約 1,746,407 件
https://w.atwiki.jp/zerolibrary/pages/44.html
【種別】 使い魔 【解説】 メイジがサモン・サーヴァントによって呼び出した生き物の総称。 メイジの属性によって使い魔の属性は依存し。 使い魔候補の眼前に銀色の鏡のようなものが出現する。 その後、使い魔となるかどうかはその候補の意志によって決まる。 使い魔になることを承諾しその鏡に触れると引きずり込まれ、術者の元に転送される。 その際、使い魔の体には主への好意で当たりとか忠誠心であったりとかが自動的に刻み込まれる。 その後、コントラクト・サーヴァントを行い、使い魔契約は完了する。
https://w.atwiki.jp/4423/pages/548.html
編集する。 2021-12-08 18 47 40 (Wed) - ニコニコ動画ゼロの使い魔MAD2とは、 videoプラグインエラー 正しいURLを入力してください。 リンク内部リンク 外部リンク 出典、参考 1 http //www.nicovideo.jp/watch/sm4686066 2 http //www.nicovideo.jp/watch/sm4401312 3 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 4 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 5 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 6 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 7 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 8 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 9 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 10 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 11 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 12 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 13 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 14 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 15 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 16 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 17 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 18 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 19 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) 20 nicovideo エラー ( 正しい動画URLを入力してください. ) リンク 内部リンク [[]] [[]] 外部リンク 編集する。 2021-12-08 18 47 40 (Wed) - 出典、参考
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1871.html
「天元突破グレンラガン」よりカミナ ゼロの使い魔異聞~お前の魔法で天を突け!~-1 第1話「私を誰だと思っていやがる!」 ゼロの使い魔異聞~お前の魔法で天を突け!~-2 第2話「あんた、私の召使になりなさい」 ゼロの使い魔異聞~お前の魔法で天を突け!~-3 第3話「俺の名前はカミナだ!」
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9398.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第百三十四話「三冊目『ウルトラマン物語』(その1)」 小型怪獣ドックン 登場 ルイズの精神力を奪い、彼女を昏睡状態にしてしまった六冊の『古き本』の攻略に臨む才人とゼロ。 二冊目の『わたしは地球人』では、暴走した地球人と地球原人ノンマルトの確執にウルトラセブンが 翻弄され、最後には宇宙の追放者となってしまうというゼロにとってこれ以上ないほどの苦い物語で あったが、それでも本の完結には成功した。しかし三分の一が終了した現在も、ルイズにはまだ目に 見えた変化がなかった。 ルイズを救出する本の旅も三日目を迎えた。三冊目の旅に向けて心の準備を固めていた 才人だったが、そこにタバサとシルフィードがやってきた……。 眠り続けているルイズと看護するシエスタ、それから才人たちのいる控え室に入ってきた タバサとシルフィードに対して、才人は一番に尋ねかけた。 「シルフィード、その抱えてる袋は何だ? そんなの持ってたっけ」 シルフィードは何故かズタ袋を大事そうに抱えている。訝しむ才人に、シルフィードは 早速袋の中身を披露する。 「中身はこれなのね!」 机の上で袋を開き、逆さにして振ると、赤く丸っこい物体は転げ落ちてきた。 「キュー! 狭かったぁ」 「ガラQ!?」 それはリーヴルの使い魔である、ガラQであった。才人たちはあっと驚く。 「お前たち、これどうしたんだ?」 「まさかさらってきたんですか、ミス・タバサ!?」 シエスタの発言に、何の臆面もなくうなずくタバサ。 「リーヴルについて、知ってることはないか聞き出す」 「気づかれずに捕まえるのは大変だったのね。このハネジローがパタパターって近づいて 上から鷲掴みにしたのね」 「パムー」 シルフィードの頭の上のハネジローがえっへんと胸を張った。 「よくやるな……。まぁでも、これはありがたいよ。ちょうど聞きたいことがあったんだ」 才人はガラQに対して、真っ先にこう問いかけた。 「ガラQ、見たところお前は生物じゃないな? けどハルケギニアで作られたものでもない。 どこか別の場所で作られた小型ロボットだ。そうだろ?」 ガラQの質感は明らかに有機物ではない上に、ハルケギニアでは見られない材質のようであった。 この問いについて、ガラQはあっさり答える。 「うん。ガラQ、チルソニア遊星で作られたの」 その返答にシエスタたちは驚きを見せた。 「まさかミス・リーヴルの使い魔が、ハルケギニア外の技工物だったなんて!」 「まあおかしな見た目してんなーとは思ったがな」 これを踏まえた上で、才人は続く質問をぶつける。 「じゃあお前、今俺が完結させてる『古き本』の文字を読めるんじゃないか? 宇宙人が 作ったロボットだってのなら、日本語が読めても何らおかしくない」 「読めるよ」 これまたあっさりとした回答だったが、シエスタはまた驚くとともに疑問を抱いた。 「ミス・リーヴルの話では、『古き本』の文字はどれも読めないのではなかったのですか?」 『偽証に違いない』 ジャンボットが断言した。 「嘘吐いてたってこと!? でも何のために?」 シルフィードがつぶやくと、タバサがうつむき気味に答えた。 「リーヴルはやはり何かを隠そうとしている。それにつながりそうな事柄に関しては、知らぬ ふりをしてる。恐らくはそれが理由」 「俺たちに話せないことがあるってか。いよいよきな臭くなってきたね」 デルフリンガーが柄をカチカチ鳴らして息を吐いた。 才人はいよいよ核心に入る。 「それじゃあ……リーヴルが隠してることって何だ? あいつは俺たちに、何をさせようとしてる?」 しかし、肝心なところでガラQは、 「分かんない」 「おま……仮にも使い魔なのに、主人のやろうとしてることを知らないってのかよ! かばってるんじゃないだろうな?」 厳しくにらみつける才人だが、ガラQの答えは変わらなかった。 「ホントに、何も教えてもらってないよ。リーヴル、最近何をやってるのか何も言わない」 「……どういうことでしょうか。使い魔にも秘密にしてるなんて」 シエスタの問いかけに、タバサが考え込みながら答えた。 「何かは分からないけど、よほどのこと」 「でもこの赤いのからは、これ以上何も聞き出せそうにないのね。きゅい」 肩をすくめるシルフィードだが、ガラQはこう告げた。 「でもリーヴル、何だか苦しそう。それだけは分かる」 「苦しそう……?」 『単純に、リーヴル自身に野望とかがあるってことじゃないみたいだな』 ゼロの推測にうなずいた才人は、ガラQに呼びかけた。 「ガラQ、お前リーヴルが心配か?」 「心配……」 「じゃあ俺たちに協力してくれ。リーヴルに何か、やむにやまれぬ事情があるっていうのなら 俺たちもそれを解決してやりたい。だからリーヴルについて何か分かったことがあったら、 俺たちに教えてくれ。約束してほしい」 才人の頼みを、ガラQは快く引き受けた。 「分かった! 約束!」 「よし、頼んだぜガラQ!」 約束を取り交わしたところで、リーヴルが今日の本の旅の準備を整えた旨の連絡が来たのだった。 控え室にやってきたリーヴルは残る四冊の『古き本』を机に並べ、才人を促した。 「それでは始めましょう。サイトさん、本を選んで下さい」 三番目に入る本を、才人がゼロと相談しながら吟味する。 『ゼロ、次はどれがいいと思う?』 『そうだな……。M78ワールドの歴史を題材とした本はあと一冊だ。それを先に片づけちまおう』 本の世界とはいえ、故郷のM78ワールドはゼロにとって活動しやすい世界。それを優先する ことに決まる。 「よし、それじゃあこの本だ!」 「お決まりですね。では、どうぞ良い旅を……」 リーヴルが一冊目、二冊目と同じように才人に魔法を掛け、本の世界の旅へといざなっていった……。 ‐ウルトラマン物語‐ ここはM78星雲ウルトラの星、クリスタルタウン。その外れの渓谷地帯で、一人の幼い ウルトラ族の少年が熱意を滾らせていた。 「よぉーし! 今日も頑張るぞー!」 彼の名はウルトラマンタロウ。