約 3,983,358 件
https://w.atwiki.jp/dragonvale/pages/138.html
ゴールドオリンパスドラゴン/Gold Olympus Dragon Gold【名】金,黄金 Olympus【名】オリュンポス山 基本情報 解禁Lv Level 17 レア度 エピック 属性 期間限定 無し 交配時間 通常 35時間 購入 2,250 短縮 28時間 売却 2,000,000 孵化時間 35時間 経験値 250,000 ゲーム内説明 堂々たるオリンパスドラゴン。ドゥー…で作られた…あ…巻物を間違えた、ごめんね。オリンパスドラゴンの古代の種族は野生では凶暴な生き物だけど、集団で行動する必要があるときには℃のドラゴンの種族よりもれんけいが上手。金色のオリンパスドラゴンは一番大きく、もっともめずらしい種類だよ。ほとんどの場合、高く雄大な山頂で自分たちだけですごしているけど、オリンパス生息地も居心地がいいようだね。 +英語版 The majestic olympus dragon. Forged in the fires of Mount D...wait...that s the wrong scroll, sorry about that. The ancient breed of Olympus dragons are fierce competitors in the wild, although when teamwork is called for, no dragon is more focused than an Olympus dragon. The Gold variety is the largest and rarest form of this type of dragon. 入手方法 お店から1,750 で購入する。 2頭のドラゴンでエアエレメントとアースエレメントとカミナリエレメントを含むように組み合わせてブリードする。 稼働率(ブースト無し) Lv 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 /分 30 48 66 84 102 120 138 156 174 192 210 228 246 264 282 - - - - - ゴールドオリンパスドラゴンを必要とするブリード 特になし エピック オリンパス ドラゴン
https://w.atwiki.jp/quizbc/pages/704.html
不浄龍カースドラゴン(フジョウリュウ~) p e 属性 雷 コスト 21 ランク A 最終進化 A レベル HP 攻撃 合成exp 1 ? ? ? 50 1,369 1,368 ? 最大必要exp 19,564 No. 0418 シリーズ カースドラゴン Aスキル リバースエンド 敵単体へのダメージ極大アップ(25%) Sスキル ライトニングブレス 敵全体へ雷属性の中ダメージ(60%/7turn) 売却価格 14,400 進化費用 - 進化元 - 進化先 - 入手方法 Dragon s Blader 上級 ボスドロップ(低確率) 備考 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/orecaapplication/pages/86.html
種族ボーナスHP+10 ブレスによる全体攻撃がメイン。 第4章で強力な単体攻撃を持つ炎竜サラマンダー、全体攻撃で高火力のスカーレッド・ドラゴンが登場。 (尤も、強力な単体攻撃を持つ者は第2章で岩竜ロックドラゴンがいたが、当時はブレスだけ注目されていた。) その後も、攻撃面では時空竜ビックバイパーや猛毒竜ベヒモス、妨害 補助面ではホワイトドラゴンなど優秀な者が続々と登場し、活躍を見せるようになった。 新序章で、この種族のLv10のみでチームを組むと、(BOSS)シルバードラゴンが出現する。 また、第3章か第7章で、この種族の☆4かつLv10のモンスターを編成すると、第3章の場合は(BOSS)漆黒の竜騎士レオン、第7章の場合は(BOSS)伝説の竜騎士レオンが出現する。 カードNo. 属性 クラス モンスター名 入手条件 OB00-005 火 ☆ タマゴン 対 OB00-006 火 ☆ ケロゴン(赤) ア OB00-017 火 ☆ 火竜のタマゴ B OB00-018 火 ☆ プチドラゴン C OB00-019 火 ☆☆ レッドゴン C OB00-020 火 ☆☆☆ レッドラゴ C OB00-021 火 ☆☆☆☆ レッドドラゴン C OB00-022 土 ☆ 太竜のタマゴ 対/B OB00-023 土 ☆ ベヒ C OB00-024 土 ☆☆ ベヒモ C OB00-025 土 ☆☆☆ ベヒモス C OB00-026 土 ☆☆☆☆ 重竜ベヒモス C OB00-027 水 ☆ 水竜のタマゴ B OB00-028 水 ☆ チビドラゴン C OB00-029 水 ☆☆ ブルゴン C OB00-030 水 ☆☆☆ ブルドゴン C OB00-031 風 ☆ 鳥竜のタマゴ 対 OB00-032 風 ☆ ドラコッコ C OB00-033 風 ☆☆ ケツアル C OB00-075 土 ☆ 蛇竜のタマゴ 対/B OB00-076 土 ☆ バイパー C OB00-077 土 ☆☆ ムシュ C OB00-078 土 ☆☆☆ ムシュフ C OB00-079 土 ☆☆☆☆ 怒る蛇ムシュフシュ ア OB00-083 風 ☆ 銀竜のタマゴ B OB00-084 風 ☆ ギン C OB00-085 風 ☆☆ シブイチ C OB00-086 風 ☆☆☆ シロガネ C OB00-087 風 ☆☆☆☆ シルバードラゴン ア OB00-099 火 ☆ 火山弾 B OB00-100 火 ☆☆ ヴォルド C OB00-101 火 ☆☆☆ ヴォルドン C OB00-102 火 ☆☆☆☆ ヴォルケイノドラゴン ア OB00-107 火 ☆☆ ドラン 合 OB00-108 火 ☆☆☆ 竜人ドラン ア OB00-112 火 ☆☆☆☆ ラヴァ・レッドドラゴン 合 OB00-120 土 ☆☆☆☆ ゴールドドラゴン ア OB01-002 水 ☆ ケロゴン ア OB01-005 土 ☆ 黒竜のタマゴ 対/B OB01-006 土 ☆ クロドラゴン C OB01-007 土 ☆☆ ファヴ C OB01-019 水 ☆ カメのタマゴ 対/B OB01-020 水 ☆ ヤドカメ C OB01-021 水 ☆☆ カブトガメ C OB01-022 水 ☆☆☆ グソクガメ C OB01-023 水 ☆☆☆☆ 仙竜ゲンブ C OB01-045 風 ☆☆☆ ケツアルカトル ア OB01-048 水 ☆☆☆☆ ブルードラゴン ア OB01-051 水 ☆ 氷結精 B OB01-052 水 ☆ ブリザー C OB01-053 水 ☆☆ ブリゴン C OB01-054 水 ☆☆☆ ブリザゴン C OB01-055 水 ☆☆☆☆ ブリザードドラゴン ア OB01-083 水 ☆☆☆☆ クリア・ブルードラゴン 合 OB01-090 土 ☆☆☆☆ 棘竜ゲンブ ア OB02-002 土 ☆ ケロゴン ア OB02-008 土 ☆ 岩竜のタマゴ B OB02-009 土 ☆ ロック C OB02-010 土 ☆☆ ロックドン C OB02-011 土 ☆☆☆ ロックドラン C OB02-012 土 ☆☆☆☆ 岩竜ロックドラゴン C OB02-036 土 ☆☆☆ ファヴニ ア OB02-037 土 ☆☆☆☆ 暗黒竜ファヴニール C OB02-041 土 ☆ 竜のズコツ 対/B OB02-042 土 ☆ ボーン C OB02-043 土 ☆☆ ボーンド C OB02-044 土 ☆☆☆ ボーンドラゴ C OB02-045 土 ☆☆☆☆ スカルボーンドラゴン ア OB02-055 土 ☆ 竜灰 対/B OB02-056 土 ☆☆ アッシュ C OB02-057 土 ☆☆☆ アッシュドラン C OB02-058 土 ☆☆☆☆ 灰竜アッシュドラゴン ア OB02-072 土 ☆☆☆☆ 冥王竜ファヴニール 合 OB02-083 火 ☆ 吸血竜のタマゴ B OB02-084 火 ☆☆ ヴァン C OB02-085 火 ☆☆☆ ヴァンプドラゴ C OB02-086 火 ☆☆☆☆ 吸血竜ヴァンプスドラゴン ア OB03-001 風 ☆ ケロゴン ア OB03-011 土 ☆ ヤマタマゴ 対 OB03-012 土 ☆ ツチ C OB03-013 土 ☆☆ オロツチ C OB03-014 風 ☆☆☆ オオオロチ C OB03-015 風 ☆☆☆☆ ヤマタノオロチ ア OB03-037 風 ☆☆☆☆ 龍神ククルカン ア OB03-045 土 ☆ 金竜のタマゴ B OB03-046 土 ☆ ファン C OB03-047 土 ☆☆ ファファン C OB03-048 土 ☆☆☆ ファンロー C OB03-049 土 ☆☆☆☆ 竜帝ファンロン ア OB03-053 風 ☆ 大樹竜の球根 対/B OB03-054 風 ☆☆ ルートン C OB03-055 風 ☆☆☆ ルートドラン C OB03-056 風 ☆☆☆☆ 大樹竜ルートドラゴン ア OB03-072 風 ☆☆☆☆ 神樹竜ククルカン 合 OB03-083 火 ☆ シロッチ 対 OB04-010 火 ☆ 炎竜のタマゴ 対/B OB04-011 火 ☆ マンダー C OB04-012 火 ☆☆ ラマンダー C OB04-013 火 ☆☆☆ サラマンダー C OB04-014 火 ☆☆☆☆ 炎竜サラマンダー ア OB04-039 火 ☆☆☆☆ スカーレッド・ドラゴン 合+ア OB04-042 火 ☆☆☆ ダークサラマンダー 合+ア OB04-043 火 ☆☆☆☆ 黒炎竜サラマンダー ア OB04-053 火 ☆ 鉄のタマゴ 対/B OB04-054 火 ☆☆ アイドン C OB04-055 火 ☆☆☆ アインドラン C OB04-056 火 ☆☆☆☆ 黒鉄竜アイアンドラゴン ア OB04-082 火 ☆☆☆☆ 灼鉄竜スティールドラゴン 合/合+ア/ア OB05-014 水 ☆ 凍竜のタマゴ 対/B OB05-015 水 ☆ フロス C OB05-016 水 ☆☆ フロドラ C OB05-017 水 ☆☆☆ フロスドラゴ C OB05-018 水 ☆☆☆☆ 凍竜フロストドラゴン ア OB05-039 水 ☆☆☆☆ グランブルー・ドラゴン ア+合 OB05-045 水 ☆☆☆☆ 時空竜ビックバイパー ア OB05-055 水 ☆ 竜氷山 対/B OB05-056 水 ☆☆ グレド C OB05-057 水 ☆☆☆ グレイドン C OB05-058 水 ☆☆☆☆ グレイシアドラゴン ア OB05-059 風 ☆☆☆☆ 竜皇フェイロン ア OB06-011 水 ☆ 白竜のタマゴ B OB06-012 水 ☆ パール C OB06-013 水 ☆☆ パドラ C OB06-014 水 ☆☆☆ ホワイドラゴ ア OB06-015 水 ☆☆☆☆ ホワイトドラゴン ア OB06-038 土 ☆☆☆☆ 猛毒竜ベヒモス ア OB06-039 土 ☆☆☆☆ 漆黒竜ファヴニール ア+合 OB06-044 火 ☆☆☆ ダークドラゴ ア OB06-045 火 ☆☆☆☆ ダークボーンドラゴン C OB06-075 土 ☆ 聖なるタマゴ 対/B OB06-076 土 ☆☆ アーク C OB06-077 土 ☆☆☆ アークドラン C OB06-078 土 ☆☆☆☆ 聖竜アークドラゴン ア OB07-009 風 ☆ 汚れたタマゴ 対 OB07-010 風 ☆ クズ C OB07-011 風 ☆☆ グズリ C OB07-012 風 ☆☆☆ グズリュー C OB07-013 風 ☆☆☆☆ 神竜クズリュウ ア OB07-039 風 ☆☆☆☆ 雷神竜ククルカン ア OB07-044 火 ☆☆☆ ヤンロン ア OB07-045 火 ☆☆☆☆ 陽龍ヤンシェンロン ア OB07-053 風 ☆ 白黒タマゴ 対/B OB07-054 火 ☆☆ ヤンシャオロン C OB07-055 水 ☆☆ インシャオロン C OB07-056 火 ☆☆☆ ヤン C OB07-057 水 ☆☆☆ イン C OB07-060 風 ☆☆ 竜戦士リント 対 OB07-061 風 ☆☆☆ 竜剣士リント C OB07-062 風 ☆☆ ククル 対 OB07-063 風 ☆☆☆ 龍人ククル ア OB07-064 土 ☆☆ ベーマス 合 OB07-065 土 ☆☆☆ 竜人ベーマス C OB07-066 水 ☆ リザー 対 OB07-067 水 ☆☆ リザド C OB07-068 水 ☆☆☆ 蛇闘士リザド ア OB07-076 風 ☆☆☆☆ 渾沌龍タイチーロン 合 OB07-079 風 ☆☆☆☆ 迅竜剣士リント ア OB07-080 風 ☆☆☆☆ 龍神主ククル C OB07-081 土 ☆☆☆☆ 竜太人ベーマス ア OB07-083 風 ☆☆☆☆ 覇星神ライシーヤ B OBSP-001 水 ☆☆☆☆ クリスタルドラゴン B OBSE-001 風 ☆☆☆☆ エメラルドドラゴン B PC12-001 火 ☆☆☆☆ ダンテズ・レッドドラゴン B PC13-001 火 ☆☆☆☆ 祟竜ヤマタノオロチ B PC14-001 水 ☆☆☆☆ 陰龍インシェンロン B OBSP-004 火 ☆ ケロゴン(金) B DCCC-002 火 ☆☆☆ ファイアドレイク B DCCC-005 土 ☆☆☆☆ プラチナドレイク B
