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真・女神転生トレーディングカード カードサマナー 【しん めがみてんせいとれーでぃんぐかーど かーどさまなー】 ジャンル カードゲーム 対応機種 ゲームボーイカラー(専用) 発売元 エンターブレイン 発売日 2001年7月27日 定価 5,200円 判定 なし ポイント 真・女神転生トレーディングカードのゲーム版 女神転生シリーズ 概要 特徴 評価点 問題点 総評 概要 当時エンターブレインから発売されていた「真・女神転生トレーディングカード」をベースにした、GBCのカードゲーム。 元のカードゲーム(以下TCG版)は、MTG的な要素と女神転生らしさが両立していて魅力的な一方で、管理すべき情報量が多く、コアユーザー向けのものだった。 本作は、GBCという環境と対象年齢を考慮してか、全体的に簡略化されている。 特徴 ルール 1対1のオーソドックスカードバトル。プレイヤーは20ポイントのHPを持つデビルサマナー(悪魔召喚師)となり、60枚のカードで構成されるデッキを用いて相手のHPを0にすれば勝利となる。 本作独自の要素として、30枚のデッキによるハーフバトルも存在する。また、通常1種類3枚までデッキに入れられるカードを1種類1枚にしたハイランダー戦、ライフを先に0にした方が勝つ特殊なバトルなどもある。 カードの種類 仲魔カードとアイテムカードの二種類が存在する。 仲魔カードは、いわゆる「クリ―チャー」。場に召喚し、戦闘させることが出来る。 通常仲魔と合体仲魔の二種類に分かれていて、合体仲魔は召喚する際に規定数の仲魔を生贄にしないと召喚できない。 特技を持つものも存在するが、TCG版とは異なり1体につき最大1つまでとなっている。特技継承も仕様削除されている。 アイテムカードは、いわゆるサポートカード。直接ダメージを与えたり回復したりカードを引いたりできる。 本作では全て1回限りの消耗品である。 TCG版にあったパートナーカードと魔法カードは削除された。 MAG 全てのカードにはコストに当たる「MAG(マグネタイト)」が設定されていて、これを消費することで仲魔の召喚やスキルの使用、アイテムの使用が出来る。 MAGは、ターン初めに場の仲魔に応じて獲得できる。その際、獲得量が4未満なら4に変換される。 TCG版では属性ごとに細分化されていたものが一まとめになった。また、ターンをまたいで持ち越したり相手のターンに使用することが出来なくなっている。 属性の概念 真・女神転生にあった「LIGHT・NEUTRAL・DARK」と「LAW・NEUTRAL・CHAOS」の2軸属性が取り入れられており、全ての仲魔はそれぞれいずれかの属性を持っている。 本作ではデッキにも属性を設定できる。場の仲魔のMAG獲得量に影響するので、デッキ内のカードと合った属性にすることが重要となる。 ストーリーモード 1人プレイはストーリーモードで遊べる。 カードゲームにありがちな、良く言えば王道なストーリー展開となっている。 評価点 メガテンのカードゲームが遊べる点。 TCG版はコアなファンがいるものの、本作発売の時点で既にニッチなカードゲームだった。一人でもそれなりに楽しめる本作はファンにとって貴重なアイテムだったといえる。 TCG版のシリーズ販売が終了してから10年以上たった現在では、実際にカードを揃えるのも対戦相手を探すのも尚更難しい。こちらを買った方がはるかに楽。 本家よりも大分簡略化されているものの、キャラゲーとしてはソコソコ楽しめる出来である。 シンプルゆえに取っ付きやすいゲーム性。 MTGベースなので、何かしらのカードゲームをやったことのある人間ならば、すんなりとプレイ出来る。 レアカードの蒐集要素が整っている。 メガテンの強力な悪魔等がレアカードになっているのだが、難しすぎずヌルすぎずといった感じで集められる。 カードを合体させて別のカードにする機能があるため、ダブった要らないカードを処理しやすいのもポイント。 一部の強力なカードは1データにつき1枚しか手に入らない仕様となっている。 問題点 特定のCPUと対戦した後にカードデータが一部消失するという重大なバグがある。通称「マンドレイクバグ」。 条件を満たしても100%発生するわけではないが、ゲーム進行上知らないと遭遇する確率は高い。 主人公の歩行速度が遅い。 キャラのドット絵が会話ウィンドウのものとかけ離れている。一部キャラは色もあっておらず、完全に別人状態。 ゲームバランスが、あまり良くない。 バランスの良いカードゲームの方が稀だが、それにしても本作は練り込み不足な点が多い。ストーリープレイ中ならばそれほど問題ないものの、ある程度カードを揃えてゲームの全体像が見えてくると粗が目立ってくる。主な要因としては以下のものが挙げられる。 コスト5以上のカードの使い勝手の悪さ 仕様上、MAGを5以上得るにはターンの初めに複数の仲魔が召喚済みでなければならない。しかし、仲魔は戦闘や生贄、相手のアイテムや特技等で失われることが多く、安定して5以上のMAGを得る環境を維持するのは結構難しい。 コスト相応に効果も強力なものが多いので逆転を狙う際に使いたいが、そういった場面ではコスト不足で使えないのも問題。 このゲームで追い込まれている時は、たいてい場の仲魔がやられまくった状態である。当然、5MAG以上も出せる状況ではない。 先攻絶対有利 上で述べたことにもかかわってくるが、先攻側は開始1ターン目に複数仲魔を召喚して5MAG以上を狙う戦略が使える。4MAG以下で複数の敵悪魔を処分できるカードは限られるので、後攻側の対処法は限られる。これだけでも先攻側は圧倒的に有利である。 ニュートラル優遇 ここまで読めば、場に大量展開できる低コスト悪魔が重要なのは想像に難くないと思うが、そういったカードの多くがNEUTRAL属性に固まっている。 特にNN属性(*1)には、「御魂シリーズ(コスト0MAGで優秀な特技を持つ)」を筆頭に数が多い。「デッキ属性NN+NNの0MAG仲魔+低コストの合体仲魔」という仲魔構成が最安定と言われるほど。 強力過ぎる一部カード カードゲームの華であり罪でもある強過ぎなカードが本作にも何枚か存在する。 + 強カードリスト ※カッコ内の数字は必要コスト。 御魂 サキミタマ(0)、アラミタマ(0) 先に述べた御魂シリーズの中の2体だが、かたや生贄+1MAGで2枚ドロー、かたや自爆して対象に2ダメージと、コスト0MAG悪魔でも一二を争うほど強力。 魔獣 オルトロス(4) コスト4MAGだが、AP(攻撃力)/HP(耐久力)が4/4と、2身合体悪魔と同等のスペックを持つ通常悪魔。特技のせいで生贄に出来ないが、する必要はない。 ネクロノミコン(2)、ルルイエいほん(4) ライフを5点失う代わりに相手の悪魔にダメージを与えるアイテム。MAGコストが軽く、使いやすい。特にルルイエいほんは敵全員に3ダメージを与えられるため、先攻1ターン目に低コスト悪魔を大量に並べた相手への数少ない対抗策の一つ。 総評 メガテンのカードゲームという事で希少価値はあるものの、ゲーム性には少々難があると言わざるを得ない。 とはいえ、1人プレイならソコソコ楽しめる程度には練られているため、それでも充分な人には問題ないレベルである。
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モンスターワールドIV 【もんすたーわーるどふぉー】 ジャンル ARPG 対応機種 メガドライブ 発売元 セガ・エンタープライゼス 開発元 ウエストン 発売日 1994年4月1日 定価 8,800円(税別) 配信 バーチャルコンソール【Wii】2008年1月15日/600WiiポイントPlayStation Store【PS3】2012年5月23日/572円 判定 良作 ワンダーボーイ/モンスターワールドシリーズ 概要 評価点 問題点 賛否両論点 総評 移植版 余談 裏技 概要 ある日、助けを求める謎の声を聴いた一人の少女アーシャは戦士としての称号をえる試練を終え街に向かうと、王女より世界を司る4人の精霊が封じられてしまったことを聞かされる。王女より勇者の称号を得たアーシャは、謎の珍獣「ペペログゥ」を相棒に封じられた精霊を助け出す壮大な冒険に旅立つ。 モンスターワールドシリーズ最終作。 事実上はワンダーボーイシリーズの6作目なのだが、女性が主人公なのでワンダーボーイの名は無い。 評価点 さらに進化したアクション 過去作品と違い、剣によるアクションが強化。斜め下に切りつけるジャンプ切りのほか、真下を攻撃する下突きと真上に攻撃できる上突きが追加され、ジャンプアクションの幅が大きく広がった。 さらに相棒「ペペログゥ」を使ったさまざまなアクションも本作の魅力の一つ。アーシャはペペログゥを持つことで、ジャンプの落下速度が緩やかになりジャンプ距離が伸びるほか、ペペログゥを使った2段ジャンプなど過去作品と比べアクション面が大幅に進化した。 過去作の装備・ブーツが廃止されたが、ダッシュが追加されている。ブーツはあまり性能が高すぎると速度が速すぎて細かい移動がしにくくなったので、この点もありがたい調整だろう。 ただ、ダッシュしなくても十分速いので、特に問題は無い。 また、新要素に関してのチュートリアルも随所にあり、慣れるのが容易なのも良い。 丁寧に作られたキャラモーション 本作を語るうえで欠かせないのが丁寧に作られたキャラクターのモーションだろう。特に主人公のアーシャは攻撃モーションや各種アクションを始め、各種ダンジョン探索時、即ミストラップにはまった時など非常に細かい。 宝箱を開けるときのモーションや排水溝を潜るときのアニメーションは一部の人に語り草。 敵もこん棒を回しすぎて転倒するオークを始めアニメーションが豊富で見ていて飽きさせない。 クリティカルヒットにあたる「マジカルヒット」のほか、対応する属性ダメージを一定確率で無効化する「マジカルガード」が追加。 マジカルヒットは与えるダメージが2倍になるが、剣を振って5回目の攻撃で発動という性質。したがって、5回目の振りを多段ヒットする下突きを食らわすと恐ろしい速度で敵を倒せるのでいかに5回目の攻撃をうまく多段ヒットさせるかでBOSS戦の難易度も変わってくる。 完成度の高いストーリー アーシャとペペログゥとの絆を強調したストーリーは評価が非常に高い。 シナリオの進行に伴って街の雰囲気が様変わりしていく様子の描写も見事。 特に終盤にかかるころには絶望感も相当高くなるものの、それを打ち壊すカタルシスはかなりのもの。 ポップな絵とは裏腹に難易度はそこそこ高め。 しかし理不尽な程ではなく、この手のゲームに精通している人なら慣れればパターン化も容易。 だからと言って不得手な人ではクリアできないほど難しいわけでもなく、ちょうどよい歯ごたえが楽しめるだろう。 セーブ方法はパスワード制が廃止されバックアップRAMに。 問題点 攻略のヒントの欠落 攻略が一方通行で探索可能範囲も狭いとはいえ、全般的にどうすればいいかのヒントや導きが少なすぎる。 例では、ボタンの順序で扉を解錠、間違えるとダメージなところで、そのボタンの順序のヒントがほぼ全く無い。ひたすらダメージ食らいつつ試行錯誤するしかない。 極めつけは序盤の一か所にある、嘘のメッセージ。 最初の街で王女に謁見し、宝物庫から先に進むのに必要なキーアイテムを入手した後に進むエリアで「あたらしいよろいをよういしたほうがよい」と言われ先に進めないが、新しく鎧を購入しても先に進めない。 実は先に進むにはペペログゥを孵化させる必要があるのだが、ペペログゥさえ孵化させていれば、鎧を新調しなくても進める。 誤植なのか定かではないが、初見プレイでは混乱すること請け合いである。 攻撃と攻略の単調化 過去作には魔法が存在したが、アーシャの攻撃方法は剣のみ。 剣アクションは豊富になったが遠距離攻撃が出来なくなったため、戦闘が単調になりがち。敵には盾でガードしまくったり武器を振り回しつつ接近する敵もおり、そういった敵には特定の攻撃方法しか通用しないため倒すのも単調。 物理攻撃限定でも剣のアクションは増えたが、槍もあった前作に比べればバリエーションは少ない。追加された上突き・下突きもジャンプ中しかできずリーチが短い。(まあ、下突きはジャンプ中しかできないのは仕方ないのだが、上突きは地上でもできた方が便利だったろう) 下突きの使える場面は限定的、上突きに至ってはほぼ使いものにならず普通のジャンプ攻撃したほうがいい、と手段が豊富になった割に使い所が少ない。 オトモの攻撃でみても、ペペログゥは一切攻撃しないし、攻撃バリエーションに貢献するのは2段ジャンプくらい。 これは敵ザコやボスも同じで単調になっており、プレイヤーの体力が増えたこともあって、従来の隙をついて丁寧に当てていく攻略法より、ゴリ押しの方がラクな場合も。 ボリュームの低下 一度クリアしたダンジョンには戻れない。一個あたりのダンジョンもあまり長くなく、その数も少ない。敵ザコも敵ボスもバリエーション、数とも大幅減しているので、前作に比べるとかなり短い。 これと攻撃手段の単調化もあって、攻略がどうしても単調なパターン的なものになる。 ワンダーボーイシリーズは第一作から結構な攻略ボリュームがあったので、そういった意味でも本作は「ワンダーボーイではない」と言える。 もっとも、最初の精霊のダンジョンはそこそこ長いし、3つめも謎解きしつつ3つのダンジョンをクリアしなければならない構成のため、それなりに時間はかかる。 物価が高い 繰り返しの探索が容易だからか過去作に比べて物価がかなり高く、敵をスルーし続けるとロクに装備が買えない。 後半になるほど高騰が顕著なので、武具を新調するのに小銭稼ぎに駆り出されることもしばしば。 もっともかなり稼がなければ進めなかった前作から見れば、武器防具を新調しなくても攻略は一応可能だし、敵をしっかり倒して宝箱を回収しておけばそれほど稼がずとも良い程度など、大幅に緩和されている。 また金塊を即売っていけば更に緩和されるのだが、買取価格が後になるほど値上がりするため持っていたい…と持っていると、のちのダンジョンで多数の像を持つ必要があり保持アイテムは全部で8個までなので、結局売る羽目になったりする(ダンジョンに入るとクリアするまで出られないので、最悪捨てるハメにも…)。 微妙な面倒さ ダッシュからジャンプしたり段を降りると、ダッシュが終了して歩きになるため、再度ダッシュ入力をする必要があり、正直面倒。また、ダッシュからジャンプしても、高さや速度、飛距離は普通にジャンプした時と同じ。つまり、 ダッシュからジャンプしてもダッシュジャンプにならず、ただダッシュが終わって普通のジャンプが出るだけ。 ペペログゥを使うアクションの部分でも、床の仕掛けに対しジャンプからの下投げでは駄目で横からの投げでないと反応しない、など無意味な制限がある。 盾は任意発動で出が遅め。剣は構えっぱなし・槍は任意だが即時だった前作と比べると、もっさり化は否めない。 トラップなどに見える意地の悪さ 間違えてもやり直すだけで済んだ前作と違い、本作では間違えるとダメージな場所が多い。 流される先でそのままだとダメージでやりなおし。ロープを登ろうとすると上から岩が執拗に落ちてくるなども。 敵やステージが大幅に減っているのにプレイヤー体力が大幅に増えていることから、トラップでダメージとゲームボリュームを稼ぐ方針と思われるが、それを面白いと思うのは難しい。 一応、全トラップとも1ダメージ食らうか体力-1でやりなおしと安くはある。そんな何度も繰り返したいかは別問題だが。 賛否両論点 ペペログゥの扱い 相棒という割には、火の玉の弾除けに使ったり、マグマの間欠泉に投げ入れたりと妙に扱いが雑である。 因みに作中で「ペペログゥは熱に強い」と説明がありこれぐらいは何ともない。 信じているからこそできる所業なのだが、あまり気をよくしない人もいるだろう。 なおこうした点も概ね説明が少ないので、できるのかどうか、大丈夫なのかどうかも不明で試すしかない。制作側的には探索させたかったのかもしれないが… ちなみにペペログゥはストーリーを進めるとどんどん成長して大きくなる。ペペログゥとの絆を実感できるだけでなく連携して行えるアクション要素が変わっていくため飽きさせない。 ペペログゥが成長することで行えるアクションもあるが、逆にできなくなるアクションもある。これにより発生する問題もある。(後述) 後戻りができないゲーム構成 今作は一つの街を拠点として順番にダンジョンを攻略していく流れなのだが、ダンジョンをクリアすると同じダンジョンには二度と入れない。 そういうゲーム自体は珍しくはないが、前作であるモンスターワールド3は故郷の村からさまざまな地域を渡り歩いていく、いわば普通のRPGのような構成である。もちろんクリアしたダンジョンもボスこそ不在だがいつでも入れる。(そしてボスと再戦できる機会もある)アイテムのコンプリートにも、戻って隠し通路などから行ったことがない領域に入る必要がある。 だが今作はダンジョンは順番まで固定であり、一つのダンジョンをクリアするとそのセーブデータではもうそのダンジョンには入れない。さらに「命のしずく」というゼルダシリーズでいうハートのかけらに相当するアイテムがあるが、ダンジョン内のものを取り損ねた状態でクリア・セーブすると、もう取れる機会は永久に無い。 にもかかわらず2周目への引継ぎという要素もないので、命のしずくをコンプリートするためには計画を立ててプレイする必要がある。といってもクリアするだけなら取りこぼしても支障はないが。 おそらく前述のペペログゥの成長システムの兼ね合いと思われる。ダンジョンを攻略して話を進めるごとにペペログゥが成長し、次のダンジョンは成長したペペログゥで攻略する前提でギミックが構築されている。そのためクリア済ダンジョンに再度入れた場合、ダンジョンのギミックとペペログゥの成長段階との整合が取れなくなるためこのような仕様になったのだろう。 もっとも、成長後のペペログゥが前のアクションを全てできるようにしておけば済む話だが。 + 最終ダンジョンのネタバレ 最後の戦いは相棒であるペペログゥがおらずアーシャだけで赴かねばならない。ペペログゥが不在のためギミックを解くなどのアクション面での特色がなく、ひたすらアーシャが自分の剣だけで敵を斬りながらラスボスまで進む。最終決戦ということでカタルシスを感じる演出はあるものの、アクションゲームとして見るならばラストダンジョンがそれ以前より単調という逆転現象が起こっている。 しかもこのゲームで行える最後のセーブはそのラストダンジョンにいく直前でのセーブ。つまりペペログゥは不在、命のしずくを取りこぼしていたらそれっきり。アーシャができることはラストダンジョンに進入してボスを倒してEDを見ることだけ。それ以外をやり直すにはニューゲームしかない。 一方、もう一つ欠かせない要素として、このラストダンジョンのBGM『Arabesque court in dream』は本作のメインテーマと歴代ワンダーボーイで用いられたフレーズのメドレー形式になっている。ループは短いものの、雑魚敵オールスターというステージ構成と合わせて、集大成ダンジョンとして印象に残っている人もいる。 + エンディングのネタバレ スタッフロールの終盤で、石化したペペログゥがラパダーナの街に運ばれてきて元に戻り、アーシャと再会を果たす一枚絵が入るのだが、ペペログゥに抱き着くところを後ろから描いているため、 アーシャの顔が見えない。 ここまで来て、再会シーンを入れておいて、肝心のヒロインの顔が見えないままというのは、いかがなものだろうか…。 総評 モンスターワールドを締めくくるにふさわしい、丁寧につくられた作品で遊びごたえのある作品。 ただ前作のようなやりこみがいとボリュームを期待すると、短く単調なので拍子抜けする。初心者向けや細かいところの配慮が足りず、爽快感も低い辺り、どういう対象に向けて作られたのか微妙なところになっているのも否めない。 とはいえ、謎解き系の2Dアクションが好きな方には、十分おすすめできる作品。 移植版 PS2『SEGA AGES 2500 シリーズ Vol.29 モンスターワールド コンプリートコレクション』に収録。 メガドライブミニ(日本版)にも収録された。 ちなみに当時海外版は発売されず、2012年にWiiのバーチャルコンソールとPS3のSEGA AGES ONLINEで英語版を配信したのが海外で最初のリリースだった。(*1) 後述のリメイク版における海外版かつパッケージ版に限り本作が収録されている。もちろん英語版だが。 2023年2月17日発売。『ワンダーボーイ アルティメット コレクション』(プレイステーション3/4、Nintendo Switch)に収録された。 基本的にはメガドライブ版そのままなのだが、Rボタン1つでダッシュできるようになっている点は便利。ただ、やむを得ないことではあるが、操作のボタン配置がかなり違う。特に、ペペログゥを呼ぶ操作がLボタンに振り分けられている(メガドライブ版ではA)ため、若干の慣れが必要。 ただ、やっかいなのが、氷のピラミッド1。壁画に書かれているコマンドを入力して開ける扉が各所にあるのだが、述べた通りボタン配置が違うにもかかわらず、ゲーム中の壁画に書かれているコマンドはメガドライブ版のままなので、かなりややこしい。さらに、Switch版ではAとB、XとYが同じ操作で、該当するコマンドの部分ではどちらを押しても正解になるため、余計に混乱に拍車をかける。一度わかれば、なんとかなるのだが。 余談 2020年8月26日にスタジオアートディンクがリメイク作品『ワンダーボーイ アーシャ・イン・モンスターワールド』のリリースを発表。2021年4月22日にSwitch/PS4版が、同年6月29日にWindows(Steam)版が発売された。 リメイクと銘打ってはいるが原作者である西澤龍一氏の方針により 「内容や要素に関しては原作から一切変えない」 というコンセプト(*2)で開発が進められたこともあり、「外側の見え方だけを現代風に修正し、手触り感はメガドライブ版のまま」という内容に仕上がっている。 ただし、命のしずくの合計が150個から200個に増加しているなど、いくつかの追加・変更点はある。 メガドライブ版の裏技(後述)も残されている。ただ、隠れ商人の技は、内容と条件が若干異なっている。 裏技 ある条件を満たして進めると、最初の街についた時点で、隠れ商人に会うことができ、大金とともに、後半に入手する最強の剣と盾と「デバッグのよろい」を入手できる。 デバッグのよろいは最強の鎧と同じ上昇ステータスに加えて、さらにペペログゥのレベルを操作する機能がある。 つまり本来シナリオの進行に応じてペペログゥのレベル(姿)が変化するのだが、内部的なフラグに関係なく画面上のペペログゥのレベルを変更できるため、フラグ上はペペログゥがいない時に無理やり好きな成長段階のペペログゥを出すこともできる。 これを活用すればいつでも好きなレベルのペペログゥと共に冒険が可能だが、あくまでシナリオの進行フラグは別なのでちゃんと成長イベントをこなさないとストーリーは進まない。またダンジョンの仕掛けにペペログゥを投入する際に、本来のものと違うレベルのペペログゥを入れるとバグる恐れもある。 タイトル画面で特定のコマンドを入力するとサウンドテストモードに移行する。 所持金を特定の金額ぴったりにすると、一気に7777Gまで増加する。
