約 2,512,812 件
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/48.html
続きが出来たので、投下させていただきます。媚薬ネタのつもりです やはりエロは短くぬるいです 登場人物 カルダモン(眼鏡メイジ♂)薬学LV5 アニス(紫プリンセス)今回は縛られてない ヴァニラ(青プリンセス)とユーカリ(ルシェヒーラー)変な薬を作った カザンの町の一等地にある、とあるギルドハウスの窓から不気味な色の煙が濛々と上がっていた。 そのギルドハウスの調理場には銀髪褐色の男と青色の髪の少女が立っている。 彼等は共に顔全体を覆う大きなマスクとごつい手袋を身につけており、呼吸をするたびにしゅこーしゅこーと音がする。 大きな鍋にモンスターから得た元から不気味な戦利品を刻んで、 更にグロテスクになった材料をぼちゃぼちゃと音を立てて入れていく。 「絡み合う根を三つ…臭い肝を二つ…魚の目を六つ…」 「長寿の髭を一束…パロメディスを二つ…あと、マナ水を五つ…」 「最後に髪を入れて…」 不気味な色の液体がぼこぼこと煮えたぎっている鍋の中に、鮮やかな紫色の長い髪を数本はらはらと落とした。 元々鍋の中身が変な色をしている為、髪はすぐに見えなくなってしまった。 木箆でぐるぐると掻き混ぜながら鍋の中身を煮込む。 長時間弱火で煮込んでいると、次第に鍋の中身は少なくなっていく。 煮込んでいる途中に何度か爆発したりしたが、なんとか完成した。 最終的に鍋の中に残った量はコップ一杯分の透明な液体だけで、ぱっと見は普通の水にしか見えない。 その為、水と間違えて飲んでしまいそうである。 とりあえず、その液体を鍋からコップへと移し替え、テーブルの上に置いておく。 それから余った材料や調理器具等々の後片付けをして、ようやく一息ついたところである。 「古今東西、人類が追い求めた秘薬…所謂、媚薬ってやつですが…」 「これを大量生産して、売り付ければ、億万長者も夢じゃないのだ」 「まあ、古い文献に書いてある製造方法で試験的に作ってみたのだけなので、効果は使ってみなければわかりませんよ」 「まあ、後は使うだけなのだ。ふふふ…」 「くっくっく…」 「ふふふ…ユーカリちゃんも悪よのぅ、なのだ」 「くっくっく…ヴァニラさんほどではございませんよ…」 怪しく談笑する二人。二人とも性根が歪んでいるのか、他人で遊ぶのが大好きで、 他人が苦労している様子をみるのはもっと大好きなのである。 「ところで、この薬は食事や飲み物に混ぜるときは、どれくらい入れればいいのだ?」 「ほんの少しで十分ですよ」 「この量で何回分もあるのだ?材料を集めるのは面倒だけど、案外安くつくのだ」 「まあ、そういう事です。ちゃんと効果が確認することができれば、すぐに次を作れるように準備しておきましょう」 そんな会話が繰り広げられているとは知る由も無く、ギルドハウスに入ってくる男が一人。 「変な煙が出ているから来てみれば…やっぱり、貴方達ですか…」 明らかに不機嫌そうな表情をしたカルダモンがやってきた。 家中の窓を開けていたので、煙が充満することは無かったが、 なんとなく臭いが残っているようで、顔を顰めて部屋の臭いを嗅いでいる。 「また何か変なもの造ってたんじゃないでしょうね?」 「もとからこの調理場ではゲテモノしか作ってないのだ」 材料からして、まともな食材を使ってないのだからまともな料理が出来るわけがない。 毎回ゲテモノ料理を作ってはカルダモンが食べさせられていた。なので、 あまり、というか全く調理場にはいい思い出が無い。 「…で、何を作ったのですか?」 「それは言えませんよ。言ったら面白くなくなってしまうじゃないですか」 「そうなのだ。秘密なのだ」 そう言ってユーカリとヴァニラは不敵に笑う。正直に話さないだろうと最初から予想していたが、 まさにその通りで呆れたと言わんばかりに大きな溜息を吐くカルダモン。 今回も嫌な予感がする。そう思う度に彼は不幸な目にしか遭っていない。 嫌な予感ばかり的中して、そしてその災難はことごとく彼に降りかかっている。 生まれ持っての宿命なのか、彼の周辺人物の所為なのか、一体何が原因かは一切不明である。 が、彼は後者に違いない、と決め付けている。 「お願いですから、私を巻き込まないで下さいよ」 「それは約束できないのだ」 そんなヴァニラの返事を聞いた途端、彼の表情は更に険しくなる。 周りから目つきが悪い、悪人面だ、と言われているので出来るだけそうならないようにと、気を付けているが一向に改善しない。 というのも、何度も騒動を起こされて、それに巻き込まれていて、不機嫌になるなと言う方が難しいくらいである。 最近では気がつけば眉間に皺が寄っている。 「まったく…巻き込まれる私の身にもなって下さいよ…」 「ぶっ倒れるあなたを看護する身にもなってくださいよ」 「私だって、好きで倒れているわけじゃありませんよ…そもそも、ユーカリ、貴方は看護なんかしてないじゃないですか。リカヴァの一つも使ってないくせに…」 「唾でもつけときゃ治りますよ」 「治るか!」 カルダモンは鼻息を荒くして恨み言を垂れるが、どれだけ文句を言われても微塵も気にしていないユーカリは何処吹く風といった様子である。 そんな様子を見ているヴァニラはふふふ、と笑っている。 「笑ってないで、貴女も何か言って下さい!」とカルダモンに怒られたでの、仕様が無いから口を開く 「カルダモンちゃんはむしろ良い思いをしているのだ」 「…はあ?」 「カルダモンちゃんは気絶してるからあまり知らないかもしれないのだが、カルダモンちゃんがぶっ倒れる度にアニスちゃんが甲斐甲斐しくお世話してくれてるのだ」 「そう、なんですか…じゃなくて、どうしてここでアニスが出てくるのですか!?」 この前の事があったからか、彼女の事を考えると自然と顔が赤くなっているのが自分でもわかる。 なにやらヴァニラもユーカリもにやにやしながら自分のことを見ているのに気がついた。 このままでは二人のペースに流されていってしまう。既に流されているのだが。 とにかく、どうにかして落ち着かなければ。 「別にヴァニラは本当のことを言っただけなのだ。本人に聞いてみればわかることなのだ。気になるなら聞いてみればいいのだ」 「自分のことを憎からず思ってくれる人が近くにいるっていうことは幸せなことではないですか。いやあ、若いっていいですねえ」 私と大して歳は変わらないでしょうが、と思っていたがあえて何も言わないでいた。 そもそも、この二人はどちらもカルダモンが苦手とするタイプである。 それを一遍に同時に相手をするとなれば、不利になるということは最初からわかっていた。 だが、この場に足を踏み入れたのが運の尽きということか、逃げたくとも逃げられない。 それはメイジという職業の素早さの低さだけが理由なのではないだろう。 「せっかくヴァニラがお膳立てしたのに、ちっとも進展しないのだ。最初のとき以降、全く手を出していないのだ」 「へたれですからね。あまり期待し過ぎても疲れるだけですよ」 本人が目の前に居るというのに、口を慎む気には二人ともならないようである。 むしろ、本人の目の前であるから悪口で盛り上がれるのである。 陰口ではない、本人に向かって堂々と言っているのだから。 黙っていては相手に好き勝手言われる一方であるが、残念ながら彼には言い返すだけの話術も、それどころか既に気力さえも残っていない。 とりあえず、気分だけでも変えようと視線を落とすと、目の前のテーブルの上に置いてあるコップの中に水が入っているのに気がついた。 彼はそれに手を伸ばし、何も言わずにコップの中の水を一気に飲み干した。 無色透明、無味無臭で味も何も無い液体だった。水なのだから当然かもしれないが。 コップをテーブルの上に戻し、シャツの袖で口を拭っていると、 ついさっきまで好き勝手喋っていた二人が神妙な顔をしてこちらを見ているのに気がついた。 「それ…飲んだんですか?」 「…?はい、そうですけ、ど…」 それがどうしたのですか?と言いたかったのだが上手く呂律が回らなかった。 それどころか、眼鏡も外していないのに視界がぼやけて、ぐにゃぐにゃと歪む。 いくらなんでも、眼鏡を外してもここまで酷くはならない。 足がふらふらするなと思っていたら、急に膝が抜けて立っていられなくなった。 膝を地面につけ、両腕で体を支えているが、それさえも不可能なくらいに体から力が抜けていき、そのまま床に倒れ伏した。 荒い呼吸音ばかりが嫌に耳に響く。突然の出来事で現在の状況が全く理解出来ない。目がチカチカする。 体温が上がっているのか、体が熱い。もしかして死ぬのだろうか、と頭の隅で考えたが、 正常な思考も出来ないようで、意識がふわふわしてきた。 遠くで誰かの声が聞こえているような気がしないでもないが、何を言っているのかさっぱり聞き取れない。 視界が徐々に暗くなり、それに連動するように意識が遠のいていき、そのまま気を失った。 「…大丈夫なのだ?」 先程の薬品を造った側のヴァニラとユーカリも現在の状況には少なからず動揺している。 先程までの様子とはうってかわってユーカリは落ち着いて対処する。 うつ伏せに倒れているカルダモンを仰向けにさせて気道を確保する。と、少々荒いもののちゃんと呼吸はしている。 それに続けて脈を測ると正常よりは高いが、異常は無い程度である。 「とりあえず、ベッドの方に移しましょう。流石にここに居させるのは良くないですから」 そう言うとユーカリはカルダモンが身につけているマントを外し、彼の両腕を持って運ぼうとし、ヴァニラは両足を抱えてその手伝いをする。 彼は割かし平均よりも細い方であるが、完全に気を失っている人間というのは結構重いものなのである。 彼が倒れたところからベッドまではそれほど距離は無いのだが、運ぶのにはかなり時間と労力がかかった。 目を覚ましたら、殴る。 「一気に全部飲んじゃったけど…大丈夫なのだ?」 「今のところ特に異常は見られませんが…正直なところ、目が覚めてみないとわかりません」 「それに、本当にあの薬に効果があるのかわからないのだ」 「少しでは効果があるかどうかもわかりませんし、全部飲んでくれて丁度よかったのではありませんか?」 「それもそうなのだ」 罪悪感さえも感じないのか、それともそんなことは忘れたのか、 二人は当人が気を失っていて聞いていないことをいいことに好き勝手なことを言って、談笑している。 少しカルダモンが魘されているみたいで、苦しそうな声を上げているが、特に気に留める様子も無い。 「…そういえば、カルダモンは薬学LV5持ちでしたね」 「そういえば、そうなのだ…」 アイテムの効力を二倍にするという便利なスキルである。 果たして先程の薬品にこのスキルの効果が及ぶかどうかは不明であるが、絶対に無い、とは言い切れない。 そのことを思い出した二人の間に長い沈黙が流れる。 町の中で戦闘中ではないが、彼にとってはドラゴン以上の強敵を相手にしていたのだ。 絶対効力が及ぶ、とは言い切れないが、その逆も然り。大量服用で更に薬学で効果二倍。 額に浮いた冷や汗が頬を伝う。 「…ま、まあ、ヴァニラ達にはどうすることも出来ないのだ」 「吐かせればいいかもしれませんが、事後処理も大変ですしね」 「アニスちゃんを宛がえばいいのだ。その後は当人達に任せるのだ!」 無責任なことを言って彼等は気を失ったままのカルダモンを置いて、ギルドハウスから出て行った。 彼が何時目を覚ましてもいいように、アニスにそれとなく言っておいたので、多分大丈夫だろう、多分。 後は野となれ山となれ。吉報を待つ。 天井が見える。しみが魚の形をして狭い天井を泳いでいる、ように見える。 体を動かさずに周辺を見てみるが、視界はぼやけてよくわからない。 眼鏡が無い、と気がついたが眼鏡を外した覚えが無い。 それどころか、記憶が曖昧で、どうして自分がベッドに入って寝ているのかさえも覚えていない。 ギルドハウスに入って、ヴァニラとユーカリと何か話していたような覚えがあるが、その後が思い出せない。 何も探してはいないが、眼鏡が無ければまともに動くことも出来ない。 体をゆっくりと起き上がらせようとするが、妙に体が重く感じる。なんだか体が熱いし、脈拍も早い。熱でもあるのだろうか。 「…起きたの?」 聞き覚えのある女性の声が聞こえたので、声のした方へ顔を向けると、ぼんやりと誰かが居るのが確認できる。 紫色の鮮やかな髪の色で誰なのかがわかる。 「アニス?」 やや掠れてはいるもののちゃんと声が出ることも確認できた。眼鏡を取ってもらい、 つけるとようやくはっきりと見えるようになったが、意識の方は覚醒しきらず、未だに彼はぼんやりしたままである。 「もう起きて大丈夫なの?」 アニスは半目のままぼんやりしているカルダモンを心配して声をかけるが、やはり返事は返ってこない。 寝かせた方がいい、と判断して起き上がろうとしていた彼を再びベッドに横にしてやり、捲れ上がっていた布団をかけ直した。 「急に倒れたって聞いたから…」 「そうですか…」 「…そうですかって、覚えてないの?」 無言のまま小さく頷いて返事をする彼の様子を見て、アニスは更に心配なる。 そんな彼女を気にも留めずに、カルダモンは再び天井に目を移す。と、先程まで魚の形だと思っていたしみは鳥の形だった。 忙しなくばたばたと羽ばたいて飛び回っている、ように見える。 「あのしみ、動いてませんか?」 彼自身も自分で何を言っているのかよくわからないが、出てきた言葉はこれだった。だが、そういう風に見える。頭でも打ったのだろうか。 アニスは普段真面目で冗談も一つも言わないような彼がそんなことを言い出すものだから、当然困惑してしまう。 「あれって、どれ?」 「あれですよ」 そう言いながら彼は片腕を布団の中から出し、天井の一部分を指で指し示す。 それでもアニスにはそのしみが見つからないので、彼と並ぶようにしてベッドの傍にしゃがんで天井を見上げる。 天井の隅から隅まで探して、ようやく鳥の形をしているように見えないこともないしみがあるのを見つけた。 「あの鳥の形のしみ?」 「それです。羽ばたいてませんか?」 「…動いてないわよ?」 私には動いているように見えます、とカルダモンははっきりとした口調で言う。 彼は未だ半目で眠たそうな顔をしている。彼の様子と言動からまだ夢の世界に片足突っ込んでいるのだろうか、とアニスは考えた。 それならば、寝させておいた方がいい。立ち上がって、ベッドの横に置いた椅子に腰を降ろした。 飽きもせずに彼はじーっと天井を見詰めている。 「眠れないの?」 「先程までずっと眠っていましたから、眠くはありません。…ベッドにはアニスが運んでくれたのですか?」 「ううん、違うわ。私はあなたが倒れたのを聞いただけよ。ヴァニラとユーカリが教えてくれたから、二人じゃないかしら?」 「そうですか…それから、ずっとここに?」 「え、ええ…」 「いつも有難うございます」 「そんな…別に礼を言われるようなことじゃないわ…」 面と向かって礼を言われるとなんだか照れてしまい、頬を赤く染めて俯いてしまう。 だがそこで、ふと気がついた。どうして彼がそれを知っているのだろうか。 毎回彼が気絶して、目が覚めたときには傍に居る。実際は倒れてからずっと傍にいるが、 最初から最後までずっと傍にいることに関しては彼には一言も言っていない。 そんな恥ずかしい事を言えるわけがない。目が覚めたときには、さっき来たばかり、としか言っていないのに。 「そのこと…誰から聞いたの?」 「ええと…誰でしたっけ?」 確かに誰かから聞いたような気はするのだが、それが誰だったかは覚えていない。それどころか、そのことを何時知ったのかも思い出せない。 老化が始まっているのだろうかと、少しばかり心配になったがあまり気にしないでおこう、と彼は思い直した。 ついさっき目を覚ましてから大して時間も経っていないが、やはり普段よりも体が熱い。 それどころか、起きたときよりも更に体温が高くなっているような気がする。 どうにかして体温を下げなければ、再び気を失ってしまう。まずは濡れタオルで額でも冷やそう。 というわけで、アニスに指示をして持ってきてもらったのだが。 「……」 タオルを濡らしたのはいいが、しっかりと絞っておらず、 水を含んでべちゃべちゃのタオルをそのままカルダモンの顔に乗せた。 せめて眼鏡は外して欲しい。そんなことはともかく、明らかにおかしいような気がする。 もしかして、彼女は今までもこのように看護していたのだろうか。 今まで全く知らなくて良かった、というよりもむしろ知りたくなかった事実である。 「あの…絞らないんですか?」 「え?…ああ、そういえばそうね」 忘れてたわ、と言いながらアニスは濡れタオルを引き剥がす。と、そのすぐ傍でタオルを絞って水を切る。 桶は無いのだろうか、とか考える以前に真横で絞られて、布団と一緒に服も濡れた。 冷たいし、寒い。このままでは本当に風邪でもひいてしまいそうだ。 彼女に任せるよりも自分でやった方がまだましだと思い、ふらふらしながらも彼は起き上がろうとした。 が、アニスに寝ていなさい、と言われて抵抗も出来ずに再び寝かされてしまった。だがしかし、彼にとっては暢気に寝ている場合ではない。 せめてこの冷たいベッドから出たい、という諭旨を告げるとようやく彼女は了承してくれた。 横のベッドに移動するだけというのに、なんと大変なことか。アニスはカルダモンの肩を担いで、 移動の手伝いをしてくれているが、慣れていないようで四苦八苦している。 起き上がらせようと肩を引っ張るが、予想以上に彼の体は重くなかなか持ち上がらなくて、 下手したら肩が抜けてしまいそうだと他人事の様に思った。 どうにかこうにか引っ張って動かしたはいいが、そのまま一緒に横のベッドに倒れ込んでしまった。 カルダモンが上に乗っているので、アニスは動きたくとも動けない。 「あんた、意外と重いわね…ねえ、ちょっと退いてよ」 「……」 「…ちょっと、起きてる?」 「…起きてますよ」 先程以上にしんどそうなカルダモンの声が後ろから聞こえる。やはりこの運び方は拙かったのだろうか。 背中にぴたりとくっついている彼がなにやらごそごそ動いているな、と思ったら抱きしめられていた。 何の真似だろうかと考え、じっとしていると体を弄られた。 きっと熱で頭がぼーっとしているから、普段しないようなこともするのだろうと思って何も言わないでいた。 何も言わないでいるが、恥ずかしいことは恥ずかしいわけで、彼に触れられる度にどきどきしてしまう。 アニスが何も言わないのをいいことに、カルダモンは好き勝手に彼女の体を弄る。それどころか、衣服を脱がそうとしている。 「ちょ、ちょっと、何してるのよ!?」 「何って…解りませんか?脱がしてるんです」 焦る彼女とは反対に、妙に落ち着いている彼は平然と言ってのける。 今更になって気がついたが、どう考えても今の彼は普段の彼ではない。 このままではいけない、とアニスは抜け出そうと懸命に暴れるが、 彼の下に居てはちっとも身動きが取れない。せいぜい手足が少し動く程度である。 「じっとして下さい」 そう言ってカルダモンはアニスの体を押さえ込むと、彼女の体を抱えたまま起き上がりベッドに腰掛ける。 彼女の体をひょいと持ち上げ、自分の方を向かして跨る様に座らせた。 先程までふらふらしていたというのに一体どういうことだ、とアニスが困惑している間に現在の体勢になっていた。 不意に抱き寄せられて、噛み付くようにキスをされる。 驚いて逃げようとするが、後頭部を手で固定されて逃げようにも逃げられない。 彼女の唇を抉じ開け、舌を口内で絡ませ、暴れさせ、強引にキスをする。 次第に苦しくなり、カルダモンの胸をどんどんと叩くとようやく解放された。 はあはあと荒い息で呼吸し、瞳に涙を溜めて、アニスはカルダモンを睨みつけるが、彼は至って平然としている。 「どうしたのですか?そんな顔をして」 「それはこっちの台詞よ!」 あんな乱暴なキスをされたのは初めてだし、普段の彼ならばあんなことは絶対しない。一体どうしたというのだ。 彼の表情は先程と全く変わっていない。目が据わっており、無表情で些か不気味だ。恐怖さえ感じる。 彼と対してこんな感情を抱いたのは初めてだ。 「一体、どうしたの…?」 おそるおそる尋ねても彼は答えを返さない。彼女の背中に腕を回して抱き寄せ、胸元に顔を埋める。 心臓の鼓動が彼に聞こえてしまいそうで、余計にどきどきする。 「動悸が激しいですね」 それはあんたがそうするからだ、と言ってやりたいが声が出てこない。ぐりぐりと胸に押し当てるように摺り寄せる。 風邪をひくと人恋しくなるというが、もしかしてそれだろうかと思ったが、ぴんぴんしている彼はどう見ても風邪ではない。 普段は恥ずかしがって手も握らないというのに、今日は一体全体どうしたというのだろうか。 子供のように擦り寄る彼を見て、アニスも優しく抱き寄せ、彼の髪を撫ぜる。 「アニス、熱を下げる方法を知っていますか?」 「へ?ええと、そうね…汗をかく」 「じゃあ、手っ取り早く汗かく為に運動でもしましょうか」 それだけ言うと彼はアニスの胸に顔を埋めているのを止めて、彼女の身につけている衣服を再び脱がしにかかった。 するすると迷いも無く脱がす彼に呆気にとられて、ただただ眺めていると、 気がついたときには上下の下着とパンストしか残っていなかった。 これ以上は脱がされまいと懸命に抵抗するが、難無くブラジャーも外されてしまい、胸が露になる。 両手で自分の体を抱く様にして隠していると「隠すほど無いじゃないですか」と言われて腹が立ったので、 平手打ちでも見舞ってやろうかと思ったが、そうすると胸が隠せなくなってしまうので睨み付けるだけにしておいた。 カルダモンはそんなことも気にせずにパンストを脱がしにかかるが、アニスが非常に抵抗するために、ちっとも脱がすことが出来ない。 脱がす脱がせないで必死の攻防が繰り広げられるが、要は引っ張る方向の違いである。 アニスは胸を隠せていないが今はそんなことを気にしていられる余裕は無い。 「…わかりました、ストッキングは脱がすものではなく破るものだということですね」 「そんなこと一度も思ったこと無いわよ」 どこかずれている彼の様子に怒鳴る気にもなれなくて冷静に返事をしても、今の彼はそんな言葉に聞く耳を持たない。 彼はパンストを手に持つと、強く引っ張り一気に引き裂いた。 きゃあ、と悲鳴を上げても聞こえているのかいないのか顔色一つ変えずに、最後の一枚の紐を解いて剥がすとぽいと投げ捨てた。 「なななな、何でこんなことするのよ!?」 「服を着たままではやりにくいと思ったので、脱がしたんです。…ああ、私も脱ぐので少し待っていて下さい」 何をだ、とは聞かなくとも大体想像は出来る。これからの展開を想像すると、 どうしてもそわそわして落ち着かないアニスとは反対に、妙に上機嫌なカルダモンは鼻歌交じりに服を脱いでいる。 やっぱり不気味だ。 先日彼と初めて繋がったのはヴァニラの策略の所為ではあったものの、決して嫌なわけではなかった。 だが、それからというものの彼と顔を合わせる度にギクシャクしてしまい、まともに会話も出来ない。 それだというのに、毎日毎日ヴァニラには「今日はどこまで行ったのだ?」とか「ちゅーくらいしたのだ?」とか聞かれるのだから堪ったものではない。 「何もしていない」と正直に言うと「そんなんじゃだめなのだ!がばーっとやっちまえばいいのだ!」 とか何とか長々と説教し始めるのだからうんざりしてしまう。 じれったいと思うのはアニスだって同じである。 「ほら、アニスぼーっとしてないで下さい」 「きゃっ」 服を脱ぎ終わったカルダモンはアニスを抱きしめると、ごろんと転がってそのままベッドに横たわった。 彼女を更に抱き寄せて素肌に直に体温を感じると共に、彼女の香りや柔らかさも堪能する。 抱きしめるだけではつまらないので、彼女の腰からお尻を撫でてあげたら、彼女にぎゅうっと手を摘まれたが、 それでも撫で続けて秘部にまで手を伸ばしたら少し大人しくなった。 調子に乗って秘裂に指を入れて弄ってあげると我慢しているのか顔を真っ赤にしてぷるぷる震えているが、時折声を漏らしているので悪くはないようだ。 空いている方の手で乳房を揉み、すっかり硬くなった乳頭を指でこりこりと擦ったり、 引っ張ったりして弄くると耐え切れずに彼女は甘い声を上げる。 「ふぁ…うぅん、あっ、そこぉ、だめぇっ…」 「だめなんですか?」 「んんっ…だめ、なのぉっ」 「そうですか…嫌がるようなら、止めますね」 カルダモンはそう言うと乳房への愛撫を止め、その手をそのまま秘部へと下ろした。 突然中途半端なままに放り出されたアニスは堪ったものではない。 先程まで触れられていた乳房が熱い。確かにだめとは言ったが、別に愛撫を止めて欲しいからそう言ったのではない。 そんなことくらい彼も当然理解しているだろう。 愛撫する手が二本に増えて、片方の手で秘裂へ指を挿入し、もう片方の手で陰核を摘み上げて刺激して快感を与える。 秘部からは絶えず愛液が垂れ、薄い茂みは濡れそぼっている。 勿論、それだけでも十分気持ちいいが、やはり乳房が気になる。だというのに、何時まで経っても彼は胸には手を触れない。 とうとう我慢出来なくなり、自ら乳房に触れ乳頭を扱こうとしたのだが、寸の所で彼の手に止められてしまう。 「アニス、嫌なのではなかったのですか?」 「うぅぅ…」 「…ちゃんと言って下さらないと解りません。アニス、どうして欲しいのですか?」 「む、胸…さわって…」 恥ずかしそうに小さな声でそう言うと、カルダモンはぺたりと汗ばむ彼女の乳房に触れる。触れるだけ。 「ちょっと…」 「触りましたよ」 「そうだけどっ、違うのぉ…」 切なげな声で訴えても、彼は触れた手で何もしてこない。 焦らして、焦らして彼女の口からどうして欲しいのかを逐一言わせるつもりなのだろう。 くつくつと耳元で笑う彼の声が腹立たしいのに、逆らえない。 「貴女の言葉通りにしますから、どうして欲しいのか言って下さい」 そんな事を言われても、答えられず黙りこくっていると耳たぶを甘噛みされて、気の抜けた声が出た。 彼女が全く抵抗出来ないでいるのをいいことに好き勝手に悪戯をし続ける。 首筋に噛み付き、吸い付き、赤い痕を残す。首筋、肩、腕、と痕を幾つもつける。 「んんっ…胸、揉んでっ…」 「それから?」 「…乳首…擦って…さ、さっきみたいにしてぇ!」 口の端を少しばかり吊り上げて笑うと、彼は優しい手つきで彼女の両方の柔らかい乳房を揉みしだく。 そして言われた通りに乳頭を指で扱き、引っ張り、潰すように強く摘む。 弱いところを執拗に責められてアニスは嬌声を上げて、 恥ずかしいのか興奮しているのか顔は赤いが、これは彼女自身が望んだことである。 口の端から涎を垂らし、瞳はとろんとして恍惚の表情を浮かべている。 「気持ちいい?」 猫が甘えるように彼の体に擦りつき、こくこくと頷いて返事をする。 カルダモンはアニスの体を持ち上げ、自分の上に跨がらせる。 興奮して硬く、熱くなっている男性器がすっかり濡れそぼっている秘部に密着し、 それが脈打つ度にぞくぞくする。