約 2,336,635 件
https://w.atwiki.jp/riku_ace/pages/16.html
【作品】QUOVADIS2 【機体】スナイパー 【パイロット】ネリー・カテナ 【アビリティ】ジャンプ不可 【サポート】SLXシサクレーザー 単体攻撃 プレイヤーAP30%以下 A-E5段評価 装甲E ダッシュB バーニアA 旋回C 射撃 TMGマシンガン 格闘 タックル シフト□ SLXシサクレーザー(4段階チャージ) チャージ中は移動不可 極長射程、弾速∞ Lv0 撃てない Lv1 レーザードライフルな太さ Lv2 ビームライフルな太さ Lv3 バスターライフルな太さ Lv4 サテライトキャノンな太さ シフト△ ML5ミサイル(爆発) シフト○ LM8Sミサイルポッド(マルチ8・多重1・高速ロック) シフト× なし シフトR1 なし シフトR2 なし ○ タックル
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1769.html
前世の記憶とかって何か格好良いよね 開け放された控え室のドア。 そこに居たのは、俺の親父・・・正確には親父だった男。名前は山田信善。 「親父、心配いらないって・・・どう言う事だ?」 「筐体の仕掛けは、俺とこいつで行く」 親父が指差した先、親父の肩には、騎士型サイフォスの武装神姫が乗っていた。 「メサイア。俺の助手兼相棒だ」 「よろしく」 メサイア・・・救世主か。沢山の神姫の命を救う点じゃ相応しい名前かな・・・ 「さぁ和章、そろそろお前達の試合だ。行って来い」 「あぁ。親父、頼んだ」 「任せとけ」 俺はタマとオイルを連れて会場へ向かった。 「で、何でなん?」 和章が行った後、晴子が信善に尋ねた。 「何がだ?」 信善は軽く笑みを浮かべながら聞き返した。 「アンタはいつもそうや。知っとるクセしてはぐらかす・・・何で今更戻って来たんか聞いとるんや」 晴子は溜息をつきながらも言い直した。信善は笑みを浮かべたまま和章が出て行ったドアを見つめて言った。 「ちょっと確認にね・・・あの調子じゃ、まだみたいだが・・・」 「確認?」 「あぁ。まぁ、いずれ解るさ」 Bブロック第5試合。つまりオイルの試合だ。 相手は武士型紅緒。装備は標準装備だが、見慣れない刀を装備している。 「刀・・・か。標準武装ならまだいいがオリジナルとなるとな・・・嫌な事思い出すな」 「カズアキ?何か言った?」 「気にするな、ただの妄言だ」 独り言をマイクが拾っちまったか・・・しっかり聞こえなかっただけマシか? 「それより今は目の前の相手に集中だ。負けられないしな」 「わかってるよ!」 「オイルちゃん、がんばって!」 俺とタマの声援を受けながら相手の武士型と対峙するオイル。 次の瞬間には、二人の刀が激突していた。 「・・・この刀、なかなか良いね。でも扱う側がしっかりしてあげてないみたいだね・・・これじゃ刀がかわいそうだよ」 「随分と刀に詳しいのね・・・マスターさんは刀匠か何かかしら?」 「まさか、ただのニートだよ。何でかな・・・別に刀について詳しく勉強した訳でも無いのに、自然と頭に浮かんでくるんだ」 「前世の記憶ってやつじゃないかしら?普通は残らないけど」 相手と何か話しているようだが、打ち合う音でよく聞こえない。 「オイルちゃん、なにはなしてるんだろ?」 「さぁな。あいつが心理戦をするとは思えないが・・・」 タマと俺が疑問に思っている間に、オイルのエアロヴァジュラが相手の刀を弾き、そのまま相手の胸に突き刺さった。 『winner、オイル』 「ただいま」 「お疲れさん」 「おつかれさまー!」 「そう言えばオイル、相手と何話してたんだ?」 戻ってきたオイルに問いかける。 「いやね、刀の事について・・・何か知らないけど色々知っててね」 「そうか・・・いや、まさかな」 「カズアキ?」 「いや、それならいいんだ」 そんな事ありえるはず無いよな・・・きっと偶然か何かだろう。それより今は大会に集中だ。 「あと三回勝てば二回戦進出だ。頑張ろうな」 「もちろん!アースに勝つまでは絶対負けない!」 「おいおい、それじゃアースに勝ったら後はどうでもいいみたいじゃないか・・・」 「ずっとまけちゃだめだよ!」 そろそろさっきの武士型のマスターが連れて行かれる所かな・・・お袋、親父、上手くやってくれよ・・・ 第十九話につづく 第十七話に戻る ネコのマスターの奮闘日記
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/186.html
そのろく「類は共を呼び友になるのか?」 きりきりきりきり ひゅっ ずとん 「的中」 現在部活動の真っ最中。 人間何事も平常心が大切だよね、って取って付けた事を言うつもりも無いけど、雑念邪念を振り払いたい僕にとって、この部活を選んで良かったと言わざるを得ない。 昨晩のアレは、なんて言うかダメすぎる。 おかげで今朝は、なんとなくティキを正視出来なかった。 そういう意味でも弓道っていいよね。精神修行だし、集中しないと動作に現れる。 つまりへまをやらかしたくなければ余計な事は考えないようにしないといけない。 ひとしきり矢を番えた僕は、更に精神を落ち着かせる為道場の隅で正座し、反目閉じる。 ウチの学校の弓道部は大会等で好成績を残す事を目的としていない。なら何が目的なのかと言えば、「修練」なのだそうだ。 だから勝つ為の技法より、心構えや求道性を求められる。そんな指導で強い選手など早々育ちはしない。 つまり、そんな空気感のある部活と言う事。 だから僕が隅で心を落ち着かせる為に正座をしようが、誰にもとがめられる事は無い。 顧問に言わせればむしろ奨励。 実際にどんな邪念妄想を打ち消そうとしているかなんて、誰にもわかるはず無いのだから、僕はこの時間を有効活用し、必死に平常心を取り戻そうとしていた。 すうっ、と僕の隣に誰かが座る気配を感じる。 一人が座して、他の部員がそれに倣う事も多々あることなので、僕は気にしないで雑念と闘っていた。 の だ が、 「武装神姫」 耳元ではっきりとそう聞こえた。 雑念を読み取られるわけ無いんだけど、僕はそれでもギョッとして今となりに座した人を確認する。 同じ一年の式部敦詞(しきぶ・あつし)がそこにいた。 式部は目を閉じたまま、小声で続けた。 「明日の放課後、神姫を連れて三丁目の公園に来い」 「……わかった」 僕は、やはり小声で答えるしかない。僕は学校ではそういう興味がまったく無い人間として過ごしているので、事を大きく出来ない。たとえそれが脅迫だとしても、だ。 結局僕は、新たな雑念を抱えて家路に就くことになった。 次の日 部活が無い日をわざわざ選ぶのは、やはり同じ部に所属するからで、部活がある日だと時間的に都合が悪い。そういう意味じゃ常識的な相手。 つまり、あまりにも非常識な要求はしてこないだろう、と僕は予測する。 正確に時間を決めていたわけじゃないので特に急ぐ事も無く、僕は公園に到着した。 「遅い!」 来るなりヤツはそう言う。 「別に時間決めてたワケじゃないだろう?」 僕は答える。チョット言葉が強張るのは緊張してるから。 「それがお前の神姫か?」 「そ……そうだ」 式部は僕の頭の上にいるティキを見る。今日のティキは母さんが作った服を着ていた。 そんなティキを確認し、式部はチョットだけ目付きをきつくした。 頭の上でティキがビクッと震えるのを感じる。 「なんで武装して無いんだよ」 「……はぁ?」 「それじゃあバトル出来ねーじゃんかー!」 式部はそう言うと、大げさに天を仰ぐ。 「……話が読めないんだけど?」 そう言った後で、僕は式部のすぐ近くで宙に浮いている、小さな人影を確認した。 白い素体に真っ赤なアーマー。 「おい、それって……」 僕は思わず指差す。 果たしてそこにいたのはMMS TYPE SANTA CLAUS ツガル。 その姿に頭上のティキも気付いたんだろう。僕の頭の上でジタバタと暴れだす。 「マスタ! マスタ! 見た事無い娘がいるですよぉ☆ すごいですよぉ♪」 「まだ発売して無いウエポンセットの!!」 「はい。はじめまして。きらりです。よろしくお願いします」 未だ天を仰いで悶絶している自らのオーナーを尻目に、きらりと名乗った神姫が丁寧にお辞儀した。 公園にいたままじゃ埒が明かないという結論に至って、僕らは連れ立って近所のアミューズメント・センターに場所を移した。 ここは所謂昔で言うところのゲーセン。それにファーストフード店とそして武装神姫のアクセスセンターとを兼ね備えている施設だ。 「つまりBAのコニ○・パレスみたいなところなのですよぉ♪」 「……誰に対して言ってるかわからない上に、僕には言ってる意味もわからん」 遠慮がちにティキにつっこむ。 