約 3,743,880 件
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ジャンルを現代ファンタジーに指定して、みんなでリレー小説を書きましょう。 一人の人が続けて書くようなことは、極力控えましょう。 二人の人が交互に書くことも控えましょう。 世界観と主人公だけ先に決めておきます。その他の設定、登場人物については、自分で作るようにしましょう。 +++ 「――お前、今、嘘吐いたろ」 舞台は現在の日本の首都――東京某所の百日紅(さるすべり)大学。 そんな大学での平々凡々な日常に満足していた彼までもが、凡人というわけではない。 相手の表情、声質、雰囲気、言葉、口調、仕草――どんな些細な変化でも、彼は気付くことができる。そしてそれはそのまま、彼が嘘か真かを判断できる能力になり――。 突如現れた正体不明の怪人怪物! それにひょんなことから立ち向かうことになった彼が持つ武器は、無尽蔵の勇気と嘘発見能力のみ! 以上、世界観。 +++ 以下、主人公。 出雲 琉 (いずも りゅう) 男 19歳 身長、体重、共に並。 性格は割りと冷静。 だが家族や友人に関わることになると、感情的に、あるいは本能的に行動する。 相手の嘘が見破れる。 ただし、その相手が言葉を発している間に限る。 (つまり、文字に書いた嘘の言葉は、嘘とは見抜けない。) 青夢絵里 その日は確かに晴天であった。 「……眠い」 大きな窓から差し込む暖かい光を浴びて、そんなことを言う彼。 はたから見ればほのぼのとした光景だが、しかし――現在進行中で、彼は講義を受けている真っ最中なのである。 彼の言葉が先生に届くことはないだろうが、どっちにしろ彼は不真面目であった。 しかし、彼は。 不真面目過ぎないのだ。真面目過ぎないのだ。 変人ではないのだ、天才ではないのだ。 ただの一人の――学生なのだ。 春風夢乃 「眠い眠い眠い眠い眠い寝る」 と、暇つぶしに書いて見る。 睡魔は相変わらず、襲ってきてるようだ。 しかし、書いていないと本当に寝そうなので、書き続けていたら、 いつの間にかノートいっぱいに書いてしまった。 「(せめて、黒板に書いてある事は書いとかなきゃ)」 『眠い』を消して、黒板の文字を写す。 †hap しかしまた、黒板の文字を写し終わると睡魔が襲ってくる。 というか書いてる途中ですら眠かった。次の講義は出ないでおこうか。 ふと視線を前にやると、前方で声を張り上げる教師の姿。 「……だから、必然的にここは……」 黒板の漢文を指しながら、返り点がどうだのと言っている。 皆がそれですらノートに取るので、自然とその学生もノートを取る。 が、「その教師の仕草から『うろ覚え』で言っている事を知った」彼は、 その横に小さく『うろ覚え』と書き込んだ。 §key 講義を終えて帰路につく。 昼に入ったせいか、キャンパスは多少混雑していた。友人との会話に盛り上がる人、恋人との電話でお昼を誘う人、教師に捕まえられて何やら説教を喰らってる人、多種多様だ。 --でさ~、昨日はめっちゃ忙しかったんだって! 『嘘』 --うわ~、今日の合コン楽しみだなぁ。 これも『嘘』 世の中は嘘で蔓延している。単なる噂話や偶然耳に入った他人の会話に嘘を見出だすこの能力に対して彼はいい加減うんざりしていた。どうしても他人と距離を置いてしまうのはこれのせいだ。 ルンシィ 「俺が『けーえー学部』に行ったからって、スネんなよ!な?リュー!」 自転車を引きずる彼に軽い口でポンポンと肩を叩き陽気にそろって歩く男がいた。 男の名前は、上代 陣(かみしろ じん)。彼こと、琉の小学校からの幼馴染である。口は軽いが、真剣な時は口が重い。故に今の今まで「友達」として付き合ってこれたのかもしれない。 「な!?バーロー!俺はただ……」 琉はとっさにコロコロと転がる車輪を見つめた。 「お!コレ、『ろっぽうぜんしょ』ジャン!早速買ったのかよ!法律学部め!ヘヘ……どれどれ?」 何となく、そう言われると六法全書ごときに恥ずかしさを覚え、陣の指先から取り戻した。 nao2333 そんなくだらない、だがとても温かな会話を繰り広げる彼らの少し先で、彼らと同じように2人の男性が、しかし彼らとはまったく違う会話をしていた。 「あなたの名前、住所、職業は何なのですか?」 2人の男性のうちの一方、その服装から警察官だと判断できる男はそんなふうな質問されるのが適切だと誰もが思うであろう格好をした、もう1方の男性にそう質問した。 「茂木 大鬼(もてぎ だいき)。 住所は○○市、××・・・。 職業は人間。」 たぷたぷとした腹をさらけだし、顔に真っ赤な液体をこびりつかせた薄汚い格好の男は若干相手を馬鹿にしたような返答を真面目全開という顔でした。 もし、この男のさきほどの言葉を琉が聞いていたら、彼はこう気付いただろう、男の言葉は全て『嘘』であると。 そう、『人間』という言葉でさえ嘘だと。 §key それからの琉と陣はキャンパスを出て近くの喫茶店で軽く昼食を取っていた。そこは琉のバイト先だ。 珍しく琉が奢ってやる、というので陣は喜んで随伴した。 「お前、この間俺の家に来たんだって?」 琉が自分のナポリタンをつつく。 「あぁ、回覧板だ。呼び鈴鳴らしたら球(たま)ちゃんが出たぞ」 陣が琉のナポリタンをつつく。 「その時、お前…妹に何か言った? 昨日帰ったら、やたらとチラ見してきたんだけど」 ムッとした琉は陣のカルボナーラをつついて、口に運んだ。 「あぁ、付き合って下さいって」 「ぶはっ!」 「て、うわ!汚ぇなお前…」 †hap 「あ、いや、悪い……」 軽く咳き込みながら、机に無様に散ったカルボナーラを適当に寄せ集めた。 (嘘、じゃないのか……) 冗談で言ったのだろうが、言ったこと自体は本当のようである。 しかしこのままではずっと気にしそうなので、聞いてみた。 「……冗談だろ?」 「んだよ、当たり前だっつの」 「……そか」 なんとなく、息を一つついた。 ルンシィ 「そういや、おめえ、『都市伝説』とかって興味あるか??」 次はとられまいとしてカルボナーラを口いっぱいにして口の中の空気のわずかな通り道を使いフガフガ言った。 「都市伝説?」 琉はそんな今時流行らないものに今も興味津々な陣に興味を持てなかった。が、妹の話から出来るだけ離したかった。陣は信じてはいるが、嘘が出た時の失望は計りしれないからだ。 「そそ!!怪人の都市伝説!!」 陣はカルボナーラをやや口からもれだしながら続ける。
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作詞、作曲、編曲:傘音 唄:初音ミク 翻譯 Mochitsuki_Nai 迎來分別 即使寂寞 卻還是不可思議的聯繫著喔 是約定的話 就不是謊言喔 想著你的那個季節 一點也不安定 焦急的我的心 描繪了你的樣子 傳達到遠方 讓它在黑暗中響起 你在某處的某個地方 現在 微笑著 在愛之中 不會結束的 被這麼說服著 在沒有不安的夢中 好懷念 好溫暖 感覺到了你的溫度 迷路的森林 迷宮之中 在某處 尋找著你 搖晃著的鼓動 讓聲音響徹 你用淡淡的 清澈的雙眼 演奏著兩人的愛 一直一直 願意待在我身邊 但是啊 永遠是不存在的喔 眼淚落下 將此擦去的我的那雙手 總有一天夢會迎來終結 這麼告訴我 傳達到遠方 讓它在黑暗中響起 你在何處的 某個地方存在著 並不希望就此結束 一直一直 不會忘記妳 你在何處的某個地方存在著 在閃耀的愛之中
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タイトル(コピペ用) ファイナルファンタジー3 ジャンル RPG このページを編集 海外タイトル Final Fantasy III 発売日 1990/04/27 動画を追加 シリーズ FFシリーズ TASVideosForum 現行最速 -表示 国内版 ここを編集 記録 39 37.27 追記回数 19608 Player ピロ彦 TASVideosページ http //tasvideos.org/2992S.html TASVideosStatus published 転載元 分割リンク マイリスト 備考 Movieファイル 解説 国内版 ここを編集 記録 2 45 50 追記回数 7616 Player ryo TASVideosページ TASVideosStatus 転載元 分割リンク part2,part3,part4part5,part6,part7 マイリスト 備考 Movieファイル バグなし 解説 国内版 ここを編集 記録 6 23 90 追記回数 1408 Player 甘泉uni TASVideosページ http //tasvideos.org/4048S.html TASVideosStatus published 転載元 分割リンク マイリスト 備考 Movieファイル 解説 バグ有り その他 -表示 過去最速 +表示 国内版 ここを編集 記録 1 39.29 追記回数 4805 Player ryo TASVideosページ TASVideosStatus 転載元 分割リンク part2,part3,part4 マイリスト 備考 Movieファイル 解説
