約 3,080,449 件
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/50168.html
(タマシード名)《アカシック・レコード》 (レアリティ)VR (文明)水 (コスト)3 タマシード:ジ・アンサー ■このタマシードはこのタマシード以外の効果でバトルゾーンを離れず、ゲーム中2枚以上出せない。 ■自分のターンのはじめにカードを1枚引く。 ■自分がゲームに負ける時、このタマシードを破壊してもよい。そうしたらこのターン、相手はゲームに勝てず、次の相手のターンの始めに自分はゲームに負ける。 ■このタマシードが破壊された時、次の中から1つ選ぶ。 自分の手札からコスト9以下のクリーチャーをコストを支払わずに出す。 自分の手札からコスト9以下の呪文をコストを支払わずに唱える。 自分の手札からコスト9以下になるようにタマシードを好きな数コストを支払わずに出す。 作者:かき
https://w.atwiki.jp/seadra-library/pages/117.html
あいたたた・・・。 私は工房でゲン爺の手当てを受けていた。 傷口に薬を塗ってもらい、ガーゼを当てて絆創膏で止めてもらう。 「こうしてお嬢の手当てしてやんのもよォ、随分久方ぶりの事だあな」 そういえばそうだねー。 一緒に船に乗ってた時は頻繁に獰猛な海洋生物や海賊や軍船とのバトルがあったんで、私はよくゲン爺に手当てを受けてた。 「10年も寝かされててよォ、ちったぁ大人しくなったかと思いやぁこれだもんよう」 へっへっとゲン爺が苦笑する。 あはは、私はずっと私。変わんないよ。 その時、誰かが後ろから座って手当てを受けている私の頭をペチンと軽く叩いた。 イタ。 振り向くとキリコがいた。 「・・・見てたわよ、さっきの。なぁに?あのお粗末な戦い方」 キリコに言われて私はウッ、と言葉に詰まった。 「色々考えてたのはわかるけど、まずは負ければ終わりっていう事を自覚なさいな」 ・・・・そうなのだ。 私はさっき、右目の包帯を外さなかった。外せなかったのだ。 全力を出して暴れて工房がどうかなってしまったら・・・そんな事を考えていた。 でもキリコの言う通り、負けたらそれどころじゃなかったんだ。 ・・・ごめん。とキリコに謝る。 「私に頭を下げる必要はないわ。・・・それからそっちの2人も」 お弟子さん達に手当てを受けているイブキとアヤメの方を向く。 「戦う事に迷いがあるならでしゃばらず後ろにいなさい」 キリコに言われてアヤメが息を飲んだ。 そして俯いてしまう。 「貴方も手を抜いていたわね」 「・・・やー、ゴメン・・・どうもラーメン好きな奴に本気って出せなくって・・・」 たはは、と苦笑したイブキが鼻の頭を指で掻いた。 三銃士エリックってラーメン好きなんだ? うん、とイブキが頷く。 「アイツは味噌も醤油もどっちもイケるんだけど、醤油の方がより好きみたい。それも透き通っているのにまろやかなコクのある魚介系スープが特に好みね。カタクチイワシでダシを取ったスープがベスト。麺の好みは細麺固め。トッピングは木耳と味玉」 ・・・・って、知り合いなの? ううん、と今度は首を横に振る。 「初対面よ。私、そいつのラーメンの好みって目見ただけで大体わかるから」 凄い特技だな!!!!!! 「ちなみにあなたはコッテリの豚骨スープが好みね。太麺にチャーシュー増し、ネギ増し、メンマ抜き」 「・・・う、当たってる・・・」 これには流石のキリコも怯んだ。 一夜明けてオフィス。朝食の席。 「・・・・・で、何でエンジン見に行って怪我一杯して帰ってくるのよ」 じーっとえりりんが私を睨む。 私は乾いた笑い声を出しつつ視線を逸らした。 まいったなー、いらない事言って心配させたくないんだよなー。 ・・・や、ちょっと・・・暴れゴリラが出て・・・。 我ながら苦しい。 「・・・暴れゴリラ!? 物騒ねぇ・・・どこから迷い込んだのかしらね。気をつけなさいよホントに」 しかし通じた!! 私はそんなやり取りを眺めながら無言で食事を取っていたシンラの方を向いた。 オババってどうなったか知ってる? 昨夜は気がついたらいなかったんだよね。 「電話があった。誰かにとり憑いたからしばらく帰らないって」 とり憑いた・・・・。 「それで、今日も工房に行くの?」 えりりんに問われて私はうん、と頷いた。 昨日の今日でとは思うけど、念の為にね。 