場所柄だろうか、周りには神姫を連れた人たちで賑わっている。ここではセカンドリーグまで扱っているらしいので、そういう意味じゃリーグ参加者が多いのも当然か。 僕らの様な地方(と言っても首都圏)に住んでいる人間にとって、こういう施設は需要が高い。 僕らは適当に空いている席を陣取ると、軽食を取りながら改めて話を始めた。 あー……でも、たいした話でも無いので内容だけ。 要するに、式部は僕とティキが初めてバトルしたあの試合を偶然にも目撃していたらしい。それでオーナーの顔を覗いて見たら、何と見知った顔じゃないか。神姫ユーザーである事を(僕とほぼ同じ理由で)隠していた式部は、何としても発見した同士を逃がすわけには行かない。 「と思って、つい声をかけちまったんだよ」 式部はそう言ってジュースのストローに口をつける。 「それにしたって、もっとやり方ってあるだろう? っと、ティキ、ウロチョロしない」 答えながらもティキをあやす。ティキとしては珍しいんだろうな。もっと色々と外に連れ出さないと。反省。 そういう意味じゃ、きらりは落ち着いたもので、大人しく座って式部と一緒にポテトをかじっている。 「あんな言い方じゃ、どう好意的にとっても友好的には受け取れないよ」 僕は大好きなマウ○テン・デューに手をつける。 「あー…… それについては反省してる。よっぽど切羽詰ってたんだな、俺」 「一人で納得するなよ」 「ははは。まぁ良いだろ? で、それじゃ、改めて。今度部活が無い日に、俺のきらりとお前のティキでバトルしようぜ」 そう言って右手を僕に差し出す。これは握手しようってことかな? 「わかった。明々後日だね。……最初からそう言ってくれれば良かったんだよ」 僕は式部と握手を交わす。こういうのって慣れて無いからチョット照れる。 「へへへ、こういうの、チョット照れるな」 まるで僕の心の中に浮かんだ言葉をそのまま言った様な、そんな事を口にした式部に驚く。 だけど、僕が驚いた事には気付かなかった様で、式部はごく普通に話を続けた。 その後、僕と式部は今まで誰にも言えなかった神姫の話を十分に語り合い、ティキときらりはお互い知らない事を情報交換し、親睦を深めていった。 「それじゃぁ、またな」 「うん、また明日」 「今度はバトルフィールドで会おうね」 「ハイですぅ♪ 楽しみなのですよぉ♪」 僕らが別れの挨拶を交わす頃にはもう時間は十分に遅くなっていて、とても高校生が遊んでいる時間とは言えない。 空には満天の星が輝いていた。 「明日も晴れそうだね」 「ハイですぅ♪」 足取りも軽く、僕は家路についた。 ……母さんに怒られる事は必至なんだけど、ね。 終える / もどる / つづく!
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/735.html
武装神姫 鳳凰カップ 実況生中継! 「みなさん、こんにちわ。この番組の実況を務めさせて頂きます、アナウンサーの花菱 燕(ツバメ)です」 二日目の午前十時、俺は昨日まで予選会場だった場所に入れ替わるようにして設置された特設巨大スタジアムの放送席にいる 観客の最大収容人数は一万五千人、中継用のテレビカメラ30台…… もうアホだ、このグループ ゲンナリしつつもやはり解説者の仕事はやらざるをえず、ノアだけを連れて決勝トーナメント開会セレモ二ーのため勢揃いしている予選を勝ち抜いてきた16組を放送席から眺めていた 葉月のヤツ…滅茶苦茶緊張してるよ… 逆にアルティはドッシリ構えてやがる さすが元八相、大舞台には強いってか ミコとユーナはどこかって? 全国放送の番組だ、流石にミコとユーナを連れての大騒ぎはまずいだろうという事で二人は香憐ねぇに預けておいた ちなみに俺の横にいるアナウンサーさんは…もうなんとなくわかるよな? 燕さんは昴の母親なんだわ 花菱財閥の令嬢なのだが、アナウンサーの道に憧れてからは夫である昴の親父さんに財閥を任せ、のびのびと天職ともいえるフリーアナウンサーの仕事をやっている そんでもって御袋と桜さんの二人と同じく幼馴染 三人揃えば元祖かしましシスターズ!! …姉妹ではないがそれほど仲が良いということだ 「それでは今日の解説者の方をご紹介します。まずは武装神姫公式リーグ、公式ランキング13位、ファーストランカーの橘 明人さんと『緑色のケルベロス』ことパートナーのノアールさん。そしてそのお隣が同じく武装神姫公式リーグ、公式ランキング16位、ファーストランカーの綾川 千紗都さんと『黒き狼』ことパートナーの冥夜さんのお二人です。みなさま、今日はよろしくお願いします」 「よろしくおねがいします」 「よろしくおねがいします」 観客席から拍手をもらう 綾川さんは俺のランカー仲間でもある 多分御袋はそこら辺も知ってて彼女を選んだんだろうな 彼女の神姫は黒いアーンヴァルの冥夜 ノアと同じく刃物使いで『黒き狼』の二つ名を持っている 「今回の鳳凰カップ〈春の陣〉はかなりのハイレベルとの噂ですが橘さん、そこのところいかがお考えですか?」 「はい。花菱さんの仰るとおり、今回の参加者は予選脱落者を含めて非常にハイレベルとなっています。『黒衣の戦乙女』や『白い翼の悪魔』、さらには『鋼帝』に『剣の舞姫』、『弾丸神姫』、『クイントス』、『蒼天の旋姫』など、多くの名の知れた神姫が集いましたからね…」 「鶴畑 興紀選手も参加していますし…これはなかなか見られない好カードのバトルとなりそうですよね。綾川さんは注目されている選手はいらっしゃいますか?」 「私は……しいてお名前を上げるとすればAグループ代表のアルティ・フォレスト選手&ミュリエル選手でしょうか」 俺は綾川さんの言葉にぎくりとする 「彼女達は米国リーグで名をはせた実力者と存じています。ミュリエル選手はファーストの神姫にも劣らないとかで…」 そのことは観奈ちゃんから教えてもらっていたのであえて触れなかったのだが… あいつが騒がれたり注目されることで面倒なことになりかねないしさぁ… ちらりと下にいるアルに目をやれば「…何故私のことに触れなかったんだ」といわんばかりにこっちを凝視していた えぇい、この際見なかったことにしようと目線を横に逸らすとニコニコしながら俺を見ている綾川さんと目が合った それにしても…おかしいな…確か彼女には俺とアルの関係を教えてはいなかったと思うんだが… 「綾川さんは去年おこなわれた第三回大会、二度目の〈春の陣〉の優勝者ということですが…」 ええ? そうだったの? 俺、初耳なんだけど… 「はい、この大会は私にとって思い出深い大会なのですが…優勝した後の大変さが身に沁みましたね」 「と、もうしますと?」 「去年の大会からこの子が『黒き狼』なんて言われ出して、挑戦者が後を絶たなかったんですよ。橘さんのノアールちゃんみたいに実力があれば対処できたかもしれませんが、私達はホントに大変でした;」 少し困ったような笑顔で微笑む綾川さん 「つまり、この大会の知名度がどれほど高いかというわけですね…。さぁ、今大会からも未来の超有名神姫が誕生するのでしょうか!? 間もなく開会セレモニーが始まろうとしております!!」 燕さんがそういい終わるとスタジアムの横から屋根が出現し始める えぇ!? このスタジアムって特設のくせに開閉ドーム式なのか!? やっぱアホだろこのグループ!! 屋根が閉まりきり、スタジアムの中は真っ暗闇に包まれた この後はジジイによる主催者挨拶である (なんとなく頭の中で『一寸先は闇』って諺が浮かんできたんだが…俺ってネガティブ?) (安心してくださいご主人様、私もですから…) ノアと小声で話していると、スタジアム中央に“カッ!”と一筋のスポットライトが輝く その光の真ん中にはジジイの姿が………って、オイ 『れでぃ~~すえんどじぇんとるめん!!ようこそ盛大なる戦姫の祭りへ』 なんか椅子に座って足組んでるよ… 赤いスーツ姿で右目には黒い眼帯だしよ… おもいっきりアレじゃねぇか… 『さて皆さん、今ここに集いしは過酷な試練を超えた十六組の小さな姫とそのパートナー達であります。まずは苦難の道を勝ち抜いた彼らに賞賛の言葉を送りたいと思います…』 あああああああああ…頼むから全国ネットでアホな姿はさらすんじゃねぇぞ!? アンタ代表なんだからな? 鳳条院のトップなんだからな? 『しかし、彼ら彼女らに待ち構えるは今までよりもさらに厳しい王者への道。己の名を広き世界へ轟かせる勝鬨を上げるものは誰なのか、しかと彼女らの放つ熱き輝きを目に焼き付けて欲しい。諸君に『五色の翼の杯』……聖杯の加護があらんことを……』 左手をまげて礼式風の御辞儀をする爺さん 流石のジジイもなんとかちゃんとした場だと言うことはわきまえ… 『それでは皆さんご一緒に!! 武装神姫バトル! れでぃ~~~~っ……』 『ゴーーーーーーー!!!!』 