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「あ…ククール…だめだってばぁ……」 「なーんで?オレのこと…嫌いか?」 「違うよぉ…でも……誰かに見られちゃうよぉ……」 メタル狩りが終わって宿屋に移動中のゼシカは急に隣を歩くククールに町の城壁に押し付けられた。そしてククール の手はゼシカの服の中へと入れられ胸を弄っている。ゼシカも急な事でわけもわからずククールにされるが ままになっていた。 「やあぁ…ククール……後で…宿屋に着いてからじゃだめなのぉ?…ああ…っん…」 「ダメー。」 ククールはゼシカの天使のローブの裾を捲り上げた。冒険用のベージュのブラが露になる。 「やっぱゼシカはピンクの方が似合うぜ。この色は似合わないかもな。」 「だめだよぉ…見られちゃう……」 「大丈夫だって…オレが隠しといてやるから…」 ククールはブラを上にずらすと露になったゼシカの胸にしゃぶりついた。もう片方の胸もククールは手のひら 全体で隠すように揉みあげる。 「っぁん…だめ…やだぁ……あん…」 「はは、ゼシカの乳首おっきくなってるぜ?感じてるんだろ?」 「…っん……だって…ククールが…やぁん……」 ククールは乳首に舌を這わしたままゼシカのローブの中に手を入れた。そのまま太股を伝い這い上がって いく。 「ゼシカ…大きい声出すなよ。」 「だったらこんなとこで…あんっ」 ククールの指がゼシカのショーツの上からアソコに触れた。割れ目の間をショーツの上から激しく擦って 刺激を与える。薄っすらとショーツが湿り気を帯びてきた。 「っあん……やだぁ…ああん…ククール…だめ…やぁっ…はあん……」 「本当に嫌か?結構気持ちよさそうになってるんだけど。」 ククールの手がゼシカのショーツの端を掴んで膝まで引きずり降ろした。そして愛液が溢れだしているアソコ に指をあてるとゆっくりと擦りはじめた。 「あん……だめだよぉ…っん…いやぁ……ああんっ……」 ククールの肩をつかんで押し寄せる快感に浸るゼシカ。目がとろ~んとしてきて呼吸も荒くなってきている。 ククールは指を愛液で濡らすとアソコにあてがってからゆっくりと挿入した。 「…っんん…あ……っん……やぁ……」 「ゼシカ…声出してもいいぜ…」 「…あん……人がきちゃう…っん…もん……っゃん…」 指を締めつけるゼシカの膣内をククールは激しく突き上げた。その刺激でゼシカの身体が壁際で反り返る。 クチュックチュッっという愛液が指と絡む卑猥な音と共にククールの手が溢れだす愛液でぐちょぐちょに なってきた。 「ククール…装備汚れちゃうよぉ…あんっ…やあぁぁ……」 「そっか…まだ冒険用の装備なんだよな…。」 ククールはゼシカの胸から口を離すと身を屈めて天使のローブの中を確認した。もうアソコから太股にかけては 愛液でビショビショになっているが天使のローブは裾の方が少し濡れているがそれほど目立つ程で はない。 「大丈夫みたいだな。あいつとヤンガスが戻る前に…」 ククールはローブの中に手を入れるとたっぷりと濡れたアソコに指を挿入した。 「ああ…っん……ククール…っん…こんなとこじゃやだぁ……あん…」 「ゼシカこんなに濡れてるのに嫌なのか?うそついちゃだめだ。」 ククールは壁に手をつくと激しくゼシカの膣内を突き上げた。誰も居ない路地の片隅にククールの指とゼシカの愛液が 絡む音が響き渡る。 「あ、ああん…ククール…あ…ん……やあ…」 人に見られるかもしれないという恐怖と興奮からゼシカは早くも達しそうになってきた。自然と自ら 腰を動かし快感を求めだした。 「ああん…もうイっちゃうよぉ…やああん…っあん…あん…あん…」 「ゼシカ…可愛いぜ…」 ククールが更に指の動きを早めると同時にゼシカはククールにギュッと抱きついた。 「やあ…もう…イクぅ…ああん…イクのぉ…やあぁ……ああん…っん!」 ククールはゼシカの膣内からドロッと温かい粘液が溢れ出すのを感じた。急いでローブの中に頭を入れて アソコから溢れている愛液を舌で舐め取った。 「んー…ちょっと汚れたかな…」 「ククール…どうしてこんなことするのぉ…?」 急に町中で犯されわけのわからないゼシカは再び立ち上がったククールに問い掛けた。まだククールの口 の周りにはゼシカの愛液がついてイヤラシク濡れている。 「ねえ…ククールってばぁ…。そうしてこんなことしたのぉ?」 ククールは今までとまるで違う笑顔でゼシカを見た。 「あ?冗談だって!ゼシカびっくりしたか?」 「え?冗談だったのぉ?」 「当たり前だろ、こんなとこで本気でするわけないじゃん!」 「なぁんだぁ、冗談かぁ。あたしびっくりしちゃったぁ。」 「ゼシカ早く行かないとあいつとヤンガス待ってるぜ、きっと。」 「うん!今いくぅ!」 すでに先を歩き出しているククールのもとにゼシカは嬉しそうに駆けていった。 (もう…ククールってばびっくりしちゃったよぉ…。でも…装備どうしよぉ…)
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4人で暇つぶしに始めたポーカーは、ククールの全戦連勝。すでに夜も深い。エイトとヤンガスは もう寝ると言って部屋に引き上げてしまった。残ったのは、負けず嫌いのお嬢様と煩悩まみれの僧侶。 「…ゼシカ、お誘いは嬉しいけどオレも正直眠い」 「ダメよ、あと一回!あと一回だけつきあいなさい!さっきはいいところまでいったもの、次はいけるわ」 辟易していたククールの顔に、ふいに浮かぶ悪巧みのほほえみ。 「…いいぜ、じゃああと一回だけ。そのかわり、次でゼシカが勝てなかったら、罰ゲームな」 一瞬きょとんとしたゼシカの顔がわずかに赤らみ、キツくククールをにらみつける。 「…………イヤらしいこと考えてるなら燃やすわよ」 「バカだな、紳士は女性の弱味につけこんで手を出すなんて真似しねぇの。単純にその方が楽しいだろ? 罰は…そうだな。じゃあ、”指文字当て”で」 「なに、それ?」 「手の平とか、…背中とか?見えないところに指で文字書いて、なんて書いてるか当てるのさ」 「ふぅん。………別にいいけど、そんなのが罰ゲームになるの?」 「やってみりゃよくわかる」 「で、なんでククールがそんなに嬉しそうなのよ」 「やってみりゃ、よーくわかるよ」 怪訝そうなゼシカに、こみあげる笑いをおさえつつ、ククールはサラリとそう言った。 ククールはソファに腰掛け、長い足を組んで上半身だけを横に向けた。 そこには、ククールに背中を向けてソファの上に乗っているゼシカ。 準備は万端。そう、もちろん最後の勝負に勝ったのはククールだった。イカサマしたかどうかは このさいどうでもいい。目の前には、最高にいい女の剥き出しの背中が無防備にさらけ出されている。 その肌を目を細めて眺めていると、沈黙に耐えかねたのかゼシカがこちらを小さく振り返った。 怒ったような困ったような表情で、無言でククールを見ている。 この状況で、そんな目で、男を見ない方がいいぜ、お嬢さん。内心で苦笑しながら、 ククールは左手の手袋を口でくわえて、わざとゆっくりと外していく。ゼシカはそれをじっと見ている。 「……じゃ、やるぜ?ゼシカ」 「…………もったいつけてないで早くしなさいよ」 明らかに不安を帯びた声音とは裏腹な強気なお誘いに、ククールは小さく吹き出す。 身を乗り出したククールを見てゼシカは慌てて前に向き直ると、無意識に全身を思い切り強張らせた。 はじめは大胆にではなく、羽根のようにそっと指を辿らせる。 きめ細やかですべらかな肌。日に晒されながらも白く美しい背中。なんの警戒心もなく目の前に 差し出されている、そのうなじや、華奢な肩に、ツインテールの後れ毛。 いつも自分の目の前にありながら、触れたことなどほとんどなかった。 文字なんか書いちゃいない。時折ピクリと反応する背中を愛おしく思いながら、その感触を確かめる。 「………わかった?」 「………わかんない」 深夜の部屋に、男と女が2人きり。聞こえるのはもう何度繰り返されたかわからない囁くような問答と、 小さな息づかいだけ。お互い口にはしないものの、明らかに昼間の自分達とは違う濃密な空気に、 ゼシカは戸惑い、ククールは酔っていた。 姿勢を正して座っていられなくて、ゼシカはいつのまにか少しだけ前のめりになり、 手許のクッションをギュッと握っている。背中がくすぐったくて、熱い。ククールの長い指が 自分の背中を這い回っていると思うと、気持ち悪い…のに。気持ち悪いだけじゃない気が、する…。 ゼシカは意を決して声をあげた。 「く、ククール。………もう、やめましょ」 「……なんで?ゼシカまだ当ててないじゃん」 「だ、だからって。こんなのキリがないわ。罰ゲームだっていうなら、他のものにしていいから… ………これ以上、これは、続けたくない」 「………………………ふぅん」 不満気なククールの呟きにゼシカが背中を向けたまま硬直していると、離れていたククールの指が 再び背中に触れてビクッとしてしまう。指先だけじゃない、手の平全体で触れている。 「じゃあ…………。…………今から書くの、全身全霊で、感じて、当てて」 「え…?」 指が、ことさらにゆっくりとゼシカの背中をすべった。しっかりと意味をもつ言葉をつづりながら。 ゼシカは目を見開いた。ククールは、書き終わると無言のまま返答を待っている。 ゼシカの顔が赤いような気がするのは気のせいだろうか?耳も、背中も、ほんのりと染まっている。 「……………………………………………………わかんない」 長い沈黙の末に、ゼシカはそう答えた。 それを聞いたククールは、心底楽しそうにクックッと笑いながら指を離した。 ゼシカは顔どころか全身を赤く染めてうつむいている。 2人の特別な夜もお開きに近づき、ゼシカがようやく肩の力を抜いてため息をついた時。 「…………!!!!!」 最後の戯れとばかりにゼシカの背中に口づけを落としたククールが、背後で囁いた。 「………今のは、わかる?」 「………………………ッッ、~~~~~バカッッッッ!!!!!!!」