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仮面ライダーカブト 【かめんらいだーかぶと】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 プレイステーション2 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 デジフロイド 発売日 2006年11月30日 定価 6,279円 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 仮面ライダー対戦格闘シリーズ 概要 デジフロの軌跡 デジフロの奇跡(評価点) キャラクター 戦闘システム ゲームモード ネタ面 問題点 ゲームシステムの問題 原作再現の問題 賛否両論点 総評 余談 天の道を往き、総てを司る! 概要 同名の特撮ヒーロー番組を原作としたソフト。 有限会社デジフロイドが開発を担当した仮面ライダー対戦格闘ゲームの第5作にして、現状最後の作品となっている。 デジフロの軌跡 02年の『龍騎』以降、毎年仮面ライダーの格闘ゲームを開発していたデジフロイドであったが、どれも格闘ゲームとしては非常にレベルが低く、「よくあるクソキャラゲー」という評価が定着していた。必殺技を使おうとすると急に連打勝負になったり、デジタルカード収集のために原作無関係の作業系ミニゲームをやらされたり、挙句の果てには弱攻撃しかできないキャラまで出てくる始末。 一応戦闘前後に各キャラにマニアックな台詞を言わせたり、『剣』でたい焼き名人アルティメットフォームを登場させたりと、「原作を知る者にはニヤリとできるネタ」を多く取り込んではいたのだが、それを考慮に入れても「子供でも騙せそうにないゲーム」という声が一般的であった。 そして06年5月、同社は『宇宙刑事魂』の開発も担当した。これは80年代の特撮番組を原作としたものであり、当然高年齢層がターゲットであるため、ライダーゲーの様な露骨な子供騙しは無いだろうと予想されたのだが…実際はそれらより遥かに劣る駄作であった。内容は薄い上にゲームバランスもいい加減、しかもネタ度もサッパリ。更にラスボス役で出演した特撮界の名女優・曽我町子氏が発売直前に急死したことで遺作となってしまったため、「曽我さんの遺作を汚した」と壮絶に叩かれ、遂にはクソゲーオブザイヤーで話題にされ次点になってしまったほどであった。 この事で特撮ファンからの総スカンを買ってしまったデジフロ。『カブト』のゲームも開発する事は決まっていたが、ダメ特撮ゲーを5作も出し続けた実績故に「どーせまたクソゲーだろう」と、世間からはまったく期待されていなかった。 デジフロの奇跡(評価点) しかしそんな諦めムードの中で発売された本ソフトは、まさかの良作であった。 キャラクター + クリックで展開 仮面ライダー マスクドフォームからキャストオフする面々 カブト ザビー(矢車・影山・加賀美) 風間ドレイク 神代サソード ガタック ダークカブト 最初からライダーフォームである面々 キックホッパー パンチホッパー ケタロス へラクス コーカサス カブトハイパーフォーム ガタックハイパーフォーム ワーム怪人 サナギ体(緑)から脱皮する面々 アラクネア(ルボア・フラバス・ニグリティア) ベルバー ベルバーロタ フォルミュカアルビュス セパルチュラ アキャリナアンバー 最初から成体 タランテスパープラ スコルピオ ウカ ゼクトルーパー 通常 シャドウ 敵専用キャラ サナギ体(白) 原作に登場していたライダーが、後述する「三島ザビー」以外は全員登場しており、質・量共に充実した構成となっている。 ザビーは矢車・影山・加賀美の3バージョンが登場している。加賀美はガタックからモーションを流用しているが、影山ザビーとパンチホッパー、矢車ザビーとキックホッパーはモーション、性能共に完全に別キャラ。特に影山ザビーとパンチホッパーは共にパンチ主体でありながらきちんと差別化が図られている。 劇場版に登場した3ライダーも出演。この事はパッケージでもウリの1つとして書かれている。 ライダーゲーでは、劇場版限定キャラは基本的に冷遇されていた。『アギト』ではG4は出ていたがボイス一切無し。『555』~『響鬼』ではライダーも怪人も一切出ていなかった(*1)。 ただし、ケタロスとコーカサスの声は代役である。ケタロスは演じた虎牙光輝氏に海外での仕事が入っていたため、平成仮面ライダーシリーズでおなじみのうなり声しかあげない雑魚怪人役の声優・塩野勝美氏が代役を務めている。コーカサスは原作では格闘家・武蔵氏が演じており、流石に当時現役真っ盛りであった彼をゲームにまで呼ぶことはできず、最初から代役を予定していたと思われる。しかし、映画での武蔵氏の演技がたどたどしかったため、代役の中田譲治氏(*2)の方がキャラに合っているとまで言われた。本作に触れてから映画を見てガッカリした者も少なくない。元々コーカサス(黒崎一誠)自体、「筋骨隆々の大男が青薔薇片手にキザな台詞を吐きまくる」というギャップを特徴としたキャラクターのため、武蔵氏の起用もミスキャストだったというわけではないのだが…。 果ては、幼年誌『てれびくん』の通販品であるDVDにのみ登場した「ガタックハイパーフォーム」まで登場している。 但し台詞は只のガタックと完全に同一。また、説明書で出ている事がバラされてしまっている。 同キャラ対戦はできない(『アギト』以降恒例)が、ゲーム上で別キャラ扱いになっている組み合わせなら原作の設定に関係無く対戦可能。 「変身者が異なるザビー同士の対戦」「カブトハイパーフォーム 対 ザビー・ドレイク・サソード」など。 『剣』では、キングフォームとスペードのアンデッドは対戦できなかった。 戦闘システム 見下ろし型視点、平坦なフィールドを敵味方が動き回る3Dアクション。 戦闘は2対2のタッグマッチが可能となった。またゼクトルーパーやサナギワームは1キャラ枠で複数体のセットになっているため、最大3対3のチームバトルも可能。 キャストオフとクロックアップ 『宇宙刑事魂』の超人連携システム(*3)を受け継いだと思しきゲージシステム。 ゲージを溜めることでキャストオフ(*4)やクロックアップ(*5)が可能。 キャストオフ可能なライダーは、各戦闘の初めはキャストオフゲージを溜めるためにマスクドフォームで戦うことになる。 各状態には長所と短所がある。短所の目立つマスクドフォームも、本作ではキャストオフ時に一瞬無敵になる利点があり、クロックアップ対策として機能する。勿論敵もキャストオフやクロックアップを発動して攻めてくるので、使いどころがカギとなる。 これにより単なる連打では勝てなくなり、駆け引きが必要となった。 なお、クロックアップは設定通り全ライダーで発動可能。原作では結局未使用に終わったキックホッパーなど(*6)も例外なく発動できるのも嬉しいところ。 ワームの場合はキャストオフではなく「だっぴ」になる。体力が回復する。 クロックアップはライダー同様に全員が発動可能。 多彩な技とコンボ ボタンと左スティック(または方向キー)の組み合わせや、その場の状況によって、様々な技が繰り出せる。 各技から別の技へと連続攻撃が可能。敵を上空に浮かせる技などもあり、コンボの組み合わせの幅は広い。 一部ライダーの必殺技は原作で見せた準備動作を再現したようなボタン入力を要求される。 例えばカブトの「ライダーキック」は必殺技ボタンを三回押さなければ発動しない。(ボタンを一回押すごとにカウントダウンの電子音声も入る)この際、通常攻撃を間に挟んで敵のガードを破壊するなど原作で見せたコンボを再現することもできる。 キックホッパーの「ライダーキック」は発動中に追加入力することで攻撃回数が増え、方向キーを使うことで複数の敵に攻撃を振り分けることができる。これも原作で多くのファンを魅了したアクションの再現である。 ゲームモード ストーリーモード 「カブト」「その他のライダー」「ワーム」の3本のルートが用意されている。「カブト」以外のルートでは、へラクスでコーカサスを倒すなど、原作での勝敗を無視した展開となる。 サバイバルモードが登場した(正確には『クウガ』にもあったが)。 1人プレイでは100人抜きを目指し、2人プレイでは無制限に出てくる敵を何体まで倒せるかに挑戦する。 使用できるキャラはライダーだけであり、敵キャラは全て怪人達だが、ダークカブト使用時のみ怪人ではなくライダーやゼクトルーパーが敵として登場する。 恒例のデジタルカード収集は無くなり、替わりに一度見たデモを再生できる「デモビューワ」機能が登場した。 特定の条件下でないと見られないデモもあるため、簡単には収集できない。ただし、コンプリートしても特典等は一切ない。 必殺技デモの場合は、技を浴びせる相手と背景を任意で選択できる。 ネタ面 原作を知る者をニヤリとさせる…を通り越して大爆笑させるネタのオンパレードであった。 ゲーム起動時の「プレイする時は部屋を明るくし~」という注意書きを、天道が「おばあちゃんが言っていた」という例の口調で読み上げてくれる。更に隠しの神代版も。 サバイバルモードでは、豆腐・ザル蕎麦・ラーメン・鯖味噌煮といった原作に出た料理が回復アイテムとして登場している。 しかも入手すると、「ラ・メーン(*7)パワー」「サバミソパワー」などと変身アイテムのボイスと同じ声が読み上げてくれる。 『555』以降恒例である戦闘前後の台詞パターンも増強されている。 原作に登場する怪人ワームが「人の姿から記憶まで忠実にコピーする能力」を持っている設定を活かしており、同一人物であるキャラを対決させるとなんとも意味深な台詞が聞けたりする。 これまでは、同一人物であるキャラ、例を挙げるとファイズとそのブラスターフォームなどを対戦させても「行くぞ!」などといった無難な台詞しか言わなかった。 その他、サソードをコーカサスと対決させると薔薇繋がり(*8)の台詞を発したりと、細かい設定や描写を取り入れた掛け合いもある。 OPデモに、主役以外のライダーを登場させる事ができる。 これは前作『響鬼』にもあった機能だが、本作は更にもう1段階進化していて、各ライダーがマシンに乗って走るシーンから、必殺技で敵を倒すところまで用意されている。 但しザビーは矢車版しか出すことはできない。 同デモでは、玩具だけで原作に登場しなかったホッパーやサソード用のマシンゼクトロンも登場。ダークカブトに至っては、「ダークエクステンダー」というオリジナルマシンに乗っている。 残念ながらゼクター登場と変身シーン等の前半の映像はカブトで固定されており、他のキャラのシーンは拝む事が出来ない。 条件を満たすと、原作での「天道語録」の台詞を聞くことができる。 但し7種類ある台詞の中からランダムで再生されるだけで、任意の台詞を聞く事はできない。 …と、この様にネタ・ゲーム性共に非常に完成度の高い作品となっており、「デジフロの奇跡」「スタッフはワームに擬態されてるんじゃないか」とまで騒がれた。 問題点 しかし、同時に無視できない点も残っていた。 ゲームシステムの問題 難易度が高い 「強い・普通・弱い・とても弱い」の4段階から選択できるのだが、「普通」でも敵がかなり手強い。逆に「弱い」では簡単すぎる。 隠しキャラの殆どは「普通」以上で条件を満たさないと出現しないため、「子供には揃えるのは無理ではないか」という声が多かった。 一応隠しコマンドやその他の条件で出現させる事もできるので、救済措置はあるのだが。 プラクティスやトレーニングモードに当たるものが無い 操作方法が特殊でやれることが多いので、自由に練習できるモードは欲しいところ。 低難易度などでコンボを練習しようとしても、割とすぐに相手の体力が尽きてしまう。 つかみ技・投げ技が優遇されすぎている 全ての技の中で自分のゲージ上昇量が最も大きく、敵のゲージ上昇量が最も小さい。つかみ技を決め続ければ、敵にクロックアップを使わせずにプレイヤーはクロックアップを連発できて非常に有利になる。 出が遅いので高難易度では決まりにくいが、それでも十分積極的に狙っていける。 クロックアップ中以外はひたすらつかみ技を連発した方が良い場合もある。特にマスクドフォームの場合。 タッグバトルの場合、CPU操作の味方キャラの動きが悪く、棒立ちになっていることが多い。 今作のワーム勢は誰1人として必殺技を使えない。 故にライダー勢と違って明らかに決め手に欠ける。 『555』~『響鬼』では怪人キャラにも必殺技が用意されていたのだが。 ヘラクスやキックホッパーなど無限コンボを持っているキャラがいる。 しかも結構手軽にできるので禁止するプレイヤーもいる。 全キャラでモーションが使い回しのアクションも多い。 バトルステージが少なく、選択もできない(毎度の事だが)。 パッケージ裏を見ると、開発段階ではスーパーマーケットのステージもあったらしいのだが。 キャストオフ・クロックアップ・必殺技のデモはストーリーモードでしか表示されない。 それ故、オプションによるデモの切り替え機能を欲する声が多かった。 ライダーキックなどの必殺技の演出は、ストーリーモード専用のデモ以外では地味でやや物足りない。カメラワークが変わったりすることもない。 原作再現の問題 ストーリーモードのストーリーが簡素すぎる。 「原作のストーリーを追体験できる」という触れ込みだが、実際はナレーションによるストーリー説明なども無く、簡単な台詞のやり取りだけで済まされている。 しかも途中からパラレルワールドであるはずの劇場版のエピソードが挿入され、その後はただ色々な敵と戦うだけになったりと、「原作の追体験」はどこかに行ってしまう。 ただしTV本編の後半にかけてのストーリー評価が低めなこともあり(*9)、難点ばかりというわけではなく、自分の正体を思い出して絶望するスコルピオをカブトが優しく諭す展開があるなど、いい意味で原作から改変されている部分もある。 また、原作は出演キャストの都合で中盤以降のストーリーが明らかに変更になったと思われる部分が多数あり、(結局パラレルという扱いになったが)元々劇場版を本編の前日談として設定していたのでは?と考えられる点も多い。そのため開発が渡されていたシナリオが実際のものと異なっていた可能性は十分にある。 プットオン(キャストオフとは逆に、ライダーフォームからマスクドフォームに戻る機能)が発動できない。 原作でもプットオンを利用する場面はほとんど無かったが、それでも使えないよりは使えた方が、より遊びの幅は広がっただろう。 とはいえ、もし使用できたとしてもバランス調整が物凄く難しくなると思われるほか、操作や仕様がより複雑になっていた可能性はある。 劇場版限定ライダーが必殺技としてのショルダータックルを発動できない。 劇場版限定ライダーはいずれも右肩のショルダーブレードを使った「ショルダータックル(*10)」を発動できるのだが、劇中未使用なためか本作には採用されていない。 しかし本作では、ケタロスが劇中未使用のライダービートを繰り出せるという例があるので、せめて通常攻撃として採用して欲しかったところ。一応、通常攻撃には肩から体当たりするものも存在するが、専用エフェクトなどはなくモーションも他ライダーの使い回しである。 カブトハイパーフォームの必殺技の中に、ハイパーライダーキックが存在しない。 本作では常にパーフェクトゼクターを所持して戦うスタイルとなっており、マキシマムハイパーサイクロンとマキシマムハイパータイフーンは必殺技として使える。 原作のカブトはキック技が印象的であったため、この点を「このゲーム1番の問題点」と呼ぶ声もある。 ただし、上記2種の必殺技に加えてさらに3つ目の必殺技を与える形になるので、これもゲームバランスなどを考慮したと考えられる。 上述のカブトと同様に、コーカサスもライダービートを発動できない。 映画本編でもこの技を発動するシーンがあったのみで、実際に技を決めたシーンが無かった。だがケタロスとヘラクスは今作では必殺技として発動できる上、彼の立ち位置は映画のラスボスという重要なポジションであるので、同じ最強形態の立ち位置であるカブトハイパーフォームの様な形で「任意で切り替えて発動できる必殺技のうちの一つ」として使用できるようにして欲しかったところ。 なお、内部データにこの技に関するものだと思われる音声が収録されており、開発時には採用する予定があったのかもしれない。 台詞・音声のミスなど。 ガタックはケタロスを倒すと、嬉しそうに「やったぜ!」と叫ぶが、これは台詞のミスだろうか? キックホッパーを矢車ザビーと対決させると「仮面ライダーザビー…」と呟くが、これはNG。『カブト』の劇中世界では基本的に「マスクドライダー」の総称で呼ばれており、「仮面ライダー」という単語は存在しない。 …筈なのだが、番組でも脚本ミスで「仮面ライダードレイク」という単語が出ていたりする…。 原作ではガタックのみベルトの音声が他のライダーと異なっているのだが、本作ではキャストオフの音声が他のライダーと同じ音声になってしまっている。 ダークカブトのキャストオフのデモ時にゼクター音声でキャストオフの音声がない。 敵がライダーのペア・ワームのペア・ライダーとワームのペアだった場合、汎用セリフが再生されるのだが、これは自分のパートナーや敵の細かい組み合わせに関係無く同じセリフが再生される為、間抜けな状況も生まれてしまう。 ガタックはライダーとワームのペアと戦うと「一体どういうつもりだ、ワームと手を組むなんて!?」と激昂する。自分もワームとペアを組んでいても。 影山ザビーはライダーペアを倒すと「今日からお前はZECTの一員、まずはカブトを倒して貰おうか」と発言する。相手がカブト本人であっても。 スタッフロールで、ドレイクとコーカサスの変身者の本名が「風間大介」「黒崎一誠」ではなく「風間大輔」「黒崎一成」と誤表記されている。 賛否両論点 マスクドフォームの使い辛さ 「必殺技・クロックアップ使用不可」「各攻撃のステップキャンセルが利かない」という仕様のため立ち回りが非常に不利であり、それに代わる長所も防御力が高い程度しかないので、原作のようにカッコ良く戦うことも困難になっている。 攻撃を仕掛けても潰されたり、隙を狙われやすいので、近距離技を振る意義も薄く、特定の飛び道具やつかみ技を連発するだけの戦法になりやすい。 もっとも「キャストオフを発動するまでの前座程度の扱い」といった位置付け自体は原作通りである。前述したように、本作ではクロックアップ対策としての役割もあるため、一概に調整不足と言い切れない部分もある。 発売時期の関係で、原作との相違点があったり、原作終盤に活躍したキャラが登場しなかったりする。 上述したカブトハイパーフォームの必殺技2種は、なぜか天道も技名を宣言して発動する。原作では無言で発動していた。 原作では必殺技名をクールに宣言するのが特徴であるため、番組当初は宣言する予定だったのかもしれない。 また、マキシマムハイパータイフーンの演出も原作と異なり、本作ではYを描くように2回斬り付けるという独自の演出となっている。 これはゲーム開発中では原作ではまだこの技が披露されたエピソードが未放送だった為、パーフェクトゼクターの玩具CMのエフェクトを参考にしたからである。 原作終盤に登場した強敵カッシスワームや、三島正人が変身したザビーこと「三島ザビー」、ラスボスのグリラスワームも登場しない。三島ザビーはともかく、カッシスとグリラスは開発時期を考えれば出せる筈がないが。 それだけに、事実上のラスボスが変身者となっている「三島ザビー」がオミットされたのは惜しいところか。 キックホッパーはTV登場前からゲームキャラとして開発されていたのだが、いざTVで登場したキックホッパーの必殺技がゲームとまったく違うものだったので、ゲームスタッフが徹夜でモーションを作り直したという逸話がある。おかげで劇中同様の連続キックが可能となっているなど、その努力と拘りは評価すべきところである。 しかし急遽作り直したためか、必殺技のデモはおかしな点がある。大筋は再現されているのだが、何も無い空中に張り付いてからキックを出したり、敵にキックを命中させた後の着地時の向きが明らかに逆になっていたりと違和感が目立つ。 また、パンチホッパーのモーションまでは流石に作り直せなかったようで、本作では百烈拳のような演出となっている。 ダークカブトの性格がTV本編とはまったく違い、他の作品に登場するダークライダーである『アギト』のアナザーアギトや『龍騎』のリュウガのようなキャラになっている。 とはいえ、他の作品のダークライダーもこのような性格のものばかりなのでTVでもこうなる予定だったのかもしれない。例えば当時の児童誌では「時空を飛び回りながらカブトと戦う」と書かれるなど、実際の展開と異なる文章はしばしば見られていた。 ダークカブトのライダーキックは、原作ではカブト同様の回し蹴りだが、今作ではかかと落としからそのまま踏み抜くという独特の攻撃方法であり、この点は原作よりも良いという評価もある。 本編ではお世辞にも扱いが良いとは言えない声もあり、上述の雑誌のエピソードの事も含めて戦闘スタイルや台詞を聞いただけでもこのゲームでの方がキャラが立っていてまさしくダークなカブトであった為、こちらのダークカブトの活躍を本編でも見てみたかったと言うファンも少なくない。 実写要素について 恒例のデジタルカードモードがないため、原作の劇中写真は一切収録されていない。故に変身前の役者のファンにとっては少々魅力に欠ける点がある。 上記に関連して、OPデモには変身前の天道は登場するものの、顔が可能な限り映らないようにアングルが調整されている。 総評 主にゲームバランス関連の問題点は残るものの、「『仮面ライダーカブト』という番組のゲーム」としては非常に完成度が高く、「神ゲーならぬ天ゲー」と評価された。 『龍騎』から少しずつ発展してきたネタ度の高さに、『宇宙刑事魂』の数少ない良点だったサバイバルモードとゲージシステムの導入など、デジフロの特撮ゲームの集大成とでも呼ぶべき作品に仕上がっており、作品のファンには是非とも遊んでもらいたい一作である。 余談 前述のように、本作はデジフロのライダーゲーとしては最終作であり、翌年以降の『電王』『キバ』と2年続けてゲームは発売されなかった。 本作のデベロッパーあるデジフロイド自身も「本作で開発を担当するのが最後と決められていたためガチな格ゲーを作り上げた」とか。事実、電王の時は公式ブログで電王のゲームは出ないことがアナウンスされた。 こうして飢餓感を煽られていたファン達は、その後に発表された『仮面ライダー クライマックスヒーローズ』に期待を寄せたのだが…。詳しくは該当項目を参照。 本作は、内容的には前3作より遥かに充実しているのだが、なぜか前3作と違って攻略本が発売されなかった。 その代わりということなのか、開発元が自社サイトの商品紹介欄に自ら攻略サイト(にしか見えない細かい攻略コーナー)を設けていた。 上述したように単独の平成ライダーをテーマとしたゲーム作品の中では随一の完成度を誇るものの惜しい点もある為、本作のプレイヤーから完全版の発売及びリメイクやリマスター化を望む声は決して少なくない。 しかし、版権や俳優事情が相まってか発売から10年以上経った現在でも未だに制作の目処は立っていない。 本作の矢車ザビーとキックホッパーのボイスは、後に『仮面ライダー 超クライマックスヒーローズ』に流用された。 本作で採用されなかったコーカサスのライダービートは、『仮面ライダー バトライド・ウォーII』で正式に攻撃技として採用されている。 三島ザビーはおよそ15年程の時を経て『仮面ライダーバトル ガンバライジング』にて、演者本人によるアフレコ収録もされた上で正式に実装された。(参考)
