約 870,426 件
https://w.atwiki.jp/wiki9_eroparo/pages/162.html
【ほのぼの】ひだまりスケッチ【百合の天国】 http //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1134746082/ 種別/SS創作 分類/作品単独 検索ワード/蒼樹うめ
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/319.html
《ひだまりスケッチ》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト2/黄 [アプローチ/自分] デッキの中を全て見て、その中にある『ひだまりスケッチ』のキャラ1枚を抜き出し、表にしてから手札に加える。その後、デッキをシャッフルする。 (おかえりなさい。) ひだまりスケッチで登場した黄色のイベントカード。 自分のデッキから『ひだまりスケッチ』キャラ1枚をサーチし、デッキをシャッフルする効果を持つ。 実質このカードをデッキにある『ひだまりスケッチ』キャラに変換するカードで、1 1交換が可能。 さらにコスト0であり、手札がこのカード1枚でも逆転の起点とすることが可能。 手札に来ても腐ることはほとんどなく、万が一デッキに対象カードがなくても発生コスト2なので手札コストにできる。 <ひだまりスケッチ>などの『ひだまりスケッチ』のキャラをメインとするデッキでは採用する価値がある。 このカードの発動タイミングはメインフェイズではなくアプローチフェイズである。 自分のキャラが1回以上アプローチしないと発動できないので注意。 メインフェイズに発動したい場合は、制約はあるが《春だから》を使うといい。 カード名が作品と同じカード、スーパーレアのイベントカード、それぞれにおいて最初に出たカードである。 カードイラストはひだまりスケッチ 特別編 DVDのパッケージ絵。 関連項目 『ひだまりスケッチ』 カード名が作品と同じカード 《ひだまりスケッチ×SP》 《ひだまりスケッチ×ハニカム》 《オオカミさんと愉快な仲間たち》 《春だから》 収録 ひだまりスケッチ 01-098 パラレル 編集
https://w.atwiki.jp/teletext/pages/206.html
ひだまりスケッチ 色 出演者 備考 黄色 ゆの(声:阿澄佳奈) 水色 宮子(声:水橋かおり) 緑色 ヒロ(声:後藤邑子)
https://w.atwiki.jp/purememowikiwiki/pages/744.html
《ひだまりスケッチ》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト2/黄 [アプローチ/自分] デッキの中を全て見て、その中にある「ひだまりスケッチ」のキャラ1枚を抜き出し、表にしてから手札に加える。 その後、デッキをシャッフルする。 (おかえりなさい。) ひだまりスケッチで登場した黄色のイベントカード。<ひだまりスケッチ>では必須カード。 自分のデッキからひだまりスケッチのキャラ1枚をサーチする効果を持つ。 実質このカードをデッキにあるひだまりスケッチキャラに変換するカードで、1 1交換が可能。 さらにコスト0であり、手札がこのカード1枚でも逆転の起点とすることが可能。 手札に来ても腐ることはほとんどなく、万が一デッキに対象カードがなくても発生コスト2なので手札コストにできる。 <ひだまりスケッチ>などのひだまりスケッチのキャラをメインとするデッキでは是非4枚積みしたい。 このカードの発動タイミングはメインフェイズではなくアプローチフェイズである。 自分のキャラが1体以上アプローチしないと発動できないので注意。 カード名が作品と同じカード、スーパーレアのイベントカード、それぞれにおいて最初に出たカードである。 カードイラストはひだまりスケッチ 特別編 DVDのパッケージ絵。 関連項目 作品/ひだまりスケッチ 《オオカミさんと愉快な仲間たち》 カード名が作品と同じカード 《けいおん!》 《化物語》 《刀語》 《オオカミさんと七人の仲間たち》 収録 ひだまりスケッチ 01-098 パラレル
