約 4,276,253 件
https://w.atwiki.jp/maker/pages/63.html
ダンジョンRPGツクールだんだんダンジョン データ テクニック ゲーム
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/382.html
0254:崖っぷちの正義と悪〈後半〉 ◆kOZX7S8gY. ヒーロー+正義超人+海賊 VS 大魔王+氷炎将軍 皆、独特の肩書きを持つ戦士。 その戦士たちの決闘――否、命を懸けた――死闘。 「よ(4)、な(7)、」 世直しマンの体が、光に包まれる。 悪を打ち砕く、閃光が衝撃波が―― 「お(押)ぉぉぉぉぉし!!」 放たれた。 標的は、大魔王を名乗る緑肌の男――ピッコロ。 「――ちぃぃ!」 格闘戦オンリーかと思われた、世直しマンからのエネルギー放出攻撃。 ピッコロの咄嗟の反応は、これをギリギリで避けることしかできなかった。 世直しマンの放ったエネルギー波は、ピッコロを捉えることができずに奥の山林をなぎ払う。 ギリギリで直撃を避けたピッコロだったが、地面を転がり、体勢を崩してしまう。 一対一なら立て直す暇もあろうが、この戦いは違う。 「――うらぁ!」 この戦いは、ピッコロにとって一対二。 体勢を瞬時に立て直せず、片膝をついた状態で襲ってきたのは、バッファローマンの腕。 1000万の超人パワーを誇る、豪腕によるラリアットが迫る――! 「ぐはぁっっ!!?」 直撃。パワーにものを言わせたその衝撃は、ピッコロの身体を易々と弾き飛ばした。 再び地を転がるピッコロ。その大魔王に、容赦ないさらなる追撃が―― 「――よ!」 転がった体勢から起き上がろうとするピッコロに向けて放たれる、世直しマンの拳。 しかし、ピッコロはこれをいとも容易く掴み取る。 「――な!」 一撃目は、フェイント。 本命は、未だ座り込んだままのピッコロの眼前に迫っていた――世直しマンの脚部。 「な、がぁぁぁっ!!?」 気づいたときには、もう手遅れ。 世直しマンの蹴りはピッコロの顎を直撃し、上空に跳ね上げる。 そして、休む間も与えず次なる連撃。 同時に飛び上がった世直しマンによる、空中―― 「――おしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 ――回し蹴り! その全体で一秒にも満たない連撃が、ピッコロを地に叩きつける。 「――――が、はぁっ……!!」 フレイザードが見たら、抑えきれずに爆笑しそうな光景。 仮にも大魔王を名乗ったピッコロは、世直しマンの攻撃によって血反吐を吐いたのだった。 (ば……かな! この、このピッコロ大魔王が……こんなやつらに!?) 世直しマンの、予想をはるかに超える実力。 バッファローマンの、自分を越えるパワー。 全ての力が、ピッコロの予想を上回った。 二人から必死に距離を取り、なんとか体勢を整えるピッコロ。 その心中は、激しく乱れていた。 認めたくない事実を、認めたくなければいけない、今の状況を嘆いた。 (こやつらは……強い! 先程の麦わらの小僧などより! ……とても二人一遍に相手をすることは…) 思いかけて、閉じた。 それだけは、認めてはいけない。仮に一対二といえど、大魔王が敗北を認めることなど、あってはならないのだ! (そうだ……私の真の力は、こんなものではない! 大魔王の真の力の前では、こやつらとて小虫同然!!) 「クク、ククク……ハァァーーーーハッッハァァァァァ!!!」 ピッコロは笑う。全てを揺るがす、大魔王の大笑い。 そんなピッコロを、二人のヒーローは珍妙に思っていた。 「なんだぁ!? 突然笑い出すたぁ、どこまでおかしなヤローなんだ?」 「気をつけろ、バッファローマン。奴の目……まだ狂気は消えてはいない!」 無論、バッファローマンとて油断などしていない。 肌で感じたピッコロの強さは、彼が戦ってきた数々の超人にも劣らない。 だが……彼と、世直しマンと一緒ならば、負ける気がしない。 バッファローマンは、世直しマンを信頼できるタッグパートナーに迎え、確かな希望を感じていた。 彼や、キン肉マンら他の正義超人と一緒ならば……必ず勝てる! こんな、非道なゲームを主催したやつらにも―― 「ククク……」 ピッコロの笑いは、依然として止まらない。 懐から、なにやら怪しい小瓶を取り出し、その蓋を開ける動作の最中も。 世直しマンとバッファローマンには、それが『絶望』への引き金だということもわからず―― 「ヒャハハハハハァァァッ! マヒャドォ!!」 フレイザードの放つ氷結呪文。それは、気高く生い茂る山林の内部を、容赦なく凍結させる。 その中に紛れる、標的を狙って。 「あぶねぇだろうが、こんにゃろー!」 「なに!?」 フレイザードの標的――ゴム人間のルフィは、マヒャドを放った方向とは、真逆の位置から姿を見せた。 すなわち、フレイザードの後方。振り向いたそのときには、ルフィの攻撃が―― 「ゴムゴムの……銃〈ピストル〉!!」 「グアァァッ!?」 振り向き見せたその顔面に、ルフィの拳が激突。 防御も叶わず、フレイザードはその身体をぶっ飛ばされた。 ルフィ対フレイザード。 彼らが戦う場は、深く生い茂った、ジャングルのような山林。 ピッコロに言われたとおり、ルフィのみの相手をするため、ここに連れ込むことに成功したフレイザードだったが…… 正直、ここを戦場に選んだのは失敗だった。 その理由は、この周りの木々。 高く聳える木々は、敵の姿を隠し、攻撃の邪魔をする。それは本来、双方に言えることのはずなのだが、 フレイザードの相手……ルフィは、このフィールドを有効活用していた。 腕や足を、時には首までを器用に伸ばし、木の間を駆け抜けている。 そう、まるで本物の『猿』のように。 「ゴムゴムのぉぉぉ……」 ルフィは、右腕をぐるぐると木に巻きつけ固定。そして、地から身体を離す。 ゴム独特の反動が生まれ、螺旋階段を上るように上空に巻き上がったルフィは、再びフレイザードめがけて、攻撃を仕掛ける。 「……鞭ィィィィィ!!!」 空から、鞭のように撓るその蹴りを、 「――ゲッ、」 浴びせ―― 「アアアアアアアッッッ――――!!?」 ぶっ飛ばした。 ルフィの、伸びる身体と、戻る力。 この山林内では、それが十分に発揮できる。 もっともルフィ自身、この戦法は考えてではなく、本能でやっているのだが。 ――まさに、『モンキー』・D・ルフィ。 対してフレイザードのほうは、焦りを見せ始めていた。 度重なる攻撃に、体はボロボロ。疲労も回復しきっていない。 適当にあしらうつもりだった相手に、予想外の苦戦。 フレイザードの脳裏に、『敗北』の二文字が浮かびかけ―― 「オレ様が負ける……ハッ、冗談じゃねぇ」 ――即座にかき消した。 フレイザードが欲するのは、常に『勝利』の二文字のみ。 バーン様から、『勝利』の栄光を掴み取るため……負けは許されない。 「いつまでも……好き勝手にやらせてると思うなよぉ……!!」 またもや姿を消した敵に、フレイザードは言葉を送る。 死を与える、呪文を。 「メラゾーマァァァァ!!!」 ――魔法の力で形成された、紅蓮の劫火。 ターゲットは、姿の見えぬルフィ……ではなく、前方の木。 メラゾーマの一撃に、抵抗することなどできるはずもなく、木は燃える。 一瞬で赤く染まり、その赤は、両隣の木へ。その木の赤も、さらに隣の木へ。次へ次へと、伝染していく。 炎は……フレイザードの前方一帯に燃え広がった。 山火事。それこそが、フレイザードの狙い。 ここは草木の密集地。この火が山全体に燃え広がれば、ここにいる者は皆、ただではすまない。 今戦っているルフィも、崖際で戦っているピッコロも。 もちろんこの炎では、氷の半身を持つフレイザードも、戦える状況ではない。 いや、なにも無理に戦う必要などないのだ。放っておけば、あの麦わらの少年もいずれ焼け死ぬ。 他の者が火事に気を取られている、その間に自分は…… 「ヒャハハハ、ヒャーーーハハハハハハハハハハァァァァ!!!」 そう、彼が考えた最善の勝利策は……「逃げるが勝ち」だったのだ。 もともと、この場には敵しかいない。一遍に死んでくれるなら、好都合。 フレイザードの、あまりにも外道な笑いが轟く。 「ヒャハ……?」 その中で、フレイザードは見た。 炎に燃える木々の渦中、涼しげな顔で立つ、麦わらの少年の姿を。 ルフィの周りには、確かに炎が燃え盛っている。身を置いていれば、火傷は必至。 なのに、ルフィは涼しい顔で、その、真っ直ぐな瞳をフレイザードに向け。 (な……なんだこいつ。なんなんだ、その顔は、その、目はよぉ!?) フレイザードが動揺したのは、一瞬。 そのときは、行動なし。 「ゴムゴム……」 (……?) 次の一瞬、フレイザードは気づいた。ルフィの腕が、両方とも後方に伸びきっていることに。 そのときも、行動なし。 「ゴムゴムの……」 (……!) そのまた次の一瞬、フレイザードは感じた。確かな、嫌な予感を。 同時に、見た。ルフィの涼しい顔の中に、確かに燃え上がる、炎の宿った瞳を。 そのとき、初めて体がピクリと動いた。 そ し て 、 次 の 一 瞬 。 (!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!) 「―――――バズゥーーーーーカァァァァァァ!!!!」 放たれたのは、ルフィ必殺の、『ゴムゴムゴムゴムのバズーカ』。 大きく伸ばした反動を利用し、両腕を相手に叩きつける。 その反動が生む『戻る』力は、時間にして、まさに一瞬。 気づいた時には、すでにフレイザードの身体に―― 数々の一瞬を重ね、放たれた一撃――フレイザードは、ルフィの攻撃に対応できなかった。 この炎の中、構うことなく攻撃してきたという意外さもあるが、なによりルフィが見せた不思議な威圧感。 それによって生まれた数々の無駄な一瞬が、フレイザードの逃げる隙を殺した。 まるで、自分の時が止められたように感じたのだ。 フレイザードを捉えたルフィの腕が、伸びる。 どことも知らない山の中を、どことも知らない果てめがけて。 フレイザードの後方に位置していた、まだ燃えていない木々はその障害となるが、 ――ルフィの腕が伸びる、フレイザードが木にぶつかる、破壊。 ――ルフィの腕が伸びる、フレイザードが木にぶつかる、破壊。 ――ルフィの腕が伸びる、フレイザードが木にぶつかる、破壊。 この、繰り返し。 その衝撃は全てフレイザードの身体に移り、確実なダメージへと昇華されていく。 やがて、木を破壊する感触がなくなり、伸びた腕が戻ってきた。 戻ってきた手のひらに、フレイザードという存在はない。 確認すると、ルフィの前方には、無残に折られ、散らばる木々の残骸が広がっていた。 そのずっと先、どこまで見据えても、炎と氷の化け物の姿はなかった―― 山形県のとある山から、濛々と煙が立ち昇る。 その内部では、炎で赤く染まる山林、悲鳴を上げる小動物の姿。 しかし、この山の一箇所だけ……南側の崖際だけは、唯一静寂に包まれていた。 ほんの、一秒ほどだったが。 「――グワアアアアアアアアアアアアアアアアァァァ!!?」 静寂を破ったのは、普段決して叫びなど上げない、男の悲鳴。 「!? ――バッファロォーーーマァァーーーーン!!?」 悲鳴を上げたのは、角を生やした大男――バッファローマン。 その名を叫んだのは、鎧の男――世直しマン。 「ククク……」 笑ったのは、大魔王――否、『真』大魔王ピッコロ。 その光景は、唐突、衝撃、無残。 何気なく取り出した小瓶。それに入っていた木の実。それを飲み込むピッコロ。 跳ね上がった邪気。加速する大魔王。繰り出された手刀。貫かれる鋼の肉体。 ピッコロの腕は、分厚いバッファローマンの身体をいとも容易く貫いていたのだ。 傍らの世直しマンがその事実に気づき、次の動作に移ろうとしたその瞬間も、真大魔王の脅威は止まらない。 