ガツン! と勢いを殺せないまま実況席のテーブルに額をぶつけてしまった俺とノア 燕さんも綾川さんと冥夜もひっくるめて会場全員で怒涛の開幕となった もしかして毎回コレをやってるのかあのジジイ…… やっぱアホだわこのグループ!! 「さて、続いては決勝リーグのルール説明へと参りましょう。決勝リーグもバトル方式は予選と同じくバーチャルバトルです。しかし、通常のものよりもバージョンアップしている超大型V.B.B.S.筺体を使用します」 この大型V.B.B.S.筺体はフィールド自体の大きさはリアルバトルで使用するフィールドほどの大きさだ ようするに、リアルバトルにできるだけ近いバーチャルバトルということだな 「会場の皆様や視聴者の方々には私達の放送席の向かい側の巨大スクリーンより緊迫感のある白熱したバトルをご覧頂けます」 ちなみにバトル中の両オーナーは位置的に巨大モニターが見れなくなっている 自分の神姫が何処にいるのか相手にばれないように、また、相手の神姫がどこに隠れているのかわからないようになっているんだ 「鳳凰杯は第一回戦の八試合を午前の部とし、そこでの勝者八名による再抽選をおこないます。その後、途中休憩を挟んでから残りの午後の部に移ります。以上で説明の方を終わらせていただきまして、第一試合の方に参りましょう…」 またしてもライトが消えて暗闇に包まれてからしばらくすると、東西の両端に一本ずつ光の柱が一回戦の対戦者達を照らし出す 「まずは西方、虎門よりAグループの覇者、アルティ・フォレスト選手とミュリエル選手! 彼女らに対しますはBグループを制しました鳳条院 葉月選手とレイア選手、龍門より入場です!!」 お互いに大型V.B.B.S.筺体をはさんで目線をぶつける さっきまでの緊張は何処へやら、真剣そのものの顔はいつのも葉月ではない証… 「この試合の見所はいかがな所でしょうか橘さん」 見所って言ったってなぁ こちとらいきなり身内同士の対決なわけで…… とりあえず 「決勝リーグのオープニングを飾る一戦ですからね。双方悔いのないような良いバトルを期待しています」 ありきたりだがこんなもんだろ… 「御主人様…明人さんが悔いのないように頑張れって言ってます…」 「………」 「御主人様?」 「大丈夫だよ、レイア」 「は、はい……」 「私にはレイアがいてくれる…私はレイアを信じてる」 「御主人様……」 「あの時みたいに…力がなくて、ただ兄さんとアルティさんを…二人の関係を見ているだけしかできなかった私じゃない。今の私にはあなたがいる…お願いレイア…私に力を貸して!」 「………はいっ!!」 「実力的に言えばレイアは今だお前ほどではない…ただ、エリーがどんな厄介な物を渡したのか…そこが気になるな」 「……気にするの良くない…所詮、ぶっつけ勝負…」 「そうかもしれんがエリーは武装の特性にあうモニターを選ぶだろ。お前だって何回か使っただけで《ライトオリジン》や《レフトアイアン》を使いこなしたじゃないか」 「…そう………………………だっけ?」 「…なんにしても警戒が必要ということだな」 「さぁ両オーナー、武装させたパートナーをエントリーゲートに見送ります…」 他の武装をサイドボードに置くと開始前の静けさが会場を支配する 固唾を呑むとはこの事だ フィールドは…天守閣がそびえ立つ城の中庭 散りゆく桜に満月の光が影をつくる中に二人の悪魔がお互いを見つめている 「負けるわけには…いきません…」 「……勝つ……」 『ファーストバトル…ミュリエルVSレイア、レディ………』 両者腰を落として始まった瞬間の動きを警戒する 『ゴォォォォォォーーーーーーーーーーー!!!』 「はあぁぁぁぁっ!!」 『先に動いたのはレイア選手! 開始の合図に一足早く反応した!』 いや、違う ミュリエルも反応できていたがあえて後手に回ったんだ スクリーンに映るミュリエルの表情に一片の焦りも伺えない 冷静そのもの、完全に誘っている ミュリエルはそれでも接近するレイアをバックステップで距離をとりながら手に持ったシュラム・リボルビンググレネードランチャーで迎撃 会場のあらゆる所に設置されたスピーカーから爆音が響き渡る 『クリーンヒットか!? レイア選手、開始十秒とたたずに終わってしまうのでしょうか!?』 爆心地周辺を覆いつくしていた黒煙が舞い散る桜をのせた風により少しずつ薄らいでいく レイアは満月の逆光を背に浴びながら立っていた それも…… 『レイア選手…む、無傷です! 目の前にかざした巨大な武装で身を護りました!』 目の前にかざした武装…それすなわち紛れもなくエリーからの陣中見舞い、全領域兵器《マステマ》であった 全長はLC3には満たないものの、高強度の防御装甲があるため重量で言えば間違いなく上である それゆえに攻防一体の構えが取れ、前方下と後方下についた悪趣味なほどにギラつく刃は大抵の物を重さとともにぶった切り、前の刃のすぐ上はアレンジのため高エネルギー砲となっている オマケに二機のN2ミサイル…とまでは流石にいかなくても…ASM-Ⅶ『ハルバード』レベルのミサイルを備えてある 『敵意』の名の通り…手加減容赦ない凶悪兵器を自分の前にかざしているレイア 普段はおとなしい、良い子の彼女が始めて悪魔に見えた瞬間である 『無傷…か。防御装甲の強度が半端じゃない…出し惜しみしていて持久戦にでもなれば流れはこちらに不利だぞ』 「了解、《ライトオリジン》……展開…」 右腕手首がパージされ、蓄蔵されていたエネルギーが砲身にプラズマ現象を引き起こす 『レイア、チャージ開始。迎撃方法はわかってるわよね?』 「わかっています御主人様、任せてください!」 『ファーストコンタクトを終えお互い、今だ無傷! 高エネルギー波の力比べとなるのでしょうか!』 それはマズイ 《ライトオリジン》はあらかじめ初発分のエネルギーチャージはすませているはずだ ミュリエルは慌てずに照準を合わせるほどの余流がある 「……Lock」 スコープのど真ん中に映りこんだレイア目掛け高エネルギー波は発射される 『今よ、レイア!!』 「てあ!」 レイアは《マステマ》を持ち上げる さきほどと同じくを表に来るようにするが… 『またしても防御の姿勢に入った!しかし綾川さん、それで防げるのでしょうか!?』 答えは否 受け止められたとしてもミュリエルは次の動きに入る 反動で遅れたところを《レフトアイアン》の速射砲でつめられたら成す術がなくなってしまう 万事休すの展開でも葉月とレイアの目はまだ生きている 『彼女の狙いが防御だけとは限りませんよ』 と綾川さんの一言 『同意見ですね…』 『そ、それはどういう…』 すぐに答えは周知のものとなる レイアは《マステマ》の防御装甲面を展開、下に隠れていたハルバート級ミサイルを後方刃の上部にあるもう一機とともに合計二本、全弾打ち出した 防御装甲面下に隠れていた分は《ライトオリジン》のエネルギー波を相殺し、残る一方はミュリエル目掛けて飛んでいく 『小ざかしいマネを…ミュリエル、《レフトアイアン》!!』 「…展開、迎撃開始…」 即座にパージされた左腕から銃口が現れ雨あられと弾幕を張る …なにか妙だ 普通、ミサイルの迎撃を重視するなら《アポカリプス》も使えばいい… 「彼女、何か狙っていますね…」 マイクを通さずに俺に話してきたのは綾川さんだった 彼女も俺と同じく勘付いているようだな ミサイルは《レフトアイアン》だけでも打ち落とせたが、爆発した距離が近かったせいもありミュリエルは黒煙の中に消えていった 『レイア、決めるわよ!』 「了解です!!」 『昴…借りるぞ』 「…《アポカリプス》…展開」 黒煙の中でミュリエルの呟きは誰にも聞こえることはなかった サバーカの脚力を十二分に使い、正面に《マステマ》の銃口が先にくるように構え、突進するレイア ドスン! という音が聞こえたかと思うと煙の中で両者の動きが沈黙する 完全に煙が晴れた後、そこにあった光景は ミュリエルの腹部を貫いている《マステマ》の刃 しかし致命傷とまではいかない ジャッジプログラムによる勝利判定もない、ミュリエルのギブアップもない つまりまだ勝負は続いているのだ 「《マステマ》の刃は貫き通すためにあらず、《マステマ》の刃は捕らえるために…あるです!」 レイアはそのまま銃口を天高く掲げる 銃口にはミュリエルが刺さったままで身動きをしない…… 彼女の様子を良く見なかったことがマズかった レイアから見たミュリエルは満月と重なり逆光となっていたのだ 「コレで……終わりです!!」 「カルヴァリア・デスペアーーー!!」 『だ、第七聖典!? きまったかぁー!?』 