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Lyrical Magical Stylish Mission 04 Tough Belief 「そのめんどくさいことに、なのはを巻き込んでいる張本人が何を言っているんだか」 「なのはは、傷つけさせません」 背後から聞こえてきた静かな、されど怒りの篭った声に、ダンテは肩をすくめ振り返る。 その先にいたのは、昨日見た管理局の執務官であるクロノと、見たことのない金髪の少女。 なのはの仕返しとは、要するにクロノをダンテにぶつけてやろうということだったのだが、フェイトまで来ているとは考えていなかったようだ。 もっとも、本人は既に学校へ向かって飛んでいってしまったのだが。 「クロノ・ハラウオン執務官」 「フェイト・テスタロッサ……一応民間協力者です」 「やれやれ、お前さんたちも飽きないねぇ。俺様捕まえたってなにもないぜ?」 フェイトと名乗った少女が、自身の杖を鎌に変化させる。その後ろでクロノが援護する態勢を取っている。どうやら、今回は本気でダンテを捕まえようとしているらしい。 「話は後で聞く。今は、質量兵器の携帯及び使用の現行犯だ」 「参ったね、どうも」 ダンテ自身も知っていた。管理局の管轄世界では質量兵器、要するに銃火器の類は厳しく制限されているということを。 ダンテに言わせれば知ったことではないの一言なのだが、そんな理屈が通用するなら管理局はいらないのだ。 そこでピーンと閃いたダンテはニヤニヤ笑いながらクロノに切り返す。 「ん? そーいやここは管轄外世界じゃなかったか?」 「……そうだが」 「管轄外世界でまでそっちの理屈を押し付けられる謂れはねーな」 確かにそうだ。だが、ダンテの子供じみた屁理屈にもクロノは諦めない。管轄外世界だろうと、管轄世界の住人には罰則が適用できる。 しかし、クロノが渋い顔をしながら告げたのは違う事柄だった。 「……この国には銃刀法という法律がある」 「それを言うべきはこの国の警察だろ。お前等じゃない」 「ぐっ……」 そこを突いたダンテの屁理屈に納得してしまい、そこから先が続かなくなりそうだったクロノをフェイトが助ける。 「なのはに何を吹き込んだか知りませんが、彼女を危険に晒した貴方を、私は許さない」 「ヘイヘイヘーイ、事情も知らずに知った口を聞くもんじゃないぜお嬢ちゃん。 というかな、見てたならお前たちも参加すりゃよかったじゃねーか。パーティに飛び入りは付き物だろう?」 「それは……」 結果的になのはたちに加勢しなかったフェイトは、ダンテの発言に言葉を詰まらせる。その間に立ち直ったクロノはそんなフェイトを一瞥し、助け舟を出すかのようにダンテに詰め寄る。 「隔離結界すら張らずに戦闘行為を行う貴様に言われる筋合いはないな。一般人が巻き込まれたらどうするつもりだった」 「さて、ね。そんな仮定の話をされても困るな」 「貴様……」 「怖かったんなら怖かったって素直に言いな。ガキは素直が一番だぜ?」 「貴方という人は……!」 どうやら、ジョークが通じる手合いではないようだ。ダンテの発言に怒った二人が殺気を膨らませるのを見て、ダンテは肩をすくめて言い放った。 ダンテ自身、引くつもりもない。 「やれやれ……ま、好きにしな」 「アルフ!!」 「お?」 フェイトがアルフに声を掛ける。すると、神社の周辺一体が大規模な結界に覆われた。俗に言う隔離結界である。 確かにダンテとなのはは張っていなかったが―――ダンテにそんな魔法知識も技術もない。なのはも結界は管轄外である。 そんな二人に結界を張れと言うのも酷な話であるのだが。 「へぇ、面白いことするな。と言いたいが」 「逃げ場はないぞ」 「逃げる? 冗談キツイぜ」 ダンテの言葉を遮りクロノがデバイスを突きつける。だが、ダンテの余裕は消えない。イフリートの出力を絞り、それでも炎が揺らめく両手足を存分に振るい、己の力を見せ付ける。 ダンテは口に出さなかったが、今この不安定な空間を覆ってしまうことにより、再び悪魔が召喚されるのではないかと危惧していた。 だが、ダンテに結界を解除する力がない以上、とっととこの二人を追っ払うしかない。 「さて、第二幕だ。かかってきな?」 「行くよ、バルディッシュ。アークセイバー!!」 「おおっと!」 フェイトの先制攻撃。滑るように飛んできた魔力の刃をダンテは身を捩って避け、背後に今の魔法が戻ってくるのを感じ、ニヤリと笑う。 「へぇ、俺の技によく似てるな。コイツは面白くなってきた」 ダンテの技、ラウンド・トリップよろしく背後から戻ってきた刃を、刃に相対して後ろに倒れこむことで避けつつ、足を引っ掛ける。 「う、嘘」 「バカな」 「イーヤッホーゥ!! ホゥ、ホーッホッホーゥ!!」 そのまま刃に足を絡め、さながらスノーボードでも駆るかのように刃に乗って空を舞う。フェイトもクロノも、ダンテのぶっ飛んだ発想とそれを実行に移す胆力に目をひん剥く。 だが、アークセイバーの上でダンテは舌打ちしていた。自身の危惧が現実になる、悪魔が出現する慣れた感覚を捉えたのだ。 まあ、この二人なら心配する必要もなさそうであるが、また面倒くさいことになりそうである。 「フェイト」 「分かってる。爆発させ―――クロノ!?」 「―――!?」 それでも、冷静にアークセイバーを爆発させようとしたフェイトは、クロノの背後に迫る謎の影に気付き、慌てて警告する。 クロノも僅かに遅れて禍々しい殺気を感じ取り、振り向くまでは良かったものの既に死神の鎌が眼前へと迫っており――― 「Let s get crazy yeah!!!」 奇声と共に発せられたマズルフラッシュがフェイトとクロノの目を焼く。 同時に迸った二匹の獣、ダンテの駆るエボニー&アイボリーの咆哮が、クロノに迫っていた死神の仮面をズタズタに打ち砕く。 「クロノ、しっかり!」 「分かってる!」 「Show you dance? 踊ろうぜベイビー! ハッハァー!」 ダンテはアークセイバーを操り、またしても現れた悪魔の群を切り刻んでいく。 もちろん、両手に握った愛銃も休む暇もなく弾丸を吐き出し、さながら竜巻のように周囲一体を蹂躙する。 「ホーッホッホゥ!!」 止めとばかりに、アークセイバーを思いっきり蹴り飛ばし、ダンテの背後に現れたデス・シザースの仮面を一撃で破壊。 その反動を利用して、ダンテは背中合わせになって戦っていたフェイト、クロノの間に、これまた背を向けて着地する。 「ホゥッ!」 「……狂っているな」 「ハッハハハ。パーティはまだまだこれからだ。なぁ、なのは?」 「そういうこと。せっかくなんだし、二人とも楽しんでいったら?」 「な、なのは?」 三人の周囲を白光が焼いたかと思うと、欠けた最後の場所になのはが再び舞い降りる。 フェイトは、銃を乱射する見知らぬ男と同じような凶悪な笑みを浮かべ、この異常事態にも平然とジョークを飛ばすなのはに、驚きの声を隠せない。 「ヘイなのは、お前さんの目論見ってのはこいつ等かい?」 「いやいや、さすがにここまでは予想できませんでした。