約 479,938 件
https://w.atwiki.jp/mangaka/pages/4967.html
ジョジョの奇妙な冒険をお気に入りに追加 ジョジョの奇妙な冒険のリンク #blogsearch2 Amazon.co.jp ウィジェット ジョジョの奇妙な冒険のキャッシュ 使い方 サイト名 URL ジョジョの奇妙な冒険の報道 能登麻美子、新田恵海、小倉唯らが過酷な環境下で生きる野生動物の姿を伝える - ホミニス 【ビルボード】宇多田ヒカル「君に夢中」がDLソング2週連続No.1、YOASOBI未発表曲が初登場3位(Billboard JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 梅原裕一郎、雑誌「anan」誌面初登場で“天使”と“悪魔”に変身!? インタビュー&グラビア掲載 - アニメ!アニメ!Anime Anime 衝撃的なアニメ・マンガの「ミス」 セリフ1文字の誤植が「逆に笑える」(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 女優・奥山かずさが語る、人生で“一番ツラかった”時期。あふれ出す「ジョジョ愛」も(bizSPA!フレッシュ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「好書好日」読まれた記事トップ5(2021年11月)|好書好日 - 好書好日 超性格が悪い『ジョジョ』のスタンド4選!ゲスな心が反映された無差別殺人能力とは?(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース <岸辺露伴は動かない>OVA4作品がNHK総合で地上波初放送 「懺悔室」「六壁坂」「富豪村」「ザ・ラン」(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース マンガ実写化作品の常連俳優3選!演技力、身体能力、美貌、変顔…求められる適性とは?(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ジョジョの奇妙な冒険 ラストサバイバー」,12月8日のアップデートで“ディアボロ”が参戦へ。チャレンジイベントも開催予定 - 4Gamer.net 『ジョジョ』6部、プッチ役は関智一 DIOの意志継ぐジョースター家最大の敵 【OP映像公開】(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース Netflixのスターが作品を超え共演!森山未來、山寺宏一、大泉洋、津田健次郎ら集合のグループ特別写真解禁(MOVIE WALKER PRESS) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 津田健次郎・伊藤沙莉・リラックマが1枚の写真に収まる(コミックナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 140以上のアニメ作品が無料公開となる「YouTube Anime Weekend」が開催!「ONE PIECE エピソードオブ東の海」をはじめ劇場作品なども(IGN JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース YouTubeで140以上のアニメを今日から3日間無料配信、「銀魂」や「ジョジョ」など(コミックナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ワンピース、ガンダムUCなどアニメ140作以上YouTube無料配信。28日まで(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 荒木飛呂彦氏 特別賞 平泉イメージ画制作 マンガ郷いわて(岩手日日新聞社) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ONE PIECE エピソードオブ東の海~ルフィと4人の仲間の大冒険!!~」が「YouTube Anime Weekend」にて無料公開決定!(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『チェンソーマン』原作画のヴィンテージTシャツなど全14アイテム発売(KAI-YOU.net) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アニメ?いえフィギュアです 二次元彩色を施した作品が国内外で反響「神業すぎる」「もはやトリックアート」(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 絶対にいらない『ジョジョ』のスタンド4選!使ったら死亡、本体にもウイルス感染?(マグミクス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 声優「小野友樹」さんが演じたテレビアニメキャラ人気ランキングNo.1が決定! 3位は「火神大我(黒子のバスケ)」!(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 東京24区:追加キャストに生天目仁美、斉藤壮馬、日高里菜、中村悠一 OPにSurvive Said The Prophet CloverWorks制作オリジナルアニメ - MANTANWEB 【声優】「小野賢章」さんが演じたテレビアニメキャラクターで一番好きなのは誰?(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 『ジョジョの奇妙な冒険』のマライアは、人間を磁石にするスタンド使い。その力はどれほど恐ろしいか?(柳田理科雄) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ジョジョの奇妙な冒険とは ジョジョの奇妙な冒険の51%は野望で出来ています。ジョジョの奇妙な冒険の26%は犠牲で出来ています。ジョジョの奇妙な冒険の14%は月の光で出来ています。ジョジョの奇妙な冒険の6%は希望で出来ています。ジョジョの奇妙な冒険の2%は不思議で出来ています。ジョジョの奇妙な冒険の1%はマイナスイオンで出来ています。 ジョジョの奇妙な冒険@ウィキペディア ジョジョの奇妙な冒険 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ゴルフ総合 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ ジョジョの奇妙な冒険 このページについて このページはジョジョの奇妙な冒険のインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるジョジョの奇妙な冒険に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1617.html
宮中から戻ってきたルイズ一行。学院に戻ってすぐに、ルイズはオスマンに呼ばれて学院長室に向かった。 オスマンから始祖の祈祷書を渡され、その旨をルイズは聞かされる。 その際ルイズは、先程会話の途中に豹変したアンリエッタのことを思い出し、複雑な心境だった。 ゼロの奇妙な使い魔~フー・ファイターズ、使い魔のことを呼ぶならそう呼べ~ [第三部 未来への祈祷書] 第一話(16) 崩壊への序曲 その① 「僕のルイズー!クックベリーパイを持ってきたよー!」 学院長室から戻ってきたルイズを待ち受けていたのは、クックベリーパイを持ったマリコルヌだった。 「な、何よマリコルヌ。そんなもの持ってきて。」 暗くぼんやりとしたルイズが言う。 「きっと落ち込んでいるだろうと思って差し入れを持ってきたんだ。」 アンリエッタ云々の件はマリコルヌは知らない。 しかし信頼していたワルドに裏切られ、目の前でウェールズが肉塊になった。 マリコルヌはそれを考え、ルイズはきっと落ち込んでいるだろうと踏んだのだ。 「そ、そんなことされなくたって落ち込んでないわよ!ででで、でもね、折角持ってきてくれたんだから、たたた、食べないのは悪いわよね。 とっととと、特別に私といっしょに食べることを許可してあげるわ。ヴェストリの広場に行きましょう。」 「よ、よろこんで、僕のルイズ!」 ルイズはマリコルヌの行動に瞳を潤ませて感謝していたが、そんな顔を見られたくないので先頭をきって歩く。 ヴェストリの広場に到着した二人は、その場に腰掛けてクックベリーパイの皿をを地面に置く。 マリコルヌのマヌケな話を笑いながら食事をしている二人。 その様子を一人の人物が偶然目撃する。タバサだ。 (ルイズ…キュルケが死んだのに、仲の良い友人が殺されたっていうのに…貴女はどうしてそんなに笑っていられるの…。) キュルケの死が未だに頭から離れないタバサ。 キュルケの代わりにルイズを心配しようと考えていたその気持ちは、笑っているルイズへの憎しみへとかわっていった。 タバサはそのまま自室に戻り、キュルケのことを思い出し、眠った。 第一話(16) 崩壊への序曲 その② 「う~ん。まったくもって思いつかないわ。」 始祖の祈祷書と睨めっこをしながら、再び復活したFF下っ端に話しかけている。 その横にある窓からは、シルフィードに乗って出かけていくタバサが見える。 ただしルイズはそのことには気が付いていないのだが。 日はあけ、ワルド戦からは二日も経っている。 つまりタバサがプッチ神父と接触してから三日後だ。プッチとの約束の日である。 タバサは待ち合わせの魅惑の妖精亭に向かう。十二時という約束であったが、タバサはいても経ってもいられず、明け方に出発した。 勿論時間に余裕がありすぎるくらい早くついたので、そのあたりを散歩してから、約束の三十分前に店に入った。 するとそこにはあの男、プッチが既に座っていた。 タバサは警戒気味で椅子をひき、座った。 「これが解毒剤だ。」 タバサが座るとすぐに、プッチは液体の入ったビンを目の前に差し出す。 タバサは少し疑り深い目をしながら受け取った。 どうしてこのような物を持っているのか気になったが、それは口に出さない。 「それを飲ませれば君の母親はすぐに良くなるだろう。」 タバサは無言で頷く。 「次は父親の仇だ。実行するときは私を同伴しろ。そうすればいつでも討てる。」 「じゃあ今すぐ。それで条件は?」 タバサはことを急ぐ。何が何でも仇は早く打ちたかった。 「前に言ったと通り、天国に到達するための手伝いをしてほしい。そのためにまずは君に王位を継承してもらいたい。」 その後、話は纏まり、二人は魅惑の妖精亭を後にして、シルフィードでガリアに向かった。 第一話(16) 崩壊への序曲 その③ 「以上のことからマザリーニ枢機卿を幽閉します。賛同者は起立して下さい。」 ここは王宮の一室。アンリエッタ、マザリーニ、その他多くの貴族が今後のことで話し合っていた。 そしていきなりマザリーニの話になる。