約 2,512,773 件
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/9937.html
『星のカービィ2』に登場するボスキャラクター。 「虹の島々」と呼ばれる7つの島の1つ「アイスバーグ」に生息しており、ゲーム中では4番目のボスを務めている。 プププランドにおけるドラゴンの一種だが、つぶらな瞳にでっぷりとしたおにぎりのような体型が特徴で、 ダメージを受けると涙目になるなど、仰々しい名前に反して愛嬌のあるキャラとなっている。 名前のイメージ的にもっと違うかっこいいドラゴン想像してた?ごめんなさい、これ『星のカービィ』なんですよ とはいえ、後年には『SDX』『USDX』のレッドドラゴン及びグランドドラゴン、 『Wii』のランディアといったテンプレでそれらしいデザインのドラゴンも登場している。 そうした外見や仕草に反して、横スクロール戦闘だった前面のボス・スイートスタッフとは別のベクトルで難易度は高め。 『2』におけるボス戦の難易度が一気に跳ね上がる区割りを担うキャラとなっている。 口から冷気を吐き出す「アイスブレス(ブリザード)」は範囲こそ広くはないが、移動しながら使ってくるのが厄介。 体力が減ると移動距離が飛躍的に伸びるため、油断していると痛い目に合う。 また、尻尾をプロペラのように回して宙を漂い、カービィめがけて落下する「押しつぶし(ヒッププレス)」も侮れない。 地上にいるのは危険だが、不意に飛び上がってくるため空に浮かんでも確実に回避できるわけではない。クーで戦っていても同様である。 十分な距離を取っていても、氷の塊を凄い速さで弾き飛ばしてくる「アイスキック(カーリングアイス)」で攻めてくる。 しかも体力が減っていると二連続で飛ばしてくるため危険。 最後に最も厄介なのが切り札である「つらら」落とし。 地面を鳴らして天井から3本のつららを落とす技だが、範囲が広い上に落下中にしか吸い込む事ができず、 さらに地面に衝突したつららが割れて飛び散った破片に触れてもダメージを受けてしまうので非常に避け難い。 前述のように体力が減ると各種攻撃が強化される上に間を置かずに矢継ぎ早に攻め立ててくるため、 慣れていないと中々反撃の隙を見出しにくい。 とはいえ、攻撃のタイミングに注意さえすれば理不尽な難易度ではない。 『3』ではアド、『64』ではアドレーヌが敵に操られた状態で襲い掛かり、絵に描いたアイスドラゴンを実体化させてくる。 これらはつららを落とさないので、代わりにアイスキックの氷が吸い込めるように変更されている。 『ロボボプラネット』ではホログラフ防衛システムズがホロ・アイスドラゴンを実体化させる。 こちらは『2』の技の他、アニメで使った「結晶カッター」を習得している。 「メタナイトでゴー リターンズ」では強化版のRe ホロ・アイスドラゴンが登場。*1 本編とは別の世界が舞台である『みんなで! カービィハンターズZ』では22年ぶりに本物が登場。 『スーパーカービィハンターズ』ではアイスドラゴンに加え属性違いのエレキドラゴンが新登場。 『スターアライズ』では『64』代表のドリームフレンズとして追加参戦したアドレーヌの技で実体化したアイスドラゴンを操作可能。 「アイスブレス」がぶっ壊れレベルの威力を誇るが、敵に接触すると1発で消えてしまう。 アニメでは第20話「さよなら、雪だるまチリー」に魔獣として登場。 暑さで我慢の限界だったデデデ陛下が、カスタマーサービスから注文したもので、 初期の頃は小さなサイズだったが、後に巨大化してププビレッジの気温を下げつつ雪を降らせた。 口から冷気のブレスを吐いたり、巨大化させた鋭い雪の結晶を吐き出す技を持つ。 自身の分身的存在であるチリーにカービィの暗殺を命じるも失敗。 最後はチリーの協力を得たカービィによって、体内から凍らされて粉々になった。 後にコイツをモチーフにした「アイスドラゴン・ロボ」が登場。 アニメのパイロット版ではメタナイト率いる敵軍団の一員として登場。 しかしカービィにあっさり吸い込まれてアイス能力を与えることになってしまう。 この時アイスカービィに凍らされたのはダークマター(『3』の姿)。両者共に大ボスとしての面目丸潰れである…… MUGENにおけるアイスドラゴン 圧縮箱氏の製作したキャラが公開中。 LIFEが60000もあるが被弾式であり、特定回数攻撃を加えれば倒せる。 なお、被弾回数はカラーによって異なる。 常時攻撃判定持ちで、原作でも使用した「アイスキック」「つらら」「アイスブレス」などの技に加えて、 マッシャー、ブレイド、バッツを呼び出す「ザコ召還」や、リックアイスを模した「アイスバリア」といった技もある。 AIは未搭載だが、交差氏により外部AIが公開されており、神クラスの大会以外では導入必須となっている。 出場大会 金ラオウ前後狂中位級ランセレバトルFINAL EDITION *1 Re ホロ・アイスドラゴン戦においてポーズ時に見られる説明文によれば、 かつて 存在した、古代のドラゴンという 生命体の データから 生み出された ホログラフだが、もしかしたら 今でもまだ どこかの 島の どうくつの おく深くで、 ひそかに 生きのびて いるのかも しれない。 とある。 「かつて存在した」という文面から、どうやらオリジナルのアイスドラゴンは絶滅種らしい事が見て取れる。 それでも上記の通り、別の場所で生存している可能性を挙げられてはいるが……。 「どこかの島=アイスバーグ」だとするとカービィの手により完全に根絶やしにされてしまった事になるが。 『2』以降の本編世界では偽物しか登場しないのって、もしや……
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/82.html
chapter2 [試練 Trial] 俺たちの潜入しているH国は、人類側にとって重要な脅威となっている国家 だ。少なくともエメル総指揮官はH国を蛇蝎のように嫌っているし、それには それだけの理由もある。 H国を制圧した竜は、自らを人類の解放者であると宣言した。ヘイズという 名のその竜は、他の竜たちと異なりフロワロを撒き散らすこともなく、また自 分に従う人間には寛大な態度を示した。結果、H国では竜と人間の「共棲」が 成立し、ときおり下級の竜が暴走して人間を襲うことこそあれ、H国はヘイズ の統治により平和を維持するどころか、以前よりも発展しつつある。なにしろ 和平派の人間たちは旧国連軍を主体とした人類防衛戦線に加わるよりはH国へ の亡命を志すし、そういった亡命者をH国は拒まなかった。ヘイズはH国の人 間たちに未知の技術を惜しみなく与えており、ついこの前もH国では新技術に 基づいた人工衛星の打ち上げ実験が行われたばかりだ。 竜の中にも宥和派が存在するという事実は、竜と戦う人間たちの士気に確実 な悪影響を与え続けている。現状ではヘイズ以外の竜は人間に対して殲滅戦争 を宣言しているが、本当にこれが未来永劫続くのか、竜との交渉は不可能なの かという疑問を、H国の平和は掻き立て続けた。 エメル総指揮官の方針は簡潔だ。人類の裏切り者であるH国は滅びるべし、 プロパガンダ攻勢で人類の統一的抵抗を破綻させようとするヘイズに死を。 とはいえ、防衛戦線側はH国と戦争をしているわけではない。エメル総指揮 官はそれを強く望んでいるが、そんなことをすればただでさえ権力闘争と民族 間のゴタゴタで揺れ動き続けている防衛戦線は簡単に崩壊するだろう。 「敵は竜」。その一言が、何千年にも渡って共食いを続けてきた人類を、かろ うじて団結させるに至ったのだ。その剣が同じ人間にも向けられるとなれば、 かつて大国に抑圧され続けてきた少数民族・宗教グループは、迷うことなく防 衛戦線を離脱するに違いない――たとえその先に各個撃破と殲滅戦しかなかっ たとしても。 彼らも、同じなのだ。彼らもまた、彼らなりの理想の器を持ち、その器が満 ちることがなかったとしても、悔いることはない。そのことを、エメル総指揮 官は理解できない。 とはいえ、俺個人がH国の方針に対して何を思うかといえば、「胸糞悪い」 以外に言葉はない。あいつらは竜と共棲しているのではなく、ただ単に、竜の おめこぼしに預かっているだけだ。その関係は、支配と被支配でしかない。そ んなものを指して生きているなどと言えるか? 彼らは生きているのではなく、 飼われているのだ。小屋に詰め込まれた鶏のように。これが平和だというなら、 人類が作ってきたありとあらゆる強制収容所は、みな平和だったということに なる。阿呆め。 だが、カガリは迷いを抱いている。彼女はもともとH国の人間で、最初の侵 攻のなかで両親を殺された結果、流れ流れて今の場所にいる。たとえそれが見 せかけの平和であったとしても、かつての同胞たちが安らかに暮らしているの であればそれを無碍にはできないという思いは、彼女の中に確実に存在してい る。祖国の安寧と繁栄が目に見える形で彼女の前に現れているいま、その感慨 が深まっているとしても不思議ではない。 彼女の迷いは、わからなくもない。俺たちが任務を遂行し続ければ、H国は 他国同様にフロワロの咲き誇る荒野に変じるだろう。戦いの中で何十万、何百 万という人間が死に、勝利したとしても復興には百年単位での年月が必要にな る。司令部はH国におけるプロパガンダ戦略によって毎秒0.3人の人的損害が 発生していると計算しているが、目に見えないところで滑り落ちていく砂粒を どんなに思ったところで、目の前で起こるカタストロフを肯定するのは難しい。 ましてやそれが、友もいれば親族もいる土地となれば。 敵の偵察部隊との戦闘は一瞬で終わった。ヴァイスとシュヴァルツは指向性 EMPグレネードの投擲と同時に完璧な待ち伏せを仕掛け、瞬きひとつの時間で4 人を地に這わせる。俺は20メートルを一歩で踏み込み、最初に無線機を背負っ た男を右拳で殴って昏倒させると、その隣に立っていたベレー帽の男――おそ らく指揮官――を左手の理力楯で張り倒す。楯で殴られた男は水平に吹っ飛ぶ と、木の幹に身体を打ちつけて地面に転がった。ちょいとやりすぎたが、死に はしないだろう。 俺が次の一歩を踏み出す前に、ヴァイスとシュヴァルツが残った4人を片付 けた。鮮やかなものだ。得意のナイフを抜かずとも、彼女たちの戦闘能力はま るで侮れない。 カガリが倒れている指揮官に歩み寄り、容態を確認する。彼女はちょっと首 を振ると、目を閉じて精神を集中させた。かざした手がほのかに光る。 「シンラ、やりすぎよ、これ」。手をかざしながら、カガリがぶつぶつと文句 を言う。やっぱりやりすぎだったか。でもほら、死にはしないじゃないか。 「あたしがいなかったら死んでたっていうのは、死ななかったうちにカウント しないでほしいんだけど」 俺の心を見透かしたようにカガリが文句を言う。へいへい。 「接敵情報の漏洩は確認できません。定時連絡用ダミー・プログラムのインス トールを行います。インストール完了。露見まで期待値で98.36分」。淡々と シュヴァルツが事後処理を行っている。 「ヴァイス、カモフラージュコートを射出。ずらかるぞ」 「了解。射出まで3秒、退避を。射出。カモフラージュコート完了しました」 地面に倒れた兵士たちの上に、光学的な迷彩が塗膜されていく。ペイントを 塗りたくるともいう。シュヴァルツは近くの下藪を切り払ってペイントの上に 撒き散らした。原始的だが、こういうのはその程度で十分だ。敵が熱探知して くるような状況ではない。サーモビジョンを搭載した戦闘ヘリで山狩りをし始 めるようなら、そのときはそのとき。 俺たちは駆け足で山道を移動し始める。目的地までは、まだまだ遠い。 俺たちがこんな益体もないピクニックを何週間も続けているのには、当然だ が理由がある。H国は民主制国家だったが、実態は一党独裁と血縁主義による 事実上の封建社会だ。政治の中枢は大統領府だが、大統領を動かしているのは H国を影から支配し続けているフィクサーだ。俺たちはそのフィクサーに直接 面会し、エメル総指揮官とのチャンネルを作るべく派遣された。 フィクサーが住んでいるのは、山奥の一軒屋だ。先方と最低限のコンタクト はできているらしく、目的地までたどりつければ、そこから先はフィクサーの 私兵と戦って血路を切り開くような真似をしなくてもいい、とは言われている。 そこまでの道のりがあまりに遠いというだけで。 その後も何度か偵察部隊や、ときには小規模な攻撃部隊との戦闘になったが、 俺たちはなんとか切り抜けることに成功した。そして、夕闇に沈もうとしてい る瀟洒なコテージを見つけたころには、H国に侵入してから2ヶ月が経過して いた。 「シンラ、まもなく目標地点の哨戒空域です。IFFを発信してください」。 シュヴァルツに促されて、俺は背嚢から小型の通信機のようなものを取りだ し、スイッチを入れた。先方から送られてきたこの機械は、簡単に言えば先方 にとっての敵か味方かを識別するための電波を発するものだ。IFFがオフにな ったまま敷地に入れば、連中は容赦なく最新鋭の攻撃部隊で俺たちを狙ってく るだろう。勝てないとは思わないが、そんな無駄な苦労は御免だ。 「IFF波発信を確認。こちらの通常通信チャンネルに入電あります」 「念のため防壁のレベルを上げろ。防壁が上がり次第、つないでくれ」 「防壁展開完了、つなぎます――ようこそ、人類戦士の諸君。門は開けてある。 車の一台も出してやりたいところだが、時勢を鑑みて失礼させていただくとし よう。そこから門までは直線距離で1キロもないはずだ。お茶を用意しておく」 通信は唐突に切れた。 「直線距離で1キロとか言ったか、今」 「言ったわね……」 「それで、俺たちの目の前には立派な渓谷があるんだが」 「古い衛星写真によると、上流・下流とも5キロ先まで橋はありません」 「わかったよ、久々の空の旅だ。ヴァイス、抑制回路の部分遮断を申請。シュ ヴァルツ、バックアップしてくれ。カガリ、俺の背嚢を頼む。乗り心地はお前ら でなんとか工夫しろ」 「抑制回路の部分遮断を受理。解放まで10秒」 「精神負荷の共有回路をオープン。安定化効率に全体の機能の15%を投入」 「乗り心地ってさあ。じゃあ今回はあたしが背中。それ以外は認めないから。 もう足は絶対にイヤ」 「共有回路を起動中は運動性能が低下しますので」 「あたしが背中」 「飛行途中での落下の危険性が」 「あたしが背中」 「人が集中してるときに、観覧車の座席取りみたいなことで揉めるなお前ら。 カガリが背中、ヴァイスはすまないが足にぶら下がってくれ。シュヴァルツは 俺が抱えてく。オーケー?」 「えええええええじゃあたしが」 「了解しました、ありがとうございますシンラ」 「結局、私はまた足なんですね」 「ねえシンラ、二人を両手で一人ずつ持つとかダメなの?」 「俺の空力特性のこともちょっとは考えてくれ」 「計算によると、効率低下は1.3」 「黙れ。翼部展開するぞ、離れろ」 俺は意識を集中して、自分の内側にいる竜に向き合う。奴らの持つ大きな翼 を頭の中に描き、それが自分の背中にも生えている様子を想像する。ツン、と 鼻の奥が熱くなるのを感じる。大丈夫、暴走には程遠い。 次の瞬間、バサリと音をたてて巨大な羽が俺の背中に生えた。軽く眩暈がす る。シュヴァルツがこめかみに手をあてているのが分かる。彼女は生体通信を 介して俺の精神的負荷を分散させているのだ。たかが翼を生やす程度でこれな のだから、あのタケハヤの負荷を分散処理するアイテルがどれほどの苦痛に耐 えているのか、ちょっと想像ができない。タケハヤがどれほどのものを押さえ 込んでいるかに至っては、想像すらしたくないが。 俺はシュヴァルツを俗に言うお姫様抱っこでかかえこむ。カガリがジト目で 見ているのが分かるが、そういう場合じゃないだろ、お前。俺が軽く姿勢を下 げると、カガリは背中にしがみついた。 「テイクオフ。ヴァイス、カウントしろ」 「了解、テイクオフまで3秒。3、2、1」 ゼロ、の声と同時に俺は両足で地面を蹴ると、翼を大きく羽ばたかせた。ヴ ァイスが人間離れした跳躍力をみせて、俺の両足を掴む。わずかにバランスを 崩したが、2、3回羽ばたくうちに安定を取り戻した。 「くっそ、やっぱり3人は重いぜ」 「前回に比べてシュヴァルツの重量が増加していますので当然かと」 「な、なな、そ、増えたってほど」 「700g強も増量しておいて、太っていないとは言わせません」 「ささささっき多めに水分補給したからであって! 正味534gのはず」 「なんだ、ちゃんと増えてるんじゃん」 「でででででもカガリさんだってそれを言ったらキログラム単位で」 「シンラ、その子だったらここから落としても生きてるわよね?」 俺は無言で飛行速度を上げる。打ちつける気流の激しさに、女どもは一斉に 口を閉じた。女三人集まれば姦しいってのは誰が考えたんだ。 1分ちょっとの空の旅の後、俺たちはコテージの門にたどり着いた。玄関ま で飛んでいくってのもありだが、最低限の礼儀は守ることにしよう。俺たちは 外交使節でもあるんだから。面倒なことこの上ないが。 玄関先で翼を畳んだ俺を、執事らしき男が出迎えた。異形の姿を見ても、取 り乱す風はない。俺が自分たちが防衛戦線の使者であることを改めて告げると、 男は黙って俺たちを邸内に迎え入れた。 コテージは豪華なつくりで、H国の上層部が貯えてきた資産の膨大さをうか がわせる。カネになどほとんど意味のなくなった世界ではあるが、それでもカ ネの威力が通じる部分はまだまだ多い。 俺たちは和室と洋室がつなぎになった、不思議な客間に通された。カガリは 「由緒正しい成金趣味ってやつね」とか呟く。そういうことは、思ったとして も口にだしちゃいけないぜ、カガリ。俺も思ったけど。 しばらく待つと、和室の襖が開いて、フィクサーが姿を現した。生体通信の 秘話回線をオープンする。 『虹彩パターンのスキャン完了。照合。フィクサー本人である確率は86.7%』 『武装は確認できません。本人の身体能力も脅威レベルは無視可能』 『オーケー、この回線を維持しろ。以後圧縮言語を使え』 『アイ・サー』 俺は席を立つと、フィクサーが伸ばした手を取って固く握手を交わし、改め て着席する。 「ようこそ、老いぼれの終の棲家へ。だいたいの話は聞いているよ」 「我々の計算では、この国の体制が維持されることで、毎秒0.3人の死者が発 生していると測定しています。あなた方の平和と安寧は、他の人間の血によっ て購われている。そのことを、どう思われますか」 「悪いが、どうとも思わないな。21世紀生まれの君らは知らんだろうが、儂ら が若いころには、『アフリカでは2秒につき1人の子供が死んでいます』とかい うCMがテレビを賑わしていたよ。毎秒0.5人だ。その悲惨は、先進国の平和と 安寧のために無視され続けた。毎秒0.3人ならば、我々はなかなか大した努力 をしていることにはならんかな?」 「人類の旧弊を支持することが、現在の弊害を擁護することになると?」 「では君たちは旧弊を背負っていないとでも言うつもりかね? 『敵は竜』と は、大いに結構。儂らは『敵は帝国主義者』と習い、次に『敵はファシズムと 民族主義』と習い、その舌の根も乾かぬうちに『敵はアカ』と習ったものだよ。 君たちもまた、人類がかつてそうであったように、敵を敵と認めること以外 では結束できずにいる。君たちのやろうとしていることは、どんなに控えめに 言っても、人殺しに過ぎん。儂らの咎が、人殺しがあたかも存在しないかのよ うに振舞っていることだとすれば、君らは自分たちの手で人を殺して、それを 自由のための戦いと称している」 「我々は竜と戦っています。人ではない」 「ではこの国で竜との戦争を始めるか? その戦争を始めるという決断は、人 殺しをするという決断とどこが違う」 「どんな犠牲を払ってでも、ここで戦わなかったら、人類はいずれ全滅します。 よもやこの国の現状が永久に続くなどとは思っておられますまい」 「永久に続く国家など存在しない。永久に続く種も存在しない。なぜ人類が絶 滅してはいかんのかね? この竜の試練を乗り越えても、人類はいつか必ず滅 びるだろう。生物とはそういうものだ」 「俺は……まだ人類が滅びてほしくない。あなたは、もう滅びても構わないと 思っているのかもしれない。けれど俺たちは、そう思ってはいません」 「ハッ、本音が出たな。