約 1,746,238 件
https://w.atwiki.jp/nenrei/pages/695.html
【作品名】ジョジョの奇妙な冒険 第7部 スティール・ボール・ラン 【ジャンル】漫画 【名前】ジャイロ・ツェペリ 【属性】騎手/スタンド使い 【年齢】24歳 【長所】黄金長方形、黄金の回転 【短所】無実の少年を救う為にレースに参加したが結局その少年は死んだ 【備考】享年 vol.1
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2746.html
前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~ ヴェストリの広場とは真逆の日当たりの良い広場、そこに大の字になり 九朔は空を見上げていた。 給仕や調理場の手伝いも今の時間帯は生徒が授業中でありやることがない。 ルイズもまた授業を受けているのでこの場にはいない。 よって今の時間は休み時間であり、完全なる手持ち無沙汰状態。 あい仕方なしと、他の使い魔やメイド達が休んでいる日あたりの良いここで 少々仮眠を取ることにしたのだが、 「きゅい、きゅい」 「………」 さきほどから寝ようとしている自分のマントの裾をぐいぐい引っ張るこの 青色の竜の存在はいったいどうしたものか。 「きゅい」 「……………」 無視を決め込み寝返りを打つがそれでも諦める気配はない。 遊び相手ならば側で寝ているギーシュの使い魔やあの赤毛の少女のサラマンダーが いるというのに、しつこく九朔だけを突っついてくる。 「きゅいきゅい」 「…………」 「きゅいきゅい、きゅい」 「…………」 「きゅい、きゅきゅきゅいきゅい。きゅいきゅいきゅい!」 「…………………………………」 「きゅい、きゅいきゅいきゅいっきゅいきゅいきゅ~~~~い~~~~~!!」 「でえええええええええええい!!! いい加減にせぬか、汝ぇ!!」 しっかり咥えられたマントの端を取り上げ立ち上がる。 そして感じる重さに眼をやれば口で引っ張ってられていたせいか涎やらで ぐしょぐしょになった自前の紅の外套。 なんだか欝だ。 「きゅい!」 だが、そんな九朔などお構いなしな様子で目の前の竜はまん丸の黒いつぶらな瞳を輝かせ こちらを嬉しそうに見下ろしている。 「シルフィード……汝、先ほど飯を食ったばかりだろうが」 溜息をついて九朔は目の前の竜を見上げる。 シルフィード、先日自分に何者かと尋ねてきた少女タバサの使い魔の竜。 マルトーの手伝いで使い魔達の食事の世話をしているおかげで覚えた。 ちなみに一回の食事量はざっと通常の三倍、青色なのに理不尽である。 「きゅい! きゅい!」 と、腹が空いたわけではないと言いたげにシルフィードが首を大きく横に振った。 使い魔は時に人語を解するという。なるほど、犬が主人の命令どおりに アーカムアドバタイザーの朝刊を庭先から拾ってくるのとは訳が違うというわけか。 「きゅいきゅい!」 つまらない事を考えていると今度は上着の肩口を食まれた。 いい加減涎だらけになるのは勘弁したいというのに。 「分かった! 分かったから我の肩口を食むのを止めろ。一体何の用だというのだ汝は……」 今度は逆を食もうとするシルフィードの鼻先を制して九朔が叫ぶ。 「きゅい!」 ようやく聞いてくれたとでも言いたげに嬉しそうに鳴くと、シルフィードは頭で自分の背中を 指した。 「乗れ、とでも言う気か?」 「きゅい!」 首を大きく縦に振るシルフィード。 さて、自分はこの竜とたいした面識がなく、これの主人とも一言二言言葉を交わしたに 過ぎない。それが、何故こんなことを? 「きゅいきゅい!」 「ああ、ああ、わかった。わかったから止めろ」 またもそんな事はお構いなしと襟口を食もうとする口を押し留め、仕方なしと九朔はその背に 乗る事にする。 こうもしつこく食まれるのは堪ったものではないというのもあるが、悪意を感じられぬ者に いらぬ詮索は不必要であるし、用があるならそれはそれで付き合うのも暇つぶしになるかも しれないと思ったからだった。 何かしらの問題が起きればその主人に言えば良いことだろうし。 どうにも牧歌的な空気に毒されたのか危機感が欠如している九朔であった。 「乗ったぞ」 背にあぐらをかき九朔がシルフィードに声をかける。 そしてきゅいと一鳴き、両者は空へと舞い上がった。 * クザクがシルフィードと空へと舞い上がる様子をタバサはしっかり窓から見ていた。 いったい何をするつもりだというのかと考えるが、いや、考えるまでもなかった。 『きゅいきゅい! わたしみつけた! 精霊のちからをつかえるおとこのこ!』 『はなしたいーはなしたいー。あの子とはなしたいー』 『ずっとにんげんに変化できるなんてすごい! だからはなしたい!』 『はなすーはなすー、はなしたいー』 『ずっとずっと遠いところならおはなしー』 『人のいないところならおはなしー』 『仲間だよ、仲間なかまー。とおいところでおはなしー』 『雲のうえでおはなしー』 以上、シルフィードの独り言百選より抜粋の後導き出される答えは一つしかない訳で。 授業をしている教師に気づかれないようにタバサは教室を抜け出す。 同じ使い魔同士の会話をタバサは禁じていない。 しかし、彼に関しては別だ。 他の使い魔とは人語を使わずに会話できるであろうが、彼は人だ。 絶滅したといわれる古代種の韻竜それこそが彼女の真の姿、人語を解し先住の魔法を使う 幻獣である。 そんなシルフィードの正体がばれれば、ひどく面倒な事になるのは確実である。 それはダイジュウジクザクも例に漏れない。 はっきりいって、そんな面倒ごとを抱えるのはまっぴらごめんだ。 ああ、こんなことなら彼との会話を禁じておけばよかったと今更思う。 ガリア北花壇騎士らしからぬ失態である。 風竜の飛ぶ速度は馬とは比較にならないので追いかけるならば早いうちに しておかないと取り返しのつかないことになる。 