とりあえずそのツッコミは置いといて… そのまま銃口から放たれる高エネルギー波がミュリエルを包んだ…次の瞬間 パン! と音を立ててミュリエルが………『割れた』 普通ならここで大ダメージによるジャッジコールがあるか強制退場となるのだがミュリエルのそれはどちらとも明らかに違っていたのだ その証拠にまたしても勝者コールが聞こえてこない 『こ、コレはどういうことでしょう…ミュリエル選手が倒れたのに勝利判定がありません……』 プログラムエラーでないとすると結論は一つ ミュリエルはまだ……そこにいる 「なっ…確かに手応えはあったハズなのに……」 彼女の周りに散るのは拡散したミュリエルだった物と夜風に舞う桜吹雪 あとはそれを照らす荒城の月……ただそれだけでフィールドの中は風の音のみが不気味に聞こえる うろたえるレイア その動揺が彼女の警戒レベルを一瞬だけ落としてしまっていた 「………Lock 」 レイアの真後ろ… 『なっ!?』 「なんですって……」 《ライトオリジン》を再チャージし終えたミュリエルがその銃口をレイアの後頭部に突きつけていた 『…まだやるか、葉月?』 そこで葉月はやっと納得がいった顔をした 思い出したようだな 『なるほど、そうだった………ふぅ、ここまでみたいね…降参します』 『マスターギブアップ。勝者 ミュリエル!!』 『ぎ、ギブアップです!ミュリエル選手第一試合を勝利で飾りました!!』 呆然となる観客も少しづつ我にかえり拍手や喝采を送り始める 『みゅ、ミュリエル選手が再び現れました…で、では橘さん、先ほどのミュリエル選手はいったい…』 『アレはですね…』 『……バックパックに収納してあった衝撃吸収素材で作られた特殊ダミーバルーン…ですか』 『!!』 綾川さんが俺の言おうとしたことを当ててしまっていた 『彼女がミサイルの撃墜にバックパックを使わなかったこととも辻褄が合います。ミサイルの黒煙は隠れてフェイクのバルーンと入れ替わるためにあえて近くで爆発させたんですよ』 おかしい 『そして入れ替わり、相手の必殺技をやり過ごさせてその後の隙を突く…単純ですがバルーンを展開した後となれば見破るのは至難の業となります』 これは昴が八相の-メイガス-と呼ばれていた頃、あいつの異名の元となった戦術だ ただのフェイクではない 幻の数を多数出現させることができる香憐ねぇの『惑乱の蜃気楼』とは別の、 『完全に同一の物を複製したかのように…-増殖ーしたかのように見せるトラップスキル……ですね』 昔の昴を知っている俺や香憐ねぇでさえ見破るのは至難の業 戦ったことのない葉月にしても、知識としては理解していたはず だか結果としてやられているわけだ アレを見破れる人物なんて早々いないはず…なのに… 少し警戒して彼女を見ると、何事もなかったかのように「なんですか?」というような微笑で俺の顔を見つめ返してくる 『第一試合はアルティ・フォレスト選手とミュリエル選手が準々決勝進出を決めています。それでは一端、CMです」 彼女は…一体… 追記 「桜や、動きはどうなっとる?」 「今のところ、彼女からの新たな連絡はありません」 「そうか、挨拶では少し挑発してみたんじゃがのぅ」 「…調子に乗ってたら彼女に殺されますよ?」 「なんだかホントにシャレにならんの…謝っておいたほうがええか?」 「それが宜しいかと」 「しかし…このまま動かんとなると…ますます嬢ちゃんの言っとった線が濃くなってくるの…」 「…あと、フェレンツェ博士が何かに勘付いている様子でしたが…」 「彼は流石に鋭い。侮れんわい…だが、彼にも話すわけにはいくまいて。嬢ちゃんとの約束じゃからの」 「…兼房様、私で宜しかったのですか?」 「ふぉ。お主が鳳条の名参謀と呼ばれとるのはわしがそう言って回っておったからじゃ」 「は? はぁ…」 「ま、それだけお主を評価してると思っとくれ。ふぉっふぉっふぉ!」 「有り難う御座います、兼房様…」 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/gundam_breaker3/pages/43.html
武器一覧 モーション EX-ACTION 考察 武器一覧 名前 ショップ 派生元 派生先 備考 57mm高エネルギービームライフル(ノワール) ショップ 57mm高エネルギービームライフル(デュエル) - - MA-M21KF_高エネルギービームライフル ショップ ビームライフル(ビルドストライクガンダム)ルプスビームライフル - - GNハンドミサイルユニット ショップ GNソード GNビームピストルⅡGNビームライフル(GNアーチャー)GNスナイパーライフルⅡ 誘導ミサイルを発射する GNビームピストル ショップ GNソード GNビームピストルⅡGNビームライフル(GNアーチャー)GNスナイパーライフルⅡ - GNビームピストルⅡ ショップ GNハンドミサイルユニットGNビームピストル - 近接武器「GNビームピストルⅡアックスモード」が選択可能になる GNビームライフル(GNアーチャー) ショップ GNハンドミサイルユニットGNビームピストル - - 専用ショットガン ショップ ザク・マシンガン(ザクⅡ改)ブルバップ・マシンガン - - ツインバスターライフル ショップ - - - ビームライフルショーティー ショップ 57mm高エネルギービームライフル(ストライク)ビーム・ライフル(F91) - - モーション EX-ACTION 名前 リチャージ性能 射撃DPS 備考 ヴァリアブルショット A 650%ダメージ - オルタネイトショット C 1200%ダメージ - クイックショット A 500%ダメージ - ラピッドショット B 1000%ダメージ - 考察
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2532.html
1年※登録無し 2年詩月 陽太 / 男 17稟(りん) 飛鳥/茶髪ノーマル 笹原 静香 / 女 16エリー ウェルクストラ/ノーマル 浅木 雄司 / 男 17蔡架(さいか) ランサメント/ノーマル 3年※登録無し 1年※登録無し 2年 詩月 陽太 / 男 17 脩のクラスメートの一人であり、脩のクラスでの神姫マスター代表格その1。 長身痩躯のひょろっとした体格だが、見かけによらず喧嘩強い。 脩とは高校からの付き合いだがすぐに仲良くなっている。 さらにはそこそこ名の通ったマスターであるらしく、神姫初心者だった頃の脩をサポートしていた。 だが、夏休み終盤には脩に負けるようになってしまい、更に上を目指そうと日々稟とともに対戦し続けている。 たまに思いっきりベタな名付け方をする。 稟(りん) 飛鳥/茶髪ノーマル 陽太の神姫であり、「エアロ・フロントライン(空中戦線)」と呼ばれ始めている(理由は対戦中にポツリと陽太が呟いたのを聞かれたから)。 が、本人はこの呼ばれ方があまり好きではない(本人曰く、流石にもう少しひねりを…)。 だが、仮にも通り名がある神姫であるとおり、バトルの腕前は上々でありバトルロンドにまだ慣れていないユイナ達に先輩としてアドバイスしたりしている。 実は先輩と呼ばれるのに憧れていた。 夏休み終盤において、脩&ユイナorシェラの組み合わせに負けるようになる。本人はユイナ達の成長を嬉しがる半面悔しさと少しの寂しさを感じていた。 今では、日々陽太と共に対戦して更に上を目指している。 笹原 静香 / 女 16 脩のクラスメートの一人であり、脩のクラスでの神姫マスター代表格その2。 陽他と同じ中学の出身であり、脩とは同じく高校で出会った。 勉強に運動神経にスタイルに全て「普通」という器用貧乏(?)さを持っている。あえて個性を挙げるなら、バイトの情報網。 バトルロンドの腕前も高くなく低くなくであるが、時折凄まじいまでに冴える時があるらしく一部では化けるのではと思われているが本人はそんなこと知らなかったりする。 また一時期、どこに行ってもバイトしてる姿が目撃されたらしい。そして夏休みぐらいから陽太との距離が近くなってるとの事。 エリー ウェルクストラ/ノーマル 静香の神姫であり、朝に弱い静香を叩き起こすのが日課となっている。 面倒な事が嫌いだが、意外にも面倒見が良かったりする他、文句を言っていても本心は静香の事を信頼しきっている。 バトルロンドではあらゆる装備をそつなく使いこなせるが、本人はただの無個性と言っている。どこかリムと通ずる物があると感じているらしい。 浅木 雄司 / 男 17 江怜那の兄で、脩の友人でもあり中学時代からの付き合い。だがクラスは隣。 脩よりも一年早く武装神姫を始めており、夏休みで特訓したのか意気揚々と噂になっていた色違いこと脩に挑むが返り討ちにあった。 家族揃って神姫好きなのだが、それぞれ好みは違うらしい。 最近、妹がバトルロンドで急成長を見せており嬉しいやら追い越されそうで慌ててるやらやっぱり嬉しいやらといった感じ。 蔡架(さいか) ランサメント/ノーマル 雄司の神姫で生命線。沙羅が居ないと雄仁の部屋が大変なことになるらしい。 性格はランサメントに多い、お姉さんっぽい物。 雄司共々バトルでは正面からぶつかり合うスタイルを好むが、時には搦め手も使う。 ちなみに、浅木家では一番ホラーが苦手。強がるけどやっぱり怖い。 3年※登録無し