ごめんなさいね? ピザとストロベリーサンデーで手を打ってくれると助かります」 「そんじゃしょうがねーや。ピザは当然オリーブ抜きな」 「分かってますよ」 「……おい」 「あん? それは俺に言ってるのかいボーイ」 「これは何だ」 「ハハハ、何でもかんでも人に聞かないで、たまには自分の頭で考えてみたらどうだい? オツムが悪いならしょうがねーけどよ?」 ダンテの人を小馬鹿にしたような台詞と笑みに、クロノはどうしようもない憤りを覚える。はっきり分かった、僕とこの男は致命的に相性が悪い。 「貴様……!」 「ダンテさん、あんまりクロノ君を挑発しないの」 「ダンテ? 貴様……」 「だから言っただろ、俺はトニーじゃないって。ほれ、テンダーをひっくり返してみな? おお、何とビックリ!」 テンダー。逆さまから読むとダンテ。だが、トニーだと思っていた者にダンテという名を想像しろなんていうのは少々酷だろう。 第二幕が上がろうとしている状況でそんなことを言っているダンテに、なのはは溜息を漏らす。 「……後でじっくり問い詰めさせてもらうぞ」 「イヤだね。デートのお誘いならお断りだ」 「ダンテさん、そーいうこと言ってる場合じゃないでしょ」 「やれやれ……」 四人の包囲網を徐々に徐々に狭めてくる悪魔の群。大量に出現した下っ端連中の奥に、ブレイドやアルケニーといったやや上級の悪魔がちらほら見て取れる。 だが、ダンテにとっては一人でも片手間で十分すぎるほどの敵だった。 「Let s start the Crazy Party!!」 ダンテの楽しそうな叫び声と共に、悪魔たちが一斉に襲い掛かってくる。ダンテはイフリートを構え、自ら進んで檻の中へと飛び込んでいく。 なのはもまた、自分のフィールドである上空に飛び上がり、自身に向かってくる相手を軽くあしらいつつダンテの援護を行う。 事態についていけてないクロノとフェイトであったが、ダンテやなのはよりも先に相手をしなければならないのは理解しているようで、 自身の得物を手に襲い掛かってくる悪魔へと一歩踏み出す。 「ええい、何がどうなっている!」 「分からないけど、やるしかないよ!」 バルディッシュが生む光の鎌が同じ鎌を得物とするヘル・プライドを易々と切り捨てる。 その横で、クロノの放ったスティンガー・レイが、二度目の強襲を仕掛けようとしていたシン・サイズの仮面を粉々に破壊する。 「何、この手ごたえ……」 「分からない。だが、少なくとも我々が知る何かではない」 クロノは戦闘の片手間にアースラへと情報を送り、解析を頼んでいた。だが、情報処理においてはクロノが全面の信頼を置いているエイミィからは未だ解析完了の知らせは来ない。 それどころか、類似する情報すら見つからないと言われている。 「なのは!」 「フェイトちゃん、どうしたの? この程度、フェイトちゃんなら楽勝でしょ?」 「そうじゃなくて……何が起こってるの?」 上空からの爆撃を敢行してるなのはの背後に回り、迫っていた死神を逆に狩り返しながらフェイトは聞く。 なのはの言動からはこの事態に対しての混乱が見られない、ということは、なのはは何かを知っている。 「うーん……まあいいか。フェイトちゃん、こいつ等は悪魔なんだよ」 「悪魔!?」 「そ。私も詳しくは知らないんだけど……」 なのはは一旦言葉を切り、アルケニーの腹へと拳を深く埋め込んでいるため、この瞬間だけは次の攻撃が行えないダンテへの援護射撃を行う。 フェイトは、そんななのはの話を聞こうとなのはの背に自身の背を預ける。 「分かるのは、敵だってこと。私たちの世界を破壊しようとする、絶対に許せない敵だってことぐらいかな」 「……それは、あの男の人から?」 「うん。ダンテさんはそんな悪魔を狩るために海鳴に来たって言ってた。だから、私は一緒に戦うの。この街は、私にとってとてもとても大切な場所だから」 フェイトは、なのはの言葉に思わず声を荒げる。それもそのはず、どう考えてもこの件は管理局の管轄であり、普通に考えたら個人がどうこうという問題ではない。 「だったら! そう」 「言えばいい? 確かにそうだよね。私もそう思う。でも、ダンテさんがそれをしないのにはきっと理由がある」 「……どうして、そこまであの人のことを?」 「よく分からないけど……話を聞く限り、ダンテさんはずっとずっと一人で悪魔と戦ってきた。 誰にも知られることなく、結果として指名手配されることになっても、あの人は立ち止まらなかった。そんな人だから、私はダンテさんを信じようと思ったんだ」 「なのは……」 「だから、私はダンテさんと戦う。決めたんだ。だから、今回はフェイトちゃんたちを手伝えない」 フェイトと戦ったときよりも、プレシアの居城に乗り込んだときよりも、強い決意をその目に宿らせてなのはは高らかに宣言する。 なのはの頑固さを知っているフェイトは、今回に関してはどうしてもこれ以上関われないことを知った。それでも、今このときだけは親友と一緒に戦おう。 近い未来、次世代のエースとなる二人が空中で魔力を爆発させる。雷光と白光が縦横無尽に踊り狂い、触れる悪魔を片っ端から消し飛ばしていく。 最強の悪魔狩人であるダンテ、そしてAAAクラスの能力を保有する三人の魔導師にかかれば、数が多いだけの悪魔など脅威にもなりえなかった。 こうして、第二幕が下りる。 悪魔たちを全て退けた後、結界が解除された境内でなのはは共闘した三人に向かって告げた。 「じゃあ、私今度こそ学校に戻りますね」 「おー。ちなみに、何て言って出てきたんだ?」 「お腹が痛いです」 「ハッハッハ、そりゃ急いで戻ったほうがいいな」 はぁ、と溜息をついて、なのはは空へ舞っていった。それを見送ったダンテは、もうこの場所に用はないと踵を返す。その背にかけられる男の声。 「待てと言っているだろう」 「嫌だね」 ダンテは振り向かず、されど立ち止まって答える。完全無視でもよかったのだが、今後また色々ちょっかいを出されるのも面倒くさい。 だったら、早めに釘を刺すべきだ。管理局の魔導師たちは、隔離結界を張らなければその力を行使できないというのは知っている。 「……話す気はないと」 「ああ。知りたきゃ自分で考えな。管理局のどっかにゃ資料の一つでも残ってんだろ」 「…………」 「…………」 「ああ、そうだ。あの隔離結界だったか? あれを張るのはやめときな。 あんなふうに空間を閉鎖するなんざ、出て来てくださいって言ってるようなもんだ。そんじゃ、忠告はしたからな」 あばよー、と手を振りながらダンテは階段を下りていった。それを見送る形になった二人の表情は険しいが、なんともいえない複雑なものを内包しているように見える。 「……どう思う、フェイト」 「なのはは悪魔って言ってましたけど……」 「悪魔、か。そんなものが実在するのか」 「分かりません……」 それでも、実際自分の目で見た光景を疑うことは出来ない。自分たちは確かに、今この場所で何かと戦ったのだ。禍々しい気配に常識外れの能力、悪魔といわれてみれば納得できないこともない。 