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かいぞくポップ 【かいぞくぽっぷ】 ジャンル アクション 対応機種 Windows/Mac OS X(Steam)Newニンテンドー3DSWii UNintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売元 【PC】13AM Games【3DS/WiiU/Switch】レイニーフロッグ 開発元 dadako 配信開始日 【PC】2016年11月4日【3DS/WiiU】2017年2月22日【Switch】2018年8月9日 定価 【PC】498円【3DS/WiiU/Switch】500円 プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし 備考 3DS版はNew3DS専用 ポイント バブルを消していく攻撃固定画面アクション某レトロ携帯ゲーム機の外観再現とカスタマイズボリュームは価格相当の小粒さ 概要 ゲームルール 評価点 問題点 総評 概要 日本のインディーゲームスタジオであるdadakoが開発したダウンロード専売ソフト。海外におけるタイトル名は『Pirate Pop Plus』。 ジャンルは横視線による固定画面アクションゲームで、クリアの概念が存在しないエンドレスゲームとなっている。 「ビートJr」率いる4人の主人公が、悪名高き「バブル海賊」の放つ泡を愛用のイカリで消していくというストーリー設定。 本作はモノクロ画面による架空のゲーム機「ポケットゲーム」で作られたゲームソフトという設定でもあり、作中においてその設定が反映される。 ゲームルール ゲームの流れ 「ノーマル」と「ハイパー」の2段階の難易度があり、好きな方をプレイしていく。ただしハイパーに関してはコイン25枚の消費が必要。 ハイパーはバブルの出現率や分裂状態が非常に激しく、生き残るのが極めて困難。一方で常時スコアに倍率がかかり、コイン関係のアイテムの出現率が非常に高い。 本作にはクリアの概念はなく、ゲームオーバーになるまで延々とゲームが進行していく。時間経過でレベルが上がり続け、徐々に難易度が上昇する。 ゲームオーバー後はそれまでに稼いだスコアがベスト5のランキングとして記録される。ランキングは両難易度共通でネームエントリーに対応。 ステージルール 『ポンピングワールド』などで知られる「ワイヤーでバウンドするバブルを攻撃する」タイプのアクションゲームである。 主人公は左右移動とワイヤーにあたる上方向へのイカリ攻撃の操作を行う形となり、そこから無限に湧いてくるバブルに対する対処をしなければならない。 イカリは「攻撃の持続時間は長いが隙も大きい」という特性があり、バウンドするバブルを潜り抜けつつもタイミング良く攻撃する必要がある。 本作のステージフィールドは非常に狭いため、ただ適当にイカリを放つだけでは袋小路に追い込まれやすい。ここをどう耐え抜くかが本作における課題となる。 バブルは攻撃を加えるたびに2段階まで縮小分裂し、もっとも小さい状態でないと消滅しない。難易度やレベル進行によっては分裂がより激しくなってくる。 時間経過で「重力が上下左右のいずれかに変更される」というギミックが発生する。 重力の向きが変わる影響で主人公が空中に放り出される現象が起きるが、この間の主人公は無敵で、さらには踏み付けでバブルを消せる攻撃判定が発生する。 重力変更の際には事前に警告表示がされる。どの方向に重力が働くかは完全ランダムで、場合によっては警告後も重力がそのままに留まるケースもある。 新たなバブルの出現や重力変更の際にはバブル海賊が出現し延々と妨害を繰り返してくる。この時、攻撃を当てるとひるませられるものの倒す事はできない。 バブルに触れるとダメージによる「ハート」が消費され、すべてのハートを失った後にダメージ受けるとゲームオーバー。 ハートの初期数はノーマルでは3~4ポイント(使用キャラによる)、ハイパーでは1ポイント固定。コンティニューの機能は搭載されていない。 操作体系 アナログスティック等左右で主人公の移動、ボタンで主人公の上方向にイカリ攻撃を行う。空中にいる状態では若干の移動制御も行える。 アイテムについて 「泡を消す」「自然出現」等の条件で以下のアイテムが出現し、主人公に様々な効果をもたらす。 リバース以外のアイテムは大小様々なスコアボーナスも同時に入る。原則として出現頻度の低いアイテムになるにつれ入手スコアが高くなる傾向がある模様。 攻撃アイテムの併用はできず、別のアイテムを取得すると前の効力が初期化されてしまう。また同じ攻撃アイテムを連続取得すると使用回数が増える。 + アイテムの種類一覧 コイン もっとも出現率の高い通貨アイテムで、溜めておくと後の買い物などに使用できる。 宝箱 触れると大量のコインが噴出する。出現頻度は非常に低いが、ハイパーにおいては出現率が上がっている。 フルーツ スコアアイテム。複数種類のフルーツあり。 パネル 「B」「O」「N」「U」「S」の5種類あり、すべて集めるとコインが爆発的に噴出され、さらにはフリーズの効果も発動される。 クランプ 攻撃アイテム。放たれたイカリの攻撃判定が画面内に残り続ける。バブルに触れる消滅。回数制限あり。 エアガン 攻撃アイテム。イカリの代わりに銃攻撃が行える。イカリではありえないレベルの連射が可能。回数制限あり。 倍率 攻撃アイテム。バブル攻撃時におけるスコア倍率を2倍にする。回数制限あり。 シールド 主人公周りにシールドが張られ、体当たりでバブルを消せる。制限時間制。 フリーズ 一定時間、バブルの動きが停止する。ただし無敵ではないため、泡に触れるとダメージを受ける。制限時間制。 矢印 4種類の矢印があり、取得後にすぐさま矢印の方向へと重力が働く。 リバース マイナスアイテム。主人公に黒くなった上で操作が反転してしまう。制限時間制。なぜかハイパーでは出現しない。 ハート ライフが1ポイント回復する。 買い物について ゲーム画面の外枠にはポケットゲームがはめ込まれる形で表示されており、買い物をする事により外観のカスタマイズが行える。 カスタマイズできる素材は「本体の色」「画面のモノクロの色」「フレームの色」「十字ボタンと攻撃ボタンの色」「ステッカーの貼り付け」が存在する。 各素材には複数の色及びステッカーがあり、消費されるコインはピンキリに設定されている。どの色やステッカーを選んでもゲームそのものに変化はない。 ゲーム中に使用できる主人公(3キャラ)や楽曲(3曲)の購入も行え、一度購入したキャラや曲は自由に選択可能となる。 使用キャラにはそれぞれ「ハートの数」「移動速度」「スコアの稼ぎやすさ」の差別化がなされている。ただしハイパーでのプレイは全員同じハート数となる。 その他にも「ハイパーのプレイ料金(上記)」や「実績獲得のヒント表示(下記)」においてコインの消費が必要。 実績について ゲーム中にとある条件を満たすと「実績」を獲得できる。全12種類あり。未達成の実績はコインを支払う事によりヒント表示の確認が可能。 評価点 バブルを消していく爽快感 プレイ感覚は『スーパーパン』と同様の、「イカリを放ってバウンドするバブルを延々と消していく」という分かりやすいもの。 ステージフィールドが非常に狭いために大掛かりな行動が行いにくいが、それ故に「限られた範囲でどう行動していくか」という緊張感が生まれる。 分裂したバブルは確実に行動範囲の妨げと化してくるので、「どのタイミングでバブルを攻撃するか」という駆け引きが重要となってくる。 定期的に出現するアイテムの活用もゲームを有利に進めてくれるため、「危険な状態でも一発逆転」というカタルシスが存分に感じられる局面も多い。 重力方向変更の概念により、状況次第でピンチにもチャンスにもなる意外性も含まれている。空中におけるバブル踏み付けはなかなかに豪快。 嬉しいやり込み要素の数々 集めたコインで買い物をするという二次的な目的があり、ゲーム本編とは違った方面でのお楽しみがある。 ゲームの本質と直接関わるものではないが、ポケットゲームのカスタマイズにより様々な色変更やステッカー貼りで外観を変更できる機能が凝っている。 購入分含め主人公が4キャラおり、気分一新で色々なキャラを使用できる。なお一部のキャラは別のゲームからのゲスト参戦である。 ゲーム中に流れるBGMは購入分を含め4曲存在するが、そのどれもが某携帯ゲーム機を意識した良質なピコピコサウンドで演奏される。 問題点 ハイパーの絶対優勢ぶり 圧倒的にスコアの入手効率の良いハイパーの方がハイスコアが出しやすく、ノーマルの不公平感が激しい。 「常時スコア倍率がかかる」「スコアの効果も兼ねたコイン系アイテムが大量出現する」といった優遇さで、確実にハイパーの方がスコアが稼げてしまう。 スコアランキングはノーマルとハイパーの一括で記録される。よほどの長期戦でもない限りはノーマルがハイパーに追いつく事はできないにもかかわらず。 ハイパーのプレイはコイン25枚の消費が必要だが、普通にプレイすれば一瞬で25枚以上を稼げてしまう。一方のノーマルはコイン稼ぎにかなりの時間を食う。 モノクロ画面の見辛さ 本作はレトロゲームの再現という事でモノクロベースの色使いで画面が映されるが、状況によっては事の状況が分かりにくい場合がある。 特に顕著なのが「小さいバブルやコインが大量同時出現している」状態で、お互いのグラフィックが非常に似通っているため何が何なのかが非常に見極めにくい。 またカスタマイズにおける画面の色変更によっては、非常にギラギラした色使いで視覚的に疲れる配色のものもある。 ゲームとしての小粒さ やり込み要素があるとはいえ、基本は変わり映えの乏しいゲームの繰り返しでしかないため、ある程度やり込むとマンネリを覚えてしまう。 価格を考慮すれば十分なボリュームではあるものの、あまりがっつりとやり込むタイプのゲームでもないため、熱が冷めるのもまた早い印象。 総評 『スーパーパン』系列の派生系としては上手く作られている一作で、バブルを消す爽快さやスコアを稼ぐ面白みがコンパクトながらも詰まっている。 アクションゲームとしては良くも悪くもライト趣向の内容で、無難に楽しめる反面飽きやすさも否めない。それをどう捉えるかはプレイヤー次第であろう。
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みんなでスペランカー 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 みんなでスペランカー ブラック 概要(ブラック) 特徴(ブラック) 総評(ブラック) その後(ブラック) 元祖みんなでスペランカー 概要(元祖) 評価点(元祖) 賛否両論点(元祖) 問題点(元祖) 総評(元祖) 余談(元祖) みんなでスペランカー 【みんなですぺらんかー】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション3(PlayStation Store) メディア ダウンロード専売ソフト 発売元 アイレムソフトウェアエンジニアリング→Tozai Games 開発元 Tozai Games 発売日 2009年3月26日2011年12月21日(Tozai Games移譲後) 定価 1,300円(税込) プレイ人数 1~4人(オンライン最大6人) 判定 良作 ポイント 最弱ゲームヒーロー復活みんなデスペランカー6人のオンライン同時プレイが売り操作性の悪さ、死にやすさも全部再現クラシックドットでも遊べる1人プレイも充実、でもみんなの方が楽しい スペランカーシリーズ 概要 ゲーム史上最も虚弱体質な主人公が活躍するゲームとして有名な『スペランカー』。その22年振りの続編で、今作は最も有名なファミコン版を元にした作品。 簡単にいうとグラフィックをリメイクしつつ、わざわざ当時の操作感や難易度を再現したスペランカーであり、やりごたえや笑えるほどの死にやすさは健在。 本作の特徴は最大6人のオンラインマルチプレイである。大方の予想通り非常にカオスな連帯責任ゲームができる。 リニューアルグラフィックはPS3相応のグラフィックでありながら、操作感は当時にかなり近くなっており、そのギャップだけでもかなり楽しめる内容である。 なお、クラシックモードと呼ばれるドット絵バージョンのモードも存在。ファミコン版の雰囲気ほぼそのままにプレイ出来る。 ただのリニューアル作品ではなく、新しいギミックや敵キャラが大量に増加しており、既プレイヤーでもやりごたえのあるゲームとなっている。 特徴 スペランカーのアクションには一切追加なし。ジャンプと使用制限のあるポータブルファン・フラッシュ・爆弾で敵をやり過ごしつつ進んでいく。 ただアイテム自体は難易度を上げるという意味合いで増えており、鍵は6種類になった。その他、石板と呼ばれる収集要素があり、全て集める事で絵が完成するという仕組み。 スペランカーの実家のような安心感とは裏腹に、ギミックや敵キャラは大増量。特に敵キャラはオリジナル版ではコウモリと幽霊程度しかいなかったが、今作では10種類以上にまで増加。本気でスペランカーを殺しに掛かっている。 コウモリ:お馴染みのフンを落とす敵。色違いのコウモリはフンを落とす間隔が短く、ゴリ押しの突破が出来なくなっている。 幽霊:ファンを当てて消さないとどこまでも追いかけてくる敵。今回は二回ファンを当てないと倒せない巨大幽霊や、ファンを当てると分裂してくる強化版が出てくることも。強化版の幽霊が出ると音楽が普段と少し違うものが流れてくる。 クモ:糸で天井からぶら下がっており、スペランカーが近づくと落下してくる。爆弾で退治可能。白は上下するが、青はほとんど動かないため、爆弾で撃退しないと進めない局面も。 ヘビ:窪みの中を往復している。近くに爆弾を置くと高度を問わず一時的に画面から姿を消す。タイミングが良ければジャンプでスルー可能。色のバリエーションが豊富で、通常の緑の他に、動きの早い茶ヘビや、プレイヤーに飛びかかって飛び越えを阻止する赤ヘビもいる。 ムカデ:ロープを往復する敵、タイミング良くスルーしたり、爆弾で退治も出来る。青は往復の速度が早い。 カラス:上空を飛んでおり、スペランカーを見つけると降下してくる。フラッシュで撃破可能。赤いカラスはスペランカーに気づく範囲が広く、遠目でも襲い掛かってくる。 操作感は若干差異を感じる部分もあるが、リニューアル・クラシックグラフィック共に殆どそのまま。下り坂で前にジャンプすると死んでしまう仕様等も全て健在である。 最大の追加点・オンライン要素。 本作のタイトルの由来ともなっているマルチプレイ要素。オフラインでは4人まで、オンラインでは6人までプレイできる。 協力プレイの「みんなで探検」と、誰が一番速くゴールに辿り着くかを競う対戦プレイの「みんなで競争」とがある。 「みんなで探検」の場合どういうシステムになるかというと、まず残機はいきなり30くらいと大盤振る舞いなのだが、この残機は全員で共有する。 通常コースならひとりあたりの残機5×6人で30。Tozai版のチャンピオンシップ(高難易度モード)なら残機50×6人でなんと300から始まる。 アイテム等も共有であり、例えば黄色・赤・青の扉があったとしたら、その色の鍵を所持している人が集まらないと突破出来ない。 よって息が合わないと、扉の前で待っている間にエネルギー切れで仲間が死んだり、慌てる余り余計なミスが増えたり、間違えて爆弾を設置して全員吹き飛ぶ等ということがままある。 エネルギーや爆弾、フラッシュといった攻略上必要となるアイテムと石版は、誰かが取っても一定時間で再配置される。それ以外のスコアアイテムや薬等の特殊アイテムは再配置されない。 トロッコ等の操作も難しく、先頭のプレイヤーがトロッコを操縦するのだが、6人乗っている事を考慮しないと、吹き上がる炎に後方のプレイヤーがあたって死亡という事も。むしろ無理に全員で乗るより2、3人ずつ行った方が安全と言える。 尚、共有残機がゼロになってからミスすると、プレイヤーはそれぞれ仮死状態となる。30秒以内に他のプレイヤー仮死状態中のスペランカーに触れると復活するが、間に合わないと脱落となる。 多人数を計算に入れたギミックも仕込まれている、3人以上掴まると切れる赤いロープや、3人以上乗ると沈む船等は知らずに全員で乗り込むと大惨事に。また3人以上掴まると伸びる黄色いロープがあり、これを使わないと収集できない石版もある。 評価点 リメイクとしての質の高さ。 拘り深いプレイヤーからすると挙動がやや異なるようだが、普通に見れば十分過ぎるほど操作感覚が再現できている。 その上で、そこそこ違和感のない程度の追加要素が仕込まれており、新鮮な気持ちでもプレイできる、これまでのスペランカーにはない続編らしい続編である。 オンラインプレイならではのワイワイガヤガヤ感。 本作のオンラインプレイはボイスチャットに対応しており、ファミコンゲームによくあった、足の引っ張り合いでもかなり楽しむ事が可能。扉の鍵を待つ間のハラハラ感すらも楽しめる。 勿論、待っている間、おもむろに爆弾を置いてその場をパニックに陥らせる無理心中プレイ等も可能。野良プレイでは流石に嫌われるが。 ただ足を引っ張り合うだけではなく、残機ゼロのピンチの時はお互い助けあうプレイも可能で、初めてのマルチプレイながら完成度が高い。 1人プレイモードも充実している点。 全10エリア、1エリアにつき10ステージの計100ステージという大ボリューム。 途中セーブ機能もあるので、休みながらの進行も可能。ゲームは一日一時間という主義の人も安心。 100ステージをクリアすると1ステージ目へと戻る周回プレイ。ただし、フラッシュなどのアイテムを使わないとカギが見えない、カギが一切見えない上にジャンプしないと取れないなどの制限がついたハードモードとなるので、見慣れたステージでも一味違ったやりごたえが楽しめる。 Tozai版ではチャンピオンシップモードという1ランク上の難易度にも挑戦可能。最初から残機50も持った状態で始まるが、一筋縄ではいかない。 なお、チャンピオンシップモードのお題はDLCでも配信されている。 グラフィック・BGM共に、リニューアル版とクラシック版をちゃんと用意している隙の無さ。 前者はややリアルな描写になったスペランカーを操りプレイする。これだけでなく、BGMは既存のものが全てアレンジして起用されている。 しかもアレンジの多くはオーケストラ風であり、あの有名なメインテーマも恐ろしく荘厳なBGMとなっている。 後者はオリジナル版とほぼ同じ。本作で追加されたBGMもあるが、ファミコン音源になっており違和感なく溶け込んでいる。 クラシック版はこれまで通りミスすると点滅してお馴染みのBGMが鳴るが、リニューアル版は死んだ要素によって様々なモーションをとる。 フラッシュや爆弾に当たると消し炭となって死亡、炎に当たると黒焦げになって死亡、落とし穴に落ちると打った足を庇いつつ片足で跳ねながら死亡、等々。スペランカーの死にやすさを上手く昇華してシュールな笑いを演出している。 なお、ゲームオーバーになると「何処まで進んだ上でどういう死因で冒険が終了したか」という冒険報告が最後に表示される。 例えば敵に当たって死ぬと「触れてはならないものに触れてしまい…」などと出てきて終わる。シュールの極み。 ちなみにプレイ内容によって称号が付く。アイテムの使用率等によって判定されるが、死亡率が高いとスペランカーをもじったデスペランカーなる称号を与えられる。 初心者に向けた要素の数々。 残機無限のチュートリアルモードを搭載。これで初見で陥りやすい「開始直後エレベーターから落下」があっても理不尽さを軽減できる。 ちなみにその時にちゃんと死因(ミス理由)が出るため、どうするとミスになるのかを自由に学ぶ事ができる。ただ内容は「今のは落下ミスだ!」など、これまたシュールである。 オリジナル版でやり辛かったと評判(?)のロープアクションにはロープアシストを搭載し、細かな操作ミスで落ちないようになった。 オリジナルの理不尽さが良いという人のためにこのロープアシストはオフにもできる。 問題点 やはり若干オリジナルの操作感とは違和感が生じる点。 とは言っても微差であり、よほど拘りのある人でもなければ十分な再現度は確保されているだろう。 リニューアル版とクラシック版とではステージ構成はまったく同じだが、やはり操作感の違いは否めない。 リニューアルグラフィックはやたら画面が暗く、見辛いところがある。 一応スペランカーのヘルメットの明かりで照らすことが出来るため、自分の目前はわかりやすくすることが可能。 対するクラシック版は背景が真っ黒なため逆に他のドット絵がかなり見易くなっており、プレイしやすさという観点でクラシックを選ぶプレイヤーも多い。 一方、リニューアル版はスコアアイテムの隠されている破壊可能な壁がわかりやすいという利点がある。 敵やギミックの増加に対して、スペランカー自身には一切の新要素がなく、そういう意味では目新しさに欠ける。 安心感はあるが、自分で放ったフラッシュや爆弾で死ぬのも変わっていないのはもちろんのこと、天井が低いとフラッシュが発動せず無駄に終わるなど制約も多い。 特に幽霊は強化されたため、1人プレイだと詰んでしまう局面が増えた。例えば岩に追いかけられている時に前から巨大幽霊がくるとどう考えても打破出来ず、幽霊・岩のどちらかに殺される。 総評 レトロゲームリメイクブームに乗っかった便乗ゲームの1つでしかないが、その中でも高い完成度を誇る作品。 誰も想像しなかったスペランカーのマルチプレイはまったく新しい「死んで騒ぐゲーム」という新境地を開拓し、ファンには暖かく受け止められた。 ファミコン版からほぼゲームシステムを変えず、ここまで新たなゲーム性を構築した点は特筆に値するだろう。 複数人プレイはオンラインでも、本作に対応しているインカムや何らかの通話ソフトを使えばワイワイプレイが可能であり、現代の進歩にもよく合っている作品と言える。 余談 「いまさら」みんなでスペランカー体験版が配信されていた。 エリア1のみ全てプレイ出来る(オンライン込み)の体験版が2012年12月19日から配信され、プレイのハードルはかなり下がっていた。 現在は残念ながら配信終了している。 アイレムのゲーム事業縮小化に伴い、開発を担当したTozai Gamesが版権とともに配信を担当することとなった。 2015年にはまさかの続編、『みんなでスペランカーZ』が配信された。 まさかの基本無料で、装備を有料課金ガチャから手に入れる方式となった。 また、キャラクターデザインが旧作を思わせるような可愛らしいデフォルメ系に変化。 2021年には『元祖みんなでスペランカー』として本作がリバイバルされた。販売と開発は同じく『Tozai Games』。 ただのリマスターかと思いきやグラフィックを一新。特に3D版はオリジナル版よりも明るい色彩となり、視認性が向上している。 無限洞窟NEOモードが新規追加。強制スクロール+ランダム洞窟生成というサバイバルモード。 なお限定版にはオリジナル・サウンドトラック、ソフビフィギュア、アーケード版のインストカードを印字した下敷きなど、これでもかという特典を詰め込んだ付属品が同梱されている。 みんなでスペランカー ブラック ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション3(PlayStation Store) メディア ダウンロード専売ソフト 発売元 アイレムソフトウェアエンジニアリング 開発元 Tozai Games 発売日 2010年1月7日 定価 1,200円(税込) プレイ人数 1~4人(オンライン最大6人) 判定 なし 備考 現在は配信停止 ポイント ゲーム画面を暗くした上級者用スペランカーステージ構成などは一切変化なし今では幻のゲームに 概要(ブラック) 自分の周囲以外は見えないようになり、難易度が増したみんなでスペランカーのマイナーチェンジバージョン。 特徴(ブラック) 暗くなって先が見えづらくなった以外は、元の『みんなでスペランカー』とステージ構成を含めて何ら変わらない仕様である。 手抜きと言われてしまえばそれまでのゲームであり、価格が元作品とほぼ変わらず高めであることがネック。 元の作品を持っておらず、それでも骨太なゲームを欲するプレイヤーには薦められるが、流石にそういった需要はニッチ過ぎることは否めない。 総評(ブラック) 文字通り、シリーズの黒歴史となってしまったが、ゲーム自体の出来が良いのはそのままなため、ファンには十分楽しめる内容ではある。 その後(ブラック) アイレムがゲーム事業を縮小した際に配信を停止。版権譲渡後のTozai Gamesでも本作は取り扱われることがなかった。 元祖みんなでスペランカー 【がんそみんなですぺらんかー】 ジャンル アクション 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4 メディア Nintendo Switch専用ゲームカード(Switch)BD-ROM 1枚(PS4)ダウンロード専売ソフト(両機種) 開発・発売元 Tozai Games 発売日 2021年3月26日 定価(税込) 3,300円(通常版)7,480円(限定版)2,640円(ダウンロード版 プレイ人数 1~4人(オンライン最大6人) 判定 良作 ポイント リマスターに見せかけたほぼフルリメイク内容はほぼ同じだが不便な点を大幅解消Tozai Games初のパッケージソフト スペランカーシリーズ 概要(元祖) 先の『みんなでスペランカー』をSwitch・PS4向けに移植しつつ各部を大幅強化した作品。 