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美少女戦士セーラームーンSuperS 真・主役争奪戦 【びしょうじょせんしせーらーむーんすーぱーず しんしゅやくそうだつせん】 ジャンル 対戦格闘アクション 対応機種 プレイステーション メディア CD-ROM 1枚 発売元 エンジェルメガハウス 開発元 キッド 発売日 1996年3月8日 定価 5,800円 プレイ人数 1人~2人 判定 クソゲー ポイント アニメ版への過剰尊重仕様故にあまりにも遅い必殺技ほぼ全要素で隙のないクソさファンアイテムとしても微妙BGMだけ素晴らしい謎の歌い手の正体は……? 美少女戦士セーラームーンシリーズリンク 概要 問題点 CG ゲームシステム ゲームバランス その他の問題点 評価点 総評 その後の展開 余談 概要 当時少女を中心として社会現象に発展した漫画・アニメ『美少女戦士セーラームーン』の格闘ゲーム第3弾。3DO『美少女戦士セーラームーンS』のシステムをベースにしたアレンジ移植かつフルモデルチェンジ作品。 『セラムンS』は技などの一部の要素をSFC『美少女戦士セーラームーンS 場外乱闘!? 主役争奪戦』から引き継ぎ、本作はさらに多くの『場外乱闘』の要素を引き継いでいる。そのためどちらとも違った作風となっている。 プレイヤーキャラクターは、スーパーセーラームーンとスーパーセーラーちびムーン、そして内部四戦士と外部四戦士の合計10人。 ドジなムーンの代わりに、誰が主役にふさわしいか勝負で決めるというストーリー。 『セラムン』ゲームシリーズでは初となるプリレンダ3DCG+モーションキャプチャを採用している。 SFC『場外乱闘』は初心者から上級者まで楽しめる大変優れた格闘ゲームとして評価され、キャラゲーとして見てもグラフィックやBGM、迫力ある技演出も悪いものではなかった。 3DO『セラムンS』は格闘ゲームとしての評価は高くないが駄作とする声もそれほどなく、キャラを美しいセル画で描いているといったキャラゲーとして見ればおいしい要素が豊富である。 だが肝心のゲーム内容は格ゲーとして最低最悪の出来であり、キャラゲーとしてもすすめにくい紛う方なきクソゲーである。 問題点 CG パッケージのムーンから独特なオーラが放たれていることから分かるようにCGのクオリティがひどい。 電源をONにすると、いきなりとんでもないムービーを見せつけてくる。 冒頭でムーン達がイバラに囚われているが、このシーンのムーン達が不気味極まりない。マネキンにしか見えず、得体の知れない不安感に襲われる。 笑顔のはずなのに無機質で、ハッキリいって全然美少女に見えない。これではキショう女である。 タキシード仮面のアップは一瞬だけだが、その一瞬でヤバさを理解できてしまう。 OPムービーはかっこよさを演出する意図は理解できるが、完全に技術が追いついていない。 『セラムンS』のムービーの技術も低かったが、あちらは一部をアニメにしていたり、戦士達の必殺技演出の評判は悪いものではない。 ゲーム中はプリレンダモーションキャプチャーのセーラー戦士達が動く。こちらも全く可愛らしく見えない。はっきり言って気持ち悪い。 画面に比べて小さく描かれており、その分顔面崩壊している。 さらに動き方がカクカクしているのにクネクネしている奇跡のグラフィックとなっている。まるで操り人形である。 特にジュピターに至ってはモーションの出来が悲しいほど酷く、ウラヌスに至っては何処ぞの裸芸人を彷彿とさせる動きである。 勝利時はもちろん、敗北時にもポーズを取るのだが、本来なら可愛いポーズなのに微塵も可愛くない。 初回限定生産版はピクチャーレーベル。ムーンのCGが描かれている。だが全く嬉しくない。 通常版は戦士達の星の記号が描かれている。こちらの方が可愛い。 何故こうなったかと言うと「当初は3DO版と同様のセル画にする予定だったが、お偉いさんが『流行りのCGにしよう』と提案したから」らしい。なんという失言をしてくれたんだ……。 同年に同じコンセプトで発売されたPS挌ゲーの『あすか120%スペシャル BURNING Fest』はまともな美少女であるため、本作の美少女達がいかに酷いかよく分かる。 ゲームシステム キャンセルシステムがない。華麗なキャンセルコンボは不可能。 あるにはあるが、連打キャンセル、バックステップ中に必殺技でキャンセル、小技を空振りキャンセルしての投げのみ。 連打キャンセルの仕様がおかしい。 連発中の技で固定される。例えば近距離用パンチで始動すると、遠距離になっても近距離用のパンチしか出せない。 もちろんパンチからキックに変更することも出来ない。 当然立ち技としゃがみ技の変更も出来ない。 回り込まれても振り向かない。隙だらけ。 遠く離れた後ろにいる相手を攻撃しようと、近距離技を絶え間なく繰り出す姿はシュールである。 ジャンプ攻撃のヒット、ガード問わず、自分が跳ね返ってしまい、飛び込みコンボが不可能。 着地ギリギリで当てれば跳ね返らずに済むが、着地のモーションが完了してニュートラルポーズに移行しなければ一切の行動が出来ないので、結局飛び込みコンボはどう頑張っても不可能。 ジャンプが組み込まれている必殺技は着地時の隙がほぼ無い(皆無?)が、それらの必殺技から追撃することは出来ない。 ジャンプ状態になる必殺技を連続ガードされると(?)、跳ね返りがかなり遅くなる現象がある。 滞空中に攻撃を受けると問答無用でダウンしてしまうため、起き攻めの起点にされると辛い。うかつなジャンプは自滅行為に等しい。 しゃがもうとするとモーションを完了させなければ何も行動出来なくなる。 このせいでしゃがみ技が使いにくい。回避できる立ち技が少なくないことを考慮しても、通常技の差し合い、つまり地上戦に向いているとは言い難い。 利用価値があるしゃがみ技は、スライディングを潰すための小足、一部の対空用大P、ダウンさせられる大足くらい。 しゃがみモーション自体が遅いという追い打ちもある。 しゃがみ状態から立ち上がる時にも、操作を受け付けない隙が出来る。 相手が空中にいると、立大Pと屈大Pが勝手に対空用の技に変化する。 便利だと思うかもしれないが、本作の対空技は信用しにくく、変化前の大Pの方を使いたい時は少なくない。 ジャンプ直後に技を出せない。判定が広いヴィーナスのPでさえ地上の相手に当たらない。挌ゲーのテクニック「しゃがみガードで強固な守備を維持する相手の守りを崩せる昇り技」は出来ない。 振り向きモーションを完了するまでの間は何一つ行動出来ない。 他のゲームよりも明らかにモーションが遅い。キャラによっては目測15フレームはある。 後ろから攻撃されてダウンし、ダウン中に相手が正面に回ってきた場合、起き上がり後に相手が正面にいるにもかかわらず後ろに振り向き、やっぱり誰もいないので再び振り向くというマヌケかつ隙だらけな姿を見せつけてくる。 食らいモーションの終了直前に謎の無敵状態がある。 連打キャンセルはきちんとコンボになる。 ヒットやガードの硬直中にも投げられ判定がある。つまり小から投げを「ガードも回避も不能の連続攻撃」に出来る。 投げを完全なるコンボのパーツとして組み込めるゲームは珍しい。 相手を投げ飛ばす方向を選べない。 全キャラ共通で投げコマンドが前進方向+大Pになっているせい。後退方向や大Kでも投げられたら良かったのだが。 自分の飛び道具が残っている間は飛び道具を撃てないのは格ゲーでは普通のことだが、本作は飛び道具以外の必殺技も発動出来なくなってしまう不思議なシステムがある。 ダウンから起き上がる時、ニュートラルポーズになるまでは、小技などの一部の技に対してガード出来ない無防備な状態になっている。 ニュートラルポーズを経由する必要があるので、直接しゃがみやジャンプをすることは絶対に出来ない。ゆえに下段ガードやジャンプ回避が出来ない。 ガードの仕組みが摩訶不思議で混乱をさけられない。 ガードに移行する引き金となった技の動作が終了しなければ、ガードを解除することができない。 相手がなにかの技を出す→ガード状態になる→ガードもしくは空振りする→技の動作が終わっていない→ガード状態のまま動けない→技の動作が終わったと同時にガードが解ける。 逆に攻撃判定が残っていても相手の動作が終了していればガードが解ける。要するにガード不能技がある。 ガード開始から一定時間経過で一瞬ガードが解除される。しかも「ガード不可能になっているのであって、ガード動作自体を解除したわけではないから、ガード動作を完全解除して自由に動くことは出来ない」状態である。そのため出が遅い技の開始時にガードすると、何ひとつ行動できずに、攻撃判定出現の瞬間にガードが解けて喰らってしまう。ガード成功でガード能力有りの時間が延長されることもないので、小連打キャンセルをガード出来ずに喰らいまくる。 各技にはガード移行可能な間合いが設定されている。ガード移行可能距離より、攻撃判定のリーチの方が長いとガード出来ずに喰らってしまう。 攻撃判定出現がとても早い技を接近した状態で使われるとガードモーションへの移行が間に合わず、なすすべもなく喰らってしまう。 全キャラのほとんどの技が上記の「技動作終了でガード不能」、「技開始時にガードで途中解除」、「遠距離で技開始でガード移行不可能」、「近接でガードが間に合わない」の性質を持っている。 立ちガード状態だとしゃがみガードへの変更が不可能。逆も言える。 相手に背を向けている時のガードの成否は、また別なものとなっている。 ガードの入力は「相手の反対方向にキー入力」ではなく「自キャラの向きと反対方向にキー入力」である。 下段判定になっている技が非常に少なく、足払いですら立ちガードできてしまう。 どうやらキャラによって上段と下段の食らい判定が異なっているようだ。 必殺技コマンドの説明が「右向き時の場合」であるのは他のゲームも同じだが、本作は「本当に右向き時の場合の入力」である。 他のゲームは「キャラの向き」は無関係で、実際は「相手キャラの位置より左にいる場合であって、キャラの向きが左右どちらでも何の関係もない」である。本作は正真正銘「キャラが右を向いている」となっている。 一歩進むという歩行モーションを完了するたびに一瞬立ち止まる。そのせいで歩行動作中の速度と比べて、実際の移動速度が遅く、クネクネしたキャラグラフィックにカクカクが追加される弊害にも。 歩く動作を完了させなければ立ち止まらないかも、と期待してもムダで、小刻みに動いても一瞬立ち止まってしまう。 どういうつもりか、ほとんどのキャラが前進より後退のほうが速いミステリー仕様。 ここまでで悟った人もいるだろうが、モーションが完全に終わるまでは操作不能になるものばかり=動きがもっさりしていて、操作性もゲームテンポも非常に悪い。 ACSの項目が、攻撃がパンチとキックに細分化、投げ技が追加されて合計8つ。持ちポイントは難易度により15~30に変化(対戦モード時は30で固定)し、15まで割り振れるようになった。しかし1ポイントごとの強化は大したことがなく、ポイント配分のバランスも悪い。 『場外乱闘』では合計6つ、1ポイントごとに約1.08倍に強化、最高で5ポイント、持ちポイントは10~20となっている。むだに種類が増え、相対的にポイントが減少したのに、効果が薄くなっている。 説明書ではパンチ、キック、投げ技が「攻撃力を高くします」と全く同じの投げやりな説明文となっている。 ゲームバランス 飛び道具系必殺技の出が遅すぎる。発射に数秒かかる。 「ボイスに合わせた、アニメを見ているかのような丁寧な演出」と言えば聞こえはいいが、テンポ感が重視される格闘ゲームにおいてがテンポを阻害するだけの要素でしかない。 大で発動するとさらに隙が酷くなる。だが大でないとダウンさせられないものもあり、小で撃つ価値がなければ大で撃つしかない。そこまでするほど大に価値があるかは疑問だが……。 弾の判定や軌道に個性があるが、それを利用した戦術を考える余地のないほど隙がある。 実は弾だけでなく、体(にまとったエネルギーやかざした武器)自体にも攻撃判定がある。弾の発射前後でも命中させられる。一部は連続ヒットもさせられる。しかしそれで隙を補えているかと聞かれると……。 しゃがんだだけであっさり回避できたりするほど簡単にガードや回避が出来るが、操作性が悪いので甘くみているとガードや回避に失敗することもある。 アニメでは必殺技が遅い設定は無い。そうでなければ敵の攻撃がすんでのことで命中する時に必殺技を開始してギリギリ間に合う説明がつかない。 超必殺技は通常の飛び道具よりも隙がある。キャラの組み合わせによっては、画面端で発動させたのに、画面端にいる相手が接近してきて、何もできずに超必殺技をつぶされてしまうほどである。使い物にならない。 そのかわりに威力が高い。それもACSの力を借りずとも約半分の体力を奪ってしまう壊れた威力である。 ガードさせればいい方だが、削り量はかなり少ない。 ガードの仕組みが特殊なので、近すぎていたり、逆に遠すぎるとガード出来ずに直撃する。 超必殺技は飛び道具ばかりで面白みに欠ける。 飛び道具属性ではない体術の必殺技もあるが、多くは飛び道具よりはマシ程度の性能。 全体的に通常技のリーチが短い。武器を持ったプルートとサターンですら何の冗談かと疑うほど短い。 ヴィーナスの遠立大Pはチェーンによる攻撃でリーチがトップクラスなのだが、そんな技でも画面全体で考えると短いとしか言えない。 しゃがみ技は立ち技よりもリーチが短いものが多く、しゃがみ動作が完了するまで行動不能になるのも相まって、大足等の一部の技しか使い道が無い。 対空技の判定が真上にしかないものが多く、少し遠くからの飛び込み技を迎撃出来ないことがしょっちゅうある。 「相手が空中にいると勝手に変化する大P」の中には真横にしか判定がないものがある。対空として活用出来ない対空技とは何なのか。 空中戦の意義が薄い。 空中技は小なら動作が素早いが攻撃がすぐに終わって威力が低く、大なら持続が長くて威力が高いが動作が遅い。ここまでは妥当な設定だが、飛び込みコンボが不可能であっては空中被ダメ→ダウン→起き攻めによるハメの危険を無視出来るほどの利点は少ないとしかいえず、飛び道具等の隙を突いて一発当てる、という使い方しか望めない。 いくら対空技が使いにくくとも、飛び込みコンボを警戒する必要は無い。あえて攻撃せずに飛び込んでガードを固めた相手を投げるいわゆる空ジャンプ戦法も「着地モーション完了まで身動き出来ない」という仕様によって役立たず。他のゲームでは基本の「地上の対空技が弱ければ、空中技で迎撃すればいい」は、ジャンプ直後に技を出せないシステムの本作には当てはまらない。よって確実に迎撃できる状況でなければガードで安定してしまう。 J技が終了したら再び技を出せるシステムだが、それを活かせる状況はまずない。 前述で軽く触れていたが、モーションが終了するまでの間は移動も技もガードもできない無防備な状態になっているものだらけ。そして起き上がり時にガード不可能な技の中には転倒効果付きのものがある。つまり起き上がりに転ばせる技を重ねるだけで、脱出不可能な、完全なるハメが成立する。そしてハメ技は全キャラが持っている。 格闘ゲーム界の『デスクリムゾン』と呼ばれる有名クソゲー『THE MASTERS FIGHTER』でも採用されているが、本作のほうが先取りしている。 あちらはタイミングがシビアなのだが、本作は「振り向き動作が完了するまでに攻撃を食らった場合は、振り向く前の方向に戻された上に振り向き動作をはじめからやり直さなければいけない」システムなので、一部のキャラのハメはとっても簡単にできる。 理論上は「振り向き動作中の完全無防備な瞬間に大足を当てる」でどのキャラでも大足ハメが成立するが、振り向き開始と同時に大足を開始して、振り向き終了より先に大足を当てるのは困難か不可能。 無抵抗の相手を延々と、いや、永遠にハメられるのは格闘ゲームとしてバランスが壊れていると言わざるをえない。 「全員がハメ技持ちなら、不利な相手でも終わらずに済むから、逆にバランスがとれている」と考えることもでき、実際に『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』がそのバランスであるとされているが、本作では通用しない。何故なら通常技のけん制力に欠け、情けない性能の必殺技しかなく、移動能力も起き上がり速度もダメなちびムーンがあまりにも弱いからである。 セーラー戦士達の特徴及び問題点 + 長いので折り畳んでいます 月野うさぎ(スーパーセーラームーン) 通常技が使いやすく、起き上がりが早い。「ムーン・ティアラ・アクション」は飛び道具としては高性能だが役立つかは何とも言えない。「ムーン・スパイラル・ハート・アタック」は存在意義が不明なほど隙だらけ。「お願い!銀水晶!!」は飛び道具属性の対空かつ無敵技だが、横への判定が狭すぎる。超必殺技の「ムーン・ゴージャス・メディテイション」は驚愕の隙がある代わりに威力が高くて謎の無敵時間を持つ。 ハメ技は大足。ただし通常はヴィーナスにしか通用しない。しかし画面端を背にして、投げで相手を画面端に飛ばして、後方から大足で全キャラをハメられる。そのかわりガード不可能及び大足が連続で当たって二段目がガード不可能になる間合いはシビアで、大足の先端がギリギリ当たるようにする必要がある。 ちびうさ(スーパーセーラーちびムーン) 最弱キャラ。通常技の判定が狭すぎて差し合いが非常に不利で、長所の食らい判定の狭さのみではいかんともしがたい。他のゲームのチビキャラと違って移動性能も劣悪。起き上がりが遅いのも厳しい。「ピンクシュガー・ハート・アタック」も「ルナPアタック」も意味不明性能。空中必殺技の「スウィンギング・マシュマロ」は空中技で跳ね返るシステムと空中で静止して「スウィンギング」とゆっくり言い終えてから攻撃する物理法則無視かつ無駄な演出のせいで使わない方がまだマシなレベル。超必殺技の「トゥインクル・エール」は高威力+ガード不能+追尾性能だが、相手が前進したり、早めにバックステップするとガードか回避され、発動の遅さを狙われる危険もある。小足を連発された瞬間に、何も出来ずに敗色濃厚という凄まじいキャラ。 ハメ技である大足がスライディングなのでこれさえ当たってくれれば勝ち目を見いだせるかもしれない。だが、相手にめり込んで左右の位置が入れ替わり、しゃがみ状態での振り向きの遅さとスライディングのリーチの問題でハメられなかったり、それを回避するための「しゃがみから立ち動作→振り向き動作→しゃがみ動作」も遅かったり、正面からでも歩行の遅さで起き攻めが間に合わなかったり、そもそも小足連発の壁に大足を阻まれたり……。なおサターンには不安定(フレーム単位で上段と下段が変化するのか、他に条件があるのかは不明。)で、ちびムーンとプルートに対しては大足ハメが効かないが、ちびムーンには近小K→投げハメが有効。 水野亜美(セーラーマーキュリー) 全体的に小のリーチが短く、けん制は大振りな大がメインになるが、大足は判定も動作も優れている。移動と起き上がり速度も優秀。シャボン・スプレーは使い道があるか怪しい。「シャイン・アクア・イリュージョン」は判定の広さとダウン性質があるが、隙が大きい。「リバース・ブレイク・ステップ」は移動技かつ接近して出せばガード不能というネタがあるが魅せ技の域を出ない。「マーキュリー・アクア・ラプソディー」は使えない超必殺技。 画面端に追い詰めて小イリュージョンの発動及び発射直後を当てるのがハメ技で、全キャラに有効。威力が高いのでハメ殺すまでに時間はかからないが、何回もタイミングよく発動するのは難しいか。 火野レイ(セーラーマーズ) 通常技のリーチが長く、JPはお札を投げる技なのでリーチがある。起き上がり速度に問題あり。必殺技は全てダウン効果を持つ。「ファイヤー・ソウル」はしゃがみで回避されるのが辛い。弾を何発も撃つ「バーニング・マンダラー」は発射さえ出来れば強い。「ファイヤー・ヒール・ドロップ」は隙が少なくてダウンを奪える、使い所がある貴重な必殺技のひとつ。「マーズ・フレイム・スナイパー」は判定が狭く、ちびムーン相手だと立っていても回避されておしまいという超必殺技。 画面端を背にして、逆に相手を端に投げ飛ばして、後ろから大足ハメできる。ガードされない間合い調節はムーンよりは易しい。また正面からでも、遠距離から(?)大足の二回目の判定(連続ヒットではなく、二回目に発生する攻撃判定。)を当てれば全キャラ(?)をハメられる。 木野まこと(セーラージュピター) 攻撃力が高く、投げの隙が小さくて起き攻めしやすく、起き上がりが早い。反面通常技が遅いものが多い。「シュープリーム・サンダー」と「スパークリング・ワイド・プレッシャー」はダウン性質を考慮しても使えない。「ジュピター・ダブル・アクセル」は移動かつ対空技だが活躍するかは不明。「ジュピター・オーク・エボリューション」は上下左右に弾を撃つが低威力で、バックステップであっけなく回避される悲しい超必殺技。 画面端に追い詰めて近小P(ちびムーンにはK)→投げでハメられる。ただしサターンには通用しないあるいは困難。大足がギリギリ届く間合いからなら全キャラに対して大足ハメ可能? 愛野美奈子(セーラーヴィーナス) 通常技の使い勝手は良くないが、遠立大PとJPのチェーンの判定がトップクラスの強さで、大足の性能も良好。対空屈大Pは攻撃判定が設定されていないと思われる(!)。起き上がりが遅い。全キャラでハメ耐性がワースト1なのが難点。「クレッセント・ビーム」はどこで使うべきか不明。「ヴィーナス・ラブ・ミー・チェーン」は飛び道具属性で無敵付きの対空技だが、横への判定はほとんど無い。「ヴィーナス・ウィンク・チェーン・ソード」は飛び道具性質で出が遅いが、後半の波動がガード不能。「ヴィーナス・ラブ・アンド・ビューティ・ショック」はごく普通の無用な超必殺技。 ムーン、マーキュリー、ジュピター、ヴィーナス、ウラヌスに対して正面から大足ハメが可能。ちびムーンは近小K→投げでハメられる(ネプチューンはムリか激ムズ。)。起き上がりに小ソード→チェーンをガード→ガード不能の波動が連続ヒットしながらヴィーナスに近づく→大足→小ソード~、のハメは不安定もしくは不可能。 冥王せつな(セーラープルート) どういう訳か武器の「ガーネット・ロッド」を使ったP技の多くがリーチが短い。対空立・屈大Pが横にしか判定が無くて理解に苦しむ。移動速度が速く、起き上がりが早い。サターンに次ぐハメられにくさを持つ。「デッド・スクリーム」はしゃがみで回避されない分、他の飛び道具より恵まれている部類か。「アクション・スピンスター」の使い道は特に無い。超必殺技の「クロノス・タイフーン」は上下判定が広いので、発動さえすれば高性能だが……。 プルートとサターン以外に近小K→投げハメ可能で、難易度が低くてやりやすい。 海王みちる(セーラーネプチューン) 技のリーチが短いものの動作の早さは優秀で、特に大足の早さはトップ。通常技と違って、起き上がり動作は長い。「ディープ・サブマージ」は見た目より判定が狭い役立たず飛び道具で、たったちびムーンに当たらずに接近され、大足でハメられてしまう。「スプラッシュ・エッジ」は一瞬無敵になる対空技で使い道のある必殺技だが、攻撃中にもかかわらず地上技で叩き落されてハメられる危険が常に付きまとう。「サブマリン・リフレクション」は弾の出現から発射までに無駄に時間がかかる、どうでもいいただの超必殺技。 後ろに投げて画面端に追い詰めて、背後から大足ハメできる。難易度はマーズと同程度。さらにマーズと同じ理由なのかは不明だが、正面からでも全キャラに対して大足ハメが成立する可能性がある。 天王はるか(セーラーウラヌス) 最強キャラ。