約 5,391,160 件
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/2043.html
宇宙の騎士テッカマン 宇宙の騎士テッカマン 宇宙の騎士テッカマンブレードテッカマンブレード/Dボゥイ/相羽タカヤ 宇宙の騎士テッカマンブレードⅡ コメント タツノコプロ制作のSFアニメ。1975年に放映され、1992年には続編「宇宙の騎士テッカマンブレード」が放映された。 宇宙の騎士テッカマン シュバルゴ テッカマン 宇宙の騎士テッカマンブレード テッカマンブレード/Dボゥイ/相羽タカヤ テッカニン 性格 いじっぱり 努力値 攻撃素早さ252 持ち物 きれいなぬけがら 技 れんぞくぎり(テックランサー)/すてみタックル(クラッシュイントルード)/めざめるパワー(ブラスター化) ものまね→ボルテッカー 備考:主役&ボルテッカ繋がりのピカチュウでも可。 ハッサム テッカマンエビル/相羽シンヤ タブンネ テッカマンレイピア/相羽ミユキ オノノクス テッカマンアックス/ゴダード シュバルゴ テッカマンランス/モロトフ 色違いマニューラ テッカマンソード/フォン 宇宙の騎士テッカマンブレードⅡ サーナイト テッカマンアキ/如月アキ(中の人繋がり) ピカチュウ テッカマンイーベル/ユミ(高個体値を粘ろう) アブソル テッカマンデッド/デッド・エンド コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 主観的にブレードシリーズのキャラを追加しました。 -- (名無しさん) 2011-07-04 12 34 53
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/265.html
宇宙の騎士テッカマン 作品情報 1枚 テッカマン(南城二)
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/1505.html
テッカマン(南城二)〔てっかまん(みなみ じょうじ)〕 作品名:宇宙の騎士テッカマン 作者名:ぐぬダムあき 投稿日:2008年11月7日 画像情報:640×480px サイズ:49,318 byte ジャンル:仮面・被り物 キャラ情報 このぐぬコラについて コメント 名前 コメント 登録タグ 2008年11月7日 ぐぬダムあき 仮面・被り物 個別て 宇宙の騎士テッカマン
https://w.atwiki.jp/cow1/pages/281.html
テッカマン+ペガス● 格納庫内 説明 テッカマンとペガスを組み合わせ、騎乗姿となった機体です。テッカマンとペガスの武器を全て使うことができ、高い攻撃力と防御力を誇ります。テックランサーを手にペガスを駆り、宇宙空間を疾走するその姿はまさしく「宇宙の騎士」です。 ユニット諸元 コード レベル 種類 識別 HP EN タイプ 攻撃 防御 スロ 速度 燃料 消耗 探知 積荷 指揮 バフ テッカマン&ペガス SPECIAL UNIT 50 大型 TK-V2 20000 17000 近接 2000 1400 6 150 120000 73 2200 8000 344 すべての能力値+10%(60%) 入手条件 クエスト「異世界からの訪問者」(レベル40) 完了条件 テッカマン[35] ペガス[30] 名声値[1975] 解説 50Lvの機体ではあるが、シンクロ200%になれば火星までは余裕でいけるほどの機体、武器もCTが短く近接のため弾代もかからずタイプも一致するので使い勝手が良い。高レベ者の中にも集中消費や38.50PTDに行くのに乗る人も多い なおこのクエストはクリアしても1日クエと同様リセットされる模様 コメント Lv55機体より使い勝手がいい。 -- 名無しさん (2011-10-16 14 10 46) 能力はとても高く55機並かそれ以上で修理費が格安、難点といえば入手難度と射程の短さ程度である(射程は武器によって違うが体当たりを軸として考える -- 名無しさん (2011-10-18 13 16 50) テッペ便利すぎる! -- 名無しさん (2012-01-28 14 25 48) 50になったらまずこれに乗るべきであるが、タイアップイベントが終了したので入手困難。サブはすべて体当たりがいいかも -- 名無しさん (2012-03-12 19 58 18) 困難だがそうでもない。フリマに出てるし機体能力からして妥当な価格。安いくらいだ。武器はギルドのメンバーに頼めば倉庫の奥にあるはず(^。^)兎に角素晴らしい機体。 -- 名無しさん (2012-03-17 11 42 48) 欲しい -- 名無しさん (2012-03-17 20 55 27) そういえばこれ合体で作れるって噂がある -- 名無しさん (2012-04-01 19 56 09) 今はもう作れないけどね -- レッド (2012-04-01 20 20 32) イ鯖ではフリマ登録が希に来る 高額だけどね -- 名無しさん (2013-05-02 21 47 23) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/marowiki001/pages/284.html
目次 【時事】ニュース宇宙の騎士テッカマン Tekkaman The Space Knight RSS宇宙の騎士テッカマン Tekkaman The Space Knight 口コミ宇宙の騎士テッカマン Tekkaman The Space Knight 【参考】ブックマーク 関連項目 タグ 【時事】 ニュース 宇宙の騎士テッカマン 近日予約開始!『超光戦士シャンゼリオン』シャンゼリオンのアクションフィギュアが千値練より商品化決定! - 電撃ホビーウェブ エヴァからヱヴァへ、原点を「リメイク」する庵野秀明という作家(JBpress) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 千値練、「RIOBOT 変形合体 R-1」の発売日を12月に再度延期 - HOBBY Watch 【今日は何の日】10月19日はタツノコプロ設立の日!タツノコプロキャラクターが登場するゲーム作品といえば! - ゲームドライブ テッカマンブレードが全高約22センチの大ボリュームでプラモデル化!テックランサーは通常状態と2本分割状態の両方が再現可能!Amazonで予約受付中!! - 電撃ホビーウェブ アクションフィギュア「RIOBOT マジンカイザー」が再販!カイザースクランダーなどの豊富なオプションパーツとエフェクトパーツが付属! - 電撃ホビーウェブ 水木一郎 作曲家・小林亜星さんの訃報に「先生の楽曲を大切に歌って行きます」(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース レッドマンバージョンの「バルタン星人」アクションフィギュアがエヴォリューショントイから登場!あみあみで予約受付中! - 電撃ホビーウェブ 千値練のRIOBOT『宇宙の騎士テッカマンブレード』シリーズ第3弾が企画進行中!その力強い後ろ姿が公開!! - 電撃ホビーウェブ 花嫁衣装の美少女や色気たっぷりのダークエルフも登場!『アズレン』『呪術廻戦』『テッカマンブレード』『Zガンダム』などのフィギュアが秋葉原で展示! - 電撃ホビーウェブ マックスファクトリー「PLAMAX MF-50 minimum factory マフィア梶田」が1位に!!:Amazonホビー人気ランキングBEST10 - 電撃ホビーウェブ 宇宙の騎士テッカマンブレード:テッカマンエビルがアクションフィギュアに テックランサーも - MANTANWEB 声優・林原めぐみさん、『スレイヤーズ』『名探偵コナン』『らんま1/2』『新世紀エヴァンゲリオン』『ポケモン』など代表作に選ばれたのは? − アニメキャラクター代表作まとめ(2021 年版) - アニメイトタイムズ 『宇宙の騎士テッカマンブレード』ソルテッカマン バルザック機がHAFMでアクションフィギュア化!背部に装備されたフェルミオン砲は展開!あみあみで予約受付中 - 電撃ホビーウェブ 千値練「RIOBOT 宇宙の騎士テッカマンブレード テッカマンブレード」など:Amazonホビー人気ランキングBEST10 - 電撃ホビーウェブ 『テッカマンブレード』が千値練のアクションフィギュア「RIOBOT」シリーズから登場!スマートにアレンジされたヒロイックなシルエットがポイント! - 電撃ホビーウェブ 「宇宙の騎士テッカマンブレード」Dボウイが変身する“テッカマンブレード”が立体化 - アニメ!アニメ!Anime Anime 「宇宙の騎士テッカマンブレード」が千値練「RIOBOT」シリーズより登場。予約受付中! - GAME Watch 『宇宙の騎士 テッカマンブレード』テッカマンエビル&テッカマンダガーのテストショットを初公開!【C3AFA TOKYO 2019速報レポート】EVOLUTION・TOY(エヴォリューション・トイ) - 電撃ホビーウェブ 『宇宙の騎士テッカマン』が1/12スケールのアクションフィギュア「MEGA HERO」に参上! - 電撃ホビーウェブ ガッチャマン、キャシャーン、ポリマー、テッカマンらタツノコプロを代表する四作品のヒーローがアパレル化!創立55周年のタツノコプロ×コアチョコ 全6種を発売 - @Press 『インフィニティ フォース』アニメVer.のヒーロー4人が掌サイズの食玩フィギュアセットに! - 電撃ホビーウェブ タツノコヒーロー結集「Infini-T Force」テッカマンは櫻井孝宏!鈴村健一&斉藤壮馬も参戦 - エイガドットコム 熱血アニメ列伝その15 最高だよ!兄さん!