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ファンタジー剣士バトルロワイアル ここは創作作品に登場する剣士っぽいキャラクターでバトルロワイヤルをする企画スレッドです。 【現行スレ】 ファンタジー剣士バトルロワイアル 第三章 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281446123/ 【前スレ】 【避難所:専用したらば掲示板】 http //jbbs.livedoor.jp/otaku/13953/ 【まとめwiki】 http //www35.atwiki.jp/irohahifumi/ ページ最上部へ
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【TRPG】近代世界ファンタジー 14/07/07~ 現行スレ http //kanae.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1404725281/ 避難所 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20240/1407248772/ +世界観・テンプレフォーマット 19世紀後半~20世紀初頭辺りの西洋をモデルとした、架空の異世界が舞台。 科学技術は現実世界における当時のレベルに準拠。 「マナ」という名の超自然的な力が存在し、それを用いた魔術大系も確立されている。 エルフやドワーフ、ホビットなどの異種族も存在するが、数は極めて少なく、人間社会への影響力はほとんどない。 魔物や怪物と呼ばれる存在もいるらしいが、こちらは更に未知の領域であり、公式に確認された例はない。 こういう風な設定でやってみたい。 ちょうど飛行機が開発され始めた時代のロマンと、ファンタジー的な要素を融合させる感じで。 【キャラクターテンプレ】 名前: 種族: 性別: 年齢: 身長: 体重: 容姿: 服装: 性格: 職業: 能力: 所持品: 概要説明: キャラクターテンプレ ブレット・ハーディン カルカ(偽名) コントレイル アンサラー
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3DS シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール ゲーム発売日:4月24日 収録楽曲200曲以上!前作の楽曲はもちろん、新規曲を90曲以上追加! 充実した曲数で「この曲なつかしい!この曲知ってる!」がきっとみつかる♪ さらに、キャラクターも前作の全29人に新キャラクターを30人以上追加! 登場モンスターも40体以上追加!収録曲数とバリエーション、 登場キャラクターが大幅に増えたことで、さらに充実した「FF」の世界をお楽しみ頂けます。 また今作では、タッチパネルの操作だけではなく、ボタンでの操作も可能に! 2001年放送。 http //gonzo.co.jp/works/0101.html 総監督 前田真宏 コンダクター 米たにヨシトモ 副監督 竹下健一 助監督(19話~) 平池芳正 シリーズ構成 冨岡淳広 キャラクターデザイン カーメル7(草彅琢仁、中嶋敦子、岸田隆宏、平田智浩、ムラオミノル、前田真宏)、中澤一登 メカデザイン 小林誠 モンスターデザイン 宮尾佳和、前田真宏 美術監督 朴傭一 美術レイアウト 増尾昭一 色彩設計 黒柳朋子 デジタルディレクター 平田智浩 3Dディレクター ソエジマヤスフミ 2Dディレクター 林コージロー、瓶子修一 編集 重村建吾 音響監督 鶴岡陽太 効果 野口透 調整 矢野さとし テーマ音楽 植松伸夫 音楽 浜口史郎、多田彰文 アニメーション制作 GONZO DIGIMATION 脚本 冨岡淳広 吉村清子 佐藤和治 神山修一 絵コンテ 米たにヨシトモ 中村隆太郎 善聡一郎 前田真宏 わたなべぢゅんいち 阿部記之 高田淳 宮尾佳和 笹木信作 静野孔文 佐山聖子 平田智浩 紅優 吉田徹 鹿島典夫 原口浩 日高政光 追崎史敏 演出 竹下健一 中村隆太郎 和田裕三 大原実 わたなべぢゅんいち 吉田徹 木村真 宮尾佳和 山田弘和 静野孔文 山内東生雄 磨積良亜澄 佐山聖子 平田智浩 紅優 原口浩 森邦宏 平池芳正 作画監督 大久保宏 追崎史敏 ムラオミノル 服部一郎 門上洋子 新号靖 中本尚子 佐々木かずひろ 野武洋行 相坂直紀 菅井嘉浩 きよまるさとる 桜井正明 吉田隆彦 沈賢玉 李鐘萬 しんごーやすし 佐々木敦子 江上夏樹 ■関連タイトル FF U~ファイナルファンタジー アンリミテッド~ 異界の章 Phase.1 3DS シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール FF U~ファイナルファンタジー アンリミテッド~MUSIC ADVENTURE Verse.1 OPテーマ 植田佳奈/Over the FANTASY ドラマCD「FF U After2-リサ たちきられたくさり-」 ムック ファイナルファンタジー アンリミテッド 風と雲のいた世界 ファイナルファンタジー アンリミテッドアフター~外界の章~ 小説 片桐笙・中澤一登/ファイナルファンタジー アンリミテッド―双の絆 Windows FF U~FINAL FANTASY UNLIMITED~迷宮 くろきゆめのきおく フィギュア・ホビー:ファイナルファンタジー 原作ゲーム PSP アルティメットヒッツ ファイナルファンタジー
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登録日:2018/11/26 Mon 02 42 05 更新日:2024/03/29 Fri 16 03 20NEW! 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 ※1940年公開の作品です くるみ割り人形 アニメ アメリカ アヴェ・マリア イマジネーション オーケストラ オーパーツ カバ キノコ キングダムハーツ ギリシャ神話 クラシック ステゴサウルス ステレオ作品 ストコフスキー ゾウ ダチョウ ティラノサウルス ディズニー ディズニーの本気 ディズニー映画 トッカータとフーガ ニ短調 ネタバレ項目 パブリックドメイン ファンタジア ミッキーマウス ワニ 上級者向け 不朽の名作 伝説 傑作 名作 名画 妖精 恐竜 斧 星空 映像美 映画 春の祭典 時の踊り 田園交響曲 禿山の一夜 箒 長編映画 雪 高クオリティ 魔法使いの弟子 『ファンタジア』とは、1940年に発表されたディズニースタジオの長編映画作品の一つ。 日本では1955年に公開された。 「クラシックの名曲を題材に、クリエイターがイマジネーションを膨らませて描いた映像芸術」という他に類を見ない独創的なコンセプトのもと製作された。 そのため特に明確なストーリーは無いが、一度見れば非常に強烈なインパクトを与えられること請け合いの傑作である。 残念ながら、日本における本作の上映権は2021年をもって失われたので、映画館の大スクリーンで鑑賞できる機会はまず無くなってしまうだろう。 だが古い作品なので現在はパブリックドメイン扱いになっており、安売りDVDの定番にもなっているため今後もそちらでなら楽しむことはできる。 特に吹き替えが無くても十分楽しめる作品なので、そうしたDVDにありがちな吹き替え声優の低クオリティぶりには悩まされなくて済む。 というか、公式版にはカットされている部分があるため、その部分も見たい人にはむしろパブリックドメイン版の方が推奨されているという変わった立ち位置の作品でもある。探せば動画サイトで視聴することも容易い。 映画全体の構成 実写パートとアニメーションパートが交互に差し挟まれる。 前者にはレオポルド・ストコフスキー指揮、フィラデルフィア管弦楽団による実際の演奏風景と共にナレーションによる次の曲及び映像に関する解説が入り、後者は全編クラシック音楽のみが流れ台詞は一切無い(*1)。 実際の演奏風景をほぼそのまま使っている分、ストコフスキーの足音やオケの音出しなどの様子もノーカットで含まれており、これが臨場感をより高めてくれている。 