約 470,789 件
https://w.atwiki.jp/keikenchi/pages/1498.html
他のタブンネを見捨てる奴がプリンセスなわけないだろ。薬で苦痛もなく死ねただけ他のタブンネよりマシ -- (名無しさん) 2013-12-15 16 04 24
https://w.atwiki.jp/yushiki-zesei/pages/17.html
O.Aの見解 燃えるゴミと燃やせるゴミ 燃えるゴミ 自然界に放置しておくと勝手に炎上する塵 火気を近づけると炎上する塵 燃やせるゴミ 地方公共団体などの条例等の下、焼却処分してもよい塵 火気を近づけると炎上させることのできる塵 燃えないゴミと燃やせないゴミ 燃えないゴミ 自然界に放置しておいても勝手に炎上しない塵 いくら火気を近づけても炎上しない塵 燃やせないゴミ 地方公共団体などの条例等の下、焼却処分してはいけない塵 いくら火気を近づけても炎上させることのできない塵 以下会議室 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/lm-kamakuratokiwa/pages/13.html
背景 ポリ包装が分別対象に増え、量がかさばる為ゴミ置き場の許容量を圧迫している ゴミ分別のマナー向上 使用済み植物性油も分別対象となる 容器が破損。買い替える必要がある こちらに現状なり連絡なり、お好きに書き込んで下さい -- 保立 (2007-03-20 22 59 49) 名前 コメント 背景 第1期管理組合の頃からゴミの分別がされていない。そのため、鎌倉市のクリーンセンターから改善命令が出された。状況が変らないとゴミが回収されなくなる可能性も示唆された。また、ゴミ回収対象外の粗大ゴミが出され、持ち主(持ち主は不明)に撤去をお願いする張り紙を掲示したがゴミは撤去されない。 ポリ包装が分別対象に増え、量がかさばる為ゴミ置き場の許容量を圧迫している ゴミ分別のマナー向上 使用済み植物性油も分別対象となる 容器が破損。買い替える必要がある
https://w.atwiki.jp/bksecurity/pages/73.html
L:阿蘇重工ゴミ収集車 = { t:名称 = 阿蘇重工ゴミ収集車(アイテム) t:要点 = 積載量1t、ツーマンセルで運用、消費社会の結果 t:周辺環境 = きれいな町並み t:評価 = なし t:特殊 = { *阿蘇重工ゴミ収集車のアイテムカテゴリ = ,,,非着用型アイテム。 *阿蘇重工ゴミ収集車の位置づけ = ,,,搭乗型アイテム。 *阿蘇重工ゴミ収集車の使用制限 = ,,,設定国民しか使用できない。 } t:→次のアイドレス = ゴミの燃料化(技術) } 120マイル このアイテムの値段は、アイテムそのものの効果に依るものではなく、次のアイドレスの価値によるものとなっており、次のアイドレスとのコンボを前提としております。これは、消費の活発化によるゴミの増大と、ゴミの燃料化で燃料に転換することで、経済発展と環境問題への対応を両立しつつ、燃料まで得ることを目的としています。それだけの価値があるアイテムですが、次のアイドレスを外した廉価版も開発中です。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1049.html
※舞台は幻想郷ではないです。 『灰色の檻の中で』 「ゆっくりちていっちぇね!!」 赤ちゃんれいむが産まれたのは灰色の壁の中だった。 四方はコンクリートの高い壁に囲われ、壁の最上部には網がかかっている。 網のさらに上方は半透明の板に覆われているので太陽の光はぼやけている。 れいむの目の前には自分と同じような姿でとても大きいお母さんがいた。 周りには自分と同じように産まれたばかりの姉妹がいる。 お母さん達も姉妹もみんな、赤いリボンが印象的なゆっくりれいむだ。 「すごいゆっくりしてるよ!!」 「ゆっくりしていってね!!」 二人のお母さんが赤ちゃん達の産声に笑顔でそう返した。 そしてお母さんは頭に生えた茎を千切って食べさせてくれた。 れいむも姉妹も茎の自分達が繋がっていた場所を咥えて中身を吸い出していく。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせ~♪」 れいむ達は茎から出る甘くて美味しい物を食べて、幸せを言葉にする。 母ゆっくり達はそれを見てとても哀しそうな表情を浮かべていたことに気付く赤ちゃんはいなかった。 母ゆっくりは知っているのだ。 この食事が本当の意味で最後の幸せな食事になることを。 れいむ達は初めての食事を終えるとお母さんに甘えてゆっくりしだす。 れいむはお母さんの頬に身を摺り寄せた。お母さんの頬はとても柔らかくて温かかった。 「おかーしゃんゆっくちちようね!」 「おかーしゃんのからだあったかくてゆっくちできるよ!!」 「つつまれてきもちいーよ!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 母ゆっくりは可愛い赤ちゃんに囲まれて嬉しそうだ。 れいむもお母さんが嬉しそうに笑うのを見て嬉しかった。 しかし他の姉妹の言葉にお母さんの笑顔は消えることになる。 「ねぇおかーしゃん」 「ゆっ? かわいいあかちゃんどうしたの??」 「おそとでゆっきゅりしたいよ!」 「ここはくらくてゆっきゅりできないよ!!」 「それになんだかちゅめたいよ!!」 「あとなんかくちゃいよ!!」 れいむも他の姉妹の言うとおりだと思った。 何せ周りは暗い色の壁で囲まれて、空も明るくない。 さらに床はひんやりとして赤ちゃんの体温を奪う。そしておうちは何だか臭かった。 なのでれいむも他の姉妹に続いて思ったことをお母さんに言った。 「そとでおかーしゃんとゆっきゅりしたいよ!!」 れいむのその言葉にお母さん達は泣き出してしまった。 何故泣いてしまったのか分からず、れいむも姉妹もうろたえてしまう。 「ごめんねぇ、ゆっくりごめんねぇ…!」 「ここからはでられないのぉぉ!!」 れいむはお母さんの言ってることが分からなかった。 産まれる時にある程度の知識は親から継承するので外が存在することは分かっている。 れいむの見る限りこのおうちには入り口が見当たらない。でもお母さんならなんとかしてくれるはずなのだ。 なのにお母さんは出られないと言った。 「ゅ! おかーしゃんなんででれないの!?」 「ここじゃゆっきゅりできないよ!!」 「ごめんねぇ! おかあさんたちがにんげんにつかまってるせいで…!!」 「ゅ! にんげんのせい!?」 「にんげんってゆっきゅりできないね!!」 「ゆぅ、そうだよ。にんげんのせいでいつもあんなのを…」 お母さんが何かを言いかけたそのとき天井の網の半分片側がドアのように開いた。 開いた先には大きな生き物が見える。 人間だ。 人間は無表情な顔でこっちを向いている。 れいむは思った。この人間はれいむ達を外に出しに来たのだと。 外に出してと人間にお願いしようと思ったが、れいむは突然お母さんに咥えられておうちの隅へと連れて行かれた。 「ゅ? なにしゅるの!?」 「ゆ! みんなこっちにきてね! そこにいたらゆっくりできないよ!!」 お母さんはれいむを離すと、開いた網の天井の下に残っている赤ちゃんゆっくり達にそう呼びかけた。 その声に素直に従う姉妹は数匹。ぴょんぴょんと小さな体でこちらへ向かってくる。 しかし残った姉妹も数匹いた。彼女達は人間に向かって叫んでいる。 「おにいさん! ゆっきゅりだしてね!!」 「おしょとにでたいよ!!」 「………」 しかし人間は無表情のまま手に持った大きな塊を開いた網天井の上に持っていくと… ドサッ 「ゅぎゅっ!?」 「ゅびっ!」 大きな塊、何かの入った袋をおうちに投下した。 投下された先には人間に話しかけていた姉妹が二匹。 その人間は何を言うでもなく網の天井を閉めて去っていった。 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 「れいむのあがじゃんがぁぁぁぁぁ!!!」 お母さん達は落ちてきた袋の下敷きになった姉妹の元へと駆け寄った。 れいむもその姉妹もお母さんに続いて駆け寄る。 独特な臭いのする大きな袋の下からは茶色い物が飛び散っていた。 赤ちゃんのれいむでも分かる。これは姉妹だった物だ。 「ゅぁぁぁぁ!!!」 「ゅっきゅりできないよぉぉぉ!!」 「なんにゃのこれぇぇぇぇ!!」 産まれてまだ三十分にも満たない実に短い時間で命を散らせてしまった。 もっと一緒にゆっくりしたかったと潰れて死んだ姉妹を想い、家族みんなで泣いた。 程なくしてお母さん達は泣き止み、そしてポツポツと話し出した。 「これから…これからゆっくりせつめいするね」 「ゆっくりきいてね」 お母さんの言葉に赤ちゃんゆっくり達は一匹、また一匹と泣き止んでお母さんの話に耳を傾けた。 「ここでのたべものはにんげんがおとす"これ"だよ」 "これ"とは姉妹を潰した何かの入った大きな袋、その中身のことだ。 何やらゆっくり出来ない臭いがする。つまりクサい。 とてもじゃないが、れいむ達にはコレが食べ物とは思えなかった。 「なにいっちぇるの!?」 「こんなくしゃいのたべたくないよ!!」 「さっきみたいなおいしーのちょうだいよ!!」 「おかーしゃんならとってきちぇよね!!」 れいむもその姉妹達も口々に文句を言うがお母さんは顔を横に振る。 「そとにはでられないんだよ。ゆっくりりかいしてね」 「たべものはこれしかないんだよ。だからがまんしてたべてね」 お母さんはそう言うとクサい袋を横に倒して袋の中身をぶちまけた。 中身は野菜の切れ端や焼き魚の頭や骨、潰れた白米などといった生ゴミが混ざっていた。 すでに腐敗の始まっている生ゴミが床にぶちまけられて強い臭いがこの空間を支配する。 その悪臭の元から少しでも離れようとれいむ達はおうちの隅へと逃げた。 そしてその原因を作ったお母さんに文句を言う。 「くちゃいよ!!」 「おかーしゃんなにするの!!」 「しょんなのたべれないよ! れいみゅたちはおなかいっぱいだからおかあさんがたべてね!!」 「ゆぅ…」 お母さん達は困った表情をして俯いた。 今は食べなくても次にお腹が減ったときは食べることになる。 れいむも姉妹もその時のことは考えてなかった。考えたとしても次はちゃんと美味しい食べ物が出てくると考えた。 お母さん達はもそもそと臭い生ゴミ、そして生ゴミの入っていた袋(味はないが食べられる素材)を食べ始めた。 むーしゃむーしゃしあわせーとは言わず、黙って食べていた。 そんなお母さんを見て、この臭いのはやっぱり美味しくないんだなとれいむは思った。 さらに潰れて死んだ姉妹も食べられていく。 れいむ達はギョッとしたが、涙を流しながら赤ちゃんだった物を食べるお母さんを見ると何も言えなかった。 むしろ死んだ姉妹は愛するお母さんに食べられたことでゆっくりあの世に行けるのだと、本能的にそう感じ取った。 お母さんはすべて食べきらないうちに食事を終え、残った生ゴミはおうちの隅に二つの山として分けてまとめられた。 生ゴミを二箇所に分けたのには意味があるのだが、れいむ達赤ちゃんにはまだ分からなかった。 「ゆっくちまっちぇよー!」 「こっちだよー!」 「ゅゅ~ん!」 それかられいむ達はさっきまでの嫌なことは忘れて赤ちゃん同士でゆっくり遊びだした。 お母さんは黙って見守ってくれていた。 そんな風にゆっくりしていると今度はさっきとは別の人間が網の天井を開いた。 れいむは今度こそ出してくれるのかなと期待したが、お母さん達が他の姉妹を咥えて部屋の隅に移動するのを見てさっきのことを思い出す。 人間が網の天井を開けた後に何が起きたのかを。 「ゆっくりしないでこっちにきてね!! そこにいたらゆっくりできないよ!!」 「ゅ! そっちにいきゅよ!!」 れいむはお母さんの方に駆け寄る。 「ゅぎゅっ!?」 逃げ遅れた姉妹が潰れたようだった。れいむもあそこに残っていれば自分もそうなっていたかもと思うとゾッとした。 お母さんの元に辿りついて振り返ると、また妙な匂いのする袋とその下には姉妹の痕跡が散らばっていた。 れいむは恐ろしくて仕方がなかった。 さっきまで一緒に追いかけっこしてた姉妹はもう遊べないしお喋りも出来ない"物"になってしまったのだ。 その姉妹の笑顔を思い出すと自然に涙が溢れていた。 それから数時間の間に何度か人間が来た。 全部違う人間だったが、全員同じような生ゴミの入った袋を落としてきた。 お母さんによると「きょうはなまごみのひだから」と答えて、生ゴミとそれの入ってた袋をまた二つの山に振り分けていく。 さらにお母さんの話では次の生ゴミの日までこれ以外の食べ物は来ないらしい。 それはつまり、この臭くてゆっくりできない生ゴミをしばらくおうちに置いておくということになる。 当然れいむも姉妹もそんなの嫌だと不満をぶつけたが、 「つぎまでとっておかないとゆっくりできなくなるよ」 「おなかへったときにたべものがないとゆっくりできないよ」 お母さんは俯いてそう答えた。 そんなお母さんにまた文句を言う姉妹もいた。 未だに現実の見えない赤ちゃんゆっくり達はゆっくり出来ない物が近くにあるだけで嫌なのだ。 しかし時間が経てば否応でもお腹は空く。 燃費の悪い赤ちゃんゆっくりであればなおさらだ。 「こんなおうちじゃゆっきゅりできないよ! おそとがいいよ!!」 という環境への文句が、 「ゆっきゅりおなかしゅいたよ! おいしいたべものがほしいよ!!」 という風に空腹を訴える言葉に変わるのにさほど時間はかからなかった。 しかしれいむも姉妹も誰一人として、部屋の隅に積まれた生ゴミには目を向けなかった。 ひたすらお母さんに向けて美味しい食べ物を要求した。 「ゆぅ、じゃあこれをたべてね」 「これならおいしいはずだよ」 お母さん達は部屋の隅にまとめられた生ゴミの山の片側から食べ物を持ってきた。 その生ゴミの山はお母さんが赤ちゃんのために残したまだ腐ってない野菜クズや果物の欠片、あとはお菓子の残りカスをまとめた物だった。 赤ちゃん達はまだ理解してないことだったが、お母さん達は生ゴミの中から美味しい食べ物を残してくれていたのだ。 だがれいむ達はそのことを知らない。お母さんの出してくれたそれをただの臭い生ゴミと認識している。 なのでそんな物を食べさせようとするお母さんにれいむは腹が立った。 「しょれじゃないよ!!」 「おいちいのがたべちゃいよ!!」 「なんでしょんなのもっちぇくるの!!」 れいむも姉妹もみんなで文句を言う。 赤ちゃんを想って生ゴミの中から美味しい食べ物を残してあげたのに何でここまで言われるのか。 さすがのお母さん達もこれにはイラついた。 「ゆっくりだまってね!!」 「これでもおいしいものをのこしておいたんだよ!!」 お母さん達の怒声。 「ゅっ…!?」 「ゅゅー!!」 れいむ達は驚いて声を詰まらした。 今まで怖い思いを何度もした。しかし直接怒られたのは初めてだ。 お母さんの怒りに気圧されてれいむ達は怯えて縮こまった。 これ以上文句を言ったらもっと怒られると感じた赤ちゃん達はお母さんに謝った。 「ゅ、ゅっきゅりたべるよ…」 「おかーしゃんごめんなさい」 「ゆっ! わかればいいんだよ!」 