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どうぶつの森 【どうぶつのもり】 ジャンル コミュニケーションゲーム 対応機種 ニンテンドウ64 メディア 128MbitROMカートリッジ 発売元 任天堂 開発元 任天堂エスアールディー 発売日 2001年4月14日 定価 単品 5,800円コントローラパック同梱版 6,800円 判定 良作 どうぶつの森シリーズリンク 概要 特徴(シリーズ共通事項についても含む) 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談・その後の展開 ひとりよりふたり、ふたりよりよにん、よにんより…た~くさん。 概要 自然豊かな村の中で、住民とコミュニケーションを取ったり自分の家の内装をいじったり村を散策したりしながら、のんびりスローライフを送るゲーム。 ニンテンドウ64末期に発売されたこともあってか、当初はそれほど注目のソフトというわけではなかったが、ゲームを余りやらない女性層を中心に大ヒット。 その後もインターネットの普及による口コミなど順調に知名度を上げ、何度か重版がかかるほどに売れ続けた。 特徴(シリーズ共通事項についても含む) 本作は現実と同様に四季や朝昼夜といった時間の流れが存在する。 春には桜が咲き乱れ、夏は青々とした葉が生い茂り、秋は見事な紅葉を付け、冬には一面の銀世界へと、四季折々の様々な顔を見られる。ゲームで一年をじっくり満喫できるのは本作最大の特徴であり、評価点の一つである。 ゲーム開始前に時間を設定できる。設定し直すことも可能。 この仕様を利用して、春から夏に一気に飛ばすといったハイペースな進行もできるが推奨はされない。 本作はシステム面において、ゲーム中は画面にマス目や目的や目標を示すアイコンの類は一切表示されない。あるにしても、アイテム画面等の指カーソルぐらいである。また、マス目単位での作業が求められるインテリアに関しても、カーソルを操作し、どのマス目に家具を配置するかというシステムではなく、自キャラを動かして、直接家具を置いていくというシステムである。アナログかつやや不便を感じられる面ではあるが、むしろそのおかげで自分の手で時間をかけつつ何かを積み上げているという実感を感じられ、また、何らかのシミュレーションゲームとしてではなく、「村の中で生活している」という没入感を感じさせてくれる。 個々の操作もシンプルで、覚える事も少なく慣れるのも容易。虫採り網や釣竿、スコップなどの道具を買う際にも説明を聞く事はあるが、聞き逃しても操作が簡単ゆえに問題なく扱える。 このシリーズでは基本的にセーブせずに終了する事は禁止。つまり「都合の悪いことをリセットする」という考えは御法度である。 実際にセーブせずにリセットしたり電源を切ると、次に遊ぶ際に「リセットさん」というもぐらのキャラクターが登場し、事故で電源が切れようがお構いなしに、リセット行為に対して説教をする。 説教は面白みがあり、「ゲームとはいえ都合の悪い出来事も認める大切さを教えてくれる」と好意的な評価がある反面、口調が荒々しく、リセットすれば必ず現れるので、「何度も説教されるとうんざりしてリセット後はやりたくなくなる」「最初の数回だけでいい」と批判的な意見も根強く、賛否両論なキャラクターである。 初期設定・チュートリアル まずは村に向かう途中の電車で「みしらぬネコ」と会話をしつつ、名前、性別、表情、村の名前を決める。 表情は直接選ぶのではなく、みしらぬネコとの会話の回答によって選ばれる。男女それぞれ8種類。 男の子は半そで短パンで丸い帽子をかぶり、なぜかツノが2本生えている。女の子はワンピースのような服にトンガリ帽子をかぶり、両脇に髪がちょっと飛び出している。 ちなみに、一つのカートリッジに1つの村の情報しか記録されないので、2人目からは村の名前を選ぶ部分は飛ばされる。 村に着くと、商店を経営している「たぬきち」が迎えに現れ、自分の住む家を内装と屋根の色が違う4つの家からひとつ選ぶ。内装も屋根の色も後から変えられるチャンスはあるので、そこまで悩む必要はない。家を選ぶと、たぬきちに代金19800ベル(*1)を請求されるがゲーム開始時の手持ちは1000ベルしかなく到底足りない。というわけでたぬきちの店でアルバイト(=チュートリアル)をすることになる。 内容は住民にあいさつ回りをしたり、木や花を植えたり、お店の宣伝と称して手紙を書いたり掲示板を使ったりなど。いくつかの仕事をこなすとアルバイト終了。ここからは完全に自由、思うままのスローライフを始められる。何をしたらいいか分からない場合はとりあえず家のローン完全返済を目標にするといい。 村 縦6横5の計30ブロックから成り、縦は「丁目」横は「番地」で表される。 1丁目の上は線路、6丁目の下は海、1番地の左と5番地の右は高い崖に阻まれ、行くことは出来ない。 ある程度の法則性はあるが、村の形はほぼランダムと言っていい。だいたい3~4丁目に崖(というか高い段差)があり、2段構造になっている。必ず海まで続く川が1本流れており、崖の部分は滝になっている。ごく稀に途中で二又に分かれるような形状になっていることも。崖の上と下に1本ずつ橋が架かっており、そこ以外で対岸へ行くことは不可能。橋のデザインも、アーチ状の石の橋と平たい木の橋の2種類がある。途中に必ず大きな池がある。本作では空を見上げることができないので、花火やお月見などの空にあるもののイベントの時は、ここで水面に映ったものを楽しむことになる。 様々な虫や魚が生息しており、手軽に虫取りや魚釣りを楽しめる。 虫は「チョウ」「セミ」「クワガタ」「ゴキブリ」など、魚は「鯉」「ブルーギル」「バス」「エンゼルフィッシュ」「ピラニア」「シーラカンス」など、捕まえられる種類も豊富。 毎日雑草が生えてくる。直接的なデメリットは無いが、ほっとくと景観が悪くなるので見かけたらこまめに抜いておくといい。 何も生っていない木と、フルーツが生っている木の2種類が生い茂っている。邪魔ならオノで切り倒すのもアリ。栽培する場合は購入した苗木やフルーツをスコップで掘った穴に埋めることで可能。 なお、フルーツは5種類の中から村ごとに1つ選ばれ、最初から生えてるものの売値は1個150ベルだが、それ以外のものは1個500ベルで売れる。お出かけした際に持ってくる、あるいはお出かけするときに持ってきてもらうとお金稼ぎが楽になる。 村は地質調査の対象になっており、毎日のように地面から化石が出てくる。そのままでは無価値だが、「ファーウェイ博物館」という所に化石を添付して手紙を送ると化石を鑑定してもらえ、鑑定後の化石の標本を送り返してもらえる。ほかに雨があがった日に「はにわ」を掘り出せる。 主要施設 村には生活に役立ついくつかの施設が設置されている。 + 主要な施設一覧 駅 1丁目3番地にある、サルの「えきいんさん」が24時間勤務している駅。 ここから他人のカートリッジの村におでかけできる。ただしコントローラーパック必須。 毎週土曜日の夜にはストリートミュージシャンの「とたけけ」が現れる。彼に歌ってもらう(*2)とスタッフロールが流れ、その歌のミュージックがもらえる。 タヌキ商店 1丁目のどこかにある、家を売ってくれたたぬきちが経営する商店。道具や家具などが置いてあり、買い物や手持ちの品を売れる。 たくさんお金を使うと「商店→コンビニ→スーパー」と店が大きくなっていき、更に条件を満たすと2階建ての最終段階「タヌキデパート」になる。 郵便局 1丁目のどこかにある、ペリカンの「ぺりみ」「ぺりこ」が働く郵便局。手紙を保存したり、たぬきちから買った家のローンの返済ができる。 郵便局の近くにある掲示板で、村メロ(*3)を変更できる。 交番 崖下エリアにある、いぬの「おまわりさん」が勤務している交番。 外に立っている誠実な柴犬のおまわりさんは、特殊なキャラの訪問日時を教えてくれたり、来ている場合はその場所を教えてくれたりする。 中で勤務している弱気なブルドッグのおまわりさんは落し物の管理をしている。しかし誰も取りに来なくて困っており、プレイヤーが自由に持って行っても怒るどころか歓迎してくれる。 お社 崖下エリアのどこかにあるお社様。見えない誰かがお告げをしてくれる。 村の状態を教えてくれ、悪いと木や花が少ないブロックを教えてくれる。 周囲が整備されていることから広場としての用途もあり、お花見や運動会などのイベントはお社のあるブロックで行われる。 ゴミ捨て場 ゴミを捨てるための場所。ここにアイテムを置いておくと週2回のペースで回収してくれる。 村の住人たちも捨てているのか、服やびんせん、家具などが置かれていることがあるで、そのまま拾って商店で売ってベル稼ぎにもなる。着服しても特に咎められないうえ、ゴミとは言うものの一切損傷していないので問題なく使える。要は気持ちの問題。 釣りをしているとたまに本物のゴミが釣れることがある。その辺に捨てるとお社様に怒られるのでしっかりここに捨てるといい。 掲示板 自分の家のある2丁目3番地の中心にある掲示板。 自由に書き込みができるほか、たまに「○丁目○番地に(どちらかを伏せられることもある)すごいものを埋めた!」という書き込みがあることも。 キャラクター 村にはプレイヤー以外に獣人のキャラクターが住んでおり、外見などは特に個性的。たぬきちやぺりこ、とたけけといった「固定キャラクター」、交流を深めることでいろいろな要素を楽しめる「住人」の2パターンがある。 住人は初期配置として3人が住んでおり、村の状態により最大15人まで引っ越してくる。 キャラクターは「どうぶつ語」という独特のボイスでしゃべる。単に1文字ごとに割り当てたボイスをテキスト通りにそのまま再生しているだけなのだが、数種類の声色があり、独特のかわいらしさがある。よく聴いていると、テキストを見なくても何を言っているのかがなんとなくわかる。 特定イベントにちなんで来る固定キャラクターの数も多く、また非常に個性的。 このシリーズの看板ともいえる固定キャラクター「とたけけ」の存在がユニークで印象深い。毎週土曜日の20 00に出現するが、このときに彼が聴かせてくれるのは生声フルVer.でスタッフロール兼用。なんとも言えない「味」がある。曲にはクラシックや民謡、ポップスなど様々なジャンルがあり、ボイスとギターと口笛を巧みに使い、様々な音色を再現し演奏してくれる。演奏を聴くと、アイテムとして音楽データを貰えるのだが音楽自体の出来はかなり良く、自宅内のオーディオアイテムで再生できたりする。曲は本作の時点で隠し曲を含め55曲もある。そしてシリーズごとにその数が少しずつ増えている。 仲が良くなると、自分に対して親切にしてくれるようになったり、「おーい」と呼びかけてくれたりするようになる。仲が良くなることで初めて貰える珍しいアイテムもある。 村にランダムでやってくるどうぶつの住民。 家は村にある看板を中心とした3×3の範囲に建てられる。この範囲内では木が育たず、もし家が建つ前に範囲内にアイテムが置かれていた場合、交番に届けられる。 どうぶつの家の広さは6×6マス固定だが、家の内装はどうぶつによって全く違う。 住民の種類も豊富で、単に種族別に見ても、ネコ、イヌ、ウサギ、ライオン、オオカミ、ワニ、にわとり、タコなど、一般的な動物から「どうぶつ」として微妙に怪しいものまで幅広い。 世間話のほかに「何か困ってることは無い?」という内容の選択肢を選ぶと、「○○のところにこれを届けて」「○○というアイテムが欲しいから持ってきて」「ボール(*4)で遊びたいから持ってきて」というような頼み事を言ってくることがある。頼みをこなすとベルとアイテムがもらえる。 どうぶつはお手紙が大好き。親密になりたいのなら、積極的にお手紙のやりとりをしよう。アイテムを手紙につけてプレゼントすることも可能。 手紙は大切に保存され、他の人の村に引っ越した場合(*5)でも捨てられることは無く、場合によっては文面を見せられることも。あまり恥ずかしい手紙は書かないように。 仲良くなると、バレンタインデーやホワイトデー、誕生日などにプレゼントがもらえるかも。 どうぶつには性格が設定されており、一人称を見れば一発で分かる(*6)。それにより話す内容と起きている時間が異なる(*7)。男女別に3種類の計6種類。 + 性格一覧 男の子の性格(最大2人) おいら系:体育会系。カラダを鍛えることをやたら推してくる。起きている時間は6 00~25 00。 オレ系:兄貴分みたいな性格。気がけっこう短め。起きている時間は10 00~翌5 00。 ボク系:のんびりした性格。男の子の中では最も気の長いタイプ。起きている時間は8 00~22 00。 女の子の性格(最大3人) あたし系:ややプライドの高い性格。気が短い。起きている時間は9 00~翌3 00。 アタイ系:高飛車な性格。押しもかなり強い。起きている時間は7 00~24 00。 わたし系:清楚な性格。口調もかなり丁寧で、とても気が長い。起きている時間は5 00~21 00。 自宅 家は最初4×4の広さ。ローンを返済しきると増築を勧められ、6×6→8×8と広くなっていく。 家には家具を初め、ムシやサカナ、ふく、かせき、その他ゴミなどのだいたいのアイテムを置く事が可能。 ギミックのある家具も多く、例えばテレビはつけたり消したりできる。トイレは座った後に降りると水の流れる音が出る。 とたけけからもらったミュージックは、ラジカセ・コンポ系の家具に入れるとBGMが流れる。部屋の雰囲気作りにぜひ。 雨の日に掘り出せるはにわは、家に置くと一定周期で音が鳴るギミックになる。音を出さないようにして純粋な置物にすることも可能。 家具は家の中では家具になるが、外に置いた場合は葉っぱのまま。一時的に外に置きたくなっても邪魔にならない。 外では家具として使えないことの裏返しでもあるが。 虫は1×1の虫かごに、魚は大きさによって1×1か1×2の水槽に入った状態で置かれる。デカい水槽を買って泳ぐ姿を見るということはできない。 びんせんやフルーツなどは外に置いたときと同じ状態で置かれるために上を通れるが、服はマネキンのようなものに飾られた形で置かれるので通ることはできない。 「風水」の概念があり、北にオレンジ、西に黄色、東に赤、南に緑色の家具を置くと金運・物運がよくなる。そこまで劇的には変わらないが、意識しておいて損はない。 また、招き猫や幸福の木(*8)のように、どこに置いても運がよくなるラッキー家具もある。 家の外にはポストがあり、手紙はここに届けられる。10枚しか保存されないのでこまめにチェックするといい。 「ハニワくん」という埴輪が一家に一体備え付けられている。彼に話しかけるとセーブや、アイテムの預かりなどが可能。 アイテムを預ける際にあらかじめ値段をつけることで、他のプレイヤーに買ってもらうことも可能。 しばらく村に来ないで放っておくと、自分の家に「ゴキブリ」が出てくる。長い間放っておくと家具を動かしたときにも出てくる。踏み潰すか、大きめの家具で押し潰すと死滅する。 評価点 ゲームとして一番重要な村の雰囲気というものがとても素晴らしい。主要な施設はほぼ抑えておきながら、近代的なものは無闇に出てこない。スローライフを行う上では、最高の環境と言える。 家の外ではBGMも流れるが、主張しすぎずしかし無いと寂しい、そんな絶妙なバランス。 元旦にはお社様へお参り、4月にはお花見、8月には花火大会、9月には十五夜のお月見、大晦日には池のほとりでカウントダウン…と、イベントもなかなかに豊富。 家具や虫・魚・化石の収集によるやり込みゲームとしての側面も持つ。 店で購入したり、道具を使って入手したり、村の住民とコミュニケーションしたり、イベントをこなすなど、様々な入手方法がある。入手が容易ではないものも多数存在し、徐々にコレクションが増えていく充実感が本シリーズの魅力の一つとなっている。 虫は不用意に近づくと逃げられてしまうので、逃げられないようそーっと近づく工夫したり、魚は希少な魚ほど食いつき(釣れる瞬間)の猶予が短いため集中力が必要だったり、なかなか集めがいがある。 虫・魚は収集可能な季節・時間帯が限定されているものが多い。 見方を変えれば、「今月は目当ての虫をゲット出来るかもしれない」「次は大物を釣り上げられるかも」という風に、コンプリートの難しさがプレイヤーにまた遊びたくなるモチベーションを与えているとも言える。 飽きがこない会話量 会話の内容が非常に膨大である。同じ会話や台詞というのは全くないと言っていいほどの量で、飽きが来ないようになっている。 どうぶつ達の独創的な会話や小ネタなどを楽しむ事ができる。 ローンが多すぎない。 数ヶ月それなりにやりこめば最終段階まで全額返済できる。 その分最終段階は1階建てで面積も8×8しかないが。 家具や服を始め、収集できるアイテムの種類が非常に多く、コンプリートが大変になるレベルの豊富さを誇る。 集めたアイテムを利用して、自宅内を自由にカスタマイズ可能。一部のイベントのアイテム(ナイフとフォーク等)はそのまま無断で拝借して飾ることも可能。 家具はタンスやテーブル、ソファといった一般的なものから、観葉植物、リンゴがモチーフのかわいいテレビ、身長と同じぐらいデカいチェスのコマ、任天堂のゲームらしい「N64のロゴ」や「ファミコン」「床の間」「自動販売機」「手水鉢」「ロケット」「トーテムポール」「池」など、よく分からない方向性の家具も手広くカバー。自分の趣向にあったコーディネートが十分に可能。 ファミコンは何と挿さっているゲームを実際に遊べる。「ゲームの中でゲームにハマっていた」という事態も珍しくない。 収録されているのは『ドンキーコング』『バルーンファイト』『ピンボール』『ゴルフ』『テニス』など。往年の名作をたっぷり遊べる。全体的に入手困難なものが多いため、知らずに入手したプレイヤーにとっては棚から牡丹餅といったところだろう。 ミュージックを再生できる家具1つ取っても、ショボい「ラジカセ」から「高級コンポ」「蓄音機」「テープレコーダー」「ジュークボックス」果てはサイコロをモチーフにした風変わりなコンポまで様々な種類がある。 これらはミュージックの音質もそれぞれ異なる。いいコンポは当然音質がいいし、逆にレトロな音が欲しかったら蓄音機の出番。 服もチェックやボーダーといった普通の物から、アゲハ蝶の羽根を模したド派手な服、一見血まみれだが実はトマトジュースをこぼしただけという設定の服、赤いお兄さんや緑の弟の服、果てはカビた服まで……。 オレンジで胸の辺りに茶色のギザギザが入ったセーターという、既視感バリバリの服まである。 操作性は非常に良好で、レスポンスも早い。 特に手紙などで文字を入力する画面が非常に素晴らしい出来。例えばひらがなを入れる場合、3Dスティックの上半分でまず「あ~な」行のどれかを選び、その後に選んだ行の文字を同じくスティックの上半分で選び、Aで入力。スティックを下に入れれば「は~わ」行へワンタッチで切り替えられる。 独特な操作故にある程度の慣れは必要だが、慣れればその快適さに感動するだろう。 ただし操作性は良いものの、ゲームスピードに関してはあまり良いとは言えない(後述)。 賛否両論点 明確な目的が無いというゲームデザインゆえに、主体性が持てないとすぐに飽きてしまいやすい。 借金返済を目的にすると、作業感が強まりやすいのも難点。 問題点 自宅が狭い。 家具を置かない通路のスペースも要るのでそこまで大量に置けない。 テーマ系の家具や虫・魚をそろえても1パターンしか飾れないのも難点。 また、ティラノサウルスやトリケラトプスなどの化石を置く場合、それぞれ頭、体、しっぽの3パーツを置いて初めて恐竜の形になるのだが、1パーツが2×2とデカく、完成図を見たかったら2×6のスペースが必要になる。 収納スペースが少ない。 タンスやクロゼットには服やびんせんなどがしまえるが、サイズに関係なくスペースは1枠しかないほとんど無意味なものになっている。 ミュージックを始め非売品のアイテムが多いのでスペースは欲しいが、とても家の中には詰めきれない。 手紙に添付して郵便局に保存という手はあるが、手紙から外すまで添付したアイテムを確認できないので、上手く整理しておかないと目当ての物を探すのに苦労する。またコントローラパックが無いとこの手法は使えない。 この欠点が顕著なのが虫と魚。