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1798.html
うかつだった。 そんなことをぼんやりと考える。 「どうしたのマスター?」 耳元でわめいているちび人形を無視して、もう一度思う。 うかつだった。 「どうしてマスターはボクのことを無視したがるのかなあ?」 「……うるさい、気分が悪いんだよ」 脂汗のにじむ額をぬぐって、肩にのったちび人形に毒づく。 「ひどい汗だね」 「……こんなに人がいるところにきたのは久しぶりだから、気持ちが悪くなったんだよ」 人いきれに酔った僕は壁にもたれかかりながら荒い息を吐く。 「そっか、マスターって引きこもりだもんね」 「……………」 言い返す気力も出ないまま、大勢の人間が出入りするそのビルを見上げる。 でかでかと掲げられたポスターには白いアーマーを着込んで、ジェット戦闘機のウイングのような羽を背負った少女と、つい先日、僕が部屋でいじっていたアシストアームを背負った、僕の肩に乗ったちび人形そっくりの少女が戦っているところが描かれている。 そしてそのすぐ下には看板をかねたアルファベットが立体的に浮き上がっている。 SHINKI CENTER それがこのビルの看板だった。 「あの……神姫バトルがしたいんですけど……」 受付カウンターで恐る恐る声をかけると 「はいはい、初めてですか?」 「あ、はい……」 カウンター越しに受付の女の人が愛想笑いを浮かべて言う。 「BMAだったらそのまま参加手続きができるんだけど、VBLに新しく登録する?」 「VBL……?」 BMA……武装神姫バトル管理協会については、神姫のことを調べている時に知識を得ていたけれど、VBLという言葉については聴いて記憶がなかった。 「最近できたリーグでね、バーチャルバトル専用のリーグなの」 「バーチャル……?」 「ええ、神姫バトルがいくら安全って言っても絶対ってことはないし もしかしたら神姫が壊れちゃうかもしれない。それでなくても試合の度の消耗品だって少なくないでしょ? そこで新しくできたリーグね」 僕が子供だからか、少しだけ営業スマイルを引っ込めてその人が説明する。 「……BMAのままでいいです」 少しだけ考えて、そう答えていた。 「いいの? 修理とか大変だし、まず大丈夫だとは思うけど、神姫ロストの可能性も……」 「壊しあいでしょ、神姫バトルなんて。それにバーチャルデータなんて自分の部屋でも出来ることをするために、わざわざここまで来ても仕方ないですし」 馴れ馴れしい口調に少し苛ついて、はき捨てるように言ってしまった。 「でも……」 なおも、聞き分けのない幼児を教え諭そうとする保母さんみたいな言葉がつむがれる。 「……っ!」 それにますます自分の神経がささくれ立って行くの自覚していたところで…… 「そうだね」 耳元で聞きなれた声が響く。 「ボクはここにホントの戦いをしにきたんだから、バーチャルバトルなんて、興味ないよ」 ニヤリ、と不敵な笑みを浮かべてチビ人形……ジェヴァーナが言う。 「いいの?」 心配そうな視線が僕からジェヴァーナに移動する。 「もちろん。ね? マスター」 「あ、ああ……」 「ちなみにマスターも初心者だから、Cランクでヒマの人ね。そんなに戦闘経験がない人の方がいいけど、ランクさえあえばあとはいいから。ステージはできればシティで」 毒気を抜かれてうなずく僕の代わりに、ジェヴァーナが矢継ぎ早に受付の人に言いつける。 「うーん……はい、わかりました。それじゃ手続きしておきますから、ティールームでお待ちください」 「よろしくね、お姉ちゃん♪」 僕のことは置いてけぼりな感じで、ジェヴァーナがフォローするみたいに笑顔を向ける。 「……どうも」 なんとかそれだけ答えて、申請のためにオーナーカードをチェックしてもらい、僕たちはカウンターを後にした。 ……なんだか、無駄に疲れ続けてる気がするな…… やっぱり外出なんて、するもんじゃない。 このちび人形にそそのかされて、実際のバトルでデータを取ろうなんて考えたのが、すべての間違いだ。 ……それにしてもなに考えてんだ、こいつ。 ジェヴァーナが壊れても別にかまわない。 そんな意味に取られて当然の発言に、こいつは追従した 所詮、神姫はオーナーに絶対服従するように作られているだけと言えば、そうなんだろうけど…… それでも、少しだけほっとしてしまった気がする。 なにに? ジェヴァーナが……僕を信じてくれたことに? ……ばかばかしい。 そんなこと、こいつが考えているわけないし、そもそもそう見えるようにプログラムされている神姫がオーナーに不利なことを言うはずがない。 ただそれだけの…… 「マスター、またなんかひねくれたこと考えてる?」 「……なんだよ。それ」 「だって、こーんな目してるんだもん」 ジェヴァーナのやつが、イヤミな笑みを浮かべながら、目の横に指をやって、横にひっぱる。 「そんな顔してないだろ!」 「自分の顔は自分では見れないもんね」 「見なくたってわかるさ」 「見ないとわからないから、リアルバトルをしたいんじゃないの?」 「ホントに口が減らないな、お前……」 ……だけど、こんな会話が以前ほどうっとうしくなくなっているのを感じる。 慣れって怖いな。 「まーたなんか、ひねくれたこと考えてる」 「いい加減にしてくれ……」 ほとほとあきれてそういったところで…… 「あ、マスター、あれ!」 「……?」 ジェヴァーナがティールームに設置されたディスプレイを指差していた。 そこには、僕とジェヴァーナの名前が表示されていた。 それがゆっくりとスクロールしていく。 「決まったな。お前のデビュー戦」 「違うよマスター」 横目で僕を見ながら、ジェヴァーナが否定する。 「……ジェヴァーナの」 バトル前に余計な口論をするのも面倒だったので、素直に訂正しておく。 だけど…… 「それも違う」 「……?」 再びジェヴァーナの否定が返ってきた。 「ボクのデビュー戦じゃない。ボクたちのデビュー戦なんだよ」 「……戦うのはお前だろ」 「それでも、だよ。ボクとマスターが戦うんだ。このバトル……ううん、すべての神姫バトルは神姫とそのオーナーが戦うんだよ」 「BMAかなにかの受け売りか? それともそう言えって出荷段階でプログラムされてるのか?」 「プログラムなんかじゃないってば。武装神姫だったらみんな最初から知ってる心に刻まれてることだよ」 「……それが焼きこみプログラムとどう違うんだよ」 「わからないかな。とっても簡単な事なのに」 くすり、となぜだか少し大人びて見える笑みを浮かべる。 「どういう……」 「変な名前」 聞き返そうとしたところで、とたんにその表情は消えて、いつもの少しからかうような、小生意気なだけの表情が取って代わる。 「……?」 ジェヴァーナの視線を追うとそこには僕たちの名前がスクロールアウトし終わって、その対戦者……つまり、ジェヴァーナの相手の名前が表示されていた。 「えいせん?」 「ドイツ語だろ。鉄……っていうか、クロガネってニュアンスの意味だったはずだ発音は確か……」 小説かなにかで見覚えのあるそのアルファベットの並びの発音を口にする。 「アイゼン」 視線の先、ディスプレイの対戦表には、 『U1 & Eisen』 と表示されていた。 「トップへ」/「戻る」/「次へ」
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/825.html
