約 2,858,584 件
https://w.atwiki.jp/0103/pages/57.html
「凄い雨だな……」 雨の冷たい空気が肌に突き刺さる中、桃園ラブは呟く。 一見すると、どこにでもいる普通の女子中学生である彼女だが、実は伝説の戦士プリキュアだった。 全パラレルワールドの支配を企む管理国家ラビリンスを相手に、フレッシュプリキュアとなって戦って、本当の平和を取り戻した。幼馴染の蒼乃美希や山吹祈里、親友の東せつなと力を合わせて何度も危機を乗り越えた。 その矢先にこんな大事件が起きてしまい、ラブば落ち込んでしまう。天真爛漫な彼女でも、この一大事では笑えるわけがない。 「イースと……せつなとぶつかり合ったあの日も、こんな大雨だったね……」 窓ガラスにぶつかる大量の雨水を見て、ラブはひとりごちる。 ラブの脳裏に浮かび上がるのは、今でも忘れられないあの日の出来事。かつて、せつなはラビリンスの幹部イースであり、友達のふりをしてラブに近づいていた。 せつながイースと知って、大きなショックを受けたけど……ラブはイースと戦った。イースの悪事を、そしてせつなの目から流れる涙を止めるために。 あの日の大雨は、まるでせつなの悲しどんな願いでも叶えると謎の老婆は口にしたけど、ラブには信じることができない。みのようだった。 「……あの帆高さんって人は、陽菜さんのことを探しているのかな?」 いつの間にか連れてこられた劇場で公開された映画では、『森嶋帆高』と呼ばれた男の人が『天野陽菜』という女の人を取り戻す為に走っていた。 帆高が陽菜の為、精一杯頑張る姿がたくさん映し出されていて、ラブも胸が高鳴った。自分を信じて、完璧になろうと頑張る人は応援したいし、幸せゲットできるお手伝いをしたいと思う。 だけど、怪しいおばあさんはこの世界に集められた人達に、帆高の命を奪わせようとしていた。しかも、帆高と陽菜が再会したら、ラブを含めた大勢の人を犠牲にしようとしている。 絶対に許せない。 「帆高さんと陽菜さん……それに、みんなが幸せゲットできるように頑張らないと!」 ラブは自分に言い聞かせる。 どんな願いでも叶えると謎の老婆は口にしたけど、とても信じられない。一方的に人の命を奪う程に冷酷だから、明らかに罠としか考えられなかった。 これまで、キュアピーチとして多くの幸せを守ったように、みんなで幸せになれる方法を見つけたい。ここでも、その気持ちを変えるつもりはなかった。 「とにかく、まずは帆高さんを探さないとね!」 まずは帆高を見つけて守ることが最優先だ。 彼が多くの人から命を狙われるなら、キュアピーチに変身する必要がある。リンクルンはこの手にあるから、どんな敵が来ても帆高を守ることができる。 「できれば、傘があるといいんだけどな……ん?」 手元に置かれていたデイバッグのファスナーを開いた瞬間、真っ先に出てきたのはフィギュアだった。 可愛らしいコスチュームや髪飾りを身に身に纏った女の子で、プリンセスと呼べるイメージがある。女の子はもちろん、幅広い年齢層にも高い人気がありそうだ。 何よりも、ラブもそのフィギュアから目が離せない。初めて目にしたフィギュアなのに、強い親近感すら抱いた。 まるで、自分自身を見ているかのようにも錯覚する。 「えーっと……プリストロベリーの激レアフィギュア。人気アニメ、フラッシュ☆プリンセスの主人公……アブちゃんの変身した姿……?」 「そ、そのフィギュアは……!」 「えっ?」 備え付けられていた説明書を読んでいたラブの耳に、男の声が響いてくる。 振り向いた瞬間、金髪の男の人がいつの間にか立っていた。ややつり目で、背丈もそれなりに高く、帆高とほぼ同い年に見える。 そんな彼は、頬に汗を流しながら震えていた。 「……ぷ、プリンセスストアに朝一で並んでも手に入るかどうかわからない、鬼激レアフィギュアじゃないスか……!?」 「知っているんですか? この子のこと」 「……オレ、大ファンなんス。何があっても、己の道を突き進んでみんなのために頑張ったプリンセスが。俺だけじゃなくて、極道さん……俺の大事な友達(ダチ)も、プリオタなんスよね」 「……なら、よろしければ差し上げましょうか? そんなに大切に想っているなら、このアブちゃんって子も喜ぶと思いますし」 「マジスか!? えっ……お気持ちはありがてーんスけど、めっちゃ鬼激レアフィギュアっスよ!? たぶん、今を逃したらもう手に入らないかも……」 「レアなら、尚更ですよ! あなただけじゃなく、あなたのお友達もアブちゃんを大切にしてくれるなら、あたしだってプレゼントしたいですし!」 「……マジサンキュっス!」 アブちゃんのフィギュアを渡した途端、男は背筋を伸ばしながら敬礼をしてくれる。 見た目はちょっと不良みたいだけど、いい人であるのは確かだ。 「私、桃園ラブって言います! あなたは?」 「……多仲忍者。"忍者"と書いて忍者(しのは)って読むっス。ただの高校生(コーボー)っスよ」 「忍者!? カッコいいお名前ですね~!」 「あざっス。ラブちゃんも、キュートっすよ」 金髪の男……多仲忍者を前に、ラブは目を輝かせた。 だけど、忍者は自分の頬をペタペタと触っている。 「……やっぱり、笑えねー」 「えっ?」 「オレ、昔から笑うのが苦手なんス。今だって、激レアフィギュアを譲ってもらったのに、全然笑えねえ……ラブちゃんに失礼なのはわかっているのに、笑えねえんスよ」 忍者の表情は固いが、悲しみに染まっていることはラブも察する。 「無理して笑わなくていいと思いますよ」 だから、ラブは微笑みを向ける。 「誰だって苦手なことはありますし、無理をしたら余計に笑えなくなりますって。それに今は、こんな状況ですから」 「確かに、今はこんな訳わかんねーことになってるっスね。ラブちゃんはオレのことを警戒しねーんスか?」 「うーん、いきなり声をかけられた時は驚きましたけど……忍者さんは私を傷付けてないじゃないですか! だから、優しい人だと思っています!」 忍者を前に、ラブは自分の気持ちを叫んだ。 彼が悪人であれば、いつでも不意打ちを仕掛けることができた。でも、忍者はアブちゃんのフィギュアに心を躍らせていたから、優しい人のはずだ。 忍者の手の中にいるアブちゃんは、今も元気よく笑っている。この笑顔が、忍者の支えになっているはずだから、彼を疑うことはできなかった。 「いい子なんスね、ラブちゃんは。アブちゃんみてーっス」 「そうなんですか!? いや~! 私も、そのアブちゃんに親しみを持っちゃうんですよね! なんだか、他人の気がしなくて……」 「なら、オレのとっておきの曲を聞かせるっス!」 忍者は懐からスマホを取り出す。 軽やかに操作をした瞬間…… 『フラッシュプリンセ~ス!』 