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77 名前:不安なマリア5[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 01 11 04 ID y4Nin90V マリアが家事修行をはじめて、2ヶ月が過ぎた。 さすが元軍人、軍隊仕込の包丁裁きはなかなかだったが、火を扱う手は心許ない。 ジョナサンとしては、頑張ってくれて嬉しかったがまず不安が先に立ってしまう。 仕事中でも、すこしの暇を見つけては電話して安否を確認する癖がついた。 この前の小火が、もしかしたら今度は火事になるかもしれない。 高めに調整した車椅子から落ちれば、最悪怪我をしてしまう。 実際、彼女は料理中に何度か車椅子から落ち、駆けつけた夫に助けてもらっている。 そうしたことが続き、彼の心配症は加速度的に強くなっていった。 しかし、駆けつけたときの妻の安堵と不安が入り混じった嬉しそうな表情を一度見てしまえば、 彼の中には例えようのない幸福感が溢れるのだ。 そうしてマリアは、夫に「教え」、「与える」ことを繰り返した。 そんなある日、マリアが夕食を準備することになった。 隻腕なうえ、体も衰えたマリアにとって、水を張った鍋を持ち上げるのも一苦労だ。 包丁も、手つきはジョナサンより良いくらいだが、やはり体が邪魔をする。 座った状態で料理すること自体、困難なのだ。課題はいくらでもある。 心配したジョナサンは定時に帰宅しており、ハラハラしながら妻の料理を見守った。 そんな夫の視線を感じ、マリアの口元はどうしても緩んでしまう。 「最近、はやく帰ってきてくれるんだな。ありがとう。」 帰宅が早いくらいで大喜びされると、彼も照れくさく、素直に心配だからと言えない。 「うん、まぁそうかな。忙しくないからね。それに特訓もあるし・・・」 彼の照れたような言葉に不満な彼女はさらに追撃した。 「ふふ。正直に“君が心配だった”と言ったらどうだ?私を気にかけてくれたんだろう?」 最近鍛えだしたのか、右腕だけで肉を軽快に切っていく。 よほど努力したようで、彼は自分の見ない間にマリアが変わったことに驚いた。 「ああ、その通り。君が心配だった。料理、すごく上手になったね。」 素直に喜ぶと同時に、自分の見ない間、というのが何となく気に入らない。 「ふふ。それで良いんだ。あなたが教えてくれたんだから上手いのは当たり前だ。」 彼女は機嫌よさそうに答えた。と、背後から突然抱きしめられる。 「あっ。待て、今は料理中だぞ。」 「・・・でもね。君が僕の見えないところで頑張るのは、何だか嫌だな。」 夫から予期せぬ言葉をかけられ、マリアは恍惚とした。 今の夫の心理はまぎれもなく、不安と独占欲から生まれたものだからだ。 これまでなかなか目に見える成果が現れなかったので、喜びもひとしおである。 あと一息だ。込み上げる歓喜を押さえ、ツツと彼の腕に自らの指を絡ませた。 一方、夫も自分の言葉と行動の意味に気付いてうろたえていた。 自分は何を言っているのか。無論、独占欲だって人並みにあるのは自覚している。 しかし、今の言葉はまるでマリアが不安定になったときに吐露する感情と同じだ。 一体、いつの間に自分はこんな風に・・・。 体を離そうとしたがいつの間にか腕に彼女の指ががっちりと絡んでいる。 「あ、あの、今のはその・・・」と一応、弁解を試みる。 妻が振り向いた。全てを包みこむように微笑んでいる。 「クス。ふふ。やっとあなたも、わかってくれたんだな。」 「不安を感じるんだろう?影も形もないのに、ただそこにいるんだ。」 「それは私だ。私がいるんだ。あなたのなかに。私だけが。」 マリアは、ジョナサンの体を引き寄せた。 彼は動けないまま抱き止められる。いつも彼女にしていることを自分がされている。 「あなたが不安で心配してくれるから、私は安心して生きられる。」 「私もあなただけを考えて、心配して、毎日待っている。一緒なんだ。」 額をつけて目と目を合わせる。こういう時、マリアの目は他に何も許さない。 「・・・ふふ、私もあなたも幸せ者だ。そうだろう。」 夫には、私以外との時間も、私以外との空間もいらないし与えたくない。 夫の不安を育て、独占し、支配することで、彼女は彼の心の選択肢を極端に奪っていった。 78 名前:不安なマリア5[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 01 14 24 ID y4Nin90V それから1カ月が過ぎた。彼は明らかに変化していた。 どんなに忙しくてもあまり残業をしないようになった。 家との連絡をするため、他との電話を避けるようになった。 他人と何をしていても家のことが気になって仕方ない。 以前は時々していた散歩も、あまりやらなくなっていた。 週末は極力家にいて、マリアと料理や掃除、読書に打ち込む。 二人ベッドでキスやフェラしながら一日を過ごすことさえあった。 妻が無事かどうか、どうしようもないほど心配になる時もある。 しかし、電話で話したり、家に帰って抱きあえばそんな不安は吹き飛んだ。 いつ、どこで、何をしていても妻のことが気になるようになっていた。 その日も、さっさと作業を終わらせたジョナサンは定時ちょうどに店を出た。 「じゃあ、ここでお先に失礼します。お疲れ様でした。」 店に残ったのは店長と、以前、香水で浮気疑惑の火元となった同僚のクレアだった。 最近、この二人の会話はただ一つの話題に独占されている。 いわずもがな、ジョナサンが最近変わった、というものだ。 「やっぱりヘンですよね。」とクレア。 「うーん。そうだねえ・・・。」とろとろと相槌を打つ店長。 二人とも、ジョナサンの何が変わったのかはイマイチ掴めないのだ。 仕事が速いのも、真面目だが緩急をつけられるのも相変わらずなのだが。 「それに、なんか最近あの人、何だかそっけないっていうか。」 確かに、最近のジョナサンは職場での人間関係に気を使わなくなったように見える。 もちろん無礼ではないのだが、そもそも関心が向いていないようだった。 しかもクレアは、特に自分に対してそうなのではないかと感じていた。 「確かになぁ。そりゃあ早く帰るのは、奥さんのことがあるから良いけど・・・。」 「変ですよ。外回りなんかもっとユルい感じでしたけど、なんか最近ぜんぶ事務的で。」 「あと、電話もなぁ・・・」さすがに店長も電話の回数が異様に多いことに気付いていた。 「ですよね。電話、どんな忙しくてもしてますもん。私たち仕事中じゃないの?って。」 仕事を始めたころの真面目で人当たりの良かった彼は一体どうしたのか。 「最近は私がランチに誘っても来ないし・・・。」とクレアは怪訝な顔をした。 その頃、すでに夕食を終えたジョナサンとマリアは、ソファでだべりあっていた。 これは最近根づいた習慣で、夕食後、抱き合いながら色々なことを話す。 話題は最近の彼の悩み、マリアのことが異常なほど心配になってしまうことだ。 しかし、それを聞いた彼女はこれ以上ないというほど嬉しそうに笑った。 「ふふ。アハハハハハッ。すごいッ。私たちは完璧だ。完全な夫婦になれる。アハハハハッ」 「あなたの中にいるのは私だけだ。あなたが見えるのはわたしだけだ。そうなんだろう?」 「それは、すごくすごく良いことなんだ。ふふ、だって私たちは夫婦だからな。」 「夫婦とはそういうものなんだ。クス、ずっと二人だけ。これが本当の夫婦なんだ。」 彼が偽物の基準はなんだと尋ねると、彼女は鼻で笑って答えた。 「あいつらだ。『あの女』と『あの男』。私を生んだクズどもは偽物だ。ざまあ見ろッ。」 強烈な憎悪だった。そして彼もそうだなと心から首肯する。 ――そうだ、『あいつら』はクズだ。そして、僕らはクズじゃない。 79 名前:不安なマリア5[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 01 17 45 ID y4Nin90V 「私はクズの娘なのに。本物になれたんだ。ふふ、あはは・・・」 口を歪め、半笑いのままの虚ろな目で、マリアは夫を見つめた。 彼女の目が彼の目を捕える。ジョナサンはたまらず妻を倒して抱きしめた。 「僕らはあいつらと違う。そうだろう?」 慄く彼にキスしながら、うっとりとした表情の彼女はその耳に囁く。 「今はな。でも一生そうならないために、ずっと二人だけで・・・。」 そう言ってマリアは彼の股間に顔をうずめる。長い金髪が垂れた。 彼がまるでセックスしているように感じるほど、彼女のフェラチオはうまくなっていた。 