『"NOTRE-DAME" MARIE DE LA LUNE vs "ZYRDARYA" LALE SAITO』 仮想バトルフィールド上空に、文字が映し出された。 そしてその文字の横に数字が現れてバトルの開始時間をカウントダウンし始める。 「えっと、とりあえず、何したらいいのかな?」 私は目の前のクレードルで眠るマリーに聞いた。彼女の意識は今、筐体の中の電脳空間にいるのだけど、不思議なことに返事は現実の、クレードルの中のマリーから帰ってくる。 「まずはウォードレスを展開させてくださいませ。そうすればあとは私が美しく戦ってみせますわ」 「そっか。頑張ってね、マリー」 「はいっ」 マリーは目を閉じたままにっこりと笑った。 カウントダウンは最後の十秒を切る。電子音と一緒に数字はどんどん小さくなっていった。 開始三秒前、上空の文字は『READY』に変わる。 「いきますわ、のどか様」 私は軽く頷く。そして数字はゼロを示した。 「マリー、ウォードレス展開!」 そう言うと、マリーのドレスの裾のディティールが伸びて、前面ののこぎりのような形をした二本が、自由に動くライトセーバーのように、その他は小さな砲身を現して追撃用の機関砲になった。マリーはかなり可愛いものを選んだと思っていたけど、実際に展開したものを見ると意外とかっこいいものだ。 同時に相手は右手のポーレンホーミングを放つ。ハンドガンだというのにその弾は弧を描いて一つ一つがマリーを追う。その間にラーレはマリーとの間合いを詰めた。 マリーは飛びながらポーレンホーミングの弾を避けようとした。けれども高い誘導性能を誇るその弾は進行方向を百八十度変えてなおマリーを追った。そこへ猛スピードで間合いを詰めながら剣を構えるラーレがマリーの視界に入る。 「速いですわ」 関心しつつもマリーはウォードレスの機関砲をホーミングの弾へと向けて放った。そして両手で傘を持ち、ラーレの剣を受け止める構えを取った。 機関砲から発せられた弾幕は見事にポーレンホーミングを全て打ち落とし、とりあえずマリーは背後からの脅威から解放された。しかし次の瞬間、甲高い金属音と共にマリーとラーレは初めてお互いを至近距離で認識し合う。 「いいドレスですね」 鍔迫り合いをしながらラーレが言う。 「ありがとうございます。あなたのその銃も面白いですわ」 マリーがそう言い返すとラーレは不敵に笑った。 ††† カトー模型店の扉が開き、男が一人、入る。 「こんにちは、カトーさん。なんか盛り上がってますね」 「やあ、時裕君。今ね、のどかちゃんが戦ってるんだよ」 「あいつが?へえ、相手は?」 「斎藤香子ちゃん」 「...うちの妹に嫌がらせですか」 「いやいや、丁度女の子同士でいいと思って」 「のどかに香子ちゃんは倒せないでしょう。だって彼女は」 「それが結構頑張ってるんだよ、のどかちゃん」 「まだ香子ちゃんが手加減してるんじゃないですか?」 「そうだね...まだ"チューリップ"を使ってないところを見ると...」 「この店のオリジナルウェポンをあそこまで使いこなせるのは彼女だけですよ」 「うれしいことだねえ」 「ああ、哀れかな我が妹よ」 「君は本当にのどかちゃんのことが好きなんだな」 「そりゃあもう。アーニャの次に」 二人の男は再び視線を筐体に戻す。 ††† 数回、斬りあった後、ラーレはうしろに退いて、広めの間合いをとった。そしてまたポーレンホーミングを打つと、今度は腰から先にチューリップを模した飾りをつけた棒を取り出す。マリーは打撃系、もしくは投擲系の武装だと思って、傘をソードモードからライフルモードに構え直した。先のような急速接近で瞬時に懐まで迫らせないようにするためだ。 ポーレンホーミングから放たれた高誘導弾は例のごとくマリーのドレスに打ち落とされる。恐らくラーレはポーレンホーミングを決定力のある装備ではなく、間合いを取ったり、対戦相手を自分の思う場所に誘導するための補助的な装備であると考えているだろう。 手に持った棒を、ラーレは器用に片手でクルクルと回す。ジルダリアのスレンダーな体型も味方して、その姿はバトン競技のトッププロのようだ。 「今日が初めてのバトルのあなたに、こんな仕打ちはひどいかもしれませんが...マスターの記録を更新するために、全力で勝たせていただきます」 「光栄ですわ」 そう言ってラーレは回すのを止めた。そしてユピテルが雷を放つように、その棒をマリーに向かって投げた。 「ジャベリンですわね」 マリーは当然のようにそれを避けようとしたが、その前に飛んでいる棒の先のチューリップが開き、そこからさらに何かが発せられる。霧のようなそれは僅かにマリーの足に付着した。 乾いた音をたてて棒は着地した。その様子を見届けてラーレはまた手に剣を握る。 「さっきのは一体なんなんですの?」 「すぐにわかります」 二体の神姫は再び剣による近接格闘戦を始めた。マリーは傘で攻撃しつつも、ドレスで細かく間合いを取り、ラーレも主となる攻撃は剣であるものの、ポーレンホーミングを巧く使い見事に隙を埋める。単純な斬り合いのように見えるが、実際は双方が一瞬の隙を伺い合う頭脳戦であった。 しかしそれがしばらく続いたあと、マリーは異変に気づいた。足の動きがだんだんと鈍くなっていったのだ。sそれもさっきの霧のようなものが付着したあたりから。 「これは...?」 「効いてきたようですね。あの杖――トライアンフは麻痺性の液体を高圧噴射するものです。こっちのフレグランスキラーと違ってあの杖は遅効性。ゆっくりと、気づかないうちに機能を停止させるのです」 ラーレが説明する間も、非常に遅いスピードで、しかし確実にマリーの足は動きを遅くしていった。 『マリー!大丈夫!?』 「大丈夫ですから、のどか様は今と同じ指令を続けてください」 『左だよっ、マリー!』 気がつかないうちに、気づけない間にラーレが放った最後のポーレンホーミングの弾がすぐそこまでマリーに迫る。咄嗟にドレスの機関砲を向けたが、間に合わなかった。七発中の二発がマリーに直撃し、マリーの体が飛ぶ。胸元の赤いリボン状のディティールが煤けた。 「んっ...」 初めてマリーが苦痛の声を上げた。 『ねえ、もう止めようよ!もう少し強い装備にしてからまたやればいいからっ!』 「それは...ダメですわ...」 『マリー...』 「わたくしは人形型武装神姫。この姿で勝てるようにならなければ意味がないのですわ!」 マリーは再び立ち上がった。足はすでにただ体重を支えるだけの棒となっていたがなんとかバランスをとって傘を構える。 「...次が最後ですね」 ラーレが言う。彼女もまた剣を構えた。 その数秒後、ラーレが風を斬る。 ――ほんの刹那の後、ラーレの剣の切っ先はマリーの首筋に迫っていた。 ††† 「えっ?神姫バトルを始めてからずっと無敗だった!?」 香子ちゃんは静かに頷いて、彼女の肌理細やかで白い頬がうっすらと桃色に染まる。私はそんな仰天事実に開いた口が塞がらなかった。 「カトーさんの勧めで始めたんですけど...」 「そう。一戦目からずっと負けなし、四十七戦連勝。この店のオリジナルウェポン"チューリップ"を使いこなす戦い方は毒を持つ可憐な花そのもの。いつしか『プリンセス・オブ・ワイトドリーム』の通り名で呼ばれるようになった俺たちのアイドルだ!」 私と香子ちゃんはその声の主のほうへ顔を向けた。いや、私はその声が誰のものかわかっていたのだけれど、あまりのバカっぷりに向きたくなくても向いてしまったのだ。まわりで同調してる男の子たちもちょっとアレな感じだけど、こんなバカなことを堂々と言えるのはお兄ちゃんだけだろう。 「いつからいたの?」 「お前が負けそうになってたころから」 お兄ちゃんの肩に乗ったアーニャがお辞儀をした。 「あ、あの...のどかさんと時裕さんってお知り合いなんですか?」 香子ちゃんは私とお兄ちゃんの顔を交互に見て言う。その様子が少しおどおどとしていて、私は不思議に思った。 「うん、知り合い、兄妹。ていうか、香子ちゃんがお兄ちゃんの名前知ってるほうがびっくりだよ」 「そりゃお前、俺は香子ちゃんファンクラブ(ナイツ・オブ・ワイトドリーム)の会員ナンバー一番だからな。当然だろ」 「よかった...」 『よかった』...?えーと、この何気ない彼女の言葉からとてつもなく危険な香りがする。 それだけはダメな気がする。なんというか、香子ちゃんの将来的に。 とりあえずお兄ちゃんのほうに警告しておこう。 「ダメだよっ!妹と同級生の娘に手を出すなんて、大人として!」 私はお兄ちゃんの耳元で小さく言った。お兄ちゃんは何のことだ、という顔をしたのでそれ以上は何も言わなかった。 「しかし、俺は悲しいぞ、妹よ。そんな我らのアイドルをあんなふうに倒してしまうなんて。お前は香子ちゃんが可哀想だと思わんのか」 「いえ、負けは負けですし、私も調子に乗ってたんです。それにマリーさんはとっても強かったです」 香子ちゃんの制服のポケットからラーレが顔を出してそう言った。 ††† ――確かにラーレの剣の切っ先はマリーの喉に迫ろうとしていた。 しかしそれはあくまで迫ろうとしていたのである。 数ミリ手元を動かせば切っ先は間違いなく突き刺さる位置ではあったが、ラーレはそれ以上動けなかった。彼女の腹にはマリーの傘の先がピッタリと、一ミリの隙間もなく触れて、さらに両脇を、二本のクワガタの角のようなウォードレスの武装が挟み込んでいたからだった。 「少し、手元がブレましたわね」 マリーが言った。 ††† 「人形は少しも狂いのない精密な造りであって初めて、価値があるのですわ」 マリーが私の頭の上をふわふわと浮きながら得意気にそう答えた。 「うむ、素晴らしい。それでこそ人形型武装神姫ノートルダムだな」 「細かい設定と調整はみんなお兄ちゃんでしょ」 「だから素晴らしいって言ったんだ」 私は深くため息を吐いた。お兄ちゃんの無駄に自信満々な言葉に呆れたのもあるけれど、それをキラキラと輝く目で見つめる香子ちゃんにもちょっと呆れたからだ。 「さて、のどかちゃん、マリーちゃん。どうだった初めてのバトル、しかも勝利の味は?」 カトーさんが私たちにそう尋ねた。 私はマリーの顔を覗く。彼女もまた私のほうに顔を向けた。 「楽しかったですわ」 「そうだね、楽しかった」 それはよかった、とカトーさんは笑った。 「香子ちゃん、今度またバトルしようね」 「ええ。次は負けませんよ」 作品トップ | 前半