一応三銃士にはキリコが見張りを付けてくれてて、動けばすぐに連絡が来るようにはなってる。 「聞いたよ聞いちゃったよオジさん。なんか早速派手にやったらしいじゃないのよ銃士隊の連中とさ」 表に出た所でスレイダーのおっさんに声をかけられた。 だってさー、絡んでくるんだもん。 「まあしょうがないよね、連中その為に来てるんだからね。やらかす気なら声かけなよ。しとりんちゃんとか海里とか加勢すっからさ。オジさんは後ろで応援してるよ」 どうせうちは小国で他に頼ってる部分ないし、共和国に睨まれても構やしないんだ、とおっさんは笑った。 さんきゅー、と親指をビッと立てる。 そして何事も無く2日が過ぎ、3日目も夜になった。 私は工房でえりりんの作ってくれたお弁当を広げていた。 今日もイブキとアヤメは来てくれてる。 何となく関わってしまって放っておけないらしい。 ひょいと脇から手が伸びてきておかずを1品さらっていった。 「あら、美味しいササミフライ」 キリコだった。 むー・・・とんなよぅ。 文句を言ってやろうとしたその時、突然表から大音量でオーケストラの勇壮なマーチが流れてきた。 !!?? ・・・・ちょっと何事!!!!?? 皆で表へ飛び出す。 そして私たちは揃って絶句した。 町の上空に巨大な飛空船が浮かんでいる。 ライトアップされたその威容はまるで空に浮かんだ城砦だった。 「・・・・・エイブラハム。共和国最大の蒸気式機動戦艦ね」 1人普段通りの調子でキリコが言う。 『ハーッ!! ハーッハッハッハ!!! ごきげんよう!!親愛なるアンカーの町の諸君!!!』 演奏に負けないくらいの大声が響く。 飛空船の縁に大柄でゴツいタキシードのオッサンがいた。 あれは・・・確か・・・・。 『これは、ささやかではあるが、私の来島記念品だ。受け取ってくれたまえ!!!!』 船がゆっくりと町の上空を旋回しながら何かをバラバラとばら撒き始めた。 私達の頭上にもそれがいくつかゆっくりと落ちてくる。 それは小さな落下傘の付いた白い布袋だった。赤いリボンで口が閉じてある。 開けてみると中には可愛い熊のヌイグルミが入っていた。 「こっちはワインね。いい銘柄よ、これ」 キリコも一つ袋を開けていた。 「デザイナーズブランドのシルクの婦人用手袋」 「ローラースケートです」 イブキとアヤメも袋を開けてみて言う。 カードが添えてある。 『愛を込めて ジェイムズ・アレス』 ・・・・・やっぱり・・・・・・。 大統領だ・・・・。 町はすぐに大騒ぎになり、人々は喧騒の中空から降ってくる袋に手を伸ばし続けた。 「フゥハハーッ!! どけぇい!! 木っ端町人どもがぁーッッ!!!」 あー民子さんの声が聞こえるよどっかから・・・・。 その時、ガシャンガシャンと重たい金属音や蒸気の噴出音が聞こえて私たちはそっちを見た。 「・・・・よぉ、また来たぜ」 背後に残りの銃士達と、背部に蒸気エンジンを搭載した2m以上ある無数の鎧を従えたカミュがそこにいた。 ちょっと、上のやかましいオッサン、お宅のボスじゃないの? そう言うとカミュがげっそりした顔をする。 「言うんじゃねぇ・・・・バトってる間くれーは忘れてたいんだ。あの祭好きオヤジが・・・・」 ふーっと重たいため息をつくカミュ。 すっとアヤメがシグナルの前に出た。 「今日は私がお相手仕ります」 「・・・・いいだろう」 シグナルが魔剣ローレライを抜く。 エリックとルノーの前にはイブキが立ちはだかった。 「お嬢さんとDDが今日の我々の相手ですか」 イブキがニヤリと笑って首を横に振る。 「私のパートナーは別にいるわ。言っておくけど今日は先日とは一味違うわよ!」 それは楽しみですね、とエリックが余裕の笑みを浮かべる。 「・・・で、もう1人はどこかいな」 ルノーが言ったその時、背後から風切り音がした。 「・・・・・・!!!」 飛来する何かをルノーが納刀したままの鞘で受ける。 何かが鞘に巻きついて背後の何者かとルノーの間でビン、と張った。 「・・・・・誰だお前」 ルノーが眉をひそめる。 ・・・鞭だ。 背後の人物がゆっくり街灯の下へ出てくる。 「・・・・アタシかい? アタシはね・・・・」 街灯の光に照らされて褐色の肌とブロンドが浮かび上がる。 「ラーメン食べに舞い戻って来た、ただのサソリさ」 そう言ってキリエッタは不敵に笑って見せたのだった。 第4話 3← →第4話 5
https://w.atwiki.jp/seadragon/pages/30.html
