約 456,916 件
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/413.html
周りが騒ぐ中、アヴドゥルはシエスタに手を貸そうとするが、 「シエスタ。大丈夫か?」 「アヴドゥルさん!なんてことを……ッ!」 返ってきたのは切羽詰った声。 「ああ…だめ。貴族の方を怒らせたら殺されちゃう!」 「どういうことだ」 「私が謝ればよかったんです」 いまいち要領が掴めない会話だが、シエスタは無事だと判断するアヴドゥル。 シエスタは置いておいて、ギーシュを追おうとすると、 「あんた! 何勝手なことしてんのよ!?」 ルイズが登場した。 「昼飯はもういいのか?」 「どうでもいいわよ、そんなこと!何で決闘の約束なんかしてるのか、聞いてるの!」 「成り行きだ。誰も好き好んでしたわけではない」 「成り行き!?……ほら私も謝ってあげるから来なさい」 機嫌が段々と下降していくルイズにアヴドゥルは言い放つ。 「だが、断る」 「はあッ!?貴族に勝てると思ってるの!?」 「魔法があろうと、あの少年相手なら問題ない」 承太郎のような『凄み』のある目ではなく、マンモーニの目だったギーシュを思い浮かべ言う。 「使い魔に勝手に怪我されると私が困るんだから!大人しく謝りなさい!」 必死に説得?するルイズを半ば無視し、アヴドゥルは決闘の待つ広場へと向かう。 「諸君! 決闘だ!」 群衆でごった返す、ヴェストリの広場にギーシュの声が響く。 決闘の開幕の宣言に歓声が巻き起こる。 「逃げずに来たことは、褒めてやろうじゃないか」 周りは決闘一色。 上手いこと二股の件を誤魔化せご機嫌なギーシュ。 大仰な名乗りと共に、 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。文句はないね?」 「好きにするといい」 「僕の二つ名は『青銅』だ。従って青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手しよう」 薔薇の造花でできた杖を振るギーシュ。 すると、散った薔薇の花びらが人型に変化する。 「ほう」 こういった魔法もあるのかと感想を出し、少し距離を置くアヴドゥル。 「今さら逃げれると思うのかい」 その行動を逃避と感じたギーシュは、ワルキューレを突進させる。 真っ直ぐ向かってくるワルキューレを、アヴドゥルはギリギリ避け、また距離を開けながら、 (ふむ。シルバー・チャリオッツには比べ物にもならんが、中々の速さ) 似たような姿のシルバー・チャリオッツと比べる。 ワルキューレが突撃する、アヴドゥルがギリギリ避ける。 数回それが続くと、ギーシュから呆れたような声が出る。 「逃げるばかりかい?」 さっさと決闘を終わらせ、モンモランシーとケティの元へ行きたいギーシュは、 「これで終わると預言しよう!」 ワルキューレを限界数の7体作り、同時に突撃させる。 この瞬間、ギーシュにとって決闘は終わり、 (やっぱし…一人ずつ謝って許してもらうしかないかな。でも、二股は維持したいし…) 今後、どうやって二股を継続するかしか頭に無かった。 道中、散々無視されたことに機嫌を悪くし、 「もういい!決闘でも何でもしなさい!」 思わず言ってしまったルイズだが、 (少し痛い目にあえばいいのよ!) ツンりながらも、大怪我しない内に中止できるよう、いつでも飛び出せる位置に居た。 決闘が始まり、逃げるだけのアヴドゥルを見て、 (あいつ。何に考えてるの) てっきり巨体を生かし、特攻でもするものだと思っていたが…そんな様子はない。 ますます理解に苦しむルイズ。 「…………しよう!」 ギーシュの声と共に突撃する7体のワルキューレ、ルイズがアヴドゥルが吹っ飛ばされる姿を想像し、静止の声を上げようとした瞬間。 ヴェストリの広場に『魔術師』の炎が上がった。 「マジシャンズ・レッド」 何かの名前を呼ぶ、アヴドゥルの声と共に……。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1168.html
