マラス:星海に浮かぶ大陸。探索よりも(当時不足していた)家屋用の建設地としての意味合いが強いファセット。パラディンやネクロマンサーが修練を行う町がある。 唯一存在するダンジョンには最奥部に強敵が控えているが、打ち倒すことができればアーティファクトと呼ばれる強力な装備を入手できる。 徳之諸島:日本を題材にしたファセット。フィールドには鬼や九尾の狐等の妖怪の他にも忍者や浪人と言った敵が登場する。フィールドにも全体的に危険度の高い敵が多く探索は慎重を要する。 和風とはいうものの、西欧圏の人間がイメージするステレオタイプなアジア観・エスニック的な表現も多い。 ダンジョンやフィールドには強敵が多く、探索には十分な準備が欠かせない。一部の土地は移住も可能。 テルマー:ガーゴイルの故郷で虚空に存在する異世界。UOSAで追加された「練成」スキルに必要な練成素材などが手に入るので人気は高い。 イオドーンの谷:モンデインの弟子にして愛人の魔女ミナックスの居城があるジャングルに囲まれた峡谷。恐竜のようなモンスターが闊歩する古代の様な世界。外伝作品の「恐竜帝国」がモチーフになっている。 スキルシステム 通常のRPGでは成長の度合いを「経験値とレベルアップ制」で表しているが、UOでは各行動に関連する技能(スキル)が上昇する「スキル制」を取っている。 戦闘であるなら剣であれば「剣術」、メイスなら「鈍器」と言った対応した武器スキル値を磨くことでダメージ、命中率、回避率を上げる事ができる。 魔法は習熟度に応じた難易度の魔法を使用することで上昇させられる。習熟度に見合わない魔法を使おうとしようとすると失敗する確率は高くなる。後述する生産系スキル等にも難易度制をとっているスキルは多い。 スキルは戦闘以外にも資源を採取に関わる「採掘」「伐採」「釣り」、素材からアイテムをつくりだす「料理」「鍛冶」「大工」「裁縫」と言った物から「調教」「物乞い」「スリ」「検死」の様な変わったものまでバラエティ豊かなものが多い。 そのスキル単品ではあまり有用な効果が無くても、特定のスキルを併用した際にシナジー効果を持つものがある。 武器スキルを使う時に「解剖学」「戦術」というスキルがあるとダメージを底上げができ、魔法の場合は先述と同様魔法ダメージに関わる「知性評価」や魔法使用時に使うマナの回復速度決める「瞑想」等がある。 シナジ―効果があるスキルは直接使わなくても関連スキルを使う事でも上げられるので、育成の手間もそれ程煩雑ではない。 なお、プレイヤーキャラには各スキル値と合計スキル値に上限が設定されている。そのため、キャラビルドによってスキル構成を吟味する必要がある。 いわゆる「素」の状態で各スキル値の上限は100%、合計スキル値の上限は700%。前者は「パワースクロール」と呼ばれるアイテムで、後者はアカウントのプレイ期間による報奨などで上限を上げることができる。 合計スキル値が上限に達した状態であるスキル値が上昇した場合、辻褄を合わせるため他のスキル値が低下する。これを防ぐため、各スキル値に「上昇」・「ロック」・「低下」というプロパティを設定できる。 あるスキルに値を回すために、他のスキルを中途半端な習熟度で「ロック」するのもアリ。例えば魔法の場合、常用する魔法が100%成功する値までスキルを上げ、その後スキル値を固定させるビルドを取ることが可能。 更に任意のスキルを出し入れし、自分の他キャラクターと融通できるアイテムもある。これによって、討伐するモンスターに最適なスキルを組み合わせて参加することが可能になった。 また、装備品にはスキル値を上乗せする効果を持ったものがあり、これを重ねて使えばスキル値を大幅に上げることが可能なのだが…これについては問題点で後述する。 ステータスシステム スキルは文字通りキャラクターの「技能」であり、一方通常のRPGの「力」や「素早さ」、「賢さ」に該当するステータスがUOには存在する。 ステータスは三種類。物理攻撃の威力やヒットポイントに影響する「STR」、攻撃スピードやスタミナに影響する「DEX」、魔法攻撃の威力やマナに影響する「INT」。 各ステータスはそれに対応した行動を取ることで上昇する。 例えば戦闘で武器を振る→STR上昇、アイテム作成を行なう → DEX上昇、魔法を使う → INT上昇、など。 各ステータス値と合計ステータス値の上限や「上昇」・「ロック」・「低下」のプロパティ・上昇アイテムの存在などはスキルと同様。 ただ、STRによって装備できる武器の種類、武器の種類とDEXによって攻撃スピード、INTによって最大マナやマナ回復速度(=魔法を連打できる回数)が決定されるため、スキルとはまた違ったビルドを練る必要がある。 生産活動 UOにおいて他のMMOに比べると生産活動は重要位置を占める。ゲーム内における武器・防具・補助用アイテム等の実用品に限らず日用雑貨から装飾品に至るまで豊富なアイテムを作成することができる。 料理や細工と言った半ばRPに近いスキルにもそれらの職人でしか作れない実用アイテムもあったりする。 鍛冶や裁縫等の生産系スキルでは、スキル値(ブーストアイテム込みも可)で100.0以上の状態でアイテムを作成した際、高品質な物を作ると自分の銘を入れることができる。生産系ロールプレイを志すプレイヤーにとってはこれが一つの目標となっている。 アイテムには耐久性が設定されており、武器や防具などは摩耗するのでプレイヤーの生産者が修理や魔力のチャージなどを行う。 そもそもNPCの店売りアイテムは質や品揃えが頭打ちでそれ程優秀ではないので、戦闘職にとってはより上質または安定した供給の装備・アイテムを求めるなら熟練したプレイヤーの職人が作った武器や防具やポーションを買う必要がある。 アイテムはそれなりに安定していたが、装備に関してはAOS以降におけるアップデートでプレイヤーの生産品の価値が乱降下してしまい、SAで復権するのだが…それについては問題点で後述する。 生産や採集に使うツルハシや釣り竿の様な道具も同様に、プレイヤーの作った高品質品があるとより良い結果を出しやすくなる。 スキルを利用しない生産活動も存在し、植物を育てる「ガーデニング」、水生生物を繁殖させる「アクアリウム」がある。前者は装飾用の植物や有用なアイテムを得られ、後者は装飾アイテムや宝の地図を得たりすることができる。 また、一部の生産系スキルにおいてある程度の腕前を持っていれば、バルクオーダーと呼ばれるNPCの店員から受けられるクエストが存在する。発注された品物を指定された素材・品質・数量で納品する事で名声とアイテムが手に入る。 難易度の高いバルクオーダーを達成すると、スキルをブーストするアイテムや製作物に魔法効果を付与するアイテム等が手に入る。 ペーパードール 装備はペーパードールと呼ばれる自身のアバターの全身像が掛かれたUIにドラッグ ドロップすることで着脱できる。 装備できる服は無数にあり、一部ステータス制限などをクリアしていれば何でも着られるので、ファッションも盛ん。魔法使いなのに鉄の鎧を着るなど自由にコーディネイト可能。 名声とネームカラー ネームカラーはそのキャラクターの属性を名前の色で示すシステム。 デフォルトだと通常のプレイヤーは青色、犯罪者や相手に一方的に攻撃を加えようとするものは灰色、殺人者は赤色で表示される。プレイヤーに限らずNPCでも適用される。 灰ネーム は盗みや他のプレイヤーへの攻撃行為、他の犯罪者・殺人者への有益な行為をした場合に変化する。ある程度の時間待てば青ネームには復帰できるが、その間はファセット移動不可、町のNPC衛兵を呼ばれると殺される等の数々の制限を受ける。 他のプレイヤーへの盗みを行った場合は、そのプレイヤー間では半永久的に灰ネームとして表示される。 赤ネーム は、殺人カウント(他のプレイヤーを殺害した場合に上昇)が一定数以上になった場合に変化する。 赤ネーム時の制限は非常に厳しく、いかなる場所でも他のプレイヤーからネームカラー問わず攻撃を受ける可能性がある。また他のファセットに移動できない、問答無用でNPC衛兵に殺されるので一部の街を除いて入る事ができない等の諸処のペナルティを受ける。 町に入れないということは、町のNPC達によるサービスを受けられないということであり、また物資調達などでも苦労する。ある程度、自給手段や生活基盤を築いていないと赤ネームで生活するのは難しいと言える。 青ネームに戻るには灰ネーム以上の時間を要する。 名声とはプレイヤーキャラの行いによって上下するその世界における評判の様な物。それに加えてカルマというステータスが存在する。こちらは、プレイヤーキャラの善悪の属性を表したもの。 名声は自分より名声の高いモンスターを倒したり、クエストやバルクオーダーを成功させると上がる。物乞いをしたり、死んだりすると下がる。また、何もしてないと自然減少する。 カルマは善行を詰んだり、自分よりカルマの低いモンスター、プレイヤーを仕留めるなどすれば上がるが、犯罪や不当な殺人・ネクロマンサーの秘術を使うなどの等のネガティブな行為をすると下がる。 これらはプレイヤーのステータスに称号として表示される。これらの要素はロールプレイにおける指標に過ぎないので実際のプレイヤー間の評判等とは異なる。 一概に言えないが称号でプレイヤーがどんな行動をとっているかおおよそ推察できる。対人可能なエリアでこれが悪いものであったら犯罪者か殺人者である可能性も疑われる。 称号 前述の名声・カルマの称号だけではなく、無数の称号が存在し設定画面からキャラクターに表示させることができる。 称号の種類は、スキル値、特定のモンスターを倒す、ボスエリアのクリア、クエストのクリア(及びその回数)、ギルドリーダーから与えられたもの、プレイ月数など多数ある。そのため、称号を見ればそのプレイヤーの経歴がある程度わかるようになっている。 ただ、称号は証書になっているものもあり、他プレイヤーから譲ってもらうこともできる。 討伐系称号は、常時討伐していないとランクが下がり、やがて消滅するものもあるので、アクティブに参加しているのかが分かる。 期間限定で手に入る称号があり、現在では入手不可能なものもある。 特定の街に貢献すると、その街から「爵位」を貰うことができる。市民から始まり、最上位の公爵まであるが、街への忠誠度を上げる(金銭・資材の提供、奉仕活動など)必要があり、授爵料も必要になる。上位の爵位になると授爵料も莫大になる。 ただ、一度に表示できる称号は限られているので、表示する称号の選択にも個性が出る。 死と蘇生 死亡した場合、プレイヤーは幽霊となる。前述の名声と後述するアイテムロスト以外にペナルティは無いが、一部の対人コンテンツに参加しているプレイヤーは死亡時に一定時間スキルロスが発生する。 幽霊になった場合、移動以外はほぼ何もできなくなる。体勢を戦闘モードにしない限り他人には姿が見えず、会話しようにも相手が「霊話」スキルを持っていないと全て伏字「OooOOo Ooo」になってしまう。 幽霊状態から抜け出すには、他のプレイヤーから治療か蘇生魔法を施してもらうか、自力で神殿やNPCのヒーラーのもとに赴いて蘇生してもらうことになる。献身の徳を治めたプレイヤーに関しては自己蘇生も可能。 なお幽霊時の所持品は(自動的に得られる)灰色のローブなどごく一部で、他の所持品は自分の死体と共に置き去りにされる。蘇生しても自動回収はされず、自ら再び回収に向かわなければならない。モンスターによっては死体内の装備をルートしてしまう。 現在はアイテムに個別に保険をかけ、蘇生後も手元に残せるようになった。 更に保険金さえも必要なく、永久にロストすることがない「ブレス」が行える証書も存在する。 ハウジング プレイヤーは建築が可能なエリアであれば1アカウントにつき全シャードのいずれかに家を1軒建てることができる。家の敷地内ではオーナーとアクセス権を付与されたプレイヤーならば安全にログアウトができる。 建築可能なエリアであれば、家の土台が収まるだけの広さの空き地があれば、全世界ほぼどこにでも建てられるようになっている。 2軒以上建てようとすると古い方の家は猶予期間を経た後に消滅し、敷地内にあったアイテムは軒先にドロップしてしまう。 家には同じアカウントの自キャラは誰でも使え、他のプレイヤーなどはアクセス権を付与することで共有者や同居人として扱う事もできる。 家は個人の居住スペースとしても使えるが、パブリックスペースとして他のユーザーが自由に侵入できるように解放して使うこともできる。 店舗として利用している家では、専用NPCを雇用契約することで販売したいアイテムを持たせて店員として機能させることができる。 家に関しては固有アセットの物もあるが、プレイヤーが内装を変更できるカスタムハウスを建築することもできる。 カスタム専用の土台を土地にセットして壁や柱等を配置する必要があるが、それらのカスタムには資金が必要となる。 評価点 低スペックでもプレイが快適(2Dクライアント) 3Dゲームと比べると絵柄などに古臭さは感じるが日本シャードであればラグは感じず非常に快適。PCスペックがさほど高くなくても快適に遊べる点が大きい。 バラエティ豊かなフィールド ファセットの探索には騎馬できる生物に騎乗したとしても1日では回り切れないほど広さがある。 探索には時に船などを使わなけば侵入できない島があったり、移動魔法などを使わず探索しようとするだけでも結構な冒険となる。 高品質で温かみのあるドットで絵が描かれたフィールドは美麗であり、今のゲームと比べても見劣りすることは無い(*2)。 ハイファンタジーがベースだが、時にはスチームパンクの様な世界だったり、日本風の世界だったりとごった煮風味。 多種多様なスキル スキル制のため、固有の職業(ジョブ)と言ったものは無い。どのスキルに精通しているかでキャラのロールを定める形をとっている。その為、他の作品でも余りない自由度の高いキャラビルドを実現している。 例えば武器で戦う“戦士”ひとつとっても、武器攻撃に特化した専業戦士、魔法も使える魔法戦士、武士道の技法を使う侍戦士、パラディンとネクロマンサーのスキルを両方使いこなす者(通称ネクパラ)など、スキル構成は自由自在。 また、後からスキル構成を変える事も自由にできる。例えば専業戦士から、魔法戦士や専業魔法使いや生産職に鞍替えすることも可能。もっとも、新たに覚えたスキルを鍛える時間は必要だが。 戦いの日々に疲れて、「釣り」にいそしむ事で生計を建てている元戦士の漁師みたいなロールプレイをする事もできる。 鉱石の「採掘」にしても、ろくに戦闘能力が無い坑夫になるもよし、自分で鍛冶まで行える鍛冶師になるもよし、特殊なツルハシで現れる鉱石モンスターとも渡り合えるような鉱石ハンターになるもよし。 変わった物になると動物の「調教」に精通することで牛追いだった牧夫がドラゴンを従えるモンスターテイマーになったり、「音楽」を究めることで演奏で魔物を大人しくさせたり同士討ちさせる吟遊詩人になったり、「窃盗」を極めることでNPCのみならずプレイヤーのアイテムをかすめ取るシーフとして暗躍したり、「地図解読」「開錠」を駆使して隠されたお宝を探り当てるトレジャーハンターにだってなれる。 但し、スキル単体の上限とは別に、一人のキャラクターが習得できるスキルの総量にも限度がある(アイテムなどで多少増加させることは可能)。このため、どれもこれも習得したいわゆる“勇者、万能キャラ”は、全てが中途半端な器用貧乏になってしまいがち。 スキルの総量が上限に達している場合は、何かのスキルが上がる際に、あまり使っていない他のスキルが自動的に下がる。変動させたくないスキルは個別にロック可能で、好みのビルドを構築していくことができる。 稀に見る自由度と生活感 本作を言い表すとするなら「ネット上に存在する、もう一つの現実」という言葉が当てはまる。如何なるプレイスタイルでも取れる余地を持つ。戦わないスタンスもプレイスタイルの一つして成立し、それを成すことができる舞台が整っている。 MMORPGの大半が戦闘に比重を置くのに対し、UOは非戦闘のコンテンツに関しても多大なボリュームを持つ。 大半のMMORPGだと生産素材の入手法がモンスターからのドロップであることが多く、戦わずして生産活動を行う事は困難であることが多い。しかしUOでは多くの素材を採集や製造などで自給できてしまうので、生産職プレイ一本で自活する事も不可能ではない。 本作の生活のおけるインフラやサービスの供給はプレイヤー無くして成り立たない。上記で述べたように実用的なアイテムはプレイヤーの製作物でないと品質や供給量に劣るためである。その為、ユーザー間での経済活動が活発である。 錬金術師が生産したポーション等でないとNPCの店売り品は回復力や薬効の実用性に劣り、武器や防具が劣化した場合にはプレイヤーの鍛冶屋が修理しなくては耐久性が回復せず、移動魔法に必要な巻物の生産は写植士でないと安定して供給できず、馬以外の珍しい騎乗用の生物を捕獲するのはアニマルテイマー以外にできない。 狩りから戻った戦士が鍛冶屋に立ち寄り、鉄を叩いている他のプレイヤーの鍛冶師に傷んだ防具の修理を依頼する光景はありふれたものだった。 通常のMMORPGでは敬遠される悪人ロールプレイも、UOにおいては規約に外れる様な事でなければ許容されている。 シーフ系スキルを活かしたプレイヤーからの窃盗プレイもできる。フェルッカにおいては街中でのスリは初期の頃によく見られた光景だった。無論、NPCやモンスターからの盗みも可能である。 他のプレイヤーキャラクターを殺すプレイヤーキラー(PK)も可能。カモになる相手を見つければ速攻で殺しに来る者もいれば、律儀に名乗り上げ有り金と希少品を差し出せば命を見逃してやるという追剥の様なロールプレイをする者などもいる。 そうしたPKに対し、PKを倒すことを目的とする自警団的なPKKとしてプレイする者も現れた。 馬を売ると称して魔法で作り出した時限で消える物を売りつけたり、言葉巧みに居住用の土地を売ると言って金をだまし取ったりする詐欺師などもいる。ただ、詐欺ロールプレイに関してはゲーム仕様の不備などを利用したもので無い限り規約違反ではないが、賛否が分かれる。 プレイヤーによって開催されるイベントも活発で、結婚式であったり、対人のデュエルトーナメントであったり、バザーであったり、ゲーム内の固有システムに依存しないユーザーイベントが数多く行われている。 アイテムやオブジェクトを町などのパブリックなフィールドにも一時的に置いたりすることができるので、ロールプレイのし易さがそれを促しているともいえる。 運営はプレイヤーイベントに対して協力的で、プレイヤーの企画したイベントのために正式に依頼を通せばGM(ゲームマスター)が会場設営などを手伝ってくれたりする等、プレイヤーと運営側の距離感も近いのは他のMMORPGでも余り見られないのが特徴。 ユーザーが考案したイベントを公式が逆にゲームに取り入れるといった事も行われている。 バグボール:プレイヤーキャラの持てる限界重量以上の荷物を詰めたコンテナをドラッグ&ドロップでドリブルしながらゴールに入れる。後にバグボール専用ボールがアイテム屋で売られるようになったり、スタジアムがフィールドに設置されるようになった。 汝は人狼なりや?:いわゆる人狼ゲーム。公式で著作者との合意を得て公式サポート化した。ヘイブンと呼ばれる街に人狼専用アセットが設置されるようになった。 MMO、非MMO問わず他の自由度が高いと謳われているRPGであっても大抵はメインクエストが存在し、戦闘がメインで非クエスト進行派は後れを取りがちだったり心理的に負い目を感じやすかった。 だが今作ではメインストーリー上でプレイヤーが打倒しなければならない勢力やラスボスと言ったものが存在しない上に仮想ファンタジー上における「生活」がゲームのメインなので非戦闘、非クエスト派のキャラが引け目を感じる事が無く、キャラクターとして受け入れられやすい様になっている。 ハウジング関連の奥深さ 本作における家は単純な居住スペースや荷物置き場にとどまらず、カスタマイズすれば生産活動の拠点や、ギルドハウスになったり、ユーザー店舗にして商売をしたりと使い方が幅広い。 店として利用する場合、プレイヤーが持てる物であれば大体の物は販売可能なので、発想次第で様々な商売ができる。ダンジョンで手に入れたアイテムを売りさばいたり、自分で採集した資源や制作した武器防具を売ったりすることも可能。中には小説を書いて販売しているプレイヤーもいる。 中には情報収集を怠っているプレイヤー向けにボッタクリ価格をつけている店もあるが、価格設定間違いと区別しづらいため取り締まりも難しい。 プレイヤーが購入しやすい、便利な立地の店は割高なこともある。観光地価格のようなもの。 実用用途に限らず、公園の様にして地域のコミュニティスペースにしたり、移動魔法用の座標を設置したポータルステーション、自慢の戦利品や内装を公開する博物館として利用したりと使い方に際限がない。 戦闘やその他の要素を差し置いて家の内装やインテリアコーディネートにハマってしまう人が多い。アセットの変更が他のゲーム以上に自由度が高いのも要因。 まずは基礎となる固定アセットの家そのものが、小さな一軒家から大きな城まで様々に取り揃えられている。 カスタムハウスの内装パーツも非常に豊富。内装のカスタマイズ機能は同じEAが出しているシムピープルの建築機能に近いものがある。 また、ゲーム内のアイテムを自由に設置することもできる(持ち去られないようにロック可能)。実用品ではない装飾用アイテムも非常に豊富で、インテリアコーディネートも活発に行われている。 公式・非公式とわず内装インテリアのイベントが行われたり、オフィシャルガイドブックが出版されたり、ユーザーのデザイン紹介やテクニック集の様なサイトも多く公開されていた。 斜め見下ろし固定視点という事を逆手にとって、アイテムを積み重ねることで目の錯覚を利用した疑似的に装飾品を作り上げるスタックオブジェと呼ばれるテクニックも盛んである。 カスタマイズハウスは各々のシャードで二つとして同じものは無く、絶えず変化し続ける世界を構成する風景の一部となっている。 MMORPGジャンルの開拓者としての業績 後のMMORPGの基礎・手本となるようなシステムを(βテスト時代を考慮すれば)1996年に築き上げ、実現させていたのも素晴らしい点である。 当時はせいぜい『Diablo』がオンライン多人数同時プレイの楽しさを認識させていたぐらいでしかなく、それも16人同時プレイまでが堰の山。それが本作によっていきなり2000人同時プレイという規模にまで引き上げられ、しかも先述の通り現在で見ても類まれな自由度・発展性を持った世界を作り上げていたのである。 本作が「MMORPGの先駆者」として果たした役割は物凄く大きく、「ゲーム史というものがあるなら、必ずそこで語られるべき」作品と言っても過言ではない。 その影響は凄まじく、特に日本(と、おひざ元のアメリカ)では受けが良かったため、様々な足跡を残した。黎明期、UOを求めて秋葉原のPCショップに長い行列ができたり、「UOをドラマ内の演出の小道具として」用いたドラマが出たりもした。 賛否両論点 スキル上げ 本作ではそれぞれの技能の効果を最大限に発揮するにはスキル値を磨く必要があり、成長してゆくことでできることや活躍の幅が大幅に増えるが、その反面スキルを一気に成長させる手段がほぼないので熟達にはかなりの時間を要するのでモチベーションや資金・資材といった事が不満として上げられることがある。 意識せずとも戦ったり、日常的に使用するので勝手に上がる戦闘・魔法系スキルはともかく、それ以外のスキルでは上げづらいことがしばしばある。 生産系はかなり上げるのが大変で、鍛冶師などはスキル値が90台以上になると何十の鉄の甲冑を作ってもスキルが0.1すら中々上がらない。素材集めもバカにならず、ひたすらルーチンになるので中々に辛い。 生産職にとってスキル値が100.0(ゲーム内では称号でGrandMasterと呼ばれる。略称でGMと呼ばれるがゲームマスターの意味ではない。)であることはほぼ当たり前であり、低いスキル値でも買って貰える生産物はごくわずかに限られる。せめてNPCの店に売れるものであればいいが、中にはそうでない物もある。 とは言え、仕様変更などでどのスキルも上昇保障などの仕様などが追加され最初期に比べれば上げ易いとはいえる。 初期のUOはスキル上げが比較にならないほど難しく、戦闘系等ではないスキルで100.0も上がるプレイヤーも少なく、生産職など上げにくいスキルでGrandMasterの称号を持つプレイヤーは畏敬の念を持たれるほど。 ファセットに関する問題 初期のUOはフェルッカが基準の世界だったが、当時は街中の銀行前はスリがうろつき、町を出てNPC衛兵の巡回範囲外の街道や、狩場であるダンジョンではPKが襲い掛かる油断も隙もない「時はまさに世紀末」の様な状態で、MMORPG黎明期という事もあり不具合によるバグやそれを利用した悪質な行為も多く、「まともな奴ほどfeel so bad」な有様だった。 バグはかなり深刻であり、仕様の不備によって意図せず無実のプレイヤーが犯罪者フラグを立てられてしまったり、自分の家にしまい込んだ財産を不正侵入されて根こそぎ盗まれたり等のことがあり幾度も修正が行れていたが当時はチーターとのイタチごっこだった。 始めたばかりの初心者にも、ベテランのスリやPKは身包みを剥いだり、問答無用で殺しにかかるなど容赦なくフェルッカの洗礼を浴びせていた。それはそうとして混沌にあふれながらも自由で活気にあふれていたその時代を懐かしむ層はいる。 対人を好まなない層や初心者でも安心してプレイができる様にと、UO Rにおいて、プレイヤー間でのネガティブ行為に制限がかけられたファセットのトランメルが実装され、多くのプレイヤーがそちらに移住した。 同時に初心者対策として、一定期間はネガティブ行為などから保護を受けられるヤング制度などが導入されている。 しかし、以降はUOにおけるイベントなどの起点の殆どがトランメルに移ってしまい、フェルッカは対人を好む人間くらいしか残らず過疎化してしまった。イベントをPKなどに邪魔されても困ると言えば困るのだが。 βテスト中だがリチャード・ギャリオットの扮するキャラクターがイベントで演説中、不正行為をしたユーザーにPKされるという事件が起きた事もある。 R以降に追加されたファセットの大半はトランメル基準のルールであるため、特殊ルールサーバ以外は、フェルッカでしか活動できないキャラクターはそれらのコンテンツに触れることができないという格差が存在する。 家の建築は原則としてNPC衛兵の巡回範囲外でしかできないので、安全なトランメルの土地が不足し、AOSでのマラスのリリースに至っている。逆を言えばリスクを許容できるならフェルッカでも探せば住める土地はそれなりにある。 ML以降のアップデートでフェルッカでの資源量産出増加や特殊ダンジョンルールの実装において多少の賑わいは取り戻したが、それでもトランメル在住の人々を引き戻すには至っていない。 この様にはビギナーやPvPを好まない層やライトユーザーを隔離するというやり方は大半のユーザーにとっては恩恵があったものの、人口の偏在と自由度という面において大きな制約ともなっている一面を持っている。 アイテムの消耗に関する問題 UOにおいて武器や防具など殆どの装備品は消耗品であり、如何に強力な魔法武器でも使い続ければ壊れる物である。鍛冶師やその他職人のプレイヤーが修理をすることで耐久値を回復させることはできるが、ランダムで最大の耐久値が下がることがある。 簡単に壊れる訳では無いものの上記の事は避けようの無い事である。