シードラゴン島の先住種族。頭部に角を持つ亜人種。強靭な肉体と豪腕で知られている。 南西の荒野を抜けた先にある谷にオーガの集落が存在している。
https://w.atwiki.jp/seedkyua/pages/83.html
概要 プラント王国とオーブ王国の間に存在する遺跡。 かつて国どころか人と神、種さえも超えた絆があったことを示す場所。 その地の存在を知る者はもうおらず、今は二つに分かれたこの世界の名として使われている。 詳細 二つの力の均衡を保つ役割を持っている。
https://w.atwiki.jp/eldersign/pages/507.html
爆発する種子をばら撒き、3ターン後に地上全てを無差別に攻撃する術式 ステータス 効果 攻撃 属性 炎熱 タイプ トリガー ターゲット 遠全味敵地 ソース 攻撃 対象 HP 起動条件 3ターン後 レベル 係数 反復 命中 クリティカル ディレイ 隙 リキャスト Lv1 150 1 100 5 2400 100 10 Lv10 属性強化 状態変化 ファミリー 所持モンスター シムルグ(限定) コメント 名前 コメント 攻撃 炎熱
https://w.atwiki.jp/seadra-library/pages/87.html
夜も明けきらない内から表の喧騒に叩き起こされる。 しかしこの時期ばかりはそれを怒る者はいない。 ・・・・この島で「その日」を迎えるのは初めてだが、どこでも変わらないものだな。 その日、女神アリエル聖誕祭は明日に迫っていた。 既にお祭り騒ぎは始まっている。 連日のパレードに出店に街頭芸に、ありとあらゆる催しのオンパレードだ。 今日はエリス達と一緒に祭りを回る約束になっている。 皆、楽しみにしているようだ。 私も今だけは他の事は忘れて楽しむ事にしよう。 ・・・・それが終れば、我々に待っているのは戦いなのだから・・・・。 昨日の事を思い出す。 ノワールでの事だ。 私はそこに仲間達を集合させていた。 我が家のエリス、DD、ルクシオン、シンラ。 カルタス、サイカワとひぢり夫妻、イブキ、テトラプテラ女王、ハイパーココナッツ伊東。 シンクレア、七星の3人・・・オルヴィエ、ゲンウ、コトハ。 スレイダー、シトリン、カイリ。 アヤメとジュウベイ。 そして高クラーケン。 ・・・・いや、高クラーケンには声かけてないんだけどさ・・・・。 そして集まった情報から、シャークの恐るべき計画の全容が明らかになった。 彼らが企んでいるのは武力によるクーデター、アンカーの制圧であった。 祭りの混乱に乗じて市の重要施設を占拠し、旧運営陣を捕え、運営組織の解体を認めさせ自分たちの王国の誕生を宣言する。 「『自分たちはぐれ者達の王国を築く』というのがヴァーミリオンの謳い文句だ。シャークの者どもは皆このフレーズに共感し心酔しておる。最早、狂信者達の集団と言ってもよい」 そうゲンウが言う。 わざわざ祭りの日を選んで決行する理由については・・・。 「当然世界中へ労せず自分たちの成し遂げた『偉業』を喧伝する為じゃ。また大勢の人で溢れかえる聖誕祭の日を狙えば警備に当たっているうぐいす隊の面々が満足に身動きが取れまいという戦略的理由もあるようじゃの」 愚かな事じゃ、と女王。 そして彼らの規模と現在の潜伏先は・・・。 「オジさんも知らなかったんだけど、この町って遺跡の上に作られた町なんだよね。んで、遺跡の地下一層にある水路がそのまま町の排水設備として利用されてるわけ。遺跡はかなり広大で全部で6層構造になってるみたいだよ。シャークの連中の大半はこの遺跡の2層と3層に潜伏してる。相当金かけて内部を『整備』したみたいだねぇ。2,3層はもう快適な生活空間に作り変えられてるって話さ。人数はざっと800人てとこだね現在ね」 スレイダーの言葉に戦慄する。・・・こちらの考えていた倍以上の規模だ。 しかしそれだけの人数に必要な食料や物資が町から流れれば不審に思う者が出そうなものだが・・・。 「それなんだけどさ、食料とかは町から出てないね。多分遺跡には町の外から出入りできる入り口がどっかにあるんだと思うよ。必要な物資は島外から船で運びこんでその入り口を通して持ち込んでるんだろうねぇ」 「聞けば聞くほど途方も無い話ですね」 サイカワが難しい顔をする。 「もうチンピラ集団相手にするつもりじゃヤバいわね。軍を相手にするつもりでやらないと」 皆に飲み物を出しつつ、そうシトリンが言う。 「決起の時には、そ奴らが地下から一斉に地上に沸いて出てくるわけだ。