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______何処だ。 一筋の光すらない闇の中。一人の男が虚ろな目で闇を見上げていた。 男の名は黒岩満。かつては神室町で敏腕刑事として働きながらも裏の顔は殺し屋、通称『モグラ』という二面性を持っていた。最終的には目論見の全てを暴かれ、破滅の運命を辿った男。 彼自身、ここに来た理由は殆ど見当も付かなかったが思い当たる節は1つあった。 自身の運命を分けた地、創薬センターに向かう途中、虹色に輝く石を、物珍しさに拾ったのを覚えている。その時は何の気にも留めなかったが、もしかすれば、あの時の石が俺をこの場所に…? 「いや、まさかな…」 正直、自分でも馬鹿みたいな推理をしていると。あのインチキ探偵であれば考えもしないだろう、と自嘲しながらも、それに反するように黒岩の脳内には次々と疑問が浮かび上がる。 ___じゃあ、今俺がいるこの空間はどう説明する? 石を拾った時、まるで惹かれるように手に取ったのは何故だ? あの時俺が置かれていた状況は刻一刻を争う事態だったというのになぜあの場面で石を拾うなど時間を無駄に使う行動をした? まさか俺は、地獄に…… 頭の中に際限なく浮かび上がる疑問と疑惑。 ふと気が付いた時、黒岩はポケットの中の石を握りしめていた。 間もなく、声が虚空から響いた。 「半分、正解だ。」 声と同時に、空間がひび割れ、新たな景色が作り出される。 そこは星々が煌めく、宇宙を彷彿とさせるようなどこか幻想的な空間であった。 その美しい景色には目もくれず、黒岩は声の主に憤怒と困惑の感情を混ぜた疑問を投げ掛ける。 「どういう事だ…説明しろ!」 「まず君が星晶石に導かれたのは、事実だ。 だが、ここは地獄では無い。寧ろ、蘇るチャンスを与えられた天国に近い場所。 そうだな…もう少し分かり易く例えるならば予選会場、と言った所か。石はそのチケットのようなものだ。 …だから君にはまず『予選』を勝ち抜いてもらなければならない。」 「予選…?」 「あぁ、そうだ。」 突如、声の方向から魔法陣が描き出された。 影をさらに黒く塗り潰したような、人型の何かが、陣から現れる。 「それはシャドウというサーヴァントのなり損ないだ。彼を倒せば、君は予選突破となる。 シャドウは生身の人間では絶対に倒せないが、打ち倒す鍵は既に君の中にある…」 声の主に聞きたいことは山程あったが、今は向かってくるシャドウの対処に精一杯だった。 幸い、シャドウの動きは単調的な動きのみであり、隙を突いて背後に回るのは容易い事だった。背後に回った黒岩はシャドウの首を腕でロックし、力一杯にへし折る。 シャドウの頸髄が折れ、鈍い音が響く。 が、手応えが無い。それどころか、先程よりも強靭な力で黒岩の拘束を降り解き、そのまま彼を殴り飛ばす。 「化物が…!」 致命傷とまでは行かないものの、胸部に多大なダメージを受け血反吐を吐く。 数え切れない程の殺しをこなしてきた黒岩だったが、こんな不死身の化物は当然ながら初めてだった。 ふと脳裏に浮かぶ、「死」の一文字。 …俺はまた、一度目の死の時のように惨たらしく、そして無様に死ぬのか… ___いいや、死んでたまるか。 予選だか何だか知らないが、こんなふざけた化物なんぞに殺されてたまるか。 …どんな手を使ってでも、奴を絶対にぶっ殺す。 黒岩の中に再び、ドス黒い悪意が芽生えた時、ポケットの中の星晶石が一瞬、妖しく光った。 その光に導かれるかのように、黒岩はそれを手に取った。星晶石はいつの間にか、カードに変化していた。すかさずそれを手に取り突き出す。 瞬間、辺りは大きな光に包まれる。 光が消え去った後、そこには長身の男が一人。 首まで伸びている長髪に細く吊り上がった目、左眼には眼帯。細身の体ではありながらも、黒岩に只者ではないと感じさせる圧が、男にはあった。 だが、サーヴァントのなり損ないであり、本能や理性を持たないシャドウには通用しなかった。召喚されてから暫く棒立ちでいた男に、シャドウは容赦無く襲いかかる。 が_____ 「邪魔臭ぇんだよ」 一瞬だった。 シャドウが反応する隙すら与えず、手に持っていた三日月のような刀で一閃する。 上半身と下半身を両断されたシャドウは、断末魔を上げる事すら叶わず、塵に帰った。 降りかかる火の粉を危なげなく払った彼はそのまま傍観者であった黒岩の方を向き、問いかける。 「テメェか?俺を呼び出したのは」 「そうだ。何か問題が?」 「…チッ、余計な茶々入れたやがって… 俺はやっと、願い通りに死ねたってのによぉ…!」 「フッ、折角呼び出されたってのに、面白い奴だ…お前、自殺志願者か? そうだとしたら、とんでもないハズレくじを引いたもんだ」 「テメェ…何処まで俺をイラつかせる…」 ___男の名は、ノイトラ・ジルガ。 かつて破面の精鋭部隊、十刃のNo.5を務めていた男。 戦闘狂でありながら、破面達に救いは無いと退廃的な考えを持つ彼は護廷十三隊・十一番隊隊長である更木剣八との果たし合いで斬られ、斃れる前に息絶える、という自分にとって理想的な死に様で一度目の人生を終えていた。 自分の納得の行く死に方を果たしたノイトラにとって、聖杯戦争に召喚される事それ自体が侮辱に値する行為だったのだ。 「なんなら、憂さ晴らしにテメェを斬っても良いんだぜ?さっきの奴よりは、斬り応えがありそうだ」 「血の気の多い野郎だな…かかって来いよ」 もはや場は一触即発。 主従同士の争いが始まろうとした、その時だった。 「____そこまでだ」 黒岩にとって、聞き覚えのある声が聞こえて来た。 先程シャドウに襲われた時、何処かから自分に語り掛けていた正体不明の男… 「今君達が闘っても、双方に得がない。 それに黒岩満。お前は聖杯戦争のルールを把握していない筈だ。私から教えてやろう。」 言葉と同時に、2人は教会に転送される。 「自己紹介が遅れたな。私の名は言峰綺礼だ。この聖杯戦争の監督役をしている。まずはそこに座ってくれ、話をしよう。」 言われた通りに席に着くと、言峰は聖杯戦争の説明をゆっくりと始めた。 30分程経った後だろうか。一通り話を聞いた2人は暫しの沈黙の後、黒岩が口を開く。 「成る程な…おい、セイバー。一つ提案がある。お前が俺に従うんだったら、俺の考えつく手段全てを使って他の主従どもを探し続けてやる。可能な限り、令呪でのサポートもしてやる。そうすれば俺はお前が主従を殺す度、聖杯に近づけるし、お前は俺が主従を見つける度、戦いを思う存分楽しめる。要するに、利害の一致って奴だ。」 「………」 「どうせ俺も一度は死んだ身。だが、それでも聖杯の力は俺にとって魅力的だ。 それに、サーヴァントと戦い続ければお前の理想とする死も、もう一度味わえるんじゃねぇのか?」 「何処までも気に食わねえ野郎だ… だが、お前の言ってる事も癪だが一理ある。 もう一度あの時のような戦いができるってんなら、テメェの令呪が切れるまでは付き合ってやるよ。だが、令呪が無くなったその時は…せいぜい覚悟しとけ。」 「あぁ。精々気をつけといてやるよ、セイバー。」 言峰の説明と黒岩の提案を受け、ある程度の納得をしたノイトラは、一時的にではあるがマスターに付き従っていくと決めたのだった。 「さて、説明が終わったなら俺は行かせてもらうぞ、神父さん。 これから、自分の目で見て色々確認しなきゃならな山程あるからな…丁寧な説明、どうも。」 「あぁ、君達の運命もしっかりと見届けさせてもらおう…」 最後に簡単な挨拶を交わすと、黒岩は自らのロールである警視庁へと、歩みを進め始めた… 【サーヴァント】 【CLASS】 セイバー 【真名】 ノイトラ・ジルガ 【出典】 BLEACH 【性別】 男 【ステータス】 筋力:B 耐久:A + 敏捷:B 魔力:D 幸運:D 宝具:C 【属性】 混沌 悪 【クラス別能力】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 騎乗:D 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。 【保有スキル】 戦闘続行:B 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 破面(十刃) B 虚の仮面を外し、死神の力を手に入れた者。十刃はその中でも特に優れた上位10名である。 己の力を封印した斬魄刀やそれを解放する帰刃に始め、霊圧をビームにして放つ虚閃(セロ)や霊圧の密度が高いほど強靭な皮膚となる鋼皮(イエロ)、死神の瞬歩のような高速移動を可能とする響転(ソニード)などがあるが、セイバーは特に鋼皮の硬度が破面の中でも飛び抜けて頑丈であり、これにより非常に高い耐久性を誇っている。 【宝具】 『聖哭螳蜋(サンタテレサ)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:_ 最大捕捉:1 「祈れ」の解号で斬魄刀に封じられた力を解放する。 頭部には三日月のような角が生え、仮面の名残の歯は牙のように尖り、腕は昆虫のような外骨格に覆われ最大6本まで増える。さらにこの宝具を使用した際、単純な肉体の増強に加えセイバーに蓄積されたダメージが殆ど癒え、瀕死の状況から更なる戦闘の続行を可能とする。 【weapon】三日月のような形をした斬魄刀。第一宝具を解放すると形が鎌に変わり、4本に増える。 【人物背景】十刃と呼ばれる破面の中のエリートの中のエリートでNo.5の地位にある。 が、自身は最強であると主張しており、ハリベルやウルキオラなど格上相手にも噛み付く性格。 また、弱い相手は殺す価値無しという考え方の持ち主で、どんな卑怯・非道な手段も平気で行う。 外見は吊り上がった目に眼帯をした長髪で長身痩躯の男。 円形の巨大な襟や輪を繋げた鎖状のアクセサリーを着用する。 虚の孔は左目。眼帯の下には同じく眼帯状の仮面の名残があり、孔の周りには歯が並んでいる。 また、舌には階級を表す「5」の数字が記されている。 三日月型の刃を二つ合わせ8の字のようにした大鎌状の斬魄刀を使う。 石突きにはフラフープ大のリングが鎖状に連なっており、これを持って鎌を投げ飛ばして攻撃したり、鎌を敵に引っ掛けて引きずり回すなどの用途に使用できる。 表皮を硬質化させる能力「鋼皮(イエロ)」は破面の中でも飛び抜けて頑丈であり、 本人曰く「俺の鋼皮は歴代全十刃最高硬度」 「虚閃(セロ)」は舌の先端から放つ。 