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/9114.html
セブンハンド・百頭(ひゃくとう)・ドラゴン 火 スーパーレア 9 6000 アーマード・ドラゴン ■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるパワー6000以下のクリーチャーを7体選ぶ。そのクリーチャーを破壊する。 ■W・ブレイカー 作者:影虎 収録 蘇生編 第一弾 (リヴァイヴ・ブレイブス) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/51.html
登場人物 ソウマ 若サムライ。主人公。一応貴族。もういっぱいいっぱい。 エリス ルシェメイジ。ソウマに恩を感じている。過去に辛い経験有り。 ソウマ父 まさかの復活。ただ本性剥き出しで危険極まりない。 「やっと着いたな!」 「はい、父上!」 私の名前はソウマ。 アイゼン皇国出身の新人ハントマンだ。 父と共に、このハントマンの聖地、カザンにやって来た。目的は勿論、 「さぁ、早速ドラゴン共を一匹残らず狩り尽くすのだ!」 「はい、父上!」 ハントマンの存在意義とも言える、ドラゴンの殲滅だ。 ただ厳密に言うと、私と父はハントマンになった目的が微妙に異なる。 父は『帝竜』なる上位のドラゴンを打ち倒し、名声を得るために。 そして私は、世界の平和のために。……偽善者と呼ばれても構わない。 我が祖国の王、他の貴族達は言う。『ドラゴン程度で慌てるな。我が国は安全だ』と。 確かにアイゼンの騎士団は強いし、現に何度か防衛に成功している。しかし、他国はどうか? ここに来るまでに、一面にフロワロが咲き乱れ、滅びた村や町を何度も目にした。 (今でこそ人が賑わうこのカザンの町でさえも、3年前に一度滅びている) 滅びた村や町。死んで逝く沢山の人々。残された者の悲しみ、絶望…… それを黙って見ていることなど出来る筈がない。 この世界で、私は無力でちっぽけな存在だ。 それこそ、今この瞬間竜が飛来してきたら、為す術なく食われてしまうかもしれない。 しかし、それでも、何もせずにただ世界の崩壊を眺めるよりは数段有意義だ。 貴族の生活…惰性の安息よりも、私は勇ましい死を選ぼう。 それがサムライの生き様だ。 「おい、聞いておるのか?。早く建物に入るぞ」 「は…はい、父上!」 考え事をしていてつい父の話を聞きそびれてしまった。 しかし、おそらくこの正面の建物がギルド登録を行う場所なのだろう。 しかし…ギルドか… 私の職業はサムライ。父の職業もサムライだ。残りのメンバー枠は二つである。 実に情けない話だが、我々サムライは…その…なんだ…紙装甲だ。だって上半身裸だもの。 別に露出狂ではない。サムライの武器、刀を扱うために素早い動きが要されるためだ。 とにかく、油断すれば私達は一撃昇天しかねない。残りのメンバーはやはり援護型が望ましい。 ナイトがガード、そして私がアタック…傷を負った場合の回復…ヒーラーも必須だな… 侍侍騎癒…なかなかお目にかかれないギルドになりそうだな… 「うむ。これからよろしく頼むぞ」 「きへへ…早く竜を斬り刻みてぇ…」 「ふしゅー…ふしゅー…ふごぁあ…」 「ちょっと待ったぁー!!!」 室内に私の絶叫が響きわたる。…失礼、他のハントマンの方々。 しかしこれが叫ばずにいられるだろうか? 私が熟孝している間に、父があっさりメンバーを決めてしまったのだ!しかも… 「父上!なんで残りの二人もサムライなんですか!」 そう、メンバーが侍侍侍侍になってしまったのだ!しかも二人とも父そっくりの顔である! 「何か問題あるか?」 大ありですよ。こんな脳味噌筋肉なメンバーはあり得ませんって。 しかも片方は「斬らせろ~」とか呟いているし、もう一方も鼻息が異常に荒い。 どう考えても危険だ!絶対に犯罪者のたぐいである。 「父上…流石にこのメンバーでは…回復魔法を 「回復ぅ?魔法ぅ?そんなものは軟弱者が使うものだ! いいかっ!我々サムライの説明文をよくみろ!我々は最高の攻撃力を持っているのだぞっ! 一撃で敵を両断すれば回復の必要も無し!敵が少々固かろうが、圧倒的攻撃力の前では無意味! 我々サムライは最も優れた種、最強の職業!それが四人!これぞ至高にして究極のギルド! 我がギルドの前では全てが塵芥も同然!つまり… (省略されました。続きを読むには侍侍侍侍で冒険してください) とまぁ、これが僅か5時間前の出来事である。 結局私は、父に押しきられて侍侍侍侍の珍妙なメンバーで森の竜退治をする羽目になった。 そして現在、私は…… 最期の時を迎えようとしていた。 何故私達じゃないのかって? 父も、あの危険なサムライ二人も、もう既にこの世にいないからだ…… 三人が死に至った理由を話そう。 まず共通理由。カザンに刀が売られていなかったこと。これが致命傷だった。 我々サムライの最高の攻撃力、それは刀に大きく依存している。 はっきり言うと、サムライは刀がないと、真価を発揮できないのだ。 刀マスタリーにSP全振りした父は、その恩恵を受けることなく、食われた…… 次に、やたら斬りたがっていたサムライだが、彼は居合の構えをとった直後、食われた…… (我々は基本構えなければ技が使えない。その時点で敵の先制を許す事になった) そして、やたら鼻息の荒かったサムライは、マナ水とナマ水を間違えて、即死した…… 今は亡き父上、死者をけなすのはサムライの美徳に反するが、一言言わせてください。 「あなたが死んだのは自業自得だ!」 幸いにも私は無手の心得があり、こうしてなんとか生き延びたが…… 最早体力精神力共に残り僅か。回復アイテムも脱出アイテムもない。 (アイテムなぞつかってんじゃねぇ!と父に全て踏み砕かれた) 血を流し過ぎたのか、目が霞む。サムライ道とは、死ぬことと くきゅ~……きゅぎゅる~…… ……なんとも情けない。今わの際に腹を鳴らすとは。だが実際空腹だから仕方がない…… せめて死ぬ前に……おにぎりが食べたかった。そう、真っ白で、ちょうどあんな三角形の…… ……おにぎり? 幻覚か?私の前方に、真っ白で、三角形のおにぎりがあった。しかも二つ。 あぁ!だがしかし!もう幻覚でも構わぬ!あのおにぎりを食べてから!死ぬ! いただきます! 「……ん」 なんだか変わったおにぎりだな。ふかふかしていてとても心地好い…… 「ふ……ぁ…ぅ…」 妙だな?おにぎりから声が聞こえた。カザン周辺のおにぎりは喋るのだろうか? …… ………… ……………… 「うおわああああああああ!!?」 森に本日二度目となる絶叫が響きわたる。 だがこれが叫ばずにいられようか? 私がおにぎりだと思って頬張ったモノ……それは 白くて、三角形で、ふわふわな、 耳! そう、耳!その正体は倒れていたルシェの少女の耳だった!私は馬鹿か!? いや、今はそれは置いておこう…… 見たところ、このルシェの少女は足に怪我を負っている。 こんな所に放置なぞしたら、即、ドラゴンや魔物の餌食だ。 私一人ならばこの場で死を選んだものを…!こんな少女がいるとなると話が変わってくる。 どうしたものか…… A なんとか森を脱出し、このルシェの少女を近隣の町に送る。 B もう脱出無理。せめて死ぬ前に気持いいことしたい。 C とりあえずルシェの少女の怪我の応急処置をする。 D まだ幻覚が見えているフリをして、耳の感触を楽しむ。 E サムライらしく、死ぬと決めたからにはこの場で死ぬ。 →A なんとか森を脱出し、このルシェの少女を近隣の町に送る。 やはり少女一人をこんな所に置いていくわけにはいかない。 しかし脱出するにしても、まずはこの子の足の応急処置が先だろう。 しかしどうしたものか……パロの実すら持っていないぞ…… 【ガサガサッ】 っ!ドラゴンか!? 「やぁ!オイラマスクナッツのナッくん!愚かな人間よ!我が血肉となれぃ!」 「うむ。これでよし」 回復量が少ない木の実も、3つ使えばパロの実と同じ効果が得られる。 木の実を刷り潰したものを患部に塗り、着物の切端を包帯代わりにして応急処置をする。 さて……応急処置はこれでいいとして、どうやってこの森を脱け出そうか…… 地図も父に破かれている。現在位置も、出口もわからない。持ち物は ナマ水半分に、スライムゼリー×2、それからボタンミート×1に、海竜の尾ひれ×3…… 困った。絶望的である。とても少女を背負った状態で脱出できる気がしない。 先程のマスクナッツはともかく、ここには基本的にそれ以上の強さを誇る魔物が沢山いる。 蜂やキノコの毒にやられたらじわじわ衰弱死確定。 猪の突撃をくらったらもう歩けまい。 火の玉の炎を受ければ、ミディアムレアで食われる。 そして、あと何体いるかもわからないドラゴン…… まともに戦って生き延びるのはほぼ不可能だ。ひたすら逃げるしかない。 しかし、EX逃走も3回しか使用できないこの状況、逃げ切れるのか? いや、逃げ切るのだ。敵に背を向けるな!と父の教えにあったが、人命がかかっている。 サムライの誇りは確かに大切だが、その誇りに巻き込んで他人を死なせてしまうことは、 絶対に間違っている。私は私が正しいと思った道を行く! すみませぬ、今は亡き、微妙に憎き父上。これより私は…… 「無様に敵に背を向けてでも!ひたすら逃げます!」 走る走る逃げる逃げるっ!! スライムを殴り飛ばし、キノコを蹴り飛ばし、フロワロの中にいた小さい竜も踏みつけて、 後ろから追いかけてくる猪や竜から必死で逃げる! エグゾーストゲージも残り0!それでも逃げる! よしっ出口だ!逃げ切れ 【来た!ドラゴンだ!】 【サーペンタスがあらわれた!】 くっ…あとたった数歩だというのに! この細い道では、一旦逃げて横をすり抜けることは不可能、そして後ろは多数の竜と魔物! 脱出するには、こいつを倒すしかない……! 即座に背負っていたルシェの少女を左腕で抱きかかえ、残る右腕で無手の構えをとる。 ―――――グオオオオォォォ!! 竜が咆哮をあげ、飛び掛ってくる。 だがこの竜とは既に何度かこの森で交戦した。 故に相手の攻撃の『クセ』もわかる。 この竜の『クセ』、攻撃属性!それは『壊』属性! 竜よ、サムライは刀が無ければ何も出来ないと思うな! 「見切った!壊撃雲身っ!」 ゴシャリ……と鈍い音がなる。と、同時に眼前の竜が崩れ落ちた。 どうやらうまい具合に心臓を潰すことが出来たようだ。 ……格好つけたことを言ったが、もしこの一撃で仕留められなかったら、 死んでいたのは私の方だ。我ながらなんて運まかせな戦いだろうか…… いや、倒せたから良しだ。今はするべきことが残っている。 事切れた竜を踏み渡り、出口に急ぐ。 「~っ!」 あぁ、太陽のなんと眩しいことか! たった数時間しか経っていないのに、もう何年も見ていない気がする。外に出られたのだ……! う~む……人間死ぬ気になれば意外となんとかなるものだな…… しかしまだ終わりではない。 家に帰るまでが遠足の法則と同じだ。町に辿り着くまでが戦いなのだ。 この森から近いのは……ミロスかカザンだな。 しかし、先程無理な体勢でカウンターをした影響か、右腕が何故か動かない。 これでは構えることも厳しい。今度こそ逃げる事しか出来ない。 となると、いざ戦いになった時、逃げやすいカザンの方が安全だな。 もう一息だ。全力で走ろう。 「ようこそ!ここは……大丈夫かいあんた?それに背中にしょってる子も……」 「大丈夫に見えるか?そんな質問をする暇があったら、頭のラビを取ってくれぬか……」 全力疾走して、なんとかカザンの町に辿り着くことが出来た。 しかし町に着く寸前、ラビ達の奇襲を受け、体力は風前の灯だ。 しかも、一匹が私の頭にかじりついて離れない。現在、状態異常『出血』真っ最中である。 【ドブシャッ】 あ、やばい。 今ターンが進んだのか、出血の追加ダメージを喰らった。 いかん……今のでLIFEが0になったかもしれん…… ああ……何だか……意識が遠のいて…… ………… ……… …… … 「う……」 「よかった……気が付きましたか?」 はて……気が付いた?私はまだ生きているのか? ああ、そうだ、確かルシェの少女を町に送ろうとしてカザンに辿り着いたはいいが、 出血で体力が底をついて、そのまま倒れたんだった。 とりあえず、まずは状況確認だ。とにかく目を開けよう。 「ん……ん?」 だんだん周りの様子がわかってきた。どうやらここは何処かの病室らしい。 そして視界の右側に映るのが…… 「……おにぎり?」 しかも二つ。真っ白で三角形の。……あれ?前もこんなことを言った気がする。 いや違う!今度こそ間違えない!これはおにぎりではなく 「お、おにぎりですね?すぐに持ってきます!」 「ま、待ってくれ!今のは寝惚けただけだから大丈夫だ!」 慌ててどこかにおにぎりを探しに行く少女を、同じく慌てて引きとめる。 私がおにぎりだと幻視したものは少女の耳で。 そしてその少女こそ、私が森で救助したルシェの少女で。 どうやら無事に町まで送ることに成功したらしい。 それを思うと、自然に安堵の溜め息がでた。 こんな私でも、人を一人救うことができたのだな…… 「ふぅ、君が無事でよかった。足の怪我は大丈夫か?」 「私は大丈夫です。あなたこそ大丈夫ですか……?」 「大丈夫とは?」 「全身打撲、切傷、火傷、右腕骨折に出血多量…すごい大怪我だったんですよ…?」 