約 1,746,313 件
https://w.atwiki.jp/irohahifumi/pages/84.html
平賀才人 002 最後の悪あがき/愛情か友情か憎しみか/騎士の誇りを胸に/とある魔眼の殺人鬼 029 本当の願い/不屈の意志 032 人間だもの
https://w.atwiki.jp/ninokunigw/pages/25.html
ジャイロ
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/7544.html
登録日: 2009/05/27(水) 17 14 26 更新日:2024/04/24 Wed 10 39 40 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 ゼロの使い魔 ゼロの使い魔 on the radio 〜トリステイン魔法学院へようこそ〜 ゼロラジは蘇る!何度でも!! ←8月27日復活 ニヤニヤラジオ ラジオ ラジオ番組 噛み噛み 日野理恵 日野聡 理聡の夫婦 釘宮のデレが聞ける 釘宮理恵 『ゼロの使い魔』のルイズ役 釘宮理恵、平賀才人役 日野聡の2人がパーソナリティとして送る奇跡のニヤニヤラジオ。 通称ゼロラジ。 2006年6月に開始し、アニメ ゼロの使い魔放送中は週1回、それ以外は月1回更新だった。が、2009年3月放送の第66回で惜しまれつつ最終回となった。 主な登場人物 釘宮理恵 (理恵ちゃん) パーソナリティその1。 初期はやたらと日野ちゃまに「キモい」「ウザい」「死んじゃえばいいよ」等と暴言を吐くドS女だったが、中盤から徐々にデレを見せ始める。 ゼロラジ内で数々のツンデレ伝説を生み出した。(詳しくは後述) 日野聡 (日野ちゃま) パーソナリティその2。 キモい。ものすごくキモい。 しかしそのキモさに心を奪われた漢(をとこ)たちも数多く存在し、公開収録やイベントではキャストの中で一番むさ苦しい声援を受ける。 最初はSを自称しつつも一方的に罵られる日々が続いたが、釘宮が徐々にデレデレし始めた途端に彼の時代がやってきた。噛み様でありサバキング。 ICHIKO ゼロの使い魔シリーズの主題歌を歌う女性歌手。新シリーズが始まる時にゲストとしてやってくる。 日野とはメル友で仲が良く、トークの時には若干釘宮が置いてけぼりになったりする。 ヤマグチノボル (ノボノボ) 原作者。突然ひょっこりとやってくる。 喋りに関しては当然素人だったが、出演するうちに慣れてきたご様子。 マッシュ&マロン 釘宮の愛犬たち。 片や釘宮から最上級の愛を受け、片やたまに忘れられる不憫な子。 伝説 ★第1回 日野、開始数十秒で噛む。 釘宮、暴言を吐きまくる。 初回からカオス。 ★第16回 白濁色のドロドロした液体がかかった棒状の物を釘宮に無理やりくわえさせようとして、本気で拒絶される日野。 その後は公衆の面前で間接キス。 ★第17回 OP小芝居が秀逸。 釘宮が異常に男前。 ★第40回 釘宮に対して 日野「(小声で)かわいい///」 そしてEDにて日野から釘宮へ不意打ちクリスマスプレゼント。 「ツカイマカラノ クリスマスプレゼント ダ」 「サッキ カッタ」 「ナンテ チュウジツ ナ ツカイマ ナンダ」 などとツンデレな日野ちゃま。 ★第42回 釘宮が日野にバレンタインチョコをプレゼント。 おそらく、ゼロラジリスナーのほとんどがバレンタインなど関係ないキモヲt……なハズだが、そんな人達の前で公開イチャイチャ。 ちなみに渡す際に、 「クリスマスプレゼントもらったから」 「いっぱい売ってたし」 「私も食べたかったから」 などと、あくまでも仕事上の付き合いですというような言い訳をしていた。 ★第45回 ゼロラジ至上最強の神回。 釘宮の「校舎裏に呼び出されて告白されたーい!」という願望を叶えるため、丸々1回を特別企画「魔法学院校舎裏」に使う。 リスナーから募集した、釘宮への告白・日野への告白をお互いが読み上げていく。 日野「釘さま……いや、理恵!」 釘宮「ふぁ…………/////」 2009年10月30日―― 彼らは再び戻って来てくれた。 そう、 ゼロラジスペシャルである。 またニヤニヤしたい感染者はメディアファクトリーのページからどうぞ! 2011年8/27 響ーHiBiKi Radio Stationー にて ゼロの使い魔 on the radio ~トリステイン王国へようこそ~ と 名を改めて復活!! 追記・修正してくれない人は死んじゃえばいいよ☆ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shachozero/pages/17.html
あの作品のキャラがルイズの世界に召喚されました wiki 遊戯王DM公式サイト 遊戯王.com ゼロの使い魔 アニメ公式サイト ゼロの使い魔 第二期 公式サイト
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9113.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第三十五話「故郷のない女」 サーベル暴君マグマ星人 登場 爆弾騒ぎを引き起こす宇宙人たちを捕らえようと行動を起こしたルイズたちだが、その直後に春奈が、 自分のバッグを持っている人を見たと言って、それを追いかけていってしまったので、ルイズたちは 仕方なく春奈を探すことになった。途中で宇宙人たちの襲撃があったが、ウルティメイトフォースの力で撃退した。 そして、才人が春奈を発見した場所は劇場前。そこで春奈は、獣耳を生やした女性にバッグを 返してくれるよう懇願していた。その女性の正体とは……。 「そこッ! だらしなく歩かないで! 些細な動きでも、メリハリをつけることを一時も忘れるなッ!」 「は、はいぃッ!」 劇場内の舞台の上で、獣耳の女性が、歩行の練習をしている才人に厳しく怒鳴りつけた。 その後は、タバサを叱りつける。 「そんな声で観客に聞こえると思ってるの!? 声は腹から出しなさいと言ったでしょうッ!」 「……大きな声を出すのは苦手……」 「言い訳しないッ!」 その次は、演技の練習中のルイズに矛先を向けた。 「腕はもっと大きく、身体全体で動かす! あなたは身体が小さいんだから、その分他の人より 大きく動かないといけないわよッ!」 「ひ、人のこと小さいって、あんな堂々と……くぅッ……!」 叱られたルイズは怒りで震えるが、何かを思い直すと、しぶしぶ言う通りに動きを直した。 だが不平は漏らす。 「全く、何だって貴族のわたしが、演劇の役者にならないといけないのかしら……!」 「ごめんなさい……。私のせいで、皆さんを巻きこんじゃって……」 練習を続けながら、春奈が小声でルイズに謝った。その春奈を、才人が励ます。 「春奈が悪いんじゃないって。あの人、ウェザリーさんが頑固なのがいけないんだよ」 才人が春奈をかばうと、ルイズは不機嫌になって彼に当たる。 「全く、ハルナにはとことん甘いわね! そもそも、ハルナがバッグなんて持ってこなかったら、 こんなことにはなってなかったのよ!」 「おい! そんな言い方はないだろ……!」 「そこッ! 私語をする暇があるのなら、発声練習をしなさいッ!」 「は、はいッ!」 ルイズと才人が言い争いになりかけたが、ウェザリーの叱咤が飛んできたので、二人とも 思わず背筋を伸ばした。 しかしルイズは、懲りずに不平不満を垂れ流し続けた。 「ウェザリーもウェザリーだわ。わたしたちが役者をしないとバッグを返さないなんて、 何考えてるのかしら……!」 春奈の鞄を持っていた女性の名はウェザリー。今度劇場で舞台を開く劇団の団長だという。 春奈は彼女に、鞄を返してくれるよう説得を試みたのだが、それにより、事態は思わぬ方向に転がった。 ウェザリーは鞄を、私が拾ったものだから私のものだ、の一点張りで返してくれる気配がなく、 春奈のものだという証拠があるのかと反論してきた。春奈は中の隠しポケットを調べれば分かると 主張したのだが、それをしようにも、ウェザリーは触らせようともさせてくれない。あまりの頑迷さに ルイズたちが手を焼いていると、ウェザリーは何を思ったか、こんな交換条件を出してきた。 曰く、ルイズたちが次の劇のキャラクターのイメージにピッタリ合うのだという。それで、 役者として舞台に上がってもらえるのならば、鞄を返してもいいと提案してきたのだ。 当初、ルイズたちハルケギニアの人間は嫌がった。この世界では、劇団や役者の社会的地位と 信用は低く、貴族がやるようなことではないのだ。しかし、春奈の大切なものが入っているというので、 才人が必死にルイズたちを説得し、どうにか条件を呑んでもらうことになった。 こうしてルイズ、才人、春奈、シエスタ、それから巻き込まれたキュルケとタバサが、 ウェザリーの鬼のような舞台稽古を受ける羽目になったのだった。 長時間の厳格な指導がひと段落つき、ようやく休憩の時間がやってくる。だがその直前に、 ウェザリーがルイズを呼んだ。 「ミス・ヴァリエール。休憩の前に一つ話があるの」 「もう、何よ! まだ演技指導!?」 すっかり嫌気が差しているルイズだが、話の内容はそうではなかった。 「いいえ。ミス・ヴァリエールの知り合いだという方々が、飛び入り参加を希望されてるのだけれど……」 「……知り合い? 誰?」 「わたくしよ。ルイズ」 「俺たちもいるぜぇー!」 ルイズが聞き返すと、舞台袖から、涼しげな女性の声と、それと反対に暑苦しい男の声がした。 「今の声、まさか……!」 ルイズと才人は、聞き覚えのある声により、目を見開いた。そして舞台に上がってきたのは……。 「あああぁぁぁぁッ!?」 (アンリエッタ姫さま! それにウェールズ……じゃなくて、グレン!) ドレスは着ていないものの、明らかにアンリエッタその人。その後ろには、赤い瞳のウェールズ、 つまりグレンファイヤー。それともう一人、ギーシュをはるかに上回るほどである、非常に美形な男性、 計三人がルイズたちの目の前に現れた。キュルケは早速、三人目に見とれて熱い視線を送る。 三人目は誰だろうと才人が思っていると、それを察したのか、グレンが近寄ってそっと囁きかけた。 (あいつな、ミラーちゃん) (ミラーナイトか!?) 正体を教えてもらった才人は、ミラーナイトに小さく尋ねかけた。 (ミラーナイト、人間に変身したんだな。でも何だって……その……やたらと目立ちそうな顔立ちを 選んだんで?) (私はエスメラルダに仕える騎士。どんな時も、エスメラルダに恥ずかしくないよう身だしなみに 気をつけるよう心掛けてますので) (変身も、身だしなみに入るのか……?) それに何だか、それだけが理由じゃないような気がする。才人は、ミラーナイトがどういう性格なのか、 ちょっと把握した気になった。 ルイズたちが目を丸くしていると、アンリエッタがフフフと笑った。 「『お友達』に意外なところで会ったからって、そんなに驚かなくてもいいのに……」 「え、ええと……」 ルイズは言うべきことに困り、目を泳がせた。才人は今の言葉の意味を考える。 (『お友達』って……つまり、お忍びだって言いたいのか。それにしたって……何考えてるんだよ! あのお姫さまは!) 才人も、こんな場所に国の元首がいることに頭が痛くなった。一方で、ウェザリーが アンリエッタについて問いかける。 「ミス・ヴァリエールのご友人とは……こちらも魔法学院の生徒? どこかでお見かけしたような気が……」 「ま、魔法学院の生徒ではないのですが、わたしの、幼馴染……というか、親友です」 ルイズは必死に設定を考えてごまかした。ウェザリーは、特に怪しく思わなかったようだ。 「名前は……聞いた通り「リエッタ」「グレン」「ミラー」でいいんですね?」 「はい。今後、リエッタとお呼び下さい」 「俺も、そのまんまグレンでいいぜ! 堅苦しいのは嫌いだ!」 「私も、どうぞミラーと」 何のひねりもない名を名乗る三人であった。才人は思わず肩を落とす。 「役者がちょうど三人分足りなかったから、ちょうどよかったわ。それでは、休憩が終わったら、 早速あなたたちにも練習に加わってもらいます。では、一旦解散」 アンリエッタたちの加入が認められると、休憩に入る。ルイズと才人、シエスタは、すぐに アンリエッタに駆け寄って密談を始める。 「姫さま! どうしてこんな下賤な場所におられるのですか!?」 真っ先にそれを尋ねるルイズ。するとアンリエッタは、ルイズの心中とは反対ににこやかに答えた。 「ちょっと事情があって、身分を隠して街へ出てるの。そしたら、ルイズ、あなたが劇団に 入ったなんて話を聞いたものだから……わたくしもやらせてもらおうと思って」 「思ってって……そんな気軽に……。