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「内側に跳ね気味。若干癖っ毛。…いや、猫っ毛って言うべきか?」 「…何、冷静にコメント入れてんのよ」 ドルマゲスを倒す目的で集まった筈の一行は今、息抜きも兼ねて不思議な泉に来ていた。 エイトはまず馬姫ことミーティアに泉の水を飲ませ、 トロデ王はそれを微笑ましげに眺めている。 ヤンガスはそれとなく二人の様子を見ながらも、地面に座って寛いでいる。 更にその後ろで腰を掛け、解けかかっていた髪を縛り直そうと 一度髪を解いたゼシカの頭を覗き込みながら、 揶揄するような口調で独り言のように零すククールに、 間髪入れずにゼシカが突っ込んだ。 「まあ、オレとしては別に綺麗なストレートでなくても良いんだけどさ」 突っ込みも然して気にした様子も無く、 胸より下まで伸びたゼシカの長い髪の毛を梳くように撫でた。 すかさずその手の甲をゼシカがパシ、と弾き飛ばすように叩く。 「勝手に触らないでくれる?エイトにギガデインして貰うわよ?」 「おーこわ。エイトは過保護だからなあ」 両腕を広げ、おどけて肩を竦めて見せるククールを、 口に髪ゴムを銜えながらゼシカが睨み付けた。 「どういう意味よそれ。エイトに何か文句でもあるの?」 「いーや別にー」 素っ気無い扱いをされても、ククールは移動しようとはせずに そのままゼシカの斜め後ろに腰を掛け、そっぽを向いて間の抜けた声で答える。 「…あっそ。いいわよ、もう」 何処までも不真面目な態度にゼシカは呆れて嘆息し、 ククールから目を逸らして髪を結び直す。 丁度二つ良い感じに結び終えた所で、 急に後ろから「ねえ」と声を掛けられてゼシカは驚き、思わず腰を浮かせた。 「な、何よ!いきなり話しかけないでよ!」 ドキドキと早鐘を打ち始める胸を押さえて、 首だけ後ろに向け声を掛けた人物を怒鳴り付ける。 けれどそこに見えた表情は、 先程のおどけたものとうって変わって酷く真面目なものだった。 「……なによ、ククー」 「ゼシカは、エイトのことが好きなのか?」 怪訝に思って名前を呼ぶ声を遮られ、唐突に真摯な表情でそんなことを聞かれ、 ゼシカの時間は思考と共に静止した。 数秒後。漸く平静を取り戻したゼシカが口を開く。 「…ば、馬鹿言わないでよ!何であたしがエイトのことなんか…」 「お願い。ちゃんと答えて」 思わず赤くなった頬を隠すように顔を背けた所へ、ククールの顔が近づいた。 ゼシカの顔の少し右側、首筋の辺りにククールの微かな吐息が掛かり、 先程とは違う意味で心臓がドクドクと物凄い勢いで波打つ。 「…ゼシカは、エイトが好きなのか…?」 ククールはそのまま顔をゼシカの、結んだばかりの髪に近づけ、 手袋を嵌めた掌で掬うように押さえて口付けを落とす。 ゼシカは心臓のあまりに早い動きと、間近に感じる気配に眩暈を感じるも、 泉の方から「ゼシカー!ククール!」と自分達を呼ぶエイトの大きな声にハッと我に返った。 瞬間、ゼシカは傍にいたくクールの姿を極力見ないようにして 勢い良く立ちあがり、直ぐ傍の林の中へ猛スピードで逃げ込んだ。 あっと言う間に目の前から消えてしまったゼシカの後ろ姿を呆然と見送って、 ククールは「ハッ」と自嘲的な息を吐く。 どうやら自分の憶測は当たっていたらしい。 図星をさされたのが恥ずかしいからか、悔しいからかはわからないが、 話を続けるのが嫌でゼシカは逃げたのだろう。 「…やっぱり、な。想像はしていたよ」 視線を泉の方へ変えると、 ゼシカの様子を不思議に思って駆け寄って来るエイト達の姿が見える。 「……オレも逃げちまいてえ」 そんな光景を目を細めて眺めながら、周りには聞こえない小さな声でポツリ、 寂しそうに苦しそうにククールは低く呟きを零した。 林に入って少しもしない所にあった大樹に背中を預けるようにして、ゼシカは足を止めた。 ハアハアと荒い呼吸を整えながら、ずるずるとその場に崩れ落ちる。 自分の首筋に、髪の毛に、 まだククールの気配が残っているようで落ち着かなかった。 心臓はまだ頭の中に鼓動の音が聞こえる程に高鳴っているし、 火を噴いてしまいそうな程顔も、身体も熱い。 『エイトのことが好きなのか?』 ククールの真理がわからない。それでも、切なそうに、 真剣な声音で聞いて来た言葉が耳の奥に焼きついて離れなかった。 膝を抱くように蹲って、顔を伏せると酷く泣きたい気分になって、 意味もなく目元を擦った。 「…何よ。そんな所ばっかり鈍感で…馬鹿みたい」 エイトのことが好きか、なんて何処を見てそんなこと言ってんのよ。 落ち着かない呼吸の所為でうまく紡げない言葉の代わりに、心の中で毒づく。 今更、今更過ぎると自分自身に言い聞かせるように繰り返す。 じわりと目尻に濡れた気配を感じて顔を顰めたまま、 立てた自分の膝に押し付けた。 このまま一人で泣いてしまいたい。 今更ククールのことが好きなんて、口が裂けても言える訳がないのに。 un titled2 un titled3 un titled4
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ククール×ゼシカ@Wiki ※最近手をつけていられなくてwikiの更新を大分長い間ストップさせてしまっていてすみません。 素晴らしい作品は今もククゼシスレに続々と投下されているので、少しずつまた保管を再開していけたらと思っています。 2011.11.01 wiki管理人 ここはDQ8のククールとゼシカのカップリングを推すまとめサイトです。 2ちゃんねるのスレを中心にまとめております。 現行スレはhttp //find.2ch.net/?STR=%A5%AF%A5%AF%A1%BC%A5%EB%A1%DF%A5%BC%A5%B7%A5%AB COUNT=50 TYPE=TITLE BBS=ALLから検索できます。 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| || クク×ゼシ Λ_Λ いいですね。 || \ (゚ー゚*) ||________⊂⊂ | ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ | ̄ ̄ ̄ ̄| ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ | | ~(_( ∧ ∧ __( ∧ ∧__( ∧ ∧ ̄ ̄ ̄ ~(_( ∧ ∧_( ∧ ∧_( ∧ ∧ は~い、先生。 ~(_( )~(_( )~(_ ( ) ~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ 過去ログ ククール×ゼシカでカプばな~ 【カリスマ】ククール×ゼシカ2【お色気】 【ハニー】ククール×ゼシカ 3【……バカ!】 【君を守るよ】ククール×ゼシカ 4【はいはい】 【みわくの眼差し】ククール×ゼシカ 5【愛のムチ】 【復活】ククール×ゼシカを推すスレ ククール×ゼシカを推すスレPart6 【水風船】ククール×ゼシカ8【うぬぼれ屋さん】 【落ち込むなよ】ククール×ゼシカ9【うん…】 【ブラコン】ククール×ゼシカ10【カップル】 【不良騎士】ククール×ゼシカ11【強気お嬢】... 【ハニー】ククール×ゼシカ12【バニー】... 【魅惑の青】ククール×ゼシカ13【情熱の赤】... 過去ログ全て見れるようになりました。 (携帯の方は1~5のログは閲覧できません。) サイト名 URL 管理人へのご意見・ご要望はこちらからお願いいたします。 - - -
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みんなで大盛り上がりのトランプ。負けたら罰ゲーム。このあとの買い出しで荷物持ち。珍しく、あのククールが負けた。本人は肩をすくめて、「こういう日もあるさ」と気取っていたけれど。 **「買い出しってお前ら、なんで今日に限って道具も装備も食い物もいっしょくたにすんだよ!」「だってこの街なんでも揃ってて便利だし」「他意はないでげすよ」「ハイ文句言わない。これもよろしくね、荷物持ちさん」両手に大きな紙袋を3つも抱えたククールの非難に、手ブラの3人はおかしそうに笑った。さらにゼシカが差し出した小さめの袋に、ククールはうんざりと眉をひそめる。「いやゼシカさんこれ以上無理だから。…って無理やり乗せるなよ!こら!」「うるさいわね、男なんだからそれくらいしっかり持ちなさいよ。それとも色男は力仕事が苦手だとか言うつもり?」「別に重いなんて言ってねぇだろ、これくらい余裕だっつーの。ただ…」「あら、じゃあまだ買い物しても大丈夫よね?エイト、角のお店に寄ってくれる?見たい洋服があるの」「ちょ、お前なぁ!」いつも通りのやり取りに笑いながら、仲間たちは普段よりも明らかに多めの買い物をした。途中からはゼシカがククールを引き連れてあちこちで買い物をしている間、エイトとヤンガスは喫茶店で休んでいたりしたのだが。日も暮れかけた帰り道。ククールの腕にはさっきよりもさらに幾つかの紙袋がかけられ、抱えた袋も嵩を増していた。少し先の前方に、エイトとヤンガスの後ろ姿がある。ククールとゼシカは夕焼けに照らされる街中を、並んでのんびり歩いていた。