約 3,786,208 件
https://w.atwiki.jp/mgrpgar2e/pages/378.html
メニュー>サポートクラス>ガンスリンガー>キャリバー [Itm,-,U,-,-,1/キャリバー取得(U専用)] ☆☆☆☆ 撃って良し、殴って良し、魔導剣にして良しの万能兵器。ただし威力を上げると両手が塞がる。 魔導銃の最大のアドバンテージは《ファニング》の存在だ。使うならある程度早い段階で取得しておきたい。 -- 灯 (2011-11-17 20 45 09) キャリバーはマジックアイテムなのだろうか? すなわち、《ファイナルストライク》で破壊したり、《アブストラクター》で魔導剣にしたりできるのだろうか。 『PIG』P75には魔導銃が魔導具としてマジックアイテムのひとつに数えられており、この記述を見ると魔導銃はマジックアイテムであるように見える。しかしキャリバー(ひいては魔導銃)がデータとしてマジックアイテムであることを明言する記述はなく(対象的に、召喚具はマジックアイテムであると明言されており、かつ鑑定値も存在する)、マジックアイテムであると裁定することには疑問が残る。 -- 名無しさん (2019-08-23 21 35 39) ↑質疑応答より Q:《キャリバー》で取得できる魔導銃や、《アブストラクター》で取得できる魔導剣はマジックアイテムですか? A:魔導銃や魔導剣は、魔導具と呼ばれる“古の民”エルダが作り上げた武具で、マジックアイテムとは異なるカテゴリーのアイテムとします。 とのことなので、マジックアイテムではないようです。 -- 名無しのチューシ (2019-08-23 22 45 48) ↑質疑応答を見逃していました。ありがとうございます。 マジックアイテムではないとのことなので、これで気兼ねなくキャリバーを魔導銃/魔導剣にできる。《ツインギミック》で短剣を付けて《ナイフパリー》でもすればとんでもない軽減量を叩き出せるだろう。 -- 名無しさん (2019-08-24 11 04 20) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/parecharge/pages/1018.html
型紙 カラー パターン[pT]・プリント[pR]・パーツ[pA] 費用 評価(レア/ジャンル) 備考 ロングストール 01 桃 04 [pT]ノイズA 01、花柄D 01、ドットリボンA 01、ドットリボンA 01、ドットリボンA 01 960 4280(1000/3280) 1003 リボンマフラー 01 桃 04 [pT]ドット柄A 01、ノイズA 01、ドットリボンA 01[pA]ハートバックルベルト 02×3 2210 4680(1400/3280) 1003 羽衣 01 桃 04 [pT]花柄C 03、モダン柄A 02[pA]ハートバックルベルト 01×4 2860 4980(1700/3280) キュート/ストールを編集する
https://w.atwiki.jp/uniteofrubik/pages/63.html
ルービックキューブの歴史 ルービックキューブ それは1978年にエルノー・ルービック教授により、 つくられた立体パズルである。 「空間における自由な可能性」をテーマにつくられ、 このパズルは、26個のサブキューブを上下左右と 自由に回転させることができる。 組み合わせ配置は 43,252,003,274,489,856,000通りであり、 何も見ないで解ければ、 推定IQ130といわれています。 日本でも1980年ごろ大流行し一家に一個はあったとされています。 今年で25周年を迎えるルービックキューブは今までマニアックな趣味でしたが今、全国大会、世界大会など 大規模でメジャーな競技、スピードキューブとして復活しました。 当時のメーカー、ツクダオリジナル(現メガハウス)は1980年に2度全国大会を行い第1回では40秒台 第2回では20秒台前半のタイムで世界大会でも日本の代表選手は5位に入賞し健闘しました。 しかし、それを最後にルービックキューブの流行は去りました。 そして今日、ルービックキューブの売り上げが伸び、メーカーがついに動き出し25年ぶりの大会が2005年7月10日 京都で開催されました。優勝者の平均タイムは16秒と信じがたいタイムをたたきだしたのです。 ルービックキューブは最近ではテレビでも数多く取り上げられ9月3日には日本大会が行われ、18歳のHさんが優勝しました。しかし、ルービックキューブをやる人は当時のことを知る大人たちが比較的に多いようです。 しかし、世界記録保持者は外国に住む日本人の(現高校1年)少年なのです。 なんとその時の記録が 12.11 そして、数は少ないが、確実にキュービストが増えていったのであった…
https://w.atwiki.jp/irarchive/pages/2515.html