https://w.atwiki.jp/panivip/pages/68.html
【ニコニコ動画】[AA]スケッチスイッチ
https://w.atwiki.jp/hidamari774/pages/64.html
「…宮ちゃん」 「ゆの…」 ーーずっとずっと逢いたかった人が私の目の前にいる。毎日の忙しさの中で忘れられなかった、でも忘れてしまいそうになってた大切な人が。 「…宮ちゃん!」 「…ゆの!」 ーーとうとう出会っちゃった。一番逢いたくて、一番逢いたくなかった、あたしの大切なともだちに。 (*1) 東京スケッチー第3話ー "人魚姫と金のネオン" 「とりあえず、こっち行こうよ。ここじゃ車にひかれちゃうし」 「えっ、あっ、うん!そだね…えへへ」 なんとか、周りの状況が見えるまでには落ち着いた…かな? あたしはこっちへ向かってくるゆのを連れて、横断歩道の手前まで戻った。 「えっと…久しぶり、だね!逢うのは3年ぶり…宮ちゃん、元気にしてた?」 「うん。相変わらずだよ~。ゆの、"×"取ったんだね!」 「う、うん、仕事でね?前にカメラのケーブル捌いてて…あれに引っかけて大失敗しちゃって…それ以来外してるんだ…はは…」 「そっかぁ…映像会社だったよね?いや~あたしはてっきり"ゆのっち"が大人の階段を上って"ゆの"になったんだって思ってたよ~」 「えっ、大人?………!そっ、そんな事ないってばぁ~!!」 「わははは、冗談だよ~。ほんと、"×"が無くなってもゆのはゆのなんだね」 「え~っ…なんだか素直に喜べないよぉ。あっ、でも宮ちゃんはすっごく変わったね!なんかすごい綺麗になったし、服も…」 「そんな事無いよ」 「えっ…」 私は、何かすごく後悔した。聞いちゃいけない事を、言っちゃいけない事を言った気分。 「そんな事無いよ」って言った宮ちゃんの顔が、心の中に重くのし掛かった。 宮ちゃんなのに、宮ちゃんじゃないような気分。 「あっ、もう12時だ!ごめんゆの!あたしこれから行かなきゃいけないんだ」 「えっ、こんな時間から!?もう電車もあんまり無いよ?」 駅の方を指差した私に、宮ちゃんは笑って… 「えへへ、あたしが行くのはね、あっちなんだよ~」 背中の向こうの歌舞伎町を指差した。 そして、その手首に巻いた時計の針は深夜0時をちょうど、しらせていた。 その後、「また電話するから!」って言ったゆのと別れて、あたしは横断歩道を早足で歩いた。 (電話…か…) 高校を卒業してから離れ離れになってもずっと連絡は取り合っていたけど、あたしが東京に来る少し前からそれも少なくなって… (最後に声聴いたの、去年ゆのが就職する時だったかな。ひろさんと沙英さん主催のお祝いパーティに誘われて、あたしは断った) それまで、ちょくちょく来ていたメールや電話さえあたし返事しなかったり、出なかったりしてたし、就職してからはゆのも忙しくなって連絡が無くなった。 (あたしは、怖かったんだよね) 宮子は、逢えた事の嬉しさと同じ分だけ風穴の空いた心の中に吹いてくる北風に体を震わせながら、歌舞伎町を歩いていた。 目的地の"いつもの場所"の周りには、看板を持って声をあげるタキシード姿の男、こっちをちらちら見てくるスーツの男たち…そして、吐き気がするくらいのピンク色したネオンと流行のメロディ。 すべてがごった返していた。 宮子はその中のひとつ、「うめ学園」とかかれた看板の店へ入っていった。 「お~い!遅いよ~。12時には来るって言ったじゃん!」 「ごめんごめん。途中でちょっとね~」 「もぉ~お客さんも待ってるんだよ?自分が人気者だってそれなりに自覚してよ?」 「わかってるって~」 入るなりいつものボーイ君にお小言を言われる。でも、それはもうほとんど毎日の事だから。どうだっていいけどね。もう2年くらいこんなんだし。 (宮ちゃん…) 頭の中で、ふとさっきのゆのの姿が浮かんだ。 慣れない人混みと、都会の中で、必死に夢を追いながら、まっすぐ歩いてる少女の姿が。 ーーねぇ、ゆのっち。 ーーどうしたの?宮ちゃん。 ーーあたしたちの未来って一体どんなんだろうね。 ーーう~ん、分からないけどたぶん私達はいつまでも私達なんだと思うよ? ーーそっか!そうだよね!あたしたちはいつまでもあたしたちだよね! ーーそうだよ…きっと。 (そうなのかな…ゆの…) (あたしは変わってしまったよ。もうあの頃のあたしじゃない。ただ、生きてるだけだよ) ふと思い出して、込み上げそうになった涙を堪えて、誰にも見られないように、人差し指で上まつげを押さえた。 ヒビだらけの仮面を着けたあたしを、「好きだ」なんて言う馬鹿な大人達の好きにさせて、あたしはただ、生きるためのお金をもらう。 ただ、生きていく為だけのお金を。 そんなあたしに流す涙なんて無いし、理由もない。 (ねぇ…ゆのっち?あの頃の"宮子"はもう死んじゃったんだよ。にぃにぃと一緒に。だから今のあたしは誰でもない。人形と同じ) 「んじゃあ、今日もよろしくね!"かおり"ちゃん!」 (だから売るの) (…お金になるから。) 東京スケッチー第3話ー "人魚姫と金のネオン"完。
https://w.atwiki.jp/hidamari774/pages/84.html
雨上がりの石畳を歩くその右足は、 歩き慣れた町をいつもより少しだけ強く踏みしめるような足取り。 昨日まで降っていた雨が嘘みたいに晴れ渡る7月の青空----。 宮子は今まさにそんな気持ちで歩いていた。 やわらかく、温い風になびいた髪。 見慣れた景色の中を、優しく吹き抜けていく。 ----そうして町の表通りの外れにやっと見つけた、 白い外壁のまだ新しい建物。 看板の"長島産婦人科"の文字を、確かめるように目で追って----。 宮子は味わった事の無い緊張を手のひらにぎゅっ、と握りしめながら、 開いた自動ドアの向こう側へと、足を踏み入れた。 なんとなく、右足から。 東京スケッチ―第10話― "女神の品格" (なんか、ざわざわするなぁ……) 自動ドアの向こうに足を踏み入れた瞬間、 そんな気持ちが宮子の胸の中で巻き起こった。 "不安"や"焦燥"----だけじゃない、なんだか"恐怖"にも似た感覚。 だけど決して歩みを止めるわけでもなく、 宮子はその足を入り口から程近い受付へと歩いていた。 「あっ、あの~すみません……」 そんな風に胸の中は騒いだままだったからだろうか、 宮子はおどおどして少し吃りながら、 受付に座っていた年は母親と同じくらいの女性に声を掛けた。 「あぁ! おはようございます。診察ですか? それなら診察券をここに入れてもらって……」 「いや、あの……初診です。」 「あら。そうですか…… なら保険証を出してもらっていいですか?」 「あっ、はい……」 受付の人は、声が大きくて----。 宮子は"ちょっぴりお母さんに似てるなぁ"と、思いながら、 ジーンズの左ポケットに入れた保健証を取り出して、その、 "お母さんに少し似てる"受付の女性に手渡した。 「それじゃあ、今日ここになんの診察で来たのか、 この髪に書いて下さいね。書き終わったら渡して下さい。」 そう言うと、その"お母さんに少し似てる"女性は、 宮子に黒いボードの上に乗った記入用紙と鉛筆を手渡した後、 さっき預けた保健証を持って奥の部屋の方へと歩き出していった。 (さてっ……と……) 宮子は受付の前の黒い長椅子に腰かけて 、鉛筆を右手に握りしめ記入用紙とにらめっこを始めた。 生まれてこの方、健康なのが取り柄だったからか、 あまり病院、と名の付くものに来た事は無かった。 その為に渡された記入用紙に、まず何から書けば良いのか躊躇ったが、 とりあえず鉛筆を走らせ、名前と、住所と年齢と、 診察理由の欄の"妊娠検査"の所に丸を付けた宮子だった。 「あの~、すみません。」 それからなんとか分かる範囲で記入用紙を埋めた宮子が、 受付に声を掛けたのは、書き初めてから15分が経った頃だった。 「……はい! あぁ、書き終わりましたか? それじゃあ受け取ります。」 こちらに背を向けるように座りながら、 受付の隅にあるパソコンへ何やら打ち込んでいたさっきの受付の人---- "お母さんに少し似てる"女性に宮子はその用紙を手渡した。 「はい、確かに……あら?」 受け取った用紙に目を通した受付の女性は、 何かを見つけたように呟いた。 その予想外のリアクションに困った宮子からも、 思わず声が出た。 「えっ、あの、何か変なこと書いてました?」 目を丸くして聞く宮子に、用紙に向けていた顔を上げ、 女性は少し笑いながら返した。 「いや、ううん。 