しかも拙者らはただ倒せば良いというわけではない。騒ぎになってしまえば一気にこの町の自治は危うくなる」 「ファーレンクーンツのアレス大統領なんて特にこの町を四王国管轄下に置く事にご執心だしねー」 ゲンウの言葉にそうオルヴィエが応じる。 彼らが言うにはファーレンクーンツのアレス大統領が自治反対派、ツェンレンの獣王アレキサンダーとルーナ帝國の皇帝シュルツ三世が中立、エストニア森林王国の妖精王ジュピターが賛成派なんだそうだ。 大きな騒ぎが起きて被害が出れば、四王国会議はこの町の自治の終焉と自分たちによる統治を決定するだろう。 しかし、騒ぎにしたくないのなら奴らが地下から来るのは好都合だ。 地下にいるうちに叩く。 地下一層水路を主戦場としよう。 この場にいる面子で800人か・・・。 皆済まない、こんな話に巻き込んでしまって。 私のその言葉に、皆は顔を見合わせてくすりと笑った。 「誰か巻き込まれた人っている?」 イブキがそう言うと皆は首を横に振った。 「私は好きでここにいんの、ウィリアム軍団だし!」 そう言うオルヴィエにコトハが抱きついた。 「せんせー大好き軍団だもんねー」 「別に僕はウィリアムなんかどうでもいいけど、でもこの町を荒らす奴は放っておけない!」 ふん、とカイリがそっぽを向いた。 反抗期なのよねー、とシトリンがそのカイリの頭を撫でている。 「私の目的はビャクエン老人ですが、それ以外の所でも全力で皆様のお役に立ちたいと思います」 アヤメが微笑む。 よし・・・。 ガタン、と椅子を鳴らして立ち上がる。テーブルに両手をついて前傾姿勢で皆を見る。 私たちは聖誕祭の日にシャークと対決する。主なメンバーはシャークの頭ヴァーミリオン、それに三隊長トーガ、ビャクエン、キリエッタだ。 ビャクエンの名前が出た時にアヤメが、キリエッタの名前が出た時にイブキがそれぞれ微かに緊張するのがわかった。 皆、死なないでくれ・・・・私の言いたいことはそれだけだ。 その言葉に全員が力強く肯いた。 明るい日差しの下で催しを見て回り、露店であれこれと買い物をする。 女の子は元気だ・・・つくづくそう思う。 今もエリス達は賑やかに露店を見て回っている。 年寄りはちょっと退避させてもらうよ・・・。 雑踏を離れ、壁に寄り掛かって喧騒を眺める。 皆浮かれている。誰もが幸せに楽しんでいる。 アリエルの聖誕祭・・・後に悪神ジエドメルーガを倒してこの世の曙を導いたという女神の誕生記念日。 この日ばかりは皆等しく平等に命と大地に感謝して祝い楽しむ。 どのような大戦であれその日だけは両陣営戦の手を止めて杯を交わして祝うと言われているその日を決起の日と定めたシャーク。 2重にも3重にも穴のあるプランに思えてしょうがない。その場を上手く乗り切ったとしてもすぐ先に待っているのは破滅だ。 ヴァーミリオンの澄ました顔を思い出す。破滅の幻想に酔って突き進むタイプには見えなかったが・・・・。 しかしいくら先の無い幻影から産まれるものであっても、その場で振り下ろされる拳は本物だ。 多くの人々を巻き込んで傷付ける事だろう。 誰かが食い止めなければならない。 その誰かは、今回たまたま私たちだった。 「ウィリアム先生」 呼ばれて気が付く。いつの間にか隣に少女がいた。 先日の公園のホットドッグの少女だ。 こんにちは、と少女が笑っている。 「明日だね、聖誕祭」 そうだね、と肯く。 そして私たちは取り留めの無い話をした。少女はこの町の事をあれこれと私に尋ねた。 「私、この町が好きになったわ。皆優しくて活気があって、凄く素敵」 それはよかった。私もこの町が大好きでね。 明日は素敵な歌声を披露してやってくれ、この町の皆も喜ぶ。 あ、と少女が小さく声をあげた。 そして半分笑って半分怒って口を尖らせた。 「気が付いてたんだ。先生人が悪い!」 誤解だ、気付いたのは数分前さ。 少女が壁を離れた。そして振り返る。 「明日は気持ちよく歌えそう!」 輝くような笑顔を見せて、彼女は手を振って去っていった。 「ちょっと目を離すとまたすぐ女の子と仲良くしてるし・・・」 背後からの声が背筋を氷の刃となって貫く。 恐る恐る振り返ると絶対零度の視線を放ってエリスが私を睨んでいた。 「こんな可愛い連れをほっといてねー。罰がいるよね罰が」 DDが笑った。ああ、あれはネズミを前にした猫の微笑みだ・・・・。 「不誠実なのはいけないと思います。