「……あ、ククール、ちょっとしゃがんで」ゼシカがそう言ってククールの服の裾を引っ張り、ククールは立ち止まってゼシカの方に重心を傾けた。彼が腕に抱えた紙袋のうちの一つを、ゼシカは背伸びしながらのぞき込み、手を突っ込む。袋の中から探し出したのは、開け口をきゅっとリボンでしばってある可愛らしい包み。「なんだそれ」「お菓子の詰め合わせ」嬉しそうなゼシカの返事に、うぇ、とククールが不満の呻きをもらす。「お前…人に荷物持たせるのにそんないらねーもんまで買ってんなよ…」「こんなの全然たいした重さじゃないでしょ。それにいらなくないもん」「いらねーよ。そういうのを無駄買いって言うの」「いるの。なによ、じゃあククールにはあげない」「あーごめんなさいすみません、やっぱりいります無駄じゃないです甘いもの」その調子の良さに呆れながらも、パクリとお菓子を食べながらゼシカが尋ねる。「何がいいの?キャンディ?クッキー?チョコ?」「ん~チョコ」「はい」少ししゃがんで首を突き出すククールの口の中に、ゼシカはチョコレートを入れてあげる。もぐもぐと咀嚼して、は~、と息。「うめ。やっぱこんな大荷物持たされて疲れてたんだなオレ。かわいそう」「勝負に負けた人が何言ったってはじまらないわよ」そっけないことを言いながらもゼシカは楽しげに笑って、大きなクッキーを半分に割り、ククールの口に突っ込んだ。そしてもう半分を自分で食べる。「おいしー」幸せそうに両頬を抑えるゼシカを見て、ククールも微笑んでしまう。「そりゃよかった」「次は何がいい?」「オレはもういいや。ゼシカ好きなだけ食べろよ」「えっ、これだけでいいの?もういらないの?」「甘いものは今ので十分」「男の人って信じらんない…」「常に甘いもん持ち歩いてる女の子の方がオレからするとよくわかんねぇけどなぁ…」ゼシカのウェストポーチの中に、常にチョコや飴が入っていることをククールは知っている。ぶつぶつと何か言いながらキャンディを口に入れるゼシカに、「甘いものはいいけど、なんかしょっぱいもの、買ってない?」「しょっぱい?フライドポテトは?ヤンガスが買ってたと思うけど」「なんでもいい」再び袋を探って目的のものを探し出すと、ゼシカはポテトの箱を持って、その一本をククールの口に運んだ。ゼシカが口元に近付けるたびに、あーと口を開いてそれを食べるククール。「飲み物ある?」「お水なら」荷物を両手いっぱいに抱えた彼に、食べ物を食べさせてあげる彼女。その光景が道行く人々の目にどう映っているかなんて、本人たちにはどうでもいいことだ。水筒のコップに水を注いで飲ませ、ポテトと言われればそれを食べさせる。しばらくそれを繰り返し、ゼシカは はた、と気付く。「…なんだかアンタ、いいご身分になってない?」「仕方ねぇだろ、両手ふさがってんだから」それはそうだけど、とゼシカは口唇をとがらす。ククールの罰ゲームなのに、これじゃまるで。「…私がククールのために奉仕してるみたいじゃない」ゼシカがふてくされて睨むと、ククールは最高の笑みでにっこり笑った。「わたくしはお嬢様の大切なお荷物をお預かりしている身ですので、それは大きな誤解というものです」「だったら自分で食べなさいよっ」「こんだけ荷物持たせといてどの口が言うかなーそんなこと」うぐう、と言葉を詰まらせるゼシカが可愛くて、ククールは笑いが抑えきれない。「あーうまかった。ごっそさん」「まったく夕飯前なのにあんなに食べちゃって…。お腹ふくれない?」「全然?むしろデザートとか欲しい気分」「…ほんと信じらんない」「なぁ、さっきのお菓子くれよ」「ダーメ。これからご飯食べるんだから、我慢しなさい」「菓子の一つや二つで腹なんかふくれねぇって」「ダメ」問答を続けるが、こうなった時のゼシカは断固としてククールのわがままを通さない。そこらへんの「しつけ」に関しては厳しいゼシカだが、いい年した大人の彼が甘いものをねだってブツクサと文句を言う様がなんだか無性におかしくて、思わず口元がゆるむ。「…ったくよー。ゼシカって時々、変に意固地っつーか態度デカイっつーか…」「はいはい。そんなに言うなら一つだけ、あげてもいいわよ」わざとらしくため息をついてゼシカが譲歩する。「え、マジで?珍しい」「そうよ。特別なんだから、ちゃんと味わって食べなさい」ゼシカが包みの中から取り出したお菓子の一つを手に取る。ククールは愛想よく返事をしながら、今まで通り、ゼシカの方に身をかがめた。抱えた荷物がこぼれそうだ。「もっと、しゃがんで」「もっとって、これ以上は…わっ」いきなり強引にマントの裾を引っ張られ、ククールの体が思い切りゼシカの方にかたむく。荷物が落ちる―――、咄嗟にそう考えたのと、同時。ククールの頬に、ゼシカの口唇がふわりと触れた。ドサドサドサッ。大きな荷物が音を立てて地面に落ちる間、ククールは石のように硬直していた。そして、素早く離れたゼシカが数歩先まで走って、ふいに振り返り、「――――間食もほどほどにしなさいよね!」そう叫んだのを聞いた時も、まだ硬直していた。彼女の姿が先を歩くエイト達に追いつき、さらにその道の向こうに姿を消してから。ようやくククールは口元を手で覆い、ゆっくりと天を仰いだ。「……………………間食なんかじゃねぇよ」地面に転がる荷物の存在に気付き、それを拾うため怠惰にしゃがみこむ。上の空でそれらを拾っていると、さっきゼシカが手に持っていたチョコレートが、まぎれて落ちていた。それを拾って、包みを開いて、口に入れる。甘い、とククールは呟いて、小さく笑った。そっと頬を撫でながら。それはチョコレートより、キャンディより、何よりも甘い。この世で一番甘いもの。2人の頬が赤く見えるのは、夕焼けのせいだけじゃ、きっとない。 **
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652 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/13(水) 19 10 52 ID lvbykkkH0 ここまでイっときながら、EDではくっつかない どころかククは他の女を引き連れて…何かが…何かがあったんだわーー!! ………と妄想するのが楽しくて仕方ないわけで 実際後半のククゼシってなんとなくいつも自然に一緒にいたんじゃないかにゃー 653 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/13(水) 20 00 56 ID 02WNJ7Ve0 後半なんて最初ククを毛嫌いしていたゼシカが 差し出されたククの手を自然に取るし ゲモン戦でもククがナチュラルにゼシカを庇うし、 マルチェロ戦の後はゼシカが心配そうな顔してククに駆け寄るし ムービーとかではいつも隣とか近くにいるし……… だけどククは最後他の女連れてにやにやしていて ゼシカはなんかヤキモチ妬いているっぽくて…… なんか色々ありそうでたまらんこの二人www 654 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/13(水) 23 09 43 ID LbJ6OXR60 多分端から見たら両思いなんだけど本人達だけ気づいていない あるいはクク辺りは気づいていても相手のためを思って 自分なんかは相応しくないと自ら離れようとする。 そんな感じに見えてならないエンディング付近の2人。 ククゼシフィルター常に全開 655 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 01 40 31 ID xXyAcJ7l0 ククのゼシカにやきもち妬かせちゃえ大作戦!…とかはないよねw 656 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 13 25 39 ID Wwopxiu3O 655 自分はそれもアリだ。 そんでメラくらうクク…ってどMじゃね? 自分は相応しくないからとゼシカから離れようとする自虐的?なククも ヤキモチやかせたいナーなんてお調子者なククもイイ。 ククゼシに関しては節操なしだわ 657 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 14 51 18 ID jrRLSapS0 ①ゼシカのためを思い身を引くため敢て嫌われるような行動を取るクク ②ゼシカにヤキモチ妬いてほしいな~なんて感じのお調子者クク ③ゼシカの気持ちが本当に自分にあるのか確かめようとする不安の塊クク どれもあり! ククゼシだったらどんなパターンでも萌えられるw 658 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 15 00 42 ID 198/Z7/B0 4・ただ単に「王族の結婚式見たいから連れてって」と頼まれたので、連れてきただけのクク も追加希望。 これは、ゼシカが自分を好きだなんて夢にも思わず、まさかヤキモチやかれるなんて 想像の範囲外で、なぜゼシカが怒ってるのか、わからないってことで。 ゼシカ相手になると、激ニブになってくれるククが好みなもんで。 659 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 21 45 39 ID sJTv4SHY0 ①~④の全部有り ④のにぶーいククもいいなw 別の選択として、ゼシカが自分の事を好きという事に気づいていないククの他に そもそも自分自身の恋心すらはっきり自覚していない激にぶククとかも好きだw 660 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 23 40 35 ID YKDyr/1U0 さらにそれに輪をかけて自分がヤキモチやいてることにカケラたりとも気付いてない 激・激にぶちんなゼシカww 「何怒ってんだよ?!」 