「わあっ!?」 明るくて、前向きなテーマソングが流れ始める。 「これが、F(フラッシュ)☆プリンセスのOPテーマっス!」 熱く語る多仲忍者の表情は変わらない。だけど、瞳からは純粋で真っ直ぐな輝きが放たれていると、桃園ラブは感じた。 ◆ 多仲忍者は忍者(にんじゃ)であり、プリオタである。 国民的人気アニメプリンセスシリーズは全話欠かさず視聴しており、内閣総理大臣・愛多間七にプリンセス達を布教する程のプリオタだった。 そして同時に、アコギな真似をやらかす極道(ごくどう)たちと殺し合う忍者(にんじゃ)でもある。故に、忍者にはこの殺し合いを許すことはできなかった。 許可もなく、人に映画鑑賞を強制した挙句に、出演者の命を奪えと戯言を口にするクソババアになど従える訳がない。だが、あのババアは只者ではないことも事実だ。 もしかしたら、極道の連中もどこかに潜んでいるかもしれない……そう思った矢先、桃園ラブという少女を見つける。 彼女は撫子アブとは正反対で、天真爛漫で前向きな少女だ。それでいて、オタに理解がある……もう少し年齢が上だったら、オタクに優しいギャルになっているだろうか。 だからこそ、彼女の命を奪えるわけがない。 (見ているか、ババア? オレはテメーの思い通りにはさせねえ……テメーも、汚え極道どもも、オレの手でブッ殺してやる。このオレを呼んだのが、運の尽きだと思え) 能面のような表情の裏で、地獄の業火の如く殺意を忍者は燃やす。 決してラブには悟られないように。彼女のようなJCは、血生臭い世界など知る必要はない。 極道みたいな連中は帆高を殺そうとするだろう。故に、早急に帆高を保護し、彼を狙う連中を殺さなければいけない。 ババアは帆高を殺さなければ、忍者達が死ぬと脅しをかけてきたが、関係ない。 (オレは迷わねー! ラブちゃんも、帆高も殺させねえ……そうしねーと、オレの今までが嘘になるし、極道さんもガッカリさせちまう…… 極道さんも、こうするっスよね?) フラッシュ☆プリンセスのOPが響く中、忍者は偉大なる友達(ダチ)である輝村極道(きむらきわみ)の優しさを思い出していた。 彼は立派な大人だ。こんな不愛想なガキを前にしても、満面の笑みをいつも見せてくれるし、時には一緒に涙を流してくれている。 もしも、ラブや帆高を守れなかったら、極道を失望させる。彼の期待を裏切らない為にも、迷う訳にはいかなかった。 友達(ダチ)と信じた大人の、本当の顔を知らないまま…… 「忍者さん、素敵なテーマソングですね!」 「こんなもんじゃないスよ? アブちゃんの親友にして宿命のライバル、ヒース様のキャラソンだってマジパネエっスから!」 桃園ラブという優しい少女を守り、そしてプリンセスシリーズを布教する。 今はまだ、笑うことができなくとも、多仲忍者の真っ直ぐな想いは変わらなかった。 【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】 [状態] 健康 [装備] リンクルン@フレッシュプリキュア [道具] 基本支給品、ランダム支給品1~2 [思考・状況] 基本方針:みんなを守れる方法を見つけたい。 1 まずは忍者さんと話をする。 ※最終回後からの参戦です。 ※キュアブラック、キュアホワイトについて知っているかどうかは不明です。 【多仲忍者@忍者と極道】 [状態] 健康 [装備] 不明 [道具] 基本支給品、プリストロベリーの鬼激レアフィギュア@忍者と極道、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:あのクソババアの思い通りにはさせない。 1 まずはラブちゃんや帆高を守り、そして二人を襲う奴らをブッ殺す。 ※少なくとも、愛多間七をプリオタにした後からの参戦です。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1383.html
プリキュア ドリームスターズ Ver.0.9 -Quartet Branche- ほのか 《ほのか?》 「遅いよ、なぎさ。 私、もう神社に着いちゃった」 《ごめーん。 あゆみちゃんから電話があってさ》 「あゆみさん? 元気だった?」 《うん。お花見、楽しみにしてるって》 「よかった。 じゃ、私が一人で下見しておくわね」 《怒んないでよ。急いで行くからさ》 「はいはい」 雪城ほのかはその木を見上げた。大きく枝を広げた桜の木。まだ蕾だが、これが咲いたら壮観だろう。みんな喜んでくれるに違いない。 だが、ここまで見事だと花見客も多いかもしれない。何か別の楽しみ方も考えておいた方がいいだろうか、とほのかは辺りを見回した。 「先にお参りしておこうかな」 なぎさを待っていたらいつになるかわからない。そう言えば、どこにいるか聞かなかったな、と思いながら、ほのかは賽銭箱に五円玉を投げ入れて手を合わせた。 〈間違いないな〉 ほのかは少し顔を上げた。今の声は? 〈そうだ。間違いない〉 「ほのか…嫌な気配がするミポ…」 「うん…!」 ほのかは身構えた。狛犬が動いたような気がする。 〈あ、気づいた〉 〈お前が下手なんだよ〉 「あなた方、何者?」 石にしか見えなかった二体の狛犬が鮮やかな黒に変わった。 「ほのか!」 「まさか、ザケンナー」 〈ざけんなー?〉 〈知らんなー!〉 二体の狛犬が大きく口を開けた。 〈アーッ!〉 〈ウンッ!〉 「あっ」 風が起こった。台風のようだった。胸元のスカーフがバタバタと音を立てる。ミップルのコミューンも激しく揺れた。ほのかは本能的に体を低くしたが、靴はじわじわと地面を削って行った。 「く…あぁっ!」 ほのかの足は、ついに地面を離れた。高く巻き上げられたその体は、青い空に突然現れた「扉」に吸い込まれて行った。 やがてあたりは、そんな強風が吹き荒れたとは信じられないほどの静けさを取り戻す。タッタッタ、と聞こえてくるのは石段を上がって来る美墨なぎさの靴音だった。 だが、そこで待っているはずの ほのかの姿はなかった。鞄だけが落ちている。 「ほのか…?」 プリキュア ドリームスターズ Ver.0.9 -Quartet Branche- 舞へ
https://w.atwiki.jp/otomadstar/pages/1407.html
▽タグ一覧 CM素材 プリキュア 女性器 音MAD素材 ニコニコで【ドキドキ!プリキュア】タグを検索する 概要 幼女に女性器の名称をなぞり書きさせようとする付録
https://w.atwiki.jp/mayoikomi/pages/55.html
