約 2,512,745 件
https://w.atwiki.jp/7thdragon/pages/76.html
ちびキャラトーク(パターンD) ちびキャラトークのナイト2:グリオン/メイジ2:グラスト/ヒーラー1:ケビン/ヒーラー2:ジェリコのトーク詳細。 1日目 「おや、道にお迷いですか? 私の名前は○○ 私もカザンにやってきたばかりの身です お見知りおきを 」(♪) 2日目 「ここは活気があって素晴らしい街ですが 私のような者にはいささか刺激的すぎます 貴方は、この街が気に入られましたか? →YES そうですよね 活気的なところも時には楽しいものですからね 」(♪) →NO そうですか 私は存外気に入ったのですが残念です 」 3日目 「ここには 最新の書物がそろっていると、聞いております 私はそれを求めてやって参りました 書物は見聞を広げてくれます 旅をするのと同じくらいに 」(♪) 4日目 「私は幼き頃より 学問と修業に明け暮れてまいりました 知識を得て鍛錬をつめば 何事にも動じず静かな日々が送れることと… しかし、私が世俗から離れている間に 世の中は大きく変わってしまいました… 」(♪) 5日目 「おや、また道にお迷いですか? ちがう?これは大変失礼いたしました 貴方に再びお会いできてうれしく思います 少し大げさだと笑われましたね。 これだけの人々が行きかう街で 何度もお会いできるのは うれしいことと思いませんか? →YES 私もうれしいです! 旅立たれたまま 帰らぬ人も多いのですから… 再会できたことを感謝します 」(♪) →NO 少し残念です… 今日は求めていた書物が手に入り 浮かれすぎたのかもしれません 」 6日目 「先日手に入れたマナの書物を 読み解いているところです。 もう少し参考になる文献が 手元にあればとは思うのですが… 」(♪) 7日目 「やはりこの書物だけでは、 マナの真理にたどり着くことは 不可能なのかもしれません たぶん、世界最古の国アイゼンにいけば 求める文献が得られるやもしれませんが… 」(♪) 8日目 「私が何故に真理を求めるのか お尋ねなのでしょうか? …お話するにはもう少し お時間を頂いてもよろしいでしょうか。 」(♪) 9日目 「おや、貴方でしたか。 いつも私のような者にお声をかけて頂き うれしく思っています。 ここのところはアイゼンの文献を手に入れる方法を 模索しているところです。 」(♪) 10日目 「六剣亭の女将さんから ハントマンを雇ってみたら と薦められました。 ハントマンは、運び屋のような仕事も 請け負うものなのですね。 」(♪) 11日目 「ハントマンを雇うか 正直迷っています。 自分自身の精進のために 人様の力を頼っていいものか…と。 」(♪) 12日目 「今日はひとつお尋ねしてもよろしいでしょうか? 貴方は人様の力で目的を達すことが早道ならば 頼るべきだと思いますか? →YES そのような考えが、 普通なのでしょうね… 私は考え方が固いようです。 」 →NO 貴方もそう思いますか! やはり自分の目的は自身の力で、 達成すべきですよね! 」(♪) 13日目 「あっ! 書物に夢中になるあまり、 ぶつかってしまったようです。 アイゼンに向かう前にまずはカザンで 出来うる限りの知識を得ようと思いまして。 日夜なく過ごしております。 」(♪) 14日目 「…。 すみません… せっかくお声をかけていただいたのに… 今日は少し体調がすぐれないようです。 」(♪) 15日目 「少し体調が優れません… 自分で自分のコントロールはできる、 そう、自負していたのですが… それに、真理を追究するのが先決だと… 私の身に何が起ころうと 成果が上がればよいのです それが、真理を探究する者の努めです そう思いませんか? →YES すみません… 本日は、これ以上お話を続けるのは、 無理のようです… 」 →NO 無理をするなと仰せですか… 貴方が癒してくださるのですか? こういう時は、人様に頼ってもよいと… 」(♪) 16日目 「ああ、貴方でしたか! おかげさまで体調は戻りました。 本当にありがとうございます。 お助けいただいたことも もちろんなのですが… 」(♪) 17日目 「こんにちわ! もう、無茶なことはしていませんとも。 これ以上、貴方にご心配をお掛けしたくないのです。 …これは!? 馴れ馴れしい口利き、ご容赦ください! 」(♪) 18日目 「あぁ…まだ、笑っておられますね。 私も、最近はよく笑うようになったと 治療院の先生に言われました。 今まで難しい顔ばかりしていたようです。 」(♪) 19日目 「以前何故、マナの真理を求めるのか? とお尋ねでしたね。 お聞かせしてよろしいでしょうか。 私は学問に人生を捧げたちっぽけな身。 ですがこのような危機的な状況下で 何かできることはないかと考えたのです。 」(♪) 20日目 「私のような者にもできること… マナの真理を求めることによって より人の力を強力にできるのではないかと… そのために私が今まで積んだ学問や修業を 役に立てたいと思ったのです。 微力なことではありますが… 」(♪) 21日目 「この間は私の勝手な思い込みをお聞かせしてしまい 大変失礼いたしました。 貴方は…こんな固い話しか出来ない者といて 退屈ではありませんか? →YES そうですよね… どうやら、まだまだ修行が足りないようです。 」 →NO 私も貴方といると楽しいです。 私を癒し、導いてくれました。 今度は、私がご恩返しをしたく思ってます。 」(♪) 22日目 「貴方に、喜んでいただくにはどうしたらいいかを、 ずっと考えていました それは、貴方がずっと笑って過ごせる 世の中を取り戻すこと なのではないかと… 」(ハート) 23日目 「あの… いえ…なんでもありません。 」(ハート) 24日目 「やはり、MANAの真理を探究するために、 旅にでるべきだと決意しました。 この世界と貴方のためにも それで、もしよろしかったら明日… またここに来てくださいませんか? 貴方に差し上げたいモノがあるのです。 →YES ありがとうございます! 明日必ず来てくださいね。 待っておりますから! 」(ハート) →NO …残念です。 私のような者に割いていただく時間など ありはしませんよね。 」 25日目 「来てくださったのですね! 最後まで私のような者にお付き合いくださり、 本当にうれしいです! ご迷惑でなければ… これを受け取ってください 私の大事なモノ… 貴方への私の思いです… (パスワード表示) メモ、してくださいましたか? →YES(ハート) ありがとうございます… 私は決して貴方のことを忘れません。 旅の中で貴方のことを思い出すことでしょう 会えないと…辛く思うかもしれません。 ですが… またお会いできるよう願っております。 貴方も、お元気で! 」 →NO パスワード表示画面に戻る
https://w.atwiki.jp/7thd/pages/28.html
スキル一覧 フレイムマスタリ系 フレイム 敵単体に炎属性ダメージ 火炎を発生させ敵を燃やす攻撃スキル ヴォルケイノ 敵全体に炎属性ダメージ 溶岩爆発を発生させる攻撃スキル フレイムヴェイル 対象に攻撃した敵に炎属性ダメージ 味方に炎の鎧を与え触れた敵に反撃する 煉獄の創造 敵全体に炎属性の特大ダメージ コロナを発生させる攻撃禁術スキル アイスマスタリ系 フリーズ 敵単体に氷属性ダメージ 氷塊を発生させ敵を凍らせる攻撃スキル ブリザード 敵全体に氷属性ダメージ 強烈な吹雪を発生させる攻撃スキル フリーズヴェイル 対象に攻撃した敵に氷属性ダメージ 味方に氷の鎧を与え触れた敵に反撃する 絶零の創造 敵全体に氷属性の特大ダメージ 絶対零度を発生させる攻撃禁術スキル ショックマスタリ系 ショック 敵単体に雷属性ダメージ 雷を発生させ敵を感電させる攻撃スキル ボルトストーム 敵全体に雷属性ダメージ 電?嵐を発生させる攻撃スキル ショックヴェイル 対象に攻撃した敵に雷属性ダメージ 味方に雷の鎧を与え触れた敵に反撃する 神鳴の創造 敵全体に雷属性の特大ダメージ 無数の天雷を発生させる攻撃禁術スキル その他系 マナバレット 敵単体に無属性ダメージ マナの塊で敵を狙撃する攻撃スキル ヘヴンズプレス 敵全体に無属性ダメージ マナの?を爆発させる攻撃スキル ヒーリングマナ 自分のMANAを小回復 しばし瞑想し精神力を回復するスキル メイジズコンセント 次に使う魔法ダメージが3倍になる 長時間かけて大威力の魔法を駆動する シールドクラフト 自分への一定ダメージを無効化する 己に圧縮空気の盾を作り敵の攻撃を防ぐ
https://w.atwiki.jp/7thdragon/pages/142.html
戻る 占い師に必要なもの 巡り巡って庭師の鋏 草原に咲く幻の花 「あの商品」を求めて 探せ! 抜け道調査隊! 一流料理人への第一歩 究極の選択? 妖精の羽を集めて! 大きなどんぐりを集めて! 占い師に必要なもの 民家3 {お客の女性} これが当たってなかったら怒るから! {占い師フォン} ………… {占い師フォン} あなたも当たらない占いを聞きに来たのですか? 占いを聞きにきましたか?→はい {占い師フォン} …当たらないとわかっていてなぜ私の所へ来るのでしょうか? …すみません今日はもう終わりなんです 占いを聞きにきましたか?→いいえ {占い師フォン} そうですよね当たらない占いを聞いても仕方ないですもんね {占い師フォン} あぁ、アレがあれば私だって… {占い師フォン} …すみません今日はもう終わりなんです あぁ、アレがあれば私だって… {占い師フォン} ハントマンの方ですか来て下さってありがとうございます 持ってきてほしいものは月の水晶です それがあれば占いの的中率が120%!…らしいのです どうしてもそれが必要なんです! ミロスのどこかにあるらしいので探して持ってきてくださいよろしくお願いします {占い師フォン} 月の水晶、持ってきてくれましたか? 持ってきましたか?→はい (*1)(*2) {占い師フォン} 本当ですか!どれが月の水晶です!? 月の水晶を渡しますか?→はい 『月の水晶?』を手渡した! {占い師フォン} あぁ!ありがとうございま…す…? これが月の水晶ですか?ずいぶんと汚れてますね…磨けばきれいになるかな? …ともかくありがとうございますこれで私の占いは的中率120%です! {占い師フォン} ありがとうございましたこれで私の占いは的中率120%です! お礼はクエストオフィスにあずけてありますよ 月の水晶を渡しますか?→いいえ {占い師フォン} どうして渡してくれないんですか? …え? 偽物かもしれない?それは困りましたね… …あぁ、私はこれから何を頼りにしたら良いのか… これまでどおりやっていくしかないのかしら… {占い師フォン} 本物の月の水晶がないなんて…私はこれからどうすれば… 結果はともかく調べてくださってありがとうございました お礼はクエストオフィスにあずけてありますよ… {占い師フォン} どこにお持ちなんです?ちゃんと探して持ってきてください 持ってきましたか?→いいえ {占い師フォン} 月の水晶ですよちゃんと探して持ってきてください ん? それとも何か私に言いたいことでもあるのですか? 話したいことがありますか?→はい (*3) {占い師フォン} …占いに必要なものは水晶ではなく話術かもしれない?それはどういうことですか? うんうん…ふむふむ…なるほど…… 本当にそれでうまくいくでしょうか? でも、その話を信じかけている私がいる… よし、話術を磨いてみることにします {占い師フォン} ありがとうございましたこれから話術を磨いてみることにします お礼はクエストオフィスにあずけてありますよ {占い師フォン} …世間話は良いですよ月の水晶、ちゃんと探して持ってきてくださいね 話したいことがありますか?→いいえ {占い師フォン} 月の水晶、おねがいしますね 城下町 {ダリア道具店} 月の水晶、ですか?…申し訳ありませんが取り扱っておりません 商売柄、道具には詳しくなりますが…うーん… {ダリア道具店} 月の水晶…月の水晶…んー…聞いたことがない…ような…ある…ような… {ダリア道具店} …やっぱり思い出せませんそこの倉庫の中を探し頂いてもしもあったらお持ちください その他の商品でしたらこちらにこざいますよ {ませた少年} 占いってさー、たぶん、ちょっと自分の悩みを聞いてもらいたいだけなんだと思うよ {たたずむおじさん} よく当たるモノがミロスのどこかにあるらしいぞそれが何なのかは知らないけど 弓? くじ?食中毒だったりして! {的外れな男性} 月の巣、衣装?なんだいそれは? え? 売らない?そんな変なの、頼まれても買わないよ! 安眠センター {ディエス} 月の水晶?占いの的中率が120%になる?…似たような話なら知ってるぞ なんでも「うそつきの水晶」っていうのがあって、それの占い外れ率は120%だとか しかも、それがミロスに流れ着いたとかっていう話本当かどうかは知らないけどな 民家3 {悩める母親} 占いについて? そうねぇ…当たると思っていた占いが当たらなかったり 当たらないと思っていた占いが当たったり… 悪いことばっかり当たると思ってたけど、よく考えると良いこと当たってるし つまり占いって聞いた本人の受け止め方しだいってことかしら? 騎士詰め所 {口の回る騎士} 俺に言わせれば、人を信じさせるのに必要なのは話術なんだ 言い方しだいで、どんなことでもそれが真実になる…つまりはそういうことさ {悩む騎士} いつもこいつの言うことには納得してしまう… あとで考えれば理不尽な感じもするんだけど… 庭園 {物知りおばさん} 月の水晶かい? そうだねぇ…町の人の話を聞くと場所がわかるんじゃないかい? あるいは新しい解決法も見つかるかもしれないねぇ… {迷っている男} 月の水晶? 聞いたことないなぁそういうのなら道具屋に置いてるんじゃないのかい 倉庫 (*4) 薄汚れた球体がある 持っていきますか?→はい 『月の水晶?』を手に入れた! 巡り巡って庭師の鋏 庭園 {迷路庭園の庭師} 困った…切った枝葉と共に捨ててしまったんだろうか… ああ、ハサミがなければこの迷路庭園の手入れなど到底ままならない… どうしたものか… {迷路庭園の庭師} ああ、あなた方が私の依頼を受けてくださったんですねありがとうございます 私はこの迷路庭園を手入れしている庭師です しかし、先日、うっかり手入れ用のハサミをなくしてしまい、大変困っているのです そこで、あなた方には代わりとなるハサミを探してきて欲しいのです …とはいえ、今は丁度道具屋でもハサミをきらしているとのこと 町の住民でハサミを持っている人はいそうですが、果たして渡してくれるかどうか… …とりあえず、お役に立てるか分かりませんが、余っているジョウロをお渡しします 売ってもお金にはなりませんが園芸をしている人ならばほしがる品でしょう これを元手にして、どうにかハサミを手に入れてください…頼みますよ! 