「怒ってなんかないわよ!!」←メラ 「どう見ても怒ってるだろーがッ」←よける 「アンタなんか最低よククールのバカ大っキライッッ!!!!!!」←逃げる 「ちょ、待……… …………………………………………ってお前モシカシテ妬いてんのか!?!?」←追いかける このあとの展開はそれはもうアナタ… 661 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 23 57 42 ID r/OvRDVXO 660 ニブカプなククゼシもいける! もう気付くの遅いってククールw(・∀・)ニヤニヤ この後ククールがゼシカの腕を思いっきり掴んで引っ張りそのまま抱き締めて こっ恥ずかしい告白大会とかを繰り広げるのかなw 662 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/15(金) 04 17 27 ID MxKV9Od70 660 まさにそんな感じなんだろう、EDは 主人公視点でストーリーが進んでいたから その辺りやその後の様子はカットされてしまっただけで、 主人公がミーティアといい感じになっている裏で ククゼシの二人はそんなやり取りをしていたに違いない 663 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/15(金) 21 39 47 ID j3klemm+0 くっつきそうでくっつかないカプの王道を行く2人だけど やっぱ最終的にはきっちりくっついて欲しいねw 勿論くっついた後の展開も色々あるんだろうけど 664 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/15(金) 22 48 23 ID ke8dMIjEO 660 ククはここではっきり自覚したんだろうけど ゼシカは相変わらず自分の気持ちに気付いてなさそうだから この後一悶着ありそうw 665 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 01 00 16 ID DGdumU6T0 「うぬぼれないでよッッッ!!!!!!!!!!!」 ってやつっスねw うわーハゲ萌えるー 666 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 02 58 43 ID /o/OgG5N0 じたばた抵抗するゼシカをそのままぎゅーっときつく抱きしめてくれ>クク 最初は暴れていたゼシカがだんだんに大人しくなってきたら 「ゼシカが妬いてくれるなんて思ってもみなかった」とぽつりと呟いたりして 「なっ…別に妬いてないわよ!」と否定するゼシカを無視し ひたすら「嬉しいなあ」「漸くゼシカも俺に落ちてくれたか」とか肯定し続けて ゼシカ本人も自分の気持ちを認めざるを得ない状況に追い込んでいって欲しいw でもゼシカならどんなに追い込まれてもきっとやられっぱなしじゃない… 667 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 08 18 23 ID nG14sboM0 ひたすら「嬉しいなあ」「漸くゼシカも俺に落ちてくれたか」とか肯定し続けて 幸せそうなククを想像すると、萌え和む。 ゼシカがどんなに抵抗しても、絶対敵わない腕力差と、ククールの腕の中に すっぽり入ってしまう体格差が、もうたまらん。 ゼシカが戦士や武闘家タイプじゃなくて、本当に良かったw 668 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 16 32 15 ID ZcUNPaXJO ククは普段の気取ったような表情とか作れずに、 本当に幸せ全開といった感じのニヤ~~~って顔で ゼシカを腕の中に閉じ込めているんだろうな 669 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 21 15 27 ID r8Pz6KPA0 667 ちょうどすっぽり収まる感じがねww こりゃあゼシカはククに抱きしめられる為に生まれてきたに違いないな 670 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 02 12 53 ID nHc09JyB0 660 追いかけっこして あーだこーだして 口論の末ゼシカが 「だから、アンタが好きだって言ってんのよー!!!!」←メラゾーマ 「…ッうおおおおおお!!??」←直撃 「きゅう」 「…あっ、ククール!起きなさいよちょっと!返事してよ!」←ゆさゆさ 「「「………………」」」 そして661ということになるわけだな。脳内補完できた。 この後ククールがゼシカの腕を思いっきり掴んで引っ張りそのまま抱き締めて こっ恥ずかしい告白大会とかを繰り広げるのかなw 671 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 16 38 34 ID 2YylZt820 映画「耳をすませば」ばりの見ていてむず痒くなる 青春告白シーンが思い浮かんだw 672 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 18 21 17 ID FOXQFDql0 ククがゼシカを力一杯抱きしめながら 「ゼシカ、大好きだ!」と叫ぶんですね、分かります 673 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 20 10 51 ID kObudaZqO いいね。あー青春ククゼシ漫画読みたい! 674 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 21 47 31 ID en1pVQe00 テレビを見ていたら、とある俳優がとあるアイドルに惚れてなんとか口説き落とそうとし、 一方アイドルの方は(俳優のくせにちゃらちゃらした男!)と 印象最悪だったというエピソードをやっていてついククゼシに重ねて考えてしまったw その俳優とアイドルがドラマ撮影でキスシーンを演る事になり、 キスをした瞬間俳優の方が(やっぱ俺この人のことが好きだ!)と強く思って 演技と現実がごっちゃになり、唇が触れたらすぐ離れるという場面なのに 思わず30秒以上キスしたままだったとか。 後にその俳優とアイドルは結婚したらしいんだけど ずっとククゼシで脳内変換して見てしまったw 675 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 23 17 52 ID FLiCr+KXO 最初はちゃらついてて最悪な奴と思っていたのにいつしか恋に…というのは萌えパターンの王道w ククゼシは王道を行く萌えカプだと思います 676 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 23 28 23 ID wDNbQn/T0 669 2行目自重しろwwww 腕の中にすっぽり捕らえた状態で 「アンタなんかキライだって言ってるでしょ!!!!」 「うんうん」ニマ~ 「ちょっと!聞いてるの!?」 「聞いてる聞いてる」 「ダイッキライだって言ってるのよ!!」 「わかってるわかってる」 「わかってるなら離しなさいよ~!!!!」 もはやゼシカからの「キライ」が「スキ」にしか聞こえない幸せククールさん やべぇこのネタだけでむこう半年は萌えられる 677 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 23 52 40 ID dq8DkI2x0 676 では自分はそのネタで1年は萌えさせてもらおうかw ゼシカはゼシカで離しなさい!とか言いながらも ククの腕の中がどうしようもなく心地良く感じられてしまって 言葉とは裏腹にあまり抵抗できずにいたりしてね。 幸せ絶頂なククさんと、心臓が爆発しそうなくらいに ドキドキいっているゼシさんみたいな感じでお願いしますw 678 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/18(月) 18 48 21 ID EUjF9YAo0 クク本当に幸せ何だろうなーって感じでいいw それにしてもゼシカって抱き心地良さそうだよね 巨乳だしwもち肌なイメージがある ちょうど自分の中にすっぽり納まる感じもあって まさに極上の抱き心地を堪能するククル・・・ 679 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/18(月) 21 05 27 ID Wg562bSv0 676から萌え頂きました やっつけですが ttp //www6.uploader.jp/user/tttupttt/images/tttupttt_uljp00013.png 680 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/18(月) 23 07 08 ID 15a9Ti1G0 679 GJ! なんか告白シーンまで素直になれない感じが可愛いw ゼシカってかなりはっきりした素直な性格していると思うんだけど ククールに対して限定でツンデレっぽくなるのがいいww 逆に普段からツンデレっぽい感じのククールが ゼシカに対してたまにすごーーーく素直になったりするのも萌える