ゾフィーやウルトラマン、セブンら兄の背中に一日でも早く いついて、立派な一人前のウルトラ戦士になることを夢見るウルトラマンの卵である。 「ほッ! やッ!」 谷底に降りたタロウは一人、格闘技の自主練習を開始する。それをひと通り済ますと、 次の訓練に移る。 「よぉし、光線の練習だ!」 タロウは近くの適当な岩を持ち上げると、それを高く投げ飛ばして的にする。 「えぇいッ!」 腕をL字に組んで、タロウショット! ……しかしへなへなと飛んでいく光線は、落下する 岩に命中しなかった。 「駄目かぁ~……! よし、もう一度だ!」 めげずに練習を重ねるタロウだが、何度やってもただ放物線を描くだけの岩に一度も当たらない。 何度か思考錯誤を重ねるも、やはり上手くはいかなかった。 「くぅ~……! 今度は飛行の特訓だ!」 気を取り直してタロウは、崖の上に再度登って空を飛ぶ練習を行う。 「行くぞ! ジュワーッ!」 しかし勢いよく飛び立ったものの、すぐにコントロールを失って谷間に真っ逆さまに転落 していった。 「うわッ!? うわーッ! あいたぁッ……!」 大きくスッ転んだタロウの姿に、どこからか笑い声が起こる。 「ワキャキャワキャワキャ!」 「誰だ!? どこにいるんだ!」 タロウが呼ぶと、崖の陰から緑色の、タロウと同等の体格の怪獣がひょっこりと姿を現した。 M78星雲に生息する怪獣の一体、ドックンだ。 「ワキャキャキャキャキャ!」 ドックンはタロウを指差してゲラゲラ笑い声を上げた。 「あー笑ったな!? 僕だって大きくなったら、兄さんたちみたいな立派なウルトラ戦士に なって、悪い怪獣をやっつけるんだからな!」 憤ったタロウがそう宣言すると、ドックンは余計に笑い転げた。 「ワキャキャワキャキャキャキャ!」 「もぉー! 見てろ、お前を怪獣退治の練習台に使ってやるッ!」 ますます怒ったタロウはドックンに飛びかかり、ボコボコと殴ってドックンを張り倒した。 「ははぁー! どんなもんだーい!」 しかしこれにドックンの方が怒り、起き上がってタロウに逆襲を始めた! 「キュウウゥゥゥッ!」 「う、うわぁー!? 来るなー! 助けてぇー!」 途端に怖がったタロウは一目散に逃げ出すが、ドックンは執拗に追いかけ回す。その鬼ごっこの 末に、タロウは崖の中腹に登って追いつめられてしまった。 「誰かー! 助けてー!」 「キュウウウウウウ!」 降りられなくなったタロウを目いっぱいに脅すドックン。――そこに一人のウルトラ戦士が ふらりと現れた。 『そこまでにしてやりな』 「キュウ?」 振り向いたドックンの頭に、青と赤のウルトラマンがポンポンと手を置いてその怒りをなだめた。 『そいつはもうお前を攻撃するつもりはねぇよ。だからそんなに脅してやるな』 ドックンを落ち着かせた見知らぬウルトラマンを見下ろして、タロウが尋ねかける。 「お兄さん、誰? 何だかセブン兄さんに雰囲気が似てるけど……」 『俺はゼロ。旅のウルトラ戦士さ』 端的に名乗ったウルトラ戦士――ゼロは、タロウを見上げて言いつけた。 『お前はこいつに謝らないといけねぇぜ。お前さんがこいつに乱暴を働いたから、こいつは こんなにもおかんむりだったんだろ』 「でも、そいつが僕のこと笑ったのが悪いんだよ?」 『ちょっと笑われたくらいでムキになるようじゃ、立派なウルトラ戦士になんてなれねぇぜ? 本当に強い戦士ってのは、他人に何と言われようともどっしり構えてるもんさ』 ゼロに諭されて、タロウは考えを改めた。 「……分かった。僕、ドックンに謝るよ!」 『よし、いい子だ。さッ、降りてきて仲直りの握手をしてやりな』 「うん!」 崖の中腹から降りてくるタロウをゼロが受け止め、タロウはドックンと握手を交わす。 「ごめんね、ドックン」 「キュウウゥ」 タロウと握手をして怒りを収めたドックンは、のそのそと自分の住処へ帰っていく。 「さよならー!」 『じゃあな。元気でやれよ!』 タロウとゼロに見送られて、ドックンは渓谷の向こうへ去っていった。それと入れ替わるように、 『ウルトラの母』がタロウたちの元にやってくる。 「まぁ、タロウ! その人はどなた?」 「あッ、お母さん!」 タロウは『ウルトラの母』の方へ駆け寄っていった。……その間に、才人がゼロに囁きかける。 『まさか、あのウルトラマンタロウの子供の姿が見られるなんてな……』 『それも本の世界ならではってとこだな』 この三冊目『ウルトラマン物語』はどうやら、ウルトラマンタロウを主役に据えた成長譚の ようであった。しかしウルトラマンが地球で活躍していた時代に、タロウが子供となっている。 本来ならこの時点でタロウはとっくに大人になっているので、本当ならあり得ないことだ。 『でもそれ以上に驚きなのは……あの『ルイズ』の姿だよ……』 『ああ……。よりによってウルトラの母の役に当てはめられるなんてな……』 ゼロは微妙な目で、ウルトラの母……の役にされているルイズを見つめた。 フジ、サトミのようにこの本でもルイズは登場人物の誰かになり切っていることは予測できたが、 今回はまさかのウルトラの母……。この本はウルトラ族の視点であり、女性が他に登場しないからと 言って、こんなのアリなのだろうか。胴体から下はウルトラ族で、顔はルイズというチグハグ加減 なのでものすごい違和感がある。もうルイズがウルトラの母のコスプレをしているようにしか見えない ので、ゼロと才人は気を抜いたら噴き出してしまいそうで内心苦しんでいた。 そんなゼロたちの心情は露知らず、ルイズはタロウから事情を聞いてゼロに向き直った。 「タロウがお世話になったようで、ありがとうございます。よろしければ、何かお礼を したいのですが……」 『いやぁ、いいんですよ。旅は道連れ世は情けってね』 ゼロが遠慮すると、また新たな人物がこの場に姿を見せた。 「ほう、なかなかの好青年だな。顔立ちも含めて、セブンを彷彿とさせる」 「お父さん!」 頭部に雄々しい二本角を生やした、偉丈夫のウルトラ戦士。タロウが父と呼んだその ウルトラ戦士こそ、宇宙警備隊大隊長にしてタロウの実父であるウルトラの父だ。 ウルトラの父はゼロを見据えると、こう切り出してきた。 「君は旅の者だそうだが、不躾だが一つ頼みごとがある。聞いてもらえないかな」 『何でしょう?』 「見たところ、君は結構……いや相当腕が立つと見た。それを見込んで、このタロウに稽古を つけてやってほしいのだ。今のタロウには練習相手がいない。私もいつも面倒を見てはやれない ので、少し悩んでいたのだ。どうだろうか?」 「えぇッ!? 僕が、この人に?」 「まぁ、あなたったら。いきなりそんな無理をお願いするなんて、失礼ですよ」 ルイズはウルトラの父をたしなめたが、ゼロは快諾した。 『いや、いいですよ。新たなウルトラ戦士の誕生にひと役買えるってのなら、こっちとしても 望むところですよ!』 「おお、やってくれるか! ありがとう!」 「まぁ、本当ですか? 重ね重ね、どうもありがとうございます」 ゼロの承諾にウルトラの父とルイズは喜び、タロウもまた諸手を挙げる。 「わーい! 僕に先生が出来たー!」 「よかったな、タロウ。彼の下で一層訓練に励んで、早く立派なウルトラ戦士になるんだぞ」 「あんまり失礼のないようにしてちょうだいね。常にウルトラ戦士の誇りを持って、恥ずかしい ことのない振る舞いを心がけなさい」 「うんッ! 僕頑張るよ!」 タロウ親子の微笑ましい家族の会話。ゼロも思わず苦笑したが、同時につぶやく。 『何だか複雑な気分だな……。俺があのタロウの先生だなんて。立場が逆転してるぜ』 現実のタロウは、ゼロの訓練生時代から宇宙警備隊の筆頭教官の立場に就いていた。ゼロは 故あってレオの管理下に置かれ、タロウから教えを受けていた時間は短かったが、それでも 確かに立場が現実世界とそっくり入れ替わっている。 それはともかく、幼きタロウはゼロの前に立って、深々とお辞儀した。 「これからよろしくお願いします、ゼロさん!」 『ああ、こっちこそビシバシ行くからな! 覚悟しとけよ!』 この本を完結させるには、タロウを一人前のウルトラ戦士に育て上げるのが最も手っ取り 早い道のようだ。ゼロは張り切ってそれに取り掛かることにした。 そして始まる、ゼロからタロウへの指導。レオ仕込みのスパルタ教導は、タロウ相手でも 手を緩めることを知らなかった。 「やぁッ!」 ゼロが放ったゼロスラッガーを標的にして、タロウがタロウショットを撃つが、静止している スラッガーにもかすりもしない。 『駄目だ駄目だ、そんなんじゃ! まるで腰が入ってねぇぜ! 射撃は土台がしっかりしてねぇと 照準なんて絶対合わねぇ。腕じゃなくて、身体全体で射線を固定するんだ!』 「は、はい!」 タロウはゼロの指示通りに腰を据えて、じっくりと撃とうとするが、スラッガーの動きが 変わって自分に向かって飛んできたので思わずのけぞる。 「うわぁッ!」 『ひるむな! 攻撃するのをじっと待ってる奴なんかいやしねぇ。敵は必ず反撃してくる! いちいちビビってたら戦いになんかなりゃしねぇぞ。恐れずに相手の動きをよく見て、 しっかりと当てていけ!』 「わ、分かりました!」 厳しいながらも的確な指導を受けて、タロウはスラッガーの軌道をよく観察する。 『そこだッ!』 そして飛びかかってきたところを射撃。初めて光線が命中した。 「やったぁー! 当たったぞぉ!」 『よーし、その調子だ! どんどん行くからな!』 タロウに対するゼロの特訓は進む。……本の世界の時間経過は早い。物語が進むにつれ、 タロウは少年の姿からみるみる内に青年の姿へと変わっていった。 しかしゼロもそうそう簡単には抜かれない。タロウとの組手であっさりと一本を取る。 「うぅッ! 一撃も当たらない……!」 『小手先の動きに惑わされるから当たらねぇのさ。視点はもっと広く取って、戦う相手の 全体を見ろ! 集中力も足りねぇぞ。自分のやってる戦いの意味は何なのか、何を背にして 戦ってるのか、それを思えば集中できねぇなんてことはないはずだッ!』 「はいッ!」 ゼロに熱心に鍛え上げられ、タロウの実力はめきめきと上がっていった。そしてその末に、 タロウ念願の時がやってきたのだった。 「ゼロさん! 父さんから指令がありました。私が地球に派遣される時がやってきました!」 『そうか、やったじゃねぇか!』 「はい! 今地球では、メフィラス星人がセブン兄さんに倒されたエレキングを復活させて 暴れさせてるようです。その退治を私が行うことになったんです!」 メフィラス星人にエレキングとは、現実ではほぼ接点のない組み合わせ。まぁそれはいいだろう。 『遂に初めての実戦ってことだな。けど本当の戦いってのは、どんな訓練よりも険しいもんだ。 お前のことは随分と鍛え込んだが、だからって一瞬たりとも油断すんじゃねぇぞ』 「承知してます! それでは私の初陣、どうか見守っていて下さい!」 『ああ。俺も後から地球に行く。そこでお前の戦いぶりをじっくりと見物させてもらうぜ。 張り切って使命を果たしな!』 「お願いします! タァーッ!」 ゼロに一礼すると、タロウは両腕を高く振り上げて宇宙へ向けて飛び上がった。 いよいよタロウのウルトラ戦士としての初戦の時が来た。悪い怪獣をやっつけて、地球を 守るのだ! がんばれ、ウルトラマンタロウ! 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7743.html