『 宇宙の騎士 テッカマンブレード 』 - 財経新聞 熱血アニメ列伝その15 最高だよ!兄さん!『 宇宙の騎士 テッカマンブレード 』 - あにぶ 『宇宙の騎士テッカマン』ついに登場!千値練「タツノコヒーローズ ファイティングギア」シリーズ第6弾 - 電撃ホビーウェブ 「テッカマン/ペガス」 あべ♨とおる氏が贈るタツノコジェネレーションシリーズ最新作は、宇宙の騎士テッカマン&ペガス! - 電撃ホビーウェブ 「宇宙の騎士テッカマン」BD-BOX発売 放送40周年記念でHDリマスター版 - アニメ!アニメ!Anime Anime 放送40周年記念、「宇宙の騎士テッカマン」がHDリマスターでBlu-ray BOX化 - AV Watch 【うちの本棚】167回 宇宙の騎士テッカマンブレードII/中原れい - おたくま経済新聞 【うちの本棚】166回 宇宙の騎士テッカマンブレード/鈴木典孝(スタジオOX) - おたくま経済新聞 「宇宙の騎士テッカマンXross -ナイツ オブ リベリオン-」がMobageに登場 - 4Gamer.net 数量限定生産!20周年記念「宇宙の騎士テッカマンブレード」プラモデルシリーズの予約販売開始! - PR TIMES 「CoW」に「宇宙の騎士テッカマン」が登場。ワルダスターと戦うダンジョンも - 4Gamer.net Tekkaman ガッチャマン、キャシャーン、ポリマー、テッカマンらタツノコプロを代表する四作品のヒーローがアパレル化!創立55周年のタツノコプロ×コアチョコ 全6種を発売 - @Press 熱血アニメ列伝その15 最高だよ!兄さん!『 宇宙の騎士 テッカマンブレード 』 - あにぶ 「宇宙の騎士テッカマン」BD-BOX発売 放送40周年記念でHDリマスター版 - アニメ!アニメ!Anime Anime The Space Knight 週末セール情報ひとまとめ『バイオミュータント』『サガフロ リマスター』『Back 4 Blood』『DEATHLOOP』他(Game Spark) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース RSS 宇宙の騎士テッカマン #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 Tekkaman #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 The Space Knight #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 口コミ 宇宙の騎士テッカマン #bf Tekkaman #bf The Space Knight #bf 【参考】 ブックマーク サイト名 関連度 備考 Wikipedia ★★ 関連項目 項目名 関連度 備考 参考/タツノコプロ ★★★★ 企画・制作 参考/NETテレビ ★★★ 放送局 参考/ニコニコ動画 ★★ アニメ配信 タグ 作品 冒頭へ
https://w.atwiki.jp/kazu392h/pages/1162.html
autolinkTOP>【う】>宇宙の騎士テッカマン 宇宙の騎士テッカマン (うちゅうのきしてっかまん) 分類5【題名】 ジャンル5【その他・作品・番組】 1975年7~12月にNET系で26話放送。 公害汚染の為、宇宙移住を計画する人類の前に、宇宙制服を企むワルダスターが立ちはだかる。 南城二はテッカマンとなり、ペガスを使い、スペースナイツと共にワルダスターと戦う。 登録日 2005/01/05 【う】一覧 ウイニング・ザ・レインボー 上戸彩 上を向いて歩こう ウォッカ 牛若丸 嘘 うちの子にかぎって・・・ 宇宙海賊キャプテンハーロック 宇宙からのメッセージ銀河大戦 宇宙鉄人キョーダイン 宇宙の騎士テッカマン うな重 海物語 裏オプ 裏ビデオ 怨み屋本舗 裏メニュー ウリクペン救助隊 ウルトラ五つの誓い 浮気 噂の刑事トミーとマツ 上付き うんともすんとも言わない ■ トップページへ移動 ▲ このページ上段に移動
https://w.atwiki.jp/src_c_material/pages/611.html
宇宙の騎士テッカマン lixeira 管理人 bryophyta素材区分 C 備考
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/384.html
勝利のテッカマン(前編) ◆gry038wOvE この鬱蒼たる森林に集いしは、憎き運命に突き動かされし悲劇の兄弟。 共鳴し合う感覚は、すぐにこの森林に、生存するテッカマン全員を揃わせた。たった一人、脱落者がいることを考えると少々遅かったかもしれないが……。 それでも、そこにいるテッカマンは皆、共通して「彼女」のことを知りながら、彼女のことを考えたり、話題に出したりはしなかった。 避けているのではない。 今は、どういうわけかその少女の名前が身近に感じるのであった。 その少女がいる場所────死後の世界に最も近い場所に、自分たちはいるのだと思わせるほどに、その場は張りつめ、凍り付いていた。 相羽。 その苗字から察することができる通り、この場にいる二人の男は血縁者──兄弟であった。体格が良く、華奢という言葉とは無縁。しかし、華奢でも違和感が無いであろう美少年。 二人分の描写をする必要はない。彼らは双子でほぼ同じ顔だったからだ。 その顔つきまで非常に似通っているものの、これから彼らが見せる異形は、似てはいるが色合いも造形も違うものとなる。 相羽タカヤが変身するのは、テッカマンブレード。 相羽シンヤが変身するのは、テッカマンエビル。 光と闇の騎士であるのは確かだが、そのどちらが光でどちらが闇なのか、今となってはわからない。周囲への貢献で言えば、間違いなくブレードが光だが、当人の心の持ちようによって光か闇か決まるのなら、エビルが光と見えるだろう。 ブレードは、人間の味方だった。エビルは、人間の敵だった。 ブレードの心は、まだどこか曇っていた。エビルの心は、不思議と晴れやかだった。 「兄さん」 その呼びかけに、タカヤは答えない。 巡り合いは偶然でも何でもない。モロトフからの情報と、テッカマン同士のシンパシーが起こした必然。 だからこそ、なるべく早く踏ん切りをつけてきたはずだった。 両肩が痛む。 肩が凝るどころの話ではない。肩から血が溢れ、激情とともにその血が噴き出そうとするのだ。森に吹く生暖かい風の煽りを受けて、痛みは増すばかりだ。 「……京水、見ろ。あれがテッカマンエビルだ」 タカヤと共に来ていた泉京水という男(ただし心は女)が、シンヤの歪んだ顔つきを見て、少しだけ目を大きくした。 タカヤと全く同じ顔でありながら、険しい表情をするタカヤとは違い、シンヤは妙に落ち着いて微笑んでいた。 タカヤならば絶対に見せないであろう表情だと思う。 京水はタカヤとシンヤの二人の顔を交互に見比べた。 ……まるでシンヤが善玉で、タカヤが悪玉のようにも、見える。 しかし、どちらも美少年には変わりはない──ということに気が付き、京水は声をあげた。 「シンヤちゃーん! 会いたかったわ!」 少しは畏怖するかと思いきや、予想に反して相変わらずだった京水に呆れる。 実際、京水が一切恐怖を抱かないのは、彼がNEVERという特殊な存在だからに違いない。彼は死に対する恐怖を持ち合わせないのだ。 「……兄さん、これは新しいガールフレンドかな? まあいいさ、俺たちの邪魔さえしなければね……」 「お前こそ、その奇妙なペットに邪魔をさせるなよ」 シンヤの傍らには、ラダムとは明らかに形状が違う、しかしおそらく宇宙にも生息しないであろう奇怪な生物が佇んでいる。 椅子から生み出されたナケワメーケで、やや巨大な外形である。 ラダムやテッカマンよりは愛嬌があるものの、シンヤの仲間には違いなしという感じだろうか。 「……勿論。これは俺と兄さんだけの勝負さ。絶対に他の誰にも邪魔はさせない。ナケワメーケ……お前はもう自由だ。ここから離れるといい」 しかし、ナケワメーケが離れていく様子は無かった。離れたとしても、することがないのだ。主の戦いを見届けたい気持ちがあるのかもしれない。 シンヤの様子が奇妙であることに、タカヤは気が付いた。 なんだか、「テッカマンエビル」にしては妙に落ち着いている。──こんなに一対一の勝負に拘る男だっただろうか。 これまで憎しみの対象としてきたテッカマンとは、まったく違う……そう、例えるならまるで、タカヤが知っている「相羽シンヤ」のような……。 タカヤが言葉を忘れた間を狙ってか、シンヤが再び口を開く。 「兄さん、聞いてくれるかな……俺は、やっとわかったんだ。なぜ、兄さんとこんなにまで憎み合い、戦わなければならなかったのか」 「何……?」 タカヤがようやく言葉を発する。 それは、言葉の出し方を思い出したというよりは、反射的に口から出かかった言葉だった。 シンヤは、戦う意味がわかったと言った。 それは、彼が戦う意味を知りたがっていたということ──ただ本能的に戦っているだけのはずのテッカマンが。 「俺は、兄さんと戦い続けることでしか、俺の存在を、俺が生きてるってことを証明できなかったんだよ」 京水、ナケワメーケ……部外者のすべてが黙り込んでいた。 相羽タカヤは、憎しみに狂ったよりも、もっと真摯な瞳でシンヤを見つめた。 一瞬、かつてのシンヤの姿と重なる。 かねてより持っていたシンヤの、裏の顔なのだろうか。 彼が兄弟に対して持っていたのは、愛情だけだけではなかったのだ──愛情と紙一重のところにある、もう一つの黒い感情を持っていたのではないだろうか。 「ラダムでも人間でも同じことさ。……たとえ、テッカマンにならなくても、俺はきっと兄さんと戦っていたと思うよ」 「シンヤ、おまえ……」 「────嬉しいんだよ、俺は。こうやって兄さんと決着をつけられるってことが。