ルイズが朝食を食べている間、食欲の出ないアヴドゥルは中庭でロングビルと会っていた。 「おはようございます。昨晩はずいぶんお楽しみのようでしたね」 開口一番のロングビルの一言。言い終わるや否や我慢ができなくなったのか、小さく肩を震わせ声をかみ殺し笑いだす。 「んぷッ…くく」 「……やめてくれ…冗談に聞こえない」 目の前の笑いを一生懸命堪えようとしているロングビルに、いつもより幾分げっそりしているアヴドゥルは弱弱しく言い返す。 「ふふッごめんなさい…でも、もうだめ」 完全に壷に嵌ったのか我慢できなく大きな声で笑い出すロングビル。頭をテーブルに付けお腹を抱え笑う姿は……なぜか可愛らしい。 「…はぁ~」 笑い声が響く二人きりの中庭にアヴドゥルの溜息がかき消される。 ようやく笑うのを止めたロングビルだが、諺にある『他人の不幸は蜜の味』の言葉どおりいつもより楽しそうな顔をしている…どうやら隠れドSのようだ。 「それにしても…昨日はずいぶん苦労したようね」 「…ああ」 「ミス・ツェルプストーの噂は聞いていたけれど…噂以上ね」 「噂か……どんな内容かだいたい分かるな」 「それりゃあねぇ」 苦虫を噛み潰したような顔で答えるアヴドゥルにクスッとなりながらも同意するロングビル。そんなアヴドゥルの姿が心底楽しいのか今までで最高の笑顔を浮かべている。 「で、本当は何が起こったの昨晩」 まるで友人と接するように気軽に聞いてくるロングビルの姿は、純粋に仲良くなれたことが分かり嬉しくなる。 だが話の内容が内容なだけに素直に喜べないアヴドゥルは顔に縦線を入れながら語りだす……昨晩の真実を。 それにしても……一日で二人の立ち位置は逆に変わったようだ。 ……くちゅ…ちゅ…くちゅ 暗い部屋にアヴドゥルとキュルケのディープなちゅ~の音が響く。もう抵抗すらしないアヴドゥルの首に手を絡めさらに密着するキュルケ。 さらに激しくなるキス。キュルケの顎を伝い二人の混ざり合った唾液が床に円を描く。 されるがままの中、アヴドゥルは考える。 (もう疲れた…このまま流されるか) キュルケからの熱烈なキスもだが現在進行中で頭に流れてくる電波… ―逝け 逝けといわれてもこれでは18禁に… キュルケ主役の期待があるではないか…逝け 期待~~~?未成年者もいますよォォォ 関係ない逝け 電波から許しが出、アヴドゥルが考えるのを辞め、キュルケを抱きしめようと手を伸ばそうとした瞬間。ドッグァーン!…部屋の窓をぶち破られた。 「キュルケ!」 「どうしてなんだ!?急に別れるなんて!」 「それにその…亜人!キュルケに触れるな!」 「ちッくしょー!僕にはキスなんてしてくれなかったのにー!」 窓から雪崩れ込んでくる男男男。今までのキュルケの恋人達だ。キュルケはアヴドゥルに本気の恋をしたので、即座に恋人全員に別れを告げていた。 今のキュルケに見えている男はアヴドゥルだけであるため、全員集めて、 「私本当の恋をしたのだから別れましょ。じゃ~ね~」 と簡単すぎる言葉…理由にもならない理由を言っただけだが。 突如乱入してきた今にも血涙を流しそうな男たちに、アヴドゥルは目が覚める。 (…はッ!わたしは何をしようとしていたんだ!?) (チッ…ダーリンの目が覚めちゃったじゃないのよ、あのドグサレ共!) キスから顔を離し目に生気が戻ったアヴドゥルに心中で盛大に舌打ちし、テメェらブチ殺すぞ!な目で乱入して来た元彼達をにらみ付けるキュルケ。 「…あなた達こんな時間にレディの部屋に何しに来たの」 キュルケは何処からともなく取り出した杖を構え言う。その横にはこれまたいつの間にかフレイムがいる。 「「「「ひィ~~~」」」」 完全にブチ切れているキュルケに最初の勢いなど消え怯える男たち。 そんな主人を横目にフレイムはアヴドゥルに小声で言う。 「…きゅるきゅる(今のうちに逃げてくれ)」 「いや、逃げたいのは山々だが……お前は大丈夫か?」 故意に逃がしたと分かればキュルケから罰があるかもしれない。アヴドゥルはフレイムを心配する。 「きゅる…きゅる(いいってことよ…元はと言えば俺にも責任がある)」 「しかし…」 「きゅる…きゅるきゅる!(主人の命とはいえボスに酷いことをしたんだ…俺に構わず行ってくれ!)」 「……すまない」 修羅場で繰り広げた男の世界。本人達は大真面目だが人とトカゲなので端から見れば滑稽でしかない。 すぐさまドアを蹴破り隣のルイズの部屋に逃げ帰るアヴドゥル。