肉の擦れる音、吸い上げる音、舌を絡める水音、彼の荒い息、うめき声。 「普通の」セックスが出来ない彼女にとって、精一杯の楔がフェラチオである。 夫を責め抜き、それに夫が感じれば、彼女は歓び、独占の証に満足して絶頂する。 「・・ンム・・ンン・・・ハァ・・ジョナサン?」 「うぁ、ッツ・・・なんだい?、ハァ、急に・・・」 急に止められて不満そうな顔をするジョナサンを、マリアが探るような目で見つめる。 「まさか、他の女にもそんな声をだしている、なんてことはないな?」 そう言うなり、目線はそのまま「作業」を再開した。舌を焦らすように少しずつ動かす。 「な、に言って、ううッ、く、ぁあ・・・」 「どうした?答えられないのか?どうなんだ。」 マリアは自分の表情が醜悪になっていくのを感じた。しかし、疑念は止まらない。 ――疑いは私の愛の証なんだ。だから正直に答えてくれ。同僚の女だろう?あの香水の。 ――私の勘違いだと言うなら、私の仕打ちを許してくれ。私を愛してるんだろう? 彼女は先端を甘噛みして射精を促しながら、その根元を手で締め上げる。 「ちがっ、・・・うぁ・・――ッく、はぁ・・・・してない。信じてくれ・・・」 ジョナサンは「信じてくれ」という懇願を繰り返し、彼女を悦ばせた。 「信じて」と懇願する夫の姿のなんと愛しいことか。 疑われる不安で彼をもっと満たそう。互いに満たしあうからこそ夫婦なのだ。 再び「夫」を咥え、片手で自分の股間も刺激しながら、支配の言葉を投げかける。 「ム、フ・・・ンム・・ゥん・・・本当か?もし嘘なら、ンンッ・・・自殺、するかもな。」 「キッチンで・・ハァ・・大怪我もいいな。もっと、ンフぁ・・・ひどい、状態に・・・」 「ンフ・・フッ、ん・・それとも、二人で、ンム、死ぬほうが、ハァ・・良いか?」 責められ続け朦朧とした夫は、「マリア・愛してる・信じてくれ」の三語を呟くだけだ。 それだけでマリアは、幾度となく絶頂してしまう。こんな深い陶酔があるとは知らなかった。 ――イく。これだけでもっとイける。あなたがおかしくなって私と一緒になって・・・。 ――ジョナサン、もっと不安でもっと気持ちよくしてやる。私の私の私の私の私の・・・。 単なる呻き声しか出なくなった頃、ようやくジョナサンは解放された。 不安、信頼、喜び、恐怖がないまぜになって強烈な快感となり、彼を襲う。 妻の笑い声が響き、頭の中で不安も愛情も妻も自分も全てがいっしょくたになる衝撃。 「イクっ、私もイクからッ。だからッッ、一緒にィィィィイ」 髪を振り乱して高笑いしながら、マリアも再び絶頂した。 興奮しすぎたせいだろうか。夫を責めまくった後、マリアの意識は急に薄れていった。 その時も、マリアの脳裏に浮かんだのはやはり夫の不安に満ち何かに慄く表情だった。 ついに夫と分かち合えるようになったのだ。この身と魂にとりつく塊を。 不安に慄く夫から抱きしめられた瞬間、マリアは歓喜に震えていた。 無理もない。ずっと一人で背負ってきた呪いを一緒に受けてくれる人ができたのだ。 彼女は思う。そもそも「不安」が消えるはずなどなかった。私の一部なのだから。 私は再びそれを使いこなしただけだ。しかも軍にいた頃よりも上手く。 3ヶ月前の小火や、何度も椅子から体を投げ出した努力を思い出し、思わず笑みがこぼれる。 彼女のなかでずっと燻っていた敗北感は、いつの間にか消え去っていた。 意外にも、消えるべきは「不安」ではなく全ての「過去」だったのである。 全てを清算した気になり、必要なものは手の届くところにしかないように見えた。
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世界で一番 帝王様 そういう扱い 心得てよね その一 昔と違う星形に気が付くこと その二 ちゃんと靴まで見ること いいな? その三 私の一言には 酒とキャビアをサービスすること わかったら 左脚が吹き飛んだ 持って来い! 別にわがままなんて 言ってないんだから 君の頭から下がほしいの ジョナサンの 世界で一番 帝王様 波紋は 無駄無駄 太陽なんて論外だ わたしを 誰だと思っている? もう何だか 赤いものが吸いたい! いますぐにな ♪チェックメイト♪ WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!! 弱点? 昔はちと苦労した 波紋は触りませんの あのな? わたしの話ちゃんと聞いてる? ジョセフ… あ、それとな? 黄色い車さん 決まってるだろ? ロードローラー わかったら かしずいて 手をとって「帝王様」って 別にわがままなんて 言ってないんだから その血 少しくらい 吸わせてくれたっていいだろ? 世界で わたしだけの ジョースター(血液的な意味で) そこどけ 無駄無駄 マンホールが空いてない 無口で 無愛想な 承太郎 もう どうして! ぶっつぶれよ 早く ぜったい俺は天国行く! 天国へ行く… 螺旋階段 紫陽花 ジョット 秘密の皇帝 いちじくタルト 過程や 方法 どうでもいい… 卑怯なボスだと思わないで 俺はだって 人間じゃない あとで 後悔しないさ 当然です! だってわたしは 世界で一番 帝王様 ちゃんと見ててよね 最高にハイ!になっちゃうよ? ふいに時止められた 急に そんな なにィィっ!? 「どんな気分なんだ」 そう言って 背後立つキミ …このDIOが、このDIOがぁぁ! WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!! 原曲【初音ミクオリジナル「ワールドイズマイン」(sm3504435)】 元動画URL【http //www.nicovideo.jp/watch/sm3938173】
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ツェペリに波紋を教えた師匠。弟子のダイアーとストレイツォを連れてジョナサンたちと合流し、ディオらと戦う。手を握ると相手の生命の波長を読み取り「運命」を予言することができる。
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承太郎たち3人が、感覚を頼りに西へ歩き出して暫く。 「康一は置いてったの、怒るかもしれねえなぁ」 「ま、なるようにしかならねえよ…皆もわかってくれるって」 ジョセフと仗助がそんな会話をしつつ歩きながら承太郎の傷を癒している中、真ん中を歩いていた承太郎は不意に歩みを止めた。 「少し先に行っててくれないか」 傷自体は塞がっている。ただ、まだ違和感や痛みを除ききるまでには至っていないだろう。 「どうしたんスか?」 「野暮用だ」 問う仗助に、承太郎は少し後ろの角にある民家を指差した。 「ひょっとして、そこらで出来ねえ方?緊張感があるんだか、ねえんだか…待ってるから、早く済ませて来いよ」 ジョセフの軽口に見送られた承太郎はその角を曲がると、暫く歩いてから唐突に声を投げた。 「花京院、いるんだろう?」 付かず離れずの距離で3人を尾行していた花京院はひとつミスを犯した。 見つかりたくないあまり、見失いたくないあまりに自分の目と地面に這わせたハイエロファントの感覚、両方を使って3人を追っていたのだ。 我が家が炎に包まれてしまうなどという真似をされて神経が過敏になっていた承太郎は、追ってくる僅かな気配に気付き…それが花京院とハイエロファントグリーンのものだと識別していた。 どうする? 花京院は躊躇した。同行している二人は、角の向こう…承太郎の十数メートル先で立ち止まっている。 この距離なら。 「…承太郎、本当に君なのかい?」 花京院は、承太郎の視線の先にあった壁の影から出ていく事を選んだ。既に承太郎の背後…やって来たの方の道には、ハイエロファントの触脚を忍ばせるように張り巡らしている。 後は仲間のふりをして、隠れたままのハイエロファントグリーン本体からエメラルドスプラッシュを放ち、それをかわした隙に足を触脚で絡めとって体制を崩す。 空条承太郎のスタンドがどんな能力を持っていようと、本体の足を封じてしまえば…そして仲間が気づいても残りの脚で承太郎との間に壁を作り、牽制している間に止めを刺すことが出来る筈だ。 花京院は、前へ一歩踏み出す。 だが、結果として目論見は外れた。 二十数年のブランク…そして旅の中でも途中離脱があったとはいえ、承太郎は花京院と伊達に一緒に過ごしていたわけではない。 それも他の人間ならともかく、仗助あたりなら『親友』と照れもなく呼べただろう存在の気配に沸いた殺気を、承太郎はエメラルドスプラッシュが放たれる直前に感じ取っていた。 