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バージニア 魔法少女おりこ☆マギカに登場した魔女。 全身鎧に一つ目の姿をした魔女。織莉子の屋敷に現れ、キリカによってあっさりと撃破された。 魔女に変貌する前のものと思われる姿は、凛とした雰囲気の髪の長い少女。 名前 コメント
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京太郎「衣さん、スタンダップあんどカモン」ヘイ 衣「む、なんだ?」トテトテ 京太郎「回れー、右!」 衣「おお?」クルッ 京太郎「隙ありィ!!」ガバッ!! 衣「ふわ──おおお!?」グンッ 京太郎「天須賀合体☆衣太郎!」ドヤァ ※ただの肩車である 衣「おお! 高い、高いぞ京太郎!」 京太郎「どうですそこからの眺めは?」 衣「まさに絶景! よし、京太郎。外に行くのだ!」 京太郎「かしこまりましたお姫様」 カーン 部屋の入口で頭をぶつけて涙目になるころたんが居ますが無害です
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裁縫の魔女(サイホウノマジョ) 目次 back→<魔女、使い魔に戻る> プロフィール 裁縫の魔女 プロフィール 商業作品 各作品の総括 裁縫の魔女 各作品の総括 本編 アニメーション 関連作品(外伝、パロディを含む) ドラマCD コミック 小説 ゲーム 裁縫の魔女 魔法少女まどか☆マギカ(モバゲー) ネット上での扱い(注意!人によっては不快な内容を含む恐れあり!) ネット上での扱いの総括 裁縫の魔女:ネット上での扱いの総括 二次設定とネタ(あるいは叩き) 裁縫の魔女 二次設定とネタ(あるいは叩き) 各所での扱い 裁縫の魔女 2ちゃんねる、コピペブログでの扱い 裁縫の魔女 ニコニコ動画(ニコニコ大百科)での扱い 裁縫の魔女 Pixv(ピクシブ百科事典)での扱い back→<魔女、使い魔に戻る>
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ウィレムイッセイ(ウィレム1世) フランス西部アングレームの領主の系譜に登場する人物。 オラニエ公。 関連: ヴィルヘルムイッセイ(12) (ヴィルヘルム1世、父) ユリアーナツーシュトルベルク (ユリアーナ・ツー・シュトルベルク、母) アンナファンエフモントファンブレン (アンナ・ファン・エフモント・ファン・ブレン、妻) マリアファンナッサウ(3) (マリア・ファン・ナッサウ、娘) フィリップスウィレム (フィリップス・ウィレム、息子) マリアファンナッサウ(4) (マリア・ファン・ナッサウ、娘) アンナファンサクセン (アンナ・ファン・サクセン、妻) アンナ(83) (子) アンナファンナッサウ (アンナ・ファン・ナッサウ、息子) マウリッツ(2) (子) マウリッツファンナッサウ (マウリッツ・ファン・ナッサウ、息子) エミリアファンナッサウ (エミリア・ファン・ナッサウ、娘) シャルロットドブルボンヴァンドーム (シャルロット・ド・ブルボン=ヴァンドーム、妻) ルイーゼユリアナファンナッサウ (ルイーゼ・ユリアナ・ファン・ナッサウ、娘) エリーザベトフランドリカファンナッサウ (エリーザベト・フランドリカ・ファン・ナッサウ、娘) カタリーナベルヒカファンナッサウ (カタリーナ・ベルヒカ・ファン・ナッサウ、娘) シャルロッテフランドリナファンナッサウ (シャルロッテ・フランドリナ・ファン・ナッサウ、娘) シャルロッテブラバンティナファンナッサウ (シャルロッテ・ブラバンティナ・ファン・ナッサウ、娘) エミリアアントウェルピアナファンナッサウ (エミリア・アントウェルピアナ・ファン・ナッサウ、娘) ルイーズドコリニー (ルイーズ・ド・コリニー、妻) フレデリックヘンドリック (フレデリック・ヘンドリック、息子) ユスティヌスファンナッサウ (ユスティヌス・ファン・ナッサウ、庶子) 別名: ヴィルヘルム(19)