かつては第8十刃(オクターバ・エスパーダ) 当時第3十刃(トレス・エスパーダ)だったネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンクを敵視し、ザエルアポロ・グランツと共謀し彼女を罠にはめ従属官もろとも放逐した。 虚や破面を「救われない存在」と絶望しており、戦いの中で倒れる事を望んでいた。 【サーヴァントとしての願い】なし。戦争自体を楽しみ、そこで再び死に場所を見つける。 【方針】他主従捜索はマスターに任せ、自分は戦闘の事のみを考える。 【マスター】黒岩満 【出典】JUDGE EYES 死神の遺言 【性別】男 【能力・技能】卓越した殺しの技術に、殺人に一切の躊躇を抱かない異常性。また体術も非常に優れており、ヤクザである松金組の組員大勢を一人で大量に殺害したり、背後から近づく刺客3人を返り討ちにする等、作品内でもトップクラスの実力を持つ。 【weapon】スーツに仕込んだ特殊警棒、銃。 追い詰められた時の奥の手としてドーピング剤も所持している。 【人物背景】神室署組織犯罪対策課の刑事で、常に高い検挙率を誇る敏腕刑事。 しかしその裏ではとある事件の影で暗躍する殺し屋「モグラ」として数多の人間を殺してきた男。基本的に主人公である八神に対しては常に傲岸不遜な態度を取り続けるので、プレイヤーからも「嫌味な奴だ」と思われる事必至。一貫して悪役ムーブを取り続ける上、作中でも自身の目的や信念などが最後まで明かされないままなので、ある種の不気味さすら感じさせるキャラである。 【マスターとしての願い】現世に蘇り、自分を追い詰めた人間を全員始末する。 【方針】基本的にはロールの立場を利用して主従を探し回る。見つけ次第、セイバーと共に殺しに向かう。 【ロール】警視庁組織犯罪対策課 刑事。 【令呪の形・位置】二の腕。 模様は血濡れの拳のような形。 【把握媒体】Youtubeにプレイ動画、実況動画が上がっています。 また、名前で調べると彼を詳しく解説した記事などが出てきます。
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┏━━━━━━━━━━━━━━━┓ ≪クラス≫:セイバー┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┓ 【真名】:??? 【レベル】:50 【アライメント】:秩序/中庸┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┓ 【筋】:30 【耐】:40 【敏】:30 【魔】:15 【運】:15 【宝】:30┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫ 【令呪残数】:義義義 【魔力量】130/130 【魔力供給の不足】:なし┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ / / ヽ / / i \ ´ ̄ / /'! \ . / /‐、! \ / / /-、 ! 、 ヽ / '"./ ./ {心l ト、 .lヽ \ ヽ '" { ノ∨l V!、 \ ヾ、 / l ./ '"> \ ! . / l ./ V心' ヽ、 .! , . / l ヽ / ヽ l / 、 . /,.イ /l 、 / ` / ⌒ヽ . /' l ./__l / / 丿、ノ ; _-=ニニニ! 一 / /_ ´. イ .!\ ,ィニ二二二二ム // /´ l ト { ヽ 、,. -― マニニニニニニニ=―- -―' / /_-=ニニ\ l.、. マニニニニニニニニニ} __-=/イ二二二二二ニヽ!ニ} . マ二二二ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニく / ./二ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ ,イ二二二ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニヽ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【スキル】 ○所持数:4 【装備】 ○所持数:1 ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫ 【宝具】 ○詳細不明 : 1 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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autolink FH/SE03-046 カード名:メイド服のセイバー カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《サーヴァント》?・《メイド》? 【自】あなたがレベルアップした時、あなたのキャラすべてに、そのターン中、レベルを+1。 シロウ!あまりこちらを見ないでください! レアリティ:PR illust.TYPE-MOON ブシロードプロモーションカードパック Vol.02 封入 C76のブシロードブースで3000円以上のお買い物をすると、購入特典で手に入れることのできる先行プロモカードのうちの1枚。 相手のターンならダメージにより発動しやすい効果だが、自分のターンで効果を発動するにはクロックフェイズ、リフレッシュダメージ、クロック関係のカードの効果を使用しなければならない。 レベル~以上を対象とするカードの恩恵を受けられるようにしたり、相打ちを防いだり、サイドアタックのダメージを減少させられたりするので なかなか面白い能力を持つ1枚。 ・関連ページ 「セイバー」?
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昼休みの音楽室では、ピアノの戦慄が響いていた。 県内屈指の名門進学校の、誰もいない音楽室で、リストの難曲も苦も無く弾き続ける一人の少年──高遠遙一少年。 顔立ちは、取り立てて美少年というわけでもなく、逆に崩れているというほどでもない。 身長も特別高くなければ、普段着る服も目立たない物ばかり選んでいる。 今の制服は規律通りに着用していて、少しも着崩さなかった。 彼はそんな──どこにも飾り気のない、どこにでもいる地味な生徒だった。 ただ、一目見て秀でている点と言えば、細長い指先だろうか。 目で追うのは困難なほどに優雅にそれを動かし、鍵盤を叩いていく。 時に激しく……時に滑らかに……。 彼は、古の音楽家たちの遺した芸術を重ね合わせた。 とはいえ、別に、彼もピアノや音楽が好きなわけではない。 ただ、考え事をしたい時には、無意味にピアノを弄んで、孤独な時間を潰しながら何かを想うだけだった。 いつも、ピアノを弾いている時が一番考え事が捗った。 家にはピアノがないので、普段はこうして昼休みや放課後に音楽室を貸してもらうのだ。 「……」 そんな高遠少年の目に映るのは、自らが奏でる音ではなく、奇術の事ばかりである……。 幼心を刺激した不可思議のマジックショー。 おそらく……自らの母である、近宮玲子。 ──彼女のように、大勢の人の視線の先に立り、マジックを披露する事のみが彼の目標であり、目指すものである。 普段の学校の勉強という物にもさして興味はなく、ただ目を通した物が勝手に頭の中で記憶されていくだけでしかない。 自分で掴み取ろうとしているマジシャンの座以外に、願いもない。 強いて言うならば、息苦しい今の家から脱し、マジックの勉強に専念したい程度だが、それもまた今の彼の立場からすればそれはただの我儘でしかない。 欲しい物は、何もない。 しかし、聖杯は彼を呼んだ。 彼は、それについて何とも思わなかったが、ただ、聖杯には興味があった。 それも見識を広げる為、という程度だろうか。 命を奪われるリスクがあるのも承知しているが、別段、それに強く恐怖する事もない。 得た物を使い、ひとまず、その聖杯という物を拝んでみたいという程度の細やかな願いがあった。 彼の奏でる戦慄は普段と何も変わらない。 少しの指の震えもない。 ただ、彼は、これから起きる出来事への期待に……少しだけ、笑った。 ◆ ──地獄の傀儡師。 この異名は、後にこの高遠遙一少年が芸術犯罪を行う時に名乗る事になる名前である。 しかしながら、高遠少年は今現在、犯罪を犯した事もなければ、今後起こすつもりもない。 むしろ、犯罪など、これから先の人生で彼が持っている夢を邪魔する物に過ぎない。 今のところは、ただマジシャンを目指して邁進し、ステージの上で母と再会する事だけを考えている。 そして、それもまた、いう程真っ直ぐな夢というほどではない。 他人に聞かれて、こんな夢を語る事もないし、「プロになりたいのか?」と聞かれれば、とりあえず否定をするだろう。 見ず知らずの他人に、夢想家だと思われるのは高遠も嫌いであった。 だが、彼自身は、着々と夢に近づいていた。 小さなマジックショーの中で。 高校のマジック研究会の中で。 父親に隠れながら。 己の中に眠る、天性の犯罪者としての血は未だ覚醒する事もなく、ただ純粋なマジシャンとしての技量だけが積まれていった。 本当なら、高校など辞めて今すぐ海外で高名なマジシャンに弟子入りしたい所だが、厳格な父親の手前、そうもいかない。 仮にもし、もっと早く弟子入りをしていたら、既に彼はステージの上でデビューをしていたかもしれない程の腕前は、まだ少年の中に隠れていた。 そして、そうしている間にも、どこかにいる彼の母の命と芸術が、一人の弟子によって奪われようとしている事など、彼は知る由もなかった……。 ◆ 放課後。 彼は少し大きな公園にいた。その中央にある大きな湖の湖畔。 いつも彼は、ここで小さなマジックショーを行う。 「……はい、じゃあこれでおしまいだよ」 子供ばかりが数名集まり、高遠少年の持つシルクハットに注目する。 今まさに、そのシルクハットの中から現れた大量の鳩が飛び交っている最中であった。 自由の空に飛び交う大量の鳩たちに子供たちの目が奪われている。 果たして、一体あの小さな帽子のどこからあれだけの数の鳩が収まっていたのか……。 そして、先ほどまで空洞だったはずの帽子に、何故鳩が現れたのだろう。 高遠少年のマジックショーのクライマックスに相応しい大がかりなマジックだった。 マジシャンにとっては基本中の基本とも言えるが、それを目の当りにした子供たちにとっては魔法そのものである。 