約 2,513,038 件
https://w.atwiki.jp/7thdragon3/pages/43.html
女性B:佐藤利奈 ※以下ネタばれを含みます 女性B:佐藤利奈 汎用台詞 汎用戦闘台詞 サムライスキル エージェントスキル ゴッドハンドスキル デュエリストスキル ルーンナイトスキル フォーチュナースキル メイジスキル バニッシャースキル コメント欄 汎用台詞 上へ キャラクター登録時 「準備はできてるわ!」 ナガミミぬいぐるみ 「カメラとか…ないよねぇ?」 「ずっとそばに…いてくれる?」 パーティー加入 「頑張るね!」 室内 「あら」(チャプター1) 「お疲れ!」(チャプター2~4) 「どうしたの?」(チャプター5~5.1) 「泣かないで…」(チャプター6) 「さっさと片付けちゃいましょう!」(チャプター7) 料理 「うふふ、任せて!」「料理はぁ…愛情!」 ラウンジ 「あのね……大好き!」(ハート0) 「ねぇ…失いたく、ないの…」(ハート1) 「私の鼓動…聞こえる?」(ハート2) 「私のこと…ちゃんと好き?」(ハート3) 「好きにして…いいんだよ?」(ハート4) 「一緒に、頑張ってきたじゃない」(ハート5) 「全世界が敵でも、あなたが好き!」(ハート6) イベント 「やるしか…ないんだし…」(スペクタス戦前) 「報いを受けなさい!」(ニアラ戦後イベント) 「あとは、任せて!」(ヒュプノス戦後イベント) 「やるしか…ないのね」(ユウマ戦前) 「私達強くなったでしょう…!」(ND戦後イベント) 「愛にあふれた未来のために!」(ラストバトル後、1stリーダー) 「希望に満ちた明日のために!」(ラストバトル後、2ndリーダー) 「未来は私達で紡いでいく!」(ラストバトル後、3rdリーダー) 「やろう! やあっ!」(ラストバトル勝利後イベント) 奥義習得 「無駄にはしないよ」(サムライ/ルーンナイト) エンディング 「…うふふ、ただいま!」 汎用戦闘台詞 上へ エグゾースト 「はあああああっ!」 バディ呼び出し(低好感度) 「どう?いけそう?」 「準備出来てる?」 「ねえ、まだ?」 「見えた!」 バディ呼び出し(高好感度) 「いつも通りに!」 「頼りにしてる!」 「合わせてちょうだい!」 「ねえ、いい?」 バディ攻撃開始(低好感度) 「いつでもいいわ!」 「いけるわよ!」 「わかってる!」 「合わせてあげる!」 バディ攻撃開始(高好感度) 「これで決めましょ!」 「はいはい」 「じゃあ行きましょうか!」 「任せて!」 サポート開始 「思いを込めて!」 「あなたのためなら!」 「癒し系で!」 「もっと楽しんで!」 「どうぞー!」 ユニゾン開始 「皆!」 勝利時 「良かったんじゃない?」 「このくらい普通かな?」 「まだまだね…」 退却時 「こんなところで死ねない!」 対ドラゴン戦 「綺麗に決まった!」 「ちょっとキツかったぁ…」 イベント勝利時 「願いは叶うの!」(ニアラ戦) 「もう消えなさい!」(ヘイズ戦) 「楽にして…」(ヒュプノス戦) 「どうして…わからない!」(チカ&リッカ戦) 「これで…満足?」(ユウマ戦) 「夢ならいいのに…!」(ND戦) 「私達の、勝ち!」(ラストバトル) 「今度こそ…さよなら…」(幻視火天・影戦) レベルアップ時 「うん、いいわね!」 「まだ道は半ば」 サムライスキル 上へ 通常攻撃 「たぁっ」 「やっ」 「はぁっ」 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 旋風巻き 「決まれぇ!」 力閂オロシ 「やあっ!」「届け、この思い!」 金翅鳥王旋風 「許せないから!」 八双大蛇突き 「穴が空くわよ!」「思いをまっすぐ!」 崩し払い 「はぁっ!」「油断しないで!」 十六手詰め 「はぁっ!」「そんなに見ないで!」 双剣 飛天斬り 「空高く!」 双剣 割きモミジ 「やあっ!」「熱く燃えて!」 双剣 旋風舞い 「決まれぇっ!」 双剣 風林重ね 「私を引き立てて?」→ 「はぁっ!」 双剣 影無し 「決まれぇっ!」 双剣 大一文字 「思いをまっすぐ!」 修羅の貫付け 「私が守る!」 練気手当 「肌が荒れちゃう!」 赤気の呼気 「私はできる!」 黒鋼の呼気 「やればできる!」 丹田法の訓 「気合入った?」 不動居 「テンポ変えよっかな?」 水月の構 「私はここだよ!」 収刀の紡ぎ・破 「私が守る!」 抜刀の紡ぎ・破 「私が守る!」 憤怒の刃 「バカにしてる…!」 刃下のリアクト 「受け止めてみせる!」 天地断ち 「やるしかないのね!」「往生しなさーい!」「胸が…ドキドキ…」 乱れ散々桜・双 「もう、謝っても手遅れなんだよ!」「やあっ!」「せめて綺麗に散りなさーい!」「はぁっ!」「やぁっ!」「いつか…私も…」 エージェントスキル 上へ 通常攻撃 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 ブッシュトラップ 「恋のトラップ!」→「ハートにずっきゅん♪」 ジャンプショット 「せやぁ!」「乱れ撃ち」 ラッシュショット 「せやぁ!」「当たって」 エイミングショット 「せやぁ!」「ロックオン!」 エア・アサルト 「せやぁ!」「もっと私を見て」 ニーブレイク 「どうぞごゆっくり」 マッドストライフ 「お願い聞いてくれる?」 スケイプゴート.x 「貰っていいの?」 ロストパワー.x 「強がらなくていいのっ」 スリープオール 「高めて!」「おやすみっ」 ファイア:TROY 「せやぁ!」「情熱的な私っ」 アイス:TROY 「せやぁ!」「クールな私っ」 ハッキング 「高めて!」「言うこと聞いてっ」 エスケイプスタンス 「皆、下がって!」 トリックハンド 「相手してらんない!」 ハイディング 「影から見守ってる」 チーターマン 「スピード勝負だよ」 ハックスティール 「せやぁ!」「抵抗しないで」 アサシンズリアクト 「本当の私を見せてあげる」 インドラの炎 「本当の私を見せてあげる」「ぜーんぶ受け止めてもらうんだからぁ!!」「でも、嫌いにならないで?」 ゴッドハンドスキル 上へ 通常攻撃 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 ジャブ 「もう、やだあ」 正拳突き 「力を…」「でえぇぇい!」 ブリッツエンデ 「力を…」「持ちこたえられる?」「たぁっ」 ダブルフック 「力を…」「コンビネーション!」 スピネイジブロウ 「力を…」「信頼と、裏切り!」 クーデグレイス 「力を…」「楽にしてあげる」 ドリルクロウラー 「力を…」「かき混ぜてあげる!」 迎撃スタンス 「来るなら来なさい!」→「お返し!」 アンチ・バステ 「まだ諦めない?」→「無駄よ!」 カイロブラクティク 「癒してあげる」 デトックス 「治るかな」 心肺蘇生 「終わっちゃうよ」 攻めの経絡 「攻めのツボはここっ」 護りの経絡 「護りのツボはここっ」 弾きの経絡 「速さのツボは~?」 ゴッドチャージ 「全部お見通し」 最期の炎 「倒れてられないっ」 先制ゴッド 「私は本気っ」 星屑プレス 「力を…」「ハイパーロマンス☆」 ゴッドリアクト 「受け止めてあげる」 アースブレイカー 「ハートが欲しいの?」「せい!」「たあ!」「っていうか、折れろよ心!」「分かってもらえたかな?」 デュエリストスキル 上へ 通常攻撃 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 Xバーン 「燃え上がって!」→「シューティングスター!」 MANAゲイン 「回復しますっ」→「私癒し系だしぃ?」 召喚:炎のマモノ召喚:炎のマジュウ召喚:炎のドラゴン 「もっと…」「炎で魅せてっ」 召喚:氷のマモノ召喚:氷のマジュウ召喚:氷のドラゴン 「もっと…」「クールにお願いっ」 召喚:雷のマモノ召喚:雷のマジュウ召喚:雷のドラゴン 「もっと…」「この子は速いよっ」 トラップ:落とし穴 「恋の落とし穴っ」→「釣れたぁ!」 トラップ:鉄条網 「チクッとするよ」→「釣れたぁ!」 トラップ:火炎旋風 「期待してて」→「釣れたぁ!」 フィールド:火山 「もっとアツ~くっ」 フィールド:氷河 「もっと冷静に」 フィールド:雷雲 「刺激的にっ」 サプライ・ドロー 「いいの来て!」 