だからこそ俺は、俺のもつ力を全てかけて、兄さんを倒す」 タカヤの背筋が凍る。それは、ラダムに支配されたテッカマンとしてでなく、シンヤとしての彼が持つ闘争心から来た言葉だったからだ。 仲の良い兄弟にあった、もう一つの感情。 ラダムに寄生させる前からずっと持っていたはずの、シンヤの何か──。 「気にするなよ、兄さん。これは宿命なんだ。俺たち双子が、いや、ラダムと人類ふたつの種族が、未来をかけて戦う……逃れようのない宿命だったんだ」 ──しかし、そんな気持ちが熱い何かに中和され始めた。 シンヤの言っていることは間違っていると、タカヤの中の何かが告げる。 父孝三の死と引き換えに生かされ、シンヤやケンゴといった兄弟と戦い、ミユキという妹の死を経験した男には、それを宿命などと片づけることはできなかった。 しかし、それを言葉で返すことは、不思議とできないのだった。 シンヤが、ニヤリと笑った。 その口元に生まれた微笑を見て、タカヤは、口元を引き締めた。 「京水、お前は逃げろ。……俺たちが全力で戦えば、この周囲すべてが吹き飛ぶぞ!」 その顔のまま、タカヤは京水に怒鳴るように言った。 しかし、京水は数メートル引き下がるだけで、一切タカヤやシンヤを視界から外そうとはしなかった。 シンヤはナケワメーケに何も言わない。 それが物でしかないこと……それをよく理解していたし、大きな愛着もない。バットショットやスタッグフォンも同じだ。邪魔さえしなければいい。 タカヤは京水がそう離れていないことにさえ気づかずに、拳を強く握った。 それが合図だった。 二人は、ほぼ同時に、変身のための掛け声を叫んだ。 「「テック・セッタァァァァァ!!!!!!!!!」」 生まれたままの姿になった二人の手から、足から、背中から……体の内部から裏返るように突き破り、生々しい音を立てながらグロテスクな変形を辿っていく。 人の姿を失い、化け物同然の姿となった戦士。 ラダムという寄生生物によって、人であることを許されなくなった異形。 その名はテッカマン。 その異形がそれぞれの色に光りながら、より完全なものへと変化していく。 そして、テッカマンブレード、テッカマンエビルも、それぞれの変身を完了させた。 京水も、ナケワメーケも、────その様子を陰で見守っていたテッカマンランス・モロトフも思わず一歩下がる。 ────爆風によって周囲の木々が乱れていく。 巨体ナケワメーケが吹き飛びかねないほどの、強風。それは、テッカマンが走り去った後から吹いていた。 緑と赤の光が、同じ距離だけ走って、中心でぶつかり合っている。 光でなく、それがテッカマンブレードとテッカマンエビルの形なのだとはっきり認識できた頃には、それぞれのテックランサーが押し付け合っている。ガキン、という鈍い音がそれぞれの耳に入っていただろうが、それは他の人間には聞こえなかった。それより遥かに巨大な爆音が鳴り続けていたのである。 しかし、それぞれの手元に握られた武器は、一瞬で命を絶つことも難儀ではない武器。──ゆえに、音がどれほど小さくても、その一撃の意味は大きかった。 両刃のテックランサー。 十字のテックランサー。 どちらが圧しているのかもわからないほど、強い力と力を感じるものだった。 「でぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」 「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」 ……が、すぐに十字のテックランサーが圧すようになった。 能力的には互角でありながら、ブレードの肩はダグバによる傷が残っているのだ。力比べとなれば、あっさり負けてしまうのは当然であった。 「ぐああっ!!」 ドサッ、と音を立てて地面をバウンドした後に、ブレードの体が数メートル吹っ飛ぶ。 彼の体が転がった地面は、あまりの熱のためにか、砂埃ではない煙を出している。 本来なら、地面に尻をついたブレードにトドメを刺すのは簡単なはずだった。 しかし、エビルは追撃しなかった。 「兄さん……肩を怪我してるみたいだね。これじゃあ、俺の望む決着なんかつかない」 エビルは、己のテックランサーを使い、あろうことか自分の左肩にそれを突き刺した。 それを力強く引き抜き、血のような液体が噴き出し、本人も小さく悲鳴のような声をあげる。 しかし、それだけでは終わらない。 テックランサーを左手に持ち替え、ひと思いに右肩に突き刺す。その瞬間、左肩からも右肩からも液体が噴き出したが、エビルはそれを何とも思ってはいないようだった。 「……はぁ……はぁ……どうだい、兄さん。これで俺たちは平等だ。正々堂々と戦える」 兄へのコンプレックスを持ちながら、彼は決して優位な立場から兄に勝とうとはしない。 それでは、存在を証明することにはならないのだ。 双子。本来、一つだったはずの存在──わずか三十分の生まれた早さの違いで、生涯タカヤを兄と呼び続ける運命にあった男の、兄の背中を追い、親の愛を求めた男のプライドが、一切の卑劣を許さないのだった。 少なくとも、シンヤとしての意識が強い今だけは……。 「何をしようと容赦はしないぞ、シンヤ!!」 しかし、ブレードは容赦をする気は毛頭ない。彼がテッカマンエビルならば、どんな手を使っても彼を倒さなければならない。そして、相羽シンヤなら、兄として全力で彼と戦い、たとえ勝敗がどうであれ────弟の存在を証明しなければならない。 悲しいかな、タカヤはそのどちらであっても弟を殺す運命になってしまったのである。 タカヤの言った、宿命とやらは正しかったのだろうか。 否、それだけは絶対に認めてはならない。 平和な家族を壊したのはラダム。だからこそ戦える。それがシンヤや自分自身だったというのなら、タカヤはきっと……。 テックランサーを構えたブレードが、再びエビルに立ち向かっていく。エビルの血まみれのテックランサーが、フェルミオンワイヤーによって発射される。 エビルの手から離れながらも、真っ直ぐブレードに向かっていく。 「はぁっ!!」 ブレードがそれを叩き落とすが、そちらに気を取られた隙にエビルがブレードとの距離を縮めている。 そして、例によって肩から体当たりをした。 重い体重がのしかかることにより、またブレードが吹っ飛ぶ。 しかし、今度はただ吹き飛ぶのでなく、倒れる瞬間にブレードもテックランサーでエビルの脇腹に死傷を与えた。 「「ぐっ……!」」 「タカヤちゃん!」 「邪魔をするなっ!!」 京水がかけた声を、ブレードは突き放す。逃げろ、と叫ぶ余裕さえないのだ。 だが、誰も邪魔をする気はなかった。事情を知らない京水でさえ、邪魔する気になれなかった。 もしかしたら、東せつなならば止めようとしたかもしれないが、残念ながら彼女はここにはいない。 京水は彼女ほど甘くはなかった。どちらかの死を受け入れる覚悟もあったはずだ。 ゆえに、この一瞬の心配の一声を除いて何かを言うつもりはなかった。 「兄さん、とっても嬉しいよ! いま俺は、生きてることの素晴らしさを、この肌で感じているよ」 「シンヤ、お前やケンゴ兄さんがラダムとなり、ミユキが死ななければならなかったのも、すべて宿命で片づけられるのか!?」 「いやだなあ、兄さん。俺はむしろ感謝しているのさ。ラダムになったおかげで、兄さんとの勝負にケリがつけられることをねぇ!」 起き上がった二人は、何度でも敵に向かう。 それしかない。 敵に背を向けるのは、もはや兵法に無い。それこそ、この戦いの意味を無に帰すものとなるだろう。 ブレードがテックランサーを凪ぐと、真一文字にエビルの体が切れる。 エビルがテックランサーを突き刺すと、ブレードの腕が血まみれになる。 しかし、どこか麻痺しているのか、それらは些細な傷としか認識されない。 「最高だ! 最高だよ兄さん! こんなにも充実した時を過ごせるなんて」 エビルの狂気。 それは全て、あるひとつのトラウマに起因していたのだった。 「もうラダムも人間も関係ない!」 シンヤが小さい頃、彼が落としたランプの火がカーペットに燃え移った。ちょっとした不注意だったが、それが取り返しのつかないことになった。 ランプの火はカーペットの隅から隅まですぐに燃やし尽くしていき、その周囲もすぐに燃やしていった。 どうすることもできず、動けないまま、必死で「助けて」と叫んで、母はすぐにシンヤを助けに来た。 しかし、周囲はそのまま火に囲まれた。 彼女が助けに来ても、結局傍にいる以外はできなかった。 母の腕の中で、シンヤは放心状態に陥った。 自分のせいで、自分が過ごしてきた家が焼けていく。このままだと自分も母も死んでしまう。いろんなことで頭がいっぱいで、泣くことしかできなかった。 母は、何か思いついたように大時計にシンヤを閉じ込めた。丈夫な時計だったから、その中に入れれば助かると思ったのだろう。ちょうど子供一人分のスペースにシンヤを入れて、母は微笑んだ。 「この瞬間が俺のすべてだよ、兄さん!」 そして、シンヤの目の前で……一つガラス板をこえた向こう側で、母は……母だったものは燃えていった────。 それが負い目となって、彼は家族に対するコンプレックスを強めた。 父が愛してくれるはずがない。母を死なせてしまった自分を。 タカヤ兄さんも、ケンゴ兄さんも、ミユキも……。彼らのあの時の、冷めた表情は忘れられない。 ずっと、そんな思いにさいなまれて生きてきたシンヤの強い劣等感が、テッカマンとなって爆発したのだろう。 彼が、「テッカマンにならなくても戦っていた」と言うのは、おそらくこの出来事が原因で家族に接しにくくなったのを薄々記憶しているのが原因だと思われる。己の罪を、兄たちが許してくれるはずがないと……いつか、誰かが突き放していくのだろうと、父の愛は全てタカヤに注がれて、シンヤなど「いなかったこと」にされてしまうのだろうと、そう思ったから、双子の兄に対するコンプレックスは強かったのだ。 尤も、今の彼はその時の記憶など封印してしまったのだが。 「違う──!」 タカヤは、シンヤの戦闘意思を拒絶する。 