約 2,874,431 件
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/18.html
日本においてサーバリックスの接種時に多くの失神者が出ているようです。それでは サーバリックスの添付文書 には失神に関する事が書いてあるか見てみましょう。まず、1ページ目の右下段の「2.重要な基本的注意」の(4)に「ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分前後は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。」2ページ目の左中段の「(2)その他の副反応」の表の「精神神経系」かつ「頻度不明」に「失神・血管迷走神経反応」があります。 難解な言葉も出て来ているので先ずはその言葉を調べてみましょう。「血管迷走神経反射」とは何か? 第39回 血管迷走神経反射 (Vasovagal Reflex) には次のように書いてあります。 血管迷走神経反射というのは、自律神経系の突然の失調のために、血圧や心拍数が下がり、脳に行く血液循環量を確保できないために、失神や目まいなどの症状が起こる病気です。血管迷走神経反射は、長時間の立位、温暖下での激しい運動、恐怖感や情緒的不安定、激しい痛みなどによって誘発されます。極端な場合は失神(意識喪失)が起こりますが、失神の前兆としては、ふらふら感、虚弱感、発汗、視野のぼけ、頭痛、吐き気、熱感や寒気などがあります。また、顔色が悪くなったり、あくび、瞳孔の拡大、おちつきがなくなることもあります。 簡単にいえば失神やめまいの事で、その原因は長時間の立位、温暖下での激しい運動、恐怖感や情緒的不安定、激しい痛みという事です。 そこでサーバリックスを初めて接種する人はどの様な人かを考えてみましょう。高リスクHPV(癌化する可能性高い子宮頸がんウイルス)の陽性率は10代後半で42%、20代前半で40%その後は免疫ができる人が増えるので減少傾向にあります。ウイルスに感染してからワクチンを接種しても手遅れであることはわかると思います。すると接種対象年齢は10代前半となります。また、HPVは性交渉により移ることがほとんどなので性交渉のないまたはほとんどない10代前半というのは合理的だと思います。そして サーバリックスの添付文書 の1ページ目右上段に「用法・用量」とありそこには「10歳以上の女性に、通常、1回0.5mlを0、1、6ヶ月後に3回、上腕の三角筋部に筋肉内接種する。」とあり、やはりサーバリックスを初めて接種する人は10代前半の女性ということになるでしょう。 10代前半の思春期の女性が、大人が「サーバリックスで不妊になる」「サーバリックスで死者が出ている」「サーバリックスで失神する」などと言っているのを聞けば、接種時に恐怖を感じたり情緒不安定になるのは当たり前のことです。また、サーバリックスは通常なじみのない筋肉注射であり深く針を差し込むために通常の皮下注射・血管注射より激しい痛みを伴います。そうすると血管迷走神経反射を起こす条件の「恐怖」「情緒不安定」「激しい痛み」などが揃ってしまいます。この様な条件が重なれば失神者がでてもおかしくありません。 特に、思春期前後の若い人で注射が苦手な人では、採血の針を刺しただけで失神を起こすこともあります。 失神はサーバリックスに特異的な事象ではなく、他のワクチンや予防接種においても接種後の失神は若年の女性で多い傾向があるとの報告もあります。これまでに、注射でめまいや失神を経験したことのある方は、接種後はすぐには帰らず、30分程度は待合室で座って待ち、医師の了解を得た後、帰宅するようにしてください。 このことは、2011年2月に改訂された添付文書でも、「ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。」( 添付文書 2.重要な基本的注意(4)) との記載がなされています。 それでは、どうすれば失神者を減少させることができるか考えてみましょう。まずサーバリックスは筋肉注射なので痛みは避けられません(注射液を常温に戻したり接種をする側の技術により痛みを弱めることはできるようです)。成分もどうしようもありません。すると「恐怖感」「情緒不安定」という条件がなければ失神者を減少させることができるはずです。もうお分かりだと思いますが、日本において多くの失神者がでているのはサーバリックスが原因ではないのです。「無責任な大人の【不妊】【死】【失神】などという不用意な言動」によって失神者がでているのです。我々にできる事は嘘やデマにのせられずに少女達に正しい情報を与えることです。 また、 サーバリックスの添付文書 の2ページ目の左中段の「国内及び海外臨床試験における副反応」に注目して下さい。そこには失神や血管迷走神経反射などという言葉は全く出ていません。これはどういう事でしょう?確かにサーバリックスを接種する時は痛みは伴うでしょう。しかし臨床試験の段階で失神することはなかったのです。これはサーバリックスが一般の人が接種し始め、「不妊」「死」などのデマが広まりそれによって心因的な失神を起こすという事の強力な裏付けになると思います。 参考に、元産科医の方のブログ紹介しておきます。 最新医療情報にひとこと また、日本小児科学会予防接種感染対策委員会による声明も紹介しておきます。 予防接種後の失神に対する注意点ついて