「たべないとゆっくりできないからちゃんとたべてね!!」 れいむはその言葉に従うことにした。 本当は嫌だった。でも今お母さんに逆らって怒られるのはもっと嫌だった。 れいむは目の前にある野菜におずおずと舌を伸ばす。 多少臭いが味は悪くなさそうだ。 次は小さく口を開けて野菜に噛みつく。 それは料理に使わなかった大根の葉っぱだった。 水気は無く乾いていたがそれでも想像していたよりもずっと美味しかった。 周りの姉妹もお母さんの残してくれた美味しいものを食べて目を丸くしていた。 臭いには臭いのだがそれさえ我慢すれば十分ゆっくりできる食べ物だった。 れいむ達はむしゃむしゃと目の前の食べ物を口に入れていった。 「ゅ~、おいちいよ!!」 「ゆっきゅりしあわせ!!」 「おかーしゃんありがちょう!」 そんな赤ちゃん達の感想にお母さん達は嬉しそうに微笑んだ。 これで赤ちゃん達が生ゴミを食べたがらないことなく、餓死する者も出ないだろうと安心していた。 れいむもまた、優しいお母さんのおかげで美味しいものを食べてゆっくりやっていけると考えていた。 それから三週間経ち、四回目の生ゴミの日になった。 れいむ達赤ちゃんゆっくりは子ゆっくりと言われるまでに成長した。 だが成長は子ゆっくり達にとって喜ばしいことではなかった。 大きくなったことでお母さんの選別してくれる数少ない美味しい食べ物だけでは食欲が満たされなくなっていたのだ。 ここ三日ほどは不味い食べ物を避けたい一心で食欲が満たされなくても我慢していたが、それももう限界だった。 「おかあさんおなかすいたよ!!」 「これじゃぜんぜんたりないよ!!」 「おいしいたべものわけてね!」 赤ちゃん言葉を卒業したとは言え、れいむ達はまだ子供。 自分たちがゆっくり出来るのは当たり前だと思っていて、ゆっくりさせてくれるお母さんに不満をぶつける。 お母さんも出来るなら美味しい食べ物を食べてもらいたいし、さらには自由の身にしてあげたい。 しかしそれが不可能であることはお母さん自身が体験して分かっていた。 「ゆっ! もっとたべたいならがまんしてあっちをたべてね!」 「おいしいたべものはすくないからゆっくりあきらめてね!」 お母さん達は美味しくない生ゴミの山に目を向けて言う。 不味かったり腐ってる生ゴミは美味しいものより多く、親ゆっくり二匹でも食べきれないので高く積まれていた。 二週間前の生ゴミも残っていて匂いは相当キツかった。 外にも出たことのないような箱入りの飼いゆっくりであれば、その悪臭のショックで気絶してしまうだろう。 そんな激臭にこの家族が耐えられるのは産まれた瞬間から同じような臭いの中にいたからだった。 「ゅ…がまんしてたべるよ」 れいむがそうお母さんに伝えて不味い生ゴミの山に跳ねていくのも臭いに慣れていたから。 それに生ゴミの中から美味しいものだけを自分たちに分け与えてくれたお母さんに報いたかったのだ。 だからこそ嫌々と這わずに跳ねて生ゴミの山へと向かった。 「ゆ!? ほんきなの?」 「そんなのたべたらゆっくりできないよ!?」 「それはおかーさんたちがたべればいいんだよ」 他の姉妹はそんなれいむを理解できないと喚いたが、 「いつもおかーさんばかりにたべさせたらわるいよ。みんなでおかーさんをゆっくりさせようよ」 れいむがお母さんのためだと伝えると、何匹かの姉妹は理解して共に来てくれた。 目の前にそびえるのは臭くて不味そうな生ゴミの山。今からこれを口にするのだと考えると嫌で仕方がなかった。 しかしこれはお母さんをゆっくりさせるためだ。 そう考えて自分を奮い立たせ、れいむ達は静かに生ゴミの山へと体を寄せていく。 ぱくりと一口。 れいむが食べたのは腐ったライス。 今までに食べた中で一番ゆっくり出来ない味だった。 あまりの不味さに吐き気を催してしまうほどだ。 「ゅ、ゅぎゅ…」 吐き出しそうになるのを必死に抑えて少しずつ飲み込んでいく。 なんとかすべて飲み込んたが、生きた心地がしなかった。 お母さん達はこんなひどいものを今まで食べてきたのかと、 自分たちのためにこんな不味いものだけを食べてきてくれたのかとれいむはお母さんに申し訳なく思った。 そしてそんなお母さんのためにこれからは一緒の苦しみを共有しようと心の中で強く誓った。 だがれいむの姉妹が皆同じように考えるわけではない。 遠くからこちらの様子を眺めている姉妹はきっと追い込まれるまでずっと不味いものには手を出さないだろう。 れいむに続いて不味い生ゴミを食べた姉妹も反応は様々だった。 「ゅげぇぇぇぇ!!!」 一匹の姉妹がその不味さに耐え切れずに口に入れたものを体内の餡子と一緒に嘔吐してしまった。 ある程度成長した子ゆっくりだったので一度の嘔吐で死にはしなかったものの顔を青ざめ震えていた。 お母さんが近づいて「だいじょうぶ? ゆっくりなおってね!」と声をかけるが反応しない。 虚空を見つめてただ震えるばかりだった。 彼女はきっと次からは不味い生ゴミに手を出さないだろう。 「ゆ"ぶぶぶばばばば!!!」 また、顔を真っ赤にして転げまわる姉妹もいた。 彼女が食べたのは真っ赤で小さなリング。唐辛子の輪切りだった。 それをいくつか一気に頬張り、その辛さに口の中に焼けるような痛みが広がったのだ。 ゆっくりは中身が甘い餡子のためか辛いものがとても苦手だ。苦手というよりも毒といっても過言ではない。 唐辛子なんて食べようものならこの姉妹のように苦しみ悶えることになる。 「ゅぐぅ…やっぱりゆっぐりでぎながっだよ」 しばらくしてなんとか落ち着いたようだったが、口の周りと舌が軽く腫れていた。 食べた唐辛子の量が少なかったのでその程度で済んだが、あまり多く辛いものを食べるとショック死することもある。 まだ生ゴミの山の前で躊躇していた姉妹はそれを見て、やっぱりゆっくりできないとおうちの向こう側へと逃げ帰った。 れいむはそれを見てとても悲しく思った。 一緒にこれを食べてくれる姉妹がいないとそれだけお母さんが苦しい思いをするのに何でそれが分からないのかと。 だが自分自身がゆっくり出来ることが大事なゆっくりがお母さんのためにゆっくりなれなくなろうと考える方が奇特な考えだ。 部屋の向こうで身を寄せ合ってこちらの様子を見ている数匹の姉妹。 ハズレを食べてしまい、苦しみに身悶えてもう二度と食べてたまるかと考える姉妹達。 そんな中でお母さんの苦しみを共に味わおうとするれいむはむしろ変わり者だ。 今のこの状況がそれを証明していた。 お母さん達はハズレを食べて苦しむ姉妹が落ち着いてきたのを確認するとれいむの方に近づいてきた。 そして大きな体を摺り寄せてくる。 「ゆっ、だいじょうぶだった?」 「まずかったよね。ゆっくりごめんねぇ」 謝って心配してくれるお母さんにれいむは笑顔で応える。 「だいじょうぶだったよ! まずかったけどつぎもゆっくりたべるよ!!」 「ゅ…ありがとう。ありがとうぅぅ」 健気な娘の言葉に涙するお母さん達。 れいむは苦しみも悲しみもないのにどうして泣くのか不思議だったが、 それよりもお母さん二匹を独占している今をゆっくり満喫することにした。 「いっしょにゆっくりしようね!!」 「しようね!!」 離れた所にいる姉妹達はお母さんを独占するれいむを羨ましそうに見ているだけだった。 それかられいむは不味い方の生ゴミだけを食べることになった。 お母さんが分けてくれる美味しい食べ物も最初は食べようとしたのだが、 「むこうのきたないのをたべてよね!!」 「れいむはむこうのをたべたいんでしょ!」 「おいしいのはわたしたちのだよ! ゆっくりとらないでね!!」 と言った風に不味いのを食べようとしない姉妹たちに除け者にされてしまったのだ。 それを見たお母さんは姉妹を叱った。 「ゆゆ! なかまはずれはだめだよ! ゆっくりできないよ!!」 「このこにもちゃんとたべさせてあげてね!!」 「ゅ! おかーさん、れいむはこっちをたべるからいいよ!」 だがれいむは自ら美味しい食べ物を諦めて不味いのを食べることを選んだ。 確かに自分が美味しい方を食べればその分みんなの取り分が減ってしまうのだから。 本当は姉妹全員で仲良く食べたかったが、無理を言って嫌われるぐらいならそれも諦めるしかなかった。 それからさらに数日。 れいむ以外の姉妹は全員痩せ細って体も少し小さく縮んでいた。 お母さん達が分けておいてくれた美味しい食べ物の山が無くなってしまったのだ。 子ゆっくり数匹にはその山が小さすぎて次の生ゴミの日まで持たなかった。 とてつもなく飢えていたが、それでもれいむのように不味い方の生ゴミを食べようとはしなかった。 心配したお母さんがあまり腐敗の進んでない食べ物を目の前まで持っていってあげたが、 目の前に生ゴミを置かれると嫌な顔をして逃げてしまう始末だ。 「そんなのもってこないでよね!! そんなおかあさんはゆっくりできないよ!!」 さらには罵倒のおまけ付である。 お母さんはそんな娘達に打つ手が無くなっていた。 無理やり食べさせるのはやりたくないし、叱り付けても拗ねるだけで逆効果になるだけだから。 そんな姉妹に対してれいむは成長し、一回り大きくなっていた。 不味い生ゴミばかりを食べて肌にブツブツが出来たりもしたけど元気だった。 ここ数日で不味い生ゴミにも慣れてきていた。 辛味などの刺激物はさすがにまだ危険だということで体の大きいお母さんにまかせていたが少しずつ挑戦している。 「おかーさんゆっくりしようね!」 「ゆっ! ゆっくりしようね!」 「たべたあとはゆっくりがいちばん!」 最近は元気の無い姉妹たちよりもお母さんと一緒にお話することが多くなっていた。 もちろん元気なく身を寄せ合う姉妹たちを心配してはいるのだが、 それは不味いからとか危ないからとかで食事を避けている結果だかられいむがどうこう出来る問題ではなかった。 むしろ危なくなったら一緒に腐った生ゴミを食べてくれると楽観的に考えていた。 しかしその考えは少し楽観的すぎたのかも知れない。 その次の昼のことである。 れいむとお母さん達が生ゴミの山に顔を突っ込んで食事していた時、背中の方から悲鳴が聞こえた。 その声に驚いて振り向くとそこには姉妹を食べる姉妹の姿があった。 事の始まりはこうだった。 子ゆっくり達は、いつものように汚くて臭くて不味い生ゴミを貪る一匹の姉妹とお母さん達を汚いものを見るように見ていた。 あんな物をよく食べられるなと、尊敬ではなく軽蔑していた。 それよりも美味しい食べ物が欲しい。 産まれたときに食べた甘くてとろけるような食感のアレが欲しい。 子ゆっくり達が産まれた時に食べた甘くて美味しい物をひたすら欲していた。 その結果、お腹を極限まで空かせた子ゆっくり達は周りの姉妹が饅頭に見えた。 ゆっくりは元々饅頭。それを饅頭だと認識しないのは普段は理性がそれは食べ物ではないと認識させてるから。 だが栄養不足のこの子ゆっくり達はほとんど理性を失っていた。 そして一匹が目の前の姉妹、いや饅頭に噛み付いた。 「ゅ"っ」 その饅頭は噛み付かれた痛みに濁った声を出す。 噛み付いた子ゆっくりがさらに強く噛み付くと薄い皮は破れて中身が口の中に染み渡った。 甘い。 そしてとてつもなく美味しかった。 自分が求めていたのはこの味だったんだ。 それを知った子ゆっくりはそのまま饅頭の中身を吸い上げていく。 「ゅ"ぅ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 噛んだときは反応の薄かった子ゆっくりも中身が吸い上げられる痛みと喪失感には叫ばずにはいられなかった。 れいむが見たとき、何匹かの姉妹が他の姉妹に噛み付いて中身を吸い上げていた。 吸い上げられる姉妹は苦しそうに悲鳴を上げていた。 また、その悲鳴は徐々に小さくなり、体も皺くちゃになって縮んでいく。 それはつまり命が急激に失われつつあるということだった。 思いもよらなかった事態にれいむは、そしてお母さん達も頭が真っ白になって動けなかった。 そうして呆然としている間に一匹、また一匹と物言わぬ皮と化す。 まだ足りないのか一匹を食べ終えた姉妹はまた別の姉妹へと噛み付いて中身を吸う。 どんどん姉妹は減っていく。 れいむは姉妹達のおぞましい共食いをもう見ていられなかった。 これ以上見ていたられいむまで気が狂いそうで怖かった。 なので逆を向いて姉妹の断末魔を聞かないように努めた。 お母さん達はれいむが怖がっているのを見て、ようやくこの共食いを止めようと動いた。 「やめでぇぇぇぇぇ!!」 「もうだべないでぇぇぇぇぇ!!!」 「ゅびぇっ!?」 「ゅぎぃっ!!」 顔を涙でぐしゃぐしゃにしながらのお母さんの体当たりを受けて、姉妹を食べた子ゆっくりは吹き飛ばされた。 その威力は凄まじく、体当たりされた子ゆっくり達は壁に一直線にぶつかった。 だが止めるのは遅すぎた。 今吹っ飛ばした子ゆっくり以外の子はみんな死んでしまっていた。 痙攣してギリギリ生きている子もいたが、もう手遅れだ。 「ゅぅぅぅぅぅ、いだいよぉぉ!!」 「なにするの!? おかーさんひどいよ!!」 体当たりのショックで正気を取り戻した子ゆっくり達は体当たりしたお母さんに怒りだした。 だがお母さんはもっと怒っていた。 「だまってね!!」 「ひどいのはおまえたちだよ!!」 子ゆっくり達はお母さんの言っていることの意味が分からなかった。 子ゆっくりは自分が悪いことをしたと思っていない。今食べたのも姉妹ではなく饅頭だと本気で思っているのだから。 「ひどいのはおかーさんだよ!!」 「れいむたちはただおいしいたべものたべてただけだよ!!」 母ゆっくり達は娘の言葉に驚愕した。 姉妹を食い殺したうえに食べ物扱いするなんて、と。 このまま生かしておくわけにはいかないと母ゆっくりは思った。 何といっても一番可愛い子れいむが襲われるかもしれないのだから。 一緒になって不味いものを食べてくれる優しい娘を奪われるのは嫌だった。 だったら奪われる前に原因を取り除けばいい。 そうすればゆっくり出来る。 「ゆっくりしんでね!」 「ごめんね! かぞくをたべたゆっくりはゆっくりできないんだよ!!」 れいむは見た。 お母さん達が飛び跳ねて姉妹を食べた子を潰すところを。 潰されようとする姉妹と最後に目が合った。 直後、その姉妹はお母さんの体に潰されて見えなくなった。 「ゆ"ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 れいむは泣いた。大声で泣いた。 これでとうとう一緒に産まれた姉妹は他に誰もいなくなってしまったのだ。 もうあの子たちを見ることはない。声を聞くこともない。 ここ数日ほとんど会話しなかったことを後悔した。もっと話しておけばよかったと。 泣き止んだれいむはお母さんと一緒に姉妹の死骸を供養のために食べた。 生きたゆっくりを食べるとかゆっくりを殺して食べるのは許せない悪事だが、 死んだゆっくりを食べるのはいいことだとお母さんは教えてくれた。 もし逆に食べないとここの生ゴミのように腐って可哀想だとも教えられた。 「てんごくでゆっくりしていってね」 れいむは小声で姉妹の死体に呟いて口をつけた。 皮肉にも姉妹の死体は今まで食べた中で一番美味しかった。 そして少ししょっぱかった。 そして数ヶ月。 通常よりもずっと時間はかかったがれいむは成体ゆっくりにまで成長していた。 