この戦いがシンヤの全てならば、共に過ごしてきた幼少期は何だったのだろう。 あの楽しかったはずの日々は、シンヤにとってオマケでしかないのだろうか。 タカヤの場合は逆だ。 相羽家の本当の記憶は、忌まわしいラダムとの戦いなどではなく、全て、もう時が止まってしまったあの家で過ごしたものなのだ。 そこにずっとあったシンヤの気持ちも知らない。 これは全て、ラダムによる暴走ゆえなのだと信じていた。 だから、彼はシンヤの言葉を否定した。 しかし、シンヤは叫び続ける。 「勉強! スポーツ! 親の愛! 何もかもが兄さん一人のものだったのさ! 人間の時はねぇっ!!!」 「そんなことは……!」 エビルとブレードが対峙したまま叫びあう。 ブレードのタイムリミットの都合がある以上、長々と話しているのは無駄以外の何物でもないのだが、それでもブレードは、タカヤとして……兄として、シンヤの……弟の言葉を聞かなければならないのだ。 「俺が……あの日々をずっと楽しく生きてきたと思ってるのかい、兄さん!! 何度も思ったさ……兄さんが憎いって!! でも言えなかったのさ、憎いだけじゃなく、愛してもいたからねぇっ!!!」 「──シンヤ……お前は……!!」 「だから、これは俺にとって最後のチャンスなんだ。兄さんを超え、兄さんを殺す最後のチャンス!! 俺は絶対に負けない……、負けられないんだ、絶対にぃっ!!!」 「──父さんや、母さんに……!!」 「俺はラダムを……そして人間をやめるぞっ! ブレードォォォォ!!」 負ければ、シンヤはタカヤの劣化版という不要物でしかなくなってしまうのである。 幼少期から、学校生活までのあらゆる場面で、シンヤはタカヤに負けてきた。 何度も競争して、何度も負けた。野球や空手といったスポーツでも勝てない。 勉強でも勝てない。親にも愛されない。 ミユキも、タカヤにばかりべったりで、シンヤに対する態度は少しよそよそしかった。 同じ顔、同じ日に生まれた双子なのに……。 「……その姿は……進化した、テッカマン……なのか!?」 テッカマンエビルの赤い異形──その姿はブラスター化していた。 体中が刺々しい物体が生えて来て、全身をより巨大に見せている。 不完全なテッカマンの能力を補う進化形態であり、タカヤは彼がブラスター化を果たしていたことなど知る由もなかった。 これにより、パワーは強化されるが、他のあらゆる面で大きな弊害が巡ってくる。 しかし、そんなものを今のシンヤが気にするはずがない。 どうあっても、絶対にタカヤを殺さなければならないのだ。そのためにこの力を得て、寿命を削ったのだから。 「ブラスター化については知ってるみたいだね……さあ、兄さんもなってみせなよ……ブラスターテッカマンに」 「くっ……!!」 躊躇いたくなる気持ちを忘れてしまったのだろうか。 声だけは躊躇をしているように聞こえたが、タカヤは一切そんな気持ちがなかった。 ただ純粋に、シンヤと対等に戦いたい気持ちがタカヤにはあった。 シンヤを認めるためか? いや、タカヤも薄々気づいていたのだろう……。 ──本当は、シンヤが「勝って」いたことに。 手をかけずとも勝手に育つ天才・タカヤ。 手をかけなければ、何をするかわからない努力家・シンヤ。 親やゴダートが気にかけ続けたのは常にシンヤだった。 それは、あたりまえのことだっただろう。タカヤを本当に慕っていたのは、幼いミユキだけだった。 タカヤは、きっとそれを心のどこかで知っている。そして、寂しく思っていたはずだ。 「ぐぉぉぉぉっ!!」 ブラスターテッカマンブレード──その進化がシンヤへの答えだった。 あまりのエネルギーに、地面が盛り上がり、木々は激しく揺れる。 京水も、流石にその場には長居できなくなり、さらに後方へと引き下がっていく。 ナケワメーケも、尻もちをつく。モロトフは、その場で目を覆う。 この時系列のテッカマンブレードは、まだブラスターになったばかりだった。 ゆえに、ブラスター化の経験が薄い者同士となっている。 ブレードに至っては、そのリスクさえ詳細に知らないのである。 ★ ★ ★ ★ ★ 「…………やはり、あれは!」 物陰からその様子を見ていたモロトフが、二人のブラスター化した姿を見て驚愕する。 ブラスター化したブレードを見ると、かつて撃退された記憶がよみがえったのだろうか。 その姿を見た瞬間、モロトフの足は自然と後ろに下がった。 恨みつらみよりも、あの瞬間のトラウマが、モロトフの戦意を奪ってしまった。 (……しかし、奴らはおそらく、戦いの決着がつくまで、私を攻撃することはないか……。だが、もし……ブレードが勝てば……) と、少し考えた後、自然にまた一歩下がる。 ブレードはやはり、その後、自分を殺しに来るだろう。 だが、それ以上は下がらなかった。 弱弱しくも、まだラダムの闘争本能や、高いプライド、そして優勝者となる野心を確かに胸に抱いたままなのだ。 機会があればタカヤかシンヤを殺したい。 その思いは今も変わらず、胸の中に存在するのだ。 そして、同時に自然と退いてしまった自分の足元を見る。 その瞬間、ふと我に返った。 (クッ。私とした事がっ! ……退くわけにはいかない! 私こそが最強のテッカマン……そして、このゲームの勝者なのだ……っ!!) そう、勝てないはずがない……はずだ。 たとえ、至近距離からのボルテッカが効かないとしても、エビルとの戦いで弱ったブレード──それも、30分の変身制限で人間の姿に戻ったブレードならば何の問題はないはずだ。 もし、エビルと戦いになったとしても、あの様子ではブレードとの勝敗以外には興味はない。 どちらにせよ、あそこまでの死力を尽くした戦いの挙句に、きっと二人は簡単に死ぬだろう。 そうだ、テッカマンランスが死ぬことはない。 エビルよりも、ブレードよりも強き戦士──テッカマンランスは、漁夫の利を拾い、テッカマンの頂点となることができる。 ……。 ……………。 ………………しかし、本当にそれで良いのだろうか? ……………………それが、完全なテッカマンのやることといえるのだろうか? モロトフは自分の力に絶対の自信を持っている。 本気になれば、ブレード、エビル──いや、ブラスターブレードやブラスターエビルさえも消し炭に変えられるはずだ。 (そうだ、弱気になるな……。私の力さえあれば、姑息な真似を使うことなく、奴らを倒すこともできる……!!) モロトフは、拳をぐっと握った。 ここから見える二人は、己の存在証明のためだけに、平等な条件で正々堂々戦っている。 では、モロトフは何のために戦っているのだろうか。 (私はオメガ様に知ってもらいたいのだ。エビルよりも私の方が有能であることを……ならばっ!!) 前へ前へ、今度は自然と足が動く。 ────彼もまた、己の存在をかけて戦うテッカマンの一人だったのである。 蟻と称する人間相手なら、一対一は時間の無駄になるゆえ、どんな卑怯な手でも使っただろう。 しかし、テッカマンという同条件の相手に、卑劣な真似を使うことは、ブレードやエビルを卑怯な真似を使わなければならない弱い存在であると認めてしまうようなものだ。 「テック・セッタァァァァァァァァァァッ!!!!」 テッカマンランスはかつての雪辱を果たすため、再び無謀な戦いに身を寄せようとしていた。 あの時とは違う。 返り討ちの可能性もあると考えている。 しかし、それでも、テッカマンブレードに敗北した弱い自分を消し去るには、今しかないのだ。 (エビル……約束が違うが……貴様らの兄弟喧嘩を邪魔させてもらう。私にも、貴様と同じく果たさねばならない因縁があるのだっ……!) 二人のテッカマンは、もう一人のテッカマンが近づいてくるのを感じ取っていた。 それがテッカマンランスであるのは二人ともわかっているはずだ。 しかし、ブラスター化した以上、戦闘には大きな影響をもたらさないだろうと考えていた。 互いが感知し合い、三人のテッカマンが集結することになった。 ★ ★ ★ ★ ★ 物陰から現れたもう一人のテッカマン。その名はランス──人間名はモロトフ。 先ほどから認知してはいたが、二人のテッカマンはこれまで一切彼に気を回すことはなかった。 しかし、こうして戦闘に介入する気でやって来た彼を前に、エビルが思わず口を出す。 「……モロトフ! 邪魔をするな──約束をしたはずだっ!!」 ブラスターエビルが、ランスに喝を入れたが、ランスはそんなものを聞き入れようとしなかった。 一瞬で、二人のもとへ現れたランス。 先ほどまで、明らかに漁夫の利を狙っていたランスが、何故ここにきて急に現れたのか、ブレードにもエビルにもわからなかった。 「……身勝手なことを言うな! 私もオメガ様の為に戦うテッカマンの一人……」 身勝手なのは明らかにランスの方だったが、彼は彼なりの思いがあった。 もはや約束など関係はなかったのだろう。 約束など大事なことじゃない。彼にとって大事なのは、何より己の強さ、それに対する絶対的なプライドと威厳だったのだろう。 「私自身のプライドにかけて……! ブレード、貴様を殺す!! ……私の邪魔をしたいのなら、二人まとめてかかってもらっても構わん!!」 ランスはそう叫んだ。もはや、ブラスターテッカマンを前にしても一切恐怖などなかった。 二人纏めてでもいい。 それで勝利すれば、テッカマンランスの名前に箔がつくはずだ。 テッカマンも、プリキュアも、魔法少女も倒しつくし、加頭さえも倒す。 そして、無事オメガ様のもとに帰還し、全てを報告するのだ。 そのために──── 「ボル・テッカァァァァァァァッッ!!!!」 木々を巻き込み、テッカマンランスの首からボルテッカが発される。 ブレードに向けて一直線に向かっていく光の粒子の束。 次の瞬間、ブレードの体がその光に包まれたが、光が消えると、そこには何事もなかったかのようにブレードが立っている。 「……これが、ブラスターテッカマンの力か!!」 ブレードは驚いているようだったが、それについてはランスもエビルも経験済みだった。 ブラスターテッカマンの圧倒的な強さに、やはりボルテッカは効かない。 