もう少し、ご自身のお立場というものをお考え下さい……」 「もう、そんな固いこと言わないで。お城にも許可はもらっているのよ。上層部からだけだけどね。 それにこうしていると、何だか子供の頃に帰ったみたいで面白いじゃない」 楽しそうにはしゃいでいるアンリエッタに、ルイズは脱力させられた。 「それと、わたくしがアンリエッタということは秘密よ。劇団にいる間は、普通に接してちょうだいな」 「言われなくとも、承知してますとも……。こんなこと、他言できる訳ないじゃないですか……」 アンリエッタの指示に、ルイズは頭を抱えてうなずくしかなかった。 才人は、グレンとミラーの方に質問をする。 「そっちは、どうしてここに?」 それに他には聞こえないように気を配りながら、ミラーが答える。 「あなた方ばかりに、侵略者の動向を探ってもらうのは気が引けたので、私たちもお手伝いしようと 思って出てきたんです。それで女王様と同じく、あなた方がここにいると知りまして。どうやら お困りのようでしたので、こうして力を貸しに来たのですよ」 「ヘッヘッ、ちょっと楽しみだな。演劇なんて生まれて初めてだぜ。どうせだから、目一杯楽しもうぜ!」 グレンが呼びかけると、ジャンボットやゼロが二人を羨ましがった。 『むぅ、人間に変身できるというのはいいものだな……。私にも自由に行動できる身体があったならば、 サイトたちの手助けが出来るのに』 『俺も才人と合体してなくちゃいけない状態じゃなかったら、一緒に演劇に出れるのになぁ~。 なぁ才人、身体はそのまんまでちょっとだけ俺と代わってくれよ』 「何でそんなノリノリなんだよ、ゼロ……」 真面目なジャンボットは補佐が目的のようだが、ゼロは明らかに楽しもうとしていた。 それで才人はため息を吐く。珍しくボケとツッコミの立場が逆だった。 話し込んでいると、キュルケがミラーの方へとすり寄ってきた。 「ねぇ~、ミラーさん? アタシともお話ししましょうよ~。アタシ、ゲルマニアのキュルケって言うのぉ。 ミラーさんのこと、色々と教えてほしいなぁ~」 「いいですよ。お話し出来る範囲であればね」 色香をたっぷりに振り撒いて媚を売るキュルケだが、ミラーは色仕掛けをサラリとかわした。 ギーシュなんかとは異なり、身持ちは固いようだ。 グレンの方には、アンリエッタがもじもじと頬を赤らめながら近寄る。 「あの、ウェールズ様……いえ、グレン様。よろしければ、わたくしとお話ししていただけますか……?」 「おう、もちろんいいぜ。けど、俺には「様」はいらねぇよ。グレンで結構だ」 「はい……グレン」 アンリエッタは頬を朱に染めたまま、そっと目を伏せた。 アンリエッタ、グレン、ミラーの三人を加えて稽古を続行することになったルイズたちなのだが、 すぐにまた新たな問題が発生した。練習数日目に、ひたすらきつい稽古の繰り返しにキュルケが、 嫌気が差したと言って稽古を放り出してしまったのだ。劇場から飛び出していくキュルケを、ミラーが 「説得してみます」と追いかけていった……。 「お待ち下さい、キュルケさん」 ブルドンネ街の裏通りに入ろうとしていたキュルケを、ミラーが呼び止めた。振り返ったキュルケは、 ミラーの顔を確かめてパッと笑顔を作った。 「あらぁ、ミラーさん。あなたに追いかけてもらえるなんて、アタシ、とっても嬉しいですわぁ」 「キュルケさん、どうして稽古を投げ出すような真似をしたんでしょうか? ウェザリーさんが おかんむりでしたよ」 キュルケの媚売りをかわし、ミラーはすぐに尋ねかけた。するとキュルケは肩をすくめる。 「さっき言った通りですわ。アタシ、あんなに地味で苦しいだけの練習ばかりするのは、性に合わなくて」 と言うと、ミラーに逆に肩をすくめられた。 「ここには私とあなたしかいませんし、嘘を吐く必要はありませんよ」 「え?」 「あなたは稽古を、それほど苦に思ってません。顔を見れば分かりますよ。稽古を脱け出したのは、 別の理由があるんでしょう」 そう指摘されたキュルケは、驚きつつも素直に認めた。 「鋭いですねぇ……ええ、その通りですわ。ちょっと気になることがありまして、それで」 キュルケの「気になること」を推理するミラー。 「この先は、爆弾騒ぎの一番新しい現場ですね。もしやキュルケさんは、ルイズたちに代わって 爆弾事件の調査をするつもりではないでしょうか」 「……本当に鋭いですわね。ご明察、正解ですわ」 当てられたキュルケは、感心したように息を吐く。 「メイドの話じゃ、ルイズったら、爆弾事件を調べに来たはずなのに、ここ数日は舞台稽古に 掛かりっきりでしたでしょう。だから、あの中では出来がいい方のアタシが補ってあげようと思ったんですわ」 「なるほど。しかし、それならそうとルイズたちにはっきり言えばよかったではないでしょうか? わざわざ嫌われるような真似をせずとも」 「とんでもない。ルイズのことだから、それを言ったら、自分の仕事なんだから自分でやると言って 聞かないでしょう。それに、部外者のウェザリーにこの話を聞かれるのはよくないと思いますので」 「確かに。キュルケさん、あなたは普段の態度とは違って、とても思慮深い方なのですね」 「うふふ。口説いてるのなら、前半は不要ですわよ」 キュルケと顔を合わせて微笑し合ったミラーは、彼女に告げる。 「しかし、そういうことならば、キュルケさんではなく私がその役目を引き受けますよ。 私は幸い、筋がいいようなので、キュルケさんよりも打ってつけと言えるでしょう」 「そうですわね。ミラーさんは素人とは思えないと、ウェザリーも絶賛してましたわね」 ウルティメイトフォースゼロ一の技巧派のミラーナイトは、演劇の腕前も相当なものだった。 体力は戦闘のために鍛え上げているので問題なく、演技力も抜群だった。ウェザリーからも、 基礎稽古が必要ないくらいだと判断された。 「ウェザリーさんに上手く言って、調査の時間を作ってもらいます。ですのでキュルケさんはご心配なく、 練習にお戻り下さい。その方が、みんな喜びますとも」 「お心遣い、ありがとうございます。けど今日一日だけは、あなたのお手伝いをさせてもらいますわ。 あんなこと言ったばかりだから、さすがに戻りづらくって。いいでしょう? ミラーナイトさん」 「おや、私の正体に気づいてたのですか?」 ミラーナイトは驚いた様子を見せたが、軽い演技だとキュルケには見破られていた。 「またまた。グレンの正体を目の当たりにしたアタシが、あなたの正体に気づけないなんてことは ありませんわよ。分かりやすすぎじゃないですか」 「ですよねぇ。グレンとともにいる私のことに気づかない訳ありませんよねぇ」 クスクスおかしそうに笑い合うキュルケとミラー。それからふとキュルケが尋ねかける。 「ところであなたたちがいるのなら、もしかしたらウルトラマンゼロやジャンボットも人間の姿で、 この近くにいるのかしら? 誰がそうか、教えては下さらないかしらぁ?」 「おっと、それは秘密にさせてもらいますよ。誰が聞いてるとも分かりませんので、みだりに 口にすることは出来ません」 「そうおっしゃらずにぃ。ヒントだけでも下さらないかしらぁ?」 「ふふ、いけません」 キュルケのおねだりをかわし続けたミラーは、自分が調査に出る許可をもらうために、 一旦ウェザリーの下へ戻ることにした。 キュルケが飛び出した後でも、ルイズたちは練習に励み続けていた。と、その中で、歩行練習中の アンリエッタがつまずいて転びかける。 「あッ!?」 「おっと、危ねぇ!」 そこをすかさずグレンが抱き止めた。 「大丈夫か? 女王さ……あぁいや、リエッタさんよ」 「は、はい……! ありがとうございます、グレン……」 支えられたアンリエッタは頬を赤く染めて立ち上がる。そのまましばらくポーっとしているので、 グレンが心配した。 「おい、大丈夫か? もしかして、熱があるんじゃねぇよなぁ」 「は、はい! 大丈夫です」 声を掛けられて、アンリエッタは身体をビクリと震わせて我に返った。それから、グレンに向かって 言い訳するように取り繕う。 「ね、熱なんてありません。ただ、今この瞬間に、ウェールズ様に抱き止められたということが 嬉しくて、それで……」 「そうなのか? そういや、ウェールズはあんたの恋人だってことだったな」 今のウェールズの身体を見下ろしたグレンは、表情を曇らせてアンリエッタに向き直った。 「……すまねぇな。こいつを完全に助けてやれなくって」 「え? ど、どういうことでしょうか」 「リエッタさん、俺にちょくちょく複雑な顔向けてるだろ。それくらい分かるぜ。俺が完全に ウェールズじゃねぇから、つき合い方に困ってるって感じだ。……こいつの意識が起きてる状態で 助けられてたら、そんな顔しなくて済んでただろうに。ほんとにすまねぇ」 グレンに謝られると、アンリエッタは慌てて首を横に振った。 「と、とんでもないです。グレンが謝ることなんてありません。確かに、わたくしの知る ウェールズ様と雰囲気が大きく異なるのには未だ戸惑いがありますが……本当だったら、 そのウェールズ様は死んでいるはずなのです。それを、身を挺して救ってくれたあなたには、 感謝の気持ちしかありません。ですので、どうぞそんな顔はなさらないで下さい。あなたに 悲しまれたら、ウェールズ様がお目覚めになった時に、わたくしが命の恩人に失礼を働いたと 叱られてしまいます」 「そうか? じゃあ、そのお言葉に甘えさせてもらうぜ」 頼まれたグレンは、あっさりと気分を切り替えた。根はかなり単純なのだ。 「それに、ウェールズ様とこうして一緒に演劇が出来るなんて、今までからしたら考えられないことです。 グレン、どうぞわたくしに、ウェールズ様との素敵な思い出を作らせて下さい」 「よっしゃ、了解だぜ。俺たちで最高の劇にしようじゃねぇか!」 笑い合って誓いを交わしたアンリエッタとグレンだが、稽古中に雑談しているところが ウェザリーに見つかり、叱られて泡を食うことになるのだった。 その日の練習が終了した直後、才人はウェザリーと春奈の二人と一緒にいた。ウェザリーは キュルケのことを思い出して、はぁと大きなため息を吐く。 「全く、彼女には困ったものだわ。せっかく光るものを持ってるのに、もったいない……」 「ウェザリーさん、そうキュルケを悪く思わないでやって下さい。確かにちょっと軽い性格を してるけど、あれで結構友達思いのいい奴なんです。ミラーが説得してくれたみたいだし、 明日にはまた稽古に戻ってくれますよ」 才人がキュルケを弁護すると、ウェザリーはうなずいて応じた。 「私としては、演劇に熱心になってくれるなら、それでいいわ」 と語るウェザリーに、コップに注いだ水を飲んだ春奈がふとこんな質問を投げかけた。 「ウェザリーさんって、とても演劇に熱心なんですね。そんなに劇がお好きなんですか?」 「む。私が、劇が好きかって……?」 質問を受けたウェザリーは、ややうつむき気味になりながら、回答を始めた。 「……演劇が好きなのは事実よ。だがそれ以上に……私には、これ以外にまともに生きる術が ないのでね。それで熱心にならざるを得ないのよ」 「えッ……どういうことでしょうか」 ウェザリーが打ち明けたことに、才人も春奈も驚きを見せた。ウェザリーは詳しく身の上を語る。 「私はこう見えても、貴族の家の生まれなのよ。だが、家は取り潰しになってしまってね。 一家は離散し、私は路頭に迷うことになった」 「ど、どうしてお取り潰しになんて……」 予想外に重い話に、才人たちは戸惑う。ウェザリーは自分の獣の耳を指しながら、理由を話す。 「確かめた訳じゃないが、きっとこれが原因でしょう。見ての通り、私は獣人の血が入っている。 父は獣人の母を娶ったのよ。しかし、獣人の血は忌むべきもの。それで貴族の地位を剥奪されたに違いない。 更に私は、この見た目のせいで差別に遭い、ろくに職にありつけなかった。それで仕方なく、多くの 流れ者が行き着く演劇の道に入ったの。この世界で今のところやっていけて、本当に安心してるのよ」 「そうだったんですか……」 ウェザリーに獣の耳が生えているのは、魔法が現実のハルケギニアならおかしくないものなのかと 思って才人たちは突っ込まなかったが、実際は差別されるものだと知って、彼女に同情を寄せた。 「今回の劇は、なかなか役のイメージに合う役者が見つからなくてね。困っていたら、天の恵みのように、 私の眼鏡に適う君たちがやってきた。是非とも舞台に上がってもらいたいと思って、少々強引な手で 引き受けさせてしまった。そのことについては謝るわ」 「い、いえ、いいんです。ウェザリーさんの生活が懸かってるなら、こちらから協力させてもらいます」 不意に謝られた春奈は、思わず気が引けてしまった。 「ありがとう。約束通り、舞台が終わったら鞄を返す。それまでは、私のわがままにつき合ってほしい。 ……それと、今話したことは、他の皆には内緒にしてちょうだい。