サイト ホームページ(ガリバー) IRサイト(ガリバー) CSRサイト(ガリバー) 各種ツール 事業報告書(ガリバー) アニュアルレポート(ガリバー) CSRレポート(ガリバー) 総会通知(ガリバー) 有価証券報告書(ガリバー) 決算短信(ガリバー) 中期経営計画(ガリバー) その他資料(ガリバー) 戻る
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/31278.html
プログラム・リバース R 水文明 (4) 呪文 S・トリガー クリーチャーを1体破壊する。 自分のクリーチャーを破壊したなら、進化ではないクリーチャーが出るまで、相手は自分の手札を見ないで選び、自分はそれを見せる。選んだクリーチャーをバトルゾーンに出す。 相手のクリーチャーを破壊したなら、進化ではないクリーチャーが出るまで、自分は相手の手札を見ないで選び、相手はそれを見せる。選んだクリーチャーをバトルゾーンに出す。 DMIF-01《超獣降臨》で登場した水の呪文。 作者 しぇる 評価、コメントなど 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/31367.html
リバース・クロウラー SR 水 (8) クリーチャー:アースイーター 1000+ ■このクリーチャーが召喚された時に支払ったマナゾーンのカードを全て、自身の手札に加える(召喚以外でバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンからカードを8枚選び、自身の手札に加える)。 ■このクリーチャーのパワーは、自分の手札1枚につき+2000される。 ■パワード・ブレイカー ■このクリーチャーが攻撃する時、自分の手札を1枚捨ててもよい。そうしたら、相手のバトルゾーンにあるカードを1枚選び、持ち主の手札に戻す。 ■このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに自分の手札を2枚捨ててもよい。 作者:シザー・ガイ 参考カードは恐らく《混沌魚》、《紅神龍オグリストヴァル》、《絡繰の悪魔龍 ウツセミヘンゲ》。 テーマは「アースイーターらしくアースをイートしろ」。 結果青い《紅神龍オグリストヴァル》に。私にしては珍しく効果モリモリモ◯ンフェン。ですが全て即興のアドリブ(《偽りの名 iFormula X》がやばそうとは思いましたが)。多分ヤバイ点がありそうな気がしなくもないので、ご指摘いただければ幸いであります。 フレーバーテキスト 今こうして我々が踏みしめている大地。ヤツにとってはごちそうさまのフルコース。つまり我々トッピング。一日三食ディザスター。誰でもいいからヘルプミー。---恐怖のあまり、おかしくなったとある行商人 評価 モリン○ェン?!モリ○フェンが何故ここに?逃げたのか?自力で脱出を…? -- メイカ (2021-01-24 07 22 36) すり替えておいたのさ! -- シザー・ガイ (2021-01-24 07 53 47) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/4173gogo/pages/48.html
修学旅行の翌日。 二年生は昨日まで修学旅行だったということで、今日は休校日になっていた。 「じゃあ行ってくるね、里奈、兄さん!」 「おう、いってらっしゃい」 「いってらっしゃい!」 学校へ行く潤を玄関で見送る。隣にいる里奈は元気良く手を振っていた。 「さ、もう一眠りするかな」 「じゃああたしもカナメと一緒に寝る!」 俺の左腕を掴む里奈。 どうやら修学旅行で俺が家にいなかった間、潤と里奈は仲良くなったようだ。 今も里奈が潤を見送りに来ていたし、今朝の朝飯を作っていた潤を自ら手伝っている里奈を見ると二人はまるで仲の良い姉妹のようだった。 「この家には慣れたか?」 「うん!カナメは好きだし、ジュンも最初は怖かったけど今は優しいもん!」 嬉しそうに言う里奈。確かに最初里奈を連れて来た時の潤の反応は異常だった。 しかし今はこうして里奈にも好かれている。きっと何かが潤に心境の変化をもたらしたのだろう。 もしかしたらあの雨の日、潤が倒れた日に何かがあったのかもしれない。 とにかく潤は変わろうとしている。それはとても喜ばしいことだった。 「カナメのベットに一番乗り!」 里奈は俺の部屋に入って一目散にベットに飛び込む。 「おいおい、俺のベットだろ」 苦笑しながらもこんな一日も悪くないな、と思う。今日は久しぶりにゆっくり出来そうだ。 ふと視界に点滅した光を放つ携帯が入る。 「メールか。一体誰だろう?」 「カナメ~、早く来てよ~」 「分かったからちょっと待っててくれ」 里奈に急かされながら携帯を開く。やはり受信メールが一件あった。差出人は―― 「…………っ!」 「カナメ?どうしたの?」 「…い、いや何でもない。さ、もう一眠りだ」 「……うん」 なるべく動揺を悟られないように携帯を閉じる。里奈を連れてそのままベットに潜り混んだ。 送信者:大和撫子 件名:無題 本文:今日の正午、桜ヶ崎駅東口で待ってます。 あたし達、恋人だもんね。来なかったら……分かるよね? 桜ヶ崎駅東口。