なんとまぁ…我ながらよく生きて町につけたものだ。まさに奇跡である。 「3日間も目を覚まさなくて…私、不安で不安で……」 ……実感がわかないが、どうやら私は相当危険な状態で、 しかもこの少女は、そんな私を気遣ってくれていたらしい。感謝感激である。 「町の人から聞きました…ボロボロのあなたが、私を背負って町まで駆け込んできたって……」 「あぁ、森で倒れているのを見付けてね。ほうって置けなかったんだ」 「ごめんなさい……私なんか助けたせいで……そんな大怪我を……」 少女が涙ながらに謝ってくる。 だが実のところ、怪我の八割は救助前に既に出来ていた。決してこの子のせいではない。 「いや、私は元々死ぬつもりだった。むしろ君が倒れていたからこそ、私も生きているのだ。 それに3日間も付き添ってもらったようで…礼を言うよ。ありがとう…え~っと……」 ここまで言って私はあることに気が付く。 まだこの少女の名前を聞いていなかった。 少女もそれに気付いた様子で、慌てて自己紹介をする。 「あっ…ごめんなさい。私、エリスって言います。耳でわかるかもしれませんが、ルシェです」 少女――エリスは耳をパタパタと動かして一礼をした。むぅ……かわいい。 「エリスか…いい名だな。私はソウマ。アイゼン皇国貴ぞ…」 言い終わる前に、視界からエリスの姿が、 消えた。 何処へ?……いた! 彼女は立っていた位置から真後ろの空中にいた。そして…… 「申し訳ございませんっ!!」 着地の瞬間に土下座の姿勢をとった。 【バック宙土下座】…… この世に数ある土下座の中でも、最高位、最高難易度の土下座だ。 後ろに跳ぶことで相手との距離をとり瞬時に自分が格下であると示し、 その瞬間に土下座をする電光石火、幻の謝罪技。まさかこの目で見ることができようとは…… いや感心している場合ではない。何故私がそのような大技を使われたのだろうか? 「い、いきなりどうした……?」 「申し訳ございません!貴族の方に無礼の数々を……!」 ああ、なるほど。そういうことか。 しかし私は貴族と言っても、別段凄い金や権力があるわけでもない。所詮下級貴族だ。 それに貴族だからと妙な優遇をされるほうが嫌いである。その事を伝えねば。 「そのことなら気にしなくて 「それどころか私はまだ受けた大恩のお礼もしていませんでした!」 「いやだから 「何も出来ない駄目な使用人で申し訳ございません!」 「ちょ 「どうか捨てないでください!精一杯ご奉仕しますから!」 話が通じない……というよりも、今の彼女は一種の錯乱状態だ。 そしてそれは……アイゼンの貴族に植え付けられた『恐怖』が原因だろう。 アイゼンの悪しき風習に、ルシェの差別があった。いや、極一部を除けばいまだにある。 さらには、表向きは法律で禁じられているが、その法の目を掻い潜り、 ルシェを奴隷(名目は使用人)として扱う貴族も少なくない。 この怯え方、おそらくこの少女、エリスも、相当酷い扱いを受けてきたのだろう……… まったく……同じアイゼンの人間として信じられないものだ…… とにかく、エリスを落ち着かせ…… ん?なんだろうか……妙に股間が……ま……まさか……! 「ん……ふぅ…あむ……」 「――――――っ!!?」ああやっぱりか! いつの間にやら、エリスは私の着物を脱がせ、我が愚息に舌を這わせていた。 これもおそらく、彼女の主人である貴族に無理矢理仕込まされたのだろう。 ああなんということを!許さんぞ主人よ!見つけ次第、即斬刑だ! そして少しは自重しろ我が愚息!斬馬の構えをとるなぁ! い…いかん!このままでは…!この場合するべきことは…… A 気持ちいいので、このまま流れに任せる。 B なんとか引き剥がして、落ち着かせる。 C 攻められるより攻めるために、押し倒す。 D ナースコールと思われるボタンを、押してみる。 E 目の前の耳を、掴んでみる。 F 突如食われた筈の父上が乱入。 →B? なんとか引き剥がして、落ち着かせる。 いかんいかん!このまま流されてはまずい! とにかく、引き剥がさなくては! 「こ…こら……やめなさい!」 「んぅ……ん……」 しかしなかなか離れない。 女性相手では思うように押せないし、いかんせん下半身からの刺激で力も入らない…… エリスも錯乱しているが故にこの様な事をしている。 落ち着けば自ら離れてくれるかもしれないが、どうやって落ち着かせる? …… ……… こういう時に限って天の声が聞こえない。自力でどうにかしろと申すか? どうしたらいい?どうすれば落ち着く?ルシェの女性はどうやったら落ち着く!? いや、落ち着け私。ルシェでも女性でも、基本は『人間』に変わりない。 つまり、昔私がよく母上にしてもらった『なでなで』も通用するのではないか? あれは大人だろうが子供だろうが、老若男女問わず心が落ち着くと聞いたことがある。 よし、早速実行だ。 「く……ほら、落ち着きなさい。私はなにもしないから……落ち着いて」 「ん………ぅ?」 押して駄目なら引くしかない。 エリスの細い体を抱き寄せ、左手で頭を撫で、右手で背中を撫でると、 少し驚いた表情をしたものの、目を細めて私の胸に頭を預けてくれた。 よし、作戦成功である。 このまま落ち着くまで、撫で続けてあげよう…… どれぐらいそうしていただろうか? 正確な時間はわからないが撫で始めてからしばらく経ったあと、エリスがゆっくりと頭をあげた。 「……落ち着けたか?」 「どうして……」 「ん?」 「どうして……優しくしてくださるのですか……?」 嗚咽を漏しながら、エリスが言葉を続ける。 「いままで生きてきて、こんな風に優しく撫でて貰ったの……初めて……です。 いままで私は……何人もの貴族の人に怒鳴られて、殴られて、お仕置きされて…… 色々な『礼儀作法』を覚えさせられて…何度も…何度も何度も……………」 後半はもはや聞き取れなかったが、おおよその見当はついた。 沸き上がるのは、憎悪の感情。 誰だ、一番最初にルシェの奴隷化を認めた馬鹿者は? 誰だ、それが禁じられた後も変わらずに差別し、奴隷として扱った呆気者は? 誰だ、この子に悪逆のかぎりをつくした愚者は? アイゼンの規律はどうした?誇りはどうした?金があれば何をしても許されるとでも? 外道共め!以前ルシェの商人がアイゼン貴族は腐っていると言っていたが、 まさにその通りである。 それなら、周りの貴族が腐りきっているのなら、たとえ私一人でも、それに抗おうではないか。 「安心しなさい……私は酷い事はしないし、君にそんな事をする輩を見つけたら、 全力で即刻排除する。約束しよう……」 「本当に……あなたみたいな貴族の人……初めてです…… ……もう少しだけ……このままでいさせてください…………」 「あぁ……構わないよ」 私に出来ることは些細なことだけかもしれない。 けれど今はただ、望みどおりに撫でてあげよう。 満足するまで、いつまでも。 【キィ……】 そう思った瞬間。この部屋に来訪者が現れた。 A 医者か?……むぅ、この状況どう説明しようか…… B エリスの主人が引き取りにきたか?顔を覗かせしだい首を取ってやる。 C まさかこんなところまでドラゴンが? 扉を勢いよく開けて飛込んできたのは…… 「正解はF、お前の愛するお父さんだ~!!」 「父上ー!??」 なんと、竜に食われて死んだ筈の私の父だった。しかも無駄にテンションが高いうえ、全裸だ。 「ち…父上…生きていたので「いや死んだ」 即答ですか父上…… 「だがしかし!志半ばで倒れた私は死にきれず、霊となってさまよっていたのだ!」 「私を心配してく「違う」 また即答ですか父上……というより、息子の心配以上の志とはなんだろうか? 「……聞きたいか?」 「……聞きたいです」 「私はな……」 「ゴクリ……」 「死ぬ前に若い女の子と、触手プレイや(検閲)や(規制)とか(閲覧禁止)がしたかったのだ!」 拝啓、天国の母上様 私、ソウマは人間不信に陥りそうです。なんですか(検閲)って…… 「とりあえずお前の気配を追跡して来てみたら……なんだその銀髪美少女はっ!」 嫌な予感がする…… 「ハァハァ……なかなかの逸材じゃないか……おじさんがいいことをしてあげようね……」 うん。 とうとう私の堪忍袋が破裂した。 つまりだ。 何が言いたいかというとだな。 「父上、今すぐ無に還ってください!」 実の父に言うのもアレだが、この人の魂は残しておくと危険だ……! 「ハハハ、何を言うか。せっかく化けてまで出てきたというのに」 「この子は……エリスは心無い人間によって身心ともに深い傷を負っているんです! その傷をえぐる様なことは言わないで頂きたい!」 「なぬっ!……ならば尚更おじさんがそれを忘れられるくらい気持よくしてあげよう……」 駄目だ、完全にターゲッティングされている。このままでは彼女の身が危険だ。 なんとかしなくては…… エリスを抱えて部屋から脱出……駄目だ入り口はひとつだけ。 窓を割って逃げる……器物損壊+治療費踏み倒し+少女誘拐……別の意味で捕まる。 こうなったら父上を抹殺して……もう死人だ。 ど……どうすれば…… 「む…?ソウマ!お前も股間から刀を出しているではないか! さては父をさしおいて、独り占めして楽しむつもりかっ!許さん!」 あぁ!更に面倒な事になってきた! これは錯乱した彼女が取り出したもので、私の意思とは無関係だというのに! もっとも、この超絶変態化した父にはそんな事を言っても無駄であろうが…… 「色々事情があるんです!彼女も貴族の男に抱かれる事に対して、恐怖の感情を持っています! だから父上も素直にあきらめてください!そしてできれば今すぐ成仏していただきたい!」 「私……ソウマ様だったら……構いません……むしろ…………」 え?エリス、今なんと? 「なんだとぉ!?何故私は駄目で息子はいいのだ!? し、しかも様づけで呼ばせて……主従プレイかっ!羨ましいぞ息子よ! しかーし!私も諦めんぞ!この銀髪美少女は滅多に見つからない逸材だ! 要するに息子の刀と技巧が気に入ったということだろう? ならばこの『愛染最終暴走兵器』と呼ばれた私の刀と超技巧と、どちらが優れているか勝負だ! 審査員はその銀髪美少女本人!より少女を満足させた方の勝ちだ! そして勝った方が少女を獲得!特別に先攻はお前に譲ろう。 いざ性々堂々勝負だ!」 勝手に話を進めないでください父上。その本人の意思完全無視のルールはなんですか? それもそれとして、彼女のさっきの発言もまたややこしさに拍車をかけていると言うか、 私なら構わないというのは、つまりそういうことなわけであべべべべべ…… ……落ち着け私。とにかくこのままでは『そういう事』を彼女にしなくてはならない状況で、 そんなことしたら私も腐った貴族と同類になってしまい、約束を破ることになるわけで、 「どうしたソウマよ。やらぬなら私が先攻を貰うぞ」 でも私がこのまま何も行動しなくても、代わりに父上が襲い掛るわけで、 結局八方塞がりなのか?そうなのか? 待て待て、大事な事を忘れていた。エリスがこの意味不明な試合を拒否すればいいだけだ。 「エリス、なんとか逃げるぞ。こんな試合なぞぶはぁ!?」 「だ、大丈夫ですか!?」 大丈夫なわけなかろう、再び状態異常『出血』を起こしたではないか。 何故マントを脱ぐ! 何故ブラウスのボタンを外す!! 何故私の理性を斬り崩しにくる!!! 何故やる気でいる!!!!! 「はははははははやく服を着直しなさい!何を考えているんだ君は!」 「あ…そうですよね……ごめんなさい……」 そうそう。一緒に早くここからの脱出方法を考えねば…… 「こんな汚れきったルシェなんて、抱く気になりませんよね……」 ちっがーーーーう!!! 「そういうことではない!君は汚れてなどいない! それよりも早くこの場から逃げないと危険だ!」 「どうやって逃げるのですか?」 「うっ……」 「確かに私も…逃げたいです。あの人今まで見てきた貴族の人の中でも、最上級に危険です…」 すまない、それが私の父上なんだ。というより、父上が最も腐った貴族だったのか…… 「あっ……ごめんなさい!お父さんの事を悪く言って……」 「いや構わない。アレは父上の形をした『何か』だ。それより、逃げたいなら、 尚更逃げる案を探さなくては!」 「入り口はひとつですし、無理です……たったひとつの方法を除いて……」 「たったひとつの方法?ならそれを試せばいい!どんな方法だ?」 「……ソウマ様が私を抱いて、その圧倒的絶技でお父さんの戦意を削いで負けを認めさせ 「却下ぁ!!!」 なんでそうなる!?そもそも圧倒的絶技ってなんだ!? 「どうしてですか……?」 「私が君を抱いても、君に辛い思いをさせることに変わりないだろう!」 「あなたならいいんです……私の命を救い、初めての優しさと温もりをくれた、あなたなら……」 「し、しかしだな……」 「やっぱり……私では駄目ですか…………?」 ぐはぁっ!! そんな某金融CMのチワワみたいな潤んだ瞳で私を見あげないでくれ……! 猛烈な罪悪感が押し寄せてくる……! しかし抱いてしまうことにも罪悪感が……! ああああ私は一体どうしたら!!! A 女の子にここまで言われて、やらない方が失礼である。望み通りに優しく抱く。 B 新たなる乱入者を期待する。 C 絶対抱かない。窓を叩き割って犯罪者になってでも逃亡を試みる。 D なんとか父上の撃退方法を見付けて、撃退する。 E もういっそのこと父上と一緒に3P F 父上はいきなり襲いかかってきた! →C 絶対抱かない。窓を叩き割って犯罪者になってでも逃亡を試みる。 やはり私には……無理だ……! 