貴族が多いからね、こんな気分が 悪くなる話をしたくないのよ」 「分かりました」 ウェザリーの頼みに、才人と春奈は二つ返事で了承した。 それからルイズたちは稽古に打ち込み続け、遂に役柄の発表の日がやってきた。ウェザリーの前に、 ルイズたち全員が集まる。 「それでは配役の発表をします。まず、王子ケイン役には……」 「きっとミラーさんね」 キュルケが顔立ちから予測するが、ウェザリーが呼んだ名前は、 「サイト!」 「あら、意外」 「ほ、ホントに俺でいいんですか?」 ミラーを差し置いての指名に、才人は思わず聞き返した。それにウェザリーはうなずき返す。 「私が、あなたが一番役に合うと判断したの。自信を持ちなさい」 「は、はい……!」 「私とミラー、グレンは敵国の貴族役よ。それで、ヒロインのノエル王女役なんだけど……」 「……!」 主役の片割れの発表を、ルイズ、春奈、シエスタ、キュルケ、タバサ、アンリエッタが 固唾を呑んで待つ。そして、呼ばれたのは……。 「ミス・ヴァリエールにお願いするわ」 「わたし……!?」 ルイズが口を開いて、顔を思い切り輝かせる。が、春奈から声を掛けられると、すぐに我に返った。 「おめでとう、ルイズさん」 「と、当然よ!」 顔を取り繕って、鼻息荒く胸を張る。その様子をながめて、キュルケが肩をすくめた。 「あ~あ、ヒロインを射止めてルイズを地団駄踏ませようと思ったのに」 「まぁ、決まったものは仕方がありません。与えられた場所で最善を尽くしましょう」 「それじゃ、その他の配役も発表していくわよ。育ての親の老貴族は……」 主役の二人を発表したウェザリーは、その流れで全員分の役柄を発表した。 それからルイズたちは本稽古に励み、その努力が実って、素人ばかりの演劇は何とか成功を収めた。 そして春奈は、約束通りにウェザリーから鞄を返してもらうことに成功するのであった。 「ふぅ……。みんな、よく頑張ってくれたわね。劇が大盛況でよかったわ……」 夜更け、劇の幕が下り、ルイズたちが帰っていった後の劇場の廊下で、ウェザリーが満足げに 息を吐いた。そして、楽屋の前までたどり着くと扉を開ける。 『おぉ、帰ったか。いやぁ、原始的ながらなかなか楽しい演劇だったぞ。俺様も、観客に混じって 楽しませもらった』 「!」 楽屋には既に人がおり、入ってきたウェザリーに向かって声を掛けた。その相手を見返した ウェザリーの目が見開く。 椅子の上にふんぞり返ってウェザリーを待っていたのは、マグマ星人であった。 「……まさか、その姿で中に入ってきたの? 誰かに見られてはいないでしょうね。目撃されたら、 大変なことになるわよ」 『おい、俺様を馬鹿にしてるのか? そんなヘマをするか。当然、ずっと人間に化けてたさ。 誰にも不審に思われてないはずだ』 明らかな怪人が出迎えたのに、ウェザリーはそのことに全く動じず、それどころか会話を行う。 「それで、わざわざ劇の感想を言うために、私を待ってたのかしら?」 『まさか。大事な報告があるんだよ』 ウェザリーが問いかけると、マグマ星人はわざとらしく肩をすくめ、椅子から立ち上がると、こう告げた。 『いよいよ計画が最終段階を迎える。最後の攻撃が始まるのさ。お前も準備を整えな』 それを耳にして、ウェザリーの身体が一瞬強張った。そして、マグマ星人におもむろにうなずく。 「……分かったわ。遂に来るのね。私の家を潰した……トリステインに復讐する時が!」 と発したウェザリーの目には、冷たい怒りの炎が燃え盛っていた。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9178.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第五十九話「果てしなき復讐」 対話宇宙人メトロン星人 洗脳宇宙人ヴァリエル星人 登場 教会にメトロン星人が持ち込んだ畳の上で、タバサ、シルフィードとメトロン星人、リュシーが ちゃぶ台を囲んでいる。 現在のリュシーは、昼間の彼女とはまるで別人というほどに纏う空気が違った。昼の彼女は、 春の陽気のような穏やかで優しい雰囲気であったが、今タバサたちの目の前に座っているリュシーは、 真冬に吹き荒れる吹雪よりも冷え切っている、まともな人間のものとは思えない恐ろしい様相であった。 およそ聖職者の放つ気配とは思えない。 この百八十度の変貌は、一体どういうことなのか。リュシー自身の口から、真相が語られる。 「もうお気づきでしょう。本当のわたくしは、心の底から神官であったのではありません。 それは世を忍ぶための、偽りの仮面でしかありません。心の底では、復讐の炎が常に燃えたぎっておりました」 淡々と、リュシーは語る。鬼もかくやという形相の彼女が感情の見えない口調であることが、 シルフィードには逆に恐ろしかった。 「理由は申すまでもないでしょう。オルレアン公派であった、ただそれだけの理由で父を殺し、 家族を散り散りにした王政府への復讐……、それのみです。わたくしはじっと、修道院で機会を うかがっておりました。艦隊付き神官として、両用艦隊への赴任が命じられたとき、ついに復讐の チャンスがやってきたと、わたくしは考えたのです」 「……」 「当初は、わたくしに味方などはおりませんでした。そのため全て一人で復讐劇を行うつもりで、 そのための計画も用意しておりました。来るべき日のために必死で習得した“制約”の呪文を使い、 告解にやってきた信者を利用してフネの爆破を起こさせる……そういう計画でした。もちろん、 わたくしに真っ先に疑いがかかることを見越し、鏡を使って己に“制約”をかけることで、昼間は 完璧な神官を装っておりました。復讐など、微塵も感じさせない慈愛に満ちた神官になるように。 何度も、何度も“制約”をかけなおしました……」 シルフィードは戦慄した。自身に魔法をかけて、自分の心をも変えるなど、正気の沙汰ではない。 しかも身体を突き動かす復讐心を、たった一つの生きがいであろう復讐心をも、魔法によって 抑えつけるなんて……。どれほどの憎しみがそれを可能にするものか、リュシーの心境が どのようなものだったのか……全く理解の及ぶ世界ではない。 「しかし、計画を実行する寸前になったところで、こちらのメトロン殿がわたくしの前に現れ、 復讐劇を代行してくれることを申し出てくださったのです」 「それじゃあここからは、私の話をしようか」 リュシーと交代して、メトロン星人が自身について語り始める。 「私は他の宇宙人と一緒に、この星へやってきた。この星には“魔法”という、夢溢れる力を 持った人間たちがいると聞いて、俄然興味が湧いたんだ。そしてあわよくば、戦ってでも 星をいただきたいと、そう思った。……だけどねぇ」 ハァ、と深いため息を吐くメトロン星人。 「実物を見て、すごく失望したよ。夢なんてどこにもない、実につまらない星だったから、 もう欲しくもない。だからさっき言ったように、私はもうすぐ帰ることにしたのだ」 「つまらない? 何がつまらないのね」 キッとにらむシルフィード。自分の住む世界を「つまらない」と言われて、いい気分であるはずがない。 理由を、メトロン星人が述べる。 「この星の人間たちだよ。“魔法”といえば聞こえはいいが、そんなのは扱える人間が威張り散らすための 単なる道具に過ぎない。それを使って世界を良くしこうって気概を持つような人間は、どこを探しても いなかった。それどころか“魔法”を扱うメイジって人間は、それ以外の人間を踏んづけて、利益を むさぼることしか頭にない、浅ましい連中ばっかり! 本当にガッカリだよ。貴族だの高貴な血筋だの 言ってるけど、本性はお山の猿と同じだね!」 「お、おねえさまはそんな人じゃないのね!」 シルフィードがムキになって言い返すが、メトロン星人はため息を吐いた。 「そういうこと言ってるんじゃないよ。君の主人がどうだかは知らないけどね、他のメイジが そうじゃないって、君は言えるの?」 そう言われて、シルフィードは言葉に詰まる。彼女自身、口では高貴だの言っておいて、 行動が伴っている者はほとんど知らなかった。 「それ以外の人間だって同じだ。自分らのことしか頭になくて、他のことにはこれっぽっちも 関心のない、無為に寿命をすり減らすだけの低脳だらけ。貴族がボス猿なら、平民はボスに へいこらするだけが能の子分猿だね。極めつけには、同じ種族同士で殺し合い、奪い合い、 森を伐採して工場から煤煙を撒き散らし、環境を食い潰す! そうまでして生み出すのは、 何の益にもならない一瞬だけの享楽! これならまだ猿の方が利口じゃないか。そう思わないかい?」 「し、知らないのね、そんなこと!」 何も言い返せないシルフィード。だがメトロン星人は続ける。 「砂漠のエルフって種族も変わりはない。自分たちのことしか見えてなくて、人間のことは まるっきり見下して理解を示す姿勢すらなく、偉ぶってる割には暴力に暴力で返すだけしか 知らない高慢ちきなお山の大将! 争ってばかりじゃ先に待ってるのは滅亡しかないのに、 だーれも気づきもしない。この世界はどこもかしこも猿ばっかり! ほとほと嫌になっちゃったよ。 だからこの世界には見切りをつけて、自分の国へ帰ることにしたの」 「……だったら、早く帰ればいいのね! こんなところで、何をやってるのよ!」 メトロン星人の言い分は無性に腹が立つが、言い返すことが少しも出来ない。そのためシルフィードは、 苛立ちをそんな形でしかぶつけられなかった。 「それが帰り支度をしてる時に、このリュシーくんを見つけたんだよ。彼女が力ずくで自分の とても押し殺せない感情を押し殺してることに気づいて、そうまでして何をしようとしてるのか 不思議に思った。そして話を伺ったら、とてつもなく大きな敵相手に親兄弟の仇を取ろうと してるじゃないか! 感動したよぉ。その辺の猿どもより、ずっと立派な心がけだ。それで、 帰る前に彼女に手を貸していこう、と思った次第さ」 「感動って……復讐に感動するなんて、おかしいのね!」 シルフィードには、メトロン星人の心情がさっぱり理解できなかった。復讐が所詮益に なるものではないというのが、彼女の考えだった。タバサにだって、本当は復讐のために 危険なことをしないでほしいと思っている。彼女の場合は、母親を取り返す目的もあるので、 止めることはないのだが。 しかし、メトロン星人は、 「何を言うかね。こんな若い身空の子が、家族の無念のために、自分を偽ってでも身を粉にして 頑張っている! これほど立派なことがあるかい?」 「でも、だからって、何の罪もない人を巻き込むなんて……!」 「何の罪もない? この軍港の人間たちがぁ?」 メトロン星人がせせら笑う。 「彼らは人殺しじゃないか。それも名誉欲や金銭欲なんて欲望を満たすためとか、伝統やしきたりなんて 中身のないものを理由にして思考停止し、見ず知らずの人間を大勢犠牲にしようとうずうずしてる連中だよ。 何か間違ってる?」 シルフィードは、やはり、何も言えなかった。兵隊というのは、どんなに言い繕おうと、 上の命令一つで人の命を奪う類の人間なのだ。 戦争を仕掛ける人間というのは、どんな言葉で飾ろうと……人殺しなのだ。 「まぁともかく、私はリュシーくんに協力した。彼女の計画も悪くなかったが、この世界の方法じゃ 騙し切るのは難しいと思って、私の持ち込んだこの世界にない手段を用いた。……けれど、何故か ことごとく失敗してね。遂には君たちに踏み込まれてしまった。こうなったからには、私は潔く 諦めて退散するつもりだ」 そこまで語ったメトロン星人は、リュシーを一瞥する。 「リュシーくんには、二つの道を提示してるんだよ。一つは、このままこの世界に留まること。 もう一つは、私とともにこの世界を去ること。二度と帰ってくることはないだろうね」 とんでもない申し出に、ギョッとするシルフィード。 「な、何てこと言うの!? リュシーさんに、故郷を捨てろだなんて……!」 「別にひどいことじゃないと思うけどねぇ。むしろ、このままこの地に彼女を残らせる方が ひどいんじゃないかな? この世界に、リュシーくんが幸福に生きていける道が残ってると思う?」 ぐっ、と言葉を詰まらせるシルフィード。この地にいる限り、リュシーが復讐心を捨てられないのは 明白だ。しかも彼女には、もう誰も家族がいないのだ。 更にメトロン星人は、タバサにも打診する。 「何だったら、シャルロット姫、君も連れてってあげようか?」 「え!?」 「シャルロット姫、君のお母さんは私が連れ出してあげるよ。治療もしよう。ただし、私と 来ることが条件だけどね」 「そこまで言うなら、ただで手を貸してくれてもいいじゃない!」 「私だって慈善事業家じゃないんだ。何もなしにって訳にはいかないね」 メトロン星人はタバサに問いかける。 「どうだい。母親が助かるのなら、この世界にこだわる必要もないだろう。