約 4,776,509 件
https://w.atwiki.jp/tomoyaichikawa/pages/2.html
https://w.atwiki.jp/kyoryu/pages/7.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/hachimitu/
@wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 用途別のオススメ機能紹介 @wikiの設定/管理 おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 バグ・不具合を見つけたら? お手数ですが、こちらからご連絡宜しくお願いいたします。 ⇒http //atwiki.jp/guide/contact.html 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 @wikiへお問い合わせ 等をご活用ください
https://w.atwiki.jp/sentai-soubi/pages/6663.html
【名前】 ゴーカイガレオンキー 【読み方】 ごーかいがれおんきー 【登場作品】 テン・ゴーカイジャー 【分類】 レンジャーキー 【使用者】 ゴーカイレッド 【詳細】 ゴーカイジャーが使用するゴーカイガレオン型の特殊なレンジャーキー。 「ゴーカイガレオン」から残った宝石の部分が「ゴーカイジャー」の心に呼応し変化。 モバイレーツへ挿せば、特定のメンバーをクロスアーマーモードという強化形態へ強化できる。 更に回し解錠すると、超強化形態「ガレオンアーマーモード」へ超強化を行う。
https://w.atwiki.jp/kitakoutarou/pages/167.html
―――side 美樹さやか ……ここに詰め込まれてから、どれ位経ったんだっけ? 光の射さないこの船室には、時間の経過を示す物は無い。 時間を確認したくても、ケータイは既に取られて手元に無い。……こりゃ絶望って奴かなぁ。 そうで無くてもここは気が滅入る。 一緒に連れ去られて、さっきまで壁をドンドン叩いてたおじさんなんかは、今じゃすっかり意気消沈してぐったりうなだれるばかりだし。 聞こえる音と言えば、地獄から響くような「出してくれよぉ……」の合唱と、お年寄り達の読経の声ばっかりだし。 そして、恭介は……誘拐された当初から、うずくまって動かない。 「ねぇ、恭介……。元気、出してよ。わたし、恭介の悲しんでる顔なんか見たくないよ……」 「今はこんな所に閉じ込められてるけどさ……きっと、すぐ出られるって!」 「……ほら、ゴーカイジャーだってこの街に来てるんだから」 「あいつらだってさ、目の前でザンギャックに好き勝手させはしないはずだよ」 「だから大丈夫、きっとすぐ助けに来るって!」 わたしの声掛けに初めて恭介が顔を上げた。 そして、差し伸べられた私の手を……… ―――勢い良く、弾いた。 「……恭介?」 「ねぇさやか……さやかはさ、僕を虐めてるのかい?」 「やめてくれよ、もううんざりなんだ!有りもしない希望なんか持たせないでくれよッ!」 恭介……?嫌だよ、そんな事言わないでよ。それじゃ、わたしは何の為に……! 恭介は、尚も堰を切ったように叫ぶ。 「希望をチラつかせて裏切るなんてのはもう充分だ……!」 「奇跡が起こって、確かに腕は完治したさ……!もうバイオリンだって以前同様弾きこなせる」 「――でもね、それじゃ駄目だったんだ。この脚さ。この脚さえ治っていれば、あの妙な光線に飲み込まれる事だって無かったんだ!」 「こんな脚さえ無かったら、こんな所に来る事は無かった!……さやか、君だって巻き込まずに済んだんだよ!」 「なんで、なんで、何で僕だけがこんな不幸に……?」 そしてまた膝に頭を埋め、嗚咽し始めた。 「ねぇ恭介、マイナス思考はやめようよ。そもそもさ、こいつらが見滝原に来るから悪いんだって」 「不幸だって言うなら、それは私達全体の不運だよ」 そう、これはわたしの戦いでもある。……今は、自分が出来るだけの事をするしか無い。 だとすれば…… 「それに、奇跡は起こせないけど、頼るツテならまだ無い事も無いよ。ここはさやかちゃんに任せなさい!」 そう言って監視カメラに向き直ったわたしを、恭介が怪訝そうな顔で見つめる。 ま、何の事かわからなくて当然だよね……でも、これも恭介の、みんなの為だから!! 「ゴッゴッ……インキュベーター様と知り合いだと言うチーキュ人はお前か?」 「会われても構わないと仰っている。大人しくついて来い。ゴッゴッ……」 「さやか……?ま、待てよ!お前ら、さやかをどこへ連れて行くつもりなんだよ!」 恭介が不自由な身体を押して、兵士達に食ってかかる。 ……やっぱり、恭介は昔と同じ。優しくて、他人想いの良いヤツなんだ。 長い入院生活とリハビリでちょっと疲れてるだけで、ほんとは真っ直ぐで思いやりがある。 まぁ、そうでもなきゃこんなヘタレにこのさやかちゃんは惚れないけど。 「あー……恭介?心配しないで。むしろ今回は、わたしの方から面会希望した訳だから……」 「ゴッゴッ……その通り。我々は面会を却下しても構わんのだぞ?」 「わぁぁ!それだけは勘弁して!早くキュ…おっと、あんたらの親玉に会わせて!」 「それじゃ恭介、行ってくるからねー!」 