「相棒」より、杉下右京を召喚 ゼロの使い魔×相棒 ~トリステイン魔法学院特命係~-01 ゼロの使い魔×相棒 ~トリステイン魔法学院特命係~-02 ゼロの使い魔×相棒 ~トリステイン魔法学院特命係~-03(前編)/(後編) ゼロの使い魔×相棒 ~トリステイン魔法学院特命係~-04(前編①)/(前編②
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1176.html
前ページ次ページゼロの使い魔・ブルー編 結局、ギーシュがついて来ることになった。 あの後取り繕うとして逆にどんどん暴露したルイズにより、 ギーシュは殆どのことを聞いてしまったのである。 最初の方は軽いつもりでついて行くつもりだった彼も、 話を聞いたらは真剣になり、真面目に同行を申し出てきた。 そんな態度の相手を断れるほどルイズは非常には成れなかったので、 今現在ギーシュが馬を準備しているのを待っていたのである。 ギーシュが口を開く。 「すまない、無理矢理ついて行くのに更にあれだが、お願いがあるんだ」 「何よ?」 「僕の使い魔を連れて行きたいんだ」 「あんた、使い魔なんて居たの?」 「居るに決まってるじゃないか」 「連れて行けばいいじゃない。何処にいるのよ?」 ギーシュはその言葉に対し、指で地面を指さした。 「居ないじゃない」 その言葉に対し、ギーシュは軽く足でタップを踏む。 すると、ギーシュが指を指し示していた地面が盛り上がり、 そこから茶色の大きな生物が、穴を空けて現れる。 ギーシュは膝をつくと、その生き物を抱きしめた。 「あぁ、ヴェルダンデ!僕の可愛いヴェルダンデ!」 今まで黙っていたルージュが、それを見ると、思わず言ってしまう。 「なんですか?それ」 「僕の可愛い使い魔のヴェルダンデだ」 「あんたの使い魔って、ジャイアントモールだったの?」 それはもぐらと言うには大きすぎる気がするが、 確かに姿形はモグラである。 まぁ、差異の範囲内なのかも知れない。 「そうだ、ああ、ヴェルダンデ、君はいつ見ても可愛いね。 どばどばミミズはいっぱい食べてきたかい?」 ギーシュの言葉に対しもぐらは鼻をひくつかせる。 どうやら肯定を表しているようで、ギーシュが頬をこすりつけている。 が、ルイズがあることに気付いたらしい。 「無理よ、ギーシュ。地面の下を進んでいくでしょう?馬に追いつけるの?」 「大丈夫だ。ヴェルダンデは結構早いんだ」 「アルビオンまで行くのよ?どうやって」 「船に乗せていけばいいじゃないか」 「それはそうだけど……」 と、そこでヴェルダンデが妙な動きを見せた。 ルイズにすり寄ったかと思うと、押し倒して、鼻で身体をまさぐり始める。 「ちょ、ちょっと!何するのよ!」 ルイズは手足をばたつかせて抵抗するが、 ヴェルダンデは上から離れようとはしない。 鼻でつつき回され始めると、ルイズは顔を紅くしてより強くもがく。 そんな様子をみたギーシュは。 「いやぁ、動物に襲わ……動物と戯れる美少女というのは、なかなかに良い物だね」 「そういうものですか…………?」 ルージュは首をかしげる。 ヴェルダンデは、ルイズの右手の薬指の指輪を見つけ出すと、それにすり寄った。 「姫様から貰った大事な指輪に何をするのよ!」 「ヴェルダンデは宝石とか大好きだからね」 「どっかで聞いたような……」 「貴重な鉱石や宝石を僕のために見つけてきてくれるんだ。 『土』のメイジの僕にとっては嬉しい――」 ギーシュが言い終わるまえに、どこからか風が吹き荒れ、 ヴェルダンデを吹き飛ばした。ギーシュが叫ぶ。 「ヴェルダンデっ!?誰だ!」 全員が辺りを見回すと、 長身の貴族が朝靄のかかった景色の中から出てくるのを見つけられた。 ルイズとルージュは彼に見覚えがあった。いや、ルイズは面識があった。 ギーシュはその人影に対して叫んだ。 「貴様!僕のヴェルダンデに何をするっ!」 ギーシュは短く呟いて薔薇の杖を引き抜く。 だが、その人影が一瞬早く呟いて、薔薇を吹き飛ばす。 周囲に大量の花びらが舞い踊り、視界が薔薇の花びらで覆い尽くされる。 「……なに?」 人影が呟いた、その次の瞬間、 ギーシュが花嵐を切り裂いて人影の喉元に剣を突きつけていた。 「貴様、何者だッ!」 「……僕は敵じゃない、姫殿下より、君たちに同行することを命じられた者だ」 その返事に、ギーシュはおとなしく剣を下げた。 任務のことを知っているのなら、敵ではないだろう。そう判断した。 ……それはルイズがうっかり漏らしてなければの話だぞ。 「心とも無い、と同行を命じられたが既に頼もしい同行者が居るようだね。ルイズ」 と、その人影はルイズに話しかけた。 ルイズは立ち上がると顔を紅くする。 「……申し遅れたね、僕は女王陛下の魔法衛士、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」 その名前を聞いて、ギーシュが態度を一変させる。 「し、失礼しましたッ!」 「いや、僕の方こそ。婚約者が襲われているのを見過ごすわけにはいかないのでね」 「へ?」「はい?」 二人は、まずそのルイズの婚約者と名乗ったワルド子爵の顔を凝視してから、 今度は振り返って顔を紅くしているルイズを凝視する。 「ワルド様……」 「久しぶりだね!ルイズ、僕のルイズ!」 ワルドは駆けよると、ルイズを抱き上げる。 ルイズは抱き上げられていることに文句は言わず、頬を紅く染めたまま言う。 「お、お久しぶりでございます」 「ははは、相変わらず軽いね君は!まるで羽のようだ!」 「……恥ずかしいですわ」 思わず、二人は顔を見合わせた。 ワルドはルイズを下に下ろすと、此方に向け腕を開いて言った。 「ルイズ、僕にそこの頼もしい二人を紹介して欲しいんだが、いいかな?」 「あ、……ギーシュ・ド・グラモンと、使い魔のルー……ブルーです」 そう言われると、ワルドは二人の方に歩み寄り、会釈する。 「君がルイズの使い魔かい?ルイズが世話になっているよ――それにしても、人とは珍しいね」 「どうもそうらしいですね」 次いでギーシュとも2、3言葉を交わす。 そうした後、ワルドは口笛を吹いた。 先ほどワルドが現れたときのように、靄の中からグリフォンが現れた。 王女が来たときに乗っていたものと同一のようだ。使い魔なのだろう。 ワルドは再びルイズを抱き上げると、そのままグリフォンにまたがった。 「では諸君!出撃だ!」 グリフォンが駆け出す。 ギーシュが慌てて馬にまたがり、その後を追う。 ルージュは落ち着いて馬にまたがりながら、またその後を追った。 さて、場所は変わって。 ここは『金の酒樽亭』。 傭兵やならず者など、荒くれな人々愛用の酒場である。 殴り合いに用いられ、壊れた椅子が積み重なり、 ボロボロで、汚れも酷く、正直廃屋ではないか、と思わせるほどのひどさである。 「アルビオンの王様も終わりだな!」 「いやはや、『共和制』って奴の始まりだね!」 「『共和制』に乾杯!」 そう言い、酒を飲んでいるのは、王党派、つまりレコンキスタの敵側についていた傭兵である。 良識で言えば、かつてとはいえ相手の敵の掲げているものに乾杯することはしないのだろうが、 そこら辺は金で雇われ、危険があればさっさと逃げ出す傭兵である。 そんな良識を持ち合わせていたら、傭兵なぞはやっていられない。 彼らが酒を飲んでいると、ふと扉が開いて、女が一人入ってきた。 なかなかの美人であったので、酒場にいた者達の目が殆どそちらを向く。 彼女はそれらを見返すと、全員に聞こえる程度の大きさの声で言った。 「傭兵はいるかい?」 「なんだ嬢ちゃん、俺達を雇いに来たのか?」 「そうさ」 「金はあるんだろうな?」 その言葉に、女は大きな布袋を取り出すと、それを無造作に机に横にした。 輝く金貨が口から漏れ出す。 「すげぇな、エキュー金貨じゃねえか」 「雇われるのかい?別に断っても構わないよ」 「受けるに決まってらぁ」 が、傭兵達のうち一人が女に近づくと、下卑た声で言った。 「へへ、雇われてやっても良いが、その前にどうよ、俺と一ば――」 「叩き潰されたいなら構わないよ」 男の目の前に、いつの間にか杖が突きつけられる。 その杖を見て、男は尻餅をついてしまう。 「おやおや、この程度で腰を抜かすなんて、役に立つのかね?」 女に笑われると、腰を抜かした男は顔を赤くするが、言い返せなかった。 そんな中扉を開けて、白い仮面の男が入ってきた。 女はそちらを見やる。 「おや、早かったね」 「連中が出発した」 「こちらも準備は出来てるよ」 「そうか」 白い仮面の男は周りを見やる。 「お前らは、王党派に雇われていたのか?」 「そうですよ。先月まではね」 「でも、負けそうになってまでついて行くほど律儀じゃあないんでねぇ」 男達は笑った。仮面の男も笑った。 「そうか、俺はそれは許さん。逃げるようなら殺す。だが見合うだけの金は払おう」 「へ、見返りさえ期待できりゃ、雇われてやるよ」 その会話を聞きながら、女は奥の方に居た店主に話しかける。 「食事を頼むよ。あと部屋は開いてるかい?」 「開いてるよ」 酒と同時に出された言葉に対し、女は座る。 すると、視界の端に妙な格好をした二人組の男が目に映った。 なにやら興味が湧いたので、その男達に話しかけてみた。 「おい、あんたらは違うのかい?」 「俺達は傭兵じゃねえよ」 「へぇ?じゃあ何でこんな所に居るんだい?」 「宿屋を探してて見掛けたから入ったんだ」 「旅でもしてるのかい?」 「アルビオンとか言うところまでな」 女は、ははと笑った。 「今アルビオンに行くのなんて傭兵ぐらいだろうに。 傭兵じゃないとすればなんなんだい?」 二人組の男の、黙っていた方が、 その外見に似合う渋い声で、小さく言った。 「観光だ」 女はその答えを聞いて、より大きく笑った。 前ページ次ページゼロの使い魔・ブルー編