しかし、その事でプレイヤーの職人の作る武器を普段の狩りに使い、対人や強敵相手には秘蔵の魔法武器を使うという駆引きやプレイヤー制作アイテムが売れる事で経済が回るという循環に繋がっていた。 しかし、バルクオーダー実装において装備の最大耐久値を回復させるアイテムが出てしまった事で、アイテムが事実上消耗しなくなってしまい、駆け出しの職人の作る鉄武器など予備にすら見向きにも去れなくなってしまった。 所持品に保険を掛けておくことで死亡時にアイテムが手元の残るアイテム保険に関しても、事実上死亡によるアイテムロストが無くなってしまう事から賛否両論がある。 アイテムと言うには違うが、プレイヤーがペットとして騎乗したり使役できるモンスターや動物は初期の頃は死んだら蘇生が不可能で、再度調教するか譲渡・購入する必要があった。しかし、親愛化の実装により蘇生できるようになってしまった。 愛着のあるペットを蘇生できる様になったのは嬉しい事だが、アニマルテイマーが馬などの騎乗生物を行商する光景は姿を消してしまっている。 上記の点を踏まえるとユーザーにとっては便利にはなっているが、ゲーム性を重視することでロールプレイとしての空気や生活感が薄れてしまっているとも言える。 問題点 自由度の高さゆえの問題点 通常プレイする分にはストーリーの様な強制進行等がほとんど無く、自由度の高さもあいまって情報も多く、ビギナーには何をすればいいのか迷いやすい。 初期は操作ガイドやチュートリアル的な要素も少なめなので、ヘルプや情報サイトを参考にすることが推奨される。 アップデートで初心者のための町「ヘイブン」やチュートリアルクエスト等を実装したり、コンパニオンプレイヤー(初心者の相談を受け付けるボランティア。2011年に終了)を募る等して、初期よりはそれなりに遊びやすくはなっている。 スキル制も選択肢の多さゆえに方針が曖昧になり易いので、自分なりの育成方針が必要となる。 そのため、ベテランプレイヤーに「弟子入り」して、スキル構成や武器・防具選択、立ち回りを覚えるプレイヤーもいる。 インフレが加速した戦闘バランス UOの戦闘における最初のインフレは、LBRで登場したスキル上限値を上げる「パワースクロール」とステータス上限値を上げる「ステータススクロール」の実装だといえる。 LBR以前まで、すべてのプレイヤーはスキル上限とステータス上限の面で平等であった。この平等性を崩しインフレの発端となったのがこれらのアイテムである。 これらのアイテム単体での恩恵は当時から微々たるものであるが、プレイヤーはこぞってこれらのアイテムを求めた。プレイヤーがインフレを求めた最初のターニングポイントである。 塵も積もれば何とやら、現在でも標準装備が常識である。 ちなみに、これらのアイテムが入手できる戦闘イベントは(プレイヤー間の取引を除いて)前述したフェルッカのみで、当時の戦闘バランスでは複数人でなければイベント消化はできなかった。 イベント消化のためにやってきたプレイヤーとそれを狙ったPKやスリで、当時のゴールデンタイムのイベント会場は良くも悪くも賑わいを見せた。 AOS以前まではステータスやダメージは控えめで、それらの数値は隠蔽されており、モンスターを倒す事で得られるアイテムに付与される効果も概ね簡素であった。しかし、AOS以降は敵やダンジョンなどから獲得できる魔法装備に付与される効果の種類増大や新スキルのアビリティにより、敵味方双方のダメージのインフレが非常に進んでしまっている。 AOSで追加されたスキルの一つであるパラディンの魔法はキャラクターのカルマが善の傾向でないと効力が出ず、金銭を奉納と称して消費する必要があるが、回復や移動魔法が魔法職に比べて不自由だった戦士系キャラの従来の弱点が解消され、それまで伸び悩んでいた火力を異常なほどに上げている。 同時期に実装された対となるネクロマンサーの呪文を組み合わせることで火力は他の戦闘職を喰うまでに上がる。設定上ネクロマンシーは邪法のため、カルマが下がるのでパラディンとは相性は悪いはずだが、強敵を倒し続ければいやでもカルマは上がるので余りデメリットにはなっていない。一応スキルなどの見直しは入ったもののネクパラは戦士テンプレの主流である。 一方で戦士系以外のロールを持つ魔法使い系はやや不遇気味である。魔法は使用に魔力に当たるマナと媒介となる秘薬と呼ばれる消耗品が必要、詠唱に時間がかる、属性耐性などの追加などで昨今の環境において、純粋な魔法使いスキルビルドは稀となり、大半が戦士系スキルとのハイブリッドが多い。 他に戦闘系職で不遇なのは、猛威を奮っていた最初期以降は日陰へ追いやられている上にブレードウェーバーと呼ばれる上位互換スキルのおかげで役目がない弓戦士や、かつては花形の一つだったが、必要スキルの制約が大きくて、諸処の事情でパーティだとあまり歓迎されないほぼソロ・雑魚狩り専門となっているモンスターテイマー等が挙げられる。 AOS以前では熟練者でも油断すれば危なかった既存モンスター(ドラゴンなど)が、ソロでもあっというまに倒せてしまうまでになってしまった。その一方で、新規追加モンスターは、ステータス異常攻撃などのオンパレードで凶悪化が加速してしまっている。 魔法武器防具に付与される追加効果も一気に増えたため、実用に値する防具などの選定や調達はAOS以前より難しくなってしまった。 逆に優秀な追加効果を持つ装備を揃えれば、ボスや拡張などで新規追加されたものなどを除くモンスター相手は前述のようにヌルゲー化してしまう。 また、AF(アーティファクト)と呼ばれる一部のダンジョンにいる非常に手強いボスなどを倒すことで手に入るレア装備の実装は、その効果が余りにも実用的すぎるせいか既存のマジックアイテムやプレイヤーの装備を生産する装備の価値を暴落させてしまった。AFは拡張パッケージの追加度に実装されてインフレを加速させていった。 このままAFによるインフレが続いていくのか…と思われたがSEで実装された「練成」スキルによってその環境は一変する。このスキルを使う事でプレイヤーが装備に任意の能力を付与できてしまうという物だった。今まで運任せだった特殊効果つきの装備の入手法が、錬成可能な魔法武器と素材を集めさえすれば比較的簡単に優秀な実用品に変えられてしまうのである。 ただ、元から付与されている特殊効果が多い装備ほど練成成功率が下がる、一部の元からある特殊効果が消えてしまう、先述した最大耐久値を増加させるアイテムが使えなくなる等のデメリットはある。 AFは練成できないため(*3)、今度は一部を除く多くのAFの価値が暴落してしまい、産出するダンジョンが過疎化する現象が起きた。 戦闘がスピーディでわかりやすくなったとの意見もあるが、ロールプレイしての戦闘の面白みが減ってしまったとも言われている。 UIやクライアント関連の問題点 2D版のUIは英語クライアント版が基準になっているので、日本語化されてない部分が多い。3D版はローカライズがちゃんとされているので扱いやすい。 UIに関しても後続のMMORPGと比べるとに比べるとやや煩雑に感じる。 アイテムの使用方法などがやや特殊で、コンフィグなどでマクロなどを組まないと戦闘では使いづらいので初心者にやや敷居が高い。特に2Dはその傾向がある。 一応マクロツールなどの補助を得て使いやすくカスタマイズできなくはないが、公認ツールはシェアウェアである。非公認ツールもあるが発覚すればBANになる可能性もある。最新の3Dクライアントではその点もやや改善はしている。 3DクライアントはPCの性能が必要な事やラグなどを嫌う層が多く、使用率は2Dクライアントより少ない。 また2D・3Dクライアントで出来ること出来ないことに差がありすぎるので別物と言っていい。 ドット絵のキャラに比べるとバタ臭いというか、日本人の感覚では受け入れられ辛い。 改善されたユーザーカスタムUIが導入され使い勝手は良くなっている。上記のUIの面もある程度は緩和される。 2Dに比べると文字入力などの制限が緩い、マクロを組みやすいといった利点はある。 総評 ダンジョン探索や派閥の争いなどの戦いの日々に明け暮れるもよし、一流の職人として熟練の技を磨き業物の制作にいそしむもよし、悪名高い犯罪者としてその名をとどろかすもよし。 それどころか街中で行商をしようが、裸にバシネットを被って徒党を組もうが、自分たちで突発イベントを起こすこともロールプレイの一環として許される。 製作者であるリチャード・ギャリオットが述べた「ブリタニアの民よ、エンターテイナーたれ」という言葉が本作のコンセプトを体現していると言っても過言ではない。 遊び方に一切の筋書きも厳しい制約と言ったものが殆どない自由度の高さは、バトルが苦手なプレイヤーの心すら掴んだ。 ただ、運営の体制変更や数多のアップデートの中、多くのゲームシステムが変わっていった事でゲーム性の変質になじめないプレイヤーが離れていってしまったことも事実である。 サービス開始から15年以上も経過していながら未だに現役のMMORPGは他に例がないので、参入時期やプレイ期間によってその評価はプレイヤーによって大いに異なる。 それ故に過去の名作なのかアップデートで舵取りを誤った作品になってしまったのかは、意見も分かれ単純に判断し難いと言わざるを得ない。 しかし、MMORPGのみならずオンラインゲームというジャンルに良い面も悪い面でも多大な影響を与え、歴史に大きな足跡を刻んだ偉大な先達であることに変わりはない。 ウルティマオンラインの精神的な後継となりえる作品は未だに出てないとも言われており、唯一無二の作品として今後も語り継がれるのは間違いない。 今後も心にブリタニア(またはソーサリア)を故郷とする者がいる限りウルティマオンラインは歴史を刻み続けていくであろう。 その後の展開 2014年2月に開発・運営を行ってきたエレクトロニック・アーツの子会社であるMythicスタジオの解散が告知された。 それに伴い、開発・運営は Broadsword Online Gameに移った。同スタジオが携わった『Dark Age of Camelot』等も同様の経緯を経ている。 続編及び後継作として『Ultima Online 2』と『Ultima X Odyssey』の開発が進められていたが、双方とも頓挫している。しかし、前者の成果物はLBRのコンテンツに流用されている。 その後も開発元を離脱したリチャード・ギャリオットの他に元製作スタッフや、その他インディーズ開発者などが精神的後継作の開発プロジェクトを立てている。 2018年4月にアップデートが行われ、基本料金無料一部機能制限(*4)有りのアカウント「Endless Journey」が導入され、課金しなくてもUOをプレイできる様になった。 これにより老舗のMMORPGをやってみたいけど課金はちょっと…と言ったユーザーにもとっつきやすくなった。 余談 本作はウルティマシリーズの番外編ではあるが、ウルティマ本編の出来事をモチーフしたイベントや地形など、数多くのウルティマシリーズの要素が世界に散りばめられている。ウルティマのファンなら、思わずニヤリとしてしまう要素が多々。 謙譲の徳を信奉する町マジンシアだが、『ウルティマIV』では住人の傲慢さゆえに一度壊滅し復興を遂げている。本作でも、2007年にデーモンの侵攻を受けて壊滅したが現在は復興している。 イルシュナーにはウルティマシリーズに登場するキャラクターのグエノの墓がある。グエノのモチーフとなったキャスリーン・ジョーンズ氏(ゲーム内でもよく聞く、作中の国民的歌謡「Stones」の作者)の死をスタッフが悼んで設置されている。 BGMについても、ウルティマの原作から音色をアレンジして使用しているものが多く、懐かしさに浸れる。特にログイン画面で流れる、先述の「Stones」は名アレンジとして評価が高い。 ライトノベル作家の川原礫氏は本作の元プレイヤーである。「ソードアート・オンライン」の作中の設定や用語にも本作の要素に近い物が多い。 例えば作中のVRMMOゲーム内において、犯罪フラグを立てたプレイヤーの名前は表示色がオレンジになるのだが、そうなった者は「オレンジプレイヤー」と称されていたり、その中でも明確に殺人を行うプレイヤーが「レッドプレイヤー」を自称する(*5)など、本作と類似した要素が散見される。
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レッドアリーマー 魔界村外伝 【れっどありーまー まかいむらがいでん】 ジャンル アクションRPG 対応機種 ゲームボーイ 発売元 カプコン 発売日 1990年5月2日 定価 3,300円(税込) 配信 バーチャルコンソール【3DS】2011年6月29日/400円 書換 ニンテンドウパワー2000年3月1日/800円/F×1・B×0 判定 なし 魔界村シリーズ レッドアリーマーシリーズレッドアリーマー / レッドアリーマーII (魔界村外伝) / デモンズ・ブレイゾン 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 続編等 余談 概要 人気アクションゲーム『魔界村』の敵キャラクターで多くのプレイヤーにトラウマを与えてきた「レッドアリーマー」を主人公としたスピンオフ作品。 カプコンにとって初のゲームボーイ作品で、当時としては珍しい「アクションRPG」ジャンルのソフトでもある。 特徴 通常は『ドラクエシリーズ』の様に見下ろし型のフィールドマップを移動し、ダンジョンに当たる場所に入ると2D横アクションパートのステージに突入する。 アクションパートはボスがいるメインステージの他、谷や洞窟等の道中ステージがある。 フィールド移動中は、ザコキャラとのエンカウントもあり、狭いアクションステージに突入する。 村も存在しており、お金に当たる「魂」を集める事で1UPアイテムである「闇の力」を購入できる。 後の村になるほど、闇の力の購入に必要な魂が多くなる。 経験値に当たるものは存在しない。ステージやイベントをクリアする事で、ジャンプ力などの能力が向上する。能力アップのアイテムを入手して能力が向上する場合もある。また、攻撃技の種類も増え、中には特定の攻撃技を使わないと進めない場面もある。 コンティニューは平仮名8文字によるパスワード式。村で聞く事ができる。 評価点 悪魔が主人公のゲームらしく独特なアクション。 壁に張り付く「ヘルクライム」や翼を使い浮遊する「ホバリング」が可能。ステージ構成もこれらを使いこなさなければ攻略できないものになっている。 攻撃手段も口から吐くブレスで独特さを際立たせている。 魔界を舞台としているだけあって、ダークで殺伐とした雰囲気。 村人のセリフも『サガシリーズ』を思わせる乱暴なセリフまわしでダークな世界観を演出している。 グラフィックも白黒ながら魔界の恐ろしい雰囲気をよく表現している。 舞台設定にあわせたBGMも質が高い。 賛否両論点 敵の攻撃力について 今作の敵の攻撃力は、現在のアリーマーの体力上限より下に設定されているのが基本だが、フィールドでは時折体力の上限と同等の攻撃力を持つ雑魚が出現する。 ゲームの序盤からこの様な雑魚とエンカウントする事があるのだが、これら雑魚の攻撃を一発でも喰らった場合は当然ながら即死となり残機も1つ減らされてしまう。今作における理不尽な死因。 問題点 序盤のステージが難しい。 序盤の2ステージはレッドアリーマーが貧弱な状態で進まねばならない(ライフが2しかない本家魔界村状態、ホバリング可能時間も短く、攻撃は連射できない等)。下記の条件も絡んでよりシビアである。 最初の面から本作独自のテクニックを要求するステージ構成になっている。さらにこのステージは残機がデフォルトの2で固定されている(つまり2回やられたら最初からやり直し)。 残機制が採用されているゲームではリカバリーとの兼ね合いでデフォルトの残機数が3に設定されている物がほとんどなのだが、デフォルトの残機数が2では非常に厳しい。 次のダンジョン「ビックタワーモンスター」は初見殺し的な構成のうえに、ライフ回復アイテムが一つも落ちていない。ここを攻略すれば連射可能な攻撃技が手に入る他、道中でライフ上昇のアイテムや悪魔のエキス(ロックマンのE缶のようなアイテム)が入手できるため、かなり難易度が緩和されるが…。 無駄が多い。 町村や洞窟内は、やたら道が複雑。敵が出るわけでもないのに、ただただ無駄に歩かされる。 民家は誰もいないことが多く、パスワードを聞くところと闇の力を交換するところ以外は、ほぼ無意味。 これらの無駄は、続編以降も一切改善されていない。 経験値やレベルが無く、お金の概念も無いため、RPGとしてはかなり味気無い。 ゲーム展開について 今作は中盤(エビルパレス突入辺り)以降では特定のダンジョンをクリアすると、それより以前の展開で訪れる事ができたフィールドおよび町村ショートダンジョンへ一切戻れなくなってしまう。つまり、中盤以降では序盤の村に戻って割安で魂の交換を行う事ができなくなったり、フィールド雑魚にもエンカウント出来なくなる種類が存在したりする。 特に顕著になるのが上述の「悪魔のエキス」の取得法。 今作の強化アイテムは基本的にイベントを経由して自動入手するのだが、このアイテムはフィールドに落ちている壺を調べて任意で入手する。いわゆる「フィールド宝箱」形式。「悪魔のエキス」は入手するとゲームを楽に進める事ができるのだが、アイテムの存在に気付かずに特定の箇所までゲームを進めてしまった場合は、ゲーム中で二度と入手する機会が失われてしまい、結果として以降の展開がよりキツく感じられる様になってしまう。 総評 空を飛び口から火を吐く悪魔を操作するアクション+RPGという構成の物珍しさと、当時としては少数派であった「悪側寄り」の風変わりな雰囲気が魅力。随所で特殊操作の活用を要求してくる作りのアクションパートも、本作の独自要素をよく生かしている。 反面RPGパートについては、ストーリー演出・ゲーム性など多くの面で没個性的であり、作品全体の完成度について考えた時に長所と呼べるかは微妙なところだろう。 『魔界村』本編と比べればアクション難度が易しく、またRPG要素を含む分接しやすい。そんな本作は、タイトル通りに「レッドアリーマーのスピンオフ作品」としてそのダークな雰囲気を楽しむゲームである。 続編等 本作の続編としてFC『レッドアリーマーII』が発売。これは後にGBにも『魔界村外伝 THE DEMON DARKNESS』として移植されている。 また更にその後はシリーズ最終作としてSFC『デモンズ・ブレイゾン 魔界村 紋章編』が発売されている。 ちなみに『超魔界村R』のアレンジモードのボスとして初登場し『NAMCOxCAPCOM』でゲスト出演したレッドアリーマージョーカーは本作に関連するセリフを話す。 本作及び続編で流れるメインテーマは後に『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』のアリーマーのテーマとしてアレンジされている。 余談 フラグが不完全など、変な状態で再開できるパスワードが多数存在している。 有名な一例としては、雑誌等の裏技で紹介された「きききき-きききき」というお手軽パスワードがある。 砂漠ステージをショートカットしてシナリオを進行する事ができるが、道中でこの砂漠ステージクリア後に習得できる必須攻撃技がないとクリアできない場面が存在し、さらに後戻りできないためにクリア不能となってしまう。 このパスワードを使った事が原因で手詰まり状態になった人も多かった事からゲーム雑誌の質問コーナーにヒントを求める人が続出し、その後の雑誌の質問コーナーの回答で「面倒でも砂漠ステージをきちんとクリアするように」と対処する事態となった。 上記以外にも「えにくす-えにくす」(進行度に比べて能力が低すぎてクリア不可)といったネタパスワードも存在する。このゲームに限らずこういった類のものは能力やフラグアイテムの関係で元からクリア不能、もしくはイベントの進め方によってはクリア不能になるものも多い。 本作の開発に携わった成瀬憲史氏は後にカプコンから独立、浮世亭を設立し、『Hook (SFC)』を手がけている。 浮世亭が開発した作品の一つのSFC『迦楼羅王』はトップビューによるフィールド画面や壁掴まりや空中浮遊といったアクションの存在から今作と共通している点も多く、精神的続編ともいえる立ち位置にあると思われる。 2023年2月9日より『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』の初期収録ソフトの一つとして本作が配信された。
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コナミックスポーツ イン ソウル 【こなみっくすぽーつ いん そうる】 ジャンル スポーツ(オリンピック) 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 コナミ 発売日 1988年9月16日 定価 5,500円 プレイ人数 1~2人 判定 良作 ポイント クリーンなソウルオリンピック陸上だけにとどまらない多彩な競技 概要 内容 評価点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 『ハイパーオリンピック』の流れを汲んだ、オリンピック競技スタイルのスポーツゲーム。 権利関係の都合上「オリンピック」という名称が使えなくなったためタイトルに含まれていないが、「イン ソウル」の名前が示す通り、1988年に開催されたソウルオリンピックをモチーフとして作られた。 発売日もその開会日に合わせられている。 ファミコンの上記作品では専用コントローラー「ハイパーショット」が必要だったが、本作はデフォルトのコントローラーでプレイできる。ただし外付けの連射パッドの使用は不可。 内容 競技は14種類。 公式競技12種目と公開競技(エキジビジョン)2種目。 競技の詳細は下記を参照。 各種競技はクオリファイを上回るか、1対1での対戦競技の場合、勝利すればクリアーで次に進むことができる。 それに当てはまらない場合は強制的にゲームオーバーとなる。 ゲームモードは3種類。 トレーニングモード 競技の記録がそのままスコア換算されエンドレスにハイスコアを目指すモードで、1周するとクオリファイが上昇する(5段階)。 感覚的にはかつての『ハイパーオリンピック』そのものとなっている。 オリンピックモード オリンピックを模したモードで基本的ルールは上記の通りだが、まず自分のプレイする国を選び、各選手にそれぞれ名前がある(実際の選手とは無関係)。また開会式、エンディングでは閉会式のデモがある。 3種目行うごとに1日が終わり、その日の結果がタイプライターのデモで報告される(同時にパスワードが発行され中断が可能)。その後、次の日に移る前にエキジビションがプレイできる。 まず予選を行い、12競技をクリアーすると決勝に移行する。クオリファイは予選はトレーニングモードの2周目、決勝は3周目のものとなる。 決勝はクオリファイをクリアすると最低銅メダルとなり、あとは成績を伸ばすほど銀メダル、金メダルとランクアップしていき、最終的にメダルの獲得度合いによってエンディングが変化する。 メダルの種類は上述のタイプライター報告で記録の後ろに(G)(S)(B)で告知される。 VSモード 下記競技の内、フェンシング、テコンドー、アームレスリングでプレイヤー同士が対戦する(単戦)。 因みに対象の競技も「トレーニングモード」の2人プレイだと、1Pと2PがそれぞれCPUと戦うことになる。 フェンシング Aボタンで中段突き、上+Aで上段突き、下+Aで上段突き。Bで防御(防御中でも上段突きは近づけば有効) 突きを決めるか、相手が場外に出ると1ポイントとなり5ポイントで勝利。 オリンピック決勝の場合、勝った上で相手に取られたポイントからメダルの色が決まる。 三段跳び Aボタンを連打して走り、Bボタンを3回押してホップ・ステップ・ジャンプと飛び、その飛距離を競う。3回までトライできる。 踏切線を超えたり、Bボタンのジャンプ1回目、2回目は飛んで一定時間が経過するとファールを取られる。 前身の『ハイパースポーツ』にもあった競技だが、本作では砂場に達しなくても記録になる。 もちろん砂場まで届かないようでは最低のクオリファイ(トレーニングモード1周目・12m00)にすら満たないので大した意味はないが。 100m自由形水泳 飛び込んで100mをクロール又はバタフライで泳ぐ。 スピードはバタフライの方が速く、その分酸素の減りも速い。 4回フライングで失格となる。 Aボタン連打で泳ぎ(スピードアップ)、Bボタンで息継ぎをする。 酸素メーターが尽きてしまうとしばらくストップになる。 この競技は2人で「トレーニングモード」をプレイしている場合同時プレイとなる。 高飛び込み ジャンプ台から飛び込みプールに落ちるまで回転演技する。 入水時の姿勢(腹を打つような格好だと大きく減点される)と回転数が採点の基準となる。 4人のジャッジが10点満点で採点し、その最高点が得点となるが、全員が同じ点数を出した場合ボーナスで+0.1点が加えられる。 飛び込み時 Aボタンでジャンプスタイルを選択しBボタンで決定。 FORWADE(前飛び込み) BACK(後ろ飛び込み) REVERSE(前逆飛び込み) TWIST(ひねり飛び込み) HANDSTAND(逆立ち飛び込み) 空中時 A・Bボタンを連打して回転を増し、十字ボタンでスタイルを選択。 SWAN(伸身) JACKNIFE(えび型) TUCK(抱型) クレー射撃 1ラウンドあたり10回挑戦し、4ラウンド(計40回)のクレーを撃ち落とした回数がスコアとなる。 1回あたり2発までしか撃てない。 Bボタンでクレーを発射し十字ボタンで照準を動かしAボタンで撃つ。 ハンマー投げ 十字ボタンで左回りに回すように押すことでパワーをため、体が光ったらAボタンで投げる。3回までトライできる。 Aボタンは長く押すほど高い角度で投げることができる。 回しっぱなしで投げないとファールとなる。 テコンドー 1ラウンド3分で、3ラウンド中に相手をKOすれば勝利。基本はAでパンチ、Bでキック。上でジャンプし、下でしゃがむ。 複合技としては上を押しながらBで上段蹴り、下を押しながらBで回し蹴りができる。 棒高跳び 最初に十字ボタンの上下で高さを10cm単位4m50~6m00から決める(10cm単位)。 Aボタン連打で走り(実質パワー溜め)、Bボタンで跳び、そのまま押しっぱなしで次は離すことで棒を離す。 バーを飛び越せなかったり、Bを押しっぱなしで離さないとファールとなる。 同じ高さでファールを3回連続するまでトライ可能。 飛び越すと次のバーの高さは今の高さに応じて上昇する。 カヌー 16のゲートを順番に通過し、そのタイムを競う。 Aボタン連打で前進、Bボタン連打で後退し、十字ボタン左右で回転させる(実質方向調整)。 ゲートは左側に番号、右側に種別が表示され種別は下記の通り。 無印(フォワード)…前向きに通過する。 斜線(ループ)…下流側から入る。 R(リバース)…うしろ向きの状態で通過する。 ファールが発生するとペナルティとして30秒分が上乗せされる。 ゲートの種別通りに通過しないとファールとなる。 番号を飛ばした場合もファールとなる。例えば2の次にいきなり5番を通過すると3と4がファールとなり30秒×2で60秒のペナルティとなる。 この場合、通過したゲート自身の通過の仕方が正しければ「ファール」のコールがなく、しれっとペナルティタイムだけ加算されている。 