「ふん」 至近距離からの――爆力魔波による追い討ち。 ドンッ、という爆発音と共に、バッファローマンの身体は、大きく後方に吹き飛ばされた。 「うおおおおおおおおおおおおお!!!」 突如迫る、世直しマン。 目の前でバッファローマンがやられたことに逆上するかのような叫びを上げ、ピッコロに攻撃を仕掛ける。 「はっ!!」 拳、次いで蹴り、拳、次いで蹴り、蹴り、次いで拳、拳、拳、蹴り、蹴り、拳…… 本気の力を注いだ、怒涛のラッシュをかける。 しかし、そのラッシュでは……ピッコロを圧倒することはできない。 「ふん! は! ハァ!!」 世直しマンの超スピードによる攻撃は、全てピッコロに捌かれる。 二人のスピードはまったく同じ。どちらかが攻めれば、どちらかが守る。攻撃と防御のせめぎ合い。 そのせめぎ合いは、片方のスピードがわずかに上回ったとき……崩れる。 手数が一つ増した、その腕で繰り出すは――攻撃。 「かあぁっ!!!」 速度で勝り、確実な一撃を相手に与えたのはピッコロ。 せめぎ合っていた両者の身体が離れ、世直しマンが弾かれる。 しかし、その入ったかどうか微妙な一撃のみでは、世直しマンは下せない。 「よ(4)!」 距離の出た二人の間、世直しマンは即座に必殺技の発動を―― 「遅いわノロマがぁぁ!!!」 世直しマンが右手に四本の指を立てる仕草の途中、ピッコロはそれより速く、先制する。 速攻の……爆力魔波! 手に凝縮されたエネルギーは世直しマンの『よなおし波』よりも一足早く、破壊を生む。 爆破、爆撃、爆煙。 ピッコロの手から放たれた破壊のエネルギーは、世直しマンの周囲一帯を吹き飛ばした。 閃光の後に生まれた爆煙は、世直しマンの身体を覆い隠す。 彼がどうなったか、視覚で確認することはできないが、結果は誰にでも予想できる。 破壊のエネルギーの直撃を受け、その身体は見るも無残に粉々になった。 ――だろう。 常 人 な ら ば。 「くおおおおおおおお!!」 爆煙の中から飛び出したのは、土埃を被った程度の鎧の姿。 世を正すヒーローは……世直しマンは、これしきの爆発では死なない。 「なにぃ――!!?」 完全に勝利を確信していたピッコロ。 煙から飛び出し、突進してきた世直しマンに、反応できない。 「――ハァ!!」 世直しマン、気合の一撃。 防御を許さぬ電光石火のパンチは、ピッコロの腹へと深く、深くめり込み―― 「アァ!!」 ――殴り飛ばす!!! 「ぐほうっ!?」 が、それはピッコロの執念か、二、三歩後ずさりした程度で踏みとどまる。 すぐにでもカウンターを送り込みたいが、衝撃の反動で、身体が言うことをきかない。 『真』大魔王となった身体で、初めて受けた大ダメージ。 「――――避けろォォォォォォ、世直しマぁぁぁぁぁぁぁぁン!!!」 「――!!?」 轟く回避の合図。 その頼れる声質を瞬時に耳にし、言われたとおりその場から離れる世直しマン。 一方ピッコロは、回避反応ができなかった。 その声が、先ほど殺したはずのバッファローマンのものだったから。 「な……」 ピッコロが見たのは、巨木。 近くの山林に生えるものの中でも、一際大きな巨木。 その巨木が、牛角の大男に持ち上げられ、放り投げられ、今、ピッコロの眼前に――! 「……にぃぃぃ!!?」 なんという無茶苦茶な攻撃。 バッファローマンのパワーだからこそ成せる、巨木の投擲。 この体積が圧し掛かったら、ただでは済まない。その体積ゆえ、避けることもできない。 ――世直しマンとの戦いで、ピッコロはいつの間にか崖の淵まで追いやられていたから。 逃げ場を失った以上、防ぐ方法は――破壊のみ! 「おのれ死にぞこないがぁっっ!!」 怒りの爆力魔波。 大空を飛んできた巨木は爆破され、粉塵となり、ピッコロの頭上に降り注ぐ。 と、ピッコロが上の方に気を取られている隙に、それは、飛び出した。 「ぬ?」 ピッコロの身体に、ぶつかった。 「な?」 ピッコロの身体を、押し出した。 「ん!」 ピッコロの身体を、落とした。 「だ」 足場のない、崖下へと。 「!!?」 自分の身体、もろとも。 「――」 ――――イヴが。 ピッコロとイヴの身体が、転落していく。高い山から、地表へと。 いったい何メートルあるのかは、予想がつかない。 明白なのは、落ちればただでは済まないということ。 常人なら即死――大魔王クラスの者でも、生きていられるかどうか。 「――――バカめ!」 その言葉は、一緒に転落したイヴに向かって吐き捨てる。 自分の身を犠牲にした苦肉の策だったのだろうが、生憎ピッコロには飛行手段がある。 こんな空中に落とされても、すぐに身体を制御することが可能なのだ。 「――!?」 と、ピッコロはまた見た。 自分の眼前に迫る、先ほどの巨木よりは小さいが、衝撃的な印象を与える物体を。 それは、ハンマー。 工具として使用するものではなく、武器として使用できるような……壊す、潰すという言葉のために作られたような、巨大ハンマー。 そのハンマーは、一緒に落下中のイヴの頭部に繋がっている。 ピッコロは知らない。これがイヴの持つ、能力であるということも。 これが、彼女渾身の、変身〈トランス〉であるということも。 ――ドゴンッ!!! それは、ピッコロが空中制御するより早く。 イヴの髪を変化させたハンマーは、ピッコロの身体を、 「がっ……あ……」 文字通り、叩き、落とした。 山のふもと、地上まで―― ピッコロのいち早い落下を確認し、イヴは次の行動に移る。 このままでは自分も落ちてしまう。だが、彼女もピッコロと同じように飛行手段を持つ。 それは変身〈トランス〉能力を使った、翼の構築。 ハンマーがピッコロに当たったすぐさま、髪の変身〈トランス〉を解き、天使のような純白の翼を―― (――――できない!!?) それは疲労のせいか。イヴは先ほどの変身〈トランス〉で力を使い果たし、翼を作り上げることができなかった。 翼がなければ、飛べない。飛べなければ、あとはただ落ちるのみ。 落ちたら――――死ぬ。 (―――――――――スヴェン!) 瞬間、頭に浮かんだのは大切な仲間。 イヴはまだ、再会していない。 一緒に戦い、一緒に暮らした大切な仲間――トレイン――スヴェン――リンス――誰とも。 (助けて――――!!) 上にはヒーローがいる。助けを呼べば、助けてくれるだろうか? しかし、イヴのか細い声では、崖の上まで届くはずもなく―― 「――イヴぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 聞こえたのは、仲間の声。 スヴェンでも、トレインでも、リンスでもなく。 この世界で出会った、仲間の声。 月でも、ゆきめでも、エテ吉でもなく。 (――ルフィさん!) なによりも仲間を大事にする、海賊、モンキー・D・ルフィの声。 天から伸ばされたそのゴムの腕は、イヴに向けてぐんぐんと。 イヴはその救いの腕を――仲間の腕を―――― ――――しっかりと、手に掴んだ。 山全体に、炎が広がる。 崖付近の周りの山林も、紅蓮の赤で染まりきる。 燃え猛る山林の隅、崖の際で、ルキアとボンチューは寄り添い呼びかける。 胸に、大きな傷をつけた、バッファローマンに。 「バッファローマン!」 「……ばかやろう。なに涙なんて流してやがる。この山が燃えてんのがわかんねぇのか? 「馬鹿はあんただろうが! いいからあんま喋んな! 無理したら死ぬぞ!!」 「へっ……どうせ俺はもう長くもたねぇよ。それより、早く山を下りな……」 バッファローマンの命は風前の灯。 貫かれた胸は重要な器官を激しく損傷し、爆力魔波によるダメージは、腰の辺りを黒焦げにしていた。 「……バッファローマン」 倒れるバッファローマンの傍に現れたのは、戦いを終わらせた世直しマン。 その口調は平静を装っていたが、心中では感情が激動していたのは、本人しか知らない。 「よう世直しマン、あいつは倒せたか……?」 「わからん。崖から転落したようだが、あやつなら生きていてもおかしくはない」 「そうか……まあ、次があるさ。今回は、運が悪かったと思え……ぐっ!」 痛みに苦しみだすバッファローマン。もはや、喋るのも限界のようだ。 が、それでも彼の口は止まらない。 「……ボンチュー、俺の分も、ルキアのこと守ってやれよ」 「……わかってる」 ボンチューは、悔しさを噛み締める。 「ルキア、一応言っておくが、これはおまえのせいじゃねぇぞ。俺よりあいつが強かった、それだけだ」 「……うむ」 ルキアは、悔しさを噛み締める。 「世直しマン……おまえとは一度、タッグを組んでリングに上がりたかったんだがな」 「上がってやるさ。おまえが生きていれば、必ずな」 世直しマンは、悔しさを噛み締める。 「へっ……無茶を言いやがる……そろそろ炎がやべぇ、さっさと行きな」 バッファローマンの言葉は、俺を置いていけ、ということ。 そんな苦渋の選択、ここにいる三人がすんなり受け入れられるはずがなかった。 「あきらめんな」 そう言い放ったのは、さっきまでフレイザードと戦っていた麦わらの少年。 世直しマン以外が苦しげな顔を浮かべる中、『船長』という立場にあるルフィも冷静を保っていた。 「おい、おまえ。なんか食いもんあるか?」 ルフィが問いかけたのは、ボンチュー。 「……」 ボンチューはなにも言わず、自分の食料の中から適当に、一本のバナナを取り出す。 (……猿) そのバナナが、黒焦げになってしまったエテ吉を連想させる。 ルフィはもらったバナナを皮ごと口に放り込み、飲み込む。 そして、おもむろにバッファローマンに近寄ると、 「……お、おい!?」 その巨体を、軽々と背負い、持ち上げた。 ルフィの見かけからは想像できないパワーに驚く一同だが、さらに驚いたのは、 「角のおっさんは、あのピッコロとかいうヤツをぶっ飛ばしてくれた。そんなおっさんを、置いてくわけねぇだろ」 誰もが諦めかけていたことを―― 「おっさんは俺の仲間だ。絶対に助ける」 軽々と、やる、と言ってのけたのだ。 「鎧のおっさんはイヴを頼む。おまえは……猿を」 それぞれ世直しマンにイヴ、ボンチューにエテ吉の亡骸を託し、一行は下山を始める。 バッファローマンの意識は、ルフィの背中で揺れていた。 (キン肉マン……ラーメンマン……ウォーズマン……) 思うは、仲間の超人と、 (世直しマン……ルキア……ボンチュー……それに、ルフィとイヴ、か……) 新たな、『正義』の志を持つ仲間。 (これだけ、『正義』の志を持つ奴らがいるんだ……たとえピッコロが生きていようが、たとえ主催者達が強大だろうが) 期待は、大きく膨れ上がり、弾ける。 (やってくれるさ……こいつらなら) 頼もしい仲間の背の中で、バッファローマンの意識は、途絶えた。 主催者打倒への、確かな感触を掴み取り―― 「――ぐぅ……おのれ、おのれ! 世直しマンにバッファローマン、それにあの忌々しい小娘め!」 崖から落下し、ふもとの森に落ちたピッコロのダメージは、重症だった。 それでもなんとか生を拾い、かろうじて意識を保っている。これも大魔王の生命力が成せる業か。 「やつら……今度あったら生かしてはおかん! この大魔王が……こんどこそ殺してやる!」 その殺気は崖の上に向けて。と、そこで山が燃えていることに気づいた。 「む……フレイザードのヤツの仕業か? なんと無茶なことを……まあいい、早いところあの馬鹿と合流を……」 言いかけたところで、考える。 (――いや……このままヤツと合流するのはまずいか……もしヤツが健在ならば、必ず私を襲ってくる) ピッコロは思い出す。フレイザードと同盟を結んだ直後の出来事を…… (――ヤツは間違いなくこの私の寝首を掻こうとしている。今の私の状態を見られたらまずいか) 世直しマン、バッファローマンとの戦いで、ピッコロは重傷を負ってしまった。 今の状態では、フレイザード相手でも勝つことはできないだろう。 (――それに、ヤツが敗北しているということも考えられる) ルフィはなかなかの実力だった。万が一、というのも十分考えられる。 (――ぐふっ、まあいい。とりあえずは休息を取らねば、まともに戦えん。 もうじき放送も流れる。フレイザードを探すのはそれからでも遅くなかろう) 行動方針を決め、ピッコロは歩き出す。 どこか休めるところを求めて。その心に憎き仇敵を殺す様を思い浮かべながら。 今回の戦いで『前世の実』の確かな威力もわかった。 世直しマンは自分を凌ぐほどの強敵だったが、『前世の実』を使えば決して勝てない相手ではない。 バッファローマン、イヴという邪魔者がいなければ、世直しマンも殺せていたかもしれない。 ……実際のところ、世直しマンとピッコロの力は五分と言ってしまって問題ないが、ピッコロは確実に自分が上であると信じていた。 『前世の実』が与えてくれた確かな力に、ピッコロの自信は膨れ上がっていたのだ。 次こそは、我に勝利を。次こそは、奴らに死を。 ピッコロは、ふらつく重い足取りで、傷つきながらも笑いながら、夕闇に消えていった―― ルフィに吹き飛ばされたフレイザードは、まだ生きていた。 が、その身体はところどころ砕け、ひび割れ、意識はなくなっていた。 それでもフレイザードは生きている。 山火事で、ルフィたちやピッコロが死ぬ様を思い浮かべながら。 「ヒャハ…………は、は」 意識を失っているはずのその身で、不気味に笑う。 炎と氷の化け物が、次に目を覚ますのはいつか―― 【山形県南部・山中(山火事)/夕方】 【モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE】 [状態]空腹、わき腹・他数箇所に軽いダメージ、両腕を始め全身数箇所に火傷 [装備]バッファローマンの遺体 [道具]荷物一式(食料ゼロ) [思考]1、バッファローマンを助ける。 2、下山する。 3、自分と悟空と猿とイヴの仲間・食料を探す。 4、悟空を一発ぶん殴る。 【イヴ@BLACK CAT】 [状態]胸に刺し傷の重傷(応急処置済み。血は止まっている)、重度の疲労、貧血、世直しマンに背負われている [装備]いちご柄のパンツ@いちご100% [道具]無し [思考]1、下山する。 2、トレイン・スヴェン・月との合流。 3、ゲームの破壊。 【世直しマン@とっても!ラッキーマン】 [状態]中程度のダメージ、重度の疲労 [装備]世直しマンの鎧@とっても!ラッキーマン、荷物一式、読心マシーン@とっても!ラッキーマン [思考]:1、下山する。 2、ピッコロ、フレイザードを倒す(ルキア、ボンチューの安全を優先)。 3、関東方面へ移動。 4、ラッキーマン、黒崎一護、武藤遊戯を探す。 5、ゲームから脱出し主催者を倒す。 【ボンチュー@世紀末リーダー伝たけし!】 [状態]ダメージ中、重度の疲労 [装備]なし [道具]荷物一式(食料バナナ一本消費)、蟹座の黄金聖衣(元の形態)@聖闘士星矢、エテ吉の焼死体 [思考]:1、下山する。 2、結局なにもできなかった自分に無力感。 3、ルキアを守る。 4、もっと強くなる。 5、これ以上、誰にも負けない。 6、ゲームから脱出。 【朽木ルキア@BLEACH】 [状態]:若干の疲労、右腕に軽度の火傷 [装備]:コルトパイソン357マグナム 残弾21発@CITY HUNTER [道具]:荷物一式×2、遊戯王カード(青眼の白龍・次の0時まで使用不可)@遊戯王 [思考]:1、下山する。 2、黒崎一護、武藤遊戯(カードの使用方法を知る者)を探す。 3、とりあえず関東方面へ移動。 4、ゲームから脱出。 【山形県南部・山のふもと(東側)/夕方】 【フレイザード@ダイの大冒険】 [状態]気絶、腹部を中心に身体全体にダメージ大、重度の疲労、成長期、傷は核鉄で常時ヒーリング [装備]霧露乾坤網@封神演義、火竜鏢@封神演義、核鉄LXI@武装錬金、パンツァーファウスト(100mm弾×4)@DRAGON BALL [道具]支給品一式、遊戯王カード1枚(詳細は不明)@遊戯王 [思考]1、気絶中。 2、体力を回復させる。 3、隙あらばピッコロを倒す 4、優勝してバーン様から勝利の栄光を 【山形県南部・山のふもと(南側)/夕方】 【ピッコロ@DRAGON BALL】 [状態]:重度の疲労、身体全体にダメージ大 [装備]:なし [道具]:荷物一式、前世の実@幽遊白書 [思考]:1、休息の後、放送でフレイザードの生死を確認。 生きているようなら、傷が癒えてから捜索。 2、世直しマン、バッファローマン、イヴを殺す。 3、フレイザードを利用してゲームに乗る。とりあえず南下。 4、残り人数が10人以下になったら同盟解除。悟空を優先して殺す。 5、最終的に主催者を殺す(フレイザードには秘密)。 ※夕方ごろ(17 30~18 00の放送直前)山形県南部の山で、大規模な山火事が起こりました。 ※ピッコロ、フレイザードは、ルキアとボンチューの存在に気づいていません。 ※全員、まだバッファローマンの死には気づいていません。 【バッファローマン@キン肉マン 死亡確認】 【残り80人】 時系列順に読む Back 252 崖っぷちの正義と悪〈中編〉Next 255 心 投下順に読む Back 253 Black color stomach ~ encounter ~ Next 255 心 252 崖っぷちの正義と悪〈中編〉 ルフィ 314 仲間 ということ 252 崖っぷちの正義と悪〈中編〉 イヴ 314 仲間 ということ 252 崖っぷちの正義と悪〈中編〉 ピッコロ 297 ピッコロ大魔王の世界~相×剋~ 252 崖っぷちの正義と悪〈中編〉 フレイザード 294 フレイザードの世界~いつか勝利の旗の下で~ 252 崖っぷちの正義と悪〈中編〉 ボンチュー 314 仲間 ということ 252 崖っぷちの正義と悪〈中編〉 ルキア 314 仲間 ということ 252 崖っぷちの正義と悪〈中編〉 世直しマン 314 仲間 ということ 252 崖っぷちの正義と悪〈中編〉 バッファローマン 死亡
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/207.html
0117:吹き荒ぶ戦場の嵐 ◆SD0DoPVSTQ 「無理だ!あんな化け物に勝てる訳無い!!」 ルキアは目の前の男、海馬瀬人に向かって叫んだ。 あれから街の一角に戻り今までの話を一通りしたのだが、それでも目の前の男は行くと言う。 「其奴が何であろうと、オレの誇り高き龍の僕を汚されてしまってはかなわん!」 コートを翻しながら海馬はいきり立った。 「奴が青眼の白龍を持っている可能性があるなら奪い返すまで!無くてもあのカードはオレにとって最高の武器になる」 「だが、彼奴は刀も効かない化け物だ!それに時間もないし、私の代わりに犠牲になった男の遺言通りにも……」 名前は知らないが自分の代わりに死んでいった男――坂田銀時の遺言を思い出す。 『その武器をこいつに渡すんじゃねぇ!』 『火竜鏢! 頼む!』 あの化け物にこの武器を渡すわけにはいかない。 銀時の遺言だからだけではなく直感がそう告げている。 「――死んだ奴は所詮この舞台に相応しくなかった雑魚という事だ」 「なっ!!」 自分しか知らないがあの男の行動は決して間違っていなかった。 確かに不真面目で無鉄砲だったかもしれないがルキアの中ではあの瞬間、そして今でもヒーローなのだ。 それをあの現場を見てもいない男に侮辱されてはたまらない。 「巫山戯るな!この武器を彼奴に渡したらどうなるか位説明しただろ!」 「このオレを誰だと思ってる?既にオレの中では時間内に其奴に勝つ公式なんぞとっくに出来ているわ!」 彼はもう此方を見てはいなかった。 彼の視線の先は街の向こう、フレイザードがいると説明された方向である。 冷たい風が吹きコートがばさばさと翻る。 だが彼は少したりとも震えもせず唯々睨んで立っていた。 思わずルキアはそんな彼から眼を逸らしてしまう。 奇しくも彼女の視線の先は北海道から本州へと繋がるトンネルのある方向。 「貴様如きが逃げようが逃げまいが結果は変わらん。だがその火竜鏢とやらは置いて行ってもらう」 ルキアは手に持った火竜鏢をぎゅっと握りしめた。 「――本当にこれがあれば勝てるのだな?」 「その賭けのチップがこの命であることくらい理解はしている」 ルキアはもう一度火竜鏢を握りしめると心の中で銀時に向かって謝った。 「――なら交換条件だ、私の命もチップとして賭けさせてもらおう」 最後に心の中でこの世界にいる全ての人に謝った。 仇を討ちたいというエゴの為に、最強のマーダーを仕上げてしまう可能性を作ってしまったのだから。 「クカカカカカ、此方から出向こうと思っていたが手間が省けたぜ」 「五月蠅い!貴様なんぞの気迫に負ける私ではない!」 そう言って強がってはみたものの体中が恐れをなして震えている。 あの後海馬の作戦とやらを聞いて自分なりに出来ることを提案してきた。 敢えて一人で堂々と出ていったのはその為だ。 その震えを抑えるためにも海馬から受け取ったコルトパイソンの照準を相手に向けた。 「なんだか知らんがそんな物でオレを倒そうって言うのか?へっ、震えてまともに狙いも付けられない癖にな」 「黙れっ!」 1発、2発、3発。 狙うは相手の目。 見た感じ岩で出来ていない様に見える唯一の箇所だ。 天が味方したのだろうか、ぶれる照準の中で1発相手の顔面に命中した。 「効かねぇなぁ。それよりあの炎のアイテムはどうしたんだ?」 核鉄の力によって唯でさえ高い再生力を増幅され、撃たれた傷が再生する。 フレイザードがルキアに左手を伸ばした瞬間…… 「其処のデカ物、オレが直々に相手をしてやる光栄に思え!」 手にあの火竜鏢を持った男が少し離れた場所に立って叫んでいた。 「そうか貴様が合流した奴か。愚かにも自分からのこのこと殺されにきやがって……」 そう言いつつ右手を右半身に伸ばす。 「愚かなのは貴様の方だ!」 フレイザードに向かって海馬瀬人が火竜鏢を投げつける。 「虫螻如きがっ!」 咄嗟に右腕の宝貝『霧露乾坤網』を発動させ、大気中の水分を掻き集め自分の前に小さな水の盾を作り出す。 が、それを予測したかの様に火竜鏢はふわりと浮き上がり盾の上空に通り過ぎると、 いきなり急降下を始め体の中からカードを取り出していた右手に当たった。 「グォ!!」 炎属性の火竜鏢は氷の右腕にとっては天敵であった。 極寒地という地形で強化された右腕であり、しかも相手は一般人であるので切断だけは免れたが、鋭い痛みと共にカードを地面に落としてしまう。 「海馬コーポレーション社長のこのオレがこの程度の稚具を扱えぬとでも思ったか!」 予め予測不能の起動を描くブーメランと聞いていたので、形から動きを予想するのは玩具メーカーの社長にはいとも容易い事であった。 その隙にすかさずルキアはカードを拾い、苦しんでいるフレイザードの脇を駆け抜ける。 「これで良いんだな、海馬瀬人?」 「――あぁ充分だ。もうお前の用は済んだ。足手まといにならない内に下がってろ」 自分に手渡された数枚のカード、そしてその中の青眼の白龍を見つめそう答える。 「糞っ!人間如きにオレがまんまと!」 右腕のダメージを回復させながらフレイザードは二人の人間を睨み付けた。 「記念に貴様に一つ教えてやろう。決闘は絶対的な相手をねじ伏せる力も確かに必要だ。 だが、それを有効利用するための戦術という物もまた必要なのだ」 予め離れて二手に別れて出てきたのは、今までの情報から二人一遍に相手をするにはカードを使用してくる可能性が高いと踏んだから。 そしてカードを使用する際には燃えないように右半身に収納、そして取り出すのも右腕と、姿さえ聞いていれば容易に予想できた。 下手に避けたら胴体にダメージを与えられる必殺コンボ。 