これらはナマモノなので手紙に添付できない。 5万ベルしか持てない。 所持しているベルが5万を超えると、3万ベルの袋がアイテム扱いになり、アイテム欄を圧迫される。 せめて5桁カンストまで持てるようにして欲しかったところ。 貯金などがないため、お金をたくさん増やしても収納できる場所がない。 同時プレイができない。 家族や友人とデータを共有しても、一人でやるか、見てるだけしかできないのは残念。当時のCMでも「同時プレイはできません」と書かれていた。 一応、ファミコン家具のゲームの二人プレイは可能。 間違えて博物館に未鑑定の化石以外のアイテムを付けて手紙を出しても、そのアイテムは帰って来ない。 シリーズで唯一、冬になるとすべての花が芽になってしまう。外見は『おいでよ どうぶつの森』以降雑草と共に生えてくるクローバーのようでもあるが、その間はガーデニングを我慢しなければならない。 そのかわり冬の間は雑草が跡形もなく消え、生えてもこない。村の環境管理が極めて楽になる。 お手伝いの問題点 お手伝いの中に「対象の人物から借りたアイテムを返す」というものがあるが、対象のどうぶつに会っても別のどうぶつに貸していたケースが多く、時間がかかる。 お手伝いの対象にイベントに参加しているどうぶつが対象になることがある。そのどうぶつに会ってもイベントに関する話題しか話さず、お手伝いを完了できない。 この問題点は『+』にも継続されている。 魚を釣り上げるかは運要素がある。 竿を引いた途端に魚が逃げてしまいゴミ(あきかん、ながぐつ、タイヤ)が釣り上がることもある。貴重な魚を狙い定めてもゴミを釣ってしまうこともよくある話。部屋を散らかすとハッピールーム・アカデミーにポイントが減点され、たぬきちから買い取ることもできないというただのハズレアイテムであるため文字通りに役に立たない。 海に出る魚が15000ベルで売れるシーラカンスのみ物足りない。 釣り上げられるタイミングは非常にシビアではあるが、シーラカンスは雨か雪の日にしか出てこないため、適当に往復すれば簡単にお金を稼げる。 現実と同様、6月に雨天の日が多すぎる。梅雨の季節とはいえ、ほぼ一月中・一日中雨が降り続けるのは流石に陰鬱。 雨の日は出現する虫も減ってしまう。滅多に雨が止まないので、雨が降る割にハニワも掘れないと言った問題もある。 5月や7月に比べるとできる事がやや少なく、上記のようにシーラカンスを釣りに海辺へ通うことになる。雨の日はBGMもずっと同じで飽きやすい。 7月1日以降になったら出現する虫や魚も増え、一気にやり応えが出てくる。 とはいえ昼しか出現しないオニヤンマを捕まえるのに難易度は異常的なトップであり、神出鬼没の如きに直進に移動で画面外に逃げられることも少なくない。ハチと同じく買い取るのは4500ベルぐらいなので深夜から朝まで滅多に出現しない代わりに難易度の簡易であるオオクワガタには劣る。 ハロウィンやクリスマスのイベントにはダブり半端ない。 10月31日にてパンプキングにアメをあげることでかく、じゅうたん、かべがみのいずれかプレゼントが貰えるものの欲しい物に当てならない程のダブりやすい。12月24日にジングルの場合は5回に会話しなかればならないことも一苦労する上に、服を着ることで別人と誤認しても9回しかプレゼントしか貰えず、パンプキングから貰えるプレゼントと同様にダブりまくるのもストレスが溜まりやすい。 ゆきだるまを作るのは難易度が高い。 12月下旬から2月下旬までに2つの雪玉が出現する。雪の上でみるみると内に大きくなり完成度が高いと翌日に手紙が届いてくる。だが胴体分はやや大きめで頭部分は胴体分より小さめに作らなければならず、完成度が中途半端だと翌日に手紙が届かない。しかも坂で勢いに転がって破壊されたり、池でも川でも海に落ちると振出しに戻ってしまうことも水の泡になりやすい。 村の状態を良くしておくメリットが微妙。状態がいいと住人は最大15人まで増えるが、ただそれだけ。 住人が増えると処理落ちの可能性も上がるので、適度に悪くした方がいい始末。 よその村にお出かけをしないと村の住民が減らない。 お気に入りの住人と離れたくないプレイヤーにとってはありがたい仕様だが、村に住人が15人いると新しい住人を迎え入れることができない為、プレイ状況のマンネリ化に陥りやすい。この点は次回作の『+』以降改善されるが、今度は「住人が前触れなく引っ越す」という別の問題点が生まれてしまった。 メッセージスピードをはやいに設定しても遅いなど、全体的にゲームの動作が重い。 Bボタンで一文章内の自動メッセージ送りが可能だが、焼け石に水程度の速度。 雨や雪が降っていたり、同エリア内に住人や行商などが合わせて3~4人ほどいたりするとさらに遅くなる。 この点も『+』で劇的に改善された。 セーブ時間が長い これはセーブデータが非常に大きいためである。村の状態や家の家具位置の保存などにより、他のゲームと比べてセーブデータが巨大になっている。 この「セーブデータが大きい」という特徴は、後のシリーズ作品にも引き継がれ、少なからず影響を与えている。 『どうぶつの森+』メモリーカードの容量をすべて使い切ってしまうため、ソフトパッケージの中に新品のメモリーカードが同梱される。 『とびだせ どうぶつの森』巨大なセーブデータに対応するためカセットROMに特殊な部品を使った影響で、カセットROMの生産が追い付かずゲームソフトが品薄になる。 など... リセットさんの説教 リセットした際に待ち受ける「お説教」が、停電や原因不明のエラーといった不可抗力によるリセットでも発生してしまう。 また、この説教で泣いてしまう子供プレイヤーも居たらしく、後のシリーズ作品では初回だと優しめの言葉で諭してくれるようになったり、「電池切れ」「原因不明、身に覚えがない」と故意のリセットではない事を主張できるようになったりと少しだけ改善されている。 ちなみに、本作は目立った不具合やフリーズするといったこともなく、また、運要素もそこまで強いわけでもないうえ、試行回数も日付変更などで容易に稼げるので、衝動的なリセットが大半を占めることになる。 総評 激しいアクションも、濃密なストーリーも無い。乱暴に言えばただふらふらするだけのゲーム。 魚釣りにしろ虫採りにしろ家具配置にしろ、住民と話す事だって、この部分が素晴らしい要素だと断言するには厳しいだろう。 しかしそれらを含めてスローライフを満喫するという独自の楽しさは、それまでのゲームでは味わえないものであり、多くのプレイヤーを虜にしてきたのも事実である。 シリーズ初代とあってシステム面で粗削りな面はあるが、完全版の『どうぶつの森+』で概ね改善されたので問題ない。 人気シリーズとなり最新作が出続けている今も、根本的な面白さは変わっていない。原点として意義のある1作であったといえよう。 余談・その後の展開 本作発売からたった8ヶ月で、ゲームキューブ用ソフトとして完全版に近い『どうぶつの森+』が登場し、好評を得ることとなった。 本作はカセットのみと、コントローラパック同梱版が発売され、同梱版のコントローラパックには、宮本茂氏のメッセージ入り手紙データが入っていた。 ちなみに『+』においてはメモリーカード59が標準同梱され、その中には前社長である山内溥氏の手紙が入っていた。 本作は元々『64DD』というN64の周辺機器専用のソフトとして開発されていた。計画段階では動物たちは4足歩行を行うリアルな姿で、彼らと一緒にダンジョンを冒険するという、まったく違うジャンルのゲームだった。 64DDの大容量セーブデータや時計機能など独自機能を存分に利用するゲームの予定であったが、当の64DDが普及に失敗。 これに伴い、機能を削ったりアイデアを再構成することで完成したのが本作である。 時計機能はカセット内部にボタン電池を搭載することで実現。 大容量セーブデータはマップの縮小と新登場した大容量半導体メモリを採用することで収まっている。 たぬきちはゲーム評論サイトの『IGN』では「腹黑で不愉快なキャラ」、『UGO.com』では「マフィアのボス」と評された。 理由としてアイテムの下取り価格が元の価格の4分の1だったり、たぬきちの店の営業時間がAM9 00~PM10 00なのに対し仕立屋エイブルシスターズの営業時間がAM7 00~AM2 00と不自然なまでに長い(*9)ことなどがあげられる。 とたけけのモデルは、主にゲームボーイで活躍した任天堂の音楽スタッフである戸高一生氏である。「とたけけ」とは彼のあだ名から来ている。犬のようなキャラクターは、友人がデザインしたものらしい。 曲のひとつである「けけソング」は、『ゼルダの伝説 夢をみる島』や『マリオペイント』等でも聴く事ができる。 本作はセーブデータ保存領域にフラッシュメモリを採用している。(*10) 理由として「遠い未来でも起動して村を覗いてくれる人もいるであろう」という、スタッフの想いもある。 本作はのんびりと遊ぶゲームだが、カタログコンプリートRTAに挑戦した猛者も存在する。 売り上げ的には26万本程度と微妙だったが、まさかシリーズが20年以上も続いた上に、 20年後に爆売れする事態になるとは当時はだれも想像できなかっただろう。 社長が訊く ゲームセミナー2008~『どうぶつの森』ができるまで~にて、本作が取り上げられている。
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かいておぼえる ドラがな 【かいておぼえる どらがな】 ジャンル 【DS】知育ソフト【3DS】学習ソフト 対応機種 ニンテンドーDSニンテンドー3DS 発売元 【DS】セガ【3DS】小学館 開発元 【DS】サクシード 発売日 【DS】2008年11月27日【3DS】2015年11月12日 定価 【DS】4,180円【3DS】4,500円 (共に税抜) プレイ人数 1人 セーブデータ 1個 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント ドラえもん要素が少ない第1作ゆえ未成熟な部分多数本作のみストーリーはない ドラえもんシリーズ 概要 システム 評価点 問題点 ゲーム面の問題点 総評 余談 その後の展開 概要 「ドラえもん」をテーマにした学習ゲーム。小学校入学を控えた幼稚園児を主なターゲット層にしており、ひらがな・カタカナおよび小学1年生で習う漢字80字を収録している。 システム まいにちドラがな 一日一回プレイするのが前提のモード。後述の「もじのおけいこ」から3つのトレーニングが出題される。ハード内カレンダーに合わせて何日目かが記録され、40日(間が空いてもよい)やると「ドラがなはかせ」に認定される(それ以降もプレイは可能)。 もじのおけいこ 「まいにちドラがな」でやることになる6つの練習が好きなだけできる。 + トレーニング詳細 以下のトレーニングは3回ミスするとゲームオーバー。 せんなぞり 文字以前の、線を引く練習。画面にはあらかじめお手本が書かれており、それに沿ってタッチペンで線を描いていく。 プレイヤーが線を引くと、上画面のドラえもんが下画面に降りてきて線の通りに進んでいく。しばらくするとネズミも降りてきて同じように進む。 綺麗に引けていればゴールできるが、お手本より大きくはみ出していたり、はみ出ていなくてもふざけた書き方だったりするとドラえもんがネズミに追いつかれてミスになる。 ひらがな 平仮名の練習。画面に薄く書かれたお手本の文字をなぞっていく。 正しく書けたと判定されればクリア(当然書き順が違えば不可)。ゲームシステムは異なるが、せんなぞりと同様の判定がされている模様。 カタカナ 「ひらがな」と同様。 ことばづくり 上画面に表示、および読み上げられた言葉をひらがなで書く。真っ白なマスに書いていくが、「ヒント」ボタンを押せばお手本が表示される。 かんじ 「ひらがな」と同様。対象は小学1年生で習う80字。 ぶんづくり 「かみとはさみ。」のような短文をひらがなで書く。何故かこちらはお手本が出る。句点まで書かなければいけない。 もじもじランド ゲーム感覚で文字を学べる。8種類のミニゲームがあり、一部は「かんたん」「むずかしい」の2つの難易度がある。 + 各ゲーム詳細 ドライブ(難易度あり) 上画面に表示された絵を表す文字がコースに落ちているので、ドラえもんが運転する車で拾っていく。間違った文字に触れたり、道に置かれたドラム缶・パイロンにぶつかるとクラッシュして集めた文字を1つ落としてしまう。 「むずかしい」では障害物の数が増え、壁に当たっただけでクラッシュするようになる。 かいてんずし(難易度あり) 流れてくる物を拾ってしりとりをする。 「むずかしい」では流れてくる物の頭文字が隠される。 ミニドラパレード(難易度あり) ミニドラが持っている旗に描かれた、分割された文字を当てる。 「むずかしい」では漢字になる。 めいろ(難易度あり) 上画面に表示された絵を表す文字のところまでドラえもんを誘導する。迷路自体は難しくない。 「むずかしい」では動詞やカタカナ語など難しい語が問題になる。 ふうせんわり(難易度あり) 上画面に表示された絵を表す言葉の空欄に当てはまる文字を、昇ってくる風船から選ぶ。 「むずかしい」では空欄が2文字になる。 ぐるぐるへんしん 「ヘンギン」「シャンフー」のような変な言葉に、濁点・半濁点のどちらを入れれば正しくなるかを当てる。 さかなつり(難易度あり) 餌に書かれた文字と同じ読みの文字が書かれた魚を選ぶ。 「むずかしい」では漢字になる。 せんすいかん ドラえもんが乗った潜水艦を操作して、海中の生物を探す。クラゲやサメもいるが、当たるとタイムロスになる。時折のび太たちが映ることもある(他の4人はいいが、のび太は完全に溺れている)。 おえかき 絵を描く。普通の描画のほか、塗り絵もできる。 「おえかき」「せんすいかん」以外のミニゲームをノーミスでクリアすると金のドラえもんトロフィーが手に入る(難易度は問わない)。各ミニゲームには3個ひみつ道具が割り振られており、1つゲットするのに3つトロフィーが必要になる。 集めたひみつ道具は「ひみつ道具センター」でグラフィックと簡易的な説明が見られる。 オプション 成績確認、データ消去、サウンドテストができる。 評価点 文字学習ソフトとしては充分な出来。幼稚園入学前から、小学校入学準備まで長く使うことができる。 ドラえもんがフルボイスで喋ってくれるので、やる気が出て良い。 「ドライブ」でドラえもんが運転する車が、映画「のび太の海底鬼岩城」に登場するバギーになっている。なかなか面白いネタである。 もっとも幼児に理解できるネタではないが。 問題点 ドラえもんである必要性が薄い ひみつ道具など、ドラえもんらしい演出が非常に少ない。「もじもじランド」ですら、ミニドラえもんをひみつ道具と仮定しても9個中7個がひみつ道具の全く登場しないゲームである。 のび太たちに至ってはもじもじランドで少し出番があるのみ。当然の如くボイスはついていない。 ドラえもんではない方のナレーション(女声)が抑揚の強く付いた声で喋るため、非常に聞き取りにくい。しかも、ドラえもんの声と違い聞き直しができない。 特にエ段は「せ」以外全部同じ音に聞こえる。 成績が単純にトレーニングをした回数だけで記録される。「せんなぞり」しか遊んでいなければ「せんなぞり」が得意なことになってしまう。 「まいにちドラがな」は、どんなに学習が進んでいても「せんなぞり」から始まる。「ちゃ」など難しい音を覚える段階に入っていれば、ただただ面倒なステップを踏まなければならないだけである。 「ね」「は」「ほ」及び半濁点「 ゜」を含む文字の認識が壊滅的に悪い。 おかげで「ぱ」や「ぽ」がもはや苦行。 ゲーム面の問題点 「ドライブ」について このゲームだけは、「むずかしい」で変化するのが問題の難易度ではなく操作の難易度。障害物の隙間が非常に狭く、壁に当たっただけでミスである。「問題の答えは分かるのに操作が難しすぎてクリアできない」という事態が起こる。 「ぐるぐるへんしん」について 濁点か半濁点か選ぶだけなのに1問20秒以上かかる。非常にもどかしい。 「せんすいかん」について 海の生き物を学べるという触れ込みだが、触れるとミスになるクラゲとサメがうようよいて迂闊に探索できない。 こんな危険な海を平気でのび太たちが泳いでいるのも変な話である。 総評 ドラえもんにひらがなを教えてもらえるゲームとして大きく売り込みがなされた。しかし残念なことに、第1作ゆえか様々な部分に粗が目立つ作品となってしまっている。 発売当時は「ドラゼミ」があったため、国語学習をするならそちらを取るべきだった。 余談 潔く「ドラえもん」の文字を入れなかったからか、ドラえもん風のパチモンゲーだと一部で誤解されたようである。 確かにDS版のパッケージ表面にはドラえもんの影も形も無い。もう少しドラえもんを前面に押し出せば売り上げが違っていたかもしれないと考えると、惜しい点である。 3DS版にはドラえもんのイラストが入ったが、これも妙にサイズが小さい。 その後の展開 のちに3DSにおいて、算数学習ソフトの『ドラかず』・知育ソフトの『ドラちえ』・英語学習ソフトの『ドラえいご』・漢字学習ソフトの『ドラもじ』が発売された。これらはストーリー要素もあり、大なり小なりドラえもんらしさの出た作品となっている。