それを見送り男らしく笑うフレイム。 「きゅる(生きて会えたら酒でも飲もうぜ)」 呪文の詠唱中だが、真横でそんなことをやられれば普通気付く。目の前のドグサレ共を燃やすため詠唱を続けながらキュルケは思う。 (まあいいわ興も冷めちゃったし。それに…あの手応えなら大丈夫、いつでも落とせるわ。それに、まずは……) フレイムに同時攻撃するよう目で合図した後、目の前の標的をしっかり見据える。 (……ゴミの火葬が先ね!) 「……いっぺん燃えてみる?」 言葉と共に極大ファイアーボールを放つキュルケ。 ドッグァァーーーーン!!! その威力は凄まじく、今までのキュルケの魔法の中で最高の出来だった。…男たちを壁と共に吹っ飛ばす程。 「その後は分かるだろ?」 「ええ。いきなり建物が揺れて飛び起きたもの」 若干自分に不利な部分を隠しロングビルに真相を話したアヴドゥル。 「…で、その後は大丈夫だった?」 「その後とは?」 「ミス・ヴァリエールよ。ツェルプストー家とは確か犬猿の仲でしょ?使い魔が敵の部屋に行ったなんて、大目玉だったんじゃないの?」 実にいい笑顔で聞いてくるロングビル…ニヤニヤと付きそうなくらい。 「ああ。それは問題なかったが……」 「何?他に何かあった?」 顔に興味深深と書いてあるような反応。アヴドゥルはちょっとクールなロングビル像が壊れたことを感じる。 「…寝ていたよ」 「へ?」 「横であんな轟音が出ていたのに起きる気配もなかった」 「………さすがヴァリエール家というべきかしら」 学園中大騒ぎになり、『土くれ』のフーケの襲撃まで言われた昨日の事件でルイズが寝ていたと聞き、ロングビルは大きな冷や汗を浮かべる。 「今日のデザートは何かな~w」 周りで寝不足なのか欠伸が頻発する食堂の中、ルイズは一人元気良く朝食を食べていた。
https://w.atwiki.jp/jojoson/pages/76.html
ほれ! 笑えポルナレフ! 大声で笑いながらするのが 作法だぞポルナレフ! 笑え! 笑え! ポルナレフ! 基本的にはジョースターさん 少々手荒くなりますが 自分から「外に出してくれ」と わめきこん願する位 旅人は衣まとうだけだが 熱さには音を上げさせる 予想外のパワーだろうが 彼を牢屋から出しました…が 器量と占いだけで軽くこなせる 仕事じゃないの だから人に見えない努力しても 出番は並程度(なにぃッ?!) きっと私が一番! でも花京院もソコソコかも そりゃ私と比べるから ちょっと分悪いんだぞ だってエジプトカイロが もう遥か遠くにあって そう簡単には行けない ある意味里帰りなの 八百長ではなく正々堂々… YES I AM ! チッ♪ チッ♪ ポル「くぅ~…やっぱり俺も行くぜぇ!」 イギー「あお~ん!」 死体のフリも 演じ切るけど ポルナレフには 気付かせない 芯のない人 興味ないし むしろ弱虫 大嫌い 紅海の綺麗な 海沿いにて 何も言わない 父演じる 再登場で ハッキリと言う 男の友情 ツレション! はい♪ ブラフやイカサマとかで満ちた 会話に耐えられないの だから本音見せないダービーのこと少し引いて見ちゃう やっぱ私が一番! 今燃えさかってるみたい そりゃ生まれながら スタンド使えるみたいだもん もっと活躍できなきゃ もう何かの間違いでしょ まだ私に気付いてない 遅れたポルポルも このマジシャンズ・レッドで C・F・H・Sするぞ 我慢してるの もう限界まで来ている すぐ後ろを振り返って 確認したいんだ この私無視しろ 冷酷な発想だが 全滅だけはさけたい 安全だけ考えれば 探知機反応無し ポルナレフッ!!イギーッ! 危ないッ! 世間で思われるほど じつは そんなにブ男じゃない私 仲間内のポルナレフより イカスルックス か も きっと私魔術師! 新たなスタンド攻撃に いつ倒れるかもしれない ハードワークでも だって声援をくれる この素晴らしい仲間達 もしポリシーを曲げたなら 彼らを裏切ることに それはできない 積極的にセツメイ 私が一番! 今燃えさかってるみたい そりゃ生まれながら スタンド使えるみたいだもん もっと活躍できなきゃ もう何かの間違いでしょ まだ私に気付いてない 遅れたDIOたちも このマジシャンズ・レッドで C・F・H・S かわせるかッー!!