これだけで達してしまいそうだ。 「いれるの…?」 「いえ、そうですね…ではまず、口でして下さい」 そう言う彼の言葉は頼む口調ではあるものの異論を許さない命令である。 ゆるゆると腰を持ち上げて、仰向けに寝転んでいる彼の足元にちょこんと座る。 早く、と促されて彼の股間に顔を近付け、恐る恐る男根に触れる。熱い。 舌でちろちろと舐め、ちうちうと吸い付く。鈴口を舌先で刺激すると、彼の口からほんの少し声が漏れた。 「お上手ですよ、アニス」 手で彼女の頭を撫で、さらさらした髪を弄って遊ぶ。鮮やかな紫色の綺麗な髪。 奉仕する彼女を穢して自分のものにしたくなる。 口に咥えて吸い付き、皮の中にまで舌を滑り込ませ、舐め上げて更なる快感を与える。 口内に溜まった唾液が口の端から零れ落ちる。 根元まで咥え込んで上下運動すると、喉の奥にこつこつと当たり苦しいが、彼も感じているようで段々と息が荒くなる。 「…っ、それくらいでいいですよ」 十分に硬くなった男根を口からゆっくり引き抜いた。涎まみれになっている彼女の口元をシーツで拭う。 はあはあと荒い息で呼吸するアニスをゆっくりと寝かせ、その上に覆いかぶさる。 優しく口付けを落とすその一方で秘部に手を延ばし、秘裂に指を挿し入れると、小さく彼女の体が震えた。 「ちょうだい…?」 切なそうな声で誘うが、なかなかカルダモンは応じず指で愛撫を続けるばかり。 秘裂に指を抜き差しして、わざとぐちゅぐちゅと卑猥な音を立ててアニスの羞恥心を煽る。 挿入した指で膣内を引っ掻き回すと、絶えることなく溢れ出てくる愛液が指に絡み付き、抜くとつーっと銀色の糸を引く。 更に挿入する指の本数を増やし、膣内を好き勝手に暴れる。 膣壁を爪で引っ掻いてやると、彼女は一際高い声を上げ、膣をきゅうっと締め付けた。 「イキました?」 赤い顔を更に赤くし、それを見られたくないと両の手で顔を隠し、こくこくと何度も頷く。 そんな彼女が愛おしくて、手を退けてぎゅっと閉じた瞼に口付ける。おずおずと目を開け、見詰め合う。 「ほしいの…い、言わないと…だめ?」 「はい」 さも当然、と言わんばかりに微笑む彼を引っ叩いてやりたいが、それでも彼が愛おしい。 「ぅ、お…おちんちん…ちょう、だい」 泣きそうな顔になりながらも懇願する彼女の姿を見て、えも言われぬ興奮を覚える。 彼女の脚を掴んで股を開き、男根を秘裂に擦り付けて焦らす。 待ち侘びる彼女の視線に気付いて、ふう、と息を吐いた。 「いれますよ」 十分に濡れて受け入れる準備が整っている膣は難無く男根を根元まで咥え込んだ。 抜けるぎりぎりまで引き抜き、勢いよく打ち付けると、堪らず嬌声を上げる。 抜き差しを繰り返しながら、充血した陰核を摘むとびくんと体が大きく震えた。 「っふ、あっあっ、あ、あ」 互いの接合部を押し当て、膣内で性器をぐりぐり動かすと更に蜜が零れ出し、シーツに染みを作る。 狭い膣内を男根がごりごりと押し広げながら行ったり来たりする度にアニスの口からは甘い声が漏れる。 彼女の弱いところを突くとびくびくと体を震わせ、身をよじるが、秘裂は男根を離したくないとしっかりくわえ込んでいる。 何度も何度も打ち付けていると彼女の声は切れ切れになり、限界が近いことを伝える。 「ふぅっ、んぁっ…ひ、あぁん、あ、あ、あ、あああっ」 大きく高い声を上げる彼女は瞼を固く閉じ、狭い膣内を締め付け更に狭くする。 それに堪らず達しそうになるのを我慢するように、脚を掴んでいる手に力を込めた。 「っく…はあっ」 達する直前に秘裂から男根を引き抜き、彼女の腹部辺りに精液を撒き散らした。 上気してほんのりと赤く染まった彼女の綺麗な肌を白濁色の粘液が汚している。 何か拭う物を、と思って周りを探したが無かったのでシーツで拭いた。 はあはあと荒い息で呼吸するアニスの髪を撫ぜる。汗をかいて前髪が額にぺたりと張り付いている。 「綺麗にしてもらってもいいですか?」 最初、彼女は何のことか解らず首を傾げたが、指で指し示すと恥ずかしそうにしながらも無言で頷いて了承した。 射精したばかりだというのにまだ硬い性器に優しく手を添えて、愛液と精液で汚れた男根を舌で舐めて綺麗にする。 鈴口をちろちろと舌先で舐め、更に口にくわえて舐め回す。 尿道に残っている精液を吸い出そうとして強く吸い上げる。そのように刺激していると男根は更に硬くなってきた。 もう十分だろうと判断したのか、奉仕を止めて荒い呼吸を整えている。 「…さてと」 一息ついたカルダモンはアニスの体をひょいと持ち上げて、うつぶせにした。 そして腰を持ち上げて尻を突き出した体勢にさせた。 「ふぇ…ま、まだするの?」 「ええ、そのつもりですけど?まだまだやってない体位が幾つもありますから」 「まだまだって…どれくらいする気よ?」 「満足するまでです」 きっぱりと言い放つ彼の言葉はあまりにも非情過ぎる。あれと、これと、と指を折って数えながら最低何回かを数える様子を見て、 アニスは自分の背中に冷や汗が流れるのを感じた。 「今までの分もありますし…」 何回するつもりか問いただしたいが恐ろしくて聞くことが出来ない。 「では、いただきます」 ぺしっと柔らかいもので叩かれた。というよりも、鋭い爪で引っ掻かれた。ふわふわもこもこ猫パンチ。 これが案外痛かったりする。 「…タマ?」 自分に寄ってくる猫は一匹しかいない。ミロスにいた闇の商人から譲り受けた猫だ。 タマは昼間は家の外で遊んでおり、御飯の時間になると帰ってくる。 枕の横に置いてあった眼鏡をかけ、窓の外を見てみると既に日は沈んでいた。 何時まで経っても飯を寄越さないので、どうやらタマは飯の催促をしに来たらしい。 「っくしゅん」 肌寒くてくしゃみが出た。見てみると裸で眠っていたことに気がついた。下着の一枚も穿いていない。 普段はちゃんと服を着て眠るのに、どうして今日は一枚も着ていないのだろうと考えても答えは見つからない。 「ん…」 自分以外の声が聞こえたので見てみると女性が一人眠っていた。勿論、裸で。 当然、彼は現在の状況が全く理解出来ない。だというのに、頭の片隅には彼女を抱いた記憶がある。何度も、執拗に。 「ん…ふぁ…おはよう…」 目を覚ました彼女は寝ぼけ眼でカルダモンを見て、暢気そうな声でそう言う。彼女の体には所々赤い痕がついている。 素っ裸でいるというのに彼女は身を隠そうともしない。寝ぼけているからそこまで頭が回らないのだろうか。 「おはようございます…夜ですけど。あの、アニス…」 「…なに?」 「その、何回しました?」 「…自分でしたことくらい、覚えていなさいよ。あ、あと…」 未だに目はとろんとして眠そうな顔の彼女は少し頬を赤くした。 「一度に何回もするのは…その、やっぱりしんどいから…ええと、言ってくれれば…いいのよ?」 「へ?何がですか?」 「だから!…その、え、えっち…し、したかったら…」 そう言ってから彼女は赤い顔を更に赤くして、何言わせんのよバカー!とか言いながらぽかぽかと彼の胸板を叩く。 ずれた眼鏡を元の位置に戻して、顔が赤いのを見られないように彼女を腕の中に閉じ込め、耳元で小さな声でありがとう、とだけ言った。 触れるだけのキスをして、お互いに照れくさそうに頬を赤く染めながら見詰め合う。 「じゃあ、アニス…その」 「却下」 「な!?まだ何も言ってないじゃないですか!」 「あんたどれだけすれば気が済むのよ!?もうこっちは足腰立たないのよ!もう無理、絶対無理!」 アニスはそう言うとぷいとそっぽを向いてベッドに寝転んだ。 カルダモンはアニスの体を抱いて何やら頼み込んでいるが、アニスは全く聞く耳を持とうともしない。 そんな二人の様子を眺めながらタマはにゃあ、と鳴いた。 △月◎日 今日はユーカリちゃんと一緒に媚薬を造ったのだ。 多少のアクシデントはあったけど、終わり良ければ全て良し、なのだ。 薬の効力の程は結局よく解らなかったけど、アニスちゃんとカルダモンちゃんの仲が進展したから気にしないのだ。 ユーカリちゃんがヤケ酒を飲んでいたのに少しだけ付き合って、潰してやったのだ。 ~ヴァニラの日記より おしまい
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/14.html
・とてもネタバレ(終盤まで知っていること) ・とりあえず鬱はない方向で ・擬人化 ・一人称 ・イメージと合わなかったらすまん ・導入がくそ長いのも重ねてすまん 「ねえ?」 声が聞こえた。 「ねえ? 伝説の武器はどこにあるの?」 また声が聞こえた。 「伝説の武器? キャリバーンのことか? 私には、わからないな」 「なんだ、わからないんだ。ならもういいよ」 「えっ?」 そして、彼の上半身は宙を舞う。 彼女は、そこに降り立った。 「ふふふ、ここからとてもいい匂いがする」 彼女の名は―― もう何人の騎士が犠牲になっただろう。 すっかりと変わってしまったバロリオン大森林。 その最前線で、俺は指揮をとっていた。ただ、俺は部隊長じゃない。 部隊長は、もういない。昨日、真竜ヘイズに殺された(恐らく)。 「代理、アレスがやられています」 「またかよ……」 俺は頭を掻いた。こうも人死にが多くては、そろそろ部隊も崩壊する。 「残っているのは何人だ?」 「代理と自分を入れて5人です」 「たった五人か……よし、仕方がない。引き上げるぞ」 「よろしいので?」 「五人で何が出来る。俺たちは斥候なんだよ。全滅してたら洒落にならねえ」 「……わかりました。撤収しましょう」 他のメンバーが撤収作業をしている間、俺は一人考えていた。 二十人いた部隊は、そのほとんどが死んでしまっている。 しかも、誰も見ていない間に、上下二つに分けられて。 「……待てよ。『誰も見ていない間』?」 確かに、部隊員が裂かれるところを見た奴はいなかった。 死んでいった奴らもだ。全員バラバラの場所で死んでいる。 「おい」 撤収作業がほぼ終わった隊員たちに声を掛ける。 「これからは二人一組で行動しろ。どんな時も互いが見える範囲にいるんだ」 「それは、トイレの場合もですか?」 おずおずと隊員の一人が手を挙げる。確か新人だ。顔がいいので皆からちやほや されている。 「そうだ。この森にいる限りはずっとだ」 俺がきっぱりと言うと、新人はうなだれた。掘られるかもしれない。 まあ、死ぬよりはいいんじゃないか? 「あれ? でも自分たちは五人ですよ? 一人余りませんか?」 「ああ、それについては考えがある」 部隊は撤収をはじめた。たった四人だけの部隊が。 そうだ。俺はここに残った。 「俺が帰らなかったら仮説は証明されるだろ?」 「でも、代理。それじゃああんまりですよ」 「いいんだよ。これは俺のプライドの問題だ」 真竜だかなんだか知らないが、ずいぶん姑息な真似をするもんだ。 一度きっちり話をつけないと気が治まらない。 「それに、うちの家訓なんだよ『進んで貧乏くじを引け』ってな」 「……わかりました。絶対生きて帰ってきて下さい」 流石に「ああ」とは答えられなかった。 「しかしだな、なーんでそんなに姑息な真似をするんだ?」 森の中を歩きながら、俺はひとりごちた。 「ドラゴンは人類よりも強力な力があるはずだよなあ」 時々地面に突き立った剣を見る。それは墓だ。ここで散った騎士たちの。 「あるいは、何か目的があるのか……? 生贄、とか」 しかし生贄は生きていなければ意味がないんじゃないか、とも思う。 「うーん、どうしてなんだろうなあ」 そして、声が聞こえた。 「ねえ?」 「ん?」 一瞬、声が聞こえた。女の声だ。 「ねえ? 伝説の武器はどこにあるの?」 空耳ではない。確かに聞こえる。しかし何だ。伝説の武器? 「ねえ? 聞こえるでしょ? 伝説の武器はどこにあるの?」 ピンと来た。これが部隊を壊滅させた真竜か。 「伝説の武器なら知っている」 おそらく、この問答が重要だ。 「知っているの? それはどこにあるの?」 まずは、姿を見ないとな。 俺はきっと部隊員の中で初めて、その言葉を発した。 「よく知っているとも。なにせ、俺が持っているんだからな」 「そうなの? 見せて、武器」 その言葉と共に、風が吹いた。いや、それは風と呼ぶべきものだっただろうか。 驚きに目を閉じ、開いたとき、目の前には一人の女がいた。 「武器を、見せて」 なるほど、これが真竜。 「武器、ねえ」 手が自然と獲物に触れていた。抜くか? 抜いたとして、勝てるのか? いや、まず無理だ。他の奴らのように二つに分けられるだけ。 「その手のものは、伝説の武器じゃないよね。臭いもの」 危ないところだ。今チラッとこの獲物を差し出そうかとも思ったが、 それはハズレだったらしい。命拾いをした。 「匂いでわかるのか?」 「わかるわ。良い武器はとてもいい匂いがするもの」 恍惚、と言えばいいのか? ヘイズはそれを想像してトリップしたらしい。 しかし、なんて美しい顔立ちだろう。流石に人の祖だけはある……のか? 十人中十人が美しいと言うであろう顔。それに、これもほぼ黄金比率的なスタイ ル。 竜なのが惜しまれる。人だったのなら、どんな手を使ってでも口説くんだがなあ 。 ……いや、待て? 竜も人も同じじゃないか? 「それで、伝説の武器はどこなの?」 ようやくトリップから帰ってきたヘイズに、俺は言った。 「だから、俺が持っているって言ったじゃねーか」 腹を括ってしまえば恐ろしくもなんともなかった。 死ぬかな、とも思うが、死んでも当たり前の状況だ。何を恐れようか。 「どこ? そんな匂い、しない」 「いやいやいや、あるだろ、ちゃんと……すごい武器が」 一瞬考えた。この死に方は流石に格好悪い。 まあいい。どうせ死んでしまえば格好など関係ないか。 「だから、どこ?」 「ここだよ」 そうして俺は、ズボンを下ろした。 「これ?」 ヘイズは怒った様子もなく、俺のソレに近づいてきた。 「そうだ」 「名前は?」 名前? そういえば伝説クラスの武器には銘が与えられるな。 この森にもそんな伝説の武器があったはず。確か、名は 「……キャリバーンだ」 きゃりばあん、と呟いて 「武器にしては、小さくない?」 グサッ。きっと今、どこかを刺された。 「それに……よくわからない匂いがする」 いやもう駄目だろ。そんな顔でくんくんとか反則だろ。 「普通の武器より小さいのは、急所を狙うためだ」 もう俺の思考はずいぶん横にずれている。それも全てヘイズが悪い。 そういうことにしておこう。ヘイズのせいだから責任をとって貰わねば。 「そして、匂いがわからないのは、まだソレの力を知らないからだ」 なぜか俺は、もう殺されないんじゃないかという気がしていた。 いや、正確には「ヘイズの好奇心が満たされるまでは殺されない」か。 「力? 何か隠された力があるの?」 俺の言葉を疑いもしないヘイズ。やべえ、かわいい。 「そうだ」 「どうすれば力が出る?」 「うーん、そうだな。触るとか……刺激を与えればいんだ」 「触ればいいの? んしょ」 そしてヘイズは、俺のソレに、手を触れた。 「わっ。なんか動いた」 「刺激を受けて力がちょっとだけ出たんだ。もっと触ればもっと力が出る」 「なるほど。んしょ」 ふにふに。手で触る刺激だけ。それでもなんという快楽だろう。 これは擦られるとやばい。でも、擦られたい。 「そうだな。上下に擦るといいかもしれない」 冷静に言えたかすら、もう分からないようになっている。 「こう?」 シュッ、シュッ。ああ、なんていじらしい。これが真竜なのか! 「ああ、駄目だ。出るっ!」 驚くほど早く、そしてあっけなく、俺はイってしまった。 「……これ」 ヘイズの顔には、白濁としたものがかかっていた。勿論、今出たアレだ。 「これ、いい匂い」 マジか!? やっぱり俺のソレは伝説級なのか!? 「いい匂い。もっと、欲しい……」 ヘイズは再び俺のソレに触れる。一度出したくらいでは、萎えなどしていなかっ た。 「も、もっと欲しいなら」 声は上ずっている。もう虚勢すらない。だがそれは、ヘイズとて同じだ。 「な、舐めれば、もっと、いい匂いが、するはずだ」 「ん……」 整った口が、触れる。 それだけで体温が何度か上がったような、そんな熱さを覚えた。 「ぁむっ」 っておい。いきなり口の中に入れるのかよ! 「んむ……ぷ……んく」 やばい。何がどうとかじゃない。こんな快楽、存在するのかってくらい気持ちい い。 「っむぅ……っちゅ、じゅ……んぁっぷ……っむ」 「っく……」 無意識で、ヘイズの頭に手を置いていた。 「ぷんぁっ……」 手を置いた瞬間、びくっとヘイズの体が跳ね、そこからまた、怒涛の責めが始ま った。 「っぷ……ちゅる……っず……むっ……じゅ……じゅる」 舌が絡む。撫で上げる。と同時に、唇が変則的に締め付けてくる。 「はぁ……はぁ……」 気が付くと、頭を鷲掴みにしていた。 「ぶ……んぁう!」 そして、振る。同時に腰も動かした。我慢できなかったのだ。 「むうん……ぐ……ふっ……あぐっ……ぐふぁ」 喉の奥を否応なく蹂躙され苦しむヘイズ。しかし、それも一瞬だけ。 「あぐ……ん……じゅる……っちゅ……ぷっ……っん……じゅ」 こんな状況であっても、舌を使い始める。 しかも、俺の腰と連動をさせて。 「んはっ」 何かが、弾けた。 「じゅる……ぴちゅ……ん」 「ああ、やばい。また出そうだ」 「ぶぅ……んぐふ、ふぅぉゎゎ……ふぁふぃふぇ……んぷ……」 「駄目だ、出るっ!」 くはっ! 目の前が真っ白になり、俺は再び果てた。 それもヘイズの口の中に出して。 「はあ……はあ……はあ……」 「んっく。はああ。いい匂い。いい、匂い……」 口の中に出したものは全て飲み込んだらしいヘイズの目には、 もはや俺のソレしか写っていないみたいだった。 「なあ、こいつの本当の力を知りたくないか?」 二度も出したというのに、そいつはまだ萎えることをしない。 なぜか、という理由は、なんとなくだが分かっていた。 入りたいのだ。 「ほんとうの、力? あるなら、知りたい。かいせき、したい」 ヘイズはもう体に力が入らない場所があるらしく、ぺたんと座り込んでいた。 押し倒す。抵抗はない。 「こいつは、急所を狙うって言っただろ。そこに刺すことで力を発揮するんだ」 「急所に刺す……どうすればいい?」 「そのままで大丈夫だ。俺に任せろ」 ヘイズは黙ってじっとしていた。素直すぎる。 俺は、ヘイズの着ていた服を一枚一枚剥いでいった。 形のいい胸。くびれた腰。ふっくらした尻。そして。 「ここに、おれのソレを刺すんだ」 軽く触れる。すでにヘイズの秘所はあられもないほどに潤っていた。 「ここに……きゃりばあんを……刺す……」 ヘイズの頬は赤く、目は潤み、すぐそこにある快楽しか見ていない。 少し、触れた指を動かしてみる。 「んあっ!」 跳ねた。刺激が強すぎたのかもしれない。 だが、気遣いなど既に出来ない。もう完全に虜になってしまったようだ。 俺は、ヘイズに。ヘイズは、俺に。 「ひゃ……んああっ……っあん」 段々と指のスピードを上げていくと、ヘイズは面白いように腰を跳ねる。 「ふあっ……あああっ……やっ……もう……もうだめっ!」 指を離した。はあ。はあ。はあ。二人の息遣いがシンクロして聞こえる。 「入れるぞ」 「きて……入れて……きゃりばあんを……刺して……」 ヘイズの足を広げ、その間に割り入る。照準をつけ、 「あっ……ひあっ……ああああ……」 ずぶずぶずぶ、と刺してるんだか吸い込まれてるんだかわからない感触で 俺のキャリバーンはヘイズの中に進入していく。 「ひいっ……はあっ……んくっ……あああああああああんっ!!」 全てが入りきったとき、ヘイズは達し、その締め付けで、俺も達してしまった。 しばらくは、吐息だけがあたりを支配した。 「はあ……はあ……はあ」 「はあ……はあ……きゃりばあん、すごい……」 ヘイズが俺を見た。焦点? そんなものとっくに定まっていない。 「これが……きゃりばあんの……ちから……」 「そう、キャリバーンの力だ」 「どんな……どんな力……なの……?」 どんな力と言われても困るな。快楽以外に何かあっただろうか。 「……妊娠させることができる」 あった。むしろそれが本当の営みだ。 「にん……しん?」 少しだけ焦点の戻った目で、ヘイズが俺のことを見つめてくる。 「にんしんって……どういうこと?」 また難しい問題を。そうだな。強いて言うなら。 「妊娠するとできることは……複製(コピー)だ」 若干違うが、まあ物質としてに考えるとそうだろう。 「きゃりばあんが、いっぱい、できるの?」 「そうだな。いっぱい妊娠すればいっぱい複製されるかもな」 別に嘘じゃない……はずだ。 「きゃりばあん、いっぱい……」 ヘイズは少し考え込んで 「したい。妊娠……したい……沢山……したい」 そんなことを口にした。 もう、止まらない。 「妊娠するためには、中にいっぱい注がなければ駄目だ」 「何を?」 「先から出る液さ」 「液……? これ?」 ヘイズは顔にかかったままの精液を拭い、言う。 「そうだ。さっき出したけど、足りないかもしれない」 そして、まだまだ出したいと、俺のキャリバーンが言っている。 「だから、もっと、するぞ?」 何を、とは言わない。言わなくても、もう分かっているはずだ。 「きゃりばあん……もっと欲しい……もっと……刺して……」 おねだり。応えるしかない。いや、おねだりされなくても止まらないが。 「ひゃあっ……ああっ……あんああっ……いいっ……きゃりばあんいいのっ…… 」 もう三度も出ているのに相変わらず硬い俺のキャリバーンはヘイズの秘所を突き 上げ、 一度中で出しているが為に結合口はぬぷぬぷっと卑猥な音を立てる。 「あんっ……うあっ……中……突き上げられてるっ……」 さっき、するっと入ってしまったが、どうやらそれはヘイズの膣内が 俺のキャリバーンを奥へ奥へ誘おうとしているかららしい。 武器を頼りにこの森に降り立ったなら、本質的に武器を取り込むものなのかもし れない。 「うあっ……ちょっ、締めすぎ……」 奥へ奥へと吸い込むだけでなく、さっきの口が比にならないほど絡み付いてくる 。 「あはっ……ふ……んあっ……きゃりばあん……きゃりばあん……」 ヘイズはそれを意図してやっているわけではない。 既に焦点を失っている瞳に加え、口だって半開きだ。 よだれが垂れてもそれに気づいた様子すらない。俗に言うアヘ顔というやつだろ う。 「ああっ……きゃりっ……ばあん……きゃりば……あん」 半開きの口から漏れ出すのはあえぎ声とキャリバーンの名前のみ。 「はぁつ……はっ……また……出るぞ!」 「ああ……はんっ……ん……出してっ……にんしん……させてっ!」 ぎゅうっと、ヘイズの腕が俺を抱きしる。 「きゃりばあん……ひゃあっ……きゃりばあん……ああっ」 「うっ……」 「ひっ、あああああああああ……」 俺は四度目の射精を行った。 「はあ……はあ……中に……出てる……」 ヘイズがお腹に手をやり、言う。 「これで……にんしん……するかな?」 「さあ、こればっかりは誰にもわからないんじゃないか」 そう言うと、ヘイズは少し残念そうな顔をして 「……にんしん……したい……もっと……だして?」 そう言って起き上がり、俺を押し倒した。 「はあ……はあ……きゃりばあん……」 俺の体に馬乗りになり、荒い息を吐くヘイズ。 抜いてしまったので、秘所からは精液があふれ出てきた。 「やあ……ん……液……出ちゃう……妊娠……できない……」 太股へ流れ落ちる精液を押しとどめようとするも、流石にそうは上手くいかない 。 「液……いっぱい……出ちゃう……」 ヘイズは、悲しそうな顔で流れ出る精液を掬い取る。 「せい……えき」 俺はかすれた声で言った。 「その液の名前は……精液だ」 「せいえき……精液」 「そうだ」 「精液……精液欲しい。もっと欲しい。妊娠……したい」 そう言って、ヘイズは俺のキャリバーンに手を添えて 「ん……んはぁっ」 腰を持ち上げ、一気に秘所で飲み込んだ。 「くうっ」 「あはっ……あんっ……おくまで……きてるっ」 まだ硬さを持続したままのキャリバーンが、ヘイズの最奥を突く。 いや、ヘイズ自らがそこに導いている、と言うべきか。 「ひゃっ……ああっ……ふあっ……きもち……いいっ!」 腰を振り、ヘイズは自らの快楽に加え、俺の快楽も引き出していく。 「あんっ……はあっ……ん……せいえき……でそう?」 「いや……あ……まだもう少し……ん……」 流石に四度も出していると長持ちはする。 それに、自分に主導権がないことが少しもどかしい。 「ああっ……はあっ……え?」 だから、自分でも動くことにした。ヘイズの腰を持つ。 「ひゃあん! ……だめっ! ……つきあげてっ! ……くるっ!」 自分の腰を支えているヘイズの腰に連動させると、爆発的に高まっていく。 「ああっ! きゃりばあんっ! すごいのっ! ひゃああ!」 「はあ……はあ……そろそろ……出そうだ……」 「だすの? ああっ……せいえき……だすの……?」 「そうだ……ヘイズの膣内に……出すぞ……」 「はぁっ……だして……せいえきだして……にんしんっ……させてっ……」 その瞬間、目の前に火花が散った。 「うっ……くあああ……」 ヘイズの膣内に、五度目とは思えないほどの量を注ぎ込む。同時に 「ふあっ……でてる……や……きちゃう……ああああああああああ……」 注ぎ込まれた感触も手伝ってか、ヘイズも達していた。 「はあ……はあ……はあ……」 俺の胸にヘイズがへたり込んできた。流石に疲れたのだろう。 「はあ……はあ……はあ……」 その体を、軽く抱きしめた。 「はあ……きゃりばあんのせいし……いっぱい……」 「そうだな。いっぱい出たな」 髪をなでる。さらさらと、指が水を切るように流れた。 「せいし……もっと……ほしい……」 そんな和んだムードもなく、更におねだりしてくるヘイズ。 「いや……ちょっとそれは……難しいかも……」 実のところ、ヘイズの秘所に刺さっているソレはまだかなり元気だ。 何か変なものでも飲んだのかと思うほど、衰えがない。 だが、そこだけが元気でもいけないだろう。俺自体がもうかなりへたれている。 「でも、ま。また後でな」 「わかった。きっと……妊娠する。するまで精液……注いで欲しい」 「ああ、してやるよ」 その言葉に、ヘイズが微笑んだように思えた。実際は顔が見えていないのだけど 。 しばらくその状態で時をすごしていたら、急にヘイズの顔が持ち上がった。 「いけない。ニアラに報告に行かないと」 ニアラ? 帝竜を締めていた真竜ニアラか? 「何を報告しに行くんだ?」 なんとなく、嫌な予感がした。 「最強の武器を手に入れたって」 ああ、やっぱり。 「それに、ニアラも最強の武器を試したほうがいい」 「へ? それって……」 「うん、行こう。キャリバーン、ニアラのところに行こう」 「ええええええ?」 数日後、先遣隊最後の隊員と真竜が姿を消したことが明らかになる。 ある者は、彼は勇敢に戦い相打ちになったのだろうと言った。 しかし、双方共に死体は見つからなかった。 ある者は、きっとやられたに違いないと言った。 しかし、肝心の真竜が消えたことについて誰も分からなかった。 真相が知れ渡るには、まだ少しの時を要する。 つづく?
