約 2,941,989 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/1059.html
モノポリー ~めざせっ!!大富豪人生!!~ 【ものぽりー めざせっ!!だいふごうじんせい!!】 ジャンル ボードゲーム 対応機種 プレイステーション2ニンテンドーゲームキューブ 発売元 トミー 開発元 翔泳社 発売日 2003年7月31日 定価 7,140円(税込) プレイ人数 1~4人 判定 シリーズファンから不評 ポイント モノポリーファンからは不評無個性化したCPUプレイヤー面倒すぎる交渉「トミーアレンジモノポリー」に力入れすぎ モノポリーシリーズ 概要 収録ボード 問題点 CPUプレイヤーの馬鹿さ&無個性化 「トミーアレンジモノポリー」について その他の問題点 評価点 総評 その後の展開 概要 世界的人気を誇るボードゲーム、モノポリーのPS2 GC版。 かつて名作誉れ高い『ザ・モノポリーゲーム2』を発売したトミーが、果たして(当時の)最新ゲーム機でどれだけパワーアップしているかをファンは楽しみにしていた。 その一方で、糸井重里氏(*1)、百田郁夫氏(*2)など、「モノポリー愛を持っている者」が本作の開発・監修にはノータッチで、そのせいで駄作化していないかと不安視する者もいた。 収録ボード 「モノポリー」:従来から親しまれている、正方形の盤面周辺の40マスをぐるぐる回るボード。他プレイヤーとの交渉が勝負の決め手。 「モノポリージャパン」:「モノポリー」の盤面上の物件が日本の地名に変更されたもの。このボードは市販されている「モノポリージャパン(2004年版)」と同じものを使用している。 「モノポリージュニア」:モノポリーの初心者向け簡易版。モノポリーの特徴である「他プレイヤーとの交渉」はなく、イベントカードで物件が手に入ることもある。 「トミーアレンジモノポリー」:「モノポリージュニア」をベースに、マップなどにバラエティ性を付加したボード(*3)。ファンからの批判の矢面に立たされることになる(後述)。 問題点 結論を言ってしまうと、ファンの一抹の不安はずばり的中してしまう。 以下、問題点を述べる。 CPUプレイヤーの馬鹿さ&無個性化 本作も様々な個性を持ったCPUプレイヤーが登場するが、それは外見のみであり、思考ルーチンの部分での個性は無きに等しく、はっきり言って馬鹿である。 例えば、ボード上の権利書が売り切れ、交渉も進んであちこちでレンタル料が高騰化している状況で、刑務所に移動させられても、CPUはがっかりし、次のターンで出所する。 ちなみに『ザ・モノポリーゲーム2』では、ほっと一息つく表情を見せ、最大3ターンとどまる選択をする。この間は移動しないため、レンタル料を振り込む心配がないからだ。 また、「好きなカラーグループ」など、モノポリーのCPUの思考ルーチンの肝となる部分も、ほとんど違いはない。説明書では「各CPUには作戦面などで違いがあります」と明記されているのだが… 交渉をする際、CPUが飲めない交渉内容だと、対抗条件を示すことなく「その条件は受け入れられない」と断る。条件調整にいちいち手間がかかる。 たとえば「ある権利書を500ドルで譲ってほしい」と提示した場合、「いや、私としては600ドルはほしい」と返してくるような反応が、本作にはない。 CPUは交渉においてモノポリー(同じ色の地所を独占)の完成に関わる権利書を高く評価するのだが、これを利用するとCPUと交渉してモノポリーが可能になる権利書を所持金を軽く上回るボッタクリ価格で買い取らせることも可能。その後CPUは代金を支払うために権利書を抵当に入れていく(ついさっき買い取った権利書も含めて)。さすがにアホの子と言わざるを得ない。 またAIに留まらず、最初から選択可能なCPU9人のうち6人は男女でそれぞれ台詞が全く同じ。さらに外見やアクションもプレイヤー用のキャラメイク機能の完全な使い回し。 自分以外の参加者3人が全く同じ言動とアクションをするという事態も起こり得るし、起こせる。というより一人用モードを遊んだ際に当たり前のようにダブりが起きる始末。 一応、初期選択可能な残りの3人および隠しCPU達は外見・動作・台詞の個性があって良いのだが、それが当たり前である。 「トミーアレンジモノポリー」について 「盤面をぐるぐる回る」という点ではモノポリーやモノポリージュニアと同じだが、以下の追加要素がある。 「鉄道会社」をモデルとした乗り物マスでは、該当マスに乗り物が止まっていると、乗り物に乗って別の乗り物マスに移動する。序盤に乗れれば一気に二つの乗り物マスを取得できるが、すでに移動元、移動先とも他プレイヤーに占められている場合はレンタル料を二重に取られることになる。 GO(スタート地点。通過すると周回ボーナスとして資金が貰える)に丁度止まると通常の倍額を貰える「ジャストGO」システム。 今までにプレイヤー達がチャンスカードで失った金額を回収出来る「ジャックポット」のマス。 チャンスカードのマスに止まると、時折「ミニゲームカード」が手に入ることがある。これは「権利書の強奪」や、「多額のレンタル料を支払う羽目になった際に他プレイヤーに支払いを押し付ける」ために用いられる。 代わりに交渉は無い。「ミニゲームカード」を得るかモノポリーして土地に家を建てるまでは、プレイヤーにできるのはただサイコロを振ることだけである。もちろん、そういったチャンスが来る前になすすべもなく破産することも多々ある。 収録ミニゲームは5種類。しかし、ミニゲームとして破綻した箇所も見うけられるという惨状である。 + 収録ミニゲーム 「権利書の強奪」の場合は盗る側と盗られる側の一騎打ち、「レンタル料の押し付け」の場合はプレイヤー全員参加。 「神経衰弱」:モノポリーの通貨をモチーフにした絵柄をあわせる。絵柄が揃う度に一部のカードの位置が変わる(ただし目視で追える)。少額ながら揃えた通貨に応じた現金も得られる。 隠し絵柄が設定されており、「権利書の強奪」は該当絵柄を引き当てた者の勝ち、「レンタル料の押し付け」では引き当ててしまった者がレンタル料を支払う。 当然ながら「レンタル料の押しつけ」の際は絵柄を合わせなければ確実に支払いを回避出来るし、それをCPUが行ったらゲームが進行しないのでCPUは普通に揃えてくる。茶番。 「黒ひげ危機一発」:トミーの玩具出身でパーティゲームの定番。黒ひげ人形を飛び出させてしまった者が負け。完全な運ゲー。 「マイクロペット」:当時トミーが発売していた犬や猫風のロボットを、「ゴー(真っすぐ進ませる)」「グールグル(右か左に旋回させる)」の指示を利用して目的地に誘導させる。 障害物は一切無いものの、ロボットの動きにムラがある上にゴールの判定が非常にシビアであり、「ゴー」と言い続けるだけでクリア出来ることもあれば、「ゴー」と言い続けたのに進路を外れたり、そこで「グールグル」を支持したらゴールの真横を通過したりする。理不尽。 更にプレイヤーの状況によりプレイ順は決まっており、指示した回数を考慮せず先にクリアすれば勝ち(=プレイ順が早い方が大幅有利)。理不尽。 「ウォーターゲーム」:ボタンを押してオブジェを浮かし、1点、3点、10点のポイント枠にうまく入れて稼いだ点数を競う。 ポイント枠は下からも通過出来る上に3点の枠が押し出し地点に近いため、3点の枠の中でオブジェを上下(=何回も落とす)させて大量得点を狙うのが一番効率が良い。10点の枠は飾り。こんなゲームだっけ? ちなみにCPUは合計で10点取ればいい方。楽勝。 「拳闘士」:こちらもトミーの玩具出身。ひたすらボタンを連打して相手をKOさせる一対一のゲーム。 CPUの連打力も低いので、普通に連打していればまず勝てる。楽勝。 はっきり言ってしまえば、「これのどこがモノポリーなの?」と首を傾げたくなる内容になってしまっている。モノポリー本来の魅力である「深い駆け引きと戦略性」は皆無、運とミニゲームの腕が物を言う別物である。 他のボードゲームソフトに無理やり例えれば、『いただきストリート』と『カルドセプト』をかけ合わせて大幅に劣化させたものといえる。 しかもこの「トミーアレンジモノポリー」、収録マップ数がやたらに多い。 + 収録マップ 日本列島マップ 東日本 西日本 日本全国 時代劇マップ 京都 江戸 東海道五十三次 海外マップ アジア ヨーロッパ アメリカ 全世界 「日本全国」と「東海道五十三次」は通常のモノポリーのような周回型マップではなく、一直線のマス目を往復する形になっている。他のボードも変形マップとなっている。 「全世界」は「日本列島マップ」「時代劇マップ」「海外マップ」を一人用モードで全制覇することでアンロック。 また、CPUプレイヤーの顔ぶれもこれらをクリアしないと増えない。 つまり本作は、通常のモノポリーがたったの2ボード、それ以外は「トミーアレンジモノポリー」およびその元ネタである「モノポリージュニア」で占められている。当然、『ザ・モノポリーゲーム2』のような正統派のモノポリーを期待していたファンからは不評を買ってしまった。 こんなところに力を入れるならCPUプレイヤーや通常のモノポリーのボードを充実させるべきだっただろう。 その他の問題点 プレイ人数は最大4人のため、公式ルールである5人プレイに対応していない。 基本的な情報である「誰がどの権利書を持っているか」という情報がボードに表示されない。 自分の番の時に「情報表示」を選択することで確認することは可能。 評価点 ファンから大ブーイングを受けた本作も、一応評価できる点がある。 モノポリー風パーティーゲームだと割り切ればそこそこ楽しめる。 ほとんどが「トミーアレンジモノポリー」用のボードとはいえ合計13種類のボードが楽しめるため飽きにくい。 モノポリーのルールは再現されているため、これからモノポリーを始める人には役に立つかもしれない。 駒の移動は一度ボタンを押すと、超高速で移動してくれる。これは素直に評価すべき点であろう。 また、ゲームスピードも過去のシリーズに比べて速い。 現在の所持金とは別に、「現金化できる資産」も所持金の下部に同時表示されている。特に、「モノポリー」「モノポリージャパン」でプレイする際、高額レンタル料のマスに止まってしまった場合、支払額が所持金下部の数字を上回っていれば「仮破産」となり、「破産」コマンドがアクティブ表示される。「仮破産」の概念がわかりやすくなっているといえる。 「仮破産からの救済交渉」も可能になっている。(*4) 一人用モードで優勝を続けていると(ボードは問わない)、モノポリーの世界各地限定版の駒などを「マイ駒」として使用することができ、コレクション魂をくすぐられる。(*5) かつて存在していた公式サイトによると40種類以上の駒が収録されている。 総評 モノポリーが本来持っている知的ゲームとしての奥深さを大幅にスポイルして運まかせの要素を強化した「トミーアレンジモノポリー」に力を入れたことによりモノポリーファンから大きな不評を買ってしまった。 何と言っても「トミーアレンジモノポリー」におけるミニゲームで権利書を奪い合うという方式は膠着状態を招きやすく、ゲームの長時間化や場にあふれた現金により決着がつけられない事態にまで陥ってしまうこともある。(*6) 通常のモノポリーであれば交渉で事態を打開することも不可能ではないが、このルールでは攻守においてミニゲームで勝ち続けなければならず、ミニゲームが苦手な人は勝つことが困難である。 交渉が苦手でも勝てるように導入されたと思われるこのルールだが、ゲームの自由度を狭めてしまう結果となった。 とはいえモノポリー初心者や『桃太郎電鉄』『マリオパーティ』などのノリでボードゲームソフトを楽しみたい人であれば、それなりに遊べるかもしれない出来ではある。 シリーズ作品としての評価はともかく、単体では十分ボードゲームとして成り立っていると言える。 その後の展開 本作発売当時の2003年ごろから、トミーはモノポリーのボード販売を輸入玩具販売子会社「トミーダイレクト」に譲っている。 同時に、モノポリーのボードから「TOMY」のロゴも消えている(タカラトミー合併後は再びロゴが載るようになった)。 モノポリーのゲームソフトもまた、製造・販売権がエレクトロニック・アーツ社(EA)に移った。 しかし、EAがWiiでリリースした『MONOPOLY』は本作をさらに下回るクオリティとなってしまった。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3405.html
重力装甲メタルストーム 【じゅうりょくそうこうめたるすとーむ】 ジャンル アクション 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 アイレム 開発元 タムテックス 発売日 1992年4月24日 定価 6,850円 判定 良作 概要 ストーリー 特徴 評価点 アイレム系列作恒例、歯ごたえ過多の2周目「エキスパートモード」 問題点 総評 余談 概要 重力反転のギミックを取り入れた、横スクロール2Dアクション。 ファミコン末期の作品で、開発はアイレムが開発部門強化のため、東京での開発拠点として設立した子会社タムテックス(*1)。 その他のタムテックス開発作品は、アクションRPGの『魔鐘』、シミュレーションの『不如帰』、RPGの『神仙伝』、シューティングの『R-TYPE III』、『ファイアーバレル』など。 ストーリー 20世紀から30世紀にかけて、人類は宇宙への進出に成功。強大な科学力は、冥王星を対異星人専用機動惑星「ギガデス」に変えた。 惑星破壊砲を備えるまでにいたったギガデスであったが、ある日突如として連絡が途絶え、暴走状態におちいったことが判明した。そしてまもなく、海王星が消滅。 事態を重く見た宇宙連邦はギガデスの自爆装置を作動させたが、すでに装置にはロックがかけられていた。惑星破壊砲の次のターゲットは地球。 最後に残された手段として地球のマザーコンピュータがはじき出した作戦は、惑星破壊砲のエネルギー充填が完了する前に、自爆装置のロックを解除すること。 成功率はわずか2.5パーセント!極秘指令をうけたグレッグ・バートン中尉は重機動歩兵ストームガンナーM-308カスタムに乗り込み、ギガデスへと飛び立って行った…。 特徴 1周7面構成で、2周クリアでゲーム終了。 本作の最大の特徴はなんと言っても「重力反転」のギミックである。 十字ボタン上+Aボタンを押すと重力が反転し、十字ボタン下+Aボタンを押すともう一度反転してもとの重力に戻る。 知名度の高いゲームで言えば、『ロックマン5』の「グラビティーマン」ステージにて、特定の地点を通過すると重力が上下反転するギミックがあるが、あれを任意に発動できると考えればよい。 アイテムは主に3種類のパワーアップアイテムと、一度だけ攻撃を防ぐ特殊アイテムである。名称はデモ画面参照。 「P」パワーブラスター:ショットが大幅パワーアップ。(G・Sとは併用不可) 「G」グラビティアタック:重力反転中、着地するまで完全無敵+攻撃判定付加。(P・Sとは併用不可) 「S」バスターシールド:自機の前に攻撃判定を持つ盾が出っぱなしになる。(P・Gとは併用不可) 「A」ガードユニット:一度だけダメージを無効にする。 ロボットを操作する2Dアクションでありながら、ライフの概念はなく1発ミス制。この辺から既にアイレム節。 フリーコンティニューでいくらでもやり直すことができる。 パスワード制でパワーアップや残機数などもそのままの状態で始められる。 評価点 FCの中ではトップレベルのグラフィック。 敵味方いずれもアニメーションパターンが多く、非常に滑らかに動く。 FCでは極めて珍しく、「リアルタイムBG書き換えによる擬似多重スクロール」をほぼ全ステージで実現している。 「原則BGを1面しかサポートしていない」というFCの制限に対する回答のひとつ。多くの作品で見られた「ラスタ分割スクロール」や「スプライトを使用した工夫」ともまた違う、メカらしさを最大限に活かした背景をFCでありながら楽しめる事は特筆に価する。 また、敵メカのデザインもカッコイイのが多く抜かりがない。 重力反転と言うギミックを活かしたゲーム性。 このギミックを上手く使わないと先に進めない為、パズル的要素もある。 音楽も耳に残りやすいものが多い。 ゲーム冒頭らしい疾走感に溢れた1面BGM、難所と終盤らしさ溢れる6面BGM、ラスボスの段階毎にテンポが速くなっていく凝った構成でクライマックスを彩るラスボス戦BGMなど、良曲多数。 基本的には死んで覚える「覚えゲー」であるが、1周目は記憶力勝負というほどシビアではなく程よい難度で、あまりストレスを感じさせない。 しかしステージの敵配置や仕掛け等が非常によく出来ていて飽きさせない。 慣れてしまえば、アクションが苦手な人でもそのうちクリアできるようになると思われる。1周目は。 アイレム系列作恒例、歯ごたえ過多の2周目「エキスパートモード」 そして、1周目をクリアすると2周目こと「エキスパートモード」が始まる。これをクリアしないと、真のエンディングとスタッフロールを見る事ができない。 1周目のエンディングがバッドエンドととれなくもない曖昧な展開を見せる為、巧く2周目のプレイへ誘導できていると言える。 しかし弾のスピードや敵配置、一部のステージ構成まで変わり1周目と別のゲームと思える程に難易度が上がっている。 とてつもない高難度だが、本作の仕様をしっかり理解した上で精密なパターン化を行い、緻密なプレイを行えばきちんとクリア可能。 前述のような高等なプレイスキルの要求に耐え切れず投げ出してしまう人が多く、問題点に片足を突っ込んでいるともいえる。 問題点 パワーアップは併用不可能なのに、2周目は明らかに「G」装備前提で調整されすぎている。 「G」の「重力反転中、着地するまで完全無敵」という能力は1周目では無用の長物だが、逆に2周目はその「完全無敵」に全てがかかっているかのような熾烈な場面が散見される。 1周目で「G」の絶大な有用性に全く気付かず、「G」無しでの突破が困難を極める2周目3面で投げ出すプレイヤーが続出してしまった。 全装備をいっぺんに装備する隠しパスワードが存在しているのにどうして併用可能にしなかったのか、または2周目は常に全アイテム装備などのルールを追加できなかったのか…といった疑問も同時に浮かぶ。 ショット等のSEの一部がBGMのチャンネルと重複している為、ちゃんとしたBGMがなかなか聞けない。 パスワードで現在ステージ・開始復活場所・残機・得点・装備を完全に記録、しかもリセットしてパスワード入力画面に入ると出力されたばかりのパスワードが一言一句違わず既に入力された状態になっている親切すぎる仕様のため、事実上「残機」の概念が無い。 …というよりも、ミスすると「A」アイテムは剥がれているので「残機」の概念の存在意義が無いどころか、むしろ足を引っ張っている。 ミスしたらリセットボタンを押し、パスワード入力画面に入り、入力済のパスワードを決定する。時間はかからないが…。 皮肉にも2周目が非常に高難度であるため、前述の仕様が救済措置となってしまっている。…やはり仕様の欠陥だろうが。 背景グラフィックの配色の都合上、画面が見づらかったり、敵弾の視認性が悪くなっている場面が少なからず存在している。 総評 ファミコン末期に「重力反転」を上手く使ったゲーム性やグラフィック等完成度の高い作り込みを見せてくれたゲームである。 難易度がとてつもなく高いがそれでも2周クリアし、真のエンディングを見るだけの価値のあるゲームと言える。 ただ残念ながら本作はバーチャルコンソールへの配信がされておらず現在プレイするのが困難な状況となっている。 余談 本作は海外先行で発売されている。 開発当時「アクションゲームが売れる時代じゃない」というアイレムの意向から国内では一度お蔵入りした本作を1年後に海外で販売。発売後海外で大きな反響を呼び、国内での販売までに至る。ゲーム完成から2年後のことである。 何故か自機の色が白から赤に変わっているが、基本的に変わっていない模様。 本作のメイングラフィッカーはタムテックスの前作品『神仙伝』に引き続き、知る人ぞ知る超一流ドッター「転清」氏。スタッフロールを見るまでもなく、オープニングデモで氏の名前を確認する事が出来る。 また、本作のメカデザインは現在成人向け作家として知られる「妖刀定光」氏によるもの。 本作はR-TYPEシリーズとの直接の接点は皆無だが、終盤のボス戦背景に見覚えのある機影が多数。 + 参考動画 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6622689
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8176.html
キュービックペイント 【きゅーびっくぺいんと】 ジャンル パズル 対応機種 Nintendo Switch メディア ダウンロード専売ソフト 発売・開発元 Abylight 配信開始日 2018年3月1日 定価 500円 プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント キューブを削って立体絵を完成させるパズルゲーム立体絵の自作着色・背景選択機能を搭載携帯モード以外は非対応 概要 ゲームルール 評価点 問題点 総評 概要 スペインのゲームメーカーであるAbylight StudiosがリリースしたNintendo Switchのダウンロード専売ソフト。 ジャンルとしてはキューブを削って立体絵を完成させるパズルゲームにあたる。分かりやすく例えるならば「立体カタヌキ」そのものといえる。海外ではiOS版もDL配信されている。 携帯モードのみに対応しており、Joy-Conなどのコントローラー操作には非対応。ただし、本体に接続している場合に限り、キャプチャーボタンによる画面撮影が可能。 ゲームルール ゲームの流れ 全8ジャンル×10問の問題を順々にプレイしていくモードがメインとなる。 ゲーム開始時に選べるジャンルや問題は制限がある。問題クリア時に獲得できる星の累計(下記)に応じて、選択できるジャンルおよび問題が段階的に解禁される。 立体絵を自作作成できるエディットも搭載されている。50問分のデータが保存でき、ゲーム開始時から選択可能。 問題の解き方 白いキューブの集合体が表示されるのでそれをすべて削り、中にある「Qbics」(立体絵)を完成させればクリアとなる。 Qbicsは青いキューブで表示され、誤ってQbics側を削り操作してしまうとダメージが蓄積される。ダメージが限界値を超えるとQbicsが崩れてゲームオーバー。 時折集合体の中に黄色いキューブがあり、それを削るとアルファベットのパネルが手に入る。すべて集めると問題中のQbicsの名称として表示される(*1)。 クリアするとQbicsのダメージに応じた最大3つの星が手に入る。先のジャンル・問題選択解禁は星の累計が関わるので、可能な限りの星を集めなければならない。 クリア時間の記録は一切されず、急いでクリアを目指しても星獲得の影響も受けない。そのため、キューブを的確に削る落ち着いたプレイが推奨される。 着色と背景選択について メインモードの問題クリアもしくはエディット作成で完成したQbicsは着色が行え、カラフルな外観へと仕立てる事ができる。 パレットは全24色あり、その中から好きな色を選んでQbicsへと着色していく。各色はナンバリングが付き、色と数字が一体化した表示となっている。 メインモードにおける完成したQbicsはパーツごとにナンバリングがされており、その指定通りに着色すると創作をしなくとも自然な外観を作れる。 さらにはあらかじめ用意された複数の背景を選択できる。着色同様にどの背景を選ぶかはプレイヤー次第。 操作体系 キューブの削りや着色等はすべてタッチでの操作となる。上記の画面撮影以外でアナログスティックやボタンを使用する機会はない。 問題プレイ中や着色中においては、ピンチやスライドで表示物の拡大縮小・360度回転といった視線変更が行える。 評価点 Qbicsを完成させていく面白さ カタヌキ感覚でキューブをすべて削り、様々なデザインのQbicsを完成させていくのが面白い。 問題中に行う事は視線変更を行いながら、タッチでキューブを削る事のみという分かりやすさ。直感的操作で軽々と攻略できるお手軽さがある。 急ぎ足プレイを行う理由がないので、じっくりとキューブを削っていけば初見でも星3つクリアは容易い。総合的な難易度は低く収まっている。 Qbicsを完成させた後も着色や背景選択が行え、エディットによるQbics自身の自作も可能なので創作の自由度は割と高い。 一応は着色のナンバリング指定がされるためその通りにすれば創作不要だが、あえて芸術性やネタ方面での着色を行うのもプレイヤーの自由となる。 メインの問題だけでは物足りない人向けに、エディットによる延長線上の楽しみが用意されているのも嬉しい機能。 80問以上のボリューム感 500円の販売価格としてはメイン80問とエディット50問が収録されており、ボリューム感がそこそこ高い。 各問題は1~5分位でクリアできる手短さではあるが、本作には着色や背景選択といった二次的なお遊び要素があるので、遊べる幅は結構広い。 個性的なQbicsの数々 Qbicsは青いキューブの塊で表現されているが、その外観は荒々しいながらも個性的で味わいがある。 ジャンルとしては「動物」「乗り物」「ファンタジーRPGのお約束もの」などが存在し、元の特色がしっかりと抑えられたデザインとなっている。 問題点 携帯モードにしか対応していない 削りによるタッチ操作であるがゆえのモード制限ではあるが、他のモードを非対応にする必然性はあまり感じられない。 直感的な操作は損なわれるものの、アナログスティックとボタンの組み合わせでも事足りる操作体系なので、携帯モード限定に絞る意味があるのかはかなり疑問。 視線変更に若干の難あり 視線の仕方によってはQbicsの見える位置に死角ができてしまい、攻略や鑑賞に影響がでる場面がある。 拡大表示をするとなぜか集合体やQbicsの下位置が隠れてしまうため、状況によっては強制的に縮小表示をしなければならないのが地味にきつい。 総評 一言でまとめるならば「着色・背景選択・エディットができる立体カタヌキ」というゲーム内容であり、他のゲームにはあまりない独自性を感じる一作。 携帯モード専用なのでテレビによる迫力ある表示ができないのが残念なところだが、先述の一言に魅力を感じるならば購入する価値はあると思われる。
https://w.atwiki.jp/v-ranking/pages/11.html
カタログ Vocaloidランキング の カタログ http //www.nicovideo.jp/mylist/5653000 【ニコニコ動画】Vocaloidランキング
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8539.html
脱出ファンタジー アリス・イン・エスケープランド 【だっしゅつふぁんたじー ありす いん えすけーぷらんど】 ジャンル 脱出アドベンチャー 対応機種 ニンテンドー3DS メディア ダウンロード専売 発売・開発元 インテンス 配信開始日 2016年3月9日 定価 500円 プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所・任意セーブ方式 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント 「不思議の国のアリス」をモチーフとした謎解きゲームボケツッコミ満載な会話シーンボリュームは価格相応の小粒さ 概要 ストーリー ゲームルール 評価点 問題点 総評 概要 謎解きゲームの常連メーカーであるインテンスからリリースされたニンテンドー3DS専用のダウンロードソフト。本作も例に漏れず謎解きゲームである。 本好きの青年「御伽語流」(通称:カタル)が突然、不思議の国のアリスの世界に迷い込み、妖精「フィント」と少女「アリス」と一緒に脱出を試みるという設定。 イベントシーンは会話形式で行われ、主要キャラの姿はかまいたちの夜のようにすべてシルエットで描かれる。ゲームは主にイベントと謎解きを交互に繰り返す形となる。 ストーリー 本が好きな青年、御伽語流(おとぎかたる)はある日、図書館で一冊の古い本を見つけた。そして、本を開くと中から本の妖精である、フィントが現れた。 「本の世界に行ってみたくはない?」 フィントはカタルを本の世界へと誘った。誘いに乗ったカタルはフィントに本の世界『不思議の国のアリス』へ案内してもらう。 しかし、着いた場所は密室となった部屋だった… なんとフィントのイタズラによってカタルは閉じ込められてしまったのだ! フィントによると部屋の謎を解くことで脱出することができるらしく、また、部屋を脱出して本の物語を進めないと元の世界には帰れないらしい…… そして、『不思議の国のアリス』の世界もおかしなことになっていた…… (公式サイトより引用・誤字のみ修正) ゲームルール ゲームの流れ スタンダードな主観視点による謎解きでゲームを進める。探索できる画面が複数あるため、その都度行きたい画面へと移動する必要がある。 攻略方法としては「アイテムを獲得する」「ヒントを元にパスワード入力を行う」などの行動が主で、ゲームオーバーになる要因は存在しない。 全3ステージで構成されており、任意セーブからのロードだけでなく、一度プレイしたステージを最初から始める機能も搭載されている。 攻略に詰まってしまった場合の救済措置として「フィントからの追加ヒント」が確認できる。使用の回数制限やペナルティは特にない。 エンディングは2種類存在する。ステージ3の終盤展開にて、とあるアイテムを獲得しているか否かでエンディングが分岐する。 アイテムについて ステージ中で様々なアイテムが獲得でき、先の展開に進むにはそれらを利用する必要がある。 アイテムは消耗するものとしないものがあり、主に装備する形での使用となるが、どのように使用してもゲームが詰む心配はない。 2つのアイテムを合成して新たなアイテムを作成することもできる。ただし、合成不可能な組み合わせのアイテムもあり、その場合は何の変化も起こらない。 アイテムの一種「赤と青の薬」を使用もしくは合成すると、対象を巨大化・縮小化させる効果がある。なお、このアイテムの消耗は一切発生しない。 操作体系 スライドパッド ボタン操作とタッチ操作の両方に対応。主な操作は「画面の移動」「怪しい箇所のカーソル移動や決定」「アイテムの使用や合成」など。 評価点 謎解きゲームとしては無難な出来 謎解きゲームに定評を持つインテンスの製作だけあって、謎解きゲームとしては無難な出来と言える内容。 1ステージあたりにおける探索できる範囲はさほど広くないため、極端に攻略に手こずる局面は少ない。その反面、謎解きの難易度はほどほどに手強い傾向にある。 ゲームオーバーになる要因がないため、快適にじっくりと攻略を行える。攻略に詰まっても追加ヒントによる救済措置の配慮もなされている。 ボケツッコミ満載な会話シーン 王道の西洋ファンタジーな世界が舞台でありながら、イベントシーンではボケツッコミの応酬が行われる。 気弱な常識人であるカタルに対し、いたずら好きのフィントとわがままで強気なアリスが絡んでくる流れが全編通して繰り広げられる。 ステージである喫茶店に対し「現実世界における某大手チェーン店にそっくりすぎる」とカタルが発言するなど、世界観に対するツッコミも多い。 アリスには「執拗に追いかけてくるハートの女王に復讐する」という二次的な目的があり、プレイ次第ではカタルに愚痴をこぼしながら復讐の実行を企てる。 全編通して明るい雰囲気でストーリーが進行し、クセの強いヒロイン2人に散々振り回されるカタルの苦悩が喜劇的に描かれている。 ノリがノリなだけに正統派のファンタジーを求めると違和感が強い作風だが、ファンタジーの中で行われるコメディという意味では面白みがあると言える。 問題点 ボリュームは価格相応の小粒さ 実質3ステージのみのボリュームなので、値段を考えれば仕方がないが、遊べる範囲は限られてしまう。 攻略に詰まらなければ、おおよそ2時間かかるかどうかという手短さで済まされる。イベントシーンを読み飛ばしてプレイすれば、より時間はかからないだろう。 これといったオールクリア後の特典は存在せず、せいぜいステージセレクトが行えるくらいのもの。エンディングの再鑑賞機能も非搭載。 総評 謎解きゲームとしては無難に遊べる安定感重視な内容であり、世界観とギャグの両面に魅力を感じるならば十分お勧めできる一作。 ボリューム的には価格相応で大きなものは期待できないため、一口サイズのお手軽謎解きゲームと割り切るべきだろう。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3912.html
モンスターファーム2 概要 特徴・評価点 システム全般 育成 大会、バトル その他 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 余談 モンスターファーム2(移植版) 概要(移植版) 完全新規要素 評価点(移植版) 賛否両論点(移植版) 問題点(移植版) 総評(移植版) 余談(移植版) モンスターファーム2 【もんすたーふぁーむつー】 ジャンル 育成シミュレーションゲーム 裏を見る 対応機種 プレイステーション 発売・開発元 テクモ 発売日 1999年2月25日 定価 6,090円(税込) レーティング CERO B(12歳以上対象)※ゲームアーカイブスで付加 周辺機器 ポケットステーション対応(5ブロック使用) 廉価版 PlayStation the Best2000年7月27日/2,940円(税込) 配信 ゲームアーカイブス2014年12月3日/628円(税込) 判定 良作 ポイント 前作をベースにボリュームアップモンスター数はシリーズ最多「シリーズ最高傑作」との声も多数だが難易度もシリーズ屈指誇張抜きで「(モンスターの)寿命がストレスでマッハ」バグ・不具合・設定ミスの山だがそれもある意味ご愛嬌扱い モンスターファームシリーズリンク 概要 前作『モンスターファーム』と同様、プレイヤーはモンスターを育成し戦わせる「ブリーダー」となり名人を目指す。 今作の主人公は前作に登場したブリーダー組織「FIMBA」とは異なる「IMa」という組織に所属しており、コルトという助手が付く。 前作のキャラクターも何人か登場する。 特徴・評価点 システム全般 モンスターの種類が大幅に増加。 いくつかの隠し種族を除いて前作のほとんどの種族が登場する他、新看板モンスターの「モッチー」を始め、多くの種族が新登場した。 登場しないモンスターはディノ・マジン・ディスク・ラクガキ。それぞれディノはロードランナー、マジンはバジャール、ディスクはナイトンに要素が受け継がれ、ラクガキは一種のお遊びネタだったためか、前作で合体のキーとなった「ラクガキモノ(モノリス種レアモン)」を残し完全にお役御免となった。 他はともかく前作で看板モンスターであったディノのリストラは比較的取り沙汰されがちではある。 + 新モンスター 新モンスター モッチー 桜餅をモデルにした新たな看板キャラ。前作で居なかったゆるキャラ系。アルマジロのように丸まることもでき、まさに桜餅といった風貌になる。 全ての能力が平均的。ゲーム内では育てやすく初心者向けと薦められるが、命中回避丈夫さはやや伸びるものの突出した攻撃能力が無く、技の性能も全体的に低めなので、実は上級者向け。 バトルでは丸まった状態での技や、桜吹雪を起こす、口からのビームなど多彩で、ちから技のネーミングセンスがびんた→もんたなど、ひねられている。小技を含むすべての攻撃技にガッツダウンがあるという特性を持っており、敵に回すとかなり厄介なモンスター。 適性のバランスの良さから、大会で登場するモッチー種は全ての能力がバランスよく高く、技の特性もあって大半がそのランク中の強敵として数えられる。 ロードランナー 前作ディノ種と入れ替わりで登場した恐竜型モンスター。 ディノと同じく炎も扱う、力寄りのスタンダード。技も使いやすいものが揃っており、モッチーより初心者向け…なのだが後述するバグの「要求無しおねだり」の被害を受けており、やはり初心者向けとは言えない。 性能面こそディノの互換だが、見た目はディノより小柄ですばしっこいチビドラゴンと言ったニュアンス。身軽さを活かした空中技が多く存在。 平坦な能力と標準的な寿命、「走り込み」のトレーニング得意によりライフをカバーしやすくなるなど、SUB種にすると扱いやすくなるモンスターも多い。全身緑色になるのが賛否両論だが。 ケンタウロス 名前通り、馬の半身に槍を持ったモンスター。顔は何故か鳥に近い。修行後のイベントで解禁アイテムが手に入る。 かしこさと命中の適性が高く、防御面はやや不安定。かしこさが伸びやすいわりにかしこさ技が2派生4つ、それもガッツダウン技のみという変わり種。もちろんちから技では槍を扱い、全体的に技性能は高め。 「要求無しおねだり」が育成時には大変だが、「アイテムを拾ってくるイベント」持ちの中ではどのアイテムも換金率が良い。 純正種と派生種でG回復の計算式が違い、純正種だけG回復が異様に遅い。 コロペンドラ 3体のモンスターの集合体、パッと見ワームに続く尺取虫的な昆虫系モンスターだが正体不明。腹部から散弾、尻尾からビームを出したり、謎の魔法を使えたりもする。謎。 初めて再生すると神殿スタッフとコルトが「珍しいモンスターですね」「見たことないや」という会話があるが、調査の結果CDによる登場報告が一番多いということが判明している。その上普通に大会の対戦相手としても登場する(*1)。珍しいとは一体…。 ライフ以外の能力が軒並み低いが、その分長寿で技のレパートリーが豊富で性能も優秀。大会で敵に回すとその高いライフがかなり厄介。公式大会でメタルナーを抑えて優勝したことも。 ビークロン 見ての通り巨大なカブトムシ。一定条件を満たしたワームから羽化する。 前作の頃から条件がややこしかった羽化イベントに加え、それまでに更に別の条件を満たすという攻略情報無しでは見つけようのない解禁条件となっている。対戦相手としても登場しないため、一度も見ないでクリアしたプレイヤーも多い模様。 ライフ重視回避苦手のワームから一転してちから偏重のパワー系モンスター。なんと角は取り外し可能で、角をダイナミックに使った技がちらほら存在。派生種は断面に特徴があるものも。 ダックン派生「ダックロン」は一度見たら絶対忘れられないほどのインパクトを誇る。 チャッキー 終盤までゲームを進めてイベントをこなした後にモンスターが他界すると現れるカミソリを装備しているホラー系人形モンスター。元ネタはホラー映画「チャイルドプレイ」か。 不気味な人形という扱いだが、 声が変 なので人によっては笑えるかも。 かしこさ+回避タイプだが、同タイプのピクシーやアーケロと違い命中が全然伸びない。 寿命は全モンスタートップの500週。 ガッツ回復が早く、カミソリを使った攻撃のほか、驚かせたり呪術を用いるなどホラー枠らしい技も持ち、相手に張り付くモーションで自爆も行える。ただし、バグで通常習得できない技が数個ある。 デュラハン 魂が宿った鎧、長剣と盾を携えており、名前に反して首はあるのでホラー要素は薄い。解禁には冒険でサヤ、その後の招待試合で剣を獲得する必要があるが、招待試合の相手がAランクとしては何故か非常に弱い。 見た目通りちからと丈夫さが高く、かしこさ・命中もそこそこ。回避以外は満遍なく上がる。 寿命が長い上に技性能も高く、「オイリー・オイルでストレス軽減」のボーナスまでついている。極めつけにガッツ回復の早い派生種もいるのでガチ戦にも呼ばれる。 技は剣を使うものがほとんどで、かしこさ技も飛ぶ斬撃や剣からの雷となっている。一部盾で突進、剣を置いて殴る、蹴るなどの技も持ち、派生により覚えられる技に一部差がある。 アローヘッド ザリガニのようなモンスター。どこぞのシューティングゲームとは無関係。 見た目通り丈夫さがよく伸びる。命中の適性は悪くないものの、純血種は何故か異様に初期値が低い。 こちらも「オイリー・オイルでストレス軽減」の種族だが、育成しやすさにおいてはヨイワルと回避適性以外デュラハンに押され気味。 技のレパートリーが豊富で性能も高く、各個体専用技・習得不可能技も多い。 ホッパー 目が大きい小動物のモンスター。タイプ的にはハムに似た格闘家系でこちらはジャンプアッパーにフリッカー、デンプシーロールとボクシングスタイル。 命中が大きく伸びるものの、ハムと違い力の伸びが微妙な代わりにガッツ回復が早い。 そして技性能は最弱。技の火力が無いか極端に大ダメージ技の命中が低いモンスターの一体だが、その中でも小技はもちろん、からめ手まで弱いため特に深刻。その大ダメージ技最上位の「超ホッパーロール」以外は撃たないのが正解とされることも…。 かしこさの伸びは悪くないが、かしこさ技は派生種の専用技か特殊な方法でしか覚えないという変わり種。 隠しモンスターであるナイトン・ウンディーネ・グジラ解禁に必須で、その内容は「ホッパー種をランクBにする」こと。上記の技性能により茨の道である。 バクー 大型犬のような動物モンスター。見ての通りライフとちからがよく伸びるパワー系。 小屋を改築するのが解禁条件で、長寿。 一見ラウーのようなサボリ系キャラに見えるが性格は「激ヨイ」。どちらかといえばのんびり屋な一面が強調されている。その割に下品な技も多いのだが…。 重量級の中では技性能が若干弱めで、代わりにモーションが短めという変わり種。 アーケロ 仙人のような猫…だが酒もタバコもなんでもありのただのジジイ。格ゲー風にいえば「酔拳+爪キャラ」的なモンスター。 寿命が長く、かしこさ・命中・回避が伸びるため、真面目な種族を選べばゲームクリアを狙いやすいモンスター。 ゲームクリアを目指すなら「飛爪」さえあればなんとかなるが、G回復の遅さに対して火力の高い技に恵まれず、ガチ戦は苦手。 力は伸びないものの、力技のレパートリーが豊富でモーションもかなり作りこまれている。 アーケロ派生の何体かが「影爪」を覚えられる。 隠し派生種のまさかのハ〇ク・ホー〇ン。 イッチバーン!! RTAでは現状最速の記録を持つモンスター。 グジラ 手足の生えた鯨のモンスター。ゴーレムやバクーを遥かに凌ぐ重量級パワータイプ。パッケージやOPムービーでの登場や、四大大会常連モンスターとしても登場するなど、何かと目につきやすい。 解禁に小屋の建て替え、温泉発掘、ノラモン討伐と複数の条件をこなす必要がある。目立った登場のわりに育成条件が厳しく、正攻法で育てたことのあるプレイヤーは少ないと思われる。 性能も重量級のそのもの。ゴーレムと同じく技のコスパは良い。数は少ないが水を使ったかしこさ技も。 技の威力はゴーレムより劣るが、命中性能が高い技が多いのも強み。 バジャール ゲームを終盤まで進めてイベントをこなすと登場する壷の魔神。続投のゴーストと同じく普段は小柄だがいつでもマッチョになれる。 前作マジンのポジションを受け継ぐモンスター。タイプとしてはハムやホッパーと同じくちから・回避タイプ。ヘビー級ボクサー寄りの体術の他、ビーム、そして壺による吸収技も使える。 変な特徴として「超必殺技は虹色のオーラが出る」という謎の演出がある。格闘ゲームの超必殺技を意識したのだろうか? 技の多くが習得不可能、体系で見た目もおかしくなるなど、バグの宝庫。 ディスクからレア種のネタまで引き継いだナイトンと違い、こちらはマジンからネタを引き継いでいない。 前作マジン風の「マジンバジャール」を除くとショ○ニOL風、ウ○トラマン風とマジンと別方向に自重していない。 ヒノトリ 読んで字の如く伝説の火の鳥。初登場ながら唯一冒険で姿を見せるイベントが組まれていたり、後のアニメや『モンスターファームバトルカード(PS)』『ソロモン』等でキーキャラクターとされているモンスター。モンスターファームの世界における正義の象徴ともいえる存在。 解禁条件は冒険で手に入るアイテムを合成にするだけで、通常の冒険の他、探索が簡単なチュートリアルステージ(*2)でも手に入れることが出来る。アイテム入手の条件を満たしていれば(*3)比較的簡単に解放出来るのが魅力的。 それでいて力を捨てた高水準のかしこさタイプである上に、全体的に初期値は高く、性格はまじめで寿命もそれなり、とかなり育てやすい。 バトルではくちばしとかぎづめの他に炎を操り、技の数こそ少ないが強力なものが揃っている。中でも「6連くちばし」は無理してでも力を伸ばす価値があるほど。 ヨイワルの仕様のせいで、ガッツダウン性能が高い「火炎連砲」が敵専用技になってしまっている。 不死鳥であるため死亡はしないが、寿命が尽きた際には専用のイベントでいなくなる。 メタルナー 特殊なイベントをこなすことで登場する宇宙人。ゲーム終盤にならないと登場しない。技は崩拳や鉄山靠など、何故か八極拳。ビームも出せる。 命中と丈夫さのみが育ち、それ以外はからっきし。 ガッツ回復が非常に早く、技の性能も全体的に高いのでフルパラだと強豪の一体として知られる実力者。優勝経験もあり、トップメタとされている。 死亡しないが寿命があり、寿命が尽きた際にはいずこかへと去る専用イベントが発生する。 ジール 手足を収納できるイエティやビッグフットといった、雪だるま、もしくは雪男のようなモンスター。 解禁には冒険でその手掛かりを入手した上で、グジラと同じくノラモン討伐が必要。そして討伐対象の実力は四大大会並み。ノラモン戦では各種制限もあることから解禁難易度はトップクラス。 性格は意外にもまじめで、ちからもかしこさもそこそこ伸びるバランスタイプ。その代わり防御面と命中がやや不安。肉弾戦の他に冷気系の技が豊富。 ジョーカー 大きな鎌にマント、ピエロのようなマスクと不気味な死神型モンスター。 解禁の際には冒険でそのマスクを発見する必要があり、あるキャラクターがマスクの危険性を味わうことになる。 かしこさと命中を筆頭に全ての能力が高いが、短命かつ激ワルなので上級者向け。鎌の他に拳、魔法で戦い、技は少ないがいずれも性能が高い。 四大大会で登場する「カーマイン」が強敵と知られる。回避型に育てていると開幕デスエナジーが、ちから・丈夫さ型だとデスカッターが驚異。 作品内ではジョーカー派生(SUB)が非常に多い。それらのモンスターは大いにワルになるのはもちろん、状態変化「本気」所持、一部は専用技を持つなど一風変わった性能となっている。 ネンドロ 粘土にいかつい顔と収納式のムキムキの腕(兼足)をつけた謎すぎるデザインのモンスター。「闘魂」や技を察するに元格闘家のアントニオ猪木氏がモチーフ。 ライフとちからと回避が大きく伸びるが、かしこさと命中と丈夫さが全く伸びないというピーキーなモンスター。技性能は全体的に高めで、その腕や体液を使った攻撃を用いる。 自分で使うと育てづらいのだが、敵の場合は高耐久・高火力・高回避と揃っており、Eランクの「オクレイマン」とS公式戦の「オルドーフ」等は強敵として知られる。 ウンディーネ ピクシーに続く女性型モンスターで、名前の通り水の精霊で水と氷を操る。上記ホッパーの温泉発掘イベントをこなすと解禁される。 ピクシーと同じくかしこさ、命中、回避が伸びやすい。同タイプのピクシーと性能面で比較するとライフが平均程伸びる点と命中精度の高い技が多い点で異なる。 真面目な性格なのはいいが、ビタミン嫌いかつ要求なしおねだり固定とかなりブリーダー泣かせ。 このゲームとしては珍しく、投げキッスがガッツダウン技ではなく命中重視技。 ナイトン アンモナイトのようなモンスター、上記ホッパーの温泉発掘イベントをこなすと解禁される。 前作ディスクの代価ポジション。丈夫さしか伸びない上に、今作では丈夫さがあまり重要視されない上に下記のプールバグのせいでその丈夫さの適性も活かされない…という、とにかく仕様とバグに泣かされている不遇なモンスター。 大会モンスターとしてもナイトン種は出てくるが、どれも丈夫さ重視のため、同ランク帯でも明らかに弱い。~特にBランクの純正種「ピラトー」は丈夫さが500台と一頭抜けて高いものの、その他のステータスが200に届く程度しかなく、攻撃力・防御力共に最弱クラスの相手。下手するとDランクのモンスターの方が苦戦するレベル。 バトルでは触手を使ったものや貝にこもっての突撃のほか、電撃、音波(?)、墨を出したり意外と器用。ガッツ回復の速さやGD技「オクトパスナイト」の性能から、フルパラ前提での対人戦評価は高め。メタルナーに比べると多すぎる使い込み技に、火力が無いのが玉に瑕といったところだが。 ちなみにレア種は円盤石風味、サッカーボール(*4)、レースマシン風とディスクのそれを完全に引き継いでいる。 モック たねをもらうイベントから数年、樹が枯れた後にモンスターが他界すると現れる植物モンスター。 枯れ木ということを反映してか、ライフの初期値は高いが伸びが悪い。ほかの能力はかしこさしか伸びない代わりに非常に長命。 葉っぱを操る技を多く持つが、ちから技が1つしか存在しない。 ダックン カラフルなボールにおもちゃのような頭と四肢が付いたアヒルのモンスター……というか、実際おもちゃから誕生する。 体を伸ばしたり、分離させて攻撃したり、跳ねまわったりとおもちゃじみた技も多く、パッと見イロモノだが、回避型のスピードタイプでちから・かしこさ共に悪くなく技の選択肢も多い、唯一全エサが好みの種族、ガッツ回復も早く性格もヨイと育てやすいが、寿命だけはやや短い。 ただおもちゃのような見た目とはいえ、ミサイルを使ったり、ビーム出せたり、果ては自爆も可能だったりと物騒な面もある。 登場条件にアイテム集めや探索が絡むため、前作におけるヘンガーに近い立ち位置。 + 続投モンスター ピクシー モーションが一新。技が多く変更+追加された。 合体による派生種の多さも全モンスター最大。派生手毎のポリゴンの作り込みも非常に細かい。 派生種専用技として「ワン・ツー」「影爪」「ファイアブレス」「デスファイナル」等使えたり、雪女風のユキは修行で「フレイム」「ギガフレイム」を習得できない等、キャラクター性を重視した作りこみも細かい。 「ヒールレイド」や「バン」系の大技を手に入れたため、前作での火力不足ある程度解消された。それでもガッツ回復の早さのためか、全体的な技性能はやや低め。例外的に「投げキッス」の性能がダメージこそないが低消費・高威力とすこぶる高く、ガッツロック性能は全モンスター中トップ。 前作で主力だった「炎のカベ」などの命中とダメージのバランスの良い技が無くなり、威力とクリティカル重視の技を乱発して強引にダメージを取りつつ、隙あらばガッツロックで封殺する戦い方に変化。 このゲームを攻略しやすいと言われるかしこさ・回避タイプの代表キャラ。 ドラゴン グラフィックや技が一新、性格も変わった事でほぼ別物と印象を受けるほどに。 解禁条件が招待試合での勝利のみに変更されたが、その対戦相手の実力はその大会ランク(B)より明らかに高い。「デュラハンの試合とランクを間違えたのでは」とユーザー間では噂されている。 前作では全体的に細く、胸部周辺ががっしりした体つきだったが、今作はずんぐりとした体形で酷い猫背。例えるならクッパ大王のイメージ。 前作では真面目さが平均水準ほどあったが、今作では「認めたブリーダーのみに従う」というプライドの高い性格が強調され、初期性格がワルに設定されたため育てにくくなった。その上寿命も相変わらず最短クラスで、「要求無しおねだり」まで発生する。 その分技のレパートリーと派生種が豊富。ちから・かしこさ共に伸び、技性能もいいためブリーダーのセンスとチョイスが問われるモンスターとなる。 ヘンガー 今作では人型形態メインとなり、技も一新。育成解放条件も簡単になった反面寿命が短くなった。 長命だった寿命が短命寄りになってしまったが、忠実な性格やバランスの取れた能力は前作そのまま。今回はしゃてきのトレーニングで補正が付くため、元々高い命中を更に伸ばし易い。その上「オイリー・オイルでストレス軽減」というメリットもある。 寿命は短いものの初期値、適性、技性能、まじめな性格と全てに恵まれており、ライフが上がりにくいことを除けば攻略での弱点が少なくゲームクリアを狙いやすい。 パンチ・キックといった肉弾戦の他、ロケットパンチやキャノン・ビーム・音波兵器等ロボっぽい技が豊富。 「プロトメサイアー(ガリ派生)」の収録漏れや、前作で人気だった超必殺技「ファイナルソード」が無くなって大技のモーションに華がなくなってしまったのが玉に瑕。 代わりの新しい超必殺技「レーザーブレード」「ダブルブレード」は前進して斬りつけるだけと超必殺技にあるまじき地味さ。威力・ガッツダウンは優れているのだが…。 ゴーレム グラフィックが作り替えられて顔が少し小さくなり、ファイティングポーズをとるようになった。技も全体的に一新、新たな派生も増えた。 今作では巨体モンスターらしく小屋を大きくしないと育てられなくなった。 スピードは無いが、小技ですら他キャラの大ダメージ技並の威力を叩き出す豪快さは健在。 特に消費ガッツが26ながら超必殺並の「タックル」と代名詞技「でこぴん」がすこぶる強力。 その一方で派生種の能力適性計算式の変更で、命中が伸びやすい種族が減ってしまった。故にメタルナー派生「アストロ」やヘンガー派生の「ゴビ」、命中トレーニングが得意になるヘンガーの円盤石のかけらの存在が大きい。 ライガー ほぼ変化なし、真面目な性格も従来のまま。 技は命中、クリティカルに長ける小技が揃っており、使い込みが必須な上位技もひとつもないので、ゲームクリアを狙いやすい優等生モンスター。 技の火力はそこまで高くはないので、フルパラによるガチ対戦はやや苦手か。 ハム グラフィックが一新されて前作のマーシャルアーツから中国拳法や空手を思わせる技に。 前作超必殺技だった「おなら」が基本技及びガッツダウン技となり、「大声」「投げ」といった技が削除された。 基本技「ワンツー」、命中重視技「正拳」、超必殺技「暗けい」が強力。この3つで四大大会制覇可能。 前作では平均以上に速かったガッツ回復が遅めの部類まで下方された。 後述する「ヴァージアハピ(ハム×ピクシー)」は調整ミスでガッツ回復が大変なこととなっている。 ガッツ補正の変化もあり「ラッシュを叩き込むファイター」から「回避から一撃を叩きつけるファイター」へと転向した。 一方でライフの適性が平均になった。その割に何故か純正種はライフの初期値が異様に低い。 ガリ 今作では隠しモンスター扱いで、ヘンガー・ニャー・ワームとともに解禁。 善神らしく性格が激ヨイになり、技のバリエーションが一気に増加。しかし今作では寿命が最低クラスになり、増えた技もほとんどが上位技なので今作ではかなり上級者向けのモンスターとなった。 更に今作の派生種の能力計算の問題でSUBガリのモンスターは寿命やG回復等殆どが弱体化するが、性格がヨイ方向に傾きやすくガッツ補正で回復の遅さに意味もでてきたのが辛うじて救いか。 更にマジン未参戦により正体不明という要素も薄まり、善神というアイデンティティも背景世界での絶対正義の象徴とされているヒノトリの参戦により薄まった。 技は強力なので、フルパラ戦では強力。 ニャー ヘンガー・ガリ・ワームとともに解禁。今作では25年間待つ必要がなくなった。 長命になったが、何故か技名が「ポッコ(パンチ)」「ぺったん(ヒップアタック)」「メーム(ビーム)」等、珍妙なネーミングセンスに。 「歌うことが好き」という設定が与えられ、「ニャーにゃー」等歌うガッツダウン技が追加された。 ゴースト 解禁条件が運ゲーではなくなったが、逆に期間とお金が嵩むものとなってしまった。 適正、寿命、技のどの面で見ても弱体化している。もともと大して強くないモンスターだったのだが…。 スエゾー ブレない目玉型の目玉モンスター。前作屈指の強技「ベロビンタ」が弱体化したが、それ以外は強化されている部類。 「ベロビンタ」のガッツ消費が上がり、「ツバはき」がかしこさ技になった以外に技に大きな変化はないが、大半のモンスターの技のテンポが悪くなる中で前作に近いスピード感を持っている。 前作のゲームディスクから、前作の全国大会予選で登場した「すえきすえぞー」の能力を再現したレアモンが登場する。 1週間で死んでしまうネタモンスターだが「大会で金策」「合体素材にする」等の使い方があり、ある種の初心者救済ともいえる存在となっている。 ゲル モーションが作り変えられ、前作ファイティングポーズから両手をうねうねさせる立ちポーズになった。 技モーションは前作のものを引き継ぎつつも新技が多く追加されており、中でも超必殺技の「ゲルコプター」は高い威力と命中精度を両立した、大技の中でも最強クラスの性能を誇る。 プラント 前作で最強クラスだったからか適性と技性能で大きく弱体化。 「ベニヒメソウ(ピクシー派生)」のカード説明文では遠回しに前作最強だったことが記されている。 寿命とライフ適正からくる冒険への適性や、合体させるともれなく寿命、ライフ適性、ヨイワルで良影響を得られる等、弱体化されつつも大きな存在感を残している。 モノリス 技が増えたが、ガリと同じくその殆どが上位技で短命なモノリスと全くかみ合っていない。 前作では「SUBモノリス種は何故か命中の適性がよくなる」という特徴があったが、今作では計算式の変更でその特徴がなくなり、こちらでもガリと同じく「寿命とガッツ回復と丈夫さ以外の適性で弱体化」という悲しみを背負ってしまった。ガリと同じく見た目全振り。 一方で超必殺技「アタック」「たおれこみ」を筆頭に技は強力で、羽化ソボロベントが大会で準優勝したという記録も残している。 ラウー 今作では無条件で再生できるようになった。 続投モンスターが弱体化や仕様変更を食らっている中、こいつだけむしろ強化されている。 まじめさがヨイワルという仕様に変更されたことで、純血種以外は概ね真面目で、素ステの高さから育てやすい派生種が増えている。 特に派生種「ボス」は前作では図鑑にも書かれたそのなまけぶりが有名だが、今作では ラウー種随一の真面目かつ高適性なモンスター になった。 細かい点だが前作の「ミサイル」が「ボム」に名称変更された。どっちにしろ鼻くそなんだけど。 ワーム ヘンガー・ガリ・ニャーとともに解禁する隠しモンスター扱いに。ヘンガーと同じく寿命の数値が前作と変わらなかったため、短命な部類に変化。 バランスの良さや繭からの羽化イベントなども前作譲り。前述した「ビークロン」の解禁には羽化イベントが必須となる。 羽化前のガッツ回復を引き継ぐのは前作同様なので、回復が遅い種族に羽化するテクニックも引き続き使える。その他ガッツ補正の関係で逆に回復が早い種族を遅くするのも一応有り。変わったところではガリへの羽化専用技も存在する。 技は前作から続投されているものが多いが、一部性質が変化しているものも存在。「サマーソルト」が追加され、「きりもみアタック」が「シェルアタック」と入れ替えになった。 ナーガ 前作と同じく短命かつ凶暴な性格。だが技性能が全体的に低下。 それ以上に派生種の計算式変更により、ナーガ派生は寿命と性格面で大きく悪化する上に適正面でも大抵弱体化するというさんざんな結果に。 特に「シオンカメン(ガリ種)」「アスファール(モノリス種)」「ジャアクソウ(プラント種)」は今作最弱のモンスターとして一種のカリスマモンスターと化している。 一方でちからと命中に特化した能力適正や、鋭く一瞬で終わり性能も高い「突き」をはじめとした技性能は非常に優秀。対人戦でメタルナーとも渡り合えるほか、RTAのレギュレーションともマッチしており評価されている。 特別種(CDでしか生まれない×???系)は一部除いて全て一新されている。 合体等で生まれる派生種の数は370種ほど。これはモンスターファームシリーズの中でも最多である。その他エネミー専用の特別種も存在。 CD等からモンスターを生み出す「円盤石再生」の他に、前作のセーブデータからモンスターを再生する「石盤再生」が追加。 前作で育てたモンスターを再生することで、同じ種族(例外あり)のモンスターを入手出来る。 モンスターの年齢は0歳に戻り、技も基本技のみになるが、パラメータは前作で育成した分がある程度反映される。(*5) ポケットステーションを用いてお金を稼ぐ「アルバイト」が追加。 ポケットステーションにモンスターを送り、ミニゲームをすることでポイントが貯まり、そのポイントに応じてお金を貰える。 ミニゲームの成績によって、お金の他に特別なアイテムを貰えることもある。そのアイテムの中にはあるレアモンを生み出すものも。 全体的な難易度の上昇 前作に比べて育成モンスターの寿命が減り易い上に、大会の敵モンスターが全体的に強く設定されている。 この仕様を受けてか、システム上におけるモンスターの寿命の上限が大幅に増加し、短命のドラゴン種やジョーカー種でも基本寿命で5歳前後まで生きられるようになってはいる。 大会での敵モンスターは、Aランクの時点で前作Sランクとほぼ同等のステータスとなっている。 前作の「仕事」は今作では「トレーニング」になった。要するに『賃金』が無くなったため資金繰りの手段が一つ減り、特に序盤はゲームオーバーの危険性が高くなった。 アイテムの投与自体毎週1つずつに変更された。そのため資金があっても忠誠度、疲労、ストレスの調整が難しくなった。 アイテム側も非常に強力な薬品類(*6)や黄金モモに大幅な制約が掛かり、卵カブリが削除されたが、新たに白銀モモが追加されている。 ゲームの目的の1つである「レジェンド杯」での優勝を果たすためには、システムを熟知した上で、きちんと育成計画を立てなければ難しい。 一部隠しモンスターの出現条件が変化 前作で条件付だったラウーが無条件に、それぞれ非常に厄介な条件があったヘンガーとニャー(*7)もかなり序盤で育成が解禁するようになった。 一方で前作無条件だったワーム・ガリ・ゴーレム(*8)が条件付になっている等の変化もある。 合体にアイテムと特殊な条件が必要だったドラゴンも、今作ではアイテムの使用のみで登場するようになった。ドラゴンのみならず、アイテム合体で登場するモンスターはアイテムさえ使用すれば合体させるモンスターは問わなくなり、難解さは無くなった。 但し、ゴーストは運ゲーでは無くなったが異様に期間と費用がかかるようになってしまい、前作のようにゲーム序盤からの育成ができなくなった。 育成 ファームでの様子やトレーニング画面等の描写がパワーアップ 固定カメラだった前作のファームと違い、今作のファームではモンスターの動きに合わせてカメラがそれを追うように動く。 特に意味があるわけではないが、モンスターの種類によって様々なモーションを見せてくれる。スタッフの作り込みの程が窺える。 「トレーニング」や「修行」のシーンもフル3Dで描写され、視覚的にも楽しめるようになっている。 一方で、前作の2Dアニメーションがよかったという声もある。現に、2Dアニメーションの前作とは違い、種族によって大きく内容が変わるということが無い。 モンスターを1ヶ月特別な場所に送ってトレーニングする「修行」では、「ノラモン」と呼ばれる野生のモンスターと戦うことがある。 このバトルではプレイヤーは一切指示することは出来ず、オートで戦う。また制限時間も無い(ただし一定時間経つと育成モンスターはギブアップする)。 勝利することでノラモンのランクに応じて報奨金を貰うことが出来る。隠し種族の解禁に必要な事も……。 モンスターに「ヨイワル度」というパラメータが追加され、育成の仕方によって言う事をよく聞く「ヨイモン」になったり、逆に言う事をあまり聞かない「ワルモン」になったりする。 ヨイかワルかによってトレーニングの成功率や覚えられる技等に影響が出る。ちなみに育成開始時の「ヨイワル度」はモンスターごとに決まっており、それを基準にモンスターごとの上限、下減も決定する。なお通常通り育成していればヨイに偏りやすい。 技も大幅に増加され、多いモンスターでは20を超えるほどに。もちろん無闇に覚えさせればいいというものではないが、取捨選択の幅は広がった。 演出も強化されており、あまり有名でない技でもモーションが派手で目を引く物もある。 探検もパワーアップ。今回はライフが多いほど行動できる回数が増える仕様になり、自分で1マスずつ移動できるようになったほか、探索しても勝手に迷子になることがなくなった(*9)上、アイテムが取れたかどうかが目に見えて分かるようになった。 ただし、障害物は冒険ごとに復活するようになり、ライフがいくら多くても行動力は最大700、そちらが-10になる前に入り口に戻ってこないと寿命が大幅に減る。 大会、バトル 前作と違い、モンスターのランクの1つ上のランクの大会にも出場出来る。また、モンスターのランクに関わらず出場できるフリーランクの大会もある。 優勝することでモンスターランクが上がる公式戦も、1つ上のランクに出ることで一気にランクを2つ上げることが出来る。 更に、今回は大会でよい成績を修めるとパラメータが上がるようになった。成績とランクにのみ影響し、成長率の影響を受けないため、ピークを完全に過ぎたモンスターでもS公式戦や四大大会で優勝すれば更なるパワーアップが見込める。 技の一部に使い込み技が登場。実際に大会(一応ノラモン戦も含む)で条件となる技を一定以上使用することで、修行によってその上位技を習得できる。そのため人気やステータス以外にも育成面で大会に出るべき場面が出てきた。 4年に一度「IMA」と「FIMBA」、2つのブリーダー組織の対抗で行われる「2大陸対抗戦」がある。 「FIMBA」側として登場するモンスターはそのほとんどが前作の大会等に登場したモンスターである(ただしパラメータ等は今作に合わせて調整されている) パラメータ調整はかなり大きく全体的に強化されている。特に前作時点でネタステータスの代表格だったAランクのラネイルジュニア(*10)がまともなステータスになったどころかSランクの敵とほぼ同等とかなり強化されている。 前作の四大大会(*11)に出場したモンスターのうち2体がパラメータ補正をほとんど受けずに出場しているが、前作では「最強の敵」と言われたレドントはAクラスに、攻撃力が中途半端だったゴーラはBクラスに出場させられてしまうほど。残り2体は未登場、そもそもモンスターが登場しないガデューカはともかく、残るアルバールは「アバーレル」と名前を変え、低かった能力をそのまま+250したゴーストとして登場している。猿は死んだ。 また、ブリーダーとなった前作の助手「ホリィ」も、特定の大会で登場する。 一部の前作の大会に登場していないモンスターは「ホリィさんのモンスター」という扱いとなっており、対戦も可能。特にSランクに登場するホリィのモンスターは異様な強さを誇る。(*12) 前作でもバトルの重要な要素であった「ガッツ」は、今作ではさらにその重要性を増した。 今作ではガッツは与えるダメージや命中率だけでなく、受けるダメージや回避率等、防御面にも影響を及ぼすので、ガッツの高い状態を維持することが前作以上に重要である。 一方で、今作ではガッツ回復速度が遅いモンスターほどガッツによる能力補正割合が大きくなるため、前作に見られたガッツ回復速度の価値が高すぎる問題は是正されている。(*13) バトル中の状態変化の追加 前作にもあった、ピンチ時に攻撃力が2倍に上がる「底力(*14)」に加えて、「逆上(*15)」「必死(*16)」等、様々な状態変化が追加された。 これらは、それぞれ発動出来るモンスターや発動条件が決まっており、中には不利な効果を発揮するものもある。一部を除き合体で継承も可能。 その他 非常にクオリティの高いBGMの数々 前作も決して評価は低くなかったが、本作では目に見えてこちらの評価も高くなっている。その人気のため、モンスターファームラグーンや、無双☆スターズでは本作のBGMがアレンジされて起用されている。 大会ではグレードごとにBGMが変わるが、前作以上に壮大なオーケストラ調の曲調となっている。下位グレードを含めてどの曲にもファンが付いていると言っても過言ではない。 特に最終局面となる四大大会、二大大陸対抗戦はかなり人気が高い。 もちろんファーム内などのBGMも人気は高く、総じて前作以上に印象に残りやすい曲が盛りだくさんとなっている。 全体的な演出強化 大会などの進行演出は前作以上に凝っており、特に大きな大会はプレイヤーにいい意味で緊張感を与えてくれる。 また、プレイヤーにとって嬉しいかどうかはさておき、あっさり死亡する前作と異なり、死亡シーンはじっくり演出されるようになった。 育てた愛着がある程に胸が締め付けられるというプレイヤーもおり、そういう意味で成功はしているだろう。 賛否両論点 全体的に難易度が高く、攻略には知識も必要。前作と共通点も多いものの、前作の知識を適用すると致命傷となる部分もある(ストレス、修行など)ため、良くも悪くも「前作と別のゲーム」となっている。 モンスターは前作よりも疲労やストレスを蓄積しやすく、特にストレスの蓄積は警告メッセージ以外の判断が出来ないマスクデータのため知らず識らずのうちにストレスが原因の寿命のロスを引き起こしやすい。 その原因の一つとして、市販アイテムでのストレス減少が、前作の固定値減少(-50)から割合で除算(半減)に変更されている点が大きい。別の方法で減算させないといずれ致命傷となる。 そちらの解決策として効率育成において一般的な方法は「嫌いだろうが一番高いエサであるビタミンもどきを与えること」。他のおいしそうでモンスターの好みのエサのほうが一見ストレスが下がりそうだが、高価なだけある性能で好きなニクもどきより嫌いなビタミンもどきの方がストレスは下がる。しかし直感ではわかりにくく、可愛がるにしても歪な仕様ではある。 この寿命のロスを最小限に抑える「油草育成」(*17)は今作の育成における重要テクニックの1つ。 逆に前作では能力上昇のために一番効率の良かった「修行」が、今回は効率を考えるなら技を覚えるかイベントを起こす以外は絶対に行くべきではないほど、寿命消費に対して能力の上りが悪い代物になっている(*18)。 前作では忠誠度が甘え度だけ、もしくは恐れ度だけでも100になっていたが、今作ではどちらも上げないと忠誠度が100にならない。 片方だけだと50止まりであり、恐れ度を上げる方法が限られている、もしくはストレス上昇も伴うため、アイテムをあまり意識していないと甘え度のみ最大の50止まりかストレスを致命的に貯めているという事態になり、育成、バトルの安定性が大幅に下がる。 上記のストレスとともに対処手段が作品内では明確でないため、知識なしでは「忠誠度が50止まりで難しいトレーニングは失敗し3歳前後で死亡するため勝てないし強くなれない」という事態になりやすい。 合体 は前作から引き続き行えるが、その相性及び継承できる能力の法則が前作よりも複雑かつゲーム内での解説が不十分(※後述)なので、知識が無い、或いは前作の様に育成済みの強いモンスター同士を掛け合わせるだけでは 相性が悪い合体=弱いモンスターの誕生 になりがち。 具体的には、合体するモンスター同士の適正(*19)とステータスが一致していて、更に合体で生まれたモンスターとも一致していなければ本当に相性が良い合体とはならない。 この合体法則自体についての説明はなく、合体するモンスターを選んだ時点でその2体の相性の良し悪しは助言してもらえるが、実際には一部この助言が適用されない状況もある上に、相性以外に誕生確率も大きくステータスに関わる。 この様にステータスの継承については非常に困難だが、相性が悪くてもステータスが一切引き継がれないわけではなく、合体元のモンスターの技、ヨイワル、状態変化(*20)は 相性に関係なく引き継がれる ため、無駄に終わるわけでは無い。 モンスターの適性やトレーニングや修行による疲労とストレスの蓄積量、エサやアイテムによるステータスの変化量などはゲーム中では確認できないマスクデータとなっているため計画的な育成を行うには攻略本や攻略サイトで数値を確認する必要がある。 これらの知識やテクニックの有無は育成結果に大きく左右するにもかかわらずゲーム内ではヒントに乏しいため、今作の難易度の高さや予備知識の偏重さが指摘される原因となっている。 バグ等を抜きにしても、育成面と対戦面の両面でモンスター間の格差が大きい。 初プレイ序盤は大会が主な資金源のため、初期ライフ、初期技や覚えやすい技といった序盤で強い要素が優秀なモンスターが資金面で非常に有利で、逆であれば非常に不利。 「かしこさ回避型は強い」とされているが、初期技にかしこさ技がない種族もおり、序盤に伸ばせる程度の回避では戦闘への影響力が低く、中でも初期ライフが低い上に伸びにくいタイプは、知識なしで最初に育てるモンスターとしては難易度が高い。人気の高いピクシー種の一部やRTAなどでも成果を出しているが飛爪頼りのアーケロ種(*21)も実はこの枠。 資金を繰り越した2体目以降の育成や「すえきすえぞーを大会に出す」という方法でカバーはできる。後者は万人にお勧めしにくいが… 通常の育成ではデュラハン種やラウー種は長寿かつ能力適正が高水準で技も強力…と文句のつけようのない性能。アーケロ種も飛爪さえ覚えれば優秀。同じく長寿でもコロペンドラやニャー、プラント等は適性か技に何かしら難がある。 そのうえデュラハン種はオイリー・オイルによるストレスの軽減ボーナスまで所持している。オイルによるストレス軽減はアローヘッドとヘンガーも持っているが、前者は能力適正で、後者は寿命でデュラハン種に大きく劣る。 短命種ではドラゴンやジョーカーのように能力適性と技性能が非常に高い故にバランスを取られているモンスターも居れば、能力適性が低すぎるモノリス種のように格差が激しくなっている。 対戦面では、メタルナー種が最速のガッツ回復を持っているにもかかわらず、それに見合わない技性能の高さで最強扱いされることが多い。 メタルナー種と同程度のガッツ回復速度を持つピクシー種等は技が弱めに調整されており、メタルナーと似たような技性能を持つハムは今作では遅めに調整されている。 ただ、ガッツ回復が早いということは補正が低いということでもあり、ガッツ回復は並から遅い方だがさらに技が優秀なコロペンドラ種、モノリス種といったモンスターも大会で結果を出している。 通称「再生バグ」の存在 特定の操作をすることで、解禁条件を無視してCDからモンスターを再生できてしまうバグ。 バグではあるのだが、これにより「解禁できないけど強いモンスターを育てたい」という初心者救済や「初期状態から条件付きのモンスター1匹でゲームクリア」などプレイの幅が広がっているのも事実である。 そもそも隠しモンスターでも初心者が育ててゲームクリアしやすいモンスターはヒノトリ、ヘンガー、デュラハン程度であり、それらは解禁がかなり簡単な部類。解禁が難しいドラゴンやグジラ等は攻略に不適切なモンスターが多く、ゲームクリアの難易度にあまり影響を及ぼしていないのも事実である。 メタルナーのイベント等、一部消失するイベントが報告されているものの、ゲーム進行にほぼ支障はないため、今作のバグの中では最も批判が少ないバグである。 合体させようとすると場合によってはフリーズしてしまうが、冬眠→復活→再び冬眠で回避できることが確認している。 ダメージの計算式が変更され、「丈夫さ」の影響が薄目。 前作では丈夫さが1であれば、ほぼすべてのダメージが999になるほど、耐久面では丈夫さが重要だったが、今作ではそこまで極端ではなくなった。 今作では被ダメージ減少がちからとかしこさにも依存しており、例えばかしこさが低くて丈夫さが高いモンスターがかしこさ技を食らうとダメージが大きい。 結果的に丈夫さを上げてなくてもライフ・ちから・かしこさを上げておけばある程度攻撃を受けられるようになった。 具体的には耐久型ならライフ700以上になったら少しは丈夫さを意識した方が良いレベル。また回避型でのゲームクリア目的なら保険としてライフが400程度あれば丈夫さが初期値でもかなり安定する。 これにより、丈夫さが上がりにくいモンスターの育成難易度はかなり緩和されている。 一方で丈夫さの高さがウリのモンスター(アローヘッド、ナイトン、モノリス等)は強みが仕様に奪われている結果となってしまっている。 ワルモンのメリット 対戦面ではデメリットもあるが使い手次第でそこそこ強い逆上の発動、育成面では効率の悪いズルを出しやすくなるため、対戦でデメリットの無い底力が出て、効率を大幅に上げる大成功が出やすくなるヨイモンと比べると、専用技以外のメリットが若干薄い。 しかし、移植版発売後に「ヨイワルが-1以下であれば、従来のクリティカル計算式と異なる計算となる」ことが発覚。そして最大値の場合は従来の2倍のクリティカル率上昇となり、かなりのメリットを持つことが判明した。 その内容は「自分の人気の他、相手の人気、そして自分のストレスによりクリティカル率が上昇する」というもの。ただ、これをフルに利用するということは、モンスターの寿命に莫大な負担をかける外道なことをしなければならず、強くなるためとはいえ難色を示すプレイヤーも当然いる。 そしてストレスは通常育成での対戦後は大幅に減るため、基本的に活用できるのは対人戦に限られる。 問題点 今作はモンスターの種類等、様々な点で前作から大幅にボリュームが増えたせいか、バグや設定ミス等がしばしば見受けられる。 モンスターのピークや寿命を迎えそうだということをコルトが教えてくれる警告メッセージがあるのだが、ゲーム中でそれぞれ一度だけしか言ってくれないので初心者にとっては中々厳しい。移植版では毎回言うように修正されたのでバグだと思われる。 また、大会の対戦前に見れる敵モンスターの情報もなんだかざっくりしている。前作の助手であるホリィからは1体1体でそれぞれ違ったアドバイスが貰えたことに対し、コルトは大抵相手の目立つパラメータについて触れるのと、ただ一つ例外的にワルモンスター相手に対して「ワル技には十分注意しようね」と言うだけ。その相手がワル技を持っていなくても。 このせいで、ネット上ではコルトよりホリィの方が助手として有能であるとネタにされている。 モンスター関連 前作に登場したモンスターは、種族ごと消滅したものとレアモン以外は引き継がれている。しかし何故かプロトメサイヤー(ヘンガー×ガリ)だけが抜けており、石盤再生しようとすると通常版ではフリーズする。BEST版では修正されて再生自体を拒否されるが、根本的な解決になっていない。(*22) バジャールの体型を「ふつう」以外の状態にするとグラフィックがおかしくなることがある。進行には影響せず、体型を戻せば元に戻るが、知らないとびっくりするだろう。 ヴァージアハピというモンスターのガッツ回復速度が「1」(*23)。バイナリ解説によると7D(125)となっているらしく、おそらく本来は「12」と入れるはずだったのがミスでこの値になったと思われる。(*24)(*25)一方的に攻撃できる非常に強力なモンスターなので、金策に使ったり鍛えれば簡単に四大大会を制覇できたりする。当然、邪道と考える人もいるわけだが、今作の高めの難易度か ら利用するプレイヤーも多く、一概に良いとも悪いとも言えない。その強さから公式大会「モンスター甲子園」での使用は禁止され、「すえきすえぞー」と「サクラモッチーニ(*26)」と共に予選用モンスターとして登場した。 北米版「Monster Rancher 2」ではしっかり修正されてるため、やはりこれは設定ミスなのであろう。 初期状態では再生できない隠しモンスターが大幅に増え、それらがサブに入るモンスターもまた多く追加された。そのため、初期状態では再生できないCDが相当数存在する。 モンスターが大幅に増えたにもかかわらず、冬眠枠は前作同様に10匹分しかない。 ある時期しか現れないレアノラモンがいる。最終的に出現しなくなってしまう上、レアノラモンは図鑑に載るので、逃してしまうとコンプリートができなくなってしまう。これはとくに特別なモンスターというわけではないため、バグである。 一部のモンスターが勝手にストレスを溜めて寿命を減らす「要求なしおねだり」バグ。トレーニングさせる、大会で優勝するなどをした際にモンスターがアイテムを要求することがあり、それを断るとモンスターのストレスが溜まってしまう。一部のモンスターにはこの要求アイテムの設定が無いのだが、これが「要求が100%無い」ではなく「時々要求しているが断った扱いにしてイベントを飛ばしている」という処理になっているらしく、知らない内にストレスをため込むということがある。ただでさえ寿命が減りやすいゲームでこれは厳しい。 要求なしおねだりが発生すると日付欄が点滅するため、それで判別可能。また4週目で元々ビタミンもどきではないエサを使う予定なら発生しても翌月にビタミンもどきを与える事でストレスをなくせる。逆に言えばビタミンもどき前提であったり、1~3週目の要求なしおねだりを防ぐ手段は一切存在しない。トレーニングや大会の度に日付欄を凝視してセーブ ロードを行う必要があるため、要求なしおねだり、特におねだりが必ず要求なしになる種族(*27)を育てるのは大変である。 パラメータ関連 最高難易度のトレーニングの成功率。パラメータの増加に伴い、トレーニングの成功率が落ちていくという仕様があり、最高難易度の☆☆☆状態での、重いトレーニング4つの成功率が☆☆と比べて非常に低い。 おおよその体感として、最高条件での☆☆は約99%(失敗がまずありえない)なのだが、☆☆☆では約70%にまで落ち、ワル、苦手なトレーニングだと更に下がる。 高いパラメータの条件を厳しくして希少性を増したい意図なのかもしれないが、毎週セーブ、ロードしないと全く安定しないレベルの成功率の低さは単純にストレス要素となる。軽いトレーニング6種なら☆☆☆でも安定するが、効率が段違いなので基本的にはセーブロードに頼ることを考慮に入れざるを得ない。 「プールバグ」の存在。プールは「丈夫さ大上昇・ライフ小上昇・かしこさ小減少」の重トレーニングなのだが、なぜかこのトレーニングではライフと丈夫さのパラメータの適性が逆転して処理される。そのため、丈夫さが育ちやすいはずのモンスターなのに丈夫さが上げにくいという形になることも。 上記に記した通り、ダメージ計算に丈夫さの影響が薄いのがまだ救いともいえるが、結果的に「ライフを上げやすいモンスターが異様に堅くなる」という結果となってしまった。 2ではパラメータの並びが上から「ライフ、ちから、かしこさ、命中、回避、丈夫さ」なのだが、1では「かしこさ」と「丈夫さ」の欄が逆であった。何が問題かというと、二大陸対抗戦でのFIMBA側モンスターのパラ。前作の並びで移したらしく、1のパラと比べるとどう見てもかしこさと丈夫さが逆。かしこさ型なのに火力が残念になってしまった、また丈夫さが高かったから攻撃力がとんでもない事になってしまったモンスターも。 成長率が明らかにおかしく、他のモンスター、とりわけ図鑑番号が前後するモンスターのそれを上書きされたようなモンスターが何体かいる。(*28) 大会モンスターの中にも、データが抜け落ちているためにステータスがメチャクチャ(999と育成上絶対に成り得ない0のパラメータが混在)なモンスターが存在している(数値を補完して計算すれば、その大会相応のステータスになる)。 技関連 ヨイワル度が「そのモンスターの基本値±100」しか変動しない仕様のために、ヒノトリの「火炎連砲」が絶対に習得不可能になっている。(*29) 条件を満たしているはずなのに習得出来ない技がいくつかある。ガリの「魔人ナックル」やチャッキーの「ソニックブーム」は孵化や合体でどうにか出来るが、バジャールの一部の技はどうやっても習得不可能。(*30) バトル関連 AI操作では原則的にどんなモンスターでもガッツが40貯まらないと攻撃してこない。前述のガッツ補正の存在があるため、貯めたそばから使い切るよりは好ましい思考回路なのだが、残り時間がわずかだろうと貯め込んでしまうのが問題点。そして、このAIのためにCPU戦ではガッツロック(*31)が楽に決まりやすくなっている。(*32) 敵モンスターが「底力」と「逆上」を発動してくることがない。自分のモンスターをオートで戦わせた時には発動してくれる。 コロペンドラ種限定の「団結(ガッツ回復速度2倍、移動速度MAX、らしい。)」という状態変化があるのだが、これの効果が一部「泥酔」に上書きされてしまい、移動力は上がるもののガッツ回復速度が2/3に下がるというデメリット寄りな内容になってしまっている。 使い込み技の存在と大会、特に相手が棄権する仕様の不都合さ 修得に特定の技の使用回数が要求される使い込み技だが、使用回数が可視化されておらず、使用回数を稼げるのが大会のみという点が非常に大変。 修行で減った寿命に加え、更に寿命を消費する大会に出る必要があるだけでも大変だが、使用回数を稼ぐ前に自分がやられたりガッツダウンを受けても不利なので、回避特化がとにかく有利なのはもちろん、自分や技が強すぎると技の回数を稼ぐ前に相手をKOしてしまうのもいささかやりにくい。 そして特に問題なのは大会に出ても相手が棄権することがある点。 相手の棄権は自分のステータスが高すぎると発生しやすくなるため、安定して戦えるようになったと思ったら、戦ってすらもらえず使用回数を稼げないという何とも言えない事態になる。これは最も対戦相手の数と強さがそろっているSランク公式戦でも発生する。 合体で引き継いだ技は使用回数も引き継がれるため、次世代に任せるという手もあるが、超必殺技は引き継がれないため、超必殺技の使用回数は当代ごとに稼ぐしかない。 これらの大変さを乗り越えた上でのやり込み、ご褒美要素とも言えるが、仕様のミスマッチな不都合さは否めない。 前作に比べて一部のモンスターのポリゴンが簡素化されている。これは、容量削減のためだと思われる。 例えば前作のスエゾー種の場合、ツノマルは角が生えていたり、ピンキー、プラムラーは羽が生えているといった特徴があったが、今作ではそれらが一切無くなっている。 一応、図鑑では大陸ごとの個体差として説明されている。(*33) ただし前述のとおり、ピクシー種だけは種族ごとの個性がかなり細かく作りこまれている。 前作でできた「アイテムのまとめ買い」がなぜかできなくなってしまった。 同名アイテムもまとめられずバラバラで表示されるため、管理がし辛くなっている。 極一部のモンスター種は大会やノラモンで出現せずプレイヤーが育てる以外バトルを見ることができない。 出自が特殊なメタルナー種はともかく、ビークロン種、バジャール種、ウンディーネ種、モック種、チャッキー種も出ない。伝説のヒノトリや、解放条件が多く厳しいグジラですら普通に大会に出ているのだが…。 バジャールはイベントで姿を見せ、モックとチャッキーは育成モンスター死亡時に出現するのでインパクトがあるがウンディーネは本当に何もなく影が薄い。(*34) ビークロンを除いた上記5種族はシリーズ中今作にしか登場しない。知名度の低さがそのまま次回作以降にも影響する結果となった。 ウンディーネに関しては次回作以降ピクシー種に吸収合併される形で引退したが、『LINEモンスターファーム』で新たな派生種を引っ提げて再度復活することとなった。 作業感の強さ。 主に前述の「油草育成」。効率を求めると育成期間の大半でこれを行っていくことになる基本テクニックだが、効率的過ぎて味気が無く、そこから来る作業感は強い。2種類のアイテムしか使わないのにまとめ買いができないことも若干辛い。 一応成長段階と相談して、技の調整のための修行や大会、ヨイワル調整のタイミング、要求無しおねだり持ちならそちらの調整、仕上がってきた場合は体型の調整など、通常の油草育成以外の調整を挟むべきタイミングは多い。ただ、モンスターによっては1年弱ある成長ピーク期間中はずっと油草育成というのは最適解であるため、単調な期間は少なくない。 「バナナ育成」について シリーズ中今作にのみ登場する「ソンナ・バナナ」はショップで購入できるアイテムの一つで、効果は3種用意されている中からランダムで1つが現れる。その中に「忠誠度を下げ、寿命を1週間延ばす」と言う物があり、これを繰り返し引く事で、根気さえあれば無限に寿命に延ばす事が可能。それを実際に行うのが「バナナ育成」と呼ばれる育成方法で、どんなモンスターでもフルパラメータにする事が可能となる。 このバナナ育成はとにかくモンスターに嫌われながらセーブとロードを繰り返す作業である。バナナを与えて目的の効果が出るまでリセット。効果が出たらセーブしてからトレーニングを行い、失敗すればリセット(バナナにより忠誠度が下がっているのでトレーニング失敗は頻発する)。次の週にセーブして再びバナナを与え……と、これを延々と繰り返すのである。(*35) バナナによる極端過ぎる作業感を嫌う意見、どんなモンスターでも根気があればフルパラメータにできてしまう事を問題視する意見など、今作を支持する層の中にもこの「ソンナ・バナナ」を良く思わない人は多い。 ただもちろん「バナナ育成」を肯定する意見もある。合体で誕生しないレアモン、寿命、適性が致命的など、育成面で不利を負ったモンスターの救済要素の側面に注目する意見、また合体を最大限用いた無理のないフルパラメータ育成より時間がかからず、詰め切れなかった場合に起こるロスの重さと比べても、絶対に失敗しない安心感があるという意見も。加えて今作は技の他に状態変化により、パラメータ以外でも差別化できるため、フルパラメータだとしても無個性になりにくい。 前作と共にアイテムの効果が高すぎたためか、次回以降はかなり控えめになっている。その結果別の方向で作業感が強い育成法が確立された。この辺りはタスク管理ゲームの限界とみるべきか。 合体に関して 極めた際に理想とする個体の出現確率が低く、とんでもない回数のリセットを要求される。 「誕生確率が低い方がパラメータが高くなる」だけでも割と面倒な要素ではあるが、「技」「状態変化」までこだわる場合は更に確率は低くなる。 特に状態変化は、複数付けるとなると隠し味の用意や最終的な合体の前の合体の数をかなり要求されるため、本命の合体の一つ前から本格的に育成するとしても作業感は強い。 その他 「モンスターと遊ぶ」という形で3種類のミニゲームが搭載されたが、これは「モンスターのおねだりを受けた際に1週を消費する」ことでしか遊べない。 (勝ち負け関係なく)疲労減少が少なく、ストレス減少が高い休養の代替コマンドとなっているため場合によっては助かるが、ランダムで発生する上にその週はアイテムを投与できないので利用は難しい。 発生条件も甘え度が高く恐れ度が極端に低い場合のみ、と育成序盤、それ以降は効率育成を知らない場合にしか発生しないため、任意でできないどころかヘビーユーザーは見る機会自体が少ない。 「スパーリング」「泥合戦」はモンスターの能力で難易度が変化というやり込み要素もあるが、ある程度の強さならともかく、計100回の使い込みを必要とする技を複数覚えている状況での遊びというのはよっぽど狙わないとまずありえ無い。 一部モンスターの解禁条件が「条件を満たしている状態で育てているモンスターを死なせる」こと。モンスター解禁以外で死なせることにメリットは無いため、プレイヤーによっては気づかない。 ゴーストは内容的に妥当であるが、2体死なせる必要がある。チャッキーやモックはイベント終了時にアイテム入手で良かったのではないだろうか…。 上述された「ストレスで寿命が縮む」だけではなく、大会、修行、冒険、有用アイテム使用等で、大会、冒険では多少、他は一気に寿命が削られる仕様。「寿命という期限の中で何をするか」というゲームなのは確かだが、説明不足。 とくに大会や修行はコルトが何かあるたびに勧めてくるため、普通は何度も挑むべきだと思うだろうし、「大会で金を稼いで修行で技を覚えさせる」が、このゲームの基本である。また、冒険で寿命を削って苦労して手に入れたステータスアップのレアアイテムで寿命が縮むとは思いにくい。 大会に関しては、ステータスアップがあるためステータスが伸びにくい場所、時期であればトレーニングより有利な時もある。 合体のかくし味用アイテムの効果の説明不足。「ステータスに数値プラス」「特定トレーニングが得意になる」「特定モンスターが必ず誕生」などの効果があるが、それに関する説明が一切無い。特定モンスターになるのは合体前の確認時点でわかるが、それ以外は合体してもまず効果はわからないだろう。 総評 今作は、良質な育成シミュレーションゲームである前作を、モンスターの種類、演出面等で大幅にパワーアップさせたものとなっている。 対戦においても「ガッツ」関連の調整等により、モンスターのバランスが改善されており、より戦略性の高い対戦を楽しめる。 高難易度である点は賛否を二分したが、今作を未だ支持するファンはその点を評価する派が多い。 ファンの間では現在でもシリーズ最高傑作とする声が多く、高い人気を誇っている。 その後の展開 海外版「Monster Rancher2」 海外版ローカライズであるが、上記のバグや不具合がいくつか解消された他、寿命などのゲームバランスも変更されている。 ヨイワルの変動制限が撤廃されており、日本版で習得不可能だった「火炎連砲」も使用可能になった。 その他、海外で通じにくいネタや明らかに実在人物がモデルのレアモンがわかりやすいネタに変更されている。 例えば、チャッキーのレアモンは日本版では食い倒れ人形の「デンネン」だが、海外版ではサンタ風の「Satan Clause」に、まんまハルク・ホーガンだった「アックス(アーケロ種)」は忍者風の「NINJA KATO」と差し替えられている。 ちなみにチャッキーは外見が元ネタほぼそのまんまであるためか「ラッキー」に改名され、後の移植版でもこれに準じている。 今作発売から2か月後、満を持してテレビアニメの放送が開始された。 本作ゲームにストーリーはほぼ無いため、オリジナル主人公の少年と一作目の助手のホリィをヒロインにした冒険ものになった。 コルトとジョイは一話限りのゲストキャラとして後半に登場する。 カードゲーム「モンスターファームバトルカード」発売。 キャラクターカードと技カードを駆使して戦うカードゲームが実際に発売され、Vジャンプやビデオテープ等に特典カードが付属していた時期があった。 また、ストーリーと簡易アニメーションを付けたPS版も発売。本作2の外伝的内容になっており、事故で行方不明になったコルトを新たな助手とカードを通じて探すことになる。人間キャラクターが多く追加された他、本作から続投してる人間キャラクターも多い。 なお、機種がPS2になった後にもシリーズは続いたが、世界観やゲーム性を一新しており、この時代のファンからは賛否が分かれた。 ゲーム性に問題は無いが多くのファンに受け入れられたとは言い難く、しばらくしてシリーズは途絶えてしまっていた(後述)。 余談 今作においてもテクモ公式の大会である「モンスター甲子園」が開催されたが、今作での初優勝モンスターの名前は「あ」である。 前作で猛威を奮ったプラントは技の性能が下がり一線を退き、今作ではガッツ回復が早く技の性能が高いメタルナーが活躍。 そして第二回大会はピーチツリーバグ(コロペンドラ種)が優勝となった。 ゲームアーカイブスで配信されているが、CDからの再生はPS3のみの機能となっている。 また、ポケステ機能はPSVitaのみでプレイ出来る。 レアモンのあれこれ CMソング「Nothing Without You」のシングルCDを再生すると鈴木あみがデザインした衣装を着たピクシー「ミーア」が登場する。 初期から大技「ヒールレイド」を含む技を3種取得、初期能力も高く、本来ピクシーが苦手とするちからの適性も低くなく、更に初期から性格も「激ヨイ」と、全体的に「意図的な強キャラ」としてデザインされている。一方で命中と回避の初期値が本来のピクシーから大きくダウンしていたり、強力な状態変化「余裕」を持ってなかったり等、完全な上位互換というわけでもない。 白い。何がって? 聞くなよ。 一方で前作に多かった邦楽モチーフなレアモンはほぼほぼいなくなってしまった。 ナーガ種の「トキビト」やピクシー種の「カスミ」等、テクモネタの隠しキャラは今作でも健在。 競馬ネタはケンタウロス種の「パドック」が登場している。 ワーム・コロペンドラともにレアモンが電車ネタで被っているという地味な小ネタがある。 ワームはMAX(二階建て新幹線)をモデルにした「エクスプレス」が登場。当時JRのCMソングとして使用されていた「ラストクリスマス(山下達郎)」や「Choo Choo Train(Zoo)」などから再生できる。 コロペンドラは山手線をモデルにした「イーデン」が登場。『電車でGO!』のPS版から登場するものが有名。 雑誌「Vジャンプ」とのタイアップモンスターが3種も存在。攻略本に特殊モンスターの出現する8cmCDが付属していた。 ちなみに中身はドラマCD仕立てになっていて、なかなか面白い内容。 うち1体についてはアニメ「伝説への道」にも登場するなど破格の扱いを受けている。 通常のレアモン以外にも特定のCDからは意図的に初期能力値や初期技、適性等が変更された固体も存在する。 有名なのはJUDY AND MARYのシングルCD「くじら12号」から、曲名通り全ての初期値が12のピンククジラが登場。 及川光博のCD「死んでもいい98」からは、初期値がオール98、寿命まで98のハムオウジが登場する。確かにミッチーは王子様ですけど。 EVERY LITTLE THINGのアルバムからはボーカルの持田香織の愛称「もっちー」にかけてか超必殺技「モッチ砲」を覚えた純正モッチーが登場する。 …等々、その他細かいネタを拾っていくとキリが無いほど。 レアモン及び意図的な特殊ステータスを持っているモンスターは「特定のCDの秒数」を読み込んでおり、ごくたまに秒数が被って全く同じステータスで登場というケースもある。 有名なのは「ビンチョー(ヒノトリ種レアモン)」で、布袋寅泰の「命は燃やし尽くすためのもの」とDream come tureの「決戦は金曜日」で全く同じステータスの個体が再生される。どう見ても前者がモチーフなのに後者の方が有名なのは皮肉。 上記のレアモンや特殊な能力値を持つモンスターは全て前作と同じくトラック秒数を読み取っており、有志の解析・研究によりほぼ全ての個体が再現可能となっている。 但し、中には「解析により特定個体値のモンスターは存在するものの、それが再生される本来のCDが見つかっていない」というものもいる。一種の没データのようなものだろうか? それとは別に、チートコードを使ってレアモンやノラモンを登場させると、純血種と同じステータスとなる。 没データや没アイテム等が多く発見されている。 ボスステータスの敵ノラモンのムー、合体でムーが生む出せる「DNAカプセル」等、ムーをボスにした一連のイベントの断片が見える。 「パラドクシン」発見時に名前だけ登場する「トロカチンFX」も没アイテムとして発見されており、トロロンの2倍の寿命消費でトロロンの2倍以上の強化ができるアイテムとなっており、封印されて当然の性能である。 今作での実況を担当するキャラの名前は「フジタ」という。(『バトルカードPS』にて判明。こちらでもまったく同じ立ち位置で大会実況を担当。) その名の通り、当時何故か攻略本でネタにされていたテクモのスタッフ藤田氏がモデル。公式大会でも実況を務めていた。 『1』の移植版のアップデートにて、「ムー」や「エクスプレス」等、今作に登場したレアモンが登場した。 モンスターファーム2(移植版) 【もんすたーふぁーむつー いしょくばん】 ジャンル 育成シミュレーションゲーム 対応機種 Nintendo SwitchiOSAndroid 発売・開発元 コーエーテクモ 発売日 2020年9月17日 定価 1,980円(税込) 判定 良作 ポイント 待望のバグ修正、高速化を盛り込んだ完全版プロトメサイヤー念願の実装を始め新要素も満載極端な寿命無限育成は削除されたが通常育成は便利になった要求なしおねだりは強引に解決『1』と同様に通信対戦可能だがマニュアル同士の対戦はオフライン専用リマスターとは名ばかりの打ち直しBGMは低評価 概要(移植版) 上記のアップデート移植。 「人気作ではあるがバグや改善するべき場所が多い」という点は開発側にも重く見られていたようで、発売前にユーザーから改善点等を聞き入れ、本作における多くのバグが修正された。 発売後の調査でも本項目の問題点のほぼすべてに改善が見られたことが判明し、話題を呼んだ。 基本的に評価は高い一方、一部はオリジナル版よりも劣化した部分もあるため、この点を悔やむ声は多い。 のちにSwitch版で前作とのカップリング版である『1 2DX』の発売に合わせて、高速モードや原曲BGMの実装など『DX』とほぼ同仕様となる有料アップデートDLCも配信されている。 完全新規要素 前作移植版と同様のアーカイブ式円盤石再生、通信対戦に加え、特殊な円盤石産モンスターの追加、そして敵専用だったノラモン、シロモンが育成可能になった。『DX』及びDLCでは更に海外版のレアモンも追加されている。 レアモンは(限定CD、石盤再生限定、合体アイテム前提のものを問わず)全種類新たな個体が追加され、それらとノラモン、シロモンは寿命が長く成長適性も高い。 ちなみに上昇値厳選などを駆使すればフルパラメータにできるなど、移植前のバナナ育成ができないなりにフォローがされている。 石盤再生は『1』の移植版データを利用できるようになっているのも特徴。 公式大会へはオンラインでの登録制で出場可能。上位16名以外はオート戦の結果のみが大会後個別に送られて来て、上位16名は公式より大会動画が公開される形となっている。また「合計値2997」ルールも登場。 評価点(移植版) バグ、不具合、未実装などの未完成部分の補完。 オリジナル版では設定ミスで覚えられなかった技の修得が可能となったり、コルトが毎回ピークと引退時期をアナウンスしてくれるように変更された。要求無しおねだりの改善も非常に助かる部分。 中でもプロトメサイヤーが初実装という話は大きな話題となっている。ちゃんと石盤再生でも復活する。 他にも一定の年数までプレイすると挙動がおかしくなる不具合など致命的なバグも修正されている。 バグで自身の能力を全く活かせない変なパラメータの大会モンスター、ニャンコロモチの「ラッキィ」は変なパラメータのまま正式採用され、それ以外のガッツ回復等のみが修正された。 力の入った内容の改善、追加要素 修行の寿命減少の緩和、COM側の特殊能力の発動拡大、ヴァージアハピのガッツ回復の適正化など、バランス面でもいろいろと手が加えられている。 上記のレアモンの強化個体、ノラモン、シロモンはゲームクリア目前で解放されるシロモンは除外したとしても、通常育成において非常に強力なので、ゲームクリアのハードルは非常に下がった。 特殊な円盤石再生モンスターも大量に追加され、そちらも語呂合わせの初期ステータスなどネタに走ったモンスターも多いが、初期値が低すぎる場合は寿命が非常に長い点で強力。合体においても全成長適性が同じという素材としてとてつもなく使いやすいモンスターも登場した。 ストレスの解消手段の少なさが移植前は問題だったが、アイテム「ふたごの水さし」「ソンナ・バナナ」の効果変更で移植版では劇的に改善した。 効率育成においてもこの二つを用いた油草育成以上の育成法が確立された。アイテム投与なしで月に重いトレーニング2回軽いトレーニングを1回行えるなどステータス効率より手順効率を重視した育成も可能。 パラメータの参照値変更 移植前の戦闘時の各種計算は、ライフを除きパラメータのレベル(50区切り)に依存していたが、今作では全てパラメータの実数値で計算され、レベルはあくまで指標となった。 ゲームスピードの高速化 前作の移植版と同じく各種ロードがかなり短縮され、ロード画面は一瞬しか見えないレベルに。円盤石再生もアーカイブの入力にこそ時間がかかるが、入力後はすぐに再生に移行する。 これに加え、トレーニングや修行など演出短縮化(早送り)も実装され単調な場面が高速化した。 有料DLCを導入すれば全ての動作が高速化できる。 通信対戦 前作の移植版と同じく、通信対戦が追加され、ランダム対戦ではパラメータの合計値の近いモンスターを選んでくれるため、ゲームクリア後にも強いモンスターを育てて、張り合いのある相手と戦うことがいつでもできるようになった。 モンスターをアーカイブに登録する形なので、別機種の相手とも通信対戦可能で、自分以外のユーザーの登録したモンスターも使用できる。 移植版『1』とは違いオートセーブが活かしやすい。 前作はオリジナルに合わせてプレイ中のロードができなかったが、本作は直接オートセーブデータをロードできる。 ポケステなしでアルバイトが可能。 賛否両論点(移植版) ソンナ・バナナの効果変更 ランダムで効果が変わること、忠誠度に関する効果(および体型変動)があることは据え置きだが、寿命に関する効果は削除、代わりに疲労、ストレス解消効果に変更された。 これにより移植前の上記の「無限の寿命によるバナナ育成」が不可能となった。 変更後は忠誠度に関して一番効果の高い「甘え度・恐れ度どちらも+10」の効果の際、移植前は「寿命-1」だったが、移植版では「ストレス-10」となった。これは(エサ以外の)アイテムでは本作最高のストレス減算効果であり、通常育成において全方面隙の無い、強力なものになった。ただし活用するにはもちろんロードが必要ではある。 やはり移植である以上そのまま再現するべきだったという意見もあるが、その強力さから移植版の事前のアンケートにおいても修正を望む声も多く、仕方ないとも言える。 タイトルBGMの追加 無音による静かな始まりであることが本作の特徴でもあったため、この点は賛否が分かれる。BGM自体はそこまで雰囲気は壊しておらず、よくできている。 ただしこのタイトルBGMはモンスターファーム2OSTに没曲として収録されており、実際は何らかの問題で入れられなかっただけである。タイトルBGMの実装により本来の姿に戻ったとも言える。 「チャッキー」の名前が「ラッキー」に変更になった。 殺人人形のモンスターということで映画「チャイルド・プレイ」のパロディだったのだが、該当作に登場するキャラクターの名前そのままだった。流石に版権的な問題が絡むため無理もない。 改変された名前自体は海外版準拠ではある。だが、綴りで「幸運(LUCKY)」ではなく「破壊(WRACK)」とチャッキーを混ぜた造語である「WRACKY」であることが予測できる海外版と異なり、「あえてコンセプトと正反対の名前(幸運の意味のLUCKY→ラッキー)にしたのかな?」程度にしか予測のできないカタカナの「ラッキー」の文字列に、海外版の名前を知らないユーザーは混乱した。 ついでに大会モンスター「ラッキィ」と被っている。 同様にくいだおれ人形そのままな「デンネン」も配色が変更(縦縞が赤・白→黄色・黒の阪神カラー)されている。こちらは海外版では「サタンクロース」という全く別のモンスターに差し替えられていた。 データベース再生 再生元のCDにちなんだモンスターや特殊な個体が再生される場合がある。移植前から存在した要素だが、移植版ではユーザーからの投稿を反映させる形で大幅に増加した。 元ネタを知っていれば納得できるものや思わず笑ってしまうものも多いが、中には悪ノリが過ぎるのではないかと感じてしまうものも。 例えば1週間しか生きられない「すえきすえぞー」は、『俺の屍を越えてゆけ』、『みんなでワイワイ!スペランカー』、『フリージア』等から再生できてしまう。 他にも上述のチャッキー改めラッキーは『昔の名前で出ています』や『大人の事情』から出現する。 通信対戦がオートのみ、かつCOM操作での技使用頻度の増加 実機ではマニュアルvsマニュアルも可能だが、通信対戦では相手側は必ずオートとなり、公式大会もオートのみとなっている。また(オート含む)COM操作でのガッツ40以下で技を撃たない条件が廃止されたうえに、技を撃つ頻度も上がった。 その代わり他機種、そしてのちに発売されたDX版とも通信対戦が可能になっている。 オート戦が主体となったことで、対人戦を重視する場合には移植版前作以上に技の調整(*36)、そしてガッツ回復の速さが重要になった。逆にガッツ回復が遅いが技が優秀なので強かったモンスターは「ガッツ補正はガッツを貯めている場合に多く働く」仕様と「ガッツ回復をあまり待たず、技を撃つ頻度が上がったCOM操作」という仕様と相性がかなり悪い。 ただしガッツ回復が遅い=完全にオート戦に不向き…ではないことが、のちの大会の結果でも示されている。 オート大会における環境 第一回大会の能力制限大会では決勝トーナメントで8体中メタルナーが6体という異常な事態に。(残り2体はライガー種とウンディーネ) 公式側もさすがに問題に思ったのか、第二回大会からはメタルナー使用禁止という対策が取られ、メタルナー種のみの大会開催という救済(?)措置が取られた。 その後の大会ではフルパラメータ大会ではパニッシャー(ナーガ種ノラモン)が、能力制限大会ディアナリパー(ナーガ種ピクシー派生)、カムイ(ライガー種ノラモン)が猛威を振るった。 これらガッツ回復速度至上主義でその中で技性能が強いモンスターばかりの環境…かと思いきや、能力制限大会では著しくガッツ回復の遅いゴーレム種、モノリス種が結果を残しており、流行のモンスターの上位占有率こそ高いものの、それ以外にもチャンスがあることを示した。それでも種族格差は(メタルナーを除いても)見て取れるぐらいには大きい。 能力制限に関してはステータスの割り振りによっての「型」があり、初期技がほとんどちから技という点と、オートで使わない技を指定できないという点から ちから技主体になりやすく、不安定な回避を切り三点特化した「ライフちから命中型」と回避というチャンスを狙う「ちから回避型(*37)」が主流。初期技二つのうち一つがかしこさ技のウンディーネによる「かしこさ回避型(*38)」もベスト8入りを何度か果たしている他、環境がある程度進んでからは打ち合いメタ型の「丈夫さ型(*39)」、最後まで生き残っていれば判定勝ちがほぼ確実な「ライフ1回避型(*40)」という特殊な型も考案された。 また型そのもののメタとして、ナーガ種、ライガー種などの高性能な命中技を持つ種族が「回避型」の天敵として、ゴーレム種などの開幕初期位置からライフ999だろうとワンパンできる(*41)種族が「ライフちから命中型」の天敵として機能した。 そして相手も同条件とはいえ、普段の命中などに加えて、あまり賢くないCPU操作の運による部分が非常に大きい上に1戦終了(*42)であるため、運要素が大きすぎる点を問題視する意見もある。 有料DLCによる改善と価格設定 完全版となる『1 2DX』発売後同月、すでに発売されていた本作もDXでの一部仕様追加、変更の恩恵を受けることができる有料DLCが追加された。主な内容は、海外版追加モンスター追加、高速動作モード追加、原作BGMに変更機能追加で980円。 だがその『1 2DX』の『2』は本作の仕様にDLCの要素も加えて、冬眠枠が+10、育成履歴確認可能、アイテム表示方式変更、そして『2』では980円となるセーブ枠開放とのセットとなり、本作のデータも引き継げる。 そして『1 2DX』の定価は3520円、対してこちらは本体無しで不完全なDLCを買いそろえるだけで1960円になるのはすでに購入しているユーザーには不親切にも思える。 スマートフォン版には『1 2DX』は無いため、どうしてもスマートフォンでプレイしたいならそちらは買いそろえる意味はある。 問題点(移植版) 要求なしおねだりの修正方法 最大のデメリットであるストレス上昇は無くなったものの、要求なしおねだりが発生したことを告げる挙動は引き続き起こる形で修正され、ユーザーの混乱を招いた。 ストレスの細かな増減は検証しないとわからないため、挙動だけを知っていると「直っていない」と捉えて不満に思われるのも当然だったが、検証によりストレス増減が無く、起こっても問題ない現象と判明した。 「挙動を残さずにおねだりもしない」もしくは「挙動を直せないなら別の要求アイテムにする」のがユーザーが混乱しない解決方法ではあったため残念なところ。 おねだりに応えることによるメリットがある(*43)ため、その効果がおねだりをせずに発動したことの確認ができるよう挙動を残した、という可能性も一応ある。メリット部分の検証自体が難しいこともあるため未検証ではあるが…。 体型による変化 本作の売りの一つとして体型変化の実装があるが、『1』と比べるとまるで実感が湧かないのはそのまま。しかも一部はオリジナル同様体型の変化しない仕様で、調整を放棄している。 その適用されたモンスターもよく見ると変化が分かるレベルでしかない。移植版の売りとして発表されてはいるが、売りというほどの追加要素になっていない。 体型の見た目調整のアバウトさとは裏腹に、最終調整時の体型調整は厳密化されてしまった。 戦闘での計算が全て実数値で行われるようになったことで、回避と丈夫さが999の場合「体型による回避、丈夫さの上昇・下降補正」があるため、体型値が中間値から1でもズレていると999で計算されなくなり、体型の最終調整が非常に難しくなった。 アイテムが複数買い可能になったがそれ以外の『1』からの劣化点はそのまま。現在の最大保有可能数の表示なども追加されていない。 アイテムはオリジナルと同じく個数ではなく一つ一つで管理され、買う際に調整(*44)しないとアイテムを探すのが面倒。手持ちの数も把握しづらい。もっと言えば最大保有可能数は変わらない。 1週に1度しか使えない仕様を考えれば最大20個は十分とも言えるが、移植版はふたごの水さしの強化により、所持継続で効果を発揮するアイテムの価値が増加。以前は割り切っていたユーザーでも多数抱え始めると枠が少なく感じる場面が多くなっている。 細かく言えば最大保有数はゲームバランスにおいては、その所持継続アイテムの数、バーゲン時の買い貯めの数、冒険の持ち帰りの数という点で関わる。バーゲンはともかく、ふたごの水さしの強化、極まった冒険の稼ぎの良さを考えると、拡張に慎重になる姿勢もわからなくもない。 利便性においてはショップに通う手間、そして有力な大会、冒険専用アイテムのストックしやすさの面で関わってくる。専用アイテムに関しては大会、冒険専用モンスターを用意すれば多少のリセットで年1での取得は無理なくでき、大抵はモンスター1体につき1個あれば問題はないため、手間の面では若干面倒な程度か。 しかし例外として、使用する際は1体に複数使う「パラドクシン」が貯め込み辛いのは非常に手間。 BGMの劣化(DLCで改善) 本作ではサウンドがリマスター処理されている。よってSEなどは綺麗になっているのだが、オリジナル版で評価されたBGMはリマスターというより打ち直しになっている。しかも打ち込みサウンド感が目立つ。 本来ならオーケストラサウンドのようにも聞こえる荘厳な曲だったが、本作のものはチープさが目立つという評価が多い。タイトルBGMがそれとは異なり原作にあってもおかしくない曲なだけに何故既存曲だけそうなってしまったのか。 先の通り本作のBGMはシリーズ随一の人気を誇る。このため思い入れの強い人も多く、「内容はいいのにBGMのせいで酷く萎える」という声すらあるほど。 後に有料DLCを追加することで、原曲BGMが選択できるようになった。 ただし追加モンスター+高速動作モードとのセットとなるため値段は980円とそれなりにする。 冬眠モンスターの最大数が10のまま シリーズ最大のモンスター数である本作に対して少なく、拡張してほしいとの声もあったが、特に改善が無かった。 移植版は通信対戦、特殊な再生モンスターが多数、更に期間限定再生モンスターも追加されたため、移植前以上に枠不足を感じやすい。 本作は『1』の移植版と同じくセーブ枠購入がある。冬眠枠を増やしたければセーブ枠を購入してデータを複製して増やせばいいということなのだろう。代替案としては万全とは言えず、不便なことに変わりはない。 原作の「STARTボタン」にあたる部分を潰して実装したメニューについて。 これは『1』の移植でも同様であったが、名前入力の際に使う元のSTARTボタンがこのメニューで潰れているので、相変わらずややこしい仕様となっている。他に使っていないボタンもあるのだが、何故ここを潰してしまったのか。 発売当初のダメージバグ(改善済) 発売後しばらく、ダメージ計算の際に丈夫さ・ちからorかしこさによるダメージ減算が無いという状態が続いた。そのため低いちから・かしこさでも大ダメージを与えることができ、回避型が絶対的に有利だった。現在ではアップデートで改善済。 わざわざ発売前の変更点紹介ページを設け、その一つ目が「プールバグの修正で丈夫さ型、モノリスも大活躍」という売り文句だったにもかかわらず、移植版では丈夫さが戦闘では一切効果が無いステータスという事態に、当時のユーザーは(改善されるだろうとは言われていたが)乾いた笑いをするしかなかった。 その他、所々で原作での不具合や不自然な数値など細かい部分が修正されておらず、それどころか逆に悪化しているものもある。移植前のバグの多さと修正具合を考えると努力は見て取れるが、まだ不十分な部分は残っている。 修正意見の公募という発売前の動きから、ユーザーからの指摘を受け入れる姿勢自体は良かったが、少ない意見、もしくは意見に無い部分の調査、調整作業が甘かったようにもとれる。 例えば上記の「ふたごの水さし」の強化はユーザーからの指摘が多かったために修正の対象になったが、同類の効果で疲労を回復できるアイテム「アルテミス像」の方は割合設定(疲労-3%)のまま、冒険専用の同類アイテムと共に修正されていない。 ただアルテミス像に関しては発動条件の「月初に疲労34以上」という状況に効率育成の場合でもなるため、効果は薄いが変更前のふたごの水さしほど回復効果を期待できない代物(*45)ではなかった。効果が-1%の「ディノのしっぽ」には流石にテコ入れをするべきだっただろうが…。 二大陸対抗戦の大会に出場するモンスターは原作では「かしこさ」と「丈夫さ」の数値が逆であったために正しい数値になったのだが、新規で登場しているモンスターまでも反転させてしまっているので、それらは逆に不自然な能力にされてしまっている。 上記の「ラッキィ」の能力も結局は修正されていないという扱いも同然。「逆に開き直っている」ような対応で、「悪ノリし過ぎ」「ちゃんとしたステータスのラッキィと戦いたかった」という声も挙がっている。 モンスターの習得技の中で技の性能や系統に対して明らかにおかしなガッツ消費の数値となっている技も修正されていない。 例としてチャッキーの「だましコンボ」という技はその前段階で覚える下級技のガッツ消費が16と低いのに対し、42と明らかに性能に見合っていない数値になっており、本来の数値は24だったのを打ち間違えたのではと推測されるが、ユーザーから指摘の声は少なかった。 総評(移植版) 対戦の仕様など移植版特有の問題が、仕様上の問題からか解決できていないのは否めないが、雰囲気を損なわず、オリジナル版で見られた不具合やバグの類は、事前の宣言通りきっちりと解消されている。 結果、オリジナルと比べて遊びやすくなった完全版と言って遜色ない出来に仕上げられており、旧バナナ育成の廃止により大成功育成にシフトする必要のあるモンスターも出たものの、ゲームとしての完成度はより上がっている。 後に発売された『1 2DX』が移植版のDLC含めた完全版となっているため、現在買うならSwitch版はこちらではなく『1 2DX』版一択といっていいが、どうしてもスマホで遊びたい場合はこちらの出番となる。 既存のファンの満足度も高い一方、せっかくの良調整にもかかわらず微妙に手の届かない要素があるのも確か。また、先の通りオンライン対人戦(有人)は仕様上の問題から公式の機器だけでは不可能(*46)となっているのは惜しまれる。 このせいで、せっかく開かれた大会運営にもケチが付いてしまったことは大きな問題と言えるだろう。 そもそも、長らくファンが新作を待ち望んでいるシリーズだけに、移植版『1』からして、完全新作でないことを惜しむファンが多かったことも事実。 前作と本作(の移植版)のフィードバックを活かして、新たなナンバリング作品が待ち望まれている…というのが現状であろう。 余談(移植版) 前作の移植版と同じく、(全機種合わせて)10万ダウンロードを越えるヒットとなった。(公式Twitter) カップリング完全版となる『モンスターファーム1 2DX』がSteam版も含め発売された。Switch版はセーブデータも引き継ぎ可能。購入済の移植版『2』も後付けで一部DX仕様にできるDLCも発売されている。 これら移植版の成功の影響からか長らく止まっていたモンスターファームシリーズが再び動き出すことになり、ソーシャルゲーム『LINE:モンスターファーム』、『2』をベースとした派生作品のウルトラ怪獣とのコラボ作品『ウルトラ怪獣モンスターファーム』の発売が発表されるなど、嬉しい発表が続いている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8479.html
G-MODEアーカイブス10 想ひでシリーズ お祭りづくし 【じーもーどあーかいぶす10 おもひでしりーずおまつりづくし】 ジャンル お祭り堪能ゲーム 対応機種 Nintendo Switch メディア ダウンロード 発売元 ジーモード 開発元 シークス 発売日 2020年8月6日 定価 500円(税込) プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象) セーブデータ 1個 判定 なし ポイント 10個のミニゲーム集手軽だがお祭りと関連のないゲーム性 G-MODEアーカイブスシリーズ 概要 特徴 屋台の遊び 季節限定の遊び 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 原作は、フィーチャーフォンにて展開されていた『想ひでシリーズ』の4作目『想ひでシリーズ お祭りづくし』。 縁日の遊び10種類をミニゲームに落としこんだ作品をそのままSwitchに移植したもの。 特徴 基本ルール 2Dの鳥瞰図で表された神社境内を歩き回り、縁日の屋台で展開されるミニゲーム集を遊ぶといった内容。 屋台で遊ぶためには原則でお小遣いが必要。 ゲーム内には春夏秋冬の季節があり、境内から出ると季節が変わったうえで再度お祭りを遊びなおせる。 季節がかわる度に2000円もらいなおせる。余ったお小遣い次回の季節への持ち越しは不可能。 想ひで日記 遊んだゲームのハイスコアや、解除した実績が記載されるコーナー。 ゲームのスコアに応じて、腕前「師範」「プロ級」「一人前」「初心者」「下手っぴ」などがつけられる。 はじめて出店で遊ぶ、ハイスコアをとる、NPCに話しかけまわるなどをすると実績として「思い出」が蓄積されて書き込まれていく。 初回に遊ぶときは、屋台の店主が遊び方を教えてくれる。 基本十字ボタン、左スティック、Aボタンで遊べる。 屋台の遊び 金魚すくい 十字ボタン・左スティックでポイを動かし、Aボタンですくう。 Aボタンを押したタイミングでポイの真上にいた金魚を捉えることができる。 ポイは使うたびに耐久力のゲージが落ちていき、0になるまでどれだけ金魚をすくえたかを競う。 ポイントは低い順から、和金、黒出目金、らんちゅうとなっている。空振りすると減点。一振りで複数の金魚を捕まえることも出来る。 ヨーヨー釣り 十字ボタン・左スティックで釣り糸を左右に動かし、Aボタンで釣り糸をたらす。 流れてくるヨーヨーにタイミングよく釣り針を当てることで自動的にヨーヨーを釣り上げる。 ヨーヨーは釣るとポイントとして数えられる。青、赤、緑、黄色、紫色の順にポイントが高くなっていく。また高ポイントのヨーヨーほど流れていくのが早い。 ちょくちょくクワガタムシが飛来してくる。釣り上げている途中のヨーヨーにクワガタムシがあたるとヨーヨーを落としてしまう。 制限時間制だが、空振りすると即終了。クワガタにヨーヨーを落とされても終了とはならない。 ソース煎餅釣り 15枚積まれたソース煎餅を串刺しにして吊り上げる遊び。 0からMAXにまで増えていくゲージを目押しして、針を落とす威力を調節するゲームである。 15枚のソース煎餅を貫通して机まで刺してしまうと即失敗。 初回以外は、吊り上げるべき枚数を「○枚以上」あるいは「○枚以下」という形で指定される。指定された枚数以外のソース煎餅を刺すと即失敗。 「○枚」が何枚になるかは毎回ルーレットで決める。 指定された「○枚」をぴったりと刺すと加点となる。 輪投げ 輪が左右に移動するのでAボタンを押すと輪を投げる方向を決定。 その後、画面右に表示されるゲージをAボタンの目押しでとめて、投げる強さを決定する。 射的 プルプルと震える照準を十字ボタン・左スティックで動かして、Aボタンで球を発射。6発まで撃てる。 棚から落とすことで得点。大きいものは落としにくいがポイントは高い。 空砲は減点。的の中央をきちんと射抜かないとカス当たりとなり空砲と同等の扱いになる。 ゲーム開始前に、どの棚を狙うか選べる。 型抜き カタヌキに類する操作は一切必要なく、実際は画面右側の緑色のゲージを見つつカタヌキの力を調節するゲーム。 Aボタンを長押ししている間は、力を現す赤いラインが上下する。この赤いラインが緑色のゲージ内に収まるようにキープし続ける必要がある。 緑色のゲージは太くなったり細くなったり、上に上がったり下に下りたりする。 カタヌキに用いる煎餅には耐久度があり、緑色のゲージから赤い線がはみ出ているとどんどん耐久度が低下。0になるとカタヌキ失敗。 残り耐久度、成功したラインの本数、挑戦した型の難易度を加味して得点がつけられる。 屋台の店主が「完璧なカタヌキを作れば買い取る」旨の話をしてくれるが、実際は買い取ってくれない。 スマートボール 十字ボタンの下を押している間はゲージが蓄積させ、下ボタンを離すと蓄積したゲージのパワーでボールを打ち上げる。打ち上げられたボールはパチンコ台のように釘が打ち付けられた板をくだっていく。 途中にある3×3の穴をふさいでいくと得点。またビンゴの要領でふさいだ穴が縦横斜めのどれかそろうと得点。 9つあるすべての穴をふさぐと得点が2倍になる。またこのときボールを多く残しているほうが得点が高い。 季節限定の遊び こちらは無料でできる。 餅つき 春限定の遊び 臼の中で転がる餅を十字ボタンで中央に押し返してからAボタンで突く、といった工程を繰り返す。 制限時間制であるが、時折紙飛行機が飛んできており、杵でついてしまうと即終了。 盆踊り 夏限定の遊び 音ゲーのようなもの。 ↑↓←→のマークが流れてくるので、タイミングよく押していく。 コンボがつながった数、リズムの正確さで得点をもらえる。 打ち上げ花火 夏冬限定の遊び 太鼓の達人みたいなゲーム。 花火球(黄色)と爆弾(黒)が流れてくるので、タイミングよく花火球が来たときはAボタンで打ち上げ、爆弾は↓ボタンで除去する。爆弾を間違えて打ち上げると即終了。 その他 ミニゲームではないが、カキ氷やたこやき、おみくじを購入できる。 食べ物を制覇すると日記に記載される。 おみくじは結果に応じて、残りのお小遣いが増えたり減ったりする。例として、大吉を引くと残りお小遣いが500円プラスされる。 屋台や木の陰に隠れているおじさんがおり、見つけるとお小遣いをくれる。 評価点 手軽さ 基本Aボタンやや十字ボタンだけで操作できる。 屋台やミニゲームをする際、Aボタンで話しかける必要はない。立ち寄ると自動でゲームを遊びたいかどうかの選択画面に切り替わる。 美術関連 お祭りのような小気味良いBGMが流れる。 主人公の服装や神社境内は春夏秋冬で様変わりする。春には桜が咲き、夏は涼しい夜にぎやかな屋台の光が映え、冬にはかまくらが建てられる。 屋台のおじさんとの人間くさい会話 ゲームでいい成績をとったとき、大抵の屋台のおじさんは賞賛しつつも悔しがってくれる。 賛否両論点 やりこもうとするとガチなプレイが要求される ミニゲームの成績は想ひで日記に記録される。 想ひで日記のコンプリートを目指そうとすると、屋台の遊びの高難易度版をほぼ完璧にこなさなくてはならない。 500円のゲームだが、やりこみを楽しめるならかなりのボリュームに感じられるかもしれない。 どのミニゲームも、パーフェクトプレイで得点が2倍になるという採点方法をしているため、高得点をとりたい場合ミスが一切許されない。 やりこみ要素といえる点では評価点だが、何度も10種類もあるミニゲームをやらされることを考えると一概に評価点といえるのかは微妙なところ。 春夏秋冬の季節ごとに、すべてのNPCにひととおり話しかける、すべての屋台にひととおり話しかけるなど、地味に面倒くさい解法条件をしているものも。 想ひで日記の実績解放条件も、最初から書かれているわけではなくヒントでにおわすのみとなっている。 運に左右される場合がある ヨーヨ釣り、射的、金魚すくいは高得点となる的がたくさんいるとは限らない。 釣り上げる回数、射的で撃てる弾の数などは固定なので、プレイヤーの腕だけでなくどんな的にめぐり合わせとなるかで、得られる得点も左右されがち。 問題点 ミニゲームが縁日の出店ならでは遊びとして再現されていない 評価点の裏返しにもなるのだが、操作性がシンプルすぎるせいで、お祭りの遊びの再現になっていないケースがある。 餅つき、盆踊り、射的と金魚すくいはまだいいが、輪投げや盆踊りはお祭りの風景と無関係なところでミニゲームが繰り広げられる。 最たる例がカタヌキ。カタヌキをやっている最中、カタを一切見る必要は無くひたすら画面右端のゲージを注視するだけのゲームとなっている。 障害物として紙飛行機やクワガタが飛んでくることもあるが、いまいちリアリティが感じられない。餅つきをしているところでわざわざ紙飛行機を飛ばす人なんているのだろうか。 ゲームの説明が不十分だったりする 初回に限り説明はしてくれるものの、不十分感が否めない。Lボタンを押せばいつでも遊び方を確認できるが、そこでの説明もざっくりしており、実際にプレイしつつ覚えることになる部分も多い。 何回同じ遊びをしたところで特にペナルティはないが、遊び方をちゃんと覚えるために1000円ぐらい使ってしまうことはありうる。 ポイントを競うゲーム性が強い 捕まえた金魚・ヨーヨーといったものをコレクションできるわけでもない。 「想ひで」をコンセプトにはしているものの、結局縁日を再現したミニゲームであるというだけで別段懐かしさを感じられるような内容ではない。 焼きそばを買ったりできるが、結局、想ひで日記に反映されるだけのギミック。想ひで日記を埋めるために、何回か買うことになるが実に作業的。 秋祭りが若干さびしい 秋祭りだけ、季節固有の遊びがない。神社も紅葉に染まってはいるが景色としてはそれくらいしか面白みがない。 祭り開始時に、主人公の少年が、お小遣いをもらったことやお祭りへの意気込みをモノローグで語るが、毎回飛ばすことが出来ない。 やりこみを求めるゲーム構造をしているため、上記のモノローグを下手すると百回程度は見ることになる。 総評 お祭りらしさや懐かしさに関して、不足に感じられる部分はあるが、十字ボタンとAボタンだけでにぎやかな縁日のミニゲームを楽しめる手軽な作品となっている。 さらに実績やハイスコアを記載する「想ひで日記」システムのおかげで、安価ながらもやりこみの余地はかなりある。 余談 『G-モードアーカイブス』展開以前に、2009年11月25日にDSiウェアで『カタヌキ』というタイトルで移植されていた事もある。 ただし、内容は「型抜き」「ヨーヨー釣り」「ソース煎餅釣り」の3ゲームのみ収録で、「想ひで日記」のようなやりこみ要素も未収録というもの。 本作と同様にフィーチャーフォン版の移植であるため、操作性に関しても問題点にある通り実際の遊びの再限度とかけ離れたものとなっている。よりにもよって『カタヌキ』というタイトルでリリースしているため、如何にもタッチ操作で遊ぶ型抜きゲームかと思っていたら、ゲージをみてボタンを長押しするだけという非常にガッカリ感が漂う内容となっている。詳しくは該当項目にて。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/490.html
ファミコンジャンプ 英雄列伝 【ふぁみこんじゃんぷ ひーろーれつでん】 ジャンル アクションRPG 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 3MbitROMカートリッジ 発売元 バンダイ 開発元 トーセD D 発売日 1989年2月25日 価格 6,500円(税抜) 判定 なし ポイント 当時のジャンプ人気連載作品のヒーローや悪役大集合連載終了作のキャラクターも多数登場ゴールキーパーに反らされる「んちゃ砲」や「無想転生」ジャンプを読んで心を清らかにしよう 少年ジャンプシリーズ 概要 あらすじ 参戦作品 戦闘システム 評価点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 少年漫画誌『週刊少年ジャンプ』の創刊20周年記念企画。フィールド及びダンジョンの全てがトップビュー画面で構成されるアクションRPG。 当時連載中だった人気作品のキャラクターたちが一堂に会するクロスオーバーものの作品である。 アイテムを手に入れたりお使いをしてジャンプ戦士を集め、ジャンプワールドの征服を目論むピッコロ大魔王を倒す事が目的。 ジャンプ人気も手伝い、ジャンプ作品を題材にしたFCソフトでは『ドラゴンボール 神龍の謎』に次ぐ売上数で、ミリオンヒットを達成している。 あらすじ 主人公の少年が週刊少年ジャンプを読んでいると、突然ジャンプの中に吸い込まれ、ジャンプキャラの住む世界「ジャンプワールド」へ飛ばされてしまう。そこで出会ったマスコット・キャプテンギャオの話では、今までやられてきた無数の悪役キャラの怨念が集まって世界に反逆を始め、ピッコロ大魔王率いる悪の軍団がジャンプワールドを乗っ取ろうとしているという。少年はこれを阻止すべく、ジャンプワールド中に散ったジャンプ戦士達を集める冒険に出た。 参戦作品 + プレイヤーキャラとしては16人参戦。 作品 仲間になる勇者 (時代) NPC 敵 北斗の拳 ケンシロウ (現代) リン、赤シャチ※ モヒカン(雑魚)、ヒョウ、カイオウ ついでにとんちんかん 間抜作 (現代) 毒鬼警部(雑魚) ドラゴンボール 孫悟空 (現代) 占いババ、ヤムチャ、ブルマ、ウパ、カリン様、神様、クリリン、亀仙人 レッドリボン軍(雑魚)、桃白白、レッド総帥、ピッコロ大魔王 シティーハンター 冴羽獠 (現代) 槇村香、野上冴子 銀狐(雑魚)、伊集院隼人(海坊主(雑魚)) Dr.スランプ 則巻アラレ (過去) 則巻千兵衛、山吹ミドリ、ターボ君 キャラメルマン○号 聖闘士星矢 ペガサス星矢 (現代) ドラゴン紫龍、アンドロメダ瞬、城戸沙織 雑兵(雑魚)、アルゴル(雑魚)、カミュ、シュラ、デスマスク、アフロディーテ、サガ 魁!!男塾 剣桃太郎 (現代) 江田島平八 塾生(雑魚)、雷電、飛燕、月光、伊達臣人 男一匹ガキ大将 戸川万吉 (過去) ゴッドサイダー 鬼哭霊気 (現代) 瑠璃子、大日輪行仁 ハルパスの息子(雑魚)、ハルパス、リリス、パズス ジョジョの奇妙な冒険 ジョセフ・ジョースター (現代) エリナ・ジョースター、スピードワゴン 石仮面(雑魚)、サンタナ ドーベルマン刑事 加納錠治 (過去) 荒野の少年イサム イサム (過去) キャプテン翼 大空翼 (現代) 県立海空高校野球部員山下たろーくん 山下たろー (現代) アストロ球団 宇野球一 (過去) キン肉マン キン肉スグル (過去) バッファローマン、ネプチューンマン きまぐれオレンジ☆ロード 鮎川まどか、檜山ひかる キャッツ アイ 来生瞳 トイレット博士 角南 燃える!お兄さん 国宝ケンイチ、国宝雪絵 リングにかけろ 高嶺竜児※、高嶺菊 ゼウス ハレンチ学園 柳生みつ子(十兵衛) ウイングマン ウイングマン(広野ケン太)※、葵、美紅 リメル ハイスクール!奇面組 一堂零、河川唯 シェイプアップ乱 寿乱子、原宗一郎 THE MOMOTAROH モモタロウ ウラシマまりん こちら葛飾区亀有公園前派出所 両津勘吉 包丁人味平 塩見味平 サーキットの狼 風吹裕矢※、早瀬左近 よろしくメカドック 風見汐 キックオフ 永井太陽※、川村由美 父の魂 南条丈太郎 銀牙 -流れ星 銀- ※印はミニゲームでプレイヤー操作 + ラストバトル登場悪役一覧 キャラ名 作品名 大豪院邪鬼 魁!!男塾 Dr.マシリト&キャラメルマン7号 Dr.スランプ キン肉マンスーパーフェニックス キン肉マン 峠球四郎 アストロ球団 ジノ・ヘルナンデス キャプテン翼 帝王ライエル ウイングマン ラスネール伯爵 ゴッドサイダー ヒゲゴジラ ハレンチ学園 エシディシ ジョジョの奇妙な冒険 赤カブト 銀牙 -流れ星 銀- 双子座のサガ 聖闘士星矢 ラオウ 北斗の拳 マジュニア ドラゴンボール 戦闘システム フィールド上に敵シンボルがうろついていて、一定範囲に近付くとシームレスに戦闘になるシンボルエンカウント。 1人vs敵1~2体のアクション戦闘。 フィールド戦闘の攻撃手段は全プレイヤーキャラ共通で、連射が効く近距離攻撃・連射が効かないが遠くから攻撃できる遠距離攻撃の2種。 近距離攻撃はこちら側のみ1回のパンチで2~3回ヒットすることがあるなど、一応プレイヤー有利になっている。 敵の行動パターンはキャラによって異なり数種類のタイプがある。 普通に近付いてきて近接攻撃するタイプ、変わった近付き方をして近接攻撃するタイプ、距離をとり軸を合わせてひたすら遠距離攻撃してくるタイプ、軸を合わせて高速移動で突進してくるタイプ、歩かず瞬間移動と遠距離攻撃を繰り返すタイプなどがある。 近距離タイプ、ダッシュ攻撃タイプ、瞬間移動タイプの敵相手なら近距離攻撃だけでも充分ノーダメージで倒せる。トリッキー接近タイプか遠距離タイプの敵が最も手強い。 プレイヤーキャラの遠距離攻撃が再使用可能になるまでの補充時間は主人公の「こころ」の善悪に依存しており、「しょうねんジャンプ」を何度も買って読むことで心を善に引き上げ、連発できるようになる。 たまに悪人顔をした善人(一見敵だが襲ってこず、一呼吸置いた後に会話になる)が居ることがあり、これを間違って倒してしまうと一気に心が悪に染まる。戦闘に入った瞬間に攻撃する為ボタンを連射していると高確率で誤殺しやすいという罠。 また、筋斗雲に乗るたびに心が少し悪に傾く。原作の「心が綺麗な者しか乗れない」という設定は何処へ。 恐らく安直に雲に乗りまくられないためのバランス調整なのだろう。 エリアは全部で5つに分かれており、基本的にエリアのボスを倒さないと次のエリアに移動しても町などの施設には入れない。 例外はエリア4とエリア5で、この2つのエリアのみボスを倒さなくても各施設に入ることが出来る。 仲間自体は多いものの、一度に連れられるキャラはそのエリアで仲間にしたキャラ二人まで。 別のエリアへ移動したりタイムスリップすると仲間は自動的に外れ、そのエリアのその時代の仲間のみ呼び出して連れていける。 近距離攻撃力と遠距離攻撃力はキャラ毎に異なる。 例えば最初にすぐ仲間にできるケンシロウは遠近ともに主人公の2倍の威力を誇る。 上で「1人vs敵1~2体」と説明してある通り戦闘で参加できるのは基本的に1人のみだが、仲間キャラは攻撃力が高い上に体力も別々なので仲間がいればその分楽になる。 + ラストバトルの仕様について(※ネタバレ注意) 最大の山場であるラストバトルは「これまで仲間にした勇者たち最大16人総結集」VS「悪役13人の反逆同盟」。コマンド選択型戦闘による1VS1勝ち抜き戦。 各キャラ2~3種類の技と通常攻撃があり、技を使うとポイントを消費する。 技ポイントがある程度減ると攻撃力が半減してしまい、さらに減ると4分の1の攻撃力になってしまう。 ジャンプの勇者たちにはキャラによって名称が異なる「熱血」「ギャグ」「ヒーロー」といったパラメータがあり、これが最終決戦における各キャラの技の消費ポイントになる(内容は同じため、まとめて「努力値」や「経験値」と呼ばれることもある)。 主人公は決戦に参加できない代わりに「どりょく」を仲間の技のポイントに変換可能(*1)。 「こころ」が基本状態だと悪役が通常攻撃の6割分の防御力を持つ。主人公の心が悪に傾くと敵の防御力が増え、事前に少年ジャンプをたくさん読んで善に傾けておけば敵の防御力は0になる。 基本的にキャラの相性勝負。相手と使う技によってお手軽に大ダメージを与えられる事もあれば、ほとんどダメージを与えられない事も(*2)。 それでいて、相性の良い組み合わせは原作キャラ同士よりも全く関係ない組み合わせが有利の場合が多い。原作キャラ同士をぶつけると多くの場合苦戦して技ポイントが万全なら消耗しながら勝てるという対等な戦いになりがちだが、これは原作で多かった「死闘の末に勝利」という展開を再現した設定と言える。 有利な組み合わせはほぼノーヒント。一応電話ボックス(ファミコン神拳110番)で数少ないヒントをいくつか聞くことは出来るが、残りは手探り。なお、攻撃相性(相手へのダメージ率)と防御相性(自分へのダメージ率)がそれぞれ別々に設定されており、極端な例では、相手へ大ダメージを与えつつ自分はほとんどダメージを受けない完全有利な相性や、逆に相手から一方的に大打撃を受ける不利な相性、どちらも攻撃力が高い一触即発な相性、逆に双方ともカス当たりしかしない泥仕合になる相性などがある。 逃げて別キャラで仕切り直しできるため、1ターン戦って相性が悪ければ逃げて別キャラを選んで再戦というのが基本戦略になる。 正解が一通りということはなく、不利な組み合わせでも意外なキャラが意外な反応をしたりと、手探りの楽しさもある。 適当に後半まで勝ち抜いて一旦有利なキャラを知ってしまえば、パスワードから再挑戦するとあまり消耗せずに勝ち抜けるので残りも楽になり難易度はさほど高くない。特に最初の4人は相性最悪の組み合わせでも勝てるくらいに難易度が抑えられていて後で使うと決めたキャラを除外した人選で勝ち進めるバランスになっている(もっとも5人目に最強ボス候補である後述のヘルナンデス君が立ち塞がるわけだが)。 仲間にした勇者が少なかったり、仲間を全然育てていないとライフや技ポイントの仕様により最終決戦の難易度が跳ね上がって通常攻撃による技ポイント節約といった戦術まで必要になってくる。 ちなみに、どのキャラでも戦えるわけではなく、組み合わせによっては相性どころか戦闘前に対戦相手に勝負を断られてしまい、戦ってすらもらえない。 ヒゲゴジラに対して教師相手に手をあげられないと戦闘拒否する剣桃太郎&戸川万吉、赤カブト(殺人熊)のことを罪のない動物とみなす霊気、その赤カブトにただ一人だけ無視されるジョジョ、いきなり尻見せや変態ギャグが通用しないヘルナンデス(日本語のギャグがわからないらしい)、死兆星を見た事のある奴多すぎな味方陣(*3)といったツッコミどころも多い。 戦える相手が少ないキャラだと悪役13人中6人としか戦闘できない。逆に最も多い星矢は13人中12人(*4)と戦える(*5)。 また仲間キャラの性能差も大きい。 悟空やアラレはほとんどの敵と安定した相性で戦えて即死させられる相手もいる。ただし悟空は体力が減ると空腹になって弱体化する特性があるため、連戦させるともう一勝できると思いきや脱落ということも。 消費は多いが高威力を繰り出せる無想転生を持つケンシロウ、瀕死になると攻撃力が上がる山下たろー、仲間が1人死ぬと強くなる加納錠治、火事場のクソ力で高威力攻撃しつつ瀕死になっても体力回復するキン肉マン等はそこそこ強い方。 対して、威力が乏しく得意な敵もほとんど居ないイサム、攻撃が弱い上に無条件でランダムに攻撃をミスるジョセフ(*6)などの極端過ぎる格差には疑問が残る。 このラストバトルで最強と恐れられたのは、実はラオウ様でもマジュニアでもなく、5番手として登場するジノ・ヘルナンデス。 それというのも、あらゆる攻撃を一定の確率で無効化or反射するという無茶苦茶な特殊能力の持ち主であるため。しかも反射確率と相性は一切関係ないため、相性の良いキャラが反射されると逆に大ダメージを受ける。このせいで抜け道は存在せず、当たることを祈りながら最強技を使い運任せで瞬殺を狙うしか手立てがないが、それすら跳ね返されてケンシロウなど相性の良いキャラが秒殺される、というのもよくある話である。 一応、ヘルナンデスからのダメージを抑えつつ、自身の攻撃は控えめなダメージの球一をぶつけることで、やや時間はかかるが安定して戦うことは可能。 また、11番手となる聖闘士星矢のサガも、幻朧魔皇拳により自分自身を攻撃させられるためヘルナンデスの反射と同じ脅威があるが、こちらは「技」として1ターンを消費する上に「次の自分の攻撃に効果が出る」ため通常攻撃等で対策しやすく、操りそのものが失敗することもあるのが幸いか。 ただしサガに先手を取られた状態で操られるとそのターン内で自身の攻撃を食らってしまうため、この点だけはやはり注意が必要。 1番手なのでまず負ける心配はないが相性の良さに応じて逆に与えてくるダメージも大きくなり体力を削ってくる大豪院邪鬼、一定確率で攻撃を無効化するテレポーテーションと、不死身ゆえに倒しても何度も復活して戦闘が長期化する(*7)7番手のデビルサイダーラスネールなど、地味に消耗が大きくなるボスもいる。 評価点 上記の通り、とにかくプレイアブルとして使える仲間キャラの数が多い。悟空やキン肉マン・ケンシロウなどの80年代のジャンプを支えた看板キャラからイサムや戸川万吉といったジャンプ黎明期の看板キャラまで多彩。戦闘員だけでなく、非戦闘員も『きまぐれオレンジ☆ロード』等、バトル要素が無い作品も含め合計33作品から登場している。 本作は「現代の世界(20周年(1988年)当時に連載中だった作品のキャラが登場する世界)」と「過去の世界(連載終了作品や、長期連載作品のキャラの世界)」に分かれており、古い懐かしのジャンプキャラ達も過去世界に登場している。 オリジナルキャラはジャンプ読者の主人公の少年のみで、他の登場キャラは原作のキャラで揃えられている。ザコ敵もモヒカンや毒鬼警部、海坊主など原作キャラの姿である(一部キャラは同時に何人も登場する)。 キャラクターの顔グラフィックは特徴を捉えており、よく再現されている。 各ステージのボス戦など多彩なミニゲーム + ミニゲーム ボクシングゲーム・格闘ゲーム的なバトル 1面ボス戦 ケンシロウvsカイオウ リングにかけろ 竜児と菊のミット打ち 3面ボス戦 聖闘士星矢 星矢vsサガ:上中下段の攻撃と防御がある 4面ボス戦 ジョセフvsサンタナ:攻撃命中時にボタン連打で波紋を送り込む。波紋が不足していると消化されてダメージを受ける。 縦スクロールSTGのボス戦的なバトル 2面ボス戦 悟空 獠vsレッド総帥inバトルジャケット ウィングマンvs帝王リメル:道中ステージもある 5面ボス 主人公vsピッコロ大魔王 その他 ドラゴンボール カリン様を捕まえる試練:3箇所のどこかに現れるもぐらたたき的なミニゲーム 男塾 頭墨印:ヘルメットとハンコを用いたもぐらたたき対戦。 穴が8方向あるが斜めは入力できないただの時間潰し。 シティーハンター 香から逃げる獠を見つける サーキットの狼 vs早瀬 レース勝負 ジョジョの奇妙な冒険 油が噴き出る柱 潜水艦 (北斗の拳の赤鯱の船がなぜか潜水艦という本作独自設定) キャプテン翼 PK戦 たろー君 野球9回裏サヨナラホームラン クリアにあるアイテムが必要な為最低1回は失敗しないといけない。 キックオフ 永井太陽 川村由美 リフティング勝負 ターン制コマンド選択のラストバトル 問題点 『ゼルダ』と『ドラクエ』を足して2で割ったような微妙なシステムに、グラの質の低さ、テンポの悪さ、キャラは多いが世界観の統一性の無さと、取りあえずにぎやかではあるがまとまりはない。 メインキャラ16名の内、格闘漫画などのアクションものの漫画作品からのキャラが8割を占めるため、アクションRPGというジャンルもあながち悪いものではないのだが、正統派なコマンド型RPGスタイルを期待していた人にとっては肩透かしな内容なのは否めない。 もっとも当時は、「平面2Dの正統派コマンドRPG」というだけで「ドラゴンクエストのパクリ」という理不尽なバッシングが広がりだした時代でもある。コマンド型RPGの双璧と称される『ファイナルファンタジーシリーズ』もまだ2作目の頃、制約の多いキャラゲーながら模索に挑んだと好意的に見る事もできなくはない。 「取りあえず歴代ジャンプキャラを一つの世界にぶちまけてみました」といった異常な世界観。 『スパロボ』の様な最低限の作品間のすり合わせといったものも特にない。ジャンプ作品関連で言えば、遊戯王のカードの精霊が暮らす精霊界のようなタイプの世界観である。 とはいえ、元から週刊少年ジャンプの読者がジャンプの世界に迷い込んだという世界設定であり、ジャンルは格闘アクションものやギャグもの、世界観も現代ものから荒廃した未来、架空の世界など、原作のジャンルや世界観にかなりの幅がある以上、スパロボのように各作品が同一世界に存在しているという設定にするのはいささか無理はあるのでそこは仕方ないだろう。 原作再現とは程遠いイベントの数々(*8)。もっとも、キャラ自体の性格などは原作を重視しており、キャラ崩壊はあまり無い。 ただし「毒鬼警部」と「海坊主」が雑魚キャラ扱いなのは原作を無視しすぎている。前者は警部の職務に従っているだけで汚職など一切してないし、後者に至っては獠の良きライバルなので決して「悪役」ではない。FCのドット数で表現しやすい悪役顔+知名度故の抜擢と思われるが、この2人よりは「東郷十三(抜作を殺そうとした暗殺者)」とか「ジェネラル(ユニオンテオーペの幹部)」など、知名度をかなり落としてでも適任の選択肢があったかもしれない。 フィールド戦闘で遠距離攻撃タイプの敵には近距離攻撃するのは非常に効率が悪いので、距離を取りつつ横移動で敵の飛び道具を回避して、または地形を利用してハメて、遠距離攻撃をチマチマ当てるという戦法になってしまう。 心の善悪が下がってると遠距離攻撃が再使用になるまでの時間が長く、遠距離攻撃タイプの敵との戦闘が長引いてしまう。 最低値だと再装填に5秒くらいかかる。 なお最高値だと再装填よりも遠距離攻撃が敵に届くまでの時間のほうが長いくらい早い(撃った遠距離攻撃が画面から消えるまで次弾は出せない)。 戦闘中にポーズをかける事ができない。(移動中やミニゲーム中なら可能) 当時のゲームではおなじみのパスワード記録方式なのだが、パスワードが40文字と結構長い。 ちなみに、体力や死亡状態は記録されていないので、パスワードで再開すると減った体力は全快するし、死んでいても生き返る。場合によっては多少面倒でも回復手段として重宝する。 ただし、努力値は端数が切り捨てられてしまうため、中断するタイミングによっては稼ぎが多少無駄になってしまう。また、心が1段階悪になる。 アイテムを1種類につき1個までしか持てない(同じアイテムを複数所持できない)。 特に、回復アイテムである「おにぎり」と「コーラ」を一つずつしか持てないのは良くも悪くも難易度に関わる。 エリア5ではレストラン(回復ポイント)やコンビニエンスストア(ショップ)が無いので、回復が必要になれば他のエリアで購入したおにぎりとコーラ(*9)、あるいはドラゴンボールでの復活に頼る事になるため、余計に面倒。 死んだ仲間は、エリアに散らばっているドラゴンボールを集めて神龍を呼ぶことで蘇生可能。ただしドラゴンレーダーで逐一探す必要がある為、モノリスでパスワードを取得して再開したほうが早いかもしれない。 既に持っているアイテムを買った場合、アイテム重複の警告もなくお金だけが減り、当然アイテムはもらえない。 説明書には「キャプテンギャオからのタメになるお話」のコーナーで「それぞれのアイテムは1つずつしか持てないから、欲張ってもムダなコト。」と記載。 『Dr.スランプ』と『ドラゴンボール』の2作がかなり優遇気味。どちらもシステム面やイベントでの起用が多く、当時のバンダイがいかに鳥山明作品におんぶに抱っこだったのかが見て取れる。 死んだ仲間を生き返らせる手段は各地に散らばるドラゴンボール、通貨はゼニー、過去の世界へ行く手段はタイムくん、主人公の空中移動の手段は筋斗雲、超神水を飲む事がボスと戦う条件になったり、といった感じ。 挙げ句の果てにアクション面の大ボスがピッコロ大魔王で、ラストバトルの大トリもドラゴンボールのキャラクター。 そのラストバトルでも、悟空とアラレは全体的に有利なキャラが多く強キャラ。さらにこの二人はラストバトルの特定ボスへ対しての一撃必殺技も持つ。 戦闘システムの項にもあるが、ザコ敵と同じ姿の味方(メッセンジャー)がおり、見た目は全く同じのうえに戦闘開始後に話し出すまで全く区別がつかないため、連打しているとうっかり殺して「こころ」を悪に傾けてしまいやすい。 なお、一般男性や老人など、明らかに味方とわかるキャラは、接触しても攻撃できないため、過って殺してしまう心配は無い。 最終決戦について + ネタバレ注意 敵役の人選がヒゲゴジラ、エシディシ、ラスネールなど一部微妙な面子。 ハレンチ学園は作品自体はドラマが大ヒットし一世を風靡するほどの作品であるため、何らかのキャラを出す必要はあったのだろうが、主人公ではなく主要どころとはいえ脇役のヒゲゴジラ。ただし「いちばん人気があったのが、いちばん悪い先生のヒゲゴジラでした。次が十兵衛で、主人公の山岸くんは3番目。」という人気順なので、1人だけ出演させるなら納得の人選ではある。なお、彼は唯一ジャンプオールスター作品に出演しエロゲーにも登場しているというキャラである。 ジョジョ第二部出典のエシディシはジョセフを存分に苦しめた強敵だが、第二部でも最大の宿敵と言えるワムウや大ボスのカーズに比べてどうしても見劣りする。なおエリア4でジョジョと戦う大ボスはサンタナ。第二部の連載時期と本作の開発期間の都合で出しづらかったとも言えそうであるが、それはそれでなぜ敢えて第一部ではなく第二部から出したという話になってしまう。もっとも代わりに第一部からジョジョ最大の宿敵ともいえるディオ・ブランドーや強敵ポジションのタルカスやブラフォード、または同じ第二部のワムウorカーズなどが登場したとしても悟空がいる以上、誰を使ってもエシディシと同様に 太陽拳で即お陀仏にされてしまう可能性が高いと思われる。 そんな彼等を見せられても威厳がダダ下がりになってしまうので、ある意味ではエシディシあたりで正解だったのかもしれない。 今でこそゲーム化やアニメ化等といったメディアミックスも盛んでバンダイも関わりが深い「ジョジョの奇妙な冒険」であるが、上で述べられている様に本作ではどうにも扱いが悪い。ラストバトルにおいても相性の良い相手がおらず、挙げ句の果てには カセットに描かれているジョジョはゲームに登場する2代目ジョジョこと「ジョセフ=ジョースター」ではなく、初代ジョジョである「ジョナサン=ジョースター」になっている 等…。 後述される様に、関連したミニゲームは「サンタナ戦」と「地獄昇柱(ヘルクライム・ピラー)」と 何故か2種類も収録されているが…。 ラストバトルの大ボスとの相性を鑑みるに、どうやら当時のバンダイ、もしくはジャンプ編集部は同じロマンホラー作品でも「ジョジョの奇妙な冒険」よりも 「ゴッドサイダー」を推していた 様である…と邪推されてしまう。 『ジョジョ』が強さのインフレから決別したのは第3部以降の話で、第2部の時点では基本的に後に出た敵キャラのほうが強い印象を持たれる前提で話が組み立てられていて、これは第1部ラスボスのディオに対する第2部の中ボスとて例外ではない。ディオにスタンド設定が付いてテコ入れされて第6部までを貫く宿敵扱いになったのは第3部以降の後付け設定で、第2部の時点ではディオの強さに吸血鬼設定以上の裏付けはなく、その吸血鬼設定も第2部の柱の男の設定の前ではただの雑魚扱いだという点には注意する必要がある。 北斗の拳からは世紀末覇者ラオウ様が登場し、カイオウは1面の大ボス扱い。まあ人気面で見ればラオウに軍配が上がるのは仕方ないのだろうが。 サガは3面の大ボスを務めたのに、ラストバトルにも再登場する。ラオウ同様にBGMが切り替わる終盤戦ボスという特殊な配置であり、作品人気とキャラ人気によるものだろうか。 この作品を取り上げるときに一番突っ込まれやすいのがゴッドサイダーのラスネール。一応、敵としては手ごわい相手ではあったものの直前に別な敵に一蹴されたりするなど立場的には中途半端な存在である。 原作との不整合 ラオウの無敵の拳「天将奔烈」が「北斗剛掌波」の下位扱い。(ただし原作ではケンシロウが回避もせずラオウの天将奔烈をまともに受けても、服がボロボロになる程度の効果しかなかった。) 「キン肉マンスーパーフェニックス」の「マッスルリベンジャー」が上からヘッドバットするニセモノ仕様(*10)。 翼の「ダイビングヘッド」が「バイシクルシュート(オーバーヘッドキック)」よりも上位になっている。 作中ではオーバーヘッドキックは翼、日向など使える者が限られていたのに対しダイビングヘッドは井沢や石崎なども使ったことがあるため技の難度としても劣り、ゴールの決定率でもオーバーヘッドキックの方が高かった。 総評 20周年記念ということで、大人気の漫画作品のキャラクター達が一堂に会するお祭りゲーとして制作されたものの、肝心の練りこみが足りず荒削り過ぎもいいところな出来で、今一つなゲームシステムに歴代のジャンプ作品をぶちまけた奇怪なゲームとなってしまったのが非常に惜しまれる。 しかし、昭和のジャンプ黄金期という恵まれた素材を原動力に、お祭りゲーたる魅力を当時としてはマックスに引き出したとさえ言える破天荒な最終決戦のインパクトで強く印象付け、今もなお語り草にされるほどの作品でもある。 そんなノリも含め、いかに当時のジャンプが勢いに乗って突っ走っていたかが垣間見える一作と言えるのかも知れない。 その後の展開 続編として『ファミコンジャンプII 最強の7人』が発売されている。 8年後に『こちら葛飾区亀有公園前派出所 ハイテクビル侵攻阻止作戦!の巻』『こちら葛飾区亀有公園前派出所 中川ランド大レース!の巻』が出た際、原作漫画で本作を「キャラゲーのご多分に漏れず大味なゲーム」「時空を超えたおもちゃ箱をひっくり返したような不気味なゲーム」「悪乗りして『II』まで出た」などと振り返りネタにしている(単行本105巻「やったぜ!ゲーム化の巻」に収録)。 ちなみに両津はこの作品では非戦闘キャラで、しかも過去の世界(過去のジャンプ連載キャラが登場する世界)の住人という酷い扱われ方。ただし続編では主人公の一人になった。 その出番だが、話しかけると「この材料で何かうまいものを作ってくれ」と材料をいきなり渡され、その後『包丁人味平』の味平が調理してくれた料理を持っていくと、なんと 落とし物の44マグナム(拳銃)をくれるというもの。作中でも「落とし物なんだから持ち主に返してあげようよ」とツッコミが入っている(なお、この拳銃は加納錠治(ドーベルマン刑事)の落とし物であり、彼に渡すと仲間になる) 余談 1989年のファミコンソフトはドラクエやマリオといったキラータイトルが発売されなかったため、ミリオンセラーは本作1つのみに終わった。つまり本作はこの年発売のファミコンソフトの中では売上本数トップであり、平成初のミリオンセラーを達成したソフトということになる。 ただそれでもこの年のファミコンソフト売上の累計では3位で、前年10月発売の『スーパーマリオブラザーズ3』がダントツすぎて2位の『テトリス』共々マリオ3には大きく水をあけられた。 上記のようにミリオンヒット作品ではあるが、過剰出荷により当時はワゴンセールの主となってしまっている。 当時としては珍しくコンビニでも売られていた。 ゲーム内の「しょうねんジャンプ」は価格は170ゼニーだが、これは発売当時の週刊少年ジャンプの価格が170円だった点からきている。 本作と『II』は『ファミリートレーナー』シリーズと同じ形状のカートリッジを採用しており、通常のファミコンカートリッジより縦の幅が2倍ほど長く、「FAMICOM JUMP」「BANDAI」と刻印された黒いカートリッジになっている。 ファミコンでは珍しく裸の女性キャラが出るというお色気シーンがある。 ファミコンのドット絵という事と少年誌並の表現という事もあり、そこまで際どくは無いが。 実はタイムくんさえ入手できれば裏技でラストバトルに挑めるバグが存在している。 仲間3人だけで挑めるが、勝てるかどうか以前の問題として戦闘できない組み合わせがあるので、最後まで勝ち進むにはアストロ球団の球四郎と戦えるキャラが1人必要になる。 なおバグ利用なしだと最少で仲間5人でのゲームクリアが可能。 編集者~編集長~取締役として少年ジャンプを現在の地位に導いた立役者であり、本作にも登場しているDr.マシリトのモデルとしても有名な鳥嶋和彦氏は、本作の出来に問題があったと考える旨を『Vジャンプ』20周年記念のインタビュー漫画で述べている。 漫画内では「ワーストゲームはフ○○○○ ○ャ○○だね!」「あのクソゲーは本当に申し訳なかった」などと遠慮のないコメントを連発し、「誰か止めて!」と周りを慌てさせていた。 なおこちらの記事での茨木政彦元編集長の証言によると、鳥嶋氏は元来ゲーム好きで早くからファミコンの特集記事を企画するなどしていたとのこと。 別冊で出た「ファミコン神拳(ホーム社/集英社)」より、このゲームの裏事情が語られる。 元々は橋本名人こと橋本真司氏(当時バンダイ所属 元スクウェア・エニックス役員)の企画。「漫画によってゲーム化しやすいものし難いものがあるため、ゲームの印税で作家さんに差がついてしまう。それなら全員組み入れて、印税配分の計算式を作って、ファミコンジャンプを出せば、ゲームにしにくい漫画の作家や担当編集を救う事が出来る」という物。 一部では本作品の発売日は2月15日という説があるが、これは間違いである。当時のゲームカセットカタログ本の誤植がきっかけで広まったと思われる。詳しくは個人ブログの記事を参照。 復刻ゲーム機である『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ50周年記念バージョン』公式サイトに収録された際、発売当初は日付の記載は2月25日と合っていたものの発売年を「1988年」と誤植していたが、2021年2月26日付けで訂正された。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3415.html
スターラスター 【すたーらすたー】 ジャンル シューティング+RTS 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売・開発元 ナムコ 発売日 1985年12月1日 定価 4,666円(税別) プレイ人数 1人 セーブデータ なし レーティング CERO A(全年齢対象) 配信 バーチャルコンソール【Wii】2008年3月4日/500Wiiポイント(税5%込)【3DS】2013年11月27日/500円(税5%込)【WiiU】2015年11月4日/514円(税8%込) 判定 良作 ポイント 当時としては画期的な疑似3DSTG+RTS早過ぎた名作 UGSFシリーズリンク 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 移植版 概要 パソコン黎明期にあったシミュレーションゲーム『スタートレック』を大幅にアレンジ、疑似3Dシューティングの要素を加えた作品。 スタートレックはターン式だったが、本作は刻一刻と戦況が変化するリアルタイムシューティング的な要素があるため、ジャンル分けが難しいゲーム。 特徴 ストーリー 『ボスコニアン』戦後、自らの都合のよい宇宙を形成するためビッグバンを起こそうと企む謎の勢力「バッツーラ」。対抗するために開発された最新鋭戦闘機「ガイア」を駆って、バッツーラを撃退せよ! 画面表示と操作方法 画面は、自機のコクピット内からの視点で表示される。 画面上部のキャノピー部分からは外の景色が見え、これが疑似的な3Dシューティング画面になっている。 下部にはレーダー画面や各種情報パネルが配置されており、セレクトボタンでレーダーの表示を切り替えることができる。 □マップモード このモードでは画面下部のレーダーに自機(△)、基地(B)、惑星(*)、敵軍団(E)などが大きく分けて8×8のエリアに表示される。 シミュレーションゲームにおける戦略画面である。 惑星と基地は敵に隣接されると攻撃され黒くなり最終的に撃破され消滅する。 下側にはDATEと4桁の数字で経過時間数が表示される。 十字ボタンでカーソルを移動、Aボタンでカーソルの地点にワープ。Bボタンで光子魚雷を発射する。 ワープの際にも距離に応じてエネルギーを消費する。光子魚雷は離れた敵部隊を攻撃でき数発で敵部隊そのものを壊滅させられる(*1)強力な武器だが、弾数が少なく補充も困難(後述)。 このモード中は自機の操縦ができない。 モード切替自体は敵の眼前でも行え、そのままワープで離脱することも可能だが、操作中も敵に攻撃されるためリスクが高い。 □コンバットモード このモードでは敵や基地・惑星などの位置が点で表示される。 レーダーの▼部分が自機の視野範囲で、これに対象物が入るように機体をコントロールする。 十字ボタンの上下左右で旋回、Aボタンを押すことにより加速前進する。Bボタンでキャノピー中央の照準(ガンクロス)に向けてビームを発射。 敵弾は上下もしくは左右にうねる独特の軌道を描いて飛んでくる。基本的には自機を旋回させて回避することになるが、ある程度の慣れが必要となる。 加速前進やビーム発射、シールド(後述)回復にはエネルギーを消費する。 自機 残機制ではなくシールド制。シールドで攻撃を防ぐとエネルギーを消費し、再びシールドを展開する。 ただしシールドを展開する前に連続してダメージを喰らうか、一部の強い敵の攻撃を喰らった場合は機体のパーツに破損が生じる。破損によるデメリットは2種類あり、軽度の破損(DA)ではそのうち片方、重度(NG)では両方出てくる。 エンジン(ENG):故障するとシールドが出なくなるか、Aボタンの加速前進が極端に遅くなる。最も危険。 レーダー(RAD):故障するとマップモードの情報が狂う(データが更新されなくなる)か、コンバットモードのレーダー画面のオブジェクトが点滅して見辛くなる。結構まずい。 コンピュータ(COM):故障すると光子魚雷が撃てなくなるか、照準(ガンクロス)が消える。ゲームに慣れていればあまり深刻ではない。 敵編隊には必ず球体の敵「ディスラプター」…スター・ウォーズのアレにそっくりな強敵がいるが、こいつの攻撃が直撃すると必ずパーツが故障する。特に紫、黒編隊の奴から撃たれると、シールドがパワーアップしていない限り一撃死する(パワーアップしていても連続被弾による死の可能性がある)。 敵編隊の強さは色で分けられており、青→灰→紫→黒の順で強くなっていく。そのため最初の敵遭遇で紫を引いてしまった場合、上記の様に一撃死の恐れが十分ある。 マップ上に出てくる編隊は紫までで黒は本拠地である「暗黒惑星」直属部隊のみ。また敵編隊の耐久力によって撃破の為の光子魚雷の使用回数が変わる。 ゲームモード ゲームモードは以下の3つからなり、モードに応じて敵味方の数や難易度が違う。 トレーニング(TRAINING):基地と敵編隊があるだけの簡素なモード。敵は最弱の青と中間のグレーのみ。 コマンド(COMMAND):惑星を守りつつ敵の殲滅を目指すモード。最強の敵編隊である紫が加わる。 アドベンチャー(ADVENTURE):バッツーラの本拠地「暗黒惑星」の破壊を目指す、ゲーム本編といえるモード。最も難易度が高い。 攻略 + 詳細 マップ上には敵編隊、惑星、基地、アステロイドベルト(小惑星帯)がランダム配置されている。 敵編隊は放っておくと惑星や基地に攻撃を仕掛け、やがては破壊してしまう。状況はリアルタイムで変化するので、「どのようにして惑星や基地を守るか」が非常に重要となってくる。時には見捨てる覚悟も必要。 4箇所あるアステロイド帯の内2カ所(ランダム設定)に、それぞれ"DALTO"、"BARRIER"というアイテムが隠されている。DALTOはアステロイドを外さずに8個連続、BARRIERは32個破壊(こちらは外してもよい)する事によって得られる。 DALTOは敵編隊の惑星やベースに対する攻撃力の低下、BARRIERは惑星の耐久力回復効果があるため場合によっては狙ってみるのも手だろう。 敵の位置にワープすると敵編隊との戦闘になる。 基地や惑星の位置にワープしドッキングすると(ある程度近づいて画面中央のガンクロス内に捉えしばらく待つ)、様々な恩恵を受けられる。 但し惑星や基地がワープ直後に視認できる事はほとんど無いので、移動の概念が判っていないと見つけるだけで一苦労(一応、コマンドモードまではレーダー内の範囲にワープする)。素早く目標を見つけドッキングするための移動方法を体で覚える必要がある。 基地に立ち寄ると、エネルギーの補給および機体の修理ができる。 また基地毎に1度だけ、パワーアップ効果を受けられる(ビームの威力アップ、エネルギー量アップ、シールド強度アップ、光子魚雷8発補充のいずれか)。パワーアップをしていないと強敵との対戦は困難。 惑星は立ち寄ると連絡機を出すだけだが惑星が攻撃を受けていた場合、ダメージをリセットする事ができる。 ADVENTUREでは敵部隊を一隊壊滅させる毎に、惑星から1つキーを貰うことができる(惑星に直接行って貰ってくる必要がある)。 但し光子魚雷で撃破するとカウントされない。7つのキーを集めた後水色の星へ向かうと、暗黒惑星の位置を教えてもらえる。 そのため、まだキーをもらっていない星が破壊されてしまうと暗黒惑星の座標を教えてもらう事ができなくなる。 座標を教えてもらえるのは一度きり。しかも表示された座標(1ドット)に正確にワープしなければならない。 但し暗黒惑星自体はゲームスタート時に存在しており(レーダーには映らない)、正しい座標にワープすれば戦える、このためスタート直後に暗黒惑星を撃破することも可能である(機体のパワーアップは必要だろうが)。 一応暗黒惑星の場所には敵編隊は侵入できないのでレーダを注意深く観察すればある程度は推測できる。 「RAD、COM、ENGのいずれか1つがNG状態」かつ「エネルギー残量がゲージの1/10以下」の状態でコントローラー2のABボタンを押しながらマイクに音を拾わせることで、スターノイド(*2)を呼び出せる。 ガンクロスを合わせる事で、故障の修理とエネルギーを半分まで補給してくれる。ただしガンクロスを合わせる前に画面の外に出してしまうと、そのまま消えてしまうため要注意。 なお、場所は問わずどこでも呼び出せるため、暗黒惑星との戦いなどでは役立ってくれるかもしれない。 ゲームの終了条件 敵軍団を全て破壊すれば勝利となる。 アドベンチャーモードのみ、暗黒惑星を破壊した後にその空域の敵を全滅させること(暗黒惑星を破壊しても残った雑魚にやられるとゲームオーバー)により真のエンディングになる。 以下の場合は敗北となり、ゲームオーバー。 自機がシールドの許容範囲を超えてダメージを受け破壊される。この場合のみビッグバンの演出が入る。 自機のエネルギーが0になる。 全ての惑星が破壊される。 ゲーム終了後に評価が下され、点数に応じて階級が示される。 点数は敵の撃破や消費した燃料や時間、残存する惑星&基地の数に応じて変動する。最高位の階級は事実上暗黒惑星を破壊しなければ得られないようになっている。 評価点 臨場感 本作の視点はコクピット内部からの視点である。当時はまだ自機を外側から眺めて操作するシューティングゲームが多い中、本作はあたかも自分が実際に搭乗しているかのような感覚を与えてくれる。 一応、後年及び後発・高性能ハードのゲームでは本作と同じコクピット視点の「スペースコンバットシム」がいくつか出ている。 機体を旋回させると外の光景はめまぐるしく移動する。攻撃を喰らえばダメージ音と共に画面が明滅し、コクピット全体が揺れる。見るからに痛そうである。敵弾を躱すため、機体を急旋回させる機会は多い。自然と操作にも力が入ってしまう。また、敵機のグラフィックも前面・後面と描き分けられており敵機が前面を向けて迫ってきたり後方を向けて視界から逃れる等の演出もリアリティを高める。 「思わず体を傾けてしまうような」臨場感、それが本作の醍醐味である。 戦略性 真のエンディングを見るには、リアルタイムで変化する戦況に応じて星や基地を防衛したり、あるいは見捨てるなどの戦略を立てる必要があり、シンプルなインターフェイスでありながら、3Dシューティングとストラテジーシミュレーションを上手く実現している。 問題点 当時としてはゲームシステムが斬新・複雑過ぎた。 「3D空間を移動している」という概念を理解することからこのゲームは始まる。当時はほとんど例が無く斬新ではあったが、ファミコンのメイン購買層である小学生にはハードルが高過ぎた。また、説明書にアドベンチャーモードでのキーワード取得に関する説明が一切無いなど、複雑なシステムにも拘わらず開示情報が少なく、ゲームの本質が理解され難かった事も評価を下げる要因となった。 一応販売当時、制作会社に問い合わせる事でナムコが制作した「攻略本」が送られたらしいが、それは制作陣が作った物ではなく営業・宣伝広告セクションのスタッフが制作した物だったという。 銀河を守るのが自分1人しか居ないのに、開始時点で複数の惑星が敵に囲まれているような詰み配置がどうしても出てくる。シチュエーション的には燃えるが、基本的にはリセットゲー。 マップ生成は完全にランダムのため、最初のマップ配置の時点で既に詰んでいるような場合もある。なので、気に入ったマップが出現するまで何度でもリセットしてやり直すと攻略し易いが、リセットから瞬時にゲームが立ち上がるファミコン時代ならではだったといえる。オープニングのメッセージとファンファーレ画面すらSTARTボタンで飛ばすことができる。 リセットが容易いファミコン版はまだしも、ハイスコア集計がされていた業務用(VSシステム)では洒落にならない仕様だった。 マップ上の敵編隊の色、ガイアがパワーアップできるベースの配置は実は固定であるため、パターンをメモするなどして覚えていれば少しは楽になる…かもしれない。 暗黒惑星に到達する条件が非常に困難で、最終的に運も絡む。 そして暗黒惑星では黒いディスラプターが雑魚として登場、一撃のダメージが大きい上暗黒惑星自身もほぼ同じ攻撃力で攻撃してくる。そして鬼のように耐久力があるので根気と一発も喰らわない回避力が必要となる。 暗黒惑星は視界から外れると耐久力がリセットされるという血も涙もない仕様である、このため常に視界に入れたまま攻撃を避けつつ撃ち込む必要がある。 また、その間にも敵部隊は他の惑星を攻撃しているため、全ての惑星を破壊される前にクリアしなければならない。 なお、暗黒惑星を破壊する前に通常敵を壊滅させるとゲームが終了してしまう。そのため、真のエンディングを見るには通常敵を1編隊は残しておく必要がある。 基本的にゲーム中ではBGMが流れない。 SEは響くので無音ではないが、若干寂しい感じを受けるかもしれない。 しかし暗黒惑星に到達すると初めておどろおどろしいBGMが流れ、撃破した時のファンファーレは感動を呼ぶものとなる(*3)。 レーダーの見方がわかりにくい。 惑星や基地の宙域ではレーダーを頼りに対象を探すのだが、レーダーの見方がわかりにくく、ここで躓くプレイヤーが相当数いた。 敵がいる宙域であれば敵が自機に向かって来てくれるため問題はないが、惑星や基地は動かないため自分から探しに行く必要があり、探し方を知らなければどうにもならない点は大きな問題である。 レーダーの見方については一応説明書に書いてあるが、書き方がわかりにくく、そもそも中古購入などで説明書すらない場合は、ワープアウト時に対象が運よく視界に入っていたりしない限りは、対象を見つける事はほぼ不可能であった。 総評 システム面では斬新であったが、操作方法の難解さ、ルールの複雑さからあまりにもハードルが高過ぎた。そのため、発売当時は多くのプレイヤーからはクソゲーの烙印を押されていたが、ゲームのルールが理解されるに従い再評価されていったという経緯があり、「早過ぎた名作」という声がよく上がる。 余談 後にTVで放送されたCMでは、暗黒惑星でのバトルシーンが挿入されている。 漆黒のディスラプターが襲いかかる映像は非常にインパクトがあった。しかしこの映像、例えるならRPGのラスボス戦を公開しているようなものである。 ナムコは本作以外にも多数のSFシューティングを製作しているのだが、後に発売されたソフト『スターイクシオン』にて、それらの設定がまとめられ、共通の世界設定を持つようになった(ページ冒頭の「UGSFシリーズリンク」を参照)。 