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私とつかさの18回目の誕生日を明日に控えた、今は金曜日の朝。 「お、お姉ちゃん。こなちゃん待ってなくて良いの?」 「うん」 「でも、今日は来ると思うから・・・って、待ってよお姉ちゃん」 昨日とは正反対に少しでも早く学校に行こうとする私。 別にこなたが嫌いになった訳では無いわよ。原因は昨日の深夜か、今日の早朝に見た夢。 思い出しただけで体が震えてしまうほどの恐い夢。 その夢には、こなたも出てきた。 変な感じ。辺りが真っ暗で自分の場所だけ明かりが照らされてる。 例えばスポットライトみたいに・・・そっか。これは夢ね。なら納得だわ。 でも、何でこんな夢を見ているのかしら・・・なんて考えても仕方ないわね、夢だもの。 『かがみ』 不意にこなたの声が聞こえたと思った次の瞬間。今まで真っ暗だった目の前に光が差し込み、そこに無表情のこなたが居た。 夢の中ぐらい愛想良くしなさいよ。 『もう、かがみに迷惑かけない』 何言ってるのよ。 『もう、かがみを怒らせない』 だから、何言ってるのよ。 『もう、かがみの事を考えない』 それ、どういう意味よ。 私の疑問なんて無視して、無表情のこなたは言葉を繋げてくる。 『だって、私とかがみは他人だから。他人なら、お互いに喧嘩することもない』 ちょっと待ってよ。 『だから、私に話しかけないで』 納得出来るわけ無いじゃない。 『それだけ』 それだけって・・・ 目の前のこなたは表情を崩すことなく、私に背中を向けて遠ざかって行く。 待ちなさいよ、こなた! こなたの前に立ち塞がった瞬間、心の奥から湧いてきた恐怖心。 覚えているのはそこまで。 あの恐怖心が何だったのか、そもそも恐怖だったのかさえ分からない。 分からないけど、こなたの事を考えると、あの夢を思い出してしまい恐怖で自分を見失いそうになる。 こんな状態で、こなたに会う事なんて出来ないわよ。 「私、何やってるのかしら」 こなたに会わないようにする為、休み時間毎に校庭へ足を運んでいる自分に自嘲してみたが、現状が変わるわけでもないわよね。 「次の授業が終われば、帰りのHR。あと少し・・・」 こなたから離れたい。 自分でも信じられないけど、そんな事ばかり考えていた。 どうして、あんな夢を見ちゃったのよ。 ふと気付けば、エアコンが治った自分の部屋のベッドに寝転がっていた。 「あれ?どうやって帰ってきたんだっけ・・・というか今日の授業、受けた?」 やばい、重症だわ。 空が茜色に変わり始めた頃、自己嫌悪に陥っていると机の上に置いていた携帯がバイブレーション機能をフルに発揮し始めた。 「電話?」 ディスプレイを見ると峰岸からだが、今は人と話す気分じゃない。 だけど無視する訳にもいかないわよね。 「もしもし?」 『あ、柊ちゃん?今どこにいるの?』 「自分の部屋だけど。どうかしたの?」 『えっと・・・今から会えないかなと思って』 何の用だろ? 「別に良いわよ」 『よかった。それじゃ一旦、電話切るね』 電話が切れたと同時に玄関のチャイムが鳴ったけど・・・まさかね。 「急にごめんね、柊ちゃん」 その『まさか』だった。 携帯を机の上に置いたのと同時に、ノックも無しに部屋のドアが開き、廊下には峰岸と日下部が居た。 「どこから電話したのよ」 「玄関の前から」 笑顔を崩さずに部屋に入ってくる峰岸を見ていると、深く考えたら駄目な気がしてきたわ。 「どうしたのよ、日下部?」 いつもボーイッシュで元気だけが取り柄の日下部が、俯き加減で元気がない。 お腹が痛いのかな? 「なあ、柊。ちびっ子と喧嘩したんだって?」 第一声がそれですか。 「うん、まあ。でも、どうして知ってるのよ」 「放課後。妹ちゃんが教室に来て、泉ちゃんと柊ちゃんの事を話してくれたの」 日下部に代わって、峰岸が説明してきた。 