サーチ:炎カード 「熱気を開放!」 サーチ:氷カード 「冷気で勝負!」 サーチ:雷カード 「雷鳴を呼ぶ!」 ラッキーダイスロール 「もっと…」「信じてるからっ」 ジャッジメントターン 「もっと…」「積極アプローチ!」「さあ!」 俺のターン! 「もっと…」「延長お願いですっ」 天運のリアクト 「勢い感じるっ」 巨神召喚 「やってまいりました、ファイナルターン!」「ぶっ潰しちまって、いいんだよ!」「ハッピーエンド♪」 ルーンナイトスキル 上へ 通常攻撃 「たぁっ」 「やっ」 「はぁっ」 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 アイスソード 「冷気を!」「(通常攻撃)」 エレキソード 「雷撃を!」「(通常攻撃)」 ドレインソード 「頂戴」「(通常攻撃)」 ラミアンソード 「頂戴」「(通常攻撃)」 ブレイブソード 「ふんさーい!」「必殺!」 エンチャントアイス 「冷気オン!」 エンチャントエレキ 「電撃オン!」 挑発 「私ここだよっ」 反撃の狼煙 「これからだしっ」 騎士の憤怒 「切り抜ける!」 ベルセルク 「変わらなきゃ」→「ああぁぁ!!」 騎士の恵み 「応援するよっ」 騎士の眼差し 「大丈夫」 オーラシールド 「もっと楽しもう」 身命の誓い 「変わらなきゃ」 身代わり 「私に任せてっ」 クレンチング 「勝たないとっ」 騎士の誇り 「悔いを残さずっ」 護りの要 「慎重に行こう」 タフネスリアクト 「私もいるよっ」 オーディンの怒り 「悪いけど…絶対に許さない!」「精々泣き喚きなさーい!!」「手が…震えてるよ」 フォーチュナースキル 上へ 通常攻撃 「たぁっ」 「やっ」 「はぁっ」 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 レベレーション 眠 「休息が必要ね」「(通常攻撃)」 レベレーション 血 「血圧高いね」「(通常攻撃)」 レベレーション 盲 「目蓋が重そう」「(通常攻撃)」 レベレーション 毒 「邪気が見える」「(通常攻撃)」 レベレーション 呪 「恨まれてるね」「(通常攻撃)」 レベレーション 死 「死相が出てる」「(通常攻撃)」 魂のオラクル 「さあ!!」 力のオラクル 「まだ足りない?」 ギフト・フォー・ユー 「痛いの、飛んでけ!」「(通常攻撃)」 サクリファイス 「これが定めなら…」「はあああああっ!」 力学の否定 「強くならなきゃ」 魔法の否定 「跳ね返す!」 イーコール 「分かってるのに」 マナフローター 「遠慮なしでっ」 風と木と詩 「必要そうね」 月明かりの詩 「行ける所まで」 太陽の加護 「あなたが必要なの」 月の加護 「何も問題ないわ」 星の加護 「この先のために」 追随のリアクト 「勝利は目前よ!」 ユグドラシルの風 「神様…私はどうすれば…」「わが身が張り裂けるようなぁ!」「私、お嫁にいけるかな」 メイジスキル 上へ 通常攻撃 「たぁっ」 「やっ」 「はぁっ」 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 フレイム 「熱い炎を」 ヴォルケイノ 「全力で!」「炎の渦を」 フレイムヴェイル 「もっと熱くなって!」 フリーズ 「震えなさい」 ブリザード 「全力で!」「凍りつきなさい!」 フリーズヴェイル 「クールに決めて」 ショック 「災禍の電撃!」 ボルトストーム 「全力で!」「雷よ鳴り響け!」 ショックヴェイル 「痺れちゃうね」 マナバレットヘヴンズプレス 「全力で!」「素直で行くよ!」 シールドクラフト 「冷静でいなきゃ」 メイジズコンセント 「全力で行く!」 キュア 「何度でもっ」 リカヴァ 「はああああ!!」「すっきりしようか」 リザレクション 「はあああああっ!」「やることあるでしょ」 MANA・バーン 「素直で行くよ!」 ヒーリングマナ 「はあああああっ!」「読み通り!」 デッドマンズリアクト 「はあああああっ!」「いざって時のため」 ジエンドオブワールド 「わたし達、もう戻れないから!」「終わりの始まりを、見届けて!!」「これでよかったんだよね」 バニッシャースキル 上へ 通常攻撃 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 クラップトラップ 「発射!」 バーストアタック 「当てるよっ」 カーペットボム 「はぁぁぁ!」「全員まとめて!」 ドラゴンバスター 「はぁぁぁ!」「狙い撃ち!」 スローイングスピア 「いっけぇぇぇぇ!」 オーバースピア 「はぁぁぁ!」「近づかないでっ」 ラッシュスピア 「はぁぁぁ!」「穴が開くわよっ」 アサルトスピア 「突撃ぃ!」「せい!」 コメットスピア 「私、行くっ」→「食らえぇぇぇ!」 アースクエイク 「震えちゃった?」 轟音 「ぼんやりしてると…」 煙幕 「休憩入りまーす」 爆薬散布 「もっと弾けましょ」 爆薬転換 「いつでもどうぞ」→「いつもありがとう エクスターミネート 「先手必勝!」 ウォークライ 「勢いは大事だから」 リロード 「ちょっと待ってて」 オートリロード 「次に備えてっ」 キリングリアクト 「全力で相手になる!」 爆熱ランスドライバー 「突き抜けて、どこまでも高く!」「砕け散ってもらうよー!!」「完全燃焼!」 コメント欄 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/64.html
エロ微小(強姦)・虐待表現・グロ表現あり・欝です。 ――花が、咲いている。 私が故郷を追われたのは、もう14年前のことだ。森の木々が薄紅の花を咲か せる頃、ごく普通の人間の両親から生まれた私の頭には、柔らかな毛で覆われ た獣の耳があった。私の姿を見た父親は動転して家を飛び出し、母親はうろた えて泣き続けた。そしていつしか、母はすべての原因が私にあると考え、私は 寒い家の中で、たった1人で生きた。母の怨嗟の視線を常に感じながら。 今ならわかる。私の両親の双方に、ルシェ族の血が混じっていたのだ。薄い、 薄いその血は、奇跡的な結びつきの果てに、私の頭の耳として結実した。こう いった「取替え子(チェンジリング)」は、珍しい事例ではあるが、まったく ないわけではない。だが私の住んでいた無垢なる田舎の村では、それは単なる 不貞の証しでしかなかった。 12年、好奇と侮蔑の目に耐えながら生きた。 12年、無視と怨念を背に生きた。 12年目が終わろうかというある冬の日、私は村のワル気取りな連中に開店前 の酒場へと呼び出され――その場で犯された。6、7人の男たちは、何も知ら ない私を好き放題に貫き、汚し、思うが侭に快楽を貪った。私はただただ痛み に耐えながら、この地獄が過ぎ去ってくれることを祈り、同時に、これからの 日々はこの地獄とともにしかないことを悟った。 ああ、でもそれだけであったなら。それだけであったなら、私はきっとあの 地獄をも平穏な日々として受け入れ、男どもの性欲解消人形として毎日を過ご しただろう。どんなに悔しくても、どんなに苦しくても、彼らは私が存在して いることを認めてくれる。たとえそれが肉の奴隷でしかなかったとしても。 私の家には、「私」がいない。 甘美な屈辱に塗れた私の目の前に、鈍く光る刃が見えた。 ――こいつ、耳の裏を触られるといい声で鳴くのな ――すっげえ笑える。うちの猫と一緒じゃん、それ ――ってことはあれか、こいつ、恥ずかしい場所をブラブラさせて歩いてるっ てことか ――いかんなあ。いかん。不道徳だなあ ――こいつに、女の貞淑さってのを教えてやらんといかんだろ 全身にねばねばした体液を浴び、息も絶え絶えだった私は、自分の耳の後ろ に冷たい刃の感触を覚え、そして次の瞬間、言葉にできない痛みが全身を突っ 走った。 ぼたり。ぼたり。 私の顔を覆う粘液とは違う熱さを持った液体が、私の頬を伝り、目に入り、 口のなかに鉄っぽい味がこみ上げる。私は悲鳴をあげた気がしたが、自分の声 はどこまでも遠かった。そもそも、声が出ていなかったのかもしれない。ただ、 視界が真っ暗に閉ざされていくのだけが分かった。 気がつくと、私は雪道を歩いていた。頭はジンジンと痛み、粗末な靴の中で 足の指が刺すような痛みを訴えていた。私は、歩かなくてはならなかった。行 くあてはなくても、歩かなくてはいけなかった。