そこでマザリーニは全く身に覚えのない行為についての訴えを受けた。 横領しているだの、権力を好き勝手に使っているだの、貴重品の盗難の主犯だの言いたい放題だった。 そして話が続き、文頭の一文に繋がる。マザリーニ以外の貴族がみな、立ち上がる。 マザリーニは絶望したかのように力が抜けた。一体何が起こっているのかと。 アンリエッタの命で、扉を開け、兵が入ってきてマザリーニを連行する。 「さぁ、会議を続けましょう。」 アンリエッタの一声で、規律した貴族たちが座る。 彼らはリッシュモンとその息のかかった連中である。 「王党派のふりをしてトリステイン領を攻撃。その名目でアルビオンの内紛に参入。 そしてレコン・キスタと共同戦線。王党派と邪魔になりそうな者を相打ちさせる。わかりましたね。」 アンリエッタが話を進める。 「攻撃対象はタルブの村が候補地としてあがりましたぞ。」 「ご苦労様です、リッシュモン高等法院長。では軍役免除税を払った者はどうやって排除するのがいいと思いますか?」 「何か適当な罪をかぶせて幽閉するのが良いでしょう。戦争が楽しみですな、姫殿下。」 「ええそうね、とても楽しみだわ。ウフフフフフ。」 このあと、太后マリアンヌやアニエス・ミランなどが幽閉されていった。 第一話(16) 崩壊への序曲 その④ プッチとの約束のあった翌日、本日はシュヴルーズの授業である。 ガリアに向かったタバサは当然帰ってきていないので、無断欠席だ。 「タバサは一体どうしたのかしら?」 「そうだね、どうしたんだろう。」 ルイズはマリコルヌに話しかけていた。 同じ目的を持って旅をしたのだ。当然仲は良くなる。 それを見たシュヴルーズは、とてもルンルンで微笑んでいた。 そしてマリコルヌにいいところを見せる場面を用意してやろうとして、言った。 「ではミスタ・グランドプレ。みんなの大好きな錬金ですよ。やってみてください。」 それを聞いてルイズは思い出した。マリコルヌは現在魔法が使えないのだ。 マリコルヌがあまりにも明るかったので失念していた。ルイズはそう思った。 そして、前に出て魔法を使おうとしないで、と祈った。 だがマリコルヌは前に出て行く。そして錬金を唱えるが何もおきない。 周りは大爆笑だ。ルイズは、自分を庇ってその能力を失ったマリコルヌが笑われているのを見て、泣いて呟いた。 「ごめん、ごめんねマリコルヌ。私のせいで…。」 そんなルイズの声も聞こえないくらい野次が騒がしい。そしてある生徒がこんなことを言った。 「最近ゼロのルイズと仲が良いからなぁ。ゼロが移ったんじゃあねぇのか。ゼロのマリコルヌ!」 周りは更に爆笑する。しかし、そこで先程までシュヴルーズに心配そうに話しかけられたマリコルヌが、生徒のほうを向き声を荒げる。 「ルイズを侮辱するな!僕だったらいくらでもコケにしたまえ。だがルイズを馬鹿にするのは許さない!謝れ!」 そして静寂が訪れる。ここで何とかシュヴルーズが取り直し、授業は無事に再開した。 第一話(16) 崩壊への序曲 その⑤ 授業の後、二人は食堂にいた。 「ごめんねマリコルヌ。私のせいであんなことになったのに、私を庇ってくれて…。」 「泣かないでよ、僕のルイズ。当然のことをしたまでなんだから。それに最近泣いてばっかりだよ。笑っておくれ、僕のルイズ。」 この言葉にルイズは涙をぬぐう。そしてその後の第一声はというと… 「な、泣いてなんかいないんだから!そそそ、それに庇ってなんて一言も言ってないわ!私はあんなのまったく気にしてないんだからね!」 それをシエスタが微笑ましそうに見て呟く。 「いいなぁ、恋人がいて。それにしてもミス・ヴァリエールはどうして連れてこないんだろう。 フー・ファイターズさんとお話がしたかったのに。」 フー・ファイターズが食事を摂取しないということはすっかり忘れてしまっている。 しかし、直後に耳にしたことで、シエスタの周りは時が止まってしまう。 「おい、聞いたか、タルブの村の話。」 「ん、何かあったのかい?聞いたこともない村の名前だけど。」 「何言ってんだよお前、今は結構有名だぞ。」 「だから一体何なんだよ。」 シエスタはここまでの会話の流れで、龍の羽衣の噂でも広まったのかなぁ、なんて微笑んでいた。 だがそれは違ったのだ。 「昨晩なにやらアルビオンの王党派が、食料を手に入れるために襲ったんだとよ。」 「げぇ、本当かよ。いくら貴族派に追い詰められているからって、そんなことして貴族の誇りはねぇのかよ。こりゃあトリステインも敵に回したね。」 「そうなんだよ。村人も皆殺しにされたらしくて、姫殿下も途轍もなくお怒り、すぐさま討伐軍を編成したらしいぜ。」 「こりゃあ大変なことになったな。まさか貴族派の肩をもつなんて予想外の展開だね。」 シエスタは、持っている皿を床に落とし、その場に座り込んで泣いてしまった。 食事中の生徒たちは、何事かと一斉にシエスタを見たが、他のメイドたちがシエスタを奥の部屋に連れて行き、割れた皿を片し、生徒たちに謝ったので、何事もなかったかのように場は収まった。 to be continued…
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/70.html
ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第10話:地下の大図書館、そして吸血鬼 その? 弾幕ゴッコ。元々は幻想卿内の揉め事や扮装を解決するための手段であり、人間と妖怪といった実力差のある相手や大妖怪と大妖怪のような周りになんらかの被害がでる対決をなくすために作られたものである(ってAQNがいってた)。 ルールは単純で、敵の宣言するスペルカードを避けつつ自分の弾、あるいはスペルカードを一定量相手にぶつけるだけ。ただし、避けることの出来ない弾幕を製造してはならないらしい。 にとりの言葉を思い出しながら相手と用心深く距離をとる。 「じゃあ、いい?いくよ!禁忌!【クランベリートラップ】!」 満面の笑顔でカードをかざす少女。妖夢の時のような殺気もなく、ただ純粋に楽しんでいるように見える。 「さぁ、来いッ!」 ニヤリ、と笑って構える。どっちにしろ、元々このルールは覚えなくてはいけないのだ。なら練習するのに異論は全くない! 四方八方から迫り来る赤と青の弾幕を慎重に引きつける。自分に向かってくる弾を選定して避ければ無駄に体力を消耗しないはず、と踏んだのだ。 「って、あれ・・・?」 まぁ、そんな甘っちょろい考えで避けられるほどヤワな弾幕なぞそうそうない。FFは瞬く間に前後を封じられた! 「うおぉおおおッ!?」 とっさに上へ飛び、FF弾を少女に向けて放つ。あっさりと避けられるが、反動を利用して弾幕から逃れることが出来た。 なんとか距離を離してから用心深く敵の弾を観察する。少女はこちらの様子を見るだけで何かしてくる様子はない。 「・・・おー。なるほどなァ・・・」 観察してわかったことだが、この二種類の弾はそれぞれ違う役割を与えられているようだ。 自分を追ってくる赤い弾と追われた先に待ち構える青い弾。この弾がうまく噛み合ってアレだけの弾幕が作り出されているのか。 「にとりの言うとおり、か・・・」 『弾幕はいくつかのパターンに分かれてるの。それさえわかっていればある程度は避けられるわ。』という河童の言葉を体現したような弾幕だ。 確かに、それさえわかれば避け方は自ずと見えてくる。FFは唇をなめ、再び迫ってくる弾を睨みつけた。 その頃、にとりとパチュリーは・・・ 「えーっと・・・これで、動くはず・・・パチュリーさん、えっと・・・レバーを引いてみてくれますか?」 「え?これ・・・?」 にとりの言葉におどおどとしながらレバーを引くパチュリー。すると、咲夜の時ではうんともすんとも言わなかった巨大な本棚がスムーズにスライドし、奥の本棚が見えるようになった。 「おぉー。」 「ふぅ・・・うまくいった・・・これでよかったですか?」 本棚の裏からひょこっと顔を出すにとり。ホコリと油で体中真っ黒であることにも気づかず、目元の汗をぐいっと拭う。 「うぎゃっ!?い・・・痛いィイイッ!目が、目がァアアア!」 「・・・ぷっ・・・ふふふ・・・」 まるでどこかのエセ王様の如く痛がるにとりを見てパチュリーは思わず吹き出した。 「ひ、酷いです・・・笑うなんて・・・目、目が・・・」 「ご、ごめんなさい!えっと・・・こぁー!濡れタオルと着替えを持ってきてー!」 「へぇ・・・もう気づいちゃったんだ?」 ある程度パターンを読み、自分にFF弾を撃つ余裕が出来たFFを見てにやりと笑う少女。その幽々子とも違った冷たさがさらにFFを警戒させる。 この【少女】・・・いや、【少女に見える何か】は試している。自分を。 「すごいすごい!魔理沙と霊夢以外にコレを避ける人間がいるなんて!」 「いや、私は人間じゃあない。お穣ちゃんも・・・【人間】じゃあないな?」 急に弾幕を放つのを止めた少女に怪訝な顔をしながら応える。先ほどの恐ろしい笑みがウソだったかのような無邪気な笑みだ。 普通の人間ならそれを見ただけでゲロ吐く程の恐怖を味わうことになるだろうが、FFはそれを感じなかった。 何故なら――邪気がない。 「【人間じゃあない】・・・?そっか。だから【目がたくさんある】んだね?」 「目・・・?何のことだ・・・?」 急に納得したかのようにポン、と手を打つ少女。その姿に思わず気が緩みそうになるが、先ほどの弾幕を思い出し、警戒心を保つ。 「あ、自己紹介してなかったっけ。私はフラン。フランドール・スカーレットって言うの。」 そう言ってお辞儀をする少女。咲夜やこぁと違い無駄がたくさんあるものの、それなりに似合った仕草だ。 「目ってね?みんなにあるの。それでね?それが私の手の中にあってね。キュっとするとどかーんって壊れちゃうの。」 「はぁ?」 今度こそ、気が完全に緩んでしまうFF。言っていることが全く理解できない。みんなにある目?キュっとしてどかーん?全くわからない・・・ 言っている本人もわかっていないのか、うんうんと唸っている。 「うーん・・・何て言えばいいんだろ・・・?壊して見せればわかりやすいけどお姉さまと魔理沙にやっちゃダメって言われてるし・・・」 腕を組んで必死に考える少女――フランがなんだか可愛く見えてきた。 「フラン、だったか?お前さんの能力は要するに、何でもかんでも壊せるって事でいいか?」 「うん。そういうこと。」 それは確かにやっちゃダメだな。と深く納得した。 射程や精密性、素早さなどはわからないが、下手をすれば例えば彼女が逃げられないようなトラップを作り、一斉にそれを発動したとしてもその【目】をぎゅっとしてしまえば即、どかーん・・・つまり、壊れてしまうのだろう。 「そういえば、お姉ちゃん・・・人間じゃないなら何?妖怪?宇宙人?」 「いや、そんなもんじゃあないが・・・宇宙人?」 実際に見せた方が早いだろう。幸い、水に余裕はある。そう考えたFFは適当なところにFF弾を飛ばし、クイクイっとフランを呼ぶ。 ててて、とFFのそばによっていったフランはそれを見ておー、と感嘆の声を上げた。 「増えてる増えてるー。」 「これが【私の一部】だ。これが集まって私、フー・ファイターズになってる。」 面白そうに増殖しているフー・ファイターズを突っついているフランに説明してやる。 