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ゼシカが珍しく風邪をひいた。しかもかなりひどい風邪だ。もちろん命に別状はないが、高い熱がなかなか引かず食べられないので体力消耗が激しい。ゼシカのベッドの周りに心配そうに集まるエイト、ヤンガス、トロデ王。ひたいの濡れたタオルをこまめに変え、汗をふいて、水を飲ませれば、もうしてやれることはない。薬を飲めば少なくとも熱の苦しさは減るのだが、そのためには何か食べなくてはならない。しかし何か食べられる?と聞いても、ゼシカは力なく首をふる。トロデが、食欲がなくても多少なり食べないと回復が遅れるばかりじゃぞ、と諭しても、ゼシカはどこか子供のように顔をしかめてふるふると首を振るばかり。仲間達はため息をついた。「――――ゼシカ」突然開かれたドアと共に飛び込んできたその声に、ゼシカはうっすらと目を開けた。持ってきた荷物を下ろして、ククールはゼシカのベッドに腰掛ける。「どうだ?なんか食べたか?」ゼシカだけでなく同時に仲間達にも向けられた問い。しかしわずかに顔をそむけたゼシカと苦笑を浮かべる仲間の反応に、ククールはまったく、と呟く。「食いたくねぇのはわかるけど、そのままじゃ しんどくてちゃんと寝ることもできねぇだろ。 せめて薬飲んで熱下げないと」「…ら、ない」「そんなしっかり食べなくていいんだよ。おかゆか何かもらってきてやるから、ちょっとだけでも食べて」頬に手の平を当てて熱さを確かめながら、な?と首をかしげる。ゼシカは不満そうに眉をひそめるものの、黙ってククールを見つめている。「それとも何かリクエストあるか?」汗ばむ額にかかる前髪をそっと後ろに流してやりながら訊くと、しばらくもぞもぞと落ち着かなげにしていたが、やがてかすれた声で答えた。「――――ククー…ルの、…お芋の…甘いの…」一瞬なんのことかわからなくてえ?と聞き返すと、「前、に、作ってくれたの…甘いの…あれが、食べたい」ククールは あぁ、と頷いた。以前野宿の途中に、さつまいもを練乳でやわらかく煮込んだ簡単なおやつを作ったことがある。修道院時代に、幼い修道士たちに何度か作ってやったりした。ゼシカはそれをひどくお気に召して、とってもおいしいこれ大好きありがとうククール!と無邪気に笑ってくれて、ひまつぶしに作っただけだがしてよかった、と思った記憶がある。あんなもんでいいならいくらでも作ってやるよと、ククールは厨房を借りようと立ち上がった。しかし。「………ゼシカ?」ゼシカの手がククールの服の裾をつかんでいる。ハッとしたゼシカはすぐにその手を放したが、表情は何か言いたくてたまらない様子だ。しばらく待っていたが何も言い出さないので、ククールはもう一度ベッドに座り直す。「どした?」伸ばされた手を握ってやる。ゼシカは何度も目線を合わせたりそらせたりしながら、しばらくしてようやく小さな小さな声で囁くように言った。「―――……いっちゃうの?」すがるような弱弱しい視線に、ククールは一瞬目を見開いて、それからクスリと笑った。病気の人間はとかく甘えたで寂しがりと相場は決まっている。「行かないと作れねぇだろ?どうしてほしいんだよ」おかしそうに笑うククールに、ゼシカはうぅ、と唸り、だって、と言い訳するがあとが続かない。「2、30分もあればできるよ。それとも待ってられない?ゼシカがそう言うならオレはここにいるけど」意地悪なフリをした、本当は慈しみと愛しさに満ちた声音。ククールが顔を覗き込むとゼシカは少し躊躇したのち、不満いっぱいの顔で、まってる、とぼそり。よしよしいい子いい子とからかうように頭をなでると、ゼシカは口唇をとがらせ、「……でも…すぐかえってきてよ」「ちゃんといい子でおねんねしてたらな」恨めしそうなゼシカの目線に、ククールは静かな笑みを浮かべた。そっと手を離して立ち上がるとまた寂しげに見上げてくる潤んだ瞳に、捕えられ、そらせず、ククールは苦笑した。シーツに手を付いて身をかがめ、彼女に至近距離で顔を近づける。「…口唇でいい?」その意味を読み取って、ゼシカは頬を赤くする。「…いいわけないでしょ…」「そう?してほしそうに見えたんだけど。…じゃあ、まぁ」こっちで。そう囁きつつ、ちゅっ、と音をたてておでこに落とされるキス。ゼシカは呆れたように赤面しながらもどこか安心したように身体の力を抜いて、去っていくククールを見送った。ククールが部屋を出て行ったあと、ゼシカは再びふっと目を閉じた。しかし彼のせいなのかどうかわからないがかなり喉の渇きを覚えたので、首をめぐらせて水を探す。すると視界のすみから腕が伸びて、エイトが水差しからコップに水を注いでくれた。ゼシカは内心ギョッとする。今の今まで、部屋の中にエイト達がいたことを忘れていたのだ。「水飲む?あ、起き上がるのつらい?よければ吸水もらってくるけど」「あ、…うん、…だ、大丈夫」平静を装い笑って手を振る。起き上がれないほどではない。時間をかけて身体を起こし、ベッドの背にもたれてコップを受け取った。顔が熱い。冷たすぎない水がおいしい。「あとで、もう一つ部屋とれないか聞いてくるよ。多分その方が、治り早いよね?」しばらくしてエイトがにっこり笑ってそう言った。きょとんとしたが、徐々に言葉に隠された含みを読み取って、ゼシカはさらに顔を蒸気させる。(あいつ…、わかってたくせに!バカッ!)今さら、ついさっき仲間達の前で、2人して何をしていたか思い出して腹が立つ。ハメられたような気がして悔しい。にこにこ笑っているエイトに「ここで大丈夫だよ」とぼそぼそ呟いて、もそもそと布団に潜り込んだ。ちがうのに。いつもは私あんなじゃないのに。風邪で弱ってるから心細いだけよ。そばにいてほしいだけ。それだけよ。心の中でひたすら言い訳していると、余裕いっぱいのククールの顔が思い浮かぶ。そして唐突に、やっぱり寂しい と自覚する。ゼシカはポツリと小さく彼の名を呼んで、目を閉じた。15④sage2009/04/22(水) 00 48 28 ID 2XTK2dRe0頭を撫でられている、と思ううちに徐々に意識が上昇し、ふいにパチリと目を開いた。ゼシカの視線にまず天井が映り、すぐにベッドに座って自分のひたいに手を当てているククールの顔を見つける。「…クク…」「まだ寝てていいぜ」いつのまにか寝てたんだ、と思い、ふとただよう甘い匂いに気づく。「………つくってくれた?」「あぁ。食べるか?」こくんと頷く。「起きれるか?」ククールは皿を手にとってゼシカを振り向く。そう聞かれ、なぜかゼシカの頬がほんのりピンクに染まった。ククールが ?と小首を傾げると、ゼシカは彼をじっと見ながら、枕の上で小さく頭を横に振った。吐息だけで口唇が「むり」と告げる。ククールは一瞬 虚をつかれ、それから優しく笑った。とろりとした中身をスプーンでよそって、横になったままのゼシカの口元に近づける。「まだあったかいぜ。ちょっとずつでいいからな」ゼシカは上目づかいにククールを見つめながら、戸惑ったような表情でそれを口にくわえた。少し咀嚼して、ゆっくりと飲み込む。「…おいし…」花がほころぶような笑顔に、ククールも微笑む。ゼシカの表情はたちまち弛緩し、もっと、と素直に甘えた声を出した。はいはい、と答えながら差し出すスプーンをゼシカが躊躇なくパクリとくわえるのに、愛しくも笑いがこみあげる。「皿ごと喰うなよ?」「…そんなことしないもん」クックッと笑われて、ブスッとするゼシカ。それでも、少しずつ皿の中身を胃に入れていく。ククールはそんなゼシカが、心底から可愛くて仕方ないと思った。実は、ゼシカのリクエスト料理を作って部屋に戻る途中、ククールはエイト達と廊下で出会っていた。「僕たちちょっと宿のご主人に部屋のこと聞いてくるね。もし一人部屋でも空いてたらぼくとヤンガスはそっちに移るから、君たちはこのままあそこを使って。トロデ王にはそろそろ姫様のところに戻っていただくし」「ゼシカは?」「大丈夫だよ。自分で起き上がって水飲んでたし、今はそこまで辛くないみたいだ」「起きてた?自分で?そうか…よかった」「今少し寝ちゃったみたい。何かあったら呼んで」「あぁ、サンキュ」仲間のさりげない気遣いに感謝する。…ぶっちゃけオレ達と同じ部屋にいたくなかったのかもしれないが。仕方ない。ゼシカが素直に甘えてくるものだから。しかも犯罪的に可愛く、しかも自覚なしで。今のうちに可愛いゼシカをとくと堪能しておこうと考えてしまうのは、男として当然だ。しかし彼女が自分で起き上がったと聞いて、安堵すると共に心のどこかで期待していた「はい、あ~ん」はできないのか、といささか残念に思ったのも事実。だから。ゼシカが隠し事をしている時のバレバレな表情で首を振り「起きられないから、食べさせて」と意志表示したときは、なんというか猛烈に、言葉にしようのない愛しさを感じた。皿なんか放り投げていきなりキスしたいくらいに可愛かった。しかし、ちゃんと踏みとどまる。ゼシカの可愛すぎる「うそ」に、気づかないふりをしてあげる。ゼシカは3分の2くらいを食べ終えると、ごめんね、もういい、と言った。頭を撫でてよく食べられました、とからかうと、もう、と不満をもらすが笑ってそれをかわして荷物の中から薬を取り出す。「じゃあ最後にこれ飲んで、ちゃんと寝ような」「…にがいの?」「甘いよ」「あまい?」ゼシカは怪訝な目で彼を見上げた。ニッと笑ったククールが皿の中で何かをしていると思ったら、スプーンでそれをすくって自分の口に運んだ。そして突然ゼシカに顔を近づける。「―――や、ちょ…んぅ…」抵抗する間もなく口唇をふさがれた。薄く開いた口唇の間にあたたかいものが入り込んでくる。甘い、甘い、甘いもの。ゼシカは無意識にそれを飲み込み、引き続き口内で優しく動いている彼の舌にされるがままになっていた。(…あまい)甘いおやつより、もっともっと甘い。しだいにゼシカも自分の舌をククールの口内に忍び込ませ、その甘さを味わうことに没頭する。息を紡ぐのが難しくなるくらいに口唇をはみ舌をからめて、やっとそれを解いた時には、熱のせいなのか、薬のせいなのか、ククールのせいなのか、ゼシカの瞳はとろんと溶けていた。「……おいしかった?」「うん…」「オレも」「…………。…………り」「え?」「……おかわり」ククールは目を丸くし、息をとめた。いつもの強気など微塵も感じさせないゼシカのすがるような瞳が、ククールの次の行動を待っている。引力のように引き寄せられながら、再びククールの顔がゆっくり下降していく。「――――――お前、カワイイにもほどがあんだろ……」“おかわり”する直前に抗議のように呟くものの、しかしその威力に逆らえるはずもないのであった。
