約 1,746,236 件
https://w.atwiki.jp/famicomall/pages/763.html
前のゲーム | 次のゲーム クリア条件:1周クリア 開始時間:2007/08/07(火) 00 42 43.17 終了時間:2007/08/08(水) 22 00 53.93 ~ストーリー~ 西暦2000年、S国とエイリアンの接近は世界中の不安であった。 S国ではエイリアンの技術を導入して全世界征服のため、恐ろしい秘密兵器を開発中だった。 情報を入手した各国は、最強のヘリコプター「ジャイロダイン」を完成させ、S国へ急行させた。 ジャイロダインの任務は、あらかじめ侵入させておいたスパイたちを救出し、敵陣地内の情報を収集し、開発中の秘密兵器を破壊することにある。 秘密兵器は最後の敵巨大基地にある、完成は間近に迫っている。 共同軍の野望を早く打ち砕け! 戦闘ヘリを操る縦スクロールシューティング 東亜プランの前身であるクラックスが開発、「タイガーヘリ」「究極タイガー」の原点と言ってもよい Aが対地攻撃(対空の敵に対して近距離のみ対空攻撃)、Bが対空攻撃、AB同時押しで対地攻撃用ホーミング弾 延々ループゲー スクロールが止まって砲台が出てくるところを面の区切りとすると、3面クリアで1周 つまりスクロールが止まる砲台基地を3回抜けたら1周 ステージ表示は出ないので数えてないとわからなくなります( ∀`) エクステンドは点数です。 795 主1 2007/08/07(火) 02 07 43.75 ID cXp0k9lE0 判ったことを書いてみる 地上物の白い粒は味方 たまに残機0でやられたときにパラシュート脱出して1チャンスくれる 戦艦が出してくる白い玉は対地攻撃で無効化(当たり判定消滅)する たまに出てくる象を倒すとフラミンゴがでてくる これを全部倒すと20000点 海を打つとたまに人魚がでてくる 10000点 822 以下、名無しにかわりましてVIPが実況します 2007/08/07(火) 02 59 26.36 ID 1FQnV9Xd0 20000点、50000点で1UP 人魚は水辺にいる レッドマーメイドは10000点 グレーマーメイドはスピードアップ1000点 オレンジマーメイドは一定時間無敵0点 アイテム位置(多数主&スレ民乙!) 1面 赤人魚 灰人魚 赤人魚 橙人魚 赤人魚 赤人魚 目玉 灰人魚(戦艦後) 赤人魚 2面 目玉 灰人魚 赤人魚 橙人魚 灰人魚 3面 目玉 橙人魚 灰人魚 ※赤人魚に関しては、その時により、左右方向に位置が少し変化する。 ラスボスはこんな感じ(プレイ時は弾幕が激しすぎてSS撮る余裕がなかったので練習時のQSデータより) 高速ミサイル、対空砲、戦車*3(このSSでは撃破済)の複合攻撃\(^o^)/ ラスボスの鬼畜弾幕を避け切って時間切れに持ち込み、1周達成! 白い丸はラスボス対空砲弾の名残 そして平和な1面へループ そこからちょっと進んだところ。1面の例の砲台島 2面ボスまではまあ常識的な難易度ですが、3面後半の弾幕は物凄いです。自機の速度が遅いこともあって詰むケースもしばしば。 自機の当たり判定が独特(コクピット付近のみ)なので、まずはこれに慣れるのが重要です。FCのSTGとしては当たり判定が狭い方なので、慣れれば案外避けられるようになります。とはいえ3面後半の弾幕はそういうレベルじゃなくなってますが…。 また、敵弾はほとんど自機狙い(厳密ではないが、近似的にそう考えてほぼ問題ない)なので、チョン避けや画面を回って避ける方法が有効です。 灰色人魚があると回避性能が格段に上がるので、灰色は絶対確保。 まあラスボスまでには大抵灰色を剥がされてしまうので、最後は気合ですが(ヽ ω`) ラスボス付近の攻略: ラスボス戦で死ぬとその直前の砲台地帯に戻されます。ここからはスタート直後に左下へ一直線に進むと左下の砲台は弾を撃たないので、安全に左側の砲台を排除できます。その際、右側の砲台は画面外にスクロールアウトさせておくとさらに安全です。あとは高速ミサイルを気合で避け切ればラスボスと再戦できます。 ラスボスは左側に戦車*2, 右側に戦車*1を配備しているので、これらの戦車は何が何でも速攻で潰します。すると後は破壊可能弾のみになるので、時間切れまで気合で粘ることができればOK。時間切れ後は画面をぐるっと回るなどすれば最後の弾幕も避け切れると思います。 難易度は高めですが、気合要素が強いので覚えゲー嫌いな人にとっては面白いSTGだと思います。まあ最後の方は難易度調整した方がいいとは思うけどな(ヽ ω`) アイテムの位置など調べてくれた方乙です!
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2661.html
前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~ ヴェストリの広場、そこは昼であってもあまり日の差さぬ場所。 特に何かない限り人の寄り付かないような場所である。 しかし今、そこには人と人ならざるものが。 「ワルキューレッッ!!」 掛け声と共に七体の青銅の戦乙女が疾駆する。 その先にて待ち構えるのは一人の拳士にして剣士である二闘流の少年。 両の手に青銅の剣を握り締め相手の挙動を見据える。 「―――」 初撃、槍を構えた三の戦乙女が己めがけて突きを放つ。 「ふっ!」 槍と槍の合い間を一寸で避ける九朔、隙間を縫うように駆け出す。 姿勢は極限まで低く、槍の次撃は頭上を掠めるに留まる。 「刃ッ!」 すれ違い様、三体のワルキューレの胴に剣撃が叩き込まれる。 崩れる青銅の体、地面と衝突すると同時にそれは薔薇の造花に還る。 「次だ!」 今度は真逆、迫る九朔に対して三体の戦乙女が待ち構える形。 槍三体に剣一体、先陣を切るように大剣のワルキューレが一歩を踏み出し九朔へと構える。 人では到底扱えないであろうその鉄塊をかつぎ、ワルキューレは標的を叩き潰さんと振り薙ぐ。 大剣は鎚、当たればただではすまないだろうその剣の軌道上にあった九朔の身体は既になく、 次の瞬間には空中へと舞い上がっていた。 無防備極まりないその体勢、見計らうように二体のワルキューレが九朔へと狙いを定めて 槍を突き出す。 肉薄する鋒鋩、しかし穂先は九朔の身体へとめり込む事はない。 槍の切っ先は両手に握られた剣に添えられ逸らされ流される。 振り薙いだ大剣は大地に深く抉りこまれ、槍は見当違いの方向に。 完全無防備の体のワルキューレは反撃敵うことなく双振りの剣に沈んだ。 「…………」 「…………」 「…………」 「…………さて」 薔薇の造花が振られ、地に伏したワルキューレと九朔の手に握られた 剣が薔薇の造花に還った。 「言ったとおり攻め方を少し変えてみたがどうだったかいクザク?」 「ああ、充分に上等の出来だ。すまぬな、我の都合ばかりで」 「いやいや構わないさ。こうやって君の鍛練に付き合うのも僕の魔法の訓練にも なっているしね」 互いに笑みを返しあい、ギーシュと九朔は最近こしらえたばかりの木椅子に肩を並べて 腰掛ける。 あの決闘からおおよそ2週間、九朔の鍛練に今ではギーシュが参加していた。 最初のきっかけは、モンモランシーによりミンチより酷い目にあったと人づてに聞いていた ギーシュがここに顔を出したのが始まり。 場を改めての謝罪ついでに手伝いを申し出てきたので素直に是と返事を返してみるや否や 気づけばこんな事に。 もっとも、自分自身相手となる者がいれば実戦に近い形の鍛練ができるので歓迎はしているが。 「しかし汝、授業をさぼっていて良いのか? 我の鍛練の手伝いをしてくれるのは良いが」 「はっはっは! なあに、言ったとおり授業に出ているよりこうやって実践する方が 有意義さ。どうせ教室にいても寝てるだけだしな!」 「汝なぁ……」 そうやって力強く断言して肩をたたくギーシュの瞳はとても爽やかである。 あまりにも爽やか過ぎてまるで何も考えてないように思える、というか正直なところ何も 考えてないのだろう。 「まぁ、我には関係のないこと故深くは突っ込まぬが……」 そこまで言って九朔は考え直す。 何も考えていないこの能天気な面を見ていると、先行き将来ふくめて前途多難な人生を 送りそうなこの金髪の少年の未来を微かながらも芽生えた友情にあえて憂いてみたくなった。 「強く生きろ、ギーシュ」 「ん?」 その言葉の意に気づく事はなく、ギーシュの笑顔はひどく幸せそうだった。 ** 「さて、どうしたもんかね」 通算凡そ三十回目となる宝物庫にかけられた錠前への錬金の失敗にミス・ロングビル――否、 土塊のフーケは疲れた溜息を漏らした。 想像以上に強固な固定化の魔法は幾度の錬金にもまったくビクともせず、傷一つするすらつく 形跡がない。 破壊の杖を狙ってこの学院に忍び込んで結構な時間が経つが、やはり自分の力量だけでは どうにもできないという事なのか。 「まったく、とんだ曲者だねこの『固定化』はさ」 忌々しげに舌を鳴らしそこを離れようとするフーケだが、しかし、目の前に現れた一人の女に その動きは止まる。 「さすがはスクエアクラスの魔法。巷に名の轟く貴方様でもやはり無理でございますかね?」 メイド服に身を包んだその女の肌は褐色、髪は色濃い金。薄っすらと開いた唇の奥から 覗く色は血のような赤。 その女の姿にフーケは苦々しい表情を浮かべる。 「言ってくれるじゃないかニアーラ。それにここを何処だと思って……」 「まあまあご心配なさらずに。それに、今の時間ここに誰も来ることなどありはしませんさね」 フーケを気にかけることなく、ニアーラと呼ばれたメイドは笑みを浮かべてフーケに近づく。 この女、ニアーラとフーケが出会ったのはほんの偶然、魔法学院にあるという『破壊の杖』を 手に入れるための算段をしているちょうど最中に彼女が近づいてきたのだ。 それから事が恐ろしいほど順調に進んだのも偶然だったのだろうか。 オスマンをたぶらかし学院へ勤められるようにお膳立てをしたのも、ここでの自分の振る舞い を怪しまれないようにしているのも、何よりオスマンが来るという酒場を教え、そこの給仕の 仕事を斡旋したのも全て彼女。 彼女の目的は知らない。 ただ、土塊のフーケである自分の仕事を手伝いたいだけとしか言わない。 なぜ魔法を使えもしないこの平民の女を信用しているのかフーケ自身も良く理解できては いなかったが、どういうわけか彼女を疑う事はなかった。 もちろん、今彼女が言った『だれも来ない』という何ら確実でもないその言葉さえもフーケは 信じている。 「………まあいいさ。で、こんなところまで来て何のつもりだい?」 「いえね、ここまで堅牢な守りを誇る宝物庫を破るにはもう少し策を練る必要があるんじゃ ないかと思いましてね」 「策ならこの前からずっと練ってるさ。だけど、この魔法を破る方法なんてありゃしないね。 私はトライアングルでもスクエアクラスに匹敵するメイジだと自負してるが、それでも 無理さ」 「そうですかね? あたしにゃ、まだまだやれる余地はあるかと」 「はっ。あんたは知らないのかい? トライアングルクラスにスクエアクラスの魔法が 破れるわけが―――」 そう最後まで言いかけてフーケの唇にニアーラの人差し指が添えられた。 褐色の肌の掌は白魚のように真白で、そのコントラストが艶やかに日の光で彩られる。 その人差し指の向こう、女の自分でさえも魅入ってしまいそうなほどの妖艶さを秘める その瞳がフーケを射抜く。 「まあまあ、少しちょっとばかりお聞きくださいな。同じ魔法を使って駄目ならば もっと別の魔法を使ってみようじゃないですか。系統魔法じゃないもっと別の、嗚呼、 それはもっと強力なそれを使ってみようじゃないですか」 謳うように、嘲笑うように、ニアーラの言葉がフーケの周りで渦巻く。 ニアーラの言葉を聞くたび、フーケは言いようのない心地よさを感じていた。 初めて出会った時も、言葉をかわすときも、今、この時も。 彼女の言葉を信用してしまうのは、恐らくもなくこれが原因だった。 「先住……魔法かい………?」 「ええ、ええ。確かに貴女達が理解しうる言葉で言い換えるのならばそうかもしれない ですさね。ですが、それよりもっと……ええ、それは矮小な人間では逆立ちしても 遠く果てしなく及ばない、異形の智の結晶、人智を超越した奇跡の産物が この世には存在するのですよ」 ニアーラの言葉がじわりと脳内に染みていく。 それは酷く甘美で魅惑的な響き、果実のような淫靡さに脳内が酩酊する。 霧がかった脳内は正常な思考を止めニアーラの言葉だけが世界になる。 しかし同時に、得体の知れない本能的な恐怖が思考の彼方で呼び起こされる。 それに触れてはならぬと警告を発する。 しかし、身体は、魂は、それに抗う術を知らない。 「それは、本来の貴女様方では決して触れることのできないもの。 貴女様方の世界において認識の外に存在するもの。 人智の領域から隔絶した異形なるもの。 嗚呼、嗚呼、それはそれは美しくも醜き白痴の王へと繋がる道なのですよ」 ニアーラの華奢な細腕が歪に曲がってフーケの頬へと添えられる。 そして影がその人間から離れぬように、ニアーラはフーケの身体を愛おしげに抱きしめる。 愛し子を慈しむ母親のように、ニアーラは虚ろな顔をしたフーケを抱きすくめる。 耳元に彼女の艶やかな唇が迫る。 「大丈夫、貴女様に必要なものはちゃあんと手に入りますとも。たとえ資格が なくとも貴女様にはそれを手にする必然があるのですから」 その視線の先、フーケの手の中に鉄の表装がついた黒い大きな書が握られている。 それは、おぞましく美しい世界の断片から取り出された無垢なる悪意。 それに手を添え、ニアーラの瞳の奥が、ふと、揺らぐ。 前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1585.html
前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~ トリステイン魔法学院、その腹中に抱える数多の教室の一つから響く声。2年生に昇級した 貴族の少年少女たちが、大学の講義室のような石造りのそこでそれぞれに談笑する。 そこへドアを開け放ち、平民の使い魔を召喚した『あの』ルイズが現われる。 そんな彼女をいつも通り馬鹿にしようと思ったクラスメイト。 が、しかし、 「汝、いきなり足蹴とは何様のつもりだ!」 「うっさい! アンタが起こさないのが悪いんだからね!」 怒髪天、教室内に大怒号が響いた。 乱暴に開けられたドアが悲鳴をあげて石壁に叩きつけられる。 「何だと!? それが人の顔面に蹴りをかました者の物言いか!?」 「そうよ! アンタは使い魔! 嫌だけど使い魔! 何したって問題ないの!」 「ふざけるな! 厄介になるとは言ったが使い魔になるとは言っておらん!」 仁王立ちの両者共に大激怒の相、こめかみに青筋立たせて怒り狂う。 理由は分からんがとにかくやばい。 第六感で感じる鬼気、その場にいた全員が二人に声をかけるのを止めた。 「そっちこそふざけないでよ! 昨日使い魔するって言ったじゃない!」 「厄介になるという意味で言っただけだ! 故に見返り分としてちゃんと洗濯物を 運んだろうが!」 「朝起こしてって言った!」 「知らぬわそんなこと! 己で勝手に起きぬか!」 「起こすの!それも使い魔の仕事なの!」 「貴様は幼児か! それくらい自分でしろ!」 「うるさいうるさいうるさいうるさい! アンタにそんなこと言う資格なんてないんだから! 使い魔はご主人様に絶対服従なんだから!」 「だから使い魔ではない! ただの雇用契約を結んだだけの雇われだ!」 「うっさい! アンタは使い魔なの!」 ルイズは見上げ、九朔は見下ろす。 にらみ合う両者に走る火花、触れれば火傷しかねない雰囲気。 九朔にしてみれば蹴られた恨み、ルイズにしてみれば起こさなかった恨み。 どっちもどっち、引く気など毛頭さらさらないのだ。 「そもそもアンタってば平民じゃない! 平民如きが私に意見しようなんて百年…… いいえ六千年早いのよ!」 「それは残念だったな、我は別世界から来た故汝の言う貴族など関係ない」 「うっさい! そもそもアンタが異世界から来たとかいうのも怪しいもんだわ! それにここでは私は偉いの、だからアンタ言う事聞くの!」 「だが断る」 「っ~~~~~~~~~!!」 手を震わせるルイズ、そして手に持つ杖にお得意のアレ発動の予感。 本能が叫んでいる、今日はヤバイと。 己の身の危険に生徒たちがぞぞぞぞとのけぞり緊急退避しようとした。 が、 「そこの二人何をしているのですか、早く座りなさい!」 そこに扉を開けて現われた女性教師ミス・シュヴルーズに九朔とルイズは口論を止め、 同時に顔を顔を背けた。 教室内をいっせいに安堵の溜息が流れる。全滅の危機は回避された。 「せせせ先生が来たから止めよ、止め。アアあンタここ、床だから。使い魔は椅子なんかに 座ったら駄目なんだから、だから床。わわ、分かった?」 「ほう? ならば我はそこの椅子に座るとしよう。余っているからな」 床を指差すルイズを無視してややぽっちゃり系の少年マルコリヌの横にドカッと座る九朔。 「っっっ~~~~~!」 自分の言葉と正反対の行動にいよいよ本気でブチ切れそうになるルイズ。 だが、教師の目もあってか残っていた理性を総動員して耐え、そのまま九朔を無視して 席に着いた。 「おい、ここはメイジが座る席だぞ。卑しくも平民で使い魔の君が――ひぎぃ!」 ルイズの使い魔、しかも平民風情に座られて機嫌を害したマルコリヌだったが、軽く呻き、 口から出かけた自分の意見を引っ込めた。 全身に冷水をぶっかけられ、背骨に氷を突っ込まれたかのような強烈な悪寒が体内を 駆け抜ける。 「汝……何か言ったか?」 ぎろりと自分を睨みつける瞳に皮膚が粟立つ。 こいつを怒らせたらヤバイと本能的な部分が危険信号を発していた。 ついでに、脳内で大爆発に巻き込まれてきりもみ回転しつつ宙を舞う自分も幻視できた。 「え? ああ、いや!? なななにもないよ、うん! 使い魔だしご勝手に!」 「……ああ、そうさせてもらおう」 咄嗟に出た言葉に後悔するマルコリヌだったが、誰にも気づかれることなく授業は 開始される。 「皆さん、春の使い魔招喚は大成功のようですわね。このシュヴルーズ、 こうやって春の新学期に様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」 それは良かったねと興味なさげにうなずく生徒達、先ほどの危機のせいか全員の体から 力が抜けていた。 が、 「あと……あの、あなた。あなたも使い魔でしたね?」 九朔に向かって微笑みかけるミス・シュヴルーズ。 実に空気の読めてない一言に、溶けた筈の教室内の空気がまた凍り付く。 再び訪れる全滅の危機に、その教室に居た全員がシュヴルーズを思い切り睨んだ。 しかし本人に気づいた様子は一つもない。 こりゃ駄目だと生徒の何人かが危機を感じ、逃げる準備を始める。 「ええと、何も言わないと言う事はそれで良いのでしょうか?」 「残念ながら我は使い魔ではない。其処におる娘に勝手に召喚されただけだ。 …………実に不愉快だがな?」 明らかに自分に向けられたであろうその言葉にビクリと体を振るわせるルイズ、三分の二の 生徒がのけぞった。 「あらあら、では貴女の使い魔なのですかミス・ヴァリエール? 実に変わった 使い魔を召喚したのですね」 微笑みながら言うそこに悪意はないのだろうが、時と場合が悪すぎる。 残りの三分の一が更にビクリと震えたルイズにのけぞった。 ちなみに九朔の横にいたマルコリヌは、隣に座る使い魔から立ち上る兇悪な波動に 今すぐ逃げたい気分であった。 「それでは、授業を始めましょう」 そんな悲哀に満ちた生徒の様子に気づくことなく、彼女は授業を続ける。 空気を読めない事は時に幸福である。 通夜のような面持ちで授業を受ける気分にならなくて済むのだから。 「私の二つ名は『赤土』。赤土のシュヴルーズです。『土』系統の魔法をこれから一年間 皆さんに講義します」 そう言って四大系統の魔法、失われた『虚無』を説明する彼女。だが、その言葉を聞く者は 誰もいない。今にも爆発しかねないルイズのアレに恐怖しているからである。 いつもならここまで恐怖を感じる事はないのだが、どうしてだか今日はいつもより酷い アレが起きると確信していた。 魔法は感情によっても威力を左右されることがある。 魔法を嗜む者ならそれくらいは常識である。 では、今にも怒髪天仏契(ぶっちぎ)りなルイズがアレをしたら? 答えはいうまでもない、考えるだけでゾっとくる。 しかしそんな生徒の思いを無視するように、 「では、あなた。ここにある石ころを望む金属に変えてごらんなさい」 シュヴルーズはルイズを指名した。きっと彼女は状況を悪化させる天才だ、全員が思った。 「ややややや、止めた方が良いですミスシュヴルーズ!!」 がたんと席を立ち、豊満な胸を揺らしてキュルケが叫んだ。その顔は褐色なのに真っ白、 蒼白と言う比喩でなく真っ白。 そりゃそうだ、誰だって死にたくない。 「どうしてですか?」 「先生初めてですよね? いつも止めたほうがいいですけど今回だけは本当の本当に 駄目です!」 その時教室にいた生徒達の心が一つになった、キュルケが叫ぶのに合わせて他の生徒も 立ち上がる。 「危険です! とっても危険です! 究極的に危険です!」 「その通りです先生!」 「机が消炭になっちゃいます!」 「椅子が木っ端微塵になります!」 「教室が消滅します!」 「メディーック! メヂィィィィィック!」 最後の一つに関してはあれだが思い思いに絶叫する生徒達。 しかし、 「何て事を言うのですか貴方達! クラスメイトにそのようなことを言うとは あなた達、それでも貴族ですか! ……さあミスヴァリエール、気にしないでやってごらんなさい。 大丈夫、失敗を恐れていては何も出来ませんよ?」 彼女には通じなかった。 余りの空気の読めなさに、この教師の息の根を今すぐこの場で止めるべきでは、と何人かの 生徒が殺意を抱く。 そしてその様子に流石に九朔もおかしいと気づく。 ルイズ後生だから止めて、と叫ぶ生徒達の異常に第六感よりもっと先にあるという 幻の感覚あたりがムズムズしてきた。 「お願い本当にこれだけは止めてねえお願い止めてルイズ」 「やります!」 キュルケの願い空しく名乗りをあげるルイズ。 それが決定打、とうとうクラスの中が阿鼻叫喚図になった。 我先にと逃げようとする生徒達、だがシュヴルーズは授業中ですよといって赤土を 生徒達の足元にくっつけて拘束する。 空気が読めないだけでなく鬼であった、鬼畜であった。 生徒はいよいよ死を予感する。 「てけり・り」 「ああ、我も今すぐ退避した方が良い気がしてきた」 足元の赤土をはがそうと躍起になるマルコリヌを見て立ち上がり教室を出る九朔。 扉を閉め、そこから20メートルほど離れた。 と同時、 『ぷぎぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!』 「なぁっ!?」 「てけり・り!?」 シュヴルーズの叫び声が轟き、そして大爆音と共に教室の扉が吹き飛ぶ。 もうもうと上がる黒煙、教室の中から飛び出す蛸人魚やら飛ぶ目玉、カラスにふくろう、 ついでに火トカゲも出てきて、いつの間にか退避していたキュルケの足元で ガタガタ震えていた。 中を覗いてみると実に酷い有様だった。 最下段にあったはずの机は跡形もなく、そこに近い机も木っ端微塵に 吹き飛んでいた。 かろうじて残った机もほとんど使い物にならない様だ。 教室に居た生徒はと言えばその爆発に巻き込まれてぴくぴく痙攣している者も居れば 顔をすすけて放心している者、恐怖のせいか部屋の隅でガタガタ震えている者がいる始末。 爆心地と思われる地点では泡を吹きビクンビクンとやや命の危険を感じさせる痙攣の仕方を している教師の姿と制服がボロボロに破けたルイズが。 嗚呼、こういうことだったのか。 そう得心する九朔の後ろ、眼鏡をかけた青色の髪の少女がぼそりと「無残」と呟いたのが 実に印象的だった。 * 結局その後、ちょっとの失敗どころでない大爆発のお陰で錬金の授業はお流れとなった。 結構ヤバゲな痙攣をしていたミス・シュヴルーズはどうにか命を取り止めはしたが、 当分授業はしたくないと言って自室に引きこもった。 生徒達もさすがに罵倒する気にもなれないレベルの爆発に疲れ果て、ルイズに恨めしい視線を 送るだけに留まった。 正直なところ重傷がシュヴルーズだけというのは奇跡であった。 「今日は……ちょっと失敗しただけ。本当ならちゃんとあの小石が鉛になってたんだから」 「そうか」 「いつも失敗してるけど、でも成功するはずだったんだから」 「そうか」 「だって、アンタを召喚したんだから成功して当たり前なんだから」 「そうか」 部屋に戻って制服を着替えて戻ってきた後、ルイズは教室の隅、椅子の上で体育座りを して呟いていた。 それに相槌を打ちつつ九朔は新しい机を運び込む。 机を運ぶ作業など、メイジであるなら『レビテーション』や『フライ』ができて当然なので 簡単な筈なのだが、何をしても失敗のルイズには無理な話である。 おまけに華奢な細腕、机を持ち運びできる腕力なぞあるわけがない。 そういう訳でルイズに代わって九朔とランドルフが爆発の後片付けをしているわけだが、 それを眺めているだけというのがルイズ自身悔しかった。 平民ではあったが、自分は『サモンサーヴァント』には成功したのだ。 だから錬金も成功すると思ったのに。 「どうして………失敗なのよ」 聞こえないように呟く。 ボロボロの机、砕けた椅子、積み上げられた残骸、それを見ていると何も出来ない 『ゼロ』という事実をまざまざと見せ付けられているような気がしてたまらない 気持ちになる。 だが、悔しい理由はそれだけではない。 「てけり・り?」 「ああ、この机ならこちらで良いだろう」 「てけり・り」 「……汝、思った以上に便利だな」 「てけり・り!」 クザクだ。 あれだけ罵りあったのに九朔は侮辱するどころか何も言わない。 あのぷにぷにと一緒に、平然とした顔で自分を無視して机を運び込む。 言われたわけでもないのに、自分から率先して。 それはまるで自分など眼にない、頼りにもならない、役立たずだ、そんなことを暗に 言われているようで、馬鹿にされるより何だか堪えた。 でも、だからといって手伝おうと言うのも嫌だった。 こちらから手伝おうなどとでも言えば、それこそ自分が悪かったと認めてしまうような ものだ。 そんなの貴族としてのプライドが許さない、でも見たままと言うのも嫌。 どっちつかずな思考に胸の辺りがもわもわとする。 「ねえ」 そして気づけば声をかけている自分がいる、なんだか変な気分だ。 「なんだ」 こちらに顔を向けることのない九朔、なんとまあ失礼な。 でも、聞く事が聞くだけに今はこっちの方が良いかなとも思う。 「なんであんた、私を手伝うの? 私の事嫌いなんでしょ?」 自分で尋ねておきながら返答が少し怖いと思う。 「そんなあんたがどうして私の代わりに部屋を片付けるのよ?」 でも、聞かないではいられなかった。 初めての成功の後の失敗で弱気だった自分をもう一度信じたかったのだと思う、目の前に ある自分のたった一つの魔法の成功例に語りかけることで。 らしくない弱気が声色に出そうになるのを堪え、悟られぬように、とにかくいつものように 強気な姿勢、胸を張り貴族らしく尋ねる。 「使い魔として仕事するのは良いんだけどね。何も言われないでやるって事はやっぱり、 自分の立場がわかったてことかしら?」 そこで初めて九朔がこちらを見た。 「違う。そんなの、後味が悪いからに決まっておろうが」 「え?」 つまらないことを尋ねるものだな、そんな風に九朔が溜息をつく。 翡翠の瞳があまりにも真直ぐで、一瞬たじろぎそうになるルイズ。 「ど、どういうことよ? それってつまり私を馬鹿にしてるわけ?」 「思いたければ勝手に思っておれ。汝に理解など期待しておらん」 勝手にやってろと机を運び続ける九朔にムカッ、ときた。 自分の方が上なのに、まるで見下されている。 さっきまでの悔しさとかなんか色々吹き飛んだ気分。 「ご、ごごご主人様になんて口をきくのよ、この馬鹿!!」 「ああ、雇用契約上のな。何でもやる下僕とはまた違う」 「違うの! あんたは使い魔で私はご主人様!」 「知らぬ」 「きぃぃ~~~~~!」 なんか、怒りとか色々爆発した。椅子から飛び降り教室を飛び出す。 だが追いかける気配が一つもない、気になって少し戻って見てみれば平然と机を運び 続けているではないか。 余計腹が立った。 「あんた昼ごはん抜き! あと教室も全部綺麗にしときなさい! いいわね!」 それだけ言って出て行ってやった。すこし、気分がよくなった気がした。 「てけり・り?」 「ああ、追わなくて良いさ」 去っていく足音に、ランドルフの目が問うので答える。 「てけり・り」 承知と伸ばした触手20本に雑巾を持って蠢きながらランドルフが床を拭く。 それを手伝い、九朔も机を拭いていく。 別にルイズのためにやっているわけでなはない。 ただ、彼女のあの様子を見ていたらやらないではいられなくなっただけだ。 悔しそうな、それでいてずっと何かに耐えてきたようなあの鳶色の瞳。 ああいう眼をした人間を放っておけないのはいったい何故なのか自分自身にもそれは 分からない。 ただ、こういうのを無視するのは自分的に後味が悪いのだった。 ただのお人よしなのかもしれないが。 「てけり・り」 「ああいう人種は下手に慰める必要はないさ、逆効果になる」 「てけり・り?」 伸ばした目玉が目の前にやってくる。 伸縮率自在なショゴスならではのワザである。 「まあな。良く分からんが、あの者の気持ちが何故だか理解できるのだ。 もしかすると、我等は似た者同士なのかもしれん」 「てけり・り」 触手が肩を優しくたたく。見た目から想像できぬほどに気配りがきく良い奴である。 「まったく、汝は本当に良くできておる喃?」 「てけ~り」 「謙遜するでない。我など汝ほど役にたってはおらぬさ」 「てけり・り! てけ~り!」 「あはは。まるで主婦だな、汝?」 笑い合う一人と一不定形。 傍目から見れば実に背徳的である。ついでに官能的で、網掛け3枚くらい冷蔵庫がけ。 ぐう、と腹の音が教室に響いた。 朝から何も食べていないことを思い出す。 「そういえば飯抜きであったな」 「てけり・り!」 「ん? シエスタ? ああ、あのメイドか」 ランドルフに言われて思い出す九朔。 そういえばお礼をしますとか何とか言っていた。良ければ昼食でも頼んでみるのも 良いかもしれない。 「良し、終わったらさきほどの洗濯場まで行ってみるか」 「てけり・り」 「よし。では、この教室をさっさと綺麗にしてしまおう」 「てけり・り!」 その後、天井から隅に至るまで教室は綺麗にし尽くされ磨きつくされた。 リフォームの匠と言われた魔法使いも驚きのこの現象、後に誰かがこう呼んだ。 『暗くくすんだ石壁だってごらんのとおりに家族の笑顔が明るい教室に! 劇的ビフォーアフター・オーギュメンター・ショゴス28剛DX現象』 ……名づけた者にどんな電波が下りたかは知らない、知りたくもない。 何処かでエレキギターをかき鳴らす音がした。 前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5187.html
前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~ ソイツは地中を泳いでいた。 気づけばそこにいて、気づけばそこを泳いでいて。土を噛み砕き、土を吐き出し、身体を くねらせ蠢かせ、泳ぎ続ける。 何の目的も与えられず、ただ産み落とされただけのソイツは自分の上で無遠慮に騒ぐ音に 人で言う「不快」に近いものを感じていた。 いっそ喰ってしまおうかとソイツなりの思考で考えたが、この騒がしい音は生まれたばかりの 身にはひどく堪えることを理解していた。 だからソイツは地中を泳いでそこから離れようとした。 ――だが、ソイツは見つけてしまった ソイツにとって居心地の良さそうな『殻』、ソレがいることに気づいてしまった。 そのままでも充分に過ごす事は出来るが、その中にいれば今よりもっと気持ち良く過ごせる。 騒がしい音も気にならない、腹が減った時にソレを使って捕食も出来る。 生れ落ちたばかりなのに、ソイツは自分のすべきことを理解していた。 本能の部分で感じ取り、ソイツは地中を泳いだ。 自分の上を踏み鳴らす音に混じって聞こえるそれの匂いと音。ドクドクと鳴っている心臓の音 で自分の『殻』の場所へと一直線と泳いでいる。 ああ、いる。いるぞ、そこにいる。 ソイツは歓喜する。 ソイツは狂喜する。 人とは全く異なる思考体系でソイツはその『殻』を欲し、追いかける。 大地を突き破り、土壁を駆けた。 匂いが段々と近づき、濃くなり、心音がより鮮明になる。 そしてソイツは見つけた。 その『殻』をソイツは人とは違う視覚を以て認知した。 それは、桃色の髪の少女で…… * 「おい姉ちゃん! 酒をこっちにもよこしてくんな!」 「は……はい、かしこまりました」 赤ら顔の男に声をかけられ、酒瓶を持った一人の少女が振向いた。 その少女を一目見て、その男はうっ、と息を呑んだ。 若草色のワンピースに身を包み、背に蒼銀髪の三つ編みを垂らしたその少女、唇にひかれた 朱は美しい顔を際立たせているが、儚げな眼差しはこの店にいるどの少女よりも暗いもの。 なのに、美しさはまったく失われない。 いや、むしろその憂いを帯びた瞳が、彼女の美しさをより一層際立たせていたのだ。 他の妖精たちが太陽ならば、この少女は月だ。儚く、おぼろげに輝くあの双月。 赤ら顔の男は一瞬で佇まいを直した。 「ご、ご所望の一杯は、こちらでよろしかったでしょうか?」 「おおお、お……おう!」 「かしこ、まりました……」 少女の諸手で包まれたボトルから注がれるワイン。しかし瓶の口が震え、注がれるはずの ワインがテーブルへと零れる。 「あっ!」 それにしまったという顔をする少女だが、男は気にするなと言うに留まった。 それならばと注ぎ直す少女、男はそんなワインを注ぐ彼女の横顔に見惚れていた。 整った顔に長い睫毛、朱をひかれた唇は柔らかく、見ている者を魅了せずにはいられない。 もし女神がいるのならば、きっと彼女のような女に違いない、男は思った。 「お注ぎさせていただきました」 「おう……」 静かに一礼し、戻ろうとする少女。 「待て」 「はい?」 「これ、少ないけどチップだ」 男は少女の手に持てるだけの金貨を持たせた。その時、その少女の手がやたらごついような気が したがすぐに考えるのを止めた。 「あ……ありがとう、ございます」 憂いを帯びた不器用な微笑みに心奪われてしまったから。 「すっごいじゃないクザク!」 ようやく厨房に帰還した九朔を待っていたのはこの店の人気筆頭のジェシカだった。 「何がだ……」 「何がって、初めてでいきなり金貨をあんだけ持ってくるクザクがよ!」 「そうか……」 そこでようやく手の中に溢れかえった金貨に気づいた。 だが、今の九朔にはまったく感じるところはなかった、受けた傷が余りにも深くて。 「でもさ、その格好はやっぱり正解だね。本当の女の子みたいでカワイイ!」 「ぐぅっ!」 そして傷はより深く抉られた。 男なのに、騎士なのに、この格好、今の自分の姿のおぞましさに全身から力が抜ける。 「我が……なんでこんな目に……!」 崩れ落ちるクザクの脳裏に先ほどのおぞましい記憶が呼び起こされる。 無銭飲食の肩代わりに何をさせられるかと思えば連れ込まれ、妖精と呼ばれた女の子達に 身包み剥がれパンツ一枚にされて、気づいたら彼女たちにメイクアップまでバッチリに 女装をさせられていた。これがトラウマにならずして何がトラウマか。 「きゃー、クザクさんカワイイです!」 「私、女だけど……君、カワイイと思う」 「悔しい……でもカワイイっ!」 「ああぁ、クザクちゃんてばほんっとにトレビアアアアアアン!」 くずれ落ちた九朔の周りから容赦なくかけられる妖精たちと名状し難きアレの声が更に自身を 痛めつける。 仕事はどうしたと言いたい所だが、今の九朔にそこまで考える余裕はない。 「くそぅ……羨ましい、羨ましいぞクザク! 変われ、むしろ僕と変わってくれ!」 ワルキューレと一緒に必死で皿を洗うギーシュの叫びも今の九朔には届かない。 もっとも、皿の催促が来るたびに女の子の谷間を覗いてテンションをあげるギーシュは幸せで あったと言える。モンモランシーが見たら惨殺モノ間違いなしだったが。 「ほら、崩れ落ちるのは良いけどさ。とっとと仕事戻る!」 そして、今の九朔には崩れ落ちる暇すらない。 「無銭飲食した分はキッチリ働いて返さなきゃね、クザクちゃん?」 虚ろな目で見上げたジェシカの微笑みは天使のようなアクマの笑顔だった。 約1時間後、更に九朔はやつれた顔で厨房の作業机に突っ伏していた。 もはや性も根も尽き果てたといった体である。 ある程度周りを見ていたから分かっていたものの、尻を触られるわ腰を抱き寄せられるわ キスをせがまれるわ、挙句の果てにはスカート越しに尻のあ……いや、これは止めておこう。 正直アレは思い出してはいけない、思い出したら別の意味で永遠の狂気に囚われかねない。 とにかく、疲れた。 「死ぬ……死ぬる……誰か……」 皿を洗う手を止めることなくぶつぶつと呟くギーシュを横目に重い溜息をつく。 このまま意識を手放してしまおうか、そう思う九朔。 が、 「いやー、クザクってば最高! 私マジ惚れそうだよ!」 厨房に飛び込んでくるなり抱きついてきたジェシカにそれは断念する事になる。 「ほんっと、もうっ、最高! クザクのおかげで今日の売り上げが現時点で前日比の倍だよ、倍! アンタ目当てでお客が次から次へと来てるんだってばぁ!」 水桃のような柔らかくたわわに実った二つの果実を九朔に押し付けて黄色い声を上げるジェシカ。 が、当の本人といえば完全に無反応であった。 健康な男子であればそれだけでエレクチオンするか気力限界突破ではあるが、今現在の 九朔には何の効果もなかった。 当然だ、男としての尊厳も何もかも奪われ疲労困憊の身では無理難題な話なのだ。 だが、さすがにこのままの状況は余りよろしくない状況を招きかねない。 昨日から続く女難の連続を考えると、この二つの果実の重みはそれの前触れと思える。 「ジェシカ、すまんがもうそろそろ我から離れて――」 言いかけた、その時だった。 ――ザザッ それは、ノイズだった。 「ぐぅっ……!」 眼の前が暗転し、机から崩れ落ち、膝をつく。 酷い頭痛、あまりの激痛に、耐え切れず顔面を手で抑える。 指の隙間から見える風景、暗闇だったはずのそこがまるでテレビジョンのチャンネルを 幾つも切り替えるように変わっていく。 見たことのある場所、見たことのない場所、人が認識できる領域、人が認識してはいけない領域。 あらゆるモノが切り替わり映り変わる。 遠くで誰かが呼びかける声が聞こえる。だが、遠すぎて誰か分からない。 「っ……!」 また、視界にノイズが走る。 ――視覚範囲、チューニング 思考拡散、範囲指定。 単世界範囲への視覚拡散開始、対象捜索、対象発見。 対象固定→第192542182167世界への接続ポート展開 ――■術体系不一致 術式の強制コンバート開始――■ク■■ミコン破損。 ■ク■■ミコン閲覧不可、コンバート不可。 術式検索不可。 断章使用不可。 復元作業開始。 復元進行率、0.0000000000000001% ルーンの強制使用………………視覚共有開始 ノイズの後に映ったのはここではない何処か、誰かの視界。 両脇には建築物、狭い路地。 そこがトリステインであり、今見ているのがルイズの視界だと理解できた。 ルイズから掻い摘んで聞いていた使い魔との視覚の共有、それが今起きているのだ。 そして今、自分がルイズの視覚を共有しているのならば。 「これは……!」 ルイズは見上げていた、狭い路地から降り注ぐ太陽を覆い隠すそれを。 屍蝋色の、蠢くそれを。 口腔内をびっしりと埋め尽くした牙を汚れた粘液でまみれさせているそれを。 それは蛆、だが、蛆とは異なる、異形。 それが、ルイズを、見ている。 「くっ!」 ノイズ――暗転する視界、世界が再び自分の見る世界を映した。 「……ザクッ! あんた大丈夫なの!?」 戻った視界にジェシカの声と、不安げな瞳で自分を覗き込む彼女の顔が見えた。 「行かねば……」 「え?」 きょとんとした表情をしたジェシカをよそに立ち上がり、九朔は空間のある一点を見た。 それは、そこにある風景とは別のもう一つの風景。 視界の共有が招いたとでも言うのか、あの異形の発する力の流れが目に視える形として 見えていた。それを辿ればルイズのところへ駆けつけることが出来る。 つまり、ルイズの元へと至る『道』。 「ジェシカ」 「な、なに?」 ジェシカへと九朔は視線を向ける。 その瞳はただの少年のものではない、それは未だ失われた彼本来の在るべき意味を宿すもの。 「済まぬが少しここを離れる。少々やる事ができた」 「やる事って……あ、ちょっと!?」 「すぐ帰る!」 ジェシカの返答を待たずに九朔は店を飛び出した。その姿を追って店の外に出るジェシカ だったが、既に九朔の姿を見つけることは出来なかった。 「ああ……もうっ! まだ食べた分働いてないんだから! とっとと帰ってきてよね!」 届いてるかも分からない九朔に向かい、ジェシカは大声を張り上げた。 前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~
https://w.atwiki.jp/jojoasbr/pages/64.html
ジャイロ・ツェペリ
https://w.atwiki.jp/quo_vadis/pages/517.html
【ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~】【ラノベ】【ファンタジー】【萌え】【アニメ】【2008】【8】 公式 wiki any6 絶対絶命の才人とルイズを救ったのは、あのコルベール先生だった。しばし再会を喜ぶルイズと才人。しかし才人は昨夜のタバサの行動に合点がいかず誰にも相談できずに一人悶々と悩む。一方、ルイズは昨夜目撃してしまったアンリエッタと才人の関係に思い悩む。ルイズは才人に真相を問いただそうとするが、当の才人には逃げられてしまう。ルイズはそのことをシエスタとティファニアに話したところ、ルイズの気持ちが晴れるのならと、「昨夜(ゆうべ)の水晶」という覗いた相手の昨夜の様子が見えるマジックアイテムをティファニアから渡される。3人は、それを使って才人の昨夜の行動を知ろうとするのだが・・・。 祝、ハゲ先生ご帰還。 突っ込みどころ多すぎるが、もう突っ込まない。 ?がいっぱい頭の中に沸いたけど、もう突っ込まない。 でも、嬉しい、ありがとう、バカ(全部本心 乳揉みシーンぐらい流せよ!KUSOGA! ハァハァ、この規制手法何度目になるだろうか。 僕はティファニエのおっぱいに沈む指が見たいんですよ(切実 セックス直前で止められて、すぐさま説明口調に戻れるキュルケに嫉妬。 下らない回を連発する前に、キュルケやタバサの回を用意しとくべき……。 キュルケとタバサが親友だったのとかすっかり忘れてたわ。 そういやこの竜のおっぱいはまだなのかね?もう9話なんだが? アニメだけじゃ話がごちゃごちゃだよなぁ。 おっぱいメイドなり、ロイヤルビッチは既にお呼びではないんだが。 ハゲとキュルケとギーシュとモンモンをもっと出してくれぃ。 取ってつけたようなセリフ言わせて存在アピールとか泣ける。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1502.html
ヴェストリの広場は、魔法学院の敷地内、塔の間にある。要は中庭だ。 建物の影になって日が差さず、普段人はいない。 あの平民はぶちのめしたいが、あまり大事にはしたくない……というギーシュの微妙な配慮(彼も一応貴族だ)がここを選んだのである。 だが、それは全く無駄に終わったと考えていいだろう。 広場は噂を聞きつけた生徒たちで溢れかえっている。 「決闘だ!」 ギーシュが薔薇の造花を掲げた。歓声が巻き起こる。 「ギーシュが決闘するぞ!相手はルイズの平民だ!」 うおおおー! また歓声。 平民と貴族って、階級だと思ってたが、どうやら種族みてーだなあ。 すると目の前のモヤシ男は人間じゃねーのか? セッコは思った。 魔法=血統なのである意味間違ってはいない。 殺しちゃあダメとかルイズが言ってたな。 ということは「貴」族も死ぬって事だ。 なんとなくだが負ける気はしない。 決闘を前にしても特に何も感じなかった。不思議だ。 「では始めるか、僕はメイジだから魔法で戦うぞ。文句はあるまいね?」 ギーシュが薔薇の造花を振る。 花びらが舞って、女の銅像が現れた。動くのか? 「さっさとかかって来い、モヤシ男。」 まだ銅像の性能がわからねえ。こっちから行くのは危険だ。 「僕は[土]属性、青銅のギーシュだ!ちゃんと名前で呼べ平民!」 「青銅とギーシュ、どっちが本当の名前だぁ?」 「うるさい黙れ!行けワルキューレ!」 銅像が走ってやってくる。運動能力はそう高くねえらしい。 あまりヤバそうじゃねえし、まずはこれと戦ってみるか。 目の前まで来た銅像が殴りかかってきた。 腕を掴み地面に叩きつけるように投げる。意外と重い。 ん、突然軽く? ギーシュが何か叫んでいる。 「……この銅像欠陥品かぁ?」 「こ、こんな馬鹿な!」 ワルキューレの腕が、根元からもげた。 思ったとおりね、結構強いじゃない。 ルイズは自分の使い魔が無能ではないとわかって、少し嬉しくなった。 ――トリステイア魔法学院、学院長室―― ミスタ・コルベールは、泡を飛ばして、学院長老オスマンに説明していた。 ルイズが使い魔召喚で平民の男を呼び出したこと。その契約のルーン文字が気になったこと。 それを調べていたら…… 「始祖ブリミルの使い魔、[ガンダールヴ]に行き着いたというわけじゃね?」 「そうです!あのルーンは、伝説の使い魔[ガンダールヴ]のものと全く同じであります!」 「わかった、しかし慌てるんじゃあない。同じルーンを使う違う魔法だってあるじゃろうが。」 オスマン氏はあくまで冷静である。 「それもそうですな」 ドアがノックされた。 「誰じゃ?」 扉の向こうから、秘書ミス・ロングビルの声が聞こえてきた。 「私です、オールド・オスマン」 「なんじゃ?」 「ヴェストリの広場で、決闘をしている生徒がいて、大騒ぎになっています。」 「まったく、暇をもてあました貴族ほど性質の悪い生き物はおらんわい、で、馬鹿は誰だね?」 「一人は、ギーシュ・ド・グラモン。」 「あの、グラモンとこの馬鹿息子か。おおかた女の子の取り合いじゃろ、相手は誰じゃ?」 「生徒のメイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔です。」 オスマン氏とコルベールは顔を見合わせた。 「教師たちは、決闘を止めるために[眠りの鐘]の使用許可を求めております」 オスマン氏の目が、鷹のように鋭く光る。 「アホか。たかが子供のけんかを止めるのに、秘宝を使ってどうするんじゃ。放っておきなさい」 「わかりました」 ミス・ロングビルが去っていく。 コルベールは唾を飲み込んで、オスマン氏を促した。 「オールド・オスマン」 「うむ」 オスマン氏が杖を振ると、壁にかかった大鏡に、ヴェストリ広場の様子が映し出された。 ギーシュは焦っていた。一体目のワルキューレはセッコに腕と頭をもぎ取られて機能停止している。 あいつは間違いなく戦闘経験豊富だ。けれど、メイジたる自分が平民相手に全力を出して問題になったりしないか? グラモン家の恥になったらどうしよう? 「くらえっ!」 足を狙って石礫を放つ。が、普通にかわされてしまう。 「[土]魔法ってのは全部こんな鈍いのか。」 もう仕方がない。負けるよりは全力で叩き潰す方がはるかにマシだ。 ありったけの精神力を込めて薔薇の杖を振る。 「ワルキューレぇっっ!!!」 魔法って大した事ねえなあ、それとも「土」だから? 確か赤土とかいう先生は土は日用品 つってたっけ? だが、こいつが単に弱い可能性も捨てきれねえ。知らないものは警戒するに限る。 さて、ギーシュをぶん殴ってオレに土下座させるかぁ。 「うおあ、なんだ?」 気づくと、さっきの銅像が7匹も現れている。 しかも武器を持ってやがる。こいつはやべえ。 どうせ鈍いんだろうが、もし当たったら死にそうだ、逃げるか? それもムカつくなあー。 ……なんか武器があればいいんじゃねえか? なぜ、その発想が生まれたのかは判らない。 何故ならセッコは武器を使ったことが一度もないからだ。 そうだ、この広場には石が敷かれている。この石で殴ったらどうだろう? 石は多分銅より硬いんじゃねえか? 少し出っ張った石に触れると左手の模様が光りだした。 この手触り、昔から知っている気がする。 思い切り石を掴む。模様が更に輝き、力が溢れてくる気がする。 ふと横を見ると、さっき壊した銅像が転がっていた。 何でオレは目の前にある銅像ではなく、わざわざ埋まっている石を選んだんだ? 今は闘いの最中だ、そんなことを考える暇はねえ。 左手の輝きに身を任せてみることにする。 「ねえ、タバサ、あの使い魔って人間だと思う?」 キュルケは隣の青髪の少女に声をかけた。 彼女には珍しく、本から目を離して戦いを見ている。 「わからない」 「タバサでもわからないか。」 「あんな能力の亜人は聞いた事も読んだ事もない」 「じゃあやっぱり人間なのかしらね?」 「わからない」 「そう。」 「ちょ、おま、おまえ一体?メイジなのか?」 どう見ても目の前の男は杖など持ってない。 しかし これは……そんな馬鹿な…… ルイズの使い魔が、足元に埋まっていた石を。 いや、岩だ! そいつは、直径1メイル以上はあろうかという岩を。 片手で地面から引きずり出した! しかも、僕の目が正しければ、岩の表面が溶けた様に何か滴っている。 「うわ うわああああああ!ワルキューレ!あいつを、あいつをぶっ殺せ!」 「不思議なんだよぉ、左手から力が湧いてくる、オメーを潰せってなあ!」 僕の 僕のワルキューレが、あいつの持った岩に端から潰されていく…… しかも、まるで素手で殴るように動きが速い。 これは平民ではない、何か別のモノだ、認めたくない。 「潰れて死ね」 僕に向かって 岩が 飛んで しぬ 「ギーシュさま!!!」 突然横から飛んで来た水流が僕を弾き飛ばした。一体誰が僕を助けたんだ? 岩は背後の塔にめり込んで砕けた。 「モ、モンモランシー?」 「ギーシュ、やめて!もう怒ってないから、もうちょっとで死ぬところだったのよ!!」 「僕は……」 「それはもういいから、あの使い魔に謝って!あれはギーシュが悪いわ!」 あいつが近づいてくる。やっぱり僕を…… 「……」 「その……セッコ・・だったかな?」 「オレの勝ちでいいか?」 「あ、ああ、僕が……悪かった……」 「わかった。」 「僕を許してくれるか?」 「オメーを殺したらルイズが怒る。」 さっきの岩は僕を殺す気じゃなかったのか? と言いたくなったが、また怒らせそうだし止しとこう。それに実際もう怒っているようには見えない。 「一つだけ言わせてくれないか?」 「何だ。」 「僕は青銅のギーシュだ。オメー じゃない。」 「わかった。オレはセッコだ。」 「確かにさっきの僕は貴族らしくなかった。すまない、セッコ。」 「わかった。」 「僕は貴族ギー……」 「わかったつってるだろおおおお!もう怒ってねえから黙れえ!」 悔しいがこいつにはもう逆らえないな……平民の癖に。 でも、モンモランシーの怒りが静まったのもこいつのおかげかもしれない。 そう考えるとまだ良かったかな。 コトッ 「ギーシュさま、この指輪はなに?」 「それはケティに・・・ハッ!」 「ギーシュさま……」 訂正しなくてはならない。今日はやっぱり厄日だ。 「ふむ……」 オスマン氏とコルベールは、「遠見の鏡」で一部始終を見終えると、顔を見合わせた。コルベールは震えながらオスマン氏の名前を呼んだ。 「オールド・オスマン」 「うむ」 「あの平民、勝ってしまいましたが……」 「うむ」 「ギーシュは一番レベルの低いドットメイジですが、それでもただの平民に遅れをとるとは思えません。 そしてあの動き!あんな平民見たことがない! やはり彼は[ガンダールヴ]!さっそく王室に報告しなければ!」 「なあ、コルベール君」 「なんでしょう、オールド・オスマン?」 「伝説のガンダールヴは、どんな特性の使い魔だったのかね?」 「主人の長い詠唱時間を守るため、時間稼ぎに特化した使い魔と聞きますが」 「うむ」 「あらゆる武器を達人のように使いこなしたそうです。」 「なあ、コルベール君。あの平民は武器を使っていたかね?」 「そういえば……」 「うむ」 「岩も武器といえばそう言えなくもないかもしれませんが」 「むしろ先住魔法の類かものう。」 「しかし、召喚時はディテクト・マジックに反応がありませんでした」 「まあ、しばらく様子を見てみるかの。無論クサレ王室には内密でな」 「そうですねえ……」 To be continued…… 戻る< 目次 続く
https://w.atwiki.jp/shachozero/pages/115.html
582 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2008/03/10(月) 01 04 50.09 ID rPFUBLma0 社長がゼロの使い魔の世界に召喚されたようです ~エピローグ~ ,. ヽ. ヽ l l l l / ヽ. ヽ l l l l / / ヽ. ` 、 ヽ ヽ. レ、l l. l / / 丶、 ` 、 ヽ ヽ / ヘ \ l l / / ` 、_ \. ヽ. ∨ , `丶 \ ! l / ヽ - ニ_ー三>ィヘ、 ヽ ∨、ハ }. 〉j l l 「……ここは……海馬コーポレーション ト 、 \ ` 、 丶、  ̄ / j ` 、 ヽ}_」 j /∧. l l 俺は、元の世界に返ってきたのか……」 `丶、\ `丶、_`ァハ / ` 、 l!__, / Ⅵ l `丶\ゝ、_,イ{j } / ヽl.// ∧ Ⅴ ! `丶、 ヽ ´ Ⅵ ,ヘ ヽ l l ソ‐-、_` 、  ̄´ \ヽ. l. l / `丶 」____\ヽV / |  ̄ ̄ く、 | `丶, _ | `´、_ /| \ ,イ .| ,rf⌒ ┌‐\ ∠.」 ! { | \__/ | _l. 弋_ | 〈 ̄.l l l l l l l j _____j___/______ ____/___\ _ _ \  ̄\. | |. //´ ヽ /´〉 | レ 〈 598 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2008/03/10(月) 01 07 35.65 ID rPFUBLma0 ,. ヽ. ヽ l l l l / ヽ. ヽ l l l l / / ヽ. ` 、 ヽ ヽ. レ、l l. l / / 丶、 ` 、 ヽ ヽ / ヘ \ l l / / ` 、_ \. ヽ. ∨ , `丶 \ ! l / ヽ - ニ_ー三>ィヘ、 ヽ ∨、ハ }. 〉j l l 「……! ふぅん、携帯か ト 、 \ ` 、 丶、  ̄ / j ` 、 ヽ}_」 j /∧. l l あの世界ではなることなどなかったからな `丶、\ `丶、_`ァハ / ` 、 l!__, / Ⅵ l 忘れていたわ……相手は……モクバ!」 `丶\ゝ、_,イ{j } / ヽl.// ∧ Ⅴ ! `丶、 ヽ ´ Ⅵ ,ヘ ヽ l l ソ‐-、_` 、  ̄´ \ヽ. l. l / `丶 」____\ヽV / |  ̄ ̄ く、 | `丶, _ | `´、_ /| \ ,イ .| ,rf⌒ ┌‐\ ∠.」 ! { | \__/ | _l. 弋_ | 〈 ̄.l l l l l l l j _____j___/______ ____/___\ _ _ \  ̄\. | |. //´ ヽ /´〉 | レ 〈 606 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2008/03/10(月) 01 11 29.54 ID rPFUBLma0 「兄さま? すぐに繋がってよかったぜ。ペガサスから連絡があってさ、今日の会談の件で話があるんだって 兄さまの携帯に連絡が行くはずだぜ」 ,. ヽ. ヽ l l l l / ヽ. ヽ l l l l / / ヽ. ` 、 ヽ ヽ. レ、l l. l / / 丶、 ` 、 ヽ ヽ / ヘ \ l l / / ` 、_ \. ヽ. ∨ , `丶 \ ! l / ヽ - ニ_ー三>ィヘ、 ヽ ∨、ハ }. 〉j l l 「会談だと? ……モクバ、今日は何月何日だ」 ト 、 \ ` 、 丶、  ̄ / j ` 、 ヽ}_」 j /∧. l l `丶、\ `丶、_`ァハ / ` 、 l!__, / Ⅵ l `丶\ゝ、_,イ{j } / ヽl.// ∧ Ⅴ ! `丶、 ヽ ´ Ⅵ ,ヘ ヽ l l ソ‐-、_` 、  ̄´ \ヽ. l. l / `丶 」____\ヽV / |  ̄ ̄ く、 | `丶, _ | `´、_ /| \ ,イ .| ,rf⌒ ┌‐\ ∠.」 ! { | \__/ | _l. 弋_ | 〈 ̄.l l l l l l l j _____j___/______ ____/___\ _ _ \  ̄\. | |. //´ ヽ /´〉 | レ 〈 612 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2008/03/10(月) 01 14 50.89 ID rPFUBLma0 「兄さま? 何いってんだよ! 今日は十二月二日、インダストリアルイリュージョン社との契約更新の日じゃないか! 疲れてるのか? なら無理しちゃダメだ! 俺が代わりに出席しておくぜ!」 ,. ヽ. ヽ l l l l / ヽ. ヽ l l l l / / ヽ. ` 、 ヽ ヽ. レ、l l. l / / 丶、 ` 、 ヽ ヽ / ヘ \ l l / / ` 、_ \. ヽ. ∨ , `丶 \ ! l / ヽ - ニ_ー三>ィヘ、 ヽ ∨、ハ }. 〉j l l 「……いや、単なる確認だ。問題はない ト 、 \ ` 、 丶、  ̄ / j ` 、 ヽ}_」 j /∧. l l ……切るぞ」 `丶、\ `丶、_`ァハ / ` 、 l!__, / Ⅵ l `丶\ゝ、_,イ{j } / ヽl.// ∧ Ⅴ ! `丶、 ヽ ´ Ⅵ ,ヘ ヽ l l ソ‐-、_` 、  ̄´ \ヽ. l. l / `丶 」____\ヽV / |  ̄ ̄ く、 | `丶, _ | `´、_ /| \ ,イ .| ,rf⌒ ┌‐\ ∠.」 ! { | \__/ | _l. 弋_ | 〈 ̄.l l l l l l l j _____j___/______ ____/___\ _ _ \  ̄\. | |. //´ ヽ /´〉 | レ 〈 617 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2008/03/10(月) 01 16 48.55 ID rPFUBLma0 ,. ヽ. ヽ l l l l / ヽ. ヽ l l l l / / ヽ. ` 、 ヽ ヽ. レ、l l. l / / 丶、 ` 、 ヽ ヽ / ヘ \ l l / / ` 、_ \. ヽ. ∨ , `丶 \ ! l / ヽ - ニ_ー三>ィヘ、 ヽ ∨、ハ }. 〉j l l 「どういうことだ……まさか白昼夢だったとでも言うのか? ト 、 \ ` 、 丶、  ̄ / j ` 、 ヽ}_」 j /∧. l l ……いや、だがしかし……! ちっ、ペガサスか `丶、\ `丶、_`ァハ / ` 、 l!__, / Ⅵ l ……何の用件だ」 `丶\ゝ、_,イ{j } / ヽl.// ∧ Ⅴ ! `丶、 ヽ ´ Ⅵ ,ヘ ヽ l l ソ‐-、_` 、  ̄´ \ヽ. l. l / `丶 」____\ヽV / |  ̄ ̄ く、 | `丶, _ | `´、_ /| \ ,イ .| ,rf⌒ ┌‐\ ∠.」 ! { | \__/ | _l. 弋_ | 〈 ̄.l l l l l l l j _____j___/______ ____/___\ _ _ \  ̄\. | |. //´ ヽ /´〉 | レ 〈 623 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2008/03/10(月) 01 20 27.70 ID rPFUBLma0 「ソーリー海馬ボーイ! こちらのトラブルが発生したのデース! 今日の会談を延期してもらえないデスカー?」 ,. ヽ. ヽ l l l l / ヽ. ヽ l l l l / / ヽ. ` 、 ヽ ヽ. レ、l l. l / / 丶、 ` 、 ヽ ヽ / ヘ \ l l / / ` 、_ \. ヽ. ∨ , `丶 \ ! l / ヽ - ニ_ー三>ィヘ、 ヽ ∨、ハ }. 〉j l l 「ちっ、そんなことか ト 、 \ ` 、 丶、  ̄ / j ` 、 ヽ}_」 j /∧. l l かまわん。今俺はそれどころでは `丶、\ `丶、_`ァハ / ` 、 l!__, / Ⅵ l …………! ……ペガサス、その条件を飲む代わりに次の新エキスパンションに二枚のカードを追加しろ」 `丶\ゝ、_,イ{j } / ヽl.// ∧ Ⅴ ! `丶、 ヽ ´ Ⅵ ,ヘ ヽ l l ソ‐-、_` 、  ̄´ \ヽ. l. l / `丶 」____\ヽV / |  ̄ ̄ く、 | `丶, _ | `´、_ /| \ ,イ .| ,rf⌒ ┌‐\ ∠.」 ! { | \__/ | _l. 弋_ | 〈 ̄.l l l l l l l j _____j___/______ ____/___\ _ _ \  ̄\. | |. //´ ヽ /´〉 | レ 〈 637 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2008/03/10(月) 01 23 42.63 ID rPFUBLma0 「お安い御用デース! 海馬ボーイ提案のカードならばこちらとしても大歓迎デース! しかし突然デスネー! 何かあったのデスカー?」 ,. ヽ. ヽ l l l l / ヽ. ヽ l l l l / / ヽ. ` 、 ヽ ヽ. レ、l l. l / / 丶、 ` 、 ヽ ヽ / ヘ \ l l / / ` 、_ \. ヽ. ∨ , `丶 \ ! l / ヽ - ニ_ー三>ィヘ、 ヽ ∨、ハ }. 〉j l l 「ふぅん。古臭い杖と、使用人のスカーフを見て思いついただけだ」 ト 、 \ ` 、 丶、  ̄ / j ` 、 ヽ}_」 j /∧. l l `丶、\ `丶、_`ァハ / ` 、 l!__, / Ⅵ l `丶\ゝ、_,イ{j } / ヽl.// ∧ Ⅴ ! `丶、 ヽ ´ Ⅵ ,ヘ ヽ l l ソ‐-、_` 、  ̄´ \ヽ. l. l / `丶 」____\ヽV / |  ̄ ̄ く、 | `丶, _ | `´、_ /| \ ,イ .| ,rf⌒ ┌‐\ ∠.」 ! { | \__/ | _l. 弋_ | 〈 ̄.l l l l l l l j _____j___/______ ____/___\ _ _ \  ̄\. | |. //´ ヽ /´〉 | レ 〈 647 :社長の使い魔 ◆.H42NtoyGg:2008/03/10(月) 01 27 41.19 ID rPFUBLma0 「ワッツ? 杖とスカーフ? よくわかりませんがその二枚のカードとはどんなものなのデース?」 ,. -‐ 、. /  ̄`~` ‐ 、 / ` ` ‐、 / `‐、 / \ , \ / ! \ / l ! | i . / , │ l l ! | │ / /./ | │ l 、 | | | , | .l ! 「ふぅん。 . / / /l ! l | | | \ !|l | / | | ! ゼロス・メイジ ブルーアイズ・ゼロス・ドラゴン / / ./ ! | l l | | ヽ. ヽ\ \ ヽ. ヽ. |│/ヽ| ! l ! 『虚無の魔法使い』と『青眼の虚無龍』だ……」 ` ‐ 、| l ヽ. ヽ.ヽ. ! l\\`‐、ヽ、\ヽ.| レ /ヽヽl ! ! . `‐、| 、ト、__\ 、 ヽ. l トーz、-‐ラ フヽ!|!/_,ゝヽ }. |│ \ヽl\`ー ヽ、\ヽ ∨ー`‐← ||!-、-、 /! |│ ヽト. ´ ̄ジヽN` -ゝ |! リ /|.| | | ! \ _iー | |.| | | |\. \ r‐== ヲ |  ̄`~` ‐ - 、 | ` ー-ヽ、 V r -‐ / .| | | `‐、 `ー- ./| , -.、 | | `‐、 / .| { {lll}} f{! _ _,,. 、-‐ | `エ´-─ー| ` ー ゞ ´ ヽ` ー- |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / 社長がゼロの使い魔の世界に召喚されたようです ~Fin~ 前へ トップページ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1246.html
「ほう…広いな」 歩くにつれ、少しづつ収まってきたルイズを前に食堂に着いたのだが、その結構な広さに、素直に感嘆していた。 「ここで教えているのは魔法だけじゃなくて『貴族は魔法を以ってしてその精神となす』のモットーのもと 貴族たるべき教育を受けているの。だから、ここも貴族の食卓に相応しいものでなければってことね」 長ったらしい説明を受けたが、まぁイレーネにとってはどうでもいい。 ルイズが席に座ろうとすると、絶妙のタイミングで椅子を引くと、驚いたようにルイズが反応した。 「意外と気が利くのね…」 「組織から一通りの事は叩き込まれてきたからな」 妖気を消す薬を使った上での潜入任務用のものだが、その気になれば娼婦の目だってやれるのだ。 使用人の動きも当然叩き込まれている。 「…こんな所で役に立つとは思わなかったが」 まぁ、そのNoの高さ故に潜入などには使われる事は無かったので、今回が初披露という事になる。 しばらくルイズの近くに立っていたが、人が集まろうとしない。 いや、他の席は人で埋まっていたが、ルイズの周りの席だけ綺麗に空いている。 少し考えたが、その理由は一瞬で分かった。 (ああ、ここでは私はエルフだったな) 要は仕事を成した後に姿を見せたがらない街人のようなものだと思えば納得できる。 つまり、恐れているという事だ。 ただ、朝のルイズが嫌そうにしていた赤い髪のキュルケはそうでもなかったようだが。 「見た目より、仲が悪いというわけではないようだ」 からかっているようにも見えたが、それなりに気にかけた上での行動だろうと検討を付ける。 本人に言えば否定されるだろうから、あえて言わないでいるが、とにかく、ここに居ては食事も始まらないだろうとし外に出ておく事にした。 どのみち、まだ一週間は持つはずだ。 「私は外に出ておく。済んだ頃には外で待っている」 「へ?何で外に出る必要があるのよ」 「気付いていないのか…周りを見ろ」 結構大物になるかもしれんと思ったが、場の状況を把握できないというのは、後で後悔するハメになる事が多いので確認させるように促す。 それはもう、夥しい数の視線がこちらに向けられている。 自分にではなく、主にイレーネに。 「と、いうわけだ」 そう言うが否やイレーネが食堂を後にする。 「…って、待ちなさい!あんたの食事は…」 そこまで言って、昨日、自分が言った事を思い出したのか口篭る。 もっともイレーネはそれを気にした様子も無く、とっとと食堂から出てしまったのだが。 「もう…勝手にしなさい!」 「少し、ここを探るか」 食堂から出たイレーネだが、まだ時間はある。 これからしばらくここに居るのだ。少し、学院の構造を調べておく事にした。 「確か、今居る塔が本塔だったな、他にも分塔が分かれているというわけか。…しかし、妖力がほとんど回復していない…やはり再生の影響か」 攻撃型の上位Noが腕一本再生するとしても、数ヶ月かかるのだ。それをこの短時間で行えたのだから、その影響だろう。 高速剣は腕を覚醒させ精神力で押さえつける技のため気にしなくてもいいだろうが、こうなればいよいよ一割の妖力解放すら温存しておいた方がよさそうだ。 少し考えながら歩いていたため、曲がり角で思いっきり人にぶつかってしまった。 これが妖魔なら事前に察知できていたのだが、相手はただの人だ。 「妖魔のようにはいかんものだ…すまんな、大丈夫か?」 「い、いえ…こちらこそ申し訳あり……」 イレーネはそのまま立っていたがぶつかった方はしりもちをついて倒れている。 戦士として鍛えられたイレーネと、そうでない者なら当然の結果か。 「珍しい色だ。私が居た場所でも滅多に無いが…確か『獅子王リガルド』がそんな髪の色だと聞いたな」 男の時代のかつてのNo2。イレーネ自身、直接遭遇した事は無いが、外見はそうだと聞かされている。 が、倒れている方は、イレーネを見たまま固まっている。 「…どうした?立てないのか?」 手を差し出すが…何故か思いっきり叫ばれた。 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!わわわ、わたしなんか食べたっておいしくないですよぉ!!」 「食べる…?何を言って「ああ…!父様、母様ごめんなさい…!シエスタはエルフに攫われてしまいます!」」 どうにもこうにも、シエスタと言うらしい少女が一人で何か別の世界に突入しているが、それを見たイレーネも動じていないあたりさすがだ。 「ど、どうしよう!学院にエルフがいるってことは貴族の方たちも、連れ去られてしま「とりあえず落ち着け」」 言うと同時に手刀を頭に叩き込む。もちろん角度60°の綺麗なやつをだ。 髪型がクレアに似ていたので思わず後頭部を掴んで、土下座体勢にさせたくなったが、チョップで我慢しておく。 「ひぁ…!た、食べないでくださいぃ~~~!」 「エルフというのは人を喰らうのか?…だとしたら妖魔か?しかし、それならなんで私がそれと同列に扱われなくてはならないんだ」 妖魔扱いされたと思い少しイラついたが表情には出さない。 「い、いえ、わたしも人から聞いただけなんですけど…違うんですか?」 「私はエルフではないから、知らんし、お前達が使うような魔法なども使えん」 「…そういえば、ミス・ヴァリエールがエルフを使い魔にしたって噂になってましたけど…魔法使えないんですか?」 「少なくとも、空を飛んだりする事などできんさ。大体、お前達はどこで私をエルフだと判断しているんだ」 今朝、エルフだと思われていた方がいいと判断したばかりだが、即撤回だ。 半人半妖だが、さすがに妖魔のように人を食うとは思われたくない。 「その…えっと…耳ですかね」 「確かに一般的なものとは違っているが…私はエルフではないよ」 クレアを襲っていたあの女もそうだが、あっちではそう珍しくない。どうやらこっちでは尖っている=エルフというらしいと認識した。 「エルフじゃなくて魔法が使えないって事はわたし達と同じ平民なんですか?」 「同じ?お前、魔法は使えないのか?」 「魔法が使えるのは貴族の方達だけなんですよ。わたしは貴族の方々をお世話するために、ここでご奉公をさせていただいているんです」 「ふん…ならここでは、私もそうなるのだろうな」 ルイズにならともかく、この少女に半人半妖だと言っても理解すらできまいとし、それを言うのは止めたのだが、一つ疑問が浮かぶ。 「…いや、私を召喚したというやつも魔法だったか」 なら、何故に空を飛ばなかったのかは気になったのだが、まぁ些細な事だ。 攻撃型、防御型の違いのように得手不得手があるのだろうというところで納得した。 「わたしはシエスタっていいます。よろしくお願いしますね」 「さっき私に攫われると言っていた時に聞いたよ。イレーネだ」 さっきの事を思い出したのかシエスタが慌ててながら赤くなった。 「す、すいません…!でも魔法を使える貴族ですらわたし達にとっては怖いんです…。その貴族ですら恐れるエルフと思ったんですから…」 「怖い…か。私にも怖いと思うことぐらいあるよ」 もちろん、プリシラに左腕を持っていかれた時の事だが、シエスタは自分と同じだと思ったらしい。 「やっぱりそうですよね。…そうだ!余り物で作った賄い食でよければ食べていかれませんか?」 「ああ、私は…」 「遠慮なんてしないでくださいな。こちらにいらしてください」 大丈夫だと答える前にシエスタに手を掴まれ阻まれた。どうも見た目に反し押しが強いらしい。 こうなればあちらと違って、恐れられていないだけに一方的に弱い形になる。 戦士によっては、どこまでやるのかは違うが、少なくともイレーネは一般人と揉め事を起こすようなタイプではない。 無理に断っても拗れるだけだし、一週間は持つが、食べる必要が無いというわけではない。まして妖力が尽きているのだ。 引っ張られるままに食堂の裏手の厨房に連れていかれ椅子に座らされ待つこと数分。 シエスタが皿に入った暖かいシチューを持ってきた。 半分ぐらい食べたところでスプーンを置くとニコニコしていたシエスタが急に不安そうな顔をして聞いてきた。 「もしかして…お口に合いませんでしたか…?」 「ああ、性質でな。私は大体、二日に一度この程度食べれば事足りるんだ」 まぁ戦士にもよるが、大体このぐらいだ。クレアはさらに少ない方だったようだが。 「駄目ですよ!ちゃんと食べないと大きくなれません!」 長女としてのプライドか、どうも食事を残す妹や弟達とかぶったらしく、思わず似たような説教が出た。 「これ以上成長するというのもどうかと思うが」 身長180センチ、一般的に見ても高身長だ。 「そうですけど…毎日のご飯は大事なんですからね」 (やれやれ…クレアに『欲しくなくても無理にでも体に入れておけ』と言った私の立場が無いな) 因果応報。弟子にやった事がそのまま返ってきたような気がしたため、とりあえずその場は全部食べる事にした。 味は美味かったため、そう苦にはならなかったのは幸いというところか。 というか、本気で久方ぶりにまともな料理を食べた。 戦士時代から性質上、どういったものでも少量摂取すればいいというだけあって、基本的に生でいける果実か、そのまま焼いたものぐらいしか食べていない。 例外も居るだろうが、大抵の戦士はそれで済むため、わざわざ、一般人が食べるような料理を食べようなどというものは非常に少ないのだ。 だから、素直に感想が出た。 「旨いな」 「よかった。全部食べてくれて。いつでも食べに来てくださいね。わたし達が食べているものでよければお出ししますので」 「さすがに、毎日というわけにはな…ルイズの方も終わったようだ、世話になった」 「それじゃあ、またお昼に」 マントを翻し厨房を出るが、先行き不安と言えば不安だ。 「四肢接続を繰り返せばいけるか…?」 本気でそんな危ない事を考えつつ、ルイズと合流し教室へと向かう事になった。 ルイズがイレーネを伴い教室へ入ると、今まで結構話し声とかしていた教室が一気に静まり返った。 全員、正面を向き誰も一切ルイズを、もといイレーネを見ようとしない。 唯一の例外は今朝のキュルケと、その近くに座っている青髪の少女ぐらいだ。 風属性の教師曰く「学院として理想的な状態だ」とのこと。 さすがに、イレーネもこう大人数から人を食うエルフと思われてはたまらないので、ルイズに問いただす事にした。 「…お前達が言うエルフというのは人を食うのか?」 「人を食べるのはオーク鬼とかでエルフは強力な先住魔法を使うけど人なんか食べないと思うわ。急にどうしたのよ」 「そうか。…いや少しな」 どうやらシエスタの思い込みだったようで、一先ず安堵した。 なら訂正する事もあるまいと思い床に腰を落す。 やはり、こうなると背中に大剣が無い事に多少違和感を感じる。 「しかし…あれ全てが使い魔というやつか?」 「そりゃそうよ」 (まるで覚醒者の展示会だな…) もちろん普通の動物も居るが、中に浮いている巨大な目玉。蛸人魚。六本足を持つトカゲ。どれもこれも40番代ぐらいの下位の覚醒者ならありえる形だ。 そうしていると、扉が開き中年の女性の教師が入ってきた。 教室を一瞥するなり、満足げに微笑むと 「皆さん、春の使い魔召喚は大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」 と、口を開いたが、ルイズとその使い魔であるイレーネと目が合うと一気にその調子が下がった。 「ず、ずいぶんと、変わった…いえ、立派な使い魔を召喚したものですね?ミス・ヴァリエール」 瞬間、ただでさえ冷えていた教室の空気が下がる。それはもう、生徒から空気読めよと言わんばかりの視線がモロにシュヴルーズと呼ばれる教師に集まっていた。 「で、では授業を始めますよ。私の二つ名は『赤土』。赤土のシュヴルーズです。土系統の魔法を、皆さんに講義します」 こほん、と咳払いをし授業が始まるが、イレーネの興味は属性などよりも二つ名の方に移っている。 「お前達は、全員二つ名を持っているのか」 「そうね、大抵二つ名で属性が分かるのよ。あそこの小太りが『風上』。あのキザったらしい金髪が『青銅』。その横のは『香水』。後は…キュルケの『微熱』ね」 「順に、『風』『土』『水』『火』といったところだな。もう一つあるようだが…誰も使えないのか」 「伝説になってるぐらいだしね。虚無は」 「…それでルイズ、お前の二つ名は何なんだ?」 イレーネ自身、『高速剣』という二つ名を持っていたからには、そこのところはやはり興味はある。 そう聞かれてもルイズが答えないので、まぁ深くは聞かなかったのだが、かなり静かな教室の中、話していたので結構目立っていた。 「ミス・ヴァリエール、使い魔と親睦を深めるのは構わないのですが…授業中は慎みなさい」 「ああ、すまん。続けてくれ」 ルイズが謝るより先にイレーネがそう言ったのだが、思いのほか素直に謝られた事に対して緊張が取れたようで、ようやく何時もの調子に戻ったようだ。 「判っていただければ幸いです。ミス・ヴァリエールには、ここにある石ころを私がやったように金属に変えてもらいましょう」 「わ、わたしですか?」 もじもじしつつ立ち上がらないルイズを若干疑念を含んだ目で見たが、土系統は苦手なのだろうと判断した。 「や、やります」 そんな、視線に気付いたのか、緊張した面持ちでルイズが前に向かうが、別の方向から待ったがかかった。 「先生、ルイズにやらせるのは危険だと思いますけど…」 他の生徒もそれに同調しているが、シュヴルーズは止めさせるどころか、むしろ促している。 「失敗を恐れていては何もできませんよ。気にしないでやってごらんなさい」 もう止められない。ルイズが教壇の前に行き杖を構えると生徒が一斉に机の下に隠れ始めた。 ルイズが呪文を唱えるが、戦いから離れていたとはいえ戦士。イレーネの体が反応した。 体のあちこちが妖力解放した時のように音を立てている。 何か分からんがマズイ! 「そこまでだ、止めろ!」 何故か限界を突破しそうな予感にかられ、ルイズを止めたのだが、もう杖を振り下ろしていた。 「いかん!」 瞬時に妖力解放。大して回復していない妖力を全て回し床を蹴った瞬間、爆発が起こった。 教室がパニックに陥り、他の使い魔達が暴れ出す。 フレイムが火を吐き、飛行可能な使い魔はガラスを突き破り外へ逃げ、その穴から入ってきた大蛇が小太りの少年を飲み込もうとしている。 「ああ!マリコルヌが食われた!」「まだ、食べられてない!助けてくれ!」「火を消せぇーーーー」 まるで、妖魔か覚醒者が町を襲った時の様な阿鼻叫喚だ。 「だ、だから言ったのよ!ルイズにやらせるなって!ってルイズと先生は!?」 キュルケが教壇を指差しながらそう言ったのだが、二人は居なかった。 「うそ…二人とも爆発で!?」 その場に居たはずなのに居ないので、爆発で消し飛んだと思ったらしいが、教室の後ろの方から声がかかった。 「まったく…問題児もいいところだ」 イレーネが珍しく焦った様子で、その右腕にルイズを抱えている。 「左腕が無いんでな。悪いが蹴ったぞ」 その視線の先にはシュヴルーズが倒れていた。 爆発に巻き込まれたわけではないが、イレーネの蹴りが良い所に入ったようで気絶している。 先住魔法というざわめきが起きたが、何の事は無い。ただ疾く動いただけの事だ 妖力解放し、教壇まで一足飛びに飛ぶと同時に教壇のルイズを掴み そのままの勢いで壁を蹴り反転。ついでにシュヴルーズを蹴り飛ばしたのだが、鳩尾に綺麗に決まったようだった。 当然、手加減はしたが急所である。そりゃあ気絶もする。 瞬間的な妖力解放による高速移動。『幻影』程ではないが、かなりのスピードで移動はできる。 ただ、もう回復した妖力を使い果たしたようだったが。 「ちょっと失敗したみたいね」 そんな教室のざわめきを受けても淡々とした声でと事も無げに言う姿を見て改めてイレーネは、こいつは大物になるな。と本気でそう思った。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2890.html