私もこの場にいる者以外に対しては忍耐の許容範囲外とさせてもらいます、ウィリアム」 こういう場所で竜の気を放つのはやめてくださいルクシオンさん。 ただ1人状況について来れないシンラだけがおろおろしていた。 「ホラ行きましょう!おじさまのおごりでお昼ご飯!!」 「あ、それいいねー。エルゴのお店にしよう、あそこ今日レスリーヌビーフのステーキ出すって」 ギャアアアアアアアアアア私の財布に破滅の足音が!!! 私は処刑台に送られる死刑囚の心境で引きずられていった。 そして、翌日。 アンカーの町は、シードラゴン島は聖アリエル誕生記念祭の日を迎えた。 ~探検家ウィリアム・バーンハルトの手記より~ 第23話 ヤマトナデシコ、来島← →最終話 ぼくらの故郷
https://w.atwiki.jp/seadra-library/pages/203.html
「ええ、一度はアンカーの町に着いたんですが、その後気が付いたらここへ来ていまして」 マルーダ長老の家に滞在していたエルフ、パルテリースの話を聞く一同。 「アンカーからここまでか? 気が付いたらってお前さんここはアンカーから高速船でも3日はかかるんだぞ」 何とも言えない表情でオルブライトが言う。 「私、寝相悪いですから・・・」 (そういう問題ではないと思うのだけど・・・) そう思ったものの、セシルはそれを口に出さずに苦笑するに留めておいた。 「・・・兎に角、アンタはアンカーに用事があるんでしょ? しょうがないから乗せてってあげましょうよ、ミスター」 サムトーがそう言うと、オルブライトは「かまわんよ」と了承の意を示した。 「本当ですか? 有難う御座います。ちょうどアンカーへ向かう船が着くのを待っていたので助かります・・・ぐぅ」 また寝た。 突然座りながらこっくりこっくり始めたパルテリースをサムトーが冷静な目で見ていた。 (森の剣神パルテリース・・・普段眠り続ける事で体内にチャクラを蓄えて戦闘時にはそれを消費する事で爆発的に戦闘力を高める特異なスキルを持つ戦士・・・ま、「四葉」のこのコをアンカーへ連れて行って私達のマイナスになるような事もないでしょ) セントコーラル沖2kmの位置に巨大な空母が停泊している。 財団の所有する巨大空母「ニブルヘイム」である。 その空母の甲板に1人の男の姿があった。 財団の軍事部門の最高責任者リヒャルト・シュヴァイツァーである。 シュヴァイツァーは空母の端に立ち、静かに波打つ海面を冷たい瞳で見つめていた。 「・・・下らん」 その口から失望の呟きが漏れる。 「お気に召しませんか、今回のプロジェクトは」 そのシュヴァイツァーに背後から女性の声がかかった。 振り向かずに僅かに鼻を鳴らすシュヴァイツァー。 彼は見なくとも背後にいる自らの秘書にして補佐官ジーン・ディートリヒの存在がわかる。 スーツ姿のジーンの頭部には猫科の動物の耳がある。彼女は半獣人なのだ。 「当たり前だ。・・・4億だぞ。この魚臭い僻地に基地を建造するのにかかる費用が、だ。無駄遣いの極みだな。我らとて無尽蔵の富を所有しているわけではない」 吐き捨てる様に言うシュヴァイツァー。 「しかし、彼の地に戦端を開くに当たって前線基地としてここより最適な場所は無いと・・・」 「それこそが無駄だと言うのだ。件の遺跡にある門とやらがどれ程のものかは知らんが、我らがここまでして奪いに行かなければならないものとは到底思えん。各国が奪い合っているのだというのなら勝者が決まってからその国から奪い取ればいいだけだろう。大体計画の主導が柳生霧呼とエトワールの2人だというのも気に食わん。情報部と財政部め・・・こんな時ばかり結託しおって。何なんだあいつらデキてるのか!!!」 突然叫ぶシュヴァイツァー 「・・・御二人は同性ですが・・・」 「それが何だ!! 同性だってデキてる事だってあるだろう!!」 眉根を寄せたジーンが軽くこめかみを押さえる。 「それに、今回のプロジェクトには総務部も全面的に賛同すると・・・」 「おのれ総務!! ピョートルめ!! あいつも霧呼たちとデキてるに決まってる!!! 前から怪しいと思ってたんだ!!!」 もう何でもデキてしまっている。 ジーンは嘆息して上司の沈静化を諦めると、事務的に報告事項を口にする。 「先程連絡がありまして、『ハイドラ』のリチャード・ギュリオン様がこちらへ向かっておられるそうです。24時間以内に合流の模様」 ジーンの言葉にピタリとシュヴァイツァーは動きを止めると、ガバッと振り返った。 