「すご~い!!」 子供たちの純粋な眼差しと拍手喝采を受ける高遠少年の姿は、満更でもなかった。 こうして人々の前で「不思議」を、演出するのが彼は好きだ。魔術のタネを考え、披露するのは最高の楽しみである。 今もまた、舞台に立つ未来像の為に、人前でマジックを披露する練習をする。 純粋であるがシビアでもある子供たちは、その為の最適なデータをくれる。 彼はこうして、トリックで人を欺くのが好きで──同時に、マジックの好きな子供というのも嫌いではなかった。 高遠が、ニヤリと笑う。 「え──!?」 次の瞬間──子供たちが釘漬けになっていた空の鳩たちは、一斉に赤い薔薇の造花へと姿を変えた。 羽音さえも同時に消え去り、そこにいた鳩たちは元々、薔薇の化身だったかのように消えたのである。 全く、不可思議な現象であった。 「どうなったの……?」 そして、それは、まるでパラシュートで落下するように、ひらひらと、子供たちの手の上に落ちていった。 まるで子供たちの位置まで計算され尽くしていたかのようである。 今度は、歓声よりも、何が起こったのか瞬時に理解できず、困惑する声の方が大きかった。 今の鳩たちは消えてしまったのだろうか……? 子供たちの中には、そんな後味の悪ささえ残した者もいたが、誰かの拍手が鳴ると同時に、他の子供もつられて拍手をした。 そして、彼らは消えた鳩の事など忘れた。 手元にある赤い薔薇がそれの化身でないのは確かだろうと思いながら……しかし、またこれが鳩になるかもしれないと思い、ぎゅっと握る。 「それは僕からのプレゼントだよ! さあ、優しいお母さんがいるお家へお帰り──」 優しい高遠の言葉に、子供たちは純粋に微笑みながら、「うん」と頷き、その場から去って行った。 また、この場所でマジックをする高遠少年と会える事を望むだろう──。 高遠少年は、その背中を見送った。 これでショーは終わりだ。 「──さて」 優しき少年の表情が、冷徹な聖杯戦争のマスターへと変わったのは、それからすぐの事だった。 公園で今のマジックショーを覗いていた一人の、髪の長い少年──。 彼こそが、高遠が出会った『サーヴァント』の≪セイバー≫の仮の姿である。 「……セイバー、何か言いたそうだね」 セイバー──ウイングマン、広野健太。 ただし、それは仮の名前であり、実際はドリムノートによって実体化された一人の少年の「記憶」である。 本当の広野健太は全てを忘れて、戦いに巻き込まれなかった普通の少年として暮らしている。 彼の姿と記憶だけを借りたセイバーは、言って見れば、健太とかつてウイングマンにしたドリムノートそのものであった。 「マスターも、子供にだけは優しいんだな……と思ってさ」 「善良な観客は、最大限持て成すのが、プロのルールだからね。それを真似ただけだよ」 苦笑しながら、マジック道具を片づける高遠。 セイバーも、高遠を見直してはいたが、この少年の本質的な問題点が変わっていない事だけは理解していた。 彼と組んで以来、その常軌を逸した独特の感性に、セイバーも気圧されてばかりいる。 彼自身は、聖杯戦争を楽しんでいる──。 この戦争の行く先に言い知れぬ期待を持ってここにいるのだ。 高遠が、セイバーに訊いた。 「それで? どうだったかな、僕のマジックショーは──」 「どうしてオレにそんな事を聞くんだ?」 「他に訊く相手もいないし、英霊であるセイバーの感想が聞いておきたいんだ。 それに、僕の事を好んでいないセイバーなら、より厳しい感想を口に出来るだろうから」 そう言われ、少したじろいでから、セイバーは答えた。 「マスターには、魔術の素養もなく、オレの宝具の力を使ったわけでもないんだろ? だけど、マスターのマジックは、まるで魔法のようだった……一体、どうやったんだ?」 「……そうか。英霊すらも騙す事が出来て光栄だよ」 そう言う高遠の瞳は渇いていた。 言葉とはまるで正反対の態度である。何か物足りなく思っているようだった。 褒められてもこの態度だが、おそらく、望んだ通りの厳しい感想を口にしたとしても、つまらなそうに回答するのだろう。 それから、高遠は、怜悧な表情を崩さず、言った。 「……じゃあ先に帰っていてくれ。 僕は、ここでもう少し──月を見ているよ」 「……」 「……ああ、ごめん。悪いけど、マジックの種だけは教えられないんだ」 「それは……わかってるよ。余計な事聞いて悪かった。 でも、まだ月が見えるには早いんじゃないか……?」 「──ああ。だから、あの月が煌々と輝く時まで、あの月を見ていようと思ったんだ」 そう不思議な事を言いながら、空を見上げる高遠。 セイバーは、そんな彼の命令には逆らわず、ただその場から去った。 夕方の月は、夕日の輝きに負けて、空の中では薄く輝いていた。 聖杯戦争の本格始動まで、あと僅か……。 ようやく始まる──月を眺める高遠の中で、そんな予感がした。 【クラス】 セイバー 【真名】 ウイングマン@ウイングマン 【属性】 秩序・中庸 【ステータス】 筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A+ 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 ただし、ウイングマンの場合、サポートメカの『夢仕掛けの天馬(ウイナア)』の騎乗が可能であり、ウイナアをウイナルドに変形させる事も可能。 【保有スキル】 戦闘続行:B 名称通り戦闘を続行する為の能力。 決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。 忘却の英雄:B 人類史の中でその名が記録されていない英雄の性質。 かつて、広野健太が『夢想の備忘録(ドリムノート)』に記憶を消去した為、ウイングマンの存在は忘れられている。 これにより、サーヴァントの真名が知られた差異、対策を練る事が困難となり、真名を明かすリスクが軽減される。 彼の宝具の中でも、存在が記録されている物は、『夢想の備忘録(ドリムノート)』のみである。 【宝具】 『夢想の備忘録(ドリムノート)』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:∞ 書き記した事を現実にする事ができる、異次元世界「ポドリムス」のノート。 ドリムペンを使い、かつ本当にそれを夢見て書きこんだ内容のみが現実世界に反映される。ただし、基本的には他者を生き返らせる事などは不可能。 唯一それを可能とした例は、ドリムノートの全ての項目をドリムイレイザーで削除して、「アオイを生き返らせたい」という強い願いを全てのページに描きこんだ際の事であり、これによりかつてドリムノートの記憶は三次元世界から忘れ去られた。 ただし、これもまた奇跡の産物に近く、実質的には武装強化など用途が限られる事になる。 尚、ウイングマン自身がこの『夢想の備忘録(ドリムノート)』の産物であり、これを破壊(もしくはウイングマンに関するページが削除)された場合、サーヴァント自身が消失する事になる。 『悪裂の夢戦士(ウイングマン)』 ランク:B 種別:対人宝具(自分) レンジ:- 最大捕捉:- かつて、『夢想の備忘録(ドリムノート)』によって発現されたセイバーの真名。「悪・裂!ウイングマン!」の掛け声と共に解放される。 長剣クロムレイバーなどの武具を装備し、ファイナルビームやデルタエンドなどの必殺を持つ事ができる。 三次元世界においてウイングマンの姿を実体化できるのは、いかなる魔力を持つ者が利用しても十分間が限度である。 ただし、かつてウイングマンを誕生させた広野健太の姿を借りる事で長時間の実体化も可能であり、この場合は身体能力は著しく低下する。 『夢仕掛けの天馬/夢仕掛けの機人(ウイナア/ウイナルド)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1~50人 『夢想の備忘録(ドリムノート)』から誕生したウイングマンのサポートメカ。 攻撃能力は無いが、陸上はもちろん海中・水中でも行動が可能、さらに異次元(ポドリムスしか行かないが)への出入りも可能。 ビームサイザーやウイザービームなどの武装を持ち、サーヴァントが拘束された際に補助攻撃を行う事もできる。 そして何より、これは『夢想の備忘録(ドリムノート)』が存在する限り、何度破壊されても再度呼べば再臨する宝具である。 【weapon】 『夢想の備忘録(ドリムノート)』 『長剣クロムレイバー』 【人物背景】 かつて、ヒーローオタクの少年・広野健太がドリムノートに描きこみ、健太が変身したヒーローの姿。 原作の「ウイングマン」に登場するウイングマンには人格は存在しないが、ポドリムス人あおいの中に内在するウイングマンの記憶を元にドリムノートと共に、英霊として複製されている。 普段は広野健太の姿を借りるが、彼自身は三次元人でもポドリムス人でもない、ただの「広野健太とウイングマンの記憶を模して描き起こされた存在」である。 サーヴァント自身もその事を認識している為、健太よりも少しドライで冷静な面があり、聖杯戦争への躊躇は広野健太に比べ希薄。 【サーヴァントとしての願い】 不明。 【マスター】 高遠遙一@高遠少年の事件簿 【マスターとしての願い】 特になし 【weapon】 『マジック道具』 普段、高遠が自らの身体に仕込んでいる様々なマジックアイテム アタッシュケースに入れて必要時に持ち歩いている物の他、いつでもショーが披露できるように体にも幾つかのマジックのタネを用意して生活している 【能力・技能】 天才奇術師・近宮玲子の血を引き継いでおり、当人もマジシャンを志している為、魔法と見紛うような奇術を披露できる。 高度な知性を持ち、名門進学校の秀央高校に入試全科満点で合格している。それに加え、授業を聞いていなくても一通りの授業内容を理解できる天才児。 ピアノも悠々と弾きこなすほか、校内で発生した殺人事件を解決する事もある。 【人物背景】 秀央高校一年生。マジック部に所属している。 天才マジシャン・近宮玲子の息子であるが、現在は義父の元で暮らしており、母とは幼い頃に一度会ったきりである。 成績優秀で、県下の名門高校を全教科満点で合格している他、ピアノの腕も見事。 将来は母と同じマジシャンを志しており、普段は井ノ尾公園で子供を相手にマジックのパフォーマンスも行う。 しかし、彼は同時に感情も殆ど空っぽであり、人が死んでも、あるいは殺したとしても何とも思わない(とはいえ彼なりの秩序や美学は持ち合わせている為、無差別殺人は行わない)。 後に、「地獄の傀儡師」と名乗る連続殺人鬼になる前の高遠であり、この時点ではまだ誰一人として殺害していない。 ※「金田一少年の事件簿」のキャラクターであるが、出典となる外伝「高遠少年の事件簿」の設定では一部、原作との矛盾がある。 【方針】 聖杯に興味がある為、他の陣営を倒して聖杯を得る。 ただし、無差別殺人などは行わず、ターゲットも基本的にはサーヴァントに絞る。