『ジョウロ』をもらった! {迷路庭園の庭師} どうです?ハサミは見つかりましたか?…そう、まだですか… きっとこの町の中にハサミを持っている人がいるはずです あのジョウロは園芸をしている人には重宝される品です そこからどうにかハサミに行き着くといいのですが…頼みますよ! {物知りおばさん} ハサミをゆずってくれそうな人を探している?そうだねぇ… 兵士の詰め所には、いろいろな道具がそろっていると聞くよ何かと交換してもらえるかもね 城下町 {お花好きの少女} うーん…お花さん、元気がないなぁ… お水あげたら元気になるかな?でも、どうやってお水をあげよう… あっ、それ、ジョウロ! ねぇねぇ、そのジョウロ私にちょうだい!お花さんにお水をあげるの ジョウロを譲りますか?→はい {お花好きの少女} わーい、ありがとう!これでお花さんにお水をあげられるの お礼に、このお花さんの種をわけてあげるね! とっても綺麗だから旅人さんにも大人気のお花なんだよ♪ 「ジョウロ」を渡して「花の種」を手に入れた! {お花好きの少女} お花にーお水をーあげましょう♪きれいにーげんきにーなりますようにー♪ このお花はミロスの特産品なの!旅人さんに人気なのよ ジョウロを譲りますか?→いいえ {お花好きの少女} …うぅ…けちー! 安眠センター 2階 {旅するルシェ} ん、お前達は旅人か?私も、西の大陸からここまで旅をしてきたんだ …ここは温暖で美しい国だ同郷の仲間に、何か土産をもって帰りたいのだが… やはり美しい花がいいだろうかしかし、生花をもって海を越えるのは… (*5) ん、お前達は旅人か?私も、西の大陸からここまで旅をしてきたんだ …ここは温暖で美しい国だ同郷の仲間に、何か土産をもって帰りたいのだが… やはり美しい花がいいだろうかしかし、生花をもって海を越えるのは… おや…お前が持っているのは花の種ではないか …よければ、それを私にゆずってはくれないか? 花の種を譲りますか?→はい {旅するルシェ} ああ、ありがたいできるかわからんがこれを故郷で育ててみよう お礼と言ってはなんだが私が旅の途中で手に入れたこのハーブをあげよう 料理に使うといい香りが出るらしい是非使ってみてくれ 「花の種」を渡して「ハーブ」を手に入れた! {旅するルシェ} もらった種は故郷で育ててみることにするうまく咲くといいが… あのハーブは料理に使うといいと商人は言っていたぞ 花の種を譲りますか?→いいえ {旅するルシェ} …そうか急な話ですまなかったな何か別のものを探すとするよ 民家1 {料理研究家の女性} うーん…何かが足りないわ…後もう少しで完璧になる気がするのに…! ああ、どこかに私の新作料理をパーーーフェクトにしてくれる素敵な食材はないかしら! (*6) {料理研究家の女性} うーん…何かが足りないわ…後もう少しで完璧になる気がするのに…! ああ、どこかに私の新作料理をパーーーフェクトにしてくれる素敵な食材はないかしら! あ、貴方…!貴方が持っているハーブは何!?ちょっと見せて頂戴! …くんくん…ああ、いい香り…そうよ、これだわ私が求めていたのはこれ! ねぇ、このハーブ私に譲って頂けないかしら?お願い! ハーブを譲りますか?→はい {料理研究家の女性} ああ、ありがとう!これで私の新作料理もよりパーーーフェクトに!!>お礼に、さっき焼いたクッキーをあげるわこれも自信作なのよ 「ハーブ」を渡して「クッキー」を手に入れた! {料理研究家の女性} 素晴らしい、素晴らしいわ!これぞ私の求めていた香り!これで新作料理は完成よ! あのクッキーも私の自信作!お腹がすいているひとなんてイチコロにできるわよ! ハーブを譲りますか?→いいえ {料理研究家の女性} どうしても駄目かしら…?気が変わったらいつもで声をかけて! 騎士詰め所 {騎士見習いの青年} うぅ…腹が…腹が減りました…何か、食べるものを… (*7) {騎士見習いの青年} うぅ…腹が…腹が減りました…何か、食べるものを… こ、この匂いは!なんて香ばしいいい匂いでしょう!何か持っていますね!? それは…クッキー!!ああ、たまらない…お願いです、それを下さい! クッキーを譲りますか?→はい {騎士見習いの青年} おおお…クッキー!なんて甘く香ばしい匂い!空っぽの腹に染み入るようです 今の僕にとって、このクッキーはどんな金貨よりも価値がある何かお礼をしたいのですが… え、ハサミ?ああ、それなら持っていますよこんなのでよければどうぞ 「クッキー」を渡して「ハサミ」を手に入れた! {騎士見習いの青年} あのクッキー…一生忘れられない味です…思い出すだけで…ああ! クッキーを譲りますか?→いいえ {騎士見習いの青年} …そんな!それはもう、世界の終わりです!ああ…クッキー… 庭園 {迷路庭園の庭師} おお、それは!ハサミを持ってきて下さったんですね! 『ハサミ』を手渡した! {迷路庭園の庭師} ああ…本当にありがとうございますこれでまた仕事が出来る ささやかですがお礼をクエストオフィスに預けておきました あなた方のためにもこの庭園を、いつまでも美しく手入れしていこうと思います 草原に咲く幻の花 城下町 {考え込む女性} ………… あぁ…やはりここにあるような花じゃ、あれほどの感動は起きないわね… どこかにあの花を取ってきてくれる人はいないかしら? {考え込む女性} あなたが花を取ってきてくださる方?待っていたのよ …依頼した花は、街の外で偶然にみかけたものなの 道に迷ったときに、あの花が1輪暗闇の中で真っ白に咲いていたわ その花のおかげで再び歩き出す元気が出てきたの 物知りおばさんにその花のことを聞いてみたら、限られた時期にしか咲かない幻の花らしいの なんとかそれを見つけて持ってきてくれないかしら? ミロスのみんなにも見てもらって多くの人に感動してほしいのよろしくお願いね {考え込む女性} その花の場所?実は覚えていないの… あ、でも、花のことを教えてくれた物知りおばさんなら知ってるかも だいたいいつも噴水の所にいらっしゃるわ 庭園 {物知りおばさん} 私が物知りおばさんかって? ちまたではそう呼ばれてるかもしれんが、何でも知ってるわけじゃないよ 幻の花?…そうだねぇ… その花はミロス地方でしか咲かない希少な種で、存在は確認されているが詳細は不明 花を咲かせることも珍しく劣悪な環境に耐え丈夫に育ったものが 最高の条件を満たした時にしか咲かないらしいミロス南方での目撃情報が多い …って、ところじゃないかねぇ 具体的な場所までは知らないよ商人か旅人か、そういう人なら知ってるかもねぇ {物知りおばさん} あれは希少な花だよたまにミロスの南方で目撃されることがあるらしい 具体的な場所までは知らないよ商人か旅人か、そういう人なら知ってるかもねぇ 安眠センター 2階 {さすらう商人} 幻の花? さっき見たわよ? 本当だって! 商売柄、珍しい物は調査するし、自分の目で確認しないと気がすまないからね 場所を教えてほしい?じゃあ100Gね そりゃあ、お金を払っていただくわよ私、商人だもの お金を払いますか?→はい 100G支払った! {さすらう商人} 毎度あり~幻の花を見つけるには、まずミロスの街から出て 南西にある看板を探すのそこから南に20歩行ったところに咲いていたわ 今から行けば、咲いているのを見られるかもしれないわね お金を払いますか?→いいえ {さすらう商人} そ、自分で探すのねまぁ、気が変わったらいつでも言いにきて {さすらう商人} …ひとつ断っておくけどあの花はつんではダメよ 商人であるこの私が、希少価値のあるものを入手しなかったんだから…わかるでしょ? ミロスエリア 真っ白な花が咲いているつみとりますか?---- つみとりますか?→はい 花の香りに吸い寄せられてどこからかモンスターが現れた! 更にモンスターが集まってきた! モンスターを完全に追い払った! 本当に花をつみとりますか?→はい 『幻の花』を手に入れた! 本当に花をつみとりますか?→いいえ つみとりますか?→いいえ 真っ白な花はとても綺麗だ ミロス連邦国 {考え込む女性} それが幻の花…? 本当に?…私があの時に見た輝きが全然ないわ 『幻の花』を手渡した! {考え込む女性} 本当にこれが幻の花なのね?……そう あの場所で1輪、可憐に咲いていたからこその美しさだったのかしら… …報酬はクエストオフィスで受け取ってください {考え込む女性} これが、あの幻の花……報酬はクエストオフィスで受け取ってください (*8) {考え込む女性} 幻の花はどうしたんですか?見つけたけど持ってこなかった? どうしてです?…あの場に存在しているからこその美しさ? 私にはよくわかりませんあの場にあっても感動できる人は少ないのです それよりもみんなに知ってもらった方が価値が出ると思いませんか? 幻のままじゃ、なんの役にも立ちませんもの… …とりあえず、依頼は完了していただいて結構です…どうぞ、報告に行ってください あなたがたの言いたいことは私にはわかりません少し、考えてみます… …依頼は完了して頂いて結構ですクエストオフィスで報酬を受け取ってください 「あの商品」を求めて 騎士詰め所 {騎士見習い青年} ああ、アレがほしい…!だけど、あんなもの堂々と頼めないし… オフィスに依頼を出してどこかのギルドにこっそりお願いしよう… {騎士見習いの青年} オフィスに依頼してどこかのギルドがそれを…完璧…完璧な計画… {騎士見習いの青年} …もしかして、みなさんが依頼をうけてくれたでありますか!? よりにもよってこんな有名なギルドに…!は、は、はずかしい…… きょ、恐縮であります!よろしくお願いいたします! えっと…今回の依頼はとある品を買ってきてほしいという依頼です え? 何がほしいのか?そ、それは…買ってからのお楽しみです! その商品を扱っている商人はカザンより南の孤島にあるゴロランの館に来るそうです しかし、その商人はいつでも館にいるわけではなく気まぐれで現れるとか… 特別な交渉術を身に着けた人にしか「あの商品」を売らないという噂もありますし 少々ご面倒をおかけするかもしれません… ですがどうか、ここを抜け出せない自分に代わってアレを買ってきてください! {騎士見習いの青年} あの商品を扱っている商人はカザンより南の孤島にあるゴロランの館に来るそうです しかし、その商人はいつでも館にいるわけではなく気まぐれで現れるとか… 特別な交渉術を身に着けた人にしか「あの商品」を売らないという噂もありますし 少々ご面倒をおかけするかもしれません… 探せ! 抜け道調査隊! 城下町 {調査隊の女性} うぅ…私、地図を読むの自体苦手なのに抜け道調査なんてできないよ! どうして単独行動になっちゃたかなぁ…だーれかー! ヘルプミー! {調査隊の女性} 私ひとりで抜け道調査なんて絶対できっこないって…だーれかー! ヘルプミー! ああ、あなたが助っ人さんね!よろしくおねがいしますー! …私ね、「抜け道調査隊」ってギルドに所属してるの 世界各地にあるダンジョン…それらの抜け道を調査するのが私たちの仕事なのよ 抜け道っていうのはねながーい道程をショートカットし一気に入り口まで戻る道のことよ でも今回は、いつも私と一緒に調査をしている人が体調をくずしちゃって… 私ひとりじゃ迷子は必須だし敵なんて出たときにはひとたまりもないわ だから、優秀なハントマンに調査を肩代わりしてもらいたいってことなの …で、今回の調査対象はロラッカ森林の中部よ 森林のどこかに抜け道があるはずだから、ひたすら調べまくって発見してね! 抜け道はパッと見じゃわからないわとにかく調べまくるの! 抜け道から風が漏れていることがあるからそれをヒントに探すといいわよ じゃあ、地道な作業だけど頑張ってちょうだいねー! {調査隊の女性} あ、もしかして抜け道を見つけてきたの!?すごーい! あんな地道な作業よく頑張ったね!って、私が言うのも変か… …うん、おかげさまで今回の調査を終了することができるわ そうそう、抜け道はロラッカ森林だけじゃなくていろんな場所に存在するから 怪しそうなところはどんどんしらべてみるといいわ お礼はオフィスに預けたからねじゃ、私、次の場所に行くからね♪どうもありがとう! 一流料理人への第一歩 民家1 {料理研究家の女性} あぁ、伝授したい伝授したい伝授したい伝授したい!! {料理研究家の女性} 誰でもいいから私の料理を伝授されなさーい!! {料理研究家の女性} あなたの家に弟子を行かせたからその子から習いなさい 私は新しいメニューの研究に忙しいの カザン共和国(ギルドハウス) {料理研究家の弟子} すみません勝手にお邪魔しちゃいました 料理研究家特製料理を伝授しに来たものです さっそく伝授します…と言いたいのですが材料がちょっと足りませんね 今から言う素材を持ってきてください つややかゼリーと伸縮する触手と貴重な角です 究極の選択? 庭園 {闇の商人} オレがオマエに問う?オマエは何派だ!? 犬か? 猫か?さぁ、答えてみろ {闇の商人} ぶはははははは!さぁ、答えは出たか? {闇の商人} オマエに問おう 犬派のオマエならばするどい牙を3つ持ってこい 猫派のオマエならばするどい爪を3つだ さぁ、時間がないぞ次までにオマエの答えを証明するものを持ってこい べつに時間制限があるわけではございません {闇の商人} おお、ようやく答えを出したかさぁ答えを聞こう オマエは犬派か? 犬派ですか?→はい {闇の商人} 犬派のオマエなら当然するどい牙を3つを持ってきたよな? 『するどい牙』を手渡した! {闇の商人} おお、本当に犬派か!あの誠実なところがオレも大好きだ そんなオマエには犬をやろう カザンにあるオマエらのギルドハウスに届けておいたぞ受け取るがいい (*9) {闇の商人} なんだ?口先だけではないか! 犬派ならばするどい牙を3つ持ってこい 犬派ですか?→いいえ {闇の商人} ならば、猫派か? やっぱり猫が好き?→はい {闇の商人} 猫派のオマエなら当然するどい爪を3つを持ってきたよな? 『するどい爪』を手渡した! {闇の商人} おお、本当に犬派か!あの気まぐれだが愛らしい姿がオレも大好きだ そんなオマエには猫をやろう カザンにあるオマエらのギルドハウスに届けておいたぞ受け取るがいい (*10) {闇の商人} なんだ?口先だけではないか? 