2回トライ可能で、クオリファイはタイム自身ではなく、それに応じたスコア換算で行われる。 アーチェリー 30m・50m・70m・90mの位置にある的に向けて、4本ずつ矢を放ちその合計点数を競う。 的のド真中を射止めれば10点で、外側へ外れるほど下がっていく。 距離や風向きを考えてパワーや方向を決めるのがカギとなる。 Aボタンで構え、十字ボタンで左右、上下の方向を決めたらAボタンを連打してパワーを溜めてBボタンで放つ。 ハードル 3人同時に走るハードル走。 Aで走り、Bでジャンプする。 ハードルはきれいに飛び越さなくても大丈夫だが、ハードルの向こうはプールになっており、そこに着地するとスピードが落ちてしまう。 ジャンプしないと、転んでしまい大きなタイムロスとなる。 また、ジャンプでハードルの上に乗り、そこから2段ジャンプもできる。 4回フライングで失格となる。 この競技は2人で「トレーニングモード」をプレイしている場合同時プレイとなる。 1Pが白、2Pが青、赤は必ずCP。 鉄棒 Aボタン連打でパワーを溜めてBボタンで技を実行する。 これを何度も繰り返す。 技の種類。 HINERI1…180°ひねりを伴う前方車輪。 HINERI2…180°ひねりを伴う前振り上がり。 TOBI…脚前挙姿勢での飛び越し。 SYUTA…シュタルダー(後方開脚浮腰支持回転倒立) TOURITU…蹴上がりからの倒立 FINISH…最後のジャンプからの着地。 演技終了時に得点が10点満点で告知される。 ハングライダー(公開競技) ハングライダーで飛んで、ゴール地点の巨大な的のような場所の中央への着地を目指す。 的のド真中なら255点で、そこから外れるほど下がっていく。トライは2回。 まずAボタンで助走しパワーを溜めてBボタンで離陸。 離陸後は上昇下降、左右にコントロール。またAボタンを押すと減速できる。 着地時にはある程度スピードを殺していないと、そのままグチャッと墜落するような形になってしまう。 無茶な急上昇や急下降を繰り返しても、そのまま失速して墜落してしまう。 アームレスリング(公開競技) ゴングが鳴ったらAボタンを連打するのみ。 そのパワーで押し切った方が勝ちというシンプルな競技。 評価点 非常に多種多様な競技の数々。 中には単調なものあるが、その中身も被るものがほとんどなく、それぞれが個性を持った競技ばかり。 しかも1つ1つはややこしい操作を必要とするものがなく、いずれも操作自体は簡単に飲み込める。 そんな競技が14種類もあり、かつての『ハイパーオリンピック』を圧倒的に凌駕する。 メダル獲得の基準の細かさ。 単純にタイムやスコアだけでなく、自由形水泳なら本来金メダルのタイムでも相手に負けると銀になるなど、違和感を感じる部分は少ない。 旧来通りのスコアアタックも楽しめる。 全競技のスコアバランスも捨て種目がなく『ハイパーオリンピック』のようなスタイルで2人でのスコアアタックとの相性も良い。 ただVSモードの出来は後述の通り少々残念。 判定なども細かい部分まで作り込まれている。 特に「高飛び込み」は、その着水時の判定が細かく競技の再現度にこだわりが見られる。 アーチェリーの命中ポイントも非常に小さい部分まで判定されている。 エキジビジョンのため、さほど重要度がないハングライダーもスピードや上昇下降とスピードのバランスが上手く保たれている。 グラフィックの描き込みは見事。 スタートの開会式デモの他に、会場の背景、プレイヤーキャラなどいずれも細かい所まで描き込まれており、当時のファミコンでは非常に高いクオリティを誇る。 競技前にビッグビジョンに映る選手の顔も多種多様。 グラフィックという点では「三段跳び」は同じ種目がかつての『ハイパースポーツ』にもあったが、それとは比べ物にならないほど大きなグラフィックで、それが軽やかに画面をフルに使って躍動するため、その進歩が顕著に見られる。 BGMをはじめとしてサウンド関連は相変わらずのコナミらしいクオリティを誇る。 BGMは非常にリズミカルでノリが良く、このようなゲームとの相性が良い。 SEもそれぞれの競技の特徴をとらえたものが多数あり的確に使い分けられている。 「ファール」「オンユアマーク」などの他にアームレスリングやテコンドーでの「ウリャー」などボイスもまたファミコン作品としてはかなり豊富である。 問題点 「世界記録」の概念がない。 『ハイパーオリンピック』にあった、その概念がないのでオリンピックのゲームとしては多少物足りなく感じられる。 トレーニングモードで2人プレイを行う場合、フライングが個別にカウントされない。 自由形水泳の場合、4回フライングを行うと失格なのだが1P・2P両者のカウントが共有され4回目を行った方が一方的に失格になる。 つまり、1P→1P→1P→2Pの順にフライングを行うと4回目を行った2Pだけが失格してしまう(1回しかしていないのに)。そして次は1P対CP(1Pが失格したなら2P対CP)で行われ、フライングのカウントはリセットされる。 ハードルでは2人が累積で4回しただけで2人とも失格になってしまう。 「ハンマー投げ」がコントーローラーの十字ボタンを痛めやすい。 十字ボタンの中心に指を置いてグルグル高速で何回転も回す格好になるため、当該箇所に与えるダメージが大きい。 やりすぎると以降十字ボタンの感応が悪くなることもしばしば。 「棒高跳び」は2回目以降高さを自由に選べない。 そのため初期位置を低くしすぎると何度も何度もあっさりクリアーできる高さをやらされる。 またクオリファイの最低は4m80だが、初期位置4m50(最低)でスタートすると以後4m60→4m70と上がり次は4m79になるのももどかしい。 VSモードの内容が薄い。 いずれも1戦行うのみで、試合後のイベントもない。 これならトレーニングモードの2P対戦に組み込んでも良かったかもしれない。 総評 多種多様な競技が文字通りオリンピック感覚で楽しめる。またオリンピック同様にメダルを競ったり旧来の『ハイパーオリンピック』のようなスタイルでスコアアタックをするという楽しみ方もあり、楽しみ方の幅も広い。 かつての『ハイパーオリンピック』では『 84』も含めてありえなかった競技も多数採用されておりゲームとしてのバリエーションの多彩さ、近代オリンピックらしい雰囲気の再現とも申し分ない。 デモを含めキャラの動きや背景などのグラフィックなどのクオリティの高さはさすがコナミと言えるほどに申し分ない。 現実のオリンピック開催による時期的な話題性を狙ったゲームではあるが、それに関係なく多彩な競技を用いたトータルスポーツゲームとして長く楽しめることが可能な作りになっている。 その後の展開 この次行われる第25回バルセロナ夏季オリンピックに合わせて『コナミックスポーツ イン バルセロナ』がゲームボーイソフトとして1992年7月17日に発売。 BGMなども含めシステムは本作から引き継がれ、ほとんどアレンジ移植に近いものになっている。 ただし競技構成は『ハイパーオリンピック』のように陸上競技主体の構成になっている。 余談 概要の通り外付けの連射パッドは使用不可だが、外付けの端子を使わないものであれば連射機能を使うことができる。 具体的にはコントローラーに連射機能が搭載された後期版ツインファミコン、ニューファミコン(1993年12月発売)専用ホリコマンダー(メインコントローラーの端子に繋ぐ(*1))といったものが該当する。 徳間書店の「ビデオゲームパーフェクトカタログ」や「大技林」では発売日が1989年9月16日と誤記されている。 言うまでもないが、そんな頃にはとっくにソウルオリンピックなど旬を過ぎてしまっている。 海外では翌年に『Track Field II』のタイトルで発売されている。 前期版ではオリンピックの名前が使われたが、後期版ではチャンピオンシップの名称に差し替えられた。 タイプライターの隣に置かれているタバコと灰皿が削除、日本版の顔グラフィックではヒトラー似の選手が海外版では別のグラフィックに差し替えられた。 大きな変更点として競技に「ガンファイト」が追加されている。 アームレスリングの左側のスキンヘッド男は、1989年2月発売の野球ゲーム『がんばれペナントレース!』でもイニング間のデモで登場する。 なお、この作品のイニング間デモでは他にも様々なコナミキャラが登場。 本作で公式競技となっているテコンドーは実際のソウルオリンピックでは公開競技扱いだった。 作中の「ハードル」は女子の競技なのだが説明書やパッケージイラスト、その他諸々の攻略書籍の挿絵では何故か男になっている。 本作のモデルである第24回ソウル夏季オリンピックはベン・ジョンソン(カナダ)(*2)をはじめとするドーピング問題や、ボクシングでの判定員買収(*3)、開催スタッフによる自国選手の負けを不服とした暴力事件、柔道における明らかに日本を敵視した不遇判定など、いろいろと悪い出来事が重なり歴代のオリンピックでもイメージの悪い大会となった。 しかし、偶然ながらゲームで採用された競技ではそういったものは一切なかったものばかりで、ある意味「クリーンなソウルオリンピック」となった。 実はこの1988年の第24回夏季オリンピックには日本からも名古屋が立候補していた。 韓国側は立候補の表明が期日内に間に合わず準備不足が懸念された(*4)ため当初は名古屋が圧倒的優勢と見られていたものの(*5)日本側はそれによる楽観視から誘致活動の積極性を欠き、また当の名古屋は開催に伴う経済的負担を懸念した反対運動が積極的だったが日本オリンピック委員会はそれに対しての説得や対策をほとんど取らなかった。逆に韓国側はそのハンデを取り返すべく国を挙げて徹底的に誘致に務めた。この両者の差が逆転につながり日本は開催権を逃してしまった(1981年に確定)。 現在もゲーマー層では名古屋オリンピック誘致失敗の話題になると「本当に開催されていたら本作が『コナミックスポーツ イン ナゴヤ』になっていた」というネタが言われることがある。
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クレイジー・クライマー 【くれいじーくらいまー】 ジャンル アクション 対応機種 アーケード 発売元 日本物産 開発元 日物レジャーシステム、ジョルダン 稼働開始日 1980年 レーティング CERO A(全年齢対象)※バーチャルコンソール版より付加 配信 バーチャルコンソール【Wii】2010年2月23日/800Wiiポイント(税5%込)アーケードアーカイブス【PS4】2014年5月15日/823円【Switch】2018年2月9日/823円(税8%込) 判定 良作 概要 システム 評価点 問題点 総評 移植 続編・関連作 余談 概要 体一つで高層ビルの外壁を登る「クレイジークライマー」を操り、最上部を目指すアクションゲーム。最大の特徴はレバーを2本使う独特の操作系。 命綱無しに生身の人間が階の高さが人の背丈以下の高層ビルを登るという荒唐無稽の世界観、他に類を見ない操作体系、斬新なアイデアから高評価を得た。 システム 入力デバイスはレバー2本。右レバーで主人公の右腕を、左レバーで主人公の左腕を操作し、ビルの窓サッシをつかんで登っていく。途中、妨害等で落下すると1ミスになり、残機を1つ失う。 右レバーを上に上げると右腕を上げ、左レバーを上に上げると左腕を上げる。 上の段のサッシを掴んでレバーを下げる(腕を下げる)と体が持ち上がる。これを繰り返せば主人公は1段づつ登っていくことが出来る。逆にサッシを掴んだ状態で腕を伸ばし下の段を掴んで上の手を下げれば一段だけ降りれる。 二段連続で降りることはできない。これによって、地上に降りることが出来なくなっている(ステージ開始時に4段登っている)。 レバーを左右に入力すると腕を左右にずらすことができ、片手ずつ隣の部屋のサッシをたぐり寄せれば左右移動ができる。 操作を誤って、両手がサッシから離れるとそれだけで落下してしまう。通常は片手がサッシから離れている状態でサッシを掴んでいる手を離すことはないのだが、登る操作が速すぎると手を滑らせることも。 屋上まで登ればクリア。その際に、画面上部から飛来するヘリコプターを掴めばボーナス得点。 一定時間ヘリコプターを掴めないでいると去ってしまい、ボーナス得点が得られない(クリアにはなる)。また、ボーナス得点が初期値の半分になる(時間経過や落下物への接触で減少する)と登頂失敗となる(次のステージには進める)。 様々な障害・妨害物 窓サッシ 窓は時間経過により開いたり閉じたりする。完全に閉じた状態の窓はつかむことが出来ず、両手とも窓を閉められると落下してしまう。 落下物 落下物は植木鉢・瓶・鉄骨・鉄アレイとさまざまなものがある。これらに接触した際、片腕が開いていると落下してしまう。両手ともサッシを掴んでいればセーフだが、この時体勢が崩れ片手を離してしまう。このため、体勢を立て直す間もなく連続ヒットすると落下してしまう。特に連続ヒットしやすい鉄骨や鉄アレイは危険。 ステージ最初の鉄骨や鉄アレイは耐えられる可能性がある(耐えられない可能性も高い)が、一定以上の階に到達すると振ってくる鉄骨や鉄アレイに接触すると問答無用で落下するようになる。(*1) 植木鉢などを落とす人は閉じた窓と同じ扱いで、人が出ている窓は掴むことができない。掴んでいる状態の窓から人が出ることはない(出始めた後にその窓を掴もうとして手を滑らせることはある)。エリアによって、同時に出てくる人の最大数は決められている。 落下物に接触するとボーナス得点が初期値の1%だけ減少する。連続ヒットするとその回数だけ減少する(連続ヒットの場合は大抵落下するが)。 看板 上階から落ちてくる巨大看板に接触すると条件問わず落下する。 電飾看板から出ている剥き出しの電線に接触すると運次第で落下する。電飾看板自体は通過可能。 ゴリラ 道中、巨大なゴリラが出現。定位置に陣取って横方向にパンチを繰り出すだけだが、殴られると運次第で落下する。 しらけコンドル 鳥が出現し金の卵や糞を落としてくる。金の卵や糞は落下物と同じ扱いだが、鳥は一定階層に到達するまで画面上を周回する。 ビルはところどころ穴があいていたりくびれていたりするため、そういうところでは主人公が選べるルートが狭くなり、障害物回避が難しくなる。 たまに風船が飛んできて、掴まると主人公をある程度上昇させてくれる(これで到達する階層はあらかじめ決められている)。 一度ミスすると、そのエリアの障害物は消える(窓サッシだけは開閉する)。鉄骨や鉄アレイ、看板の落下があるエリアでミスした場合、それらの落下もなくなる。このため、同じエリアで連続ミスするようなことは起こりにくくなっている。 評価点 その稀有な操作デバイスからくる体感的直感的な操作方法が非常に気持ちよい。 リズム良く左右のレバーを上へと入力するだけで登っていくというシンプルな操作方法なのでとっつき易く、障害物もたいてい(ここ重要)何かしら対処方法があるため、コツさえつかめば誰でも遊ぶことが出来る。 「たいてい」というからには、そうでない場面にも遭遇する。鉄骨や看板が逃げ場のない場所で落下してくるなど。 レバーを2本使うゲームは非常に珍しい。本作および続編以外では、『リブルラブル』や『空手道』などそれぞれ独自の操作性を持ったごく少数のゲームに限られる(*2)。 問題点 8面分のデータが入っていたが、バグで全4面ループになっている。面数表示も4面クリアで1面に戻る。移植版でもバグは解消されず、全4面ループのまま。 4面では場合によって進行方向をすべて埋め尽くす即死看板が降ってくるなど、運ゲー化する場面がある。 ニチブツのみならずこの頃のゲーム業界ではよくある事だが、BGMが全て(おそらく)無断使用楽曲。 子象の行進、ドラえもんのうた、ピンクパンサーのテーマ、しらけ鳥音頭など。これらは現在でも著作権保護期間内の楽曲である。 移植版ではほぼ全てサウンドが変更されているため、無断使用の可能性は高い。ただし、しらけコンドル出現時のBGMとして使われる「しらけ鳥音頭」は移植版や後述の『クレイジー・クライマー2000』でJASRACから許諾を得て使用されている。 総評 他に類を見ない一品物のゲーム。単純操作で解りやすいことも相まって大ヒットを記録した。 看板や鉄骨が外壁スレスレを頻繁に落下する高層ビル、窓枠にしがみついている生身の人間に植木鉢を投げ落とすその住人など、まさにクレイジーな世界観で多くの人の記憶に残る一作となった。 本作とムーンクレスタのヒットを受けて、ニチブツはただのコピーメーカーから一人前のゲーム開発企業へと成長して行くのであった。 移植 本作はさまざまな機種に移植されているが、前述の通り、基本的に全てサウンドは変更されている(一部例外アリ)。 また、家庭用機でレバー2本による操作感覚を無理なく再現した移植は、PS版からとなる。(*3) FC版 十字ボタンに被せて使う専用ミニレバーが2本付属しており、1P・2Pコントローラーの十字ボタンを駆使してビルを登っていく(*4)。道中に1画面アクションの部屋に入れる場所があり、そこでは1コンを普通に持って操作する。また、タイトル画面等にオリジナル曲が付いていた。 2014年にプロジェクトEGGで配信されている。 SFC版(『ニチブツアーケードクラシックス』(*5)収録) 十字ボタンが左手、ABXYボタンが右手。ひとつのコントローラーでそれなりにプレイできるようになった。 何故か版権BGM以外もオリジナルと違う曲に作り替えられている。 PS版(『ニチブツアーケードクラシックス』(*6)収録) 『クレイジークライマー 85』という特別バージョンも収録。 PS2版 「オレたちゲーセン族シリーズ」として発売。正式に許諾が取られ曲がオリジナルと同じになっている。 WS版 縦持ちでプレイ。縦長のディスプレイと左右それぞれ4方向のボタンになるのでワンダースワンとは相性がいいゲーム。 ただし、鉄骨&鉄アレイはオリジナル版と異なり、落下し始めた時点で既に当たり判定が発生しているので難易度は高くなっている。 Wii版 「バーチャルコンソールアーケード」としてDL配信された(現在はWiiショッピングチャンネル終了に伴い購入不可)。クラシックコントローラの他、リモコンとヌンチャクでも操作が出来る。 PS4/Switch版 現在、ニチブツ作品の全権利を保有しているハムスターから「アーケードアーカイブスシリーズ」としてDL配信されている。ちなみにPS4での同シリーズ最初の配信作品が本作である。 BGMの差し替え等はWii版と同等。 その他にX68000版、Windows版、Android版等もある。 X68000版は先に発売された「リブルラブル」に同梱されていた専用パッドにも対応していた。 続編・関連作 『クレイジー・クライマー2』(AC) 基本システムはそのままに、グラフィックやサウンドは大幅進化。逆に言えばそつなくまとまった後継作。 X68000(『1』とのカップリング移植)の他アーケードアーカイブスでPS4とswitchに移植版が出ている。 『クレイジークライマー 85』(PS) 『ニチブツアーケードクラシックス』に初代とカップリングで収録。ゲームアーカイブスで配信されている。 『ハイパークレイジークライマー』(PS) グラフィック、サウンド、ギミックなどを進化させた作品。ステージが多く、ビルだけでなく塔や岩山をも登る。 『クレイジー・クライマー2000』(PS) 3D化した町並みをデュアルショック特有の左右対称のアナログスティックを駆使して登っていく。サウンドは異なるがオリジナル版も収録されている。 元祖ニチブツビルはもちろん、2つの壁を行き来できるビルやグルグル回れる円筒形のビルも登場。入居者は主人公の邪魔をするよう指示されている、という設定がある。 『クレイジークライマーWii』(Wii) 2007年にアーケードゲームの見本市であるAOUショーに出展されたが国内未発売(*7)になった『体感!クレイジークライマー』を移植したもの。 ファイヤートラップ(AC、PC) 1986年にウッドプレイスから販売された本作のリブート的作品。クォータービュー視点で火災発生したビルの2側面をレスキュー隊員が登りながら消火活動を行い、屋上の女性を救助したらクリアという、ある意味本作以上にクレイジーな内容。難易度もクレイジー。 元々、ニチブツに所属していたスタッフによる開発とクレイジークライマーの当初の設定だった『火災時のビルをよじ登る』というシチュエーションを取り入れられているので、ある意味で精神的後継とも言えるような内容ではある。海外ではヒットしたのか続編も作られる予定だったがメーカー倒産によりお蔵入りとなった。 2022年にプロジェクトEGGにて配信された。 余談 現在の視点で見ると、高層ビルをよじ登るという非常に突拍子もないゲームに見えるが、当時は命綱無しで高層ビルをよじ登るパフォーマンスが世界的に流行しており、日本でもテレビで特番がよく組まれていた。そういった世相をゲーム化しただけであり、特段奇異なゲームとおもわれていなかった。もちろん妨害行為満載というゲーム的なアレンジはあるが。 当時の出回りはそれなりに良かったのだが、本作のオリジナル基板の多くが『ドンキーコング』のコピーゲーム『クレイジー・コング』の改造基板として利用されてしまった上、そちらの出周りがよかったため、オリジナル基板の数が極めて少なく、遊べる機会も限られてしまっている。 クレイジー・クライマーの基板は現存数こそ少ないものの、非常に単純な構造をしているため、専門知識があればすぐに汎用アップライト筐体で稼動することが出来る。 ただし、レバーを二本使う関係上、(レバーやボタンを取り付ける)コントロールパネルは改造したものか、二人同時プレイ可能なコントロールパネルを用いなければならない。 オリジナル基板はセキュリティチップ用のバッテリーが切れて稼働不能になっている可能性が高い。交換もできない(交換しようとするとセキュリティデータが飛ぶ)。つまり、現状で稼働している基板はコピー基板の可能性が極めて高い。 もちろん、『クレイジー・コング』へと改造された基板はセキュリティチップがなくても動作する。 ネームエントリーで開発メーカーのアルファベット名を入力するとクレジットが2増えるというアーケードゲームにあるまじきとんでもない裏技が存在する。 当然、実店舗でこの裏技を試すのは厳禁。 海外版では対策としてフルネーム入力ができずイニシャル3文字のみの登録となっている。 ちなみにこの裏技について、現在ジョルダンの代表取締役社長を務めている佐藤俊和氏は後年のインタビューにて「これについては自分の指示で入れた。自己満足なんだけど、ずっとニチブツさんとやってるから名前をどこかに入れておきたかったし、やっぱり制作者の意地として名前を残しておきたかった。今だから言える話だけど、当然ニチブツさんにも絶対秘密だった。普通こんなのはROM解析でもしない限り気が付くはずもないんだけど。どこかで広まっちゃったんだろうね。」という旨を述べている。 バルーンを利用したバグが存在するが、 これを使うとゲーム自体が進行不能に陥るのでこちらも使用厳禁である。 開発元の1つであるジョルダンは現在でこそ「乗換案内」(*8)や携帯コンテンツで知られる企業だが、元々は本作を含むアーケードゲームの受託開発(*9)から始まった企業でもある。 当時それほどレバー等に対してメンテナンスを行う事が少なかった為か、内部的な物理設定で「4方向レバー」と「8方向レバー」の筐体があった。 大した違いに無い様に思えるが、8方向レバー仕様では上りながらの斜め移動が可能な為に、特に移動箇所が細くなっている所での鉄骨避けが4方向レバーよりなめらかに出来る。(*10) 2005年にTBSの特別番組「DOORS」で、体感型クレイジークライマーのアトラクションが制作された。 大型スクリーンの前に設置されたハシゴがゲーム画面のスクロールに合わせて回転しており、そこを人間が実際に上っていくと言うアトラクション。画面内に落ちてくる落下物に当たる、背景のない吹き抜けに手をかける、スクロールから遅れて床に落ちる、でミスとなり3ミスでゲームオーバーとなるルール。 放送前の前評判は非常に高く、ネットでもやってみたいと言う声が多かったが、実際に番組内でプレイすると…… 人間の体力に合わせているためスクロールの速度が遅い。その割りにゴールが遠い。 2人同時プレイでどちらかが落下物にかすれば即ミス、しかも吹き抜けがあった場合は迂回した上で落下物を避けないといけない。 落下物を回避するためには画面を見ながら実際に横移動する必要があるが、上を見ながらハシゴを上りながら素早く横に移動すると言う動きは肉体的にも精神的にも負担が大きい。 という難易度の高さで無理ゲーと化していた。まっとうにプレイできるのはフリークライミングの経験者くらいであろう、まさにリアルでクレイジーなクライマー専用アトラクションであった。