販売はみんなでスペランカー以来のTozai Gamesとなった(前二作はスクウェア・エニックス)。 一目ではわかりにくいが、3D版はグラフィックを一新している。当時のグラフィックを元にしたデザインではあるが既プレイヤーにはすぐわかる程に作り変えられている。 『Z』『みんなでワイワイ』で公表を得た要素なども組み込んでおり、『完全版みんなでスペランカー』とでも言うべき内容。 新要素としてZで途中追加された『無限洞窟NEO』を実装しており、さらに遊びやすくパワーアップしている。 評価点(元祖) グラフィックの一新による視認性の向上 オリジナル版ではせっかくの3Dグラフィックでありながら明度が低く、目に悪いと避けられがちだった3D版のグラフィックが一新されている。一新と言ってもデザイン等はオリジナル版と変わっていないが、全体的に明度が増している。 キャラグラフィックだけでなく、アイテムのデザインを豪華にしたり、各種ギミックの映像が綺麗になっていたりと、それ以外の要素も全てが変更されている。 なおスペランカーはオリジナル版だと目元が影で見えなくなっていたが、本作ではパッケージイラストの通りのデザインとして目がよく見えるようになっている。 ファン、爆弾、フラッシュ等は次世代機に合わせてこれもまた視認性の強化や演出の強化が図られている。最早2Dドットの方が遊びやすいとは言い切れないレベルになっている。 良いところは大きく変えていない点 フルリメイクという公式の文言とは外れるが、SEなどのサウンド関連はほぼ当時のものが使用されている。しかし当時からしてこの点は好評だったことからむしろ好意的に取られている。 その他既存シリーズを生かした新要素 大きな変更点としては画面のスクロールがエリア式でなくなり、スクロールに時間を取られなくなったこと。これによりプレイ中画面スクロールした途端いきなり罠とご対面ということがなくなった。 遊びやすくなった無限洞窟NEO 本作におけるチャンピオンシップモードの延長線上にあったモードだったが、本作では「強制下スクロールする中、スペランカーが残機をすべて失うまでに多くのスコア(アイテム)を稼ぐ」というゲームへと一新。ステージクリア型だった『Z』に合わせた仕様から大きく変更されている。 画面外に置き去りにされると即ミスになるなど死因も追加。これまでのチャンピオンシップとも異なる内容となり非常に盛り上がる。ちなみにマルチプレイも勿論可能。 なおBGMも新規で用意されている。 賛否両論点(元祖) 『Z』等にはあったアバター・装備等の要素は廃止 もとにはなかったものなため仕方ないが、せっかくフルリメイクしたなら…という声もある。 もっとも、そういったソシャゲーに近い要素を嫌うプレイヤーの目線ではなくて元々と気にしない声もある。 ロープアシストオフの廃止 これは『Z』以降にあった要素の継続。これによりオリジナル版よりどう足掻いても難易度が下がる仕様となっており、マニアには不評。…が、はしごでは普通に滑り落ちるためこの点はロープとはしごの差別化のための要素と思われる。 無限洞窟NEOのリスポーン位置 強制スクロールということもあり、リスポーン位置はアイテムではまくスクロールに依存しており、そのスクロール段階での安全地点へスポーンする。一人プレイでこの点の問題点は薄い。 問題はマルチプレイ、残機を失ってダウン状態になってもプレイヤーの通り道にスポーンするため、味方による蘇生行動がしやすく、結果永久ループになりやすい。まさに無限。 一応深度が深まるにつれて難易度が上がり、タイミング次第では蘇生がしづらい場面も発生する。とはいえ序盤は完全に死に得状態のヌルゲーとなってしまう。もっともその方が気軽に楽しめて良いという意見もある。 シングルは最初からなかなかシビアな立ち回りを要求されるため、マルチの難易度は大きく異なる。 問題点(元祖) 目新しさが薄いわりに値段は倍加。 基本は移植なので仕方ないと言えるが、値段は先のように妙に力の入った仕様に反映されて二倍近くに上がっている。パッケージ版はさらに高額。 とはいってもハーフプライスに変わりはない。限定版でようやくフルプライスといったところ。ただやはり大勢と楽しんでこそのゲームなため値段の高額化は人を足踏みさせる要素なことには違いない。 バグがある エレベーターの多いステージ5や9で、 エレベーターが途切れて地面に届いておらずクリア不可能になる というバグが起こる。こうなると、ステージ1からやり直す以外に無い。 ステージ9までノーセーブでクリアすれば回避できるが、決して楽ではない。 総評(元祖) 現代に蘇ったみんなでスペランカーとして非常にパワーアップしており、ファンにはたまらない内容となっている。 移植ゲーとしては非常に力が入っており、本作の開発担当であるTozai Games初のパッケージ化ソフトということもあって気合は入っている。 ただ多くの不便な点を解消しているとはいえ、基本的なゲーム性は変わらないため、代わり映えしないというのはやはり難点にはなる。 しかし全体的に問題点は大きく解消されているため、オリジナル版にハマったプレイヤーであれば損はしない内容である。 余談(元祖) 稀に公式がマルチプレイの部屋を立てている。
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ダンジョンキッド 【だんじょんきっど】 ジャンル ダンジョンRPGコンストラクションソフト 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 クエスト 開発元 ピクセル 発売日 1990年8月31日 定価 6,500円 周辺機器 ターボファイル対応 判定 なし 概要 特徴 問題点 評価点 総評 概要 3DのダンジョンRPGを作成できるソフト。 特徴 主な仕様、エディットできる内容は以下の通り。 「町」は1つしか存在せず、ゲームのスタート地点も兼ねている。セーブを行えるのも、ここのみ。 アイテムショップ、宿屋、教会が唯一存在する場所でもある。 各施設は、店員のメッセージと値段を設定できる。 ダンジョンは最高で8フロアまで作ることができ、階段またはワープゾーンで繋げることができる。 宝箱、扉、鍵のかかった扉、ヒントメッセージ、ボスキャラを配置できる。 宝箱の中身はアイテムとトラップから選べる。 ヒントメッセージは5種類まで作ることができ、設定されたマスに乗れば流れる。 アイテムは武器、防具、道具、鍵が用意されている。 どのアイテムも名前、価格、非売品かどうかを設定できる。 装備品の場合は上昇数値も設定できるが、能力がマイナスされる装備品を作ることもできる。 道具はそれぞれ、効果自体は最初から決まっている。持っているだけでマッピングできる物、使うと町へワープできる物、ザコ敵から逃げる為のアイテムなども存在する。 魔法は攻撃、回復、防御力アップ、その他の4系統が用意されている。 設定できるのは名前、威力、習得レベル。 使用時のアニメーションや対象範囲は魔法毎に最初から決まっており、変更できない。 敵はグラフィック、名前、ステータス、使う魔法、ドロップアイテム、出現場所(フロア単位、または特定の場所のみ)を設定できる。 ボス敵は一度倒すと出現しなくなる。またドロップアイテムを設定していた場合は、ザコと違って必ず落とす。 ボスが登場した時に喋るセリフも5種類まで用意できる。 オープニングとエンディングのデモで、流れるテロップを入力できる。 パーティは最初から3人で固定。グラフィックはエディットモードで設定するが、名前と職業(*1)はニューゲーム時にプレイヤーが決める。 レベルアップ時の能力成長は職業ごとに決まっている。 問題点 文字入力は文字板からカーソルで選択するのではなく、上下キーで「あいうえおかきくけこさしすせそ…」と1文字ずつ選んでいかなければならないため、とにかく時間がかかる。 所謂「ゲームスイッチ」はエディットでは操作できない。イベントが消滅するかどうかはそのイベントの種類ごとに最初から決まっている。 ヒントメッセージは何度でも流れる。ボスは一度倒すと二度と現れない。宝箱はアイテムなら二度目は取れず、トラップだと何度でも作動する。 BGMは最初から完全固定で、変更機能はまったくない。戦闘BGMはボス戦・ザコ戦共に同じ。 サウンド自体は、岩田匡治氏による作曲・サウンドプログラムで全体的に高クオリティである。 戦闘BGMは同氏が過去に手掛けた『レリクス 暗黒要塞』のボスエリアのBGMのメロディーを流用している。 3人パーティで職業が12種類とは多過ぎである。特徴が被っている職業もある。 敵の魔法防御力は数値で設定できるのに、味方の魔法防御はステータス画面に表示されない。 グラフィックは「ファンタジー風」と「SF風」の2種類から予め選ぶことになるのだが、グラフィック以外は町のBGMしか変化しない。 その為外見だけは未来風の世界のはずなのに魔法・教会・妖精などが登場してしまうことになる。 「鍵で開けられる扉」と「ワープゾーン」を隣接させておき、扉を開けてワープのマスに乗ると、ワープが作動しない。 一度エディットモードを開くと、それまでプレイしていたデータは消されてしまう。 テストプレイはダンジョン内を歩くだけで、戦闘のバランスまではテストできず、普通にニューゲームで実際に戦って確かめるしかない。 敵の能力数値は細かく設定できるのに味方はできない。サンプルゲームの敵の能力値を下敷きにすれば無難なバランスにはなるが、逆を言えばそこからあまり大胆にはいじれないという事でもある。 評価点 このソフトの存在そのものが評価点であろう。 『RPGツクールシリーズ』の始祖がパソコンで発売されて僅か半年後、家庭用ゲーム機における『ツクール1』が出る5年も前に、しかもファミコンでRPG作成ソフトを世に出している。 単純に「ファミコンでのゲーム作成ソフト」というだけでも希少性は高い。カタカナは使えず敵のグラフィックも小さく色気も何もないが、「ダンジョンや敵の名前などを自由に変えられる」というだけで、当時の子供達にとっては魅力的な存在だったのだ。 総評 『ドラクエ』などによって家庭用のRPGも普及していた事から、「自分も作ってみたい」「自分ならこうするのに」という欲求を抱いた子供は多かったはず。そういった子供達の夢を叶えるというか他に似たようなのが出てないから選択の余地がないソフトであった。 説明書の中でサンプルゲーム『古城の魔法使い』についての様々な設定が書かれているが、そうした想像力を膨らませるのも1つの楽しみ方と言える。
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ミラーズエッジ 【みらーずえっじ】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション3Xbox 360Windows XP~8 発売元 エレクトロニック・アーツ 開発元 EA Digital Illusions CE(EA DICE) 発売日 【PS3/360】2008年12月11日【Win】2009年1月22日 定価 【PS3/360】7,665円【Win】オープン価格 レーティング CERO C(15才以上対象) 配信 【360】2011年1月11日/1,200円【Win】1,500円(Origin価格) 判定 なし ポイント 優れたビジュアル激しい3D酔い 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 生き抜くために、駆け抜けろ。 概要 『バトルフィールド』シリーズで知られるEA DICEが製作した、エクストリームスポーツ「パルクール」を題材にしたアクションゲーム。 パルクールとは別名フリーランニングとも呼ばれ、有名どころでは『ASSASSIN S CREED』でも採用されている、建物を自由自在に駆け上がり飛び越えていく競技のことである(*1)。 『ASSASSIN S CREED』が三人称視点の3Dアクションであるのに対して本作は一人称視点形式のアクションとなっており、主人公の目線でビルを渡り、駆けていくゲームとなっている。 ストーリー 政府により厳しい監視と情報統制が施された近未来都市。人々は「ランナー」と呼ばれる運び屋を使って手渡しで情報を交換していた。 ランナーの1人であるフェイスはある日、双子の妹のケイトが何者かに嵌められ、殺人事件の容疑者となってしまったことを知る。 同じく容疑者となった彼女は仲間の助力を受けつつ事件の真相を探るため、白が支配する街へと飛び出していくのだった。 特徴 前述の通り一人称視点形式で進む。 このため、コンシューマーやゲームパッドでのプレイは左スティックでの移動と右スティックでの視点移動をしつつ各種アクションをスムーズに繰り出せるよう、主なアクションをL、Rに割り振る独特な操作スタイルとなっている。 例えばジャンプはLB(L1)、背後を振り向くターンはRB(R1)、LT(L2)でしゃがみやスライディング、といった形である。 特定の操作を連続で繰り出すことで違ったアクションも繰り出せる。例えば壁に向かってジャンプ、ターン、ジャンプと連続で操作すると壁を蹴って背後に高く跳ぶことができる。 ランナービジョンというシステムが搭載されており、移動ルートのオブジェクトが赤くなるシステムがある。行く先の方向性をある程度示してくれるためスムーズに次の移動経路を把握できる。 また、B(○ボタン)を押しつづけると目標地点を注視することができる。 フィールドには距離を短縮するためのルートもあるのだが、こちらは赤くならないためまさに経験が物を言うシステムとなっている。このルートの開拓も魅力の1つである 戦闘は一人称視点ながら格闘戦をメインとしている。 パンチやキックがメインだが、敵を武装解除する事で武器を奪うことも可能。奪った武器はそのまま使用できるが、リロードできないため使い捨てとなる。 もっとも、本作の敵は重武装でこちらは軽装なので戦闘せずに逃げないと危険な状況の方が多い。 評価点 白と青を基準とした美しいビジュアル。 プレイした人からは「芸術」とも称されるほどに本作は絵作りに力を入れており、非常に美しい世界が描かれている。 白いビル群は無機質だが、陰影まで青の成分が入っており何とも言えない美しさがある。ぜひ自分の目で確かめていただきたい。 白と青が支配する中、武装した敵の存在やランナービジョンにより赤くなったオブジェクトが非常に映える。見た目にも分かりやすく、ゲーム性ともマッチした絵作りと言えよう。 一人称視点なこともあってリアリティが高い。 ビルの合間を跳び移っていく本作との相性は抜群で高所をジャンプするスリルを味わえる。上手く跳び越えられた時の安堵感と爽快感も高い。 うまく跳べずにビルなどから落下した際の「どすん」という効果音は印象的であり、強い恐怖感をプレイヤーにもたらせてくれる。高所恐怖症の人はプレイを躊躇うかもしれない。 日本語版の翻訳の高さ 洋ゲーにありがちな不自然な翻訳が皆無。 吹替えの声優も主役のフェイスに甲斐田裕子氏、フェイスの協力者であるミラーに立木文彦氏と言った実力のある声優を起用しており、棒読みなども存在しない。 タイムトライアル、スピードランといったRTA要素のやり込み度 ストーリークリア後に挑戦できるスピードランや、チェックポイントごとにタイムを計っていくタイムトライアルのやり込みが充実 前述のルート探索要素と相まって、ハマる人にはとことんはまる他に類を見ないゲーム性となっている。 賛否両論点 ストーリーはいわゆるB級映画的な内容なので好みが分かれる。 それでも中盤までは意外な展開などもありそれなりに楽しめる人もいるだろうが、ラストはかなり「投げっぱなし」のようなオチになってしまっている。 解決すべき問題が複数ある中で、「緊急ではあるが成功してもそこまで事態を好転させるわけではないミッション」がゲーム上の最終目的である。 一応、事態の黒幕と言えなくもない人物との決着はつくが、顛末がはっきりしないキャラクターが複数いるなど全体的にすっきりと大団円を迎えた感は希薄。 続編『ミラーズエッジ カタリスト』は本作と地続きではなく半ばリブートのような設定となっているため、そこでの解決も望めない。 問題点 非常に酔いやすい。 一人称視点なので当たり前なのだが、本作の場合は一般的なFPSに増して激しく画面が揺れ動くため普段3D酔いしないような人でも酔ってしまう可能性がある。 また、一人称視点はリアリティを高めるのに一役買ってはいるものの、慣れないとジャンプのタイミングなどの感覚が掴みづらい。最初のうちは足元を確認しながらジャンプすることになるだろう。 ゲーム冒頭のトレーニングはチャプターセレクトで何度でもプレイできるので、慣れるまでプレイしつづけるのもアリ。ここだけでも一通りの操作を覚えられる。 システム面に粗が多い。 前述のように目標地点を注視するシステムがあるが、本当に注視するだけなので使いづらい。 ランナービジョンもあるにはあるが、結局はプレイヤーが自力でルートを探したり謎解きをする必要があり、仲間からはろくなヒントも貰えないので迷いやすい。 とはいえ、自分が進むべき道を創意工夫して開拓していくのがこのゲームの醍醐味であり面白いポイントでもある 独特なボタン設定に慣れるまでが難しい。 キーコンフィグはいくつかの候補から選ぶだけなので、嫌でもこの操作を強要される。 カメラのリバース設定や、速度設定すら存在しない。 上記のような問題点もあって、難易度が高い。 戦闘の難易度選択はできるが、マップの構造自体が複雑なため進行ルートが分からず迷って立ち往生してしまうことも多い。 さらにシビアな操作を要求される場面もあり、「進行ルートを見つけるのに一苦労、その進行ルートをきちんと進むのにもう一苦労」となりがち。 リトライポイントが多いのですぐやり直せるのは良心的だが。 そこだけあまり出来がよいとは言えない凡庸なFPSとなってしまう銃撃戦には不評が多い。 そもそもパルクールによる縦横無尽な移動が特長の本作にとって、足を止めて撃ち合うというゲーム性はかなりミスマッチである。 制作陣にもそれは伝わったのか、続編ではプレイヤーが銃を使うという要素そのものが廃止された。 その他の不評点 ストーリーの所々でアニメーションによるムービーが流れるが、出来はフラッシュアニメ並で微妙。 これは製作期間の都合でカットシーンを外注に依頼したためとのこと。 フェイスのビジュアルが典型的な東洋人顔の為に不評。 これに不満を抱いた海外のゲーマーたちがこぞって修正画像を作成したが、これにキャラデザインの担当者が激怒するという事態に発展した(参照)。 どうやら担当デザイナーの妻がモデルだったらしい。 総評 美しいグラフィックと一人称視点でのパルクールアクションのスリル・爽快感の評価は高い。 一方で、操作性や一人称視点で激しいアクションをする必要があるゆえの難易度の高さ等が評価を下げてしまった。 しかしながら独特の世界観とビジュアル、独特のアクションに魅了されたファンも多い。中々の魅力を持った一作である。 後年になって続編が発売されるが、本作の純粋なアップグレードというよりは変更された要素も多く、あまり望んでいた形にならなかったと初代を好むファンもいるようだ。 余談 本作は「Unreal Engine 3」ベースで作られているが、これは「開発が始まった時(*2)は自社のエンジンであるFrostbiteがまだ完成していなかった」というシンプルな理由によるもの。 なお、完成したFrostbiteは主に『バトルフィールド』シリーズの開発で使用されている。 実際にプレイしたユーザーからの評判は上々だったが、売り上げとしてはメーカー側の期待を下回ってしまったらしく、すぐに制作される予定であった続編がキャンセルされてしまったという報道も発売当時には存在した。 その後の展開 ビジュアルに魅了されたファンからシステムを改善した続編を望む声も多かったため、7年の歳月を経て2016年に6月9日に続編である『ミラーズエッジ カタリスト』がPS4/One/Winで発売された。 『カタリスト』では『バトルフィールド4』でも使われた「Frostbite 3」がゲームエンジンとして採用されている。しかし、主人公のビジュアルは相変わらずであった。
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PROJECT X ZONE 2 BRAVE NEW WORLD 【ぷろじぇくと くろすぞーん つー ぶれいぶ にゅー わーるど】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 ニンテンドー3DS メディア 3DSカード/ダウンロードソフト(限定版は3DSカードのみ) 発売元 バンダイナムコエンターテインメント 開発元 モノリスソフト 発売日 2015年11月12日 定価 通常版 6,640円限定版 9,980円(全て税別) プレイ人数 1人 セーブデータ 8個+コンティニューセーブ1個 レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 良作 ポイント 『ナムカプ』から始まる一連のシリーズの完結編『PXZ2』と同時に『ナムカプ2』でもある前作の問題点を改善しているができなかった部分も CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズセガ クロスオーバー関連作品シリーズバンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ 概要 参戦作品・登場キャラ一覧 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 有名ゲーム会社同士のコラボRPG『PROJECT X ZONE』(以下PXZ)の続編。 前作同様のバンダイナムコエンターテインメント・カプコン・セガ(セガゲームス セガ・インタラクティブ)に加え、新たに任天堂が参入したクロスオーバー作品。 他社同士のお祭りゲーで正統な続編が作られるのは極めてまれ(せいぜい『スーパーロボット大戦』ぐらいだろう)であり、驚愕したユーザーも多かった。 今作は主人公を含め、『PXZ』の原点とも言うべき『NAMCOxCAPCOM』の続編、および完結編ともいえる形になっている。 参戦作品・登場キャラ一覧 + 非戦闘ユニットのみの作品も含む。太字は本作で初登場。敵は除く。 カプコン作品 ストリートファイターシリーズ ペアユニット リュウ ケン・マスターズ 春麗(シャオユウとのペア) ソロユニット イングリッド バイオハザード リベレーションズ ペアユニット クリス・レッドフィールド ジル・バレンタイン バイオハザード6 ソロユニット レオン・S・ケネディ 非戦闘キャラ エイダ・ウォン ヴァンパイアシリーズ ペアユニット デミトリ・マキシモフ モリガン・アーンスランド ソロユニット フェリシア ロックマンXシリーズ ペアユニット エックス ゼロ デビルメイクライシリーズ ダンテ バージル ストライダー飛竜シリーズ 飛竜(秀真とのペア) 逆転裁判シリーズ ソロユニット 成歩堂龍一 綾里真宵 非戦闘キャラ 御剣怜侍 キャプテンコマンドー ソロユニット キャプテンコマンドー スターグラディエイターシリーズ ジューン・リン・ミリアム ロストワールド ショップ店員 シルフィー セガ作品 サクラ大戦シリーズ ペアユニット 大神一郎(エリカとのペア) エリカ・フォンティーヌ(大神とのペア) 真宮寺さくら(ジェミニとのペア) ジェミニ・サンライズ(さくらとのペア) バーチャファイターシリーズ 結城晶 影丸 ソロユニット パイ・チェン 龍が如く OF THE END ペアユニット 桐生一馬 真島吾朗 エンド オブ エタニティ ゼファー ヴァシュロン ソロユニット リーンベル 非戦闘キャラ ガリジャーノン Shinobi ペアユニット 秀真(飛竜とのペア) スペースチャンネル5 ソロユニット うらら ベア・ナックルシリーズ アクセル・ストーン Kunoichi -忍- 緋花 シェンムーシリーズ 芭月涼 せがた三四郎 せがた三四郎 バンダイナムコ作品 鉄拳シリーズ ペアユニット 風間仁 三島一八 リン・シャオユウ(春麗とのペア) ソロユニット 三島平八 .hack ペアユニット カイト(ハセヲとのペア) 非戦闘キャラ アウラ .hack/G.U. ペアユニット ハセヲ(カイトとのペア) テイルズ オブ ヴェスペリア ユーリ・ローウェル フレン・シーフォ ソロユニット エステル GOD EATER 2 ペアユニット シエル・アランソン 香月ナナ ソロユニット アリサ・イリーチニナ・アミエーラ NAMCOxCAPCOM ペアユニット 有栖零児 小牟 ゼノサーガ エピソードIII ツァラトゥストラはかく語りき KOS-MOS(フィオルンとのペア) ワルキューレの冒険シリーズ ソロユニット ワルキューレ ソウルキャリバーV ナツ サモンナイト3 アティ オーダイン ショップ店員 みゆき 妖怪道中記 非戦闘キャラ たろすけ 乙姫 本作オリジナル 裏嶋千鶴 任天堂作品 ファイアーエムブレム 覚醒 ペアユニット クロム ルキナ 非戦闘キャラ チキ ゼノブレイド ペアユニット フィオルン(KOS-MOSとのペア) システム ターン制への変更 前作は各キャラの素早さに依存し、敵味方入り混じって素早いキャラから順に行動する形式だったが、本作は味方と敵のターンで区切る形式に変更され、ターン内の行動順は好きなように選べる形になった。 