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恋愛カタログをお気に入りに追加 情報1課 <恋愛カタログ> #bf 外部リンク課 <恋愛カタログ> ウィキペディア(Wikipedia) - 恋愛カタログ Amazon.co.jp ウィジェット 保存課 <恋愛カタログ> 使い方 サイト名 URL 情報2課 <恋愛カタログ> #blogsearch2 成分解析課 <恋愛カタログ> 恋愛カタログの98%は覚悟で出来ています。恋愛カタログの2%はカルシウムで出来ています。 報道課 <恋愛カタログ> 【開運ウォッチ2022】ルーシー・グリーンが占う! カラー&モチーフで選ぶ幸運時計4選 - ELLE 『私の年下王子さま』3年ぶりに新シリーズ 視聴者の応援で“追加王子”【初期メンバープロフィールあり】(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース まさに「走るラブホ」だった「S-MX」! メーカー自ら「恋愛仕様」と謳う「究極の車中泊カー」だった - Automesse Web 「きもの都粋」が21年秋冬オリジナル着物・帯を発表。 完全オーダーメイド仕立ての洗える着物など3シリーズが販売開始。「都粋カタログ」でアーティスト中村あゆみさんのコラボ企画を掲載! - PR TIMES エハラマサヒロの妻、出産祝いのカタログから選んだ物「新生児から使えます」 | 話題 - AbemaTIMES 会いたい想いを、カタチに添えて 「敬老の日」カタログ 展開中 - PR TIMES 法人向けオリジナルカタログギフト作成サービス「SELECTS for Business」をリリース - PR TIMES 恋に仕事に焦る女性描く永田正実の新連載がココハナで、板羽皆・小夏の新作も - コミックナタリー 2021年2月25日:本日発売のコミック新刊 - ほんのひきだし 「恋愛カタログ」笹錦さんを主人公に社会人になったキャラを描いた番外編 - コミックナタリー 歌人・高田ほのかの短歌で味わう少女マンガ 永田正実「恋愛カタログ」|好書好日 - https //www.holyjadgement.com/ 「恋愛カタログ」6年ぶり新作が別マに、主人公は笹錦さん - ナタリー 情報3課 <恋愛カタログ> #technorati マンガとは マンガの33%は厳しさで出来ています。マンガの30%はカルシウムで出来ています。マンガの25%は元気玉で出来ています。マンガの9%は毒物で出来ています。マンガの1%は月の光で出来ています。マンガの1%は毒電波で出来ています。マンガの1%は魂の炎で出来ています。 28589.jpg?_ex=300x300 s=2 r=1 ヨスガノソラ 春日野 穹 -すくみず 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ゴルフ総合 ページ先頭へ 恋愛カタログ このサイトについて 当サイトは漫画のタイトル毎にインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ページをブックマークしておけば、ほぼ毎日その漫画のタイトルに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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アーケード「クソゲー」の執筆依頼は、ゲームカタログ執筆依頼へ移しました。
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バリーファイア 【ばりーふぁいあ】 ジャンル シューティング 対応機種 ゲームボーイ 発売元 東映動画 発売日 1990年6月29日 定価 3,900円 判定 なし ポイント 縦シューかと思ったら全然違った展開がタルイ 概要 物語 システム(兼問題点) 評価点 総評 概要 主に北斗関連でクソゲーマイスターの呼び名をほしいままにする東映動画(現:東映アニメーション)が、GB初期に送り出したシューティング。 東映が関わっているだけで身構える人も多いだろうが、本作は若干変な点はあるものの至って普通のシューティングである。 物語 宇宙暦0089。突然、地球に馬頭星雲から来たカタール星人が侵略してきた。超科学を誇るカタール星人の猛攻に地球は、最終防衛システム『D』を発動させた。 『D』とはあらゆる攻撃を防ぐバリアを地球を包むように張るシステムで、これの前にはさすがのカタール星人も撤退を余儀なくされた。 しかしカタール星人も新兵器を開発し『D』を突破してきた。そこで地球側は『D』システム・エリアでも戦える兵器、大気圏迎撃戦闘機『VOLLEYFIRE』を誕 生させた。カタール星人の野望を打ち砕くため、『VOLLEYFIRE』の死闘が始まる。(説明書より) 多くのシューティングゲームがそうであるように、一応ストーリーは設定されているがゲームの内容そのものに深く関わるわけではない。頭の片隅にでも留めておけば十分だろう。 システム(兼問題点) パッケージには宇宙戦闘機が隕石群をかいくぐりつつ、敵戦闘機と激しいドッグファイトを繰り広げるイラストが描かれている。 多くの方がパッケージイラストを見て期待するのは、「敵弾ひしめく中を華麗にかわしつつ敵機を颯爽と撃破していく縦シューティング」だろう。 ところが、実際に期待を込めてゲームを始めると… なんと敵一体、味方一体しかおらず、互いにヘボいレーザー攻撃を一発ずつ撃ち合う地味な戦闘が始まる。 しかも敵機体のスペックは自機と全く同じ。つまり、自機が撃破されるのと同じ弾数だけ敵に攻撃を当てる必要がある。 さらに単なる雑魚にも拘らず、耐久力だけでなく残機が設定されている(しかも自機と同じ2)。敵に耐久力が設定されているシューティングは山ほどあるが、敵に残機が設定されているゲームは珍しい(シューティングに限らず)。 縦方向への移動ができず、横にしか動けない変なシステム。 自機が戦闘機の形をしている意義が全くない。システムだけで言うなら、一対一の構図を除けば同じく移動方向が限定されている『スペースインベーダー』などに近い。むしろ敵が攻撃してくるブロック崩しか? 一部縦スクロールステージもある。しかし横にしか動けないのは相変わらず。ちなみに地形に挟まれると即死。 独特のシステムにより、展開が退屈。 敵と自機の間にはほとんどのステージで障害物が設置されており、これが両者の攻撃を遮ってしまうため、ほとんどの攻撃は相手に届かない。 敵弾と自機の弾は相殺可能。防御において重要なテクニックなのだが、当たり判定が曖昧なのかかすっただけでも相殺されてしまう。このため障害物をかいくぐって向こう側までたどり着いても相殺されるケースが多く、ダメージを与えられない。その上前述の通り敵にも残機があるので…。 自機の攻撃手段がレーザー一本というストイックさがまた退屈っぷりを加速させる。もちろんオプション、広範囲攻撃、ボムといった救済処置・緊急回避手段は搭載されていない。 敵CPUの頭が悪く、適当に行ったり来たりしながら弾をばらまくだけなのがさらに退屈さに拍車をかける。ボス戦では多くの場合3体同時に出現するが、的が大きい分こっちの方が爽快感があるようにも感じてしまう(*1)。 また反射板(*2)が登場するステージでは、自滅の方が怖い。敵は反射をほとんど考慮しないため、時間はかかるが放置した方が安全なことも。 アイテムの仕様もなかなかに不便。 アイテムは、出現するステージが完全に固定されている。出るかどうかだけでなく、中身も完全固定。 しかも基本一つのステージで一回しか出ないため、取り逃したら終了。特に貴重なパワーアップを逃したりすると…。 時代と言えばそれまでだが、セーブまたはパスワードコンティニュー未搭載という設定も、展開が遅いこのゲームでは痛い。 しかしコンティニューは、現在のエリアから、スコアもそのまま保存、回数制限なしというゆとり仕様。一応パワーアップは外れるが、本作のパワーアップは攻撃力を高めるだけなので、無しでも何とかなったりする。 尚、この仕様のせいでコンティニューした方がスコアを稼げるため、スコアがほぼ無意味な存在になっている。いくらハイスコアなどの記録機能がないとはいえ、もう少し考えられなかったのだろうか。 上記の仕様に加え、本作は敵の出現数固定+敵を全滅させないと先に進めない+クリア済みステージには引き返せないという仕様であるため、むしろ低スコアクリアの方が難しかったりする。 評価点 後に『ミスティックアーク』の作曲でその名が知られる森彰彦氏作曲のBGMは時としてGBとは思えないほど重厚でかっこいい。 曲数も雑魚戦だけで何曲も用意してあるなど、非常に豪華な仕様である。 そういうゲームと割り切れば十分遊べる出来。 ステージごとに障害物のバリエーションが豊富で、以前のステージとはまた違った攻略法が要求される。 またある程度の制限はあるが、次に攻略するステージを自由に選べるシステムがある。パワーアップアイテムを先に回収することで難易度を下げたり、簡単そうな方から先に進めたり自由度がかなり高い。 