前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~ 「きゅい。クザク、鼻血はもうだいじょうぶ?」 「我を心配する暇があるのならその間に服を着てくれ…………」 「りょうかいなのね」 叢の向こうで自分の貸し与えたマントと上着を着ているであろうシルフィードに声をかけ、 九朔は深い溜息をついた。 さてもさても情けない話である。素っ裸の女をみたぐらいで鼻血を出し、あまつさえ その女に介抱されるとは。 しかもそれが人に化けたシルフィードだというのだから尚情けない。 木にもたれ、シルフィードがどこからか持ってきたてぬぐいを鼻に突っ込み止血している様 など到底人に見せられるものではない。 はっきりいってこれはかなり、恥ずかしい。 「うー、クザクの上着とマント借りたけどこれでいい?」 「ようやく着たか。まったく汝のおかげで我………は………」 「きゅい?」 視線の先にあるシルフィードを一瞥し、九朔は言葉を失った/時が止まった。 シルフィードはちゃんと服を着ていた、何も問題はない。言ったとおりだ。 しぶしぶだったが言う事を聞いてくれたのだ、何も問題はない。 だが、なんというか、まあ、かなり、非常に、とんでもなく、うん、際どい。 素肌の上から直に男物の上着を羽織ってあるわけだからそれはつまり二つのふくらみ分の ゆとりが胸部分にたりないわけで双つの果実はしっかり押し込められて寄せられて ぼんきゅっぼーんでああこれは選択をしくじったと思うや下に視線を移せば女性らしさを 強調する引き締まった臀部は紅の外套を腰に巻いたお陰でよりラインが強調され はちきれんばかりの太もも。 なんつーか、いただいちゃって良いっすかね? ほら、こうやって色々やってると溜まるものもあるわけですから? 暴走する若さとか思春期ちゃんを、おーいえす、おーやっはーしたいわけで? いや、一応毎日ブチマケはしてるわけですけど、ほら? ブチマケばかりじゃなくて給水塔の上でストロベリたい年頃ですし? 毎日同じものを食べていると飽きるからたまには別のものも食べたいなぁ、とか 思わなかったり思ったりするわけで。 いや、好きですよ? 好・き・だ・け・ど! 食べたいものは選り好みしちゃいけないってパパもママも昔から言ってます! だからね、僕ちゃんモラルというそんな道理をぶっ飛ばして天井突き破ってたまには こうやってこの無垢な身体をこの心の中のドロドロとした欲望ちゃんの解放の ためにその鍵穴にスピンオンしたいんどぅえす! 神だって演じたいからアダムとイヴのカルネヴァァァァァレッッッ!! 二次創作だからできる別ルートのジャングォォォォォッッ!! いざいかん、めぇるひぇんの世界! 文字だけの禁断のヘ・ヴ・ンっっっ!! え? 目が充血してるって? あはは嫌だなぁ、オッドアイですから! 血走ってるって? だからオッドアイですからぁ! 「きゅい? どうしたのねクザク、ボーっとしちゃって」 「――っ! な、なんでもない!」 一瞬別世界からの電波を受信していたようだ。我に返り、九朔は邪念を振り払うように 頭を大きく横に振り顔を両手で引っぱたいた。 なんだか酷く懐かしい感覚の電波ではあったが、すさまじくおぞましい何かでもあったような 気がする。 何故だろうか、嫌悪と郷愁が同時に襲い掛かって複雑な心境である。 だがしかしだ、ああそうだ、破廉恥は良くない、よろしくない。 騎士たる者淫らな思考に惑わされてはいけない。 ああ、まったくだ。 「顔がまっかなのね」 「大丈夫だ、何も問題はない」 「う~ん………まあ、そう言うのならそれで良いのね!」 よっこいしょと九朔の眼の前に腰を下ろし、ニコニコ笑顔でシルフィードはこちらに 視線を送ってくる。 「なんだ?」 「えへへ~」 心底嬉しそうな笑顔でこちらを見てくるのを見ると、果たして20そこらの容姿が10代前半の 少女のものに見えるから不思議だ。 いやいやそういう事ではない。何故、こんなところに連れて来たのか理由を聞かねば。 「汝、とにかくだ。どうして我を――」 「なかまね! うん、やっぱりクザクとシルフィは一緒!」 「は?」 さて、またも話が見えなくなった。というより先ほどから言葉を遮られてばかりのような 気もするがそれは仕方ないとして。 「仲間、とは?」 「きゅいきゅい! まー、またまた冗談ばっかり言ってクザクったらひどいのね! こうしてわたしもおんなじ姿になったんだから隠す必要なんてないのに!」 もうやだだわ、と自信満々に肩を叩いてくるのは良いが話が見えない。 いや、そもそも最初から互いの理解が食い違っているような。 「済まぬがシルフィード、汝が人に化けることは理解したがそれが我と如何なる関係が あるというのだ?」 「んもう。だから冗談はやめてほしいと言ってるのね。シルフィは韻竜だから 変化の魔法がつかえます。クザクもギーシュさまと戦ったときにすっごい先住魔法を 使ったのね、だからなかまとシルフィはわかったのです!」 ああ、なるほど。ようやく九朔も理解した。 そして同時にシルフィードに対してすまなく思う。 「シルフィード」 「で、で、でで? クザクはいったいどちらの方なのかしら?! 変化も使えて あんな遍在みたいなのからびゅーんってすぅ~~っごい風を巻き起こして そしたらすっごいパンチ! ねえねえ、クザクはどちら様!?」 「いやな……」 「だいじょーぶだいじょーぶ。シルフィってばクザクがどんなにす~~~っごい 先住の生き物でも驚いたりしないのね。シルフィは長生きです、えらいのです、 かしこいのです! だってお父様やお母様、あとあとお姉さまにも色々教えてもらってるから!」 「だから……」 「あ、そうね! 今度はお姉さまも呼んで一緒に行くのね! うんうん! そしたら お姉さまもシルフィがおしゃべりするお許しをちょ~っとはゆるめてくれると思うのね。 やった、やった! シルフィだいばんざい!」 一人ハイテンションで突っ切るシルフィード、この後を思うとより一層すまない 気持ちになってきた。 「シルフィード」 万歳を繰り返すシルフィードの肩にクザクはゆっくり手を置いた。 「ん? クザクってばどうしたの? あ、正体教えてくれるのね!」 ああ、その屈託のないキラキラと輝く瞳が痛い。 「で、で!? クザクはいったいどこの――」 「シルフィード、落ち着いて聞け。我は幻獣ではない、人だ」 「きゅいきゅい! 何を言うかとおもえばまたまたごじょうだんを、なのね。 さっきもだけど、そんなのではわたしは騙せません!」 先ほどと同じように、んもう、と肩をぽんっと押すシルフィードだが、 「いや、冗談ではない。本当だ」 九朔の真剣な顔を見てようやく嘘ではないと気づいたようで、すーっと顔を、竜の姿の時と 同じ程度か、いやそれ以上に青ざめた。 ああ、悪くないのに締め付けるような痛みが胸を襲う。 「じょじょじょ、じょーだんなのねっ。クザクは冗談がおじょうずなのね! にんげんの姿になったのにだますのはひどいのです!」 あははと青ざめた顔で笑いながら、九朔の顔を指差すシルフィードに首を振って否と 答える九朔。 「う、うう、うううそね。うんうん、シルフィが間違えるとかなーい、なーい、ないなーい。 そんなの絶対ありえなーい」 「……済まぬとは思うがな、現実から逃げてもどうしようもないぞ?」 青ざめたままシルフィードが硬直した。 なんというか酷く申し訳ない気分になる、まったく悪くないのだが。 凍りついたまま身動き一つしないシルフィードをさてどうやって慰めるべきかと 考える九朔であったが、そう考えた時には既にシルフィードに押し倒されていた。 「どうしようどうしようどうしようどうしよう!? わわわわたし喋っちゃった! おこられちゃう! ごはんたべれなくなっちゃう! 大ピンチなのね!!」 マウントポジションで九朔の胸元を掴み振り回すシルフィード。 丸く大きな瞳から滝の如く涙を流してうろたえるその様はまるでカートゥーンの キャラクターのようだが、本人にとっては切実極まりない話なのに違いない。 押し倒されているというのにやたらめったら冷静に観察していた九朔ではあったがその 危機的状況の理解までにかかった時間は一瞬であった。 半裸の女性(穿いてない、地肌に上着一枚)が胸元はだけた己の腰あたりに跨っている。 うむ、これは激しくまずい。 傍から見ればもう、これは逃れようもないほどに確実にどこまでもまるっと最悪の想像しか 出来ない光景である。 こんなの人に見られた日には何を言われたものか分かったものではないのだが、 だがしかし悲劇とは得てしてそんなときに起こるものである。 「ねえタバサ、本当にここでよかったの―――って、あらま」 「…………ん」 「わっぷ! ちょ、何いきなり立ち止まってんのよツェプルス……ト………」 林を掻き分けて現れる3つの影。 そして同時それが魔法学院の生徒且つうち二人がルイズとタバサであることに 気づき最悪の状況到来を実感。 「なんかお取り込み中のようでしたわね、おほほ」 「………」 「なっ……ななな……なななななななあぁぁ!?」 一人は嬉々と、一人は無言で、一人は呆気に取られと三者三様の反応。 脳内に浮かぶ三択の選択が全て『現実は非情である』しかないというのは これ如何に。 「こ、このぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 そして振上げられる杖の向こうにルイズの憤怒相を視認し、思う。 「きゅ、きゅい! お姉様これは――――あいたー!」 主人を見て逃走を図るシルフィードにお仕置きとばかりに杖を叩き付けるタバサを見て思う。 「え? ちょ、ちょっと二人とも!?」 同時行動した二人に驚く褐色の少女を見て思う。 そして、閃光と共に衝撃抱えて遥か空高く舞い上がり、一瞬の浮遊感の後超速で ニュートンの法則に従い落ちていく最中に、思う。 ――――これからが本当の地獄だ 前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~