君らにしても、結局は人類が犯してきた過ちを繰り返 す烏合の衆の一員に過ぎんということだよ。儂も含めてな。人類はいつだって、 己と『己たち』の主張を信じて、その正しさを認めさせるために殺しあってき たのだ。 よいかね、平和や自由の形は、人の数だけある。だから人はそれぞれの平和 や自由を求めて、殺戮者となる。君もまた、自由を求める殺戮者となるか?」 『シンラ、エメル総指揮官から入電』。シュヴァルツが脳裏に耳打ちをする。 『10秒待ってもらえ』 「もしそれが必要なら、俺は殺戮者になりましょう」 『ダメです、強制オープン――シンラ、こちらエメルだ。新しい任務を発行す る。ただちにその空域を離脱、チームβ4と合流しろ。以後の行動はβ4に従 え。以上――回線遮断されました』 「そうやって愚行を繰り返すのか?」 「では、あなたは愚行を繰り返さないのですか?」 沈黙が落ちた。ヴァイスがエメル総指揮官からの最優先命令を執行しろと煩 く騒ぎ立てるが、彼女にはβ4の動向を調査させることにする。 「賢く生きるのも結構。あなたが仰るように、平和や自由の形は、人の数だけ あるのでしょう。だから、賢く生きる道だって否定はしない。 でも俺は、人間ってのは本質的に愚かなのだと思っています。愚かさを棄て た人間など、人間ではない。この戦争は、人類が体験したあらゆる戦争と異な る戦争です。人間が人間であること、その意味を問われている。ならば俺は、 人間として、愚かでありたい」 「そうして、気合と根性だけを武器に、マシンガンが待ち構える丘の上を目指 すのかね――と、ちょっと失礼する」 気がつくと、執事が電話を持ってフィクサーの横に立っていた。電話ごしに、 なにやらボソボソと討論をしているのが聞こえる。 『シュヴァルツ、通話傍受。唇も読め』 『実行中。通話の傍受はできましたが暗号プロトコルが解読できません』 『なんだと?』 『人類のテクノロジーには、相当する暗号化技術がありません』 『竜の移転技術か。唇を読めるか』 『シンラ、嫌な予感がする』 『非科学的なことを言うな、カガリ。根拠を示してくれ』 『根拠は、あたしのカン。シンラ、今すぐ動いたほうがいいわ。たぶん、もの すごく切羽詰った時間勝負になる』 『ヴァイス、シュヴァルツ、カガリの観測を再計算しろ。最優先だ。急げ』 『読唇結果を報告。防衛戦線に所属する小隊の侵入が確認された模様です』 『β4だ。ヴァイス、β4との通信をオープン』 『自閉モードです。アクティブ反応なし』 『じゃあなぜバレた』 『こちらの自閉モードを感知できる警戒網が完成していると思われます』 『シンラ、急がないと』 『落ち着け、カガリ。β4はそう簡単にやられる連中じゃあない。ヴァイス、 本部に緊急連絡。β4は敵に感知されていることを報告しろ』 『7秒前から実行中。通信途絶。遠距離生体通信にジャミング』 『つながるまで繰り返せ。ただしあくまでカガリの観測の再計算を優先しろ』 『アイ・サー』 「状況が変わったようだ、勇者殿。君との対話は非常に興味深かったが、どう やらこれ以上の話し合いは無駄なようだな」 「……何と?」 「哀れな。君たちは捨て駒ということだよ。我々の哨戒網が、君たちのお仲間 を洋上に発見した。竜反応だけでなく、フロワロシード反応が認められている。 ここから先は儂の推測だが、君たちのお仲間は我が国の寒村にでも上陸して、 そこの住人を皆殺しにし、フロワロを撒き散らすつもりではないのかな」 「馬鹿な。そんなことをしたら……」 「エメルならば、やる。もちろん儂らはことのすべてを衛星から記録させても らうが、そんなものは捏造だと言い張るつもりだろうな。そして、たとえH国 においても竜の脅威は存在すると宣伝する。おおかた、君たちのお仲間は、竜 に変装する力でも持っているのではないのかね?」 『シンラ、β4は擬態化に特化した偵察・特殊工作部隊です。まさか』 『うろたえるな。相手のペースに乗せられてどうする』 「では、あなたはどうされるつもりなのです」 「答える義務はないが、答えよう。何もしない。我々は、君たちが薄汚い工作 をする証拠を手に入れる。君らは、我々の竜との宥和が完全ではない証拠を手 に入れる。状況はイーブンだ。ならば無理に人外の戦士たち相手に戦う必要は ない。こちらにばかり無駄な損耗が積み重なる。 さあ、行きたまえ。君たちがここでできることは何もない。せいぜい、儂を 殺す程度だ。だがエメルのことだ、儂を殺せばこの国がより深く竜に支配され ることくらい分かっている。儂の暗殺命令は出ておらんだろう?」 「ヘイズに通報すれば、俺たちも含めて、侵入したチームは助からないでしょ う。あなたこそ、こんな事態になったのに、なぜ通報しないのです」 「これが儂にとっての自由と平和だからだよ、戦士どの」 「あなたは、この状況に対して『何もしない』と言う。ではもし、今から起こ ろうとしている非道を止める者がいたら、それをどう評価しますか」 「馬鹿だな。長生きできんタイプの馬鹿だ。だが、確かにそういう馬鹿こそが 人類の希望なのかもしれん。君の言うとおりにな」 『ヴァイス、シュヴァルツ、本部およびβ4との連絡タスクを最低レベルに置 け。周辺警戒に全力を投じろ』 『アイ・サー』 『シンラ! いったいどういうつもりなのよ!』 『話は後だ。動くぞ』 「わかりました。彼らの上陸予想地点を教えてください」 「おやおや、君は敵国の人間だ。儂がそんな軍事機密を言えるはずがなかろう。 さあ、帰られよ。楽しいひと時を感謝する。君らの車は裏の駐車場に動かして おいた」 「感謝します」 俺は席を立った。しぶしぶという様子で、カガリも立ち上がる。ヴァイスと シュヴァルツはそもそも着席していない。 『シンラ、説明して。何をどうするつもりなの』 コテージの玄関に歩きながら、カガリが生体通信で俺に訴える。 『初期の任務を続行する。それだけだ。お前のカンは正しかったよ。急がなく てはならない』 『ちょっと、ぜんぜんわけわからないわよ。説明してよ』 『あの老人は、軍事機密は教えられないと言った。だがこの国には軍隊はない。 存在するのは、あくまでも軍事力を持った警察隊だ。だから軍事機密があり得 るとすれば、それはかつて他国の軍隊が駐屯していた場所ということになる』 『だからどうするのよ』 『今からそこに向かってβ4の作戦を阻止する』 『はぁ!?』 『シンラ、それは重大な軍法違反です。承認できません』 『落ち着けよ。俺たちはβ4と合流しろという命令を受けた。それ以前の命令 は、現地のフィクサーとのパイプ作りだ。以前の命令を遂行するにあたって最 も効率がよいのが、β4を撃退することだ』 『しかし以後の行動はβ4に従えと』 『β4との連絡は取れていない』 『承服できません。シンラの議論は、ただの言葉遊びです』 『シンラ……残念だけど、あたしも賛成できない。そりゃあ、この国の人を守 ってくれるのは、嬉しい。あたしも、できるなら、そうしたい。でも、かとい ってそんな……』 『いいか、エメルのプランはそんな単純なものじゃないんだ。β4は間違いな く竜に擬態して作戦を実行する。その作戦が実行されれば、エメルにとってみ ればそれはそれで問題はない。とはいえそのままなら、老人の言うとおり、分 け前は半々だ。 だがもし、H国に侵攻しようとした竜を、たまたま現地にいた防衛戦線の部 隊が撃退したとなったらどうなる? エメルはH国ですら竜の危機に瀕してい るという証拠を手に入れ、さらには防衛戦線の正しさも示すことができる。こ れならば第1世代のチームを2個も投入する理由が分かる』 『……ずいぶん幼稚な自作自演ね。でも彼女ならやる、か』 『し、しかし、その推測には裏づけがありません』 『本部に問い合わせても、本部は絶対にだんまりだ。俺たちが勝手に想像して、 勝手に行動するという状況以外、許されないからだ。自作自演の証拠はできる 限り減らさなくてはいけない。 それに、だ。仮にβ4を俺たちが看過したとして、俺のプランを実行した場 合と、どちらが有効だと思う』 『そ、そ、それは……』 『シンラのプランのほうが論点が整理されています。不確定要素が多すぎて有 効度は計測できませんが、トータルで概算すると戦線への寄与度は高いと判断 します』 珍しくシュヴァルツが曖昧な表現を使う。 『ただし、シンラのプランを採用した場合、我々が軍規違反に問われるのは必 然です。本部に帰投すれば軍籍剥奪のうえ、重罪に処せられるでしょう。かと いって孤立無援での活動は不可能です。それでも実行しますか?』 『孤立無援にはならない。うまくやれば、あの老人が俺たちをサポートしてく れる。防衛戦線とは縁切りになるが』 『シンラ……あなたって、本当に馬鹿。定期的なメンテナンスなしに、あなた は生きていられないのよ? それはあなたが一番よく分かってるはずじゃない。 それに、あなたはエメル総指揮官のプランだなんだとか言ってるけど、要す るに、この汚い工作が気に入らないんでしょ? 罪のない人間を殺してでも政 治的有利を確立しようなんてのは絶対にイヤだってことなんでしょう? でも さ、あなた、そんな意地のために死ぬの? そこまで馬鹿なの? 死んだらも う竜とは戦えないのよ?』 『メンテナンスがなくても、1年くらいならやれる。その間にヘイズを殺せば いい。秘密裏とはいえこの国の中枢部と手を組めるんだ。やってやれなくはな いだろう。ヘイズを叩いた後は、俺に脅迫されて渋々ってことにすれば、エメ ルもお前らを悪くは扱うまい』 『……分かった。あたしは乗る。でも、あなたに脅迫されたからじゃない。あ たしは、あたしの意思で、あなたの作戦に乗るわ。こんな子供じみた謀略で何 の罪もない人たちが死ぬだなんて、あたしには耐えられない。そこまで人間の プライドを虚仮にされたくない』 『馬鹿だな、お前も。ヴァイス、シュヴァルツ、お前たちは拒否していいんだ。 なんとか俺たちだけでもやってみる』 『私たちも討議をしました』 『シンラのプランに賛同します』 『私たちは元来、あらゆる命令に優先して、シンラの命令に従えと言われてい ます。今回のシンラの命令は、危険ですが理不尽ではありません。また最終攻 撃目標がヘイズであるというならば、いっそう従わない理由がありません』 『私たちは、ベストを尽くし、武運を祈るだけです』 『やれやれ、俺たちは阿呆の群れってことか。今さらだが先が危ぶまれるな』 『指揮官が指揮官ですから、やむをえないと考えます』 『遠まわしに馬鹿にされた気分だ』 『かなり直接的に馬鹿にしました。罵倒語辞典のインストールを行うことを推 奨します』 『まったく』 『ねえ、話がまとまったところで質問なんだけど、β4の襲撃にどうやって間 に合わせるの? 空を飛んでも間に合わないと思うんだけど』 『間に合うさ。空を飛べば』 『シンラ単独であれば確実に間に合いますが』 『何で俺一人で行くんだよ。ありえないだろ。ほら、そこにクルマがある。暖 気も済んでるようだな。ヴァイス、シュヴァルツ、操縦を頼む。俺たちはカー ゴに入る』 裏の「駐車場」には、VTOL式の小型輸送機がエンジンを回していた。執事が コクピットから降りてきて、俺たちに一礼する。 5分後、俺たちは亜音速で空を飛んでいた。この速度ならばβ4の移動に間 に合うはずだ。 隣を見ると、カガリが緊張した表情で虚空を睨んでいた。ここから先は、地 獄への片道切符だ。俺は膝を強く握り締めているカガリの手に、自分の手を重 ねる。僅かに、カガリの瞳が緩んだ。俺は躊躇せずにカガリの唇を奪うと、彼 女をたっぷりと味わう。カガリも俺の背中に手を回し、情熱的に接吻に答えた。 1分近く、そうやってお互いの暖かさを確認しあっただろうか。さすがにそ こから先に進むには、状況が状況だ。名残惜しい気持ちはあったが、どちらか らともなく唇を離す。 「……この世の中の命、意志、存在、すべてのものにはちゃんと存在理由があ る。不要なものなぞ存在しない。そう、父親に教わったわ。 あたしは、どうしてもエメル総指揮官の方針に納得できない。彼女にとって、 あたしたちは必要のない存在だって言われてるみたいで。よっぽど竜のほうが 親近感を持てるわ。少なくとも、あいつらはあたしたちを必要としてるんだか ら。餌として、ね。これって、元H国の人間ならではの危険な思想かしら」 「そうでもないさ。最大の問題は、エメルは現場の意識との間にズレがあるこ とを認識できてないってことだ。戦略そのものは、間違ってない。だが戦略を 形にするのは、現場の人間だ」 「信用してるのね、彼女のこと」 「総指揮官だからな。信用しないわけにはいかない」 「信用してるのに、命令に従わないの?」 「あの爺さんの言うとおりさ。平和や自由の形は、人の数だけある。平和と自 由を守りたいと思う気持ちに変わりはない。だからといって、自分の平和と自 由を棄てる奴が、どうして他人の平和と自由を守れるんだ」 カガリは短く笑った。 「あなたって、エルネストみたい」 「誰だそれ」 「ただの独り言――『もしわれわれが空想家のようだといわれるならば、救い がたい理想主義者といわれるならば、できもしないことを考えているといわれ るならば、何千回でも答えよう、そのとおりだ、と』」 「そんな馬鹿がいたのか」 「ええ。じゃあ、アレイダはちょっと眠るわ。ヴァイス、到着予定時刻の15分 前には起こして」 『イエス、メム。良い夢を』 カガリは目を閉じると、すぐに眠りに落ちた。誘眠剤が放出されたのだろう。 しかし、エルネストとやらが誰かは知らないが、似たようなことを考えた奴 がいるというなら、俺もきっとそいつと同じような末路を辿るのだろう。エル ネストの前にも同じような道を辿った奴はいるだろうし、彼もその前例の存在 を薄々知りつつ、己の最期に向かって全力疾走したに違いない。 歴史に学ばない愚者と笑うなら、それもいい。俺にとっては関係のない評価 だ。ただ、俺は最後まで走らねばならない。それ以上でも、以下でもない。そ れが、俺にとって、生きるということなのだから。 → イカルガ chapter3 ← イカルガ chapter1
https://w.atwiki.jp/7d2020/pages/73.html
女性L:加藤英美里 ※以下ネタばれを含みます 女性L:加藤英美里 汎用台詞 サムライスキル トリックスタースキル デストロイヤースキル サイキックスキル ハッカースキル コメント欄 汎用台詞 上へ キャラクター登録時 「世界が僕を呼ぶのなら!」 逃走時 「では、御機嫌よう」 勝利時 「歩みを止めてはいけないね」「えっへん、すごいだろ?」「君では相手にならないよ」 対ドラゴン戦 「君を狩るのが僕の役目さ」「ま、何て事無かったね」 対帝竜戦 「君とは解り合えないよ」「全く、理解に苦しむよ」 イベント勝利時 「はぁ、訳が解らないよ」(首都高戦)「こんな事して…楽しかったかい?」(人竜戦)「この星は‥君を拒絶する!」(真竜戦)「相変わらず規格外だね」(人類戦士戦) レベルアップ時 「僕の可能性は無限だ」「すごい力を感じるよ!」 パーティ加入 「待っていたよ」 室内 「やあ」(通常)「素晴らしいよ」(喜)「ありえない…」(悲)「そうくるか」(ゼロ=ブルー打倒直後) 料理 「僕がかい?」→「まぜまぜ…っと」 スカイラウンジ 「まったく…キミは面白いよ…」 サムライスキル 上へ 通常攻撃 「さっ!」「はっ!」 エグゾースト 「ぬぅぅぅぅっ!」 旋風巻き 「そぉれ!」 金翅鳥王旋風 「一掃するよ!」 袈裟斬り 「消えて貰うよ!」 力閂オロシ 「任せて!ぺっしゃんこだ!」 トンボ斬り 「行っておいで!」 影無し 「聞こえていないよ!」 収刀の紡ぎ 「同化する!」 崩し払い 「任せて!立ち直れるかい?」 モミジ討ち 「任せて!だいぶ痛いよ・・・!」 フブキ討ち 「任せて!動けないかな?」 不動居 「流れを感じる・・・」 風林重ね 「ボクと行こうよ!」→「削ぎ取る!」 十六手詰め 「任せて!ヤスデがこそぐよ!」 抜刀の紡ぎ 「羽化するよ!」 修羅の貫付け 「さっそく消えてよ!」 刃下のリアクト 「刃向う気かな?」 練気手当 「危ないねぇ・・・」 赤化の呼気 「蓄えようか」 黒鋼の呼気 「殻を纏おう」 丹田法の訓 「鼓動を合わせて」 乱れ散々桜 「羽を開こうほっ群がる羽虫が血肉を喰らう!はああああ!ここだ!死骸には集らないよ!」 トリックスタースキル 上へ 通常攻撃(短剣) 「そやっ!」「てぃっ!」 通常攻撃(銃) 「たっ!」「とぅっ!」 エグゾースト 「ぬぅぅぅぅっ!」 タランテラ 「焦らないでよ!」 スコルピオ 「じっくり行こうよ…」 ヴァンパイア 「ボクにおくれよ」 フルムーンヴァンプ 「ご指名かな?」「命の味だね」 ベノムアンプリフ 「ご指名かな?」「可哀想だけど」 アサシンアイズ 「いつでも見てるよ!」 ベノムフェティシュ 「諦めてよ!」 ラッシュショット 「ご指名かな?」「穴だらけだよ!」 エイミングショット 「ご指名かな?」「目玉をいただく!」 ダンシングバレット 「はぁぁぁ!」「さぁ、飲み込んで!」 ジャンプショット 「導きのままに!」 ハイディング 「傍にいるから」 ブッシュトラップ 「ご指名かな?」「愚かな子だねぇ!」 チーターマン 「次もいけそうかい?」 アサシンズリアクト 「決め手がほしいな」 エスケイプスタンス 「お別れのようだね」「では、ご機嫌よう」 トリックハンド 「ボクに倣って!」 サクリファイス 「ボクは流れに委ねるだけさ」 狂咲きバッドヘヴン 「最後のチャンスだ潔く彼方へ散りなよ!くりぬけ!生きていても地獄だよ…」 デストロイヤースキル 上へ 通常攻撃 「せっ!」「たっ!」 エグゾースト 「はぁぁぁぁっ!」 正拳突き 「正攻法さ!」 デストロイチャージ 「脆そうだね!」 ジャブ 「決めるよ!」 ダブルフック 「たあっ!骨はもらったっ!」 スピネイジブロウ 「痛いかい?」 釣瓶マッハ 「たあっ!たあっ!キミは丈夫だねぇ!」 クインテッタ 「集中・・・!ふうぅぅ」 ドリルクロウラー 「抉り取るよ」 迎撃スタンス 「見せておくれよ!」 迎撃スタンス・重式 「戯れようよ」 オトシ前上等! 「困るんだよね」 牙折る也 「怖気づいたのかい?」 爪砕く也 「来て良いんだよ?」 吹裂く也 「受け止めるよ」 凶転ず也 「僕を穢すのかい?」 怒りの重爆 「はぁぁぁっ!」「少し重いよ!」 デストロイリアクト 「引導を渡そうか」 先制デストロイ 「いい具合かもね」 瀕死のド根性 「死のにおいがする・・・」 パリングシールド 「取るに足らないよ!」 スカイハイメテオ 「わかってる中途半端は残酷だからね!では・・・。欠片一つ残さない・・・!これで!」 サイキックスキル 上へ 通常攻撃 「しゃっ!」「やっ!」 エグゾースト 「はぁぁぁぁっ!」 フレイム 「渦巻いて!」 イフリートベーン 「はあぁ!食べてしまって!」 ヒートボディ 「反抗はすすめないよ」 フリーズ 「突き刺して!」 アイシクルエデン 「はあぁ!全部狩りとって!」 ゼロ℃ボディ 「凍りたいのかい」 エレキ 「お気に召すかな」 ボルトアヴェンジ 「はあぁ!根絶やしにして!」 プラズマジェイル 「天から注げ!」 デコイミラー 「代わりがあるんだ」 半径50mの支配者 「引き分けは無いよ!」 マイクロバースト 「放つよ!流れ出せ!」 マナフローター 「効率を上げるべきだよ!」 コンセントレート 「本気でいかないと…」 キュア 「癒しの力さ」 リカヴァ 「放つよ!汚れをはらうよ」 リザレクション 「放つよ!君ならいけるよ!」 デッドマンズリアクト 「はあぁ!僕なら大丈夫!」 魔力の湧水 「おやおや!必要そうだね」 オートリカヴァ 「対処するよ!」 黒のインヴェイジョン 「お腹が空いたこの大穴で君を食らおう!しゃあ! 腹の底が蠢くよ」 ハッカースキル 上へ 通常攻撃 「そこっ!」「はいっ!」 エグゾースト 「おぉぉぉっ!」 アタックゲイン 「僕らには力が必要だよ」 ディフェンスゲイン 「守らないと負けてしまうよ」 リジェネレーター 「加護にすがってみるかい」 119ナノマシン 「まだリタイアさせないよ」 Bデータイレイザー 「おぉぉぉっ!・・・全くややこしいな」 ファイアブレイク 「焼き殺すつもりかい?」 アイスブレイク 「凍え死ぬのはごめんだよ」 Aスキルコーラー 「君の頑張りを見せてよ」 ハッキングワン 「君は僕のだ!」 ハッキングゼム 「みんな僕のだ!」 