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ドルマゲス追跡時以来、久しぶりにベルガラックを訪ねた一行は、成り行きでギャリング家の家督騒動に首を突っ込んでしまっていた。 一行はギャリング兄妹からひと通りの依頼内容を聞き屋敷を出た後、その依頼をどう受けるかについての相談を町はずれですることにした。 「ユッケを嫌っているわけじゃないけど、護衛するなら私はフォーグがいいな」 口火を切ったのはゼシカだった。それにすかさずククールが茶々を入れる。 「さてはゼシカ、ユッケちゃんがオレに惚れたらヤバいって思ったんだろ?」 「何を馬鹿なこと言ってんの?」 負けず劣らず、ゼシカの応酬も素早いものだった。 ゼシカは片手を腰にあて、もう片方の手の人差し指をククールの鼻先に突きつけて話を続けた。 「だってユッケはベルガラックで一番のお嬢様でしょ?街の人たちから見て得体の知れない一行よりは部下をつけた方がいいんじゃないかって思っただけよ」 「おいおい、まるでオレらが悪い虫みたいな言い方だな」 「「オレに惚れたら」なんて言ってるんだから、どこから見ても悪い虫じゃない」 「そんなのアッシはどっちでもいいでげすよ」 色々な意味で馬鹿馬鹿しい、といった空気を漂わせるヤンガスの冷めた一言が割り込んだおかげで、ゼシカとククールの妙なやりとりは一旦止められた。 「オレは断然ユッケちゃんだね。エイトも護衛をするならユッケがいいよな?」 全くもう人の話を全っ然聞いてないんだから…と言いたげに、ゼシカは冷ややかな視線でククールを見ながら肩を落とす。 ククールに意見を求められたエイトはその様子を見ながら暫く考え、口を開いた。 「ゼシカの話も分からないでもないんだけどさ。部下の人たちと僕たちを比べたら、多分僕たちの方が戦力的に勝ってると思うんだ」 「闇の遺跡での事を考えりゃ、確かにそうでげすな」 うんうん、と、ヤンガスが頷く。 「で、僕たちがユッケさんの護衛をすれば、フォーグさん側との戦力バランスが五分に近づくと思うんだ」 「二人の勝負の為に、できるだけフェアな環境を作ろうってことね?」 「うん、そういう事。それでいいかな、みんな?」 「兄貴の言う事に間違いはねえでげすから、アッシは賛成でがすよ」 ヤンガスがそう言う中、ククールは無言でエイトの側に歩み寄り、その正面に立つと両手でエイトの肩をガッシリと掴む。 「うむ。見事な騎士の選択だ。やっぱ女のコを守ってこその騎士だぜ」 そう言いながらバシバシとエイトの肩を叩き始めた。 「騎士は関係ないでしょ、騎士は!」 やたらと嬉しそうな様子のククールを呆れ顔で見ながらゼシカは言った。 「騎士なら男女の別なく守るもんでしょ?普通」 「イヤだね。フォーグに誓願立てたわけじゃあるめーし」 「ほらやっぱり!結局ユッケとお近づきになりたいだけ……」 何故か言葉は途中で途切れ、ゼシカは黙り込んでしまった。 「あれ?どうかしたのゼシカ?」 ゼシカはククールの言葉の中にあった、聞いたことのない言い回しが気になって仕方がなかった。 気になったら確かめなければ気がすまないのがゼシカの性分だ。 しかし言葉の主であるククールに聞くのが癪だと思ったゼシカは、エイトの呼び掛けをこれ幸いにとエイトに向かってその疑問を投げ掛けた。 「ねえエイト……「誓願立てる」って、何?」 「ああ」 エイトは柔らかい笑みを見せながら話し始めた。 「騎士が主君に忠誠を誓うことを、誓願を立てるって言うんだよ」 「ふうん」 ゼシカは瞳を丸くしてエイトの説明に耳を傾ける。ククールの不純な動機のことはすっかり蚊帳の外となってしまっていた。 「僕も近衛兵に登用して戴いた時にやったんだよ。玉座の間で、大勢の見届け人がいる前で、正装して」 「へえぇ、なんかかっこいいね……」 今まで旅をしてきた中で三つの国の玉座の間に入る機会に恵まれたゼシカは、エイトの語る儀式の様子を脳裏に思い描いていた。 茨に覆われてはいたものの、トロデーン城の玉座の間は吹き抜けになった高い天井と大きなシャンデリアと広さが印象的で、その豪華さは三国の中で文句なく一番だった。 そこを舞台に行われた王室の儀式は、さぞかし盛大で荘厳なものだったのだろう……。 丸くなっていたゼシカの瞳は、いつの間にかうっとりとした状態に変わっていた。 「端から見りゃかっこいいかもしれねぇけどよ?当の本人は必死なんだぜ」 だよな!と、ククールが再びエイトの肩を叩きながら言った。 「作法間違えてねぇか、セリフ間違えねぇか、ってな」 「そうなんだよねー」 頬を掻き、苦笑いをしながらエイトが頷く。 やけに具体的なククールの言葉を聞いて、ゼシカは現実に引き戻された。 そしてハッとする。 「ええっ!?もしかしてククールもやったの?その儀式」 「当たり前だろ!失礼な…。オレだって騎士のはしくれだぜ」 大袈裟に仰け反り本気で驚くゼシカの側にククールは歩み寄り、話を続けた。 「マイエラ修道院のは、聖堂騎士団の指輪を授かる儀式でもあったけどな」 「そんな大事な指輪を、あんたってばホイホイと他人に渡したのね」 「ちゃんと戻ってきたんだからいいじゃねーか」 にやりと笑い、そう言いながらククールは右手でゼシカの右手を取る。 「指輪ならいらないわよ?」 「違うって!話のついでに誓いの言葉、聞いてみないか?」 一度首をもたげてしまったゼシカの興味は治まらなかった。 「うん……折角だから聞いてみようかな」 ゼシカの回答を得たククールは目をつぶり、深呼吸をする。 「では、リクエストにお応えして…」 一言、また一言と、異様ともいえる間隔を空けながらククールは誓いの言葉を綴っていった。 「平和な時、いくさの時、生きる時も、死す時も」 ゼシカはその様子を見て素直に感心していた。 (ふうん…。普段ふざけてばかりいるけど、やることはちゃんとやってきたんだ、ククールってば) 「この時より以後、主君が我を解きたもうまで」 マイエラ修道院のどの場所で儀式は行われたのだろう? 入ってすぐの広間だろうか?それとも噴水のある中庭だろうか? 「神の腕(かいな)に我が魂が抱かれるまで」 (うわぁ…これ、すごくかっこいい………) 聞き慣れない文体であることも手伝って、ゼシカは再び夢心地となりつつあった。 ふっ、と不意に右手が僅かに下へ引かれたことでゼシカは我に返り、ククールの姿を見て唖然としてしまった。 先程まで立っていたはずのククールが跪いているではないか! その姿だけでも衝撃的であったのに、続くククールの言葉と行動はゼシカに更なる衝撃を与えた。 「我が主君、ゼシカに忠誠を誓います」 そんな言葉を言われた後、手の甲に恭しく口づけをされてしまっては、ゼシカは顔を引きつらせ赤面するより他はなかった。 「…以上が騎士側の一連の流れ、さ」 立ち上がってさらりと言ってのけるククールを見て、ゼシカは何か言いたげに口をパクパクとさせていたが、全く言葉にならない。 成り行きとはいえ自分から希望した状態なので、文句の言い様もなかった。 「ほんとは最初っから跪くんだけどな。でもそうしてたらゼシカ、多分最後まで聞けなかっただろ?」 ククールはいつものように、にやりと笑いながら言う。 「………もうっ!!」 ゼシカは地団駄を踏むと、くるりと三人に背を向けた。 「もう……恥ずかしすぎてみんなの顔見てられないじゃない!!」 そう言い放つと脱兎の如くその場から駆け出して行ってしまった。 「気が強くても、あれで根は純情な娘っ子だ。からかうのも程々にしといたらどうでげす?」 呆れた口調のヤンガスに、ククールは彼方にあるゼシカの後ろ姿を見つめたままポツリと言った。 「別にからかったつもりじゃないんだけどな」 一旦言葉を途切った後、振り返ったククールは努めて軽薄な口調で続けた。 「あーそうそう。今の見届け人はお前らってことで、よろしくな」 「ええーっ!!?」 「ななっ!?どうしたんでげす兄貴!?」 ヤンガスはエイトの今までにない驚き様に驚いただけだったが、エイトは別の理由で心底驚いていた。 「そ…それって、その…言葉は変だけど二股になるんじゃ?」 「言うにことかいて二股かよ!…人聞きの悪い」 予期せぬ言葉に噴き出した後、ククールは真顔でエイトの疑惑を否定した。 「オレが請願を立てたオディロ院長は召されてしまったんだから、さっきまでオレはフリーだったんだぜ?」 「あ、そうか。そういう事になるのか」 エイトは拍子抜けするほどあっさりと納得する。 肝が据わっているのか深く考えていないのか、そのあっけらかんとした表情からはどちらとも伺い知ることはできなかった。 二人のやり取りでようやく状況を把握できたヤンガスは、深くため息をつく。 「なるほど。ゼシカの姉ちゃんと同じく、アッシも一生縁がないと思ってた事を背負い込まされたわけでがすな…」 そう言って途方に暮れるヤンガスの肩を、エイトはポンポンと叩いて慰めた。 「さてっと!頃合いを見計らって我が主君殿のご機嫌を伺わないとな」 「夕暮れ前にはギャリング家にご挨拶に行きたいから、それまでに頼むよククール」 了解、と手で返事をしながら、ククールはゼシカの走り去った方角へと向かった。 (やっぱ主君側の言葉までは説明できなかったか……) 儀式の続き。 主君が騎士に下賜する言葉は、ククールの記憶では確かこういうものだった。 「そなたの誓いをこの胸にとどめ、その働きに報いを与えよう」 「忠誠には愛。武勇には栄誉。不忠には復讐で報いよう」 歩きながらククールは苦笑する。 (不忠には………多分メラゾーマだよな、ゼシカの場合……) ~ 終 ~