「すまない…エリス。私には……君を抱くことはできない……」 「そう……ですか……」 エリスの耳がへにゃりと垂れてしまった。あぁ、そんな悲しそうな顔をしないでくれ…… 「わかってくれ……父上はどうあっても君を襲うに決まっている! 今の私にできることは……!」 「え!?」 あの森でエリスを助け、凶悪な竜から逃げ切ったときのように。 もう一度、もう一度だけでいい。 今このとき、再びエリスを助け、極悪な目の前の魔物から逃げ切る力を……! 「エリス、しっかり捕まって!」 【ガシャーン!!】 窓を体当たりで叩き割り、外に逃げることに成功…… 「ソ、ソウマ様!ここ、三階です!」 「なにぃ!?」 【ドベッチャ!!】 ふぐぉぉ……!なんて微妙な高さ!死にはしないが結構痛い…… 「なんだ!?デキル医院の窓が!」 「飛び降り自殺か!?」 「女の子抱えてる!誘拐よ!誘拐よ!」 「しかも上半身裸の変態だ!」 い…いかん!このままでは父上以前にカザン治安維持部隊に確保されてしまう! 「ぐ…ぅ…逃げるぞ!」 「は、はい!」 「あ!上半身裸の変態の誘拐犯が逃げるわよ!」 「捕まえろ!」 【シュタッ!】 「こらソウマぁ!勝負から逃げるつもりかこの腰抜めがぁ!逃がさんぞぉ!その少女を渡せぃ!」 「「「もっと危ない変態だーーーー!!!!」」」 後ろから町民の絶叫がきこえる。 町民の皆さま、実に申し訳ない。しばらく父上の足止めをお願いします。 その間に私は 逃げる! 68 名前:選択の結末[3] 投稿日:2009/04/03(金) 21 00 19 ID EVPh3FhE 「つぅ……なんとか振りきったようだな……」 「ソウマ様……傷が……」 あの後ひたすら走り続け、名も無き小洞に身を潜めることに成功した。 しかしいずれはこの場所も気付かれるだろう。このままでは…… 「すまないな……私と関わったばっかりに、こんな危険な目にあわせてしまって……」 「そんな!ソウマ様が助けてくださらなかったら、私は竜のエサでした!」 「……その様づけはどうにかならないか?呼び捨てで構わぬよ」 「駄目です。恩人にそのような無礼は……!これから精一杯仕えさせていただきます!」 待て待て待て待て待て。まさかエンドレスにこのやりとりが続くのか? 私も理性を保つのに限界があるというのに…… 「あ、いえ、今度はそういう意味じゃありません! ソウマ様は……ハントマンなんですよね?世界中の竜を狩り尽すお仕事をしている…… 肉体奉仕が駄目なら、そちらのお仕事を精一杯手伝わせていただきます」 待て待て待て待て待て。それも違った意味で待て。 確かに私はハントマンだが、それの手伝い!? こんな華奢で、吹けば飛んでしまいそうな小さな体で、あの巨大な竜と!? 剣を持たせたら、その重さで腕が折れてしまうのではないかと思う程のこの細い腕で戦うと!? そそそそんな危ないこと、させるわけにはいかない!断じて!! 「き、気持ちは嬉しいが、危険「マナバレット!!」 空気……いや、周囲のマナが圧縮される独特の響音、その直後には壁に大きな風穴が空いていた。 こ……これは…… 「どうですか?」 自信満々と言わんばかりに耳をパタパタと動かしながら、エリスが微笑んだ。 それは、出会ってから初めて見た、彼女の笑顔だった。 「私、こう見えてもメイジなんです。 ……もっとも、ちゃんとした魔法学校には通えなかったから、独学で習得したものですけどね」 「す…凄いな……確かに今の威力なら竜にも十分対抗できる……」 「えへへ…初めて褒められました……それに私、薬学もかじっているんです。 ですから、決してお荷物になったりしません!どうかソウマ様の旅のお手伝いを……!」 エリスはわかっていないようだが、先程のマナバレット、 その威力は私の無手時の拳2~3発に匹敵するうえ、魔法故に堅い亀にも有効だ。 ………… 私 の 方 が お 荷 物 じゃ な い か ! ……刀が手に入り次第、斬馬に切り替えよう…… しかしいくら高威力でも、こんな少女を危険に晒すわけにも…… 「しかしだな……君もまだ若いんだ。いつ死ぬかわからない危険な旅には……」 「ソウマ様だってお若いじゃないですか! それに私は、ソウマ様の助けになれるなら、死んでも本望です!」 エリスの蒼い瞳が私を真っ直ぐに見据える。 今言ったことは嘘偽りのない、彼女の本心、希望なのだろう。 そして、それを蔑ろにすることは、彼女への侮辱にもなる…… 「……わかった。私の旅の同行を認めよう」 「本当ですか!」 「ただし!!」 「?」 「私なんかのために命を粗末にするな!君に降り懸る災厄は全て私が斬り伏せる! だから君は決して無茶をしないで、生きることを優先すること!これが条件だ。わかったね?」 「は、はい!一生懸命頑張ります!」 旅の同行を許可されたのが余程嬉しいのか、エリスの耳がかつてない程パタパタと動く。 うむ、やはりエリスは笑っているほうが似合っている 「もしマナが切れても、前衛にでて杖で相手をボコボコにしますね!」 のはいいが、話本当に聞いていたのかな………… 「……とにかく無茶はしないでくれ。それでは、あらためて、 これからよろしく、エリス」 「こちらこそ、不束者ですが、どうぞよろしくお願いします」 ……妙な違和感を感じるのは何故だろう?いや、これは悪寒……? エリスの言葉が発せられた直後…… 『あの』感覚が再び私を襲う。 絶対的な力と残虐性を持つ、死の象徴の接近……! この洞窟のフロワロは既に払われていたからもういない? それは大きな落とし穴。そこの『主』を先に倒した場合、フロワロだけが無くなる……! つまりまだ奴らが残っていても、なんら不思議ではないのだ……! こんな小さな洞窟に強敵は出ない? それは人間の希望、推論にすぎない。奴らのほんの気まぐれですぐに崩れ去る脆い理だ……! 全身から嫌な汗が出る。 今の私の体力は全快時のせいぜい半分だ。 この強大な威圧感は、以前倒した海竜の比ではない。倒せるのか……!? 「ソウマ様……?」 「エリス、気を付けろ……!」 いくらエリスの魔法が強くとも、彼女は恐らく実戦経験が無い。 そんな子に、いきなりこんな強大な敵と戦わせるわけにはいかない…… どこからくる……? 私が勝つには、一撃で雲身を決めるしかない。 どの攻撃属性?もし魔法主体だったら?その場合は通常攻撃で仕留めるしかない……! 私達に向けられている殺意と憎悪の感情がさらに色濃くなった。すぐ近くにいる……! 何処だ……! ……………しまった!!! 「まずい!エリス、後ろだ!!!」 「えっ……!?」 振り向いたエリスの体に、容赦なく太い腕が襲いかかった…… 【来た!ドラゴンだ!】 「と見せかけてぇ……!」 「何!?」 【来た!父上だ!】 「とうとう見つけたぞぉ!!」 「なっ……!?父上!?」 現れたのはドラゴン……ではなく、それ以上にタチの悪い父上だった。 馬鹿な……!今のは竜が持つ威圧感のはず! 父上の怨念は強大な竜の力にさえ匹敵するというのか……! いや、今はそんなことはどうでもいい! 「っ父上!エリスから手を離してください!」 「だが断る!こんな逸材、手放すわけがないだろう!」 そう言いながら、父上のごつごつした手がエリスの体を縦横無尽に這いずりまわった。 「やっ……ぁ!やめてくださ……」 「ハァハァ……胸はまだ発展途上か…しかしこの容姿だけで十二分におつりが 「は・な・せ・と……言っているでしょうがあっ!!!」 「ぐぼぁ!?」 考えるより先に体が動いた。だが、見るに耐えない醜悪な実の父を見たら誰でも殴るだろう? 【クリティカルヒット!父上に156のダメージ!】 ……妙なナレーションが聞こえた気がするが、どうやらうまい具合に拳が入ったらしい。 鼻血を噴き出して飛んで行く父上を無視して、エリスを素早く私の後ろに避難させる。 「すまない……私の不注意で……エリス、しばらく私の後ろに隠れていてくれ」 「な…殴ったな!?実の父親を!妻にも殴られたことないのに!」 「殴られてはいないけど、代わりに夜に鞭で滅多打ちにされてましたよね!? 幼い私は、あの時の母上の凄まじい怒りが理解不能だったが、今なら理解できる! 今の手つき、一度や二度ではない!父上、一体どれ程の娘に手を出したのですか!」 「お前は今まで食った米粒の数を覚え「マナバレット!!」 え? 先程壁に風穴をあけたマナの弾丸が、今度は父上の顔面を正確に狙撃した。 【クリティカルヒット!父上に324のダメージ!】 「エ…エリス?」 「はっ!?ごごごめんなさい!怖くてつい……」 「いや、あの人には当然の報いだから構わぬが……顔を狙うとは結構大胆だな……」 合計ダメージ480は、LF増加装備で固めたレベル100のナイトでも、即死だ。 悪霊でもサムライの父上が耐えきれるダメージではない。(頭を撃たれた時点で即死確定だが) とにかくこれで父上も成仏?した。めでたしめでたし…… 「ぬぐああぁぁ!いきなり何をする!?」 なんでまだ生きている!? 「まさかいきなり人の顔を狙撃するとは……ちょっとオイタがすぎるんじゃないか嬢ちゃ「いやぁっ!マナバレット!!」 再びマナの弾丸が父上の顔面を直撃した。 う~ん……エリスって思ったよりも結構過激な一面があるなぁ…… 「だから人の話を最後まで聞かんかぁ!! そんないけない子にはお仕置きをせんとなぁ……」 そしてこの人は不死身か! ……とよくよく考えればもう死んでいるからか! ま…まずい……!攻撃が効かないうえ、父上はやる気満々だ…! 「そこを退けソウマ!」 「誰が退くものか!1000回殴り飛ばしてでも、これ以上エリスに手出しはさせません!」 「無駄ぁ!私のLIFEは65535で固定だ!お前の拳でも、その娘の魔法でも絶対に倒せん!」 「ぐっ……!」 「さぁ…いでよ我が愛刀『大盤若』!!」 股間の刀をすでに斬馬構え状態にして、父上が吠える。 このままではエリスが……ど…どうすれば……! A あきらめる B ギブアップ どっちも駄目に決まっているだろう! その時、エリスが私の前に歩みでた。 「な、何をしている!危険だ!」 「ふふん、やはりこの『大盤若』の魅力に耐えられなかったか?」 しかし私達の言葉が聞こえているのか否か、エリスは不思議そうな表情で父上を見据えた。 「大盤若……ですか?」 「そうとも!この私の超絶テクを見せてあげよう……!」 「……」 エリス無言で父上を見据えていたかと思うと、今度は私の方を見据えた。 「エリス……?」 そして…… 「ソウマ様を、『魔剣オウディル』として……」 「は?」 彼女の口から飛び出たのは理解不能な言葉だった。 続けて父上に向きなおり…… 「あなたのは、ショートソード……いや………」 そこでエリスは言葉を止め、一呼吸する。そして再び一言。 「つまようじですね」 フッ…と溜め息まじりに彼女の口から飛び出た言葉は、やはり理解不能だった。 が、しかし…… その理解不能、意味不明な言葉が発せられた瞬間、 『何か』が砕け散る音を、私は確かに聞いた。 気が付くと、いつの間にか父上はいなくなっていた。 「何故父上はいなくなったのだ……?それもそうだがエリス、先程の言葉の意味はなんだ……?」 「そのままの意味ですよ?」 父上が何故か消えたあと、私達は新たなギルド作成のためにカザンに引き返した。 ところが、だ。 「いたぞ!さっきの変態だ!」 「捕まえろ」! 治療院脱出の際に顔をしっかりと覚えられたらしく、カザンで指名手配をくらっていた。 しかも、クエストではなくミッションでだ。 『謎の変態達を捕まえよ! 報酬2500G』 ……結構な金額である。 とにかく、そのミッションによりカザンに近寄ることが出来ず、 仕方がなく『無名』のギルドとしてエリスと二人っきりの旅をすることになった。 ヒーラーもナイトもいないかなり危険な旅だが、エリスが何故か嬉しそうな顔をするので、 悪い気はしない。 あの時、森でエリスを助けなかったらどうなっていたのだろう? あの時、エリスになすがままにされていたら、どうなっていたのだろう? あの時、窓を割って脱出しなかったら、どうなっていたのだろう? いや……今更過去を振り返っても、今は変わらないし、私はこの選択を悔いていない。 「ソウマ様?」 「ん?おぉ…すまないな。少し考え事をしていた。何かあったのか?」 「その…宿屋が混雑しているようで、一部屋しかとれなくて……」 ただ、この二人旅には大きな問題があった。 「そうか。なら私は外の木にでももたれかかって寝るとしよう」 「えぇ!?駄目ですよ!」 「ほらほらお兄さん、恋人を困らせたり風邪ひかせたら大変だろ?一緒に寝たらどうだい?」 「おおお女将!!なななな何を言っている!?」 これで何度目だろうか?このやりとりは…… どうにも私達二人は恋人同士に見えるらしく、宿側が余計なおせっかいをしてくるのだ。 しかも今回はかなりストレートだ。 「女将、さすがにそれは……」 なんとか弁明を試みるが、ここまで言ったところで、エリスが涙目になってしまう。 「そうですよね……使用人と貴族の身分「違う違う!そうではなくてだな……!」 慌ててエリスを落ち着かせるが、やはりここで宿屋の女将の容赦ない言葉がとんでくる。 「おやおや、サムライが女の子泣かせていいのかい?」 「うぐっ……わ…わかった……一緒の部屋で寝よう……」 毎度毎度その言葉で折れる私は馬鹿かもしれない。 「ちょっと待て。なんだこのベッドサイズは……!」 「なにしろ田舎の村だからねぇ。それじゃごゆっくり~」 「こ、こら女将!」 今までのどの宿屋のものより小さいベッド。 これで一緒に寝ろと!? 「ん……さすがにせまいですね……」 「…………」 夜。就寝時間。地獄の拷問。もはや喋ることも厳しい。 こんなベッドに二人も入り込んだら、その体は密着も密着、超密着状態となる。 すなわち、 エリスの髪の甘い香りも、柔らかな胸の感触も、可愛く動く耳も、全てがわかってしまう。 そんな極限状況、私の理性もガタガタである。 もういっそこのまま崩壊…… 「はっ!?駄目だ駄目だ……そんなこと!エリスは……」 「ソウマ様…私なら構いません…むしろお願ケフンケフン……」 「駄目なものは駄目だ!……こういうのはもっと順序を守ってだな……」 「……順序?」 しまった………なんたる失言! 「な、なんでもない!早く寝なさい!こ、こら抱きつかない!」 「ソウマ様……大好きです!」 「~~~っ!!」 はたして私はこんな調子でどこまで自分を抑えられるのだろうか? 明日かそれとも来年か? それは誰にも、私にもわからない。 ただひとつわかるのは、私達の竜退治の旅はまだ始まったばかりということ。 そして竜以前に己の理性と戦う必要があるということだ。 さあ、明日も早い。 今は暫し思考を止め、寝ることにしよう……… ぐっすり寝れるかどうかは怪しいが………