猫派ならばするどい爪を3つ持ってこい やっぱり猫が好き?→いいえ {闇の商人} もしや、どちらもかわいくて選べないというのか? あるいは…他の動物派なのか!? 他の動物派ですか?→はい {闇の商人} そうか…では、お前は牛派ということにしておくとしようベイベイ 牛を愛しているのならばするどい牙もするどい爪も3つずつ集めてくるがいい! 『するどい牙』を手渡した! 『するどい爪』を手渡した! {闇の商人} ほほ~、さすが牛派そんじゅうそこらのヤツとは気合がちがうぜベイベイ …というわけでオマエには牛をやる カザンにあるオマエらのギルドハウスに届けておいたぞ受け取るがいい ふたつを用意するとはおぬし、やりおるな!ベイベイ! (*11) {闇の商人} なんだ!ぜんぜん足らないではないか しょせんオマエの志などこの程度か? たわけ! 他の動物派ですか?→いいえ {闇の商人} では何だというのだ!もしや、動物はきらいか? …まさか、そんなはずはないよなでは、もう一度言うぞ 犬派ならばするどい牙を3つ 猫派ならばするどい爪を3つ持ってこい さぁ次までにオマエの答えを証明するものを持ってこい {闇の商人} 早くギルドハウスに戻るんだかわいいペットが待ってるぞ カザン(ギルドハウス) (*12) {ポチ} ワンワン♪ (*13) {たま} ニャ~♪ (*14) {牛衛兵} ンモォ~♪ 妖精の羽を集めて! 城内 {ジュラ} 妖精さんって素敵ですよねぇ乙女の憧れですぅ だけどジュラはメイドの身お城を離れるわけにはいかないのですよぉ …ああ、せめて真珠みたいに輝くという妖精の羽が見たいですぅ…! {ジュラ} 妖精さんって素敵ですぅせめて羽だけでも見てみたいんですよぉ {ジュラ} あっ、依頼をうけてくださったんですねぇ♪ありがとうございますぅ えっと、妖精の羽を6枚とってきてもらえますかぁ?どうしても見たいんですぅ! いっぱい飾って私のお部屋を妖精さんの園にするんですよぉ♪ {ジュラ} 妖精の羽を6枚とってきてもらえますかぁ?どうしても見たいんですぅ! 大きなどんぐりを集めて! 城下町 {ませた少年} 「どんぐりの背比べ」って言葉知ってる? アイゼンの本に書いてあったんだ? 平凡なものばっかりで大して変わりがないって意味らしいよ でもさ、本当にそうなのかな?どんぐりで、圧倒的に差があることってないのかな? ねぇ、どこかでとても大きなどんぐりをみかけなかった? {ませた少年} 大きなどんぐりを探しているんだ ねぇ、もし見かけたら僕のところにもってきてよ! {ませた少年} 「どんぐりの背比べ」って言葉の真実を確かめたいんだ どこかで大きなどんぐりを拾ってきてくれないかな1つでいいからね! 戻る
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/55.html
「カザン共和国、冒険者(ハントマン)を目指すものならば一度はその名を耳にする場所。 各国から冒険者が集い、ドラゴンへの反抗の拠点としての機能を備えつつあるそこに、 一団の旅人達が向かっていた。 「カザンまで……あとどれくらいだ?」 そのうちの一人、前の方を歩く頑強な若者が尋ねる。 「Amazonの調子にもよるけど、たぶん明日にはつくよ」 それに答えたのは後ろを歩くもう一人の青年だった。こちらはやや知的な雰囲気を感じさせる。 「アマ……?何のことだか分からんが明日にはちゃんとした宿で休めると言うことだな」 最後尾を歩く和装の女性が話に参加し、 「ここ最近はフロワロのない場所を捜すだけでも大変でしたね」 前髪をヘアピンで留めた長髪の女性が同調する。そして、 「………おなかすいた」 一番前を歩く仏頂面をした少女が彼らが敢えて口に出さなかったことをストレートに表明した。 そう、彼らは空腹だった。昨日の昼から水しか飲んでいない。 「お前を責めるつもりはないぞ?ないんだが、どうしても言わずにはいられん。 ……………あそこで交渉に失敗しなければなあ」 和装の女性が愚痴をこぼす。 その『お前』であるところの青年が泣き笑いのような表情になって肩を落とした。 「勘弁してよ……もうこれ以上槍玉に挙げられる精神力は残ってないよ」 「だからお前を責めるつもりはないといっているだろうが」 「その場に俺達も居たんだし、お前に出来なかったことが俺達にできるわけがないしな。 ……とはいえ、この装備じゃ愚痴もこぼしたくなるさ」 「ほとんどの装備を失ってもうハントマンだかただの旅行者だか分かりませんものね……」 どうやら彼らはハントマンであるようだった。 それを前提としてもう一度彼らを見直せば、それぞれの装備の特徴が見えてくる。 安物だが大振りの剣を提げている若者はファイター。 簡単な盾とダガーを腰につけている女性はナイトと思えなくもない。 「私なんぞ刀がないんだぞ。いくらこの両手もまた魂だといってもそれは 剣を提げ、もののふとしての形を完成させてのことであってだな……」 本来なら刀を持っているはずだったという彼女はサムライで間違いないだろう。 「僕もなあ……詩集や童話類は全部置いてきて、あるのは必要最低限の魔導書だけ。 しかも宝珠がないから魔法の勉強の成果さえ確かめられないし」 「………おなかすいた」 リュックに何冊かの本をつめたこの青年はメイジのようだ。 そして先程から空腹を主張し続ける彼女は、……彼女だけはなんの手がかりもなかった。 武器も持たず、カバンも持たず、服装は至って普通の町娘風。ハントマンなのかどうかさえ疑われるだろう。 そんな彼女に、ファイターと思しき青年が声をかける。 「腹が減ったのは分かるけどな、そういう時は口に出すとイライラしてくるもんだ。 とりあえず今はそんなこと忘れて、別のことをしゃべらないか?」 「じゃ、早くカザンに着きたい」 「……えっと、その」 「早く着いて、あの子に会いたい」 そして彼女ははるか遠く、カザンがある方向をまっすぐ見据える。 「あの子に会って言うの。私は、プリンセスになる」 繰り返すが彼らは金がなかった。 もといた国を出てくるときに関税関係でひと悶着あり、装備のほとんどを捨て値で処分することになったのだ。 カザンでギルドを開くために一部を残したわずかな路銀で少しづつ進み、路程の3分の2を歩いた頃のことだった。 「なんだか今聞いてきた話だと、この先でフロワロのために大規模な通行止めがあるみたいだ」 そこはよくある宿場町。久しぶりにベッドで眠れると喜ぶメンバーをには振って湧いた災難だ。 「こんなところで足止めか?路銀もそうないってのに」 「明日からフロワロの除去作業をやるそうだけど、作業員を募集してるみたい。 働きによってお給金が出るからそれで何とかするしかないね。できれば路銀を補給するつもりでやろう」 「フロワロの除去作業ですか……この子はどうします?さすがにこの子を連れてはいけないと思います」 ふと自分の話題を出されて、少女は話し合う仲間達を見上げた。 「体力的にも作業を手伝ってもらうわけにはいかんし、待っていてもらうより仕方なかろう」 「このあたりなら人もたくさんいるし、知らない人についていかなければ大丈夫だろう」 「と、いう訳なんだけど……明日から通行止めが解除されるまで一人で待っててくれるかな?」 少女はこくりとうなずいた。 生来の性質で友達など出来たことはないし(と少女は思っている)、一人はなれている。 「じゃあ頼むよ。人目のあるところにいて、不審者に気をつけるんだよ?」 早速次の日から少女は孤独ライフを満喫していた。 朝起きると誰もいない。一人で食事し、一人で出かける。 言われたとおり人目につくところでしゃがみこみ、地面の何かを見つめてぶつぶつと独り言を呟く。 おなかがすけば何か買って食べ、すかなければ夜まで何も食べない。 朝起きて気分が乗らなければそのまま寝続けることさえあった。 そして四日目、今日も一人で空を見上げる少女の耳にかすかな歌声が届いた。 不思議と興味をそそるその歌声に、引き寄せられるように少女は近付いていった。 そう遠くない公園に、彼女はいた。 青い髪、紫の目、どことなく自分と似た雰囲気。 そして何より特徴的なのはその頭にゆれる獣のような耳だった。 もう一人の少女は、少女に気付くと歌うのをやめて話しかけてきた。 「こんにちは。はじめまして。ボクの歌を聴きに来てくれたの?」 その一言で少女は、ああ、この人は自分と違って誰とでもしゃべれるんだ、と思った。 仲間と出なければ一言も口をきかず、仲間にさえ滅多に話しかけない彼女にとって、 そのもう一人の少女は見た目が似ていても自分とは対極に位置する存在だった。 「……別に」 普段の彼女ならそう答えていただろう。 だが、今日は違った。 どうしてだか、本当にどうしてだか、彼女はいつの間にかうなずいていた。 「わあ、うれしいな、ありがとう。 君の名前はなんていうの?ボクはね……」 次の日から少女は、朝起きて食事をするとまっすぐこの人気のない公園に向かうようになった。 少女はもう一人の少女と、いろいろな話をして過ごした。 彼女はマレアイア出身のプリンセス見習いであること、彼女もまたカザンに向かう途中であること。 自分のこと、これまでいた場所のこと、これからカザンでハントマンのギルドを作ること。 他人と話すことなど必要がなければしない、むしろ必要があってもしない少女にとって もう一人の少女との交流は初めての連続だった。 自分が今まで知らなかった暖かい嬉しさが確かにそこにはある。 「歌を歌うのは楽しいよ。それにボクの歌で皆が元気になってくれると思うと、なんだかボクまで嬉しくなるんだ」 「……そうなの?知らない人でも?」 「知らない人でも。だって、その知らないってもしかしたら友達になれるかもしれないってことじゃないか」 「友達に……なれるかな」 「きっとなれるよ。君とボクだって友達になれたじゃないか」 「………!!……友達?これが……友達」 「そうだよ、変なの。そうだ、友達の歌を教えてあげる。一緒に歌おう?」 「…………………うん」 そして少女はいつの間にか笑うようになっている自分に気付いたとき、 生まれて初めて他人のことを本当に友達だと、一緒にいたいと思った。 そしてその晩、 「フロワロは大体片付いたよ」 大切な時間の終わりは唐突にやってくる。 「明日……出発するんだって」 「……ボクは今夜にも出なきゃいけないみたい」 「そう」 「うん」 少女は言葉を捜していた。 生まれて初めて出来た友達との別れに、何を言えばいいのかが分からない。 ただこのままではいけないという漠然とした思いが胸の中で渦巻いていた。 「ありがとう」 結局出た言葉はそれだった。 「え……ありがとうって……なにが?」 「……なんとなく。 …… ……そう。友達になってくれて、嬉しかった。だから」 「そんなの……ボクだって嬉しかったよ。ボク、ほんとは友達いなかったんだ。君が始めての友達」 「そうなの?私も……始めて……」 「なんだ、そうだったんだ……あのね?ボク、君が友達になってくれてすっごく嬉しかったよ」 「うん」 「本当に、本当に嬉しかった」 「うん」 「今まで生きてきた中で一番嬉しかった。 …… ……………だから、ね」 「ボクの大切なもの、あげる」 そして、 差し出される耳。 「……これ」 それは青く、ふわふわの耳毛が可愛らしい付け耳だった。 「ボクの耳と同じなんだけど……イヤ?」 少女は答えずにそれを頭に載せた。 するとその耳は、まるでもとから少女の一部であるかのようにぴったりと自然に落ち着いた。 「……これで、おそろいだね」 「……うん」 「ね、いつかまた会おう?カザンか、マレアイアで」 「うん。約束だよ」 「約束」 人気のない公園で二人の少女が微笑みあう。 それは十数年来の親友のように自然で、暖かい笑みだった。 「話を聞くに、その子はルシェ族だったんだね」 話は現在、カザンへ続く街道に戻る。 「ルシェ」 少女がその言葉を反復しながら頭の耳を撫でる。 あの耳飾りは今も少女の頭の上にあった。 「向こうではルシェ族っていう種族の人間がたくさんいるらしい。 特にその耳は良くも悪しくもアイデンティティーみたいだから、妙な誤解を受けないようにしないとね。 いってる意味、わかるよね?」 「わかる。大丈夫、これは友達がくれた大切なものだから」 「誤解を受けたときはそのままにしないでちゃんとそういわなきゃ駄目だぞ」 「うん」 もう一度耳を撫でて、少女は先を見やる。あの子は今どこにいるだろうか。 ふと、翼を持つ影が少女達の前を横切っていった。 「あ、鳥ですね」 「大きい鳥だったな、この近くに巣か水辺でもあるんだろうか」 「……ちょっと待った、鳥?」 メイジ見習いの青年が影の向かっていった方向の上空に目を凝らす。 遥か向こうで、大きな影が旋回するのが見えた。 「鳥にしては、翼と身体の比率が……」 そういっている間にも、翼を持つ影はこちらへ近付いてくる。 ……青年の視界で、その影が鱗に光を反射させながら大きく羽ばたいた。 「―――っ」 青年が息を呑む。 そして振り返り、ひとつ息を吐いて、言った。 「……来た!ドラゴンだ!」 ナイトが少女を引っつかみ、同時に全員が全力で走り出す。 すでにドラゴンは目を凝らさなくてもそれと分かる距離にまで近付いていた。 「畜生、なんだってこんなときに!!」 「おなかがすいて力が出ません……!」 「無駄口叩いてる暇があったら足を動かせ!追いつかれるぞ!!」 抱きかかえられて地上を疾走しつつ、少女はもう一度カザンの方角を見た。 いつかまた、絶対にあの子と会う。 そのときには自分も立派なプリンセスになって、二人で聞く人全員を虜にしてみせる。 そんな決意を胸に秘め、とりあえず彼女は自分を抱えて走るナイトを励まし始めた。
https://w.atwiki.jp/7d2020/pages/96.html