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/84.html
Chapter4 [現実 Reality] 結局あれから昼ごろまでダラダラしていた俺たちは、案の定、途中で爆酔し てしまったようで、気がつくと日が暮れていた。腹が減ったので、二人を連れ て近所にあった高そうなレストランに向かう。お医者様御用達か。個室もある ということなので、個室に案内してもらった。帽子を被ったままコース料理を 食うわけにもいくまい。 幸い、金はしばらく不自由しないくらい貰っているので、遠慮なく一番高い コースを注文し、酒も適当に見繕ってもらう。ギャルソンは帽子を脱いだ二人 の頭に乗っかった耳を見ても、微塵として動揺しなかった――プロってやつだ。 俺は面倒な説明は全部省いたが、二人が誕生日だということだけは告げておい たら、デザートにローソク付きのケーキを用意してくれた。連中は大喜び。 料理はさすがに合成食料が大半だったが、料理人の腕は確かだった。同じ合 成たんぱく質を使った肉なのに、焼き加減ひとつでここまで味が変わるとはね。 俺は料理を堪能し、娘どもはケーキを前に記念写真まで撮ってもらっていた。 それから二日経った深夜、カガリが集中治療室から解放された。俺たちは雁 首揃えて病院に出迎えに行く。 夜の病院には、警察軍や政府の偉いさんとおぼしき連中も顔を出していた。 この病院の特別オペ室は、物理的にも電子的にもこの国で最もセキュリティの 高い場所だ。ギリギリの機密が要求される会議には最適という仕掛け。 ロビーでは、カガリが看護士から花束を受け取っていた。彼女は感慨深げに 花束を眺めていたが、裏口経由でロビーにたどり着いた俺たちに気がついたよ うで、軽く手を振った。俺はなんとなくバツの悪い思いを噛みしめつつ、手を 振り返す。 俺は「退院おめでとう」とかなんとか言いながら、握手の手を差し出そうと する。そこに、戦闘速度で猛然と平手打ちが飛んできた。避ける余裕もなく、 思わず1歩よろめく。一発くらいは確実に殴られるだろうと思っていたが、い きなりここでか。 「話は聞いてるわよ。部下に手を出すとか、サイテー」 ぽかんとしていたお偉さんがたの間から、軽く笑いが漏れる。 「すまん。いや、いろいろ、事情が」 「どんな避けられない情事があったのかは知らないけど、それ以上言い訳する ならもう一発よ」 「……すまん」 「わかればよろしい。お見苦しいところをお目にかけまして、失礼いたしまし た。この手の馬鹿は、その場その場でシメておかないと、何かと調子にのりま すので……」 いかにも政治家という雰囲気の女性がニコニコしながら頷き、若手の警察軍 官僚があらぬ方向に目をそらした。緊張をはらんでいた空気が、少しほぐれる。 くっそ、ダシにしやがって。 そうこうするうち、がっちりとした体格のSPたちが数人、会議場の準備がで きたことを告げにきた。俺はため息をついて、彼らのあとについて歩く。ふと、 カガリが俺の手を握っていることに気がついた。俺も彼女の手を握り返す。 『あの子たち、名前はなんていうの』 生体通信の秘話回線でカガリが俺に囁きかける。 『グレイスとヴィオレッタ。シュヴァルツがグレイスだ。双子。おとついが誕 生日で、19になったばかりだとさ。近所のレストランでケーキを食わせといた』 『あなたにしちゃあ気が利いてるわね。乗り換える?』 『勘弁してくれ』 『冗談よ。シュヴァルツ、随分綺麗になったじゃない』 『そんなものかな』 『ヤったらそれで満足するんだから、男ってのは、もう』 『いや、その』 『まあいいけど。後でそのレストランとやらにあたしも連れてきなさいよ』 『へいへい、喜んでエスコートさせていただきますよ』 馬鹿話をしているうちに、会議室に着いた。殺風景で狭苦しいが、やむをえ ない。もっとも、会議の出席者の中にスパイが紛れ込んでいたら、こんなセキ ュリティなんて何の意味もないが。 全員が着席すると、議長席に座った男が発言した。 「ようこそ、防衛戦線の方々。ここに集まったのは、我が国の、いわばタカ派 です。我々の内部では、あなた方を最大限にサポートし、この国から竜の支配 を排除する方向性で方針はまとまっています」 「ご協力、ありがとうございます」 「それで、今日は是非とも防衛戦線側の作戦を伺いたいのです。手助けをする と言っても、すぐにできることもあれば、すぐにはできないこともあります。 また、我々のほうでも準備すべきことが出てくるでしょう。そのあたりの摺り あわせをしたいのです」 「俺たちの作戦は、簡単なものです。少人数での潜入工作による、短期決戦、 これ以外にありません」 「しかし潜入と言っても」 「こちらからお願いしたいのは、ひとつだけです。そちらの空軍がお持ちの大 型輸送機を一機、お譲り頂きたい。俺たちはそれを使って最初の防衛システム を突破します」 「随分と派手な潜入作戦ですね」 「機体を突入させる頃には、俺たちは内部への潜入を終わらせています。増援 を絶ち、かつ防御側の指揮系統を混乱させるには、最も手軽かつ最低のリスク で実行できると考えています。悲しいかな、歴史的にも有効性は実証されてい ますしね」 「なるほど」 「突入が明らかになったところで、ヘイズはこの国の竜に対して攻撃命令を発 するでしょう。その対処はあなた方にお任せするしかありません」 「防衛戦線の支援は期待してよろしいのですか」 「もちろん。のちほど通信コードをお伝えします。ただし、およそ36時間はあ なた方だけで戦っていただくことになる計算にはなりますが」 「その程度の戦いに耐えられないなら、これから先の戦いにも耐えられんでし ょう。了解しました」 「俺がこんなことを言うのは筋違いも甚だしいのは承知で申し上げますが、本 当によいのですね? 戦いが始まれば、数万人が犠牲になるでしょう。どんな に試算しても、これを防ぐ方法はない。ただ、人類の気高さを保つという愚行 の代償として、この犠牲を払う覚悟があると理解してよろしいのですね?」 「覚悟の上です。我が国は、竜の統治による平和を享受だの、竜との共存によ る繁栄だのを謳ってはいますが、国家としては確実に衰えていっています。こ のままでは、彼らの搾取の前に、10年持たずに崩壊を余儀なくされるでしょう。 たとえその先に悲惨な死が待ち構えていたとしても、武装闘争以外に状況を打 破する道はありません」 場に沈黙が落ちた。カガリがぼそりと口を挟む。 「20世紀に起こったとある革命では、革命を夢見た闘士82名のうち、最初の一 日を生き延びたのは12名に過ぎませんでした。損耗率は実に85%です。その覚 悟だということですね?」 「お言葉ですが、その革命は成功したではありませんか。座して緩慢な死を待 つのか、それとも自由を手にするのか。我々が与えられた選択肢も、それほど 豪華ではないのですよ」 「ハト派の動きは? それから、DKグループは大丈夫なのですか? この国に おける最大の政治勢力は『よく分からない』であることを、私はよく知ってい ます――数年前までは、私もその一員でしたから。短期決戦であるとしても、 歴史上の失敗を繰り返すのは御免です。幸い私たちのリーダーは喘息ではあり ませんが」 「アングラなネット世論は、竜を討つべしという論調が支配的です。国営放送 を含めて、マスコミが宥和路線なのはご容赦いただきたい」 「仮想現実世界で偉そうにしてみせるだけの子供たちが、戦力になると?」 「彼らが蜂起を完全に拒むのであれば――我々は無残に死ぬでしょう。だが、 今のお言葉で言うならば、36時間であれば戦力になると信じています」 「そうやってまたしても若者ばかりが死に、老人が権力の座に居座る、そうい う仕掛けですか」 「カガリ、やめろ。どうでもいい部分で熱くなるなよ」 「どうでもいいって!」 「どうでもいいだろ。落ち着けよ。何をどうやっても、人は死ぬ。俺たちがそ の死に方に手を出そうだなんて、おこがましいにもほどがある。この国の若者 が犬死するのがイヤだってなら、俺たちが1分でも早くカタをつければいい、 それだけのことだ。それが役割分担だろ? お前は、お前の望みを現実にでき る力を持ってるんだ。ここで咆えるのは、お前の仕事じゃない」 「――わかった。重大な失言があったこと、深く陳謝して撤回します」 「いいえ。お気になさらず」 「それよりも、可及的速やかに輸送機の運用コードを教えていただきたく思い ます。それから、なんにしても仕掛けるときは奇襲ですので、当面は輸送機の 運用は止められたほうがよろしいかと」 「攻撃が始まるタイミングの通達はあると考えていいのですか?」 「可能であれば。体制の強化は早い段階で開始してください。口実が必要でし ょうから、防衛戦線には何か適当な『強い言葉による勧告』でも出させます。 まあ、いつものことと言えば、いつものことですが」 「予定表を書いて、タイムスケジュールどおりに、という話にはできませんか らな――了解しました」 「少なくともあと数日は、休養と補給が必要です。それ以降は、言い方は悪い ですが、勝手に動かさせてもらいます。最悪、計画の頓挫が明らかになったら、 我々をスケープゴートにされるといい。次につなげるのも、大事な任務です」 「そうならないことを祈ります」 会議は、1時間もしないうちに終わった。彼らは彼らなりに反攻計画を練っ ているようで、彼らの視点から言うと俺たちは都合のよい花火というわけだ。 口には出さなかったが、カガリの指摘はおそらく正しい。今回の件は、この 国にとってみると、要するにタカ派によるクーデターだ。大義もなければ、理 想もない、ただの政争の一環に過ぎない。馬鹿馬鹿しい。もっとも俺にしても、 司令部とは通信が途絶しっぱなしだなんてことはおくびにもださずに交渉して るんだから、同じ穴の狢といったところか。 なんともやりきれない空気のまま、俺たちは新しくあてがわれた宿舎(今度 はまっとうなビジネスホテルだ)に移動する。会議以降、カガリの不機嫌っぷ りはとどまるところを知らない。ヴァイスとシュヴァルツは微妙におどおどし ていた。俺が堂々としすぎなのかもしれないが。 宿舎についたところで、全員で部屋に集まって作戦会議にする。ダブルの部 屋に4人はちょいと狭いが、贅沢は言っていられない。体操するわけじゃない んだしな。 ヴァイスとシュヴァルツに、盗聴器とカメラのチェックをさせる。とりあえ ず設置はされていないらしい。だが用心するには越したことがない。俺は接触 式の生体通信を開始するジェスチャーをして、丸テーブルの上に手を置いた。 順に、3人が手を重ねる。 『ヴァイス、シュヴァルツ、音声レベルで適当な会話を流してくれ。あんまり アホなことを喋るなよ』 『え? 情熱の一夜のことを実況してくれるんじゃないの?』 『カガリ、頼む、そろそろ許してくれ、マジで。俺もう泣きそう』 『まだまだチクチクやらせてもらうから』 『きっついなあ。とりあえず、なんでもいいや。始めてくれ』 ヴァイスとシュヴァルツがバースデーケーキのことを音声会話し始める。 『こんな話題でどうでしょう』 『オーケー。さて、本題だ。輸送機の件だが、運用コードは手に入ったか』 『先ほど車内で受領しました。ですがシンラ、航空機での防衛ライン突破は』 『上出来だ。ヴァイス、その機体のトイレを製造しているメーカーの管理ナン バーを引き抜け。シュヴァルツはサポート』 『アイ・サー……確保しました。東洋衛生、です』 『いいぞ。警察軍経由で東洋衛生のメインコンピューターをハックしろ。気を つけろ、東洋衛生の防壁はたぶんこの国で一番過激だぞ。警察軍相手のチャン ネルが唯一の窓口だ』 『アイ・サー。アクセス……シンラ、この会社! すごい』 『事前情報が正しければ、宇宙開発局にアクセスできるコードを持っているは ずだから、確保しろ。ISSに便器を納品してた会社だからな。最新の人工衛星に も部品を提供してる』 『宇宙開発局へのアクセス権を確保しました』 『よし。そこはまだアクセスするなよ。今日は水曜だから……あと10日はその パスが生きてる。 次、いくぞ。H国海軍へのアクセスコードも東洋衛生にはあったろ』 『はい。正規空母“鶉”の衛生環境を提供しています』 『鶉の火気管制システムは見えるか』 『それはさすがに』 『突破は?』 『防壁の強度はさほどではありません。推定4時間』 『タイム・ボムを仕掛けろ』 『露見の確率が高すぎます』 『便座の温度を管理するプログラムの中に仕込め。そこはチェックされないし、 温度設定が外部から可能になってる』 『アイ・サー。ええっ、何これ……本当です、こんなのが正規空母のセキュリ ティだなんて』 『東洋衛生ってのは、最初に会ったろ、あのジジイの会社だ』 『理解しました。でもそれだったら何も輸送機のトイレから入らなくても』 『ジジイにこれ以上貸しを作りたくはない。俺たちはあくまで、自力で玄関に までたどり着いた。相手は、俺たちを迎え入れてくれた。そういうこと。 仕込んだら、撤退だ。くれぐれも足跡には気をつけろよ』 『アイ・サー。ログオフ完了しました』 『さて、これでどうよ。もう任務成功率0.4%とは言わせねえぞ』 『概算ですが……最低でも10%は越えたと思います。最大で30%弱』 『5割いかなかったか』 『でもさ、孤立状態なのに、帝竜クラスを相手に10%越えって、ちょっと普通 じゃないよ』 『仕込みはこれで一杯一杯だけどな。孤立状態だからこういう仕込みもできる、 って考え方もある。エメルが変な知恵をつけなきゃいいが』 『無支援・孤立状態に置いたほうが任務達成率が上昇する、とか?』 『それは違うぞ。あいつはもうちょっと論理的だ』 『じゃあ何がどう変な知恵なのよ』 『4人が自殺的特攻を試みたら任務達成率が跳ね上がった。じゃあ1千人が特 攻すればもっと成功率は上がるはずだ』 『勘弁。ありえそうなだけに、本気でそれは勘弁』 『だからまあ、俺らは頑張って生還して、エメルに今回のが偶然なんだってこ とを説明しないとな』 『アイ・サー』 「それで、だ。話の途中だが、そろそろメシにしようぜ」 「ルームサービスでも取るの?」 「レストランに行きたいって言ったろ」 「ああ……。そんな、真に受けなくていいのに。こんな夜遅くなのに、お店あ いてるの?」 「食い物の恨みは色恋の恨みより恐ろしいってのが家訓でな。無理いって予約 しといた。お前らも来いよ。帰りは別の車に乗ってもらうが」 俺はカガリの手を握ると、立ち上がった。最後の晩餐なのは、全員が分かっ てることだ。ヴァイスとシュヴァルツも、厳しい表情のまま立ち上がる。けれ ど、それでも二人は明るい笑顔を作ると、「着替えてきます」と言って自分た ちの部屋に戻っていった。健気な奴らだ。 「お前は着替えなくていいのか」 「着替えなんて、野戦服しか持ってないから」 「そうか、そいつはマズった」 「気にしないわ。ちゃんとしたディナーが食べられるってだけで、あり得ない もの」 「合成食料だけどな」 「食べる前に食欲を削ぐようなこと言わないで」 レストランにはタクシーに乗って向かった。1台で4人はちと狭苦しいが、 女性陣はみな痩せ型なのでそれほどでもなさそうだ。助手席の俺は涙目。 レストランには「貸切」の看板が下がっていた。俺はカガリの手を取って入 店する。例のギャルソンが丁寧に俺たちを出迎え――そして驚いたような声を あげた。 「失礼ながら、ヒイラギ様、ですか……?」 カガリがはっとしたような表情になる。 「まさか、カノウさん? ええええええ!?」 「やはりヒイラギお嬢様でしたか。本日は当店をお選びくださいまして、まこ とに光栄です。どうぞ、お席の準備はできております」 「やめてよ、カノウさん。あたしはもう、ほら、さ。でもありがと。じゃあ、 シェフはやっぱりいつもの彼?」 「はい。ジャンが務めております。その、申し上げにくいのですが、ご用意で きるお食事とお酒の幅に些か限りがございますことを、先にご了承いただきた ければと。本来でしたら、本日はお引取りいただかねばならないような有様な のですが……」 「何言ってるのよ、あなたたちのお店にまた来れたなんて! それだけでもう 大満足よ。ささ、なにポカンとしてんの、ちゃんとエスコートしなさいよ、シ ンラ。あなたたちも、店の玄関をくぐったら帽子くらいちゃっちゃと脱ぎなさ い――まったくもう、恥をかかせないでよ」 言いながらカガリは一人でテーブルに向かい、とっとと席についてしまった。 俺はギャルソンにコートを預けるついでに、ぼそりと聞いてみる。 「カガリとは、知り合いってこと、だよな?」 「ええ。ヒイラギ様には、随分とご贔屓いただいております」 「ヒイラギ様か。参ったな」 なんとなく居心地の悪さを感じつつ、俺たちは案内された丸テーブルに座る。 ややあって、フルートグラスに淡い紅色の酒が注がれた。 「こちらは私からのサービスです」 「変わらないわね。あたしの好きなの、とっておいてくれたんだ」 「1本だけですが、なんとか救い出しました」 「乾杯しましょう、あなたもグラスを。私が持つわ」 「では、お言葉に甘えさせていただきます」 ギャルソンも僅かに酒が注がれたグラスを持った。 「さ、シンラ、乾杯の音頭を」 「俺かよ。あー、そうだな、なにやら偶然っぽい再会と、この場に居合わせた 全員の無事を祝って」 「乾杯」 料理は以前にもまして素晴らしいものだった。カガリはメニューも見ずに一 切をシェフに任せ、シェフはその期待に応えている。 「ジャンは、フランス料理の国際コンテストで入賞経験がある腕利き。カノウ はこの国で一番格式が高かったホテルの最上階にあったレストランで、フロア のチーフだった人。二人とも腕はいいんだけど、妥協って言葉を知らなすぎる から、あちこっちで喧嘩して、今に至るって感じかな。 それにしても、あなたたちラッキーよ。あたしだって誕生日を彼らに祝って もらったことなんて、指折り数えるほどしかないわ」 「指折り数えられるお前のほうに驚きだよ」 「あ、あの、カノウさんに記念写真まで撮ってもらっちゃったんですけど、こ れってもしかして物凄く」 「ありえないわね。あたしなら恥ずかしくて首をつっちゃうレベル」 「ひ、ひええ」 「――スープをお持ちしました」 目を白黒させている俺たち(女王様を除く)の前に、小さな硝子の切子グラ スに入った黄色いスープが置かれた。 「これって、まさか」 「とうもろこしの冷製スープでございます。季節外れではございますが、シェ フがどうしても、と駄々をこねまして」 カガリは優雅にスプーンを手に取ると、グラスに盛られたスープをひとくち、 口に含んだ。 「ちょっと、これ、天然のトウモロコシじゃない! どうやって手に入れたの、 こんなもの」 「……あの大災厄がございましてから、政府は燃料用に備蓄していたトウモロ コシを、定期的に無料で放出しております。それを冷凍保存いたしました。風 味に欠けますところは、平にご容赦いただければと」 俺もスプーンを取って、スープを試してみた。口の中に、甘いコーンの味わ いと、真夏の木陰を思わせる爽やかな香りが立ち上り、心が浮き立つような楽 しさを感じる。 そうだ、これは……これは、ガキの頃、夏が来るたびに感じていた、意味も なくワクワクする気持ち。俺は思わず自分の記憶回路に異変が生じたのかと思 ったが、機能はまったく正常そのものだ。 これが、料理の力というものか。 いや――違う。これが、人間の力なのだ。 俺たちは無言でスープを飲んだ。何かを喋れるはずがない。いやはや、たか が食事とか思っていた自分が恥ずかしい。その「たかが」に命を懸けてきた連 中は、この領域にまで到達するのだ。崩壊しかかった世界で、完璧な技術を持 ったシェフとギャルソンが演出してみせた、奇跡。 「このスープはね」。カガリがぽつりと呟く。「あたしが彼らに初めてサーブ してもらったときに、無理を言って頼んだメニューなの。 あたしはまだ6歳くらいで、それでも両親はあたしに大人の味を覚えさせた くって。ちっちゃかったあたしにとってみれば、出てくる料理はどれもこれも 辛いか苦いか臭いかばっかりだったわ。それで、ほとんどのお皿に手がつけら れなくて、でもお父様とお母様があたしのために最高の食事を手配してくれた のはわかったから、食べなくちゃって。 でも、そんなあたしの様子を見て、カノウさんがあたしに聞いてくれたのよ。 『お嬢様、何か別のお料理をお持ちしましょうか』って。あたしは思わず『コ ーンスープが飲みたい』って言ったわ。子供の味覚よね。それで、出てきたの がこれ。 あのときから、彼らのいる店を探しては、大切な日の食事はできるだけそこ で食べるようにしたの。彼ら、失業してることも多かったから、そう簡単じゃ なかったけどね。でも、このスープを頼んだのは、あれっきりだった――あれ っきりだったのに……」 カガリはスプーンを置くと、直接グラスを手にとってスープを飲んだ。マナ ーとしてはなっちゃいないんだろうが、俺もそれが正しいような気がして、グ ラスから直接スープを飲む。なんとなく、悪戯をしている子供のような気分に なる。シェフとギャルソンがあっちこっちで喧嘩をしては店を飛び出てきたと いうのも、これを食うとなんとなく分かる。 その後も、ゆるやかに食事は続いた。天然の魚のソテー、レモンのグラニテ、 合成肉の煮込み。どれも最高だった。俺たちは全身の隅々まで満たされ、すっ かりリラックスしていた。ただ単に高いメシを食ったというだけでは、こうは ならない。 食事は大体終わって、娘たちはシェフお手製のアイスクリームとエスプレッ ソコーヒーに夢中、カガリと俺はシガーを楽しんでいた。基地が全面禁煙にな ってからというもの俺たちは肩身の狭い思いをしてきたが、ここではそんなこ とはなさそうだ。 「ねえ、ひとつお願いしていい?」 テーブルが片付いたところで、カガリが切り出した。 「何でしょう、お嬢様。ってかそれでそろそろ負債は全部返納でいいかな」 「そういうことにしてあげる。この後、行きたい場所があってね」 「どうぞどうぞ、お二人で行ってきてください。わたしたちは先に宿舎に帰っ ていますから」 「馬鹿、そんなんじゃないわよ。本当はね……本当は、一人で行きたいんだけ ど、でも一応、封鎖地区だから、護衛がいたほうがいいかな、って」 「封鎖地区か。まあ、安全ではない、な。構わんよ。つきあう。ヴァイスとシ ュヴァルツは先に帰って寝てろ。金は十分に持ってるよな? まあ、その金を 握ってどこかに遊びに出るぶんには止めないが、朝には帰って来いよ」 「サー・イエス・サー」 「さて……じゃあ、そろそろ出るか。チェックを」 「ヒイラギ様からお金はいただけませんよ」 「またまた。いつもどおり、経営苦しいんでしょ。取っておいて。どうせあた しのお金じゃないんだし。それより、次もまたどこかで会えたら嬉しいわね。 できればここだと楽なんだけど」 「では、失礼ながらお言葉に甘えさせていただきます。皆様、本日はどうもあ りがとうございました」 「ジャンにもよろしく伝えて。今日こそは完璧だったって」 「はい。本来ならばこの場にお連れするのですが」 「対面恐怖症の料理人って面倒よね」 「では、またのお越しをお待ちしております」 「ありがとう、ごちそうさま」 「ごちそうさま。月並みな言葉で申し訳ないが、素晴らしかったよ」 「ありがとうございました、本当に美味しかったです!」 娘たちは歩いて帰ると言い張ったので、好きにさせることにした。夜遊びコ ースというところか。それもいいだろう。俺はタクシーを止めて、湾岸の封鎖 地域近くまで運んでもらうことにする。空を飛んでもいいが、さすがにね。 封鎖地区というのは、この国が最初に竜の襲撃を受けたときに、徹底した破 壊を受けた地域だ。竜との表向きの宥和が進んだ今でも、一種の見せしめとし て廃墟のまま残されている。タクシーの運ちゃんは行き先を聞いて顔をしかめ たが、3倍払うと言うと黙って車を出した。 1時間ほど走ると、封鎖地区が見えるあたりまで来たので、車を止めさせる。 運ちゃんもさすがにこれ以上あそこに近づきたくはないらしく、安心したよう に金を受け取った。 俺とカガリは、手をつないで廃墟のなかを歩いた。そして溶け落ちた鉄製の フェンス以外はすべてが燃え尽きている区画にたどり着いたところで、カガリ が足を止め、くるりと振り返って俺の顔を見る。 「あたしの家に、ようこそ」 俺はでくの坊のように突っ立っていることしかできない。レストランの一件 で、というかそれ以前から、カガリは随分とお嬢様育ちなんじゃないかとは思 っていたが、ここまでとはね。H国首都のベイエリアといえば、世界有数の金 持ちじゃないと一軒屋なんて持てない地域だ。 カガリはふわりと歩を進める。俺はなんとなくコートを脱いで、その後に続 いた。 「ここが玄関。壁にはカンディンスキーのリソグラフがあったわ。お母様の趣 味。お母様は、ゲストに頂いた花を別にすれば、カンディンスキー以外は玄関 に飾ろうとしなかった。小さい頃は、なんだか落書きみたいって思ったけど」 近くに落ちていた焼け焦げた木の棒を手にとって、カガリは地面に線を引き ながら歩く。 「こっちの扉が、客間。北欧のビンテージ家具でまとめてた。最初はお父様が 好きなアール・ヌーヴォー一色だったんだけど、あたしが無理いってデザイン を変えてもらったの。カンディンスキーを見て入ってきたお客に、アール・ヌ ーヴォーはないだろう、って。反抗期だったのね」 「こっちに行くと、リビング兼ダイニング。客間から動かした調度は、結局こ こに定住したわ。ここがお父様のお城だったのかな。イタリア製のオーディオ が置いてあって、あのスピーカーは小さかったけど本当にいい音がしてた。100 年もののワインの樽で作ったスピーカーなんだって、お父様は子供みたいに説 明してくれたわ」 「――お嬢様だったんだな、やっぱり」 「まあね。あたし自身は、そんなに贅沢な家だとは思ってなかったし、実際も っとすごい贅沢をしてる家はいくらでもあったけど……世間の標準から見れば、 やっぱりお嬢様よね。でも、あたしのお父様の口癖は、『カガリ、うちはブル ジョワじゃないんだから、大学は国立にしてくれ』だったわ」 「大学、行ってたのか」 「うん。この国では、一応、一番良い大学ってことになってるところ」 その大学の名前は、無学な俺でも知っていた。エリート中のエリートだ。 「頭いいんだな」 「あなたよりはね。でも、天才ってわけじゃあ、ない。あの大学に行ってみて 思い知ったけど、天才ってのは、あたしなんかとは全然違う。それを知っただ けでもいい経験だったかな。あの人たちが、まだ生きてるといいんだけど。そ れで、これから先も、うまく乗り切ってくれるといいんだけど」 「さっきのギャルソンに、教えなくてよかったのか。せめて、逃げろとか、危 ないとか」 「それは第一級の機密漏洩よ。あたしは軍人だもん。それに、あの人たちは、 戦争なんかじゃ自分たちの仕事をやめたりはしないし、諦めもしないわ。あた したちがどんな場所でも殺し合いをやめないように、あの人たちはどんな場所 だって最高の料理とサービスを追及するわよ」 「だな……まったくだ。久しぶりに、本物のプロを見たよ」 「不器用な生き方しかできない人たちだけどね」 「類友ってやつだ。大学で、何を勉強してたんだ」 「法社会学。あと趣味で、ビザンティンにおける恩貸地制のゼミとか」 「なんだそれ」 「いまから120分ほど講義していい?」 「勘弁」 「医学も興味はあったけど……数学がね。才能の壁で撃沈。18歳がピークの学 問って、ひどいよね。高校生のうちに見切りつけざるを得なかった」 「よくわからん」 「はいはい、失礼しました。それで、こっちがメイン・ダイニングで、その奥 がキッチン。料理はお父様の分担だった。お父様は、学生時代にイタリア料理 屋でアルバイトしてたんだって。お父様が作る料理は、本当に美味しかった。 もちろんプロにはかなわないけどね。どっちにしてもお父様もお母様も、お手 伝いさんを雇うことを潔しとする人じゃなかった」 「それから、こっちの階段を登ると、客用の寝室。滅多に使わなかったなあ… …。子供の頃は、よく遊び場所にしたものよ。お人形の家とか並べてさ。その たびに、お母様に片付けなさいって怒られた」 「片付けられないのは、その頃からの癖か」 「悪うござんしたね。突っ立ってないで、こっちに来なさいよ」 俺は首を振りつつ、カガリの後を追う。カガリは瓦礫のなかに木炭の線を引 き続けている。 「学生時代もこんなだったのか」 「客観的に言えば――女王様だったかな。いつでも彼氏は2、3人いたし、彼 氏未満はもっとたくさんいた。まったく、あなたのことを悪く言えないこと夥 しいわね」 「青春を謳歌してたんだな」 「そうかもしれない。馬鹿丸出しでね。無茶もたくさんしたわ――さすがに、 3人以上といっぺんに寝たのは4回くらいしかないけど」 「無茶しすぎだ」 「学園祭のときは、誰もいない教室でセックスしたこともあるわよ。とてもス リリングだった。へべれけになってトイレに吐きに行った男を介抱してたら、 なりゆきでそのままエッチしたこともある。『君が好きで好きでたまらないん だ』とか、若さよね」 カガリがくるっと振り返る。 「ここがあたしの部屋。鍵を開けるわ」 彼女は扉を開けるしぐさをする。 「どうぞお入りください、シンラ」 「ありがたく」 俺は肩をすくめて彼女の後ろに続く。 「この壁面が全部本棚で、こっちが机。ここに窓があったんだけど、本棚で潰 しちゃった。ここに、お父様にもらったオーディオ機材。安物だって言ってた けど、あたしには十分だったなあ」 そういいながら、カガリは瓦礫の山の上に立つ。 「ここが、ベッド。誤解しないで、ここに男を上げたことはないから」 「そうか」 俺は廃墟を見回して、つとカガリに一歩近づく。 「安心した?」 「俺が最初の一人になるのでいいのかな、と思ってさ」 カガリがまじまじと俺の目を見る。 「……いいわよ」 もう一歩、カガリに近寄った。距離がゼロになる。俺は彼女の細い身体を抱 きしめ、深々とキスをした。左手に引っ掛けていたコートが、ばさりと地面に 落ちる。 キスをしたまま、若干身体をずらして、ワンピースの上からカガリの乳房を 愛撫する。