「……何が起ころうとしている、この海鳴に」 クロノの呟きは虚空に溶けて消えた。その質問に答えを返せる二人は、だがしかし絶対に答えることはないだろう。 ダンテはともかく、なのはもまた自身の信念を持って今回の件に関わっている。そして、管理局の者として隔離結界を使わないまま戦闘行為を行うことは出来ない。 さらに、ダンテの言が本当かどうかを確かめるのも危険すぎる。事実上、クロノとフェイトは今後ダンテたちの戦闘行為に関われなくなっていた。 徐々に傾きつつある太陽を背に、なのはは隣を歩くダンテに問いかける。 「ダンテさん、悪魔って昼間から出るものなんですか?」 「昼は出ないと思ったか?」 「まあ……イメージ的に、夜のほうが出そうですし」 「ま、間違っちゃいねえがな。夜のほうが出やすいってだけで、真昼間から出る事だってよくあるさ。さっきみたいに、空間を覆っちまえば昼も夜も関係ないしな」 帰り道、なぜか校門に迎えに来ていたダンテと共に、なのはは坂を下っていく。ダンテの姿を見た親友二人が完全に引いていたのは気のせいだと思いたい。 「で、鍛えて欲しいんだっけか」 「ハイ。場所は道場でいいですよね?」 「まあ……お前さんが何を鍛えたいのかにもよるが、魔力だってんなら道場じゃ無理だよな」 「出来れば魔力が一番なんですけど、それ以上に何ていうのか、戦いの空気みたいなのが知りたいですね。いつ何時でも慌てずに対処できるように」 「お前本当に十歳のガキか? 発想がおかしいぜ」 「失礼ですね。まだ九歳ですよ」 「それこそクレイジーだ」 ダンテは嬉しそうに笑って手を叩く。かつて自身が九つだったころ、ここまで強靭な意志を持っていただろうか。なのははとんでもない魔導師になる、ダンテの予感は確信へと変わっていく。 「……今日、フェイトちゃんに言われました」 「フェイト?」 「クロノ君と一緒にいた金髪の子です。何でダンテさんは一人で戦うんだって。 これはれっきとした時空災害だし、管理局に相談なり通報なりすれば必ず動いてくれるのに、って」 ダンテの戦う理由。それは私怨であり、宿命である。悪魔と人間の間に生を受けた者として、決して人任せにして逃げることなどできない戦いなのだ。 だが、そこまで込み入った理由を話すほどダンテとなのはは同じ時を共有してはいなかった。 「……昨日も言ったがな、それに関しては」 「分かってます。言えないんでしょう? でも、言えなくても、ずっと戦い続けるだけの強い理由があるんでしょう?」 「……まーな」 「なら、いいんです。全部終わったら、教えてくださいね?」 「昨日も言ったろ? お前さんが十年後嫁に来るときに教えてやるってよ」 「…………」 二人が家に着いたときはまだ誰もいなかった。組み手をするには絶好のチャンスである。二人はさっそく道場へ向かい、板張りの床の上で向かい合う。 「さて……何を教えたもんか」 「うーん、どうしましょう。あんまり時間もないんですよね?」 「ああ、時間は少ない。そうだな……危険に対する感覚でも磨いとくか」 「?」 頭の上に疑問符を浮かべているなのはに、ダンテは苦笑しながら説明する。 かつて自分が戦った経験からして、なのはがバリアジャケットと防御魔法を併用しても、上級悪魔の攻撃には対応しきれないと踏んだのだ。 「俺は頑丈だからまだいいが、お前さんは上の連中の攻撃をまともに貰ったらそれで終わりそうだからな。 そうならんよう、防御と回避を鍛えるってことだ。そのためには、迫った危険に瞬時に対応できる感覚が必要なんだよ」 「攻撃じゃないんですね……」 「残念か? だが、今朝も言ったが、俺とお前じゃ攻撃スタイルが違いすぎて、教えられることがない。その点防御や回避ならまだなんとかなる」 ダンテの言うことももっともだ。武器と、それに己の魔力を付加する形で戦うダンテにとって、銃はまだしも射撃魔法となると完全に畑違いである。 なのはもまたそんなダンテの話に納得し、方針が決定される。 「と、いうわけでーっと。ホレ」 「わっ、とと……木刀?」 「杖の代わりだ。先っぽは付いてないが」 「はぁ……」 そういうダンテもまた、小太刀を二本持っている。肩に担ぐには長さが足りなすぎるのか、持った両手をだらんと下げている。 「というわけで、今からお前さんを攻撃するから、ひたすら防御に回避だ。頑張れよ」 「……反撃は?」 「出来そうならどうぞ?」 「言いましたね?」 「ああ。そんじゃ、始めようか」 ダンテがゆらりと前に出る。その瞬間、道場に濃密な殺気が溢れ、その全てがなのはに向かって叩きつけられた。 「え……痛っ!」 想像すらしていなかったダンテからの殺気に竦んだ瞬間、なのはの目から火花が飛ぶ。ダンテの小太刀が頭に直撃していた。 「ほれ、ボケッとすんな」 「うー……今のは」 「何言ってやがる、戦う相手に殺気を向けない悪魔なんていねーぞ?」 次行くぞ、とばかりに振るわれるダンテの小太刀。決して早くも力強くもない、ただ持ってるものを軽く振ってるだけの攻撃は、そのくせ一撃一撃に強烈な殺気を纏っている。 「きゃ、ちょっ……痛っ!」 「やれやれ、先が思いやられるな」 またしても頭を軽くであるがはたかれ、さすりながら呻くなのはを見てダンテは肩をすくめる。 恭也や士郎が一般人にしては相当強かったことからなのはもまたそうなのかと思ったが、意外や意外、全くの素人だった。 どうやら、運動に関してはおっとりとした母桃子の血を受け継いでいるらしい。 もっとも、ダンテにとって受けれる受けれない、避けれる避けれないは割とどうでもいいことなのだが。 (とにかく殺気に対する反応だよな。コイツが育たないと、奇襲に対して無防備すぎる) 悪魔にとって、壁や床は障害物ではない。戦ってるときもそうでないときも、いつだって壁や床から飛び出てくる危険性があるのだ。 その際察知の助けになるのが殺気に対する嗅覚であり、危険に対する反応である。なのはは、戦闘力以前にこれが致命的に欠けていた。 どんなに力が強くたって、後ろから刺されたらそれで終わりなのだ。 「そら、どんどん行くぞ」 ダンテ自身、体には殆ど力を入れてない。ゆったりしたコートも相まってモーションを見切って反応するというのは不可能だ。 剣が纏う殺気に反応して受けるなり避けるなりするしかない。速度的に目で追う事も出来るが、そうやって避けていくといずれ避けれなくなるよう計算して攻撃していたりする。 「目で追うな、体で感じろ」 「で、でも……!」 「それが出来なきゃ死ぬぜ?」 それでもなのはは、何度も何度も殴られながらようやくある程度反応が出来るようになっていた。 まだまだ多分に目で追っているし、反応してからの行動がダンテから見れば遅すぎるが、動作が一々緩慢な下っ端連中ならこの程度でも大丈夫だろう。 「げふっ……」 「はぁ……目で追いすぎだって言ってるだろ?」 そして、なのははダンテが何気なく繰り出した蹴りをモロに食らって倒れる。対峙した悪魔がどんな攻撃方法を持っているか、それはその場で見るしかない。 背後から攻撃できる悪魔もいるかもしれないし、周囲一体を攻撃できる悪魔だっているかもしれない。