通常技のリーチも動作も優秀。大足のスライディングはちびムーンと同じく上段下段の判定が安定しないが、ちびムーンより高性能。攻撃力が高い。移動が素早い。投げの隙が小さく、大足ハメや投げハメに移行できるほど投げ飛ばし距離が短く、相手は背を向けるのでハメ維持も簡単。弱点は起き上がりが遅く、ヴィーナスに次ぐハメ耐性の無さくらい。「ワールド・シェイキング」は存在理由皆無の飛び道具。「ウラヌス・ワールド・アタック」は判定が広い、長い移動距離、高威力、ガードされても多段ヒットで削れる、隙が小さい、大でダウン、反撃されても地上食らい判定になりやすい、一方的に負けることが少なくて大体相打ちになる、変なガードシステムのおかげで空振りしても強制ガード+ガード不能の高性能技。一方的に負けてダウンすることもあるので下手したらハメ殺されるが……。「スペース・ソード・ブラスター」は超低性能な超必殺技で、遠近問わずガード不能効果が全く無くて使ったら後悔する。 ムーン、マーキュリー、ジュピター、ヴィーナス、ウラヌスに対して大足ハメが有効。ちびムーンには近小K→投げのハメが有効で、マーズ、プルート、ネプチューンにもギリギリでハメられる。 土萠ほたる(セーラーサターン) 武器のサイレンス・グレイブの存在感が全く無いリーチの短いP技の数々。遠小Pが距離によっては攻撃判定出現時間の長さから2ヒットするが、だからなんだというレベルである。近立大Kはハイキックからの回し蹴りの二段だが、ちびムーン以外には食らいモーション終了直前の無敵のせいで必ず二段目が空振りして反撃確定になる体たらく。移動が遅ければ、起き上がりも遅い。ガード動作時と違って、食らい動作時に投げられ判定が無いか狭すぎる可能性があり、そのおかげで投げハメを回避できる。「デス・リボーン・レボリューション」は飛び道具性質だが弾を発射せず、さらには体の攻撃判定が狭すぎて、相手が密着して技を出してくれて食らい判定を広げて貰わないと絶対に当たらない。「サイレンス・ウォール」は一定時間自分の周囲に飛び道具性質のバリアを張り、上手くやればバリアからの地上技がコンボになる。しかしマーキュリーの大足などのリーチが長い技で一方的に攻撃されてしまう。必殺技に発射系飛び道具を持たない代わりか「サイレンス・グレイブ・サプライズ」は超必殺技の中でトップの発射速度を持つので、何とか当たるチャンスが見つかるかもしれない。 画面端に追い詰めて小レボリューションでハメが可能。マーキュリーの小イリュージョンハメと同じくタイミングを合わせるのは難しくて、相手によっては成立しない?その場合でも、画面端に追い詰めて投げたあと、後ろから大足あるいは近小Pからの投げあるいは小レボリューションで全キャラをハメてしまえる。ただし難易度は高いほうか。 「ウラヌス>他のキャラ(あえて言えばウラヌスに唯一ハメられず、逆にハメてしまえるサターンが準強キャラ)>ちびムーン」と言えば悪い印象はないかもしれないが、キャラ格差は小さくない。 結局本作は「劣悪な操作性に苦しみ、必殺技はほとんど使わず、超必殺技での一発逆転を望むことすら叶わず、危険な空中技は極力控え、不安定なガードにおびえながら、使いにくい通常技の中から限られたマシな性能の技で地味な地上戦をして、どちらかがダウンしたらハメに入って、さっきまでの地道な差し合いがどこ吹く風の一方的で単調で退屈な展開になる」に集約される。 CPUは起き上がりに大足を絶対にガードしない。簡単にハメ殺せてしまう。 通常の攻略ではもちろん、リアルタイムアタックを目指す時にも重要となる。だが終始代わり映えしない単調なプレイで、ネタプレイにすらならない。 CPUは基本的に弱いが、一部の思考が凶悪。 意味なく技を空振りしまくるのだが、接近してこちらが何か技を出そうとすると有無を言わさず投げてくる。 プルートは平然と投げハメをしてくる。 一部のキャラの思考は共通しているようで、延々と大足を繰り返すシュールなパターンが用意されている。 大足連発の優先順位は高くないので、こちらから手を出せばすぐに解除するのだが、油断するとちびムーンのスライディングでハメ殺される。 説明書には難易度によってCPUの強さが変わると書かれているが、難易度を変えてもCPUの強さが全然変化しない。 難易度による変化は、ACSの持ちポイントのみとなっている。 ACSで設定するハンデとなるおちゃめの効果がハンデになりすぎている。 15まで上げると発動確率が尋常ではなくなり、発動タイミングが「ジャンプの着地直後に再びジャンプしないでいる」「歩行しようとした瞬間」というように『場外乱闘』よりも増えている。何とニュートラルだと時間経過でも発動してしまう。 おちゃめポーズに攻撃判定があるが頼りになるはずもなく、プレイヤーの腕にあまりにも実力差がなければ勝負にならない程のハンデ。 しゃがみ状態を維持すればおちゃめが起きないので、強力なスライディングが出来るウラヌスなら勝算がある。 その他の問題点 説明書周りの不備 説明書の技コマンド表はおろか操作方法解説ページにさえガード方法を記述していない。 超必殺技の使用可能条件を説明していない。 格闘ゲームで技等を隠すのはよくあることだが、コマンド表に超必殺技を載せているので、格闘ゲームになじみがない少女は初見では困惑するかも。 説明書の技コマンド表に「オートモードではパンチボタンで発動」と書いてあるが、キックボタンでも発動する。 説明書のマーキュリーのリバース・ブレイク・ステップのコマンドが間違っている。 説明書のキャラ紹介でプルートだけ守護星の解説が抜け落ちている。 説明書のストーリー紹介でいきなりちびうさを「チビうさ」と間違えていたり、説明書の各キャラの声優紹介で、アルテミスが「アルテミナス」になっていたりと誤植が多い。もはやナメてるとしか思えない。 ロードが数秒間もかかる長さな上に頻繁に行われる。 例えば電源ONからオプション設定し、タイトル画面に戻る一連の動作で、OPムービー→読み込み→タイトル画面→オプション→読み込み→戻る→読み込み→タイトル画面、ということになる。 バトルの前後の読み込みも頻繁。試合前のボイス→読み込み→試合終了→読み込み→勝敗ボイス→読み込み→試合前のボイス、こんな感じになっている。 ロード中はルナPが表示される。BGMが一切流れない無音、黒い背景、濃い陰影+生気のない瞳でこちらを見つめる無表情のルナPが数秒間も映し出されるのは軽いホラーである。 練習モードで、2P側のコントローラでポーズしても2Pキャラの必殺技コマンド表を確認出来ない。 『場外乱闘』ではきちんと確認できたのだが……。 ストーリーモードで外部戦士が使用出来ない。 『場外乱闘』と同じく、後半に外部戦士達が飛び入り参加する展開上仕方ないことではある。 ウラヌスが「主役のポジションに興味がある」と発言する。なら使わせてよ、と思う人は多いだろう。 対戦モードなら、対人でも対CPUでも外部戦士を使用できる。当然練習モードでも使用可能。 ラスボスは星ひとつ破壊する力を秘めたサターンではなく、ウラヌスである。 『場外乱闘』でも外部三戦士のリーダー格のウラヌスがラスボスであったが、サターンを差し置いてまでラスボスにするべきなのか? ムービーの内部と外部の戦士たちの必殺技演出ではサターンがトリだが……。 ACSで強化した能力を、キャライラストの頭上にある、赤色の四角い物体の長短で表しているのだが、ただでさえ伸びた部分が何の項目と対応しているか一切説明されていないのに、ムダにグルングルン3D回転していて訳が分からない。 カメラワークが遅く、キャラの動きに反応しにくい。 ステージの中央で戦っているのに、ステージの端をずっと映しつづける光景は珍しくない。 ボイス面の問題 気が抜けるもしくは動作と合わないほど熱のこもったボイスが多い。 「ホイッ!」、「たぁ~」、「わーい(棒読み)」といったやる気が感じられないボイスで全身脱力してしまう。大げさな断末魔や『北斗の拳』のように叫びながらちょびっとだけしか動かないウラヌスのスライディングボイスは失笑モノである。 試合前後のボイスは、無意味に小声なものが多い。 特に外部戦士はボソボソ喋ることが多く、聞き取るにはテレビの音量を上げなければいけない。 ボイスをスキップできない。 第二ラウンド以降もタキシード仮面たち審判の試合開始のボイスが流れるほどボイスが頻繁にある上に、長いセリフだらけになっている。 キャラクター同士が密着状態になっている時のおかしな挙動 密着状態で前進し続けるとキャラがめり込んで急に左右の位置が入れ替わる現象が起きる。 密着してお互いに前進すると、キャラの歩行速度に関係なく1Pキャラが2Pキャラをグイグイと押し込んでいく。 相手がしゃがんでいると、密着して前進してもお互いに位置が全く変わらない。 画-面端付近で密着していると画面中央側のキャラが何故か前方ジャンプ出来ない。 投げによるKOで負けポーズをとらないバグがある。 確認できているのは、マーキュリー、ネプチューンの投げでムーンをKO。ジュピター、ネプチューンの投げでちびムーンをKO。 キャライラストの画力が今一つ。 キャライラストのムーンの顔が離れ目になっていたり、ムーンとマーズの怒り顔が無表情時との変化に乏しく不自然に見えたり、勝利イラストの向きが1P2Pとも同じ向きになるバグや、勝利ボイスとイラストが噛み合っていないなどの不整合もある。 ステージセレクトが不便。画面上部に各ステージが表示されているが、そこに何を選択しているかのカーソルは表示されず、現在選択中のステージは画面中央に表示される。 これの何が不便かというと、画面中央を見て選択中のステージを確認してから、画面上部の各ステージの位置関係を確認しないと、満足にステージ選択することができない。 なおステージ選択の初期位置は一番左上にあるウラヌスステージ。普通は主人公のステージが初期位置だが……。 評価点 見た目と実際の攻撃、食らい、投げられ、存在判定の差がほとんど無い。モーションに合わせて、驚くほど細かく設定されている。 だからこそ問題のあるキャラと技が存在するのだが、大幅な差があるゲームよりは良心的。 必殺技と超必殺技の簡易コマンドがある。 だが必殺技に依存しない戦いが求められる本作では少し嬉しい程度に留まる。 マーキュリーやサターンでハメをするつもりなら大変ありがたい。 キャラのセリフは面白く出来上がっていて、ボイスも引き分け試合やコンティニュー時間カウントをはじめとして豊富に用意されている。 ジュピターの決めゼリフ「しびれるくらい、後悔させるよ!」が聴けるレアな作品である。 アニメ『S』では、デス・バスターズ幹部ウィッチーズ5のシプリン プチロル戦の時のたった一回しか言わなかった。 他の内部戦士と同じく一般公募から選ばれた決めゼリフだが、他の戦士は何回も言っている。 必殺技の演出は上出来で、効果音もアニメを忠実に再現している。超必殺技は背景も凝ったものに変化し、十分に評価できる水準に達している。オリジナルの体術もそれなりにさまになっている。 サターンの「デス・リボーン・レボリューション」と「サイレンス・グレイブ・サプライズ」の立ち位置が逆転しているが、これはサターンのバトルポジションが特殊すぎて原作・アニメ・他のゲームで必殺技の描き方が見事にバラバラなので仕方ないところか。 サターンは戦闘の最終手段となりうる技を持つ設定からか戦闘描写が少ない。原作はデス・バスターズ編のラスボス戦から参戦して世界を滅ぼしてしまうレボリューションを使用し、次のデッド・ムーン編で通常の攻撃技としてサプライズを使用。アニメは『S』(デスバスターズ編)のラスボス戦で参戦したが詳しい戦闘描写はなく、本作発売の翌日から放送開始した『セーラースターズ』前半の「ネヘレニア復活編」のラスボス戦で「レボリューションの効果で、サプライズの名称の必殺技」を使用した。 なお防御技の名称は原作と同じく「サイレンス・ウォール」だが、後にアニメで使用した時は「サイレント・ウォール」に名称変更されている。 「ムーンが幻の銀水晶を発動しているのに死亡しないのはおかしい」という声があるが、銀水晶の設定は原作とアニメで違っていて、死亡には条件があるので不自然ではない。 クリア後にキャラに応じてタイトル画面の題名、シルエット、星、スティック、ボイスが変化する。こだわりの演出は素直に嬉しいところ。 『美少女戦士セーラーマーズSuperS』のボイス「おねがぁい」は可愛らしくて色気がある。 BGMの出来は素晴らしい。世界観に溶け込んでいる。 ムービー中に流れる、アニメでおなじみのOPソング『ムーンライト伝説』もアレンジされていて、ムービーをスキップせずに聴いているだけでも十分『セラムン』を楽しめる。 総評 結論とすれば「流行りに乗ればいい」というモノではない。ゲーム面で見れば適当に作ったとしか考えられないシステムとバランス、長くて頻繁なロードといった、格ゲーというかゲームとしてダメな部分が散見され、キャラゲーとしてみれば3DO版のセル画表現をわざわざ捨ててまで3Dに走った結果、奇妙なグラフィックとムービーがプレイヤーを萎えさせる。 到底クソゲーとしか言い表せない出来に終始しているのでは、通常のセラムンファンにも一般的な格ゲーファンにも到底受け入れられないだろう。 当たり前の話だが、どんなに豪華な素材であっても有りと有らゆる部分と技術が整わなければ駄目なものは駄目である。 その後の展開 本作発売から3週間後にスーパーファミコンで『場外乱闘』のマイナーチェンジ作『美少女戦士セーラームーンSuperS 全員参加!!主役争奪戦』が発売された。軽視できない問題点こそあれど駄作ではないので、サターンを操作したい人はこちらをオススメする。 本作発売から6ヶ月後、セガサターンで本作のマイナーチェンジ移植作の『美少女戦士セーラームーン SuperS - Various Emotion』が発売された。 購入者特典として、本作で使用されたOVAのセル画が抽選で当たるキャンペーンが開催された。 ゲームシステムに変更があり、フロントステップ追加、ガード方法が方向キー入力式からボタン式に変更、キャラの動作が全体的に速くなった、ジャンプ技を当てても跳ね返らなくなった、KO時のスローモーションがなくなった等の変更により、展開がややスピーディー化して格闘ゲームとしての爽快感は多少なれど上がっている。外部戦士に新技追加、必殺技の性能変化などもある。また、ちびムーンのサイズが異常にデカくなり、キャラセレクト時のイラストもPS版のものから長さだけ伸ばしたので、違和感を禁じ得ない。 システム自体にテコ入れが加わった一方で、ゲームバランスがPS版よりさらに悪化している点もあり、超必殺技の攻撃判定の拡大+威力がACS無補正でも即死させるほどに強化+発生時に時間停止が追加されて極悪非道技と化した。相変わらず完全ハメも存在する。 演出面では、テキストのみでボイスが無かった部分がアニメーションになった、一部のキャライラストの描き直し、キャラ選択画面等の背景とBGMの変更、ステージの一新、試合前後のイラストでボイスに合わせて表情が変わるといった演出の強化が行われた。最大の評価点はオマケモードでテレビアニメでは存在しなかったサターンの変身シーンが見られるところ(*1)(*2)。 逆に劣化した点は、ムービーの画質が劣化、試合中のボイスの音質の劣化、ロード画面のルナPの削除など。『セラムンS』と同様にクリア後に裏技コマンドが表示され、画面の構図も同じだが、本作ではボイスがなくなっている。またロードの長さと頻度の問題は未解決である。 余談 『セーラームーン』の格ゲー化について、「少女漫画を格ゲーにするの?」「仲間同士で戦うの?」「脇役達は主役になりたがるようなキャラ設定なの?」「女の子に需要があるの?」というツッコミがされることがあるが、それには発売当時の時代背景が影響している。 本作発売当時の90年代は『ストリートファイターII』を発端として格ゲーが社会現象になっていた時代であり(*3)、バトル要素がある作品は格ゲー化されまくっていた。セーラームーンが格ゲー化されたのもある意味必然であり、この作品以前にもベルトスクロールアクションなどが作られている。 本作のムービーで主題歌の「ムーンライト伝説」が流れるのだが別人によるカバーであり、「原作者の武内直子氏が歌っている」説がある。 原作者ではない別人説もあるが、どちらにしても確証がないため、真相は藪の中である(*4)。 エンディングのスタッフロールでは歌手名のみ「?」と表記されている。なおSS版では歌手の欄そのものが記載されていない。 ゲームに限らず「一人ずつ登場する演出」は仲間入りした順であるのが普通だが、ムービーではマーキュリーよりマーズが先に登場している。ただしこれは本作に限った話ではなく、作品を見ていればマーズが目立つ理由は何となく分かるだろう(*5)。 外部戦士はプルートが最も早く登場したがレギュラー化は遅くて、ウラヌスがサターンを除いた外部三戦士のリーダーポジションで出番も多かった。 ムービーを制作したのは漫画家の岸虎次郎氏で、本人がtwitterで当時の状況を語っている。 『セーラームーン』シリーズのCGムービーとしては、後年にリメイク版アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』にて変身バンクに採用され、さらにユニバーサル・スタジオ・ジャパンの立体映像シアター『ザ・ミラクル4-D』として製作されている。 しかし『Crystal』のバンクはファンから不評で、第3期から手書きのアニメに変更されている。東映アニメーションは『プリキュア』シリーズで美少女アニメキャラのCG製作ノウハウを培っており(*6)、本作とは比較するまでもなくハイクオリティな映像に仕上がっているが、『セーラームーン』においてCGムービーは一種の鬼門のようである。 + よくネタにされるOPムービー。熱意自体は伝わってくる http //www.nicovideo.jp/watch/sm2350788
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アリス・イン・ナイトメア 【ありすいんないとめあ】 ジャンル ホラーアクションアドベンチャー 対応機種 Windows 98/Me/2000Macintosh 発売元 原語版 エレクトロニック・アーツ日本語版 エレクトロニック・アーツ・スクウェア 開発元 Rogue Entertainment 発売日 原語版 2000年10月6日日本語版 【Win】2001年1月25日/【Mac】2002年3月21日 定価 5,980円(税込) 廉価版 EA BEST SELECTIONS 2002年12月12日/2,800円(税込)EA BEST SELECTIONS 2004年3月18日/1,800円(税込) 備考 原題『American McGee s Alice』 判定 良作 概要 ストーリー システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を原作とし、これらの後日談として制作された3Dアクションゲーム。 設定やストーリーは原作に含まれる不条理性を強く意識したものとなっており、ホラー要素を加えたアレンジが施されている。 物語の骨子は『 心を病んだまま成長したアリスのトラウマ克服のための冒険譚』 である。 その独特の狂った世界を表現する美しいビジュアル、秀逸なBGMが米国本国で好評を獲得した。海外でのファン人気は高く、日本でも知名度自体は高いとは言えないがファンサイトがそれなりに存在している。 メインディレクターは『DOOM II Hell on Earth』や『QUAKE』シリーズのレベルデザインを手がけたアメリカン・マギー (American McGee)、作曲はNine Inch Nails創設期のメンバー、クリス・ブレナ(Chris Vrenna)が担当。 実際の開発は上記のメンバーを中心に『QUAKE』や『QUAKE II』のミッションパックを製作したRogue Entertainment(*1)が手がけている。 ストーリー 不思議の国と鏡の国の冒険を終えたアリス。二つの冒険のあとも、幼いアリスはたびたび夢の中で帽子屋や白ウサギと出会い、奇妙なお茶会を楽しんでいた。 その興奮も冷めやらぬある日、アリスの家が原因不明の火事に遭い全焼、同時に両親と姉を亡くしてしまう。 その事件以来アリスの心は非常に重く閉ざされ、ラトレッジ精神病院に史上類を見ないほどの難病患者として入院する。 それから10年後。アリスは18歳になったが、未だ監獄のような薄暗い病室の中にひとりウサギのぬいぐるみを抱いて眠る日々が続いていた。 そんなある日、ウサギのぬいぐるみが突如として意思を持ったかのようにアリスに助けを求める。再びアリスは不思議の国へ赴くが、既にそこはあの時のようにワクワクが待っている場所ではなかった。血の付いたナイフをにぎりしめ、アリスは小さな決心をする。もう一度、美しい不思議の国を取り戻そう―――と。 ゲーム冒頭、不気味にアレンジされたキャラクターたちが再びアリスを不思議の国へ誘う…。 システム キーボードとマウスを使って操作する。デフォルトではPADは使用出来ない。 敵を武器を使用して攻撃、アイテムを使ってステージを進んでいく。 ゲームの本筋としてはオーソドックスであり、会話イベントorムービー→マップを進んでいくの方式で進む、ボス敵は存在するが数は少ない。 進むごとにステージが変わり、マップごとに様々な新アイテムが落ちている。 イベントでの登場がメインだが、チェシャ猫を任意に呼び出してヒントを聞くシステムがある。 特定の場所で、アリスを一定時間変身(バーサーカー化など)させることが可能。 条件を満たせばコスチュームチェンジすることが可能、ただし性能は変わらない 通常版では音声のみならず、テクスチャ表現も日/米と選択可能、米版はモデリングがガッチリしている(廉価版では選択不可) 評価点 なんと言ってもそのおどろおどろしい舞台と雰囲気、そして不気味にアレンジされているキャラクターが特徴的である。 チェシャ猫や兎など、お馴染みのキャラたちも怪物のようにおぞましい姿と化しているが、見た目で分かるほどの面影はきちんと残されている。他にもゴブリンのような見た目の小人、おぞましい姿のトランプ兵など、本作ならではのテイストに溢れている。 主人公のアリスが「非常にクールな少女」という描写になっており、童話由来の可憐な少女像とイベント時の冷静さ、冷徹ぶりとの凄まじいギャップが感じられる。 この主人公アリスは、外国の戦闘系女性キャラにありがちなアマゾネス系のマッチョキャラではなく、原作のままの少女のイメージを崩していないため、日本人でもすんなり受け入れられる造詣になっている。 アリスがナイフを片手に接近戦で切り刻む、トランプを投げつけて切断するなど、原作本来のイメージとのギャップも素晴らしい。 ちなみにアリスを一定時間放置しておくと、装備している武器ごとに違った待機アクションを行う。 チェシャ猫の圧倒的な存在感。 本作のナビゲート役と言えるチェシャ猫だが、非常に個性が高く、このゲームの世界にはピッタリなナビゲートキャラである。 日本語版のCVには豪華なキャストが当てられている。 主人公のアリス役に小林優子氏、チェシャ猫に大友龍三郎氏など、吹き替えの声優としてかなり豪華である。特にチェシャ猫役の大友龍三郎は非常にマッチしており、チェシャ猫の人気の高さに献上していると言ってよい。 BGMが非常に評価が高く、サントラも人気があり現在はMP3の配信などで落ち着いているが過去にはプレミアが付いていた。 本作のBGMはあくまで作風にあわせているBGMであるが、非常にマッチしている。 