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「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「文章の推敲」です。 デビルメイクライ4 スペシャルエディション 【でびるめいくらいふぉー すぺしゃるえでぃしょん】 ジャンル スタイリッシュアクション 対応機種 プレイステーション4Xbox OneWindows 7/8.1 発売元 カプコン 開発元 アクセスゲームズ 発売日 【PS4/One】2015年6月18日【Win】2015年6月24日 定価 パッケージ版【PS4/One】4,490円ダウンロード版【PS4/Win】4,157円【One】4,180円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 デビルメイクライシリーズ 概要 変更点・追加要素 バージルモード、レディ トリッシュモード 評価点・改善点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 2015年6月18日にPS4/Oneで、6月24日にWin(Steam)版として発売された『デビルメイクライ4』の完全版。 変更点・追加要素 新プレイアブルキャラで遊べる「バージルモード」「トリッシュ&レディモード」の導入。詳細は後述。 無印PC版の追加要素だった「ターボモード」「LDKモード」「スーパーキャラのさらなる強化仕様」を引き続き正式に導入。 シリーズ中のゲーム作では初の「日本語ボイス起用」を収録。アニメ版や『UMVC3』までに登場したキャラはそれに準拠するキャストとなる。 ボイスはオプションで「日本語」と「英語(+日本語字幕)」を選択できる。 グラフィックの強化、ゲームバランスの調整が少し行われている。 バージルモード、レディ トリッシュモード 3キャラ共通 『3SE』のバージルモードと同様、本編(ダンテ ネロモード)と同じ内容のミッションを別のキャラで攻略していくモード。 ストーリーは特に無いが、OPとEDのみ、本編のストーリーと関連性のあるムービーが流れる。ただし、ミッション内容とのストーリーの繋がりは一切無い。 バージルモードでは全ミッションをバージル一人で攻略する。レディ&トリッシュモードでは、ネロ → レディ、ダンテ → トリッシュと言う形の差し替え。 いずれのモードも最初から出現しており、本編も含めて自由な順番で遊べる。 ミッションの進行度やランキングはモード別に管理されるが、レッドオーブやプラウドソウル、その他各種アイテムの取得状況は全モード・全キャラで共有している。 いずれの追加キャラもネロやダンテと違い、LDKモード向けに高威力・広範囲を兼ね揃えた大技を持っている。 ネロやダンテの性能を前提としていた仕掛けやシークレットミッション、一部敵の攻撃は、バージル・トリッシュ・レディでも攻略できるように一部仕様変更されている。 隠しオーブが取れるように新たに足場、グリムグリップ(*1)が追加されているものも。 バージルの性能 『3SE』のバージルをベースに『DmC Devil May Cry』の要素を組み合わせ、今作向けの性能に大幅調整されている。『3SE』と同様、「閻魔刀」「フォースエッジ」「ベオウルフ」の3種類の近接武器と、飛び道具「幻影剣」で戦う。 正統進化を謳っているが、実際は『3SE』とは大きく異なる。 「VergilDownfall」の独自要素であったジャストチャージ(次元斬に対応)や、幻影剣によるリフト(瞬間移動での接近)も組み込まれている。 固有システムとして「コンセントレーション(集中)ゲージ」が搭載されているのが大きな特徴。 立ち止まったり歩いたりすることで集中ゲージが溜まっていき、集中ゲージの量に応じて各種近接攻撃が強化されていく。最高段階かつ魔人化中にのみ使用可能な次元斬・絶もある。 逆に攻撃を食らうだけでなく、攻撃を空振ったり、走行移動すると集中ゲージが減ってしまう。エアトリック(瞬間移動)を駆使したり適度に立ち止まるなど、バージルらしいテクニカルな立ち回り方が要求される。 レディの性能 シリーズでのプレイアブルキャラ化は今作が初となる。 射撃武器に偏重したキャラであり、「ハンドガン(二丁拳銃)」「ショットガン」「カリーナ=アン(多機能ロケットランチャー)」の3種類の銃器で戦う。 カリーナ=アンのワイヤーを敵に射出することで、地上の敵は上空に打ち上げ、空中の敵は地面に落として叩きつけるという、ネロのスナッチやバスターに近い技が使える。重い敵などには効かない。 ワイヤーをグリムグリップに引っ掛けることで、ネロのヘルバウンドと同様の移動も可能。 カリーナ=アンの発射の反動を利用して2段ジャンプも可能。 接近戦もできなくはないが中~遠距離戦の方が得意で、遠距離からも敵を圧倒していける。 純粋な人間なので被ダメージが他キャラよりも大きい。デビルトリガーも無いが、代わりにグレネードを周囲にばらまいて一帯をふっとばすボンバー系の必殺技が使える。 他のキャラとは立ち回り方が大きく異なるが、接近戦を挑む必要が無く、ダンテやバージルほど難しい操作も要求されないので初心者でも扱いやすい。それでいて射撃の強さは他を突き放しており、独自の強みがある。 トリッシュの性能 戦闘スタイルは『2』のトリッシュと共通する部分もあるが別物と言っていい。「魔剣スパーダ」と「電撃を纏った打撃」の2種類の近接攻撃と、「ルーチェ&オンブラ(二丁拳銃)」「パンドラ」の2種類の銃器で戦う。 特に初心者向けを意識した技構成であり、武器チェンジやスタイルチェンジが無く、タイミングがシビアな入力も存在しない。 ネロにおけるバスターや、ダンテにおけるスタイルアクションのボタンに、「魔剣スパーダ」を用いた攻撃が割り当てられている。 パンドラはコマンド入力で使用可能。ダンテのものに比べてコマンドが簡略化されている。 一定範囲に帯電し続ける「イナズマ」や、投げつけた魔剣スパーダが広範囲の敵を巻き込んで飛び続ける「ラウンドトリップ」の性能がずば抜けており、これらの技を連発しながら適当に戦うだけでも強い。 通常銃撃の連射速度が早めに設定されており、DT時は攻撃力も強めに強化される。 ハイタイムが2つのボタンの同時押しでなければ出せないのはややクセのある部分。 評価点・改善点 プレイアブルキャラクターの追加 ボリュームが増加し、より遊び甲斐のあるゲームになった。日本語ボイスの追加もあって1キャラで2度楽しめる。 ゲームバランスの改善 レッドオーブ、プラウドソウルの取得量が倍になり、パワーアップまでの時間が大幅に短縮。また、プラウドソウルは取得量は共通だが、使用量は個別に管理されるため、1キャラで稼げば他キャラにも回せる。 最初から遊べる「LDKモード」で大量の敵を撃破していれば大量のレッドオーブやプラウドソウルを稼げる。LDKモードを1周するまでに、全スキルを余裕で習得できるだろう。 隠しコマンドを入力することで『4』と同様のゲームバランスで遊ぶことも可能。隠しコマンドは機種ごとに違うので公式サイトに記載されている。 移動の煩わしさが改善 戦闘時でない限りスキル「スピード」が即発動するようになったため、マップ移動の煩わしさが大幅に緩和された。 戦闘中はガン逃げ出来ないようにするためか、発動に必要な時間は無印版と同等に戻る。 時の歯車の起動速度が速まり、テンポが良くなった。 エリア移動時やムービーを挟んでも、スピード発動状態、武器や銃器のチャージ状態、バージルの円陣幻影剣が維持されるようになった。 ブラッディパレスではこれが立ち回りやスコアに直結する。 クリアしたシークレットミッションは貼紙の文字が黒になり未クリアと判別しやすくなった。また、シークレットミッション開始時に挑戦をキャンセルできるようになった。 特定のキャラ以外ではクリア不可能なシークレットミッションには、クリア不可能なキャラでは挑戦できないようになっている。 ダゴン/バエルが触手形態時に体力1になると出てこなくなるバグが修正された。代わりに本体登場時に体力を0にできなくなった。 パフォーマンスの改善 『4』で少しみられた処理落ちも改善。処理落ちが発生するのはLDKで超広範囲攻撃(オーメンや次元斬・絶など)で大量の敵を一掃したときの一瞬程度で、通常プレイでは全く無しと言っていい。 グラフィックも単純に解像度を上げただけでなく、フロストの氷などテクスチャ自体の手直しをされたものもある。 その他 オートセーブ対応。 各キャラにコスチュームが追加。ムービーにも反映される。 条件は面倒だが、コスチュームを変更してスーパーキャラクターを使用することが可能になった。 値段がミドルプライス。完全版とはいえ上位機種に移植+新規PC3人+日本語ボイスが追加されての値段なのでかなり良心的と言えるだろう。 DLCで隠し要素やオーブなどを購入可能なため、開放が難しい層への救済となっている。 しかし、購入しなくても全ての隠し要素を解放するのは難しくないし、ブルーオーブを買った所で本来の上限は突破されない。 賛否両論点 日本語ボイス 『DMC』のキャラが日本語で喋ることに違和感や抵抗があるという批判意見も少なからず見られる。 特にバージルの日本語ボイスに関しては「声がバージルにしては低い」「そもそもキャラに合っていない」といった意見も。 しかし、日本語固定ではなく英語ボイスとの選択ができ、合わない人は英語ボイスで遊べるため、日本語の追加自体は問題ではなくむしろ評価できる点と言える。飽きたら切り換えて二通りの楽しみ方ができるというポジティブな見方もできる。 ただし一部の日本語訳、特にダンテのスタイルチェンジ時の「鉄壁の防御!」などの台詞は批判されることが多く、もっと違う台詞にできなかったのか、英語版と同様にスタイル名を叫ぶだけで良かったのではないかなどと言われている(*2)。 一応フォローしておくと全くダメな翻訳ばかりではなく、ダンテがネロに対しての称賛の台詞を「ガッツあるな」と訳すなど、『1』をプレイしている者には嬉しいファンサービス(*3)もある。 スーパーキャラクター スーパーネロ・スーパーダンテの性能がWin版『4』と同じものに変更 DTゲージ無限に加えて、ネロは常時EXゲージがMAX、ダンテはロイヤルゲージと災厄ゲージが常時MAXに。 ネロは何時でもトリガーバーストやEX技が発動可能といったメリットがあるものの、常にEX技が発動するためにストリークなど一部の技がかえって使いにくくなってしまった。 スーパーネロ使用時には実質死にボタンになるL2ボタンもしくは左トリガー(初期設定時)でEXゲージのオン・オフ切り替えが出来れば良かったという意見もみられる。 ただし、斬撃の威力が上がった分ボスをダウン状態に追い込むことも容易になり、その結果バスターチャンスが増えるという利点もある。 ネロの魔人化にはスーパーアーマーが付加されないため、従来のようなスーパーキャラで魔人化してゴリ押しといった遊び方が難しい。2種類の魔人化時専用技も強力だが乱発には向かない性能のため、これまでのシリーズと比べてスーパーキャラを使っている爽快感に欠けるという意見もある(*4)。 もっともネロはノーマル時でもチャージショット3やバスターといった強力な技が揃っているため、これ以上の強化をすればかなり無茶な性能になる可能性もあり、常時EXゲージMAXあたりが妥当な強化だったのかもしれない。 一方のダンテはGSスタイルでのパンドラが災厄ゲージを気にせずに使えるようになったのが大きい。安全確保のため2段ジャンプ → アーギュメントを発動 → 全弾発射を繰り返しつつ移動するという操作だけで高難易度のミッションやBPも難なくクリアできてしまう。ダンテにはこのようなお手軽かつ強力な戦法が存在する点もスーパーネロの性能が少し見劣りするものに感じられる一因となっている。 ただしこの戦法に頼るだけではたとえ低難易度でプレイしていたとしても詰むミッションもある。 また、スーパーキャラを使用するとクリア時の評価が大幅に下がってしまうので、高評価を出したければこれ1つでどうにかなるという物ではない。 次元斬 バージルの閻魔刀による「次元斬」のエフェクトが『3』の時とは違い、今作のダンテの次元斬と同様に、空間を切り刻むようなエフェクトに変更されている。 ダンテの次元斬のエフェクトが『3』のバージルと異なるのは使い手が違うから、ということではなかったらしい。 一概にどちらのエフェクトの方が良いとは言いきれず、賛否両論である。よく見るとバージルの次元斬には薄いながら円形のエフェクトがある。 タイトル画面からのロード 本作ではタイトル画面でLOAD GAMEを選択すると、前回選択したミッション開始画面に直接移行するようになった。このため、続きをプレイする際はスムーズになっている。 逆に言えば、キャラクターやミッションを任意の物に変えたい場合はミッション開始画面からメニューに戻る一手間が必要になり、面倒になった。 一部バグの修正 ダンテのコンボに利用できた「薔薇バグ(*5)」と呼ばれたバグが修正され、発生する条件が非常に厳しくなった。 あくまでバグなので修正されて当たり前ではあるが、遊びに使えるバグでもあったため、残念がる声も。 問題点 不評点の多くは未改善 良くも悪くも、核となる原作アクションの部分はそのまま。不評だった仕様の多くも未改善。 最たる点として、ネロとダンテの性能調整はほとんど行われていない。性能の派手さや操作性としては、新キャラたちに水をあけられている節がある。 例えば新キャラは通常時にデビルトリガーを発動すると攻撃判定が発生するが、ダンテには特にそういう変更はない。 オーブ評価の仕様や、キメラといった不評だった敵も改善されていない。 『DmC』にあった、時間制限なしのBPやトレーニングモードといったものは未実装。 公式が敵配置や体力調整を弄ったデバッグコンボを紹介していたにもかかわらず、プレイヤー側では実践不可能。 相変わらずトリッシュ、ダンテではBPでしか戦うことが出来ない敵(クレドや教皇など)がいる。 『4』にも言えるが、戦うにはBPの上階に上らないといけないため面倒。 日本語字幕が日本語ボイスに対応していない。 ムービーの製作工程の解説によると、吹き替え版は口パクに合わせることを優先して翻訳を行っているために、字幕版の翻訳とのずれがあるらしい。しかし、吹き替え版の字幕が無いのは不親切でもある。 しかも音声のボリュームがBGMとSEより小さいので、SEで聞き取り辛いor聞き取れない場合も。字幕が無い点が本作では痛手となりやすい。 音量調整はBGMとSEのみでボイスの項目が無い。調節する場合もやや不便。 敵の仕様 敵挙動の改悪 「グラディウス」は空中浮遊の最中にネロ以外で近接攻撃をすると吹っ飛ぶようになり、撃破が面倒臭くなった。 ただしロックオンを別の敵に向けておけばそちらへ吹っ飛ばすことが可能。バージルやレディにおけるM6のアグナス(ガラス)戦の救済だと思われる。 しかし、アグナス戦以外で出現するグラディウスや、M6で戦えないダンテやトリッシュに関してもこの仕様なのでとばっちりを受けている。 「アルトアンジェロ」はイクシード斬りの発動までの速度が上昇。おまけに連続攻撃を緩急つけて行ってくるようになり戦いにくくなった。 ボスの「ベリアル」は4連火柱、近接攻撃の弾きの発動頻度が上昇した上、4連火柱及び爆発は他の攻撃を不自然にキャンセルしてでも発動するようになってしまった。 「アンジェロクレド」は攻撃時の発光エフェクトが画面全体を一瞬覆うようになり、目に悪い。 敵ダンテの体力減少 最初に出てくるボスにしては強すぎるため調整としては間違っていないが、ミッション1のランク基準が問題だった。低難度モードではstp項目でのSランク取得がほぼ不可能になり、ミッションランクSがノーダメージでもない限り不可能と異常に難しくなっている(*6)。 ちなみに、M10のダンテも体力が減少しているが、こちらではそういった問題はない。 キャラの調整が杜撰 ネロ CS版のみだが、ターボモードをオンにしておくとシャッフルをジャンプキャンセルできなくなってしまった。Win版では特に問題無し。 EXシャッフルは依然として可能。 ただでさえ群を抜いて強力だったチャージショット3の爆発の攻撃力が400 → 800に倍増し、大幅に強化され過ぎている。 ネロはこの技がブリッツに対処できる唯一の手段であるのだが…ブリッツは爆発を瞬間移動で回避するという欠点がそのままであるため、救済処置と考えても片手落ち感が否めない。 新キャラ 新キャラ3人は全体的に挑発が長すぎる。挑発自体は攻撃判定があったり凝ったものが多いが、挑発を完遂しづらく、ランク上昇やゲージ回復の恩恵を得られない場面が多い。 レディ トリッシュは初心者向けということで動かすだけなら簡単で爽快感も味わえるのだが、細かく見ていくと雑な調整も見受けられる。 以下はそれぞれの具体例。 + レディ 攻撃が一辺倒になりがち 近距離用武器の最大溜めショットガンがかなりの高DPS、高スタイリッシュランクを叩き出すため、ダメージ効率を重視するとこれ一辺倒になりがち。 遠距離攻撃よりも比較的リスクの高い近距離攻撃の方がダメージ効率が高いというのは理にかなってはいるが、単調になりやすい。 状況によっては、またダメージ効率よりも安全性や魅せプレイを重視するならその限りではないが。 残念な技 カリーナ=アンのヒステリックとマルチプルが非常に残念な性能。派手なだけで全く当たってくれなかったり、当たっても低威力に対して隙が大きすぎると、その派手さに反比例した性能を誇り、さながらパーティグッズである。 カリーナ=アンのチャージショットは上手く使えば非常に強力だが、溜め時間が長く溜め中は移動できないので、高難度になるほど使いどころは限られてくる。 近接攻撃が弱い 銃キャラなので当然と言えば当然だが、カリーナの銃身で殴りつける近接攻撃は低火力、動作が重く弱い。レディは他キャラより被ダメージが多い点も留意する必要がある。 近接火力だけならショットガンで事足りるが、問題は近接属性の攻撃を要求するギミックを持つアグナス(ガラス)戦やサントゥクス戦であり、これらと滅法相性が悪いせいで初心者向けモードにもかかわらず本編以上の苦戦を強いられる。 + トリッシュ レディほどではないが攻撃が一辺倒になりがち 基本的にラウンドトリップを投げた後は「コレダー(*7)」や「サンダーブロウ(*8)」が安定行動だったりと、強力な行動を連発するだけになりやすい。 短時間で大ダメージを与える技がDT消費技の「リヴェンジ(*9)」しかなく、体力の大きい敵との戦闘ではリヴェンジへの依存度が強すぎるきらいがある。 しかしこのリヴェンジ、DTゲージを3つも消費し、途中キャンセル不可で隙も大きい。大技としては妥当に見えるが、同じ消費技を持つネロやバージルと比較すると隙の大きさや以下の理由で見劣りもする。 ダメージにばらつきが生じることが多く、ダメージソースとしても安定しているとは言い切れない上に、ヒット数が不安定で、正確に何ヒットするのか良く分からない(*10)。デビルトリガーでも強化することができないのでやはり安定しない。 リーチはあるが、範囲が狭いため軸がズレると簡単に回避される。また、Win版だとフレームレートの設定でヒット数が変動するという厄介な仕様を抱えている。 全体的にヒット数を積み重ねて相手にダメージを与えるタイプのため、瞬間的に相手に大ダメージを与える手段に乏しい。 この関係で、瞬間的な単発火力が求められるブリッツ戦は極端に相性が悪く、特にDMDではブリッツを自爆させずに倒しきるのが非常に難しい。 リヴェンジは多段ヒット技のため、途中でブリッツが暴走状態に移行してしまうことが大半。ブリッツがリヴェンジで怯まない状態で運よく体力を削ればどうにか撃破できるが、相手の行動に100%依存する運ゲーになってしまう。 一応ゲージをフルに使えば確実に1ターンで自爆させることはできないこともない。 そもそも、自爆させずに撃破が困難という点を抜きにしても、トリッシュはブリッツの雷の鎧に対する対策手段を一切持っていない(*11)。 トリッシュのジャンプには遠距離属性の衝撃波を纏う「スパーク」というスキルがあるが、これがブリッツに当たると弾かれてジャンプの無敵が途切れ、予期せぬ被弾が発生しやすい。ちなみに、ダンテのギルガメスも同様の技があるが、こちらは弾かれない。 デビルトリガーが弱すぎる 持続時間と体力回復量が全キャラ中最低(*12)、さらに被ダメージが一切軽減されない。 火力面も一部を除いた攻撃のダメージが上昇し、また一部の遠距離属性の攻撃の威力に倍率が掛かるというものだが、このダメージ上昇量が微量(*13)。リヴェンジの使用にDTゲージを割いた方がダメージ効率が良く、ほとんど使われない。 余談だが、攻略本では攻撃力は1.5倍になる(ダンテやバージルと同じ)と誤植されていた。 ヒットストップによる多段化が不可能であり、火力不足がより目立つ。ダンテやバージルと違ってDT専用の当たり判定を作っていない説が有力。 エアハイクが空中で2回出せる以外はほぼバージルの完全下位互換ですらある。 その他操作性の悪い部分 非DT時のチャージショットが存在しない。 トリッシュに限った話ではないが、ハイタイムは△+○で出せるが、同時押しの受付が短く出し辛い。 ゲーム中では説明が無いが、実はトリッシュの打撃コンボにもフルスチームがある。しかし、溜め完了のエフェクトとフルスチームの受付タイミングが一致していない上、エフェクトによる合図も無いためタイミングが分かりにくい。 検証によるとフルスチームの受付判定が一段階に2つあって、そのタイミングはダンテのギルガメスと一致する。そのためダンテからデータを流用してロクに調整しないまま発売したのではないかと考えられる。 + バージル エアトリックの弱体化 「エアトリックが敵に幻影剣を刺さないと発動できない」という『DmC』準拠の性能に。その割には『DmC』と違って幻影剣によるプル(『4』で言うところのスナッチ)はできない。 敵に幻影剣を刺すと「トリックアップ(真上への瞬間移動)」が基本的には使えなくなったり(*14)、「トリックダウン(地上で使うと後方に、空中で使うと地上に瞬間移動)」が魔人化時限定の技になり、使いにくくなった。 魔人化ではトリックダウンに加えサイドロール(横に転がって回避)がホッパー(ステップで回避)になるため回避性能が大幅に上がる(*15)。 完全劣化というわけでなく、1度幻影剣を刺している間は空中で使用回数の制限なく使える、発動時には敵が微妙に滞空するといった攻めに関してはむしろ強化されている。 集中ゲージの問題 集中ゲージ上昇で火力上昇が極端すぎる。長いコンボを決める前に敵が死んでしまいやすくなるため、一部の上級者からの不満もある。 ゲーム攻略においては火力上昇は有利ではあるが、スタイリッシュランクの上昇率は一切変化しないという致命的なミスを犯している。 つまり、ランクが上昇する前に敵が死にやすくなって、スタイリッシュポイントを稼ぎにくくなる。その結果、集中ゲージに従って立ち回るとリザルトのスタイルポイントが低ランクになるという珍現象が起きてしまう。 これを避けるには、わざと集中ゲージを落として火力を落とし、トドメ属性の無い攻撃で死体斬りを延々とする必要があるという、開発の提示したスタイリッシュとは真逆のことをしなければならない。レディのショットガンはきちんとスタイリッシュランクの上昇率も跳ね上がるというのに…。 集中ゲージの溜まり方、減り方の基準が妙。 最も効率よく溜める手段は棒立ち。これはまだいいが、挑発では(完遂しても)碌に溜まらない。棒立ちを推奨して挑発を否定するのは本シリーズの趣旨と矛盾している。 攻撃を空振ったり弾かれても減ってしまうので、クレドやアンジェロが非常に厄介な敵になっている。空振りに関しては空振りジャスト次元斬の連発を抑制する意味があるが、空振りでの遊びの余地を制限されてしまっているため窮屈に感じやすい。 最大の問題は走ってもコンセントレイションが減少してしまうこと。上記の通りエアトリックが弱体化したので、後方あるいは横回避の際や、エアトリックが使えない場面での敵への接近などを素早く行う際にはジャンプ連発が最適解になってしまい、スタイリッシュさに欠ける。 インターネットへの接続の有無でスティンガーの性能が変わるというバグが発見されている。 ターボモードをオフにしておくと、上昇技「羅閃天翔」後の落下が何故か早くなるという調整のムラがある。 今回も「納刀モーションを完遂するとDTゲージが貯まる」という仕様を持つバージルだが、上記の状況だと納刀前に着地してしまいやすくなるため不便。 その他 バージル、レディ トリッシュモードの汎用戦闘BGMはネロ ダンテモードの使い回し。 特にバージルは公式サイトのバージル紹介時の新BGMでもある「Let s Just See」が戦闘曲ではないかと期待されていた。 ディレクターの伊津野氏はコレに関してコメントを残しており、変える予定(あるいは構想)があったが、諸事情によりできなかったとコメントしている。 レディ&トリッシュのEXコスチュームの入手方法がスタッフロールの戦闘をクリアするというものだが、その際に選ばれるキャラクターはM20をAランク以上でクリアするとレディ、Bランク以下でクリアするとトリッシュになる。なお、EXコスチュームが得られるのは戦闘に使用したキャラクターのみ。 しかし、M20は確定でオーブ評価が100%、タイムもスタイリッシュポイントも緩い(*16)ので、低評価が逆に取り辛いのである。 そのため、コンティニューを繰り返す、ゴールドオーブを使用するといった、わざとスタイリッシュに反するプレイの必要がある。1回限りでいいとはいえ気持ちがいいものではない。 バージルモードやレディ トリッシュモードでは本編のムービーがカットされるのだが、仕掛け解除や謎解きに関するムービーも一部カットされるので、攻略の仕方がわかりにくかったり不自然な箇所もある。 せっかく初心者向けの性能となっているレディ トリッシュモードなのに、初心者のプレイに支障が出る恐れがある。 セーブデータが1つまでしか保存できなくなってしまった。 ゲームオーバー時のメニューのレスポンスが悪くなった。 PC版限定だが、フレームレートの数値次第でキャラクターの性能が大幅に変動するようになった。 LDK全ミッションをSランクでクリアするトロフィーが存在するが、PC無印版と同じくリザルトが存在しないため確認不可。 総評 原版の要素は概ね引き継ぎつつ遊べる要素を増やし、大まかに遊ぶぶんには問題なく楽しめると思われる。 一方で追加キャラの仕様(特にバージルの性能)の難点、敵の挙動の改悪など粗もあるほか、改善されていない問題点も多いなど、細かい不満も相変わらず目に付きやすい。 総じて、「アクションゲームとしては良く作られているが、手放しで褒められる作品ではない」という無印版の評判を覆すには至らなかった。 余談 ネロのプロトタイプコスチュームのマフラー姿は、当時のハードではメモリの都合でマフラーの動きの表現が難しかったことから没になったという経緯があり、性能の上がった次世代機やPCでようやく実現できたコスチュームである。 本作にも攻略本が発売されているが、『4』無印から変更されたデータは修正されておらず、追加キャラクターの攻撃力のデータなども誤植が目立ち、あまり評判は良くない。 レディは『3』の開発中の時点でも、プレイアブルキャラとして操作できるようにする案があったが、結局没になったという過去がある。実に10年越しの実現である。 当初の予定では本作でレディ トリッシュはプレイアブル化する予定は無かったらしく、バージル実装のみを想定していた開発費用と期間に強引にねじ込んだという事実がニコニコ超会議2015にて明かされている。 結果的に遊べる要素は増えたが、調整がややおざなりになってしまったのもその結果…なのかも知れない。その辺りの真相は不明である。 バージル・レディ・トリッシュの攻撃モーションの一部は『戦国BASARA』シリーズから流用されている。『DMC』→『BASARA』への流用(アレンジ)は数多くあれど逆パターンは珍しい。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3020.html