わたしは恭介がこれ以上反抗して傷つく前に、足早に部屋を出た。 前後に不恰好な兵士を伴っての行進はあまり楽しくは無いけど……しょうがないか。 ―――どれくらい歩かされたんだろう?気がついた時にはキュゥべえが居ると言う「総司令室」の前にたどり着いていた。 ドアが開き、見慣れた白い獣が目に入る。 「ご苦労様。君たちはもう下がって良いよ、友人との会話に部外者は邪魔らしいからね」 そう言われた兵士達が、一礼して素直に立ち去っていく。こいつ、本当に偉いんだ……。 「やぁ、さやか。一日ぶりくらいかな?僕に何の用?」 これが絶対的立場の余裕なのだろうか。キュゥべえはいつもにましてニヤついていた。 ……今となっては、その微笑は悪魔の嘲笑にしか見えないんだけど。 「良くもまぁ、友人だなんて言えるよね。わたし達を散々騙しておいてさ……!」 「心外だねさやか。僕らは確かに君たちを利用していたかも知れないけど、嘘をついた覚えは無いんだけどな」 「それに、『友人』だったからこそお願いを聴いてあげようって言うのに」 「さぁ早く望みを言いなよ、時間を無駄にするってのは一番無駄な事なんだ」 「恭介を……皆を、解放してあげて。人質なんかあたしだけで充分でしょ?」 「さやか、人質って言うのは多ければ多いほど良いのさ。例えば、一人とレンジャーキー一本で交換なんてしたら戦力を減らせるし」 「あぁ、でもこの船に乗せたのは殆どが病人か老人だったね……」 「どこにでもいるような弱い個体と大いなる力への手がかりとじゃ釣り合わないかなぁ?」 「そんなひどい事しないで!……お願い、キュゥべえ。『友達』だったんでしょ?あたし達」 「これが最後のお願い。聴いてくれたら、あたし何だってするから。頼むよ、キュゥべえ!」 わたしの懸命な願いは、冷徹な行動隊長に届いたのか? キュゥべえは、手元(足元?)のコンソールを凄い勢いで操作し始めた。 「……さやか、今から僕は地球攻撃軍旗艦にいる僕の上司と通信する。彼女の承諾が得られれば、君の提案を呑んであげるよ」 「ほんとっ!?あ、ありがとうキュゥべえ!」 「まだ決まった訳じゃないんだけど……ほら、出てくるよ」 「ザ…ザザ…ザ…キュベーター。何の用件なの?」 大スクリーンが一瞬歪み、緑色の……女性?が現れた。……しかし、声が妙にセクシー。 彼女が、キュゥべえの言う上司なのかな? 「やぁ、インサーン。僕自身に用は無いんだけど……こちらの地球人『美樹さやか』が君に談判を持ちかけてるんだ」 「へーぇ……お嬢ちゃん、私に何か用かしら?」 「え、えぇっと……その……こ、この船に捕まってるわたし以外の人質を解放して下さいっ!」 「そーぉ……。貴女、思いやりのある子なのねぇ……。まるで、私の学生時代を見ているようだわ」 「でも、そのお願い、自分だけで思いついた物じゃないわね。……誰かを助けたくて、お願いしているんでしょう?正直にお話しなさいな」 ……女の勘、って物は全宇宙共通なのかも。この女(ひと)、かなり鋭い……! 正直に話さなければ、一発でおじゃんになってしまいそう。 「……わかりました。話します。」 「実はこの船に、恭介が……あたしの好きな人が、一緒に捕まってるんです!」 「恭介は凄く良い奴なんです!バイオリンは上手いし、思いやりがあるし、努力家だし……。でも、今はちょっとだけ疲れてるんです。だから、閉じ込めないで、休ませてあげたいんです」 わたしの正直な気持ちは……えっと、インサーン、さんに届いたのかな? 彼女は黙りこくったまま、時折手を顎にやったり、口を隠したりとせわしない。 「……そう。貴女、恋をしていたのね。恋は良いわぁ、女を強くしてくれる最高のお薬よ」 「サヤカ、貴女もその男の子の為だから強くなれたんでしょう?私もわかるわぁ、その気持ち」 ……やったっ!さやかちゃんやりました!ミッションコンプリートっ! 「……でもねぇ、恋する乙女って傍から見たらとってもウザったいのよ」 あれ? 「特に、出会いのない職場に閉じ込められたOLなんかにはね……!」 え、そんな。 「王室直属って言葉にさえ惹かれなければ、こんな辺境に来る事無かったのよッ!ああ、あたしってほんとバカ」 嘘でしょ? 「……男と言えばあのマヌケにジジイに、後はイエスマンしか居ないじゃない!!!こんなひどい職場って無いわ、あんまりだわ!」 これ、完全にとばっちり……。 「はぁ、はぁ……。そんな訳で地球人、あんたの厚かましい願い事は却下よ」 「あぁ、インキュベーター、こいつを始末しておきなさい。私に無駄なストレスを貯めた罰よ」 「今度から今みたいなどうでも良い連絡をよこしたらあんたも廃棄処分にするからね。それじゃ」 ぶつっ……と回線が切断され、暗い室内には相変わらず無表情なキュゥべえと、あんぐり口を開けたあたしだけが残った。 「……さやか、残念だけどこれも命令だ。……おい」 キュゥべえの合図と同時に、再び兵士達が部屋に入ってくる。 そんな、わたしはまだ何もしてない!これじゃ、恭介を救えないのにっ!? 「それじゃあさやか、さよならだ」 兵士達が一斉にマシンガンを構える。 あー……そっか、もうこれで終わりなんだ。 こう言う時って、意外と恐怖を感じないもんなんだね。魔法少女だった頃の経験が生きて、鈍くなってるのかも。 皆の姿が見えてきた。これが走馬灯って奴なのかな? 最初はお父さん、お母さん。 ごめんなさい。わたしは一足先に逝きます。二人が来るのはもっと遅くて良いからね。 ……魔法少女稼業が忙しくて最近ろくに話もしてなかったから、きっと二人が知ってる最後の言葉は下らない内容なんだろうなぁ。 仁美、まどか、早乙女先生、そしてクラスの皆。 こんな事になる前の、皆との日々が今更になって懐かしいよ。 もっと一緒に居たかったな……って、遅すぎるよね。 マミさん。 正義感が人一倍強かったから、きっと一人でも戦ってるんだと思う。 でも意固地になってちゃ駄目なんです、誰かを頼って良いんだと思います……。 杏子。 正直、胡散臭い奴だと思ってはいたけど、その実力には一目置いてたよ。 意地を張らずに頼れてたら、今頃もっとマシだったかも。 転校生……いや、ほむら。 あんたには、ずっとひどい事ばっかり言って来たよね。 それでも、一番わたし達の事を思っていてくれたのはあんただった。 ほんとは自分で会って謝りたいけど、ごめん、もう無理みたい。 そして、最後に恭介。 ごめん、偉そうな事言っといて結局助けられなかったよ。 わたしが死んだって知っても、悲しまないで、前を向いて。 ザンギャックだって地球を滅ぼすつもりじゃないだろうから、何時かきっとバイオリンを弾ける日が来るよ。 ……最後に、また聞きたかったなぁ。恭介のバイオリン。 「ごめんねさやか、もう君には作戦上一片の利用価値も無いからね。生かす理由も無いんだ」 「全く、わざわざ敵地に入り込むからこうなるのさ。わけがわからないよ」 兵士達が、引き金に手をかける。 ……その瞬間、一斉に崩れ落ちた。 後ろに立っていた人影に一瞬で殴り倒されたみたい。 人影が口を聞いた。 「そいつには利用価値が無い、と言ったな?」 「なら、俺が頂いて行こう。……海賊らしくな」 ……え?わたし、助かったの?って言うか……なんでこの人がわたしを? そこに立っていたのは、4番目のスーパー戦隊『電子戦隊デンジマン』の一人。 『デンジブルー』だった。……もとい、レジェンド大戦で失われた、その力を受け継いだのは。 二段変身を解除し、ゴーカイブルーがその姿を現す。 「……?何でここに?と言うか、何故ここがわかったんだい?」 「アンチバリアは最大出力のはずだ。君達はおろか、全宇宙のどのレーダーでも察知出来ない筈なのに」 部下を一気に失った事より、そんな事を気にするのがこいつらしい。 「だいたいの位置さえわかれば、後はこいつの力で楽勝だ。……大昔からいる割には、学が無いようだな」 そう言ってゴーカイブルーは……ジョーさんは、先程使ったデンジブルーのキーを取り出した。 「『デンジマン』でデータベース検索……なるほど、異次元をも見通す[デンジスコープ]か」 「そんな能力を備えた戦隊が居たなんてね……確かに不勉強だったよ」 「……おい、何をしている。さっさと立て、『美樹さやか』」 どこか悔しげなキュゥべえを無視して、ジョーさんが私の手を引く。 「ただで逃げられるとでも思っているのかい、ゴーカイジャー?」 「なら止めてみれば良い。貴様ら如き、俺一人で叩き潰してやろう」 ジョーさんは、キュゥべえの捨て台詞を一言で切り捨てた。 そしてわたしの手を引いて走りだす。 そのエスコートぶりは力強く、荒っぽい。でも、不思議と不快では無かった。 ―――side 佐倉杏子 見滝原市の中央部を南北に貫いて流れる川の河川敷。 風力発電用の風車が林立するこの土手は、見滝原市の風景の中でも1、2を争う程有名だ。 最近でもどっかの魔女っ子物アニメのモデルになった、らしい。 あたしは、正直ここが気に入っていた。 この街に知り合いの少ないあたしは、物言わぬ風車を見る事でリラックス出来たからだ。 その風車の向こうに、『あいつ』の無惨な姿が見えた。 「そんな……嘘だろ、こんなの……」 雨の日も、風の日も、あたしを守り、支えてくれたあいつが。 何時でも力強くそびえ立って居たあいつが。 骨抜きにされ、ぐしゃぐしゃに潰れた悲惨な骸を晒していた。 「あ、あぁぁぁぁ……うわぁぁぁぁぁっ!!」 不思議と涙はこぼれない。あたしは、ただ叫び続ける事で哀悼を表現した。 ―――side ハカセ(ドン・ドッゴイヤー) 午前中ギラギラ照りつけ、僕をさんざん苦しめた太陽が昼下がりには急に弱まった。 おかげで少しは体力が回復したけど……それでも、これからの事を思うと気が重い。 一応おみやげは買ってきたけど……。つい先日戦った相手に、どんな顔で声かければ良いんだろ? あーあ、せめて佐倉さんじゃなくて大人しそうな巴さんの担当にしてもらえれば良かったんだけどなぁ……。 「あ、あぁぁぁぁ……うわぁぁぁぁぁっ!!」 ……なんだろ、今の叫び声?あの風車の方から聞こえたけど。 土手の向こう側に僕が見つけたのは、両手を衝いて慟哭する赤髪の少女だった。 ……つまり、僕の尋ね人『佐倉杏子』その人。 そして、彼女の視線の先に見えるのは。 ―――うず高くそびえるダンボールと中古家電・家具の山だった。 うわぁ……こりゃひどいな。どれもこれもめちゃめちゃに壊れてる。 高い所から落下でもしたのか、ちょっとやそっとじゃ直せないひどい損傷を負った物ばっかりだ。 「ええと……その、佐倉杏子、さん……ですよね?」 「何かあったの……あったんですか?」 僕の呼びかけに、ようやく顔を上げてくれた。その髪色と同じ位に真っ赤になってる。 何をそこまで悲しんでるんだ……? 「お前にわかるかよ……あたしの、痛みが……」 「この見滝原でずっと苦楽を共にした三階建て特製ダンボールハウス(庭付き)が帰った時にはバラバラになってた苦しみがッ!」 