さっきまで戦っていたとはとても思えないな、とは思うがこれだけストレートな反応をしてくれるとこちらも面白くなってくる。 FFはしばらく、フランの様子を見ていることにした。 その頃の以下略 「え!?ここにも魔理沙って本盗りに来るの!?」 「そうなの。何とかして捕まえたいんだけど・・・」 「うーん・・・私の発明も通用しないし・・・」 「こないだ、ロイヤルフレアをトラップに置いたんだけど、効果ないのよ・・・」 濡れタオルで体をふき取り、パチュリーの着替えを借りたにとりはFFが戻ってくるまでパチュリーと話すことにしたのだった。 内容は何故か魔理沙の泥棒談義である。 「普通にモノ盗むだけなら問題はないんだけどね・・・」 「むきゅー・・・」 にとりの言葉に溜息をつくパチュリー。というか溜息なのかそれは。 「まぁ・・・ねぇ・・・イロイロ盗むし・・・イロイロ・・・」 「え?他にも盗まれたの?」 「えぅッ!?ち、違うの!?」 「え、てっきり結構遊びに来てくれる事かと・・・」 「む、むきゅー・・・」 どんどんと墓穴を掘っていくパチュリーなのだった。 「うわっ!?手にくっ付いた!」 「あぁ、ソイツは水分――水に反応するんだ。水がある方へある方へと移動する。」 「へー、おもしろーい!」 しばらくフー・ファイターズ(無論、本体と違い知性などない)と遊んでいたフランを見てFFは内心、ますますワケがわからなくなっていた。 (こんな少女が、さっきみたいな笑みを・・・?何者なんだ・・・このフランとか言うヤツ・・・) こうして遊んでいる姿はやはり最初に見た子供そのものであり、先ほどの笑みがウソだったかのように思える。しかし、いやだからこそ気になる・・・ 「ん?どうしたの?お姉ちゃん。」 「ん?いや、何でもない。」 まぁ、何らかの事情があるのだろう。後でパチュリーか、ダメなら文にでも聞けばいいだろう。 「そうだ。ソイツ、フランにあげようか?」 「へ?」 びっくりしたような顔で此方を向くフラン。 「いいの!?」 「あぁ。毎日、手にすくったくらいの水をあげてればそうそう死んじまうこともないだろう。」 どうせ本来は敵にぶつける代物なのだ。それに、こんなによろこんでくれると思っていなかった。 「ありがとう!」 そう言って微笑むフランに不覚にもどっかのペド長のようにフー・ファイターズを余分に吹き出しそうになるFFだった。 そn(ry 「え、ってことは貴方もなの?にとり。」 「私もってことはまだライバルがいるのか・・・魔理沙には・・・」 「えぇ・・・アリスにフラン、幽華・・・最近は山のガンキャノンと2Pカラーも狙ってるって噂よ・・・」 「うぅわ・・・何気に競争率高いのねー・・・」 パチュリーから貰った緑茶(元は魔理沙のために買った。量が多すぎて半分くらいウーロン茶化している)を啜りながらにとりは溜息をついた。 「にしても、妖怪の山で人間と交流があるのってあの新聞記者だけかと思ってたけど・・・」 3杯目の紅茶を飲み干し、こぁにお代わりを要求しながらパチュリーが問う。 「こないだの神様騒ぎの時にあの紅白巫女と魔理沙が来てねー。それ以来お客さんが絶えなくなっちゃったのよ。」 絶えないといっても、密漁しにくる魔理沙と退屈(空腹)で山の神にたかりに来る腋巫女くらいなのだが。 「ウチと一緒か。まぁこっちはやってくるのは大抵魔理沙なのだけれど・・・」 パチュリーは溜息をつきつつうんざりした口調で言った。つもりなのだが、にとりは紅茶のカップに隠れたニヤニヤ笑いを見逃さなかった。 きっと、仏頂面(だと本人は思っている)の顔に笑みを浮かべて『何よ。また来たの?』と言っているのだろう。 「・・・?私、何か変な事言ったかしら?」 「あ!いや、なんでもない!にしても、FF遅いなぁ・・・」 ついうっかり吹き出しそうになったのがばれたのだろう。慌てて緑茶を飲んでごまかしつつ別の話題を振る。 「そういえばもう一人いたのだったわね。ここは広いから迷ってるのかも。探しに行って・・・」 バガァアアン! という何かが壊れるような音と共に、図書館全体に地響きが鳴る! 「え!?何!?」 びっくりして緑茶を引っくり返すにとりとは裏腹に溜息をつくパチュリー。どうやら原因がわかってるらしい。 「噂をすれば・・・ね。」 「噂って・・・まさかッ!?」 「そのまさか、よ。図書館より先に妹様の所へ行ったのが気に食わないけど・・・」 気に入らないのだろう、すこしぶすっとした顔でつぶやく。 「魔理沙が来たわ。」 前へ 目次へ 続き
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/28677.html
登録日:2014/05/28 Wed 00 59 26 更新日:2023/02/25 Sat 10 54 22NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 3部 ジョジョ ジョジョの奇妙な冒険 スタンド使い スターダストクルセイダース ダーク・ミラージュ ポルポル ミカル 失語 妹 小説版 幻 臆病 蜃気楼 小説版「ジョジョの奇妙な冒険第3部 スターダストクルセイダース "砂漠発地獄行"」に登場する人物。 【概要】 ヌビア砂漠のとあるオアシスに、兄のアブサロムと2人で住んでいる少女。17歳。 臆病で引っ込み思案な性格だが、幼少期から器量が良いと村でも評判の娘だったという。 アブサロムと共に蜃気楼に映し出される景色を見に行くことが多く、蜃気楼が齎す映像そのものに強く惹かれていた。 物語の4年前、家族とカイロで旅行に行った際に鉄道事故に巻き込まれ、両親を失う。 自身もこの時喉を負傷して重体に陥ったが、現地人が異国の人である彼女とアブサロムの救出を後回しにしたため、救助が遅れ声を失ってしまった。 その後、兄とともにDIOと出会い、スタンド能力を身に着ける。 狂信的にDIOを崇拝し、文明人への憎悪をあらわにするアブサロムに対し、元々臆病な性格も手伝ってジョースター一行と戦うことには消極的だった。 アブサロム自身もミカルの不手際に怒りをあらわにすることがあるが、心の底では彼女のことを大切に思い、気遣っている。 【劇中での活躍】 アブサロムと共に「凶悪連結器」の運転席に乗り込み、スタンド能力で兄の戦いを援護する。 初戦では承太郎にその性格を見抜かれ、列車の窓に向かって投げつけられたイギーと「ザ・フール」に驚き、スタンドを解除してしまった。 翌日の戦いでは、人質を救出されてしまったアブサロムの命令で、蜃気楼を呼び寄せ自分たちに有利な戦場を作り出す。 自身は外からやってきたポルナレフに対し、安全な場所に隠れながら彼を追い詰めるが、居場所を特定され敗北する。 女性には紳士であるポルナレフにみね打ちで気絶させられ、その後はアブサロムと共に村人に救助された。 【能力】 スタンド スタンド名『ダーク・ミラージュ(闇の蜃気楼)』 蜃気楼を実体化させるスタンド。 スタンド像は身体の中心に水晶をはめ込まれた人型のスタンドだが、その姿は挿絵として描かれていない。 遠くに見える蜃気楼を自身の周囲へと出現させ、思うがままの世界を作り出せる。 通常蜃気楼は、実際にある場所とは別の場所にその物体を映し出す現象だが、この能力で実体化した蜃気楼の中には、タンカーやビル群等砂漠にはないはずのものまで映し出していた。 本作における蜃気楼は「実際にあるはずがないものをそこに映し出す」という定義がなされており、故に幻を実体化させる能力と言ってもいいのかもしれない。 実体化させる蜃気楼のほとんどは、ミカルが幼少期から見てきたアメリカ合衆国の幻がそのまま反映されている。 蜃気楼の原理に則り、夜間は能力が発動できず、昼間でも太陽がある程度昇りきった状態でなければ十分な効果は得られない。 大きさは自由に調節することが可能で、本作では大量の石油タンクを直径20センチほどに縮め、摩擦熱で燃え盛る大量の火球にしてポルナレフを攻撃した。 また、蜃気楼で作り出した世界は現実の常識や法則を無視して展開されるので、その中を「凶悪連結器」で高速で移動することで、相手を惑わし精神的に狂わせていくこともできる。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] この子を倒した時、峰打ちを知っていたことでますますポルナレフ日本通説が俺の中で深まったw -- 名無しさん (2014-05-28 01 03 52) レイピアに峰があるんですかね...? まあ、ガード部分で殴ったことを指してるんだろうけど -- 名無しさん (2014-05-28 02 30 30) レイピアにも種類あるけどチャリオットのオーソドックスなレイピアは刃になってないの多いよ。ポルポルさんが斬る時って切っ先で斬ってる様な描写多いしね -- 名無しさん (2014-05-28 05 50 44) ↑ミス チャリオットの -- 名無しさん (2014-05-28 05 56 47) 誤送信してしまった チャリオットの持つオーソドックスなタイプのレイピア -- 名無しさん (2014-05-28 05 58 42) 水晶じゃねーの? -- 名無しさん (2014-05-28 07 38 36) なんの関わりもない事柄に対して「我々は予見していた!」「我々のおかげで回避できた!」の後出しジャンケンはカルト宗教の基本だな -- 名無しさん (2014-05-28 13 25 34) ↑誤爆 -- 名無しさん (2014-05-28 13 26 07) 臆病な性格とかいいながら挿絵の格好は痴女っぽい -- 名無しさん (2015-08-26 22 55 24) お・・・おい荒木!?今いったい何をしたんじゃッ?臆病で引っ込み思案な障害者ミカルの格好を下着同然の格好にデザインしおって!?「なあーに 女性キャラあまり描く機会無いからセクシーにデザインしてるだけだ・・・ 外伝だし女描くの苦手だから俺の好みにデザインにするぜ! 」こ・・・今度は枯木の様なアンジェリカを巨乳にしおったッ!荒木きさまーッ!最近色々餓えているなッ! 「やれやれ こういう時は励ますもんだぜ・・・ 『これから本編で慣れない女キャラ沢山描くから 頑張れ荒木』 ってな 」 -- 名無しさん (2016-01-26 00 22 17) 違反コメントとそれに触れたコメントを削除しました。 -- 名無しさん (2022-11-03 18 50 40) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/516.html