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獏の魔女 その性質は眠たがり。 ゆらゆら揺れる結界の中でぐっすり眠り続けている。 布団は羽毛よりもアクリルが好き。 眠っている間は安全だが、無理矢理起こされると非常に気性が荒くなり、辺りを破壊し尽くすまで徹底的に暴れ回る。 偶に自分から起きている時があるので、この魔女を倒したくばその僅かな期間を狙うとよい。 使い魔 獏の魔女の手下、その役割はベッドメイク。 食事からお風呂まで、寝ている魔女の世話を徹底的にやっている。 彼らは魔女とは違い、不眠不休でも大丈夫。 魔法少女時代 玉倉 由愛(たまくら ゆめ)
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フラソヌール共和国に在住する十六歳の少女。 親しい者からは『シャル』の愛称で呼ばれている。 自らを『名探偵』と名乗り、得られた僅かな情報と状況からその場で何があったのかを推理するのが得意。 推理する際には祖父から貰った(火のついていない)パイプを咥えながら思考を巡らせるのが癖のようだ。 元々はブリガニー王国出身であり、彼女の祖父は国王直属の『黒隊』に在籍する優秀な諜報員だったとの事。 しかし『とある事件』の調査に出たのを最後に行方不明となり、直後に何らかの罪を犯したとして隊から抹消扱いに。 そして残された家族も追放されるかのように国を追い出され、フラソヌールに流れて来たと言う経緯を持つ。 幼少時から祖父に強い憧れを持っており、パイプを咥える癖も現役時代の祖父の真似。 やや芝居じみた男性的な言動も祖父を意識した結果らしい。 現在は陽犬族の少年ワトルを相棒に、ギルドボードの片隅を間借りするようにして街中専門の探索依頼を受けている。 その他、何かしらの事件やトラブルが発生すると自分から首を突っ込んでいくようだ。 祖父の潔白を誰よりも信じており、いつか祖父の除名処分の原因となった『事件』に隠された真相を解き明かすのが夢。 ちなみに…。 頭の回転の速さは確かであるが、興が乗ると止めどないぐらいに深読みして肝心の推理が空回ったりする事も。 さらに根は臆病気味なので、相手から「それだとおかしくないか?」等と問い詰められたら途端に腰が引ける模様。 その度に横目でワトルを見て、彼からのフォローを受けているらしい。 関連 フラソヌール共和国 探偵(ディテクティブ) ワトル・エルクール 目次に戻る
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異形の魔女 その性質は狂信 触手を靡かせ、空に暗く汚れた空想を描きだす魔女。 自分を彼方に住む主の使徒と信じて疑わないが、その是非を確かめられるのは誰も居ない。 この魔女を倒したくば内なる狂気を乗り越え、湧き上がる妄想を看破せよ。 魔女の姿は暗い紫色のアンモナイト、使い魔の姿は肺魚 本当はクトゥルーの神々など居なかったというイメージから、どちらも実際にいる動物のまんまの姿をしています 異形の魔女の手下 その役割は召還。 魔女に招かれた者達。 その思想はすっかり魔女に同調し、結界の中を泳ぎ回りながら、魔女の作り出す世界の役割を演じる。 魔法少女時代 根黒野 深子(ねくろの みこ)