低脳で、環境を破壊し、 本当の礼儀ってものも知らない人間たちの間で生きることもなかろう!」 それに対して、タバサは――。 「――わたしは、」 その時、この中の四人の誰のものでもない声がした。 「見つけたぞ……」 「!?」 窓を見ると、いつの間にか開かれていて、見慣れない女が外に立っていた。そして両脇は、 感情の見えないほどの無表情でいる水兵たちが並んでいる。 同時に扉が開け放たれ、水兵たちがゾロゾロと現れて出入り口を塞いでしまった。シルフィードは、 突然現れた女と異様な様子の水兵たちに不気味さと強い警戒を覚える。 「メトロン星人。散々余計なことをしてくれたものだ」 女は、線の細い外見とは不釣り合いな低音の声を出してしゃべる。 メトロン星人は彼女を見て、得心が行ったかのようにうなずいた。 「なるほど。いつもいつもやけにタイミングよく爆破が阻止されるものだと思ったら、君が裏で 糸を引いていたのか、ヴァリエル星人」 ヴァリエル星人と呼ばれた女をにらみつけたタバサは、次いで水兵たちを見回してつぶやいた。 「あなたが、まだ解けていなかった謎……水兵の異常の犯人」 「えッ!? おねえさま、それってどういうこと?」 シルフィードが驚いて聞き返すと、タバサが「謎」の意味を説明する。 「水兵たちの協調性の良さは、異常なくらい……明らかな違和感があった。何らかの力が 働いてなければ、あそこまではならない」 水兵たちが見せた笑顔……タバサの目にははっきりと、不自然なものであることが見えていた。 しかし爆破未遂事件の黒幕が、わざわざ犯行を阻止するはずがない。ずっと不可解に思っていたのだが…… 二つの思惑が働いていた、というのが真相だったのか。 「そこまで見抜かれていたならば、お前たちも生かして帰す訳にはいかない」 女はタバサたちも脅迫する。メトロン星人は彼女へ問う。 「どうして君が人間の味方をしてたのかい? 君は確か、自然を破壊する者が嫌いだったはずだけど」 それにより、ヴァリエル星人が己の目論見を語り出した。 「人間に味方したのではない。人間同士を殺し合わせて破滅させるための道具を潰されることを阻止したのだ」 「ど、どういうことなのね?」 ヴァリエル星人とやらは、何をしようとしているのか。シルフィードが冷や汗を垂らす。 「私はこの星の美しい自然を食い潰す人間の存在を許さない。しかし、ウルティメイトフォースゼロと まともに戦っては勝ち目がない。そこで、人間同士を争わせて自滅させる方法を選択した。人間同士の 争いならば、奴らは立ち入りすることが出来ない」 「ほぉう。私の同族と同じようなことをするね」 メトロン星人が感心する。 「そのための道具が、この軍隊だ。私は兵士の記憶を消去し、代わりに私の意のままに動くようになる 記憶を植えつけた。既にこのように、軍港の大半の兵士は私の傀儡だ。それが完了した時に、兵士どもを 操ってハルケギニア全土を襲わせる。これが火種となって、世界戦争の始まりだ。そういう筋書きだ……」 何と恐ろしい計画を考えるのだ。シルフィードは思わず背筋が寒くなった。 ヴァリエル星人はメトロン星人とリュシーを指す。 「しかし、お前たちのせいで危うく計画が台無しになってしまうところだった。軍艦を破壊されては、 世界全土の攻撃は出来ない。もうこれ以上の邪魔立てはさせん。邪魔者は、全て排除する!」 突然、ヴァリエル星人の片手に大型の銃が出現し、何の予告もなしにいきなり撃ってきた! 「!」 「おねえさま危ないッ!」 「おっとっと! リュシーくん、こっちに!」 機関銃の弾丸を咄嗟に回避するタバサたち。リュシーをかばうメトロン星人は、ヴァリエル星人へ尋ねかける。 「全く、乱暴だねぇ。君、そうやって暴力に頼って、本当に上手く行くって自分で思うの?」 「黙れ!」 メトロン星人を狙って弾丸を発射するヴァリエル星人。メトロン星人はサッとかわす。 「おぉ、危ない。お陀仏は御免だ、逃げさせてもらおうかな。それッ!」 メトロン星人が扉を塞ぐ水兵たちにぶつかっていき、退路をこじ開ける。その後にリュシーが続く。 「シャルロット様……さようなら」 リュシーは最後に、その一言だけを告げていった。 二人が逃げると、ヴァリエル星人はタバサたちの方へ銃口を向けた。しかし、むざむざやられる タバサではない。既に呪文を唱え終え、反撃に出る。 「『ウインド・ブレイク』!」 風の魔法で窓のヴァリエル星人と水兵たちを纏めて吹き飛ばす。そして自ら窓より外へ躍り出て、 ヴァリエル星人へ追撃を繰り出す。 「『ウィンディ・アイシクル』!」 氷の槍がヴァリエル星人にぶち当たった。ヴァリエル星人は槍に押されて教会を囲む雑木林の 中へ消えていったが……。 『グオオォォ―――――!』 すぐに林から、右肩と両腕が花のような形になっている異形の怪巨人が伸び上がった。 ヴァリエル星人がその正体を露わにしたのだ。 「おねえさま! 早く逃げるのね!」 シルフィードは人間から翼竜の姿に変化し、タバサを乗せて逃れようとする。だが、ヴァリエル星人は 両腕をしっかり二人へ向けて狙っている。このままでは撃ち落とされる! だがその時に、大空の彼方からものすごいスピードでこちらへ飛んでくる巨大な火の玉が! 『ファイヤァァァァァ――――――――!』 ヴァリエル星人の出現を感知して直ちに駆けつけたグレンファイヤーだった。彼が体当たりしたことで ヴァリエル星人は姿勢が崩れ、タバサとシルフィードは狙い撃ちから逃れることが出来た。 『グオオォォォ……!』 グレンファイヤーの体当たりを食らってつんのめったヴァリエル星人だがすぐに体勢を立て直し、 すぐにグレンファイヤーに反撃を行う。 『グオォォォォッ!』 『おっしゃぁー! 来いやぁーッ!』 夕焼けの日差しに照らされる中、グレンファイヤーとヴァリエル星人の決闘が開始される。 ヴァリエル星人がまっすぐに向かってくるのを、グレンファイヤーは自ら迎え撃ちに駆け出し、 両者は掴み合いになる。 『ウルティメイトフォース! 貴様らは、何故自然の破壊者である人間に味方する!』 ヴァリエル星人は取っ組み合いながら、グレンファイヤーに詰問した。 『何だってぇ!?』 『人間は愚かな生き物だ! 美しい自然を食い潰す! 助ける価値などない!』 と主張するヴァリエル星人。確かに彼やメトロン星人の言う通り、科学文明がさほど発達していない ハルケギニア社会でも、ゲルマニアを筆頭に徐々に工業化が進み、自然破壊の兆候は出始めている。 彼らの言うことも一理あるだろう。 だがそれに対し、グレンファイヤーは、 『テメェが人間の価値を決めるんじゃねぇッ!』 『グハッ!』 叫びながら、ヴァリエル星人の顎に強烈なアッパーを入れた。 『俺たちは最後まで人間の可能性を信じる! それだけだぜ! うらあぁぁぁッ!』 ひるませたヴァリエル星人に猛ラッシュを仕掛けるグレンファイヤー。こちらもパンチを繰り出す ヴァリエル星人だが、グレンファイヤーはウルティメイトフォースゼロ屈指の肉体派。格闘の実力は 段違いで、あっという間にヴァリエル星人を弾き返す。 『グファアッ!』 ヴァリエル星人は大きく吹っ飛び、地面に叩きつけられた。グレンファイヤーはそれを追いかけ、 どんどん追い詰めようとするが、 『グファアーッ!』 起き上がったヴァリエル星人は開いた両手より、ロケット弾を乱射! グレンファイヤーに 猛攻を浴びせる。 『うおおぉぉぉぉッ!?』 さすがにこれには苦しめられるグレンファイヤー。それでもガッツのある彼は前へ突き進もうとしたが……。 ヴァリエル星人は次に、肩の花から緑色の花粉を噴出。それを光線のように飛ばした。 『ぐううぅぅぅッ!? こ、こいつは毒か……!』 花粉を浴びたグレンファイヤーが大きく悶え苦しむ。そう、ヴァリエル星人の花から出る粉は、 猛毒を含んだ毒花粉なのだ。さしものグレンファイヤーも、毒を耐えるのは難しい。 『グファファファファファファ!』 動けないグレンファイヤーに、すかさず猛攻撃を繰り出すヴァリエル星人! 再び両手から ロケット弾を乱射。しかも今度は、先ほどの倍以上の量。 『ぐわあああぁぁぁぁぁぁ―――――――――――!』 ロケット弾の爆発の連続が林の木々を焼き払い、グレンファイヤーを業火に呑み込む! 絶叫を上げるグレンファイヤーの赤い姿が、火炎の中に見えなくなった。 『グファファファファ……!』 グレンファイヤーが倒れたと見たヴァリエル星人は踵を返し、木々を荒々しく踏み倒しながら 歩み出す。向かう先には、タバサを乗せたシルフィード。 「こ、こっちに来るのね! 逃げなきゃ!」 シルフィードは慌てて遠くへ離れようとする。が、しかし、 「待って」 タバサがそれを止めた。彼女の目は、グレンファイヤーを覆い隠した大火災に向けられている。 その中から、立ち上がる姿が! 『おい……テメェが、自然を破壊してるじゃねぇか……』 『グファッ!?』 振り返るヴァリエル星人。その視線の先には、雄雄しく立ったグレンファイヤー! ヴァリエル星人のロケット弾攻撃は、実は失策であった。その爆炎が花粉を焼き、毒の効果を 薄れさせていたのだ。その結果、グレンファイヤーは復活した! 『とうッ!』 グレンファイヤーは合わせた平手から火災を吸い上げ、見事に鎮火せしめた。そして、 『おらッ! お返しするぜ!』 吸い取った炎を火炎弾にして、ヴァリエル星人に投げつけた! 『グファアァァ―――――――!!』 それを食らったヴァリエル星人は大ダメージを負う。その隙を突いてグレンファイヤーは ジャンプで一挙に距離を詰めた。 『とどめだッ! 行くぜぇぇ―――――!』 ヴァリエル星人の身体をむんずと掴むと、グルリと天地を逆さにする。そして手で足首をがっしり掴んで、 『おうらぁぁぁッ!!』 脳天から地面に叩きつけた! 大技のグレンドライバーが炸裂した。 『グッファッ……!』 ヴァリエル星人は短い断末魔のうめきを上げて、爆散。完全に倒された。 『ふぅ……』 グレンファイヤーがひと息吐いた時……林の中からいきなり、巨大化したメトロン星人が伸び上がった! 『うおッ! お前もやろうってのか!?』 即座に警戒し、ファイティングポーズを取るグレンファイヤー。 しかし……メトロン星人は、何故かその場で走るポーズで足踏みするばかり。特に攻撃をしてこない。 『……?』 不可解な行動に、グレンファイヤーも思わず首を傾げる。 と、その時、どこからともなく赤い楕円を二つくっつけたような円盤が飛んできて、メトロン星人の 上空で停止した。すると、メトロン星人はグレンファイヤーとタバサたちに背を向けて、円盤の方を向く。 そしてちょっとだけ振り返ったかと思うと、筒状の腕を振った。別れの挨拶をするように。 『あッ……ああ……』 つい手を振り返すグレンファイヤー。するとメトロン星人の身体が円盤に吸い込まれていき、 見えなくなった。 メトロン星人を収めた円盤は、そのまま天高くへと飛び去っていった。そのままこの惑星…… ハルケギニアから去っていくのだろう。 『……』 グレンファイヤーは、呆然とそれを見送るだけであった。 「侵略者はいなくなったのね……でも……」 シルフィードが小さくつぶやく。彼女は今、複雑な心境であった。 侵略者の目論見はくじいた。しかし、今回守られた人間は――メトロン星人の指摘した、 「人殺し」たちなのだ……。 戦いが済んで、タバサとシルフィードは先ほどの部屋へ戻ってきた。 そこには、誰もいなくなっていた。メトロン星人はタバサの回答を待たずに帰った。しかし、 リュシーはどうなったのか? 部屋には畳とちゃぶ台だけが残されていて、その上には、「シャルロット様へ」という書置きが ポツンと置いてあった。それを手に取り、広げるタバサ。 書置きには、こう書いてあった。 『シャルロット様、突然ですが、あなたにお別れを申し上げます。もう二度とお会いすることはないでしょう。 わたくしは、メトロン殿と共に彼の故郷へ旅立ち、この地を永遠に捨てることに致しました。 生まれ故郷を捨てることに、ためらいがなかった訳ではありません。しかし――やはりこの世界には、 わたくしの幸福はもう残されておりませんので。 わたくしの中には、絶えず復讐の炎が燃えたぎっております。その炎は、一度や二度の“制約”では 抑えきれないほどの強さなのです。 わたくしの復讐は、とても困難なもの。絶対に完遂することは出来ないでしょう。しかしこの復讐心は、 どうしても捨てることは出来ません。魔法で一時的にごまかすことは出来ても、時間が経つに連れて 心の底から這い出てくるのです。そのためわたくしは、夜には誰にも会わないように注意しておりました。 この果てしなき復讐がもたらすものが破滅であることは、理解しております。しかし、 この世界にいる以上は、どうしようもないものなのです。 そのためわたくしは、生きる世界を全て変える道を選びました。後悔はありません。わたくしが 復讐者でなくなるには、こうするか、死ぬしかないのです。 