Before Yes!プリキュア5GoGo! After ハートキャッチプリキュア! 6年目のプリキュアであり、プリキュアにしては4代目。2009年作品。全50話。 話数 タイトル 脚本 作画監督 第1話 もぎたてフレッシュ!キュアピーチ誕生!! 前川淳 爲我井克美 第2話 つみたてフレッシュ!キュアベリー誕生!!? 前川淳 飯飼一幸 第3話 とれたてフレッシュ!キュアパイン誕生!!? 前川淳 高橋任治 第10話 タルトが祈里で祈里がタルト!? 赤尾でこ 飯飼一幸 第12話 みんなで変身! フサフサ大作戦!! 山下憲一 爲我井克美
https://w.atwiki.jp/mayyugioh/pages/275.html
DUELプリキュア! お菓子の国のリアルファイト! ※自分でも意味分かんない適当な設定 ※マドルチェの子たちが大好きな人は読まないで下さい 袋から出した瞬間のピンク無地スリーブみたいな甘ったるい風の吹く日は、無性にプリ ンが食べたくなる。 時刻は三時半を回る。 お菓子の国mayのまったりティータイムもとろりと甘く煮詰まってきたところだ。 「ご注文はいかが致しましょう」 「カスタードプリンとブルーアイズマウンテンをちょうだい。あと、予約しておいたハッ ピーフェスタケーキは持ち帰りでお願い」 「あ、あたしは、えっと……めろんそーだ…………いや! やっぱ紅茶で! 紅茶ととカ スタードプリンで」 「かしこまりました」 テラス席の日傘の下。 学校帰りで買い食いタイムな女子高生二人の注文を受け取り、ケーキ屋の御主人が愛想 よく笑ってお辞儀をしていた。 御主人は少し老けこんだ落ち着いた感じのパティシエの男性だ。二人組の客の片方がな んというか少々ガラの悪い感じに制服を着崩していようが、もう片方が制服の上に厚い緑 ローブを着込んでいようが、いささかも動じることがない。 「ごゆっくりどうぞ!」 その隣には御主人の娘である幼い少女がちょこんと立ち、にっこり笑顔でこちらもぺこ りと頭を下げてきた。幼いなりに店の手伝いをしているのだ。 「うわぁ、いい子だなぁ~~~」 まっ白なエプロンと頭巾を身につけた幼女の可愛らしさに尼曽根美琴は魅了された。 「はーブルーアイズマウンテンおいし」 一杯三千円するコーヒーを片手に、草壁逢菜、通称アウナは思いきりくつろいだ。 「あの子、この前はマジョレーヌの仮装だったのに今日は普通のエプロンなのね」 「アウナ……なんでそのときあたしにメールしてくれなかったんだ……くっ……!」 「なんでと言われても、マイシスター・エリンならともかくミコトが幼女を見たがるとは 思いもしなかったので」 「そっすよねー」 may立苺森高校の同級生である二人の放課後が独特のテンションで進んでいく。 「思えばミコトと二人だけでこういう店に来るのは初めてね」 他の仲間がいる時の美琴からはもう少し不良的なプライドが押し出されているのだが、 ある意味かっとビングしっぱなしなアウナの前では見栄を張っても意味ないなと思ってい るようで、二人だけの時は比較的くだけた付き合いだ。 「いつもは委員長と馬耶と、たまにライカやネネも一緒で、ドトール・ド・ソルシエール かカフェ・リゾネーターあたりってのが定番だもんな~。あ、でもでも、女子高生ならお 菓子屋に誘われゆったりスイーツってのも普通だよなやっぱ! なっ!」 「菓子店に来たがったのはミコトの方だった気がするけど」 「……細かいことはさておき!」 「まあ六限おもいっきりバスケやっておなかすいたし」 「へへっ、あたし&アウナのタッグによるパーミッションバスケの圧倒的ファンサービス の前じゃあ、男子どももまるきり立つ瀬が無かったね」 「キドとアラガミの目が点になってたわ」 「でも黒剛みたいのを正面から相手にするとさすがに疲れちまうな」 「次はのんびりバドミントンでもやりたいところね」 登下校エリアから少し離れたお菓子屋さんへ仲のいい友達と入るという(本人にとって は)目眩のするような女の子らしい放課後に、美琴ははしゃぎっぱなしだった。 「で……だ、アウナ。あんた教育実習の湯納さんとの仲がアヤシイって噂を耳にしたんだ けれど、そこんとこどうなんだよ」 「そんなことよりホワイトデーのときカミノギ先生に正々堂々子作りを要求して困らせた 魔轟神子ちゃんの話をしましょう」 「マジかよ! あの子が積極的になったときって冗談で済んだことねえぞ!」 「ええ、それでヒドウ先生がなだめに入ったらこれがまた逆効果で――――」 今日は二人ともそんなに長く居座る気はなかったので、生活の中でのささいなことや宿 題のことなど他愛もないことを軽く話してお暇するつもりだ。 「御主人、例のものを」 「かしこまりました」 めちゃくちゃ偉そうにパチンと指をはじいて店の御主人を動かすアウナ。 同時に何度かおかわりしているブルーアイズマウンテンの最後の一杯を啜る。 「お待たせ致しました、ハッピーフェスタケーキでございます」 「ええ」 すぐさま冷蔵してあった特注品ハッピーフェスタケーキを梱包して運んでくる。 ついでに会計を済ませてしまう。 「……(うずうず)……なあアウナ! ちょ、ちょっとソレ開けて見せてくれよ!」 「いいけど」 蓋を開けるとドライアイスの煙がテーブルの上に広がり、あざやかな二段重ねのケーキ が出現した。 「早く買ってこい絞めるぞ吊るすぞ、って母さんがぐずぐず脅してきてウザいから買いに 来ただけだったけど、これはいい出来のお菓子だわ。駄賃がわりに半分くらい腹に入れて も構いやしないか……じゅるり」 ハッピーフェスタと名が付く通り、ただのフルーツケーキではない。クッキーやチョコ ソースで彩られたケーキという舞台の上で、マドルチェの愛らしいモンスターたちが躍動 的に舞っている。その砂糖細工の精巧さはまさに御主人の匠の技であった。 (はうぅ~❤ マジョレーヌちゃんかわいいよお……❤) (なんだかミコトがやたら熱心に見ているわ……そんなにコレ食べたいのかしら) 単に食い物としてケーキを眺めるアウナとは対照的に、美琴はケーキの上に広がる愛ら しいマドルチェフィールドに心を奪われていた。 「ミコト、買った店の軒先でっていうのも何だけど、ちょっと食べてみる?」 「えっ」 「じゃあこいつ食べていいわ。さあ頭からバリバリと」 「ちょっ」 おすましで、ちょっとドヤ顔で、でも何だかんだでとってもハッピー! みんな笑顔で 楽しそう! そんなマドルチェ・マジョレーヌの砂糖細工を指さして頭からバリバリ食べ ろと言ってのけるアウナ。 疑われているのか? 試されているのか? それともただ天然なだけのか? 美琴はキ リシタンを弾圧するために昔行われたという踏み絵を連想しながら、なんとも微妙な顔で 言葉を濁した。 もちろんマジョレーヌを頭からバリバリなんて出来るはずもなく。 (…………まあ食べないならそれも別にいいけど) (頼むから気付いてくれ、涙を飲まんばかりのあたしの気持ち) 美琴なりにはしゃぎ尽くしたのでそろそろテンションが冷えてくる頃である。 人と人の想いが伝わらない不便さをなんとなく感じた午後だった。 「 キャハハハハハハハハハハハハ!! 」 お互いそれじゃバイバイで別れようというとき。 金切り声ともいえる音程の壊れた高笑いが緩やかな放課後の世界に響いた。 突如として出現した次元の裂け目から、異様ゴスロリファッションを身に纏った一人の 幼女が抜け出てくる。 「あぶねえっ!」 そのとき何かが爆発した。 異常性を感知して身構えたアウナを、同じく身構えていた美琴はタックル気味に横から さらい、その勢いのまま二人して公道のアスファルトを転げる。 それから瞬きひとつしたあたりで、先刻までアウナと美琴が談笑していたテラス席で何 かが爆発して白い煙に包まれる。 見ると、見るだけで涎が出るほどだったこの店自慢のハッピーフェスタケーキは、原因 不明の破裂で周囲に爆散してしまっている。 アウナは飛び散る際にほっぺについたクリームを指ですくい、鼻頭をピグピグさせなが らペロォリと舐めるのだった。 「ねーぇーパティシエさん、この前のお話は考えてくれたかな?」 巻き込まれた女子高生二人には目もくれず、裂け目より現れし幼女が御主人へ高圧的に 迫っていた。幼女出現と同時にここそこに広がりだした暗雲の底からは、暗い色のローブ を着た無個性な集団が現れる。それらは幼女の背後に秩序なく並んで控え、数と異様をも って客や従業員を威圧している。 (あれは……悪の女王の手先、六星群だわ!) また幼女の影として付き従うとでもいう風な、貞淑な雰囲気をもつ女(当然のように異 様なゴスロリ装着)が一人控えている。 御主人が娘を背に隠して庇うのを見ながら、幼女はニヤニヤ笑いを浮かべた。 「だからさ、我らが邪神サマ、もとい悪の女王さまのために美味しいお菓子をたくさん作 って欲しいだけなの。そのために腕のいいパティシエさんがいっぱい必要で、あなたもそ の一人になって欲しいだけ。それだけなのよ。私たち、なにも死ねだの殺せだのってヒド イ事は言わないよ?」 「お父さん……っ!」 「いい加減クビを縦に振って欲しいなぁ」 「しかし……悪の女王のためのお菓子作りというのは……」 「まあこっちとしては、ウソでもその場しのぎでもいいからとにかく「自分の意志でこち らに協力した」っていう事実があれば、あとは悪の女王様のお力でどうにでもなっちゃう んだけど。ほら、アニメ監督がツイッターでポロっと構想や設定漏らした瞬間に「言質と ったぞー!」みたいなお祭りになるじゃない、あんな感じかな? ねえカマリエ」 「はい。リリカ様のおっしゃる通りですわ」 無言で付き従っていたロングヘアの女が盲従の言葉を口にしながら一歩前へ出た。 微笑を浮かべる女は、ある種の踊り子に似たステップを披露して見せるのだが、あると ころで前触れなく地を蹴って爆発的に前進し、御主人が身動きするかしないかのうちに膝 蹴りからの踵を叩き込んだ。 「うぐあッ……!」 「体力を資本にお菓子をお作りになる職人さんは中々頑丈ですこと」 打撃により一メートルほど吹き飛ばされる御主人。 逞しさと格闘攻撃を捌けるかどうかは話が別。 御主人は立ちあがろうと試みるも、すぐさま直立することはできなかった。 「お父さん! ……あっ!?」 その隙に毒婦・カマリエは御主人の娘の背後に回って軽く抱きしめ、恐怖で硬直する少 女を子犬でも引っ張るようにやすやすと引きずり、幼女・リリカのもとへ持ち帰る。 痛みを忘れて反射的に御主人がカマリエに追いすがろうとするが、ここで初めて動きを 見せたローブの無個性集団に囲まれ阻まれる。さらに脚や拳に至るまで大人数でガッチリ 取り押さえられてしまい、それこそ首から上以外はほとんど身動きの取れない状態にされ ていた。 「あはは、いいよぉカマリエ」 「美希子ぉ!」 「ほほほほ、娘思いな御主人殿のことです。この子が痛がって泣き叫ぶのを見れば、親心 ゆえに必ず首を縦に振り、我らに下ること間違いございませんわ」 「何をするつもりだ!」 「まずこの子の真珠のように可愛らしい爪を一つ一つ剥いでしまいます。終わったら次は 指を金づちで一つ一つ潰してイチゴにしますわ。足の指も同じようにいたしましょう。は てさてそのあとは……お目めは二つありますから片方くらい無くとも構いませんわね…… わたくし、片目を外科処置によって取り出し、もう片方の目と向かい合わせるという生理 学神経学的実験にとても興味がありましてよ。被検体は「落ちる! 落ちる!」と騒ぎな がら発狂して死に至ると聞き及んでおりますので、とても楽しみですわ❤」 「ひいっ……!?」 「やっやめろおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」 (え、カマリエそれホントにやりすぎ……口先だけだよね? ね?) 何か凄い展開になっていた。 「ああやってお菓子屋さんを脅し、惑わせ、連れ去っていき、このmayをおいしいお菓 子のない恐慌と絶望の世界に陥れるつもりか……わたしに戦いを挑むのね」 「奴らやることが汚えぜ!」 「ミコト、プリキュアに変身するわよ」 「し、しなきゃダメ? ザコはもちろんあの小娘や毒婦くらい拳で分からせればっ」 「ダメ。生き残る可能性が1%でも高まるなら何でもやるの。それに……」 「……そうだな。あの親娘を助けなきゃ」 「空中霊素固定装置:穹と霄……認証お願いします……」 「空中霊素固定装置:塔! 認証しやがれ!」 ここから―― 「「変身譜《メタモルフォーシス》!」」 アウナと美琴に淡い光が集まってゆく。 徐々に強くなる光に覆われて肉体、さらに衣服までもが輝きはじめ、一度光の渦となっ てから別のものへと再構築される! アウナの髪は大火となって燃え上がるがごとき紅に染まり、アメジストの瞳の奥には蒼 と朱の二つの炎が燈った。頭にはややくたびれた紫の三角帽子が乗っかり、大小のリボン やトランプのマークがあしらわれたフリルたっぷりのドレスが身体を包む。紫色のタイツ と鴉の濡れ羽色のヒールを装着したとき、アウナを包む光が霧散した。 美琴の髪は角度によってゴールドとヴァーミリオンの間をゆらめく輝かしいものに変わ ってゆく。その輝く髪にふんわりとフリルびっしりヘッドドレスが舞い降りた。首のアク セサリーがチョーカーと呼ぶにはいくぶん首輪じみているものの、そのアブノーマルさは 散りばめられたフリルで申し訳程度に誤魔化されている。しかし深刻なのは胴体衣服の方 である。