戦闘システム 基本は前作同様、「ペアユニット」と呼ばれる2人1組のユニットに「ソロユニット」という1人ユニットを加入させる、3人1組形式。 技の構成も「方向+ボタン」(方向を押さないパターンも含め最大5種)はそのままだが、通常攻撃の使用可能回数が反撃時も含めて3回で固定されており、後述のミラージュキャンセル使用時を除けば一度に全ての攻撃を使う事が出来ない。 代わりに、その戦闘で未使用だった技は「チャージボーナス」として次回の戦闘で強化される。 クリティカルシステムや、コンボで溜める「クロスゲージ」システム、加入しているソロユニットを呼び出す「ソロアタック」、隣接している他のペアユニットを戦闘中に呼び出す「サポートアタック」は前作同様で、ペアとソロの攻撃が同時に当たると「クロスヒット」となるシステムもほぼそのまま引き継いでいる(*1)。 XPとSP 前作では必殺技や複数技はおろか、防御や反撃、スキルの使用も全て全体共有のXP(クロスポイント)1つで管理されていた。 本作では必殺技等の攻撃要素と完全防御は全体共有のXP、防御と反撃とスキル使用は個々のユニットが保有するSP(スキルポイント)を消費する形に変更された。 前作ではXPを100%からMAXの150%まで溜めるにはクロスヒットが必須条件だったが、本作では通常攻撃やソロアタック、サポートアタック単独で150%まで溜めることが可能となった。 SPは毎ターン開始時に一定量回復し、装備やスキルで最大値増加や消費量減少が可能。 クロスブレイク 本作の新システム。クロスヒット中に敵を吹き飛ばす一撃が当たると、クロスヒットが解除され敵が吹き飛ばされる。 敵が吹き飛ばされた際にペアユニットやソロユニットが攻撃中だった場合でも、それらの攻撃はキャンセルされることなく継続されるため無駄に終わってしまう。 その代わり、クロスヒットで敵を吹き飛ばす一撃はダメージ倍率が高めに設定されるため、総合的には敵により高いダメージを与えることが出来る。 ミラージュキャンセル 本作の新システム。戦闘中にXPを100%消費する事で現在の攻撃を中断し、攻撃回数が1回増える。さらにしばらくの間敵の動きがスローモーションになる。 敵の動きが緩やかになる事でクリティカルを狙いやすくなり、クロスヒットも合わせやすくなる。 技ごとに設定された特定のタイミングでキャンセルする事により、消費を半分に抑える事が可能。 キャラによってはミラージュキャンセルに必要なXPを減らすスキルを覚える。 方向性の概念 敵味方全てのユニットに方向性の概念が導入された。相手を正面から攻撃した場合は通常通りのダメージ倍率だが、横からの攻撃(サイドアタック)が1.5倍、背後からの攻撃(バックアタック)は2倍のダメージを与えることが出来る。 スキルや装備でこの倍率を更に高めることが可能。サイドアタックやバックアタックを無効にするスキルも存在する。 インターミッション ナムカプ同様にインターミッションで買い物ができるようになった。 武器・防具や消費アイテムを購入する事が出来る。 戦闘で入手したCP(カスタマイズポイント)を消費する事でキャラの育成を行えるようになった。 追加のオートスキル習得や、各技の強化を行う事が可能。 強化は技ごとに上昇する項目が決まっており、1段階強化するといくつかの項目がまとめて強化される。(攻撃力、状態異常発動率、クリティカルダメージ倍率、XP回復率) トレーニングモードでの相手役がナムカプ同様『鉄拳』の木人に変更。背景は『ストリートファイターIV』のトレーニングステージになった。 出撃数の制限 今回は出撃数に上限が設けられ、上限を超える味方ユニットがいる場合には選択式となった。 ただし、全味方ユニットが出撃するステージも数は少ないが存在する。 評価点 演出面 前作で非常に拘りを見せ好評だった各技の作り込みは更に深くなり、相変わらず原作ムービー・アニメ版・漫画版など様々な方面からネタを拾っている。 必殺技時やソロアタック時のカットインが更にパワーアップし、アニメ調のデフォルメが効いたダイナミックなアニメーションとなった。 なお、ほぼ全てのキャラが高速で躍動するため、前作のように女性キャラの胸や脚をじっくり見せるという路線は廃された。 新規キャラの技演出はどれも気合いが入っており原作ネタをふんだんに盛り込んでいる。 桐生&真島、クロム&ルキナの必殺技のフィニッシュ時のカットインは原作のパッケージ絵を完全再現しており特に評価が高い。 KOS-MOS&フィオルンの必殺技は2人で同時に斬撃を放つというものだが、黒地に赤で「X」を表示させるカットインが入る。参入メーカーの垣根をも越えたこの演出はゼノシリーズのファンを大いに驚かせた。 続投キャラは技の構成や必殺技が一新された。殆どのユニットの組み合わせが変わっているため既存のモーション組み合わせを変える事で目新しいものとなっている。 ペア2人+ソロ1人という形の参戦作品はソロ枠が変更されており、それにより前作では行われなかった戦闘前後のクロスオーバー会話が行われるようになった。 ナムカプでは1組のみ、前作ではなかった異なるメーカー同士の越境ペアが新たに三組用意された。いずれも共通するコンセプト同士の組み合わせであり違和感なく噛み合っている。 『エンドオブエタニティ』はペアユニットがゼファー&ヴァシュロンになった事で、前回とは別のOPムービーを必殺技で再現しており、3D表示が映える事もあって評価は高い。 仁&一八のライバル同士かつ親子ペアは必殺技や複数技で必ずどちらかを巻き添えにする(もちろんゲーム的なダメージはない)。 影丸の必殺技「雷龍飛翔脚」では勢い余って自分もリングアウトしてしまうというプレイヤーの匙加減まで再現している。 大神&エリカの必殺技は、今作では『サクラ大戦3』のOPムービーを再現しており、BGMもパートも実際のムービーで流れている部分に合わせている。 ソロユニットもカットイン時に大きくアニメーションするようになったため演出が強化されている。 成歩堂と真宵は原作では戦闘などできないのだが、今作ではモリガンが真宵の勾玉の力を増幅させたため「異議あり!」やサイコ・ロックなどで敵を物理的に攻撃するのが可能になったという設定。特に何の説明もなくそれらの動作で格闘していた『UMVC3』の完全再現を実現させた。 エステルは前作と同じくセイクリッドブレイムを使うが、まさかの色仕掛けコスチュームに変身する。眼福。 本人の攻撃だけでなくレトロゲームキャラも召喚して攻撃するソロユニットが3社分用意された。セガは前作に引き続きうらら。バンナムはワルキューレ、カプコンはキャプテンコマンドーが担当。 うららの召喚するレトロゲームキャラは『アレックスキッド』や『獣王記』に変更。ワルキューレの技にはワギャンや『ゼビウス』のソルバルウが参加する。キャプテンコマンドーの召喚は『エグゼドエグゼス』や『バトルサーキット』という渋いチョイス。 フェリシア、キャプテンコマンドーはカットインがナムカプ当時のものとほぼ同じポーズになっている。 限定版での原作BGM・主題歌の搭載 今までお祭り作品でも金額面の問題もあってなかなか行われてこなかった「原作BGM及び主題歌の搭載」が割高の限定版限定とはいえついに実装され、原作ファンを大いに沸かせた。 一曲ごとに通常BGMも選べるようになっているため、通常版と同様にする事も可能。 通常BGMも決して出来が悪いわけではない。エックスのテーマ(『X3』オープニングステージ)などは良アレンジの呼び声も高く、いい意味でどちらを設定するか迷うほど。 また、再生方式が前作の内蔵音源からストリーミング方式に変更され、楽曲は数々の有名なゲーム音楽作曲家によって大胆なアレンジが行われ、クオリティが劇的に向上している。 原作ゲームの主題歌やBGM、アニメ版の主題歌などファンのツボを抑えた曲目が揃っている。 『ストリートファイターシリーズ』からはJ-POP界における名曲となった「恋しさと せつなさと 心強さと」がついに原曲版で収録。後述のベガ戦が更に燃える仕様となっている。 『バーチャファイター』は特に人気の高いアニメ版後期の主題歌「愛がたりないぜ」が収録されており、サビから入る必殺技演出と相まって非常にテンションが上がる。 ナムカプ勢の戦闘BGM「すばらしき新世界」は唯一フルコーラスで収録されている。 更に、サプライズで『バーニングレンジャー』から主題歌「Burning Hearts~炎のANGEL~」が曲だけ参戦し、バーニングレンジャー本編を再現したマップまで用意されている。先導するのは原作のCMを担当したせがたであり、テンションが上がること必至。 マップの再現度 原作のステージ構成とギミックを忠実に再現しており、プレイ経験者にはニヤリとくる仕掛けが多い。空中戦艦バルログやえんえん砂漠の遺跡などナムカプのマップを再現したものも。 前作の『ゲイングランド』と同様に今作では『マーベルランド』がステージのみ参戦している。 シナリオ面 前作では色々と問題のあったシナリオだが、本作では色々な面で改善された。 版権を越えたキャラクターの掛け合いの魅力は本作もそのまま。 相変わらず声優ネタやメタネタから熱い会話まで満載。本作に登場しない作品や他会社のゲーム、別のクロスオーバーゲームを示唆するネタまで多岐に及ぶ。 主人公が零児達のためナムカプを彷彿とさせる話題が非常に多く、版権キャラたちも多くが共通している。飛竜やキャプテンなどのナムカプからの復帰組は当時の参戦メンバーと共に話題を語ることが多い。 変化球として、一八はナムカプで敵だったが今回は味方。更にナムカプで魔界に行方をくらました後から話が明確に繋がっており、ナムカプ時に黄金の種を強奪した事を散々ネタにされている。また、親子三代が勢ぞろいした事もあり、戦闘前の会話などで家族や親子についてのネタを振られることも多い。 ステージ内でもナムカプ終盤での空中戦艦バルログのイベントやリュウとケンの対決など、ファンにとっては感慨深い演出が多数用意されている。 また、10年間でネットに蔓延したナムカプ関連の小ネタについても拾っている。特に語りぐさとなっている『ファイナルファイト』の凱がコマンドーチームにしか見えない、という話題については、本当に凱がコマンドーチームに所属している事をキャプテンが告白し他の版権キャラも凱がコマンドーチームだと勘違いしていたという衝撃の事実が明らかになっている。ついでに武神流奥義スモークボムも同じくネタにされている。 せがた三四郎はネタキャラとしてとにかく突き抜けた存在となり本作を象徴するキャラとなった。 そもそも『せがた三四郎 真剣遊戯』という主演作品が存在するとはいえ元々はセガサターンのCMキャラクターとして生まれた存在であり、ゲームキャラではないという事で発売前から「誰も予想できなかった」と大きな話題を呼んだ。 今作ではその立ち位置の特殊性を存分に生かし、時代や世界観を超えて各セガ作品キャラと交流を持つという小牟以上のカオスキャラとして登場している。 セガサターン以降の他社ハードで発売された作品でも悉く網羅しており、セガキャラ達には「"堅気にしておくには惜しい男" と評される」「普段も帝劇で特訓に付き合ってもらっている」等、半ばそれぞれの作中キャラに近い扱いを受けている。 初登場時にはさくらといっしょに『サクラ大戦2』のCMをボイス付きでまさかの完全再現。更にバーチャファイターの面々に向かって「今こそセガハードに戻る時が来たんじゃないのか!」ときわどいメタ発言を叫ぶ始末である。 戦闘前会話においても原作ゲームをプレイヤー視点で語ったり、キャッチコピーを言ったりプロデューサーの名前を出してくるなどやりたい放題。肝心のソロアタックもCMでの数々の行動を組み合わせた技(分身、脳天瓦割り、『AZEL』のCM時のポーズなど)となっており大きなインパクトを残した。 さらに担当声優も藤岡弘、氏本人。17年の時を経て完全復活を遂げ、ファンを驚愕させた。 シナリオでの言動やスキルも含めると原作のCMのネタを全て網羅しており、その他にも藤岡氏自身にまつわるネタ(*2)まで拾っている。 原作がCMのため動画サイトで元ネタを確認しやすいのもあり、新規プレイ層にも広く認知された。 作中の描写を見る限り、登場人物はせがたの言動に戸惑ったり突っ込みを入れたりすることもあるが、悪い方向でネタキャラ扱いするようなことはせず、きちんと尊重して扱っている。前述のバーニングレンジャーやテイルズ、ファイアーエムブレムステージなどではここ一番の判断力を見せてくれたりと、いざという時にはしっかり頼れるキャラクターとして描かれている。 イングリッドは初出演作がお蔵入りになった知る人ぞ知る人気キャラであり、以前より「小牟とロリババア属性が被る」という理由で参戦が危惧されていたが、今作では初登場時に小牟から「ぬしとわしが出会えば対消滅する!」などと弄られたのに対し「ワシの方が一年早い!」とメタ発言で返す(*3)など、逆手にとったネタを披露した。戦闘会話でも小牟と意気投合する時が多く、キャラの類似性を肯定的に扱っている。 前作で大神との戦闘会話が叶わなかったエリカは今回大神と新たにペアを組むという形で会話が実現した。 よってさくらが大神とのペアを解体することになり、他のキャラ達を巻き込んで三人が修羅場に突入するというステージも登場した。 軸となるシナリオを分かりやすくした事で、前作のような全体がぼんやりとしたシナリオではなくなった。 『スパロボ』のように例えば森羅の新エージェントを主人公にして『ナムカプ』の主人公である有栖零児と小牟を準主人公に据えても良かったであろうが、あえてこの2人を(「別ゲー」とは言え)再び主人公にする事で今まで中途半端に伏線だけを残してあった2人のストーリーにしっかりと決着を付けた。 これまでの外部出演では主人公を食うほどに目立ち、「お前らが主人公をやれ」と散々言われていたが、今回は実際にそれを敢行し、上手くまとめている。 今までなし崩しで協力していた沙夜についても、はっきりと敵にした事で決着がついた。 続投キャラである零児達を主人公にした事で、ナムカプで共演済みであったキャラ達との交流も自然になった。 3人目の「森羅」の隊員である裏嶋千鶴(非戦闘員)や新たな「逢魔」の幹部であるシース(敵)の登場により、今まで全容が謎であった森羅・逢魔の設定に深みを持たせている。 時空を超えて各世界に突如現れた「金の鎖」の謎を解き、沙夜達「逢魔」の目的を防ぐのがメインストーリー。 鎖に関する謎も徐々にテンポ良く解かれていくので、シナリオも理解しやすい。 版権キャラに関しても前作と違い、大半はきっちり決着をつけられるようになった。 前作同様に物語終了後でかつ、前作で倒してしまった敵もいるが、今作は「敵の復活」がシナリオに大きく組み込まれており、前作のような「決着は原作で」という形が少なくなった。このため今作のボス勢はベガやパイロン、シグマといったラスボス級のキャラも多く登場している。 特にベガと決着を付けるシナリオは劇場版『ストII』を再現したものであり、劇場版を忠実に再現した専用のボイスと技演出がありファン感涙の出来となっている。 また、途中のイベントにも『ストZERO3』および『ナムカプ』を意識した流れが組み込まれている。 沙夜と同様に、前作で協力関係にあり決着がなあなあで済まされたジュリとT-elosは今回最後まで敵のままとなっている。 前作で目立った敵のいなかった『TOV』『スペースチャンネル5』からも印象的なボスが登場している。 とはいえ、決着の付かない敵がいないわけではないし、相変わらず問題にもなっているが(詳しくは後述)。 同じシリーズ内の時代の違うキャラのコラボも多数行われている。 『REVELATIONS』のクリス・ジルと『6』のレオン、初代のダンテと『3』のバージル、『Shinobi』の秀真と『Kunoichi-忍-』の緋花、『.hack//』のカイトと『.hack//G.U.』のハセヲが該当。 特にバージルは、その正体が自分自身と深く関わりのある敵・ネロ・アンジェロとも共演している。 『ナムカプ』や『PXZ』時とは参戦作品が変わったことでその前後の差もネタにされている。 分かりやすいのがアリサ。前作では無印準拠だったが今回は3年後の舞台である『2』からの参戦のため見た目が大きく変化しておりよく弄られる。 各世界を転々とするのは変わらずだが、前作の問題を改善している。 意図しない形で飛ばされる形式が減り、自発的に目的地を設定した上でその足掛かりとして繋がってしまった世界を進んでいく形になったので、ナムカプ本編や前作のようにひたすら振り回されて右往左往しているといった印象は薄くなった。 シナリオ間の会話シーンも増えボリュームがナムカプ並に。 移動手段にオリジナルの戦闘車両“龍亀壱號”を用意したため、前作同様にひたすら移動するのは変わらないが、移動中の交流シーンがきっちり描かれるようになった。龍亀壱號には宿泊施設やゲーセンなども含まれている設定であり、やや特殊だがキャラ同士の休養描写も見られるようになった。 具体的なゲームコーナーに置かれているゲーム名は作中では語られていないが、これは実は4社以外のゲームも置かれているからであるとのこと。 2周目以降のとあるシナリオでは女性キャラたちによる温泉シーンまである。 原作では肌を晒したことがない女性キャラですら、この温泉シーンでは例外ではない。更に、ゲーム本編では対応していない3DSのマイク機能やジャイロ機能がここでのみ無駄に活用されている。色んな意味で一見の価値あり。 非戦闘キャラも多数登場。 前作ではたった2人しかしなかった非戦闘キャラだが、転々とする各世界の非戦闘キャラが多数登場しており、戦えない(戦わない)キャラとの交流も描かれている。 しっかりボイスも収録。中でも『エンドオブエタニティ』のガリジャーノンは「なんじゃこりゃあ…」をフルボイスで完全再現…どころか、リーンベルの人選により原作よりパワーアップしている。なおネタだけではなくまともな部分にもボイスがしっかりと存在する。 システム面 ターン制への変更 敵味方がまとめて行動する形になった事で、戦闘にメリハリがつき、緊張感も上がった。 前作では敵味方入り乱れて行動する割には味方側の回復手段なども豊富にあったため、戦闘不能に陥る事も少なく緊張感もなかったが、敵ターンとしてまとめて行動してくるために、下手にユニットを単独行動させると集中攻撃に遭いあっさり戦闘不能になる事も多くなった。 味方側でまとめて行動できるようになった事で、サポートアタックも行いやすくなった。 前作まではユニットの攻撃が行動順に大きく左右されていたが、これにより行動、攻撃の自由度が高くなった。 通常技の使用回数を減らすことで、単調さを改善 チャージボーナスによって今使わなくても良い便利な技は次の戦闘に取っておくといった選択も考慮に入るため、「毎度毎度同じ技を使うだけ」といった前作の問題はある程度解消された。 どうしても使いやすい技はあるので、毎回使ってしまう技もあるが、前回に比べて単調さはかなり少なくなっている。 ユニット行動の利便さの改善 全体共有のXPと個々のユニットが保有するSPの2つのポイントにユニット行動の消費が分割されたため、それぞれの行動が前作より選択しやすくなった。 XP100%を消費する必殺技で敵を倒すとSPは初期値のMAXである100回復する。XPは技強化やSPを消費しないオートスキルで回復率を上げることが可能で、後半になればなるほど1回の戦闘でXP0%からMAXの150%まで溜めることが容易となる。積極的にSPを消費してスキルを使い、消費したSPを必殺技でどんどん回復できるゲームバランスとなっている。 反撃にはSP50を消費するが、前作とは違い反撃時も攻撃回数は3回で固定されているので、スキルと同様の運用による積極的な反撃で敵を蹴散らすことが可能。 複数技が強化されナムカプや前作と比べ実用化できるレベルに マップ中でも弱い雑魚ならまとめて一掃できるレベルであり、ボスへの削り手段としても有効。 サイドアタックとバックアタックの効果も乗るため、上手い位置を取れれば一気に敵を殲滅も可能。 前述の通りターン形式になった事で、XP回復の手間はあれど複数攻撃を連続使用しての殲滅といった事も可能になった。 方向性の概念による戦略性の向上 前述のサイドアタックとバックアタックの存在によりユニットの配置1つで簡単に倍近いダメージを与えることが出来るため、位置取りが非常に重要な要素となった。 これは敵から攻撃された時も同じことで、条件が揃えば敵ユニットの背後からの通常攻撃1発で味方ユニットが沈んでしまう可能性もある。 そのため、ユニット行動終了時に絶対に背後から攻撃されない位置にユニットを配置したり、どうしても落とされたくないユニットにはサイドアタックやバックアタック無効のスキルをかけておくといった戦略性が生まれた。前作では移動力が制限されるため鬱陶しい存在だった「ZOC」も、相手に横や背後を取らせないための要素の1つとして存在意義を増した。 全体的な味方側の攻撃力の上昇 通常技の使用回数が減ったことと、ネット上で確認出来る本作のスクリーンショットで敵のHPが前作の終盤のボス以上の値を示していることに、「前作以上に敵が硬くて面倒なのでは」と不安を覚える人も多いかもしれないが、本作では敵のHP以上に味方側の攻撃力が上昇している。 具体的なダメージ計算が前作とどう変わったのかは不明だが、終盤の必殺技持ちのHP10万代のボスですら攻撃力を底上げすれば1回の戦闘で倒し切ることは十二分に可能となっている。 前作では序盤を除いて単独攻撃としては役に立たなかったソロユニットのソロアタックも、技強化が出来るようになった他にペアユニットの攻撃力が反映されるようになったため、ダメージソースとして運用できるようになった。 ソロアタック1発で雑魚を倒し切ることも可能。 そして本作では、クリティカル、装備、技強化、スキル、クロスブレイク、ミラージュキャンセル、サイドアタックとバックアタック、状態異常、ソロアタックやサポートアタック等、攻撃力を底上げする手段が豊富に用意されているので、攻撃力不足で悩まされるといった状況は殆どない。 出撃数を絞った事による手間の削減 出撃数が制限されたことにより必然的に1つのステージに登場する敵ユニットの数も減少。前述のターン制の変更等も相まってゲームのテンポが劇的に向上している。 キャラ育成要素 レベルについては前作同様あまり差をつけられないが、一方で技の強化などの面ではキャラ育成によるプレイヤーの好みの反映を行いやすくなった。 装備のないソロユニットもソロアタックの強化やスキルの習得・選択等が可能で、前作のようにいるだけのキャラではなくなった。 2周目以降のやりこみ要素の追加 キャラ育成に関しては1周ではほぼ強化しきれないため、最強にまで育てるには周回での育成が必要になっている。 2周目以降には「チャレンジステージ」が解禁され、クリアする事で各キャラの最強武具が手に入るようになっている。 