「エメラルドスプラッシュ!」 承太郎はエメラルドスプラッシュをかわす事はしなかった。その代わりにスタープラチナを瞬時に現すと、そのスタンドの指でやってくる礫の数個を素早く弾いていく。 「な…」 計算しつくされたようにスプラッシュ同士が玉突き衝突して弾道が逸れる。驚愕した花京院は、ただでさえ避けなかった事で遠くなった触脚を動かすのが一瞬、遅れた。 『スタープラチナ・ザ・ワールド』 承太郎は一気に花京院との距離を詰めた。 攻撃を仕掛けて来たという事は、どんな理由であれこの男が正気ではないと言う事だ。ただ…花京院典明と言う人間は、操られはしても狂ってしまうような質ではないとあの旅の日々が告げる。 もしそれが思い違いならこのままぶちのめすだけだ…そう結論付けて、スタープラチナは花京院の額に触れた。 幸いと呼べるのだろう、見つけた蜘蛛のようなそれを感慨にふける間もなく一気に引き抜く。相手が止まっているうちであれば、手元さえ狂わなければ何も問題はない。 その時、承太郎の片手は無意識に花京院の腹に触れていた。 その手が離れた瞬間、時は動き出す。 次に花京院が見たのは、目前にいる承太郎。そしてその傍らのスタンドが持つ、蜘蛛のようなものが日光に灰になっていく様子だった。 花京院の脳裏に、DIOの姿が蘇る。 『恐れる事はないんだよ、友達になろう』 恐怖に押し潰され、額に何かを埋め込まれて忠誠を『誓わされた』者。 挙げ句の果てに、誰かによって殺しあいを強要されるようなこんな中にいつの間にか放り込まれてまでその存在に執着し、誰かを殺して…ずっと独りで。 「…どうして、私を助けた…?」 ぐるぐると回る思考。花京院にとっては屈辱としか言えない記憶の中、その言葉は無意識に零れたものだった。 承太郎は平静に告げた。 「その質問は『二回目』だ、花京院。俺はあの時、答えをはぐらかした。だが、敢えて今回は言う。お前には『この地球に匹敵するほどデカい借り』がある」 「…なんだと?」 借り。自分が覚えていないからには、別の…または未来の『花京院典明』なのだろう。旅に同行していればそういう事もあったはずではあるが、ここまで言うとは一体何があった? 「俺を襲う気が失せたなら、付いてくるな。俺達は、これからDIOとケリを付けにいく」 その承太郎の言葉に、花京院は半ば反射的に口を開いた。 「…待ってくれ。私も同行する」 「…何故だ?」 思考を整理するように、承太郎に答える。 「私はDIOに恐怖し、肉の芽を植え付けられた。あんな屈辱はかつてない。このままでは私の気持ちがおさまらない」 承太郎は一言だけ尋ねた。 「何があっても、後悔しないか?」 花京院の耳に届いたその言葉には奇妙な存在感があった。だが、それでも引くつもりはない。 「わけのわからないまま、こんな場所に放り込まれて一矢も報いられないなら、私は死ぬより重い後悔を残すだろう」 「やれやれ、だ」 承太郎は、ちらりと自分の片手を見やった。 何故さっき花京院の腹に触れたのか…考える間もなく答えは降ってきた。確かめたかったのだ。 なくしたと思ったもの。今ここにあるもの。 そのまま手を握りしめて、そっと下ろした。 何か違和感を覚えて承太郎を追ってきた仗助は、花京院とやりとりをしている承太郎の背中を見つめていた。そこにある雰囲気が僅かに変わっている…すぐに無機質に溶けてしまったが、それは確かに杜王町で感じたあの雰囲気だ。 仗助は花京院に歩み寄り、声を掛けた。 「なら、一緒に行きましょう。ただ…覚悟してくださいね」 仗助の困ったような笑顔に何故かじわり、と花京院の中の何かが溶けていく。誰かに打算なく心を開ける少年が、眩しい。 空条承太郎。 あんな眼をしていながら、傍らにこんなに輝く少年がいる。それは一見してすぐ、自分とDIOのように無理矢理作られたものではないと解った。どうして、この少年はこの男の側にいるのだろう。 付いていけばそれもわかる。もう、ひとりはたくさんだ。 「やれやれ…見ていたか」 承太郎が仗助の気配に振り向く。仗助の後ろには、ジョセフが顔を覗かせていた。 「…おい、そいつも連れてくのか?早く行かねえと、あっちが待ちくたびれちまうぞ」 ジョセフの言葉に、四人は走り出す。そして目的の場所が近づくにつれ、承太郎はその感覚がひとつでない事に気づいた。 DIOとよく似た、だが『白い』もう二つ。 「…ジョルノ…?ジョナサン…?」 口に出して呟く。 前者を割り出せたのは存在を知っているからであり、スタート前に『見せられた』からだ。後者はそうとしか考えられなかった。 「じいちゃんが、いるのか?」 ジョセフの問いに、承太郎は頷いた。 「ああ、皮肉にも、DIOの息子…いや、ジョナサンの息子ともいうべきか…と、一緒だ」 ※ ※ ※ 「そうですか…トリッシュ、フーゴ、ナランチャ…三人は無事で…貴方と」 「だから、僕は君がジョルノだと言う事がすぐにわかった。これが君を名前で呼んだ理由だ」 ジョナサンがこれまでの自分の事をかいつまんでジョルノに告げると、ジョルノは笑みを返した。 「仲間の動向が聞けたのは僕にとって願ってもない事です。もう帰ってこない仲間もいるけれど…僕は必ず、彼らと再会します」 時空を越えて集っている事は既に承知だ。両方が生きていれば、また会える。 ジョナサンは入り口の方を見た。視界の端に誰かいるが、一度ジョルノに視線を戻す。 「そういえば、フーゴは…一緒に来たのだけど…入ってこないな」 「これだけ僕らが引き合ったんです。フーゴの敵もいるのかもしれませんね…フーゴ、どうか無事で…」 フーゴはスタンド能力からしても、味方からある程度距離を置いて戦おうとするだろう。今は、各々自分の為すべき事をしよう。 その前に、少しだけ。ジョルノは視線を落として眼を閉じた。 仲間の無事と、死者への手向けを。 ジョナサンはもう一度入り口の方を見て問いかけた。 「ところで、君は誰なんだい?見た所、敵ではなさそうだけど…?」 F・Fは答えようとして、言葉に詰まる。 どう答えるべきなのか。 「…あたしは…」 言いながら、F・Fは二人を眺めるように横に動くと視線を切る。左肩にある星は髪の毛で隠れていた。 「少し落ち着く時間が必要かな?大丈夫、君に僕らと戦う意志がないのなら、僕らは敵じゃない」 ※ ※ ※ ジョンガリには、不幸としか言えない出来事があった。 イギーとヴァニラ・アイスの戦闘、その余波が鐘楼塔へも被害をもたらしていたのだ。砂はジョンガリの足元にも降り積もったし、確認のために動かそうとしたエレベーターは音ひとつ立てる気配がない。 暫く後に様子を探ろうとマンハッタン・トランスファーを下ろした所、既に教会の屋根は滅茶苦茶で、ぶち抜かれたも良い所だと言う事が解った。おまけに、鐘楼塔の壁も所々抉れている。 そんな確認をしていた時、その下でヴォルペと…ジョナサン・ジョースターに同行してきた知らない男がやり取りを始めていた。 ヴォルペには許可が出ているが、この知らない男は撃つべきか? そう思って銃口を向けていた所、男はヴォルペと戦闘体勢に入り、教会の入口から離れていく。 放っておこう。中へ入るつもりが無いのなら、わざわざ狙撃手がいると教えてやることもない。 ジョンガリは銃口を別の角度へと変えた。ヴォルペの同行者であるF・Fが入り口へと進んでいたからだ。 間違いなく教会に入るつもりだと確信し、弾を放つ。 因縁の相手、空条徐倫。 だが肩を貫通しても怯む事もなく、次の弾を撃ち込んでも、マンハッタン・トランスファーで角度を変えて撃ち込んでも倒れる事はなかった。 …何故だ? 注意深く探ったジョンガリはF・Fが中へ入っていく瞬間に理解した。 そもそもこのライフルはシングルアクション。再装填の時間が必要な間に、一発肩に貰った徐倫(F・F)は身体の至る所…特に急所と呼べる場所を空洞化していた。恐らくはスタンド能力…故に弾は突き抜けていってしまったのだ。 しかし何故放送で死亡を告げられた空条徐倫がここに?いや、それを考える時ではない。 ジョンガリはウォッチタワーを掴む。主から咎められるのは承知だ…それでも報告しなければ。 それが数分前。 「くっ…」 そしてジョンガリ・Aは今、唇を噛み締めている。 空条承太郎。 射殺してしまいたいのはやまやまだったが、DIOが許可した中には『空条承太郎とその同行者』が含まれていた。 主は生きている。恐らく自分の手で決着をつけたいのだ。 ならば手を出すまい…命令の無視、それは主を侮辱することだ。やってはならぬ事だ。 ※ ※ ※ 承太郎はそんなジョンガリ・Aを物陰からスタープラチナの眼で見つめていた。 