約 1,406,392 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/455.html
TOPへ 次へ 「シルヴィ! ブレードで応戦、ランチャーで弾幕をはりつつ離脱!」 マスターの指示に合わせ、敵の攻撃に対し的確に行動を起す神姫。 シルヴィと呼ばれたツガルタイプは、近接の間合いに迫るヴァッフェバニーのアーミーブレイドをブレードで受け止め、背面バインダーに内臓された電磁加速ランチャーを低弾速連射モードに設定、乱射、一瞬生じた隙を逃さず全身のバーニアを噴射し、敵と距離を取る。 近距離から遠距離戦への移行完了。自身、敵、共にダメージ無し。 「いいぞシルヴィ! ライフル、ランチャー展開。遠距離射撃戦を仕掛ける!」 敵のヴァッフェバニーは一見ノーマルだが、両腕に連射力の高い火器、背部の推進器には瞬発力を高めるパーツを装着、近~中距離での火力と機動力を高めるカスタムが成されている。 弾幕で相手の動きを止め格闘戦で確実にダメージを奪うタイプだ。洗練されたスタイル。ここまで勝ち進んで来ただけの事はある。 中距離~接近戦を重視したタイプには遠距離戦を仕掛けろ、か。バトルステージ『荒野』のような遮蔽物の乏しいエリアではマスターの判断は正しい。 敵が装備する機関銃も遠距離まで離れれば弾速の減衰、集弾率の低下により危険度は減る。が、しかし私のような装甲が人並みの神姫では、それも回避行動を取らなければ看過でない脅威だ。機関銃を両手に迫る敵に対して回避行動を取りつつ敵の有効射程外へ離脱、さらに狙撃をする。 だが、一連の行動から放たれる乱雑な射撃は敵ヴァッフェバニーの瞬発力の前では足止めにもならない。一気に距離を詰められる。中距離戦。ミドルレンジ。私の、ツガルタイプの、最も苦手な距離。 ツガル戦術論 プロローグ 一般的に各神姫には得意とするレンジと言うものが存在する。 天使型MMSアーンヴァルなら飛行能力をフルに活かした遠~中距離射撃戦。 騎士型MMSサイフォスなら重装甲と強力な格闘武器を利用した接近戦。 兎型MMSヴァッフェバニーの武装は一撃の威力に欠けるが、その信頼性の高い格闘武器と豊富な火器による弾幕を駆使し、遠距離から接近戦までこなすオールラウンダー型と言える。 パッケージに詰められたデフォルト装備と言うのは素体との相性を考慮した上で選別されており、思いのほか高いバランスでまとめられているのである。 もちろんアーンヴァルタイプがセイバーを持って突撃するのも戦術だが、射撃重視の機体に調子に乗って太刀やブロードソードを装備しては不味い。 機体重量過多やエネルギー出力不足による戦力低下、という危険性はもちろんのこと、戦術的に「どっちつかず」の神姫になってしまう。そんな神姫は付け入られやすい。 武装とは、マスターと神姫にとってのアイデンティティ。 だからこそマスターと神姫は吟味に吟味を重ねて武装を選択する。 「強い神姫」と言うのはつまり「コンセプトの明確な神姫」なのである。 ツガルタイプのノーマル武装は3種。ライフル、ランチャー、ブレードである。 うち2種は遠距離射撃武器。残り1つは接近格闘武器。 そう、ツガルノーマルタイプには中距離武器が存在しないのだ。 ホーンスナイパーライフルは軽量狙撃銃に分類され、遠距離に於いて取り回しが良く威力が高い強力な武装である。しかし接近する敵に対して弾幕を脹れない点が近~中距離戦に於ける決定力不足につながっている。 ハイパーエレクトロマグネティックランチャーは低速連射モード、高速貫通モードと自在に撃ち分けられ、フレキシブルに可動する盾としても機能する完成度の高い武装である。が、これも中距離射撃戦に於いて取り回しの悪さが指摘されている。 フォービドブレードは背部にマウントされたダブルブレードで、両手に射撃武器を構えていても格闘戦に移行できる自由度の高い武装である。 以上の3種の武装が一対ずつ装備されている。 このように、一つ一つを取り上げて見ればレベルの高い武装群なのだが、全体をまとめて見渡すと決定的な欠点が露呈してくる。中距離における火力不足。対ノーマルツガル戦略は明確であり、ツガルが対戦に参加し初めると即座に打ち立てられていった。 可変機構を取り入れたはいいが戦闘コンセプトが一貫しない、季節ネタとして発売された、バトルでは使えない神姫。ツガルに下された評価をまとめると、こうだ。そもそもツガルは追加武装キットとして発売されたのだ。別途素体を購入しなくては稼動しない。上記の要因はバトルにおけるツガル不人気に拍車をかけた。 事実、ツガルを使用するマスターは驚くほど少ない。 にもかかわらず、マスターは私を何度も神姫センターへ連れ出してくれた。 もちろん最初は何度も負けてしまって悔しい思いをした。 ある日、私が武装の変更を提案するとマスターはこう断った。 「だって悔しいじゃないか」 曰く。 「シルヴィ、ツガルタイプは決して最強の神姫じゃない。 でも、決して扱いにくい神姫でもない。 おれ達はツガル装備を使用してバトルに勝たなければいけない。 シルヴィのツガル装備は、シルヴィが扱う事によって初めて最強になる。 それが、ツガルを見限ったバトルマスター達の見返す唯一の方法なんだ」 私は呆れた仕草をして見せた。 しかし、すぐさま駆け込んだ棚の裏で涙を流した。 悔し涙か? それともマスターの野望に感動でもしたか? 違う。マスターの実直な動機に涙したのだ。 有り体に言えば、私を、我々を。ツガルタイプを愛してくれている事。 「ふん、まったく、バカなんだから」 …でも、貴方がそういう考えなら、付き合ってあげてもいいわよ。 泣き尽くして脹れた顔が元に戻ったのを確認してから、マスターの前でこう宣言した。 マスターが人差し指を突き出す。私はそれに握り拳をぶつけて応える。 私達は必ず勝ち上がってみせる。私達は心の中で誓った。二人の不敵な笑み。 後で聞いた話では、この時の私の瞳はしっかりと潤んでしまってたらしい。 始まった特訓。確立された戦術と戦略。ノーマルパーツを駆使した必殺技の開発。 着実に上がって行くランクポイント。気が付けば地元の神姫センターでも注目される神姫になっていた。 ただし、ツガルを扱う変わり者のマスターとして。 そして出場した地区大会。トーナメントの最頂上。全国大会出場への切符を賭けた一戦。 ツガルタイプを過小評価している連中を叩きのめしてやる。こんなところで負けてたまるか。 シルヴィアは剥き出しの闘志でそう応えた。 逃げ回る私。迫るヴァッフェバニー。中距離戦。それは私の弱点。そしてヴァッフェバニーの必殺の間合い。サイドボードから転送されたヴァッフェバニーの虎の子ミニガンが火を吹いた。 回転式バレルから大量の弾を吐き出すこの射撃武器は中~遠距離で絶大な威力を誇る。両手で扱わなければいけない重量や取り回しの悪さなどは威力と連射力で捻じ伏せる。と言った重火器だ。 決定的な構図。しかし、この状態こそ私が、私とマスターが待ち望んでいた瞬間。 中距離戦が苦手ならば、逆にそれを利用する。これが私達の発想だった。四丁もの精密射撃武器を搭載するツガルタイプはロングレンジでは無視出来ない実力を発揮する。 アウトレンジからの正確な射撃を嫌う対戦相手は中距離で決着を着けようと急激に距離を詰めようとする。 その瞬間を、隙として狙う。 「シルヴィ、今だッ!」 言われるよりも早く反転、全速前進。スラスターをマキシマムまで叩き込む。両腕のライフルを捨て少しでも加速力を稼ぐ。近距離まで一気に飛び込めば重火器の取り回しの悪さに付け込める。マグネティックランチャーにエネルギーを供給し始めると片側を体の前に構え盾として運用。ミニガンの弾幕に備える。もう片側のランチャーを低速連射モードにして連射。敵は真正面。重火器を装備して足が止まっている。よく狙う必要も無い。 突然の強襲に同様しない敵は流石だ。互いの射撃は正確だった。 被弾。命中。また被弾。それでも絞らぬ推進力。瞬間的に跳ね上がる両者のダメージ。しかし駆動系はまだ生きている。それは敵も同じ事だった。 そしてクロスレンジ。 ミニガンの有効射程から外れると判断したヴァッフェバニーは即座にアーミーブレードを装着。