私のすべてを否定した故郷か ら、一歩でも遠くに、歩かなくてはならなかった。 歩かなくてはいけない。自分の膝が崩れるのが分かる。 歩かなくてはいけない。頬に凍った地面を感じる。 歩かなくてはいけない。頭はなおも痛み続ける。 歩かなくてはいけない。歩かなくてはいけない。 歩かなくてはいけない。 もう、歩けない。 歩かなくてはいけない。 もう、歩けない。 歩かなくてはいけない。 もう、歩けない。 ――もう、歩けない。 そのとき、遠くで馬の蹄の音が聞こえた。 それから14年がたち、田舎の雪道を任務先へと急いでいた師匠――カザン王 国の騎士だ――に拾われた私は、従者としての訓練を終え、騎士の称号を受け た。他人に比べて耳があまり聞こえないというハンディキャップはあったが、 それは私にとってモチベーションを高める材料でしかなかった。 私は、歩かねばならないのだから。私は、戦わねばならないのだから。 王国は危急存亡の時を迎えており、騎士団にはいくらでも仕事があった。だ から初の出陣となる私が、1人でそっと騎士団の建物を出たのを、見咎める者 はいなかった。 もっとも、どこに行くのかと問いただされても、私は答えられなかっただろ う――私自身、なぜ自分が歩いているのか、説明できない。 ただ、気がつくと私は歩いていた。14年前に歩いた、あの道を。 私の頭のなかで、さまざまな風景が回転した。まずは、夜を待つ。人々が寝 静まったところで、最初に駐在の衛視を殺る。これで予備の剣が確保できる。 次に村長の家に侵入して、村長一家を殺る。村長の家にしか、馬はない。馬の 手綱を切って、馬は森に追いやっておく。これで逃げる人間は走る以外の手段 を持たなくなる。 それから、一軒ずつ、慎重に仕事をする。幸い、酒場は村の中央の広場にあ る。酒場から人が出たようなら、そいつを先に片付ける。最初に酒場に飛び込 んだら、多対一になるし、騒ぎになれば逃げ出す奴もでてくるだろう。 そして――私は確実に捕らえられ、師匠は厳しく問責され、簡単な裁判の後、 師匠自らが私の首を刎ねるだろう。それまでに師匠が自決していなければ。私 の名前は騎士団の恥、カザン王国始まって以来最悪の大量殺人犯として歴史に 残るに違いない。 村が見える高台に立ったとき、太陽は山の端にかかろうとしていた。すべて が茜色に染まっていて、私は自分がこの風景を懐かしく思うことに驚いていた。 でも、何かが違った。 私は、自分の動悸が高まるのを感じた。そんな。そんなことって。 14年は。私の14年は。 気がつくと、走り出していた。茜色に染まる花を蹴散らしながら、走った。 故郷に向かう道を、走った。 こんなことって。こんなことって。こんなことって! 村は一面、水晶に覆われていた。広場も、家々も、あの酒場も。人も。 「不貞の娘」「悪魔っ子」の14年ぶりの帰郷を迎えたのは、ゆっくりと夜色に 染まり始めた水晶だけだった。 私は、何も考えられなかった。気がつくと、私は自分の家のドアを開けてい て、気がつくと、私はいつものように暖炉の前の揺り椅子に座って、いつもの ように編み物をしている女の――形をした、水晶の彫像の背中に立っていた。 ゆっくりと、剣をかざした。 深呼吸をする。 14年。この風景を、心の奥底で燃やしてきた。 14年。これだけを、念じてきた。 でも、剣を振り下ろすことはできなかった。カラリと手から剣が落ち、私は 泣いていた。ひたすら、泣いていた。物言わぬ水晶の像にすがって、あの頃の ように、声を殺して泣き続けた。 おかあさん。 おかあさん。 おかあさん……! 階段で、カタンと音がする。私は咄嗟に剣を拾い、背中の楯を構えた。油断 なく、周囲を見回す。訓練で叩き込まれた動きだ。ごく自然に、涙は止まって いた。 階段の上には、両手で杖を構えた、ローティーンの少女がいた。赤毛が印象 的だ。 おびえた瞳が、おどおどと私を見る。本人としては、睨みつけようと思って いるのだろう。でも私が彼女の視線を真正面から受け止めると、彼女の目はき ょろきょろと踊った。 「お嬢さん、私はカザン王国の騎士だ。安心してほしい。国王陛下より、生存 者がいれば救出せよとの命令を受けている。ともあれ、降りてきてはくれまい か?」 「出て行け! 何が騎士だ! ここは、あたしの家だッ!」 私は軽い衝撃を受けた。混乱した頭を整理する。14年あったのだ。そういう ことがあっても、不思議ではない。母は、お世辞にも素行が良いとは言いがた かったし、なによりこんな辺鄙な村でいわくつきの女が1人で生きていくとなれ ば、できる仕事には限りがあった。 私は苦笑して、妹に呼びかける。 「お嬢さん、落ち着いて。お嬢さんのほかに、まだ生きている人は?」 「あたしの母さんは生きてる! まだ生きてる! 死んでなんかいないッ!」 「貴女の言うとおりだ、修正しよう。まだ水晶化していない人は?」 「……あたし以外、みんな……」 妹の顔がぐしゃりと歪んだ。泣き出しそうなのを、必死で堪えている。私は 剣をしまい、楯を背負いなおすと、階段を上がった。妹は、はっとして杖を構 えなおす。 私は構わずに階段を上る。妹は、大上段から大振りで私に殴りかかった。か わす必要も、受ける必要もない。杖が私の額を打って、一瞬だけくらりとした。 額から血が流れるのを感じる。 大丈夫。こんなのは、痛みじゃない。 唐突に、妹は自分がとんでもないことをしでかしたのを悟り、杖を取り落と した。真っ青になって震えている。 「大丈夫。安心して」 へたり、と妹の腰が落ちた。最後の数段を上って妹の頭をそっと抱き寄せる。 「怖かったね。ひとりで、よく頑張ったね。もう、大丈夫。大丈夫だよ」 火がついたように、妹が泣き始める。こんな小さな子が、この死者の森のな かで、どれくらいの時間を耐えねばならなかったというのか。おそらくは私と 同じように冷たくあしらい続けた母の、憎んでも憎み足りない背中を眺めなが ら、どれだけの感情を押し殺してきたというのか。 妹は、ひたすら泣き続けた。私は腕の中のぬくもりを逃がさぬよう、彼女を 抱きしめていた。 「あたしはッ! 絶対に、みんなを助けるんだからッ! あんたも協力してよ ねッ! 騎士なんだから、困ってる善良な村人を助けるのは当然でしょッ!」 私は苦笑しながら、背後でわめきたてる妹の声を聞く。 「分かってる。これで何度目だ、いったい――。とにかく、まずは街まで行く。 状況を報告しなくてはならないし、私だけではできることにも限界がある」 「あんただけじゃないッ! 何度目だッ! あたしも戦うんだからッ! 村長 さんに、治療の魔法を習ったんだからッ! あたしだって役にたつんだッ!」 肩をすくめ、妹のわめき声を受け流す。ダメだと言ったら、彼女は確実に1人 で旅に出ようとするだろう。それくらいなら、つれて歩いたほうがマシかもし れない。その治療の魔法とやらが、どれくらい使い物になるかわからないが。 「フン、また無視かッ! あんた、騎士のくせに、すっごい鈍感。頭に耳つい てんの?」 ちくり、と心が痛む。振り返って、私は妹を睨んだ。 「ちゃんと二つ、頭についてる。わめきながら歩いていると、疲れるぞ。昨日 みたいに背負って歩くハメになるのは、御免だ。一緒に旅をしたいというなら、 なおさらだ」 「フン!」 妹が鼻息あらくそっぽを向く。負けん気だけは一人前だ。私たちは、しばら く黙って道を急いだ。 「――ねえ、あんた、なんであのとき泣いてたの?」 沈黙に耐えられなくなったのか、妹がまたわめきだした。 「ねえ! 聞いてるのッ?」 私はため息をついて、振り向かずに答える。 「あの女性は、私の――古い、知り合いだった。それだけだ」 「フーン。あのクソ婆が、騎士なんかと知り合いだなんてね」 「人の世には、不思議な縁というものがある」 「縁ねえ。じゃあ、あんたとあたしが出会ったのも、何かの縁ってこと?」 「そうなるな。わかったら、歩け」 縁。それ以外、あり得ないだろう。なおもわめきたてる妹を無視して、私は 道の先に視線を送る。 街までは、もう一息だ。
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/67.html