GITADORA GuitarFreaks DrumMania 【ぎたどら ぎたーふりーくす あんど どらむまにあ】 ジャンル 音楽ゲーム 対応機種 アーケード 発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント 稼働開始日 2013年2月14日 判定(アップデート前) シリーズファンから不評 判定(アップデート後) 改善 良作 ポイント ギタドラXGシリーズの後継機稼働初期の仕様は黒歴史アップデートにより大幅改善 GuitarFreaks DrumManiaシリーズ GITADORA GuitarFreaks DrumMania 概要 アップデート以前からの評価点 アップデートにより解決された問題点 アプリによる解禁の廃止 ENCORE STAGE・PREMIUM ENCORE STAGE・EXTRA RUSHの再実装 スッカスカだった公式サイト 全く音沙汰が無かったイベント 現在も存在する問題点 賛否両論点 総評 余談 大型アップデート前の評価など 簡単なミニゲームの紹介 概要 ゲームセンターで中高生を中心に人気を博しているBEMANIシリーズの一つである音楽ゲーム『GuitarFreaks DrumMania』(以下ギタドラ)の最新シリーズ。『XG』シリーズが前作XG3で突如終了し、本作からはそれまで略称だった「ギタドラ」をそのままローマ字読みにした『GITADORA』として新シリーズに突入した。(*1) 大きな期待が寄せられていたものの、ロケテスト時点で発覚していた多数の大きな問題が稼働後も改善の気配を見せることなく尾を引き続けており、ユーザーから再三に寄せられていた改善の要望が実現するまでに非常に長い時間がかかった。 問題点の多くは稼働から数か月後に実施されたアップデートにより大幅に改善されており、問題点としての指摘については既に過去の事例となっているため、本稿が特殊な記事構成になっている点にご留意願いたい。 アップデート以前からの評価点 新筐体 筺体が大きすぎて導入しづらいという店舗のため、XG2で追加されたXG-SD筐体よりもさらに小さい筐体が追加された。 ギターが1人用になった為、稼働まで新筐体での3人セッションはできないと噂されていたが、マルチセッション同様に接続することで3人セッションは依然として可能である。(*2) e-AMUSEMENT Participation(*3)の導入も相まって、省スペース少価格でオペレーター側も導入しやすくなっている。Vシリーズまでの筐体とサイズがほとんど変わらないという事もあり、XG筐体を導入できない小規模な店舗での置き換えも進んでいる。 新規ユーザーにやさしくなった 稼働日から初回プレーでチュートリアルが流れたり、フォルダ移動する際の操作説明がされたり、何よりチャレンジ譜面の枠組みが消えていることによりある程度初見ユーザーに優しくなった。 チュートリアルに関しては過去シリーズよりも丁寧になり、回数も増えた。 途中落ちしても3曲プレー完全保証(XG2より復活)のため、難しい譜面にも気軽に挑戦しやすくなっている。また本作限りの仕様ではあるが、途中落ち無しで曲の最後までプレー可能(ただしセッションプレー不可)となるプレミアムプレーも用意されている(PASELI専用)。 今作から「POOR」判定は「OK」に差し替わり、コンボこそ途切れてしまうもののエキサイトゲージの減少が無くなったので、楽曲クリアのし易さという面でも向上している。 またギタドラは難しくないというイメージを付けるデモムービーが入るようになった。 週1で追加される新曲 最低週1で1曲は新曲が追加される。 アーティストと曲名が毎週金曜日あたりに発表されるので、これで期待することも可能。 月単位で見ると、XG3(稼働終盤は除く)における月に5曲ペース(*4)とほぼ同等である。 ほとんど無くなったバグ 大きくゲーム仕様を削減した効果により、前作で酷かった処理落ちは多少残っているものの、他のバグはほとんど見受けられなくなった。 プレー中にある動作をすると強制的にステージ失敗となるが、意識してやらないかぎり回避できる。 ただし、ギター側では稼働日からXG-DX筐体のみワウエフェクトが常にON状態になるバグがあり、それに関しては未だに音沙汰がない。 一方旧アプリ側ではバグが多発していた。余談も参照のこと。 基板変更による処理速度向上 新筐体に合わせてか、Windows 7 Embedded搭載の新基板に変更されており、OSだけでなく基板のマシンスペックも相応に向上している。ローディング時間の短縮・フレームレートの向上により、普通にプレーする分にはサクサク快適に遊べる。 ただ、もともと初代XGの頃はサクサク動いていたため、XG2,XG3の仕様を削ったことで元のスピードに戻ったようにも見える。 処理速度向上により、入力遅延(叩く、弾いてから音が鳴るまでのレスポンス)が解消されて演奏感がアップしている。 前作までの感覚に慣れていると多少違和感を感じる人もいるが、タイミングの調整も可能。(後述) オプション機能の充実 プレー中の演奏タイミングの調整。 BGMに対する演奏タイミング、判定線に対する演奏タイミングをそれぞれ任意調整可能。 前作までの仕様に近づけた「XGシリーズ」プリセットも用意されている。 リアルタイムリザルトの追加。 プレー中の現状リザルトや判定率などを常にリアルタイムで確認できる。(各判定個数、現在の達成率) 前作までにあったスコアグラフも、再導入までに時期を要していたが最終的に健在となった。今回は全員の達成率ゴースト(*5)が同時に表示される他、 目標SKILLの設定も不要 になり楽曲SKILLの目安ラインが10skillごとに複数表示されるようになっているなど、設定手順を少なく押さえた作りになった。 ジャッジ機能の追加。 各ノーツに対し、ジャストタイミングからのズレ時間を随時確認できる。(0.006秒単位) レーン透過値の調整。(0~100%) ノーツが流れるレーンの透過率を設定できる。 透過率を100%にすると、ノーツの見やすさを犠牲に、大迫力の背景ムービーをほぼ完璧に見られるようになった。 旧曲のほとんどはムービーが削除されていることが惜しまれる。 版権旧曲には、稀に一部解像度が粗いムービーも生き残っている(Sing A Wellなど)。 今作で追加された、透過率100%プレーはその動画がいくつかニコニコ動画にUPされている。興味があれば探してみてほしい。 難易度調整 「低難易度の難度値でより段階を感じられるように幅を持たせたため、既存曲は全体的に上方修正。」とのことで、旧曲の難易度は軒並み上昇。低難易度曲の厚みが向上した。 ただし、チャレンジ譜面があった楽曲のBASIC譜面は、そのチャレンジ譜面に置き換えられて難易度が上がった。 前作で逆詐称曲とされていた譜面が-0.20前後下げるなどといった旧曲の難易度調整も行われた。 2013/08/08にアップデートにて一部楽曲のBASIC譜面の調整とそれに伴う難易度変更が行われた。 調整後の難易度は概ね良好。今後のADVANCED譜面やEXTREME譜面の調整にも期待がかかる。(*6) アップデートにより解決された問題点 本作は度重なるオンラインアップデートを実施しており、それによって改善された点も多い。 特に2013年7月10日に ゲーム内容を改革する大幅アップデートが行われ 、それまでとは別ゲーと言える程に見違えるほどの改善がなされた。 以下はアップデート以前に問題点として挙げられ、その後改善されたものである。 アプリによる解禁の廃止 ギタドラシリーズの新曲解禁方法は代々プレー時に獲得するポイントを消費して行っていた。しかし本作の稼働初期の解禁方法は、GITADORAのスマートフォンアプリを通して行われるミニゲームに集約されていた。 楽曲を解禁するために半強制的にアプリをやらされること自体だけでなく、GITADORA運営のサポートの悪さもあり批判が集中した。 + アプリの問題点詳細 稼働初期におけるルールでの楽曲解禁方法は、以下の通り。 + 稼働初期におけるルールでの解禁方法 ギタドラのどちらかをプレーし、2日以内(ライブによっては1日以内)に一定のライブポイントが貯まると曲が解禁。ミニゲームをプレーすることで観客とキャパ(観客の収容数)とエフェクト(バンドの照明。盛り上がりに影響)が増え、ポイントを倍増させることができる。というもの。ロケテスト版では一回でも100%に到達すればそこで解禁なのだが、製品版だとライブポイントとは別にLIVE ENERGYという物がプレーヤー別に設定され、これが100%になって始めて曲が解禁という仕組みである。 何度かライブポイントが100%になれば解禁できる為単純ではあるが、数値に表すと実機単体だと解禁はほぼ不可能な数値である為、グループ内にスマートフォンなどのタブレット端末使用者が居ないとまず無理である。 因みに実機でのプレーがないと、ポイントはたとえ観客とキャパとエフェクトが万単位でいても「0」である。 このルールに関しては、スタッフ曰く「バンドが本命ですので」とのこと。これを言われたら仕方ないかなという気持ちは持てる。バンドシミュレーションなのにバンド風のゲームが無いがバンドを助ける為のアプリ、と思えば多少許容範囲は広がると思われる。 このルールにおける最も効率の良い解禁方法は、クリア寸前のバンドを探して移動しまくることであった。バンドメンバーとの協力も何もない。 2013年4月24日分アップデート後からの新ルールでは、キャパと観客を増やすとライブエネルギーの上限がアップ。その上限までならミニゲと実機プレーでライブエネルギーを増やせ、ライブエネルギーが100%になった時点で楽曲解禁。というルールに変更された。 実機プレーでの恩恵は観客、キャパブーストというそれぞれのミニゲームにボーナスが付くというものだが、無くても解禁は可能。 ミニゲのプレーは無限ではなく体力制。時間が経てば回復する。お金をかけてでも早く解禁したい人は課金アイテムを使うことでも体力を回復できる。 前作のこれもそうだが、「ソーシャルゲームによくある手口」として批判する声もある。 ミニゲームに積極的な人が何人かいないとポイントは雀の涙ほどしか貯まらないので、グループに入る時点で運ゲー化している。消極的な人ばかりなら早々にグループを変えるのが吉。 グループ内でミニゲームやブーストを行わずに自分のエフェクトだけ稼ぐプレーヤーもいる為、晒しなどのトラブルが起こることも。 アプリで楽曲解禁することの是非はともかく、ミニゲーム自体の評価は、良く言えば「シンプル」「手軽」。悪く言えば「底が浅い」「飽きる」。詳細は下端のregionを参照。 このミニゲーム、ロケテストではHTML5に対応したブラウザでのPC、スマートフォン(AndroidかiOS搭載ならなんでも可)、一部のガラケー(*7)に対応していたのだが製品版ではスマートフォンなどのタブレット端末のみの対応となった。 製品版ではロケテストで遊べなかったミニゲームが追加されており、また後述の通り課金要素が発生していることから、これらの要素がPCに対応できなかった可能性もある。しかし5/15現在、PCでのミニゲームについては公式告知が一切なされていない。 旧ルールではガラケーでのライブ進行度確認はおろかライブに参加すらできなかった為、ガラケーしか持ってないユーザーはゲーセンと家を行ったり来たりを強いられることとなった。 家にパソコンがある人はともかく、スマホなどのタブレット端末もパソコンも無い人は解禁に参加すらさせてもらえなかったという事になる。 ガラケーからライブに参加できるようになったのは、稼動から1ヵ月半以上経過した4/5であった。ちなみにこの告知はツイッター上でのみ行われ、ガラケーGITADORAサイトのインフォメーションには現在でもこのことが記載されていない。 このアプリのリリースは、本作が稼働して1週間後である。稼働と同時にPlayストア、Appleストアに乗せられる様手配していなかったスタッフの準備不足が窺える。 公式サイトもアプリのリリースと同時に公開。承認待ちであるならこの一週間何をしていたのか気になるところである。 しかしこの公式サイト、上記にもあるように4/5のガラケーからのライブ参加可能になったアップデートをアナウンスしていないなど更新がやたら少ない。この1週間後のライバル機能追加に関してインフォメーションに記載したかと思えば、4/24のライブリニューアルに関する記述は無いなど、インフォメーションの体裁を為していない。 そもそも、5/15時点でガラケーGITADORAサイトのインフォメーションに記載されているのは「3/13 フィーチャーフォンサイト公開!!」「4/12 ライバル機能追加!!」の2つだけである。 6/4のメンテナンス以後は、新ライブ追加等のアナウンスがされている。またこのメンテナンスと同時にプレーポイントの使い道が増えた(*8)ものの、初期のライブに対する解禁緩和措置は一切取られていない。 近年のオンライン対応アーケードゲームはどれも最初に・筐体上で名前を設定するが、本作では筐体上での名前の入力は不可。名前入力はこのアプリ、又は公式サイトを通して行うことになる。 しかし、上記にも書いた通りリリースが一週間も遅れた為、その間にプレーした全ユーザーがアプリ公開まで無名のままプレーすることを強いられていた。 更に一週間待った後に待ち受けていたのは正しくe-passとアプリが紐付けられないバグ。これはKONAMIのサービスであるe-musementGATEが、i-revoを運営しているkiwiに移行した際に内部的な仕様変更されたにもかかわらずそのまま使ったことが原因と思われる。 正しく紐付けられてないので「紐付け→ログアウト→再度ログイン→(IDが変わっているので)こちらのe-passは他のアカウントに紐付けられています」といったことが発生。アプリ発表と同時に2曲追加されているので解禁する前にログアウトしてしまうと解禁状況が見られないという事態に。 アプリ公開直後に上記の不具合情報がツイッター上に多数挙がっていたにもかかわらず、ろくに動作確認もせずユーザーの勘違いと決め付け、下記のような発言が公式ツイッターから発信されていた。 PCサイトでGITADORAデータ連動を行ったあとにアプリを始めることができないという情報が拡散されておりますが、 アプリを始める際にKONAMI IDでログインをすれば、同じデータで遊ぶことが可能です。 KONAMI IDでログインするように注意してください。 このバグは2日掛かりで修正された。本作のディレクター・まっする氏はほぼ徹夜漬けだったそうな。 なお、これらに関してそのまっする氏はアルカディア2013年4月号でのインタビューにて… (注目の新要素について教えてください) 「アーケードがシンプルになったところですね。今まで筺体で遊んでいた楽曲解禁などの演奏以外の付加コンテンツを、 スマホなどのWEBサービスに移行したことでサクサクと遊べるようになりました。 付加コンテンツは時間制限がなく遊べるのでより自由に楽しめるようになってます。後ろで並んで待つのも苦じゃないですよ(笑)」 上記の通り付加コンテンツは、2013年5月15日現在スマホなどのタブレット端末でしか遊べない。そのため、GITADORAプレーヤー全員がスマホなどのタブレット端末所持者であることが前提の発言となっており、いかに開発スタッフがスマホなどのタブレット端末を重視していたか、逆に言えばいかに要件を満たさないユーザーを軽視していたかが窺える。 ただし、ミニゲームによって『貢ぎ』度が低下したことについては評価されることもある。 上でも触れられている通り、現行ルールにおいては曲の解禁にACのプレーは必須ではない。そのため、かなりの貢ぎを必要としたXG3から一転、お金をかけずとも楽曲解禁が可能になった。極端な話、ミニゲームが遊べる環境であれば、0円で全曲解禁することも可能である。 しかしゲームセンターを経営しているオペレーター側にしてみればGITADORAをプレーする回数が減るのでインカムも減るという冗談抜きの死活問題と化している。 音ゲーをしない人にとってはピンとこないかもしれないが、要するに「あと1クレで解禁できるからもう100円入れよう」「今日はこの曲を解禁するまでやり続けよう」「新曲が発表されたからゲーセン行こう」あたりの発想がなくなるのである。上位勢ともなると早く解禁したいがために1日に数千~数万円つぎこむこともあり、影響は計り知れない。 ユーザー側に立って考えれば過剰な貢ぎ要素は批判されるべきものであるとはいえ、プレーヤーのクレジットでインカムを上げなくてはならないアーケードゲームの仕様としては手放しに喜べない側面があったのも事実だろう。 2013/7/10の大型アップデートにより、楽曲解禁方法が変更。 アプリによる解禁が休止 (*9)となり、ゲームプレーで得られるポイントだけで解禁出来るようになった。 ポイントを規定ポイントに達するまで注入していく方式で形式としては前作XG3の後期と一緒ではあるがかなりの貢ぎを必要としたあちらとは違い、適当に数クレジットプレーするだけで十分間に合うバランス。ギター側で効率のいい方法をとれば2~3クレジットで解禁出来るほど。新規に追加された曲は初週は36000ptsだが、ライブ曲追加毎に要求ポイントが半減していき、最終的に追加から4週後には1000ptsまで緩和されていく。ちなみに1クレジットで獲得出来るポイントは3曲クリアでおおよそ3000~6000ポイントほど(スコアおよびプレー難易度とランクによって大きく変動)。ENCOREステージを出せる腕前があれば、少なくとも6000~7000ポイント以上を稼げる。 ENCORE STAGE・PREMIUM ENCORE STAGE・EXTRA RUSHの再実装 V3から恒例だった、ギタドラのボスイベントが稼働当初において廃止されていた。EXTRA RUSHの詳細はV3の記事参照。 上記に加え、オペレーター側で1プレーにおける最大プレー曲数変更が行えなくなっており、1プレーにつき3曲完全固定となった。 本作のディレクターによると「プレー時間を均一にする為」とのこと。(*10) 実際、「安定して高スコアの取れる上級者のみが長くプレーできる」イベントであるため、高スコアの取れないプレーヤーから不公平感をもたらしているという側面もあり、廃止については賛否両論と取れるかもしれない。しかしギタドラシリーズは「安定して高スコアの取れる上級者」が大半を占めているため「否」の意見が圧倒的に多いのが現状である。 本来はEXTRA RUSH枠に入るはずだっただろうコンセプトの曲(*11)や、他機種との同時期収録曲(*12)もアプリにより解禁可能だが、解禁方法がEXTRA RUSHに比べてインパクトが薄く寂しいという声が多い。 アプリ解禁と同じく多くの批判が集中したためか、2013/7/10の大型アップデートで従来の EXTRAステージがENCOREステージとして、従来のENCOREステージもPREMIUM ENCOREステージとして復活。 ENCOREステージ出現の際は『アンコール!アンコール!』と、普段より大きな音量で歓声が鳴るという演出付き。 PREMIUM ENCOREは全て画面に専用演出があり、なおかつEncore Ver.2以降のPREMIUM ENCORE楽曲にはそれと同様の専用ムービーも付いている。 専用演出は実に初代XG以来の実装。ただ、選曲決定時の表示で背景に専用ムービーが流れていた当時とは違い、今作では後述するHELP詳細表示以外は全て隠され、完全に演出に専念している(PREMIUM ENCORE STAGEの文字も演出に準拠していることがあったり、曲名表示も表示場所が変わっていたり、汎用フォントではなくロゴフォントに変わっていたりと、曲によってユニークなデザインになっている)。 進出条件や専用曲の扱いなどの仕様はXG3を引き継いだが、今まで隠されていた各種出現条件が画面上に表示されるようになった。 それに加え、ENCOREステージ、PREMIUM ENCOREステージに進出できなかった場合の救済措置が追加された。 ENCOREステージに進出できなかった場合の救済措置は、その日限りで徐々に進出条件が緩和されていくというもの。初期値は平均S(S+S+Aなど)以上で、それを満たせなかった場合に徐々に緩和されていく。(*13) PREMIUM ENCOREステージ条件である「ENCORE専用曲でパーフェクト95%以上クリア」を満たせなかった場合の救済は、要求パーフェクト率が徐々に緩和されるというもの。 こちらは専用曲をプレーしていなかった、またはFailedになったとしても緩和される。緩和率は一回1%ずつだが、その日限りでENCORE進出毎に最大で一回5%まで加速していく。緩和された要求パーフェクト率自体は、PREMIUM ENCOREに進出できたプレーの翌朝まで維持される。(*14) これらにより、誰でもEXTRAステージに行ける回数さえこなせばPREMIUM ENCOREに進出できることになり、従来のEXTRAステージにあった不満点も解消されることとなった。 スッカスカだった公式サイト 遊び方の紹介がなかった スペシャルサイトやe-AMUSEMENT サイトといった場所にさえゲーム機の遊び方が紹介されていない。 BEMANIシリーズに限定しても、これ以外全機種のスペシャルサイトには、初めてきた人でも分かるように、公式サイトのトップやヘッダメニューに遊び方ページへのリンクが設けられている。 スマホアプリおよび一部PCブラウザからアクセスできるライブ情報閲覧ページ内のQ Aに遊び方が乗っているのだが、それも極めて情報量が薄い。しかもこのページは上記公式サイトからのリンクは用意されていない。BEMANI Fan Siteの各機種リンクから飛ぶことはできる。 →遊び方についてGuitar、Drumともにチュートリアル動画付きでHow toページが追加。 収録曲がわからない 遊び方と同様、他機種のサイトである程度公表されている収録曲の紹介も存在しない。 こちらに至っては上記ライブ情報閲覧ページにも載っていない。ライブ参加確認画面やコレクション画面にある。BEMANIWIKI 2ndでまとめてあるのでそちらを参照のこと。 →楽曲の提供アーティストとその楽曲の一部を紹介するページが追加。全ての楽曲を参照したい場合はe-amusumentページで可能。 全く音沙汰が無かったイベント 曲解禁はアプリが全て持っていっていたせいか、大型アップデートまで、筐体上での曲解禁イベントは一切なかった。 毎週追加される新ライブも、仕様変更までは筐体上で一切アナウンスが流れなかった。 ただし、スコア系の公式大会などはKAC2013を除いて行われておらず、XG2,XG3で搭載されていた店舗大会機能も存在しない模様。 アプリの新ルールにより実機プレーの必要も無くなった上、公式大会も開催されていないため、プレーヤーのモチベーションを上げる努力はされていなかった。 前述のインタビューでは今後の展開について、「GITADOROCK化して楽曲の新たな一面を楽しんでもらえるよう、いろいろな連動をしたいと思っているので楽しみにしていてください」と言っているのだが…。 BEMANI関係の多機種連動イベントである「私立BEMANI学園」には参加している。…が、他の機種がそれと並行して他のイベントもある中、GITADORAは並行イベントが実質存在していなかった。(*15)https //p.eagate.573.jp/game/bemani/p/my/rabeat_cup/02/about.html アップデート後には夏に紅白対抗の形をとって開催されたBEMANIの多機種連動イベントとして、「jubeat・GITADORA・DDRのTriple Journey」にも参加。XG3での『大夏祭り』の悪夢再来かと言われていたが、いざ開催されると「8/1から8/31まで一日毎にいずれかの機種(複数有り)で1曲ずつ解禁(*16)」「解禁条件はHPに謎解き形式で掲載されるが、その全てが1プレー以下で達成できかつ隠し曲もほぼ必要ない(*17)」と、見事に下馬評を覆す良イベントとなった。楽曲のセレクトも意表をつく選曲もあるなど、そのセンスが光る。 課題の中には「上上下下左右左右と入力した後、GFではBボタンを押し、DMではバスドラムのペダルを踏んで、その状態で曲名がAで始まる曲を選ぶ」といういかにもな物もあった。(*18) 一応は期間限定のイベントだが、現在はすでにフォロー処置が取られており、これらの追加楽曲はまとめてLIVE楽曲の曲目に追加となっている。必要ポイントは1曲5000ptと少なめだが、代わりに緩和もされない。なおLIVE楽曲全般の話となるが、OverDriveへのアップデート時に引き継ぎでは無条件解禁に移行せず、新規データだと無条件解禁されていたという不具合が存在していた。 ちなみに紅白対抗として開催されたイベントはIIDX・リフレク・ポップンの「みんなで宇宙戦争」なのだが、こちらは期間限定・日毎追加ではなかった分、Triple Journeyと比べると必要プレー回数が『大夏祭り』並にケタ違いに多いなど、当イベントと比較して不評が多い。詳細はポップンミュージック Sunny Park内もしくは連動イベント記事の当該記述を参照。 旧シリーズ曲の復活がしばらく無かった。 XG時代は新作稼働時もしくはイベント時にV時代までの旧シリーズ時代の曲がXG譜面にコンバートされて収録されることがあった。 たとえばXG2ではLivePointやGROUP等のイベント進行・EXTRA RUSHと並行した形式で旧曲の復活解禁があった他、XG3時には稼働時に版権旧曲がいくつか復活し、Pleasure Boxの解禁項目にも旧曲があった。 しかし今作では稼働時はおろか、Liveやイベントでの解禁ですら旧曲の復活は一切行われていない。 前作XG3にてCLASSIC MODE(Vシリーズと同等の旧曲を旧譜面のままでプレー可能なモード)が削除されてしまったため、V時代までの豊富な旧曲ラインナップを増やすためには復活収録を待つしかないのだが…。 6月3日より、今作をもって削除された版権楽曲「星のすみか」が復活した。幸いにもLiveシステムは絡んでおらず、無条件でプレー可能になっている。 しかし同時に、6月3日をもって同じく版権楽曲の「CRAWL」が削除された。この仕組みはまっする氏がディレクターを務めるjubeat saucerの楽曲入れ替えシステムとまったく同じであり、ギタドラシリーズ初の「作品稼働中の楽曲削除」となる。 6月19日に「ロックスターと魔法のランプ」が追加。上の状況からjubeat saucerでの事を考えると素直に喜べない状況なのだが、今のところその情報はない。 10月31日にスタートしたイベント「これがあなたへの挑戦状!」で、旧シリーズ曲が復活収録された。ジャケットは新規描き下ろしであり、旧クリップをもとにHDクリップが収録された曲も一つだけだが存在する。 因みに同イベントの告知ではT・ボーンやB・ボーンといったVシリーズまでの代表キャラがプレーヤーになぞなぞの挑戦状を送るという、久々の顔見世を果たした。 現在も存在する問題点 デフォルト新曲の少なさ 従来のギタドラは稼働直後でも新曲が30~40曲近く収録されていて、イベントが起きるまでの退屈しのぎは比較的しやすかった。 しかし今作のデフォルト新曲は27曲とやや少なめ。新曲のスキル対象枠が25曲なので、デフォルト曲だけでスキルを伸ばすのであればほとんど選択の余地は無い。追加楽曲は豊富だし、通常はデフォルト曲だけで伸ばすようなことは少ないのだが、稼働初期は前述の「アプリ解禁」の問題があったためデフォルト新曲の少なさがより際立つ形となった。 現在であれば、よほど下手なプレーでもない限り1クレジットで初期の隠し曲を必ず1~2曲(うまくやれば3~5曲)解禁出来る程度のポイントが得られるため、数クレジット単位のプレーならばかなりのペースで最新の楽曲に追い付ける。 余談になるが、GITADORAロケテストにより先行収録という形でXG3に9曲追加されたため、「GITADORAで初めてプレー可能」という意味での新曲となると18曲。e-AMUSEMENTに対応する前のバージョンであるGF7th dm6thよりも少ない曲数である。 版権楽曲の大量削除 今作では38曲の版権曲が稼動時に削除された。その中には、Vシリーズでの登場から長らく選曲ヒットチャート上位を取り続けた「天体観測」「カルマ」、人気提供曲であった「Leaving All Behind」、更には前作XG3で隠し扱いであった「フライングゲット」なども含まれている。 「天体観測」に関しては、バスペダルを強く踏みすぐ壊れる(バスクラッシャーの)要因でもあり、削除を望む声は少なくなかったのだが、いざ消されると「また一つの時代が終わった」「寿司屋にまぐろが無いようなもの」「肉屋にサーロインが無いようなもの」と比喩されてしまうことに。実際、カバーとはいえ人気アーティストの人気版権楽曲であり、低レベルという事も手伝ってヒットチャートの上位にランクインする、定番ともいうべき楽曲だった。 無論版権事情もあることとは考えられる(「天体観測」に関しては同時期にjubeatやポップンでも削除されている)ので一概に問題点とは言い切れないが。 