すでに格闘戦に備えていた。背部フォービドブレード展開。スラスターの推力を急激に偏向。ヴァッフェバニーの頭上で勢いに乗ったムーンサルト。体を翻すたびに刃を浴びせる私の必殺技。一太刀目。身を低くし回避される。敵の回避機動を考慮した二太刀目。ブレードで受け流される。本命の三太刀目。背部推進器を盾にして回避された。 アプローチ終了。有効打、無し。加速度を殺さずそのまま離脱。クロスレンジから再びショートレンジへ。攻撃終了後の隙は見逃されず、ヴァッフェバニーはアーミーブレードを投擲。被命中。脚部スラスターを使用不能にするダメージ。稼動する残りのスラスターできりもみ状態から回復。 この機会を逃したら戦闘続行は困難。 盾として運用していたマグネティックランチャーを高速貫通モードへ。 天地反転の体勢から射撃。限界まで供給されたエネルギーを開放する。 果たして、近距離から放たれた超高速貫通弾はヴァッフェバニーのボディを貫いた。 姿勢制御が間に合わず、高速のまま頭から地表に接触。横転、前転、バウンドを繰り返し自らおこした砂埃にまみれるシルヴィア。ダブルノックアウトか? ジャッジコンピュータが勝負の判定を行う。 この勝負を見守った者の総てが一瞬と言う間の長時間を経験した。そして、下される、判定。 勝者、シルヴィア 固唾を飲んでジャッジの真偽を見届ける総員。 立ち込めていた砂埃は判定のタイミングを見計らったかのように晴れる。 そこには勝利者シルヴィアが立っていた。 ようやく動き出した観客の時間。勝利者に割れんばかりの声援。 眩しすぎる照明。鳴り止まぬシルヴィアコール。 すべては勝利を掴んだ小さき姫のために。 満身創痍のシルヴィアは髪の乱れを正すと、観客に向かって一礼して見せた。 精密なポリゴンで構成されたバーチャル空間は、戦闘フィールドから表彰台へと表情を変え、神姫の傷だらけのボディもポリゴンの塵へと分解。再構成されると無傷のパーツへと修復された。 ポリゴンの紙吹雪とポリゴンのトロフィー。メインスクリーンに大きく映し出されるシルヴィア。 しかし。 まっすぐ帰宅し、今夜は御馳走にしよう。等と思いながら愛車のエンジンを始動する。 表彰式を終え、会場の駐車場でバイクをアイドリングさせてると突然、浮かない表情のシルヴィアに声をかけられた。 「優勝した、と言う実感が湧かないわ」 屋外駐車場は風が吹きさらし、星を控えめに散りばめた夜空だった。 まだ夕方だと言うのにもう空が暗い。季節は冬であった。エンジンが暖まるまで時間がある。 「私達は激しい特訓を経て、全力をもって大会に臨み、そして優勝した。 けれど。私達は本当に勝ったのかしら?」 それはつまり。 おれ達の目標。ツガルタイプの真の実力を皆に示す事が出来たのか。って事かな。 肩の上にたたずむシルヴィに聞き返す。 「そう。私は必死に戦った。 負けてたまるか、と、がむしゃらに相手の神姫を打ち負かしてきた。 けれど私の戦いは、他のマスターの心を動かしたのか。 それが、気になります」 優勝した感動よりも、その事に対する不安の方が強いというのだ。 表彰台の頂点に立った本人だと言うのに、シルヴィアは真面目であった。 マスターのおれですら優勝の余韻に浮かれてたと言うのに。 少し考えてから、こう切り出した。 「シルヴィはよくやったよ。 多くのプレイヤーが扱いにてこずるツガル装備でよく勝ち抜いた。 今回のバトル結果は様々な形で神姫に関わる人達に伝わるはずだ。 そして、彼らはこう言うんだ。『大会であのツガルタイプが優勝したんだってよ』 ある人はツガルをパートナーに選ぶかもしれない。またある人は今回の戦闘データを元に対ツガル戦略を練りなおすだろう。 ひょっとしたら神姫センターで名指しの対戦を申し込まれるかもな。」 まさか、それはどうかしら。 と否定するシルヴィアはしかし、まんざらでもなさそうな表情。ここにきてやっと浮かない表情が引っ込んだ。 おれも、自分で言っといてまんざらでもなさそうに笑う。 さらに続ける。 「シルヴィが今どんなモヤモヤを抱えてようと、 ツガルタイプが優勝したと言う事実が神姫プレイヤーを変えていく筈だ。 そして、忘れてないか? 幸いな事におれ達の前にはまだ全国大会が待っている。まだまだ活躍のステージがあるって事だ。 納得できない点があるなら次の対戦相手にぶつけてやればいい。地区大会優勝くらいで気を抜いちゃダメだ」 「それは当たり前よ。 私達の目的はツガルを過小評価するマスターの髪を掴み下ろし頬を引っ叩いて眠たい目を覚まさせてやる事。 この程度の戦績で満足するわたくしではないわ」 やっといつものシルヴィアに戻ってきた。わがままで高飛車。しかし実は真面目で努力家。そして感動屋。 普段より上ずった声だった辺り、全国大会の存在を忘れていたのだろう。 指摘されたのが図星だった。でもそんな事を絶対認めようとしないのがおれのパートナー、シルヴィアである。 「さあ、帰りましょう。小さな大会とはいえ疲れたわ。 今晩はうんと美味しいご飯にしましょう。お寿司がいいわ。回転式なんてもってのほかよ? 特上を出前にしましょう。 それからデザートは駅前の―――」 だー、わかった。バイクのエンジンも十分暖まった。行くぞ。残りは家で聞く。 シルヴィアは肩の上から胸ポケットへすべるように移動。 シルヴィアが収納されたのを確認するとバイクにまたがる。 「駅前の、限定品とは言わないわ。新発売のかぼちゃプリンを―――」 アクセル全開。いささか強引にクラッチを繋ぐ。 胸ポケットから顔を出すシルヴィアの声を爆音で掻き消し、シフトチェンジ。 張り詰めるような冷たい空気を切り裂いて、走る。 かぼちゃプリンだな。デパ地下に、まだ残ってるかな。等と考えながら。 続く TOPへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/408.html
シルヴィア サンタ型MMSツガルタイプ。マスターからはシルヴィと呼ばれる。性格は一見わがままで高飛車。しかし根は真面目で努力家。実は泣き虫。 扱いにくいツガルのデフォルト装備を駆使し、サードリーグからセカンドリーグ下位まで快進撃を続けた実力派神姫。その実力の影にはマスターの打ちたてる戦術論が大いに関与している。 最近になって大会優勝と言う好成績をおさめるが、それにより周囲の神姫にマークされ、快進撃がストップしてしまった。 今後の活躍で一流の神姫に成長出来るかが決まる。 シルヴィアのマスター 何してるのか不明。何歳なのかは不明。本名もまだ不明。 シルヴィアとパートナーを組みツガル戦術論を打ち立て、彼女の快進撃を支えた戦略家マスター。 大会で好成績を残すも、ツガルのデフォルト武装を運用した戦略に行き詰まりを感じ初めている。 マスターミラー 天使型MMSアーンヴァルタイプ。通称ミラー。積雪を連想させる銀髪の天使は性格もクール。セカンドリーグの上位に位置する。 情報戦特化の機動ユニットを装備し、高出力エネルギーシールド『ミラー』を駆使した長距離空中戦が本分。 だが、彼女の二つ名が示す《ミラー・オブ・オーデアル(鏡の試練)》の真骨頂は長期戦によって敵の戦闘データを採取した後に発揮される。 御影恭二 パートナーのマスターミラーからはキョウジと呼ばれる。 軟らかな物腰だが、決してその場に流されるタイプではない 持久戦を得意とし、的確な指示でミラーの戦闘を補佐する。 今回はある目的を持ってシルヴィアにバトルを仕掛けたらしいが…? ツガル戦術論TOPへ
https://w.atwiki.jp/2chbattlerondo/pages/139.html