マッドストライフ.x 「つぶし合いなよ!」 スケイプゴート.x 「命を分けてよ」 ロストパワー.x 「零れおちろ!」 バッドインバリッド 「おぉぉぉっ!・・・蔓延させるよ」 スリープオール 「おぉぉぉっ!・・・さぁ、お休み」 カースオール 「おぉぉぉっ!・・・震えていなよ」 ハッキングリアクト 「おぉぉぉっ!・・・やるときはやるよ」 リアクターチアー 「その勇ましさは買うよ」 クイックハック 「僕に従って」 サバゲーナレッジ 「おぉぉぉっ!・・・少し落ち着いて」 禁断の秘技 「君は知っているかい?この世は不条理であふれているのさ…いいね! たとえば、こんなのとかね!」 コメント欄 デストロイヤーを編集しましたが、クインテッタの最後のあの声、どう表現したものでしょう -- 名無しさん (2011-12-05 19 52 08) トリックスター、分かるものだけ編集しました。短剣型使ってる方、補完よろしくお願いします・・・ -- 名無しさん (2011-12-05 22 11 34) サイキック、半径50mの支配者にて「引き分けは無いよ!」でした -- 名無しさん (2011-12-06 12 35 46) ハッカー、追加しました。「おぉぉっ…」の部分はもっとこうだろという表記があれば修正してください -- 名無しさん (2011-12-06 21 32 48) 室内(5章序盤)→「ありえない…」です。 -- 名無しさん (2011-12-08 11 12 47) 真竜戦後、「この星は…君を拒絶する!」とかそんな感じのことを言っていました。 -- 名無しさん (2011-12-11 11 41 18) トリックスターのヴァンパイアは「僕におくれよ」でしたよー -- 名無しさん (2011-12-15 21 36 44) サムライの修羅の貫付けは「いきなり消えてよ!」じゃなくて「さっそく消えてよ!」では? -- 名無しさん (2011-12-21 17 51 41) >そんな感じのことを言っていました。 ごめん 真竜戦台詞はかなりうろ覚えで書いたので正確な表現わかる人は訂正してください -- 名無しさん (2011-12-22 23 18 28) ↑↑サムライの修羅の貫付け、確認しました。「さっそく消えてよ!」に直しておきました。 -- 名無しさん (2012-01-06 09 18 25) 今日確認したら、ラスボス戦勝利台詞「人類は~」ではなく「この星は~」でした。修正しておきます。 -- 名無しさん (2012-02-02 15 17 30) 半径50mの支配者の台詞は「聞きわけがないよ!」だったような気がするのです -- 名無しさん (2012-09-19 21 42 18) サムライの収刀の紡ぎは「 -- 名無しさん (2013-03-27 22 58 16) ↑ミスしました。「同化」ではなく「蛹化」かと。抜刀の紡ぎが「羽化」なので・・・ -- 名無しさん (2013-03-27 22 59 28) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wga0twgj0tj/pages/38.html
桑島法子/その他 ◆部屋 ▼エントリー 『楽しそうじゃない♪』 ▼参加 『-』 ▼挨拶 1『元気ぃ?』 2『-』 3『-』 ▼料理 『おナカすいたわぁ…』 →(料理中) 『まぜまぜっと…♪』 ▼ラウンジ 『-』 ◆戦闘/汎用.ver ▼逃走 『See you ♪』 ▼戦闘終了 1『-』 2『-』 3『-』 ▼レベルアップ 1『-』 2『-』 ▼特殊 対ドラゴン 『バイバイ!インベーダー』 対ミヅチ 『-』 対ラスボス 『-』 対人類戦士 『-』
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/91.html
テーマは「お前ら鬼畜ジェン爺好きだな!でも俺は普通のジェン爺も好きなんだ」 ……ごめんなさい石を投げないでください。以下読んでおくと分かりやすいキャラ設定 カエラ:第一人称。駆け出しローグ。 姉御:女サムライ。カエラの師匠。受け。 彼:ヒーラー。今回も空気。 ギルマス:メイジ。非常にによくでしゃばる。 あっちゃん:近所の子供(?)。後ろが透けて見えるほど影が薄い。 ニギリオのサブイベントに関する記述があります。実際にはありえない順序の部分がありますが お目こぼしいただけると幸いです。 「うー……」 「疲れてるねお姉ちゃん」 いつもの休日。 よく晴れたいい日だと言うのにベッドに突っ伏しているあたしは決して不健全な生活を送っているわけではない。 断じてない。 あたしの気力を根こそぎ奪うのは、ここ連日の竜狩りで蓄積された疲労なのだ。 「そーなのよ、ポータルが使えるようになってから毎日のように狩りに出かけるようになってさ。 体力が資本のハントマンとはいえさすがに応えるよこれ」 頭を上げ、窓枠にひじをかけて部屋を覗き込んでくるあっちゃんに答える。 「それにしても、休みの日には毎日来てくれるけどあっちゃん意外とヒマなの? ううん、迷惑とかじゃないんだけどさ。おうちの人とかどう思ってるかなって」 「パパとママは何も言わないよ。それに僕、ここから他へはいけないし」 「そうなの?」 「そうなの。それより、疲れてるなら慰安旅行とか提案してみたら?温泉とか」 「温泉かあ……一度行って見たいけど、無理だと思うなー。また船に乗らなきゃいけないし、 現地でもお金がかかるし、それに今が大事なときだからそんな暇無いと思うよ」 「そうかな。ギルマスの人が温泉行こうって思ってたよ、あ、いや、そんな顔してたよ」 「くすっ。どんな顔よー」 「いいじゃない、ダメもとで言ってみなよぅ。きっと連れて行ってくれるって」 「へーへー。じゃ無理だとは思うけど行って見ますかね」 そんなわけであたしは一階に降りる。 そしてギルマスと出会い頭に飛んできた言葉は、 「あ、いいところに。出かけるから準備して」 「また!?」 「慰安旅行に行くよ。聞いて喜べ、行き先は温泉宿だ!」 「えええぇっ!?」 あたしは二階に駆け戻ることになった。 ―――――――――――――――――――― アイゼン東、ニギリオの宿。 「はい到着ぁく!『皆様、長い船旅ご苦労様でした』」 「……それは何かの皮肉か?」 「ポータルを使って徒歩三時間だもんね」 そうなんだよね。さっき知ったことだけどこの隔絶された半島にはポータルが設置してあって、 割と簡単にここまで来れちゃったのだ。 「文句言わない!せっかくの温泉宿なんだから」 「それなんだが……おまえ何か俺達に隠してないか」 「……何のことかな」 「とぼけるな。私たちに装備を忘れるなと念押しした時点でモロバレだ」 薄笑いしながらワザとらしく目を背けるギルマスを姉御とリーダーが目で問い詰める。 「…… フハハハハハハハハ! 実はこの近くのドーマ火山に帝竜がへぶっ!?」 姉御がどこからとも無く取り出したハリセンをギルマスの顔面に叩きつける。 リーダーの「そんなことだと思ったぜ」という嘆息が漏れた。 「あつつつつ……いつの間にそんなツッコミスキルを取得したんだい」 「黙れボケが。日ごろの疲れを取るための慰安旅行と言いつつ到着したら 実際には大物退治をさせようなどとお前には人間の血が流れていないのか」 「あ、休暇はほんとだよ?今日はゆっくり休んで、明日はドーマ火山で溶岩をせき止めて 熱を火山内に溜め込んでる大物ドラゴンを排除。で、明後日僕たちはより暖かくなった温泉に浸かり、 溶岩から力を受け取れなくなった帝竜は例の英雄さんたちが倒してくれる、と」 「結局のところまたサポートなんですね」 「まあね。ともかく間にドラゴン退治が挟まってるだけだし、せっかくの温泉なんだから楽しんでよ」 「しゃーないな、行こうシンシア」 リーダーと副長が、姉御が、姫ちゃんが思い思いに宿の門をくぐっていく。 あたしも後を追おうとしたところでギルマスに呼び止められた。 「ちょっと」 「はい?」 「一つ注意しておきたいんだけど、この宿は表向きひなびた温泉宿だけど 裏では色々な闇の仕事が行きかう場所だから注意して欲しい。 特にここの主のジェンジェン翁は小物のフリして本物の極道だから気をつけてね」 「あ、わかりました」 「うん……ここは、人の汚さが見える場所だ」 「……?」 ―――――――――――――――――――― ほっかほっかぴっかぴっかつるつる、るん。 温泉っていいね。 なんてったって足を伸ばしてゆったりと入れるのがいい。 それと湯上りのコーヒー牛乳がまた格別で……なんかオヤジ臭いかな? 他に感動したのは畳だね。 眠るにはちょっと固いけど寝転ぶだけであんなに心地いい床材ってのはなかなか無いんじゃないかな。 カザンに来たサムライがわざわざ畳を一枚だけ買って洋間に敷いたって話を聞いたときには笑ったけど、 あれなら無理ないよね。 さて次は彼を探し出して一緒に卓球でも…… と、そこであたしは向こうから知らない人と連れ合ってやってくる姉御を発見した。 「青眼か、確かにそりゃあたいの眼中には無かったねぇ」 「小生も詳しいことは分かりませんが、敵の攻撃を弾くのに適した型とのことでした」 ……言葉遣いが変だ。ショウセイ? 「やっほう。姉御ー」 とりあえず声を掛けてみることにした。 「ん、カエラか」 こっちが姉御。あたしの師匠で、ギルドのサムライ。 ちょっとした事件があってここ半月ほど口を利いてくれなかったが最近は元通りだ。 「おや、お仲間かい?」 そしてこっちは。 「……きつねさん?」 ぺし。 叩かれた。 「……失礼だろうが」 「あはは、よく言われるよ」 その人はやっぱりお侍さんで、頭の上にその髪と同じ色をしたふわふわの耳があった。 エデンの人間なら誰だって知っていることだけど、この星の人間はヒトとルシェ、二つの人種に分かれている。 東大陸には主にヒトが、西大陸には主にルシェが住んでいて、人口は大体とんとん。 ウチのギルドには一人もルシェがいないんだけど、ルシェは比較的身体能力に優れ、また頭脳にも優れ…… ……あれ?ヒトが勝ってるところって、どこ? ともかく、その人はルシェ女性の証である耳を持っていた。 「これが小生の所属するギルドのカエラです。……こちら、先程知り合った方だ」 「あ、よろしく」 「よろしく。それにしてもなんだ、従者さん付きとは結構やるねえ」 その狐侍さんが愛想よくにへらと笑う。 あたしを指差してそう言うと姉御はとんでもないとばかりにぶんぶん首を振った。 「滅相も無い。小生は従者を連れられるほどの熟者ではありませぬ故、これは単なる後輩になります」 「そうなのかい?」 「あ、はい、まあ。あたし悪事してとっつかまったクチなんで。 で、しばらく稽古をつけてもらったのが姉御」 「ふうん。ま、立ち話もなんだし、そこの休憩所に入らないかい?」 「お待たせしました、きつねうどんです」 「おお、お待ちかね」 「……(ねえ姉御、この人やっぱりきつ)」 「(やめんか、失礼だろうが)」 あたし達は休憩所に場所を移し、お互いの旅の話を聞かせあっていた。 「しかしね、世界中を駆け巡って竜退治ってのはいいね。なかなかできることじゃないよ」 「それ言ったらそっちの、東大陸中を一人旅の方が凄いよ。仲間はいないの?」 「あたいは代々サムライの家系なんだけどね。仕える主人が見つからないもんで こうして旅をしてるのさ。ここに来たのはまあ、物見遊山なんだけどね」 たぶんかなりの凄腕であるだろう狐侍さんは、そう言って頭をかいた。 むう。こうして見るとそうは見えないんだけどなあ。 「サムライの家系というと、御身はアイゼンのお生まれで?」 「そうさね。いや、昔はちゃんと仕える家があったんだよ?あたしも小さい頃はそこへ奉公に出たもんさね。 そこの家ってのが、奥さんと嬢ちゃんはいい人だったんだけどご主人が偏屈でね、その上ドケチ! ……ま、あの家がなくなってしまった今思い返せば割と楽しい一家だったかね」 「仕える家……ですか」 「サムライなんてのは大概何かに仕えるもんさね。それは主人だったり、剣の道だったりするけどね。 あんたは何に仕えてる?」 狐侍さんが姉御に問うた。 姉御はあごに手を当てながらしばらくゆっくりと頭をめぐらせ、ぽつりと言う。 「仲間……の命を守るという義でしょうか」 「あっはっはっは!よく言った、あんたいいルシェだね」 「?」 あたしは、そしてたぶん姉御も、疑問の意味で視線を返した。 どう見てもヒトにしか見えない姉御がルシェ? どういう意味だろう。 あたし達の表情に気付いたのか、狐侍さんが説明に入る。 「あ、いやそういう意味じゃなくってね…… なんていったらいいかな。 ……そうだ。いいかい、ヒトという言葉には……」 「あ、それ知ってる!『人という字は、人と人とが支えあって出来ているのです!』」 「……」 「……」 「……ヒトという言葉には、種族の名前である『ヒト』という意味と、心を持った 一つの人格であるという意味の『人』という意味の二つの意味があるんだ」 「ごめんなさい」 ものすごい赤っ恥をかいた。 まあまあと狐侍さんが肩をたたいて、続きを語り始める。 「そしてルシェにも、種族の名前である『ルシェ』とルシェの本質であるものを備えた人格である意味の『ルシェ』がある。 和を尊び、豊かな心で生きることを美徳とするのが『人』なら、 仲間のために命を張り、散った命は仲間が受け継いで先に進むのが『ルシェ』だ。 ということは、『人』であるルシェがいるのは当たり前だし、 『ルシェ』であるヒトがいたって何もおかしくないだろう?」 「はえー、なるほど!」 「恥ずかしながら小生も今まで知りませんでした。 思い返せば西大陸に行ったとき、強大な敵に立ち向かったヒトのハントマンにネバンの戦士の長が 『お前たちも立派なルシェの仲間だ』といっておりましたがあれはそういう意味だったのでしょう」 「ん。まあ、そういうことさね。 ……だから、昔はルシェであること、ヒトであることに大して意味なんて無かったんだ」 それまで快活にしゃべっていた狐侍さんが急に遠くを見るような顔で言い、 あたしと姉御は顔を見合わせた。 「……ちょいと、聞いてもいいかね。世間ではまだ、『アイゼンではルシェを差別する風習がある』 なんて噂がまかり通っているのかい?」 あたしと姉御はもう一度顔を見合わせた。 「噂が流れているというか」 「アイゼンでそう聞いて以来、すっかりその通りだと」 だんっ! 「アイゼンにそんなバカげた風習があってたまるもんかね!!」 突然の剣幕にあたしは若干ひるんだ。 狐侍さんはそれに気付くと、恥ずかしそうに頭をかいた。 「……あ、ああ、すまないね。本当にすまない。あたいとしたことが……ふぅ」 「失礼を申したのは小生のようですのでお気になさらず。 それより、今の事を詳しくお伺いしたいのですが」 「ん、ああ。そうさね、あんた達の仲間にルシェはいるかい?そのルシェが、アイゼンで他の仲間と比べて 悪い扱いを受けたなんてことは。もしくはルシェだけのパーティーが見下されたなんてことは? ん、いないのか。……まあ、一部にはそういったのもいたかも知らんがね。 表通りを歩く人たちでそんな手合いはまずいないはずだよ、少なくとも形式上はだ」 「ほう」 「考えてもごらんよ?岩と竹林ばかりの荒れた土地に、ルシェとヒトとが手を取り合い、 王が先頭を切って拓いたような国で、どうして民の半分を奴隷にしようなんて考えが出るもんかね」 「あ……」 「アイゼンの階級の最下層がルシェとされているのは、ルシェがサムライだった頃の名残さね。 西のルシェは孫子のために死に、東のルシェは主のために死ぬ。その頃の多くのルシェはサムライだったんだ。 だから自然とヒトを主とするルシェは増え、主人と従者という関係はヒトとルシェへと移り変わっていった。 ……あたい達は支配されていたから最下層になったんじゃない、サムライである事を選んだから ヒトの下に着いたんだ。それはミロスの言うような悪習じゃない、アイゼンの文化だったんだ!」 「アイゼンのルシェの誇りですか」 「そうさ。奉公だってそうやって出来た仕組みでね、生まれたときからヒトとルシェが一緒に生活し、 階級の差はあれど心には差なんてできない。一つの民として暮らしていたんだ。 まあ、長い歴史の中で感覚の麻痺してしまった貴族もいた。そういった貴族は平民を足蹴にし、 最下層のルシェを生まれつきの使用人と勘違いして横暴を尽くしたりしたがね、 それでも大体のところアイゼンは世界で一番、ルシェとヒトが共に生きる国であり続けた。 ルシェとヒトはお互いにいたわりあいねぎらいあい、子供達は人種など気にせず遊び、 奉公の子供がお使いに出れば肉屋の主人がいつも偉いねえといっておまけしてくれる。 そんな国だったんだ。……主人と使用人という垣根を越えて恋に落ちるものも多かったんだよ?」 「え、そうなんですか?」 「おお。ルシェの男は皆男前だし、ルシェの女は……あたいを見りゃ分かるだろう?」 このかわいい耳でどんな男もイチコロよ、とのたもう狐侍さんにあたし達は笑い、空気が少し明るくなる。 「っと……それがどうして今みたいなことになったんだか、今のアイゼンはどっかおかしいんだ」 「貴族と平民の間に大きな軋轢ができ、城下町が二分していましたね」 「うん。おかしくなり始めたのは四十年位前からかね。貴族の上のほうで腐敗が始まると同じくらいに、 アイゼンでのルシェとヒトの関係をどう勘違いしたんだか社会ダーウィニズムにかぶれた奴らが アイゼンの商売の基盤を侵し始めたんだ」 「(ねえ姉御、しゃか……ってなに?)」 「(ダーウィンの進化論を弱肉強食の意味に曲解し、更にそれを社会に当てはめて、社会は強いものが 生き残るのだから強者は弱者を搾取しても構わないのだという結論に仕立て上げた考えのことだ)」 「それまで仲良くやってたのが競争しなきゃ生きていけなくなる。 上からは階級間の礼を厳格に守るよう圧力がかかる。 そうなるとまず生まれた子供達が染まるのさ。子供が染まったらおしまいさね、 アイゼンの未来をになう土台が侵されたってことなんだから。 そうやって国全体が段々腐っていって今じゃアイゼンは民の心が荒みきった国に成り果ててる。 今の若いのには昔からルシェとヒトには格差があったと思い込んでるのも多いんじゃないかね」 「そうかも……しれませんね」 「しっかしね、困ったもんだ。現状を抜け出すには昔のアイゼンらしさを思い出すほか無いってのに、 ミロスなんかは逆にアイゼンの文化を取り払って平等主義を取り入れるべきだなんていってやがる。 その平等とやらをタテにして貧民やらルシェを食い物にしてる奴らがいっぱいいるってのにね。 ああゆう手合いはどこから流れてくるんだ、やっぱりカザンかね?」 「カザンに本拠地を置くものとしては耳に痛いことです」 「あや、そいつは悪いことを言ったかね」 「いえ、カザンのような新興国には数え切れない功罪があると思っております。 アイゼンを毒しているのはその罪の部分でしょう」 「………」 あたし達の間に何ともいえない沈黙が落ちた。 すっかり冷めてしまったお茶をすする。 「ま、でもね。実を言うとあたいはそんなに心配してないんだ」 「ほう、というと」 「さっきはあんなこと言ったけどね、今でもアイゼンでは貴族と貧民の格差こそあれ、 ルシェとヒトには大きな隔たりは無いだろう?無論、一部のいがみ合ってる奴らを除いて」 「そーだね……?うん、貧民を見下してる人や貴族を憎んでる人はいたけどルシェが嫌い、 ヒトが嫌いって言ってる人は少ししか見なかったし、病気の主人を一生懸命看病する ルシェの人がいたけど、あれはいい関係に見えたよ」 「そいつはよかった。ルシェとヒトが手を取り合ってる限り、あの国は元に戻るよ。 なんてったってアイゼンはそうやってできた国なんだから」 狐侍さんはそういってお茶をすすり、そして 「すいません、きつねうどんもう一杯」 ……うどんをお替りした。 「さて、ずいぶん長くしゃべったねえ」 「あの、一つ聞きたいんですけど、何十年も前のことよく知ってますよね。 ……おいくつなんですか?」 「こら、失礼だろうが」 「聞きたいかい?ちょっと耳を貸しな」 そういって狐侍さんはあたしの耳に口を寄せる。 「(ごにょごにょごにょ……)」 「え、ええええええええぇぇぇ!?」 「なっ!?なんて言われた!?」 「え、あ?……失礼だっていったの姉御じゃないですか」 「むぐっ……」 「あっはっはっは!……さて、今度はあんた達の話、聞かせてくれるだろ?」 ―――――――――――――――――――― アイゼンの東、ニギリオの宿。 火山の噴火によって溶岩で隔絶されてしまったこの場所には、様々な闇の仕事が舞い込んでくる。 それらを管理し、そして暗躍するのがこの宿の主であるジェンジェン爺であった。 時にはマフィア同士の抗争を仲裁し、時には裏のルートを仲介する。 特に重要なのがこの裏ルートであった。 一般に出回らないような高級食材を始めとし、 普通の商店が見向きもしないような名も無きルシェの逸品は裏のルートを通ってその性能ゆえに 高額で売買され、某国の大統領の手にさえ渡る。 プレロマからリークされた機密情報は激しい情報戦の末、北の大賢者の下へ。 貰い手のないかわいい犬、猫、そして牛は冒険者の癒しとしてギルドハウスへと。 もし裏の商品を見つけたなら、それは九割方ジェンジェン爺の手によってもたらされた物だと思った方がいいだろう。 そして今日もここで、とある闇の取引が行われようとしていた。 「ヒョッヒョッヒョッ……いつもすまないのう……」 「いえ……私の商品が広く出回るのもジェンジェン大人のおかげ、当然の心配りと」 ジェンジェン爺の相手をしているサングラスをかけたルシェの男、裏の商品を扱う者たちの中でも 最も成功し、いまや全世界をその商売の相手としている男が言った。 「うむ、よい心がけだ。更なる商売繁盛を願っておるぞ……?」 男が渡していったのはその商品、全世界の二十人に一人が持つと言われるその商品こそ、 「ケッケッケッケ……」 『大人の絵本』であった。 もう一度言おう。 もし裏の商品を見つけたなら、それは九割方ジェンジェン爺の手によってもたらされた物だと思った方がいいだろう。 ―――――――――――――――――――― あたしは彼を探して歩いていた。 手に持っている茶色い紙包みは、さっきの狐侍さんからもらったアイゼンの医学書だ。 あたいには無用の長物だからといってくれたこの医学書は、しかし高価でなかなか手が出ない代物のはずだ。 ヒーラーの彼ならきっと喜んで受け取ってくれるだろう。 328 名前:駆け出しローグの日記 ニギリオにて 6/13[sage] 投稿日:2009/04/19(日) 03 37 54 ID qhgSdAkt そんなことを考えて宙に着かない歩きをしていたもんだから、 「あわっ!?」 蹴躓いてすっころぶのも仕方ないというものだった。 「のわっ!?」 向こうからお爺さんの驚いた声が聞こえた。 起き上がり、右手に持った紙包みを吹っ飛ばしていることに気付いたあたしは茂みの方を覗く。 そこには何かを探すように辺りを見回すおじいさんがいた。 「えーと……すい……ません?」 さっきの声といいたぶんあたしの手から飛んだ包みが原因だと考えるべきだろう、一応謝っておく。 「む?お前か!いきなりわしの大事な荷物を吹っ飛ばしてからに!」 あ、やっぱり。 それ以上話しかけても怒られそうなので、あたしも自分の包みを探す。 方向的にはこっちの方に…… 「「あ」」 あった。 柔らかい草の上に、茶色い包みが落っこちている。 「あー、よかった……」 「やれやれ……」 そして。 「「……」」 その包みに、同時に手が伸びた。 「……ちょっと、何よ」 「それはこっちのセリフじゃ!お前こそ……ふん」 「あっ!」 ……取った!! 「ちょっ!何すんのよ!」 取り返す。 「お前こそ何を!」 取り返し返される。 「これはあたしのよ!!」 「なにを言うか!!」 取り返し返し返……そうとして引っ張り合いになる。 「んぎぎぎぎぎぎぎ………」 「ふぐぐぐぐぐぐぐ………」 と、そのときやっぱり掴み方が甘かったのだろう、あたしの手から包みがすべる。 「ふおっ!?」 お爺さんが後ろにバランスを崩し、包みが吹っ飛んだ。 吹っ飛んだ包みはそこにいたお昼寝中の犬の鼻先に飛んでいき…… 「?」 犬にくわえられた。 「あっ、こら!」 「やめい!傷がつく!」 慌てて取り上げようとしたのがいけなかった。 驚いた犬は一目散に逃げ出してしまったのだ! 「なっ……」 「待てぇーー!」 包みをくわえた犬が庭を走る。その後を並んで走るあたしとお爺さん。 「何でついてくんのよ!あれはあたしのだって言ってんでしょ!」 「何を言うか!あれはわしのものじゃと言っとろう!せい!」 「きゃっ!?」 二人とも走っているにもかかわらず、見事な足払いであたしは足をもつれさせる。 「わっ!とっ!とっ!とっ!……こんちきしょーー!!」 「ちぃ、しぶといやつめ!」 頭に来たあたしは全力でお爺さん……ああもうじーさんでいいや、を追い抜きにかかる。 並走したまま小競り合いを続けながらだ。 逃げていく犬は庭の突き当たりで泊まるかと思いきや、廊下に飛び乗ってさらに逃げ始めた。 「ああ!泥だらけの足で廊下を!」 急いで靴を脱ごうとするじーさんを尻目に、あたしはジャンプ。 空中で靴を脱いで両手に掴み、そのまま廊下に着地して後を追う。 「ぬおっ!?」 これで引き離せると思ったけど、じーさんは意外とすばやく追いついてきた。 「おのれちょこざいなぁ!」 「さっきの足払いといい意外とやるわね……でもこれで差をつけてやる!」 廊下の向こうに水面が見えた。 建物を正方形に切り取ったようなスペースに、高級そうな鯉が泳ぐ池が作られている。 池をコの字型に迂回する廊下の直前で、あたしは左斜め前の柱に向けて跳ぶ。 垂直な面に着地するようにスピードを殺し、さらに垂直にジャンプ、廊下に着地する。 そうやってあたしはスピードをまったく緩めることなく90°のカーブを走り抜けた。 「はっ!さすがにこのマネはできないでしょー!」 しかし勝ち誇って後ろを見たあたしの目に飛び込んできたのは、更に上を行く光景だった。 「ヒョーッヒョッヒョッヒョッヒョッヒョッヒョッ!青いのう!」 「い、池の上を走ってるぅ!?」 水面を高笑いしながら走るジジイ、という悪夢のような光景に気力を奪われながらもあたしは走る。 大きく迂回したあたしと直線を走りぬけたじーさんでは差がつくしかなく、水面から廊下に飛び乗って 走り去ったじーさんに遅れること数秒、コの字カーブの終わりに達したあたしはそのからくりを知ることができた。 池の中に、水面ギリギリに平らな石がいくつも沈めてあるのだ。 石の場所を覚えておき、追っ手がかかったときなどに利用する仕掛けだった。 こんなことを知ってるなんて……あのじーさん一体何者? ともかく、これであたしは大きく差をつけられている。 何とかしてじーさんを足止めしないと……と、そのときじーさんの先に歩いてくる泊り客の一団が見えた。 これだ! すう。 「きゃー!その人痴漢!捕まえてー!」 「なっ!?何じゃと!?」 しめた! ガタイのいい男の人が、事情を呑み込めず戸惑いながらも通路をふさぐ。 「何をする、どかんか!」 「いや、でも……」 「痴漢された本人が追って来るものか……あっ!!」 「おっ先ぃ!」 じーさんを追い抜かし、廊下の突き当りを飛び降りて走るあたしの目に行き止まりでおろおろする犬の姿が見えた。 「袋の鼠よ!おとなしく本を返せえっ!」 近付いてくるあたしに気付いた犬は慌てて走り出し、そして…… ……犬のくせに転ぶなぁ! 「あっ!」 犬の口から離れた本は行き止まりの竹垣の下を通って向こうにいった。 竹垣には扉がついてるけど鍵がかかってる。よじ登って越えていくしかない! しかし、竹垣に取り付いてよじ登り始めた間もなく、じーさんが追いついてきた。 「行かせるものか!」 「わあっ!」 足を掴んであたしを引きずり落とし、今度は自分がよじ登ろうとする。 こんちくしょう! 起き上がるなり今度はあたしがじーさんを引きずり落とす。 「ぬあっ!」 「このっ!」 「ふぬっ!」 「こいつ!」 お互いに邪魔しあって取っ組み合いになったあたし達は、埒があかないと悟るとばっと離れた。 油断なく相手を見、相対する。 「どうやら……戦って決着をつけるしかないみたいね……」 「わしに挑むか、愚か者めが!身の程を知るがいい!」 あたしは両腰の短剣を抜き放ち、投げる! 「しっ!せい!」 「ぬっ?」 真横に投げた短剣は、竹垣の隣の柱に仲良く突き刺さった。 姉御の無手を真似て、構える。 「さあ、行くぞ!」 「素手でわしに挑むとは、その意気や良し!褒美に勇気と無謀は違うということを教えてくれるわ!」 「ほざけ!」 じいさんが構えた。……なんだこのインチキ臭さ…… とはいえ油断は禁物、慎重に隙を探って…… やけに大きな羽音が聞こえてきたのはそのときだった。 「え?」 竹垣の向こう、このあたりでよく見るフクロウの魔物が降り立って…… ……だからなんでその包みを狙うの!? フクロウが紙包みを掴んで飛び上がった。 「あっ!」 「隙ありぃっ!!」 「え、ふぎゃっ!?」 しまった! じーさんのインチキ臭い飛び蹴りを喰らい(ちっとも痛くないんだけどなんだろうこの腹立たしさは)、 すっ転んだあたしを尻目にじーさんは竹垣を越えて言った。 「ああもう、ちくしょう!」 あたしは三動作で竹垣を飛び越え、全力で後を追う。 ―――――――――――――――――――― 「……あ、フクロウだ」 「んー?あれ魔物じゃねーか?」 ニギリオの宿の裏庭で、のんびりと掃き掃除をしていたルシェの子供が飛び去っていくフクロウを見て言った。 「悪さをしないなら放って置きなさい、それより真面目に仕事をしないとご主人に怒られるぞ」 「はっ、あんなケチジジイが怒ったって怖くも何とも……」 「待てええええええい!!」 「うわゴメンナサイ!」 温泉宿に相応しい静けさは突然の乱入者によって跡形も無く粉砕された。 いや、乱入者というのは語弊があるだろうか。 なにしろ騒々しく裏庭を突っ走り、使用人達に目を剥かせたのはこの宿の主なのだから。 「ジェン爺!?」 「どけどけどかんか、跳ね飛ばすぞ!後ろから来る小娘を足止めしろ!」 「ジェン爺一体どうしたんです!?」 事情を理解できない年長のルシェが説明を求めるが、一刻を争うジェンジェン爺はそれを一蹴した。 「ええい、お前たちは黙って従っておれば良いのだ!早くせんか!!」 「りょ、了解!」 ジェンジェン爺を見送って背後を見る使用人達の視界で、黄色い髪を揺らしたローグが走ってくる。 裏庭を走るカエラの前に現れたのは、老若男女、いかにも仕事中ですといった風情の使用人たちだった。 「え?なに!?」 「ごめんね!」 一致団結、年代も体格も違うルシェ達がお互いに庇いあってとおせんぼするその光景は微笑ましいものだったが 今のカエラにとっては非常に厄介な光景であった。 「ちょっ……通して、通してってば!」 「すまないがここは通せないよ、別の道を回ってくれないか」 「なんでよ!?今ここをへんなじーさんが通って行ったでしょ!!」 年長のルシェがやんわりと諦めさせようとするが、焦るカエラは聞き入れようとしない。 人の壁に突っ込んで無理やり押し通ろうとするカエラの視界に、あのフクロウを掴みかかるジェンジェン爺の姿が移った。 「あ……!」 片足に包みを掴み、もう片足をジェンジェン爺に握られたフクロウは必死に暴れて逃れようとする。 「ええい、この、ぷわ!……暴れるな!その包みさえよこせばいいのだ!」 手の届かないところで大切な荷物を奪われ、持ち去られようとしている。 カエラはこれ以上なく焦り、自分でも気付かぬ内に叫んでいた。 「お願い、通して!あれは大切なものなの……彼にあげたいものなの!!」 その真剣さに使用人たちは一瞬ひるみ、ジェンジェン爺ははあっ!?という顔をしてその拍子にすっ転んだ。 「……っ!」 「あっ!」 使用人たちがひるんだ隙を突き、カエラは彼らをすり抜けて走り出す。 一方慌てて起き上がり、フクロウを追おうとしたジェンジェン爺は、一人のルシェの子供に抱きつかれた。 「んな!?何をする!?」 「ジェン爺!いじめちゃだめだよ!あのお姉ちゃん、大切なものだって言ってたよ? 取り上げちゃ可哀想だよ!!」 「おい!ご主人にそんなことをしては……」 「何を言うか!アレは……ええい、離さんか!」 純粋な瞳に見上げられてジェンジェン爺は焦り、周りの使用人たちはうろたえる。 しかし、フクロウを追って走るカエラを目にしたジェンジェン爺はもう少女に構っていられなくなった。 「離せ!離せといっておろう、ええい……離さんかっ!!」 「きゃんっ!」 少女を突き飛ばして後を追おうとしたジェンジェン爺は、次の瞬間足を引っ掛けられてすっ転ぶ。 「ぬあっ!?」 「ああごめん!俺の脚ちょっと長すぎてさ!」 「ええい、何のつもり……」 「通りまーす、ご注意ください」 「ぐおはぁっ!?」 立ち上がろうとしたジェンジェン爺を、さらにやってきたシーツを積んだ台車がはねた。 「ああ、ジェン爺大丈夫ですか!?」 転がったジェンジェン爺が、よろよろと立ち上がりながら怨さの言葉を吐く。 「きっ……貴様ら……本当に何のつもり……」 「ってかさ、お客の荷物を取り上げるのは絶対ダメだろ!? 単にドケチなだけだと思ってたけど何考えてんだよ!ますます見損なったぜ!」 「ぬっ!?だ、だから違うといっておろうが!アレはわしの物で……」 「アレってなんだよ!」 「そーだそーだ!」 周りを見回したジェンジェン爺は使用人たちの間にとんでもない誤解が広がっているのを悟る。 客の荷物を奪ったと勘違いされ、さらに大人気なく小さな子供を突き飛ばしたジェンジェン爺を見る 使用人たちの視線は一部を除きどれもこれも絶対零度の温度だった 「ぬう、アレは……その……アレだ!!ええい、退かんか馬鹿者共めがぁ!!」 「うわっ!」 走り去っていくジェンジェン爺を見送るルシェたちはお互いに顔を見合わせた。 一部の者は他のものを思い留まらせようとするが、しかし多くは頷きあう。 彼らは誰からともなく掃除用具を置き、ジェンジェン爺の先回りをするように走り出していった。 カエラはフクロウを追いかける。 幸い重い包みを持ったフクロウは高く飛ぶことができず、走って追いかけることができる。 門を抜け、折り返して走るカエラの耳に塀の向こうからゆかいな騒ぎが聞こえてきた。 「むあっ!?」 「ああ、間違えて床に使うワックスを撒いちゃった!」 「うああっちゃあ!!」 「芋を焼く焚き火にジェン爺が突っ込んだ!!」 「ぬおお!?」 「あっ、今夜のお夕食に出すイキのいいタコが!」 「あつつつ、あつっ、あつ!?」 「今夜のお夕食に出すカニが!」 「あつ……ぬおおおあぐええああう!?!?」 「きゃあ、今夜のお夕食に出すスカイフィッシュが!!」 「わざとらしいわーーー!!!」 「総員、配置!決して通すな!」 「ラジャー!」 「皆、生きて帰ろうぜ!」 「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ……」 「開き直るなーーーーー!!!!」 聞こえてくるカオスに耳を傾け、カエラは思う。 ――皆、ありがとう。 ――でも、ジェン爺ってどっかで聞いたような。どこだっけ? 「さっきから何の騒ぎだろ……?」 裏庭の近くを散歩していたメイジは、先程から聞こえてくる騒ぎの出所が近いことを知って足を止めた。 そんな彼の目の前に、突然角から煙を上げるタコとカニとスカイフィッシュと人の合体物が転がってきた。 「……なんだぁ!?」 落ち着いてそれを観察し、それが色々な物に食いつかれたヒトの老人だと分かると彼は声を掛ける。 「もしもし、おじいさん大丈夫?火がついてるよ?」 「ぬ……おおおう……おのれえ……」 「おじいさん?おーい。燃えてるってば」 「おのれ……おの……」 「もしもーし、燃えてますよー」 「ナメくさりおって……この……この……」 「おーい。燃え……」 「おのれえええ……」 老人は顔を上げた。 「げっ!?」 それがこの宿の主であるジェンジェン爺であったこととその形相の凄まじさに、メイジは二メートルほど飛び退る。 そんな彼に気付きもしない様子でジェンジェン爺はゆらゆらと立ち上がった。 事情を飲み込めないメイジの前で、ジェンジェン爺は静かに怒りをたぎらせる。 「散々……コケにしおってからに……」 「あ、あの」 「このジェンジェン爺を……ナメるでないわぁーーー!!!」 「うわっ!?」 怒りの咆哮と共に真っ白い塀に向かってダッシュし、ジャンプする。 塀に張り付いたジェンジェン爺は、ゴキブリのように塀を這い登っていき、向こうに消えた。 後にはメイジだけが残される。 「……なんだったんだ……」 カエラは驚愕した。 もう追いついてはこれないだろうと思ったあの老人が、 自分ですら道具を使わないと登れないような高い塀を飛び越えて現れたからである。 唖然とするカエラを一瞥すると、老人は一目散にフクロウを追って走り出す。 「あ、こら!」 我に返ったカエラはすぐに後を追った。 「待ぁーてー!」 老人は追ってくるカエラをちらりと振り返ると、おもむろに何かを引っぺがした。 そして距離をつめ、その襟首を掴もうと手を伸ばすカエラに放る。 「ふん」 「わぷっ!?」 それは生きのいい大きなタコだった。彼(?)は見事にカエラの顔面に向けて命中し、へばりつく。 「あ、わ、たっ、こら!」 視界をふさがれたカエラは大慌てし、次の瞬間、前方にあった池の縁石に足を引っ掛けた。 「えっ?―――きゃああああぁぁぁぁっ!!!!!」 カエラはそのままの勢いで宙を舞い、その直後、頭から池に突っ込んで派手な水しぶきを上げた。 勝った。 後ろから聞こえてくる水しぶきの音を聞き、ジェンジェン爺は自らの勝利を確信した。 あとはあのフクロウから包みを取り返せば全てが終わる。 足を速めるジェンジェン爺の見る先で、フクロウは前方の蔵の中に飛びこんでいった。 しめた!蔵の中にさえ入ればこっちのものだ! 完全勝利に向け、ジェンジェン爺は最後のスパートをかける。 そして蔵の戸へ向け、ジェンジェン爺は地を蹴った。 「袋の……」 扉へ向かい、その右足が思いっきり突き出される。 「フクロウじゃーーーーー!!」 ジェンジェン爺は蔵の扉を蹴り開けた。 けたたましい音を立てて扉が開き、その勢いのまま跳ね返ってジェンジェン爺の後ろで閉まる。 そしてジェンジェン爺は、 「むがっ!?」 干しわらの山に突っ込んでいた。 「ぺっ、ぺっ!農具倉庫か!?」 そのとき、頭上で羽音がした。 頭上で、フクロウが倉庫にあった一つの袋を蹴って小窓から逃げていく。 見上げるジェンジェン爺の上に、袋からこぼれた大量の石灰が雪のように降り注ぐ…… ※粉塵爆発(ふんじんばくはつ) 文字通り空中を漂う多量の粉塵が引火し、爆発を引き起こす現象のことだ。 狭い場所、密閉した場所では破壊力が増すだろう。 ドラゴンの爆殺にも使えるので存分に活用するがいい。 私も一度ハデにやってみたいものだ、クックックックッ………(byプレロマの偉い人) ―――――――――――――――――――― あたしは放心して、蔵が吹っ飛ぶ非現実的な光景を眺めていた。 辺りの使用人たちもただ呆然としてそれを見ている。 ……ざっぱん。 振り返ればあのじーさんが池に突っ込んでぷすぷすと音を立てていた。 それを見て、そして、上を見上げるあたしの頭上で、あのフクロウが旋回してる。 何かが落ちてきた。 それを受け止めてみれば、それはあの茶色い紙包みだった。 「ぐおおおお……」 じーさんが呻きながら起き上がる。 だけどただ、色々と気力を失ったあたしは紙包みを破った。 茶色い紙を取り払い、中の本を取り出す…… …… 「きゃあああ何よコレっ!!」 ようやく顔を上げたじーさんは、その瞬間にあたしがぶん投げた本の表紙の女の子と熱烈なキスをして、 そのまま池の中にぶっ倒れた。 「おーい、あったかー?」 「見つからないよー」 いつの間にやら夕暮れ時。 あたしは最初に転んだあの場所で、自分の包みを探している。 「あの……本当にいいの?あたしのせいでものすごい迷惑かけちゃったのに、手伝ってまでもらっちゃ……」 「いいっていいって、好きでやったことだからな」 「俺達全員晩メシ抜きだけどな。まあおかげで糞ジジイの面白いところが見れたからいいや」 「そーそー……お、これじゃねえか?」 「ちょっと見せて……うん、間違いない。本当にありがとう」 「そりゃよかった。おーい、見つかったぞー!」 「ほんとかー?」 「うーん、疲れちゃったわ」 「良かったねお姉ちゃん!」 「うん……本当に、本当にありがとう。そしてごめんなさい」 集まってきた使用人の人たちに頭を下げると、皆口々に気にするなといってくれた。 「こっちこそ加勢しなくて申し訳ないわ。私家族に仕送りしてるから万が一でも減給されたりすると……」 「うわ、やなこと思い出させるなよ。