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NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム 【なると なるてぃめっとすとーむ】 ジャンル 忍道対戦アクション 対応機種 PlayStation 3PlayStation 4Nintendo SwitchWindows (Steam) 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 サイバーコネクトツー 発売日 【PS3】2009年1月15日【PS4】2018年2月1日【Switch】2018年4月26日 定価 【PS3】7,800円(税込)【PS4】2,750円(税込)【Switch】2,750円(税込) プレイ人数 1~2人 レーティング CERO A (全年齢対象) 備考 Switch版単品はダウンロード専売Steam版は日本語未対応 判定 良作 ポイント ハードをPS3に移したシリーズ1作目木ノ葉の里を自由に駆け回れる奥義映像がやや冗長 NARUTOシリーズリンク 概要 ゲームシステム キャラクター 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 PS2で発売されていた『ナルティメットヒーロー』『ナルティメットアクセル』の後を継ぐ、サイバーコネクトツーが贈る『NARUTO』対戦アクションの第1作目。本作では中忍試験編から木ノ葉崩し編までの第1部のストーリーを描く。 ゲームシステム 基本操作 2.5D格闘だった『ヒーロー』『アクセル』とは大きく趣を変え、『ディシディア ファイナルファンタジー』のような自在に移動できるフリーランの対戦アクションとなっている。 ◯ボタン連打とスティックの組み合わせでコンボが出せ、△長押しでチャクラをチャージして強力な忍術や奥義を放てるシンプルな操作性はそのまま。□で手裏剣を放って牽制も可能。 相手の攻撃が当たる直前にタイミングよくL1ボタンを押すことで「変わり身の術」を使い攻撃を回避できる。 奥義は相手との打ち合いだが、コマンド式(デフォルト)、連打式、スティック式を選べる。 モードは次の3種類。 アルティメットミッションモード 木ノ葉隠れの里を自在に駆け回り、様々な任務をクリアしていくアクションアドベンチャー。任務数は101に及ぶ。 フリーバトルモード キャラクターを自由に選んで3VS3のバトルが楽しめる。 オプションモード 各種設定が可能。 キャラクター + プレイアブルキャラクター うずまきナルト うちはサスケ 春野サクラ 奈良シカマル 山中いの 秋道チョウジ 日向ヒナタ 油女シノ 犬塚キバ 我愛羅 テマリ カンクロウ 君麻呂 大蛇丸 薬師カブト 自来也 綱手 うちはイタチ 干柿鬼鮫 三代目火影 + サポート専用キャラクター(無料DLC) シズネ 猿飛アスマ 夕日紅 初代火影 二代目火影 みたらしアンコ 次郎坊 多由也 左近 鬼童丸 評価点 良質なグラフィック ハード性能の向上と自在に駆け回れる戦闘システムにより、まるで2Dのアニメを動かしているかのような感覚を味わえる。 リアルタイムレンダリングで繰り広げられる奥義映像はまさに圧巻の一言に尽きる。 シンプルな操作性 『ヒーロー』や『アクセル』でも好評だった、簡単な操作を取り入れている。 コスチュームや形態の変化が適用されている 今作はストーリーをクリアすることで、一部キャラクターの衣装や覚醒後のキャラが使用可能になる。 覚醒キャラはナルト(九尾化)、サスケ(呪印状態2)、リー(八門遁甲)、ガイ(八門遁甲)、君麻呂(呪印状態2)の5人。 コスチュームはナルト(パジャマ(*1))、サスケ(黒装束(*2))、シカマル(中忍服)、砂の3兄弟(後期服(*3))の6人。特にコスチューム選択はヒーローやアクセルシリーズでは適用されなかっただけに、このシステムは嬉しい。 賛否両論点 やりこみ要素が豊富なアルティメットミッションモード 様々な移動方法を駆使して木ノ葉の里を自在に駆け巡る事が可能。壺を割ったり螺旋丸や手裏剣を放ったりとアクション要素も少しある。 任務はバトルだけでなく、木登りやレースの2種類のミニゲームもあり、バラエティに富む。材料を集めて一楽ラーメンの制作に協力するという一風変わった任務も。 口寄せ動物と戦う巨大ボスバトル(QTEイベントあり)も収録。 忍達のフィギュアを収集し、名勝負の数々をジオラマ形式で楽しめる。 内容が薄いアルティメットミッションモード イベントシーンは一部分しか収録されておらずファンとしてはガッカリ。大半は文字の説明のみで終わる。ヒーローやアクセルシリーズでは豊富なイベントシーンがあっただけに残念である バトルで使う忍術を増やすための巻物収集作業がかなり面倒くさい。 お使いが多く、ファンじゃないと時間がかかってしんどい。 ひと通りクリアするのに10時間ほどかかってしまう。 ミニゲームが2つ、あとは細かい作業がいくつかあるが、ちょっと難しかったりしてファンには辛い。 任務が100個あるが、ファンにはけっこう難しい。また、普通のバトルをする任務が100個のうちの半分を占めるが、フリーバトルモードで遊ぶのとやっていることがほとんど変わらないので、やる意味があまりない。ただし、任務の中には巨大ボスバトルなどのイベントもあり、そちらのほうは好評。 奥義映像が後のシリーズに比べて長め。 おそらく一人プレイを意識していると思われる。 問題点 フレームレートが30fps オンライン対戦に対応していない せっかくの対戦ゲームなのにオンラインで遊べないという点で格闘ゲームの良さを生かし切れていない。対人戦が面白いだけに本当にもったいない。 Steam版ならリモート・プレイによりPC同士でオンライン対戦が可能 SteamまたはParsecというアプリを介することでオンライン対戦ができるようになる。ただし、最初に対戦相手の人を見つけたりメッセージのやりとりをする必要があるので、やっぱり普通にオンライン対戦できるゲームと比べると少し面倒くさい。 変わり身の術が可能なタイミングがシビア 本作では変わり身は無制限だが、「攻撃が当たる直前」に限られるため連打でもしないと発動させにくい。 『ジェネレーション』では変わり身が有限となり、「攻撃が当たった直後」にも発動できるようになっていくらか使いやすくなった。 波の国編が未収録 再不斬と白は影も形もない。二人の参戦とそのストーリーは『ジェネレーション』まで待つこととなる。 そのため、初期の長編は「カカシと戦う」or「木登り修行」のみで面倒な展開になっている。 サスケ奪還編の不自然さ サスケ奪還編はナルトら奪還チームと音の4人衆の戦闘がメインとなるのだが、今作では4人衆がサポートでしか登場しないため、君麻呂が早期に登場する(*4)。 そのため、奪還メンバーと4人衆との戦闘はネジ(サポートにチョウジ)vs君麻呂(サポートに次郎坊と鬼童丸)、シカマル(サポートにキバ)vs君麻呂(サポートに左近と多由也)、我愛羅(サポートにカンクロウとテマリ)vs君麻呂(状態2)と、 本来君麻呂と戦うはずのないキャラが戦闘することになっている(*5)。 プラクティスモード、1VS1のシングルマッチがない ストーリーではちゃんと1vs1の戦闘があるのに、何故かCOM対戦では収録されていない。 シングルマッチは『2』で、プラクティスモードは『ジェネレーション』で実装された。 総評 当時としては、キャラクターのアニメーションなどのクオリティが非常に高く、他の追随を許さないグラフィックで多くの人の心をつかんだ、CC2の力作。後のシリーズに比べればいくらか及ばない所もあるが、それでも高い完成度を誇ると言っていいだろう。当シリーズは『4』まで発売され、『NARUTO』のゲームの集大成に相応しいものとなった。 余談 2017年7月27日に『1』『2』『3』を一本にまとめた『NARUTO-ナルト-疾風伝 ナルティメットストームトリロジー』がPS4で発売された。単品版は2018年2月1日にダウンロード専売で配信。 2018年4月26日にはNintendo Switchでも発売。それに伴い、『1』『2』『3』単品も配信されている。
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アルマジロ 【あるまじろ】 ジャンル 2Dアクションゲーム 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 IGS 発売日 1991年8月9日 定価 6,900円 プレイ人数 1~2人(交互プレイ) セーブデータ 要周辺機器(バトルボックス) 判定 なし ポイント ポップで個性的な世界観多種多様なアクション看過できない操作性の欠点 概要 ストーリー ゲーム内容 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 80年代後半から数年間だけゲーム事業に参入していた会社、IGSが発売したファミコンゲームの一つ。 二足歩行の擬人化されたアルマジロを操作する2Dスクロールアクション。 制作・キャラクターデザインは『奇々怪界』の薮崎久也氏が担当した。 ストーリー テキサスにすむアルマジロの「ビリー・ザ・シェル」には、恋人がいた。 彼女の名は「シェリル」、テキサスで一番かわいいと噂されているアルマジロだった。 ところがある日、悪の集団「くろまめだん」にシェリルがさらわれてしまった。 "シェルの恋人救出作戦"が始まった。 ゲーム内容 『マリオ3』型のワールドマップシステム ステージ選択方式を採用。 いわゆるワールドに相当する「ラウンド」は8つあり、順々に攻略していく。各ラウンドに4~8面のアクションステージがある。 ラウンド1のテキサスから始まり、ラスボスを追ってメキシコやアマゾンなど南北アメリカ大陸を駆け巡る。 上記ストーリーの通り、このゲームは現実世界の地名で舞台設定がなされている。 マップ上には主人公とともにボス(くろまめだん幹部)のアイコンが配置されており、各ステージをクリアしてボスまで辿り着くのが各ラウンドでの目的となる。 ボスと同じマスに入るとボスステージとなる。倒すとストーリー上でのラスボスの行き先が判明し、次のラウンドマップへ。 主人公が1マス動くごとにボスは主人公から遠ざかるように1マス動く。一度通過したマスを移動する場合はボスは動かないので、地道に踏破していればいつかは追いつめることができる。 ステージはごくオーソドックスな構成。 横スクロールで進んでいき、登場する敵や障害物を下記のアクションやアイテムを駆使し乗り越えていく。 主人公のアクションはAボタンでジャンプ、Bボタンで体を丸めることができる。 この丸まりがアクションゲームとしての本作のウリと思われる。この能力をフルに活かしクリアを目指すことになる。 丸まった状態であれば体当たりで敵を倒すことができる。少数の例外を除き無敵になり、ステージ上にあるトゲに触れてもダメージを受けない。 丸まり状態でもジャンプでき、Aボタンを押しっぱなしにして弾みをつけることで通常時ではできない大ジャンプが可能。 この状態で各所にあるスロープや下り坂を転がると当然スピードが出る。 壁に向かってジャンプすることで、壁に張り付くことができる。 あくまで張り付くだけで、そのままでいようとしても少しずつずり落ちてしまう。 方向キー+Aボタンで三角飛びが可能。 ステージ中のアイテム アクションステージ中にアイテムが沢山出てくるのもこのゲームの特徴。ステージ中にあるプレゼント箱に丸まって体当たりすると、アイテムが出てくる。 中でも開発陣が力を入れて作ったと思われるのが変身アイテム。鳥・魚・カンガルー・カタツムリの4種あり、取得するとその動物に変身が可能。 鳥→飛行、魚→水中をスムーズに移動、カンガルー→大ジャンプが可能に、カタツムリ→動きは遅くなるが壁や天井を這って動ける。 鳥のみアイテム取得と同時に変身かつ一定時間のみの効果だが、他の3種はBボタンでいつでも人型と変身を切り替えられる。 動物の状態で敵と当たると残機は減らないが、変身能力は失ってしまう。 変身以外のアイテムも、1UPや無敵といった定番から、敵の動きを止めるストップウォッチ、落下時の速度を落とすパラソルなど多彩に用意されている。 中には「体が緑色になり、通常判定と丸まり判定が入れ替わる」というやや扱いの難しい一風変わったものもある。 また、ステージ中の小鳥(非敵キャラ)が落とすリンゴを取ると、アルマジロが小人サイズになり特定の狭い通路を通れるようになる。 その場所には有用なアイテムがあったり、後述のかせいじんが居たりすることが多い。 その他のお助け要素として「かせいじん」や「すしバー」がある。 特定のステージには「かせいじん」がおり、会うとUFOを貸してくれる。一度だけワールドマップの好きなところに移動できる。 かせいじんに会った後、UFOはそのステージ内を改めて探す必要がある。「このちかくにまたせてあるからつかっていいよ」との弁の通り、大体はかせいじんに近い地点にある。 UFOでいきなりボスの隣まで行くことも可能だが、それをやると大体逃げられてしまう。上手く捕まえたいなら頭を少しひねるべし。 ステージ中にある「SUSHI」あるいは「すしバー」と書かれた建物に入ると、マスターがゲームのヒントをくれる。 単なる世間話をされる場合もある。 評価点 個性的なゲーム世界 「テキサスなどの現実の場所を舞台に、擬人化アルマジロが活躍する」という独特の世界観を、ポップなセンスでよくまとめている。 キャラクターはシンプルな造形でかわいらしい。 主人公、敵ともにアニメパターンが細かく作られており、プレイヤーの目を楽しませてくれる。 各ステージも、舞台となる実際の地名のイメージと結びつくような雰囲気をよく出せている。 サンフランシスコやテキサスのような都市の明るさ、アマゾンやニューヨークの地下鉄の湿った暗さといった土地ごとの個性を、凝った背景やBGMで演出している。 ラウンド3ラスベガスの、トランプをモチーフにしたステージの不思議な空気感は特に印象深い。 「かせいじん」や「すしバー」の存在もシュールで、ユーモラスな魅力がある。 特にすしバーはアマゾンの真っ只中でも営業していたり、「寿司にワサビの代わりにタバスコをきかせたが人気がない」と零すマスターがいるなどクスリと笑わせてくれる。 多様なアクション ゲーム内容の項に記したように、変身まで含めればアクションの種類は中々の数。FCゲームにしてはかなり頑張っている。 動物への変身に関して言えば後述の仕様の問題はある。が、クリアに必須なのは通常時アクション(丸まり、壁張り付き)のみなので、取得しないという手もアリ。 敵キャラの種類が多い 20種類以上の通常敵キャラが登場し、それぞれが中々印象的な攻撃を仕掛けてくる。 「左右に踊り狂う棒人間」「蛇行するヒヨコを飛ばす」「床からにょきっと出現しBoo(文字そのまま)を飛ばす」などなど。印象に残ったプレイヤーも多いだろう。 能力が実質被ってしまっている敵も中にはいるが、少なくとも見た目は個性的に差別化されている。 程よい難易度 序盤から終盤まで、簡単すぎず難しすぎずの難易度が保たれている。 終盤になると落下死や一撃死(丸まり状態でも吞み込んでくる敵がいる)の危険が高まるが、それでも突出した難所などはない。 後述のように操作性に難があるゲームではあるが、慎重なスタンスで臨めばどのステージも無理なく突破できると思われる。 道中で1UPアイテムがかなりの頻度で手に入る他、上記のかせいじんも最終ラウンド(ニューヨーク)以外で利用可。 賛否両論点 テンプレ的ストーリー ストーリーはさらわれた恋人を追って悪党と対決、という発売当時の感覚からしても「いつもの」感溢れるもの。 2Dアクション、それもFC時代の作品に凝ったストーリーを求める人は少数派と言えばそれまでだが、ここまでひねりがないのも逆に珍しいのではないか。 とはいえ、ポップでかわいいセンスのこのゲームにはこのくらいのノリが丁度いいのかもしれない。 セーブに周辺機器が必要 セーブするにはなんと「バトルボックス」というIGS発売の周辺機器が必要。 アルマジロ以外では野球ゲーム『バトルスタジアム』、政略ゲーム『陰謀の惑星 シャンカラ』、サッカーゲーム『Jリーグファイティングサッカー(FC版)』の4作のみ対応。IGSのゲームに順次対応させていく予定だったと思われるが、IGSは 93年にゲーム事業から撤退してしまう。 アクションというジャンルに限れば、この時代セーブできるゲームは少なかった。コンティニュー機能のみか、せいぜいパスワード制。当時どんな形であれセーブ機能を搭載したのはプラスと捉えられないこともないが… ぶっちゃけ慣れれば数時間、アクション慣れしている人なら1~2時間程度でクリアできる内容なのでそこまで問題にはなっていない。 問題点 常に処理落ちを起こしているかのような動きの重さ 主人公の形態やステージ内容、表示キャラの数に関わらず、動作がずっと重い。通常形態で歩くだけでも微弱なブレーキがかかっているような感覚がある。 独特の慣性も含めて、この重い操作感がゲーム中は常に気になってしまう。 足場が少なくなる後半面(特にリマ)ではそれが攻略に助かると言えなくもないが… Bボタンの役割重複 「丸まり」と「変身」が同じBボタンに割り当てられているため、変身アイテムを取得するとアルマジロの制御が煩雑になる。 通常であれば人型と丸まりをBで交互に変えるだけだが、アイテム取得時は「人型→丸まり→変身→人型…」という形態ローテーションになる。 咄嗟の操作が難しくなり、当然ながらミスとストレスの原因となる。 先述の通り攻略的に取得必須の場面はない。が、状況によってはそれなりに有用なのがまた悩ましい。 爽快感を味わわせる気のないステージデザイン 回転アクションを活かしてスピードを出せる場所が少なすぎる。 転がる用のスロープはところどころ用意されているのだが、大抵はその直後に壁などが立ち塞がる。何のために設置しているのか本当に不明。 大ジャンプで高い場所に登らなければ進めない地形がちょこちょこあるが、これがまたテンポが悪い。 敵などもおらず、ただAボタンを押し続けて大ジャンプすれば進めるという地形パターンが多め。Aを押す以上のアクション性がないので無駄な足止め感が強く、地味にストレス。 全体を通して落下穴や壁、障害物が多く配置され、繊細なジャンプアクションを求められるタイプのゲーム性になっている。 ステージの地形に明らかな使いまわしが多い ゲームを進めていると「あれ、前の面で見た地形?」と思うことが頻発する。 昔の作品ということを考慮してもあまりに露骨。多少であれば問題とならないかもしれないが、このゲームの使い回しはそういうレベルではない。 ゲーム全体で見ればステージはそれなりの数が用意されているが、このせいで満足感が減っている。 単調なボス戦 ボスの大半が遅い弾を散発的に撃ってくるだけで、丸まって纏わりついていれば簡単に倒せてしまう。 序盤ならともかく、後半のボスでも変わらないのでさすがに興ざめ。例外は中盤のボス「メカデブアルマジロ」くらい。 ラスボスはさすがにそれまでのボスとは違う動きをする。が、単調さと難易度的な手ごたえのなさは変わらず。 ダークな背景とBGMはかっこいいだけに勿体ない。 総評 多様な動きが可能で難易度もちょうど良く、アクションゲームとしてそこそこ良くできてはいるものの、操作性の欠点が大きく気になってしまうのが痛い。 優れたデザインセンスとBGMで魅力的な世界観を提示できているだけに、非常に惜しい出来となってしまっている。 余談 前述の周辺機器「バトルボックス」使用時はデータセーブだけでなく、キャラ性能の違う「ストーン・アルマジロ」でプレイできる特典がある。 『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』との作風の類似を指摘されることもあるが、発売時期はほぼ同時(アルマジロが初代ソニックの2週間後)であり、直接影響を受けたわけではないと思われる。実際、プレイ感は全く異なるものとなっている。 本作の続編『アルマジロII(ファミコン)』と派生作『アルマジロ外伝(ゲームボーイ)』の発売が予定されていたが、IGSのゲーム事業撤退により発売中止となった。 『アルマジロ外伝』はウルトラマンのSDキャラゲー『ウルトラマンボール』にグラフィックなどを差し替えられた形で1994年に発売された。 当時の週刊少年チャンピオン(91年4月~92年8月)に見開き2ページの広告漫画が連載されていた。 作者は木崎浩。 発売中止となったアルマジロIIも漫画だけは連載していた。