あのね、私の娘も"宮子"って名前だからね。 思わず……ふふふ。」 さっき以上の予想外の答えに宮子は、 何だか肩透かしを食らったような気分になったが、 女性のその笑顔を見ると思わず---- 「ふふっ、そうなんですか。」 と、宮子も笑顔を見せた。 "あぁ、こんな風に優しく笑うのも似てるなぁ"と思いながら。 そんな太陽のように笑う少女を見つめて、 受付の女性は続けた。 「ちょうどね、あなたと同じ年頃なのよ。 うちの娘もね、だからなんだか、不思議な気持ちなのよ…… 自分の娘と同じ名前、同じ年頃の女の子が、 "お母さん"になるかもしれない、って思うと。」 「"お母さん"……?」 自分にはおおよそ似合わないその響きが、宮子の胸の奥に届いた。 女性はそうして不思議そうに、 こちらを見る少女に向かって、優しくこう呟いた。 「そうよ。あなた----宮子ちゃんは、これから"お母さん"になっていくの。 この世界で一番大好きな人との間に生まれた、 "命"を宿したその瞬間から、少しずつ。」 そう、話す女性----名前は"ゆうこさん"といった---- その目には自分の母と同じ、強くて、 優しい太陽のような輝きが宮子には見えた気がした。 「宮子ちゃんのお母さんも、私も、いきなり"お母さん"になれたわけじゃない。 大切な命を宿して、この世に生まれたあなたが大きくなっていったように、 私たちも少しずつ本当の"お母さん"になっていったのよ。 あなたと同じようにあなたのお母さんも、少しずつ成長して…… 苦しいことも辛い事もたくさんあるけど、それはすごく幸せなものなの。」 "お母さん"というありふれた響きが、違和感から、 胸の中にすっと吹く風のように優しく宮子に響いた。 自らが呟いた言葉に目を丸くしていた少女が、 次第に何かを受け入れるように大きく息をしたのを見たゆうこは、 最後にこう付け加えた。 「だからね、本当に、おめでとう。 これから苦しいこと辛いことがたくさんあるかもしれない、 あなたは今まだ戸惑っているかもしれない。 だけど、今あなたの身体の中で生きているのは、 間違いなく"幸せ"そのものなのよ。 だから、おめでとう。 ……あら、ちょうど宮子ちゃんの番ね。 それじゃ、行ってらっしゃい。」 そう言って診察室の方を指差したゆうこへ宮子は、 「ありがとう。行ってきます。」 と、だけ伝えて受付の斜め向かいにある診察室へと入っていった。 ("お母さん"……か。) と、胸の中に強く響いたその言葉と共に。 「おめでとうございます、3ヶ月目ですよ。」 そう言ったのは、よれよれの白衣を着た初老の男性---- この産婦人科の主治医の"長島先生"だった。 長島先生はそう言って宮子にエコーの写真を手渡す。 ----僅かに灯りが差す海の底で小さな影が揺れているように見えたそれは、 確かに宮子の中に芽生えた新しい命だった。 その証を手に取った宮子は、 (綺麗……。) と、涙が溢れるくらいその美しさに見入っていた。 「……と、えぇと、聞いておられますかな?」 すっかり見入ってしまっていた宮子にようやくその言葉が届いたのを確認した長島先生は、 皺を蓄えた目尻を下げ、優しく微笑みながら続けた。 「さて、これから出産までの間、7ヶ月目までは月に一回、 それ以降は2週間に一回、検診を受けて頂きます。 それから母子手帖の手続きに出産費用の準備に、 まだまだやる事はたくさんあります。 詳しいことはこれからお渡しする書類に書いてありますが……。 ともかく、その中で一番大切なのは、 "ひとりでやろうとしない事"です。 身の回りの家族に友人、旦那さま、そして私たち…… あなたはこれからたくさんの人々と共に、 その生まれ来る"命"を迎える準備をしなければなりません。 それを分かっていただけますかな?」 宮子はその言葉をただ受け止め、深く相づちを打って、 「はい。」 と、だけ言った。 そして、それを確認した長島先生は、 それまで合わせていた視線を一瞬外してから続けた。 「それから、もし、その命をあなたや、旦那さまが望まないと言う場合には、 "中絶"という選択肢もあります。」 「えっ……?」 その言葉を聞いて、あからさまに動揺した宮子は、 すがり付くような瞳を先生に向けた。 それを見て、見ないようにしながら、 長島先生は尚落ち着いた様子で続けた。 