うう、減給はまだしもクビとかねーよな……?」 「……その点に関しては心配ないよ」 やってきたのはギルマスだった。 手には大きな包みを提げている。 「最初は減給しかねない剣幕だったけど、皆お客の荷物を奪うのは宿としてまずいと 思ってただけだって説得したら、しぶしぶ取りやめたよ。 ま、原因がアレだしあまり言えないんだろう。もうこの件には触れないほうがいいよ」 「よかった……」 「ちぇっ、なにかあったらアレをネタにしようと思ったのに」 「本当にお前という奴は……」 「だめだよ、よくわかんないけどジェン爺恥ずかしいんでしょ?いじめたらダメだよ」 「あーはいはい、お前は優しいな」 様々な反応が返ってくるのを受けて、ギルマスは更に包みを差し出した。 「で、ついでに食事を抜くのは明日の労働効率を著しく低下させるって言ってみたら、 『それならこれでも食わせておけ!』だってさ。はい、どうぞ」 「おお、メシがあるのか!ってなんだ、マンジュウ一個かよ…… ……うわっ、しかもこれ何も入ってない素マンジュウだ!」 「文句言うな」 「だってよー、これじゃ量ってもんが……」 「私の分……食べる?私小さいから……」 「ば、ばか!何言ってんだ、お前が食べろよ!」 「そうだよ、小さいからこそお前はちゃんと食べなきゃ」 あたしは申し訳ないやらなんやらで何も言えずにいた。 そんなあたしにギルマスが、もともと多くもないあたしの荷物を手渡す。 「で、だね。まあぶっちゃけ、僕達は追い出されることになった」 「あいたー。それってやっぱり……」 「まあね。騒ぎを起こさないようにって言ったのに……」 「だって、知らなかったんだもん!しょうがないでしょ?」 「まあ、ね。とりあえずもう行くからお別れの挨拶を」 使用人さんたちに別れを告げ、ギルマスと連れ添って歩く。 ギルマスがぽつりと言った。 「楽しそうだったね。……君もルシェたちもジェンジェン翁も」 「ジェンジェン爺は必死だっただけだと思うけど」 「僕は、ここは人の汚さが見える場所だっていったよね。 実は僕、前にもここに来たことがあるんだ。あの時はメイドの一人を ハントマンのギルドがこっそり連れ出すところに出会った」 「へえ……」 「僕は最初ルシェ達が奴隷のように働かせられているのを見て嫌になった。 次にそんな大勢の中から一人を選んで救い出すようなことに嫌になった。 そしてその後に見たルシェ達の醜い足の引っ張りあいに嫌になった。 それで連れ出される彼女が最後に吐いた毒のこもった捨て台詞で嫌になった。 そして最後に、一番醜いのは勝手に同情したり裏切られた気になったり嫌な気分になったりしてる 僕自身だと気付いてほんとのほんとに嫌になった。彼らは最初から自分を偽ってなんかいなかったんだ」 「うわ……そりゃまた……」 聞くだけで気が滅入りそうな話だ。 深く物事を考えるたちのギルマスはどれだけ落ち込んだだろうか。 「自分が間違っていたのは分かるんだけど、どこが間違っていたのかは分からなかった。 でも、今日分かったような気がする。僕は本質を見誤っていたんだ」 ギルマスは少し前を向いて続ける。 「人は善意だけでは生きていけない。彼らが毒を吐いたり、欲のために人をこき使うのは当たり前のことなんだ。 人は悪意だけでは生きていけない。だから彼らが我を通しあっても、最後に調和が取れるのは当たり前のことなんだ。 人は失望だけでは生きていけない。どんな場所でも、人は適応し、希望を持って生きているんだ」 「そりゃ、そうだよ。あたしにだって分かるもん」 人はいい面ばかりじゃないけど、悪い面ばかりでもないから最終的にはどっかでお互いに妥協する。 うん、当たり前のことだ。 「そうだよね。僕は何を勘違いしていたんだろう。 少し考えれば分かることなのに、僕はここを希望のない場所だと思うあまり本質を見落としたんだ。 そもそもここは工場や採掘と違って人が多くいるほど儲かるような場所じゃない。 嫌がる人を無理やり働かせるような場所じゃないってのに」 「結局のところ、よそ者がクチを出す必要なんてほとんどないんだよね」 「ジェンジェン翁は確かに悪人だけど、必要悪でもある。 ここにはアイゼンで締め出された人たちの受け皿なんだ。ここでしか生きていけない人たちもいる。 あの人はそれをわきまえて、善と悪との関係を知った上でここにいるんだ」 「……ねえ、ギルマス?」 「なに?」 「水を差して悪いけどさ、あのじーさんがアイゼンで虐げられた人を少しでも救うために宿をやってるなんてことは、 絶対、完璧に、一分も、かけらも、これっぽっちも、天地がひっくり返ってもないと思うよ?」 「そうだね。僕もあの人の寝室に使用人が簡単に出入りできるのは信頼してるからじゃなくて ガードマンだのを雇うお金を惜しむ単なるケチだからだと思う」 「……」 「……でも、ああいう人に限って『実力が全てだ』とかいってルシェを後継者にしそうだと思わない?」 「ええ、ないない!絶対ない!」 いくらなんでもそれは夢を見すぎだろう。 ここは遠慮なく笑わせてもらう。 「あはは、つくづくギルマスってロマンチストだよね」 「むう、言ってみるくらいはいいじゃないか……そんな事言うんなら、今夜はドーマ火山に 泊まるってことを君の口から皆に説明してもらおうかな」 「……は?」 え、ドーマ火山? 「ちょちょちょ待ってよ!ドーマ火山って……モンスターのうろつく場所で寝ようっての!?」 「あそこは暖かいし、泉もあるから問題なーし!さ、僕は先に行ってるから皆に説明よろしくね!」 「そんな、待ってよギルマス!!」 冗談じゃない、追い出される原因を作った張本人が言えるわけないじゃない!! あたしは必死でギルマスを追いかけ、走り出した。 ← 駆け出しローグの日記 ゼザにて
https://w.atwiki.jp/hoshinokaabyi/pages/104.html
アイスドラゴン 説明 星のカービィ2のアイスバーグのボス。 3、64では実体化されたアイスドラゴンの絵が出てくる。 冷気を吐いて攻撃したり、氷を飛ばしたりしてくる。 アニメでは常夏の国プププランドに雪を降らせた。 更にその後の話ではアイスドラゴンロボというものも登場する。 出演 星のカービィ2 星のカービィ3 星のカービィ64 星のカービィ(アニメ) 星のカービィトリプルデラックス(キーホルダー) ←もどる
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/35.html
1. その日はとても月の綺麗な夜でした。 ここはカザン近くの海辺です。 西の海へ傾いていく月を眺めながら私はぼんやりしていました。 さっきまでカザンの酒場で、いつもの通りみんなとお酒を飲んできたところです。 すっかり酔った私は、夜風にでも当たりながらのんびりしたいと思って酒場を抜け出してきたのでした。 今日は少し飲みすぎました。 だんだんと頭がぼんやりしてきて気持ち良いような… だんだんと胃から内容物が逆流してくる感覚が気持ち悪いような…。 今日は月が綺麗なので、もうさっさとその辺りの岩影にでも胃の中身を吐いて、月明かりを浴びながら寝てしまおうと思いました。 思っていた以上に飲んでいたようです。 ぼんやりしているうちに、かなり酔いがまわったようで目がまわります。 私はよろよろと立ち上がり杖で身体を支え、大きな岩の方へ向かいました。 さぁ、吐くぞ〜っ…。 …しかし、胃の内容物は喉の辺りからゆっくりと胃へ戻っていきます。 まわっていた目もすっかり元通り、頭も急にスッキリしました。 それは、私の目の前のもののせいです。 それは一人の少女でした。 その少女は私が吐こうとしてた岩の影で横になっていました。 少女がこんな時間にこんなところで寝ているのも去ることながら、少女はお腹から血を流していました。 少女のお腹の辺りの砂は、すっかり血が染み込んで赤黒く染まっています。 …私は医者です、ヒーラーです。 こんな大怪我してる少女を放っておけませんでした。 「大丈夫っ!?」 私は少女の頬をぺちぺち叩き、服をめくりあげてみます。 ざっくりと切れた少女のお腹「いや、じゃないの。このままじゃ死んじゃうわよ」 私はささっと応急処置をしてあげました。 それから少女を抱えてカザンへ歩き始めました。 2. 私はカザンの診療所に少女を届けました。 それからふらふらとギルドハウスへ戻ります。 「ただいま…」 もう、みんな寝たかな?…と音を立てないように扉を開けます。 返ってきたのは「おかえり〜」という元気な声。 見ればハルカラちゃんがお酒を片手に手をぱたぱた振っています。 その足元にはモモメノちゃんが痙攣を起こしながら倒れていました。 酒場でさんざん飲んで来たのに、また飲み直していたようです。 私はしっぽを振りながら近づいて来たポチをもしゃもしゃ撫でてから、テーブルの上の水差しを取ります。 「途中でいなくなっちゃって、どこに行ってたのかにゃ?」 ホッケをつつきながらハルカちゃんが言います。 私は水をぐっと一飲み。 お水美味しい。 「海まで、夜風に当たりに行ってたの」 「にゃい。戻って来ないから心配してたんだよ、にゃい」 「ごめんね」 ホッケをつつきながらハルカちゃんが言いました。 そっか、心配してくれてたんだ…。 勝手に出てきて悪いことしたなぁ。 「ところで」 ハルカちゃんがホッケを置きました。 「誰か抱えて街に入って来たけど、あれは一体だれなのかにゃ? にゃい」 いつの間にか見られていたようです。 ハルカちゃんのルシェ耳はよく聞こえるそうなので、私の足音がギルドハウスを通りすぎて行くのに気づいたのでしょう。 ハルカちゃんは私の答えを待たずに、再びホッケをはもはもし始めました。 「海の方で女の子が大怪我をしていたの。診療所まで運んでから帰って来たのよ」 「そうだったんだ、にゃい。もっちゃんは良い子だねぇ、にゃい」 ハルカちゃんはにゃはははとご機嫌に笑いました。 私は「おやすみなさい」と言って寝室へ向かいます。 モモちゃんはまだ痙攣中です。 「にゃい。もう寝るのかにゃ? 話し相手になってよー…にゃい」 ハルカちゃんが少し寂しそうでしたが、私はもう寝ます。 ニアラを討伐、そして裏ダンジョン攻略…。 …あれから一年半。 しばらくの間は英雄だとちやほやしてもらっていましたが、さすがに今では平和過ぎてかえって暇なのでした。 世界各地のダンジョンも全て回り尽くしたおかげで、新しい冒険はありません。 おかげで私達は毎日、酒場に入り浸る日々を過ごしていました。 4. 朝です。 私がお茶を沸かしていると、みどりさん(ナイト)が帰ってきました。 剣や盾を置いて、ガチャガチャと鎧を脱いでいます。 真面目なみどりさんはドラゴンがいなくなった後も、毎日早朝特訓を欠かしません。 「ドラゴンがいなくなったからって、みんな怠けすぎよ」 みどりさんが言いました。 「みどりさんはいつも頑張りますね」 「それはそうよ。私は姫を守らなきゃならないんだから…。…ああ、姫、姫っ! ああ〜…可愛い…姫、可愛いなぁ…」 みどりさんはモモちゃんが大好きです。 その守るべき主人であるモモちゃんは、昨夜と同じ場所で痙攣していますが。 私は卵をフライパンに落としながら言います。 「とりあえず、朝ごはんにしますね。ハルカちゃんを起こしてきてもらえますか?」 「わかったわ。ところで姫はどこに行ったんだろう?」 足元で痙攣しているモモちゃんに気付かないまま、みどりさんは寝室へ入って行きました。 やがて、寝巻のままのハルカちゃんが目をこすりながら「にゃい、おはよう…」と顔を出しました。 椅子に座って「にゃわわゎゎ…」と眠そうにあくびをしています。 そんなハルカちゃんの前に目玉焼きを置きます。 ハルカちゃんは眠い目をこすりながら、いつものように目玉焼きを指でつまみます。 そのまま口に持っていって、とろける黄身と固まりかけた黄身の合わさる味覚に「ふにゃ〜…」と至福の一時を味わうのです。 …まあ、今日は残念ながら途中で黄身が潰れてしまい、少し涙目でみゃうみゃう泣いていますが。 「姫っ、いつまでも痙攣していないで。朝食ですよ」 みどりさんがモモちゃんを椅子に座らせました。 モモちゃんはテーブルに突っ伏し、「気持ち悪いよぅ、頭が痛いよぅ…」と元気がありません。 ハルカちゃんに相当飲まされたようです。 「そうだ。朝食が済んだら私、出掛けてくるね」 私は言いました。 みんなが「どこへ行くの?」と言っていますが、内緒です。 やっぱり、関わってしまったからには気になるんです。 昨夜の女の子はどうしただろう。 6. 眩しい朝日の中、私はわっせわっせと診療所へ向かって歩いています。 にぎやかなカザンの大通りですが、やっぱり朝だと人もまばらです。 酔ったまま道で寝ていた人も目を覚まし、街の出口へゆっくり歩いて行きます。 宿屋の前では数人集まって本日の行動を確認しているギルドの姿。 どうやら新人ギルドのようで初々しいです。 そんなみんなが朝日に負けないくらい眩しく輝いて見えたのでした。 …今の酒場に入り浸りの私達とはえらい違いです。 それはさておき、私は診療所までやって来ました。 コンコンと扉を叩いて中へ入ります。 「おはようございます」 「あら、モルさん。おはようございます」 「あのー、昨夜の女の子は…?」 お医者さんはにっこり笑い「大丈夫ですよ」と言いました。 「今はよく眠ってるから、お話したいのでしたらお昼過ぎが良いわね」 「いえ、大丈夫かなぁ…って気になってただけですので。大丈夫なら安心しました。彼女によろしくお伝えください。ではー」 私はぺこりんとお辞儀をしてから診療所を後にしました。 7. 診療所からの帰り道。 ふらふらとした足取りで歩いていたモモちゃんを見つけました。 どこへ行くのか聞いてみると「ウサちゃんの足が取れちゃった…」と、白い糸を買いに行く途中とのこと。 私も一緒について行き、糸を買うついでに雑貨屋さんを見てまわったり、露店で売っているお菓子を買ったりしながらギルドハウスへ帰りました。 ハルカちゃんは自分の剣をふーふーしながら磨いています。 そして私達を見るなり、ふんかふんかと鼻を鳴らします。 「あー、ずるいっ。二人して何か美味しいもの食べてきたでしょ。にゃい」 「鼻が良いわね」 「僕もついて行けば良かったな。にゃい」 「わかったわ、お昼の用意するから」 私は台所に向かいます。 何もない、いつも通りの日。 …私は思っていたことをポツリと言いました。 「ねぇ、ハルカちゃんとモモちゃん」 「にゃい。何かな? にゃい」 「たまには何か依頼でも受けて来ない? 毎日ご飯食べて、お酒飲んで、寝るだけじゃ…さすがに堕落するだけだと思うの」 ハルカちゃんは「にゃはは」と笑いました。 「良いよ良いよ。たまには身体動かさなくちゃね、にゃい」 「…うう、私は家にいたい…」 8. 午後。 私達はクエストオフィスで一件依頼をもらいました。 もう暗くなり始めていたので、その足でギルドハウスとは反対の方へ足を進めます。 私達はいつもの酒場、六花亭へやって来ました。 これからお酒を飲みながら久しぶりの依頼達成の為の会議です。 お酒を飲みながら、というのが、いかにもだれてますけど。 「いらっしゃい、ゆっくりしていってね!」 ウェイトレスのかりゆさんが、いつもの席へ案内してくれます。 私達はワイワイと席につき、ビールとエビフライを二皿注文しました。 「あとホッケ」 ハルカちゃん、ホッケ好きだなぁ。 先にビールが運ばれてきたので、みんなで乾杯をしてから依頼書に目を通します。 『最近、バロリオン大森林に凶暴なモンスターが出るので退治してほしい』 これはミロスよりの公式な依頼…というよりミッションでした。 ハルカちゃんは「にゃい。楽勝楽勝、にゃい」と余裕です。 モモちゃんは「…おうちかえりたい…」と涙ぽろぽろ。 …そこへエビフライが運ばれてきました。 二皿とも数本ずつエビフライが減っていますが…まぁ、いつものことです。 私が至高のエビフライを一本つまみ、口に入れようした時でした。 9. 「モルさん、いますか?」 声のする方を見てみれば、診療所のお医者さんが階段のところでキョロキョロしていました。 私はエビフライをさっくりと一口かじってからパタパタと手を振ります。 お医者さんは私を見つけて近寄ってきました。 「ごめんね、せっかく楽しんでいるところを」 「いえ、まだ飲み始めたばかりですから。ところで、わざわざ私を探しに来るなんて何の用です?」 ホッケが運ばれてきました。 ハルカちゃんは「にゃいにゃい!」と嬉しそうに騒いでいます。 それを横目に見ながらお医者さんが言いました。 「昨夜、貴女が運んできた女の子なんだけど」 「…何かあったんですか? 急に容態が悪くなったとか?」 「大丈夫、回復に向かっているから。その彼女がね、どうしても貴女に会いたいって言うの」 「私に?」 …さぁ、どうしよう。 私は放っておけなくて助けただけだし、回復に向かっているなら安心して元通りの他人同士になろうかと思っていたのに。 ハルカちゃんはホッケをはもはもしながら「行っておいでよ、にゃい」とニコニコ。 モモちゃんはお酒を煽りながら涙をぽろぽろ流していて、たぶん話なんか聞いてなかったでしょう。 10. 夜になって、カザンは昼よりもにぎわっていました。 その日の手柄を自慢し合う人達、遠くから初めてカザンにやって来て目を輝かせている新人冒険者…。 そんな人達でにぎわう大通りから外れて診療所の前までやって来ました。 お医者さんが扉を開けて、私を中へ促します。 中へ入ってみると、ベッドの上に昨夜の女の子がちょこんと座っていました。 私は笑顔で近づきます。 「こんばんは。もう起き上がって大丈夫なの?」 女の子はにっこりして頷きます。 それから「ありがとう」と言いました。 「どういたしまして。あんな大怪我して、一体何があったの?」 女の子は何も言いません。 言いたくないのを無理に言わせるのも可哀想です。 私は話題を変えました。 「あなた、お名前は?」 「…」 「お名前…」 「…」 …名乗ってくれません。 名前も教えてくれないなんて。 すると女の子はもぞもぞと言いました。 「…名前なんて無いの」 「名前が無いの…?」 「うん…」 さぁ、困った。 よほど複雑な事情の子を拾ってしまったようです。 「ずっとこんな感じなんですよ。名前も無いって言うし、どこから来たのかもわからないって…」 11. 「それで悪いんだけどね…しばらくこの子を預かってもらえないかしら?」 「えっ!?」 「貴女達のところなら安心だし、なによりこの子が貴女になついてるみたいだから」 いつの間にか女の子は私のスカートをつかんでいました。 ぎゅっと握りしめていて離してくれません。 「…仕方ないかぁ。これも何かの縁ね」 私はしばらく、この女の子を預かることにしました。 …さすがにこの子を連れて六花亭へ戻るわけにもいかないし、ギルドハウスへ帰ろうかしら。 するとそこへ、ちょうど日々の野外鍛練から戻ってきたみどりさんとすれ違いました。 「あ、みどりさん。おかえりなさい」 「ただいま…あれあれ、どうしたの? 可愛い子を連れて…」 12. 「にゃい、かりゆさん。この子にジュースとホッケね。にゃい」 …結局、この子が一緒に行きたいと言うので六花亭まで戻ってきてしまいました。 ハルカちゃんはずいぶん気に入ったらしく、さっきから女の子を離しません。 みんな、この子をしばらく預かることを快諾してくれました。 今日は帰ったらお布団用意しないとなぁ。 「ほらほら、ホッケばかりじゃ飽きるわよ。はい、エビフライ。美味しいよ」 かりゆさんが女の子の前にエビフライの皿を置きました。 ついでに一本つまんで去って行きます…。 「それにしても、この子は何て呼べば良いの?」 みどりさんが言います。 …確かに、名前が無いと不便です。 「にゃい。じゃあホッケちゃんにしよう。にゃい」 「モルさんになついてるんだからミニモルさんにしよう」 「え」 ハルカちゃんが出してた案を華麗にスルーして、みどりさんが勝手に決めてしまいました。 何だかミニモルだと恥ずかしいので、せめてミニモちゃんと呼ぶことにしました。 「にゃい。モモちゃん、遠慮してないでホッケどうぞ。にゃい」 「うう…もうホッケは飽きたよぅ…」 ハルカちゃんは今日もモモちゃんを潰す気です。 13. 深夜のギルドハウス。 今日はお酒をほどほどにしておいた私は、みどりさんと一緒にハルカちゃんとモモちゃんを運んできました。 「にゃい。