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/27.html
サーバリックスの添付文書 をみるとサーバリックスには次のような成分が含まれています。 成分 分量 有効成分 ヒトパピローマウイルス16型L1たんぱく質ウイルス様粒子 20μg ヒトパピローマウイルス18型L1たんぱく質ウイルス様粒子 20μg 添加物 3-脱アシル化-4 -モノホスホリルリピッドA 50μg 水酸化アルミニウム懸濁液(アルミニウムとして) 500μg 塩化ナトリウム(等張化剤)、リン酸ニ水素ナトリウム(緩衝剤)、pH調節剤 塩化ナトリウムには等張化剤、リン酸ニ水素ナトリウムには緩衝剤と説明がついていますので、表にある上から4つの成分を考えてみます。 ヒトパピローマウイルス16型・18型L1たんぱく質ウイルス様粒子 3-脱アシル化-4 -モノホスホリルリピッドA 水酸化アルミニウム懸濁液 まとめ
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/31.html
先ず、サーバリックスが不妊ワクチンだと公言している人達がいますが、不妊を引き起こす成分は一切含まれていません。確かに避妊ワクチンというワクチンは存在します。避妊ワクチンの仕組みは「精子または卵子を構成する特殊なたんぱく質」を体内に入れ、このたんぱく質を体内防御反応(免疫応答)で攻撃させて、抗体を体内に生成させます。しかし、サーバリックスにはその「精子または卵子を構成する特殊なたんぱく質」が全く含まれていないのは添付文書の成分表をみれば明らかです。 サーバリックス不妊論者は『「精子または卵子を構成する特殊なたんぱく質」+「アジュバントその1」で動物の避妊ワクチンを作った。そして「アジュバントその1」を改良して「アジュバントその2」を作った。さらに「アジュバントその2」を改良して「アジュバントその3」を作った。この「アジュバントその3」がサーバリックスに使用されているアジュバントである。よってサーバリックスは不妊ワクチンである。』と結論づけていますが、大変馬鹿げています。「精子または卵子を構成する特殊なたんぱく質」が含まれていないのに何故不妊になるのでしょうか? 予防効果などを考えずに成分だけをみての結論は、サーバリックスとは不妊を引き起こす要素は全く存在せず、子宮頸がんウイルスに感染することなくHPV-16/18型のウイルスに対する抵抗力(免疫力)をつけ、添加されているアジュバント(水酸化アルミニウム)の量は健康にとってほとんど問題がないくらい微量であり、そのアジュバントを活性化させる薬剤(3-脱アシル化-4 -モノホスホリルリピッドA)は毒性のあるリポ多糖を改良しほとんど毒性のないものとしてアジュバントを補助している。極めて優秀なワクチンであるといえます。 また、サーバリックスは日本が導入する前にすでに100ヶ国以上の国々で使用されており、日本はサーバリックス後進国とまで言われています。それらの国々で未だにサーバリックスで不妊になったという様なことは起きていません。これはサーバリックスにより不妊になるというのは全くの嘘・デマであるというこの結論を補強するものでしょう。 なお、当サイトの ワクチンとは? 、 アジュバントって何? も合わせて参照して頂ければ幸いです。
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/26.html
ここではサーバリックスに含まれている成分はそれぞれどの様な働きをするのかと、サーバリックスのHPVに対する有効性について考えます。 サーバリックスの成分 サーバリックスのHPVに対する有効性 なお、2011年1月に出された論文を以下に示す。 Efficacy and Safety of Prophylactic Vaccines against Cervical HPV Infection and Diseases among Women A Systematic Review Meta-Analysis
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/16.html
ここでは、子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス・ガーダシル)について巷に流れている危険性について考えていきます。また、個別の案件の他に弁護士 南出喜久治氏の『子宮頚がん予防ワクチンの危険性』 、 THINKER - 子宮頸がんワクチンの危険性 、 佐藤荘太郎氏の「子宮頸がん予防ワクチン接種事業を中止することの要望書」 、 女っぷり向上委員会の「子宮けい癌ワクチンは女っぷりを上げません!」 についても述べていきます。 なお、概略については以下のメールマガジンを参照されると幸いです。 