しかし、それも計算済み。 土埃や煙の中にいるブレードの影へと、ランスは突っ走る。 「──テックグレイブ!!」 彼は自分のテックランサー──テックグレイブを構え、そこに立つブレードへと突き立てる。 しかし、ブラスター化した彼の表面は、そんなものを通さない。 そして、そんなランスの真後ろに、エビルが迫っていた。ランスは、はっとして背後を振り向くが、エビルが真横に百八十度回転させた手刀でランスを吹き飛ばす。 「……何っ!? ぐああああっ!!」 ランスの体は、ブラスター化したテッカマンの圧倒的な力を前に、数メートル吹き飛ばされてしまう。 ダメージも半端ないものだっただろう。 起き上がるのに時間がかかるし、起き上がった後もすぐには戦えないのが容易にわかる。 そう、どれだけ強い決意を固めたとしても、テッカマンとブラスター化したテッカマンの間には決定的な実力の開きがあった。 かつて一瞬で吹き飛ばされたことを思えば、十分まともに戦った方だっただろうか。 「さあ、兄さん……続きだぁっ!!」 エビルは、すぐさま振り向いて、テックランサーを抜いた。 そして、それをブレードへと突き刺そうとする。 「ぐっ!!」 しかし、ブレードもまた、すぐにテックサンサーを抜いて、エビルの攻撃を一瞬で防いだ。 「はぁっ!!」 二人は、それを弾きあうと、同時に後方へと引く。 そこへまた、エビルがテックランサーを投擲する。 ブレードはそれを避けるが、その顔面へエビルは拳を突き出す。一瞬で、そこまで駆けぬいたのだ。 「ほぁぁぁぁっ!!」 ブレードの体は、その一撃でまた後方へと吹き飛んだ。 だが、そこにエビルが追撃していく。 またしても回り込んだエビルは、右腕を前に突き出す。 それを読んだブレードは、そこにテックランサーを翳した。 エビルはテックランサーにパンチを繰り出し、彼のテックランサーに指を切り裂かれる。 「うっ……!」 ひるんだエビルに、ブレードが右足で一撃、キックを放ってエビルを後方へ吹き飛ばす。 バランスを崩したエビルは地面を転がるが、すぐに立ち上がり、ブレードの追撃を回避する。 ブレードの方を向いたまま、少し浮き上がって後方へと下がっていく。 遠距離攻撃。 その意図はわかっている。 テックランサーを投擲してしまった今、エビルの遠距離からの攻撃方法は一つ。 ブレードもまた後方へと下がって、エビルの方を向いた。 「……これで最後だ、ブレード!!」 「……シンヤ!」 それぞれの肩に、エネルギーが集中していく。 テッカマンの必殺技にして、ブレードにとってはたった一度しか使えないはずの攻撃。 それを使ってでも、早く決着をつけなければならなかった。 時間が迫っている。それに、またランスがいつ攻撃してくるかもわからない。 だから、己の肩に集中したエネルギーを使い─── 「「ボルテッカァァァァァァァッッッ!!!!!」」 肩から発された二つの光が、中央でぶつかり合う。 あっさり弾けたりはしない。 互いが必至に力を込め、保たせよう保たせようと必死だった。 ★ ★ ★ ★ ★ 時系列順で読む Back メモリとスーツと魔法陣Next 勝利のテッカマン(後編) 投下順で読む Back メモリとスーツと魔法陣Next 勝利のテッカマン(後編) Back Nのステージ/英雄─ヒーロー─ 相羽タカヤ Next 勝利のテッカマン(後編) Back Nのステージ/英雄─ヒーロー─ 泉京水 Next 勝利のテッカマン(後編) Back Nのステージ/英雄─ヒーロー─ モロトフ Next 勝利のテッカマン(後編) Back Predestination 相羽シンヤ Next 勝利のテッカマン(後編)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/32336.html
登録日:2015/06/06 Sat 20 35 01 更新日:2024/06/11 Tue 18 38 10 所要時間:約 ? 分で読めます ▽タグ一覧 チーフ テッカマン テッカマンアキ テッカマンブレード 如月アキ 宇宙の騎士テッカマンブレード 宇宙の騎士テッカマンブレードⅡ 林原めぐみ 紅の修羅 赤い悪魔 ※推奨BGM:REINCARNATION こんにちわ!私はユミ・フランソワ、テッカマンイーベルです。 ラダムの攻撃は、あれでおしまいではなかったんです。 連中は今度は直接攻撃を仕掛けてきました! 私達はもう、頭パニクっちゃって…。 そんな私達の前に颯爽と現れたのは、なななななんとっ!! 四人目のテッカマンでしたっ!! 第2話『VIRGIN-BLOOD』に、テックセッター!! 『宇宙の騎士 テッカマンブレードⅡ』の登場人物。 主人公・Dボウイこと相羽タカヤの恋人・如月アキ(小説版『水晶宮の少女』では姓が相羽に変わる)が変身するテッカマンである。 CV 林原めぐみ ◆概要 前作における第一次ラダム戦役終結から2年後の連合地球暦195年。 スペースナイツチーフのハインリッヒ・フォン・フリーマンはラダム母艦の残骸より回収したテックシステムを研究・解析し、地球の技術でテッカマンを生み出す『ET(アーステッカマン)計画』を立ち上げようとしていた。 スペースナイツの若き天才科学者Dr.フレイルと共に独自のテックシステムを開発するまで研究は進んでおり、フリーマンは自らを被験体にしようとする。しかし、それを止めたのは如月アキであり、彼女は自らがテッカマンとなることを強引に志願したのである。 この当時、地球は新たにラダムの脅威に晒されており、Dボウイは未だ廃人状態のままな上に侵攻してきた異星人テッカマンとの精神感応で放っておけば命は無い状態だった。 アキはかつてテッカマンブレードとしてラダムと過酷な戦いを続けるDボウイの何の力にもなれなかったことへの無力感から、 たとえ悪魔に命を捧げてでもラダムと戦い、愛する者を守れる力を強く渇望していたのである。 たとえ1%でも、0.1%でも…Dボウイをこの手で助けられる可能性があるのなら! 彼女が使用するテックシステムは元はラダム母艦の戦闘兵器製造用であるためフォーマットに適合しなければ死が待っているだけであった。 しかし、伊賀忍者の末裔であるアキは武芸に長けており身体能力も抜群に優れていたためか、 完全戦闘型テッカマンとしての素質も充分にあったため、フォーマットは問題なく成功した。 こうして地球製のテッカマン第一号、テッカマンアキは誕生したのだ。 しかし、そんな彼女を待っていたのはかつてDボウイが味わった、地獄よりも遥かに辛い苦しみと絶望であった……。 アキはその地獄と絶望を乗り越えることで、新たな若きテッカマン達を導き、 蘇った白い魔人と共にラダムを倒す紅の修羅として戦い続けるのである。 しかし、アキを地球製テッカマン第一号とした『ET計画』はここで頓挫することになる。 素体フォーマットを受けていない生身の人間をテッカマンにすることでは戦闘能力に限界があることが判明したのだ。 このため、素体テッカマンを再フォーマットして地球製の戦闘用テッカマンを生み出す新たな『ET計画』へと変更されたのである。 ペガス!テックセッター!! ラーサ! ◆基本スペック 元はエビルのクリスタルを使用しているためテッカマンアキは全身が血塗られた赤いアーマーで覆われており、 桜色の陣羽織を羽織っているのが特徴。さらに生身のアキの長髪がまとまらないまま露出している。 テックセットにはオメガとの戦いで大破したペガスを修復した機動兵ペガスⅡを必要とし、テッククリスタルはエビルが死の間際にDボウイに託し、遺した物を回収し、使用している。 ただし、色は赤から緑に変化しており、形状も一部変わっている。 地球製テッカマンの第一号となったアキはいわゆるプロトタイプのような存在であり、そもそも素体フォーマットを受けた人間ではない。 通常、テッカマンは素体テッカマンが光=物質変換機能によってアーマーやバーニア、ランサーなどの武器を生成することで戦闘を行うが、 アキは素体テッカマンとはならずに直接テックセットしているために光=物質変換機能がなく、バーニアや自製の武器を生成することができない。 このため飛行にはペガスⅡを必要とし、武器は地球製の人工のものを使用するしかないのである。当然、ボルテッカを使うこともできない。 アーマーも完全戦闘型テッカマンほど強固ではないため防御力も低く、アーマーの下にあるのは生身の彼女の肉体であり、 万が一致命傷を受ければ彼女自身の命が危ぶまれるのである。 よってアキは素体と戦闘型の中間体、『限りなく素体に近い戦闘型テッカマン』と言える存在となっている。 何もかもが中途半端であるが、これもプロトタイプ故の不安定さである。 しかし、アキの能力がダイレクトに反映されるテッカマンアキはアキ自身の卓越した身体能力が存分に発揮されており、 純粋な身体能力だけによる戦闘ならばラダムの完全戦闘型テッカマンとも互角に渡り合うことができるのだ。 ボルテッカを装備していないため決定打こそ欠けるが、戦闘能力は白兵戦に特化したテッカマンアックスに近い。 第2話ラスト、イーベルがリアクターボルテッカで倒した異星人テッカマンの叫び、そしてその亡骸に集まった同胞の嘆きを知り戦意を喪失した新生テッカマン三人組。 その姿を「甘いわ…!」と見かねたアキはテックセットし、紅の修羅として敵を無慈悲に葬り去る。 あまりにも凄惨な光景に目を覆うイーベルとベスナー。それをただ見据えるゾマーは二人に言う。 ベスナー「これが…戦い…!?」 イーベル「チーフ…。チーフは…チーフは、どうしてあんなに冷たく戦えるの…?」 ゾマー「知ってるんだ…あの人は知っている、自分よりはるかに辛い何かを。そして、俺達に言ってるんだ。『これが、戦いだ』って…」 イーベル「これが…戦い…?戦うって…テッカマンって…?」 ゾマー「あの人は決して振り向かない。振り向く事の辛さを、悲しみを知っているから。