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あ あんこ 佐倉杏子の愛称。 始まりは、佐倉杏子の杏子をあんこと呼び間違えたところから。 それより、佐倉杏子はたまにあんこの鯛焼きを食べていたりする。 インキュベーター キュウベぇの本名。 英語では、孵卵器という意味である。 か QB キュゥベェの愛称 書きやすいためか、多様している人が多い。 QBB。 グリーフシード 魔女が落とす黒い物体。魔女の卵。 これで黒くなったソウルジェムを浄化できるので 魔力を使う魔法少女にはなくてはならない存在。 さ ソウルジェム キュゥベェと契約した魔法少女が持つ宝石。 魔力の源であり、魔法少女の本体。魔法少女が怒りや、悲しみを溜め込む度に 濁っていき、穢れを溜め込み過ぎたソウルジェムは、割れて、 魔女を生んでから消滅する。 ちなみにソウルジェムは魔力を使う度にも濁って行く。 ソウルジェムは、契約時に少女の魂を抜き取って作るため、 その事実にアニメではさやかは絶望し魔女になっている。 まどポではそのような経歴からなぜか魔女化役になっていた… が、しかし今回のゲームでは、また魔女化役になるのか、 ならないのか、それも今回のゲームの見所である… アニメでは、ソウルジェムの正体を知って怒り狂った 杏子にキュゥベェは[訳がわからないよ]と発言している。 これが淫獣の本性である。 ちなみに、ソウルジェムを、橋の下に投げ捨ててはいけません(笑) た な は ほむほむ 暁美ほむらの愛称。 由来は、お菓子の魔女、シャルロッテが現れる前の画面に 魔女文字で、 WATASI HA HOMU HOMU HA DESU! と書いてあったことから。 ま 魔女 魔法少女の敵。 魔女はグリーフシードから生まれる他、 分裂した使い魔が、魔女に成り上がる事もある。 や ら わ ワルプルギスの夜 魔法少女たちの噂で最強の魔女と言われている魔女。 アニメではほむほむを契約させた原因となった。 このゲームでは、この魔女を倒すのが目的である。 コメント 使い魔が成長した魔女もグリーフシード落としますよ かずみではカンナ戦時グリーフシードを落とした魔女はサキさんのみ -- (名無しさん) 2014-01-01 01 58 38 名前 コメント すべてのコメントを見る ここを編集
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森の魔女 タイトル:森の魔女 作者:亜樹 掲載号:2013年ハロウィン号 すり切れた毛布の中に、やせ衰えた女性がいた。肌は青白く透き通り、濁った目からは動く意志がこぼれ落ちていた。彼女を蝕む病は、何日も前から悪くなる一方だった。古びたあばら屋の壁はそこかしこがひび割れ、裂け目をこすり耳障りな音を立てながら、夜風が絶え間なく吹き込む。 そんな母の姿を目の当たりにして、少年の心は激しく揺らいでいた。死が間近に迫っていることを知り焦りながらも、彼にそれを遠ざけるための力は何一つ無かった。炉に枯枝をくべ、何の味もしない白湯を運び続けていた。 時間はゆっくりと流れて少年を焦らした。やがて母が眠った頃合いを見計らって、背後でくたびれて壁にもたれかかっている妹に、静かな声で言い聞かせた。 「僕はこれから出かける。少しの間だけだから、母さんの世話できるよな」 「どこ行っちゃうの?」 「森の中には魔女がいるって、前に聞いた事があるんだ。魔女なら母さんを救ってくれるかもしれない」 妹には、兄の言う魔女が実在するのか知る由もなかった。ただそう言う兄の顔は柔らかく、妹は、ここずっと見ていなかったその顔が見られただけで、魔女がいようがいまいがどうでもいいのだと感じた。 「うん、わかった」 戸口を出ると、太陽はほとんど沈んでいた。鮮明な夕焼けの色が微かにのこり、森の木々は黒い影となって立ちそびえていた。 少年の顔は強ばっている。魔女がいるかも分からないし、いたとしてどうすれば見つけられるだろう。けれど母を救う術は、家の中にも街にも、もう無いのだとわかっていた。 「森の中には魔女がいる、良い子をつれてく魔女がいる。不思議な魔法は子供を引き止め、帰る道を忘れさせる……」 街中でよく聞く説教だ。妹はまだ、この説教は知らない。 夜はどんどん冷えて行く。夏の盛りはとうに過ぎ、冬が息を吹きかけてくるのだ。少年が吐く息も白い。薄闇にぼうっと浮かび上がる。 彼は急いで森への道を歩き出した。 