美琴の胸に実ったふたつの果実を覆い収めるためのフリルで装飾された袋は、あ まりにも容積が危なっかしいもので、双乳それぞれのてっぺんにあるサクランボをなんと か収められるくらいの深さしかない。ただでさえ谷間が強調されているのに、みぞおちの あたりには下乳風に谷間を露出させるためのハート型の穴が開けられている始末。またス カート丈はいくら変身ヒロインとはいえ、あってはならないほど短く、静止した状態です らギリギリの状態だ。戦闘どころか日常的な動きをするだけでも中身を周囲に晒してしま いかねない。それでありながら二の腕から先、腿から先をまるきり隠してしまう黒基調の 手袋とソックスのため、鎖骨、胸周り、腿に残された肌の領域をますます強調してしまう 有様。いくらか髪に隠れているが、背中も大きく開けた扇情的なデザインのゴスロリメイ ド服である。 「ハズい!?」 ここまで1秒。 プリキュアに変身するやいなやアウナは地上ナナメ三十度の無音ホバーダッシュで六星 群の団体を飛び越え、体勢を変え、カマリエと呼ばれた女の首筋めがけて背後から完全な 不意打ちで蹴りかかった。 「つッ ぷええええええええええええええええええええええええええええッ!?」 想定外の方向から瀕死級の打撃を頂戴したカマリエは、その優雅な立ち居振る舞いをこ とごとく帳消しにしかねない、極めて醜い奇声を上げて地面を舐めさせられ、スライドし ながらのダウン状態に追い込まれた。 「だ、誰なの! もぉーいきなりとか最悪だからねっ!?」 ゴスロリ幼女が怒るので、アウナはツリ目できつくそちらを睨みつけた。 「愛と勇気の名のもとに……けがれなきハートに草花たちの祈りを集め貴様を殺す。わた しがキュアプラントだ」 捕まっていた娘を奪い返すことに成功する。 ただこれによって敵集団に囲まれてしまう形になるが、一刻を争う事態とあっては躊躇 はないのだ。今度は御主人が人質のような立ち位置になってしまうのだが、敵はまだ動揺 していて御主人を利用しようという考えに至っていない様子だ。 「キュアワルキューレ効果発動。ライトニングプラズマ……!」 美琴の技名詠唱とともに、何だか知らないがとにかく凄そうな閃光が迸る。 「しゃあっ!」 巨大怪物の鼻息にでも吹き飛ばされたかのような勢いで、ローブの集団がダース単位で まとめて空を舞わされた。 熟達した剣豪のごとき静かさで攻撃を放ち終えた美琴がアウナのそばに並び立つ。突っ 込んだアウナのフォローと掃討を兼ねて、敵の包囲に風穴を開けたのだ。やることは凄い が弩エロいコスプレのせいでやたら滑稽なのは秘密だ。 「ひぃ! 今度はこっちィ」 「あたしの名はキュアワルキューレ! つか、なんでもいいからくたばれ! オラ!」 当たり前だが、胸ポロ、パンチラ(パンモロ?)のたびにキャーキャー言って身を繕い 動きを止めていたのでは過酷なリアルファイト環境を制する事はできない。だから、自身 は岩のように動かず、風ひとつ立てることなく、スカートを乱すことすらなく一定範囲の 敵を超高速の拳で打つという必殺技、ライトニングプラズマを開眼したという。 「うう……くそぉ……アウナのは単にマジョレーヌちゃんの衣装だってのに、あたしのコ レは何なんだよ……」 「マドルチェ・マーマメイドじゃないの?」 「絶対これマーマメイドちゃん違う! ただのエロメイドコス!」 「それ、元々はノゾム曇らせ用に作られたものだと聞いたわ。そう……キュアメイドにな るのを泣いて拒んだノゾムが全部悪い……」 「ぬううう望のヤロォ~~~! ……って、望がプリキュアに(半ば強制的に)変身させ られてた時は、もっと大人しい感じのメイド服だっただろ」 「なら装置の製作者であるドクターフジヤマの意図によるものじゃないかしら」 「あんのセンセイは!」 「定めよ……」 どうでもいいことを喋っている間にも、美琴が放つ神速の暗殺拳とアウナの連続蹴り攻 撃により、群がる雑魚敵ことローブ集団・六星群は次々に狩られていった。 「こらあ! そんなオトコどうでもいいから私を守りなさいよおおおおおおっ!」 無慈悲に雑兵をボコるグラップラー×2を前にして、リリカと呼ばれていた幼女は早く も根を上げた。六星群はせっかく捕まえていた御主人を手放して慌ただしくリリカのもと へ集まろうとするが、その最中にも正義の使徒プリキュアによるモブキャラデストラクシ ョンが容赦なく実行されてゆく。 これといって人間らしい言葉を発することなく「キー!」と叫んで消えてゆく六星群の 妥当な雑魚らしさは、多少なり憐れさを催すものであった。 「今だアウナ!」 「とどめよ。我がスベリエ神拳により絶命しろ!」 お供のカマリエはぶっ飛ばされたあと復帰してコッソリ逃走してしまったので、いまリ リカに残っているのは下っ端の盾オンリー。しかも残機が少ない。ここぞとばかりにアウ ナは最速低空ダッシュでリリカに肉薄し、殺る気まんまんの拳をぶちこみにいく。 みんなの夢と希望に支えられた恐るべき気迫。 死兆の星の七つの影の経絡を断たんとする魔女の拳が空を切った。 刹那、リリカは死を覚悟したが…… 「ぬぅんッ!」 横から滑りこむように出現した頑強な何者かがその拳を掌で捕えて、さらには受け流し てしまう。 「なッ!?」 攻めの体勢が崩された。 「脆いのう、小娘。リリカ・ベーゼルン」 「月蓮!」 「何をまごついておる、そそくさと逃げ失せるがよいわ」 「くっ……」 やった! やった! やった! よかったぁ! まじ助かった!! そんな表情なのにリリカは礼のひとつも言わずにさっさと逃げていく。仲間同士であっ ても友好的な関係ではないらしい。 「滅びますぞぉー! mayは滅びますぞぉー!」 黒い僧衣に赤い袈裟の怪僧。血で染めたかのような色の数珠を手にする、超然とした不 吉な男・月蓮が町じゅうにこだまするほどの大声をあげた。 「なにごと?」 空間に生じた裂け目の中へ逃げ込むリリカをアウナは追おうとしなかった。本来ならい かなる隔離鯖へ逃げようとも食い下がって固めて崩し、スベリエ神拳・死ぬまでネックハ ンギングツリーの刑を実行するところである。 (この男、できる……) 静かな威圧感を醸し出すこの怪僧を知らんぷりして、矮小な逃亡者に構うなど二人には 出来なかったのだ。 だが、そんな二人の心を知ってか知らずか、月蓮はおもむろに眼前のプリキュア二人か ら視線を外す。 御主人が娘を抱きしめて庇う姿があった。 異常な敵を前にしながらもおもねる様子は無く、多少よろけてはいるがらきつく月蓮を 睨み返している。 「ホウ……どうしても悪の女王さまのためのお菓子は作れぬと? 小人風情がっ……おこ がましき極みよのう! ろくなお菓子も作れぬくせにッッッ!!」 