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GITADORA GuitarFreaks DrumMania 【ぎたどら ぎたーふりーくす あんど どらむまにあ】 ジャンル 音楽ゲーム 対応機種 アーケード 発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント 稼働開始日 2013年2月14日 判定(アップデート前) シリーズファンから不評 判定(アップデート後) 改善 良作 ポイント ギタドラXGシリーズの後継機稼働初期の仕様は黒歴史アップデートにより大幅改善 GuitarFreaks DrumManiaシリーズ GITADORA GuitarFreaks DrumMania 概要 アップデート以前からの評価点 アップデートにより解決された問題点 アプリによる解禁の廃止 ENCORE STAGE・PREMIUM ENCORE STAGE・EXTRA RUSHの再実装 スッカスカだった公式サイト 全く音沙汰が無かったイベント 現在も存在する問題点 賛否両論点 総評 余談 大型アップデート前の評価など 簡単なミニゲームの紹介 概要 ゲームセンターで中高生を中心に人気を博しているBEMANIシリーズの一つである音楽ゲーム『GuitarFreaks DrumMania』(以下ギタドラ)の最新シリーズ。『XG』シリーズが前作XG3で突如終了し、本作からはそれまで略称だった「ギタドラ」をそのままローマ字読みにした『GITADORA』として新シリーズに突入した。(*1) 大きな期待が寄せられていたものの、ロケテスト時点で発覚していた多数の大きな問題が稼働後も改善の気配を見せることなく尾を引き続けており、ユーザーから再三に寄せられていた改善の要望が実現するまでに非常に長い時間がかかった。 問題点の多くは稼働から数か月後に実施されたアップデートにより大幅に改善されており、問題点としての指摘については既に過去の事例となっているため、本稿が特殊な記事構成になっている点にご留意願いたい。 アップデート以前からの評価点 新筐体 筺体が大きすぎて導入しづらいという店舗のため、XG2で追加されたXG-SD筐体よりもさらに小さい筐体が追加された。 ギターが1人用になった為、稼働まで新筐体での3人セッションはできないと噂されていたが、マルチセッション同様に接続することで3人セッションは依然として可能である。(*2) e-AMUSEMENT Participation(*3)の導入も相まって、省スペース少価格でオペレーター側も導入しやすくなっている。Vシリーズまでの筐体とサイズがほとんど変わらないという事もあり、XG筐体を導入できない小規模な店舗での置き換えも進んでいる。 新規ユーザーにやさしくなった 稼働日から初回プレーでチュートリアルが流れたり、フォルダ移動する際の操作説明がされたり、何よりチャレンジ譜面の枠組みが消えていることによりある程度初見ユーザーに優しくなった。 チュートリアルに関しては過去シリーズよりも丁寧になり、回数も増えた。 途中落ちしても3曲プレー完全保証(XG2より復活)のため、難しい譜面にも気軽に挑戦しやすくなっている。また本作限りの仕様ではあるが、途中落ち無しで曲の最後までプレー可能(ただしセッションプレー不可)となるプレミアムプレーも用意されている(PASELI専用)。 今作から「POOR」判定は「OK」に差し替わり、コンボこそ途切れてしまうもののエキサイトゲージの減少が無くなったので、楽曲クリアのし易さという面でも向上している。 またギタドラは難しくないというイメージを付けるデモムービーが入るようになった。 週1で追加される新曲 最低週1で1曲は新曲が追加される。 アーティストと曲名が毎週金曜日あたりに発表されるので、これで期待することも可能。 月単位で見ると、XG3(稼働終盤は除く)における月に5曲ペース(*4)とほぼ同等である。 ほとんど無くなったバグ 大きくゲーム仕様を削減した効果により、前作で酷かった処理落ちは多少残っているものの、他のバグはほとんど見受けられなくなった。 プレー中にある動作をすると強制的にステージ失敗となるが、意識してやらないかぎり回避できる。 ただし、ギター側では稼働日からXG-DX筐体のみワウエフェクトが常にON状態になるバグがあり、それに関しては未だに音沙汰がない。 一方旧アプリ側ではバグが多発していた。余談も参照のこと。 基板変更による処理速度向上 新筐体に合わせてか、Windows 7 Embedded搭載の新基板に変更されており、OSだけでなく基板のマシンスペックも相応に向上している。ローディング時間の短縮・フレームレートの向上により、普通にプレーする分にはサクサク快適に遊べる。 ただ、もともと初代XGの頃はサクサク動いていたため、XG2,XG3の仕様を削ったことで元のスピードに戻ったようにも見える。 処理速度向上により、入力遅延(叩く、弾いてから音が鳴るまでのレスポンス)が解消されて演奏感がアップしている。 前作までの感覚に慣れていると多少違和感を感じる人もいるが、タイミングの調整も可能。(後述) オプション機能の充実 プレー中の演奏タイミングの調整。 BGMに対する演奏タイミング、判定線に対する演奏タイミングをそれぞれ任意調整可能。 前作までの仕様に近づけた「XGシリーズ」プリセットも用意されている。 リアルタイムリザルトの追加。 プレー中の現状リザルトや判定率などを常にリアルタイムで確認できる。(各判定個数、現在の達成率) 前作までにあったスコアグラフも、再導入までに時期を要していたが最終的に健在となった。今回は全員の達成率ゴースト(*5)が同時に表示される他、 目標SKILLの設定も不要 になり楽曲SKILLの目安ラインが10skillごとに複数表示されるようになっているなど、設定手順を少なく押さえた作りになった。 ジャッジ機能の追加。 各ノーツに対し、ジャストタイミングからのズレ時間を随時確認できる。(0.006秒単位) レーン透過値の調整。(0~100%) ノーツが流れるレーンの透過率を設定できる。 透過率を100%にすると、ノーツの見やすさを犠牲に、大迫力の背景ムービーをほぼ完璧に見られるようになった。 旧曲のほとんどはムービーが削除されていることが惜しまれる。 版権旧曲には、稀に一部解像度が粗いムービーも生き残っている(Sing A Wellなど)。 今作で追加された、透過率100%プレーはその動画がいくつかニコニコ動画にUPされている。興味があれば探してみてほしい。 難易度調整 「低難易度の難度値でより段階を感じられるように幅を持たせたため、既存曲は全体的に上方修正。」とのことで、旧曲の難易度は軒並み上昇。低難易度曲の厚みが向上した。 ただし、チャレンジ譜面があった楽曲のBASIC譜面は、そのチャレンジ譜面に置き換えられて難易度が上がった。 前作で逆詐称曲とされていた譜面が-0.20前後下げるなどといった旧曲の難易度調整も行われた。 2013/08/08にアップデートにて一部楽曲のBASIC譜面の調整とそれに伴う難易度変更が行われた。 調整後の難易度は概ね良好。今後のADVANCED譜面やEXTREME譜面の調整にも期待がかかる。(*6) アップデートにより解決された問題点 本作は度重なるオンラインアップデートを実施しており、それによって改善された点も多い。 特に2013年7月10日に ゲーム内容を改革する大幅アップデートが行われ 、それまでとは別ゲーと言える程に見違えるほどの改善がなされた。 以下はアップデート以前に問題点として挙げられ、その後改善されたものである。 アプリによる解禁の廃止 ギタドラシリーズの新曲解禁方法は代々プレー時に獲得するポイントを消費して行っていた。しかし本作の稼働初期の解禁方法は、GITADORAのスマートフォンアプリを通して行われるミニゲームに集約されていた。 楽曲を解禁するために半強制的にアプリをやらされること自体だけでなく、GITADORA運営のサポートの悪さもあり批判が集中した。 + アプリの問題点詳細 稼働初期におけるルールでの楽曲解禁方法は、以下の通り。 + 稼働初期におけるルールでの解禁方法 ギタドラのどちらかをプレーし、2日以内(ライブによっては1日以内)に一定のライブポイントが貯まると曲が解禁。ミニゲームをプレーすることで観客とキャパ(観客の収容数)とエフェクト(バンドの照明。盛り上がりに影響)が増え、ポイントを倍増させることができる。というもの。ロケテスト版では一回でも100%に到達すればそこで解禁なのだが、製品版だとライブポイントとは別にLIVE ENERGYという物がプレーヤー別に設定され、これが100%になって始めて曲が解禁という仕組みである。 何度かライブポイントが100%になれば解禁できる為単純ではあるが、数値に表すと実機単体だと解禁はほぼ不可能な数値である為、グループ内にスマートフォンなどのタブレット端末使用者が居ないとまず無理である。 因みに実機でのプレーがないと、ポイントはたとえ観客とキャパとエフェクトが万単位でいても「0」である。 このルールに関しては、スタッフ曰く「バンドが本命ですので」とのこと。これを言われたら仕方ないかなという気持ちは持てる。バンドシミュレーションなのにバンド風のゲームが無いがバンドを助ける為のアプリ、と思えば多少許容範囲は広がると思われる。 このルールにおける最も効率の良い解禁方法は、クリア寸前のバンドを探して移動しまくることであった。バンドメンバーとの協力も何もない。 2013年4月24日分アップデート後からの新ルールでは、キャパと観客を増やすとライブエネルギーの上限がアップ。その上限までならミニゲと実機プレーでライブエネルギーを増やせ、ライブエネルギーが100%になった時点で楽曲解禁。というルールに変更された。 実機プレーでの恩恵は観客、キャパブーストというそれぞれのミニゲームにボーナスが付くというものだが、無くても解禁は可能。 ミニゲのプレーは無限ではなく体力制。時間が経てば回復する。お金をかけてでも早く解禁したい人は課金アイテムを使うことでも体力を回復できる。 前作のこれもそうだが、「ソーシャルゲームによくある手口」として批判する声もある。 ミニゲームに積極的な人が何人かいないとポイントは雀の涙ほどしか貯まらないので、グループに入る時点で運ゲー化している。消極的な人ばかりなら早々にグループを変えるのが吉。 グループ内でミニゲームやブーストを行わずに自分のエフェクトだけ稼ぐプレーヤーもいる為、晒しなどのトラブルが起こることも。 アプリで楽曲解禁することの是非はともかく、ミニゲーム自体の評価は、良く言えば「シンプル」「手軽」。悪く言えば「底が浅い」「飽きる」。詳細は下端のregionを参照。 このミニゲーム、ロケテストではHTML5に対応したブラウザでのPC、スマートフォン(AndroidかiOS搭載ならなんでも可)、一部のガラケー(*7)に対応していたのだが製品版ではスマートフォンなどのタブレット端末のみの対応となった。 製品版ではロケテストで遊べなかったミニゲームが追加されており、また後述の通り課金要素が発生していることから、これらの要素がPCに対応できなかった可能性もある。しかし5/15現在、PCでのミニゲームについては公式告知が一切なされていない。 旧ルールではガラケーでのライブ進行度確認はおろかライブに参加すらできなかった為、ガラケーしか持ってないユーザーはゲーセンと家を行ったり来たりを強いられることとなった。 家にパソコンがある人はともかく、スマホなどのタブレット端末もパソコンも無い人は解禁に参加すらさせてもらえなかったという事になる。 ガラケーからライブに参加できるようになったのは、稼動から1ヵ月半以上経過した4/5であった。ちなみにこの告知はツイッター上でのみ行われ、ガラケーGITADORAサイトのインフォメーションには現在でもこのことが記載されていない。 このアプリのリリースは、本作が稼働して1週間後である。稼働と同時にPlayストア、Appleストアに乗せられる様手配していなかったスタッフの準備不足が窺える。 公式サイトもアプリのリリースと同時に公開。承認待ちであるならこの一週間何をしていたのか気になるところである。 しかしこの公式サイト、上記にもあるように4/5のガラケーからのライブ参加可能になったアップデートをアナウンスしていないなど更新がやたら少ない。この1週間後のライバル機能追加に関してインフォメーションに記載したかと思えば、4/24のライブリニューアルに関する記述は無いなど、インフォメーションの体裁を為していない。 そもそも、5/15時点でガラケーGITADORAサイトのインフォメーションに記載されているのは「3/13 フィーチャーフォンサイト公開!!」「4/12 ライバル機能追加!!」の2つだけである。 6/4のメンテナンス以後は、新ライブ追加等のアナウンスがされている。またこのメンテナンスと同時にプレーポイントの使い道が増えた(*8)ものの、初期のライブに対する解禁緩和措置は一切取られていない。 近年のオンライン対応アーケードゲームはどれも最初に・筐体上で名前を設定するが、本作では筐体上での名前の入力は不可。名前入力はこのアプリ、又は公式サイトを通して行うことになる。 しかし、上記にも書いた通りリリースが一週間も遅れた為、その間にプレーした全ユーザーがアプリ公開まで無名のままプレーすることを強いられていた。 更に一週間待った後に待ち受けていたのは正しくe-passとアプリが紐付けられないバグ。これはKONAMIのサービスであるe-musementGATEが、i-revoを運営しているkiwiに移行した際に内部的な仕様変更されたにもかかわらずそのまま使ったことが原因と思われる。 正しく紐付けられてないので「紐付け→ログアウト→再度ログイン→(IDが変わっているので)こちらのe-passは他のアカウントに紐付けられています」といったことが発生。アプリ発表と同時に2曲追加されているので解禁する前にログアウトしてしまうと解禁状況が見られないという事態に。 アプリ公開直後に上記の不具合情報がツイッター上に多数挙がっていたにもかかわらず、ろくに動作確認もせずユーザーの勘違いと決め付け、下記のような発言が公式ツイッターから発信されていた。 PCサイトでGITADORAデータ連動を行ったあとにアプリを始めることができないという情報が拡散されておりますが、 アプリを始める際にKONAMI IDでログインをすれば、同じデータで遊ぶことが可能です。 KONAMI IDでログインするように注意してください。 このバグは2日掛かりで修正された。本作のディレクター・まっする氏はほぼ徹夜漬けだったそうな。 なお、これらに関してそのまっする氏はアルカディア2013年4月号でのインタビューにて… (注目の新要素について教えてください) 「アーケードがシンプルになったところですね。今まで筺体で遊んでいた楽曲解禁などの演奏以外の付加コンテンツを、 スマホなどのWEBサービスに移行したことでサクサクと遊べるようになりました。 付加コンテンツは時間制限がなく遊べるのでより自由に楽しめるようになってます。後ろで並んで待つのも苦じゃないですよ(笑)」 上記の通り付加コンテンツは、2013年5月15日現在スマホなどのタブレット端末でしか遊べない。そのため、GITADORAプレーヤー全員がスマホなどのタブレット端末所持者であることが前提の発言となっており、いかに開発スタッフがスマホなどのタブレット端末を重視していたか、逆に言えばいかに要件を満たさないユーザーを軽視していたかが窺える。 ただし、ミニゲームによって『貢ぎ』度が低下したことについては評価されることもある。 上でも触れられている通り、現行ルールにおいては曲の解禁にACのプレーは必須ではない。そのため、かなりの貢ぎを必要としたXG3から一転、お金をかけずとも楽曲解禁が可能になった。極端な話、ミニゲームが遊べる環境であれば、0円で全曲解禁することも可能である。 しかしゲームセンターを経営しているオペレーター側にしてみればGITADORAをプレーする回数が減るのでインカムも減るという冗談抜きの死活問題と化している。 音ゲーをしない人にとってはピンとこないかもしれないが、要するに「あと1クレで解禁できるからもう100円入れよう」「今日はこの曲を解禁するまでやり続けよう」「新曲が発表されたからゲーセン行こう」あたりの発想がなくなるのである。上位勢ともなると早く解禁したいがために1日に数千~数万円つぎこむこともあり、影響は計り知れない。 ユーザー側に立って考えれば過剰な貢ぎ要素は批判されるべきものであるとはいえ、プレーヤーのクレジットでインカムを上げなくてはならないアーケードゲームの仕様としては手放しに喜べない側面があったのも事実だろう。 2013/7/10の大型アップデートにより、楽曲解禁方法が変更。 アプリによる解禁が休止 (*9)となり、ゲームプレーで得られるポイントだけで解禁出来るようになった。 ポイントを規定ポイントに達するまで注入していく方式で形式としては前作XG3の後期と一緒ではあるがかなりの貢ぎを必要としたあちらとは違い、適当に数クレジットプレーするだけで十分間に合うバランス。ギター側で効率のいい方法をとれば2~3クレジットで解禁出来るほど。新規に追加された曲は初週は36000ptsだが、ライブ曲追加毎に要求ポイントが半減していき、最終的に追加から4週後には1000ptsまで緩和されていく。ちなみに1クレジットで獲得出来るポイントは3曲クリアでおおよそ3000~6000ポイントほど(スコアおよびプレー難易度とランクによって大きく変動)。ENCOREステージを出せる腕前があれば、少なくとも6000~7000ポイント以上を稼げる。 ENCORE STAGE・PREMIUM ENCORE STAGE・EXTRA RUSHの再実装 V3から恒例だった、ギタドラのボスイベントが稼働当初において廃止されていた。EXTRA RUSHの詳細はV3の記事参照。 上記に加え、オペレーター側で1プレーにおける最大プレー曲数変更が行えなくなっており、1プレーにつき3曲完全固定となった。 本作のディレクターによると「プレー時間を均一にする為」とのこと。(*10) 実際、「安定して高スコアの取れる上級者のみが長くプレーできる」イベントであるため、高スコアの取れないプレーヤーから不公平感をもたらしているという側面もあり、廃止については賛否両論と取れるかもしれない。しかしギタドラシリーズは「安定して高スコアの取れる上級者」が大半を占めているため「否」の意見が圧倒的に多いのが現状である。 本来はEXTRA RUSH枠に入るはずだっただろうコンセプトの曲(*11)や、他機種との同時期収録曲(*12)もアプリにより解禁可能だが、解禁方法がEXTRA RUSHに比べてインパクトが薄く寂しいという声が多い。 アプリ解禁と同じく多くの批判が集中したためか、2013/7/10の大型アップデートで従来の EXTRAステージがENCOREステージとして、従来のENCOREステージもPREMIUM ENCOREステージとして復活。 ENCOREステージ出現の際は『アンコール!アンコール!』と、普段より大きな音量で歓声が鳴るという演出付き。 PREMIUM ENCOREは全て画面に専用演出があり、なおかつEncore Ver.2以降のPREMIUM ENCORE楽曲にはそれと同様の専用ムービーも付いている。 専用演出は実に初代XG以来の実装。ただ、選曲決定時の表示で背景に専用ムービーが流れていた当時とは違い、今作では後述するHELP詳細表示以外は全て隠され、完全に演出に専念している(PREMIUM ENCORE STAGEの文字も演出に準拠していることがあったり、曲名表示も表示場所が変わっていたり、汎用フォントではなくロゴフォントに変わっていたりと、曲によってユニークなデザインになっている)。 進出条件や専用曲の扱いなどの仕様はXG3を引き継いだが、今まで隠されていた各種出現条件が画面上に表示されるようになった。 それに加え、ENCOREステージ、PREMIUM ENCOREステージに進出できなかった場合の救済措置が追加された。 ENCOREステージに進出できなかった場合の救済措置は、その日限りで徐々に進出条件が緩和されていくというもの。初期値は平均S(S+S+Aなど)以上で、それを満たせなかった場合に徐々に緩和されていく。(*13) PREMIUM ENCOREステージ条件である「ENCORE専用曲でパーフェクト95%以上クリア」を満たせなかった場合の救済は、要求パーフェクト率が徐々に緩和されるというもの。 こちらは専用曲をプレーしていなかった、またはFailedになったとしても緩和される。緩和率は一回1%ずつだが、その日限りでENCORE進出毎に最大で一回5%まで加速していく。緩和された要求パーフェクト率自体は、PREMIUM ENCOREに進出できたプレーの翌朝まで維持される。(*14) これらにより、誰でもEXTRAステージに行ける回数さえこなせばPREMIUM ENCOREに進出できることになり、従来のEXTRAステージにあった不満点も解消されることとなった。 スッカスカだった公式サイト 遊び方の紹介がなかった スペシャルサイトやe-AMUSEMENT サイトといった場所にさえゲーム機の遊び方が紹介されていない。 BEMANIシリーズに限定しても、これ以外全機種のスペシャルサイトには、初めてきた人でも分かるように、公式サイトのトップやヘッダメニューに遊び方ページへのリンクが設けられている。 スマホアプリおよび一部PCブラウザからアクセスできるライブ情報閲覧ページ内のQ Aに遊び方が乗っているのだが、それも極めて情報量が薄い。しかもこのページは上記公式サイトからのリンクは用意されていない。BEMANI Fan Siteの各機種リンクから飛ぶことはできる。 →遊び方についてGuitar、Drumともにチュートリアル動画付きでHow toページが追加。 収録曲がわからない 遊び方と同様、他機種のサイトである程度公表されている収録曲の紹介も存在しない。 こちらに至っては上記ライブ情報閲覧ページにも載っていない。ライブ参加確認画面やコレクション画面にある。BEMANIWIKI 2ndでまとめてあるのでそちらを参照のこと。 →楽曲の提供アーティストとその楽曲の一部を紹介するページが追加。全ての楽曲を参照したい場合はe-amusumentページで可能。 全く音沙汰が無かったイベント 曲解禁はアプリが全て持っていっていたせいか、大型アップデートまで、筐体上での曲解禁イベントは一切なかった。 