ぱちぱちと火の爆ぜる音が、徐々に小さくなって行く。家に残された妹は気だるそうにその身を起こし、枯れ枝を一束加えた。ここ数日水しか飲んでいないから、体が上手く動かない。 だけど彼女は知っていた。食べ物をねだっても兄はひどく困った顔をして、また今度、というのだ。 「お腹空いたよ」 ちろちろと揺れる炎が、なんだか美味しい食べ物に見えてくる。妹は火の中に、パンや、ハムや、ジャガイモを好きなだけ食べている自分を想像した。皆が幸せそうに笑っている。火が、穏やかに揺れている。 突然ごう、と風が吹いて、身をよじるようにして炎が消えた。想像は暗闇に掻き消え、燻った煙の香りがする。 「いけない」 母さんの世話を頼まれているのに。火が消えたら、夜は寒くてたまらない。慌てて火が燃えていたと思われる所に、大きく息を吹きかける。その度にほんの少しだけ、小さな炎が滲んだ。 「二人とも、いるの?」 母さんの声は毛羽立った布が音を立てるようにかさついている。 「ううん、兄さんは出かけちゃった。あと、火が消えちゃったの」 「そう」 本当に、小さくて聞き逃してしまいそうだ。 「ねえ、外はもう暗いみたいだけど、お店はまだ開いているかしら?」 彼女は首を傾げた。もうずっと街には行っていないのに。それでも彼女は答えた。 「うん、さっき日が暮れたばかりだから」 走る私のポケットの中で、二枚の硬貨が奇麗な音を立てる。どうしても、店が閉まる前に街まで着きたい。遠くに灯る街の灯が近づく。 街に行って好きなものを買って食べなさい、と母は言った。本当はもう少しお金が残っているから、と。 足場の悪い道も暗さも、全然気にならなかった。街に着くまではあっという間で、心臓がどくどくと、早く早くと急かすようにリズムを打っている。 整然と並ぶ家々。窓からこぼれる灯りが暖かく揺れている。食べたいものはいくつも浮かんでくるが、彼女は一番近くにあったパン屋に入る事に決めた。残っているパンは少なく、どれも他のパンに潰されたり、倒れたりしているものばかりだった。一つ一つ眺め回す薄汚れた少女を、店のでっぷりと太ったおばさんは目を細めて見ていた。 ようやく一番大きくて値段の安いパンを買う事に決めて持って行く。正面に立って見上げると、自分が普段よりずっと小さくなったような気がした。 「これ、ください」 気だるそうな手つきでパンが紙袋につめられて行く。 「あんた、お金は持ってるんだろうね」 ポケットから硬貨を取り出し、差し出した。おばさんはふうんと納得とも軽蔑ともつかない声を出して、硬貨を手のひらから攫っていった。 代わりに紙袋を受け取ってしっかりと抱きかかえる。どれほど夜道が暗かろうと、道が悪かろうと、一つたりとも落とす気にはなれなかった。おばさんは机のむこうでほおづえをついた。存在感のある顔が、さっきより近くにある。 「ねえあんた、何だってこんな夜中に買いにくるんだい。もっと早くくれば果物とか、蜂蜜のパンだってあったんだよ」 もしそれらがあっても、多分買わないだろうと彼女は思ったが、それを言うのも憚られた。 「母さんが買って来ていいって言ったのが、ついさっきだったから」 「へえ、あんたに買いに行かせるなんてね。自分で出てくればいいのに」 「いいえ」 とたんに痩せた母さんの姿がまざまざと浮かんだ。 「母さんは来れないわ。兄さんだって森に行っちゃったもの。あたし、もう帰ります」 店の扉の向こうで、風のうなり声が聞こえる。母さんをおいて来てしまった。小さな罪悪感は瞬く間に大きくなった。兄さんの言いつけの事を、すっかり忘れていた。 「ちょっとお待ち、待つんだよ!」 突然飛び出そうとしたおばさんを、机は不満げに軋んで、こらえきれずに倒れた。吸い寄せられるように次々と物が落ちて行く。色つやの良い腕だけが飛び出して、ばたばたもがいていた。 それは滑稽で、笑い出さないよう精一杯気をつけながら彼女は声をかけた。 「大丈夫です……か?」 「森には魔女がいるよ」 「え?」 