怒号とともに凄まじい殺気が月蓮から放たれた。 アウナと美琴がいっそう警戒を強めるなか、ぶっ倒された六星群が折り重なった山に月 蓮がしずしずと登ってゆく。 そして天にその両手を掲げた。 「悪の女王・雨月沙希さま! われに御身のお力を貸し与え下さいませェ~ッ!」 とたんに今までとはケタ違いの濃さと禍々しさを含んだ暗雲がたちこめた。 現れるは闇色の尾をひく一筋の流れ星。 天の闇から一つところへと降り来る尊きものを、月蓮は掲げた両手で雫を掬うようにし て受け取った。 「ゆけい! リアリスト!」 暗黒の星から黒い稲妻がぞわぞわと湧き出てくる。 それらは月蓮に集まるでもプリキュアや御主人に襲いかかるでもなく、店頭に並ぶケー キへとうねりながら絡みついていった。 『リーアリィーストォー……!!』 冷蔵ガラスケースの中で座するクリームたっぷりお誕生日ケーキが蠢き…… 「うわぁっ! 今度は何なんだ!」 膨れ…… 「もう嫌ぁっ! お父さん! お父さぁんっ!」 喋り出す。 「リーアリィーストォォォォォォォー!!」 お誕生日ケーキのリアリスト・ストロベリー。明確な異形として起動したそれは、ガラ スケースを内から破砕して勢いよく外に飛び出した。 異形化してから発生したと思われる、目と口に見える明太子の飾り付けが、ピエロの顔 よろしくウネウネ動き、口笛で楽しげなスイートソングを奏ではじめた。外界に満ちる闇 の気を吸い、さらにワゴン車ほどの大きさに達する。いくつかあるケーキの段にはそれぞ れリグラス・リーパー、XENO、タイム・イーター、魂喰らいなどの砂糖細工が居座っ て不気味な笑い声をあげ、最上段には謎バニラのひとつ運命のろうそくが五つ突き立って いる。 「……もうあれはケーキじゃない。敵だわ。ボコスカ殴ってローソクの火を消すわよ」 そいつがフゥッと息を吹いたとき、衝撃波が迸る! ダイヤモンドのごとく輝くレコード状の氷のカッターが舞い飛ぶ! 体をクネクネと動かすと、何故か知らないが足元から間欠泉が噴き出す! 再び息をフゥッと吹いたなら、今度はこごえる風があたりを吹き抜ける! ジャンプして地面へ落下すると同時に地震まで起こる! 「だー! うぜえええー!」 「キュアプラント効果発動! 神速三段突きぃ!」 はじめの勢いはよかったものの、いい加減イヤになるスイートソングを歌い続けるケー キは、プリキュア二人の挟み撃ちの前に健闘むなしく崩れ去ってしまうのだった……。 急作りのバケモノと正義の変身ヒロインの間には常にこれだけの力の差があるというこ とである。 「ミコト、お願い! 今すぐあの二人を逃がして!」 「よっしゃ!」 「ぬう、逃がすではないぞ! 六星群・光、追えぇい!」 指示のもと六星群が親子めがけ人海戦術で押し寄せるが、美琴はそれを必殺技で見事に シャットアウトしながら親娘を連れてじりじりと撤退していった。数が数なのでしばらく 追われるだろうが、それらもまた美琴の力には敵うまい。 彼女の余裕に満ちた様子を見てアウナは安心し、あらためて敵対者と視線を合わせる。 「茶番は終わりよ。ゲツレン……だったかしら?」 なりゆきを冷たい視線で観察していた月蓮の体が一瞬こわばった。 アウナは直感的に、あの僧衣の下で月蓮が肉体を戦闘モードに変えたことを察した。 「どこまでも雨月沙希さまに刃向う小癪な娘ども。愛や希望などという言葉でお菓子の国 を背負った気になっている愚か者ども……!」 「黙れ。愛と希望を信じ善と勇気をたっとぶ正義の使者、それがプリキュアよ!」 「プリキュアめ! 此処で闘るかぁッ!」 「なにより、わたしに戦いを挑む者は根絶やしにしなきゃね……!」 灼熱と暗黒……相反しながらせめぎ合う天地創造の闘気がぶつかり合い、渦を巻く。 引き合い、吸い寄せられる風に、己と敵の二極は瞬間的に距離を縮めた。 月蓮の額に「滅」の文字が浮かび上がったのもその時である。 最速で放った拳同士が正面からぶつかった。 「だあああァっ! でやあっ! るアアアッ! カァッ!」 「ふん、ぬぅっ! ぬおああああああああっ! ぜりゃああああっ!」 すさまじい打撃音と咆哮が反響に反響を重ねてあたりを埋め尽くした。 頬に額に、腹に脛に、いくつも牽制攻撃を喰らいながら、アウナと月蓮はガードするこ とさえ忘れて勢いのまま殴り合い蹴り合い頭突き合う。 しかも、あまりに濃密で強力な闘気が絶え間なく身体から噴出するがために、闘争者た ちの体はさながら風の中にあるように浮かび上がったではないか。この現象により少なか らぬ身長差はあまり意味を為さなくなる。 「うおォりゃアアア!!」 持ち前の脳筋力で殴り合いを徐々に制圧しながらアウナは動作をさらに強め、露骨に急 所への一撃を狙ってゆく。雑魚相手ならともかく、達人同士の闘いの中でいきなり急所を 突くことは不可能だ。人体の中心線にある急所を狙うこれらの攻撃は、生存本能を刺激す ることで防御を意識させるためのものに過ぎない。 月蓮とて、さすがに致命的な攻撃を食らっても無視して戦い続けられるほどのバケモノ ではない。打撃を逸らすことができないと判断して、アウナの一撃を著しく硬質化させた 腕で防御し、やり過ごすことを狙う。 だがアウナは徹底的に攻めを続ける構えで、さらに激しく血の炎の闘気を漲らせ、無理 やり月蓮に迫っていった。 「ずうぇェああああああああああああああああああああああああああああァッ!」 キュアプラントの脚が大気のみならず空間をも切り裂く。 大上段から刀を振り下ろす風に、アウナは力任せの回し蹴りを月蓮の脳天めがけて打ち 下ろした。 「ぬゥん……!!」 「埋もれなさい」 迫り来た捨て身の空襲攻撃は完全に連続ヒット状態を作っていたから、悪手と知りなが らも月蓮はガードを続行せざるを得なかった。その衝撃たるや暗黒の闘気で浮き上がって いた体さえも一気に地表まで沈み、硬直を通り越してのけぞり倒れかけたほどだ。 ここでアウナは植物の蔦を使った体勢強制変更術《ロマンキャンセル》により、肉体へ かかる負担を無視して状況を最適化。 直後、急激な角度でホバーダッシュを実行する。 わざとホバーダッシュで敵の頭上行き過ぎることにより瞬時に敵の背に回り、そこで再 び自身の体勢を強制変更……敵の背後上空から一方的に攻撃できるというシチュエーショ ンを作り出した。 アウナの背に蝶の翅に似た形の、四色の翼が顕現する。 月蓮の視点からすると敵が一瞬のうちに消えたと錯覚してしまうところだ。しかし月蓮 も流石の剛の者であり、野性的な勘で即座に反応する。そして最大限の警戒をしながら後 ろを素早く振り向いた。 「羅アアアッ!!」 怪僧の頭部から頚部めがけ、プリキュアの容赦ないカカトミサイル連打が降り注ぐ。 