チャレンジステージは装備品以外のアイテム持込み不可。回復はステージ中に手に入るアイテムやスキルで対応する。 一定ターンで敵が強化されるステージや出撃数が1つに制限されたステージ、全ての敵が本編中のボスのみで構成されたステージ等、どのステージも特殊なシチュエーションが用意され本編とは違った難しさがあり、非常に遊び応えがある。 ストーリーも前作にあった2周目以降強制ハードモードはなくなり、1周目と同じ難易度で遊べる。もちろん、ハードモードにあたる敵レベルが増加した「アドバンス」モードも選択可能になる。途中で切り替えることも可能。 ミラージュキャンセルの回数制限が無くなり、XP消費減少やXP上昇率増加のスキルと組み合わせると強力なコンボが叩き込むことが可能になる。 なおDLCを購入すると、1周目から「アドバンス」モードと同等の難易度で、スキル枠追加に加え獲得資金とCPがアップした「SPアドバンス」モードが選択可能。 賛否両論点 シナリオ面 ネタ要素が強め 相変わらず本作のプロデューサーである森住惣一郎氏の作風が色濃く出ており、クロスオーバーが全体的にネタ要素に偏っている。シリアスシーンにもギャグ的な解決策が盛り込まれていたりと、全体的にギャグ要素が強めになっている。 クロスオーバーを楽しめるか、真面目にやれと思うかは人によって意見は分かれる。 前作でリストラとなった作品の基準が不明 本作は世界観やシナリオ重点に置いた理由からマイナー作品や世界観に合わない作品(キャラクター)は外された。 元々前作でマイナー作品が比較的多めと問題視する声もあったため、『ゆめりあ』『ダイナマイト刑事』『サイバーボッツ』等の不参戦は仕方ないと言える。 だがマイナーでもない作品、人気キャラクターであった『GOD EATER』シリーズのソーマと雨宮リンドウ。人気タッグだった『DEAD RISING』シリーズのフランク・ウェストと『ヴァンパイア』シリーズのレイレイも外された。 常連だった『ロックマンDASH』のトロン・ボーンとコブンやクロスオーバー作品の常連『ジャスティス学園』の一文字伐も何故か外された点にも不満が多い。 理由は言及されていないが各シリーズの最新作が未発売か打ち切り、当時のシリーズ作品で主人公を務めていなかったなど出しにくかったのでは?という考察されている。レイレイはおそらくフェリシアの交代(*4)でソーマと雨宮リンドウはアリサと同期のシエルとナナに交代したと思われる。 ナムカプをやっていないとついていけない 評価点の裏返しである。前作でも言われていた部分だが、今回はより割り切ってナムカプの完全な続編となっており前作から引き継いだオリジナル要素は極僅かである。前述したネタの数々も完全にナムカプをプレイしてクリアした層に向けられている。 特に「PXZ2」を銘打っているのにもかかわらず前作『PXZ』の主人公がリストラされて(詳しくは後述)、前作ではいち参戦作品扱いだったナムカプの主人公が居座るというのは、PXZから始めた層にとっては複雑な部分ではあるだろう。 ナムカプやPXZで存在した敵から味方になるキャラがいない PXZではこれが原因で敵との決着がつかない事が多発したので、なくした事で敵との決着はしっかりつけられるようになったが、やはり敵との共闘というのもお祭りゲーで期待される要素だけに一切ないのも寂しい。 一応、ナムカプ時代に敵側だった一八がある意味ではこのパターンに入るが、今作では完全な味方陣営であり、シナリオ冒頭で加入して以降、敵にまわることはない。 キャラとしての加入でなければ、複数必殺技として使えるようになるスケィスはいる。 前作と比較した場合の技の拾い性能 前作と比べてみると、全体的に敵を拾いにくい技が増えている。前作と同じ感覚で技を出すと敵を落としてしまいがちになるため、前作経験者ほどその感覚の違いに戸惑う事になる。 問題点 シナリオ面 いくつか決着のつかない敵キャラと残った謎 前作でもあった問題だが、「シナリオ途中で転移して来た」タイプの作品は今回も決着は元の世界に持ち越している。 加えて、「現時点より後の原作で敵の正体の謎が判明する」敵に関しては、何となく正体を匂わせる程度には答えが出るものの、明確な答えは出さないままにフェードアウトする。 原作のネタバレ防止の面もあるのだろうが、どうにもモヤモヤとしたまま終わってしまう。 原作設定との齟齬 クロスオーバーゲームでは避けられない面もあるが、一部の原作設定との食い違いはファンからすると違和感を覚える。 アティの抜剣覚醒は、『果てしなき蒼』になるまでは原作では使用する度にカルマ値が蓄積されバッドエンドに分岐してしまうという曰く付きの技だが、今作ではソロアタックの度に覚醒し、シナリオ上や戦闘前会話でも持ち芸のひとつのような軽い扱いで覚醒している時がある。 前作同様『TOV』は原作ではED後には消滅しているはずの『魔導器(ブラスティア)』を当然のように使用している。『魔導器』の話題が一切出ないならばまだしも、シナリオでもそれなりに話題に上がるため余計にわからない事に(*5)。 本作のシナリオ中の台詞でユーリ達が原作のラスボスであるデュークと和解していることが分かるが、原作でのデュークとの和解は『魔導器』の消滅が絶対条件である。デュークとの対立の原因でもある「"魔導器" が持つ問題」を解決する新理論は『TOV』作中で完成しており、EDではそれを用いた新しい道具の開発研究をしていることになっているので、それが実用化された上で「新型の "魔導器"」と呼んでいるのであれば一応の説明はつくが、なのであればせめて一言されるべきそういう説明は本作中一切されない。 スマートフォン用ゲーム『テイルズ オブ アスタリア』で登場する『魔導器』はこの新技術らしき設定が盛り込まれているが、原作と本作で完結しない考察をプレイヤーに求めるのは流石に酷であろう。 ダンテは時期的に「初代のmission4の途中から参戦」という形になっているのだが、使用する剣が初代で登場したフォースエッジやアラストルではなく初代では登場しないリベリオンになっている(*6)。また、キャプテンコマンドーとの掛け合い会話でダンテは「イフリート(籠手)を持ってこればよかった」と発言しているが、原作の時系列ではまだイフリートを入手していない(*7)。 ジェミニは髑髏坊と面識があることになっているが、原作では二人の間に面識はない。森住氏は髑髏坊について、『サクラ大戦V』をプレイして絶対に出さなきゃダメだと思ったと本作発売前のファミ通インタビューで公言しており、原作との辻褄合わせよりも作品としての完成度を優先した故の改変と思われる。 これらの原作とは辻褄が合わない設定に対して、成歩堂のように独自の補完設定もない。 戦闘中のペアユニット同士、ソロユニット同士の掛け合いがないのは相変わらず 日常会話シーンでの交流が前作よりも増えた他、前作から続投したキャラは組み合わせが変わっているのが大半なので、前作ではなかった掛け合いがあったりはするのだが。 前作の掛け合いでうららがやたら他人の地雷を踏む事を批判されていたが、本作ではエステルがやたらと地雷を踏む。うらら同様エステルも原作ではそんなキャラではない。 一部作品の扱い 特に顕著なのは『スターグラディエイター』で、作中屈指の人気キャラであるジューンが参戦しているが、本来の主人公であるハヤトはまさかの敵としてのみの登場である。 原作でも登場した裏キャラ・ブラックハヤトとしての登場であり、ハヤトの精神はほぼ飲み込まれた状態である。最終的に救助には成功するものの、そのまま戦闘に参加する事はなく終わってしまう。復帰して仲間になるのを期待していた原作ファンも多かった。 開発陣のコメントによると「中華服枠としてジューンを参加させる」というのがまず念頭にあったらしい。そのために関係のある敵キャラを出そうとしたのがこの結果だろう。とはいえ原作の音沙汰が無いため貴重な再登場の機会だっただけに余計に残念である。 『バーチャファイター』の敵キャラとしてデュラルが出てくるのだが、ベガに使役された状態でコピーのV-デュラルが出てくるばかりで、オリジナルデュラルに関してはベガ撃破後にふらっと出てきて何となく倒すだけという拍子抜けな最終決戦になってしまっている。 一応、そのステージのデュラルは『鉄拳TAG』のアンノウンと組んで立ち向かってくるのだが、その際の構図が「息子VS母親×2ユニット」(人によっては3ユニット全部と考えている人も)というクロスオーバーならではのシチュエーションとなっている。が、そんなやりようによっては盛り上がるシチュエーションも、実際には全く盛り上がらない訳だが。 前述の通り、シリーズ内でも時代の違う作品がコラボされているが、その結果、敵や軸となるストーリーはどちらかに偏ってしまっている。 中でも『Shinobi』と『Kunoichi-忍-』に関しては、両作ともに初参戦ながら完全に『Kunoichi-忍-』に寄ったシナリオになっており、『Shinobi』の再現要素は殆ど存在しない。この2作品だけで言えば、『Kunoichi-忍-』の世界に迷い込んだ原作開始前の時系列の秀真といった状態で、シナリオ上の存在感が非常に薄い。ストーリー上では秀真の武器である悪食が完全に覚醒する前のため、実質的に原作の実力の半分も出していないことになる。 そのためか本作の秀真は原作では使用していない他の忍シリーズ(『ザ・スーパー忍』や『シャドウダンサー』等)の技を使用する。これに関しては開発スタッフの許可を得ている。 ただし『Shinobi』の原作は首都が壊滅するところから物語が始まり、一刻の猶予もない状況を描いているため、無理に組み込めなかったものとも思われる。 前作同様、『サモンナイト3』『龍が如く』『SCV』など、原作でのボスクラスの敵がいない一部の作品はどうしても空気になりがちである。 これらの作品に関しては登場キャラの濃さで目立っており、他の作品のボスとの因縁が用意されていたり原作のステージが再現されていたりするので一概に不遇とはいえないが、『SCV』のナツは設定こそ『ナムカプ』で登場したタキの後継者という続編らしいものになっているが、実際は因縁のあるボスもステージもなくシナリオ上で目立った活躍もない、と扱いが一歩劣る(性格のためか会話では目立つが)。 逆に『サクラ大戦』シリーズは味方4人全員がペアユニットという唯一の作品(*8)であり、同じく前作でも『サクラ大戦』のみの特権だったため優遇されていると感じるプレイヤーもいた。 これはサクラ大戦の参戦条件にヒロイン3人を同格に扱うというものがあり、そのためそのうち1人をソロユニットに降格できないのが原因と言われている。 ショップ店員キャラの改変 作中、様々な場面で空気を読まずに店ごと登場するシルフィーとみゆきだが、原作とは異なり「お客様は平等」というスタンスの元に行動しており、敵の増援を呼び込んだり(結果的にとはいえ)敵側に戦力を提供したり味方の情報を漏らしたりといった、はた迷惑なキャラになってしまっている。シルフィ―が敵に利用された際に、味方に対して「(償いとして)情報を売ります!」と叫ぶ始末(*9)。 シルフィーはナムカプの参戦時から守銭奴キャラとして描かれていたが、それでもあくまでプレイアブルとして明確に味方側についていたため、今回中立の立場に終始し、戦闘に参加しないことに余計に不満が出ることとなった。これについては劇中キャラたちもハッキリ言及している。 キャラ描写面においては腹黒さが強調されている嫌いがあり、「今の内に恩を売っておけば……」などとのたまいつつ顔に影の差した腹黒い笑顔を見せたりと、ナムカプ本編では見せなかった表情や言動がやたら多い。守銭奴設定はナムカプ時代からとはいえ、そちらを経験済みのプレイヤーからすれば態度が豹変しすぎに見えてしまう。『ナムカプ』でも緊急時に重要な情報を売ろうとしてとがめられた際、沈黙した挙句に嘘を教えてごまかそうとするなど黒い面をそこはかとなく見せはしたものの、ここまでではなく、いざという時には危機を知らせに駆けつけるなど積極的に助力して頼れる一面も見せてくれていたのだが。 また中盤に味方にその度を越した中立っぷりを責められた際に誠意として、原作からおなじみのあの服が販売されるが、原作やナムカプ同様物凄く高く1周目の解禁時期に購入はほぼ不可能。買えないほど高い服の販売を誠意として掲示されたところでどれだけのプレイヤーが納得できたのか…。 同じくナムカプでプレイアブルだったたろすけも今回戦わないが、こちらはキャラの改悪がなされない役回りであり、批判は少ない。 みゆきについては参戦当たって初めて詳細なキャラの掘り下げがなされたレゲーキャラだが、『納得のいかない対応をすると無表情で両目を見開き恐喝まがいの態度で売り込みをしてくる裏表のある性格』という、ある意味シルフィーよりも反感を買いやすいようなキャラにされている。 実は、原作でショップに出入りする際に、何も買い物せずに帰ると『「ありがとうございました」の一言を言わず無言で見送る』という形になるのだが、その点がプレイヤー間でネタにされ「実は意外と裏表がある性格」などとも言われていた他、当時のゲーム雑誌でもこのような演出をキャラの腹黒さと捉えてネタにした文章が書かれたこともあったりした。恐らくはそこをネタとして強調した描写と思われるため一概に改悪とは言い切れないが、初参戦にしてはクセの強すぎるキャラメイクと言わざるを得ない。ヒロイン以上に人気のあるキャラだったけに尚のことである。 両者ともに、森住氏が頻繁に描く「悪徳商人キャラ」の癖が強く出てしまっている。 その他、シナリオの問題点 一部の「死んだ自分の目上のボス」を復活させるという目的を持っている原作での中ボスにあたるキャラがほぼ全員その目的を達成させずに死んでいくため、シナリオで見れば「味方で頑張って阻止した」ように見えないこともないが、不完全燃焼な対決で終わってしまう。 とはいえ、そのうちの一人、原作ラストで和解している『サクラ大戦V』の信長は復活しない方が自然ではある。 エイダは序盤であるレオンの登場回で同時に登場するが、その登場回の途中で特に何かをするわけでもなく抜けて行った後、エピローグまで登場しない。 終盤の会話シーンにてレオンに対して通信で情報を与えるという形で出番があるものの、仲間の口を通じて通信があったことが間接的に言及されるだけで顔見せもセリフもない。 『逆転裁判』がメインになるあるシナリオでは成歩堂と御剣が実際に法廷に立ち、原作さながらの法廷バトルが開始される…と思われたところで問題が解決してしまい、結局裁判をやらないまま終わってしまう。 賛否にもある通り、ギャグ的クロスオーバーによる解決と、あくまでSRPGなので法廷バトルを長々やるのは避けたのかもしれないが発売前のPVでは裁判直前のシーンが使われており、裁判を期待した逆転裁判ファンからすれば肩透かしになってしまった。 同じ回に登場するNPCの乙姫やたろすけと比較しても、御剣のストーリー中の台詞量はエイダ同様に極端に少ない。クロスペディアには本編で使われていない御剣の立ち絵がいくつか存在する。 未登場キャラの名前を出さない事で少々不自然になっている箇所も多い。 パーティが分断された際に、その場に存在しないキャラクターが喋る事もある。 前作主人公の扱い 前作のオリジナルキャラであり主人公の天斎小吾郎と黄龍寺美依は、今回その後の動向や零児達に協力している事が他キャラから語られるだけで、物語上では姿を見せない。 前作で主人公としての魅力や存在感が薄いと散々に批判されてはいたが、PXZの続編である今作に前作の主人公が参加しないというのはやはり寂しいものがある。再登場して前作の不評を払拭する活躍を望む声もあった。 ネタ方面でもジューンが声優ネタとして美依の口癖を真似するシーンがある程度である。今作では忍者キャラが複数名参戦しており家庭教師であるアティも登場しているので、同じ特徴を持つ小吾郎は前作以上に格好の話の種になっただろうに…。 「金の鎖」というキーワードで巧みにシナリオを引っ張っていく構成は評価されている一方、「ナムカプ本編の展開をなぞっているだけで新鮮味がない」「シナリオ途中でラスボスが予想できた」「やはり単調さが否めない」といった意見も少なからず聞かれる。 上述のように、ナムカプ本編や前作と異なってしっかり物語の展開にメリハリがつけられているが、肯定的に受け止められるかどうかはプレイヤー次第だろう。 また、事態の解決にナムカプを意識した展開が多いことについても好意的な意見がある反面「二番煎じ的」という声もある。 演出面 演技の変化 イングリッドは原作と同じ城雅子氏が演じているが、10年以上経ってからの収録のためか演技指導のミスなのか演技が大きく変化しており、声優が変わったと勘違いされることが多くあった。 原作では普通の少女のようなトーンだったが、今回はお婆ちゃんのような声質に変わっている。 システム面 マップの見にくさは相変わらず 前作同様、余り大きく視点を動かせないので、建物の影などは相変わらず非常に確認しづらい。 特にロックマンXステージなどはマップ上でダメージを受ける仕掛けが多く存在するにも拘らずかなり見づらい。 やはりアイテムが余る 所持上限と別にマップに持ち込み可能な上限が設定されたが、それでも十分すぎるくらい持ち込めるので、体力回復の点で言えばアイテムによる回復で十分賄える。 新システムのミラージュキャンセルがほぼ死に要素 まず基本の消費であるXP100%が重すぎる。同じXP100%消費であれば、必殺技を使った方が手っ取り早いし、遅くせずともクリティカルが安定するのであれば、ダメージ面でも必殺技が勝る。 次にキャンセルポイントの猶予時間がかなり短い(*10)ため、安定させるためには練習が必要。共通の目印があるわけでもないので、各キャラの技ごとにタイミングを覚えなければいけないのもつらい。 これらの理由で、使用回数に制限のある1周目ではまず出番はない。 2周目以降は1戦闘中の使用回数制限がなくなるため、技ごとのキャンセルポイントを覚え、XP消費量を減らすスキルを併用する事で1戦闘中に何度もミラージュキャンセルを行う事も可能になるが、それでも入念な事前準備が必要な事とキャンセルの難しさもあってハイリスクハイリターン。 結局、使わなくてもクリアに支障がないため、使われないままになってしまう事が多い。 技の強化が結局使い勝手の格差を広げがち ダメージよりも状態異常を優先させる必要が出てくるのがクリア後のチャレンジステージくらいなので、技の強化も攻撃力優先で使用頻度の高い技の強化に偏りがちになる。 結果として、使いづらい技は強化されず余計使われないままになってしまう。チャージボーナスがあるので、他の技の温存のために使う場面がなくもないが、逆に言えばその程度の出番しかない。 状態異常としても反撃を封じられる崩しと、その効果に加えて攻撃されるまでは3ターン動けなくなる気絶が非常に強力。 味方の火力がかなり高くなっている事もあり、DLCのSPアドバンスモードのほうが1周目から状態異常を駆使したりと試行錯誤できてやりがいがあるという意見も。 クロスブレイクが使いづらい クロスブレイクによる威力上昇やクロスブレイク時に発動するスキル等の恩恵はあるものの、それ以上にクロス中の攻撃を空振りさせる原因になってしまう事の方が多い。 トレーニングモードで敵と背景が選択できない 凝ったものが多いだけに残念とする声が強い。 バックログ機能がない シナリオが面白いだけに、読み逃すとステージの最初からやり直さなければならないのは不便。 セーブデータスロットの減少 前作ではセーブデータのスロット数が15だったが、本作では8とおよそ半分にまで減少している。RPGとしては十分だが、シナリオが面白いだけに、大量にセーブデータを残しておきたい人にはきつい変更。 インターフェイスが今ひとつ使いにくい スキルを味方に使用する場合、使用されるユニットから一度切り替える必要がある。 ステージ開始時の出撃キャラ選択は、最初にキャラが強制的に配置され、その後ユニット編成を選んで出撃キャラを外して変更するが必要がある。選択も微妙にやりづらくテンポが悪い。 下画面の切り替えがやりにくく、文字も小さい。また、ユニット切り替えの反応も良くない。そのため、ステータスや発動している効果の確認がやりにくい。 特に戦闘中や編成でのステータスの確認は下画面のみであり、一般的なメニューから入れるステータス画面は存在しない。反応もよくないため、タッチペンを無理矢理使わされている感が否めない。 またショップではショップから出る時の台詞を飛ばす事ができず、ボイスが終わるまでショップから出る事ができない。 よく似たシステムのスーパーロボット大戦などと比べると、こなれていない部分が目立つ。 BGM関連 2周目以降のプレイではBGM設定が通常通りの「ノーマル」、ユニット行動毎にBGMが不規則に変化する「ランダム」、味方ターンのBGMがシステム設定で再生中のものに固定される「鑑賞中のBGMに固定」の3種類から選べるようになる。スパロボのようにユニット毎に自分の好きなBGMを設定することは不可能。 これだけなら前作とほぼ同じ仕様だが、前作ではステージ中でも行えたBGM設定が本作ではステージ前のインターミッションでしか行えない。1度「鑑賞中のBGMに固定」を選んだ場合、そのステージをクリアし終えるまでは味方ターンは同じBGMが延々と流れ続ける。 前作からクオリティが劇的に向上したことと前作で出来たことが出来なくなったと考えると、非常に残念な仕様としか言いようがない。 ちなみに、限定版であれば原作BGMと通常BGMの選択機能を利用して、ステージ中でもシステム設定画面内限定で任意でBGMを聞くことは出来る(本作出典のオリジナルBGMは選択機能に対応していないため不可能)。 チャレンジステージでは設定関係なしにBGM固定にされてしまう。 BGMデータが高圧縮され、音質が低下した。 恐らくは処理負荷の問題と思われるため仕方ない側面もあるが、一部の楽曲は限定版のサントラに収録されているものの限定版自体が一部の店舗でしか購入できず、本編で流れるすべての曲が収録されているわけではない。楽曲自体のクオリティは前作から大きく向上しているため、非常に惜しいところ。 バグ 戦闘終了時の立ち絵が表示される瞬間にソフトリセットするとフリーズする。トドメを刺すつもりが刺せなかった(もしくはその逆)のでリセット、というプレイスタイルのプレイヤーがこのバグによく引っかかった。 また、 KO演出をONにした状態でカイト&ハセヲの必殺技で敵を倒すと〆の一発がヒット数に換算されない というものがあり、コンボの繋ぎ方次第では「ヒット数が1足りない」という状態に陥ってしまう(*11)。 総評 シナリオ、システム面といくつか改善しきれていない問題も残っているが、前作の良さはそのままに前作の問題を改善した良質なクロスオーバーゲームに仕上がっている。 限定版のみではあるが、お祭りゲームとしては稀に見る原曲BGMの収録を達成しており、原曲そのままのBGMを背景に戦う事が出来るのは原作ファンにとって嬉しい限りである。 また、ナムコクロスカプコン本編から本作に明確に繋がる形で入った要素も多いため実質的にナムカプ2ともいえるゲームにもなっており、零児や小牟のファンにはぜひ手に取ってもらいたい一作である。 余談 限定版には特典として、『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説 with シャオムゥ』のプロダクトコードが付属している。 PSの『ナムコアンソロジー2』に収録されていたアレンジ版『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』を元に、本作のヒロインである小牟をプレイヤーキャラクターとして追加したもの。3DS向けにインターフェイスの最適化も行われている。 プロダクトコードという性質上、新品を入手しなければ遊ぶことができない可能性が高い。限定版は限定生産な以上、今では新品を置いている店はまずなく、そもそも発売前の時点で予約枠が狭く予約購入でも少々難があったため今から遊ぶとなると新古業者などからプレミア価格での購入となってしまいがちなのが難点。 ニンテンドーeショップにて、全3話をプレイ可能な体験版が配信されていた。 前作の体験版は起動回数7回だったが、本作の体験版は30回まで起動可能。 周回プレイが可能で周回を重ねると敵ユニットが強化されていくが、それに応じて製品版で使用する装備と資金、CPが入手出来る仕様だった(特典が付くのは10周目クリアまで)。 今作が制作された経緯には前作の海外版が非常に好評であった事が大きく関係しており、今回の参戦作品は海外での人気を強く意識した選出がなされている。 ちなみに森住氏は前作で参戦していた『無限のフロンティア』のキャラによるクロスオーバーネタを考案していた模様。 3メーカーに加えて任天堂が参戦することは当初は伏せられており、東京ゲームショウ2015にて正式にメーカー参入と2作品の参戦が発表された。 『逆転裁判シリーズ』は前作の時点で参戦の予定があったが、同時期に『レイトン教授VS逆転裁判』が進行中であったため、参戦は本作まで見送られていた。 尤もどんな作品にしろ一般人が殴り合いに参戦する事をそんなに望むユーザーなんて居ないだろうが。 ショップ店員はセガ側のみキャラが存在しないが、企画段階では『サクラ大戦』のシー・カプリスが候補に挙がっていた。だが、バンナムとカプコンのショップ店員と違い、『サクラ大戦』はユニットとして既に参戦していたため、結局これは実現しなかった。 他には『ファンタジーゾーン』の風船を登場させる案もあったが、そもそも原作では風船は店員ではなくショップそのものであるため、流石に無理があったとの事。 『龍が如く』は本編でなく外伝・パラレル作品であるOTEの参戦だが、これについては『龍が如く』の本編シリーズが現実の時間(発売時期)と同時進行で密接に進むストーリーであり、本作発売当時は『5』と『6』の間の空白の期間であったため制作側が「本編シリーズを絡ませるとこちらの本筋に少なからず影響が出るかもしれないから」と進言したことによる措置である。後に発売された『6』では本作に繋がるような描写は当然存在しない。 本作で参戦作品から外れた『スーパーロボット大戦シリーズ』のゼンガーとハーケンだが、後に『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』に参戦。「新西暦の世界へと転移したため参戦できなかった」という理由が付けられ、限定版特典ブルーレイにて『PXZ』後日談にして『OGMD』前日談となるピクチャードラマ「ゼンガーの帰還」が収録されている。 ただし本作には参戦しておらず、SRPGの二大巨塔と言える『スパロボ』と『FE』の共演は惜しくも成らなかった。 前作と本作のプロデューサーの石谷浩二氏とディレクターの森住惣一郎氏は2017年3月末でモノリスソフトを退職、両名にとって本作が同社での最後の仕事となった。 同時に、『ナムカプ』『ムゲフロ』シリーズから続いてきた一連のストーリーが本作をもって完結する事が明かされた。 2017年6月29日をもって、本作のDL版と体験版、そしてDLCの配信が全て終了してしまった。そのため、現在新しくプレイしようとする場合は「SPアドバンスモード」の解放が出来なくなってしまっている。