毎週追加される新ライブも、仕様変更までは筐体上で一切アナウンスが流れなかった。 ただし、スコア系の公式大会などはKAC2013を除いて行われておらず、XG2,XG3で搭載されていた店舗大会機能も存在しない模様。 アプリの新ルールにより実機プレーの必要も無くなった上、公式大会も開催されていないため、プレーヤーのモチベーションを上げる努力はされていなかった。 前述のインタビューでは今後の展開について、「GITADOROCK化して楽曲の新たな一面を楽しんでもらえるよう、いろいろな連動をしたいと思っているので楽しみにしていてください」と言っているのだが…。 BEMANI関係の多機種連動イベントである「私立BEMANI学園」には参加している。…が、他の機種がそれと並行して他のイベントもある中、GITADORAは並行イベントが実質存在していなかった。(*15)https //p.eagate.573.jp/game/bemani/p/my/rabeat_cup/02/about.html アップデート後には夏に紅白対抗の形をとって開催されたBEMANIの多機種連動イベントとして、「jubeat・GITADORA・DDRのTriple Journey」にも参加。XG3での『大夏祭り』の悪夢再来かと言われていたが、いざ開催されると「8/1から8/31まで一日毎にいずれかの機種(複数有り)で1曲ずつ解禁(*16)」「解禁条件はHPに謎解き形式で掲載されるが、その全てが1プレー以下で達成できかつ隠し曲もほぼ必要ない(*17)」と、見事に下馬評を覆す良イベントとなった。楽曲のセレクトも意表をつく選曲もあるなど、そのセンスが光る。 課題の中には「上上下下左右左右と入力した後、GFではBボタンを押し、DMではバスドラムのペダルを踏んで、その状態で曲名がAで始まる曲を選ぶ」といういかにもな物もあった。(*18) 一応は期間限定のイベントだが、現在はすでにフォロー処置が取られており、これらの追加楽曲はまとめてLIVE楽曲の曲目に追加となっている。必要ポイントは1曲5000ptと少なめだが、代わりに緩和もされない。なおLIVE楽曲全般の話となるが、OverDriveへのアップデート時に引き継ぎでは無条件解禁に移行せず、新規データだと無条件解禁されていたという不具合が存在していた。 ちなみに紅白対抗として開催されたイベントはIIDX・リフレク・ポップンの「みんなで宇宙戦争」なのだが、こちらは期間限定・日毎追加ではなかった分、Triple Journeyと比べると必要プレー回数が『大夏祭り』並にケタ違いに多いなど、当イベントと比較して不評が多い。詳細はポップンミュージック Sunny Park内もしくは連動イベント記事の当該記述を参照。 旧シリーズ曲の復活がしばらく無かった。 XG時代は新作稼働時もしくはイベント時にV時代までの旧シリーズ時代の曲がXG譜面にコンバートされて収録されることがあった。 たとえばXG2ではLivePointやGROUP等のイベント進行・EXTRA RUSHと並行した形式で旧曲の復活解禁があった他、XG3時には稼働時に版権旧曲がいくつか復活し、Pleasure Boxの解禁項目にも旧曲があった。 しかし今作では稼働時はおろか、Liveやイベントでの解禁ですら旧曲の復活は一切行われていない。 前作XG3にてCLASSIC MODE(Vシリーズと同等の旧曲を旧譜面のままでプレー可能なモード)が削除されてしまったため、V時代までの豊富な旧曲ラインナップを増やすためには復活収録を待つしかないのだが…。 6月3日より、今作をもって削除された版権楽曲「星のすみか」が復活した。幸いにもLiveシステムは絡んでおらず、無条件でプレー可能になっている。 しかし同時に、6月3日をもって同じく版権楽曲の「CRAWL」が削除された。この仕組みはまっする氏がディレクターを務めるjubeat saucerの楽曲入れ替えシステムとまったく同じであり、ギタドラシリーズ初の「作品稼働中の楽曲削除」となる。 6月19日に「ロックスターと魔法のランプ」が追加。上の状況からjubeat saucerでの事を考えると素直に喜べない状況なのだが、今のところその情報はない。 10月31日にスタートしたイベント「これがあなたへの挑戦状!」で、旧シリーズ曲が復活収録された。ジャケットは新規描き下ろしであり、旧クリップをもとにHDクリップが収録された曲も一つだけだが存在する。 因みに同イベントの告知ではT・ボーンやB・ボーンといったVシリーズまでの代表キャラがプレーヤーになぞなぞの挑戦状を送るという、久々の顔見世を果たした。 現在も存在する問題点 デフォルト新曲の少なさ 従来のギタドラは稼働直後でも新曲が30~40曲近く収録されていて、イベントが起きるまでの退屈しのぎは比較的しやすかった。 しかし今作のデフォルト新曲は27曲とやや少なめ。新曲のスキル対象枠が25曲なので、デフォルト曲だけでスキルを伸ばすのであればほとんど選択の余地は無い。追加楽曲は豊富だし、通常はデフォルト曲だけで伸ばすようなことは少ないのだが、稼働初期は前述の「アプリ解禁」の問題があったためデフォルト新曲の少なさがより際立つ形となった。 現在であれば、よほど下手なプレーでもない限り1クレジットで初期の隠し曲を必ず1~2曲(うまくやれば3~5曲)解禁出来る程度のポイントが得られるため、数クレジット単位のプレーならばかなりのペースで最新の楽曲に追い付ける。 余談になるが、GITADORAロケテストにより先行収録という形でXG3に9曲追加されたため、「GITADORAで初めてプレー可能」という意味での新曲となると18曲。e-AMUSEMENTに対応する前のバージョンであるGF7th dm6thよりも少ない曲数である。 版権楽曲の大量削除 今作では38曲の版権曲が稼動時に削除された。その中には、Vシリーズでの登場から長らく選曲ヒットチャート上位を取り続けた「天体観測」「カルマ」、人気提供曲であった「Leaving All Behind」、更には前作XG3で隠し扱いであった「フライングゲット」なども含まれている。 「天体観測」に関しては、バスペダルを強く踏みすぐ壊れる(バスクラッシャーの)要因でもあり、削除を望む声は少なくなかったのだが、いざ消されると「また一つの時代が終わった」「寿司屋にまぐろが無いようなもの」「肉屋にサーロインが無いようなもの」と比喩されてしまうことに。実際、カバーとはいえ人気アーティストの人気版権楽曲であり、低レベルという事も手伝ってヒットチャートの上位にランクインする、定番ともいうべき楽曲だった。 無論版権事情もあることとは考えられる(「天体観測」に関しては同時期にjubeatやポップンでも削除されている)ので一概に問題点とは言い切れないが。 公式ページにランキングがない 上級者にとってのプレーモチベーションの大きな要素の1つであるランキングが搭載されていない。 ベストスコアランキング、スキルランキング、HIT CHARTといった、XG3までにあった基本的なランキングが公式サイトから全て削除された。 GATEWAYページの削除 過去シリーズがまとめられていたGATEWAYページが削除されてしまい、GATEWAYのバナーをクリックするとGITADORAの公式サイトに強制的に飛ばされる。更新が面倒なので削除したのだろうと思われている。 実際には削除ではなく単純にトップページのみを転送ページ化した状態であり、過去作品のリストページ自体は直リンクで飛べば見られるようになっている。(過去アーケード作品/過去家庭用作品) だが、公式サイト内では何処からも上記の過去シリーズページへはリンクされていないため、現在のギタドラ公式を見るだけでは過去作の情報へ辿りつけなくなっている。 賛否両論点 賛否両論のGITADOROCK版権曲 本作でウリにしているGITADOROCKについて、今作はGITADOROCKアレンジが施されたアニメソング3曲が稼働時の新曲として登場したのだが、いずれも元は女性ボーカルの曲を男性がカバーしており、軒並み賛否両論の出来である。 キャプテンパンク(PON)がアレンジ兼ボーカルを務めた「only my railgun」「魂のルフラン」は不満はあれども好意を持って受け入れる人もいるのだが、キャプテンロック(あさき)がアレンジしボーカルは所謂『歌い手』の「みーちゃん(男性)」となった「God knows...」は擁護意見もほとんど無く評判が悪い。 「God knows...」の歌詞・声質が歌い手のみーちゃんにはことごとく合っていないため、なぜこのような人選が行われるのかという疑問の声が上がった。 歌い手のみーちゃん自体が外部で黒い噂のある人物であり、過去に歌い手が起こした問題と絡めて不満点に挙がることもあった。 そもそも女性ボーカル曲のアニメソングを男性ボーカルでカバーすることに疑問の声もある。この辺りは個人の好みも出てくるが。 「only my railgun」については、女性ボーカルによるカバーで収録された『pop n music 19』でも似てないと批判する人がおり、アレンジ込みでGITADORA版のほうがいいという人も出るなど賛否両論。 「God knows...」はジャケットイラストにも問題があり、ジャケットはギターを持った学生服の女の子(かつアーティスト表記が一見性別の分かりづらい「みーちゃん」)なのに、男性ボーカルであることが「ジャケット詐欺」という不満の声が噴出している。(*19) 大型アップデートによる版権曲大量追加まではこれらがデモ画面で「みんなの知っているあの曲も収録されてるよ!」と堂々と出されていたため、原曲と大きく違うボーカルにガッカリした人もいるかもしれない。更にデモで音を出してない店舗ではプレーしないと気づかないという事態まで招いてしまった。 大型アップデート時に追加された「LOVE JOY -GITADORA MIX-」(dj TAKA)では普通に女性ボーカルとなった。上記3曲と比べれば批判は少ない。(*20) ワイド画面対応の背景ムービー復活、ワイド画面非対応の背景ムービー削除 前作で不評だったアバターにより立ち位置を奪われた背景ムービーが、XG2以来の復活を遂げた。 背景ムービーに対応しているものが消されたり対応していないものが無理やり伸ばされてぼやけたりしているが、V6~XG2に収録され、HD背景対応の曲に関してはほぼ全て復活となった。またXG~XG3に収録された一部の曲にも、背景ムービーが新規に追加されていたりもする。 また今作用に新規汎用ムービーが追加され、XG3など一部の旧曲にも採用されている。XG2の曲など、汎用ムービーが曲調に合致したケースもそれなりにある。 因みにXGに使用されていた汎用ムービーはほぼ全て復活。XG2にあったライブ映像風汎用ムービーは、XG3同様に収録されていない。 ただし、V6までに収録されていたクリップでワイド画面に対応していなかったクリップは全て削除され、汎用ムービーのみ表示されている(*21)。 V6以前のクリップのほとんどがワイド画面に対応していないため、結果復活したムービーより削除されたクリップの方が多いという状況になってしまった。 XG2まではプレー中のレーン横の小画面に表示され、XG3ですらアバターのいるステージの背景画面に表示されていた。 ムービーは楽曲を視覚的に表現することで、プレーヤーに楽曲のイメージを分かりやすく伝えるという側面もある。「しっぽのロック」「からふるぱすてる」のように楽曲の評価を高めたもの、「A.DOGMA」のような力の入りようがすさまじいものもあるのでファンからは復活を望む声が多い。 トータルリザルトの廃止 リザルトの表示が従来だと「曲終了→STAGE CLEAR→リザルト」、XG3では「曲終了→マッチングプレーヤーのスコア→リザルト」が今作では「曲終了→リザルト」に変更された。 ゲームテンポがよくなったという反面、XG3までできていた「リザルト写真を撮る」のが不可能になった。今回のリザルト表示はそれほど短い。リザルト表示の短さに関しては、アップデートにより改善された。 XG2~XG3では選曲画面・トータルリザルト画面でも同クレジット中の楽曲リザルトを確認しに行くことが可能という珍しい機能を備えていたが、GITADORAではそれもなくなった。 最後のトータルリザルトは実質的な完全カットとなり、ゲームオーバー画面にスキルポイントのみ表示。あとはオトベアが変な動きしてるだけ。 ただスキルポイントが一定値を超えネームカラーが変化した時には祝ってくれる演出に変化する。前作まではネームカラーが変化しても特に通知も無かったためこの点は評価されている。 全曲スキルの表示が無くなってしまっているため全曲埋めを目指す理由がさらに薄れる結果に。 総評 満を持しての新シリーズとなったものの、稼働初期の「アプリ解禁」「EXTRA RUSH廃止」というシステム変更がプレーヤーに全く受け入れられず、結果的に過去最悪とも言える滑り出しを迎えてしまった。 特にアプリ解禁についてはほぼスマホなどのタブレット端末でのミニゲーム必須にしてしまったため、環境がない人は解禁が進まず、環境があってもバンドシミュレーション要素が薄すぎるミニゲームに飽きてしまうという悪循環を生み出してしまっていた。 また、EXTRA RUSHというボス制度が廃止されたことで「ゲーム性が薄くなった」という声も多く、プレーヤー数が目に見えて激減した。 しかし、5ヶ月にも及ぶ長い暗黒期の後、7月10日の大型アップデートにより「筐体メインの解禁」「EXTRA RUSH」が復活すると評価は一転。 処理速度の向上や細かなオプションの追加によるプレー自体の快適さにもやっと焦点が当てられ、ギタドラシリーズの正統進化として評価されている。 また、細かなアップデートにより他の問題点も解決されるなど、現在でも徐々に評価を上げている作品である。 とはいえ、現在の評価の高さはあくまで大型アップデートを踏まえたものであり、稼働初期のゴタゴタがもたらした負の遺産を完全に拭いきれた訳ではない。 前作までの汚名返上を一気に果たして新シリーズの幸先良いスタートを切れていたであろうだけに、稼働当初からアプデ以降の充実したゲーム内容を実現できていなかった点は非常に悔やまれる。 余談 本作最初のPREMIUM ENCORE曲「MODEL FT3」はjubeat saucerシステムBGMのアレンジ。 jubeat側ではsaucer fulfillよりシステムBGMがプレイアブル化しているのだが、同作以前のシステムBGMのアレンジに当たる本曲は残念ながらjb側に逆移植されていない。 ちなみに、festoでFTシリーズの楽曲が移植されたのだが、本曲ではなく「MODEL FT2 Miracle Version」が収録。素直にFT3を移植すれば良かったのに… 現在のアプリについて アプリ解禁が廃止されたのち、GITADORAアプリのアップデートが行われ、「jubeat plus」や「REFLEC BEAT plus」と同じようなアーケード再現の音楽ゲームへと転生を遂げた。 詳細の記述までは避けるが、アーケードそのままの譜面がプレー出来る事、前述の2アプリと違って曲を選んで課金出来る事、このアプリで獲得したプレーポイントがACにもそのまま使える所(*22)などが好評である。 2016/12/15をもってサービスが完全に終了。アプリや楽曲データを所有している状態でもプレー不可能になっている。 版権曲アレンジのその後 本作以降GITADOROCKのタイトルを持つアレンジはオリジナル曲のみとなり、版権曲のGITADOROCKアレンジは一切追加されていない。 「GITADORA Tri-Boost Re EVOLVE」でGITADOROCKと銘打たれておらずアーティスト名もないカバー曲扱いだが「シュガーソングとビターステップ」が登場。男性ボーカル曲なのでカバーボーカルが男性歌い手でも全く違和感なく、「G.O.D. GUITARISTS ON DEMAND」の大和による良アレンジもあり本作の3曲より評価が高い模様。 「GITADORA EXCHAIN」でもカバー扱いで「千本桜」のロックアレンジが登場しているほか、後に本作稼働開始時に削除された「天体観測」が復活している。 GITADORAから3作品後の「GITADORA Tri-Boost Re EVOLVE」にて「God Knows...」が削除された。GITADOROCK最初の削除は順当に最も非難を浴びた当曲となってしまった。 他機種で削除が進んでいた楽曲(Love Joy、女々しくてなど(*23))を差し置いて削除された。 残り2曲は2018年9月の「GITADORA EXCHAIN」での削除となった。(*24) 2021年5月7日に配信されたiOS/Androidアプリ『jubeat』(『jubeat plus』の後継作)では他機種からの版権曲カバーが大量収録されたのだが、その中に本作の「魂のルフラン」「God knows...」の男性ボーカルロックアレンジも混ざっている。 他のカバー版権曲が原曲に寄せたアレンジになっているため、この2曲だけがかなり浮いている状態になっている。なお、「only my railgun」については『pop n music 19』版、「LOVE JOY」は『Dance Dance Revolution (2013)』版がそれぞれ流用されているため、本作のロックバージョンは未収録となった。 + マスコットキャラ「オトベア」とキャッチフレーズ 今作から登場した新マスコットキャラの オトベア だが、とにかく稼働前から不評の嵐であった。 簡単に書くと、「顔と耳と平べったい両手の先にスピーカーがついている短足のクマのぬいぐるみ」。とても無機質な風体で、カワイクないという声がよく聞かれた。位置づけとしては、BEMANIシリーズの1つである『REFLEC BEAT』シリーズに登場するマスコットキャラ「パステルくん」(*25)を意識したものと思われるが、ゲームそのものの「顔」となるべき重要なマスコットキャラなのにもかかわらず、「顔面スピーカーなので表情が出せない」などととかく愛着や親しみが湧きにくいビジュアルなのがいかんともしがたい(*26)。 ロケテの段階で相当の不評を招いたにもかかわらずそのまま登場となった上、選曲画面、ステージクリア時、プレー終了時、そしてミニゲームで頻繁に登場する。このオトベアの存在だけでも、今作に対するプレーヤーの心情を大いに損ねてしまったであろう点は否めないだろう。 しかもXGシリーズまでのマスコットキャラであったT・ボーンとB・ボーンが本作で(一時的に)リストラされてしまった。2人とも初代からシリーズのマスコットキャラを務めプレーチュートリアルも担っており、親しみを込めて「先生」と呼ばれている由緒あるシリーズの「顔」とも言えるキャラだったのだが…。 双方のシリーズを統一し、従来のコアなイメージを一新したカジュアルな作風に合うよう新キャラを取り入れたこと自体は理解はできるが、肝心のキャラデザインがこんな有様なため、ユーザーの不評をあおる結果にしかなっていない。 …と相当ネガティブに書いてみたが、一応オトベアのデザイン自体に関しては批判一辺倒ではないらしく、一部では「かわいい」という声も無くはない。 アプリのアイコンのためにも改めて統一させる必要性が有った のは確かである他、稼働初期の仕様や後述のアプリ・他機種に出張してまでの異常なゴリ押しなどにより、「GITADORAの負の象徴」としてのマイナスイメージを一手に引き受けてしまった感があり、その意味で不幸な運命をたどったキャラクターと言える。 後の「Triple Journey」にて、オトベアはjubeatのスミス氏・DDRのバビロン君と共に新規描きおろしイラストで旅行日記に登場して豊かなキャラを見せており、ゲーム内容の大幅改善と合わせて稼働初期のマイナスイメージは徐々に払拭されつつある。 ちなみに後に追加された「クリムゾンゲイト」のムービーではモンスター化されたり、「去る金合戦」のジャケットではボーン先生らしきキャラの足元で横たわっていたりと、最近では微妙にネタ属性が付与されだしてきている。 今作の稼働と同時に『ポップンミュージック Sunny Park』『jubeat saucer』で「jubeatでもpop n musicでもGITADORA」という連動イベントが開催されたが、ポップンではオトベアが3曲全ての担当キャラとして登場している。 