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/309.html
ルイズの部屋は貴族の名に相応しいモノだった。 一人で使うには広い部屋に、アンティークの家具が置かれセンスが伺われた。 「……で、聞きたいことって何?」 イスに腰掛けルイズが聞く。 「………ここは地球なのか?」 長い沈黙の後、アヴドゥルは重く質問した。 ルイズを待っている際に見た空飛ぶ竜。 スタンドなのかもしれないが、あれからはスタンドの『エネルギー』は感じなかった。 死んだはずなのに、生きている自分。 全くの未知の場所。 それらが、アヴドゥルに一つの可能性を指示した。 趣味の古書集めに、生まれつきのスタンドも相まってアヴドゥルはSF的要素のある作品も読んできた。 その中でよく題材に上げられる『平行世界』に、自分は居るのかもしれないと……。 (この答えで分かるはずだ!) 自分に起きている状況が、起きた事が。 そんな、アヴドゥルの思いなど露知らずルイズは呆れていた。 (はぁ?チキュウって何よ?しかも…何か怖いぐらい真剣に聞いてくるし) 熱くなりやすく賭けに向かないアヴドゥルは、自身の表情の変化には気付いていない。 「だ~か~ら!さっきも言ったでしょ。ココはハルケギニア大陸のトリステイン王国のトリステイン魔法学院!」 さりげなく説明を付け足して言うルイズ。 その答えより現状を理解したのかアヴドゥルは深い溜息を付きつつ言う。 「………そうか」 出た声は掠れるほど弱かった。 (『異世界』が確定したか、だが来たのならば帰れるのも道理だ) 自分の生存をポルナレフ達に知らせるためにも、元の世界に帰らなければならない。 「送り返すような術はないのか?まさか、一方通行ということもあるまい」 「無理よ。送り返す魔法はあるけど、私にはまだ使えないし。例え使えても、私が知らない場所に送ることは不可能なの」 最期の望みはルイズの声でガオンッ、と消された。 続けてルイズの声が響く。 「ぐだぐだ言ってないで、さっさと私の使い魔になりなさい!」 「帰れないことは理解した。では使い魔とはどういったものだ?」 返す問いには答えず質問を返すアヴドゥルに、ルイズが頬を引きつり気味にし答える。 「使い魔は主人の目となり耳となったりするの、でもあんたにはそういったのはなさそうね」 何も見えないもんっと、目を瞑ったり凝らしたりしながら言い。 「他は秘薬なんかの探索だけど……これも無理そうね」 「ああ、わたしはココに詳しくないんでな」 ココを強調してアヴドゥルが言うが、ルイズは気にしない。 (どうせ、知られるのが恥ずかしいくらいの田舎から来たんでしょ。何がチキュウよ!) ルイズ的には、アヴドゥルは山奥の田舎者で決定らしい。 「最後に一番大切な役目だけど……」 チラッとアヴドゥルに視線を向ける。 身長は190サント近くがっちりしているため力はありそうだ。 だが、たかが平民に何が出来る。 結論を早々に付けるとルイズは残りを言った。 「主人を守ることよ、でもあんたには無理ね」 冷たいいいように少々カチンッと来たが、娘ほど離れた少女(外見から判断し中学生程度)の言い分だと思い堪える。 「そう、決め付けるのはよくないんじゃあないかな」 子供に言い含めるように言い返す。 敏感にガキ扱いされたのを察知したのかルイズが不機嫌になる。 「ふんッ、力は強そうだけど所詮平民じゃない」 「そのさっきから言っている平民とはどういうことだ?」 「そんなことも知らないの!?いったい何処でくらしたらそうなんのよ」 その後、空に暗くなるまで及んだルイズの熱弁を要約すると…。 1.貴族は魔法が使える 2.平民は魔法が使えない 3.平民は貴族に逆らえない 4.ヴァリエールは公爵家で偉い 5.ツェルプストーは色情狂いの一族 6.ルイズ様の黄金ツンデレ比について 7.貧乳はステータスだ! etc 途中から関係ないものも混じっていたが、そういったモノでは目が逝っちゃっていたので止めることが出来なかった。 「分かった。もういい。結構だ。…使い魔になろう」 他に行くとこも無く天涯孤独の身としては元より選択肢など無く。 