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オール・セイバー スーパーレア 火/水/自然/光/闇 5 呪文 ■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。 ■相手のマナゾーンからカードを1枚選び、墓地に置く。 ■カードを1枚引く。 ■自分の山札から1枚目をマナゾーンに置く。 ■自分の山札から1枚目を裏向きのまま新しいシールドとして、シールドゾーンに加える。 ■相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。 (F)究極の剣、無敵の刀、最強の刃、全てで総てを斬り尽くせ! 製作者 牛乳 評価 どうにかして墓地に置けば、ロマノフやグレイテスト・シーザーで撃てるのが強みですね。 まじまん
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青空を見た。――何処までも果てなく広がる青空を、彼女と一緒に見た。 その記憶を胸に、少年は一人空を見上げる。白み始めた夜明けの空は灰の色を湛えていて、空気には微かに水の匂いが混ざっているような気がした。頭上に広がる景色に、巨きな光の輪は見当たらない。それこそが、哀しき王の大偉業が阻止された事の何よりの証左だった。 いや、厳密には違う。この世界は、自分達が作った世界じゃない。無限に広がる多元宇宙の何処か、混沌の演算機が作り上げた電脳の街。天文台との通信はそもそも成立しておらず、頼もしくも騒がしい天才の解説を聞く事も叶わない。真実孤軍と言っていい心許ない有様で、人類最後のマスター・藤丸立香は混沌月の聖杯戦争に放り出されたのだ。 …………はあ この一年間、本当に色々な事が有った。嬉しい事、辛い事。納得出来ない事、腹の立った事。間違いなく自分が生きてきた十数年の中で最も濃密な一年間だったと自信を持って断言出来る。立香は、余りにも多くの困難を超えてきた。それこそ、このくらいの事態は霞んでしまうくらいに。 第一特異点、オルレアン。 第二特異点、セプテム。 第三特異点、オケアノス。 第四特異点、ロンドン。 第五特異点、イ・プルーリバス・ウナム。 第六特異点、キャメロット。 第七特異点、バビロニア。 そして、終局の冠位時間神殿にて――彼は世界を救った。未来をその手に取り戻した。 そんな彼だから、突然見知らぬ街に召喚され、其処で行われる聖杯戦争にマスターとして参加しなければならないと言われても、驚きはしたがすぐに順応する事が出来た。加えて、彼は既に何がきっかけとなって此処に足を踏み入れてしまったのかについても理解している。人理復元の立役者を混沌の月海に引き寄せた元凶は、彼が天文台……カルデアの廊下で偶然拾った、とある"鉄片"であった。 何かの機械の破片らしいそれを拾い上げた事に、物珍しげな理由が有った訳ではない。言ってしまえば、見慣れない物が落ちていたから拾ってみただけだ。カルデア内の何らかの装置から脱離したパーツだったりしたら大変だし、自分を心配してカルデアに残ってくれているサーヴァントの誰かの持ち物かもしれない。もし何てことないゴミだったなら、その時は改めてゴミ箱にでも投げ込めばいいだろう。その程度の軽い気持ちで立香は、その"鉄片"を手にした。 次の瞬間には、彼は見知らぬ街並みを眺めていた。街の名前が冬木市と言う、自分にとっても覚えの有る地方都市である事を知ったのは暫くしてからの事である。尤も、地力で調べて突き止めた訳ではない。自分のサーヴァントを名乗る男が、困惑を露わにする立香に色々と教えてくれたのだ。 聖杯戦争。あらゆる願いを叶える、万能の願望器。究極の聖遺物たる聖杯を争奪する血塗られた戦い。 無論、立香もそれについての知識は有している。人理修復の旅の中で聞いたり、召喚したサーヴァントから教えて貰ったり、イレギュラーな参加者として介入したり。……更に言うなら、彼はもう何度も"聖杯"を見ていた。それどころか実際に回収し、持ち帰っている。特異点であったり、別口のアクシデントであったり、時には呆れ返るようなバカバカしいイベントで回収した事さえある。 "この"冬木市では、今まさにそれを争奪する戦いが行われている真っ最中だと、彼のサーヴァントは言った。立香が『これはまた面倒な事に巻き込まれたみたいだぞ……』と思わず溢してしまった事は、きっと誰にも責められないだろう。 カルデアとの通信は完全に封じられ、現状聖杯戦争に参加する以外の脱出手段は確認出来ない。立香の戦いをこれまでサポートしてきた、彼の使役するサーヴァント達も、此処には居ない。自分が唯一頼れる"彼"の戦いをサポート出来る、カルデア製の魔術礼装を装備しているのがせめてもの不幸中の幸いか。 また、この街の住人として聖杯戦争に臨むに当たって、"藤丸立香"にも日常生活を送る為のロールが与えられていた。彼の身分は、アパートで独り暮らしをしているごくごく普通の学生。学生証や制服なんかも仮の家にはきっちり完備されており、何から何までまさに至れり尽くせりだった。 サーヴァントの彼によれば、自分は記憶を取り戻すのが異様に速く、冬木への転移とほぼ同時に記憶を取り戻すマスターはほぼ居ないとの事だったが、それが凄いのか凄くないのかは立香には今ひとつ分かりかねる案件だ。 空から視線を下ろし、眼下に広がる街並みを俯瞰する。 平和な街だ。過去、一番最初に訪れた時のこの街はどこもかしこも炎上して、地獄絵図の様相を呈していたが、"この"冬木にはそうした汚染の気配は全くない。 所詮電脳世界、作り物の街なのだから当たり前と言えば当たり前だが、それでも立香は、これからこの平和が聖杯戦争の舞台となる事で崩れていくと考えると陰鬱な物が込み上げるのを禁じ得なかった。藤丸立香と言う少年は、善性に満ちている。七つの特異点を巡り世界を救った今でもそれは変わらない。彼は、悪の素養を全く持たない。 その彼だからこそ、聖杯戦争に対して思う心は一つ。 セイバー、居る? 「おうよ」 呼び掛けに応えて実体化したサーヴァント・セイバーは、身長六尺を超える長身の偉丈夫であった。血染めの花を思わせる赤髪は毬栗のように逆立ち、東洋の英霊である事を同色の麻呂眉が物語っている。背負っている武器は、セイバーらしく大剣だ。彼の背丈に匹敵するその長さから、素人目からしてもかなりの破壊力を持つ武装なのだと言う事が解る。 立香が初めて彼と対面した時、連想したのは第七特異点、ウルクで出会った数々の神霊達だ。イシュタル、エレシュキガル、ケツァル・コアトル等の錚々たる面々に限りなく近い物を、この英霊は有していた。そういう存在に慣れている立香で無ければ、対面の瞬間に腰を抜かしていたかもしれない。 自分のサーヴァントが凄まじい、本来聖杯戦争に召喚出来る事自体が奇跡のような存在である事は、立香にも何となく解った。だからと言って立香は彼に萎縮したり、畏怖の念を抱いたりはしない。先程言った"慣れている"と言うのも理由の一つでは有るが、実のところ、其処にはもっと大きな理由が有る。――雰囲気だ。セイバーが醸している雰囲気は紛れもなく、立香を幾度となく助けてくれた人類史に名高き益荒男達のそれと同一の物だった。 それだけで全面的に気を許してしまうなんてと、一般的な感性の魔術師には笑われてしまうかもしれない。だが、生憎とこの少年は合理的思考に基づいて行動し、人道に悖る行いも厭わない"魔術師"とは根本からかけ離れた人物なのだ。身も蓋もない事を言えば、魔術師としては大成しないタイプ。倫理の限界にぶち当たり、一定以上の成功を見込めない、魔術師と言う職にそもそも剥いていない人間。 ――そんな彼だからこそ、人類史を取り戻せた。彼でなければ、世界は救えなかった。 「腹ぁ括ったって顔してんな。良いぜ、聞いてやろうじゃねえか。あんたは、どうしたい?」 自分は―― 願う事の意味は理解している。聖杯に願い、何かを叶えようとした者達の事を、立香はよく知っている。 それは必ずしも、正しい行いではなかったかもしれない。それでも其処に有った願いだけは、否定してはならないと思う。数多のサーヴァントを使役し、絆を深め、彼らを理解してきた立香だからこそ、"聖杯で願いを叶えるのは間違っている"なんて陳腐な台詞を吐くことはしなかった。彼らの願いに嘘はなかった。どんな手段を使ってでも願望を成就させたいと願う心を否定すれば、それは今まで共に闘ってきた皆を侮辱する事になる。 ――然し、この冬木の聖杯戦争に並び立った者達は、誰もが覚悟を決めて舞台に立った訳ではない。自分のように殆ど事故と言っていい"鉄片"の入手から迷い込んでしまった者も、セイバー曰く少なからず存在するとの事だ。そしてそうした巻き込まれた側、謂わば被害者達にも、聖杯の定める規範は容赦しない。敗者は最後には消滅、死同然の末路を辿る。その事を、立香はどうしても受け入れられなかった。 聖杯戦争を止めたい。力を貸してくれる? 誰かを、助けたい。力を貸してくれる? これが特異点なのかどうか、それすら立香には解らない。 全ての終わりに出現すると言う聖杯が自分の知る通りの物であるのか、それを自分はこれまで通りに回収して持ち帰るべきなのか。カルデアからの指示が無い以上、立香は自ら選択し、決定しなければならない立場に有った。方針を定めるドクターも、万能の天才も、此処には居ない。如何なる時も無窮の盾で自分を護ってくれた穢れなき盾の少女(シールダー)の頼もしい声も無い。 もしかしたらこの決断は、間違いなのかもしれない。誰かの尊い願いを踏み躙り、希望を消してしまう、蛮人の選択だったのかもしれない。自分が間違っていると言う可能性を捨てず、常に頭の中に置きながら、それでも立香は選んだ。誰が聞いても彼らしいと思うだろう、救済者の一手を。 聖杯戦争を止めるのではなく、誰かを助けたい。其処に生まれる、非業の涙を掬いたい。 いつだって、藤丸立香と言うマスターはそうだった。その戦いに関わる事に一切の得が無いと解っていても、そうしたいと言う気持ち一つで飛び込んでしまう。――今回も、いつもと同じ。