男性M:黒田崇矢 ※以下ネタばれを含みます 男性M:黒田崇矢 汎用台詞 サムライスキル トリックスタースキル デストロイヤースキル サイキックスキル ハッカースキル コメント欄 汎用台詞 上へ キャラクター登録時 「この力、試してみよう」 勝利時 「随分と腑抜けているな」「鍛え方が足りん」「慢心はするなよ」 退却時 「構っていられん」 対ドラゴン戦 「ふむ、大した獲物だ」「龍が如きに負けはせん」 対帝竜戦 「己の命運を恨め」「因果応報というものだ」 イベント勝利時 「退いてもらおうか」(首都高戦)「仁義を忘れた者の末路だ」(人竜戦)「この道…押し通したぞ」(真竜戦)「拳で…語るか…」(人類戦士戦) レベルアップ時 「悪くは無いな」「切磋琢磨は怠るな」 パーティー加入 「ではゆくぞ」 室内 「呼んだか?」(通常)「なぜだ…!」(悲)「よいものだ…」(喜)「どうかしたか?」(照) 料理 「俺にやれと!?」→「何事も集中力だ」 スカイラウンジ サムライスキル 上へ 通常攻撃 「むん!」「せいや!」 エグゾースト 旋風巻き 「疾風(ハヤテ)!」 金翅鳥王旋風 袈裟斬り 「剛烈!」 力閂オロシ 「靡け!」「叩き割る!」 トンボ斬り 「薙ぎ倒す!」 影無し 「青嵐!」 収刀の紡ぎ 「静謐の型!」 崩し払い 「」「昏倒せい!」 モミジ討ち 「」「悪く思うな!」 フブキ討ち 「」「」 不動居 「受身をとっておけ」 風林重ね 「案ずることは無い」→「」 十六手詰め 抜刀の紡ぎ 「修羅の型」 修羅の貫付け 「注意が足りん!」 刃下のリアクト 「全力を見せい!」 練気手当 「練丹」 赤化の呼気 「覇気充填」 黒鋼の呼気 「豪気補填」 丹田法の訓 乱れ散々桜 トリックスタースキル 上へ 通常攻撃(短剣) 「そぉうらっ!」「食らえぇ!」 通常攻撃(銃) 「どうだっ!」「ふんっ!」 エグゾースト 「ふうぅん!!」 タランテラ 「姿勢を正せ!」 スコルピオ 「動くと危険だ」 ヴァンパイア 「血肉を貰う・・・」 フルムーンヴァンプ 「どいてろ」→「己の身となす」 ベノムアンプリフ 「どいてろ」→「容赦は出来ん」 アサシンアイズ 「刮目・・・」 ベノムフェティシュ 「運も尽きたな…!」 ラッシュショット 「どいてろ」→「目を逸らすなよ」 エイミングショット 「どいてろ」→「一点集中…」 ダンシングバレット 「ぬぅうんっ!」→「大いに穿て!」 ジャンプショット 「ぬぅうんっ!」→「追い立てろ!」 ハイディング 「気配を消すぞ」 ブッシュトラップ 「どいてろ」→「何をしている」 チーターマン 「手を休めるな」 アサシンズリアクト 「止められるものか」 エスケイプスタンス 「ここは身を引け」 トリックハンド 「やればできる」 サクリファイス 「この命、惜しくはない…」 狂咲きバッドヘヴン 「手段は選ばん」「貴様を獲るのが俺の役目だ」「絶頂だ!」「せめてすぐに仕留めてやる」 デストロイヤースキル 上へ 通常攻撃 「たぁ!」「ふぬぁあー!」 エグゾースト 「ぬうぅん!」 正拳突き 「ぬうぅん!」→「唸れぇい!」 デストロイチャージ 「そこか。いいだろう」 ジャブ 「轟けぇい!」 ダブルフック 「応!」→「砕くのみだ!」 スピネイジブロウ 「ぬうぅん!」→「甘ったれるな!」 釣瓶マッハ 「たぁ!たぁ!完膚無きまで!」 クインテッタ 「応!」→「南無三!」 ドリルクロウラー 「応!」→「情けはかけん」 迎撃スタンス 「不足無しだ」→「たぁ!」 迎撃スタンス・重式 「来ぉい!」→「たぁ!」 オトシ前上等! 「鉄拳制裁!」 牙折る也 「俺の目を見ろ」→「そこのけぇーい!」 爪砕く也 「ただ受け止める」→「そこのけぇーい!」 吹裂く也 「とるに足らんな」→「そこのけぇーい!」 凶転ず也 「何を恐れる」→「そこのけぇーい!」 怒りの重爆 「ぬぅぅぅ!」→「釣りはいらんぞ!」 デストロイリアクト 「己を磨く」 先制デストロイ 「ためらいは無い」 瀕死のド根性 「背水の陣だ」 パリングシールド 「敵をよく見ろ!」 スカイハイメテオ 「必殺技だ」「ううーりゃあー!」「ふっ」「ぬぅぅぅ!」「無限の彼方より、見参」「終いだ!」 サイキックスキル 上へ 通常攻撃 「しゃあ!」「とぉりゃあ」 エグゾースト 「はぁぁ!」 フレイム 「劫炎」 イフリートベーン 「はぁぁ!」→「塵も残さん!」 ヒートボディ 「炎壁よ!」 フリーズ 「砕氷!」 アイシクルエデン 「はぁぁ!」→「氷柱よ射貫け!」 ゼロ℃ボディ 「氷壁よ」 エレキ 「迸(はし)れぃ!」 ボルトアヴェンジ 「はぁぁ!」→「轟け雷鳴!」 プラズマジェイル 「手荒にいくぞ!」 デコイミラー 「見抜けはしまい」 半径50mの支配者 「覇道は我に!」 マイクロバースト 「一矢報いる!」→「耐えられるか!」 マナフローター 「節制を説け」 コンセントレート 「力を……!」 キュア 「死に急ぐな」 リカヴァ 「一矢報いる!」→「医者の代わりだ」 リザレクション 「一矢報いる!」→「さあ、立ち上がれ」 デッドマンズリアクト 「はぁぁ!」→「万事了解」 魔力の湧水 「油断したか!」→「よい巡りだ」 オートリカヴァ 「一矢報いる!」→「手当てが要るな」 黒のインヴェイジョン 「奈落へ落ちろ」「黒の御手よ」「絡め取れ!」「失せろ!」「閻魔さんに詫びてこい」 ハッカースキル 上へ 通常攻撃 「でいや」「ぬーん」 エグゾースト 「いやぁぁ!」 アタックゲイン 「剛を以て突き通す」 ディフェンスゲイン 「柔を以て堪え抜く」 リジェネレーター 「焦りは禁物だ」 119ナノマシン 「いやぁぁ!」→「敵はまだ目の前だぞ」 Bデータイレイザー 「いやぁぁ!」→「邪気を祓うぞ」 ファイアブレイク 「一切の熱きを通さん」 アイスブレイク 「寒かろうが衰えん」 Aスキルコーラー 「いやぁぁ!」→「手助けが必要か?」 ハッキングワン 「従ってもらう」 ハッキングゼム 「一網打尽だ!」 マッドストライフ.x 「喧嘩を買うな」 スケイプゴート.x 「活気を頂く」 ロストパワー.x 「分を弁えろ!」 バッドインバリッド 「いやぁぁ!」→「災難の相だ」 スリープオール 「いやぁぁ!」→「うなされていろ」 カースオール 「いやぁぁ!」→「痛んでしまえ」 ハッキングリアクト 「いやぁぁ!」→「機を待つのみ」 リアクターチアー 「いやぁぁ!」→「往け。はだかる者は無い」 クイックハック 「瞠目せよ!」 サバゲーナレッジ 「いやぁぁ!」→「油断は命取りになる」 禁断の秘技 「稀代の名機よ!」「己が渇望に、いま応えん」「退けい!」「伝説が今始まる」 コメント欄 対ドラゴン戦 「ふむ、大した獲物だ」←この場合は「獲物(※狩り・戦闘等の成果。戦利品)」よりも、「得物(※武器の意味)」の方が意味が通る気がするんだけど、どうだろうか。 -- 名無しさん (2011-12-21 01 55 36) トリスタスキル タランテラが「姿勢を正せ」 ヴァンパイアが「血肉を貰う」 アサシンアイズが「刮目…」だったかと…聞き取り間違いありましたらすみませんm(__)m -- 名無しさん (2012-02-05 18 40 40) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/7thdragon/pages/133.html
戻る エンプレスクラウンスタリ小遺跡 ミロスのふたご EXスキルアルテマガード&アルテマパリング 奇跡の代行者 エンプレスクラウン スタリ小遺跡 (*1) {ファロ} す、すごいのです…!フロワロがなくなりました! (ギルド名)の功績を称えてこれを進呈しますです 『エンプレスクラウン』をもらった! {ファロ} これからも期待してるです ミロスのふたご ミロス連邦国(民家2) (*2) {悩める母親} ああ…なんてことでしょう…私はいままで、2人を等しく育ててきたのに 弟だけが、怪我をして歩けなくなってしまったのです! 私のかわいい、おそろいの双子…このままじゃいけないわなんとかしなくては… {双子の兄 ヴィー} ユウのせいじゃないよ気にしちゃダメだよ… {双子の弟 ユウ} お母さんの笑顔…もうずっと見てないんだ (*3) {双子の兄 ヴィー} ユウ、無理しなくて良いんだからね… {双子の弟 ユウ} だ、大丈夫だよそんなに心配しないで… (*4) ミロスの女王 (*5) {悩める母親} ほら! 歩いて!ここまでくるのよ!できるでしょう!? {双子に兄 ヴィー} 無理だよお母さん…!ユウの足はもう歩けないんだよ!? {悩める母親} そんなはずないじゃないできるのよ! できるはず! {双子の弟 ユウ} お母さん…う、うぅ…… {双子の兄 ヴィー} お母さん!ユウを休ませてあげて!お願いだよ…! {悩める母親} …わかったわ今日は終わりにしましょう… そのかわり、ユウ明日も特訓だからね歩けるまで、必ず… {双子の弟 ユウ} …はい…… {双子の弟 ユウ} おにいちゃん… {悩める母親} ユウだけ歩けないだなんて絶対に認めないわ…だって、そんな… 城下町 {双子の兄 ヴィー} あんなの、みてられないよ… EXスキル (*6) アルテマガード&アルテマパリング ミロス連邦国 {グリフ} …そういえばお前たちに、教えてやらねばならないことがあったのだ エメラダ様から頼まれたのでな…ミロス騎士団伝統の技だありがたく受け取れ ナイトのEXスキル『アルテマガード』が解放された! ナイトのEXスキル『アルテマパリング』が解放された! {グリフ} 攻めるばかりが戦いではない守るべきものを守ってこそ戦いに価値が生まれるのだ 奇跡の代行者 (*7) {微笑む医師} そうそう、あなたたちにこれを伝授しておきますね これを使えば、傷も病気も大抵どうにかなるはずです ヒーラーのEXスキル『奇跡の代行者』が解放された! {微笑む医師} …医師の私にできるのはこれくらいしかないけれど旅の無事を祈ってますね! 戻る
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/23.html
一旦の終了編。以下人名対象一覧 カエラ:第一人称。デコログ。 姉御:女サムライ。カエラの師匠?名前はサクハ。 彼:眼鏡平。名前はアルフレッド。 リーダー:ファイター。 副長:緑ナイト。 ギルマス:帽子メイジ。 姫ちゃん:偽鬱姫。 ・エロなし ・ヤマなし ・下らないおまけつき 「はー、きれいになった」 さわやかな風の吹き込む部屋を満足げに見渡し、掃除用具を片付ける。 あたしはギルドホームの自分の部屋でたった今掃除を終えたところだった。 まあね、ほんとは決戦の前に身の回りを片付けるってのがお約束だと思い出して 遅ればせながらもお掃除しますかみたいな気分で始めた訳だけど。 「新しい毎日の始まりだと思えばまあいっか」 あたしは雑巾の入ったバケツを取り階下へ下りた。 ……まあ、そんなわけで人類とドラゴンとの戦いは終わりを告げた。 第何次なんとか大戦……とかあの戦いを呼ぶ動きもあるらしいけど、そんなのはあたしに関係ないことだ。 結局、あたしも無事に生き延びることが出来たわけだから。……カザン防衛作戦でサクリファイスを使おうと していたのがバレて大目玉を食らった上スキルリセットさせられたのはこのあたしですがそれが何か? ……結局あのあとあたしはどてっぱらに空いた傷のせいで一ヶ月の間安静を強いられた。 まあ一歩間違えれば内臓でろりの上半身と下半身がさよならした惨殺死体になっていたと思えば軽いもんだけど、 とはいえ内臓の詰まった腹をあの巨大な爪に貫通されたわけで、それはもう大変なことになっていたとか。 マナによる治癒でふさがっていた傷を開くや否や大出血、てんやわんやの大騒ぎだ。 あんちきしょう、子供が産めない体になっていたらどうしてくれる。 こっちも右目を抉ったからおあいこだけどね。 そうそう、あれをやったのがあたしだと知れると王者の剣には微妙に感心された。 なんでもあたしは『大統領と同じ、二番目にキングの右目を潰した女』らしい。 よく分かんないけど大統領と同ってのが気分がいい。もしあたしに子供が出来たら自慢しよう。 そんなわけで治療のあともしばらくはまともなものを食べさせてもらえず毎日のように もう治ったでしょと泣きついてたけど、あまりの退屈さに姉御とバカ話をやって 大笑いした拍子にお腹がズキズキと痛み始めたときはどうしようかと思ったね。 ま、でも、そんな傷を受けたにもかかわらず腹部の表面には傷跡一つ残ってないんだから ……ファンタジーってすごい。 さて、台所に入るとそこにはなにやら麺棒で生地を伸ばす姉御の後ろ姿があった。 鼻歌なんて歌っちゃってご機嫌だ。 「るっるーるるっるるっるっ、るっるっるーるるっるるっるっ、 るっるーるるっるるっるっ、るっるっるるーるるー、 雪がチラチラクリスマス、町にキラキラ灯がともりゃ、 酒っに浮かれた愚か者ぉーーっ、ワンサカ!ワンサカ!繰ーり出しっますわ!」 ……あ、本気歌いになった。 ともあれそのまま突っ立っている訳にもいかないので保冷庫を開けつつ声を掛ける。 「心にっ決めたあの方は、そんな不埒じゃ……」 「ご機嫌だね姉御」 「わひゃっ!?……おおおおおまいつから!?」 「ついさっき。ってかそんなに驚かなくても」 「ーっ!、オホン!ゴホン!……まあなんだ、腹はもういいのか」 「バッチリだよ。姉御こそ腕は?ちゃんと動く?」 「見ての通りだ」 そういって姉御はひらひら左腕を振ってみせる。 あの化け物に食い千切られた腕は、いい具合に傷口が鋭利だったことと 処置、治療がよかったおかげでどうにか元通り動くようになっていた。 「……こっちはさすがに痕が残っちゃったけどね」 「ん?」 「あ、ううんなんでもない。ところで姉御なに作ってんの?ソバ?うどん?」 「いいや、ピザだ」 「……さいですか」 冷えたお茶をグラスに注ぎ、リビングに向かいながら考える。 人類滅亡だなんだと騒ぎ立てはしたけどこの戦いも終わってしまえばこんなものだ。 第一、あたしは『新たなる英雄』のギルドネームすら知らないのだ。 『新たなる英雄』。 とりあえず実在はする(一緒の作戦にも参加したし)、 いくつかのパーティで構成された大統領府直属の先鋭ギルド。 大活躍の割にはカザン以外での一般人知名度は意外と低く、あたしも詳しくは知らない。 というか会った事はあるかもしれないけどその中にいたか分からない。 とはいえその実力は凄まじいまでにホンモノで、 設立間もなく大統領にその秘めた可能性を見出され、それを証明するかのように 国立ミッションを立て続けにクリア。その後フロワロにやられて三年間昏睡状態に陥るも 目覚めるや否や最初の帝竜を潰してカザンを奪還、その後も世界を駆け巡り 大戦の間に斬ったドラゴンの総数実に666匹というまさに生ける伝説だ。 「……ちなみにウチのスコアは?」 「87匹……」 リビングのテーブルにぐったりと突っ伏したギルマスが答えた。 「まあ……三人で二百匹を超えるドラゴンを倒した王者の剣とは比べ物にならないけど…… 一人当たりのドラゴン討伐数からいってもウチはかなり上位だと思うよ……?」 「はあん……それはいいんだけどね」 ところでギルマス。 「……さすがにだらけすぎじゃない?」 人間とドラゴンとの戦いが終わってからというもの、ギルマスは気が抜けてしまったのか もう溶けるんじゃないかってくらいぐうたらの限りを尽くしていた。 リビングにあるこのテーブルに突っ伏したままぴくりとも動かず、気付けば寝息、 ときどき目を覚まして差し入れられた食べ物を寝たまま食べ、また寝、 たまにトイレに立ち、戻ってきて寝、何か思いついたことがあるとノートに書き、そして寝る。 ……何故自分の部屋で寝ないのかは謎だ。 