https://w.atwiki.jp/orecaapplication/pages/543.html
パラメータ フロスドラゴ 成長パターン 初期コマンド 覚える技 出現条件 クラスチェンジ派生 解説 技コスト キャパシティ コマンドサンプル(【フローズンブレス】型・コマンド潜在) コマンドサンプル(【カチワリゴオリ】型) パラメータ 属性 水 性別 無 出現章 第5章 クラス ☆☆☆ 種族 ドラゴン 入手方法 フロドラ(Lv10)でクラスチェンジ 下位EX フローズンレイ 上位EX コールドフローズンレイ 消費EXゲージ 8 形式 連打 ドロップアイテム こおりのかたまり こおりのかけら(レア) フロスドラゴ 成長パターン HP レベル 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 個 体 値 0 203 207 211 215 219 223 227 231 235 240 1 206 210 214 218 222 226 230 234 238 242 2 208 212 216 220 224 228 232 236 240 244 3 211 215 219 223 227 231 235 239 243 247 4 213 217 221 225 229 233 237 241 245 249 5 215 219 223 227 231 235 239 243 247 252 攻撃 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 個 体 値 0 38 38 39 40 41 41 42 43 44 45 1 38 39 40 40 41 42 43 43 44 45 2 39 39 40 41 42 42 43 44 45 45 3 39 40 41 41 42 43 44 44 45 46 4 40 40 41 42 43 43 44 45 46 46 5 40 41 41 42 43 44 44 45 46 47 素早さ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 個 体 値 0 42 43 44 44 45 46 47 48 49 50 1 42 43 44 45 46 47 47 48 49 50 2 43 44 45 45 46 47 48 49 50 51 3 43 44 45 46 47 48 48 49 50 51 4 44 45 46 46 47 48 49 50 51 52 5 44 45 46 47 48 49 49 50 51 52 初期コマンド ★ ★★ ★★★ (フロドラ(Lv10)から継承) こうげき こうげき! アイスブレス フローズンブレス フローズンブレス カチワリゴオリ 覚える技 単体選択攻撃 こうげき こうげき! ランダム攻撃 カチワリゴオリ 全体攻撃 アイスブレス フローズンブレス 防御 回復 強化 召喚 異常 EX増減 コマンドパワー増減 ためる ★→★★ ★★→★★★ 技変化 無効 ミス 出現条件 ☆クラス合計 7~9 クラスチェンジ派生 フロスドラゴ(Lv10)+ブルースピリット→凍竜フロストドラゴン フロスドラゴ(Lv10)+グラディウス→時空竜ビックバイパー フロスドラゴ+キャプテン・アズールor怒の海賊アンカーor重装騎士クラン→氷の騎士スタルカ 解説 第5章において多くの進化先を持つ。 氷技で突き進むなら正統進化させて凍竜フロストドラゴンに、対BOSSやトリッキーに相手を翻弄させたいなら時空竜ビックバイパーにしよう。 EX技の性能は据え置きだが、攻撃力が倍近く上がった事で威力も跳ね上がった。 消費するEXゲージも8になり、連射にはスライム・マナ以外ではほぼ不可能。 技コスト キャパシティ 0.0 【ミス】 1.0 【こうげき】【ためる】(1リール) 1.4 【ためる】(2リール) 2.0 【こうげき!】 2.8 【アイスブレス】 3.0 【★→★★】 3.6 【フローズンブレス】 4.0 【★★→★★★】【カチワリゴオリ】 0 1 2 3 4 5 ★ ? ? ? ? ? 〜15.8 ★★ ? ? ? ? ? 〜18.6 ★★★ ? ? ? ? ? 〜21.8 コマンドサンプル(【フローズンブレス】型・コマンド潜在) ★ ★★ ★★★ ミス ミス アイスブレス ★→★★ こうげき!orためる フローズンブレス ★→★★ ★★→★★★ フローズンブレス ★→★★ ★★→★★★ フローズンブレス ★→★★ ★★→★★★ フローズンブレス ★→★★ ★★→★★★ フローズンブレス 【こうげき!】を【アイスブレス】には出来ない。 コマンドサンプル(【カチワリゴオリ】型) ★ ★★ ★★★ ミス ミス こうげき ★→★★ こうげき!orためる カチワリゴオリ ★→★★ ★★→★★★ カチワリゴオリ ★→★★ ★★→★★★ カチワリゴオリ ★→★★ ★★→★★★ カチワリゴオリ ★→★★ ★★→★★★ カチワリゴオリ
https://w.atwiki.jp/eternal-desire/pages/130.html
名前 攻撃 防御 魔攻 魔防 価値 特殊効果 入手経路 マチュアドラゴン 60 1 0 1 10 『ドラゴンテイル/ドラゴンブレス』 禁断地帯/マチュアドラゴン アメシスドラゴン 63 2 0 2 10 『ドラゴンウィング/ウィンドブレス』 禁断地帯/アメシスドラゴン レッドドラゴン 63 2 0 2 10 『ドラゴンファング/ファイアブレス』 禁断地帯/レッドドラゴン グリーンドラゴン 63 2 0 2 10 『ドラゴンテイル/ソイルブレス』 禁断地帯/グリーンドラゴン ブルードラゴン 63 2 0 2 10 『ドラゴンクロー/アイスブレス』 禁断地帯/ブルードラゴン 魔竜エルヘンツ 66 3 0 2 10 『ドラゴンファング/デーモンブレス』 禁断地帯/魔竜エルヘンツ イルベルスの竜 67 2 0 3 10 『ドラゴンロアー/シルバーブレス』 禁断地帯/イルベルスの竜 ヴィーヴル 67 3 0 4 10 『ルビーの光/シュリルブレス』 禁断地帯/ヴィーヴル ティアドラゴン 69 15 0 10 10 『ドラゴンハウル/アスレイトブレス』 絶境アガシャスサ/ティアドラゴン メルニボネの竜 70 4 0 3 10 『ドラゴンウィング/アシッドブレス』 禁断地帯/メルニボネの竜 アセルスドラゴン 75 7 0 7 10 『ドラゴンロアー/イメンスブレス』 禁断地帯/アセルスドラゴン ムドゥル 77 7 0 7 10 火属性/『ドラゴンウィング/フレア』 絶境アガシャスサ/ムドゥル 白き竜 88 3 0 3 10 『ドラゴンソード/サクリファイス』 絶境アガシャスサ/白き竜 ニーズヘグ 90 0 0 0 10 反撃能力/『ドラゴンプレイ/リディクルブレス』 絶境アガシャスサ/ニーズヘグ レーッドドラゴン 90 10 0 10 10 反撃能力/魔反能力/『ドラゴンテイル/リベンジブレス』 絶境アガシャスサ/レーッドドラゴン 引換品 引換元 → 引換品 種類 攻撃 防御 魔攻 魔防 価値 備考 マチュアドラゴン → アデプトロッド 杖 0 3 60 3 2500 アメシスドラゴン → 嵐竜の鱗 盾 5 15 5 13 3000 風属性/竜族専用 レッドドラゴン → 火竜の牙 長剣 60 3 0 3 3000 火属性/竜族専用 グリーンドラゴン → 地竜の涙 装飾 0 0 0 0 3000 地属性/竜族専用 ブルードラゴン → 水竜の翼 マント 5 25 5 15 3000 水属性/竜族専用 魔竜エルヘンツ → 魔竜の衝動 斧 70 5 0 5 3750 邪属性/竜族専用 イルベルスの竜 → 銀竜の知恵 杖 0 5 65 5 3750 聖属性/竜族専用 ヴィーヴル → ルビーのオーブ オーブ 0 5 55 10 4500 睡眠防御 メルニボネの竜 → 竜の毒液 食品 0 0 0 0 5 体力・素早さ・魔力アップ! アセルスドラゴン → 偉竜の託剣 剛剣 55 5 55 5 5000 男性専用/ドラゴンキラー/竜族専用 ティアドラゴン → 竜涙の鎧 鎧 5 40 5 30 25000 ショック防御/竜族専用 ムドゥル → サンブレイド 長剣 83 0 0 7 25000 火属性/風属性/竜族専用 白き竜 → 運命のペンダント 装飾 3 3 3 3 25000 リアクト防止/竜族専用 ニーズヘグ → 死をはこぶ翼 扇 66 6 66 6 25000 即死付加/竜族専用 レーッドドラゴン → アヴェンジャー 棍棒 99 0 0 0 50000 マルチカウンター/竜族専用
https://w.atwiki.jp/pazudraparty/pages/205.html
No.211:メテオボルケーノドラゴン No.212:クリスタルオーロラドラゴン No.213:グラビトンアースドラゴン No.214:ライトニングホーリードラゴン No.215:カオスデビルドラゴン No.216:緋天龍・エルドラド No.217:蒼天龍・ニライカナイ No.218:樹天龍・ホウライ No.219:聖天龍・シャングリラ No.220:夜天龍・エリュシオン No.231:エンシェントドラゴンナイト No.233:カオスドラゴンナイト No.283:砲炎機龍・ベテルギウス No.284:氷砕機龍・アルデバラン No.285:旋風機龍・カノープス No.286:皇爪機龍・レグルス No.287:殲滅機龍・ハダル No.290:フレアドラール No.293:メガロドラン No.296:フォートトイトプス No.299:エンジェリオン No.302:ドラウンジョーカー No.322:蒼炎星・イフリート No.323:蒼炎星・イフリート No.324:輝炎星・イフリート No.325:黒炎星・イフリート No.326:紅氷星・リヴァイアサン No.327:碧氷星・リヴァイアサン No.328:輝氷星・リヴァイアサン No.329:黒氷星・リヴァイアサン No.330:紅樹星・ファフニール No.331:蒼樹星・ファフニール No.332:輝樹星・ファフニール No.333:黒樹星・ファフニール No.334:紅光星・神龍 No.335:蒼光星・神龍 No.336:碧光星・神龍 No.337:黒光星・神龍 No.338:紅闇星・ティアマット No.339:蒼闇星・ティアマット No.340:碧闇星・ティアマット No.341:輝闇星・ティアマット No.351:炎聖騎龍・フォーミュラー No.367:覚醒プラン No.408:究極炎龍・ムスプルヘイム No.409:究極氷龍・ニブルヘイム No.410:究極島龍・ユグドラシル No.411:究極機龍・ヴァルハラ No.412:邪龍・ヘルヘイム No.441:火の歴龍・アードベッグ No.442:水の歴龍・ボウモア No.443:木の歴龍・ラガヴーリン No.444:光の歴龍・ラフロイグ No.445:闇の歴龍・カリラ No.468:究極召喚・バハムート No.480:爆炎龍・グランティラノス No.481:氷塊龍・デプスプレシオス No.482:大花龍・ガイアブラキオス No.483:太陽龍・ソルプテラドス No.484:月光龍・ルナデスピナス No.660:ドロイドラゴン No.661:カオスブリザードドラゴン
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/89.html