「それで、喧嘩の原因って・・・」 笑顔だった峰岸が、日下部に負けず劣らずの俯き加減になってしまったのを見て、何を話そうとしているのか理解できた。 「あやの・・・私が言うよ」 峰岸が俯いたのとは逆に、日下部が顔を挙げて真っ直ぐな視線を私に向けてくる。 何だろう、この胸騒ぎは。 「私・・・柊の事が好き」 な・・・なんですとー! いや、ちょっと待て。それはつまり、そういう事なの? って言うか、喧嘩の話はどうしたのよ。 傍から見たら、相当間抜けな顔をしているに違いない私を直視する日下部。そんなに見られても困るんだけど。 「えっと・・・いつから?」 何聞いてるのよ、もっと他に聞くべき事はあるでしょ。 「2年位前だと思う。柊が楽しそうにちびっ子と話しているのを見ていたら、心の中に霧みたいのが広がって。 その正体が何なのか考えたら直ぐに気づいたよ」 2年前って、こなたと知り合った時だ。 確かに、その時から日下部達よりこなた達と過ごす時間が多くなったような気がする。 「柊とちびっ子が喧嘩して、私達と話す時間が増えて嬉しいとか思ったり。最悪だよ私」 そんな事、無いわよ。 「でも、喧嘩して落ち込んでる柊を見るのが辛くて。柊には笑顔で居て欲しくて・・・」 少しずつ涙目になってくる日下部の手に、峰岸の両手が優しく包むように触れている。 「だから!ちびっ子と仲直りして、いつもの柊に戻ってよ!」 私だって戻りたいわよ。でも 「こなたが許してくれるかな」 私の呟きを聞いた峰岸が、軽く微笑んだ。 「大丈夫だよ。泉ちゃんはいつも、柊ちゃんの事を考えているから」 こなたが? 「火曜日の放課後。覚えてる?」 それって、ゲマズに行こうって約束した日だ。 「柊ちゃんが教室を出て行った後、泉ちゃんが来てね。40分くらい一緒に待ってたんだよ」 「え・・・でも、こなたは約束を忘れたみたいな感じだったけど」 「気を使ったじゃないかな。泉ちゃんの事だから」 そんな・・・ 「柊ちゃんが鞄を持って出て行ったから、もう戻ってこないかと思って。それで泉ちゃんと帰る事になったんだけど。泉ちゃんから何か聞いてる?」 「何も聞いてないし、話してくれなかったわ」 『そっか』と、峰岸が呟いた気がした。 「泉ちゃんと一緒に、柊ちゃんの誕生日プレゼントを買いに行ったんだよ」 「こなたが・・・私のプレゼントを?」 「うん。泉ちゃんがね 『高校生活最後の誕生日だから、かがみが喜んでくれそうなのを選びたいんだけど。私はイマイチ分らないから一緒に選んで』って言って。 それと『かがみには内緒にして』と言われてて。今まで黙っててごめんね」 話を聞き終えた私の脳裏に走馬灯の如く、こなたの色んな表情が浮かんでくる。 笑っているこなた。真剣なこなた。惚けたこなた。悩んだこなた。そして最後には悲しんでいるこなた。悲しませたのは・・・私。 「こなた・・・グス・・・こなたぁ」 涙を零しながら、私は強く想った。 『こなたに会いたい』と。 会って、何がしたいのか分らない。 謝って許して貰いたい?他愛もない世間話をしたい? どれも違う気がする。今はただ、こなたに会いたいだけ。 「柊ちゃん、行ってあげて。泉ちゃんが待ってるから」 「待ってる?」 「うん。泉ちゃんと柊ちゃんが最初に出会った場所で待ってるから」 財布と携帯電話を持って、自分の部屋を出ようとした時に大切な事を思い出した。 「日下部・・・ごめん!私、日下部の気持ちには答えられない」 日下部への返事を忘れていた。そして 「ありがとう」 それだけ言って、私は走った。茜色から群青色に変わり始めている空の下、こなたと最初に出会った場所へ向かうために。 コメントフォーム 名前 コメント
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192cm 87kg 強さをスタークに褒められる。