娘を刑務所にぶちこんだ男。 「…厄介なのが、いやがる。ジョンガリ・A…視力は低下しているらしいが…元軍人、20メートルの風の中でも仕事をこなしたという…何か、ふわふわ浮かんでいるな。あれが奴のスタンドか?」 花京院は腕を組んだ。 「…視力がない?あれで?しかも台風並の風の中でも標的を外さない?…となると、あのスタンドは状況判断をしているのか…または、弾丸に何か出来るのか…或いは両方か…」 承太郎は僅かに眉を潜めた。 「あれで?花京院、お前はあいつを知っているのか」 「ああ…スタンドの気配が同じだ…あの時は他に注意を引き付けてやり過ごしたが…」 花京院は十分注意しながら射線に出てみた。300メートル以上先から撃ってこれるのだから、ここなら射程内だ。 「丸見えなのに撃ってこない…どうやら、DIOは私達に入ってこいと言っているようだ」 承太郎は前を見つめた。 「なら、突っ切るぞ。屋根はボロボロ、くり貫かれたような跡…多量の砂…近くで戦闘が起こっているのは明らかだ」 恐らくヴァニラ・アイスとイギーがいるのだろうと目星をつけている。イギーの方は別の『砂使い』の可能性もあるが、ここでDIOが待っているならヴァニラ・アイスは間違いないだろう。 承太郎にとってジョンガリを放置していくのは断腸の思いだったが、状況が良くなかった。 塔は目視で60メートルぐらいありそうだ。こちらは拳銃は持っているが、相手スタンドの素性が不明…これは不用意に撃つ(またはスタープラチナで弾く)べきではない。例え時を止めたとしても弾丸は途中で止まり、相手に弾丸を認識する時間はあるからだ。 花京院のいう通り弾丸にまで何かを及ぼすスタンドだとしたら、無駄玉どころかおかわりを貰う可能性すらある。無論登って行くなど論外。 今はDIOが先だと判断し、走り抜ける。 ※ ※ ※ 花京院に続いてジョセフはその中へと踏み込んだ。中にいたのは、3人。 そのうち、よく似た人影に声を掛ける。 「やっほー、じいちゃん。色々説明したいとこなんだけどさ、あんまり時間ねえんだよな。どこまで知ってる?」 「じいちゃん…そういう君は、その人と殺された筈じゃ…?」 ジョナサンはジョセフの後ろにいる承太郎の方をちらりと見ながら呟いた。目の前の男は爆破された男と瓜二つ、あっちの男は服は違うが、そっくりだ。 「殺されたはずの俺は孫のジョセフだ、おじいちゃん。それと後ろのは俺の孫の、空条承太郎。で…これは俺の息子の東方仗助」 ジョセフは隣の仗助を指差しながら、目を見開いて絶句しているジョナサンに苦笑した。 「いや、腑に落ちないのはわかるのよ?実際、俺もそうだし…でも、じいちゃんも感じてるはず。俺は嘘ついてないって、わかるだろ?」 そう、DIOが語った事は嘘ではないのだ。それはジョナサンも良く解っている。恐らく自分とジョルノのように、引かれあってここまで来たのだろう。 その時にふと、思った。 子孫が本当にいるのだとしたら…DIOから行方を聞く事の出来なかった人物、即ちここに飛ばされなかったエリナはどうなったのか? 「そうか…君が僕の孫だと言うなら聞きたい事がある。エリナは、長生きしているかい?…幸せかい?」 ジョセフは複雑な顔をした。 「エリナばあちゃんなら、まだ生きてるぜ。色々あったけど…きっと幸せだ…でも」 ジョセフはジョナサンに頭を下げた。 「…ごめん、おじいちゃん。俺はこっちのエリナと一緒にいた…エリナは俺を庇って…波紋じゃ、助けられなかった」 ジョナサンは暫く絶句していたが、静かに告げた。 「そうか…ジョセフ、エリナはいつだってそういう誇り高い、強い人だ…そうだろう?僕だって悔しくないと言ったら嘘だけれど、エリナ自身が選んだ道なら…見届けてくれてありがとう。君が生きているだけでも僕は嬉しい」 「おじいちゃん…」 ジョナサンとジョセフ、二人がそんな会話を交わしている中、仗助はジョルノに歩みよった。 「大丈夫か?」 「はい…ちょっと腹をぶち抜かれました。大体血管や臓器は自力でなんとかしたんですが…まだうまく繋がっていない場所があるようで…」 ジョナサンはジョセフとの会話を止めて、仗助を制そうとした。 「今、波紋で治療をしているんだ。動かしては…」 仗助はジョルノの出血を見ながらひとりごちた。 「おいおい、そりゃちょっととか言える怪我じゃねえだろ。波紋じゃあ、失った血までは戻んねえだろうし。あ…でも、そうだな。中がなんとか出来てるなら、出血を止めてやるだけの方がいいか」 仗助はクレイジーダイヤモンドを出し、ジョルノの腹に手を当てる。元々出血は少なくなっていたが、一瞬のうちに消えてしまった。 「すごい…」 ジョルノは素直に驚く。 「全部『戻す』と身体がわけわかんなくなるからな…後は自力で大丈夫か?」 「ええ、ありがとうございます、東方さん」 勿論会話は聞こえていたのだろう。そう呼んだジョルノに仗助は首を振った。 「仗助でいいぜ。その代わり、ジョルノって呼ばせてもらうからな」 ※ ※ ※ そして時は少し遡る。 ジョセフたち四人が会話を交わし始めた頃。 「…!」 承太郎とF・Fの視線が合う。 ジョルノとジョナサンを通して朧気に感じていた存在が現れた事で、F・Fの脳裏には強烈なフラッシュバックが襲っていた。 『あたしは星を見ていたい…父に会うまで』 そうだ、徐倫は。 ずっと焦がれていたではないか。 『おまえの事はずっと、大切に思っていた』 『スタープラチナのDISC!圧倒的な力…あたしの父…空条承太郎はこれで再生できるッ!!』 『あたしはこの『厳正懲罰隔離房』で!!やるべき目的があるッ!』 次々に浮かぶ徐倫の記憶の中、一番最後に見えたのは。 『おかしい…あんたの負傷…応急処置はしたのに…治したはずなのに…その右腕に』 他でもない、F・F自身の言葉。 右腕に浮かぶ、『JOLYNE』の文字。 そして、父親を理解した徐倫の表情と感情。 F・Fは改めて思い知った。 ああ、これが感じる、という事なのか。思い出、という奴なのか。 そして徐倫が父親を理解したように、F・Fも理解する。 ―そうか、思い出を作る事が、生きる事なのだ― その証拠にこの殺しあいに放り込まれてしまった後からは、混乱しつつも全部覚えている。それなのに、その前には何もない。ディスクを守っていた、生きたかった、ただそれだけだ。 「徐倫…」 仲間になれるかも知れなかった存在の名前を呼びながら、F・Fは我知らず、泣いていた。 「F・F…?」 承太郎はF・Fに歩み寄りながらも困惑していた。もう感じるはずのない星の伊吹が、僅かにある。 いまだ徐倫の圧倒的な思いが流れ込んでいるF・Fは、途切れ途切れに喋り始めた。言わずにはいられなかったと言った方が良いだろう。 「そう、あたしは…F・F。でもね、父さん。あたしは空条徐倫でもあるの。徐倫を全部、覚えている。徐倫はずっと、貴方に会いたかった。でも…あたしは…徐倫を知らなかった。その時はただ生きていたかった。だから、鳥と戦っていて、水に入ってきた徐倫を敵だと思った…」 思わぬ告白に承太郎の頭が、胸が、ズキンと痛む。 『間違った人だっているかもしれないじゃないですか』 川尻しのぶの言葉。時間軸の違いが生み出す悲しみ。 知らなかったとはいえ、領域(テリトリー)を犯した徐倫。 海洋学者である承太郎は勿論、それがどんな意味を持つのか痛いほど知っている。恐らく徐倫はF・Fによって『喰われて』しまったのだろう。 それをさせた鳥―ペット・ショップには既に引導を渡して来た。もう、それ以上を求める事は出来ない。 だが、目の前にいる存在が全てを知っていると言うのなら、その口から聞かなければならない事があった。 「そうか…ひとつ、聞いてもいいか。徐倫はここへ来て何を感じていた?」 F・Fは答える。その表情は悲しみと歯痒さに満ちていた。 「怒っていた。殺しあいに乗った悪に。父親を助けられなかった、自分自身に。後悔していた、父親に、想いを伝えられなかった事を」 「…やれやれ、だ」 徐倫と自分、不器用な所が似てしまったものだ。承太郎は口を開いた。今は亡き娘のために。 「もう遅いのかもしれない、俺の、自己満足かもしれない。だが…『徐倫』。お前の事はずっと、大切に思っていた」 F・Fは苦笑した。 「大丈夫、『徐倫』はそれ、きちんと聞いたわ…ディスクを盗られた時、『貴方』は同じ事を言ったから」 「なら、いい。返事など必要ない。解っていてくれればそれで十分だ」 承太郎は帽子を下げた。 「…ありがとう、父さん」 暫くしてぽつりと告げたF・Fの中には異変が起きていた。 二つが平等に混ざりあったと言うよりは、F・Fという知性の器に徐倫が寄り添ってくれたと言う方が正確だろう。