また実は映画史上初の完全ステレオ作品で、その音の重厚感は半端ではない。 他の作品にまで跨いで登場するキャラクターはミッキーマウスぐらいで、ディズニー作品の中でもかなり異色。 『トッカータとフーガ ニ短調』 ご存じ「大バッハ」ことJ.S.バッハ作曲のオルガン曲。 ある年代には「タラリ〜ン鼻から牛乳〜♪」の元ネタと言った方が通じやすいかもしれない。 本作では管弦楽版で演奏され、トッカータ部は実写パートで楽器紹介も兼ねているが、暗闇と色付きライトによる影が地味に怖い。 フーガ部からアニメパートに入るが、キャラクターは一切登場せず、抽象的な楽器のアニメーションが繰り広げられるのみ。 だが、音楽に合わせて滑らかに動きまくる楽器のアニメーションはなかなか見入ってしまうものがある。 抽象的でありながらも、どこかキャラクターじみたコミカルな動きをするのにも注目されたい。 組曲『くるみ割り人形』 チャイコフスキー作曲の、クリスマスを題材としたバレエ。 ただ、タイトルに反してくるみ割り人形そのものは登場しない。あくまで本作はバレエのアニメ化ではなく「音楽からイマジネーションを膨らませた」作品だからだ。 この曲に対して与えられた映像は、幻想的な妖精たちの踊り。 音に合わせて色付いていく美しい花の映像美、さらには蜘蛛の巣を伝う水滴の一滴一滴までこだわった動きが美しい。 そして曲調がガラッと変わると、コミカルなキノコたちのダンスになり、美しい花たちのバレエ、妖しげな水底の情景へと切り替わり、アザミたちの情熱的なコサックダンスまで、曲調の変化に合わせて多彩なダンスが披露される。 最後は四季の移り変わりをそれぞれの季節を表す妖精たちで表したものになる。ラストで舞い降りる雪の結晶の美しさは、今見ても色あせない。 交響詩『魔法使いの弟子』 本映画で一躍有名となった、ポール・デュカス作曲の交響詩。 そして、本作の映像の中では最も有名だろうパートである。珍しく、元の曲のイメージからそのままストーリーを膨らませている。 大まかなあらすじは「大魔法使いイェン・シッド」の弟子である見習い魔法使いミッキーが、師匠が寝ている間に魔法を使って楽をしようとしたけれど……というもの。 音楽も合わさり、コミカルなのに、どこか恐怖感を抱かせる独特の雰囲気に仕上がっている。また、ファゴットが大いに存在感を発揮している。 ミッキーマウス このパートでの設定は、見習い魔法使い。 師匠が寝ている間に水くみを命じられる……が、彼が置いていった魔法の帽子を面白半分に被る。 そして中途半端な能力で箒に命を吹き込んで、水くみをさせようと思いつく。 だが最初は上手く行ったものの、途中でうっかり居眠り。その間に箒は暴走を始めてしまい、目覚めてみたら部屋は水浸し!慌ててあの手この手で止めようと試みるが……? この「青地に白い星柄のとんがり帽子と赤いローブ」という姿のミッキーは、彼の定番衣装の一つとして定着するに至った。 なお、東京ディズニーランドのアトラクション「ミッキーのフィルハーマジック」では、このポジションをドナルドダックが、下記のイェン・シッドのポジションをミッキーが担っている。 イェン・シッド 名前は「ディズニー(Disney)」の逆読み。厳格そうな魔法使いの老爺。 ミッキーのせいで地下が水浸しになってしまったのを、魔法一発で解決した。悪役面ではあるが、別にヴィランではない。 このパートに登場するだけのキャラクターだったが、後に『KINGDOM HEARTSシリーズ』にミッキーの師匠という設定のまま登場し、重要キャラの一角になった。 箒 ただの箒……だったが、ミッキーが魔法をかけたことで、手が生えた上に二足歩行ができるようになった(*2)。 だがミッキーが中途半端なところで寝てしまったため、暴走。延々と水汲みを続けることに。 そのため、本人(?)には何の非もないのに、パニクって止めようとした ミッキーに斧でたたき割られる 。この時の映像はめっちゃ怖い。 しかし、いつの間にか 自己増殖機能 まで身に着けており、割られた破片からさらに増殖。 アメーバかな?何百体にも増えて組んで無限に水くみを続けようとしたせいでミッキーは危うく溺れかけるも、最後はイェン・シッドが魔法を解除したことで、ただの箒に戻った。 なお、このパートの後、 アニメのミッキーがストフコスキーと握手する という演出が入る。 しかしやり取りの締めくくりにミッキーは「また後で」と言うが、結局そのシーンを最後に全く出てこなくなる。 バレエ音楽『春の祭典』 初演が大荒れになったことで有名な、ストラヴィンスキーのバレエ音楽。 本作で使われている楽曲の中では最も新しい作品で、なんと映画公開は初演からたった27年。作曲者も公開当時存命だった。 内容は 数十億年前の地球誕生から恐竜絶滅に至るまで を描き切ったもの。総演奏時間20分以上という大作パート。 アメーバなどの原生生物から、肺魚、そして主役ともいえる恐竜まで、前3つのパートとは異なり、かなり写実的に描写されているのが特徴。 生物同士の捕食など、荒々しい描写が多く、最も残酷と言えるかもしれない(さすがに直接的な流血は避けられているが)。 特に、クライマックスの「ティラノサウルスVSステゴサウルス」はかなり怖い。 ちなみにこの作品では恐竜絶滅の原因として「異常乾燥」を採用している(*3)。 乾燥していく地球でわずかな水をもとめてさまよい、やがて一体また一体、と力尽きてゆく恐竜たちの姿は子供が見たらトラウマものかもしれない。 なお、時代的に仕方ないが、古生物の描写は今の視点から見ると変な点が多い(*4)。 余談だが、後にディズニー・アニメーションは水に溢れた新天地を求め旅をする恐竜達を描いたCG映画「ダイナソー」を生み出す。 田園交響曲 ベートーヴェンの交響曲第6番『田園』。 モチーフは「ギリシャ神話」で、前パートから打って変わって平和で牧歌的なオリンポス山のふもとでの生活が描かれている。 ただし、最後まで牧歌的に進むわけではなく、中盤になると嵐と共に空からゼウスがやってきて……。ちなみにこの作品での彼は完全に悪役である。原典とそんな変わらないだろとか言うな。 たぶん時代的に最初期の「ケンタウロス娘」(*5)の登場する作品で、かつ『春の祭典』に次いで長いパート。リア獣たちのムカつく性活平和でほのぼのとした演出がかなり長く、話が動くまで時間がかかるため、人によっては退屈かもしれない。冒頭でおめかしをするケンタウロス娘や、愛くるしい仔ペガサスとキューピットの戯れがかわいい。 また、酒の神バッカスのお付きのロバは(スタジオが同じなので当然といえばそうだが)『ピノキオ』の終盤に出てくるロバにそっくり。 なお、もともとベートーヴェン自身がこの曲にはっきりとしたイメージを与えて作曲したものであるため、それと全く異なった映像を付け加えたことに関しては批判が多かったらしい。 『時の踊り』 ポンキエッリ作曲のバレエ『ラ・ジョコンダ』の一曲。今回は全編通してバレエで統一されている。 極度に擬人化された、いかにもディズニーらしい動物キャラクターが舞い踊る、一番「ディズニー」という雰囲気が表現されたパートと言えるだろう。 主役をあえて美しい動物ではなく、カバのプリマドンナ(ヒヤシンス・ヒッポ)やダチョウのバレリーナ(ミラ・ユパノーバ)に設定したことで、滑稽さがよく表現されている。 更にトゥシューズを履いて軽やかに踊るゾウ(エレファンシーネ)など、印象に残るシーンが多い。 中盤からは乱入してきたワニの一団(ベン・アリ・ゲーター)との追いかけっこになるが、まるで『トムとジェリー』とコラボしたかのようなコミカルなドタバタ劇は必見。 『禿山の一夜』&『アヴェ・マリア』 ラストを飾るのは、「闇と光」「悪と正義」という正反対のイメージを持つ2曲を繋ぎ合わせた異色のパート。 前半はムソルグスキー作曲の交響詩。よみがえった悪魔チェルナボーグが世界中を闇に染めようとする動き、そして悪魔たちの狂乱の宴が不安をあおる曲調に乗せて見事に表現されている。 『春の祭典』とはまた違ったファンタジックな不気味さがあり、これはこれで怖い。 ちなみに、今はコンプラにめちゃくちゃ厳しくなったディズニーではまず許可されないだろう女性の乳首が描かれている。悪魔のだけど。 後半は自然な繋ぎでシューベルトの作品へと移行し、清浄な鐘の音と共に、悪魔は地獄へ、彷徨える魂はあるべき場所へと帰っていく。 そしてチェルナボーグもまた、再び眠りに就き、世界に安息が訪れるのであった。 最後は平和を祈る巡礼者たちの祈りの行進で締められる。 ちなみにチェルナボーグは『KINGDOM HEARTS』で、ラストステージである「エンド・オブ・ザ・ワールド」の中ボスを務めるという大役を与えられている(なお、本編で最後に登場するディズニーヴィランでもある)。 