『ロトの妻は、後ろを顧みたらば、塩の柱となり…』」 旧約聖書に記された『ロトの妻の塩柱』の伝承を口にし、ゾマー=ダービッドは紅の修羅となったアキを見続ける。 あなた達の指導者は、過ちを犯した。テッカマンであることを、まるで人を超えたかように錯覚し、数多くの罪なき素体を巻き込んだ。テッカマンであることは、人以上でも人以下でもない。その事実を受け入れなかった。あなたもクリスタルを持つ者なら、この事を決して忘れないで! 忘れもしない『プラハの黒い9月』事件の起こったあの日、幼い自身を助けてくれた憧れの女性を重ねながら……。 ◆主な能力・装備 ●テックランサー/ランサーショット 自らの武器を生成できないアキは人工のテックランサーを武器として用いる。 このランサーは前作でブラスターエビルが遺した物をスペースナイツが回収し、それを加工したものとなっている。 刃部分はエビルのランサーのように可変させて展開することが可能であり、突き刺した時に展開することで 敵を内部から破壊できるようになっている。 ランサーは根元部分が刃を収納する機関部となっており、使用しない際は折り畳んで携行できるようになっている。 また、このランサーは銃剣としての機能も備わっており、機関部にはニードルガンが搭載されている。 弾は各機関部に三発ずつ装填されており、遠距離からはこのニードルガンでの攻撃を行うことができる。 ●テックワイヤー アキの左手首に装備されている腕輪は人工のテックワイヤーであり、標的を捕縛したり投擲したランサーを回収する際に使用する。 白兵戦の際はまずこのワイヤーで相手の動きを封じた上で一気にランサーでトドメを刺す戦法を主体としている。 ●クラッシュイントルード アキは単独では飛行できないため移動にはペガスを必要とするが、ペガスに埋め込まれているクリスタルにより クリスタルフィールドを展開することが可能であり、長距離を短時間で移動する際に利用する。 このため前作のブレード同様にペガスに搭乗している時のみこの攻撃法で大軍の殲滅や一点突破を行うことができる。 ◆余談 ●新生テッカマン三人組と同様にテッカマンとなったアキもスパロボWや『オービタルリング奪回作戦』にて出演している。 印象的なのは前作に登場したラダムテッカマン、テッカマンソード/フォン・リーとの絡みである。 この二人は共に『愛する者を守るためにテッカマンとして戦う』という共通点があり、両作品でライバル同士となって死闘を繰り広げるという展開がある。 wiki篭り達の…私達の項目…壊させはしない!ペガス!テックセッター!! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 如月アキよりもテッカマンアキの方が先に建ったんだ -- 名無しさん (2015-06-06 20 46 24) このヒト何が恐ろしいって、自分よりも圧倒的に能力で勝るラダムテッカマンのミハエルに単身で勝利してるってのがもうね…… -- 名無しさん (2015-06-06 21 39 47) ↑幻の『ラダム再び』のラストで「人の強さを信じる」と言い切ったフレイルがテックシステムに取り込まれ暴走するとはひどい皮肉に感じる… -- 名無しさん (2015-06-06 22 02 23) もし仮にチーフが予定通りテッカマンになったとしても結構いい線いってたと思う。前線での指揮とかはかどりそう。 -- 名無しさん (2015-06-06 23 32 38) ↑もし本編でテッカマンになってたら、スパロボWであったフォンとの因縁が実現してたかもな……。 -- 名無しさん (2015-06-07 02 52 04) よく見るとテッカマンブレードIIなのに主人公がDボゥイと書かれてるw -- 名無しさん (2015-06-07 21 27 31) スパロボWでのテックランサーでのトドメ演出はかなりカッコイイ(かつ怖い)んだけど・・・ブレードとの合体攻撃のあれはなんだよw -- 名無しさん (2015-06-09 20 11 50) ↑Wテッカマンによるラブラブランサーだ!! 敵は(砂糖吐いて)死ぬ!! -- 名無しさん (2015-06-10 01 09 16) これで -- 名無しさん (2015-06-10 01 25 54) スパロボWだとMs.からラダム樹に取り込まれてる(素体フォーマットを受けてる)んだよね -- 名無しさん (2015-07-04 18 44 37) ↑ミス。自らね -- 名無しさん (2015-07-04 18 44 51) この人が万一完全な形でフォーマット受けてたらと思うとマジ恐ろしいな。恐らくラダムテッカマンの中でも上位に食い込むぞ。 -- 名無しさん (2015-07-10 15 25 32) アキもテッカマンになったことで、ブルーアース隊のメンバーでテッカマンにならなかったのはノアルだけになってしまったな。まぁ、テッカマンになることは決して幸せなことではないから、逆にならなくて良かったんだけど。 -- 名無しさん (2015-10-12 23 42 30) ↑ノアルはプラハの一件で(味方から)酷い屈辱味方から味合わされたけどね。 -- 名無しさん (2015-10-13 00 15 05) ↑Dボゥイの暴走・素体テッカマンへの疑念・それらを抱えているスペースナイツへの警戒・それが一気に爆発してスペースナイツが解体されたようなものだからなあ…でもフリーマン研究所が火星にあるしそこであいつも戦ってるって信じてる。 -- 名無しさん (2015-10-13 00 23 12) こんなこと言うのもアレだが、アキのテックセットで抜いたのって俺だけかな? -- 名無し (2016-06-12 23 39 55) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/385.html
勝利のテッカマン(後編) ◆gry038wOvE ────時刻はほんの少し遡る。 ブラスターテッカマンエビルによって吹き飛ばされたテッカマンランスは、意外にもすぐに起き上がっていた。 それは、おそらく己の意地によるものだっただろう。 そして、ランスは、再び二人の戦闘に割り込もうとしていたはずだ。 「ナケワメェケェ…」 その道を阻んだのは、主に忠実な下僕、ナケワメーケだった。 主の戦いを邪魔させないために、ナケワメーケはテッカマンランスの前にたたずむ。 「……なんだ貴様は。たった一匹の蟻ごときがこの私の通る道を阻もうというのか……」 しかし、その真横に泉京水が歩み寄ってくる。 テッカマンランスには見覚えのある姿だったが、それもまた蟻だった。 「一匹じゃないわ。私も、タカヤちゃんとシンヤちゃんの兄弟喧嘩はやらせておくべきだと思うのよっ! やっぱり、喧嘩も大事よっ!! あの二人の誰かが来るなんて空気読めない、略してK・Y! KYねっ、モロトフちゃん!! 何なら私が相手してあげるわっ!!」 「フンッ……何匹だろうが蟻は蟻だ。それに、私はブレードへの再戦を望んでいるのみ……貴様らの相手をしている暇はない。蟻どもを踏み潰すなど、退屈なだけだ」 ランスが通り過ぎようとした瞬間、電子音が響く。 ──Luna── ──Luna── ルナ・ドーパントとなってまで、京水はランスの行く道を阻もうとしていた。 戦力差はわかってはいるが、それでも二人の邪魔をさせない。 ランスの気持ちもわかる。 一度やられた屈辱を晴らすために、もう一度戦おうとするのは男子に生まれれば仕方ない感情かもしれない。 悔しさが、絶対に勝ちたいという思いを作り出す。 しかし、残念ながらブレードにはエビルという先客がいた。 その一対一の戦闘を見守るために、悪いがランスには諦めてもらおうというのだ。 「そうか……あくまで阻むというのなら、容赦はしない……いくぞっ!!」 その言葉を発した直後、ランスの耳にボルテッカの叫びが聞こえる。 ブレードとエビルのボルテッカだ。 その威力をよく知っている彼は、一瞬伏せるような様子を見せた。 そして、直後に光はやってきた。 ブラスターボルテッカの爆風が、ランスたちの体を吹き飛ばした。 「何ぃぃっ!!?」 その中で、ランスは見た。 その衝撃を回避するために、上空へと飛び上がったナケワメーケの姿を──。 ★ ★ ★ ★ ★ ブラスターボルテッカが二つとも爆発し、周囲の木々が吹き飛んだ。爆心地に直接関係ない木々さえも、爆風によって炭となり、灰となった。 その轟音と衝撃が終わると、ブレードの体中がボロボロに砕け散っている。ルナドーパントが吹き飛ばされ、ナケワメーケもテッカマンランスさえも、その光に飲み込まれていった。 辛うじて、体をある程度保っており、生だけは保っているが、それでもこれ以上戦える力が残っている気はしなかった。 「……うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「何っ!?」 だが、そんなブレードの目に、その煙の中から、向かってくる一筋の影が映った。 拾いなおしたテックランサーを、左手で構えている、ブラスターテッカマンエビルだった。 こちらが放ったボルテッカの残滓によって、少し動きが鈍っているようにも見えるが、確かに回避しがたいスピードで、彼は向かってきていた。 ブレードはあの一撃でこれほどのダメージを受けたというのに──エビルも同等のダメージを受けていて当然なのに、彼はできる限り回避し、痛むはずの傷も、体の疲労さえも我慢して、ただ執念でブレードを殺しに来たのだ。 「さらばだ、ブレードぉぉぉぉっ!!」 どこを刺してくるかはわからない。 ブレードは、必死の思いでテックランサーを突き出した。 防御する気がなく、ただ前からやって来るエビルの心臓を先に止めようとしたのだ。 ────しかし、──── 心臓に向けてテックランサーの照準が定まり、ブレードの体を貫こうとしたまさにその瞬間であった。 突然の頭痛のような感覚が、エビルを襲った。 その一瞬、彼の手元が狂い、テックランサーはブレードの右腕に突き刺さった。 