「んー……分かってはいるんだけどね……気力が出ないんだよね……」 「気力があってそれだったら病気だって。ほら、なんでそんなやる気がないかな?」 「はーー……」 ごろり。 ごろり。 いくらかの間追加でぐうたらし、おもむろにギルマスは顔を上げた。 「……つまりねー……冒険屋は冒険してないと死んじゃうんだよー……」 「はい?」 「きみがウチに入る前にいっぺん話しただけなんで忘れてるかも知れないけど、 僕達は今こそハントマンとして活動してはいるが本来は冒険屋なんだ」 「そうだっけ……?」 「で、簡単にまとめると。ポータルの使用許可は取り上げられ、船もなく、 飛空挺なんて夢のまた夢で、しかも大戦中に行ける所はあらかたまわってしまったために もはや冒険できる場所がなくなってしまい、それでやる気をなくしていると」 「まあそんなとこ」 「でもさー、しかたないことなんだし我慢して普通にクエスト受ければ? いくらなんでもほんとに冒険しないと死ぬわけじゃないでしょ?」 「死ーぬーのー……」 「……(やれやれ) ってもねー、実際姉御やリーダーは元気にしてるじゃん?」 「君にはあの二人が元気に見えるのかい……?」 「へ」 「あの二人も僕と同じ生粋の冒険屋だからねー、見た目には分かりにくいけど凄く気力が落ちてきてるよ」 「……マジですか」 「ファイターはテンションが下がって妙に行動が爺臭くなってきたし」 「自分より重傷だった副長が先に復帰したからヘコんでるのかと思ってたよ」 「まあそれもあるけど」 あるんかい。 「サムライなんかおにぎりを作ろうとしてるのかと思いきやパエリアだし」 それは不調なんだろうか? 「とにかく、僕達の存在意義が危機にさらされていることはわかってほしい」 「はぁ……」 とりあえず返事して考えてみる。 最近ギルド内の空気がおかしいなとは思っていたけど、ここのところの 年長組の様子を思い返せば思い当たることはないこともない。 「じゃ……どうすんのさ?参っちゃったのは分かるけど?」 「そうだな…… ……… ……………ギルドを畳んで故郷(くに)に帰ろうかなって、ファイターやサムライと話してた」 「………!」 「あそこには僕達の冒険屋としてのルーツがあるし、鍛えなおしながらあそこで 新たなる冒険への準備をするのもいいかもしれない。なんだかんだ言って こっちに来てからというもの仕事としての冒険ばっかりで僕達の腕も鈍ってきてるし」 「……」 「あのころはサポートなんかじゃなかった、僕達ひとりひとりが最前線だったからね。 わりと不測の事態で命の危機に陥ることも多かったけど切り抜けて……うん?」 「……じゃ、さ。地元に帰るとしたら……このギルドはどうすんの?ギルドホームとか」 「そうだね……約束通り『ルールブレイカー』に引き渡すことになるね」 「そう…… ……? ちょちょちょっと待って。次から次へと話が急すぎて付いていけないんだけど、ルールブレイカーって何?」 「あれ、ああ!そういや話してなかったね!どこから話したもんだか…… まずは僕達がこっちに来たときの話と、このギルド『ピースメーカー』について話をしないと」 おしゃべりしているうちに少し調子が出てきたようで(ウチのギルマスはこういう人だ) 応接間のソファーに場所を変えつつギルマスはカザンに来たばかりの頃のことを語りだした。 「……僕達がこのカザンにやってきたとき、取れる選択肢は二つあった。 ひとつはどこにも許可の要らない、個人ギルドとしてやっていくこと。 もうひとつはギルドオフィスに登録してカザン国属ギルドになることだ。 まあ実際選択肢なんてあってないようなものだったけど…… ハントマンによって作られたカザンという国は、逆に言えばハントマンが お互いに助け合うための組合としての側面が大きい。 ギルドオフィスに登録すれば理事会……つまり大統領府の意向には逆らえなくなるけど、 そのかわり仕事を斡旋してもらったりハントマン用の情報提供を利用できたり そのメリットは極めて大きいんだ。そもそも他の国ではハントマンという職業が 社会的に認められていないこともあって、バックを持たないハントマンはすべからく カザン大統領府の指揮下に入るより他にないと言える」 「で、ギルマス達もギルドオフィスで登録しようとしたわけだ?」 「そう。だけどここで大きな問題があった。ぶっちゃけお金がなかった。 ギルドとしての体面をととのえるのはおろかハントマンとしての体裁を繕うことも出来なかった」 ぐっ……なんか心が痛い。 お金がない。そのワードはあたしに嫌でもスリをやって捕まったあのときを思い出させた。 「……なんか昔のあたしを思い出して居心地悪いんですけど」 「そいつは失礼。 で、そんなとき僕達はとある事情から解散しようとする一つのギルドに出会った。 彼らの名を『ピースメーカー』という」 「ふえ」 ギルマスの口から出てきた名前は今あたしが属しているこのギルドそのものの名前だった。 さらに話の流れから考えれば、あたしの頭でもその意味は分かろうというものだ。 「じゃ、このギルドは」 「そう、貰ったんだ。彼らはその名の通り平和と善を愛する無駄に熱く爽やかな連中で、 これからドラゴンに対する反撃が始まろうという時期に解散しなければならないことを 非常に残念がってた。そんなわけで僕は彼らとお話して、いくつかの条件をつけて 彼らの名義やらなんやらをそっくり譲り受けたわけだ」 「はー。なるほどね。なぜか頭にアマクダリとかメイギガシとかそんな単語が浮かんでくるけど」 「一緒にしないでくれ。で、その条件の一つは、まず平和を愛しそのために活動する、 そんなギルドであること」 「抽象的過ぎない?」 「そのとおりなんだが彼らにとっては譲れないところなんだろうね。 で、さらに一つは、もしギルドの活動を停止するときは、そのギルド財産を 全て彼らの友軍ギルドである『ルールブレイカー』に譲渡すること」 「名前からして全然友軍でも何でもない気がするんだけど…実は正義の味方とか? あたしそっち方面には全然通じてないからどんなギルドかわかんないよ」 「その道では割と有名なギルドだよ。つい最近も大きな仕事をやったらしい。 えーとたしか……」 ギルマスは眉間に手を当て、最近行われたというそのクエストについて語り始めた。 ―――――――――――――――――――― 彼ははメガネを探していた。 シュールな光景だが厳然たる事実だ。 外した覚えもないのにいつの間にやらなくなっていたメガネを探して大統領府をさまよう彼は、 前方の廊下の角を執政官たちが慌しく走っていくのに気付く。 「メナス補佐官の様子がおかしいらしいぞ!」 「誰が話しかけても返事をしないらしい!」 それを聞いて彼は首をひねった。 彼らが様子がおかしいと言った自分は、今ここにいるからだ。 角を曲がった彼は、すぐにその先にある人だかりを発見する。 「メナス補佐官!」 「どうされたんですか!」 私はここだぞ? ますます眉をひそめた彼は、人だかりに近付き、声を掛けようとした。 「おい……」 「メナス補佐官!しっかりしてください!」 「医者はまだか!?」 「メナス、お願いだから返事をして!」 口々に叫ぶ彼の同僚、部下、その中心にあったのは―― ――彼が探していた、彼のメガネ、そのものだった。 「…………」 彼は何も言わずにその場を後にした。 「この件でルールブレイカーは大統領府への出入り禁止を喰らったらしい」 「どんなクエストなのさ!?」 「『メナスを笑わせろ』。あの人の一日二十時間勤務は有名な話だろう? やっと大戦も終わったことだしこのままじゃ過労で倒れるってんで有志の依頼で ドッキリを仕掛けたんだ。ただ予定では『お前達は私をどこで識別しているんだ!』 となるはずが予想以上にキキ過ぎて見事に滑った上、後で事情を知った メナス補佐官が烈火のごとく怒って出入りできなくなったらしい」 「はぁ……なんというか……そんな馬鹿げた出来事が大統領府で起こったってのが信じられない」 「それがルールブレイカーというギルドだ。 他にもギルドの名前を決める用紙を見ただけでエラン執政官があまりのセクハラに泣き出したとか ギルドネームは勝手に略したりしてはいけないって決まりを楯にメナス補佐官にそのここではとても言えないような名前を 何回も言わせたとか『王者の剣』に『嫉妬神のテーマ』って曲を贈りつけてあそこのリーダーを マジギレさせたとかその手の伝説には事欠かないギルドだよ」 「ことごとくロクでもないことばっかしてると思うのはあたしがおかしいのかなぁ!?」 ふう……いけないいけない、落ち着こう。 今あたしにとって大事なことは?そう、それだ。 「つまり……後には何も残らないって事?」 「え?あ、うーん……そうだね。ギルドとしての財産全て、だから『ピースメーカー』として の活動記録以外は全部なくなるかな」 「そう」 「……?」 「こっちで……これから巻き返そうとは思わないんだ?」 「まあね。出遅れてきた時点で僕達は脇役に決定だもの。 もう世界は大丈夫だ、僕達の出番はないよ」 大丈夫。出番はない。 これまでにも何度か聞いた、ギルマスの口癖だった。 「……いいんだけどさ、なんていうかギルマスって、楽天家というか傍観者的というか」 「ああ……僕は性善説というか、『人間って素晴らしい』論者だからね。 世の中ってのは色々な人間が思うままをぶつけ合って、最終的に調和が取れる。 だから自分は口を出す必要がない。そんなふうに思っちゃうんだ」 「ふぅん……どうせ調和が取れるなら、あたし達がちょっと位動いてもいいと思うんだけどな。 世界の動く方向に逆らわないようにっていうか、それなら少しくらいわがまましてみようとか思わない?」 「!」 「……まぁいいや。それじゃギルマス、あたしやること思い出したから」 そうだ。今の話を聞いて、その未来を思い描いて、あたしにはやらなければいけないことが出来た。 ギルマスを残し、あたしはその場を後にした。 「……どうせ調和が取れるなら少しくらい、か」 ―――――――――――――――――――― 「そっか。もしかしたらギルドを解散するかもしれないんだ」 「うん。そしたらアルフレッドはどうする?」 あたしは彼の部屋に向かい、今聞いてきた話を聞かせていた。 彼は少し考え、自分の考えを話す。 「僕は……少なくともギルマス達と一緒には行けない。ヒーラーとしてやることがあるからね」 「あたしも、ここを離れられない。アルフレッドも居るしね。 ……だから、姉御とお別れする前にやりたいことがあるの」 「うん」 「姉御をデートに誘ってくる。止めないで」 「止めないよ」 「ありがと」 「あまり無茶はしないでね。いってらっしゃい」 彼の言葉を背に受けて、あたしは慌しく部屋を出た。 台所へ向かうと姉御はまだ調理中だ。 あたしはその背後へそっと近寄った。 「……ん?なんだ?」 気配に気付いた姉御が声を掛けてくる。 あたしは黙って料理を続ける姉御に歩み寄り、そして後ろからそっと腕を回した。 「ん……な、なんだ……どうしたんだ?」 首をかしげ、くすぐったげな表情で姉御は困ったように声を掛けてくる。 「……姉御」 「ん?」 「包丁、置いて?」 「もう……なんなんだ……?」 傍から見ると恋人同士のように見えるかもしれない。 仕方ない、といったように包丁を置き、姉御はん?とあたしに目で問うた。 あたしはいっそうぴたりと寄り添い、強く姉御の身体を抱きしめた。 そして、 自分の手首を掴み、姉御のウエストをきっちりとホールドした。 「へ?」 疑問の声を上げる姉御を強く絞り上げ、 身体を密着させながら重心を後ろにずらし、 全力を込めて姉御の体重を後ろに引っこ抜いて、 「え、うわぁぁぁぁああああーーー!?!」 あたしは自分でも惚れ惚れするほど完璧にジャーマンスープレックスをきめた。 「……初めて自分の意思で姉御から一本取った」 「……言いたいことはそれだけか……」 こいつは痛みじゃねえ、屈辱だ!といわんばかりの怒気が姉御の声に滲む。 そ知らぬ顔で流しつつ、ホールドを解いてあたしは姉御に言った。 「故郷に帰るんだって?」 「何……ああ。そう……しようかとも思っていた」 「あたしはいけないからさ。……ねえ姉御、あたしと原っぱまでデートしない?」 「なんだと……?」 「あたし、いっぺん姉御と本気で戦ってみたかったんだ」 ―――――――――――――――――――― 古いお話やなんかでは、サムライの決闘は風の吹きすさぶ草原と相場が決まっているらしい。 今あたしが立っているこの場所もまあ、決闘にふさわしくないポカポカ陽気を除けば おあつらえむきなロケーションだといえないこともなかった。 「……で、また、なんでいきなり決闘だ?」 七メートルほど離れた向こうで姉御が至極真面目な様子で立っている。 真っ直ぐにこちらを見てくるその様子にはどうにも納得のいかない色が見え隠れする。 「ん?よく漫画とかであるじゃん。師匠が修行を終えた弟子に、『これが最後の試練だ』 とか言って勝負を挑むの」 「そういうのは師匠の方から言うと思うんだがな……」 「それにね、絆が欲しいんだ」 「絆?」 「そう。絆って言うのは恥ずかしいから、肩書きかな?『弟子』よりもうちょっと重みのある肩書き」 「……お前が何を言っているのか分からないよ……」 「姉御が帰っちゃったらさ、当分会えないわけじゃん。そうやって何年も音信不通でいるうち、 次に会ったとき姉御はあたしに気付かないで通り過ぎちゃうってこともありえると思わない?」 「そんな……ことは……」 「そうじゃなくても向こうで作った新しい弟子が可愛くて、あたしとは完全に他人になってたりさ」 「……」 「なんか……なんか、悔しいんだ。姉御はあたしが初めて本当に尊敬できて、 ついて行きたいと思えた人だからさ。そうなると、なんか嫌なわけ。 だから、弟子以上になりたいんだ。忘れられないくらいの、姉御にとっての肩書きが欲しい」 正直な気持ちを言葉に乗せ終え、あたしは反応を待つ。 姉御は遠くから見つめるような目で、どこか儚げな声であたしに聞いた。 「じゃあ……どんな肩書きが欲しい?お前の望むものは」 あたしは短剣を抜いた。 逆手に握った短剣の、刃を水平に姉御に向けて持ち上げる。 ……知らず、不敵な笑いが浮かんだのが分かった。 「……姉御のライバルになりたい!」 刃の向こう側に見える姉御の顔がぽかんとして、それから徐々に下を向いた。 その肩がふるふると震える。 「ふ……くくっ………ふふふ……ふはっ、はははっ! ははははははははははっ!!あーっはっはっはっはっ!!! 言うじゃないか……言うじゃないか!」 ぞろり。 歯をむき出し、凄絶な笑みを浮かべて姉御は顔を上げた。 しゃべるために笑うのをやめてもなお、くつくつと声がくぐもる。 「お前の口からそんな言葉が聞けるとは思わなかった…… こうやって本気でお前が挑んで来るともだ! 