会話から掃除、洗濯、雑用さえすれば飯にありつけるのも分かり。 魔法学院ということは、他より帰る手段も見つかりやすいだろうという算段。 どういう経緯か分からないが、命を救われた恩を返すため返答した。 それを聞き、逝っちゃった目で巨乳を罵倒していたルイズは目を覚まし。 「ぜーはー…ぜーはー……。分かればいいのよ分かれば。」 ルイズが荒い呼吸を納めると時間はいつもの終身時間。 熱弁のお陰か心地よい疲労感もあり、今日は寝ることにした。 「今日はもう寝るわ」 言葉と共に服を脱ぎ始めるとアヴドゥルからストップが入る。 「何をしているんだ!」 「ん?何って…寝るから着替えてるのよ」 自分がおかしなことをしていると、全く思っていない様子のルイズ。 「わたしがいるんだぞ。君からすればおじさんだろうが、異性がいるのに服を脱ぐのはやめておけ」 「なんで使い魔なんか気にしなくちゃいけないの?」 せっかくの忠告も、あんた人間じゃないでしょ?と、言わんばかりの返事を受けアヴドゥルは大人しく後ろを向いた。 目尻を押さえていると何か布のようなモノが頭に乗った。 「それ、洗濯しといて~」 まさかパンツを頭に乗せられるとは思わなかったが、子供のやることと説教をかますのを堪える。 アヴドゥルは態々、モゾモゾとベッドに潜り込む音が聞こえるまで待ち、振り返り当然の質問をした。 「それで、わたしの寝る場所はどこだ?」 部屋にベッドは一つ、ソファーのようなモノもなく壁床も石材。 再度見回していると、顔に毛布を投げかけられる。 「それで十分でしょ?私もう眠いの、黙って寝なさい」 ルイズの眠そうな声の後、照明が消され暗闇の中、アヴドゥルは立ち尽くす。 (子供のすることじゃないか。恩を忘れたのか我慢するんだ) 夜が明けるまで説教したい気を抑え、壁にもたれ掛り毛布を被り寝る体勢に入る。 (少女と一つ屋根の下か、ポルナレフなら喜んで変わってくれそうな状況だな………いや、幼すぎるか) ルイズを見、戦友には特殊な性嗜好がなかったはずと思いながら笑いを堪える。 ふと見た空には二つの月が浮かんでいた。 直ぐに、すー…すー…とルイズの寝息らしきモノが聞こえてくる。 ルイズの寝息をBGMに地球にはない月を眺めながら、アヴドゥルの意識は落ちていった。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/325.html
洗い物も終わり、マジシャンズ・レッドによる乾燥を行いながらアヴドゥルは考えていた。 昨日、中途はんぱに止めてしまった、仲間の夢について。 今でも鮮明に残っている…DIOを倒した承太郎の姿。 ジョセフ、ポルナレフの健闘。 そして、イギー…それに……花京院の死。 (占星術が……いや、『天の意』が知らせてくれたのかもしれないな) そう結論を付けることにした。 そもそもスタンドなんて異能を生まれつき持ち、今度は異世界旅行。 まともに考えるものじゃない。 結果は『結果』と認識するのが占い師である。 確かに自分も含め犠牲はあった。 だが、自分達は巨悪に勝ったのだ。 アヴドゥルは仲間の冥福を祈り、そして勝利を祝福した……洗濯物の乾燥をしながら。 洗濯物の乾燥も終わり、きちんと折りたたみ籠に入れる。 空を見る限り、ルイズに言われた起こす時間が迫ってきたようだ。 「ふむ。そろそろ起きる者も増えてくるだろう。急いで戻らなければ」 痴漢扱いは勘弁だ、そうでも言いたげに足早に部屋へと戻って行く。 無事部屋に戻り箪笥に洗濯物を直し、まで寝ているルイズを見る。 「くー…むにゃ…、……んふ~w」 にへらッ、とでも表現したらいいんだろうか。 ルイズは直してやった毛布をまたずらし気持ちよさげに寝ていた。 「………さて」 まさか、ポルナレフのように叩き起こす訳にもいかず。 無難に声を掛け起こすことにするアヴドゥル。 「おい。朝だ、起きるんだ」 何回か声を掛ける。 すると、意外と寝起きはいいのかすぐにルイズは目を覚ました。 「……ほへ?あんた誰?」 訂正 まだ、寝ぼけているようだ。 「忘れたのか、自分で使い魔と言っただろう」 少々の呆れを込め言ってやると、寝起きでも侮辱には反応するのか、顔赤らめ反論してくる。 