公式ページにランキングがない 上級者にとってのプレーモチベーションの大きな要素の1つであるランキングが搭載されていない。 ベストスコアランキング、スキルランキング、HIT CHARTといった、XG3までにあった基本的なランキングが公式サイトから全て削除された。 GATEWAYページの削除 過去シリーズがまとめられていたGATEWAYページが削除されてしまい、GATEWAYのバナーをクリックするとGITADORAの公式サイトに強制的に飛ばされる。更新が面倒なので削除したのだろうと思われている。 実際には削除ではなく単純にトップページのみを転送ページ化した状態であり、過去作品のリストページ自体は直リンクで飛べば見られるようになっている。(過去アーケード作品/過去家庭用作品) だが、公式サイト内では何処からも上記の過去シリーズページへはリンクされていないため、現在のギタドラ公式を見るだけでは過去作の情報へ辿りつけなくなっている。 賛否両論点 賛否両論のGITADOROCK版権曲 本作でウリにしているGITADOROCKについて、今作はGITADOROCKアレンジが施されたアニメソング3曲が稼働時の新曲として登場したのだが、いずれも元は女性ボーカルの曲を男性がカバーしており、軒並み賛否両論の出来である。 キャプテンパンク(PON)がアレンジ兼ボーカルを務めた「only my railgun」「魂のルフラン」は不満はあれども好意を持って受け入れる人もいるのだが、キャプテンロック(あさき)がアレンジしボーカルは所謂『歌い手』の「みーちゃん(男性)」となった「God knows...」は擁護意見もほとんど無く評判が悪い。 「God knows...」の歌詞・声質が歌い手のみーちゃんにはことごとく合っていないため、なぜこのような人選が行われるのかという疑問の声が上がった。 歌い手のみーちゃん自体が外部で黒い噂のある人物であり、過去に歌い手が起こした問題と絡めて不満点に挙がることもあった。 そもそも女性ボーカル曲のアニメソングを男性ボーカルでカバーすることに疑問の声もある。この辺りは個人の好みも出てくるが。 「only my railgun」については、女性ボーカルによるカバーで収録された『pop n music 19』でも似てないと批判する人がおり、アレンジ込みでGITADORA版のほうがいいという人も出るなど賛否両論。 「God knows...」はジャケットイラストにも問題があり、ジャケットはギターを持った学生服の女の子(かつアーティスト表記が一見性別の分かりづらい「みーちゃん」)なのに、男性ボーカルであることが「ジャケット詐欺」という不満の声が噴出している。(*19) 大型アップデートによる版権曲大量追加まではこれらがデモ画面で「みんなの知っているあの曲も収録されてるよ!」と堂々と出されていたため、原曲と大きく違うボーカルにガッカリした人もいるかもしれない。更にデモで音を出してない店舗ではプレーしないと気づかないという事態まで招いてしまった。 大型アップデート時に追加された「LOVE JOY -GITADORA MIX-」(dj TAKA)では普通に女性ボーカルとなった。上記3曲と比べれば批判は少ない。(*20) ワイド画面対応の背景ムービー復活、ワイド画面非対応の背景ムービー削除 前作で不評だったアバターにより立ち位置を奪われた背景ムービーが、XG2以来の復活を遂げた。 背景ムービーに対応しているものが消されたり対応していないものが無理やり伸ばされてぼやけたりしているが、V6~XG2に収録され、HD背景対応の曲に関してはほぼ全て復活となった。またXG~XG3に収録された一部の曲にも、背景ムービーが新規に追加されていたりもする。 また今作用に新規汎用ムービーが追加され、XG3など一部の旧曲にも採用されている。XG2の曲など、汎用ムービーが曲調に合致したケースもそれなりにある。 因みにXGに使用されていた汎用ムービーはほぼ全て復活。XG2にあったライブ映像風汎用ムービーは、XG3同様に収録されていない。 ただし、V6までに収録されていたクリップでワイド画面に対応していなかったクリップは全て削除され、汎用ムービーのみ表示されている(*21)。 V6以前のクリップのほとんどがワイド画面に対応していないため、結果復活したムービーより削除されたクリップの方が多いという状況になってしまった。 XG2まではプレー中のレーン横の小画面に表示され、XG3ですらアバターのいるステージの背景画面に表示されていた。 ムービーは楽曲を視覚的に表現することで、プレーヤーに楽曲のイメージを分かりやすく伝えるという側面もある。「しっぽのロック」「からふるぱすてる」のように楽曲の評価を高めたもの、「A.DOGMA」のような力の入りようがすさまじいものもあるのでファンからは復活を望む声が多い。 トータルリザルトの廃止 リザルトの表示が従来だと「曲終了→STAGE CLEAR→リザルト」、XG3では「曲終了→マッチングプレーヤーのスコア→リザルト」が今作では「曲終了→リザルト」に変更された。 ゲームテンポがよくなったという反面、XG3までできていた「リザルト写真を撮る」のが不可能になった。今回のリザルト表示はそれほど短い。リザルト表示の短さに関しては、アップデートにより改善された。 XG2~XG3では選曲画面・トータルリザルト画面でも同クレジット中の楽曲リザルトを確認しに行くことが可能という珍しい機能を備えていたが、GITADORAではそれもなくなった。 最後のトータルリザルトは実質的な完全カットとなり、ゲームオーバー画面にスキルポイントのみ表示。あとはオトベアが変な動きしてるだけ。 ただスキルポイントが一定値を超えネームカラーが変化した時には祝ってくれる演出に変化する。前作まではネームカラーが変化しても特に通知も無かったためこの点は評価されている。 全曲スキルの表示が無くなってしまっているため全曲埋めを目指す理由がさらに薄れる結果に。 総評 満を持しての新シリーズとなったものの、稼働初期の「アプリ解禁」「EXTRA RUSH廃止」というシステム変更がプレーヤーに全く受け入れられず、結果的に過去最悪とも言える滑り出しを迎えてしまった。 特にアプリ解禁についてはほぼスマホなどのタブレット端末でのミニゲーム必須にしてしまったため、環境がない人は解禁が進まず、環境があってもバンドシミュレーション要素が薄すぎるミニゲームに飽きてしまうという悪循環を生み出してしまっていた。 また、EXTRA RUSHというボス制度が廃止されたことで「ゲーム性が薄くなった」という声も多く、プレーヤー数が目に見えて激減した。 しかし、5ヶ月にも及ぶ長い暗黒期の後、7月10日の大型アップデートにより「筐体メインの解禁」「EXTRA RUSH」が復活すると評価は一転。 処理速度の向上や細かなオプションの追加によるプレー自体の快適さにもやっと焦点が当てられ、ギタドラシリーズの正統進化として評価されている。 また、細かなアップデートにより他の問題点も解決されるなど、現在でも徐々に評価を上げている作品である。 とはいえ、現在の評価の高さはあくまで大型アップデートを踏まえたものであり、稼働初期のゴタゴタがもたらした負の遺産を完全に拭いきれた訳ではない。 前作までの汚名返上を一気に果たして新シリーズの幸先良いスタートを切れていたであろうだけに、稼働当初からアプデ以降の充実したゲーム内容を実現できていなかった点は非常に悔やまれる。 余談 本作最初のPREMIUM ENCORE曲「MODEL FT3」はjubeat saucerシステムBGMのアレンジ。 jubeat側ではsaucer fulfillよりシステムBGMがプレイアブル化しているのだが、同作以前のシステムBGMのアレンジに当たる本曲は残念ながらjb側に逆移植されていない。 ちなみに、festoでFTシリーズの楽曲が移植されたのだが、本曲ではなく「MODEL FT2 Miracle Version」が収録。素直にFT3を移植すれば良かったのに… 現在のアプリについて アプリ解禁が廃止されたのち、GITADORAアプリのアップデートが行われ、「jubeat plus」や「REFLEC BEAT plus」と同じようなアーケード再現の音楽ゲームへと転生を遂げた。 詳細の記述までは避けるが、アーケードそのままの譜面がプレー出来る事、前述の2アプリと違って曲を選んで課金出来る事、このアプリで獲得したプレーポイントがACにもそのまま使える所(*22)などが好評である。 2016/12/15をもってサービスが完全に終了。アプリや楽曲データを所有している状態でもプレー不可能になっている。 版権曲アレンジのその後 本作以降GITADOROCKのタイトルを持つアレンジはオリジナル曲のみとなり、版権曲のGITADOROCKアレンジは一切追加されていない。 「GITADORA Tri-Boost Re EVOLVE」でGITADOROCKと銘打たれておらずアーティスト名もないカバー曲扱いだが「シュガーソングとビターステップ」が登場。男性ボーカル曲なのでカバーボーカルが男性歌い手でも全く違和感なく、「G.O.D. GUITARISTS ON DEMAND」の大和による良アレンジもあり本作の3曲より評価が高い模様。 「GITADORA EXCHAIN」でもカバー扱いで「千本桜」のロックアレンジが登場しているほか、後に本作稼働開始時に削除された「天体観測」が復活している。 GITADORAから3作品後の「GITADORA Tri-Boost Re EVOLVE」にて「God Knows...」が削除された。GITADOROCK最初の削除は順当に最も非難を浴びた当曲となってしまった。 他機種で削除が進んでいた楽曲(Love Joy、女々しくてなど(*23))を差し置いて削除された。 残り2曲は2018年9月の「GITADORA EXCHAIN」での削除となった。(*24) 2021年5月7日に配信されたiOS/Androidアプリ『jubeat』(『jubeat plus』の後継作)では他機種からの版権曲カバーが大量収録されたのだが、その中に本作の「魂のルフラン」「God knows...」の男性ボーカルロックアレンジも混ざっている。 他のカバー版権曲が原曲に寄せたアレンジになっているため、この2曲だけがかなり浮いている状態になっている。なお、「only my railgun」については『pop n music 19』版、「LOVE JOY」は『Dance Dance Revolution (2013)』版がそれぞれ流用されているため、本作のロックバージョンは未収録となった。 + マスコットキャラ「オトベア」とキャッチフレーズ 今作から登場した新マスコットキャラの オトベア だが、とにかく稼働前から不評の嵐であった。 簡単に書くと、「顔と耳と平べったい両手の先にスピーカーがついている短足のクマのぬいぐるみ」。とても無機質な風体で、カワイクないという声がよく聞かれた。位置づけとしては、BEMANIシリーズの1つである『REFLEC BEAT』シリーズに登場するマスコットキャラ「パステルくん」(*25)を意識したものと思われるが、ゲームそのものの「顔」となるべき重要なマスコットキャラなのにもかかわらず、「顔面スピーカーなので表情が出せない」などととかく愛着や親しみが湧きにくいビジュアルなのがいかんともしがたい(*26)。 ロケテの段階で相当の不評を招いたにもかかわらずそのまま登場となった上、選曲画面、ステージクリア時、プレー終了時、そしてミニゲームで頻繁に登場する。このオトベアの存在だけでも、今作に対するプレーヤーの心情を大いに損ねてしまったであろう点は否めないだろう。 しかもXGシリーズまでのマスコットキャラであったT・ボーンとB・ボーンが本作で(一時的に)リストラされてしまった。2人とも初代からシリーズのマスコットキャラを務めプレーチュートリアルも担っており、親しみを込めて「先生」と呼ばれている由緒あるシリーズの「顔」とも言えるキャラだったのだが…。 双方のシリーズを統一し、従来のコアなイメージを一新したカジュアルな作風に合うよう新キャラを取り入れたこと自体は理解はできるが、肝心のキャラデザインがこんな有様なため、ユーザーの不評をあおる結果にしかなっていない。 …と相当ネガティブに書いてみたが、一応オトベアのデザイン自体に関しては批判一辺倒ではないらしく、一部では「かわいい」という声も無くはない。 アプリのアイコンのためにも改めて統一させる必要性が有った のは確かである他、稼働初期の仕様や後述のアプリ・他機種に出張してまでの異常なゴリ押しなどにより、「GITADORAの負の象徴」としてのマイナスイメージを一手に引き受けてしまった感があり、その意味で不幸な運命をたどったキャラクターと言える。 後の「Triple Journey」にて、オトベアはjubeatのスミス氏・DDRのバビロン君と共に新規描きおろしイラストで旅行日記に登場して豊かなキャラを見せており、ゲーム内容の大幅改善と合わせて稼働初期のマイナスイメージは徐々に払拭されつつある。 ちなみに後に追加された「クリムゾンゲイト」のムービーではモンスター化されたり、「去る金合戦」のジャケットではボーン先生らしきキャラの足元で横たわっていたりと、最近では微妙にネタ属性が付与されだしてきている。 今作の稼働と同時に『ポップンミュージック Sunny Park』『jubeat saucer』で「jubeatでもpop n musicでもGITADORA」という連動イベントが開催されたが、ポップンではオトベアが3曲全ての担当キャラとして登場している。 原作で実写ムービーだった「ブレイクアウトロック(雨ノチHello)」はともかく、「情念歌謡(紅蓮の焔)」と「プログレッシブ(Concertino in Blue)」はギタドラ側のムービー中にキャラクターが登場(*27)しており、「新参のクマが出しゃばり過ぎ」「曲のイメージに合ってない」「(紅蓮の焔の)女の子使わせろ」と、担当したオトベアに対する批判意見が多かった。 ただし、今回のようにギタドラのマスコットキャラが元のムービーを無視して担当キャラになった前例はあり、過去にBボーン先生が「ハードカントリー(JET WORLD)」、Tボーン先生が「スカ(Cassandra)」を担当したことがある。ただ、こちらは当時の原作側ムービーでのキャラがあまり濃くなかったということに加え、彼らの実績もあってかこちらは普通に受け入れられていた。ここまで批判の的になってしまったのは、ムービーキャラのポプキャラ化に対する期待以上に、オトベアに対する不評の声が大き過ぎたことが一因だろう。 他BEMANI機種のREFLEC BEATやSOUND VOLTEXには、オトベアのシンボルチャットやアピールカードが追加されている。(*28) が、SDVXにおけるオトベアのアピールカードのメッセージの一つに「かかってこいやオラ」というコメントがあり、そのフレーズのインパクトからネタにされた。 その他のコメントはどれもポップなものであるため、キャラの ウザさ 特徴をより一層引き立てる形となった。 他作品に目を向けずとも、(あくまでミニゲームにおける演出とはいえ)作中、特にアプリ内のオトベアの態度(「やっべー」という口癖・よく遅刻する・サボる)はオトベアのイメージを決定付けるものとなった。 致命的にダサいキャッチフレーズ ギターの筐体側POPのキャッチフレーズ:「はじけっ!ギュイ~ン!」、ドラムの筐体側POPのキャッチフレーズ:「たたけっ!ズン!タッ!タッ!」など、今までのギタドラとは違う方向性のダサさが目立っていた。 「ギタドロックも収録!」上記のとおり、版権曲のカバーや他BEMANI機種からの移植楽曲をギタドラ用にアレンジしたものを「GITADOROCK」とXG3後期のイベントから呼称するようになったが、当然、初見の客には意味不明のキャッチフレーズになっている。しかも筐体の上に置くPOPのため全然目立たない…。 筐体デモ映像は新規ユーザーにギタドラは難しくない…というイメージを持ってもらおうという内容になっている。が、中身は上記のポップと同じくらい幼稚なので、新規ユーザー以外からは不評。まぁ新規ユーザーのためのデモ映像なのだが。デモ映像は公式サイトでも見れる。 ちなみに、今作のポスターに使われているキャッチフレーズは「ボクらのセイシュン!みんなのギタドラ!!」である。前述の筐体側POPのキャッチフレーズと合わせて、「僕らの青春を返せ」とばかりに著しくプレー意欲を萎えさせる迷コピーであった。 大型アップデート前の評価など + 長いので格納 大型アップデート前のゲーム内容は余りに散々なものであったため、XG3以前のユーザー達の怒りが収まるはずなどなく、スタッフブログは炎上。これに対しスタッフはブログを放置するどころか、GITADORAではブログを廃止しツイッターのみでの進行にした。 その上、ユーザーの質問はまるでナナメ読み、要望はガン無視と強気のスタンス。いつ大炎上したとしても不自然ではない火薬庫状態が初期から続いていた。 初期にはライブ追加告知もツイッターで行っていたが、後にアプリ上でのみの告知となった。故に、ツイッターアカウントをフォローしているだけではGITADORAの動きを知ることは不可能に等しい時期もあった。 遂にはサウンドディレクターである肥塚良彦氏のブログにまで飛び火し、肥塚氏がブログ記事で釈明する事態にまで及んだ(参照)。 皮肉なことに、肥塚氏自身も『ガラケーユーザー』の一人であり、対応を求めるようスタッフに進言していたことをブログで伝えている。少ないとはいえスタッフの中にも実際にガラケーユーザーが存在し対応を求めるよう声を上げていたにもかかわらず、結局無視されたというわけで、いかにアプリ担当スタッフ側がガラケーユーザーを軽視し傲慢な姿勢を変える気も見せなかったかがよくわかる一幕であると共に、スタッフ間の不協和な状態が明らかに見て取れた。 あまりにも豹変し過ぎたギタドラを目の当たりにさせられたユーザーは阿鼻叫喚状態となり、稼働当日からギタドラ関連のスレ全てが葬式状態となっただけに留まらず、スレ内では「ちょっとギタドラ新作のロケテに行ってくる…」などかなり現実逃避したコメントが散見した。更に稼働当日がバレンタインデーと言う事もあり、ユーザーにとって2013年2月14日はチョコどころじゃない地獄のバレンタインデーとまで言わしめた程だった。 今までのギタドラからシステムを削減されすぎたため、メインタイトルである「GITADORA」を捩って ガイタドゥーラ 、または ガイタ などと呼ばれていた始末である。 ただし、アップデートにより大きく改善された7月以降はこの呼び名で呼ばれることも少なくなってきており、過去の惨状を表す用語としての意味に変わってきている模様。 また、稼働して数ヵ月後、ギタドラアプリにおいてシステムの穴を突いた「不正行為」が横行し始め、問題となった。 存在そのもので不公平感や格差を生むアプリやそのずさんな運営、作業が一向にはかどらない解禁システムそのものへの不満が強まる中、この行為によって獲得が絶望的だった隠し曲を解禁できたことからその後にAC筐体に向かう人が増えるといった見方もあり、「運営側にとってもインカムが上がるので利益になり、結果的に誰も損をしない」と果ては不正行為の実行者を肯定、英雄視する声も出てくる始末。 また、この騒動に関する運営側からの「 フェアプレーで楽しんでいた方にご迷惑をおかけして申し訳ありません 」という一節が肯定側の怒りを更に煽ってしまい、さらなる炎上を招く燃料となってしまった。 しかもシステムの穴というのが「サーバー側に送信されているパラメータを適当に弄ったら変なスコアが保存された」という非常にお粗末なものである。 とはいえ、いくら解禁手段の格差や公式側の運営態度に不服があったとしても公式側の想定外の解禁法であることには変わりはなく、そうした不具合を利用することへは批判されるべきという声もあり、修正したことそのものは当然の判断であっただろう。 不正行為騒動が落着して一週間後、今までプレーポイント変換はエフェクトのみだったのが、それに加えてキャパ・観客への変換が可能になり、それまでのブースト機能は統合され変換時に発動するという仕様に変更された。 これによりようやく筐体でのプレーが優遇されるようになった。 しかし相変わらずゲーム本編をプレーしなくても解禁は可能、筐体でのイベントも無い為、根本的な問題の解決には至らなかった。 簡単なミニゲームの紹介 + 長いので格納 ビラダッシュ(観客) ロケテストからあったミニゲーム 道行く人(とは言っても両サイドに人が配置されていてどちらにいるのか矢印を押すだけなのだが)にライブのビラをひたすら配るゲーム。 体力3。慣れれば短時間で点を稼ぎやすい。 間違えるとオトベアが頭を抱える。ペナルティ時間が2秒間で、制限時間が10秒であるこのミニゲームでは半端なく長い。 ちなみに、ロケテ時ビラを受け取る客は女子校生のみだった。またチラシに書かれてるライブの日程の最終日は、ロケテストの第1回。 数えてウェルカム(観客) ライブ会場に来た人の数を数えるゲーム。 正解すると人数分だけ点数になる。人数にバラつきがあるため、体力4の割にスコアが伸びないことも。 ザ・サイン投げ(観客) ライブに来てくれた人にサインをフリックで投げ渡すというゲーム。体力5・最高100pts。 色紙に書かれてるサインをよく見ると、実際のBEMANIアーティストのサインだったりする。各々の心中は果たして如何なものだっただろうか。 ホカホカお弁当(観客) 電子レンジの上のランプが光ったらタップするだけ。予兆なし(一秒ごとに起こりうるらしい)。 時々飛んでくるオトベアに惑わされないよう注意。チャンスは一回きりで、もちろんお手つきは0pt。 ベアリズム・ひなびたリズム(観客) リズムよく1・2・3を出してるキャラをタップするゲーム。 体力5・最高100pts。ハイスコアを出すにはそれなりの反射神経が必要。 10,20,50点でスピードアップ。50点からは同時押しが出てくるので両手必須。 ひなびたリズムは『めうめうぺったんたん!!』のライブでのみプレー可能。体力7・最高200pts。 こちらはオトベアの代わりに日向美ビタースイーツのキャラが参加。アナウンス・キャラの表情も凝っている。 一応、「ひなビタ♪」との曲・ジャケ以外でのタイアップは、pop n musicの キャラ登場(芽兎めう・霜月凛)に先駆けてこのミニゲームが最初 ではある。 バグ・バスターズ(キャパ) 会場にいる虫やクモを電撃ラケットで叩き落とすゲーム。体力5・最高85pts。 何故かオトベアも一緒に飛んでいて、当てると減点。嫌なことにラケットを狙って飛んでくることもよくある。 クモの糸を切るとなぜか0ポイント。また羽虫は嫌らしいことに画面端をこっそり飛んでいくこともよくある。 チケット拝見(キャパ) チケットを持っていない人を捕まえるゲーム。動体視力と見極めが重要。 体力5・最高70pts(14人)。因みに警備員役はにゃぐわ。 ゴミシュート(キャパ) ロケテストからあったミニゲーム。 ゴミを弾いてゴミ箱にいれる。ゴミの種類によって飛距離が等倍、1.5倍、2倍と変わる。 一個入れるたびに10+残り秒pts。体力4・理論値90pts。 縁の下のオトベア(キャパ) 板の下にいるオトベアを操作してバランスを取るゲーム。 にゃぐわが半端なくデカくて重くウザい。というか何やってんの。 キャパ系での体力当たりのスコア理論値が高い(体力5で最高200pts) もっともそこまで行くには一分ぐらい凌がなければならないが。普通はにゃぐわが3匹になる25秒以降・75~85ptsあたりが関の山。 イーベアカンフー(キャパ) オトベアを操作してオトベアのドッペルゲンガー(ダークオトベア)を倒すゲーム。 敵がそれなりに強く操作性も悪め。しかもスコアは体力消費と難易度の割に意外と低い。(体力5で最高100pt、そのうち敵体力へのダメージ50pts+勝利ボーナス50pts) ただでさえ操作しづらいというのに、向こうは回避が難しい超必殺技(光線連発と、ガー不大ダメージのなんとか乱舞)を出してくるという見事な理不尽仕様。 プレーヤー側も超必殺技を使えるらしいが、コマンド入力条件はもちろん非公開(ここを除けば)。 ただし、ある程度可能なハメ技を使えるようになれば(ノーダメージかつ一定秒を残して勝ち)満点100ptを出すことが可能ではある。 ベアダンス(キャパ) いわゆる間違い探しゲーム。 体力6・最高200pts。この手のゲームが得意なら、短時間で一気に稼げる。 エレチャージ(エフェクト) オトベアを操作して電気玉をキャッチするゲーム。 電気以外に爆弾が時々飛んでくるので注意。 爆弾に当たると減点され一定時間電気をキャッチできないので、後半は爆弾避けを優先すること。 イーライン・イーラインEX(エフェクト) パイプを繋いで右下から左上までを繋ぐゲーム。16パズル。体力5・最高100pts(10問)。 EXになると36パズルになり、体力消費と点数が上がる。具体的には体力7・最高200pts(1問ごとに最高30pts)。 難易度のバラつきが激しく、1マス動かせば良いパターンもあればよく考えないと繋がらないパターンもあったりと割と運ゲー。 おさぼりベア(エフェクト) サボっているオトベアのシルエットでどのオトベアがサボっているのか当てるゲーム。どんな自虐だ。 オトベアの配置は常に一緒なのでそれを覚えれば後は反射神経。 ベア玉(エフェクト) パズルボールを3つ連結させて消し、連鎖をして会場を盛り上げようというゲーム。 全ミニゲームで一番見栄えに力を入れていると感じられる。 体力8で最高200pts。連鎖に応じて加点される。(20連鎖すれば一発クリア) ベアダッシュ(エフェクト) 寝坊したオトベアを会場まで操作する某配管工のようなゲーム。上フリックがジャンプ故に操作性最悪。 道中になぜか人糞が配置してあり、踏むとスリップする。まさに糞ゲー。穴があるとそのまま終了。 ベアダイブ(エフェクト) オトベアが観客に向かってダイブ。 体力5ながら慣れれば100点以上が簡単に出せるなどスコア効率がそれなりに良い。ベアダッシュの2倍ぐらいはマシ。 ベアスイム(エフェクト) またも寝坊したオトベアが今度は海中を泳いで会場まで行く。タッチで上下に行くのでベアダッシュほどひどくはない。 電気玉(1個1pts)にそって移動しながら、あわよくば真ん中の宝箱を取り、制限時間内にゴールする。体力4・最高100点。コースを外れて海藻やクラゲに突っ込むと減速。 以上が今作の新曲解禁の要となるゲームである。 内容からわかるように、実際にアプリ上で演奏を体験させるようゲームは皆無で、バンドにこじつけられているといった程度、内容自体がバンドのバの時も連想できないようなものばかり。その上、BGMや効果音なども一切ならないのはさすがに手抜きとしか言いようがないだろう。「アプリの出来自体はそこそこいい」という意見もあり、 解禁に必須でなければ そこそこ評価もされたかもしれない。 ミニゲームプレー動画http //www.nicovideo.jp/watch/sm21270159