嬉しい、嬉しいよカエラ。 ただしだ、言っておくぞ………」 姉御の右手が、カザン防衛作戦でドラゴンに噛み砕かれた刀の代わりに新調した 新しい愛刀『マタムネ2号』の柄を掴む。 「今の私は……」 すらり、と引き抜かれた刃が陽光を反射して真っ直ぐにあたしに向けられた。 あたしの短剣と姉御の刀、二つの刀身の向こうに見える姉御の目が一直線にあたしを射抜く。 「……かつてないほど全開でいくぞ! 来るがいい!お前が本気で私に勝つと思っているなら、私も全力で相手をしてやるッ!!」 裂帛の気合ががあたしに叩きつけられた。 それをぶち破り、あたしは叫ぶ。 「上等っ!いざ、勝負!!」 そしてあたしは走った。 一直線に向かい、あたしと姉御の間合いが詰まる。 迎え撃つ姉御の間合いに入る瞬間にあたしは地面を蹴りだした。 懐に入った瞬間に加速する一種の奇襲戦法とともに、切っ先に体重を乗せる、 殴りおろすような斬りつけを見舞う。 加速した剣筋をも読みきり、姉御は一歩後ろに下がってかわすとともに返しの刃を振りぬいた。 身体をひねって今度はあたしが避ける。と、同時に直感にしたがってもう一度かわす。 今かわしたはずの刀がすでにあたしに向けて振られていたのを左手の短剣で止め、 あたしは右半身をねじ込んで姉御を狙うと同時に姉御は後ろに下がって その手に握られた刀が薄くあたしの左手を切った。 それでも間合いを詰めようとすれば、姉御がその刀身を鞘に納めた。 触れるものを絶つ気迫が居合いの構えに宿る。 その中へ、あたしは躊躇なく踏み込んだ。 抜き放たれる一閃があたしを目掛けて走る。 そしてあたしは―― 「……に゛っ!!」 ――振り払う一撃でその刀を弾き飛ばし、姉御と息のかかる間合いへ接近した。 ―――――――――――――――――――― 「いいか、刀というものは気合いでは斬れない」 あたしが姉御に剣の手ほどきを受け始めた頃だ。 実践訓練の休憩中に、姉御は刀についてのウンチクを語ってくれた。 「へえ?」 「何故か刀の使い手というと精神集中して気合で斬るんだとか そういう誤解を受けていることがあるが、実際にはそんなのは無理だ。 刀というものは刀より長いものは斬れないし、刃が通らないものも斬れない」 「言われてみりゃ当たり前だよね。で?」 「ではどうすれば斬れるのかというと、まず物が切れる仕組みを理解することだ。 さらにその物が斬れる状態に持っていくための刀の当て方動かし方、 それを実現するための身体の運び方、姿勢。 対象のどこに、刀のどの部分をどう当てどう動かしどう力を伝えるか、 そのためにはどのような姿勢から身体の各部分をどう連動させなければならないのか。 こういったことを理解して、初めて刀というものは斬れるようになる」 「ふむふむ」 「……さて、では」 「うん?」 「斬れないものを斬りたいときはどうすればいいと思う?」 「へ……」 「刀の全長より長いものや、継ぎ目のない強固な鋼。これを斬るためには」 「うーん……?斬れないものは斬れないから斬れない訳でそれを斬るには斬れるものを斬り」 あたしはしばらく無い知恵を振り絞って考えてみた。 斬れないものを斬る?当然答えなどでるはずもなく、あたしはすぐに降参する。 「だー、分かんない。そもそも『斬れないもの』なんでしょ?……どうやって斬んの?」 「何、簡単なことだ」 姉御は得意そうに腰に手を当て、はっきりきっぱり言い切った。 「気合いで斬るんだ」 バックステップを踏もうとする姉御にねじ込むような蹴りを入れる。 下がれるだけ下がりきったところを蹴り押され、体勢を崩した姉御におまけのもう片足が飛んだ。 「ぐっ……!」 勝った!姉御の居合いに気合いで勝った! 戦う前に考えてみた結果、まずあたしにはまともに斬り合って勝てる要素など無いことが分かった。 ではどうすればいいのか?更に考えてみた結果、出た結論がこれだ。 姉御の刀を弾いて飛ばしてそれから姉御を殴ればいいのだ。 そう、あたしは姉御の教えを忠実に守った。 剣筋の自分へ向かうただ一点に自分の剣筋をぶつけ、そして気合いで上回って弾く。 もちろん姉御の斬撃にもありったけの気合いが、剣気といえばいいのか、 サムライの全てを絶たんとする鋭い気合いがこもっていて弾くのは容易じゃない。 だけどサムライにはサムライの気合いがあるように、ローグにはローグの気合いがあるのだ。 その上あたしのテンションは最高潮、とどめにあたしには行住坐臥の構えがある。 行住坐臥の構えは心の構え、姉御に対するあたしの心が入った心理武装なのだ。 ここまで来て負けるわけがない。あたしは姉御の気迫を上回り、そして打ち勝った。 弾き飛ばされた刀がくるくると飛んで地面に刺さる。 皮肉にも基本を怠らずにしっかりと握った姉御の右手は刀と一緒に弾かれて空を掴む。 後ろに飛ばされ、左手を受身に回さざるを得ない姉御を追う様にあたしも飛んだ。 空中で身動きのとれない姉御を抑えるように、そのままあたしは姉御の上に落下する。 どさっ。 その衝撃で舞い上がった草葉が落ちたときにはあたしは姉御の両腕を膝で封じ、 両手で握った短剣を姉御の喉下に突きつけていた。 「……あたしの勝ち、だよね」 「……ああ……そうだな……」 短剣をしまい、膝をずらす。 見下ろした姉御はどこかぼうっととしていた。 「正直、負けるとは思わなかった」 「まあ……わか、じゃなかった、情熱の差かな」 「若さって言おうとしたな」 「はは……」 「ちょっとショックだったぞ。『今なら誰にも負けない』みたいな気分だったからな」 「あ、あたしもそんな気分だったから」 「まあいい、私の負けだ。……そろそろどいてくれ……」 あたしは姉御に馬乗りになった状態で姉御の顔を見下ろした。 ……そのときだった。ふとあたしは、どうにも妙なことを思いついてしまったのだ。 断じて言うけど、そのときまでは決してそんなつもりじゃなかった。 けどそれを思いついたあたしは、何も考えることなく気付いたらそれを口に出していた。 「ねえ、姉御」 「なんだ」 「……キスしてもいい?」 「はぁっ!?」 姉御が素っ頓狂な声を上げた。 当たり前だろう、けどそれでもあたしは動じない。 「お前は何を言ってるんだ、この期に及んでトチ狂わなくたっていいだろう……!?」 「本気だって……思い出ってことで」 「思い出なら十分心の中にあるだろ?大体なんでキスなんだ」 「なんか、世界があたしにやれって」 「それは電波だ、戻って来い。な、いいから帰ろう、離してくれ」 「やだよ……ね、いいでしょ……?」 身を屈め、顔を近づける。 本気が伝わったらしく、姉御はますます目を泳がせてしどろもどろし始めた。 「な、なぁ……やめないか、そっちにいったら戻れなくなりそうで怖いんだが」 「べつにいいじゃない」 「それにほら、アルフレッドのこともあるだろう?これって浮気だと思うな、だから」 「許可取った。これくらいなら許してくれるよ」 「……マジなのか」 「うん……」 見上げてくる視線をじっと見返す。 「「……」」 姉御のほうが先にぷい、と視線を逸らした。 「……」 「……」 「……」 「……」 「……歯、磨いてきたんだろうな……」 ―――――――――――――――――――― ギルドホームに帰るとなにやら雰囲気が一変していた。 あのふやけたキクラゲのようだったギルマスに生気がみなぎり、皆をリビングに集めている。 「ああ、お帰り!これから今後の活動方針について話し合うから席に着いてくれる?」 あたしと姉御は顔を見合わせた。 解散について話すにしてはあのギルマスのみなぎりよう。 首をひねるあたし達に彼が声を掛けてくる。 「お帰り。うまく話せたみたいだね。怪我もしてないようで何より」 「あ、うん」 「ああ、その……本当によかったのか?」 「……?なにがです?」 どたばたしながらも全員が席に着くと、ギルマスが一つ咳払いして口火を切った。 「さて、今後の方針について僕から一つ提案があるんだが……」 「提案?と、いうことは」 「そう、解散じゃない。活動継続に関する提案だ」 思わずあたしはギルマスの顔を見上げた。 他のメンバーも、なにを言い出すのかと怪訝な顔を見合わせている。 「……考えが変わったんだな」 「そうだ、昨日の僕は死んだ。今言いたいことは、人間やっぱり野心が大事だよねということだ!」 「ずいぶん変わりましたね!」 「今日の昼聞いたのとは正反対だよ」 「まあね!とある助言のおかげで僕はいっそのこと歴史に残らず歴史を動かし、 人々の平和の陰には彼らの働きがあった、そんな影役者になろうという野望を持ったわけだ」 「……よかったな……」 「僕達は本来冒険屋だ、冒険しなければ生きていけない。 それなのに大戦が終わってポータル使用許可を取り上げられ、 実績を上げて移動手段を手に入れようにも大戦が終わっているのだから躍如の機会もなく、 仕方ないから解散しようかというのがこのところの方針ではあった。 が、よく考えてみればそんなことはない。むしろ今からがチャンスだと僕は思う」 「チャンス……これからが?」 「敵との戦いが終われば仲間同士の戦いが始まるのが歴史の教訓というものだ。 争いがあれば損害を受ける人がいる、そして得をする者もまた必ずいるんだ」 「ちょっと……ちょっと待ってください。たしかにそれは歴史の教訓かもしれませんが でも、それで私たちがどうこうなるような規模の争いはそう起きないでしょう? それに……争いを利用するようなことはあまり……」 手を挙げたのは副長だった。 生真面目で道徳心の厚い副長は困惑しながらギルマスに異議を唱える。 「そうでもないんだ……とある事情から、あちこちの国で問題が噴出してる。 例えばカザン。ドラゴン襲来の折メナス補佐官はドラゴンに対抗できる共同戦線を 作るためにそれまであってないようなものだった戦力徴発を駆使して 抗戦体勢を敷いたことで多くの反発を買った。そのおかげで早くから ドラゴンに抵抗できるようになったとはいえ、今でもその禍根は残っている。 『新たなる英雄』を事実上自由に動かせるのもやっかみの種のようだ」 「世界を救った英雄の名はとてつもないネームバリューだからな」 「ミロスでは長年の圧政で蓄積した反政府感情をどうにか宥めていかなければならないし、 アイゼンはアイゼンで貴族と平民両方を相手にしながら改革を進めなきゃいけない。 ネバンプレスは千人砲を使用したことに対して国内外から波紋が広がっている。 プレロマもしかりだ。どちらもそのときの首脳はもういないってのにね! とまあ世界は今なお揉め事の種が絶えない、問題だらけといってもいい」 「……」 「この混乱に乗じて自分の目的を果たそうとする輩は五万といるはずだ。 そして彼らが自分を利そうとするならそこには僕達が利を得るチャンスもある……」 「!」 副長が顔を上げた。 リーダーもまたギルマスの顔を見上げ、つまり、と前置きして問いかける。 「そういう連中に敵対するほうに……政府を利するほうになるんだな」 「無論だ!」 ギルマスはきっぱりと言い切った。 「そもそも問題が噴出するに至った事情というのは他でもない『新たなる英雄』のことだ。 彼らが軒並み立ち並ぶ国の内側を片っ端から引っ掻き回して風通しをよくしてくれたせいで、 国を司る立場の人たちは悩み、葛藤し、その末に自分の理想を見つけて動き出した。 これを成功させずになんになる?一介の冒険屋たる僕達が味方をするなら、 同じ人間でありながら国の重圧を背負わされ、それでも答えを出した者達以外にない!」 熱のこもった口調でまくし立てるギルマスは、ここまできて少し照れ臭そうに声を落とした。 「……ま、国の管理するダンジョンに入るためには国を味方にするしかないってのもあるけど」 でも今言ったこともほんとだよ?と念を押すギルマスにあたし達も声を交し合う。 「争いを止める側……なんでしょうか」 「むしろ対抗馬だな。羊の中に紛れ込ませておく山羊かもしれん」 「かもしれんが、だけど国に協力するのが一番道理にかなっていると俺は思う」 「国に住むみんなのために働いてる人たちだもんねー……」 「私どうでもいい」 もう一度視線を前に戻す。 また咳払いを一つ、ギルマスは話を締めにかかった。 「さて。以上を踏まえ、積極的にミッションをこなすことで信頼を得、それによって ダンジョン探索の手段を手に入れるというのが僕の提案だ。 もし君達が協力してくれるのならこの僕の知識、交渉能力、情報、そしてわずかなコネを 駆使してどうにかカザンに取り入る手がかりをつくって見せるが……どうだろうか?」 「はいはーい!あたしやる!」 「僕もやります」 「……こいつらがこう言うなら、私もやるぞ」 あたしと彼と姉御が手を挙げる。 リーダーは沈黙を守り、膠着するかと思った矢先に副長が手を挙げた。 「私もやります。……世のため人のためになりそうですから」 副長にそう出られてはリーダーにも選択肢はなかった。 「……分かった、分かってる。最初から反対する気なんてないよ」 「……そういうことで」 全員の賛成を得て、ギルマスはぐっ!とガッツポーズを決めた。 「よっし!そうと決まれば明日からさっそく行動開始だ! 一介の冒険者には若干ハードルが高いがなんとかねじこんでみせるよ…… というわけで僕は明日に備えてもう寝る!各自解散!」 ウチのギルド会議はいつも唐突に始まり唐突に終わる。 今日も例に漏れずガタガタと皆がリビングから出て行く中、彼があたしに声を掛けた。 「……よかったね」 「うん」 「まったく、とんだ肩透かしだ」 振り向けば姉御が肩をすくめて軽くため息をついた。 「……ま、もうしばらくはよろしくな」 「うん。これからも当分お世話になるね」 「馬鹿。……お前は私のライバルになるんだろう」 そう言って姉御はあたしの頭をぽんぽんと撫でた。
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/17.html