女性の魅力を目一杯詰め込んだかのようなその身体は、幾多の男の 興味を集めてきた。学生時代に奔放な性生活を送っていたというのも、あなが ち嘘ではあるまい。彼女のルックスと身体、そして何よりもこの閃くようなウ ィットと毒舌があれば、男に不自由することはなかっただろう。俺自身、何の かんので彼女にベタ惚れしている自分を認めざるを得ない。 彼女は目を閉じて、愛撫に身を任せていた。俺はカガリを強く抱きしめたま ま、彼女の耳朶を、首筋を、頬を、喉を、唇で撫で回す。ワンピース越しに感 じる彼女の暖かさが心地よい。 俺はじわりと背後に身体を動かすと、彼女の豊かな胸を楽しんでいる右手は そのままに、もう片手をそっと腹部へと滑らせる。綺麗に引き締まった、無駄 のない筋肉の感触。カガリもまた俺の脇腹のあたりに手をまわして、俺の身体 を柔らかくまさぐる。 左手を、すらりとした足へと伸ばす。太ももの感触をしばらく味わってから、 また腰へと手を這わせていく。彼女の手もまた、俺の足に降り、また脇腹へと 戻ってを繰り返す。 俺は自分が高まってきたのを感じ、彼女の臀部に腰を押しつける。カガリは 軽く腰を動かし、尻の狭間でズボンの中に収まったままの俺自身を撫でた。俺 は自身の興奮を感じつつ、それでも冷静を保つふりをしながら、彼女の首筋に 舌を這わせる。 カガリはしばらく俺にリードされていたが、やがて俺の抱擁を解いて正面か ら抱き合うと、もう一度情熱的なキスを交わした。互いの手が、互いの背中の 靭さを確かめ合う。服越しに、お互いの心臓が高鳴っているのを感じる。カガ リは足を俺の足に絡めると、ズボンの上から俺自身をさすった。不肖の息子は、 もう痛いくらいに膨張している。 「あたしと、セックスしたい?」 悪戯っぽくカガリが囁く。 「ああ」 「どれくらい、したい?」 「こんなに」 俺は自分の下腹部を指差してみる。 「どれどれ、容態を見てみましょうか」 彼女は地面に膝をつくと、ズボンのジッパーを下ろし、トランクスの中から いきりたってイチモツを取り出した。 「ずいぶん腫れてるわね、シンラ」 「ここにきてお医者さんごっこか」 「悪い? 外科医と付き合ったこともあるけど、本当に器用だったわよ」 そう言いながら、彼女は俺の息子を口に含む。ねっとりとした口技に、十分 に膨張していると思っていたソレが、一段と硬さを増す。彼女はうっとりとし た表情のまま亀頭を舐め、浮き上がった血管や筋に舌を這わせ、根元近くまで 頬張ると、強く吸った。思わず彼女の口の中で爆発しそうになる自分を、懸命 に抑える。 彼女は責め手を止めなかった。始めはゆったりと、やがて勢いよく、唇と舌 を総動員して俺自身をしゃぶっていく。俺は何度も深呼吸して自制を取り戻そ うとしたが、そのたびにちろちろと亀頭を舌で突かれて、ひたすら決壊を堪え 続けねばならなかった。 だが、我慢にも限界はある。もうこれ以上は無理だと悟った俺は、カガリの 頭を掴み、彼女の口の中を激しく犯す。負け惜しみに近い。彼女は嬉々として ピストンを受け入れ、前後動にあわせて息子を締め上げ、根元に近いあたりの 筋をやわやわと指でマッサージする。 この最後の攻撃を前に俺の我慢は崩れ去り、彼女の口の中で大量の精液をぶ ちまけた。カガリは嬉しそうに喉を鳴らして体液を飲み干していく。俺は目を 閉じて、荒い息をついていた。まったく、どっちがどっちを犯してるんだかわ かりゃしない。 やがて、彼女は俺の体液をすべて飲み干した。若干しなびた感じの俺の息子 を口から出すと、ハンカチを取り出して口元を拭く。俺はちょっと息があがる のを感じて、倒れていた柱の上に座りなおした。カガリも隣に座る。 「ずいぶん溜まってたじゃない。あの子たち、ちゃんと満足させてあげたの?」 「多分」 「あたしが入院してるあいだ、ずっとハーレムだったんじゃないの?」 「んなわけあるか。一晩だけさ」 「意外ね」 「信用ないな」 「でもさ、文句なしに可愛い子たちじゃない。据え膳食わぬは男の恥って言う んでしょ?」 「俺は、お前のほうがいい」 「嬉しいこと言ってくれるわね」 俺は小悪魔のような笑みを浮かべているカガリの唇を奪うと、もう一度全身 のあちこちを愛撫する。 が、今度は途中で止めたりはしない。 太ももを撫で回しながら、じわり、じわりとワンピースのスカートをずりあ げる。やがて、すらりと伸びたカガリの足があらわになった。俺はストッキン グの上から、直接彼女の足を触る。彼女は、自覚はないかもしれないが、太も もの愛撫に弱い。 さほど時間をかけるまでもなく、カガリが甘い声を漏らし始めた。 「シンラ……ねえ、シンラ……」 「なんだよ」 俺は執拗に足を責め続ける。 「少しは……嫉妬してくれた? あたしの学生時代の話」 思わず、苦笑が漏れる。 「何よ。笑うところじゃないでしょ」 「悪い。そうだな、まあ、嫉妬したかな」 「どれくらい?」 俺は彼女の手を取って、自分のイチモツに触らせる。息子はもう十二分に回 復していた。 「これくらい」 カガリがクスリと笑う。 「そればっかり。いいわ、もっと……もっと、嫉妬して……」 俺は黙って愛撫を続けながら、徐々に彼女の秘所に手を寄せていく。そして さんざん焦らしてから、彼女自身の上に指を乗せた。指先に熱い火照りを感じ る。 「ストッキング、破いちゃっていいわよ」 カガリを焦らしながら、いい加減自分自身も焦れてきていた俺は、彼女のス トッキングに両手をかけると力任せに引き裂いた。黒いレースのショーツがあ らわになる。 ショーツの上から、裂け目のあたりをつつっと指で追ってみる。指先に、湿 り気を感じる。 「昔から、こんなに濡れやすかったのか」 「そうね……最初の一回はとても痛かったけど、すぐに馴染んだわ。敏感な、 いい身体をしてるって褒められた」 「敏感なのは知ってるよ」 俺はショーツの中に手を滑り込ませ、たっぷりと潤っている割れ目の中に指 を差し込んでいった。カガリは鼻をならしながら、うっとりとした表情になる。 時間をかけて、彼女の中を指でかき回していく。柔らかな襞を愛撫し、陰核 を刺激し、花びらを揉みしだく。彼女の唇がわななき、呼吸がやや速くなって きた。 「すまん、カガリ」 俺はカガリの耳元で呟く。 「ん?」 「もうちょいじっくりと行きたいんだが……限界だ」 俺はショーツを乱暴にひき下ろすと、カガリの両膝の後ろに手を回し、一息 に彼女を抱え上げた。口でスカートの裾を咥え、完全に勃起したイチモツの上 に彼女を降ろしていく。カガリは俺の息子を指先で捕らえ、自分の内部に導い た。 暖かな柔肉が俺の分身を包み込む。身体の深いところを突き上げられたカガ リが、少し呻いた。 「もう、せっかち、さん、なんだか、ら……」 俺はゆるやかに腰をグラインドさせる。十分に熟れたカガリの秘所は、ずぷ り、ずぷりと淫らな音を立てながら、俺の男性自身を絡めとるように咀嚼する。 あまりの快楽に、思わず俺も低くうめき声を出してしまう。やはりなんのかん の言って、小娘どもではこうはいかない。 「お前が欲しくて欲しくて、たまらないんだよ」 「馬鹿」 両手をカガリの胸に回し、上下動にあわせて強く揉む。カガリは口を半開き にして、下腹部からこみ上げてくる快楽に酔った。俺もカガリの動きにあわせ て、ゆるゆると腰を動かす。 カガリの白い肌が紅潮する。俺は真っ赤に染まった彼女のうなじに舌を這わ せ、乳首と太ももを服の上から責めながら、腰を揺らし続けた。カガリは自分 の秘所に手を伸ばすと、クリトリスを刺激し始める。膣がぎゅっと締まって、 俺はまたしてもうめき声を出してしまう。 「シンラ……ああ、シンラ……」 「カガリ、好きだ。お前が、好きだ」 「シンラ……」 まるですべての人間が死に絶えてしまったかのような廃墟の中で、俺たちは 愛し合い続けた。遠くの対岸では不夜城たる街の明かりが煌いているが、その 虚ろな輝きは、まるで巨大な墓石のように海の中に立ち並ぶ橋脚の群れを、微 かな灰色に染めることしかできなかった。 カガリは、俺に貫かれながら、静かに言葉を紡ぐ。 「シンラ、忘れないで――この風景を、忘れないで。あなたの、そしてあたし たちの誇りが生むのは、この風景でしかない――あなたと、あたしたちの気高 さがもたらすのは、死人の山だけ。お願い、それだけは、忘れないで」 俺はただ、頷くことしかできない。それ以外、俺に何ができるというのだろ う。彼女の幸福と希望が灰になって眠る、この場所で。 やがてカガリが高まり始めた。太ももを愛撫する俺の手に、彼女の体の細か な痙攣が伝わり始める。 「ああ、シンラ……、あたし、ああ、もう、ダメ、シンラ」 「いいのか、カガリ、もう」 俺は歯を食いしばりながら、ゆっくりとした腰の動きを保つ。今にも息子が 破裂しそうで、額には汗が滴り始めた。 「うん、きて、シンラ、きて、お願い」 その声につられるように、俺はぐいと強く腰を突き上げる。カガリが「ああ っ」と一声叫んだ。カガリもまた、激しく腰を上下させる。ワンピースに包ま れた引き締まった体が、じっとりと汗ばんでいるのがわかる。 カガリの秘所がぎゅっと強く締まった。カガリは下唇を噛み、天を仰いでい る。腹筋が激しく収縮し、震える足からハイヒールが落ちた。俺は奥歯に力を 入れつつ、ぐいぐいと彼女を突き上げる。 「ああ、シンラ、すごい……あ、また、またイク、ああ、まだ」 一度緩んだ彼女の秘所が、ふたたび緊張をはらんだ。 「あ、ちょ、ちょっと、足、足つっちゃいそう、あ、ああっ」 俺はよくわからない訴えを無視して、激しくカガリを下から突き上げる。ボ スッボスッという破裂音が混じった。一撃ごとに彼女は「イク」を繰り返し、 次第にその声は脈絡のないうめき声に溶けていく。締め付けは物凄いものがあ るが、それでも俺は必死で射精感をやり過ごし続けた。まだまだ、まだまだだ。 「ひいっ、あ、あああ、あぅ、あ、ああっ、あああっ」 カガリはもう自分で腰を動かすこともできないようで、半ばぐったりと俺に 身体を預けながら、押し寄せる快楽に浸っている。俺は彼女の顔をつかむと、 ぐいと背後を向かせて、わななく小さな唇に唇を押し当てた。ほとんど本能的 に彼女は俺の口の中に舌を割り入れてくる。俺はカガリの舌に舌をからめつつ、 最後の抽送を始めた。 「ん、んぅー、んんんっ、んんっ、ん、んんんんんぅっ!」 カガリの全身が硬直し、俺の男性自身を強烈に締め上げる。俺は全力を振り 絞って彼女の体のなかに怒張をガツンと沈めると、そこで溜まりに溜まった劣 情をどっと吐き出した。怒張がぴくぴくと震え、その痙攣に彼女はまたしても 高みへと到達する。 ……が、コトが終わって放心したような表情のカガリを見ているうちに、す べてを吐き出したはずの俺の息子が勢いを取り戻した。カガリが驚いたような、 それでいてうっとりとした目で俺を見るが、むしろ俺のほうがびっくり。美味 いものたらふくを食ったせいかな。 「カガリ――好きだ。愛してる」 俺はそう囁くと、彼女を貫いたまま、ぐるりとその身体の前後を回転させた。 胎内に走った異様な感覚に、朦朧としていたカガリが「はぅ」とか間の抜けた 声を出す。 「さ、ヒイラギお嬢様、もうひといきお家をご案内いただけませんか」 そう言いながら、俺はカガリを抱えて立ち上がる。いわゆる駅弁スタイルと いうやつだ。 いまや全身が性感帯のようになっている彼女は、俺にしがみつく力もほとん ど残っていない。けれど、重力に身を任せると、自然と俺のイチモツが彼女の 身体の奥深くを突き上げる。その深すぎる快感から逃れようとして俺の身体を 少し這い上がって、でも力尽きてまた重力に負ける。彼女は俺に抱きかかえら れたまま、無尽蔵な快楽の淵をさ迷い続けた。 そうするうち、カガリの全身から力が抜ける。ほとんど失神しかかっている のだろう。俺は軽く笑うと、一歩を踏み出した。とたんにカガリの身体の中に 猛然とした刺激が走り回って、彼女はびくりと俺にしがみつき――また快楽の 無限ループに戻る。 「好きだ。愛してる、カガリ」 俺は呪文のようにそう繰り返しながら、廃墟の中をゆるゆると歩き回った。 カガリは半分眠るように、半分快楽の海に溺れるように、俺の肩に頭を乗せた まま呻いている。 「お前以外にいない。好きなんだ、愛してるんだ、カガリ」 小さく、彼女の口から、「あたしもよ、愛してる、シンラ」という声が聞こ えた。 ……畜生。 やっと。 ……やっと、言いやがった。 俺は彼女の部屋だった場所に戻ると、床に落としたままになっていたコート の上に彼女を横たえた。間髪いれず、一気にその身体を刺し貫く。 「あ、ああっ、イイっ、あ、あああっ」 「愛してる、カガリ」 「あ、ああ、あい、して、る、シンラッ! あいして、るっ!」 「カガリ、愛してる、カガリ」 「シンラ、シンラ、ああ、ああああっ」 彼女の身体を揺するたびに、その口からは堰を切ったかのように愛らしい言 葉が漏れた。俺は時に荒々しく、時にゆるやかに彼女を揺さぶる。微かに聞こ える波の音に、すすり泣くような悦楽の声が混じり続けた。 ――俺は、自分が目を覚ましたのに気がつく。少し、眠っていたようだ。カ ガリは俺の肩に頭を乗せて、すやすやと寝息を立てている。このままもう一眠 りしてもいいが、さすがに身体に良いとはいえない。風邪をひくような身体構 造はしていないとはいえ、少しは考えたほうがいい。 俺はカガリをそっと揺り起こす。彼女はいつもどおり、不機嫌そうな顔で目 を覚ましたが、俺の顔を見て表情を緩めた。 「……あーあ。愛してるって言葉だけは、お父様とお母様以外の誰にも言わな いまま死ぬつもりだったのに……。負けたわ」 「光栄の至りだ」 「後悔はしてないけどね。でも、こうなるんだったら、もっと早めに言ってお けばよかった」 「まったく同感だね。てこずらせやがって」 「言葉って凄いわよね。あたし的は、今までで最高のセックスだった」 「俺もだ」 カガリがゆっくりと上体を起こした。 「ねえ、シンラ。あたし、病院であなたに平手打ちしたでしょ」 「ん、あ、ああ」 「なぜだか分かってる?」 「なぜって、お前、それを俺に説明させるとか」 「分かってないのね。 シンラ、よく聞いて。あなたはあのとき、あたしに握手の手を差し出そうと したのよね」 「当たり前だろ」 「あなたの手は、あのまま出されてたら、あたしの足のあたりに伸びる予定だ った」 「……そうか」 「あなたが思っているより、あなたの精神汚染はずっと進んでる。手の位置が 低く出たっていうことは、あなたが無意識のうちに自分の身長を読み間違えて いるのよ。あなたは、あなたのなかに棲んでいる竜の身長を、自分の身長のよ うに意識してるってこと」 「巨大化妄想だな」 「ええ。最初期に現れる症状だけど、こんなに早く出てくるとは思わなかった。 CMIの支援がないっていうのは、想像よりもずっと危険なのよ」 「それで、平手打ち、か。確かに、あの場で俺が精神的に不安定な証拠を見せ ていたら、まとまる話もまとまらなかっただろうからな。ナイス・フォローに 感謝するよ」 「それでも、やる?」 「ああ。だが、そうだな、銃は諦めるさ。正直言って、現状でも照準に自信が 持てなくなってきてる」 「わかった。気になったことがあったら、どんな小さな違和感であっても、必 ずあたしに教えて」 「イエス・メム」 「冗談じゃないのよ」 「わかってる」 「ならいいけど」 1時間ちょっと歩くと、ようやく車がまともに走っている界隈に出た。何台 かのタクシーに乗車拒否をされつつ、なんとか一台捕まえる。俺はホテルの名 前を告げて、あとは運転手に任せることにした。多少はぼったくられるだろう が、金なんてもうどうでもいい問題だ。ただ今は、一刻も早く風呂に入って、 ベッドで眠りたかった。 タクシーに乗るや否や、カガリは俺にもたれて眠ってしまった。俺も必死で 起きていようと努力したが、適度に効いた空調とゆるやかな振動、そしてカガ リの暖かな身体がそこに追いうちをかけてくるとあっては堪えきれず、眠りに 落ちた。 目が覚めると、タクシーはホテルの前に止まっていた。さぞかし素敵な料金 を要求されるだろうと思ったが、妥当な額しか請求されない――というか、タ クシーに書いてあるキロ単価から言うと、ほぼ最適ルートでここまで来たとい うことになる。俺はちょっと気まずくなって、チップ込みで運転手に支払いを したが、運転手は律儀につり銭を俺につき返した。 戸惑う俺に、目を覚ましたカガリが「この国では、これが普通なの」と囁く。 俺はなんだかとても恥ずかしくなって、頭をかきつつ釣り銭を受け取った。 ホテルの部屋に戻って、二人でシャワーを浴びる。不思議なことに、さて二 回戦という気分にはならなかった。ガウンを羽織って、転げるようにベッドに 倒れ、抱き合ったとたんに熟睡。朝になってヴァイスとシュヴァルツに覚醒パ ルスで叩き起こされるまで、夢も見ずに眠った。 明け方の街は、何かに怯えるような静けさを保っていた。俺たちは装備を確 認し、簡単なブリーフィングをしてから、ホテルを出る。ここから先は、この 街は戦場だ。俺たちにとっての本当の現実が、ようやく姿を現そうとしている。 よし。 心の中で、気合を入れなおす。 俺たちが、何を求め 何を見て、 何を聞き、 何を思い、 何をするのか。 ――さあ、征こう。 (Chapter5に続く) → イカルガ chapter5 ← イカルガ chapter3
https://w.atwiki.jp/7d2020-2/pages/101.html
CHAPTER5 天空の戦場 ※このページはまだ書きかけです。 CHAPTER5 天空の戦場 攻略チャート1.国会議事堂2.ムラクモ本部 3.池袋 山手線天球儀 100m 4.池袋 山手線天球儀 200m 5.池袋 山手線天球儀 中枢ポイント 6.国会議事堂 7.池袋 山手線天球儀 中枢ポイント 8.池袋 山手線天球儀 273m 218m 9.池袋 山手線天球儀 高度400m 10.池袋 山手線天球儀 高度400m外周 11.池袋 山手線天球儀 頂上部 12.池袋 山手線天球儀 帝龍決戦地点 CHAPTER5 クエスト他首都高にバケモノが ネコさんのご飯を探して♪ 素材を探しています 続・集団自殺を止めて バザー 攻略チャート 1.国会議事堂 改修案 報酬 必要条件 必要Dz 武装Lv6 新製品追加+ナノミラクル Lv5 18Dz スキル開発案 Lv3 奥義解禁 12Dz 竜殺剣開発 竜殺剣 心臓3個 5Dz 居住区D ステルスLv3+クエスト 居住区C 2Dz ラウンジLv1 ローグズバンド - 2Dz チャプター5開始時にショップの内容が更新されている。ただし武器は幕間2で入手したものより1ランク落ちるので、わざわざ買う必要はない。 居住区Dor武装開発再優先。短剣トリックスター・ハッカーはバザーの武器の方が強力。防具は1つ山手線で入手できるので、後衛用のみでもいい。 バザーでストップカットorショップでストップガードがないとクソゲーになるドラゴンが登場する。 さらに、サムライのスキルを居合中心に伸ばしているなら居住区改修で居合の心得も入手可能。 奥義は強力だが習得に必要なSPが9000とかなりきつい。風呂でEXゲージ回復が出来ないので、ゲージ回収も面倒。 ただ、次のCPでスキルLv6を開放するためこのチャプター中には改修しておきたい。 ローグズバンドはドロップ率+50%のアクセ。換金アイテム入手量が増えるので資金繰りが楽になる。 ミヤから呼び出されていればエクスアッパーG(EXP1.3倍)もついでに手に入る。 ハッカーが居るなら弱気な技術者クエストを行いキリノから弁当を貰って呼び出されると準最強武具が貰えるので優先してもいい。 2.ムラクモ本部 イベント後、外に出るとイベント 選択肢 結果 イズミは何をしてるんだ? ストーリーが進行する なんで暴走なんて… ストーリーが進行する 選択肢 結果 話をしてみるよ ストーリーが進行する イズミは強くならなきゃダメだ ストーリーが進行する ムラクモ居住区左の部屋でイベント 選択肢 結果 いつもの強気はどうした? ストーリーが進行する そう言わず力を貸してくれ ストーリーが進行する 選択肢 結果 ショウジの想いを無にするな ストーリーが進行する お前には戦う責任がある ストーリーが進行する 池袋へ 3.池袋 山手線天球儀 100m 雑魚戦で麻痺、盲目、火傷、混乱付与。 麻痺にしてくるトワイライトウィングは零式リングがあればトリックスターとアイドルなら先手を取って倒せる。 睡眠と混乱は単体なのでリカヴァ等で回復。 モーフドラゴン 回避を上げてくるので命中率の高い攻撃を。サプライズスマッシュで盲目になるので対策も必要。 4.池袋 山手線天球儀 200m 電磁砲 チャージからのレーザー砲で全体行動不能を付与。最低でも回復役が防げないとそのまま蹂躙される。 1体目はタイミングを見計らって接触しないとホバードラグが乱入してくる。 コイツ自体は乱入してこないのでホバードラグを先に倒すか距離を見て接触するか。 ホバードラグ フリーズブレスで凍傷、デスファングでこちらの防御ダウン、ストップビートで全体に行動不能を与えてくる。 シンボルドラゴンのくせに行動がランダムで、開幕ブレスが来ない場合もある。 乱入させないと戦えない場所でうろついているのも居るため雑魚の状態異常と合わさってキツイ。 乱入させる相手としては混乱付与の使用率が低く対象が単体のカクランジカが1番マシか。 宝箱 絶縁コートWC 1個 宝箱 竜蒼水 1個 宝箱 竜蒼水 3個 5.池袋 山手線天球儀 中枢ポイント 到達時に会話イベント 選択肢 結果 無謀な作戦で犠牲が出てる ストーリーが進行する 逃げたお前に関係あるのか? ストーリーが進行する 200mと同じく最初の電磁砲付近にホバードラグ。1番離れるタイミングで戦えば乱入されない。 中央付近でイベント後、中央の帰還ポイントから国会議事堂へ戻る。 宝箱 ナノミラクル 2個 宝箱 SPアップ500 1個 宝箱 ガトウの腕章 1個 6.国会議事堂 ムラクモ本部→ムラクモ居住区10班部屋 選択肢 結果 誰か良い人材は… ストーリーが進行する それでもイズミがやるべきだ ストーリーが進行する 選択肢 結果 まだ、気は変わらないか? ストーリーが進行する ショウジの意思を思い出せ ストーリーが進行する 選択肢 結果 SECT11の誇りはどうした? ストーリーが進行する 能書きはいい、戦場を楽しもうぜ! ストーリーが進行する 7.池袋 山手線天球儀 中枢ポイント 壁タイプはドラゴンハンマード。 脳筋ドラゴン。力溜め後の振り下ろしが後衛即死級。火傷やディフェンスゲイン等の対策ありでも結構痛い。 デコイミラー、DEFモード、ディフェンスゲインを忘れないように。 宝箱 ミルメロディス 2個 宝箱 3000Az 救助 エミリー 救助 ノリの軽い男 8.池袋 山手線天球儀 273m 218m 宝箱だけなので不要なら行かなくてもいい 宝箱 ヒールエアロIV 4個 宝箱 5000Az 9.池袋 山手線天球儀 高度400m 中央でイベント後、フリーズドラゴン戦 炎弱点 お馴染み飛竜パターン、かとおもいきやレインボーシールドと力溜めを習得した。 レインボーシールド中は弱点が無くなる。 力溜め→次ターンフリーズブレスが中々痛いので対策を。 東と南の電磁砲が塞いでいるのは外周へ行くためのルート。 頂上部へ行くだけなら倒さなくてもいいので、一旦頂上部に出て脱出ポイントを開通させてからゆっくり探索するのも手。 下記のフィジカルガードと要救助者は東側の電磁砲を倒し、一旦外周を経由してからでないと回収できない。 宝箱 ヒュプノ結晶 2個 宝箱 フィジカルガード 1個 宝箱 食材セット 5個 救助 報道キャスター 10.池袋 山手線天球儀 高度400m外周 高度400mで南側の電磁砲を倒した先に進むとこちら側に出る。 ドラゴンや要救助者も居るので寄っておく。 宝箱 ソルマネル 3個 宝箱 ストップガード 1個 宝箱 パラエルオール 3個 救助 頭を抱える研究員 11.池袋 山手線天球儀 頂上部 脱出ポイントあり。 東側の決戦地点への入口手前にはセーブポイントもある。 宝箱 ヒールエアロIV 3個 12.池袋 山手線天球儀 帝龍決戦地点 奥でジゴワットと戦闘 氷弱点 麻痺対策必須。通常攻撃以外全て魔法攻撃なので、デストロイヤーやサムライは絶縁コートWC装備。流石に無印の方は通常攻撃が痛すぎるのでやめておこう。 ハッカーはここまでにディフェンスゲインLv10に出来ているとかなり楽になる。結構意図的に上げないとキツイSPだが報われる。 HP50%以下で使用する放電の効果が行動不能に変わっているが1ターンで直るので回復役さえ防げれば問題ない。 前半行動パターン A 通常攻撃(遠距離)→通常攻撃(遠距離)→全体掃射(複数回全体ランダム攻撃、魔法属性)→エイミングショット(単体大ダメージ、魔法属性)→通常(遠距離)→全体掃射 B 開始から4ターン目に超電磁チャージ→超電磁チャージ→超電磁砲(全体特大ダメージ、魔法属性)、以降10、16、22...ターン目にチャージ パターンAは3ターン目までで強制終了、電磁砲後からは最初の通常攻撃2連からやり直し。 ハッキングなどの行動停止で止めようが、6n+4ターンは確実にチャージを行う。 ターン数 1 2 3 4 5 6 パターン A B これの繰り返し。 チャージ自体をハッキングで止めた場合は1ターンずつ行動がずれるが、次のチャージは予定通り行う。 例 4T目チャージ停止、5、6T目チャージ、7T目発射、8 9TパターンA行動、10T目チャージ開始 行動順変動無しならターンごとの攻撃はLFが50%切るまではこういう行動パターン。 1T目/1 通常攻撃(遠距離)、2 通常(遠距離) 2T目/3 全体掃射、4 エイミングショット 3T目/5 通常(遠距離)、6 全体掃射 4T目/7 超電磁チャージ開始(1ターン消費) 5T目/8 超電磁チャージ完了(1ターン消費) 6T目/9 超電磁砲(1ターン消費) 以下繰り返し 2T目、3T目の全体掃射が運が絡む。うっかり迎撃しようものならスペック次第で死ぬ。 エイミングはLFの最も高いキャラを狙い撃ちにする。 超電磁砲のダメージは必ず、1、2の通常行動ターンで回復しておく事。 後半行動パターン LF50%を切ると、合図代わりの放電を使用した後以下に変化 C 通常攻撃(遠距離)→通常(遠距離)→全体掃射→エイミングショット→通常(遠距離)→全体掃射→放電(全体攻撃麻痺付与、魔法属性)→全体掃射 D 変化から5ターン目に超電磁チャージ→超電磁チャージ→超電磁砲、以降7n+5ターンごとにチャージ パターンCは前半のパターンAと同じく4T目までで強制終了、超電磁砲後は最初の通常攻撃2連からやり直し。 ターン数 1 2 3 4 5 6 7 パターン C D 前半と違って、小技ターン(放電+全体掃射)が1ターン増え、火力密度が増す。 通常攻撃に雷球を咥えた突進のようなものが追加されるが、あれも遠距離属性。ボディ系は反応しない。 以下、行動パターン。 (変化直後~7ターン目まで) 1T目/1 放電、2 通常(遠) 2T目/3 通常(遠)、4 全体掃射 3T目/5 エイミング、6 通常(遠) 4T目/7 全体掃射、8 放電 5T目/9 超電磁チャージ 6T目/10 超電磁チャージ 7T目/11 超電磁砲 (8ターン~14ターンまで) 12 通常(遠)、13 通常(遠) 14 全体掃射、15 エイミング 16 通常(遠)、17 全体掃射 18 放電、19 全体掃射 20 超電磁チャージ 21 超電磁チャージ完了 22 超電磁砲 以下こちらの8~14ターンセットを繰り返し。 LF50%切らせたタイミング次第で超電磁砲の発射ターンは変わる。 とりあえずよほど変なこと(ハッキング祭等)をしない限り、放電ターンの次はチャージが来ると覚えておけばいいだろう。 前作Wikiからのコピペだがこのまんま。 勝利後、自動で国会議事堂に帰還する。 ムラクモ本部へ移動し、イベントを見た後マイルームで休む。 チャプター6へ CHAPTER5 クエスト他 クエスト名 依頼者 報酬 発生条件 首都高にバケモノが NGO チェロン SPアップ500ヒールエアロⅣ×3 ネコさんのご飯を探して♪ 一般人 優しい目の少女 SPアップ200×2 居住区D改修 素材を探しています 一般人 弱気な技術者 SPアップ300 居住区D改修 続・集団自殺を止めて NGO ヒロエ SPアップ200×2フィクスエアロ 『集団自殺を止めて』クリア 首都高にバケモノが クエストマークまで行くとサンダードラゴンと戦闘 ソニックブームとサンダーブレスがとても痛いが軽減手段が少ない。幕間2で買える防具でもかなり痛いので武装Lv6になってから。 ぶっちゃけ強さと報酬が釣り合ってないので後回しで構わない。 前作ではバグで無意味だった力溜めが効果を発揮するようになっており、コレの後に来るソニックムーブは即死級。 ブレスとソニック以外の攻撃自体は牙だらけなのでデストロイヤーが居れば楽。 麻痺防止のためパラスガードorパラスカットとガードリングIIで何とか。 戦闘後会話選択肢 選択肢 結果 何に使うつもりだ? クエストが進行する みんなで協力しよう クエストが進行する 選択肢 結果 だけど、ケガ人が… クエストが進行する デイヴを信じるのか? クエストが進行する チェロンに報告して報酬を貰ってクエスト終了。 クエストクリア後、マイルームでチェロンのメッセージが添えられた「幕の内弁当」を入手できる。 ネコさんのご飯を探して♪ 居住区D改修後 居住区D左部屋の少女→渋谷道玄下路地のワープから出てすぐに餌→居住区Dの少女と会話 選択肢 結果 良いけど、ネコって? クエストが進行する まさか、SKYのネコのこと? クエストが進行する 選択肢 結果 この子はネコじゃなくて クエストが進行する マリナ、説明してあげて クエストが進行する 素材を探しています 居住区D改修後 居住区Dの弱気な技術者→国分寺のカザンガメから最高級の鋼材1個入手→弱気な技術者→キリノ クリア後、マイルームの弁当を調べ、ラウンジがあるとハッカー武器防具入手 続・集団自殺を止めて 集団自殺を止めてクリア後 居住区Cのヒロエ→研究区左の部屋のPC→国分寺砂漠エリア左上へ行くと雑魚戦 選択肢 結果 こんなところに何しに来た クエストが進行する まだバンに乗りたいか? クエストが進行する 選択肢 結果 何があっても、自殺はダメだ クエストが進行する もう二度と、絶望はさせないから クエストが進行する バザー 居住区D改修後 居住区A 薄幸そうな少女 ヒールエアロIV×2白銀水×2ナノホープ×5 2000Az シスター見習い ストップカット 2500Az 居住区B 意地悪そうな女 弁当セット からあげ×8 ひのまる×5 特上×5 1000Az マニックスの店長 SPアップ500×3 1500Az 居住区C 商売上手な女 フィートナイフ ※TS武器 3000Az 丁寧な少女 円月輪 ※HK武器 3000Az 居住区D ガールスカウト 居合の心得 10000Az ボーイスカウト 質の良い燃料×10 1500Az タイプ シンボル 宝箱 個 救助 改修案 報酬 必要条件 必要Dz Dz からの弁当 弁当 個 選択肢 結果 ストーリーが進行する ストーリーが進行する