投下します。以下読んでおくと理解しやすいかもしれないキャラ設定 カエラ:第一人称。ローグ駆け出し。 姉御:女サムライ。カエラの師匠? 副長:乙女な人。緑ナイト。副長はあだ名。 アルフレッド:『彼』。ヒーラー。 リーダー:ファイター。 ギルマス:メイジ。 姫ちゃん:プリンセス。 頬を撫でる潮風が心地いい。 とかロマンチックなことを書きたいところだけどぶっちゃけ寒い。薄着だからなお寒い。 定期便カザン発プレロマ行きは現在海上を順調に航行中。 船酔いした姉御に付き添って甲板まで出てきたあたしは、この糞寒い中腕組みして水平線を見つめているギルマスを発見した。 「何カッコつけてんですか、こんなところで」 「ああ、いらっしゃい。せっかく船に乗ったんだから存分に潮風を浴びておこうと思ってね」 訳分からん。 「風邪ひくぞ」 「君は少し調子が悪そうだね。船酔いでもした?」 「少しな。船内にいると平衡感覚がおかしくなる」 「で、ギルマス。今回はまた急な話ですけど、何しに行くんです?船のチケットだってそんなに安くないんじゃ」 「まあね。僕たちの今後の活動にかかわることだから……ポータルの使用申請をしにいくんだよ」 ポータル。意外と認知度の低いそれは、世界各地を繋ぐ超技術の移動装置、あるいは施設の総称だ。 カザンの近くにも一つあるけど、限られた人しか利用できない上実際に使用しているのは見たことが無いので あたしも本当にあれがポータルなのか、ポータルが実在するのか半信半疑という代物だ。 「なるほど……確かにポータルが使えればあたし達の活動範囲も広がりますよね。 てかあれ本当にポータルだったんだ……あ、それにあたしあれがプレロマのものだなんて知りませんでした」 「うん………確証は取っていない!」 「えええええぇぇぇぇぇっ!!?」 「とはいえたぶん問題ないよ。転送装置なんてプレロマ以外まずありえないし、 それにほら、ポータルのそばに必ずあるセーブポイントが、ね」 「セーブポイントが……なんですか?」 ポータルのそばに立っている幾何学的な形をした石柱。 それがセーブポイントと呼ばれる記憶装置だというのは比較的知られていることだと思う。 ハントマンなら一度は利用するであろうそれはあたしにもすぐに思い浮かべられたが…… それとどういう関係が?疑問の視線をギルマスに送る。 「行ってみれば分かるよ」 「えー」 「それより問題はどこの馬の骨とも分からない僕たちに使用許可を出してくれるかだね。 やれることはやった、あとはエメル女史のご機嫌次第だ、な」 ―――――――――――――――――――― 世の中には理不尽なことなんていくらでもある。 例えば、今あたしの目の前にあるのなんかそうだ―――強力な敵。 どうして? いくらあたしが全力で打ち込んでも、息を荒げながら確認すれば そこにあるのはまったく変わらない真っ黒なシミ。 あたしの力じゃ足りないというのか。 あたしの力じゃ、この真っ黒な染みを拭い去ることは。 「遅い、何をそんなのに手間取っている」 向こうでこまいのを片付けていた姉御から咎めるような声が飛んでくる。 あたしだって、適当にやってるわけじゃないのに。 「だって、姉御、こいつ……」 「……む」 あいつを見た姉御の表情が微妙に変わる。 「……すまない、確かにこれはお前の手には余るな」 獲物を手に、しばらく姉御は奴の分析を行う。そして、 「ふむ。いいか、こういうときは重曹を使ってだな……」 白い粉を手にした雑巾に振り、拭いた。 一閃。 その後にはあの忌々しいシミは跡形も無く、生白い石の壁だけがあった。 「すごい……さすが年の功、おばあちゃんの知恵袋」 「……どういう意味で言った、場合によっては殺す」 あたし達はギルドハウスの地下室でお掃除を難航させていた。 「ふぃー」 一段落したあたしは二階にある自分の部屋のベッドに横になり、一息つく。 そう、自慢じゃないがあたしたちにはギルドハウスがある。中古だがなかなかの物件だ。 立地は市街地からは離れているが郊外の林の中にある静かな場所で、二階建て、 ギルメン全員に割り振れる数の部屋があり(もっとも、あたしの部屋なんか物置みたいなもんだが)、 地下室つき。テラスやベランダがあるような邸宅とは比べるべくもないがそこそこ豪華なつくりで、 井戸は近く、おまけに家財道具完備。家具も食器も全て定位置に配置済みで、 この家にある物品は全て処分するなり自分のものにするなり自由にしてよし。 その完璧すぎる配置はまるで昨日まで人が使っていたような状態だった。 …………… ……うん、ワケあり物件。ついでに言うと一家惨殺。 旦那さんと奥さん、それと小さな男の子が住んでいたそうだけど、 地下室で血痕の跡と思しき大きなシミを見つけたときには肝をつぶしたね。 まあこう聞くとワケあり物件を厄介払いついでに格安で手に入れたみたいに思うだろうけど、 これでもこの家は政府から下賜された褒章としてのギルド財産だ。 新しく結成して間もない後進でありながらわりと本気でドラゴン退治に挑む 野心100%ギルドであるウチは、これまでにも名も無き小洞始めいくつかのダンジョンのフロワロを掃い 政府の国土・街道浄化企画にも積極的に参加してきた。 地味ながらも着実にドラゴンの脅威を駆逐し続けた功績は政府に評価され、 いわくはあるが資産価値の高いこの家がギルドハウスとしてあたしたちに下賜されたというわけだ。 これまでたくさんのドラゴンに袋叩きにされかけたり主がいなくなってフロワロの無くなったダンジョンに 姉御と二人で出かけたらまだドラゴンが残っててひどい目にあったりしたけど、この家で皆と仲良く暮らせるなら ……そんなに悪くは無いよね。 「お姉ちゃん、疲れてるの?……掃除してたんだ」 いつの間にやら、窓の外にあっちゃんが立っていた。 あっちゃんはこの近くに住んでいるらしく、たまにやってきてはこの窓越しに話をしていく。 元気があって朗らかで、最近なかなか見ないような礼儀正しい男の子だ。 「こんにちはあっちゃん。そーなの、地下室の掃除してたんだけど全然片付かなくて」 「大変だね。十年以上散らかる一方だったのを、家族三人で一月かかっても片付かなかったんだからしょうがないよ」 「ほえ……よく知ってるねそんなこと」 「まあね。それよりほら、さっきから下でおねえちゃんのこと呼んでるよ?」 「え、ほんと?」 耳を澄ませば、確かにギルマスがあたしの事を呼ぶのが聞こえてくる。 「ほんとだ、ありがとあっちゃん」 ふりむくと、すでにあっちゃんはいなかった。 「あれ……いつものことだけどせっかちだよね、いつの間にかいなくなるんだから」 ともかくギルマスを待たせておくわけにも行かないのであたしは1階に降りていく。 そしてリビングに入ると同時に返事をしたあたしに飛んできたのは、 「出かける準備して。プレロマに行くよ」 との一言だった。 ―――――――――――――――――――― そんな訳でプレロマだ。 場面転換ばかりで読みにくい日記になりそうだ。ついでにここからも場面転換ばっかりだ。 なるほど。ギルマスの言ってた意味が分かった。 あたしの目の前にあるプレロマ本塔、その外見はまるっきり大きなセーブポイントだ。 形はより複雑でわけの分からないことになっているが、この他に無い質感は間違えようが無い。 世界各地にあるポータルにこの塔とそっくりな記憶装置が備え付けられているということは、 まずポータルはプレロマが作ったものかそうでなくても深いかかわりがあると考えた方が妥当だろう。 ギルマスが申請に行っている間暇になったので、その辺を意味も無くぶらぶらすることにする。 とはいっても……見事に何も無いなここ。 あるのは本塔と宿屋と……倉庫、かな?地下から物騒な空気が漏れてるけど。 本塔をぐるりと囲む石造りのテラスがちょうどいい散歩道になっていたので引かれるように足を踏み入れる。 日陰があって涼しい、と周りより土台の分高くなっていて見下ろせる、以外の長所は特に見当たらないテラスを ぶらぶらと歩いていると、ちょうど本塔の裏側辺りで手すりに肘をかけ、たそがれている副長を発見した。 「ふーくちょー、何してるのこんなとこで」 「ああ、カエラさん……」 「暗いなー。静かに風情を楽しむんならいいけど、どうみても私悩んでますって顔だよそれ」 「そ、そうですか?いけませんね、しゃきっとしないと」 「いやそーじゃなくてさ、……悩んでるなら話してみてよ?ああもう恥ずかしいなこんなこと言わせて」 「カエラさん……ありがとうございます、すいません。本当に大丈夫ですから」 副長はそう言って笑うが、前からなんとなく悩みの理由が分かっていたあたしは、前触れも無くぽんと核心に迫ることにした。 「ズバリ恋の悩みと見た」 「……っくぅ!?」 「相手はリーダー?早くコクっちゃえばいいのに。恋人と一緒にハントマンは楽しいよ?」 「かはっ!?ふぐっ!にぎゅあーーーーああおああああああおん!?!!??」 「……」 ぶっちゃけまさかここまでヒットするとはおもわなかった。 こりゃただ単にヒットするだけじゃなくてさっきまで同じこと考えてたな…… 「な、な、な、なぜ、心を読ん……」 「読んでないから。……で、どうなの?」 「あう……そ、そのですね………」 簡単に説明しよう。 この副長ことナイトさんは、同じギルドのリーダーことファイターさんに惚れている。 何で分かるのかって、半分は女の勘、もう半分は副長が言動の端々に発する恋する乙女オーラだ。 副長は最初しぶしぶと、次第に熱のこもった言葉でいろいろなことを話してくれた。 自分がフリーの騎士だった頃、彼女の故郷にやってきた冒険者がリーダー達だったこと。 そのリーダーに勧誘され、自分もそのチームに入って冒険をするようになったこと。 高潔と清浄が第一、恋愛なんてもっての他と思っていたはずがいつの間にかリーダーに特別な感情を抱いていた事。 その辺りの冒険を終え、故郷に残るかリーダー達と共に新天地を目指すかという選択を迫られたとき、 ありったけの勇気と覚悟を振り絞って故郷を捨てて共についてくる決心をしたこと。 そして現在、あのときの勇気はなんだったのかというくらい何も出来ず、今の今まで進展が無いままここまで来てしまったこと。 「で、ここでふがいない自分を嘆きつつどうしたもんかと頭を悩ませていたわけだ。 その調子だと船でもなんかあった?」 「え、ええ……。 定期船とはいえ広い海の真ん中、甲板の上で二人はやっぱりロマンチックじゃないですか。 それとなくお誘いしようと思ったんですが……この天気じゃ寒いからここにいようと言われ」 「いや、実際あそこは寒かったからね、それは正解だよ。……へっきし」 「そーそー、潮風っていうか海風がびゅうびゅうと……へ?」 「え?」 「ん、どうしたんだい?何か話の腰を折るようなことでもあった?」 「ひぎゃああああギギギギルマスっ!?」 「びっくりしたなあ、いつの間に?」 「というかいつから!?いつから聞いていたんです!?」 「そーだな……『その日も仕事が見つからず落ち込んでいた私の前に』あたりからかな」 「んああああおお……ほとんど最初からじゃないですか………」 「こーいう話を立ち聞きはどーかと思いますよ」 「まあ、いいじゃないか。おわびに僕も相談に」 「いりません!」 「そう言わない。問題なのは君は切羽詰らないと行動を起こせないタイプということだろう?」 「!?ま、まあ……」 「けど次に切羽詰ったときは、数十年後かそのときには手遅れかのどっちかだろうね。 つまり君は、今勇気を出せないならこれからも出せないと思っていいということだ。 だが色々なことを天秤にかけて『最も困る結果』から逃げ続ける君に面と向かっての告白など期待できるはずが無い」 「うぐ……」 「割と容赦ないっすね」 「そんな君にお勧めするのがラブレター作戦だ!君に表現できるギリギリの好意を書き綴って彼に渡し、 彼がこれってラブレターだよなと理解したところで本告白、お付き合いの申し込みに移る! 告白までワンステップあるから君にも実行は易しいし、手紙ならよく吟味できるから 出だしですっ転ぶこともまず無い!そして気付けば後がないから君がどんなに臆病でも告白せざるを得ない! とまあ考えてる分にはいい作戦だと思うんだけどどうかな?」 「ど、どうかなって……そんな、いきなり言われても……」 「あー、でもさ、手紙なんだから練習のつもりで書いてみたら? 書いてみて出せないと思ったらそこでやめればいいんだし、うん、練習しなきゃどうしようもないよ」 「練習、ですか……そうですね……練習なら………」 「ね!やってみよ!(ギルマス、これでいい?)」 「それがいいね(上出来だ、練習といってるうちに完成品を書かせてしまえばあとは背中を蹴り飛ばすだけだ)」 水面下でやり取りするあたし達をよそに、副長はうんうん唸っている。 「分かり……ました。とりあえずやってみます」 「よし、その意気だ」 「オッケー、こっちの話は一段落だね。 ……で、ギルマス。ポータルの件はどうなったのさ?」 「ああ、そうそう」 そういえばそんなこともあった、といった感じで手を打ったギルマスは、次にほうと息をつきながら腕を組んだ。 「エメル女史に会ってきたよ。いやおっかない人だった、メナス補佐官もなかなかだがあの人はもっと怖い」 「で、結果は」 「……残念ながら」 苦笑と共に首が横に振られた。 「そんな」 「『実績が足りん!』だってさ。今の状態では保身のために魔物退治をする国軍と変わらない、 ポータルを貸して欲しいならそれに相応しい貪欲さ、機会さえあれば自分達がこの星からドラゴン共を 消し去ってやるという覚悟を見せてみろだって」 「確かにこれまで相手にしてきたのは小物ばっかだもんね……」 「しかし……実際私達には大物を相手にする機会も実力も無いじゃないですか。 本来一国の主力部隊を持って相手にするような敵にそれはあんまりじゃ……」 「うん。まあ目に見える戦果をあげるのはさすがに無理だね。 しかし要は僕たちが役に立つというところを見せればいいんだ、まだ手はある」 「そうなんですか?」 「エメル女史はどうやら猶予をくれたようだ、耳寄りな情報をもらってきた。 