だから、この思考もF・Fのものだ。空条徐倫は温かい、F・Fはそう感じる。まるで日溜まりと一緒にいるような、奇妙な感覚があった。 「承太郎、と呼んでくれないか。お前を責めたいわけじゃない…ここにいるのは娘を死なせてしまった、ただの男だ。その俺が父親と呼ばれる事は、徐倫にもお前にも失礼だ」 F・Fは承太郎に右手を差し出した。 「なら、あたしもF・Fのままでいい。徐倫のために。改めて宜しく、承太郎」 二人はその手を握りあった。 ※ ※ ※ 「なんというか…とんでもないな」 花京院は唸った。話に首を突っ込める雰囲気ではなかった上、怪我人がいるのではと一息つくまで入り口を警戒していたのだが、誰も入ってくる気配はなかった。 そこでF・Fと共にジョナサンとジョルノに挨拶する方々、怪我人の処置が終わった仗助と情報交換(正しいあの旅の顛末など)をし、ここにいるのは全部「ジョースター」に纏わる人間だと知らされたばかりだ。 「そんだけ『しでかして』くれたんでしょうよ。数えて下さい。じいちゃん辺りでも怪しい武勇伝しか残んねえのに、4代前の事なんて普通はわかりゃしませんよ…それが、こうですから」 「ちょっと蚊帳の外の気分だが…私…いや、僕にも出来る事をさせて貰う」 花京院が言うと、仗助は真剣な顔で告げた。 「絶対、死なねえで下さい。俺、承太郎さんにあんたが二回死ぬの見せたくねえ」 花京院は腕を組んだ。 「君もいるし、僕も努力するよ。しかし承太郎がいるとはいえ、DIOのスタンド能力がよりにもよって『時を止める』とは、厄介だな」 仗助は花京院に釣られて腕を組み、難しい顔をして唸っている。 「うーん…時を連続して止める事は出来ない、ってのがDIOにも当てはまるなら…例えば、止めたすぐ後に花京院さんの触脚が絡めば、DIOは振り回すか、こらえなきゃなんねえわけですよね?」 「振り回す前に、千切られそうな気もするが…ん?君は、ジョセフさんは波紋とスタンドでDIOとやりあったと言ったな?ならば…」 花京院はある事を思いついていた。 ※ ※ ※ そして暫くしてジョルノが落ち着いた所で、七人は円座を組んだ。 「初めまして、というには奇妙ですね、空条さん、ジョースターさん」 「…全くだ。お互い初対面が殺される現場とはな、ジョルノ」 無表情の承太郎に対し、ジョセフは失笑していた。 「ったく、趣味が悪いったらねえぜ。クソッタレが…ま、こんなことでもなきゃ、こうやって顔を付き合わせる事なんかなかっただろうけどな」 そんなやりとりから始まった作戦会議めいたもの。まず、ジョルノはデイパックからエイジャの赤石を取り出した。 「これだけの人間がいるなら…誰かこれの使い道を知りませんか?所謂ハズレの支給品の可能性もあるんですが…なぜ宝石が支給されているのかずっと引っ掛かっていて」 その赤い宝石を見て、ジョセフは破顔する。 「スゲー!そいつがありゃ、波紋使いは柱の男さえ倒せるんだぜ!承太郎の足手まといにならなくてすむじゃねえの!いや、寧ろ…俺らは何もできないと思ってるはずのあいつに、引導渡せるじゃねえか!」 「使い道を知っているんですね?では、これはジョナサンさんかジョセフさんに」 エイジャの赤石をジョセフに渡しながら、ジョルノは承太郎に告げる。 「空条さん。貴方がDIOを止める術を持っているのは知っています。DIOを倒しましょう…彼はどす黒い、吐き気を催す邪悪だ。許しておく事は出来ない。僕の事なら心配はありません。 寧ろ、貴方に感謝したいぐらいだ…何故なら、僕はDIOと対峙して…貴方がDIOを倒さなければ僕は生まれていなかったと確信したからです」 言い切ったジョルノのその潔い顔を見ながら、承太郎は何かが軽くなっていく感覚を覚えた。 本来の時間軸では決してまみえなかったジョルノとDIO。それ故にその事実を知ってから、ずっと承太郎はわだかまりを心の隅に残したまま生きてきたのだ。 そう、ディオ・ブランドー自身に自覚がなかったとしても、『父親』を殺したという事実を。 それにも答えが出た。 「…ああ、ケリを付けるぜ。奴には『貸しているものが多すぎる』からな」 それから互いの知らない分の能力を説明しあい、花京院が思い付いた事…即ち波紋使いが他のスタンド使いの身体に波紋を流せば、DIOは手を出しにくいのではないかと告げると、ジョルノは頷きながら指示をした。 「では、僕はジョナサンさんとF・Fさんと一緒に。ジョセフさんは仗助さんと花京院さんと一緒にいてください。 この組み合わせなら花京院さんのいう通り、ジョナサンさんとジョセフさんが他の人の身体かスタンドに波紋を流せます。 そうすればDIOもやすやすと腹をぶち抜いたりはできないでしょうし、後ろからでも援護が出来ます。空条さん、貴方は」 ジョナサン、ジョセフ、F・F、仗助が頷き合う中、承太郎は重みを持った言葉で告げる。 「あいつと直接やりあわせてもらう」 そして、花京院は確かめるように口に出した。 「…じゃあ、おとなしく援護に回らせて貰うよ。エメラルドスプラッシュや波紋を流した触脚なら、踏み込まなくても届くからね」 そして、花京院は敵の増援が来る可能性も口にした。 「塔にいたジョンガリ・Aはもちろん…ここには戦闘が行われた跡がある。片がついたら戻ってくるかもしれない。誰か、この惨状に心辺りは?」 ジョルノは口を開いた。 「…僕が降りていってから、戦闘になったようです…僕は、タルカスさんと、犬と一緒にここへ来ましたが…少なくともタルカスさんの方は…」 首を振ったジョルノを見ながら、ジョナサンは確かめるように尋ねた。 「…タルカス…?彼は、日光の下を?」 「はい。何か?」 「いや、いいんだ…僕は彼が屍生人になってから出会ったのだから」 ジョナサンはそう呟くと、唇を噛み締めた。ジョルノと共に来たというなら、彼はきっと『騎士』だったのだろう。 続いて、承太郎がジョルノに問いかける。 「一緒に来た犬…それは黒に、白い鼻筋の通ったボストンテリアか?」 ジョルノは頷いた。 「そうですが…」 「やはり、この砂はあいつのせいか。イギー…犬のナリをしているが、砂を使うスタンド使いだ。生意気で頭の回る奴だが、性格的にDIOに付くとは思えん。 とすると、DIOの手下として…ヴァニラ・アイス…そして、F・Fをさらった奴が、近くにいるだろうな。 ヴァニラ・アイスは空間を削る奴だ。削る前に頭を出すから、そこを叩くしかない。巻き込まれたら何も残らん。DIOが優勢なら近くにいても仕掛けてこないだろうが、DIOに何かあれば危険だ。 こいつをさらった奴に関しては、素性は知れないが近距離の身体強化タイプだ…一緒に来たんだろう?あいつがどこへ行ったか、心当たりは?」 承太郎はF・Fの方を見る。F・Fは首を振った。 「あいつ…あたしをおいてけぼりで、始めちゃったのよ。誰だかはあたしもわからない。記憶にはない…でも、気をつけて」 一同は頷く。 その時、承太郎は隣にいた仗助に押し付けるようにして拳銃を渡した。 「増援の事もある…気休めだが隠し持っておけ。DIOの奴でも頭をぶち抜けば、一瞬動きを止める事ができるかもしれない」 「…承太郎さん」 仗助は承太郎の眼を見た。 「引き金を引くことを躊躇うな。俺はやられるつもりはないが、周りが巻き込まれた時…救えるのはお前とジョルノだけだ。そして、お前は自分を治せない」 その眼に悲しみは変わらず宿っているが、何処か今までと違う気がする。 決して悪を許したわけではないのだろう。けれど、承太郎の中で決定的なものが変わりつつある。 そうでなければこんな事はしないはずだ。 「承太郎さん…皆で、背負います。ぶちのめしましょう。あんたは、いつだって『希望』と共にあるべきだ」 殺しあいに乗ってはいけない。 だが、この因縁だけは断たねばならない。 ―彼らが思い思いに立ち上がるまで、もう少し― 【D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 地上/一日目 夕方】 【チーム『JOJO』+α】 【ジョナサン・ジョースター】 [能力] 『波紋法』 [時間軸] 怪人ドゥービー撃破後、ダイアーVSディオの直前 [状態] 貧血(ほぼ回復)、疲労(小)、痛みと違和感 [装備] なし [道具] 基本支給品(食料1、水ボトル少し消費)、不明支給品1~2(確認済、波紋に役立つアイテムなし) [思考・状況] 基本行動方針:力を持たない人々を守りつつ、主催者を打倒。 1.ジョルノ…だけじゃない…こんなに子孫が…誰も、死なせない。決着をつけよう。 2.ディオ……。 3.敵増援に警戒。 4.フーゴやナランチャたちと合流したい。 