もう一度申し上げます。さようなら、シャルロット様。 心残りがあるとすれば、わたくし以上の復讐の炎を抱えていらっしゃるあなたの行く先が 見られないことだけです』 ……書置きを読み終えたタバサは、ゆっくりと天を見上げた。 仮に、メトロン星人が回答を待っていても、自分はこの地を離れる決断はしなかった。 メトロンもそれが分かっていたから、待たなかったのだろう。 自分は――リュシーと違って、何が何でも復讐を完遂する。この手で。母親も自身の力で救い出すつもりだ。 それは、自分がタバサになった時の誓いがあるから。命の恩人のファルマガンに誓ったから。 それが、自分とリュシーの違い――。 ――本当にそうだろうか? 本当は、リュシーの指摘した通り、彼女よりも強い、果てしなき復讐心がそうさせるからではないか――? 仮に復讐を終えても、この心の炎はそのまま、自分を燃やし尽くしてしまうのではないか――。 「おねえさまッ!」 シルフィードに呼ばれて、ハッと正気に返った。 「大丈夫だったの? 顔色が悪かったのね」 自分を心配しているシルフィードの顔を見返して、冷静さを取り戻すタバサ。 これ以上考えるのはよそう。まだ終わりの片鱗すら見えないのに、その後を考えても仕方ない。 今は、とにかく母親を取り返すことに専念しよう、と思い直す。 取り返した後は――とにかく生きよう。メトロン星人はこの世界を、人間を、どうしようも ないものだとこき下ろした。しかし、自分はそんな大きなことは分からない。自分がそんなことを 決めたって、どうしようもないではないか。 自分は、この世界で生きていくのだ。なら、自分に出来ることを精一杯やって生きていこう。それしかない。 ――とにかく、爆破未遂はもう起こらない。極秘裏に洗脳されていた水兵たちも、ヴァリエル星人が いなくなった以上は元に戻るだろう。これで、この事件は終わりにするのだ。 「ところでおねえさま」 最後に、シルフィードがこんなことを尋ねた。 「メトロンって奴、この板と机を置いていったのね。これはどうしようかしら?」 畳とちゃぶ台は、教会の備品ではない。このままでは、他の神官が処分に困るだろう。 タバサは少し考えて――結論を出した。 「持って帰ろう」 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6196.html
前ページ次ページゼロの使い魔様は根腐れしてやがる!! 「ご・・・誤解なんだ!!二人とも!!」 いきなりの大声で自分の無実を力説するのは ミスターかませ とか、ヤム○ャの系譜とか 色々と言われる男、ギーシュ・ド・グラモン 彼が何故こんなにあせっているのかと言うと、話はちょっと前に遡る アルヴィースの大食堂、ここでギーシュと友人たちが年頃特有の恋話に華を咲かせていた時の事だった ふいにギーシュのポケットから香水の瓶が落ちた それをたまたまシエスタが拾い、持ち主に返そうとした。 だがギーシュはそれを受け取らなかった、いや受け取れなかったのだ この場では、 理由は彼が香水をプレゼントされたモンモランシーの他に1年生のケティと言う女の子に浮気をし、 あまつさえ、その二人がすぐそばにいると言う状態 なんとかして最悪の事態は避けたい その時!! 「えー もみ消し、もみ消しぃ~もみ消し屋はいらんかねぇ」 食堂内なのに何故か船でやってくる謎の海賊と謎の怪僧のコンビ 「あなたの人生をけつまずかせる物事をーあなたになりかわってもみ消しー」 「君、君」 「へい らっしゃい」 「まるで今の僕の状況のためにあるようなステキなお仕事だねぇ」 「おそれいりやす」 そしてギーシュはシエスタの手の中の香水瓶を指差し、 「こいつのもみ消しをお願いしたいのだが」 「へい 浮気の証拠隠滅 一丁」 「「それでは」」 男たちが仕事人の顔になり・・・そして 謎の怪僧がニギニギと香水瓶を握りつぶした そして海に帰っていった(食堂だったはずなのだが) 「で、ギーシュ・・・浮気してたんだって(怒)」 「酷いです・・・ギーシュ様(泣)」 ギ・ギ・ギとギーシュが後ろを振り向くとそこにはモンモランシーとケティが・・・ そして話は冒頭の 「ご・・・誤解なんだ!!二人とも!!」に戻る 「「あれだけ大声で浮気、浮気言っておいて誤解も何もあるかぁ!!」」 「ぎゃああああ!!」 モンモランシーの水魔法が津波となってギーシュを襲う、 フライの魔法で飛翔したケティが全身に炎を纏いギーシュ目掛けて突撃する 「ぎゃああああ!!」 ついでにギーシュのもてぶりに嫉妬したマルコリヌが風魔法で自らを弾丸に突進してきた 「このやろお 羨ましいだろうが 破局道!!」 「てめぇ!!マルコメ!!破局の文字がちがああ!!」 こうして一つの悪は滅びた だが人は同じ過ちを繰り返す 「ぐううう、このギーシュが死すとも 必ずや第2、第3のギーシュが貴様らの目の前に・・・」 それはそれとして・・・ 人の悩みに答えまSHOW!! 「はい、今日もショウタイムの時間となりました お馴染み司会は私、ベンジャミン軸盆」 「・・・アシスタント・・・ミス・ハシバミ」 スポットライトを浴びて登場する一振りの剣 「今回の悩みもちかけ人はこちら 煩すぎて武器として殆ど使われないインテリジェンスソード デルフリンガー君」 「え、ええ?俺っちなんでこんな所に?」 「彼がマトモに使われるにはどうしたらいいか 三人のスペシャリストがアンサー!!」 さらにその奥に三人の影にスポットライトが当たる 「そして、こちらがお答え頂く三人でーす」 左から、ルイズ、助手B、謎の怪僧 まずはルイズ嬢の答え 「んー、とりあえず喋らなければいいんじゃない?」 「それじゃあインテリジェンスソードじゃねぇだろ」 ドカーーーン 次に助手Bの答え 「今、使い手にめぐり合えない不幸はねぇ とりあえず印鑑かえればいいよ」 「いやいや、俺、武器だって・・・どうやって印鑑もつんだよ?」 最後、謎の怪僧の答え 「草花を愛でるのです」 「だから・・・俺・・・武器・・・」 「・・・」 「・・・」 ニギニギ 「はい!!また次回!!」 「・・・番組ではお悩みもちこみ人・・・募集中」 「ちょ、待って、もしかして俺様の出番ってこれだけかぁ!!待ってーー!!」 続く 前ページ次ページゼロの使い魔様は根腐れしてやがる!!
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9056.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第十八話「空飛ぶジャンボット」 時空怪獣エアロヴァイパー 時間怪獣クロノーム 登場 「ジ、ジャンボット!? ウルティメイトフォースゼロってことは、ミラーナイトと同じ……」 目の前の巨大な鋼鉄の塊が仲間のジャンボットと聞かされ、ルイズも才人も目を見張った。 同時にルイズは、以前ゼロの記憶を夢として覗き見た時に、同じものを目にしたことがあることを 思い出した。 「でもまさか、あなたの仲間のジャンボットが、こんな鳥みたいなのだったなんて……」 『それをジャンボットに言うなよ。訳あってあいつ、鳥って呼ばれるのは嫌ってるんだ』 ジャンバード=ジャンボットであることについて、ゼロが解説する。 『それにもう一つの姿って言ったろ。ジャンボットは変形機能のあるロボットなんだ。分かるか? ロボット。ここで言うゴーレムや自動人形みたいなもんなんだが。で、中に人を乗せて移動したり 高速で飛行したりする時に、このジャンバードの状態になるんだ』 「へぇ~」 才人とルイズはゼロの話に感心するが、シエスタは当然何が何だか分からず、目をパチクリさせている。 『とにかく、ジャンボットからどうしてここにいるのか聞きたい。シエスタがいると都合が悪いから、 席を外すよう頼んでもらえないか?』 「シエスタ。悪いけどわたしたち、この『竜の羽衣』をゆっくり、じっくり見たいの。 先に帰っててもらえないかしら?」 「えッ? でも……」 「俺からも頼むよ。ずっと俺たちにつき合わせるのも悪いし」 ルイズの頼みに、シエスタが難色を示す。しかし才人も加わると、仕方なく了承する。 「分かりました。お気が済みましたら、村に戻ってきて下さいね」 シエスタが洞窟から退出すると、ゼロが早速ジャンバードへ呼びかける。 『おい、ジャンボット! 俺だ、ゼロだ! まさかこんなところで再会できるなんてな! お前、何でこんな洞窟の中に、ジャンバードの姿でいるんだよ!』 しかし、ジャンバードからは何の応答もない。 「何か反応する様子がないんだけど」 『おっかしいな……眠ってるのか? 仕方ねぇ。中に入ってみるとするか』 「えッ! あの中に入れるの?」 ルイズが少々驚く。 『もちろんだぜ。ジャンボットは元々、エスメラルダって星の王族の守護ロボットで、宇宙船の 役割もあるからな。えっと、どこから入るんだったかな?』 思い出しつつ指示を出すゼロに従って、才人とルイズはジャンバードの中に乗り込むこととなった。 「うわ、すごい……。これ、どうやって造ったのかしら?」 内部に立ち入った二人、いや三人は、ジャンバードのコックピット内にたどり着いた。 ルイズはハルケギニアの技術を大幅に超越した造りのコックピットを目の当たりにして、 思わず言葉をなくした。 『あんまり下手にいじるなよ。俺も、エスメラルダの技術で作られたジャンボットの構造を 完全に把握してる訳じゃないんだ』 ルイズに注意をしたゼロは、才人に指示を出してジャンボットの状態を調べる。 「どうだ、ゼロ?」 『うーん……どこ操作しても、うんともすんとも言わないな。どこか重要な部分に故障が発生してるのか……』 コックピット内のコンソールを操作させていると、不意に前方のモニターに明かりが灯った。 「きゃッ! 何したの?」 『モニターは動くみたいだな。ちょうどいいや。メモリーに保存されてる、超空間ではぐれてから 今日までの記録を見れねぇかな。何が起きたか分かれば、手の打ちようがあると思う』 ゼロは才人の手を借りて、コンソールを操作する。そして試行錯誤した末に、真っ白だったモニターに 宇宙から宇宙へ渡る時に見た超空間の光景が映し出された。ジャンボットの目が捉えた、ゼロと はぐれてからの映像記録だ。 『よし、上手く行った。再生するぜ』 ゼロがスイッチを押すと、止まっている映像が動き始めた……。 『くッ、しまった……! ゼロから完全にはぐれてしまった……』 超空間を移動中に次元嵐に遭遇し、吹き荒れる暴風に流されたジャンボットは、すっかり ゼロたちの姿を見失って孤立してしまっていた。だだっ広い超空間に独りきりという状況は、 普通なら精神がどうかなってしまいそうだが、ジャンボットは希望を捨てなかった。 『ゼロが目的地にたどり着ければ、私もいずれかはそれに引き寄せられてたどり着けるはずだ……』 はぐれたとはいえ、ウルティメイトイージスの力の加護はまだ受けている。超空間内ならば、 自然にイージスに引っ張られて同じ場所に到着するだろう。そのことは心配していないのだが、 問題は現状だ。 『しかし、ひどい次元嵐だ……。抜けるか収まるまで、私の身体が持つだろうか……。うおッ!』 次元嵐から発せられた稲妻が機体を撃ち、うめき声を上げるジャンボット。次元嵐のエネルギーは すさまじく、いつまでもこの中にいたらバラバラに吹っ飛ばされてしまうかもしれない。 『仕方ない。多少無理をしても、強引に突っ切る……!』 稲妻を受け続けるのは危険と判断して、背中と足のブースターの火力を強めると、全速力で 次元嵐から抜け出した。 『ふぅ、ひとまずは危機を脱したか……む?』 嵐を抜けて安全な場所まで来たことでひと息吐くジャンボットだったが、すぐにその視界に、 超空間の中を飛び回る二つの、大きさの大分異なる物体を発見した。 一つは、翼とプロペラを持つ、ジャンボットからしたらはるかに原始的な航空機。見ている才人は、 タルブ村の神社で目にしたゼロ戦だとすぐに分かった。 「ギィィィィイイイイイ!」 もう一方は、ハルケギニアに生息する飛竜によく似た巨大生物、つまり怪獣だ。頭頂部にある 鬼のような二本の赤い角が目立つ。 「こいつは……」 才人は通信端末から怪獣の情報を引き出した。時空怪獣エアロヴァイパー。嘘か真か、 時空間の中を自在に飛行し、時間移動する能力があるという。 「ギィィィィイイイイイ!」 ゼロ戦は、怪獣エアロヴァイパーに追い回されていた。高い航空能力を持つゼロ戦だが、 エアロヴァイパーを振り切るのには足りなかった。そしてエアロヴァイパーは、口から火球を吐いて ゼロ戦を撃ち落とそうとしている。 『こんな場所で、人が怪獣に襲われてる!? 助けなければッ!』 正義感に駆られたジャンボットは、すぐにブースターを噴かせて現場へと急ぎ、握り拳を作った 左腕を前に突き出す。 