https://w.atwiki.jp/7d2020-2/pages/71.html
パーティー構成あれこれ 職被り無しサムライ+トリックスター+サイキック サムライ+サイキック+ハッカー トリックスター+サイキック+ハッカー サムライ+サイキック+アイドル サムライ+トリックスター+アイドル トリックスター+デストロイヤー+アイドル トリックスター【剣】+デストロイヤー+サイキック トリックスター【銃】+デストロイヤー+サイキック デストロイヤー+サイキック+アイドル デストロイヤー+ハッカー+アイドル トリックスター+ハッカー+アイドル サムライ+ハッカー+アイドル サイキック+ハッカー+アイドル サムライ+デストロイヤー+サイキック ハッカー+デストロイヤー+サイキック 同職ありサムライ×3 サムライ+サイキック×2 アイドル×3 それぞれのコンボサムライ&サイキック サムライ&アイドル トリックスター【剣】&アイドル トリックスター【銃】&アイドル デストロイヤー&アイドル サイキック&ハッカー ハッカー&アイドル デストロイヤー&サイキック コメント パーティー構成あれこれ とりあえず作成。好きなPT書いてけ。 いきなり削除は荒れる原因になるのでお控え下さい。 突っ込み等は↓のコメント欄に。 相変わらず職バランスは良好なのでここに書いていないからと言って「うちのパーティは弱い組み合わせなんだ…」と悲観することはありません。 職被り無し サムライ+トリックスター+サイキック ボスは弱点があればコンセ→弱点スキル&不動→風林、弱点がなければコンセ→フロストバーン&不動→十六手で大きなダメージを狙う。 雑魚戦はサムライの旋風とサイキック、銃トリックスターで全体攻撃が楽。居合の心得があれば風林&サイキックの全体攻撃で簡単。 防御面でもトリックハンドとキュアで素早く回復ができる。マイクロバーストとヴァンパイアやフルムーンヴァンプで回復しても良し。 サイキックが回復役をすることが多いため、強スキルのフロストバーンを生かせないのが難点か。 サムライとトリックスターもリアクトで再行動し回復アイテムを使うなどしてサイキックの負担を減らしにいくのもあり。 前作と違い、トリックスターの短剣スキルのクリティカル率が低下しているので使用感は異なる。 サムライ+サイキック+ハッカー 前作でも健在だった初心者 1周目にオススメの安定パーティ。 火力面ではスキルLv2からサムライの風林重ねと不動居、サイキックの各種上位魔法が追加されるので、弱点持ちの相手には雑魚ボス、単体複数問わず早期から高い火力を発揮する。空属性魔法が追加された今作では対応力も増している。 終盤はサイキックがコンセントレートと超性能のフロストバーンを習得するので、不動居+十六手と合わさって瞬間火力も申し分ない。 回復面も、SPDが高くアイテム係に向いたサムライ、回復・状態異常のどちらもこなせるサイキッカー、Bデータイレイザーやサバゲーナレッジで手数を増やしながら対応できるハッカーと充実している。特に状態異常については最速行動や確率に因らない100%治療と安定した性能がウリ。これにより一部ボスなどには強力なアドバンテージを発揮する。 ただしこれらの性能を発揮するにはSPによるスキル育成が欠かせず、振り分けにはいつも悩むことになる。 サイキッカーは火力と回復のバランス、ハッカーもAスキルコーラー追加やディフェンスゲインの魔法防御付加がLv10(最高Lv)と、防御面では晩成型かつSPが不足しがち。 サイキックのSPDも決して高くは無く、そのままでは先制されることも多い。SP不足共々スキルアッパーやフェザーリングなどで補強するのが望まれる。 トリックスター+サイキック+ハッカー 上記のサムライをトリックスターに変更したもの。今作は短剣のクリティカル率が低下してる影響で大幅の弱体化をしている。 トリックスターが仕事しづらくなっているので、無理してリアクト狙うよりクラーケンを強化して盲目を狙うと生存率が上がる。 強化は短剣メインがオススメ。後半はラッシュショットのフル強化でリアクトをガシガシ狙えて行けるので回復にも回せて行ける。 奥義は弱体化しているが、トドメの一撃としては機能するので取得しておくように。 序盤から中盤までは防御面では安定しないため、ハッカーは優先的にディフェンスゲイン、ハッキングワンの強化が必須。 ボス戦の要としてファイアブレイクは一回取得しておいても問題ないが、今作では敵の関係でイマイチ作用しないアイスブレイクは無取得でも構わない。 サイキックがプレリザレクションを覚えてからは大分安定性が増すので他に強化をまわす余裕が生まれるが、それまではハッキングからのマッドストライフで1ターンの時間稼ぎで凌いで行こう。 Bデータイレイザー、Aスキルコーラー、サバゲーナレッジ等にSPを振り分けて回復せずに次の行動に移せるような態勢が理想的。 後半で防御を整えるとフルムーンヴァンプとサバゲーナレッジだけで回復が間に合わせられるので、サイキックを砲台にしてダメージを与えて行こう。 奥義の「禁断の秘儀」はこのパーティではターン数を稼ぐのが重要なので、大技を回避して行動に移すための必須スキルなので無理にでも取得すべきである。 DEFの関係上しばらくは厳しい場面が多いため、無理して属性魔法を取得するよりもマイクロバースト、ヒートボディ、ゼロ℃ボディ、キュア、リカヴァにSPを振り分けると吉。 ダメージは壁に任せて回復役に回していくと気づけば戦闘が終わってる事もしばしば、デコイミラーは捨て壁としてでも機能するので強化はSPと相談で。 後半で登場するフロストバーンはこのパーティの主戦力でコンセントレートと共に強化は必須。キセキの代行者を無理して取得するよりもこちらの強化を優先しよう。 サムライ+サイキック+アイドル パッケージ&OPムービーの3人組(サムライ♀、サイキック(ルシェ)♀、アイドル♂) 公式にPTを組まされている(?)だけあって、物理・魔法・支援の3拍子揃ったPT アイドルは物理・魔法の攻撃スキルも持っているので、サムライ・サイキックどちらの役割もそれなりにこなせる。 他2職が持ってない盲目・呪いをカバーできるのも○ また全員が回復スキルを持っているので、立て直しも比較的容易。 サムライの風林重ねに対応するスキルをサイキック・アイドルの両方が使えるのも利点。 アイドルのATK☆フォームが物理・魔法両方に対応してるのも嬉しい。 サムライの風林重ねはアイドルのオーダー系スキルによって発動したサイキックの属性攻撃にもしっかり反応してくれる。 また攻撃力の高い居合系スキルを使ってくれれば火力はなかなかのもの。 しかし、コンセントレートや不動居もオーダー系スキルで消費されることに注意が必要。 サイキックとアイドルの耐久面が弱点となりうるのでデコイミラーやドライアイスなどで生存力を高めるといいだろう。 終盤になると1ターン目にコンセ&不動居、2ターン目にATKフォーム→フロストバーン&十六手で大半のドラゴンを仕留められる。そこまでスキルが出揃っていない段階でも、崩し払い+フロストバーン(+アイドルの盲目か呪い)を抑えておけば開幕から半壊くらいには持って行けるだろう。 余談だが、職被り無しの構成では今作での1ターン最高火力候補。 不動居・コンセントレートを仕込んだ状態で、奥義×2+ATK☆フォーム。 サムライ+トリックスター+アイドル 上記筆頭のパーティのうち、サイキックをアイドルに入れ替えたパターンで、サムライもトリックスターもアイドルのオーダーの恩恵を受けやすい組み合わせ。初心者にも前作経験者にもオススメできる。 欠点は準備に時間がかかるうえ事故に弱く、一度崩されると建て直しにくいのが欠点。します避けますさせません。 トリックスターが(剣)の場合はバランス型。オーダーでの発動率は低いが、力閂オロシで出血すれば儲け物。出血中にフルムーンヴァンプで回復し続ければサムライとアイドルの負担がぐっと減る。攻撃面もベノムアンプリフの毒に各種オーダーで発動率が高い崩し払い→各種状態異常と相性が良い。 トリックスターが(銃)の場合は攻撃型。トリックスターのハイディングによりアイドルのスルーリアクトも狙いやすくなる。回復手段もリアクトから。各種オーダーでエイミングショットの発動率が高いので、崩し払いも合わせて盲目を狙いやすい。 トリックスター+デストロイヤー+アイドル 上のパーティーのサムライをデストロイヤーに替えたパターン トリックスターが剣の場合 バランス良く雑魚・ドラゴン戦を行えるPT編成。 デストロの迎撃スタンスでターゲットを集めつつ、アイドルのオーダーとトリックスターのデバフ等で 援護していくスタイルが初期から確立出来る。 3キャラの運用法に幅があるので、デストロイヤーがD深度コンボをメインにしつつ トリックスターのフルムーンヴァンプやアイドルのDEF☆フォームで補助する形などの戦法もあり。 トリックスターが銃の場合 前作でも有効だった迎撃スタイル+ハイドブッシュのコンボを主軸にしたPT編成。 トリスタ+デストロ+サイキと違い、緊急回復能力と弱点属性を突く能力では劣るがアイドルの突撃グルーヴにより、 常にトリックスターがリアクトし続けることができ、またリアクト発動を1T早められるため、非常に安定性に優れた戦いができる。 さらに、泣き所だった全体攻撃にもパリングシールド+DEFフォームで対応できたりと穴がなく、手の空いてるトリックスターで瞬時に回復が可能。 雑魚、ドラゴン問わず基本は迎撃+ハイドブッシュ+突撃グルーヴのため、燃費において極めて優れているのも特徴。 反面、アイドルは前者二人のサポートが中心となるため、スルーリアクトやフィーバー積み上げなどは行なっている暇がないかもしれない。 ただ、アサシンズリアクトを取得してからは回復をトリックスターにも回せられるので、中盤以降ならアイドルのスルーリアクトも駆使して攻撃にも回せられる。 戦術の性質上後の先になるので、HPミリ残しで倒し損ねた敵を確殺するために、ニーブレイクやフォロー・ミーを覚えておくと便利。 ただし、後半~終盤になると也が取れなかったり全体攻撃を多用する敵が増えてくるのでうまく使い分け、味方及びデストロイヤーの被弾を減らして攻めよう。 デストロイヤーの被弾が増した場合はアイドルのスルーリアクトも狙いつつ、D深度を利用した状態異常や高攻撃スキルで攻めに転じるなど対処すればOK。 先攻前提ではあるが、デストロイリアクトからアイドルの命令スキルでのコンボでリアクト率が格段に増すので、一方的な攻めでドラゴンを沈めてしまう場合もある。 トリックスター【剣】+デストロイヤー+サイキック ただ一方的に相手を殴り倒すよりも色々試したい人向け。 道中トリスタはクラーケンの優先取得を推奨。ダブルフックやキュアとの併用で生存率を上げ、 前作より攻撃が激化したドラゴン&ボス戦において生き残りを狙う。 また、ボディ系と併用することで運がよければ相手が攻撃をミスりまくってデストの攻撃+カウンターで一気に削れる。 遠距離技しか使ってこないor弱点属性のある敵に対してはトリックハンド使用のトリスタを回復に回しスピネイジ+弱点魔法で攻撃も可能。 最終的にはマイクロバースト+フルムーンで連携するなり崩状からのフロストバーン+剣技各種で状態異常祭りに持ち込むなりお好きに。 ↓の構成にも言えるがあれこれ考えるのがめんどくさい場合は サイを回復専門にしてトリスタ+デストロがリアクト連発でコンスタントに殴っても強い。 おそらくはフロワロシード系が効率的に狩れないのが最大の弱点。 トリックスター【銃】+デストロイヤー+サイキック ↑×2のサイキック版で回復、攻撃共に優れる編成。 基本は迎撃+ハイドブッシュ+デストロにボディで終盤まで問題なく進めることが出来る。 ハイディングに回避上昇が、ブッシュトラップに行動不能が付き、保険として便利なプレリザレクションが追加されたため、前作よりも安定性が向上。 吹裂く也+ハイディングによる回避+デコイミラーでブレスを全員無傷で凌いでしまう事も。 今作にはデストロイヤーに状態異常耐性ダウン付きの崩伏連脚が追加された為サイキックのフロストバーンによる麻痺を効果的に付ける事が可能になる。 加えてデストロイヤーの武器に麻痺付きのものが登場するので最終的な付与率はかなりのもの。多少運に左右されるとは言えどんな強敵にも有効である。 ただし敵の攻撃ありきのパーティなので、麻痺で敵の攻撃頻度が低下すると攻撃効率が落ちる点には注意。安全性と天秤にかける事。 麻痺がかかったら能動的な攻撃に切り替えるのも手か。 也もボディも効かない遠距離攻撃型で、ハイドブッシュが機能しない全体攻撃を多用する敵が苦手。池袋の帝竜などはその典型といえるだろう。 ボディをかけるだけで以降はフリーになるサイキックは回復役を担う事が多くなるため、回復スキルの強化を重点的に。 デストロイリアクトはハマれば強いのだが発動率が微妙になったのが痛い。迎撃の回数を減らしてまで使うべきかは迷う所。 ただ積極活用しない場合でも習得しておけば、先制攻撃時に使用する事でチャンスを広げられる。 デストロイヤー+サイキック+アイドル ↑のトリスタをアイドルに変更したPTで、こちらはデストロイヤーのテクニカルな側面を堪能出来る。 迎撃スタンス+○○ボディに加え、○○也+○○ボディ+ATKフォームという更に攻撃的なカウンターが行える(ATKフォームは○○ボディの自動反撃にも乗るため、弱点を突くと侮れない威力に)。 このカウンターを軸に崩状連脚からの状態異常やコンボによる能力低下を狙っていくのが基本か。 また、プレイスタイルによって異なるが、サイキック・アイドルの素早さを補強してどちらが先に行動するかを調整すると運用しやすくなる。 このPT構成の特色として、ロマンスキルの怒りの重爆を実用レベルで使っていける点が挙げられる。 プレリザレクションはMAXLv1の回復値10止まりだが、逆に怒りの重爆の前提条件としては最高のもの。 これはデストロが自前の瀕死のド根性を覚えなくて済むために、セイブ・ザ・ソウルで迎撃スタンス発動を狙う際のノイズ取りを兼ねることが出来る。 またアイドルのSPDフォームは先頭から順番に発動するため、デストロを先頭キャラにすると「SPDフォーム→重爆→キュア」の順番に発動し、立て直しも容易。 上記のATKフォーム乗せ迎撃やデストロイリアクトが上手く噛み合うとEXターンに高威力の重爆を連発ということも…文句無しにデストロ最大の火力である。 だが、流石に重爆のみを狙って戦う戦闘スタイルは非常に運が絡むために効率的では無い。 実際のプレイでは死亡時からのプレリザレクションによる立て直し時の選択肢として機能する。 終盤のボスは激しい攻撃から立て直しが難しく、相手の残りHP量によってはEX重爆の威力で削り倒すことで危機を脱する場面は少なくない。 デストロイヤー+ハッカー+アイドル 補助系2人で重戦車の火力をさらに引き出すPT。鈍足なデストロでもアイドルの行動速度で殴れるため雑魚の殲滅速度は結構なもの。 ハッカーのラッキーゲイン+アイドルのロックンロール系でデストロイヤーのコンボスキルを1ターンに複数回連発可能。 デストロイチャージ+突撃グルーヴによりデストロイリアクトの成功率を回数で補える。 噛み合うとスルーリアクト発動&ランドクラッシャーでD深度消滅→EXターンに突撃グルーヴでデストロイリアクト発動……という連携が可能。 さらにエンチャント○○→○○:TROY&突撃グルーヴの連携も併用可能。弱点を突いた3人突撃はちょっとしたコンボスキル並になる。 迎撃スタンスにより紙装甲の2人にタゲが寄らないように出来るのも心強い。スルーリアクトは狙いにくくなるが。 物理攻撃ならDEF☆フォームとパリングシールドを同時に使うことで被害を大幅に抑えこめる。 凶転ず也とBデータイレイザーに加えて癒しのバラードがあるため、状態異常耐性は非常に高い。 Aスキルコーラーを使うとオーバー・リミッツで補助がひたすら延長されることも。 ハッカーが手すきになることも多いので、ハッキング関連のスキルをLv1だけでも振っておくと便利。 ハッキングが成功したらマッドストライフ+ATK☆フォーム+コンボスキルで一気に攻め込みたい。 もっと突撃グルーヴによるクリティカルが狙い目。 トリックスター+ハッカー+アイドル 上記パーティの前衛をトリックスターに変えたもの。 攻撃力・防御力が落ちる代わりに足止め能力・回復力が得られ、 ザコ殲滅・フロワロシード狩りの効率が上がる。 デストロイヤーのタゲ寄せがないぶん後衛二名が落ちやすいので防御はしっかり固めたい。 もっと突撃グルーヴでクリティカル→ハッキング弱体→アサシンズリアクト(+出血武器)のシナジーが狙える。 加えて終盤は出血フルムーンヴァンプの連打で回復の手が空きやすくなるので、ハッキングを狙ったり、 エンチャント+TROY+もっと突撃グルーヴのコンボ体制を整えるなど戦略の幅が広がる。 ブッシュトラップとアイドルの狙われ+回避+リアクトでトリデスに似た戦法も取れる。 ハッカーを除いてリアクト条件の緩い二職が揃い、タゲ(+回避)をアイドルが独り占めできるので、 ハマればとにかくリアクトで手数を増やして攻めてゆく爽快感が味わえる。 呪+睡眠+盲目+毒+麻痺+出血+火傷+凍傷で更にDFダウン+ロストパワー+ATKゲイン+ATKフォームでEXの ペインイーター が最大級に超難易度 威力そのものはラッシュに負けるが単発威力と狙いにくさがトリスタでのロマンを超えた先の何かすら凌駕する伝説にきっとなれる サムライ+ハッカー+アイドル 上記パーティの前衛をサムライに変えたもの。 五章からではあるが居合の心得をもって風林重ね+モスキートV(レベル5)で雑魚は殲滅できる。 ドラゴン戦でもレベル5まで上げたシャッフルVでどうにかなる。 V系統はSS状態で攻撃力が底上げできる。 再行動よりとにかく攻撃! エンチャット○○→○○:TROY+突撃グルーヴも強力。 スルーリアクト+ドライアイスは中盤までは活躍する。 丹田法の訓で打たれ弱さを補強可能。 刃下のリアクトは諦め、狙われ率を上げてからのスルーリアクトに注力。 回避失敗で即死するリスクが軽減されるので積極的にタゲ集めができるように。 丹田法の訓が切れたタイミングでSメロウタイムを入れてハッキングを仕掛けるのもアリ。 これでリジュネレーターが割合回復だったら言うことなかったのだが…。 安定するのは補助スキル各種が高レベルになる終盤戦か。 それまでは本当にエンチャントTROY突撃グルーヴくらいしかシナジーらしいものがなく、 キュアもトリックハンドもないので回復アイテムの消耗も激しくなる。 刃下とスルーのリアクトも条件を食い合うので、他に比べて辛い組み合わせかもしれない。 サイキック+ハッカー+アイドル 後衛職業パーティ。 サイキックを主なダメージディーラーとし、ハッカーとアイドルがスキルやアイテムで補助・回復に回る。 (各職業だけでも様々な役割ができるため、 この3職業で組んだときの戦術と戦法の自由度はかなり高い。役割分担やシナジーはあくまで一例。) 攻撃面では、サイキックが相手の弱点を突く属性魔法やコンセントレートからの一撃を着実に入れていく。 補助や回復の必要がない場面では、アイドルもVoice系のスキルで攻撃をしていく。 対フロワロシードを見ても、属性魔法+対応属性TROY、シャッフルVが打てる。 先制が取れた場面では、ATK☆フォームからの魔法攻撃ということもできる。 防御面では、後衛のみで構成されたパーティということで基本的には紙装甲だが、 ディフェンスゲインとDEF☆フォームで相当堅くなれる。 (ディフェンスゲインはバフだが、フォームはバフ扱いではないため効果は重複する。) 回復スキルは豊富。 Aスキル+サバゲーナレッジ、癒しのバラード、緊急時にはキュアやキュアTROYも併用できる。 サイキックは必要に応じてデコイミラーを張ることができればなおよし。 属性異常に対しても、各職業が対抗できるスキルを持つことも強み。 さらに、キセキの代行者と禁断の秘技が使えれば、どんな状況からも立て直しは可能だろう。 回避率を上げて戦う場合に、ドライアイスかラッキーゲインのどちらを用いるかは戦況・戦術によるか。 ドライアイスはベルセルクやスルーリアクト、ラッキーゲインはオーダースキルとの相性がよい。 また、回避率上昇装備+ラッキーゲインでも確率で回避してくれることは割と多い。 あくまで経験談ではあるが、ラッキーゲインがかかった状態でのオーダースキルは 良い物が発生する傾向にあると思う。 (例:セイブ・ザ・ソウル使用時サイキックのデコイミラーとマナフローター) サイキック・アイドル間においては、SPD調整とアイドルのご機嫌にもよるが、 1ターン内でコンセントレート→オーダー上級攻撃魔法を繰り返す・・・なんて荒業も可能。 また、アイドルのオーダーによってサイキックがマナフローターを使用した場合、 同一ターン内のサイキック自身のスキルによるSP消費もゼロになってくれる。 (例;コンセントレートLV5のMN消費16が0に。) スキルを次々と駆使していく戦闘スタイルになるため、 道中・戦闘中はアイテムやレベルアップ、回復ポイントによるMNの回復を効果的に使っていこう。 ただ、防御面の不安は他のパーティに比べて圧倒的に高いため、最優先は戦闘中のLF管理となる。 そのため、ターン終了後のオートスキルは魔力の湧水は切ってでも、 サバゲーナレッジのみにしておいたほうが安全かと思われる。 パーティ育成のため、それ相応のSPは必要となる。 防御面の不安もあって、とくに物語序盤~中盤は苦労するかもしれない。 その時点・場面に応じて装備(特にアクセサリー)を使い分けよう。 戦闘中は、攻撃・防御のタイミングを見誤らないことがこのパーティで戦う上でなによりの重要ポイントとなる。 余談だが、このパーティ最大の浪漫は、 1.天罰ジャック(ハッキング成功)、コンセントレート 2.TOKYOアリーナ改(フロストバーン・マキシマム、スケープゴート・マキシマム)、コンセントレート 3.黒のインヴェイジョン ではなかろうか。 サムライ+デストロイヤー+サイキック 前作からのおなじみと思われる構成。基本的にはデストロイヤーが迎撃と各種也で壁、サイキックはヒートボディ張ったりキュア、リザレの補助、サムライは火力の底上げ+雑魚殲滅。ただしこのPT編成は『相手の攻撃を受ける前提』なので防具、アクセサリはしっかりしたものを用意。 今作は敵の行動パターンが読みやすいため、デストロイヤーが大きな火力となる。 序盤から雑魚敵や強敵もこのPTで楽々倒していけるが、ドラゴン相手には少々苦戦することもしばしば。それぞれがスキルが整えば楽にドラゴンも倒せるだろう。 デストロイヤーは迎撃スタンス、各種也にSPをすべて割いていいだろう。 余裕があれば先制デストロイに振ったり各種也が失敗した時のためにオトシ前上等に振るのもいいだろう。 デストロイチャージ、デストロイリアクトはあると大ダメージのチャンスだが、後半のドラゴン戦ではそれらを発動してる間に死にそうになることもあるので相手によって使い分けるといい。 ダブルフック、スピネイジブロウは被ダメ、与ダメに大きく関わってくるので使える状況では使っていこう。 装飾品はできれば防御重視のもの推奨。デストロイヤーが死んだらほぼ負け確定。 サイキックはキュアなどの回復系とデコイミラーを優先的に、属性魔法は1でも大丈夫。 全体魔法が出来ればサムライ風林重ねが使える。ヒートボディ、ゼロ℃ボディはデストロイヤーに張るためMAX推奨。 フロストバーンは麻痺を与えられるのであげて損はないが後半になるにつれて敵の攻撃力もあがってくるため回復に専念しなければならないことが多々あるので自分のLv等と相談してみるといい。 コンセントレート→各種魔法はその火力こそ魅力的だが、その間にデストロイヤーが瀕死になることもあるためデストロイヤーが安定して壁になれるまではとらなくてもいいだろう。 装飾品は、キュアに速度補正が付いているが、デッドマンズリアクトを選択したターンで発動する前に味方が死ぬこともありえるのでSPDのあがるものを。 サムライは基本的に収刀。風林重ね、十六手詰めをSPであげていく。赤火、黒鋼はあればいいがなくてもなんとかなるから余裕があれば振ってもいい。 修羅の貫付けは振っておけば雑魚を0ターンkill可能なため、振って損はない。 もし抜刀でやっていきたい人がいれば、雑魚殲滅用に金翅鳥王旋風、旋風巻きをあげ、オロシをメインに。 練気手当はLvをあげると状態変化を回復できるのであるとわざわざサイキックのリカバー使わなくて済むから便利。 装飾品は、相手や自分の好みによって居合の心得をつけ、あとは自分のプレイスタイルと相談でいいだろう。 ハッカー+デストロイヤー+サイキック ハッカーの各種強化とデストロイヤーとサイキック(デコイ)の耐久でなかなか倒れにくい構成。 スキルの揃わない序盤こそ多少苦戦するかと思われるが、序盤より後からの安定度は中々の物。 攻撃面ではデストロイヤーの各種カウンタースキルとサイキックの炎氷ボディで火力を確保。 それぞれのユニットが被ダメージ軽減の手段を備えているおかげで能動的な攻撃もしやすく、EXによる瞬間火力もある。 防御面ではハッカーとサイキックの各種補助・回復スキルが豊富なためまず困ることは無い。 サバゲーナーレッジやBデータイレイザーで回復を代用できればサイキックが自由に動けるのも○ 万が一軸のデストロイヤーが落ちた場合でも、サイキックにはデッドマンズリアクト、ハッカーには119ナノマシンがあるので立て直しも楽。 後者はプレリザレクション使用することでほぼ確実に発動が保障できる。 雑魚の殲滅に若干の難があるかもしれないが、殆どがサイキックの魔法とデストロイヤーの各種カウンターで簡単に倒せるので問題なし。 討ち漏らしにはハッキング→スケイプゴートをしておけば探索も捗る。 同職あり サムライ×3 下手な同職無しパーティよりも安定してしまう構成。 多種多様な攻撃スキルを持ち、サムライ自身の能力にも穴が無い事から、極端に相性の悪い相手が存在しない。 強いて苦手な敵を挙げるなら、下記のリアクト戦法が取りにくい多段攻撃使いか。 最大の特徴は全員リアクト使用によるゾンビアタックだろう。正確にはゾンビアタックの意味は違うのだが、攻撃を受けても即立て直して戦い続ける様はまさにゾンビ。 練気手当が高レベルになれば、状態異常付きの攻撃であろうと行動を阻害するものでなければ失ったHP諸共回復してしまう。 そのため装飾品で対策すべき状態異常を絞る事ができ、特に複数の状態異常を使う敵との戦いではありがたい。 修羅の貫付けを全員に覚えさせる事で高確率での開幕雑魚殲滅が可能に。 こちらから手を出せないドラゴンを乱入させたい時に勝手に雑魚を倒してしまうのはご愛嬌。 サムライ+サイキック×2 特定の属性の弱点を持つ相手にめっぽう強いパーティ。 目玉は風林重ね2段だが、3人同時に攻撃に移れる場面はなかなか来ない。 デコイミラー二枚で被ダメージをかなり抑えられるのも強み。 後半弱点を持たない相手には補助職入りパーティに比べるといまいちかもしれない。 崩し払いからのフロストバーン2連発で麻痺を狙うのもよし。 アイドル×3 ネタ枠と思いきや、非常に高い潜在能力と奥の深さを併せ持つPT編成。 モスキートVorアンゼリカV、シャッフルVでの絨毯爆撃を行って殲滅するもよし、 ベルセルクV+ドライアイスで回避盾を行いつつ戦線構築するもよし、 グルーヴやロックンロールで袋叩きにするもよしと様々な戦法が組める。 反面、LFは高くても柔らかく、MN消費も重めなので考えなしにスキルを連発していると あっという間にLFMNが枯渇する。 ある程度役割を振りつつ、何をするかの指針は最低限はっきりさせておこう。 クリア後隠しダンジョンの最奥のボスを手っ取り早く倒すならこの編成が最も楽。 伝説のロックンロールでシャッフルVのみが出るようにスキルを絞り、1ターン目に全員でTOKYOアリーナ、2ターン目以降はひたすら伝説のロックンロールを使うことで、レベル60程度でも3~4ターンで倒せる。 しかし、隠しダンジョン全体でいうと最奥のボスよりも道中にでてくるドラゴンや各階のボスドラゴンの方が強いのでこのPT構成は最奥のボスに会うまでが大変。 それぞれのコンボ サムライ&サイキック 前作同様、風林重ね+属性魔法。 ただし、無属性魔法最強のフロストバーンには対応しない。 フロストバーンは崩し払いとの組み合わせで状態異常付加を狙おう。 サムライ&アイドル サイキックと比べ、アイドルのスルーリアクトで手数を重視する組み合わせ。各種オーダーによりサムライのMNに優しい。 アンゼリカVに風林重ね、ATK☆フォームからの秘奥義とダメージも十分。