5.仲間の捜索。 [備考] ※DIOからDIOとジョースター家の因縁の話を聞かされました。具体的にどんなこと聞かされDIOがどこまで話したのかは不明です。(後の書き手様にお任せします。) ※仗助によってダメージを治癒されました。 【ジョセフ・ジョースター】 [能力]:波紋 [時間軸]:ニューヨークでスージーQとの結婚を報告しようとした直前 [状態]:健康 [装備]:ブリキのヨーヨー [道具]:首輪、基本支給品×3(うち1つは水ボトルなし)不明支給品3~6(確認済み/アダムス、ジョセフ、エリナ)エイジャの赤石 [思考・状況] 基本行動方針:チームで行動 1.DIOを倒す。 2.悲しみを乗り越える、乗り越えてみせる。 [備考] 支給品を確認し、水ボトルの1本をF・Fに譲りました。 【空条承太郎】 [時間軸] 六部。面会室にて徐倫と対面する直前。 [スタンド] 『星の白金(スタープラチナ)』 [状態] 痛み(小)と違和感、疲労(小) [装備] ライター、カイロ警察の拳銃の予備弾薬6発 [道具] 基本支給品、スティーリー・ダンの首輪、ランダム支給品2~5(承太郎+犬好きの子供+織笠花恵/確認済) [思考・状況] 基本行動方針 バトルロワイアルの破壊。危険人物の一掃排除。 0.…。 1.DIOを倒す、全てはそれからだ。 [備考] カイロ警察の拳銃を仗助に渡しました。予備弾薬は念のため持ったままです。 【東方仗助】 [スタンド]:『クレイジー・ダイヤモンド』 [時間軸]:JC47巻、第4部終了後 [状態]:疲労(小) [装備]:カイロ警察の拳銃(6/6) [道具]:基本支給品(食料1、水ボトル少し消費)、不明支給品1~2(確認済) [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いに乗る気はない。このゲームをぶっ潰す! 1.増援に警戒しながらDIOを倒す。 2. 承太郎さん… 3. 第四放送までには一度空条邸に戻る。 [備考] クレイジー・ダイヤモンドには制限がかかっています。 接触、即治療完了と言う形でなく、触れれば傷は塞がるけど完全に治すには仗助が触れ続けないといけません。 足や腕はすぐつながるけど、すぐに動かせるわけでもなく最初は痛みとつっかえを感じます。時間をおけば違和感はなくなります。 骨折等も治りますが、痛みますし、違和感を感じます。ですが"凄み"でどうともなります。 また疲労と痛みは回復しません。治療スピードは仗助の気合次第で変わります。 【ジョルノ・ジョバァーナ】 [スタンド] 『ゴールド・エクスペリエンス』 [時間軸] JC63巻ラスト、第五部終了直後 [状態] 体力消耗(中)、精神疲労(大) [装備] 閃光弾×3 [道具] 基本支給品一式、不明支給品1~2(確認済み/ブラックモア) 地下地図、トランシーバー二つ、ミスタのブーツの切れ端とメモ [思考・状況] 基本的思考:主催者を打倒し『夢』を叶える。 1.増援に警戒しながらDIOを倒し、仲間と合流する。 [参考] ※DIOがジョナサンに話したDIOとジョースター家の因縁の話を一部始終聞きました。具体的にどんなことを話しどこまで聞いていたかは不明です。(後の書き手様にお任せします) ※149話「それでも明日を探せ」にて飛ばした蠅がミスタが死亡したことによりジョルノの元へと帰ってきました。 【F・F】 [スタンド] 『フー・ファイターズ』 [時間軸] 農場で徐倫たちと対峙する以前 [状態] 髪の毛を下ろしている [装備] 体内にF・Fの首輪 [道具] 基本支給品×2(水ボトルは1)、ランダム支給品2~4(徐倫/F・F/確認済) [思考・状況] 基本行動方針 存在していたい 1.やっと…解った… 2.DIOを許してはならない。 3.徐倫…承太郎… [備考] 狙撃された右肩は自身のプランクトンで埋めました。ランダム支給品を確認しました。 【花京院典明】 [スタンド] 『ハイエロファント・グリーン』 [時間軸] JC13巻 学校で承太郎を襲撃する前 [状態] 痛みと違和感 [装備] ナイフ×3 [道具] 基本支給品、ランダム支給品1~2(確認済) [思考・状況] 基本行動方針 DIOに受けた屈辱を晴らす。 1.敵の増援を警戒しながら、ジョースターの血統と共にDIOを倒す。 2.これが…仲間か。 [備考] 仗助の話を聞いている間に、仗助に腹部の傷を治療されました。 【D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 鐘楼 / 1日目 夕方】 【ジョンガリ・A】 [スタンド] 『マンハッタン・トランスファー』 [時間軸] SO2巻 1発目の狙撃直後 [状態] 肉体ダメージ(小~中) [装備] ジョンガリ・Aのライフル(25/40) [道具] 基本支給品、『オール・アロング・ウォッチタワー』 のダイヤのA ミスタの拳銃(6/6)予備弾薬12発、ランダム支給品1(確認済み/タルカスのもの) [思考・状況] 基本的思考:DIO様のためになる行動をとる。 1.教会入り口を見張り、侵入者を狙撃する。 2.何故、空条徐倫が…? [備考] ※DIOからミスタの拳銃及び予備弾薬を受け取り、装填しました。 ※鐘楼塔を昇降するためのエレベーターはヴァニラ・アイスとイギーの戦闘の余波のため、止まってしまっています(具体的にどうなっているかは他の書き手さんにお任せします)。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 169 トリニティ・ブラッド -カルマ- ジョナサン・ジョースター 180 All Star Battle -FIGHT!- 168 Trace ジョセフ・ジョースター 180 All Star Battle -FIGHT!- 168 Trace 花京院典明 180 All Star Battle -FIGHT!- 168 Trace 東方仗助 180 All Star Battle -FIGHT!- 169 トリニティ・ブラッド -カルマ- ジョルノ・ジョバァーナ 180 All Star Battle -FIGHT!- 168 Trace 空条承太郎 180 All Star Battle -FIGHT!- 169 トリニティ・ブラッド -カルマ- F・F 180 All Star Battle -FIGHT!- 168 Trace ジョンガリ・A 180 All Star Battle -FIGHT!-
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イズモ国 IZUMO君主 ミカヅキ 重要武将 シオン 重要武将 ジュウベエ 重要武将 バクラ 重要武将 ホウライ クモン サヤカ ジン? ランセツ? ワルデス? ハヤテ シロウ 名前 コメント
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661 名前:不安なマリア[sage] 投稿日:2009/08/30(日) 23 23 57 ID VBLu33dI しかし、と彼女は考える。 彼は満たされているのだろうか。いや、そもそも彼は私との出会いで多くを失ったではないか。 彼にはやりたい仕事があったが、私はそれをあの戦場で奪った。それも私一人のために。 彼には多くの友人や、家族、親戚がいたが、それも私との結婚で失った。私一人のために。 彼には看護士としての将来があったが、それも私の看護と生活の両立のため失った。私一人のために。 それに加えて私のこの体。彼と私はセックスすることが出来ない。やはり私一人のために、だ。 おそらく子供もつくれない。「家庭」ということばが私に重くのしかかる。 私は動けず、外出には車椅子がいる。それにこの腕だ。夫婦らしく外で仲良く食事することも難しい。 「家庭」は記憶においても現実においてもマリアを苦しめた。 必死で大丈夫だと否定するもう一人の自分をよそに、マリアはますます不安に陥っていった。 そうしてとうとう、ある晩の夫との食卓で彼女は泣き出してしまった。 「うっ・・・ぐ・・・グス、・・・うぁぁ」 ジョナサンは最近、妻が陰欝で不安げな表情を見せることを心配していた。 マリアが複雑な家庭環境で育ち、壮絶な人生を歩んだことを知る彼は、彼女を安心させようとしてきた。 しかし、最近は、働き先の花屋が出荷時期で忙しく、なかなか構ってやれなかったのだ。 マリアが傷痍軍人とはいえ、財政が逼迫するなか、配偶者を有する者への手当てはそんなに多くない。 