まだのめるよ…にゃい」 「ダメ。自分で歩けないくらい酔ってるんだからダメ」 「にゃい。ホッケ…」 「うぅ…もうやだ…鬱…」 「姫もさっさと寝てくださいっ!」 私達は二人を寝かしつけ、ソファーに腰かけます。 ミニモちゃんは私の横にちょこんと座りました。 「あなたももう寝なきゃ」 「ううん、眠くない」 ミニモちゃんはにっこりと笑いました。 私とみどりさんは「やれやれ」と笑い合い、「眠くなったら、私のベッドに来なさい」と言っておきました。 「ところでモルさん。この子は昨日、すごい怪我してたんでしょう? こんなに連れ回して良かったの?」 「うん、私も最初はおとなしくさせようとしたんだけど…。お腹の傷が広がらないか、見てみたの。そうしたら…」 「そうしたら?」 「…お腹の傷が、綺麗に無くなっていたの。跡すら無くて、まるで最初から怪我なんかしていなかったように…」 もちろん驚きました。 きっとお医者さんも「この子はただの女の子じゃない…」と知り、私に預けたのかもしれません。 14. 朝。 私がもぞもぞと目を覚ますと、横にはミニモちゃんが寝ていました。 昨夜は私とみどりさんが寝ようとしてた時でも「眠くない」と言ってた起きていたので心配でしたが。 私がリビングへ行くと、あんなに酔い潰れていたハルカちゃんがピンピンしています。 剣の整備をしていました。 「にゃい。もっちゃん、おはよう。にゃい」 「おはよう…早いんだねぇ…」 「にゃい。今日からミロスへ出発だからね、武器も整えておかないと。にゃい」 私はいつものようにお茶を沸かして、フライパンに卵を落とします。 ずっと続いてきた、何も変わらない朝の光景は今日から数日間お別れです。 私達は昨日受けた依頼を片付けに、早速久しぶりの旅に出るんです。 「カザンから離れるのなんて、いつ以来だろうね」 「にゃ~に。さっさと用を済ませて帰ってきて、かりゆさんとこでお酒とホッケ。にゃい」 「ずいぶん余裕ねぇ」 そうしているうちにみどりさんが早朝訓練から帰り、モモちゃんも「行きたくない…手首切りたい…」と起きてきました。 行きたくない割にはしっかり荷物をまとめて準備万端なのが可愛いです。 「さぁて…ご飯だし、ミニモちゃんも起こさないと…」 15. 「むにゃむにゃ…」 ミニモちゃんを起こして来たのは良いんですが、かなり眠そうです。 だから早く寝なさい、って言ったのに。 「眠くなかったの…」 「眠くなくても寝なきゃダメよ」 みどりさんがミニモちゃんをわっしゃわっしゃと撫でて言います。 「お布団に入って羊さんを数えていれば自然と眠くなるわ」 「にゃい。羊かぁー…食べたいなぁ、にゃい」 「ちゃんと朝食は食べようね。目が覚めないわよ」 ここでミニモちゃんが目玉焼きをわし掴みにして、みどりさんに「ハルカラさんのマネしないで、フォークを使いなさい」と注意されています。 フォークを持たされるものの、手付きがぎこちない…。 そういえば昨日もエビフライやホッケを手づかみで食べてたなぁ…。 もしかしたらフォークとか使ったことがないのかもしれません。 「ミニモちゃん。私達、今日から数日間留守にするから、その間は自由にこの家を使ってね。帰ってきたらフォークの使い方を練習しましょう」 私は言いました。 するとミニモちゃんはふるふると頭を横に振ります。 「わ、わたしも一緒に行くよ…」 「ダメよ、危ないもん」 「でもー…」 …困ったなぁ、どうしよう。 16. 昼過ぎ。 私達はカザンとミロスをつなぐ橋を渡っていました。 「これなら夕方には到着するわね」 モモちゃんと手をつないだみどりさんが言いました。 モモちゃんはみどりさんから離れようとしません。 仲が良くて微笑ましいです。 「にゃい。もっちゃん、お昼だね。お腹空いたよ、にゃい」 「それじゃあ、お昼にしましょうか…」 ちょうど良い木陰を見つけ、そこにみんな腰を降ろします。 私はカバンからサンドイッチを出してみんなに配りました。 「にゃい。ホッケが良かったなぁ…にゃい」 「このホッケねこ!」 いつものようにワイワイしながら食べます。 私達を眺めながらミニモちゃんも「おいしい」とサンドイッチを食べていました。 …そう、結局は連れてきてしまいました。 「一緒に行きたい…」とスカートを離してくれなかったので。 「本当は心配だったんでしょ? 母性本能だわね」 「にゃい」 みどりさんやハルカちゃんがニマニマ微笑んでいます。 …まぁいいか。 日頃から何かと鬱なモモちゃんも、ミニモちゃんと一緒にいると和むようです。 「…ぅぅ、ミニモちゃんの前では手首切らないよ…」 それは良かった。 お昼を済ませ、すぐ出発しました。 久しぶりの遠出ということもあり、みんな少しはしゃいでいるようでした。 ミロスに到着し、宿を取ります。 みどりさんとモモちゃんで一部屋、私とハルカちゃんとミニモちゃんで一部屋を取りました。 その30分後、夕飯に行く約束をしといたので、私はみどりさんとモモちゃんを呼びに行きました。 「みどりさーん」 「ぅぅ、ミニモちゃんと一緒の部屋が良かったよぅ…ぅぅ…(さくさくさくさく)」 「姫っ……ぁあ…っ! ひめっ……ひめぇっっ! …んっ…んんぅっ(くちゅくちゅ)」 部屋を開けてみればモモちゃんがリストカット、みどりさんがそれを見ながら自慰にふけっていました。 私の後ろからそれを見たミニモちゃんは恥ずかしそうに目を伏せました。 すでに見慣れている私は二人に「ご飯に行くから早く準備して」と言って扉を閉めました。 素晴らしい騎士と姫の主従関係です。 …ただ、普段は真面目なみどりさんだけに、ミニモちゃんが受けた精神的ショックは意外と大きかったでしょうね。 そして夕飯を済ませた私達は、さすがに今日は飲み過ぎず、おとなしくベッドに入りました。
https://w.atwiki.jp/7d2020/pages/99.html
男性K:神谷浩史 ※以下ネタばれを含みます 男性K:神谷浩史 汎用台詞 サムライスキル トリックスタースキル デストロイヤースキル サイキックスキル ハッカースキル コメント欄 汎用台詞 上へ キャラクター登録時 「これからどうぞ、よろしくね」 勝利時 「時間も努力も有限なんだよ」「相手を選べ。これ、教訓ね」「よく頑張った方だと思うよ」 退却時 「どこかでまたね」 対ドラゴン戦 「上出来上出来、素晴らしいねぇ」「ホント君たちってムカつくよ…」 対帝竜戦 「君はここで退場だよ」「うーん、申し分ない結果だね」 イベント勝利時 「構って欲しいなら、他を当たりな」(首都高戦)「踊らされるのはうんざりなんだ」(人竜戦)「黒幕は黒幕らしく引っ込みな」(真竜戦)「なんて強さだよ、君は」(人類戦士戦) レベルアップ時 「ま、命を狩った結果だよ」「おいおい…調子付いちゃうだろう?」 パーティー加入 「喜んで」 室内 「どうしたの?」(通常)「イライラする」(悲)「嫌いじゃないよ」(喜)「どういう事かな?」(照) 料理 「仕方ないなぁ」→「勿論余裕さ」 スカイラウンジ 「わかってるんだよね」 サムライスキル 上へ 通常攻撃 「とりゃっ!」「せいっ!」 エグゾースト時 「はぁぁぁっ!」 旋風巻き 「引き受けた!」 金翅鳥王旋風 「一瞬で死になよ」 袈裟斬り 「痛いかい?」 力閂オロシ 「出番かな?」→「命を散らせ!」 トンボ斬り 「目障りだ」 影無し 「驚いた?」 収刀の紡ぎ 「奇策と行こうか」 崩し払い 「出番かな?」→「不調そうだね!」 モミジ討ち 「出番かな?」→「落ち着きなよ」 フブキ討ち 「出番かな?」→「おぉっと失礼!」 不動居 「気にせず続けて?」 風林重ね 「共闘もいいねぇ」→「刻むよ!」 十六手詰め 「出番かな?」→「ゲームは終わりだ」 抜刀の紡ぎ 「策を変えるよ」 修羅の貫付け 「挨拶代わりだ」 刃下のリアクト 「試してご覧よ」 練気手当 「油断したよ」 赤化の呼気 「今は攻め時だ」 黒鋼の呼気 「やられちゃたまらない」 丹田法の訓 「頑張ってみるかい?」 乱れ散々桜 「役目は終わりだ」「せいっ!」「とっとと盤上から降りなよ!」「はぁぁぁっ!」「はっ!」「ご苦労様でした」 トリックスタースキル 上へ 通常攻撃(短剣) 「行けっ!」「そりゃっ!」 通常攻撃(銃) 「やっ!」「はぁっ!」 エグゾースト時 「やぁぁっ!」 タランテラ 「吠えるなよ」 スコルピオ 「ほーら焦りな!」 ヴァンパイア 「頂戴よ」 フルムーンヴァンプ 「お相手しよう」→「悪趣味だよねぇ」 ベノムアンプリフ 「お相手しよう」→「わぁーひっどい」 アサシンアイズ 「狙いは君だよ」 ベノムフェティシュ 「おまけにどうぞ!」 ラッシュショット 「お相手しよう」→「一発も外さないよ!」 エイミングショット 「お相手しよう」→「逃げられるかな?」 ダンシングバレット 「やぁぁっ!」→「さぁ群がれ!」 ジャンプショット 「やぁぁっ!」→「性根が悪くてねぇ」 ハイディング 「本領発揮だ」 ブッシュトラップ 「お相手しよう」→「周りを見なよ」 チーターマン 「てっとり早くね」 アサシンズリアクト 「本気が見たい?」 エスケイプスタンス 「退くのも手だね」 トリックハンド 「使いようだよ」 サクリファイス 「最後のサービスだね」 狂咲きバッドヘヴン 「容赦しない」「あらゆる毒が君を苛む!」「上手い!」「死ぬも生きるも地獄だね」 デストロイヤースキル 上へ 通常攻撃 「せやっ!」「ていっ!」 エグゾースト 「うおおおおっ!」 正拳突き 「うおおおおっ!」→「うらっ!」 デストロイチャージ 「粉々になりな」 ジャブ 「砕け!」 ダブルフック 「始めよう」→「頭を冷やせ!」 スピネイジブロウ 「うおおおおっ!」→「弱腰だねぇ」 釣瓶マッハ 「ていっ!」「ていっ!」「ホラホラホラぁ!」 クインテッタ 「始めよう」→「仕方ない!」 ドリルクロウラー 「始めよう」→「つらいだろうねぇ!」 迎撃スタンス 「遊んであげるよ」→「ってい!」 迎撃スタンス・重式 「ほ~らおいで!」→「ってい!」 オトシ前上等! 「やってくれたねぇ!」 牙折る也 「お手柔らかに」→「おおっと!」 爪砕く也 「どう馴らそうか」→「おおっと!」 吹裂く也 「怖い怖い」→「おおっと!」 凶転ず也 「想定済みだよ」→「おおっと!」 怒りの重爆 「うおおぉ!」→「こんなとこかなッ!」 デストロイリアクト 「賭けてみようか?」 先制デストロイ 「胸が躍るよ」 瀕死のド根性 「痛い目見るよ」 パリングシールド 「死にたくないだろ?」 スカイハイメテオ 「ついてないね」「死に方さえも選べないんだ」「ふっ!」「うおおおおッ!」「さあ、諦めてうなだれな!」「粉砕!」 サイキックスキル 上へ 通常攻撃 「っとぇ!」「せっ!」 エグゾースト 「はぁぁぁ!」 フレイム 「ウェルダン!」 イフリートベーン 「はぁぁ!」→「おいしそうだね」 ヒートボディ 「僕は危険だよ」 フリーズ 「カチコチじゃないか」 アイシクルエデン 「はぁぁ!」→「髄まで凍れ!」 ゼロ℃ボディ 「ほら、来てみなよ!」 エレキ 「ショートしな!」 ボルトアヴェンジ 「はぁぁ!」→「命は無いよ」 プラズマジェイル 「空がお怒りだ!」 デコイミラー 「当ててみてよ」 半径50mの支配者 「手中に収まれ!」 マイクロバースト 「さあ行くよ」「なんてザマだい!」 マナフローター 「使ってこそだよ?」 コンセントレート 「良い、イイねぇ!」 キュア 「塞いでおくよ」 リカヴァ 「さあ行くよ」→「手酷くやられたね」 リザレクション 「さあ行くよ」→「それじゃ死ねないだろ?」 デッドマンズリアクト 「はぁぁ!」「全て想定済み」 魔力の湧水 「思いついたよ」「喜んでくれたかな?」 オートリカヴァ 「さあ行くよ」「こんなの一瞬」 黒のインヴェイジョン 「足元にご注意を」「フフフフ、フフハハハッハハハハ!」「引き裂け!」「失礼、上手くいきすぎた」 ハッカースキル 上へ 通常攻撃 「せっ!」「とぉっ!」 エグゾースト時 「はぁぁぁっ!」 アタックゲイン 「攻め落としてしまおう」 ディフェンスゲイン 「壊れたら元も子もない」 リジェネレーター 「まだ試合は続きそうだね」 119ナノマシン 「はぁぁぁっ!」→「起きないと後がヒドいよ」 Bデータイレイザー 「はぁぁぁっ!」→「おやまた厄介だねぇ」 ファイアブレイク 「苦しいのは遠慮しとくよ」 アイスブレイク 「ヒドい事しないでね」 Aスキルコーラー 「はぁぁぁっ!」→「さぁ掻き回してくれ!」 ハッキングワン 「駒になれ」 ハッキングゼム 「さあ、ゲームだ!」 マッドストライフ.x 「悪いのはキミだ」 スケイプゴート.x 「偉い子だねぇ」 ロストパワー.x 「身を任せて」 バッドインバリッド 「はぁぁぁっ!」→「さてどうする?」 スリープオール 「はぁぁぁっ!」→「ゆっくりお休み」 カースオール 「はぁぁぁっ!」→「可哀想にねぇ」 ハッキングリアクト 「はぁぁぁっ!」→「面白くなりそうだ」 リアクターチアー 「はぁぁぁっ!」→「努力とは美しいね」 クイックハック 「攫って行くよ」 サバゲーナレッジ 「はぁぁぁっ!」→「少しは気を抜きなよ」 禁断の秘技 「お披露目だっ!」「反則裏技隠しにバグ技!」「どうだい?」「そういうのは得意でねぇ」 コメント欄 人竜戦「踊らされるのはうんざりなんだ」/風林重ね後半「刻むよ!」/乱れ散々桜「役目は終わりだ」→「せいっ!」→「とっとと盤上から降りなよ!」→「はぁぁぁっ!」→「はっ!」→「ご苦労様でした」、だと思います。 -- 名無しさん (2011-12-28 21 34 54) ↑反映~報告感謝! -- 名無しさん (2011-12-28 23 06 16) ニャー様戦の勝利ボイスは、「黒幕は黒幕らしく、引っ込んでな」だった -- 名無しさん (2011-12-30 14 25 38) 爪砕く也は「どう慣らそうか」で、吹裂く也は「怖い怖い」だったな -- 名無しさん (2011-12-30 14 38 32) 怒りの重鎮は「うおおおおっ!」から「こんなとこかなっ!」 -- 名無しさん (2011-12-30 14 47 55) 凶転ず也は「想定済みだよ」 牙折る也は「お手柔らかに」 -- 名無しさん (2011-12-30 14 49 24) ↑ここまで反映。カウンター系のカウンター時のボイスも確認できたらお願いします。 -- 名無しさん (2011-12-30 16 41 58) 反映㌧クス!カウンター時は「おおっと!」で全部共通してたよ -- 名無しさん (2011-12-31 21 01 59) ↑反映~!後は迎撃の反撃時(2種共通)とサイキ通常もう一個で完成っぽい!報告ありがとう~ -- 名無しさん (2011-12-31 22 28 14) サイキ攻撃は確か「っはぁ!」だったよ 迎撃スタンスのカウンターボイスは「ってぃ!」のはず さっき聞いてきた -- 名無しさん (2012-01-02 15 00 35) 訂正 サイキック通常攻撃は「っはぁ!」じゃなくって「せっ!」だった -- 名無しさん (2012-01-02 15 03 43) 反映完了!コンプリート?かも! -- 名無しさん (2012-01-03 16 39 26) コンプおめでとう!!お疲れ様! あと、ニャー様勝利セリフは最終修正「黒幕は黒幕らしく引っ込みな」だったよ -- 名無しさん (2012-01-09 20 29 52) 修正したよーソフト貸しちゃってて報告頼りになっちゃってゴメン -- 名無しさん (2012-01-10 00 52 22) 修正ありがとう!そして完成おめでとう~! -- 名無しさん (2012-01-10 21 03 31) いつ聞いてもフレイムの言葉が「無礼な」に聞こえる… -- 名無しさん (2012-04-03 19 51 26) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/7d2020/pages/22.html
概要 スキル一覧 スキル詳細 コメント 概要 運動能力Sランク、武道で達人級の者から選抜される一撃にかけるヘヴィファイター 素のLIFE/ATK/DEFは5職の中でトップ。遅い・硬い・強いの3拍子揃った典型的な前衛クラスで攻撃役も壁役もこなせる。 SPDが低いので速攻には不向きだが、待ち戦法がそれ以上に強力。D深度付着からのコンボも強力。 D深度は通常攻撃を含めたデストロイヤーの全攻撃で付着可能性がある。 序盤~中盤にかけて迎撃スタンスが非常に安定する。逆にそれしかする事がなくて単調になるとも言える。 迎撃メインで運用するなら大前提としてデストロイヤーに敵の集中攻撃で落ちない耐久力が必要になる。 耐久力に不安がある場合はガードリング2個装備など、兎に角落ちないようにしっかり下準備を。 特定の攻撃にのみ反応する也系カウンターも行動パターンがある程度読める相手には非常に有効。威力もLv1の時点で迎撃スタンスLv5を上回る。 特定敵には也系使っているだけで完封出来てしまう事も… 特に吹裂く也はドラゴンの強烈なブレスをノーダメージで凌げるため強力。 デスト×3とかデストトリスタトリスタとか極端なPTにした方がカウンターは面白いかもしれない。 能動的にコンボ攻撃で攻めたい場合はD深度は敵にかかるものなので、デストロイヤーを2名用意すると深度の溜まりも格段に早い。 なおD深度が必要な技は発動時に深度が足りていれば良く、攻撃する前にその敵が倒されても他に敵が残っている場合はそちらにしっかり発動し不発にはならない。 素の確率は高くないが、コンボスキルでもD深度は追加される。Dチャージ及びリアクト使用済ならジャブ→正拳突き→ダブルフックorスピネイジブロウ→クインテッタと1ターンで繋げることも可能。 スキル一覧 スキル名 効果/最大LV 解禁条件 備考 LIFEボーナス 最大LIFEにボーナスを得る 5 初期 MANAボーナス 最大MANAにボーナスを得る 5 改修(ムラクモ本部) 正拳突き 【D深度1】敵単体に大ダメージ 5 初期 自動習得 デストロイチャージ D深度付着率100%(永続)+4ターンの間、攻撃力アップ 5 初期 ジャブ 敵単体に小ダメージ+D深度を必ず1段階付着 5 初期 ダブルフック 【D深度2】敵単体にダメージ+攻撃力をダウンさせる 5 改修(ムラクモ本部) スピネイジブロウ 【D深度2】敵単体にダメージ+防御力をダウンさせる 5 改修(ムラクモ本部) 釣瓶マッハ 敵単体に中ダメージ+D深度を必ず2段階付着 5 改修(ムラクモ本部Lv2) クインテッタ 【D深度3】敵単体に特大ダメージ 5 改修(ムラクモ本部Lv2) ドリルクロウラー 【D深度3】敵単体に特大ダメージ+LIFEを回復 5 改修(ムラクモ本部Lv3) 迎撃スタンス 最速で身構え、攻撃してきた敵に中ダメージカウンター 5 初期 迎撃スタンス・重式 最速で身構え、攻撃してきた敵に中ダメージカウンター 5 改修(ムラクモ本部Lv3) オトシ前上等! 【自動発動】そのターンにダメージを受けていたら反撃する 5 改修(ムラクモ本部Lv2) 牙折る也 牙攻撃を無効化して反撃、無効化失敗でもダメージ軽減 5 改修(ムラクモ本部) 爪砕く也 爪攻撃を無効化して反撃、無効化失敗でもダメージ軽減 5 改修(ムラクモ本部) 吹裂く也 ブレス攻撃を無効化して反撃、無効化失敗でもダメージ軽減 5 改修(ムラクモ本部) 凶転ず也 状態異常のみ一定確率で無効化して反撃する 5 改修(ムラクモ本部Lv2) 怒りの重爆 敵単体にダメージ、使用者のLIFEが低いほど大ダメージ 5 改修(ムラクモ本部Lv3) デストロイリアクト 4ターンの間、D深度付着のたび低確率で再行動が可能になる 5 改修(ムラクモ本部Lv2) 先制デストロイ 【自動発動】戦闘開始時、敵全体に攻撃+D深度を1段階付着 5 改修(ムラクモ本部Lv2) 瀕死のド根性 LIFEが0以下になると攻撃を受けても生き残る 5 改修(ムラクモ本部Lv2) パリングシールド 使用ターンの間、味方全体が受ける物理ダメージを軽減する 5 改修(ムラクモ本部) スカイハイメテオ 【EX専用奥義】敵全体に超絶大ダメージ+D深度最大効果 1 奥義イベント スキル詳細 LIFEボーナス 最大LIFEにボーナスを得る (※) 効果は小数点以下切上げ LEVEL 必要SP MANA 効果 備考 1 150 - LIFE*1.10 2 550 - LIFE*1.15 3 1500 - LIFE*1.20 4 3000 - LIFE*1.25 5 5500 - LIFE*1.30 他の職にも言えるが序盤で倍率系のスキルは元のLIFEが低いためあまり効果は無い。 