当然だがDEF☆フォームと刃下のリアクトの相性は微妙。 フロワロシードにも何気に強い。 旋風巻き+シャッフルVで最大13回攻撃できる。旋風巻きが全体ランダム攻撃なのが痛い。 トリックスター【剣】&アイドル もっも突撃グルーヴとの相性が抜群。 1ターン目にアサシンズリアクト、2ターン目にアサシンアイズともっと突撃でほぼ確実にリアクトを狙える。 キラーバンド装備なら1ターン目に高い確率でリアクト発動を狙え、EXターンにアサシンアイズを使用して素早く布陣を整えたりもできて攻めがスムーズ化してくれる。 手数が増えるほど剣自体の状態付与効果が活かしやすい。 クラーケンによる盲目で付与できるのでアイドルの回避能力強化もフォロー可能。 ベノムククリなどのバステ付着武器ならばそのままバッドステータスを付着せられる可能性が大幅に増え、 ヴァンパイア、トリックハンドを取得せずフルムーンだけに振り、セイブザソウルを使うとほぼ確実にフルムーンを使うようになる。 トリのMNはさほど多くはなく、フルムーンの消費12はそれなりに重いので、MNを肩代わりしてもらうような使い方もできる。 トリックスター【銃】&アイドル 短剣装備と同じく突撃グルーヴとの相性が抜群だが、ハイドブッシュでキラーバンドともっと突撃グルーヴに頼らなくて良いのが利点。 ハイドブッシュでアイドルのスルーリアクトが機能しやすく、自身のリアクトと合わせて手数で押していくペア。 銃の特性とアイドルのシャッフルVorアンゼリカVでトンボを始めとする空属性弱点持ちに強いのもポイント。 短剣装備より状態異常は狙えないが、それでもエイミングショットの盲目があるのが嬉しい。オーダーでの発動率も高い。 デストロイヤー&アイドル 迎撃スタンスの関係でスルーリアクトは使い辛くなるが事故は起きにくい。 オーダーでリアクトさせやすい。 コンボスキルを連続させやすい。 デストロイ深度は選択するのに必要なのであって、発動に必要なわけではない。 ランドクラッシャーが出ても安心である。二連続だとそうはいかないが。 セイブ・ザ・ソウルで迎撃スタンスが出ることがある。 セイブ・ザ・ソウルでの迎撃スタンスコンボが行えるが、確率発動な上にパリングシールドが習得できなくなる。 デストロイヤー、アイドル共に立て直しがあまり得意ではない職業なので、オーダーはD深度を貯めるか、 リアクトを狙うかに割り切った方が楽。 また、突撃グルーヴでの即リアクトを狙いたくなるが、アイドルの方が先に行動してしまう関係上、リアクト宣言ターンに デストロイヤーを突撃グルーヴで動かすのはほぼ不可能である。 反面、単純火力が極めて高いため、デストロイチャージを付加した後で突撃グルーヴで殴らせるだけでも十二分に高い火力になってくれる。 デストロイヤーにキラーバンドを装備させてもっと突撃グルーヴによるクリティカルを狙ってみるのもアリだろう。 さらに、ダメージを無効化or大幅に軽減して特大ダメージのカウンターを叩きこむ也系とATK☆フォームの相性が極めて良い。 攻撃が他に流れるリスクはあるものの、うまく行けばドラゴンすら一瞬で吹き飛ばすダメージを叩き込める。 残る一名がアタッカー職であるならばそちらのダメージ増大も見込める。 相手の大技にもパリングシールド+DEF☆フォームで対応できるため、SECT11兄妹の猛攻を凌ぎ切りたい時などには重宝してくれるだろう。 なお、デストロイチャージとパリングシールドと各種フォームは効果が重複してくれる。安心して同時発動しよう。 サイキック&ハッカー 属性魔法+TROYで弱点を突き、状態異常にしつつダメージの底上げを狙ってもよし、 キュア+TROYで回復量の底上げを狙ってもよし、と、 他職の組み合わせに比べ、TROYのシナジー効果を容易に見込める。 ボディ+TROYで反撃ダメージも底上げできるため、 バフかけに忙しいハッカーではあるが、機を見て仕込むといい。 属性魔法+TROYで、1ターンで確実にフロフワシードを1体狩れるのもメリット。 状態異常に関しては、攻撃面ではバッドインバリッド+フロストバーン等、 防御面ではリカヴァ and/or Bデータイレイザーと、かなり優位に立てるのもこの組み合わせならでは。 戦闘不能時の対応も、リザレクション or 119ナノマシンで対応しやすい。 耐久の低い両名ではあるが、ディフェンスゲインでそこそこ落ちにくくなるため、 サイキックは無理にデコイでターンを消費する必要がないのもうれしいところ。 サバゲーナレッジ(+Aスキルコーラー)でサイキックの負担がさらに減るのもいい。 それらの理由からサイキックを攻撃に回しやすいため、安定しながら火力も出せる組み合わせである。 また、弱点を突くことでハッキングが狙いやすくなる、 プレリザレクションのおかげで戦闘不能によるバフ切れがない、などの利点もある。 ハッカー単独からの視点で見るなら、 直接的に回復できるサイキックが加わってパーティの安定性が増す、という見方もできる。 クイックハック+スケープゴートもあいまって継戦能力がかなり高い点も見逃せない。 デメリットといえば、アタックゲインの効果が薄くなってしまうくらいか。 アタックゲインを切るかどうかは、パーティやプレイスタイルとの相談となる。 ハッカー&アイドル エンチャット○○→○○:TROYと突撃グルーヴの相性は抜群。 弱点を突ければ強力だが、耐性持ちも多いので過信は禁物。 どちらも脆いため、回復が間に合わず、1ターンでパーティー壊滅することもある。 ハッカーはハッキングなんてしてる暇はない。と思いきやオーバーミニッツ連続で意外と暇ができたりもする。 ハッキングが成功した状態ならオーダーでマッドストライフ等のハッキング中限定スキルが使用されることがある。 運が良ければリアクトなしで本人マッドストライフ→ドラゴン自滅→オーダースリープオールという連携が入る。 一方の欠点。 アイドルのセイブ・ザ・ソウルによりハッカーが使うスキルの候補が、ディフェンスゲイン・リジェネレーター・Bデータイレイザー・Aスキルコーラー・スリープオールのため ハッカー分はリジェネレーターかスリープオールでほぼ無駄行動になることを覚悟する必要あり。 特にリジェネはSS時の50リジェに被ったりといいことがない。それでいてリジェネレーターはハッカーの初期習得なので候補から外せない。 スキルLv1で回復値4を全体に4ターン。Lv5で回復値16を全体に6ターン。無いよりマシとLvを上げるか、大差ないと放置するか。 スリープオールもハッキング状態じゃない限りはまず当たらない。ミニッツ連続で暇がある時にハッキングしておくのも手。 また、アイドルのEXであるTOKYOアリーナ、TOKYOアリーナ極との相性はあまり良くない。 他にも罠があるが、オーバーミニッツとハッカースキルのシナジーが全てを帳消しにするくらい強烈。 Aスキルコーラー→オーバー・ミニッツで補助効果もえぐいぐらい続く。 デストロイヤー&サイキック 氷炎ボディのかかったデストロイヤーが各種迎撃で攻撃を集めるだけで、攻防一体のコンボが成立する。 これだけで雑魚敵を殲滅できるくらいの火力はあるし、かよわいサイキックを守ることもできる。 受けたダメージはキュアで回復。相手が死ぬまで迎撃とキュアを連打するだけの簡単なお仕事です。 デストロイヤーの体力が十分なら、デコイやプレリザ、リアクトで保険まで掛けられるため、安定感も抜群。 也系を上手く使えば、攻撃力と耐久力はさらに上昇する。 とはいえ、これだけで十分と言えるほど甘くはない。 攻撃を引き付けすぎてデストロイヤーが落ちることも少なくないし、敵が非接触攻撃ばかりでボディが活かせないことも多い。 かといって、うっかりサイキックに攻撃が抜ければ、一発ノックアウトなんてこともある。 状態異常に関しても、リカヴァで回復できるかと思いきや、デストロイヤーが行動選択できない状況に陥ると厳しい。 どうにかリカヴァのターンをしのげればいいが、片方でも落ちてしまうと途端に辛くなる。 もっとも、デストロイヤーとサイキックには、他にもできることはある。 プレリザレクションから大威力の怒りの重爆を叩き込んでみたり、 崩伏連脚で付着率を上げてからのフロストバーンやマイクロバーストで状態異常を狙ってもいい。 パーティや状況によってコンボをスイッチできるのも、この組み合わせの魅力かもしれない。 コメント 最新の15件を表示しています。 コメントページを参照 ハッカーサイキックサイキック - 名無しさん 2014-07-19 20 21 34 パッケージと同じ、サムライ サイキック アイドルです。 サイキックはルシェじゃなくて、サイキック男の方…、 - 名無しさん 2014-07-20 23 14 04 サイキック・ハッカー・アイドルでクリアしました 序盤中盤辛すぎワロタ… 後半は物凄く楽でしたが - 名無しさん 2014-07-28 06 04 43 サイキック・ハッカー・アイドルはスキルが揃いだしたら本当に凶悪ですね。全員回復、攻撃が出来るうえ二人が支援出来るせいで一人くらい死んでもまるで崩れない。 - 名無しさん 2014-08-10 05 03 32 サムライ・サイキック・サムライは強いのですか? - 名無しさん 2014-08-19 22 49 33 トリスタのブッシュトラップとデストロの各種也でなんか相手がかわいそうになってくる - 名無しさん 2014-11-18 00 34 00 私、サムライ デストロ トリックにしてる…。それ終わったら別パだけど、そっちは二つとも…書いてる - 名無しさん 2014-12-04 23 43 11 トリスタ+デストロ+ハッカーってどうですかね? - 名無しさん 2014-12-09 04 10 05 デストロ、ハッカー、銃トリスタでクリア。トリックハンド使っておけばハッカーが回復に回った時大幅に回復できるし、元々固いデストロ+バフで戦線も崩れにくいしで意外といけますよ。ブッシュトラップも付ければハッカーが攻撃できなくても火力は十分用意できますし、クリティカルでハッキングも狙えます - 名無しさん 2015-12-14 18 39 31 ハッカーまじ使えねえ…ハッカー入れるぐらいならむしろ2人プレイする。 - 名無しさん 2015-07-11 02 58 43 そうか?俺は前作、サムライ+トリ【銃】+ハッカーで組んで、ハッカーをほぼ完全なバックスにし、前衛ツートップでタケハヤまで倒せたけど?ハッカーの使い方を見誤っただけじゃね?やり方次第で十二分に戦力になるゼー? - 名無しさん 2015-08-20 07 04 17 前作は3ハッカーでクリアしたけど、楽しめたw - 名無しさん 2015-08-29 04 53 48 ~使えねーな奴の特徴、1調べない、2何が原因か書かない、3人の話を聞かない、4無意味なつりあい話を出す - 名無しさん 2016-02-09 00 16 18 Bデータイレイザーでバステ対策アクセが必須じゃなくなるのが最高。Aコール+サバゲーナレッジで回復行動も不要になるし。ハッカー超便利だった。もうハッカーなしじゃいられない。 - 名無しさん 2016-02-23 23 44 51 終始デストロの迎撃とトリのハイドブッシュでクリアできた - 名無しさん 2015-08-29 16 25 30 DHIで裏ラスボスのSKYをパリングシールド、DEFゲイン、DEFフォームで受けるとダメージがかなり抑えられる気がする。未検証なので、その後は分からん。 - 名無しさん 2016-07-10 00 34 29 あたしは最初サムライ、サイキック、ハッカーで、2周目以降サムライ、トリックスター、サイキックだよ。2周目以降のトリックスターはルシェにしてるけど。ルシェは男じゃなく女のほう使ってる。 - うにゅほ 2016-08-21 20 44 18 デストロ+デストロで迎撃とD深度技交互に使うのもかなり強そう。デストロ一人だと高威力技あるのに迎撃ばっかり使ってるのがもったいなくなってくる。 - 名無しさん 2016-11-05 00 17 52 デストロ+ハッカー+トリックスター - ケージ 2017-10-15 09 29 04 サムライ+デストロ+アイドル 裏ボスはこれで行けるか不安 - 名無しさん (2018-08-20 08 55 29) 名前
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/90.html
以下読んでおくと分かりやすいキャラ設定 『あたし』:駆け出しローグ。本名はカエラ。 姉御:女サムライ。本名はサクハ。 『彼』:ヒーラー。本名はアルフレッド。 副長:ナイト。リーダーに恋する乙女。 ギルマス:メイジ。リーダー:ファイター。姫ちゃん:プリンセス。 ネタバレ:帝竜、ネバンプレス南部担当。 「さあついに来たぞ!帝竜狩りだ!!」 ギルマスのよく通る声が響く。 「てっ帝竜!?」 「マジか!?」 それに応えて副長とリーダーの素っ頓狂な声が飛んだ。 当たり前だ。 あたしもつい最近知ったことだけど、帝竜といえば現在エデンの人類を脅かしているドラゴンを統率する 大陸規模の親玉、その力は時に戦略兵器にも匹敵する圧倒的な脅威なのだ。 「帝竜ってやっぱりあの帝竜ですよね、本気ですかギルマス」 「むしろ正気か?」 「そもそもどこにいるか分かってるんですか?」 「本気も本気、その上正気さ」 次々と上がる疑問の声にギルマスが落ち着き払って答えた。 人間、余りにもさらりと答えられてしまえば二の句が告げないって本当だったんだね。 そうか、と椅子に座りなおすリーダーの呆けた顔が、次第に戦士のものへと変わってくる。 「そうか……本気なんだな」 姉御はといえば、目を向けるとすでに出発の準備を始めていた。流石。 大して多くも無い荷物を手早くまとめながら姉御がギルマスといくつか質問をやり取りする。 「で、勝機はあるんだろうな?」 「もちろんさ」 「誰が行くんだ?編成は?」 「全員出撃、2チームに分かれる。詳しくは後で」 「どういうことだ?まあいい、スケジュールは」 「二時間後に定期船で西大陸の玄関口、港町ゼザに出発。到着後、遠距離移動の準備をして待機。 先方の都合にもよるが明日か明後日にはゼザを出発……」 「先方とは?」 「ああそうそう、これを言ってなかったね。今回は他チームとの合同作戦だ。 ついでにいうと向こうがメインでこちらはサポート的な役割になる」 「ふむ」 「それを先に言ってくださいよ……」 まったく、肝心なことを後回しにする人だ。 メインで帝竜と戦うなんてことになったら、大体のハントマンは遺書を書くってば。 「で、その先方さんってのはどんな人達なんですか?やっぱり強い?」 「聞きたいかい?そうさ、強いも強い、今現在帝竜を倒した唯一の存在、 政府直属の竜殲滅最新鋭にして全世界の希望、新たなる英雄だっ!」 「えっええーーー!?」 「凄い有名人じゃないですか!」 「驚いたな……」 新人ギルドでありながら最初にエデンにやってきた竜を即撃退、三年眠り続けて目覚めるなり 帝竜を倒してカザンを奪還するなど伝説には事欠かない超有名ギルド(といっても他国の民間人にはあんまり 知られてないけど)の名前が出てきたことに全員が多少なりと色めき立つ。 「よくコンタクトできましたね……」 「ってかどうやって話をつけたの?政府から指令をもらってくるような時間は無かったよね」 「なに、皆が頑張ってくれたおかげさ」 「というと?」 「鳥の羽八十枚譲るから少し協力してくれと言われれば、喜んで協力してくれる人もいるってことさ」 あ、鳥の羽、役に立ったんだ。 ふうん。 ………… あたしは冷静に考えて、言った。 「……いや、いないと思いますけど」 「いるんだよ」 ―――――――――――――――――――― (引き続きカエラの日記) 以上、昨日の出来事。 現在あたし達はこの港町ゼザで出発の準備を整えている。 とはいっても本当は今日出発するはずだったんだし、準備なんてとっくに終わってるんだけどね。 それにしても港町っていいな。 暖かい日差し、潮騒の音、おいしい魚。遠くにフロワロが見えなかったら完璧だ。 「皆集まって。明日のスケジュールを確認するよ」 っと、ギルマスが呼んでる。いかなくちゃ。 「明日は日が昇ると共に出発、北上してヨーバー大滑砂を強行突破。更に北上して 帝国領バ=ホにて小休止、先方と合流して今度は南下。目的地に到達後帝竜ジ・アースと決戦となる。 注意して欲しいのはバ=ホは現在竜の領域になっていて、店も宿屋も無いってことだ。 かなりの長丁場になるし、現地のネバン軍も余裕は無いだろうから本当に準備だけはしっかりね」 いくつかの質問をした後は自由行動になる。 その場を離れようとして、ふと姉御と目が合った。 頑張ろうね。 ―――――――――――――――――――― (サクハの日記) サクハって誰?と聞かれれば、私のことだというよりかは無い。 とあるギルドに所属しているハントマン、サムライの高みを目指す未熟の一人だ。 私達は久しぶりの大戦を前に遠出の準備を整えていた。 「……現地のネバン軍も余裕は無いだろうから本当に準備だけはしっかりね」 メイジが色々と注意を出しているが、まあ特に聞き漏らしも無いようだ。 準備も終わったし後はサムライらしく瞑想でも…… そのとき、ふとその場を離れようとしていた妹分と目が合った。 その妹分であるところのカエラから、愛嬌豊かな表情と共にウインクが飛んでくる。 …………ばーすと。 忘れようとしていた記憶が脳裏で爆ぜ、気付いたときには私は全力で逃走していた。 元はといえば、全ての原因はこの手紙だった。 プレロマに立ち寄った際、宿屋の受付を通してカエラから受け取った手紙だ。 わざわざ手紙で何の用だと思い、開封してみて仰天した。 それはその、いわゆる恋文、巷ではラブレターと呼ばれる代物だったのだ。 なんということだろう。 私にはそっちの趣味は無いぞ!? これは一体どういうことだ。 この半年ほどカエラとは共に過ごして、あいつにそのケがあると疑ったことは一度も無かったのに。 私に取れる道は二つ。 A、カエラの未来のためカエラを諭し、諦めさせる。 B、カエラの想いを受け入れ、二人でめくるめく百合の園へ…… ……いやいやちょっと待て落ち着け私!! いくらなんでも話が飛躍しすぎだ。エデンの外まで飛んでいくつもりか? ここは落ち着いて、いくつかの可能性を探りながら今回の事を整理してみよう。 ―――――――――――――――――――― (カエラの日記) 「「あの」」 …… 「あ、先にどうぞ」 「どうも。で、副長」 「はい」 「あれ、役に立った?」 「……すいません、あれって何でしたっけ」 「ああもう、副長に頼まれたラブレターのお手本だってば。受け取ったんでしょ?」 「……あのですね、今私もそのことをお伺いしようと思っていたんですが…… まだ書いてはいただけないのかと」 「へ?」 ……簡単に説明しよう。 恋する乙女であるところの副長は、その生来からの気質だかなんだか知らない煮え切らなさで その憧れの相手であるリーダーとの仲を進展させられずにいた。 それを見かねたあたしとギルマスは副長にラブレター作戦を持ちかけ、ついでにあたしは 何をどう書いたらいいか分からない副長のために入魂のお手本を書きました、まる。 「……それが副長の手に渡ってない?そんなはず無いよ、出発際受付の人は確かに渡したって……」 「そう言われても、現に……どうしちゃったんでしょうか?」 「副長によく似た人がいて渡しちゃったのかなぁ……」 「確かめようにもプレロマは海の向こうですし」 「しょーがないなあ。あたしが見てるから今書いてみる?」 「あ、お願いします」 ……それにしても、ほんとどこ行っちゃったんだろう? あれを受け取った人は今頃どんな顔をしてるのかな。 ―――――――――――――――――――― (サクハの日記) 鬼の形相をしようとしたら目の前に純粋な目で見上げるマスクナッツの仔がいたような顔。 わたしはきっとそんな顔をしているだろうか。 とりあえず現実的な可能性を考えてみよう。 その一、これはカエラからの悪戯である。 一見これはとてもありえることのように思える。しかし考えてみると、カエラはこれまで散々 軽口憎まれ口を叩いてきたものの一度たりとて嘘をついたことは無かった。 それはあいつがギルドに加入して間もない頃つまみ食いしたエビフライのことを正直に言ったときから変わらない。 もちろんそれだけで判断するのはなんだが、とりあえずこの場合は保留とすることにする。 その二、これはカエラからではない。間違えて赤の他人の手紙を持ってきた。 そうだ、そもそも私はこれをカエラから受け取ったわけではないではないか。 とはいえ本人に確かめるのも……おお、筆跡を見ればいい。 ええと、前に書かせたメモと比べて…… 結論。これはカエラが書いたものに間違いなさそうだ。 その三、これは私宛ではない。 なんだかダメ押しの感が強くなってきたがきっと気のせいだろう。 この手紙は一度他人の手を経由している。間違えて私に渡したということもあるだろう、きっとそうだ。 私は手紙を読み返す…… 『貴方は目的もなく、無為に日々を過ごしていた私に新しい……』 『貴方は以前、私の憧れでした。そして今、隣に立ちたいと思う人です……』 『これは貴方のプライドを傷つけるかもしれませんが、それでも言わせてください……』 『私は貴方の盾となり、その傷を半分分けて欲しい……』 『貴方の背中を守れる存在に、私はなりたい』 …… どう見ても私宛て……ですね。 いやいやいや本当に待て! どうしてことごとく私の願うのとは逆方向に話が進むのだ!? いや、 だって、 ありえないだろう!? そりゃ現実としてありえない訳ではなくあって欲しくないだけじゃないかと言われれば否定は出来ない。 だけど、そんな、どうしてそんなことが考えられる!? いや別に考えたくないほど嫌って訳じゃないぞ、そんな訳じゃない。 うん、まあ……カエラならいいかなと思えなくも…… ……何 を 考 え て い る 私 は !! いやほんと冷静になれ自分。 …… そうだ、カエラにはアルフレッドというれっきとした男の恋人がいる! それこそカエラが普通の趣味だという証明ではないか。 ……ああ、自分は何を馬鹿なことできりきり舞いしていたのだろうか。 状況証拠はそうは言っていないがやはりこれは何かの間違いだ、きっと何か見落としていることがあるのだろう。 そうと分かればすっと肩の荷が下りた。悩んでいたのが馬鹿みたいだ。 カエラにこれを見せに行こう、そして二人で笑おう。 うん、それがいい。 それがいい。 「……正直嫉妬しないでもないけど……でも、サクハさんならいいかな」 それが…… ……へ? (カエラの日記) 「でね、とりあえずマンツーマンで完成させることは出来たんだけど」 「気になるのはどっかいっちゃったほうだよね。受け取った人は目を白黒させてるんじゃないかな」 「ほんとにね。今更どうしようもないってのがまた歯がゆくてさ」 「そうだね」 夕暮れの港町を二人で歩くってのはいいもんだよね。 そうでなくたって夕焼けは、心の中のいろいろなものを溶かし出してくれる力がある。 隠し立ての無い心からの語り合いをするならこれ以上のシチュエーションはないと、あたしは思う。 「って、どうしようもないと分かってるんだから考えてちゃ駄目だよね!さ、これから何しよっか!」 「うーん……カエラが行きたい場所が無いなら、芸が無いけど散歩にしようか。 ここは港町だし、いろいろ面白いものがあるよ。うん、案内してあげる!」 「うん……あ、ちょっと待って!」 「?」 「姉御も連れて来ていいかな。最近一緒に遊んだりしてないし、たまには誘おうかなって……」 「あ、うん……いいけど」 「やたっ!」 「……でも」 「うん?」 それまで一緒に笑いあっていた彼の表情が、すっと、真面目なものになった。 「サクハさん、なんだね」 「……え」 「………」 まっすぐにあたしの目を見てくる彼は、一言だけ言ってそのまま口を閉ざし、次の言葉を探している。 「ねえ、もし僕からの誘いと、サクハさんからの誘いと、両方があったら、カエラはどっちを選ぶ? ……ごめん。いまのは卑怯だった。答えなくていいよ」 「……アルフレッド」 「ちょっとね。考えちゃったんだ、僕は君にとって一番になれないのかなって」 「そんなこと」 「分かってる、ちょっと嫉妬しちゃっただけだってば。 これでも男だからさ、やきもち焼いちゃうこともあるんだよ」 うーん。何も言わないでいてくれたから今まで気にしなかったけれど……これは考えなきゃ駄目かな。 よくよく考えてみれば彼には甘えたいときだけ寄っていってそれ以外は見向きもしない わがままな猫のような接し方をしているような気がする。 こんなんじゃ一人前の人間としては……駄目だよね。 「……ふぅ」 日ごろの行いを振り返って深く反省するあたしをよそに彼はひとつ息をついて、言った。 「嫉妬か、そう……正直嫉妬しないでもないけど……でも、サクハさんならいいかな」 「え?」 「あの人は信用できるし……やっぱり君とあの人には特別なつながりがあるもんね。 僕とは別の意味で特別な、逆に言えば僕も違う意味で特別な……そう思えば、 少し悔しいけど……でも、あの人ならいいかなって思えるよ」 「アルフレッ……」 「ふふっ」 そういって彼は笑う。 感激だ。こんなよくわかってくれる人に見入られて、あたしはなんて幸せ者だろう。 「ごめんね。本当にごめん。 分かってくれてるけどそれでも言わせて……どっちも選べないの。 ふたりとも……本当に大切だから」 「うん」 「姉御は世渡りがヘタだから、あたしが守ってあげないと」 「うん、分かってる」 「……ありがと。アルフレッドのことも大好きだからね……」 そしてあたし達は見つめあう。 少しはにかみ、そして自然とふたりの顔が近付いていき…… カランカラン…… ……そしてすっごくいいところで邪魔された。 (サクハの日記) カランカラン…… 落っことした刀の音で、ようやく私は我に返った。 「あ、姉御!?」 と同時にそれは向こうにも気付かれているということだ! 「あ、わ、た、た、た!?」 「カ、カエラ!?今日の夕ご飯に食べたいものあるかなあ!?」 「え!?ああそうだね、なんでもいいかなあ!」 「わ分かった!おいしいもの準備するから楽しみにしててね!」 私も慌てたが先生はもっと慌てたらしく、早口で口実を作るなり真っ赤になって逃げ出してしまった。 「あ……あーあ。もう、こんなタイミングで……姉御?」 後に残された私も混乱に苛まれ、まともな思考が出来ない。 出来れば今すぐ逃げ出してしまいたかったが、私には確かめておかなければならないことがあった。 「あ、あ、あ……」 「姉御?おーい?」 「カ、カカカカエラ!?」 「はい?」 「お前……………二 刀 流 だ っ た の か !?!?」 「……は?えーと……」 (右腰にダガー) (左腰にもダガー) 「え、見て分かりません?」 ―――――――――何たることだ!! ※二刀流(にとうりゅう) ①両手に長短の刀を持って戦う剣術の流儀。 ②甘いものも辛いもの(多くは酒の事を指す)も楽しむ人。 ③男でも女でもイケる人。 「あ……な……」 「?」 「わ、分かった……だからもう少し答えは待ってくれ……」 「え?あの?おーい、姉御ー?」 私は逃げるようにその場を立ち去った。 しかし、なんということだろう。 出口が見えたと思った瞬間にこれだ。 ……そうか……先生も了承済みか…… って、待てよ? 選べないから両方? 私はこれまで、あの手紙が本物ならその言わんとすることは『お姉さまと呼ばせてください』的なことだと思っていた。 しかし、今見聞きしたことを加味してよく考えるとその前提はにわかに崩れる…… 先生が好きで、私も好き。 だから両方。 私を守るとか言ってた。 そういえば恋文を出した後にもかかわらずあの余裕な態度。 二刀流かと聞かれてもなお堂々としていた。 ……これらを踏まえて導き出される結論は。 ワタシノコネコチャンニオナリナサイ? ―――な ん た る こ と だ !!!! (カエラの日記) ネバンプレス帝国南部の山脈。 その岳のひとつであるジョマロン山岳が今、あたしの目の前にある。 これこそが今からあたしが登る山、そして、倒すべき敵だ。 帝竜ジ・アース。 この巨大な山岳に擬態し、ネバンプレス南部をフロワロの海に沈めた元凶である。 「では、ご武運を」 「そっちこそ人数少ないんだから気をつけてね!」 リーダー、副長、姫ちゃんは一足先に山岳の東端、『尻尾』に向けて出発した。 こっちもネバンの偉い人と話していたギルマスを加え、『前足』に向かう。 あたし達はこれから、件の英雄がジ・アースに止めを差すまでの間全力でそれらの動きを食い止めなければならない。 「重要視されているパーツは八つ。その内左後ろ足はネバン軍が止め、右前足と後ろ足は 隣の山岳に埋まっていて参戦不可能。残りのうち危険度の高い2パーツを僕たちが止める」 「ふう……それにしてもさ、今更だけど本当に勝てるのかな? 実際ひとつパーツを止めたんだから倒せるんだろうけどそれだって分からないよ。 この大きさなら普通に暴れるだけでひとつの国を潰せそうなのに、どうしてこんなとこにいるんだろう」 「この大きさだからこそ、さ」 「え?」 疑問を発したあたしに答えてくれたのはギルマスだった。 「物体の質量は一辺の三乗に、断面積は二乗に比例する。 簡単に説明すると、動物が二倍に大きくなるとするとその重さは 幅が二倍、厚さが二倍、長さが二倍で八倍になる。それに比べて筋肉の強さは 幅が二倍、厚さが二倍までは一緒だけど長さが二倍になっても筋肉の強さには関係ないから 四倍になる。つまり動物が大きくなるとその重さほど筋力は増えない、逆に言うと 大きい動物は重さに比べて筋力が無いからそれほど力が出せないということさ。 だから大きい動物が小さい動物と同じように動くためには身体に比べて手足を太くしなければいけないのに、 むしろジ・アースは身体に比べて手足が小さい」 「あ、じゃあ」 「そう。少なくとも生物学上は、帝竜ジ・アースは満足に身動きすら取れない。 人が歩くより早く移動できるかすら怪しいといえる」 「はーー。なるほど。