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「い、いやっ、ククールやだ、やだや…、ちょっ…」「ヤダってゼシカ嘘つくなよ…もう限界だろ…」「おねがい…ッ おねがいだから、だめ、まって…ッ、いれないで、まっ…」「んなの…、無理だって…ッ!!」「いや、やだ、あ、あ、あ、…………~~~ッッッ!!!!!!」ゼシカの声にならない叫びが尾を引いた。夜も更けた宿の調理場を借りて、まだ眠くないからと2人でココアを飲みながら話し込んでいた。決してそんなつもりはなかったのに、成り行きでいつのまにかこんなことになってしまった。はじめて結ばれてから、まだ数えるほど。慣れないどころかこのテの知識が徹底的に皆無だったゼシカにとって、一回一回のセックスでなされる全ての行為がはじめてで、あまりにも衝撃的なことばかり。その一つ一つを丁寧に、優しく、そしてそれはもう楽しんで教え込んでいるククールは、「恥ずかしくて、信じられなくて、でも、したくないわけじゃない」はじめての性に翻弄されまくっているゼシカにもうメロメロであった。メロメロゆえに抑えが効かない。挿れないでと言われれば挿れてしまう、若い下半身。あんな愛撫も、こんなプレイも、まだまだ一向に慣れそうにない幼い精神とエロい身体。そんな現状でこの夜2人は、調理場の机にうつ伏せての、後ろからのセックスにふけっていた。なるべく気を付けたが、若干汚してしまった調理場を何事もなかったように片してから、ククールはゼシカを抱き上げて部屋に帰った。そういえばお互いの部屋以外でしたのは初めてだ。こんなイケナイことしてる自分たちを誰かに見られたらどうする?誰か来るかもしれない、誰か聞いてるかもしれない…そんな風に責めれば責めるほど、やっぱりゼシカの身体は敏感に反応した。うんうんいい調子だ…ククールが悦に入りながら一人コクコクと頷いていると、ベッドに降ろしたゼシカがハァッ…と、明らかに震えながら深い息を吐きだしたので、ククールは驚いて自分もベッドに腰掛けうつむいた顔をのぞきこんだ。「どうした?寒いか?」ゼシカは腕を交差するようにして自身を抱きしめながら小さく首を横に振る。「震えてる。……さっきのか?痛かった?もしかして」髪やひたいに何度も優しく口付けながら尋ねると、ゼシカが再び否定するように首を振る。「ちが、う…。…ごめんなさい、大丈夫…」「嘘つくなよ。どうした?言って」どう見てもいつもの行為のあととは違う。慣れない快楽に翻弄されて茫然自失になっても、こんな…どちらかと言えば怯えているような反応を見せたことなんてなかった。怯えている?何に?オレに?「ごめん…怖かった?あんなとこでするの、もうイヤ?」大切に大切にゼシカの小さな体を抱きよせて腕の中におさめると、ゼシカもそっと身体をあずけてくる。しばらくそのままでお互いの体温を交換していた。ゼシカが落ち着くのを、じっと待つ。やがてゼシカがククールの胸の中で、くぐもった声で呟いた。 「―――こわかった…の」「うん…なにが?」「…わたし、やだって…言ったのに…」そう言われて、ククールは記憶をたどる。実際あの極限の興奮状態のさなか、覚えていないことも色々ある。やだって、…あれか。 「挿れないで、って?」途端、カアッ!!と一気にゼシカが全身を朱に染めた。ククールはククールで、まさにその時のことを思い出し、イヤらしい笑みが押さえられない。「だってお前、仕方ねぇじゃん。あそこまでやっといて挿れるのはナシなんて、絶対無理…」「ちがうっ!!そうじゃなくて…」「多分気付かれてねぇから大丈夫だよ、宿主じいさんばあさんだったから」「ちがうったら!あ…っ。……………それもだけど、でも、そうじゃなくて」ゼシカはククールの腕の中から抜け出し、背中を向けてぺたりと座りこんでしまう。「…こわかったのよ…」「だから何がだよ。言ってくんないとヤダって言ってもまたやっちゃうぞ」わざと意地悪な響きでそう言って先を促すが、それでもゼシカはしばらく黙ったままだった。告げるのに相当の勇気を要するようだ。ククールはぼんやりとそれを待ちながら、彼女の少し乱れたツインテールとうなじ、薄いシルクの寝着にうつる無防備な艶めかしい身体のラインを眺めやって、あーもっかいヤりてーなぁ などと考えていた。「………………ククが、したい…なら、私も、する…けど」しぼりだされるような小さな声。「ホントは…いや… ………。 ……………………。 …………………………………………ぅ」「え?」「…………………………………………ぅしろからは…」一瞬 呆然としたのち、ククールは あぁ、と納得する。自室以外は初めてだったが、そういえばバックでしたのも初めてだった。しかもベッドの上じゃなく机で立った状態で…という、いささかアクロバティックな。「ゼシカはバックいや?」「ばっく…」「あぁ、後ろからするの」「い、イヤっていうか…」耳まで真っ赤にさせて、ゼシカは一生懸命答える。「……ククールの顔が、見えないのが…不安で…。なんにも掴めないし、なんだかもう… どこかに放り出されちゃいそうな気がして…怖かったの…」普段、ゼシカは快感に耐えきれなくなると、精一杯の力をこめてククールの背に腕を回す。完全に余裕がなくなると、知らずに爪を立て、ククールの背に何度か傷をつけたこともある。大きな声が抑えきれそうにない時は、最初にククールがそうしていいと言ったように、彼の肩を噛んで必死に耐えた。でも、今日みたいな態勢では、そのどれもができなかったのだ。わななく指先は必死に机の端を掴んで、でもその頼りなさは、襲い来る感覚を何も軽減してはくれなかった。耳に直接吹き込まれるのは荒い息遣いだけで、今自分にこんなことをしているのが誰なのか、何度もわからなくなった。そして、声も…。 ククールはハッとして唐突に気づき、慌ててゼシカの腕を手に取った。そこにはやっぱり傷が。もしかしなくてもゼシカが自分でつけた噛み痕が、わずかに血をにじませている。「うわ…っ、ごめんゼシカ、マジごめん。気付かなかった…」「だ、大丈夫よこれは。それより私こそごめんね、私、いつもククールにこんな」「背中のひっかき傷と噛み跡は、男の勲章。それよかお前にこんな痕残させるとかありえねぇ」口づけて、舌を這わせながら、ククールは呪文を唱えてその傷を消し去る。「…そうだな…。こんなことになるなら、もうバックはしないでおくよ」「あっ、でも、でもね、いいの、私、ククールがしたいなら、私、別に…」「我慢するなって言ってるだろ。あれは成り行きで後ろからになっただけで、別にどうしても そうしたいわけじゃねぇよ。オレだってゼシカの可愛い顔見ながらしたいし」「…うん…」手を差し伸ばしてもう一度抱き合う。「怖かったか…ごめんな」改めて謝る。順調に教え込んできたつもりだったが、本当にまだ慣れてないんだな、と思う。身体ばかり成熟していて快楽に貪欲なのに、心はまだまだ付いていけず混乱しているのだろう。かわいそうに悪いことをした、と思う反面、その二面性のなんと魅力的なことか。「でもさ、ゼシカ…ちゃんとイったよな?」怖かったのならイケなかったのでは、と思いついて、いや確かにイっていた、と思いおこす。腕の中でゼシカは顔をあげることができず、小さく頷いただけだ。怯えてはいても、身体が委縮してしまったわけではなかったのだろう。…というかククールの記憶では、むしろいつもより感じていたような。いつもより若干乱れていたような。(…てことはやっぱりゼシカって天性のマゾヒストかもな)心は嫌がっているのに、強引にされてしまったことで身体はより感じて達してしまうのだ。ついでにあのシチュエーションにも、本人の意思を置いて、身体はかなり反応していた。そんな自分に戸惑っている、未だ純情以外のなにものでもない無垢なゼシカに、イヤ、やめて、恥ずかしい、と言われれば言われるほど、ククールもまた、己の中の何かが目覚めていくのに気づかないふりはできなかった。(オレも自分がこんなサドだとは知らなかったぜ)実際 彼女の泣き顔は媚薬だ。昼間に見たらみっともなく狼狽するしかないが、ベッドの中で流されるゼシカの涙は、もっと幾らでも泣かせてみたいという思いにさせられる。 (――――――でも、まだ、もうちょっとは自重しないとな)ゼシカの中の性の気質は、まだ芽生え始めたばかりだ。たやすく摘み取ってしまっても、乱暴に踏み荒らしてしまってもいけない。ゆっくりと、丁寧に育てていかなくては。…彼女自身は気づかないようなやり方で、少しずつ少しずつ、いつかオレのサディスティックな欲のすべてを、壊れずに受け入れられるようになるまで。「……クク?」ハッとして我に返ると、ゼシカが心配そうな顔で見上げていた。己の意識の底にある昏い願望がバレないように、咄嗟に笑顔を取り繕う。…とりあえずは。「じゃあゼシカ。明日は対面座位でしような♪多分ゼシカがいちばん好きな体位じゃないかと思うし」「たいめざ…何、それ…。また私、そんなのわかんないよ…」「いーのいーのゼシカはわかんなくて。オレが全部教えてやるんだから」そう、オレが。オレだけが。自分の胸に寄り添って眠るゼシカを見つめながら、ククールは己にそう誓った。