・過去最高にヤマなし、オチなし ・エロ描写も完全になし。 以下人名対象一覧 カエラ:デコログ。第一人称。 姉御:女サムライ。 彼:眼鏡平。あだ名を先生。 リーダー:茶ファイター。副長と交際中。 副長:緑ナイト。名前はシンシア。 ギルマス:帽子メイジ。 姫ちゃん:プリンセス。偽鬱姫。 ――前回の戦闘から二週間弱、ようやくあたし達の戦力も全快しました。 そんなわけで現在あたし達はダンジョン探索中。 巷ではいよいよ『その日』が近いなんて噂も流れているけど、結局あたし達のやることに変わりはないんだよね。 今回は別のギルドとの合同探索。万が一だろうが億が一だろうがこの時期に 不慮の事故で戦力を失うのは避けるよう、大統領府からお達しがあったらしい。 ……うん。正直『アレ』を見てると、向こうの人たちには加勢なんて必要ないんじゃないかと思う。 あたし達のお相手はプリンセス四人で構成された歌って踊れる万能チームだった。 回復、攻撃、補助、妨害とそれぞれの役割がしっかりと果たされ、出てくるドラゴンを片っ端から仕留めていく。 まあその分道中の数が多い雑魚モンスターはこっちが引き受けてるわけで、 役に立っていないわけじゃないんだけど。それでも彼女達がここのボス格の大物ドラゴン相手に 一歩もひかずに渡り合うのをあたし達がボーっと眺めている現状に変わりはない。あ、睡眠入った。 「準備、完了……!」 「いっくわよー!ずっとあたし達のターン!」 「さあ、皆さんご一緒に?」 「受けろ!神さえ地を舐める圧倒的な暴力の嵐!!」 「「「「ナインテール」」」」 「ウボァー!」 つつがなくドラゴンの殲滅を完了し、帰り支度を始める。 と、向こうの人たちと話していた姫ちゃんが戻ってきた。基本的に無口な子なんだけど やっぱプリンセス同士話が弾んだんだろうか。 「……向こうの人たちが、話してきた」 「へ?」 「マレアイアに、遊びに来ないかって」 ―――――――――――――――――――― 南海に浮かぶ女だけの楽園、マレアイア諸島。 その中にたった一人、明らかに周囲から浮きまくって(という程でもないけど) 居心地が悪そうにしている彼がプリンセス四人に連れられて例の女の子に近付いていく。 「まぁ!本当に集めてきてくださったのですね! では、さっそくこれであなたを飾りましょう……え?ちがう?」 そこで彼は何を思ったか、予想外の行動に出た。 その手に持った羽をそっと女の子の髪に挿し、目の高さをあわせて微笑みかける。 「これでよし。うん、似合ってるよ」 「私にこれをプレゼントするというのですか……?」 「うん。こんなにきれいな羽なんだし、僕が持ってるのはもったいないと思うんだ。 それよりもこれからきれいになっていく君が持っていたほうがずっと、いいと思うよ」 「………… な、なんでしょう……頬が熱くなってしまいましたわ……! だ、男性って……思ったより優しくて怖くない生き物なのですね……!」 ………… 「かっわいいねー?」 「うわっ!?」 「頬が熱くなってしまいましたわ、だって! もう、やるじゃんあんな気の利いたアドリブができるなんて知らなかったなー、 よかったね満足してもらえた上あんなに可愛く喜んでもらえて?」 「い、いやその……」 笑顔で見送る彼に後ろからダイブして見事な受け答えの労をねぎらう。 その首筋に短剣が触れているのはご愛嬌というもんだよね。 たまらないのは彼の方だ。あせあせと必死の弁解が始まった。 「あの羽で飾られるって事は下手すれば女装とかそういう方向に行くわけで それはできれば避けたいというか何とかして別の方向に話を持っていけないかなと そんなふうに思ったらついああいうことを言っちゃったわけで……」 「……ぷっ」 あまりの必死さに思わず笑いが漏れてしまった。 「あ、……あぁ、もしかしてからかった?」 「ううん、最初は本気だった」 ―――――――――――――――――――― 場所を移してマレアイア領内、本島から島三つ分離れた海岸でウチのギルドは休暇を過ごしていた。 「やっほー、なんか釣れた?」 「いや、全然だな」 並んで釣糸を垂らしているリーダーとギルマスのうち、リーダーの方が短く答えた。 基本的には男は入れないマレアイア、男達だけ残して遊んでくるわけにもいかないので あたし達は許可を取ってここに陣取っている。 「先生君はまだマレアイアでクエスト進行中なのかい?」 「まーね。物腰柔らかいから適材だとは思うけど、誰があんなバカなクエスト考えたんだろ」 「むくれない。世の中には色々あるのさ」 「は……ところで姉御は?」 「ナイト君と一緒に水着に着替えてるよ。そのうち出てくるはず」 噂をすれば影とはこのことだろうか、防波林の向こうから姉御と副長がやってきた。 副長が着ているのは白いワンピースだ。シンプルだが色々と眩しい。 「あ、あの……リーダー、どこか変じゃありませんか?」 「あ……ああ、よく似合ってる……と思うぞ」 そして姉御はというと…… 「……ねえ、姉御」 「なんだ」 「……それ、いつも着てる全身タイツとは違うの?」 「違う!そしていつも来ているのも全身タイツではない!!」 そうなんだ……? いや、だって、でも、ねえ? たしかに袖はないし、裾も膝までしかないけど、そもそも水着なんかに縁のない暮らしを送ってきた あたしがその辺りの微妙な違いを理解できなかったとしても仕方がないんじゃないかと、あたしは思う。 「で、水着に着替えたって事は泳ぐわけ?」 「何を馬鹿な。泳ぎたいのは山々だがこの辺にはいるだろう、その、……アレが」 「あー……」 姉御のいうアレとは、……要するに触手だ。触手のアレだ。 「姉御もねえ。触手の一本や二本どーってことも」 「やめろっ!私の前でアレの話をするな!アレを思い出すだけで私は、私はっ……!!」 「ああごめん悪かったから泣かないでって…… でもさ、結界が復活したおかげでこの辺からは魔物が一掃されたんじゃなかったっけ?」 「む……?」 「せっかくだし泳いできたら?気分転換もかねてさ」 「むぅ……そうだな。滅多にこれないところだし……少し泳いでくるか」 姉御を見送ったあたしは釣り糸をたらす二人と一人のところに戻る。 「姉御が泳ぎにいったから引っ掛けないように気をつけて」 「了解。しっかし釣れないねぇ」 「潮が悪いのか、釣り方が悪いのか、餌が悪いのか……」 「……あの、そういえば」 副長が口を挟む。 「狙いは何なんですか?」 「へ?」 「釣りって普通狙いを決めて、その魚に合わせて仕掛けをつけると聞いたんですけど」 「そういえばそうだな。この仕掛けは何に合わせてあるんだ?」 「……えーっと」 「まさか……」 「か、考えてなかったなぁ……なんて」 「だめだなこりゃ」 リーダーが竿を上げた。 糸の先についているのはアゴート揚げだ。……本当に何を釣るつもりだったんだろう? 「やれやれ、情緒はあったが無駄な時間を過ごしたな」 「えー、ここで釣らないと夕ご飯が淋しいことになるよ?」 「んなこと言ってもな。……そうだ、シンシアは泳ぎに行かないのか?」 リーダーが副長に声を掛けた。 「むむ、こういう場合まずは日焼け止めを塗ってあげるのが定番ではないのかね?」 「お前は黙ってろ」 「私、あまり泳ぐのは得意ではないですし……それに小耳に挟んだんですけど、 この辺りは潮の関係でマレアイアで出たゴミが流れ着くそうですし」 「観光地とゴミ問題は切っても切れぬ関係だな」 「観光地にしたいわけじゃなかったんだろうけどね」 「気候が気候だからね…… ……ゴミで思い出したけど、マレアイアの弁当屋には裏メニューでろぉぱぁうどんがあるらしくてさ。 雑誌とかで知った人が興味本位で注文して、結局撃沈して捨ててしまうことも多いそうだよ」 「ふぅん……」 食べ物を粗末にしちゃいけないのに…… ……ん?ということは? 「ふぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」 浅瀬の方からろぉぱぁうどんの残骸に驚いた姉御の悲鳴が聞こえてきたのはそのときだった。 ―――――――――――――――――――― 「凄い悲鳴でしたね」 「いくら触手が嫌いでもうどんの残骸に驚くことないと思うんだけどなぁ」 あのあと姉御はあたしが助けに行くまで腰を抜かしてへたり込んでいた。 浅瀬だったからよかったものの、足がつかなかったらと思うともう姉御は海水浴はしないほうがいいと思う。 その姉御は現在リーダーと組み手の真っ最中だ。 組み手といってもリーダーの手には刃を潰した巨大な剣が握られているんだけどね。 ちなみに姉御は刀を持ってきていない。ああいうものは潮風に当てないほうがいいんだそうだ。 で、その組み手の様子はというと。 「……せやっ!!」 「がふっっ!?」 一方的だった。 特攻し、受け流し、反撃の機会さえ与えず一撃でのす。 先程の恥を洗い流そうとするかのごとく姉御は完膚なきまでにリーダーを叩きのめし続けていた。 「で、副長。ちょうど二人で話せるしさ、聞きたいことがあるんだけど」 「はい?なんですか?」 あれから二週間。 「リーダーとはどこまでいったの?」 「……ええぇ!?」 「赤くなった赤くなった」 「もう、からかわないでください!」 「ごめん、あんまり予想通りだったから。で、実際どう?まだキスさえしてないって聞かされても驚かないけど」 「ばば馬鹿にしないでください。そのくらいは……」 「おお。いつ?どこで?どっちから?」 「あのときリーダーが気がついて、あなたがいなくなった後……って、何を言わせるんですか!」 「やー、あの奥手な二人が正式に付き合い始めたくらいで何か変わるもんなのかな、とか思って」 「放っておいてくださいよぅ……それよりあなたの方はどうなんですか?」 「あたし?」 「その、参考までに恋人らしいこととはどんなことをするのかな、と」 「あたし達かぁ……」 それこそ人それぞれ、場合によりけりではなかろうか、と思わないでもない。 そもそも別の理由であたし達は参考にならない気がする。 出会ってから今の関係になるまでは色々と早かった。相補性と偶然がいい感じに重なったんだろう。 で、一時期はお互い若さと好奇心で若干サルをやったこともあったけど、本来あたし達は そっち方向は淡白らしい。自分で言ってて死にたくなってきたけど。 気の向いたときに寄り添って話し合って、遊んだりする。 あたし達はあまり恋人という言い方をしないような気がする。特にそんなことにこだわったりせず、 気の向くままに付き合っている。 ……これって、どうなんだろうか。 これって、遊びの関係とどう違うんだろうか。 もちろんあたしが彼に対して抱いている感情はそんなもんじゃないと思うけど、やってることは。 このままじゃまずいんじゃなかろうか。 なんとなく、そんな事を考えてしまわないでもない…… 「あの、カエラさん」 「あ、ごめんごめん。ちょっと考え事しちゃって」 「それはいいんですけど、あれ」 「?」 「ちょっとリーダーが心配になって来ました」 「……む、力が入りすぎたか?」 そうこうしている間に砂浜に倒れ伏したリーダーが起き上がらなくなっていた。 やっちまったか? 思わずあたし達が腰を浮かしかけたところでリーダーは復活した。 「……だーーーーっ!!なんでだ、なんで勝てない!? 始めと同時に突っ込んできて、どう防ごうとしてもねじ込んできてのされる! いったいどうしろと……」 起き上がるなり叫びを上げるリーダーにギルマスが冷静な声を投げる。 「……すこし落ち着いたらどうだい?頭を使わないから負けるんだよ、頭を」 「お前な……傍から見てりゃそりゃ簡単かもしれんがな?こっちは本気で」 「そう、そうなんだよ」 「?」 「傍から見てると君がさっきからどうしてやられ続けてるのか理由が丸分かりだってこと。 ……ナイト君、教えてあげたまえ」 「私ですか!?」 突然話を振られて慌てる副長だったが、リーダーの真剣な視線に一つ咳払いして口を開く。 「ええっとですね?つまり、その、簡単に言うと」 「うんうん」 「サムライさんは積極的に接近戦に打って出ているように見えて、実際には リーダーの迎撃に合わせてカウンターだけで戦ってるんです」 「!なん……だと……!?」 あまりにも簡単な答えに絶句しかでない。ご苦労様、とおいてギルマスが話を引き取った。 「ファイターの戦い方は攻防一体、その巨大な武器で致命的な威力を持った攻撃を繰り出すことで、 巨大なモンスターを押し戻したり敵に防御を取らせて行動を封じつつ戦うのが基本スタイルだ。 突っ込んでくるサムライも回避するのが困難である以上、その攻撃ルートをできる限り塞ぐように 迎撃するのが君なりの防御法になる。が、実際にはサムライは君が迎撃を始めるまで攻撃しない。 君が慌てて迎撃しようとしたところを、逆にそれにあわせてドカン!というわけだ」 「……マジか?」 「はっはっはっは、気付かずに何とか勝とうと必死になるお前をボコるのは楽しかったなぁ。 さて、飽きたからそろそろやめようっと」 「勝ち逃げかよ!?」 持って行き場をなくしたリーダーの視線がギルマスで止まる。 あきらめろ、とギルマスは無言で却下した。 「畜生……」 「さて、そろそろ先生君とプリンセスが戻ってくる頃だ。野営の準備をしよう」 ―――――――――――――――――――― なんだかんだいって今回の休暇もあっという間だったな。 そんな感慨が浮かび上がる。 「それにしても姫ちゃんのあれ、びっくりしたな」 パチパチと爆ぜる炎をを見たまま隣の彼に話しかけた。 「たしかに……言葉にはしにくいけど、あれだもんね」 それは彼が戻ってきた直後のことだった。ほどなく戻ってきた姫ちゃんが、いきなり 素っ頓狂なイントネーションで、知らない言葉をしゃべりだしたのだ。 マレロ言語。 あれが元は共通言語から枝分かれしたらしいと聞かされても、あたしには到底理解できない。 「なんてゆーかさ、あのイントネーションを聞いてると遺伝子に刻まれた何かが……」 「わかるわかる」 「……」 「……」 やや、沈黙が落ちた。 「それとは別にさ、不思議な国だよね」 「そうかな?」 「そうだよ。 …… ところでさ、お昼もいなくて夕方までずーっと帰ってこなかったよね。 やっぱ男嫌いの人たちに男を認めさせるためあれやこれや一生懸命……」 ダメだ。こんな話をするべきではないと分かっていても、つい口を突いて棘のある言葉が出てしまう。 ところが、以外にも帰ってきたのは照れくさそうな苦笑顔だった。 「いや、まあ……それもなくはないんだけど、……これ」 「へ?」 「星花の貝殻。マレアイアでしか手に入らないんだって。 何とか手に入らないかと思ってあちこちの砂浜を探し回っちゃって…… 気がついたらあんな時間になっちゃってたんだ。本当にごめんね」 「……どうして?」 「いや、その……夢中になると周りが見えなくなるというか、時間を忘れるとは本末転倒というか」 「あ、そうじゃなくて。……今日、なんか特別な日だっけ?どうしてそんなに……」 「え……」 じっと、答えを待つ。 帰ってきたのは、簡単で、どうということもなくて、そして単純な答えだった。 「えっと……プレゼントしたかったから……じゃ、ダメかな」 ……なんでしょう、頬が熱くなってしまいましたわ。 「………っ」 何故そんな事を聞かれたのかも分からないといった表情。 あたしは思わず彼の背中を叩きながら笑いをかみ殺していた。 「え、え、なに?なにか変なこと言ったかな?」 「あははは、いやー、我ながら変なことに気を回したなーと思って」 「??」 「世間一般のイメージはどうか知んないけど、あたし達はあたし達だねってこと」 なおも訳のわからなそうな顔をする彼にもたれかかり、姉御達のほうを見やる。 酒盛りに移行した大人組。 こちらの視線に気付いた姉御が意味もなく小さく手を振ってくる。 軽く手を振り返し視線をずらすと、姫ちゃんは若干おねむのようだ。 ぼーっとしている姫ちゃんを気遣いながらも副長はリーダーにお酒をつがれ、お返しにつぎ返している。 「ふぅ……なんてゆーか」 「なんていうか?」 「楽しくない」 「えぇー……」 「特におもしろいこともしなかったし、おいしいご飯もなくて魚を適当に焼いただけだし、 いつの間にか時間がたってて何してたんだろうって思っちゃうけど……」 あれ?酔っ払ったんだろうか。 お酒も飲んでないのに、思考回路がおかしい。 「……でも、なんか幸せ」 本当ならこの休暇をフルに使って、色々な楽しいことにチャレンジしてみるところなんだろう。 それもできずいつの間にか時間を過ごしてしまっていたのに、今あるのは暖かい気持ちだけだ。 「あぁ……なんとなく分かるよ」 「ほんとに?」 「うん。なんていうか、何か嬉しいことがあったときの幸福感よりももっと原始的な、 家族や仲間が一緒にいる安心感かなって」 「あー。そっか……皆一緒だもんね」 「いつもは意識しないけどね」 上を見上げる。とてもいい月だ。 その光に魅せられて、睡魔に支配され始めた頭に変なテンションが湧き上がってくる。 「ねえ……」 「何?」 「やっぱ、自分の居場所は自分で守んなきゃダメだよね」 「そうだね。あと、自分だけじゃなくて皆で」 「よーし、やるぞー……ドラゴンなんかにあたしの居場所をやったりするもんか、くるならこいやぁー……」 「はは……うん、その通りだ。後もうちょっと、頑張ろうね」 「おー……」 後で分かったことだが、あたしが飲んでいたのは本当にお酒だったらしい。 そんなわけであたしの記憶はここでブラックアウトだ。 ただ、あのとき、また皆でこんなきれいな月を見たいなと思ったことは、 今でもはっきりと覚えている。