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1199.html
水辺に泳ぐ女神達──あるいは入水(前半) 2037年の夏もピークを過ぎ、秋の気配が密かに忍び寄っている。 私・槇野晶も稼ぎ時に働き、また“妹”たる神姫達と共に様々な所へ 物見遊山に出かけたが……思えば“夏らしい事”は余りしていない。 そこで、私は彼女らにこんな提案をしてみる事としたのだな。有無。 「なぁ、皆……八月最後の定休日、ここは一つ泳ぎにでも行かぬか?」 「え?!い、いいんですかマイスター?でも、水着なんてあります?」 「案ずるな、ちゃんと作っておいた。だからこそ、今日しかないのだ」 「……塾の宿題も終わったし、それならボクらも安心して行けるかな」 「でも……マイスター、本当に……ほんっとうに“大丈夫”ですの?」 ロッテが、何度も念を押す様に私を見上げて問い掛ける……そう言えば あの事を知っているのは彼女だけだったか。心配するのも無理はない。 だがそれ故に連れていってやらないというのは、“妹”達が可哀想だ。 「む……正直、カナヅチが治ったとは言い難い。苦手は克服したがな」 「ふぇ?ま、マイスターって泳げないんですか?そんな印象は~……」 「……泳ぎが下手なだけであって、入水即溺死等という事はないぞ?」 「それでも意外なんだよ。インドア派でも結構動くもん、マイスター」 「歩くのはいい、走るのも蹴るのもな。だが……イマイチ泳ぎはなぁ」 準備をしつつも私は鼻を掻く。何故か水が苦手でな、理由は分からん。 ロッテと暮らし始めたばかりの頃は本当に酷くて、文字通り溺れたな。 今はマシだが、まだまだ自在に泳げるとは言い難い。浮き輪は必須だ。 と言う訳で愛用の浮き輪を、空気を抜いた状態でバッグへと押し込む。 ……待てそこ、笑うな!?猫柄の浮き輪位、別に構わぬだろうがッ!! 「なら、アルマお姉ちゃんは……クララちゃん、お願いしますの♪」 「わかったんだよ。これもマイスターの為だもんね……大丈夫かな」 「いざとなったら、あたしが動きますから……って、マイスター?」 「……いや、さっきから何を相談している?皆、準備は出来たのか」 貴様らを咎める間、ロッテ達は何事か密談をしていた様だ。気になるな。 まあ、深く追求してもしょうがない。皆が水着と足ヒレ等を用意したのを 見届け、私も替えの服やアンダー等をバッグに詰め込んで、ビルを出る。 照り付ける様な“クレイジーな”暑さを堪えつつも、ノースリーブの私は 両肩と胸ポケットに神姫を搭載するお決まりのスタイルで、電車に入る。 「ふぅ……ミストでワンクッション置いても、この寒暖差は堪えるな」 「相変わらず、車両の冷房は殺人的に効いてるんだよ……電気の無駄」 「MMSのあたし達は何ともないですけど、マイスター大丈夫です?」 「む?少々冷えるな。ビルの居住区も結構エアコンは効かせてあるが」 「でも個人的な好みに配慮がない分、ここの方が数段寒いですの……」 ぼやいてもしょうがないとは理解しているが、流石にこれは肌に悪い。 極力風の当たらない席に座り、急ぎ海浜区域のレジャー施設を目指す。 夏休みの盛を過ぎた今ならば、都心と言えども混雑は若干緩和される。 案の定、たどり着いたプールの人混みはテレビで見る程多くなかった。 「さて、着いたぞ皆。まず入場券を買ってと……大人一人頼めるか」 「え、え?あのお嬢ちゃん?……お父さんかお母さん、いないの?」 「馬鹿者ッ!この通り、私は子供料金ではないぞ!……それからだ」 「す、すみませんすみませんっ!……え、これは武装神姫、です?」 最初から子供扱いする不埒な受付嬢を喝破し、“妹”達を台へ降ろす。 彼女らの扱いがどうなっているのか、今回はリサーチしなかったのだ。 という訳で、彼女ら自身の口から自分達の処遇について聞いてもらう。 「はいですの♪わたし達は料金とか必要ですの、受付のお姉さん?」 「え?え、えーと……持ち込みはいいですけど、水は大丈夫です?」 「はいッ。水中で胸を開いたりしなければ、なんともありません!」 「そう言う物なんですね……わ、分かりました。でも壊れても……」 「弁償はしない、だね?それ位はボクらも分かってるもん、大丈夫」 受付の若い娘は、神姫を知っている様だった。説明の手間が省けたな。 そう言う訳できちんと私の入場料を払い、四人で女子更衣室へと赴く。 ……こら、此処からは見るなッ!!女子の着替えを覗くな貴様ぁッ!? 「マイスターの水着はセパレートタイプなんですの?ってこれは~……」 「有無、お前達と同じデザイン……というより、この水着を元にだな?」 「あたし達の水着を作ったんですね?柄や色は違ってますけど……ふふ」 「皆、お揃いなんだよ……パレオまであるもん、マイスターに感謝だよ」 ──────ちょっと遅い夏、精一杯堪能するよっ。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/3471.html
登録日:2012/05/07(月) 21 40 27 更新日:2024/03/20 Wed 18 50 31 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 HoG MS ガンダム ガンダムUC ザク ザクⅠ ザクⅠ・スナイパータイプ ジオン スナイパー ハーモニー・オブ・ガンダム ヨンム・カークス 年寄りの冷や水 戦場の絆 旧ザク 機動戦士ガンダムUC 狙撃機 援護する!撤退しろ! ザクI・スナイパータイプとはガンダムシリーズに登場するMS。 機体データ ZAKU I SNIPER TYPE 型式番号 MS-05L 所属 ジオン公国軍 開発 キャリフォルニア・ベース 全高 17.5m 重量 67.9t 出力 899kW (+700KW) 推力 8,400kg 装甲材質 超硬スチール合金 武装 頭部バルカン ビーム・スナイパー・ライフル ザク・マシンガン ヒートホーク 主な搭乗者 ヨンム・カークス 「ハーモニー・オブ・ガンダム」、及び「機動戦士ガンダムUC」に登場した機体。 ゲームではジオン側で狙撃戦可能な機体がゲルググJくらいしかなかったので、その穴を埋めるために設定された。 一年戦争最初期に開発され、ジオンの優位性を確立させた「モビルスーツ(MS)」の元祖である「ザクⅠ」は、既存の兵器に比べれば優れた性能を誇っていたものの、MSとしてはお世辞にも高い性能とは言い難かった。 それ故に、後に開発された後継機である「ザクⅡ」に第一線を譲ることになる。 しかし第一線を退いたとは言え使えないことはないため、作業用等ではなく、もっと有効的な運用をしたい……という考えによって改修され、生み出されたのが本機である。 ◇機体性能 名前の通り、狙撃に特化した性能を持つ。 ベース機のザクIのカメラアイをザク強行偵察型のものに変更し、背中に外付けの大型サブ・ジェネレータを背負うことにより、ザクIでありながらビーム兵器の使用を可能にした(ちなみにこの技術はゲルググのビームライフルを開発した際に身についたノウハウによるものである)。 また、脚部には姿勢制御用の特殊ギアが装備されており(*1)、射撃時の安定性も高い。 しかし狙撃機の宿命というべきか、白兵戦の能力は低く、接近戦は苦手。 一応生還率を上げるために頭部にバルカンを設置し、携行武器にザクマシンガンやヒートホークを装備させてあるが、性能がモロにでる接近戦で、はたしてどれ程効果的かという話である。 機動性もお世辞にも高いとは言えないため、距離を詰められるとどうしようもない。 連邦の狙撃機体であるジム・スナイパー系統とは違い、「支援攻撃が可能な機体」ではなく、「支援攻撃しかできない機体」と言えるため、一部の媒体では砲台呼ばわりされていたりする。 (凸) フヒヒwwwジリジリ ザ砂 タスケテー!誰カー! ちなみにUCに登場するカークス少佐の機体には、指揮官用レーダーや固定用のハードポイントやファットアンクル改に体を固定するためのフックなどが増設されていて、コックピットも統合整備計画の物が使用されている。 