「え……はぁ?」 何その理由!?そんな事でさっきからこの人叫んでたのぉ!? 佐倉さんは更に続ける。 「お前にはわかんねぇだろうさ……そもそもこいつとはこの街に来る以前からの付き合いなんだ」 「それなのに、魔法が解けて骨組みが無くなったばっかりに……」 「……あたしが油断しちまったからだ」 「全部あたしのせいだ、全部あたしの……あぁぁぁっ!」 そう叫ぶと、ちくしょうちくしょうと地面に拳をぶつけ始めた。 ……これじゃらちが開かないよ。最初に見た時はもうちょっとしっかりした子だと思ったんだけどなぁ? 「あー、佐倉さん、落ち着いてよ……ダンボールハウスなんてのはさ、安上がりに作れるのが利点なんだから」 「何時までも泣いてないでさ、また頑張って作ろうよ。ね?ほら、これハンカチ」 「グズ…ヒッグ……。ありがと……あんた良いヤツだね……」 ひとしきり泣いた後、佐倉さんはちゃんとハンカチを畳んで返してくれた。 なんだ、この前の印象よりもだいぶ良識も可愛げもある子だったんだ。 これなら話もさっさと済む……かな? ―――急に首元を引っ張られ、地面に転がされる。 ……あんまり突然で全く反応出来なかった。 「……で、さっきから気安くあたしの名前呼んでくれてるるけど、あんた誰?」 「あたしさ、他人にペラペラ名前教えたりしないんだよねぇ……この稼業、顔が割れると何かと面倒だ」 「場合によっちゃあ黙らせる事になるけど……どう?」 どこから取り出したのか、僕の首元にナイフを突きつけて脅す彼女の顔は、先程と打って変わって狩人そのものだった。 ……前言撤回。この子、筋金入りの肉食系じゃないか!明らかに僕よりマーベラスやルカ向きだって! 「さ、佐倉さん?ちょっ、落ち着いて!」 「僕だよ僕!ゴーカイジャーの!ゴーカイグリーンだよ!」 記憶の中の『ゴーカイグリーン』と目の前の僕がやっと一致したのか、佐倉さんがナイフを下ろす。 「あぁ、あの時の……」 そう言うと、またナイフを振り上げた。 「その節はまぁ、良くも痛めつけてくれたじゃん」 「あの耐え難い痛みと恨みを晴らすにはさぁ……もう、殺しちゃうしか無いよねぇっ!!」 雲の切れ間から挿し込む太陽光を反射し、白刃が眩く煌き……! ……そのまま、畳み込まれてポケットにしまわれた。 「……じょーだんだよ。あたしはね、我ら魔法少女同盟!なんてのはもう辞めたんだ」 「あんたらと敵対する理由は無い。この街からも出ていくつもりだしね」 そう言うと、佐倉さんは僕に背を向けて座り込み、ガラクタの山から使える荷物の整理を始めた。 ってちょっと待てよ、街を出ていくって!? 「ねぇ佐倉さん、魔法少女のみんなは良いの?それに、ザンギャックは、街の人は……?」 「はっ、何言ってんのさ。元々あたしとあいつらとの関係は完全なギブ&テイクなんだ」 「魔女を狩りやすくする為に戦力を借りてたってだけの話だよ」 「それに、あたし達はもう魔法少女じゃねーんだ。今更何が出来るっての?」 「キュゥべえ達が何企んでようが、他人を気にかけてやる余裕なんざ無いよ」 それ以降、佐倉さんは荷造りを終えるまで、僕を振り返りもしなかった。 『魔法は自分の為だけに使う』のが信条だとは聞いてたけど、ここまでドライだとは思ってなかったなぁ……。 どうにか仲良くならないと……あ、そうだそうだ。 「佐倉さん、その荷物重そうだよね。なんなら僕が持とうか」 「いらない」 ……うわぁ、否定早っ。懐柔作戦その①は失敗かぁ。 「自分自身の問題は自分で責任をもって解決するのがモットーでね。でもその代わりに……これ貰ってくよ!」 「あ、ちょっとっ!」 声をかけた時には既に遅かった。佐倉さんは僕の手から土産物の菓子折りを……懐柔作戦その②を、掠めとってしまった。 「お、これは……芋ようかんか。土産代わりに貰っておいてやるかな、うん」 「もう……まぁ最初からそのつもりで持ってきたんだけどさ。佐倉さん。勝手に取るってのは無いんじゃないの」 「へへ、悪い悪い。一切れやるから機嫌直しなって」 「あと、他人行儀に苗字で呼ばないで良いよ。杏子で構わないから」 そう言うと、佐倉さ……もとい、杏子ちゃんは、僕の口に芋ようかんを突っ込んで走り出した。 さっきの険悪さが嘘みたい。『食べる事が好き』だとは聞いてたけど、これほど効果てきめんだとは……。 これが結果オーライって奴? ……それにしても、この羊羹美味しいなぁ。 「……ねぇ、佐倉さ……じゃない、杏子ちゃん?僕らさっきからどこに向かってるの?」 「って言うか、どこまで歩くのさ……!ちょっと、くらい、休ませて……うへぇ」 数十分後……見滝原の町外れ、どこに続くかも分からない木立の中の一本道を僕達はひたすら歩いていた。 「んだよ海賊の癖に。なっさけねーなー、ちょっとくらい歩いただけでへたばんないでよ」 「君が元気すぎなんだよ……ねぇ杏子ちゃん、街から出ていくなら逆方向の方が良いと思うんだけど」 「あぁ、ちょっと子供の迎えにね。……言っとくけど、あたしのガキじゃないからね」 「言うなれば戦友……の、見習いってとこかな。筋は良いけどまだまだ半人前さ」 「へー、それじゃもう一人魔法少女が……って、えぇぇぇ!?まだ居たの!?」 「って言うか、君が子供の世話ね……」 「悪かったね、イメージと合わなくてさ。