『ジャンナックル!』 掛け声とともに、その左腕が炎を噴きながらジャンボットから離れて飛んでいった! 俗に言うロケットパンチである。 「ギィィィィイイイイイ!?」 ジャンボットの存在にまだ気がついていなかったエアロヴァイパーはジャンナックルをもろに食らい、 吹っ飛ばされた。火球もあらぬ方向に飛んでいき、ゼロ戦は救われる。 『間に合ったか……』 ジャンボットがほっと安堵したのも束の間、エアロヴァイパーが体勢を直すと、その頭部の 赤い角がスパークした。 「ギィィィィイイイイイ!」 その直後に、エアロヴァイパーを中心に空間が波紋を起こすように歪んでいき、エアロヴァイパーの 姿が消えていく。歪みに巻き込まれたゼロ戦も同様だ。 『むッ!? ワープして逃げるつもりか!? そうは行かんッ!』 ジャンボットはブースターの火力を上げて加速、歪みの中に飛び込んでいく。見たところ、 エアロヴァイパーは凶暴な性質の怪獣のようだ。しかもワープ能力があるとなれば、 放っておけば様々な場所で被害が出る恐れがある。絶対に阻止せねば、と使命感に駆られるジャンボット。 そして空間の歪みに飛び込んで、抜けた先で、赤と青の二つの月が浮かぶ夜空を目の当たりにした。 『これは……! どこかの惑星に出たようだな』 ジャンボットのつぶやきを聞きながら、ルイズは二つの月の映像をながめて声を上げる。 「この月……ここってハルケギニアじゃない!」 「それだけじゃねぇみたいだぜ。地上の光景、俺たちの見たタルブ村のもんにそっくりだ」 才人に背負われたデルフリンガーが指摘する。なるほど、彼の言う通り、地上に見える山の位置が、 シルフィードの上から見た時のものと同じだ。そしてジャンボットの足元に広がる村は、 全く荒らされていない状態なので今一つ確信が持てないが、タルブ村なのだろう。 ジャンボットは既にハルケギニアに到着していたのだ。 『この惑星がある宇宙……我々の目的地の観測データと一致している。ということは、偶然にも 目的地にたどり着いたのか……』 ジャンボットも、この場所が目的のハルケギニアであることを察していた。が、思いに 耽っている場合ではなかった。先ほどのエアロヴァイパーが、今度はタルブ村の上空で ゼロ戦を襲っていた。 「ギィィィィイイイイイ!」 『はッ! いかん!』 すぐにゼロ戦を助けに向かうジャンボットだが、エアロヴァイパーはもうゼロ戦の間近に迫っている。 追いつかれて激突されるのは必至だろう。 『間に合わない! ならばッ!』 それを理解したジャンボットは、目から光線を放ってゼロ戦に浴びせた。直後にエアロヴァイパーの巨体が ゼロ戦に激突し、ゼロ戦は翼をへし折られて落下。山のふもとに墜落した。 しかし、その時には搭乗者は誰もいなかった。操縦していた青年は、気がつけばジャンボットの コックピット内に立っていた。 「なッ……!? こ、ここは……!?」 青年は何が起きたのか理解できずに、コックピット内を見回していた。 先ほどジャンボットの放った光線は、人を自らのコックピットに瞬間移動させる転送光線。 それでゼロ戦の操縦者を、エアロヴァイパーにぶつかられる寸前に自分の中に移動させたのだ。 事態が呑み込めない青年に、コックピットのモニターの上にある赤いリング状のランプが チカチカと光り、ジャンボットの声が機内に響いた。 『無事だったか、青年』 「うわッ!? しゃべった!?」 『驚くのは無理がないと思うが、今は説明をしている暇はない。私が怪獣を倒すまで、 しっかり掴まっていてくれ』 青年に頼んだジャンボットは、一つだけ質問する。 『名前だけ聞いておこう。私はジャンボットというのだが、貴殿の名は?』 状況に対して現実味を感じておらず、呆然としていた青年だが、その問いかけにはこう答えた。 「佐々木武雄……大日本帝国海軍少尉、佐々木武雄だ」 この名前を聞いたルイズは驚愕した。 「ササキ!? それってシエスタのひいおじいさんの名前じゃない! でも、この人は おじいさんって言うには明らかに若いわよ。どうなってるの?」 首を傾げる彼女に、大体のところを理解した才人が説明する。 「この記録の中の時間は、ずっと昔なんだよ。きっとエアロヴァイパーの能力の影響でジャンボットは、 今じゃなくて過去のハルケギニアに到着しちゃったんだ」 そして佐々木武雄の属する大日本帝国は、才人の時代からはるか過去の時代、開国で江戸時代が 終わりを告げてから大戦期までの日本の国名だ。時空をねじ曲げるエアロヴァイパーが、 過去の地球人と違う宇宙のスーパーロボットとの奇妙な邂逅を作り上げたのだ。 「なるほどね。昔の時間に放り出されたのなら、この人がシエスタの曽祖父になってもおかしくないってことか」 理解を示したルイズがうなずいていると、モニターの中ではジャンボットとエアロヴァイパーの戦闘が開始される。 『行くぞ怪獣! ジャンミサイル!』 ジャンボットの背部が開くと、大量のミサイルが発射されてエアロヴァイパーへ突っ込んでいく。 全方位を取り囲むミサイルの群れから、エアロヴァイパーが逃げる道はない。 「ギィィィィイイイイイ!」 そのはずだったが、エアロヴァイパーの二本角がスパークすると、その姿が瞬く間に消失する。 ミサイルは全て空振りして、何もない空中で炸裂した。 『何ッ!? あんなに早くワープが出来るのか!』 驚愕したジャンボットの頭上に、エアロヴァイパーが出現して火球をぶつけてきた。 『ぐわぁぁぁぁッ!』 火球の爆発を受けたジャンボットは地上にまっさかさまに落ちていく。どうにか姿勢を制御して 村の外れに着陸することには成功したが、そこにエアロヴァイパーが急降下してくる。 『このッ!』 見上げたジャンボットの頭部から銃身が迫り出して、緑色の光線、ビームエメラルドを発射するが、 当たる前にまたもエアロヴァイパーが消える。 「ギィィィィイイイイイ!」 今度はジャンボットの左側から現れて、体当たりをしてジャンボットを弾き飛ばした。 『ぬぅッ! 厄介な能力を持つものだ……!』 どんな攻撃も、当てることが出来なければ相手にダメージを与えられない。時空を操作し、 神出鬼没に現れるエアロヴァイパーにジャンボットは手を焼かされる。 『だが、既にカラクリは見抜いたぞ……』 しかし、ジャンボットはエスメラルダの技術の粋を持って生み出された、卓越した電子頭脳を持つ 高性能ロボット戦士。エアロヴァイパーを観察することで、もう時空移動の弱点を把握していた。 『ジャンブレード!』 右腕から緑色の刀身の剣が伸び、それを構える。エアロヴァイパーの方は、角を光らせてまた消え失せた。 『……』 ジリジリと向きを変え、周囲を警戒するジャンボット。そして、正面から右側に向き直った時に、 背後の空間からエアロヴァイパーが飛び出す。 「ギィィィィイイイイイ!」 『そこだぁッ!』 エアロヴァイパーが迫り来る瞬間に、ジャンボットは振り向きざまにジャンブレードを 水平に薙いだ。 刃はエアロヴァイパーの頭部の二本角を根本から切り払った。 「ギィィィィイイイイイ!?」 慌てて軌道を変えてジャンボットからそれると、地面に足を着けたエアロヴァイパーは 自分の頭をかいて狼狽する。だがその手が、角に当たることはなかった。 『お前の空間移動能力の源は、角! それを切断すれば、もう逃げることは出来まい!』 ジャンボットのセンサーは、エアロヴァイパーが時空移動する寸前に、角から莫大なエネルギーが 発せられるのをしっかりと捉えていた。発生源を叩いてしまえば、エアロヴァイパーは最大の武器を 使用することが出来なくなる。この勝負、もう決まったも同然だ。 『これでとどめだ! 行くぞぉッ!』 未だ取り乱しているエアロヴァイパーに、ジャンボットが全速力で駆けていき、ジャンブレードを 左肩へと引き寄せて斬撃の構えを取る。 だがその瞬間に、背面に光弾の直撃を食らった! 『ぐわぁッ!? 何だと!?』 すぐに振り返ったジャンボットだが、背後にはこれといったものは何も見当たらなかった。 『馬鹿な! 相手はもう空間転移が不可能なはず! しかし、だったら今のは一体……!?』 たった今の光弾は、エアロヴァイパーが繰り出したものではないことは明らかだ。何故なら、 撃たれた時には目の前にいたのだから。では、一体何者が……。 動揺していると、ジャンボットの身体に二本の触手が巻きつき、縛り上げた! 『何!? 触手だと!?』 振り返ると、触手はいつの間にか立ち込めていた白い煙の中から伸びていた。同時に、 ジャンボットのセンサーが海鳴りの音を捉える。 『こんな山間部に、海鳴り……? ぐおおぉぉッ!』 海鳴りの音の直後に、触手を伝ってジャンボットに高圧電流が浴びせられた。電撃にジャンボットは 苦痛の声を上げる。 そうしていると、白い煙が晴れていき、中から水色に黄色の斑点模様という派手な色彩の ウミウシに似た怪獣が姿を現した。 「ギュウッギュッギュッギュッギュウ!」 「こいつは……!」 才人は先ほどと同じように、通信端末で新たに出現した怪獣の情報を引き出す。 時間怪獣クロノーム。過去へ移動する能力で時間の流れを滅茶苦茶に破壊し、惑星を丸ごと滅亡させてしまう、 ふざけた外見に反して非常に危険で凶悪な怪獣だ。恐らく、エアロヴァイパーの発する時空エネルギーに 反応して現れたのだろう。 『まさか、別の怪獣が現れるとは……ぐおおぉぉッ!』 執拗な電流攻撃を食らい、激しく苦しむジャンボット。鋼鉄のロボットである彼には、 金属によく流れる電撃は特に痛いだろう。 「ギュウッギュッギュッギュッギュウ!」 『ぐぅぅぅぅぅ……!』 締めつけられて身動きが取れない状態で、延々と苦しめ続けられるジャンボット。並みの者では こんな絶望的状況に陥れば、心が折れて諦めてしまうだろう。 しかしこの鋼鉄の武人は違った。反撃の意志すら保っていた! 『バトルアックス!』 掛け声とともに左肩に装備しているシールドが変形する。中心が開いて左右に伸び、柄が迫り出して 巨大な戦斧に変わると、その際の勢いで巻きついている触手を切断してジャンボットを解放した。 「ギュウッギュッギュッギュッギュウ!」 触手を切られたクロノームがひるんで後ずさった。しかし敵の面前で怖気づくというその行動は、 みすみすジャンボットに反撃のチャンスを与えることになる。 『必殺! 風車ぁッ!』 バトルアックスを手にしたジャンボットが左回転して遠心力を上乗せした一撃をクロノームに叩き込む! 「ギュウッギュッギュウッ!!」 袈裟に斬られたクロノームは、胴体がズズッとずれ落ちると、一瞬で爆散して粉々に砕け散った。 『危ないところだった……ぐッ!?』 しかし、勝利した側のジャンボットが急によろめく。身体が一瞬、激しくスパークした。 『しまった、損傷が激しすぎる……!』 ここまでジャンボットは、超空間内で強烈な稲妻に打たれ、エアロヴァイパーの火球を食らい、 クロノームの攻撃を受け続けた。そのせいで、これ以上下手に身体に負荷を掛けると自動修復機能では 対処し切れなくなるほどの深手を負ってしまったのだ。 「ギィィィィイイイイイ!」 『むッ!?』 その時、クロノームを一撃で葬ったジャンボットに恐れを抱いたのか、エアロヴァイパーが 空高く飛び立って逃げ始めた。 既にジャンボットの射程範囲外に逃げられてしまっている。倒すには、全速力で追いかける他ない。 しかし今の状態でそれをやれば、本当に取り返しのつかないことになるかもしれない……。 『逃がさんッ!』 だがジャンボットはためらわなかった。この星に文明が存在することは、一瞬タルブ村を 見下ろしたことでもう分かった。水準が如何ほどかは知らないが、怪獣を相手取るほど 高いレベルだと考えるのは楽観的すぎる。この星の誰かがエアロヴァイパーの被害で 泣くことを防げるのは、今は自分しかいないのだ……。 見ず知らずの人間たちのために身体を張ることを躊躇なく選んだ勇者ジャンボットは、 すぐにジャンバードに変形してエアロヴァイパーを追った。今才人とルイズが乗っているのと 全く同じ宇宙船だ。 「ギィィィィイイイイイ!」 エアロヴァイパーは翼竜型の見た目通り、飛行能力に優れた怪獣だが、ジャンバードは 平和ながら非常に卓越した科学力を持つエスメラルダの誇るスターコルベット。あっという間に 彼我の距離を詰めて、射程範囲内に入れた。 『ぐぅッ……!?』 しかし、その瞬間に機体が激しくショートし、噴射ノズルのジェットが弱まって速度が落ちる。 やはり負荷が大き過ぎたのだ。これ以上無理をすれば、本当に自動修復で直せないほどの 故障が生じるだろう。 『ジャンミサイル……発射ぁッ!』 それでも、ジャンバードは己よりハルケギニアの人間を選んだ。ジャンミサイルとビームエメラルドの 集中砲火を、背を向けているエアロヴァイパーに叩き込む。 「ギィィィィイイイイイ!」 全方位をミサイルで取り囲まれたエアロヴァイパーには逃れる術がなく、集中砲火の直撃を 食らって跡形もなく吹っ飛んだ。 