「何だと!? リチャードだと!? あいつ俺とデキてたのか!!??」 「知るかぁ!!!!!!!」 思わずジーンは手にしたファイルで思い切りシュヴァイツァーを殴打してしまった。 「ピロシキ!!!!!」 叫び声を上げてシュヴァイツァーは海に落ちていった。 セントコーラル諸島は、現実には魚人たちの自治区であったが一応の名目上は南部大陸ロトス共和国の領土と言う事になっている。 ロトスとセントコーラルは今まで先祖代々の友好関係を維持して平和に共存してきた。 そのロトス共和国の特使が大統領からの書簡を携えてマルーダ長老の元を訪れたのは、セシルたちが滞在した日の夕刻の事だった。 「・・・なんと・・・」 書簡に目を通した長老が絶句する。 「申し訳ない・・・先程議会で法案が通りまして・・・もう覆せぬのです・・・」 特使は辛そうな表情でただ頭を下げるばかりであった。 「セントコーラルの開発計画とな・・・表向き海洋研究施設とあるが、こりゃ完全に軍事施設じゃのう・・・」 特使はその言葉を肯定も否定もしなかった。 そしてその態度が何より長老の言葉が事実であると物語っていた。 「この地の皆様の事は、妨害が無い限り今まで通りの生活を保障すると・・・」 「財団から圧力をかけられたか」 今度も特使は否定せず、ただ悔し涙を流して俯いた。 その様子を、セシルたちは隣の部屋から伺っていた。 「・・・何だか、大変な話になってきましたね・・・」 セシルが表情を曇らせる。 「こんな所に基地を作るなら、目的はシードラゴン島でしょうね」 「そんな・・・どうにかしないと・・・!」 サムトーの言葉にセシルが顔色を失う。 「まーそうしたいのはアタシも山々なんだけどねぇ・・・」 サムトーが難しい顔をして首を捻った。 (この場の人数ではちょっち手に余る話よね。本部に連絡とって増援回してもらわないとね) サムトーがそう思ったその時、表が俄かに騒がしくなった。 浜辺に何台もの揚陸艇が上陸する。 揚陸艇はどれも鉄骨やその他の資材を搭載している。 そして揚陸艇を降りた財団の兵たちが資材を展開し始めた。 『周辺の住民達に告ぐ。この地に研究施設を建造する為、今より当地は建築基地として利用させて貰う。これはロトス共和国議会の決定である。繰り返す・・・』 拡声器での宣言に魚人達に悲鳴と動揺が広がった。 何人かは兵達に詰め寄っている。 「ど、どういう事なんだ・・・!」 「やめてくれ!! 漁ができなくなれば俺たちはお終いだ!!」 だが財団の兵たちは魚人達に取り合わず、乱暴に追い払うだけだ。 遂に1人の魚人がオールを手に兵達に殴りかかった。 「くそっ・・・!! 出て行け!! お前らっ!!!」 チッと舌打ちした兵が銃口をその魚人へ向けた。 「・・・・・・あ・・・・・・」 セシルが小さく呟いたその時、パン!!と乾いた銃声が鳴り響いた。 撃たれた魚人は倒れて2,3度痙攣するとそれきり動かなくなる。 「・・・と、父ちゃん・・・」 フラフラと魚人たちの一団から子供の魚人が出てくる。 そして動かなくなった魚人の脇へペタリと座り込む。 「うわああああん!!! 父ちゃーん!!!!!!」 既に息をしていない魚人にすがり付いて泣く子を見下ろして、兵がフンと鼻を鳴らした。 「大人しくしてりゃ死ななくていいものを・・・!」 「・・・あいつら」 サムトーが怒りに燃えて1歩前へ出た。 そして気が付く。自分の脇にいたはずのセシルがいない。 いつの間にか、セシルは泣いている子供のすぐ隣にいた。 そして自分も膝を突くとその子をぎゅっと抱きしめた。 「なんだ貴様? 人間じゃないか・・・?」 兵士が訝しげに言う。 セシルが無言で立ち上がる。 そして兵の脇を抜けて海の方へ歩いていく。 「・・・?」 セシルの意図が読めない兵たちはそれを無言で見送った。 ざぶざぶと海に入ったセシルが一台の揚陸艇の前で止まった。 「・・・人の痛みのわからない人は・・・」 ぎゅっと拳を握り締める。 「生きる資格はない!!!!!!!!」 ゴォン!!!!!!!とセシルのパンチでひしゃげた揚陸艇が大きく空を舞った。 そして弧を描いて海に落ち、大爆発して海上に火柱を上げる。 その光景に一瞬絶句した兵たちだが、すぐに気を取り直して一斉にセシルに銃口を向けた。 「・・・・・貴様ぁああ!!!!」 同時にサムトーが飛び出していた。 「・・・あのコ・・・無茶して・・・!!」 しかし言葉と裏腹にサムトーはニヤリと笑みを浮かべる。 「けど悪くないわ!!! 付き合うわよセシル!!!」 