そのたびに食らっていては、命がいくつあっても足りるわけはない。 「ず、ずるい……」 「コイツでしか攻撃しないなんて一言も言ってないな」 「鬼……」 腹を押さえながら恨めしそうに見てくるなのはに、ダンテは肩を竦める。 「ヘイヘイ、勘違いしてんじゃねーか? スポーツの大会に出るんじゃないんだぜ」 一撃でも直撃を貰ったら死ぬ、そんな世界に飛び込もうとしているのだ。 「いいかなのは、覚えとけ。強いやつが勝つんじゃない、勝ったやつが強いんだ」 「…………」 「そして、殺せば勝ちなんだから、相手はどんな手を使ってでもお前を殺しに来る。死んだら卑怯もクソもない」 「わかって、ます……」 「ならいい。そら、休んでる暇はないぜ」 そしてダンテは攻撃を再開する。相変わらず、殺気だけは本物を纏った緩慢な攻撃が続く。 なのはもまた、ダンテの教えようとしていることを理解し、必死になって対応しようとしている。 ダンテは、なのはを直接狙った攻撃にのみ殺気を持たせるというとても器用な真似をしている。どんなに迫っても、フェイントには殺気がない。 「ぐっ……」 「反応は出来てたな。判断が遅いが」 「はぁ……はぁ……」 「ヘイ、いつまで寝てんだ?」 小太刀を突き出すというフェイントに騙され、蹴りを食らう。小太刀の柄で殴ろう、と見せるフェイントに騙され、逆の一撃を貰う。 始まる前は反撃してやると言ったことすら忘れ、なのははひたすらダンテの攻撃を捌こうと動き続ける。 「避けるときは次の状況を考えろ。自分を追い込むような避け方はするな」 「はい!」 「受けるときは勢いに押されないよう、しっかりと止めろ。それが出来ないなら受けるんじゃなくて流せ」 「はい!」 なのはが間違った動きをすれば、その都度その都度ダンテから攻撃を緩めないまま指摘が入る。なのはも必死で食らい付くが、そんな簡単に出来ることでもない。 それでも、ダンテはそう言う。それは、魔界に行くにあたって必須だからだ。そしてまた、小太刀の突きが額に直撃する――― 「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」 なのはは木刀を握ったまま、道場で大の字になって倒れていた。奇しくも今朝、兄恭也が取っていたのと同じポーズである。 全身から噴出した汗が床を濡らしていくが、そんなことを気にしている元気もなかった。 「大丈夫か?」 「散、々、人の、こと、張り、倒して、おいて、よく、言います、ね」 「ハハハ、そんだけ文句が言えりゃ大丈夫だな。ホレ、水だ」 ダンテはペットボトルをなのはの横に置く。そのまま隣に座り込み、クルクルと愛銃を玩ぶ。 「……ダンテさん」 「何だ?」 「……なんでもないです」 「そうかい」 なのははズキズキと痛む体を無視して立ち上がり、水を飲んでそのままクールダウンを始める。ここまでひたすらやられ続けたのは初めてだった。 まさか一発も反撃できないなんて思ってもいなかったし、途中で意識が刈り取られたときは本当に死んだかと思った。 それでも、その中で徐々に反応できるようになっていっていた自分に、なのはは確かな手応えを感じていた。 時刻はそろそろ五時になろうとしている。二時間ほど、ほぼ休憩無しで動き続けていたのだ。体もいい加減休みを欲している。 それに、恭也や美由希がここに訪れる時間も近付いている。今日はここまでだろう。 「じゃあ……戻りましょう」 「そうだな。やれやれ、動いたら腹減ったぜ」 「全くです」 なのはとダンテ、二人の普通ではない日常も、二日目を終えようとしていた。 前へ 目次へ 次へ
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マナコ PL ゆとれすと(yutorest) 年齢 23 性別 女 職業 元・霊媒師 人種 東夷 能力値 武勇 機敏 精神 備考 基本値 1 4 4 攻撃力 1 6 5 ※妖精の弓使用時 精神は光と闇属性 防御力 1 4 4 HP 21 スキル 常備 射撃・霊的視力 消費 発見・発見・ 赤外線視力 経験点 経験点 11 英雄点 4 装備品 武器 神霊の弓(妖精の弓) 鎧 簡素な狩衣(フレーバー) 装飾品 髪飾り(光と闇の魔法書相当)・モノクル・ダウジングロッド・羅針盤(非装備) 技能書 「妖精族の記録」 所持品 消耗品 卵×2 所持金 21140G NPC利用 可 二次創作 可 外見 一番の特徴は光の無い灰色の瞳、見開くと大きく丸い。前髪はパッツン、後ろ髪は腰まで伸びていて低い位置で縛っている。身長は167cm 口調 一人称 私 三人称 貴方 備考 気配を察知した時は基本的に呼び捨て 設定 ホルムの町に流される前は、日輪国で霊視の技術を使って霊媒師をやっていた。特別な霊感とすべてを見通す眼を持ち、霊媒としての素質は極めて高い。そのため、幼少期から怨嗟に満ちた悪霊と接することを余儀なくされ、彼女の心の健やかさは失われてしまった。虐げられて来た生い立ちとコンプレックスを持った目のため、人との会話が苦手。ホルムの異邦人に慣れたお陰が、最近はそれほどでもないが心の傷は依然、根深い。光を宿さない黒い瞳は、霊体だけでなく隠された罠や温度など、あらゆるものを暴く。 お名前 関係 備考 トヨンさん コールさん フェンリーさん カザマさん クマキューくん? トゥレさん フリーダさん リュネットちゃん マリエルさん ザックさん ソーンズさん リーコートさん お友達 ダンテさん ゼノさん ムギさん レイナードさん
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ジョンスタッフォードノースコート(ジョン・スタッフォード・ノースコート) 連合王国貴族のイデスリー伯爵の一。 第5代イデスリー伯爵。 関連: トマススタッフォードノースコート (トマス・スタッフォード・ノースコート、息子)
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キャラシートを作ったはいいけど、そのままにしておくには惜しい。でもPCとして参加するには……。 そんな人のためのページ。主に瀬良さんが使っていますが、ご自由にどうZON!! 大田誠一郎 異能者・セイヴァー 椎名あざみ 大いなる者・ソーサラー 黒井静紅 落とし子・シーラー メディ 陰陽師・ソーサラー クレイド・ヴォーメルン・ブラッド 吸血鬼・マギナイト 結城大河 強化人間・ファイター リュシオン・バークライト 侍・ファイター ファティエル 使徒・ガーディアン アリサ 人造人間・ファイター 美咲御影 侵魔召喚師・ソーサラー マルス 人狼・ファイター クロア・ブライトウィトン 聖職者・セイヴァー 劉閃 仙人・マギナイト セイバー 転生者・ファイター 剣崎宗弥 同調者・マギナイト 月子=ダグラス 忍者・ファイター 弓村燐 箒騎士・ファイター ジャック・ディヴァイン 魔剣使い・ファイター 穂村凪 魔術師・ソーサラー 岩下悠吾 魔物使い・ファイター 牧野陽奈 勇者・セイヴァー 桜野桃歌 夢使い・シーラー 志堂和真 龍使い・ファイター 大川ニトロ 錬金術師・ソーサラー ウィリアム・レッドグレイブ マーク1 “プロトタイプ” マーク2 “ファランクス” マーク3 “ゴースト” マーク4 “ショットガン” マーク5 “トマホーク” マーク6 “ダンテ” ↓リビルドキャラ置き場です。仮組みしたPCキャラを適当に 名前 クラス LV ジューン・ファウス(新ルール対応仕様) 落とし子 / マギナイト 12 日下 祐一(新ルール対応仕様) 大いなる者 / セイヴァー 18