興味本位でハントマンになろう、とこの子を無理矢理誘って遠路遥々カザンにやってきたあたし達 《一日目・1415時》 【カザン入り口(東)】 「着いたー、カザーン」 「ようやく着きましたね」 「それじゃあ、あたしは宿を探してくるね-」 「あっ、うん、気を付けてねー」 ソーマと別れてから、知らない街を歩いていると何だか楽しくなってきてあたしは走りだしていた、 少し走ったところで広場が見えて来る、広場には色んな屋台があってあたしは目を奪われていた。 「お財布お財布…うわっと」 よそ見をしていたら誰かにぶつかってしまい尻餅をついた 「いたた」 「大丈夫か?」 「うん、だいじょぶだいじょぶ、あ、ごめんなさい」 「そうか、気を付けろよ」 その人はあたしの頭を撫でると、行ってしまった 「あ、そうそう、宿宿」 あたしは当初の目的を思い出す 「でもその前におやつだ-」 あたしは屋台巡りに向かった… 《1435時》 「おっ菓子っおっ菓子」 あたしは目に付いたお店を片っ端から覗いていく、ドーナツ、クレープ、パンケーキ、烏賊焼き、綿菓子、お好み焼き… 抱えるほど食べ歩いていたらソーマが見えた。 「ん!?ん-ほ-ま-」 「え?あ、見つけた、スズちゃ-ん探したのよ、またそんなに買って、それで宿屋は見つかったの?」 「ううん、まだ、そ-あも食べる?」 「うん、…あ、宿ならあそこが、はむ」 「知ってうの?」 「むぐ…教えてもらったの」 「ふ-ん、人見知りなのによく聞けたね-」 「そうじゃないの、…でも教えてもらったの」 「?変なの-、まいいや、そこ行こ」 あたしはソーマに付いていく、…「あ、これ美味しい」「でしょ-」… …「鈴かすてら、久し振りね」「ソーマ好きだもんねー」…二人で色々と食べ歩いていたら着いたようだ 《1730時》 「確か…ここね、六剣亭」 「ここ-?入ろー」 「待ってスズちゃん、口の周り」 「ん-?」 「ほらほら、よし、と、行きましょ」 【旅の宿 六剣亭】 カウンターに身を乗り出して、人を呼ぶ 「ごめんくださ-い」 「いらっしゃい、宿泊費は7Gだよ、泊まっていくかい?」 「泊めて-」 「お願いします」 「じゃ、ここに名前お願いね」 「はいは-い、スズリ(硯)と、ソーマ-」 「はい、ソウマ(爽麻)、です」 「ごゆっくり」 【硯編、続】
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/66.html
話はニューゲームを選んだ後のプロローグ直後から… 【カザン入り口(南)】 (カザンに着いたか…) ハントマンをするにはカザンを拠点にしたほうがいい、と思い来たものの、流石に人が多いな (ギルドオフィスに行く前に、少しうろついてみるか) 様々な店舗が並ぶ広場の中央、馬の像が目を引き近付いてみる (名は…レムス、か) 「うわっと」 不意に衝撃を受け、辺りを見回すと長い黒髪の少女が転んでいた 「いたた」 「大丈夫か?」 少女を助け起こす 「うん、だいじょぶ×2、あ、ごめんなさい」 「そうか、気を付けろ」 少女の頭を撫でつつ言い、ギルドオフィスに向かう (ギルドオフィスはここか、向こうは城か) オフィスの中も、結構賑わっていた、一人管を巻いている者が目立つが。 カウンターの方に行くと、丁度開いたのか待つことなく取り合ってくれた 「いらっしゃいませ、ギルドを登録するのですね、じゃあギルド名とメンバーをこちらに、 あ、ギルドメンバーには最大16人迄しか登録出来ませんから、そこには気を付けて下さい」 登録用紙を受け取り、書き、渡す 「ギルド名:クアール、ギルドメンバーは貴男一人ですか?名前は、タガネ(鏨)様ですね、他のメンバーは募集中…はい、登録完了です」 「ああ、感謝する」 (さて、登録も済んだ事だ、後は飯と宿だな) ギルドオフィスを後にする途中 「さあ、付きましたよガミ君」 「スゥさん、また呼び方…」 「クスッ、ガミー」 「クゥさんまで」 そんな青年をなんとなく不憫に思いながら (路銀が残り少なかったな、さてどうするか) 《一日目…1525時》 【街の外】 …しかし、軽率だった、先に宿を取っておくべきだったな… 旅支度を整えた後、宿を取りに行ったら、金が足りなかった… その時居合わせた者が貸してくれるとは言ったが、次にいつ会えるか判らない者に借りる訳には… 手っ取り早く稼ぐには、素材を集めたほうがいいな、二束三文でも日が暮れる迄には稼げるだろう 買ったものを今使う訳にも行かない、傷はマスクナッツの木の実をなんとかして… 問題は獲物が出てくるかどうかだな… 「森に入ってみるか…」 少々危険かもしれないが、今は急ぎだ、数が出て来てくれたほうがいい… が、森に入った途端手荒な歓迎を受ける、 「っ、ナッツボール…」 辛うじて躱し飛んできた方を視ると、マスクナッツが4体 丁度いい、その木の実、戴こうか 出費を減らす為に薬代は掛けられない、集中し、鞘に手を掛け前傾になる、 一気に踏み込み、薙払う、先ずは、1体…その隙を突いて2体同時に飛び掛かってきた、飛び退き避けるが…額にナッツボールが直撃した、 「…器用な」 構え直し、もう一度踏み込む、今度は一体が飛び掛かってきた、そいつを柄打ちし奥の2体に斬り掛かる、 左の方は仕留めたが、右の方は斬れずに吹っ飛んだ、その先に先程柄打ちした方がいたらしく、巻き込み共に気絶していた。 「…手間取ったな」 マスクナッツ達から木の実を採り、2体を弔っていると後ろから声が聞こえた。 「面白え事やってんじゃん、俺とも遊んでくんない?」 …何者だ?隠れていたのか知らんが、振り向かずに答える 「どこでだ?ここでも構わんが」 「ここじゃ俺に有利過ぎるだろ、森の外でやろうぜ、ま、その前にこいつをやるよ」 肩越しに受け取る、パロの実か…もう一つ、速い…今度は振り向きつつ取る、またパロの実か……… 俺は両手にパロの実を持つと言う妙な格好をさせられる 「小賢しいな、まぁ、使わせてもらう」 …一つだけ、な。 《1600時》 【草原】 「さ、どっからでもかかってきな」 門を開いて挑発…か 「なら、遠慮無く行かせてもらう」 先程の居合は見ているだろう、小手調べにアレをやるか…──『戯れ~』か 先手断ちの要領で一気に加速し拳ではたき落とす 受け身は取れるか、と思えば急に文句を言い出した 「んだよ、マスクナッツん時より速えじゃね-か」 「知るか、見誤ったのはお前だ」 「テメエ、コロス」 …?奴の気配が急に稀薄になった… 「そんじゃあ、これならどうよ」 「ほう…流石だな」 神経を研ぎ澄まし、奴の出方を窺うが、思ったより早く奇襲を受け、対応が遅れた 「取った!」 「くっ」 躱せなかった、連撃が来たらまずいな しかも笑い声が絶えず聞こえて来る…喧しい …だが、繰り返される攻撃も段々いなせなくなってきた 「これで…」 っ…ダガー! 「仕上げだ!」 ダガーに気を取られ足下に居ることに気付かなかった、 「チィ、浅いか」 だが深手では…ない、ならばその頭に… ……轟 刀を振り下ろすが、紙一重で躱される、振り抜いた刀が弾け飛んだ。 …チッ、刀が… 奴は姿を現し、喋り始めた、何のつもりだ… 「あんた、影縛りって知ってるか?」 「影縛り…?」 「ある呪を掛けた刄を影に刺すとな…」 奴の左手が上がると、足下に少々耳障りな音と共に、脚に何か絡まる 「なっ足が!…ワイヤーだと?」 「影縛りなんて嘘に決まってんだろ」 言い、足元に跳んできた、低い打点から突きを繰り出して来る…動けないが見えるのなら… その腕を取り肩打で弾き飛ばす、至近距離に居られるのは身動きが取れない状態では危ない…か 「さぁ、ショウタイムだ」 何!?くっ…離したのは失敗だったか… ワイヤーが地面を掘り起こし、ダガーが渦を巻きながら巻き取られる、素手では為す術がない… 「ぐああぁぁぁ」 …笑い声が遠くに聞こえる、またか… 膝が崩れ落ち、突っ伏した 背中に何かが数本刺さった感覚もあるが、確認の仕様がない… 足音が聞こえる… 「おい、なぁ、まだやれんだろ?」 頭を数回小突かれ、意識がはっきりして来た、それを掴む…刀…? 態態持って来たのか…だが都合がいい、自分で取りに行くのは諦めていた処だ ……全身の負傷はよく判らないが、これで勝機が見えた、 脚は…動く…起きられるか…?よし…立てる…時間がない…次に倒れたら、殺られるな… 距離は…届く…それなら… 先手…雷磊…吹雪…明王・連打… また笑っている…本当に何なんだこいつは… 「ッハハハハハハ…いいねぇ、サイコーだよ、あんた…もっとだ…もっと愉しもうぜぇ!」 …鎧通し……まだ…意識があるか? 「痛ってえな、まだまだこれからだぜ、っ…くそ体が動かねえ… まだやれんだろ、っつ-かやらせろ!なんで俺の方が先に動けなくなってんだよ!」 「五月蝿い」 鞘で思い切り顎先をはたく 「がっ…くそが…憶えて…ろよ」 ようやく…片付いたか、こいつは…どうするか、それよりも… もう一つのパロの実を使い回復する 日も暮れた、この傷では戦う事も侭ならない…金が…よし、こいつに払わせよう 「連れて行くか…仕方がない」 小僧を担ぎ上げ、「殺意」を放出する、襲われる事は減るかもしれないが、体力が保つのか?…行くしかないな… 《1830》 【カザン入口】 なんとか…着いたな、医者は…どこ……だ………… ……『おい、誰か倒れてるぞ、手ぇ貸してくれ』 【タガネ編・続】