そのサムトーにパルテリースが併走していた。 彼女が手にしたレイピアの刀身が冷たく月光を弾く。 「許せない・・・全て斬り捨てる方向で行きます」 怒りに輝く双眸を兵達へと向けて、パルテリースが静かに呟いた。 浜辺は乱戦になった。 とはいえ3人と勝負になる兵はおらず、徐々にその数の優位を失っていく。 「・・・!!!!」 突然襲ってくる兵達の間から強い殺気を感じたセシルが反射的に身をかわした。 ピッとその首筋に赤い筋が走った。 慌ててその傷をセシルが押さえる。 (・・・よかった。血管には届いていない・・・!) 「よくかわしましたね」 ザン!と砂地に誰かが着地した。 スーツ姿に獣の耳。ジーンだった。 その手には鋭い鋼鉄の爪がある。 「ですが次はその頚動脈を切り裂かせて頂きます」 そこにモーターボートでシュヴァイツァーも到着する。 「何だこの騒ぎは!!! お前らデキてるのか!!!!!」 浜辺に鋭いシュヴァイツァーの怒号が響き渡った。 第20話 3← →第20話 5
https://w.atwiki.jp/garougarou/pages/566.html
検索 ロイヤルタキシードパンツ 表示色[黒] パチンコ Copyright(C) GCREST, Inc. All Rights Reserved.
https://w.atwiki.jp/seadragon/pages/62.html
レディ・ダイヤモンドダストがシードラゴン島の探索拠点とした地が発展してできた港町。 代表はエンリケ・ラディオン。 関連項目 ウィリアム何でも相談所 うぐいす隊 ラーメンいぶき ノワール スフィーダの店 シャーク ぱんだ庵
https://w.atwiki.jp/seadra-library/pages/99.html
空に・・・大地が空に浮かんでいる・・・!? ジュウベイと並んで絶句してしまう私。 古代魔法王国期にはそのような魔道の技も存在していたとは聞いている。 しかし現代もまだ空に陸地が浮かんでいる等とは聞いた事は無い。 後ろを振り返る。 陸地はどこまでも続いている。反対側の果てはちょっとここからではうかがい知る事はできない。 これだけの規模の陸地がシードラゴン島の上空にあれば、見上げれば見えるだろうし、島に影も落ちる。 誰も知らない気付かないという事はあり得ないはずだ・・・・。 「いやーぶったまげたわい・・・・。とりあえず何とかして戻る方法を探さなくてはのう」 ようやく落ち着きを取り戻したジュウベイが言う。 「なあに!来れたんだから戻れるだろう! 幸い全員ケガもないしな! がっはっはっは!!」 気を取り直せばジュウベイは楽天的だ。 まあ取り乱されるよりありがたい。 とりあえずはゲートだな。あれを調べてみる事にしよう。 我々があのゲートからここへ来たのは間違いないはずだ。 しかし、それから念入りにゲートを調べてみて得られた結論とは、どうやらこのゲートは朽ちてはいないが稼動もしていないらしい、という事であった。 少なくとも今はここから戻る事は無理そうだ。 丁度私がゲートを調べ終わるのと同時に、空からルクが戻ってきた。 上空から周囲を調べてくれていたのだ。 「草原はこの先で途切れています。柵の様な物がありました」 ふむ・・・・。このまま動かぬゲートの場所に留まってもしょうがない。 そこまで行ってみる事にしようか。 私たち三人は草原をしばらく歩いて柵の場所までやってきた。 なるほど、草原を長い柵が横断している。高さは私の胸のあたりまでの柵だ。 立て札もあるな。何々・・・・。 『ここより先「果て」 危険なので立ち入り禁止』 「果て」とは恐らく大地の境の事だろうな。 柵からしばらく歩くと草原は途切れ、土がむき出しの大地が続いていた。 「・・・お、道があるぞ!!」 前方を伺っていたジュウベイが言う。なるほど、どこからどこへと続いているのかはわからないが道があるな。 私たちが歩いてきた方角を背にしてちょうど左右へと伸びている。 どちらへ向かえばいいものかわからない我々は右へ進んで見る事にした。 それにしても、あの声は一体何だったのだろう・・・・。あの声の主が私たちをこの場所へ呼んだのだろうか・・・・。 「声?」 ルクが怪訝な顔をする。あの朽ちたゲートが発光した時に私を呼んだ女性の声。 どうやらあの声を耳にしたのは私だけだったらしい。まあ、私の名を呼んでいたしな・・・・。 