刹那の対応が遅れたためにさらなる防戦を月蓮は強いられていた。 「コオオオオオオオ……ッ! ほろ苦さが! 足らぬわぁ!」 こままでは殺られる。 そこで月蓮はガードをぶち抜く五連打目が突きささる寸前、全身の活殺点から絶え間な く湧き出る闇の闘気を、自身が絶命しかねないほどに激しく溢れ出させることでアウナの 攻撃を遮断した。 一本のミサイルとなり迫るアウナの身体そのものを横に大きく逸らさせる。 「……脳天ブチ抜き損ねたか」 攻めの体勢がまたしても崩されたのだ。 「下らぬプリキュアめ。この曇天の雷雲を見よ。愛に正義などと……貴様が放ってきた言 葉の陳腐な甘ったるさに、悪の女王さまは大層お怒りになられておるのだ!」 「愛なき想いでお菓子を食べでも人の心は救われないわ! いい加減にして頂戴!」 「笑止!」 先刻の攻防で気力を大量消費したアウナに、今度は月蓮が迫ってゆく。 ただ月蓮とて無事ではない。五体満足でいるのが不思議なほどの猛攻を凌ぎ続け、挙げ 句に反撃のため気力の半分を消耗していた。 そんな状態でありながら、互いに正面から拳を組み合って、互いの手に爪を食い込ませ ながら絡ませ合う。 敵を圧倒しようとあらん限りの力で押し、ぶつかってゆく。 「ぐ、ぐ、ぐ、ぐぎぎぎぎぎぃぃ」 「ふん、ぬおおおおおお!」 悪魔的な力と命の激突。 魔女と魔人の殺し合いに地が割れ大気が振動していた。 腕力、闘気、根性、この場ではどれをとっても双方は互角だった。 お互いが相手を仕留めるために全力をぶつけ合い、意地でも退かない。 様相はいわゆる千日戦争へと突入する……かと思われた。 「――キュアアイス効果発動! 司法の鉄槌、グラキアレスインキュナビュラ!」 「――キュアブレード効果発動! 無限地獄の百万由旬、冥界叫恐打!」 月蓮の背後から、鋭利な薄氷を伴いながら槍のごとき巨大な氷柱が敵めがけて襲いかか っていく。同時に濃い紫の光彩を纏う巨大な刃が、突如として地よりせり出し月蓮を切り 裂こうと驀進した。 月蓮がアウナ一人にかかりきりになっているのをいいことに、声の主は死角から思いっ きり致死級の攻撃を仕掛けてきたのだ。 「何っ! ……フンッ!」 反撃の際に見せた闘気の爆発を月蓮は再びやってのけ、アウナとの力比べを切りぬけつ つ、二つの暴威を際どいところでかわしてみせた。 「レイカ! マヤ!」 「すみません。遅くなったようですね」 「アマゾネス女がブラックローズ女の窮地を伝えてきたから急いで来てやったぞ」 氷川玲華に終末ヶ岡馬耶。ともにアウナや美琴のクラスメイトであり、ショタ陣がプリ キュアをやるのを嫌がったために、押しつけられて正義の味方をやっていたりする。 玲華はマドルチェ・メッセンジェラート、馬耶はマドルチェ・シューバリエのコスプレ ……もとい戦闘衣装を身に纏い、キュアアイス、キュアブレードとして悪の手先をなぶり まくるのだ。 「――キュアアクセル効果発動! アクセルボンバー、どっっかぁーん!!」 押され気味になり思考を退却へ向け始めた月蓮に対し、またしても背後を突く攻撃を何 者かが加える。 「プリキュア……っ! グゥゥゥ!」 黒の紳士服を着こなし、両手に鎖鎌を持って虚空より突撃する少女から、月蓮はついに 手痛い一撃を貰ってしまう。 崩れかける身体に鞭打って、月蓮は無理やり飛びすさる。 「最近この鎖鎌が手になじみすぎて怖いんだけど……」 「ライカ!」 怪僧の隙を見事に突いて痛恨の一撃を与えた、マドルチェ・バトラスク姿の少女はライ カ・ラスポート。クラスは違うが愉快な仲間の一人である。 アウナという魔女と渡り合ってその攻撃力を知った月蓮にもはや驕りはない。四対一で はいくら悪の女王の加護があるといえど滅殺されかねないと判断する。実のところプリキ ュア複数が相手でも一人か二人ほど道連れにする方法はあるのだが、月蓮も確実に命を落 としてやっとという魔性の業であるため気は乗らなかった。 ただそれはアウナも同じこと。強引に追い込んでいけば最終的に数でまさるプリキュア 側が敵を滅ぼすにしても、この怪僧に奥の手などがあれば甚大な害を被るだろう。 それは少女たちの望む所ではない。 「プリキュアごときが、借り物とはいえ雨月沙希さまのお力と渡り合うというのか……」 「このわたしの命を縮めるもの、そしてmayを脅かし衰えさせるものはみな尽く滅ぶが いい。それだけがわたしの願いよ」 「貴様、名は」 「キュアプラントの草壁逢奈……アウナでいいわ」 「草壁ェ……!」 タイミングよく、月蓮の背後の空間に謎っぽい巨大な裂け目がはしる。 「おぉのれェ、草壁ぇぇぇぇぇぇぇッ――!」 捨て台詞を発するときだけ目を血走らせ、あらん限りの呪詛を込めて月蓮はアウナを睨 みつけた。直後に怪僧は次元の裂け目の向こうへと洗練されたバックステップで退却して ゆき、またいくらかもしないうちに裂け目が閉じる。 「……アウナでいいって言ってるのに……ブツブツ」 肌で知った、悪の女王とその手先という強大な敵。 いったい誰が弁償するの? と思うこの壊れかけた街並み。 問題は色々あるが、ひとまず事後処理は責任者(?)の藤山センセイにでも回すことに してプリキュアたちは変身を解き、肩を下ろす。 辺りが緩やかな空気に戻った。 「はぁ……わたしそろそろ帰るね。遅れると母さんに吊るされる……か……ら……?」 地面に転がっていた高校の鞄を拾って手に持ちつつ、何事もなかったかのように帰ろう とするアウナ。でも、そこで一つ非常に重大なことを思い出してしまう。 「あ……………………ケーキ、爆発しちゃってる。うん……吊るし確定ね」 美味しいお菓子がどこにもない。 アウナは絶望した。 つづかない
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/6472.html
スマイルプリキュア! 作品情報 公式HP http //asahi.jp/precure/ http //www.toei-anim.co.jp/tv/precure/ 12枚 星空みゆき キュアハッピー 日野あかね キュアサニー 黄瀬やよい キュアピース 緑川なお キュアマーチ 青木れいか キュアビューティ キャンディ ポップ
https://w.atwiki.jp/purecurecard/pages/22.html
《知性の青き泉 キュアアクア》 知性の青き泉 キュアアクア R (4) キャラクター:プリキュア 3000 このキャラクターは、ブロックされない。 このキャラクターをバトルゾーンに出したとき、自分のデッキから名前に《キュアドリーム》を含むカードを一枚、相手に見せてから手札に加えても良い。その後、自分のデッキをシャッフルする。 サイクルサーチを持つキュアアクア。 ブロックされないので、不意打ちも可能。 フレーバーテキスト 第一弾 基本セット「岩をも砕く乙女の激流 受けてみなさい!」---キュアアクア