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エイブ・ア・ゴーゴー 【えいぶ・あ・ごーごー】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション 発売元 ゲームバンクGT Interactive Software 開発元 Oddworld Inhabitants 発売日 1997年12月11日 定価 5,500円 レーティング CERO C(15歳以上対象)※ゲームアーカイブス版で付与されたレーティングを記載 配信 ゲームアーカイブス 2013年11月13日/600円 判定 スルメゲー ポイント 洋ゲー色全開の死に覚えアクション敵AIを読んで仲間を助ける絶妙な謎解き要素当時としては非常に高精細なグラフィックシビアな要素が多いテレビCMが広告詐欺で知られる 概要 アメリカのOddworld Inhabitantsに開発された海外ゲーム。原題は『Oddworld Abe s Oddysee』。 日本ではソフトバンクの子会社・ゲームバンクによりローカライズされ、ストーリーや演出の一部に修正が加えられている。 ストーリー 惑星オッドワールドを征服したグラッコン族の建てた栄養食品工場ラプチャーファームにて働くマドカン族の主人公エイブ。 無知で楽天家でお人好しの彼は自分の扱いに特に不満をもっていなかった。 そんなある日、一週間の休暇も開け元気に工場を掃除する彼は、偶然重役であるグラッコン達の会議を聞いてしまう。なんと作られてる食品には自分たちの元気エキスが使われており、今後は生産量向上のため人命無視で多くのエキスを吸い取るというのだ。 身の危険を感じたエイブは仲間たちと共に逃げることを決意したのであった。 特徴 プレイヤーは主人公「エイブ」を操り、「仲間」を助け、工場を脱出するのが目的。『プリンス オブ ペルシャ』のように、箱庭の中で段差を乗り越えトラップを乗り越えていくゲームとなっている。 マップを行き来し、仲間に指示を与えながら助け出す要素は、後の『嘘つき姫と盲目王子』にも近い。 ゲームとしては難易度はかなり高く、とても工場や遺跡とは思えない地形とトラップまみれな場所を右往左往することになる。残機の概念はなく所謂「死んで覚えろ」なゲームである。 エイブはゲームの主人公としては貧弱な部類に入り、ほぼ全てのダメージ=即死となっている。銃やパチンコで撃たれて死に、高い場所から落ちて死に、栄養食品の材料(猛獣)に一撃で殺される。 死亡パターンの一つには肉片となって飛び散るといったグロ描写もある。 そして初期状態では攻撃能力が一切無い。追加される攻撃手段も、非常に数が限られており、エイブは敵に鉢合わせた際に勝てるような攻撃手段がない。 なお、本当にプレイヤーの操作に従って動いているためか、ゲームの動きにない操作をするとカメラ目線で「分かんない」と言ってくる。 そんな無力なエイブが即死要素だらけの工場を突破する鍵は「会話」と特殊能力「チャント(お祈り)」。 「会話」は文字通り会話であるが、敵を説得することはできない。仲間と会話することで、仲間の誘導を行うことが主な目的。 ほとんどの仲間は指示をしないと脱出場所に向かわせることが出来ないが、その途中にもエイブも仲間も死ぬトラップがある場合があるため、指示から行動までのレスポンスを意識しながら、細かな指示をして脱出へ導くことが必要となる。 「チャント」は一定時間その場で祈ることで、不思議な力を発揮できるエイブの能力。 その中でもメインとなるのが「敵への憑依」。工場内には銃を持っているエイブたちの監視役である「スリッグ」が多く配置されているが、チャントをすることで彼らの体を乗っ取ることが可能、以後乗っ取ったスリッグの死亡まで操作キャラが変更される。 もちろん持っている銃もそのままなので、エイブが移動しても安全なように銃で他の敵を始末する、スリッグに従順な犬のような敵「スロッグ」と会話して誘導するなど、エイブに出来ない様々な行動ができる。 ただし、同画面内にスリッグがいる状態でチャントをしないと乗っ取れない(別画面に移動して乗っ取りを回避する個体もあり)、ジャンプなど、エイブができてスリッグが出来ない行動がある、一度乗っ取った後はスリッグの死亡以外に乗っ取りは解除できないなど、万能ではない。 それ以外にも、「鳥の輪」から移動用、仲間の救出用ゲートを開く、鐘を鳴らすなど、様々な効果がある。 評価点 これらの要素や、様々なマップギミックを駆使して、基本的には敵やトラップから逃げつつ避けつつ、環境が揃ったときには攻めることのできる、面白いバランスに仕立て上げられている。 敵の動きは細かな法則性が定められており、如何にAIの穴を突いていくかがカギとなる。クリアのためには細部まで理解するのが必要となり、謎解きの完成度は非常に高い。 例えば仲間が敵の近くにいるときは、「敵が画面外に出た隙をついて連れ出す」「チャントで敵を操れる状況に持ち込む」「別の敵を操って同士討ちさせる」など様々な救出手段が考えられる。しかし周囲の状況はそれを簡単に許してはくれず(*1)、どれが正解でどういった方法を試せば実現できるのか、色々と推理する楽しみがある。 敵の監視を掻い潜るスリルも満点で、『メタルギア』シリーズのようなステルス要素も魅力である。 残機が撤廃されたスムーズなゲーム性 難易度が高く繰り返し死ぬ代わりに、何度でもやり直しがきく親切設計になっている。これにより謎解きを失敗覚悟で試行錯誤しやすく、難所を乗り越える快感を存分に味わう事ができる。 別作品で例えると、魅力の方向は『I wanna be the guy』(*2)に近い。死にまくっては乗り越えるタイプのゲームが好きな人にとって、本作はうってつけのゲームと言えるだろう。 自由度の高さ 攻略に使えるアクションや戦略は多く、時にはわざと仲間を射殺したりミキサーですりつぶすといった外道プレイも行うこともできる。やりすぎると後味の悪いエンディングとエイブからのダメ出しが待っているが。 なおこれが可能なのは序盤だけで、後半になると高難易度のためとてもじゃないがそんな余裕などない。 濃厚な世界観 脇を固める要素でありながら綿密に作り込まれており、本作の魅力の一つとして受け入れられている。 文明社会に侵食される精霊信仰の世界観は細やかで印象的。機械の世界とスピリチュアルのギャップは、思わず引き込まれてしまう。 おそらく開拓時代のアメリカをモチーフとしており、それをサイバーパンクな世界観に落とし込んだのは斬新かつ唯一無二である。 世界観を彩るCGは当時としてはかなりクオリティが高い。 工場のディテールの作りこみは『ファイナルファンタジーVII』の魔晄炉を彷彿とさせる。ムービーとゲーム画面がシームレスに移行する演出も巧み。 ストーリー展開も魅力の一つ。 エイブは何も持たずに孤軍奮闘し、仲間を救えなかった絶望や厳しい試練を乗り越え、大きく成長していく。シリアスな世界観に対し結末へのカタルシスは大きく、一本の映画のような満足感が得られる。 先述のバッドエンドが後味悪い分、グッドエンドは短いながら感動できる物になっている。 賛否両論点 難易度の高さ 非常にシビアなタイミングで入力を何度も成功させないとクリアできない場面が数多くあり、人によっては「またこんなのか・・」と思われるような場面も。 その分やりごたえは十分であり、乗り越えた時の快感も大きい。操作性の悪さをどれだけ許容できるかどうかで面白さが変わる部分もある。 日本受けしにくいキャラクターデザインは人を選ぶ。 主人公のエイブ達「マドカン族」からして、人型で緑色の肌、鼻が無く目が大きい弁髪と、異世界の存在であることはわかるがキャッチーとは言えない。何より口が縫われており、画面上に出るポップなアイコンにも反映されているため、初見ではギョッとするだろう。 それ以外の生物には二足歩行の人型はおらず、上記の「スリッグ」も腕はあるが足が無いため義足ありきの存在であるなど、大体クリーチャー寄りのデザインになっており、特殊な世界であることが強調されている。 例外は坊主のおっさんにしか見えない敵の重役である「グラッコン」(人型に見えるが実は腕は無い)と、二足歩行のラクダ型騎乗生物の「エラム」くらい。 肉片となる死亡描写や、猛獣に食い殺されないように逃げるなど、エグい表現も多い。 今でこそCERO Cから残虐表現を把握できるが、当時はレーティング機構はおろか「グロテスクなシーンが含まれます」マーク(*3)すら無く、ポップなCMやパッケージに釣られて購入してしまったプレイヤーも多いと思われる。 会話の一つに「おなら」が含まれている。 ジョーク要素のためだけではなく、ゲーム進行に必須の会話の一つでありクリアのためには使わざるを得ない。異文化感は出ており、音も強烈すぎはしないが、不快感、不潔感が全く無いわけでもない。 ちなみに続編の『エイブ99』では「特殊なおならをした後、チャントで操ることが攻撃手段」という、よくわからない方向にまで発展している。 問題点 取り返しの付かない要素が多い 仲間は銃に撃たれたり穴に落ちたりする事で死亡し、二度と復活しない。 その上ゲーム進行は基本的に一方通行であり、一度クリアしたステージに入り直す事はできない(*4)。助け損ねた仲間がいる状態でステージをクリアすると、その仲間は二度と救出できなくなってしまう。 うっかりセーブポイントを通過すると、死亡時はそこからの再開になってしまうので潰しがきかなくなる。 仲間の救出数はゲーム内でも頻繁に見せられる収集要素なのだが、あまりにもシビアかつ理不尽な仕様となっている。 またゲーム序盤はノーヒントの隠し部屋に多数の仲間がおり、チュートリアルが行われていないテクニックを要求されるなど、明らかに1周目のコンプリートを前提としていない仕様となっている。 幸い隠し部屋の存在自体は説明書をよく読めば容易に推測できるのが救いである。 本作を完全クリアするならば、何周も遊ぶ覚悟をした方が良い。遊ぶのに必要なブロック数は1だが、可能であれば容量の空いたメモリーカードをフル活用して細かくセーブし、後から取りこぼしを確認できるようにしておく事を推奨する。 仲間の救出には手間を要するものも多い。 会話は一度に一人としか行えないのに一定人数同画面で救出しないと突破できないギミックや、敵の操り方を少し間違えるだけで救出失敗する場面など、後半では根気を要する場面が増えてくる。 同時会話に関しては続編の『エイブ99』では、「多人数に同時に呼びかける」が可能になり改善されている。 セーブ時に上書き保存が出来ない。 セーブの際は既存データを消してから新規保存するしか無く、テンポが悪い。 セーブ画面ではメモリーカードのデータ全てが表示される。単に進行を記録するだけでセーブデータを消さなければならないので、間違って大事なデータを消してしまうリスクもある。 ゲーム中で「負傷者」というカウントが表示されるが、内容からして「死傷者」の誤訳の可能性が高い。(*5) ただし設定的にはエイブの命を狙い、上記のような所業を行う「敵側が公表しているカウント」であるため、「死傷者を負傷者と偽って、事の重大さを隠蔽している」という可能性もある。 総評 大々的な宣伝の元で発売された本作だが、そのゲーム性は癖が強く、広く受け入れたとは言い難い。シビアな操作や仲間救出のハードさが足を引っ張り、手放しで勧められない部分も散見される。 反面、自由度の高い選択肢から切り込んでいく謎解きの完成度は高く、慣れてくるとその奥深さを存分に味わう事ができる。綿密な世界観に魅入られたユーザーも多く、傑作と評するプレイヤーは日本でも決して少なくない。 アクションや謎解きに自信のあるプレイヤーは、一度挑戦してみてはいかがだろうか。 余談 その後の展開 本作は反響を得てシリーズ化し、海外を中心にさまざまな続編が発売されている。 日本でも2作目『Oddworld Abe s Exoddus』が『エイブ99』という名前で発売されたが、あまり出回らず今ではプレミアがついている。 3作目『Munch s Oddysee』がXbox向けに出ているが、こちらは日本未発売である。 4作目『Oddworld Stranger s Wrath』はXboxで、リマスター版である『Oddworld Stranger s Wrath HD』はWindows、PS3、PS Vita、Mac OS X、iOS、Androidといったマルチプラットフォームでリリースされている。だが、どちらも日本未発売(*6)。 本作は2014年に『Oddworld New n Tasty』というタイトルでリメイクされている。プラットフォームもPS4を皮切りに、PS3/PSVita/XboxOne/Windows/OS X/Linux/Wii U/Android/iOSと実に多くのプラットフォームでDL配信専用ソフトとして発売された。一部を除き日本の各配信ストアで入手可能。 吹き替え無し。字幕は本体設定と連動して言語が変わる仕様。(*7) 操作性、マップデザインともにオリジナル版とほぼ同じ。グラフィックを置き換えただけの堅実なリメイク。 日本語環境でのプレイには問題が多い。字幕の質が機械翻訳のほうがマシに思えるほど低く、日本語設定でプレイするとある地点で必ず進行不能になるバグまである。更にホーム画面でのタイトルが「シンプルシューティングゲーム」になっている。 2018年には海外版『プレイステーション クラシック』に移植された(日本版には未収録)。 エイブの吹き替えは山寺宏一氏が担当している。 大胆に加工されているため、言われても気付きにくいものになっている。 エイブを始めとするマドカン族は、日本語版においては指が3本だが、原語版では4本である。 日本のアニメやゲームでは込み入った事情により4本指の表現が避けられている。大抵の場合は5本指に修正されるのだが、3本にされるパターンは珍しい。 むしろ、4本はアウトなのに3本はOKというのもなかなか興味深い。 原語版冒頭にはマドカン族の生首を模した食品の広告が出てくるが、日本語版では棒アイスのようなデザインに差し替えられている。これは同年に発生した「酒鬼薔薇聖斗事件」の影響。 ちなみに、同月の洋ゲー『クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!』にも同じ原因で差し替えを食らった場面が存在する。 日本では「AKB48」「湯川専務」などで知られる秋元康氏がプロモーションを行った。 しかし、肝心のCM内容は女子高生達が教室でエイブと踊り明かすという、ゲームの作風とかすりもしない内容である。 + 動画 CMを見ても一体どういうゲームなのか全く伝わらず、その評判はよろしくない。 秋元氏は商業プロデュースで数多くの成功を収める反面、奇をてらいすぎて大コケする例もたまにあり(*8)、本作のCMはその名だたる例と言える。 またイメージソングとして本作のために独自に結成した女性アイドルグループを起用しているのだが、これも本作の陰惨な雰囲気に即しておらず、浮いてしまっている。 このBGMはゲーム内でもOPやEDとして使われているが、インスト版しか使われていないこともあり、幸いそこまで雰囲気を壊してはいない。
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メイド イン ワリオ ゴージャス 【めいど いん わりお ごーじゃす】 ジャンル 瞬間アクション 対応機種 ニンテンドー3DS 発売元 任天堂 開発元 任天堂インテリジェントシステムズ 発売日 2018年8月2日 定価 4,980円+税 プレイ人数 1人~4人 セーブデータ 3個、オートセーブ方式 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 バカゲー ポイント メイド イン ワリオシリーズの集大成3DSの機能をフルに活用(立体視は除く) ワリオシリーズリンク 概要 特徴・操作方法 評価点 問題点 総評 余談 概要 数秒で終わるプチゲームを次々クリアしていく、メイドインワリオシリーズの集大成。 本作に収録されているプチゲーム数は過去作に収録された物から新作まで全300種類を数える。 特徴・操作方法 基本的なルールについてはメイド イン ワリオの項を参照。 プチゲームには次の4種類の操作方法がある。 ピコピコ 十字ボタンとAボタンを使って操作する。初代メイド イン ワリオ(以下『初代』)と同じ操作。 ぐるぐる 3DS本体を車のハンドルのように左右に傾けて操作する。Aボタンを併用するものもある。まわるメイドインワリオ(以下『まわる』)と同じ操作。 タッチ 下画面をタッチして遊ぶ。タッチペンがない場合は指を使ってもよい。さわるメイドインワリオ(以下『さわる』)と同じ操作。 フーフー 本体についているマイクに向かって息を吹きかけて遊ぶ。こちらも『さわる』と同様の操作。 また、これら4種類の操作を織り交ぜたウルトラという操作方法もある。ウルトラの場合は一部状況を除き、プチゲーム開始直前にどの操作方法をするのかが指示される。 プチゲームのジャンルは全部で8種類。 テハジメ 最初のステージに登場するプチゲーム。全てのゲームにワリオが登場する。 スポーツ サッカーやバスケなど、様々なスポーツをモチーフにしたプチゲーム。 せいかつ 散髪やアイロンかけなど、日常生活を舞台にしたプチゲーム。 ファンタジー ファンタジー世界やSFを元にしたプチゲーム。 ニンテンドー 任天堂をテーマとしたプチゲーム。ファミコンばかりではなく、花札などの玩具も登場する。 フーフー マイクを使って操作をするプチゲーム。 ふいうち 制限時間が通常の半分しかなく、瞬時の判断が要求される。出現時には効果音が鳴る。 ナンデモアリ 最終ステージに登場するプチゲーム。こちらも全てのゲームにワリオが登場する。 プチゲームは『初代』『まわる』『さわる』の他、おどる メイド イン ワリオ(以下『おどる』)、メイドイン俺(以下『俺』)、あそぶメイドイン俺(以下『あそぶ俺』)、ゲーム ワリオと、歴代シリーズから再収録されている他、本作からの新作もある。 ストーリーは金儲けを企むワリオが主催するゲーム大会に参加し、優勝を目指す、というもの。操作方法によって分けられたピコピコリーグ、ぐるぐるリーグ、タッチリーグそれぞれに5つのステージがあり、まずはそれらのステージをクリアすることになる。 クリアしていないステージはライフが無くなってゲームオーバーになっても、コインを支払えば続きから再開できる。 + ストーリーモードのステージ紹介 ピコピコリーグ ステージ1 ワリオ (全7ゲーム(*1)) ジャンルは「テハジメ」。 ボスゲームは『初代』のプチゲームがなんとボスにまで昇格した、「だいだっしゅつ」。ワリオアタックとジャンプを駆使して、洞窟からの脱出を目指す。 ステージ2 ジミー (全15ゲーム) ジャンルは「スポーツ」。 ボスゲームは『初代』より、「ボクシング」。レベル2以上では食らうと一撃でやられる攻撃も健在。 ステージ3 モナ (全18ゲーム) ジャンルは「せいかつ」。 ボスゲームはこちらも『初代』より、「くぎうち」。 ステージ4 ドリブル&スピッツ (全17ゲーム) ジャンルは「ファンタジー」。 ボスゲームは『まわる』より、「ハナシュー」。十字ボタンで左右に移動できたり、レベルによってボスの攻撃の仕方も変わっていたりなど、『まわる』のときよりもパワーアップしている。 ステージ5 ファイブワット (全15ゲーム) ナインボルトの母親らしく、ジャンルは「ニンテンドー」。 ボスゲームは『初代』および『おどる』より、「ウルトラマシン」(*2)。5球中3球以上打ち返したらクリア。ホームランだろうが凡打だろうが、とにかく打ち返せば良い。 ぐるぐるリーグ ステージ1 ワリオ (全7ゲーム) ジャンルは「テハジメ」。 ボスゲームは『おどる』より、「ワリオドライブ」。車を運転してゴールを目指す。道をふさいでいる動物は勝手によけてくれるので、左右の木にぶつからないように注意すればよい。 ステージ2 アシュリー&レッド (全15ゲーム) ジャンルは「ファンタジー」。ちなみに、「タッチ」「マイク」以外でAボタンを一切使わないステージでもある。 ボスゲームは『まわる』より、「かっしゃばし」。行き交う人たちを落とさないように渡す。オリジナルと違いレベル2以上では道が2段になっている他、レベル3では落とさないとミスになる爆弾も出現する。 ステージ3 Dr.クライゴア (全15ゲーム) ジャンルは「スポーツ」。 ボスゲームは『まわる』より、「トロッコレース」。洞窟探検をしていた『まわる』と違い、こちらではあくまでスポーツとして障害物をよけつつ1着でのゴールを目指す。 ステージ4 エイティーンボルト (全15ゲーム) ジャンルは「ニンテンドー」。 ボスゲームは『まわる』より、「スーパーマリオブラザーズ」。十字ボタンの代わりに本体を傾けて左右に進む。 ステージ5 ペニー (全17ゲーム) ジャンルは「せいかつ」。 ボスゲームは『おどる』より、「トイレあんないにん」。映画館でトイレを我慢していた人たちを大か小の正しい方に案内する。 タッチリーグ ステージ1 ワリオ (全7ゲーム) ジャンルは「テハジメ」。 ボスゲームは『俺』より、「ちゃくち」。邪魔をしてくる鳥に注意しつつ、風船を割ってミニワリオを雲の上に着地させる。一定時間が経過すると雷が鳴って失敗してしまう。 ステージ2 カット&アナ (全17ゲーム) ジャンルは「せいかつ」。 ボスゲームはお手本の通りに料理を盛りつける「トッピング」。最後はケチャップをかけて仕上げる。採点の結果、一定の点数以上を取ればクリア。 ステージ3 ナインボルト (全15ゲーム) ジャンルは「ニンテンドー」。このステージではプチゲームの間のBGMがファミコン風になっている。 ボスゲームは「ウルトラハンド」。お腹をすかせたネコたちのために、おじさんのポケットに入った魚を盗む。障害物に当たったり、おじさんに見つかったりすると失敗。ちなみに魚を狙われるおじさんの見た目は、元ネタの外箱に書かれていた人物とソックリである。 ステージ4 クリケット&マンティス (全15ゲーム) ジャンルは「スポーツ」。 ボスゲームは『さわる』より、「ボウリング」。『さわる』のときより1球増えた4球で全てのピンを倒せばクリア。レベル1ではピンが普通の並び方だが、レベル2や3だと変則的な並べ方になる。 ステージ5 オービュロン (全17ゲーム) ジャンルは「ファンタジー」。 ボスゲームは『ゲーム ワリオ』のミニゲームである「フルーツ」をアレンジした「ちっちゃいドロボー」。数枚の写真を手がかりに、40秒以内に人混みの中から犯人を見つけ出す。 + 15ステージを全てクリアした後は 15ステージを全てクリアすると、全3ステージのウルトラリーグへと進む。 ステージ1 ダンシングチーム (全22ゲーム) ジャンルは「スポーツ」「せいかつ」「フーフー」「ふいうち」のうちのいずれか。 プチゲームはレベル1からだが、ボスゲームはいきなりレベル3なので注意。 ステージ2 バーベキューチーム (全22ゲーム) ジャンルは「ファンタジー」「ニンテンドー」「フーフー」「ふいうち」のうちのいずれか。 こちらもボスゲームは最初からレベル3になっている。 ステージ3 ワリオデラックス(*3) (全25ゲーム) ジャンルは「ナンデモアリ」。ステージの途中、操作方法の指示がされなくなるときがある。 ボスゲームはお手本の指示通りに操作してダンスをする「ワリオダンサーズ」。ラスボスらしく、全ての操作を要求される。 一度クリアしたステージではゲームオーバーになるまで何点取れるかに挑戦できる。従来通り、ボスゲームをクリアしたときにライフが3以下に減っていたら、ライフが1つ回復する。また、ボスゲーム終了後にライフが残っていたら、コインを稼ぐミニゲームが挿入される。 ストーリーモードの他に、様々なやり込み要素が用意されている。 チャレンジ 様々なルールで記録更新を目指して行く。 ランダムで登場するプチゲームを攻略していく「ごちゃまぜ」、レベル3かつライフがわずか1の「スリリング」、最初からスピードが速い「げきむず」といったシリーズおなじみの物はもちろん、ベッドで母親の目を盗んでゲームをする「こっそりゲーマー」、プチゲーム間の休みが無い「ノンストップ」など、各員がプロデュースしているモードもある。 2人で対戦する「たいせん」もここから選べる。同じプチゲームを同時にプレイして、先にライフが無くなった方が負け。ライフの数でハンデをつけることもできる。 ずかん 1つのプチゲームをライフが無くなるまで繰り返しプレイできる。プチゲームごとに合格点が定められており、クリアするとコインがもらえる。 ガチャコロン ゲームの成績に応じて与えられるコインを使って景品を入手できる。景品の種類も豊富で、「Pyoro」などのミニゲームから音楽が聴けるレコード、任天堂の製品コレクションまで様々。 ガチャコロンの景品をコンプリートしたらガチャペロンというキャラクターカードのガチャに変わる。キャラクターカードはA、B、Cの3つのランクがあり、通常のガチャの他、AランクかBランクのカードが確定で出現するレアガチャもある。 集めたカードはジャンケンとカードゲームを組み合わせたミニゲーム、「ワリオカード」で使用する。 + ワリオカードのルール 本編のプチゲームのどこかに出てくるものが敵として立ちはだかる。カードを使って敵を攻撃し、HPをゼロにすれば勝ち。コストか手札のどちらかが切れたらその時点で終了となる。 集めたカードの中から10枚を選んでデッキを作る。それぞれのカードには、ランク、ジャンケンの手、攻撃力、コスト、タイマーという5つのパラメータが設定されている。 作成したデッキの中からランダムに選ばれた3枚が手札になり、そこから1枚を選んで敵を攻撃する。この際、敵のジャンケンの手に勝つと与えるダメージが倍になり、負けると半分になる(あいこの場合は変化無し)。 たまにスペシャルアタックが発動することがあり、発動すると与えるダメージがさらに倍になる。ガチャペロンで同じカードを引けば引くほど発動率は高くなる。 一度のバトルで与えられるコスト合計は10。カードを出すときにその数値分を消費するほか、デッキに入れたカードのタイマーの合計で決まる時間内にカードを出さなかったときもコストが1減ってしまう。 カットとアナ、ナインボルトとファイブワットなど、パートナーになる者同士のカードが2枚手札にあるときは、それらのカードを同時に出せる。かかるコストは1枚分だが、与えるダメージは2枚のカードの合計になるという強力な技である。 いわゆるスタミナ制を採用しており、ゲームを始める際にスタミナであるニンニクを1つ消費する。ニンニクは5分で1つ回復するが、ニンニクがなくなってもコインを支払えばゲームをすぐに始めることができる。ニンニクの数は最大3個。 敵のHPが残りわずかの状態でゲームが終了すると、チャンスアタックのルーレットが出現することがある。「成功」「失敗」と書かれたルーレットを回し、成功で止めたら最後の一撃を加えてバトルに勝利できる。失敗に止まったらそのままバトル終了となる。 バトルが終了すると、デッキに組んだカード全てに経験値が入る。一定以上の経験値が貯まるごとにカードのレベルも上がっていく。また、バトルに勝利したときは報酬としてコインが手に入り、たまにガチャペロンも1回だけ無料で回せる。 ミッション いわゆるゲーム内実績。様々なお題が用意されており、達成するとコインがもらえる。お題の内容は「チャレンジで一定得点以上を取る」、「図鑑をコンプリートする」といったものから、特定のプチゲームで特定の条件を満たす物まで様々。 ミッションを達成した時点で効果音が鳴るので、確認するタイミングもわかるようになっている。 ミニゲーム プチゲームとは独立したゲーム集。「Pyoro」や「ネコロイド」など、歴代作からの抜粋や新作が取り入れられている。