医療ガバナンス学会 2010年8月13日 Vol.260,261 子宮頸がん予防ワクチン:その有効性と安全性について サーバリックスは臨床試験をしていないといわれているけど? サーバリックスで失神する人がたくさんいるけど? インドで子宮頸がん予防ワクチンで大量の死者が出たって聞いたけど? サーバリックスの副反応はひどいって聞いたけど? サーバリックスで死者が出てるってきいたけど? サーバリックスに含まれるアジュバントが危険といわれているけど? サーバリックスに水銀やホルムアルデヒドなどが含まれているって聞いたけど? サーバリックスに使用されているスクワレンってアジュバントが危険って聞いたけど? サーバリックスを接種すると流産する危険があるって聞いたけど? サーバリックスは劇薬って聞いたけど? アジュバントはペットの去勢の為に作られたって聞いたけど? サーバリックスに蛾の組み換え遺伝子が使われているって聞いたけど? 副反応がたくさんあると言われているけど? 南出喜久治氏の『子宮頚がん予防ワクチンの危険性』について THINKER - 子宮頸がんワクチンの危険性について 佐藤荘太郎氏の「子宮頸がん予防ワクチン接種事業を中止することの要望書」について 女っぷり向上委員会の「子宮けい癌ワクチンは女っぷりを上げません!」について
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/49.html
1回の接種だけでは十分な効果が得られません。始めての接種、1ヶ月後の接種、6ヶ月後の接種の3回必要です。 HPV-16/18型に対する予防効果はありますが、その他の型に関しては認可を受けていません。その他の型の予防効果に関してはサーバリックスのHPVに対する有効性をみてください。 定期的な検診の代わりになるものではありません。定期的な子宮頸がん検診が必要です。定期健診での子宮頸がん及びその前病変部の発見は80%といわれています。サーバリックスと併用することでより100%に近づけることが可能です。 接種時にHPVに感染していた場合、またはHPVに伴う病変がある場合はその進行を予防する効果はありません。 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上の間隔をおいてサーバリックスを接種すること 接種に関しては注意が必要な人血小板減少症や凝固障害を有する者[接種後に出血があらわれるおそれがある] 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者 過去に痙攣の既往のある者 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 高齢者に対する有効性及び安全性は確立されていません。 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人への接種は妊娠終了するまで延期することが望ましい。[妊娠中の接種に関する有効性及び安全性は確立されていません。] 授乳中の接種に関する安全性は確立していないので、授乳婦には予防接種上の有益性が危険性を上回る場合にのみ接種すること。[ラットにおいて、抗HPV-16抗体あるいは抗HPV-18抗体が乳汁中に移行することが報告されている。] サーバリックスの接種に伴う副反応を理解すること。「 平成22年度第9回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会、第3回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会及び第1回子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同開催について 」の資料が厚生労働省のサイトから閲覧できます。 子宮頸がん予防ワクチンの副反応報告状況(PDF) によると、サーバリックスによる副反応報告数は、のべ接種人数1,016,144人中、販売業者からの報告が99例[0.01%](うち死亡0例[0%])、医療機関からの報告が29例[0.003%](うち重篤11例[0.001%]死亡0例[0%])となっています。その他に「接種事業を行っている市町村における副反応の報告」「重篤な副反応の一覧」「非重篤な副反応の一覧」「後遺症症例」「アナフィラキシーが疑われる副反応症例」「迷走神経反射が疑われる副反応症例」など詳しく書いてあるのでサーバリックス接種を考えている人は一読をお勧めします。 2011年2月に添付文書が改訂され、「ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。」( 添付文書 2.重要な基本的注意(4)) との記載がなされました。 HPV-16/18型に対する予防効果が一生続く事はありません。現時点では始めての接種後、最長6.4年の持続効果は確認されていますが、長期的なHPV感染を予防するためには5年程度の間隔で接種する必要があります。 ただ、最近の論文では、ワクチンの効果が少なくとも20年は持続する、という結論を出したものもあります。 これは、これまでのワクチン効果の低下をもとにしたモデルによって予測した数値です。 参考論文 Women sHealth (2010) vol.6 No.3, 361-363 Further good news from prophylactic human papillomavirus vaccines long-term duration of mmunity
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/36.html