原作で実写ムービーだった「ブレイクアウトロック(雨ノチHello)」はともかく、「情念歌謡(紅蓮の焔)」と「プログレッシブ(Concertino in Blue)」はギタドラ側のムービー中にキャラクターが登場(*27)しており、「新参のクマが出しゃばり過ぎ」「曲のイメージに合ってない」「(紅蓮の焔の)女の子使わせろ」と、担当したオトベアに対する批判意見が多かった。 ただし、今回のようにギタドラのマスコットキャラが元のムービーを無視して担当キャラになった前例はあり、過去にBボーン先生が「ハードカントリー(JET WORLD)」、Tボーン先生が「スカ(Cassandra)」を担当したことがある。ただ、こちらは当時の原作側ムービーでのキャラがあまり濃くなかったということに加え、彼らの実績もあってかこちらは普通に受け入れられていた。ここまで批判の的になってしまったのは、ムービーキャラのポプキャラ化に対する期待以上に、オトベアに対する不評の声が大き過ぎたことが一因だろう。 他BEMANI機種のREFLEC BEATやSOUND VOLTEXには、オトベアのシンボルチャットやアピールカードが追加されている。(*28) が、SDVXにおけるオトベアのアピールカードのメッセージの一つに「かかってこいやオラ」というコメントがあり、そのフレーズのインパクトからネタにされた。 その他のコメントはどれもポップなものであるため、キャラの ウザさ 特徴をより一層引き立てる形となった。 他作品に目を向けずとも、(あくまでミニゲームにおける演出とはいえ)作中、特にアプリ内のオトベアの態度(「やっべー」という口癖・よく遅刻する・サボる)はオトベアのイメージを決定付けるものとなった。 致命的にダサいキャッチフレーズ ギターの筐体側POPのキャッチフレーズ:「はじけっ!ギュイ~ン!」、ドラムの筐体側POPのキャッチフレーズ:「たたけっ!ズン!タッ!タッ!」など、今までのギタドラとは違う方向性のダサさが目立っていた。 「ギタドロックも収録!」上記のとおり、版権曲のカバーや他BEMANI機種からの移植楽曲をギタドラ用にアレンジしたものを「GITADOROCK」とXG3後期のイベントから呼称するようになったが、当然、初見の客には意味不明のキャッチフレーズになっている。しかも筐体の上に置くPOPのため全然目立たない…。 筐体デモ映像は新規ユーザーにギタドラは難しくない…というイメージを持ってもらおうという内容になっている。が、中身は上記のポップと同じくらい幼稚なので、新規ユーザー以外からは不評。まぁ新規ユーザーのためのデモ映像なのだが。デモ映像は公式サイトでも見れる。 ちなみに、今作のポスターに使われているキャッチフレーズは「ボクらのセイシュン!みんなのギタドラ!!」である。前述の筐体側POPのキャッチフレーズと合わせて、「僕らの青春を返せ」とばかりに著しくプレー意欲を萎えさせる迷コピーであった。 大型アップデート前の評価など + 長いので格納 大型アップデート前のゲーム内容は余りに散々なものであったため、XG3以前のユーザー達の怒りが収まるはずなどなく、スタッフブログは炎上。これに対しスタッフはブログを放置するどころか、GITADORAではブログを廃止しツイッターのみでの進行にした。 その上、ユーザーの質問はまるでナナメ読み、要望はガン無視と強気のスタンス。いつ大炎上したとしても不自然ではない火薬庫状態が初期から続いていた。 初期にはライブ追加告知もツイッターで行っていたが、後にアプリ上でのみの告知となった。故に、ツイッターアカウントをフォローしているだけではGITADORAの動きを知ることは不可能に等しい時期もあった。 遂にはサウンドディレクターである肥塚良彦氏のブログにまで飛び火し、肥塚氏がブログ記事で釈明する事態にまで及んだ(参照)。 皮肉なことに、肥塚氏自身も『ガラケーユーザー』の一人であり、対応を求めるようスタッフに進言していたことをブログで伝えている。少ないとはいえスタッフの中にも実際にガラケーユーザーが存在し対応を求めるよう声を上げていたにもかかわらず、結局無視されたというわけで、いかにアプリ担当スタッフ側がガラケーユーザーを軽視し傲慢な姿勢を変える気も見せなかったかがよくわかる一幕であると共に、スタッフ間の不協和な状態が明らかに見て取れた。 あまりにも豹変し過ぎたギタドラを目の当たりにさせられたユーザーは阿鼻叫喚状態となり、稼働当日からギタドラ関連のスレ全てが葬式状態となっただけに留まらず、スレ内では「ちょっとギタドラ新作のロケテに行ってくる…」などかなり現実逃避したコメントが散見した。更に稼働当日がバレンタインデーと言う事もあり、ユーザーにとって2013年2月14日はチョコどころじゃない地獄のバレンタインデーとまで言わしめた程だった。 今までのギタドラからシステムを削減されすぎたため、メインタイトルである「GITADORA」を捩って ガイタドゥーラ 、または ガイタ などと呼ばれていた始末である。 ただし、アップデートにより大きく改善された7月以降はこの呼び名で呼ばれることも少なくなってきており、過去の惨状を表す用語としての意味に変わってきている模様。 また、稼働して数ヵ月後、ギタドラアプリにおいてシステムの穴を突いた「不正行為」が横行し始め、問題となった。 存在そのもので不公平感や格差を生むアプリやそのずさんな運営、作業が一向にはかどらない解禁システムそのものへの不満が強まる中、この行為によって獲得が絶望的だった隠し曲を解禁できたことからその後にAC筐体に向かう人が増えるといった見方もあり、「運営側にとってもインカムが上がるので利益になり、結果的に誰も損をしない」と果ては不正行為の実行者を肯定、英雄視する声も出てくる始末。 また、この騒動に関する運営側からの「 フェアプレーで楽しんでいた方にご迷惑をおかけして申し訳ありません 」という一節が肯定側の怒りを更に煽ってしまい、さらなる炎上を招く燃料となってしまった。 しかもシステムの穴というのが「サーバー側に送信されているパラメータを適当に弄ったら変なスコアが保存された」という非常にお粗末なものである。 とはいえ、いくら解禁手段の格差や公式側の運営態度に不服があったとしても公式側の想定外の解禁法であることには変わりはなく、そうした不具合を利用することへは批判されるべきという声もあり、修正したことそのものは当然の判断であっただろう。 不正行為騒動が落着して一週間後、今までプレーポイント変換はエフェクトのみだったのが、それに加えてキャパ・観客への変換が可能になり、それまでのブースト機能は統合され変換時に発動するという仕様に変更された。 これによりようやく筐体でのプレーが優遇されるようになった。 しかし相変わらずゲーム本編をプレーしなくても解禁は可能、筐体でのイベントも無い為、根本的な問題の解決には至らなかった。 簡単なミニゲームの紹介 + 長いので格納 ビラダッシュ(観客) ロケテストからあったミニゲーム 道行く人(とは言っても両サイドに人が配置されていてどちらにいるのか矢印を押すだけなのだが)にライブのビラをひたすら配るゲーム。 体力3。慣れれば短時間で点を稼ぎやすい。 間違えるとオトベアが頭を抱える。ペナルティ時間が2秒間で、制限時間が10秒であるこのミニゲームでは半端なく長い。 ちなみに、ロケテ時ビラを受け取る客は女子校生のみだった。またチラシに書かれてるライブの日程の最終日は、ロケテストの第1回。 数えてウェルカム(観客) ライブ会場に来た人の数を数えるゲーム。 正解すると人数分だけ点数になる。人数にバラつきがあるため、体力4の割にスコアが伸びないことも。 ザ・サイン投げ(観客) ライブに来てくれた人にサインをフリックで投げ渡すというゲーム。体力5・最高100pts。 色紙に書かれてるサインをよく見ると、実際のBEMANIアーティストのサインだったりする。各々の心中は果たして如何なものだっただろうか。 ホカホカお弁当(観客) 電子レンジの上のランプが光ったらタップするだけ。予兆なし(一秒ごとに起こりうるらしい)。 時々飛んでくるオトベアに惑わされないよう注意。チャンスは一回きりで、もちろんお手つきは0pt。 ベアリズム・ひなびたリズム(観客) リズムよく1・2・3を出してるキャラをタップするゲーム。 体力5・最高100pts。ハイスコアを出すにはそれなりの反射神経が必要。 10,20,50点でスピードアップ。50点からは同時押しが出てくるので両手必須。 ひなびたリズムは『めうめうぺったんたん!!』のライブでのみプレー可能。体力7・最高200pts。 こちらはオトベアの代わりに日向美ビタースイーツのキャラが参加。アナウンス・キャラの表情も凝っている。 一応、「ひなビタ♪」との曲・ジャケ以外でのタイアップは、pop n musicの キャラ登場(芽兎めう・霜月凛)に先駆けてこのミニゲームが最初 ではある。 バグ・バスターズ(キャパ) 会場にいる虫やクモを電撃ラケットで叩き落とすゲーム。体力5・最高85pts。 何故かオトベアも一緒に飛んでいて、当てると減点。嫌なことにラケットを狙って飛んでくることもよくある。 クモの糸を切るとなぜか0ポイント。また羽虫は嫌らしいことに画面端をこっそり飛んでいくこともよくある。 チケット拝見(キャパ) チケットを持っていない人を捕まえるゲーム。動体視力と見極めが重要。 体力5・最高70pts(14人)。因みに警備員役はにゃぐわ。 ゴミシュート(キャパ) ロケテストからあったミニゲーム。 ゴミを弾いてゴミ箱にいれる。ゴミの種類によって飛距離が等倍、1.5倍、2倍と変わる。 一個入れるたびに10+残り秒pts。体力4・理論値90pts。 縁の下のオトベア(キャパ) 板の下にいるオトベアを操作してバランスを取るゲーム。 にゃぐわが半端なくデカくて重くウザい。というか何やってんの。 キャパ系での体力当たりのスコア理論値が高い(体力5で最高200pts) もっともそこまで行くには一分ぐらい凌がなければならないが。普通はにゃぐわが3匹になる25秒以降・75~85ptsあたりが関の山。 イーベアカンフー(キャパ) オトベアを操作してオトベアのドッペルゲンガー(ダークオトベア)を倒すゲーム。 敵がそれなりに強く操作性も悪め。しかもスコアは体力消費と難易度の割に意外と低い。(体力5で最高100pt、そのうち敵体力へのダメージ50pts+勝利ボーナス50pts) ただでさえ操作しづらいというのに、向こうは回避が難しい超必殺技(光線連発と、ガー不大ダメージのなんとか乱舞)を出してくるという見事な理不尽仕様。 プレーヤー側も超必殺技を使えるらしいが、コマンド入力条件はもちろん非公開(ここを除けば)。 ただし、ある程度可能なハメ技を使えるようになれば(ノーダメージかつ一定秒を残して勝ち)満点100ptを出すことが可能ではある。 ベアダンス(キャパ) いわゆる間違い探しゲーム。 体力6・最高200pts。この手のゲームが得意なら、短時間で一気に稼げる。 エレチャージ(エフェクト) オトベアを操作して電気玉をキャッチするゲーム。 電気以外に爆弾が時々飛んでくるので注意。 爆弾に当たると減点され一定時間電気をキャッチできないので、後半は爆弾避けを優先すること。 イーライン・イーラインEX(エフェクト) パイプを繋いで右下から左上までを繋ぐゲーム。16パズル。体力5・最高100pts(10問)。 EXになると36パズルになり、体力消費と点数が上がる。具体的には体力7・最高200pts(1問ごとに最高30pts)。 難易度のバラつきが激しく、1マス動かせば良いパターンもあればよく考えないと繋がらないパターンもあったりと割と運ゲー。 おさぼりベア(エフェクト) サボっているオトベアのシルエットでどのオトベアがサボっているのか当てるゲーム。どんな自虐だ。 オトベアの配置は常に一緒なのでそれを覚えれば後は反射神経。 ベア玉(エフェクト) パズルボールを3つ連結させて消し、連鎖をして会場を盛り上げようというゲーム。 全ミニゲームで一番見栄えに力を入れていると感じられる。 体力8で最高200pts。連鎖に応じて加点される。(20連鎖すれば一発クリア) ベアダッシュ(エフェクト) 寝坊したオトベアを会場まで操作する某配管工のようなゲーム。上フリックがジャンプ故に操作性最悪。 道中になぜか人糞が配置してあり、踏むとスリップする。まさに糞ゲー。穴があるとそのまま終了。 ベアダイブ(エフェクト) オトベアが観客に向かってダイブ。 体力5ながら慣れれば100点以上が簡単に出せるなどスコア効率がそれなりに良い。ベアダッシュの2倍ぐらいはマシ。 ベアスイム(エフェクト) またも寝坊したオトベアが今度は海中を泳いで会場まで行く。タッチで上下に行くのでベアダッシュほどひどくはない。 電気玉(1個1pts)にそって移動しながら、あわよくば真ん中の宝箱を取り、制限時間内にゴールする。体力4・最高100点。コースを外れて海藻やクラゲに突っ込むと減速。 以上が今作の新曲解禁の要となるゲームである。 内容からわかるように、実際にアプリ上で演奏を体験させるようゲームは皆無で、バンドにこじつけられているといった程度、内容自体がバンドのバの時も連想できないようなものばかり。その上、BGMや効果音なども一切ならないのはさすがに手抜きとしか言いようがないだろう。「アプリの出来自体はそこそこいい」という意見もあり、 解禁に必須でなければ そこそこ評価もされたかもしれない。 ミニゲームプレー動画http //www.nicovideo.jp/watch/sm21270159
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2690.html
ライトファンタジー 【らいとふぁんたじー】 ジャンル RPG 対応機種 スーパーファミコン メディア 8MbitROMカートリッジ 発売元 トンキンハウス 開発元 アドバンスコミュニケーション 発売日 1992年7月3日 定価 8,900円 セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ) 判定 クソゲー ポイント 時間がかかりまくる戦闘序盤から殺しにかかってくる敵無駄に多い状態異常カタパルト部隊御一行様クソゲーだが印象に残る不思議なゲーム ライトファンタジーシリーズI / II / 外伝 ニャニャンがニャン 概要 特徴 問題点 戦闘システムの問題 その他の問題点 バカゲー要素 評価点 総評 余談 概要 『ライトファンタジー』という、ライトユーザー向けのようなタイトルを思わせる、初見さん殺しのゲーム。 ほのぼのとしたファンタジーの世界観、「殺さない」というRPGにしては珍しいコンセプト、 町の人でも敵でも話しかければ仲間に誘えるというパーティの自由度、 はけたれいこ氏の可愛いイラストにひかれてプレイすると、間違いなく大変な目に遭う。 特徴 町やフィールドマップは一般的なRPG同様 戦闘はランダムエンカウント方式。地域に関わらず、敵の種類(強さ)はこちらに合わせて上がっていく。 戦闘は初期のウルティマのようなタクティカルバトル形式 シミュレーションゲームのようにマップ内に敵味方のユニットが配置され、その中で移動した上でコマンドバトルのコマンド(攻撃、逃げる、等)を選択する。 行動順はランダムで敵か味方のどちらが先か決まり、それぞれ全員行動行動する事でターン交代。(敵→味方)→(味方→敵)…のように場合によっては2連続行動になる事もある。 ダメージを受けた際には残りHPの割合によって、敵味方共通で「うっひ~」「しぬ~」等の悲鳴ボイスが表示される。 HPが減るごとに表記が変わっていくため、おおよその敵の残りHPを察する事が出来る。 状態異常が多数存在し、専用の回復アイテムも店売りされている。 また、状態異常になると戦闘中及び、フィールドマップのグラフィックが各状態異常専用のグラフィックに変化する。 戦闘は開始時点でマニュアルとオートを選択でき、オートを選ぶと戦闘が終了するまで自動操作が続く。 仲間キャラはイベント加入する固定キャラ(「運命の星」を持つもの)の他、町にいる人やモンスターを勧誘する事が出来る 仲間キャラは神殿で入れ替えが可能で、ここでは名前の変更も可能。(勧誘キャラは「バニー」やモンスター名等の一般名称になっている。) フィールド上のコマンドでは仲間に「そうだん」する事も可能で、キャラ毎にメッセージが用意されている。 主人公及び、イベント加入キャラが死亡するとその時点でゲームオーバーとなる。 戦闘に敗北すると画面が暗転し、「…まだまだ、力不足だったのかもしれない…ああ…目の前がくらくなっていく…」のメッセージの後「GAME OVER」と表示され、タイトル画面に戻される。全滅時に町に戻されたり、コンティニュー可能だったりという救済措置はない。 一度通過したダンジョンの出入り口付近には「ワープの女神」がランダムで発生するようになり、100リル支払うことで出口or入口までワープさせてくれる。 魔法は魔法屋で購入し装備させることで使えるようになる。 一人につき上限は8つ。 戦闘中とイベント中以外でなら「女神の書」でいつでもセーブできる。 フィールドやダンジョン内でもセーブは可能。 本作のキャラデザのはけた氏は、シナリオ等も手掛けている。 その為、事実上の「はけたワールド」が展開されている。 問題点 戦闘システムの問題 本作の問題はおおよそ戦闘のバランスの悪さ、だるさにある。 時間のかかる戦闘 雑魚戦ですら1回の戦闘に時間がかかる 1ターンで移動できる距離が少なめ(一応、移動距離が多いキャラもいるにはいる)で、遠距離攻撃手段を手に入れるまでは最初2~3ターンは移動だけで終わる事も多い。 敵味方ともにしょっちゅう攻撃を外す。魔法さえも一部の魔法を除いて外れまくる。 ある程度進めると敵が最大数の8体で出てくる事も多く、中盤以降は必中の全体攻撃魔法「ゴンゴン」「マンモス」「ケシー」(*1)を使わないと、とてもやってられない。 雑魚戦で毎回命中率の悪いシミュレーションゲームをやっている事を想像すればわかるが、とにかく雑魚戦ですら無駄に時間がかかる。 場合によっては1回の戦闘で何十分もかかる事もザラにある。 オート戦闘はAIがお馬鹿で使い物にならない。後述するバランスの悪さや、こちらに合わせて敵が強くなる仕様も相まって、オート選択は自殺に等しい。 逃走が割と成功しやすいのが一応の救い。 しかもエンカウント率も高い 少し歩いたらすぐ戦闘になってしまうので、その度に上記のかったるい戦闘をやらされる。 さらに、画面切り替えから戦闘画面に入る動作も、かなりもっさりしている。 同じ発売元の『黄昏のオード ‐ODE TO THE SUNSET ERA‐』も鬼エンカウントで知られるため、ある意味で御家芸とも捉えられる。 そして広いマップとお使いゲーが更にこの問題を後押しする マップは全体的に無駄に広い。 最初の城ですら、特に何もないのに無駄に長い通路があったり、移動するだけで面倒。 宿屋のカウンターが店の奥に配置されており、そこまで歩く距離が少し長いため宿泊時に少々不便。 当然ダンジョンも広く、結果的に戦闘も増え、さらに面倒な事になる。 シナリオ終盤に酷いお使いゲーが始まり、ろくなボス戦もなく、ひたすらあっちこっち歩かされる。 シナリオ的にはもう終盤なのだが、その長さからこの展開の始まる前の大ボス戦が中盤とも言える程。 ゲームバランスの問題 攻撃力と防御力のバランスがうまくとれていない。 ハッキリ言ってステータス的には攻撃力の優位性がとても高く、装備品は攻撃力を重視した方が楽に進める。 攻撃力を上げれば結果的に戦闘時間を短縮できる利点があるのもそうだが、防具では魔法ダメージを軽減できない為、やられるまえにやった方がいい。 フィールドでは主人公のレベルで出てくる敵キャラが決まるため、楽な戦闘をさせてもらえることは少ない。 「序盤で敵がいきなり殺しにかかってくる」といわれる理由の一つで、主人公と仲間とのレベル差があると厳しい仕様になってしまっている。 逃走も1戦闘で10回近く失敗するのがザラで、シナリオクリアまでに連続逃走失敗回数が最高で20回超を記録するなどというのもある。 非常に厄介な「運命の星を持つもの」 シナリオ進行上必要なパーティメンバーは「運命の星を持つもの」として扱われ、強制的に加入してくるのだが、全体的にシナリオ進行に必要なだけでレベルも低い足手まといが多く、その為に主力メンバーを外さなければならない方がきつい。しかも場合によっては一人ではなく二人同行する時もある。 PTメンバーは最高5名だが、うち主人公と運命の星を持つもののせいで、実質、自由に使える仲間枠は3枠(運命の星をもつものが2人同行した時は2枠)になってしまっている。 それでいて主人公及び強制加入キャラが死ぬとゲームオーバーになる為、強制加入キャラは実質ゲームオーバーの危険を増やすトラップ同然の事が多い。 その筆頭がダンジョンの最奥で加入する上に、そのダンジョンの雑魚敵に一発で殺されるコタローである。このゲーム、脱出用のアイテムや魔法はないので歩いて連れ出さないといけない。どこでもセーブが出来るのと、後は出るだけなので詰みはしないものの、はっきり言って邪魔でしかない。 因みにコタローの妹のミネアは、能力はそこそこで中盤から仲間になり、イベントでちょくちょく離脱を繰り返すものの、最終的にはラストバトル直前(*2)まで長い間PTにいる為、プレイヤーとしては愛着が湧きやすく批判もほとんどない。 なぜ兄と妹でこうも違うのか。 魔法の燃費が攻撃、回復ともにとてつもなく悪い。 初期からMPが2~30ある為ある程度自由に魔法が使えるのかと思えば、その分消費も重く、初級魔法でもやはり2~30消費するため、初期は一回しか魔法が使えない。 とはいえ、MPを回復するアイテムも豊富にある。下準備さえしっかりすればさほど困らなくなる。 一応、ダンジョンで明かりをつける「ライト」等はある程度消費が抑えられている。 状態異常が 11種類 と異様に多過ぎる。 その内訳は火傷・感電・毒・氷・岩・小人・食べ物・魅了・混乱・驚き・眠り。課されるペナルティも、「自然治療無しの行動不能」「行動不能になり、自然治癒されるが確率は非常に低い」等、致命的なものが多い。なお、状態異常の重複はせず、何らかの状態異常にかかったところに別の状態異常にかかると、状態異常が上書きされる。 回復するアイテムも各状態異常ごとに別々にあるのでいちいち用意するのも大変。治療用魔法の消費MPも数十くらい費やす。宿屋に泊まっても状態異常は治療されず、それでいて万能薬みたいな便利なアイテムや魔法は存在しない。状態異常を防ぐor状態異常耐性を上昇させる装備もない。300リル払って全員の状態異常を治療する「おしながき」というアイテムもあるが、肝心の戦闘中に使えないのが難点。 「火傷」と「感電」と「毒」状態は、移動してから行動を起こそうとした瞬間にダメージを喰らう。ダメージはそれぞれ30、20、10。無論、そのダメージでも死に至る為、瀕死状態でこれらのステータス異常にかかってしまったら、まさしく『死、あるのみ』である。 上記のように本作の状態異常はどれも非常に強力。敵にかけてしまえばかなり有利になる面もあるが、多くの戦闘ではその前に間接攻撃武器やゴンゴンなどで敵を一掃したほうが遥かに早いので、プレイヤー側としてはあまり恩恵は得られないのが実情か。 状態異常の種類が豊富な割には持ち物制限がきつい。 アイテムの所持方法がいわゆるDQ形式で一つ一つ表示する形式になっている為、各種状態異常対策のアイテムを複数持っておこうと思ったらそれだけでアイテム欄を圧迫するし、そうなるとMP回復アイテムも持てなくなる。 さらに物語を進めるごとに重要アイテムが持物欄を圧迫していく。イベントを終了して不要になった重要アイテムでも預り所に預けられない。 武器も多数ある割にはバランスはとれていない。また、お店では装備後の能力変化は見れず、実際に買ってみて装備しないと強さが分からない。 剣やら弓やらチェーンソーやらいろいろな武器があるが、バトルシステムの関係で間接攻撃可能な弓矢系の武器が圧倒的に有用性が高い。攻撃力が足りないキャラの場合はこの限りではないが。 物語の後半で 攻撃+170、射程8 という、他の殆どの武器が霞んで見えるほどのチート性能を持つ「とうせきき」が登場するため武器を選ぶ余地が無くなる。 しかもこの武器はほとんどの仲間が装備できるため、物語後半はカタパルト部隊になること請け合いである。 ラスボス戦は四方を溶岩に囲まれていて近寄れない為、射程1の武器は完全に役立たずになる。 一応、主人公に関してはその点は考慮されており、イベント入手武器「大地の剣」は遠距離攻撃もできるようになっている。 裏を返せば ラスボスもこちらを殴れない という仕様になっている。上述した防具の仕様と相まって、防御力がますます意味を無くしてしまう事に。 仲間の種族のうち、ドラゴン族だけHPとMPの伸びが異常に良い。 レベルアップによる全ステータスの上がり方が全く死角のない急成長率。レベルが高くなってくるとまず死ななくなる。ファンタジーでドラゴンが強いのは定番であるが…。 一応、グリーンドラゴン以外はステータス異常に弱いという弱点はある。 また、ドラゴン族は上記の「とうせきき」を装備できないのも大幅な痛手。間接攻撃武器は「ムチ (攻撃+80、射程2) 」が最強だが、ラスボス戦では射程3以上ないと攻撃が届かない為、物理攻撃で参戦するなら 「ふきや(攻撃+10、射程3)」 まで大幅にグレードが落ちるのも欠点か。非常に高いHPやMPを活かして、盾役や魔法担当に回すのも手。 行動順の問題 前述のとおり、全員がランダムに行動するのを1ターンとしたターン制だが、そのせいで複数の敵が連続で攻撃してきたり、ターンを挟んで同じ敵が連続行動してきたり(前ターン最終、次ターン初手を引いた場合)といった事がある。ランダムな為に戦略的には読みづらくなっており、行動順のせいで壊滅する事もままある。 その他の問題点 シナリオが短い ストーリーは王道RPGを思わせるのだが、いかんせん展開が短すぎる。 戦闘システムとマップの広さもあってプレイ時間は結構な長さになりやすいが、その内、シナリオに触れている時間は非常に少ない。 ラスボス撃破後にもセーブできてしまう 当然戦闘は起きない為、後はEDを見るだけのデータになってしまう。 もっとも、あの地獄のような戦闘をクリア後にまでまたやりたいプレイヤーがいるかと言われると、先ず『否』だろう。このゲームに関してはこれでよかったのかもしれない。 いわゆるポケモンフラッシュを多用しており、目が痛くなる。 ボスの耐性設定の甘さ 条件を満たして道を開けてもらう「ばんにん」に条件を満たす前に話しかけると、選択肢次第では戦闘になり、逃げる事も出来ず強力なステータスで殺される負けバトルを仕掛けられる事になるのだが、非常に強力なステータスをしていながら状態異常耐性は甘い。 状態異常が通ってしまうと「魔法以外まともにダメージが通らず、通常攻撃はミスか1ダメージ」という状況で逃げるのも不可能な為、リセットするか長時間をかけてHP9999を削るしかなくなる。負けバトルにするのなら状態異常耐性はしっかりしてほしかったところ。ちなみに勝っても戦闘が終わるだけで報酬も0でイベントもない。 その他細かな問題点 「呪いの剣」などの一部仲間は顔グラフィックが完成しないままマスターアップされたようで、ステータス画面を見ると、顔グラのところには黒背景に「NOW PRINTING」と白文字で書かれたものとなっており、未完成であることがありありと出ている。 微妙に悪いキーレスポンス。 酒場のミニゲームが1種類しかないのでちょっと寂しい。 ちなみにこのミニゲーム、 100%正解にする裏技がある。 ゲームバランスに影響するバグがある。 本来は敵の出現を一定歩数封じるアイテムである「女神のお守り」を使った後、効果が切れないうちにセーブ及びロードすると、それ以降敵が出なくなる。別のデータで「女神のお守り」を使って効果が切れたのを見てからロードしなおせば直る。 「ねこまんま」を食べさせるとラックの値が上がる(後半はこのドーピングをしないと難しい)のだが、値が255の状態でレベルアップすると0になってしまうオーバーフローバグがある。 バカゲー要素 戦闘中に敵味方がダメージを受けた時に発するセリフが、どれも脱力感が漂っている。 「敵含んだ全キャラ共通」のためたとえ戦闘前に威厳を見せつけていたボスやラスボスでさえも「もうダメ」「しぬ~」とか言う為、非常にシュールである。 状態異常によるキャラアイコン変更でツッコミどころのある画面になってしまいやすい。 共通のグラフィックに変更されるため、複数のキャラが同じ状態異常にかかると見た目では誰が誰だかわからなくなってしまう。 状態異常アイコンのままイベントが進む場合もあり、キャラの見た目が大きく変わっているせいで非常にシュール。 殆どの種族が、特定の状態異常に対して強耐性こそあれど、完全耐性を持たない。 雪だるまなのに氷の状態異常になったり、 見た目からして炎に包まれている火の鳥や火達磨ですら火傷の状態異常になって燃え盛ってダメージを喰らうさま は最早ギャグ。 キャラごとに設定された「とくちょう」 ステータスで見れるテキスト表示のみで特に意味のあるものではないが、性格等が記載されていて無駄に凝っている。 中には「マブい(美しい)」なんていう、当時ですら既に死語となっている物もある。 一部の女性向けとされる装備品が、一部の男性キャラが装備できる。 「ボディコンふく」や「マニキュア」など。 厳密にいうと、このゲームでは装備グループを種族で管理しており、前述したミネアとコタローは「闇人」という種族として扱われている。それゆえにこの2人の装備グループが共通のものとなってしまっている為、男性キャラのコタローが、ミネアが装備できる女性向け装備を出来てしまう…という仕組みである。 一部にはメタネタも。 フィールドでいきなりBGMが変わった際に、「何だこの戦とうのきょくは?」とメタなセリフが出てくる。 『ファイナルファンタジー』シリーズのパロディネタ 悪く言えばパクリだが、発売当時日本国内ではインターネット自体存在しなかったため、あまり問題化しなかった。 評価点 シナリオ・演出面 短いながらもシナリオは凝っており、割と出来は良い。 物語の途中で現れるセリューというキャラは、最初こそ所謂『イケメンなキザ王子』といった感じのキャラだが、主人公の行動に胸をうたれて改心し、主人公を認めた旨の手紙を残して去っていくという流れからか、女性ファンがとても多かったとか。また、終盤になると、とある場所で仲間にできる。専用魔法を所持しており、戦力としても十二分に起用できる(*3)。 最終的に主人公に倒され諭される事にはなるが、ラスボスの行動原理も絶対悪ではない。 イベントでは多数の一枚絵(一部では口パクがある)があったりと、演出面では結構頑張っている。絵のクオリティも92年発売のゲームにしては出来がいい。 ゲーム開始直後のイベントで、ヒロインを奪われてしょげている主人公がベッドで寝ると、闇の勢力にさらわれたヒロインがバストアップのグラフィックつきでテレパシーで主人公を励ましてくれる(しかも口パクあり)。これにより、主人公とヒロインが最初から特別な仲だという事がプレイヤーに伝わってくる。 BGMは名曲が多い。 中でも通常戦闘曲は戦闘システムの関係でインパクトを残すものとなっている。 システム面 仲間にできるキャラの自由度。 多彩な攻撃を持つモンスターはもちろん、町に住んでいる人まで仲間に出来てしまう。 村人たちのステータスや状態異常耐性はモンスターよりも低いものの、成長はしっかりしているし強力な魔法を覚えさせれば心強い味方となるため、自由度が損なわれたりはしない。 相談によるメッセージで彩りも加えられているため、より愛着が湧く。なんと状態異常時のメッセージまで用意されている。 一方で、相談メッセージの使いまわしは多く、折角「とくちょう」の項目があるのに、それを顧みないテキストが選択されることも珍しくない。 ただその仲間たちが登録される「登録所」は、たった8キャラ分しか登録できないためコレクションといった要素が出来ないのが悲しい。 「魔法」が購入し装備する形式である為、自由度が割と高い。 8つまでという制限はあるが、状態異常の回復や攻撃の為、仲間にいかに振り分けるかがポイントになる。 一度装備した魔法を「売る」事もできる為、不要になった魔法を売って、空いた枠に新たな魔法を入れる事も可能。 なお、高値で売れる魔法を持つモンスターを仲間にして魔法を売ってお金にしてそのモンスターと別れた後に、また同じモンスターを仲間にしてお金を稼ぐという金稼ぎも可能。 どこでもセーブできる為、かろうじてゲームバランスはとれている。 時間がかかる上に、メインキャラが死ねば即ゲームオーバーの本作でこれがなかったら、今以上に地獄になっていただろう。 総評 独自システムやシナリオ、一枚絵による演出等、良いところもしっかりあるのだが、移動速度の遅さとMAPの広さ、RPGの肝である戦闘システムとエンカウントの酷さと状態異常の鬼畜さが全てをぶち壊してしまっている為、SFC屈指のクソゲー・マゾゲーとして名を轟かせてしまった。 戦闘以外のシステムは割ときっちり仕上がっているし、スタッフの愛を感じる場面も見受けられるので、戦闘システムなどの練りこみさえもっとしっかりしていれば、良作にもなりえたかもしれない。 独特かつ唯一無二な雰囲気や世界観等から何だかんだ強い印象は残りやすく、戦闘は酷いが嫌いになれない・クソゲーだけど気に入っているというプレイヤーもいるゲームではある。 余談 ゲームバランスについて 本作は隠しコマンドによる隠しメニューで移動速度を早くしたり、裏技で楽に金稼ぎ出来たりする。本作のゲームバランスの悪さもあり、これらの裏技前提でデバッグしてバランス調整したのでは?と言われている。 また、バグ技を使用すると、エンカウントなしにする事も出来る。これらを駆使してちょうどいいバランスとまで言われる事も。
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アーケード「クソゲー」の執筆依頼は、ゲームカタログ執筆依頼へ移しました。
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SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団 【えすでぃーひーろーそうけっせん たおせ あくのぐんだん】 ジャンル アクション 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 2MbitROMカートリッジ 発売元 バンプレスト 開発元 インターリンク 発売日 1990年7月7日 定価 6,300円(税別) 判定 なし ポイント 銃は剣より強しジバン最強珍しくガンダム系が冷遇 コンパチヒーローシリーズリンク 概要 ストーリー 特徴 キャラクター 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 SD化されたTVキャラクター達が共演する「コンパチヒーロー」シリーズの第2作。 ウルトラマン・仮面ライダー・ガンダム・メタルヒーローの4シリーズのキャラが共演する。 また、以後コンパチシリーズのレギュラーとなるゲームオリジナルキャラ「エミィ」と「ダークブレイン」のデビュー作でもある。 正統派のキャラゲー故に意外だが、後に数々の話題(問題?)作を世に放った飯野賢治氏(*1)が本作の製作総監督を務めている。 本人がインタビューで回想しており、スタッフクレジットにも名前が確認できる。 (クレジットでは「かんとく いいの」表記) ストーリー SD戦士達が平和に暮らす国『SDネイション』。 そこに突如、謎のUFOが襲来、SD戦士の母というべきガチャポンマシンとそのエンジニアであるエミィちゃんをさらっていた。 犯人は悪の帝王ダークブレイン。ダークブレインはガチャポンマシンで悪玉SDだけを増やして、SDネイションを乗っ取ろうと企んでいたのだ。 正義のSD戦士達はガチャポンマシンとエミィちゃんを救い出し、SDネイションの平和を取り戻せるだろうか。 (取扱説明書より引用) 特徴 当時のファミコンソフトによく見られた横視点のアクションゲーム。 ヒーローごとに2つずつ割り当てられた8つのステージを任意の順番でクリアし、その後出現する最終面に挑む。 各ステージは「怪獣墓場」「不思議宮殿」など、各番組に登場した場所を元にしている。 ステージのラストには、ボスキャラが待ち構えている。 ライフ制で、一度死ぬとゲームオーバーだが、コンティニューは何度でも可能。ただしパスワードやセーブ機能は無い。 一部ステージでは空中にいる敵を踏んでもダメージにならず、踏み台にして飛ぶことができる。これを使わないと渡れない大きな穴もある。 キャラクター プレイヤーキャラはアイテムを入手する事で同じ原作シリーズのキャラに変身し、パワーアップできる。同じランクのまま別のキャラ系統に乗り換える事のできるアイテムや、ランクを下げるマイナスアイテムも存在する。 各系統の変化は、以下の通り。ウルトラチーム…ウルトラマン(ウルトラマン)→ウルトラセブン(ウルトラセブン)→ウルトラマンタロウ(ウルトラマンタロウ)ライダーチーム…仮面ライダー(仮面ライダー旧1号)→仮面ライダーX(Xライダー)→仮面ライダーBLACK RX(仮面ライダーブラックRX)ガンダムチーム…機動戦士ガンダム(ガンダム)→機動戦士Ζガンダム(Ζガンダム)→機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(νガンダム)メタルチーム…宇宙刑事シャイダー(シャイダー)→超人機メタルダー(メタルダー)→機動刑事ジバン(ジバン) ウルトラとガンダム系は第2段階から、あとの2系統は最終段階で遠距離攻撃が可能となる。近距離攻撃時に相手の攻撃を受けるリスクが高まるため、遠距離攻撃可能なキャラクターほど攻略に有利となる。 ただ遠距離攻撃の出来ないライダーXとメタルダーは攻撃力が強く、特にメタルダーのレーザーアームは他種の最強形態であるνガンダムやタロウを上回るほどなので、スピードあるオールキルな展開を求めるような上級者に向いている。 評価点 ファミコンソフトとしては、敵を含めた各キャラクターのアクションが非常に細かく用意されている。 プレイヤーキャラは、ジャンプ時や攻撃被弾時に掛け声の字幕が小さく表示される。 ハンブラビが攻撃時に手からクモの巣を発したり、サイコガンダムが『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』に登場した知る人ぞ知るサイコロ形態に変形したり。 ボスキャラのキングダークを倒すと、その中から呪博士らしき小さい人が現れてウロウロし出す。 ボスキャラのシャドームーンは『RX』版でのシャドーセイバー二刀流という、マニアックなところから元ネタを引っ張っている。 なお本作の敵キャラは、プレイアブルキャラが主役を担当した作品に登場した敵キャラに限って選ばれている(*2)。シャドームーンが『RX』仕様なのも、究極的にはこれが理由である。 BGMは良好 飯野賢治氏とかみじま(平沢道也氏)が担当しており、出撃時のノリのいいBGMやテンポよく流れるステージBGM、おどろおどろしいボス戦BGM、勝利BGM等、聞いていて飽きないBGMが多い。 余談だが、キャラクターチェンジアイテムを入手した際は、それぞれのシリーズ作品にちなんだジングルが鳴るが、宇宙刑事シリーズのみ、本作に参戦していない『宇宙刑事ギャバン』の主題歌から取られている。 賛否両論点 メタルチームの最終段階にあたるジバンが優秀すぎる。他のキャラも個性はあるのだが、あまり活かせる場面が無い。 ジバンのダイダロスによる攻撃は2発の弾が扇状に広がる。2ヒットした場合の火力は最強。さらに上下を攻撃できるので後述の嫌らしい敵の配置にもある程度対処が可能。遠距離で真正面の敵には当たりにくいが、それが不利になる場面は少ない。 νはビームライフルとファンネルの二段攻撃だが、間隔があるので片方しか当たらないことが多く、両方当てる前提でも攻撃力が最終段階キャラで最低。至近距離にいる段差上の敵に一方的に攻撃できるメリットはある。 