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ここは2chにある作品別仮面ライダー・怪人強さ議論スレのまとめWikiです。 ランキングはここ独自のものです。あまり余所に持っていくのはやめましょう。 荒らしお断り。 作品別仮面ライダー・怪人強さ議論スレ http //toro.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1384875356/
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記入中-
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2年 SF 173cm 80kg 愛称「アキレス」。 中学時はバスケ部でぶっちぎりのエースとなり、脚力の強さが帝国スカウトの目に止まる。 帝国に入学し、彼女が出来ない事に喚きながらも僅か1ヶ月で一軍へ昇格、プレーも決して気を抜いていない。 1軍内ではヘラクレスに並ぶムードメーカー。
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ふらふらと、こめかみを押さえながら『俺』は廊下を歩き、適当な一室に転がり込む。 俺―――福沢正也は、壁に凭れかかって荒い息を整える。 自分のやった行為に、絶対に許されない行為に嫌悪しながら、俺は自嘲的に笑った。 妹を尊重し、いつだって世界の中心として考える筈の俺が、随分とらしくないことをしたもんだ。 偽りの妹だろうが何だろうが、それが妹であるなら俺の保護対象だ。 そんな自分のルールを破っちまった。何より―――霊歌を、傷付けちまった。 かなり辛かっただろう。偽物とはいえ、あいつの大好きな兄にメチャクチャに糾弾されて、おまけにあいつの記憶の中にあっただろう思い出までぶっ壊されたんだから。 我ながら、最低だと思う。 それが『あいつのため』だとしても、たとえ虚言だったとしても、俺はあいつを傷付けた。 守谷の言うことは正しい。 それだけ霊歌のことを考えてくれているってこと―――。 (良かったな……霊歌。友達が出来て―――) 友達。守谷と霊歌は何歳か年が離れているだろうし、姉妹でも違和感はないかもしれない。 辻斬りの話を聞いて、それでも親身になって考えてくれる存在が出来たこと、祝福せずにはいられん。 あれを見て確信した。 霊歌は絶対に、辻斬りなんて馬鹿げたものを続けているべきじゃない。 復讐なんてこと考えないで、ああやって誰かと仲良く生きていくべきなんだ。それで、いいんだ。 俺は妹を愛している。 霊歌のことだって、愛してる。 本当に好きなら、たとえ嫌われても愛する人の幸せを願うべきだろ。 そんなことも出来ないやつが、愛を語るべきじゃない――何かのテレビの受け売りだけど。 俺と霊歌の絆は、柄部霊貴と柄部霊歌の絆はあれで完全に断ち切られた筈だ。 今どこにいるかも分からない霊貴には悪いが、やらせて貰ったぞ。 自分勝手に絆をぶっ壊したから、後はお前の領分だ。 俺にやれることはもうない―――後はお前が考えろ。案外この世にいないのかもしれないけどよ。 偽者の兄貴にやれることはここまでだ―――うまく、やったもんだろ? 俺にも妹がいる。 夢叶わず、不幸に愛されすぎた妹――福沢沙耶は、今もきっと、病室のベッドの上にいる。 多分もう二度と、起きることはないだろう。 脳にダメージを負って植物状態になっている人間が目を覚ます可能性なんて、相当低い。 死にたいとずっと思っていた。 このゲームが終わり次第――霊歌が生還したことを確認して自殺しようと考えていた。 でも、俺はもういいんだと思う。 俺があいつにしてやれることはここまでだ。 ―――ここから先は、あいつ自身で乗り越えないといけない問題なんだ。 「さて、じゃあ最後の一仕事だ」 兄として俺が出来ることはもうない。 ―――だけど、やらなきゃならないことはまだ一つ、残っている。 これもあいつのためなのだが、俺はもうあいつの兄貴でも何でもない、ただの他人だ。 