まず劇薬の基準とはどの様なものなのでしょうか? 薬事法 - Wikipedia の 劇薬 には次のように載っています。 劇薬は医薬品の一種である。定義及び取扱いは同法44条以下が定めている。 劇性が強いものを薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が劇薬として法令で指定する。劇薬は白地に赤枠、赤字をもって、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。また、その保管に際しては、他の物と区別して貯蔵および陳列しなければならない。 具体的には、致死量が、経口投与で体重1kgあたり300mg以下、皮下注射で体重1kgあたり200mg以下のものを言う。 前述の毒物と同様、毒物及び劇物取締法により定義される劇物とは別定義である。毒物及び劇物取締法2条2項により、医薬品としての劇薬は劇物ではない。医薬用でない劇物は、「医薬用外劇物」の表示がなされる。ただしジクロルボスのように同じ有効成分でも、製剤の形態で劇薬と劇物に分かれるものもあるが、同一製剤が劇薬と劇物両方に指定されることはない。 ここで使われている「致死量」とは、その量を投与されると半数が死ぬ量のこと。半数致死用量・LD50ともいわれます。サーバリックスでは1kgあたり200mgが適用されるようです。体重50kgの人で考えてみるとサーバリックスを1回に10g接種されると、接種された人の半数が死亡することになります。 サーバリックスの添付文書 をみてみると1回分0.5mL中の成分は下の表のようになり、サーバリックス1回分の摂取量を1mgとした場合でも、この10gという量はサーバリックス1万回分の量となります。「劇薬」という指定は単なる危険が及ぶ量の基準でしかなく、その量を超えて使用することはありませんし、健康に問題のないと思われる量が使用されています。 成分 分量 有効成分 ヒトパピローマウイルス16型L1たんぱく質ウイルス様粒子 20μg ヒトパピローマウイルス18型L1たんぱく質ウイルス様粒子 20μg 添加物 3-脱アシル化-4 -モノホスホリルリピッドA 50μg 水酸化アルミニウム懸濁液(アルミニウムとして) 500μg 塩化ナトリウム(等張化剤)、リン酸ニ水素ナトリウム(緩衝剤)、pH調節剤 また、医薬品の「劇薬」に対して一般的な物質に対する「劇物」というのがありますが、 日本の劇物一覧 にたくさんの劇物がみられ、中には中学・高校の理科の実験などに使用されるものもあります。ナトリウムなどは非常に危険な物質ですが、中学・高校でナトリウムを使用した実験をしてはいけないなど聞いたことがありません。それは理科・化学の先生が「劇物」を適切な量を適切な方法で生徒に配り実験させているからです。それはサーバリックスなどの医薬品の「劇薬」にも当てはまります。しかもナトリウムの例と違うところは、生徒(素人)に「実験させている」という部分がないことです。つまり医者は「劇薬」を適切な量を適切な方法で医師または看護師が接種し、その中に患者という素人は絶対に入ってきません。最初から最後まで医師及び看護師が責任を持って取り扱っているのです。 簡単にまとめるとサーバリックスという「劇薬」は、使用量は健康に被害を与えないことを基準に考えられており、取り扱いは専門家が責任を持って行っているので殊更「劇薬」という言葉を心配する必要はないということです。
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/13.html
最初に、何故サーバリックスを接種すると不妊になると言われ始めたのか? それは南出喜久治氏のYouTube動画「サーバリックス子宮頸がんワクチンによる民族浄化/弁護士 南出喜久治」が発端になっています。この動画及び派生動画は度々削除されるので興味のある方はYouTubeで「南出 サーバリックス」で検索するとすぐに分かるので参照してみてください。 さて、南出氏はサーバリックスが断種ワクチン・不妊ワクチンと訴えているが何を根拠にその様な事をいっているのだろうか?それは、境春美・木村三生夫両氏による「 どうなる今冬のインフルエンザワクチン WHOによるパンデミック宣言の真相解明のために欧州会議が調査を開始 」という論説が発端のようである。この論説の41ページにある「注10」が南出氏の主張と全く同じです。そこには次のような記述があります。 スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)は1998年にペット用のワクチンのアジュバント-9を人間用に開発したものであり,アジュバント-9を接種された動物は不妊症になるという.2009年12月22日,わが国でGSK のヒトパピローマウイルスワクチン(商品名 サーバリックス)が発売された.サーバリックスに添加されているアジュバントはAS04である.AS04アジュバント複合体はグラム陰性菌Salmonella Minnesota R595株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3-脱アシル化-4’-モノホスホリル リピッドA(MPL)34)と水酸化アルミニウムより成ると添付文書に書かれている.