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/957.html
前ページ次ページゼロの使い魔・ブルー編 ルイズは一つの目的と、企みを持っていた。 目的は使い魔と主人の関係を、はっきりと教えつけることである。 そのための企みの一つ。 (無駄に貧相な食事――) 生きるのに必須とも言える食べ物の差で、 単純に立場の差を示す。 更に、わざわざ食堂に連れてきて、 その差をはっきりと自覚させる。 (――完璧ね) ルイズはそう考えていた。 事実、ブルーはあのスープっぽいものと、パンの欠片を見つめている。 「どうしたのブルー?早く食べないと冷めるわよ?」 などと、ちょっと馬鹿にするような口調で話しかけてみたりもする。 が、特に反応はない。と言うか、普通に食べている。 (……あれ?) 予定と違う。 本来なら、少し文句を言ってきたところに、 お情けで鳥の皮でも与えてやろう、位に思っていたのだが。 出来るだけ動揺を前に出さずに、話しかける。 「……ブルー、それで足りるの?」 「無い物は仕方がない」 予想していたものと違う反応が返って来て、 ルイズはちょっと焦りながら、 「いや、食事とか寝床を提供するとは言ったけど、 これはちょっと酷いかな、なんて……あははは」 「クーロンの宿屋は金を取る割には飯は出ないし 床で寝るのとそう変わらないベッドだったな」 「そ、そう……」 クーロンと言うところは知らないが、 これ以上待遇を悪くするのは流石に躊躇われたので、 ルイズは食事で立場の差を教え付けるのは諦めた。 ルイズの企み、失敗。 食事を終えると、ブルーはルイズの後に付いて教室にむかっていた。 教室に入ると、多種多様な生き物が居た。 恐らく、全て使い魔なのだろう。 ブルーはそう考えながら、周りを見回した。 「犬じゃないよ!クーンだよ!」 ……何か聞こえた気がしたが気のせいだろう。 そうこうしているうちに、教師と思わしき女性が、扉を開けて入ってきた。 席に着こうとすると、 「ここはメイジの席。使い魔は座っちゃ駄目」 そうルイズに言われたが、ブルーは無視して座り込む。 ルイズは何も言ってこなかった。 「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、 様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」 シュヴルーズと言うらしい教師の声が響く。 そう言うと、辺りを見回し、ルイズとブルーを見てから、続けた。 「……おや、変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」 瞬間、生徒達が笑い出す。 「ゼロのルイズ!召喚できないからって、その辺歩いてた平民を連れてくるなよ!」 その言葉に対し、ルイズは立ち上がり、澄んだ声で返した。 「ブルーは確かに私が召喚した使い魔よ」 「嘘つくな!『サモン・サーヴァント』が出来なかったんだろう?」 何が面白いのかは解らないが、教室中の生徒が笑い出す。 が、ルイズはその嘲笑を意にも介せず、返した。 「そう思いたいなら思えばいいわ」 いつもと違う反応に、笑っていた生徒達はお互いに顔を見合わせ、 疑問と驚きを含んだ表情を互いに見せ合う。 「……何があったんだルイズの奴」 「妙なものでも食べたんじゃないか?」 が、何故かそれには 「私は野良犬じゃないわよ!」 と返すルイズ。それを聞いて、 馬鹿にするような様子は抜きで、暖かい笑みを浮かべる生徒達。 「ああ、いつものルイズだ」 「やっぱルイズはこうじゃなくちゃな」 そんなことを言うクラスメイト達に、ルイズは怒りを爆発させた。 「どうゆう意味よっ!」 そんな様子を眺めていたシュヴルーズは、こんな事を呟いていた。 「良いクラスですねぇ……」 そう言いつつも、授業を進めるために杖を振り、 話を止めない生徒達のく口に粘土を押し付ける。 「仲が良いのは良いことですが、授業は静かに受けて下さい」 ……笑っていた生徒達とは対照的に、キュルケはルイズの使い魔をじっと見つめていた。 「それでは、授業を始めますよ」 そう言い、杖を振ると教壇の上にいくつかの石が現れる。 ルイズは姿勢を正し、授業を受ける姿勢になった。 横を見ると、自分の使い魔も似たような姿勢で居るので、何かおかしかった。 「さて、私の二つ名は『赤土』。赤土のシュヴルーズです。 『土』系統の魔法を、これから一年皆さんに教えることになります。 魔法の四大系統はご存じですね?えー……ミスタ・マリコルヌ」 「は、はい。ミセス・シュヴルーズ。『火』『水』『土』『風』の四つです!」 その言葉を受けて、シュヴルーズは軽く首を縦に振った。 「今は失われた『虚無』を合わせ、全部で五の系統があることは、 その五つの系統の中でも、『土』は重要な位置を占めると私は考えます。 それは私が『土』の系統のメイジだから、と言うわけではありません」 彼女は一度咳払いをし、間を取ってから続ける。 「『土』は万物の組成を司る、重要な系統なのです。 この魔法がなければ、金属の精製は出来ませんし、 石を加工して家を建てることも難しくなるでしょう。 農業などにも利用されており、私達の生活にとって最も重要な系統であると言って、間違いはないと思います。 ……さて!今から皆さんには、土系統の基本である、『錬金』を学んでもらいます。 既に出来る人もいるでしょうが、その人達は再確認の意味を込めて、もう一度学んで下さい」 そう言うと、彼女は杖を振り上げ、短くルーンを唱えた。 すると石ころが光に包まれ、暫くたち光が収まると、 石ころは黄金色に輝く金属になっていた。 それを見て、キュルケが思わず少し大きな声で言う。 「ゴ、ゴールドですか先生」 「ただの真鍮ですよ、金を錬金出来るのは『スクウェア』クラスのメイジだけです。 私はただの『トライアングル』ですから」 『土』系統については解った――少々誇張が入っていることもだが、 そもそもの基本的なことが全く解らないので、 ブルーは少し悪いと重いながらも隣にいるルイズに聞くことにした。 「ルイズ」 「何よ?」 「『スクウェア』とか『トライアングル』とはなんだ?」 「系統を足せる数の事よ。それでメイジのレベルが決まるの」 「それだけ解れば今は良い。後で詳しく教えてくれ」 「解ったわ」 その後暫く授業が続いている内に、シュヴルーズが発した一言によって空気が変化する。 「では、実際にやってもらいましょうか。……えーと、ミス・ヴァリエール?」 具体的には、緊張が張り詰めた。 生徒達がざわめき始める。 「はい」 「この石ころをあなたの望む金属に変えてみて下さい」 ざわめきはどよめきになり、 キュルケが先生に対し発言をした後でも、収まることはなかった。 「先生」 「なんですか?ミス・ツェルプストー」 「止めた方が良いです」 「どうしてですか?」 「危険です」 キュルケははっきりと、確信を持って言った。 この時だけは全員が黙り込み、その言葉に頷き同意する。 「危険?どうしてですか?」 「ルイズを教えるのは初めてですよね?」 「ええ、ですけど彼女が努力家だと言うことは聞いています。 さぁ、ミス・ヴァリエール、失敗を恐れずにやってご覧なさい」 「解りました」 ルイズには自信があった。 間違いなく優秀な使い魔を召喚したこと。 言うことはあまり聞かないが、彼が優秀であることは間違いはない。 使い魔の召喚、『サモン・サーヴァント』に成功したという事実が、 彼女に自信を与えていた。 自分でも成功するんだと。 だから、この錬金も成功するはずだと、彼女は信じ切っていた。 まぁ、客観的に見ればそれほど論理だった自信ではない。 その召喚でさえ、十回単位の失敗を経てようやく成功したのだから。 「……何だ?」 ブルーは教室の雰囲気が変わったのを感じ取り、疑問に思った。 ルイズが錬金を行うと何かまずいことでも起きるのだろうか? ルイズが席にたち、教壇にむかっていく。 生徒達の悲鳴が聞こえてくる。 それは、ルイズが教壇に近づくほど、大きくなっているようだった。 (何が起こるんだ?) ルイズが教壇の上に立つと、先ほどシュヴルーズがやったように、杖を振り上げる。 そして、ルーンを唱え……危険を察知したブルーが、『盾』の秘術を密かに使い、 ルイズが杖を振り下ろし、石ころが爆ぜた。 予め使われていた『盾』のおかげで、それほどの被害はない……と言いたいところだが、 爆音に驚いた使い魔達がなんか凄いことになっていたし、 『盾』を貫通したがれきや爆風で何人かの生徒が怪我をし、 『盾』が間に合わなかったシュヴルーズは黒こげになって昏倒し、痙攣を起こしていた。 がれきの中から煤だらけになったルイズが起き上がり、 周囲を見回すと、軽く言った。 「ちょっと失敗したわね」 「……そりゃまぁ、いつもに比べればちょっとだけど」 意外と冷静に被害を計っていたキュルケが言った。 前ページ次ページゼロの使い魔・ブルー編
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/458.html