しかし、「チェルナボーグ」という名前が微妙に知られていないせいか、作中では「ファンタジアの魔人」というなんか微妙な感じで呼ばれている。 あと、強さもはっきり言って見掛け倒し。動きもワンパターンだし……。 また、元ネタが知られているようで知られていないせいで、「ハートレスの一種?」と誤解する人がいたとかいないとか。ジミニーメモのハートレス一覧には載らないので注意しよう。 『3D』でも登場し、こちらはリクで戦うことになる。 更に、2020年まで東京ディズニーシーで上演されていたナイトタイムハーバーショー『ファンタズミック!』にも一瞬だけだが登場していた。 余談 『KINGDOM HEARTSシリーズ』では、チェルナボーグとイェン・シッドが登場している他は、箒がディズニーキャッスルの使用人としてモブ扱いで登場しているぐらいだった。 しかし、かなりの時を経て『3D』にて『シンフォニー・オブ・ソーサリー』という独立ステージとして登場。 だが、キャラクターは相変わらず先述の3人ぐらいで、原作再現キャラがあまりいないのは残念なところか。 また、このステージでは原作で全く台詞が無かったことを再現するために、キャラクターボイスが一切無くなるという特殊な演出がされているが、これも特に説明が無いせいで「バグなの?」と疑われるなど、何かと不憫なステージである。 単体ではメガドライブにて『ファンタジア ミッキーマウス・マジック』としてゲーム化されている。 操作キャラはもちろん魔法使いの弟子となったミッキーで、映画の各パートを再現したステージを進んでいく、という内容。 海外開発のためか、先に進むためにはスコア稼ぎが必要など難易度は高く、操作性はイマイチ。 さらには前年発売で高評価を得たセガ開発作『アイ ラブ ミッキーマウス 不思議のお城大冒険』と比べられることもあり、グラフィックやBGM以外の評価は低いようだ。 2000年には、実に60年ぶりの続編である『ファンタジア2000』が製作された。 この作品では交響詩『魔法使いの弟子』以外の楽曲は総入れ替えとなっており、内一曲である『威風堂々』にはドナルドダックとデイジーダックが登場している。 追記・修正は、イマジネーションを膨らませながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 第二次世界大戦中でこのクオリティである -- 名無しさん (2018-11-26 09 05 23) チェルナボーグは東京ディズニーランドの夜のパレードであるディズニーファンティリュージョンやシンデレラ城ミステリーツアーでも登場しているから、初期ディズニー長編作品を代表する悪役として位置づけられていると思われ。うちファンティリュージョンでは英語ボイス付きでの登場でした。 -- 名無しさん (2018-11-26 11 58 31) 後、春の生活はウエスタンリバー鉄道もといディズニーランド鉄道の太古の洞窟パートの元ネタと言われているらしい。 -- 名無しさん (2018-11-26 12 00 02) というか、実写映画のくるみ割り人形は、ファンタジアつながりということでハリポタX-MENもどきになった魔法使いの弟子の事実上の続編ですかね? -- 名無しさん (2018-11-26 12 04 39) 古臭いといわずに万人に見てほしい作品。名作中の名作だと思う。特に創作関係目指す人は必見 -- 名無しさん (2018-11-26 14 22 34) 同コンセプトで作られたファンタジア2000ってのもあるね。 -- 名無しさん (2018-11-26 21 53 54) 上映のたびに曲を入れ替えようとしたんだっけ。そら無理だよウォルト。 -- 名無しさん (2018-11-27 00 16 50) これ、個人的にはすごくいいと思うんだけど、知り合いからの評判はあんまヨクナイ。抽象的なものの良さが分からない人は飽きちゃうかもしれない。 -- 名無しさん (2018-11-27 01 29 35) チェルナボーグはトラウマなんだよなぁ。でも確かに「見掛け倒し」と言われればそうだよなぁ…w -- 名無しさん (2018-11-28 17 12 15) 春の祭典パートの肉食恐竜って結局ティラノサウルスなのか。指三本あるしステゴと戦うからアロサウルスかと思ってたけど -- 名無しさん (2018-11-28 23 02 15) 十年ほど前にテレビ放映された時、なぜかメインタイトルが映画の中盤に移動させられていた(何故だ⁉)。まあ円盤にダビングする前に編集して元の場所(冒頭部)に戻しておいたけど。 -- 名無しさん (2020-06-21 16 35 51) ファンタジアの魔人、本名あったのか…w -- 名無しさん (2022-10-01 11 42 49) 続編の『ファンタジア2000』はミッキーだけでなく、ドナルドとデイジーも出て来る。 -- 名無しさん (2023-09-08 14 06 36) 完全に採算度外視で作られて回収するまでに30年かかったという無茶苦茶な映画。ウォルトの狂いぶりが全部詰まってる。 -- 名無しさん (2023-09-28 18 19 43) ディズニーアニメ(特に昔のもの)といえば「子ども達の味方」という印象が強いが、コレは子どもの頃には良さがまるで理解できなかった。今はフツーにスゲェと思う。もはや、特殊な“芸術作品”の域にまで達した世界的にも数少ないアニメ映画の一つだと思う。 -- 名無しさん (2023-10-25 17 41 15) 日本での公開当時は「これを大戦中に作れる国とやりやってたのか」と米国に対して戦意喪失した人も多かったそうですな。特に「欲しがりません勝つまでは」に従ってた人からしたら特にショックだっただろう。 -- 名無しさん (2023-10-25 19 36 39) パブリックドメインになったら劇場で出せないのなんか法律のバグっぽい気がする -- 名無しさん (2023-10-27 23 53 29) 名前 コメント
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ファンタジスタ杯 住所:アミューズメントファンタジスタ(岡山) この大会の特徴。 VFR 参加T 開催場所 開催日 第3回 vol.10 19 アミューズメントファンタジスタ(岡山) 2009.01.11(SUN) 第2回 vol.9 ファンタジスタ(岡山) 2007.11.11 優勝チーム 第3回 オランダ代表:オツナミ(LA)/フルスイング(LI)/マルコメX(AO)/とんかつ投手(LA)/キヨタカ(AK) 第2回 :()、()、()、()、() 大会レポート(☆は優勝者、◆は公式) サイト 第3回 ◆ ファンタジスタCUP VFR OFFICIAL WEB SITE VFR系の大会
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墓の番人 シンだけでなく、先を急ぐ誰もが最後尾を振り返った。 そこはまだ熱の冷めない輸送艇のエンジンが回っている発着ポートで、ヨウランとヴィーノが慌しくパーツ奪取のために整備点検の道具箱を運び込んでいた。その少し離れた所でアレックスが腕を組んで立ち止まっている。 「ヴィーノ、ヨウラン! 頂けるものは飛行石でも何でも貰っておけよ」 「了解!」 くすくすと笑うミーアがアレックスの横まで戻って、呆れたように『めっ』と指差す。 「そういう言い方は良くないと思うわ」 「じゃあ、どう言えば良かったんだ」 アレックスがムッとしてミーアに聞き返している。少し意外な表情にシンが感心していると、ラクスがシンの前まで戻っていた。 「どういう意味でしょうか?」 見据える王女の瞳は厳しくアレックスを睨んでいるよう。それを見て彼もミーアに向けていたような表情がガラッと変わる。 「俺は空賊だ。レジスタンスに協力するつもりはない」 対するラクスも無表情のまま告げる。 「わたくしに、帝国の圧制に苦しみ、国を失ったアプリルの民を見捨てろと」 「それが俺に何の得がある?」 はあ・・・と横のミーアが溜息をついていた。 「空賊が・・・」 シンは二人のやり取りを息を呑んで見守っていたが、ダコスタのはき捨てた一言が耳に残る。確かにアレックスは空賊なのだ。亡国の王女ラクスやその国の将軍だったキラとは違う。まして、帝国の王子であるシンとは背負う物が天と地ほど違うのだ。 「王国復興と言うが、市民にとってはどんな国が治めようと争いがない状態が一番だ。それは俺達、空賊にとっても同じだ」 統治する者と庇護される者、そのどちらにも属さないから空賊は自由人と呼ばれる。だが、戦乱の世は消費する世界なのだ。金や資源、人命を国家が徹底的に搾取してしまい、軍隊・国家という怪物相手に空賊は太刀打ちできない。 