さて,リピッドは油/脂肪酸である.そして,MPL こそFDA,NIH,米国国防省が1998年に至急の手順で臨床試験を行った新遺伝子組み換えAnthrax vaccine に使用された2種類のスクワレンをベースとするアジュバントの1つである33).(もう1つはカイロン社のMF59-これはノバルティスファーマのA(H1N1)2009<単価ワクチン>に添加されている)34)その他に,MPL(AS04)はスクワレンがベースであるという情報も複数インターネットに掲示されている113-116). この文章を簡単に纏めると、「以前、動物用不妊ワクチンにアジュバンド-9が使われていた、アジュバント-9を投与されると不妊になる。そのアジュバンド-9に改良に改良を重ねたのがサーバリックスで使用されているアジュバントAS04である」という感じです。まさにサーバリックスを接種すると不妊になるような記述である。しかし、境・木村両氏はアジュバントのことを理解しているのだろうか? まずはWikipediaでアジュバントを調べてみよう。 アジュバント - Wikipedia これには次のように書いてあります。 アジュバントは、抗原性補強剤とも呼ばれ、抗原と一緒に注射され、その抗原性を増強するために用いる試薬である さらに、サーバリックスに使用されている「水酸化アルミニウム」を主としたアジュバントに関しては次のように書かれています。 沈降性アジュバント(抗原が吸着する無機物の懸濁剤) 水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム(アラム、Alum)、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、ミョウバン、ペペス、カルボキシビニルポリマーなど。病原体やある抗原を吸着し、接種局所病原体を固定する利点もあるが、その性質の為、接種部位が硬結しやすい。 つまりアジュバントとは、「抗原を不溶化することで組織に長くとどめ、抗原を徐々に長期間遊離させること」という作用のために使われているにすぎないのです。 また、以前インフルエンザ・ワクチンのときもアジュバントに関して不妊になるというデマがありました。このことについて「薬作り職人のブログ」の「 輸入インフルワクチンで不妊は嘘・デマです。 」に次のように書いてあります。 不妊ワクチンは、「精子または卵子を構成する特殊なタンパク質を体内に投与し、体内でこのタンパク質に対する抗体を作って、精子や卵子に対する免疫反応を起こし、不妊を起こす」というものです。ここで、気をつけなくてはいけないのは、「不妊ワクチンが不妊を引き起こす原因となる物質」は、「動物の精子または卵子を構成する特殊なタンパク質」だということです。アジュバントは、「動物の精子または卵子を特殊な構成するタンパク質」に対する抗体を産生する「手助けをする物質」に過ぎません。だから、アジュバントだけを投与しても、不妊は起きません。「動物の精子または卵子を構成する特殊なタンパク質」を含まないインフルエンザワクチンに、アジュバントが添加されたからと言って、不妊が起こることはありません。 アジュバントとは、あくまでワクチンの働きを促進させたり、長期に渡って効果を持続させたりするだけであって、決してアジュバント自身が不妊を引き起こすということはない事が分かります。つまり、南出氏の主張の元となる境・木村両氏が訴えていた「アジュバント-9を接種された動物は不妊症になる」という主張自体が間違いであることが分かります。 ワクチンによって不妊作用を起こすためには「体内で【精子または卵子を構成する特殊なタンパク質に対する抗体】を作って、精子や卵子に対する免疫反応を起こす必要がある」しかし、本来子宮頸がんの予防のために作られたサーバリックスには精子または卵子を構成する特殊なタンパク質は入っておらず、それを接種したとしてもこの様なタンパク質に対する抗体は体内で作られるはずがない。従って「サーバリックスにより不妊になる」というのは全くの嘘・デマであると結論します。 また、サーバリックスは日本が導入する前にすでに100ヶ国以上の国々で使用されており、日本はサーバリックス後進国とまで言われています。それらの国々で未だにサーバリックスで不妊になったという様なことは起きていません。これはサーバリックスにより不妊になるというのは全くの嘘・デマであるというこの結論を補強するものでしょう。 なお、当サイトの ワクチンとは? 、 アジュバントって何? も合わせて参照して頂ければ幸いです。
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/24.html
ここでは、サーバリックスに関する危険性以外の話題について考えます。 FDAが既にHPV感染が子宮頸癌の直接の原因ではないと発表したって聞いたけど? どうして小学生に無理やり接種するの? HPVの型は100以上あるのに2種類しか効かないサーバリックスって意味あるの? 既にHPVに罹患している人には効かないんでしょ? HPV-16型と18型に効くっていうけど日本では他の型の方が多いんでしょ? アジュバント関節炎とかアジュバント病ってのがあるんでしょ? 子宮頸がん予防ワクチンじゃなくてHPV予防ワクチンなんでしょ?