野生に生きるゆっくりであればとっくに一人立ちしてもいい頃だし、お母さんになってもおかしくない大きさだった。 だがそんな自由がないのは明らかなので、それは諦めてこんな場所ではあるがお母さん達と三匹でゆっくり暮らせていた。 しかしそんな日々は唐突に終わりを告げることになる。 ふと、生ゴミの日じゃないのに網の天井が開いた。 見上げるとそこには人間がいた。 今までとは違い、生ゴミの入った袋を持っていなかった。 しかし何はともあれ人間は敵だ。 全てのゆっくりできないことは人間のせいだ。 れいむ達は何も言わず人間をにらめつけるが、人間はそれに怯えることもなく話し出す。 「ふむ、ここは一匹だけか。 少ないが全滅よりはマシだな」 人間はれいむに向かって手を伸ばしてきた。 同時にお母さんが叫んだ。 「れいむ! にげてぇぇ!!!」 その声にビクッと体を一瞬震わせたれいむだったが、すぐに母の言葉に従って人間の手を横に避けた。 そしてそのまま走って逃げる。 そのはずだった。 「ゆー! はなじで! ゆっぐりできないよ!!」 狭いおうちの中で生まれ育ったれいむは運動能力が野生よりもずっと低かった。 最初は何とか避けれたが、その後追従してきた人間の手に敢無く捕まってしまったのだ。 「ゅー! れいむをかえしてぇ!!」 「そのこだけはもっでがないでぇぇぇぇぇぇ!!」 お母さんの姿が遠くなっていく。 「おかーさーん!!! だすげでぇぇぇぇ!! はなれだぐないよぉぉぉぉ!!」 れいむは最後に叫んだ。 お母さんは泣きながら何かを叫び、れいむを見上げていた。 それがれいむが最後に見たお母さんの姿だった。 お母さんの姿が見えなくなり、声も聞こえなくなってもれいむは元居たおうちの方向を向いて泣き叫び続けた。 人間がうるさいとかなんとか言っていたような気はするが、今はそんなのよりもお母さんの声を聞きたかった。 体を捻ってなんとか人間の手から逃れようとするが、人間の力は強く抜け出せなかった。 結局れいむは狭い木箱に詰められてどこかへ移動させられた。 その間もれいむは泣き続けた。体の水分が無くなるんじゃないかというぐらいに泣き続けた。 れいむは目を覚ました。 どうやら泣き疲れていつの間にか寝てしまったらしい。 しかし周りの様子がおかしい。 いや、おかしいというよりもこれはお母さん達と一緒にいたおうちと同じ様なおうちだった。 前と違うおうちと分かるのは床や壁に傷や汚れがない新築だったからだ。 そして目の前には初めて見るゆっくりがいた。 本能的に知っている。あれはまりさだ。 同じぐらいの大きさで向こうも今目が覚めたばかりなのか周りをキョロキョロ見回し、そして目が合った。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 挨拶をして互いに近寄って頬を摺り合わせて自分がゆっくりできると示しあう。 そしてお互いについて話し合った。 「ゆ…じゃあまりさもおなじなんだ」 まりさの話によるとまりさもれいむと同じような所に産まれ、同じような体験をしてきたようだった。 親が一匹死んだりと違う点もあるにはあったが、人間に無理やり連れてこられたのも一緒だった。 だが何故ここに連れてこられたかはお互い分からなかった。 でも分かることはある。 「ゆぅ、このおうちはまえとにてるよ。だから、つまり…」 「うん。たぶんまたたべないとだめなんだね」 れいむもまりさも理解していた。 食生活に代わりがないということを。そしてやはり救いはないということを。 と、そこへまた人間がやってきた。 れいむとまりさが身構える時にはすでに二匹は捕まっていた。 口を塞ぐように捕まえられて喋れないようにされていた。 そして人間はれいむ達を捕まえた手を上下に揺さぶる。 「ゅぐぐ??」 れいむは訳が分からない。 いきなり人間が捕まえてきただけでも訳分からないのに、 突然振動を与えられるのも訳が分からなかった。 しかしこの振動は何だか心地よかった。なんだか意識がふわふわとして徐々に気持ちが良くなってくる。 れいむはもっとこれを続けて欲しいと願ったが、もう少しですっきりできる所でおうちに戻された。 「ゆっくりしてってよー!!」 れいむはすっきりしたくて人間の手を追うが、人間は網天井を閉めて仕事は終わったとばかりに去ってしまった。 後に残されたのはすっきり寸前で止めされたれいむとまりさだけ。 れいむとまりさは見つめ合い、徐々にその身を近づけていく。 お互いに望むものは一緒だった。 れいむとまりさはすっきりした後のことまで考えが及ばず、そのまま交尾した。 そしてすっきりして赤ちゃんゆっくりが実った時にようやく理解した。 お母さん達も今のれいむと同じだったんだと。 そして頭のこの赤ちゃん達は自分達と同じような苦しみを味わうことになると。 しかし出来てしまった赤ちゃんを無かったことにするなんてれいむには出来ない。 だったら、だったらせめてこの赤ちゃん達全員を誰も欠けさせずに育てようと思う。 お母さんがしてくれたこと、自分が体験したことを参考に教育すればきっと生き残れるはずだ。 だが何匹生き残ろうとここは灰色の檻の中。 捕らえられたゆっくりは末代までゆっくり出来ず、延々と生ゴミ処理の道具として使われるのだ。 れいむ達の未来はいつまでも暗かった。 終 by ゆっくりしたい人 まだスレに書き込めないので報告なしでアップだけです。 =あとがき= 赤ちゃんゆっくり可愛すぎる。可愛いからいじめても仕方ないですよね。 現実で見つけたら間違いなく飼う。 大きく成長しちゃったら赤ちゃん生産機になってもらえばいいわけですし。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/oulc/pages/22.html
★3回生★ #1 ちあき 岩田 千明 [いわた ちあき] AT 外国語学部トルコ語 島根県松江市出身 松江南高校卒 好き***山+風の五人組、おいしいもの全般、島根 きらい・・・O澤さんの授業、自分のふともも #4 みなみ 南 未穂 [みなみ みほ] DW 工学部地球総合工学科建築専攻 奈良県出身 四天王寺高校卒 好き***チョコ★スヌーピー★きむたく★和菓子★京都 きらい***注射。病院。なすび。タクシー。蜘蛛。 #5 はっち 仲川 千晴 [なかがわ ちはる] DW 医学部保健学科看護学専攻 大阪府吹田市出身 四天王寺高校卒 好き***ディズニーランドと二度寝 きらい***足の長い虫とソフトコンタクトレンズ #6 めぐ 岩下 愛 [いわした めぐみ] AT 外国語学部 兵庫県出身 大阪女学院卒 好き***プリン きらい***辛いやつ、チャイ語の暗唱 #16 さき 野村 さき [のむら さき] AT 理学部化学科 石川県出身 泉丘高校卒 好き***エラ きらい***ぽっちゃり #18 どぅんどぅん 遠藤 真梨子 [えんどう まりこ] AW 人間科学学部 兵庫県出身 神戸女学院卒 好き***ぶどうこんにゃく きらい***きゅうり #19 くらら 倉持 悠佳里 [くらもち ゆかり] DF 経済学部 岐阜県出身 岐阜北高校卒 好き***地球上のすべてのもの きらい**地震、早起き、虫! #20 まいこ 兼田 麻衣子 [かねだ まいこ] DW 外国語学部・国際文化学科 大阪出身 大手前高校卒 好き***チップとデール きらい***なすび #21 いぶき 長橋 いぶき [ながはし いぶき] AW 外国語学部 大阪出身 #22 うーたん 宇野 陽香 [うの はるか] DW 外国語学部ウルドゥー語 愛知県名古屋市出身 名古屋市立菊里高校卒 好き***ミニトマト、パソナの裏の川の蛍 きらい***ピーマン、パソナに生息する蜘蛛 #27 とみー 中邑 友美 [なかむら ともみ] C 医学部保健学科 大阪府出身 大阪桐蔭高校卒 好き***食後のデザート、ぼーっとしてる時間 きらい***冷えたゆで卵、歯医者 #28 ゆう 池見 優 [いけみ ゆう] AT 外国語学部地域文化学科ドイツ語専攻 大分県出身 大分鶴崎高校卒 好き***アイス きらい***ミルクティー #29 さゆ 野田 沙由美 [のだ さゆみ] AT 外国語学部、地域文化学科スウェーデン語 福岡県出身 久留米高校卒 好き***〇〇〇オレ、ミルクティー きらい***約束を守らない人 #37 えびちゃん 衣斐 仁美 [えび ひとみ] AT 経済学部 岡山県出身 倉敷青陵高校卒 好き***地図、電車、唐揚げ きらい***階段、掃除 #38 ゆーみん 原 裕美子 [はら ゆみこ] G 文学部・人文学科・芸術学専攻 兵庫県神戸市出身 長田高校卒 好き***からぉけ★牛乳★ きらい***からぉけと牛乳を否定する人! #39 ほりこ 掘子 明日美 [ほりこ あすみ] G 外国語学部アラビア語専攻 山形県出身 酒田東高校卒 好き***寝ること きらい***起こされること #52 まり 吉田 真理 [よしだ まり] C 工学部応用自然学科 大阪出身 神戸女学院卒 好き***ありすぎるな・・・ きらい***雨 #74 りえ 西尾 梨恵 [にしお りえ] DF 外国語学部、国際文化学科 鳥取県出身 鳥取西高校卒 好き***サティア、田舎 きらい***自分の泣き虫、大きな胃 #76 なむ 阪本 奈里 [さかもと なむら] DF 外国語学部地域文化学科ロシア語 愛知県名古屋市出身 桜花高校卒 好き***チュッパチャップス きらい***カエルさん #83 さっちゃん 大坂 理美 [おおさか さとみ] MF 経済学部経済・経営学科 富山県出身 高岡高校卒 好き***抹茶味 きらい***カラスとハト #90 みっころ 桑島 真美 [くわじま まみ] DW 理学部生物科学科 徳島県出身 徳島文理高校卒 好き***石橋、小花柄、帰ってきたドラえもん きらい***石橋周辺の大量の坂 #93 との 村山 智代 [むらやま ともよ] MF 経済学部経済経営学科 岐阜県出身 岐阜高校卒 好き***みどりいろ ぎふ どらま きらい***じとじとした日 ゴミの日
https://w.atwiki.jp/minsutoumatome/pages/530.html
ゴミの日 舟唄 菅ダーラ~ 鳩山△ 危険性に 初代屁のような無責任男 元関係者H氏 7/13 鳩山&平野『こんなことになるのならば、我々が辞める必要なかった』 管はバカ 民主党の実績(予定) プリティルーピー 鳩山惨禍 7/22 消費税で『菅首相、反省が必要だ 』 8/ 5 鳩山氏がグループ復帰 最高顧問に ワンモア!! 8/ 6 谷亮子参議員 民主党スポーツ議員連盟の会長に就任 戦後最低の内閣 鳩山システムのすべて ゴミの日 .| | ______ .| | |一般ゴミ 火金| ノ´⌒`ヽ .| | |ハト 水.| γ⌒´ \ .| | |カン・ビン 木.|. .// ""´ ⌒\ ) .| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .i / _ノ ヽ、_ i ) .|____......|. i (・ )` ´( ・) i,/ カンもすぐに || | | | | | || l | |(__人_)| |. | 捨てられる時が来るんだから… || | | | | | || ヾMM/ ヾM. | | `MMM/ || | | | | | || / / ヽ \ / / / ヽ ヽ \ || | | | | | || ./ / \ / / ヽ \ || | | | | | || i i i / i || | | | | | || .! ! ! ! 舟唄 ノ´⌒`ヽ γ⌒´ \ .// ""´ ⌒\ ) 首相はゆるめの 菅がいい~♪ .i / _ノ ヽ、_ i ) 頭脳(あたま)は豚 以下でいい~♪ i (-‐)` ´(‐-)i,/ 女が韓国の ひとでもいい~♪ l . | |(__人_)| |. | 会談ではにんやり 笑やいい~♪ \ . | |. i i | |ノ シジミ採れれば~ シジミよかったと~ぉおぉお~♪ / `⌒ ( ) 無駄口だけで~ やり過ごす~ぅうぅう~♪ |  ̄ ̄⌒) .| 記者にボロカス~ 言われたら~ぁあぁあ~♪ | ´ ̄ ̄ ̄ .| 逃げ出すのさ~ 会見を~♪ 菅ダーラ~ ノ´⌒`ヽ γ⌒´ \ .// ""´ ⌒\ ) (友)愛の国~菅ダーラ~ .i / _ノ ヽ i ) i (-‐)` ´(‐-)i,/ l (__人_). | \ i i / / `⌒ ( ) |  ̄ ̄⌒) .| | ´ ̄ ̄ ̄ .| | 鳩山△ 鳩 ≪ ノ´⌒⌒`ヽ_ \_WWWWW/ 山 ≪ γ⌒´ _ \ ≫ 鳩 や 菅 ≪ さ ≪ .// ""´ ⌒⌒ \ ) ≫ 山 っ .じ ≪ ん ≪ .i / -―- 、__, i ) .≫ さ ぱ .ゃ ≪ 最 ≪ i '叨¨ヽ `ー-、i,/ ≫ ん り .ダ ≪ 高 ≪ l ` ー /叨¨) | + ≫ で メ ≪ ! ≪ l ヽ, | .≫ な だ ≪MMM\ l `ヽ.___´, | .≫ い ! ≪ |\ `ニ´ / ≫ と ≪ _, [二二二]\ \____∠| /MMMMMM\ /;;;;;; ゙ ' 、 \ | |二二二] 丿;;;;;;;;;;; i  ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ゙'ー、. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| | | l.. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ Ο 。 ノ´⌒ヽ, γ⌒´ ヽ, // ⌒""⌒\ ) i / (・ )` ´( ・) i/ !゙ (__人 _) | | |┬{ | \ `ー' / / | 危険性に ノ´⌒ヽ,, γ⌒´ ヽ, // ""⌒⌒\ ) 私がルーピーを演じる事で i / \ / ヽ ) !゙ (・ )` ´( ・) i/ 多くの日本人が民主党の危険性に気付く | (__人_) | \ `ー' / / ヽ 私はそういう事に幸せを感じるんだ 初代屁のような無責任男 γ⌒´ ヽ, 「嘘つきは鳩山の始まり」ってバカにされたけど、、、。 // ""⌒⌒\ ) i / ⌒ ⌒ ヽ ) あーあ、気楽になったな!もうどうでもいいや♪ !゙ (・ )` ´( ・) i/ | (__人_) |⌒ヽ/⌒\ 民主党大敗の原因? ボクちゃんじゃないよ! (''ヽ `ー' / 〉 〉 ,、 ) / / (__ノ つ 「ブレ菅」「逃げ菅」のせいだよ! きっと鳩山コールが起こるよ!ボクちゃんの再登板だな! 元関係者H氏 ノ´⌒`ヽ γ⌒´ \ .// ""´ ⌒\ ) .i / ⌒ ⌒ i ) あのね、民主党はみんな責任持って仕事なんかしてないわけ。 i ■■■■■■ だから仕事に失敗して責任取れとかいわれても何いってるのかわかんないわけ。 l (__人_) | だってもともと責任持ってないんだから責任取るっておかしいじゃん。そう思わない? \ |┬| ノ / `ー' \ 元関係者H氏 ※音声は変えてあります 7/13 鳩山&平野『こんなことになるのならば、我々が辞める必要なかった』 ノ´⌒`ヽ .γ⌒´ \ .