……その子はさ」 「あたしがちょいとポカやらかしちまったおかげで魔法少女なんてやくざな稼業する羽目になっちまったんだ」 「別に罪滅ぼしって訳じゃあないけど、眼の前で死なれても後味悪いし」 「魔法少女として、一人の人間として自立して生きていけるよう……ちょっと、聞いてんの?」 ……どうやら僕は、杏子ちゃんの話をまともな顔で聞いていなかったようだ。 だってしょうがないだろ!?あの【グリーフシードの為なら人も見殺しにする】はずの魔法少女佐倉杏子が、幼い子供を抱えていた上に、その子供の話で微笑んでるんだから。 暁美さんから事前に聞いたイメージと違いすぎて今は正直、笑いをこらえるのがやっとだ。 ……何て事を口走ってみようものなら殴られちゃうかも。 ここは口をつぐんで耐えるしか無い……かな? 「……ま、良いけどさ。そんなこんなであたしは、二人分のグリーフシードを稼ぐ為にやむなく見滝原の魔法少女と組む事にした、って訳さ」 「なーんだ、杏子ちゃんにも優しい所あるんじゃない。その思いやりをもうちょっと周りにも「うるせぇ」……痛っ!」 あいたた……やっぱり要らん事口出すもんじゃなかったかな。デコピンの良いの貰っちゃった。 「……あたしの事冷血動物だとでも思ってたワケ?ま、見滝原の正義の味方気取りの連中は正直どうでも良いけど」 「キュゥべえのヤローにべったりだったマミとか、そのマミが大好きだったまどかやさやかは今頃悲惨だろうね」 彼女は、またぽつり、ぽつりと語り始めた。 「悲惨って言えば、ほむらの奴も可哀想だよな。だいぶ方向が違うとは言え、キュゥべえに皆騙されてるってのは同じだったんだ」 「それをわかってやらなかったってのは、ちょっと悪い事したかな」 ―――この子は強がって、自分一人だけで生きているつもりなのかも知れない。 でも、心の底ではやっぱり他人を思いやれるし、年頃の少女らしく夢と正義を信じているのかも。 「でもなぁ、それもあいつら個人の問題さ。契約したその瞬間から一人で戦って生きていくしか無いのがあたし達魔法少女。 ただの人間になったっておんなじさ、生きている限り自分の為に精一杯にやるだけ。 そんな事もわかんねぇ奴がどうなろうと、あたしが知った事じゃないさ」 夢と正義を……信じているのかも……と、思ってたんだけどなぁー……。 彼女の心は予想よりひどく孤独で凝り固まって、他人を最初から拒絶してかかっている。 ……やっぱり、僕よりルカの方が向いてたんじゃないかな? 僕なんかの言葉が、彼女の心を解きほぐす事が出来るのかな? 「そういう訳だからさ、あんたら海賊があたしに何かさせようったって、あたしは力にもなれないし言う事を聞くつもりだって無い」 「待ち合わせの場所もすぐそこだ。ご足労申し訳ありませんがね、あんたももう帰んなよ」 そんな事言われてもこっちだって帰れない。僕は、脚を早めた杏子ちゃんに懸命に追いすがった。 「ちょっ……ちょっと待ってよ!」 「何時までもしつっこいなぁ……そーいう奴は、どんな世界でも嫌われるよ?」 「ほら、あの建物が約束の……何っ!?」 林道を抜けた先には、地球で言う「ヨーロッパ」風の建物が建っていた。 ろくに手入れもされず長い年月を経たのか、外装はボロっちくなってるけど、それでも建物の体を保っている。誰かが手入れをしていたのだろうか? おんぼろになってもどことなく厳かなのは、ここがもしかしたら以前地球の宗教施設だったからかも知れない。 その建物の半開きになった扉の前に、緑色の何かが転がっていた。 ぼろぼろになった服にちぎれたネコミミ、そして全身に裂傷を負い、もぞもぞともがくそれは……もう良く見なくてもわかる、魔法少女だ! 「~~ッ!ゆまァッ!」 杏子ちゃんが、弾かれたようにその子の下へ駆け出した。 「ゆま!おいゆま、大丈夫か!目ぇ覚ませ!」 「……くぁぁ、うぅん……キョー……コ……?」 「無理して起きるな、そのままで良いから。……中で何があったんだい?」 「ゆま……キョーコが来るのを、待ってたんだけど……」 「ザン……ギャックが……突然やってきて……。がんばったんだけど……」 「ごめん、ゆま、役に立たなくて……」 それだけを振り絞るように言うと、緑の少女は血を吐いて再び倒れ伏した。 すかさず杏子ちゃんが羽織っていた上着をかけてやり、グリーフシードで汚濁したソウルジェムを浄化する。 「……この子はね、あたしの傷を治すって言う願いで契約した魔法少女なんだ」 「だから人一倍、痛みに強いし回復力も高い」 「そんなゆまを動けなくするまで痛めつけたザンギャックにあたしは今めちゃくちゃむかついてる……」 「この手で100倍返しにしてやらねぇと気が済まないね……」 いつの間にか杏子ちゃんの腕には、ゆまちゃんの魔法で作った物だろうか、見慣れた例の槍が握られていた。 怒りのやり場を求めるようにそれを振り回しつつ叫ぶ! 「そしてもう一つ!あたしがかつて守りたかったこの場所を、ザンギャック野郎が土足で荒らしまわりやがるってのが絶対許せねぇ!」 「おいハカセ!あんたも『スーパー戦隊』なんだろ?あたしに、力を貸してくれ!」 ……初めてかな、この子に頼られるのは。それ程に思い入れと怒りが大きいのか。 恐らくこの場所にとても大切な思い出があり、そして、今はゆまちゃんを守る事を生きがいにしていたのだろう。 その愛を踏みにじられたが故の怒り、と言う奴だろうか。 それでも……。 「断る。杏子ちゃん、君がやろうとしてる事は君の言う『個人の問題』でしか無いだろ?