前ページ次ページゼロの使い魔クロス シンがシルフィードと言うウィンドドラゴンに咥えられたまま召喚され、タバサの使い魔となって既に四日が過ぎた。 召喚された当日の夜に、タバサの部屋でようやく気絶から目覚めたシンが最初にした事はタバサとの情報交換であった。 タバサ側からはシンが自分の使い魔になったと言う事、シンを咥えていたドラゴンの事、そして今自分のいる学院の事等を。 そしてシン側からは自分は元軍人だったということ、自分がいた場所は恐らくこの世界ではないと言う事等を伝え合う事となったのだった。 無論、タバサもシンの情報は最初から鵜呑みにはしなかった、だが、あまりにも自分が知っている世界の常識と異なる情報からその事実を認識する事になったのだ。 タバサは日頃から本を読み漁り続けていると言う事から学生でありながらも下手な学者よりも遥かに知識に精通している。 その為、シンが言っているプラントと言う言葉、ナチュラルとコーディネイター、そして月が一個と言う話を聞くにつれて、異世界からの訪問者と認識するようになったのだ。 事実、この世界ハルケギニアにはこういった「異世界からの訪問者」と言う伝承は以外に多い、もっとも、多くの人間はそんな事を信じはしないが… だが、タバサはシンの瞳をじっと見つめ、嘘を言っていないという確信を得たために、シンの言葉を信じることにしたのであった。 そして、タバサは幾つかの条件をつける以外は基本的にシンの自由を許す形を取ることとなったのだ。 まずはシルフィードが会話可能だと言う事を他の人間に漏らさないこと、そして近郊の森に小屋を構えてそこで一緒に住んでほしいと言う事。 前者の理由はシルフィードは貴重な種族で、そのことがアカデミーの研究者たちに知られると実験材料に提出しろと言われかねないということだった。 元々シンもそういった連中には激しい嫌悪を抱く性質なので前者の条件はあっさりと飲んだ。 そして後者はシルフィードもずっと話せない、そして寝るときに一人では可哀想だというタバサなりの優しさである。 シンも、最初食われそうになった事もありやや警戒していたが、そもそもの原因が自分の誤解だと知るとその罪滅ぼしをかねてそれを承諾したのだ。 トリステイン学院近郊の森 シンとシルフィードの小屋 「きゅいきゅい、朝よ朝、おきて、お話、お話の続き~」 「ふわぁぁ…、わかったわかった、朝食の用意するから少し待てって…」 そんなこんなで学院からやや離れた森で同居する事となったシルフィードとシンの朝は非常に早く、日が昇るとほぼ同時に始まる。 これは学院についたら喋れなくなるシルフィードが先にシン相手に出来るだけお話をしたいという思いがあっての事だった。 というのも、シンは学院についた後シルフィードと自分の食事のせめてもの礼として食堂で働く事になったからだ。 最初はお話の時間が少なくなると渋っていたシルフィードだったが、シンが食べ残しで出たお肉を持って帰ると言う事で何とか納得したようだった。 実際シンは余り物や調理した時に残った野菜屑等を貰って帰り、それを簡単に調理して朝食にし、シルフィードもそれを食べるのが楽しみになっている。 「それで、昨日は何を話してたんだっけ?」 「えっと~…そうそう、ヨウカンって子とであったときの事だったわ」 「ヨウカン? あぁ、ヨウランの事かあいつとであったのはアカデミーの食堂で…」 シンはまるで妹に語る様にシルフィードに調理した肉や野菜を与えつつ、自分の食事を食べながら思い出話をシルフィードに聞かせる。 シルフィードにとっては未知の世界の言葉ばっかりだったが、それでも人間の話が聞けると言うだけで嬉しいのかいつも満足そうだった。 人間とドラゴンと言う姿の違いさえ気にしなければ、まるで兄妹の会話のように自然な会話が二人の間では繰り広げられていた。 「で、アイツは唯の事故だって言うのに俺の事を変なあだ名で… って、そろそろやばいな」 「きゅいきゅい… 太陽が大分昇っているのね、そろそろシンのお仕事の時間、早く乗って、急いでいきましょう」 放っておけば何時までも続きそうな二人の会話だが、そうもいかずシンの仕事の時間が近づくと一度お開きになる。 ちなみにシンとシルフィードがどうやって時間を知っているかと言えば、シンが作った簡単な日時計で時間を計っているのだ。 朝食が終わり、仕事の時間が近づくとほぼ同時にシンは荷物を入れたバッグを手に持ち、シルフィードの背中に乗って学院の食堂へと向かう。 ちなみにその飛行中は学院に近づくと言う事から会話が殆ど出来ないのでシルフィードも減速はせず、かなりの速度で向かうようにしている。 トリステイン学院 食堂裏口 食堂の裏口付近まで来るとシルフィードは減速し、そのまま着陸する、そしてそれとほぼ同時にシンがシルフィードの背中から降りて裏口から食堂に入る。 「今日もサンキュー、シルフィード、また帰りも頼む」 「きゅいきゅい~~」 その寸前、裏口に入るかはいらないかの時にシンは何時もそう簡単にシルフィードを労ってから内部に入る。 そしてシルフィードもそれを聞き、シンが入るのを見届けた後に再びゆっくりと飛行を始め、空のお散歩を開始するのであった。 「おはようございます、マルトーさん」 「おう、来たなアスカ、ほれ、今日のノルマだ、確り頼むぜ!!」 「了解です」 調理服に身を包んだシンが食堂に入ると同時にその食堂を取り仕切る料理長であるマルトーに声をかけ、マルトーもそれに返事をしながら野菜の束をシンに渡す。 之はシンが幾らサバイバルやある程度の食事が出来るとはいえ調理師としての実力は持ってない事から、野菜の皮むきや下拵えを担当する事になったからである。 ちなみに、この食堂で働こうとシンがマルトーに頼み込んだときには少しひと悶着が起きたりもしている、それを少し語るとしよう。 マルトーはこのトリステイン魔法学院で働いてこそはいるが、本来は魔法が使えるからと威張り散らしている貴族が大嫌いな人間である。 もっとも、それはマルトーが特別と言うわけではない、この世界での平民―魔法が使えない人々―が当然のように抱いている感情である。 しかし、魔法を持たない平民はどれだけ足掻いても魔法が使える貴族には勝てない、そういう考えがこの世界には蔓延している。 だからいかに嫌悪の感情を抱いたとしても、反逆の刃を向ける事は出来ず、ただひたすらに耐えるしか出来なかったのだ。 そして、そんな彼らから見た、タバサの使い魔となったシンの姿は「貴族に媚を売っている裏切り者」と印象であった。 最初は使い魔、つまりは奴隷同然の扱いを受けるだろうとして同情されかけたのだが、タバサは一切そんな事を行わなかったからである。 特に、同じように召喚されたサイトと言う少年がその主であるルイズに犬扱いされている事からも、シンへのそういう逆風は強くなっていた。 だからこそ、シンが最初に働かせてほしいと言っても、マルトーは当然のようにそれを拒絶し、ご主人様の貴族に養ってもらえと言い放った。 だが、シンは拒絶されても何度も、何度もマルトーに頼み込んだ、途中で怒ったマルトーがシンの顔を蹴り飛ばしても、それでも頼み込んだのだ。 そんなシンの必死な態度にほだされたのか、マルトーはたった一つだけの質問をした、雇うか雇わないかの判断のために。 「お前は何でそんなにここで働きたいんだ? 別に働かなくてもあのタバサって貴族様ならひどい扱いはしないだろう?」 そんなマルトーの問いに、シンは必死な表情をして答えた。 「俺は、迷惑をかけたくないだけです、タバサには色々と助けてもらっているから、少しでも、迷惑をかけたくない、だから働きたいんです。」 そんなシンの言葉を聞いたマルトーは、覗き込むようにしてシンの瞳をじっと見つめていたが、柔らかな笑みを浮かべると、シンの頭を軽くなでる。 「迷惑をかけたくないから、せめて食い扶持くらいは自分で…か、顔を蹴って悪かったな、下拵えや皮むきくらいはできるな?今日から働いてもらうぞ?」 「あ、ありがとうございます!!」 そのシンの言葉に偽りは混じっていないと思ったマルトーは、シンの顔を蹴った事をわびると近くにあった予備の調理服をシンに手渡しながらそういい。 そしてシンもその調理服を受け取ると、まるで少年のような無垢な笑顔を浮かべて、マルトーに深く礼をすると近くの少女―シエスタと言うらしい―に案内されて更衣室に向かっていった。 しかし、シンは気付いていなかった、過去の自分なら間違いなく蹴られればマルトーに襲い掛かっていたと言うのに、何故今の自分は我慢していたのかと言う事を。 失う事への潜在的な恐怖に蝕まれてしまった己の心の歪みにシンは気付かないまま、トリステインでの日常生活に馴染み始めていたのであった…… 閑話休題 野菜の下拵えや皮むきくらいならシンも中々の手捌きをみせらる事ができ、まったく出来ないと思い込んでいたマルトーをほんの少しだけ感嘆させたりしていた。 とはいえ、その皮むき技術などもサバイバル技術の延長線上の為、細かい細工技術はさすがにシンでは出来ないのもまた事実であり。 そういう細工部分は一緒に皮むき等の下拵えをしているメイド達、特に最初にシンと会話してきたシエスタと言う少女によく習う事になっていた。 シンはさすがコーディネイターと言うべきか、技術の吸収は早く、最初は足手まといの部分もあったがどんどんと急成長していた。 その成長速度は、シンから約一日遅れで食事抜きの期間賄い食を貰う御礼にと手伝いに来たサイトが激しい闘志を燃やす程でもあった。 そして、シンも元々の性格柄か相手にライバル視されてスルーできない性格で、その結果発生するサイトとシンの競争のお陰で下拵えの終了速度はどんどん早くなっていたりする。 「よ~し、アスカ、今日はそれでいい、後はサイトに任せてデザートの配膳の手伝いを頼む」 「え… いいんですか?」 「あぁ、下拵えも大半終わったからな、訓練もかねて残りはサイトに任せたい、だからお前はシエスタ達の手伝いを頼む」 マルトーのその言葉にシンは頷き、デザートの配膳準備をしていたシエスタ達の手伝いに向かう。 ちなみにこの食堂では基本的に配膳はメイド達が行うようにしている為、シンがその手伝いをすると言うことは女学校に紛れ込んだ男一人の状態になる。 そして、シンの顔立ちも決して悪くは無いどころかかなりランクは高い、その結果メイド達の中にはシンと御近づきになろうとするものも出てくる。 もっとも、女性に非常に弱いシンにとってそのアプローチを回避する有効な手段が思いつかないのでシエスタに話しかけてそこから抜け出ると言う形になる。 そんなラブコメな空気を見ていたサイトは「シンの癖に… いや、逆に考えよう、キラやアスランじゃ無くてよかったと…」と、不思議な言葉を呟きながら皮むきを続けていた。 配膳開始間際はシエスタと一緒に配っていたシンだったが、4人程回ったところであらかたの配り方を理解し、シエスタと別行動を取るようになった。 多少のぎこちなさはあったが、女性陣には美形といえるシンが配膳してくれると言う事で案外良好な受け入れ方をされていた。 そして、シンが自分が担当する最後の人物にデザートの配膳を終えたそのとき、食堂の隅のほうに不自然な人だかりをみつけ、そちらの方に向かって歩いていった。 「申し訳ありません!! 申し訳ありません!!」 「まったく、之だから平民は… いや、平民ごときに配慮を期待した僕が愚かだったのかもしれないね」 その人だかりの中心では、明らかに貴族のお坊ちゃまと言う感じの男がシエスタに何か因縁をつけている様な光景が広がっていた。 状況をよく理解できていなかったシンは幸い付近にいたタバサの姿を認めて、状況を聞こうと声をかけた。 「なぁ、いったい何がどうなっているんだ?」 「……二股の痴情の縺れ、そして少女に責任転換」 シンの疑問にタバサは本を読んだまま、はしばみ草のサラダを食べながらあっさりとそう答える。 そして、シンはそれだけの情報でも大体の状況を理解し、シエスタを助けようと人だかりを割って中にはいっていく。 