その為の火竜鏢である。 ルキアが見た今の彼の表情はフレイザードのそれと同じ、勝利への拘りとそれを見据えた笑みであった。 「貴様に再度決闘――デュエルを申し込む!このオレ、海馬瀬人が真のデュエルとやらを見せてやろう!」 手に持つ四枚のカードを一別して海馬は叫んだ。 「いでよ!忠実なる我が僕、ミノタウルス!」 命令と共に牛頭の化け物が姿を現した。 「ククク……やはりこの方法でよかったのか」 闇遊戯とのゲームの時もそう、それから自社で作ったシステムもそう。 自分たち、海馬と遊戯がこのゲームに選ばれたのならモンスターの召喚方法はそれしか思い浮かばなかった。 「奴を切り裂け!ミノタウルス!!」 巨大な斧を構えながら雪原を駆ける獣人。 「くっ!メラゾーマ!!」 ミノタウルスを撃破するつもりで放ったメラゾーマであったがミノタウルスの斧によって真っ二つに切り裂かれる。 「ミノタウルスの斧に炎の攻撃が通用すると思ったか!」 再度駆け出す化け物、ミノタウルス。 だが、一方の化け物、フレイザードの笑みは消えてはいなかった。 斧には剣を。 左腕に隠された炎の剣を身体から出す為に力を集中させる。 「カードオープン!人造人間サイコショッカー!!」 中指と人差し指でカードを挟みカードを反転させ相手に見えるようにする。 瞬間現れたサイコショッカーから光が放たれ、フレイザードの左腕に隠されていた炎の剣が爆発する。 勿論その隙を逃がすはずもなく、無数にひびの入った左腕にミノタウルスの斧が下ろされ砕かれる。 「ハハハハ、どうだ真のデュエルの駆け引きとやらの味は?!」 ミノタウルスとサイコショッカーの二体のモンスターを従え余裕の表情で、苦しむフレイザードを見下ろす海馬。 「奴を押さえつけろミノタウルス!」 左腕を失ったフレイザードをミノタウルスが羽交い締めにし、動けなくなったフレイザードに対し火竜鏢を投げ付け右半身に突き刺す。 「これで、その水を操るアイテム使うにも集中できまい!!」 海馬瀬人は勝利を確信し、高笑いを上げる。 「まぁ早くも探していた物に再会できた礼として、貴様はこれ以上の痛みを感じぬままこの世から消し去ってやろう。 出よ我が最強にして誇り高き龍の僕『青眼の白龍』!!」 高らかにカードを掲げモンスター名を宣言する。 しかし、唯一彼の愛したモンスター、青眼の白龍のカードからは何の反応も起きず、唯々吹きすさぶ北国の風にコートを翻しているだけであった。 その瞬間をフレイザードの眼は逃さなかった。 「たかが一人の人間如きにこの技を使うときが来ようとはな!弾岩爆花散!!」 その呪文と一緒にフレイザードの身体が爆発し、辺り一面に飛び散る。 その細かく砕かれた破片は近くにいたミノタウルスとサイコッショッカーにまともに浴びせかけられ、 一定以上のダメージを与えられた二体のモンスターは消滅する。 「わぁぁぁぁぁ!!」 「くっ!」 爆風に煽られ飛んでいき気絶するルキア。 海馬は爆発時にサイコショッカーに直撃ダメージを壁となって防いでもらっていた。 「……自爆したのか?」 爆風が収まって眼を開いてみると其処には無数の岩の破片が散らばっていた。 「ふはははははは、勝った!勝ったぞオレは!!」 湧き出る勝利の実感を噛みしめる海馬、だが…… 「ぐはっ!!」 突然後ろの岩が自分の身体を貫いて空中へと飛んでいった。 「馬鹿め!勝ったのはオレ、氷炎将軍フレイザードだ!!」 空中にフレイザードの声が木霊する。 「馬鹿な……」 「あん、卑怯?んなもん勝つことに比べれば小さいことだ」 がくりと膝を付く海馬。 「デュエルの駆け引きと言ったなぁ、これがオレなりの駆け引きだ。クハハハハハ」 「――遊戯……貴様なら、貴様ならこの手のタイプの奴でも……がはっ」 身体を貫かれつつ喋り、内臓への負担によって吐血する。 「まぁ貴様からは駆け引きの重要さという物を教えて貰った、遠慮なく死ぬがいい!但しオレ以上に苦しんでな!!」 周りの砕かれた破片が海馬の身体に襲いかかる。 下から上に。 海馬瀬人の身体はその衝撃で浮き上がらされ、血飛沫を撒き散らしながら空中で踊らされ続けた。 「脆い、脆すぎる。苦しませて楽しむ前にいっちまいやがったぜ」 後には再結合したフレイザードと、最早その原型を留めていない海馬の身体だけ残されていた。 「この技をこんな序盤から使う羽目になるとはな!」 再生は核鉄の力が手伝ってくれるが、弾岩爆花散後の再結合は体力と寿命を消費するだけで再生は全く関係ない。 ダメージは消せても、疲労は核鉄によって回復出来ないのだ。 その為多大に疲労したフレイザードは落ちていた霧露乾坤網と核鉄、そして火竜鏢を拾い上げると、 憎らしげに元海馬の身体であった物体を蹴りつける。 ごろんと転がる海馬の死体。 その血の海の中で傷一つ付いていない青眼の白龍のカードが眠っていた。 「遊戯……遊戯と言ったな。そいつもお前から教わった駆け引きとやらで倒してやるぜ。クハハハハハ」 残虐の北の大地。 その地に立つ者は既にフレイザード一人になっていた。 【朝】 【北海道西部】 【フレイザード@ダイの大冒険】 [状態]:重度の疲労、成長期、核鉄で常時ヒーリング [装備]:霧露乾坤網@封神演義、火竜鏢@封神演義、核鉄LXI@武装錬金 [道具]:荷物一式 [思考]:1.禁止エリアに指定されたので一刻も早く脱出する 2.出会った参加者を出来る限り殺す。ダイ、ポップ、マァム、遊戯を優先 3.優勝してバーン様から勝利の栄光を。 【朽木ルキア@BLEACH】 [状態]:かなりの疲労、右腕に軽度の火傷、気絶中 [装備]:コルトパイソン・357マグナム残弾21発@CITY HUNTER [道具]:荷物一式 [思考]:1.気絶中 [備考]:青眼の白竜《次の0時まで使用不能》ともう一枚のカードは海馬の死体に抱かれています。 遊戯王カードサイコショッカー、ミノタウルスのカードは消滅しました。 【海馬瀬人@遊戯王 死亡確認】 【残り109人】 時系列順で読む Back 朝の公園にて Next papillon / magicien 投下順で読む Back 朝の公園にて Next papillon / magicien 082 青眼の白竜を求める者 フレイザード 122 捨てる破壊神あれば拾う死神あり 082 青眼の白竜を求める者 朽木ルキア 122 捨てる破壊神あれば拾う死神あり 082 青眼の白竜を求める者 海馬瀬人 死亡
https://w.atwiki.jp/rpgds2011/pages/14.html
RPGツクールDS+でゲームを作る 前作「RPGツクールDS」から「フィールドの(大・中・小の三段階で)大きさを変更できる」や 「イベントで使用するスイッチに名前がつけられる」など 新しく設定できることやより作りやすい設定が追加されていますが、 作成手順が思い付かない方は、説明書にも記載されている 「マップ→イベント→データベース→マップ…の繰り返しで編集して物語を作る」 のが分かりやすいと思います。 一応各用語(マップ・イベント・データベースの3つですが)の簡単な説明をします。 マップ 小さなテントから大きな町。果ては自然豊かな世界まで マップでは大きく分けて物語の世界となるフィールドと そのフィールド内に町や村等の拠点、ダンジョン(洞窟や学校等) といった主人公が冒険する施設 の二つに分かれます。 フィールドは草原、海、山といった地形や建物を自由に編集できます。 施設は町や村等の拠点にしたいなら、そのマップに民家や道具屋 各マップの特徴に合わせた設備(現代なら信号機や自動販売機)等を 編集できます。 ダンジョンは洞窟や森と行った自然なものから和風な城、学校と いった人工的な物まであらかじめ作ってある部屋を組み合わせて 作成できます。 イベント 「こんにちは」簡単な台詞からBGMの演奏、ダンジョンの仕掛けまで マップを作成したらそこでどんなことが起こるか具体的には 「この町の名前を教えてくれるおじさん」「お店の人に話すと買い物に」 「怪しい人に話しかけると怪しい人と戦闘に」といった出来事はイベント から作成します。簡単なといってもこのイベントで設定出来ること はかなりあるので実際に操作して物語の内容を作ってみて下さい。 ちなみに上の3つのイベントは主に「調べる」という発生条件で 相手に接触して起こる「ふれる」やマップに入ったりボタン押したりして 発生する「自動」等もあります。 データベース 弱そうな雑魚敵や強そうなボス敵、これらと戦う主人公の能力を決める RPGではあった方がというより普通にある戦闘。この要素を 編集するのがデータベースです。 主人公のキャラクターや職業、修得する特技、主人公達が使用する アイテムや武器等、 もちろん敵の能力や行動パターン、出現範囲などもここで決められます。 名前はほとんどが自分で決められる(当然ですが)ので一通り落ちつい たら名前をつけてみるのもいいでしょう 最後にこれはどのRPGツクールをやったことがある人はみんな経験 していますが、1つのRPG作るのにとんでもない時間がかかります。 また、作ったRPGをコンテストや友達にやってもらうのはとても 楽しみな方が多いと思いますが、当然評価は人それぞれです。それでも その評価が次回のRPGを作るときの大きなヒントになるかも しれません。 だってみんな一生懸命作ったものは何であれ出来たら嬉しいから それでは実際にゲームを作ってみましょう。 下の公式サイトのチュートリアルをもとに作ってみてください。 (引用元 公式サイト) コメント このページに対してのコメントはこちらにお願いします。 パクってる........... -- 名無しさん (2013-01-02 18 29 25) 「それでは実際にゲームの作ってみましょう。 」ってやつ誰か「の」→「を」に修正よろ -- 名無しさん (2013-01-24 11 16 56) 直してみただけ -- 名無しさん (2013-02-01 23 07 04) パクリ屑やな…w -- 名無し (2013-03-16 16 02 28) かなり時間かけてこのページを編集しましたが、これの情報の有用性の有無を求む。 -- ノーコメもありや (2013-05-13 12 08 11) 訂正。再編集してみたが効果があるか求む。 -- ノーコメもありや (2013-05-13 15 56 39) わからん -- 名無しさん (2013-05-18 21 32 55) あ -- 名無しさん (2013-11-05 18 13 33) そざいすくなすぎだわ -- jh (2014-02-11 06 37 28) 確かに素材がなぁ -- RYO (2014-06-24 16 51 15) もっと情報を、、、、 -- 名無しさん (2014-09-06 21 56 50) そうそう、なんかもっとないの -- もっちーさん (2014-09-06 21 59 09) テスト -- 名無しさん (2016-10-11 09 08 51) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/0103/pages/71.html