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人気のない路地裏。店と店の間の狭い狭い空間。通りかかっただけでは、人がなんとか通れるくらいの隙間がそこにあることすら気付かないだろう。しかもかなり奥まで入り込むと、汚れた板や壊れた木材などが歩道をゆく者の視線を遮り、その先は完全に死角のスペースとなる。ククールはいつからこんな場所があることを知っていたのだろう?それとも偶然?ただの買い出しのはずだった。ククールいわくデートがてらの。気付いた時にはゼシカはそこにひきずりこまれ、逃げ場を失っていた。お互いの身体をかなり密着させないといけないほどの狭いスペース。汚れた壁に押し付けられ、なにごとかと見上げたククールの目には、すでに欲情が燃え上がっていた。いきなりのキスがうっとりするほど優しかったから、それを許可してしまったのがそもそものミス。調子にのった…のか、それともそれこそ計画通りだったのか。当然ながらククールの要求はそれだけでは納まらず、抵抗する間もあればこそ、たちまち彼の手はゼシカの身体中を撫で回しはじめ、いつの間にやらしんぴのビスチェは中途半端に乱され、脱がされていた。強引に剥き出しにされた両の乳房が布からはみ出し、超ミニスカートから伸びる眩しいニーハイの足元で、引きずり落とされた下着がくしゃくしゃになっている。ゼシカは始終抵抗した。ククールの指先が背中のラインを縦にくすぐる。胸の先端を唾液でベトベトになるほどなぶり噛みついて、残った指先はあってなきような短いスカートの裾から太ももを辿り、否応なしに濡れ始めた割れ目をからかうようになぞっている。噛みしめた唇の隙間から思わず恥ずかしい声が出ても、それでも理性だけはなんとか保った。だってこんなところで。数メートル先で雑踏を行き交う大勢の人たちの喧騒が聞こえるのに。こんなところでスルなんて…!「ぁふ…っ、は…っ、あ、アッ、ダメ…バカ…!」「…誰もこんなとこでオレ達がセックスしてるなんて思わねぇって。こんなすぐ誰かに見られちまうような 普通じゃないとこでさ…」ククールは知っている。ゼシカが羞恥に悦ぶことを。だからわざとそんな言い方をする。「仮に見つかったって…我慢できずにこんな場所でヤっちゃうほど、ゼシカは淫乱なんだって思われるだけだ」「ち…っ、がう…っ」ゼシカの腕が弱弱しく、自分の股間にある彼の手を押しのけようとする。その瞬間ククールは一番長い指を、収縮を繰り返すそこにいきなり突き入れた。指は卑猥な音すら響かせ、やわらかいその内へなんの抗いもなくスムーズに飲み込まれていく。「――ッッッ!!!アッ、…ハ…ッ…いや…!」「すんごい濡れてんな…」「もう…ダメ…これいじょ…っ、あっ!そこイヤ!んん…っ」「ココ触っちゃイヤ…?ゼシカがいちばん可愛く喘ぐとこなのに」ゼシカは全身を震わせながら、なんとか快感をやり過ごそうと口唇を噛んで耐えた。いちばん弱い一点を親指で刺激されて、頭の中が吹っ飛びそうになる。もう理性は風前のともしび。 本当は信じられないほど興奮しているのを自覚している。真昼間の街中。行き交う大勢の人との間にろくな隔たりもないこんな場所で、胸もアソコもさらけ出して、いやらしいことをして、興奮している。もう身も世もなく声を上げて、啼いて、泣いて、没頭してしまいたかった。そんなことを考えてしまうほど確かに自分は淫乱で、どんなに嫌がってみせたってククールにはお見通しなのだ…「あっ、あっ、あ…っ、もうダメ…やめ、てよ…っ」ゼシカは恥ずかしさのあまり両手で顔を覆って、泣きじゃくりながら懇願した。3本に増えた指を容易に銜えこんでビクビクと腰を跳ねさせて悶えているくせに、まだ言うか、とさすがのククールも不満気に眉をひそませる。「めちゃくちゃ気持ちいいんだろ?なに意地になってんだよ、ホントにやめていいのか?」「やめ…、だっ…、……だって…こんな…」「挿れてほしくないのかよ、コレ…」すっかり開ききって蜜をしたたらせるそこに、ズボンの中で熱く張りつめている塊をグリグリと押し付け、ゼシカの入口を何度もくつろげる。切望しているその存在を誇張されて、ゼシカはよだれを垂らすように自分の中からドクリと何かが溢れ出したのを感じた。欲しい。助けて…死んじゃいそう…「…ッ、もって…な」「え?」「もって…ない、でしょ…っ、つけなきゃ…ダ…」そう。恋に溺れて、セックスに溺れて、現実を見失うようなことだけはやめようと約束した。大切なかたき討ちの旅。世界を救う旅。世界は2人だけのものじゃない。大切な仲間との旅。お互い気持ちを隠すことはもうできなかった。しかし、最低限の節度を、ケジメを、と。ゼシカは訴えた。本当はしたい。それはもう否定しない。でも、それだけは譲れない。流されちゃダメ…―――ふいにククールがニヤリと笑ったので、ゼシカはぎょっとした。「…持ってる」ズボンのポケットから出されてきた薄いビニールに、うそ、と口唇だけで呟く。ククールの勝ち誇った笑みに呆然とする…「つけるならいいんだよな?お前そう言ったよな?」「い…っ、いつから…、アンタ…ッ、なんで…!?」「さぁなぁ。…それじゃ、お許しも出たことだし…」いつのまにか際どい部分に擦りつけられている生身のソレを握らされ、ゼシカは思わず悲鳴をあげた。「ゼシカがつけてよ。だってゼシカのお願いだもんな?」「い、イヤよッッ!!!!!!バカッッ!!!!!!!」「それじゃあ挿れてやれねぇなぁ」「イヤよ…そんなの…バカ…ッ。……いじわる…」「“イヤ”って、どっちの意味で?」顔を真っ赤にさせ涙を浮かべてうつむくゼシカがあまりにも可愛くて、もっといじめたくなるのをククールはなんとか自重する。口で封を切り中身を取り出すと、震える小さな手に自分の手を重ね、隆起しているそこに触れさせた。彼女の指を操るようにして、「必需品」のアイテムを2人で一緒に装着する。まさに「セックスをするための準備」を自らの手で彼のそこに施す、という倒錯的な行為にゼシカの息はますますあがった。私はなんてはしたないことを、という自嘲と羞恥の入り混じった困惑と手にした熱い存在を欲してやまない欲望がぐちゃぐちゃになって、思考を侵していく。そして、羞恥に身悶えながらもゼシカのつたない指先は自分の怒張にからみついたままで、その幼さと卑猥さのアンバランスに、ククールの最後の理性も気前よくどこかに吹っ飛んで行った。 「…ッ…ゼシカ…叫ぶなよ」ククールの余裕のない声が耳元でして、ゼシカはハッと我に返った。―――そういえば。そういえば、こんな狭い場所でどうやってするの?寝転がれるスペースなんかもちろんない。後ろから…も、自分が下半身を付き出せるほどの幅がない。密着したこの態勢から動きようがない。戸惑いながらククールを見上げた瞬間彼の手が片方の太ももを胸に突くほど高く持ち上げて、ゼシカは目を見張った。「えっ!?…ッ!!い、いや!ウソ…!!」「なにが…」「こ、こんなままで…っ!?む、無理よ…立ってなんて…」ゼシカの訴えにククールはそういやはじめてか、と呟き、しかしかまわず腰を押し進めた。先端が入口をくすぐり、わざと敏感な突起を弄ぶ。「あぅ…っ!ん、んん…ッッ…やだ、イヤだやめて…」「大丈夫だから。絶対支えててやるからオレにしがみついてろ」「イヤ…ッ!!こわい…ッッ!!」「怖くない怖くない」ズル、と自分の中に分け入ってくるモノを眼下で驚愕の思いで見つめながら、ゼシカは必死で首を振った。「…ホラ…ちゃんと入るだろ?」「あ…あ…あ…ア…っ!!は…っ」ゼシカは目を見開いたままククールの背にしがみつき、少しずつ、徐々に全長が埋め込まれていくのを嫌というほど実感する。真横から侵入してくるよく知っているはずのソレがいつもとは違う角度でゼシカの性感帯を擦りあげ、目眩がするほどの悦楽をもたらす。ここまでなんとか(若干とはいえ)抑えてきた嬌声が、もうこらえきれないことを悟る。雑踏から奥まった場所。か細い喘ぎなら届かなくても、悲鳴のように叫べば側を通りかかった人の耳にはきっと聞こえてしまう…「く、クク…!!動か…な、で…っ……ッ、こえ、が…」「……バカ。動くに決まってんだろ…ッ」腰ごと抱えあげた足を揺さぶり、ククールもゼシカも強烈な快楽に苦痛のような表情を浮かべた。ゼシカは口唇を噛みしめ、出かかった大声を無理やり飲み込む。目尻に涙をためて堪えているその表情はなんとも扇情的で嗜虐心を煽るが、ゼシカのそんな顔を誰かに見られて嫌なのは間違いなく、声を抑えるなとうかつに言うわけにもいかない。ククールは汗のにじんだ額をゼシカの額にコツンと合わせ、優しく微笑んだ。「…ゼシカ。叫びそうだったらオレの肩噛んで。遠慮しなくていいから」躊躇したが逆らえる術もなく、ゼシカは荒い息のまま喘ぎなのか返事なのかわからない声を漏らした。とろんと とろけた瞳で、上着を脱いだ、ククールの肩にシャツごとカプリと噛みつく。湿った吐息が肩や首筋に注がれ、ゾクリとククールは背筋を震わせた。唐突に腰を揺すぶりあげ、最奥まで自身を突き入れる。「―――ッッ!!!!ア、アァ…ッンンン…!!!!」途端にゼシカは苦しそうなうめき声をあげ、ククールの肩に思い切り歯を立てた。そして爪を。その痛みが、いっそうククールの動きを激しくする。ゼシカの止まらない涙がククールの肩を濡らす。ククールも、ゼシカの肩に噛みついた。快楽の声を抑えるためではなく、所有の証として。昼日なかの街中の路地で、カリスマとおいろけというエロスのスキルを極めた男女がセックスに酔いしれていることに気づいた者がいたのかどうかは、定かではない。