// ""´ ⌒\ ) i / _ノ ヽ、_ i ) l . (- )` ´( -) i,/ 苦しみ悲しみ辞めたのに・・・・・・・・・・・ \ . (__人_) ノ /´ ` `⌒´ ヽ ノ´⌒ヽ,, γ⌒´ ヽ, // ""⌒⌒\ ) i / ⌒ ⌒ ヽ ) ! (○)` ´(○) こんなことになるのならば辞める必要なかった!! | (__人_) | \ `ー' / / \ 管はバカ ノ´⌒`ヽ γ⌒´ \ // ""⌒ ⌒\ ) 管はバカ、 i / へ ー i/ 鳩山の方が良かった、と !゙ (・ )` ´( ・)i | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l ⌒ (__人_)^i | \ \ `ー'.... / | \ ( \|__ ||||||||| ヽ_,_,)~======┏━━━━━━ カチカチ… 民主党の実績(予定) ノ´⌒`ヽ γ⌒´ \ .// ""´ ⌒\ ) .i / \ / i ) i (・ )` ´( ・) i,/ l (__人_) | この3年で、ラ党と並ぶだけの数の総理大臣を輩出したい! \ `ー' /___ /^ ―--― / / / ( .二二つ / と) | / / / |  ̄ ̄| ̄ プリティルーピー ノ´⌒ヽ,, γ⌒´ ヽ, // ""⌒⌒\ ) i / \ / ヽ ) このねじれ国会を打破するためには !゙ (・ )` ´( ・) i/ 民主党で一番プリティな私の出番だ | (__人_) | \ `ー' / /" \ / i! i 丶 i ! i! γ"⌒゙ヽ l l γ'.ヽ i i,__,,ノ i,__,,ノ__,,丿 ヽ,_,,ノ"~´ ̄  ̄ 鳩山惨禍 「鳩山惨禍」 由紀夫幸よ 公邸に寄生(やど)り ノ´⌒`ヽ 俺たちゃ 下町(まち)など 住めないからに γ⌒´ \ .// ""´ ⌒\ ) ヤブを突いて ハブ出て無理 .i / ⌒ ⌒ i ) 基地置く島に 逆風そよぐ i (・ )` ´( ・) i,/ l (__人_) | 煙いブン屋も 黄金(こがね)の御縁 \ |┬| ノ 早く行こうよ 割れとるDay / `ー'( ) |  ̄ ̄⌒) .| オンナの内なら 契りはできる | ´ ̄ ̄ ̄ .| | 夫をふったら 濡れればいいさ非難の日々は 本当に辛い .彡巛ノノ゛;;ミリモコン握る 手を揮(ふる)わすよ r エ__ェ ヾ /´  ̄ `ノj` 、荒れて狂うは 疫病(やまい)か水害 ( l_/l_l_|^|_Ll_l...ハ_)俺たちゃ そんなもの 気になどせぬぞ i / ⌒ ⌒ ヽl !゙〈●〉 ` ´ 〈●〉 i!母の手に手に キラキラ光る l (_人__) .|法を破ろうよ あの…頂きます \ |┬| ノ ( ) 'ー´ \朝日に金やる 新札積んで | (⌒ ̄ ̄ |今日も行けるよ あのヤマ避けて | |  ̄ ̄ ̄` |日本よさよなら ご機嫌宜しゅうまた来る時にも 笑っておくれ 7/22 消費税で『菅首相、反省が必要だ 』 ノ´⌒`ヽ ノ´⌒`ヽ γ⌒´ \ γ⌒´ \ .// ""´ ⌒\ ) .// ""´ ⌒\ ) .i / \ / i ) .i /⌒ ⌒ i ) i (・ )` ´( ・) i,/ .i (・ )` ´( ・) i,/ l (__人_) | l (_人__) | \ `ー' / ヽ 'ー´ / /^ .~" ̄, ̄ ̄〆⌒ニつ ⊂ニ⌒ヽ ̄ ̄, ̄"~ ^丶 | ___゙___、rヾイソ⊃ ⊂ゞλシτ.__゙___ | | `l ̄  ̄l´ | 反省が必要だ!. 反省が必要だ! _|\∧∧∧∧∧MMMMMMM∧∧∧∧∧/|_ > < / | | _|__ ___ ヽ| |ヽ ム ヒ | | / | |-- | / / .| ̄| ̄ 月 ヒ | | / | | | \ / | ノ \ ノ L_い o o 8/ 5 鳩山氏がグループ復帰 最高顧問に ノ´⌒ヽ,, γ⌒´ ヽ, // ""⌒⌒\ ) 個人名をグループ名にするなんて、頭おかしいですよ。 i / ⌒ ⌒ ヽ ) あの小沢さんですら、個人名は使ってませんからね。 !゙ (・ )` ´( ・) i/ | //(__人_)//| 「鳩山友愛セミナー」って名前だけ聞くと、インチキカルトみたいじゃないですか。 \ `ー' / / .\ ワンモア!! ノ´⌒ヽ,, γ⌒´ ヽ, // ""⌒⌒\ ) i / \ / ヽ ) A級戦犯の罪を潔く認めるべきだ! !゙ (- )` ´( -)i/ だが戦犯の疑いから公職追放を受けた祖父は不当な弾圧だ! | (__人_) | \ `ー' / キリッ / ヽ 8/ 6 谷亮子参議員 民主党スポーツ議員連盟の会長に就任 ノ´⌒ヽ,, γ⌒´ ヽ, スポーツ立国って何? // ""⌒⌒\ ) 国民全員、スポーツで食っていくんですか? i / ⌒ ⌒ ヽ ) !゙ ■■■■■ 頭おかしいでしょ。 | (__人_) | 公認した奴は切腹するべきですね。 \ `ー' / 戦後最低の内閣 ノ´⌒ヽ,, γ⌒´ ヽ, // ""⌒⌒\ ) i / ⌒ ⌒ ヽ ) | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| │ 菅は戦後最低の │ (⌒) 内閣 (⌒) 「´. 「´ └────────┘ 8/15 菅首相「鳩山氏・小沢氏の辞任は「最大級のけじめ」」 / || || | || ノ´⌒`ヽ | ||⌒´ \ | ||/ ""´⌒\ ) | || _ノ ヽ、_ i ) | || (・ )` ´( ・) i,/ | || | |(__人_)| |. | なんか呼ばれた気がした | || | | `⌒´ | |ノ | || ┬''´ | (_______ ノ | (___ノ /|| | || / || 鳩山システムのすべて ノ´⌒`ヽ 鳩 山 シ ス テ ム の す べ て γ⌒´ \ .// ""´ ⌒\ )┌○―[遮断器]―[危機低減器]―[幸福変換器]―――[幸福増幅器]-┐ .i / \ / i ) .| |小 |保 主 回 路 ┌―[幸福増幅器]―[幸福増幅器]―┘ i (入)` ´(力)+.―┘ |沢 . |護 └―[幸福増幅器]―[幸福増幅器]―┐ l (__人_). | [CPU] [GPU] ┌―[幸福増幅器]―[幸福増幅器]―┘ \ [出力]-.-ナ―┐ |回 |回 └―[幸福増幅器]―[幸福増幅器]―┐ | |路 |路 ┌―[幸福増幅器]―[幸福増幅器]―┘ └○――○―[虚言発生ユニット]―○―[幸福発生器]・GPU・・・ジミンガープロセッシングユニット・CPU・・・シアワセプロセッシングユニット※いずれも周波数はブレに依存。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/810.html
※舞台は幻想郷ではないです。 『灰色の檻の中で』 「ゆっくりちていっちぇね!!」 赤ちゃんれいむが産まれたのは灰色の壁の中だった。 四方はコンクリートの高い壁に囲われ、壁の最上部には網がかかっている。 網のさらに上方は半透明の板に覆われているので太陽の光はぼやけている。 れいむの目の前には自分と同じような姿でとても大きいお母さんがいた。 周りには自分と同じように産まれたばかりの姉妹がいる。 お母さん達も姉妹もみんな、赤いリボンが印象的なゆっくりれいむだ。 「すごいゆっくりしてるよ!!」 「ゆっくりしていってね!!」 二人のお母さんが赤ちゃん達の産声に笑顔でそう返した。 そしてお母さんは頭に生えた茎を千切って食べさせてくれた。 れいむも姉妹も茎の自分達が繋がっていた場所を咥えて中身を吸い出していく。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせ~♪」 れいむ達は茎から出る甘くて美味しい物を食べて、幸せを言葉にする。 母ゆっくり達はそれを見てとても哀しそうな表情を浮かべていたことに気付く赤ちゃんはいなかった。 母ゆっくりは知っているのだ。 この食事が本当の意味で最後の幸せな食事になることを。 れいむ達は初めての食事を終えるとお母さんに甘えてゆっくりしだす。 れいむはお母さんの頬に身を摺り寄せた。お母さんの頬はとても柔らかくて温かかった。 「おかーしゃんゆっくちちようね!」 「おかーしゃんのからだあったかくてゆっくちできるよ!!」 「つつまれてきもちいーよ!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 母ゆっくりは可愛い赤ちゃんに囲まれて嬉しそうだ。 れいむもお母さんが嬉しそうに笑うのを見て嬉しかった。 しかし他の姉妹の言葉にお母さんの笑顔は消えることになる。 「ねぇおかーしゃん」 「ゆっ? かわいいあかちゃんどうしたの??」 「おそとでゆっきゅりしたいよ!」 「ここはくらくてゆっきゅりできないよ!!」 「それになんだかちゅめたいよ!!」 「あとなんかくちゃいよ!!」 れいむも他の姉妹の言うとおりだと思った。 何せ周りは暗い色の壁で囲まれて、空も明るくない。 さらに床はひんやりとして赤ちゃんの体温を奪う。そしておうちは何だか臭かった。 なのでれいむも他の姉妹に続いて思ったことをお母さんに言った。 「そとでおかーしゃんとゆっきゅりしたいよ!!」 れいむのその言葉にお母さん達は泣き出してしまった。 何故泣いてしまったのか分からず、れいむも姉妹もうろたえてしまう。 「ごめんねぇ、ゆっくりごめんねぇ…!」 「ここからはでられないのぉぉ!!」 れいむはお母さんの言ってることが分からなかった。 産まれる時にある程度の知識は親から継承するので外が存在することは分かっている。 れいむの見る限りこのおうちには入り口が見当たらない。でもお母さんならなんとかしてくれるはずなのだ。 なのにお母さんは出られないと言った。 「ゅ! おかーしゃんなんででれないの!?」 「ここじゃゆっきゅりできないよ!!」 「ごめんねぇ! おかあさんたちがにんげんにつかまってるせいで…!!」 「ゅ! にんげんのせい!?」 「にんげんってゆっきゅりできないね!!」 「ゆぅ、そうだよ。にんげんのせいでいつもあんなのを…」 お母さんが何かを言いかけたそのとき天井の網の半分片側がドアのように開いた。 開いた先には大きな生き物が見える。 人間だ。 人間は無表情な顔でこっちを向いている。 れいむは思った。この人間はれいむ達を外に出しに来たのだと。 外に出してと人間にお願いしようと思ったが、れいむは突然お母さんに咥えられておうちの隅へと連れて行かれた。 「ゅ? なにしゅるの!?」 「ゆ! みんなこっちにきてね! そこにいたらゆっくりできないよ!!」 お母さんはれいむを離すと、開いた網の天井の下に残っている赤ちゃんゆっくり達にそう呼びかけた。 その声に素直に従う姉妹は数匹。ぴょんぴょんと小さな体でこちらへ向かってくる。 しかし残った姉妹も数匹いた。彼女達は人間に向かって叫んでいる。 「おにいさん! ゆっきゅりだしてね!!」 「おしょとにでたいよ!!」 「………」 しかし人間は無表情のまま手に持った大きな塊を開いた網天井の上に持っていくと… ドサッ 「ゅぎゅっ!?」 「ゅびっ!」 大きな塊、何かの入った袋をおうちに投下した。 投下された先には人間に話しかけていた姉妹が二匹。 その人間は何を言うでもなく網の天井を閉めて去っていった。 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 「れいむのあがじゃんがぁぁぁぁぁ!!!」 お母さん達は落ちてきた袋の下敷きになった姉妹の元へと駆け寄った。 れいむもその姉妹もお母さんに続いて駆け寄る。 独特な臭いのする大きな袋の下からは茶色い物が飛び散っていた。 赤ちゃんのれいむでも分かる。これは姉妹だった物だ。 「ゅぁぁぁぁ!!!」 「ゅっきゅりできないよぉぉぉ!!」 「なんにゃのこれぇぇぇぇ!!」 産まれてまだ三十分にも満たない実に短い時間で命を散らせてしまった。 もっと一緒にゆっくりしたかったと潰れて死んだ姉妹を想い、家族みんなで泣いた。 程なくしてお母さん達は泣き止み、そしてポツポツと話し出した。 「これから…これからゆっくりせつめいするね」 「ゆっくりきいてね」 お母さんの言葉に赤ちゃんゆっくり達は一匹、また一匹と泣き止んでお母さんの話に耳を傾けた。 「ここでのたべものはにんげんがおとす"これ"だよ」 "これ"とは姉妹を潰した何かの入った大きな袋、その中身のことだ。 何やらゆっくり出来ない臭いがする。つまりクサい。 とてもじゃないが、れいむ達にはコレが食べ物とは思えなかった。 「なにいっちぇるの!?」 「こんなくしゃいのたべたくないよ!!」 「さっきみたいなおいしーのちょうだいよ!!」 「おかーしゃんならとってきちぇよね!!」 れいむもその姉妹達も口々に文句を言うがお母さんは顔を横に振る。 「そとにはでられないんだよ。ゆっくりりかいしてね」 「たべものはこれしかないんだよ。だからがまんしてたべてね」 お母さんはそう言うとクサい袋を横に倒して袋の中身をぶちまけた。 中身は野菜の切れ端や焼き魚の頭や骨、潰れた白米などといった生ゴミが混ざっていた。 すでに腐敗の始まっている生ゴミが床にぶちまけられて強い臭いがこの空間を支配する。 その悪臭の元から少しでも離れようとれいむ達はおうちの隅へと逃げた。 そしてその原因を作ったお母さんに文句を言う。 「くちゃいよ!!」 「おかーしゃんなにするの!!」 「しょんなのたべれないよ! れいみゅたちはおなかいっぱいだからおかあさんがたべてね!!」 「ゆぅ…」 お母さん達は困った表情をして俯いた。 今は食べなくても次にお腹が減ったときは食べることになる。 れいむも姉妹もその時のことは考えてなかった。考えたとしても次はちゃんと美味しい食べ物が出てくると考えた。 お母さん達はもそもそと臭い生ゴミ、そして生ゴミの入っていた袋(味はないが食べられる素材)を食べ始めた。 むーしゃむーしゃしあわせーとは言わず、黙って食べていた。 そんなお母さんを見て、この臭いのはやっぱり美味しくないんだなとれいむは思った。 さらに潰れて死んだ姉妹も食べられていく。 れいむ達はギョッとしたが、涙を流しながら赤ちゃんだった物を食べるお母さんを見ると何も言えなかった。 むしろ死んだ姉妹は愛するお母さんに食べられたことでゆっくりあの世に行けるのだと、本能的にそう感じ取った。 お母さんはすべて食べきらないうちに食事を終え、残った生ゴミはおうちの隅に二つの山として分けてまとめられた。 生ゴミを二箇所に分けたのには意味があるのだが、れいむ達赤ちゃんにはまだ分からなかった。 「ゆっくちまっちぇよー!」 「こっちだよー!」 「ゅゅ~ん!」 それかられいむ達はさっきまでの嫌なことは忘れて赤ちゃん同士でゆっくり遊びだした。 お母さんは黙って見守ってくれていた。 そんな風にゆっくりしていると今度はさっきとは別の人間が網の天井を開いた。 れいむは今度こそ出してくれるのかなと期待したが、お母さん達が他の姉妹を咥えて部屋の隅に移動するのを見てさっきのことを思い出す。 