そして、ブレードのテックランサーは真っ直ぐ、エビルの腹へと向かっていこうとしていた。 ──負ける!!── 直感的にシンヤはそう思った。 完全なる優勢のこの瞬間、例によってブラスター化の代償がやって来たのだ。 あと一歩で、兄さんに勝てたのに…………。 「……ナァケワメェケェ……」 主を失いかけたナケワメーケのその声を聞いたエビルの胸に、浅くテックランサーが突き刺さった。 痛み。 敗北の痛み。 最後まで、勝てなかったのだろうか……。 このまま、深々とエビルの胸を貫き、この競争は終わってしまう。 やっぱり、僕は勝ってなかったのか……。 本当に、あと一歩だったのに……。 しかし、次の瞬間、二人のテッカマンが、反発し合うように吹き飛んだ。 テックランサーをぶつけ合った衝撃によるものだった。 そして、二人のテッカマンの間に、奇妙な影があった───── 「──ナケワメーケ!?」 エビルが驚愕する。 あの一瞬の間に、ナケワメーケが飛び出していたのだ。 主の危機的瞬間を見抜いたナケワメーケが、テッカマンランスとの戦いも何もかもを放り出し、あるかもわからぬ命を呈してブレードの一撃からエビルを庇った。 それは、そういうことだった。 「……くっ……ナケワメーケ、邪魔をするなと、あれほど……」 そこに現れた小さな椅子の残骸を見ながら、テッカマンエビルは落胆する。 椅子から生まれた奇妙な巨体────命、感情、意思、生き続ける意味さえあったのかもわからない存在だった「それ」は今、シンヤに仕えていなくなった。 生物かどうかさえわからないナケワメーケとのお別れ。 それが何だか、戦いの邪魔をされたことよりもずっと、もどかしい感情をシンヤに与えていた。 腹部を突き刺された痛みなど、もはや感じなかった。 「…………それに、僕、だって……もう、永くないって、いうのに…………」 こんな形で生きながらえてしまった。 もう数時間ともたない命のために、ナケワメーケは散った。 ナケワメーケは、知っていたはずなのに。 だが、それだけナケワメーケの主に対する情が深かったということだろうか。 シンヤはナケワメーケに過去の話をしたり、番人をやらせたり、移動手段として重宝したり、無意識のうちに可愛がっていたのである。 それが、ナケワメーケに伝わったのかもしれない。 今となっては、ただの壊れた椅子にすぎないそれが、実際どんな気持ちだったのかなど、ここにいる誰も知る由はないが……。 ピコン、ピコン、ピコン……。 テッカマンブレードの頭上で、点滅が始まった。 30分。気づけば、あっという間にその戦いは終わっていた。 そして、それはブレードのピンチを意味していた。 このまま変身を解かずに放っておけば、ブレードは完全にラダムに洗脳され、おそらく他の参加者を殺しつくす悪鬼となる。 しかし、変身を解けばシンヤやモロトフ……いや、シンヤはともかく、モロトフは襲ってくるだろう。 「……もう30分か。また1時間後に戦おう、兄さん。ランスは俺が止めておく……」 そう言って、エビルがブレードに背を向けた。 ブレードは、その背中を黙って見つめながら変身を解く。 誰かが駆け寄ってきた。タカヤにはわからないが、ルナ・ドーパントだった。彼もまた、モロトフを警戒してか、変身を解く様子はない。 ★ ★ ★ ★ ★ タカヤは深く息を吐いてへたりこむ。肩からはまた血が流れて、全身はズタボロだった。 目も開かないのだろうか。 何故か、目の前の光景が真っ暗で、何も見えなかった。 ────いや、待て。 ここは一体どこなんだ? 真っ暗で、何も見えない。全ての光を阻まれた箱の中にいるような感覚だ。瞼の裏が薄く光ることさえもない。 だから、タカヤは手探りで、自分が閉じ込められている場所の「壁」を探し始めた。 「……おい、どこだ……。どこだ!」 空気にもたれかかり、バランスを崩して倒れてしまう。 服が泥だらけになり、体中の傷が痛んだが、それさえもわからない。 「ちょ、? ちょっと! どうしたのよタカヤちゃん!」 「ここはどこだ、俺はどうしてこんな真っ暗なところに! 京水、シンヤ……お前たちはどこにいるんだ!!」 「タカヤちゃん、目の前よっ!! ホラ、ホラ、私を見て!!」 ────このタカヤは、いま初めてブラスター化をしたばかりだった。 ゆえに、ブラスター化のリスクを詳しくは知らないし、この異変が何なのかわからない。 彼の視界から光を奪い、同時にあらゆる記憶を消し去っていく。 声さえも届かず、永遠の孤独に閉じ込められてしまったのである。 そして、寂しさと痛みが襲ってくる。 何故、痛むのかわからない肩。 何故、疲れているのかわからない体。 何故、出会ったのかさえわからない京水という男。 そうだ、京水の名前は知っている。シンヤとの戦いも消えてはいない。ミユキのことも覚えているはずだ。テッカマンのことも、戦いのことも忘れ去ってはいない。 しかし、今の彼はそれ以外のほとんどの情報を失ってしまったのである。 加頭、せつな、結城、零、モロトフ、ダグバ、翔太郎、杏子のことは完全に忘れてしまったし、「殺し合い」、「首輪」、「Dボゥイ」の名前────あらゆる記憶が彼の中から消えていく。 そして、どうしようもない不安ばかりが募ってくる。 壁を探して這うタカヤに、30分は長すぎたし、1時間は短すぎた。 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」 ★ ★ ★ ★ ★ ランスの前に現れた赤い影。それは、テッカマンエビルその人だった。 真っ赤な外形は、忘れるはずもない。 ランスとはある約束を交わしていたし、それが破られた以上、戦闘後に彼が現れたのは必然だった。 「邪魔をしてくれたねぇ……モロトフ」 「フンッ。……あの戦いで生き残った方を殺すというのは、貴様らの方がより完全なテッカマンだと認めてしまうのと同じ……そう思われるのが癪だっただけだ!」 「もう一度言っておくべきかな……あんたは俺や兄さんよりも、ずっと完璧なテッカマンさ。ブラスター化は自分の体を崩壊に近づけていく……俺の命も、もう……」 エビルの姿が巨大なクリスタルの結晶となり、そのまま相羽シンヤの姿へと戻っていった。 相羽シンヤの体は、もはや一時間の戦闘が可能な状態ではなかったのだ。 そう、あの時ナケワメーケが庇わずとも……ブレードのテックランサーがシンヤの体に突き刺さっていたとしても、きっとシンヤは力を使い果たして死んでいた。 辛うじて彼を保っていたのは、敗北に対する異常な嫌悪感で、勝利への異常な執着だった。 「はは……モロトフ、もう責めるつもりはないさ……。俺の、……僕の代わりに、兄さんにトドメを差すといい……」 シンヤの首の後ろから、小さな虫が飛び上がった。 ────ラダムの、あまりにも矮小な本体だった。 この戦闘力の欠片さえ見られないごく小さな生物が、人を戦うためだけの戦士へと変身させ、地球を滅亡に追い込んできたのだ。 これがいなければ、シンヤたちがテッカマンとなることはなかったし、親兄弟、友人同士が殺し合うことにはならなかった。 このゲームに招かれることも、ラダムなしにはありえなかっただろう。 そして、この小生物は、例によってシンヤの命が残り少ないからとシンヤの体を見捨てた。まるで、消耗品のように。 ラダムから解放されたシンヤの表情はいやに落ち着いていた。 体の痛みも感じず、心の中まで全くと言っていいほど、曇ってはいなかった。 これほど晴れやかな気持ちがあっただろうか。 そして、この気持ちを例えた一言を、シンヤは心の中でつぶやいた。 (……兄さん、悪い夢を見ていたみたいだよ) そう、悪い夢から覚めたような気分だった。 長い長い悪夢。 父が死に、兄と殺し合い、妹が死に、可愛がってくれたゴダードも死んだ……。 ラダムによって齎された苦しみの数々を、シンヤは思い出す。 タカヤやミユキやゴダード……。 ラダムによって、シンヤは様々な人を傷つけた。 それでも、一つだけラダムのおかげで誇れることはあったと思う。 長い長い現実で、唯一の曇りだったものを消し去れた。 僕は──── 「勝ったよね? 僕は兄さんに勝ったんだよね。ブラスター化の限界が襲ってこなければ、あの時、確実に兄さんの心臓をとらえてたよ……ようやく兄さんに勝ったんだ……素晴らしいよ、兄さんは……本気で、僕と戦ってくれたんだもの」 悲しいことに、その思いを伝えたい兄はここにはいない。 さらに言えば、兄はこの場でのことをどこまで覚えているのかもわからない。 しかし、シンヤは呟いていた。 「嬉しい、はずなのに、悲しいな……いつまでも、兄さんと戦っていたかった……目標、なくなっちゃったじゃないか」 本当に嬉しかった。 何よりの目標であった兄に勝つことができた。 天才の兄・タカヤ。 それに追いつこうと必死で努力したシンヤ。 いつも、その方程式だった。 そして、追いつくことは一度もなかったのだ。 それでも、そんな日々が楽しかった。 追いつこうとして努力して、兄を超えようと作戦を練っている時間が好きだった。 いつまでも、目標でいてくれた兄が好きだった。 あの暖かい家族が、相羽シンヤは好きだったのだ。 「ごめんね、兄さん」 一人の同志が朽ち果てていくのを、テッカマンランスが見守っていた。 ランスは、その死体の胸に抱えられたクリスタルを拾い上げ、ナケワメーケだった椅子の残骸に向けて乱暴に投げ放った。 なぜ、そんなことをしたのかわからない。せめてもの情け、という奴か。 彼は、そのままその場を去っていこうとした。 その歩みの中で、何かを踏み潰した。 足元を見てみると、ラダムの本体──自分の中にも存在する、今の彼の本当の「仲間」が潰れている。 仲間を殺したことに対して、何も感じなかった。 所詮、ラダムだけではこの程度のちっぽけな存在だ。蟻どもにさえ、殺されてしまいそうな生物……それが人間と融合し、テッカマンとなって初めて本当の力を見せる。 ランスは、何もなかったかのように歩き出した。 