縁を断ち切った俺に出来ることなんて、後一つしかない。 ―――俺は死ぬ。 自分が重圧をかけてしまった相手が生きていたら、霊歌だってすっきりしないだろう。 責任の重みを悪戯に増やすつもりは、毛頭なかった。 支給品の小銃、M1ガーランドを握り締め、 自分の胸に押し当てる。 これがどんな銃でいつ作られたものかとか、威力はどんなものなのかは全然知らない。 けどまぁ、この至近距離で撃てば即死出来るのではないか。 銃は詳しくないから、分からんが。 怖くないのかって、そりゃあ怖いね。 死にたい死にたい思ってても、心のどこかじゃあ―――死ぬってことを恐れている。 「妹のために命を捨てられないで、何が兄貴だ」 一切躊躇う気はない。 銃を胸の少し前に構えて、最後に一度、二人の妹――沙耶と霊歌に謝罪して。 ―――――ぱぁん。 そんな下らない音が俺の耳に届くのとほぼ同時に、胸を何か熱いものが貫いた。 銃弾で撃たれるってのはこういうことなのか、思ったより苦しくねえじゃねえか。 痛いというより熱い。血がどくどく流れていく感覚は気持ち悪いが、もうどうにもならない。 「つーか……即死、できてねえじゃん――――」 これを、少しでも長く苦しめという罰と取るか、走馬灯を見る時間をくれた慈悲と取るか。 遠慮なく後者を選ばせてもらうとするかな、俺は。 辛気臭く懺悔しながら死ぬってのは、何となく嫌だ。 「兄、さんっ!!」 「正也くんっ!!」 幻覚じゃ、ねえよな? 今俺に駆け寄ってきてるこの二人は。 柄部霊歌と、守谷彩子。あれだけ傷つけたっていうのに、どうしてそんな顔をするんだ。 「しっかりして、正也くん! 嘘……血が止まらないよ……どうしよう」 「無理だ……よ。間違えて生き延びないように………、撃ったんだから…、な」 間違えて生き延びて、変な偶然が起きないように。 確実に霊歌の重みを減らしてやるために、絶対に俺は生き延びるわけにはいかないからな。 医学の知識があるわけでもない俺だが、胸をぶち抜けば確実に致命傷になるくらい、分かる。 「嫌ですよ、兄さんっ……兄妹じゃなくなってもいいです、ですから、死なないで下さい……!」 「は、ははは。止めろよ、泣くな。俺にそんな権利は、ない」 「演技だったの……? 霊歌ちゃんを、助けるためにそんなことを――?」 「ま、そうなる、な……何てったって俺ぁ……主催者の仲間だからな。 お前を殺させないために内通してたんだ……下手に目をつけられたら、危ないだろ? 俺の名前は参加者名簿にも載らないし、放送でも呼ばれない。 それに、やっぱり―――お前に重みは、背負わせたくないから」 最期に吐いた、大嘘だった。 これが誉められたことじゃないのは確かだが、幻想を守ることも、時には必要だ。 多分、本物の『柄部霊貴』はもうこの世にはいないんだと、思う。 事故死かどうかは分からないが、それが霊歌の抱える復讐心に繋がっているのだとしたら納得できる。 夢を見せた責任くらい、てめーで取るさ。 「この……お人好し。あんだけボロクソ言った相手を、そんな目で……見るな、よ……」 どうして―――そんな、悲しそうな目で俺を見るのか。 俺には、そんな権利なんてないというのに。 「無理、ですよっ……! 家族が、たった一人の家族が――死んじゃうのに」 「く、はは……間違っても、俺を生き返らせようとか、考えるなよ……。 兄貴の言葉は、守るもんだろ―――ははは、今更兄貴面ってのも笑える、けどなぁ」 そう。霊歌には、兄からの『枷』がある。 呪いと言ってもいいだろう。 今後、殺人を犯そうとすれば否応なしに蘇る、絶対の呪い――――。 正当防衛でない限り、柄部霊歌はもう二度と殺人を犯せない。 そこまで出来たなら、福沢正也としちゃあ、上等だ。 「兄から卒業しろ、霊歌。お前はもう大丈夫だ―――支える人がいるんなら、お前はもう大丈夫だよ」 「っ……でも! 兄さんのいない世界なんて……何を希望にして、生きていけば……いいの…?」 「さあ、な。後は自分で考えろ。