https://w.atwiki.jp/cervarix/pages/32.html
サーバリックスのHPVに対する有効性を考える前に、子宮頸がんの発症とHPVの型に関してみてみましょう。 サーバリックスの添付文書 の2ページ目 右下段に「薬効薬理」が載っています。そこには次のように書かれています。 癌原性HPVは子宮頸癌(扁平上皮細胞癌及び腺癌)の発症に関連しており、HPV-16及びHPV18が最も多い型で、世界的には次いでウイルスの型が近縁のHPV-45及びHPV-31が多い。HPV-16及びHPV-18が子宮頸癌の約70%、HPV-16,18,31及び45を合わせて子宮頸癌の78.5〜80.3%に関連している。 これらは勿論、根拠となる文献・著者などが一緒に記載されています。こうしてみるとサーバリックスが何故HPV-16/18型に特化しているのかが伺えます。 それではサーバリックスのHPV-16/18型に対する有効性を調べて見ます。サーバリックスの添付文書の2ページ目右中段から臨床成績が載っています。そこには『国内臨床試験』では「(6ヶ月定義の)持続感染に対する有効性」は100%、『海外臨床成績』では「組織病変に対する有効性」はCINグレード2以上で98.1%、CINグレード3以上で100%、「持続感染に対する有効性」は6ヶ月定義で94.3%、12ヶ月定義で91.4%。また、HPV-16/18型以外の有効性に関する「癌原性HPVに起因する持続感染及び組織病変に対する有効性」は下記に表として記載します。 HPV16に近縁の型 HPV31 HPV33 HPV35 HPV52 HPV58 92.0% 51.9% 83.3% 14.3% 64.5% HPV18に近縁の型 HPV39 HPV45 HPV59 HPV68 69.8% 100% 74.9% 54.5% その他のHPV型 HPV51 HPV56 HPV66 62.9% 59.9% 60.0% 有効性をみてみると、HPV-16/18に関しては90%以上の予防効果があり、その近縁の型に対しても型によって開きはあるが高い有効性が確認できます。 サーバリックスに関して、「100種類以上あるHPVの型に対して2種類にしか効かないのにそれを助成するのはおかしい」という意見を聞いたことがあります。しかし、それは近視眼的な考え方であり客観的事実を見逃しています。 第一に、100種類以上あるHPVのなかで、癌に関与すると確認されている高リスク型は、約18種類程度しかない、という点です。次に、ある病気に対して薬・ワクチンが有効かどうかというのは、その病気の型全般に対応する必要があるものではありません。その病気を特に引き起こす可能性が高い特定の型に対応できているのか、という点が問題になるのです。その点では、子宮頸がんにおいてHPV-16/18/31/45の割合が約80%であり、サーバリックスのそれらの型に対する予防効果が90%以上あるということを考えれば、他の型に対して有効ではないにしてもかなりの確率で子宮頸がんの予防効果があるといえるでしょう。 なお、HPV-16/18に対するワクチンの、他の型への効果は以下の論文にまとめられています。 Vaccine 2011,vol29 (in Press) HPV16/18 L1 VLP vaccine induces cross-neutralizing antibodies that may mediate cross-protection ワクチンの効果があるという場合、通常の抗体価(抗体の量と考えてほぼ良い)が10倍以上あることを意味します。 上記の論文のDATAを一部引用し、表にまとめました。 HPV16/18 L1 VLP vaccine (商品名サーバリックス)接種後12ヶ月後の抗体価 HPV16 HPV18 HPV31 HPV45 HPV52 HPV58 4028.9 3804.6 45.9 19.8 7.3 6.1 このように、HPV16/18に対しては高い抗体価を示しており、HPV31/45に対しても10倍を超えており、「ワクチンの効果がある」と言えます。 一方、HPV52/58に対しては、10倍を超えていないため効果があるとは言えないが、それぞれ通常の7倍、6倍の抗体価が得られたとは言えます。 しかし、サーバリックスは、HPV16/18の二価ワクチンとして承認されているので、その他のHPVの型に対する効果への認可は当然ありません。 いかなる薬にも副反応がありますが、それが必ずしもマイナスのものだけではなくプラスのものもある、という1つの例と考えて頂いても構いません。