「Cクラスなのに負けてばかりで・・・」のとき、「努力すれば・・・」で好感度変化なしでした。 -- (名無しさん) 2007-09-29 00 11 31 勝利で褒めるでUP、負けて褒めるでDOWNでした -- (名無しさん) 2007-09-29 13 03 30 僅差負けのとき無難の評価で小幅UPでした。 -- (名無しさん) 2007-09-29 15 46 41 初期のオーナーの呼び方は マスター オーナー お姉ちゃん の3つでした。 -- (名無しさん) 2007-09-29 22 00 51 「Cクラスなのに負けてばかりで・・・」のとき、「弱いオーナーで」みたいな選択肢で大幅アップだったと思います -- (名無しさん) 2007-10-01 00 10 05 引き分け時に無難で親密ダウンでした。 -- (名無しさん) 2007-10-03 20 26 40 Cクラスなのに負けてばかりで イベントで「やめるか」的な選択肢で親密UPしました。 -- (名無しさん) 2007-10-03 20 29 15 敗北時「あ~あ、負けちゃいました」選択「次はもう少しがんばろうな」で小幅UPしました -- (名無しさん) 2007-10-04 00 26 20 大敗時、「お疲れ様、悪くはない結果だ」で親密度小DOWN。 -- (名無しさん) 2007-10-05 06 27 55 初期呼び名はマスター、お兄ちゃん、お姉ちゃんでした。 変更になったのかな? -- (名無しさん) 2007-10-18 22 49 37 青ツガルは新規らしい。付属コードはまだ対応していなかった。 -- (名無しさん) 2007-12-17 14 03 53 敗北時「むきーっ・・・」がでたら何言っても下がる -- (名無しさん) 2008-01-06 12 21 17 っていうか、フォービドブレードつかえないの? -- (名無しさん) 2008-01-13 06 45 51 ツガル装備にホーンスナイパーライフルが2つあるのですけど、1つで十分 なんですよね。2つじゃないとスキルやBMが発動しないと思って たけどそうじゃなかった。初心者はたぶん間違えやすいです。 2つあるのはジオラマ用かな? -- (名無しさん) 2008-02-08 11 49 46 ↑1つになったっぽいです 昨日買って1つしかありませんでした -- (名無しさん) 2008-03-05 15 29 56 青ツガルを昨日オンライン購入しましたが、ライフル2本あるの確認しました。 (両)とついていなかったため、両手装備にはできなようです。 -- (名無しさん) 2008-03-17 10 59 56 青ツガルは基本回避・・・ですかね? ガードなかなかしてくれないのですが -- (名無しさん) 2008-04-08 22 58 47 青も赤も思考パターンは同一。 もともと「回避を上げた方が…」とかいうコメントを発言してるよ。 -- (名無しさん) 2008-05-09 14 24 20 小銃、ランチャーを当てるのが得意と申されている -- (凍幻狂) 2008-05-25 04 39 46 ↑セットアップにまとめられてるし、セリフ集にものってるぜ -- (名無しさん) 2008-05-25 11 04 55 ツガルって敗北時に何言ったら高感度上がるんでしょうか? -- (名無しさん) 2009-12-29 04 34 56 ↑セリフ集見れ ここは質問コーナーじゃないからな、よろしく頼むぜ -- (名無しさん) 2009-12-29 10 15 04 すいません、まだセリフ集は確認してませんでした(汗) -- (名無しさん) 2009-12-29 17 27 04 僕は30Lvまでトレーニングとパシュミナ道場して、それから一気にB行きました。 基本回避20以上、命中10以上じゃないとCでもホーン当ててくれません。 あとCではBM出来れば勝てる子なので、命令はガードしつつ耐えろで行けます。 好感度が高く、普段からガードさせていれば、ツガルも普通にガードしてくれるようになりますよ。 -- (名無しさん) 2011-03-26 18 21 01
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/458.html
戻る TOPへ 次へ 「シルヴィア、策敵能力ではかなわない。初撃はくれてやれ」 注意を促され、先ほどサブモニターに表示された敵神姫、マスターミラーの背面装備を思い出す。アーンヴァルの高い索敵性能をさらに強化する情報戦仕様の機動ユニット。ミサイルの最高射程は私のレールガンを超えるものと予測。 マスターの指示はつまり「まずは回避に専念しろ」。指示を実践するため敵と遭遇する前に速度を確保する。スラスターミリタリー。巡航出力。 バトルフィールドは大小の建築物が立ち並ぶ「ゴーストタウン」。地形を回避に利用すべく低空を飛行。 果たして、策敵距離外からの攻撃が飛来した。突然のレッドアラート。 「シルヴィ、6時の方向に飛行体。恐らく対空ミサイル。回避!」 回避行動。急旋回しつつ建築物の合間にダイブ。メインストリートの舗装路すれすれを飛ぶ。ミサイルの爆発音を確認。回避完了。廃ビルの狭間に身を潜ませながらミサイルの発射された方角へ加速する。レーダーに反応。地表効果を利用し急上昇。エンゲージ。 交戦開始。 ツガル戦術論 鏡の試練 前編3 空中射撃戦は始終こちらのペース。お互いに苦手な中距離戦だが、武装の特性上、シルヴィアの方が若干有利だ。散発的に飛んでくるミサイルを撃ち落しつつ回避しつつ、ライフルと高速貫通レールガンのコンビネーションで撃ち返す。中距離での高機動戦ではミサイルのロックオンは難しく機関銃の危険度が下がる。当初の作戦通りだ。しかしマスターミラーのエネルギーシールドはハイパワーレールガンすら易々とはじく。あのシールド、小型の割に出力がある。 「キサラギ社のエネルギーシールド、『ミラー』だな」 コア思想に基づく武装を数多く作り出す企業、キサラギ。最先端の技術と柔軟なコンセプトで高性能のパーツを続々と世に送り出しているが、言い換えればキワモノ揃いであるこれらのパーツ群を使いこなせる神姫は少ない。エネルギーシールド『ミラー』は《ミラー・オブ・オーデアル》マスターミラーの象徴とも言うべき武装なのだろう。まるで手足の延長のように扱っている。ゆえにお互い未だ直撃無し。中距離射撃戦では埒があかない。気になるのは敵神姫が積極的に距離のコントロールを行わない点だ。中距離があちらの苦手距離だと言うのは承知のはず。敵はシールドで防ぎ続けて弾切れを狙っている? いいや、強力な長距離武装を持つ神姫ならば、そんな回りくどい方法を取らずとも一方的に攻撃出来る筈だ。と、言う事は。 「敵は、おれ達を誘っている」 こちらが近距離に飛び込むのを待っているのだ。火器管制能力の向上が見込める情報戦装備と、弾幕を張れる軽量機関銃を併せ持つ神姫に接近するのは決死的だ。だがこの状況ではそれしか方法は無い。覚悟を決める。スラスターを開放。マグネティックランチャーを盾に吶喊。前回の決勝戦で見せた必殺技。速攻で決める。 こちらの頭部を的確に狙ってくる機関銃。だがかえって射線が捉えやすく盾で防ぎやすい。致命的ダメージを負わずにクロスレンジに突入。僥倖。 マグネティックランチャー、フルパワー。格闘の間合いで発射。が、シールド『ミラー』で防がれる。しかしこれはコンボのきっかけに過ぎない。パワフルな質量弾を防いだせいで『ミラー』の出力は一時的に下がり反発力が弱まっているはず。そこを狙う。全身のスラスターをさらにマキシマムへ。追撃開始。盾にしていたランチャーでシールドタックル。ランチャーと『ミラー』が接触。予測通り敵のシールドに反発力は無い。これなら、行ける。 シールドとフレキシブルアームを巧みに使い敵のシールドを左腕ごと跳ね上げさせる。その勢いを殺さずスラスター制御、宙返り開始。背面フォービドブレイド、一閃。これは機関銃の銃身を犠牲にして防がれる。そして本命攻撃、身をねじり両腕に構えたライフルをボディ目掛けて連射。セミオートで3連発、必殺の合計6発。だが相手も身を翻し、背面機動ユニットを盾にする。機動ユニットに致命的ダメージを与えるも、敵素体にダメージ無し。なんてセンスだ! 戦場は高高度上空。マスターミラーは飛行制御不能に陥った機動ユニットを最後まで利用し、地表に着陸を試みている。叩くなら今。 白煙を散らしつつ落下するミラー目掛けてパワーダイブ。スラスターを再度マキシマムへ。マグネティックランチャー充電。必殺の距離で叩き込んでやる。 しかし、シルヴィアの鋼の闘志はミラーの一言でくじけた。 