生活費を稼ぐためにも、帰る時間も遅くなり、マリアを一人にすることが多くなっていた。 彼女は車椅子生活のうえ、左腕を失っているため、一人では好きに動くことはかなり困難だ。 加えて携帯電話もお互い持たないため、仕事先の彼がどうしているのか分からないことも不安がった。 「最近、帰りが遅いじゃないか。どうしたんだ?やっぱりこんな女の待つ家はいらないのか?」 「私を捨てないでくれ。お願いだ。あなたの声で他の女の名前を聞きたくない。」 「私はあなたと愛し合うことができない。本当にすまない。でも、それでも側にいてほしい。」 「私を助けてくれ。ザンジバルのときみたいに。あの時と同じように私だけを見てくれ。」 マリアはジョナサンの浮気すら疑っていたのだった。そして浮気相手を排除すると言い出した。 ジョナサンは彼女を抱きしめ、長く伸びた金髪の頭にキスしながら言った。 「大丈夫だ。僕はここにいる。ここは僕らの家だ。ザンジバルでも君の故郷でもない。」 「それに君は知らないかもだが、僕は君を愛している。ザンジバルのときよりもずっとね。」 そうして、マリアが落ち着きを取り戻すと、ジョナサンは提案した。 「マリア、携帯電話を持とう。良いね。」 うん。と言ってやっと微笑んだマリアにジョナサンはキスした。二人は抱き合いながら眠った。 確かに携帯電話は必要だったのかもしれない。その時はそうだったのだ。
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舞台となる最南端の砂浜にて、海を眺める一人の男性がいた。 丸太のようながっしりと鍛え抜かれた筋肉に、 筋肉に見合うかのような二メートル近くの巨漢。 逞しくも優しい顔つきをした青年の姿だが、 「まったく、下らない催しに巻き込まれたものだ。」 見た目の好青年とは裏腹に言葉遣いは荒い。 この殺し合いはそもそも精神は別の誰かのものだ。 だから見た目での判断が役に立つことはない、その典型例か。 精神の名前はDIO。一世紀を超える数奇な因果を経験した邪悪の化身。 死して尚、世界が変わろうともジョースターとの因縁は断ち切れない存在だ。 「やはり俺とお前の関係は、此処でも断ち切れないらしいな。」 デイパックに入っていた持ち主のプロフィール。 最初見たときは疑ったが、水に反射した顔で確信は持った。 肉体の名前はジョナサン・ジョースター。DIOの友にして永遠の宿敵。 最初はこの状況や顔に困惑したが、冷静さを取り戻せばいつも通りだ。 傲岸不遜に形を与えたかのような、いつも通りの振る舞いへと変える。 何をするかは決まっている。優勝を目指す以外にあるものか。 これだけの力を有した主催者にも興味があると言えばある。 出会って懐柔してみたいものだ。 (必要なものは信頼できる友である、か。) いつだったか天国へ行く方法を記したことがあった。 天国へ到達するための条件は此処にはほぼないに等しいので意味はなく、 ただ、自分の思っていた期待をその爆発力で何度も裏切った存在。 ある意味では、彼も信頼できる友だったのかもと思っただけだ。 「世界(ザ・ワールド)。」 静かに自分のスタンドを、友の口で紡ぐ。 王者たる黄金の色をベースとした、人型のスタンドが姿を現す。 スタンドとは精神の具現化したものである。 たとえ肉体が変わっても出せることは想定済みだったが、 全てがそうと言うわけではない。 「……時が止められない、か。」 元の身体……と言っても首から下はジョナサンだが、 あのときは身体が馴染んでいくにつれて時を止める時間は伸びた。 だが、今はその馴染む以前にDIOの側面は精神のみになる。 ジョナサンの側面が薄れたことで時間停止ができるようになったわけで、 身もふたもない言い方だが肉体的に純度百%ジョナサンでは時は止められない。 同じタイプのスタンドに出会えば話は別かもしれないが。 流石に其処までの期待はしない。 「人間の限界と言ったところだな。」 やはり人間の身体は不便だ。 ジョナサンに首だけにされようとも、 承太郎に腹をぶち抜かれようとも。 どれだけあがこうとも人間には限界がある。 そこだけは変わらない。だからこそ舐めきって、 痛い目を見るところまでがDIOのと言う人物だ。 百年経とうと、絶対に反省も学ぶこともしないと言う。 例外があるなら、それこそ今の肉体の本来の持ち主のみか。 「だが構わん。時を止めずともザ・ワールドは最強のスタンドだ。」 射程は十メートル。パワー、スピードもスター・プラチナよりも上。 近距離パワー型とは思えないほどのハイスペックを誇るのもザ・ワールドの強み。 (なおパワーはパラメータ上ではB判定で負けてたりするが理由は永遠の謎) 単純にして凄まじいスタンドとすれば、普通に脅威となるのは間違いない。 時など止めれずとも十分すぎるぐらいの武器だ。 「久々に太陽を拝んでみるのもいいかもしれんな。」 あれから百年以上日光を浴びたことがない。 人間とは日光を浴びなければ体調を崩す生き物。 百年ぶりに浴びるとどのような感想になるのか。 ほんのちょっぴりだけ、それに興味があった。 海を背にしながら、男は向かう。 嘗てエジプトへ上陸した、星屑の十字軍が如く。 【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】 [身体]:ジョナサン・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜3(確認済) [思考・状況]基本方針:勝利して支配する 1:百年ぶりの日光浴にほんのちょっぴりだけ興味。 2:元の身体はともかく、石仮面で人間はやめておきたい。 3:部下がいた場合交渉してみるか。 [備考] ※参戦時期は承太郎との戦いで、ハイになる前 ※ザ・ワールドは行使可能ですが、時間停止は出来ません ただし、スタンドの影響で『ザ・パッション』が使える か も 04 無能力者のΨ難 投下順に読む 06 物々語 GAME START DIO 01 反転世界
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特徴 アンチボディを持つユニット ユウブレン ヒメブレン グランチャー(ユウ機) グランチャー(ジョナサン機) グランチャー ブレンチャイルド(ヒギンズブレン) ブレンチャイルド(カナンブレン) グランチャー(エッガ機) グランチャー(シラー機) ラッセブレン《5th/8th》 ナンガブレン ナッキィブレン グランチャー(ナッキィ機) グランチャー(クインシィ機) バロンズゥ ネリーブレン カントブレン ラッセブレン ネリーブレン(再リバイバル) クインシィ・バロンズゥ アーミィグランチャー ユウブレン&ヒメブレン ハイパー・バロンズゥ ブレンチャイルド 特徴 アンチボディに関連する効果を持つユニット ノヴィス・ノア グランチャー(クインシィ機) ネリーブレン オルファン アーミィグランチャー ハイパー・バロンズゥ ブレンチャイルド 特徴 アンチボディに関連する効果を持つキャラ カナン・ギモス ナッキィ・ガイズ クインシィ・イッサー ネリー・キム ミスターモハマド 伊佐未依衣子 ジョナサン・グレーン《re2》 特徴 アンチボディに関連する効果を持つコマンド オーガニック・エナジー 再リバイバル チャクラ・トライアングル
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好きな女子の身長はどれですか? ◀ 投票は終了しました。 ご協力ありがとうございました。 順位 身長 投票数 棒グラフ(| = 1) 1位 高い 76 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 2位 標準 75 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 3位 低い 72 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 4位 とくになし 9 ||||||||| 実施期間 2017年10月17日〜2018年2月8日 コメント 古いコメントはこちらにあります。 コメント元ページ テスト書き込み - 名無しさん 2017-10-20 01 10 29 結果が拮抗し過ぎで笑う - 名無しさん 2017-10-20 01 51 33 性格別にしないとあんまり意味なくない? - 名無しさん 2017-10-21 08 47 38 名前