人間が網の天井を開けた後に何が起きたのかを。 「ゆっくりしないでこっちにきてね!! そこにいたらゆっくりできないよ!!」 「ゅ! そっちにいきゅよ!!」 れいむはお母さんの方に駆け寄る。 「ゅぎゅっ!?」 逃げ遅れた姉妹が潰れたようだった。れいむもあそこに残っていれば自分もそうなっていたかもと思うとゾッとした。 お母さんの元に辿りついて振り返ると、また妙な匂いのする袋とその下には姉妹の痕跡が散らばっていた。 れいむは恐ろしくて仕方がなかった。 さっきまで一緒に追いかけっこしてた姉妹はもう遊べないしお喋りも出来ない"物"になってしまったのだ。 その姉妹の笑顔を思い出すと自然に涙が溢れていた。 それから数時間の間に何度か人間が来た。 全部違う人間だったが、全員同じような生ゴミの入った袋を落としてきた。 お母さんによると「きょうはなまごみのひだから」と答えて、生ゴミとそれの入ってた袋をまた二つの山に振り分けていく。 さらにお母さんの話では次の生ゴミの日までこれ以外の食べ物は来ないらしい。 それはつまり、この臭くてゆっくりできない生ゴミをしばらくおうちに置いておくということになる。 当然れいむも姉妹もそんなの嫌だと不満をぶつけたが、 「つぎまでとっておかないとゆっくりできなくなるよ」 「おなかへったときにたべものがないとゆっくりできないよ」 お母さんは俯いてそう答えた。 そんなお母さんにまた文句を言う姉妹もいた。 未だに現実の見えない赤ちゃんゆっくり達はゆっくり出来ない物が近くにあるだけで嫌なのだ。 しかし時間が経てば否応でもお腹は空く。 燃費の悪い赤ちゃんゆっくりであればなおさらだ。 「こんなおうちじゃゆっきゅりできないよ! おそとがいいよ!!」 という環境への文句が、 「ゆっきゅりおなかしゅいたよ! おいしいたべものがほしいよ!!」 という風に空腹を訴える言葉に変わるのにさほど時間はかからなかった。 しかしれいむも姉妹も誰一人として、部屋の隅に積まれた生ゴミには目を向けなかった。 ひたすらお母さんに向けて美味しい食べ物を要求した。 「ゆぅ、じゃあこれをたべてね」 「これならおいしいはずだよ」 お母さん達は部屋の隅にまとめられた生ゴミの山の片側から食べ物を持ってきた。 その生ゴミの山はお母さんが赤ちゃんのために残したまだ腐ってない野菜クズや果物の欠片、あとはお菓子の残りカスをまとめた物だった。 赤ちゃん達はまだ理解してないことだったが、お母さん達は生ゴミの中から美味しい食べ物を残してくれていたのだ。 だがれいむ達はそのことを知らない。お母さんの出してくれたそれをただの臭い生ゴミと認識している。 なのでそんな物を食べさせようとするお母さんにれいむは腹が立った。 「しょれじゃないよ!!」 「おいちいのがたべちゃいよ!!」 「なんでしょんなのもっちぇくるの!!」 れいむも姉妹もみんなで文句を言う。 赤ちゃんを想って生ゴミの中から美味しい食べ物を残してあげたのに何でここまで言われるのか。 さすがのお母さん達もこれにはイラついた。 「ゆっくりだまってね!!」 「これでもおいしいものをのこしておいたんだよ!!」 お母さん達の怒声。 「ゅっ…!?」 「ゅゅー!!」 れいむ達は驚いて声を詰まらした。 今まで怖い思いを何度もした。しかし直接怒られたのは初めてだ。 お母さんの怒りに気圧されてれいむ達は怯えて縮こまった。 これ以上文句を言ったらもっと怒られると感じた赤ちゃん達はお母さんに謝った。 「ゅ、ゅっきゅりたべるよ…」 「おかーしゃんごめんなさい」 「ゆっ! わかればいいんだよ!」 「たべないとゆっくりできないからちゃんとたべてね!!」 れいむはその言葉に従うことにした。 本当は嫌だった。でも今お母さんに逆らって怒られるのはもっと嫌だった。 れいむは目の前にある野菜におずおずと舌を伸ばす。 多少臭いが味は悪くなさそうだ。 次は小さく口を開けて野菜に噛みつく。 それは料理に使わなかった大根の葉っぱだった。 水気は無く乾いていたがそれでも想像していたよりもずっと美味しかった。 周りの姉妹もお母さんの残してくれた美味しいものを食べて目を丸くしていた。 臭いには臭いのだがそれさえ我慢すれば十分ゆっくりできる食べ物だった。 れいむ達はむしゃむしゃと目の前の食べ物を口に入れていった。 「ゅ~、おいちいよ!!」 「ゆっきゅりしあわせ!!」 「おかーしゃんありがちょう!」 そんな赤ちゃん達の感想にお母さん達は嬉しそうに微笑んだ。 これで赤ちゃん達が生ゴミを食べたがらないことなく、餓死する者も出ないだろうと安心していた。 れいむもまた、優しいお母さんのおかげで美味しいものを食べてゆっくりやっていけると考えていた。 それから三週間経ち、四回目の生ゴミの日になった。 れいむ達赤ちゃんゆっくりは子ゆっくりと言われるまでに成長した。 だが成長は子ゆっくり達にとって喜ばしいことではなかった。 大きくなったことでお母さんの選別してくれる数少ない美味しい食べ物だけでは食欲が満たされなくなっていたのだ。 ここ三日ほどは不味い食べ物を避けたい一心で食欲が満たされなくても我慢していたが、それももう限界だった。 「おかあさんおなかすいたよ!!」 「これじゃぜんぜんたりないよ!!」 「おいしいたべものわけてね!」 赤ちゃん言葉を卒業したとは言え、れいむ達はまだ子供。 自分たちがゆっくり出来るのは当たり前だと思っていて、ゆっくりさせてくれるお母さんに不満をぶつける。 お母さんも出来るなら美味しい食べ物を食べてもらいたいし、さらには自由の身にしてあげたい。 しかしそれが不可能であることはお母さん自身が体験して分かっていた。 「ゆっ! もっとたべたいならがまんしてあっちをたべてね!」 「おいしいたべものはすくないからゆっくりあきらめてね!」 お母さん達は美味しくない生ゴミの山に目を向けて言う。 不味かったり腐ってる生ゴミは美味しいものより多く、親ゆっくり二匹でも食べきれないので高く積まれていた。 二週間前の生ゴミも残っていて匂いは相当キツかった。 外にも出たことのないような箱入りの飼いゆっくりであれば、その悪臭のショックで気絶してしまうだろう。 そんな激臭にこの家族が耐えられるのは産まれた瞬間から同じような臭いの中にいたからだった。 「ゅ…がまんしてたべるよ」 れいむがそうお母さんに伝えて不味い生ゴミの山に跳ねていくのも臭いに慣れていたから。 それに生ゴミの中から美味しいものだけを自分たちに分け与えてくれたお母さんに報いたかったのだ。 だからこそ嫌々と這わずに跳ねて生ゴミの山へと向かった。 「ゆ!? ほんきなの?」 「そんなのたべたらゆっくりできないよ!?」 「それはおかーさんたちがたべればいいんだよ」 他の姉妹はそんなれいむを理解できないと喚いたが、 「いつもおかーさんばかりにたべさせたらわるいよ。みんなでおかーさんをゆっくりさせようよ」 れいむがお母さんのためだと伝えると、何匹かの姉妹は理解して共に来てくれた。 目の前にそびえるのは臭くて不味そうな生ゴミの山。今からこれを口にするのだと考えると嫌で仕方がなかった。 しかしこれはお母さんをゆっくりさせるためだ。 そう考えて自分を奮い立たせ、れいむ達は静かに生ゴミの山へと体を寄せていく。 ぱくりと一口。 れいむが食べたのは腐ったライス。 今までに食べた中で一番ゆっくり出来ない味だった。 あまりの不味さに吐き気を催してしまうほどだ。 「ゅ、ゅぎゅ…」 吐き出しそうになるのを必死に抑えて少しずつ飲み込んでいく。 なんとかすべて飲み込んたが、生きた心地がしなかった。 お母さん達はこんなひどいものを今まで食べてきたのかと、 自分たちのためにこんな不味いものだけを食べてきてくれたのかとれいむはお母さんに申し訳なく思った。 そしてそんなお母さんのためにこれからは一緒の苦しみを共有しようと心の中で強く誓った。 だがれいむの姉妹が皆同じように考えるわけではない。 遠くからこちらの様子を眺めている姉妹はきっと追い込まれるまでずっと不味いものには手を出さないだろう。 れいむに続いて不味い生ゴミを食べた姉妹も反応は様々だった。 「ゅげぇぇぇぇ!!!」 一匹の姉妹がその不味さに耐え切れずに口に入れたものを体内の餡子と一緒に嘔吐してしまった。 ある程度成長した子ゆっくりだったので一度の嘔吐で死にはしなかったものの顔を青ざめ震えていた。 お母さんが近づいて「だいじょうぶ? ゆっくりなおってね!」と声をかけるが反応しない。 虚空を見つめてただ震えるばかりだった。 彼女はきっと次からは不味い生ゴミに手を出さないだろう。 「ゆ"ぶぶぶばばばば!!!」 また、顔を真っ赤にして転げまわる姉妹もいた。 彼女が食べたのは真っ赤で小さなリング。唐辛子の輪切りだった。 それをいくつか一気に頬張り、その辛さに口の中に焼けるような痛みが広がったのだ。 ゆっくりは中身が甘い餡子のためか辛いものがとても苦手だ。苦手というよりも毒といっても過言ではない。 唐辛子なんて食べようものならこの姉妹のように苦しみ悶えることになる。 「ゅぐぅ…やっぱりゆっぐりでぎながっだよ」 しばらくしてなんとか落ち着いたようだったが、口の周りと舌が軽く腫れていた。 食べた唐辛子の量が少なかったのでその程度で済んだが、あまり多く辛いものを食べるとショック死することもある。 まだ生ゴミの山の前で躊躇していた姉妹はそれを見て、やっぱりゆっくりできないとおうちの向こう側へと逃げ帰った。 れいむはそれを見てとても悲しく思った。 一緒にこれを食べてくれる姉妹がいないとそれだけお母さんが苦しい思いをするのに何でそれが分からないのかと。 だが自分自身がゆっくり出来ることが大事なゆっくりがお母さんのためにゆっくりなれなくなろうと考える方が奇特な考えだ。 部屋の向こうで身を寄せ合ってこちらの様子を見ている数匹の姉妹。 ハズレを食べてしまい、苦しみに身悶えてもう二度と食べてたまるかと考える姉妹達。 そんな中でお母さんの苦しみを共に味わおうとするれいむはむしろ変わり者だ。 今のこの状況がそれを証明していた。 お母さん達はハズレを食べて苦しむ姉妹が落ち着いてきたのを確認するとれいむの方に近づいてきた。 そして大きな体を摺り寄せてくる。 「ゆっ、だいじょうぶだった?」 「まずかったよね。ゆっくりごめんねぇ」 謝って心配してくれるお母さんにれいむは笑顔で応える。 「だいじょうぶだったよ! まずかったけどつぎもゆっくりたべるよ!!」 「ゅ…ありがとう。ありがとうぅぅ」 健気な娘の言葉に涙するお母さん達。 れいむは苦しみも悲しみもないのにどうして泣くのか不思議だったが、 それよりもお母さん二匹を独占している今をゆっくり満喫することにした。 「いっしょにゆっくりしようね!!」 「しようね!!」 離れた所にいる姉妹達はお母さんを独占するれいむを羨ましそうに見ているだけだった。 それかられいむは不味い方の生ゴミだけを食べることになった。 お母さんが分けてくれる美味しい食べ物も最初は食べようとしたのだが、 「むこうのきたないのをたべてよね!!」 「れいむはむこうのをたべたいんでしょ!」 「おいしいのはわたしたちのだよ! ゆっくりとらないでね!!」 と言った風に不味いのを食べようとしない姉妹たちに除け者にされてしまったのだ。 それを見たお母さんは姉妹を叱った。 「ゆゆ! なかまはずれはだめだよ! ゆっくりできないよ!!」 「このこにもちゃんとたべさせてあげてね!!」 「ゅ! おかーさん、れいむはこっちをたべるからいいよ!」 だがれいむは自ら美味しい食べ物を諦めて不味いのを食べることを選んだ。 確かに自分が美味しい方を食べればその分みんなの取り分が減ってしまうのだから。 本当は姉妹全員で仲良く食べたかったが、無理を言って嫌われるぐらいならそれも諦めるしかなかった。 それからさらに数日。 れいむ以外の姉妹は全員痩せ細って体も少し小さく縮んでいた。 お母さん達が分けておいてくれた美味しい食べ物の山が無くなってしまったのだ。 子ゆっくり数匹にはその山が小さすぎて次の生ゴミの日まで持たなかった。 とてつもなく飢えていたが、それでもれいむのように不味い方の生ゴミを食べようとはしなかった。 心配したお母さんがあまり腐敗の進んでない食べ物を目の前まで持っていってあげたが、 目の前に生ゴミを置かれると嫌な顔をして逃げてしまう始末だ。 「そんなのもってこないでよね!! そんなおかあさんはゆっくりできないよ!!」 さらには罵倒のおまけ付である。 お母さんはそんな娘達に打つ手が無くなっていた。 無理やり食べさせるのはやりたくないし、叱り付けても拗ねるだけで逆効果になるだけだから。 そんな姉妹に対してれいむは成長し、一回り大きくなっていた。 不味い生ゴミばかりを食べて肌にブツブツが出来たりもしたけど元気だった。 ここ数日で不味い生ゴミにも慣れてきていた。 辛味などの刺激物はさすがにまだ危険だということで体の大きいお母さんにまかせていたが少しずつ挑戦している。 「おかーさんゆっくりしようね!」 「ゆっ! ゆっくりしようね!」 「たべたあとはゆっくりがいちばん!」 最近は元気の無い姉妹たちよりもお母さんと一緒にお話することが多くなっていた。 もちろん元気なく身を寄せ合う姉妹たちを心配してはいるのだが、 それは不味いからとか危ないからとかで食事を避けている結果だかられいむがどうこう出来る問題ではなかった。 むしろ危なくなったら一緒に腐った生ゴミを食べてくれると楽観的に考えていた。 しかしその考えは少し楽観的すぎたのかも知れない。 その次の昼のことである。 れいむとお母さん達が生ゴミの山に顔を突っ込んで食事していた時、背中の方から悲鳴が聞こえた。 その声に驚いて振り向くとそこには姉妹を食べる姉妹の姿があった。 事の始まりはこうだった。 子ゆっくり達は、いつものように汚くて臭くて不味い生ゴミを貪る一匹の姉妹とお母さん達を汚いものを見るように見ていた。 あんな物をよく食べられるなと、尊敬ではなく軽蔑していた。 それよりも美味しい食べ物が欲しい。 産まれたときに食べた甘くてとろけるような食感のアレが欲しい。 子ゆっくり達が産まれた時に食べた甘くて美味しい物をひたすら欲していた。 その結果、お腹を極限まで空かせた子ゆっくり達は周りの姉妹が饅頭に見えた。 ゆっくりは元々饅頭。それを饅頭だと認識しないのは普段は理性がそれは食べ物ではないと認識させてるから。 だが栄養不足のこの子ゆっくり達はほとんど理性を失っていた。 そして一匹が目の前の姉妹、いや饅頭に噛み付いた。 「ゅ"っ」 その饅頭は噛み付かれた痛みに濁った声を出す。 噛み付いた子ゆっくりがさらに強く噛み付くと薄い皮は破れて中身が口の中に染み渡った。 甘い。 そしてとてつもなく美味しかった。 自分が求めていたのはこの味だったんだ。 それを知った子ゆっくりはそのまま饅頭の中身を吸い上げていく。 「ゅ"ぅ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 噛んだときは反応の薄かった子ゆっくりも中身が吸い上げられる痛みと喪失感には叫ばずにはいられなかった。 れいむが見たとき、何匹かの姉妹が他の姉妹に噛み付いて中身を吸い上げていた。 吸い上げられる姉妹は苦しそうに悲鳴を上げていた。 また、その悲鳴は徐々に小さくなり、体も皺くちゃになって縮んでいく。 