しばらくして、朝食を終えた生徒達が教室へ移動を始めた。 キレた目をしているルイズもディアボロを連れて教室へ向かった。無言なのが怖い。 教室には、生徒達が召喚した様々な使い魔が居た。 しかし、教室の椅子は貴族の席であり、ディアボロが座る席など存在しない。 仕方なしに、ディアボロは教室の一番後ろに行き、壁を背に立ち続ける。 その後シュルヴルーズという土系統のメイジの教師がやって来て、 生徒達が一年生の時、学んだ魔法の基礎をおさらいさせる。 魔法には四大系統というものがある。 『火』『水』『土』『風』 そして失われた伝説の『虚無』 等の話はディアボロの興味を心地よく刺激しており。 それに、教師が石ころを真鍮に変えた時はさすがに目を剥いた。 (そう言えば…使い魔が選ばれる理由は…) 召喚された直後にU字禿教師が言っていた事を思い出す。 『…現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進む・・・』 キュルケのサラマンダーはどう見ても『火』以外ありえない……ならばキュルケは『火』の系統なのだろう。 (どおりで嫌な感じがしたわけだ) とすると、あの教師の言う通りならば。 ここに召喚されている生物は、ほぼ全てが四系統の属性に分類されるはず。 (では……私は何系統なのだ?) 火・水・土・風・虚無。ディアボロの持ち物はほぼ全ての系統に当て嵌まっていて。どれか一つに分類する事が出来ない。 「ふむ」 ディアボロが考え込んでいる最中、教室が突然騒がしくなった。 その原因は、ルイズが前に出て錬金をやる事になったからである。 (……あれが何系統なのか判断できれば、私の系統も逆説的に分かるはずだ) ディアボロのちょっとした興味。 何系統として呼ばれたのか。ほんのちょっとした好奇心 だが、ルイズの一挙一動を見守るディアボロは、生徒達や使い魔達が机の下に入ったり、教室から飛び出たのを見えていなかった。 ルイズは石に向かって杖を振り―――― ドッゴオォン! 爆発が起きた。 反応が遅れたディアボロは、その爆発をまともに……くらわなかった。 起きた爆風は、ディアボロの体に到達する前に和らぎ。 散弾銃のような小石は体に接触する寸前、燃え尽きた。 ほんの掠り傷程度ですんだディアボロだが。 彼は呆然としていた。 「な、んだと?」 爆心地はルイズ。 それを見た彼は、記憶の中のトラウマの一つが浮かんできた 『何かのアイテムが爆弾になったかも…う~むどうだったかな……?自信がない…』 この後、ディアボロはルイズの二つ名を脳裏に刻み込む事となった。 ドット!ライン!トライアングル!スクウェア!そのランクの中で、 一番下のドットにすら及ばない、魔法は使えるが何時も爆発を起こすメイジ。 成功率ゼロ!だから『ゼロ』のルイズと呼ばれている事。 そして――メイジの実力は召喚される使い魔にも反映されるらしい事。 それを聞いたディアボロは、何故ルイズに召喚されたのか納得した (私も最初は無能だったからな) ディアボロは、奇妙なダンジョンに初めて潜った時の事を思い出した。 無装備状態で手探りしながら迷宮を進み、罠や敵の手、それに自分のちょっとしたミスで何回も何回も死んだ記憶。 …………それでも、遅々とした足取りの中で実力を着け、ダンジョンを制覇した誇らしい記憶。 (これからの成長に期待と言う事か) 授業終了後、ディアボロがキュルケからそのルイズの話を聞いていると、 噂をすれば影とばかりに、その本人が不機嫌ですと顔に書いてやってきた。 「ちょっと!私はキュルケに近付いちゃ駄目って言ったわよね!?」 「硬い事言わないでよルイズ、私はアンタの二つ名を懇切丁寧に説明して上げてただけだから」 「よ、余計な事しないで!こいつは私の使い魔!あんたは関係無いでしょ!」 自分の不名誉な二つ名が知られた事を知って、顔が赤くなるルイズ。 面白そうな顔でそれを見つめていたキュルケだが。 さすがに、飽きたのか颯爽とその場を離れて行った 「じゃあね、食事に遅れるから私はそろそろ行くわ」 そして残されたルイズは、いきなりディアボロの足に蹴りを入れた しかし、その一瞬、ディアボロの周囲に砂が集まって、ルイズの蹴りを明後日の方向に受け流した。 ズダン。 滑ったルイズは華麗に転倒した。 「…何をする?」 「うるさいッ!」 不思議そうに尋ねるディアボロに罵声を返すだけのルイズ。 頭に血が昇ったルイズは、さっきの砂が集まった異常な事には気付いていない。 何も無いところで滑って転んだと言う無様な記憶だけである。 そのまま、体の埃を払うと教室を出るルイズとディアボロ。 食堂への途中、ルイズはディアボロの表情の変化に気付いた。 含み笑いをしている。それがルイズの勘に更に障った。 「なに笑ってんのよ!」 「何も笑ってはいないが?」 「笑ってた!」 「ふん?……まあ、いい。話は変わるが… お前は昨日メイジの誇りを熱心に語ってくれていたな…… それでだが、自分が魔法を使えないのはどう思っているんだ?」 言葉に詰まるルイズ。 「魔法が使えない無能の癖に、お前が言う平民で変態の私から貴族として尊敬されると思っているのか?」 「私だって…私だって努力はしてるわよ!ディアボロ!あんた、ご飯抜きだからね!覚悟しときなさいよ!」 涙が滲む目を向けながらも、捨てゼリフを残すとそのまま目の前の食堂のドアに飛び込んで行った。 「さっきの言葉は流石に厳しかったか?」 ディアボロなりに発破をかけたつもりだが、ルイズは想像以上に痩せ我慢をしていたようだ。 そしてディアボロは、食堂に入らなくては昼食を食べられないという事に溜め息をついた。 このままだと餓死する。さりとて、DISCの無駄な消費は避けたいとディアボロが悩んでいる時。 「あの……どうかなさいました?」 声がかけられた。 振り向くと、そこには夜空に輝く無数の星と同じ数ある男のロマンの一つメイドさんの姿をした少女。 「何でもないが……」 「もしかして、貴方はミス・ヴァリエールの使い魔になったって噂の平民の変態の……」 平民の変態発言を軽くスルーするディアボロ。指摘してもどうにもならないって事もあるが。 「お前もメイジなのか?」 「いえいえ、私は違います。普通の平民です。 貴族の方々をお世話するために、ここでご奉仕させていただいてるんです」 普通のと言う所を強調して発言するメイド。 そこまでして、ディアボロと同じだと思われたくないのだろうか。 「…………」 「私はシエスタっていいます。貴方は?」 「ディアボロだ」 「そうですか…それで、ディアボロさん。 こんな所でどうしたんです? 本当に何もお困りでないんですか?」 シエスタの目を見るディアボロ 腹に一物を隠し持ってはいないようだ。純粋な親切心から彼に声をかけたのだろう。 (これは、昼食の代わりを用意してもらえるか?) 「昼食を抜かれてしまってな」 「まあ!それはお辛いでしょう、こちらにいらしてください」 ディアボロがこっちに来て初めて出会った貴族以外の人間。 シエスタの対応を見て、何となく利用できそうだと外道チックな事を考え始めていた。 <<前話 目次 次話>>
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/409.html
デルフリンガーを買った日の夜中、リゾットは眼を覚ました。 物音がしたわけではない。明かりがついたわけでもない。だが、何か感じた。 まるで自分が他組織の暗殺者に狙われている時のような、冷たい空気だ。 部屋を見渡すが、ルイズが寝ているだけだ。 「…………」 壁に立てかけたデルフリンガーを手に取り、そっと部屋を出る。 静まり返った廊下をひたひたと歩き、廊下の角を曲がろうとしたその時、曲がり角の向こうから刃が振り下ろされた。 「!?」 咄嗟に横に跳躍しつつデルフリンガーを抜くが、凶刃はリゾットの腿を浅く掠めた。傷口に血がにじむ。 「おいおい、闇討ちとは穏やかじゃねーな、相棒。お前さん、何したよ?」 「………心当たりはないな……」 少なくともこの世界では、と心の中で付け足しつつ、リゾットは曲がり角の向こうに警戒する。 「……惜しいわね。やっぱりブランクが長いと鈍るのかしら? だけど、その動きは『覚えた』わ」 どこかで聞いた声がして人影が姿を現す。リゾットの眼がその顔を捉えた。 「…キュルケ……か」 「おでれーたな! 女かよ!」 炎のような色の髪の女がそこに立っていた。顔は妖艶に笑っているが、その眼は殺意に満ち、その手には剣が握られている。 「ふふふ……私のものにならないなら…リゾット、死んでくださる?」 「何だ、相棒の痴話喧嘩かよ。やるねー、この色男」 リゾットはデルフリンガーの緊張感のない声を無視した。そしてキュルケの剣に気付く。 「あの剣は……」 「おお、ありゃ武器屋で相棒が買わなかった奴じゃねーか。やばいぜ。あれはよく斬れる」 「……心配は要らない……。キュルケは剣に関しては素人だ…」 リゾットが不意を打たれたにも関わらず、先の一撃を避けられたのは大した太刀筋ではなかったからだ。 リゾットとて、剣を使うのは初めてだが、刃物の扱いなら長けている。 その上、デルフリンガーを握った途端、身体が羽のように軽くなった。 見ると、左手のルーンが淡く光っているが、そのことについて考察している暇はない。 「そこまで分かっているなら、素直に斬られてくださる?」 「いや……それもお断りしよう。逆恨み……なんてくだらない理由で殺されてやるほど、俺の命は安くはない……」 「そうかしら? 貴方、死にたがってるんじゃなくって?」 「何……だと?」 リゾットが聞き返すと同時に袈裟斬りに斬り込んで来た。二合、三合と刃を交える。 (少しは本気を出したようだが、この程度か……) 剣の勝負ではリゾットに分があった。問題は魔法である。まだキュルケは杖を抜いていない。 (杖を抜いた瞬間、剣を弾き飛ばして当身を入れれば終わりだな……。 まさか袖にされたからといって殺しにかかるようなキレた女には見えなかったが…) そう考えていると、キュルケが胸元に手をやる。杖を取り出す気だ。 デルフリンガーで剣を弾きつつ、一歩踏み込もうとする。が、途端にデルフリンガーが警告を発した。 「相棒、とまれ!」 踏み込みを止めた直後、身体を冷たい刃が通り抜ける感触があった。肩から胸にかけて血が吹き出す。 「バカなッ!」 後ろに跳躍して距離をとる。が、キュルケはすかさず杖を抜き放ち、炎を放った。 着地点が火に包まれ、リゾットの身を炙る。 「クソッ!」 地面を転がって鎮火する。 「後一歩踏み込んでくれば、真っ二つにしてあげたのに……」 「お、おい、相棒、大丈夫かよ!」 「ああ……。警告…されなかったら……死んでいたな……」 リゾットは傷口を探る。胸の傷は何とか致命傷というほどではないものにとどまっていた。 火炎による火傷も速度を重視した魔法だったためか火力が少なく、軽度の火傷で済んでいる。 「そして、キュルケ……、お前…『物体を透過させる能力』を持っているな……。 でなければ弾いたはずの剣が俺を斬るはずがないし…今の一撃で服が斬れていない説明がつかない………」 にいっと唇を持ち上げ、キュルケが笑う。それは酷く似合わない笑みだった。 「そうよ。種明かしをすると剣の能力なんだけど…。貴方を斬るなら少しは業物を使わないとね」 「…確かに……驚いた。だが、剣が透過することを知ってさえいれば、何とかならないわけじゃあないな」 再び両者の剣が火花を散らす。 キュルケはリゾットの攻撃を受けられるが、リゾットはキュルケの透過剣を受けることはできない。 その上、リゾットは魔法を唱えさせないために、間を置かずキュルケに攻撃を仕掛ける必要があった。 自然、動きはリゾットの方が激しくなるものの、身体能力はリゾットが数段上のため、何とか有利に運びつつあった。 だが、位置を変えながら切り結ぶうちに、リゾットは奇妙なことに気がつく。 (何だ…? だんだん速く、鋭く、強くなっていく!) 「今さら気がついたの? そうよ。貴方と戦っている間、私は貴方の強さ、速度、剣筋、それを全て覚えているの」 そして一度『覚えた』攻撃には!