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Lyrical Magical Stylish Mission 11 Killing shade 「……つくづく使えぬ連中だ。役立たずどもめ」 「そーいうテメーも相変わらず図体だけがでかいだけじゃねーのか? ええ、ムンドゥス!!」 ダンテの放った”ムンドゥス”の一言になのはの体を戦慄が走り抜ける。魔帝はこんなにも強大な存在だったのか、と。恐怖で叫びだしそうになる体を必死で押さえつけ、なのはは今回の騒動の元凶、その存在を心に刻む。 「囀るな、小物が」 「その小物に一度ぶっ飛ばされてるのはどっちだよ」 「ならば我が前に立って見せよ。その時こそ真の絶望を味あわせてやろう。ハーッハッハッハッハ!!!」 今はまだ、相手としてすら認められていないということか。霧散していくムンドゥスの気配に、なのはは憤りを覚えながらも今この場で戦闘にならなかったことに安堵の溜息を漏らす。 もっとも、ダンテは忌々しそうに舌打ちすると、消えゆくムンドゥスに中指を突き立てていたが。 「チッ……相変わらず胸糞ワリー野郎だぜ。なあ?」 「……そうですね」 「なんだ、ビビッたのか?」 「まさか。あんな俗物だとは思わなかったから驚いただけです」 正直に言えば、存在のレベルが違いすぎると思った。でも、ここまできた以上退くわけにはいかないのだ。震える心を鉄の意志で押さえつけ、なのはは虚空を睨んで言い放った。 「だってそうでしょう? グリフォンにしろファントムにしろ、自分、魔帝のために命を賭けて戦ったんですよ。それをあんな風に言うなんて、正気の沙汰とは思えない。そんなヤツ、私は絶対認めない。許さない」 言葉には表さなかったが、互いを認めて死闘を繰り広げた相手をああまで言われてはいい気はしない。レイジングハートを握り締める手にも自然と力が篭る。 「だったら、どうする?」 「決まってます。私たちを侮ったこと、後悔させてやる」 「いい返事だ」 二人は凶悪な笑みをかわす。確かに相手は桁違いの存在かも知れないが、こっちは二人だ。負ける要素などない。 「行こうか」 「ええ」 傷を治し終わった二人はコロシアム中央に出現したワープゾーンへ向かう。 戦いもいよいよ大詰め、最後のボスを今ここで確認できたことは僥倖だった。これから先、あれ以上の敵が出てくることはないだろう。ならばこの二人が歩みを強制的に止められることなどあり得ない。 そして二人は次の場所へと進む。 「ハハ、どうやらホントにもうすぐ終わりみたいだぜ」 「そうなんですか?」 「ああ。ここはテメンニグルの最上階へ続く回廊、これを登っていけばそこは終着点さ」 ワープゾーンに飛び込んだ二人がたどり着いた先は随分と急な角度がついた坂道の開始地点。円を描くように塔の周りを走る、その最後の道だった。 「この上に魔帝が……」 ついさっき圧倒的な存在を見せ付けた仇敵がすぐそこに、自然と手に力が篭っていたことに気付き、なのはは驚きそして自然と肩の力が抜ける。 「そんじゃ、行こうか」 「そうですね」 そしてゆっくりと坂を登る。と、なのははその途中に黒く染まったカーテンのようなものを見つけた。 「ダンテさん、あれ何ですか?」 「あ?」 「あの黒いの」 「……目が疲れてるのか? 何もないぜ」 「え、嘘」 むー、と目を凝らしてみるが、間違いなく黒い何かが坂を塞いでいる。だが、ダンテはそんなもの見えていないと言う。傷は癒したし、それでも目に異常があるのだとすれば早めに何とかしないと後々大変なことになりそうだ。 「どうした?」 「あ、あれ?」 だが、ダンテがそんななのはの心中に気付くわけも無い。唸るなのはを置いて歩いていってしまう。 そしてなのはがふっと気がつくとダンテがその黒い何かの中に消えていた。姿は見えないが、声は普通に聞こえることからどうやら特に何も無さそうで。 「大丈夫なんですか?」 「だから何が」 「……なんでもないです、今行きます」 気のせいだろうと考え、なのはもまたその中へ足を一歩踏み入れて。 「なのは?」 ダンテが後ろを振り返ると、なのはの姿がどこにもなかった。 「……ヘイヘイ、冗談キツイぜ?」 慌てて周囲を探ってみるが、今まで隣にあった気配が蜃気楼のように消え失せている。 「……あ、そーいやそーだっけ」 そしてダンテは思い出した。以前ここに来たとき、ここを護る己の影と戦ったことを。なのはもまたその試練を受けているのだろう。完全に忘却の彼方だった。 「やれやれ、待たなきゃならんのか」 ダンテは最後の階段、その一段目に腰掛けてなのはの帰還を待つことにした。 上まで行ったらおそらく今も己に殺気を叩きつけてくる相手を目の前にすることになる、そしたら我慢なんか出来るはずないという確信があったから。 ダンテはぼんやりと空を眺め、そして束の間降って沸いた休息の時間を満喫することにした。 「……ダンテさんの嘘つき、やっぱり何かあるんじゃないですか」 黒い何かに足を踏み入れた瞬間、襲ってきたのは軽い眩暈。そして目を開いてみると、今までとは何の脈絡もない場所に一人で立っていた。 周囲にダンテの気配がないことからも、分断させられたと判断し、軽率だったと悔いる。 「とりあえず出口は……」 周囲を見渡してみるが、暗くてよく見えない。だが、ぼんやりと見渡せる部屋の中には出口らしきものはどこにもなかった。 「……封印も特に無さそうだし、どういうことだろう」 唸っていても状況は好転しそうにもない。なのはは渋々周囲を探ろうとして、部屋の中心に何かが蠢いたのを確認する。 「なんだ、やっぱり……って、嘘」 酷く薄くではあるが、この部屋には光が射していた。そこから伸びるなのはの影が独りでに動き出し、立ち上がったのだから目を疑うのも当然だろう。 「……何これ」 動き出した影ははっきりとした姿を象る。なのはが目にした姿はよりにもよって――― 「……私?」 何もかもが暗黒に染まっているからはっきりと断言は出来ないが、頭の形から持つ杖まで何から何までそっくりだ。唯一違うところがあるとすれば表情と呼べるかも怪しい表情だけ。 「……私、そんな風に笑わないんだけど」 目と口だけがはっきりと分かる。獲物を見つけた動物、いや、いたぶって遊ぶ相手を見つけた悪魔。そんな笑顔だ。その表情になのはは青筋を浮かべ、おもむろに魔法をぶっ放した。 「ディバインシューター!!」 