それで君たちに頼みたいことがあるんだが……皆にも声を掛けてくれるかい? 今回の仕事は早いほどいい」 「それじゃあんな話に割く時間はないでしょう! 何をすればいいんですか、早い方がいいんでしょう?」 「……じゃあ、よく聞いてくれ。 まず狩りの支度だ。君たちはこのプレロマを出て―――鳥の羽を集めてくれ」 「……は?」 ―――――――――――――――――――― 副長が後ろ腰に差した騎士剣の鍔、刀身と柄の間にある輪に手をかけてすらりと抜く。 引き抜かれた剣は輪にそってくるりと回転、その柄が副長の手に納まった。 ……てか、よく見るとリーダーの馬鹿でかい人斬り包丁も物騒だけど副長の剣もたいがいだよね。 一応騎士剣としての体裁を保っちゃいるけど、その分厚い刀身は小剣なんだかナタなんだかわかりゃしない。 戦闘準備を終えた副長は、ふとこっちに顔を向けて何事かもじもじし始めた。 「……なに?」 「あの……ですね。ラブレターの件なんですが……お手本を書いてもらえないでしょうか? あ、もちろん自分のは自分の言葉でちゃんと書きます。ただ……なにをどう書いたらいいか見当もつかなくて」 「それこそ思ったままでいいと思うけど……ん、分かった。とりあえず夜にね」 「ありがとうございます」 「しっかしギルマスってば、鳥の羽なんか何に使うんだろうね?それも出来るだけ大量になんて」 「これがドラゴン退治に役に立つとは思えませんが……まあ、何か考えあっての事でしょう」 「そだね」 「おーい、待たせたな」 向こうから姉御と彼、リーダーがやってくる。 さっきまで話していたことがことだけに副長はリーダーを見てぎこちなくなってしまうが、 一々フォローするのもなんなので普通に応対することにしよう。 「こっちも今来たとこです」 「ん。ひいふうみいよ……五人か。肝心のあいつはどうした?」 「姫ちゃんは来ないそうです。ギルマスはなんかテイリュウを見に行くって言ってましたよ」 「……… ……へ?帝竜?」 「な、なんですかその反応。テイリュウってなんか……堤防とかそーゆーのの親戚ですよね?ね?」 「えーとな。帝竜ってのは……」 ―――――――――――――――――――― ――マレアイア群諸島、北東部。 列島を形成する島々の一つ、海を見下ろせる絶壁の上に彼の姿はあった。 ギルマスことメイジは同ギルドのプリンセスを伴い、海を挟んで向こうに見える島を見つめている。 メイジの視線の先には島の上に立つ三柱の塔が一組となった古めかしい建造物があった。 古代遺跡マレアレ神塔だ。 その中央塔の上で何かが光った直後、海を越えて地獄の脈動のような竜の咆哮が響いてきた。 「始まった」 塔の上で光が集まり、幾条かの弾丸となって撃ち出される。 水平線に向かって飛んでいった光の砲弾は海面に着弾して大きな水柱をあげた。 メイジが目を細めその着弾点に目をこらす。 揺れ動く水面の向こう、遥か彼方の波間に巨大な影が見えた。 再び塔の上から光の弾丸が撃ち出される。 海面の何かに向かって飛翔する光と入れ違うように、今度は塔に向かって黒い影が飛来してきた。 放たれた機関砲の弾丸が塔の頂上に着弾し凄まじい破壊音と金属音が響く。 それを皮切りに、マレアイアの海に熾烈な砲撃戦が展開し始めた。 「なるほど……海の上で戦うのは分が悪い、かといって単なる砲撃戦では射程距離で圧倒される。 それを補うために塔の高低差を利用したのか」 冷静に状況おを分析していたメイジが、もういちど海の彼方に目を向ける。 「あれが――帝竜か」 巨大な影が、機関砲を撃ちまくりながらゆっくりと航行する。 圧倒的な弾丸の嵐が、時には魔力の壁に阻まれ、時には塔の上にいる守護神に直接弾き飛ばされていた。 「……よし、帰ろっか!」 しばらくそれを眺めていたメイジは、出し抜けに明るい声で最後まで見届けずに帰ることを宣言した。 「……見ていかないの?」 「勝負が見えてるからね。それより早くしないと密航し損ねちゃう、そしたら帰れなくなるよ」 「うん、じゃあ、帰ろう」 「いったんマレアイアによってから折り返すルートなんだけど、お土産何にしよっか。やっぱ水着?」 「(こくこく)」 「ファイターにはトランクス、先生にはも少しおとなしめで……ナイト君は引っ込み思案だから思い切ってビキニがいいよね。 ローグ君には……どうしようかな。サムライはスクール水着でいいや」 「殺されるよ」 「僕の分はどうしようかな。ウケを狙うならやはりブーメランタイプ……いや だけど……僕自身が精神に追うダメージとの釣り合いがなあ」 「……ねえ」 「ん?ああ、君の分を考えて無かったね」 「ううん、そうじゃなくて」 「?」 「マレアイアに男物の水着は売ってないと思うよ」 「……なんたることだ!」 緊張感のかけらも無い会話を繰り広げる彼らの背後で、塔の頂上に向けて放たれた極太の光の帯が それを防ぐ障壁とぶつかり合って巨大なフレアを作り出していた。 そんなこんなで夜。 あたしは宿屋で副長に頼まれたラブレターのお手本を書いている。 「貴方はすでにお気づきかもしれませんし、もしくはまったくお気づきになられていないかもしれません。 これまで私はただ貴方の隣で戦うだけ、それだけの関係と距離でこの頃を過ごしてきました。 それはとても心地よく、ともすればいつまでも浸っていたいと思ってしまうような時間でした。 しかし、今、私は今の関係から一歩進んだ未来のために勇気を奮い起こします。 どうかお読みになってください。この手紙に私の想いをつづります。 …… こんな感じでいいかな?」 「いいじゃない、なかなかだと思うよ」 これでも乙女マスタリーにしっかりとポイントをつぎ込んでいるのだ、このくらいはわけもない。 ちなみに副長はまだ仕事で走り回っている。隣でラブレター製作を見てくれているのは彼だ。 「率直に書きます。私は貴方に……」 「……」 「貴方は目的もなく、無為に日々を過ごしていた私に新しい……」 「……」 「ですから私は……」 「うん……」 「……」 「ここでそれは凄くいいよ……」 「……」 「あ、貴方を守りたいは別の表現の方がいいんじゃないかな」 「そう?リーダーって男女平等主義だよね」 「そうなんだけど、それとは別になんというか、ね。男にも色々あるんだよ」 「ふうん」 「貴方の背中を守りたい、とかそういう感じがいいと思うよ」 「うん。場合によっては貴方の傷を半分分けてくださいとかもいいよね」 「あ、それ、いいね」 「……」 「……」 「本告白が別にあることを考えると……」 「結びの文は……」 「……完成!」 入魂の一筆が出来た。 それを書き終えたあたしは背を伸ばし、壁の時計へと目を向ける。 「さて……どうしよっか。副長帰ってこないね」 「夕ご飯にも早い時間だし、散歩でも行こうか?」 「散歩?」 「うん。この辺は建物が少ないから少し行くだけで星がきれいに見えるよ。 それにそう遠くないところに海岸もあるし……二人で行かない?」 「行く行く!……じゃあ、この手紙はフロントに預けていこっか。誰かに見られるといけないし」 「そうだね」 そうと決まれば善は急げ、早速出かける準備をしたあたしは一直線にフロントへ。 「すいません、ここに戻ってくる仲間に言伝はお願いできますか?」 「はい。どうぞ何なりとご用命ください」 「じゃあ、長い髪で、特徴的な髪留めをした女のハントマンにこの手紙を渡してください」 「かしこまりました」 そうしてあたしは手紙を渡す。 もともとプレロマによそ者はそう居ないし、まして今日ここに泊まるのはあたし達くらいだろう。 まず間違えて他のギルドの人に渡しちゃったりはしないはず。 「カエラ、お待たせ!」 「あ、来た来た!ほら、早く行こう!」 思いがけない久しぶりの二人でのお出かけに、あたしは弾む心を抑えきれない。 彼の手をとって走り出したあたしの頭からは手紙のことはきれいに消え去っていた。 そう、このときのあたしは知らない。 この手紙が、後にあたしの頭を悩ませる厄介事の種になろうとは。 (ここから姉御の日記) ……ふう。 ちょっと早いが、たまには早風呂もいいものだ。 宿屋から少し離れたところにある公衆浴場はよくいえば清潔的、悪く言えば機械的な印象だった。 とはいえリラックスして汗を流すには申し分ないし、なかなか面白かった。 夕食までもう少し、何をしようか。 そんなことを考えながらフロントを通りかかったとき、私はふと呼び止められた。 「すいません、お客様宛てと思われる手紙を預かっているのですがお心当たりはありませんか」 私に手紙? 私は首をひねる。 それに合わせて、濡れた髪をまとめたかんざしがチリンと鳴った。 「これを預けたのはどんな奴だった?」 「そうですね。黄色い髪を上にあげた、やや日に焼けたペタンコのお客様でした」 ……カエラか。 「なるほど、確かに私宛のようだ。ありがとう助かったよ」 「いえ。では、確かにお渡ししました」 その手紙を受け取り、私は部屋に戻る。 カエラの奴、わざわざ手紙で何の用だ?言いたいことがあるなら直接言えばいいのに…… どれ。 ふむふむ。 ふむ。 ふむふ…… ………………… 「な、ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?!?!????」 (続く?) → 駆け出しローグの日記 ゼザにて ← 駆け出しローグの日記 アイゼンにて
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/17.html
・過去最高にヤマなし、オチなし ・エロ描写も完全になし。 以下人名対象一覧 カエラ:デコログ。第一人称。 姉御:女サムライ。 彼:眼鏡平。あだ名を先生。 リーダー:茶ファイター。副長と交際中。 副長:緑ナイト。名前はシンシア。 ギルマス:帽子メイジ。 姫ちゃん:プリンセス。偽鬱姫。 ――前回の戦闘から二週間弱、ようやくあたし達の戦力も全快しました。 そんなわけで現在あたし達はダンジョン探索中。 巷ではいよいよ『その日』が近いなんて噂も流れているけど、結局あたし達のやることに変わりはないんだよね。 今回は別のギルドとの合同探索。万が一だろうが億が一だろうがこの時期に 不慮の事故で戦力を失うのは避けるよう、大統領府からお達しがあったらしい。 ……うん。正直『アレ』を見てると、向こうの人たちには加勢なんて必要ないんじゃないかと思う。 あたし達のお相手はプリンセス四人で構成された歌って踊れる万能チームだった。 回復、攻撃、補助、妨害とそれぞれの役割がしっかりと果たされ、出てくるドラゴンを片っ端から仕留めていく。 まあその分道中の数が多い雑魚モンスターはこっちが引き受けてるわけで、 役に立っていないわけじゃないんだけど。それでも彼女達がここのボス格の大物ドラゴン相手に 一歩もひかずに渡り合うのをあたし達がボーっと眺めている現状に変わりはない。あ、睡眠入った。 「準備、完了……!」 「いっくわよー!ずっとあたし達のターン!」 「さあ、皆さんご一緒に?」 「受けろ!神さえ地を舐める圧倒的な暴力の嵐!!」 「「「「ナインテール」」」」 「ウボァー!」 つつがなくドラゴンの殲滅を完了し、帰り支度を始める。 と、向こうの人たちと話していた姫ちゃんが戻ってきた。基本的に無口な子なんだけど やっぱプリンセス同士話が弾んだんだろうか。 「……向こうの人たちが、話してきた」 「へ?」 「マレアイアに、遊びに来ないかって」 ―――――――――――――――――――― 南海に浮かぶ女だけの楽園、マレアイア諸島。 その中にたった一人、明らかに周囲から浮きまくって(という程でもないけど) 居心地が悪そうにしている彼がプリンセス四人に連れられて例の女の子に近付いていく。 「まぁ!本当に集めてきてくださったのですね! では、さっそくこれであなたを飾りましょう……え?ちがう?」 そこで彼は何を思ったか、予想外の行動に出た。 その手に持った羽をそっと女の子の髪に挿し、目の高さをあわせて微笑みかける。 「これでよし。うん、似合ってるよ」 「私にこれをプレゼントするというのですか……?」 「うん。こんなにきれいな羽なんだし、僕が持ってるのはもったいないと思うんだ。 それよりもこれからきれいになっていく君が持っていたほうがずっと、いいと思うよ」 「………… な、なんでしょう……頬が熱くなってしまいましたわ……! だ、男性って……思ったより優しくて怖くない生き物なのですね……!」 ………… 「かっわいいねー?」 「うわっ!?」 「頬が熱くなってしまいましたわ、だって! もう、やるじゃんあんな気の利いたアドリブができるなんて知らなかったなー、 よかったね満足してもらえた上あんなに可愛く喜んでもらえて?」 「い、いやその……」 笑顔で見送る彼に後ろからダイブして見事な受け答えの労をねぎらう。 その首筋に短剣が触れているのはご愛嬌というもんだよね。 たまらないのは彼の方だ。あせあせと必死の弁解が始まった。 「あの羽で飾られるって事は下手すれば女装とかそういう方向に行くわけで それはできれば避けたいというか何とかして別の方向に話を持っていけないかなと そんなふうに思ったらついああいうことを言っちゃったわけで……」 「……ぷっ」 あまりの必死さに思わず笑いが漏れてしまった。 「あ、……あぁ、もしかしてからかった?」 「ううん、最初は本気だった」 ―――――――――――――――――――― 場所を移してマレアイア領内、本島から島三つ分離れた海岸でウチのギルドは休暇を過ごしていた。 「やっほー、なんか釣れた?」 