説明書には「ビームライフル&ファンネル1コのお買い得!」とあるがジバンの2WAYが強すぎてお買い得感があまり感じられない タロウのストリウム光線はシンプルな飛び道具。弾速が速いので連射が利いて、判定も広めなので扱いやすい。 RXのリボルケインは直接攻撃と飛び道具の二段判定なので、近距離戦ではジバンには及ばないもののかなりの攻撃力。敵から攻撃を受けた直後の無敵時間の仕様上、ジバンより使いやすいと感じることもあり。さらに一部の地形を貫通する効果もある。 キャラ変更アイテムは固定出現なので、ステージによっては不利なキャラクターを使わざるを得ない場面もある。 ダークブレインにさらわれたという設定のエミィちゃんが、助けたと思ったとたん無言で突然変形して襲い掛かってくると言う子供にトラウマを与えかねない演出。あろうことかこのエミィちゃんが真のラスボスである。 黒幕というわけではなく、倒すと元の姿に戻って一緒に帰還する。改造及び洗脳されていたものと思われるがゲーム中での説明はない。 ちなみに今作のみに限らず、後にGBで発売されたコンパチヒーローズシリーズの格闘ゲーム「バトルクラッシャー」、及び「スパロボOG外伝」でもやはりエミィが洗脳・憑依されて襲い掛かってくる等の演出がある為、エミィは洗脳や憑依をされやすいのかもしれない。 なお、エンディングはエミィと各シリーズの代表者たち(最初の連中)が5人そろって飛びながら帰還するのだが絵的に飛行が不自然なメンツがちらほらいる。 問題点 ザコキャラがかなりいやらしく配置されており、ダメージを食らった上で通るのが前提としか思えない場所も少なくない。 特に「狭い通路で、ベルトコンベアの上にトゲがあり、その先に敵が潜んでいる」地帯を無傷で抜けるのは難しい。 ダメージを受けた際の無敵時間が少ない。敵にぶつかるとキャラクターが重なったまま連続でダメージを食らってしまう。 やたらと敵がプレイヤーに重なるように動くので、連続でダメージを受けやすく、この仕様は辛い。 パッケージの中央でνガンダムと戦うサザビーが描かれているが、サザビーはゲーム中にはまったく登場しない。 『逆襲のシャア』からは代わりにαアジールがステージボスとして登場する。 ステージ「宇宙コロニー」がガンダムではなくメタルヒーローのステージ扱いで、ボスはなぜか『ジバン』に登場したマッドガルボ。原典にコロニーなど出てこないが…? (メタルヒーローシリーズという括りで考えると『宇宙刑事ギャバン』由来だろうか?(*3)) 総評 多少の粗はあるが、キャラゲーとしては問題なく遊べるアクションゲームである。 後発のシリーズに与えた影響は少なくないだろう。 余談 隠しコマンドによってイージーモード及びハードモードへと切り替えたり、アイテム無しで自由に変身できるようになる。 自由に変身できるコマンドはきちんとしたコマンドがあるのだが、ポーズをかけてぐちゃぐちゃボタンを押していると成立してしまう(*4)。 基本的に「プレイヤーが使用できるキャラの作品に登場した敵キャラ」で構成されたゲームだが、『仮面ライダーZX』のタイガーロイドや、『機動戦士ガンダムZZ』のゲーマルクやハンマハンマ、ズサ等も敵キャラとして登場している。 メタルヒーローは「宇宙刑事」⇒「軍の秘密決戦兵器」⇒「ヒラ警察官(*5)」と、パワーアップするほど設定上の肩書きがしょぼくなっていく。単純に作品の放映順で並べたのだろうが、この枠だけは逆順で並べた方が自然だったかもしれない。 ステージを選んだ後に流れる出動シーンでシャイダーはバイクに乗って飛んでいくのだが、 何故か首を左右に振っている 。そのためか見ようによっては 嫌々出動させられているように見える なんて言われることがある。 両手足を拘束された捕らわれのエミィちゃんのけしからん姿が映るゲームオーバー画面は有名。 3DSソフト『ロストヒーローズ』に、初回限定特典として本作の3DS移植版がプレイできるダウンロードコードが同梱された。 移植技術に定評のある有限会社M2(エムツー)によって制作されており、同社制作のゲームギアのバーチャルコンソール同様、上画面の余白に表示される壁紙の変更、キーコンフィグ等の細かいオプションが用意されている。バグも含めて再現度は高い。
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【運営からのお知らせ】 名作・良作まとめからゲームカタログへのWiki統合作業中につき、一覧を保護します。 編集・新規追加の際は、ゲームカタログの良作一覧 (海外ソフト、その他機種)の方を編集してください。 名作・良作一覧(海外・ただし国内公式未発売に限る) 国内で公式に出ていない名作・良作を並べています。 機種別・アルファベットタイトルのABC順にソートしています。 AC Pandora s Palace GB Shantae PC Campionship Manager/Football Manager - 登場する選手が何百万人。圧倒的なデータ量を誇るサッカーチーム運営シミュレーション。 Zoo Tycoon 2 Ultimate Collection - 旭山に負けない立派な施設を作る事も夢じゃない、動物園経営ゲームの最高峰。 PS2 BURNOUT - 普通のレースゲームと思うなかれ。ぶつけて壊して大惨事起こしてナンボな、前代未聞の大事故推奨レースゲーム。 Xbox360,プレイステーション3 Dead Space - それこそ挫けそうになるぐらいの恐怖。それを越えた先、死闘の先にあるのは…。
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ふぁみこんむかし話 遊遊記 前編/後編 【ふぁみこんむかしばなし ゆうゆうき ぜんぺん/こうへん】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム 発売元 任天堂 開発元 パックスソフトニカ任天堂情報開発部 発売日 前編 1989年10月14日 後編 1989年11月14日 書換開始日 前編 1989年10月30日 後編 1989年12月1日 定価 パッケージ版 各2,600円 判定 良作 ポイント ありそうでなかったラブストーリー西遊記天竺ツアーどころか世界一周に近い大冒険 ふぁみこんむかし話シリーズ新・鬼ヶ島 / 遊遊記 / 平成 新・鬼ヶ島 概要 ストーリー 特徴 評価点 問題点 総評 余談 概要 ふぁみこんむかし話シリーズの第2弾。前作が桃太郎を始めとする日本の昔話の数々を題材にしていたのに対し、今作では日本でもなじみ深い中国の古典小説「西遊記」をベースにしている。 コマンドやメッセージが縦書き、昔話をモチーフにしつつパロディ溢れるストーリーを展開するなどの特徴は前作を継承しつつ、ミニゲームの追加やシステム周りの改善などが施されている。 主人公は隕石から生まれた猿「ごくう」と本作オリジナルヒロインの「ちゃお」。(*1)その他「さんぞう」「はっかい」「ごじょう」と、西遊記でおなじみのメンバーが共に冒険する。 ストーリー 昔々、今の中国に当たる東勝神州という大陸のある村に、女の子が住んでいました。 ある夜、女の子の家の近くに隕石が落ち、中から1匹の猿が飛び出してきました。 両親を早くに失い天涯孤独のみであった女の子は、猿に名前をつけてかいがいしく世話をしますが かつて牛魔王と組み天界を荒らした罪により、猿はお釈迦様に連れ去られ、五行山の牢屋に閉じ込められてしまいました。 猿と一緒に暮らすためには「光の小づち」と呼ばれる宝を手に入れ、猿のひねくれた性格を正さなくてはならない。 そう聞かされたされた女の子は、猿を救うため、光のこづちを求めて独り旅に出るのでした。 そして数年後。世界が牛の化け物牛魔王の魔の手に脅かされるようになった頃、一人の僧侶がお経取りのために天竺へ旅に出ました。 ひょんなことから、猿は僧侶、三蔵法師の弟子となり、お供として天竺へ旅立つ事になってしまうのでした。 果たして珍道中の行く末やいかに? 特徴 謎解きの比重が前作に比べて抑えられており、謎解きよりも物語を読むことに重点が置かれている。 前作では調べた際の反応のコメントや状況説明の描写は全て三人称視点のナレーションだったが、本作では、前作から引き続いて語り部として登場するキャラクター「いったいさん」自身がナレーションを務める個所もあり、昔話を語り聞かされているという雰囲気が前作よりも強まっている。 「ひとかえる」で操作するキャラクターが最大で5人に増えた。 このため、フラグ立ては前作以上に細かいが、難易度自体はそう高くはなく、一度に全員操作できる機会は少ない。 各キャラクターにはパーソナルカラーが設定されており、キャラクターの変更と同時にグラフィック・メッセージウィンドウと背景の色も変化する。 「ごくう」が茶色、「ちゃお」がピンク、「さんぞう」が黒、「はっかい」が青、「ごじょう」が緑となっており、誰を操作しているのかがわかりやすくなっている。 敵との戦闘でアクション要素が加えられた(後に平成新鬼ヶ島で発展する)。 西遊記をベースにしたコミカルな世界観 西遊記の世界をベースにしつつ、シベリア、ハワイ、日本と舞台は広く、古典小説の世界を舞台にしながら現代的な描写が多く、ドリフターズの人形劇「飛べ!孫悟空」や手塚治虫のギャグ漫画「ぼくの孫悟空」のような、ギャグをベースにした舞台喜劇風の味付けがなされている。 例をあげると、三蔵がスケベで女好きな生臭坊主だったり、彼の乗ってるものが馬でなくスクーターだったり、天竺へ取りにいくお経の内容が「一生楽して暮らす法」なる代物だったりと、パロディぶりがよりぶっとんでおり、コミカルな雰囲気が前作以上に強められている。 コミカルながらも日本の昔話という世界観が色濃く、ストーリー面でもシリアスさと哀愁漂う展開だった「新鬼ヶ島」に比べ、全編に渡って陽的で明るい雰囲気に満ちている。それでいながら、ほろりとさせてくれるポイントはしっかり押さえており、シナリオ面でも深みが増している。 BGMはエキサイトバイク、シムシティー、パイロットウイングスなどを手がけた岡素世。 現代的かつコミカルな世界観に合わせて、西遊記ならではの中国風の曲からハワイアンな曲まで、幅広くユニークな楽曲が用意されており、こちらも評価が高い。 評価点 難易度が前作よりも下がっている。 謎解きの難易度が下がった他、理不尽な要因でゲームオーバーになる個所がなくなった。ゲームオーバー条件もほとんどが選択肢の回答ミスかミニゲームの失敗によるもので、選択肢自体もわかりやすいので回避が容易。これによりゲーム進行が前作に比べて格段に易しくなり、ストーリーを楽しみやすくなった。 難易度が下げられた代わりにストーリー性が高まった。 天竺へのお経取りの冒険を軸に、主人公ごくうの精神的な成長とヒロインとの恋愛がメインに描かれる他、サブキャラクターの掘り下げも深まり、シナリオ上に登場するサブキャラクターが増えたので物語により深みが増した。 全11章とボリュームも満点。特に後編の終盤の盛り上がりとエンディングは必見である。 ハズレのコマンドを選んだ際のメッセージやキャラクターの反応が、ユーモアやギャグに溢れておりおもしろい。 こうしたメッセージを味わうのも本作の楽しみの1つでもある。 前作と比べて画面内のグラフィックがアニメーションで動く部分が多く、グラフィック面でのささやかな進化も見せている。 キャラクターがウィンドウの枠を超えて画面全体を使ってアクションするなど演出面も大幅にパワーアップしている。 アクションによる敵との戦闘やクイズなどのミニゲームもあるが、難易度はそれほど高くない。 システム周りの改善点 セーブに前編のディスクが必要なのは前作と同じだが、後編プレイ中にセーブした後は、電源さえ切らなければ再開するために後編をセットし直す必要がなくそのままプレイを続行できるので、煩わしさが軽減されている。 メッセージウィンドウとコマンドウィンドウの開閉アニメーションが速くなり、処理速度も上がっている。 一時セーブ機能の追加 「いったいさん」コマンドを選択することで、進行を一時的に保存する機能が追加された。これにより、ゲームオーバー時の再挑戦が容易になった。 問題点 難易度はそれほど高くないが、「ひとかえる」で切り替えられる人数が増えたため、まめな切り替えとコマンド総当たりが必要で、やや煩わしさがある。 「ひとかえる」に、いつの間にか新しい人物が追加されて、それをノーヒントで行わなければならない部分があるのも不親切。 前作同様、ひらがな表記のみ カタカナ言葉が数えるほどしかなかった前作に比べ、本作ではそれなりにカタカナの固有名詞があるため、ひらがなのみでは若干読みづらさがある。 2章のストーリー展開に若干の不自然さがある。 + ネタバレ 八戒が仲間になる過程で悟空と八戒の戦いがあり、戦いの直前と戦いが終わった直後の2度にわたり、悟空が八戒のことを「牛魔王の手下め!」と呼ばわるが、この時点では悟空はかつての悪の仲間だった牛魔王と明確な敵対関係に発展していない。 牛魔王と明確な敵対関係になる直接的なきっかけは、前編5章で牛魔王の子供との間にトラブルを起きた際に悟空が相手を叩きのめしてしまい牛魔王が激怒したこと、悟空が再び悪事を働こうという誘いを蹴ったこと、再会したばかりのヒロイン・ちゃおをさらわれたことの3つである。従って、このシーン以前の段階で牛魔王を敵視するような物言いをするのは明らかに不自然。 また、この時点の悟空は嫌々ながら無理やりに三蔵の弟子にならざるを得なかった状況であり、「牛魔王を改心させよ」というというお釈迦様の言葉に反発していた点からも、まだ牛魔王側に心が傾いている状態であってもおかしくはないのだが、この時点の悟空が牛魔王のことをどう思っているのかについては一切描写されないため、敵視するような物言いをした理由についても不明。 後半では八戒が悟空一行を裏切って牛魔王側についてしまうという怒涛の展開が発生するため、恐らくはその暗示、前振りと思われるが、不自然さは否めない点である。 一部の謎解き 前編序盤において『3匹のパンダが同時に話すヒントを頼りに画面内を調べて抜け道を見つける』という謎解きがあるが、話が進むにつれて3匹の話す言葉が複雑に入り乱れているため非常にややこしい。 パンダたちのセリフには一定の法則が敷かれておりよくよく読み込めば解読自体はそう難しいものではないが、しっかり考えて正解を導き出すより画面内をしらみつぶしにマスでチェックして総当たりした方が早いこともあり、謎解きの意義がやや薄くなっている。(チェックする領域は7×5で35マス程度なのでさほど時間もかからない) アクションミニゲームの見栄えがあまりよくない。 一部の敵とのアクション戦闘では、グラフィックウィンドウの外で、ボール状のシンボルに変化した悟空を操作することになる。敵の攻撃をかわしつつ相手に近づいた時を狙ってAボタンを押すことで攻撃し数回ダメージを与えると勝利という流れだが、ウィンドウ自体が小さいゆえに大きな動きをさせられないため仕方ないにせよ、見栄えの悪さは否めない所。 ちなみに序盤での八戒との戦闘ではグラフィックウィンドウ内で完結しており、互いのアクションがシンプルながらもそれなりにらしさを演出できている。 総評 謎解き重視でアドベンチャーとしてのゲーム性が前面に押し出されていた前作に対し、本作は難易度が引き下げられた代わりにストーリーと演出面が大きくパワーアップしており、まさに「絵本のごときおもしろさ」を存分に味わわせてくれる。システム面の欠点も改善され、よりストーリーを楽しみ易くなった。 アドベンチャーゲームというよりも、絵と音楽とテキストで読み進める電子紙芝居と捉えて、ゆっくりと楽しむのがよいだろう。 余談 本作のヒロイン、ちゃおは星のカービィシリーズにゲスト出演しており、一部の作品に本作のゲーム画像のパロディが挿入されている。 『キャプテン★レインボー』におけるひかりの「恋愛小説が好き」という設定のくだりは、元々はちゃおの設定である。 本作のBGMのいくつかをオーケストラアレンジした「組曲 遊遊記」がリリースされた。 ディスクカード自体が衰退期に入って久しい時期の発売ということもあって売上自体振るわなかったが、競合する話題作がなかったことや後述のCMが功を奏したか前編は発売初週に売上ランキング1位を記録した。 ディスクソフトが週間売上ランキングの1位を記録したのはこれが最後となった。 また後編の発売初週も売上本数自体は任天堂作品の初週とは思えないほど低く同週1位の『ドラゴンボール3 悟空伝』には大差をつけらえれたものの、なんとか2位をキープした。だがその翌週は一気に16位までガッツリ転落した。そして、これ以降ディスクソフトが売上ランクに入ってくることはなかったので売上ベスト20にランクインした最後のソフトとなった。 なおこれ以降パッケージ販売されたディスクは『香港』『ナイトムーブ』『バックギャモン』『タイムツイスト 歴史のかたすみで…』(前後編)の5本で最高は『ナイトムーブ』の35位。 『ふぁみこんむかし話』シリーズはこの作品を最後に完全新作が出ることはなく、一作目の派生作品である『平成 新・鬼ヶ島 前編/後編』がシリーズ最終作となった。 昔話ネタではないものの、この後に同スタッフが開発したADVである『タイムツイスト 歴史のかたすみで…』や、『ファミコン文庫 はじまりの森』をシリーズの流れをくむ作品とみなす向きもある。 実は、シリーズ第3作としてアラビアンナイトを題材にした物語が構想されていたが、「もっと志のあるユニークなものを」という宮本茂氏の進言の元、題材を変更して作られたのが『タイムツイスト』であった。シリーズ通してシナリオを担当していた菱田達也氏がとある個人ファンサイトに寄せたメールインタビューで明らかにしている。 本作は移植・配信などが一切されていないが理由は不明。 本作では、前作で前後編のシナリオを担当した菱田達也氏の他に、テレビドラマやアニメの脚本家として活動していたプロのライターをシナリオに起用していたため「権利関係の問題がある」という噂がある。 また、登場人物の一人の容姿をけなすシーンが表現規制に関わっているのではないかと言われていたり、有名な歌謡曲の歌詞を引用している個所もあるのでそこで引っかかっている可能性もある。 1990年2月に双葉社からゲームブックが発売された。 女の子の名前は「ちゃお」ではなく「メロン」となっている。 前作のそれと違って、オリジナルの展開があまり見られないのが少々残念なところではある。 本作のCMは「天竺ツアー」と題し、飛行機やサングラスを着けた白塗り顔(!)の三蔵法師が登場したりと、実に奇抜かつ派手な印象の実写CM。 肝心のゲーム内容がイマイチ伝わってこないが、その派手なヴィジュアルと「お釈迦様にはナイショだよ☆」というファミコンウォーズのCMソングのパロディフレーズを盛り込んだ珍妙なCMソングで多大なインパクトを振りまいた。当時のCMを見た者ならファミコンウォーズと共にこのフレーズが耳に残っている者も多いのではないだろうか。 ディスクソフトでCMが制作されたのは『ウルトラマン倶楽部 地球奪還作戦』以来、任天堂作品では『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』以来であり、これを最後に制作されていないため、結果的にディスクソフトのCMとしては平成期で唯一となった。 しかし売上としては既にディスクカード自体が訴求力のなかった時代であったこともありソフトの売上本数では同年の任天堂作品『ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女』(*2)にも及ばないほど低かった。 既に任天堂自身も主力ソフトの供給をロムカセットに戻していながらも、ディスクソフトである本作のCMが制作されたのは、同時期にロムカセットの新作ソフトや新ハードと重ならなかったことが大きい。 CMの最後にはお馴染みのフレーズ「やればやるほどディスクシステム」も流れた。実はこれが最後に流れたのは前年1月21日発売の『アイスホッケー』まで遡るので実に約2年ぶりとなった。 + CM CM CMソング http //www.nicovideo.jp/watch/sm11263374