「お前の動きはすべて見切った」 どこまでもクールな目線でこちらを見据えつつ、彼女はこう言ったのだ。 敵は戦意を喪失してない。まだ切り札がある!? 激しい動揺。突入機動を強引に捻じ曲げそのままオーバーシュート。マスターミラーよりも先に下界に到達する。ゴーストタウン中央に位置する打ち捨てられた公園を選んで着地。遅れて地表に到達するミラー。ボロボロの機動ユニットでは着陸時の速度制御はかなわず、公園端にそびえる廃ビルに激突し大爆発を起す。だが、油断はしないシルヴィア。 「キョウジ、敵の行動パターン収集完了。サイドボードの展開、武装換装を要請」 ミラーの声が聞こえた。あの機動ユニットはあくまで情報収集用で、メイン武装はサイドボードに仕込んでいたと言うのか。 ゆっくりと晴れていく爆煙。身構えるシルヴィア。 だが、姿を現したマスターミラーを確認したおれとシルヴィアは言葉を失った。 背後から伸びる4本の武装ユニット。全身に装着された軽量の機動装甲ユニット。両腕には軽量ライフル。そう、これらは見慣れた武装群。それは、シルヴィアと全く同じ武装。純正ツガルタイプのデフォルト武装であった。敵アーンヴァルがツガルの武装を纏っている、だと? 驚愕。敵が何を考えているのか全くわからない恐怖。おれが気圧されしている? 敵の戦略に対して思考が全く働かない。いったい敵は何を考えているんだ!? 「シルヴィア、敵の奇策だ! 見掛け倒しだ!」 弱気になってる自分を奮い立たせるように叫ぶ。そうだ。ツガルタイプの武装を一番使いこなせるのはシルヴィアのはずだ。アーンヴァルが一朝一夕で物に出来る武装では無い。これはおれ達の動揺を誘っての奇策に違いない。 シルヴィアも何とかショックから立ち直り、先手を取りマグネティックランチャーを放つ。だが間合いは遠距離。その一撃はマグネティックランチャーを盾に構えるミラーに弾かれた。反撃にライフルとランチャーを駆使した精密射撃に襲われる。回避が間に合わず何発か直撃。だが駆動系にダメージは無し。すぐさま高速回避機動にうつる。だが心は動揺したままだ。ツガルのデフォルト武装はバトルではほとんど使われない。それはツガルが得意とするレンジが遠距離と近距離、と極端であるところに起因する。だから今までの戦闘で対ツガル戦闘の経験は皆無なのだ。いや、そんな事は大した問題ではない。 問題はツガルデフォルト武装を使うプレイヤーが出現した、と言う事自体だ。しかも、熟練のツガルに対してツガルをぶつけて来た。理解、不能。 マスター、指示を! シルヴィアが珍しく指示を仰ぐ。彼女も混乱してる。いつもと同じ戦略を取るか? いいや、相手はすでにツガル対策を打ち立てている。くそ、自身の思考の鈍さを感じる。 「遠距離から反撃。敵の出方を伺え」 消極的な指示。セオリー通りだが、シルヴィアの期待していた指示とは異なっていた。口を開いた後でその点に気がつく。後悔し、さらに焦る。 シルヴィア、障害物に半身を隠し、射撃。だが敵はツガル武装の軽やかな運動性で回避、そのまま接近してくる。巧みなスラスター制御。そして中距離戦。ツガルタイプの苦手な距離。 マグネティックランチャー高速貫通モードで迎撃を図る。外せば再射撃まで時間がかかる。偏差を考慮し、慎重に発射。相手も同時に発射。 敵アーンヴァル、マグネティックランチャーを斜めに構え高速貫通弾を『跳弾』させる。シルヴィアもマグネティックランチャーで防ぐが、まともに受け止めた貫通弾は盾にした銃身を吹っ飛ばした。破片が素体をしたたかに傷つけ、呻き声を噛み殺す。 敵は全身のスラスターを全開、急接近。後手に回ったシルヴィアも釣られて加速する。互いに必殺技の機動を開始。接近戦。スラスターの推力を捻じ曲げムーンサルト。タイミングは二人同時。二人の機動が交差する。フォービドブレイドによる攻防。だが、シルヴィアのほうが加速度が足らず手数が少ない。そして、 「ぐうッあぁぁああぁぁぁ!」 シルヴィアの左大腿骨切断。わずかに落ちる回転速度。続いてフォービドブレイド破損。右腕欠損。胸部スラスター全壊。背部武装ユニット動作不能。高速回転から繰り出される両刃のフォービドブレイドはシルヴィアのボディを破滅的な勢いで切断していく。 マスターミラー、スラスターによる姿勢制御できりもみ状態から復帰。ハイパーエレクトロマグネティックランチャーを構え、撃つ。頭部を狙い、フルチャージの一撃。 そこにはツガルの武装をしたアーンヴァル、マスターミラーがたたずみ。 それまでシルヴィアとして稼動していたツガルの素体が転がっていた。 ジャッジAIの判定が他人事のように下される。「勝者、《ミラー・オブ・オーデアル》マスターミラー」 いつのまにか集まったギャラリーが沸いた。 シルヴィアの意識が電脳空間から素体へ戻ってきた。 だがおれは、呆然とするしか出来なかった。 続く 戻る TOPへ 次へ
https://w.atwiki.jp/llnj_ss/pages/117.html
元スレURL かすみ「先輩ともっと一緒に居たいな~……そうだ、先輩!留年しちゃいましょうよー」 概要 同学年かすみん タグ ^中須かすみ ^短編 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hyakukami/pages/233.html
依頼主 モリガン 出現条件 協力して…くれる?クリア クリア条件 以下の神様の親密度を上げるモリガン:親密度30 成功報酬 クーフーリン人形モリガンの神具。クーフーリンへの愛憎を込めたモリガンお手製の人形。 依頼時 …これからも一緒に居てくれる?もっと、もっと一緒に遊び…ましょう? クリア時 あなたも優しい…。いつもありがとう…これ神具…何かに…役立つように…
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/462.html
戻る TOPへ 次へ? ―――でね、家に戻ってきて、新発売のメープルバナナケーキとアップルティーを食べて、やっと「終わったんだなぁ」って思ったのよ。 結局、私とミラーのバトルは<ダブルノックアウト>って判定になっちゃったけどね。 まぁ特別賞ももらえたし、そこそこ満足かな? それにほら、私の方が最後まで立ってたんだから、試合は引き分けて、勝負に勝った。みたいな? それにしても、なにげ全国大会でもツガルタイプの出場が多かったわね。戦う機会が無かったのは残念だけど。 そんな感じで当初の目的は果たせたし、私は満足かなぁ。 データの損傷? あー、あんなのケガのうちに入んないわよ。一時は私、再起不能とも言われてたらしいわ。確かに喋るのも困難って感じだったけど、メンテナンスルームでマスターが着きっきりでいてくれたしねー。ケガの功名ってヤツかしらん? 何が功名に当たるのかは言うまでも無いわね。 そんな事より再起不能はマスターね。特別賞もらったって言ったわよね? なんでも、大会屈指の名勝負を演じ、さらに全国放送で神姫に対する愛の告白を生中継した神姫バk… もとい、神姫プレイヤーの鑑として表彰されたのよ。あんな恥ずかしい台詞を表彰しちゃう開催側もアレだけど。 とにかく、その後のマスター大変だったのよ。全国放送された事を知るや否や、また三日間くらい部屋に閉じこもっちゃって、変な声で泣くわ、枕を抱き締めてゴロゴロ悶えるわ。で、四日目、つまり今日、やっと外に連れ出してもらえたわけよ。 でも、まあ、私は嬉しかったかな。いや、嬉し恥ずかし? え、今後の目標? うーん。まあ、しばらくはセカンドリーグに留まって戦術研究かしら。新しい事に気が気が付いたおれ達なら、今まで見えなかったものも見えてくるだろう。ってマスターが言ってた。だから私に挑みたいセカンドリーガーはビシバシかかってらっしゃい。挑戦者の戦術の穴をほじくり返してあげるわ。もちろん、ツガルだと思って甘く見てると痛い目に合うわよ? むしろ合わすわ。 っとと、マスターが呼んでる。もう帰るのかしら? ツガル戦術論 鏡の試練 後半7 ホビーショップ エルゴの店長に、先日のアドバイスお礼を済ませてきた。 やはりあの時の告白は全国放送で流されており、おれは「ツガルタイプのシルヴィアが大好きな変わり者」《レッド・ホット・クリスマス(熱く過激な聖誕祭)》として注目を浴びてしまった。 