「"産む"という選択肢だけでは無い。という事です。 生まれ来る命には、その生まれる場所を選ぶ事は出来ません。 そして、生まれ来る命は、幸せでなくてはならないのです。 子どものために親がする事---- 親にとってそれは、幸せと同じだけとても辛く、苦しいものです。 今のあなた自身にそれを背負う事が出来ない時は、 もう一つの選択肢もある。 という事を覚えておいて下さい。 それを決めるには、まだ時間があります。 なので、ご家族や旦那さまとよく話し合う時間も必要でしょうね。」 優しく微笑みながら、嗄れた声で長島先生はそう宮子に告げた。 ----それはまだ若い"少女"への最大限の気配りだった。 一方、その辛辣にも聞こえるほどの優しい言葉を受けた宮子は、 ただうつむいて、 「はい……。」 と、答える事しか出来なかった。 「……失礼しました。ありがとうございました。」 と、沈んだ声で診察室を後にした宮子を受付にいたゆうこが迎えた。 さっき診察室へと入っていった時とは正反対の曇った表情を見せる"少女"へ、ゆうこはひとつ、 「そうゆう事なの。"お母さん"になるって事は。」 と、澄んだ優しい声で言った。 宮子は黙ってうなずいた後、診察券と書類と内服薬を受け取り、 代金を支払って長島産婦人科を後にした。 後ろ姿が遠く消えていく姿を見つめながら、 ゆうこは、 (幸せには、同じだけ痛みがあるものね。) と、ポケットから定期入れを取り出し、 一枚の写真を見つめながら思った。 (あなたも、そうだったのかしら……"宮子"。) まだ綺麗なその写真には、ゆうこと、小さな子を抱く"少女"が笑っていた。 もう一人の"宮子"もまた、優しく、太陽のように笑う"少女"だった----。 表へと出た宮子は、正午の強い日差しを受けながら元来た道を歩いた。 ここに来た時には吹いていた風も今は無く、 ただ猛烈に注ぐ茹だるような日差しが、ただ宮子を突き刺していた。 ("産む"という選択肢だけでは無い。という事です。) その言葉が、ただただ胸を突き刺してえぐっていく…… 先生の優しさが、宮子には痛すぎて。 (だけど、この子は確かにここで生きてる。) その湧き出るように生まれる想いがただ今の宮子の歩く力になって、 零れそうになる涙を堪える力になった。 (にぃにぃ。) そして弱音を吐くように小さく呟いたのは、愛する人の名前----胸がちくりと痛んだ、いつもの帰り道。 「ただいま~。」 玄関を開けた先はガランとした空気が漂っていた。 「にぃにぃは……部屋か。」 玄関に靴があるのを確認して宮子は廊下を抜け、 汗を流すために風呂場へと向かった。 同じ頃、玄関が"バタン"と閉まった音を部屋にいた兄は聞いていた。 朝からやっていたレポートも片付き、 今は椅子にもたれ掛かりながらただ天井を仰いでいた。 (みぃちゃん……) 何気なく口にしたのは恋人であり、妹である人の名前---- いつもは胸の中を澄んだ音色で過ぎていくその響きも、 今日は何故か、名前を呼ぶほどに胸が騒いだ。 "何故"----理由なんてもうとっくに気付いているのかも知れない。 だけどそれが本当ではありませんように…… と、願う希望と、それを覆い隠すように拡がる不安。 それは、部屋の窓から見えた、抜けるような青空さえ鬱陶しく思わせた。 そうして、うつらうつらと過ぎる時間を泳いでいると、 コン、コン。 「にぃにぃ、いる?」 宮子の声にはっ、となって、その声に応えた。 「うん、いるよ。どうぞ?」 「うん、おじゃまするよ~」 出来るだけ平静を装うように応えた兄は、 風呂上がりでまだ上気した頬を覗かせる宮子を部屋へと迎え入れた。 「おかえり。なんだ、お風呂入ってたんだ。」 「うん。外暑くってさ~、汗かいちゃったから。」 いつもなら弾む声も今日は何だか静かな響きだった。 それをお互いに感じて訪れた沈黙。 ----打ち破ったのは宮子の方だった。 「あのね、にぃにぃ。今日、さっきあたし、産婦人科に行って来たんだ。」 兄の瞼がピクッと動いたが、ただ宮子を見つめるだけで言葉はなかった。 その様子を宮子もじっと見つめ、続けた。 「春からずっと生理が無くてさ、それで、おかしいなぁって思って。」 怒るわけでも焦るわけでもなく、いつものリズムで、宮子は核心へと話を進めた。 「それで今日検査してもらったらね……。」 目の前には、ただ審判を待つように宮子の瞳を見つめる兄----。 宮子は、躊躇わなかった。 「……居るよ。私たちの子どもがここに。今、2ヶ月目だってさ」 目を見開いた兄、静かに告げた妹----。 窓の外には雲ひとつ無い空から差した太陽が部屋に届いて、ふたりの間で揺らいでいる。 こうして、宝物を無くしたふたりの最後の夏が、今、始まった。 眩しさと温もりと、澱んだ絶望だけを頼りに。 東京スケッチ―第10話― "女神の品格" 終。