僕に戦う義理は無いよ」 「それでも僕を戦わせたいなら……一つ、条件があるんだけど」 大きく目を見開いて分かりやすく驚く杏子ちゃんに、切り札を突き付けた。 「戦いが終わったら、何でも一つ僕の言う事を聞いて貰いたいんだ」 杏子ちゃんの顔が苦々しく歪み、歯ぎしりの音が軋む。 「……あたしの知ってるスーパーヒーローって奴ぁ、もっとマシな連中だと思ってたんだけどね!」 「僕はヒーローじゃない、海賊だよ」 「そうかい……やってやるよ、やりゃ良いんだろ!その代わり、絶対にぶっ倒さないと許さねぇからな!」 僕達は建物の入り口前に立ち、閉ざされた扉を見据えていた。 先程から何故かザンギャックの兵士が全く外に出る素振りを見せない為、こちらから奇襲を掛ける手はずになっているのだ。 「……良いかハカセ、あんたが派手にぶっぱなして注意を惹いた隙にあたしが突っ込んで暴れまわる」 「あんたはそれを後ろから援護する。この作戦で行くからな」 「杏子ちゃん、それは作戦って言うにはちょっとお粗末すぎるような……」 「うるさい、つべこべ言うなぁ!」 「……ゴホン、それじゃ行くよ!」 「はいはい……ゴーカイチェンジ!」【マァァァジレンジャァァァッ!】 「そして……ジルマ・マジカ!」 僕=マジグリーンの魔法によって、古い木製の扉からみるみるうちに新芽が生え、蔦が伸び……。 瞬く間に成長した大樹は扉と周りの外壁を飲み込み、それらを破壊した。 「よっしゃぁっ!いくぞ、おらぁぁぁっ!」 杏子ちゃんが凄まじいスピードで内部に侵入し、すぐに見えなくなった。 援護しろったってどこに居るかわからなきゃ魔法の撃ちようが無いって言うのに……やれやれ、後を追うしか無いか……。 Ex-side-sp[いつかどこか、遠い場所で] ……あれから、どれくらいの月日が経ったんだろう? 力尽きた魔法少女の魂を掬い上げる、その為だけに存在するようになった『私』は、最早時間の流れさえも認識出来なくなっていた。 とはいえ、この生活(?)だって捨てたものではない。 『人間であった』頃には知り合えなかったであろう魔法少女とも会えるし、みんなを絶望のサイクルに巻き込まないと言うだけでもやり甲斐のある仕事だ。 それに、世界中の『いつ』でも『どこ』でも行く事が出来ると言うのも中々に役得だ。自分専用の図書館が出来たようで、飽きがこない。 その中でも、かつて自分が生きた祖国、日本の1900年代終盤~2000年代序盤を良く訪れている。 魔法少女仲間だったマミさんや杏子ちゃん、最後にやっと分かり合えたほむらちゃんをこっそり応援したいって言うのも目的の一つだけど、この時代にはもう一つ楽しみがある。 『プエラ・マギ麻美☆魔義化』と言うTVアニメと、ネット上でそれの二次創作品を見る事だ。 辛い現実に耐えつつ正義を信じて戦う少女、麻美が志半ばにして倒れながらも、2人の後輩や元ライバルの少女によって救われると言う物語で、何か他人事では居られない。 陰惨な展開や演出から賛否両論の作品ではあるが、二次創作の小説などでは一転、少女達を救うような展開の作品が多い。 『私』は、数多あるその作品の中の一つを読んでいた。これはどうやら長寿特撮ドラマ「ウルトラ先輩シリーズ」の最新作「山賊先輩ゼンカイジャー」とクロスオーバーした物らしい。 文が固くて読みづらく、展開も遅い作品ではあったが……かつて自分も一人で、そしてタツヤと一緒に見ていたそれらのシリーズを思い出すと不思議と読み進める事が出来た。 まぁ、元から暇だったと言うのもあるけど。 「あれ……?」 『マミマギ』登場人物の一人、恭子が悪の組織『レーコック王国』の罠と化したお寺に飛び込む場面で中断したかと思うと、見覚えの無いURLが表示された。 どうやら、この小説が連載されている掲示板以外のURLで、内容もこの小説とあまり関係ないみたい。 「どうしようかな……?」 このまま書かせてしまえば、ただでさえ筆の遅いこの作者は更に麻美の物語を進めなくなるだろう。 悩んだ結果、向こうのスレッドに投下されるはずだった感想・支援レスの一部を『円環の理』へと導く事に決めた。 可哀想だけど、浮気は駄目だよね……。ティヒヒヒ、と久々の笑いがこぼれる。 改めて元のスレッドに戻ると、作者が謝罪文を投下していた。どうやらこちら一本で頑張ると誓っているらしい。 ……どこまでがほんとか、怪しいなぁ?ちゃんと守ってくれなかったら、出て行ってお説教でもしてあげても良いかも。 「早く麻美さん達を救ってあげてよね!ほんと、わたし達にも、あんなヒーローが居れば良かったんだけどなぁ」 ふと漏らしたその言葉が、『1976年』から導かれた一人の魔法少女と入れ違いになって時空を飛び越えた。 図らずもそれが、『願い』の形になっていたのは……わたし自身、救われたいとどこかで望んでいたからかも知れない。 世界の歪みを急速に正され、歯車が逆に回り出し……! 「おぎゃぁ、おぎゃぁ!」 「おーよしよし、良い子良い子……トモくん、ちょっとTV点けてくれる?10チャンネルね」 「はいはい……しかし、女の子なのにこんなのが好きだなんて、まーちゃんは変わってるねぇ?」 「何言ってんのさ、これからは女だって強くないと駄目だって」 『そ、そんなぁっ!?俺も、泥人形だったのか……』 「びぇぇぇぇっ!?」 「あーTV消してTV!ジュンちゃん、やっぱ情操に悪いよこれ」 「ふぎゃぁぁぁ!ぐっ、ふぇっ……やー!やーのー!」 