絶対に!負けない!!」」 「ぐっ!?」 予想外の強力な一撃にデルフリンガーが弾かれ、態勢が外に流れる。衝撃で腕に痺れが走る。 同時に突き出されるキュルケの杖。瞬く間に詠唱が完成し、杖から炎の球が打ち出された。 「消し炭になりな……」 回避不能な、必殺のタイミング! まさに絶体絶命! だが、眼前まで迫った火球は反転し、掻き消えた。 リゾットの背後から突如として吹き付けた突風が、火球を押し返したからだ。 突風は同時にキュルケの身体をも吹っ飛ばし、壁に叩きつける。 「うおおお!?」 次いで空中に無数の氷柱が浮かび、キュルケの服とマントを壁に縫いとめる。 剣にも無数の氷柱が襲い掛かったものの、全てを透過する剣は弾かれることもなかった。 「これは…魔法……。邪魔はされたけど…確かに『覚えた』わ…」 呟きながらキュルケは透過能力で刺さった氷柱のみを切り払い始める。 いつの間にかリゾットの後ろに青い髪の少女がいた。 「お前は……図書室の……」 青い髪の少女……タバサは無言で頷いた。 あの後、町から帰ってきたキュルケは体調が悪いといって部屋に引っ込んでしまった。 不安が捨て切れなかったタバサは、シルフィードに通じてキュルケを空から監視していたのだ。 すると案の定、キュルケは剣を持って夜中に抜け出した。 何もなければよし、何かあった場合のため、急いでやってきたというわけだ。 「…多分、あの剣がキュルケを操ってる……」 「所持者を支配するタイプのインテリジェンスソードか! おでれーた! でもよー、さっき触れたときは何も感じなかったぞ?」 デルフリンガーの呟きを聞きながら、タバサは後悔と、自分自身への怒りを感じていた。 予兆はあったのだ。あの時、彼女に警告していれば、こんなことにはならなかった。 今、自分の前にいるのはキュルケであってキュルケではない。 その顔は殺意と内面の邪悪さを表した醜悪な笑みを浮かべている。 あんなものを彼女は決して浮かべまい。彼女に対する大いなる侮辱だ。 ふと、口の中に血の味が広がる。知らず知らずのうちに唇をかみ締めていたらしい。 タバサの指摘を聞いたキュルケの口調が変わる。 「魔法じゃあない。スタンドだ……。俺は冥界の神『アヌビス』のカードを暗示とし…所持者を本体とするスタンド。 リゾット・ネエロ、お前の命…貰い受ける」 「『アヌビス』? 『スタンド』…だと…? まさかお前は…地球から?」 「そうらしいな~…。いつごろ、どうやって移ったのか…覚えていないが… 世界は変わってもやることは同じ……。より多くの血を吸うだけよ!」 「……地球から来たものに会うのは初めてだ…。興味が湧く…。どうやってこちらに来たのかという興味はな…。 だが……手加減して勝てるわけではなさそうだ…。これ以上覚える前に、その身体ごと再起不能になってもらう」 剣を構えるリゾットだが、タバサがそれを遮った。 「ダメ」 「……キュルケの知り合いか?」 「友達」 少し考える。だが、まるで表情に感情を出さないタバサが真剣な表情を読んで納得した。 少なくとも彼女にとってはキュルケはかけがえのない存在なのだ。 「分かった……。全力で助けよう」 早くもキュルケ……いや、アヌビスは立ち上がりつつあった。 「とはいえ、どうするかな…中途半端に仕掛ければまた『覚え』られるだろうしな…」 「耳を」 「何か…考えがあるのか?」 頷くタバサに、リゾットは耳を寄せる。ぼそぼそと二人が小声で話し合う。 「……なるほど……。分かった。任されたからには必ず果そう。だが、お前はできるのか?」 「大丈夫」 「何をしようと無駄だ。魔法と剣…この組み合わせに死角はない!」 立ち上がり、右手に本体、左手に杖を持ち、にじり寄るアヌビス。 「行って」 タバサはリゾットに指示を出すと再び『ウィンド・ブレイク』を唱える。 発生した突風に続き、リゾットも片手に剣を携え、風のようにアヌビスへと走る。 魔法と剣撃の二段構えでアヌビスに迫る! それに対し、アヌビスは半身に構え、キュルケの赤い髪を躍らせながら、自ら突風に身を投じた! 「『覚えた』といったはずだ……。一度覚えた攻撃には絶っっっっっっっっ対に!」 一瞬で風の流れを読みきり、半身に飛び込むことで風からの影響を受ける面積を最小限に減少! 突風の中でアヌビスの刃が逆袈裟に振られると、風が急速に勢いを失う。 「負けんのだぁぁ!!」 リゾットの剣は杖で受けようとする。しかし、デルフリンガーの刃は杖の寸前で止まった。 「ナヌッ!?」 一瞬の後、リゾットは隠し持っていたナイフで杖を横薙ぎに飛ばす。 「……所持者を本体にする、とはいえ……透過できるのはあくまで剣だけのようだな……」 「ぬぅ!?」 アヌビスはリゾットを斬り殺そうと剣を振り下ろす。 その次の瞬間、続けざまに二回、柄に強烈な衝撃を感じ……アヌビス本体が宙を舞った。 「大した腕だ…。俺の攻撃タイミングを完全に読みきるとはな……」 仕掛けたのはタバサだった。 アヌビスの気がリゾットに向いた瞬間を狙い、風の刃を作り出す『エア・カッター』を連続で唱え、アヌビス本体を弾いたのだ。 相手の先を読み、その上で詠唱をはじめなければ成功しない離れ業だった。 「杖を取られればどうしても注意がこちらに向く……。元々見えない刃だ…。気づきもしなかっただろう……」 アヌビスは廊下を音を立てて転がっていく。 「不覚…。だが、その攻撃…確かに、『覚えた』…ぞ………」 その言葉を最後にアヌビスの制御を離れ、崩れ落ちるキュルケの身体をリゾットが支える。 「……これ以上、能力を取り込まれていたら対処できなくなるところだった…な……」 う~ん、と唸ってキュルケが眼を覚ます。 「……あら? リゾット? ……ずいぶん情熱的ね。でもいいわ、答えてあげる」 キュルケに抱きつかれた。 気を失って眼を覚ましたらリゾットの腕の中にいたのだからそう勘違いするのも無理はない。 しかし、リゾットの方はそれどころではない。キュルケを引っぺがす。 「離れろ……。説明は後だ。……まだ終わってないんでな…」 「そうだぜ、相棒。あの剣を回収しねーと!」 「鞘を」 短く告げると、タバサは剣の転がっていった方向に走る。 リゾットと、事情を把握できないキュルケは転がっていた鞘を拾い、タバサに続くのだった。 一方、その少し前、ルイズは目を覚ましていた。何だか外で物音がした気がしたのだ。 リゾットがいつも寝ている床を見るとリゾットも、壁に立てかけてあったデルフリンガーもいない。 (あいつ……どこ行ったのかしら。こんな夜中に) 剣がないのが気になる。と、そこに廊下から金属音が響いてきた。やはり何か起きているのだ。 「ご主人様に心配かけるんじゃないわよ、あの馬鹿…」 ぶつぶつ言いながら起き上がり、部屋を出る。 部屋を出たところで、何か足元に転がって来た。抜き身の剣だ。 (なんでこんなところに剣が? 危ないじゃない) そう考えたのも束の間、ルイズはその剣の美しさに魅入っていた。 心の中で何かが警鐘を鳴らすが、それを無視して、剣を拾い上げる。 「ダメ」 「ルイズ、それに触るな!」 タバサとリゾットの制止の声が響くのと、ルイズが剣を握るのは同時だった。 「あちゃ~~…」 デルフリンガーが溜息をついた。 「早い再会だったな、二人とも……」 ネグリジェ姿のルイズがすさまじい殺気を放ちつつ歩み寄る。 「…どうするべきかな……」 横の青髪の少女は、立て続けに魔法を放ったせいか、多少、疲労が見られる。 (確か魔法も無制限に撃てるわけではなかったな…) 一方、事態をまだ理解できていないキュルケはルイズの持った剣に気がついた。 「ちょっと、ヴァリエール! その剣、返…」 キュルケは言葉に詰まった。 ルイズから…正確にはルイズを乗っ取ったアヌビスから放たれた殺気に触れたからだ。 リゾットは暗殺者として多くの殺し合いを経験してきた。 タバサは命がけの任務にいくつも従事してきた。 しかしキュルケは違う。世間の風評はどうあれ、本気で殺し合いをしたことなどない。 アヌビスが向ける掛け値なしの殺気に、キュルケは全身が凍らされたような感覚に陥った。 「おい、夜中にうるさいじゃないか、君たち!」 そしてここにも空気を読まないキャラが一人。風上のマルコリヌである。 ルイズ同様、騒音でおきだしたのだ。 「何だ、ゼロか! まったく君は常識もゼロなんだな!」 異常な殺気を放っているのにまるで気付かないでルイズに話しかける。 「ゼロゼロって…うるせー奴だ。てめーの命をゼロにしてやるぜ!」 アヌビスがマリコルヌに斬りかかるが、その前にタバサの『エア・ハンマー』がマリコルヌを吹き飛ばした。 壁に叩きつけられたマリコルヌはそのまま失神した。タバサがぼそっと呟く。 「マリコルヌ、空気読め」 「「撤退」する」 異口同音に呟くと、蛇に睨まれた蛙のように凍りついたキュルケの手を引っ張り、反転する。 「逃げるか……。しかし逃さん! 既に俺はあの二人を上回っているのだ!」 アヌビスもすぐに後を追って走り始める。 アヌビスが走りつつ、魔法を唱えると、リゾットの真横で爆発が起きた。 「……命中精度はよくないようだが、やはりルイズの爆発魔法が使えるのか…」 「な、何なの? 何でヴァリエールが…」 「あの剣に操られてる」 三人はそのまま角を曲がる。 アヌビスも続けて曲がるが、角を曲がったところでリゾットのナイフがアヌビスめがけて飛んだ。 「シャッ!」 しかしアヌビスは神業的反応を見せ、ナイフを叩き落す。 「……持ち主が変わっても取り込んだ能力は忘れないようだな……」 「どうする、相棒? 今のあの貴族の娘っ子は手加減して勝てる相手じゃねーぜ」 「………」 しばらく思考した後、不意にリゾットが口を開いた。 「キュルケ、図書室の女、奴の狙いは俺だ……。俺が囮になる、どこかで分かれるぞ」 「そんな! ダメよ、リゾット。ヴァリエールは本気よ。殺されてしまうわ」 「危険」 「危険はどの道同じだ…。それに気づいているか…? 奴は攻撃ほどのスピードじゃないが…速度も『覚えて』いる。 このまま三人で逃げれば追いつかれる。お前たちは……ギーシュを呼んできてくれ」 「「ギーシュ?」」 思わず二人の声が被る。よりによって何故ギーシュなのか? 「ギーシュだ。ワルキューレを使う…。作戦はこうだ…」 「!」 タバサは途中で気がついたようだが、リゾットは手短に作戦を説明する。 「出来るか?」 「可能」 「……あたしたちは問題ないわ。でも、それじゃ貴方は…」 「では、頼んだ。次の通路を俺は左、お前たちは右だ」 返事を待たず、T字路で三人は分かれた。 「分かれたか…。だが、まずはあの男からだ。あの男の秘めている『力』。まだ底がありそうだからな…」 リゾットは人の少ない場所を選んで走る。無関係な人間に見られたら拙いからだ。 まあ、仮に誰かに見られたとしても、『メイジが使い魔を追い掛け回している』ということで放っておいてくれただろう。 アヌビスはリゾットを追うのに集中しているため、目撃者の始末まではしなかった。 これはリゾットにとっては幸いだった。ルイズの身体を操るアヌビスに人殺しをさせた時点で、リゾットの負けなのだから。 リゾットとルイズでは体力と歩幅に圧倒的な差がある。 それに加えて左手のルーンが光り輝いている影響か、身体は羽のように軽く、アヌビスを容易に追いつかせない。 (一体、これは何だ…? ) 攻撃と違い、その身に受けるわけではない走力はアヌビスも覚えにくいようだった。 近づいては離れる追走劇の中で、リゾットの中にふと、異質な思考が浮かぶ。 (斬られるのも悪くない……) 「おい、相棒! 追いつかれるぞ!」 「!?」 気が付くとすぐ後ろにアヌビスを大上段に構えたルイズが迫っていた。 振り下ろされる斬撃を転がって回避し、追い討ちの爆発の威力を利用し、跳ねるようにして立ち上がると、再び加速する。 「惜しいな…。だが、また『覚えた』ぞ…」 「頼むぜ、相棒! ぼーっとして斬られるなよ!」 「ああ……分かってる。少し、血が流れすぎただけだ…」 確かに胸の傷の出血は続いているが、それだけではない。 リゾットは頭を振って、浮かび上がった思考を振り落とした。 中庭に着くと、既にギーシュが待っていた。 「やあ、リゾット。ご主人様に追い掛け回されてるらしいね。僕の力が必要だって?」 「ああ……」 「というかだね。剣が人を操るなんて俄かには信じられないんだが…うひぃッ!?」 「どうやら…説明は不要のようだな…」 後ろからやってきた鬼気迫る表情のルイズを見て、ギーシュは奇妙な声を上げてしまう。 とっさに後悔した。逃げ出して部屋に篭って布団被って寝ようという考えが全身を支配する。 しかし逃げてもどうみても追ってきそうだ。というか、多分、魔法学院中を殺して回るまで止まらない。 ルイズの表情はそう思わせるだけの殺気があった。 (なんてこったぁー!? 戦うしかない! チクショー!) テンパった頭で結論に達するまで0.005秒。慌ててワルキューレを七体呼び出す。 「わ、ワルキューレ! ミス・ヴァリエールから剣を奪い取るんだ!」 七体のワルキューレがアヌビスに向かって駆け出す。 「お前は戦った相手の行動を覚える…。だが、逆に新しい敵には対応できない……。ならばこれでどうだ?」 「馬鹿め……俺は貴様の攻撃を『覚えた』のだぞ? 今更この程度の人形など…」 一列になって突っ込んでくるワルキューレたちを、切り裂き、爆破していく。 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」 一体、二体、三体、四体、五体、六体…砕けた青銅人形の残骸がごろごろと中庭を転がる。 「無駄ァ! ムッ!?」 七体目を切り裂いた瞬間、その背後からリゾットが現れた。 体重、強化された身体能力、助走による加速、それら全てを乗せた一撃をルイズの頭めがけて振り下ろす! 「速い! だがっ!」 火花が散り、ルイズの額の直前で剣はとまっていた。鍔迫り合いが始まる。 「今のはやばかったぞ……。このゴーレムどもを隠れ蓑に、この娘を殺しに来るとはな……。だが、これも『覚えた』」 「……外れだ」 「何?」 「カムフラージュ……などではない……。ゴーレムが本命だ。頼むぞ……ギーシュ!」 その声とともに、ルイズのアヌビスを持つ右腕に無数の腕が絡みついた。 破壊されたワルキューレが変形し、薔薇の茨のような形の青銅が幾重にもルイズの右手を絡め取る。 同時にギーシュは魔法の行使と、恐怖で精神力を使い果たし、気絶した。 「馬鹿め! この程度の捕縛など、すぐに抜け出してくれるわ!」 自由な左手で杖を振る。途端にリゾットの至近距離で小規模な爆発が起きた。 「!!」 衝撃が脳を揺らし、デルフリンガーを投げ出して膝を突く。 だが、次にリゾットの口から漏れ出したのは苦痛の悲鳴でも絶望の喘ぎでもない。 「これで…できた……。俺たちの『勝ち方』が」 「てめー頭脳が間抜けか! 殺される分際で何を言いやがる!」 そのとき、二つの月の光が陰った。 「はっ!?」 アヌビスの見上げた先には月を背負って飛ぶ一匹の風竜と、その背に乗る二人のメイジ。 キュルケが完成させた『火球』を放つ。 「確かにお前は攻撃を覚えた…だが、動けなければ……かわせるか?」 リゾット自身も最後の力でルイズを押さえつける。 振りほどこうとするアヌビスの刀身に、巨大な火球が迫る。 「あああ! まさか! 嘘だろぉぉぉぉ!?」 火球は刀身に接触すると爆発四散した。 そのタイミングにあわせ、タバサが魔法を完成させ、爆風を制御する。 タバサの魔法により加速された爆風がルイズの手からアヌビス神を吹き飛ばした! 「おいおい、相棒、大丈夫かよ。会ったばっかりで死ぬなんてなしだぜ?」 片腕を上げて健在を示す。とはいえ、リゾットは重傷だった。 アヌビスとの戦いによる負傷に加え、キュルケの火球の爆発を至近距離で食らったのだ。 タバサはリゾットの方向への爆風は抑えたようだったが、それでもリゾットのダメージは深刻だった。 シルフィードが降りてくる。 「すぐに先生の所で治癒を!」 「動かすのは駄目」 「じゃあ、あたしが先生を!」 「先生を呼びに行くなら…ルイズを連れて行ってくれ。右手が心配だ」 リゾットがごろりと転がると、下からは気絶したルイズが姿を表した。 右腕に火傷を負った他は、リゾットが盾になったおかげで怪我はほとんどない。 その右腕も、ギーシュの青銅がまだ覆っていたお陰でほとんど被害を免れた。 「……何度か見たあの風竜は……お前の使い魔だったんだな……」 キュルケが教師を呼びに行った後の中庭で、アヌビスを鞘に収めたタバサが頷く。 「今回の件では助けられた…。恩に着る」 タバサは首を振った。 「お互い様」 そして自分を指差し、呟いた。 「タバサ」 「リゾットだ」 両者、感情のない表情で名乗りあう。 しばらくの沈黙の後、タバサがほんの少しだけ表情を緩めた。 「リゾット、お疲れ様……」 (……表情があまり変わらないだけで一応、感情はあるのだな…) 奇妙な感心をしながら、リゾットは意識を失った。 リゾット―――胸部裂傷、背部および脚部に重度の火傷、全身打撲(再起可能) スタンド『メタリカ』、以前使用不能 アヌビス―――妖刀として極秘裏に宝物庫に封印される(再起可能?) ルイズ――――右手に火傷。翌日、地獄の筋肉痛を味わう(再起可能) キュルケ―――二人の治癒の秘薬代を支払った。ルイズほどではないが、筋肉痛に悩まされる タバサ――――この後、部屋に戻って寝た ギーシュ―――後で思い出してもらって保健室に運ばれ、朝まで気絶。モンモランシーにあらぬ疑いをかけられ、また殴られた マリコルヌ――翌朝、廊下に転がっているところを発見される
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/95.html
空条承太郎 18 014 クレイジー翼 - 098 空条承太郎の見解 ◆OM4GtB6KG. 156 最強の厚着 ◆lEaRyM8GWs 173 乱【みだれ】 ◆ZGVhibhzPQ 267 乱→狂【みだれのちくるい】 ◆jcasZ9x.B2 288 魁!!キャプテン翼の奇妙な冒険 ◆saLB77XmnM 292 魁!!キャプテン翼の奇妙な冒険~炎の瞳~ ◆kOZX7S8gY. 295 混沌体験//~序章~ ◆Oz/IrSKs9w 313 混沌体験//~空条承太郎はクールな仲間が欲しい~ ◆2XEqsKa.CM 318 集う男達 ◆kOZX7S8gY. 330 受け継がれる魂 ◆bV1oL9nkXc 340 大型殲滅兵器“ジーニアス”による被害報告 ◆saLB77XmnM 359 ヒーローになろう ◆bV1oL9nkXc 373 死神なんかじゃない ◆kOZX7S8gY. 399 『偽りの友情』に反逆せよ ◆kOZX7S8gY. 417 「放送前のちょっとした出来事(前編)」 ◆6xc12amlNk 424 見えない未来へ ◆PN..QihBhI 439 風 ◆SD0DoPVSTQ DIO 21 005 闇の帝王vs最強の馬鹿 ◆lEaRyM8GWs 064 宇宙最強の男VS悪の帝王 ◆QXU.Tc2.M2 076 機人夜襲 ◆QXU.Tc2.M2 129 帝王雌伏 ◆Wv7hRKzBHM 159 悪のカリスマ ◆HDPVxzPQog 197 氷の精神 ◆HDPVxzPQog 263 悪魔始動 ◆kOZX7S8gY. 290 DIOの世界~予兆~ ◆PN..QihBhI 315 弱肉強食/DIOが私を呼んでいる ◆kOZX7S8gY. 334 吸血鬼と吸血姫、そして怯える少年 ◆B042tUwMgE 344 恋する少女は盲目で友達の声も耳に入らないの ◆kOZX7S8gY. 357 ニアミスの朝 ◆14iGaWqIZs 377 暗雲に包まれし世界 ◆saLB77XmnM 381 Wheel of Fortune ◆HDPVxzPQog 396 The Rain Heals A Scar ◆7euNFXayzo 401 暗い森 ◆pKH1mSw/N6 403 愛をとりもどせ!! ◆kOZX7S8gY. 418 ヨルヨルユカイ ◆BfiYd9.rFo 433 その星は誰を照らす ◆YR7i2glCpA 435 命の炎 前編 ◆YR7i2glCpA 437 命の炎 後編 ◆YR7i2glCpA リサリサ 9 057 闇と光の中で ◆4LQa/CzMzU 091 夜明け前 ◆1SRHufSimc 157 機人流浪 ◆Oz/IrSKs9w 159 悪のカリスマ ◆HDPVxzPQog 233 宿命と血統 ◆HDPVxzPQog 284 女の戦い ◆HDPVxzPQog 296 白夜特急青森行き ◆Oz/IrSKs9w 312 ヴァンパイアハンターはかく語りき ◆UJ2a0/5YGE 321 少女の選択 ◆7euNFXayzo ブローノ・ブチャラティ 15 030 赤木晴子について ◆eOk8ASmJiQ 125 プリンと宝石 ◆Wv7hRKzBHM 145 甘い果実 ◆SD0DoPVSTQ 158 ブチャラティvsガラ前編 ◆PN..QihBhI 172 ブチャラティvsガラ 後編 ◆PN..QihBhI 265 日伊ゴロツキ対決!!ギャングvsヤンキー ◆HDPVxzPQog 269 眠れる奴隷達 ◆HDPVxzPQog 295 混沌体験//~序章~ ◆Oz/IrSKs9w 313 混沌体験//~空条承太郎はクールな仲間が欲しい~ ◆2XEqsKa.CM 318 集う男達 ◆kOZX7S8gY. 330 受け継がれる魂 ◆bV1oL9nkXc 340 大型殲滅兵器“ジーニアス”による被害報告 ◆saLB77XmnM 361 共同戦線~武道家VS能力者~ ◆kOZX7S8gY. 372 狂わぬ指針が生む出会い ◆7euNFXayzo 383 インフェルノ ◆Oz/IrSKs9w
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2464.html