難易度を4段階から選べるので初心者でも難易度を最低にすればクリアは比較的容易。 3D映像は2000年当時であることを踏まえるとかなり綺麗な方である。 解像度は最大1600×1200まで対応しており、高解像度テクスチャにも対応している。サウンドもサラウンド対応。ちなみにゲームエンジンは『QUAKE III』で使われた「id Tech3」がベースとなっている。 賛否両論点 あまりにも雰囲気やキャラが気持ち悪いため、人によって好みは激しく分かれる。 スプラッタ表現は比較的控えめではあるが、雰囲気が合わない人はやめた方がいい。 問題点 PAD操作が出来ない 恐らくこれが一番の短所であると思われる。本作はジャンプをしたりするアクションゲームであるので、キーボード操作に慣れていないと中々きつい。 2000年のPCゲームなので致し方ないこともあるし、元々FPSが主流の米産なので日本人だけの短所と言える。 裏技的なものとして、コンソールモード(いわゆるデバッグモード)の設定によりパッド操作も可能、また現在ならばフリーソフトである「JoyToKey」を使えば、無理やりパッド操作をすることも可能なのでさほど問題ではない。 マップが比較的広いため、迷った時は大変である。 3D慣れしていない人は3D酔いする可能性がある。 投げナイフ(飛び道具)が強すぎる。 投げナイフは通常難易度なら敵を2発で倒せてしまうため、近距離武器のナイフなどの出番が少なくなってしまう、近づかれてしまい逃げられなくなった時に使用する程度。 敵の耐久力が上がる難易度「悪夢」では、投げナイフで敵を遠くから倒しておくスナイパーゲーになりやすい、ただしMPを消費するため闇雲に投げていてはやられてしまう。 日本語版でも、イベント以外では米ボイスになる。 米ボイスでのアリスが水中で溺れている声は非常に笑いを誘う。 なお、ローカライズに当たっては道中の掛け声や呻き等が英語のままというのは現在でも珍しいことではない(God of Warシリーズ等)。 廉価版では音声選択とテクスチャ選択が不可で日本版の機能しかない 総評 『不思議の国のアリス』という既存の作品に新たな解釈と独自の設定を呼び込んだ画期的ゲームである。 馴染み深い童話を下敷きにしつつバイオレンスかつグロテスクなアレンジであるため人を選ぶものの、有名な童話の二次創作作品でありつつアクションというジャンルということで日本にも本作のファンは多い。 何より、バイオレンス感溢れるアリスのキャラクター性と原作のイメージとのギャップが、ファンにとっても魅力的かつ好意的に受け入れられたことにあるだろう。 この作風に興味を持った方がいれば、是非プレイをおすすめしたい。廉価版も出ているので非常に安価で入手できる。 米テクスチャ選択が可能な通常版は現在入手困難になっているので、こちらを購入予定な人は注意。ただし、基本的にパッド操作が出来ないので、それを踏まえて購入を検討すると良いだろう。 余談 ゲーム開発時、原作の本を元に制作したかったため、制作者のアメリカン・マギーは、スタッフにディズニーアニメーション版のアリスを見ないよう言ったと言われている。 北米ではWin/Mac版の発売の後、PS2版も開発されていたがほぼ出来上がっていたにもかかわらずキャンセルとなっている PS2版がキャンセルとなった理由については、EA側の主張が「デベロッパーの倒産によるもの」であるのに対し、マギー氏は「パッケージイラストのデザイン変更等の残虐表現に対する過剰反応と上層部が取った及び腰の態度が理由」と主張している。この件はEAとマギー氏の間で大揉めとなり、その直後に彼はEAを去ることとなった。 ちなみに、残虐表現や暴力描写の規制に関し、マギー氏は本作のWin版の日本語版発売時のインタビューにおいて『ただ暴力的だから、残酷だからという理由だけで規制をかけられることはおかしい。自分としてもただ暴力を楽しむためだけのような、意味のない暴力描写はやらないが、ストーリーを表現する上でどうしてもそうした描写が必要な場合がある。本作ではアリスがトラウマを克服する過程を描く上ではどうしても必要な表現だった』という旨の発言を残している。 本作の実写映画化の企画も上がっていたが、現在は凍結している模様。 その後の展開 米国では2011年6月14日、日本では7月21日に10年ぶりに続編である『アリス マッドネス リターンズ』が発売された。 現実世界のロンドンと不思議の国を行き来し、アリス一家を襲った10年前の火事の真相に迫っていくシナリオとなっている。 この作品の360版ではDLCとして本作が配信されている(PS3版でも配信されているが、残念ながら海外のみ)。10年が経過してようやくコンシューマ移植が叶うこととなったが、残念ながら 英語字幕・英語ボイスのみである 。 一方、PC版も海外のOriginストア限定という形で本作が収録された『Alice Madness Returns The Complete Collection(*2)』がDL配信されていたが、現在は配信終了している。
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レーシングジャム 【れーしんぐじゃむ】 ジャンル レース 対応機種 アーケード(COBRA+HDD) 販売・開発元 コナミ 稼働開始日 1997年12月末 プレイ人数 1人~8人 判定 良作 ポイント セガのMODEL3をも凌駕するグラフィック 異常に高額なCOBRA基板 プレー料金 ある意味早過ぎた『バトルギア』 概要 筐体の種類 ゲームの進め方 収録車種 収録コース 評価点 問題点 総評 続編・その後の展開 余談 概要 コナミが『ミッドナイトラン ロードファイター2』及び『ワインディングヒート』の後継作として1997年に発売した3Dレースゲーム。 当時はタイトーから実車を収録したリアル路線の3Dレースゲーム『サイドバイサイドシリーズ』シリーズ(以下『SBS』)が登場しており、本作も前述の2作とは打って変わってリアル路線に転換。 『SBS』に競合しうる新たなリアル路線レースゲームの一角として注目されたのだが、あまりに高額な基板及びプレイ料金が祟り、結果的に不人気作への道を突き進んでしまった不遇な作品である。 筐体の種類 DX筐体 当時のACレースゲームでは稀であった70インチものワイド曲面プロジェクターに高音質のスピーカーの他、可動シートを採用した大型筐体。 視点切替ボタンや反力システム付きの大径ハンドルに加え、バックギア付きH型パターンシフト・クラッチペダル・サイドブレーキを搭載し実車同様の操作感覚を実現している。 ツイン筐体 DX筐体版の2ヵ月後の1998年2月25日に稼働を開始した、29型ブラウン管モニターを2基搭載した2人用筐体。1台の筐体につき2人まで通信対戦が可能。 ごく基本的な操作デバイスはDX筐体とほぼ同様だが、クラッチペダルは省略、シフトレバーも簡略化されシーケンシャル方式のみとなっている。 基本形状も1996年の『GTI Club』と同じだが、本作でシートやコントロールパネルの色が緑から赤に変更、AT/MT切替ボタン(*1)も無くなった。この仕様は以降のコナミ製レースゲームの標準筐体として長らく使われることとなる。 何れの筐体も最大8人まで同時に対戦プレイが可能。ただ圧倒的な出回りの悪さ故に8台通信可能な店舗はほぼ皆無に等しかったが…。 ゲームの進め方 1.規定のクレジットを入れてスタートボタンを押して始める。 2.空いている台の画面に対戦者を募集する画面が表示される。この時その台からゲームを始めると、自動的に対戦になる。 3.次にコースを選択する。この時ブレーキペダルを踏むとレースかタイムアタックを切り替える事が可能。 4.次に車種を選択する。 5.最後にATかMT(DX筐体の場合はAT・セミAT シーケンシャルシフトタイプ ・MT 要クラッチ操作 の三種類)を選択する。 6.レースorタイムアタックが開始される。時間内にチェックポイントを通過し、完走する。 完走時に筐体内最速タイムを出せた場合はネームエントリー。制限時間内に完走できなかった場合はゲームオーバー。 収録車種 6メーカー18車種の実車が全て実名で登場。但し馬力ごとのクラス分けの概念はない。また一部車種には社外製ホイール エアロが装備されている。 + 収録車種一覧 メーカー 車種 色 備考 ホンダ NSX(NA1) 赤 前期型 インテグラ TYPE-R(DC2) 白 シビック SiR-II(EG6) 青 マツダ RX-7 RZ(FD3S) 赤(*2) 中期型 サバンナRX-7 ∞(FC3S) 藍色 ユーノスロードスター(NA6CE) 黄 三菱 ランサーエボリューション IV(CN9A) 白 FTO GPX(DE3A) 赤 ミラージュサイボーグ ZR(CJ4A) 白 N1耐久風ラリーアートボディステッカー付き 日産 スカイラインGT-R(BNR32) 黒 中期型・ニスモ製フロントスポイラー装備 シルビア K s(PS13) 白 180SX(RPS13) 黒 スバル インプレッサ WRX Type-R STi Ver.III(GC8) 白 STI製WRフロントスポイラー装備 インプレッサスポーツワゴン WRX(GF8) 銀 レガシィツーリングワゴン GT-B(BG5) 緑 トヨタ スプリンタートレノ 3door GTV(AE86) 白 前期型・TRD製風フロントスポイラー装備 セリカ GT-FOUR(ST205) 白 MR2 III型(SW20) 青 収録コース 本作では初心者から中級者向けである公道をサーキットとしたコースと、上級者向けで低速コーナーが連続するワインディングコース・ジムカーナコースと3つのカテゴリで収録されている。 + 収録コース一覧 難易度 コース名 解説 初級 NIGHT COURSE 夜の市街地の高速道路とその下道を周回するコース。バイパス区間の高速セクションと市街地区間の高速バンクコーナーで構成される。まずはこのコースでドリフト走行を始めとする本ゲームの基本操作を学ぼう。 中級 DAY COURSE 初心者からステップアップしたい人向けの夏のシーサイド周回コース。ここをクリアできれば中級者の仲間入り、レーシングジャムの登竜門と言える。 上級 HILL CRIMB 低速テクニカルコーナーが連続する難易度の高い峠が舞台のヒルクライムコース。高速コーナーとテクニカルコーナーが混在し、クリアするにはそれなりの腕前が求められる。加えてライバルカーのレベルも高め。 最上級 DOWN HILL HILL CRIMB同様に峠が舞台のダウンヒルコース。こちらも高速セクションと低速コーナーが混在している。下りコース故にスピードが乗りやすくヘアピンや複合コーナーも鋭利かつ不規則的と難易度は非常に高い。ライバルカーの速さもかなりすばしっこくなっており、優勝するには相当な実力を要する。 初級 GYMKHANA BEGINNER ヘアピンコーナーが連続するジムカーナ場が舞台のコース。サイドブレーキドリフトの使い所が攻略のカギとなる。 中級 GYMKHANA ADVANCED 上級 GYMKHANA EXPERT GYMKHANA OPENROAD 規定コースが設定されておらず、ジムカーナの練習走行が可能。 評価点 DX筐体では使用基板に当時としてはパワフルなCPUやHDDを搭載した「COBRA」を採用し、他のゲームよりも美麗な画面と多彩な内容を実現。 その美麗なグラフィックは、同時期に同じく美麗なグラフィックを売りにしていたセガの「MODEL3」を使用したゲームをも凌駕するほどだった。その他の設備でも「70インチワイド曲面プロジェクター」等を採用し、約20年経った2018年現在の基準で見ても非常に豪華なものとなっていた。 「MODEL3」のポリゴン処理性能は秒間100万ポリゴンであるところ、COBRAのポリゴン処理性能は秒間500万ポリゴンと当時最高峰であった。 なお、1998年に稼働したツイン筐体版では、COBRA基板に近い性能ながらHDD非搭載でCPUも異なる「NWK-TR」を搭載している。 6メーカー18車種の国産の人気市販車が実名で登場しているというリアル路線ぶり。 非常に簡易的ながらポリゴン描写の車内視点も有り、ホイールは3Dで表現と、リスペクト元と目される『SBS』より細かい部分も再現されていた。 壁などに激しく激突するとスピンする点も『ミッドナイトラン』や『ワインディングヒート』からそのまま引き継がれている。但し車両の実名での登場に伴ってか、上記2作品で採用されていた「順位に関係しないアザーカー」の登場や「派手なクラッシュ表現」は廃止されている。 アザーカーの存在・派手なクラッシュは下記の『チャプターII』では実装されている。本作では自主規制していたのだろうか。 ドリフトしやすいお手軽かつ爽快感重視の挙動でありながらも、各種駆動方式の挙動特性も忠実に再現。 これまた『SBS』シリーズとはまた異なる方向で、挙動のリアル感と爽快感を絶妙に融合させたスタイルとなっている。スピード感も抜群で爽快感を感じやすく、高速コースなら最高速度は300km/hオーバーに達する事が可能で、エンジン音も比較的リアルに再現されていた。また同シリーズとは違い、「イン側から敵車に接触した際に自車の曲がりやすさが一時的に低下する」といったリアルさの無い理不尽補正は存在しない。 また『ワインディングヒート』からの昇華として、ジムカーナコース選択時のみ車種選択後に前後足回りや馬力の個別セッティングが可能。 更にパワーアップした音響面。 今作でも『ミッドナイトラン』『ワインディングヒート』に引き続き、Desper Products社による「SPATIALIZER 3D STEREO」なる立体音響を採用。しかも本作では筐体デザイン及び基板スペックの進化により、サウンド周りの質が格段に向上している。 BGMも前作同様、クラブミュージックを意識したような低音を強調したサウンドがプレイヤーの感情を程よく刺激する。 上記のDX筐体での臨場感と爽快感は相当なものであった事は想像に難くない。後述のようにプレイ料金さえ高価でなければ本作は名実ともに「良作」と言えるものであっただろう。 問題点 ここまで見る限りは評価点が多い良作と呼べる内容だが、本作には単体のアーケード作品として見ても致命的なほぼ唯一にして最大の欠点が存在する。 それは、先行販売されたDX筐体とCOBRA基板の高額な価格設定による、プレイ料金の高額化・出回りの悪さ・業界での低評価に集約されている。 異常に高額な筐体による弊害 COBRA基板に搭載されたHDD等のパーツ類は、現在と比べ物にならないほどに相当に高額なパーツだった。その結果基板単体の価格だけですら、当時のアーケード基板としては破格の80万円と言う高額もいいところな代物に。 追い討ちとばかりに専用筐体の本体価格も当時においては非常に高額(*3)であったため、まさにオペレーター泣かせの頂点ともいうべき程に大打撃を与えたと言われる。その結果、筐体そのものの出回りがすこぶる悪かった上、プレイ料金は1プレイ300円設定もザラで、当然この現象はゲーマー離れを加速させてインカムが伸びなかった。 尤も、当時の競合機種だった「MODEL2」「MODEL3」「SYSTEM22」等の3Dポリゴンゲー黎明期に開発された基板はどれも高価であり、「リッジレーサー」「デイトナUSA」の初期バージョン等のように1プレイ300円設定での稼働も、当時は決して珍しくは無かった。しかしこれらの競合他社作が後に1プレイ100円設定に値下げしていったのに対し、本作の場合は上述の通り基板や筐体の価格が当時の競合機種と比較しても桁外れに高価だったことから、プレイ料金の値下げも困難であった。 稼働開始から20年以上経過した現在においても現役稼働している店舗で1プレイ200円設定の筐体が多く見受けられるのはこれが理由とされる。 その他の問題点 他の競合他社のレースゲーム作品ほどではないものの、やはり制限時間は短くCPU車のレベルも比較的高め。 当時の例に漏れずと言ってしまえばそれまでなのだが、近年のレースゲーム作品に比べればはるかに難易度は高い。 総評 ゲームとしては良作の部類に入り、かつリアル路線のレースゲームとしても『サイドバイサイド』とは違った路線でリアルさとスピード感を良く融合させた挙動を実現しており、決して駄作ではない。 『SBS』をリスペクトしつつ、舞台としてサーキットや4つのジムカーナコースを追加する等、新たなリアル路線のレースゲームを作ろうとした心意気も評価できる。 だが基板・筐体価格の高額さがもたらした、1ゲームあたりのボリュームに対するプレイ料金の高さは結果としてゲームセンターの経営者・プレイヤーの両方が敬遠する結果を招いてしまった。 故に一部のユーザーの間では本作を「早すぎたバトルギア」として再評価する声もあり、各料金さえ安価であれば『SBS』や後の『バトルギア』と競合できる可能性を持っていた「惜しい」作品と言える。 後に筐体のほぼ全てが『スリルドライブ』シリーズにコンバートされたことや、基板や筐体の耐久性の低さによる損耗率の高さから、現在日本国内で営業稼働している個体は初代『スリルドライブ』と共に絶滅していると思われる。 故にこれから本作をプレイする場合、待ち受けるのは 修羅の道 。全国の中古基板屋に在庫として眠っている基板を個人購入し、自宅のTVやPCに接続して遊ぶレベルの覚悟が必要になる。 もし、中古基板屋で奇跡的に本作の基板を発見したら、是非とも出費を惜しまずに個人購入してでもプレイして貰いたい。他のリアル系レースゲームには無い独特の魅力的な要素の数々が、このゲームには詰まっているのである。 続編・その後の展開 1998年にはビッグマイナーチェンジ版とも言える『レーシングジャム・チャプターII』が稼働開始。 1作目の反省か、機械面で更にコストダウンが行われ、使用基板を筐体タイプを問わず「NWK-TR」に一本化・新規のDX筐体も画面モニターを50型プロジェクションに一本化。HDD非搭載故か、収録車種は同一ながらジムカーナコースは全削除。一方でコースをアップダウンの激しいものに一新、レース中にアザーカーが登場する等、『ワインディングヒート』に近い内容となっていた。 1作目での「リアルさ」が薄れた点が受けなかったのか、同年に同じ筐体と基板を使用する『スリルドライブ』が登場して以降、本シリーズの筐体の殆どは同作にコンバートされて市場から姿を消すこととなる。 本作を最後に『ロードファイターシリーズ』の新作にブランクが生じていたが、2010年に12年ぶりの新作となる『ロードファイターズ』が稼働開始。 目玉要素として、同社のアーケードゲームとしては初めて3D立体映像に対応。筺体に取り付けられている非接触型の3Dメガネで体感することができる。緻密なカスタマイズやドレスアップが可能となり、「ロードファイターチャレンジ」や「全国対戦」など、モード数が増加。本作から引き続きスポーツカーを中心とした国内の車両が実名で登場する他、初の海外車種も収録されている。 シリーズ初の試みとして、イメージガール「道端モモカ」が作中のレースクイーンとしてアトラクト画面などに登場するようになった。リスペクト元は言うまでもなく『リッジレーサーシリーズ』であろう。 余談 そもそもCOBRA基板を採用したゲームはこれ以外だと3D格闘ゲームの『ファイティング武術(ウーシュ)』とその続編である『~2nd』の合計でたった3つしかない。しかもそっちまで大コケしてしまった故に、COBRA基板は短命に終わる結果となってしまう。 数ヵ月後に発売されたツイン筐体版はコストダウンのお陰かある程度出回ったものの、やはりDX筐体の悪評が影響してか、他社作品に並ぶほどのヒットには至らなかった。 当時のゲーム情勢による更なる追い討ち 上記のハイコストぶりだけでも十分な痛手なのだが、同時期に運悪く当のタイトーから『サイドバイサイド2 エボルツィオーネ』が稼動、更にその約2年後には後継作の『バトルギア』も稼働開始。 同シリーズは、グラフィックこそ本シリーズより粗めなものの、それ以上にリアル感と爽快感の融合を実現した挙動(*4)と、一般的なプレイ料金(*5)で取っ付きやすかったため、ヒット作となった。結果として出回りの悪かった本シリーズは出来が良い割にあまり話題にされず、殆どのゲーセンから消え去ってしまった。 『バトルギア』に至っては使用基板にCOBRA基板と同様のHDDを採用、1999年時点で最多の実名車両数とコース数を達成する事になるのは皮肉と言えるかもしれない。
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アレスタコレクション 【あれすたこれくしょん】 ジャンル シューティング 対応機種 Nintendo SwitchPlayStation 4 メディア Switch ゲームカード PS4 Blu-ray Disc 開発・発売元 M2 発売日 2020年12月24日 価格(税抜) パッケージ版 6,800円 ダウンロード版 4,500円 ゲームギアミクロ同梱版 14,800円 プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 ポイント アレスタシリーズを一本に完全移植入手困難作がお手頃価格に希少サントラも収録まさかのゲームギアの完全新作 コンパイルSTGシリーズ M2 Shot Triggersシリーズ 概要 収録タイトル 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 かつて『ぷよぷよ』シリーズの著作権を保有していた旧コンパイルが、セガハードに発売したSTG『アレスタ』シリーズ。 本作は海外版も含めたシリーズ作品のカップリング移植である。 レトロゲームの移植に定評のあるエムツーによる生配信番組『M2STG生放送』の第1回目にて発表された。 エムツーが『アレスタ』シリーズの権利を獲得した後のタイトルとしては記念すべき1作目となる(*1)。 また、M2 Shot Triggersシリーズとして、初のコンシューマーソフトのみで構成された作品となっている(*2)。 収録タイトル アレスタ / 海外版Power Strike(*3)(1988年/SMS) GGアレスタ(1991年/GG) GGアレスタII / 海外版Power Strike II(*4)(1993年/GG) POWER STRIKE II(1993年/SMS) GGアレスタ3(完全新作) 限定版付属の『ゲームギアミクロ ホワイト』にも同タイトルが収録されている。そちらでは海外版は隠しコマンドで切り替えになっている(*5)。 特徴 M2ガジェット ショットトリガーズでお馴染みの機能、画面の余白に詳細情報を載せると言った攻略に役立つガジェットも健在。今作は4 3の家庭用ゲーム機からの移植の為、縦画面のアーケード移植より画面外のスペースが狭いということもあり、簡略化されている。今作以前に同社開発の『ダライアス コズミックコレクション』内『ダライアスアルファ』でガジェットは導入されていたが、非常に簡素な作りだったため、本格的なガジェット導入は初となる。 「GAME INFO」はプレイ中のタイトル名、難易度、スコアに加え、後何点でエクステンドするかの表示もある。 「PLAYER INFO」は残機をアイコンとして表示、残機の追加やフォースフィールドの発動までのチップを回収した数、アイテムを取った時の無敵時間の表示、ゲームの難易度を左右する「AutoLevelControl」。 「MUSIC INFO」はゲーム中に流れるBGMの曲名と作曲者名を表示。 「CONTROLLER INFO」は操作をリアルタイムに表示する。コントローラーのデザインは『アレスタ』ではセガ・マークIII、『Power Strike II』はマスターシステム、『GGアレスタ』シリーズはゲームギア。 「BATTLE ACHIEVEMENT」各ROUNDの道中、ボス戦のプレイを評価する実績。途中でノーミス達成かどうか確認できる。 「POWER UP INFO」攻撃と強化の情報、入手前の武器の確認、次のパワーアップを表示。 「TIMER INFO」ボスに到達するまでの時間、ボスを倒すまでの時間を表示。オンラインランキングの為の表示である。(*6)『GGアレスタ3』のみオンラインランキング用のスコアの表示になる。 お馴染み「スーパーイージーモード」は今作には存在しないものの、『アレスタ』のみEASYモードが搭載されている。これは、『アレスタ』が非常に高難易度である為に用意されたもので、「ミス時にパワーダウンしない」「違う特殊武器を取得しても武器レベルが維持される」「アイテム取得時の無敵時間を延長」「アイテムキャリアーの出現数増加」といった措置が取られている。 『GGアレスタ3』 本作、及びゲームギアミクロホワイトの為に作られたゲームギアの完全新作。 元エムツーの音楽家の並木学率いる『スーパースターソルジャー』等の過去のSTGを手掛けたベテランスタッフ達によりゲームギアの性能を限界まで生かして作られた。 主人公はリュナ・ワイゼン。テロ組織にハッキングされた周辺の衛星やステーション群に挑むためにアークセイバーに乗り込み、出撃する。キャラクターデザインは『キミキス』や『アマガミ』などで知られる高山箕犀氏が手掛けている。 Pエンブレムから出てくるアイテムは入力方向の反対側に発射して敵弾を相殺するオールレンジ、敵を追尾するチェインチェイサー、自機をガードするディフェンスビット、火柱弾を前方に発射するファイアウォール、自機の左右からレーザーを発射するライジングレーザー、周囲へ発射するターレットガン。 アレスタチャレンジ 各作品のステージやボスを任意の特殊武器や難易度等を設定して練習できるモード。『ケツイDeathtiny ~絆地獄たち~』『エスプレイドΨ』にあった「アーケードチャレンジ」にあたるモードで、被弾すると自動的に数秒前に巻き戻しされる「リワインド」機能も引き続き搭載している。 各作品、ステージ、難易度、特殊武器毎にそれぞれクリアメダルが設定されているため、コンプリートを狙うとなると膨大なボリュームを誇る。 『GGアレスタ3』のみ新作扱いのため、最初はステージ1しか選べずゲーム本編でステージをクリアしていく毎にステージが解禁される仕様となっている。 評価点 移植のクオリティ M2のお得意の自作エミュレーターによって当時と変わらない感覚でのプレイを可能とする移植を実現している。 過去に『SEGA AGESシリーズ』の『アレックスキッドのミラクルワールド』を手掛けた事もあってか、『アレスタ』はセガ・マークIIIのエミュレーターを拡張した形となっている。 ゲームギアミクロ向けのゲームギアタイトルの移植は過去に行われているが、『GGアレスタ』シリーズについては今回が初の家庭用ゲーム機向けのエミュレーションとなる。 『Power Strike II』はちゃんとヨーロッパ向けSMSの基準である50Hz稼働となっている。実機では『PSII』自体にプロテクトがかかっていない事から、日本のSMSに『PSII』をピン配列変更用のゲタを介して差し込んでも起動はするのだが、日本向けSMSの基準である60Hzで稼働してしまい、ゲームスピードが想定している物ではなくなってしまう。単にエミュレーターにデータを突っ込んでいるのではなく、エミュレーター上では50Hzで動かしつつ、画面表示間隔が60Hzの日本のTVで違和感なく動くように調整が入っている。ちなみに堀井社長が『PSII』を購入した5年前には「50Hzにするのは難しい」とTwitterで漏らしていたが、製品化するにあたってキッチリ50Hzに仕立てられていることからもM2の技術力の高さをうかがい知ることができる。 旧作は全てが初移植のタイトル いずれも今となっては入手困難であったり中古価格が高値のタイトルとなっていたため、今回のコレクションとして復刻されたことで、本作はパッケージ版は6,800円、ダウンロード版は4,500円と比較的に購入のハードルが低くなり、手を出しやすくなった。 『アレスタ』は過去にWiiバーチャルコンソールでMSX版が移植されていたが、セガ・マークIIIのオリジナル版は今作が初移植になる。さらに海外版である『Power Strike』も同時収録されている。 『GGアレスタ』は出荷数が少ない上、現品は箱無しでは1万円以上、箱ありで状態問わず4万円以上の値がついているが、本作に収録された事で大幅に触れやすくなった。 『GGアレスタII』は中古で1万円以上だが前作と比較するとまだ良心的。こちらも海外版仕様の『Power Strike II』(※下記のSMS版とは別物)を選択可能。 『Power Strike II』はスーパーファミコンやメガドライブ等が現役時代の1993年に欧州に向けて発売されたが、当時の日本ではマスターシステム向けの展開が既に行われていなかったため、27年越しとなる日本初上陸になった。欧州ではマスターシステム末期時代に発売されたソフトである為レア物と化しており、日本国内では逆輸入時の中古価格が3万円以上(に加え、上記のように正常に動かすには欧州版本体と50Hzに対応するモニターもしくは周波数を擬似的に変更出来るコンバーターが必要)となっていた。 新作『GGアレスタ3』のクオリティ エミュレーションだけでなく、ゲームギアの実機でもちゃんと動くように制作されている(*7)。非常に手間のかかっている新作として話題になった。 美麗なドット絵はゲームギアとは思えない程丁寧な書き込み具合である。 『アレスタ』シリーズらしいシナリオは当時からのユーザーをも納得させる出来。 BGMも「Hacking Storm」「Last Messiah」「Dogfighter」「Deeper into abyss」とゲームギアの音源を活かした名曲揃い。 単純にSTG新作としての完成度が高く、懐古層以外のSTGファンや初心者にもオススメできる内容となっている。 効果音を含めて破壊の爽快感に溢れており、簡単すぎず難しすぎずの良好な難易度でプレイ感覚がとても良い。やや初見殺しが目立つものの対処法が分かりやすく、前述のアレスタチャレンジで要所要所の練習が可能。 ゲームギア用ソフトという制約がありながら、各面ごとに趣向を凝らしたド派手な演出が備わっており、先へ進む楽しみを大いに感じさせる。 過去2作のように特殊武器が〇〇一択といったバランスにはなっておらず、プレイヤーによって相性の良い特殊武器を選ぶ楽しみを持たせている。 ガジェット 特に『GGアレスタ』はステージをクリアするまでスコアがはっきりしなかったが、ガジェットのお陰で特定の敵を倒すことによって何点取ったかなどが分かりやすくなった。 残機は10機以上エクステンドしていても9機で表示はカンストされてしまったが、アイコンを縦2列、横10列で合計20機まで表示されるようになり増減が把握しやすくなった。 今まで武器を取るまでパワーアップの効果が分からなかったが、本作は武器を取る前に確認ができるようになった。ボス戦の前に違う武器を取ってしまうなどの失敗のリスクが減った。 アイテムを取った時の無敵時間が詳細に表示されるおかげで、どの敵に何秒以内に突っ込む事が出来るかなどが考えられるようになった。 希少価値の高い資料 当時の取扱説明書は公式サイトでしか見られないが、ゲーム内のギャラリー機能により当時のパッケージや本作のイラストが見られる。特に実機でソフトを入手できても外箱はなかなか見かけないため、電子化された本作なら堪能できる。 各タイトルのサウンドトラックも収録(*8)。曲名は『アレスタ』以外GAME SOUND LEGEND SERIES 「LEGEND OF GAME MUSIC ~CONSUMER BOX~」に基づいている。 最初に音源化された方は本作の定価を超えるプレミア価格となっていることを考慮すると、この点でも非常にお買い得と言える。 『Power Strike II』は最初の音源化が60Hzでの収録であったことから原作のプログラマーであった「じぇみに広野」こと広野隆行氏がTwitterで不満を訴えた事があったが、今回はちゃんと50Hzでの音源となっている。 限定版には新作『GGアレスタ3』の設定資料集も特典として付属している。 ショットトリガーズからの改善点 シリーズの前作の『エスプレイドψ』では画面を変更するとガジェットが強制非表示になる問題があったが、本作はガジェットの一括非表示は画面の変更時に移動し、ノーマル、ドットバイドットのありかなしの各2種類になった。 ソフトの起動時のロードが速い。 ダイレクトメニューに移動するときは前作は小型メニューであったが本作は選択前のメニューに戻るようになった。 賛否両論点 バーチャルコンソールの価格を基準にした場合の割高感 評価点に挙げた通り、現品の市場価格と比較すると安いのではあるが、Wiiや3DSにおけるバーチャルコンソールの一般的な価格と比較するとやや割高な印象となる。 通常、VCではセガ・マークIIIとマスターシステムは514円、ゲームギアは286円。本作の5作分に単純換算すると1,886円、海外版を含めても2,686円。こう考えると少し高いのではという批判も存在する。 もっとも、本作の収録タイトルは実際にはバーチャルコンソールに出ておらず、M2による高いクオリティの移植が実現されており、新作やおまけ要素も収録されていることを考えると付加価値も含めての価格設定であると言える。 同じく旧作移植である『聖剣伝説コレクション』等でも、表面だけを見て同様の事柄を言われることがあるが、3D復刻シリーズやSEGAAGES等、M2が関わった仕事のインタビューをじっくり読み込むと、実際には単純な右から左のベタ移植でなく、忠実に再現するために信じられないレベルの工数が掛かっていることが窺える。それ故に「むしろこの値段で販売して利益があるの?」という感想を持たれる事が多い。 問題点 音楽を選択しても正常に音楽が流れないことがある。 後のアップデートでも改善されていない。 『アレスタコレクション』と謳っているが、シリーズ全タイトルが網羅されていない。 『アレスタ』シリーズは様々なハードで展開されていたのだが、今回はセガ・マークIII/マスターシステムとゲームギアからの移植のみに絞られている。 おそらく「ゲームギアミクロ」先行での企画となっているため、GGMで動かせる見込みの無いメガドライブや他社ハードの移植は不可能だったのではないかと考えられる。残りのシリーズ作としてはMD版「武者」は加賀電子が権利を保持しているため除外すると、MSX2版「初代、外伝、2」。SFC版「スーパー」。MCD版「電忍」の5本となっている。 後の生放送でそれ以外のハードで展開されたコレクションの続編構想がある旨の発言が出ている。 総評 入手困難になったシリーズを現行ハードへと移植し、さらに当時のプレイ感覚をほぼ完璧な形で実現した。 新規ユーザーにも取っつきやすい便利機能、マニアに感動を与える資料性、現在の市場価格から考えられるお手頃価格等が詰まった作品と言える。 今から『アレスタ』をプレイするならこれが決定版と言えるだろう。 余談 本作の発売から2年前の2018年のトークショーで「2008年に『SEGA AGES 2500シリーズ』の時から本作の構想が既にあり、『Vol.33 ファンタジーゾーン コンプリートコレクション』の後にM2社長の堀井氏は前向きに考えていたが、SEGA AGESのディレクション担当であったセガの奥成氏から同シリーズの終了を宣言された為、企画が一旦凍結された」事が明かされた。 2020年の本作発表当時、上述のトークショーを知るファンにとってはその企画が実現したことにより大きな衝撃が走ったと言う。 本作の再開のきっかけは『アレスタブランチ』にゲームギアミクロホワイトを同梱する計画を立てたがコンセプトの相性が悪かった事や開発が難航されたためとの事。 パッケージ版には限定特典のインタビュー雑誌「Aleste history」が付属。 内容は仁井谷元社長のコンパイルの更なる設立経緯や『アレスタ』の誕生経緯、名前の由来等。プログラマーである広野氏が初めて明かす『Power Strike II』の誕生経緯や当時のコンパイルの状況、武器の一新の真相。当時のスタッフがメールインタビューで明かす『GGアレスタ』シリーズ裏話を中心として盛りだくさんの内容となっている。 本作未収録の『アレスタ』シリーズ作品の短い紹介、『アレスタブランチ』の続報、広野氏の漫画もおまけに収録。 限定版付属の『ゲームギアミクロ ホワイト』のスタッフクレジットにはM2完全新規制作のミニゲームが仕込まれている。 スタッフクレジットを起動し1・2ボタンを押すとマスコットキャラクター「キャリーくん」が現れ、文字を崩すミニゲームが遊べるというもの。最終スコアに応じて全十数種類のイラストが用意されている。 何気にM2がマスターシステム仕様で作った初めての新規ゲームとのこと(M2STG生放送#4より)。 限定版には『ビッグウィンドーミクロ ホワイト』も付属している。 元々はゲームギア本体に付ける拡大鏡で、それのゲームギアミクロ対応版。ミクロは画面の異様な小ささが欠点でもあったため、これを取り付けることで大分見やすくなる。 当初はゲームギアミクロ4色コンプリートセット予約特典の数量限定商品だったため、確実に手に入るのは嬉しい。カラーも前者がブラックだったのに対し、こちらは本作限定のホワイトになっている。 2021年1月28日に『G-MODEアーカイブス ZANAC』が配信された。 旧コンパイル消滅後に権利が再整理されて以降『ザナック』と『アレスタ』が同一ハードに登場するのは初となる。 同年1月にはシリーズ初となるアーケードゲーム『戦刃(せんじん)アレスタ』が発表された。2021年7月15日にALL.Net P-ras MULTI用タイトルとして配信開始された。 ちなみに旧コンパイルから『アレスタX』のタイトルでアーケード作品をリリースする予定があったものの、企画立ち上げが旧コンパイルの和議申請と前後したため実現しなかった。 また、「戦刃」のアルファベット表記は「SEN-XIN」となっている。この『アレスタX』を意識したものかは不明であるが。
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ガールズ パンツァー ドリームタンクマッチ 【がーるずあんどぱんつぁー どりーむたんくまっち】 ガールズ パンツァー ドリームタンクマッチDX 【がーるずあんどぱんつぁー どりーむたんくまっちでらっくす】 ジャンル 戦車アクション 対応機種 無印 PlayStation 4DX Nintendo Switch 発売元 バンダイナムコエンターテインメント 開発元 ナツメアタリ 発売日 無印 2018年2月22日DX 2019年2月21日 定価 7,600円(税抜) プレイ人数 1〜10人 セーブデータ 1個 レーティング CERO A(全年齢対象)(*1) 判定 良作 ポイント 戦車道、極めました!あらゆるシステム面が大きく進化原作視聴済みのファン向き ガールズ パンツァーシリーズ戦車道、極めます! / ドリームタンクマッチ 概要 ゲームモード システム 評価点 問題点 総評 概要 アニメ『ガールズ パンツァー』のゲーム化作品のひとつで、家庭用機向けとしては『戦車道、極めます!』に続く第2弾となる。 OVA『最終章』の展開を控えたタイミングで発売され、基本的に2015年公開の『劇場版』までの内容をもとにしているが、BC自由学園が登場するなど一部『最終章』の内容も反映している。 無印版が2018年にPS4で発売されたのち、追加要素を収録した『DX』が翌年にSwitchで発売。無印版では有料DLCという形で追加要素が配信された。 ゲームモード 感想戦モード 『劇場版』の後日談として、感想戦を行うという設定で同作を再現したミッションをプレイしていくモード。 各ミッションにつき1話が割り当てられており、ミッションの無い回も含めて全21話構成。各話では、フルボイスのプロローグが流れたのち試合に入る。 ミッションには「相手の殲滅」「特定時間の防衛」などいくつかの種類があり、クリアすると次の話数に進めるようになる。一部を除き、ミッションはその試合を戦った双方の視点から選んでプレイできるが、一つでもクリアすれば次に進める。 ミッションをクリアすると、試合内容に応じてポイントが手に入り、累計獲得ポイントによりプレイヤーレベルが上がっていく。これは他のモードでも同様。 争奪戦モード プレゼントを懸けた雑誌企画の勝ち抜き戦を行うという設定で、5回連続して試合をプレイするモード。最終戦に勝利した際の一枚絵が最終目標となる。 一度でも負けてしまうとゲームオーバー。 作中の各校ごとに全9エピソードがあり、クリア状況はそれぞれに記録される。 戦車道祭 トーナメント戦形式で試合を勝ち進み、優勝を目指すモード。無印版では有料DLC。 開始前に「操作者」(プレイヤーキャラ)と「仲間」およびそれぞれの戦車を選んで戦う。はじめはこのペアでの戦いとなるが、試合に勝つと相手方から仲間と戦車を1つずつ引き抜くことができ、進めるごとに対決人数が増えていく。 一度でも負けてしまうとゲームオーバー。 エクストラマッチ 「感想戦モード」のようなミッションを集めたモード。基本的にストーリーはないが、一部に簡易な掛け合いが挟まれるものもある。 フリーマッチ ステージや敵・味方のキャラクター・戦車、ルール等を自由に設定して試合ができるモード。 オンラインマッチ(『DX』では通信プレイ) その名の通りオンラインの協力・対戦プレイができるモード。特定のシチュエーションによる試合を楽しめるものや自らルールを設定できるものなど、複数のマッチングタイプが用意されている。 オンライン対戦での勝率により、プレイヤーレベルとは別に「クラス」が上がっていく。 『DX』ではローカル通信による対戦も可能となっているが、オンライン対戦とは異なり同時プレイは最大8人まで。 戦車倉庫 手持ちの戦車の乗員や見た目などを変更できる。また、カスタマイズした戦車を各マップでテストドライブすることが可能。 各種設定 BGM・SE・ボイス音量やカメラ操作の設定などができる。 システム 試合は、最大で5対5の戦車同士の戦いである。必ず赤・青の2チームどちらかに分かれての参加となり、3チーム以上になることはない。 どのルールでも、砲撃を相手戦車に当ててHPを0にし、撃破することが主目的となる。撃破された戦車は行動不能となり、プレイヤーが撃破された場合は通信プレイ時を除いてその時点でゲームオーバーとなる。 ルールには、相手の戦車を全て撃破すれば勝利となる「殲滅戦」と、1台のフラッグ車を撃破すれば勝利となる「フラッグ戦」がある。 戦車のステータスは、各車両のデフォルト値のほかに「乗員」が持つ効果によって決まる。 乗員は3〜6人(戦車ごと異なる)を選択でき、うち1人は試合中に3Dモデルで登場する「車長」となる。作中で関係を持つ他の乗員と同乗させると「コンビネーション」が発生し、ステータスの上昇値が上がる。 また、ステータスには影響を与えないが、偽装工作や戦車の機能強化などの効果が得られる「支援カード」を乗員とは別に設定でき、試合中に任意のタイミングでカードスキルを使用できる。 コンビネーションが発生する組み合わせは原作での同じチームや姉妹、親友等の分かりやすいものから、ドラマCDやイラストストーリー等の公式媒体での絡みから採用されたりと、膨大な数にのぼる。 このほかプレイに直接関係ない要素として戦車のカラーとデカール(装飾)も選択できる。乗員・支援カード・デカールは、いずれも感想戦モードやエクストラマッチのミッションクリアで追加されていくほか、一部DLCとして入手できる。 試合では後方視点と主観視点を切り替えながら移動と照準合わせを行い、砲撃を当てていく。砲撃後の再装填(リロード)は自動で行われるが、指定のタイミングで砲撃ボタンを押すことで大幅に早くリロードすることもできる(クイックリロード)。 試合開始時点では敵の場所は分からないため、マップを回って敵を探す。敵を発見するとその場所がマップに表示され、照準のロックオンが可能となるが、一定時間視界から離れると再度発見するまでマップからは消える。 砲撃によるダメージは命中した場所によって異なり、戦車ごとに設定されている弱点(装甲の薄い箇所)に当てるとダメージ量が上がるが、逆に装甲の厚い箇所に当てた場合や、戦車に対して水平方向に角度がある状態で攻撃した場合は大きく下がる。また、履帯に攻撃すると修復までの間相手を足止めできる。 こちらが履帯に攻撃を受けた場合、一応自動で復旧はするが非常に遅いため、基本はボタン連打で早く修復させることになる。 味方戦車に対しては偵察、防衛、砲撃といった作戦指示を出すことができ、少人数ながらチーム戦として戦略を練りながら戦うことになる。 移動や砲撃を繰り返すごとに「アクティブゲージ」が溜まっていき、満タンになると「車長スキル」と「パンツァーハイ」を使用可能になる(使用した後はまた0から溜まる)。 車長スキルは車長ごと異なる戦闘支援効果をもつ。パンツァーハイでは一定時間自機が無敵になるほか、敵車輌の弱点表示に加え、クイックリロードが自動化される。 ガルパンらしい戦車の挙動の再現として、一定以上の速度を保っている状態だとドリフトすることが可能。 また、ドリフト中は攻撃力が上がるようにもなっていて、ドリフト中の攻撃で倒すと「ドリフト撃破」になり、貰えるポイントも大きくなる。ロックオンした相手をドリフト射撃で倒していくのが基本的な動きの一つになる。 さらに、一部の戦車は劇中でCV33やクルセイダーが行った180度ターン(ナポリターン)も行える。 一般的な戦車ゲームだと、停止した戦車が動き出してから最高速に到達するまでは時間が掛かってしまうが、本作では停止した状態からロケットスタートすることが可能。一瞬で最高速に到達して走り出すことができるほか、急な坂で止まっても登り抜くことができる。 その為、本作の戦車は重戦車も含めて非常にスピーディーに動かせる。「戦車のゲーム」ではなく「戦車道のゲーム」なのだ。 一部の戦車にしかない特徴的な機能も再現している。 M3リーやルノーB1など主砲に加え副砲も持つ戦車は、副砲を撃つことができる。 ポルシェティーガーは、『劇場版』から度々使用しているEPSによる超高速ダッシュを使用可能。一度のリスポーンに付き1回のみ使える、切り札のような存在。 BT-42とT28は履帯を切り離すことができる。加速性能や耐久性が落ちる代わりに最高速度が上昇し、切り離した瞬間に履帯損傷が回復するという特徴がある。ただしBT-42は操作が難しくなるうえ、こちらも一度のリスポーンに付き1回しか使えない。 評価点 あらゆる箇所で再現度が高い 戦車の操作性はもちろんのこと、命中箇所によるダメージ量の差異や装備の破壊まできちんと実装されており、作中の試合にあったような演出をゲームでも楽しめる。 攻略本にしか記載されていないが、各戦車のステータスには非常に多岐に渡る項目のマスクデータが設定されており、作り込みの一端をうかがわせる。 原作に登場する非現実的なシチュエーションや作戦も支援カードで再現できるなど、原作リスペクトの要素は非常に充実している。