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/76.html
小さな国があった。 その小さな国は竜の襲撃に会い、滅んだ。 滅びる寸前、王は一人の騎士に自分の娘と逃げるように言った。 「これから先、お前がこの子を守ってくれ」と言って。 そして国は滅び、一人の騎士と姫は何とか生き延びた。 この世界ではそんなに珍しくもない話。 「ここが…カザン…」 一人の男がカザンと言う街の入り口に立っていた。 金色の目、白い髪、褐色の肌、そして人間にしては少し長い耳が男の特徴だった。 男は所々ボロボロの鎧を身に纏い、その隣には小さい少女が立っていた。 少女は青い髪に獣のような耳を持ち、その手の中にはぬいぐるみがあった。 「姫様、少し休みましょう。ここ最近はずっと歩きっぱなしでしたし…」 男にそう言われると、姫様と呼ばれた少女は首を横に振った。 「しかし…」 「…大丈夫だよ、グリオン」 少女はグリオンと呼んだ男の顔を見て、そう告げる。 「…申し訳ありません。私に力がないばかりに…」 「違うよ。グリオンは十分私の力になってくれてるよ…」 その言葉を聞き、グリオンの表情は崩れそうになる。 一度や二度の話ではない。 グリオンが少女を気遣うたび、少女はグリオンにそう言う。 そしてそのたびにグリオンは思う、もっとこの子を支えられる力が欲しいと。 「…それでは水を恵んできてもらいますので姫様はここで待っていてください」 「…私も行く」 「いえ、姫様はここで休んでいてください」 「…大丈夫って言った」 そう言う少女の姿はどう見ても疲れていた。 「嘘はダメです。少し休んでください。姫様に倒れられたら私が困ります」 「でも…」 「大丈夫です。すぐ戻りますから」 「あ…」 グリオンは言い終えると少女に背を向けて歩き出した。 少女はその背を追おうとするが、通行人にぶつかってしまう。 少女は尻餅をつき、ぬいぐるみが地面に落ちる。 「おっと、ごめんよ、大丈夫?」 「だ、大丈夫です…」 少女はぬいぐるみを抱えて立ち上がる。 ぬいぐるみが少し汚れたが気にしない。 すでにぬいぐるみは綺麗と呼べる状態ではなかったから。 「本当に大丈夫?」 「うん…」 「ごめんね、お譲ちゃん」 そう言って通行人は去っていく。 少女はすぐに辺りを見回す。 少女と一緒にいた騎士、グリオンの姿は大勢の通行人の中に隠れ、もうなかった。 少女はぬいぐるみを抱く腕に力を込める。 (グリオン、いない…一人…ぼっち…) 少女はしゃがみ込むと、声を出さずに泣き出した。 このカザンの街に来るまで少女はずっと騎士から離れなかった。 離れたらグリオンもいなくなりそうだったから、父親や母親のように。 だからどんなに疲れていても離れなかった。 だが、離れてしまった、こんなにも簡単に。 「っ…ぅ…」 「あなた、大丈夫?迷子?」 「…ぅっ?」 少女が顔を上げるとそこには大きな斧を持った男と白髪の獣耳少女がいた。 少女はさらにぬいぐるみを抱く力を強くし、警戒した。 「あ、大丈夫よ!私達怖くないから!」 「ああ、その証拠を見せてやろう」 「え?」 白髪の少女が男の方を向くと、男は奇妙な踊りをし始めた。 俗に言うヒゲダンスである。 「…何してるの?」 「子供は歌と踊りが好きだろう?だから、ほ~ら」 そう言うと男は踊るスピードを速くする。 「な、怖くないだろう?」 怪しい上に何か怖かった。 少女は怯えた様子でその男の顔を見た。 男はそれに気づくと、ニカッと笑ってみせた。 それを見て、不思議と少女は男が怖くなくなった。 「もう!変な踊りはやめて!」 「ちぇっ、これからなのに…」 「いいから!……前回はまだまともでかっこ良かったのになぁ…」 「え、何?」 「すごい変人と一緒になっちゃったって言ったの」 白髪の少女は男にそう言うと、泣いていた少女の方を向いた。 「ごめんね、怖かったでしょ?お姉さんは怖くないから。私はイクラクン。あなたは?」 「…モモメノ」 「モモメノちゃんね、可愛い名前ね」 「確かにな。イクラクンと比べると天と地の差だ」 「そう言えばまだ私の実力見せてなかったよね。せっかくだし手加減なしで見せてあげる」 「よく考えるとイクラクンって名前もすごい可愛いよな。はぁいとかばぶぅとか言いそうで」 「それ、違うから。どっちかって言うと『チャン』だから」 「あの…お兄ちゃんの名前は?」 モモメノと名乗った少女がそう聞くと、男は再び笑って答えた。 「俺はファンタって言うんだ。シュワシュワしてそうだろ?」 「…うん」 モモメノは頷き、微かに笑った。 イクラクンはその様子を見ると、大きくため息をついた。 「最初っからそうしていて欲しいわ。いきなり変になられるとこっちが疲れるんだから…」 「ははは、悪い悪い。で、モモメノ、迷子なのか?」 正しくは迷子ではないが、モモメノは答えずにただうつむいた。 「…よし、俺が一緒に保護者を探してやろう!いいよな、イクラクン」 「うん、もちろん。モモメノちゃん、出来れば探している人の特徴を教えて欲しいんだけど…」 イクラクンに聞かれると、モモメノは顔を上げた。 「鎧、着てる…」 「鎧、か…ここじゃそんな奴いっぱいいるからな…おっ、そうだ。モモメノ、立てるか?」 「うん…」 ファンタに言われるとモモメノは立ち上がった。 「うし!」 「ぇ?」 ファンタはモモメノの後ろに回りこみ、彼女の太ももの間に頭を突っ込み、足をつかんだ。 「ちょ、何してるのよぉ!」 イクラクンはモモメノの太ももの間にあるファンタの頭を思い切り蹴った。 「ごっ!ま、待った待った!」 「うるさい、変態!」 「だぁ~、違う違う!蹴らないで!お願いしますから!」 「ゎ…」 ファンタがその姿勢のまま立ち上がると、ファンタがモモメノを肩車する形になった。 「どうだ、高いか?人の顔、よく見えるか?」 「…うん、見える…すごい」 「よし、探そう。そして、イクラクンは俺に何か一言ください」 「う……ご、ごめんなさい…」 「うむ、では罰として俺の斧を持ちなさい」 「え、ちょ」 「さぁ、しゅっぱーつ」 「ま、待って…う、重い…」 そしてファンタとイクラクンは歩き出した。 30分後、彼らは元の場所に向かっていた。 「み、見つからないね…」 「ま、向こうも探してるかもしれんしな、すれ違ったかもしれん」 「そうかもしれないわね…」 イクラクンは重い斧を持って歩いていたせいか元気がなかった。 「ぁ…」 「ん、どうした?モモメノ」 モモメノの目は探している人物を捉えた。 「いた…あの人…」 「ん……え、あの人か?」 「…すごい人ね」 モモメノが探していた人物、グリオンは顔から出るものを全部出してひたすら「びめざま、びめざまぁ~!」と叫んでいた。 「早く声をかけよう。やばそうだし」 「そ、そうね」 「本当に!ありがとうございましたぁ!」 グリオンはそう言ってファンタとイクラクンに向かって土下座をする。 「いや、いいって。どっちかって言うと俺達が勘違いしたせいであんたに迷惑かけたし」 「そ、そうですよ。顔を上げてください」 「いえ、姫様に寂しい思いをさせてしまったのがそもそもの原因です!」 グリオンはそう言って頭を下げ続けている。 グリオンの説明でファンタとイクラクンはモモメノが迷子じゃなかった事を知った。 「いいから顔上げてくれ。ほら、モモメノも困ってるだろ?」 モモメノは沈んだ表情でグリオンを見ていた。 「ごめんなさい、グリオン…」 「そんな!姫様は何も悪くありません!」 ファンタは二人のその様子を見ると、口を開いた。 「なぁ、モモメノってどこかの国のお姫様なのか?」 「そう言えばさっきからグリオンさん、姫様姫様って言ってるね」 「それは…」 グリオンは一瞬ためらったが、二人の方に向き直った。 「分かりました。貴方達には教えましょう。先ほどの事もありますし」 グリオンはそう言って自分とモモメノの事を話した。 グリオンは昔、死にかけていた所をモモメノの父に拾われ、王である彼に忠誠を誓った事。 ある日突然ドラゴンに国を襲われ、国が滅亡した事。 王はグリオンにモモメノを連れて国を出るように命令し、グリオンは苦悩しながらもそれに従った事。 そして、モモメノとこのカザンまで歩いてきた事をグリオンは話した。 ファンタとイクラクンは黙ってそれを聞いていた。 グリオンが話し終えるとファンタが口を開いた。 「なるほどね。でも何でカザンに来たんだ?」 「ここではハントマンを集めていると聞いています。私はハントマンとなり、お金を稼ぎ、姫様を守っていくつもりです」 「他の国で騎士をやるって事は考えなかったのか?」 「私の王は…あの人だけです」 グリオンはそう言うと、ファンタは少し考えた後にグリオンに言った。 「なぁ、あんた、俺達の仲間になるか?」 「む、それは…」 「俺達のギルドに入らないかって事。これからあんた一人だと大変だろ?」 ファンタがそう言うと、グリオンの表情が明るくなる。 「ほ、本当ですか!?」 「ああ、でも一つ条件がある」 「条件?」 「モモメノもギルドの一員として働いてもらう」 それを聞いた途端、グリオンの表情が変わった。 「そ、それはなりません!姫様を危ない目には…」 そう言うグリオンを無視し、ファンタはモモメノの前まで来ると姿勢を低くした。 「モモメノ、俺とイクラクンは竜の侵略から人を助けようと持ってる。お前にもそれを手伝って欲しい」 「お手伝…い?」 「ああ。でもすごい危ない事だ。死ぬかもしれない。でも、一つだけ約束してやれる事がある」 「約束?」 モモメノがそう言うとファンタは頷いて、笑った。 「お前に寂しい思いをさせない。お前が独りになりそうな時は俺とイクラクンが傍にいる。 もちろんグリオンだって一緒だ。この約束だけは絶対守ってやる」 「…本当?」 モモメノは知らない内に泣いていた。 何に泣いていたのかは分からないが泣いていた。 「ああ、本当だ」 ファンタはそう言ってモモメノの涙をぬぐった。 「…分かった…お手伝い、する」 「姫様…」 「と言う事なので、よろしくお願いしますぜ、グリオンさん」 「しかし…」 「大丈夫だよ、死なせないって。俺ってこう見えて臆病なんだ。 大切なものがなくなるのは怖くて仕方ないのだよ。だから死に物狂いで守ってやる」 「…分かりました。この命、ファンタ様に預けます」 「だが断る」 「え?」 「あんたに死なれるのは怖いんだって。あ、そうだ、イクラクン、悪いな、勝手に約束して」 「文句言うと思ったの?」 「ですよねー」 そう言ってファンタはモモメノに背を向けてしゃがんだ。 「話聞いた感じだと相当疲れてるだろ?おぶってやるよ」 「ぇ、いいの?」 「それは俺の台詞だ。可愛い子おぶれるんだから」 言ってる事が滅茶苦茶だがモモメノはほんの少しだけ笑みを浮かべてファンタにおぶさった。 「うし、グリオンさん、あんた、俺の斧持って」 「イクラクンが持ってる奴だ」 「こ、これです…」 イクラクンはグリオンにそう言って斧を渡した。 「これは…中々重いですね」 「は、はい…」 「悪かったな、イクラクン、後で何かおごるから」 「え、でも、あれは罰で…」 「女にあんな重い物持たせて何もしないわけにはいかんだろ」 ファンタにそう言われ、イクラクンは頬を染めた。 「…本当に…普段から真面目ならかっこいいのに…」 「んぁ?」 「何でもない」 イクラクンはファンタに顔を見られないようにそっぽを向いた。 「ま、モモメノはプリンセスってとこだし、ヒーラーがいないのはきついが何とかなるだろ?」 「アイテムで何とかするしかないわね…ねぇ、プリンセスやヒーラーは知っててメイジは知らなかったの?」 「え?」 「え、じゃなくて。最初メイジをチョコ売りって…」 イクラクンがそう言うとファンタは口笛を吹きながらそっぽを向く。 「知ってたの?」 「さぁ、ワシにはなんの事かさっぱり」 「知ってたんでしょ!知ってたのね!?」 「よし、ギルドオフィスまで逃げよう」 「逃げよー」 モモメノの台詞とともにファンタは走り出した。 「ちょ、待ちなさい!」 イクラクンもそれを追う。 「お、置いてかないでください!」 グリオンもまた、それを追う。 間もなくして彼らはギルドを結成する。 彼らがドラゴンを相手にどんな活躍をするのか、それはまた別の話。 ~おまけ~ 「全滅した時さ、「hageた」もいいけど「フロワロスwww」もいいんじゃないか?」 「いや、笑えないから」 → 戦士とアリエッタ ← ファイター♂とメイジ♀の始まりの物語
https://w.atwiki.jp/chocomon/pages/67.html
アイスドラゴン 龍 ⭐︎7 出現 ダグ雪原 合成例 フレアドラゴン*アイスゴーレム 進化例 クエレブレ アクティブスキル アイスブレス? パッシブスキル 氷の翼? 作成に必要なまでの⭐︎5-6モンスター フレアドラゴン*アイスゴーレム 関連ページ アイスゴーレム フレアドラゴン モンスター一覧