「貴族を侮辱した平民を処刑してもいいんだが… 女性相手に手を上げるのは紳士ではないな、そうだ、この侘びに一晩僕に付き合ってもらおうか な?」 最初は憤怒の表情だけであったが、実はスタイルも顔も良いシエスタを好色な瞳で見始めたその貴族は自分の夜伽の相手をしろとシエスタに言い寄る。 貴族に平民は逆らえない、その事を生まれた時からずっと教え込まれたシエスタは、悲痛な表情を浮かべてそれを受け入れようとした…その時。 バッキィィイイ!! 「いい加減にしろよ、アンタは!!」 憤怒の表情を浮かべたシンが、全力の右拳でその貴族の顔を殴りつけ、シエスタと貴族の間に割ってはいる。 「ウグッ… 平民…いや、ミス・タバサの使い魔か、貴様、使い魔ごときが貴族に手を上げて唯で済むと思っているのか!!」 「あぁそうでした、アンタはお偉いお偉い貴族様でしたね、でもな、仲間が言い掛かりつけられている所を見逃せるもんか!!」 最初は挑発するように、そして後半では殺気さえも伴った威圧感を漂わせながら、シンはその貴族に対してそう反論する。 「…シエスタに謝れ、そうすれば俺も謝ってやるさ」 ゆっくりと、戦闘態勢にはいり、殺気を隠さないままその貴族を威圧し続けるシン。 そして、その貴族も、幾つもの実戦と修羅場を潜り抜けてきたシンの威圧に押し負けるように怯み、冷静さを取り戻したので謝ろうとしていたのだが… 「おいおい、ギーシュの奴魔法も使えない平民、しかも使い魔ごときにびびってるぜ」 「そりゃその程度の奴はモンモランシーにも、あの一年の女にも捨てられるよなぁ」 「所詮ドットメイジなのに二つに手を出したのが大間違いって事か?」 外野から聞こえるシンと対峙している彼―ギーシュ=ド=グラモン―を嘲る声により冷静さを失い、逆にシンに対して憎悪を抱くようになっていた。 「ふ、フフフ…… いいだろう、貴族に手を上げた君に、死刑されるだけの君にちょっとしたチャンスをやろう、ヴェストリの広場で決闘だ!!」 そして、ギーシュはその憎悪の感情のままに、自分の理性が「やめろ、謝ったほうが安全だ」と警鐘を鳴らすのを無視して、シンに対して決闘を申し込んだ。 「…謝る気は無いんだな?」 「くどい!! どうしても謝らせたいなら僕を、このギーシュ=ド=グラモンを決闘で破りたまえ、平民の使い魔君」 シンの最後通達と言える声にも、ギーシュは冷静さを取り戻せないままそう言い放ち、決闘の場所であるヴェストリの広場へと向かっていった。 そして彼らを取り囲んでいた貴族たちも、面白い見ものが始まるといった表情で次々とギーシュの後に続いていったのであった。 そんな貴族達にまるで路傍の石でも見るかのような視線を向けていたシンだったが、シエスタが座り込んだまま怯えている様子だったので声をかける。 「大丈夫かシエスタ?」 「こ、殺されちゃいます!! 私が私が犠牲になればアスカさんは… お、お願いです、決闘なんてやめてください!!」 シンの言葉に反応するように、シエスタは必死にシンにしがみつき、決闘をやめるようにと懇願する。 だが、シンはそんなシエスタを落ち着かせようと頭をなでながら、優しい笑みを浮かべながらこういったのだ。 「大丈夫、シエスタは、俺が守るから」 場違いともいえるような、まるで一見すればプロポーズのようなその言葉を受けてシエスタの脳内はオーバーヒートを起こし、シエスタの動きは完全に止まる。 シンはそんなシエスタの様子を見て、何とか落ち着いてくれたと言う誤解をすると食堂の更衣室へと向かっていく。 そんなシンからしばらく遅れて更衣室に向かったシエスタの視界に飛び込んできたのは、衣服を脱ぎ捨て、下着一枚になっているシンの姿だった。 「俺は、ああいう奴らが許せないんだ、力を持っているのに、守る事が出来るって言うのに、力の無い人達を虐げる奴らが…」 そんなシエスタの行動を、「何故決闘を受けるのか?」という疑問によるものだと思ったシンは、自分の内心を吐露し始める。 「だから俺は、軍人になった、そんな奴らを止めたくて、一人でも多くの人達を守りたくて……」 そう言いながらシンは荷物の中に入れていたパイロットスーツを身に纏い、ナイフとハンドガンを装着していく。 段々と鋭くなっていくシンの気配、だが、シンの内心を聞いているシエスタやマルトー、食堂に居る人間達はそれ以上に悲しさを覚えていた。 そう、内心を吐露しているシンのその声は、まるで帰る場所を探して泣きじゃくっている子供の声のように聞こえていたから…… 「でもさ、結局どれだけがんばったって守れない人達も居た、倒せない奴らも居た、でも、やっぱり俺は諦められないんだ…だから」 そこでシンは言葉を区切り、深く、深く深呼吸をすると、決意を秘めた表情を見せ、自分へとの宣言を行った。 「だから、アイツは、ギーシュ=ド=グラモンは、俺が倒す!!」 そんなシンの決意を秘めた言葉に、食堂に居る面々は感激し、シンを激励しながら送り出していき、シンも其れに応えるように片腕を上げると、決闘の場所へと歩いていくのであった…… おまけ 今回のNGシーン そんな貴族達にまるで路傍の石でも見るかのような視線を向けていたシンだったが、シエスタが座り込んだまま怯えている様子だったので声をかける。 「大丈夫かシエスタ?」 「こ、殺されちゃいます!! 私が私が犠牲になればアスカさんは… お、お願いです、決闘なんてやめてください!!」 シンの言葉に反応するように、シエスタは必死にシンにしがみつき、決闘をやめるようにと懇願する。 だが、シンはそんなシエスタを落ち着かせようと頭をなでながら、優しい笑みを浮かべながらこういったのだ。 「大丈夫、シエスタは、俺が守るから」 場違いともいえるような、まるで一見すればプロポーズのようなその言葉を受けてシエスタの脳内はオーバーヒートを起こし、シエスタの動きは完全に止まらなかった。 「は、はい!!そ、その、全身全霊尽くしますので、末永くお願いします!!」 突然のシエスタの言葉に逆にフリーズを起こした我らがシン、ようやく言葉の意味を理解して必死に弁解しようとしたが。 「いや~、アスカ、そういう事か、なるほどねぇ、惚れた女のために決闘を受ける… 泣かせるじゃねぇか、だが、男ってのはそうじゃなきゃ な!!」 料理長であるマルトーが先に行動、シンの背中をバンバンたたくとコック達に声をかけ始める。 「よ~し、お前ら!!今日のディナーメニューの変更だ!! アスカが決闘から帰ってきたらシエスタとの披露宴だ、手を抜くなよ!!」 「「「うぃ~~~~っす!!!!」」」 そんなマルトーの言葉に、同じくシンの「愛する人のため決闘に挑む平民」の姿に感激したコック達が腕によりをかけた料理作りを開始し始める。 「なんで、なんでこうなるんだ…… なんなんだよ、これは……」 あまりの急展開にシンはそう漏らしたのだが、もはやシンの言葉を聞く人間はその場には誰も居なかったという…… 前ページ次ページゼロの使い魔クロス
https://w.atwiki.jp/zeromoon/pages/147.html
前ページ次ページゼロの使い魔(サーヴァント) ――間桐臓硯は勝利を確信していた。 確かに、企みの全ては潰えたかのように見える。 不完全ながらも用意した擬似聖杯は衛宮の魔術使いによってその機能を破られ。 間桐が二百年かけてこの地に育んだ蟲たちは遠坂の小娘によって根絶やしにされ。 あまつさえ、聖杯戦争の中枢をなす大聖杯をしてすら、たった今、剣の英霊の宝具によって撃ち砕かれた。 全ては終わったかのように、誰もが思うだろう。 しかし、違う。 違うのだ。 勝利とは、相手を全て滅ぼすことではない。勝利の条件を満たしてこその勝利である。それらが果たされてないのならば、例えこの三人の強敵の全てを殺しても意味はない。 この場合に於ける彼の勝利とは、「生き延びること」の一点にのみあったと言ってもいい。 擬似聖杯が失われた? また作ればいい。 蟲が全て潰された? また増やせばいい。 大聖杯が壊された? また、もう一度、作り直せばいい。 困難なことではある。 だが、決してやってやれないことではない。 何故ならば、今この三人の強敵たちは、使命を果たしたという直後に油断しているからだ。いや、油断というには足りないかもしれないが――微かにも緊張の緩みはある。 そこを衝く。 間桐臓硯は勝利を確信していた―― 蜘蛛の糸、という短編小説がある。 芥川龍之介の手になるその話は、どうにも誤解されて広まっている節があるが、少なくともちゃんと読めば釈迦はカンダタを試していたなどということはない。 解釈は分かれるだろうが、基本的に釈迦は地獄から一人でも救いたくて、僅かながらでも善行為に対して報いるという形をもってして地獄へと四万里もの長い糸を垂らしたのである。 その時に大空洞の天井から延びた蜘蛛の糸は、その小説を思い出してしまいそうなほどに長かった。 間桐臓硯である。 この大魔術師は、用心に用心を重ねていた。 元より予定外の擬似聖杯の発動によって大幅に前倒ししての今回の計画は、最初から失敗することを前提としているものだ。 第五次聖杯戦争から四年――勝利者である遠坂凛と衛宮士郎は、セイバーを伴って倫敦にいっていた。次の聖杯戦争が起こるとしたらいつごろであるのかは予想はつかないが、それはこの三人のいないところで行われるのが好ましかった。 しかし、そうはならないということも想像がついた。 この三人は、どんな場所でいようとも聖杯戦争の兆候があればすぐさま冬木に舞い戻り、当たり前のように聖杯を壊し、ついでのように彼の野望をも打ち砕くに違いない。 遠坂凛という魔術師はそういう娘であり、衛宮士郎という魔術使いはそういうで男であり、セイバーという英霊はそういう二人にだからこそ現世に留まってまで仕えているのだ。 (最悪、大聖杯までも壊される) そこまで考えるのは当然だ。 いや。 そうされるのは確実なのだ。 ならばどうする? 大聖杯を壊されてどう望みを果たす? どうやって不死を得る? 間桐臓硯はそこまで考えた。 自分が彼らを出し抜けるということは、あまり考えなかった。 出し抜けるにしても、自分の望みをここで果たせるなどとまで都合のいいことは考えなかった。 何故ならば、彼らはあの黄金の英雄王を打ち倒した存在だからだ。 最強の最高を打ち倒した、現代の英雄たちなのだ。 生半なことで勝てようはずもない。 それならば。 それならば、考え方を変えよう。 望みを果たすのは、別にここで、今この時でなくてもいいと、そう考えるのだ。 いかに英雄であろうと、定命の存在だ。 