そろそろ時間みたいだし、な」 ここまで保っただけ、俺は神様に愛されていたのだろう。 視界は霞み始め、そろそろ失血も限界量に達しようとしている。 走馬灯より上等なものを見られたんだ。悔いは―――あるけど。 「正也くん―――大丈夫だよ。霊歌ちゃんは私が『守る』。 戦いだったら霊歌ちゃんには勝てないと思うけど、人生の先輩として、責任を持って見届ける。 だから―――もう、安心していいよ。……ね? 霊歌ちゃん」 「彩子さんに守られることは、ないと思いますけど……そういうことに、しておきます」 涙を流さずに、精一杯の気丈な振る舞いを見せる霊歌と、それを見て微笑む守谷。 こいつらなら、大丈夫だ。 守谷なら、霊歌を支えてくれるだろう。 霊歌なら、守谷を死なせないことくらい造作もないことだろう。 ――――俺は、お役御免だ。 「それじゃ、元気でな。霊歌、守谷」 瞳を閉じれば、広がるのはそれこそ幾度となく見てきた暗闇が広がっている。 どこかの哲学者が、この世で最も深い闇とか言っていたが、それも案外正しいのかもしれない。 死んだ後の人間はどこに行くのだろう。 地獄行きなのか、それとも某漫画で読んだみたいに永遠の無が待っているのか。 望むところだが―――やっぱり、少し寂しくもあるな。 (沙耶、ごめんな。俺はお前の兄貴なのに、こんなに楽に死んじまう。お前を、置いて) 病院のベッドで今なお眠り続けているだろう『本当の妹』に思いを馳せる。 俺が妹萌えに目覚めた原点にして、永遠の頂点。 どんな妹だって分け隔てなく愛する俺には全員が頂点だから意味はないのかもしれないが、それでも福沢沙耶もまた、俺の頂点だ。 (でも、兄さんは最期にやったぞ、沙耶。お前の知らない、もう一人の妹を、助けた) それが自己満足だとしても。 それくらい、誇ってもいいだろう。 (なあ、沙耶。一つだけ聞いていいか) ――――なに? (―――俺は、お前の立派な兄貴でいられたか?) ―――うん。 (はっ……そりゃあ……良いな………俺は、最低の兄貴だと、思ってたんだけど) ―――そんなことないよ。 (ありがとう―――お前も、頑張れよ。 お前が目を開けた時に兄さんはもういないけど、強く生きろよ。 それが―――、お前に贈る最期の呪いだ) 妄想かもしれない。 でも、この声を本物と信じたって、悪くないだろう。 (――――おいおい何だよ。最期の最期に、報われちまったじゃねえか) 【福沢正也@サイキッカーバトルロワイアル 死亡】 ◇ ◇ 一人の青年が没した。 『妹』に全てを懸け、『妹』のために人生を費やし、『妹』のために終焉を迎えた。 紆余曲折あれど、彼の望んだ最期に辿り着くことが出来たのだ。 その瞬間を見届けた二人の少女は、暫く言葉を発せずに亡骸を見つめていた。 言うならばそれは、守谷彩子が柄部霊歌の為に、沈黙していただけなのだが。 出会ってから、長い目で見ればすぐの少女。 しかし彩子は、彼女がどれだけ『兄』という存在を生きる糧にしてきたか知っている。 兄のことを話す霊歌の姿は、本当に楽しそうだったから。 辻斬りの側面を持ち合わせる者とは思えない程に無邪気で、年頃の女の子のようだったから。 だから、愛する人を失った彼女の悲しみを想像することは、決して難くなかったのだ。 そして彼女自身もまた、託された。 彼にとって一番大事な妹を託された。 それを無下に切り捨てることなど、守谷彩子には出来ないし、絶対にしたくないと思う。 元より、この危うい少女を見届る腹積もりだったのだ。 何もすることは変わらない。 友達を守ることに、それこそ『妹』を守ることに理由なんて必要ない。 なら、今出来ることは―――決まっている。言うまでもない。 「霊歌ちゃん」 「あ、あはは。兄さんに言われちゃったから、もう辻斬りは引退ですねっ! これからは普通の女の子として生きていきますか―――あはは」 これを空元気と理解できないほど、彩子は鈍感ではなかった。 兄を失った悲しみは当然、大きいだろう。 