けど……それにしても………」 「歌とネタだけの適当人間かと思ってたら意外と頭がよかったって?」 ……心を読まれた!? あたしの目の前にあった絶壁そのものが宙に浮き、そして落ちてくる。 ジ・アースの前足だ。 それが地面に落下すると同時に、凄まじい衝撃波と岩石の破片が十五メートル離れたここまで飛んできた。 「っくううぅ!!」 この圧倒的な質量にあたし達は苦戦を強いられていた。 前足の動きそのものは遅い。遅すぎるほど遅い。 だけどこれだけ衝撃波を撒き散らされれば、攻撃を避けるとかそんな問題じゃないじゃない! それでもまともに当たったら物理的に即死するほか無い攻撃を避けるため、 あたし達は必死に走り回ってはヒット&アウェイで攻撃し続ける。 「火力が足りない!何とかならない!?」 絶対に直撃を受けない後方で遠距離攻撃を続けるギルマスから声が飛んでくる。 「やってみる!仕込みは終わったから、注意してて!」 姉御にも聞こえるように声を投げ返し、あたしは強襲に向かった。 短剣のスキル、マスクドペイン。 感覚を破壊して苦痛が送られるのを遮断するそれは、そこから更に派生するスキルによって 莫大なダメージを生み出す。 前足の太い神経を狙って突き立てられた三本の剣。あたしのマスクドペインはそこから 脳に送られる感覚だけを遮断しているはずだ。 岩山のような前足を一気に駆け上る。……ここだ! エンドルフィンの分泌を抑え脳のリミッターを働かせなくする神経毒が塗られた剣を抜き放ち、あたしはそこに襲い掛かる。 喰らえ!『トリプルキス』!! ……。 オ オ オ オ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ !!!!!!!! それ事態が地を揺らすような絶叫が『頭』の方から轟く。 無理も無い。苦痛を与えることに特化したこの技は、 手首から先がすりおろされてからすりおろされたことに気付いたような激痛を与えているだろうから。 当然この前足も凄まじい勢いで振り上げられるのに合わせ、あたしは来た道を飛び降りるように下っていった。 そして着地すると同時に離脱する…… !? 足が窪みにはまった!? しまった!この巨体という言葉ですら表せない体が渾身の力で暴れているんだ、 瞬間的に地割れくらい出来ても不思議じゃない!着地寸前に地面にひびが入ったんだ! そして振り返るあたしの目に、 落下してくる巨大な隕石のような前足が見えた。 やばい、このままじゃ死ぬ!! 「させるかああぁぁっ!!」 あたしの横を疾風のように走りぬけ、それに向かって姉御が跳ぶ。 空中でゆっくりと構えを取り、右手を前に……まさか!? 「……壊撃雲身」 その右手がとん、と前足に触れた。 「せやああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」 裂帛の気合と共に、その巨大な前足が何かの冗談のように内側に向けて滑った。 見当違いの方向に落下する前足。 それを見ながら姉御が宙でくるりと回転した。 そしてそのまま、流れるように、目の前を流れる前足の側面に向けて、引き絞り、 「破ッ!!」 一閃。 冗談のオンパレードだ。その前足に、破城槌で打ち抜いたような巨大な亀裂が入った。 「詠唱省略!往け、略奪の魔弾!」 「てやあああっ!」 さらにギルマスが魔法の弾丸で追い討ちし、彼が足の挟まった岩を下から打ち砕いてくれた。 「まったく、あんまり無属性魔法を使わせないでくれよ!」 「カエラ、大丈夫!?」 「大丈夫、ごめんなさい」 向こうから姉御が走ってくる。 「肝心なところでミスるとは、寿命が縮んだぞ!」 「ごめんね、これじゃ姉御を守る日も遠いね」 「う……」 いや、なんでそこで頬を染めて目を逸らすの? よくわからない反応をする姉御を観察するまもなく、ギルマスが指示を飛ばす。 「さあ、ここが勝負どころだ!!今のはピンチも作ったがチャンスも作ってくれた! ジ・アースは今動きが鈍っている、二十五秒時間を作ってくれ! そしたら後は僕が蹴りをつける!!」 「了解!名誉挽回といくよ!」 「ちょ、無理するんじゃないぞ!」 「分かってる!」 「秒単位でもいい、傷を負ったらすぐにこっちに来て!最後までもたせて見せるから!」 あたし達は一気に追撃を開始した。 「熱よ、光よ、わが言の葉に宿れ……」 今度は絶対巻き込まれないように地上で連撃を繰り広げる。 姉御と肩を並べ、もはや近くにあるものを叩き潰すのが精一杯な前足を容赦なく追撃した。 「……我は赤き言葉で詩を編み、詩を紡いで核熱の世界を創らん……」 遠くからギルマスの詠唱の断片が聞こえてくる。 と、前足が最後の力を振り絞って最後の大暴れを開始しようとする。 なめるな! あたしは迎え撃つように特攻した。神経を狙い、動きばなに剣を投げつける! 「おまっ……!」 大暴れに移行しようとした瞬間に感覚を失った前足はその動きを大幅に緩め、 あたし達はその全ての衝撃を潜り抜けた。 「灼け付く空、燃え盛る海!……顕現せよ、地獄の業火!!」 「……たく!今だ!逃げるぞ!」 「合点!」 「わが声に応えて、出でよ!煉獄の創造!!」 一目散に逃走するあたしの背後で、本能的な恐怖を呼び覚ます何かが膨れ上がる。 詠唱を終えたギルマスが手を振りかざした。 「どーん!!」 ――後ろから、恐ろしい音がした。 ギルマスの盾になるように止まる筈だったあたしは、予定より五メートルほど先へ滑り込んで後ろを振り向く。 それは炎が燃えてるなんてもんじゃない、空間全体が一つの巨大な炎で埋め尽くされていた。 吹き荒れる炎の暴風の中心、垂直に噴き出す赤い光の中で(このときのあたしには、スケールがでかすぎて それが突風のように吹き上げる巨大な火柱だということに気付かなかった)ジ・アースの左前足が 見る見るうちに焼け朽ちていっった。 「はあっ……はあっ……お前な、無理するなと」 「ギルマス……どーんはないんじゃ……」「無視か」 「なに、大魔法なんてのは三割のセンスと六割の厨二病と一割のお茶目さで作るもんだよ」 「はあ……しかし、さすが煉獄の創造というべきか、凄まじい威力ですね」 「……ほんとはまだ煉獄の創造とって無いんだけど……」 「へ?」 「え、あ、ああ。……『今のは煉獄の想像ではない、EXヴォルケイノだ』」 「なんですかそれ」 「一度言ってみたかったセリフその二」 「さいですか」 「あーもう、お前って奴は」 そして。 最後に呆れたように、困ったように笑う姉御の顔が妙に印象に残った。 ―――――――――――――――――――― (そして、カエラの日記) あたし達は無事にカザンへ帰ってきた。 ポータルでだ。 サブとはいえ帝竜に打ち勝った功績は、プレロマの偉い人にあたし達の利用価値を見せ付けるには十分だったらしい。 …… そうそう、副長についてだけど。 作戦は失敗したらしい。 『確かに一度倒したんです……倒れたんです。それで、気が抜けて、倒れそうになったところを リーダーが受け止めてくれて一緒に座り込んで……抱きしめられるような形になったんです。 シチュエーションはそうでもないけど、でも、雰囲気的には今しかないと思って、手紙を出して、 そしたら……尻尾が最後の足掻きで……攻撃もしてないのにテイルパリングで…… 手紙だけをきれいに破って息絶えるなんて……あんまりです、ううっ……』 まあ、なんだ。 ドンマイ。 寝付けなくて一階に降りると、そこには姉御の姿があった。 「あれ、姉御も寝れないんですか」 「……ん……カエラか……?」 「姉御……酔っ払ってるの……?」 極めて珍しいことに、姉御は酔っていた。 一升瓶を抱きかかえ、機嫌がいいんだか悪いんだか分からない顔で見上げてくる。 「なに……ひっく、ちょっと考え事をしていただけだ……と」 「それでそんなになる……?悩み事でしょ。相談に乗ってあげようか?」 「むぅ……!」 と、そのとたん姉御は一気に険を濃くしてねめつけてきた。 やっぱり機嫌が悪かったのね……あたしは出来れば矛先がこちらに来ないように祈る。 が、姉御の口から出てきたのは意外な言葉だった。 「ふん……意地悪なこと言って、お前が散々悩ませているくせに……」 「へ?」 「おまえな…… …… 私を守るとか言ってたな?」 「へ?あ、うん、まあ……」 「自分だって未熟のくせに、百年どころか一万光年早いっ……てぇ」 一万光年は距離だよ姉御。 「ま、そりゃそうだけど。でも、それは今の話。あたし強くなるから。 姉御も、皆も……」 「それでおまえがしんだらなんにもならないだろうがあっ!!」 「うひゃっ!?」 「なーにが、つよくなるだっ!?まもれるようにだっ!?きょうだってわたしがいなかったらしんでたろうがっ!!」 「あ、う……」 突然の喝は非常に痛くあたしの耳にしみた。 そうだ、確かに今日だってあたしは調子に乗って死に掛けた。 理想ばかり語って現実には足を引っ張ってばかりとはこのことじゃないだろうか。 辛辣な叱責はあたしの心を重く沈ませた。 「たしかにりそーを追うのはいいさ、だけどな、勇気と無謀はちがうんだぞ? りそうのじぶんになるまえに死んだら、なんにもならないだろーが。わかってるのか?」 「う、うう」 「わたしはな、そんなおまえに、命を危険にさらして守られたってこれっぽっちもうれしくないぞ。 ぜんぜん、まったく、かんぜんにうれしくないぞ……」 「はい……」 「……それで、おまえが死んだら、うれしくない……」 「……ごめんなさい」 あたしは素直に謝った。 せめて心配をかけないようにするのは、あたしの義務だと思ったからだ。 「いいかあ!?わたしは、おまえの思うとおりになんかならないぞ! おまえに守られるなんてまっぴらだ!ましてやおまえの手の中なんかにだれが納まるもんか! わたしはこれからもずっとずっとおまえより強くて、てのとどかないところへいってやるっ!!」 「……は「それでもいいなら……いいよ」 そして。気付くとあたしは姉御に抱きつかれていた。 「え……姉……御?」 「かん違いするなよ……おまえが届かない目標にやっきになって死なれてもこまるから…… だからだからな……しょーがなくだぞ……わたしはまだ思い切れてないんだからな……」 膝立ちで抱きついてくる姉御の顔は下腹部に押し付けられてよく見えない。 いや、そんなことより以前にこの展開はおかしい! 一体姉御は何を言って……? 「あの、姉御?ねえってば」 「うるさい、馬鹿。さそったのはおまえだ……たくさんこまらせて、せきにんとれ……!」 誘った?責任?嫌な予感が膨れ上がる。 そして、嫌な予感は当たるものだって昔から決まっている。 「馬鹿……ばか……手紙なんかで……直接言ってくれたら……ほかにあったかもしれないのに……」 そして、姉御の手に握りつぶされている便箋。 …… ちょっ待っ……それは!? なんてことだ!! 理解してもときすでに遅し、この状況でどうしろと!? 「あの、姉御」 「うるさいうるさいうるさい、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿!!」 酔いも手伝って、もはや姉御は駄々を捏ねる幼子のように手がつけられない。 ああ、信じてもいない神様。あたしが何か悪いことをしましたか? 現実逃避気味に見上げた満月は、それはとてもきれいだった。 → : 駆け出しローグの日記 ニギリオにて ← :駆け出しローグの日記 プレロマにて
https://w.atwiki.jp/padtcgarchive/pages/30.html
アースドラゴン 画像掲載予定 テキスト 無し モンスターとしてのステータス 進化 カード名 コンボ数 攻撃力 初期 グリーンコドラ 1 100 1進化 グリーンドラゴン 2 100 2進化 アースドラゴン 3 300 3進化 グラビトンアースドラゴン 4 400 5 500 6 600 防御力 タイプ 700 ドラゴン カードのステータス カード分類 2進化モンスター コスト 0 属性 木 ドロップ 闇 木 水 雑感 収録 旅立ちの刻 B01-0010 C 爆動の火山龍 S01-006 C
https://w.atwiki.jp/7d2020-2/pages/103.html
CHAPTER7 首都高深淵へ ※このページはまだ書きかけです。 CHAPTER7 首都高深淵へ 攻略チャート1.国会議事堂 2.首都高 湾岸天楼 天楼最上層 3.上層768m 4.上層640m 5.上層768m 6.上層640m 7.中層512m 8.中層384m 9.国会議事堂 10.中層512m 11.中層384m 12.下層128m 13.天楼最下層 CHAPTER6 クエスト他アラン・スミシーの影 腹ペコ都民を救え ついに見ちゃった!? 攻略チャート 1.国会議事堂 改修案 報酬 必要条件 必要Dz 武装Lv8 新装備、デッドガード 武装Lv7 12Dz 大食堂 応急手当・大 2Dz 職人工房区 デッドカット 3Dz 武装Lv8優先で構わない。60名救助済みなら武器は要らないが防具が新しくなる。消耗品はヒールエアロIVが店に並ぶのみ。 デッドガードで予想した方、大正解。 食堂を作るとポップキャンディ(味方全体の混乱・錯乱解除)が5000Azで購入可能だが所持上限1個。 現状、即死攻撃を行う敵はフロワロシード滅系くらいなので職人工房区は帝龍戦前までに作ればいい。 デッドガードも改修報酬で1つの他、首都高でも1つ入手できるので購入はそれを踏まえて2つで十分。 起床すると机の上にナビからの弁当が届いている。回収を忘れずに。 ナビからの弁当 ひのまる弁当 1個 ムラクモ本部でイベント。 首都高 湾岸天楼へ。 マサキと会話すると秘奥義習得イベント開始。 選択肢 結果 ……やれってこと? イベントが進行する 他をあたってください Lv65必要、詳細はよくある質問を参照。 2.首都高 湾岸天楼 天楼最上層 ウタガエルの全体睡眠、クリムゾンファンの全体混乱と全体盲目が厄介。 先手が取れないパーティは対策。零式リングやギガントメダル等でSPDを上げ先手で全滅させるのも有効。 レイスの呪いも注意。高火力キャラは一撃で自滅しそうになるくらいの反射ダメージを受ける。 徘徊シンボルはドラゴプリズマ。 しばしば通路の下側に潜り込んで移動しているため、通路上に現れる場所で待ち伏せるか、下側にいる段階で雑魚戦に乱入させるかして戦う。 シックスビートで全体出血、ファイアブレスで全体火傷。重なるとキツイため、どちらかは耐性で防ぎたい。 現時点では両方を完全に防ぐ術はないので、出血か火傷かの二者択一になる。 MDFが滅茶苦茶高いのでサイキック主力のPTだとかなりきつい。空属性弱点ではあるが、アイドルのV系攻撃だと1~2ケタダメージもザラ。 弱点を突くよりも物理主体の方がダメージが稼げるかもしれない。 壁ドラゴンはコルナロドン。倒すと入口へのショートカットが開通する。 1ターン目に冷気振動を使い、2ターン後のターン開始時に全体2ヒットの攻撃が降ってくる。 3ターン毎に冷気振動による氷柱とアイスブレスを重ねてくる。アイスブレスは凍傷の追加効果あり。 トリックスターやデストロイヤー等、リアクトしやすいキャラは凍傷が痛いのでアクセで防ぐ。 SPDが落ちるので回復役も防げた方がいい。 宝箱 オゾナールオール 5個 宝箱 デッドガード 1個 3.上層768m 通過のみ。分岐路の北側が宝箱、東側が先への移動ポイント。 宝箱 特大からあげ弁当 1個 4.上層640m 東の壁フロワロは後で逆側から開通させるショートカットなので、現段階では無視して北側へ。 キャリオンドラグ バーニングスラッシュで火傷と出血にかかる。氷弱点。 通常、スキル共に爪、牙が混ざるので迎撃の方が安定するかも。 5.上層768m シンボル二体の位置が近いが接触時期がずらせるので苦労はしないはず。 宝箱 ナノミラクル 5個 宝箱 ヒールエアロIV 5個 途中の移動ポイントで上層640m宝箱。 宝箱 ブラネルオール 5個 壁ドラゴンはシールドドラグ。 カオスサンダーという単体麻痺+混乱の新技を引っさげて登場。 混乱対策装備は現段階だとオールガードの15%防御しかないので、麻痺だけでも防いでおこう。 3Tごとにシルドパリングで反撃。遠隔攻撃には反応しない。デストロイヤーは皆無、サムライはトンボ斬りくらいしかないので注意。 HP3割で盾が壊れ行動がキャンセル、次ターンより力開放+大暴れ使用。 6.上層640m 段差下のキャリオンドラグはフロワロシード20XX滅と共に登場。 背後は簡単に取れるので、SPボーナス付きで倒せると美味しい。 非回復セーブポイントと脱出ポイントあり。 脱出ポイント西側の壁フロワロはコロナロドン。倒すとショートカットが開通する。 北側の移動ポイントから降りるとイベント。 宝箱 フィクスエアロ 2個 7.中層512m ここからしばらくはエンカウントが発生しない。 壁フロワロが見えても倒すべきドラゴンが存在していないので現時点ではどうにもできない。 マップ踏破状況は保持されるので、後で多少楽したいならマップを歩き回って埋めておこう。 道なりに進みリンと会話。 選択肢 結果 ありがとう、助かるよ ストーリーが進行する 議事堂の守りはどうした? ストーリーが進行する 分岐路を一旦北へ進みミヤと会話。 選択肢 結果 ミヤ、しっかりしてくれ! ストーリーが進行する …Dzだ。よろしく頼む ストーリーが進行する 分岐地点まで戻って西に進みSKYと会話。 選択肢 結果 ここは危険だ、帰ったほうが良い ストーリーが進行する ダイゴが本当に喜ぶと? ストーリーが進行する 進んでイズミと会話。 8.中層384m マップ上に移動ポイントがいくつも表示されているが、機能しているのはマップ北にある1箇所のみ。 チェロンと会話(翻訳は小ネタに)。 道なりに進みキリノと会話。 北側のジャンプポイントから降りるとイベント。 9.国会議事堂 マリナを追って国会議事堂内部→ムラクモ本部へ。 本部の中の光に近付くことでエメルと会話イベント。 10.中層512m 目覚めて通信イベント。 選択肢 結果 エメルのお陰だ ストーリーが進行する まあ……気合、かな? ストーリーが進行する 探索が再開されると改めてイベント開始地点から攻略し直し。 前述の通りマップ踏破フラグだけは保存されているので、再配置された宝や救助者を回収しに行こう。 道中のキャリオンドラグ2体は距離が近く、まず乱入される。 火力が高いので奥義使用も検討。 中央の壁ドラゴンとエリア移動地点前の徘徊はイビルティラノ。 攻撃力が高く、なぎ払いや大牙でかなりのダメージを受けるうえ、暴君の咆哮や闇の咆哮で更に火力を上げてくる。 火傷やダブルフック等の攻撃力ダウン、麻痺や行動不能狙い、盲目+回避アップ装備とスキル等対策は色々。 入り口付近の壁ドラゴンはシールドドラグ。 宝箱 10000Az 宝箱 パラエルオール 5個 救助 カワカミ 11.中層384m 途中のジャンプポイントで下層256m。 滅EX付きシールドドラグと宝箱。 宝箱 絶縁コートTC 1個 東側のシンボルはキャリオンドラグ1体とドラゴプリズマ2体。ドラゴプリズマ1体だけ乱入時期が大幅にズラせる。 途中のジャンプポイントで下層256m。 滅EX付きシールドドラグと宝箱。 宝箱 とってもアッパー 1個 北東を回って途中で救助者を回収し、北側のジャンプポイントから進む。 こちらを先に進むと回復・脱出ポイントがすぐ先にあるので、北西~西側の通路は後回しでもいい。 北西の巡回はイビルティラノ、接触できないものはドラゴンプリズマ。 楽に背後を取れるので攻撃力アップ付き奥義を叩き込むのも手。 中央のジャンプポイントに救助者。 救助 オネェなオジサン 救助 しっかりした子供 救助 お茶好きの老婆 12.下層128m 回復セーブポイントと脱出ポイントあり。 東側の通路の先の壁フロワロはシールドドラグ。その先に救助者2名がいる。 回復・脱出ポイントの北にあるジャンプポイントの先に行けばいよいよ帝竜との決戦場。 救助 エンドウ 救助 明るいおばちゃん 13.天楼最下層 インソムニア戦 空弱点 即死対策必須。ないと2ターン目で全滅する。 デッドカット装備のハッカーによる119ナノマシンでもいいが高レベルでないと消費が重い+バフが消えるので好み。 1T 通常orパワースラッシュ 死の予兆 2T 死の宣告 大きく息を吸い込む 3T エグゾーストブレス 通常 4T 通常orパワースラッシュ 通常orパワースラッシュ 5T 通常 死の予兆 6T 死の宣告 通常 以降HP60%までループ HP60%以下でパターン変化 通常or喰らいつき 息を吸い込む 漆黒ブレス(ブレス・ダウナー) パワースラッシュ クリスタルに闇の力が集う(MATアップ 牙に命を喰らう力が付く(喰らいつきと通常;牙に即死付与 予兆+宣告ターンが↑に入れ替わる ブレスは必ず息を吸い込んでから吐くがどちらが来るかは不明。エグゾーストブレスを使わなくなるわけではない。 即死を防げなければ話にならないがダウナーもかなりきつい。 回復役には必ずデッドカットとダウナーカットを装備し、火傷はアイテムで対処。 場合によってはリアクトターンも回復にまわす事も念頭に。 撃破後、自動で国会議事堂へ戻る。 竜殺剣開発を選択後、マイルームで休む。 マリナに起こされて会話イベント。 選択肢 結果 マリナも頑張ってるよ ストーリーが進行する 悪いことでもする? ストーリーが進行する 選択肢 結果 大事に使うよ ストーリーが進行する これでみんなを守って見せる ストーリーが進行する 竜殺剣入手後、マイルームで休む。 チャプターXへ チャプターX CHAPTER6 クエスト他 クエスト名 依頼者 報酬 発生条件 ついに見ちゃった!? 非番のムラクモ AZ4500SPアップ300×2 大食堂改修 腹ペコ都民を救え 熱血料理人 AZ3000 大食堂改修 アラン・スミシーの影 NGO ヒロエ SPアップEXヒュプノ結晶×3 『続・集団自殺を止めて』クリア アラン・スミシーの影 居住区Cヒロミ→研究区右の部屋のPC→六本木最上階の大水源(帝竜との決戦場)でドラグメガマウスと戦闘。 毒対策しておかないと結構キツイ。デストロイヤーが居れば牙折無双できる。 戦闘前 選択肢 結果 お前が犯人だったのか… クエストが進行する どうして自殺教唆なんて… クエストが進行する 選択肢 結果 バカなことはやめろ… クエストが進行する 力ずくでも止める! クエストが進行する 選択肢 結果 お前も一緒に死ぬつもりか? クエストが進行する 落ち着いて話そう クエストが進行する 戦闘後 選択肢 結果 そのはずだけど クエストが進行する ………… クエストが進行する クエスト終了時、要救助者2名追加。 救助 クサカベ 救助 ヨミコ 腹ペコ都民を救え メトロ大遺跡のサイヤードからドロップする「特上霜降り鋼肉」を入手→「特上霜降り鋼肉」を持って大食堂左上の熱血料理人と会話 サイヤードは一番右上の部屋が出やすい? 特上霜降り鋼肉を渡すと700SP獲得。 選択肢 結果 うンまいッ! ストーリーが進行する 素材が良いね! ストーリーが進行する 選択肢後に追加で300SP獲得。 ついに見ちゃった!? 食堂の非番ムラクモと会話→メトロ大遺跡、左から二番目上の部屋で雑魚戦→非番ムラクモと会話 出現するのはレイスロード×3。炎・空弱点を突けば簡単に倒せる。 タイプ シンボル 宝箱 個 救助 改修案 報酬 必要条件 必要Dz Dz からの弁当 弁当 個 選択肢 結果 ストーリーが進行する ストーリーが進行する
https://w.atwiki.jp/elementalmonsterps3/pages/169.html
No. 92 Pack 伝説の龍族 名前 アイスドラゴン 属性 種族 龍族 レアリティ L Cost / HP / AGL 9 / 106 / 32 Attack1 (3)11 / ブリザードブレス 3回連続攻撃 Attack2 (2)18 / ブリザードストーム 全ての敵待機モンスターに18のスプラッシュダメージ SP Skill Reverse Ability このモンスターが召喚中の間、敵召喚モンスターがコスト2以下の場合敵からの攻撃のダメージを無効化する Illustrator Miho Midorikawa パロメーターだけで見ればおそろく龍族でも最強 持っていればグリモで強化するのはこいつにしょう とにかく固さが尋常でなく、かつふたつある技はいずれも強力で、弱点がつけないデッキなら苦戦は必至 対策としては竜騎士で先手を取り相手のマナを削るなどが有効かもしれない -- 名無しさん (2011-02-06 22 55 53) コスト3のヒクイドリに即死させられるよ・・・ -- 名無しさん (2011-03-23 04 21 46) パロメータだけ見れば強いが、実際はトロルに殴り負ける弱さ -- 名無しさん (2011-03-23 04 22 38) トロルより弱い。投げても殴ってもこいつに勝てる -- 名無しさん (2011-03-30 02 35 40) 森デッキに対してはHP53だもんな。それとバルムンクにもやられるしな -- 名無しさん (2011-03-31 22 50 08) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/29.html
以下人名対照一覧 コレル:骨の髄まで奴隷根性の日和見青年。 バレッタ:ネバン的ルシェ魂至上主義の精神。 ハンコツ:偉い奴は大嫌い。 マンザラ:今の暮らしはそこそこ満足。黒目の離れた鳥類ではない。 ニコレット:優しい先輩のお姉さん。 ……さて、話の続きを書く前にここらで一つ注意書きを挟んでおこう。 この世界には六つの国家と、そして民族、種族、出身によって違う様々な考えがある。 もしもこのノートを僕以外の人が見ているとするなら、それはどんな事情か知らないが 一つだけ知っておいてほしいことがある。 僕は卑屈で小心なアイゼン・ルシェだ。 他の国に行ったことはおろかこの間まで都からも出た事の無かった世間知らずで、 アイゼンの価値観ばかりに気を取られて無意識に他国の価値観を否定するし、言い訳もたくさん書く。 だから決して僕の書いたことに共感はすれ、僕の書いたことを鵜呑みにしないで欲しい。 そんなこと分かってる、自意識過剰だって? 僕もそう思うけど、でも一応書いておきたい。 ……だって、これを呼んでいるのはもしかしたら僕の子供かもしれないじゃないか。 もし世の中のことを正しく知りたいと思うのなら、 このノートだけでなくいろいろな国の、いろいろな人の書いたものを読むことだ。 自分にとっての真実、他人にとっての真実、世界にとっての真実、 これらを別々に捉えられるようになってこそ物事を見る目というのは培われるらしい。 色々と書いたが結局のところ、このノートには僕の自分勝手な思いの軌跡が綴られている。 そして僕は後からこれを読み返しては我が身を反省したりするのだ。 ……もっとも、出来れば僕としてはこのノートには別の役割を期待したくないことも無い。 異邦人同士の交流には、立場や思想が違うからこそ新たな発見や相互理解の喜びがある。 いろいろな国の人たちが来るここに来て、このノートにはそんな交流の記録をつけていけたなら それはかなり素晴らしいことなんじゃないだろうか。 ……嬉しいことに、それは遠くない未来に実現できそうだったりする。 いつものように前置きを書いたところで話の続きに戻ろう。 無自覚に彼女――バレッタさんを思い切り傷つけそのショックのあまり反射的に繰り出された 半月蹴りにノックアウトされた僕だが……さて、謝りにいくといっても彼女はどこだろう? 宿の中は夕食やら宴会やらの準備で忙しいが、なんとなく人がたくさんいる場所に彼女はいない気がする。 となると喧騒から離れた人の通りかからない場所…… 勝手口、鯉の池、食材置き場。 そんな場所を捜し歩き、やがて僕は、廊下の灯りに淡く照らされた庭で農具倉庫の裏に彼女の姿を発見した。 「……」 暗がりにしゃがみこんだ彼女の耳は気の毒なほどしおれきり、 欝なオーラをまとって沈黙するその姿はとてもじゃないが声を掛けづらくてしょうがない。 まるで親とはぐれて隙間に隠れたまま震えている子猫のようだ。 ……きっとそれはあながち間違いな表現ではないだろう、 誰も信用できる人がおらずに異国に放り出された彼女の心情は、その例えに近いだろうから。 意を決して僕は彼女に歩み寄った。 「っ」 足音に気付いて彼女が顔を上げる。 僕の顔を見て、やってきたのが僕だと知ってその顔に色々な感情が浮かんだ。 疑念、警戒、そして敵意。 まるで外敵に対して針を逆立てたハリネズミのようだ。 そんな彼女を前に僕はどうしたかというと、 ……思わず手をあげていた。 ホールドアップ的な意味で。 「「………」」 沈黙。 見つめあう僕と彼女。 「……」 「……」 「……なにやってんのよ……」 うん、自分でもよく分からない。 警戒はどこへやら、彼女がよこしたのは呆れ気味な視線だった。 きっとこれは結果オーライだ。 とりあえず警戒を解くことには成功したのだから。 手を下ろし、言葉を探す。なんと言うべきだろう? 「えと……その」 「……」 「……ごめん」 だあああ僕の馬鹿!! 目一杯口ごもってようやく出てきたのが『ごめん』とはなんだ! 口下手にも程があるというかイラつかせるだけというかそもそも何に謝っているのかさえ分からないじゃないか! 「……何に対して謝ってるのよ」 「ほら言われた!」 「???」 「あ、いやこっちの話」 いかん、目一杯怪訝な顔で首をひねられてしまった。 落ち着け、それまずは深呼吸。 すー。はー。 落ち着いて、僕はもう一度彼女を見つめなおした。 「あのっ」 「っ、何よ?」 「あの……酷い事言ってごめん」 「……」 「あんなこと言うつもりじゃなかったんだ、ほんとは、あの、その、」 「……いいわよ」 「あ、うん」 「……」 「……え?」 「いいわよって言ったでしょ」 「いや、それはそうなんだけどさ」 そんなにさくっと許されてしまうと、かえって不安になったりする。 どうしていいのか分からず、僕は当たり障りのない質問を繰り返していた。 