それはつまり命が急激に失われつつあるということだった。 思いもよらなかった事態にれいむは、そしてお母さん達も頭が真っ白になって動けなかった。 そうして呆然としている間に一匹、また一匹と物言わぬ皮と化す。 まだ足りないのか一匹を食べ終えた姉妹はまた別の姉妹へと噛み付いて中身を吸う。 どんどん姉妹は減っていく。 れいむは姉妹達のおぞましい共食いをもう見ていられなかった。 これ以上見ていたられいむまで気が狂いそうで怖かった。 なので逆を向いて姉妹の断末魔を聞かないように努めた。 お母さん達はれいむが怖がっているのを見て、ようやくこの共食いを止めようと動いた。 「やめでぇぇぇぇぇ!!」 「もうだべないでぇぇぇぇぇ!!!」 「ゅびぇっ!?」 「ゅぎぃっ!!」 顔を涙でぐしゃぐしゃにしながらのお母さんの体当たりを受けて、姉妹を食べた子ゆっくりは吹き飛ばされた。 その威力は凄まじく、体当たりされた子ゆっくり達は壁に一直線にぶつかった。 だが止めるのは遅すぎた。 今吹っ飛ばした子ゆっくり以外の子はみんな死んでしまっていた。 痙攣してギリギリ生きている子もいたが、もう手遅れだ。 「ゅぅぅぅぅぅ、いだいよぉぉ!!」 「なにするの!? おかーさんひどいよ!!」 体当たりのショックで正気を取り戻した子ゆっくり達は体当たりしたお母さんに怒りだした。 だがお母さんはもっと怒っていた。 「だまってね!!」 「ひどいのはおまえたちだよ!!」 子ゆっくり達はお母さんの言っていることの意味が分からなかった。 子ゆっくりは自分が悪いことをしたと思っていない。今食べたのも姉妹ではなく饅頭だと本気で思っているのだから。 「ひどいのはおかーさんだよ!!」 「れいむたちはただおいしいたべものたべてただけだよ!!」 母ゆっくり達は娘の言葉に驚愕した。 姉妹を食い殺したうえに食べ物扱いするなんて、と。 このまま生かしておくわけにはいかないと母ゆっくりは思った。 何といっても一番可愛い子れいむが襲われるかもしれないのだから。 一緒になって不味いものを食べてくれる優しい娘を奪われるのは嫌だった。 だったら奪われる前に原因を取り除けばいい。 そうすればゆっくり出来る。 「ゆっくりしんでね!」 「ごめんね! かぞくをたべたゆっくりはゆっくりできないんだよ!!」 れいむは見た。 お母さん達が飛び跳ねて姉妹を食べた子を潰すところを。 潰されようとする姉妹と最後に目が合った。 直後、その姉妹はお母さんの体に潰されて見えなくなった。 「ゆ"ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 れいむは泣いた。大声で泣いた。 これでとうとう一緒に産まれた姉妹は他に誰もいなくなってしまったのだ。 もうあの子たちを見ることはない。声を聞くこともない。 ここ数日ほとんど会話しなかったことを後悔した。もっと話しておけばよかったと。 泣き止んだれいむはお母さんと一緒に姉妹の死骸を供養のために食べた。 生きたゆっくりを食べるとかゆっくりを殺して食べるのは許せない悪事だが、 死んだゆっくりを食べるのはいいことだとお母さんは教えてくれた。 もし逆に食べないとここの生ゴミのように腐って可哀想だとも教えられた。 「てんごくでゆっくりしていってね」 れいむは小声で姉妹の死体に呟いて口をつけた。 皮肉にも姉妹の死体は今まで食べた中で一番美味しかった。 そして少ししょっぱかった。 そして数ヶ月。 通常よりもずっと時間はかかったがれいむは成体ゆっくりにまで成長していた。 野生に生きるゆっくりであればとっくに一人立ちしてもいい頃だし、お母さんになってもおかしくない大きさだった。 だがそんな自由がないのは明らかなので、それは諦めてこんな場所ではあるがお母さん達と三匹でゆっくり暮らせていた。 しかしそんな日々は唐突に終わりを告げることになる。 ふと、生ゴミの日じゃないのに網の天井が開いた。 見上げるとそこには人間がいた。 今までとは違い、生ゴミの入った袋を持っていなかった。 しかし何はともあれ人間は敵だ。 全てのゆっくりできないことは人間のせいだ。 れいむ達は何も言わず人間をにらめつけるが、人間はそれに怯えることもなく話し出す。 「ふむ、ここは一匹だけか。 少ないが全滅よりはマシだな」 人間はれいむに向かって手を伸ばしてきた。 同時にお母さんが叫んだ。 「れいむ! にげてぇぇ!!!」 その声にビクッと体を一瞬震わせたれいむだったが、すぐに母の言葉に従って人間の手を横に避けた。 そしてそのまま走って逃げる。 そのはずだった。 「ゆー! はなじで! ゆっぐりできないよ!!」 狭いおうちの中で生まれ育ったれいむは運動能力が野生よりもずっと低かった。 最初は何とか避けれたが、その後追従してきた人間の手に敢無く捕まってしまったのだ。 「ゅー! れいむをかえしてぇ!!」 「そのこだけはもっでがないでぇぇぇぇぇぇ!!」 お母さんの姿が遠くなっていく。 「おかーさーん!!! だすげでぇぇぇぇ!! はなれだぐないよぉぉぉぉ!!」 れいむは最後に叫んだ。 お母さんは泣きながら何かを叫び、れいむを見上げていた。 それがれいむが最後に見たお母さんの姿だった。 お母さんの姿が見えなくなり、声も聞こえなくなってもれいむは元居たおうちの方向を向いて泣き叫び続けた。 人間がうるさいとかなんとか言っていたような気はするが、今はそんなのよりもお母さんの声を聞きたかった。 体を捻ってなんとか人間の手から逃れようとするが、人間の力は強く抜け出せなかった。 結局れいむは狭い木箱に詰められてどこかへ移動させられた。 その間もれいむは泣き続けた。体の水分が無くなるんじゃないかというぐらいに泣き続けた。 れいむは目を覚ました。 どうやら泣き疲れていつの間にか寝てしまったらしい。 しかし周りの様子がおかしい。 いや、おかしいというよりもこれはお母さん達と一緒にいたおうちと同じ様なおうちだった。 前と違うおうちと分かるのは床や壁に傷や汚れがない新築だったからだ。 そして目の前には初めて見るゆっくりがいた。 本能的に知っている。あれはまりさだ。 同じぐらいの大きさで向こうも今目が覚めたばかりなのか周りをキョロキョロ見回し、そして目が合った。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 挨拶をして互いに近寄って頬を摺り合わせて自分がゆっくりできると示しあう。 そしてお互いについて話し合った。 「ゆ…じゃあまりさもおなじなんだ」 まりさの話によるとまりさもれいむと同じような所に産まれ、同じような体験をしてきたようだった。 親が一匹死んだりと違う点もあるにはあったが、人間に無理やり連れてこられたのも一緒だった。 だが何故ここに連れてこられたかはお互い分からなかった。 でも分かることはある。 「ゆぅ、このおうちはまえとにてるよ。だから、つまり…」 「うん。たぶんまたたべないとだめなんだね」 れいむもまりさも理解していた。 食生活に代わりがないということを。そしてやはり救いはないということを。 と、そこへまた人間がやってきた。 れいむとまりさが身構える時にはすでに二匹は捕まっていた。 口を塞ぐように捕まえられて喋れないようにされていた。 そして人間はれいむ達を捕まえた手を上下に揺さぶる。 「ゅぐぐ??」 れいむは訳が分からない。 いきなり人間が捕まえてきただけでも訳分からないのに、 突然振動を与えられるのも訳が分からなかった。 しかしこの振動は何だか心地よかった。なんだか意識がふわふわとして徐々に気持ちが良くなってくる。 れいむはもっとこれを続けて欲しいと願ったが、もう少しですっきりできる所でおうちに戻された。 「ゆっくりしてってよー!!」 れいむはすっきりしたくて人間の手を追うが、人間は網天井を閉めて仕事は終わったとばかりに去ってしまった。 後に残されたのはすっきり寸前で止めされたれいむとまりさだけ。 れいむとまりさは見つめ合い、徐々にその身を近づけていく。 お互いに望むものは一緒だった。 れいむとまりさはすっきりした後のことまで考えが及ばず、そのまま交尾した。 そしてすっきりして赤ちゃんゆっくりが実った時にようやく理解した。 お母さん達も今のれいむと同じだったんだと。 そして頭のこの赤ちゃん達は自分達と同じような苦しみを味わうことになると。 しかし出来てしまった赤ちゃんを無かったことにするなんてれいむには出来ない。 だったら、だったらせめてこの赤ちゃん達全員を誰も欠けさせずに育てようと思う。 お母さんがしてくれたこと、自分が体験したことを参考に教育すればきっと生き残れるはずだ。 だが何匹生き残ろうとここは灰色の檻の中。 捕らえられたゆっくりは末代までゆっくり出来ず、延々と生ゴミ処理の道具として使われるのだ。 れいむ達の未来はいつまでも暗かった。 終 by ゆっくりしたい人 まだスレに書き込めないので報告なしでアップだけです。 =あとがき= 赤ちゃんゆっくり可愛すぎる。可愛いからいじめても仕方ないですよね。 現実で見つけたら間違いなく飼う。 大きく成長しちゃったら赤ちゃん生産機になってもらえばいいわけですし。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/685.html
※舞台は幻想郷ではないです。 『灰色の檻の中で』 「ゆっくりちていっちぇね!!」 赤ちゃんれいむが産まれたのは灰色の壁の中だった。 四方はコンクリートの高い壁に囲われ、壁の最上部には網がかかっている。 網のさらに上方は半透明の板に覆われているので太陽の光はぼやけている。 れいむの目の前には自分と同じような姿でとても大きいお母さんがいた。 周りには自分と同じように産まれたばかりの姉妹がいる。 お母さん達も姉妹もみんな、赤いリボンが印象的なゆっくりれいむだ。 「すごいゆっくりしてるよ!!」 「ゆっくりしていってね!!」 二人のお母さんが赤ちゃん達の産声に笑顔でそう返した。 そしてお母さんは頭に生えた茎を千切って食べさせてくれた。 れいむも姉妹も茎の自分達が繋がっていた場所を咥えて中身を吸い出していく。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせ~♪」 れいむ達は茎から出る甘くて美味しい物を食べて、幸せを言葉にする。 母ゆっくり達はそれを見てとても哀しそうな表情を浮かべていたことに気付く赤ちゃんはいなかった。 母ゆっくりは知っているのだ。 この食事が本当の意味で最後の幸せな食事になることを。 れいむ達は初めての食事を終えるとお母さんに甘えてゆっくりしだす。 れいむはお母さんの頬に身を摺り寄せた。お母さんの頬はとても柔らかくて温かかった。 「おかーしゃんゆっくちちようね!」 「おかーしゃんのからだあったかくてゆっくちできるよ!!」 「つつまれてきもちいーよ!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 母ゆっくりは可愛い赤ちゃんに囲まれて嬉しそうだ。 れいむもお母さんが嬉しそうに笑うのを見て嬉しかった。 しかし他の姉妹の言葉にお母さんの笑顔は消えることになる。 「ねぇおかーしゃん」 「ゆっ? かわいいあかちゃんどうしたの??」 「おそとでゆっきゅりしたいよ!」 「ここはくらくてゆっきゅりできないよ!!」 「それになんだかちゅめたいよ!!」 「あとなんかくちゃいよ!!」 れいむも他の姉妹の言うとおりだと思った。 何せ周りは暗い色の壁で囲まれて、空も明るくない。 さらに床はひんやりとして赤ちゃんの体温を奪う。そしておうちは何だか臭かった。 なのでれいむも他の姉妹に続いて思ったことをお母さんに言った。 「そとでおかーしゃんとゆっきゅりしたいよ!!」 れいむのその言葉にお母さん達は泣き出してしまった。 何故泣いてしまったのか分からず、れいむも姉妹もうろたえてしまう。 「ごめんねぇ、ゆっくりごめんねぇ…!」 「ここからはでられないのぉぉ!!」 れいむはお母さんの言ってることが分からなかった。 産まれる時にある程度の知識は親から継承するので外が存在することは分かっている。 れいむの見る限りこのおうちには入り口が見当たらない。でもお母さんならなんとかしてくれるはずなのだ。 なのにお母さんは出られないと言った。 「ゅ! おかーしゃんなんででれないの!?」 「ここじゃゆっきゅりできないよ!!」 「ごめんねぇ! おかあさんたちがにんげんにつかまってるせいで…!!」 「ゅ! にんげんのせい!?」 「にんげんってゆっきゅりできないね!!」 「ゆぅ、そうだよ。にんげんのせいでいつもあんなのを…」 お母さんが何かを言いかけたそのとき天井の網の半分片側がドアのように開いた。 開いた先には大きな生き物が見える。 人間だ。 人間は無表情な顔でこっちを向いている。 れいむは思った。この人間はれいむ達を外に出しに来たのだと。 外に出してと人間にお願いしようと思ったが、れいむは突然お母さんに咥えられておうちの隅へと連れて行かれた。 「ゅ? なにしゅるの!?」 「ゆ! みんなこっちにきてね! そこにいたらゆっくりできないよ!!」 お母さんはれいむを離すと、開いた網の天井の下に残っている赤ちゃんゆっくり達にそう呼びかけた。 その声に素直に従う姉妹は数匹。ぴょんぴょんと小さな体でこちらへ向かってくる。 しかし残った姉妹も数匹いた。彼女達は人間に向かって叫んでいる。 「おにいさん! ゆっきゅりだしてね!!」 「おしょとにでたいよ!!」 「………」 しかし人間は無表情のまま手に持った大きな塊を開いた網天井の上に持っていくと… ドサッ 「ゅぎゅっ!?」 「ゅびっ!」 大きな塊、何かの入った袋をおうちに投下した。 投下された先には人間に話しかけていた姉妹が二匹。 その人間は何を言うでもなく網の天井を閉めて去っていった。 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 「れいむのあがじゃんがぁぁぁぁぁ!!!」 お母さん達は落ちてきた袋の下敷きになった姉妹の元へと駆け寄った。 れいむもその姉妹もお母さんに続いて駆け寄る。 独特な臭いのする大きな袋の下からは茶色い物が飛び散っていた。 赤ちゃんのれいむでも分かる。これは姉妹だった物だ。 「ゅぁぁぁぁ!!!」 「ゅっきゅりできないよぉぉぉ!!」 「なんにゃのこれぇぇぇぇ!!」 産まれてまだ三十分にも満たない実に短い時間で命を散らせてしまった。 もっと一緒にゆっくりしたかったと潰れて死んだ姉妹を想い、家族みんなで泣いた。 程なくしてお母さん達は泣き止み、そしてポツポツと話し出した。 「これから…これからゆっくりせつめいするね」 「ゆっくりきいてね」 お母さんの言葉に赤ちゃんゆっくり達は一匹、また一匹と泣き止んでお母さんの話に耳を傾けた。 「ここでのたべものはにんげんがおとす"これ"だよ」 "これ"とは姉妹を潰した何かの入った大きな袋、その中身のことだ。 何やらゆっくり出来ない臭いがする。つまりクサい。 とてもじゃないが、れいむ達にはコレが食べ物とは思えなかった。 「なにいっちぇるの!?」 「こんなくしゃいのたべたくないよ!!」 「さっきみたいなおいしーのちょうだいよ!!」 「おかーしゃんならとってきちぇよね!!」 