三日間のクッションを置いたにもかかわらず店長に散々突付かれて、その上、来店する常連さんにもその都度ツッコまれるのだからたまらない。 適当なところで挨拶を切り上げてシルヴィア用の武装を見繕ってみる。もうツガル武装に拘る必要は無い。これからはシルヴィに自由な武装をさせてやるつもりだ。だが、遠距離と近距離の両極端なスタンスは変わらないだろう。本来の意味の《レッド・ホット・クリスマス》はシルヴィアのお気に入りだからな。武装選択も適当なところで切り上げる。 御影キョウジとマスターミラーは、たぶん今はバトルフロアで対戦相手を探している最中だろう。「対戦してみたい神姫を見つけた」とか言ってたのを思い出す。思えばあの時、御影に対戦を申し込まれなければ、こんな健やかな心境になってはいなかっただろう。 シルヴィアを信じ、そして告白をしたあのとき以来、おれの中で何かが解けてゆくのを感じた。 何ていうか、幸せなんだ。いや、突っつかれるのは恥ずかしいけどな。 ええい、そこの向かいの客。おれの顔を見てニヤニヤするな。全国放送、恐るべし。 今日はもうさっさと帰ってしまおう。 神姫学校で会話に興じるシルヴィアを呼ぶと、周りの神姫から黄色い声が返ってきた。くそう、恥ずかしい事この上ない。 シルヴィアを肩の上にのせ、「お世話になりました、うさ大明神様」挨拶を言った後に彼女がこう呼ばれたがらない事を思い出し、 「いいえお構いなく。アツアツのお・ふ・た・り・さ・ま」 また黄色い声があがる。ええい、恥ずかしい事この上ない。 バイクのエンジンを急速に暖めてアクセル全開。商店街から飛び出し、一路帰宅。 「マスター、今晩のデザートは新発売のストロベリータルトがいい!」 強引にシフトチェンジし爆音でシルヴィアの声を掻き消す。 いちごのタルトだな。まだデパ地下に残ってるかな。等と思いながら。 「なぁジェニーさん。《ミラー・オブ・オーデアル(鏡の試練)》にまつわるファーストリーガーの不文律、知ってる?」 「いえ、存じませんが」 「『鏡の試練に打ち勝ってファースト入りした者はその後、例外無く伸びる』んだとさ。鏡の試練と言う二つ名はファーストリーガーの間から広まったって噂もある」 「へえ、面白い話ですね」 「彼らは一流になったよ。プレイヤーとしても、パートナーとしても」 「ええ。ちょっとだけ、羨ましいです」 「全国放送で告白されるのが?」 「彼らの前に開けた前途が、です。彼らの今後のバトルの話ですからね!」 くだらない事言ってないで補充作業! 三番棚の商品が不足していますよ! ホビーショップエルゴにジェニーさんの指示が響いた。 終わり 戻る TOPへ 次へ?
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/376.html
TOPへ 次へ 「シルヴィ! ブレードで応戦、ランチャーで弾幕をはりつつ離脱!」 マスターの指示に合わせ、敵の攻撃に対し的確に行動を起す神姫。 シルヴィと呼ばれたツガルタイプは、アーミーブレイドで迫るヴァッフェバニーの一撃をブレードで受け止め、背面バインダーに内臓された電磁加速ランチャーを低弾速連射モードに設定、乱射、一瞬生じた隙を逃さず全身のバーニアを噴射し距離を取る。 近距離から遠距離戦へ移行。自身、敵、共にダメージ無し。 「いいぞシルヴィ! ライフル、ランチャー装備。遠距離射撃戦を仕掛けろ!」 敵のヴァッフェバニーは一見ノーマルだが、両腕に連射力の高い火器、背部の推進器に瞬発力を高めるパーツを取り付けている。 弾幕で相手の動きを止め格闘戦で確実にダメージを奪うタイプだ。 洗練されたスタイル。ここまで勝ち進んで来ただけの事はある。 中距離~接近戦を重視したタイプには遠距離戦を仕掛けろ、か。マスターの判断は正しい。 敵が装備する機関銃も遠距離まで離れれば弾速の減衰、集弾率の低下により危険度は減る。が、しかし私のような装甲が人並みの神姫では、それも回避行動を取らなければ看過でない脅威だ。 機関銃を両手に迫る敵に対して、遠距離へと逃れつつ回避行動、さらに狙撃をする。 だが、一連の行動から放たれる乱雑な射撃は敵ヴァッフェバニーの瞬発力の前では足止めにもならない。 一気に距離を詰められる。中距離戦。ミドルレンジ。私の、ツガルタイプの、最も苦手な距離。 ツガル戦術論-副題 シルヴィア奮闘記 一般的に各神姫は得意とするレンジと言うものが存在する。 天使型MMSアーンヴァルなら飛行能力をフルに活かした遠~中距離射撃戦。 騎士型MMSサイフォスなら重装甲と強力な格闘武器を利用した接近戦。 兎型MMSヴァッフェバニーの武装は一撃の威力に欠けるが、その信頼性の高い格闘武器と豊富な火器による弾幕を駆使し、遠距離から接近戦までこなすオールラウンダー型と言える。 パッケージに詰められたデフォルト装備と言うのは、思いのほか高いバランスでまとめられているのである。 もちろんアーンヴァルタイプがセイバーを持って突撃するのも戦術だが、射撃重視の機体に、調子に乗って太刀やブロードソードを装備しては不味い。 機体重量過多やエネルギー出力不足による戦力低下、という危険性はもちろんのこと、戦術的に「どっちつかず」の神姫になってしまう。そんな神姫は付け入られやすい。 武装とは、マスターと神姫にとってのアイデンティティ。 だからこそマスターと神姫は吟味に吟味を重ねて武装を選択する。 「強い神姫」と言うのはつまり「コンセプトの明確な神姫」なのである。 ツガルタイプのノーマル武装は3種。ライフル、ランチャー、ブレードである。 うち2種は遠距離射撃武器。残り1つは接近格闘武器。 そう、ツガルノーマルタイプには中距離武器が存在しないのだ。 ホーンスナイパーライフルは軽量狙撃銃だが、いかに威力が高く取り回しが良くても弾幕を張るほどの連射力が無ければ中距離戦では押し返せない。 ハイパーエレクトロマグネティックランチャーは低速連射モード、高速貫通モードと自在に撃ち分けられ、フレキシブルに可動する盾としても機能する完成度の高い武装である。が、これも中距離射撃戦に於いて取り回しの悪さが指摘されている。 フォービドブレードは背部にマウントされたダブルブレードで、両手に射撃武器を構えていても格闘戦に移行できる自由度の高い武装である。 以上の3種の武装が一対ずつ装備されている。 このように、一つ一つを取り上げて見ればレベルの高い武装群なのだが、全体をまとめて見渡すと決定的な欠点が露呈してくる。 中距離における火力不足。対ノーマルツガル戦略は明確であり、ツガルが対戦に参加し初めると即座に打ち立てられていった。 可変機構を取り入れたはいいが戦闘コンセプトが一貫しない、季節ネタとして発売されたバトルでは使えない神姫。ツガルに下された評価をまとめると、こうだ。そもそもツガルは追加武装キットとして発売されたのだ。別途素体を購入しなくては稼動しない。上記の要因はバトルにおけるツガル不人気に拍車をかけた。 事実、ツガルを使用するマスターは驚くほど少ない。 にもかかわらず、マスターは私を何度も神姫センターへ連れ出してくれた。 もちろん最初は何度も負けてしまって悔しい思いをした。 ある日、私が武装の変更を提案するとマスターはこう断った。 「だって悔しいじゃないか」 曰く。 「シルヴィ、ツガルタイプは決して最強の神姫じゃない。 でも、決して扱いにくい神姫でもない。 おれ達はツガル装備を使用してバトルに勝たなければいけない。 シルヴィのツガル装備は、シルヴィが扱う事によって初めて最強になる。 また、そうじゃなくちゃいけないんだ。 それが、ツガルを見限ったバトルマスター達の目を覚まさせる唯一の方法なんだ」 私はその場でマスターに呆れたふりをして見せた。 しかし、すぐさま駆け込んだ棚の裏で、声を殺して泣いた。 悔し涙か? それともマスターの野望に感動でもしたか? 違う。マスターの実直な動機に涙したのだ。 有り体に言えば、私を、我々を。ツガルタイプを愛してくれている事。 「ふん、まったく、バカなんだから」 …でも、貴方がそういう考えなら、付き合ってあげてもいいわよ。 