https://w.atwiki.jp/4-koma/pages/20.html
ひだまりスケッチ http //anime2.2ch.net/test/read.cgi/4koma/1174691648/ 検索ワード/蒼樹うめ、まんがタイムきららCarat
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/9208.html
水曜日のスケッチ 登場人物 コメント 新井葉月/作画・影山由美/原作による日本の漫画作品。 『なかよし』(講談社)1999年10月号と同年11月号に前後編が掲載された。全2話。単行本は同社の講談社コミックスなかよしより全1巻。 登場人物 デンリュウ:明里 アカリちゃん繋がり コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 登場人物とだけ書かれた荒らしコメントを削除 -- (名無しさん) 2019-11-05 19 44 09
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2395.html
「…………」 「…………」 沈黙、沈黙。 「……あの……」 「ん、何? みなみちゃん」 「……いえ、何でもないです……」 ……再び沈黙。……何をやっているのだろう、私…… スケッチスケッチ! 5筆目 沈黙のち笑顔 ……こんにちは、岩崎みなみです。今日はみゆきさんに誘われて、泉先輩の主催するスケッチ 大会に参加しています。誘われた時は、一瞬だけどうしようかと迷いましたが、皆で楽しく スケッチをするとの事で、快く承諾しました。 そして当日、総勢10人でのスケッチ大会の前に、泉先輩が提案したくじ引きでの結果、私は つかさ先輩の双子の姉である、柊かがみ先輩とペアを組むことになりました。 「よろしくね、みなみちゃん」 「……よろしく、お願いします……」 そうして初めに挨拶をした後、泉先輩のスタートの合図で、日下部先輩がすぐに駆け出した 時はびっくりしました。周りの皆が同じ様に驚いている中で、田村さんもそれにつられて 駆け出そうとした時に、かがみ先輩は田村さんに何か囁いていた様に見えました。 「それじゃあ、改めて出発しましょう」 と、かがみ先輩が田村さんから私の元へ戻ったその勢いで駅から左の道を進み始めたので、 私はその後ろについていきました。しかしそれから暫くは何を話す事もなく、ただ漠然と 目的地まで歩いています。 私も、恐らくかがみ先輩も、会話をしたくない訳ではない、と思う。ただ、どちらも話題が 見つからないのだと思います。かがみ先輩は思案顔で私を見たり、目をつぶったりして何か 話す事はないかと探しているように見えますし、私自身も、このままでは……と思って声を かがみ先輩に掛けはするのだが、何も話す事がなくて、冒頭の様なやり取りを何度も続けて いる。 そのような微妙な空気が続いて10分が経った目的地手前の線路沿いの橋の上、 「……そういえばさ……」 歩き始めて、初めてかがみ先輩が振りの言葉を言った。 「……何でしょう……?」 「みなみちゃんって、駅で私とつかさに会った時、やけにつかさと仲が良かった風に見えたん だけど、どうして?」 ……そういえば…… 駅に着いた時、同じ電車の違う車両に乗っていたかがみ先輩とつかさ先輩に会って、私は つかさ先輩と一言二言話をしたけど、確かにその時かがみ先輩は私とつかさ先輩を不思議 そうに見ていた気が……というよりも…… 「……つかさ先輩から、聞いていませんか?」 川の土手を下りながら、私はかがみ先輩に尋ねました。 「いや、何も。