なお余談であるが、漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』序盤でダリル・ローレンツが搭乗しビッグガンによる狙撃を行っていた機体は、本機ではなく普通の旧ザクである。 ◇武装 ビーム・スナイパー・ライフル 本機の主兵装。バックパックと直接チューブで連結されている。 高い出力を誇り、遠距離にいる敵機を一方的に破壊可能である。また、威力を抑えることである程度連射することもできる。 冷却機能が高くないためか、連続使用するとバレル部分が赤熱化して焼付いてしまう。なので一定間隔でバレルを交換する必要がある。 ちなみにカークス機は背中に予備バレルが入ったケースが二つマウントされている。 頭部バルカン 牽制用の副兵装。威力は低く、MS相手には効果は薄い。一応ザク系統では珍しい武器。 ザクマシンガン ザクさんご用達のマシンガン。安定した性能を誇るため近距離での主兵装となる。 ヒートホーク ご存じザクが大好きな格闘武器。 狙撃用のこの機体に格闘武器は相性が良くないが「ザクマシンガンもバルカンも効かない!くそ!最後の手段だ!」と最後の悪あがきとして装備されている。 あまり脚光を浴びることのないマイナーな機体だったが「機動戦士ガンダムUC」にて登場。 しかも名有りキャラの愛機として現れて連邦軍の戦闘機やリジーナやMSを多数撃破したため一気に知名度が上がった。 なおアニメでの初登場はガンプラビルダーズである。 ◇劇中の活躍 登場は第4話「重力の井戸の底で」。 ダカール、及びトリントン基地攻撃の際にジオン残党のヨンム・カークス少佐の愛機として登場し、ファット・アンクル改に固定された状態で運用され、上空からの狙撃、指示で高い戦果を挙げた。 UCの時代ではもはや骨董品とすら言える性能にもかかわらず、パイロットの腕により性能が十二分に発揮され、先述の通りネモ等のMSはもちろんのこと発進前のセイバーフィッシュ等の戦闘機、奇襲を掛けようとした歩兵部隊のリジーナやホバートラック、さらに倉庫内にいた出撃前のネモⅢなど、多くの敵戦力を上空から狙撃し、MS部隊の侵攻に大きく貢献した。 ちなみにこのときは航空戦力や対空装備を優先的に狙っていたようだ。またあのバイアラン・カスタムのスラスターを破壊し離脱させた。 しかし戦局が悪化し、味方の後退支援をしている最中にジェスタ隊(トライスター)の攻撃を受けてしまう。 固定具をパージしてファット・アンクルから脱出した本機は眼下にあったコロニーの残骸に着地し、追撃に来たジェスタ隊に対し残骸の斜面を滑り下りている最中に狙撃するという荒業という神業を見せるが、掠っただけで直撃せず、ジェスタ隊と正面から戦うことになる。 ジェスタ3機に対し残弾一発という圧倒的不利な状況で、カークス少佐は自爆を決行。 ジェスタ隊を巻き込むため飛び立ち、腹部にビーム・スナイパー・ライフルを突き刺し自爆を計るも、寸前でジェスタ隊のナイジェルに気付かれ両腕を切断されて失敗。ロニに「俺のようにはなるな」と叫びそのまま撃墜され、残骸に叩き付けられ沈黙した。 尚、原作ではバンシィにビームサーベルで溶断され、撃墜されている。 ◇ゲーム中の活躍 Gジェネシリーズ 魂、WORLDに登場。地上・宇宙両方で使用できる上、スナイパーライフルによる狙撃(MAP兵器)ができ、尚且つヒートホークで格闘も可能と使い勝手は良い。 だが基本性能が残念なため、使う為にはそれなりに愛が必要な機体になっている。 『OVERWORLD』ではヒートホークが没収され接近戦にすこぶる弱くなってしまったが、アビリティ「ジオンの魂」で強化される点で他の狙撃機と差別化が可能。 『GENESIS』では射程が2~4になり単なる弱い機体になってしまった。どうしてこうなった…。 戦場の絆 稼働初期から配備されているコスト200の狙撃型MS。 バージョンアップする度に色々な変更がなされており REV.3現在では射撃トリガーを引いてる間チャージする「ビーム・スナイパー・ライフル」がメイン射撃武器である。 MAXチャージで高威力・一発ダウン。チャージ途中で低威力・一発よろけとなり、状況に応じた使い分けが可能。 他のカテゴリーだとロックオンになるボタンがこの機体では、ロックした機体を追尾してくれる「スコープモード」となる。この状態で射撃トリガーを離すと発射される。 サブウェポンに頭部バルカン、格闘武器はヒートホークとなっている。 800m先の機体を一方的に狙えるが、接近された場合の自衛手段は乏しい。 バトルオペレーション2 コスト300の支援機。各メディアでは地上でしか目にしないが、本作では宇宙で運用もできる。 攻撃補正値が射撃のみという思い切りの良さと、高火力のビーム・スナイパーライフル、精度の高いザク・マシンガン[長銃身タイプ]、大よろけタイプだがヒットボックスの小さいマゼラ・トップ砲の3種類から選べる主武装が強い。 ただ足回りなどの機動性全般と防御性能はコスト相応しかない。格闘もヒート・ホークではなく打撃なのでリーチが短く、下格闘がやや使えるかといった具合だが支援機なので積極的に振るようなものではない。 3種類の主兵装、低コスト帯の支援機という中々扱うのに難しい機体ではあるが、マップによって主兵装を変えたり、できる事とできない事をはっきり把握して立ち回れば楽しい機体。 スーパーロボット大戦シリーズ ユニットとしては『UC』が参戦した第3次Z時獄篇で初登場。その関係か同じ『ハーモニー・オブ・ガンダム』由来のジム・ストライカーは参戦出来ずザクⅠ(旧ザク)としては「F完結編」以来である。 本作設定でも既に骨董品とはいえ、敵ボス機の宿命故にHPは数万単位、かつ射程が1~13と無限拳並の距離もあるビーム・スナイパー・ライフル持ち(*2)という、魔改造していると思える程の凄い性能。 第3次Z時獄篇では戦闘アニメの動きがあまり良くなく棒立ちのままビーム・スナイパー・ライフルを撃つだけという微妙さだったが、後に参戦したVでは右脚のギアを展開して膝立ちでビーム・スナイパー・ライフルを撃ち込むものにブラッシュアップされた。 BXではユニットとしては未登場なものの、ファット・アンクル改の戦闘演出でOVAのネモIII狙撃時アクションが再現されている。 機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ON 大型MAシャンブロがボス機体として参戦後、そのアシスト武装で登場。超高速のビームを一発スナイプしてくるのだが、かなり銃口補正が強いので甘い挙動をしていると刺さってしまう。 SDガンダム バトルアライアンス 本来は『UC』世界の機体だが、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』世界のドイツに登場。 なぜか大量に量産されており、崖の上から自軍部隊を狙撃してくるので、遠距離攻撃で倒そう。 ◇ガンプラ HGUCで通常型とカークス機が一般発売されている。同シリーズのザクⅠがベースとなっているので、全体的にディティールがあっさりしている。 後者は予備バレルケースやフックなどが追加されているが、フックの取り付けには接着剤が必要なのでHGとしては少々難易度が高い。 水色がかった成型色に変更されたガンプラビルダーズ版が、同じく色変えのバウとセットでプレミアムバンダイ限定で発売された。 受注生産のため現在は入手困難。 ディティールを増やして関節可動範囲を広げたいのであれば、THE ORIGIN版のザクⅠとニコイチで改造してもいいが、細かい造形が異なるため簡単にはいかない。 ◇余談 ザク砂などが一般的な通称だが、絆プレイヤーなどには本機を「パロマ」の名で呼ぶものもいる。 これは戦場の絆で初登場した当時、給湯器のリコール問題が世を賑わせていたことと、ザク砂が背負っているパックが給湯器に見立てられたことが由来。 追記・修正はネモやセイバーフィッシュやリジーナやホバートラック、倉庫の出撃前のネモⅢを破壊してからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] MSVの機体にスポットを当てるUCは素晴らしい -- 名無しさん (2014-03-19 01 44 32) サンダーボルトにも似た機体おったな -- 名無しさん (2014-08-28 08 18 22) こいつ2枚とゼロ距離射撃2枚にパトゥーリア焼かれた思い出 -- 名無しさん (2016-08-08 07 30 12) こいつMSVじゃなくてハーモニーオブガンダムだよな出身は… -- 名無しさん (2018-10-16 16 33 41) 名前 コメント