雨が降り続く街に異形の生物が大地に足をつけている。 その生物は正面から見ると右側が炎に包まれて左側が氷に包まれているーーーーー 「愛?…青二才のヒュンケルあたりがほざきそうな人間の下らねぇ感情だッ!」 異形の生物の名は魔王軍六大軍団長の一人。氷炎将軍フレイザード。 愛よりも勝利と栄光を求める者。 (俺は…ミストバーンが寄越した不良品の鎧の所為で勇者のクソガキに敗れたはず……) バルジ塔の戦いでフレイザードは戦死したーーーー 「…メラ」 言葉と共にフレイザードの右人差し指に炎が宿る。 (…呪文が使える。ハドラー様の禁呪法で生まれた俺をそのまま蘇らせるとは…どうやら、御子柴とかいうババアの死者復活はペテンじゃなさそうだ) (あの下らねぇ人間共の生活には魔物の姿が映っていなかった…それに、妙な形の馬車に周囲の建物は明らかにオーザム王国を凌駕している技術!!) (魔王軍による侵攻を一切受けていない国は存在しない…ということは俺らの世界とは別の世界が存在すると言うのか…?) 「…ということは、油断すると危ないな。デイバッグを見る限り未知な道具があるからな…」 フレイザードは暴力性だけでなく冷静な分析力を併せ持つーーーーー (紙には、先着5名に如何なる願いを叶える権利を与えると書いてあるが、もし俺以外がたどり着けなければ、願いを5つ叶えてもらえることも可能ではないか…?) 邪な欲望が溢れ出す…… 「まあいい、あの、ガキを女に会わせないで褒美の願いを叶えてもらおうじゃねぇかッ!」 (ま、叶えてもらったらあのババアは用済みだけどな……) フレイザードの行動指針が定まったーーーーー 「バーン様ッ!我に勝利と栄光を!!!クカカカカカカカ~~~ッ!!!!」」 勇者パーティを全滅させるというバクチに敗れた男が再び、殺し合いという名のバクチに挑む。 【フレイザード@ダイの大冒険】 [状態] 健康 [装備] 不明 [道具] 基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:時間経過によるゲーム終了の願いの権利狙う。 1 【森嶋帆高】 を見つけ次第、事件経過まで保護する(死なない程度に) 2:自分以外の参加者は殺す ※参戦時期はバルジ塔の戦いで勇者ダイに敗れた後 ※首輪は体内の核に付けられています。 ※暴魔のメダルは手元にありません。 ※別の世界が存在するのではと思考しています。
https://w.atwiki.jp/pokotan/pages/45.html
各ツクールの比較表を適当に。 価格 画像の対応パレット数 スクリプト キャラチップのサイズ マップチップ 通行四方向 2000 4000円 8bit(256色) なし 24x32 16x16 設定可能 XP 3900円 32bit(フルカラー) RGSSスクリプト 32x48 32x32 設定可能 VX 7700円 32bit(フルカラー) RGSS2スクリプト 32x32 32x32 外部ツール使用で設定可能 VXAce 10400円 32bit(フルカラー) RGSS3スクリプト 32x32 32x32 設定可能 価格は2009年12月17日現在の某密林を参照。 VXAceとXPは2012年3月6日現在 2003さんの事はそっとしておいてあげて下さい。 こんなの見ても手を出そうとしてる方には分からないでしょうから細かく説明します。 1.グラフィック まずゲームの柱の一つグラフィックですが実際に比べてみましょう。 ユーザー製作のものは結構腕で差が出ると思うのでツクールに最初から入っている素材で比較してみましょう。(というかRTPの画像はってもいいのか…) 2000 XP VXおよびVXAce 256色の2000に比べて、フルカラーのXPとVXは画像が目に見えて綺麗ですね。 上のグラだとVXよりXPの方が見かけはいいですが、それは作った人の方向性で、XPとVXの画質は全く同じものです。 基本的にVXとAceは違いはありません。 ツールで加工すれば2000の物をXPやVXで、XPのものをVXで使う事もできますが、その逆は対応パレットタイプやサイズの関係で相当厳しいです。 但し8bit好きな人も沢山いるので、そこらへんは好みがわかれます。 グラフィック的に「お、XPとVXいいんじゃね?」とか思った人もいるでしょう。しかしここで問題が一つあります。 もし自分でグラを作る場合8bitより32bitの方がはるかに腕が問われます。 8bitの場合範囲が狭く、色数も少ないのである程度ごまかせますが、32bitの場合範囲が広く色数も多いので、何倍もの労力がかかり、ドット絵のセンスも必要なわけです。 FF11のキャラ出してゲーム作るかー^^と思っても一筋縄ではいかないわけです。 もしFF11の全種族の全フェイス全AFなんて作ろうとしたら頭が狂って死ぬ可能性もあります。 購入する場合そういう点も考慮しましょう。 2.スクリプト XP以降のバージョンに搭載されていてこれにより様々な事ができるようになります。 PCいじってればスクリプトくらいは知っているでしょうが、そのスクリプトと同じもので、これによりFFのようなサイドビューバトルやATB制戦闘など様々な機能を追加できます。 「プログラム言語とかしらねーし」とか思う方もいるでしょうが既にツクラーの有志がスクリプトを公開しているのでそれを利用することもできます。 ただしスクリプトが競合してしまったり、自分の思うようにいかないなどということもありますので、脳までニートな方以外少しは勉強した方がいいです。 画像貼るの面倒だから自分でググってね! 説明面倒なのでここまで。 3.RGSSのバージョンによる違い RGSSはXP以降、毎度バージョンが更新されており、基本的に互換性はありません。 以下はバージョンによる大まかな違いです。 RGSS(XP)・・・初心者向き。ソースを改変しやすいが配布されている素材は少なめ。 RGSS2(VX)・・・中級者向き。オブジェクト指向化が半端。配布されている素材は最も多い。 RGSS3(VXAce)・・・上級者向き。オブジェクト指向化が進んだが2より可読性は下がっている。最適化が進み処理は軽い。ややバグが多い? 基本的にVXのスクリプト素材はAceでは使用不可ですが、RGSS3からの変更部分やrubyのバージョンによる違いに引っかからなければ、そのまま使える場合もあります。 また、VXの素材をAceで使いたいと思った時はVX版の配布元サイトを見てみると良いかもしれません。 作者によってはAce版への移植作業を行っている時があります。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/484.html
0364:狂殺万華鏡 もう間もなく二度目の陽が昇る。 この世界の太陽は残酷である。 夜が来れば、より殺戮は進むというのに――構わず沈む。 朝が来ればその深い悲しみが嫌応なく親しかった者たち全てに知らされてしまうというのに――構わず昇る。 太陽は全てを照らす。それが仕事なのだと言うならば、嘘も甚だしい。 この世界の太陽は、悲哀の影を生み出すためだけの存在なのだから…… ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ その名を体現するかのように、飛影は闇の中にある町を軽やかな影の如く進んでいた。 アビゲイルに他県に飛ばされてしまった事など気にも留めていない。 そもそも彼はただ強い者と戦う事を望んでいるだけなのだ。相手の生死など気にも留めぬ。アビゲイルが憎くて戦った訳でもない。 ――出来るならばあれ程の強さを持つ者、再戦の機会があればそれに越した事はないが…無いなら無いでそれもまた巡り合わせ。 飛影はまた新たな強き者を探すだけなのである。 「……そういえば……」 ふとある事を思い出して道路脇で足を止める。 アビゲイル戦で武器を失って、飛影にとってその意義は食料を収めるためだけの袋になっていたデイバックを久方ぶりに開け、 中から参加者名簿を取り出し久しぶりに眺めてみる。 「あの馬鹿はまだ生きてるんだったな…」 死者の名前に印を付けている訳ではないのだが、記憶を辿ってみる限り、その人物――桑原和真が放送で呼ばれた記憶は飛影に無かった。 桑原に関して特に感慨は無い。死んだら死んだでそれまで。 幽助亡き今、自分を知る者は桑原だけになった事を思い、初めて少しだけ桑原の事に考えをやる。 (幽助さえ簡単に死ぬこの世界…奴にはもしかして、実力のある仲間がいるのか?) 飛影が戦った桃やアビゲイルも自分と肉薄する実力の持ち主であった。 もし戦ったのが自分でなくあの馬鹿な人間ならば、まず間違い無く負けて死んだのは桑原の方。 ならば未だ生き延びている桑原には、もしかしたら強い仲間がいるのかもしれない。 (そもそも奴は馬鹿正直だから、お人好しな奴なら仲間に引き込むのは得意だろうしな) 桑原の気性を考えるなら、ゲームを隠れてやり過ごそうなどとは考えない正義感だけは無駄に強い男であるのは飛影も知っていたし、 ならば放送で聞いた『四国と九州にいるゲームを隠れてやり過ごそうと企む者たち』の中にもおそらく桑原はいないだろうと考えられる。 (……探してみる、か……) それはただの気まぐれ。 手掛りもゼロ、別に見つからなくとも問題は無い。 しかし、強い敵を探す以外これといった目的もなく、 そのちょっとした行為が、今までの戦いより更に楽しめそうな戦いに繋がるかもしれないのならば、それもまたありかもしれない…… 飛影はそう結論付けた。 無意識に薄く口元に笑みを作り再び移動を開始しようとしたその瞬間、ふと芽生えた今の“らしくない”自分の感情に気付く。 (…フン…感傷などない。奴を見つけたとしても、あいつの仲間を殺す事になるんだ、俺は…) まるでその不要な感情を無理矢理押し込めるように、自らを諭すかのように、虚空を睨みつける。 そして再び飛影は走り出す。その空虚な心を満たしてくれる存在を探すために―― ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「――クソ!クソッ!クソォオッッ!!!」 ――吠える。 行き場無く我が身の内で暴れ狂う…怒り、苛立ち、憤り。 それらをぶつけるかのように、草木を燃やす。枝を叩き折る。岩を蹴り飛ばす。 理由など無い、それはただの無駄な行為。 「クソガアアアァッッ!!!」 千切れ飛んだ葉がひらひらと舞い踊る。 「あんなクソガキどもに…この俺様が…またしても…ッ…!!!」 その怒れる異形の者の名をフレイザードと言う。 三時間ほど前にあったボンチュー・ルキア戦は、フレイザードの心に大きな『しこり』を残す結果に終わった。 「北海道での決闘(デュエル)野郎……ピッコロ……麦わら小僧……ルキアとかいうしつこいメスガキ……黄金聖衣とかのあの男……!」 頭の中に現れては消える、その憎々しい対象たちの姿。 過去、フレイザードに“恐怖”を与えてきたその者たちの、勝ち誇る笑い声に囲まれているような幻が脳裏に焼き付いて離れない。 「俺は戦うのが好きなんじゃねぇ………“勝つ”のが好きなんだよオッッ!!」 怒りのまま、己の胸にかかるメダルに手を掛け、己の体に巻き付いている鎖ごと強引に引き千切る。 暴魔のメダル―― この世界で手に入れた物ではない、唯一フレイザードが最初から所持していた自身の持ち物。 何の役にも立たない、ただ、フレイザードの過去の栄光を示すだけの代物である。 ただの雑魚であったはずの、ちっぽけな二人の人間。 その者たちから“恐怖”という屈辱を与えられたという有り得ない事態に、フレイザードは燃え盛る暴火のごとき憤怒を抑えきれないでいた。 結果としては、完全に負けた訳ではない。 あの二人との戦いではリスクを省みない博打技でピンチは脱したが…なにせあのようなハデな大技、 彼らの仲間たちがそれを察してすぐにでも救援に現れてしまう可能性も高く、あの後二人の生死確認は出来ずにすぐ退却した。 ルキアもボンチューもすでに息絶えていた可能性はある。それならば敗者は死んだ彼ら、勝者は生き長らえたフレイザードとなるはずである。 しかし……彼にとって、重要視されるのはそこではない。 何より彼をここまで苛立たせているのは―― 未知の力を持つ勇者でもなく、恐るべき高みにいる大魔王でもない… ただの脆弱な人間などによりここまで幾度となく苦汁を舐めさせられてきたという事実の積み重ねが、フレイザードの逆鱗に触れてしまっていた。 