『やったぞ……ぐッ……!?』 だが己に課した使命を果たしたのも束の間、遂にジャンバードの最重要な配線が焼き切れた。 その瞬間にジャンバードは意識が遠のき、ふらふらと高度を下げていく。 「ジ、ジャンボットとやら! 大丈夫か!?」 コックピット内の佐々木は、丸で事態が呑み込めずにいたが、ジャンバードが危険な状態に 陥ったということは察して心配した。その彼に、ジャンバードが告げる。 『ササキ少尉……残念ながら、説明をする力は、もう私には残っていないようだ……。何も分からぬ貴殿を、 一人でこの地に放り出すことになることを、どうか許してほしい……』 ジャンバードは最後の力を振り絞って山間に飛び込み、崖の岩壁に向けてビームエメラルドを照射した。 レーザー光線は岩を溶かし、崖に大きな空洞を作る。それが、今のジャンバードを収めている洞窟であることを ルイズはすぐ把握した。 洞窟の中にすっぽりと入ったジャンバードは、その場に着陸。また佐々木に呼びかける。 『すまないが、ササキ少尉……私は今すぐにでも、機能停止する。しかしいずれ、私を修理できる者たちが、 必ずこの地にやってくる……。それまで、私がここに隠れていることは、極力秘密にしてほしい……』 ジャンバードは機能停止してしまえば、完全に無防備になってしまう。そこを心なき者や 悪しき心の者の手に侵されないように、後のことを佐々木に頼み込んでいた。 『少し関わっただけの貴殿に、多大な迷惑を掛けるが、どうかお願い出来ないだろうか……』 「そ、そんなことは、お安い御用だ! 私は貴殿に命を救われた! この恩に報いないのは、 日本男児として恥ずべきことだ!」 ジャンバードの頼みを、佐々木は当然とばかりに承諾した。 「しかし、その貴殿を助けられる者は、どうやって見分ければいいのだ?」 それだけ聞くと、ジャンバードはこう答える。 『簡単だ……。貴殿の母国語……この世界の者では読むことの叶わぬはずの文字を読める者が、 私を助けてくれる者だ……。……どうやら、これ以上はもう持たないようだ……。どうか、 私が眠っている間のことを、頼む……』 どうにか重要なことは全て伝え終えたジャンバードは、とうとう限界が来て、視界がブラックアウトした。 同時に録画された記録も終わり、モニターから輝きが消えた。 ジャンボットに起きたことを全て知った才人とルイズは、彼の献身ぶりに感動して目をうるませていた。 「うぅ、何ていい奴なんだ……。自分の身を省みないで、会ったこともない人たちのために あそこまで戦うなんて……」 「騎士でも、あそこまで出来る人はいないわ……。彼こそ誉れ高い真の騎士よ!」 ルイズは感涙しつつゼロにお願いする。 「ゼロ、ジャンボットを助けてあげて!」 『もちろんだ。けど、さっき言った通り、俺はジャンボットの構造を把握してる訳じゃない。 ここは、同じ出身地のあいつに頼もう』 と語ったゼロは、ルイズが指に嵌めた『水のルビー』に呼びかける。 『ミラーナイト、聞こえてるか!? ジャンボットを見つけた! お前の手を貸してほしい! すぐ来てくれ!』 その途端にルビーが光り、等身大に身長を調整したミラーナイトがコックピット内に着地した。 『はい、話はもう全て聞きました。まさかジャンボットが過去のこの世界に来ていて、こんな場所で 意識を失っていたとは私も予想外です』 「ミラーナイト、ジャンボットを直してあげられるか?」 才人が若干不安を含んだ顔つきで尋ねると、ミラーナイトはおもむろにうなずいた。 『お任せ下さい。私も以前は、ジャンボットと同じくエスメラルダの王家に仕えていた身。 万一の時のために、ジャンボットの修理方法は学んでいます。恐らく付きっ切りで修理をすれば、 二、三日で完全に直るでしょう』 『そっか! そいつを聞いて安心したぜ。あぁ、早く起きてるジャンボットとも顔を合わせたいな』 『そうですね。これでグレンも見つかれば、ウルティメイトフォースゼロ出張組が無事に勢ぞろいです』 嬉しそうに語らい合うゼロとミラーナイト。やはり二人も、仲間の所在が分かって喜んでいるようだ。 その二人に感応されて、ルイズと才人も和やかな笑顔になった。 その後は、ジャンバードのことはミラーナイトに任せて、ルイズと才人はタルブ村に戻っていった。 そこでルイズは、シエスタから学院からの伝書フクロウが届いたこと、授業をボイコットしたことで 先生方がカンカンだということを知らされ、 「ああああ! よく考えたら、これって立派なサボりじゃない! しかも祝詞も結局出来上がってないし! どどど、どうしましょう! これがお母様や姉様のお耳に入ったりしたらぁ!!」 と喚いて慌てふためいたが、それは別の話である。 ルイズたち一行が宝探しに興じていた頃、アルビオンの空軍工廠の街、ロサイスの発令所では、 アルビオン皇帝となったクロムウェルがお供を連れて、工廠内の『レキシントン』号などの 空中戦艦を視察していた。 「見たまえ。あの大砲を!」 クロムウェルは『レキシントン』号の舷側に突き出た大砲を指差して、『レキシントン』号の 艤装主任のサー・ヘンリ・ボーウッドに呼びかけた。しかしボーウッドは、今やアルビオンの 最高権力者になったクロムウェルに対し、非常に愛想のない表情を見せている。 「余のきみへの信頼を象徴する、新兵器だ。アルビオン中の錬金術師を集めて鋳造された、 長砲身の大砲だ! 設計士の計算では……」 「トリステインやゲルマニアの戦列艦が装備するカノン砲の射程の、おおよそ一・五倍の射程を有します」 「そうだな、ミス・シェフィールド」 クロムウェルが言いよどむと、彼の側につき従う、黒いコートの冷たい雰囲気を纏わせた、 奇妙な女性が説明を代行した。シェフィールドという彼女はクロムウェルの秘書らしいが、 ボーウッドは正直興味がなかった。 彼は心情的には、実のところ王党派だった。だが同時に、軍人は政治に関与すべからずとの 意思を強く持つ生粋の武人だった。そのため上官の艦隊司令が反乱軍側についた際、仕方なく 貴族派の軍門に下ったのだ。彼にとっては、アルビオンは未だ王国であり、クロムウェルは 王位の簒奪者だ。そう考えるボーウッドがクロムウェルを面白く思うはずがない。 「しかしながら、たかが結婚式の出席に新型の大砲をつんでいくとは、下品な示威行為と取られますぞ」 何食わぬ顔で毒を吐くボーウッド。『レキシントン』号は、トリステイン王女とゲルマニア皇帝の結婚式に、 国賓として出席するクロムウェルらを乗せる御召艦なのだ。その親善訪問に新型の武器をつんでいくなど、 砲艦外交ここに極まれり、である。 「『親善訪問』? ああ、きみにはまだ伝えてはいなかったな」 だが、クロムウェルはボーウッドが耳を疑いたくなる台詞をこの次に唱えた。 「我々は『親善訪問』などという無駄なことをしに行くのではない。『開戦』を行うのだよ」 「は!?」 ボーウッドの顔色が一瞬で青ざめた。それほどに信じられない言葉だった。 「『開戦』!? バカな! トリステインとは、不可侵条約を結んだばかりではありませんか! それを正当な理由もなしに一方的に破り捨てるなど、破廉恥極まりない! ハルケギニア中に 悪名をとどろかせることになりますぞ!」 さすがに我慢ならずに激昂するが、クロムウェルは平然と言い返す。 「悪名? ハルケギニアは我々レコン・キスタの旗の下、一つにまとまるのだ。聖地をエルフどもより 取り返した暁には、そんな些細な外交上のいきさつなど、誰も気にとめまい」 ボーウッドは、クロムウェルにつめよった。 「条約破りが些細な外交上のいきさつですと? 下手をすれば、エルフどものみならず、 ハルケギニア中を敵に回しかねない蛮行ですぞ! あなたは祖国をも裏切るつもりか!」 だが、クロムウェルは鼻を鳴らして言い放つ。 「それがどうしたというのかね? 少し前までならともかく、今のレコン・キスタはハルケギニア全てを、 いやその倍を敵に回したとしても絶対に勝利の栄光を手中に収めることが出来るようになったのだよ」 「は……? おっしゃる意味がよく分かりませんが……」 訳の分からないことを述べるクロムウェルに、ボーウッドは頭がおかしいのではないかと一瞬考えた。 そんな彼の戸惑いを置いて、クロムウェルは踵を返す。 「時にきみは、世界を変えるものが何か分かるかね? 革命を成そうという確固とした精神? 信仰? はたまた理念?」 クロムウェルはボーウッドとシェフィールドを連れて、工廠の奥へ足を運んだ。この工廠は、 クロムウェルの命により急遽増設がなされ、奥行きが倍以上になっている。それでいて、 増設部分はどういう訳か、クロムウェルの選んだ者以外の立ち入りが禁止された。 ボーウッドは仮にも『レキシントン』号の艦長なのに、選ばれていなかった。もっとも、 クロムウェルを嫌う彼は特に気にしていなかったが。 「どれも違う。世界を変えるのは、いつの時代、どこの『世界』も、『力』なのだよ! 誰が何と言おうと、 圧倒的な『力』が全てをねじ伏せ、覇権を握るのだ!」 その立入禁止の区域へ続く扉を、クロムウェルがシェフィールドに開かせ、ボーウッドを初めて中へ通した。 「なぁッ……!? こ、これは一体……!?」 そしてボーウッドは、禁止区域に広がる光景を目の当たりにして、絶句した。 工廠の奥には、現在のハルケギニアの技術では再現することが到底出来ない、金属で出来ていながら空を、 それだけでなく宇宙空間を航行することの出来る飛行物……いわゆる 『円盤』が何機も停泊していた。 話によれば、以前このような円盤がハルケギニアの各国家の首都を攻撃したという。それが何故、 アルビオンの工廠に存在している……!? 「驚いたかね? これが『力』だよ。私はハルケギニアとは違う世界からの来訪者と『ともだち』なのだよ。 この『力』があれば、ハルケギニアの統一どころか、聖地の奪還も難しいことではなくなる」 異常な光景に対して、クロムウェルは何でもないことのように説明した。ボーウッドの方は、 冷や汗が噴き出るのが止まらない。 「うぎゃあああああッ!!」 そうしていると、左手の扉から、複数の人間の断末魔がとどろいてきた。それでボーウッドは バッと振り返り、クロムウェルの方は呆れ顔になる。 「おや……あれほど近づいてはいけないと注意したのに、禁を破った人たちがいるな。 気の毒だが、仕方ない。彼らの自己責任だ」 ボーウッドは恐る恐る扉に近づき、開いて中を覗き込んだ。 「グルルルル……グアアアアァァァァ!」 そして見えたのは、巨大な檻に入れられた、黒い蛇腹状の皮膚を持った山のような巨大生物。 頭部を見上げると、前に折れ曲がった金色の角が生えているのが見えた。 「あれはもしや、怪獣では……!?」 「そうとも。私は怪獣とも『ともだち』なのだよ」 愕然として一歩も動けなくなったボーウッドの言葉を、クロムウェルはあっさり肯定した。 「これらの『力』を『人間』に喩えるならば、きみの言い分のような批判は、 路傍の小石のようなものだ。小石が人間の歩行を妨げるかね? そういうことなのだよ」 と言い残して、クロムウェルは満足したようにシェフィールドとともに立ち去っていく。 後に取り残されたボーウッドは、認めがたい現実を一気に見せつけられ、意識が遠のくような気分になった。 「『虚無』を操るのみならず、このような人外までも味方にするとは……クロムウェル、あいつは、 ハルケギニアをどうしようというのだ……」 視察を済ませて、アルビオン王家から奪い取った城の執務室に帰ってきたクロムウェルは、 一人になった途端に貼りつけたような笑顔をかなぐり捨て、憎々しげに独白した。 「全く、いつまでこんな貧相な人間の姿に化けていなくてはならないのだ……忌々しい」 アルビオンの戦いの時に既に見せたが、このクロムウェルは本物ではない。ナックル星人が 取って代わって化けているのだ。そしてナックル星人は、骨の髄まで見下している ハルケギニアの人間に変身していることが我慢ならないようだった。 ハルケギニアを侵略しに来た宇宙人連合は、ハルケギニアの社会に巧妙に溶け込んで潜伏をしている。 大っぴらに活動していては、ウルトラマンゼロに目をつけられて圧倒的戦闘力で討伐されることが 分かっているからだ。ナックル星人の場合は、侵略にも役立てる目的で、本物のクロムウェルを始末して 成り代わり、彼の率いているレコン・キスタをそのまま乗っ取ったのだった。もっとも上記の理由で、 ナックル星人はクロムウェルの姿になっているのを忌み嫌っている。 「それもこれも、ウルトラマンゼロとその仲間のせいだ……! 奴らのせいで、私の計画が大幅に狂った。 この恨みは、次の作戦で必ず晴らしてやるぞ……!」 ナックル星人が恨み言を吐いていると、今部屋には彼しかいないはずなのに、どこからか呼びかける声がした。 『ナックルよ……次の作戦は上手く行くのだろうな?』 