唯一の柱を失って、心が崩れかけている。それを、精一杯の矜持で抑えているのだ。 決壊したなら、文字通り堰を切ったように、無様に泣き出す。 そしてそれとは違ってもう一つ、『罪の重圧』が、彼女に重くのし掛かっている。 両手の指では数えきれないだけの人数を殺戮して、復讐を建前に犯してきた罪。 今までは何とか正当化してきたそれが、兄を失ったことで一気に―――押し寄せた。 さながらダムが決壊する如く、猛烈な勢いで。 償う方法なんて分からない。それだけ彼女は、幼いから。 守谷のように、割りきることが出来ない。 「えいっ」 「ひゃっ!?」 ―――なら、それを助けてあげるのは彩子の役目だ。 柄部霊歌の小さくて頼りない身体に両腕を回し、屈んで自分の胸元に押し付ける。 綺麗な銀髪を優しく撫で、小さな温もりを感じつつ、言う。 「こうするのが、私の役目だから。お兄さんに、頼まれちゃったからね」 「なんで、貴女はっ!」 感情の波が大きくなり、遂に我慢出来る範疇を上回ったのか、霊歌は噛みつくように言った。 「わたしは辻斬りなんですよっ、殺人鬼なんです! いっぱい殺して、いろんなものをめちゃくちゃにしてきた! 貴女は、気持ち悪いと思わないんですかぁっ!!」 「ううん。だって霊歌ちゃんは、それが悪いことだったって、わかってるじゃない」 「そんなの……ずるい。理由に、なってないじゃないですか」 「悪いことをして、許されなかったら。人間は生きていけない。 ―――私も、わかる。四人も殺したから、霊歌ちゃんの気持ち、わかってあげられる」 刀に操られたとはいえ、その罪は消えない。 許されない。 それでも、自分でそれを許すことで―――その罪を償うことは、できる。 「もう、いい。霊歌ちゃんは頑張ったよ―――これからは、一緒にいこう」 「だから……なんで………」 「私と霊歌ちゃんはどっちも人殺し。だったら、二人で重さを分け合える」 「ぅ、うぇえ……ひっく、わたし、は……」 抱き締める力を一層強くして、泣き出す少女を、離れないようにする。 福沢正也の願いを、守り続けるために。 守谷彩子は、柄部霊歌を『守る』ことを決めている。 何があったって、曲がらない。 霊歌が拒もうと、絶対に。 ――――しばらくの間、その部屋には少女の押し殺した泣き声が響いていた。 ◆ ◆ 兄さんが死んだ。 自分で胸を撃って、最期までわたしのことを考えて、笑ったまま死んだ。 それを見た瞬間に、自分がやってきたことの愚かしさを―――醜悪さを、知った。 わたしが殺人鬼なんかにならなければ、兄さんはあんな風に死ぬことはなかった。 わたしが辻斬りなんかにならなければ、兄さんみたいに死ぬ人だって出なかった。 そこに復讐という目的があっても、わたしのしたことはどうしようもなく―――醜いこと。 人を斬る感覚ははっきりと覚えている。 もう身に付いてしまっているから、たぶん一生、この感覚を忘れることはないのだと、思う。 ―――ううん。忘れてはいけない。 わたしが犯した罪を、たとえどんな理由があったとしても否定してはいけない。 なかったことにしてはいけない。 償うことの出来ない罪を償う方法はまだ分からないけど、もう、辻斬りを続けることはない。 それが兄さんの最期の願いなんだから―――妹は、兄貴に従うものなんだから。 それに、わたしがあれだけ躍起になっていたというのに、兄さんが死んだのを見た途端、わたしがやってきたことが、とても下らなくてバカらしいことに思えてしまった。 もっと早く気付けばよかったのに、そうすれば、こんな気分になることもなかったかもしれないのに。 後悔だけが、今はこの胸のなかで溢れんばかりに揺れている。 でも、わたしはこれで自分を失った。 自分というキャラクターを――見失ってしまった。 辻斬りを辞めて、わたしがわたしでいられた支えも、なくなった。 沖崎翔は未だに許せないと思うし、出来る限り酷い死に方を遂げてほしいと思っている。 