「俺様は確実にここでどんどん強くなっている!今の俺ならば、例えあの魔王ハドラーであってもいい勝負…… いや!もはやハドラーすら凌駕しているはずだぁッッ!!!」 ――吠える。 遠き天に向けてその自信を力の限り示し、フレイザードは立ち尽くす。 「ハァ…ハァ…」 いや、本当は彼も気付いていた。 幾度も激しい命のやり取りをこの舞台で経て、 通常の訓練などでは考えられない膨大な経験値をこの短期間で一気に得ている実感があり、 それによりみるみる成長出来ている手応えを自身が感じている今…それは当然の事。 ――周りも、そうなのだ。 最初に会った時のルキアなど、ただの雑魚Aとでも言うのか、完全な狩られる側の弱者であったはず。 それがどうだ、あの変貌ぶりは。 …あの戦いぶり、もはや立派ないち戦士のそれである―― 「ハァ………ハァ………」 すでに生存者は半分以下。これまで生き延びてきたという事は、生存者は皆それなりに大なり小なり命を賭した戦闘を経ているはずなのだ。 しかも仇敵勇者ダイはまだ死んでいない。もし勇者もめきめき成長しているならば、優勝はさらに遠くなるかもしれない。 ――だったら…―― 氷炎将軍……炎のような狂暴性と、氷のような冷静な狡猾さの二面性を合わせ持つ悪魔。 怒りのままに叫び荒れていたのも…それゆえ。 あまりにも膨れ上がってしまった憤怒――炎側の感情を、氷側の思考が対応した、つまり、発散させたのだ。 「だったら……強い奴らに、潰し合ってもらおうじゃねえか…!」 ようやくバランスの取れてきたその頭が、一つの結論に達する。 フレイザードの今一番の危惧は、勇者ダイと………ピッコロ大魔王。 あの忌々しいピッコロとはいずれ戦わねばならない定め。 ピッコロに対する対策もずっと悩んでいたが、これなら勝てる確率がグンと上がる。 『ピッコロをダイに引き合わせる』 もし二人が戦いになれば、どちらが勝とうが確実に無傷では済まない。そうすれば後は残った方を潰すだけだ。 二人が遭遇するまでの間にピッコロが自分に牙を剥く危険は確かにあるが、どうせいつかは戦らねばならぬのだ。これは賭け。 少し前に一人で隠れている所を世直しマンに見つかってしまったような不本意な由々しき事も、二人で行動していれば避けられる確率が上がる。 不慮の戦いになってしまっても、もちろんピッコロをけしかけて捨て駒にする事も、 少しでも弱らせるための…あの前世の実を使わせる機会を増やさせる事も出来る。 ならば取る道は一つ。 「戦いが好きなんじゃねぇ………勝つのが好きなのさ!最後に立ってた奴が勝者、ってなァ!ヒャハハハハハハハーーッッ!!」 フレイザードは歩き出す。進路は北、ピッコロとの合流予定地点へ。 フレイザードが姿を消してのち、その誰もいなくなった荒らされた場には醜く握り潰されたメダルだけが残されていた―― ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ――朝が近くなり、小さくさえずる小鳥の声にピッコロは目を開ける。 深くダメージを受けた体の回復に完全に集中するため、あの後長い時間微動だにせず身を休めていた。 元来の回復力も手伝い、体力はなんとかほぼ本来の値程まで戻りきっていた。 「……フレイザードめ……来ぬつもりか……?」 白ばみ始めたまだ暗い空に視線をやったまま、ふと小さく呟く。 放送で呼ばれなかった事により、フレイザードの生存は間違い無い。 しかしこれだけ待っていても一向に姿を現す気配もないフレイザードに対して、少なからず苛立ちを覚えていた。 (フン……24時間も猶予を与えたのは間違いであったかもしれんな。体はもう十分回復出来たしな……) 湖に映る自身の姿を見つめつつ、無表情のまま考えを巡らせ始める。 フレイザードがまだ生きているならば、姿を見せないのは何か理由があっての事かもしれない。 あの麦わらの小僧どもにこっぴどくやられた体の回復に時間がかかっているのかもしれない。 そうでなくとも、あれからまた違う戦闘を行っているため遅れているのかもしれない。 奴ならばおそらく、傷付いた体のままこのピッコロ大魔王の前に姿を現すのは避けるだろう。 ならば到着が遅れているだけの可能性は高い。 「クックックッ……このピッコロ大魔王が優勝最有力候補なのは、奴自身の体がよく知っているはずだしな…!」 ――まさか逃げる訳もあるまい。奴もそこまで馬鹿ではあるまい… ピッコロはフレイザードを遥か上の天から見下ろしているような気分に浸りながら笑いを噛み殺す。 もし逃げたなら、自分が不利になるだけ。 フレイザードが後々まで一人で生き延びたとしても、再び相対した時にボロボロの満身創意では話にもならない。 ならば多少の危険を伴ったとしても、行動を共にして利用しようとした方がまだ希望が見える。 実力差は明白、そうするしかフレイザードに勝ち目はない。 「クックックッ……なら、もう少しだけ待ってやるとするか……」 フレイザードは必ず来る、とのある種の確信を抱き、再び瞳を閉じる。 間もなく流れる放送にフレイザードの名前が入っていなければ、確実に合流は成る。そう確信する。 (……合流したら、例の蒸気機関車とやらで島の中央に向かうのも悪くはないか…… これだけこの場に留まっていても誰も通らぬのだ、すでに生き残りは中央に集まりつつあるのかもしれぬしな……) 朝の穏やかな空気に身を任せたまま、ピッコロは再びその空気に体を溶け込ませていった―― ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 笑う。泣く。嘆く。走る。etc…etc…… 一つ一つが違う色、違う模様のカケラたち。 どんな模様に見えるのかは見る度に移り変わる。 全てを見通し、その様々な生のカタチを一度に堪能する。 まるで、そう――万華鏡のように。 その場所は、常に慌ただしく動いていた。 このゲームの参加者たち全ての首輪から得られる音声データ等を一同に取り扱う、主催者側の要の施設の内の一つとも言えるような、その小さな部屋。 兵士たちが常に忙しなく働き続けているその後方――バーンは壁に背を預けたまま、瞳を伏せて佇んでいた。 「…………」 兵士たちの働きを見ているのではない。中央モニターに次々と浮かんでは消えていく文字や数字の羅列を眺めているのでもない。 ただ、聞いていた。 参加者たちの断末魔、嘆きの声、小細工の様、そして笑い声を―― 「……フリーザ王、何の要件かな?」 「フフ……さすがバーンさん。こんな所にいらっしゃったのですか」 バーンの横の出入り口の向こう側。 音も気配も無くいつの間にかその向こうに立っていた人物の気配を見る事もなく察知し、 姿勢を変えぬまま視界にも入れず、バーンは小さく声だけ発する。 気配を殺していたフリーザはその言葉に少し驚いたかのように小さく笑みをこぼすと、 穏やかな笑顔を浮かべてゆっくりと部屋に足を踏み入れ、バーンの隣に立つ。 「いえいえ、そろそろ放送の時間も近いですので…バーンさんを探していただけですよ」 「そうか……」 バーンの返事を聞き、モニターを眺めたまま満足げに口を閉じるフリーザ。 「……………おやおや、確かこの大きな声は、あなたの部下だったフレイザードさんの物ですね…頼もしい限りです。フフフフ…」 「フ……最後に立っていた者が勝者…か。確かにその通りだな…」 「フレイザードさんが優勝した暁には、さぞあなたも鼻がお高いでしょう。 優秀な部下をお持ちのようで、羨ましい限りですよ、ホホホ…」 「余はそう簡単にもいかないと思うがな?フリーザ王」 「……と、おっしゃいますと?」 横目でバーンのその静かな表情を窺うフリーザに、バーンは顔を上げて小さく口を開く。 「……ゲームに抗う者たち……」 そう呟き、どこか遠い目をして前を見つめるバーンに視線を向けた後、クク…と笑みを漏らして俯く。 「無駄ですよ、無駄。可哀想ですが、彼等には脱出する手段も首輪を解除する方法も、絶対に得られないんですから」 「………」 バーンは返事をしない。遠い目をしたまま、兵士たちの事務的な声が飛び交うのみ。 「バーンさんも心配性な方だ、フフ……さて、では参りましょうか。 ハーデスさんは既にいらっしゃってましたから、あまりお待たせしてしまってもいけませんからねぇ」 「…そうだな、では参ろうか、フリーザ王…」 壁から背を離し、フリーザの後に続いて部屋を後にする。 「“種”は芽吹きつつあるが、な……」 「……?……何かおっしゃいましたか?バーンさん」 フリーザが足を止め振り返った先、瞳を伏せて俯くバーンの姿。 「………いや、何でもない、独り言だ」 「…そうですか。フフ、おかしな方だ」 「………」 特に気に留める事も無く、再びフリーザは歩き出す。 ――二日目の朝の放送は、もう間もなく。 【滋賀県/早朝】 【飛影@幽遊白書】 [状態]全身に無数の裂傷 [道具]荷物一式 [思考]1:強いやつを倒す 2:桑原(の仲間)を探す 3:氷泪石を探す(まず見つかるまいし、無くても構わない) 【山形県/早朝】 【フレイザード@ダイの大冒険】 [状態]ダメージ・疲労共に大(前回戦闘時よりはやや回復)、氷炎合成技術を実戦経験不足ながらも習得 [装備]霧露乾坤網@封神演義、火竜鏢@封神演義、核鉄LXI@武装練金、パンツァーファウスト(100mm弾×3)@DRAGON BALL [道具]荷物一式 [思考]1:ピッコロと合流し、ダイへけしかける 2:氷炎同時攻撃を完全に習得する 3:優勝してバーン様から勝利の栄光を 【秋田県、田沢湖湖畔/早朝】 【ピッコロ@DRAGON BALL】 [状態]ほぼ健康 [道具]荷物一式、前世の実@幽遊白書 [思考]1:フレイザードを待つ 2:合流後に機関車でミニ日本中央部へ向かう 3:世直しマン・イヴ・悟空を殺す 4:フレイザードを利用 5:主催者を殺す 時系列順に読む Back 361 共同戦線~武道家VS能力者~ Next 365 ボケも貫けばつっこみになる 投下順に読む Back 363 帰結する復讐心 Next 365 ボケも貫けばつっこみになる 306:静夜のシ者~アビゲイルvs飛影~【下】 飛影 391:京都時雨案内 297:ピッコロ大魔王の世界~相×剋~ ピッコロ 379:雪の陣~memento mori~ 340:フレイザードの世界~いつか勝利の旗の下で~ フレイザード 379:雪の陣~memento mori~
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/590.html
◆lEaRyM8GWs 話数 タイトル 登場人物 001 役立つ支給品 フレイザード、大原大次郎 004 勇者、起つ! ダイ、竜吉公主 005 闇の帝王vs最強の馬鹿 DIO、ルフィ、孫悟空 010 傷者、2人 津村斗貴子、ケンシロウ 016 武装強化 フレイザード、アナベベ、竜崎桜乃 019 王者と聖衣 ターちゃん 022 王者、起つ!? ダイ、竜吉公主、ターちゃん 038 物々交換、そして賭け死合 パピヨン、ヒソカ、更木剣八、志々雄真実 043 公主の説得 ダイ、竜吉公主、ターちゃん 055 醤油、豚骨、味噌、そして塩。 友情マン、桑原和真、ガラ 059 妖艶の妖狐 趙公明、蘇妲己、武藤カズキ 063 妲己ちゃんと愉快な武藤達 蘇妲己、武藤カズキ、武藤遊戯 073 最期に想うはビデオと フレイザード、朽木ルキア、坂田銀時 080 竜と獅子の猛攻 大蛇丸、斎藤一、沖田総悟、ダイ、竜吉公主、ターちゃん 082 青眼の白竜を求める者 海馬瀬人、朽木ルキア、フレイザード 099 一時の別れと願う ケンシロウ、津村斗貴子 101 京都観光しようかな 弥海砂、趙公明、城之内克也 104 悲しむ3人 蘇妲己、武藤カズキ、武藤遊戯 127 太公望、竜吉公主と再会す ダイ、竜吉公主、ターちゃん、斎藤一、沖田総悟、太公望、富樫源次 151 大阪探索しちゃい隊 蘇妲己、武藤カズキ、武藤遊戯 156 最強の厚着 孫悟空、大空翼、空条承太郎 登場させたキャラ 5回 ターちゃん、ダイ、竜吉公主 4回 フレイザード、蘇妲己、武藤カズキ 3回 武藤遊戯 2回 朽木ルキア、津村斗貴子、ケンシロウ、趙公明、孫悟空、斎藤一、沖田総悟 1回 大原大次郎、DIO、ルフィ、アナベベ、竜崎桜乃、パピヨン、ヒソカ、更木剣八、志雄真実、友情マン、桑原和真、ガラ、坂田銀時、大蛇丸、海馬瀬人、弥海砂、城之内克也、太公望、富樫源次、大空翼、空条承太郎 書いたキャラ数 35人 殺害数 5人 犠牲者 大原大次郎、アナベベ、竜崎桜乃、坂田銀時、城之内克也 打率(殺害数/話数) 2.4割 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/2chrpgtkooljp/pages/39.html