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悪魔くん 魔界の罠 【あくまくん まかいのわな】 ジャンル RPG 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 バンダイ 発売日 1990年2月24日 定価 5,800円 判定 なし 原作者関連作品リンク 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 概要 「エロイムエッサイム」という呪文でおなじみ、水木しげる氏原作の『悪魔くん』のアニメ版を元にしたRPG。 一万年に一人現れる人間界に楽園を築くと言われる「悪魔くん」として認められた主人公・埋れ木真吾が、12使徒を仲間に加えつつ人間界に災いを起こす悪魔を退治していく、という原作に則ったストーリーが展開される。 ゲームとしてはドラクエタイプのRPGだが、自由に仲間を召喚して戦わせる戦闘システム、自分で魔法を研究して修得する実験システムなど特徴的なシステムを搭載した意欲的な作品である。 特徴 基本システム マップはトップビューとサイドビューの組み合わせになっている。 世界中を移動するマップ画面とダンジョンはトップビュー形式。上下左右に自由に移動出来、町などを目指す。 町中ではサイドビュー形式になり、十字キーの上下ですれ違った人と会話したり、施設に入ることが出来る。 最初の舞台である「にほんのまち」にある電柱から魔界へ行くことが出来る。魔界にはパスワードを聞いたり、後述の実験が出来る「見えない学校」がある。 町中をのぞき、セレクトボタンでメニュー画面になり、仲間の入れ替えや魔法、アイテムの使用が出来る。 12使徒の召喚・使役 仲間になった12使徒はメニュー画面や戦闘中に自由に召喚することが出来る。 召喚するには12使徒ごとに消費量が異なるコントロールパワー(CP)を消費する必要がある。 レベルが上がっても消費CPは変化しない。 マップ画面で連れ歩ける使徒は3人までに制限されているが、戦闘中はそれ以上の数を召喚することも可能。ただし、戦闘中に召喚した使徒は戦闘が終了すると魔界に帰ってしまう。 戦闘中ならば一度に複数召喚することが可能。1ターンに1体ずつ…などという余計な手間は必要ない。 12使徒のレベルは悪魔くんに依存しており、悪魔くんがレベルアップすれば12使徒も強化される。 戦闘中、使徒に取らせられる行動は「たたかう」と「めいれい」の2種類。 「たたかう」の場合はオートで攻撃を行う。制御できない代わりにCPも消費しない。 「めいれい」の場合はCPを消費する代わりに自由に魔法を使わせたり出来る。このコマンドでないと使えない魔法も存在する。 使徒には「機嫌」のパラメータがあり、ステータス画面で顔マークで表示される。 機嫌が悪くなると命令を聞かず、戦闘に参加しなくなってしまう。機嫌は悪魔くんの持つ「ソロモンのふえ」を使うことで回復できるが、1度に回復できる使徒は1人ずつ。 最悪、勝手に帰ってしまう事もあるが、機嫌が良い場合は戦闘に駆けつけてくれることもある。 中には機嫌に関係なく、悪魔くんがピンチの時に高確率で駆けつけるメフィストII世、弱い敵程駆けつけるこうもり猫などもいる。ただし、前述の通り機嫌が悪いと勝手に帰ってしまうため駆けつけておいて何もせず逃げるという理不尽なことが起こる。 魔法陣魔法の実験 悪魔くんは魔界にある研究所で実験を行うことが出来、実験に成功すると新たな魔法陣魔法を修得できる。 実験を行うには1度につき20Gのお金と魔文字屋で購入出来る「魔文字」が必要になる。 魔文字は6種類存在し、これを魔法陣の六ヶ所のポイントに当てはめていくことで実験を行う。中には同じ魔文字を複数使う魔法も存在するため、当てずっぽうでは中々成功しない。 修得した魔法は研究所にある辞典に登録され、効果や必要となる魔文字の組み合わせを確認出来る。 戦闘で修得した魔法陣魔法を使用するには、魔文字を消費する必要がある。 使用自体は通常の魔法と同じで、一覧から選択するだけで良い。必要となる魔文字は自動で必要数が消費される。 魔文字は1種類につき20個までしか所持できないので、使用タイミングが重要となる。 なお、使徒は最初から各々が使える全ての魔法を使うことが出来、レベルが上がると威力も向上する。魔文字は消費しない。 評価点 なんと言ってもシステムの完成度が高い。 召喚できる使徒は最初から半分の6人いるので序盤から自由なパーティー編成が楽しめる。 使徒たちは使える魔法、耐久力などでしっかり差別化できているので有利不利がほとんどなく、全員に活躍できる機会がある。 一見弱い幽子やピクシーだが、幽子は「マメユーレイ」で大量にCPを回復したり「ヨウマキョウ」で3回まで攻撃を無効化可能、ピクシーは唯一回復が使える、と弱いなりに重要な役目を持っている。攻撃能力を持たない補助専用のヨナルデパズトーリなんてキャラもいる。 攻撃力が魅力的な家獣は「シルド」で防御を固めるという重要な役割も持っていたりと、オートと命令時ではガラリと使い方の印象が変わるキャラも。 当時としては「自分で魔法を開発する」というシステムは非常に珍しく斬新だった。 実験のヒントは町の人々が教えてくれるので、しっかり情報収集すればだいたいの魔法は修得可能。 このため、特定の縛りプレイ等もよく行われている。 戦略性の高い戦闘。 敵の弱点を突くことが非常に重要。このため仲間のチョイス次第で難易度が劇的に変わってくる。 補助魔法がかなり強力で、重ねがけも有効なためうまく使えばそれだけで有利になる。 序盤の低コストのメンバーほど重要な補助魔法を持っているので、彼らを活用することで難易度は劇的に変化する。 悪魔くん自体はどちらかと言うと弱く、ソロモンのふえや魔法陣魔法でのサポートが主な役目となる。 戦闘中は12使徒全員で戦うことも可能だが、それだとソロモンのふえでの回復が間に合わないため、召喚する使徒を厳選するのも重要。いかに使徒を使役するかが悪魔くん(プレイヤー)の課題となる。 魔法陣魔法は前述の通り使用回数がかなり限られているが、非常に強力なためここぞという切り札となる。 追加効果を持つ魔法も多いので、低レベルクリアにおいては魔法陣魔法は必須。 ゲームバランスも良好。 序盤から敵が強めだが、しっかり使徒を使役すれば問題なく戦える。序盤は無料の回復所(悪魔くんの家)もあるので、CPを気にせずに戦っていける。 上記の通りレベルを上げたり、ゲームが進めばCPの回復手段も増えていくのでCPの問題は解決される。 使徒は魔界に帰すとHPが最大まで回復する。この効果は倒された場合も有効なので、CPさえ残っていれば戦線を立て直しやすい。 戦闘に負けても所持金が半分になって戻されるだけのドラクエ方式なのも親切。 グラフィックや演出。 悪魔くんと12使徒、ファウスト博士など主要なキャラクターには顔グラフィックも用意されており、かなり原作に忠実。 戦闘中の召喚や魔法陣魔法を使用する際には、悪魔くんおなじみの「エロイムエッサイム…」という詠唱シーンもアニメーションで再現される。この演出がまたかっこいい。 ボスキャラはかなり巨大で、迫力のあるグラフィックになっている。 BGMも良い。 タイトル画面やマップ画面ではアニメ版OP「悪魔くん」のサビやアレンジが流れ、他の曲も良曲ぞろい。 ダンジョンのBGMはなかなか不気味。世界中が舞台のため、各町のBGMはその国の特色を出していて雰囲気良好。 問題点 戦闘のテンポはイマイチ。 戦闘メッセージの速度を変えることが出来ないため、地味に1戦闘に時間がかかる。 ソロモンのふえを使った際の演出も地味に長く、飛ばせない。(*1) モンスターの名前にA、B、Cなどの識別子がつかないため、どのモンスターが回復したのかなどの判断が出来ない。 当時としては仕方ないかもしれないがモンスターの種類が少ない。中盤以降は延々同じ敵が出てくるのでダレやすい。 魔法には同じ属性で単体魔法と全体魔法があるが、全体魔法の方が威力・効果範囲ともに優れているため単体魔法は微妙な存在になっている。 前述のようにどの魔法を使ってもCPコストは固定のため、よけい単体魔法を使う理由が薄れてしまっている。 一応、マメユーレイでのCP吸収時に敵を倒さないよう調節するなどの使い道はある。 一部の魔法陣魔法が強力すぎる。 前述の通り、魔法陣魔法には追加効果があるのだが、一部が強力すぎて完全なバランスブレイカーである。 特に顕著なのがバットとドボム(ダメージ+攻撃力低下)で、下げ幅が大きく非常に強力。 このゲームではバフ・デバフの効果は永続なので、当たりさえすれば極低レベルでもクリアが容易となる。 家獣のシルドと併用すれば、レベル10ちょっとでもラスボス相手でも被ダメージ1桁なんてことも… フレアラー(ダメージ+防御低下)は、本来ヨナルデの特技「ジテン」でも守備力を落せない敵でも落せるため、2つを併用することで更に難易度は落ちる。 一方で、仲間と違いミ系の魔法陣魔法は単体版と同じ威力で追加効果が無いため、殆ど死に魔法となってしまっている。 残念ながら百目や鳥乙女といった序盤の攻撃特化キャラは中盤以降は使いにくく、戦力外になりやすい。 CPコストが安く、機嫌も悪くなりにくいという利点はあるが、後半は妖虎やユルグ、メフィスト2世らに出番を奪われ以後メンバーは固定されがち。彼らは彼らでCPコストが高い、機嫌が悪くなりやすいといった欠点があるので運用には気をつける必要があるが。 攻撃にメインアタッカー群が持っていない属性が付いているため生かせれば良いのだが、弱点を突いても低攻撃力を補うには至らない。百目はともかく鳥乙女は顕著。 初期救済気味な6キャラが後半微妙になるのはある程度仕方がない部分もあるが、参入が遅くなりがちなサシペレレもオートで全体攻撃を撃つことがあるメリットはあるものの、行動が中途半端で使いにくい。 アイテムの売却ができない。 また、悪魔くんの装備品であるタロットカードは新しいもので上書きされてしまう。最強のタロットはカジノの景品であるが、ひとつ下の威力のタロットは店売りなので誤って上書きして弱体化…という可能性もある。 ストーリーは東嶽大帝を倒すのは原作通りだが、簡略化されすぎている。エンディングも非常にあっさりしている。 基本的にレベル上げとお使いがメインなので、延々と戦闘の繰り返しになりやすい。このため、単調さを感じやすい。 ゴールドと魔文字、そして組み合わせさえ知っていれば序盤でも全ての魔法を修得することが出来るため、余計やれることが少なくなってしまうという欠点もある。 終盤、とあるダンジョンをクリアすると魔界以外には行けなくなってしまう。 また、このダンジョンは落とし穴を回避しながら進むことになるのだが、その判定が非常にシビア。ドット単位で位置合わせをしないとすぐ落ちる。 魔界でも買い物や回復は可能だが、カジノに行くことも出来なくなるため上記の最強タロットを取れなくなってしまう。 パスワードコンティニューである事。 上記の通り、本作はわりと複雑なシステムがあるためパスワードは28文字とかなり長い。 一部のバグ 開始直後から行ける日本エリアの九州のあたりのエンカウントはストーリー中盤の敵と遭遇するため、低レベルで近づくと全滅確定。理不尽な強敵とのエンカウントはRPGではよくある話ではあるが…。 そしてストーリー中盤以降、世界が変わった際にこのエリアに近づくと高確率で本作のラスボスと通常エンカウントして激しくバグる(厳密には表記のバグったラスボスと登場時のSEが流れてフリーズする)。こうなるとリセットするしかなくなってしまう。 総評 全体的に完成度が高く、バンダイ製キャラゲーの中でも佳作に入る秀逸な作品。 戦闘やお使いが中心のためやや単調さを感じやすいプレイ感覚が玉に瑕だが、ゲーム自体はよく纏まっておりマイナーRPGの中でもかなり遊べるタイトルである。 バンダイもやれば出来るというところを見せつけた一本だが、あと一歩足りないところはやはりバンダイか。 余談 バンダイキャラゲーの中でもかなり良質な作品であるが、開発者については謎に包まれている。 当時のゲームでは珍しくないことだが、スタッフロールがないので確認がとれないのである。 しかしプログラム・グラフィックの作りやサウンドドライバーの他タイトルとの類似性からトーセ製である可能性が極めて高いようである。 画面が乱れた状態でゲームを開始しエンカウントすると、没悪魔と遭遇する事がある。ただし、グラフィックは乱れている。 中でも「ばけがらす」は専用のグラフィックがデータ上に存在するものの、上記の理由によりゲーム中に拝む事は出来ない。 実は、本作のパスワードはかなり適当に入れても通ってしまう。これにより、通常では不可能な状況でプレイを開始することも可能。 具体的に例を挙げると、どんな適当な文字列にしても最後の1文字を数字の1~0に変えるだけで必ずどれかは通る。プレイ環境がある人は確認してみて欲しい。なお、全文字を2、ラストを9にすると悪魔くんの武器がこのバグパスワードによくある「ヨイショ」になっている以外は最強のデータでラスト直前のデータである。 ただし、中には必要アイテムを所持せず開始するという地雷も存在するので注意が必要。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3186.html
アフターバーナー 概要 開発経緯 ストーリー ルール 操作方法 特徴・評価点 『I』独自の特徴 賛否両論点 問題点 総評(I) アフターバーナーII 概要(II) 『I』からの変更点(II) 評価点(II) 問題点(II) 総評(II) 移植 関連作品 海外でのみ販売された移植作、続編 余談(II)(稼働状況について) アフターバーナー 【あふたーばーなー】 ジャンル 3Dシューティング 対応機種 アーケード 発売・開発元 セガ・エンタープライゼス 稼働開始日 1987年7月 判定 良作 ポイント 諸事情により未完成でのデビューアフターバーナー非搭載なアフターバーナー アフターバーナーシリーズI / II / III /クライマックス 概要 ジェット戦闘機のドッグファイトを題材にした擬似3Dシューティングゲームの未完成版。 鈴木裕陣頭指揮のもとで開発されたセガ体感ゲーム第6弾だが、初代『アフターバーナー(I)』はβ版の位置付けとなっている。 開発経緯 『スペースハリアー』開発時、戦闘機を題材にした体感ゲームの構想が鈴木氏の中にあった。 当初は第二次大戦をテーマに企画を練っていたが、ちょうどその頃、映画『トップガン』が世界的なヒットを記録し日本でもブームが巻き起こっていた。 この成功に便乗しない策はないと言わんばかりに方針は「近代戦闘機によるドッグファイトもの」に定まった。 開発は順調だったようだが、会社側から「出荷を決算に合わせろ」という絶対命令が出されてしまい、止む無く細部が未完成のまま「修正版が完成次第、交換する」という条件つきで全国への出荷が決まった。 リリースから3ヶ月後の10月、修正版『アフターバーナーII』が無事に完成。稼働中の『I』は片っ端から『II』にコンバージョンされ全国から姿を消した。 ストーリー 西暦199X年…、世界はA国とZ国の2大勢力の下、既に慢性化した冷戦状態に置かれていた。張りつめた糸を思わせる絶対的な緊張の中、A国海軍に所属する1人のパイロットに、ある極秘指令が下された。指令の内容は「Z国の領空を強行突破し、秘密兵器の情報ディスクを軍の秘密研究所に届けよ。」今、空母から1機の戦闘機が飛び立とうとしている。A国の、いや、世界の運命を賭けた孤独な任務が始まる…。 ルール 艦上戦闘機F-14XXを操作して、敵機を撃墜しつつステージを進行していく。一撃死の残機制。 一定距離まで飛行するとステージクリア。アラームと同時に背景が変わり、淀みなく次のステージへと移行する。ボス敵のようなものはない。 操作方法 戦闘機の操縦桿を模したアナログスティック+1ボタン1トリガー制。 スティックを握ると人差し指部分にガントリガー、親指部分にミサイルボタンがある。 機銃は自機前方のロックオンサイトに向かってまっすぐ発射される。 弾数無制限でガントリガーを引いてる間は無尽蔵に掃射される。 ロックオンサイト内に敵機を捉えると「Fire!」の音声とともに約1秒間、敵機をコンテナが囲いロックオンをする。 その1秒内にミサイルボタンを押す事でミサイル発射、導かれるように敵機に向けて飛んでいく。 ミサイルは弾数制限があり、ゲーム中に各所で挿入される給油シーンで一定数補給される。最大50発までストック可能。 アナログレバーを左右いずれかに入れ、素早く逆方向に切り返すと360°ローリングをする。無敵時間はない。 主な用途は前方から迫るミサイルの回避。 また後方から機銃掃射を仕掛けてくる追撃機や追尾ミサイルを回避する際にも有効で、振り切るような形で画面外へ追いやる事ができる。 特徴・評価点 画期的な2種類の視覚効果で『スペースハリアー』からビジュアル面での進歩を実感することができる。 ミサイルが白煙を引いて軌跡を残す。華麗な白煙を引きながら画面内を飛び交う大量のミサイルは圧巻。 機体を左右へ動かすだけで背景が大きく傾き、ローリングをすると派手に1回転する。 自機の動きに連動する大型筐体。 据置筐体の他に、前後左右に揺れる「ダブルクレイドル」と左右に揺れる「シングルクレイドル」という2タイプの専用大型筐体を採用。これに加えてスペースに余裕が無いロケーション用に、無可動の筐体も用意された。 ローリング操作の際にはシートも大きく傾き、本作の一つの見せ場となっている。 『スペースハリアー』同様、抜群のスピード感、軽快なBGM、美しいグラフィックはプレイヤーの心を捉えて離さない。 ステージごとに激しくシーンが切り替わり、プレイヤーを世界観へ引き込んでくれる。 『I』独自の特徴 タイトル画面。3機のF-14がデルタ飛行で雲海の彼方へと消えてゆく、やがて敵機であるハリアー3機が「AFTER BURNER」の文字を引っさげて戻ってくる、という内容。 デモ画面。直前のプレイでのステージ1のプレイヤーの動きが再現される。 一部のBGMの曲調が異なる。またステージ中のBGM切り替えのタイミングや使用されるシーンが『II』と大きく異なる。 「エンディング」と「ネームエントリー」は固有のBGMが存在せず、ステージ用BGMが流用されている。 全19ステージ。ラストステージは自動操縦による着艦シーンのみの為、実質18ステージとなる。 ステージ3、7、10、13、15、17開始時に空中給油機によるミサイル補充を受けられる。 ステージ6と12にボーナスステージがある。ボーナスと言えどもミスすると残機を失ってしまう。鉄塔は破壊不可。 速度調節ができず、『II』でいうところのマッハ2弱あたりの速度で固定されている。 その為、ボーナスステージは素人ほど残機を複数奪われる”死のステージ”と化し、ただでさえ速い中盤以降の敵ミサイルが刹那に飛んでくる。 ミサイルが胴体下より深々と沈みながら点火し、徐々に推進して目標に向かうという実物のF-14に近い工程を経て飛んでいく為、いくら先制攻撃しても後手に回される。 飛び方と形状が映画のそれではなくF-14搭載の「AIM-54」に近い。おそらく実際の発射映像を元に作られたと思われる。 その緩慢さと自機の速度問題もあり、殆どの敵機から反撃を受け、敵ヘリコプター相手にしか先手が取れない。 賛否両論点 メロディの無いBGM 本作のBGMは作曲段階で存在したシンセサイザーの音色が一部カットされている。これは不具合などではなく意図的なものであり、一つの楽曲としてよりもBGMとしての機能が考えられたものである。 特にこの影響が大きいのが本作のメインテーマと言える4面到達時に流れ始めるBGM「After Burner」で、哀愁のあるメロディが奏でられるシンセパートがあるとないのとではまるで印象が異なり、一曲としての完成度が高いメロディ入りのBGMも非常に人気が高い。 サウンドトラックに収録されたのはメロディ有り版のみ(*1)であり、「こっちをゲームにも流してほしかった」という意見も当時からあったようで、それに応えるように家庭用版ではメロディ有り版に切り替える機能があったり、またはPCエンジン版のように切り替え機能が無いにもかかわらずメロディ有り版が流れるという移植版も存在する。 問題点 当時の可動機構付き大型筐体を使っているが故に仕方がないが、プレイ料金が割高。 画面エフェクトが全体的に派手になった代償として、画面の視認性が少々悪い所がある。 慣れない内は何が起こっているのか理解しきれないうちにやられてしまうことが起こりがち。 ローリングの使いどころが難しい。 ローリング中は移動操作を受け付けず、途中でキャンセルできないのが理由。そのため、無闇に回りまくると逆にピンチを招いてしまう。後半ステージは不用意なローリングをするとほぼ死が確定する。 左右いずれかへ移動中に逆方向へ素早くレバーを倒すというコマンドの関係上、不慣れなプレイヤーがミサイルを咄嗟に避けようとして暴発させてしまうケースが多い。 地平線の描写が不完全で空母が宙に浮いていたり、着艦シーンで自機が空母に埋まるなど「未完成」と感じられる箇所が随所に見られる。 