彼らが死んでから、改めて大聖杯を構築し、新たに聖杯を用意すればいい。 大聖杯を築くのは自分とアインツベルンの聖女をして単独で成し得なかった大事業であったが、それは後で考えればいい。 時間は幾らでも、とは言えないが、魂が腐り尽くすまでにことをなしたらそれでいいのだ。 焦ることはない。 そう、考えるのだ。 間桐臓硯はそう考えた。 考えてから、しかし大聖杯の構築となると骨が折れるな……とぼやく。 新たに宝石翁が協力してくれるという可能性はまずない。 遠坂の魔術師も、アインツベルンも、二度とこの地でこの儀式を再開しようなどとは思わないだろう。 そう思うと、生き延びたからといって再起も望めそうになかった。 ならばやはりこのたびに全てを賭けるべきだろうか―― いやいや。 考え方をもっと変えるのだ。 遠坂の娘は魔法使いにまで届く可能性を秘めている。 衛宮の男は英霊にまで至る可能性を秘めている。 そして、従えている英霊はかつての王であり、未来の王たるアーサー王だ。 この三人を利用すれば、新しい大聖杯を構築することも不可能ではないのでは? そして考えた末に到達したのが、今の姿だ。 ――蜘蛛となって、衛宮の男にとり憑く。 何故羽虫のような機動性のあるモノにならなかったかといえば、それはエネルギーを消耗しすぎるからである。必要最小限の力で挑まなければならないのであるから、やむを得ずにそうしたのだ。 囮として機能させるためにも、擬似聖杯に残した体にはできるかぎりの力を残しておかねばならないからだ。 そしてどうして遠坂ではなく衛宮を狙ったかといえば、単純に耐魔力の問題である。 遠坂は魔術刻印も持ち、異物である自分が取り付いた途端にそれを排除しようとする魔術が働く可能性も考えられたし、衛宮の方を残したのならば何かの宝具でどうにかされてしまう可能性もあったからだ。 それに、衛宮と遠坂はいずれ閨で睦み合うことだろう。 遠坂にとり憑くのはその時にしてもいい。 この男の体内で淫蟲を育て、精と共にそれを遠坂の胎内に送り込めば――自分は、魔法使いをも手中のモノにできる。 そう考えたのである。 セイバーに至っては論外である。 英霊をも縛る魔術を開発したのは間桐の当主である自分であるし、主たる二人を虜にすればセイバーとても逆らえるものではない。 もしも擬似聖杯の方が成功したのならば、それはそれでいい。 必要なのはただ一瞬の隙。 全てのことが成就したと思わせる瞬間。 勝利した、と思わせたただその刹那、その時にこそ彼らの敗北は決定しているのだ。 ……間桐臓硯の魂は腐敗していた。 だから、気づかない。 勝利したと思われた刹那の心の緩みとは、彼自身にも当てはまるものであると。 セイバーの直感は、未来予知に似ている。 それは例えばあの英霊エミヤの如き数限りない実戦経験により磨きぬかれた戦術眼というよりは、異能の如き認識力と言ってもいい。 異能であるが故にその幅は狭い。 だが、その先鋭は到底エミヤの届くものではない。 だから、彼女は宝具を使用した直後にありながらも、あるいは「だからこそ」それに気づいた。 後ろで見守る衛宮士郎に危機が訪れつつあると。 訳もなく察知した彼女は、だからこそあり得ぬ速度で振り向いた。 唐突な彼女の行動に主たちは一瞬だが硬直したようだった。 なんの反応もできていない。 そして、セイバーはそれを見た。 天井から――遥かに高いこの大空洞で、震動と衝撃に揺れながらも、まっすぐに彼女の主たる衛宮士郎の首筋に降りようとした小さな蜘蛛の姿を。 それが敵だ、という確信は何処から得たのか。 それこそ直感という他はない。 そして剣士の英霊としての判断は、それを絶望と共に認識している。 (この距離では) 間に合わない。 いかに彼女が剣の英霊であるとはいえ、士郎との間には二十メートルはあった。 それは安全な距離をとらせたからであるが、今ここでは絶望の断絶だった。 百メートルスプリンターであるのならば最速で二秒で駆け抜ける距離は、英霊たる彼女には一秒もかかるまい。 だが、それでもなお遅い。 あの蜘蛛は彼女の手が届くまでに士郎にとり憑く。 それは確かな判断だった。 よもや剣士の英霊たる彼女が、間合いという最も重要で基本的なファクターを読み違えようはずもなく―― そして、最上の剣の英霊であるからこそ、彼女がそうするということは誰にも想像がつかなかった。 振り返る勢いのままに、彼女はその手にある聖剣を投擲した。 剣は彼女の宝具である。 宝具は英霊のシンボルであり、同時に誇りでもあった。 それをその手から離すというのは、生半な覚悟でできることではない。 間桐臓硯はそのことも範疇には考えていた。 だからこそ、もっとも二人が距離をとるだろうこの瞬間を選んだのである。 彼の誤りは、剣士の英霊が最上のさらに上、極上とも言える存在であったということだ。 戦場を駆け抜けた王であったことだ。 アーサー・ペンドラゴン――ペンドラゴンとは、「戦の王」を意味するという。 それがもっとも必要であるとするのなら、彼女は自分の命さえも投げ捨てて戦ったのだ。 それが最高の聖剣であろうと、そうすることを厭うはずもない。 剣は、光となって士郎の首の上を通過した。 微かな断末魔の響きが轟音の中に聞こえた。 それが間桐臓硯の本当の最期であると、衛宮士郎と遠坂凛は、この時に知った。 そう。 この日に、永らく続いていた聖杯戦争は本当の意味で終わりを告げたのだ―― そして、その日のうちに、唐突にセイバーの新たな戦いが始まったのである。 ◆ ◆ ◆ 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 「……なんだ、これ?」 漸く、最後の敵を討ち果たせたという喜びもつかの間、衛宮士郎は目の前に突然現れたそれを見て眉をひそめた。 高さは二メートルほど、幅は一メートルほどの楕円形だ。よく見ると少し浮いているようだった。 それは、光る鏡のように見えた。 どう考えても、自然現象ではあり得ない。 「士郎! 下がって!」 その時、遠坂凛は前にいた士郎を蹴り飛ばし、右手の指をそれに向けた。 ガント――彼女の得意の魔術だ。 五つの力を司るペンタゴンよ 「――――効かない!?」 というよりも、吸い込まれていったように見えた。 フィンの一撃と言うに足る彼女のガントが、その鏡(らしきもの)を貫通することもできずにいるのだ。 「投影、開始!」 身を翻しながら士郎がその手に投影したのは、騎士王の聖剣――カリバーンだ。 余力はほとんど残っていない。 だが、少しはある。 その少しの力の全てをここに集約して作り出したのである。 だが。 「どいてください、シロウ!」 聖剣を振り上げた士郎をさらに押し退け、セイバーがそれに突っ込んだ。 (宝具は壁に突き刺さったままだが――私の対魔術があれば) なんとか、かき消せる。 事実上、人間の魔術では彼女を傷つけることはできない。 セイバーはそう判断した。 例えこれが英霊の身であっても滅ぼす罠であろうとも構わない。 自分の主たちが助かるのならば。 彼女は覚悟を決めていたのだ。 そして―― そのままセイバーは、鏡(らしきもの)の中に消えた。 我が運命に従いし、〝使い魔〟を召喚せよ! ………。 「問おう」 その人は、突然の嵐を巻き起こし、現れた。 この瞬間の光景を、私は例え地獄に落ちても忘れないと思う。 青銀の鎧、金紗で作られたかのような髪、翠の瞳。 その存在そのものがひとつの奇跡のようだった。 例えようもなく、美しかった。 そして、その人は私を見下ろし、輝く風のような声で言ったのだ。 「貴方が私のマスターか?」 ゼロの使い魔(サーヴァント) プロローグ 了 前ページ次ページゼロの使い魔(サーヴァント)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2995.html
前ページ次ページゼロの使い魔ももえサイズ ももえの里帰りに付き合うことになった、ルイズとキュルケとタバサ 今晩は宿を取って、明日ももえの実家に向かうことになったのだが――― 「お客様、明日はどちらへ?」 夕食をとり終えた4人に対し、宿主はこんな事を聞いてきた。 「明日は、あの森のほうへ行くことになってるわ。」 ルイズは窓から見える森を指差して言った。それを聞いた宿主は大いに驚いてルイズにこう忠告した。 「お客様、悪いことは言いません。あそこはお止めになったほうが………」 「どうしてなのよ?」 「いや、お客様、そういうつもりじゃありません。ただ………」 「ただ?」 宿主は冷や汗を流しつつも恐る恐る口を開いた。 「あそこは人や動物が入るとそのまま帰って来れなくなる魔性の森と呼ばれております。 馬すら恐れて近づこうともしないところでありまして、ですから…………」 「じゃあ明日から歩きだね!」 ももえはにべも無くそう宣言した。 「ちょ、ちょっと! あんたそんな危険なところに私達を連れて 「行くよ。ここから歩いていけば半日ぐらいで実家に着くはずだから。」 実家という単語を耳にした宿主は恐怖に慄き、「あははは………」 これにはキュルケも苦笑するしか術がなかった。 (ちい姉さま………私、何も成し遂げられずに死ぬかもしれません………。) ルイズは天に祈りをささげるしかなかった。一方その頃、タバサは紅茶のおかわりを頼んでいた。 「おかわり。」 「あっ、はいただいま!」 タバサが空のカップを軽くかかげると宿主は慌てて厨房に向かって走り出した。 ゼロの臭い魔実写化決定!制作はTMA「ゼロの使い魔死神友情タバサの裏設定フレイムデルフリンガーシルフィード香水下級生ももえサイズ」 「もーもえサイズを知ってるかい?」 「「「もーもえサイズを知ってるかい?」」」 「ももえとゼロ魔のクロスがでーるぞっ!」 「「「ももえとゼロ魔のクロスがでーるぞっ!」」」 「カオス!」 「「「イミフ!」」」 「カオス!」 「「「イミフ!」」」 「カオス!」 「「「イミフ!」」」 「カオス!」 「「「イミフ!」」」 「ひーめなカメナもよろしくねっ!」 ももえは胸に「死神」と書かれたワッペンが刺繍された体操服を着て3人を先導する。 更に、ルイズ達もそれぞれの名前が書かれてるワッペンが刺繍された体操服を着ていた。ルイズ達にはその文字が自分たちのことを意味するとはわからなかったのだが タバサは見た感じ思いっきりマッチしていたが、キュルケの場合胸がぱっつんぱっつんなので、走るたびに胸が擦れる音がルイズの耳元まで聞こえてくるのである。 (………何よ、おっぱい星人のくせに!) ルイズは自分のブルマが思いっきり股に食い込んでいることに気づかずに走り続けていた。 