【相羽シンヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード 死亡】 ★ ★ ★ ★ ★ 「……フンッ、それが進化したテッカマンとやらの代償か!」 地を這うタカヤを、ランスは蔑むような瞳で見下ろした。 ルナはそれを警戒したが、ランスは興がそがれたようで、一切彼らに手を出そうとはしなかった。 「エビル──相羽シンヤは死んだ。ブラスター化の代償とやらでな。……そいつの体ももう持たん」 進化したテッカマン──確かに、それは不完全な存在だった。 常に死と隣り合わせで、ブレードやエビルの神経を蝕み続ける。 その代わりに力を得たとして、それは完全なる消耗品。 ブレードもおそらく、このまま死んでしまうだろう。 「……だが、生きていたらエビルが死んだことを伝えておけ。そして、いずれ、そんな進化をせずとも我々は貴様らよりも強い力を持っていると証明してやる」 仮にタカヤがこれを乗り越えて生存したというのなら、モロトフはいずれブラスターテッカマンブレードと戦うつもりだ。 そして、そんな不安定な力を持たずとも、本当に完全なテッカマンというものが存在することを証明する。 それまでに、魔法少女やプリキュアといった存在を消し去り続けてやる。 殺し合いの覇者となるために──── ★ ★ ★ ★ ★ 相羽タカヤの体は、すっかり眠りについてしまった。 糸が切れたように、ふっ、と倒れて、そのまま彼が動くことはない。 ただ、死んではいないようで、彼の心臓は鳴っていた。 ルナ・ドーパント──京水には懐かしい音である。 「……タカヤちゃん、起きられる?」 答えは無い。 タカヤはどうやら、完全に気絶してしまったらしい。 ……どうする。 このタカヤを、京水はどうすればいいのだろう。 弟の死。 ブラスター化の代償。 ボロボロの体。 盲目。 全てが、殺し合いで生きていくには重すぎる荷物だ。 これから、どんな過酷な死が追ってくるのか、想像に難くない。 何より、それに付き添うのは京水とて困難だ。 生き残るため──いっそ、ここで楽に殺してしまうのもタカヤのためなのかもしれない。 「……そうね、それが一番いいかもしれない」 ルナ・ドーパントは、立ち上がり、倒れたタカヤをその手で突き刺そうとする。 いくらタカヤを仲間と慕っていた京水としては、少なからず心が痛むが、それでも冷徹なNEVERらしい行動ともいえた。 いや、NEVERでなくとも当然かもしれない。 いつ敵が襲ってくるかもしれないこの殺し合いの中で、タカヤのように目も見えず、体もボロボロな男を背負う──タカヤは、足かせ以外の何者でもないだろう。 それを、今のうちに安楽死させる。それによって、自分も楽になる。 それは、誰を殺しても構わないこの殺し合いの中では、きっと、割り切らなければならない部分だ。 「……いろいろと、楽しかったわ、タカヤちゃん」 そういいながらも、その言葉は乾いていた。 この手がゆっくりと振り下ろされる。 ドーパントの力をもってすれば、人間体のタカヤくらい、あっさり──── ブォォォンッ ★ ★ ★ ★ ★ テッカマンランスは、再び市街地に向かって走っていた。 彼は、次の獲物をしとめる場所として、人の多いであろう市街地を選んでいたのだ。 拡声器を持ち、いずれ来るかもしれないブレードとの戦いに備える。 そのために…… (退屈しのぎに他の戦士たちを消し去ってくれる──) その行先は、中学校だった。 ただ、その付近では特に目立つ施設であるゆえ、彼はそこに向かおうとしている。 そして、そこに来た参加者は皆殺しにしてやろうと思っていた。 (私こそが、最強のテッカマン──テッカマンランスだっ!!) 【1日目/昼】 【G-7/森】 【モロトフ@宇宙の騎士テッカマンブレード】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、ランスに変身中 [装備]:テッククリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード [道具]:支給品一式、拡声器、ランダム支給品0~2個(確認済) [思考] 基本:参加者及び主催者全て倒す。 1:いずれブラスター化したブレードを倒す。 2:今は市街地に移動して拡声器を使い、集った参加者達を排除。 3:プリキュアと魔法少女なる存在を皆殺しにする。 4:キュアピーチ(本名を知らない)と佐倉杏子の生死に関してはどうでもいい。ただし、生きてまた現れるなら今度こそ排除する。 5:ゴ・ガドル・バという小物もいずれ始末する。 [備考] ※参戦時期は死亡後(第39話)です。 ※参加者の時間軸が異なる可能性に気付きました。 ※ボルテッカの威力が通常より低いと感じ、加頭が何かを施したと推測しています。 ※ガドルの呼びかけを聞きましたが戦いの音に巻き込まれたので、全てを聞けたわけではありません。 ★ ★ ★ ★ ★ 「……あんたは」 ルナの前を横切り、彼の邪魔をした、二機のメカがあった。 それは、シンヤの忘れ形見である、メモリガジェットのバットショットとスタッグフォンであった。 ドーパントの暴挙を止めようとしたのか、それとも先ほどまでの主と同じ顔の男を守ろうとしたのか、彼らはルナの前を必死に横切り、執拗に邪魔をし続けた。 「こらっ! やめなさいっ!」 ルナは、必死に手を振って、その二つのメモリガジェットを振り落とそうとする。 しかし、すばしっこく、なかなか捕まえられない。 「……ムキーッ!! あんたたち、そんなにしてまで私の邪魔をしたいのっ!?」 ルナは、目の前で止まるメモリガジェットに対して地団駄を踏んで怒りを表現した。 メモリガジェットは、その問いに答えない。 ルナはすっかり諦めて、変身を解いた。 泉京水。 体格の良い男が、仕方がなくその場に座る。 「まったく……仕方ないわね。もういいわよ、もう。私だって、本当はタカヤちゃんを殺したくはないわ……」 タカヤのことは好きだったし、仲間を刺し殺すというのは彼には耐えがたい思い出だ。 仁義。 その言葉に倣うなら、これは本当にそれを守った結果といえるとは思えなかった。 「でも、その代わりシンヤちゃんの支給品がある場所を教えて頂戴。何か使えるものがあるかもしれないわ」 京水が言うと、スタッグフォンが頷くようなそぶりを見せた。 どうやら、シンヤの支給品がある場所を知っているらしい。 「……じゃっ、ちょっと待ってね。よっこいしょういち」 そう言いながら、京水はタカヤを背負う。 京水にしてみれば、タカヤの巨体も全然重荷にはならなかった。 ただ、戦闘にさえならなければ……の話だが。 「さあ、案内しなさい」 京水は複雑な気分のまま、スタッグフォンとバットショットの後を追っていく。 シンヤの支給品は、言ってみればシンヤの遺品になる。 それを見て、タカヤは何も思わないのだろうか。 たとえば、あの変身した時のクリスタル。 それも全て──。 【1日目/昼】 【F-6/森】 ※F-6の森の一部が焦土と化しました。 ※付近に相羽シンヤの支給品と所持品、シンヤの死体、ナケワメーケの残骸(破壊された椅子の状態でクリスタルもそこにある)などが放置されています。 支給品一式×3、T2メタルメモリ@仮面ライダーW、水とお湯の入ったポット1つずつ(変身3回分消費)、力の源@らんま1/2、不明支給品(パンスト)0~1 【相羽タカヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード】 [状態]:全身に大ダメージ、両肩部に刺傷、疲労(大)、ブラスター化の後遺症で気絶、一部の記憶喪失 [装備]:テッククリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード [道具]:支給品一式、メモリーキューブ@仮面ライダーSPIRITS、ランダム支給品0~2 [思考] 基本:?????????? 1:???????????????? [備考] ※参戦時期は第42話バルザックとの会話直後、その為ブラスター化が可能です。 ※ブラスター化完了後なので肉体崩壊する事はありませんが、ブラスター化する度に記憶障害は進行していきます。なお、現状はまだそのことを明確に自覚したわけではありません。 ※参加者同士が時間軸、または世界の違う人間であると考えています(この情報は喪失)。 ※自分が殺し合いに巻き込まれていることや、禁止エリアやルール、Dボウイという名前を忘れました。 ※また、シンヤ、ミユキ、京水以外の参加者に関する記憶を喪失しています(加頭やサラマンダーについても覚えていません)。 【泉京水@仮面ライダーW】 [状態]:疲労(小) [装備]:T-2ルナメモリ@仮面ライダーW [道具]:支給品一式、細胞維持酵素×4@仮面ライダーW、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、バッドショット+バットメモリ@仮面ライダーW、スタッグフォン+スタッグメモリ@仮面ライダーW、ランダム支給品0~1 [思考] 基本:剛三ちゃんの仇を取るために財団Xの連中を潰す。 0:メモリガジェットについていって、シンヤの支給品を探す 1:今はタカヤちゃんを守る!…しかない! 2:克己ちゃんと合流したい。克己ちゃんのスタンスがどうあれ彼の為に全てを捧げる! 3:仮面ライダー(左翔太郎)とは、一応共闘する。 4:後でG-7の火を消す。 [備考] ※参戦時期は仮面ライダーオーズに倒された直後です。 時系列順で読む Back 勝利のテッカマン(前編)Next 第二回放送 投下順で読む Back 勝利のテッカマン(前編)Next 第二回放送 Back 勝利のテッカマン(前編) 相羽タカヤ Next Lの雄叫び/逃避 Back 勝利のテッカマン(前編) 泉京水 Next Lの雄叫び/逃避 Back 勝利のテッカマン(前編) モロトフ Next 崩落の呼び声 Back 勝利のテッカマン(前編) 相羽シンヤ GAME OVER