「ふん!ちょっと起きたばかりだからど忘れしただけ!あんた使い魔のくせに偉そうよ!」 承太郎なら怒鳴りかねない反論に、アヴドゥルは溜息を付く。 「分かった。そう、朝から怒鳴るな」 まるで子供を諭す言い様に、ルイズは口を出しかける。 しかし、あまり口論して朝食に遅れてはいけないと考え直し口を閉じる。 (ふん!まあいいわ、朝食でしっかりと上下関係を教えてあげるんだから) 約束された勝利があるため機嫌を直し、着替えるためベッドから降りる。 「…よっと。もういいわ。あんた寛大で聡明なご主人様に感謝しなさいよ!」 ツン全開のルイズにアヴドゥルは苦笑を浮かべる。 だが、次の瞬間にはその苦笑も凍りついた。 「さっさと服を持ってきて着替えさせなさい」 いきなり何のたまるんだコイツ。 「ん?聞こえなかったの着替えさせろって言ってるの」 「いや、待て。確かに昨日、貴族は使用人がいる時は着替えを自分でしないと言っていたが……」 昨日の話を思い出しながら言うアヴドゥル。 「ええ、だから着替えさせろって言ってるの!」 「いや。わたしは男だぞ。嫁入り前の娘が…「使い魔に性別なんて関係ないわ。あんたは『犬』と同類なの」 アヴドゥルに意見に被せての、きついルイズ嬢のお言葉。 人間育った環境というものは大きい。 イスラム系の女性が多いエジプト、カイロ出身のアヴドゥル。 しかし、様々な国へ行ったことにより、肌を露出する程度は理解があった。 だが、着替えを手伝うのはさすがに抵抗がある。 っていうか、特殊な性癖の人以外、抵抗を覚えるだろう。 だが、ここで説教してもルイズが聞くとは思えない。 アヴドゥルは諦め、大人しくルイズの着替え、顔洗い、髪の櫛入れを手伝った。 (ポルナレフに譲ってやりたいな、本当に) 櫛を入れながら青空を見上げる。 『YES I AM』 かつての自分の名言と共に、薄くぼやけいい笑顔のポルナレフがGJをしていた。
https://w.atwiki.jp/jojoss/pages/39.html
モハメド・アヴドゥル(R) 画像 編集 レア度 R コスト 8 限界突破 ☆☆ 属性 赤 アビリティスロット数 2 アビリティキャパシティ 2 レベル ATK HP 1 0000 0000 最大 0000 0000 魂の覚醒 移動距離 射程距離 魂チップ 初期 43 62 4 最大 00 00 10 リーダースキル 赤の力 コマンドスキル 魔術師の猛撃 アビリティ タイプ スマッシュ アイテムブレイク
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/449.html
あのままギーシュが逝っちゃったまま帰ってこず、どうするか悩んでいたアヴドゥルを、ルイズは自室まで強制連行し問い詰める。 「いいこと!きっちり!はっきり!さっきのアレをちゃんと説明しなさい!」 「ああ」 「わざわざ授業まで休んであげたんだから。隠してること全部言いなさい!」 「別に隠しては…「うるさい!言ってなければいっしょよ!」 有無を言わせぬ『凄み』を放つルイズ。 「スタンドだかなんだか知らないけど…。そんなの今まで聞いたことないわ!」 「当然だ」 「何が!?」 打てば響くルイズの反応。 「この世界には存在しないからな」 「……どういうこと?」 突然の思っても見なかった答えに、先ほどまでの苛立ちも忘れルイズはきょとんッと目を丸める。 ルイズが冷静になったの確認して上で。 「わたしは『この』世界ではなく『別』の世界から来た」 アヴドゥルは真剣な顔で自分のことを語りだす。 自分が召喚されるまでに体験したことを……。 生まれながらスタンド-マジシャンズ・レッドを持っていたこと。 『別』の世界で占い師をしていたこと。 ジョセフと出会い友人になったこと。DIOと屈辱的な出会い。 承太郎、ジョセフ、花京院、ポルナレフ、イギー。仲間と駆け抜けたDIOとの戦い。 ポルナレフを庇い、敵スタンドによって死んだはずなのに、なぜか生き返りルイズに召喚されていたこと。 長くなったが一気に離し終えるアヴドゥル。 