「む! 貴様はッ!」 どこか嘲りの色を含んだ呼びかけで、ナックル星人は何もない虚空に、鋭い目つきを送った。 その虚空から、声がしているのだ。 『貴様があれだけ大口を叩いておいて、おめおめ逃げ帰ってきた時は呆れてものが言えなかったぞ。 今度はあのような醜態は晒さないだろうな』 「黙れッ! ああなった原因の一端は、貴様にもあるのだぞ!」 挑発めいたことを言う虚空の声に、ナックル星人は怒声を返す。 「何故我々に、ウルトラマンゼロに仲間がいることを話さなかった! 異なる宇宙で、 「直接相対した」ことのある貴様が知らなかったとは言わせんぞ!」 それに、声は淡々と答える。 『聞かれなかったからだ。もう少し用心をしておけば、あんな無残なことにはならなかったろうになぁ』 「何だと!? 貴様、それほど重要なことを、聞かれなかったから話さなかったで済ませる気か!」 ナックル星人は虚空の声を責めるが、声はその話にすっかり興味を失ったように、さっさと話題を切り替えた。 『それより、問題は次の作戦だ。今度はひっくり返されたりしないのだろうな?』 と聞くと、ナックル星人は誇るように胸を張る。 「当然だ! 今度はどんなイレギュラーがあろうと問題ないように、練りに練った作戦を用意した! 今度こそ、ウルトラマンゼロたちを地獄に送ってやるわ!」 『その言葉、信じようではないか……』 声は実に偉そうに、ナックル星人に指摘をする。 『貴様ら宇宙人連合を、この次元の宇宙に連れてきたのは我々だ。その労力を無下にしてくれないことを 祈っているぞ』 「言われるまでもない! 貴様はそこで黙って見ているといい! このナックル星人が完全勝利する様をな!」 宣言したナックル星人は、もう声と同じ空間にいることに嫌気が差したのか、執務室を飛び出した。 彼がいなくなってから、声がおかしそうにつぶやいた。 『果たして、ナックル星人が本当にあのウルティメイトフォースゼロに勝てるか……お言葉に甘えて、 座して見届けさせてもらおうか……』 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
https://w.atwiki.jp/gyroseries/pages/61.html
パーツ名 ジャイロX後期型用エキゾーストパイプ メーカー名 ARRIレーシング インプレッション まず見た目、商品の仕上がり具合はすばらしい。値段のモノといった感じか。 装着時にオイルポンプのカバーの端を曲げるか切り取るかしないとエキパイは装着できません。 後、エキパイとスタッドボルト(クーリングファン側)との隙間がギリギリで、工具でボルトが締められない(個体差?) 仕方ないのでスタットボルトを少々切り飛ばし、いらない10mmスパナの厚みを削り、排気漏れ防止剤を使って締めました。 尚、取り付け用ボルト・バネワッシャ・ガスケット2枚が付いてきます。 走行すると規制前キャノ純正マフラーで通常時より最高回転数が平地で+600回転ほど上に回ってました。 いい感じです。 価格 11500円 オススメ度 ☆☆☆☆
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4385.html
前ページゼロの使い魔「魂を紡ぐ者」 『ホワイトスター(ネビーイーム)内部』 そこでは蒼と紅の巨人がぶつかり合っていた。 周りには巨人の残骸が転がっている。そして彼らの奥では轟音が響き渡り続けている。 蒼の巨人はすでにボロボロになっていた。 元は文字通りの蒼だったろうが今では黒こげになっている部分は吹き飛ばされている部分がある。 蒼の巨人に搭載されいてる自己回復が追い付いていない証拠だった。 だが、紅の巨人はそれの好機を狙わない、いや…「狙えない」。 紅の巨人もボロボロだった、特徴的である右腕のバンカーも残弾は一発限り、左腕の「五連チェーンガン」にいたっては一発も残っていない。 紅の巨人に残された攻撃手段は最早「リボルビング・バンカー」と「プラズマ・ホーン」しかなかった。味方は「インスペクター」と戦っているため増援は期待できないもっとも…増援などという野暮な行為は彼は使わないつもりだが。 「どうした! 仲間がいなければ何もできないわけでないだろ!」 蒼の巨人の左腕が動く、その狙いは紅の巨人の胸…すなわち全ての巨人の弱点。 「っち!」 紅の巨人が右腕のバンカーを構える。 だがその動作をいち早く察知した蒼の巨人が紅の巨人を蹴り飛ばす。 「くぅ…っ!」 紅の巨人が揺らぐ。そしてその隙は蒼の巨人を動かすのに十分だった。 「もらったぞ!」 蒼の巨人が奔る。その両腕が淡く輝く。その輝きは蒼の巨人を包む込むまでになる。 エネルギーはほぼ0に近い、それならば… 文字通りの「必殺」で「粉砕」するだけになる。 「コード・麒麟」それが彼の「必殺」だ。 「コード・麒麟! 砕け散れ、キョウスケ・ナンブゥッ!!」 肘の噴出孔から淡く輝く刃を作り出す。 蒼の巨人はその刃で紅の巨人の巨人の左肩をそのまま抉るように吹き飛ばす、そしてもう片方の肘の刃で今度は右肩を吹き飛ばそうとしたところで… 「その技…そしてその隙。待っていたぞ!」 紅の巨人のブースターが限界まで吠える。いや…限界を僅かだが超えた。 蒼の巨人が避ける間も無く紅の巨人は距離をほぼ完全に零距離にする。 「賭けるか? これでどちらが生き残るかを!」 右腕の「リボルビング・バンカー」を蒼の巨人の胸に突き刺して撃つ、それだけなら蒼の巨人は立ち上がれただろう…そう「バンカー」だけで済んでいたならば…だ。 「…貴様、正気か!?」 蒼の巨人…いや「アクセル・アルマー」が叫ぶ、それは当然だった。 なぜなら紅の巨人の両肩が展開しているのだ…「アヴァランチ・クレイモア」本来なら離れて使う代物だ。接近している状態では紅の巨人もただでは済まないだろう。 だが…紅の巨人…「キョウスケ・ナンブ」は全てをこれに賭けていた。 「クレイモア…全弾貰って行け! アクセル・アルマー!!」 両肩の「アヴァランチ・クレイモア」が咆える。 その轟音と共に蒼の巨人は見る見る朽ちていく。 ボロボロだった蒼の巨人は遂に膝を突く。 左腕はない頭部も吹き飛ばされている。なんとか胸部が無事だったのはただ「接近しすぎた」というまぐれでしかなかった。 「…俺の勝ちだったな…アクセル・アルマー…」 紅の巨人は後ろを向いて味方が戦っている場所へ向かう。 もう勝敗は完全に決している。そしてかける言葉もない。 「…止めはささないか…ふっ。どちらにしても、もう…ソウルゲインは限界だがな…」 アクセルはただキョウスケが向かった方角を見続けている。 「…キョウスケ・ナンブ…お前に執着しすぎたのが…俺が負けた原因だ…これがな」 蒼の巨人の関節から火花が散り巨人が倒れる。 そのまま立て続けに爆発が起こりついにコクピットへと火花が散り始める 「レモン、先に行ってるぞ…」 そして爆発がついに蒼の巨人を包む。 その爆発は…鏡らしきものが巨人をスキャンするように素通りした直後に起こった。 あとは残骸が残るだけ…。そう残骸が…残るだけだった。 『トリステイン学園 中庭』 「…今度こそ…」 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエールは精神を集中した。周りの野次のせいでほとんど集中できないがそれでも集中しようと努力する。 「もう、やめろよルイズー」 「平民でも連れて来て雇ったほうがはぇーぞー?」 「まぁ、ゼロのルイズだし。仕方がないとおもうぜ?」 「それより、早くおわってよー。私の「ステファン」が寝そうなんだけどー?」 馬鹿にする声。ほとんど諦めている声。 ルイズは少し眉をヘの字にしてしまうが。それでも集中する。 そして、声をあげる。これで最後にしたいから。その思いも込めて。 「宇宙のどこかにいる私の下僕(しもべ)よっ!」 周りの野次が止まる。それはただ単純に「失敗したら大笑いしてやれ」という「失敗」が前提の嵐の前の静けさだった。 「強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 別世界にいるどんなものでもいい。それこそ猫でもいい。…できればフクロウあたりがうれしい。 そんな思いを込めて杖を振り下ろす。 次の瞬間爆発が起きるのはやはりお約束だった。 「どぅわ!? また失敗かよー」 「まぁ、ゼロのルイズだし」 「ちょっとー。ステファンがびっくりしてるわよー」 「どーせ、失敗なんてお約束ってやつだしなー」 ついにルイズの堪忍袋は限界を迎えた、爆発による砂煙を背にするように野次を飛ばしたクラスメイトのほうを見て叫ぶ。 「うるさいわね!、アンタ達のせいでまた失敗したじゃー…え?」 声を荒げながら再び爆発した方を見た瞬間…ルイズは硬直した。 そこには蒼い3メイル前後のゴーレムらしき者がいた。 形状として明らかに「殴り合い」に適している、 手の甲と肩などに緑色の宝玉らしきものが輝いている、そして一番の特徴が…鬚だった。だがダサイなどは感じないむしろ「かっこいい」や「強そう」というのが最初に浮かび上がる姿だった。 「うそだろ…あのルイズが!?」 「ちょ、なにあれ…あんな芸術LVのゴーレムを…ゼロのルイズがっ!?」 「というか…あれ。ゴーレムなのか? むしろガーゴイルな気が…」 騒ぎ出すギャラリー達。それは「失敗」によぶ馬鹿にする声ではなく「成功も成功」にたいする驚愕による騒ぎだった。 「…やった…私が…あんなすごいゴーレムを…っ!」 ルイズはコルベールの「危険です。まずは様子を!」という声が聞こえないほど舞い上がっていた。そして近づく。 …反応はない。こちらを見て警戒もしないそもそも瞳がある部分が真っ黒なところを見ると眠っているとルイズは判断した。 実際は機能が一時的ながらスリープモードになっているだけなのだが…それをルイズは知らないし。知る必要は無かった。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 杖を一度振りそのまま口…というかマスク部分に口づけをするルイズ。 そして蒼いゴーレムの左腕の宝玉と思われる部分にルーンが刻まれるとほぼ同時に…蒼いゴーレムの瞳が紅く輝いた。 「おい…、なんだ貴様は」 少し低い声が聞こえる。 ルイズは誰が喋ったのかと周りを見渡すが…周りにいるのは生徒とコルベールだけだ。そもそも青年のような声を出せる人物がいない。 「お前の眼の前だ、ピンクの髪をした女」 今度は前を見る、そこにはつい先ほど契約を交わした(一方的だが)蒼いゴーレム。 「え…まさか、アンタが?」 ルイズは尋ねる。もしかしたら誰かが風の魔法で声を送っているだけだと思ったからだ…もちろんイタズラだったらそれを実行した人物を殴ると心に誓っておいてだ。 「そうにきまっているだろ、それにここはどこだ。ホワイトスターではないようd「い、いやったぁぁぁぁっ!! 喋る蒼いゴレーム! これならキュルケにだって劣らないわきっと!」…」 蒼いゴーレム…アクセルはなぜか喜ぶピンクの髪をした少女を見て少し戸惑う。 それに疑問がいくつかあった。 一つ「なぜ宇宙空間に浮かんでいるホワイトスターにいたはずの自分が地上にいるのか」 これは転送装置がウンヌンカンヌンで説明がつくかもしれない。 だが次から説明ができなくなる。 一つ「なぜボロボロだったソウルゲインが完全に直っているのか」 アクセルの記憶が正しければ左腕や頭部は吹き飛ばされていて最後は大爆発をしたはずだ、だが今のソウルゲインはほぼ完全に修復されていた。 自己修復能力だけでは説明がつかないほどにだ。 そして最後の一つ…これが一番重要だった。 「なぜか自分=ソウルゲインのような感触になっている。そしてなぜか3m前後まで縮んでいる」 これはもはや説明という説明ができなかった。目を覚ました時には自分の体を動かそうと思えばソウルゲインの体が動く。おまけに全長が3メートルまで縮んでいる。でなければルイズという女性がアクセルにキスということができないはずだ。 なぜなら本来のアクセル…いや、ソウルゲインは全長「41.2m」 大きさでいえばアルトアイゼン・リーゼの約二倍の大きさ。ビルよりも大きいのだ。それが3m、スペックはかなりに下がっていたり「コード・麒麟」によくわからないリミッターがつけられてたりしているが。実質スケールサイズした程度だ。 性能で言えばこの状態でもリオン相手なら簡単とはいかなくても倒せれる。 という感じだ。 また攻撃力以外。スピードはフルドライブさせれば「コード・麒麟」を本来以上のスピードで繰り出せるほどになっていた。 これにはアクセルも理解できなかった、ただまぁ…言えることは。 「訳がわからんな…これがな」 それだけだったのはたしかだろう。 前ページゼロの使い魔「魂を紡ぐ者」