「シン、お前もステラをアプリリウスまで届けたら帝都へ帰れ」 突如、自分の名前が呼ばれてシンは慌ててアレックスを見た。今までも見ていたが声は頭の中を素通りしていたのだ。改めてみるアレックスの前に咄嗟に声が出ない。 シンを見据えるアレックスがまるで別人のように見える。 銀髪を一筋も揺らさずに厳しい声を掛ける兄を前にしたように、シンは本能で背筋を伸ばし、その視線にほんの僅かな懐かしさを感じていた。 「王国復興は、勇者ごっこじゃない。フェイスに言われただろう」 帝国の飛行戦艦でフェイスマスターのディアッカに言われた事が蘇る。 目の前でラクスが身体を硬くしたのにも気づかず、背後でダコスタが飛び掛らんとした所をキラに制止されていた事にも気づけなかった。 「お前のやることは滅びた国を復活させることか?」 俺だっていつか帝国の為、より良く帝国を治める為に動かなきゃいけない時が来る。 「違うだろ。今なら定期便も運行されているし、アプリリウスならお前の兄だっている」 確かにそうすることが一番いいのだろう。 彼女をネオの元に届け、自分は当初の目的どおり執政官府に兄を訪ねる。 そこで旅は終わり、冒険は終わる。 シンがアレックスの言うことに頷いて納得しかけた時、ステラがシンの袖を引っ張った。 「でも、ステラ、アプリリウスに戻っても1人。アウルやスティング達、もう、出発していない」 「えっ、何だって、ステラ?」 ステラのおかげでシンの緊張が一気に解けていた。 「ネオ達、一度出かけると当分帰ってこない。だからアレックス、シンと一緒に居てもいい?」 「あのな、空賊だって遊びじゃないんだ」 シンは自分より彼を当てにしたステラに恨みがましい視線を寄せる。 呆れた表情の彼はステラを見て扱いに困っているようだった。シンには強く出る彼も相手が少女だから戸惑っている。 ミーアがステラの前でしゃがみ込んで、頭を撫でる。 「無茶言わないの・・・」 泣きそうなステラにミーアがそっと微笑むが、ラクスはその様子をチラリと見ただけでアレックスに話しかけた。その唇の端には笑みを少しだけ乗せて。 「では、空賊、こうしましょう。王墓にある宝を貴方に差し上げますわ」 王の墓には埋葬品として多くの財宝が眠っていると相場が決まっている。 ラクスは自分の先祖になる、それこそ自分の一存では決められない歴史的価値のある代物をポンとアレックスに差し出していた。 「覇王の財宝か・・・その話、信じてもいいんだろうな?」 「今まで誰にもその場所を暴かれなかったのですもの」 肩の力を抜いたアレックスがラクスから視線を逸らす。どうやらこの勝負、彼女の勝ちのようだ。財宝が手に入るならアレックス的にも問題ないのだろう。ミーアに肘で小突かれて居心地悪そうにしている。 ステラも手を叩いて喜んでいる。 これで残すは唯1人だ。 「俺は一緒に行ってもいいのか?」 「あらどうしてそう思いますの?」 「だって、俺・・・」 アンタ達が倒そうとしている側の人間だ。 シンはそれを口に出せなくて、視線を落とした。 「大丈夫。僕達、君をそんな目で見ないよ」 シンの気持ちを察したのはキラ。しかし、元将軍は優しいだけではなかった。 「あっ、それもちょっと違うかな。君は確かにプラントの王子だけど・・・それだけだ」 シンはその意味が分かってしまって拳を握り締めた。ここ数日、ずっと自分が感じてきた焦り。直面した現実。プラントの王子としての注意を向ける必要がないのだ。影響力がないといっていい。敵にも味方にも。 「アプリル復興レジスタンスの仲間入りはちょっと無理ですけれど、空賊の仲間と言うことなら問題ありませんわ」 「な!」 振り向いたラクスをまじまじと見てしまう。彼女はにこりと笑って、その後ろのアレックスが怖い顔をしているのがぼやける。 「あっ、俺・・・」 一緒に居てもいいんだ。柄にもなく目の奥がじいんとするから、急いで瞬きしたけど目じりに熱いものが浮かんで慌てて腕を上げる。ステラが不思議そうに見上げるから、妙な泣き笑いになってしまって誤魔化せなかった。 「予定変更。さっさと撤収するぞ」 いきなりアレックスが輸送艇に張り付いていたヨウランに声を出す。装甲を剥しかけていたヴィーノが反対側から顔を出し文句を言う。 「まだ、全然なのに~」 「またやばいことに首突っ込んでるよ絶対、これ」 ヴィーノとヨウランが顔を合わせてブーブー言うが、アレックスは聞こえないフリをして工具をしまい始める。 「さっさと行く!」 シンも照れ隠しに工具箱に手をかけるが、ヴィーノから『それはそっちじゃない!』と盛大に怒られてしまった。真似したステラがヨウランに同じように怒られたのはそのすぐ後。ラクス王女達は王墓へもう一つの種石を探しに、成り行きで空賊見習いとなったシン達は財宝を探しに、セイバートリィが空中都市から旅立った。 見習いの仕事は多い。 ヨウランとヴィーノについて簡単な飛空艇の整備を教わった後、輸送艇からぶん取ってきたパーツの仕分けを手を油塗れにして一緒にする。その後は雑用が待っていた。おかげでセイバートリィの中を隅から隅まで見ることができるわけだが。 「見習いか~」 「ついに俺達にも手下が!」 ヨウランとヴィーノが頭の後ろで手を組んで簡単に案内を始めた。 財宝と物資が雑然と詰め込んであるカーゴスペース。そこには食料や水もあって、隣には小さな炊事場があった。仮眠スペースと炊事場の間に大きな筒があり、頭を傾げているとヨウランが得意げに説明を始める。 「アレックスって、きれい好きなんだよ」 「そっ、あれで結構、風呂好きなんだよなあ」 驚くことにこの筒の中で簡単にお湯を浴びることができるらしい。 想像できなくてステラと二人で中を見回すが、どのような仕掛けになっているのか、風呂と聞いて大理石の大浴場か安宿の風呂桶しか思いつかないシンには見当もつかない。 あと、入ったことがないといえば機関部くらいだろうか。ラクス曰く、王墓は大陸の端にあると言うから、辿り着くまでに一度は入ることがあるだろう。大陸の端と聞いて複雑な顔をしていたアレックスとミーアが気にかかるのだが、それ程遠いのだろうか。 「ヨウランとヴィーノは飛空艇の操縦はできるのか?」 「飛空艇の操縦?!」 「ああ。いつも整備ばっかしてるから」 顔を見合わせる二人は笑いながら、シンの肩をポンポンと叩く。通路の壁にもたれるヨウランが少し真剣な顔をして言う。 「それは気が早いってもんだぜ、シン」 「そりゃ俺達だって、普通の飛空艇の操縦くらいできる。でも、これは違う」 コンコンと壁を叩くヴィーノ。 「本当はさ、整備だってアレックスがやった方が断然早い」 「えっ、そうなのか・・・?」 「なんたって、あの人が設計して自分で作った飛空艇だからな」 自分で設計して、自分で作った? 設計はいい、図面を引くことだ。けれど、自分で作るというのは良く分からない。 「俺達も良く分からないけど、コツコツ一から作り上げたらしいぜ」 「だからこんな規格外のわけわかんねえ設備が満載なわけよ、セイバートリィは」 自分で一から・・・そんな事が可能なのだろうか。 木のおもちゃの模型飛空艇とは違うのだ、なんてったってセイバートリィは本物の飛空艇。正真正銘に人を乗せて空を飛べる。 あ、と言うことは。シンはようやく思いつく。 「じゃあ、セイバートリィってのもアイツの命名?」 「あたり」 「ネーミングセンスないよな~」 カツカツと靴音が響く通路の先は飛空艇のコックピット。バシュと音を立てて扉が開くと、そこにはミーアの広げた地図を覗き込むアレックスと地図を指差すラクス達がいた。 「この先は飛空艇では進めないから、歩きだな。大丈夫か?」 アレックスがラクスに確認するのを見て、シンは口を尖らせる。ターミナルであれほど剣呑な二人だったのに、今、彼は彼女を気遣っている。それはステラも同じだったようだ。 「アレックスとラクス、仲直りしたの?」 付き合いの長いヨウラン達にはさほど奇特な光景でもなかったらしい。 「ああ・・・あの人、基本的に女に弱いから」 「ミーアの尻に引かれてるしな」 「聞こえてるぞ」 舌打ちをした当の本人が振り返って、釘をさす。慣れたもので、だからどうというわけではないやり取りに、気にするだけ無駄だと思った。それより、気になったのは何もそれだけじゃないので、別のことを聞くことにした。 「飛空艇では進めないって?」 「お前、本当に何も知らないんだなあ」 「まだ見習いですからー」 アレックスに意地悪く言われて、シンはぶすっと開き直った。 飛空艇から降りてシン達が少し進んだ所で、ヨウランとヴィーノが手を振っていた。その姿が急に消え、セイバートリィそのものが消えてしまった。シンとステラは純粋に驚いていたが、ラクス達は違った。険の含んだ声。 「便利な機能ですのね」 「ああ、空賊にとってはな」 ヨウランとヴィーノが残っているとは言え、安全とはいえない。 アレックスは有名な賞金首で彼を追い掛け回している空賊もいる。彼自身も飛空艇も身を隠す必要がある時があるのだ。 