寝ている里奈を起こさないようにして家を出た。 「ここか……」 以前にも呼び出されてここに来た。前回は会長、そして今回は―― 「時間ピッタリだね。合格だよ、要君」 「……撫子」 "恋人"の大和撫子だ。彼女は瑠璃色のポニーテールを揺らして駅前の柱に寄り掛かっていた。 「本当は5分前行動がベストなんだけど……許してあげる」 俺の左腕を取り自分の腕に絡める。撫子からは仄かに甘い香りがした。 「お、おい」 「さあ行きましょ。今日は一杯歩くんだから。覚悟しておいてよね」 嬉しそうに腕を組む撫子を見ているとつい忘れそうになる。彼女がどれほど恐ろしい存在か、ということを。 「あ、ああ……」 でも忘れてはいけない。この"恋人"がいる限り、俺に安らぎは訪れないのだから。 海上娯楽施設"アクアマリン"。桜ヶ崎駅からモノレールで20分程の所にある、海を題材としている巨大テーマパークだ。 休日になると家族連れやカップルで賑わう、我が県のイチ押しといっても過言ではない場所である。 「うわぁ!綺麗……」 「……確かに」 海底をイメージしたエントランスは撫子の言う通りとても綺麗で幻想的だった。 色とりどりの貝殻が周囲を飾り、正面ゲートには本物のアクアマリンがこれでもかという程たっぷりと散りばめられている。 「これ、藤川君のお父さんが作ったんだよね……」 「まあ正確には会社が、だけどな」 このアクアマリンは英の父親である藤川栄作が経営する、藤川コーポレーションが建設したテーマパークだ。 これは東桜では殆どの生徒が知っていることだし、俺も英から直接教えてもらった。 「あたしアクアマリン来たことなかったんだ。よぉし、今日はとことん遊ぶぞぉ!」 「ちょ!?おい、引っ張るなって!」 腕を組みながら俺をぐいぐい引っ張ってゲートに行く撫子。今日は平日だから別に混んではいないし、そんなに焦る必要もないのだが。 それでも目を輝かせながらゲートを通る撫子を見ていると、何だかこっちまで楽しい気分になってくる。 「アクアマリンにようこそ!」 海をイメージした青色を基調とした制服を着るスタッフに出迎えられ、俺達はゲートを潜って行った。 「ジェットコースターだって!あたしジェットコースター大好きなんだ!乗ろっ!」 中に入って早々走らされてジェットコースター乗り場へ。 別に平日の真昼間なんだから焦る必要なんてないと思うんだが、撫子が楽しそうなのでそれで良いかな。 「何々…"海へ突き出たレールがここでしか味わえない興奮を貴方に"…か」 入る時に貰ったパンフレットに書いてある説明を見る限り、かなり本格的なジェットコースターのようだった。撫子は隣でそわそわしている。 「海へ突き出す!?絶対楽しいに決まってるよ!」 「よくジェットコースターでそんなにテンション上げられるな……」 隣で無邪気にはしゃぐ撫子はまるで子供のようだ。どうやら余程ジェットコースターが好きらしい。 「よし、絶対にジェットコースター系は制覇するからね!」 「おいおい……」 乗り場へとスキップしながら登って行く撫子を見ていると、何だか俺までワクワクして来てしまった。恐るべしポニーテール。 「来るよ来るよ!」 「あ、ああ……」 日本の技術力は凄いと思う。 "海へ突き出たレールがここでしか味わえない興奮を貴方に" 確かにその通りだ。一体どうやって支えているのかは分からないが海面スレスレにレールがあり、まるで海へダイブするような感覚になる。 ただ一つ、"ここでしか味わえない興奮"が人によっては恐怖になる場合を除いてだが。 「さん、にぃ、いち……!」 「う、うわぁぁぁぁあ!?」 最初に一気に急降下して海面スレスレまで行った後は、激しいアップダウンを繰り返して一回転する。そしてカーブしながらまた海へ飛び出すのだ。 「さいっこぉぉぉお!」 「あぁぁぁぁあ……」 隣でテンションが最高潮まで上がっている撫子とは正反対な俺。しかしそれは当たり前のことなのだ。 いくらジェットコースターが好きだと言っても普通2、3回乗れば飽きるもしくは体力的に辛くなるものだ。 しかし隣にいる大和撫子という人間には限界がないらしい。 「きゃぁぁぁぁあ!!」 「…………」 既にこの本格的なジェットコースターに乗ること7回目。 さすがに係員にも顔を覚えられ始めた。後何回乗れば隣のスピード狂は満足するのだろうか。 「いやぁ、楽しかったね!マリンコースターもアクアジェットも良かったけどやっぱり一番はジ・オーシャンだったよ!」 「……気持ち悪い」 結局"海へ突き出たレールがここでしか味わえない興奮を貴方に"が売りのジェットコースター、ジ・オーシャンには12回乗った。 その後も休憩を全く挟まずにアクアマリン内にある絶叫アトラクションを全て最低3回ずつ乗り回ったのだった。 「情けないなぁ。しっかりしてよ要君」 「いや、俺は頑張った方だと思うんですが……」 空には既に月が出ている。まさか一日中ジェットコースターに乗らされるとは思わなかった。 これが撫子の言う"デート"ならこれからはデートするのは考えた方が良さそうだ。 「こんなのまだ序の口だよ?……あ」 「うん?」 急に立ち止まる撫子につられて立ち止まる。目の前には工事中のビルが立っていた。 