だけど自分の手で殺してやろうというあの激しい気持ちは、大分薄れているようだ。 不思議だ。兄さんが亡くなった瞬間に、わたしが―――ことごとく、消えていった。 思えばそれが、兄さんがわたしにしてくれた最後のことなのだろう。 突き放すような形であっても、精一杯わたしのことを考えてくれている――兄さん、らしいや。 こうして、わたしは……いいや、辻斬りハローは一つの『おしまい』に至った。 でも、バトルロワイアルは終わってなんかない。 兄さんという新たな死者を増やして、今もなお淡々と、或いは劇的に続いている。 この身に宿る異能(サイキック)もどうやら消えてはいないようだ。これを幸いと言っていいのかどうかは複雑だけれど、とりあえずはありがたく受け取っておこうと思う。 まともな刃物を使えば、銃の弾だって落としてやれる。 殺す以外の用途に使うのは初めてだけど、これからは『守る』ことに使っていかなきゃいけない。 大変だとは思う。でも、諦められない。諦めてはいけない。 ゼロからのスタート地点に今わたしは立たされている。 ここからどう転ぶかはわたし次第。 だらしなく無様に逃げ回るか、格好よくバトルロワイアルを打破して見せるか。 ―――そんなの。 どっちが気持ちいいかなんて、分かりきってる。 兄さん以外にも、わたしのことを親身になって考えてくれている人がいるから。 彩子さんを兄さんの代用品にする気なんて毛頭ないし、そんなの兄さんにも、彩子さんにも失礼だ。 兄さんの最後に遺した願いのような呪いを守るために。 わたしを抱き締めてくれた、彩子さんを守るために。 守るための辻斬りハローを、始めよう。 わたしは殺せない。でも、守ることは出来る。 わたしにできることを、していけばいいのだから。 少しずつ、変わっていけばいい。正義のヒーローになれなくても、いいから。 ―――――見ていてください、兄さん。 ―――――霊歌は、あなたを卒業します。 ………ありがとう。 ◇ ◆ 思えば、冷静になって人の死をこんな形で目にするのは、初めてだった。 妖刀に取り憑かれていた時は冷静だったとはとても言えないから、これが初めて。 初めて―――バトルロワイアルと真剣に向き合った瞬間。 福沢正也という、どこまでも妹想いだった青年の死は、私の中に燻っていた何かを吹き飛ばした。 振り払った気になっていただけで、心のどこかではやっぱり、前回犯した罪を引き摺っていたのだ。 四人を斬った罪を捨ててはいけない。なかったことにしてはいけない。 だけど、それをいつまでも引き摺っていたら――前になんて、進めないじゃない。 そんな当たり前に気付けないままだったら、私はいつか、壊れていただろう。 無様に崩壊して、霊歌ちゃんに介錯されているのがオチだ。霊歌ちゃんを救いたいというたった一つの目標も達成できないまま、空しい最期を迎える――そんなのは、イヤだ。 折角二度目の生を与えられたんだから、有意義に、私らしく生きたい。 それなのに、あんな妖刀(バケモノ)の影に怯えているなんて、馬鹿みたいだもん。 気付かせてくれたのは、正也くんの最期。 彼は一言だって弱音を吐かなかった。 愛する妹に嫌われてまで妹の幸せを望んで、最期まで霊歌ちゃんの幻想を殺さないまま逝った。 それが死だとしても、福沢正也は人無結に、バトルロワイアルに勝利したんだと私は思う。 絶望せずに、自分を貫き通して、何一つ恥じることなく役目を全うしたんだから。 安心していいよ。 霊歌ちゃんは―――私が守る。 あなたの気持ちは絶対に―――無駄にしない。 おやすみなさい、後はまかせて、正也くん。 いや、こう呼んであげた方がいいのかな? お兄、ちゃん。 ◆ ◇ 二人の少女は、己が進むべき道を理解した。 辻斬りの少女は守る道を。 妖刀に憑かれた少女もまた、守る道を。 守谷彩子の言う通り、福沢正也という青年は、バトルロワイアルに勝利したのかもしれない。 彼の目的は果たされ、それ以上の結果までも導いたのだから。 柄部霊歌の殺意は、幻想に覆い隠されてこそいれど、本来は兄の無念を晴らすためのものだ。 その兄が無念の死を遂げず、彼の理想通りの死を遂げたのだから、殺意は跡形もなく消える。 もしも正也が最期に自らの素性を明かしてしまっていたら、状況は違った可能性だってある。 優しい幻想が、一人の少女を救い、一人の少女の弱さを吹き飛ばしたのだ。 「………そろそろ行こっか、霊歌ちゃん」 「そうですね。お別れはもう、済みましたし」 まだ泣き腫らした痕を目元に残しているが、霊歌の精神は大分安定している。 彩子としても、自暴自棄になられたりしなくて良かったと思うばかりだった。 彩子は正也のM1ガーランドを、霊歌は彼のディパックから西洋剣・フランベルジェを拝借し、各々の武器とする。 刃物を用いるサイキックを使用するにあたって、フランベルジェは十分すぎる程の一品だった。 このサイズならば銃弾を弾くことも可能だし、彩子を守りながら戦うことだって楽勝だろう。 護身用のM1ガーランドの使い方を霊歌に教わりながら、彩子も覚悟を決める。 いざという時は引き金を引く勇気を、しっかりと出しておく。 霊歌だって完璧ではない。そのミスをフォローすることは彩子の役割なのだ。 霊歌に何かあっては、正也に怒られてしまう。 彩子に抱き締められて乱れた衣服を整えると、霊歌は改めて正也の死体の前に立った。 瞳はしっかりと決意を示し、唇を固く結んで、しばらくしてやっと口を開く。 「……兄さん。行ってきます」 もう他に言葉はない。 振り返ると、差し出されていた彩子の手を取って、歩き出す。 バトルロワイアルの打倒を明確に掲げて、二人の罪人は今度こそ再度のスタートを切った。 「えへへー。なんかこうしてると、私霊歌ちゃんのお姉ちゃんみたいだね」 「………彩子、お姉ちゃん」 「え? 何か言った?」 「…………何でもないですっ!」 彼女たちのバトルロワイアルは今、やっと始まったのである。 【F-1/ラブホテル城2Fの一室/一日目/午前】 【柄部霊歌@サイキッカーバトルロワイアル】 [状態]:健康 [服装]:特筆事項なし [装備]:フランベルジェ [道具]:基本支給品、カレーの材料セット [思考] 基本:バトルロワイアルを破壊する 1:彩子さんを守る [備考] ※登場時期はサイキッカーバトルロワイアル開始後、福沢正也と出会ってから ※守谷彩子への勘違いは解けました ※辻斬り思考が消えました 【守谷彩子@需要なし1st】 [状態]:健康 [服装]:特筆事項無し [装備]:M1ガーランド [道具]:基本支給品、鍋、皮むき器、調味料一式 [思考] 基本:自分らしくお気楽に生きよう 1:霊歌ちゃんを守る 2:なにか罪滅ぼし的なことは出来ないだろうか 3:あのAV衝撃的すぎたわ…… [備考] ※需要なし1st死亡後から登場 ※柄部霊歌への勘違いは解けました ※稲垣葉月とレックスのAVを見てしまいました 【M1ガーランド】 福沢正也に支給。 アメリカ合衆国スプリングフィールド国営造兵廠が開発した半自動小銃。M1ガーランドは、歩兵用の主力小銃として半自動小銃が全面的に採用された初めての例である。 【フランベルジェ】 福沢正也に支給。 刀身の揺らめきが炎のように見えるため、炎を意味するフランス語のフランブワン(flamboyant)にちなんでこの名前がついた。 時系列順で読む Back 二人で行く未来は、穢れのない強さで(前編) Next 神戯-DEBUG PROGRAM- 投下順で読む Back 二人で行く未来は、穢れのない強さで(前編) Next 神戯-DEBUG PROGRAM- 049 二人で行く未来は、穢れのない強さで(前編) 守谷彩子 [[]] 049 二人で行く未来は、穢れのない強さで(前編) 柄部霊歌 [[]] 049 二人で行く未来は、穢れのない強さで(前編) 福沢正也 GAME OVER
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