空を自由に飛べる飛空艇に唯一の不便があるとしたら。 それはエネルギーでも定員でも国境でもない、飛空艇が飛べない空。大陸の果てや絶海のエリア、いわゆる前人未到の秘境である。誰かしら足を踏み入れた場所は秘境ではなくなるから、畢竟、飛空艇が乗り入れできない場所、イコール、秘境であった。 原因は分かっていないが、ただシードが濃過ぎる場所では飛空艇は空を飛べなかった。 大気なのか、地上に何かがあるのか、そこでは飛空艇を降りて、自分の足なり動物なりで進むしか道はない。 そう、目の前に広がる砂漠のように。 遥か向こうに蜃気楼が浮かんでいる。 「廃棄された油田だな」 飛空艇が開発されるまで、地底から掘り上げた油を使って物を動かしていたのだという。グレン王が大陸をまとめることでその座をシードを含んだ石にとって変わられることになった。 しかし、数十年前からコスモス連邦では失われた技術を見直し、こうして油田を再開発したりもしていた。その有用性が見出せずこの油田は破棄されて久しいが、技術競争は魔法とシードを含んだ石だけでなく、過去の遺産、未知の可能性、そんな所にまで及んでいた。 「大砂漠を超えた向こうにグレン王の墓は眠っています」 同じように過去の遺産を求めるラクス王女。 シンは勇ましくスタッフを抱え、砂漠に足を踏み入れる女性を見る。 もう一つの種石を手に入れたらこの人はどうするのだろう。 決まっている。クライン王家の生き残りとして名乗り上げて、アプリルが帝国から独立する為の運動をするのだ。常に付き従うダコスタと言う軍人も、一歩引いて彼女を守るキラもその戦いに身を投じる。 「先を急ぎましょう」 ダコスタがささっと前に出て露払いを始めるが、ミーアとアレックスはのんびり歩き出した。 「そう慌てるな、ここから先は長丁場になる」 「彼の言うとおりだよ。この砂漠、慎重に進まないと」 先を急いだラクスとダコスタを呼び止めるように、キラとアレックスが後ろから続く。シンとステラはさらにその後ろからミーアと一緒に歩いていた。 「その者達を信用するのですか、ヤマト殿は」 「信用するとかしないとか、ただ僕はその方がいいと思っただけだよ。だから、ミーアさん、貴方が先導を頼みます。見たところ貴方が一番、シードに敏感だ」 驚いたミーアはラクスとそう替わらない年齢に見える。むしろ嫌そうな顔をしたのはアレックス。 「あ、あたし? そう、よねえ・・・アレックスに任せたらここでミイラだわ」 「いいのか?」 「何よ、あなたより道案内は正確よ?」 それはそうだ。アレックスには前科がある。キラの判断は正しい。 「そういう意味じゃなくて」 「大丈夫よ。その代わり、この二人の見習いさんを宜しくね、アレックス」 さっさと歩き出したミーアは砂漠から立ち上る陽炎にぼんやりと揺られ、大砂漠と遺棄された油田施設の間を進んだ。 一方、その頃のアプリリウスではディアッカが、結局上手い言い逃れが思いつかずにありのままをイザークに報告していた。 「それで貴様はおめおめ引き下がってきたというのか!」 「ほら、そろそろシンも独り立ちしないといけない年頃じゃない?」 「アプリル復興派と一緒にいて何が独り立ちだ! 王女は稀代の歌姫だぞ、ころっと洗脳されたらどうしてくれる!!」 執務室のデスクを挟んだやり取り。 悪びれもせず飄々とする部下に憤ってみても後の祭り。 「まあまあ、落ち着けって、イザーク、殿下」 「フン!」 臣下の礼を取られれば、イザークは怒りを収めて節度ある態度を取らねばならなかった。 自分でも詮無きことと思っても、歯がゆいのはもはや自分の性分だと諦めるしかない。 シンは自分に残された、ただ1人の弟だ。 王宮にいる皆が大切にし、危険から遠ざけ、帝国の闇に染まらずにこれまで育ってきた奇跡のような存在だった。 あの兄でさえ、シンには全く裏の顔を見せなかった。シンを子ども扱いする大人であり、優しい兄なのだ。実際にはフェイス達を抱きこみ、元老院と激しい情報戦を繰り広げている最も皇帝に近い男。 「兄上の様子はどうだった。大事はないか?」 「ああ。変わりはなし。だが、油断はできんだろう。あっちは完璧に元老院を敵に回しているからな。お前と元老院相手に本当によくやるよ」 ギルバート・デュランダル・プラント。 イザークとシンの兄は次期皇帝と目されながらも、未だ皇太子として指名されることはなかった。その真意の読めない言動から元老院は彼を恐れた。 だからこそ、イザークにも皇帝の座主を取る機会が残されているのだが、己がそれを望んでいるのかと問われれば返答に困る問いだった。 「父上はどうなさるおつもりだ・・・シンの事といい、兄上のこといい」 「お前、こーんな辺境に飛ばされた自分のことは棚上げか?」 「俺は兄上と血みどろの権力闘争を繰り広げたいわけではない。帝国の未来を考えた時、ただ兄上の望むとおりに進むのが恐ろしかっただけだ。もしもの時は俺が兄上を止めねばならん。その為に何の力もなかったのでは話にならんではないか」 兄を認めないわけではない。 優れた洞察力や指導力を持っていると思う。だが、元老院が危惧する不安をイザークも同じく抱えていた。 兄弟だからと安易に構えていることはもうできないのだ。 その為に弟を1人、失った。 ただ1人正妃から産まれた弟は、7年前に皇帝の座を狙う兄に障害とみなされ排除された。気づいた時には兄は既に詰めに入っており、当時何の力もなかったイザークには子供だましの妨害しかできなかった。 イザークの一つ違いの弟。 アスラン・ザラ・プラント。 滅びたアプリル王国のラクス・クライン王女の許婚だった。 覇王の血を引く正妃を母に持ち、将来を託望された、年が近いせいか何かと癇に障る弟だったのに。 正妃の血族に連なる者を延々と辿って殺害し、蹂躙され焼き尽くされた弟の封土ユニウス領にイザークは愕然としたものだ。王宮の恐ろしさと現実を知ったあの時から、理想と正論で構築された学術の世界から、権謀術数渦巻く世界へと足を踏み入れた。 「まあそう焦ることはないと思うぜ。シンの奴、空賊と楽しくやってるみたいだからさ」 「空賊か・・・ラクス王女に丸め込まれるよりは、ましか」 自分の中で何かしらの落としどころを見つけたイザークはようやく緊張を解く。 「そうとも限らんぜ。あいつはどことなく似ているよ」 「誰にだ?」 いつもと違うディアッカの声に聞き返していた。『あいつ』が誰を指し、誰に似ているのか確認したかった。 「一緒に居る空賊がさ、ちょっと見た目アスランに似てるんだ」 なるほど。だから、その空賊とやらに付いて回っているのか。 イザークはその瞳にしか色らしい色を持たないが、会えば嫌味しか言えなかった弟は濃紺の髪とエメラルドの瞳を持っていた。珍しい組み合わせだが、世界でただ1人というわけでもあるまい。現に彼の母親、レノア王妃も青い髪に緑の双眸だった。 世界に3人はいるという、他人の空似か。 「いつか・・・不肖の弟が世話になっていると、挨拶に出向かなければならんな」 「きっと馬が合わないと思うぜ」 7年も経てば、過去の惨事も思い出に替わる。 痛みに耐えられない自分ではないはずだ。 「だろうな。空賊と馴れ合いたくもない」 「と言うことは、シンはこのままか?」 「それとこれとは別だ。動向には注意を払っておけ」 「あ、やっぱり」 イザークはディアッカが持ち帰った黄昏の種石を手に、ラクス王女の次の手と兄の動きを考える。そして、アプリリウスの空に帝国軍ではない帝国の飛空艇が到着したのを見て、眉を潜めた。 「ディアッカ、席を外してくれ。ドクター・クルーゼが来る」 「それでは、お暇しましょうか」 手にした種石はぼんやり光を包んで不思議な色を放っている。 これの件で来たのだろうと、苦笑した。 「まいったな。筒抜けじゃないか」 辞したディアッカと入れ替わりに執務室に入ってきたのは、白い着崩した軍服と白い仮面をつけた金髪の男だった。ドクターと言うにはいささか好戦的じみている。 「これはドクター・クルーゼ。このような辺境に遠路はるばるよく来られた」 「いやいや。私も君の奮闘振りを見ぬわけにはいかぬ」 それもそのはず、ドクター・クルーゼはイザークが学業時代に師事した教授である。専門とは別に剣技や魔術にも通じ、学術全般にわたって教えを乞うた恩人である。そして、あの兄と懇意にして、自分専用の研究所を設立させるという荒業を成し遂げた人物だった。 延々と続く砂漠で幾度も野宿をし、オイル臭い油田施設で蒸し焼きになりそうなりながら、ようやく超えた砂漠の向こうには一転して海が広がっていた。 「あーやっぱり、水はいい」 海水を蒸留して飲料水を蓄えたばかり。 教わったばかりの炎の魔法で火をおこし、氷の魔法で急激に冷やして蒸留する。残った塩も勿論無駄にはしない。この暑さの中、根気よく魔法にチャンレンジしたシンとステラにミーアが『素質あるわよ!』なんて褒めるものだから二人はバシャバシャと一緒に海岸線を走っていた。 