「アクアポート、もうすぐ完成するんだ。半年前に駄目になったばっかりなのに」 「アクアポート?」 俺の質問に撫子は驚いたように目を見開く。 「要君、まさか知らないの!?」 「えっと……何が?」 撫子は信じられないといった様子だが俺にもよく分からない。 この工事中のアクアなんちゃらとかいうビルを知らないことが、そんなにも問題なのだろうか。 「はぁ……。ニュースくらいちゃんと……って要君、記憶喪失だったんだね」 「あ、ああ……」 「このビルはね、半年前、完成間近に事故で爆発しちゃったんだ。当時のニュースで大々的に扱ってたから知らない人はいないと思う」 「爆発……事故……」 何かが引っ掛かる。確かつい最近、そんな話をどこかで聞いたような気が―― 『……半年くらい前にビルの爆発事故で行方不明になってさ。そこに写っているメイドと一緒にね』 「っ!?」 急に頭痛がする。頭が割れそうだ。何かを、忘れてはいけない何かを忘れてしまった気がする。 「だから半年しか経ってないのにまた完成間近……要君!?」 「ぐっ!?」 何なんだ、この感じ。最近頻繁に起きる発作的な頭痛とこの感じ。忘れてはいけないことが思い出せそうで思い出せない。 「やはりここにいたか要」 「……えっ?」 聞き覚えのある声。顔を上げるとそこには会長が立っていた。 しかし何故だろう。いつもの要組の時の会長とは打って変わってその碧眼は冷たく撫子を射抜いている。 そして彼女の紅い髪も燃え盛る業火の如く揺らめいていた。 「……生徒会長さんが何の用?」 「要、体調が悪そうだな。外に車を用意してある。家まで送って行こう」 撫子を完全に無視して会長がこちらへ近付いて来る。途端に理解する。彼女は怒っているのだ。それも尋常でない程に。 「ちょっと待って。要君はあたしの彼氏よ。勝手なことしないで」 近付く会長の目の前に立ちはだかる撫子の声は氷のように冷たかった。撫子もまた怒っているが会長とは正反対に静かな怒りだった。 「……君は一体誰だ?」 「あたしは大和撫子。後ろにいる白川要君の彼女よ。人に名前を聞く時はまず自分からじゃないの、会長さん?」 撫子の挑発とも取れる自己紹介に会長は眉をひそめる。しかし5秒程の沈黙の後、会長が話し始めた。 「私は美空優。そこにいる白川要の婚約者だ。要はもう私の両親への挨拶も済ませている。そうだろ、要?」 「馬鹿言わないで。要君はあたしと付き合ってるの。もう愛し合った仲なのよ。ね、要君?」 会長と撫子がこちらを睨んでくる。何なんだこの修羅場。撫子の言っていることに間違いはない。 でも会長の言っていることも"婚約者"以外は間違ってはいないのだ。 いや、それよりも問題なのは今までこの危うさに気が付けなかった俺自身なのだろうか。 「愛し合った?君は単なる要の性処理道具、つまりオナホだ。要が君なんかに欲情するわけないだろう」 「面白いこと言いますね。ただ乳がでかいだけの年増の何処に要君が欲情するんですか」 二人は睨み合い場の雰囲気が凍り付いているのが分かった。 少し前にも会長と潤の睨み合いがあったが、それとは比べものにならない程空気が張り詰めている。 「分からないのか、君は要には似合わない。どうせこの関係も君が押し付けたものだろうな」 まるで知っているかのように切り捨てる会長。 恐らくあてずっぽうだが、あながち間違ってはいない。撫子はゆっくり息を吐いてから反撃する。 「適当なこと言わないで貰えますか。貴女、偉そうで大嫌いです」 「奇遇だな。私も君が大嫌いだ」 ゆっくりと歩み寄る二人。お互いの射程距離を計っているようだ。緊張は極限まで膨らんでいた。後は何かきっかけがあれば―― 「優お嬢様。そろそろお時間です」 そんな時、会長の執事であろう初老の紳士がやって来た。 「……そうか。それでは今日は引き上げよう。君、夜道には気をつけた方が良い」 「……そちらこそ」 「要、また学校で会おう。修学旅行のお土産、期待してるからな」 「あ、はい……」 そのまま会長は紳士を連れ去って行った。 「今日、楽しかったな」 「うん……」 「えっと……撫子はジェットコースター乗りすぎなんだよ」 「そうだね……」 アクアマリンからの帰り道。会長と対峙してから撫子はずっと俯いて何かを呟いていた。 こうして帰り道を歩いていても生返事しかしない。やはり会長に言われたことが堪えているのだろうか。 「えっとさ……」 「……要君」 突然撫子が立ち止まり俺を見つめてくる。彼女の目は一切の光を写してはいなかった。生気のない、暗闇しか写さない目。 「要君は逃げないよね?裏切らないよね?側に……いてくれるよね?」 覗き込んでくる撫子。その目の暗闇に吸い込まれそうになる。 一切の光がない暗闇が目の前に広がっているようだった。無意識に後退りする自分がいた。 「俺……帰らないと……」 怖かった。とにかく怖かった。昼間一緒にいた彼女とはあまりにも違いすぎて。 一刻も早くこの場所から立ち去りたい。ただそれだけを考えてしまう。 「……そう。分かった」 「あ、撫子……」 声をかけるが撫子はそのまま背を向けて去って行った。 「……くそっ」 彼女は俺を脅していたんだ。