一人でひとしきり涙を流し終えた後、鏡で顔の腫れがひいたのを確認してからマスターと向き合い、こう宣言してみせた。 マスターが人差し指を突き出す。私はそれに握り拳をぶつけて応える。 私達は必ず勝ち上がってみせる。私達は心の中で誓った。二人の不敵な笑み。 後で聞いた話では、この時の私の瞳はしっかりと潤んでしまってたらしい。 始まった果て無き特訓。確立された戦術。ノーマルパーツを駆使した必殺技の開発。 着実に上がって行くランクポイント。気が付けば地元の神姫センターでも注目される神姫になっていた。 ただし、ツガルを扱う変わり者のマスターとして。 そして出場した地区大会。トーナメントの最頂上。全国大会出場への切符を賭けた一戦。 ツガルタイプを過小評価している連中を叩きのめしてやる。こんなところで負けてたまるか。 シルヴィアは剥き出しの闘志でそう応えた。 逃げ回る私。迫るヴァッフェバニー。中距離戦。それは私の弱点。そしてヴァッフェバニーの必殺の間合い。 ヴァッフェバニーの虎の子ミニガンが火を吹いた。 回転式バレルから大量の弾を吐き出すこの射撃武器は中~遠距離で絶大な威力を誇る。 両手で扱わなければいけない重量や取り回しの悪さなどは威力と連射力で捻じ伏せる。と言った重火器だ。 決定的な構図。しかし、この状態こそ私が、私とマスターが待ち望んでいた瞬間。 中距離戦が苦手ならば、逆にそれを利用する。これが私達の発想だった。 四丁もの精密射撃武器を搭載するツガルタイプはロングレンジでは無視出来ない実力を発揮する。 アウトレンジからの正確な射撃を嫌う対戦相手は中距離で決着を着けようと急激に距離を詰めようとする。 その瞬間を、隙として狙う。 「シルヴィ、今だッ!」 言われるよりも早く反転、全速前進。スラスターをマキシマムまで叩き込む。 両腕のライフルを捨て少しでも加速力を稼ぐ。近距離まで一気に飛び込めば重火器の取り回しの悪さに付け込める。 マグネティックランチャーにエネルギーを供給し始めると片側を体の前に構え盾として運用。ミニガンの弾幕に備える。 もう片側のランチャーを低速連射モードにして連射。敵は真正面。重火器を装備して足が止まっている。よく狙う必要も無い。 突然の強襲に同様しない敵は流石だ。互いの射撃は正確だった。 被弾。命中。また被弾。それでも絞らぬ推進力。 瞬間的に跳ね上がる両者のダメージ。しかし駆動系はまだ生きている。それは敵も同じ事だった。 そしてクロスレンジ。 ミニガンの有効射程から外れると判断したヴァッフェバニーは即座にアーミーブレードを装着。すでに格闘戦に備えていた。 背部フォービドブレード展開。スラスターの推力を急激に偏向。 ヴァッフェバニーの頭上で勢いに乗ったムーンサルト。体を翻すたびに刃を浴びせる私の必殺技。 一太刀目。身を低くし回避される。敵の回避機動を考慮した二太刀目。ブレードで受け流される。本命の三太刀目。背部推進器を盾にして回避された。 アプローチ終了。有効打、無し。加速度を殺さずそのまま離脱。クロスレンジから再びショートレンジへ。 攻撃終了後の隙は見逃されず、ヴァッフェバニーはアーミーブレードを投擲。被命中。 脚部スラスターを使用不能にするダメージ。稼動する残りのスラスターできりもみ状態から回復。 この機会を逃したら戦闘続行は困難。 盾として運用していたマグネティックランチャーを高速貫通モードへ。 天地反転の体勢から射撃。限界まで供給されたエネルギーを開放する。 果たして、近距離から放たれた超高速貫通弾はヴァッフェバニーのボディを貫いた。 姿勢制御が間に合わず、高速のまま頭から地表に接触。横転、前転、バウンドを繰り返し 自らおこした砂埃にまみれるシルヴィア。ダブルノックアウトか? ジャッジコンピュータが勝負の判定を行う。 この勝負を見守った者の総てが一瞬と言う間の長時間を経験した。そして、下される、判定。 勝者、シルヴィア 固唾を飲んでジャッジの真偽を見届ける総員。 立ち込めていた砂埃は判定のタイミングを見計らったかのように晴れる。 そこには勝利者シルヴィアが立っていた。 ようやく動き出した観客の時間。勝利者に割れんばかりの声援。 眩しすぎる照明。鳴り止まぬシルヴィアコール。 すべては勝利を掴んだ小さき姫のために。 満身創痍のシルヴィアは髪の乱れを適当に正すと、観客に向かって一礼して見せた。 精密なポリゴンで構成されたバーチャル空間は、戦闘フィールドから表彰台へと表情を変え、神姫の傷だらけのボディもポリゴンの塵へと分解。再構成されると無傷のパーツへと修復された。 ポリゴンの紙吹雪とポリゴンのトロフィー。メインスクリーンに大きく映し出されるシルヴィア。 しかし。 まっすぐ帰宅し、今夜は御馳走にしよう。 表彰式を終え、会場の駐車場でバイクをアイドリングさせてると突然、浮かない表情のシルヴィアに声をかけられた。 「優勝した、と言う実感が湧かないわ」 屋外駐車場は風が吹きさらし、星を控えめに散りばめた夜空だった。 まだ夕方だと言うのにもう空が暗い。季節は冬であった。 「私達は激しい特訓を積み、全力をもって大会に臨み、そして勝利した。 ですけど。 私達は本当に勝ったのかしら?」 それはつまり。 おれ達の目標。ツガルタイプの真の実力を皆に示す事が出来たのか。って事かな。 肩の上にたたずむシルヴィに聞き返す。 「そう。私は必死に、全力で戦った。 負けてたまるか、とがむしゃらに相手の神姫を打ち負かしてきた。 けれど私の戦いは、他のマスターの心を動かしたのか。 それが、気になります」 優勝した感動よりも、その事に対する不安の方が強いというのだ。 表彰台の頂点に立った本人だと言うのに、シルヴィアは真面目であった。 おれですら優勝の余韻に浮かれてたと言うのに。 少し考えてから、こう切り出した。 「シルヴィはよくやったよ。 多くのプレイヤーが扱いにてこずるツガル装備でよく勝ち抜いた。 今回のバトル結果は様々な形で神姫に関わる人達に伝わるはずだ。 そして、彼らはこう言うんだ。『大会であのツガルタイプが優勝したんだってよ』 ある人はツガルをパートナーに選ぶかもしれない。またある人は今回の戦闘データを元に対ツガル戦略を練りなおすだろう。 ひょっとしたら神姫センターで名指しの対戦を申し込まれるかもな。」 まさか、それはどうかしら。 と否定するシルヴィアはしかし、まんざらでもなさそうな表情。ここにきてやっと浮かない表情が引っ込んだ。 おれも、自分で言っといてまんざらでもなさそうに笑う。 さらに続ける。 「シルヴィが今どんなモヤモヤを抱えてようと、 ツガルタイプが優勝したと言う事実が神姫プレイヤーを変えていく筈だ。 そして、忘れてないか? 幸いな事におれ達の前にはまだ全国大会が待っている。まだまだ活躍のステージがあるって事。 納得できない点があるなら次の対戦相手にぶつけてやればいい。地区大会優勝くらいで気を抜いちゃダメだ」 「それは当たり前よ。 私達の目的はツガルを過小評価するマスターの髪を掴み下ろし頬を引っ叩いて眠たい目を覚まさせてやる事。 この程度の戦績で満足するわたくしではないわ」 やっといつものシルヴィアに戻ってきた。わがままで高飛車。しかし実は真面目で努力家。そして感動屋。 普段より心持ち上ずった声だった辺り、全国大会の存在を忘れていたのだろう。 指摘されたのが図星だった。でもそんな事を絶対認めようとしないのがおれのパートナー、シルヴィアである。 「さあ、帰りましょう。小さな大会とはいえ疲れたわ。 今晩はうんと美味しいご飯にしましょう。お寿司がいいわ。回転式なんてもってのほかよ? 特上を出前にしましょう それからデザートは駅前の―――」 だー、わかった。バイクのエンジンも十分暖まった。行くぞ。残りは家で聞く。 シルヴィアは肩の上から胸ポケットへすべるように移動。 シルヴィアが収納されたのを確認するとバイクにまたがる。 「駅前の、限定品とは言わないわ。新発売のかぼちゃプリンを―――」 アクセル全開。いささか強引にクラッチを繋ぐ。 胸ポケットから顔を出すシルヴィアの声を爆音で掻き消し、シフトチェンジ。 張り詰めるような冷たい空気を切り裂いて、走る。 かぼちゃプリンだな。デパ地下に、まだ残ってるかな。等と考えながら。 END TOPへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/461.html