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/43.html
注記 ・ギャグです ・多分百合です ・一部チビキャラを含みます ・プレイヤーキャラに関してはチビキャラTALKの名前と、職業名による俗称が混在します ・抜けません 登場人物 ・カリユ(かりゆ):カザンの酒場六花亭の看板娘。可愛い。エビフライがとても好き。 ・イクラクン:とあるギルドのルシェメイジ。ふかふかしている。イクラちゃんと呼ばれるとマジギレする。 夜誰かの気配を感じたとき振り代えるとイクラクンの耳が物陰からはみ出ているという都市伝説がある。 ・桃姫さん:とあるギルドのおっとり太眉プリンセス。料理が得意で物腰柔らか。 ただしお腹はとても黒い愉快犯。 ・鬱姫:とあるギルドのルシェプリンセス。語尾に鬱とつける。 水を飲むぐらいの頻度で自殺を試みるがことごとく失敗している。 ・赤平さん:とあるギルドの赤髪ヒーラー。無差別ガチレズの変態だが超執刀を体得した神医。 鬱姫の死亡フラグを潰しながらヒーラー業を務め、変態行為にも励む偉い人。 登場しない人物 ・ナムナ:ピコピコ。 世界一ハントマンの人口密度が高いと謳われるカザンの酒場、六花亭。 そこでは昼も夜もなくハントマン達が飲み、騒ぎ、キザなマスターが作る絶品料理に舌鼓を打っている。 とはいえ、閉店時間近くともなればさすがに店内も落ち着いてくる。 今は数人の常連客がマスターと談話したり、カウンターで寝こけたりしているだけだ。 鬱姫などは自ら致死量の毒を混入した酒を煽ろうとする直前で酔い潰れ、すやすやと眠っている。 赤平さんは彼女の寝顔を苦笑して眺めながら毒入りの杯を床に叩きつけ、代わりに無害だが死ぬほど苦い薬を混入した酒を鬱姫の前に置く。 目が覚めたら鬱姫は「またうっかり生きてしまった鬱」と呟き、毒入りと思ってそれを飲むだろう。 そして舌を貫く苦味に悶絶するだろう。 赤平さんはそこに「苦さを中和する薬は私の奥歯に仕込んであるわ」と告げるつもりだった。 自分の口の中に熱烈に舌をねじ込む鬱姫を想い、赤平さんは涎を垂らした。 閑話休題。 今の時間は天下の六花亭も静かなものだ。 とはいえ、ウェイトレスたるカリユの姿が見えないのはおかしな話である。 彼女は普段、閉店後の片付けまでやってから帰宅しているからだ。 マスターは注文もないため常連の戯言に付き合っており、カリユの不在に気づかない。 カリユはどこに? 答えは廊下の一番奥、「従業員控え室」とプレートのかかった扉の向こうだ。 主にカリユが休憩や着替えに使っている小さな部屋。 そこにカリユはいた。 大きな人影の前に座り込んだ姿で。 カリユは目の前に突き出された棒状のモノに唇を当て、隙間から舌先を少しだけ出してくすぐっている。 棒から染み出る透明な液体にまみれ、健康的な唇は艶かしく光っている。 「んっ……」 已む無く鼻で息をすると、それの匂いが直に鼻腔へ流れ込む。 カリユはその匂いに眉を下げ、陶然と頬を朱に染めた。 続いて大胆に舌を伸ばし、棒にべっとりと絡める。 人前では恥ずかしくてできない行為だが、目の前の人物になら見せても構わなかった。 頭を撫でられるとルシェ特有の耳を嬉しそうに揺らし、唾液の絡んだそれの先端をぱっくりくわえ込んだ。 上目遣いに人影を見上げると、小さな頷きが返ってきて、それに微笑みを返す。 カリユは唇をすぼめ、今までより強く吸った。 棒の奥から濃厚な味の汁が少しだけ先走って飛び出した。 「っ……ん……おいひい……」 それを嚥下し、カリユはうっとりと声を漏らした。 その表情はヒトの本能的な欲にまみれ、はしたなくも美しい。 もっと欲しい。味わいたい。 その一念はカリユの我慢を砕き、より過激な行為へと導いた。 くわえ込んだ棒にそっと歯を押し当てる。 そして、顎に力を込め、一気に棒をかりゅっと噛み砕いた。 中から濃厚な汁と身が弾け、カリユの味覚を強く刺激する。 エビの甘味。衣の隠し味。油のコク。 それらが一体となって幸福感を紡ぎ出す。 「美味しいよ! 美味しすぎるよ! どういうこと!?」 「逆ギレされても」 人影はふかふかと体を揺らし、手に持ったエビフライの後ろ半分をカリユの口に押し込んだ。 「んあ、おいひい」 「そいつは重畳」 「ありがとうねイクラちゃん」 「ボク、イクラちゃんじゃなくてイクラクン様だよっ」 人影がふかーっと怒る。 人影はイクラクンだった。 身長はカリユと同じぐらいだが、チビキャラゆえに横幅があり巨大に見える。 のしかかってくるイクラクンをバシーンとレシーブすると部屋中をぽよんぽよんと跳ね回り、元の場所にぽてっと着地した。 「落ち着いた?」 「おうよ」 「可愛いねイクラちゃんは」 「ボク(ry」 バシーン。ぽよんぽよん、ぽてっ。 カリユが何故こんなところでエビフライを貪っていたかといえば、イクラクンに連れ込まれたからだ。 イクラクンが何故連れ込んだかといえば、エビフライと引き換えにけしからん行為を要求したいからだ。 エビフライを見せつけられては可愛いカリユはホイホイ着いていくしかない。 唇の油をぺろぺろ舐めるかりゆに、悪いイクラクンは悪い表情と悪い声で迫った。 「じゃあ約束どおりボクと百合的な性行為をしてもらうよっ」 かりゆはふにっと首を傾げる。 「百合的な性行為」 「左様」 イクラクンは首もない頭を縦に振る。 言葉の意味を熟考すること20秒。 赤平さんに吹き込まれた知識を思い出し、カリユの顔がぽっと赤くなる。 「で、でもそれっていやらしいことなんじゃ」 「赤平さんは女の子の友達同士なら当たり前って言ってたよ」 「い、言ってたけどっ」 そう言いながら迫ってくる赤平さんはなんだか卑猥なので撃退していたが、イクラクンにいやらしさは感じない。 だがカリユとて年頃の可愛いルシェ娘。 性的なことに羞恥を感じないほどアホの子ではなかった。 「わ、私後片付けがあるからまた今度っ」 「そうはイクラクン」 諸手を挙げマントをはためかせ、眉を立てて口を三角にする詠唱の構え、 いわゆる荒ぶるイクラクンのポーズを取り、イクラクンは怪しい術を発動した。 控え室の扉が脈絡なく消えた。 何もない壁にぶつかり、かりゆは尻餅をつく。可愛い。 カリユはおろおろしながら周囲を見渡す。 地下ゆえに窓はなく、さっきまであった扉以外に出口はない。 むむぅと考え、カリユはその場にどっかと腰を下ろした。 「仕方がないから約束は守って事に及ぶとするよ」 エロパロだしね。 「わーい」 荒ぶるイクラクンのポーズのまま表情だけニュートラルに戻してイクラクンは喜んだ。 「それで、どういうプレイをするのが一般的か分かる?」 「ベッドの上で裸になって気持ちいいところを擦り合わせるって赤平さんが昼間の往来で力説してたよ」 「赤平さんに恥はないのかな」 「ある可能性を少しでも期待してた?」 「実はあんまり」 「ボクはちょっぴり期待してたのにっ!」 「よしよし、泣くのはおやめ」 無表情に男泣きするイクラクンの柔らかな銀髪をふかふかと撫でる。 良い手触りだった。 泣き止んだイクラクンを抱っこなぞしてみながら、カリユは重大なことに気づいた。 「でもここ、ベッドがないよ」 「なんと」 イクラクンはルシェ耳をビビビと振動させて動揺する。 控え室にはロッカーと机と椅子、あとはエデングルメ紀行の収まった本棚ぐらいしかない。 「じゃあ立ったまま床の上でやろうよ」 「ワイルドだねイクラクン」 「ふふん」 得意げに胸を反らすが、チビキャラゆえにバストなどという気の利いたものはない。 