それならばこれで良かったはずなのに、何だろうこの胸に広がる罪悪感は。 ただ一つ分かるのは俺がどうしようもなく情けないということだった。 「…………」 家に帰ると里奈に何処へ行っていたのかしつこく聞かれたが、謝ってごまかした。 潤も聞きたそうな様子だったが俺を気遣ってくれたのか、直接何も聞こうとはしなかった。 そんなこんなで気まずい夕飯を終えてベットに飛び込む。 「……会長……撫子……」 一体俺はどうするべきだったのだろうか。根拠はないが俺は何かをすべきだったのではないか。 少なくともあのまま撫子を帰してはいけなかったような気がしてならない。 「……わかんねぇ」 考えていても仕方ない。ふと時計を見ると午後10時ちょうどだった。何か面白い番組、やっていたかな―― 『少し時間をあげる。明後日の午前0時、要の家の近くにある公園で待ってる。その時に答えを聞かせて』 「っ!?」 急に蘇る記憶。いや、これは修学旅行の時の記憶だ。鮎樫らいむに言われた言葉を思い出す。 そう、確かに彼女は言った。明後日、つまり今日の午前0時に公園に来いと。そしてそこで答えを聞かせて欲しいと。 「……本当に意味わかんねぇ」 行って何になるというのだろうか。あいつは鮎樫らいむじゃない。 それは亙さんのおかげで分かった。だったらわざわざ会う必要はないのではないか。 「……馬鹿馬鹿しい」 俺は布団を被り直した。行ってたまるか。 ただでさえ混乱しているのに、自分から面倒を増やす必要はない。それでも彼女の言葉は耳から離れなかった。 午前0時。俺は公園のベンチに向かっていた。 「……寒っ」 結局鮎樫らいむの言葉が忘れず、のこのこと近所の公園まで来てしまっていた。 自分でも馬鹿だとは思うが仕方ない。何故か彼女の言葉を無視出来なかったのだ。 「こんばんは」 「……こんばんは」 鮎樫らいむは前回と同じようにベンチに座っていた。相変わらず真っ赤なワンピース一枚でこの寒空の中、何ともない様子で座っている。 「やっはりワンピースか。……ほら」 そんな鮎樫らいむに自分が着ていたジャケットを手渡す。ちょっと照れ臭いので目は合わせない。 「……ありがとう。座ったら?」 鮎樫は微笑みながらそれを受けとった。そして自分の隣を指差す。別に逆らう理由もないので彼女の隣に座った。 「綺麗な星空でしょ。確かあれは……オリオン座だっけ?」 「いや、あれはオリオン座じゃないだろ」 確かに見上げた空には星が輝いておりとても綺麗だった。 「あれ?二人でプラネタリウムに行った時に教えて貰ったんだけど……。じゃああれは北極星!?」 「……違うと思うぞ」 明らかに飛行機の赤く点滅ライトを北極星と言う鮎樫に思わずため息をつく。つーか俺達プラネタリウム行ったのかよ。 「うーん……。もう忘れちゃったな」 「まあ人間は忘れる生き物だからな。また思い出せば良いんじゃないか?」 俺の言葉に鮎樫は「そうだね」と呟いた。 深夜ということもあって辺りは静まり返り、このベンチだけが別世界へと切り離されたような感覚に陥る。 「……答え、聞かせて?」 「……ああ」 鮎樫が静寂を破った。 俺を真剣な眼差しで見つめる。俺は"答え"をゆっくりと口にする。 「……色々考えたけど、やっぱり知りたいんだ。一体俺が今まで何をしてきて、どんな奴だったのか」 「……うん」 俺も鮎樫の目を見つめて話をする。 「確かに思い出したくはないこともあるかもしれない。でも……それも全て含めて"俺"だから」 鮎樫や潤、英や亮介、会長や遥、桃花や桜花や里奈、撫子、亙さんとライムさん。他にも色々な人達との出会いがあった。 そしてそれら全てが今の俺を形作っている。たった4ヶ月でこんなにも多くの人達との思い出がある。 だったら過去を忘れたままなんて出来ない。だってそれらも全て含めて俺、白川要という人間なのだから。 「…………そっか」 鮎樫はゆっくりと立ち上がり俺の目の前に来る。微笑む彼女は何処か寂しそうだった。 「分かった。要が決めたなら、それが一番だもんね。立って、要」 鮎樫に言われた通り立つ。すると彼女は俺の両手を握ってそのまま前に出した。まるで二人で円を作っているようだ。 「私の本当の名前を言って。それで貴方はきっと全てを思い出せる」 「……分かった」 何故名前を言えば記憶が蘇るのか。その理由は分からない。でも何となくそうなると思っている自分がいた。 結局俺は最初から彼女を、鮎樫らいむを信じたかっただけなのかもしれない。 「最後に一つだけ。……要、たとえ離れても私はずっと貴方を見ているからね」 「ああ……」 「……じゃあ……お願い」 鮎樫は目を閉じる。俺に全てを任せるようだ。ゆっくりと深呼吸をする。心臓が破裂するくらい鼓動しているのが分かる。覚悟を決めろ。 「お前の本当の名前は……」 「………」 「海有朔夜(ウミアリサクヤ)」 その瞬間、視界が歪んだ。今まで体験したことのない激しい頭痛が俺を襲う。 気が付けば手を離し地面に這いつくばっていた。耳鳴りがし、目が開けられなくなってきた。 「――――――――――!!」 あまりの痛みに叫ぶが何を言っているのか聞こえない。意識が朦朧としてくる。そんな中確かに俺は聞いた。鮎樫、いや海有朔夜の声を。 「さようなら、要」 「……んっ」 空には満天の星空が広がっていた。どうやら気絶していたらしい。 「…痛っ」 地面に倒れていたので起き上がる。頭の痛みはまだ引いていなかった。 「いねぇ……」 周囲を見回すが海有朔夜はおらず彼女に渡したジャケットがベンチに置いてあった。 「……とりあえず帰るか」 記憶が戻った実感もなければ昔のことを覚えているわけでもない。だからといっていつまでもここにいるわけにもいかないので家に帰ることにした。 これが平穏の終わり、そして惨劇の始まり。