無駄に魔法を掛けながら。 「大陸の先にこんな所があったなんて」 「海からもおそらく侵入できないのだろうな」 オアシスの木陰で、即席で作った椰子の葉の団扇でお互いを扇ぎあっているアレックスとミーアがその光景をぼんやりと眺めている。その中間にラクスとダコスタ、一歩後ろにキラが太陽に照らされて立っていた。 「暑くないのかしら」 「高貴な人の考えることは分からないさ」 アレックスが補充したばかりの水を喉に流し込む。ラクスの後ろ姿を見ながらミーアが呟いた。 「王墓にどんな財宝が残っていると思う?」 「君はあの話を当てにしているのか?」 動く気配を見せた王女様ご一行に、やれやれと腰を上げる。 「当たり前じゃない。こーんな苦労をして行くのよ、何もなし、じゃ割に合わないわ」 「はは。確かに、な」 シン達に手招きしながらミーアは思い出したようにアレックスを見る。 「キャンベラの詩にあるわ。世界の種は天の四方に一つずつ配されたと」 「4つの樹が天蓋を支えている、と言うあれか」 「ええそう。そして、神は人に樹を切り倒されないように見張りをつけたの」 初めて聞く話だと彼は眉をひそめ、その続きを即す。分かっていながら聞かずにはいられなかった。 「見張り?」 「要するに種石を守る番人ね」 ラクスの話ではこの弧を描く海岸の辿り着く先に王墓が隠されているのだと言うが、彼女はどこまでジョージ・グレン王の王墓のことを知っているのだろうと、二人は歩き出した王女を見つめた。 一日進めば海岸の先に切り立った断崖が見え、内陸へと細い道が繋がっていた。道中はやはり野生化した凶暴な猛獣が出現したが、使命に燃える王女一行の敵ではなかったらしい。多少の疲労感を纏って、細い道を抜ける。 岩場を繰り抜いて作ったと思われる石の都が目の前にあった。 「ここがグレン王の王墓」 「そうですわ・・・おそらく」 ダコスタが感慨深く呟いた傍から、ラクスが一歩前に出て正面の大きな建造物を見据えた。 「王墓への入り口は・・・あそこですわ」 外は日差しが照りつけじりじりと焼けるようだというのに、墓室内への入り口はひんやりとして涼しかった。シンとステラは王墓の壁にぺたりを頬をつけてヒンヤリ感を楽しむ。 「ラクス様。本当によろしいのですか。空賊風情に」 ラクスが壁にへばりついているシンとステラを見る。その後ろからアレックスがシンの頭をベチッと叩いていた。ミーアとステラが単純に無事の到着を喜び、財宝に胸を膨らましているように見える。 「ダコスタ。わたくしは約束しましたわ。例えそれが空賊だとしても、決して違えることはありません」 「はっ。出すぎた真似を、申し訳ありません」 アレックスに叩かれて少し神妙にするシン。 石造りの扉の前で誰が一番に乗り込むかで少しは逡巡するかと思っていたら、2・3言交わしただけであっけなくダコスタが飛び込むのを見て、なんだかその努力に涙を誘われそうになった。 「ラクス様、こちらです」 ぞろぞろと内部へ入り込む光景は、観光案内のように危機感のないもので。 しかし、観光とは行かなかった。 「なんだよ、これ!」 足を踏み入れた墓室の内部には薄く靄みたいなものがたゆたっていた。光のプリズムを鈍くした光のない靄が流れている。 「シードが濃いのよ」 「シード、目に見えるの?」 ステラの疑問はもっともな事で、ステラの頭をくちゃっとしながらアレックスが続ける。 「普通は目に見えないな。けれど、シードが集まる場所では目に見えることもある」 「じゃあ、魔法が使いやすいのか」 「そうとも言えないな。確かに俺達もシードを集める手間は軽減されるが、相手もそうだろうから、条件は同じだ。むしろ分が悪いかも知れない」 何かに惹かれるように階段を降り始めたラクスを慌ててダコスタが追い、勢い全員が王墓の奥深くへと進む。 物々しい石像が所狭しと並び、階段の脇にはシードによる炎が灯されている。 ふと視線を感じてシンは振り返った。 「すげぇ」 見たこともない大きな石像がシンを見下ろしていた。 幾つも手があり幾つも脚がある、謎の物体。 どっかの神様・・・なんだろうか。 そうこうする内にその石像が動いた、ように見えた。 「あれ?」 「シン、どうした」 立ち止まったシンを見つけたアレックスも同じように立ち止まり石像を見上げる。 「すごい石像ーーー!?」 二人が見上げる中、その石像の腕がガシャンと振り下ろされた。手にした刃物は石造りとは言え、人の身の丈はある巨大なもので、しかもその石像には無数に腕があるのだ。 全員が目を見張る中、石像がずるずると動き出した。シン達のいる方に向かって、幾つもある足をムカデのように動かしなら。その様子に生理的嫌悪を感じたミーアがステラを引っ張って一番に走る。 「あの扉まで走って! 早くっ」 ラクスを庇ってダコスタとキラが残り、シンとアレックスがギリギリ扉に滑り込んだ。と、同時に扉に重低音が響き、振動でびりびりと揺れる。 「みんな。無事?」 「・・・何とかな」 キラが確認すると、ゼーゼーと息をつくシンの変わりにアレックスが答えるが、言い終わらない内に足元に振動が響く。 「いいえ、まだですわ!」 嫌な音が前方から迫っていた。逃れたばかりの石像と同じものがずるずるとこちらに向かってくるのが見える。剣を抜くダコスタとキラ。ラクスがスタッフを振って、二人に魔法を掛けていた。 「ミーアはステラを頼む。これが番人なのか・・・?」 「分からないわ。でも、早くしないと・・・あたし達ぺちゃんこよ!」 ぺちゃんこ!? シンは迫る石像に向かって剣を振り上げて切り込んだ。 「こらっ、シン待てっ!」 アレックスが銃を構えて後を追う。 「あー、もう」 4人が寄ってたかって攻撃したものだから石像はなんとか破壊できたけれど、男連中は時間を気にして全力でぶつかっていた。 「そんなに焦らなくても・・・仕方ないわねえ」 ミーアが皆に疲労回復の魔法を掛ける。 「アレックスまで混じって、何も銃の端で殴ることないじゃない」 「ごめん。ちょっと焦った」 息を整えて、石の瓦礫を乗り越える。 気を取り直して進んだ扉の先に本番が待ち構えているとも知らずに、ラクスが通路の先の扉を押す。 そこには先程の石像よりさらに大きな石像が道を塞いでいた。 2度も遭遇すればただの石像でないと誰でも予想が付いた。 巨大な石像の台座にラクスが触れ、掘られた文字を辿る。読めない文字ではなかった、王家のたしなみとして多少なりともかじった古代文字。 魔人ジャスティス。 文字が浮き上がり床に巨大な図形が浮かび上がる。 一同の予想にたがわず、無機質な岩の身体を赤く染めて手にした剣を振り下ろした。 まるで血が滴り落ちそうな紅色をした巨人は、黄緑色の目を見開いて大剣を振り回す。背に白い布地を垂らし、それすら動くたびに風圧でシン達を翻弄した。頭には大きな角が2本あって、この巨人が微妙に女性の身体をもっているなんて反則だと思った。 「まずは動きを止めないと!」 避けるのがやっとではいつまでたっても倒すことができない。 炎と共に剣戟が建物全体を震わせる。 「あの大剣は俺がやろう!」 振り上げている時が多い腕をアレックスが狙い、キラ達が足を狙う。 何度目だっただろう。 シンは剣を振り上げた。 「いい加減に、やられろってんだっ!!」 ミーアの疲労回復魔法の光が収まってすぐに、魔人ジャスティスの動きが止まる。 赤い光が巨体から迸ったと思ったら、今度は色を変えて魔人の身体へと集まっていく。その中に何か光るものがあると気が付いた時には、巨体はすっかり消えていて、宙にプカプカとクリスタルが浮いていた。 「今のが・・・番人ね」 「だとしたら、この先には」 汗をぬぐうアレックス。ミーアがシンとステラの手当てをしながら奥を見やる。 魔人の消えた先には小さな、しかし重厚な入り口があった。 「結局、財宝なんてなかったな」 「いいえ、あの魔人こそが覇王の遺産だったのです」 入り口の前で振り返るラクスが笑みを浮かべた。 何もかも分かっていて、財宝があるかも? と持ちかけたのだ。 「冗談はよしてくれ」 アレックスは宙に浮かぶクリスタルに手を伸ばす。 確かに見た目はきれいだし、ちょっと変わった宝石として通用するかもしれない。けれど何かの拍子に今の魔人が出てきたとしたら? そんな物騒なものを持ち帰るわけには行かない。触れるだけにしてそのままにしておこうと思ったのに、クリスタルに指先が揺れた瞬間、その透き通ったクリスタルは消えてしまった。 「なっ!?」 「お気を悪くなさらないで下さい。わたくしも詳しくは知らないのです」 ラクスはそっけなく告げて入り口を潜る。 未だ感触が消えないのか、彼が指先を見ていると、トントンと背中を叩く手。 「まっ、気にするなよ!」 シンにはこれで二度もお宝を手に入れそこなった彼を励ましたつもりだったのに、返ってきたのはゲンコツだった。 