真剣な顔から嘘とは微塵も思えない。頭ではそう分かっているが、ルイズは自然と口にしていた。 「冗談じゃ……ないわよね?」 「ああ」 「……そう」 「やはり信じられないか?」 「信じるわ。あんたの話、嘘とは思えないもん」 「それなら結構だ」 正直にいうと、ルイズは困惑していた。自分の呼んだ使い魔が異世界人だったなんて、誰でも驚くはずだ。 例えルイズの数倍のツンデレ力(ちから)を誇る、長姉エレオノールでも同じだろう。 動揺を隠そうとし、少し語尾が強くなってしまったがルイズはさらに問い詰める。 「それはいいとして…。あんた!なんで隠してたの!?そんな大事なこと、普通は真っ先に言うでしょ!」 「それは違う」 「どう違うの。事実じゃない!」 「確信が持てなかったんだ。確信が持て次第、話すつもりだった」 「それは『前』の世界のことでしょ?あの力、ええっと~……。なんて言ったけ?」 「スタンドだ」 「そうよ、スタンド!スタンドはなんで黙ってたの!?」 「スタンドについては日常生活で使えないんでな、教える機会が無かっただけだ。危険がなければ使わないからな」 洗濯物の乾燥に使ったくせに、いけしゃあしゃあと返答するアヴドゥル。 「…なんか納得いかない」 答えを聞いても憮然としたままのルイズに、アヴドゥルは大人の対応で丸め込もうと謝罪と共に頭を下げる。 「わたしの配慮が足らなかった。すまない」 謝罪を聞きつつルイズは考える。ドットとはいえ、メイジを圧倒した自分の使い魔。 そして、使い魔の力はメイジの力。 ワルキューレを瞬時に消し炭にするほどの炎-おそらくスクエアクラス。 アレと比べるとキュルケの魔法なんて『火の粉』に見えてくる。 そんなアヴドゥルが大人しく自分に頭を下げている。 少し優越感が沸いたルイズは機嫌を直し、許してあげることにする。 「分かった。今回『だけ』は許してあげる」 「感謝する」 真正面からの感謝の言葉に、慣れていないルイズは思わず赤面しツンでる。 「ただし!」 指をアヴドゥルに突きつけつつ。 「次はないわよ。よーく覚えてなさい!」 アヴドゥルは簡単に口車に乗った様子を見。 (将来、詐欺に合わないか心配だな) ルイズの将来を心配していた。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/429.html
「マジシャンズ・レッド」 静かにアヴドゥルはスタンド-マジシャンズ・レッドにワルキューレへ炎を吐かせる。 一瞬にして炎に包まれるワルキューレを見つつ、アヴドゥルは戸惑う。 (おかしい。わたしは消し炭にするつもりで炎を放った…) ワルキューレは炎でドロドロに溶け動きを止めたが、辛うじて原形を留めている。 マジシャンズ・レッドの炎は優に数千度を超え、合金製の鉄格子をも瞬時に溶かす。 本来ならありえない現象に、過去に出した結論『炎がスタンドには効き辛い』を引っ張り出す。 マジシャンズ・レッドの炎は元が生命エネルギーのため、同じ生命エネルギーが元のスタンドには効き辛い。 これはゲブ神や、ポルナレフとの対戦から解る。 ゲブ神戦では、幾ら素早く動くとはいえ水を瞬時に蒸発できなかった。 数千度の炎だ、多少避けたところで『唯の』水なら絶対に蒸発する。 ゲブ神が一体化し、砂漠で自然蒸発することないよう強化されたから一部の蒸発ですんだ。 ポルナレフの時は、まともに土中を進んでも衰えない炎を数秒受けたのに軽度の火傷。 人間、皮膚の温度が70℃の場合1秒で火傷を負う。 幾らポルナレフが人間離れしていようと数千度を数秒受け、軽度で済むはずが無い。 炎からチャリオッツに守られていたはずだ。 以上よりマジシャンズ・レッドの炎は、スタンドに効果が薄いことが解る。 もちろん、他ならどんなモノでも燃やすことができることに変りは無い。 (どうやら、スタンドと魔法は近い性質を持つようだな) なら、ワルキューレに効き辛いのも納得いく。 冷静にアヴドゥルは、 「ムウン!」 さらに炎をぶつけ、ワルキューレを今度こそ消し炭にし、 「占い師のわたしに預言で闘おうなどとは…10年は早いんじゃあないかな」 固まったままのギーシュに、アブ的には渋い顔でキメ台詞を決める。 