「その、許してくれるの?」 「別に……許すも許さないもあんたは本当にそう思ってるんでしょ。 あんたがそういう考えなのなら、それは私がどうこう言えた義理じゃなかったんだし。 ……ただ、自信が無いのかなって、そう思っただけだったのよ」 「ごめん」 「だから何に謝ってるのよ」 「えと、心遣いを無にしたことに対して。あと、なんか泣いてたって言うから……」 「!!」 「あ」 「……っ……!」 口を滑らせた、と思ったときにはもう遅く、彼女は声にならないうめきを上げながらガシガシと頭をかいた。 普通泣いてたなんて、人に知られたくないことなんだから当たり前だ。 「どこで、誰、見られて、……っ、他に誰が知ってんの」 「えと……僕の他に最低四人……」 申し訳なさそうに告げると彼女はますます頭を抱え込んだ。 「そいつらに言っといて……次に私が会うまでにその記憶消しとけって」 「無理だと思うよ……」 「……」 黙り込んでしまう。 こちらも申し訳ない気分だった。元々は僕が原因なのだ。 人を傷つけるようなことを、言うまいと思っていたのに。 「……とにかく、そういうわけだから謝らせて。ほんとにごめん。あんなこと言うべきじゃなかった」 改めて謝罪すると、彼女はゆっくりと顔を上げた。 どこと無く気疲れした顔だが、険は取れていた。 「うん……ま、気にしなくていいわよ。 ルシェにあんなこと言われるの初めてだったから……ちょっとびっくりしただけだから」 「……」 言葉とは裏腹な、沈みがちで疲れた口調だった。 何も言えず僕は黙り込む。 そんな僕に、彼女はもう一つ思い出したように問いかけた。 「……ね、ほんとなの」 「え?」 「アイゼンのルシェにも、ネバンのルシェは嫌われてるの」 「……」 僕は迷った。 ここでそうだと答えるべきだろうか。 でも、あれは嘘だよと言うのも違うと、僕は思った。 慎重に言葉を選びながら答える。 「少し、そういうこともあるよ。ちょっと言ったけど、アイゼンに住んでるルシェの殆どは、 ルシェであることを誇りに思っていてもネバンプレスの死を恐れない考え方とかは理解できない。 でもネバンプレスの人はそれこそがルシェの本質だって言うから……じゃあ自分達はなんなんだ、ってなる人もいる。 ……ネバンプレスに憧れてる人もいるんだよ?ルシェには住みやすいとこらしいし」 「いいわよ、下手なフォローしなくて。それにネバンでは形だけルシェでもダメよ、心が無きゃ。 そうね……こっちで暮らすあんた達に押し付けたのが間違いだったかしら。ガキ臭いこと言って悪かったわ」 「そんなこと」 「でも」 「?」 「あたしはネバンの皆をルシェと呼ぶわよ。あんた達が東の民を人間と呼ぶように」 「それは……うん」 「いいの?」 「呼び方なんて些細なことだよ。アイゼンではいまだにキツネうどんかタヌキうどんか、そんなことで争ってるんだよ」 「は……よくわかんないけど」 「前読んだ本に、自らの真を捨て世の真に媚びるは勇無きなり、されど世の真を捨て自らの真に逃げるは智無きなり、って。 自分の信念を貫くことと同じくらい人の信念を理解してあげるのは大事だよ、って意味だったはず」 「……そうね。それでいいわ」 「じゃ、仲直りってことでいい?」 「なによ、まだそんな事気にしてたの?」 「だって」 「いいわよって言ったんだからそれでいいのに、これだから……」 「アイゼンの国民性だもの」 「む……この話の流れだと反論しにくいわね」 「はは」 「まったく……あ」 場の空気が和んだところで気の抜ける音が鳴った。 彼女のお腹が空腹を訴える音だった。 「こんなときに鳴らなくたっていいじゃない……」 「あ……えと、その…… ジェン爺が、ウチで働かないし金も払わない奴に飯なんてやる必要はないとか言ってて……」 「……分かってるわよ、いいから心配し」 「だから、これしか」 「……へ?」 「あの……僕の分、半分なんだけど……これしかないんだ」 「ちょっと待って。 えーと、つまり、これを私にくれるって言いたいわけ?」 「そうだけど」 僕の差し出したパンを前に、彼女はしばし逡巡した。 「……くれるって言うなら遠慮はしないわよ? あ、あとアイゼンの物を貰うときの作法なんて知らないし」 「気にしなくていいよそんな事、さ食べて食べて」 「えーと、じゃ、貰うわ……ありがと」 「どういたしまして」 少し冷えてしまった玄米パンをとり、彼女はもそもそと食べ始める。 「雑穀の粉を蒸かしてあるのね……」 「ごめん、白米とか上等なものはあんまり出なくて……」 「ネバンじゃアイゼン風に炊いた米なんてまず食べないわよ。こういうののほうが馴染み深いわ」 「あ、そっか」 そう言うとあとは彼女は何もしゃべらず、ただ食べる音だけが薄闇に聞こえる。 気だるげな表情でパンを食む様子を見ながら、僕はふと思ったことを聞いてみた。 「それで、バレッタさんはこれからどうするつもり?」 「ん?そうね……ここにはルシェの、ネバンの仲間は来ないの?」 「来るかもしれないけど、少なくとも僕は見たこと無いよ」 「でしょーね……でも、仲間にお金を借りる以外にここから出て行く方法なんて……」 「やっぱり帰るんだ」 「そりゃね。こんな所に長く……ごめん取り消すわ。 でもやっぱりここじゃ私は一人だもの。信頼できる仲間がいないとこでなんて…… 別にあんた達が信頼できないって言ってるわけじゃないわよ」 「分かってるよ」 ……なんだか複雑な気分だった。 彼女の言いたいことは分かる。異国の地で友達もなしに留まるなんて普通は耐えられない。 とはいえここにネバンプレスの人が来るなんてそうないだろうし、 なによりそうなったら彼女がここからいなくなってしまうわけで…… ……なんだかなあ。 「ま、でも」 「?」 「居てくれたおかげで少し気が楽になったわ。その……ありがとう」 「どういたしまして」 お礼を言われるほど何か出来たとは思わない。 けれど、慣れない様子でありがとうと言う彼女に僕はせめて誠意を持ってどういたしましてと返した。 翌日。 相も変わらずせっせと仕事に精を出す僕はハンコツさんに声を掛けられる。 「で、どうだったんだ?」 「バレッタさんのことですか」 「おう。遅いからまたノされてるんじゃないかと昨日は心配してたんだけどよ」 「仲直りは出来た……と思います。いろいろお互いの話をして、それで遅くなっちゃって」 「ふぅん。ま、それならいいけどよ」 「そうですね……と、あれ」 ふと上体を起こした先に見える木立。 朝の空気の中、その木陰でこちらを窺う彼女の姿がそこにあった。 軽く手を上げると向こうも近付いてくる。 「……おはよう。どうしたのそんなとこで、っていうか昨日はどこで寝たの?」 「どこでも何も……その辺でうつらうつらしながら夜を明かしたわよ。寒かったわ」 「そりゃそうだ。火山が近くにあるとはいえ温暖な気候じゃないからな」 「風邪ひいたりしてない?」 「そんなに柔じゃないわ……」 そう言いながらも寒さでよく眠れなかったらしく、 彼女はふあぁふ、とあくびを一つして目をしばしばさせている。 「お気の毒様というか……ところで、ヒマなら手伝ってくれるかな? 何もしないでブラブラしてるのは社会一般的にいやな目で見られるよ」 「好きでブラブラしてるわけじゃないわよ……大体なんだって私があんたの手伝いをするのよ?」 「それはまあ、昨日分けたご飯とこれから分ける朝ご飯のお礼ってことで」 「え、普通そこは無償の思いやりでしょ!?いや、別にいいけど!」 「じゃあこれ、落ち葉を集めてくれる」 「うぅ……」 彼女が唸りながらも床を掃き始める。 視線に気付いて振り向くと、ハンコツさんが意外そうな目で見ていた。 「お前ちゃっかりしてんな……なんてーか意外だわ」 「そうですかね」 「だってよ、お前のイメージといえばなんて言うかクソジジイにヘコへコしてばかり……」 「まあそうですけどね」 どうもここにきて最初の頃の言動のせいで、僕にはある種のイメージが付きまとっているようだ。 少しイメージ修正を図ったほうがいいかと思えば、ハンコツさんの口から出たのは案の定だった。 「でもねハンコツさん、よく考えてください。 僕って泣きついてここにおいてもらったクチだから、ジェン爺に対してすっごく立場弱いですよね?」 「おう。……それにしちゃお前あんまりいびられてねーよな」 「それはですね。……言うことを聞かない犬と従順な犬がいたら従順な犬を可愛がりたくなると思いません?」 「お」 「厄介者かと思っていたけどよく働くし素直だし、 そんな犬ならたまにご飯を余計におねだりしてきてもむしろ可愛い……とか」 「お前またこれが……意外と打算的な奴だったんだな……! ……ちょっと待て、言うことを聞かない犬ってのは」 「ああ。……え、口に出したほうがいいですか?」 「だー!マジか、俺はお前を対比効果でよく見せるためのスケープゴートかよ!?」 「嫌だったら仕事してください」 「くうぅー」 「……根っからの奴隷根性ですけど、それでもご主人に意見を通したいときってのはあるじゃないですか。 そういうとき説得できるかどうかは普段の働きぶりかなと、そういう打算も少しはあるんです」 「あー、そうかいそうかい。畜生どうせ俺はお前みたいに頭のつかえない脳筋野郎ですよ」 「やさぐれないでくださいよ……」 「ちょっとー、手伝うのはいいけど私一人に任せとかれちゃさすがに釣り合わないわよー?!」 いけない、彼女の事を忘れていた。 それでなくてもおしゃべりに夢中で手が動いていないなんてのは失態だ。 僕は急いで仕事に戻った。 「何話してたの?」 「こいつが腰が低いように見えて意外としたたかだって話だよ」 「あー……なんとなく分かるわ」 分かられても困るが。 「まあでも、三代続いて使用人の、生粋の従属家系だからね。そういう思考も受け継がれてるって言うか」 「「……」」 「あれ?」 「ねえ、アイゼンではたった三代でも生粋とか由緒正しいとか言うの?」 「いやあ、さすがに三代じゃ言わないだろ」 「よね。大体三代より前には何してたのよ?」 「ん、奴隷稼業」 「「……」」 「僕のおじいちゃんが子供の頃くらいに奴隷制が禁止されたでしょ? で、それまで職業奴隷だったうちの一家はそのまま使用人にクラスチェンジしたんだよ。 まあ奴隷と使用人なんて名前の違いだけで、掃除洗濯炊事に雑用、大してやることも変わらないから 特に大きな意味は無いんだけどね」 「……ちなみに、奴隷になったのはいつ頃から?」 「さあ。少なくともおじいちゃんのおじいちゃんの時代にはすでに元旦那様の家付きの奴隷だったとか」 「道理でDNAに刻み込まれてるわけだよ……」 「いやあ、それなりに幸せな環境に生まれたからだと思いますよ? 奴隷制が廃止されたのは諸外国への外聞のほかに奴隷をそれこそ物としてしか扱わない異常者が いたせいらしいですけど、僕のところはずっと伝統的な主従関係だったみたいですし」 「育ちがいいと性格もいいってか?けっ!どうせ俺は、どうせ俺は……」 「だからやさぐれないでくださいって」 「意外と気にしてんのね」 どうにも立ち直らせるのは骨が折れそうだったので、とりあえず朝食をもらって来る。 その半分を昨夜のように分け合っていると、今度はマンザラさんがやって来た。 「おう、お疲れさん。 ……なんだ、譲ちゃんとはずいぶん仲良くなったもんだな」 「はは」 「ま、こいつもヘタレだけど悪い奴じゃないしね」 「へえ、……ほんとに仲良くなったんだな。人の温かさは身にしみるか」 「……っ、ふん」 「??」 マンザラさんのニュアンスとそれに対する彼女の反応がよく分からなくて 首を傾げるが、二人ともそれには気付かずマンザラさんが次の話題を口にした。 「それはそうと気をつけろよ。今ここにちょっと厄介なお客が来てるからな」 「厄介なお客?」 思わず僕は顔を上げた。少なくともマンザラさんは穏便派で、 国籍や少しのわがままくらいでお客さんを敬遠したりする人ではない。 そのマンザラさんが厄介というからには営業妨害レベルの迷惑行為を想定しなければいけないからだ。 「それがなんと言うか、詐欺の常習犯でな。裏の情報を嗅ぎ付けにたまに来るんだ」 「……!詐欺?」 その一言で彼女の耳がピン、と立った。 「詐欺とは言ったんだが、三流で場合によってはそのまま居直って恐喝まがいの行為に及ぶ 性質の悪い男でな……ここでは目立った騒ぎを起こしてないから出入り禁止にも出来ないし、 とにかく遠巻きにしてあんまり近寄るんじゃないぞ」 「分かりました」 「……ねぇ、そいつどこにいる?」 「休憩所に、っておいこら」 「私の荷物盗っていった奴かもしれないでしょ!確かめてくる!」 止める暇もあればこそ。 彼女はあっという間にすっ飛んでいってしまった。 「やれやれ……俺の言ってたこと聞いてなかったのか?」 「聞いてなかったんでしょうね……」 「昨日盗みをして逃げた奴が今日ここにいるわけ無いと思うんだがなぁ」 「たぶんそうでしょうね……」 ため息を一つ。 「なあ、コレル。万が一でもなきゃあの娘は当分帰れないと思うんだが、どうすればいいと思う?」 「そうですね……やっぱり、ここに住み込んで働くように説得するしかないと思います」 「だよなー。でも、どうもご主人とは話がこじれてるようだし今更うまくいくかな?」 「ジェン爺にもなんとかお願いして置いてくれるように頼んでみます。 ……普段真面目に働いて信用を得ているのは、こういうときのためでもありますし」 「そうかー……ま、その方がお前にとっても嬉しいしな?」 「な!」 「ハンコツから聞いたぞ、あの娘が気に入ったんだって?」 話が伝わるのが早い…… 情けない顔を向ければ、帰ってきたのは悪意のカケラもない弟の成長を見る兄のような表情だった。 やれやれ、しかしまあ、確かにそうだ。 彼女がここにとどまってくれるならそれは僕にとって嬉しいことだ……だけど。 「でも、帰りたいんだよなぁ……」 「んん?」 「そりゃ、ここにいてくれれば僕は嬉しいですけど。でもそれだと彼女は 家族や友達のところに帰れなくて悲しい思いをするんですよね…… そう思うと、喜べなくて、ネバンプレスに返してあげたいと思うんです」 「はー……お前、いい奴だな」 「そうですか」 「お前なら辛いときに優しくしてくれたんじゃなくてもお前のこと認めてくれるって」 「そう……ですか」 よく、分からない。 仲直りはしたけど、僕は彼女に認められたんだろうか? 僕は彼女に『ルシェを名乗って欲しくない』と言われた。 勇猛でも、誇り高くも無いからだ。 だけど彼女はさっき、僕の事を『ヘタレだけど悪い奴じゃない』と言ってくれた。 それはもしかして、彼女が僕を新しい価値観で理解しようとしてくれたのかもしれない。 ネバンプレスの考え方だけじゃなく、僕の訴えに応えて。 ……もしそうだったらと思うと少し、いや、とても嬉しかった。 ―――――――――――――――――――― 十数分後。 僕は客室の掃除をするために宿の中へと入っていく。 そして休憩所へさしかかったそのとき、それは起こった。 「あ」 視界の端に一瞬だけ彼女が映った。 それに気付いて視界を戻したとき彼女は休憩所の席に座る一人の男の肩に手をかけ―― ――次の瞬間、男がナイフを抜いた。 「!?」 いきなり横払いに飛んできたナイフにのけぞる彼女。 突然の凶行に、その目が驚きで見開かれる。 そして、一瞬の間を置いて。 休憩所にいたほかの誰かが悲鳴を上げた。 「なんだ」 「どうした!?」 その場所に居た人々が振り返り、近くにいた人々が顔を出す。 そして彼らが状況を理解していくにつれて、あっというまに休憩所は緊迫した空気に包まれていった。 「な……な……?」 「ち、畜生……!」 男は怯えているように見えた。 威嚇するようにナイフを握り締め、せわしなく周囲に気を配っては事が大きくなっていくのに歯噛みする。 その場に居た人々はといえば、思考が追いついていないでいた。 これはなんなのか。 本当に事件なのか。 あれは本当に刃物を突きつけているのか。 目の前の事態が真に緊迫した事態なのかどうか理解できなくて動けなくなる、 集団に流されて行動することをよしとするアイゼン人は緊急事態に直面すると往々にしてこうなってしまう。 かくいう僕も例外に漏れず、硬直しているのは他と同じだ。 「……なにがあったの!?」 後ろから声を掛けられ、はっと我に返った僕は振り返った。 「ニコレットさん」 「げ……あいつ!前々から何かやるんじゃないかと思ってたけどついにやったわね……!」 「あ、あれがマンザラさんの言ってた詐欺師もどきの」 「そうよ。それにしてもいきなり刃物沙汰なんて……」 角から様子を窺うニコレットさんにならって僕も向こうを見る。 ナイフを突きつけられた彼女は困惑しながらも退かずに目の前の男に相対していた。 「な……なんなの……」 「仲間はどこだ」 「へ?」 「他の官憲はどこだっ!!」 男は油断無く辺りを見回しながら苛立たしげに叫んだ。 「……官憲?」 「あいつ……アイゼンで何かやったのね。官憲に追われてるんだわ」 「そこへ声を掛けたから……」 ようやく事情を理解し、僕は少し後悔した。 今考えればあそこで止めるべきだった。 その男が暴力に訴えることも辞さない無法者だという時点で行かせるべきではなかったのだ。 「警察のこと?何のことだか知んないけど……私は一人よ。仲間もいないし、旅行できただけよ」 「あ……?」 男がもう一度彼女の服装を見直した。 やがて男の顔に、痛恨の先走りを犯した事への悔恨が浮かんでくる。 「……畜生!」 「そういうわけで……行ってもいい?」 「動くなっ!!」 男が半狂乱で叫ぶ。 「くそ、お前のせいで、お前のせいで……」 このとき男は手負いの獣のように興奮し、血走った目に息遣いは異常なほど荒かった。 その様子を見ながらニコレットさんが眉をひそめる。 「興奮が尋常じゃなさ過ぎるわ……薬でもやってるんじゃないでしょうね?」 分からない。確かなことは、あの男が予想以上に危険な状態であるという事だけだ。 「お前さえいなければ……」 男が憎々しげに吐き捨てた。 その言葉に思わず彼女が呟いた、その言葉がかすかに聞き取れる。 「……私だって、好きでいるわけじゃないわよ……」 「黙れっ!とにかく、ここを出るまでは……動くなあっ!!」 さて、ここに至って、ようやく他の客達は動き始めていた。 男が本当に危険だと判ると、気付かれないように、男を刺激しないようにゆっくりと休憩所から離れ始めたのだ。 男の目に留まったのはその中の小さな子供だった。 親とははぐれてしまったのか、一人でその子は休憩所から出ようとしていたのだ。 彼女に気をとられていた男が気付いて辺りを見回したとき、 休憩所に残っているのは男とバレッタさん、そしてその子だけだった。 男が見回している間に、気付かれた子供は逃げようと走り出す。 そして。 追い詰められた精神状態に、いつの間にか人がいなくなっていたという驚愕、 その子が逃げようとしたことに対しての反射的な焦り。 何を思ったのかあるいは人質にしようとしたのか、男はその子を捕まえようと突進した。 「……!?させるかっ!」 彼女が後ろから男を蹴り飛ばし、その子に声を投げる。 「ほら、行きなさい!」 一目散に逃げ出した子供の背中を見送る間もなく、彼女が振り返る。 その瞬間に、男は彼女に飛び掛っていた。 「っ、きゃぁっ!?」 反応は早かったが体重差はいかんともしがたく、彼女は押し倒されて床に倒れこんだ。 その喉元にナイフの刃を突きつけ、男が苛立たしげに彼女を引き起こそうとする。 「くそ、くそ、邪魔ばかりしやがって……」 「この、離、れ……!」 「うるさい、殺すぞ!!」 「……っ、ちっ……!」 後ろから首をロックされた上で首筋にぴたりとナイフを押し当てられ、彼女は抵抗をやめた。 いくらなんでもこの状態では刃から身を守るすべがなく、抵抗の仕様がない。 そのまま男は彼女を引きずるように移動し始めた。 「……まずい!人質として連れて行く気だわ」 「…………!」 僕は自らの覚悟の無さを呪った。 こんな、男がパニック状態になって人質をとるような状況になる前に、 そうならないように何かすべきだったのではないか。 平和ボケのあまり何とかなるだろう事態を傍観し続けた結果がこのザマだ! 「……、助けなきゃ」 「ちょっと!?」 その場を立つ。 玄関先に先回りしようとした背中を向けたそのとき、僕の耳に彼女の声が聞こえてきた。 「……っの……ほんっとに……散々だわ。そう悪いことばかりでもないかな、と思いなおした直後にこれだもの」 「うるさい黙れ……」 「いいわよ……騙された時点でこれ以上何があったって変わりゃしないわ」 言葉とは裏腹に、その声には泣きそうなほどの不安が滲んでいた。 ここに取り残されて孤独と不安に苛まれ、そこからようやく立ち直ろうとした矢先に 今度は凶暴な男に何処へか連れ去られようとしているのだ。 怖くないわけがない。不安に押しつぶされそうにならないわけがないのだ。 そんな彼女を、絶対に連れて行かせるわけにはいかなかった。 「……」 僕は覚悟を決めた。 男が玄関方面に行こうとして向こうを向いたのを見計らい、 こっそりと休憩所に入り込んでテーブルの影に滑り込む。 テーブルの上に置いてあった誰かの食べかけの汁蕎麦を手にとり、七味唐辛子を振る。 そして、おもむろに僕は立ち上がって二人に接近した。 二人のすぐ近くで、床が軋んで音を立てる。 「!!」 それに気付いて男が振り返った瞬間、僕は手に持った汁蕎麦をその顔面に叩きつけていた。 「ばっ……!?」 「バレッタさん!!」 反射的に突き出されたナイフが見当違いの方向へ空を切る、 その隙に刃から解放された彼女を引っつかんだ。 「っ!!」 強引に引っ張りこみ、とっさに左半身を出して庇う。 その直後、闇雲に振り回されたナイフが左腕を突いた。 血が流れる感覚とともに痛みが走る。 それでも彼女を離さず後ろに下がろうとしてその身体を引っ張った瞬間、彼女の足が跳ねた。 「……しっ!」 僕の腕の中で身体をひねり、跳ね上がった足が男の手からナイフを弾き飛ばす。 そのまま僕達は後ろに倒れこんだ。 「っく……」 「早く!」 何とか起き上がり、通路の方へと急ぐ。 待っていたニコレットさんのほうへ彼女の背中を押しやり、僕は後ろを振り返った。 今のうちに奴を取り押さえ……駄目だった。 唐辛子が効かなかったのか、男は目を拭い、ナイフを拾って立ち上がろうとしている。 その狂気じみた視線が僕を射抜いた。 「はぁっ、はぁっ……」 「っ……ホウキ!モップ……棒なら何でもいい!」 「!」 僕の声に応え、ニコレットさんがホウキを僕に向かって投げた。 それをキャッチし、向き直ると同時に男が狂おしく絶叫しながら突っ込んでくる。 「うおおおぉぉっ!」 「この……!」 萎縮する足を踏ん張り、逃げそうになる心を押さえつける。 昔覚えかじらされた護身術の通りに構え、そのナイフを握る男の手に一振りだけホウキで打ち込んだ。 ただがむしゃらに突き出していたナイフはそれだけであっけなく落ちた。 技巧も何もなく激情のままに振り回していただけならそんなものだ。 呆然とした態で男が自分の右手を見た瞬間、僕はもう一度ホウキを振り上げた。 ……ごめん、名も知らぬ詐欺の人。 見たのも出会ったのもすぐ前で、僕はあなたがどんな人間なのか、どんな事情があってこんなことになったのか知りはしない。 彼女の身の安全を確保するためとはいえ問答無用で実力行使に出たのも申し訳なかったかもしれない。 けど、同情はしない。こっちにも言いたいことはあるのだ。 「人の店でっ、刃物を出すなぁっ!!」 ――公衆店で刃物を抜くのはご法度だ。客が刃物を抜いたとき、人はそれを『刺客』と呼ぶのだ。 しっかりと踏み込みながら、お手本どおりの面をその顔面に叩き込む。 予想外に硬い手ごたえが返った。 「がッ……」 当たり所が悪かったのか、男はそのまま目を剥いて後ろにひっくり返ってしまう。 「……」 「気絶した?」 どうやらそのようだった。 つついて、完全に気絶していることを確認する。 そしてついに緊張の糸がほどけた僕は、 「……っ、お、おっかなかった……」 その場にへたり込んでしまうのだった。 「……大丈夫?」 ようやく騒ぎが知れ渡り、駆けつけてきた同僚達が壊れた食器などをかき集めていた。 足を引きずるように休憩所を出ようとするとニコレットさんが声をかけてくる。 「ちょっと腕を切られたんで医務室に行きます。……バレッタさんは?」 「……ここにいるわよ」 声のする方向に目を向ければ、そこに彼女が背を壁にもたせてしゃがみこんでいた。 彼女も負けず劣らずぐったりとしおれている。 「たかだかナイフ一本ぐらいどうってことないと思ってたのに、ね。自信なくすわ」 「たかだかって……あ、いや、あの子を助けようとしたからじゃない。 その、アイゼン人でも助けようとしてくれて、ありがとう」 それは僕の本音だった。 少なくとも彼女は昨日、アイゼン人など大嫌いだといったのだ。 「別に。他人がどうだろうと他人は他人私は私、私がルシェの戦士であることには変わりないんだし 誰に対してもルシェとして振舞えばいいんだと思っただけよ。 あんたこそ、案外ルシェの魂があって見直したわよ?その……ヘタレって言ったのは撤回してあげても……」 後半はなんだかもじもじとした言い方だった。 が、このとき僕は別のところに注意をとられていた。 「え、別にルシェの魂とかでああいうことしたんじゃないよ」 「……へ?」 「あれはアイゼン男子としての行動というかなんと言うか……」 「む……、あーいうのはルシェの誇りよ」 「アイゼン魂だって」 「違うわルシェの……」 「アイゼンなんだって」 「あーはいはいはいはい。二人ともつまんないことで争わないで」 泥仕合になりかけたところでニコレットさんからストップが入った。 「コレル君、医務室に行くんでしょ?」 「ああ、そうだった。……君も一緒に行こう?少し休んだ方がいいよ」 「あ、ちょっ……痛っ!」 「?」 手を引いて医務室に行こうとしたとたん、彼女は小さく悲鳴を上げてしゃがみこんでしまう。 彼女が左足を押さえているのを、僕は見た。 「足……怪我してるの?……!ナイフを蹴り飛ばしたとき?」 「……あんたが急に引っ張ったからよ」 「ごめん……」 あの時彼女が一時的にでも男の手からナイフを弾いてくれなければどうなっていただろうか。 僕は自分が引いたせいで彼女が目算を誤り足を怪我したことにさえ気付かなかった…… 「ほんとにごめん。すぐ医務室に行こう」 「え?ちょ!?」 「あら」 彼女を両手で抱え上げ、僕は立ち上がった。 ニコレットさんに後の事を頼んでおく。 「じゃあニコレットさん、あとはよろしくお願いします」 「あ、うん」 「こら、ちょっと!降ーろーせ!恥ずかしいでしょ!?」 「足を怪我したんでしょ?だれも変だとは思わないよ」 「そういうことじゃなくて……!!」 僕はさっさと歩き出した。 休憩所に人が集まっている分、廊下は静かで誰ともすれ違わない。 ふと彼女を見下ろすと目が合った。 彼女の頬が薄く紅潮する。 「……?あの?」 「ちっ……違うわよ!?これはその、あの、 ……吊橋効果よ!あんたがあの後すぐこんなことするから……」 「え、うん。ごめん、よくわかんないけど」 「あぁもう!あんたって奴はどうしてこう人の心の隙間に入り込むようなことばっか…… あ、でも……こうして見ると……」 何を思ったのか、彼女は僕の顔をじっくりと観察した。 ポツリと呟きが漏れる。 「テチスナノナミチニテチミイ……」 「え?なんて?」 「っ、うるっさい!さっさと歩け!」 「はいはい……」 医務室はもうすぐそこだった。 そして、更に翌日。 僕達は今日もまず掃き掃除から始めるために裏庭に集まっていた。 そしてその日、僕達の顔には困惑の色が浮かんでいた。 昨日までそこにいなかった人がそこにいるからだ。 「えーと、その」 「何?」 「バレッタさん」 「だから何?」 「どうしてここに?あと、その格好は?」 そう、そこにいたのは彼女だった。 しかも昨日まで着ていた旅服ではなく、給仕用のいわゆるメイド服を着てそこにいる。 「……昨日捕まったあいつ、私から盗んだ奴じゃなかったわ。 私が騙されたのはもっと若い奴だったもの。 これ以上はもう盗まれたものは取り返せないだろうし、だから」 肩をすくめながら彼女はそう語る。が、そこまで言うと彼女は胸を張り、ふっきれた顔で続きを口にした。 「不本意だけど、ね。ここで働いてお金を貯めることにしたのよ。 もとよりお金が無きゃここからも離れられないし、しょうがないでしょ?」 「おいおい……ここの給金なんてたかが知れてるだろ?雀の涙ほどもないんだぜ?」 「ゼロじゃなければマシよ。何もしないよりはいいに決まってるわ」 「でも……いいの?当分帰れないし……信頼できる仲間がいなきゃって、前」 「だーかーら。それじゃ他にとるべき道があるかって、ないでしょ?……それに」 「??」 「その……少し一緒にいて、あんた達のこと信頼してみても、いいかなー……って、その」 その言葉を聞いて、僕はとても嬉しかった。 ついでに照れくさそうに言う彼女は非常に可愛かった。 「あ……ありがとう!」 妙に感激した僕に彼女はちょっと引いたが、すぐに気を取り直して 明後日の方向を見ながら「ま、ね」と言ってくれる。 「そういうわけで、これからよろしく!さ、仕事するんでしょ?さっさとやるわよ!」 「へいへい」 「うん!……あ、そういえば」 「何よ?」 「どうして給仕なのに僕達と同じ仕事してるの?」 「……」 彼女は黙り込んだ。 「……あの耄碌ジジイが…… お前はお客様の前に出ないで使用人の仕事をしろ、って」 あちゃー。 僕はハンコツさんと顔を見合わせた。 (……ハンコツさんもそう思いますか?) (お前もか……) 「ちょっと……今なにアイコンタクトで話したのよ……」 「あ、いや別に!別に……賢明な判断だとか、まあ当然の結果だねとかそういうことじゃなくて……あ」 「……っ……!」 また地雷踏んじゃった? ハンコツさんが呆れたように首を振った。 ああ、元旦那様。 僕は今日も元気でやっています。 そう、きっと。彼女という新しい仲間を加えて、ここでの暮らしはより賑やかになっていくだろう。 「悪、かったわ、ねっ!!」 ――最後に見えたのは、かかとの後ろだった。