総評(I) 「開発経緯」にあるように上層部の指示で強引に出荷された未完成版。既にダイナミックに流れる背景、白煙を引くミサイルの表現などは完成していたが、ゲーム性に関わる部分は調整が行き届いていないことがわかるレベルの出来であった。 アフターバーナーII 【あふたーばーなーつー】 ジャンル 3Dシューティング 対応機種 アーケード 発売・開発元 セガ・エンタープライゼス 稼働開始日 1987年10月 判定 良作 アフターバーナーシリーズI / II / III /クライマックス 概要(II) ジェット戦闘機の空中戦を題材としたセガの体感3DSTGの完成版。 初代『アフターバーナー(I)』も含めてセガ体感シリーズ第6弾。セガゲーム史を語る上で欠かす事のできない作品の一つ。 内部事情により未完成のまま出荷した『I』を三ヶ月後に改良、バランス修正してリリースしたのがこの『アフターバーナーII』である。 『I』はβ試作品あるいは最初からなかったものとされ、世間一般でも『アフターバーナー』は基本的に『II』の事を指す。 『I』からの変更点(II) タイトルアトラクトの変更。 球体で描かれた『I』の文字を4機の敵戦闘機がミサイル攻撃、球体はバラバラに飛散するも徐々に元に戻ってゆく…が、そこには『II』の文字が。 これは商業的な事情で未完成品と知りながら出荷せねなければならなかった気持ちを『I』の破壊で表現したものである。 デモ画面も一新し、操縦桿を握った手のアニメーションや「Lock on」の文字など視覚効果が加わる。 スロットルレバーが追加され、速度を自在に調節できる。 爆発的な推力を得る機能「アフターバーナー」も使用可能に。タイトルに違わぬ作品となった。 ステージ構成の順序変更とステージ数の増加。全19ステージから全23ステージに。 ただし『I』同様、ラストステージの23は自動での着艦シーンの為、ステージ22が実質的な最終面となっている。 空中給油機とは別にステージ5と13で基地での補給シーンが追加され、全自動で滑走路への離着陸が行われる。 基地での補給シーンは1ステージとしてカウントされる為、本作は厳密に言うと全20ステージ構成と言える。 隠しメッセージ、裏技の追加、ゲストキャラも応援に駆けつけてくれる。 ボーナスステージは8と17で行われる。速度を下げれば危険度も大幅に激減。『I』以上のスリルを求めるならアフターバーナー全開で挑む事もできる。 敵機の配置とパターンが調整された。それに伴いローリング時の被撃墜率も低下。(使わないほうが安全なのは相変わらず) 他の体感ゲーム同様、飛行中は点数が入るようになった。 ミサイルのストック数が倍増、最大100発に。また発射モーションが改善され、敵機の反撃を許さず即撃墜できるようになった。 BGMが改良され、2~3ステージクリアごとに曲目が変化する。 『I』ではステージBGMの流用だった「エンディング」と「ネームエントリー」の場面で新曲が割り当てられた。 評価点(II) 『I』での好評な点はそのままに、より発展。 スピード変化が可能になったおかで、戦い方も多彩に。 このため難易度が下がり、ゲームとしてはバランスがさらに良くなった。 アフターバーナー連続使用で強引に突き進むとステージがあっという間に終わるなど、速度に比例して難易度、総プレイ時間、興奮度も上下する。 もっともアフターバーナーを頻繁に使うとミスが起こりやすく、使いどころは限られるのだが。 ミサイルの増加によるプレイしやすさ。 『I』ではミサイルが少ないため使い所を選ばなければならなかったが、『II』ではかなり自由に使え爽快感も増した。もちろん使い放題という訳ではないが。 補給シーンも種類を増し、世界観がより豊かに。 BGMの変化も、ゲームを盛り上げる。 問題点(II) ローリングの使いどころの難しさは『I』から改善されていない。 総評(II) 『スペースハリアー』開発の頃に温めていた構想「戦闘機を使った体感STG」を見事に実現させた作品である。 臨場感あふれるゲームシステムに加え、その硬派な世界観は『スペースハリアー』以上に多くのプレイヤーを惹きつけた。 特に、ダブルクレイドルタイプの『アフターバーナーII』は、プレイヤーに「特別な経験」を味わわせてくれる。 アフターバーナーが名作と呼ばれる所以は、ゲームの世界に引き込んでくれる数々の仕様なのだろう。 移植 数多くの機種に移植されているが、『I』の移植は意外に少なくほとんどが『II』の移植になっている。 以下、国内で発売された移植版を列挙する。 + 一覧 セガ・マークIII/マスターシステム版(1987年12月12日、セガ)アフターバーナー。 初の4Mカートリッジでグラフィックはスペハリ式のBG書き換え式だがBGキャラ同士の重ねあわせをソフトウェアで処理しているというハード性能からするととんでもないグラフィック。しかし残念ながら肝心のゲームがゲームになっていない。 ちなみに重ね合わせる毎にキャラクターテーブルを消費するため、テーブルが枯渇すると豆腐が表示されるようになる。 あまりの移植度の低さに雑誌「BEEP」誌上で「アウアーアーアー(*2)」と揶揄されてしまった。 レバーを斜めに入れている「だけ」で初期面は完全無敵という粗い作りが目立った。スコアなども常時表示できず画面が寂しい。 本来ボスが無いゲームではあったが、MK3版はボスとして「グラントノフ」が追加されている。 ミサイルの弾数制限が無くなったので、本来ミサイルを補給する給油シーンがボーナスゲームになっている。そのため給油がオートでなく自分でロックする方式になっており、失敗すると撃墜数で得られるボーナススコアが得られなくなる。 FM音源によるBGMは、良くも悪くもFMサウンドユニットの限界がわかる出来であった。 FM TOWNS版(1989年2月、CSK総合研究所)アフターバーナーII。 ボーナスステージは両側に岩壁があり、かなり正確に操作しないとすぐミスしてしまう。通常のステージよりも難しいと思えるほど。ボーナスステージ開始時からできるだけ右側に寄せていくと岩壁部分を抜けるのが楽になる裏技があるが。 三機失うとゲームオーバーだが、メニュー画面から無制限にコンティニューできる。コンティニュー要素に関しては数ステージ単位でセットになっていて、そのセットの初めのステージからになる。 今作のようなFM TOWNS版に移植されたゲームはCD音源のため、移植によるゲームBGMのアレンジのクオリティの高さに定評がある。しかしアレンジしか収録されずオリジナルのBGMが楽しめない問題があったり、まれにゲームと噛み合わない方向性のアレンジで不評を買うこともあった。 BGM AFTER BURNERはメロディライン入りバージョンのため一聴の価値あり。 同時発色数が多くスプライト欠けのないハードのため、止絵だとすばらしいグラフィックに見えるが実際動いているところを見るとガクガク感がすごい。 特にデシタル式(十字キーニュートラルで機体と地平線がセンターに戻る方式)で操作した場合画面の傾きのガクガク感がやばいが、有志パッチで操作を疑似アナログ(メガドラ版のように方向キーニュートラルにしても地平線が傾いたままのタイプ)にすることで劇的に改善される。 X68000版(1989年4月26日、電波新聞社/マイコンソフト)アフターバーナーII。 アナログ操作重視のため、デジタル式のコントローラー及びキーボード単体では対応しておらず、基本はマウスとキーボードを併用する形になっている。 シャープが本作のX68000版と同時発売した操縦桿型コントローラー「サイバースティック(*3)」に対応しており、これを使用することでAC版に近いスタイルでプレイできる。また、MD版「アフターバーナーII」と同時発売されたアナログジョイパッドである「XE-1AP」にも対応している。 グラフィック面では地上物が簡略・省略されているところやミサイルの白煙がメッシュ状になっていたりと劣化要素と見られかねない部分もあるが、プログラムを担当した松島徹氏(*4)は「スピード感を落とさないよう処理速度を稼ぐために、グラフィックに関してはある程度犠牲にせざるを得なかった」と述懐している。 本作のゲームディスクに収録されているドキュメントファイル(*5)には本作の移植にあたってのよもやま話が書かれている。 それによるとセガに払うライセンス料がかなりの高額であったことや他のソフト会社との兼ね合いでソフトの価格も安価にはできなかったとのこと。その為、ゲームディスクには3Dフライトシミューレーターもどきやグラフィックエディタ、エディタ用の外部関数ライブラリ、X68000版「スペースハリアー」をサイバースティック及びマウスに対応させるパッチを収録し、そしてマウスパッドも標準で同梱するという充実したおまけをつけたと語っている。 本体のメインメモリを2MB以上に増設している場合はSHIFTキーを押しながら起動させることで、完全にオンメモリ動作となり、電源を切るまで以後一切のディスクアクセスがなくなるという何気に快適な機能まで付いている。 ファミリーコンピュータ版(1989年3月30日、サンソフト)アフターバーナー。 タイトルは『I』だが、急加速装置アフターバーナーの概念を導入しているので中身は紛れも無く『II』である。 当時としては破格の容量3メガビット。十字ボタンをニュートラルにする事で機体と地平線がセンター位置に戻る方式を採用。本気で無茶ながら最大限の再現を果たした移植をしている。 点数が表示されない、ミサイルが白煙を引かない、キャラクターのサイズがオリジナルより大幅に小さくなっている等の劣化要素はあるものの、アフターバーナー本来のスピード感を見事に再現してみせ、基地への離着陸、ボーナスステージ、合成音声、更にアニメーションによるオリジナルOPデモまで実装している。 敵機の出現パターンもアーケード版を踏襲しており、見た目だけのマークIII版と違ってゲーム性も高い。 PSG音源によるBGMの再現も評価が高い。スペックが明らかに落ちる機種でここまで出来たのは素晴らしいと言える。 一部、地平線グラデーションと敵機が重なって見づらいステージがあるせいか、オリジナルを含む全作品で唯一「前方」の敵を感知するレーダー機能を搭載している。それを頼りに視認しづらい敵機の存在を素早く察知する事ができる。本来は後方から機銃掃射を仕掛けてくる追撃機の位置関係を表示し、光の大小を便りにオーバーシュートさせる(加減速して敵機を前に釣り出す)用途に用いるものだが、容量の都合で後方からの脅威は追尾ミサイルしか存在せず、需要が低下したのも仕様変更の理由に挙げられる。気合の移植+実物のF-14も前方しかレーダーは搭載していないというのもあって、この措置はむしろ好評だった。 またボーナスステージが本家オリジナルにもないコーナーの応酬。某戦闘機漫画にも似たシチュエーションがあるが、峡谷を攻めているような臨場感を醸しているのは全機種を通してサンソフト版だけである。 テンゲンのアフターバーナー(海外版)をベースに、文字フォントをアーケード版に近づけ、スタートボタンでアフターバーナー点火できるという、アーケード版の『アフターバーナーII』の要素を再現していた。また、合成音声の再現やBGMの再現度等、音源関係の強化も特徴。最初に飛び立つ空母が、アーケード版では「SEGA・エンタープライズ」だったのが、テンゲン版では「TENGEN・エンタープライズ」、サンソフト版では「SUN・エンタープライズ」に、それぞれ変更されている。 メガドライブ版(1990年3月23日、電波新聞社/マイコンソフト)アフターバーナーII。 北米及び欧州ではSEGAから発売。 方向ボタンをニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するタイプ。別売のアナログジョイパッド XE-1APとの接続でアナログ操作に切り替わる。 ゲーム性としては忠実な移植で好感触。 パッケージイラストが非オリジナル。 発艦時や復活時の拡大演出はない。 デフォルト設定では無制限に撃てる機銃を常時発射。オプションで速度調節変更と引き換えに止めなければならない。 地平線グラデーションなし、地形オブジェの数と種類が圧倒的に少ないなど視覚的に貧しいグラフィック。よく見ると動いているのはオブジェだけで地面は1ミリも動いていない。 地平線にグラデーションがないのは、回転処理をパターン書き換えではなくラスタースクロールで行っているため。 基地での補給シーンがばっさりカットされ、空中給油機での補給シーンを使い回している。 BGMのコンバートは後に『ラングリッサー』シリーズや『ルナ』、『グランディア』シリーズの音楽制作などで知られる岩垂徳行氏が手掛けている。本人曰く「ゲーム音楽制作会社(*6)入社後の初仕事がこれだった」と述懐している。 ちなみにPCM音声をFM音源側のDACとPSG側の1ビットサウンドポートで2ch化するという荒技を行っていたりする。 2022年10月29日に発売されたメガドライブミニ2に収録されており、同ハードと同時発売されたUSB仕様のサイバースティックに対応している。また、収録にあたりノースロップ・グラマンとのライセンス許諾を再度取得しており、ゲーム選択画面にもその旨が記載されている。 PCエンジン版(1990年9月28日、NECアベニュー)アフターバーナーII。 十字キーニュートラルで機体と地平線がセンターに戻る方式。専用アダプタを介す事でアナログジョイパッド XE-1APに対応。 起動後いきなりステージ14のデモ画面から始まる。タイトル画面の「II」の球体文字は見るたびにオリジナル版にはない奇抜な色と動きを見せてくれる。 加減速とアフターバーナーをRUNボタンの押し方で調節する。拡大演出、基地着陸、白煙も再現されている。 BGM AFTER BURNERはメロディラインが入っているバージョン タイトル画面で回転しながらフレームインしてくる「II」の球体文字を様々な配列パターンに動かして愛でるという珍妙なモードがオプションとして搭載されている。 今では何ら珍しくもない3D描写、動かせるパターンも限られているが、当時は3Dの物体を自由自在に動かせる事自体が貴重で衝撃的なものだった。球体を重ね過ぎるとスプライト欠けを起こして消えまくるのが難点。 スーパー32X版(1995年1月13日、セガ/ゲームのるつぼ)アフターバーナーコンプリート。 方向ボタンニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するタイプ。アナログジョイパッド XE-1APとの接続でアナログ操作に対応する。 コンプリートと銘打つだけあって殆ど完全移植。 厳密に言えば完全移植ではないようで、「色々とごまかしている部分がある」と開発者はコメントしている(参照)。 ロムカセットの利点で、電源を入れてからすぐ遊べる点も評価できる。 セガサターン版(1996年9月27日、セガ/ゲームのるつぼ)SEGA AGESアフターバーナーII。 最もACに忠実な移植。純正パッドは方向ボタンニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するが、マルコン接続にてアナログ操作が可能になる。 ところが残念なことに、よりアーケードに近い操作感覚が期待できるはずのアナログミッションスティックを接続すると、ミサイルが撃てなくなるバグが発生してしまう。 オプションに、ロックオンサイトを敵機に少し寄せるだけで簡単にロックオンできるモードなどが追加されている。 ドリームキャスト版(2001年9月6日、セガ/ゲームのるつぼ)『シェンムーII』内のミニゲーム、書籍『鈴木裕ゲームワークス Vol.1』いずれもアフターバーナーII。 シェンムーIIは終盤戦(DISC3)九龍城朱雀楼1Fまで攻略せねばならず、プレイにありつくには相当な時間を要す。今にも崩落しそうな薄暗い楼内に大理石調の台座の上に光で照らされ神々しく湛えるダブルクレイドル筐体が…という、他の3筐体(スペースハリアー、ハングオン、アウトラン)にはない特別な存在として描かれている。プレイ後はソフト立ち上げ後の項目「ミニゲーム」にて即プレイ可能になる。 アナログスティックに触れるとニュートラル時に機体と地平線はセンターに戻り、方向ボタンに触れるとニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行する、という2つの操作形式を併せ持つ。 容量の都合上BGMの音源がDC内蔵音源に変更されている。他のミニゲームも同様。2018年に発売されたPS4版シェンムーI IIではアーケード版と同様のBGM音源に変更されている。PS4版はポーズ画面で○ボタンを押すとレバーの上下を反転させることができる。『スペースハリアー』も同様の方法で反転可能。 プレイステーション2版(2004年3月25日、3Dエイジス、D3パブリッシャー)SEGA AGES 2500 vol.10 アフターバーナーII。 ニュートラルでセンターに戻るタイプ。ゲームとしては問題なく成立し、一時期ではあるが定価を上回るプレミア価格も付いた。 パッケージイラストは非オリジナルだが、ルーズリーフ型ライナーノートの1ページが同梱され、その表紙には正規のイラストが描かれている。 ポリゴンで世界を一新し、新世代に受け入れてもらおうとするそのコンセプトは褒められる。 しかしF-14XXのモデルがMig-23を双発エンジン、二枚垂直尾翼に改造したかのような細い胴体をしているなど、第一印象から怪しい空気を漂わせている。 オマケ要素に使用機体の追加されているのだが、この選考が斜め上を行っている。カタパルト無しで空母や揚陸艦から離陸できるハリアーIIはともかく、F-117やA-10は空母では運用できない地上攻撃機。またこの3機はいずれもアフターバーナー非搭載機。タイトルを考えると選考から真っ先に除外されるべき存在。 F-117(開発/製造)やA-10の一部形式(原型機からC型への改造請負)の商標を管理するロッキード・マーティン(アメリカの軍用機メーカー)とセガはあまり相性が良くないようで、P-38が登場予定だった『プロペラアリーナ』は発売中止、『アフターバーナークライマックス』では同時期に発売された他社のフライトシム/フライトシューティングでは当たり前のように登場するF-16やF-22、F-35といったロッキードの製品が一切出てこない。(*7) 対G限界を超えて超機動で動き回るナイトホークはシュールで格好良いが、本来はジャンボジェット機よりに運動性能が悪く、大規模な爆撃部隊が他所で騒動を起こしている隙に重要拠点を爆撃して逃げ帰る機体のため、強制スクロールの『エースコンバット』をプレイさせられている気分になってしまう。 プレイステーション3、Xbox360版(2010年4月21日、セガ)アフターバーナークライマックス。 DL専売ソフト。ネーミングは略すと「ABC」になる事から付けられた。そういう意味では同社のエアバイクコップ第二弾。→AFTER BURNER CLIMAX ニンテンドー3DS版(2013年12月18日、セガ/M2)3DアフターバーナーII。 単体版はDL専売ソフト(*8)。上記のSS版と同様、ACに忠実な移植で、裸眼立体視に対応したアフターバーナーII。 オプション設定が充実し、8インチフロッピー(*9)から読みだしたメロディ付きBGMへの切り替えや、画面の中に各筐体のガワ(外枠)部分を表示できたりする。 更にアーケード筐体の体感性を再現したムービング筐体モードにより、機体の旋回や360°ローリングに反応して画面が傾斜する。 3DS画面の中に当時のゲーム画面を表示させるので、画面サイズは多少犠牲となる。 第2期ということで制作にも余裕が出来たのか、「グラントノフ」と呼ばれるようになった3D復刻版でのオリジナル要素がパワーアップ。追加要素ではなく、ゲームをほぼ作り変えるレベルのアレンジモードが収録されるようになった。それがアーケードモードをクリアすると出現するスペシャルモード。「クライマックスの2D版を意識した」とインタビューで語っているように、スコア稼ぎや回避に優れたバーストの追加や、ボーナスステージ及びステージ22~23で耐久力のある赤いライバル機が出現し、ライバル機とのドッグファイトを繰り広げる事が可能。なお「グラントノフ」の名の通りグラントノフを出そうという意見もあったようだが、松岡Dに断固拒否されたとのこと(*10)。 第2期のトップを飾った割には、アーカイブス1/2へ収録されていなかったが、アーカイブス3にてようやく収録。これはパッケージ化に伴い、再びノースロップ・グラマンとの版権使用契約が必要になったため、予算的な関係で後に回されていたためである。 関連作品 + 一覧 『G-LOC』:Yボード基板使用。システムは制限時間制のミッションクリア型になった。大型可動筐体である「R360版」も存在する。(*11) 『ストライクファイター』:『G-LOC』のシステムをアフターバーナー寄りにしたマイナーチェンジ版。後に『AFTER BURNER Ⅲ』のタイトルでメガCDとFM-TOWNSに移植された(移植版の発売元はどちらもCSK総合研究所)。 『セガ・ストライクファイター』:2000年に稼働したNAOMI基板による新作。上記の作品とは内容が別物となっており、システムは『G-LOC』に近い。3画面を使った筐体も存在する。開発はワウ・エンターテインメント(分社化時代のAM1研)。 『スカイターゲット』:自機でF-14Dが使用できるほか、ミッション3-B、6-AいずれもCITYステージでAfter BurnerのアレンジBGMが流れる。 『スーパー大戦略(MD)』:隠しユニットとして登場、ゲームを意識してか各ミサイル搭載量が多く20mmバルカン砲は99発。他の体感ゲームからの参戦はサンダーブレードとギャラクシーフォース(TRY-Z)。 『ファイターズメガミックス』:BMステージで特殊なコマンドを入力するとF-14XXが飛来する。 『パワードリフト』:A、C、Eコースを全ステージ1位で通過すると現れるエクストラステージのプレイヤー使用機として登場。スタート後バギーから変形する。元が飛行機なので宙に浮いてコースを”走る”。ちなみにB、Dコースではハングオンのバイクに変形する。 『シェンムーII』:啓徳空港名物「ジャンボ機が市街地上空をかすめる」演出があるのだが、福仙街の某所にて低確率でジャンボ機の代わりにF-14XX編隊が横切る 海外でのみ販売された移植作、続編 + 一覧 LCD版アフターバーナー(ゲーム ウオッチ型とアップライト筐体の小型版の2種類) GBA SEGA ARCADE GALLERY アフターバーナーI(鈴木裕4大作品を収録) PSP アフターバーナー ブラックファルコン(収録機体が3Dエイジスと匹敵する) 携帯電話アプリ アフターバーナー 余談(II)(稼働状況について) 大阪新世界で謎の業者が営むゲーセン「ザリガニ」に現役で稼働するダブルクレイドル仕様筐体が存在する(*12)。ただし話題に上がったが故の稼働率の高さが災いし、他のゲームでは考えにくいペースで故障を繰り返していた。流石にこの状態で動態保存は難しいということで、プレイ料金が300円に値上がりした(*13)。そして2020年、出どころはわからないのだが、なんと2台新たに発掘されオーバーホール完了、2021年現在は3台体制での稼働になっている。ただし3台稼働は休日のみで、平日は負担低減のため3台のうち1台がローテーションで稼働している。 池袋ゲーセンミカドと秋葉原SEGA3号館(*14)、天野ゲーム博物館で無可動タイプの純正アップライト筐体が稼働中。入れ替わりが激しいので常設では無いが、Heyのようにシティタイプ筐体に基板のみ移植(*15)という形で稼働する店も存在する。 2016年9月10日~2017年3月12日に川口市で開催された「あそぶ!ゲーム展-ステージ2 ~ゲームセンターVSファミコン~」にて完動状態のシングルクレイドル筐体が展示。来館者は自由にプレイ可能だった。 同展では他にも『アウトラン』『スーパーハングオン』など数々の大型筐体ゲームが完璧に近いコンディションで展示されておりプレイもできた。