どのモードも、会話は全てフルボイスになっているのも高評価。 搭乗しているキャラクターは戦車の動きに合わせて慣性が働く様子まで表現。砲撃を受けるとすぐに体を引っ込める。かわいい。 車長の種類も豊富に作られており、劇場版の大学選抜戦に参加したキャラクターのうち、大洗の各チームの車長以外のキャラクターおよびプラウダのニーナとアリーナ以外は全員を車長に設定することが可能。追加要素を加えるとBC自由学園の3名やお銀、そしてまさかの蝶野亜美も車長にできる。 また各種行動や被弾の際には編成したキャラ達のボイスが逐一入る。原作と同じ組み合わせだと車長のボイスに掛け合いをする形で乗員がさらに喋り、劇中のように非常に賑やかになる。 マップもかなりこだわって作られている。さすがに現実から一部を省略してはいるが、アニメに登場しない部分まで実際の街並みを再現した「大洗市街」の作り込みはなかなかのもの。テストドライブで隅々まで走ってみたくなることだろう。 カジュアルな戦車ゲームとしても成立している 味方がCOMの場合を含め、作戦マップによる具体的な行動指示や移動目標の設定、メッセージによるコミュニケーションなどが可能。きちんとチームとして戦うことができる。 前作では接近砲撃が大正義であることや照準操作の煩雑さなどお世辞にも快適とは言えないプレイ環境が問題視されていたが、本作ではこうした問題点は一掃されたと言ってよい。 オンライン対戦では勝敗が決まるまでは何度撃破されても再出撃が可能(ただし殲滅戦はコストが無くなるまで、フラッグ戦ではフラッグ車になった人が撃破されると即座に敗北)な点が、対戦の気軽さを後押ししている。 各戦車や車長の性能に多少の格差こそあれど、個々の戦車に得意不得意が分かれることもあって味方との連携や相手チームとの読み合いと言った戦略性が高いゲーム性になっており、今なお熱中している人々を生み出している。 既存作品の新しい解釈を知れる感想戦モード テレビアニメや『劇場版』は主人公の在籍する県立大洗女子学園を主軸に描いていたが、感想戦モードでは相手側からの後日談やうんちくなどを聞ける。『ガルパン』ファンなら聞いておきたい。 追加要素では、現役の戦車である陸上自衛隊の10式戦車も使用可能になる。 現代の戦車だけあって作中の戦車との性能は比べ物にならず、あらゆる点でチートの一言。重戦車より攻撃力も防御力も高い一方で軽戦車よりも速く走り、自動装填装置が搭載されているためクイックリロードも発生しない。特にPVでも話題になった砲塔の旋回速度は驚愕の一言。 なお、戦車道のレギュレーション違反(*2)であるためオンライン対戦では使用できないのでご安心を。 問題点 ストーリー成分がやや不足 しっかりと背景のストーリーまで作られているのは感想戦モードだけで、他は取ってつけたような前振りしかない。 その感想戦モードも大半は『劇場版』の振り返りなので、『ガルパン』の完全オリジナルストーリーを求める人には物足りなく感じられるかもしれない。 また前作と違い、アニメでのあらすじの概説が非常に簡素であるため、原作を全く知らない人がプレイすると世界観に混乱する可能性がある。 難易度の高いミッション 「山道」というステージでのミッションの難易度が特に高く、苦手な人はここで詰まってしまう可能性もある。 このステージはチェックポイントを通過しながら制限時間内に目標地点到達を目指すという専用ルールとなっている。進むにつれ道が細く険しくなって非常に通行しづらいだけでなく、バランスを崩すとあっさり崖から滑落してしまう。落ちてしまうとその時点でゲームオーバーのため、かなりシビア。 感想戦モードでは「高地頂上からの撤退戦」で登場。原作でカール自走砲からの砲撃から撤退するカチューシャの視点を描いたミッションであり、予告はあるがカールの砲撃が定期的に発生。途中からは敵車輌の追撃も発生する。 エクストラマッチでは大量の敵戦車をかわしていくミッションと、敵車両こそいないが極端にコントロールが難しいローズヒップのクルセイダーによる走破を目指すミッションの2種類が存在。感想戦モードと違い制限時間も厳しいものとなっており、エクストラにふさわしい難易度となっている。 後にアップデートで修正されたが、ミッション開始前の会話がスキップできないためリトライが非常に億劫な仕様ともなっていた。 収集要素が作業的 どのモードも、一通りのプレイを終えてしまえば難易度変化や別モードなどはない。各モードのボリューム自体は一定の水準に達しているが、デカールや乗員といった収集要素の数がミッション数より大幅に多いため、コンプリートを目指す場合は同じシチュエーションを何度もこなさなければならない。 無印版の扱い リリースから1年しか経過していないにもかかわらずSwitchで完全版が発売され、無印版で追加要素を反映するには3,500円の有料DLCが必要になるという顛末はPS4ユーザーから非難の声が大きかった。 「戦車道祭」は「争奪戦モード」の発展型で、他の追加要素はキャラクターモデル等の追加がほとんどのため、DLCの有無で全体のボリュームに大きな差が生じるわけではない。ただ、キャラの個性が重視される作品であるゆえ、プレイヤーキャラが20以上も未実装となると無印版ユーザーから反発が起こるのは当然である。 総評 前作から数年の時を経て、キャラゲー部分でもゲーム部分でも大きく進化。戦略性のある戦車ゲームとしてもそれなりに楽しめる作品となっており、マルチタイトル化に至るなど高く評価された。 発売から6年以上経過した2024年4月現在でも、夜間であればほぼ毎日10人でのオンライン対戦が成立しているのもその証だろう。 先発のPS4版は販売条件の面でやや不遇ではあるが、『劇場版』と『最終章』の幕間の出来事を扱った本作はファンにも十分お勧めできる。
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支給品カタログ 【金田一少年の事件簿】の支給品 【GS美神 極楽大作戦!!】の支給品 【ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風】の支給品 【ストリートファイターシリーズ】の支給品 【鳥人戦隊ジェットマン】の支給品 【DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】の支給品 【幽☆遊☆白書】の支給品 【らんま1/2】の支給品 【カードキャプターさくら】の支給品 【機動武闘伝Gガンダム】の支給品 【サクラ大戦シリーズ】の支給品 【古畑任三郎】の支給品 【ケイゾク】の支給品 【ターミネーター2】の支給品 【レオン】の支給品 【ダイ・ハード2】の支給品
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NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム 【なると なるてぃめっとすとーむ】 ジャンル 忍道対戦アクション 対応機種 PlayStation 3PlayStation 4Nintendo SwitchWindows (Steam) 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 サイバーコネクトツー 発売日 【PS3】2009年1月15日【PS4】2018年2月1日【Switch】2018年4月26日 定価 【PS3】7,800円(税込)【PS4】2,750円(税込)【Switch】2,750円(税込) プレイ人数 1~2人 レーティング CERO A (全年齢対象) 備考 Switch版単品はダウンロード専売Steam版は日本語未対応 判定 良作 ポイント ハードをPS3に移したシリーズ1作目木ノ葉の里を自由に駆け回れる奥義映像がやや冗長 NARUTOシリーズリンク 概要 ゲームシステム キャラクター 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 PS2で発売されていた『ナルティメットヒーロー』『ナルティメットアクセル』の後を継ぐ、サイバーコネクトツーが贈る『NARUTO』対戦アクションの第1作目。本作では中忍試験編から木ノ葉崩し編までの第1部のストーリーを描く。 ゲームシステム 基本操作 2.5D格闘だった『ヒーロー』『アクセル』とは大きく趣を変え、『ディシディア ファイナルファンタジー』のような自在に移動できるフリーランの対戦アクションとなっている。 ◯ボタン連打とスティックの組み合わせでコンボが出せ、△長押しでチャクラをチャージして強力な忍術や奥義を放てるシンプルな操作性はそのまま。□で手裏剣を放って牽制も可能。 相手の攻撃が当たる直前にタイミングよくL1ボタンを押すことで「変わり身の術」を使い攻撃を回避できる。 奥義は相手との打ち合いだが、コマンド式(デフォルト)、連打式、スティック式を選べる。 モードは次の3種類。 アルティメットミッションモード 木ノ葉隠れの里を自在に駆け回り、様々な任務をクリアしていくアクションアドベンチャー。任務数は101に及ぶ。 フリーバトルモード キャラクターを自由に選んで3VS3のバトルが楽しめる。 オプションモード 各種設定が可能。 キャラクター + プレイアブルキャラクター うずまきナルト うちはサスケ 春野サクラ 奈良シカマル 山中いの 秋道チョウジ 日向ヒナタ 油女シノ 犬塚キバ 我愛羅 テマリ カンクロウ 君麻呂 大蛇丸 薬師カブト 自来也 綱手 うちはイタチ 干柿鬼鮫 三代目火影 + サポート専用キャラクター(無料DLC) シズネ 猿飛アスマ 夕日紅 初代火影 二代目火影 みたらしアンコ 次郎坊 多由也 左近 鬼童丸 評価点 良質なグラフィック ハード性能の向上と自在に駆け回れる戦闘システムにより、まるで2Dのアニメを動かしているかのような感覚を味わえる。 リアルタイムレンダリングで繰り広げられる奥義映像はまさに圧巻の一言に尽きる。 シンプルな操作性 『ヒーロー』や『アクセル』でも好評だった、簡単な操作を取り入れている。 コスチュームや形態の変化が適用されている 今作はストーリーをクリアすることで、一部キャラクターの衣装や覚醒後のキャラが使用可能になる。 覚醒キャラはナルト(九尾化)、サスケ(呪印状態2)、リー(八門遁甲)、ガイ(八門遁甲)、君麻呂(呪印状態2)の5人。 コスチュームはナルト(パジャマ(*1))、サスケ(黒装束(*2))、シカマル(中忍服)、砂の3兄弟(後期服(*3))の6人。特にコスチューム選択はヒーローやアクセルシリーズでは適用されなかっただけに、このシステムは嬉しい。 賛否両論点 やりこみ要素が豊富なアルティメットミッションモード 様々な移動方法を駆使して木ノ葉の里を自在に駆け巡る事が可能。壺を割ったり螺旋丸や手裏剣を放ったりとアクション要素も少しある。 任務はバトルだけでなく、木登りやレースの2種類のミニゲームもあり、バラエティに富む。材料を集めて一楽ラーメンの制作に協力するという一風変わった任務も。 口寄せ動物と戦う巨大ボスバトル(QTEイベントあり)も収録。 忍達のフィギュアを収集し、名勝負の数々をジオラマ形式で楽しめる。 内容が薄いアルティメットミッションモード イベントシーンは一部分しか収録されておらずファンとしてはガッカリ。大半は文字の説明のみで終わる。ヒーローやアクセルシリーズでは豊富なイベントシーンがあっただけに残念である バトルで使う忍術を増やすための巻物収集作業がかなり面倒くさい。 お使いが多く、ファンじゃないと時間がかかってしんどい。 ひと通りクリアするのに10時間ほどかかってしまう。 ミニゲームが2つ、あとは細かい作業がいくつかあるが、ちょっと難しかったりしてファンには辛い。 任務が100個あるが、ファンにはけっこう難しい。また、普通のバトルをする任務が100個のうちの半分を占めるが、フリーバトルモードで遊ぶのとやっていることがほとんど変わらないので、やる意味があまりない。ただし、任務の中には巨大ボスバトルなどのイベントもあり、そちらのほうは好評。 奥義映像が後のシリーズに比べて長め。 おそらく一人プレイを意識していると思われる。 問題点 フレームレートが30fps オンライン対戦に対応していない せっかくの対戦ゲームなのにオンラインで遊べないという点で格闘ゲームの良さを生かし切れていない。対人戦が面白いだけに本当にもったいない。 Steam版ならリモート・プレイによりPC同士でオンライン対戦が可能 SteamまたはParsecというアプリを介することでオンライン対戦ができるようになる。ただし、最初に対戦相手の人を見つけたりメッセージのやりとりをする必要があるので、やっぱり普通にオンライン対戦できるゲームと比べると少し面倒くさい。 変わり身の術が可能なタイミングがシビア 本作では変わり身は無制限だが、「攻撃が当たる直前」に限られるため連打でもしないと発動させにくい。 『ジェネレーション』では変わり身が有限となり、「攻撃が当たった直後」にも発動できるようになっていくらか使いやすくなった。 波の国編が未収録 再不斬と白は影も形もない。二人の参戦とそのストーリーは『ジェネレーション』まで待つこととなる。 そのため、初期の長編は「カカシと戦う」or「木登り修行」のみで面倒な展開になっている。 サスケ奪還編の不自然さ サスケ奪還編はナルトら奪還チームと音の4人衆の戦闘がメインとなるのだが、今作では4人衆がサポートでしか登場しないため、君麻呂が早期に登場する(*4)。 そのため、奪還メンバーと4人衆との戦闘はネジ(サポートにチョウジ)vs君麻呂(サポートに次郎坊と鬼童丸)、シカマル(サポートにキバ)vs君麻呂(サポートに左近と多由也)、我愛羅(サポートにカンクロウとテマリ)vs君麻呂(状態2)と、 本来君麻呂と戦うはずのないキャラが戦闘することになっている(*5)。 プラクティスモード、1VS1のシングルマッチがない ストーリーではちゃんと1vs1の戦闘があるのに、何故かCOM対戦では収録されていない。 シングルマッチは『2』で、プラクティスモードは『ジェネレーション』で実装された。 総評 当時としては、キャラクターのアニメーションなどのクオリティが非常に高く、他の追随を許さないグラフィックで多くの人の心をつかんだ、CC2の力作。後のシリーズに比べればいくらか及ばない所もあるが、それでも高い完成度を誇ると言っていいだろう。当シリーズは『4』まで発売され、『NARUTO』のゲームの集大成に相応しいものとなった。 余談 2017年7月27日に『1』『2』『3』を一本にまとめた『NARUTO-ナルト-疾風伝 ナルティメットストームトリロジー』がPS4で発売された。単品版は2018年2月1日にダウンロード専売で配信。 2018年4月26日にはNintendo Switchでも発売。それに伴い、『1』『2』『3』単品も配信されている。
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アルマジロ 【あるまじろ】 ジャンル 2Dアクションゲーム 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 IGS 発売日 1991年8月9日 定価 6,900円 プレイ人数 1~2人(交互プレイ) セーブデータ 要周辺機器(バトルボックス) 判定 なし ポイント ポップで個性的な世界観多種多様なアクション看過できない操作性の欠点 概要 ストーリー ゲーム内容 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 80年代後半から数年間だけゲーム事業に参入していた会社、IGSが発売したファミコンゲームの一つ。 二足歩行の擬人化されたアルマジロを操作する2Dスクロールアクション。 制作・キャラクターデザインは『奇々怪界』の薮崎久也氏が担当した。 ストーリー テキサスにすむアルマジロの「ビリー・ザ・シェル」には、恋人がいた。 彼女の名は「シェリル」、テキサスで一番かわいいと噂されているアルマジロだった。 ところがある日、悪の集団「くろまめだん」にシェリルがさらわれてしまった。 "シェルの恋人救出作戦"が始まった。 ゲーム内容 『マリオ3』型のワールドマップシステム ステージ選択方式を採用。 いわゆるワールドに相当する「ラウンド」は8つあり、順々に攻略していく。各ラウンドに4~8面のアクションステージがある。 ラウンド1のテキサスから始まり、ラスボスを追ってメキシコやアマゾンなど南北アメリカ大陸を駆け巡る。 上記ストーリーの通り、このゲームは現実世界の地名で舞台設定がなされている。 マップ上には主人公とともにボス(くろまめだん幹部)のアイコンが配置されており、各ステージをクリアしてボスまで辿り着くのが各ラウンドでの目的となる。 ボスと同じマスに入るとボスステージとなる。倒すとストーリー上でのラスボスの行き先が判明し、次のラウンドマップへ。 主人公が1マス動くごとにボスは主人公から遠ざかるように1マス動く。一度通過したマスを移動する場合はボスは動かないので、地道に踏破していればいつかは追いつめることができる。 ステージはごくオーソドックスな構成。 横スクロールで進んでいき、登場する敵や障害物を下記のアクションやアイテムを駆使し乗り越えていく。 主人公のアクションはAボタンでジャンプ、Bボタンで体を丸めることができる。 この丸まりがアクションゲームとしての本作のウリと思われる。この能力をフルに活かしクリアを目指すことになる。 丸まった状態であれば体当たりで敵を倒すことができる。少数の例外を除き無敵になり、ステージ上にあるトゲに触れてもダメージを受けない。 丸まり状態でもジャンプでき、Aボタンを押しっぱなしにして弾みをつけることで通常時ではできない大ジャンプが可能。 この状態で各所にあるスロープや下り坂を転がると当然スピードが出る。 壁に向かってジャンプすることで、壁に張り付くことができる。 あくまで張り付くだけで、そのままでいようとしても少しずつずり落ちてしまう。 方向キー+Aボタンで三角飛びが可能。 ステージ中のアイテム アクションステージ中にアイテムが沢山出てくるのもこのゲームの特徴。ステージ中にあるプレゼント箱に丸まって体当たりすると、アイテムが出てくる。 中でも開発陣が力を入れて作ったと思われるのが変身アイテム。鳥・魚・カンガルー・カタツムリの4種あり、取得するとその動物に変身が可能。 鳥→飛行、魚→水中をスムーズに移動、カンガルー→大ジャンプが可能に、カタツムリ→動きは遅くなるが壁や天井を這って動ける。 鳥のみアイテム取得と同時に変身かつ一定時間のみの効果だが、他の3種はBボタンでいつでも人型と変身を切り替えられる。 動物の状態で敵と当たると残機は減らないが、変身能力は失ってしまう。 変身以外のアイテムも、1UPや無敵といった定番から、敵の動きを止めるストップウォッチ、落下時の速度を落とすパラソルなど多彩に用意されている。 中には「体が緑色になり、通常判定と丸まり判定が入れ替わる」というやや扱いの難しい一風変わったものもある。 また、ステージ中の小鳥(非敵キャラ)が落とすリンゴを取ると、アルマジロが小人サイズになり特定の狭い通路を通れるようになる。 その場所には有用なアイテムがあったり、後述のかせいじんが居たりすることが多い。 その他のお助け要素として「かせいじん」や「すしバー」がある。 特定のステージには「かせいじん」がおり、会うとUFOを貸してくれる。一度だけワールドマップの好きなところに移動できる。 かせいじんに会った後、UFOはそのステージ内を改めて探す必要がある。「このちかくにまたせてあるからつかっていいよ」との弁の通り、大体はかせいじんに近い地点にある。 UFOでいきなりボスの隣まで行くことも可能だが、それをやると大体逃げられてしまう。上手く捕まえたいなら頭を少しひねるべし。 ステージ中にある「SUSHI」あるいは「すしバー」と書かれた建物に入ると、マスターがゲームのヒントをくれる。 単なる世間話をされる場合もある。 評価点 個性的なゲーム世界 「テキサスなどの現実の場所を舞台に、擬人化アルマジロが活躍する」という独特の世界観を、ポップなセンスでよくまとめている。 キャラクターはシンプルな造形でかわいらしい。 主人公、敵ともにアニメパターンが細かく作られており、プレイヤーの目を楽しませてくれる。 各ステージも、舞台となる実際の地名のイメージと結びつくような雰囲気をよく出せている。 サンフランシスコやテキサスのような都市の明るさ、アマゾンやニューヨークの地下鉄の湿った暗さといった土地ごとの個性を、凝った背景やBGMで演出している。 ラウンド3ラスベガスの、トランプをモチーフにしたステージの不思議な空気感は特に印象深い。 「かせいじん」や「すしバー」の存在もシュールで、ユーモラスな魅力がある。 特にすしバーはアマゾンの真っ只中でも営業していたり、「寿司にワサビの代わりにタバスコをきかせたが人気がない」と零すマスターがいるなどクスリと笑わせてくれる。 多様なアクション ゲーム内容の項に記したように、変身まで含めればアクションの種類は中々の数。FCゲームにしてはかなり頑張っている。 動物への変身に関して言えば後述の仕様の問題はある。が、クリアに必須なのは通常時アクション(丸まり、壁張り付き)のみなので、取得しないという手もアリ。 敵キャラの種類が多い 20種類以上の通常敵キャラが登場し、それぞれが中々印象的な攻撃を仕掛けてくる。 「左右に踊り狂う棒人間」「蛇行するヒヨコを飛ばす」「床からにょきっと出現しBoo(文字そのまま)を飛ばす」などなど。印象に残ったプレイヤーも多いだろう。 能力が実質被ってしまっている敵も中にはいるが、少なくとも見た目は個性的に差別化されている。 程よい難易度 序盤から終盤まで、簡単すぎず難しすぎずの難易度が保たれている。 終盤になると落下死や一撃死(丸まり状態でも吞み込んでくる敵がいる)の危険が高まるが、それでも突出した難所などはない。 後述のように操作性に難があるゲームではあるが、慎重なスタンスで臨めばどのステージも無理なく突破できると思われる。 道中で1UPアイテムがかなりの頻度で手に入る他、上記のかせいじんも最終ラウンド(ニューヨーク)以外で利用可。 賛否両論点 テンプレ的ストーリー ストーリーはさらわれた恋人を追って悪党と対決、という発売当時の感覚からしても「いつもの」感溢れるもの。 2Dアクション、それもFC時代の作品に凝ったストーリーを求める人は少数派と言えばそれまでだが、ここまでひねりがないのも逆に珍しいのではないか。 とはいえ、ポップでかわいいセンスのこのゲームにはこのくらいのノリが丁度いいのかもしれない。 セーブに周辺機器が必要 セーブするにはなんと「バトルボックス」というIGS発売の周辺機器が必要。 アルマジロ以外では野球ゲーム『バトルスタジアム』、政略ゲーム『陰謀の惑星 シャンカラ』、サッカーゲーム『Jリーグファイティングサッカー(FC版)』の4作のみ対応。IGSのゲームに順次対応させていく予定だったと思われるが、IGSは 93年にゲーム事業から撤退してしまう。 アクションというジャンルに限れば、この時代セーブできるゲームは少なかった。コンティニュー機能のみか、せいぜいパスワード制。当時どんな形であれセーブ機能を搭載したのはプラスと捉えられないこともないが… ぶっちゃけ慣れれば数時間、アクション慣れしている人なら1~2時間程度でクリアできる内容なのでそこまで問題にはなっていない。 問題点 常に処理落ちを起こしているかのような動きの重さ 主人公の形態やステージ内容、表示キャラの数に関わらず、動作がずっと重い。通常形態で歩くだけでも微弱なブレーキがかかっているような感覚がある。 独特の慣性も含めて、この重い操作感がゲーム中は常に気になってしまう。 足場が少なくなる後半面(特にリマ)ではそれが攻略に助かると言えなくもないが… Bボタンの役割重複 「丸まり」と「変身」が同じBボタンに割り当てられているため、変身アイテムを取得するとアルマジロの制御が煩雑になる。 通常であれば人型と丸まりをBで交互に変えるだけだが、アイテム取得時は「人型→丸まり→変身→人型…」という形態ローテーションになる。 咄嗟の操作が難しくなり、当然ながらミスとストレスの原因となる。 先述の通り攻略的に取得必須の場面はない。が、状況によってはそれなりに有用なのがまた悩ましい。 爽快感を味わわせる気のないステージデザイン 回転アクションを活かしてスピードを出せる場所が少なすぎる。 転がる用のスロープはところどころ用意されているのだが、大抵はその直後に壁などが立ち塞がる。何のために設置しているのか本当に不明。 大ジャンプで高い場所に登らなければ進めない地形がちょこちょこあるが、これがまたテンポが悪い。 敵などもおらず、ただAボタンを押し続けて大ジャンプすれば進めるという地形パターンが多め。Aを押す以上のアクション性がないので無駄な足止め感が強く、地味にストレス。 全体を通して落下穴や壁、障害物が多く配置され、繊細なジャンプアクションを求められるタイプのゲーム性になっている。 ステージの地形に明らかな使いまわしが多い ゲームを進めていると「あれ、前の面で見た地形?」と思うことが頻発する。 昔の作品ということを考慮してもあまりに露骨。多少であれば問題とならないかもしれないが、このゲームの使い回しはそういうレベルではない。 ゲーム全体で見ればステージはそれなりの数が用意されているが、このせいで満足感が減っている。 単調なボス戦 ボスの大半が遅い弾を散発的に撃ってくるだけで、丸まって纏わりついていれば簡単に倒せてしまう。 序盤ならともかく、後半のボスでも変わらないのでさすがに興ざめ。例外は中盤のボス「メカデブアルマジロ」くらい。 ラスボスはさすがにそれまでのボスとは違う動きをする。が、単調さと難易度的な手ごたえのなさは変わらず。 ダークな背景とBGMはかっこいいだけに勿体ない。 総評 多様な動きが可能で難易度もちょうど良く、アクションゲームとしてそこそこ良くできてはいるものの、操作性の欠点が大きく気になってしまうのが痛い。 優れたデザインセンスとBGMで魅力的な世界観を提示できているだけに、非常に惜しい出来となってしまっている。 余談 前述の周辺機器「バトルボックス」使用時はデータセーブだけでなく、キャラ性能の違う「ストーン・アルマジロ」でプレイできる特典がある。 『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』との作風の類似を指摘されることもあるが、発売時期はほぼ同時(アルマジロが初代ソニックの2週間後)であり、直接影響を受けたわけではないと思われる。実際、プレイ感は全く異なるものとなっている。 本作の続編『アルマジロII(ファミコン)』と派生作『アルマジロ外伝(ゲームボーイ)』の発売が予定されていたが、IGSのゲーム事業撤退により発売中止となった。 『アルマジロ外伝』はウルトラマンのSDキャラゲー『ウルトラマンボール』にグラフィックなどを差し替えられた形で1994年に発売された。 当時の週刊少年チャンピオン(91年4月~92年8月)に見開き2ページの広告漫画が連載されていた。 作者は木崎浩。 発売中止となったアルマジロIIも漫画だけは連載していた。
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SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団 【えすでぃーひーろーそうけっせん たおせ あくのぐんだん】 ジャンル アクション 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 2MbitROMカートリッジ 発売元 バンプレスト 開発元 インターリンク 発売日 1990年7月7日 定価 6,300円(税別) 判定 なし ポイント 銃は剣より強しジバン最強珍しくガンダム系が冷遇 コンパチヒーローシリーズリンク 概要 ストーリー 特徴 キャラクター 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 SD化されたTVキャラクター達が共演する「コンパチヒーロー」シリーズの第2作。 ウルトラマン・仮面ライダー・ガンダム・メタルヒーローの4シリーズのキャラが共演する。 また、以後コンパチシリーズのレギュラーとなるゲームオリジナルキャラ「エミィ」と「ダークブレイン」のデビュー作でもある。 正統派のキャラゲー故に意外だが、後に数々の話題(問題?)作を世に放った飯野賢治氏(*1)が本作の製作総監督を務めている。 本人がインタビューで回想しており、スタッフクレジットにも名前が確認できる。 (クレジットでは「かんとく いいの」表記) ストーリー SD戦士達が平和に暮らす国『SDネイション』。 そこに突如、謎のUFOが襲来、SD戦士の母というべきガチャポンマシンとそのエンジニアであるエミィちゃんをさらっていた。 犯人は悪の帝王ダークブレイン。ダークブレインはガチャポンマシンで悪玉SDだけを増やして、SDネイションを乗っ取ろうと企んでいたのだ。 正義のSD戦士達はガチャポンマシンとエミィちゃんを救い出し、SDネイションの平和を取り戻せるだろうか。 (取扱説明書より引用) 特徴 当時のファミコンソフトによく見られた横視点のアクションゲーム。 ヒーローごとに2つずつ割り当てられた8つのステージを任意の順番でクリアし、その後出現する最終面に挑む。 各ステージは「怪獣墓場」「不思議宮殿」など、各番組に登場した場所を元にしている。 ステージのラストには、ボスキャラが待ち構えている。 ライフ制で、一度死ぬとゲームオーバーだが、コンティニューは何度でも可能。ただしパスワードやセーブ機能は無い。 一部ステージでは空中にいる敵を踏んでもダメージにならず、踏み台にして飛ぶことができる。これを使わないと渡れない大きな穴もある。 キャラクター プレイヤーキャラはアイテムを入手する事で同じ原作シリーズのキャラに変身し、パワーアップできる。同じランクのまま別のキャラ系統に乗り換える事のできるアイテムや、ランクを下げるマイナスアイテムも存在する。 各系統の変化は、以下の通り。ウルトラチーム…ウルトラマン(ウルトラマン)→ウルトラセブン(ウルトラセブン)→ウルトラマンタロウ(ウルトラマンタロウ)ライダーチーム…仮面ライダー(仮面ライダー旧1号)→仮面ライダーX(Xライダー)→仮面ライダーBLACK RX(仮面ライダーブラックRX)ガンダムチーム…機動戦士ガンダム(ガンダム)→機動戦士Ζガンダム(Ζガンダム)→機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(νガンダム)メタルチーム…宇宙刑事シャイダー(シャイダー)→超人機メタルダー(メタルダー)→機動刑事ジバン(ジバン) ウルトラとガンダム系は第2段階から、あとの2系統は最終段階で遠距離攻撃が可能となる。近距離攻撃時に相手の攻撃を受けるリスクが高まるため、遠距離攻撃可能なキャラクターほど攻略に有利となる。 ただ遠距離攻撃の出来ないライダーXとメタルダーは攻撃力が強く、特にメタルダーのレーザーアームは他種の最強形態であるνガンダムやタロウを上回るほどなので、スピードあるオールキルな展開を求めるような上級者に向いている。 評価点 ファミコンソフトとしては、敵を含めた各キャラクターのアクションが非常に細かく用意されている。 プレイヤーキャラは、ジャンプ時や攻撃被弾時に掛け声の字幕が小さく表示される。 ハンブラビが攻撃時に手からクモの巣を発したり、サイコガンダムが『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』に登場した知る人ぞ知るサイコロ形態に変形したり。 ボスキャラのキングダークを倒すと、その中から呪博士らしき小さい人が現れてウロウロし出す。 ボスキャラのシャドームーンは『RX』版でのシャドーセイバー二刀流という、マニアックなところから元ネタを引っ張っている。 なお本作の敵キャラは、プレイアブルキャラが主役を担当した作品に登場した敵キャラに限って選ばれている(*2)。シャドームーンが『RX』仕様なのも、究極的にはこれが理由である。 BGMは良好 飯野賢治氏とかみじま(平沢道也氏)が担当しており、出撃時のノリのいいBGMやテンポよく流れるステージBGM、おどろおどろしいボス戦BGM、勝利BGM等、聞いていて飽きないBGMが多い。 余談だが、キャラクターチェンジアイテムを入手した際は、それぞれのシリーズ作品にちなんだジングルが鳴るが、宇宙刑事シリーズのみ、本作に参戦していない『宇宙刑事ギャバン』の主題歌から取られている。 賛否両論点 メタルチームの最終段階にあたるジバンが優秀すぎる。他のキャラも個性はあるのだが、あまり活かせる場面が無い。 ジバンのダイダロスによる攻撃は2発の弾が扇状に広がる。2ヒットした場合の火力は最強。さらに上下を攻撃できるので後述の嫌らしい敵の配置にもある程度対処が可能。遠距離で真正面の敵には当たりにくいが、それが不利になる場面は少ない。 νはビームライフルとファンネルの二段攻撃だが、間隔があるので片方しか当たらないことが多く、両方当てる前提でも攻撃力が最終段階キャラで最低。至近距離にいる段差上の敵に一方的に攻撃できるメリットはある。 説明書には「ビームライフル&ファンネル1コのお買い得!」とあるがジバンの2WAYが強すぎてお買い得感があまり感じられない タロウのストリウム光線はシンプルな飛び道具。弾速が速いので連射が利いて、判定も広めなので扱いやすい。 RXのリボルケインは直接攻撃と飛び道具の二段判定なので、近距離戦ではジバンには及ばないもののかなりの攻撃力。敵から攻撃を受けた直後の無敵時間の仕様上、ジバンより使いやすいと感じることもあり。さらに一部の地形を貫通する効果もある。 キャラ変更アイテムは固定出現なので、ステージによっては不利なキャラクターを使わざるを得ない場面もある。 ダークブレインにさらわれたという設定のエミィちゃんが、助けたと思ったとたん無言で突然変形して襲い掛かってくると言う子供にトラウマを与えかねない演出。あろうことかこのエミィちゃんが真のラスボスである。 黒幕というわけではなく、倒すと元の姿に戻って一緒に帰還する。改造及び洗脳されていたものと思われるがゲーム中での説明はない。 ちなみに今作のみに限らず、後にGBで発売されたコンパチヒーローズシリーズの格闘ゲーム「バトルクラッシャー」、及び「スパロボOG外伝」でもやはりエミィが洗脳・憑依されて襲い掛かってくる等の演出がある為、エミィは洗脳や憑依をされやすいのかもしれない。 なお、エンディングはエミィと各シリーズの代表者たち(最初の連中)が5人そろって飛びながら帰還するのだが絵的に飛行が不自然なメンツがちらほらいる。 問題点 ザコキャラがかなりいやらしく配置されており、ダメージを食らった上で通るのが前提としか思えない場所も少なくない。 特に「狭い通路で、ベルトコンベアの上にトゲがあり、その先に敵が潜んでいる」地帯を無傷で抜けるのは難しい。 ダメージを受けた際の無敵時間が少ない。敵にぶつかるとキャラクターが重なったまま連続でダメージを食らってしまう。 やたらと敵がプレイヤーに重なるように動くので、連続でダメージを受けやすく、この仕様は辛い。 パッケージの中央でνガンダムと戦うサザビーが描かれているが、サザビーはゲーム中にはまったく登場しない。 『逆襲のシャア』からは代わりにαアジールがステージボスとして登場する。 ステージ「宇宙コロニー」がガンダムではなくメタルヒーローのステージ扱いで、ボスはなぜか『ジバン』に登場したマッドガルボ。原典にコロニーなど出てこないが…? (メタルヒーローシリーズという括りで考えると『宇宙刑事ギャバン』由来だろうか?(*3)) 総評 多少の粗はあるが、キャラゲーとしては問題なく遊べるアクションゲームである。 後発のシリーズに与えた影響は少なくないだろう。 余談 隠しコマンドによってイージーモード及びハードモードへと切り替えたり、アイテム無しで自由に変身できるようになる。 自由に変身できるコマンドはきちんとしたコマンドがあるのだが、ポーズをかけてぐちゃぐちゃボタンを押していると成立してしまう(*4)。 基本的に「プレイヤーが使用できるキャラの作品に登場した敵キャラ」で構成されたゲームだが、『仮面ライダーZX』のタイガーロイドや、『機動戦士ガンダムZZ』のゲーマルクやハンマハンマ、ズサ等も敵キャラとして登場している。 メタルヒーローは「宇宙刑事」⇒「軍の秘密決戦兵器」⇒「ヒラ警察官(*5)」と、パワーアップするほど設定上の肩書きがしょぼくなっていく。単純に作品の放映順で並べたのだろうが、この枠だけは逆順で並べた方が自然だったかもしれない。 ステージを選んだ後に流れる出動シーンでシャイダーはバイクに乗って飛んでいくのだが、 何故か首を左右に振っている 。そのためか見ようによっては 嫌々出動させられているように見える なんて言われることがある。 両手足を拘束された捕らわれのエミィちゃんのけしからん姿が映るゲームオーバー画面は有名。 3DSソフト『ロストヒーローズ』に、初回限定特典として本作の3DS移植版がプレイできるダウンロードコードが同梱された。 移植技術に定評のある有限会社M2(エムツー)によって制作されており、同社制作のゲームギアのバーチャルコンソール同様、上画面の余白に表示される壁紙の変更、キーコンフィグ等の細かいオプションが用意されている。バグも含めて再現度は高い。
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GITADORA GuitarFreaks DrumMania 【ぎたどら ぎたーふりーくす あんど どらむまにあ】 ジャンル 音楽ゲーム 対応機種 アーケード 発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント 稼働開始日 2013年2月14日 判定(アップデート前) シリーズファンから不評 判定(アップデート後) 改善 良作 ポイント ギタドラXGシリーズの後継機稼働初期の仕様は黒歴史アップデートにより大幅改善 GuitarFreaks DrumManiaシリーズ GITADORA GuitarFreaks DrumMania 概要 アップデート以前からの評価点 アップデートにより解決された問題点 アプリによる解禁の廃止 ENCORE STAGE・PREMIUM ENCORE STAGE・EXTRA RUSHの再実装 スッカスカだった公式サイト 全く音沙汰が無かったイベント 現在も存在する問題点 賛否両論点 総評 余談 大型アップデート前の評価など 簡単なミニゲームの紹介 概要 ゲームセンターで中高生を中心に人気を博しているBEMANIシリーズの一つである音楽ゲーム『GuitarFreaks DrumMania』(以下ギタドラ)の最新シリーズ。『XG』シリーズが前作XG3で突如終了し、本作からはそれまで略称だった「ギタドラ」をそのままローマ字読みにした『GITADORA』として新シリーズに突入した。(*1) 大きな期待が寄せられていたものの、ロケテスト時点で発覚していた多数の大きな問題が稼働後も改善の気配を見せることなく尾を引き続けており、ユーザーから再三に寄せられていた改善の要望が実現するまでに非常に長い時間がかかった。 問題点の多くは稼働から数か月後に実施されたアップデートにより大幅に改善されており、問題点としての指摘については既に過去の事例となっているため、本稿が特殊な記事構成になっている点にご留意願いたい。 アップデート以前からの評価点 新筐体 筺体が大きすぎて導入しづらいという店舗のため、XG2で追加されたXG-SD筐体よりもさらに小さい筐体が追加された。 ギターが1人用になった為、稼働まで新筐体での3人セッションはできないと噂されていたが、マルチセッション同様に接続することで3人セッションは依然として可能である。(*2) e-AMUSEMENT Participation(*3)の導入も相まって、省スペース少価格でオペレーター側も導入しやすくなっている。Vシリーズまでの筐体とサイズがほとんど変わらないという事もあり、XG筐体を導入できない小規模な店舗での置き換えも進んでいる。 新規ユーザーにやさしくなった 稼働日から初回プレーでチュートリアルが流れたり、フォルダ移動する際の操作説明がされたり、何よりチャレンジ譜面の枠組みが消えていることによりある程度初見ユーザーに優しくなった。 チュートリアルに関しては過去シリーズよりも丁寧になり、回数も増えた。 途中落ちしても3曲プレー完全保証(XG2より復活)のため、難しい譜面にも気軽に挑戦しやすくなっている。また本作限りの仕様ではあるが、途中落ち無しで曲の最後までプレー可能(ただしセッションプレー不可)となるプレミアムプレーも用意されている(PASELI専用)。 今作から「POOR」判定は「OK」に差し替わり、コンボこそ途切れてしまうもののエキサイトゲージの減少が無くなったので、楽曲クリアのし易さという面でも向上している。 またギタドラは難しくないというイメージを付けるデモムービーが入るようになった。 週1で追加される新曲 最低週1で1曲は新曲が追加される。 アーティストと曲名が毎週金曜日あたりに発表されるので、これで期待することも可能。 月単位で見ると、XG3(稼働終盤は除く)における月に5曲ペース(*4)とほぼ同等である。 ほとんど無くなったバグ 大きくゲーム仕様を削減した効果により、前作で酷かった処理落ちは多少残っているものの、他のバグはほとんど見受けられなくなった。 プレー中にある動作をすると強制的にステージ失敗となるが、意識してやらないかぎり回避できる。 ただし、ギター側では稼働日からXG-DX筐体のみワウエフェクトが常にON状態になるバグがあり、それに関しては未だに音沙汰がない。 一方旧アプリ側ではバグが多発していた。余談も参照のこと。 基板変更による処理速度向上 新筐体に合わせてか、Windows 7 Embedded搭載の新基板に変更されており、OSだけでなく基板のマシンスペックも相応に向上している。ローディング時間の短縮・フレームレートの向上により、普通にプレーする分にはサクサク快適に遊べる。 ただ、もともと初代XGの頃はサクサク動いていたため、XG2,XG3の仕様を削ったことで元のスピードに戻ったようにも見える。 処理速度向上により、入力遅延(叩く、弾いてから音が鳴るまでのレスポンス)が解消されて演奏感がアップしている。 前作までの感覚に慣れていると多少違和感を感じる人もいるが、タイミングの調整も可能。(後述) オプション機能の充実 プレー中の演奏タイミングの調整。 BGMに対する演奏タイミング、判定線に対する演奏タイミングをそれぞれ任意調整可能。 前作までの仕様に近づけた「XGシリーズ」プリセットも用意されている。 リアルタイムリザルトの追加。 プレー中の現状リザルトや判定率などを常にリアルタイムで確認できる。(各判定個数、現在の達成率) 前作までにあったスコアグラフも、再導入までに時期を要していたが最終的に健在となった。今回は全員の達成率ゴースト(*5)が同時に表示される他、 目標SKILLの設定も不要 になり楽曲SKILLの目安ラインが10skillごとに複数表示されるようになっているなど、設定手順を少なく押さえた作りになった。 ジャッジ機能の追加。 各ノーツに対し、ジャストタイミングからのズレ時間を随時確認できる。(0.006秒単位) レーン透過値の調整。(0~100%) ノーツが流れるレーンの透過率を設定できる。 透過率を100%にすると、ノーツの見やすさを犠牲に、大迫力の背景ムービーをほぼ完璧に見られるようになった。 旧曲のほとんどはムービーが削除されていることが惜しまれる。 版権旧曲には、稀に一部解像度が粗いムービーも生き残っている(Sing A Wellなど)。 今作で追加された、透過率100%プレーはその動画がいくつかニコニコ動画にUPされている。興味があれば探してみてほしい。 難易度調整 「低難易度の難度値でより段階を感じられるように幅を持たせたため、既存曲は全体的に上方修正。」とのことで、旧曲の難易度は軒並み上昇。低難易度曲の厚みが向上した。 ただし、チャレンジ譜面があった楽曲のBASIC譜面は、そのチャレンジ譜面に置き換えられて難易度が上がった。 前作で逆詐称曲とされていた譜面が-0.20前後下げるなどといった旧曲の難易度調整も行われた。 2013/08/08にアップデートにて一部楽曲のBASIC譜面の調整とそれに伴う難易度変更が行われた。 調整後の難易度は概ね良好。今後のADVANCED譜面やEXTREME譜面の調整にも期待がかかる。(*6) アップデートにより解決された問題点 本作は度重なるオンラインアップデートを実施しており、それによって改善された点も多い。 特に2013年7月10日に ゲーム内容を改革する大幅アップデートが行われ 、それまでとは別ゲーと言える程に見違えるほどの改善がなされた。 以下はアップデート以前に問題点として挙げられ、その後改善されたものである。 アプリによる解禁の廃止 ギタドラシリーズの新曲解禁方法は代々プレー時に獲得するポイントを消費して行っていた。しかし本作の稼働初期の解禁方法は、GITADORAのスマートフォンアプリを通して行われるミニゲームに集約されていた。 楽曲を解禁するために半強制的にアプリをやらされること自体だけでなく、GITADORA運営のサポートの悪さもあり批判が集中した。 + アプリの問題点詳細 稼働初期におけるルールでの楽曲解禁方法は、以下の通り。 + 稼働初期におけるルールでの解禁方法 ギタドラのどちらかをプレーし、2日以内(ライブによっては1日以内)に一定のライブポイントが貯まると曲が解禁。ミニゲームをプレーすることで観客とキャパ(観客の収容数)とエフェクト(バンドの照明。盛り上がりに影響)が増え、ポイントを倍増させることができる。というもの。ロケテスト版では一回でも100%に到達すればそこで解禁なのだが、製品版だとライブポイントとは別にLIVE ENERGYという物がプレーヤー別に設定され、これが100%になって始めて曲が解禁という仕組みである。 何度かライブポイントが100%になれば解禁できる為単純ではあるが、数値に表すと実機単体だと解禁はほぼ不可能な数値である為、グループ内にスマートフォンなどのタブレット端末使用者が居ないとまず無理である。 因みに実機でのプレーがないと、ポイントはたとえ観客とキャパとエフェクトが万単位でいても「0」である。 このルールに関しては、スタッフ曰く「バンドが本命ですので」とのこと。これを言われたら仕方ないかなという気持ちは持てる。バンドシミュレーションなのにバンド風のゲームが無いがバンドを助ける為のアプリ、と思えば多少許容範囲は広がると思われる。 