カリユは若干恥ずかしそうにしながら、胸から上と腰から下を隠す仕事着を下着ごとスポーンと脱いだ。 カリユの全裸についてはあまりの美しさに該当する言葉がないため描写は控える。 ただ、イクラクンはその美し可愛さに立ったまま気絶したほどだった。 それをレシーブして起こし、イクラクンにも脱ぐよう要求する。 イクラクンは手をふにふにと動かし、足をぽてぽて動かしたが、裸になる気配はない。 「四肢が短くて脱げないよ」 「だろうねぇ」 生暖かい表情で納得したカリユが、イクラクンを万歳させてマントとローブとカボチャズボンを脱がしてやった。 ――ローブの下からは、同じ柄のローブが出てきた。 ふにっと首を傾げ、さらに剥いてやる。 「あーれー」 無表情に恥ずかしがるイクラクンだが、ローブの下にまたローブを着ていた。 脱がす。ローブ。 ひん剥く。ローブ。 ひっぺがす。ローブ。 脱がすたびに総量が減り、イクラクンはじわじわ小さくなっていく。 「親類に玉ねぎは?」 「あいにく天涯孤独の身でね」 「うーん」 イクラクンのローブの胸元に手を突っ込む。 ぎゃーと叫ぶイクラクンは無視してまさぐると、そこにはお肌の感触と体温が感じられた。 「もう一皮だよイクラクン!」 「だといいけどねぇ」 カリユはローブをビリビリ破り捨てる。 中からは新品のローブが姿を現した。 「どういうこと!?」 「逆ギレされても」 「いや、これは割と正当なキレだと我ながら思うよ」 覚悟を決めて裸をさらしたというのに相手は皮ばかりの玉ねぎだったのだ。涙も出ない。 腰ほどの身長になったイクラクンと、同じぐらい積もったローブを見て、 カリユとイクラクンは揃って耳をふんにゃり垂らした。 「一体どうすれば…」 「話は聞かせてもらいました」 ロッカーがバターンと開いて中から桃姫さんが出てきた。 きゃっ、とカリユがお胸を手で隠し、イクラクンがぴょんぴょん跳ねて下半身を隠す。 「な、なんで桃姫さんがここに!?」 「私尿意を催しまして、酔ってトイレと間違えてロッカーに入って用を足してそのまま寝ていた次第です」 「ロッ」 「ご心配には及びません。こんなこともあろうかとオムツを穿いていました」 「さすが桃姫さん」 「それほどでも」 頬に手を当て、得意げにしっとり微笑む。 「聞けば何やらお困りの様子。私がそのローブを何とかいたしましょう」 「おお」 二人は感動して耳をぱたぱたはためかせる。可愛い。 桃姫さんは純白の大きな布をローブの山に被せると、凛とした声で歌った。 「1、2、3、はいっ!」 鋭く布を引き抜く。 ローブの山があった場所には、ハーフサイズのイクラクンがぽってり座っていた。 カリユと元からいたイクラクンは耳をビビビと振動させて驚く。 それを見て桃姫さんはふふふと笑い、「それではごゆっくり」と会釈した。 カリユが反射的に「ゆっくりしていってね!」と返す間に、 桃姫さんは元扉の壁をリクエスト「開けゴマ」でこじ開けて退室した。 後には可愛いカリユと、鼻先を突き合わせる同サイズのイクラクン×2が残された。 「わ、ダブルイクラちゃん」 カリユが今さら突っ込むと、イクラクン達は一糸乱れぬ動きで激怒した。 「「ボクら、イクラちゃんじゃなくてイクラクン様だよっ」」 猛然と体当たりしてくる二人を高い高いすると、ビリヤードのようにぶつかって 複雑な軌道でぽよんぽよんと跳ね回った末に元いた位置に落下した。 「落ち着いた?」 「「おうよ」」 本気で惚れてしまいそうな愛らしさだった。 「なんかもう立ったままどころか服着たまま3人でやらない?」 「ワイルドだねカリユ」 「ふふん」 得意げにかりゆは仕事着を再装着する。 そしてぺたんと正座してイクラクンどもの目線に合わせる。 「それではふつつかものですがよろしくお願いします」 「「します」」 「それで、気持ちいいとこってどこだろうね」 「ボクは耳だと思う」 「ボクも耳だと思う」 「なるほどなー」 ぴんと立った耳をピコピコ動かす。 「それではエビフライの盟約に基づき、私とイクラクンの百合的な性行為を始めます」 「「始めます」」 頭頂部を向け合い、3人は柔らかで敏感なルシェ耳をぴっとりくっつけた。 「ふわ、くすぐったい」 「我慢だよカリユ、初めては苦しいって聞くし」 「あー、でもふかふかだねー。気持ちいー」 「ふかー」 「ふかー」 3人は安らいだ表情で耳をふかふかと擦り付け合う。 ふかふかふかふかふかふか。 ピコッ。 ふかふかふかふかふかふか。 ピコピコッ。 「極楽極楽」 「イクラクイクラク」 「イクラちゃんイクラちゃん」 「「ボク(ry」」 「わわわ、激しいよイクラクンっ」 ふかふかふかふかふかふか! ピコッ! 3人の理性をかなぐり捨てた百合的な性行為は激しく続いていく。 夜はまだ長い。 カリユを探しに来たマスターが、サボりウェイトレスに減給を言い渡すまでこの狂気の愛撫合戦は続くだろう。 ふかふかふかふかふかふか。 ふかふかふかふかふかふか。 かりゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/95.html
その日、とあるギルドのサムライであるサクハは後輩ローグのカエラを連れて 近場の野原までやってきていた。 「さて、この辺でいいか」 「いい場所だね」 サクハの手には大きな包み、カエラの手には水筒。 いわゆるピクニックだった。 シートの上に腰を下ろし、包みを開く。 少しの水で手を清めた後、サクハは包みの中身である木のおひつにかぶせた布を取った。 塩を手にすり込み、おひつのご飯を手にとって握る。 丸みを帯びたおにぎりが出来上がり、サクハはそれを正座して興味津々といったカエラに差し出した。 「ほら」 「あ……うん」 サクハの手から受け取ったおにぎりを、少し逡巡して、カエラは一口食べた。 「どうだ?」 「んー……なんか、なんかくすぐったい気がして味なんて分かんないような……」 「私の味がするだろう」 「っ……!」 「自分の手で米を握り、それを手渡しで相手に渡し、食べてもらう。 人間の食事の根本だと思わないか。たまにはこういうのもいいかと思ってな」 「あー、うん、まあ」 「ほんとうはぬか漬けのキュウリを丸ごと一本と握り飯を両手に持って、 交互にかじりながら合間に冷酒というのが最高なんだが……さすがにオジン臭いからな」 「でも姉御は好きなんだ」 「はは、そうなんだ」 談笑する二人。しかし、カエラが次の行動に移ったとたん場の空気はぐるりと変わってしまうのだった。 「あは………、……姉御」 笑いの余韻を残しながらサクハの手をとり、カエラはどこか不思議な色を目に浮かべる。 そして捧げ持った手の細い指を、カエラはそっと口に含んだ。 「……!?なっ、おい!?」 「……姉御の味がする。……姉御もえっちぃこと言うんだね」 な。サクハは愕然とした。そんな意味で言ったんではないのに。 「ちょ、そんなつもりじゃ……んむっ!?」 不意打つように口付けられ、カエラの舌が口の内をくすぐっていった。 ぺろりと唇を舐めるしぐさを見せられ、頬が熱くなるのが分かる。 「ん……いい味……」 「この……!いい加減に、きゃ!?」 さすがに頭にきて嗜めようとした瞬間だった。 気付けばサクハはいとも簡単に押し倒され、体重でシートに押し付けられている。 「ちょ……こら……」 おかしい。普段ならこれくらいなんでもないはずなのに力がでない。 焦りに焦るサクハの瞳に、満面の笑みを浮かべるカエラの顔が映った。 「……もっと、姉御の味が知りたいな」 法被の内側に手が滑り、薄い着衣の上を撫でる。 「こら……やめ……」 わき腹をそって上へと上がった手が突然胸を軽く掴み、思わずサクハは声を漏らした。 「ぁ……!待って、やめて。ここは人が来るから……!」 人が来なかったらどうだというのか、それさえも考えられずサクハは弱弱しい抵抗を続けた。 「誰も来ないよ」 残酷なほどあっけなく切り捨て、カエラは略奪を再開した。 いつのまにか胸を押し捏ねられるのに合わせて断続的な息を上げていた。 もう片方の手が下に伸びる。 「あ、やめて、やめ……あぁ………!!」 (……という夢を見たわけだが) 「書けるかそんなもんっ!!」 「どうしたの?あ、夢日記?」 「(う、夢を思い出して)あ、ああ。だがなんか変な夢を見てしまってな」 「へー。あ、でもさ、聞いた話だと夢って深層心理の潜在欲求を表すんだってよ?」 「!!!?!?!!?だっ……誰がーっ!しかもお前が、お前がそれを言うかーっ!!」 「わああ!?ちょっ……なんで怒ってるのさー!?」