れいむもその姉妹達も口々に文句を言うがお母さんは顔を横に振る。 「そとにはでられないんだよ。ゆっくりりかいしてね」 「たべものはこれしかないんだよ。だからがまんしてたべてね」 お母さんはそう言うとクサい袋を横に倒して袋の中身をぶちまけた。 中身は野菜の切れ端や焼き魚の頭や骨、潰れた白米などといった生ゴミが混ざっていた。 すでに腐敗の始まっている生ゴミが床にぶちまけられて強い臭いがこの空間を支配する。 その悪臭の元から少しでも離れようとれいむ達はおうちの隅へと逃げた。 そしてその原因を作ったお母さんに文句を言う。 「くちゃいよ!!」 「おかーしゃんなにするの!!」 「しょんなのたべれないよ! れいみゅたちはおなかいっぱいだからおかあさんがたべてね!!」 「ゆぅ…」 お母さん達は困った表情をして俯いた。 今は食べなくても次にお腹が減ったときは食べることになる。 れいむも姉妹もその時のことは考えてなかった。考えたとしても次はちゃんと美味しい食べ物が出てくると考えた。 お母さん達はもそもそと臭い生ゴミ、そして生ゴミの入っていた袋(味はないが食べられる素材)を食べ始めた。 むーしゃむーしゃしあわせーとは言わず、黙って食べていた。 そんなお母さんを見て、この臭いのはやっぱり美味しくないんだなとれいむは思った。 さらに潰れて死んだ姉妹も食べられていく。 れいむ達はギョッとしたが、涙を流しながら赤ちゃんだった物を食べるお母さんを見ると何も言えなかった。 むしろ死んだ姉妹は愛するお母さんに食べられたことでゆっくりあの世に行けるのだと、本能的にそう感じ取った。 お母さんはすべて食べきらないうちに食事を終え、残った生ゴミはおうちの隅に二つの山として分けてまとめられた。 生ゴミを二箇所に分けたのには意味があるのだが、れいむ達赤ちゃんにはまだ分からなかった。 「ゆっくちまっちぇよー!」 「こっちだよー!」 「ゅゅ~ん!」 それかられいむ達はさっきまでの嫌なことは忘れて赤ちゃん同士でゆっくり遊びだした。 お母さんは黙って見守ってくれていた。 そんな風にゆっくりしていると今度はさっきとは別の人間が網の天井を開いた。 れいむは今度こそ出してくれるのかなと期待したが、お母さん達が他の姉妹を咥えて部屋の隅に移動するのを見てさっきのことを思い出す。 人間が網の天井を開けた後に何が起きたのかを。 「ゆっくりしないでこっちにきてね!! そこにいたらゆっくりできないよ!!」 「ゅ! そっちにいきゅよ!!」 れいむはお母さんの方に駆け寄る。 「ゅぎゅっ!?」 逃げ遅れた姉妹が潰れたようだった。れいむもあそこに残っていれば自分もそうなっていたかもと思うとゾッとした。 お母さんの元に辿りついて振り返ると、また妙な匂いのする袋とその下には姉妹の痕跡が散らばっていた。 れいむは恐ろしくて仕方がなかった。 さっきまで一緒に追いかけっこしてた姉妹はもう遊べないしお喋りも出来ない"物"になってしまったのだ。 その姉妹の笑顔を思い出すと自然に涙が溢れていた。 それから数時間の間に何度か人間が来た。 全部違う人間だったが、全員同じような生ゴミの入った袋を落としてきた。 お母さんによると「きょうはなまごみのひだから」と答えて、生ゴミとそれの入ってた袋をまた二つの山に振り分けていく。 さらにお母さんの話では次の生ゴミの日までこれ以外の食べ物は来ないらしい。 それはつまり、この臭くてゆっくりできない生ゴミをしばらくおうちに置いておくということになる。 当然れいむも姉妹もそんなの嫌だと不満をぶつけたが、 「つぎまでとっておかないとゆっくりできなくなるよ」 「おなかへったときにたべものがないとゆっくりできないよ」 お母さんは俯いてそう答えた。 そんなお母さんにまた文句を言う姉妹もいた。 未だに現実の見えない赤ちゃんゆっくり達はゆっくり出来ない物が近くにあるだけで嫌なのだ。 しかし時間が経てば否応でもお腹は空く。 燃費の悪い赤ちゃんゆっくりであればなおさらだ。 「こんなおうちじゃゆっきゅりできないよ! おそとがいいよ!!」 という環境への文句が、 「ゆっきゅりおなかしゅいたよ! おいしいたべものがほしいよ!!」 という風に空腹を訴える言葉に変わるのにさほど時間はかからなかった。 しかしれいむも姉妹も誰一人として、部屋の隅に積まれた生ゴミには目を向けなかった。 ひたすらお母さんに向けて美味しい食べ物を要求した。 「ゆぅ、じゃあこれをたべてね」 「これならおいしいはずだよ」 お母さん達は部屋の隅にまとめられた生ゴミの山の片側から食べ物を持ってきた。 その生ゴミの山はお母さんが赤ちゃんのために残したまだ腐ってない野菜クズや果物の欠片、あとはお菓子の残りカスをまとめた物だった。 赤ちゃん達はまだ理解してないことだったが、お母さん達は生ゴミの中から美味しい食べ物を残してくれていたのだ。 だがれいむ達はそのことを知らない。お母さんの出してくれたそれをただの臭い生ゴミと認識している。 なのでそんな物を食べさせようとするお母さんにれいむは腹が立った。 「しょれじゃないよ!!」 「おいちいのがたべちゃいよ!!」 「なんでしょんなのもっちぇくるの!!」 れいむも姉妹もみんなで文句を言う。 赤ちゃんを想って生ゴミの中から美味しい食べ物を残してあげたのに何でここまで言われるのか。 さすがのお母さん達もこれにはイラついた。 「ゆっくりだまってね!!」 「これでもおいしいものをのこしておいたんだよ!!」 お母さん達の怒声。 「ゅっ…!?」 「ゅゅー!!」 れいむ達は驚いて声を詰まらした。 今まで怖い思いを何度もした。しかし直接怒られたのは初めてだ。 お母さんの怒りに気圧されてれいむ達は怯えて縮こまった。 これ以上文句を言ったらもっと怒られると感じた赤ちゃん達はお母さんに謝った。 「ゅ、ゅっきゅりたべるよ…」 「おかーしゃんごめんなさい」 「ゆっ! わかればいいんだよ!」 「たべないとゆっくりできないからちゃんとたべてね!!」 れいむはその言葉に従うことにした。 本当は嫌だった。でも今お母さんに逆らって怒られるのはもっと嫌だった。 れいむは目の前にある野菜におずおずと舌を伸ばす。 多少臭いが味は悪くなさそうだ。 次は小さく口を開けて野菜に噛みつく。 それは料理に使わなかった大根の葉っぱだった。 水気は無く乾いていたがそれでも想像していたよりもずっと美味しかった。 周りの姉妹もお母さんの残してくれた美味しいものを食べて目を丸くしていた。 臭いには臭いのだがそれさえ我慢すれば十分ゆっくりできる食べ物だった。 れいむ達はむしゃむしゃと目の前の食べ物を口に入れていった。 「ゅ~、おいちいよ!!」 「ゆっきゅりしあわせ!!」 「おかーしゃんありがちょう!」 そんな赤ちゃん達の感想にお母さん達は嬉しそうに微笑んだ。 これで赤ちゃん達が生ゴミを食べたがらないことなく、餓死する者も出ないだろうと安心していた。 れいむもまた、優しいお母さんのおかげで美味しいものを食べてゆっくりやっていけると考えていた。 それから三週間経ち、四回目の生ゴミの日になった。 れいむ達赤ちゃんゆっくりは子ゆっくりと言われるまでに成長した。 だが成長は子ゆっくり達にとって喜ばしいことではなかった。 大きくなったことでお母さんの選別してくれる数少ない美味しい食べ物だけでは食欲が満たされなくなっていたのだ。 ここ三日ほどは不味い食べ物を避けたい一心で食欲が満たされなくても我慢していたが、それももう限界だった。 「おかあさんおなかすいたよ!!」 「これじゃぜんぜんたりないよ!!」 「おいしいたべものわけてね!」 赤ちゃん言葉を卒業したとは言え、れいむ達はまだ子供。 自分たちがゆっくり出来るのは当たり前だと思っていて、ゆっくりさせてくれるお母さんに不満をぶつける。 お母さんも出来るなら美味しい食べ物を食べてもらいたいし、さらには自由の身にしてあげたい。 しかしそれが不可能であることはお母さん自身が体験して分かっていた。 「ゆっ! もっとたべたいならがまんしてあっちをたべてね!」 「おいしいたべものはすくないからゆっくりあきらめてね!」 お母さん達は美味しくない生ゴミの山に目を向けて言う。 不味かったり腐ってる生ゴミは美味しいものより多く、親ゆっくり二匹でも食べきれないので高く積まれていた。 二週間前の生ゴミも残っていて匂いは相当キツかった。 外にも出たことのないような箱入りの飼いゆっくりであれば、その悪臭のショックで気絶してしまうだろう。 そんな激臭にこの家族が耐えられるのは産まれた瞬間から同じような臭いの中にいたからだった。 「ゅ…がまんしてたべるよ」 れいむがそうお母さんに伝えて不味い生ゴミの山に跳ねていくのも臭いに慣れていたから。 それに生ゴミの中から美味しいものだけを自分たちに分け与えてくれたお母さんに報いたかったのだ。 だからこそ嫌々と這わずに跳ねて生ゴミの山へと向かった。 「ゆ!? ほんきなの?」 「そんなのたべたらゆっくりできないよ!?」 「それはおかーさんたちがたべればいいんだよ」 他の姉妹はそんなれいむを理解できないと喚いたが、 「いつもおかーさんばかりにたべさせたらわるいよ。みんなでおかーさんをゆっくりさせようよ」 れいむがお母さんのためだと伝えると、何匹かの姉妹は理解して共に来てくれた。 目の前にそびえるのは臭くて不味そうな生ゴミの山。今からこれを口にするのだと考えると嫌で仕方がなかった。 しかしこれはお母さんをゆっくりさせるためだ。 そう考えて自分を奮い立たせ、れいむ達は静かに生ゴミの山へと体を寄せていく。 ぱくりと一口。 れいむが食べたのは腐ったライス。 今までに食べた中で一番ゆっくり出来ない味だった。 あまりの不味さに吐き気を催してしまうほどだ。 「ゅ、ゅぎゅ…」 吐き出しそうになるのを必死に抑えて少しずつ飲み込んでいく。 なんとかすべて飲み込んたが、生きた心地がしなかった。 お母さん達はこんなひどいものを今まで食べてきたのかと、 自分たちのためにこんな不味いものだけを食べてきてくれたのかとれいむはお母さんに申し訳なく思った。 そしてそんなお母さんのためにこれからは一緒の苦しみを共有しようと心の中で強く誓った。 だがれいむの姉妹が皆同じように考えるわけではない。 遠くからこちらの様子を眺めている姉妹はきっと追い込まれるまでずっと不味いものには手を出さないだろう。 れいむに続いて不味い生ゴミを食べた姉妹も反応は様々だった。 「ゅげぇぇぇぇ!!!」 一匹の姉妹がその不味さに耐え切れずに口に入れたものを体内の餡子と一緒に嘔吐してしまった。 ある程度成長した子ゆっくりだったので一度の嘔吐で死にはしなかったものの顔を青ざめ震えていた。 お母さんが近づいて「だいじょうぶ? ゆっくりなおってね!」と声をかけるが反応しない。 虚空を見つめてただ震えるばかりだった。 彼女はきっと次からは不味い生ゴミに手を出さないだろう。 「ゆ"ぶぶぶばばばば!!!」 また、顔を真っ赤にして転げまわる姉妹もいた。 彼女が食べたのは真っ赤で小さなリング。唐辛子の輪切りだった。 それをいくつか一気に頬張り、その辛さに口の中に焼けるような痛みが広がったのだ。 ゆっくりは中身が甘い餡子のためか辛いものがとても苦手だ。苦手というよりも毒といっても過言ではない。 唐辛子なんて食べようものならこの姉妹のように苦しみ悶えることになる。 「ゅぐぅ…やっぱりゆっぐりでぎながっだよ」 しばらくしてなんとか落ち着いたようだったが、口の周りと舌が軽く腫れていた。 食べた唐辛子の量が少なかったのでその程度で済んだが、あまり多く辛いものを食べるとショック死することもある。 まだ生ゴミの山の前で躊躇していた姉妹はそれを見て、やっぱりゆっくりできないとおうちの向こう側へと逃げ帰った。 れいむはそれを見てとても悲しく思った。 一緒にこれを食べてくれる姉妹がいないとそれだけお母さんが苦しい思いをするのに何でそれが分からないのかと。 だが自分自身がゆっくり出来ることが大事なゆっくりがお母さんのためにゆっくりなれなくなろうと考える方が奇特な考えだ。 部屋の向こうで身を寄せ合ってこちらの様子を見ている数匹の姉妹。 ハズレを食べてしまい、苦しみに身悶えてもう二度と食べてたまるかと考える姉妹達。 そんな中でお母さんの苦しみを共に味わおうとするれいむはむしろ変わり者だ。 今のこの状況がそれを証明していた。 お母さん達はハズレを食べて苦しむ姉妹が落ち着いてきたのを確認するとれいむの方に近づいてきた。 そして大きな体を摺り寄せてくる。 「ゆっ、だいじょうぶだった?」 「まずかったよね。ゆっくりごめんねぇ」 謝って心配してくれるお母さんにれいむは笑顔で応える。 「だいじょうぶだったよ! まずかったけどつぎもゆっくりたべるよ!!」 「ゅ…ありがとう。ありがとうぅぅ」 健気な娘の言葉に涙するお母さん達。 れいむは苦しみも悲しみもないのにどうして泣くのか不思議だったが、 それよりもお母さん二匹を独占している今をゆっくり満喫することにした。 「いっしょにゆっくりしようね!!」 「しようね!!」 離れた所にいる姉妹達はお母さんを独占するれいむを羨ましそうに見ているだけだった。 それかられいむは不味い方の生ゴミだけを食べることになった。 お母さんが分けてくれる美味しい食べ物も最初は食べようとしたのだが、 「むこうのきたないのをたべてよね!!」 「れいむはむこうのをたべたいんでしょ!」 「おいしいのはわたしたちのだよ! ゆっくりとらないでね!!」 と言った風に不味いのを食べようとしない姉妹たちに除け者にされてしまったのだ。 それを見たお母さんは姉妹を叱った。 「ゆゆ! なかまはずれはだめだよ! ゆっくりできないよ!!」 「このこにもちゃんとたべさせてあげてね!!」 「ゅ! おかーさん、れいむはこっちをたべるからいいよ!」 だがれいむは自ら美味しい食べ物を諦めて不味いのを食べることを選んだ。 確かに自分が美味しい方を食べればその分みんなの取り分が減ってしまうのだから。 本当は姉妹全員で仲良く食べたかったが、無理を言って嫌われるぐらいならそれも諦めるしかなかった。 それからさらに数日。 れいむ以外の姉妹は全員痩せ細って体も少し小さく縮んでいた。 お母さん達が分けておいてくれた美味しい食べ物の山が無くなってしまったのだ。 子ゆっくり数匹にはその山が小さすぎて次の生ゴミの日まで持たなかった。 とてつもなく飢えていたが、それでもれいむのように不味い方の生ゴミを食べようとはしなかった。 心配したお母さんがあまり腐敗の進んでない食べ物を目の前まで持っていってあげたが、 目の前に生ゴミを置かれると嫌な顔をして逃げてしまう始末だ。 「そんなのもってこないでよね!! そんなおかあさんはゆっくりできないよ!!」 さらには罵倒のおまけ付である。 お母さんはそんな娘達に打つ手が無くなっていた。 無理やり食べさせるのはやりたくないし、叱り付けても拗ねるだけで逆効果になるだけだから。 そんな姉妹に対してれいむは成長し、一回り大きくなっていた。 不味い生ゴミばかりを食べて肌にブツブツが出来たりもしたけど元気だった。 ここ数日で不味い生ゴミにも慣れてきていた。 辛味などの刺激物はさすがにまだ危険だということで体の大きいお母さんにまかせていたが少しずつ挑戦している。 「おかーさんゆっくりしようね!」 「ゆっ! ゆっくりしようね!」 