不意打ち気味に放たれた輝く魔弾は避ける間もなく影に直撃し、 「ちょっと!?」 何事もなかったかのように通り抜け、壁を叩いて霧散する。その間に影は肉薄し、振りかざしたレイジングハートで殴りかかってきていた。 「このっ!」 咄嗟に差し出したレイジングハートはやはり相手のレイジングハートを素通りし、そして影のレイジングハートがなのはの体を直撃。 なぜか刃のような鋭さで、バリアジャケットごと浅くではあるが袈裟懸けに切り裂かれる。 「!!」 返す刃で胴を薙ごうと動く影、受け切れないと判断してなのはは見てくれも気にせず大きく転がって距離を取る。斬られ、血を流す肩に手を添えながらなのはは呟いた。 「……何これ」 「Sorry, I ve no data」 なのはの持つレイジングハートもまた、この異常事態に何のデータも持っていないようだ。 「……大丈夫」 だが、ここは魔界。常軌を逸していて当然なのだ。何が起こっているのかはわからないが、この短期間でわかった確かなことが一つだけある。 「こっちの攻撃は当たらないのに、向こうの攻撃は当たるってこと。だとすれば、必ず何か解決策があるはず」 突きつけられたのは最悪の現実。だが、まだあらゆる手段を尽くしたわけではない。それまでは、折れるわけにはいかない。 影のなのはは追撃をかけるでもなく、笑みを深くして挑発してきている。あんな笑い方をする相手に負けるのは自身の矜持が許さない。 「ベオウルフ、装着」 相手が影なのだとすれば、ダンテが光の属性を持つと言っていたベオウルフならば通じるのではないか。そう考えたなのははベオウルフを装着し、逆に影に向かって挑発をかます。 「この程度で勝った気になるのは早いんじゃない? 私はまだピンピンしてるよ、ノロマ野郎」 嘲笑と投げられた侮蔑の言葉に、影は再度なのはに向かって突っ込んでくる。 「ハッ、単純」 そのまま全く同じように袈裟懸けにレイジングハートを振りかぶり、叩きつける。だが、同じ攻撃を何度も食らうほど愚かではない。 振り下ろされる瞬間杖の軌道の内側に潜ったなのはは渾身の力を込めて影に拳を打ち込む。 「!? Shit!」 しかし、それも虚しく腕が影を突き抜けるだけで、ダメージが通った感触はない。それを見た影がお返しとばかりに嘲笑を浮かべ、そしてバランスを崩したなのはに向かってレイジングハートを突き出す。 「くっ!」 すんでのところで体を捻り、刺突を避ける。掠めた一撃がオートプロテクトを突き破って脇腹に傷を残していく。 「……どうしよう」 大きく転がり、さらに後ろに跳ね飛んで影と距離を取る。ベオウルフでも通じない、だとすれば、残る手は――― 「全力で、ぶっ飛ばす!!」 相変わらず影は対等な相手として見ていないのか、嫌な笑みを浮かべたまま悠長に手招きしている。単純にムカつくが、それにキレて突っ込むほどバカではない。突っ込むのは自分ではなく、魔法だ。 「Lyrical Magical Stylish!!」 収束する魔力。魔帝の腹心であるグリフォンすら射抜いた一撃に、耐えられるものなら耐えてみろ! 「ディバインバスター!!」 解き放たれた凶悪な一撃は歓喜の咆哮を上げ、自身を象る影に突き進む。だが、闇を滅する聖なる一撃を目にしてなおその余裕の笑みは全く崩れずに。 「……ヘイへーイ、冗談キツイよ?」 何事もなかったかのようにスルー。だが、なのは全力の一撃は影を透過した後、背後にあった壁を粉砕する。 「!」 そこから差し込むのは紛れもない光。範囲は狭いものの、射しこむ部分からは暗闇が消え失せている。 「……実験してみるしか、ないよね」 なのはの頭が凄まじい勢いで回転し、今起きた現象から一つの仮定を導き出す。そして、影を払うのはいつだって光だ、試してみる価値は十分にある。 「SYAAAAA!!」 「……上等」 そんな周囲の状況が見えていないのか、いよいよ止めをとばかりに咆哮を上げて突進してくる影。なのはは壁に背を預け、右手のベオウルフを確認。 背後を痛いほど意識しながら、視線は少しもそらさず、そのギリギリの瞬間を待つ。 「……今!!」 なのはを射程に捉えた影がレイジングハートを振りかぶる。反撃を全く予想していない一撃を目にし、なのはは右手を振り上げて――― 「砕けろぉ!!」 叩き付けた。影にではなく、なのはの背後の壁、そこにおさまる宝玉のような一点に。 「GYAAAAAA!!」 まるでガラスのように甲高い音を立てて壁が砕け散り、そこには反対と同じように光が差す。そして振り返ったなのはは見た、降り注ぐ光を浴び、悶絶する自身の影を。 「貰ったぁ!!」 回転の勢いを乗せた右ストレートが炸裂する。そこにあったのは、確かに何かを殴った感触。そして、同時に影の上げた叫びがダメージが通ったことを如実に表している。 「いける!」 だが、続いて繰り出した左の一撃は影が飛び退ったことで空を切る。それでも、なのはは自身の勝ちを確信した笑みを浮かべ、次の瞬間その笑みが驚愕に崩される。 「GAAAAAAA!!」 放たれたのは、真っ黒に染まったディバインバスター。フラッシュムーブで辛くもかわし、そしてディバインバスターが直撃した壁が直っていることに驚く。 「……危ない危ない。へぇ、そんな真似も出来るんだね」 それでも、自分の勝ちは揺るぎそうにもなかった。 なのははフィンを駆り、ドームの中央、天井の真下へと飛ぶ。 「でも残念。余裕なんか見せてないでとっとと倒せばよかったのにね」 周囲に舞う光弾は五つ。その真意を悟った影が慌てて次のディバインバスターを放とうとするが、時既に遅し。 「Fire!!」 全方位に一斉に放たれた光弾はその全てが完全なコントロールを見せ、残っている壁の宝玉を全て同時に破壊した。 「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」 空間全てが一斉に光に満たされ、逃げ場を失った影が絶叫を上げる。それを上から見ていたなのはが満面の笑みとともに、自身を象った愚かな影に引導を渡した。 「バイバイ、中々楽しい見世物だったよ」 全てを焼き尽くす聖なる光は、今度こそ一撃の下になのはの影を光の彼方へ消し去った。 「Too easy. ま、笑い方がなってないよね。こうだよ、こう!」 ふわりと着地したなのはは、すでに消滅した影に向かって、ダンテから学んだ不敵で悪魔じみた笑顔を見せ付けるのだった。 「やれやれ……よかった、影がなくならなくて」 影がないのは生き返った死人だけで十分だ。実体がなくなると同時にちゃんと自分の足元に帰ってきた影を見て安堵の呟きを漏らす。 「さて、これで……って、また?」 その影が再度動いたかと思うと、再びなのはの姿を象った。 「……パワーアップしてるのかな?」 先ほどと違う点と言えば、真っ黒だった実体がきちんとした姿になっているという点だろうか。まるで鏡を見ているかのような気分でなのはは一歩踏み出す。 「……でもおかしいな、殺気がない」 影なのはは明確な殺気を持っていた。だが、今度はどうだ、なのはの動きに応じて一歩前に出てきたものの、戦いをおっぱじめようという空気にはなっていない。 