366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/01(金) 19 45 37 ID zdYPko9A おい。ここでRPG2003翻訳している奴がいるぞ。 https //sourceforge.jp/users/tier/pf/RPGMaker2003_JP_lang/wiki/FrontPage 367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/01(金) 20 46 25 ID P.ot3gJE 英語版になってしまった…? 意味がわからん 引用元:RPGツクールVX Ace スレ 5 2014-10-14 RPGツクール 2003 海外 翻訳 英語
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/380.html
0252:崖っぷちの正義と悪〈中編〉 ◆kOZX7S8gY. 麦わらの少年が、伸ばす。その、矛となる腕を。 麦わらの少年が、放つ。目の前の、倒すべき『悪』に向けて。 「ゴムゴムのぉ――――――銃〈ピストル〉!!」 ルフィの拳は、ピッコロに向けて放たれる。 その、ゴムの反動を利用した技の威力。それは、ピッコロの予想をはるかに上回る攻撃力。 「ぬぅっ!?」 派手な衝撃音を伴いながらも、ピッコロはルフィの拳の銃弾を受け止める。 見た目にもきちんとした防御だったが、ゴムの技の長所は、一撃の威力だけにあらず。 「ゴムゴムの――――――銃乱打〈ガトリング〉!!!」 二撃目は、連撃。 攻撃の手を休めぬルフィは、ピストルの一撃を防がれた直後にはもう、ピッコロの間合いに移動。 至近距離から、今度は両腕による拳の雨を降らせる。 「くぅ……なめるなぁぁ!」 拳の連打に防御に徹するピッコロだったが、本来、彼のバトルスタイルに防御は似合わない。 目にも留まらぬ連撃のわずかな隙間をつき、ルフィを上空に蹴り上げる。 「ぐあっ……!! ……ッゴムゴムの――――スタンプ!!」 攻撃途中に入れられた蹴りに、一瞬ひるむルフィだったが、それでも攻撃の手を休めない。 瞬時に上空で体勢を立て直し、真下に位置する敵に向けて、足を伸ばし、踏みつける。 しかし、この攻撃は直線的すぎた。 空から降ってきた伸びる足を掴み、ピッコロは、そのまま山林の木めがけてルフィを投げ飛ばす。 常人なら直撃――しかし、ゴムの身体を持つルフィには、その予想される結果が適用されない。 木にぶつかる直前、ルフィは両の腕を伸ばし、それぞれ別の木を掴み取る。 伸びきった両腕は、ピッコロに投げ飛ばされた衝撃を和らげ、直撃するはずだった木には、ルフィの足がそっと着地する。 この時点で伸びきった両腕には、元に戻ろうとする力が生まれる。 そして直撃するはずだった木はあたかもクッションのように働き、ルフィを押し戻す。 反動が生まれ、投げ飛ばされた地点まで戻ろうとするルフィの身体。この時点で両腕を外せば、どうなるか。 それは――パチンコの要領。 「ゴムゴムのぉぉぉぉぉ……」 大勢の敵を蹴散らしたり、敵船に突っ込んだりする時などに使用される、ルフィ必殺の肉弾砲。 「――ロケットォォォォォ!!」 標的は――ピッコロ。 そのスピードといえば、まさに弾丸の如し。 さすがのピッコロも、これには反応することができず、弾丸となったルフィの体当たりを全身で受け止めてしまう。 防御として受け止めたのではなく、攻撃として食らってしまったのだ。 「――がっはぁあぁ!?」 衝撃で吹き飛ぶピッコロ。 完全に甘く見ていた麦わらの少年に、大魔王はダウンを強いられたのだった。 地面に身体を転がすピッコロ。その光景をあざ笑っていたのは、彼と協力関係にあるはずの、フレイザードだった。 (ヒャハハハハハ! やるじゃねぇか、あいつ! こりゃあひょっとしたらひょっとするか?) 決して口には出さず、笑うのはあくまで内心のみ。 自分が苦汁を舐めさせられたピッコロ。そのピッコロが、自分の前で初めて醜態を晒した。 笑いが止まらない。そして、さらに期待してしまう。 (あの小僧なら……もしかしたらピッコロに、『前世の実』を使わせるくらいはできるかもなぁ) ルフィ対ピッコロ。フレイザードにとっては、別にどちらが勝っても問題ではない。 ベストは相打ちだが、重要なのは、ピッコロが疲弊すること。 よもやピッコロがあんな小僧に負けるなどということはないだろうが、この戦いで傷を負ってくれれば、出し抜ける確率がぐっと上がる。 万が一ピッコロが負けたとしても、小僧のほうも無傷で済むはずはない。もしそうなったら、自分が引導を渡してやればいいだけのこと。 ひょっとしたら、戦闘後、この場に立っているのはフレイザードだけかもしれない。 そう考えると、笑いが止まらなかった。 そして、フレイザードの機嫌が上々な理由は、もう一つあった。 それは、フレイザードが新たに手に入れた、この『パンツァーファウスト』という武器。 フレイザードの足元に転がるエテ吉……正確には、『エテ吉だったもの』から回収したものである。 『エテ吉だったもの』は、いまや完全に黒焦げの姿。微かに残ったその形状から、チンパンジーの焼死体であるとわかる。 この黒焦げになったエテ吉こそ、ルフィが戦っている理由。 仲間を無残に燃やし、支給品を奪い、極悪な笑いを轟かせた二人。 その瞬間、ピッコロとフレイザードは、ルフィの敵となったのだ。 フレイザードが心の中であざ笑っていることなどお構いなしに、ピッコロは戦闘を続ける。 倒された身体を起こし、自分に地を舐めさせた少年に、殺気を放つ。 このときピッコロは、ルフィに対してあの少年……孫悟空と同質の印象を覚えていた。 小さい身体ながら、大魔王の身に傷を与えた憎き仇敵。正義感などというものを掲げ、仲間の死に激怒した、『悪』を許さぬ者。 この少年は、明らかに孫悟空と同じタイプの人間。その事実が、ピッコロを震わせた。 加えて彼の実力。伸びる手足を使った、柔軟で不規則、それでいて確実な打撃力を秘めたバトルスタイル。 決して雑魚とは呼べない相手。このまま本気で片付けてしまってもいいが、それではあまりにもったいない。 ルフィの存在はピッコロの戦闘意欲を増加させ、同時に、ピッコロの遊び心をくすぐった。 戦闘狂としての性か、ピッコロは、ルフィとの戦いを楽しんでいたのだ。 (お……?) 観戦に徹していたフレイザードが、一人の存在に気づいた。 戦闘に参加せず、自分と同じように傍観に徹している、一人の少女の存在に。 彼女は、ルフィのもう一人の仲間、イヴ。 イヴはフレイザードと同じように傍観していたが、なにも戦闘をする気がなかったわけではない。 むしろ仲間に加勢したかった。しかし、自分の身体が、自分の本能が、それを拒む。 目の前の、ルフィとピッコロの、あまりの次元の違う戦いに。 イヴとて、トレインとスヴェンという二人の掃除屋の仲間として、数々の悪人と戦ってきた。 『道士〈タオシー〉』と呼ばれる異能力者との戦闘にも勝利したことのある実力者でさえある。 だが、目の前の戦闘は違う。明らかに、自分が経験してきた戦いとは別物。 ただでさえ疲労している自分が、加勢などできるはずがない。 それに、もしまた無茶に敵に向かっていったりなどしてしまったら―― (ルフィさんも……ゆきめさんみたいに!) それだけは、絶対に避けたかった。 もう、仲間を犠牲になどしたくない。 「よう、嬢ちゃん」 ゾクリッ (え……?) イヴが背後に感じたのは、寒気。 狂気と殺気、両方を含んだ存在の気配を、感じた。 「あ……」 振り返り、目にしたのは異形の化け物。 炎と氷に包まれた極悪顔の巨体。 ――エテ吉を燃やした、張本人。 その瞬間、イヴは恐怖に支配され、身体を動かせなくなっていた。 「おいおい、そんなに怖がらなくていいんだぜ。俺様は優しいからなぁ」 顔全体に、「嘘」という文字がにじみ出た笑顔。 イヴは、異能力を扱う殺人鬼と相対しても怖がらなかった。 イヴは、自分より何倍も巨大な恐竜を前にしても怖がらなかった。 だが、今は、確実に、 (――怖い!) そう感じていた。 「そうだ、なんなら嬢ちゃんに選ばせてやろうじゃねぇか。あの猿みたいに炎に焼かれて死ぬか? それとも氷漬けにされて死ぬか? それとも……仲間の武器の威力でも試させてくれるか?」 そう言い、フレイザードは、イヴにパンツァーファウストの銃口を向ける。 イヴに、確実な死を与えんと―― 空に、二つの巨体が影を作った。 それはちょうど、フレイザードの右斜め上あたり。 先端になにかを突き出した、槍のようなシルエット。 それは、無慈悲な悪に向かって放たれる。 「――ゲギャッ!?」 フレイザードの顔面にあたり、それを吹き飛ばしたものは、とび蹴り。 その足を鎧の鉄鋼に包んだ、悪などには防げぬ、鋼のとび蹴り。 イヴの目に映ったのは、鎧に身を包んだ、謎の人物。 いや……スヴェンが買ってくれた本で読んだことがある。 こういう場面で現れるのは………… 「貴様の優しさなどいらん。少女に優しさを振りまくのは、いつの時代も我々のような存在と決まっている」 ――――ヒーロー。 「な、なんだてめぇは!?」 突然湧いて出た鎧の男。不覚にも、その男にとび蹴りを食らったことを理解し、フレイザードは怒りに震える。 「ヒーローさ。おまえみたいな悪党を退治するためのな」 「――!?」 フレイザードが前方の鎧に気にとられている間、背後にはさらなる大男が。 巨大な身体に角を生やした男。咄嗟にその男から身を離し、フレイザードは二人のヒーローに挟まれる形となる。 「く……なんなんだてめぇらは!? そいつの仲間か!?」 「いいや初対面だ」 答えるは角の大男、バッファローマン。 「ただ、震える少女と、蔓延る悪党を見過ごせない、それだけだ」 答えるは鎧の男、世直しマン。 「……ヒーローが、助けに来た」 突然現れた助っ人。イヴは、呆然とその二人を見ていた。 対峙する二人と一人。世直しマンがフレイザードに問う。 「北海道で人々を殺して回っていたというのは貴様だな?」 「ほっかいど~? ああ、禁止エリアになったところか。ヒャハハハ! そうだな、あそこじゃ確か五人は殺したぜ!」 「五人だと!?(ルキアの言っていた奴らの他に、三人も犠牲になったってのか)」 「ヒャハハッ、なんだおまえら? もしかして誰かの仇討ちか? 生憎だが、どいつもこいつも雑魚だったんで顔は覚えてねぇぜぇ!」 「なに、思い出す必要なんてねぇぜ」 「ああ貴様はここで倒す。この、私たち二人がな!」 フレイザードが働いてきた暴挙の数々を再確認し、世直しマンとバッファローマンは、改めて構える。 目の前の外道を滅さんがために―― 戦場からは少し離れたところ。