世界を救っても尚、人類最後のマスターの大馬鹿は治っていないのであった。 「へ――上出来だぜ。あんたはこの俺様を召喚した果報者なんだ、そうでなくちゃいけねえ」 そしてその無謀な選択を、赤髪の益荒男は豪放磊落な笑い声と共に賞賛した。 もっとよく考えろだとか、本当にそれで良いのかだとか、そんな説教臭い事を言うのは野暮って物だと彼はそう心得ている。人間として生きてきた年月を含めても自分よりずっと年下で、うんと平和な市井で育ってきた男。そんな言ってしまえば普通の人間が、こうして無茶と解っていながら理想を貫こうとしているのだ。一体どうして、それを否定出来るだろう。出来るとしたら其奴は利口なのではなく、只の臆病者であるとセイバーは思う。 先人として、サーヴァントとして。やるべき事は、おまえは正しいと認めてやる事だ。 サーヴァントはマスターを教え導く師父ではない。彼らの戦いを支え、"勝利に"導く剣であり、槍であるのだから。 「俺も乗ったぜ、その話。一丁俺とお前で、無謀な挑戦ってのを貫いてやろうじゃねえか!」 ああ。ありがとう、セイバー! 「良いってことよ。にしても、大したもんだぜ、あんた。 言葉にしちまえば簡単だが、"誰かの為"に命を張るってのはとんでもなく勇気の要る事だ。余程、あんたの言ってた……特異点の戦いだっけ? それが素晴らしい物だったんだな。あんたを見てるだけで、よく解る」 セイバーの言葉に、立香は静かに微笑んでみせる。 それは間違いなく嬉しさ、誇らしさから来る笑顔であったが――何故か其処には、一抹の寂しさが滲んでいた。 失くしたものがあったんだ。そしてその分、手にしたものもあった 世界を救う旅は楽しかった。天文台で過ごした一年間はかけがえのない時間だった。 その分、失う物も有った。助けられなかったものも、思い知らされた事も、山のように有る。 けれどその末に――少年と少女は、美しいものを見た。果てしなく広がる青空。2017年の空を。 だからこそ自分は、帰らなくてはならない。あの天文台に。明日を手に入れた、可愛い後輩の待つ場所に。 「……成程なァ。俺があんたに召喚された理由が、何となく解った気がするぜ」 え? 「まあ俺も――"俺達"にも、色々有ったんだよ。 断崖絶壁なんて軽く見えるくらいの、深い絶望しかない戦いだった。勝ち目なんて、何時だって零に等しかった」 セイバーは、懐かしそうに彼方を見据える。その瞳にはやはり、立香と同じく少しの寂しさが同居していた。 永い過酷な旅の果てに、多くの別れと出会いを経て、何かを成し遂げた者の顔だった。 ああ、と立香は思う。このセイバーも、自分と同じなのだ。 「一寸先も視えない暗闇の中を、訳も分からず足掻き続けて……漸く全てを理解して闇が晴れたと思えば、その先に広がってるのは更に馬鹿でかい闇だった」 覚えは有る。 初めて人理焼却の実行者と相対した時に覚えた絶望感は、全てが終わった今でも忘れられない。 知る、と言う事は必ずしも希望ではないのだ。知ってしまったが故の絶望と言う物が、確かに世界には存在する。 「それでも我武者羅に闘って、闘って、闘って――最後には曙光を以って、無明の闇夜を打ち破った。 あんたと同じだよ。俺も、世界を救った事があるのさ。とびきり愉快な仲間達と一緒に、失われる筈だった明日を奪い返してやった。ヒトとして過ごした時間は今思うと一時の夢のような短さだったが……ああ、何て言うんだろうなこういうの? 冒険絵巻ってのは格好が付かねえし、英雄譚とでも――」 ……いや、それは違うよ セイバーがどんな戦いを繰り広げてきたのか、藤丸立香は知らない。 正規の人類史に刻まれた戦いすら人並みにしか知らない彼が、多元宇宙の彼方、"神座"等と言う概念が存在した世界の戦いを知っている筈もない。それでも彼には、一つだけ解る事が有った。セイバーが最終的にどんな存在になったとしても、ヒトとして生きた時間が有るのならば、それは英雄譚の一言では片付けられない。 人間の一生は永遠ではない。最後には苦しみが待つ、終わりへの旅路だ。 だがそれは、断じて絶望なのではない事を、立香は知っていた。とある男に、そう教わったからだ。 限られた生をもって、死と断絶に立ち向かう。 終わりを知りながら、出会いと別れを繰り返す。 輝かしい、星の瞬きのような刹那の旅路。 これを、そう―― 愛と、希望の物語 「へえ……ハハ、そいつは良い。案外良い事言うじゃねえかよ、誰かの受け売りかい?」 うん ……ちょっとね 人の一生を絶望と形容した魔神王に、ある優しい王はそう言った。 無論、あの一年間だけが少年の人生だった訳ではない。これからもずっと、何十年も時間は流れていく。彼の人生は寧ろ、救い出した2017年から再スタートを切ったとすら言えるだろう。それでも、あの旅路を一言で言い表すとするならば、これだろうと立香は思った。そしてそれは、セイバーにしても同じ。数え切れない程の絶望と別れが有ったが、赤き益荒男は結果的に世界を救ったかの旅を、陰鬱で救いのない物だった等とは思わない。 確かに愛は有った。確かに希望は有ったのだ。だから、世界は救われた。 「そんじゃ、早速行こうか主さん……いや、立香よ。何、心配するこたァねえよ。 あんたが召喚した英霊は神州一の益荒男、覇を吐く曙光の伊邪那岐だ。誓って無様に負けはしない」 そっか――よし。行こう、セイバー! 「応ともォッ!!」 斯くして――嘗て世界を救った者達の聖杯戦争が、勇ましくその幕を開けた。 ◇ ◇ 天(かみ)を知らぬ。 地(みち)を知らぬ。 死後の浄土も奈落も何も、概念自体存在せぬからこの生にのみ総てを欲する。 他者への敬意や友情、愛など、つまるところ素晴らしき我を彩る風流に過ぎない。 その咒、大欲界天狗道――魂の消えた魔界の理。 誰もが己を神と崇め、ゆえに誰も神に成れない。 嘗て何処かの宇宙を、そんな理が満たしていた。 自愛こそ正道、利他は気狂いの思想である。 そんな孤独の宇宙(ソラ)は、然し今となっては、無限に広がる多元宇宙の何処にも存在しない。 神が宇宙を統治する世界。 一つの治世を終わらせる為には次代の神かその自滅因子が働くしか無いにも関わらず、自愛の天を統べる邪神は余りにも強大で、無比なる者であった。数言の呟きで幾つもの宇宙を滅ぼし、腕の一薙ぎで神と呼ばれる存在を粉砕し、視認しただけで魂が自壊しかける程の質量を持つ――外道狂天狗。 然し天が滅びた以上は、かの天狗もまた滅ぼされたと言う事。黄昏時を滅ぼして具現した綻びのない最強の闇夜を照らしたのは、本来彼の宇宙では生まれ得ぬ絆の光。夜明けを告げる曙の光は、眩き命の輝きで以って天狗を消し去った。 最期に邪神に引導を渡したのは、絶対無欠の神の自我を持つ畸形嚢腫のその触覚。自愛の神に見付かる事を恐れ、震え、何もかもを忘れ去っていた触覚が、仲間と触れ合う中で確たる力を得、自閉の闇夜を打ち破るに至ったのだ。 その後神として新たな宇宙の統治に携わったとされる男の神号を、伊耶那岐命。 そして、彼が地上を生きる人間であった頃の名前を――坂上覇吐と言った。 【クラス】 セイバー 【真名】 坂上覇吐@神咒神威神楽 【ステータス】 筋力A 耐久A+ 敏捷C 魔力B 幸運A 宝具A 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 騎乗:B 騎乗の才能。 大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 【保有スキル】 神性:A++ 求道神・伊邪那岐命。 一つの宇宙を統べた最高位神格の一人。 化外を生まぬ八百万、他者の法あってこそ初めて機能する絆の覇道――天照坐皇大御神の理に所属した彼の神性は本来EXランク相当、聖杯戦争に召喚できる存在では断じてない。 今回セイバーは自身の神性をランクダウンさせ、サーヴァントの規格まで自分を矮化させて参戦している。 心眼(真):A 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。 逆転の可能性がゼロではないなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 勇猛:A 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。 戦闘続行:A+ 往生際が悪い。 霊核が破壊された後でも、最大5ターンは戦闘行為を可能とする。 邪神の畸形:- 宇宙を残して邪神は消滅し、最早自愛の兆しはない。 このスキルが失われていることこそが、セイバーとその仲間達の勝利の証である。 【宝具】 『刃・無銘』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大補足:1~50 坂上家に代々伝わる無銘の刃。平常時は大剣の姿をしているが、特殊な過程を踏むことで形状が変わる。 全部で六つの形態を持ち、六つ目だけは別な宝具としてカウントされる。 基本形態の大剣、鞭のように撓り攻撃予測を困難にする蛇腹剣、待ちの戦法にて強みを発揮する大鋏。 気を砲弾のように放つ砲、そしてギロチンのように首を刈ることに長ける処刑鎌。 夜都賀波岐の主柱である天魔・夜刀に引導を渡した"神殺し"の逸話から無銘の刃でありながら宝具としてのランクが高く、神性を持つサーヴァントには特攻効果を持つ。 『桃花・黄泉返り』 ランク:C++ 種別:対異能宝具 レンジ:- 最大補足:1 セイバーが所有する異能・歪み。敵の異能に対する不死性と反射特性。 彼が異能による攻撃を受けた場合、彼の総体を五百と仮定。その身に受けた歪みが千だとして、そこでセイバーは死ぬ。 だがこの宝具は受けた異能を増幅し、千五百の力を発生させる。内五百の力を使ってセイバーは蘇り、残った千の力を攻撃を放った対象に跳ね返す。ただし、その増幅率は必ずしも一定ではない。 その性質上異能飛び交う戦闘で死ぬ確率は零に近いが、肉体的損傷は当たり前に被るため、致命傷を負っても死ねないという拷問に等しい難点もある。 使用には甚大な負荷が掛かり、食らう死が強大であるほど元の彼に戻れる保証はない。常に発狂の危険が付き纏う。 また歪みを跳ね返す対象は指定が可能。敢えて味方から異能攻撃を受け、多くの歪みの特性を合成した攻撃を放つことも可能。 『曙光曼荼羅・八百万』 ランク:EX 種別:対神宝具 レンジ:1~10000 最大補足:∞ かつて邪神・第六天波旬を打ち破り、大欲界天狗道の治世を終わらせた曙光の一閃。 矮化した今の彼に、この宝具を使用する手段はない。 