このルールにおける最も効率の良い解禁方法は、クリア寸前のバンドを探して移動しまくることであった。バンドメンバーとの協力も何もない。 2013年4月24日分アップデート後からの新ルールでは、キャパと観客を増やすとライブエネルギーの上限がアップ。その上限までならミニゲと実機プレーでライブエネルギーを増やせ、ライブエネルギーが100%になった時点で楽曲解禁。というルールに変更された。 実機プレーでの恩恵は観客、キャパブーストというそれぞれのミニゲームにボーナスが付くというものだが、無くても解禁は可能。 ミニゲのプレーは無限ではなく体力制。時間が経てば回復する。お金をかけてでも早く解禁したい人は課金アイテムを使うことでも体力を回復できる。 前作のこれもそうだが、「ソーシャルゲームによくある手口」として批判する声もある。 ミニゲームに積極的な人が何人かいないとポイントは雀の涙ほどしか貯まらないので、グループに入る時点で運ゲー化している。消極的な人ばかりなら早々にグループを変えるのが吉。 グループ内でミニゲームやブーストを行わずに自分のエフェクトだけ稼ぐプレーヤーもいる為、晒しなどのトラブルが起こることも。 アプリで楽曲解禁することの是非はともかく、ミニゲーム自体の評価は、良く言えば「シンプル」「手軽」。悪く言えば「底が浅い」「飽きる」。詳細は下端のregionを参照。 このミニゲーム、ロケテストではHTML5に対応したブラウザでのPC、スマートフォン(AndroidかiOS搭載ならなんでも可)、一部のガラケー(*7)に対応していたのだが製品版ではスマートフォンなどのタブレット端末のみの対応となった。 製品版ではロケテストで遊べなかったミニゲームが追加されており、また後述の通り課金要素が発生していることから、これらの要素がPCに対応できなかった可能性もある。しかし5/15現在、PCでのミニゲームについては公式告知が一切なされていない。 旧ルールではガラケーでのライブ進行度確認はおろかライブに参加すらできなかった為、ガラケーしか持ってないユーザーはゲーセンと家を行ったり来たりを強いられることとなった。 家にパソコンがある人はともかく、スマホなどのタブレット端末もパソコンも無い人は解禁に参加すらさせてもらえなかったという事になる。 ガラケーからライブに参加できるようになったのは、稼動から1ヵ月半以上経過した4/5であった。ちなみにこの告知はツイッター上でのみ行われ、ガラケーGITADORAサイトのインフォメーションには現在でもこのことが記載されていない。 このアプリのリリースは、本作が稼働して1週間後である。稼働と同時にPlayストア、Appleストアに乗せられる様手配していなかったスタッフの準備不足が窺える。 公式サイトもアプリのリリースと同時に公開。承認待ちであるならこの一週間何をしていたのか気になるところである。 しかしこの公式サイト、上記にもあるように4/5のガラケーからのライブ参加可能になったアップデートをアナウンスしていないなど更新がやたら少ない。この1週間後のライバル機能追加に関してインフォメーションに記載したかと思えば、4/24のライブリニューアルに関する記述は無いなど、インフォメーションの体裁を為していない。 そもそも、5/15時点でガラケーGITADORAサイトのインフォメーションに記載されているのは「3/13 フィーチャーフォンサイト公開!!」「4/12 ライバル機能追加!!」の2つだけである。 6/4のメンテナンス以後は、新ライブ追加等のアナウンスがされている。またこのメンテナンスと同時にプレーポイントの使い道が増えた(*8)ものの、初期のライブに対する解禁緩和措置は一切取られていない。 近年のオンライン対応アーケードゲームはどれも最初に・筐体上で名前を設定するが、本作では筐体上での名前の入力は不可。名前入力はこのアプリ、又は公式サイトを通して行うことになる。 しかし、上記にも書いた通りリリースが一週間も遅れた為、その間にプレーした全ユーザーがアプリ公開まで無名のままプレーすることを強いられていた。 更に一週間待った後に待ち受けていたのは正しくe-passとアプリが紐付けられないバグ。これはKONAMIのサービスであるe-musementGATEが、i-revoを運営しているkiwiに移行した際に内部的な仕様変更されたにもかかわらずそのまま使ったことが原因と思われる。 正しく紐付けられてないので「紐付け→ログアウト→再度ログイン→(IDが変わっているので)こちらのe-passは他のアカウントに紐付けられています」といったことが発生。アプリ発表と同時に2曲追加されているので解禁する前にログアウトしてしまうと解禁状況が見られないという事態に。 アプリ公開直後に上記の不具合情報がツイッター上に多数挙がっていたにもかかわらず、ろくに動作確認もせずユーザーの勘違いと決め付け、下記のような発言が公式ツイッターから発信されていた。 PCサイトでGITADORAデータ連動を行ったあとにアプリを始めることができないという情報が拡散されておりますが、 アプリを始める際にKONAMI IDでログインをすれば、同じデータで遊ぶことが可能です。 KONAMI IDでログインするように注意してください。 このバグは2日掛かりで修正された。本作のディレクター・まっする氏はほぼ徹夜漬けだったそうな。 なお、これらに関してそのまっする氏はアルカディア2013年4月号でのインタビューにて… (注目の新要素について教えてください) 「アーケードがシンプルになったところですね。今まで筺体で遊んでいた楽曲解禁などの演奏以外の付加コンテンツを、 スマホなどのWEBサービスに移行したことでサクサクと遊べるようになりました。 付加コンテンツは時間制限がなく遊べるのでより自由に楽しめるようになってます。後ろで並んで待つのも苦じゃないですよ(笑)」 上記の通り付加コンテンツは、2013年5月15日現在スマホなどのタブレット端末でしか遊べない。そのため、GITADORAプレーヤー全員がスマホなどのタブレット端末所持者であることが前提の発言となっており、いかに開発スタッフがスマホなどのタブレット端末を重視していたか、逆に言えばいかに要件を満たさないユーザーを軽視していたかが窺える。 ただし、ミニゲームによって『貢ぎ』度が低下したことについては評価されることもある。 上でも触れられている通り、現行ルールにおいては曲の解禁にACのプレーは必須ではない。そのため、かなりの貢ぎを必要としたXG3から一転、お金をかけずとも楽曲解禁が可能になった。極端な話、ミニゲームが遊べる環境であれば、0円で全曲解禁することも可能である。 しかしゲームセンターを経営しているオペレーター側にしてみればGITADORAをプレーする回数が減るのでインカムも減るという冗談抜きの死活問題と化している。 音ゲーをしない人にとってはピンとこないかもしれないが、要するに「あと1クレで解禁できるからもう100円入れよう」「今日はこの曲を解禁するまでやり続けよう」「新曲が発表されたからゲーセン行こう」あたりの発想がなくなるのである。上位勢ともなると早く解禁したいがために1日に数千~数万円つぎこむこともあり、影響は計り知れない。 ユーザー側に立って考えれば過剰な貢ぎ要素は批判されるべきものであるとはいえ、プレーヤーのクレジットでインカムを上げなくてはならないアーケードゲームの仕様としては手放しに喜べない側面があったのも事実だろう。 2013/7/10の大型アップデートにより、楽曲解禁方法が変更。 アプリによる解禁が休止 (*9)となり、ゲームプレーで得られるポイントだけで解禁出来るようになった。 ポイントを規定ポイントに達するまで注入していく方式で形式としては前作XG3の後期と一緒ではあるがかなりの貢ぎを必要としたあちらとは違い、適当に数クレジットプレーするだけで十分間に合うバランス。ギター側で効率のいい方法をとれば2~3クレジットで解禁出来るほど。新規に追加された曲は初週は36000ptsだが、ライブ曲追加毎に要求ポイントが半減していき、最終的に追加から4週後には1000ptsまで緩和されていく。ちなみに1クレジットで獲得出来るポイントは3曲クリアでおおよそ3000~6000ポイントほど(スコアおよびプレー難易度とランクによって大きく変動)。ENCOREステージを出せる腕前があれば、少なくとも6000~7000ポイント以上を稼げる。 ENCORE STAGE・PREMIUM ENCORE STAGE・EXTRA RUSHの再実装 V3から恒例だった、ギタドラのボスイベントが稼働当初において廃止されていた。EXTRA RUSHの詳細はV3の記事参照。 上記に加え、オペレーター側で1プレーにおける最大プレー曲数変更が行えなくなっており、1プレーにつき3曲完全固定となった。 本作のディレクターによると「プレー時間を均一にする為」とのこと。(*10) 実際、「安定して高スコアの取れる上級者のみが長くプレーできる」イベントであるため、高スコアの取れないプレーヤーから不公平感をもたらしているという側面もあり、廃止については賛否両論と取れるかもしれない。しかしギタドラシリーズは「安定して高スコアの取れる上級者」が大半を占めているため「否」の意見が圧倒的に多いのが現状である。 本来はEXTRA RUSH枠に入るはずだっただろうコンセプトの曲(*11)や、他機種との同時期収録曲(*12)もアプリにより解禁可能だが、解禁方法がEXTRA RUSHに比べてインパクトが薄く寂しいという声が多い。 アプリ解禁と同じく多くの批判が集中したためか、2013/7/10の大型アップデートで従来の EXTRAステージがENCOREステージとして、従来のENCOREステージもPREMIUM ENCOREステージとして復活。 ENCOREステージ出現の際は『アンコール!アンコール!』と、普段より大きな音量で歓声が鳴るという演出付き。 PREMIUM ENCOREは全て画面に専用演出があり、なおかつEncore Ver.2以降のPREMIUM ENCORE楽曲にはそれと同様の専用ムービーも付いている。 専用演出は実に初代XG以来の実装。ただ、選曲決定時の表示で背景に専用ムービーが流れていた当時とは違い、今作では後述するHELP詳細表示以外は全て隠され、完全に演出に専念している(PREMIUM ENCORE STAGEの文字も演出に準拠していることがあったり、曲名表示も表示場所が変わっていたり、汎用フォントではなくロゴフォントに変わっていたりと、曲によってユニークなデザインになっている)。 進出条件や専用曲の扱いなどの仕様はXG3を引き継いだが、今まで隠されていた各種出現条件が画面上に表示されるようになった。 それに加え、ENCOREステージ、PREMIUM ENCOREステージに進出できなかった場合の救済措置が追加された。 ENCOREステージに進出できなかった場合の救済措置は、その日限りで徐々に進出条件が緩和されていくというもの。初期値は平均S(S+S+Aなど)以上で、それを満たせなかった場合に徐々に緩和されていく。(*13) PREMIUM ENCOREステージ条件である「ENCORE専用曲でパーフェクト95%以上クリア」を満たせなかった場合の救済は、要求パーフェクト率が徐々に緩和されるというもの。 こちらは専用曲をプレーしていなかった、またはFailedになったとしても緩和される。緩和率は一回1%ずつだが、その日限りでENCORE進出毎に最大で一回5%まで加速していく。緩和された要求パーフェクト率自体は、PREMIUM ENCOREに進出できたプレーの翌朝まで維持される。(*14) これらにより、誰でもEXTRAステージに行ける回数さえこなせばPREMIUM ENCOREに進出できることになり、従来のEXTRAステージにあった不満点も解消されることとなった。 スッカスカだった公式サイト 遊び方の紹介がなかった スペシャルサイトやe-AMUSEMENT サイトといった場所にさえゲーム機の遊び方が紹介されていない。 BEMANIシリーズに限定しても、これ以外全機種のスペシャルサイトには、初めてきた人でも分かるように、公式サイトのトップやヘッダメニューに遊び方ページへのリンクが設けられている。 スマホアプリおよび一部PCブラウザからアクセスできるライブ情報閲覧ページ内のQ Aに遊び方が乗っているのだが、それも極めて情報量が薄い。しかもこのページは上記公式サイトからのリンクは用意されていない。BEMANI Fan Siteの各機種リンクから飛ぶことはできる。 →遊び方についてGuitar、Drumともにチュートリアル動画付きでHow toページが追加。 収録曲がわからない 遊び方と同様、他機種のサイトである程度公表されている収録曲の紹介も存在しない。 こちらに至っては上記ライブ情報閲覧ページにも載っていない。ライブ参加確認画面やコレクション画面にある。BEMANIWIKI 2ndでまとめてあるのでそちらを参照のこと。 →楽曲の提供アーティストとその楽曲の一部を紹介するページが追加。全ての楽曲を参照したい場合はe-amusumentページで可能。 全く音沙汰が無かったイベント 曲解禁はアプリが全て持っていっていたせいか、大型アップデートまで、筐体上での曲解禁イベントは一切なかった。 毎週追加される新ライブも、仕様変更までは筐体上で一切アナウンスが流れなかった。 ただし、スコア系の公式大会などはKAC2013を除いて行われておらず、XG2,XG3で搭載されていた店舗大会機能も存在しない模様。 アプリの新ルールにより実機プレーの必要も無くなった上、公式大会も開催されていないため、プレーヤーのモチベーションを上げる努力はされていなかった。 前述のインタビューでは今後の展開について、「GITADOROCK化して楽曲の新たな一面を楽しんでもらえるよう、いろいろな連動をしたいと思っているので楽しみにしていてください」と言っているのだが…。 BEMANI関係の多機種連動イベントである「私立BEMANI学園」には参加している。…が、他の機種がそれと並行して他のイベントもある中、GITADORAは並行イベントが実質存在していなかった。(*15)https //p.eagate.573.jp/game/bemani/p/my/rabeat_cup/02/about.html アップデート後には夏に紅白対抗の形をとって開催されたBEMANIの多機種連動イベントとして、「jubeat・GITADORA・DDRのTriple Journey」にも参加。XG3での『大夏祭り』の悪夢再来かと言われていたが、いざ開催されると「8/1から8/31まで一日毎にいずれかの機種(複数有り)で1曲ずつ解禁(*16)」「解禁条件はHPに謎解き形式で掲載されるが、その全てが1プレー以下で達成できかつ隠し曲もほぼ必要ない(*17)」と、見事に下馬評を覆す良イベントとなった。楽曲のセレクトも意表をつく選曲もあるなど、そのセンスが光る。 課題の中には「上上下下左右左右と入力した後、GFではBボタンを押し、DMではバスドラムのペダルを踏んで、その状態で曲名がAで始まる曲を選ぶ」といういかにもな物もあった。(*18) 一応は期間限定のイベントだが、現在はすでにフォロー処置が取られており、これらの追加楽曲はまとめてLIVE楽曲の曲目に追加となっている。必要ポイントは1曲5000ptと少なめだが、代わりに緩和もされない。なおLIVE楽曲全般の話となるが、OverDriveへのアップデート時に引き継ぎでは無条件解禁に移行せず、新規データだと無条件解禁されていたという不具合が存在していた。 ちなみに紅白対抗として開催されたイベントはIIDX・リフレク・ポップンの「みんなで宇宙戦争」なのだが、こちらは期間限定・日毎追加ではなかった分、Triple Journeyと比べると必要プレー回数が『大夏祭り』並にケタ違いに多いなど、当イベントと比較して不評が多い。詳細はポップンミュージック Sunny Park内もしくは連動イベント記事の当該記述を参照。 旧シリーズ曲の復活がしばらく無かった。 XG時代は新作稼働時もしくはイベント時にV時代までの旧シリーズ時代の曲がXG譜面にコンバートされて収録されることがあった。 たとえばXG2ではLivePointやGROUP等のイベント進行・EXTRA RUSHと並行した形式で旧曲の復活解禁があった他、XG3時には稼働時に版権旧曲がいくつか復活し、Pleasure Boxの解禁項目にも旧曲があった。 しかし今作では稼働時はおろか、Liveやイベントでの解禁ですら旧曲の復活は一切行われていない。 前作XG3にてCLASSIC MODE(Vシリーズと同等の旧曲を旧譜面のままでプレー可能なモード)が削除されてしまったため、V時代までの豊富な旧曲ラインナップを増やすためには復活収録を待つしかないのだが…。 6月3日より、今作をもって削除された版権楽曲「星のすみか」が復活した。幸いにもLiveシステムは絡んでおらず、無条件でプレー可能になっている。 しかし同時に、6月3日をもって同じく版権楽曲の「CRAWL」が削除された。この仕組みはまっする氏がディレクターを務めるjubeat saucerの楽曲入れ替えシステムとまったく同じであり、ギタドラシリーズ初の「作品稼働中の楽曲削除」となる。 6月19日に「ロックスターと魔法のランプ」が追加。上の状況からjubeat saucerでの事を考えると素直に喜べない状況なのだが、今のところその情報はない。 10月31日にスタートしたイベント「これがあなたへの挑戦状!」で、旧シリーズ曲が復活収録された。ジャケットは新規描き下ろしであり、旧クリップをもとにHDクリップが収録された曲も一つだけだが存在する。 因みに同イベントの告知ではT・ボーンやB・ボーンといったVシリーズまでの代表キャラがプレーヤーになぞなぞの挑戦状を送るという、久々の顔見世を果たした。 現在も存在する問題点 デフォルト新曲の少なさ 従来のギタドラは稼働直後でも新曲が30~40曲近く収録されていて、イベントが起きるまでの退屈しのぎは比較的しやすかった。 しかし今作のデフォルト新曲は27曲とやや少なめ。新曲のスキル対象枠が25曲なので、デフォルト曲だけでスキルを伸ばすのであればほとんど選択の余地は無い。追加楽曲は豊富だし、通常はデフォルト曲だけで伸ばすようなことは少ないのだが、稼働初期は前述の「アプリ解禁」の問題があったためデフォルト新曲の少なさがより際立つ形となった。 現在であれば、よほど下手なプレーでもない限り1クレジットで初期の隠し曲を必ず1~2曲(うまくやれば3~5曲)解禁出来る程度のポイントが得られるため、数クレジット単位のプレーならばかなりのペースで最新の楽曲に追い付ける。 余談になるが、GITADORAロケテストにより先行収録という形でXG3に9曲追加されたため、「GITADORAで初めてプレー可能」という意味での新曲となると18曲。e-AMUSEMENTに対応する前のバージョンであるGF7th dm6thよりも少ない曲数である。 版権楽曲の大量削除 今作では38曲の版権曲が稼動時に削除された。その中には、Vシリーズでの登場から長らく選曲ヒットチャート上位を取り続けた「天体観測」「カルマ」、人気提供曲であった「Leaving All Behind」、更には前作XG3で隠し扱いであった「フライングゲット」なども含まれている。 「天体観測」に関しては、バスペダルを強く踏みすぐ壊れる(バスクラッシャーの)要因でもあり、削除を望む声は少なくなかったのだが、いざ消されると「また一つの時代が終わった」「寿司屋にまぐろが無いようなもの」「肉屋にサーロインが無いようなもの」と比喩されてしまうことに。実際、カバーとはいえ人気アーティストの人気版権楽曲であり、低レベルという事も手伝ってヒットチャートの上位にランクインする、定番ともいうべき楽曲だった。 無論版権事情もあることとは考えられる(「天体観測」に関しては同時期にjubeatやポップンでも削除されている)ので一概に問題点とは言い切れないが。 公式ページにランキングがない 上級者にとってのプレーモチベーションの大きな要素の1つであるランキングが搭載されていない。 ベストスコアランキング、スキルランキング、HIT CHARTといった、XG3までにあった基本的なランキングが公式サイトから全て削除された。 GATEWAYページの削除 過去シリーズがまとめられていたGATEWAYページが削除されてしまい、GATEWAYのバナーをクリックするとGITADORAの公式サイトに強制的に飛ばされる。更新が面倒なので削除したのだろうと思われている。 実際には削除ではなく単純にトップページのみを転送ページ化した状態であり、過去作品のリストページ自体は直リンクで飛べば見られるようになっている。(過去アーケード作品/過去家庭用作品) だが、公式サイト内では何処からも上記の過去シリーズページへはリンクされていないため、現在のギタドラ公式を見るだけでは過去作の情報へ辿りつけなくなっている。 賛否両論点 賛否両論のGITADOROCK版権曲 本作でウリにしているGITADOROCKについて、今作はGITADOROCKアレンジが施されたアニメソング3曲が稼働時の新曲として登場したのだが、いずれも元は女性ボーカルの曲を男性がカバーしており、軒並み賛否両論の出来である。 キャプテンパンク(PON)がアレンジ兼ボーカルを務めた「only my railgun」「魂のルフラン」は不満はあれども好意を持って受け入れる人もいるのだが、キャプテンロック(あさき)がアレンジしボーカルは所謂『歌い手』の「みーちゃん(男性)」となった「God knows...」は擁護意見もほとんど無く評判が悪い。 「God knows...」の歌詞・声質が歌い手のみーちゃんにはことごとく合っていないため、なぜこのような人選が行われるのかという疑問の声が上がった。 歌い手のみーちゃん自体が外部で黒い噂のある人物であり、過去に歌い手が起こした問題と絡めて不満点に挙がることもあった。 そもそも女性ボーカル曲のアニメソングを男性ボーカルでカバーすることに疑問の声もある。この辺りは個人の好みも出てくるが。 「only my railgun」については、女性ボーカルによるカバーで収録された『pop n music 19』でも似てないと批判する人がおり、アレンジ込みでGITADORA版のほうがいいという人も出るなど賛否両論。 「God knows...」はジャケットイラストにも問題があり、ジャケットはギターを持った学生服の女の子(かつアーティスト表記が一見性別の分かりづらい「みーちゃん」)なのに、男性ボーカルであることが「ジャケット詐欺」という不満の声が噴出している。(*19) 大型アップデートによる版権曲大量追加まではこれらがデモ画面で「みんなの知っているあの曲も収録されてるよ!」と堂々と出されていたため、原曲と大きく違うボーカルにガッカリした人もいるかもしれない。更にデモで音を出してない店舗ではプレーしないと気づかないという事態まで招いてしまった。 大型アップデート時に追加された「LOVE JOY -GITADORA MIX-」(dj TAKA)では普通に女性ボーカルとなった。上記3曲と比べれば批判は少ない。(*20) ワイド画面対応の背景ムービー復活、ワイド画面非対応の背景ムービー削除 前作で不評だったアバターにより立ち位置を奪われた背景ムービーが、XG2以来の復活を遂げた。 背景ムービーに対応しているものが消されたり対応していないものが無理やり伸ばされてぼやけたりしているが、V6~XG2に収録され、HD背景対応の曲に関してはほぼ全て復活となった。