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/4128.html
激戦が始まって何時間が経っただろうか。 なんやかんやで本気を出した冨樫は盗賊の極意 (スキルハンター)で盗んだとされる 念能力を駆使し、澤井&チャゲチャの打ち切りコンビをいい感じに追い込んでいた。 冨樫の手下となっている岸本や久保も後方支援という形で冨樫を援護している。 対するチャゲチャもヤン気ーを引き出し、対抗しているのだが いかんせん、相手は忍者に死神に念能力者。おまけに長期連載チーム。 8週打ち切りで、しかも得体のしれない力を持つ者が彼らにかなうはずもない。 さて、そのチャゲチャの親たる澤井はといえば…… 「……」 何もせず、黙りこくりその場をただ見守るだけであった。 そういうことだから、冨樫の念能力に吹き飛ばされる。 「ただ何もせずに突っ立っているだけかい、澤井君。それで乗り切れるほど戦闘は甘くないのだよ」 と、どこかで聞いたセリフを冨樫は吐いた。 「ですけど……尊敬する先輩を倒すなんて、僕にはできません……」 ぼろぼろの体で、澤井は言う。 「お前は何を言っているんだ。長期連載の作者を倒さない限り、お前は漫画界の神にはなれないんだぞ」 「けど、チャゲチャ……」 「どこまでも人のいいやつだ。お前は悔しくないのか?人気連載(ボーボボ)の作者が帰ってきた! と、いう触れ込みで戻ってきて、人気が出ず引き続きの長期連載の夢もかなわず ひっそりと打ち切りになり、今じゃ『笑い者』なんだぞ」 澤井は答えない。チャゲチャの言っていることは的を得ている。 しかし、チャゲチャの言う『長期連載作家の皆殺し』には同意できなかった。 悔しいけれど、それは実力不足だっただけ。自分の責任だ。 長期連載の作者を殺したところで真の「漫画界の神」になどなれない。 結局は、「努力」と「練習」なのだ。 「まったく……お前が動かないのなら俺が代わりに武器を出してヤンよ」 「ヤンキー」と「やんよ」の「やん」を何気にかけながら、チャゲチャは澤井のデイバッグをいじった。 ひらひらひらひら。黄色い蝶がデイバッグから現れる。 ……そう、このパターンは……っていうか変則っぷりとご都合主義っぷりが半端ないのだが……。 とにかくまあ、その黄色い蝶は澤井の左手首に止まり……後は言わずともわかるだろう。 瞬時に、彼の顔つきが引き締まる。杜の都がゴールデンイエローの光に飲み込まれた。 「プリキュア!メタモルフォーゼ!!」 腕を大きく回す。異空間の中、澤井の首から下が発光した。 黄色をメインとしたドレスー裾部分がふんわりと膨らんだバルーン状となっているーが アームカバー、オーバーニーソックス、黄色い靴が、次々と装備された。 そして、何より大きな変化は……髪の毛が所謂「ドリルでルンルンクルルンルン」になったこと。 光が薄まる。そこに立っていたのはプリティでキュアキュアなハジケる戦士。 「はじけるレモンの香り、キュアレモネー……ド?」 口上に思わず疑問符が付いてしまった。まあ、しょうがないだろう。 「澤井君……その格好は……」 「『はじける』っておま……いくら「ハジケ」がテーマの漫画を描いていたからって……」 「……っていうか、その頭……」 「……まあ、いろいろとすまない」 3人の漫画家、そして1人の打ち切りキャラが呆れ気味に見ている。 「み、見ないでー!!!!」 ちゅっどーん!!!!! 杜の都が再度、黄色い光に包まれた(笑) 【一日目・7時31分/宮城県仙台市/天候・雪】 【冨樫義弘@現実?】 【状態】ズタボロ 念能力者 【装備】"盗賊の極意(スキルハンター)" 【道具】支給品一式、DS(私物) 【思考】 基本:バトロワをクリアしたら働く 1:ポカーン 【久保帯人@現実?】 【状態】気絶 死神 【装備】崩玉 大量の斬魄刀 【道具】支給品一式 【思考】 基本:HUNTER×HUNTERの続きが気になるので冨樫先生を手伝う 1:キョトーン 【岸本斉史@現実?】 【状態】気絶 忍者 【装備】写輪眼 【道具】支給品一式 【思考】 基本:HUNTER×HUNTERの続きが気になるので冨樫先生を手伝う 1:あれまあ 【チャゲチャ@チャゲチャ】 [状態]:気絶 [装備]:なし [道具]:なし [思考]基本:暴れまくる 1:……。 2 長期連載している漫画の作者を皆殺し 【澤井啓夫@現実】 [状態]:健康 [装備]:ピンキーキャッチュ(春日野うらら仕様) [道具]:支給品一式 [思考]基本:チャゲチャと一緒に頑張る 1:見ないでー!! 2:先輩を殺すなんて、できない。 3:また師匠(島袋)と一緒に連載したい 「ハジケるプリキュア」と書きたかっただけだ。すまない。 切腹!!! 【この話の書き手@現実 死亡確認】死因;自害
https://w.atwiki.jp/sentai-soubi/pages/459.html
「ファイナルアタックライド・ディディディディケイド!」 【名前】 ファイナルアタックライド ディケイド 【読み方】 ふぁいなるあたっくらいど でぃけいど 【英語表記】 FINALATTACKRIDE DECADE 【登場作品】 仮面ライダーディケイド仮面ライダージオウ など 【初登場話】 第2話「クウガの世界」 【分類】 ライダーカード 【種別】 ファイナルアタックライド 【所有者】 仮面ライダーディケイド 【詳細】 仮面ライダーディケイドが所有するライダーカードの1枚。 ディケイドライバーに装填すると上記の音声と共に「ディメンションキック」、「ディメンションスラッシュ」、「ディメンションブラスト」といった3種の必殺技の1つを発動できる。 また、ダブルサイクロンサイクロン、ダブルジョーカージョーカーとの合体技「トリプルエクストリーム」を発動する際にも使う。 【ジオウ】 カードをネオディケイドライバーに装填し読み込んで発動。 基本形態の際に原典と同様に3種の必殺技のどれかを決める。 【余談】 カードにはディケイドの証としてディケイドのライダーズクレストが描かれている。
https://w.atwiki.jp/hatoshin/pages/21.html
スイートプリキュア♪ 情報 放送開始日: 放送終了日: メインプロデューサー: メイン脚本家: サブ脚本家: 売上:約 億円(前年+- 億円) 平均視聴率: %(前年+- %) 概要: 他プリキュアファンからの扱い: ハト信者からの扱い: