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ミラーズエッジ 【みらーずえっじ】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション3Xbox 360Windows XP~8 発売元 エレクトロニック・アーツ 開発元 EA Digital Illusions CE(EA DICE) 発売日 【PS3/360】2008年12月11日【Win】2009年1月22日 定価 【PS3/360】7,665円【Win】オープン価格 レーティング CERO C(15才以上対象) 配信 【360】2011年1月11日/1,200円【Win】1,500円(Origin価格) 判定 なし ポイント 優れたビジュアル激しい3D酔い 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 生き抜くために、駆け抜けろ。 概要 『バトルフィールド』シリーズで知られるEA DICEが製作した、エクストリームスポーツ「パルクール」を題材にしたアクションゲーム。 パルクールとは別名フリーランニングとも呼ばれ、有名どころでは『ASSASSIN S CREED』でも採用されている、建物を自由自在に駆け上がり飛び越えていく競技のことである(*1)。 『ASSASSIN S CREED』が三人称視点の3Dアクションであるのに対して本作は一人称視点形式のアクションとなっており、主人公の目線でビルを渡り、駆けていくゲームとなっている。 ストーリー 政府により厳しい監視と情報統制が施された近未来都市。人々は「ランナー」と呼ばれる運び屋を使って手渡しで情報を交換していた。 ランナーの1人であるフェイスはある日、双子の妹のケイトが何者かに嵌められ、殺人事件の容疑者となってしまったことを知る。 同じく容疑者となった彼女は仲間の助力を受けつつ事件の真相を探るため、白が支配する街へと飛び出していくのだった。 特徴 前述の通り一人称視点形式で進む。 このため、コンシューマーやゲームパッドでのプレイは左スティックでの移動と右スティックでの視点移動をしつつ各種アクションをスムーズに繰り出せるよう、主なアクションをL、Rに割り振る独特な操作スタイルとなっている。 例えばジャンプはLB(L1)、背後を振り向くターンはRB(R1)、LT(L2)でしゃがみやスライディング、といった形である。 特定の操作を連続で繰り出すことで違ったアクションも繰り出せる。例えば壁に向かってジャンプ、ターン、ジャンプと連続で操作すると壁を蹴って背後に高く跳ぶことができる。 ランナービジョンというシステムが搭載されており、移動ルートのオブジェクトが赤くなるシステムがある。行く先の方向性をある程度示してくれるためスムーズに次の移動経路を把握できる。 また、B(○ボタン)を押しつづけると目標地点を注視することができる。 フィールドには距離を短縮するためのルートもあるのだが、こちらは赤くならないためまさに経験が物を言うシステムとなっている。このルートの開拓も魅力の1つである 戦闘は一人称視点ながら格闘戦をメインとしている。 パンチやキックがメインだが、敵を武装解除する事で武器を奪うことも可能。奪った武器はそのまま使用できるが、リロードできないため使い捨てとなる。 もっとも、本作の敵は重武装でこちらは軽装なので戦闘せずに逃げないと危険な状況の方が多い。 評価点 白と青を基準とした美しいビジュアル。 プレイした人からは「芸術」とも称されるほどに本作は絵作りに力を入れており、非常に美しい世界が描かれている。 白いビル群は無機質だが、陰影まで青の成分が入っており何とも言えない美しさがある。ぜひ自分の目で確かめていただきたい。 白と青が支配する中、武装した敵の存在やランナービジョンにより赤くなったオブジェクトが非常に映える。見た目にも分かりやすく、ゲーム性ともマッチした絵作りと言えよう。 一人称視点なこともあってリアリティが高い。 ビルの合間を跳び移っていく本作との相性は抜群で高所をジャンプするスリルを味わえる。上手く跳び越えられた時の安堵感と爽快感も高い。 うまく跳べずにビルなどから落下した際の「どすん」という効果音は印象的であり、強い恐怖感をプレイヤーにもたらせてくれる。高所恐怖症の人はプレイを躊躇うかもしれない。 日本語版の翻訳の高さ 洋ゲーにありがちな不自然な翻訳が皆無。 吹替えの声優も主役のフェイスに甲斐田裕子氏、フェイスの協力者であるミラーに立木文彦氏と言った実力のある声優を起用しており、棒読みなども存在しない。 タイムトライアル、スピードランといったRTA要素のやり込み度 ストーリークリア後に挑戦できるスピードランや、チェックポイントごとにタイムを計っていくタイムトライアルのやり込みが充実 前述のルート探索要素と相まって、ハマる人にはとことんはまる他に類を見ないゲーム性となっている。 賛否両論点 ストーリーはいわゆるB級映画的な内容なので好みが分かれる。 それでも中盤までは意外な展開などもありそれなりに楽しめる人もいるだろうが、ラストはかなり「投げっぱなし」のようなオチになってしまっている。 解決すべき問題が複数ある中で、「緊急ではあるが成功してもそこまで事態を好転させるわけではないミッション」がゲーム上の最終目的である。 一応、事態の黒幕と言えなくもない人物との決着はつくが、顛末がはっきりしないキャラクターが複数いるなど全体的にすっきりと大団円を迎えた感は希薄。 続編『ミラーズエッジ カタリスト』は本作と地続きではなく半ばリブートのような設定となっているため、そこでの解決も望めない。 問題点 非常に酔いやすい。 一人称視点なので当たり前なのだが、本作の場合は一般的なFPSに増して激しく画面が揺れ動くため普段3D酔いしないような人でも酔ってしまう可能性がある。 また、一人称視点はリアリティを高めるのに一役買ってはいるものの、慣れないとジャンプのタイミングなどの感覚が掴みづらい。最初のうちは足元を確認しながらジャンプすることになるだろう。 ゲーム冒頭のトレーニングはチャプターセレクトで何度でもプレイできるので、慣れるまでプレイしつづけるのもアリ。ここだけでも一通りの操作を覚えられる。 システム面に粗が多い。 前述のように目標地点を注視するシステムがあるが、本当に注視するだけなので使いづらい。 ランナービジョンもあるにはあるが、結局はプレイヤーが自力でルートを探したり謎解きをする必要があり、仲間からはろくなヒントも貰えないので迷いやすい。 とはいえ、自分が進むべき道を創意工夫して開拓していくのがこのゲームの醍醐味であり面白いポイントでもある 独特なボタン設定に慣れるまでが難しい。 キーコンフィグはいくつかの候補から選ぶだけなので、嫌でもこの操作を強要される。 カメラのリバース設定や、速度設定すら存在しない。 上記のような問題点もあって、難易度が高い。 戦闘の難易度選択はできるが、マップの構造自体が複雑なため進行ルートが分からず迷って立ち往生してしまうことも多い。 さらにシビアな操作を要求される場面もあり、「進行ルートを見つけるのに一苦労、その進行ルートをきちんと進むのにもう一苦労」となりがち。 リトライポイントが多いのですぐやり直せるのは良心的だが。 そこだけあまり出来がよいとは言えない凡庸なFPSとなってしまう銃撃戦には不評が多い。 そもそもパルクールによる縦横無尽な移動が特長の本作にとって、足を止めて撃ち合うというゲーム性はかなりミスマッチである。 制作陣にもそれは伝わったのか、続編ではプレイヤーが銃を使うという要素そのものが廃止された。 その他の不評点 ストーリーの所々でアニメーションによるムービーが流れるが、出来はフラッシュアニメ並で微妙。 これは製作期間の都合でカットシーンを外注に依頼したためとのこと。 フェイスのビジュアルが典型的な東洋人顔の為に不評。 これに不満を抱いた海外のゲーマーたちがこぞって修正画像を作成したが、これにキャラデザインの担当者が激怒するという事態に発展した(参照)。 どうやら担当デザイナーの妻がモデルだったらしい。 総評 美しいグラフィックと一人称視点でのパルクールアクションのスリル・爽快感の評価は高い。 一方で、操作性や一人称視点で激しいアクションをする必要があるゆえの難易度の高さ等が評価を下げてしまった。 しかしながら独特の世界観とビジュアル、独特のアクションに魅了されたファンも多い。中々の魅力を持った一作である。 後年になって続編が発売されるが、本作の純粋なアップグレードというよりは変更された要素も多く、あまり望んでいた形にならなかったと初代を好むファンもいるようだ。 余談 本作は「Unreal Engine 3」ベースで作られているが、これは「開発が始まった時(*2)は自社のエンジンであるFrostbiteがまだ完成していなかった」というシンプルな理由によるもの。 なお、完成したFrostbiteは主に『バトルフィールド』シリーズの開発で使用されている。 実際にプレイしたユーザーからの評判は上々だったが、売り上げとしてはメーカー側の期待を下回ってしまったらしく、すぐに制作される予定であった続編がキャンセルされてしまったという報道も発売当時には存在した。 その後の展開 ビジュアルに魅了されたファンからシステムを改善した続編を望む声も多かったため、7年の歳月を経て2016年に6月9日に続編である『ミラーズエッジ カタリスト』がPS4/One/Winで発売された。 『カタリスト』では『バトルフィールド4』でも使われた「Frostbite 3」がゲームエンジンとして採用されている。しかし、主人公のビジュアルは相変わらずであった。
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NINTENDO パズルコレクション 概要 評価点 問題点 総評 余談 ドクターマリオ 概要(ドクター) 評価点(ドクター) 問題点(ドクター) 総評(ドクター) ヨッシーのクッキー 概要(クッキー) 評価点(クッキー) 賛否両論点(クッキー) 問題点(クッキー) 総評(クッキー) パネルでポン 概要(パネポン) Pokémon Puzzle Leagueについて 評価点(パネポン) 賛否両論点(パネポン) 問題点(パネポン) 本作固有の不具合 ポケモンパズルリーグに起因する不具合と仕様 他機種より改善されなかった点・劣化した点など その他 総評(パネポン) NINTENDO パズルコレクション 【にんてんどー ぱずるこれくしょん】 ジャンル アクションパズルゲーム 対応機種 ニンテンドーゲームキューブ メディア GC専用光ディスク 1枚 発売元 任天堂 開発元 インテリジェントシステムズ任天堂トーセ各ゲーム開発はその他多数関与 発売日 2003年2月7日 定価 5,800円(税別) プレイ人数 1~4人 レーティング CERO 全年齢対象 備考 収録作のうち『パネルでポン』は劣化ゲーGBAケーブル同梱 判定 なし ポイント 一部難ありの名作パズル詰め合わせ『クッキー』以外の2つは海外N64作品の移植GBAまたは別売コントローラ 変換器ほぼ必須 マリオシリーズ ヨッシーシリーズ パネルでポンシリーズ 概要 任天堂発売のアクションパズル『ドクターマリオ』『ヨッシーのクッキー』『パネルでポン』のGC版をまとめて収録したソフト。 さらに、GBA本体に転送して遊ぶジョイキャリー版も収録している。 このうち新規に製作されたのはGCの『ヨッシーのクッキー』とGBA転送版の『パネルでポン』のみである。 これ以外はN64用として制作され、海外のみで発売されていたソフトの移植またはFC版のエミュレータ動作である。 本記事ではソフト全体の評価と、収録作品の個別の評価を同記事内で扱う。 各記事の詳細は『ドクターマリオ』『ヨッシーのクッキー』『パネルでポン』を参照のこと。 評価点 1つのソフトに本編3本+おまけ3本。原作はいずれも一定の評価を得たソフトであり、パズル好きならお買い得な収録内容といえる。 セーブ機能などプレイ環境の向上、4人対戦などゲームモードの追加が図られた。 いずれも原作は2世代以上前のゲームでありセーブ機能はなかった。本作はハイスコアなどの記録ができるようになり、複数のプレイヤーが個別に記録できる。 名前(セーブファイル)は各ゲーム毎に最大8つ用意されている。データが保存されないゲストユーザーの項目も用意されている。 特にFC版を原作とした『ドクターマリオ』と『ヨッシーのクッキー』はこの傾向が顕著。 3作品のエンディングを見終わった後にメニューへ戻ろうとするとちょっとしたご褒美がある。 問題点 ハードの問題といえるが、細やかさと激しさの両方の操作が必要なジャンルにもかかわらず、GCの標準コントローラでは操作しにくい(*1)。 同梱品のGBAケーブルにGBA本体をつなぐか、ホリ製のデジタルコントローラ、非ライセンス品のコントローラ変換器がないと快適なプレイが期待できない。 当時任天堂が店頭配布していたカタログ本にはデジタルコントローラが推奨コントローラとして掲載されていた。 しかしGBAケーブルは保存状態が悪いと接触不良が発生しやすく、電池切れなどでいきなり接続が切れて操作不能になってしまうことがある。 かといってデジタルコントローラを使おうにも2021年現在はプレミア化しており、手に入れるには下手すると中古ですらこのソフトの定価よりも高くついてしまう。 対戦プレイの場合は当然それらが人数分必要となり、それなりの出費がかかる。仕方なく標準コントローラを使う人は最初からハンデ状態。 Wii用として販売されていたGCポート ⇒ PSやSFCコントローラ変換器を使用するのもひとつの手。 単体で発売されるはずだった旧機種用ソフトが元の作品2種と、新規製作作品1種を収録している構成から、メニューやセーブの仕様、ゲームモードやプレイヤーファイルの数が異なるなど、チグハグな印象を受ける。 『ドクターマリオ』と『パネルでポン』はもともと64用に開発されており、テクスチャ等を高解像度化せずそのまま流用されているため画質が粗い。それに合わせてタイトル・ゲーム選択画面なども粗いのだが、『ヨッシーのクッキー』だけはGCソフトらしい高画質なので逆に浮いている。また、パネポンはタイトル画面のロゴだけを新たに作ったのか、なぜかロゴだけがGCグラフィック相当の綺麗なものになっていてこちらもやや違和感がある。 とはいえ画質が致命的なレベルで悪いわけではなく、人によっては多少気になる程度に落ち着いている。 『ドクターマリオ』と『ヨッシーのクッキー』の転送版はFCのエミュレータ動作なのだが対戦プレイはできない機能制限版(*2)。また『パネルでポン』の転送版は新規製作でGC版よりかなり細かい設定ができるものの、エンディングなどのご褒美要素は一切ない。 いずれも練習用またはオマケと割り切った方がよい。メーカーもそのつもりで入れていると思われる。 『パネルでポン』はメニューで「エンディング等はない」と言い切っている。 『ヨッシーのクッキー』に関しては、GBAではファミコンミニや新作が発売されず、GBAで遊べる手段として活用できた。また、Wiiのバーチャルコンソールも現在配信停止されているため、現在ではFC版を遊べる手段にもなっている。 『ドクターマリオ』と『ヨッシーのクッキー』の間に発売された『ヨッシーのたまご』や『カービィのきらきらきっず』といった他のパズルゲームは未収録。 移植・リメイクの機会に恵まれていないものが多いだけに惜しいところである。 総評 実質は発売未定となっていた旧機種ソフト+αのパズルである。 パズルゲームは一部の定番タイトルを除けばニッチ向けの作品であり、大多数の作品はプレイされる機会そのものが少ないが、本作は「一通り名の知れた複数タイトル収録によりまとめ買いを狙う」手法によりそのデメリットをカバーした。 パネルでポンの登場キャラが万人受けしないとされていた妖精に戻ったのも他の2作品の存在があったからこそと言える。 旧世代版から一転してバラエティに富んだ内容となった『ドクターマリオ』と、それに対して明らかにボリューム不足の『ヨッシーのクッキー』に加え、ローカライズの粗が目立つ『パネルでポン』など各ゲームのボリュームや品質にばらつきがある点は気になるところではある。 だが、これらの欠点に目を瞑れるパズルファンや、新作に触れてみたい各シリーズファン、細かいことを気にせずに多人数でにぎやかに遊びたいプレイヤーには十分な決定版ソフトとなり得るだろう。 余談 収録作の原作である『Dr.Mario 64』『Pokémon Puzzle League』は『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』の海外版に収録されている。 『ヨッシーのクッキー』に関しては海外での発売がなく、新規に製作された作品のため、本作でしか遊ぶことができない。 ドクターマリオ 開発元 ニューコム ポイント 北米で発売された『Dr.Mario 64』の移植しかし順当なリメイク作品であるといえる現状シリーズ最多のモード数3作品の中ではもっとも高評価登場キャラはなぜか『ワリオランド3』 概要(ドクター) 2001年に北米で発売された『Dr.Mario 64』の日本語ローカライズ移植。 ルールについてはこちらを参照。 評価点(ドクター) シリーズ最多を誇るモード数と新規追加要素。 1人用だけで「オリジナル」「おはなし」「VS COM」「フラッシュ」「たいきゅう」「スコアアタック」と、6つもゲームモードがある。さらに「おはなし」ではドクターマリオとワリオの話がそれぞれ用意されている。 2人用も「VS」「フラッシュ」「スコアアタック」の3ルール、4人用も「VS」「フラッシュ」「タッグバトル」の3ルールとゲームモードが豊富に取り揃えられている。 対戦の新ルール「フラッシュ」はウイルス全てではなく、光るウイルスだけを全て消せば勝ちになるモード。そのため、ウイルスを素早く消していくことが重要になる。光っているウイルスを全て消すと勝ちというルールは『テトリスフラッシュ』に近いものとなっている。 1人用の新モード「たいきゅう」は、次々に増えていくウイルスを延々と消して行くエンドレスモード。全て消しても復活するため、まさに文字通りの耐久モードである。通常の条件のほかに、上3段までにウイルスが来てしまうとその時点でゲームオーバーになる。 「おはなし」モードは近今のゲーム風に仕立ててあり、簡単に言うなら『ぷよぷよフィーバー』のような形式で進行する。ただしキャラクター同士の会話はあまり多くない。 ストーリーを簡単に説明するとマリオの場合「ウイルスの治療薬をマッドシタインに奪われたので奪還に向かう」、ワリオの場合「マリオの治療薬を使ってひと儲けしようとしたらマッドシタインに先を越されたので奪いに行く」というもの。 難易度によりストーリーモードの大きな変更はなく、敵との戦闘形式が変化(*3)したり、NORMAL以上の難易度である条件を満たすと隠しキャラが登場したりするのみ。一応ストーリーはマリオ編とワリオ編の2つ用意されており、マリオ編はハッピーエンド、ワリオ編はバッド(兼トゥルー)エンドとなる。 「おはなし」モードで攻略したキャラは対戦モードで使用できる。対人戦では特に性能差はないのだが、対CPU戦にするとキャラに合わせてAIのレベルが変化する。 隠しキャラは最初から使えず、NORMAL以上かつノーコンティニューで勝利すると使えるようになる。隠しコマンドでHARDより難易度が高い、S-HARDに挑戦できる。 キャラクターにそれぞれボイスが追加されている。 ただし2連鎖、3連鎖、4連鎖、勝利時、ダメージ時の5つまでしか用意されておらず、ボイスが豊富に存在した『ぷよぷよ』シリーズなどに比べるとやや物足りない感じはある。 とはいえ、連鎖で勝敗がつくゲームでもないので妥当だという考え方もできるが。 BGMのアレンジは耳障りにならないよう上手く仕上がっている、ローカライズ自体が非常に丁寧など、3作品の中では評判は上々。 前述の通り条件を満たすことで隠しボスも出現し、後述の対戦で使用できるようになるなど、ちょっとしたやりこみ要素もある。 なおサウンド制作はティーズミュージックが担当している。また今作の追加BGMはのちに『Dr.MARIO 細菌撲滅』にも使われた。 問題点(ドクター) 登場キャラクターは『ワリオランド3 不思議なオルゴール』から流用されているが、その必要性が薄い。 クリボーやノコノコ、パタパタのような有名なキャラクターならともかく、ヤリまる、フーセン魔人、ハンマーロボ、マッドシタインなど、余程のマリオファンでないと名前がすぐ思い浮かばない(下手すれば本作オリジナルと勘違いされかねない)キャラクターを対戦相手として出されても印象が薄い、というのが正直なところだろう(*4)。ちなみに操作キャラではないが、カサマルもガイド役として登場している。 原作のラスボスは「ナゾのゾウ」名義で登場しているため、しれっと原作のネタバレになってしまっている。(*5)。 ストーリーの舞台はオルゴールの世界ではないため、ヤリまるやマッドシタイン、ハンマーロボといった一部の敵キャラは単にナゾのゾウの手下という設定で登場する。 良く言えば原作のネタバレ防止かつ、原作シリーズの敵キャラの中で比較的知名度があるということだが、悪く言えば原作『ワリオランド3』の世界観を完全にぶち壊しているという事でもある…。 リトライが確認なしで行われる。 全てのモードで共通の仕様としてポーズメニューで「もういちど」を選択するとリトライすることができるのだが、選んだ時の確認が一切ない。 これでリトライした場合はコンティニューした扱いになるのだが、それまで稼いだスコアもリセットされ、0になってしまう。それどころか、今までに稼いでいたスコアを基準にしてランキングに登録することもできない。 この弊害を受けやすいのが「たいきゅう」モード。長時間のプレイでスコアを積み上げていくタイプのモードなので、どんなにスコアを稼いだとしてもこれを選択するだけで全てが水の泡となってしまう。 総評(ドクター) 北米で発売された『Dr.Mario 64』の移植であるうえ、登場キャラはなぜか『ワリオランド3』からのものだったりと謎な部分もあるが、シリーズ最多を誇るモード数と新規の追加要素等があるうえ、ローカライズ自体も非常に丁寧で、3作品の中では最も評価が高い。 GB版やFC版経験者のみならず、未プレイ者にも順当な進化作として普通に遊べる良質なものとなっていると言える。 ヨッシーのクッキー 開発元 トーセ ポイント 3作品で唯一の非ローカライズ移植の新規作品画質に関しては3作品で一番良いしかしモードはFC版+α程度でボリュームでは最下位ただしゲームモードの数自体はSFC版と同じいちおう順当なリメイク作と言える出来 概要(クッキー) 元々N64用ソフトが原型である同時収録の他2作品と違い、これのみはパズルコレクション収録のために新規に作成された作品。 クッキーの並ぶ列を縦横にスライドさせ、一列すべてを同種のクッキーで揃えるとその列が消える。 評価点(クッキー) 他の2作品よりも高画質で見やすい。唯一GCソフトらしい画質。 コントローラの種類を抜きにすれば、GB版以来の4人対戦が手軽に可能となっている。SFC版と同様、性能の異なるマリオ・ヨッシー・ピーチ・クッパの4名の中から使用するキャラクターを自由に選ぶことが可能。 ちなみにGB版では4人対戦を行うためには「本体4台、カートリッジ4本、通信ケーブル3本、4人用対戦アダプタ1台」が必要なブルジョワ仕様だった。とはいえ、GBで4人対戦できるということ自体は当時としては破格であったと言える。 クッキーの絵柄が変化し、ヨッシーのクッキーを使わないと消せないコウラが登場する11面以降もしっかりと収録。セーブ機能が追加されたことにより、長丁場の攻略もしやすくなった。 ステージ間のコーヒーブレイクも本作用に新たに作られており、オプションで自由に見ることも可能。 今作で新たに「ストーリー」「ヒント」モードが追加された。 「ストーリー」はドクターマリオの「おはなし」と同じく近今のゲーム風に仕上げたもの。プレイヤーはマリオ ヨッシー(キャラの性能はマリオと全く同じ)を使い、道中に立ちはだかる敵とVSのルールで勝負していく。 難易度に応じて敵の強さとタイムオーバーになるまでの制限時間が異なる。 「ヒント」はゲームの操作方法や、対戦での攻撃の種類についてなど説明を見ることができる。 その他にゲームの設定を変えられるオプション機能も搭載している。 BGMは基本的に既存曲のアレンジが多く悪くないが、今作で追加された新曲も複数存在する。 特に、完全新曲であるストーリーモードの通常対戦BGMは評価が高く、普通の対戦でも使いたかったという声が多い。 賛否両論点(クッキー) ストーリーモード周り ストーリーを簡単に説明すると、「作ったクッキーをクッパに奪われたのでクッパの城に向かい奪い返す」というかなり簡単なもの。 テキストはドクターマリオ以上に少ない。また、難易度を上げてもストーリーの変化は一切ない(登場するキャラは変化する)。 さらにこちらはメッセージの他、会話画面も子供の紙芝居風で進行する。テキストに漢字も一切使われていない。 ただし、登場キャラクターの多くがなぜか『ワリオランド3』からであったドクターマリオとは違い、こちらの登場キャラは『スーパーマリオブラザーズ』、『スーパーマリオワールド』のものであるため、比較的有名なキャラが多い。また、難易度によって出現するキャラも変わる(*6)。 対戦画面は常に背景が同じ、BGMも最後のクッパ戦以外は全部同じと変化に乏しい。他2作品が特徴的なのでよけいに物足りなさが目立つ。 ステージ6ではドッスン・カメックが一度に現れるが、3人対戦というわけでもなく普通に1回ずつ対戦するだけ。反面最終ステージのクッパは3回先取しなければならないなど、ステージの概念があまり意味をなしていない。 もっとも、ラストステージのクッパに関しては「ラスボスだから容易に倒せない」「ラスボスだから特別仕様」等と考えればそこまで不自然ではないかと思われる。 他の二作品とは違い、HARDより上の難易度は用意されていない。ただし、オプションの項目でCOMがより強くなる「かくしCOM」という要素は存在する。 問題点(クッキー) ゲームモードは1人用が「オリジナル」「ストーリー」の2つ、対戦が「ふたりでたいせん」「みんなでたいせん」の2つのみ。他の2作より明らかにボリューム不足。SFC版に収録されていたパズルすらない。 ただしSFC版にはストーリーモードがないので、実はモードの数自体はSFC版と同じ。 セーブの際にいちいちセーブ中画面に切り替わるので実際より長く感じる。 総評(クッキー) GB/FC版やSFC版の『ヨッシーのクッキー』のGC版新規作品であると共に、同時収録の『ドクターマリオ』『パネルでポン』と違い、今作唯一の非ローカライズ移植の新規作品。 グラフィックに関しては3作品の中で最も良い反面、ゲームのボリュームに関しては他2作より劣る。SFC版にあったパズルも今作には無い。 その代わりかSFC版に無かったストーリーモードが新たに追加されており、実はモードの数自体はSFC版と同じである。 加えてGB版でハードルの高かった4人対戦も本ソフト1つ+GC1台+コントローラー4つで可能になっている。 その辺りを考慮すれば、GB/FC/SFC版の順当なリメイク作であると充分言える出来になっていると言っていいだろう。 パネルでポン 開発元 メインプログラム Nintendo Software Technologie(NST)CG・BGMなど インテリジェントシステムズ、任天堂 判定 劣化ゲー ポイント 海外64ソフトを流用したSFC版続編リメイクのGC移植という複雑な生い立ち米国製→ローカライズ→移植でなぜか不具合増加ゲーム内の1分は実時間の1分10秒ゲーム内では一切明かされない初代キャラとの母娘関係 概要(パネポン) 1995年のSFCソフト『パネルでポン』のGC移植版。 左右2マス分のカーソルを動かして下からせり上がってくるパネルを入れ替え、同じパネルを縦か横に3個以上並べると消える。 説明書ではSFC版の箱絵とともにリメイク作と紹介されているが、妖精の世界という設定はそのままに、キャラクターは従来のリップ達からフリルら次世代新キャラに交代、SFC版とは異なるストーリーが展開される。 実は海外で発売されたNINTENDO64用ソフト『Pokémon Puzzle League』を原型に、キャラクターや演出等をSFC版に準じて変更したゲームである。 そのためSFC版の次世代を描いた続編新作寄りのリメイク作であると同時に、海外N64ソフトの日本向けローカライズ兼GC移植作ともなっている。 Pokémon Puzzle Leagueについて 北米で2000年に発売されたパネルでポンの64版。メインプログラムの開発はSFC版担当のインテリジェントシステムズではなく、アメリカのNSTが担当している。 発売当時は唯一アニメ版ポケモンをベースとしたゲームであり(*7)、雑誌64ドリームでは任天堂広報により日本版発売の可能性もほのめかされたが実現はしなかった。 これら2作のメインスタッフおよびテストスタッフは一致しており、パネルでポンのスタッフロールには本来表記する必要のないパッケージデザイナーの名前も明記されている。 + 参考画像 ポケモンパズルリーグタイトル画面 ルール説明画面 パネルでポンのルール説明画面。パネルの並びが一致している。 いずれもゲーム画面の数字や文字、パネルのデザインが一致しており、洋ゲーショップなどで先行してパズルリーグを購入しプレイしていたコアなパネポンファンはパズルコレクションの画面写真が公開された時点で共通性に気づいていたようだ。 評価点(パネポン) 画質・表現は64相当となるがリメイク作として順当に進化している。 特に対戦ゲーム画面の上に表示されるキャラクターが顕著。前作では小さめのドット絵だったが、本作ではイラスト調になり、より大きくかわいくなった。 勝つと気持ちの悪い投げキッスをし、負けると白く燃え尽きる魔王など、敵キャラ陣もコミカルに描かれている。 ボイスも大量追加。連鎖・同時消しでそれぞれセリフの発音が変えられており、中にはセリフそのものが違うキャラクターもいる。 VS.COMや対戦モードのキャラクター選択時もアクセントを変えていたり、違うセリフを言ってくれる。 VS.COMではデモで漫画のコマのような画面転換を用いたり、平面のイラストに3Dのオブジェクトやプリレンダ作成のキャラクターを重ねたり、ボスキャラであるクジラのジルバ戦では背景に一枚絵が使われていたりと目新しさがある。 SFC版では一部キャラで重複のあったゲーム画面のBGMと背景が完全にキャラクター個別になった。 旧作に見られたバグの改善。対戦での激しい連鎖や返しの応酬でもフリーズしなくなった。 SFC版に存在したおじゃまパネルに関するバグの解消。重要テクニックの「おじゃま返し」が途切れる、フリーズするなどのバグが生じていた。 ポケモンパズルリーグでまれに発生した「パネルがえんえんせり上がり続けて並べても消えず、ゲームオーバーにもならない」バグの修正。 処理落ちの改善。しかもオプションであえて処理落ちを再現するよう設定することもできる。 当時としては最強レベルのCOMプレイヤー。 VS.COMの難易度設定ではHARDより上のS-HARDに続き、さらに難しいV-HARDが追加された。 V-HARDにもなるとCOMプレイヤーはやたらと粘り強く、おじゃまパネルの送りあいによるラリーが期待できる。火力が不十分だと長引いて10分越えも。SFC版ではもう楽勝で物足りないという人も安心してその強さを体現できるだろう。 カーソル速度の上昇だけに頼らず、ステージごとに思考パターンを変えており、例えばプレイヤー側がせり上げするまで様子見するなど、思考ルーチンはかなり細かく組まれている。 V-HARD自体は『ポケモンでパネポン』で既に実装されていたが、「ステージクリア」のボスと同様にHP制の対戦方式だったため、プレイヤーと同じ条件で戦えるのは本作が初となる。 システム面の追加・改善いろいろ オプションモード、自作パズル作成機能、4人対戦モードの新規追加。 オプションではサウンドテスト、連鎖・同時消しカウント表示の半透明化、前述の処理落ち設定なども可能。 SFC版では13まで、それ以上は?と表示されていた連鎖カウントが14以上も継続表示される。こちらもオプションでSFC版と同じ設定にすることも可。 パズルモードが選択不可のステージクリア制から問題選択制になる。 クリア数に応じて新たにステージが開放される形式へ変更されたため、詰まってもとりあえず後回しにして他の問題をプレイできる。 3Dモード 新ルールとして3Dモードが追加された。20列相当のパネルが左右が繋がった筒状になってせり上がってくる。筒を回しながらプレイし、裏側まで手を回さないといけない。 従来の2D以上のパネル数があるため上級者になればアホみたいに長い連鎖も可能。脳汁が出ること請け合い。 現状このモードはポケモンパズルリーグと本作のみの搭載となっている。 賛否両論点(パネポン) 説明不足のキャラクター交代とその設定 2002年末にパズルコレクションの発売と同作への収録、画面写真やキャラクターイラストなどの情報が公開されたが、主人公はSFC版の「リップ」に似てはいるものの、髪形や服が微妙に違う「フリル」という名の別のキャラクターだった。さらにゲーム画面で確認できた他の妖精の多くも「SFC版とは似ているようで違う」というデザインになっていた。 + 参考画像 今作の主人公「フリル」(左)と、SFC版の主人公「リップ」(右)は別キャラ。似てはいるものの、髪形や服が微妙に違う。 発売直後もメーカーや開発サイドからの言及は特になかったが、公式攻略本で「フリルはリップの娘」と紹介され、後の世代の話であることがやっと明かされた。しかし公開された設定はたったこれだけである。 初報ではこの親子関係に触れられることはなく、さらには設定説明や先代キャラの登場などゲーム内にそれを明示する表現は全くないため、しこりや余計な憶測を呼ぶ原因となった。 しかし他の任天堂キャラへの交代が繰り返された当シリーズにおいて、SFC版のキャラクターによるシリーズ展開を諦めていたファンからはGC版がSFC版直系の後継作として発売されたこと自体が奇跡と、おおよそ好意的に受け入れられている。 SFC版のリメイクを謳っていたのにキャラクターが変えられているのもおかしいのだが、初報から次世代キャラであることを公表しておけばいくらか心象は良かっただろう。 ゲームにはリップをはじめ大人になっているはずの先代キャラは一切登場しない。この手の世代交代物によくある両者のからみが一切見られないのは残念極まりない。 女子向け色の強いキャラクターと世界観 また、SFC版と同じようなキャラクターのデザインである事は、良くも悪くも人によって評価が分かれやすい。「SFC版からそうだったので問題無い」「さすがにもう慣れた」という人や、「全く問題無い」「むしろこれがいい」という人もいるが、やはり「このキャラデザインには抵抗がある」という人もいる。 前述の通り、オムニバスソフトの収録作となったため「パッケージを手に取りレジへ持っていく」という購入時の難易度は大幅に下がっている。恥ずかしがっていた人も今度はついでにプレイしてみてはいかかだろうか。 ストーリー内容に関する点 VS COMのストーリー序盤は「妖精界の異変から唯一免れた花の妖精が他の妖精の正気を取り戻し、皆で妖精界を征服しようとする巨悪と対峙する」というものでSFC版と一致するが、後半の筋書きはSFC版と全く異なる。 + 以下ネタバレ注意 途中で太陽の王子と名乗る美少年剣士「カイン」が現れ合流。フリルと"宿命的な出会い"(キャラクター紹介より)を果たす。 後半の敵キャラが「フェニックス」「ドラゴン」ではなく、夫婦双頭竜の「キックチョップ」とマジシャンの「ジョーカー」となっている。 その後SFC版と同名のキャラクター「魔王サナトス」「女神コーデリア」が登場するが、外見やキャラクター設定が異なる。 サナトスはどちらも角付きモヒカンマッチョの大男だが本作では白髪になっている。SFC版に登場した魔王の「オリジナル」「本人」である可能性はあるが、説明は一切ない。 コーデリアは裸で金髪ロングヘアという共通点がある。しかし顔がだいぶ異なる上、各ストーリーの差異からどう考えても全くの別人。 真の敵は女神ではなく、私利私欲のためにクジラのジルバを操り悪事を働いた魔女三姉妹だった。この三姉妹はHARDをノーコンティニューでクリアするか、V-HARD以上でクリアすると最後に戦うことができる。 勝利した後のデモの最後には三姉妹の長女が「これで終わったと思ったら大間違いだよっ!」のセリフを吐いて終了するため、「この続きが見られるのではないか」「より難しいゲームモードが公開されるのではないか」と捉え、前作のようにV-HARDをゲームオーバーなしでクリアしてみたプレイヤーもいるが、それでもエンディングは全く変わらない上にV-HARDが最高難易度のため、無駄な努力である。 また続編への持ち越しとも受け取れるが、残念ながら続きの話を描いたゲームはない。どちらにしても尻切れトンボ感は否めないだろう。 なお、勝った場合は上記のデモの後にスタッフロールのBGMが変化するが、負けた場合はコンティニューができず、そのまま通常のスタッフロールに移行する。 BGMについて パネルでポンはキャラクター固有曲をはじめとした多数のBGMが好評を得ていた。本作において既存曲はアレンジされるか、さらには新曲へ入れ替えがされており、曲によっては賛否両論がある。 多くは順当なアレンジだが、緑の妖精、月の妖精、魔王は別曲に入れ替わった。 前2曲は曲調を引き継いだ新曲となっており、前作の雰囲気を壊すものではないため、違和感はあまりない。 SFCの魔王曲は勇ましさとコミカルさが同居した名珍曲として大好評だったため、作風がガラリと変わったGC曲に残念がる人は多かった。曲自体はシリアスな正統派路線でカッコいいのだが、SFC版の印象があまりにも強すぎる。 一方で、風の妖精の曲はサビがカットされ短くなり、通常エンディング曲はリピート多用でメリハリがなくなった。 ちなみにBGM担当がGB版『ヨッシーのパネポン』と同じ人のせいか、後者にはヨッシーアイランドOP曲のフレーズが混じっている。 SFCの緑の妖精のピンチ曲はライオン(中ボス)のピンチ曲に流用されている。もっともこちらは一部で「怖い」とも評される激しい曲調の上、相応にアレンジされているため、違和感はない。 そのほかアップテンポになった宝石の妖精、禍々しさは薄れそのまま善玉キャラにも転用できそうなボス・キックチョップの曲など、前作から大胆にアレンジしつつ新風を吹き込んでいる曲もある。 もちろん新曲はキャラクターや場面の雰囲気に合っており全体的に好評。ストーリーデモ用の曲は状況に応じ多数追加され、スローテンポのクジラのジルバのピンチ曲など意外な構成の曲もある。このパズルゲームらしからぬ多様性という点においては前作のツボをきっちり押さえている。 制約のある3Dモード 3Dモード自体は新鮮味があり面白いのだが、 肝心の1人用VS.COMや4人対戦で3Dモードを選ぶことはできない 。 エンドレスなど3Dのあるゲームモードでも、これを選んだからといってエンディング等の変化は全くないため、中途半端さやおまけ感が拭えない。 漢字混じりの太い丸文字フォント 独特な手書き風のフォントを採用している。ポップでかわいらしいデザインとも取れるが、濁点・半濁点付きの文字は元の文字をやや左下へ詰め、右肩へ「゛」「゜」を追加するなど、各文字のサイズや太さに統一感はなく、読みやすいとも言い難い。 スタッフロールの人名や、作中で多用される用語の「連鎖」「妖精」「魔王」などはともかく、「好奇心旺盛」「神秘」などの漢字もごく平然と使われている。漢字を排除したほかの2作とは対照的。 振り仮名の表示や、漢字を使わず かなで表示させる機能はない。小学生低学年あたりまでのプレイヤーにはやや厳しいものがある。 問題点(パネポン) このゲームの問題点は、ローカライズ移植の際に粗だらけにされたプログラムと、前作プレイヤーからの評価要素を削除した一方で、改善要望には応えられていないという点に集約される。 前述の通り海外スタジオ開発ソフトの日本向けローカライズ作であり、開発傾向が前作のブラッシュアップではなく、とりあえず見様見真似でひととおりの仕様だけは揃えて移植した感が強い。一方で後述の6桁固定スコアなど、原作の意図を汲んでいない仕様の改変もある。 さらにはローカライズと移植が施された結果として、なぜか新たなバグや不具合が増加する事態になった。 SFC版でプレイヤーに不利益のあるバグはおじゃまパネルの処理くらいだったので、これらのバグがよけい目立つことに。 バグ等に業を煮やしたプレイヤーからは、同時収録された体験版相当のGBA転送版の方がマシとか言われた。 本作固有の不具合 パズルゲームとして致命的なタイマーのバグ このゲームでは実時間の約1分10秒がゲーム内では1分としてカウントされる地味ながら重大なバグが存在する。 そのため2分ちょうどで終わるはずのスコアアタックが実際は2分20秒ほどある。他機種より制限時間が長いため容易に高得点が取れる。 他のゲームモードにて表示される経過時間も当然不正確なものとなる。実際の経過時間は表示時間よりも多い。 同様に64から移植されたドクターマリオにこのバグは存在しない。またパネルやカーソルの挙動などゲームスピードに影響はない。 その他、デモやメニュー周りの不備・不具合が目立つ。一言で表現すると仕事が雑。 VS.COMのストーリーデモ メッセージ欄横に表示されているキャラクターはセリフだけでなく、状況説明やキャラクター名紹介などセリフ以外の文章でも口パクしている。 フリルと背景の切り替えタイミングがズレて不自然に見える場面がある。 オプションのサウンドテストでフリルの説明メッセージ音が被り、うるさい。 「BGMを きけるんだよ」「きにいった きょく あったかな」のメッセージ音がえんえん繰り返され、サウンドテストを全力で邪魔してくる。 一応回避方法はある。あらかじめSEボリュームを下げておき、サウンドを再生したあとすぐ上の効果音へカーソルを合わせればよい。ただしSEボリュームを下げてもSEの音量が目立たなくなる程度に小さくなるだけで、完全に消えるわけではない。どうしてもカーソルの移動音やメッセージ音は被る。 ポケモンパズルリーグの同オプションではメッセージによる説明がないためこのようなことは起こらない。また、こちらは今作と違いSEボリュームを下げると完全にSEが消える。なぜ変えた? さらに曲は必ずフェードインしながら再生されるので、先頭がわずかに切れる。ただしこれは2作とも同じ。 この他発生頻度は相当低いものの、メニュー画面でごくまれにフリルがくしゃみをすることがある。当然サウンドテストでもお構いなし。本来ならば聞けたらラッキーで済むサプライズ演出となるはずだが、これらの妙な仕様ではまず基礎をしっかり作ってよ、と言いたくなる。 スタッフロール最後の著作権表記に使用されている文章画像がまともにトリミングされておらず、汚く見える。 GCに合わせた画素数に拡大した際の比率が合っていないのか、さらには透過処理させるつもりの文字周りが透けずに表示されているようだ。 一方でタイトル画面のロゴだけはGCグラフィック相当の綺麗なもの。64ソフトとして開発していたときのロゴと差し替えたのだろうか。 ルール説明で特定のフリルのセリフが繰り返し表示されることがある。 正確にはメッセージ欄1枚で収まらないセリフを2枚に分け、1枚目と2枚目をループ表示させている。ボタンを押し進めていないのにえんえん同じメッセージだけ繰り返されるのはかなり違和感がある。 吹き出し状のメッセージ欄もフリルの動きに合わせて上下に激しく動いており、単純に読みづらい。 ポケモンパズルリーグに起因する不具合と仕様 VS COMでセーブをした後再開すると1ゲームオーバー扱い。このためノーコンティニュークリアを目指す場合は一切中断できず面倒なことに。 ポケモンパズルリーグには逆のバグがある。ゲームオーバーになってもその場ですぐコンティニューせずに一度メニューへ抜けてから再開すると、ゲームオーバー数がカウントされない。このバグを修正しようとしたのだろうが、結果的に今度は新たなバグを生むという事態になった。 ただ、本作ではゲームオーバーの有無によるストーリー等の変化はないため、ノーコンティニュークリアはただの自己満足要素である。 プレイヤーごとにハイスコアや最高連鎖・同時消し数の記録がされるのはいいのだが、VS COMやステージクリアの進行状況はベスト記録ではなく直近の状況が記録される。 折角ゲームオーバーにならずラスボスを倒したとしても、次プレイ時にセーブをすると記録が上書きされてしまい最初から。ゲストや別のプレイヤーファイルでプレイすれば完全に防げるが、そうなると最高連鎖・同時消し数が記録されないというジレンマ。 スコア表示が6桁固定。 他機種では5桁固定または5桁と6桁の任意切り替え。エンドレスではカウンターストップの時間を競う遊び方もあり、他機種では到達時間が記録されるものもある。 本作では6桁固定で5桁への切り替えもできないため、そもそもカンスト自体が難しい。 ゲームフィールド周り、特にパネルがぼやけて見える。 これはドットが横長のSFCと同じ画面比率を再現するために正方画素で描いたパネルの絵を横に引き伸ばしたことによるもので、れっきとした仕様である。描き直しをせずGCへそのまま移植したため引き伸ばしの粗がやや目立つ。 他機種より改善されなかった点・劣化した点など ゲームモードごと別にあったエンディングが削減。VS COMのストーリー分岐も廃止。 これらはSFC版で好評だったごほうび要素のひとつである。「カウンターストップで終わったなら…」「ほかのゲームモードをクリアしたら…」「主人公をゲームオーバーにさせなかったら…」と、プレイヤーのモチベーション維持に繋がっていた。それが特に理由もなくばっさり削減されてしまった。 SFCでは重複を除くとエンドレス3万点以上、エンドレス99999点カンスト、ステージクリア、パズル、VSでそれぞれ異なるBGMのエンディングが見られた。エンディングで流れるスタッフロールも表示の演出に変化があったり、スタッフ名の表記が漢字混じり、もしくはかな表記だけだったりと、趣向が変えられている。 一方GCではエンディングが1つだけしかない。つまりどのゲームモードをどうクリアしようが見られるエンディングは同じ。特定条件でBGMがほかのもう一方に変わるのみ。 一応パズルモードではパズル問題作成スタッフの紹介エンディングがある。BGMは通常エンディングの使い回しだが。 GB版でさえBGMは使いまわしながらゲームモードごと別演出のスタッフロールが用意されていたので、容量と表現に制約のあった先行機種よりもバリエーションは少ないことになる。 相変わらず改善されていないキャラクターの選択制限。 1人用のエンドレスとスコアアタックではゲーム開始前に選択したキャラクターによってそれぞれ異なる固有の背景+BGMでゲームがプレイできる。SFCでは6人の妖精からしか選べなかったので、ほかの妖精や敵キャラクターでもプレイしたいという要望が多かった。 データ容量という制約はなくなったはずなのに、GC版でもこの制限はなぜか続投。ランダムで変わるメニュー画面の壁紙ではカタツムリ(?)、ペンギン、ラッコなど、選択できない残りの妖精のお供らしいキャラクターの姿を見ることができるものの、彼らの出番はこの壁紙以外にはない。 魔王サナトスの1人用画面はステージクリアのスペシャルステージ用として存在するのだが、SFCと同様にエンドレスとスコアアタックではやはり選べない。 ただし、ポケモンパズルリーグではスタジアムの背景1種で固定、BGMはランダムで選択もできないため、一応これでも修正された方。 2人用や多人数プレイでも選択できないキャラクターがいる。ラスボスの魔女おばば3人組は隠しコマンド等でも開放されないため、プレイヤーが使うことはできない。他作品ではコマンド入力で全員選択できるようになるのだが。 VS.COMのクジラのジルバ戦で見られた一枚絵の背景も使えない。 ポケモンパズルリーグではラスボスのミュウツー クローンポケモン戦で一枚絵の背景が使われており、こちらは隠しコマンドで使用することができた。 まともなフリー対戦ができない。 オプションのCPUスイッチをONにすると1P・2P両方ともコンピュータの操作となる。 同様のオプション機能が用意されているヨッシーのパネポンSFC版やポケモンパズルリーグでは2PのみCPU操作にできるので、2人用ゲームでコンピュータ相手にフリー対戦をすることができた。本作ではどういうわけか、ただコンピュータ同士の対戦を見るだけの機能にされている。なぜ変えた? 一応4人対戦モードでフリー対戦はできる。ただし後述の変則ルールになるうえ、小さな画面でプレイしなければならない。 その他 4人対戦モードのおじゃまパネル変則ルール おじゃまパネル対戦では「同時消しをした場合はそのパネルの色、連鎖をした場合は最後に消したパネルの色と同じゲームフィールドのプレイヤーへ おじゃまパネルが降る」変則ルールが設けられている。プレイヤー1の場合、水色▲のパネルを消してしまうと、自分で作った おじゃまパネルが自分のフィールドに降ってくる。 このルールはオプション等で変更することはできず、消すパネルの色を気にしながらプレイしなければならないため、自爆やミスの原因になり大不評。パーティプレイ向けの逆転要素なのだろうが、ガチ勢にとっては蛇足でしかない。 後の『パネルでポンDS』では他プレイヤーすべてにおじゃまパネルが降るよう変更された。 総評(パネポン) 海外版における海外チームの原作への理解の欠如ゆえの粗をローカライズで修正しきれなかったこと。この1点が本作の大きな問題点である。 時代に見合った進歩は見られるものの、原作となるSFC版や日本未発売の他機種で好評だった要素は改悪、改善すべき点はそのまま放置、バグや不可解な仕様設定による欠点も増えるなど、せっかくの新要素や改善点を打ち消してしまっている。このためSFC版の完全な代替作としては全く機能していないと言っていい。 ただでさえ国内での正式な続編展開が望めずに来ていた作品だっただけに、せめて流用開発に頼らず国内の開発スタッフに任せていれば…と思わざるを得ない作品になってしまった。
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Mortal Kombat 3 【も-たるこんばっと すりー】 ジャンル 対戦格闘アクション 対応機種 プレイステーション 発売・開発元 ミッドウェイゲームス 発売日 【国内PS1版】1996年6月14日 定価 5,800円(税別) 判定 なし Mortal Kombatシリーズ Mortal Kombat 3 概要 ストーリー キャラクター システム FATALITY 評価点 問題点 総評 余談 家庭用移植 概要 モータルコンバットにおけるメインシリーズの3作目。北米ではAC版が1995年4月15日に稼働した。前作までの東洋的かつ魔術的な要素を一新し、魔界に侵食される地球を舞台としており、都会ステージも登場するなどより現代的な世界観になっている。前作同様に多くのハードで家庭用移植版が発売されているが、国内ではPS1のみ販売されている。一方、本作のAC版稼働日からおよそ半年後には本作のマイナーチェンジ版であるUltimate Mortal Kombat3(UMK3)が登場している。 ストーリー 長い世紀の間に地球は外界の皇帝であるシャオ・カーンから身を守ってきた。カーンは地球侵略に幾度となく失敗してきたことに苛立ちを感じていた。そこで一万年前から立てられていた計画を実行する。その間にカーンはシンデルという名の王妃を持った。しかし彼女に不慮の死が訪れてしまう。このときカーンはシャン・ツンにシンデルの魂を外界でなく地球に復活させるように命令した。この邪悪な行動により、カーンは王妃の奪還という名目で異次元のゲートを通り、最終的に地球に侵入することが出来た。カーンは地球を少しずつ外界に変化させていった。カーンは、地球上の生き物の生命を奪い、魂を彼のものにしていった。そんな彼にも奪えない魂があった。新しいモータルコンバットに選ばれた闘士たちの魂である。 キャラクター リュウ・カン、クン・ラオ、ジャックス、シャン・ツンが前作から続投。 『1』からカノウとソニアが復活。 サブゼロは前作のサブゼロの弟であり、マスクを取った姿で登場する。スモークはサイバネティックス忍者の一人としてロボ忍者の姿で登場。 ヌーブサイボットは忍者タイプが居ないためか、本作ではカノウのシルエットになっている。 + 本作で追加された新キャラ シンデル(Sindel) 紫色のタイツに身をまとった、髪と目が白い女性。現在ではシャオ・カーンの王妃であるが、実はそれ以前にエデニアを統治していたという過去があり、キタナの母親でもあることからストーリー上重要キャラになっている。恐ろしい叫び声と長い髪を使った技が特徴。 ナイトウルフ(Nightwolf) ステレオタイプなネイティブアメリカンの歴史学者でありシャーマンの魔術を使用する。トマホークと光の弓を装備し、相手の飛び道具を反射する技を持つ。他キャラとの接点は聖地を侵略されたシャオ・カーン以外は現時点でほとんど無い。 ストライカー(Kurtis Stryker) 北アメリカの警察官で警棒や銃を装備する、いかにも都会的な本作を象徴するキャラクター。『4』から再び世界観が魔界寄りになってしまったせいもあり、以降のシリーズではしばらく登場しなかった。ストーリー立ち位置はナイトウルフ同様、むしろ彼の場合シャオ・カーンとの接点すら薄い。あまりにも地味だったのか『UMK3』から銃を使う技が追加されている。 サイラックス(Cyrax) リンクェイによって作られたサイバネティックス忍者の黄色いプロトタイプロボット。UNIT LK-4D4。サブ・ゼロ暗殺の命令をプログラムされており、魂がないためシャオ・カーンの侵略にも動じない。後のシリーズで良心があったことが描写されており改心にも成功している。爆弾や相手を掴む網のような飛び道具を備える。FATALITYでは自爆できる。 セクター(Sektor) サイラックスよりも前に作られた赤色のサイバネティックス忍者第一号。UNIT LK-9T9。彼もサブ・ゼロ暗殺がプログラムされている。リンクェイの計画に疑問を投じたサイラックスとは対照的に自らロボ忍者化を希望しているほどの冷酷な性格で、シリーズ通して悪側のポジションにある。技が2種類のミサイルとテレポートアッパーしか無いが、連発できるうえに追尾機能を備えたミサイルと撃ち分け出来るので長期戦が厄介になる。 シーヴァ(Sheeva) ゴローやキンタローと同様のショカン族。カーンに仕えているが、カーンがショカン族の宿敵であるケンタウリアン属のモタローを従えたことに不信感を募らせている。全く華がないが本作の数少ない女性キャラの一人。ゴローたちのようなガード不能の踏み潰し技や地響きなどを備えているがスキが大きく見切られやすい。キャラ性能も微妙で人気もなく、『UMK3』ではSNES・GENESIS版で削られている色々と不遇なキャラクター。中ボスであったゴローやキンタロータイプのキャラクターを通常キャラクターとして使用できるという点では斬新だった。 カバル(Kabal) フックソードを装備した元黒龍会のメンバー。シャオ・カーンの地球侵略の際に彼の軍隊によって重傷を負わされ、機械のマスクと生命維持装置を付けている。これをきっかけとしてカーンに復讐し、黒龍会を抜けて悪人から善人へと変化した経緯を持つが、ストーリーではその後再び悪サイドに戻ったりまた善サイドに行ったりと忙しい人。更に『9(2011)』での彼のストーリーも若干異なる内容になっている。仮面を脱いだ素顔で敵をショックのあまり幽体離脱させるFATALITYは必見。突進で相手を回転させる 相手の後方から足枷を引き寄せる技とコンボの絡みが圧倒的に強く、『3』ではスモークと並んで最強クラスだった。 モタロー(Motaro) 本作の中ボスで、ケンタウロスのように下半身が馬の体型になっているケンタウリアン族という種族である。ダウンさせようとしても多少よろける程度で飛び道具すら跳ね返すタフな身体と、4本足を生かしたフットワークの軽さ、リーチの長い尻尾攻撃、ワープ移動に威力の高い波動弾という凶悪な性能でゴロー・キンタロー以上に厄介な中ボスである。以前シャオ・カーンに仕えていたショカン族とは対立関係にある。名前の由来は桃太郎から。ゲームデザイナー兼グラフィックデザイナーのジョン・トビアス氏が子供の頃に遊んでいたフィギュアに出てくる敵がモチーフになっている。 システム 基本動作は『2』を継承しているが、新要素が追加されたことでよりゲーム性が増している。 RUNが追加されたことにより、キャラクターが前方向に走ることが出来る。相手との間合いを一気に詰めたり、奇襲をかけることが可能となった。その関係で本作からRUNメーターが登場している。 チェインコンボが追加された。キャラクターにより特定のコンボが使えるようになっている。また空中コンボも公式的に認められ、技のバリエーションが増加した。本作からコンボのヒット数とダメージ量(%)が表示されるようになった。 一人用モードで「Choose Your Destiny」による難易度変更ができるようになった。3段階のコース(塔)があり、右→左→真ん中の順で戦う相手の数が増加し難易度が上昇する。 対人戦でキャラ選択後、VS画面にコンバットコード(Kombat Kode)と呼ばれる公式の隠し要素が追加された。6桁(1Pと2Pそれぞれ3桁×2)の枠に9種類あるアイコンを組み合わせることで特殊なバトル(ブロック不能、投げ不能、ダメージ2倍など)が出来る。 これとは別に、ゲームオーバー時12桁のパスワードを入力するUltimate Kombat Kodeがある。こちらは隠しキャラクターのスモークを解禁するためのもの。 ステージは魔界に侵略されかけた都会を舞台にし、現代的な雰囲気が濃くなっている。また特定のステージは繋がっており、アッパーカットで敵を上方に吹っ飛ばすと上のステージに切り替わるという特殊効果もある。 FATALITY 従来のFATALITY、FRIENDSHIP(*1)、BABARITYに加えてMERCYとANIMALITYが追加された。 MERCYは試合が最終ラウンドにもつれ込んだ時に発動できる。相手にトドメをささずに若干体力を回復させ、チャンスを与える慈悲の技である。 ANIMALITYはMERCY後に使用できる。発動したキャラが動物に変化し、動物の野生本能で相手を殺傷する。なおMERCYをされた側が逆転勝ちしてもANIMALITYを行うことが出来る。 MERCYは勝敗には必要ないどころか逆に不利になってしまう可能性もあり、その後のANIMALITYと併せてパフォーマンス性が高い。 STAGE FATALITYは3ステージあり、The Subway(地下鉄ステージ)と、Shao Kahn Tower(シャオ・カーン・タワー)、そして恒例のThe Pit 3と3つのステージで使用できる。 The SubwayのSTAGE FATALITYは想像通り、相手を反対のホームにぶっ飛ばし通過する地下鉄にぶつけるという、実に都会的でインパクトの強いFATALITYである。 今作のThe PitはCPU戦ではシャオ・カーンの最終ステージになっているので、対人戦でないと発動できない。 評価点 格闘ゲームとしての質が向上した。 チェーンコンボや空中コンボの組み合わせが容易になり、若干テクニックとシビアな操作が必要だったコンボの敷居をある程度下げている。 RUNの追加により、飛び道具で牽制される前に間合いを詰めたり突発的に奇襲をかけたりというようなスピーディな戦略も可能になった。 難易度が緩和されている。 Choose Your Destinyである程度の難易度変更が出来る他、全体的な難易度も若干落とされている。 『UMK3』は再び超反応気味になっているため、ビギナーはこちらの方が遊びやすい。 多くの小ネタや隠し要素。 対人戦で特殊ルールを設けたり隠しキャラとの対戦が出来るコンバットコード、ファン向けに用意された多くの小ネタ(後述)など、ユニークな仕込みが多い。 対戦格闘において特殊条件を設けて対戦する方法は多くの場合CS機での裏技に限られる事が多かったが、本作ではコンバットコードによってアーケードでも多彩な特殊ルールでの対戦ができるようになっている。 隠しキャラクターとの対戦もコンバットコードから行う。勝利した側がシューティングゲームを出来るおふざけコードもある。また北米ではコードのヒントメッセージを利用したピンボール筐体との提携もあった。(いずれも詳細は余談に後述する。) 問題点 世界観を一新した関係で、キャラクターが大幅にリストラされている。 トーナメントに招いたライデンが登場しない。ジョニー・ケージは本作の開始前にモタローに殺されているため未登場。バラカもリストラされた。 男女ともに忍者タイプは(リニューアルしたサブゼロ弟とヌーブサイボット以外)全員リストラされており、レプタイル、キタナ、ミレーナ、ジェイドといったキャラクターは本作で登場しない。恐らく本作の都会的なイメージに合わなかったのだと思われる。 特に人気であるスコーピオンも例に漏れず本作では登場しなかった。シリーズのメイン系列では本作のみ唯一未登場という無念な結果に。 互換キャラやそれに似たキャラがいるわけでもないので、リストラキャラを使用していたプレイヤーは新規キャラの使用を余儀なくされた。 既存キャラについてもマスクを取ったせいでミステリアス感が減少したサブゼロ、両腕が機械化したジャックス、完全にロボ化したスモークなど前作との違和感が大きい。 また、リュウ・カンについてはモデル俳優が変更されている。 ナンセンスさが増したFATALITY。 とくに爆発系の技が多く、骨を飛散させた簡素なエフェクトばかりになってしまった。 ばらばらになった骨の中には手足もあるが、マネキンのような無機質なビジュアルでリアリティに欠ける。それだけならまだしも、1人数分としてありえない数の手足や頭蓋骨が落ちていることもあり描写に手抜きさを感じる。 追加されたAnimalityも、動物のカラーが一色塗りで地味。 『UMK3』では追加キャラのみ動物が色塗りされ、よりリアルに改善された。 前作・前々作と残虐さが社会問題になっていたためにソフトな表現にせざるを得なかったのだと思われる。 キャラ格差が激しい。 即死級のコンボに永パ持ちのキャラクターもいるが、熟練していないと発動は困難。しかしそうでなくても瞬発的に相手の動きを止める技を2つ持つ上に飛び道具も地上空中で発動できるカバル、スコーピオンのスピアー+テレポートに姿を消す技まで備えたスモークはコンボが作りやすいこともあって他を圧倒している。 総評 前作までのシステムを一新し、コンボゲーとしてスピーディな格闘要素を盛り込み、様々な小ネタをフィーチャーし長寿化を図った意欲作。新しいシステムでシリーズを展開しようという意気込みが感じられ、北米では前作に続きヒットを果たした。 その一方であくまでも都会的なイメージを貫いたのが仇となり、世界観の崩壊や人気キャラクターのリストラといったマイナス要素が生まれてしまい、一部ファンの間では批判もあった。 とはいえチェーンコンボ技を中心として本作で定着したシステムは後のシリーズにも受け継がれており、今まで作り上げて来た柱をより強化したと言っても過言ではない。 後に世界観を再び魔界寄りに戻し、より洗練されたUltimate Mortal Kombat3が登場したことで本作の問題点は解消され、ようやく完成された作品となった。 余談 シャオ・カーンとシンデルはストーリー上で夫婦の関係であったが、それぞれの役者も実際に付き合っていたという逸話がある。但し既に破局してしまっている。 ナイトウルフのFRIENDSHIPで「I ve Never Seen a Kano transformation, No, but know how to do a Raiden Transformation(カノウの変身を見たことがないが、ライデンの変身なら知っている)」という台詞がある。これは『2』のアーケード版のオペレーター用サービスメニューに「KANO TRANSFORMATION(カノウへの変身回数)」というダミー項目が存在していたことへのユーモア溢れる返答である。『2』稼働中、シャン・ツンが各キャラに変身した回数の中に未登場であるはずのカノウが表示されていたことからユーザー間で話題になっていた。 ちなみに本作では同様のお遊び要素として「JOHNNY CAGE TRANSFORMATION(ジョニー・ケージへの変身回数」というダミー項目があり、あるステージに彼の墓が登場する。 対戦で100連勝する、もしくはコンバットコードを入力することによって「Rellim Ohcanep」という世界に突入し、ギャラガ風のシューティングゲームが遊べる。この名前は本作の開発者であるMark Penacho氏とKent Miller氏の名字を組み合わせて逆さ読みしたもの。 20年後に発覚したアーケード版の隠しコマンドで選べるメニューには「PENACHO/MILLER GAME」という項目があり、恐らく彼らがこのミニゲームを手掛けたと思われる。 GENESIS版ではPongが出来るコンバットコードがあるが、このコードの効果名には「PREVIEW NEXT GENERATION FIGHTING GAME(次世代格闘ゲームを体験する)」という大袈裟なジョークが含まれている。 コンバットコードには謎のメッセージが含まれている。この内の2つはWilliams(*2)から同じ年に販売されたピンボール台のイースターエッグのヒントになっており、メッセージに従うことで別のコンバットコードを入手できるという仕組みだった。現在では該当するピンボール台自体がプレイ困難であることと、全てのコンバットコードが公開されているために意味を成さなくなっているが、コードを介したピンボール筐体との連携は北米らしいビデオゲーム文化の象徴ともいえる。 家庭用移植 後発の『UMK3』の方がメジャーになっているが本作も多くのハードに移植されており、北米ではSNES、GENESIS、PS1、MS-DOSやWindows、8ビット携帯機向けにはGBに加え欧州限定でGGにリリースされた。またPS2とPSPの「Midway Arcade Treasures」シリーズの一つに収録されている。国内ではPS1のみ販売された。 本作の北米PS1は初期のPS1本体にバンドルされていたこともある。グラフィックやサウンドはAC版に近いが、ロードが長くサウンドが途切れるなど不完全な部分もあり完全移植とは言えない。ディスクの関係上シャン・ツンの変身も勿論ロードがかかるが、設定により変身キャラを限定することでロード時間の短縮が出来る。 国内PS1版について、今まで国内での展開は暴力表現がカットされがちだったが、PS1版では北米と同様に規制もなくそのまま移植されている。更にOPとキャラ紹介が麦人氏によって日本語でナレーションされている。表記自体は英語のままながら上手にまとめられた翻訳で、日本語でモータルコンバットの世界観を楽しみたいプレイヤーにオススメできる。
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本稿はソーシャルゲームが原作の版権ゲームを扱っています。 本Wikiはソーシャルゲームの執筆が一切認められていないため、CS版の詳細に関する記述に限定し、アプリ版に関する情報は割愛しています。 五等分の花嫁 ごとぱずストーリー 【ごとうぶんのはなよめ ごとぱずすとーりー】 ジャンル メモリアルアドベンチャー 対応機種 Nintendo SwitchPlayStation 4 発売・開発元 MAGES. 発売日 2023年6月29日 定価 パッケージ版 6,980円豪華イラスト画集セット 9,980円ダウンロード版 6,980円五つ子コンプリートセット 19,980円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 なし ポイント アニメ一期ストーリーと24回のイベントストーリー収録テンポの悪さやUIの不備が目立つ 少年マガジンシリーズ 概要 内容 メインキャラクター 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 2020年にリリースされたスマートフォン用ゲーム『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。』(通称「ごとぱず」)の家庭用機移植版。 原作アプリはパズルゲームだったが、CS版ではパズル部分はカットされ、アドベンチャーゲームのように読み進める形となっている。 アドベンチャーゲームではあるが『五等分の花嫁∬ ~夏の思い出も五等分~』(以下「ごとなつ」)と『映画「五等分の花嫁」 ~君と過ごした五つの思い出~』(以下「ごときす」)の2作とは違う出来となっている。 当初は2023年5月25日発売の予定であったが、ブラッシュアップのため発売がほぼ1ヶ月延期され翌月29日となった。 内容 初めてのゲーム開始時に履歴書を用意するという名目で主人公の名前と誕生日を決める。 名前は後から変更できるが誕生日は変更不可。誕生日を指定した日にプレイするとホーム画面で五つ子が祝ってくれるという要素がある。 プレイする日によってタイトル画面とホーム画面の五つ子衣装が変化する。 例えば7月1日~10日だと水着になっている等。 ホーム画面での並び順は左から一花、二乃、三玖、四葉、五月で固定。 TVアニメ一期を再現した「アニメ一期ストーリー」 全12章で「結びの伝説2000日」まで(原作でいう原作4巻32話まで)が収録されている。風太郎が焼肉定食焼肉抜きを頼むところから林間学校までを描く。 「五つ子の家に置き忘れるのが財布から単語帳になる」「一花がオーディションに遅刻してしまう」等といったアニメ化にあたって変更された点も受け継いでいる。 アニメで喋っていた部分がテキストで書かれており、時々選択肢もある。一枚絵はアニメ化した際の映像を流用したものである。2D背景に3Dモデルを使った立ち絵で表現している部分もある。 2020年11月からの1年間に開催された24回のイベントの「イベントストーリー」 そのテーマに沿った内容で風太郎や五つ子たちとの掛け合いが行われる。時々選択肢もある。 基本は2D背景に3Dモデルを使った立ち絵で表現している。一枚絵も使われる。 2020年11月からの1年間に開催された24回のイベントの「五つ子ストーリー」 「イベントストーリー」のエピローグを見ると「五つ子ストーリー」の解禁が解禁される。 そのテーマに沿った内容で風太郎と五つ子のうち誰か1人による掛け合いが行われる。 途中でキラキラアップかドキドキアップの選択肢があり、選択によってストーリーが分岐する。 片方見たら選択肢の部分から始めることも可能。一度見たものはキラキラマークorドキドキマークが付くのでどれに分岐するかわかるようになっている。 基本は2D背景に3Dモデルを使った立ち絵で表現している。一枚絵も使われる。 2020年11月からの1年間に開催された24回のイベントの「コクハクストーリー」 「五つ子ストーリー」の2イベント分の選択肢を全て見るとコクハクストーリーが解禁される。2つのイベントで1シーズンなので12回分ある。 「五つ子のうち誰かを選ぶ」「五つ子のうち誰かを選んだあと別の誰かを選ぶ」があるので、1シーズンごとに5人分で差分は10存在する。 これも一度見たら選択肢の部分から始めることも可能。 カードが排出されるようになるのは「五つ子のうち誰かを選んだあと別の誰かを選ぶ」の方である。 + 収録イベント一覧(長いので折り畳み) 五つ子ちゃんと秋のお出かけ ~謎の手紙と××な秋~ 五つ子たちとの勉強会から帰る途中、 待ち合わせ場所が抜けた手紙が鞄の中から見つかる。 その手紙について、五つ子たちを尋ねて回ることになる。 五つ子ちゃんのご主人様 ~日ノ出祭メイドクイーン~ 文化祭で、五つ子たちはメイド服をテーマとしたファッションショーのモデルを頼まれることになる。 参加してる人の中から、投票によって文化祭のクイーンが選ばれる。 文化祭の当日、メイド服に着替えた五つ子たちが声をかけてくる。 五つ子サンタのクリスマス ~届け!デリバリー大作戦~ スマスに妹のらいはにクリスマスプレゼントを買ってあげたい風太郎は1日だけレストランでバイトすることに。 当日、何故か五つ子たちもレストランにやって来て、 みんなでお仕事に励むことになる。 五つ子たちの協力もあって、仕事は順調に進んだが…。 五つ子ちゃんと冬のおでかけ ~イルミネーションラビリンス~ 息抜きが必要ということで街に出かける。 しかし、突如五つ子たちがいなくなってしまう。 風太郎は五つ子が作った問題を解いてそれぞれが待っている場所に向かうことになる。 五つ子ちゃんの正月デートが一花の場合 ~ナイショの初詣~ 五つ子たちのお正月に招待され、豪華なおせちや餅に舌鼓を打った後はゲーム大会。 おなか一杯になった一花は眠っているので、代理で風太郎がゲームに参加。 ほかの五つ子たちも遊び疲れて眠ってしまう。そんな時、目を覚ました一花が風太郎を外に連れ出して…。 五つ子ちゃんの温泉旅行 ~混浴?温浴?スタンプラリー!~ 五月が福引で当てた温泉旅行にやってきた。 五つ子はそれぞれ行きたい所があるようだ。 温泉スタンプラリーをしながら観光地を巡ることになる。 五つ子ちゃんのバレンタイン ~溶かして固めてハイどーぞ!~ 『もうすぐバレンタインだしみんなでチョコを作って食べちゃおうパーティー』を開催され、風太郎は五つ子に呼び出された。 五つ子たちは風太郎のアドバイスを聞きながらそれぞれ手作りチョコの材料を揃える。 買い物が終わったらパーティ会場に移動。五つ子たちがチョコを作ったが、だれがどのチョコを作ったか当てられるだろうか? 五つ子にゃんと猫カフェバイト ~謎のコクハク!キミが好き~ 一花に割のいいバイトだと呼び出されたが、そこはオープンしたてのネコカフェ。猫耳姿の五つ子がお出迎え。 店長から留守番を頼まれて、五つ子と共に協力して猫の世話とお店の宣伝に奮闘する。 五つ子ちゃんのプリンセスが二乃の場合 ~パレードは突然に~ アラビア風のお姫様の格好をした二乃が夢に出てきた風太郎は、五つ子たちに誘われてオープンしたばかりの遊園地にやってくる。 童話(『眠れる森の美女』『アラジンと魔法のランプ』『シンデレラ』『白雪姫』『不思議の国のアリス』)をモチーフにしたアトラクションを楽しんでいると突然、園内アナウンスで五つ子たちが呼び出される。 五つ子ちゃんとお花見さんぽ ~場所取り名人はだ~れ?~ 五つ子たちやらいはと花見をすることになった風太郎は場所取り係に立候補したが、徹夜したためバス停で寝てしまう。 代わりに、らいはの連絡を受けた五つ子たちが場所取りをすることに。 らいはは、五つ子たちが見つけた中で、一番お気に入りの場所があるようで、風太郎にその場所を当てて欲しいと言いだし、らいはが気に入った場所を推察することに。 五つ子ちゃんと夜桜クルーズ ~船上ライトアップロマン~ 知り合いに屋形船の招待券をもらった風太郎。普段のお礼にと、五つ子たちを屋形船での夜のお花見に誘う。 ノリノリで貸し出し衣装に着替えた五つ子たちを乗せ、 屋形船が動き出す。 五つ子ちゃんのパジャマパーティ 深夜の女子会からの脱出 五つ子を探してレンタルルームにやって来た風太郎。そこでは五つ子がパジャマパーティを開いていた。 風太郎に見張られながら、五つ子たちは事課題を終わらせる。 しかし、風太郎が出ようとすると、何故かドアが開かない。部屋を出るには江端(*1)が用意した謎を解かなければならなくなった。 五つ子ちゃんのバースデー ~南の島でお祝いを~ 勉強を頑張ったご褒美旅行に来た五つ子と風太郎。 風太郎は間もなく訪れる五つ子たちの誕生日のために バースデーケーキを選ぶ役を任されることに。 風太郎は五つ子たちと街を歩きながらそれぞれの好みを探り、 全員が満足できるケーキを見つけることに。 五つ子ちゃんのナースが三玖の場合 ~お注射の時間です~ 五つ子たちが、父親の知り合いの病院(*2)で、 1日看護師体験をすることに。風太郎が入院患者役になって、五つ子たちにお世話をしてもらう形。 みんなが張り切っている中、風太郎は看護師に5人のうち誰かが体調を崩しそうだと聞かされる…。 五つ子ちゃんとヒミツの雨上がり ~紫陽花公園でつかまえて!~ 風太郎は五つ子に連れられて 紫花公園にやって来た。 五つ子たちは、公園の中でそれぞれが出す謎を風太郎が解けたら、1週間後の勉強会に全員参加すると約束。 風太郎は勉強会のために次々と謎を解いていくが…。 五つ子ちゃんのバーガーショップ スマイル5倍でポテトもいかが? 学校の課外授業でハーガーショップで職業体験をすることになった風太郎と五つ子たち。 作業を分担して開店準備を進める。 風太郎が客となり、五つ子たちは接客練習も行った。 開店し、沢山の客の注文を協力してこなしていく。 常連客が五つ子たちに、ある提案をしたが…。 五つ子ちゃんと真夏のビキニ ~飛びっきりのサマータイム~ 五つ子たちから海沿いのリゾートホテルに誘われた風太郎。とはいえ、そこは家庭教師の上杉風太郎。五つ子たちに勉強をさせることは忘れていない。 無事に勉強を終えた風太郎と五つ子は、 ホテルで行われているイベント 「ビーチを楽しむ宝探しミッション」に参加することに。 ミッションをこなすと出会える素敵な宝とは一体? 五つ子ちゃんと夢幻のひまわり ~私たち入れ替わってる!?~ 目が覚めると、風太郎はひまわりに囲まれた幻想的な場所にいた。 そこに一花と四葉がやって来て、中身が入れ替わってしまったと風太郎に告げる。 風太郎はひまわり畑を回って五つ子たちを探し、真相を突き止めようとする。 五つ子ちゃんの花火大会が四葉の場合 ~大きくて小さなサプライズ~ 風太郎と五つ子たちは花火大会にやってきた。 かき氷、りんご飴、人形焼き、焼きそばといった、屋台ならではの食べ物を買ってきて、みんなで楽しく食べる。 食事を終え、花火が始まるまで自由行動になり、その時風太郎は、四葉のいつもと違う様子が気になり…。 五つ子ちゃんとお洒落なキャンプ トラブル・グランピング 風太郎と五つ子たちは、グランピングが楽しめるキャンプ場へやって来た。 ところが予約の手違いでキャンプ場まっていて、火を起こす道具すら借りられない状況に。 それでも風太郎は、みんなで協力してキャンプを決行しようと提案。五つ子たちはアイデアを出し合い、 こんな状況でもご馳走を作る方法を考えることに。 五つ子ちゃんのフレフレ!チアガール! ~五人でGo for it~ チアダンスクラブに参加して地元の少年サッカークラブを応援することになった五つ子たち。 割のいいバイトということで風太郎も試合当日の雑用スタッフとして手伝うことに。風太郎は練習中の五つ子たちにアドバイスしたり、 励ましたりする。 そしてやって来た試合当日、準備万端の五つ子に、思いもよらないトラブルが起こる…。 五つ子ちゃんのうさみみパーティ ~満月の女子会からの脱出~ ウサギだらけの部屋でウサギの格好をしてパジャマパーティを開催する五つ子たち。 勉強をせずにパーティをしていると聞いて飛び込んできた風太郎は前回のパジャマパーティに引き続き、またしても五つ子と一緒に部屋に閉じ込められてしまう。 もちろん、脱出するには謎を解き明かさないといけない。今回江端が用意した謎は、 風太郎と五つ子たちの記憶力を問う物。 五つ子ちゃんのハロウィンタイム ~TrickでTreatな夜~ 五つ子に呼び出されて待ち合わせの場所にやって来た風太郎。そこにはハロウィンの仮装に身を包んだ五つ子たちが待っていた。 ゲームに勝てば貰えるお菓子を倍にすると言われた風太郎は、 沢山お菓子を持ち帰ればらいはが喜ぶと考え、五つ子たちの挑戦を受ける。 そのゲームは五つ子と風太郎との知恵比べだ。 五つ子ちゃんのガールズバンドが五月の場合 ナゾの楽譜と思い出のカタチ ガールズバンドを結成して地元のフェスに参加することになった五つ子たち。 風太郎は参加賞で商店街の割引券セットがもらえると知り、五つ子のサポート役を務めることに。 本番のステージを借りて練習する日となり、移動の最中に五つ子の誰かが落とした楽譜を拾うのだが…。 鍵 「イベントストーリー」と「五つ子ストーリー」の解禁には鍵が必要。鍵はログインボーナスで15個、「アニメ一期ストーリー」は1章ごとに15×2で30個、「イベントストーリー」のエピローグを見ることで3個手に入る。 ガチャ ストーリーを最後まで読み進めるとガチャに「カード」が投入される。そのため、解禁にはある程度ストーリーをこなす必要がある。 1回につき10枚のカードを引ける。ポイントといったものは一切必要なく、何度でも引ける。 ガチャで出るのは「イベントストーリー」や「五つ子ストーリー」で使われる一枚絵で、「アニメ一期ストーリー」で使われる一枚絵は対象外。未入手のものが優先的に出るようになっている。 ガチャで引き当てたカードは「アルバム」に登録される。プロフィール画像に使うこともできる。 メモリーズ ガチャで引き当てたカードとお気に入りに登録したシーンを閲覧可能。 お気に入りは当該シーン中に登録可能。 ラストプレイ 最後にプレイした場所から再開可能。 プロフィール 名前・カナ、実績(アニメ1期、イベント、五つ子、コクハク、カードの収集率)、お気に入りの一枚絵が確認可能。 メインキャラクター 上杉風太郎(うえすぎ ふうたろう) 主人公。大仏の町・太田川(*3)にある旭高校(アニメ1期ストーリーでは「旭山」になっている部分がある)に通っている。クラスは2年1組。成績は英語、数学、国語、理科、社会の5科目で100点を取れるほど優秀だが、身体能力は三玖と同等程度に低い。父親同士の繋がりによって中野家の家庭教師を請け負うことに。 本作では名前変更可能であり、デフォルトネームは上杉風太郎、カナはウエスギ フータロー。一花と三玖の呼び方から名の読みのデフォルトがフータローになっている。 上杉らいは 風太郎の妹。上杉家の家事担当。本作ではナビゲーターを担当する。 風太郎ことを「クズで自己中で最低の人間」と評する一方「良いところもいっぱいある」と評する。そんなこともあり、風太郎に毒を吐くこともあるが、健気さ故に風太郎から溺愛されている。 中野一花(なかの いちか) 中野家の長女。公式イラストでは 黄 のクッションを抱きしめている。髪型はアシンメトリーのショートヘアー。 制服の着方は胸元のボタンが開いていて、上着を腰に巻いている。 右耳にピアスをつけており、一期ストーリーの9章で見られるアイコンもピアスになっている(ステンドグラスか魔法陣のような模様だがではピアスということになっている模様(参考))。 女優になる夢があり、学校に行きながら仕事をこなしている。花火大会以降、風太郎に好意を持つようになる。 クラスは2年2組であり、同じクラスの前田に一緒に踊ってほしいと言われたことも。 中野二乃(なかの にの) 中野家の次女。公式イラストでは 紫 のクッションを抱きしめている。髪型は黒い蝶の髪飾りを左右に着けたツーサイドアップ。 髪型が変わるエピソードはアニメ2期の内容となるため未収録。「イベントストーリー」「五つ子ストーリー」では「五つ子ちゃんの温泉旅行」までが髪型を変える前で、「五つ子ちゃんのバレンタイン」から髪型を変えた後になっている。 制服を着ているときは黒いカーディガン(アニメ1期ストーリーでは紫に近い配色になっている。これに関しては後述)を羽織っている。制服の衣替えという概念を失っている設定らしく、冬服でもブレザーを着用しない。靴下は白いニーソックスを履いている。クラスは2年5組。 好きな動物はうさぎであり、アイコンはうさぎ。スマホや花火大会の時に着ている浴衣などもウサギをあしらったものになっている。 風太郎に対する印象は悪く、初対面から酷い発言があったり、飲み物に睡眠薬を盛ったり、他の4人の勉強の妨害をしたりする等問題行動が目立っていた。 おしゃれに気を使うところがあり、ネイルをしたり、コンタクトレンズを着用しているほか、風太郎にピアスを開けさせようとしたことも。社交性も高いようで、二乃の友人が2人確認できる。 ワイルドな男性が好みなようで、金髪姿の風太郎を見たときは一目惚れしていた。 中野三玖(なかの みく) 中野家の三女。公式イラストでは 青 のクッションを抱きしめている。セミロングで右側が隠れるような前髪が特徴で、ヘッドホンがトレードマーク。 制服の着方は青いカーディガンを着ておりボタンは全て留めている。夏でもストッキングを履いている。クラスは2年4組。 戦国武将が好き。特に武田信玄を好んでいる事から、風林火山も度々引用している。武田菱も三玖のアイコンとして使われている。「自分の趣味は変わったもの」だと考えている為、姉妹にも秘密にしていた。 姉妹の中で最も最初に風太郎への好意を自覚したが、彼の好みの女性像(「いつも元気」「料理上手」「お兄ちゃん想い」)が自分と反対なのを気にしている。 料理は不器用で味音痴なうえ、手順通り作っても失敗するため、大の苦手である。貧乏舌の風太郎は問題なく食べられるが… 中野四葉(なかの よつば) 中野家の四女。公式イラストでは 緑 のクッションを抱きしめている。リボンがトレードマーク。 名前に四葉とあるだけあって、私服に428と書いてあるものがあったり、四つ葉のクローバーがアイコンになっていたりする。 制服は胸元に緑色の蝶々リボン、黄色のベストを着て、靴下は黒のハイソックスを履く。クラスは2年3組。 とても人懐っこい性格で早い段階から風太郎に付きまとっており、勉強会にも一応早い段階から参加しているが、頼まれごとがあるとそちらを優先してしまう。 らいはのことを気に入っており、妹にしたいと口走ったりしたことも。 中野五月(なかの いつき) 中野家の五女。公式イラストでは 赤 のクッションを抱きしめている。星型の髪飾りとアホ毛が特徴。アイコンも星。 制服はシャツの上に赤いベストを着ており、白いハイソックスを履いている。また、姉妹の中で一番スカートの丈が長い。 風太郎と同じクラス(2年1組)だが、初対面からいきなり風太郎にデリカシーのない言葉を言われたことを根に持ち、彼を敵視していた。 食いしん坊な一面があり、二乃から「肉まんお化け」と呼ばれている。星のアイコンで食いしん坊だからといって星のカービィではない 上杉家に来た時かららいはのことを気に入っており、彼女の頼み事は基本的に断れない。 評価点 「アニメ一期ストーリー」はアニメのそのままの内容なので、ファンも普通にアニメが好きな人も楽しめる 初期の五つ子の当たりが意外と強い(特に二乃と五月)。主人公に心を許した五つ子しか見てこなかった場合だと逆に新鮮に映るかもしれない。 会話も主人公と五つ子で行われるのは当然ながら、姉妹同士で行われる場面も多い。 「イベントストーリー」では五つ子たちの日常を垣間見れるものが豊富にある 「イベントストーリー」や「五つ子ストーリー」ではテキスト量は多くないが五つ子たちの個性の持ち味を生かした内容になっている。目立ったキャラ崩壊はない。 ただ読み進めるだけでなく、ストーリーによっては謎解きやクイズ、五つ子当てなどもある。 グラフィック 3Dモデルは2期・映画準拠のモデルで出来は悪くない。 ごとぱずオリジナルイラストのクオリティは高い。 その数も586枚とこの手のゲームにしては破格の量となっている。 サウンド 『スマブラX』『新パルテナ』等に参加した西隆宏氏と『ポイズンピンク』『ラングリッサーI II (Switch/PS4)』等のオカモトタカシ氏の2名が参加。 アニメと異なるBGMとなっているが、場面自体には合っている。例えば、呆れたようなシーンで流れる「もやもやする」はそこそこの頻度で使われたりする。 お金持ちのお嬢様を強調した五月のテーマなど、キャラクターのイメージから若干ズレているのでは?という曲も存在するが、そういった曲も曲自体の評価は低くない。 メインテーマは上杉らいは役の高森奈津美氏が歌う「わたしのヒーロー」。これまでの主題歌だった中野家の五つ子の曲と趣が異なる曲で、らいはの風太郎への想いが見事に表現できている。 UI オートモードに加えて、お気に入り機能、バックログ、早送り(未読スキップ)の機能も備えられている。 賛否両論点 ホーム画面の仕様 前述の通り、プレイする日によってタイトル画面とホーム画面の五つ子衣装が変化する仕様になっている。 日によって変化が楽しめる反面、衣装・背景等をカスタマイズすることができない。特定の衣装でないと見れないモーションもあったりする。1期ストーリーと24回のイベントストーリーの要素が揃えられているだけに、それらを任意の時期に閲覧できる要素が欲しかったところ。 問題点 分割されたストーリー 「アニメ一期ストーリー」はアニメ1話分を10分割、「イベントストーリー」では1つのイベントを18分割されている。 ここで問題となるのが分割されたストーリーごとに挟まれるスキップor早送り不可能の「右下に「○○へ続く!」という表示→画面中央にロゴと題名表示」の存在。その長さも15秒程度と決して短いとは言えないので、テキスト量の短さの割にテンポが悪い仕様となっている。 その中でも「前編・後編」で分割されているものは分割の必要性自体疑われるものとなっている。流石にこのあたりは統合すべきだろう。 「五つ子ストーリー」「コクハクストーリー」はこのような分割がされていないため問題は起きていない。 「コクハクストーリー」の結末の使い回し 結末部分がシーズン1は2~5、6は7~10、11は12と内容が重複しており、選択肢の分岐も考慮すると1人当たり合計6パターンしかない。 シーズン4~5の二乃は原作後期準拠にもかかわらず、結末部分は原作初期準拠のテキスト・グラフィックになっているため、違和感がある。 UIは完璧とは言えず、過去のCS作品でできていた要素が抜け落ちている部分もある 既読の表示がない。 「コクハクストーリー」ではこの影響がモロに出ている。一応達成率はパーセント表記で見られるし、「五つ子のうち誰かを選ぶ」「五つ子のうち誰かを選んだあと別の誰かを選ぶ」の両方見ればメニューにある五つ子アイコンの「!」が消える(*4)が、既に選んだ選択肢の表示や既読のテキストの表示がなく、どこが未読かがわからなくなっている。既に見た選んだ選択肢を忘れてしまったらしらみつぶしに探すしかない。 読み返し機能は選んだ選択肢は表示されない仕様になっている。『ごとなつ』『ごときす』のバックログは選んだ選択肢は表示されていた。 また、シーンジャンプもできなくなっている。 ガチャは一括で結果を表示することができず、1つずつしかスキップできない。 「アニメ一期ストーリー」部分の絵柄 アニメ1期の一枚絵による画像と本作で用意された3Dモデルが併用されている。一枚絵は1期のものだが3Dモデルは2期・映画準拠。 どういうことかというと、流用元であるアニメ版が1期と2期・映画ではスタッフや制作会社が大きく異なる(アニメ1期は手塚プロダクション、2期・映画はバイブリーアニメーションスタジオが担当)上、1期特有の画風が引き継がれず2期で一新された経緯を持っている。そのため絵柄の違いが比較的大きめになっている。そんなアニメ1期の一枚絵をそのまま使用したことにより、一枚絵と3Dでキャラの線や色使いにかなり違いが出ており、違った印象を与えるキャラクターが散見される。 わかりやすい例として髪の色が赤茶色(2期・映画は茶色)の三玖、カーディガンの色が紫色(2期・映画は黒)の二乃、目の色が緑色(2期・映画は黄色(*5))のらいは、色が紺色(2期・映画は黒に近い)の高校制服のブレザー等。 質的な意味でもごとぱずオリジナルイラストと比べると全体的に低め。 ごとぱずオリジナルイラストは書き下ろしな上に2期・映画の絵柄に合わせており、3Dモデルとの差異は少なくほとんど違和感はない。 風太郎のボイス 主人公である風太郎役の松岡氏のアニメの演技は、ちょっとしたセリフにも風太郎の苦労人感がよく表現されていたが、本作ではそれがまるまるスポイルされた。 また「イベントストーリー」「五つ子ストーリー」も主人公のボイスは当然の如く用意されていない。 主人公の名前がボイスで読み上げられない 今作は主人公の名前が可変となっており、主人公に関するテキストはボイスがすべて読み飛ばされる。 「イベントストーリー」「五つ子ストーリー」では名前のカットをある程度考慮して執筆されているが、「アニメ一期ストーリー」のテキストは名前のカットを前提としたテキストにはなっていない。字幕と音声の違いはかなり不自然な印象を生み出している。 まるまる一行読み飛ばされる物から、二人称や指示代名詞で無理やり読み替えられるまで、パターンは様々。 前者は例えば「いじわるするフータローには飲ませてあげない」が「いじわるする 飲ませてあげない」と読まれるといった具合。後者の例としては、「フータロー 君 (くん)」が「 君 (きみ)」と読まれてしまう。 実際にプレイするとテキストとボイスの不一致が大きな違和感を生み出し、没入感が削がれてしまう。 リメイク版『ライブアライブ』等でも似たようなケースがあり、そもそもこうしたリスクを背負ってまで名前を可変にすべきだったのか、デフォルトネーム時のみ主人公名を読み上げるのでは駄目だったのかなど、改善の余地があっただけに何とも残念である。 寂しい設定項目 設定できるのはBGM、効果音、ボイス、ムービーの音量と継続設定のみ。 『ごとなつ』『ごときす』ではテキストの表示速度やメッセージウィンドウの透明度、キャラごとの音量設定等もあったがそれも存在しない。ベースが異なる(*6)都合上ノウハウをそのまま流用できなかったのかもしれないが…。 総評 本作を一言で言い表すと、「ストーリー付きのアプリゲームからストーリーを抽出しアドベンチャーゲームに調整した作品」である。 アニメの雰囲気そのままで、様々なイベント要素を楽しめるのは魅力的。 一方で、アドベンチャーゲームとして見た場合、テンポの悪さやUIの粗さが目に付きやすい面が見られる。 本作の1期ストーリーの範囲は原作漫画やアニメでも体験できるが、『五等分の花嫁』には興味があるというユーザーなら本作を手に取ってみる価値はあるだろう。 余談 サントラ化で初めて本作オリジナル曲に曲名が付いた。なお、ゲーム内にサウンドテストにあたる機能は存在せず、サントラでのみ曲名を見ることができる。 ただし、クリスマスやお正月等に使われるBGMは未収録となっている。 曲名は、使用場面や原作の台詞をそのまま曲名にしたものが多い。 例えば三玖のテーマ曲が「この町には まともな家庭教師は」となっているが、五月もこの台詞を言っており、三玖自身がかなり早い段階で風太郎と打ち解けるキャラなので違和感はある。 過去の五等分のコンシューマゲーム作品と同様に動画サイトでの実況・配信が公式にて禁止されている。 禁止されているのはCS版で、アプリ版は禁止の通達は出されていない模様。 ゲーム本体のキャプチャ機能には制限はかかっていない。
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「検証依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「Switch版の相違点の追記」です。 本項は初出のPS5/XSX/Win版をメインに、後発のPS4/One版とSwitch版も併せて解説しています。 ホグワーツ・レガシー 【ほぐわーつ・れがしー】 ジャンル アクションRPG 対応機種 プレイステーション5Xbox Series X/S (ダウンロード専売)Windows(Steam/Epic Games Store)プレイステーション4Xbox One(ダウンロード専売)Nintendo Switch 発売元 【Switch版以外】Warner Bros. Games(Portkey Games)【Switch版】セガ 開発元 Avalanche Software 発売日 【PS5/XSX/Win】2023年2月10日【PS4/One】2023年5月3日【Switch】2023年11月14日 定価 【PS5/XSX】9,878円【PS4/One/Win】8,778円(全て税込)【Switch】7,980円 プレイ人数 1人 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 ポイント 『ハリー・ポッター』の世界が舞台のオリジナルストーリー魔法界をオープンワールドで完全再現原作のキャラクターなどは一切登場せず取り返しのつかない要素・バグや不具合が多め ハリー・ポッターシリーズ 概要 ストーリー システム・特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 J.K.ローリング作の大人気ファンタジー小説(及びそれを基にした映画)『ハリー・ポッター』シリーズの世界観・設定をベースにしたオープンワールドRPG。 原作の約100年前となる1890年代を舞台にしており、ストーリーもオリジナルとなる。 ストーリー 1890年。魔法界は後のヴォルデモート卿やゲラート・グリンデルバルドが暗躍する時代のように暗雲が立ち込めていた。過激派の小鬼(ゴブリン)を率いるランロクによる大規模なテロが勃発する中、ホグワーツの入学式に参加する主人公は魔法理論教授のエリエザー・フィグと共に魔法省高官のジョージ・オズリックが手配した馬車に乗車した。5年生からの途中入学は異例と語るジョージは、フィグの亡き妻のミリアムからおそらく高度な魔法がかけられた謎の箱を死に際に預かったことを伝える。主人公はジョージがどんな手を使っても開けられなかった箱の開け口が光っていることに気づく。しかしフィグとジョージにその光は見えない。そして主人公が箱を手に取った途端、開け口が自然に開き、中から鍵が現れる。そんな奇妙な現象を目の当たりにした一同は、背後から襲撃を仕掛けたドラゴンにジョージを喰い殺されるも、鍵がポート・キーになっていることに気づいた主人公とフィグは、辛うじて生き残った。だが、この襲撃は魔法界の運命を賭けた闘いの始まりに過ぎなかったのだった。 (日本語版Wikipediaより抜粋) システム・特徴 キャラクター 主人公はアバター型で、性別などは自由に設定可能。男女でストーリーに差はないが、原作設定を反映して男性にすると女子寮に入れないといった制限がかかる。 原作の約100年前ということもあり原作の人物は登場しない。その代わり、シリウス・ブラックの高祖父にあたるフィニアス・ナイジェラス・ブラックなど原作の人物の先祖や血縁にあたる人物が多数登場する。 例外として、年齢的な問題に縛られないゴースト達は原作の人物がそのまま本作でも登場する。 マップ 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ではホグワーツ内部を探索できたが、本作ではそれに加えホグズミード村や禁じられた森などの周辺地域も探索できる。煙突飛行粉を使ったファストトラベルも可能。 各地には地下洞窟や鉱山といったダンジョンも多数。敵やトラップも満載だがお宝が眠っていることも。いくつかの拠点には「悪名高い敵」と呼ばれるネームドエネミーもいる。 他にもムーンカーフやユニコーンといった魔法生物の巣があり、捕まえて飼育することも可能。素材が手に入ることもあり、後述の装備の強化で使用する。 中盤以降は箒やヒッポグリフに乗って空中から探索することも可能になる。探索効率が飛躍的に上昇するが、屋内やホグズミードでは乗れず高い山は越えられないといった制約がある。 必要の部屋 中盤に解禁される主人公の拠点。 詳細のわからない装備の鑑定や魔法薬の調合、魔法植物の栽培、捕まえた魔法生物の飼育といったゲームを進めるうえでの機能をほぼカバーでき、家具なども自由に配置できる。 装備 装備はメインウェポンとなる杖と服などの身体装備に分類される。装備によって外見も変化する。性能を変えずに外見だけ変更することも可能。 杖本体は最初に選んだもので固定。身体装備は手袋・帽子・メガネ・服・マント ローブ・靴の6種類。前者3種は攻撃力、後者3種は防御力に補正がかかる。 身体装備はスタンダード・上等・極上・非凡・伝説の5段階のレアリティがある。主人公のレベルに応じて入手時の性能が変化する。 中盤以降は魔法の織機で基本能力を上昇させるアップグレードとperkにあたる特性の付与が可能。 ただし、強化できるのはレアリティが極上以上のものに限られる。 杖は柄のカスタマイズが可能(性能は変わらない)。 魔法 原作(および映画)に登場する数10種類に及ぶ呪文が使用可能。基本はパレットにセットして使用する。 作品の性格上、戦闘時と非戦闘時とも使用制限はほとんどなく、一部を除きどちらの局面でも使用可能。効果もゲーム向けにアレンジされているが、概ね原作通りとなっている。 魔法パレットは初期で1つ。後述の才能ポイントを使うことで最大4つ使用可能。 戦闘時はリキャストタイムがあり連発できないが、非戦闘時はすべての呪文でリキャストタイムがなく連発が可能。 習得は「先生や友達に教えてもらう」といった原作ならではの形式となっている。なお習得はシナリオ進行に必須のもの以外は任意。 魔法には「制御」「強制」「攻撃」「万能」「許されざる呪文」「変身術」「必須」の7つのカテゴリがあり、戦闘では「どの敵にどのカテゴリ・呪文で弱点をつけるか」を考えるのも重要。 + 魔法一覧。長くなるので格納 制御魔法 主に対象の動きを止めたりする魔法。 アレスト・モメンタム 対象の動きを遅くする。 グレイシアス 対象を凍り付かせる。炎を消すことも可能。 レヴィオーソ 対象を一定時間浮遊させる。足場を浮遊させて高い場所に登るといった使い方もできる。 変身術(*1) 対象を別の姿に変化させる。 強制魔法 対象を動かす魔法。 アクシオ 対象を引き寄せる。通常のオブジェクトであればウィンガーディアム・レヴィオーサに派生可能。 デパルソ 対象を吹き飛ばす。 ディセンド 対象を地面にたたきつける。 フリペンド 対象を上向け(仰向け)にひっくり返す。 攻撃魔法 文字通り対象にダメージを与える呪文。戦闘でのメインダメージソースになるほか探索でも意外と使う。 インセンディオ 対象を燃やす。燭台に火をつけたり蜘蛛の巣を燃やしたりと探索でも出番が多い。射程が短いのが欠点。 ディフィンド 対象を切り裂く。 エクスペリアームス 敵の武器を手放させる。何も持っていない場合はダメージを与える。 ボンバーダ 爆発を発生させる。大きな岩はこれでないと壊せない。 コンフリンゴ 火球を飛ばして相手を燃やす。インセンディオより射程が長いが威力は劣る。 万能魔法 主に探索で使用する魔法。便宜上、魔法生物が対象の魔法もこのカテゴリに属する。 目くらましの術 姿を隠し、探知されにくくなる。 ルーモス 杖の先端に光を灯す。他の呪文を使ったり、もう一度使うと消える。 レパロ オブジェクトを修復する。ただし何でも修復できるわけではない。 ウィンガーディアム・レヴィオーサ 対象を浮遊させたまま移動させる。 動物の飼料/撫でブラシ 魔法生物の世話で使う。 捕獲袋 魔法生物を捕獲する。捕獲した魔法生物はアイテム扱いとなる。 変身術 必要の部屋のカスタマイズに使う魔法。それゆえ必要の部屋以外では使用不可能。 出現呪文 ムーンストーンを消費して家具などを出す。 変化呪文 家具などの色を変える。 エバネスコ 家具を消し、ムーンストーンに還元する。 許されざる呪文 使用禁止レベルの凶悪な魔法。それゆえ戦闘中のみ使用可能。 インペリオ 一時的に敵を操り、同士討ちさせる。 クルーシオ 敵にスリップダメージを与え、同時に呪い状態にさせる。 アバダ・ケダブラ もはや説明不要、敵を即死させる。さすがにボスクラスは倒せない。 必須魔法 パレットにセットせず、固有のコマンド・状況で使用する魔法。 レベリオ 一定時間、周囲の敵や干渉可能なオブジェクトをハイライトする。感覚は『ASSASSIN S CREED ORIGINS』などのアニムスパルスに近い。 プロテゴ 自身の周囲に障壁を張る。持続時間が短く、防げない攻撃も存在する。 ステューピファイ プロテゴからの派生攻撃。一時的に敵をマヒさせる。 ペトリフィカス・トタルス 気づかれていない敵に即死級の大ダメージを与える。あくまでダメージなので、体力の高い敵は倒しきれないことも。 アロホモラ 鍵を開ける。この魔法のみ最大で3のレベルがあり、習得レベル以下の鍵しか開けられない。 基礎呪文 通常ショットにあたる呪文。威力が低いが通常・戦闘時双方で連射が可能な唯一の魔法。 古代魔術 戦闘中のみ使用可能な、主人公の必殺技の位置づけになる大技。 使用には敵の攻撃を当てることで貯まっていく古代魔術ゲージを1本消費する。ゲージは初期値が2本、最大で5本となる。 敵に雷を落としたり思い切り振り回して叩きつけるといった派手な効果が多い。 古代魔術の投てき こちらも戦闘中のみ使用可能。樽などのオブジェクトを敵にぶつける。 古代魔術ゲージは消費しない代わりに、周囲に投げられるものがないと使用できない。 才能 いわゆるスキル。レベルが上がるごとに入手できる才能ポイントを消費して、魔法の効果拡張や追加魔法パレットの解禁といった強化が可能。レベルに応じてより上位のスキルが解禁されていく。 評価点 自由な探索と原作再現 前述のようにオープンワールドで再現されたホグワーツと周辺の村々を自由に探索できる。 ホグワーツは原作の構造をほぼ完全再現。マップ無しでは一瞬で迷子になるレベルの複雑怪奇な構造に加え、動く階段など原作通りの仕掛けや謎解きも満載。 難易度も少し頭を捻ればクリアできるものから、本腰を入れて考えないと解けないようなものまで様々。 箒に乗ったり、魔法の授業を受けたり、クラスメイトと仲良くしたりと憧れの学園生活を送れる。原作ファンなら一度は夢見たホグワーツの学園生活を楽しめる。 選択次第では原作でも描写されていないハッフルパフの寮にも入れる。 昼間は多くの生徒が雑談に興じていたり魔法の練習に励む光景が見られる。夜も夜でゴースト達が思い思いに生活しており、探索していて飽きることがない。 自動で動く物や建物、映画でお馴染みの動く肖像画など魔法の世界の再現も評価される。 ホグズミードや禁じられた森、ホグズミード駅などホグワーツ以外のスポットも抜かりはない。 ホグズミードの店は概ね原作と同じだが、やはり店主が原作の人物の先祖だったりといった違いがあり、ファンなら原作と比較して楽しむのも一興。 前述のように箒やヒッポグリフに乗って空中探索も可能。基本的に屋外であれば使用に制限がほとんどないので、一部の謎解きを箒で強引にクリアしたり戦闘から逃げるといった芸当もできる。 他のオープンワールドのゲームと比べてもかなり広く、入れる建物も多い。 雰囲気ゲーとしては文句無しであり、発売前の時点でも「シリーズファンにとっては極論これだけでも買う価値がある」と言われていた サイドクエスト・人間関係クエスト クラスメイトの悩みや相談を聞いて助けたり、協力したり、または村の魔法使いの頼みを聞いたりと実に多種多彩。 動物や密猟者の討伐や洞窟・宝の探索、クラスメイトとゲームに対戦できる。 箒のレースは負けてもクリアしたことにできるため、レースゲームが苦手な人でもクリアできる。 多彩な立ち回りが楽しめる魔法戦闘 正面から魔法戦を挑むもよし、目くらましの術 ペトリフィカス・トタルスでアサシンばりのステルスキルを決めていくもよしとプレイヤー次第で様々な戦略がとれる。 ステルスで数を減らし、アバダ・ケダブラで強敵を仕留め、様々な魔法を駆使して敵を蹴散らしていけば気分は魔法使い。 マンドレイクなどの魔法植物や魔法薬など補助手段も豊富で、使いこなせればさらに楽になる。 魔法も組み合わせ次第で高いシナジーを発揮するものもあり、自分だけのオリジナルコンボを作る楽しみもある。アクシオで相手を引き寄せてからのインセンディオなどは鉄板ともいえるコンボ。 もちろんごり押しで突破するのもあり。敵の攻撃には明確な予備動作があり、すぐに回避モーションや防御呪文を使用すればノーダメージで突破できる。 また、防御や回避はこちらが攻撃モーション中であっても即座に発動させることができる。そのため、理不尽にダメージを喰らうことも少ない。 魔法での戦闘というかなりオリジナリティの高い部分も評価の1つである。 敵も魔法使いなので強力な呪文を撃ってきたり障壁を張ってこちらの魔法を弾いたりと一筋縄ではいかない。いかに相手の呪文を捌き、障壁を打ち破ってダメージを与えるかが腕の見せ所。 敵の障壁は色に応じた魔法でないと破れない。例えば紫色の障壁はアクシオなど強制系の呪文、黄色の障壁はグレイシアスなど制御系の呪文を当てることで打ち破れる。 一方で敵によって明確な弱点が設定されており、弱点を突くことで大ダメージを与えることも可能。例えば、魔法の発動中にエクスペリアームスで杖を手放させると術を制御できなくなって自滅する、といった具合。 最初は苦戦した敵も使う魔法を考えれば楽に勝てるようになるので、自身の上達も実感できる。 一部のクエストではNPCが同行して一緒に戦ってくれる。 AIもそこそこ優秀で、一部のイベントを除き基本はプレイヤーの行動に追従するので暴走されてフォローに回らされるといったことも少ない。 原作を壊さないキャラクター描写 ストーリーはオリジナルだが、総じて原作の雰囲気を壊さないように描写されており、原作既読者も違和感なく楽しめる。 原作で言及されていた「ゴブリンの反乱」という原作の下地に当たるエピソードの映像化という部分だけでも評価できる内容である。 主人公も(冒険好きでよく抜け出すものの)基本は人当たりの良い優等生なので嫌悪感も抱きにくい。 原作キャラの祖先などが登場して、ニヤリとできる部分も多い。 日本人読者には嬉しい日本人魔女と日本のクィディッチチームの「トヨハシ・テング」のことが出てきたり、楽しめる。 膨大な探索要素 コレクション要素として各地のスポット解説やエネミー図鑑などがあり、数も膨大。コンプするには文字通りホグワーツの裏の裏まで知り尽くす必要があり、やり込み要素としても充分。 メイン以外にも各地で様々なサブクエストがあり、報酬として新しい呪文を覚えられたりするので、こなしていけばより探索の幅が広がる。 服装もカッコイイ魔法使いの服装やホグワーツの制服から面白い格好など様々。 カッコ悪い服が嫌という人には服装だけ変更できる。 賛否両論点 原作のキャラクターは登場しない 前述のように原作の100年前を舞台にしているため、原作のキャラクターはほとんど登場しない。 例外は原作では肖像画として登場していた校長・フィニアス・ナイジェラス・ブラックとほとんど首無しニックや魔法史教授のカスバート・ビンズ、ピーブズといったゴーストぐらいである。 原作との辻褄合わせに縛られずゲームとしての自由度を担保できることや、原作に詳しくなくても楽しみやすいという利点とトレードオフではある。 だが、やはりハリー達と一緒に冒険したかったと思うのも人情だろう。もっとも、原作に準拠した『ハリー・ポッター』のゲームは既に何作も出ているが。 主人公 主人公は選択次第で歴史に名が残っておかしくない魔法使いであるが、その後の魔法史には関わらない。 ゲームオリジナル主人公にはよくあることではあるし、設定と照らし合わせて歴史の闇に葬られたなど、想像の余地を見ることもできるが。 ゲーム的な都合によるものではあるが、学校外にいる闇の魔法使いや小鬼達に対して明確に殺意を抱いて攻撃しているのも評価が分かれている。 アバダケダブラなど禁じられた呪文の使用は任意であり習得はプレイヤーの意思によるものだが、通常呪文の中にも燃やしたり相手を物に変化させて(*2)壊したりなど明らかに殺す気でやってる物がいくつかある。 勝利後のセリフも倒した相手を気遣う様な物はなく、年齢の割に覚悟が決まり過ぎており、特に「全部ランロクのせいだからね」というセリフは疑問符を浮かべやすい 同じく命を狙われていたハリーと比べ好戦的過ぎる(*3)。時代的に現代より殺伐としていたが故か。 問題点 取り返しのつかない要素が多め 近年のRPGとしては珍しく、取り返しのつかない要素が多い。 最初の寮の選択では、当然ながら自分が所属する寮以外には入れなくなるほか、所属寮によって発生するクエストが異なる。 その寮についても、(原作再現だが)女子は男子の部屋に入ることが可能だが、男子は女子の部屋に入ることができない(*4)。そのため、全部の部屋を回るなら必然的にキャラメイク時に女子を選択せざるを得なくなる。 さらに所属寮によって獲得できるトロフィー/実績が分けられているため、コンプリートするには最低4回プレイする必要がある。 才能ポイントは最大入手ポイントが36ポイントに対し覚えられる才能が48種となっているうえに後からの振り直しも不可なので、不要なものを慎重に見極めて切り捨てる必要がある。 選択次第ではNPCがいなくなってしまい魔法を習得できなくなるケースもある。 該当するのがアバダ・ケダブラなどの許されざる呪文。原作的には覚えないのが正しいのだが、覚えればゲームの難易度が下がるのが悩みどころ(*5)。 一部のダンジョンは1度限りで、クリアすると2度と入れなくなる。 文字通り取り返しのつかないアイテムがないのが救いではあるが。 そして2023年5月時点で周回プレイ系のシステムは実装されておらず、そのデータで回収できない要素を回収するには一からやり直すしかない。 マップが使いづらい 本作のマップは大きくホグワーツ、ホグズミード、それ以外のワールドマップに分かれているが、肝心のホグワーツとワールドマップが使いづらい。 ワールドマップはクォータービューのうえ回転ができず、死角になる部分の地形が確認しづらい。マーキングもできないため、気になった場所があっても忘れてしまいたどり着けないことも。 ホグワーツは回転や拡大・縮小はできるもののファストトラベルポイントなどの位置しか確認できず、内部の構造が全く分からないためポイントとの距離感も掴みづらい。 一見目的地のそばにあるように見えるポイントに飛んでも、大回りさせられて他のポイントの前を通る、ということも起こる。 