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/13786.html
リバースクルセイダー(りばーすくるせいだー) 概要 登場作品 +目次 グレイセス関連リンク 関連項目 グレイセス 装備可能者 リチャード 備考 - 攻撃 術攻 命中 CC 性質 買値 売値 特殊効果 - 入手方法 落 エッケ?(f:3%) ▲ 関連リンク 関連項目
https://w.atwiki.jp/4173gogo/pages/42.html
桜ヶ崎にある廃ビルに俺と桜花の姿はあった。 会長によると桃花らしきメイドの目撃情報はいくつかあるらしく、俺達はその一つである廃ビルに来ている。 廃ビルの中は暗くあまりよく見えないが桜花の暗視能力で何とか最上階まで来れた。 「……ここで鉢合わせたら最悪だな」 まあこういう時に限って現れたりするものだ。 「大丈夫です。私が全力でサポートしますから」 桜花は俺の真横にぴったりと寄り添っている。確かに暗視能力は助かるのだが。 「…桜花」 「なんでしょう?」 「……ちょっと近すぎじゃないか」 距離が全く無い上に腕を組まれているので否応なしに弾力がこちらに伝わってくる。 ……いくらアンドロイドって言っても意識しない方が難しい。 「この状態の方がより正確にサポート出来ますから」 「そうなんだけど…だけどさ」 桜花に正しい暗闇での男女の距離の取り方を教えようとした瞬間 「…っ!?静かに!……誰かこちらに来ます…!」 桜花が前方の何かに気付いた。 「……何処だ…?」 前に広がる闇を見つめる。 時間が経ってきたので暗闇には慣れてきたが人影は近くには見えない。 「気配を…殺しています。それともう…!?」 「わっ!?」 桜花がいきなり俺に飛び掛かって来たので反応出来ず地面に倒れる。 そしてそのすぐ上を何かが通過していった。 その何かは向こうの壁にぶち当たり轟音が廃ビル内に響く。 「くっ…!間一髪…です」 「………あ、ありがとな。よく分からないけど助かった…」 「……なるほど。貴女でしたか」 氷のように冷たい声がした方向、つまり何かが猛スピードで飛んできた方を見るといつの間にかそこには人影があった。 「……まさかコイツが…」 「……はい。どうやらたどり着いたようですね、彼女に」 闇夜でも輝きを放つ銀髪に燃えるような紅い目。 正に写真で見た桃花というメイドそのものだった。 「本当に久しぶりですね、桜花。10年ぶりですか」 「…はい。よく覚えていましたね」 そして見れば見るほど桃花とそのアンドロイドである桜花はそっくりだった。 唯一違うのは桃花が金髪で桜花は銀髪だというところだ。 「自分を基にしたアンドロイドですよ?忘れる訳がありません」 桃花はゆっくりとこちらに近付いて来た。 漂っている雰囲気だけでも相当な重圧を感じる。 「さっきのは…」 「…ああ、あれは近くにあった空き缶を蹴っただけです。ほんの小手調べですかね」 あの轟音が空き缶…。やはりコイツは普通じゃない。 果たしてこんな化け物みたいな奴に勝てるのだろうか。 「…要、行きますよ」 ……勝てるとかじゃない。勝たないといけないんだ。英の右腕の分もきっちりと償ってもらわなければ。 「……よし、いつでも良いぜ」 桜花と二人で桃花と対峙する。冷たい目が俺を捉えていた。 「……一般人…ではなさそうですね」 「………お前が桃花か」 俺達と桃花の距離は20m程。ここならまだ射程外と判断して探りを入れる。 「そうですが……ああ、あの時の英様のご友人ですか」 「あの時…?」 一体あの時っていつだ。そういえば会長が半年前に俺達が桃花と遭遇したって…。 「要っ!!」 「……えっ?」 一瞬だった。 意識がほんの少し逸れた瞬間に桃花は20mもあったはずの俺達との距離を一瞬で詰めていた。 つまり気が付けば俺の懐には桃花がいたのだ。 「さようなら」 そして次の瞬間には桜花をも上回る高速を遥かに越えた、言うなれば光速の蹴りが既に繰り出されていた。 「っ!!?」 桜花と鍛えていたおかげで咄嗟に右腕で防御したが激痛と共に思い切り蹴り飛ばされた。 そのままもろに壁に激突する。空き缶の時と同じような轟音がフロア全体に響いた。 「要っ!?」 決して華奢ではない彼の身体はまるで空き缶のように蹴り飛ばされた。 「まずは一人」 そして彼を空き缶のように軽く蹴飛ばした張本人が目の前にいる。 「くっ!?」 瞬時に距離を取り分析をする。やはり圧倒的な強さだった。 いくら私が彼女のコピーだと言っても敵わない。