馬屋へと早足で駆けるタバサだったが、その肩をいきなり後ろから掴まれ行動を阻まれた。 「どこに行くのかしら、タ・バ・サ?」 振向けばにまにまと楽しそうな笑顔をこちらに向けるキュルケの顔。 頭痛の種が増えた。 「トイレ」 「うそばっかり」 笑顔で即答。 「だめよタバサ。あなたってば、そういう嘘をつくのって下手なんだから」 ちっちっち、と指を振るキュルケが更に楽しげな笑顔を浮かべる。 そして、 「アンタ達、授業を抜け出して何のつもりなの?」 「あらら、ヴァリエールじゃない。授業を抜け出すなんて悪い子ね」 「それはアンタもでしょツェプルストー!」 桃色の髪の少女を見て更に厄介な頭痛の種が追加された。 ダイジュウジクザクの主人、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。 なんなのだろうか、今日の自分はとことんツキから見放されているのではと考えたくなった。 そんな彼女の目の前にキュルケの笑顔がやってくる。 「で、どこに行くの?」 「外」 「へえ。使い魔を追いかけるんだ?」 どうしてばれてる? そう言いたげな視線を送るとにこりと邪気を感じさせないような笑顔で キュルケが微笑んだ。 「うふふ。私もダーリンを見てて気づいただけよ。さ、目的は一緒だし外へと 出かけましょうか」 そういうことかと得心するが、いざ行かんと肩を抱き寄せぐいぐい引っ張るのは勘弁したい。 そういうのはシルフィードだけで充分だ。 「ちょちょちょちょっと待ちなさい! まだ授業中だって言ってるでしょ!」 そんな目の前にまたもルイズが立ちふさがる。 だが、それもまたお構いなしとキュルケがふっと笑んだ。 「仕方ないじゃない、恋しちゃったんだもの」 「はぁ?」 キュルケの言葉に嫌な予感再び。キュルケは自他共に認める恋多き女だ。それは彼女の友人を している自分が一番良く知るところであるが、見上げた先にある彼女の瞳はまさしく その恋する時の瞳の色である。 先ほどの『ダーリン』発言と、目的が一緒だということから考えうる答えは一つしかない。 「そう……ダイジュウジクザク。私、彼に恋しちゃったの」 ああ、やはり。 「ななな、なんですって!? ツェプルストー、あんたってばまたなの!?」 「良いじゃない。それに今の彼は空の上、タバサの使い魔と一緒。彼を追いかけるなら 絶好のチャンスね」 「待ちなさい、私も行くわ」 今日は厄日だ、タバサは確信した。そんな彼女の頭の中では道化師の格好をして 踊る自分の姿があった。 森林を下に臨み九朔は感嘆の溜息をこぼす。 しかしそれは初めて見る景色に対しての感慨ではなく懐かしい風景に出会えた郷愁の ようなもの。 それが失われた記憶に関係するのかと考えるが、穴抜けにしか出てこないイメージのそれから 類推できる単語は何もない。 ウィンフィールドは執事だが、誰に仕え、そして誰のためにあの拳を振るっていたのか 思い出せない状況と同じだった。 「まったく……中途に記憶を失った我はあれか? 虫食いの書物か? 呆れる事この上 ないではないか」 自嘲してみるが誰もその言葉を返す者はここにいない。 いや、いることにはいるが相手は人語を解せども喋る事かなわぬ幻獣だ。 愚痴をこぼせる相手がいないことがこうも空しいとは。 やるせない溜息がこぼれる。 「きゅい、自分をせめるのだめ。心がずーんって重たくなっちゃうのね」 「ん? ああ、確かにそうかもしれんな」 「うん、くらいことを考えたらずっとずっとくらくなっちゃうのね。だからそういう時は ごはんとか楽しい事をかんがえよう、きゅい」 「飯のう………そういう問題ではないのだが―――ん?」 そこでようやく気づいた。 「シルフィード、汝しゃべれるのか」 「きゅい? わかっててお話してくれたんじゃなかったの?」 「いや、自然と会話が成立しておったから気づかなんだ」 「えっとそれはつまりシルフィの正体とかわかってないとか……」 「正体? 汝は喋る竜であろう? 珍しくもないものかと思ったが」 「え゛!?」 「ん?」 両者の間に沈黙が流れた。 シルフィードは羽ばたきを止め、ゆっくりと下へ下へと下降していく。 薄雲を潜り抜け、魔法学院をやや後方数キロに臨み、人里離れた森の中へと更に降りていく。 そして着地。沈黙したまま硬直するシルフィードに異変を感じ、九朔はその背から降り 彼女の目の前に立った。 見た目にはまるで良く出来た蝋人形の様に静止したままのシルフィード。 気になり声をかけようとするが、その前に首がこちらへと向けられシルフィードの口が 開いた。 「すこししつもんします」 「ああ、構わぬが」 「クザクは韻竜ですか?」 「『いんりゅう』? なんだそれは?」 「ク……クザクは精霊の力をつかえますか?」 「世界が世界であろうし精霊はいるのであろう。が、我は精霊ではないな」 「ぅ……クク、クザクは、変化の魔法を使ってます」 「変化の。我は妖怪変化や魑魅魍魎、ましてや百鬼夜行の類ではない」 「………………」 「どうした、シルフィード?」 首をぐいっとあげて空を見上げるシルフィードの様子にさすがに何かおかしいもの を感じ取るが、一体全体先ほどからの質問の意図が掴めずどうしようもない。 「クザクはうそをついてるのね。うん、だだだだってシルフィの勘はどこまでもまるっと お見通ししちゃうものね」 「いや、嘘などついておらぬが」 「ううう、うそをつつつ、ついてもだめなのねっ! うんうん、シルフィがみつけたなかまが 違うとかありえなーい、なーいなーい……」 「自信満々に言うのは良いが木に頭をぶつけるのは止めるのが良いかと思うぞ」 頭を胴の肥えた古木にぶつけるシルフィードをたしなめるが届いた様子はない。 約一分ほど続いたであろうか、哀れ古木の表面はぼっくりと凹んでいた。 「落ち着いたか?」 「うん」 「そうか。では、ここに我を連れて来た理由をだな――」 「我をまといし風よ。我の姿を変えよ!」 九朔の言葉を遮り流れた唄の調べ、シルフィードを中心に森の中を空色の風が渦を巻いた。 「な、何だっ!?」 吹いた風が地面の落葉を巻き上げ、九朔を巻き込む。 落葉に視界が遮られ目の前のシルフィードを見ることが出来なくなる。 いったい何が起きたのか、皆目見当つかず混乱するがしかし風は突然吹き止み、葉は 力を失い再び大地へと落ちていく。 「なぁっ!?」 そして九朔はその落葉の雨の中にあるものを見て、絶句した。 白い肌、青い髪、青い瞳、すらりと伸びた腕、脚線美。 豊かなふくらみ、艶やかなくびれ、引き締まった臀部。 彫像のような美しさを持つ全裸の女が九朔の目の前に立っていた。 しかも生まれたばかりの子じかのようにおぼつかない足取りでこっちに向かって来る ではないか。 「っ!」 さすがに刺激が強すぎた、顔面に熱を感じ九朔は後ろを振向き耐える。 しかし、 「きゅい! せっかくクザクとおんなじになったのに見ないとはひどいのね!」 あろうことかわざわざ目の前にその女はやってきた。 いやおう無しにその翡翠の瞳に裸身をしっかりと眼に焼き付けてしまう九朔。 しかも全裸だ、本来隠れているはずの部分まで丸見えだ。 ああ、子女との付き合いなど終ぞない九朔にそれは余りにも厳しすぎた。 幼少より女性に囲まれて育った身ではあるがこういった部類には滅法弱い。 強引に押し倒されたりとか、無理矢理キスの嵐を受けたりとか、突然素っ裸を見せられたり とか、とにかく色々。 記憶から失われた半身の色々なアレに散々な目にあうのも仕方ないのかも しれない…がもしかすると父親譲りのマゾ体質のせいなのかもしれない。 とにかくだ、目の前の女がシルフィードと同じ声をしているというのにも気づかず突然の 艶事まがいの事態にでくわした九朔の末路は如何かと言えばだ。 「きゅい! クザク鼻から血が出てるのね!!」 鼻血だった。 なんと微笑ましく悲しいことだろうか、嗚呼それは男の性。 前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7744.html
前ページ次ページゼロの使い魔×相棒 ~トリステイン魔法学院特命係~ プロローグ その日、警視庁はちょっとした騒動になっていた。 警視庁の窓際部署で雑用係、職員からは「陸の孤島」「人材の墓場」などと呼ばれている特命係の長である刑事・杉下右京が行方不明になったのである。 誰も行き先に心当たりはなく、携帯電話も電波が届かない場所にいるのか電源を切っているのか、全く通じなかった。 だが、それだけならば警視庁全体を巻き込んだ騒ぎになることはない。 右京はしばしば独自で事件を捜査し、その過程で拉致監禁されるなど危険な目に遭うことも少なくなかったからである。 そんな右京の消失が警視庁の話題に上ったのは、右京の唯一の部下として特命係に所属する神戸尊と、特命係に隣接する組織犯罪対策部5課長の角田六郎の証言のせいだった。 一部始終を目撃したという彼らの証言によると、外出しようとした右京が扉を開けると、待ち構えていたようにすぐ目の前に、大きな鏡のようなものが現れたという。 その鏡は、どういう仕掛けになっていたのか、少し宙に浮いていたそうだ。 慎重な右京もこの不意打ちに近い事態には対処しきれず、その鏡にとびこんでしまった。 そして、右京を取り込んだことで役目を果たしたらしい鏡は、尊や角田が驚きのあまり動けないでいるうちに消えてしまったというのである。 もちろん、そのような常識的に考えられない事態が起こったなどということが信じてもらえるわけもなく、 尊は刑事部長の内村完爾に事情を詳しく説明するために、部長室に呼び出されることになった(角田はうまく尊にこの面倒事を押しつけて逃げてしまった)。 怒り心頭で、自分の説明を頭ごなしに否定してくるであろう内村の態度を予測した尊は、深く嘆息した。 「まったく…振り回してくれるな、あの人は……」 尊は、そんな独り言をつぶやきながら髪をかき上げると、廊下を部長室へと歩を進めた。 第一章 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 神聖で、美しく、強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! わが導きに応えなさい!」 ハルケギニア大陸の国家・トリステイン王国の広々とした草原にそびえるトリステイン魔法学院の中庭に、ルイズの呼びかけが響いた。 ルイズ――本名をルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールという、トリステイン屈指の名門貴族の三女である――は、万感の期待をこめて杖を振るった。 直後、耳をつんざく轟音と土煙が中庭を覆った。ルイズの前方の空間が爆発したのだ。 ルイズの召喚を見守っていた、年齢の割に頭髪が寂しい教師・コルベールとクラスメイト達は、それぞれ体を伏せて目を覆ったり、耳や口を塞いだ。 やがて土煙が引いたころ、クラスメイトの一人が、爆発の中心に何かを発見した。他の生徒たちもコルベールもそこに注目する。 そして爆発を起こした張本人であるルイズは、そこに現れたものに対する驚きに、爆発で乱れてしまった自慢の桜色の髪を直すのも忘れて呆然としていた。 そこにいたのは、コルベールよりも年上であろうと思われる40~50代の男性であった(ただし、男のきっちりセットされた頭髪は黒々として白髪一本見当たらず、質・量ともにコルベールを完全に上回っており、それが男に若々しい印象を与えていた)。 爆発の中心にいたにも関わらず、男にはなぜか火傷どころか怪我ひとつなく、見ただけで高価だとわかるコートやスーツにも皺や乱れすらなかった。やはり高価なメガネフレームに納まっているレンズにも埃ひとつついていなかった。 