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/94.html
昔々あるところに可愛いカリユとイクラクンがいました。 カリユは海へ海老釣りに、イクラクンは台所へ蕎麦打ちに行きました。 天ぷら蕎麦を自ら作り出そうという魂胆のようです。見上げた食欲と言えましょう。 イクラクンは混ぜ合わせた粉を前にマナっぽいポーズを取ると、繋ぎのマナ芋を指先からとろろーっと出しました。 続いて指の又からマナ水を噴射し、全力で生地を捏ねます。 何しろ不自由な二頭身。 体を丸め、生地の上でぽんよぽんよと跳ねるのであります。 粉がまとまっていく実感を得るうち、イクラクンは自分が蕎麦なのか蕎麦が自分なのか分からなくなり、 混乱のバステが付着してしまいました。 眠そうな据わった目で虚空を睨みながら、丸まり姿勢から指ひとつ動かさずにぽんよぽんよ跳ねます。 匠の力加減で生地はうまいこと捏ねられ、イクラクンと同等の球形を為していくのでした。 一方かりゆは近所のフィヨルドで勇ましく竿を構えていました。 勇ましいだけであり、竿はホウキにタコ糸を結わえただけのものです。針すらありません。 ただ、かりゆ的には釣りってそんな感じかなーという認識のため、伊勢海老が糸の先に次々かかっています。 カリユはそれをひょいひょい釣り上げてはクーラーボックスに放り込むだけです。 ビギナーズラックここに極まれりと申しましょうか、とにかく可愛いので仕方がないのでした。 すっかりボックスが満タンになったので、カリユは自宅にふかふかと凱旋しました。 イクラクンが蕎麦を打ち終えているはずです。 招待したマスターに海老を揚げてもらえばもう天ぷら蕎麦は目の前です。 空腹と希望に涙滴型の涎を垂らし、カリユはぴょこーんと直接台所に飛び込みました。 そこではイクラクンと蕎麦の生地が揃ってまな板の上に並んでいました。 ルシェ耳をぴっこり傾げてかりゆが訝ると、イクラクンと生地は口を揃えて「ボクをお切りめされよ」と重々しく告げるのでした。 「ご冗談でしょう」 片足立ちでもう片足と上体を横にひねり、両腕を斜め上方に伸ばした動揺のポーズでカリユは驚きます。 しかし蕎麦の香りのイクラクンは退きません。 「ボクも蕎麦として生まれたからにはそろそろ麺になるべきだと思うんだよね」 イクラクンからは無表情ながらも吹っ切れた爽やかな心意気を感じます。 すっかり蕎麦気取りです。 「あとそのポーズ疲れない?」 「そういえば割と」 姿勢は変えぬままルシェ耳を傾けて安定を得たカリユはむむむと考えます。 イクラクンが血迷うのは今に始まったことではないのですが、急がねばお腹が空いてしまいます。 「さぁ、太く短いボクの麺生を細く長く切って終わらせて!」 「そんなことできないよっ!」 涙を浮かべてカリユは慟哭します。 だってお世辞にもイクラクンが麺として上質だなんて思えませんからね。 カリユは泣きながら蕎麦生地の方をトントンと切り、沸騰させた湯に放ちます。 そしてわくわくと見上げるイクラクンをボウルの中の氷水に落とします。 「ちべたいちべたい」 イクラクンは哀しそうにボウルから這い出ようとしては傾斜に阻まれ、とぷんとぷんと水に落下します。 荒療治ですがカリユは他にイクラクンの頭を冷やす方法を知りません。 「イクラちゃんの本質は?」 「ボク、イクラちゃんじゃなくて誇り高きイクラクンのイクラクンだよ!」 「よし」 まだイクラ蕎麦と抜かすようであればぬるま湯に落としてお蕎麦湯を取るところでした。 「ボク! ちゃんじゃなくて! イクラ!」 「そうがなりなさんな」 ゆったりたしなめるカリユ可愛いです。 ボウルの中でイクラクンがぱちゃぱちゃ暴れるうちにキザなマスターが颯爽と現れ、伊勢海老を次々と天ぷらに仕立てました。 コツは衣水をよく冷やすことだそうで、イクラクン入りのボウルから取った氷水で粉を溶いていました。 もちろんイクラクンも衣水に落ちます。 最後の伊勢海老にしがみついていたイクラクンがつられて油に落ちます。 しかし比重の軽いイクラクン。 煮えたぎる油の上にちょーんと爪先立ちして難を凌ぎました。 「揚がるかと思ったよ」 「おお、可哀想にね」 泣くラクンをふんわり抱きしめながら蕎麦に揚げたての海老天を乗せ、かりゆは天ぷら蕎麦を貪り食いました。 かりゆだけで貪り食いました。 全部ね。 愛でたし愛でたし。 かりゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/4.html
メニュー トップページ SSリスト【無印・一話完結系】 SSリスト【無印・連載系】 SSリスト【2020・一話完結系】 SSリスト【2020・連載系】 リンク 本家保管庫 現行スレ
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/71.html
とある辺境の地に、小さな国があった。そこでは、ルシェ族と呼ばれる種族は、迫害の対象となっていた。 ゆえに、幼くして差別をうけ、ボロボロの状態だったルシェ族の男の子を、国王が偶然に見つける。 王は、ルシェ族の恋人がいたが、王という立場により、人目につく所では被差別種族の彼女と会う事が出来なかった。 この日も彼女に会う為に裏路地に来た帰りに、男の子を見つけた。 王は、元々差別に対しては反対の考えを持っていた為、こう呼び掛けた。 ―――――君さえよければ、我が城へ来ないか? それが、10年程昔のお話。 「そろそろ着きますよ、姫様」 「・・・うん」 二人の若い男女が、小さな辺境の国へと続く道を進んでいた。 二人ともルシェ族のようで、少年の方は強固な鎧に身をつつみ、少女はいかにも王族、といったような服装だ。 「三ヵ月ぶりですか、あの国へ帰るのは・・・」 「・・・そうだね。」 「王様達は皆、怒るどころじゃ済まないんだろうな・・・。」 「・・・だろうね。」 あの国であったのだろう出来事を思い出していく。 「まぁ、素直に謝罪すれば、王様はお優しい方です、この事も許してくださるはずです。」 「・・・どうかな?」 少女は、王族でありながら、被差別種族のルシェ族だった。貴族達や、城に仕える者達からも、同じルシェである母とともに差別をうけていた。 だが、たった一人、王だけは彼女らのことを良くしてやっていた。 王の手回しにより、護衛の者や、勉学を教える者に、年の近いルシェを遣わせた。 たった一人の味方。たった一人の父―――― 「・・・姫様?」 はっ、と現実に意識を戻した少女。 「さぁ、この門の先ですね。行きましょう。」 甦る記憶、込み上げる思い。 離れていたのはたった三ヵ月だが、感慨深い物がある。 そして、門を開いた瞬間、目に飛び込んで来たものは、 美しい、地獄だった。 「なっ―――!?」 「うそ・・・・」 一面に狂った様に咲き乱れる毒花があった。 「これは・・・ひどすぎる・・・!」 あちこちに血がこびりつき、結晶化した人もあちこちにいる。 「・・・・お父さん!お母さん!」 「!? 姫様!一人では危険です!姫様!」 城へ向かって駆け出した少女は、ためらいもなくフロワロの中へ足を踏み込み、自らを傷つけながらも進んでいく。 お父さん、お母さん、お父さんお母さん、お父さんお母さん―――! 無我夢中で、自分と母の二人で過ごした城の一室へとやってきた。そして扉に手を掛け、開いた先には、結晶と化した母がいた。 「い・・・いやぁぁぁぁぁ!!お母さん、お母さぁん!」 いつも自分の事を一番に考えてくれた、最愛の人の変わり果てた姿に、泣く事しか出来なかった。 良くみると、母はペンを握っている。 そのしたには、手紙らしき物があった。 それを手に取り、読んでみた。 最愛の娘、サンへ 貴女がいなくなってから、もう二ヵ月が経とうとしています。 この国はもう持ちません。竜に襲撃されている様です。 貴女の姉さまは、貴女のおつきの方―――確かコッポラちゃんよね、二人はサンがいなくなってから一週間後位かしらね、貴女達を見つけるまでは帰らない、と言って国を出て行ってしまったの。 今となっては正しい選択だったのね。 私は、何があろうと、いつか貴女達が帰って来るであろうこの城を決しては なれたりはしま せん。 もうあ まり手も 動かなくな ってきたわ、最 後に一 つだけ。 