腕は諦めたようにぐだりと垂れ、何か除けられるものはないかとごそごそまさぐり始めた。 「夜の森に入り込んだら、出てこれやしないよ! 魔女なんか居たって居なくたって」 出かけてくる、と言った兄の顔が浮かんで、色濃く焼き付いた。兄が戻って来ないなんて、そんな事あるはずがない。 「あたし、帰る!」 大きく扉を開け放ち、外に身を踊らせる。店の中でまだ何か叫ぶ声は、耳に入らなかった。 森になんか入るべきじゃなかった。一時間としないうちに、もう何処が何処なのか分からなくなった。まっすぐに進めば大丈夫と思っても、二三度木の根に躓いたらどの方から来たのか知る術は無い。 ざらついた木々の間には、闇だけが詰まっている。木の葉が擦れる音はずっと止まない。誰かに始終自分のうわさ話をされている、そんな気がしてひどく不愉快だった。 諦めて木のそばに腰を下ろすと、土はじっとりと濡れて黴臭く、氷のように冷たかった。耳を澄ませば小さな生き物が動き回っている音もする。一度何かが足に触れ、反射的に蹴飛ばしたら、柔らかいものがぶつかる音と小さな鳴き声がした。 何をやっているんだろう。焦って、よく考えもせず飛び出して。母さんが倒れているんだから、自分を止めてくれる人は居ないから、しっかり考えなければいけなかったのに。 後悔は、追い払おうとすると風に紛れてすり抜けて、じわりじわりと寄って来た。肌がざわざわする。嫌な、感じがする。 ずっと向こうに青白く光るものが浮いている。手招きするようにゆっくりと揺れている。それは次々に浮かび上がり、絡めとられた蛍の群れのように見えた。 少年は小さく腰をあげた。帰り道を失った事と青白い光を見つけた事、どちらが始まりだったんだろうと思いながら。 「兄さん、どこーー!? ねえ、どこに居るの!?」 走り続けて疲れた足が絡まり、少女は転倒した。紙袋が放り出され強かに木に頭をぶつける。 「痛い……」 こんなに広い森じゃ、見つからない。叫びすぎて声も枯れてきてしまった。とにかく紙袋を見つけようと、這いつくばって足下を探った。地面はぬめり、手が泥だらけになるのが分かった。 やっと手の先が紙袋に触れて、しかしそれは空っぽだった。封が切れてパンはもっと遠くに投げ出されてしまったのだろう。手が小刻みに震え、衝動的に袋を引きちぎっていた。 「もういやだ」 やがてそれは小さなすすり泣きに変わり、辺りは静寂に包まれた。目を閉じて、再び薄目を開けた。もしかしてここは家の中だったんじゃないかと期待しながら。でも、何も見えない。 そのとき、ひたひたと近づいてくる足音がした。 「兄さん!」 駆け出して、そして相手に近寄るうちに、徐々に歩みは遅くなった。おかしい。暗闇に慣れた目に映るその姿は、異様に細くて小さいのだ。足を引きずってよろめきながら歩くそれは、兄では無いのだと気づいた。 それは彼女に向かって来ているわけでもなく、彼女の右側を通り抜けて立ち止まり、腰をかがめた……に見えた。何か丸いものを拾い上げるのを見て、彼女はそれが何をしているのか気づいた。 「だめ! そのパンはあたしが買ったんだから!」 飛びかかって手元から叩き落とすと、それは驚いて身を固め、暫くの後におずおずとひび割れたような声で言った。 「そう言わないで一つ下さい。人間の食べ物なんて美味しくも何ともないが、もうお腹が減って」 急速に駆け巡る血で頭が燃えるようだ。これは、盗人だ。私たちからパンを盗むものなんだ。 「ふざけないで! あたしだってずっと食べてないんだから!」 肩をすくめたらしい事が気配で分かった。 「いらないからぶちまけたんでしょう。もったいないですよ。資源の有効活用だと思えば良いんです」 そう言う間に再びパンを拾い、止める間もなく口に運ぶ。 「うん、不味いですねえ。よくこんなもの買うもんです。どうせなら生の鳥とか魚とか買えばいいのに」 相手の悪いとも思っていない様子に言葉が出ず、口をぱくぱくさせていると少し頭が冷えて来た。 「どうしてこんな所に居るのよ」 暗闇に大きな黄色い目が光る。 