前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔 「ミス・ヴァリエール。罰としてあなたにはこの教室の片づけを命じます。もちろん、使い魔に手伝わせてはなりません。」 騒ぎに駆けつけたコルベール教師はルイズにそう命じた。 ミセス・シュヴルーズは完全に意識を失っていたし、生徒達は今にもルイズを吊るし上げんばかりだった。だからルイズに同情的なコルベールでもそうさせざるを得なかったのだ。 それから一時間。まだ片付けは終わる気配を見せない。 教卓はばらばらに吹き飛んでいたし、教壇にも大穴が開いて使い物にならない。黒板は真っ二つに折れて右側が地面に伏せられていた。 生徒達の机は、距離があったためばらばらにこそならなかったものの、あちこちにヒビが入ったり吹き飛んだりして、前二列は半壊状態。後で取り替えなくてはならない。 窓ガラスは一枚残らず吹き飛んでいる。剥げた塗装に吹き飛んだ照明、床一面の煤や埃etc。要するに教室を一つまるごとぶち壊してしまったのだ。片づけがそう簡単に終わるはずもない。 だからこそいきり立つ生徒達も溜飲を下げたのだが・・・。 ルイズは今、半分に千切れた黒板と格闘しているところである。その小さな体をいっぱいに使って、黒板を外に引きずり出そうとしている。 康一はそれを手伝うわけにもいかず、さりとて放っておくわけにもいかず。その様子を見ていることしかできないのだった。 「す、すごい爆発だったね!」 なんだか気まずい康一が話しかけた。 「あれを喰らったらどんな敵でもKOしちゃうよ!」 できるだけ明るい調子で言ったのだが、ルイズはこちらに振り向きもしない。 バツが悪くて康一は頬を掻いた。 「痛っ!!」ルイズが右手を押さえた。 「だ、大丈夫?」 康一が駆けつけると、ルイズの手からは血が滲み出していた。恐らく折れた断面を握ってしまったのだろう。 「怪我してるじゃないか!」 康一はルイズの手を取った。 「触らないでよ!!」 ルイズは康一の手を振り払った。 「その手じゃもう無理だって・・・。休もうよ。」 ルイズは手を押さえたまま、黙って首を振った。 「でも・・・大体、女の子一人でこんなのおわりっこないんだよなぁ~」 康一は途方にくれた。 「・・・成功するかもって・・・」 ルイズがぼそりとつぶやいた。 「え?」 「成功するかもって。今度こそ成功するかもって思ったのよ。」 ルイズはうつむいたままい言った。 「そ、そうだよ!誰だって失敗することくらいあるよ!あんまり気を落とさないで!」 康一は励ましたが、ルイズはぶんぶんと頭を横に振った。 「今まで、一回も魔法が成功したことなんてなかったのよ。小さい頃からそう。どれだけ試しても、爆発するばっかりでただ一度だって成功したことなんてなかったの・・・」 康一は息を呑んだ。 「わたし、小さいころは、大きくなったら魔法が使えるようになるんだって思ってたの。お父様やお母様の期待に答えられるって。ヴァリエール家にとって恥ずかしくない娘になれるって信じてたの。」 ルイズは何かに耐えるように上を向いた。 「でも・・・だめだったッ・・・!今の今まで、一度も期待に答えられたことなんかなかった・・・。いつの日か・・・いつの日か・・・ずっとそう思い続けてきたけど・・・」 康一は躊躇いがちに言った。 「でも・・・ぼくの召還は成功したんだろ?」 「そうね。呼んだのがあんたみたいな平民で、みんなには馬鹿にされたけど、あれが初めての成功といっていいわ。」 ルイズは、吐き捨てるようにハッと笑った。 「だから、ちょっと夢みちゃったのよ・・・。一度魔法が成功したから、これからは他の魔法も使えるようになるんじゃないかって。わたしも・・・これからは貴族として胸を晴れるんじゃないかって・・・。でも、その結果がこれよ・・・。」 『ルイズは焦っている。』康一はシエスタが言った言葉の意味がようやく分かった気がした。 「で、でもさ!これからもっとがんばったら、いつかきっと・・・」 「知ったような口聞かないでよっ!」 ルイズが康一につかみかかった。両手で襟元を握りしめる。康一の目の前で瞳から涙がこぼれた。 「わたしだってがんばってきたわ!だれよりも勉強したわ!だれよりも魔法を練習したわ!座学だって、作法だって、誰にも負けない!でも・・・」 襟を握り締める手が緩んだ。その場にぺたんと座り込む。 「でも、魔法だけは・・・貴族として絶対に必要な魔法だけはどんなにがんばっても使えなかった・・・。だから私はゼロのルイズなのよ。どんなにがんばっても、永遠に貴族になれない。ゼロのまんまなんだわ・・・。」 ルイズは血に染まった右手を胸で抱きしめた。煤まみれの床に涙が落ちた。 ずっと爪先立ちをしていたんだ。と康一は思った。 ルイズはずっと強いふりをしていたんだ。自分の弱さを誰にも悟られないように。 何より、ぼろぼろな自分に、まだがんばれるんだと信じさせるために。 康一は初めて、彼女の力になってあげたい。と思った。 でもどんなに頭の中を探しても、かけてあげられる言葉を見つけられなかった。 だから代わりに、康一は『見せる』ことにした。 「『エコーズ』・・・」 「え・・・?」 ルイズは煤と涙でぐちゃぐちゃになった顔をあげた。 「『エコーズ』っていうんだ。ぼくのスタンド。」 康一は「ACT1!」と叫んだ。康一の横に、突然白い生き物が現れた。 ルイズはこんなでたらめな生き物をみたことがなかった。 なんと形容したらいいのか、兵士が被っているような兜に小さな手と長いしっぽをくっつけたように見える。兜の下に目らしいものとくちばしがちょこんと覗いている。 その不思議な生き物は、康一の手からハンカチを掴み取ると、呆然と座り込むルイズの膝の上にふわりと飛んできた。 「なに・・・これ・・・」 「『エコーズACT1』だよ。ぼくの『スタンド』」 「でも、前に見たのと全然違うわ!」 「あれはACT3。ACT1はエコーズの一番進化前ってことになるかな。」 奇妙な化け物が目の前にいるのに、なぜかルイズは怖いと思わなかった。 ACT1が小さな手に持ったハンカチで、涙に濡れたルイズの顔を拭く。 そして小さな声で「ギャアース!」と鳴いた。 「ふふっ・・・」 なぜだろう。ルイズの目にはこの不恰好な生き物がひどくユーモラスで、可愛く見えてきた。 ルイズは『ACT1』をぎゅっと抱きしめた。 冷たいようで暖かい、堅いようで柔らかい。不思議な抱き心地だと思った。 「ぼくはさ、つい2年まで何のとりえもない・・・そうだな、ただの『平民』だったんだよ。でも、ある事件がきっかけで急に『スタンド』って力を得たんだ。」 だからさ・・・。康一はしゃがみこんだ。 「ルイズにだって、いつか『きっかけ』があるかもしれない。誰にもその『運命』がいつ来るかなんてことは分からない。まだ、諦めるのは早いんじゃないかな。」 といってルイズの目を覗き込んだ。 「それに『メイジを知るには使い魔を見よ』なんだろ?こんな面白い使い魔を持ってるメイジなんて、世界中で君だけだと思うんだけどなァ~。」 康一は大仰に手を広げて見せた。 ルイズはようやく、「馬鹿犬のくせに・・・」といって笑った。 前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔
https://w.atwiki.jp/shinatuki/pages/64.html
ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第四話:地獄の閻魔とその助手 「まず先に無縁塚に行きましょう。どうせ、白玉楼への通り道ですし。」 と言う文の言葉に従い、FF・にとり・文の三人は早速無縁塚へ向かうことにした(椛は本来の番人の役割に戻っていった)。 本来なら飛んで向かう所だが、にとりとFFは飛べない上に致命的な弱点があった。 「二人共、面倒くさい弱点持ってるわねぇ…」 「やかましいッ!」 「私達も好きでこんなもん引きずってる訳じゃないっ!」 文の一言に噛みつく二人。彼女達の後ろには樽が入った台車。それぞれ片手にコップを持ち、飲みながらもう一方の手で台車を引きずる姿はどこかの神主を連想させる。 しかし樽の中身は酒ではなく、河の水である。 FFに水が必要なのは前述の通りであり、にとりもエンジニア云々以前に所詮河童である。定期的に水分を補給しないと下手をすればFF以上の速度で干からびるのだ。 上空では文が此方の様子を見ながら禿鷹よろしくぐるぐると回りながら飛んでいる。 「にしてもにとり。エンジニアなのに空飛ぶ機械とか作れないの?」 「無茶言わないでよ。そんな技術、今の幻想郷にあるわけないでしょ?」 文の言葉に、にとりはストローで水をすすりながら応える。実はこの数年後に某紫モヤシがスペースシャトルを造り上げてしまうのだが、それは余談である。 「おい、にしてもまだ着かないのか?もう半日も歩き詰めなんだが…」 樽の中を心配しながらFFが聞く。水は一応、樽二つ分持って来てはいるが、既に一つめがなくなりかけている。 「もうそろそろですよ…ほら、あそこです!」 文が地上に下りて植物(彼岸花という毒草だと後で知った)で覆われた道を指さす。その先には開けた丘があり、丘の上には四人の男女が何やら騒いでいた。 「あれ?てっきり映姫様と小町しかいないと思ってたんだけど…」 文が首を捻る。本来会う予定だったのはその二人だけの筈なのだ。よく見ると、四人のうち、二人は正座をしていて、二人は仁王立ちである。 「全く!妙にやってくる幽霊が少ねェと思って来てみればッ!」 「またサボってたのですか小町!ペッシに任せきりにするなと何度言ったらわかるのです!」 「あーえぇッと…」 「い、いや、怒らねェでくれ兄貴!映姫様!俺がちぃッと仕事に慣れてきたから一人でやらせてくれッて小町に頼んだだけで…」 「ペッシペッシペッシよぉー。別に俺達ゃあお前が一人でやろうとしたことを責めてるわけじゃあねぇ。」 「一人でやろうと言う意思は立派なものです。しかし、だからと言って小町がサボっていい口実にはならないッ!そして、それを貴方が容認した事を怒っているのですよペッシ!」 物凄いコンビが交互に説教しているようだ。説教されている鎌を持った赤髪の女とパイナップルのような頭の男は涙目で互いの顔を見合わせている。 「閻魔様が増えてる…これは判断間違えたかしら…」 文が顔を青くして呟く。彼女は過去に、「己の記事に盲信的すぎる」と、三時間程説教を受けたことがあるのだ。 「…ん?新聞記者の烏天狗ではありませんか。また私の話を聞きに来たのですか?」 「いっいえ!それはまた今度に!」 立っている二人の内、緑を基調とした幼さが残る女性がこちらに気付いて声をかけてくる。 「ん?妖怪の山の河童と…どなたですか?幻想郷の者ではありませんね?」 「あぁ。私はフー・ファイターズ。FFと呼んでくれればいい。ここに死人に詳しいヤツがいると聞いて来たんだが…アンタがそうかい?」 「はい、その通りです。私は四季映姫・ヤマザナドゥ。あちらのスーツを着たのが助手をやってもらっているプロシュート、鎌を持ったのと髪を立たせたのが部下の小野塚小町とペッシです。」 「足がッ!足が痛ェッ!」 「プロシュート兄貴!アタイら反省した!反省したから正座だけ直させて!」 「やかましい!まだ説教は終わってねぇんだよ!俺と映姫が戻って来るまで正座してやがれッ!」 何やら悶えている二人に一喝して、スーツ姿の男―プロシュートがこちらにやって来る。 「プロシュートだ。一応元外の人間でな。ある程度なら、相談にのれると思う。」 言いながら右手を差し出す。FFも手を出し、握手に応じる。握手した瞬間に違和感を感じ、プロシュートは顔をしかめる。 「お前の手…まさか、【人間じゃあない】のか?」 握手しただけで正体を見抜かれ、驚くFF。見ると、プロシュートの後ろから人型の「何か」が煙を上げている。 「プロシュートっ!貴方は…」 「黙ってろ映姫!