「…………」 ひらひら、と手を振ってみる。すると相手も手を振る。中指を立ててみる、すると相手も立てる。 「……ムカッ」 自分と全く同じ姿をしたものに中指を立てられ、あっさりキレたなのははベオウルフでぶん殴ってやろうと右手を突き出して、相手の突き出したベオウルフ付きの左手と衝突する。 「……なにこ、え?」 なにこれ、と言おうとしたところで、二人目の影なのははドロドロと溶けていき、そしてまたなのはの影に収まった。 理解を超えた現象に考えることを諦めたなのははレイジングハートに聞く。 「……レイジングハート?」 「No problem, master. You get the new ability, mode Doppel ganger. Is a detailed explanation…… (問題ありません。新たな力、モード・ドッペルゲンガーを得ました。詳しい説明が……)」 「いやそうじゃなくて、何でもっと早く説明してくれないの?」 「……I thought that that was funny.(そのほうが面白いと思いました)」 「…………」 ダンテのせいか、魔界のせいか、随分とおかしくなった愛杖にこめかみをヒクつかせながら、それでも怒りの声をグッと飲み込んで溜息一つ。それで強引にここでの会話を終わらせた。 それと同時に、部屋の中央にコロシアムの時と同じようなワープゾーンが出現する。 「……行くよ」 「All right」 無機質な返事が少し笑いながら言ってるように聞こえたのはきっと気のせいだ。なのははレイジングハートを一振りして黙らせると、ワープゾーンへと足を踏み入れた。 突如その場に出現したなのはに驚いた風もなく、ダンテは銃の整備を終わらせて声をかけた。 「よお、意外と遅かったな。どうだった、自分は?」 「……分かってたならなんで」 「いや、忘れてたんだ」 「…………」 「だから、その可哀想な人を見る目はやめろっての」 じとーっ、と半眼で睨んでくるなのははどうしても苦手だ。ダンテは手を振り立ち上がって、影にやられたなのはの姿を見てヒョゥ、と口笛を吹く。 「ところでなのは―――」 「?」 「―――中々どうして、いい感じの格好じゃないか?」 「…………」 「あぶねぇな」 「えっち、すけべ、へんたい」 「子供か」 「子供です」 完全に自分と同じ姿をした影なのはが戻った際に傷は癒えた。だが、裂かれたバリアジャケットまでは戻らなかった。 一人だったし、理解を超えた現象が起こっていたことからもなのはは完全にそのことを失念していたのだ。 ちなみに、ダンテの「あぶねぇな」の台詞は、なのはが無言で振るったレイジングハートを避けてのものだ。 「あっち向いててください。見たら殺しますよ」 「わーってんよ。ったく、おっかねえな」 「全く……」 ぶつぶつ言いながらバリアジャケットを修復しようとするなのはの気配を感じながら、ダンテはニヤリと笑ってアイボリーを腰から引っぱり出した。 整備を終えたばかりで鏡のように磨きぬかれた銃身には、笑みを浮かべているダンテがはっきりと映っている。 「~~♪」 何となく口笛を吹いて誤魔化しつつ、ダンテはアイボリーの角度を調節。決して疚しい気持ちがあるわけではなく、禁止されたものは見たくなるという性だからだ。 というか、疚しい気持ちが本当にあったのならただの犯罪者だ。 ダンテはなのはの僅かだが露になった素肌を見ようとして、なのはが破れた箇所を隠しつつレイジングハートを突き出している姿を捉えた。 ―――ダンテに向かって。 「Blast」 「いってぇぇぇぇぇ!!!」 放たれた光弾がアイボリーに反射してダンテの顔を焼く。完全に不意打ちだったことも手伝ってか、あまりの痛さにのた打ち回る。 「天罰です」 「Jesus……」 ダンテが何とか光を取り戻して立ち上がったときには、バリアジャケットは完全な姿を取り戻していた。 「ダンテさん、最低ですね」 「…………」 返す言葉もなかった。 「……ところでレイジングハート、何で破れてるって教えてくれなかったの?」 コロス笑みを浮かべてなのはがレイジングハートに問う。後にダンテが語るには、レイジングハートが冷や汗掻いてたと言っていた。本当かどうかは定かではない。 「……I thought that that was funny.(そのほうが面白いと思いました)」 無機質な声が震えているように聞こえたのはきっとダンテの錯覚だろう。だが、はっきりと青筋を浮かべて階段の段差に杖を叩きつけるなのはは本気で怖かった。 ダンテは割と本気で殺されなかったことに感謝した。 「次ふざけたことしたら、壊すよ」 「……All right」 「……お前も大変だな」 「……Even too much.(それほどでも)」 「ダンテさん? レイジングハート?」 「まじごめんなさい」 「Sorry, master」 この瞬間、二人の上下関係が決められたと言っても過言ではないかも知れない。 「全く……さっさと行きますよ!」 「仰せのままに」 ぷんぷんと怒気も露に階段を登るなのはに、自業自得だが妙に疲れた表情のダンテが続く。だが、そんな二人の間の砕けた空気は短い階段を登りきった直後、あっという間に霧散した。 「え……」 「……悪いな、待たせちまったか?」 「気にするな」 なのはが見たのは、紛れもなく人間だった。そして、ダンテにとっては、認めたくなかったけれどここに飛ばされた瞬間から分かっていた相手である。 「よぉ、バージル」 「……久しいな、ダンテ」 「え、ダンテさん?」 「悪いな、ちょっと下がっててくれ」 事態についていけないなのはを置いてダンテが前に出る。なのはは、互いの名前を呼び合う二人に何かを感じたが、それでも声を上げずにはいられなかった。 「ちょっとダンテさん!?」 「悪い。アイツは、アイツだけは、俺が止めなきゃならないんだ」 ダンテの言葉に秘められた強い決意を感じ取り、さすがになのはは何も言えなくなってしまう。 それでも、今までずっと一緒に戦ってきた相棒として、ダンテのスタンドプレーは認められないという思いがなのはの口をつく。が、それは言葉になる前にダンテに遮られてしまった。 「……ダンテさん」 「アイツはな、俺の、双子の兄なんだ」 「!! だったら!」 「だからこそ、さ。兄だからこそ、俺が止めなきゃならねえんだ。わがまま言って悪いと思うが、ここは飲んでくれや」 「……分かり、ました」 今まで自分も散々わがままを通してきた。だからなのか、なのはは意外とあっさりダンテの言葉を受け入れることが出来た。 なのはが頼みを聞いてくれたことに安堵したダンテは、邪魔にならないよう隅に向かうなのはの背に声を掛ける。 「コイツを、預かっておいてくれ」 「……分かりました。言っておきますけど、負けたら私がもう一回殺しますからね」 「ハッ、わかってんよ、相棒」 「よろしい」 フォースエッジを預かったなのはは最後にすっかりお馴染みになったダンテ譲りの不敵な笑顔を見せ、そして柱にもたれかかった。