またXG~XG3に収録された一部の曲にも、背景ムービーが新規に追加されていたりもする。 また今作用に新規汎用ムービーが追加され、XG3など一部の旧曲にも採用されている。XG2の曲など、汎用ムービーが曲調に合致したケースもそれなりにある。 因みにXGに使用されていた汎用ムービーはほぼ全て復活。XG2にあったライブ映像風汎用ムービーは、XG3同様に収録されていない。 ただし、V6までに収録されていたクリップでワイド画面に対応していなかったクリップは全て削除され、汎用ムービーのみ表示されている(*21)。 V6以前のクリップのほとんどがワイド画面に対応していないため、結果復活したムービーより削除されたクリップの方が多いという状況になってしまった。 XG2まではプレー中のレーン横の小画面に表示され、XG3ですらアバターのいるステージの背景画面に表示されていた。 ムービーは楽曲を視覚的に表現することで、プレーヤーに楽曲のイメージを分かりやすく伝えるという側面もある。「しっぽのロック」「からふるぱすてる」のように楽曲の評価を高めたもの、「A.DOGMA」のような力の入りようがすさまじいものもあるのでファンからは復活を望む声が多い。 トータルリザルトの廃止 リザルトの表示が従来だと「曲終了→STAGE CLEAR→リザルト」、XG3では「曲終了→マッチングプレーヤーのスコア→リザルト」が今作では「曲終了→リザルト」に変更された。 ゲームテンポがよくなったという反面、XG3までできていた「リザルト写真を撮る」のが不可能になった。今回のリザルト表示はそれほど短い。リザルト表示の短さに関しては、アップデートにより改善された。 XG2~XG3では選曲画面・トータルリザルト画面でも同クレジット中の楽曲リザルトを確認しに行くことが可能という珍しい機能を備えていたが、GITADORAではそれもなくなった。 最後のトータルリザルトは実質的な完全カットとなり、ゲームオーバー画面にスキルポイントのみ表示。あとはオトベアが変な動きしてるだけ。 ただスキルポイントが一定値を超えネームカラーが変化した時には祝ってくれる演出に変化する。前作まではネームカラーが変化しても特に通知も無かったためこの点は評価されている。 全曲スキルの表示が無くなってしまっているため全曲埋めを目指す理由がさらに薄れる結果に。 総評 満を持しての新シリーズとなったものの、稼働初期の「アプリ解禁」「EXTRA RUSH廃止」というシステム変更がプレーヤーに全く受け入れられず、結果的に過去最悪とも言える滑り出しを迎えてしまった。 特にアプリ解禁についてはほぼスマホなどのタブレット端末でのミニゲーム必須にしてしまったため、環境がない人は解禁が進まず、環境があってもバンドシミュレーション要素が薄すぎるミニゲームに飽きてしまうという悪循環を生み出してしまっていた。 また、EXTRA RUSHというボス制度が廃止されたことで「ゲーム性が薄くなった」という声も多く、プレーヤー数が目に見えて激減した。 しかし、5ヶ月にも及ぶ長い暗黒期の後、7月10日の大型アップデートにより「筐体メインの解禁」「EXTRA RUSH」が復活すると評価は一転。 処理速度の向上や細かなオプションの追加によるプレー自体の快適さにもやっと焦点が当てられ、ギタドラシリーズの正統進化として評価されている。 また、細かなアップデートにより他の問題点も解決されるなど、現在でも徐々に評価を上げている作品である。 とはいえ、現在の評価の高さはあくまで大型アップデートを踏まえたものであり、稼働初期のゴタゴタがもたらした負の遺産を完全に拭いきれた訳ではない。 前作までの汚名返上を一気に果たして新シリーズの幸先良いスタートを切れていたであろうだけに、稼働当初からアプデ以降の充実したゲーム内容を実現できていなかった点は非常に悔やまれる。 余談 本作最初のPREMIUM ENCORE曲「MODEL FT3」はjubeat saucerシステムBGMのアレンジ。 jubeat側ではsaucer fulfillよりシステムBGMがプレイアブル化しているのだが、同作以前のシステムBGMのアレンジに当たる本曲は残念ながらjb側に逆移植されていない。 ちなみに、festoでFTシリーズの楽曲が移植されたのだが、本曲ではなく「MODEL FT2 Miracle Version」が収録。素直にFT3を移植すれば良かったのに… 現在のアプリについて アプリ解禁が廃止されたのち、GITADORAアプリのアップデートが行われ、「jubeat plus」や「REFLEC BEAT plus」と同じようなアーケード再現の音楽ゲームへと転生を遂げた。 詳細の記述までは避けるが、アーケードそのままの譜面がプレー出来る事、前述の2アプリと違って曲を選んで課金出来る事、このアプリで獲得したプレーポイントがACにもそのまま使える所(*22)などが好評である。 2016/12/15をもってサービスが完全に終了。アプリや楽曲データを所有している状態でもプレー不可能になっている。 版権曲アレンジのその後 本作以降GITADOROCKのタイトルを持つアレンジはオリジナル曲のみとなり、版権曲のGITADOROCKアレンジは一切追加されていない。 「GITADORA Tri-Boost Re EVOLVE」でGITADOROCKと銘打たれておらずアーティスト名もないカバー曲扱いだが「シュガーソングとビターステップ」が登場。男性ボーカル曲なのでカバーボーカルが男性歌い手でも全く違和感なく、「G.O.D. GUITARISTS ON DEMAND」の大和による良アレンジもあり本作の3曲より評価が高い模様。 「GITADORA EXCHAIN」でもカバー扱いで「千本桜」のロックアレンジが登場しているほか、後に本作稼働開始時に削除された「天体観測」が復活している。 GITADORAから3作品後の「GITADORA Tri-Boost Re EVOLVE」にて「God Knows...」が削除された。GITADOROCK最初の削除は順当に最も非難を浴びた当曲となってしまった。 他機種で削除が進んでいた楽曲(Love Joy、女々しくてなど(*23))を差し置いて削除された。 残り2曲は2018年9月の「GITADORA EXCHAIN」での削除となった。(*24) 2021年5月7日に配信されたiOS/Androidアプリ『jubeat』(『jubeat plus』の後継作)では他機種からの版権曲カバーが大量収録されたのだが、その中に本作の「魂のルフラン」「God knows...」の男性ボーカルロックアレンジも混ざっている。 他のカバー版権曲が原曲に寄せたアレンジになっているため、この2曲だけがかなり浮いている状態になっている。なお、「only my railgun」については『pop n music 19』版、「LOVE JOY」は『Dance Dance Revolution (2013)』版がそれぞれ流用されているため、本作のロックバージョンは未収録となった。 + マスコットキャラ「オトベア」とキャッチフレーズ 今作から登場した新マスコットキャラの オトベア だが、とにかく稼働前から不評の嵐であった。 簡単に書くと、「顔と耳と平べったい両手の先にスピーカーがついている短足のクマのぬいぐるみ」。とても無機質な風体で、カワイクないという声がよく聞かれた。位置づけとしては、BEMANIシリーズの1つである『REFLEC BEAT』シリーズに登場するマスコットキャラ「パステルくん」(*25)を意識したものと思われるが、ゲームそのものの「顔」となるべき重要なマスコットキャラなのにもかかわらず、「顔面スピーカーなので表情が出せない」などととかく愛着や親しみが湧きにくいビジュアルなのがいかんともしがたい(*26)。 ロケテの段階で相当の不評を招いたにもかかわらずそのまま登場となった上、選曲画面、ステージクリア時、プレー終了時、そしてミニゲームで頻繁に登場する。このオトベアの存在だけでも、今作に対するプレーヤーの心情を大いに損ねてしまったであろう点は否めないだろう。 しかもXGシリーズまでのマスコットキャラであったT・ボーンとB・ボーンが本作で(一時的に)リストラされてしまった。2人とも初代からシリーズのマスコットキャラを務めプレーチュートリアルも担っており、親しみを込めて「先生」と呼ばれている由緒あるシリーズの「顔」とも言えるキャラだったのだが…。 双方のシリーズを統一し、従来のコアなイメージを一新したカジュアルな作風に合うよう新キャラを取り入れたこと自体は理解はできるが、肝心のキャラデザインがこんな有様なため、ユーザーの不評をあおる結果にしかなっていない。 …と相当ネガティブに書いてみたが、一応オトベアのデザイン自体に関しては批判一辺倒ではないらしく、一部では「かわいい」という声も無くはない。 アプリのアイコンのためにも改めて統一させる必要性が有った のは確かである他、稼働初期の仕様や後述のアプリ・他機種に出張してまでの異常なゴリ押しなどにより、「GITADORAの負の象徴」としてのマイナスイメージを一手に引き受けてしまった感があり、その意味で不幸な運命をたどったキャラクターと言える。 後の「Triple Journey」にて、オトベアはjubeatのスミス氏・DDRのバビロン君と共に新規描きおろしイラストで旅行日記に登場して豊かなキャラを見せており、ゲーム内容の大幅改善と合わせて稼働初期のマイナスイメージは徐々に払拭されつつある。 ちなみに後に追加された「クリムゾンゲイト」のムービーではモンスター化されたり、「去る金合戦」のジャケットではボーン先生らしきキャラの足元で横たわっていたりと、最近では微妙にネタ属性が付与されだしてきている。 今作の稼働と同時に『ポップンミュージック Sunny Park』『jubeat saucer』で「jubeatでもpop n musicでもGITADORA」という連動イベントが開催されたが、ポップンではオトベアが3曲全ての担当キャラとして登場している。 原作で実写ムービーだった「ブレイクアウトロック(雨ノチHello)」はともかく、「情念歌謡(紅蓮の焔)」と「プログレッシブ(Concertino in Blue)」はギタドラ側のムービー中にキャラクターが登場(*27)しており、「新参のクマが出しゃばり過ぎ」「曲のイメージに合ってない」「(紅蓮の焔の)女の子使わせろ」と、担当したオトベアに対する批判意見が多かった。 ただし、今回のようにギタドラのマスコットキャラが元のムービーを無視して担当キャラになった前例はあり、過去にBボーン先生が「ハードカントリー(JET WORLD)」、Tボーン先生が「スカ(Cassandra)」を担当したことがある。ただ、こちらは当時の原作側ムービーでのキャラがあまり濃くなかったということに加え、彼らの実績もあってかこちらは普通に受け入れられていた。ここまで批判の的になってしまったのは、ムービーキャラのポプキャラ化に対する期待以上に、オトベアに対する不評の声が大き過ぎたことが一因だろう。 他BEMANI機種のREFLEC BEATやSOUND VOLTEXには、オトベアのシンボルチャットやアピールカードが追加されている。(*28) が、SDVXにおけるオトベアのアピールカードのメッセージの一つに「かかってこいやオラ」というコメントがあり、そのフレーズのインパクトからネタにされた。 その他のコメントはどれもポップなものであるため、キャラの ウザさ 特徴をより一層引き立てる形となった。 他作品に目を向けずとも、(あくまでミニゲームにおける演出とはいえ)作中、特にアプリ内のオトベアの態度(「やっべー」という口癖・よく遅刻する・サボる)はオトベアのイメージを決定付けるものとなった。 致命的にダサいキャッチフレーズ ギターの筐体側POPのキャッチフレーズ:「はじけっ!ギュイ~ン!」、ドラムの筐体側POPのキャッチフレーズ:「たたけっ!ズン!タッ!タッ!」など、今までのギタドラとは違う方向性のダサさが目立っていた。 「ギタドロックも収録!」上記のとおり、版権曲のカバーや他BEMANI機種からの移植楽曲をギタドラ用にアレンジしたものを「GITADOROCK」とXG3後期のイベントから呼称するようになったが、当然、初見の客には意味不明のキャッチフレーズになっている。しかも筐体の上に置くPOPのため全然目立たない…。 筐体デモ映像は新規ユーザーにギタドラは難しくない…というイメージを持ってもらおうという内容になっている。が、中身は上記のポップと同じくらい幼稚なので、新規ユーザー以外からは不評。まぁ新規ユーザーのためのデモ映像なのだが。デモ映像は公式サイトでも見れる。 ちなみに、今作のポスターに使われているキャッチフレーズは「ボクらのセイシュン!みんなのギタドラ!!」である。前述の筐体側POPのキャッチフレーズと合わせて、「僕らの青春を返せ」とばかりに著しくプレー意欲を萎えさせる迷コピーであった。 大型アップデート前の評価など + 長いので格納 大型アップデート前のゲーム内容は余りに散々なものであったため、XG3以前のユーザー達の怒りが収まるはずなどなく、スタッフブログは炎上。これに対しスタッフはブログを放置するどころか、GITADORAではブログを廃止しツイッターのみでの進行にした。 その上、ユーザーの質問はまるでナナメ読み、要望はガン無視と強気のスタンス。いつ大炎上したとしても不自然ではない火薬庫状態が初期から続いていた。 初期にはライブ追加告知もツイッターで行っていたが、後にアプリ上でのみの告知となった。故に、ツイッターアカウントをフォローしているだけではGITADORAの動きを知ることは不可能に等しい時期もあった。 遂にはサウンドディレクターである肥塚良彦氏のブログにまで飛び火し、肥塚氏がブログ記事で釈明する事態にまで及んだ(参照)。 皮肉なことに、肥塚氏自身も『ガラケーユーザー』の一人であり、対応を求めるようスタッフに進言していたことをブログで伝えている。少ないとはいえスタッフの中にも実際にガラケーユーザーが存在し対応を求めるよう声を上げていたにもかかわらず、結局無視されたというわけで、いかにアプリ担当スタッフ側がガラケーユーザーを軽視し傲慢な姿勢を変える気も見せなかったかがよくわかる一幕であると共に、スタッフ間の不協和な状態が明らかに見て取れた。 あまりにも豹変し過ぎたギタドラを目の当たりにさせられたユーザーは阿鼻叫喚状態となり、稼働当日からギタドラ関連のスレ全てが葬式状態となっただけに留まらず、スレ内では「ちょっとギタドラ新作のロケテに行ってくる…」などかなり現実逃避したコメントが散見した。更に稼働当日がバレンタインデーと言う事もあり、ユーザーにとって2013年2月14日はチョコどころじゃない地獄のバレンタインデーとまで言わしめた程だった。 今までのギタドラからシステムを削減されすぎたため、メインタイトルである「GITADORA」を捩って ガイタドゥーラ 、または ガイタ などと呼ばれていた始末である。 ただし、アップデートにより大きく改善された7月以降はこの呼び名で呼ばれることも少なくなってきており、過去の惨状を表す用語としての意味に変わってきている模様。 また、稼働して数ヵ月後、ギタドラアプリにおいてシステムの穴を突いた「不正行為」が横行し始め、問題となった。 存在そのもので不公平感や格差を生むアプリやそのずさんな運営、作業が一向にはかどらない解禁システムそのものへの不満が強まる中、この行為によって獲得が絶望的だった隠し曲を解禁できたことからその後にAC筐体に向かう人が増えるといった見方もあり、「運営側にとってもインカムが上がるので利益になり、結果的に誰も損をしない」と果ては不正行為の実行者を肯定、英雄視する声も出てくる始末。 また、この騒動に関する運営側からの「 フェアプレーで楽しんでいた方にご迷惑をおかけして申し訳ありません 」という一節が肯定側の怒りを更に煽ってしまい、さらなる炎上を招く燃料となってしまった。 しかもシステムの穴というのが「サーバー側に送信されているパラメータを適当に弄ったら変なスコアが保存された」という非常にお粗末なものである。 とはいえ、いくら解禁手段の格差や公式側の運営態度に不服があったとしても公式側の想定外の解禁法であることには変わりはなく、そうした不具合を利用することへは批判されるべきという声もあり、修正したことそのものは当然の判断であっただろう。 不正行為騒動が落着して一週間後、今までプレーポイント変換はエフェクトのみだったのが、それに加えてキャパ・観客への変換が可能になり、それまでのブースト機能は統合され変換時に発動するという仕様に変更された。 これによりようやく筐体でのプレーが優遇されるようになった。 しかし相変わらずゲーム本編をプレーしなくても解禁は可能、筐体でのイベントも無い為、根本的な問題の解決には至らなかった。 簡単なミニゲームの紹介 + 長いので格納 ビラダッシュ(観客) ロケテストからあったミニゲーム 道行く人(とは言っても両サイドに人が配置されていてどちらにいるのか矢印を押すだけなのだが)にライブのビラをひたすら配るゲーム。 体力3。慣れれば短時間で点を稼ぎやすい。 間違えるとオトベアが頭を抱える。ペナルティ時間が2秒間で、制限時間が10秒であるこのミニゲームでは半端なく長い。 ちなみに、ロケテ時ビラを受け取る客は女子校生のみだった。またチラシに書かれてるライブの日程の最終日は、ロケテストの第1回。 数えてウェルカム(観客) ライブ会場に来た人の数を数えるゲーム。 正解すると人数分だけ点数になる。人数にバラつきがあるため、体力4の割にスコアが伸びないことも。 ザ・サイン投げ(観客) ライブに来てくれた人にサインをフリックで投げ渡すというゲーム。体力5・最高100pts。 色紙に書かれてるサインをよく見ると、実際のBEMANIアーティストのサインだったりする。各々の心中は果たして如何なものだっただろうか。 ホカホカお弁当(観客) 電子レンジの上のランプが光ったらタップするだけ。予兆なし(一秒ごとに起こりうるらしい)。 時々飛んでくるオトベアに惑わされないよう注意。チャンスは一回きりで、もちろんお手つきは0pt。 ベアリズム・ひなびたリズム(観客) リズムよく1・2・3を出してるキャラをタップするゲーム。 体力5・最高100pts。ハイスコアを出すにはそれなりの反射神経が必要。 10,20,50点でスピードアップ。50点からは同時押しが出てくるので両手必須。 ひなびたリズムは『めうめうぺったんたん!!』のライブでのみプレー可能。体力7・最高200pts。 こちらはオトベアの代わりに日向美ビタースイーツのキャラが参加。アナウンス・キャラの表情も凝っている。 一応、「ひなビタ♪」との曲・ジャケ以外でのタイアップは、pop n musicの キャラ登場(芽兎めう・霜月凛)に先駆けてこのミニゲームが最初 ではある。 バグ・バスターズ(キャパ) 会場にいる虫やクモを電撃ラケットで叩き落とすゲーム。体力5・最高85pts。 何故かオトベアも一緒に飛んでいて、当てると減点。嫌なことにラケットを狙って飛んでくることもよくある。 クモの糸を切るとなぜか0ポイント。また羽虫は嫌らしいことに画面端をこっそり飛んでいくこともよくある。 チケット拝見(キャパ) チケットを持っていない人を捕まえるゲーム。動体視力と見極めが重要。 体力5・最高70pts(14人)。因みに警備員役はにゃぐわ。 ゴミシュート(キャパ) ロケテストからあったミニゲーム。 ゴミを弾いてゴミ箱にいれる。ゴミの種類によって飛距離が等倍、1.5倍、2倍と変わる。 一個入れるたびに10+残り秒pts。体力4・理論値90pts。 縁の下のオトベア(キャパ) 板の下にいるオトベアを操作してバランスを取るゲーム。 にゃぐわが半端なくデカくて重くウザい。というか何やってんの。 キャパ系での体力当たりのスコア理論値が高い(体力5で最高200pts) もっともそこまで行くには一分ぐらい凌がなければならないが。普通はにゃぐわが3匹になる25秒以降・75~85ptsあたりが関の山。 イーベアカンフー(キャパ) オトベアを操作してオトベアのドッペルゲンガー(ダークオトベア)を倒すゲーム。 敵がそれなりに強く操作性も悪め。しかもスコアは体力消費と難易度の割に意外と低い。(体力5で最高100pt、そのうち敵体力へのダメージ50pts+勝利ボーナス50pts) ただでさえ操作しづらいというのに、向こうは回避が難しい超必殺技(光線連発と、ガー不大ダメージのなんとか乱舞)を出してくるという見事な理不尽仕様。 プレーヤー側も超必殺技を使えるらしいが、コマンド入力条件はもちろん非公開(ここを除けば)。 ただし、ある程度可能なハメ技を使えるようになれば(ノーダメージかつ一定秒を残して勝ち)満点100ptを出すことが可能ではある。 ベアダンス(キャパ) いわゆる間違い探しゲーム。 体力6・最高200pts。この手のゲームが得意なら、短時間で一気に稼げる。 エレチャージ(エフェクト) オトベアを操作して電気玉をキャッチするゲーム。 電気以外に爆弾が時々飛んでくるので注意。 爆弾に当たると減点され一定時間電気をキャッチできないので、後半は爆弾避けを優先すること。 イーライン・イーラインEX(エフェクト) パイプを繋いで右下から左上までを繋ぐゲーム。16パズル。体力5・最高100pts(10問)。 EXになると36パズルになり、体力消費と点数が上がる。具体的には体力7・最高200pts(1問ごとに最高30pts)。 難易度のバラつきが激しく、1マス動かせば良いパターンもあればよく考えないと繋がらないパターンもあったりと割と運ゲー。 おさぼりベア(エフェクト) サボっているオトベアのシルエットでどのオトベアがサボっているのか当てるゲーム。どんな自虐だ。 オトベアの配置は常に一緒なのでそれを覚えれば後は反射神経。 ベア玉(エフェクト) パズルボールを3つ連結させて消し、連鎖をして会場を盛り上げようというゲーム。 全ミニゲームで一番見栄えに力を入れていると感じられる。 体力8で最高200pts。連鎖に応じて加点される。(20連鎖すれば一発クリア) ベアダッシュ(エフェクト) 寝坊したオトベアを会場まで操作する某配管工のようなゲーム。上フリックがジャンプ故に操作性最悪。 道中になぜか人糞が配置してあり、踏むとスリップする。まさに糞ゲー。穴があるとそのまま終了。 ベアダイブ(エフェクト) オトベアが観客に向かってダイブ。 体力5ながら慣れれば100点以上が簡単に出せるなどスコア効率がそれなりに良い。ベアダッシュの2倍ぐらいはマシ。 ベアスイム(エフェクト) またも寝坊したオトベアが今度は海中を泳いで会場まで行く。タッチで上下に行くのでベアダッシュほどひどくはない。 電気玉(1個1pts)にそって移動しながら、あわよくば真ん中の宝箱を取り、制限時間内にゴールする。体力4・最高100点。コースを外れて海藻やクラゲに突っ込むと減速。 以上が今作の新曲解禁の要となるゲームである。 内容からわかるように、実際にアプリ上で演奏を体験させるようゲームは皆無で、バンドにこじつけられているといった程度、内容自体がバンドのバの時も連想できないようなものばかり。その上、BGMや効果音なども一切ならないのはさすがに手抜きとしか言いようがないだろう。「アプリの出来自体はそこそこいい」という意見もあり、 解禁に必須でなければ そこそこ評価もされたかもしれない。 ミニゲームプレー動画http //www.nicovideo.jp/watch/sm21270159