戻る TOPへ 次へ そして、待ちに待った瞬間がやってきた。 サンタ型MMSツガルタイプ 《レッド・ホット・クリスマス》 シルヴィア V.S. 天使型MMSアーンヴァルタイプ 《ミラー・オブ・オーデアル》 マスターミラー ルール:セカンドリーグ基準 バトルフィールド「市街地」 GET READY? 3... 2... 1... GO! ツガル武装で出撃するミラー。彼女は、最初から本気だ。 だが、望むところ。 「今日と言う今日は痛い目に合わせてあげるわ」 ミラーが飛ぶ。 シルヴィアもいつも通りスラスターを開放。 そう。特別な戦法なんて用意してない。いつも通りだ。 雪が降り積もる夜の市街地。同じシルエットのサンタ型と天使型が機動戦を開始した。 ツガル戦術論 鏡の試練 後半6 スクリーンに突然、おれの目を釘付けにする神姫が映しだされた。 「《公式武装主義者(ノーマリズナー)》!?」 公式武装を駆使し、自身が取り得る戦略の限りを尽くして戦う天使型。彼女のマスターの観察力は非常に高く、また彼女自身の何事にも諦めない闘志が時に大胆な戦略を実行させる。武装の着実さと戦略の大胆さを持ち合わせたアーンヴァル。そして、おれの、憧れの神姫だ。 「まさか彼女のホームがこんな近場だったとは思わなかった」 「ふむ、《公式武装主義者》のファンか?」 「ファンも何も、彼女のバトル中継を観てその帰りにシルヴィアを購入したんだ。シルヴィの基本戦略は《公式武装主義者》を仮想敵として組み上げた。彼女のバトルデータからは学ぶ部分が多い」 ほおう、と言う表情のマスターミラー。 「お前は何故神姫と共に戦う?」 出し抜けにミラーが尋ねてきた。 「それは、ツガル武装の高性能を証明するためだ」 「では私と《公式武装主義者》にバトルを申し込まないか? 私はシルヴィの戦術の総てをコピーしているぞ」 「いいや、遠慮しておく。どんなにアイツの戦略を真似たって、心までは真似出来ないだろ」 「ふん、やはりな。ツガル武装の神姫なら何でも良いと言う訳でなく、シルヴィアでなくてはいけないのだろう」 ミラーは我が意を得たり、という表情。 「お前がシルヴィアに対してどんな感情を抱いていようと、私には関係無い。だがパートナーと自分自身に嘘をついた心ではファーストリーグ入りや大会優勝など、ましてやツガル武装の性能の高さを証明するなど、どだい無理な話だ。お前に足りないのは覚悟だ」 「覚悟、だと?」 「そうとも。ここ三日間塞ぎ込んでいたのも、私に成すがままにやられるシルヴィアに対して何もしてやれなかった事が原因といった所だろう。好きな女を守ってやれなかったのがそんなに悔しかったか? それなのに変なプライドで「好きな女」と認識出来てないお前は思考の堂々巡りをしていたんだ。シルヴィアをゲームのキャラとしてでも扱っていたか。んん?」 「神姫はマスターに服従するように出来ている。そんな神姫に好意を持っていたって、それに対するリアクションはフローチャートで導き出された模範解答だろう! それを好きだの愛してるだの言わずにゲーム上のパートナーとして扱って何がいけない」 「我々には意思がある。人工的に与えられたものだが意思を持っている。現にお前と会話している私だってその意思で動いているんだ。意思と意思をぶつけ合うのがコミュニケーションだろう。お前には、自分の意思をシルヴィにぶつける覚悟も無いんだ」 マスターミラーの指摘は実のところ的を射ている。今までおれはシルヴィアと一線を引いて付き合ってきた。神姫は、あくまで機械だ。人為的に操作された意思を持って動作しているんだ。そんな人形は『個人』とは呼べないのではないか。そんな人形に好意を抱くのは独り善がりではないか。何より、もしも意思があったとしても、不器用な自分では彼女と付き合うに値しない。と、こうも考えていた。どちらに転んでもシルヴィアとは一線を引いて付き合わざるを得ないと思っていたのだ。 「違う! 違うさ。ただおれは、おれの意思でシルヴィアを縛り付けるのが恐いだけだ……」 「それは違うぞ青年!」 おれを一喝する熱い怒号。誰だ!? 「ホビーショップエルゴが店長、日暮夏彦だ!」 底抜けに爽やかな笑顔。身体に芯が通るような熱い声。暑苦しいまでのハイテンション。狂気の店の経営者、オタクのサラブレッド、日暮夏彦ここにあり。 「ミラーちゃんと一緒にいる、と言うことは。キミが《レッド・ホット・クリスマス》シルヴィアのマスターだね」 店長の突然の出現に、おれは間抜けな肯定文を返す。 「相手の意思を尊重するのは大切だ。だが、さらに一歩を踏み出す勇気も大切なんだよ。恋愛だってそうだ。相手の気持ちばかり考えてちゃ埒も無い。それは神姫に対する付き合い方でも同じさ。キミは「意思を縛り付けたくない」と言ったね。そうだ、彼女には意思があるんだ。少なくとも意思があるとキミは感じている。なら、結果を考えずに自分の意志をシルヴィアちゃんにぶつけてやればいいのさ! 大切なのは結果じゃない。その過程だ!」 「でも、もしもおれの意思がシルヴィを傷つけたりしたら…」 くわっ、と店長が叫ぶ。 「若さってなんだ!?」 「ふ、振り向かない事さ!」 反射的に応えるおれ。 そして、やわらかな表情で問う店長。 「愛ってなんだ?」 「躊躇わない事、さ」 確信を持って応える、おれ。 店長は無言で頷く。 「彼女を信じてやり、そして彼女のありのままを受け止めてやるんだ。それだけで神姫は強くなる。それはマスターと神姫が最初に覚えるべき事であり、戦場では最強最後の戦力になり得る。彼女を、信じてやれ」 そう言って一階へと姿を消す店長。伝えたい事は総て伝えた。これ以上の言葉は必要無い。と言う背中をしていた。 御影キョウジとマスターミラーは、おれの抱えるこの問題点を指摘するためにエルゴまで案内してきたのか。それ以前に、あの日申し込んできた対戦も、こうなる事を予測しての事だったのだろうか。 今の会話は、バトルフロアの喧騒で離れて位置するシルヴィア達には届いてない雰囲気だった。 店長の活がおれの意識を奮わせるのを感じる。 「ありがとうミラー。いい店を紹介してくれて。ここのサービスは最高だよ」 特別な戦法なんて必要無い。シルヴィアを信じて戦う。 これこそがおれの打ち立てた新戦術だった。 シルヴィアとミラーのバトルは完璧な持久戦へともつれ込んでいた。遠距離で同時に同一の攻撃をし、近距離に寄ればブレードで切り結ぶ。離脱すればまた遠距離射撃。中距離での射撃は致命的な隙に繋がる危険性があるのでお互い控えている。「負けない戦法」がぶつかり合っているのだ。両者のダメージは同じペースで蓄積されて行く。こちらの戦術は完璧にコピーされている。流石は鏡を二つ名に冠するだけはある。だが生憎、幸運の女神はミラーの味方をしていた。シルヴィアのダメージのほうが若干、深刻だ。しかしそれでも諦めないシルヴィア。そして冷静な自分自身。最後の最後にチャンスがあるはずだ。その反撃の糸口をひたすら、じっと待つ。 あまりの長時間に及ぶ拮抗したバトルは試合会場の大型スクリーンにて中継され、何時の間にか全観客の注目となっていた。 だが、ここで再び幸運の女神が敵対する。 遠距離から両者、マグネティックランチャーを発射。お互いに盾で弾くが、シルヴィアの背後に建築物が存在したのは不運だった。跳弾した弾が壁面に炸裂。飛び散る破片でダメージを負い、シルヴィアは崩壊する建物の瓦礫に飲み込まれた。 ミラーはこれを追撃せず、シルヴィアを確認するまで静観する構えであった。一瞬の隙も晒す気は無いらしい。 万事休す、か。 瓦礫に埋もれるシルヴィアの反応は、まだロストしていない。おれはシルヴィアの名を呼びつづける。まだ諦めてたまるか! … … … 。 一瞬、意識が途切れたのを明確に感じていた。 各種センサー、駆動系が速やかに復旧してゆく。 ダメージ確認。瓦礫に飲まれたらしいがボディに損傷は無し。頭部を強く打って一時的な接触不良を起こしたようだ。 