「あなたこそ」 子供とは思えないのに、ひどく小さい。そして、黄色く光る目。 「だれなの」 「人間ではないですね」 また腰をかがめて、他のパンを一つ掴んだ。パンが次々とその胃袋に消えて行くのも忘れて、彼女は小さな希望を抱いた。 「魔女だったりしない?」 「まさか」 口を忙しなく動かすそれの答えは単純明快だ。彼女は肩を落とした。食欲も無い。それどころか相手は辺りをきょろきょろ見回し、おそらく全てのパンを食べきった事を確かめて、所在無さげに手をぶらぶらさせている。 「魔女に用ですか?」 飛び跳ねるようにして近づいて来た。 「兄さんが道に迷っているんじゃないかと思う。魔女の所にいるかもしれないわ」 それはふーむと言って、二言三言独り言を言った。 「魔女の所につれていってあげましょうか。一飯の恩があるし、今日の魔女様はご機嫌が麗しいようで、運が良ければあなたも食べられないで済むかもしれない。まあ食べられたら食べられたで私は魔女様の覚えもめでたく……」 彼女は話の後半を聞いてなどいなかった。 「連れて行って!」 青白い光は、炎だった。小柄な灰色の肌をした小人が、痙攣しながら手に抱えている。そこに小人がいる事に驚いて、僕は暫く息が出来なかった。 小人は何の興味も無いというように、ただ腕を引きちぎれんばかりに伸ばして炎を遠ざけている。青い灯に近づく程に増して行った冷気は、これから発されていたようだ。 奥に目を向ければ、人影が物を沢山並べたテーブルの脇に座っているのが見えた。もしも森に本当に魔女がいるなら、彼女に違いないと思った。 息を殺し、足音も消して近寄って行くと、炎に照らされ影が長く伸びた。小人はテーブルを囲んで円陣を描き、全員が長く腕を伸ばしている。 魔女まであと数歩と言う所で、少年は目上の人にどうすれば良いかを必死に思い出して、迷った末ひざまずいた。 「あの」 ほぼ真後ろから声をかけられても、魔女は驚かなかった。それどころか少年がいた事を知っていたと言いたげに、ゆっくりと、じれったい程にゆっくりと振り返った。骨張った白い顔と、真っ赤な唇。髪も服も黒くて、顔と手だけが闇の中に浮いていた。 「お願いがあってきました。病気の母を治す薬をお持ちでないでしょうか」 赤い唇は大きく横に裂けた。狂ったように魔女は笑い出し、少年は、目の前の恐怖から逃げ出そうとする足を留めるのに必死だった。 「人間に会うのは久しぶりだ。もちろんわたしはその薬を作れる。お前達が一生かかっても出来ない事を、ほら、いとも簡単に」 そう言うなり机の上に暗緑色の液体を入れた小瓶が現れた。そのとき初めて彼は机の上を見、燭台に照らされたそれが気味悪く、吐き気を催す品ばかりである事を悟った。 「だがね……。私はこれをただであげる程気前が良くはないのだ。お前は私に何を献上するのだ、これと引き換えに? 宝石か、金貨か?」 言いながら魔女は瓶をつつき、液面は波うち今にも溢れそうだった。 「宝石も金貨もないです、でも、どうかそれを下さい」 魔女の顔に深いしわが縦横に刻まれた.事態を静観していた小人達は、顔を引きつらせ、後ずさり始める。骨張った手を少年に伸ばし、その爪が易々と皮膚を切り裂くだろうことが分かっても、少年は身動きが出来なかった。 そのとき、右手の草影から誰かが飛び出して来た。 「兄さん!」 少年は耳を疑った。しかし紛れも無く、飛び出して来たのは妹だった。 「なんでここに!?」 「だって、森に入ったら道に迷うって聞いたから」 少年はぞっとする気配を横から感じた。魔女が、恐ろしい笑みを浮かべて立っている。その目は面白いおもちゃを見つけたと言わんばかりだ。 「そう、ぼうやは宝石も金貨も持っていないんだね?」 粘着質な猫なで声。少年は一瞬で魔女の考えている事を察した。妹の手を引き逃げようとして、気づく。手足が石のように固まっていて動かないのだ。 「ねえお嬢ちゃん。お母さんをもちろん助けたいのだよね?」 「お兄ちゃん、この人、魔女?」 