Lv1でLIFEが10%伸びるので、とりあえず1だけ振っておき、終盤に伸ばすのが有効となる。 デストロイヤーの場合、迎撃メインで戦う場合はもちろんのこと、SPDの低さのせいで後手になりがちなのでLIFEの最大量を上げる事は他の職業より重要かもしれない。 MANAボーナス 最大MANAにボーナスを得る (※) 効果は小数点以下切上げ LEVEL 必要SP MANA 効果 備考 1 300 - MANA*1.10 2 750 - MANA*1.15 3 2000 - MANA*1.20 4 4000 - MANA*1.25 5 6000 - MANA*1.30 Lv1でMANAが10%伸びるので取得推奨だが、やっぱりそれ以上は序盤で無理に上げる意味は薄い。 特に迎撃スタンスメインだとMANAの減りは少ないので、尚更取得を急ぐ必要がない。 正拳突き 【D深度1】敵単体に大ダメージ LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 - 4 110 500 自動習得 2 130 攻撃力↑ 3 300 攻撃力↑ 4 550 攻撃力↑ 5 1200 攻撃倍率*3.0 デストロイヤーが最初から覚えているスキル。 これ単体では全く意味がなくデストロイ深度を1以上与えないと使用できない。 深度を与えれば非常に強力なスキル。 ジャブかデストロイチャージがない場合は通常攻撃以外に深度をつける方法がないのでこれを上げるよりも上記2つのどちらかを覚えることを優先したい。 先制デストロイが発動すれば1ターン目から発動可能。 デストロイチャージ D深度付着率100%(永続)+4ターンの間、攻撃力アップ LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 攻撃力 効果ターン数 備考 1 150 3 100 0 4 2 400 攻撃力↑ 3 1200 攻撃力↑ 5 4 2500 攻撃力↑ 5 4000 攻撃力×1.3 6 まずこれかジャブを1取るといい。D深度を確実に付着できる手段は欲しいところ。 カウンタースキルからリアクトを狙う場合、これを事前に使っておくと安定する。その場合は1でも十分。 ジャブ 敵単体に小ダメージ+D深度を必ず1段階付着 LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 150 2 120 200 2 250 攻撃力↑ 3 450 攻撃力↑ 4 700 攻撃力↑ 5 1000 攻撃倍率*2.0 最大強化で通常攻撃の2倍ダメージ 確定でD深度+1出来るのでD深度技を使うためにもLv1だけは取得しておくとなにかと便利。 D深度未付着時での低コスト攻撃としてレベルを上げておくのもアリ。雑魚戦での先制攻撃時などに気軽に使える。 リアクト中にはジャブを絡めてリアクト中最大行動コンボを狙える。リアクト→ジャブ×2→(釣瓶 or D2技絡めてステ下げ)→D3技など SPD補正が結構高め。デストロイヤーの遅さをかなり補ってくれる。 ダブルフック 【D深度2】敵単体にダメージ+攻撃力をダウンさせる LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 300 6 100 500 2 550 攻撃力↑ 攻撃ダウン↑ 3 1500 攻撃力↑ 攻撃ダウン↑ 4 3500 攻撃力↑↑ 攻撃ダウン↑ 5 5000 攻撃倍率*5.0 攻撃ダウン↑ ボスに有効。物理攻撃力だけでなく魔法攻撃力も下がる。 Lv5で被ダメージ0.85倍。 ただし持続が3ターンのためデバフ目的は高レベル推奨 しかし中盤に取るには必要SPが多いのが問題 雑魚戦では迎撃してると出番がない。 スピネイジブロウ 【D深度2】敵単体にダメージ+防御力をダウンさせる LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 300 6 100 500 2 550 攻撃力↑ 防御ダウン↑ 3 1500 攻撃力↑ 防御ダウン↑ 4 3500 攻撃力↑↑ 防御ダウン↑ 5 5000 攻撃倍率*5.0 防御ダウン↑ ボスへのダメージ底上げ用。 こちらも物理・魔法防御力の両方が下がる(Lv5で与ダメージ1.2倍) やっぱり持続が短いので以下同文。 雑魚戦の場合は迎撃でごっそり持っていくので出番がない 釣瓶マッハ 敵単体に中ダメージ+D深度を必ず2段階付着 LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 2000 4 100 300 2 2500 攻撃力↑ 3 4500 攻撃力↑ 4 5500 攻撃力↑ 5 6500 攻撃倍率*3.5 Lv1でも通常攻撃の約2.1倍、最大強化で3.5倍ダメージ ジャブの上位互換的な技で威力も大きく手間も省ける。 しかし当然ジャブより必要SPは多い。そこも考えた上でどちらに集中的に振るか考えたい。 ジャブと違ってSPD補正は無い。その辺でも使い分けるように。 リアクト回数を稼ぎたい時はD深度付着効果が高いのが逆にデメリットになる。 クインテッタ 【D深度3】敵単体に特大ダメージ LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 2500 8 100 300 2 3000 攻撃力↑↑ 3 5500 攻撃力↑↑ 4 8500 攻撃力↑↑ 5 9999 攻撃倍率*9.0 威力自体はドリルクロウラーより高い。とにかくダメージを稼ぎたいなら。 ドリルクロウラー 【D深度3】敵単体に特大ダメージ+LIFEを回復 LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 攻撃力 LF回復量 1 7500 12 100 350 10% 2 8000 攻撃力↑ 12% 3 8500 攻撃力↑ 15% 4 9000 攻撃力↑ 17% 5 9500 攻撃倍率*7.0 20% 回復効果がある分、クインテッタより消費MNが多め。 回復量はダメージに比例し、「Lv1で与えたダメージの1割ほど」なので硬い相手にはかなり効率が悪い。 燃費は悪いが、火力の上がる終盤ではちょっとした回復の代わりになる。 1だけでも取っておくといざという時に便利。 リアクトからの迎撃or也→コンボ→ドリルクロウラーで被ダメージ回復などの芸当もできる 迎撃スタンス 最速で身構え、攻撃してきた敵に中ダメージカウンター LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 75 0 最速 150 2 500 攻撃力↑狙われ率↑ 3 1000 攻撃力↑狙われ率↑ 4 1200 攻撃力↑狙われ率↑ 5 1500 攻撃倍率*2.5狙われ率↑ なにはともあれまずはこれのLv5を目指そう。 物理、魔法、ブレス全てに反撃可能。本人が行動不能状態でない限り、ダメージを与えない状態異常付与にも反応してカウンターする。 攻撃を受ける度に反撃し1ターンの反撃回数に制限は無い。 なお多段攻撃が何回HITしても反撃回数は1回である。 このため全体攻撃や多段攻撃を使ってこない相手にはこれだけで非常に安定する。 全体物理にはパリングシールドで対処。 サイキッカーの各種ボディと組み合わせることで更に火力が上がる。 この迎撃待ち戦法を取る場合は、デストロイヤーの武具を整えたりLIFEブーストを取得して最大LIFE等を底上げすると安定感が増す。ハッカーのディフェンスゲインも有効。 高レベル取得程デストロイヤーに攻撃が集中するため単体回復で事足りるというメリットがある一方、敵の攻撃力が高いとデストロイヤーがやられて戦術が崩壊することも。 この技のみ狙われ率上昇効果が明記されているため勘違いされがちだが、重式や~也等他のカウンター系スキルにも同様の効果あり。上昇率も同じ。 迎撃スタンス・重式 最速で身構え、攻撃してきた敵に大ダメージカウンター LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 3000 3 最速 150 2 3500 攻撃力↑ 3 4000 攻撃力↑ 4 4500 攻撃力↑ 5 5000 攻撃倍率*4.0 ダメージそのものは迎撃スタンスよりも高い。 迎撃スタンスLv5より重式Lv1の方が1ランク上のダメージをたたき出す。 一方で也系カウンターLv1が重式のLv3と同等のダメージで、重式Lv5は也系Lv2と同等。 だが、迎撃スタンスと違い消費MANAがあるため上位互換ではなく相互互換。 説明がないのでわかりづらいが、前述の通り迎撃スタンスと同等の狙われ率上昇効果がある。 オトシ前上等! 【自動発動】そのターンにダメージを受けていたら反撃する LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 1000 0 0 300 2 1500 攻撃力↑↑ 3 2000 攻撃力↑↑ 4 2500 攻撃力↑↑ 5 3000 攻撃倍率*4.0 そのターンでダメージを受けていた場合のみ、一定確率で追加攻撃を行えるスキル。 敵が攻撃を行っていない場合でも毒や出血でダメージを受けていれば発生する。 デストロイヤーに攻撃を行った相手がすでに倒されている場合でも別の敵を対象に発生する。 Lv1でも通常攻撃の2倍強の威力を誇るうえ、かなりの高確率でD深度+1を追加する。 ただし発動タイミングの関係かリアクトは発生しない。リアクトで一気に攻めたいなら取得は慎重に。 牙折る也 牙攻撃を無効化して反撃、無効化失敗でもダメージ軽減 LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 250 0 最速 500 2 550 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 3 1200 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 4 2500 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 5 5000 攻撃倍率*5.5 無効化・軽減率↑ 通常攻撃でもそれが牙を使う攻撃だった場合は対象になる 渋谷の強敵、ティラノザウラスが使う大牙などの大ダメージ技を無効化出来ればかなり大きい 也系に共通することだが、使用者への攻撃でも対応した攻撃でなければ反撃は発動しない。その分反撃時のダメージは非常に大きい。与ダメージはLv1で最高レベルの迎撃スタンスより上で、同レベルの重式より1ランク高い。 また前述通り狙われ率も表記は無いが上がっている。 しかし無効になるのは自分だけのためPTへのダメージまでは防げない。 どう見ても牙(爪)を使っている攻撃なのに反応しないということも時々ある。仕様または内部フラグの設定し忘れによるものと思われるので、潔く諦めて迎撃しよう。 爪砕く也 爪攻撃を無効化して反撃、無効化失敗でもダメージ軽減 LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 250 0 最速 500 2 550 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 3 1200 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 4 2500 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 5 5000 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 通常攻撃でもそれが爪を使う攻撃だった場合は対象になる。 他の性能は牙折る也と同じなので詳細はそちらを参照。 クエストでの難敵、METALぽんぽこは混乱対策をしたデストロイヤーがこのスキルのLv1を使っているだけで勝てることも。 吹裂く也 ブレス攻撃を無効化して反撃、無効化失敗でもダメージ軽減 LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 250 0 最速 500 2 550 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 3 1200 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 4 2500 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 5 5000 攻撃力↑↑ 無効化・軽減率↑ 使用感 特化以外のパーティで也系を上げるならこちらを。 ブレスは全体対象なので来るターンが分かっていれば確実に発動する。 ただし当然ながら自分以外は無効化できない。 次のターンから迎撃スタンスに戻る場合でも無効化or軽減の恩恵があり、回復がヒールエアロ一発で事足りるのが地味に助かる。 ブレスには状態異常付着効果のある事がほとんどなので、ついでにそちらも無効化できるのは大きい。 凶転ず也 状態異常のみ一定確率で無効化して反撃する LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 1500 0 最速 500 2 2500 攻撃力↑↑ 無効化率↑ 3 3500 攻撃力↑↑ 無効化率↑ 4 5000 攻撃力↑↑ 無効化率↑ 5 6500 攻撃力↑↑ 無効化率↑ 状態異常のオンパレードの四谷帝竜戦では時期的に覚えられないのが残念。 しかし渋谷帝竜戦では活躍できる。 状態異常効果付きの牙・爪・ブレス系特技は上記のスキルで無効化した場合特殊効果も無効。この特技は説明文通りダメージを無効化・軽減できない。 対策装備し忘れたときにはこちら、という使い分けも出来るが…… 怒りの重爆 敵単体にダメージ、使用者のLIFEが低いほど大ダメージ LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 5500 16 最遅 300 2 6500 攻撃力↑↑ 3 7500 攻撃力↑↑ 4 8500 攻撃力↑↑ 5 9500 攻撃力↑↑ 瀕死のド根性(Lv1止め)発動後にぶっぱできれば強力だが2回行動する相手に狙うのは難しいのが残念、浪漫溢れるスキル。 LV4以上+HP10%以下+エグゾーストでスカイハイメテオの威力を超える。 攻撃倍率はHPMAX~5割で5.5、5~3割で6.5、3~1割で7.5、1割以下で15.0。 HP全快でも与ダメージは釣瓶マッハより上。 一応SPD補正が最遅となっているが、もともと遅いデストロイヤーではあまり意味がない。 デストロイリアクト 4ターンの間、D深度付着の度に低確率で再行動が可能になる LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 500 0 100 2 1000 発生確率↑ 3 1500 発生確率↑ ターン数4→5 4 2000 発生確率↑ 5 2500 発生確率↑ Lv1では発動確率が50%しかないので。取得出来るようになったら一気にLv5まで上げる事をお勧め。 Lv5での発動確率は70%。かなり高いが肝心な時に発動してくれない事も…。 このスキルのおかげで奥義抜きで2ターンでD深度3→D3技まで持っていくことが出来るようになる。 発動タイミングの関係か、先制デストロイとオトシ前上等!ではリアクトが発生しない。この2つを取得する際はよく考えること。 D深度3になってしまうと深度付着判定がなくなってしまうため、リアクトが発生しなくなる点に注意。ターン経過で深度が消滅するまで再発生は望めなくなる。 先制デストロイ 【自動発動】戦闘開始時、敵全体に攻撃+D深度を1段階付着 LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 1000 0 ターン開始時 0 2 1500 攻撃力↑ 3 2000 攻撃力↑ 4 2500 攻撃力↑ 5 3000 攻撃倍率*1.5 一定確率で敵全体に先制攻撃をしてくれる自動発動スキル。 Lv1で通常攻撃の0.5倍ほどだが、Lvを上げるとザコ戦なら開始と同時にコレが発動するだけで終わってしまう事もある。 単純威力ではサムライの修羅の貫付けに劣る。あちらが異常というのは間違いないが、PTに同居させるなら隊列に気を配ること。 常に当てにできるわけではないが、ボス戦でも発動する事があるのでなかなか便利。 しかし低Lvで放置しているとリアクトで一気に攻めたいときに1行動分損することになりかねない。HP残量をトリガーに行動パターンを変えるドラゴン相手のときは特に注意。 瀕死のド根性 LIFEが0以下になる攻撃を受けても生き残る LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 1500 0 100 0 2 2000 復活LIFE↑ 3 2500 最速 最速行動 4 3000 復活LIFE↑ 5 5000 復活LIFE↑ 最速で自分に自動蘇生をかけておくスキル。 自動蘇生発動時は死亡扱いされない。補助スキルは消えず、敵のキリングリアクト発生もなく、カウンター使用中ならそのままカウンターまでしてしまう。 スキルレベルを上げて行くと、蘇生時のLIFE回復量が増加する。 Lv5でLIFE100を確認。 使用ターンだけではなくて、発動するまでは永続。迎撃死の保険に便利。 パリングシールド 使用ターンの間、味方全体が受ける物理ダメージを軽減する LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 300 2 最速 0 2 600 3 軽減率↑ MN2→3 3 1500 4 軽減率↑ MN3→4 4 2000 5 軽減率↑ MN4→5 5 3000 6 軽減率↑ MN5→6 使用感 物理攻撃なら他が防御しなくてもそれなりにダメージを下げてくれる(Lv5で被ダメージ0.65倍)。 ただし物理攻撃以外には無防備なので過信は禁物。 ハッカーのディフェンスゲインとの組み合わせが強力。物理に対しては鉄壁になれる。 也系と同じく、相手の行動を先読みして使っていくスキル。行動パターンの分からない相手だと使いどころが難しい。 スカイハイメテオ 【EX専用奥義】敵全体に超絶大ダメージ+D深度最大効果 LEVEL 必要SP MANA SPD補正 EXゲージ蓄積値 効果 備考 1 9500 24 最速 使用感 威力は全スキル中でも最大級(攻撃倍率19.5)。 全体攻撃なので、ドラゴンが複数出たときにも使っていける。 D深度最大付与もあるので、攻めを継続できて非常に強力。 コメント 最新の15件を表示しています。 コメントページを参照 也カウンターが議論になってるけど、そもそも説明書に狙われ率上げるって書いてあるから!レベルアップによる更なる上昇が無いだけだから! - 名無しさん 2011-12-06 14 00 44 レベルアップによる狙われ率の上昇もありますよ。要は迎撃スタンスと同じことです。 - 名無しさん 2012-12-28 01 29 18 迎撃スタンスとか一回も使わなかったわ・・・ - 名無しさん 2013-03-09 17 11 42 最近始めてデストロ一人いれてるけど迎スタしか使ってないわ - 名無しさん 2015-09-29 21 13 36 名前
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/62.html