仮に聖杯戦争に参加した全てのマスターの令呪や魔力を燃料として燃やし尽くしたとしても、発動の前兆すらお目にかかることは出来ないだろう。 【weapon】 『刃・無銘』 【人物背景】 邪神の理を打ち破った曙光の戦士達、その一人。 黄昏を閉ざした無明の闇は、曙の光にて切り払われた。 【サーヴァントとしての願い】 立香のサーヴァントとして行動する。 ――聖杯戦争にはどうもきな臭い物を感じる為、決して気は抜かない。 【マスター】 藤丸立香@Fate/Grand Order 【マスターとしての願い】 カルデアに帰る。救える者は救う。 【weapon】 なし 【能力・技能】 魔術礼装を装備しており、それを用いてサーヴァントの戦闘をサポートする事が出来る。 使えるマスタースキルは ・サーヴァントの攻撃火力を強化する"瞬間強化" ・傷を回復できる"応急手当" ・攻撃の回避をサポートする"緊急回避" の三つ。 【人物背景】 男主人公。通称ぐだ男。 人理継続保障機関カルデアのマスター候補の中から、ただの数合わせとして呼ばれた素人の日本人。 自分に出来る事を、出来る範囲で努力する。 出来ない事なら、出来る範囲に収めようとする。 先達の助けを借りて、未来を夢見ている。 絶望的な状況下でも、人間として正しく抗い続ける。 時折挫けそうになる――振り返りもする。 だが、足を止めるのも振り返るのもほんの一瞬。そんな人物。 最初のレイシフト実験からは外されていたのだが、それが功を奏してレフ・ライノールの仕組んだ爆発事故に巻き込まれる事なく生存。以降、最後のマスターとして人理焼却を目論む魔術王との戦いに身を投じる。 そして彼は、人理焼却を食い止める偉業を成し遂げた。一年の旅の果て、少年は少女と共に青空を見た。 【方針】 聖杯戦争からの脱出手段を探しつつ、自分のように望まれずして巻き込まれたマスターを可能なら助ける。
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FS/S36-011 カード名:“神造兵装”セイバー カテゴリ:キャラ 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2000 ソウル:1 特徴:《サーヴァント》?・《武器》? 【自】このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは自分の山札の上からX枚を、控え室に置いてよい。Xはあなたのカード名に「士郎」か「セイバー」か「凛」を含むキャラの枚数に等しい。 【自】このカードが手札から舞台に置かれた時、そのターン中、このカードのパワーを+X.Xはあなたのクロックの枚数×500に等しい。 レアリティ:U illust. 15/11/30 今日のカード 登場時に山札削りと、パワーパンプができるセイバー。 山札削りは条件が舞台のキャラに左右されるが、ノーコストで最大5枚の山札を削れる優秀なもの。このカード自身も「セイバー」なので、最低でも1枚は山札を削れる。 もう一つの効果は登場時限定のパワーパンプ。 レベル0帯はまず間違いなくクロックフェイズにクロックに1枚置いてドローを行うので、最低でも2500パワーは期待できる。相打ち程度なら簡単に倒せるが、3500~4000アタッカーを安定して割ることが難しいのが難点。 パワーが安定しにくいのが難点だが、序盤の山札削りを重視するなら採用できるだろう。
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【1日目】 昼休みの音楽室では、ピアノの戦慄が響いていた。 県内屈指の名門進学校の、誰もいない音楽室で、リストの難曲も苦も無く弾き続ける一人の少年――高遠遙一少年。 顔立ちは、取り立てて美少年というわけでもなく、逆に崩れているというほどでもない。 身長も特別高くなければ、普段着る服も目立たない物ばかり選んでいる。 今の制服は規律通りに着用していて、少しも着崩さなかった。 彼はそんな――どこにも飾り気のない、どこにでもいる地味な生徒だった。 ただ、一目見て秀でている点と言えば、細長い指先だろうか。 目で追うのは困難なほどに優雅にそれを動かし、鍵盤を叩いていく。 時に激しく……時に滑らかに……。 彼は、古の音楽家たちの遺した芸術を重ね合わせた。 とはいえ、別に、彼もピアノや音楽が好きなわけではない。 ただ、考え事をしたい時には、無意味にピアノを弄んで、孤独な時間を潰しながら何かを想うだけだった。 いつも、ピアノを弾いている時が一番考え事が捗った。 家にはピアノがないので、普段はこうして昼休みや放課後に音楽室を貸してもらうのだ。 「……」 そんな高遠少年の目に映るのは、自らが奏でる音ではなく、奇術の事ばかりである……。 幼心を刺激した不可思議のマジックショー。 おそらく……自らの母である、近宮玲子。 ――彼女のように、大勢の人の視線の先に立り、マジックを披露する事のみが彼の目標であり、目指すものである。 普段の学校の勉強という物にもさして興味はなく、ただ目を通した物が勝手に頭の中で記憶されていくだけでしかない。 自分で掴み取ろうとしているマジシャンの座以外に、願いもない。 強いて言うならば、息苦しい今の家から脱し、マジックの勉強に専念したい程度だが、それもまた今の彼の立場からすればそれはただの我儘でしかない。 欲しい物は、何もない。 しかし、聖杯は彼を呼んだ。 彼は、それについて何とも思わなかったが、ただ、聖杯には興味があった。 それも見識を広げる為、という程度だろうか。 命を奪われるリスクがあるのも承知しているが、別段、それに強く恐怖する事もない。 得た物を使い、ひとまず、その聖杯という物を拝んでみたいという程度の細やかな願いがあった。 彼の奏でる戦慄は普段と何も変わらない。 少しの指の震えもない。 ただ、彼は、これから起きる出来事への期待と、既に始まっている何者かによる連続殺人事件に……少しだけ、笑った。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ――『地獄の傀儡師』 この異名は、後にこの高遠遙一少年が芸術犯罪を行う時に名乗る事になる名前である。 しかしながら、高遠少年は今現在、犯罪を犯した事もなければ、今後起こすつもりもない。 むしろ、犯罪など、これから先の人生で彼が持っている夢を邪魔する物に過ぎないと考えているくらいだ。 そういうわけで、今のところは、ただマジシャンを目指して邁進し、ステージの上で母と再会する事だけを考えている。 ただ、それもまた、いう程真っ直ぐな夢というほどではない。 他人に聞かれて、こんな夢を語る事もないし、「プロになりたいのか?」と聞かれれば、とりあえず否定をするだろう。 見ず知らずの他人に、夢想家だと思われるのは高遠も嫌いであった。 だが、彼自身は、着々と夢に近づいていた。 小さなマジックショーの中で。 高校のマジック研究会の中で。 父親に隠れながら――。 己の中に眠る、天性の犯罪者としての血は未だ覚醒する事もなく、ただ純粋なマジシャンとしての技量だけが積まれていった。 本当なら、高校など辞めて今すぐ海外で高名なマジシャンに弟子入りしたい所だが、厳格な父親の手前、そうもいかない。 仮にもし、もっと早く弟子入りをしていたら、既に彼はステージの上でデビューをしていたかもしれない程の腕前は、まだ少年の中に隠れていた。 そして、そうしている間にも、どこかにいる彼の母の命と芸術が、一人の弟子によって奪われようとしている事など、彼は知る由もなかった……。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 放課後。 彼は井之頭公園にいた。 考えてみれば、ここも、一昔前、バラバラ死体が見つかり、犯人の正体もわからぬまま公訴時効を迎えた忌まわしい場所だ。 しかし、そんな事件は人々もとうに忘れて、ここを遊び場にしている。子供も立ち入って、当たり前に遊んでいる。 この公園の中央にある大きな池のほとりに高遠遙一は、いた。 彼は最近、ここで小さなマジックショーを行っているのである。 「……はい、じゃあこれでおしまいだよ」 子供ばかりが数名集まり、高遠少年の持つシルクハットに注目する。 今まさに、そのシルクハットの中から現れた大量の鳩が飛び交っている最中であった。 自由の空に飛び交う大量の鳩たちに子供たちの目が奪われている。 果たして、一体あの小さな帽子のどこからあれだけの数の鳩が収まっていたのか……。 そして、先ほどまで空洞だったはずの帽子に、何故鳩が現れたのだろう。 高遠少年のマジックショーのクライマックスに相応しい大がかりなマジックだった。 マジシャンにとっては基本中の基本とも言えるが、それを目の当りにした子供たちにとっては魔法そのものである。 「すご~い!!」 子供たちの純粋な眼差しと拍手喝采を受ける高遠少年の姿は、満更でもなかった。 こうして人々の前で「不思議」を、演出するのが彼は好きだ。魔術のタネを考え、披露するのは最高の楽しみである。 今もまた、舞台に立つ未来像の為に、人前でマジックを披露する練習をする。 純粋であるがシビアでもある子供たちは、その為の最適なデータをくれる。 彼はこうして、トリックで人を欺くのが好きで――同時に、マジックの好きな子供というのも嫌いではなかった。 高遠が、ニヤリと笑う。 「え――!?」 次の瞬間――子供たちが釘漬けになっていた空の鳩たちは、一斉に赤い薔薇の造花へと姿を変えた。 羽音さえも同時に消え去り、そこにいた鳩たちは元々、薔薇の化身だったかのように消えたのである。 全く、不可思議な現象であった。 「どうなったの……?」 そして、それは、まるでパラシュートで落下するように、ひらひらと、子供たちの手の上に落ちていった。 まるで子供たちの位置まで計算され尽くしていたかのようである。 今度は、歓声よりも、何が起こったのか瞬時に理解できず、困惑する声の方が大きかった。 今の鳩たちは消えてしまったのだろうか……? 子供たちの中には、そんな後味の悪ささえ残した者もいたが、誰かの拍手が鳴ると同時に、他の子供もつられて拍手をした。 そして、彼らは消えた鳩の事など忘れた。 手元にある赤い薔薇がそれの化身でないのは確かだろうと思いながら……しかし、またこれが鳩になるかもしれないと思い、ぎゅっと握る。 「それは僕からのプレゼントだよ! さあ、優しいお母さんがいるお家へお帰り――。 ……この近くには、怖~い殺人鬼がうろついているみたいだからね」 優しい高遠の言葉に、子供たちは純粋に微笑みながら、「うん」と頷き、その場から去って行った。 また、この場所でマジックをする高遠少年と会える事を望むだろう――。 「……」 高遠少年は、その背中を見送った。 これでショーは終わりだ。 「――さて」 優しき少年の表情が、冷徹な聖杯戦争のマスターへと変わったのは、それからすぐの事だった。 公園で今のマジックショーを覗いていた一人の、髪の長い少年――。 彼こそが、高遠が出会った『サーヴァント』の『セイバー』の仮の姿である。 「……セイバー、何か言いたそうだね」 セイバー――として現れたのは、少年の姿を象った『ウイングマン』であった。 高遠少年とは相反する善なるサーヴァントと言って良い。 ただし、それもまた真名とはいいがたい仮の名前であり、実際はドリムノートによって実体化された一人の少年の「記憶」である。 本当のウイングマンの変身者である広野健太は全てを忘れて、戦いに巻き込まれなかった普通の少年として暮らしている。 彼の姿と記憶だけを借りたセイバーは、言って見れば、健太をかつてウイングマンにした『ドリムノート』という不思議なノートそのものであった。 「マスターも、子供にだけは優しいんだな……と思ってさ」 「善良な観客は、最大限持て成すのが、プロのルールだからね。それを真似ただけだよ」 苦笑しながら、マジック道具を片づける高遠。 セイバーも、高遠を見直してはいたが、この少年の本質的な問題点が変わっていない事だけは理解していた。 彼と組んで以来、その常軌を逸した独特の感性に、セイバーも気圧されてばかりいる。 彼自身は、聖杯戦争を楽しんでいる――。 この戦争の行く先に言い知れぬ期待を持ってここにいるのだ。 高遠が、セイバーに訊いた。 「セイバー。……どうだった? 僕のマジックショーは――」 「どうしてオレにそんな事を聞くんだ?」 「他に訊く相手もいないし、英霊であるセイバーの感想が聞いておきたいんだ。 それに、僕の事を好んでいないセイバーなら、より厳しい感想を口に出来るだろうから」 そう言われ、少したじろいでから、セイバーは答えた。 「マスターには、魔術の素養もなく、オレの宝具の力を使ったわけでもないんだろ? だけど、マスターのマジックは、まるで魔法のようだった……一体、どうやったんだ?」 「……そうか。英霊すらも騙す事が出来て光栄だよ」 そう言う高遠の瞳は渇いていた。 言葉とはまるで正反対の態度である。何か物足りなく思っているようだった。 褒められてもこの態度だが、おそらく、望んだ通りの厳しい感想を口にしたとしても、つまらなそうに回答するのだろう。 それから、高遠は、怜悧な表情を崩さず、言った。 「……じゃあ先に帰っていてくれ。 僕は、ここでもう少し――月を見ているよ」 「……」 「……ああ、ごめん。訊かれた事にこたえてなかったね。 でも、悪いけど、マジックの種だけは教えられないんだ」 そう言って、高遠は困ったように笑った。 「それは……わかってるよ。余計な事聞いて悪かった。 でも、まだ月が見えるには早いんじゃないか……?」 「――ああ。 ……だから、あの月が煌々と輝く時まで、あの月を見ていようと思ったんだ」 そう不思議な事を言いながら、空を見上げる高遠。 セイバーは、そんな彼の命令には逆らわず、ただその場から去った。 夕方の月は、夕日の輝きに負けて、空の中では薄く輝いていた。 聖杯戦争の本格始動まで、あと僅か……。 ようやく始まる――月を眺める高遠の中で、そんな予感がした。 【クラス】 セイバー 【真名】 ウイングマン@ウイングマン 【属性】 秩序・善 【ステータス】 筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A+ 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 ただし、ウイングマンの場合、サポートメカの『夢仕掛けの天馬(ウイナア)』の騎乗が可能であり、ウイナアをウイナルドに変形させる事も可能。 【保有スキル】 戦闘続行:B 名称通り戦闘を続行する為の能力。 決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。 忘却の英雄:B 人類史の中でその名が記録されていない英雄の性質。 かつて、広野健太が『夢想の備忘録(ドリムノート)』に記憶を消去した為、ウイングマンの存在は忘れられている。 これにより、サーヴァントの真名が知られた差異、対策を練る事が困難となり、真名を明かすリスクが軽減される。 彼の宝具の中でも、存在が記録されている物は、『夢想の備忘録(ドリムノート)』のみである。 【宝具】 『夢想の備忘録(ドリムノート)』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:∞ 書き記した事を現実にする事ができる、異次元世界「ポドリムス」のノート。 ドリムペンを使い、かつ本当にそれを夢見て書きこんだ内容のみが現実世界に反映される。ただし、基本的には他者を生き返らせる事などは不可能。 唯一それを可能とした例は、ドリムノートの全ての項目をドリムイレイザーで削除して、「アオイを生き返らせたい」という強い願いを全てのページに描きこんだ際の事であり、これによりかつてドリムノートの記憶は三次元世界から忘れ去られた。 (ただし、この例また奇跡の産物に近く、実質的には武装強化など用途が限られる事になる。) ウイングマン自身がこの『夢想の備忘録(ドリムノート)』の産物であり、この宝具を破壊(もしくはウイングマンに関するページが削除)された場合、サーヴァント自身が消失する事になる。 『悪裂の夢戦士(ウイングマン)』 ランク:B 種別:対人宝具(自分) レンジ:- 最大捕捉:- かつて、『夢想の備忘録(ドリムノート)』によって発現されたセイバーの真名。「悪・裂!ウイングマン!」の掛け声と共に解放される。 長剣クロムレイバーなどの武具を装備し、ファイナルビームやデルタエンドなどの必殺を持つ事ができる。 三次元世界においてウイングマンの姿を実体化できるのは、いかなる魔力を持つ者が利用しても十分間が限度である。 ただし、かつてウイングマンを誕生させた広野健太の姿を借りる事で長時間の実体化も可能であり、この場合は身体能力は著しく低下する。 『夢仕掛けの天馬/夢仕掛けの機人(ウイナア/ウイナルド)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1~50人 『夢想の備忘録(ドリムノート)』から誕生したウイングマンのサポートメカ。 攻撃能力は無いが、陸上はもちろん海中・水中でも行動が可能、さらに異次元(ポドリムスしか行かないが)への出入りも可能。 ビームサイザーやウイザービームなどの武装を持ち、サーヴァントが拘束された際に補助攻撃を行う事もできる。 そして何より、これは『夢想の備忘録(ドリムノート)』が存在する限り、何度破壊されても再度呼べば再臨する宝具である。 【weapon】 『夢想の備忘録(ドリムノート)』 『長剣クロムレイバー』 【人物背景】 かつて、ヒーローオタクの少年・広野健太がドリムノートに描きこみ、健太が変身したヒーローの姿。 原作の「ウイングマン」に登場するウイングマンには人格は存在しないが、ポドリムス人あおいの中に内在するウイングマンの記憶を元にドリムノートと共に、英霊として複製されている。 普段は、かつてウイングマンに変身した「広野健太」という少年の姿を借りるが、彼自身は三次元人でもポドリムス人でもない、ただの「広野健太とウイングマンの記憶を模して描き起こされた存在」である。 サーヴァント自身もその事を認識している為、健太よりも少しドライで冷静な面があるが、やはり健太の性格を強く引き継いでいる。 【サーヴァントとしての願い】 ヒーローとして、この世界の人間を守り抜く事。 【マスター】 高遠遙一@高遠少年の事件簿 【マスターとしての願い】 特になし。しかし、一つの経験として聖杯を手に入れたい。 【weapon】 『マジック道具』 普段、高遠が自らの身体に仕込んでいる様々なマジックアイテム アタッシュケースに入れて必要時に持ち歩いている物の他、いつでもショーが披露できるように体にも幾つかのマジックのタネを用意して生活している 【能力・技能】 天才奇術師・近宮玲子の血を引き継いでおり、当人もマジシャンを志している為、魔法と見紛うような奇術を披露できる。 高度な知性を持ち、名門進学校の秀央高校に入試全科満点で合格している。それに加え、授業を聞いていなくても一通りの授業内容を理解できる天才児。 ピアノも悠々と弾きこなすほか、校内で発生した殺人事件を解決する事もある。 【人物背景】 秀央高校一年生。マジック部に所属している。 天才マジシャン・近宮玲子の息子であるが、現在は義父の元で暮らしており、母とは幼い頃に一度会ったきりである。 成績優秀で、県下の名門高校を全教科満点で合格している他、ピアノの腕も見事。 将来は母と同じマジシャンを志しており、普段は井ノ尾公園で子供を相手にマジックのパフォーマンスも行う。 しかし、彼は同時に感情も殆ど空っぽであり、人が死んでも、あるいは殺したとしても何とも思わない(とはいえ彼なりの秩序や美学は持ち合わせている為、無差別殺人は行わない)。 後に、「地獄の傀儡師」と名乗る連続殺人鬼になる前の高遠であり、この時点ではまだ誰一人として殺害していない。 ※「金田一少年の事件簿」のキャラクターであるが、出典となる外伝「高遠少年の事件簿」の設定では一部、原作との矛盾がある。 【方針】 聖杯に興味がある為、他の陣営を倒して聖杯を得る。 ただし、無差別殺人などは行わず、ターゲットも基本的にはサーヴァントに絞る。 候補作投下順 Back セラ&ランサー Next ビスケット・オリバ&アサシン