近年ではバンナムのUGSF設定担当者が(後付という形ではあるが)様々な裏設定などを取り付けている模様。例えば『ガイアの形状が敵の戦闘機アレフと似ているのは鹵獲した物を流用していたため』などといった内容(*4)。 ケイブンシャの攻略本でイラストを担当しているのは、『空想科学読本』の挿絵で有名な近藤ゆたか氏である。 2018年に『カタログIPオープン化プロジェクト』のコラボ第二弾として、ケイブのスマホアプリ『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~』に擬人化&美少女化したガイアが登場。同イベントでは『ドルアーガの塔』からギルも出演。なお、ギルの方も例に漏れず美少女化済というブッ飛んだ物となっていた。 本作のルーツであるアタリの『スターレイダース』は、最初に発売されたホビーパソコンのAtari400/800用は本体のキラーソフトとなる大ヒットぶりだったが、その後発売されたゲームコンソールのAtari5200用は、元々がパソコンのキーボードを使って各種コントロールを行っていたのをコントローラ上のテンキーに割り当てて操作が難解になった上に、肝心のコントローラが設計上の問題で壊れやすかったため不発に終わった。 移植版 アーケード版(1985年、ナムコ) 任天堂VS.システムによる逆移植版として稼働。基本的にはFC版を踏襲しているが、ACでの稼働に合わせてシステムが一部変更されている(*5)。 2024年6月13日よりPS4/Switch用のアーケードアーカイブスにて『VS.スターラスター』のタイトルで配信された。「こだわり設定」にて画面にターゲットスコアとトータルスコアを表示させる事が可能。 X68000版(1994年8月26日発売、電波新聞社) X68k最末期に発売。FC版を忠実に再現したモードとアレンジモードを収録している。アレンジモードはグラフィック、サウンド共にオリジナル版から大幅に強化されている。 特にアレンジモードは制作スタッフのこだわりを感じられるもので、スターラスターの移植としては最も評価が高い。スターブレードのラスボス、コマンダーが出てくるというサプライズも(*6)。 PS版『ナムコアンソロジー1』(1998年6月4日発売、ナムコ) FC版を忠実に再現したモードとフルポリゴン化したグラフィックにBGM・ムービーが追加されたアレンジ版を収録している。 アレンジ版ではクリア条件が見直されており、「TRAINING」「COMMAND」「ADVENTURE(条件緩和)」「CONQUEST(原作のADVENTURE)」の4段階になっていて、さらに隠しコマンドを入れる事で超絶難易度の「URALUSTER」が出現する。 条件緩和されたADVENTUREは、「赤、オレンジ、黄色の惑星からキーをもらって水色の惑星に行き、その後に現れる暗黒騎士団(黒編隊)を倒せ」となっている。 アレンジ版ではレーダーの光点の色が対象の高さに応じて変わるようになっており、敵機や基地を格段に捕捉し易くなった。 タイトル画面で隠しコマンドを入力するとガイアのコクピットを変更する事もできるのだが、その内の二つがデコトラの運転席と、ちゃぶ台付きのお茶の間というバカゲーに片足を突っ込んだ物となる。 どちらも視認性が低下(*7)するため、相対的にゲームの難易度が上がる。上記のURALUSTERと合わせた上で最高評価(*8)を獲得するのは至難の業。 VC版(2008年3月4日配信、バンダイナムコゲームス) FC版の再現であるが、いわゆる「ポケモンショック」対策として一部の演出がカットされている(画面点滅→点灯に変更)。 ちなみに、GC専用タイトル『スターフォックス アサルト』(2005年2月24日発売、任天堂/ナムコ)で、ある条件を満たすことでFC版『スターラスター』を遊ぶことができる。 Nintendo Switch版『ナムコットコレクション』(2020年6月18日発売、バンダイナムコゲームス) DLC第1弾としてソフトと同日発売。まとめ買い2400円+税、単品300円+税。内容はVC版に準ずる。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6268.html
ライズ オブ ザ トゥームレイダー 【らいず おぶ ざ とぅーむれいだー】 ジャンル サバイバルアクションアドベンチャー 対応機種 Xbox OneXbox 360Windows 7~10プレイステーション4macOSLinux メディア 【One】BD-ROM【360】DVD-ROM【Win/macOS/Linux】DL専売ソフト【PS4】BD-ROM 発売元 【One/360/Win(公式)】日本マイクロソフト【Win(Steam)/PS4】スクウェア・エニックス【macOS/Linux】Feral Interactive 開発元 クリスタル・ダイナミックスEidos MontrealNixxes Software(Win/PS4/360版)Feral Interactive(macOS/Linux版) 発売日 【One/360】2015年11月12日【Win】2016年1月29日【PS4】2016年10月13日【macOS】2017年4月12日【Linux】2017年4月19日 価格 【One/360】7,452円【Win/macOS/Linux】7,344円【PS4】7,344円(全て税8%込) レーティング CERO Z(18才以上のみ対象) 判定 良作 トゥームレイダーシリーズ 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 女性冒険家ララ・クロフトの冒険を描く『トゥームレイダー』シリーズの据置作品第13作目。 前作『トゥームレイダー』でリブートを果たした新規メインシリーズの第2弾にあたる。 前作のシステムをさらにブラッシュアップし、サバイバル要素を拡充。探索とシネマティックなゲーム展開のバランスを改善している。 当初はXbox独占タイトルとして発表されていたが、後にPS4版とWin版も発売された。2017年にはMacOS版とLinux版も発売されている。 ストーリー 孤島から生還したララは、前作での体験から父が研究していた「不死の秘宝」の存在を確信していた。 父の遺した手がかりを元にシリアの遺跡を訪れたララの前に謎の一団が現れる。 彼らこそ、前作の事件の裏で暗躍していた謎の組織「トリニティ教団」であった。 命からがら逃げ出したララは、遺跡で得た情報を元に仲間のジョナと共にシベリアへと向かい、険しい雪山に隠された遺跡を訪れる。 特徴 当時の標準的なTPSに乗っ取った操作方法の、クライミングやジャンプ要素の強いアクションゲームであり、ワンボタンで周囲の景色が瞬時にモノクロ基調に変わりその中から意味のあるオブジェクトだけが着色されるインスティンクトという探知システムが搭載されている……など、基本的な要素は前作を踏襲しているが、前作で受けた批判を元にブラッシュアップが行われている。 サバイバル要素の拡充 前作では動物を狩ったり木箱を探っても、スキルの取得に必要な経験値や武器改造に必要なサルベージが貯まるだけで細かい違いはなかったが、今作ではそれぞれで異なる「資源」が手に入るようになった。 また、特定の木やキノコを採取したり、鉱石を掘ることでも資源が手に入るようになった。 資源の中には時々現れるレアな動物からしか採取できないレア資源も存在する。 獲得した資源を消費して様々なアイテムを製作する「クラフト」が追加された。 クラフトで製作出来るのは主に「弾薬」と「装備」の2種類。装備を製作することで資源や弾薬の所持可能数が増えていく。 一部のアイテムは作成するための資源の他、特定のスキルを必要とするものもある。 前作同様、武器類のアップグレードも行えるが、これにも資源が必要となる。 クラフトはキャンプで行うが、弾薬は移動中も特定のボタン操作で製作可能。資源のストックがあれば自由に供給できるようになっている。 戦闘でダメージを受けた際には、自力で治療をする事で高速で回復できるようになった。なお治療するためには、特定の資源が必要になる。 新装備・新アクション 前作にも登場したロープアロー、ファイアアロー、グレネードアロー(*1)に加え、命中した場所付近に毒の煙を撒く「ポイズンアロー」が追加された。 他にも軟木に矢を刺して特定の崖を登れる「ブロードヘッド クライミング アロー」も登場。 前作で削除されたグラップルが「グラップルアックス」として復活。中盤から使用可能になる。 以前ほど万能ではないが、通常では届かない場所や特定のオブジェクトに縄付きのアックスを引っ掛けて谷を渡るといったアクションが可能に。装備が増えるごとに探索できる場所も増えていく、という楽しみがより拡張された。 崩れかけた壁をアックスで破壊するアクションが追加。 破壊すると資源が手に入ったり、新たな通路が見つかる場合もあり重要なアクションとなっている。 言語スキルが登場 今作では様々な言語が書かれた壁画やモノリスが設置されており、読むことでララの言語スキルが上がっていくようになった。 言語スキルが一定に達することでモノリスを読めるようになる。収集要素の1つとなっている。 ミッションが登場 特定の場面で後述する味方NPCから受けるか、マップ内のオブジェクトを破壊したり調べることで受注が可能で、クリアすると新しいアイテムを入手できたりする。 マップ内には、隠された遺跡のパズルを解いて報酬を得る「オプショナル チャレンジ トゥーム」が点在している。これは前作のシークレットトゥームの名称が変更されたものである。 前作同様、本編をクリアするだけならプレイする必要はないが、クリアすると特別なスキル「エンシェントスキル」を習得できるようになった。 エンシェントスキルは矢を2連射したり、資源を獲得できる植物をマップ画面で確認できるようになるといった便利なスキルが用意されており、またエンシェントスキルをすべて取得するのがクリア条件のミッションもある。 味方NPCとの交流 これまでのシリーズでも町中などを舞台に探索する場面はあったが、登場するのはほとんど敵だった。しかし、今作ではトリニティに敵対する住民たちがおり、ララに協力してくれる。 住民たちはララにミッションを頼んできたり、中にはトリニティから離反してアイテムを売ってくれるNPCも登場する。 アイテムを買えると言っても、武器パーツなどのショップ専用アイテムのみであり、資源など消費アイテムの販売はないためそれらは自力で集める必要がある。 オンライン対戦は削除され、代わりにオンラインランキング対応の4種類のサブゲームが追加された。 スコアアタック:一度クリアしたステージをリプレイし、スコアを競うモード。タイムボーナスなどの要素がある。 チャプターリプレイ:一度クリアしたチャプターをリプレイしするモード。 チャプターリプレイエリート:全ての装備を持った状態でチャプターをリプレイするモード。 残された者達の抵抗:戦闘を重視したバトルゲーム。ミッションエディタが付属しており、内容を自由に製作して配布することも可能。 全てのサブゲームは、プレイするチャプターと難易度を選択可能。また、チャプターごとに設定されたチャレンジをクリアするとゲーム内通貨のクレジットが手に入る。 クレジットを消費してカードパックを購入出来、サブゲーム開始時にカードをセットするとゲーム内容に変化をもたらすことが出来る(*2)。カードを使ってプレイするとボーナスが得られる。 なお、いらないカードは売ってクレジットにすることも出来る。 PS4版以降の追加要素 シリーズ20周年コンテンツとしてクロフト邸を探索する新ストーリー「一族の系譜(血の絆)」と、戦闘をメインとした「ララの悪夢」が追加収録されている。 これらはOne/360/Win版にもDLCとして配信された。後のアップデートでPS4版とWin版は「一族の系譜」をVR対応コンテンツとしてプレイ出来るようになった。 評価点 前作の問題点の多くを改善した 前述のように「動物などをわざわざ狩っても、手に入るのは他でも十分に入手可能な経験値に過ぎない」など前作では希薄だったサバイバル要素を拡充し、今回は様々な種類の資源をそれぞれ集めるのが重要になっている。例えば弾薬の所持数を拡張する袋が欲しければ特定のレア資源(毛皮)を落とす動物を狩りに行く、あるいは戦闘でポイズンアローを多用するのであれば現地で制作するために必要なキノコなどを集めておく……等々、プレイヤーごとの目的や戦略に応じて、広大なフィールドを生かした狩りや採集のモチベーションは多岐にわたる。 獲物を狩る際も、ポイズンアローや爆発物、トラップを利用できるようになり、リアルさが増している。 DLC「エンジュランスモード」を導入すると、生存日数を競うサバイバルゲームが追加される。このモードでは狩った獲物の肉を食べて空腹を満たしたり、疾病にかかるといった要素が追加され、よりリアルなサバイバルが楽しめる。 ステージを移動する際、前作では毎回同じような「爆発や落下などの危機からララが危機一髪脱出する」というパターンが続いたが、今作では改められて一部になっており、マンネリにならない程度のシネマティックな演出がバランスよく盛り込まれている。 前作で廃止された水泳アクションが復活した。 特定のイベント中を除いて水中に落下しても即死することがなくなり、快適性が増した。またステルス要素と併せて、水中に潜って敵兵士の目をやり過ごしたり、そのまま水中に引きずり込んでステルスキルができる場面もある。 また、シリーズおなじみのスワンダイブも復活している。 不評の多かったQTEもほとんど廃止された。 特定の場所へ行くといきなりカットシーンが始まりQTEが発生、すぐにボタンを押せなければ失敗して前からやり直し……というような理不尽な要素は全面廃止されている。 崖から落ちそうになったときやドッジキルを繰り出す際など、プレイヤーがアクションを起こしたタイミングで小規模なQTEが発生する程度になり、QTE要素の印象を大きく変えることに成功している。 ダッシュが可能になるなど、細かいところでのアクションの調整点も多い。 全てのキャンプでファストトラベルが可能になり、探索が楽になった(*3)。 前作では本編をクリアし、コレクションをコンプリートしたらやる事がなくなっていたが、今作ではスコアアタックなどのサブゲームが追加されたためやり込み要素がアップした。 戦闘の改善要素 要所で発生する戦闘でも、前作のように敵が無限湧きする場面がなくなり、強引に突破していく必要がなくなった。また今回は「こちらに最初から気付いている敵兵士たちと銃撃戦を余儀なくされる」という場面も減っており、ステルスでやり過ごしたり一人ずつ始末していくか、正面から撃ち合うか……といったプレイヤーの選択の余地が増している。 野生動物にも熊や大型のネコといったレアかつ凶暴な動物が登場。人間とは異なる機敏な動きで多少の攻撃をものともしない脅威となっているが、倒すことができれば有用な装備のもととなるレアな資源が手に入る。 一方、こちらも周りに落ちているビンや空き缶を改造して即席の火炎瓶やグレネードを作成できるようになった。これらは謎解きにも活用される。 前作では一度クリアしてしまうと敵が出現しなくなっていたが、今作ではクリア後にもリポップするようになったので戦闘を楽しみたいプレイヤーにも好評。 一部戦闘系の実績にも関わるので実績を解除しやすくなった。 4種類ある武器種(*4)のなかにもカテゴリ内で複数の武器が登場した。武器ごとに威力、連射力、リロード速度などに違いがあるため好みのものを使えるようになった。 資源を用いて武器の性能を改造していくアップグレードは、同じ武器種なら全ての武器に適用される親切設計。ただしアップグレードしても元々の性能に足されていくため、個々の性能差は保たれる。 チャレンジトゥームが大幅に強化された 前作では1つ謎を解けばクリアというトゥームが多かったが、今作ではゴールに辿り着くまで複数の謎解きを要するようになり、探索が楽しくなった。 謎解きのレベルも上がっており、前作終盤の風と扉の謎解きのような高難易度な謎解きも多数登場する。 さらに美麗になったグラフィック 前半の舞台となるソ連の基地は雪景色がメイン。雪など自然物の描写にも力が入っており、非常に美麗。中盤に訪れる地熱谷は地面から煙が噴出す本作の中では温暖な場所となっており、人も生活している。現在のグラフィック描画の限界近くまで挑戦したフィールドは起伏に富み、遠くまで続く素晴らしい眺めが見られる。 トゥームレイダーらしい遺跡の数々も、人工的な美しさと退廃性がよく描かれており、中には「高い天井まで届くような巨大な太陽系の模型」というシチュエーションの中を冒険することも。 前作同様、オープンワールドでこそないものの、フィールドが広大になっているため箱庭的な楽しさがある。システム的に各地に隠されたトゥーム、レリック、文献、資源……を探して報酬を得るモチベーションがプレイヤーの側にもあるため、「作り込まれたフィールドを飽きることなく探索する」という方向にゆきやすい。 Win版は4K解像度に対応し、さらに強化されたテクスチャやグラフィック表現を使用できる。 また、シリーズ初のDirectX12対応となり、Win10ユーザー限定ではあるものの、さらなるグラフィックやパフォーマンスを期待できる。 賛否両論点 ララが二丁拳銃を使えない 前作の最後の最後で二丁拳銃を手に戦うシーンが描かれたため今作では二丁拳銃の導入が期待されたが、二種類目のハンドガンを手に入れても二丁拳銃にはならない。 過去のシリーズでおなじみの二丁拳銃を操る『強いララ』になるのは時系列的にだいぶ先の話であるため、あえて導入しなかったのかもしれない。また、二丁拳銃自体がフィクション性の強いアクション(*5)であるため、リアルな描写を追及したリブート作品においてはむしろ不自然な描写となる可能性があったとも考えられる。前作の最後の場面ではリロードの心配がなく、リアルさとの両立が可能だったためファンサービスとして描かれたとも考えられる。 やりこみ要素 前作同様、大量の収集物やチャレンジやミッション、チャレンジトゥームに手軽に挑戦できるサブゲームとやりこみ要素は非常に豊富。マップ画面では進捗状況が表示されるため、あとどれだけ収集すればコンプリートか迷うこともない。DLCを導入すれば追加ストーリーやエンジュランスモードなどの更にやりこみがいのあるゲームが追加されるため、より長く楽しめる。 ただしコンプリートのためには絶対に後戻りする必要がある。特定のチャレンジトゥームなどはシナリオ進行に合わせて入手したアイテムがないと入れない場合があるため、新しいアイテムを入手したら前のマップに戻る必要があり、収集要素に興味はないが得られる報酬で円滑にシナリオを進めたいプレイヤーには少々面倒。 前作と違ってストーリー進行上、新しい装備入手後に以前のステージに戻る展開があるのでその弊害とも言える。よく言えばオープンワールド感を楽しめるということ。 前作は発見すればすぐにトゥームに挑戦できる代わりに、特殊アイテムなしでも攻略できる仕掛けばかりだったので難易度は低かったので歯応えは増したと言える。 一方で、ストーリーが短いことには批判が多い。良くも悪くも親切に「シナリオを進めるためにどこへ行くか」をマップ画面やインスティンクトによって教えてくれるため、脇の収集などに興味がなく強引に進めば短時間で終わってしまう。 金貨やサバイバルキットは地面に埋まっているため見つけづらい。一応、埋まっている場所が光ったり、マップを見つければ埋まっている場所が確認できるようになるが。 問題点 ゲームプレイ自体は前作とさほど変わりがない 前作の不満点を昇華しているためプレイ感覚はかなり改善されているが、進行に関しては特に変化はない。 シナリオが続編ありき 以下本作のラスト場面のネタバレ注意 + ... 事件を解決した後、ララは父リチャードの元助手にして実はトリニティ教団のスパイであったアナに、「あなたが殺したのね」と彼の死の真相を問いただす。アナはトリニティからリチャード暗殺命令があったものの、彼を愛していたためどうしてもできなかったのだと答える。感情的にそれを否定するララに、何かを言おうとするアナ。そのとき銃声が響き、アナは射殺されてしまう。とっさに身を隠すララ、それを銃口越しに見つめる男が何者かに「ララ・クロフトも始末しますか」と問うと、別の男は「いまは生かしておけ」と答える……という場面で本作は終わりである。 映画やドラマではままあることだが、あからさまな続編を意識した結末に不満が出た。 なおその後、発表された続編『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』は3部作の完結編として2018年の9月に発売され、きちんとその伏線は回収されている。 スキルツリーが分かりにくい 特定のスキルを習得すると新しいスキルが解放される場合があるが、どのスキルを習得すると新スキルが解放されるか分かりにくい。そもそもツリー形式になっておらず、スキル画面は各系統のスキル一覧になっているだけ。 一応、各スキルの説明文で解放に必要なスキルを確認可能だが、もっと分かりやすく表示できたはずである。 ポイズンアロー、グレネードアローが強すぎる 両方とも一定範囲に効果があるため、敵が固まっているところに撃てばバタバタと倒れていく。場所によってはこれだけで完封可能。しかも専用スキルを習得すると効果範囲が広がり、さらに強化される。最高難易度の「サバイバー」もこれらを使えば難しい場面は少ない。 戦闘中のみならず、ステルスをしている時も、とりあえず複数の敵兵士が固まっていたらそこにポイズンアローなどを投げ込んでまとめて毒殺するだけで見つからずにステルスキルができてしまう。本来、「一人を倒しても他の相手が気付いてしまう集団に対してどう見つからず無力化するか」という駆け引きを要求される場面なはずなのだが……。 資源を捨てることが出来ない 基本的には問題ないのだが、サバイバルキットを入手する際、キットから入手できる資源が最大の場合は掘り出せなくなってしまう。 クラフトで消費する以外の選択肢はない。 謎解きのヒントが少ない 基本的に状況を見たララが何がしかのヒントを呟くのだが、それだけでは理解できないような謎解きも多く、詰まるプレイヤーも散見された。画面上に視覚的にヒントを表示するインスティンクトがあり、前述のヒントはそれを使用時にも呟いてくれるのだが、それでもわかりにくい謎解きが部分的にあった。 シリーズ的にはこのヒントの少なさも醍醐味ではあるという擁護も存在する。 またインスティンクト時に呟かれるララのヒントだが、一部場面では毎回その台詞が発せられるという状況になる。インスティンクト自体は意味のあるオブジェクトを確認するためプレイヤーによってはわりと頻繁に押されるため、そのたびに毎回ララが同じ「○○を□□する必要があるわね」といった言葉を連呼してしまい、正直うるさい。気にするなと言われればそれまでだが…… セーブが手動になった オートセーブや最後に立ち寄ったキャンプでのセーブなども保存されるが、はじめからゲームを開始すると上書きされてしまうので手動セーブは必須。 前作はゲーム開始時に保存するデータナンバーを選ぶだけで良かったので、少々面倒くさくなっている。 Win版の要求スペックが高い 最高設定で快適に遊ぶためには最上級のCPU、10GB以上のメモリ、最新のグラフィックボードが必須。 設定をかなり落とせば(*6)ミドルクラスでも大丈夫だが、それでも中盤の地熱谷などはfpsがガクッと下がる。 360版もかなり無理をしているらしく、オリジナルに比べてグラフィックの劣化や処理落ちが見られる。 ちなみにOne版以外のバージョンはすべて別会社が移植作業をおこなったものである。 総評 前作の「サバイバル要素の乏しさ」「カットシーンのワンパターンさ」「トゥームレイダーシリーズらしからぬシューターと化してしまった」という不満点を改善し、かつ前作の美点は引き継いでより完成度を高めたお手本のような続編。 2016年時点で最上位レベルのグラフィック表現と、それでいて広大化したステージ探索、多数のやりこみ要素が魅力。 それでも物足りないプレイヤー向けのDLCなど至れり尽くせりの内容となっている。 前作から続いてものすごく新しい要素が盛り込まれたわけではないが、堅実に全方面でクオリティの高い、リブートされたシリーズの立場を固めた良作タイトルと言えよう。 余談 前作で批判されたWin版の日本語化DLCは今作では存在せず、最初から日本語も含まれる形になった。ここも地味に改善された部分と言えよう。 その後の展開 2018年9月14日にリブート3部作の完結編である『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』が発売された。マヤの古代遺跡を舞台に、終末の予言から世界を救うべく奮闘し、若きララが本物の「トゥームレイダー」へと成長する姿が描かれる。 また、2021年2月には『トゥームレイダー』シリーズの新作が開発中であることがCrystal DynamicsのWill Kerslake氏によって言及され、その内容はCore DesignのオリジナルシリーズとCrystal Dynamicsのリブート3部作を繋ぐ物語となることが明かされた。