困惑して小さな声で聞いてくる妹に、少年は答える事が出来なかった。 「助けたいのだよね?」 妹は、魔女をじっと見つめている。柔らかい笑顔を浮かべ、後ろ手に鋭い爪を隠した魔女を、信じて良いものか迷っている。 けれど結局、彼女が拒むはずがなかった。 「うん、助けたいわ」 魔女は、目を爛々と輝かせ、少年を見下ろした。 「じゃあ、この子を代わりに頂くよ」 手も足も出せない少年を見て、魔女は勝ち誇り、楽しんでいる。魔女が本当に欲しいのは、宝石でも金貨でもなくて、それを差し出した相手が悔しがる事なのだろうと少年は思った。そして魔女を、精一杯の憎しみを込めて睨みつけた。 「ぼうやは一人で薬を持って帰ればいいね。ほら、欲しかったんだろう?」 目の前で小瓶が揺れる。右に、左に。振り子時計のように瓶は揺れ、ふと、その動きが止まった。 魔女の足下に青い炎が燃え移っていた。黒い衣服をなめながら炎は広がり、通った道を凍らせて行く。 耳をつんざく悲鳴とともに、少年は手足の自由が戻った事に気づいた。 「逃げよう!」 目の前の子瓶と、固まっていた妹のてを引っ掴んで森の中に駆け込んだ。背後で金切り声で呪いの文句を叫ぶ声がする。二人は肺が破けそうな程に走り、時々足を止めてはどこかからこだまする魔女の声にぞっとし、また走り出した。 どれほど走ったか、気づけば夜は白み始め、朝が近づいていた。 「母さん、病み上がりなんだから無理しないでね」 今日から仕事を見つけ、街に向かう母に妹が纏わり付いている。 「大丈夫よ、あなた達が薬を買って来てくれてから、すっかり良くなったから」 にこやかに笑って母は行った。あの後、衰弱している母には森に行ったことは言わなかった。回復した母を見られるのは嬉しかったが、二人はもう二度と森に入ろうとは思わない。今でも、夜に魔女の声を聞いた気がして背筋が凍り付くことがある。 「ねえ、どうして魔女に炎が移ったのかな」 気づくと妹はそばに寄って来ていた。 「さあね……」 森の中は、不可思議なことで満ちている。 「はー、寿命が縮みましたよ。あんな不味い食べ物で魔女を怒らせるなんて割に合わないにも程がある。まわりの小人も目が語ってましたけどね、一泡吹かせてやれって。魔女の小人の扱いはひどすぎる。いやしかし当分魔女と少女には近寄りたくありませんね……」
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フィリップエルンスト(フィリップ・エルンスト) デンマークのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン=ゾンダーブルク=グリュックスブルク公の一。 関連: クリスティアン(13) (父) アグネスヘートヴィヒフォンシュレースヴィヒホルシュタインゾンダーブルクプレーン (アグネス・ヘートヴィヒ・フォン・シュレースヴィヒ=ホルシュタイン=ゾンダーブルク=プレーン、母) クリスティアーネフォンザクセンアイゼンベルク (クリスティアーネ・フォン・ザクセン=アイゼンベルク、妻) クリスティアーネエルネスティーネ (クリスティアーネ・エルネスティーネ、子) フリードリヒ(36) (息子) クリスティアンフィリップ (クリスティアン・フィリップ、子) カールエルンスト (カール・エルンスト、子) ルイーゼゾフィーフリーデリケ (ルイーゼ・ゾフィー・フリーデリケ、子) シャルロッテアマーリエ(2) (シャルロッテ・アマーリエ、子) ゾフィードロテア(2) (ゾフィー・ドロテア、子) カタリーナクリスティーナアーレフェルト (カタリーナ・クリスティーナ・アーレフェルト、妻) クリスティアンエルンスト(2) (クリスティアン・エルンスト、息子) シャルロッテフォンシュレースヴィヒホルシュタインゾンダーブルクアウグステンブルク (シャルロッテ・フォン・シュレースヴィヒ=ホルシュタイン=ゾンダーブルク=アウグステンブルク、妻)