「これを着て、これを歌いながら走ってちょうだい。」 この宿を出る前に、ルイズ達はももえから体操服とブルマ一式を渡されていたのだ。 「あの、これは………」 「これを着て走らないと大変なことになるから」 そう言って、渋々着たのである。キュルケとタバサはまんざらでもなさそうだったが 「ゼロ魔のクロスはおもしろいっ!」 「「「ゼロ魔のクロスはおもしろいっ!」」」 「マイナーすぎても気にしない!」 「「「マイナーすぎても気にしない!」」」 「有名ーなものだとアンチ湧くっ!」 「「「有名ーなものだとアンチ湧くっ!」」」 「たとえばt 「ちょ、ちょっと待って! これ以上はさすがにきけ…」 「危ないっ!」 思わず足を止めたルイズに大きな口をあけたワームのようなものが触手を伸ばして襲い掛かってくる。 「きゃあああ!!!」 「とうっ!」 ももえは軽やかに飛ぶと体を光らせてそのままワームに突撃する。 「はああああああっ!!!!」 『デルフリンガーの能力』 そのままももえの体はワームを貫通し、ワームは程なくして消滅した。 「ごっ、ごめ 「歌うのを止めちゃだめ!」 ももえにそう言われて慌てて歌の続けるルイズ達 程なくしてももえも追いつき、更に歌は続いていく。 「ももーえサイズはおもしろい!」 「「「ももーえサイズはおもしろい!」」」 「でも他人には勧めづらいっ!」 そこでももえは足を止めた。思わずルイズ達も足を止める。すると 「うわぁ…………」 そこには現代風の一軒家があった。扉には一つ目がついていて、とても不気味な建物だとルイズは思った。 「ここが………」 「そう。」 さっきまで明るかった陽が急に影を潜め、突如として大きな雲に覆われた。 更に、風がびゅうびゅう音を立ててルイズ達に容赦なく襲い掛かる。時々目も開けられなくなるぐらいの激しい風だった。 「ここが私の実家。」 ももえはうれしそうにそう答えたのであった。 「…おかえり…なさいま…せ。ももえ…お嬢様」 門をくぐると、メイドが一人出迎えてくれた。 魔法学院のシエスタとは違いこのメイドはとても物静かな雰囲気を漂わせていた。 「この娘が私の家でメイドをしているメイドのメイちゃんだよ。」 「…ももえ…お嬢様の…ご友人…です…か…。 …はじめ…まして…メイドの…メイ…と申します……」 「はっ、はじめまして……モモエの友人のルイズです。」 彼女の恭しくも礼儀正しい態度に押されて、ルイズはつい友人だと嘘をついてしまった。 それを見ていたタバサがももえに耳打ちをする。 「………」 「………」 更にももえはタバサに耳打ちをした。 「どうしたの、タバサ?」 キュルケがタバサに小声で尋ねるとタバサはこう答えた。 「彼女はあれがデフォルト」 「あっ、そうなんだ。」 キュルケもなんとなく納得した。 通された客間は靴を脱がなければならないらしく、靴を脱いだメイやももえの後に続いてルイズ達も靴を脱いで下駄箱の中に入れる。 客間の中央には小さなちゃぶ台が置かれていて、メイとももえは真っ先にそこに腰を下ろした。ルイズ達もそれに続く。 程なくして、それぞれの目の前に熱い茶が入った湯呑みが置かれた。 ルイズはそれを飲む気がしなかったのだが、タバサはそれを音を立てながら飲んで「おいしい」とひとり、呟いた。 しばらく沈黙が続いた。タバサがおかわりと一緒に柿の種をぽりぽり食べる音以外は何一つ音がしなかった。 ルイズの目の前のお茶がすっかり冷めてしまった頃に、ももえはようやく立ち上がった。 「あんた達はここで待ってて。」 「ちょ、ちょっとあんた、私達を置いてどこに ルイズは思わず反論するものの、ももえはそれを聞く耳持たずに客間を出て行った。 「…柿の種…食べます…か?」 「いや、私はっ、あのっ、その………」 突然メイが声をかけてきたのでルイズは大いに慌ててしまった。あたふたを手を振って自分でも何をしているのかよく分からなかった。 「…柿の種が…お気に召さない…のでしたら……御福餅…も…ありますけど…。」 ???ものしり館??? 御福餅【おふくもち】 御福餅本舗が製造販売する菓子のこと。 パッケージが赤福と類似していることで有名。また赤福と同じく製造日・原材料の偽造を行ってたとして農林水産省から立ち入り検査を受けた。 「じゃ、じゃあっ、そ、それをいただくわっ」 ルイズは不本意ながらもメイの好意に甘えることにした。それを聞いたメイは恭しく礼をすると立ち上がって下駄箱のほうまで向かう。 「はぁ………」 ようやくルイズは目の前の冷め切ったお茶に口を付けた。 無理も無い、初めて使い魔の家にやってきていきなりこんな見た事も無いようなメイドに迎えられたのだ。 緊張しない者は普通ではないとまで思った。お茶は少し水っぽくてよく味が分からなかった。更にお茶を飲もうと湯飲みに口を付けると 「メイさーん! 私はこのキヨーケンのシュウマイをひとつ!」 ルイズは思わず音を立ててお茶を噴出した。 ももえは屋敷の一番奥の部屋をノックした。返事はない。いつもの事だ。 ももえは扉を開けた。部屋は大きく殺風景なものだった。安楽椅子に腰掛けている部屋の主がそこにいた。 部屋の主は痩身の女性だった。美しい顔が病のせいで見る影も無くやつれていた。「誰だ」 「ただいま帰りました、お母様」 ももえはその女性に近づくと、深々と頭を下げた。 しかし、その人物はももえと認めない。そればかりか目を爛々と光らせてももえを睨み付ける。 「下がりなさい無礼者。王家の回し者ね? いい加減に諦めたらどうですの? 私は死んでもこの娘を手放しはしないのだから。」 ももえは身じろぎもしないで、母の前で頭をたれ続けた。 「下がれ! 下がれと言ってるのが分からないのか、このバカ野郎!!」 母はそう言って、ももえに向かってテーブルの上のグラスを投げつけた。ももえは避けることなくそれを受ける。 頭に当たったグラスは床に当たって大きな音を立てて砕け散った。頭に少し血がついたももえは顔を上げた。 「こんな茶番劇やってられっかぁーーーー!!!!!」 ももえはカマを取り出して思いっきり振りかぶった。 ざしゅっ 母の首は壁に当たり、そのまま音も無く床に転げ落ちた。 『ももえのカマで斬られた者の存在はももえが肩代わり』 「………ママ?」 「裏設定の齟齬?」 ルイズがそう問い返すと、メイは頷いた。 「ここから先はわしが説明いたしましょう。」 そう言ったのが御福餅が乗っている皿を持ったメイに対し、崎陽軒のシュウマイが乗っている皿を持った老齢の男性だった。 「ももえお嬢様の教育係を勤めておりますシュテンプケ博士と申します。以後お見知りおきを」 突然現れた男に事の顛末を説明されるのはどこか嫌な気はしたものの、メイが話すと恐らく聞いてる方がいてもたってもいられなくなるので正直ありがたいとルイズは思った。 「そうでございます。……このタバサ殿にも裏設定があるように、ももえお嬢様にも裏設定がございます。」 「はぁ………」 ルイズはわかったような分かってないような顔で頷いた。いや、実際にはほとんどわけがわかってないのだが 「タバサ殿の裏設定とももえお嬢様の裏設定……例えば二人ともそれぞれに母親がいたとしたらどうします?」 「えっ?」 ルイズは思わず首をかしげた。それに構わず博士の話は続く。 「タバサ殿の裏設定には執事がいて、ももえお嬢様の裏設定ではメイドがそれぞれいました。 それはもう互いに自らの存在を賭けて争ったわけなのであります。その戦いに勝利したメイはタバサ殿の裏設定を完全に消し去りメイドの地位を手にしましたが……」 ルイズはあごに手を当てて考え始めた。つまりタバサとももえの裏設定が入り混じったのがこの家であり、メイドであり、母親であったりすることを。 「って、ちょっと待って。今さっき"消し去った"って………」 「タバサ殿の裏設定とももえお嬢様の裏設定であるお館様は必死に戦ったのであります。しかし、お館様は敗北されてしまわれて母親の中に封印されてしまったのであります………」 「つまり、タバサの母親の中にモモエの母親がいるってわけね?」 「その通りでございます。」 キュルケの問いに博士は頷いた。キュルケはシュウマイを手にし、それを口に運ぶ。 「おいしい!」 「お褒めの言葉を授かり、光栄でございます。」 キュルケの賛辞に博士は恭しく敬礼した。ふと見るとルイズの目の前には御福餅を持ったメイがいた。 「…あーん…してくだ…さい。」 「いや、その別にあーんなんてしなくても。」 「…お願い…です。……あーん…してくだ…さい。」 見ると、メイは泣きそうな顔でこっちを見ている。餡だらけになった手から今にも餡が零れ落ちそうである。 「しっ、仕方ないわね。じゃ、あー…… そう言ってルイズが口を大きく開けた瞬間、客間の扉が開いた。 「ご挨拶が送れて申し訳ない。私が死神家当主死神デス子だ。」 そこには水兵服を着て、禍々しい竜のようなものをかぶった女性が仁王立ちしていた。ももえもその横にいる。 「あ………」ルイズは愕然とした。 柿の種の2袋目を食べていたタバサも、シュウマイに舌鼓を打っていたキュルケも、ももえもデス子も、博士も皆、ルイズのほうに注目していたのだ。 それを知らずにメイは御福餅を餡がついた指ごとルイズの口の中に突っ込んだ。 「!!!!!!」 ルイズは顔を真っ赤にしてはだしのまま客間を飛び出した。 「あーあ。どうしたんだろうね、ルイズちゃん。」 誰一人止めるものもおらず、ルイズは屋敷内を走り回るのであった。 『食後の運動は危険ですので止めましょう。』 「あっ、倒れた。しかもものすごく苦しそうに。あー、わき腹押さえちゃって、足をじたばたさせてるね。」 ももえは遠くからルイズの状況を事細かに実況する。すかさずメイは水の入ったコップを用意する。 「いや、その必要は無いだろう。」 デス子は冷静にそういった。その瞬間、ルイズの居たところの床がすっぽりと抜け落ちルイズはそのまま落下した。 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………」 「さすがにアレはちょっとやばいんじゃ……」 「なあに力尽きたら担架で担がれて勝手に戻ってくるから安心しろ」 それを聞いたタバサは安心して3袋目の柿の種に手を伸ばしたのであった。 ※ おわり これまでのご愛読、ご支援ありがとうございました。 ※ 次回から始まる「ゼロの使い魔死神友情タバサの裏設定タバサの母フレイムデルフリンガーシルフィード香水下級生ももえサイズ」に乞うご期待!!! 前ページ次ページゼロの使い魔ももえサイズ