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本編 第3回放送まで(時系列順) 【日中】「~14時」 NO. タイトル 作者 登場人物 場所 投下日 156 HUNTER×HUNTER ◆vvatO30wn. ホル・ホースチョコラータセッコ E-2 GDS刑務所1F 女子監食堂 2014/02/17 157 デュラララ!! -裏切りの夕焼け- ◆vvatO30wn タルカスイギーヴァニラ・アイスDIOヌ・ミキタカゾ・ンシ虹村形兆シーザー・アントニオ・ツェペリジョルノ・ジョバァーナグイード・ミスタスクアーロ蓮見琢馬カンノーロ・ムーロロ C-3 DIOの館A-3 ピエトロ・ネンニ橋の西側D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会-地下納骨堂 2014/03/09 デュラララ!! -コンプリケイション- 158 ReBorn ◆c.g94qO9.A 空条承太郎F・Fマッシモ・ヴォルペ D-4中央部 地下D-3 東部 地下 2014/03/11 159 冷静と激情のあいだ ◆3yIMKUdiwo 広瀬康一 C-4 ティベレ川・川岸 2014/03/11 160 役割 ◆yxYaCUyrzc プロシュート双葉千帆 D-7 南西部 民家 2014/03/20 161 She s a Killer Queen ◆Be1WM97dDg 花京院典明ラバーソール川尻しのぶ吉良吉影 D-5 空条邸 2014/03/22 162 ありえない筈の遭遇 ◆jNtKvKMX4g ジョナサン・ジョースター小林玉美ナランチャ・ギルガパンナコッタ・フーゴトリッシュ・ウナナルシソ・アナスイジョニィ・ジョースター D-7 南西 家 2014/04/06 165 BLOOD PROUD ◆c.g94qO9.A シーザー・アントニオ・ツェペリ虹村形兆サーレーディ・ス・コ C-2 カイロ市街地 北西 2014/05/02 170 ミッドナイト・バーサーカー ◆c.g94qO9.A ブラフォードディエゴ・ブランドールーシー・スティール橋沢育朗 D-5 北東部 地下D-4 東部 地下 2014/06/09 【午後】「~16時」 NO. タイトル 作者 登場人物 場所 投下日 163 星環は英雄の星座となるか? ◆3yIMKUdiwo ジョセフ・ジョースタールドル・フォン・シュトロハイムワムウ東方仗助広瀬康一噴上裕也宮本輝之輔空条承太郎エルメェス・コステロマウンテン・ティムシーラEビットリオ・カタルディ B-4 古代環状列石(地上・地下) 2014/04/06 164 血の絆 ◆q87COxM1gc タルカスイギージョルノ・ジョバァーナDIOヴァニラ・アイスジョニィ・ジョースターナルシソ・アナスイジョナサン・ジョースターパンナコッタ・フーゴナランチャ・ギルガトリッシュ・ウナ小林玉美 D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会D-7 南西 家D-5 2014/04/25 166 悪の教典(上) ◆vvatO30wn. ウィル・A・ツェペリモハメド・アヴドゥル花京院典明ラバーソール吉良吉影川尻しのぶジャイロ・ツェペリビーティードルド D-5 空条邸、E-7 杜王町エリア 路地裏 2014/05/12 悪の教典(下) 167 黄金の影 ◆c.g94qO9.A タルカスイギージョルノ・ジョバァーナDIOヴァニラ・アイス D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 2014/05/19 168 Trace ◆LvAk1Ki9I. ジョセフ・ジョースタールドル・フォン・シュトロハイム花京院典明ペット・ショップ東方仗助広瀬康一噴上裕也空条承太郎エルメェス・コステロジョンガリ・Aマウンテン・ティムシーラE D-5 空条邸付近D-4 中央部D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 2014/05/29 169 トリニティ・ブラッド -カルマ- ◆3hHHDZx0vE ジョナサン・ジョースターイギーヴァニラ・アイスDIO小林玉美ジョルノ・ジョバァーナナランチャ・ギルガパンナコッタ・フーゴトリッシュ・ウナF・Fナルシソ・アナスイジョニィ・ジョースターマッシモ・ヴォルペ E-6 北部D-3 西側D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 地上D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 地下 2014/06/11 トリニティ・ブラッド -リライト- 172 獣の咆哮 ◆q87COxM1gc イギーパンナコッタ・フーゴカンノーロ・ムーロロマッシモ・ヴォルペヴァニラ・アイス D-3 街中 2014/06/25 173 無粋 ◆yxYaCUyrzc プロシュートスクアーロセッコ蓮見琢馬双葉千帆カンノーロ・ムーロロ D-6 路上 2014/08/02 175 窮鼠猫を噛めず ◆LvAk1Ki9I. カーズ宮本輝之輔 A-6とA-7の境目A-5 ピッツベルリナ山 神殿遺跡(地上)A-4 南東(地下) 2014/10/01 176 激闘 ◆yxYaCUyrzc ブラフォード橋沢育朗 D-5 北東部 地下 2014/11/18 178 今にも落ちてきそうな空だから手を繋ごう ◆HAShplmU36 吉良吉影 C-1 サン・ピエトロ大聖堂 2015/03/13 【夕方】「~18時」 NO. タイトル 作者 登場人物 場所 投下日 171 因縁と希望を背負う集い星 ◆3yIMKUdiwo ジョナサン・ジョースタージョセフ・ジョースター花京院典明東方仗助ジョルノ・ジョバァーナ空条承太郎F・Fジョンガリ・A D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 地上D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 鐘楼 2014/06/16 174 されど聖なるものは罪と踊る ◆/SqidL6HL. DIOディエゴ・ブランドールーシー・スティールプロシュート双葉千帆カンノーロ・ムーロロ蓮見琢馬スクアーロセッコ D-6 路上D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 地下 2014/09/24 177 君の知らない物語 ◆HAShplmU36 シーザー・アントニオ・ツェペリパンナコッタ・フーゴイギー D-3 路地 2014/11/26 179 矜持 ◆yxYaCUyrzc ルドル・フォン・シュトロハイム広瀬康一噴上裕也エルメェス・コステロマウンテン・ティムシーラE E-4北東部 民家 2015/04/04 180 All Star Battle -FIGHT!- ◆LvAk1Ki9I. ジョナサン・ジョースタージョセフ・ジョースター花京院典明DIO東方仗助ジョルノ・ジョバァーナ空条承太郎F・Fナルシソ・アナスイジョンガリ・Aジョニィ・ジョースターディエゴ・ブランドー D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会D-3 南西部(地下)F-4 エア・サプレーナ島 2015/04/16 All Star Battle -ROUND 1- All Star Battle -ROUND 2- All Star Battle -FINAL ROUND- All Star Battle -SITUATION FINISH- 181 男の地図とダイヤモンドガール ◆c.g94qO9.A 小林玉美ナランチャ・ギルガトリッシュ・ウナ E-4 サン・マルコ広場脇民家 2015/04/19 182 祭の前にさすらいの日々を ◆HAShplmU36 橋沢育朗ワムウプロシュート双葉千帆宮本輝之輔 D-4とD-5の境目 地下B-2 ダービーズ・カフェ 2015/07/24 【第3回放送】「18時」 NO. タイトル 作者 登場人物 場所 投下日 183 第3回放送 ~暴挙~ ◆yxYaCUyrzc スティーブン・スティールファニー・ヴァレンタイン ??? 2015/08/11 第2回放送までの本編 第4回放送までの本編 投下順に並べ替える