気絶しているというのに、男の姿からは正真正銘の貴族である生徒や教師以上に高貴な、紳士然とした気品が感じられた。もし着ている服が典型的なトリステイン貴族のものであったならば、間違いなく貴族だと信じてしまうであろう。 「何だ? ルイズのやつ、まさか平民を召喚したのか?」 「あははは! さっすがは“ゼロのルイズ”ね!」 「いやいや、“ゼロのルイズ”が『サモン・サーヴァント』に成功したことをまずは褒めてやらないとっ…! ふふふふ…」 クラスメイト達の笑いと“ゼロのルイズ”という言葉を聞いて我を取り戻したルイズは、屈辱に耳まで真っ赤にして叫んだ。 「う、うるさい! これはちょっとした間違いよ! そうに決まってるわ!」 ルイズのその叫びに意識を取り戻したのだろう、男は目を開いてゆっくりと体を起こした。現状を把握しようとしているのか、注意深く辺りを見回している。 しばらくすると懐から掌に収まるくらいの小さな機械を取り出して何やらいじっていたが、小さくため息をつくと、機械を懐に入れた。 やがて男は、近くにいたルイズに声をかけた。 「Excuse me.Could you tell me where here is?(すみません。ここがどこなのか、私にお教えいただけますでしょうか?)」 「え? なに!? 今何て言ったの!?」 ルイズは男の言葉が全くわからず、バカにされたこともあって苛立ちが募り、とげとげしい調子で返した。 しかし男は、そんなルイズの失礼な返事など意に介さなかったらしく、 「おや! 日本語をお使いになるのですか? ここは、イギリスではないのでしょうか?」と、少し驚いた様子で質問を重ねた。 「ああもう、ちょっと黙ってて! ミスタ・コルベール! もう一回、召喚させて下さい!」 ルイズは男をとりあえず黙らせると、コルベールの方を向き、懇願した。 男は、言われたとおり黙ってルイズたちの様子を見つめていた。 「それはなりません。ミス・ヴァリエール」 「どうしてですか!」 コルベールの否定の言葉に、ルイズは納得いかない様子で抗議の声をあげた。 「決まりだからです。今行っている春の使い魔召喚は、生涯使役する使い魔を召喚するだけでなく、使い魔によって君たち一人ひとりのメイジとしての属性を特定し、 専門課程に進むための神聖な儀式です。一度召喚した使い魔候補は、やむを得ぬ場合を除いては、変えることは許されません」 「で、でも! 平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」 ルイズの言葉に、再び周囲から笑いが起こった。 「これは伝統なのです。確かに人間を使い魔にするというのは前例がありませんが、春の召喚儀式は全てに優先します。 平民であろうと何であろうと、彼には君の使い魔になってもらわなければなりません。 ミス・ヴァリエール、君は直ちに『コントラクト・サーヴァント』を行い、彼と契約を結びなさい。よろしいですな?」 「そ、そんなぁ…」ルイズは肩を落とした。 「さっさと契約しちゃいなさいよ。失敗続きの中でようやく呼び出せた大切な使い魔なんだから。“ゼロのルイズ”に平民の使い魔…お似合いじゃない。ねぇ、タバサ」 「うるさい! キュルケ!」 ルイズは、燃えるような赤い髪を持つ、どこか妖艶な雰囲気をまとった少女・キュルケを睨みつけた。 一方、タバサと呼ばれた、背が低い青い短髪の無表情な少女はキュルケの言葉には答えず、男の様子を静観していた。 男は、顔こそルイズとコルベールの方に向けてはいるが、中庭にいる全員の発言や動きを見逃さないように注意を払い、感覚を研ぎ澄ませているようにタバサには感じられた。 「はぁ…ちょっと、あんた」 ルイズはため息をつくと、男に声をかけた。 「はい?」男は語尾を上げた、少し変わった返事をした。 「勘違いしないでよね。これはあくまで使い魔としての契約だから。本来なら貴族にこんなことされるなんて、一生ないんだから」 「契約、とおっしゃいますと?」 「いいからじっとしてて! …我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 ルイズは、呪文を唱えると、杖を男の額に置いた。そして、男に顔を下げるように促す。 男が立て膝になると、ルイズは男の顔に両手を添え、ゆっくりと唇を近づける。 先ほどとは違った感情で、顔が紅潮していく。心臓が高鳴っているのが嫌でもわかる。 と、男は突然「すみません」とルイズに声をかけた。 「じっとしててって言ったでしょ!」 「一つだけ。急いでおられることは承知していますが、どうしても契約前に確認しておきたいことがあります」 男は人差し指を立て、静かだが力強い声で、ルイズに質問させてくれるよう求めた。 「…何よ」 「この『使い魔の契約』は、今までの話から推察するに、僕にもあなたにも契約に対して拒否権はないようですが、成立した契約を解除することは可能なのでしょうか?」 「無理よ。使い魔の契約が解除されるのは、呼び出した使い魔が死んだときだけ。人間が使い魔として呼び出されるなんて今までなかったもの」 この恥ずかしい時間を早く終わらせたいルイズは、少し早口気味で答えた。 「なるほど、それが『やむを得ぬ場合』というわけですね…仕方がありません。とりあえず、今後のことはこの場を終えてから考えましょう」 そういうと、男は静かに目を閉じた。 ルイズの唇が、男の唇に重ねられた。男は、身じろぎひとつしなかった。 ルイズは唇を離すと、「終わりました」とコルベールに報告した。見知らぬ男とキスをしたことで照れているのか、彼女の顔は再び耳まで真っ赤になっていた。 男女のキスシーンを目の前で見た生徒たちは、興奮をおさえきれずに黄色い声をあげたり口笛を吹いたりしてはやし立てた。コルベールが静かにするよう注意する。 「『使い魔の契約』…その方法がまさかキスとは…驚きました。大丈夫ですか……!?」 男が立ち上がりルイズに声をかけようとしたとき、左手に違和感を覚えた。 熱い。まるで熱した鉄の棒を手に押しつけられているようだった。 だが、その熱さは一瞬のことであり、すぐに治まった。 男が左手を見ると、手の甲に文字らしきものが焼印のように刻まれているのが見えた。 「これは…!」 「! 知ってるの?」 「ヨーロッパで、ラテン文字が普及する以前にゲルマン語の表記として用いられたルーン文字に極めてよく似ています」 「『使い魔のルーン』よ。私の使い魔ですっていう、印みたいなものよ」 ルイズは、細かいところは自分が持っている知識と違うとはいえ、魔法どころか文字を習う機会すらないはずの平民の男がルーンを知っていることに内心驚いた。 しかし、由緒正しき旧い家柄を誇る貴族である自分が平民に動揺させられたなどと知られれば、また意地の悪い同級生たちの物笑いの種になってしまう。 なるべく平静を装って男に説明した。 「ほう…これは珍しいルーンだな。失礼」 男の左手を覗き見たコルベールが、刻まれたルーンを書き込んだ。 「すみません。『珍しい』とは、一体どういうことなのでしょうか?」 男が、今度はコルベールに尋ねた。 「ん? …ああ、それは、見慣れないルーンだったというだけのことです。なぜそんなことを?」 「細かいことが気になってしまうのが、僕の悪い癖でして」 男はまた人差し指を立てて、さわやかな微笑を浮かべた。 「そうですか……さて、これで春の使い魔召喚の儀式は全員終了しました。皆、教室へ帰りますぞ」 コルベールはそう言ってきびすを返すと、宙に浮き上がった。 生徒たちも、コルベールの呼びかけを受けて、同じように浮遊すると、石造りの校舎へと向かった。 飛んでいないのは、ルイズと男の二人だけだった。自然、取り残される形になる。 同級生たちは、口々に「お前は歩いて帰れよー」だの、「ルイズは『フライ』どころか、『レビテーション』もまともにできないからな」だのと、 からかいと嘲笑をルイズにかけて飛び去っていく。 男は、人間が浮き上がったことに驚きを隠せない様子で、彼らの周囲や校舎の外を見回していた。 「ワイヤーやクレーン車等の類の仕掛けは見当たらない…タネも仕掛けもなく、人体をあれほどまでに安定させた状態で飛ばせるとは… ここはさながら、中近世のヨーロッパを舞台にしたファンタジーを具現化したような世界ですねえ。いや、素晴らしい!」 男は、手品を初めて見た子どものごとく、興奮していた。 「…あんた、一体何者なの?」 「はい?」 ルイズの問いかけに、興奮から我を取り戻した男が振り向いた。 「コモン・マジックの初歩の『フライ』なんて、トリステインじゃ平民だって知ってるようなものにそんなに興奮するなんて…」 「いやはや、これはお恥ずかしい。なにぶん、幻想文学や映画でしか見たことがないような『魔法』を目の当たりにしたものですからねえ」 「それなのに、ルーンは知ってるなんて…おかしいじゃない! あんたは何者なの? どこから来たの? なんであんたみたいなのが、私の使い魔になったのよ!?」 「落ち着いて下さい、ミス・ヴァリエール。事態を把握できていないのは、僕も同じです」 男は、ルイズを落ち着かせようと、優しく名前で呼びかけた。 「…え? 私、まだ名乗ってなんかないわよ? 何でわかったの!?」 「先ほど、僕との『使い魔の契約』の際に唱えていらっしゃった呪文の中で名乗っておられたではありませんか。 ミス・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール…ですよね?」 何が「事態を把握できていない」よ。正式に自己紹介していない私の名前をあの状況で、しかも正確に憶えているなんてじゅうぶん冷静じゃない… そんなルイズの気持ちをよそに、男は言葉を続けた。 「ああ、こちらから名乗るべきところを、大変失礼いたしました。申し遅れましたが……私、日本で公務員をしております、杉下右京と申します」 男――杉下右京は、高い教養と知性をあわせ持った紳士というにふさわしい慇懃な言葉遣いと、上品な笑顔でルイズに自己紹介をした。 前ページ次ページゼロの使い魔×相棒 ~トリステイン魔法学院特命係~
https://w.atwiki.jp/zerolibrary/pages/17.html
タバサ ダングルテール 杖 使い魔 土くれ ツェルプストー ティファニア デルフリンガー 毒舌のネコミミ トリスタニア トリステイン トリステイン魔法学院
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1440.html
前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~ 「ん………ふわぁぁ」 朝が来た。 記憶を失った大十字九朔、初めての異世界での朝である。 「てけり・り」 「ん? ああ、良い朝だなランドルフ」 「てけり・り!」 枕部分から伸びる目玉も、朝の日差しの明るさに嬉しそうにそのスライムっぽい赤色を 小刻みに震えさせている。 はてさて、昨日あったばかりだというのにこうも親愛の情を深めることができる自分は 一体何者なのか? 「考えたところで何も分からぬのでは、どうしようもないわな?」 「てけり・り」 うんうんとうなずく触手。気が合う、無駄に気が合う。腕と触手を組み、ガッツポーズ。 「ま、冗談はさておき」 ランドルフの変形したベッドから下りると九朔は己を召喚した張本人かつ、記憶喪失の鍵を 握るであろう少女のベッドに向かう。 「すぅ………」 未だ眠るルイズ、その寝顔は昨日の口調から想像できぬほど愛くるしい。 正直なところ、こんな娘が自分たちを召喚したとは思えない。 それなのに『招喚』の事実を受け入れてしまっているのは記憶から抜け落ちた『招喚』の 記述が彼に影響を及ぼしているからか。 