「また女性ですか・・・・ウィリアム」 て、何でおっかない顔で私を睨んでいるのかな・・・・。 「がっはっはっは!! まぁルクよ、そうむくれるでない!! よいか、男にはなぁ、一たび外へ出れば七人の嫁がいると言われておってな・・・・」 間違ってる上にフォローになってねーよ!!!!!! むしろ逆効果だろうが!!!!!!!! 「七人!? ・・・・七人も!!! ・・・・・・不誠実です!!!!!」 ワナワナと震えたルクシオンさん、ジュウベイの顔面に思い切り拳を入れた。 「ヱビス!!!!」 顔面中央にクレーターを作ったジュウベイがぶっ倒れた。・・・・いらん事言うからだ。 ジュウベイを殴り倒したルクが今度はキッと私を見た。 いかんなこれは私も昏倒コースか・・・・と、思ったらルクは私の手をとった。 「・・・今は、これで許してあげます」 私の手を引いてずんずん歩いて行くルク。後ろから見てもわかるくらい耳まで真っ赤だ。 私はと言えば女性と手を繋いで歩いた経験など無いので気恥ずかしい事この上無い。 「微笑ましいのう。がっはっはっは」 起き上がったジュウベイがそんな私たちの後姿を見て小声で言った。 しばらく歩くと、麦畑が広がり風車が見えてくる。 どうやら村があるようだ。 余計な騒ぎにならないように、状況がはっきりするまでは下界から来た事は伏せるようにと二人に言う。 「旅の人がこの村を通るなんて珍しいね! あんたたちも神都へ向かってるのかい?」 話しかけたおばさんは愛想良く相手をしてくれた。 「神都」・・・・・? よくわからないが適当に話を合わせておく事にする。 その通りだ、と肯く私におばさんはやっぱりねえ、と笑う。 と、ふいにおばさんは真顔になった。 「けどね、あんたたち神都へ向かうならこのまま進むより、ちょっと遠回りになっちまうけど迂回してメイヘンストの都を通った方がいいよ。この先のラーの都は今は色々物騒らしいからねぇ・・・・」 ふむ・・・・。 この村には宿屋の様な施設は無かったが、我々はある農家の好意で一晩納屋を借りる事になった。 そこで各自断片的に得た情報を統合してみる。 どうやら神都と呼ばれる街がこの周辺を統治する国家の首都であるらしい。 この村からその神都へ向かうためには途中にラーの都と呼ばれる大都市を通らなくてはならないのだが、そのラーの都はここ数年太守が圧政を布いており、色々と大変な状況にあるらしい。 我々が下界へと戻る方法を探る為にも大都市で情報を収集したい所ではあるが・・・。 「そのラーの都とやらは避けたほうが得策のようですね」 ルクの言葉にジュウベイと二人でうなずく。 右も左もわからない場所で厄介ごとに巻き込まれるわけにはいかない。 『・・・・それじゃ困るのよ。ウィリアム・バーンハルト』 ふいに女性の声がした。 「!! 何者!!!」 ルクが叫ぶ。その手に瞬時に魔槍グングニールが現れる。ジュウベイも脇に置いてあった自分の槍を掴む。 『そう警戒しなくても貴方たちに危害を加える気はないわ。落ち着きなさい、ルクシオン・ヴェルデライヒ。後、顔のデカい中年』 「何故拙者だけ名前で呼ばれん!!??」 ・・・・この声は・・・・。 間違いない。ゲートで私を呼んだ声だ。 『私はここよ』 声のする場所・・・納屋の窓を見る。 窓から差し込む月光を背に、そこには首に赤いリボンを巻いた灰色の毛並みの一匹の猫がいた。 「・・・・ね、猫??」 ルクが目を丸くする。 猫はシュタッっと私たちの目の前に飛び降りた。 『こんな姿で失礼するわね、ウィリアム。直に顔を合わせてお話したいところだけど、私は今幽閉されているの。今貴方達の話題に出たラーの都でね』 むう、猫に乗り移るか何かしているのか・・・。 私をこの地に招いたのはあなたなのか? 『そうよ。強引な手段をとったことをまず謝罪しておくわ。・・・でも私にはもう手段を選んでいる余裕はなかったの』 幽閉されていると言ったな。では目的は・・・・。 『そうよ。私を解放して欲しいの。その為にあなたたちをこの浮遊大陸「プラネリューテ」へ招いたのよ』 浮遊大陸プラネリューテ・・・・。 あなたは・・・・一体何者だ? 『私の名前はベルナデット・・・ベルナデット・アトカーシア。後で騙したと思われたくないから最初に正直に言っておくけど、魔人よ。封印の八人の魔人の1人』 !!!?? 八人の魔人の1人だと!? 『ええ、二つ名は幽閉の身で皮肉だけど「解き放つもの」』 そう言って猫は私を見て、ニャーオと一つ鳴き声を上げたのだった。 第1話 1← →第1話 3