アンドロイドには限界があるのだ。 すぐに逃走手順を展開しようとする。 「…………」 今は一時撤退が最善策だということは分かっている。分かっているが身体が動かない。 彼、白川要の存在が私のプログラムにバグを与えているのだろうか。 「…逃げないのですか?今ならば見逃してあげますが」 「……たとえ勝てなくてもここで逃げる訳にはいかないんです」 桃花を見つめる。私と同じ顔立ちに燃えるような紅い目。 唯一違うのは髪の色でそれ以外は見分けがつかない。 でも桃花から感じられる身体的、精神的な強さ私とは比べものにならない。 だから所詮私では桃花に勝つどころか傷一つすらつけられないかもしれない。 「…アンドロイドの貴女らしくないですね。そんなにあの少年が気になるのですか」 「要は私が守ります。これ以上、桃花の好きにさせる訳にはいきません」 「私に敵わないとしても、ですか」 それでも戦わなければならない。戦闘用アンドロイドだからじゃない。 要が私のことを必要としてくれたから。だから私は戦うんだ。 「要と一緒にいるために私は戦います。…かつて桃花が里奈様の傍にいることを誓ったように」 私は知っている。桃花がこれ程にも強い訳を。 英様の姉である里奈様の専属メイドだった彼女には里奈様が全てだったから。 だから桃花は里奈様を守るために強くなった。 今の私も桃花と同じなんだ。戦闘体制に切り替える。 もう逃げない、迷わない。私はただ前を向き続けるんだ。 「…では容赦はしません。排除します」 桃花が急加速して私の懐に入る。さっきの要と同じパターン。 でもここは避けない。決めるなら一発だ。 この戦い、長引けば長引くほどこちらの勝率は下がる一方だ。ならば一撃で沈める。 わざと隙を作ってそこに打たせて逆にカウンターを喰らわす。 「っ!!?」 そう、これは要との特訓で身につけた技。確か『肉を切らせて骨を断つ』とか言っていた気がする。 この二週間で私は要に教えてもらった。人は強い意志さえあればどこまでも成長出来るということを。 特訓と称していたけれどいつの間にか私の方が要に色々教わっていた。 アンドロイドの私でも好きな人を守って良いんだ。 ……そうか、私は要のことが好きなのか。だから私は負ける訳にはいかない。 もう一度彼と、今度は誰かの命令じゃなくて私自身の意志で一緒にいるために。 「くっ!!」 「なっ!?」 自ら後ろに飛び桃花の右ストレートの衝撃を少しでも緩和する。 破損は激しいが距離は取られなかった。そして同時にこちらも渾身の一撃を叩き込む。 「っぁぁぁぁぁあ!!!」 「っ!!?」 桃花はほぼ零距離でそれをまともに受けて弾き飛んだ。 「……うっ…」 膝をつく。 腹部は桃花の攻撃で損傷が激しく、また無茶なカウンターのためにフル稼動したので著しくバッテリーを消耗していた。 今の一撃は確かな手応えがあったがもし仕留めきれないようなら打つ手がない。 「…はぁはぁ……」 桃花を弾き飛ばした方向を見つめる。暗くてよく見えないがまだ人影は捉えることが出来ない。 このまま桃花が起き上がって来なければ……。 「……流石、と言ったところですか」 「………くっ…」 ……やはり一撃では倒せなかったようだ。 頭から血が真っ白な頬に垂れており多少のダメージは与えたが、むしろ桃花はそれを喜んでいるようだった。 こちらを見つめながら微笑む桃花の姿は何処か神秘的なものを感じた。 「血を流したのは久しぶりです。私のコピーだけあって中々のようですね」 「………コピーじゃない」 今にも機能停止しそうな身体を動かし立ち上がる。 どうやら立ち上がるのが精一杯のようだ。それでも私は桃花を見つめる。 「私は……桜花…です」 「見事です。ですが私の里奈様への気持ちには敵いません」 桃花が私の目の前に立ちゆっくりと右手を後ろへ引く。私はただそれを見ていることしか出来ない。 「……か……なめ……」 「さようなら」 フロア内に何かが砕け散る音が聞こえた。 激痛で目が覚める。真っ暗闇だ。一体ここは何処で俺は何をしていたんだ? 「…………っ!」 不意に思い出す。 そうだ、俺は桃花に吹き飛ばされて壁にぶち当たったんだ。目の前にあるのは瓦礫か。 「いってぇ……」 瓦礫を退けて立ち上がろうとすると右腕に先程の激痛がまた走った。 どうやら桃花の攻撃を咄嗟に防いだ時に右腕を折られてしまったようだ。 ……一回防いだだけで折られるとは…やはり尋常じゃない。 とりあえず今、桜花が桃花と戦っているはずだ。一刻も早く戻らなければ。 「…………うっ…」 瓦礫を退けると人影が見えた。右腕は使い物にならないがいないよりマシか。 人影の方向へ走る。どうせ気付かれるなら出来るだけ早く桜花の元へ行った方が良い。 「桜花!?………………え?」 確かにそこには桜花と桃花がいた。でも立っているのは桃花だけで足元には"何か"の部品が散らばっている。 ……何かじゃなくてあれは…いや、考えるな…でも桜花は一体何処に…あれは…あれは………。 「……生きていましたか。右腕で咄嗟に防ぐとは…でも遅かったようですね」 「……………桜花は…」 「そこに散らばっているパーツがそう"だった"物ですが?」 ゆっくりと"それらに"近付いてゆく。 