だいたい、つかさがみなみちゃんと会話するなんて、全然想像もつかないん だけど……あの子、結構人見知りするほうだから」 ……確かに、あの場所で会って、初めの内はそうだったけど…… 「…実は…」 それから私は、あの日つかさ先輩と出会った時の事をかがみ先輩に話した。 ゆたかと一緒に入ったレストランに、偶然つかさ先輩がいた事。 とある事情で、しばらくつかさ先輩と二人きりで、長い沈黙が続いた事。 そして、一度話を始めたら、すぐに会話が弾むようになった事。 土手を下った先の川原で私の隣に座ったかがみ先輩に、私はあの時と同じ様に、スラスラと 説明をすることができた。 「……という事なのですが…」 「……なるほどねー……」 私が説明を終えると、かがみ先輩は腕を組み、納得した様にうんうんと頷いた。 「確かにつかさって、一度話すきっかけが見つかったら、何故かすぐに積極的になって、 誰とでも仲良くなっちゃう、って気がするわ。こなたの時もそうだったし」 「…そうなんですか?」 「そうそう。とある事でつかさが困ってた時に助けてくれたのがこなたらしくて――まぁ 困ってたっていうのは誤解かもしれないけど、それでその日つかさが帰ってきたら、「友達 ができた」って、嬉しそうに言ってたわ」 そこまで言うと、かがみ先輩は苦笑いというか、少し困ったような顔になった。 「……でも誰とでも仲良くなれるのはいいけど、見境なしに仲良くなるのはやめてほしいわ。 こなたの時もつかさは「いい人」って言ってたけど、私はあんまり信用してなかったな」 「…どうしてですか?」 「つかさって、仲良くなればどんな人でも「いい人」だって思ってるらしくて。だからあまり 当てにならないのよ、あの子の「いい人」発言は」 ……何となく、納得してしまった。確かにつかさ先輩なら、良い人でも怖い人でも、話す事さえ できれば、誰とでも仲良くできる気がする。 「…それでは、かがみ先輩にとって、泉先輩はどちらだったのですか?」 私はかがみ先輩の「つかさ先輩理論」を聞いて、気になっていたことを質問した。 「うーん、悪いやつではなかったわね、昔も今も。まあ確かに勉強は私やみゆきに頼りっきり だし、突然変な事は言うし、オタク知識もバラまくしで呆れる事は何度もあったけど、それで いてなかなか憎めないやつだしねー、こなたは」 かがみ先輩は少し苦笑い気味に答えた。 「…そうなんですか」 「うん。つかさの目に狂いは……多少はあったけど、それでも今、こうしてスケッチ大会を する程仲良くなった訳だし。それにつかさはあいつとは結構気が合うみたいだしね。勉強が 苦手なところとか、だらしないところとか」 最後に悪戯めいた顔でそう締めたかがみ先輩。その時、 ―――ホー――― ………? どこからか、声が聞こえた。 ふくろう? こんなお昼時に? と思って辺りを見渡してみた。すると、 「……あのバカ……」 呆れた様な呟きが聞こえ、そちらの方を向いてみると、かがみ先輩が私の反対側、つまり 左を向いて、顔に手を当てながら、大きな溜息を吐いていた。 「…どうしたのですか?」 そう尋ねた私の声に反応したかがみ先輩は、さっきの呟きと同じ様に呆れた表情をしながら こちらに振り向き、 「……あぁ、今、なんか声が聞こえたでしょう?」 「は、はい……」 「その声、あの山から聞こえてきたのよ」 と言ってかがみ先輩が指さしたのは、今私たちのいる川の上流、そこから少し左にある、 小さな山だった。 「…どうして、そんな事が…?」 どうしてわかるのか。私がかがみ先輩に尋ねると、先輩は呆れたままで、 「……始めは鳥かなんかだと思ったけど、聞こえた方向は左なのにそっちには近くに木とか 高い建物は何もないでしょう? で、よく見ると、その先に山があるじゃない。……問題、 今回のスケッチ大会で、あの山に向かったのは誰だったかしら?」 「えっ……?」 突然の振りに、私は少し慌ててしまった。えーっと……あ、そういえば…… 「…日下部先輩…?」 「正解。まぁ、あれだけのスタートダッシュ決めながら「山だー!」って叫んでたら、 誰だってわかるわよね。だから、さっきの声の主は日下部。あいつ、昔からああいう高い所 登ると、絶対「ヤッホー!」って言って叫ぶって、峰岸から聞いた事があってね。それも突然 叫ぶらしいし。