コイツはスタンド使いだ。危険性は説明しただろうッ!」 声を上げる映姫を黙らせるプロシュート。幻想郷に住む人間にとっては考えられない光景だ。逆に言えば、このプロシュートという男はそれほど映姫に信頼されている、ということか。 「そうか。お前もスタンド使いか。しかしさっきもいったが、私は聞きたい事があるだけだ。敵意はない。だから、スタンドをしまってくれないか?」 FFは、身体中からから水分が抜けていくのを感じながらも、表情を崩さずに言う。目線は外さない。プロシュートはそんな彼女を暫く見つめると、スタンドをしまい、頭を下げた。 「いや、すまなかった。さっきお前の事を【危険だ】なんて言ったが、撤回するよ…無礼な事を言ったな。」 言いながらプロシュートが手を離す。すると、自分の身体に水分が戻るような感覚が起こった。 「いや。危険だと言ったそっちの判断は正しい。問題はないさ。改めて紹介させて貰おう。私はフー・ファイターズ。FFと呼んで欲しい。」 身体の調子を確かめたFFはプロシュートに改めて握手を求める。スタンド使いを警戒するのは当然の行動だ。 「そう言ってくれると助かる。改めてよろしく、だな。」 先ほどとは違った、柔らかい笑顔を浮かべて握手に応じる。 その瞬間、回りの空気が一気に緩むのが感じられた。にとりと文など、樽の中で大きく息をついている。いつの間に入ったのだろうか?というか助けようという意思はないのか? 「それで、私に聞きたい事があるようですが…」 映姫の言葉にFFはここに来た目的を思い出す。 「と、言っても大体の想像はつくがな。ここは死後の世界じゃないか、自分以外にスタンド使いはいるか、だな?」 プロシュートの言葉に頷く。ちなみに、にとりと文は話について来られないのを自覚しているのか、離れた所にいる小町とペッシをつっついている。何をしに来たのだろうか? 「前者に関してはノー、です。貴方がたの世界の【死後の世界】はちゃんと別に存在しています。」 映姫の言葉は大方FFが予想していた答えだった。しかし、その後のプロシュートの言葉は彼女にとって以外なものだった。 「後者だが…スタンド使いである俺が言うのも何だが…スタンド使いはいるにはいる。だが、どうやら本来のルールは存在しない、と考えていいだろう。 現に俺も幻想郷に来て数ヶ月たつが、お前が、俺とペッシ―あの正座してるヤツだが―以外にここで初めて見たスタンド使いだしな。」 「そんな、馬鹿なッ!【スタンド使いは引かれ合う】。それは絶対のルールな筈だろう!」 「驚くのは無理はねぇ。俺だって最初はいつ、どんなスタンドが襲ってくるのかってー思いながら暮らしてたんだからな。」 「貴方がたの【世界だけ】のルールであるようなのです。この【幻想郷】ではそれは役に立ちません。」 声を上げるFFにも驚く事もなく平然と答える二人。恐らく、プロシュートも同じ感想を持ったのだろう。あるいはペッシか。 「まぁ信じられないのはわかるが、来ないものを考えて肩肘張っても仕方ねーッてこった。」 「恐らく、スタンド使いに襲われるよりも妖怪とか巫女や魔女に襲われる方が多いでしょうね。」 二人の言葉に嘘はないだろう。つく理由が思いつかない。しかし、そうなると【自分が何故ここにいるか】の答えがなくなる。 「外の世界」ではプッチがDISCを入れた、という「理由」があった。なら今回は何故存在できているのだろうか? 「どうしても気になるなら白玉楼の西行寺幽々子を訪ねてみたらいかがですか?私よりここの死人には詳しいでしょう。」 白玉楼。文が言っていたもう一つの場所か。確か通り道だと言っていたか。 「すまない、助かったよ。ありがとう。映姫、プロシュート。」 「いえいえ。お礼を言われるのも久しぶりですね。」 「そりゃ、説教ばかりしてっからだろう?」 「貴方がそれを言いますか?」 「ま、人の事は言えねェか。俺も。」 FFの礼の言葉に、茶化しあう二人。お互いにあまりそういうのに慣れていないのだろうか。 「ふふ、大変だな。閻魔というのも。」 「それでも中々やりがいがあるんですよ?」 FFにウインクで返す映姫。こうしてみると、とても地獄の閻魔とはとても思えないくらい可愛らしい。 「あぁ、済まないが一つ頼まれてくれないか?【もし】でいい。 おかっぱ頭のブチャラティって男をもし見つけたら、プロシュートが会いたがってると伝えてくれ。酒を一緒に飲みたいと。」 プロシュートが思い出したように言う。友人だろうか。FFには断る理由もなかったので、引き受ける事にした。 「わかった。見つけたら確かに伝えよう。見つけられる事を祈るよ。」 「すまない。頼む。」 プロシュートが頭を下げる。よほど大切な友人なのだろう。 「それじゃあ、私は行くとするか。にとりー!そろそろ行くぞー!文!道案内を頼む!」 「あ、終わりましたか?」 「もー、待ちくたびれたよ!で、次は?」 「白玉楼だ。文、すまないが…」 「道案内ですよね?任せて下さい!ただ、もー少し記事にしやすい内容にしていただけると助かります。前回にしろ今回にしろ。」 「努力はするが…」 喋りながら無縁塚を去る三人を、プロシュートは感慨深げに眺めていた。仲間の事を思い出しているのだろう。 「やれやれ。今日は忙しい日ですね。」 「八雲藍、だったか?あの狐。面白くねぇが、アイツの言う通りになりやがったな。」 「彼女の主は頭が切れますからね。…怠け者ですが。」 「ふん。…そういや、ウチの怠け者とマンモーニは…」 振り向くと、正座の姿勢で悶えているのはペッシだけで、小町の姿が見えない。 「あンのアマぁ!また逃げ出しやがったか!」 「ペッシ!小町はどこに行ったのですかッ!言いなさい!早くッ!」 「わからねぇよ!わからねぇから、ゆらさないでくれ映姫様!足が、足がー!」 幻想郷は、今日も平和です。 前へ 目次へ 続き
https://w.atwiki.jp/zensensyu/pages/458.html
ジョジョの奇妙な冒険 661 名前:水先案名無い人 :05/02/17 18 54 43 ID Yeobb6ssO 携帯だからまとめサイトが見れない苛立ちのため、ガイシュツだろうが全スタンド使い入場を投下する! 662 名前:水先案名無い人 :05/02/17 18 55 43 ID Yeobb6ssO 全スタンド使い入場!! 吸血鬼は生きていた!! 百年の時を越え初代JOJOの肉体が甦った!!! 世界 時よ止まれ!! DIOだァ――――!!! イタリア料理はすでに私が完成している!! パールジャムトニオ・トラサルディーだァ――――!!! 館に入り次第執拗に追跡して抹殺してやる!! 殺戮追跡マシン ペットショップだァッ!!! 接近しての斬り合いならこのスピードがものを言う!! 甲冑外しの七体分身 銀の戦車 J.P.ポルナレフ!!! 真の人生哲学を知らしめたい!! 一位より二位の皇帝 ホル・ホースだァ!!! 能力欄は四つがCだが強請りに使うならこいつが一位だ!! 元汚職警官 レオーネ・アバッキオだ!!! アバ茶対策は完璧だ!! 金髪のコロネ ジョルノ・ジョバァーナ!!!! 全スタンドのベスト・ディフェンスは私の中にある!! なめやがってクソックソッが来たッ ギアッチョ!!! 腕相撲なら絶対に敗けん!!空間ごと削り取ったる バカ高校生 虹村億泰だ!!! バーリ・トゥード(なんでもあり)ならこいつが怖い!! 下水道のピュア・スナイパー ドブネズミだ!!! エジプトから炎の支配者が上陸だ!! 魔術師の赤 モハメド・アヴドゥル!!! ルールのある取り立てがしたいからスタンド使いになったのだ!! プロの取り立てを見せてやる!!マリリンマンソン ミラション!!! めい土の土産にジョースター一行とはよく言ったもの!! その暗黒空間が今 実戦でバクハツする!! 亜空の瘴気 ヴァニラ・アイスだ―――!!! グリーンドルフィン刑務所懲罰房チャンプこそが地上最強の代名詞だ!! まさかこの男がきてくれるとはッッ ヴィヴィアーノ・ウエストウッド!!! 闘わせたいからここまできたッ キャリア一切不明!!!! 刑務所のサバイバー グッチョだ!!! オレたちは小銭収集役ではない大金持ちになるためのスタンドなのだ!! 御存知収穫 矢安宮重清!!! ギャンブルの本場は今やエジプトのバーにある!! オレをビビらせる奴はいないのか!! ダービー兄だ!!! ハヤァァァァァいッ説明不要!! 宇宙一巡!!! 無限の加速!!! エンリコ・プッチだ!!! スタンドは暗殺で使えてナンボのモン!!! 正統派暗殺スタンド!! イタリアパッショーネからグイード・ミスタの登場だ!!! 康一君は私のもの 邪魔するやつは思いきり縛り思いきり髪を埋め込むだけ!! 思い込み統一女王 山岸由花子 自分の運を試しにきたッ!! ボーイⅡマンじゃんけん小僧 大柳 賢!!! 覚悟に更なる磨きをかけ "マンモーニ"ペッシが帰ってきたァ!!! 半径20メートルエメラルドスプラッシュに死角はないッッ!! 法皇の緑花京院 典明!!! エジプトの歴史創世の書が今ベールを脱ぐ!! Jブックス三部小説版から 書記アニだ!!! ペッシのためならオレはいつでも老人だ!! 名前は生ハム プロシュート兄貴 本来の姿で登場だ!!! 医療ミスの罪状はどーしたッ 殺人カビ 未だ消えずッ!! 分離も合体も思いのまま!! チョコラータだ!!! 特に理由はないッ 髪を貶されるとキレるのは当たりまえ!! お母さんにはないしょだ!!! そびえ立つリーゼント! 東方 仗助がきてくれた―――!!! 暗黒街で磨いた眼力!! 第三部のデンジャラス・ワンコロ イギーだ!!! 変質者だったらこの人を外せない!! 超A級殺人犯 吉良吉影だ!!! 超一流大学中退の超一流のド低脳がッだ!! 生で拝んでオドロキやがれッ 百科辞典で滅多打ち!! パンナコッタ・フーゴ!!! オラオララッシュはこの男が完成させた!! ジョースター家の切り札!! 空条承太郎だ!!! ヘタレ王者が帰ってきたッ 何回死んでいたンだッ パッショーネ創始者ッッ 俺達は君を待っていたッッッディアボロの登場だ――――――――ッ 関連レス 665 名前:水先案名無い人 :05/02/17 21 18 19 ID 96xE6IhK0 ムチャシヤガッテ…GJ 666 名前:水先案名無い人 :05/02/17 22 28 28 ID 9KcdlEhG0 スタンド使える主人公の中でジョセフだけいない(´・ω・`) でもシメがよりによってのボスなのにハゲワラタ。 667 名前:水先案名無い人 :05/02/17 22 48 42 ID wcAaTqNj0 ジョーリンも居ないぞ。 668 名前:水先案名無い人 :05/02/18 00 04 47 ID HXoOQSxq0 おいおい・・・兄貴がいないじゃないか。 って、多すぎて選ぶのも大変だよな。GJっす。 669 名前:水先案名無い人 :05/02/18 02 00 54 ID gHnYYYQW0 当然、夜叉猿ポジションはオランウータンだよな! 670 名前:水先案名無い人 :05/02/18 08 18 29 ID hCasSqY+0 ジャンケンは運ではないッ! 勝ちたいという『意志』の力だッ! 671 名前:水先案名無い人 :05/02/18 11 39 54 ID iaousbUa0 サバイバー… コメント 名前