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台車で回収されるクラウドさん 台車で出荷されるクラウドさん 台車で運ぶのはティーダさん 台車で運ぶのはバイトニングさん 大量出荷クラウドさん 不良品混じりクラウドさん さりげなく混じるティーダさん やめなよ!やめなよ!やめなよ!やめなよ! クラウド工場(髪) クラウド工場(剣) 出荷 増殖 台車で回収されるクラウドさん っ |ヽ∧_∧_∧_∧_∧_ ガララララ _∧/|つ.ゝ __\_\_\_\_\. 二三/__ ||´・ω・`| >`| >`| >`| >`| > 二三< |´;ω;|| ./  ̄ ̄ 、ヽ .、ヽ 、ヽ .、ヽ 、ヽ. 二三/ヽ○==○└二⊃ |∪. |∪ |∪ |∪ |∪ 二三/ ||_ | ヽ⊃ー/ノー/ノー/ノ.-/ノ -/ノ 二三し' ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) 台車で出荷されるクラウドさん っ |ヽ∧_∧_∧_∧_∧_ ガララララ _∧/|つ.ゝ __\_\_\_\_\たりない/__ ||´・ω・`| >`| >`| >`| >`| > 二三< |´;ω;|| ./  ̄ ̄ 、ヽ .、ヽ 、ヽ .、ヽ 、ヽ. 二三/ヽ○==○└二⊃ |∪. |∪ |∪ |∪ |∪ 二三/ ||_ | ヽ⊃ー/ノー/ノー/ノ.-/ノ -/ノ 二三し' ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) 台車で運ぶのはティーダさん |ヽ∧_∧_∧_∧_∧_たりないヽ∨ .ゝ __\_\_\_\_\たりない彡ハミミミゝ ||´・ω・`| >`| >`| >`| >`| > 二三 ||・`ω・´|ミ./  ̄ ̄ 、ヽ .、ヽ 、ヽ .、ヽ 、ヽ. 二三/ヽ○==○└二⊃ |∪. |∪ |∪ |∪ |∪ 二三/ ||_ | ヽ⊃ー/ノー/ノー/ノ.-/ノ -/ノ 二三し' ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ガララララ 台車で運ぶのはバイトニングさん 光速で回収完了 |ヽ∧_∧_∧_∧_∧_820円 /7フ\ ゝ __\_\_\_\_\GET ,/////l i ||´・ω・`| >`| >`| >`| >`| > 二三/|ο _οlぃ ./  ̄ ̄ 、ヽ .、ヽ 、ヽ .、ヽ 、ヽ. 二三/ヽ○==○└二⊃ |∪. |∪ |∪ |∪ |∪ 二三/ ||_ | ヽ⊃ー/ノー/ノー/ノ.-/ノ -/ノ 二三し' ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_)) ̄ ̄ ̄(_))ガララララ 大量出荷クラウドさん \やめやめやめやめやめやめやめやめやめやめなよ/ |ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_ ゝ __ゝ __ゝ __ゝ __ゝ ___ゝ __ゝ __ゝ __ゝ __ゝ __\ ||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・`| > /  ̄ /  ̄ ̄/  ̄ ̄/  ̄ ̄/  ̄ /  ̄ ̄/  ̄ ̄/  ̄ /  ̄ /  ̄ ̄ 、ヽ _______ └二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃ |∪=| |─── / ヽ⊃ーヽ⊃ー/ヽ⊃ー/ヽ⊃ーヽ⊃ー ヽ⊃ー/ヽ⊃ー ヽ⊃ー ヽ⊃ー ヽ⊃ー/ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ 不良品混じりクラウドさん \やめやめやめやめ肉壷やめやめやめやめやめなよ/ |ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_ ゝ __ゝ __ゝ __ゝ __ゝ ___ゝ __ゝ __ゝ __ゝ __ゝ __\ ||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´^ω^||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・`| > /  ̄ /  ̄ ̄/  ̄ ̄/  ̄ ̄/  ̄ /  ̄ ̄/  ̄ ̄/  ̄ /  ̄ /  ̄ ̄ 、ヽ _______ └二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃ |∪=| |─── / ヽ⊃ーヽ⊃ー/ヽ⊃ー/ヽ⊃ーヽ⊃ー ヽ⊃ー/ヽ⊃ー ヽ⊃ー ヽ⊃ー ヽ⊃ー/ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ さりげなく混じるティーダさん \やめやめやめやめ削除やめやめやめやめやめなよ/ |ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧__∨_|ヽ_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_|ヽ∧_ ゝ __ゝ __ゝ __ゝ __ゝ ミミゝ __ゝ __ゝ __ゝ __ゝ __\ ||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||・`ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・||´・ω・`| > /  ̄ /  ̄ ̄/  ̄ ̄/  ̄ ̄/  ̄ /  ̄ ̄/  ̄ ̄/  ̄ /  ̄ /  ̄ ̄ 、ヽ _______ └二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃└二⊃ |∪=| |─── / ヽ⊃ーヽ⊃ー/ヽ⊃ー/ヽ⊃ーヽ⊃ー ヽ⊃ー/ヽ⊃ー ヽ⊃ー ヽ⊃ー ヽ⊃ー/ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ ̄`´ ̄ やめなよ!やめなよ!やめなよ!やめなよ! ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧ <やめなよ!やめなよ!やめなよ!やめなよ!やめなよ!やめなよ!やめなよ!やめなよ! > ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨ 、 、 、 、 、 /っノ ∧/| /っノ .∧/| /っノ ∧/| /っノ ∧/| /っノ ∧/| / / / ̄ / / / ̄ / / / ̄ / / / ̄ / / / ̄ \\< | \\< | \\< | \\< | \\< | クラウド工場(髪) / /| / / | ゴウンゴウン __ __ .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |ヽ∧_ / __\ / __\. |. | ゝ __\. ||´・ω・`|| ||´・ω・`|| | .| ||´・ω・`| > _/  ̄ ̄ 、ヽ__/  ̄ ̄ 、ヽ __|. | /  ̄ ̄ 、ヽ └二⊃ |∪ └二⊃ |∪ |. | └二⊃ |∪ ヽ⊃ー/ノ ヽ⊃ー/ノ |. | ヽ⊃ー/ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ クラウド工場(剣) / /| / / | ゴウンゴウン |ヽ∧_ |ヽ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |ヽ∧_ ゝ __\ ゝ __\. |. | ゝ __\. ||´・ω・`| > ||´・ω・`| > | .| ||´・ω・`| >_/  ̄ ̄ 、ヽ__/  ̄ ̄ 、ヽ __|. | /  ̄ ̄ 、ヽ _______ ____ └二⊃ |∪ └二⊃ |∪ |. | └二⊃ |∪=| |─── / ヽ⊃ー/ノ ヽ⊃ー/ノ |. | ヽ⊃ー/ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 出荷 _______.__._ _ |ヽ∧_∧_∧_∧_∧_ , '"――――‐ , '"――ヽ`i 1 ゝ __\_\_\_\_\ ./ 彡ハミミミゝ .//~ ̄ ̄l.|.| | || ||´・ω・`| >`| >`| >`| >`| > ..i ||・`ω・´|ミ .i ! i |.| | | ./  ̄ ̄ 、ヽ .、ヽ 、ヽ .、ヽ 、ヽ.[;]__!_っ⌒'と ).0[;]l |. r‐_,.-'..|.| | | 二⊃ |∪. |∪ |∪ |∪ |∪ ~l、二二二二二ノi.'ー''"~.....__.|.i | |lー‐―i iー‐―i iー‐―i iー‐―l i|. .li -.., ___ ,..- iコ .. __~_!i_| |l__!_!__!_!__!_!__l__!| l!_} ≡≡ {_」;i.. ' /⌒ヽヽll !=イ二li, ''"⌒)二/_/ ⌒ヽヽ(ニ(]. {i=i l=[二]=l i=i 」 |i.(*).i;;;;| lii□□ l`ー-''"; |;;;;;;|ii.(*) i;;;|  ̄ ̄ゞ三ノ ̄ ̄ ̄ゞ_ノ ̄  ̄ゞゞ三ノ~  ̄ゞゞ_ノ~ ≡3 増殖 リボソーム↓ |ヽ∧_ |ヽ∧_ ゝ __━━━ゝ __\ ||´・ω・`| ━━ ||´・ω・`| >←細胞核 /  ̄ ̄ ━━━ ̄ ̄ 、ヽ _______ └二⊃ ━━━━⊃ |∪=| |─── /←ミトコンドリア ヽ⊃ー/ノ━━━⊃ー/ノ ←ゴルジ体 ̄  ̄`´ ̄  ̄`´ ̄ |ヽ∧_ |ヽ∧_ ゝ __\ ゝ __\ ||´・ω・`| > ||´・ω・`| > 増殖やめなよ /  ̄ ̄ 、ヽ /  ̄ ̄ 、ヽ 増殖やめなよ └二⊃ |∪ └二⊃ |∪ ヽ⊃ー/ノ ヽ⊃ー/ノ  ̄`´ ̄  ̄`´ ̄ 上へ
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【名前】 カメンライド クロスセイバー 【読み方】 かめんらいど くろすせいばー 【英語表記】 KAMENRIDE XROSSSABER 【登場作品】 仮面ライダーアウトサイダーズ 【分類】 ライダーカード 【種別】 カメンライド 【所有者】 不明 【詳細】 ライダーカードの1枚。 仮面ライダークロスセイバーの力がこめられる。 『仮面ライダーアウトサイダーズ』ではゼインカードなるアイテムとして登場。 ゼインドライバーへインストールし、破棄されることで能力の発動が可能。 仮面ライダークロスセイバーの持つ刃王剣十聖刃を再現し、必殺の攻撃を繰り出す。