「てけり・り」 「ん? ああ、そういえば洗濯物を持っていけとか言われてたな」 「てけり・り」 既にベッドから変形済みのランドルフ、丸のような四角のようなそれとも球のような…… とにかくよく分からない不定形に戻った彼は頭の上と思われる部分に洗濯籠を乗っけて ぷにぷにと跳ねていた。 「世話になる身だ、一緒に行くとしよう」 ルイズを起こさぬように部屋を退出する一人と一匹(?)、そのまま洗濯場であるという 場所へ直行しようとしたのだが、 「ふむ」 「てけり・り」 「ううむ……」 「てけり・り………」 「ん………」 「てけぇりぃ~……」 迷った。 なにぶん初めての場所である、ルイズからの口伝えだけで洗濯場が分かる訳がなかったのだ。 部屋に帰ろうにもさてどっちから来たか思い出せず右往左往、分からないならば進むのみと 闇雲に行けば右往左往、気づけば中庭らしき場所で立ち尽くすことになる二名であった。 「困ったな」 「てけり・り」 天を仰ぎ唸る一人と一匹。 さて、どうしたものか。 悩む二名はどかりと地面に座り、顔と目玉をつき合わせて腕と触手をああだこうだと 手振り身振り交えて相談する。 はたから見れば実に背徳的な光景、メイジではないっぽい平民の少年と使い魔というには なんかスライムっぽい何かが触手をうねうねと蠕動させて話し(?)合っているのである。 なんか、こう官能的。 ついでに背徳的で冷蔵庫に網掛けが必要な感じ。 燃えるというよりひんやりする。 普通なら話しかけない。 できれば、避ける。 お付き合いはお断りしたい。 が、そんなのは誰かが見ていたらという前提あってのこと。 こんな朝早く、日の昇ったばかりでは人も居ない。 ついでにそんな眼で見るような人間も居ない。 つまり、彼等を最初に見る人間には偏見の持ちようがない というわけで、 「あのぉ……どうかなされましたか?」 彼女、シエスタは声をかけたのであった。 「うむ?」 「てけり・り?」 同時振向く一人と不定形。 そこには彼等の知識にあるメイドというにはやたら露出のないメイド服を着込んだ黒髪の少女。 ここに来て九朔とランドルフが見た二人目の人間であった。 「ああ、実は洗濯場がどこか分からぬのでな。話し合っていた」 「てけり・り」 「は、話し合って………ですか?」 初めて見る少年と触手をうねらせて何か意味不明の言葉で会話を試みている不定形。 恐らく使い魔だと思うので多分それと会話をする彼はメイジかと思ったら マントは羽織っているが杖は持っていない。 ということは、である。 「も、もしかして……あなたが噂のミス・ヴァリエールが召喚した使い魔さんですか?」 「使い魔かどうかと言われたら断固否定したいところだが……まあ、そうだ」 「てけり・り」 肩をすくめる九朔、それにならうように頭と思われる部分を波打たせるランドルフ。 「ふふ。そんなこと言ったらミス・ヴァリエールに怒られちゃいますよ? あ、そちらのぷにぷにした方も使い魔さんなんですか?」 「いや、彼も我と一緒に来たようだが違うみたいだ」 「そうなんですか。でも、可愛いですね」 くすりと微笑むシエスタ、ショゴス相手でもまったく動じないあたり、この世界の人間は どうやらなかなかに良い胆力をお持ちのようである。 「えっと、ではご挨拶ですね。私、ここでメイドとして奉公させて頂いていますシエスタと もうします。どうぞ、よろしくお願いしますね」 恭しくお辞儀するシエスタ。 「我は大十字九朔、そして彼はランドルフだ」 それに倣い九朔も深々と頭を垂れ、ランドルフも目玉がある触手をほぼ180度縦に曲げる。 一応お辞儀のつもりのようだった。 「はい、よろしくお願いします。えっと、洗濯場をお探しとの事でしたよね? 私もこれから行くところでしたのでどうぞご一緒に」 手招きするシエスタに連れられ洗濯場へ向かう二人。 案内されたのは旧い造りの洗濯場、手洗いとは実に古風である。 「では、ミス・ヴァリエールのお洗濯物はこちらでお預かりしますので終わったら また取りに来てくださいね」 ランドルフから洗濯籠を受け取り、そのまま洗濯場へと引っ込もうとするシエスタの後姿を 見つめる九朔。あのような少女に洗濯やら何やらを押し付けるのは何だか心苦しい。 「シエスタ」 「はい?」 そんな彼女に九朔は声をかけてしまう。 振向いたシエスタの表情には辛そうなものなどこれっぽちもありはしないのだが、何だか このままでは宜しくないのだ。 そういうわけで、結局というか父親譲りのお人よしの血というか、 「我も手伝おう。男手があった方が早く終わるであろう?」 こんな申し出をしてしまう九朔。 「そそそ、そんな! ミス・ヴァリエールの使い魔さんにそんな事していただくなんて!」 わたわたと驚いて首をブンブン振るシエスタ。 「いや、構わぬさ。我は記憶を失っておるのでな、こうやって体を動かすなり何なりして おれば何か思い出すかも知れぬ」 「てけり・り!」 向かい合う九朔とシエスタの間に入り込む目玉。 「ランドルフ、汝も手伝うのか?」 「てけ~り。てけり・り、てけり・り!」 「ほう。汝、そのようなマネも出来るのか?」 「てけり・り!」 「え? え?」 自分を無視して訳の分からぬ会話を始める一人と一不定形に戸惑うシエスタ。 「てけり・り。てけーり・り! てけ~り!」 「あはは! それはすごい!」 「あ、あのクザクさん?一体何を……」 「ん? ああ、なに。ランドルフが中々におもしろい特技を持っていたのでな。 それについて話しておったのだ」 「おもしろい特技?」 「ああ、これだ」 指差す先で変形するランドルフ、スライムっぽいそれが固形状に変化して四角い箱になる。 「箱……ですか?」 「ただの箱ではない。……よし、我も手伝うぞランドルフ」 そう言うと、近くの水場から組み上げた水をどんどんランドルフの中に流し込んでいく九朔。 皆目検討つかないその行動に疑問符をどんどん浮かべていくシエスタ。 「あ、あの……クザクさん?」 「済まぬな、もう少し待っていてくれ」 「あ……はい」 目の前で行なわれる奇妙な儀式を見守るしかないシエスタ。