さらに、任意の場所へのウェイポイント設定もできないので、クエストなどの目的地になっていない限り自力で探索して見つけ出す必要がある。 箒等の乗り物に乗ると道のナビゲーションが消えてしまう。下記のように乗り物での侵入制限があるため乗り物での最短ルートが分からない。 逆に各地にあるダンジョンではミニマップしか確認できず、全体が確認できない。 箒等の移動が制限される。 ダンジョン内やホグズミードなど、一部の区域では箒に乗れない。特にホグズミードは走る以外の高速移動がなく不便。 また、マップ南東部は徒歩で鉱山を突破する必要があり、箒では到達できない。 インベントリの少なさ 後述の金策にも直結するが、装備の所持上限が初期で20個とかなり少ない。そのため、ダンジョン探索を行うと事前に整理していてもあっという間に上限に達する。予備のインベントリもないので、自分が持っているものが全てとなる。 マップのマーリンの試練を一定数クリアするごとに上限が拡張できるが、それでも最大40個と少なめ。 アイテム売却制限による金策のしづらさ 本作で売れるアイテムは装備と捕まえた魔法生物のみ。序盤からコンスタントに入手できる素材や魔法薬は一切売却できないうえ、敵からのドロップや拾えるお金は雀の涙。 その一方でレシピの入手にはそれなりの金額が要求されるため、序盤~中盤は金欠にあえぐことになる。装備を売るにしても前述のインベントリの少なさとの相乗効果で頻繁な整理を要求される。 目くらましの術を覚えればお金が入った宝箱を開けられるが、それらも1度限り。そのため、中盤以降は密猟者も顔負けの魔法生物売却に手を染めることになる。 難易度によっては道具が大量に余る。魔法薬や魔法植物の売買の方が魔法使いらしいのに何故しないのか。 サイドクエスト「勝手なビジネス」で自分の店を持てるのだが、装備の売却金額が高いだけで道具が売却できるわけでもない。 バグ・不具合 この手のゲームでは恒例行事だが、バグ・不具合がかなり多い。 中にはアップデートによってクエスト進行が不可能になったものもある。 Win版の最適化不足 本作のWin版は、2023年基準でかなりの重量級。Denuvo DRMによる負荷の増加や、VRAMにパフォーマンスがかなり左右される。 特にNvidia系GPUでは影響が躊躇で、特定場面では比較的安価なRTX 3060 12GBモデルが、高価なRTX 3080 10GBのパフォーマンスを上回るほど。 AMDハードウェアのPS5/XSX向けに開発されたタイトルであるが故(*6)、全体的にRadeon系GPUに向けて最適化が行われており、近い性能のNvidia GPUとAMD GPU、(例 RTX 3070とRX 6700 XT)ではVRAMの影響もありAMDのほうが快適に動きやすい。 スペックにも寄るが、シェーダーキャッシュの問題故スタッターも結構な頻度で発生し、人によっては不快感を感じることも。 また、スペックが微妙に足りていないハードウェアで、PS4相当のGTX 750 Tiなどではfpsは安定して出ても画面の表示が崩壊してゲームにならないユーザーも多かった。 一部の問題は度重なるアップデートによって改善されてはいるが、それでも本作の高い要求スペックに注意は必要。 ハードウェア次第では、ゲームを起動する度に「シェーダーを準備中」というロード画面が1~2分ほど表示されてしまう。しかも「ハードのカタログスペックが高ければそうはならない」というわけでもないのが困りどころ(*7)。 原作再現できていない部分 上記のように全体としてはかなり原作の要素を再現していると言える作品ではあるが、再現できていない部分もありがっかりとしたという意見も聞かれる。 原作でもトップクラスに有名な呪文である「エクスペクトパトローナム」が使えないことは嘆くユーザーが多い。 パトローナムチャームが有効な魔法生物としてレシフォールドが存在しており、ディメンターが出せないにしてもそちらを出す事は可能だっただろう。 原作では多くの恋愛要素があったため、恋愛要素も期待されたがそれもない。 今の時代、恋愛要素はLGBTなどの観点で難しいのかもしれないが…。 魔法の授業もゲーム故に一回出れば終了であり、魔法学園生活の体験としては物足りない部分もある。 単独でゲーム化もされているクィディッチは「負傷者が出た」という理由で中止されており、残念ながらプレイすることはできない。 これについては発売前からアナウンスされており、マップには原作由来の競技場や箒に乗ってちょっとしたミニゲームも楽しめることから何らかの事情で収録を断念したのではないかと推測されている。 やや善プレイが不遇 「許されざる呪文」など悪プレイの場合闇の呪文が多いが、善プレイではそれを補える強力な呪文は少ない。 ゲーム上は使ったからといって特にペナルティもないので、一種の縛りプレイとなる。 一部面倒くさい部分 アロホモラの鍵解除は少々コツのいる解除方法で面倒くさい。しかもフィールドに散らばる無数の箱を開けてプレイ時間の増加に繋がる。 クエストの連続呪文の練習はやや入力時間制限が厳しくなっている。 上記2つは最低難易度の「ストーリー」に変更することでスキップできるようになったが、毎回難易度を変更するのも面倒。 総評 オリジナルながら原作を壊さない王道ストーリーと、ファンなら一度は夢見るであろう魔法界での冒険を楽しめる。 問題点はあるものの歯ごたえのある戦闘や謎解きなど純粋なゲームとしての出来も充分以上。 原作未読の人も原作ファンも十二分に楽しめるだろう。 余談 本作発売と前後して『ハリー・ポッター』シリーズと(ネット上の)薩摩藩ネタが融合を果たした「薩摩ホグワーツ」なる概念が生まれ、ネットミームとなった。 その派生で「ホグワーツ薩摩藩寮」などのネタも発生し、組分け帽子の吹き替えを担当した佐藤せつじ氏も乗っかるという珍事が発生した。 そしてその半年後。佐藤氏は『アーマード・コアVI ファイアーズ オブ ルビコン』にてG1 ミシガン役として出演したことで、両者が融合した薩摩藩行きを宣告するミシガンというさらなるネタが誕生することになる。 『ハリー・ポッター』原作者J・K・ローリング氏のトランスジェンダーへの批判的な発言に端を発した論争が当作にも飛び火。これに関連し、当作をボイコットする活動も一部に存在した(*8)。 発売後、「WIRED」に掲載されたゲームレビューでは、原作者と開発陣の悪口をひたすら書き連ね、肝心のゲーム内容についてはほとんど触れないという、本末転倒なレビューが掲載された。 RTAイベント『Games Done Quick』は当作を含む『ハリー・ポッター』関連ゲームのRTAを禁止したが、原作者の発言や論争を受けた対応と見られている。 実は、本作にはトランスジェンダーと思われるキャラクター(ライアン)が序盤から登場する。ライアンを担当する声優もトランス女性で、ライアンは『ハリー・ポッター』フランチャイズ全体でも史上初のトランスジェンダーの登場人物である。原作者は本ゲームに関わっていないとされるが、これもその証なのかもしれない。 本作は買い切り型のAAAタイトルとして世界中で大ヒットしたのだが、発売元のワーナーにとっては不満があったようで、今後はライブサービス型のモバイルゲームに力を入れると明言している(参照)。 その後の展開 当初の予定ではPS4/One版も発売予定だったが、延期を重ね最終的に約3か月遅れとなる2023年5月3日に発売された。 その後、2023年11月14日にはSwitch版も発売された。 移植担当を行ったShiver Entertainment, Inc.はその後2024年5月21に任天堂が全株種を取得し、以後任天堂の完全子会社となった。 健全なファミリー向けとしてのイメージで定着している任天堂が、CERO C(15歳以上対象)以上の作品などを手掛けるアメリカのソフトウェア会社を子会社化するのは非常に珍しい。 なお、任天堂グループに入ってもSwitchを始めとした複数のプラットフォーム向けに移植及び開発業務を行う方針の模様。
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真・女神転生トレーディングカード カードサマナー 【しん めがみてんせいとれーでぃんぐかーど かーどさまなー】 ジャンル カードゲーム 対応機種 ゲームボーイカラー(専用) 発売元 エンターブレイン 発売日 2001年7月27日 定価 5,200円 判定 なし ポイント 真・女神転生トレーディングカードのゲーム版 女神転生シリーズ 概要 特徴 評価点 問題点 総評 概要 当時エンターブレインから発売されていた「真・女神転生トレーディングカード」をベースにした、GBCのカードゲーム。 元のカードゲーム(以下TCG版)は、MTG的な要素と女神転生らしさが両立していて魅力的な一方で、管理すべき情報量が多く、コアユーザー向けのものだった。 本作は、GBCという環境と対象年齢を考慮してか、全体的に簡略化されている。 特徴 ルール 1対1のオーソドックスカードバトル。プレイヤーは20ポイントのHPを持つデビルサマナー(悪魔召喚師)となり、60枚のカードで構成されるデッキを用いて相手のHPを0にすれば勝利となる。 本作独自の要素として、30枚のデッキによるハーフバトルも存在する。また、通常1種類3枚までデッキに入れられるカードを1種類1枚にしたハイランダー戦、ライフを先に0にした方が勝つ特殊なバトルなどもある。 カードの種類 仲魔カードとアイテムカードの二種類が存在する。 仲魔カードは、いわゆる「クリ―チャー」。場に召喚し、戦闘させることが出来る。 通常仲魔と合体仲魔の二種類に分かれていて、合体仲魔は召喚する際に規定数の仲魔を生贄にしないと召喚できない。 特技を持つものも存在するが、TCG版とは異なり1体につき最大1つまでとなっている。特技継承も仕様削除されている。 アイテムカードは、いわゆるサポートカード。直接ダメージを与えたり回復したりカードを引いたりできる。 本作では全て1回限りの消耗品である。 TCG版にあったパートナーカードと魔法カードは削除された。 MAG 全てのカードにはコストに当たる「MAG(マグネタイト)」が設定されていて、これを消費することで仲魔の召喚やスキルの使用、アイテムの使用が出来る。 MAGは、ターン初めに場の仲魔に応じて獲得できる。その際、獲得量が4未満なら4に変換される。 TCG版では属性ごとに細分化されていたものが一まとめになった。また、ターンをまたいで持ち越したり相手のターンに使用することが出来なくなっている。 属性の概念 真・女神転生にあった「LIGHT・NEUTRAL・DARK」と「LAW・NEUTRAL・CHAOS」の2軸属性が取り入れられており、全ての仲魔はそれぞれいずれかの属性を持っている。 本作ではデッキにも属性を設定できる。場の仲魔のMAG獲得量に影響するので、デッキ内のカードと合った属性にすることが重要となる。 ストーリーモード 1人プレイはストーリーモードで遊べる。 カードゲームにありがちな、良く言えば王道なストーリー展開となっている。 評価点 メガテンのカードゲームが遊べる点。 TCG版はコアなファンがいるものの、本作発売の時点で既にニッチなカードゲームだった。一人でもそれなりに楽しめる本作はファンにとって貴重なアイテムだったといえる。 TCG版のシリーズ販売が終了してから10年以上たった現在では、実際にカードを揃えるのも対戦相手を探すのも尚更難しい。こちらを買った方がはるかに楽。 本家よりも大分簡略化されているものの、キャラゲーとしてはソコソコ楽しめる出来である。 シンプルゆえに取っ付きやすいゲーム性。 MTGベースなので、何かしらのカードゲームをやったことのある人間ならば、すんなりとプレイ出来る。 レアカードの蒐集要素が整っている。 メガテンの強力な悪魔等がレアカードになっているのだが、難しすぎずヌルすぎずといった感じで集められる。 カードを合体させて別のカードにする機能があるため、ダブった要らないカードを処理しやすいのもポイント。 一部の強力なカードは1データにつき1枚しか手に入らない仕様となっている。 問題点 特定のCPUと対戦した後にカードデータが一部消失するという重大なバグがある。通称「マンドレイクバグ」。 条件を満たしても100%発生するわけではないが、ゲーム進行上知らないと遭遇する確率は高い。 主人公の歩行速度が遅い。 キャラのドット絵が会話ウィンドウのものとかけ離れている。一部キャラは色もあっておらず、完全に別人状態。 ゲームバランスが、あまり良くない。 バランスの良いカードゲームの方が稀だが、それにしても本作は練り込み不足な点が多い。ストーリープレイ中ならばそれほど問題ないものの、ある程度カードを揃えてゲームの全体像が見えてくると粗が目立ってくる。主な要因としては以下のものが挙げられる。 コスト5以上のカードの使い勝手の悪さ 仕様上、MAGを5以上得るにはターンの初めに複数の仲魔が召喚済みでなければならない。しかし、仲魔は戦闘や生贄、相手のアイテムや特技等で失われることが多く、安定して5以上のMAGを得る環境を維持するのは結構難しい。 コスト相応に効果も強力なものが多いので逆転を狙う際に使いたいが、そういった場面ではコスト不足で使えないのも問題。 このゲームで追い込まれている時は、たいてい場の仲魔がやられまくった状態である。当然、5MAG以上も出せる状況ではない。 先攻絶対有利 上で述べたことにもかかわってくるが、先攻側は開始1ターン目に複数仲魔を召喚して5MAG以上を狙う戦略が使える。4MAG以下で複数の敵悪魔を処分できるカードは限られるので、後攻側の対処法は限られる。これだけでも先攻側は圧倒的に有利である。 ニュートラル優遇 ここまで読めば、場に大量展開できる低コスト悪魔が重要なのは想像に難くないと思うが、そういったカードの多くがNEUTRAL属性に固まっている。 特にNN属性(*1)には、「御魂シリーズ(コスト0MAGで優秀な特技を持つ)」を筆頭に数が多い。「デッキ属性NN+NNの0MAG仲魔+低コストの合体仲魔」という仲魔構成が最安定と言われるほど。 強力過ぎる一部カード カードゲームの華であり罪でもある強過ぎなカードが本作にも何枚か存在する。 + 強カードリスト ※カッコ内の数字は必要コスト。 御魂 サキミタマ(0)、アラミタマ(0) 先に述べた御魂シリーズの中の2体だが、かたや生贄+1MAGで2枚ドロー、かたや自爆して対象に2ダメージと、コスト0MAG悪魔でも一二を争うほど強力。 魔獣 オルトロス(4) コスト4MAGだが、AP(攻撃力)/HP(耐久力)が4/4と、2身合体悪魔と同等のスペックを持つ通常悪魔。特技のせいで生贄に出来ないが、する必要はない。 ネクロノミコン(2)、ルルイエいほん(4) ライフを5点失う代わりに相手の悪魔にダメージを与えるアイテム。MAGコストが軽く、使いやすい。特にルルイエいほんは敵全員に3ダメージを与えられるため、先攻1ターン目に低コスト悪魔を大量に並べた相手への数少ない対抗策の一つ。 総評 メガテンのカードゲームという事で希少価値はあるものの、ゲーム性には少々難があると言わざるを得ない。 とはいえ、1人プレイならソコソコ楽しめる程度には練られているため、それでも充分な人には問題ないレベルである。
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ニンジャウォーリアーズ 【にんじゃうぉーりあーず】 ジャンル アクション 対応機種 アーケード 発売・開発元 タイトー 稼動開始日 1988年2月 プレイ可能人数 1~2人(同時プレイ) 判定 なし ポイント 使い捨て主人公ゲームとしてはやや大味すこぶる評価の高いBGM 概要 ストーリー ゲーム内容 評価点 問題点 衝撃の結末 総評 移植・リメイク 余談 概要 同社制作の『ダライアス』に続く3画面筐体ゲーム第2弾。 システムそのものはオーソドックスなライフ制の横スクロールアクションゲームとなっている。 ストーリー かつて繁栄を極めていた某国は、今では邪悪な魔力を秘めた悪の独裁者バングラーの魔の手により、あらゆる犯罪と腐敗蔓延る腐敗社会と化し、荒廃の一途をたどっていた。この病める大国に一大革命をもたらすべく組織された革命軍のリーダー、サー・マルクは、東洋の島国に伝わる「忍者」をモチーフとして2体の殺人兵器「KUNOICHI」と「NINJA」を作り出し、バングラー抹殺任務を託した。 ゲーム内容 8方向レバー+2ボタン ボタンはそれぞれ「クナイ攻撃(押しっぱなしでクナイガード)」「手裏剣(弾数制限あり)」 クナイガードで敵のナイフ攻撃や銃弾などの飛び道具を防御することができるが、体当たりや爆発、火炎攻撃、レーザー等の一部の攻撃は防御出来ない。 また、一定時間以上クナイガードをするとペナルティーとして追加の敵が現れる。(*1) ジャンプは上方向にレバー入れで行い、斜め下に入れるとしゃがみ歩きする。 クナイガード状態で斜めジャンプをすると着地するまで無敵になる回転ジャンプになる。攻撃回避はもちろん、敵との間合いを詰めたり背後を取ったりなど使い道は多い。 クナイによる攻撃は攻撃力が高く、手裏剣は遠距離攻撃ではあるものの攻撃力はクナイの半分である。 戦車の搭乗兵など、クナイでは倒せない(*2)敵も存在し、そういった敵の排除に手裏剣が必要である。 手裏剣は忍者系など一部の敵を倒す毎に5発補充。次のステージ開始時には30発にリセットされる。(*3) 2面、4面で出現する敵の戦車は敵味方無関係に轢き殺していくため、これを利用して進む事もできる。 ただし、得点にはならないのでハイスコアを目指す場合はなるべく頼らないようにする必要がある。 実は1Pと2Pで性能が異なり、2P(ニンジャ)の方がほんの少しだが防御力が高いため、とりあえず先に進みたい・クリアを目指すなら2P側がおすすめ。 一方で赤の忍装束に金髪美女風の派手なビジュアルや部位破損(後述)の関係からプレイヤーからの人気は1P(クノイチ)の方が高かったようだ。 また、ソロプレイ時のみ、どちらかを使うかで最終決戦におけるバングラーの攻撃パターンに微妙な差が生じる。(*4) 評価点 多関節を用いて描かれたキャラグラフィック 兵器らしく「がっしょんがっしょん」と歩く姿や、群がる敵兵士や忍者風の怪人などを無言で斬り殺していく、まさに殺人兵器然とした姿はインパクト大。また飛び道具などで攻撃された箇所は外装が剥げてダメージを受けやすくなる(*5)というギミックもあり、キャラクターの設定をゲーム面で活かしている。外装が剥げた姿は(おそらくモチーフとなったであろう)ターミネーターのエンドスケルトンを彷彿とさせ、EDで語られる狂った殺人マシーンである事を強く印象付けているとも言えよう。 ステージクリアするとHP残量がスコアボーナスになるとともに全快するが、外装破損は一切修復されないため、攻略する上では出来るだけ避ける必要がある。中にはできる限り早く外装を全て剥がした状態(*6)で全クリアを目指す縛りプレイも存在する。 「音楽でストーリーを語る」方向性で作曲された楽曲群。 『ダライアス』でお馴染みの小倉久佳(ZUNTATA)が手がけており、プレイヤーの攻略を鼓舞するような良曲・名曲が揃っている。 1面 6面BGM“DADDY MULK”はその中でも飛びぬけて有名であり、マニアからは「チップチューンから完全に脱却した始めてのゲーム音楽」「ゲーム音楽史があるなら必ずそこに記載されるべき」とまで言われている。 サンプリング音に三味線ソロを使っていたり、表題にもある「DADDY」という単語をリフレインする印象的なフレーズなど、当時のゲームミュージック界隈では他に類を見ない、非常に斬新な発想であった。 最後の6面で再び“DADDY MULK”が流れるという演出も憎く、自力で辿り着いたプレイヤーの心を震わせた。 もちろん他の曲もかなりのクオリティを誇り、そちらが好きなファンも珍しくはない。 問題点 やや変化にかけるゲーム展開 ゲームテンポは悪くないが、プレイヤーの移動がもっさり気味で長いステージをひたすら歩く、という印象が強くやや展開の面白みに欠ける。 回転ジャンプを連続で行うことで通常の歩きよりも速く移動できるが、画面のスクロールの速度は常に一定。 高い難易度。 敵が人海戦術で攻めてくる上、こちらの姿勢に敏感に反応して襲ってくることが主な要因。 中ボスや大ボスとして登場するくノ一、火炎忍者、シャドーマンなどの忍者系はどれも強敵。ゴリ押しはほぼ通用せず、それぞれのアルゴリズムを読んだ立ち回りが必要不可欠。 戦車出現時の画面外からの威嚇砲撃は本作屈指の初見殺しであり、この攻撃で多くのプレイヤーが散っていった。 それでも敵のアルゴリズムを理解し、パターンを組んでいけば5面クリアまでは進めることが可能だが、最終面である6面(バングラー邸)はそれまでの面とは比べ物にならない程の高難易度。 ステージの開幕から敵の攻撃が熾烈な上に、タイム(全面共通で300秒)に対してステージ全長がかなり長い。あまり敵にかまっている余裕はないほど時間がシビアになっており、倒す必要のない敵はスルーして先へ急ぐことが要求される。 さらにステージが迷路状になっており、正しいルートを通る必要がある。移動が緩慢である(階段を通るのに7秒も使う)&最後の中ボス戦にどうしても時間が要るのも相まって、一度でも間違ったルートを通ってしまうと時間切れによるゲームオーバーが確定する。 細かい稼ぎが熱いゲームなのだが永久パターンが存在している。 永久パターンの存在するゲームの例に違わず、『ダライアスII』に換装されたり、場合によっては『ダライアス』に戻されたりした。 衝撃の結末 本作は1988年の『スプラッターハウス』(ナムコ)と並び、最も救いのないエンディングを迎える80年代業務用ゲームのひとつとして知られることとなる。 + 以下ネタバレ注意 立ちはだかる数々の敵をせん滅しつつ突き進み、ついにバングラーの抹殺に成功したニンジャ達。 その時を見計らうかのようにマルクがボタンを押した瞬間、ニンジャ達の体が大爆発を起こし、バングラー邸もろとも瓦礫の藻屑と消えてしまう。 恐らく抹殺したバングラーを完全に消し去る他にも証拠隠滅のためと思われるが、とにもかくにもこのいきなりの展開に目が点になること必至。 突然の展開で唖然とさせられているところにかぶさる 「平和が訪れたなどと思ってはいけない なぜなら彼らは不死身の“狂ったマシーン”なのだから」という、 まるでマルクが第二のバングラーになることを暗示するようなエンディングメッセージ、 そして廃墟と化したバングラー邸をバックにスタッフロールとともに流れる、全滅と聞き間違うような物悲しいBGMで畳み掛けてくる。 ちなみにこのエンディングBGMの曲名は「PARADOX」(矛盾)。 作戦の成否にかかわらず自爆させられるニンジャ達を一言で現しきった題名だと言える。 ダライアスを始めとするタイトー製ゲームのエンディングは濃い反面、英文がただ流れるだけで理解しづらいものが多いのだが、 このゲームは翻訳映画のように縦書き日本語字幕が流れる親切設計でもある。 