戦場を見渡しやすい山林の影で、ルキアとボンチューは様子を見ていた。 「あいつか?」 「ああ……確かに私を襲った、炎と氷の化け物だ」 二人は、世直しマンとバッファローマンとの約束どおり、戦闘には手を出さず、ここで傍観することに決めた。 勝負が決するまで顔は出さない。そして、もし万が一二人が敗北したときは―― 「……あんま心配すんなよルキア。あの二人は簡単には死なない。言ってただろう?」 「わかっておる……しかし、彼らは武器も持たずに行ってしまったが、大丈夫なのか?」 ルキアの手元には、戦いの邪魔になるというので置いていかれた、世直しマンとバッファローマンの荷物がある。 死神とて虚との戦いの際は、斬魄刀を用いる。だが、彼らは丸腰で向かっていった。 「武器ったって、こっちにはろくなもんがねーだろうが。心配しねーでも大丈夫だろ、あの二人なら」 ボンチューの言うとおり、彼らの武器は鍛え抜かれた肉体。武器など不要なのだ。 「……うむ、そうだな。貴様こそ、自分の実力を考えて、ちゃんと自重しておるのだぞ」 「……ああ、わかってらぁ」 ボンチューの言葉は、意外にも素直だった。 責めるつもりはないが、異形の敵を目の前にし、本当に臆してしまったのだろうか? と、ルキアは考える。 もちろん、ボンチューは臆してなどいない。 ああいう化け物との戦いなら、既に魔界で体験した。 力関係はともかく、いまさら姿で恐怖を感じることなどありえない。 彼が動かないのは、自分の実力をちゃんと自覚しているから。 あの二人を勝利に導き、ルキアを護るためには、自分は手出ししない。 それがベストだと、わかっているから。 (認めたくなんて……ねぇがな) ただ見ているだけなのに、否、ただ見ているだけだからこそ、ボンチューは歯痒さを感じた。 ピッコロと激闘を繰り広げるルフィの心境は、唯一つ。 ――あいつらが許せない。 エテ吉を燃やし、仲間の死を笑った、非道な敵。 なにより仲間の存在を大切にするルフィは、ピッコロとフレイザードの行いに大きな怒りを燃やしていた。 それは、彼に空腹を忘れさせるほどに。 「ゴムゴムのぉぉぉ……」 空腹など関係ない。怒りが、彼を突き動かす。 「――――槍ぃぃぃぃぃぃ!!!」 その名のとおり、槍のように突き出されたルフィの両足が、ピッコロを襲う。 しかし、本人も自覚がないうちに空腹の影響が出てしまっているのか、その足は易々とピッコロに掴まれてしまう。 「ふん、あま……」 そのまま地面に叩きつけようとしたが、やめた。 理由は、視界に映った二人の存在。 (――あやつらは!!) なにを思ったか、ピッコロはルフィをそのままの体勢で投げ飛ばした。 二人のヒーローに挟まれた、フレイザードめがけて―― 「――グヘッ!?」 「!?」 世直しマン、バッファローマン、フレイザード、三者が睨み合う中、フレイザードに向けてなにかが投げ込まれた。 「いてて……」 それは、麦わら帽子をかぶった少年。先ほどまでピッコロと戦っていたはずの。 「ん? なんだぁおまえら!? あいつらの仲間か!?」 突然投げ飛ばされ、起きたら見知らぬ男たちに挟まれていることに気づいたルフィは、再度身構える。 対峙する人数が四人に増え、さらにもう一人。 「久しいな、おまえたち」 現れたのは、ルフィを投げ飛ばした張本人、ピッコロ大魔王。 「緑肌の男……!? まさか、標的が二人一遍に現れるとはな」 「いや、バッファローマンよ。よもやこの二人……」 まさかの敵増加に驚きを隠せぬ二人のヒーローだったが、世直しマンはこのタイミングでのピッコロ大魔王登場に、一つの仮定を立てる。 その仮定は、次に出たピッコロの言葉で仮定ではなくなった。 「フレイザードよ、いつまで寝ている! 貴様の仕事が回ってきたぞ!!」 (ちっ……わざわざ俺に向かって投げつけたくせに、よく言うぜ) フレイザードに命令口調で話すピッコロ。世直しマンたちですら知らなかった、炎と氷の化け物の名前が明らかになると同時に、答えは出た。 「まさかこいつら……」 「同盟か、もしくは主従関係か……どちらにせよ、仲間同士であることは間違いないようだ」 ルキアを襲った敵とボンチューを襲った敵。奇しくも、追っていた二人が同時に現れた。 しかも、協力関係を結んで。 「二人一遍とは厄介だが……ちょうどこっちも二人、問題ねぇ」 「うむ。むしろ好都合だ。マーダー二人、ここで同時に潰すことができるのだからな」 二対二。 それぞれ向き合う悪のパーティーとヒーローチーム。 その間では、ゴムの少年が一人この状況に流されていた。 「??? わけわかんねぇけど、あいつらはおっさんたちの敵なのか?」 「おうよ! 麦わらの少年、ここは俺たちに任せて、あの嬢ちゃんとどっかに隠れてな!」 戦闘を任せるように勧めるバッファローマンの言葉に対し、ルフィの返答は、 「ふざけんな!!」 あまりにもはっきりとした、「NO!」だった。 「あいつらは俺の仲間を焼きやがったんだ! ぶっ飛ばさなきゃ気がすまねぇ! おっさんたちこそどいてろ!!」 「な……おいおい、あいつらの強さがわかんねぇのか? いいからどっか隠れてろって……」 「い、や、だ!」 「ぐ、ぐぬ……」 威勢よく拒否を示すルフィに、バッファローマンは圧倒されていた。 「バッファローマンよ、今は言い争いをしている暇はない。その少年が引かぬというのなら、我々がカバーするしかなかろう」 「お、おう。そうだな」 結局、ルフィを加えたまま、三人の正義は悪に立ち向かう。 対して悪のパーティーの場合、戦闘に関する主導権は、ピッコロが完全に握っていた。 「フレイザードよ、貴様はあの麦わらの小僧の相手をしろ。私は少々、あの二人に貸しがあるのでな」 「け、わぁったよ」 フレイザードの本心としては、無駄に体力を消耗することは避けたかったのだが、この場面では仕方がない。 考えてみれば、あのまま二人を相手にするよりは、一人を相手にするほうが楽ではある。 「貴様ら、殺す前に名前くらいは訊いてやろう!」 ピッコロの自信満々な口調に、それぞれが名乗りを上げる。 「私の名は世直しマン! 悪の手から宇宙を守るヒーローだ!!」 「俺の名はバッファローマン! てめぇらみてぇな悪党は見過ごせなぇ、正義超人だ!!」 「俺の名前はルフィ!! 海賊王になる男だ!!!」 「よかろう! 貴様らの名前、確かに刻んだ! 最後に、このピッコロ大魔王の手にかかることを光栄に思え!!」 険しい山の中、山林を越えた崖際で、正義と悪が対立する。 その力が、ぶつかり合う。 最後に立っているのは、誰か―――― 【山形県南部・山中の崖付近/夕方】 【モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE】 [状態]空腹(怒りによって忘れています)、わき腹・他数箇所に軽いダメージ [装備]なし [道具]荷物一式(食料ゼロ) [思考]1、ピッコロ、フレイザードをぶっ飛ばす。 2、自分と悟空と猿とイヴの仲間・食料を探す。 3、悟空を一発ぶん殴る。 【イヴ@BLACK CAT】 [状態]胸に刺し傷の重傷(応急処置済み。血は止まっている)、貧血 [装備]いちご柄のパンツ@いちご100% [道具]無し [思考]1、戦いの場から離れる。 2、トレイン・スヴェン・月との合流。 3、ゲームの破壊。 【フレイザード@ダイの大冒険】 [状態]若干の疲労、成長期、傷は核鉄で常時ヒーリング [装備]霧露乾坤網@封神演義、火竜鏢@封神演義、核鉄LXI@武装錬金、パンツァーファウスト(100mm弾×4)@DRAGON BALL [道具]支給品一式、遊戯王カード1枚(詳細は不明)@遊戯王 [思考]1、ルフィの相手をするが、無理はしない。 2、体力を回復させる。 3、隙あらばピッコロを倒す 4、優勝してバーン様から勝利の栄光を 【ピッコロ@DRAGON BALL】 [状態]:若干の疲労、腹部にダメージ [装備]:なし [道具]:荷物一式、前世の実@幽遊白書 [思考]:1、世直しマン、バッファローマンを殺す。 2、フレイザードを利用してゲームに乗る。とりあえず南下。 3、残り人数が10人以下になったら同盟解除。バッファローマン、悟空を優先して殺す。 4、最終的に主催者を殺す(フレイザードには秘密)。 【世直しマン@とっても!ラッキーマン】 [状態]健康 [装備]世直しマンの鎧@とっても!ラッキーマン [道具]なし [思考]:1、ピッコロ、フレイザードを倒す(ルキア、ボンチューの安全を優先)。 2、関東方面へ移動。 3、ラッキーマン、黒崎一護、武藤遊戯を探す。 4、ゲームから脱出し主催者を倒す。 【バッファローマン@キン肉マン】 [状態]健康 [装備]なし [道具]なし [思考]:1、ピッコロ、フレイザードを倒す(ルキア、ボンチューの安全を優先)。 2、関東方面へ移動。 3、ラッキーマン、黒崎一護、武藤遊戯を探す。 4、ゲームから脱出し主催者を倒す。 【山形県南部・山林/夕方】 【ボンチュー@世紀末リーダー伝たけし!】 [状態]ダメージ中、重度の疲労 [装備]なし [道具]荷物一式、蟹座の黄金聖衣(元の形態)@聖闘士星矢 [思考]:1、世直しマン、バッファローマンの戦いには参加しない。 2、ルキアを守る。 3、もっと強くなる。 4、これ以上、誰にも負けない。 5、ゲームから脱出。 【朽木ルキア@BLEACH】 [状態]:若干の疲労、右腕に軽度の火傷 [装備]:コルトパイソン357マグナム 残弾21発@CITY HUNTER [道具]:荷物一式×3、遊戯王カード(青眼の白龍・次の0時まで使用不可)@遊戯王、読心マシーン@とっても!ラッキーマン [思考]:1、世直しマン、バッファローマンの戦いには参加しない。 2、黒崎一護、武藤遊戯(カードの使用方法を知る者)を探す。 3、とりあえず関東方面へ移動。 4、ゲームから脱出。 【エテ吉@ジャングルの王者ターちゃん 死亡確認】 【残り81人】 時系列順に読む Back 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 Next 0254 崖っぷちの正義と悪〈後半〉 投下順に読む Back 0251 武藤復活! Next 0253 Black color stomach ~ encounter ~ 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 ルフィ 0254 崖っぷちの正義と悪〈後半〉 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 エテ吉 死亡 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 イヴ 0254 崖っぷちの正義と悪〈後半〉 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 ピッコロ 0254 崖っぷちの正義と悪〈後半〉 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 フレイザード 0254 崖っぷちの正義と悪〈後半〉 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 ボンチュー 0254 崖っぷちの正義と悪〈後半〉 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 ルキア 0254 崖っぷちの正義と悪〈後半〉 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 世直しマン 0254 崖っぷちの正義と悪〈後半〉 0249 崖っぷちの正義と悪 前編 バッファローマン 0254 崖っぷちの正義と悪〈後半〉