いつしか集まっていたほかの メイド達もそれに注目する。 そうしているうちになみなみと満たされた箱型ランドルフの中、九朔は近くにあった洗濯を どばどば放り込んでいった。 そして、 「では、ランドルフ……仕れ!」 パチンと指が鳴らされた次の瞬間、 「てぇぇぇぇけぇぇぇぇりぃぃぃぃぃぃぃりいいいぃぃぃぃぃ!!!!」 なんとランドルフが激しく蠕動し始めた。 蠕動は中に溜められた水にまで伝わり、ぐるぐると回転を始める。洗濯物はグルグル回転し、 ついでにランドルフも激しく蠕動。 逆回転も加わり螺旋の動きもばっちり、揉み洗いでもなんでもござれである。 蠕動と回転が組み合わさればこれすなわち汚れ落としもばっちりである。 「おおおおお!!!」 見る間に洗濯物の汚れが落ちていくさまに寄ってきたメイド達からも歓声があがる。 これぞいわゆるショゴス製洗濯機、いろんなものに奉仕している種族なのである、これくらい できて当たり前だろう……多分。 「す、すごいですランドルフさん! こんな洗濯法初めてです!」 「てけり・り」 なぁにこれくらい朝飯前よ、と身体を蠕動させつつ自慢するように触手を振るわせる ランドルフとがっちり握手するシエスタ。 不定形スライムと少女の親交、実に微笑ましい光景である。 他意などありやしない。 洗濯物はその間にも放り込まれてはピッカピカされ、放り込まれては漂白され、放り込まれて は染みも落とされ、そんなそんなの繰り返し。 九朔もそのできあがった厖大な量の洗濯物を両腕に抱えて干していく。 気づけば本日分の洗濯は完全無敵に完成、終了。素晴らしい。 「ふむ、思った以上だな?」 「てけり・り!」 洗濯場の前にずらりと並んだ厖大な量の洗濯物を見て感慨深く呟く一人と一不定形。 メイド達からいたく感謝されたのもあって実に爽快な気分である。 「洗濯の手伝いもやってみるものだな」 「てけり・り」 お互いに得心してうなずく。だがしかし、何か忘れているような気がする。 大事だったような、そうでもなかったような。 「何だと思う?」 「てけり・り?」 さあ?と触手をうねらせる不定形。 もう少し頭をひねってみる。 と、目の前を通り過ぎていくルイズと同じ格好の少年少女たち。 「ああ」 思い出してパンと手を打つ。 ルイズを起こすのを忘れていた。 が、 「まあ、一人で起きることくらいできよう。何も問題あるまい」 「てけり・り」 うんうんとうなずく九朔とランドルフ。結構冷たい奴等であった。 そのままのほほんと朝の陽の光を浴び続ける一名と一不定形。シエスタを始めとした メイド達は朝食の用意があるといって既になく、朝食の香りが何処からか漂ってきている だけである。 「そういえば、昨日から何も食べておらぬな」 「てけり・り」 すきっ腹がきゅんと鳴る。 はぁ、と溜息をつく九朔とランドルフ、そんな一名と一不定形に駆け寄る殺意の篭った足音。 空腹のせいで警戒心の緩んでいた九朔はそれにゆっくりと振向く。 そして次の瞬間、 「ぐほぁぁぁあああっ!!」 ルイズの両足ぞろえのとび蹴りが、美事に顔面にクリーンヒットした。 本来の九朔であったら喰らうはずのないそれに、女性っぽい中性的なキレイな顔が見事 フッ飛ぶ。 空中二回転して地面とキス、どこぞのスナイパーもびっくりである。 「おお……うぐぉ………んぐぅぅ………」 顔面へのダメージに悶絶する九朔。 おかしい、こういう役回りは自分ではない、何故か分からないが走馬灯のように緑の ■■■■っぽい誰かが頭に浮かんだ。 「良くも起こさなかったわね? 良くも良くも起こさなかったわね? 起こせって言ったのに 起こさなかったせいでもう少しで私、寝坊して朝ごはん食べ損なうところだったわ……」 静かな怒りがルイズの周りで渦巻いていた。 ズンと、大地を踏みしめる。 「キュルケにも思い切りバカにされたわ。『貴女ったら使い魔が平民なだけじゃなくて ちゃんと使役もできてないの?』って思い切り見下ろして言われたの。 分かる? ねえ、分かる? バカにされて悔しい私の気持ち?」 人間を、しかも平民を召喚したという事実が今更になってルイズに怒りをもたらしている ようであった。 「て、てけり・りぃ………」 その鬼気迫る、大気震わす怒りにランドルフは身を恐怖で震わせた。 何かトラウマ的なものが幻視できた。 「でも、良いわ。今回はこれだけで許してあげる。でも次やったら今度はもっと 酷いんだから………わかった?」 「て、てけり・り!」 ぎろりと、ランドルフを睨みつけるルイズ。 逆らってはいけない、決して逆らってはいけないと彼は理解する。 脳内で主役とは思えぬ邪悪な笑い声をあげる少女の声が響いたのは恐らく幻聴では あるまい。きっと、彼女はそれと同種のものを持っている。 「行くわよぷにぷに」 「てけり・り!」 彼女は本来の主ではない。 だが、彼はそれに従う。 ショゴスも恐怖によって平伏するするのである。 悶絶する九朔をランドルフに引きずらせ、ルイズは教室へ向かう。 無論九朔もランドルフも朝食を食べる事まかりならなかった。 嗚呼、無残、無残。 前ページ次ページゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~
https://w.atwiki.jp/quo_vadis/pages/505.html
【ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~】【ラノベ】【ファンタジー】【萌え】【アニメ】【2008】【7】 公式 wiki any6 水精霊騎士隊の副隊長になった才人は仲間たちと日夜訓練に励む。そのため以前のように才人と一緒にいることができないルイズは、日々不満がたまっていた。そんな折、ティファニアが魔法学院に編入してくる。騒ぎを避けるためティファニアは自らの正体を隠していたのだが、彼女のけしからん胸の魅力にすぐに学院の男子生徒たちの注目のまとに。それを面白く思わないクルデンホルフ大公国の姫であるベアトリスに目を付けられてしまうティファニア。さらに厄介なことにベアトリスはハルケギニア最強とうたわれる竜騎士団を親衛隊として連れて来ているとんでもない姫で・・・。 なんかおっぱいがもう帰って来てるけどどうでもいい。 一番の見所は釘宮の少年ボイス。ああ、久々に聞いたよ……。 これ系のキャラってやっぱり釘宮の無駄使いアルネー。 出来るギーシュも久々に見た。 かっこつけたいだけだ!(キリリッ なんだかんだでサイトと二人でいるギーシュは輝いてるな。 もうちょっとお約束な友情イベントを実装しても良いと思うけどNE。 ねーよ。先生がねーよ。姫殿下もねーよ。 王女様の口利きで入ってんだから、ちょっとは事情話していたって良いんじゃ。 ってかエルフってなんなの?死ぬの?ってレベルの予備知識しかないんだが……。 展開についていけない! 出来るギーシュその2。 今回の活躍だけで、前期より遥かにイイ。ギーシュいいよ。 素材設定はいいんだから、乳繰りシーンを減らせば面白くなるんだろうになぁ。 茶番劇過ぎて吹いた。ついでに僕もおっぱいに顔をうずめたい。 規制ですね、分かります。 乳揉みシーンぐらいで規制入れるな! カメラワークが不自然すぎるわ! 来週は女子風呂?またこの流れ? 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/quo_vadis/pages/511.html
【ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~】【ラノベ】【ファンタジー】【萌え】【アニメ】【2008】【8】 公式 wiki any6 シエスタは魅惑の妖精亭で、ジェシカとスカロンに才人への想いに関する悩みを相談していた。シエスタの弱気な発言を聞いたジェシカは、ある魔法の薬をシエスタに渡すことに。シエスタは勢いで薬を受け取ってしまったものの、それを才人に使ってもいいものかどうか彼女の心は揺れる。だが、女子風呂の一件でお仕置きを受けるかわいそうな才人を見てシエスタはついに決心することに!! そしてルイズとの交渉の末、シエスタは1時間だけ才人のレンタルに成功する。シエスタは、なんとか才人に魔法の薬を飲ませるために「新婚さんごっこ」をしようと才人に提案するのだが・・・。その魔法の薬をめぐって学院中で大変なことが起こる羽目になろうとは、その時シエスタは知る由もなかった・・・。 おい、もう6話だぞ?とスタッフを問い詰めたくなる。 イルククゥはまだな訳?イルククゥの全裸は? くそ!店長が来なかったら僕の怒りは有頂天に達していたぞ! という訳で、二度あることは三度ある。仏の顔も三度までの店長の登場だ。 規制違和感ありすぎワロス。 もう尻ぐらい見逃してくれー。こんな隠し方だと気になるってば。 エロ動画はモザイクあった方が興奮するが、やっぱアニメの最中だと冷めるって。 シエスタの下半身だけがかまいたちの登場人物にでもなったのかと思ったわ。 百合★百合★ふぁんたじぃ ガチキスに萌えた。燃えた。萌えた。 ん~、これは舌入れてますよ。いい仕事してますねぇ(エセな鑑定士 それにしても百合して、一番映えるのはもんもんですね。 げぇっ!終わってる!これで1話使うか! サービス回がサービスじゃないのはゼロのお約束ではあるが……。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sinnerei/pages/1443.html
【作品名】ジョジョの奇妙な冒険 第7部 スティール・ボール・ラン 【ジャンル】漫画 【名前】ジャイロ・ツェペリ 【属性】騎手/スタンド使い 【年齢】24歳 【長所】黄金長方形、黄金の回転 【短所】無実の少年を救う為にレースに参加したが結局その少年は死んだ 【備考】享年 vol.1 ジョジョの奇妙な冒険 全63巻完結セット (ジャンプ・コミックス) ジョジョの奇妙な冒険 第7部 カラー版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
https://w.atwiki.jp/sentai-soubi/pages/642.html
【名前】 ジャイロアタッカー 【読み方】 じゃいろあたっかー 【登場作品】 劇場版 仮面ライダーファイズ 【分類】 ビークル 【所持者】 ライオトルーパー 【詳細】 ライオトルーパー専用ビークル。 オートバジンを参考に作られた。 製造コストはオートバジンなどの80分の1。 バトルモードへの変形機構がオミットされた代わりに悪路の走破性能が上昇、機動力に長けている。 最高速度は340km/h。
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/10364.html
ルイズならマルマインやビリリダマは? やはり原作通り行くなら大爆発を重要視したいと思う。 技 大爆発(エクスプロージョン!)/いばる/やつあたり/嫌な音(爆発音) 目ざパ炎もありだと思います! -- (名無しさん) 2013-07-30 22 02 38 アローラキュウコンはタバサで -- (名無しさん) 2017-01-13 18 09 47 サイトは、あれだけひどいことをしたので、サザンドラでもいいですよ。 はかいこうせん(ルイズに対する暴言)必須 -- (名無しさん) 2018-03-23 16 00 40 草案 キャラクター モルペコ:高凪春奈 ダークライ:ウェザリー エルフーン:クリス ビッパ:ガレット ミアレガレット必携(名前ネタ) シャンデラ:リーヴル ポッチャマorコオリッポ:テクスト ゲームのオリジナルキャラクターを追加してみました。 -- (ユリス) 2020-05-10 17 44 19