「あははは、怒ってる怒ってる。駄目だよ、好きな物は見させてあげないとねー?」 「わかったよ……すぐ泣く癖に、君に似て気が強いんだから。芯の通った良い子になりそうだ」 「当たり前さ、あたしとあんたの子供だもん」 ―――side 杏子 「―――ぉぉぉぉおらぁぁぁっ!……あぁ?」 もうもうと立ち込める土煙を駆け抜け、教会内部に入ったあたしが見たのは…… 礼拝堂を埋め尽くさんばかりに展開した銀メットと青い鉤爪のザンギャック兵達。……ではなく。 もはや見慣れた空間の歪み……つまり、魔女の作る結界への入り口だった。 キュゥべえは……あのヤロー、あたしをどこまで怒らせたら気が済むんだ? 魔女の印―――鎖で作られた十字架の紋章が、怪しく光る。 この場所まで魔女に巣食わせるなんて、あの白饅頭、あたしをどこまで怒らせたら気が済むんだ? 魔女の印―――鎖で作られた十字架の紋章が、怪しく光る。 「上等だよ……それじゃあいっちょ、久々に我が家のお掃除と行きますか!」 生身で、人間のままで魔女と戦う事に戸惑いは無かった。 ただ一つの拠り所を穢された怒りは、そんな物で抑えられない。 今はただ……この魔女と、ザンギャックに一撃ぶち込んでやらない事には気が済まない! あたしは、迷う事なく結界に飛び込んだ。 ……はずなんだけどな。 「また礼拝堂……どうなってるんだ?ここって、結界だよな」 結界の中に広がっていたのは、先程入った礼拝堂の内部と寸分違わないように見えた。 椅子や教壇の配置、装飾品、細部のデザイン……。 多少、実物より小奇麗に整ってはいるが、殆どが丸で判を押したように現実世界を踏襲していた。 辛うじて言うなら、壊れたステンドグラスが直っている事くらいか? 「……こうもそっくりだと気持ち悪いな。さて、出てきなよ!パクリ野郎の魔女さんよ!」 返事は無い。さほど広くもない結界の内には、何一つ動く物が無かった。 あたしは祭壇から降り、本来信者達の座るべきベンチを覗いた。 「ひっ……!?」 ベンチの下を覗いた瞬間、思わず息を飲んだ。 その狭い空間は青と薄紫、そして銀色で埋まっていた。 ザンギャック兵の身体でぎゅう詰めになってやがる……。 ベンチの下の奴は既に息を引き取ったのかピクリとも動かず、足元に転がる青いのは蜘蛛の巣から逃れようともがく羽虫のように、弱々しく四肢をぶらつかせている。 ここの魔女に倒されたら、あたしもこの廃人達の仲間入りって訳だ。 槍を構え直し、周囲を睨みつけて気合を入れなおす。 死体の中には鋭利に切り裂かれたものもある、これを踏まえると生身の人間であるあたしは圧倒的に不利だ。 生身で魔女の斬撃を受ける事は即、死を意味する。 一瞬でも気を抜く事の許されない緊張が続く―――。 実際、大して長くはなかっただろう。しかし、あたしの体感では、それは何時間にも及んだ。 「―――はぁっ……」 結局、槍を杖にして大きく息を一つついた。 全身に張り巡らせた緊張の糸がほぐれる―――まさに、その瞬間だった。 “何か”が、あたしの肩を掴んでいた。 「ひゃあぁっっ!?」 我ながら柄にも無い声を上げ、握った槍を思わずめちゃくちゃに振り回す。 予測しきれない軌道のせいか、はたまた油断していたのか、石突きが良い勢いでめり込んだ。 手応えは充分。 それを証明するように、突いた先から「ぐぶぇっ.....」と鈍いうめき声が漏れる。 あたしは大股に3歩飛び退り、充分な距離を取って、痛みで無様にぴくぴく震えるそいつを見据えた。 ……先程共闘を誓った緑色の男が、げほげほと咳き込みながらあたしを見上げていた。 「……おい、なんであたしを後ろから襲うような真似したんだ?」 「いてて……杏子ちゃん、誤解だって。ただ肩を叩いたってだけでここまでボコボコにするのはひどいよ」 緑色の男は、そう言ってさも痛そうに腹を撫でた。 そして、急に真顔になって続ける。 「それよりさ、杏子ちゃん……ひとつ、良いかな?」 「……ここから逃げよう。僕はこの有様だし、君はそもそも生身の人間なんだから」 「今戦ったって勝ち目なんか無いよ。それより……今この瞬間もザンギャックに多くの人が襲われてる」 「今は戦えなくても……僕達ならその人達を救ってあげられるんじゃないかな、杏子ちゃん」 「僕は今、ここで止まっている訳にはいかないんだ!頼む、一緒に来てくれよ……」 その言葉に、嘘はなかった。誰かを救いたいと言う願いで満ち、輝いているような気すらする。 【愛と正義のヒーロー】って言うのが居るなら、おそらくこんな事を言うのかも知れない。 「そうかい、わかったよ」 「あんたと……戦ってやるさ」 立ち上がるのも困難な様子なので、槍の柄を差し出す。 「ありがとう、杏子ちゃん……!」 手を差し出して答え、槍の端が力強く握りしめられる。 すかさずその手につま先蹴りを見舞い、手を離させる。 同時に、立ち上がりかけで不安定な姿勢にある所を足払いで薙ぐ。 最後に―――倒れ込んだそいつを、頭からまっすぐに巨大な槍の穂先で引き裂いた。 パリン、パリンと言う音がなんとも気持ちいい。 「ただし、『一緒に戦う』とは言ってないけどな。契約する時はちゃーんと条件聞かないと騙されるよ?」 「ハカセに化けてあたしを油断させようって腹だったみたいだけどね、あいつは結界の中で変身を解くような馬鹿じゃない」 「ついでに言うと変身してないあたしにボコボコにされるほど弱く無いし、約束を違えるような奴でもねーよ」 「……あぁ、仮にも海賊なんだから無条件で他人を救おうなんてお人好しでも無いだろうね」 「要するに、人を舐めすぎだし買いかぶりすぎ。