一方で、デモ中に流れるオープニングはアニメーションのないモノクロの1枚絵がしばらく表示された後、画面が暗転してタイトルコールがされる、と言う物であり、これだけでストーリー設定を理解するのは難しい。 これについては本来エンディングと同じく、テキストと音声によるストーリー解説がつく予定だったようで、ロケーションテスト版で実装されていたのだが、何かしらの事情により製品版では削られてしまった。(*7) この削られたストーリー解説つきのオープニングは一部のサントラで聞くことができるほか、後述のメガCD版で復活している。 総評 ゲーム性の面では、同じ3画面という構成を演出面に存分に生かしていた「ダライアス」と比べて展開のメリハリに欠けやや大味で、3画面にする意義にやや乏しい側面は否めない。 一方で、革命の世を舞台とした退廃的な世界観を表現した硬派なグラフィックや人の業という物を考えさせられるシリアスなストーリー性と、それらを彩る音楽のクオリティの高さで深く印象付けることに成功した。 硬派かつシリアスなストーリーと、それらを印象深く演出する手腕に定評のあるタイトーらしさが色濃く表れた1作と言えるだろう。 前述した様に、ゲームとしては大味かつ高い難易度でヒットしたとは言い難いが、素晴らしいBGMと絶大なインパクトかつ深いエンディングは ゲームの歴史に「革命」を起こした作品のひとつであるのは間違いない。 移植・リメイク 『ニンジャウォーリアーズ』(PCエンジン版 発売日:1989年6月30日) 3画面筐体だったアーケード版の雰囲気に近づけるため、画面の上下をカットした横長のシネスコサイズのレイアウトとなっている。 1人プレイ専用となったが、KUNOICHIとNINJAの好きな方を選択してプレイが可能で、コスチュームカラーも複数用意されていた。 ROM容量の都合により戦車がカットされているものの、敵の動きや配置は他機種版よりもアーケード版に忠実である。 『ニンジャウォーリアーズ』(メガCD版 発売日:1993年3月12日) こちらもアーケード版の3画面を意識して、映画で言うビスタサイズのように画面の上下をカットしたレイアウトとなっている。 CD-ROMの特性を活かし、アーケード版のBGMとタイトーのサウンドチームのZUNTATAによるアレンジ版から使用BGMを選択可能。 PCエンジン版では登場しなかった戦車も出現し2人プレイも可能となった。 ZUNTATA出演によるオリジナルのオープニングも追加されている。これには静止画によるZUNTATAのPV的な物も含まれている。 2022年10月27日発売予定のメガドライブミニ2に収録が決定した。 『ニンジャウォーリアーズ』(携帯アプリ版 配信開始日:機種ごとに様々。プレインストール済みの機種もある) 『ニンジャウォーリアーズ』(配信元:ハムスター PlayStation 4:2017年9月7日配信 Switch:2019年7月18日配信) 『アーケードアーカイブス』シリーズの1作品として配信された。こちらは先に配信された『ダライアス』と同じく16 9HDモニターの解像度を利用して、アーケード版と同じ3画面仕様をそのまま再現した初の移植となっている。 『ダライアス』で好評だったモニターの繋ぎ目のズレやモニター毎の色合い再現機能やウーファー、5.1ch(7.1ch)サラウンド対応、コントローラーの振動によるボディソニック再現機能は引き続き搭載し、「国内版」「北米版」「欧州版」の3バージョン収録という太っ腹な構成になっている。 『ザ・ニンジャウォーリアーズ AGAIN』(スーパーファミコン 開発元:ナツメ 発売日:1994年1月28日) アーケード版のリメイク作品。ストーリーは原作を踏襲しつつ、グラフィック・BGM・ゲーム性の面で大幅な変更が加えられている。 『ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン』(PlayStation 4/Switch 開発元:ナツメアタリ 配信開始日:2019年7月25日) 上記『AGAIN』のリメイク作品。16 9対応、グラフィック・音源のリファイン、ローカル2P協力プレイ タイムアタック、複数の新技と2体の新キャラ「YAKSHA」「RAIDEN」など、様々な追加要素がある。 『AGAIN』で一度削除された原作のステージBGMも隠し要素として収録されている。 『タイトーマイルストーン』(Switch 開発協力:ハムスター 発売日:2022年2月24日) オムニバスソフト。『ニンジャウォーリアーズ』を収録。 余談 何故かロケーションテストが大阪のナムコ系列店舗で実施された。ロケーションテスト終了後は『ダライアス』に戻されたが、その後正式稼働時にはその店舗には導入されなかった。 ナムコ系列店舗はこのパターンが多く、近年でも『スクールオブラグナロク』などが、ロケテスト実施店舗でありながら正式稼働時入荷なしとなっている。 同社のSTG『ダライアスII』のロケーションテストver.で本作のBGMが、本来の『ダライアスII』のBGMに代わって使用されていた。 続編の存在を匂わせるエンディングではあったものの、それらしきゲームは出されていない。 一応、PCエンジンで『芸者ウォーリアーズ』というパロディ要素を含んだ続編が発売される予定だった。これによるとバングラーは死亡しておらず、土方のバイトで資金を貯めながら再度野望を抱いている事が発覚し、それを知ったマルクが「芸者型パワースーツ」を開発して主人公に着せて戦わせる…というストーリーだったが、発売日が長々と延びてお蔵入りとなった。 当時、タイトーの創立記念式典に「素晴らしいゲストが来る」というので、社員全員がタイトーのゲームにちなんだ芸能人を期待していたが(*8)、実際に現れたのはタイトー社員のサウンドチーム「ZUNTATA」で、DADDY MULK等の生演奏を披露した。ちなみに三味線箇所はショルダーキーボードで代用されている。 おそらく「製作者側が人前でゲーム音楽を生演奏した初の出来事」だと思われる。「演奏」とは真逆に近いゲーム音楽の、この開発側初の生演奏は当時出席した社員によると「大変盛り上がった」そうで、これが後のイベント等ライブ演奏のはずみになった模様。
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1999 ~ほれ、みたことか!世紀末~ 【いちきゅうきゅうきゅう ほれ みたことか せいきまつ】 ジャンル ボードゲーム 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 3MbitROMカートリッジ 発売元 ココナッツジャパンエンターテイメント 発売日 1992年9月18日 定価 7,300円 判定 バカゲー ポイント SFバカゲー(バカ)異星人に蹂躙される地球どうあがいても絶望なエンディング 物語 概要 変な点(笑いとばせるなら評価点) 問題点 評価点 総評 余談 物語 1995年。「ピンキー星人」は「ノーム星人」が地球侵略を開始したことを警告するため地球へと飛び立った。 しかし宇宙船は地球上空で燃料切れを起こし、呑気な大学生四人がキャンプに興じている所に不時着してしまう。 「ノーム星人が地球を狙っているが、落ちたときのショックで科学力が使えなくなってしまった。しかしきみたちだけでも助けたいから、1999年までに出来るだけ多くの『宇宙パワー』を集めるのだ」 それが世紀末の始まりだった……。 概要 ココナッツジャパンエンターテイメントが『爆笑!愛の劇場』に続いて発売したボードゲーム。おそらく同じ開発チームの作品と思われる。 四人のプレイヤーが双六形式でマップを進み、「宇宙パワー」を集めていく。最終的に最も多くのパワーを集めたものが勝利。 「宇宙パワー」とは人が快感を得たりすることで発生するらしく、主に得をするイベントが起きると増え、損をするイベントで減る。 マップ各所に存在する「核シェルター」を購入しておき、そのシェルターを通過したりピッタリ止まったりすることでも宇宙パワーが増加する。所有者でない者が止まっても意味はない。 双六といってもゴールに辿り着けば終わりではない。マップは一種類のみで、一人がゴールすると全員がまたスタート地点に 戻って周回をする(トップになると宇宙パワーが少し増える)。ゲームはこれの繰り返し。 1周すると、ゲーム中の時間で半年が経過する。時間が進む程ノーム星人の侵略(社会進出)と異常気象が進んで地球の危機は深刻になっていく。 ゲームは「1995年1月」の周から開始され、「1999年7月」の周が終わると終了となる。つまり10周すると終了となる。 変な点(笑いとばせるなら評価点) ゲームを始めるとまずプレイヤーを作成するのだが、この時点ですでにバカゲー。 最初に名前を入れる際、どんな名前を入れてもランダムで「かわいいなまえだね」「ふざけたなまえだね」と言われる。 次にルーレットで顔を上下半分ずつ選ぶ。若禿げになったり鼻の穴が大きくなったりする。 最後に職業もルーレットで決めるが、医者・ビジネスマン・芸能人等に混じって対象年齢をどう捉えているのか「ホスト」がある。 ちなみに「フリーター」も存在。これになると(なってしまうと)定職に就くまでマップ開始時の給料が貰えない。 最初は無難なゲーム中のマスも、周回が進む毎にどんどんマイナス傾向のものが多くなっていく。 地球は砂漠化の後事故の影響による氷河期を迎えるため、それに該当する「砂漠」マスと「氷河」マスが存在。最初の2年間は職業に関するイベントのマス(成功すると儲かる)が多く存在するが、3年目の砂漠化になると一気に減少し、4年目以降の氷河期になると殆ど無くなり、5年目になると全てなくなってしまう。 また、マップ上の背景も、周回が進む毎にどんどん荒廃していく。 内容も「朝起きたら車が砂に埋もれていた」「突然地面の氷河が割れて股が裂ける」「つららが頭に落ちてきて入院」といったバカイベントだらけ。 特筆すべきは「ノーム教」のマス。前作に続き(?)今作でも「ノーム、ノーム」と唱える某尊師に酷似した教祖が登場する。 起こるイベントも「『特製爪の垢ドリンク』を買わされる」「恥ずかしい歌(*1)を歌わされる」といったマイナスイベントが大半。 ただしミニゲームで脱退出来るイベントも発生。成功するとパワーが増える以上にプレイヤーの気分がいい。 それ以外のノーム星人は「プレイヤーがナンパしていた美女に化けていて金を巻き上げる」「ボッタクリバーさながらの客引きでプレイヤーを釣る」などやけにセコい手段で地球人を苦しめてくる。 また「おやかた」とかいう関取のような姿の怪獣(ちなみに文字通り人を食うらしい)による競馬(?)の胴元もやっていて、プレイヤーが参加して当たればそれなりに儲かる。 プレイヤーたちも奇態な行動を取る。以下は一例。 「神社の境内で昼寝していて神隠しにあう→母ちゃんがテレビの人捜しコーナーに出て恥ずかしいのでさらに逃げる」 「鼻毛が凍結して鼻の穴が塞がる→口で呼吸すればいいのについ口を突っ張ってしまい呼吸困難になる」 SF要素があるためか、「吸血サボテンに血を吸われる」「雪男に殴られ金を奪われる」といった怪生物イベントも発生する。 作曲者が『くにおくん』シリーズと同じ澤和雄氏であるため、ゲーム中の音楽は同シリーズの曲に似たものが多い。 + そしてエンディング どうやってもバッドエンド(?)である 上記の通りノーム星人の地球侵略はどんどん進み、これを防ぐ手立ては無い。地球人が一念発起しノーム星人を懲らしめる…などといった望みも当然無く、地球の状況は悪化の一途を辿るのみである。 最後の1999年に至っては地球規模の食糧危機、そして核戦争の勃発すら示唆されるという、まさに絶望的としか言いようがない状況に追い込まれる。 そして1999年7月の周を終えると期限が終わってエンディングとなり、集めた宇宙パワーを使って地球脱出ロケットに乗るのだが……。 四位の者は点火役として地球に残留し、三位の者は途中でロケットを切り離され地球に不時着し消息不明。二位の者も同じくして宇宙を浮遊する羽目になる。 一位の者だけがピンキー星に到着して歓迎されるが、そこには大量の白骨死体が……。それまで明るかったBGMも不穏なものに切り替わる。 「変な異星人の甘言に乗って同胞を見捨てたものに未来はない」とでも言いたいのだろうか……。 宇宙空間に取り残された二位は言わずもがな、三位と四位が取り残された地球も前述の通り荒れ果てているので、結果的に全員が不幸で終わる。 ちなみに今回もスタッフロールは無い。 問題点 キャラメイクのあるボードゲームにもかかわらず、キャラの性別を選べず男性固定になっている。 イベントなども女性であることが不都合になるものは存在しないため、女性でプレイできても良かったはず。 殆どが運ゲーでありボードゲームとしては駆け引きや盛り上がりに欠ける。 サイコロ代わりのカードを引く際に妨害カードを得られることがあるが、その場で使わなければならない上に相手が仕掛けたマスに止まらないと意味がない。 イベントでのパワーの増減も幅が小さく一発逆転要素が無いため、大差が付くとほとんど跳ね返せない。 パーティーゲームなのにストーリー及びエンディングの後味が悪い。 笑えるイベントが多い一方で、怪獣が暴走して地球人が犠牲になるなど笑いごとでは到底済まないイベントも発生する。そしてその原因であるノーム星人に対してプレイヤー含む地球人はこれといった抵抗はできず、一方的に痛みつけられるばかりである。(前作に引き続き)人によっては不快感を覚えるだろう。 迫りくる危機に対して数年かけてやる事が自分だけ助かるための行動で、その挙句がいずれもバッドエンドでは、本当にどうしようもないと言われるのも仕方のないところである。 ナレーションのユルさが後味の悪さを若干緩和してくれてはいるが、合わない人には徹底的に合わないゲームと言える。 フォント なぜかカタカナ語が、カタカナだったり平仮名だったり統一されていない。「かくみさいる」「はるまげどん」など、物騒な単語のイメージを和らげる狙いだろうか。 評価点 ネタは豊富 イベントは色々と用意されており、他にも「そうです うわたすが 放火魔です」といったパロディイベントをはじめとしてバカイベントには事欠かない。 「酸性雨」「オゾン層破壊」など、当時深刻化していた環境問題に触れている点も見逃せない。 本作の発売年である1992年はSDGsの前身とも言えるリオ宣言が採択された年でもあり、まさに作中でノーム星人が行うような乱開発による環境破壊を規制するための動きが世界中で広まっていった。 BGMはかなり曲数が多く、1ループが短いものが多いものの、旋律が良く妙な中毒性があるものが多い。 総評 テンポはそこそこ早いので苛つきはしないが、ゲーム性はあまり高くない。前作同様に多人数でプレイしてバカイベントを笑いとばせれば、それなりに盛り上がれるゲームである。 余談 ノーム教教祖のモデルはどう見てもオウム真理教の麻原彰晃。 発売当時のオウムは「変なおじさんが率いるおもしろ集団」程度の認識しかなく、バラエティ番組でも芸能人が面白がって持て囃していたほどであった。 しかし本作発売の3年後、地下鉄サリン事件を皮切りにオウムが悪逆非道の犯罪組織である事が露わになり、今ではとても笑えないネタになってしまった。 「表向きにはおバカだが、その本質は最悪の被害をもたらす連中」といった点では本作のノーム星人と類似しており、カルト教団に対する当時の認識の軽さに対し「ほれ、みたことか!」と警鐘を鳴らしていた…と見られなくもない。
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ソニック ヒーローズ 【そにっく ひーろーず】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション2ニンテンドーゲームキューブXboxWindows 発売元 セガ 開発元 ソニックチーム 発売日 2003年12月30日【Win】2004年12月4日 定価 7,140円(税5%込) 判定 賛否両論 ポイント 仲間を使い分けてゴールを目指せSA2限りだったはずのシャドウが再登場スピード感は抜群だがそれらを削ぐ要素多し落下死多発の苛烈なステージ&操作性使用キャラはソニックのアクションでは多め主題歌を初めBGM面は安定の高評価 ソニックシリーズ 概要 ストーリー システム チームアクション 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 3機種マルチ+PCで展開された、3名で1チームとなったソニックキャラを操作し、状況に応じて交代しながら進めていくアクションゲーム。 プレイアブルは4チーム分存在、メンバーはチームごとに固定であり、それぞれ出来ることは異なる。 エスピオは『ソニック・ザ・ファイターズ』以来、ベクターとチャーミーは『カオティクス』以来の再登場となった。ただし設定は変更され、以降の作品ではこちらの設定が用いられている。 また、エッグマンに復讐を誓うロボットキャラ「E-123 オメガ」は本作で初登場となり、以降のシリーズでもいくらか登場した。 事実上の前作に当たるソニックアドベンチャー2ではステージごとの交代だったキャラをほぼ常時交代可能とし、キャラゲーとしてのソニックの側面を重視した内容となっているのが特徴。 また、長年子役が担当していたテイルスの声を、本業声優である広橋涼(*1)が担当することになり、以降のシリーズでも定着している(*2)。 ストーリー ある日、ソニックはテイルスと再会し、エッグマンからの挑戦状が届いていることを知る。曰く「3日後に世界征服を開始するから、止められるものなら止めてみろ」との事。面白がったソニックはこの挑戦を受け、テイルスやナックルズとともにエッグマンの元へ向かうことに。一方、アークでの戦いにおいて生死不明となったはずのシャドウを発見したルージュと復讐に燃えるオメガ、探し人のために動き出すエミー達、謎の依頼主から仕事の以来が届いたカオティクス探偵事務所…。それぞれのチームは各々別の目的で同じ場所を目指して冒険を始めていた。しかし、彼らが目指した先には共通の黒幕が待ち構えていた…。 システム チームアクション 本作は、キャラクターを交代しながら進んでいくアクションゲームとなっている。チームメンバーそれぞれに[スピード][フライ][パワー]の3属性が設定されており、操作キャラを変えると他の二人がそのキャラに合わせたフォーメーションをとる。道中にはこれを意識したリング列や仕掛けもいくつかあるものの、基本的には操作キャラの変更によって出来ることが変わると考えて良い。 スピードキャラを先頭にその後ろを他の二人が若干横に広がりつつ追従する、高速走行用の「スピードフォーメーション」 フライキャラに他の二人がぶら下がる、飛行が可能な縦に長い「フライフォーメーション」 パワーキャラの両サイドに他の二人が並走する、横に広い陣形の「パワーフォーメーション」 基本は操作キャラの持つ属性・フォーメーションに準じたアクションが使えるが、それぞれのキャラの性能は微妙に異なる。 なお、操作していないキャラクターは敵に接触しても怯むだけ。ステージから落下しても一部の例外を除いていつの間にか戻ってくるので、目立った影響はない。 特定のアイテムを手に入れることで対応するキャラがそのステージ限定でレベルアップ(最大3)し、攻撃力が強化されるなどの恩恵を得られる。 リングを集めたり、フォーメーション毎に共通するチームアクションを使うと右上のゲージが増え、最大までたまると「チームブラスト」が使用できる。 チームブラストは周囲の敵を一掃して行動不能の味方を復帰させるほか、チームによって固有の効果が一定時間与えられる。 チームの構成 + チーム一覧 チームソニック(ソニック、テイルス、ナックルズ)キャラクターもコースも全てにおいて基本・標準的な設定のチーム。挑戦状を送ってきたエッグマンを追って、これまでのシリーズ同様ゴールを一直線に目指す。 チームブラスト「ソニックオーバードライブ」ではライトアタックが炸裂し、更に一定時間ブルートルネードもライトアタックに変化。殲滅力が跳ね上がる。 一度クリアしたステージで挑戦できるエクストラミッションは「ステージごとに設定された制限時間内にゴール」するというタイムアタック仕様。 チームダーク(シャドウ、ルージュ、オメガ)敵の配置数やコースの長さが強化され、上級者向けに設定されているチーム。キャラクター性能はオメガ以外チームソニックと共通。 チームブラスト「カオスインフェルノ」を発動すると、シャドウのカオスコントロールによって自分以外の時間が停止する。 エクストラミッションは全ステージ共通で「敵を100体倒す」事が目的だが、ステージによっては1周で倒し切れないこともある。 チームローズ(エミー、クリーム、ビッグ)全てのコースが短縮され仕掛けや敵も削減されているなど、初心者向け設定のチーム。スペシャルステージの達成数は共有されるのでこのチームで済ませても良いが、クリーム以外はキャラクター性能にやや難あり。 チームブラスト「フラワーフェスティバル」を発動すると全員のレベルが1つ上がってバリアが付き、さらに一定時間無敵・スピードUPが同時に一定時間つく。 エクストラミッションは全ステージ共通で「リングを200枚集める」という、中盤以降一度のミスも許されない高難易度。チームブラストのバリア効果を活かしていけば十分クリアには近づける。 チームカオティクス(エスピオ、チャーミー、ベクター)謎の依頼をこなす探偵事務所のチーム。「敵に気づかれてはいけない」ミッション等が存在し、他チームとは明らかに別ゲーに見える。 チームブラスト「カオティクスリサイタル」効果中は、倒した敵をリング5~20枚に変える。 エクストラミッションは原則として通常ミッションの条件に加えてもう一つ条件が追加されたものとなる(例「敵に気づかれずにかつ制限時間内にクリア」)。 + 各キャラの属性 スピード 名前の通り最高速を重視したフォーメーション。ソニックアドベンチャーシリーズにおけるソニックを踏襲した操作性を持つ。 ホーミングアタック(レベルアップで攻撃力強化・レベル3で風効果(*3)が追加される)に加え、チームアクションのロケットアクセル(従来作でのスピンダッシュに相当。ただし、単独時には使用できない)など、固有アクションは豊富。 ソニック:全てにおいて基本的な性能。ライトダッシュや三角飛び、スライディングキックに加えて新技・ブルートルネードを持つ。 シャドウ:ソニックと同性能。ブラックトルネードは名前と見た目が違うだけでブルートルネードと同効果。 エミー:ハンマーを用いた技を持ち、トルネードが飛び道具。だがライトダッシュと三角飛びが使えない上、他のスピードキャラより遅いという欠点が。 エスピオ:手裏剣投げや、半透明になれる効果があるこの葉隠れなどの独特な技を使う。ライトダッシュは使えないが、三角飛びで壁に張り付いた状態が半永久に続く。 