「……んっ……はぁ……ふ…ぅ………んっ……」 ほのかに耳をくすぐる甘い声と、下半身を包む違和感で、俺は目を覚ました。 その違和感の正体は、不快な感覚ではなく、快感だった。 男なら誰もが経験する、あの朝の生理現象を、柔らかく、暖かな感触が包み込んでいる。 「あぁ……んっ………れろ………ふぅ……」 一定のリズムにそって、ゆっくりと下半身に刺激がこみ上げてくる。 たゆたっていた意識が少しずつ覚醒していく。 俺は、下半身に目をやり、その快感の正体を確かめた。 本当は見るまでもない。はじめからわかっている。 目に飛び込んでいたのは、小さな口で懸命に俺の肉体へ奉仕している少女の姿だった。 綺麗、というよりは可愛いという表現がぴったりだが、それでいてどこか陰りがあるようにも見える幼い顔つき。 美しくしなやかな緑髪からは、ルシェ族最大の特徴である、猫のような愛らしい耳がぴょこりと飛び出している。 俺の覚醒にまだ気づいていないのか、顔を前後して健気な奉仕を続けているその少女の名は―― 「アリエッタ……」 「あ…… 起きたんだね、おはよう……」 這わせていた舌を離し、こちらを見上げたアリエッタの顔は、ほんのりと上気していた。 「そのまま楽にしててね。もっと気持ちよくしてあげるから……」 アリエッタは、うっすらと微笑むと、俺の股間に再び顔を埋めてきた。 「んっ……」 その先端に軽くキスをする。 ちゅっという軽い破裂音が響き、ペニスが小さく跳ねた。 目を覚ますまで、既にどれぐらいの間彼女から奉仕を受けていたのだろうか。 俺のものは既に、丹念にアリエッタの唾液を受け、てらてらと光っていた。 そんな俺のペニスに、アリエッタは心底いとおしそうに頬擦りをくれる。 「つっ………」 ふにふにした柔らかな頬の感触の心地よさに思わず声を漏らしてしまった俺に もう一度にっこり笑って、アリエッタは舌による奉仕を再開した。 先端から根元まで、時間をかけてちろちろと舐め上げる。 そうしてる間にも、手で太股を、睾丸を、やわやわと撫でさするのも忘れない。 「く、ちゅ……んん………はぁ……あぁん………」 偶然なのか意図的なのか、ペニスにかかる暖かな吐息が、快感に拍車をかける。 いや―― 恐らくは、意図的なのだろう。 アリエッタの奉仕は、幼さを色濃く残したその容姿とは不釣合いに、あまりにも巧みだった。 今度は肉茎を唇で柔らかく挟み込み、ハーモニカを奏でるように左右に動かす。 (アリエッタ……お前は……) 体の奥底から搾り出されるような快感と共に込み上げてきた、言葉にならない思いが胸を締め付ける。 この奉仕の巧みさと引き換えに、この少女は多くの苦難を味わってきたのだということを、俺は知っているのだから―― ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 初めて彼女と会ったのは、もうどれぐらい前になるだろう。 たまたま訪れた温泉宿で働いていたルシェの少女、それがアリエッタだった。 初めて会った時は、声をかける時間すらも与えてくれず、すぐに俺の視界から姿を消してしまった。 随分可愛い容姿の子だな、そう思った程度だったが、その表情の奥底に憂いを帯びているように見えたのが妙に気にかかった それから俺はなんとなく、温泉を訪れては少女と話をするようになった。 幸いにも、初対面で嫌われてしまった、というわけではなく、 彼女は誰に対しても人見知りをする性質なだけのようだった。 初めはとまどっていたアリエッタだったが、やがて少しずつ、俺に心を開いてくれた。 驚いたことに、アリエッタは温泉宿の外の世界のことをまったく知らないようだった。 対して値も張らないささやかなアクセサリーのプレゼントも喜んでくれたし、 ほんの少しばかり脚色した冒険譚も目を輝かせて聞いてくれた。 「あなたみたいな人がご主人様になってくれたらいいのに……」 そう言われて、悪い気はしなかった。 ――そしてある日、いつものように俺と話をしていたアリエッタは唐突にぽろぽろと大粒の涙を流しはじめた。 「おい、どうしたんだ?」 「あなたと話してたら……なんだか凄く哀しくなっちゃって…… 私ね…… 本当は、凄く汚れちゃってるの」 途中で何度も嗚咽を漏らし、つっかえながら、語ってくれた。 この温泉で、裏ではどんなことが行われているのかということを。 ――反吐が出そうだった。 俺はなにも、自分のことを公明正大な人間だなんて思っちゃいない。 「必要悪」という言葉の意味だって理解してるつもりだ。 売春も大いに結構だと思ってる。 だがそれは、自分の意思でそれをやっている人間に限っての話だ。 他人を、ましてやまだ幼い少女を奴隷として束縛し、 性の捌け口にして利を貪るような行為だけは、俺は断じて認めたくはない。 だから俺は、その日のうちにアリエッタを連れて逃げ出した。 アリエッタを食い物にしていたあのクソジジイの顔面に一発お見舞い出来なかったことだけが唯一心残りだった。 俺は、アリエッタをひとまずカザンにある自宅(ギルドハウスだが)に住まわせることにした。 「ありがとう…… こんなことまでしてくれて…… 迷惑かけてしまってごめんなさい……」 「謝らなくていいさ。俺がしたくてしたことなんだからな。 とりあえず、しばらくはここでゆっくりするといい。先のことはこれから考えよう」 アリエッタは、ひどく申し訳なさそうな表情でこくりと頷いて、もう一度お礼の言葉を口にした。 だが、異変が起こったのはその数日後のことだった。 「ただいま。今帰ったよ、アリエッタ。 ………………アリエッタ?」 俺が出先から帰宅すると、すぐに玄関まで出迎えてくれていたアリエッタが、 その日に限っては姿を現さなかった。 ここに来て以来、今まで一度も外出していなかったのに、今日は買い物にでも行ったのだろうか。 不審に思った俺は、アリエッタにあてがった部屋のドアを開けた。 彼女は、ちゃんとそこにいた。 「なんだ、いたのか。出かけてるのかと思ったよ。 いるのなら返事ぐらいは………おい、アリエッタ!!! どうしたんだ!?」 そこで俺は異変に気づいた。 アリエッタの様子は、一目見てわかるほどにあきらかに異常だった。 シーツにくるまって、真っ青な顔でガタガタと震えている。 「う……うぅ……くる、しいよ…… 気持ち……わるいの……頭が……ヘンに…なっちゃい……そうなの……」 俺は、アリエッタにの額に手を当てる。 その額は、汗でぐっしょりと濡れていた。 体中の細かい震え、が否が応にも伝わってくる。 幸いにもというべきか、高熱を発しているというわけではないようだった。 だが、だからといって今のアリエッタの様子は、とても楽観出来る状態には見えない。 そういえば、一昨日ぐらいからどことなく体調が悪そうだったのは気になっていた。 「熱はないみたいだけど……どうしたんだ…… すぐに医者を呼んでくるから待ってろ!」 そう言って飛び出そうとした俺の腕を、アリエッタの手が弱々しく掴んだ。 「いっちゃ……だめ……原因ね、わかってるの……」 「??? なにか、持病でも持ってるのか? だったらなおさら医者に」 アリエッタは、力なく首を横に振った。 「あのね………」 言いかけて、黙り込んでしまった。 「どうしたんだ? 言ってみてくれよ」 「………、……せて……」 「え?」 「…い…き、……せて………」 「ごめん、よく聞こえない」 アリエッタは、長い沈黙の後に、意を決したように声をふりしぼった。 「せーえき、のませて……」 「………なんだって?」 今度は聞き取ることが出来た。 だが、理解できなかった。 今、精液と言ったのか? 飲ませてくれといったのか? 頭の中で疑問がぐるぐると回り続ける。 一体なんなんだ、この状況は。 「うん…………あのね……私がね……そういうことするのずっといやがってたから…… 前にね、変なクスリを飲まされたの………」 話が――見えない。 「変なクスリ? クソジジイにか?」 「………うん。あの変な真っ赤なお花から作れるクスリだって言われた。 これを飲むと……その……男の人のあれなしでは生きられない体になるんだって……」 そんな――バカな。 「うそだって……思ってた……でもね、違ったの…… 5日ぐらいすると、体中がヘンになったの……気が狂いになるの…… こらえ……られなかった! でも……精液を飲ませられた途端にうそみたいにおさまった…… それで、言われ、たの……これでもうお前は一生逃げられ、ないって……」 「なんだって……そんな、ことが………………… 嘘……だよな……… ………く……クソがぁぁぁぁ!」 俺は、感情の赴くまま壁を全力で殴りつけた。 どういう仕組みなのか知らないが、 連中、フロワロまでも悪用していたというのか? 人間を滅ぼすためにフロワロを散布したドラゴン。 それすらも悪用して己が利だけを貪ろうとするニンゲン。 ――屑なのは、どっちだ。 クソジジイの、物欲に凝り固まったにやけ面が脳内でフラッシュバックした。 一発殴っておくべきだった? 冗談じゃない。一発や二発で済む話じゃない。 あのクソジジイ、次にあったら二度と足腰が立たないぐらいに―― 「……ごめ、ん………ごめんね……… どうしても言えなかったの…… 今度こそがまん……出来ると思ったの……に…… こんなこといったら、嫌いに…………なっちゃうよ、ね……」 激昂のあまり目先さえ見えなくなっていた俺は、アリエッタの声でようやく我に帰った。 「違う、違うんだ! 俺はお前に怒ってなんかいない! 嫌いにもならない! 悪いのは全部……あのクソジジイだ……! ………おい、アリエッタ……アリエッタ!?」 アリエッタは、ふらふらと立ち上がった。 そしてそのまま、部屋を出て行こうとする。 「今まで……ありがとう…… 本当に嬉しかった……私、出て行くね……」 「バカいうな! その体で外に行けるわけないだろうが!」 手をひっぱるかわりにアリエッタの体をギュッと抱きしめた。 ほんの少し力を込めるだけで折れてしまいそうな華奢な体。 「どこにも行くなよ……こんな形で行かせるもんか……」 「うぅ………」 アリエッタが腕の中でしゃくりあげた。その肩がますます震える。 「行きたくない……私も……行きたくない……よ…… この数日……生まれて初めて……本当に幸せだった…… ここで毎日……あなたが帰ってくるのを迎えてあげたい……のに……けど……けど……!」 「アリエッタ……おい、アリエッタ……!」 アリエッタの膝から力ががくりと抜け、そのまま倒れこみそうになった。 どうやら、もはや立っていることもままならないらしい。 俺は、その細い体をベッドの上へと横たわらせる。 アリエッタの顔からは完全に血の気が引いている。 考えたくないことだが、もはや一刻の猶予もないのかもしれない。 これは、麻薬と同じようなものなのか? もしかすると、このまま我慢させ禁断症状を乗り越えさせれば、やがては依存が抜けていくのかもしれない。 だがそれは、なにもかもが不明瞭な今この状態で行うにはあまりにも危険な賭けに思えた。 「……アリエッタ。その薬を飲まされたのはいつぐらいか覚えてるか?」 「……一年……ぐらい、前……」俺の問いかけに帰ってくるのは、息も絶え絶えな、か細い声だ。 「薬自体は一度だけ? 「うん……」 「薬じゃなくてその……精液を飲んだあと、副作用みたいなことはいつもないのか?」 「………うん。ない、と……思…う……」 今はとりあえず、やむをえない、か―― 躊躇ってる暇はなかった。 「アリエッタ……俺のを飲むのとか、嫌じゃないのか?」 「うん……嫌じゃ、ない……」 アリエッタは今にも消え入りそうなこえで、しかしきっぱりと答えた。 「他の……人のなんて…………もう二度とイヤ……… でもあなたのなら……イヤじゃないの………」 「…………………」 「そうだよね、あなたのほうが……やだよね……… 急に、こんなこと言われても……」 「……嫌じゃないさ。全然、嫌じゃない。 アリエッタのためなら」 アリエッタのためなら? なに、「気は進まないけど仕方なく」みたいな言い方してんだ? お前は最初から、アリエッタのことを女として見ていたんじゃないのか? 胸の中で誇大化していく自己嫌悪を、無理やり押さえつける。 「嬉しい……ありがとう……」 「ああ。どうすれば、いいのかな……」 「脱いで……お口でさせて……お願い…… それぐらいなら、出来るから……」 衣服を脱ぎとり俺はペニスを露出させた。 こんな事態だから当然のことだが、その部位は力なく縮こまってしまっている。 「ごめん……口元まで……きてもらっても、いい……?」 アリエッタに言われるまま、俺はペニスを彼女の青ざめた唇にあてがった。 「ああ………んっ……」 うっすらとあいた唇から桃色の舌が覗き、俺のペニスにそっと触れた。 アリエッタの――舌が俺のものに―― 信じられないほどに易々と股間に大量の血が漲った。 「凄い……もう……こんなに……」 自己嫌悪が更に膨れ上がったが、一度いきり立ったペニスはその勢いを失わない。 むしろ、ますます強固に膨れ上がっていくようだ。 「ん……」 アリエッタの口がゆっくりと、大きく開かれる。 俺は、吸い込まれるようにその口中に剛棒をつき立てた。 そして、俺は結局―― アリエッタの弱々しいフェラチオでいともあっさりと果て、その口内に精液を吐き出した。 「ありがとう……もう大丈夫みたい」 疑っていたわけではないが、薬の話はやはり本当だったらしい。 俺の精液を嚥下したアリエッタの顔には少しずつ赤みが差し、 その数分後には体の震えもすっかりおさまったようだった。 そんな彼女の顔を、俺は自己嫌悪の念でまともに見ることが出来なかった。 「……なんていうべきなのかわからないけど……ひとまずは良かったかな」 言うべきか悩んだか、結局俺はもう一言付け加えた。 「……気持ちよかったよ」 「あ……」 アリエッタの頬に、これまでとはまた質の違う赤みが差す。 「……は、恥ずかしいな……そんなこと言われると……… ……………………… あのね……さっき言ったこと……嘘じゃないからね…… あなたのなら……イヤじゃない……ううん、本当はさせて欲しい……して、あげたいの……」 「……アリエッタ」 嬉しかった。 やっぱり俺はもう、アリエッタのことをこんなにも―― 「これからもお世話になるし、次からは…… せめてもっともっといろんなことして……たくさん気持ちよくさせてあげるからね。 私に出来ることはそれぐらいだから……」 そう言って微笑んだアリエッタのその笑顔が、無性に哀しかった。 俺は何も言わず、アリエッタの体をただ強く抱きしめた。 「残念ながら今のところ、加工されたフロワロの成分を 体内から完全に排出する手段は見つかっていないというのが現状なんだ。 禁断症状で死に至った例も……ある。 ただし……定期的に口腔から精液を摂取することですべての症状を抑えられるのは事実のようだ。 こんなことを言うのも気休めに過ぎないかもしれないが、そのことによる副作用も今のところ見つかっていない。」 それが、世界一医学が進んでいるというプレロマの医者の言葉だった。 どうやら、忌々しいことに、あの薬は裏社会を中心に少しずつ広まりつつあるらしく、 精液依存症となった患者を目にする機会も増えているらしかった。 流出元はやはりというべきか――温泉宿のあるあの地方のようだったが、現時点で正確に特定はなされていない。 だがあのクソジジイはいつか必ず、然るべき報いを与えてやる。せいぜい今は、目の前の金にせいぜい溺れているがいいさ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 俺が快楽を身を任せつつもぼんやりと回想に浸っている間に、 いつのまにかアリエッタは、ペニスへの奉仕を続けたままで、 器用にも上半身の衣服をはだけ、真っ白な素肌を露出させていた。 なめらかな肩と鎖骨のくぼみは、まだ幼い少女にも確かに女を感じさせた。 いまだ成長途上であろう控え目な乳房の中心の、 乳房のサイズに相応しく、控え目でつつましい桃色の乳首が目に眩しい。 アリエッタは、握ったペニスの先端を、その突起にすり合わせた。 「ん………気持ち、いい?」 「ああ……最高だよ、アリエッタ」 俺は手を伸ばし、アリエッタの耳に触れた。 「あっ……だめぇ……」 ルシェ族全体の特徴なのか、個人の嗜好なのかはわからないが、 アリエッタは耳を撫でられると、その快感に激しく反応した。 表面を優しく撫ぜてあげるだけで、乳首や下腹部を愛撫するとき以上に可愛い声で鳴くのだ。 「あっ……んっ、んっ……んんんぅぅぅっ……!」 アリエッタの体が、びくんびくんと跳ね上がった。 どうやら、乳首と耳に刺激を与えられただけで軽く達してしまったらしい。 「もう……今日は私がしてあげる番なのに……」 不満顔で膨れてみせるが、その様子まで愛らしい。 「いいだろ、別に。俺だって十分気持ちいいよ」 「もっともっと、気持ちよくなってくれなきゃだめなの…… あ……そうだ……」 アリエッタは、口中から出した大量の唾をペニスへと塗りたくった。 たちまちのうちに、肉棒がこれまで以上にぬるぬるになる。 「こういうのは……どう?」 言いながらアリエッタは右手をあげ、腋にペニスにあてがった。 腋毛の生えてないすべすべのそこに押しあてられ、擦り付けられる。 「なんだこれ……ああ……気持ちいいよ」 「ほんと? じゃあもっとよくしてあげるね」 アリエッタは腋を閉じ、体を前後に揺すり刺激を加え始めた。。 まだ女として成長しきっていないような少女の腋でペニス扱かれるのは、 性器に挿入するのと同等か、ある意味ではそれ以上の快楽だった。 「マジで凄いよ……これ、ほんとにヤバいかも……」 「私ね、あいつにはほんの少しだけ感謝してるの…… あなたに会えたし、無理やりにでも色んなこと覚えさせられたせいでこうやって悦んでもらえるから……」 「……冗談でもそんなこというなよ」 「ほんとだもん……あなたに会えただけで…… これまでの不幸が全部どこかにいっちゃったぐらい幸せなんだもの」 「……バカ」 話してる間にも、アリエッタの腋による奉仕は続いてた。 次第に早まるその動きに、絶頂の予感が込み上げてくる。 「ああ、もう……イきそうだ」 「うん、出して……! イっちゃうときは、私のお口に、いっぱいだしてね……!」 アリエッタは口を大きくあけて舌を出し、精液を受け止める体勢に入った。 「くっ………アリエッタ……出る……ッ!」 俺は腋からペニスを引き抜くと、眼前に突きつけた。 アリエッタの白く細い指が、爆発寸前の剛直を扱きあげる。 「………ッ!」 ペニスから白濁液が勢いよく発射された。 その大半がアリエッタの口中に流れ込み、収まりきれなかった分が溢れ出す。 アリエッタは、最後の一滴が出尽くすまで待ったのち、口を閉じてこくんと飲み込んだ。 「ああ……おいしい………」 トロンとした表情に、火照った肌。ゾッとするほどに可愛かった。 俺は自分の精液の味にも構わず、アリエッタと口付けを交わし、激しく舌を絡めあった。 「なあ、アリエッタ。今日はミロスの城下町に行かないか? その格好も可愛いけど、年頃の女の子なんだ。他の服も欲しいだろ? アクセサリーでもなんでも、好きなもの買ってやるよ」 「え、本当に?」 アリエッタの表情がパッと輝く。 だが、その表情はまたすぐに曇ってしまった。 「でも……やっぱり、行けないよ……」 「追っ手が怖いか?」 その問いかけに無言のまま、コクリと頷く。 「大丈夫さ。こんなところまで追っ手をよこすほどあの強欲ジジイもヒマじゃない。 あいつは、いなくなった女一人を手間かけて探すより、他の手段で稼ごうとするようなやつだ。 ……それに」 「……それに?」 俺はそこで言葉を溜め、アリエッタの頭に、ぽんと手を乗せた。 そのまま優しく、ふわふわの髪と、ついでに耳を撫でさする。 「あ……」 「それに……アリエッタ。 お前のことは、この先どんなことがあろうと、俺が絶対に守ってやる。 だから心配するな。信じられないか?」 「……ううん、行く!」 そう言ってようやく頬をほころばせたアリエッタの姿は、これまでに見たどんな姿よりも一番輝いて見えた。 今日はアリエッタとずっと一緒にいよう。 一緒にミロスまで行って、欲しいものを欲しいだけ買ってあげて、 これまで食べたことがないような美味しいものを、 泣きが入るぐらいまでいっぱい食べさせてあげよう。 ドラゴンを滅ぼす? 世界を救う? そんな大それたこと、考えちゃあいない。 今はただ―― 目の前のアリエッタを―― この、最愛の少女を――必ず、必ず幸せにしてみせる。 例えこの先どんなことがあろうとも。 それが今の俺に与えられた、最大のミッションだ。 なってやるよ、アリエッタの光に。兆しに。 (了)