一緒にいるやつはたまったもんじゃないわよ、まったく……ひよりちゃん、 大丈夫かしら……」 と、かがみ先輩が心配そうにつぶやいた時、 ――キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン―― 「……えっ?」 「……学校の、チャイム?」 普段聞き慣れた、こんな所で聞くとは思わなかった音を聞き、思わずかがみ先輩と私は同時に 腕時計の針を見た。 「……今の、12時のチャイムだったみたいね」 「……そのようですね」 「じゃあ、これからスケッチ大会が始まるわけね」 「……恐らく」 「……それじゃあ、何を書くか決めなきゃ。……みなみちゃんはどうする?」 かがみ先輩は、立ち上がりながら私にそう尋ねました。 「…私も、探しに行きます」 「それなら、30分ぐらいしたらまたここに戻って、一緒にお昼を食べましょ。それでいい?」 「…はい」 「じゃあ、行きますか」 そう言って、かがみ先輩はスタスタと、川原を上流へと歩いていきました。 「…ところで、かがみ先輩」 「ん、どうしたの? みなみちゃん」 それから30分後、約束通りお昼ご飯を食べるために元の場所に戻って、私がかがみ先輩の 弁当の豪華さに驚き、それはつかさ先輩が作ったの、と先輩がばつが悪そうにつぶやいた後、 私は少し気になっていたことを先輩に尋ねた。 「…かがみ先輩は、日下部先輩とは仲が良いのですか?」 「仲が良いというか……まぁあいつとは峰岸と同じで中学生の頃から同じ学校でね。確か 5年連続で同じ組になった、ってあいつが言ってたっけ。よく話すようになったのは今年から だけど」 「…そうなんですか……では、つかさ先輩は、そのお二人とは仲が良いのですか?」 「えっ?」 私の問いに、かがみ先輩は驚いた様な声を出した。 「うーん……」 かがみ先輩はお弁当の卵焼きを一つ咀嚼しながら、私の問いへの答えを探していた。そして 口の中の卵焼きを全て食べ終わった後、 「……どうなんだろ? 峰岸とはお菓子とか、料理関係で話をしてるのはたまに見るけど、 日下部とはそんなに仲良くしてる所は見た事ないわね。つかさも、なぜかあの二人とだと 普段の引っ込み思案が出ちゃうみたいだから。峰岸と話してても少しぎこちなく見えるし」 かがみ先輩はそこで水筒に入れてあったお茶でコクコクと飲んで一息をつき、 「……まぁ、つかさはあいつらと中学の時は同じクラスにならなかったっていうのもあったし、 日下部みたいなハイテンションにはあまりついてけない子だったからね。でもまぁ、今は こなたとかもいることだし、徐々に仲良くなるだろ」 「…そう、ですね」 かがみ先輩の答えに、私は納得して頷いた。 「……それにしても、意外だったわ」 お昼ご飯を食べた後、私とかがみ先輩は一度分かれて、それぞれのスケッチポイントで絵を 描き始め、しばらくしたら元の場所に戻って見せ合いをする、ということを繰り返して、絵が 完成し、時間になって駅に戻る道の途中、かがみ先輩はそう呟いた。 「……? 何が、ですか?」 「いや、みなみちゃんには悪いんだけど……みなみちゃんって、思ってたより話しやすい人 なんだなぁ、って思ってね」 「……えっ……?」 ……話しやすい? 私が? 「うん、確かに口数は少ないけど、みなみちゃんから話題を出してくれたり、よく質問をして くれたり。つかさと会った話をしてる時なんて、とても楽しそうだったわよ」 「……そう、でしたか?」 私は急に恥ずかしくなって、少し俯いてしまった。心なしか、頬も少し熱くなっている気が する。 「うん。今度機会があったら、また一緒にお話しましょ」 そう言って、かがみ先輩はニッコリと笑って、私に左手を差し伸べた。 「……はい」 私も少し顔を赤く染めて、微笑みながら左手を伸ばし、差し出された先輩の手を握った。 私の事を話しやすいと言ったかがみ先輩。でも、最初に話題を出してくれたのは、先輩の 方です。先輩が話しかけてくれたから、私はいつもよりも口数が多かったのだと思います。 かがみ先輩、今日は本当にありがとうございました。 私は心の中でお礼を言い、先輩と並んで、線路沿いの道を駅に向かって歩いていきました。 スケッチスケッチ! 6筆目 ほのぼのステーション コメントフォーム 名前 コメント