フライ 空中でのホバリング能力が最大の特徴で、ルート開拓のお供。 チームアクションは仲間を光の弾として打ち出し、敵を痺れさせるサンダーシュート(*4)。レベルが上がれば中・遠距離で心強い武器になる。 テイルス:フライキャラにおける基本的な性能。単独ならダミーリングボムという相手を痺れさせる罠攻撃も使用できる。 ルージュ:テイルスと同性能。 クリーム:単独なら複数の周囲の敵に攻撃するチャオアタックを使用できる。ちなみにチャオアタックの攻撃力はかなり高い。 チャーミー:単独なら尻の針で攻撃することが出来る。花のつぼみを開花させることが可能。 パワー 唯高威力の範囲攻撃などが得意で、乱戦になった際に周囲の敵を一気に蹴散らすことが出来る攻撃アクション特化のキャラ。 滑空アクションのダイブが使用可能。このフォームのアクションでのみ破壊できる障害物も多い。 ナックルズ:パワーキャラにおける基本的な性能。地面に炎の衝撃波(レベルアップで強化)を放ち敵を蹴散らせる。 オメガ:内蔵火器を用いた射撃(レベルアップで強化)を行うため、リーチが広い。 ビッグ:釣り竿(レベルアップで強化)を振り回したりボディプレスで敵を攻撃するが、釣り竿の使い勝手が悪い。 ベクター:音波(レベルアップで強化)や急降下パンチで敵を攻撃する。音波はオメガの内蔵火器による攻撃、急降下パンチはビッグのボディブレスと同性能。 評価点 豊富なキャラをソニックのアクションゲームで使える しかもそれぞれ単純に皮を取り替えただけではなく、キャラによって特殊能力も異なるため、周回プレイでも苦が少なめ。 ソニックはアドベンチャー以降、声優が付いたことやシナリオが濃密になった関係から、以前よりもキャラゲーとしての側面も強くなったが、ファンアイテムとしての本作は大変優秀である。 さらに、キャラが豊富な分ボイス量もまた膨大。ステージの仕掛けに各々がリアクションを取ってくれるだけでなく各所のヒントアイコンに触れた際のアドバイスでもチームメンバーが喋ってくれるため、非常に賑やか。 アドベンチャーシリーズを彷彿とさせるスピード感 スピードフォーメーションの際にステージをかっ飛ばす際は相変わらず爽快であり好評。 基本的には3つのフォーメーションを使いこなすのが主であり、必ずしも常時最高速で走れるというわけではないが、そこを考慮しなければアドベンチャーを思わせるスピード感も継承出来ている。 BGMは相変わらず良曲揃い 主題歌である「Sonic Heroes」だけでなく、ステージBGMなども大変優秀。ゲームシステムは好みでなくてもBGMは好きというファンもいるほど。 「Sonic Heroes」は後作品でも度々引用され、最近でも『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo3DS / WiiU』でのソニック参戦ムービーBGMとして起用されているほど息が長い。 程良い塩梅のストーリー アドベンチャーシリーズのように壮大になりすぎず、さりとて後のHDシリーズのように簡潔な内容とも言えない、純粋にキャラを楽しむのに調度良い内容となっている。 他、チームローズはソニックアドベンチャー、チームダークはソニックアドベンチャー2のストーリーに関連する設定や会話が盛り込まれており、決して本作が独立した作品ではない点でバランスを保っている。 ステージ間を受けても怯むだけでリングをばら撒いてしまうことはなく、反対に操作キャラ以外でもリングを回収出来るので、リングを集めることが比較的に容易。そのため、「リング0枚の状態でダメージを受けてミス」というケースが少ない。 序盤の時点ではボーナスステージへの突入もクリアも簡単なので、ボーナスステージでたやすく残機を増やせる。 過去キャラの復活 次世代機への移行から、その存在感を薄くしていたメタルソニックが本作で復活し、黒幕の役目を担う。自分で自分を改造した事で当初は大元のイメージを残しつつも大きく姿を変えていたが、元の姿に戻った際のデザインも若干変更されている。 ちなみに本作のメタルソニックはソニックと同じく金丸淳一が声を当てている。しかしエフェクトが強いので、到底同じ声優がやっているようには聞こえない。 まさかのカオティクスのメンバー復活は旧来のファンを喜ばせた。設定は大きく変更されているが、現在でもそちらの路線で愛されていることから、この路線変更は成功したと言って良いと思われる。 しかし、4人目のカオティクスのメンバーであるマイティー・ザ・アルマジロは本作で復活できず、そもそもいなかった事にされてしまった。 賛否両論点 スピード感を削ぐ演出や調整の数々 フォーメーションをチェンジすることで各種障害を突破していくゲームデザインなのは上記にある通りだが、これがソニックシリーズ特有のスピーディーアクションと相性が非常に悪かった。 特に問題となるのがパワーフォーメーションで突破することを想定された「障害物にふさがれた通路」や「倒さないと先に進む道が解放されない巨大な敵」の存在。これらを通過するにはどうしても足を止める必要があるため、どうしてもスピード感がそがれてしまう。 パワーフォーメーションを活かしてほしいであろうガードをする敵や体力が高い敵は、道中でも随所で登場するのが厄介。とはいえ、パワーキャラによる力押し以外にもスピードキャラの特殊攻撃やフライキャラのサンダーショットによる別解が用意されているのは評価点。 このほかにも、チームブラストなどで度々ゲームの進行が止まる演出が多く元来のスピード感がうまく引き出せないことが多数。 一応「スピードフォーメーションで駆け抜けながら、次に現れる障害に合わせて前もってキャラクターチェンジを行い、突破したら即座にロケットアクセルで駆け出す」といったプレイであれば従来作のようなスピード感が味わえる。が、これができるのはあくまでもプレイヤースキルの高い生粋のソニックプレイヤーある。そもそも初見ではそんなこともできるハズもない。 ただしキャラクターゲームとして本作を評価している層からは、キャラを楽しむ演出として評価されている側面も。 シャドウの復活 シャドウはその人気から急遽復活が決まったという経緯があり、ご都合主義的な部分を完全に否定することは出来ない。 前作のシナリオ面で評価されたシャドウの最期の余韻も本作が良くも悪くもぶち壊しており、台無しとなってしまったという声も大きい。 後にスピンオフの『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』がリリースされたのはシャドウの人気に応えただけではなく、本作での復活劇の真相を(後付けではあるが)暴くためという理由もあった。 テイルスの声優変更と固定 本作発売前に放送を開始したアニメ『ソニックX』以降、テイルス役の声優は広橋涼氏で固定されることとなった。 ソニックバトルではフルボイスでなかったため目立たなかったが、本作ではストーリー上ボイス入りのパートが多く、テイルスの声に好みが分かれる結果となった。 今までも彼の声優はほぼ常時交代してきたようなものだが「棒読みに味があったため声優への交代でその味がなくなった」という声もあれば、「子役の棒読み故にストーリーに集中出来なかったから声優交代は妥当」とする声もある。 ちなみに、後発の『ソニック ジェネレーションズ』では久々に子役が起用された。ただし、モダンの方ではなくクラシックの方である。 問題点 シリーズ屈指の「滑る」操作性 地面が異常にツルツルと滑るような操作性で止まりづらい。慣性が強めにかかるようになっており足場の悪い所では着地の調整が難しい。 ナックルズの攻撃アクションなども異常な勢いで地面を滑りながら攻撃する上、足場の縁で止まったりすることも一切ないため事故死が頻発しやすい。 特に本作ではグラインドレールに空中から飛び乗るシーンが多いが、着地の難しさに加え後述のレールの判定の小ささにより間をすり抜けて落下死する頻度が尋常ではない。 ボス戦も狭い足場を攻撃を避けながら追いかけて攻撃するタイプのステージが多く、シリーズ屈指の狂った難易度になっている。 ステージ構成とゲーム全体の作業感 ゲーム開始時より4つのチームから好きなチームを選んでプレイできるが、ステージの基本的な構成は全てのチームで使い回し。攻略順も一切変わらないため、2チーム目以降の作業感が強い。 ステージは全体的に前作の終盤以上の長さがあり、初見ではそれなりにスムーズに進んでも10分以上かかることもザラ。 初心者向けキャラクターとなっているチームローズのステージはチームソニックのステージの途中にゴールが配置されている形となっており、他よりはやや短い。 チームカオティクスは同じステージの中で配置されたアイテムを収集したりターゲットを破壊したりするミッションが与えられる。一つでも見落としがあるとスタート地点から延々ループすることになるため、ハイスピードアクションとは対極の丁寧な探索を求められる。 ボス戦は各チーム同士の戦いがあるものの、その戦闘自体が非常に大味。 難易度調整の無茶苦茶さ 例によって万人向けとは程遠いレベル設定となっている。とにかく終盤の難易度の跳ね上がり方が極端めで、後半はそれが原因で挫折してしまう人も多い。 アドベンチャーシリーズの後半にあったような、思わず目を背けたくなるほど厄介なステージ構成は、キャラ交代ありきを想定されるためある意味余計難しくなっている部分も。 ステージ自体の道幅が前作までより妙に狭く、ダメージを受けた時の吹っ飛びも従来より大きい。当然着地まで一切操作不能なので落下死が異常なまでに頻発する。 さらにラストエピソードは「ボーナスステージでカオスエメラルドを7つ集めた」うえで全チームで各ストーリーをクリアしないと出ないため、難しくてせっかくのストーリーがちゃんと最後まで見られないという声も。 ボーナスステージは先述通り全チームで共有だが、いやらしく配置されているトラップと、ステージを走っているとカーブで位置がずれていき操作がしづらくなる仕様と戦わなくてならないため、スピードに比例して難易度も非常に高い。 さらにエメラルドを手に入れる突入方法も「偶数ステージ(*5)にある鍵を手に入れて、そこから一切ダメージを受けず(バリアを持っている場合は除く)にゴールする」というもの。鍵の位置は固定かつ入手チャンスは3回あるものの、既に鍵を持っている状態で2つ目を手に入れてもメリットは一切ない。 一度ボーナスステージで失敗すると、再挑戦のためにもう一度ステージをミスせずにクリアしなくてはいけないという点が非常に面倒。さらに今作のステージはアドベンチャー・アドベンチャー2よりも全体的に長くなっている。 前作に引き続き、ランク評価で全ステージ・全ミッション・全チームオールAを条件とする隠し要素があるが、元から難しいストーリーでの通常ミッションに加えて、さらに難易度の上がったエクストラミッションクリアもクリアしなくてはならない(*6)。さらに今作ではボス戦もクリアタイムでランク評価の対象になっている。 グラインドレールの判定 前作から続投したアクション「グラインド」だが、本作ではレールに乗る判定が異常に厳しい。 中盤以降ステージの大部分がグラインドレールでできているようなステージも増え、難易度の不安定さに拍車をかける一因となっている。 隣のレールへの飛び移りはジャンプボタン+方向キーの同時入力で行えるが、時折飛び移れず隣のレールをすり抜け宙に放り出される不具合がある。 これらの問題を反省してか、以降の作品ではグラインドレールの始点にホーミングアタックで乗れたり、ダッシュリングなどのギミック経由で安全に乗れたりするものが多数となった。 特に次作「新ソニ」においてはレールにどこからでもホーミングアタックで乗れる(始点だけでなく途中からでも可能、場合によってはカメラの視覚外にあるレールでさえホーミング可能)という破格の親切仕様となっている。 ボール時の操作性 とあるゾーンではソニックアドベンチャーを彷彿とさせるような、キャラクターがピンボールのボールとなるエリアがあるのだが、その時の操作性が非常に悪い(*7)。さらにボール状態になるエリアにも落下するトラップを仕掛けられており、操作性の悪さも相まって頻繁に落下死する。 さらにボール状態では味方キャラクターがはぐれてしまうこともざらに発生する。この状態でフォーメーションチェンジを行うと、逆戻りしてしまうことも(*8)。 特に、「スピードかパワーフォーメーションでボール状態のエリアを脱出 ⇒ その先の段差が高いのでフライフォーメーションが必須 ⇒ フライフォーメーションにしたらまだその担当キャラがボール状態のエリアにいた」というような事象が起きやすい。さらにここで操作中のフライ担当が落下死すると、せっかくスピードorパワー担当でボール状態エリアを脱出した苦労も水の泡に…。 カメラワークが悪い シリーズにおいて多く言われている点だが、本作でもそれは例外ではなかった。 スピード感のあるゲーム故に、カメラワークが悪いというのは結構致命的で、一部プレイが難しくなるところも。 ロードが長い 当時、最もロード時間が短いと言われたGC版ですら人によっては耐え難いロード時間となっている。 むしろ他機種においてはあまりのロードの長さに辟易として、わざわざロード時間の短いGC版を改めて買ったという人もいるほど。 しかしこの問題は次作でますます悪化して帰ってきたのであった…。 チームローズの総合力の低さ チームローズのメンバーの内、ビッグとエミ―の性能が低めに設定されており扱いづらい。前者の竿を振り回す攻撃は一見範囲が広いようで実は攻撃判定は狭く、そして隙まみれ。エミーのピコピコハンマーも範囲が狭く隙が大きいだけでなく、前述のとおりスピードキャラの共通アクションが一部使えない上、そもそも足の速さも劣ってしまっている。 とは言え、冒険や戦いに慣れている面々ではない為この設定は理解できる範疇ではある。逆に、他のキャラとそん色ない性能を持つクリームの方が浮いている気すらしてくる。 しかし性能面の不利を加味した上でもステージの難易度がそれ以上に落とされているため、一番クリアが容易なのはチームローズである。 PS2版について 他機種版と比べてロードが非常に長い。また、最適化不足なのかフレームレートが30fps(GC/Xb/Win版は60fps)となっており、レスポンスもやや悪い。対戦モードでは処理落ちも頻繁に発生する。 総評 ソニックキャラが大好き、という人のためのアクションゲーム。 ゲームとしての完成度は悪くないが、ソニックアドベンチャーシリーズでソニック作品に親しんだプレイヤーからは特に比較され、問題点が挙げられがちな内容である。 事実、アドベンチャーの野暮ったい部分はそのままにされている点があり、本作のシステムによってそれらが目立ってしまったのは否めない。 キャラゲーとしては大変優秀であるが、普通のゲームとして見ると若干のチグハグさが見える部分があり、プレイにストレスを感じさせる点は多め。 しかし本作以降、アクションジャンルで復数のキャラが使える作品は減少し、キャラゲーとしての最高潮の内容を持つ作品は本作が最後と言えなくもない。 余談 非常に地味な点であるが、ソニック、エミー、ナックルズの瞼の色が肌色からそれぞれの体と同じ色に変更された。また、前作では大きくアレンジされていたソニックの靴のデザインもシンプルなものに戻っている。現在も続く「モダンソニック」のモデリングの各要素は、今作で完成したと言ってもいいだろう。
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注意 ここではセガ・エンタープライゼス(現セガ)原作のアーケードゲーム『ゴールデンアックス』の、PCエンジン版移植を紹介しています。 ゴールデンアックス 【ごーるでんあっくす】 ジャンル ベルトスクロールアクション 対応機種 PCエンジン CD-ROM2 発売元 日本テレネット 開発元 レノベーションプロダクツ 発売日 1990年3月16日 定価 6,780円 判定 劣化ゲー ポイント ショボいグラフィック操作性劣悪ビジュアルシーンとBGMは高クオリティ ゴールデンアックスシリーズ 概要 特徴 問題点 評価点 総評 余談 概要 1989年にセガ・エンタープライゼスからリリースされ、人気を博したベルトスクロールアクションである『ゴールデンアックス』。同年にメガドライブ版が移植発売され、そこそこの移植度で評価された。そして、その翌年にPCエンジン版も移植された。 発売はビジュアルとBGMに定評のある日本テレネットである。テレネットらしく豪華声優陣を起用したキャラ達の会話やビジュアルを交えたストーリー演出が加えられている。 しかし、「ビジュアルとBGMだけなら抜群」というユーザー間の評価通り、ゲーム本編が極めてお粗末な代物となってしまっていたのであった。 特徴 本格的なビジュアルシーン ゲームを起動すると、ラスボス「デス・アダー」が降臨するビジュアルシーンが始まる。これはなかなか力が入っている。 声優陣の演技もさることながら、無数の蛇が集結してデス・アダーの体を形成するシーンは気持ち悪くてインパクト大である。蛇が苦手な人は、トラウマになる事は必至であろう。 ゲームを始めると、「アックス・バトラー」「ティリス・フレア」「ギリウス・サンダーヘッド」の三人の中から一人を選びゲームスタートとなる。残念ながら原作にあった二人同時プレイは削除されてしまったが、選んだキャラによってビジュアルシーンが変わるというお楽しみがあるのは嬉しいところ。 「アックス編」傭兵らしき二人の男がデス・アダー側の敵に襲われ一人が殺害、もう一人が窮地に立たされるところをアックスが現れて敵のほとんどを瞬殺、生き残った敵に対してデス・アダーにアックスの宣戦布告を伝えるように命令するという流れ。 「ティリス編」繁栄を栄えたファイアウッド王国にて、誕生日を迎えた王女ティリスを祝う祭典が行われていた最中に、デス・アダー軍が攻め込み、その場にいた全員を殺害、両親を目の前で殺されたティリスだけは幸運にも生き残り、成長した彼女がデス・アダーに復讐を誓うという流れ。 「ギリウス編」ティリス祭典と同時間に、野原にて焚き火をしてくつろいでいたファイアウッド親衛隊に所属するギリウス一行、しかしその最中にファイアウッドはデス・アダーの凶行に落ち、それを阻止しよう乗り込んだギリウス一行はデス・アダーに挑むも歯が立たず、ギリウスの目の前で共に行動していた実の弟を殺されてしまう、辛うじて生き残った彼はデス・アダーの復讐を決意するという流れ。 デス・アダー戦前で3回目のビジュアルシーンが流れ、物語がクライマックスへ突入する。追い詰められるも余裕を崩さないデス・アダーに彼ら三人は勝利する事ができるのか? 4回目のビジュアルシーンは念願のエンディング。デス・アダーは英雄達の手でこの世から消え、世界に平和が訪れた。彼らがその後どういう人生を送ったのか、それはここでは伏せておく。 問題点 ビジュアルのかっこよさからして、「こいつはすげえ期待だぜ!」と胸を膨らましてしまいそうだが、そのゲームパートに待っている現実…それはあまりにもお粗末なものであった。 まず、CD-ROM2で作られたゲームなのに、やたらと小ぢんまりとしたファミコン並のグラフィックが嫌でも目に付いてしまう。どうみても1990年製作のPCエンジンのゲームとは思えない。 前年発売のMD版はこれに比べれば原作に近いグラフィックだった。ならば「きっとPCEの性能の問題」と思われるかもしれないが、同じセガ原作のPCE移植作である『獣王記(NECアベニュー発売)』『忍(アスミック発売)』が、相応の頑張った外見だった事を考えると、ビジュアルに力を入れすぎて力尽きたと考えるのが妥当だろう。 余談だが、日本テレネットの作品はスーパーシステムカード(256KB)専用ソフトはそれなりに見られるものが多い一方で、旧システムカード(64KB)対応ゲームは悲惨なものばかりである(例:『レギオン』)。 原作にあった倒した敵が白化する演出などが削除されたのはまだいいとして、原作の魅力だった使用キャラのアクションや魔法によるド派手な演出すらも、目を覆いたくなる程にショボくなっている。 アクションには全く躍動感がなく、魔法に関してもちゃっちい魔法が「ボ ホ ゙ボ ボ」とヘボい音と共に発動されるだけである。 ビジュアルでは声優陣の熱演を入れているくせに、ゲームパートでは何故かボイスなしである。 原作では敵を倒す時と倒された時に英語風の断末魔の叫びを上げていたのが「ペロロンポロロン」といった感じの情けない音と共に死ぬ。お前ら本当に人間か? しかも、効果音すらもショぼく、原作の豪快さが大幅オミットされているのが寂しすぎる。 外見が悪いなら操作性も悪い。 とにかくキャラが動かしにくく、原作同様の行動ができない有様。キャラの動きはもっさりの極み、特にアックスは軸移動が遅すぎて敵との間合いを調整する事すら不可能に近い。 ステージが始まる度に微妙に長いロードが入り、テンポの面でも悪化している。 他メーカーのCD-ROM2系のゲームは何かしらの工夫を駆使し、その辺を緩和する配慮がなされている事が多く、「ディスクだから仕方ない」なんて言い訳は通用しない。 他にも上記の通り二人同時プレイ削除や、全体的なボリューム不足が挙げられる。但し、前者は本当にPCEの性能の問題でそうなったかもしれないし、後者に至っては原作からしてそうなのでPCEだけを責めるのは早計である。 スタッフロールが何故か削除されている。頑張ってエンディングを見た人は残念がっている。 評価点 上記の通り、力の入ったビジュアルシーンと豪華声優陣を起用した熱演は凄い。はっきりいって、ゲームがおまけでこっちがメインだろうといわんばかりのクオリティ。 声の出演は青二プロダクション率いる10人のキャスト。もうこの辺で製作予算を多く費やしているとしか思えない。 ビジュアルシーンはクオリティは高い反面、4回しかビジュアルが発生しないので、ボリューム的には褒められるものではない。 テレネットの例に漏れず、アレンジされたBGMは良曲揃い。ゲームのショボさとは温度差が激しすぎて泣けるが…。 ゲームパートの原作移植度はガタガタだが、一応はステージ数や敵配置などはそれなりに原作尊重である。 総評 「テレネットにアーケードの移植をまかせるとロクな結果にならない」 。まさにそれの一言に尽きるだろう。 主に2~3ヶ月程度の制作期間しか取らなかった経営側の問題(スタッフインタビュー記事)、一応最低限度の形にしている制作スタッフはむしろ頑張っていると言える。もちろん買う側からすれば製品の完成度が全てで納期が短いなどは知ったことではないわけだが。 余談 7月に権利取得し年末発売予定だったらしくかなり急ピッチでの開発だったと当時のスタッフが語っている。(実際の発売は翌年3月) ちなみに後にテレネットがHuカードにて『コラムス』の移植を行っているが、こっちは特に酷評は聞かれていない。 ファンの中では、豪華声優陣によるボイスに惹かれて現在もPCE版をプロジェクトEGGに配信してほしいという人もいるが、本作のPCE版の配信が困難になっている。