自分が『占い師』だと、まだ誰にも言っていないのを忘れて。 「……何アレ?」 信じられないものを目撃し、呆然と呟くルイズ。 周りも絶句していることから、みんなにも見えてるんだろう。 アヴドゥルの背後にいつの間にか現れた、2メイルはある鳥頭の巨人。 炎を纏い佇むそれは、口から吐いた炎でギーシュのワルキューレを『意図も容易く』火達磨にした。 ギーシュのメイジとして力量が、ドットでも高くないのは事実だ。 だが、錬金だけは得意で学年でも上位だというのも事実だった。 「ば、バカな!?僕のワルキューレが!?」 そのことを一番理解しているギーシュの驚きは、ルイズや周りの比ではなかった。 (どうやら『見える』ようだな) マジシャンズ・レッドへ向けられる、畏怖の視線からアヴドゥルは判断する。 性質が似ているなら『見える』のが道理だ。 まだ呆然としている周りを見回し、ルイズに視線を移す。 向けられた視線にルイズは、 (何で今まで黙ってたのよ!) 呆然とした表情を止め、吊りあがった目に言葉を載せアブドゥルを睨み付ける。 (やはり、口だけではないようだ) アヴドゥルは、ただ一人表情を変えたルイズに心中で笑みを浮かべ、マジシャンズ・レッドの能力がバレても大して困らず、 スタンドが見られた以上、説明しないと逆に危険と判断しゆっくり説明を始める。 「これはわたしの生命エネルギーが作り出す、パワーあるビジョンだ」 「傍に現れ立つことから、『スタンド』とわたしは呼んでいる」 「簡単に言うと…魔法のようなモノだ」 ざわめいていた群衆も、アヴドゥルの説明を聞くため水を打ったように静かになる。 「そして、わたしのスタンドの名は『マジシャンズ・レッド』」 声に合わせ空中に炎を吐き出す。 「能力は『炎を生み出し、操る』 「炎だけならメイジにも負けるつもりはない」 アブドゥルの説明は終わる。 「スタンドって何だよ?」 「あいつ平民じゃなかったの?」 「先住魔法なんじゃ…」 「でもエルフって美形って聞いたぞ」 「やっぱり魔物か!?」 説明を聞いても畏怖の視線は消えず、周りがまたザワメク中。 (あんな化け物に勝てる訳ない!スクエアクラスじゃないか、あの炎!) ワルキューレが一瞬にて燃やされたことにより、ギーシュは怯えていた。 闘争心は折れ曲がり、頭の中は絶望感で一杯満杯、表面張力限界! ―ーーギーシュに「平穏」なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから こっちにおいで~楽しいよ~w 一名様~ご招た~いw 変な幻聴まで聞こえてくる始末。 後ろに下がろうにも、無意識に下がっていたのか背中の後ろはすぐ壁。 (怖い。怖い。怖い……) あの平民が!あの人型が!あの炎が!あの顔が! ゆっくりと近寄って来るアヴドゥルに恐怖しか抱けないギーシュ。 「僕のそばに近寄るなああーーーーーーーーーッ」 杖を放り棄て、叫びながら頭を抱えて蹲る。 そんなギーシュにアヴドゥルの声が掛かる。 「誰も取って食おうとはしない。そんなに怯えるな」 「へ?」 キメ台詞時の極悪な顔から、殺されると思っていたギーシュは呆然と聞き返す。 「降参か?」 「……こうさん?」 「もう決着は付いただろ?」 少し困った風に聞いてくるアヴドゥル。 その言葉に緊張の糸が切れたのか、 「あは、はははははは」 鼻水を垂らし、泣きながら笑うギーシュの股はいつの間にか、『お茶』で濡れていた。 こうして決闘は誰一人怪我することなく、無事に終わった。 -ギーシュ・ド・グラモン 二つ名『青銅』 肉体は無傷 社会的権威失墜により(精神的に)再起不能 ・周囲(平民含む)より『生尿(せいにょう)』のギーシュと呼ばれ(平民は裏で)バカにされることに。 ・ケティに棄てられ、モンモランシーとも疎遠となる。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/733.html
ゼロの奇妙な道連れ 第一話 ゼロの奇妙な道連れ 第二話
https://w.atwiki.jp/jojo/pages/38.html