これで、二人の間には何もなくなる。 ダンテは無造作にコートのポケットからアミュレットを取り出し、バージルに向かって放り投げた。 「アンタの形見に貰っといたんだがな。どんな手品か知らないが、生き返ったなら返さないとな」 「……そうか」 「全く、物持ちのいい弟に感謝しろよ?」 「そうだな、お前がこれを持っていないことだけが心配だった」 バージルは自身に託されたアミュレットを握り締め、一瞬目を閉じる。そして何事もなかったかのようにポケットに仕舞った。ダンテは気にした風もなく、バージルに向かってさらに言葉を続ける。 「しっかし、何でまたまんまで出てくるかね」 「そんなことは知らんな。魔帝は以前は俺の自我を消した、今回は復元した。それだけだ」 ゆっくりとバージルが一歩踏み出す。それと同時に、抑え切れない殺気が周囲一帯を色濃く包む。 「だが、どんな理由であれ、どんな形であれ、蘇ったのならすることは一つ」 間合い一歩手前で立ち止まったバージル。ダンテもまた、応じるかのように歩みを止める。 相対する二人の魔剣士。その姿は酷く似通っていて、そして決定的に違っていた。 「やれやれ、兄弟感動の再会だってのにな。いつまで経っても進歩がねえのはどーいうことかね」 ダンテはリベリオンを担いだまま、少しだけ悲しそうな顔をして。 「それでも、俺はアンタを止める。何度だってな」 次の瞬間には、その目に揺ぎ無い意志を宿して眼前のバージルを睨みつける。 「俺たちがオヤジの息子なら、受け継ぐべきは力なんかじゃない」 「―――誇り高い、魂。か?」 その言葉を受けたバージルが口を開く。その内容にダンテは少しだけ驚きの色を顔に混ぜ、それでもなお考えを変えぬバージルを怒りに任せて詰問する。 「何だよ、わかってんじゃねぇか。だったら、どうして今なおオヤジの力に固執する!」 「前にも言ったが、その魂が叫ぶからだ。”I need more power”とな」 「……はぁ、バカは死んでも治らないって言うが、ホントみたいだな」 そして理解した。どう言ったところで、兄弟が分かり合うことなどできないのだということを。 遥か昔に道を違えて、そしてもうその道は交差こそすれ混じり合うことなどないのだということを。 「―――終りにしよう、バージル」 ダンテがリベリオンを手に持ち、いつでも飛び込める体勢を作り、 「―――今回は、負けん。今度こそお前を殺し、スパーダの力を物にする。真の悪魔の力、思い知るがいい」 バージルが鞘に収めた閻魔刀の柄にそっと手を添え、居合いの構えを見せた。 「バージルゥ!!」 「ダンテェェェ!!」 前へ 目次へ 次へ
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均衡は一瞬にして打ち破られた。 クーパーの放ったミナデインはヴァジュラとギガデインの光を飲み込み、 ジゴスパークの光を掻き消してデスピサロを飲み込んだ。 凄まじい轟音と衝撃が巻き起こる。 大抵のモンスターなら存在そのものを消し飛ばす程の力だ。 そんなものを受ければデスピサロとてタダでは済むまい。 しかし同時に、これでもまだ死にはしないという確信もあった。 何とか助けたいと思っているのに、殺す気でないといけない。 それは矛盾だ。殺す気でかかって、ようやく足止めができるという状況は。 光が薄れていく。 その向こうに、やはりデスピサロの姿があった。 さすがに無傷とは行かないのか、纏っている衣服はボロボロだ。 乱れた銀色の髪を整えようともせず、顔を伏せて立ち尽くしている。 しかし、戦闘不能になったわけではないだろう。 一時的に動きを止めただけ。無尽蔵に湧き上がる魔力が満ちれば、再び動き出す。 だから。今がチャンスなのだと、サマンサは思った。 傷の様子は思わしくない。力を込めるだけで激しく痛む。 辛いが……即死の一歩手前だったのだ、この短時間でこの状況ならば御の字だ。 不安そうに見つめてくるエアリスとエーコに、サマンサは顔面を引きつらせて笑みを浮かべる。 「コレで十分です。ありがとう」 「あの……!」 死なないで、と皆に訴えたエアリスが何かを言おうとする。 しかしそれは聞けない。彼女のいうことは理想でしかなく、現実は覆せない。 サマンサはデスピサロを見据えた。一歩一歩足を踏み出す。 ――――答えは出た。 だから、「死ぬな」という言葉には従えない―――― そのころ、前衛では。 動きを止めたデスピサロを戦士たちが囲んでいる。 結局、時間を稼ぐということは後手に回らざるをえないということだ。 デスピサロが何をしても対応できるよう、準備している。 ただ一人、アルスだけは必殺の機会を狙っていた。 一見無防備に見えるデスピサロだったが、いざ攻めようとなると隙がない。 必要なのは一撃必殺。その機会を探して、様子を窺っている。 「え……?」 最初に気付いたのは、バーバラだった。 デスピサロは俯いたままで一体何をしているのか。 彼を取り巻く魔法力の流れをバーバラはよく知っている。 そんな筈はないと一度は否定した。あれは、自分にしか使えないものだ。 けれど、彼の口の動きが馴染みのあるフレーズを想像させる。 それは正しく、発動されてしまう……! バーバラは思わず悲鳴を上げた。 周囲のものがそんな彼女に目を向ける。 ダメだ、今から唱えても間に合わない。 大体、あんな巨大な魔力に、自分の『アレ』が対抗できるわけがない……! 「バーバラ、どうしたんだ?」 問い掛けてくるバッツに、バーバラは反射的に答える。 「みんな、逃げて!」 『え?』 突然の言葉に、一瞬呆然とする一堂。 その僅かの時間も命取りだ、バーバラは泣きそうになりながら叫んだ。 「『マダンテ』が発動しちゃう!」 ←PREV INDEX NEXT→ ←PREV 全員 NEXT→
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トマススタッフォードノースコート(トマス・スタッフォード・ノースコート) 連合王国貴族のイデスリー伯爵の系譜に登場する人物。 セント・サイルス子爵。 関連: ジョンスタッフォードノースコート (ジョン・スタッフォード・ノースコート、父)
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ゼルダンテス 種族 ??? 性別 男 年齢 ??? 身長 220cm 体重 89kg クラス 冥将 属性 無 戦闘スタイル 剣術(我流) イメージCV 梁田清之 装備 剣【斬竜刀『レヴァンテイン』】、剣【斬竜刀『ゼルデイン』】 「そんなモノか・・・・出直してくるがいい。」 設定 冥府の猛将。冥竜ガダンブロムの最大のライバル。 冷徹で、常にガダンブロムとの戦いを求める苛烈な性格の持ち主。 嘲笑と怒り以外の感情らしい感情を表すことはなく、不躾で威圧的な態度と口調が特徴的。 自身の目的、手段の邪魔となるならば女子供老人でも躊躇も容赦もしない冷酷さを持つ。 世界最高位の竜殺しの刀剣、斬竜刀『レヴァンテイン』の唯一の所持者。