パーツはそこら辺に散らばっており暗くてよく見えなかったがそれでも足や手だと思われる破片を見付けてかき集めた。 …何故こんなことをやっているんだろう?俺は桜花を探しているんじゃなかったっけ? 「……か……な……」 「桜花っ!?」 声のする方へ駆け寄るとそこには下半身と右腕を失い、至る所の外装が剥がれ機械が剥き出しになっている桜花がいた。 顔も左側は所々外装が剥がれている。 「…すい…ませ…ん…私……やっぱ……り…」 「桜花!大丈夫か!?」 桜花を抱き上げる。半分しかない桜花の身体はとても軽かった。 俺が隙を作ったせいで桜花が…。何が特訓だ。結局俺には桃花を倒すどころか女の子一人も守れないのか。 「……でも……最期に……良かっ…た……」 俺を見つめる桜花。言葉はたどたどしくいつ事切れてもおかしくなかった。 「最期とか言うな!待ってろすぐに………桜花?」 返事はなく桜花は目を閉じていた。 「桜花?…おい、桜花!?しっかりしろよ!?」 「もう使い物にはなりませんね」 いつの間にか真後ろには桃花がいた。 …そういえばコイツを倒すのが目的だったんだっけ。でも今はそんなことどうでもよくなっていた。 「……桜花は」 「はい?」 そっと桜花を床に下ろす。コイツだけは許す訳にはいかない。 「桜花は物じゃねぇ!」 「……意味が分かりません。どうみても彼女は人間ではありませんが」 桜花を物扱いしやがったコイツだけは、簡単にバラバラにして辱めたコイツだけは許せない。 「ふざけんなっ!!」 「っ!?これはっ!?」 無意識に折れている右腕を真後ろにいる桃花に向かって振る。激痛が走ったが怒りからかあまり気にならない。 桃花はバックステップでそれを軽く避けたが何故か吹き飛ばされた。 「うおぉぉぉぉお!!」 桃花を追いかけながらもう一度右腕を思い切り振る。 すると振った方向に衝撃波が発生した。桃花はそれを防ぐことが出来ずにさらに吹き飛ばされる。 「くっ!?衝撃波!?腕は折れているはず……!」 風の流れを感じる。どうすれば衝撃波が生まれるのか、自然と頭の中に浮かんでくる。 もしかしたらこれが以前に師匠が言っていた俺の力なんだろうか。 桃花に対する怒りに満ち溢れている一方で、どこか冷静な自分もいた。 「あぁぁぁぁぁぁぁあ!!」 「ぐぅ!?」 衝撃波を防ぐのでやっとという感じの桃花に走って近付き、その勢いのまま桃花の脇腹を蹴り飛ばす。 桃花の苦痛に歪む顔を初めて見た。 右腕が折れているため蹴りしか出来ないが、それでも無防備だった桃花にはかなり効果があったようだ。 脇腹を押さえながら燃えるような瞳でこちらを睨みつけている。 衝撃波をもろに喰らったのかメイド服はボロボロだった。 「はぁはぁ…。まさか衝撃波を生み出せるとは……あの女そっくりですね」 「…あの女?」 俺以外にもこんな芸当が出来る奴がいるのか。気が付けば桃花はこちらに構え直していた。 「ですか私は負ける訳にはいきません。こんな所で負けてしまっては里奈様が……」 「……英の姉さんもこのビルにいるのか?」 桃花は少し動揺している。つい口を滑らせたのだろうか。 いずれにしろ英の姉さん、里奈さんもこのビルにいるらしい。 そしてここが最上階なのを考えるとおそらくこの先の屋上にいるに違いない。 「…会わせて貰うぞ。英の姉さんに」 「させません。私は里奈様の専属メイド、桃花。里奈様を汚す者は何人たりとも通しません」 そう言い終えた瞬間桃花が突っ込んで来た。不意を突いて一瞬で終わらせる気か。 だが俺だってこの二週間ひたすら桜花と特訓してきたんだ。 見ていてくれ桜花、お前が居てくれた意味を俺が示すから。 「おらぁぁぁぁぁあ!!」 「ぐうっ!?」 桃花の光速の連撃を間一髪で避け右腕を思い切り振り抜く。 そしてそのまま衝撃波に捕まっている桃花の懐に飛び込んだ。 「なっ!?」 右腕が折れているから足技しか来ないと思っていた桃花は完全に意表を突かれていた。反応が一瞬遅れる。 「はぁぁぁぁぁぁあ!!」 桜花が言っていた。要の右腕の一発は凄まじいから最後の決め手にするべきだ、と。 だから打つ。折れていようと関係ない。これが俺と、そして桃花がコピー扱いした 「桜花の力だぁぁぁぁあ!!!」 「っ!!?」 右アッパーが綺麗に桃花に入り彼女は宙に浮く。そして受け身も取らず背中から床に落ちていった。 「はぁはぁ……くっ…!」 右腕はもう感覚すらなかった。慣れていない衝撃波の使いすぎだ。果たしてちゃんと治るのだろうか。 桃花に近付くと死んではいないが気絶しているようだった。 「……勝った…のか…」 でもこれで終わりじゃない。屋上に行って確かめなければならない。 英の姉さんである里奈さん……半年前の事故で行方不明になったらしいが果たしてこの先にいるんだろうか。 もしいたとしたら何故半年間も身を潜めていたのか。 そして桃花は何故英の父親を襲ったのか。 全ての答えがこの先にあるはずだ。 「桜花、もう少し…待っててくれ」 俺は一人屋上へと向かった。
https://w.atwiki.jp/gensousyusyu/pages/454.html
ロートス/Lotus →ロティス