見る目が無いお馬鹿な魔女さんよ、かかって来な!」 【ハカセだったもの】は、足元で色鮮やかなガラスの破片に姿を変えていた。 使い魔を殺られた怒りか、挑発に釣られたのか。 礼拝堂の客席が突然開け、ずんぐりとした魔女が姿を現した。 屈み込んで頭を垂れる姿は、祈りを捧げるようでここに妙に似合ってる。 先手必勝、バテてしまう前に勝負を付けるべく、あたしは意を決して斬りかかる。 ……が、魔女の身体から飛び出した鎖に刃が食い込み、逸らされる。 止むをえず飛び退き、ベンチの間に降り立った所に―――。 「……のわっ!?」 頭上のステンドグラスが強烈な光を放ち、あたしの目を焼く。 目が眩み、動けなくなったその隙を狙ったかのように、鎖が蠢くじゃらじゃらと言う音が周りを囲む。 ……くそっ、これじゃベンチが邪魔で逃げられやしない。 チッ、自分の無鉄砲さを恨むよ、ほんと……。 ……いつまで経っても鎖が打ってこねぇ。 何があったんだ、これは……? しょぼつく目を見開いたあたしの視界に最初に入ったのは…… 杖から生やした蔦で鎖を抑えつける、深緑の背中だった。 「お待たせ、杏子ちゃん。でも勝手に走っていかないでよ、探したんだから」 「……ごめん」 そんな口調で妙に優しく言われると、どうも調子狂うんだよな……。 ま、頼もしい味方ではあるんだけど。 「ま、良いや!今は一緒に戦う仲間だろ?さっさとこいつやっつけちゃおうよ!」 「じゃあ僕から行くよ、ついて来て!……『マジ・マージ』!」 「ふんッ……おらぁぁっ!」 ハカセの身体がムキムキになり、腕の一振りで鎖を引きちぎる。 腕を返し、大振りで放った拳が魔女を打ち抜き、吹き飛ばした。 やばい、すっげぇ頼りになるけど笑える。 あの優男が、似合わねーにも程があるっつーの……ぷぷっ。 「……杏子ちゃん?」 攻撃の手を止め、ハカセが振り返る。 ……そのガタイで凄まれるとあんたでも普通に怖いな。 「わかってるよ……魔法コンビ、結成と行こうじゃん!」 【魔女図鑑ex】 GS-5501 Charlotte-custom 「執着」を性質とするお菓子の魔女が幾度かの撃破・復活を繰り返し、更にザンギャック帝国の技術で改造された事で生まれた実験体。 食物を欲しがりたがるその大口には、実体の無い攻撃なら何でも吸収する機能が備わった。 元から再生能力は高かったが、改造によって更に強化され、傷口から分身体を放つ事が可能になった。 誕生したばかりなのにGSを産めたのは、QBやゴーミンの死骸を食べた為。たぶん。 エセ関西弁は様式美。 プミラ 教会の魔女。その性質は慈愛。 自らの愛する人や、世界を傷つける者を許さないが、それすらも[ピーーー]事はせず、心を奪うだけに留める。 教会を模した結界で日々祈りを捧げ、世界の平安を祈る。 もちろんリンゴには目がない。 元ネタはガイドブックに載ってた「教会の魔女」そのまんま。あと魔獣の設定もちょっぴりヒントになったかも。 エルザマリア、クリームヒルトと被るなんて言わないで クレア 教会の魔女の手下。その役割は献身。 弱いながらも魔女の為に尽くすが、空回りする事が多い。 それがわかってても二人は仲良し。 名前の由来は999のクリスタルガラスの人 BACK 海賊戦隊ゴーカイジャー「見滝原市……?」 2 Next 海賊戦隊ゴーカイジャー「見滝原市……?」 4
https://w.atwiki.jp/homepage/
ホームページ・コレクションへようこそ!! あ い う え お か き く け こ さ し す せ そ た ち つ て と な に ぬ ね の は ひ ふ へ ほ ま み む め も や い ゆ え よ ら り る れ ろ わ い う え を
https://w.atwiki.jp/hotanifes/
穂谷祭2010 ふるさと ~I m 穂ーむ!~ 皆さんこんにちは!穂谷祭2010実行委員長の伊藤康太ことJr.です! 今年のコンセプトは「ふるさと」!、このコンセプトには穂谷に住む方はもちろん、元穂谷外大生に穂谷を第2のふるさととして考えてもらおうと思い決めました。私自身、生まれは青森ですが今は青森と同等以上に穂谷を愛しています!! そんな穂谷を盛り上げるべくこのホームページでは各イベントの紹介や、芸人さん情報、イベントの直接参加募集など、「穂谷祭2010」を随時紹介していきたいと思います!! ほたに 日 程 ・平成22年11月4日(金)、5日(土) 10 00~17 00 場 所 ・関西外国語大学穂谷学舎 (京阪バス境橋下車) イ ベ ン ト 紹 介 イベント参加者募集中!? 芸 人 ラ イ ブ 活 動 写 真 館
https://w.atwiki.jp/sanaleon0250/pages/11.html
お待たせしました!遂にSalon de Leonホームページ、リニューアルOPENです!
https://w.atwiki.jp/yoshiki111/
良樹のホームペーーーージ ここは管理人良樹が管理しているホームページです。 掲示板なとにもきてください。 ルールは絶対守ってください。
https://w.atwiki.jp/ng11ng11ng11/
ようこそNG!!のホームページへ♪ NG11とはいったいなんぞや? 役者紹介 公演情報