1台で2人以上が遊べるミニゲームもある。 評価点 シリーズの集大成と呼ぶにふさわしいプチゲームのボリューム。 その数はボスゲームを除いて何と300種類。前述の通り過去作のプチゲームも数多く収録されているが、グラフィックや操作の仕方が変わっているものが多く、新鮮な気持ちで遊べる。 さらに、同じプチゲームでも時々フェイントで正反対の操作を要求されることもあるので、指示をよく見て的確に操作しないと思わぬところでミスしてしまう。 例えば、『まわる』にもあった「たまごたて」というゲーム。基本的に本体を動かしてはならないのだが、逆に本体を動かして卵を割らなければならないパターンが挿入されることがある。これにより、図鑑で放置して簡単に999点を取る、ということができなくなった。 『初代』にあった「ダンジョン・クエスチョン」のように、過去作でボスゲームだったものが通常のプチゲームとしてリニューアルされて収録されている例もある。 「こっそりゲーマー」など、『ゲーム ワリオ』のゲームがアレンジされて収録もされている。 『俺』『あそぶ俺』原作には仕様上レベルの概念が存在しなかったが、本作で再収録されるにあたり新たにレベルの設定が追加されている。 また、プチゲームの演出も過去作と比べて大きく強化されており、思わずニヤリとさせられることも。 たとえば、?を撃って5文字の言葉を完成させる「パネルショット」というプチゲームがボスステージの直前に出現すると、その言葉が「つぎがボス」となる、など。 ファイブワットステージでは同じインテリジェントシステムズ開発ながら今までプチゲームがなかったファイアーエムブレムシリーズから、満を持して『覚醒』が登場。 その後も『おすそわける』では『風花雪月』、『超おどる』には『エンゲージ』と発売当時の最新作が登場している。 豊富なやり込み要素。 ガチャコロンのコンプリート、ミッションや記録への挑戦など、完全コンプを狙おうと思ったら相当のやり込みが必要になる。 ガチャコロンも種類が豊富でよく作り込まれている。 3DSのコレクションも収録されており、何と電源ボタンを押すとプチゲームが開始される(*4)。そのプチゲームの種類も3DSによって異なる、というこだわりぶり。 ワリオカードも最初の方の敵は「グーしか出さない」など対策が簡単なものばかりだが、後の方になると、「ジャンケンに勝たない限り攻撃が効かない」「Cランクのカードしか出せない」「一度のバトルでHPを削りきらないと全回復される」など嫌らしい能力を持つ敵が増えてくるため、勝ち抜いて行くにはデッキの作り方も工夫しなければならない。 フルボイス化により全編通して過去作以上に賑やかになった。 ムービーはもちろんのこと、プチゲームの間に挟まれる合いの手の一言もちゃんと日本語のボイスが入る。 その合いの手も、プチゲームに成功したときや失敗したときの他、ノーミスを継続しているとき、制限時間ギリギリでクリアしたとき、残りライフが1になったときやその状態でミスせずに粘っているときなど、合いの手の台詞だけでもけっこう多い。 各キャスティングも概ねイメージ通りで、大塚氏が逝去によりで新ワリオ役に抜擢された近藤氏は、大塚氏を髣髴とさせるコミカルな演技がマッチしており、プレーヤーからはかなり好評。 全てのステージのプチゲームの間でキャラクターの様子が見えるようになった。 以前まではプチゲームの間の画面ではそのステージを担当する相手から合いの手のボイスが入るのみで本人は現れず、無機質な印象を覚えるステージも多かった。 本作では全てのステージでプチゲームの成否や状況変化に合わせてハッキリとリアクションを取ってくれるようになり、各ジャンルを担当するキャラクターと一緒にゲームを進めている実感がより湧きやすくなった。 シリーズならではのおバカでシュールな要素も健在。 ゲーム内の映像は子供の落書きレベルのイラストから実写取り込みの映像まである。その落差が何ともシュールである。 各ステージのストーリーもシリーズのノリを踏襲したバカバカしいものが多い。 最後はいかにもシリーズらしいオチで締められる。プロローグでワリオが手に入れたお宝が実は…。 ストーリーモード(初プレイ)の救済措置。 『おどる』(*5)まではゲームオーバーになると問答無用で最初からやり直しだったが、今作では100コインを払えばそのターンから続けてプレイする事が可能になった。 問題点 今作はボーカルBGMがあるステージが存在しない。 日本語ボイスが聞き取りづらくなるためと思われるが、シリーズでは恒例であったため廃止を残念がる声が多い。 ボーカルBGM自体はエイティーンボルトのデモで流れる「18×13」という新曲が存在するが、残念ながらプレイ中に聴くことは出来ない。 過去作のボーカルBGMならばガチャコロンで全曲聞く事が可能。 「フーフー」のプチゲームが5つだけと非常に少ない。 「フーフー」単独のステージが無いとはいえ、『さわる』では1ステージ分のプチゲームがそろっていただけに、少々寂しいところである。 人によってはストーリークリア後に飽きてしまいやすい。 シリーズの宿命ではあるが、クリア後のやり込み要素は主に「図鑑のコンプリート」「黙々と記録に挑戦」といった一昔前のゲームのものなので、そういうものが合わない人には辛い。 ストーリーはテンポ良く進めば2~3時間でクリアできる程度で、ストーリーを重視する人にとってはボリューム不足を感じるだろう。 オプションメニューが無いに等しい。 ファイルセレクト時にできる設定はMiiの変更だけである。 左手でタッチのゲームをすると手が邪魔で制限時間が見えなくなるので、せめて利き手の設定(*6)だけでもできるようにしてほしかったところ。 ミッションの一部の項目が達成しにくい。 「はじめてのたいせん」と「デッドヒート(*7)」は、上記の「たいせん」で達成できる項目だが、このゲームはダウンロードプレイやWi-Fi対戦に対応しておらず、同じソフトを持っている人が身近にいない環境にいる人にとっては一番難しい項目とされている。 ボスゲームの難易度が歴代と比べても比較的高い。 原作と違いレベル2以降はレーンが2段に増える「かっしゃばし」や、携帯機で見るにはごちゃついている画面からごくわずかなヒント画像を頼りに該当する人物をみつける「ちっちゃいドロボー」など、本作のボスゲームはいずれも歴代と比べて比較的難易度が高めである。操作方法がAボタンと十字ボタンのみの「ピコピコ」のミニゲームは初代をプレイしているとそれなりに楽に感じられるが、特に「ぐるぐる」のボスゲームは独特の操作感に慣れるまでつまずきやすい。(*8) 特に難しいとされているのがカット アナステージの「トッピング」(タッチ)。上画面に表示されているお手本を参考に、あらかじめクリームが塗ってあるケーキの土台に次々と差し出されるトレイから正しい食材を選んでトッピングを施し、最後はお手本のケーキとどれだけ一致しているかを採点して規定の点数以上を目指すゲームなのだが、グリッドやお手本の透かしもないケーキの上ではお手本通り食材を乗せることが非常に難しく(*9)、最後はフリーハンドでお手本の記号の形にケチャップ(!?)をかけねばならない。その上採点が非常にシビアであり、トッピングの位置やケチャップの形が少しでもいびつだと容赦なく不合格にされる。 その難しさは「アップデートで判定が若干マイルドにされた」とも噂されたほどであり、本作最難関どころか歴代でもトップレベルの難易度であるため、ずかん完全クリアやカット アナステージ及びウルトラリーグのスコアアタックの高い壁となっている。 総評 プチゲームの総数、ストーリーのバカバカしさ、クリア後のやり込みの豊富さなど、文字通り「ゴージャス」になって帰ってきたメイドインワリオ。 さらに過去作のネタも豊富に詰め込まれており、シリーズ経験者なら思わずニヤリとすることは間違いない。 短い時間で手軽にさくっとプレイできるので、初めてプレイする人はもちろん、久しぶりにメイドインワリオシリーズに触れる人もテンポ良く出現するプチゲームをクリアしていく楽しさを堪能してほしい。 余談 TVCMは「クセがスゴイ」のフレーズでおなじみのお笑い芸人 千鳥、ノブ氏が、プチゲームにひたすらツッコんでいくというもの。本人は登場せず、声だけの出演である。 「ゴチャルーム」の「でんわ」にて、とある相手を思わせる要素がある。 + ネタバレ ゲーム内で得られるでんワードの1つである「HEAD」に電話を掛けると、とある女性に電話が繋がる。 どうやらワリオが最近「ゲームを作らないか」としつこく彼女を勧誘していたようで、協力するつもりはないときっぱり拒否していたようだ。 名乗る直前で緊急事態として電話が切れてしまうのだが、日本語版では一人称「アタイ」であり、英語版では名前の頭文字が「S」であることが分かり、 はっきりと明言された訳ではないが、彼女の正体は過去に『ワリオランド』シリーズに登場していた「キャプテン・シロップ」と思われる。 声優について 本作の海外版ではワリオの声は本家マリオシリーズ同様チャールズ・マーティネー氏が演じている。 20年以上マリオファミリーを演じているチャールズ氏だが、フルボイスでしゃべるゲームは何気に今回が史上初であり、そういった意味では非常にレアなソフトとなった。 国内からでもチャールズ氏が演じる海外向けPV等は見られるため、興味が湧いた方はチェックしてみてもいいだろう。 発売された当初は声優の配役が明かされていなかった。 このゲームに携わった声優自体はガチャコロンで開放される裏スタッフロールで見られたものの、配役が判明されたのは発売から4ヶ月後の12月頃『ニンテンドードリーム』2019年2月号内で発表されたという遅さであった。 ちなみに、ジョー役の竹内高氏はデザインスタッフで、本職の声優ではない。
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【TOP】【←prev】【PlayStation】【next→】 ALIVE タイトル ALIVE アライブ 機種 プレイステーション 型番 SLPS-01527 ジャンル アドベンチャー 発売元 ゼネラル・エンタテイメント 発売日 1998-8-6 価格 6800円(税別) 駿河屋で購入 プレイステーション
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ランドストーカー ~皇帝の財宝~ 【らんどすとーかー こうていのざいほう】 ジャンル アクションRPG 対応機種 メガドライブ メディア 16MbitROMカートリッジ 発売元 セガ・エンタープライゼス 開発元 クライマックス 発売日 1992年10月30日 定価 8,700円 配信 バーチャルコンソール【Wii】2007年9月25日/700Wiiポイント 判定 良作 概要 特徴・システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 クライマックス代表となったプログラマー・内藤寛が手掛けたクォータービューのアクションRPG。 同氏が考案・設計した「DDS(ダイヤモンドシェイプド・ディメンジョン・システム)520」を利用し、奥行きや高低差をダイナミックに活用した擬似3Dアクションとしてのゲームデザインが特徴である。 トレジャーハンターである「ライル」が、悪党に追われて逃げてきたサッキュバスの少女「フライデー」と出会い、 モンスターの巣食う「メルカトル島」に隠されているという莫大な財宝を求めて旅に出るというストーリー。 キャラクターデザインは『シャイニングフォースシリーズ』の玉木美孝が担当している。 特徴・システム マップ ゲームマップはDDS520システムにより菱形のパースがついた立体で描かれ、これを並べ積み上げる形で奥行きと高さを表現している。 マップ同士のつなぎ目もゲーム全体を通じて整合性が取られていて、例えば吹き抜けに向かって飛び降りると、上マップでの座標をキープしたまま下マップに落下する。 視点の関係で見えない裏側に隠れた場所にもオブジェクトが配置されている事がある。 本作のマップ内に存在するオブジェクトは、ジャンプ高度さえ十分であれば、例えば「町人の頭上」にも飛び乗れる。 「箱」のように持ち運べる物は、少しずつずらして積み上げて階段を作る事もできる。 アクション Aボタンでジャンプ、Bボタンで剣による前方攻撃、Cボタンで目の前の物を持ち上げる。 物を担いでいる時にCボタンを押すと目の前に置き、ジャンプ中は少し離れた場所へ投げる。前方へジャンプしながら投げると、より遠くへ投げることができる。 ジャンプ中は、歩行時と同様に十字キーによる空中制御を受け付ける。 中盤以降、上記のテクニックを利用した謎解きも多く登場する。この他に重要な特殊操作はなく、操作系はシンプルである。 移動は十字キーで行う。マップが斜めなので、移動方向も斜め入力する必要がある。 一度進行方向が決まってしまえば、その後は斜めを押し続けなくてもある程度融通を利かせてくれる。 キャラクターの強化 レベル制ではなく、マップ探索などによるアイテム収集でプレイヤーキャラを強くしていく方式を採っている。 4系統ある装備品(武器・防具・靴・指輪)は、その多くがダンジョンで拾ったりイベントをこなしたりして入手する。店売り品は少ない。 ライルのライフ最大値は「いのちのもと」というアイテムを手に入れると増えていく。 こちらは宝箱に入っていたりお店で買えたり(*1)、入手法は様々。 ライフの最大値が上がるほど、攻撃力も高くなる。 その他 基本的なHP回復アイテム「エケエケの実」はフライデーの好物という設定があり、持っているだけでHPが0になった際にフライデーが回復魔法を使って助けてくれる。要するにHP半分で自動的に蘇生。最大所持数は9個で豊富に出てくる他、安く買える。 移動は基本的に徒歩のみだが、途中であるサブイベントをクリアすると、「トレントの息子」が利用できるようになり、決まったポイント同士ではあるが、各所にある木と木のワープ移動が可能になる。 評価点 マップが高さと奥行きを同時に持ち、「タイミングと加減が肝のジャンプアクション」と「縦横無尽に歩き回る冒険もの」という、従来はサイドビューとトップビューで住み分けていた2種類の面白さを融合させている。 ダンジョンには謎解き要素も多く、アクションの熟練と発想力の両方を要求される。 箱庭的なステージで見えるが届かない宝箱。これをどうやって取るのか…と考えたり、ヒントからある行動をすることで扉が開いたりなど、ギミックや謎解きに様々なものがあり、飽きさせない。 物を持ち上げるというアクションも、店で物を買ったり、積み上げて足場にしたり、投げつけてスイッチを押したりなど、多用途に使う。 地形の陰や背面も歩ける自由な箱庭が構築されていて、プレイヤーは自然と怪しい箇所をくまなく調べ回りたくなるように出来ている。レベル制ではない点も、丁寧な探索が攻略上の優位につながる事を実感しやすい。 斜めになっている分、最初は操作に手間取るが、慣れてくると軽快に動かせる。操作性は良い方と言っていいだろう。 クォータービューで描かれた画面の見栄えが良い。前後関係に応じてオブジェクトが重なり合い、箱庭世界の綿密さが窺える。 オブジェクトのサイズが大きく、町人や敵といった各キャラクターや部屋の調度品の描き込みも入念である。また、原画の再現度とデフォルメ具合のバランスが良い。 ライルのアニメーションはとても滑らか。ジャンプ1つとっても、手足の角度や装備品などが細かく動く。 軽快でノリが良く、またシーンごとにメリハリの効いているBGMの人気も高い。 賛否両論点 一部の謎解きでズルができる。 ダメージモーション中に当たり判定消滅時間があり、これを利用すると階段が仕掛けで塞がれている所で敵を足場にして仕掛けを無視して上に登ったり、仕掛け扉などの一部障害物を通り抜けたりできてしまう。 剣では届かない場所にあるオブジェクトを破壊するといった謎解きに、市販されている「画面全体にダメージを与えるアイテム」が有効。 これらもどうしても解けない・できない場合の救済策とも言える。 問題点 きっちり斜め45度からの視点で遠近感は無く、またオブジェクトに影が無く色味の差異なども無いため、空中に浮いているオブジェクトの位置が非常に掴みづらい。 プレイヤー視点では、高い手前と低い奥側が全く同じに見える。 ジャンプで飛び移っていく足場の位置関係が解りにくいというのは困り者で、特に足場から落ちたら元の場所まで戻るのに遠回りをさせられる構造になっているダンジョンなどは、かなりイライラさせられる。 同じく、空中オブジェクトはその向こう側のオブジェクトにきれいにかぶさって見えるので、一部難しい場面がある。 こういった見間違えやすさを利用するような意地の悪い仕掛けは無いのが救い。(*2) くどいようだが、斜め入力が基本という操作は当時のゲームパッドとの相性がいまいちで、取っ付きは良くない。思い通りに動かせるようになるまでは、しばらく忍耐の期間が必要だろう。 メガドライブの純正パッドは十字キーの入力が非常に不安定な事がそれに拍車をかけている(当時から純正パッドの操作性の悪さはよく言われていた)。 ライルを動かせるようになってすぐのダンジョンには敵が出ず、その次に攻略するダンジョンには最弱の白スライム、および最後にオーク数体しか出現しないのは、それへの配慮と思われる。 慣れても細かい位置調整がしにくい。しかしジャンプなどでそういう操作が求められる場面が多い訳で… 厳密には次回作ではないが、同視点のSFC「レディストーカー」では斜め入力の他に「上が右上、右が右下…」と45度回転させた入力に対応させ改善されている。(*3) 地形で、特に屋外では、段差から飛び降りできる場所とできない場所の区別がほとんどつかない。できないせいで遠回りするはめになったり…。 必要性が無い不快な仕様がある。 キノコ型のモンスター・ラフリップス。普段は小さい状態で、大きくならないと攻撃できない。それだけならいいが、同じグラフィックの「ただのキノコ」があり、その中にモンスターが混ざっているという事もあるため、非常にややこしい。しかも、モンスターであればライルが近づくと大きくなるはずなのだが、たまになかなかならないこともあり、敵だと解りきっているのに大きくなるまでひたすら待ったり、しばらく待って動かないのでオブジェクトかと思えばダメージを食らったり…。 近くに壁や木などの障害物があると剣が当たってしまい、振ることができないのだが、謎解きなどではこの必要性は全くない。モンスター相手に、よし攻撃!→カキーン→ウボァー!なんてのは多々ありすぎ、ストレスが貯まる。ただ戦いにくくなるだけの、全く無駄な設定。 これは、ライルが剣を横に振るせいなのだが、敵は武器持ちの場合皆縦に振るので、同じことが起こらない。そのため、剣を振れない狭い場所では、一方的にやられてしまい、余計に腹が立つ。 一部、敵の配置が理不尽。筆頭は前述のラフリップス。普段が小さいせいで段差や障害物の陰でやたら見にくかったり、時には全く見えない位置からいきなり巨大化して襲ってくることもあり、始末におえない。 また、部屋に入るといきなり目の前に敵がいて攻撃してくる、というケースがたびたびある。本当に入ってすぐ攻撃が来るので、知らなければ対処のしようがない。しかも、それを喰らうとノックバックしたはずみで部屋から追い出されてしまう可能性が高く、さらにタチが悪い。 メルカトル、ホーリーの修行が異常に難しい。 ミニゲーム的なもので、必ずやらなければならないものではないのだが、とにかく難しい。 金貨20枚で1回挑戦だが、こちらのライフは強制的に1にされてしまうため、1ダメージで終了。でも相手は1回1回多い。 報酬はだんだん上がり、40人抜きでやっと金貨400枚。同じ額なら普通にザコを倒して稼いだ方が早く、苦労に見合う金額では全くない。 しかも、攻撃して普通のモンスター同様倒した時の効果音は鳴るのだが、こいつは鳴った瞬間もまだ攻撃してくるので、倒したと思ったら反撃を喰らって相討ち終了、という理不尽なことが多発する。 50人抜くと終了であるアイテムがもらえるが、1回しか使えず、役に立つとは言えない。 とどめに、部屋の隅で倒すと変身の解けたホーリーが永遠に回転し続けて自分も動けない、というバグが起こることがある。 メルカトルの鉄球を投げて足場に載せるミニゲームも理不尽。 載せるのに成功しても、その載り方が悪いと、他の足場にぶつかったりして落ちることがある。そうなると、失敗と見なされ、もらった賞金を取り上げられてしまう。 低い位置にある最難関の足場で起こりやすい。不可抗力を自分のせいにされて成功を取り消されるのは、理不尽でしかない。いちおう、その前に店から出ればいいのだが、最難関の足場はスピードが速いので、それすら間に合わないこともある。 アイテムコンプができない。 メルカトルの町にある店が商売替えをして薬屋か怪しい店を開くイベントがあるのだが、薬屋ではアンチパラライズがここでしか買えず、怪しい店で売られる品物はすべてここでしか買えない。 このせいでアンチパラライズ1つの為にアイテムをすべて揃える(奪われたアイテムもアイテム欄には残っている)ことが不可能になっている。 怪しい店はともかく、アンチパラライズがどこにもないのは疑問である。チェックに抜けがあったのだろうか。 町の仕様 アイテムを買う時はともかく、宿屋に泊まる時や教会でセーブなどをする時も、わざわざ本を運ばなければならないのは、少々煩わしい。特に宿屋の場合、町によってはカウンター横に本が置かれている場合があるのに、それを脇にいる店主の目の前まで運ぶ手間が要る、理不尽さも。 主に宿屋で見られる地図、島の全景で今いる町の位置がわかるだけなので、役に立たない。 中盤のバーラの町に宿屋が無い。 回復は、道具屋で回復アイテムを買うしかない。満タンになるダールの秘薬は1個金貨300もするので、メインはエケエケの実になろうが、満タンにするには2個は使わなければならない。 トレントでワープすればメルカトルに戻れるが、サブイベントをクリアしていないとその手も使えない。 そもそも、ゲームを通して、宿屋が無い町はここだけ。なぜそんな不便なことをしたのやら…。せめて、町の近くの漁師の家で泊めてもらえればよかったのだが。 終盤の湖の神殿。地下大迷宮の2ダンジョンがキツい。 かなり広いうえに難易度も高く、マップも複雑。しかも大事なアイテムもあり、歩き回らざるを得ないため、長丁場は必至。 湖の神殿は、クリア後再び最奥まで行くと、いのちのもとを1つ取れるが…それだけのために長いダンジョンをまた通る価値は無かろう。 エンディングが簡素。 + ネタバレ注意 ラスボスを倒した後、大地震で財宝が全て地の底に沈んでしまい、がっかりするライル。励まそうとしたフライデーは冷たくされてすねるが、ライルに「(次の冒険に)一緒に行くのか、行かないのか」と聞かれ、「…行くもん!」と応じる、というもの。 いちおうライルは次に向けて気持ちを前向きにしているが、BGMも切ないため、どうもしんみりしてしまう。 あとは、真っ黒な背景の画面にスタッフロールが流れるだけ。 高難度・長丁場のゲームをクリアした後のエンディングとしては、寂し過ぎる。せめて、スタッフロールの合間合間にライルのアクションシーンでも挿入すれば、少しは明るい終わりになっただろうに。 総評 安定した面白さを持ち広く親しまれてきた「ジャンプアクション」「マップ探索アドベンチャー」という2つのゲーム性が、高いレベルで融合している。 謎解き難度や慣れが必要な操作性を考えると総合的な難易度は少し高い部類に入るが、ミス時の救済措置もあり、プレイヤーを突き放すような不親切さはない。 本作は極めて早い時期に擬似3DアクションRPGとして完成されていると同時に、ドット絵時代のゲーム特有の温かみにも溢れ、新しさと親しみやすさを兼ね備えていた点が評価された。 時が経ち一レトロゲームとなった今でも、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』のようなゲームを好きな人ならお勧めできる。 一見手の届かなさそうな場所に、いかにも挑発的な態度で鎮座する宝箱を前に頭を悩ませる…という、どこか懐かしい楽しさを味わえるだろう。 その後の展開 クォータービューの擬似立体システムの後継作として『レディストーカー ~過去からの挑戦~』がスーパーファミコンで発売された。 こちらはジャンプ操作が存在せず、本作とはかなりプレイ感の異なる作品となった。 また、その後も後継作として本作の直系に当たり、マルチシナリオ制も採用するなど意欲的な作品の『ダークセイバー』がセガサターンで発売された。こちらは操作キャラクターはドット絵だが、3Dオブジェクトがすべてポリゴンで表現されており、視点移動も可能に。 本作のマップデザイナーの一人であった大堀康祐は後に独立し、有限会社マトリックスを設立。同社にて本作の流れを汲むアクションゲーム『アランドラ』が開発されている(*4)。 東京ゲームショウ2005にてPSP対応のリメイク版が発表され、ファミ通の発売カレンダーにも発売日未定として載っていた。 しかし、その後公式サイトが閉鎖されており、制作中止になったものと思われる。 2019年9月発売のメガドライブミニに本作が収録された。 2023年6月28日より『セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online』収録ソフトの一つとして配信開始。 余談 「DDS520」の数字部は、「520マップまで扱える」という事を表している。 同システムは開発中に改良を加えられて性能が向上し、実際のゲームでは600以上のマップが使われている。 当時、内藤寛氏はインタビューにて、「他の人がめんどくさがるちまちまとデータを入力する作業が好き。このDDS520もデータ入力が沢山あって大変」と自虐も込めて解説している。 OPで流れるジプタ遺跡の探検模様を見ると、本作がメチャクチャ難しいゲームのように見える。「落下すると復帰不能」や「一度見送ると詰み」といったタイプのトラップは、本編には無いので安心してほしい。 DC『クライマックスランダーズ』に、ライルとフライデーが登場する。ライルはプレイアブルキャラクターの一人。 このゲームが発売される時に、内藤寛氏本人を主人公にした漫画が掲載された。また、この頃に内藤寛氏がパーソナリティを務めるラジオ番組がいくつか放送されている。メディアミックスとはいかなくてもかなり大胆な戦略である。 当時の大阪の人気番組「MBSヤングタウン(通称、ヤンタン)」の中でほんの数分のランドストーカーの紹介を内藤寛氏が行うコーナーもあった。(*5) クライマックスのゲームの起動時に現れるサキュバスの様なシルエットは今作のフライデーから。同社の顔として存在感を発揮している。 また、このゲームあたりから内藤氏を天才プログラマーと持ち上げる空気がメガドライブ雑誌やファミコン通信で出てきている。 当時、SFC陣営で顕著だが殆どスポットの当たることのない開発者をタレント化して引っ張り出してくる事が多々あったのでその流れに乗っかった様なもの。わかりやすい例で言えばご存知ドラクエの堀井雄二氏やFFの坂口博信氏、メガテンの岡田耕治氏、後の飯野賢治氏等。 メガドライブ陣営にこの様なタレント化出来そうな開発者が皆無で、なんとか同様の人を作り出そうと相当難儀していた。メガドライブ陣営では他には音楽の古代祐三氏(スーパー忍)、個人ではないがセガの「体感ゲームのスタッフが作った」の宣伝文句等。