だが先ほどの壁面破片のダメージは深刻だった。微々たる数値でも今回の戦闘では絶望的なダメージ。レディアントアームユニット、即ち背面武装ユニットの稼働率が若干下がっていた。 今回も負けちゃうのかな、私。 いいや、まだ負けるわけにいかない。身体が動かなくなる瞬間まで、絶対に諦めない。 憧れの《公式武装主義者》のバトルを観て、そう決めたじゃないか! ああ、でも、私の心は折れかけている。 立ち上がろうにも手が雪にぬれて、瓦礫の頂を掴もうにも滑ってしまう。 マスター、助けて。ただ一言、私の魂を震わせる言葉が欲しい。 あなたの言葉が。 … … … 。 シルヴィ マスター? 「シルヴィ!」 マスター!? 「シルヴィア!!」 「そうだ、おれの意思を総てお前にぶつけてやる。シルヴィア! ずっとお前が好きだった!好きなんてもんじゃない! お前の事は全部抱き締めてやりたいんだ! 購入したときから、いや、購入する前から好きだったんだ! 店頭でお前を見たときから、おれの心はお前の虜になってしまったんだ。好きだって事を、愛してるって事を、今のお前に伝えたい! シルヴィア、お前を、愛しているんだよ! シルヴィアを付け狙う恋敵がいたらおれが相手になってやる! 御影、貴様がシルヴィをデートに誘ったときはよっぽど張り倒してやろうと思ったが、今、ここで、ミラーを張り倒してやる! シルヴィ! お前が望むのならおれの足を開いたり閉じたり、お前に対してパカパカしてやってもいい! だからシルヴィア、立ち上がれえぇぇぇぇ!」 「マスター!」 シルヴィア、起立。 マスターはさらに続ける。 「シルヴィア! 今までツガルのために戦ってきたなんて言ってたが、あれは全部大嘘だ。総ての戦術、総ての戦略はお前自身のために。おれはそんな事を言うのが恥ずかしかったダメなマスターさ。だが今はお前を尊重する。どうかおれの戦術を忘れて自由に戦ってくれ」 「それは出来ない。何故なら私は私の意思でマスターの戦術を選ぶから。マスターの作った戦術を、マスターが私のために編み出した戦略を、この身で駆使して勝ち抜きたいから!」 「シルヴィア!」 「マスター、一つだけお願いがあります。貴方を名前で呼ばせてください」 「…いい事を教えてやる。おれの名前は知ってるよな?」 「ええ、『たつひと』」 「漢字で書くと『達人』、つまり『マスター』になる。ガキの頃のあだ名だ」 …マスター。 「シルヴィア!」 「マスター!」 「シルヴィア!」 「マスター!」 「シルヴィア!」 「マスター!」 「シルヴィア!」 「マスター!」 「シルヴィア!」 「マスター!」 「シルヴィア!」 「マスター!」 「シルヴィア!」 「マスター!」 「シルヴィア!」 「マスター!」 おれはパネルの拡張ポートにモバイルを接続、即席の戦術をパッキング。シルヴィアに転送。 「シルヴィア、突き抜けてこいィ!」 「おおう!」 シルヴィア、完全復活! 迎撃体制のマスターミラー。 すぐさま即席戦術を実行に移すシルヴィ。マグネティックランチャー、低速連射モード。足元からミラーの距離まで地面に連射する。えぐり込まれた質量弾で積雪が舞い上がる。シルヴィアからミラーまで続く雪の煙幕。ここを最短距離で突っ切り攻撃する。もちろん相手はそれを見越して煙幕にマグネティックランチャーを打ち込んでくるだろう。その裏をかく。 すべての武装を切り離し、瞬時にソリ状のキャリアに再構築する。ツガルの変形モードは高い機動力と運動性を誇るが、反面、素体の装備をすべて切り離してしまう事から素体の攻撃力と防御力が激減する。一般のバトルで使う事は躊躇われる機構だ。だが今、ここで使わねば何時使うッ! 「レインディア・バスター!」 スロットル、フルマキシマム。限界出力。舞い上がる雪の煙幕の上を滑るように機動。 読みどおり煙幕の中を素通りする敵の高速質量弾。高速貫通弾の再発射まで時間がある。そこに、レインディアバスターを特攻させる! 直撃すれば必殺の質量。ライフルやフォービドブレイドでの迎撃は不可能。迂闊に回避すれば背後からレインディアバスターの装備するマグネティックランチャーで狙い撃ち。シルヴィアの決死の必殺技、回避は困難。 だが《ミラー・オブ・オーデアル》はどこまでも冷静だった。ミラーも武装を切り離しレインディアバスターに変形、特攻させ、こちらの特攻を相殺した。衝突の衝撃により弾け飛ぶ両者のレインディアバスター。二機のキャリアはそのまま上空へ飛翔。ドッグファイトを展開する。 レインディアバスターから飛び降りたシルヴィアはその慣性を殺さずミラーとの格闘の間合いに飛び込み、スピードを乗せたボディブローを敵の胸部に叩き込む。だがミラーも同時にボディブローを放ち、シルヴィアの運動エネルギーはお互いのダメージへと変換された。息が詰まる衝撃。だがシルヴィアは怯まず二手、三手とボディブローを連打。それに合わせてミラーも同様の反撃を繰り出し、両者のダメージは急激に跳ね上がる。シルヴィア、力を込めて敵顔面を一撃。ミラーも同じタイミングで、同じ部位に同じ反撃。よろめき、開く両者の間合い。すかさずハイキック。二人同時に身体をひねり繰り出されたハイキックは両者の頭部に吸い込まれ、二人同時にその場に崩れ落ちた。 ジャッジAIが作動しない。二人はまだロストしていないのだ。だがお互い意識を失っている。 神姫が意識を失えば、例えロストしなくてもその神姫の敗北となる。だがこの場合は、先に意識を取り戻し立ち上がったほうが勝利すると言う例外ルールが適用される。 おれに出来る事は、シルヴィアを信じてやる事だけだ。シルヴィアを、信じる。 果たして、先に立ち上がったのはミラーだった。続いて立ち上がるシルヴィア。 二人とも満身創痍で立つのがやっと、と言う有様だったが、互いにファイティングポーズを取る。 今の二人を支えているのは精神力とか根性とか、そんな物ではない。二人に宿る『意思』が、限界を迎えた身体を突き動かしていた。 ゆっくりと振りかぶるシルヴィア。全く同じ動きをするミラー。放たれた緩慢なパンチは、お互いの頬を撫でて、そして。 ミラーが崩れ落ちた。前のめり。 ダウンしたミラーのロストが始まる。最後に受けたダメージがゆっくりと身体を分解してゆくように。 シルヴィアは最後まで立っていた。ミラーの身体が完全にロストするまで。 だが、ジャッジAIは何時までたってもシルヴィアの勝利を宣言しない。 ……まさか!? おれはパネルを操作しサブモニターにシルヴィアのバイタルデータを表示する。 どのデータも、完璧な水平線。 アイツ、立ち往生を果たしやがった! すぐさまシルヴィアを仮想空間から強制的に呼び戻す操作を繰り返す。同時にインカムをひったくりメンテナンススタッフを呼ぶよう要請。 馬鹿野郎。勝ち上がっても死んだら元も子も無いだろう。何度も強制呼び出しをかけるが一向に応答が無い。 やがて技術スタッフが到着し、シルヴィアのサルベージに成功。 そのまま神姫の緊急メンテナンスルームへ移送された。 メンテナンスルームの前には既に御影キョウジがたたずんでいた。マスターミラーのデータ損傷も激しく、二人揃ってメンテナンスルームに担ぎこまれたのだ。 「御影、おれたちは…… おれたちは」 「大丈夫、信じなよ。二人は強い子だからね」 「……ああ。ああ。」 おれたちはメンテナンスルームの前で、待ち続けた。 続く 戻る TOPへ 次へ
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/6709.html
autolink() DC/W23-021 カード名:ずっと一緒に 音姫 カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 ● パワー:2500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《生徒会》? 【起】●助太刀3000 レベル2[① 手札のこのカードを控え室に置く](あなたは自分のフロントアタックされているキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+3000) レアリティ:C illust.