「痛ってぇ」 「何が気にするなだ、見習いのくせに生意気なっ」 両手で頭を押さえたシンもアレックスも小さな入り口を潜る。ステラが隣に来てぎゅっと服を掴んだのを見て、ラクスが立ちすくむその先を見た。 暗いはずの墓室の最も奥の部屋に、青白い光が浮いていた。 「暁の種石・・・」 なぜラクスは立ち止まっているのだろうとシンは光を凝視する。 それが人の形をしていると気が付いて、深紅の瞳が限界まで見開かれることになった。シンの記憶の中にいる人物がそこにいるのに、今すぐにでも駆け寄りたいのに足は頑として動かない。 シンと同じようにラクスも、もう一つの種石を前にして動くことができなかったのだ。 ギリギリ手の届く位置に安置されていたというのに、手を伸ばすことができない。ただ、その種石を手に取りこちらに歩み進んでくる姿を凝視するしかできなかったのだ。 どうしてこんな所でお会いするのでしょう。 会ったのはもう何年も昔に数回だけ。 思わず顔の前で手を合わせてしまう。その小指に嵌っているのは小さい時に送られた手作りの指輪。決して美しくはない、不恰好な指輪には宝石の一つも付いていなかったけれど、けれど確かにそれは約束の指輪だった。 目の前にいるのはその送り主。 かつての婚約者が暁の種石を手に、同じ光に包まれて優しく微笑んでいる。 ゆっくりと歩む姿が自分と同じ年齢を重ねていることに、これは幻だと分かっているのに。もしかしてと期待してしまう。 「アスラン・・・」 差し出された種石をラクスが受け取ると、本当に微かなけれど笑みを浮かべて脇を通り過ぎていく。その動きを追い、ラクスは振り返って彼の後姿をずっと見送った。 呆然と見送る彼女をシンがただじいっと見つめていることも知らずに、手の中の種石を抱え込む。 あれから7年も経つのに、こんな所でずっと待っていてくれたのだろうか。 王家の為にいつか立つわたくしを信じて? 光がすうっと引いていき、ダコスタが彼女に声を掛けるまでラクスはしばし時と場所を忘れていた。 戻る 次へ 長い・・・長いよ! 長すぎて読み直す気にならない。今回ちょっと詰め込みすぎかなあと、でも、ちんたらやってると終わらないし。進・ま・な・い。
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ファイナルファンタジーV(2) ページリンク ファイナルファンタジーV アルキュミア その他画像 攻撃方法 クルルルル!:味方の蛙状態を解いて強力なモンスターに戻す。 暗黒回帰:クルルルル!後に使用。効果は自滅。 デス:即死攻撃。一緒に出てくる蛙を先に倒すと使用。 語録 「ナルルルル トルルルル」 「キルルルル サルルルル」 備考 蛙モンスターと共に登場。 「ナルルルル トルルルル キルルルル サルルルル」の後に「クルルルル」を使用して、蛙を元の姿に戻す。 蛙を先に倒すと「デス」を連発してくるので厄介。 ゼファーゾーン その他画像 攻撃方法 モンスター召喚:モンスターを召喚する。 ケアルラ:回復魔法。召喚したモンスターに使用。 シェル:対象をシェル状態にする。召喚したモンスターに使用。 プロテス:対象をプロテス状態にする。召喚したモンスターに使用。 ヘイスト:対象をヘイスト状態にする。召喚したモンスターに使用。 ブリンク:対象をブリンク状態にする。召喚したモンスターに使用。 語録 「いでよ! じゃあくなるものよ!」 備考 モンスターを召喚する。 (FF7の)ユフィが下半身全裸になった姿に見える、という見解もある。 トラベラー その他画像 攻撃方法 タイムスリップ:対象に睡眠+老化。青魔法。 クリティカル:威力が高い物理攻撃。 語録 備考 ミュカレ その他画像 攻撃方法 ファイラ:炎系魔法。 エアロ:風系魔法。青魔法。 月の笛:味方全体をバーサクに陥れる。青魔法。 クリティカル:威力が高い物理攻撃。 語録 備考 シヴァ その他画像 攻撃方法 ブリザラ:氷系攻撃。前列全体に撃つ場合と後列全体に撃つ場合がある。 語録 備考 アイスコマンダー三体と同時に登場。 倒すと召喚魔法「シヴァ」が使えるようになる。 シャドーダンサー その他画像 攻撃方法 トーキック:威力の高い物理攻撃。 妖しい踊り:単体を眠らせる。 語録 備考 男性か女性か、という点でファンの間では見解が分かれるが、投票の結果、女性敵として扱うという事に決まった事を追記しておく。 ソードダンサー その他画像 攻撃方法 ハイキック:威力の高い物理攻撃。 死者の踊り:ゾンビにする。戦闘不能になったキャラに使用。 語録 備考 男性か女性か、という点でファンの間では見解が分かれるが、投票の結果、女性敵として扱うという事に決まった事を追記しておく。 ハリカルナッソス その他画像 少女に化けていた姿。 正体 攻撃方法 クルルルル!:全体にトードをかける。 クリティカル:威力が高い物理攻撃。 磁場転換:隊列を変更させる。 ディスペル:プラスステータスを解除する。 ヘイスト:行動速度を速める。 シェル:魔法攻撃を半減するバリアを張る。 ホーリー:聖属性魔法。かなり威力が高い。 パワーを集中!:かなり威力が高い物理攻撃。召喚魔法のカウンター。 語録 「とじこめられてたの。 助けてくれて、どうもありがとうございます! お礼よ… チュっ!!」 「逃げられないよ… あたしの、死のキスをさっきうけたろ! かわいがってあげる… 次元城の王! ハリカルナッソス様がなっ!!」 備考 次元城の魔物、カタストロフィーに捕われてた少女。 その正体は次元城のモンスターを操るハリカルナッソス。 バッツ達に救われた時、死のキスをする事で次元城から先へ進めないようにした。 戦闘では開幕で全体にトードをかけてくる「クルルルル!」をいきなり仕掛けてくるので 戦闘前に全員をカエルにしておくのも有効な戦法。 召喚魔法を連発すると「パワーを集中!」が危険なので注意が必要だ。 効く確率は高くないが魔法を封じる「サイレス」と物理攻撃を封じる「ミニマム」が両方効く。 二つともかけるとハリカルナッソスを完全に無力化出来る。「サイレス」は魔法剣でかけるのも良い。 なおハリカルナッソスの性別は、男性なのか女性なのかファンの間では意見が分かれている。 「次元城の女王」ではなく「王」と自称している所がハリカルナッソス男性説の主な理由だが 「良く見ると胸がある」「立ち姿が女性」「冒険ガイドブックでの石塚祐子氏のイラストが美女風」という理由もあり また二次創作サイトでは女性扱いする所も多いため、ハリカルナッソス女性説も支持者が多い。 ここでは「ハリカルナッソスを女敵として扱うか」という投票の結果、僅差で女性説支持者が過半数を超えたため掲載している事を付け加えておく。 ネオエクスデス その他画像 攻撃方法 しんくうは:極大威力の物理攻撃 ディスペル:補助魔法の効果を打ち消す。 ファイガ:炎属性魔法。 サンダガ:雷属性魔法。 エアロガ:風属性魔法。 ブリザガ:氷属性魔法。 コメット:隕石を降らせ無属性ダメージ。 メテオ:ランダムに4回隕石を落として無属性ダメージ×4を与える。 フレア:無属性魔法。魔法防御無視。 ホーリー:聖属性魔法。 デルタアタック:魔法ダメージ+石化 ミールストーム:全体を瀕死にする。 アルマゲスト:防御無視の聖属性魔法攻撃+スリップ グランドクロス:全体をランダムにバッドステータスにする。発狂前は「宇宙の法則が乱れる!」というメッセージが出る。 語録 「わたしは ネオエクスデス」 「すべての記憶 すべてのそんざい」 「すべての次元を消し そして わたしも消えよう」 「永遠に!!」 備考 ラスボス第二形態。 エクスデスを追い詰めると、無の力が暴走してエクスデスを飲み込んでネオエクスデスとなる。 様々なモンスターが融合したかのような外見をしており、その中には女性の姿も組み込まれている(その他画像参照)。 ウィンドウには「ネオエクスデス」としか表示されないが、形成されているパーツは4つあり、それらを全て倒す事になる。 パーツが1つになると攻撃が物凄く激しくなり、アルマゲストやしんくうは、グランドクロスなどを連発してくる。 それを防ぐため「バハムート」や「リヴァイアサン」などの召喚魔法や、FF5最強の全体攻撃である「ぜになげ」などを「ものまね」するなどで、パーツ全体を一気に攻撃する戦法が有効。 メデューサ その他画像 攻撃方法 抱擁:対象のHPを回復させる代わりに石化させる 誘惑:対象を混乱させる。(バッツにのみ使用?) 悪魔の視線:対象を石化させる。 怪しい踊り:対象を眠らせる。 指先:対象を麻痺させ、ダメージを与える。 語録 備考 アドバンス版のみ登場 メデューサの画像をうpした者ですが、当初、攻略本の画像をスキャナで取り込んでたのですが、もっと良い画像があったので変更しました -- 名無しさん (2006-11-14 01 26 56) 名前 コメント ファイナルファンタジーV