「たべたあとはゆっくりがいちばん!」 最近は元気の無い姉妹たちよりもお母さんと一緒にお話することが多くなっていた。 もちろん元気なく身を寄せ合う姉妹たちを心配してはいるのだが、 それは不味いからとか危ないからとかで食事を避けている結果だかられいむがどうこう出来る問題ではなかった。 むしろ危なくなったら一緒に腐った生ゴミを食べてくれると楽観的に考えていた。 しかしその考えは少し楽観的すぎたのかも知れない。 その次の昼のことである。 れいむとお母さん達が生ゴミの山に顔を突っ込んで食事していた時、背中の方から悲鳴が聞こえた。 その声に驚いて振り向くとそこには姉妹を食べる姉妹の姿があった。 事の始まりはこうだった。 子ゆっくり達は、いつものように汚くて臭くて不味い生ゴミを貪る一匹の姉妹とお母さん達を汚いものを見るように見ていた。 あんな物をよく食べられるなと、尊敬ではなく軽蔑していた。 それよりも美味しい食べ物が欲しい。 産まれたときに食べた甘くてとろけるような食感のアレが欲しい。 子ゆっくり達が産まれた時に食べた甘くて美味しい物をひたすら欲していた。 その結果、お腹を極限まで空かせた子ゆっくり達は周りの姉妹が饅頭に見えた。 ゆっくりは元々饅頭。それを饅頭だと認識しないのは普段は理性がそれは食べ物ではないと認識させてるから。 だが栄養不足のこの子ゆっくり達はほとんど理性を失っていた。 そして一匹が目の前の姉妹、いや饅頭に噛み付いた。 「ゅ"っ」 その饅頭は噛み付かれた痛みに濁った声を出す。 噛み付いた子ゆっくりがさらに強く噛み付くと薄い皮は破れて中身が口の中に染み渡った。 甘い。 そしてとてつもなく美味しかった。 自分が求めていたのはこの味だったんだ。 それを知った子ゆっくりはそのまま饅頭の中身を吸い上げていく。 「ゅ"ぅ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 噛んだときは反応の薄かった子ゆっくりも中身が吸い上げられる痛みと喪失感には叫ばずにはいられなかった。 れいむが見たとき、何匹かの姉妹が他の姉妹に噛み付いて中身を吸い上げていた。 吸い上げられる姉妹は苦しそうに悲鳴を上げていた。 また、その悲鳴は徐々に小さくなり、体も皺くちゃになって縮んでいく。 それはつまり命が急激に失われつつあるということだった。 思いもよらなかった事態にれいむは、そしてお母さん達も頭が真っ白になって動けなかった。 そうして呆然としている間に一匹、また一匹と物言わぬ皮と化す。 まだ足りないのか一匹を食べ終えた姉妹はまた別の姉妹へと噛み付いて中身を吸う。 どんどん姉妹は減っていく。 れいむは姉妹達のおぞましい共食いをもう見ていられなかった。 これ以上見ていたられいむまで気が狂いそうで怖かった。 なので逆を向いて姉妹の断末魔を聞かないように努めた。 お母さん達はれいむが怖がっているのを見て、ようやくこの共食いを止めようと動いた。 「やめでぇぇぇぇぇ!!」 「もうだべないでぇぇぇぇぇ!!!」 「ゅびぇっ!?」 「ゅぎぃっ!!」 顔を涙でぐしゃぐしゃにしながらのお母さんの体当たりを受けて、姉妹を食べた子ゆっくりは吹き飛ばされた。 その威力は凄まじく、体当たりされた子ゆっくり達は壁に一直線にぶつかった。 だが止めるのは遅すぎた。 今吹っ飛ばした子ゆっくり以外の子はみんな死んでしまっていた。 痙攣してギリギリ生きている子もいたが、もう手遅れだ。 「ゅぅぅぅぅぅ、いだいよぉぉ!!」 「なにするの!? おかーさんひどいよ!!」 体当たりのショックで正気を取り戻した子ゆっくり達は体当たりしたお母さんに怒りだした。 だがお母さんはもっと怒っていた。 「だまってね!!」 「ひどいのはおまえたちだよ!!」 子ゆっくり達はお母さんの言っていることの意味が分からなかった。 子ゆっくりは自分が悪いことをしたと思っていない。今食べたのも姉妹ではなく饅頭だと本気で思っているのだから。 「ひどいのはおかーさんだよ!!」 「れいむたちはただおいしいたべものたべてただけだよ!!」 母ゆっくり達は娘の言葉に驚愕した。 姉妹を食い殺したうえに食べ物扱いするなんて、と。 このまま生かしておくわけにはいかないと母ゆっくりは思った。 何といっても一番可愛い子れいむが襲われるかもしれないのだから。 一緒になって不味いものを食べてくれる優しい娘を奪われるのは嫌だった。 だったら奪われる前に原因を取り除けばいい。 そうすればゆっくり出来る。 「ゆっくりしんでね!」 「ごめんね! かぞくをたべたゆっくりはゆっくりできないんだよ!!」 れいむは見た。 お母さん達が飛び跳ねて姉妹を食べた子を潰すところを。 潰されようとする姉妹と最後に目が合った。 直後、その姉妹はお母さんの体に潰されて見えなくなった。 「ゆ"ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 れいむは泣いた。大声で泣いた。 これでとうとう一緒に産まれた姉妹は他に誰もいなくなってしまったのだ。 もうあの子たちを見ることはない。声を聞くこともない。 ここ数日ほとんど会話しなかったことを後悔した。もっと話しておけばよかったと。 泣き止んだれいむはお母さんと一緒に姉妹の死骸を供養のために食べた。 生きたゆっくりを食べるとかゆっくりを殺して食べるのは許せない悪事だが、 死んだゆっくりを食べるのはいいことだとお母さんは教えてくれた。 もし逆に食べないとここの生ゴミのように腐って可哀想だとも教えられた。 「てんごくでゆっくりしていってね」 れいむは小声で姉妹の死体に呟いて口をつけた。 皮肉にも姉妹の死体は今まで食べた中で一番美味しかった。 そして少ししょっぱかった。 そして数ヶ月。 通常よりもずっと時間はかかったがれいむは成体ゆっくりにまで成長していた。 野生に生きるゆっくりであればとっくに一人立ちしてもいい頃だし、お母さんになってもおかしくない大きさだった。 だがそんな自由がないのは明らかなので、それは諦めてこんな場所ではあるがお母さん達と三匹でゆっくり暮らせていた。 しかしそんな日々は唐突に終わりを告げることになる。 ふと、生ゴミの日じゃないのに網の天井が開いた。 見上げるとそこには人間がいた。 今までとは違い、生ゴミの入った袋を持っていなかった。 しかし何はともあれ人間は敵だ。 全てのゆっくりできないことは人間のせいだ。 れいむ達は何も言わず人間をにらめつけるが、人間はそれに怯えることもなく話し出す。 「ふむ、ここは一匹だけか。 少ないが全滅よりはマシだな」 人間はれいむに向かって手を伸ばしてきた。 同時にお母さんが叫んだ。 「れいむ! にげてぇぇ!!!」 その声にビクッと体を一瞬震わせたれいむだったが、すぐに母の言葉に従って人間の手を横に避けた。 そしてそのまま走って逃げる。 そのはずだった。 「ゆー! はなじで! ゆっぐりできないよ!!」 狭いおうちの中で生まれ育ったれいむは運動能力が野生よりもずっと低かった。 最初は何とか避けれたが、その後追従してきた人間の手に敢無く捕まってしまったのだ。 「ゅー! れいむをかえしてぇ!!」 「そのこだけはもっでがないでぇぇぇぇぇぇ!!」 お母さんの姿が遠くなっていく。 「おかーさーん!!! だすげでぇぇぇぇ!! はなれだぐないよぉぉぉぉ!!」 れいむは最後に叫んだ。 お母さんは泣きながら何かを叫び、れいむを見上げていた。 それがれいむが最後に見たお母さんの姿だった。 お母さんの姿が見えなくなり、声も聞こえなくなってもれいむは元居たおうちの方向を向いて泣き叫び続けた。 人間がうるさいとかなんとか言っていたような気はするが、今はそんなのよりもお母さんの声を聞きたかった。 体を捻ってなんとか人間の手から逃れようとするが、人間の力は強く抜け出せなかった。 結局れいむは狭い木箱に詰められてどこかへ移動させられた。 その間もれいむは泣き続けた。体の水分が無くなるんじゃないかというぐらいに泣き続けた。 れいむは目を覚ました。 どうやら泣き疲れていつの間にか寝てしまったらしい。 しかし周りの様子がおかしい。 いや、おかしいというよりもこれはお母さん達と一緒にいたおうちと同じ様なおうちだった。 前と違うおうちと分かるのは床や壁に傷や汚れがない新築だったからだ。 そして目の前には初めて見るゆっくりがいた。 本能的に知っている。あれはまりさだ。 同じぐらいの大きさで向こうも今目が覚めたばかりなのか周りをキョロキョロ見回し、そして目が合った。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 挨拶をして互いに近寄って頬を摺り合わせて自分がゆっくりできると示しあう。 そしてお互いについて話し合った。 「ゆ…じゃあまりさもおなじなんだ」 まりさの話によるとまりさもれいむと同じような所に産まれ、同じような体験をしてきたようだった。 親が一匹死んだりと違う点もあるにはあったが、人間に無理やり連れてこられたのも一緒だった。 だが何故ここに連れてこられたかはお互い分からなかった。 でも分かることはある。 「ゆぅ、このおうちはまえとにてるよ。だから、つまり…」 「うん。たぶんまたたべないとだめなんだね」 れいむもまりさも理解していた。 食生活に代わりがないということを。そしてやはり救いはないということを。 と、そこへまた人間がやってきた。 れいむとまりさが身構える時にはすでに二匹は捕まっていた。 口を塞ぐように捕まえられて喋れないようにされていた。 そして人間はれいむ達を捕まえた手を上下に揺さぶる。 「ゅぐぐ??」 れいむは訳が分からない。 いきなり人間が捕まえてきただけでも訳分からないのに、 突然振動を与えられるのも訳が分からなかった。 しかしこの振動は何だか心地よかった。なんだか意識がふわふわとして徐々に気持ちが良くなってくる。 れいむはもっとこれを続けて欲しいと願ったが、もう少しですっきりできる所でおうちに戻された。 「ゆっくりしてってよー!!」 れいむはすっきりしたくて人間の手を追うが、人間は網天井を閉めて仕事は終わったとばかりに去ってしまった。 後に残されたのはすっきり寸前で止めされたれいむとまりさだけ。 れいむとまりさは見つめ合い、徐々にその身を近づけていく。 お互いに望むものは一緒だった。 れいむとまりさはすっきりした後のことまで考えが及ばず、そのまま交尾した。 そしてすっきりして赤ちゃんゆっくりが実った時にようやく理解した。 お母さん達も今のれいむと同じだったんだと。 そして頭のこの赤ちゃん達は自分達と同じような苦しみを味わうことになると。 しかし出来てしまった赤ちゃんを無かったことにするなんてれいむには出来ない。 だったら、だったらせめてこの赤ちゃん達全員を誰も欠けさせずに育てようと思う。 お母さんがしてくれたこと、自分が体験したことを参考に教育すればきっと生き残れるはずだ。 だが何匹生き残ろうとここは灰色の檻の中。 捕らえられたゆっくりは末代までゆっくり出来ず、延々と生ゴミ処理の道具として使われるのだ。 れいむ達の未来はいつまでも暗かった。 終 by ゆっくりしたい人 まだスレに書き込めないので報告なしでアップだけです。 =あとがき= 赤ちゃんゆっくり可愛すぎる。可愛いからいじめても仕方ないですよね。 現実で見つけたら間違いなく飼う。 大きく成長しちゃったら赤ちゃん生産機になってもらえばいいわけですし。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/odenfan/pages/950.html
字幕-シムまとめVol.1 張遼「ふむ、面白そうだな・・・」 張遼「むむ!?」 呂布「(^ω^ )~♪」 呂布「俺が軽く乗りこなしてやる」 呂布「ぐおっ!!」 呂布「俺が・・・負けるだと・・・!?」 呂布「お前は今日から赤兎牛だ」 張遼「呂布殿は手を洗われよ」 呂布「デュクシ!」 楽しかった孔明様との日々・・・ 孔明様はもやしのような身体で よく私の手伝いをしてくれたものです 「新世界のマギーになる」なんて 言い出したこともありましたね でも孔明様にマジックの才能はありませんでした 呉の若造を連れて戦場へと向かった孔明様が 帰ってくることはありませんでした 私は彼らを許せません 呂布「な、なんだお前・・・」 呂布「・・・・・」 呂布「//////」 貂蝉「あの時、文遠様がいなければ私は・・・」 張遼「いつでも呼んでくだされ」 張遼「呂布殿、歌を歌われるのか」 貂蝉「楽しみですね」 「俺は呂布~~天下無双ぅ~~!!」 「!!!!!!!!!!!」 張遼「しかしまあ、呂布殿にも良いところは・・・」 貂蝉「たまには息抜きに行きたいですね」 張遼「・・・は?」 貂蝉「行きたいですね(^^)」 張遼「は、はぁ・・・」 教祖「孤独な子羊よ、天の恵みを受けよ・・・」 呂布「こ・・・これは・・・」 呂布「け、けしからん!」 呂布「ちょwww貂蝉テラ積極的wwww」 >あらし が いっぴき あらわれた! 呂布「(いいところだったのに!!)」 呂布「帰れ」 無法者「日本語でおk」 呂布「ちっ・・・くそ!!」 無法者「もうちょっと荒らしていきますねwwwサーセンwww」 呂布「あ、あいるびーばっく、アイルビーバック!」 無法者「(゚д゚)・・・」 呂布「フン・・・簡単だ」 呂 布 軍 勝 利 ♪呂布オワタのテーマ おじじ・息子・嫁・笑い袋「オ、オ、オワター♪オワオワオワター♪」 惇「俺は何も見ていない」 曹丕「あれ・・・」 曹丕「・・・・・・」 呂布「フッ、寂しい思いをさせたな・・・」 張遼「拝啓母上様 呂布殿が無事帰って来ました」 呂布「お前にも寂しい思いをさせたな」 呂布「まだまだ甘いぞ赤兎牛!!」 赤兎牛「><;;」 呂布「そうか、チョウセンはひまわりの種が好きか」 貂蝉「呂蒙殿のしましまブーツをどう思われますか?」 貂蝉「私に聞かないでくださいませ(笑)」 貂蝉「ですよねーwwww」 ※謎のバグで分裂した貂蝉 張遼「どうしたものか・・・」 貂蝉「火曜日は燃えるゴミの日です」 陸遜「朱然殿、今です!」 張遼「はわわ!」 張遼「あwせdrftgyふじこlp;@!!!」 貂蝉「落ち着いて、110番・・・110番・・・」 呂布「なにやら香ばしい・・・いや、焦げ臭い・・・?」 呂布「げぇーーっ!」 貂蝉2「文遠様!お助けします!」 ■黄巾消防隊増援軍到着!■ 張遼「(´・ω・`)」 貂蝉「(´・ω・`)」 呂布「貂蝉逃げろ!!!超逃げろ!!!!」 呂布「ふ、ふん・・・つまらん」 張遼「貂蝉1殿、風呂が長いな・・・」 冥龍伴「お、親分・・・?」 冥龍伴「い、いやァァァァァァァァ!!!」 冥龍伴「誰か男の人呼んでェェェェェェェ!!!」 冥龍伴「あべし!」 貂蝉「休日はどこかに遊びに行きたいですね」 呂布「ヨットはダメだ。転覆して溺れかねん」 張遼「レンタカーの安いところを調査するか・・・」 呂布「車はダメだ。渋滞に巻き込まれる」 張遼「・・・・・」 張遼「む、蒸れる・・・」 貂蝉2「お布団どうしましょう・・・(´・ω・`)」 呂布「た、たまには外もいいものだな」 呂布「べ、べつに貂蝉のためじゃあないぞ・・・」 呂布「・・・・ZZZ」 貂蝉「文遠様、おやすみなさいませ・・・」