母親らし いことあ んまりしてあ げられな くて、ご めんね。 「うぅ・・・お母さん・・・」 自分へと宛てられた手紙を読んだら、また涙が止まらなくなってしまった。 「おーい、姫様、どこで――あ、いた!」 遅れて来た少年は、泣きじゃくる少女に驚き、理由を聞いた所、無言のまま手紙を渡された。 一通り読んだ後、少女の様子を見るとどうやらあまりよろしくない。 「私も・・・死にたいよ・・・」なんて言っている。 そんな彼女に、こう話し掛けた。 「・・・父様や母様がいなくなってしまったからといって、決して姫様は一人では無いという事を忘れないで。今、姫様は自分も死んでしまいたい、と思っているかも知れませんが、そしたらコッポラさんも・・・ボクも、とても悲しくなります。 貴女には、ボク達が一生ついていますから、死にたい、だなんてこと言わないでくださいよ。お母様やお父様の分まで、生きなければいけないんです。」その言葉を聞いた少女ははっとした表情で少年の方を向いて、 「・・・そうだね、ヒトの言うとおりだ・・・。軽はずみに変な事言って、ごめんなさい。」 分かってくれたのならいいんですよ、と、ヒトと呼ばれた少年は答えた。 姫が、強い心の持ち主であって良かった、と少年はほっとした。 それからほどなくして、かつて小さな国であった地をでて、これからどうするかを考えた。 少しして、サンと呼ばれた少女が言った。 「私・・・お母さんの手紙には、『竜』にやられたって書いてあったのみて、思ったの。竜を倒すって。あの国の様なとこ、増やしちゃいけないって。」 「・・・敵討ちという理由もあるんでしょう?あんまり褒められた事では無いんですが・・・。姫様が決めた事なら、ボクも、全力を尽くさせてもらいます!」 「・・・ありがと、ヒト。」 「!? ・・・お、お礼なんていいですよ!?ボクがやりたい事をやるまでですから!」 ―――こうして、少年達の歩む道は、決まった。 → 仲間たち
https://w.atwiki.jp/7thdragon3/pages/23.html
Chapter3 翼と剣 Chapter3 翼と剣 ノーデンス 低層区クラディオン 居住区 ベルク海洋宮殿 王宮:宮殿門 王宮地下:B1F 王宮地下:北西回廊 王宮地下:B2F 王宮地下:B3F 王宮地下:渦潮の間 低層区クラディオン 居住区 1stユニットの行動 2ndユニットの行動 パーティ合流後 ベルク海洋宮殿 封印区通路 封印区レデイン:水深65m 封印区レデイン:水深72m 封印区レデイン:上層回廊 封印区レデイン:水深81m 封印区レデイン:中層回廊 封印区レデイン:最下層 封印区レデイン:水門 ノーデンス ノーデンス 本館3F会議フロア 会議室でイベント 選択肢 でも放っておくことなんかできない。 ナガミミが良いって言ったんです。 選択肢 そんな計画なら、もう協力できない。 運命を変えるために竜を狩るんじゃないの? 選択肢 確かにそうだね。 最初から全員助けるつもりだ。 選択肢 なんとかなるよ。 ノーデンスで守ろう。 東館1Fポータルフロア 転送装置で低層区クラディオンの居住区へ 低層区クラディオン 居住区 奥でイベント エーグルに話しかけてベルク海洋宮殿へ ベルク海洋宮殿 王宮:宮殿門 アトランティス兵と話す 選択肢 知り合い? エーグル分隊長? エーグルが立っている近くの光る場所を調べて裏道を発見する 選択肢 王宮に詳しいんだね。 どうしてこんな裏道を知ってるの? 王宮地下:B1F 漣の間と潮騒の間に宝箱 ドラゴン ドラコフォルバル×3 救助 やる気のない少女 仕事熱心なメイド トマ 宝箱 宝箱 備考 スモークグレネード×3 ツォルキン メディスII スモークグレネード 漣の間 ナノファイン×2 潮騒の間 王宮地下:北西回廊 一本道 宝箱 宝箱 備考 ヒールエアロII 王宮地下:B2F 白波の間に救助2人 ドラゴン ドラコフォルバル×2 アルマノス×1 救助 おもしろい女 元兵士長 ユッタ(白波の間) エラそうな老人(白波の間) 宝箱 宝箱 備考 レデイン ナノファイン×3 スモークグレネード ポワゾル 王宮地下:B3F マップ左側はB2Fから行くことができる ドラゴン、宝箱(SPアップ300×3)、救助あり セーブポイントあり ドラゴン アルマノス×3 ドラコフォルバル×1 救助 未来のアイドル マアヤ 宝箱 宝箱 備考 メディスII キラーバンド×2 ヒールエアロII×2 食材セット SPアップ300×3 王宮地下:渦潮の間 イベント 選択肢 運命は関係ない。国を守るのが王だ。 まさか、滅亡を望んでいるの? 選択肢 国民を救う方法ならある。 一緒に足掻いてみよう。 選択肢 生きたいと思わない? そんな運命は変えればいい。 選択肢 そんなことしたらクラディオンが・・・ そんなことしたら集落のみんなが・・・ エリマキドラグと戦闘 クラディオンへ 低層区クラディオン 居住区 イベント パーティ分割 この先パーティを1stと2ndで分割して行動することになる パーティ編成、装備、スキルなどを準備しよう エーグルに話しかけて準備OKする 1stユニットの行動 居住区の北部から破壊された居住区へ 破壊された居住区 ドラゴン ドラゴハンマオー×3 救助 漁師トッド 中層通路 入口でイベント 選択肢 少し休んだほうがいい。 お姫様だから仕方ない。 ドラゴン スモウドラグ×1 ドラゴハンマオー×1 上層通路 ドラゴン ドラゴハンマオー×2 スモウドラグ×1 鍛冶場への道 ドラゴン ドラゴハンマオー×2 スモウドラグ×1 精錬の鍛冶場 イベント 選択肢 ウラニアならできる。 やっぱり手伝おうか? 2ndユニットの行動 備考 ノーデンスに戻れば合流パーティになり装備の受け渡しもできる これで職業によっては2ndの分まで装備を買わずに節約できる 下層通路 ドラゴンをすべて倒す ドラゴン ドラゴハンマオー×2 フライドラゴニカ×4 スモウドラグ×2 パーティ合流後 ユウマから15Dzを受け取る ノーデンス 「アトランティス避難区」改修を行う 脱出ポイント『鍛冶場への道』が開通 低層区クラディオン 精錬の鍛冶場 ウラニアのイベント 竜殺剣アトランティスを入手 ベルク海洋宮殿 宮殿門の奥でイベント ノーデンス イベント 選択肢 気遣ってくれてるの? まだまだ戦えるよ! マイルームのベッドで休憩する 選択肢 こちらこそよろしく! どうしてそこまでしてくれるの? 本館3F会議フロア 会議室でイベント 東館1Fポータルフロア イベント 脱出ポイント『封印区通路』が開通 ベルク海洋宮殿 封印区通路 南側から王宮:王族の間 東に宝箱(ナノファイン×1) 北側の扉を進む 宝箱 宝箱 備考 ポワゾル×2 食材セット ナノファイン 王宮:王族の間 東 封印区レデイン:水深65m ドラゴン ダークワン×3 救助 寝起きの女 寒がりな兵士 空腹の衛兵 宝箱 宝箱 備考 ポワゾル バーンズガード アタックリングII×2 封印区レデイン:水深72m ドラゴン モーフドラグ×4 救助 負けた兵士 兵士っぽい人 宝箱 宝箱 備考 ヒールエアロIII×3 スリープガード ナノファイン 封印区レデイン:上層回廊 救助 引退した老兵 封印区レデイン:水深81m マップ左下の出口から水深72mの宝箱や救助を回収できる ドラゴン モーフドラグ×3 ダークワン×2 宝箱 宝箱 備考 メディスII×3 ヒールエアロII×2 SPアップ200×3 封印区レデイン:中層回廊 ドラゴン フリーズドラゴン×1 宝箱 宝箱 備考 ナノファイン 封印区レデイン:最下層 セーブポイントあり ドラゴン モーフドラグ×2 エリマキドラグ×2 救助 輝く兵士 宝箱 宝箱 備考 ナノホープ×3 封印区レデイン:水門 イベント 選択肢 ウラニアは最後まで見届けるべきだ。 こんなところで命を落としてはいけない。 ニアラのイベント 選択肢 お前を狩る者だ。 悪趣味な金色だな。 第3真竜ニアラと戦闘 第3真竜ニアラ 真竜ブレス 全体に約90ダメージ 真竜の牙 複数回の単体攻撃+出血 フィクスエアロをドロップ。 第3真竜の検体を入手 ノーデンス 本館3F会議フロア 会議室でイベント 本館B2Fアトランティス避難区 選択肢 急ぐことはないよ。 海なら、ここにもあるよ? マイルームのベッドで休憩する