「いや、全然だな」 並んで釣糸を垂らしているリーダーとギルマスのうち、リーダーの方が短く答えた。 基本的には男は入れないマレアイア、男達だけ残して遊んでくるわけにもいかないので あたし達は許可を取ってここに陣取っている。 「先生君はまだマレアイアでクエスト進行中なのかい?」 「まーね。物腰柔らかいから適材だとは思うけど、誰があんなバカなクエスト考えたんだろ」 「むくれない。世の中には色々あるのさ」 「は……ところで姉御は?」 「ナイト君と一緒に水着に着替えてるよ。そのうち出てくるはず」 噂をすれば影とはこのことだろうか、防波林の向こうから姉御と副長がやってきた。 副長が着ているのは白いワンピースだ。シンプルだが色々と眩しい。 「あ、あの……リーダー、どこか変じゃありませんか?」 「あ……ああ、よく似合ってる……と思うぞ」 そして姉御はというと…… 「……ねえ、姉御」 「なんだ」 「……それ、いつも着てる全身タイツとは違うの?」 「違う!そしていつも来ているのも全身タイツではない!!」 そうなんだ……? いや、だって、でも、ねえ? たしかに袖はないし、裾も膝までしかないけど、そもそも水着なんかに縁のない暮らしを送ってきた あたしがその辺りの微妙な違いを理解できなかったとしても仕方がないんじゃないかと、あたしは思う。 「で、水着に着替えたって事は泳ぐわけ?」 「何を馬鹿な。泳ぎたいのは山々だがこの辺にはいるだろう、その、……アレが」 「あー……」 姉御のいうアレとは、……要するに触手だ。触手のアレだ。 「姉御もねえ。触手の一本や二本どーってことも」 「やめろっ!私の前でアレの話をするな!アレを思い出すだけで私は、私はっ……!!」 「ああごめん悪かったから泣かないでって…… でもさ、結界が復活したおかげでこの辺からは魔物が一掃されたんじゃなかったっけ?」 「む……?」 「せっかくだし泳いできたら?気分転換もかねてさ」 「むぅ……そうだな。滅多にこれないところだし……少し泳いでくるか」 姉御を見送ったあたしは釣り糸をたらす二人と一人のところに戻る。 「姉御が泳ぎにいったから引っ掛けないように気をつけて」 「了解。しっかし釣れないねぇ」 「潮が悪いのか、釣り方が悪いのか、餌が悪いのか……」 「……あの、そういえば」 副長が口を挟む。 「狙いは何なんですか?」 「へ?」 「釣りって普通狙いを決めて、その魚に合わせて仕掛けをつけると聞いたんですけど」 「そういえばそうだな。この仕掛けは何に合わせてあるんだ?」 「……えーっと」 「まさか……」 「か、考えてなかったなぁ……なんて」 「だめだなこりゃ」 リーダーが竿を上げた。 糸の先についているのはアゴート揚げだ。……本当に何を釣るつもりだったんだろう? 「やれやれ、情緒はあったが無駄な時間を過ごしたな」 「えー、ここで釣らないと夕ご飯が淋しいことになるよ?」 「んなこと言ってもな。……そうだ、シンシアは泳ぎに行かないのか?」 リーダーが副長に声を掛けた。 「むむ、こういう場合まずは日焼け止めを塗ってあげるのが定番ではないのかね?」 「お前は黙ってろ」 「私、あまり泳ぐのは得意ではないですし……それに小耳に挟んだんですけど、 この辺りは潮の関係でマレアイアで出たゴミが流れ着くそうですし」 「観光地とゴミ問題は切っても切れぬ関係だな」 「観光地にしたいわけじゃなかったんだろうけどね」 「気候が気候だからね…… ……ゴミで思い出したけど、マレアイアの弁当屋には裏メニューでろぉぱぁうどんがあるらしくてさ。 雑誌とかで知った人が興味本位で注文して、結局撃沈して捨ててしまうことも多いそうだよ」 「ふぅん……」 食べ物を粗末にしちゃいけないのに…… ……ん?ということは? 「ふぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」 浅瀬の方からろぉぱぁうどんの残骸に驚いた姉御の悲鳴が聞こえてきたのはそのときだった。 ―――――――――――――――――――― 「凄い悲鳴でしたね」 「いくら触手が嫌いでもうどんの残骸に驚くことないと思うんだけどなぁ」 あのあと姉御はあたしが助けに行くまで腰を抜かしてへたり込んでいた。 浅瀬だったからよかったものの、足がつかなかったらと思うともう姉御は海水浴はしないほうがいいと思う。 その姉御は現在リーダーと組み手の真っ最中だ。 組み手といってもリーダーの手には刃を潰した巨大な剣が握られているんだけどね。 ちなみに姉御は刀を持ってきていない。ああいうものは潮風に当てないほうがいいんだそうだ。 で、その組み手の様子はというと。 「……せやっ!!」 「がふっっ!?」 一方的だった。 特攻し、受け流し、反撃の機会さえ与えず一撃でのす。 先程の恥を洗い流そうとするかのごとく姉御は完膚なきまでにリーダーを叩きのめし続けていた。 「で、副長。ちょうど二人で話せるしさ、聞きたいことがあるんだけど」 「はい?なんですか?」 あれから二週間。 「リーダーとはどこまでいったの?」 「……ええぇ!?」 「赤くなった赤くなった」 「もう、からかわないでください!」 「ごめん、あんまり予想通りだったから。で、実際どう?まだキスさえしてないって聞かされても驚かないけど」 「ばば馬鹿にしないでください。そのくらいは……」 「おお。いつ?どこで?どっちから?」 「あのときリーダーが気がついて、あなたがいなくなった後……って、何を言わせるんですか!」 「やー、あの奥手な二人が正式に付き合い始めたくらいで何か変わるもんなのかな、とか思って」 「放っておいてくださいよぅ……それよりあなたの方はどうなんですか?」 「あたし?」 「その、参考までに恋人らしいこととはどんなことをするのかな、と」 「あたし達かぁ……」 それこそ人それぞれ、場合によりけりではなかろうか、と思わないでもない。 そもそも別の理由であたし達は参考にならない気がする。 出会ってから今の関係になるまでは色々と早かった。相補性と偶然がいい感じに重なったんだろう。 で、一時期はお互い若さと好奇心で若干サルをやったこともあったけど、本来あたし達は そっち方向は淡白らしい。自分で言ってて死にたくなってきたけど。 気の向いたときに寄り添って話し合って、遊んだりする。 あたし達はあまり恋人という言い方をしないような気がする。特にそんなことにこだわったりせず、 気の向くままに付き合っている。 ……これって、どうなんだろうか。 これって、遊びの関係とどう違うんだろうか。 もちろんあたしが彼に対して抱いている感情はそんなもんじゃないと思うけど、やってることは。 このままじゃまずいんじゃなかろうか。 なんとなく、そんな事を考えてしまわないでもない…… 「あの、カエラさん」 「あ、ごめんごめん。ちょっと考え事しちゃって」 「それはいいんですけど、あれ」 「?」 「ちょっとリーダーが心配になって来ました」 「……む、力が入りすぎたか?」 そうこうしている間に砂浜に倒れ伏したリーダーが起き上がらなくなっていた。 やっちまったか? 思わずあたし達が腰を浮かしかけたところでリーダーは復活した。 「……だーーーーっ!!なんでだ、なんで勝てない!? 始めと同時に突っ込んできて、どう防ごうとしてもねじ込んできてのされる! いったいどうしろと……」 起き上がるなり叫びを上げるリーダーにギルマスが冷静な声を投げる。 「……すこし落ち着いたらどうだい?頭を使わないから負けるんだよ、頭を」 「お前な……傍から見てりゃそりゃ簡単かもしれんがな?こっちは本気で」 「そう、そうなんだよ」 「?」 「傍から見てると君がさっきからどうしてやられ続けてるのか理由が丸分かりだってこと。 ……ナイト君、教えてあげたまえ」 「私ですか!?」 突然話を振られて慌てる副長だったが、リーダーの真剣な視線に一つ咳払いして口を開く。 「ええっとですね?つまり、その、簡単に言うと」 「うんうん」 「サムライさんは積極的に接近戦に打って出ているように見えて、実際には リーダーの迎撃に合わせてカウンターだけで戦ってるんです」 「!なん……だと……!?」 あまりにも簡単な答えに絶句しかでない。ご苦労様、とおいてギルマスが話を引き取った。 「ファイターの戦い方は攻防一体、その巨大な武器で致命的な威力を持った攻撃を繰り出すことで、 巨大なモンスターを押し戻したり敵に防御を取らせて行動を封じつつ戦うのが基本スタイルだ。 突っ込んでくるサムライも回避するのが困難である以上、その攻撃ルートをできる限り塞ぐように 迎撃するのが君なりの防御法になる。が、実際にはサムライは君が迎撃を始めるまで攻撃しない。 君が慌てて迎撃しようとしたところを、逆にそれにあわせてドカン!というわけだ」 「……マジか?」 「はっはっはっは、気付かずに何とか勝とうと必死になるお前をボコるのは楽しかったなぁ。 さて、飽きたからそろそろやめようっと」 「勝ち逃げかよ!?」 持って行き場をなくしたリーダーの視線がギルマスで止まる。 あきらめろ、とギルマスは無言で却下した。 「畜生……」 「さて、そろそろ先生君とプリンセスが戻ってくる頃だ。野営の準備をしよう」 ―――――――――――――――――――― なんだかんだいって今回の休暇もあっという間だったな。 そんな感慨が浮かび上がる。 「それにしても姫ちゃんのあれ、びっくりしたな」 パチパチと爆ぜる炎をを見たまま隣の彼に話しかけた。 「たしかに……言葉にはしにくいけど、あれだもんね」 それは彼が戻ってきた直後のことだった。ほどなく戻ってきた姫ちゃんが、いきなり 素っ頓狂なイントネーションで、知らない言葉をしゃべりだしたのだ。 マレロ言語。 あれが元は共通言語から枝分かれしたらしいと聞かされても、あたしには到底理解できない。 「なんてゆーかさ、あのイントネーションを聞いてると遺伝子に刻まれた何かが……」 「わかるわかる」 「……」 「……」 やや、沈黙が落ちた。 「それとは別にさ、不思議な国だよね」 「そうかな?」 「そうだよ。 …… ところでさ、お昼もいなくて夕方までずーっと帰ってこなかったよね。 やっぱ男嫌いの人たちに男を認めさせるためあれやこれや一生懸命……」 ダメだ。こんな話をするべきではないと分かっていても、つい口を突いて棘のある言葉が出てしまう。 ところが、以外にも帰ってきたのは照れくさそうな苦笑顔だった。 「いや、まあ……それもなくはないんだけど、……これ」 「へ?」 「星花の貝殻。マレアイアでしか手に入らないんだって。 何とか手に入らないかと思ってあちこちの砂浜を探し回っちゃって…… 気がついたらあんな時間になっちゃってたんだ。本当にごめんね」 「……どうして?」 「いや、その……夢中になると周りが見えなくなるというか、時間を忘れるとは本末転倒というか」 「あ、そうじゃなくて。……今日、なんか特別な日だっけ?どうしてそんなに……」 「え……」 じっと、答えを待つ。 帰ってきたのは、簡単で、どうということもなくて、そして単純な答えだった。 「えっと……プレゼントしたかったから……じゃ、ダメかな」 ……なんでしょう、頬が熱くなってしまいましたわ。 「………っ」 何故そんな事を聞かれたのかも分からないといった表情。 あたしは思わず彼の背中を叩きながら笑いをかみ殺していた。 「え、え、なに?なにか変なこと言ったかな?」 「あははは、いやー、我ながら変なことに気を回したなーと思って」 「??」 「世間一般のイメージはどうか知んないけど、あたし達はあたし達だねってこと」 なおも訳のわからなそうな顔をする彼にもたれかかり、姉御達のほうを見やる。 酒盛りに移行した大人組。 こちらの視線に気付いた姉御が意味もなく小さく手を振ってくる。 軽く手を振り返し視線をずらすと、姫ちゃんは若干おねむのようだ。 ぼーっとしている姫ちゃんを気遣いながらも副長はリーダーにお酒をつがれ、お返しにつぎ返している。 「ふぅ……なんてゆーか」 「なんていうか?」 「楽しくない」 「えぇー……」 「特におもしろいこともしなかったし、おいしいご飯もなくて魚を適当に焼いただけだし、 いつの間にか時間がたってて何してたんだろうって思っちゃうけど……」 あれ?酔っ払ったんだろうか。 お酒も飲んでないのに、思考回路がおかしい。 「……でも、なんか幸せ」 本当ならこの休暇をフルに使って、色々な楽しいことにチャレンジしてみるところなんだろう。 それもできずいつの間にか時間を過ごしてしまっていたのに、今あるのは暖かい気持ちだけだ。 「あぁ……なんとなく分かるよ」 「ほんとに?」 「うん。なんていうか、何か嬉しいことがあったときの幸福感よりももっと原始的な、 家族や仲間が一緒にいる安心感かなって」 「あー。そっか……皆一緒だもんね」 「いつもは意識しないけどね」 上を見上げる。とてもいい月だ。 その光に魅せられて、睡魔に支配され始めた頭に変なテンションが湧き上がってくる。 「ねえ……」 「何?」 「やっぱ、自分の居場所は自分で守んなきゃダメだよね」 「そうだね。あと、自分だけじゃなくて皆で」 「よーし、やるぞー……ドラゴンなんかにあたしの居場所をやったりするもんか、くるならこいやぁー……」 「はは……うん、その通りだ。後もうちょっと、頑張ろうね」 「おー……」 後で分かったことだが、あたしが飲んでいたのは本当にお酒だったらしい。 そんなわけであたしの記憶はここでブラックアウトだ。 ただ、あのとき、また皆でこんなきれいな月を見たいなと思ったことは、 今でもはっきりと覚えている。