確かに展開は遅いが、類似したシステムを持つゲームは現在でもあまりなく、そういう意味での希少価値はある。 「思いついても誰もやらなかっただけだろ」は禁句。 現在ではほぼ意味のない話だが、対人戦はなかなかに盛り上がる出来とのこと。 総評 森彰彦氏のBGMは非常によくできている。既存のゲームをGBで出来るようにした作品が多かったGB初期に、意欲的なシステムを多く盛り込んだ点も評価できる。 しかし、シューティングとは到底思えない爽快感のなさが最大の問題。現在に至るまで本作のフォロワーが全くと言っていいほど存在しないことからも、失敗だったと言わざるを得ない。 とりあえず遊べないほど酷い完成度ではない。森彰彦氏のBGMを堪能しつつ、終始一発ずつ弾を撃ち合う展開が我慢できるならやってみてもいいだろう。
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プロ野球ファミリースタジアム 87年度版 【ぷろやきゅうふぁみりーすたじあむ はちじゅうななねんどばん】 ジャンル SPG 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 256kb+256kbROMカートリッジ 発売・開発元 ナムコ 発売日 1987年12月22日 定価 3,900円 プレイ人数 1~2人 判定 なし ポイント 前作から一転して投高打低のバランスシール貼っただけの手抜きパッケージ ファミスタシリーズリンク 概要 ゲーム内容 評価点 問題点 総評 余談 概要 1986年12月に発売された大人気野球ゲーム『プロ野球ファミリースタジアム』(以下『前作』と表記)のデータリニューアル版。基本システムはそのままに、「ホーナー旋風」を巻き起こしたB.ホーナー、三振かホームランの大砲R.ランス、トレンディエースと呼ばれた西崎とそのライバル阿波野、世紀の大トレードで移籍した中日落合など選手データを1987年度のものに更新、チーム数も2チーム増え12チームとなった。この他ユニフォームのパレット変更、選手データの表記方法、球場の外観など細部のグラフィックが変更されている。 ※データを変更したマイナーチェンジ版であるため、各項目の詳細は『プロ野球ファミリースタジアム』を参照。各項に於ける記述は相違点に留める。 + 画像 主な変更箇所・共に左前作/右本作 ゲーム内容 「バース・落合クラスだと当たればホームラン」(*1)と評されたように打球が飛びすぎた前作の内容を考慮され、本作では飛距離が抑えられ投高打低となった。 球団は前作10球団に加え、阪急をモデルとしたBチーム(ブラボーズ)が連合チーム「レイルウェイズ」より独立し単独チーム化、さらに当時のMLB一流選手が揃ったMチーム(メジャーリーガーズ)の2球団が新たに参入し12球団となった。なおデモ画面にのみOチーム(オリエンツ)が登場するが、どのような手法を使ってもプレイヤーが操作することは出来ない。 前作では王・安田2名のOB選手が登場していたが、本作では全選手が日本プロ野球1987年ペナントレース終了時の現役選手で構成され、OB選手は1人もいなくなった。 試合終了時の新聞でナムコスターズも他のチーム同様「Nチーム」と公平な表記をされるようになった。 ナムコスターズ絡みでは超俊足で名高い「ぴの」が1番打者になり、その超俊足を体感できる機会が増えた。また前作での1番打者「まつぴ」が代打と逆の形になっている。 + 画像 MチームとBチーム 評価点 投手有利となり、よりテクニックが重視され、上級者同士の対戦では僅かなミスが命取りとなる。 チートレベルのMチーム。スタミナの鬼剛球王N.ライアン(らいあん)、130キロのフォーク(実際はSFF)を投ずるM.スコット(すこつと)、3割61本M.マグワイア(まくが)、控えに甘んじる3割8分40本のD.マッティングリー(まつちん)など他の11球団とは明らかに一線を画す顔ぶれは、「暴力的な強さ」とまで評された。(*2)しかしその実情は打てなくなった本作の不満点を解消するために設定された「ナムコの気遣い」であった。 問題点 打てなくなった選手達。打球の飛距離が抑えられたため、地味な試合展開となりがちでゲームの爽快感が薄れてしまった。 対COM戦では改善されていないお粗末な守備から貰ったチャンスで得点を重ねる釈然としない展開。対人戦に於ける1点を争う「緻密な野球」も裏を返せば、「チマチマとヒットで繋ぐ野球」である。 バッターボックスの前方(ゲーム画面では上部)に移動できなくなった。前作では打席前方に打者を移動させ、変化球の曲がり初めを叩くという相手投手の攻略が可能であったが、本作では前方への移動が不可能となり、先の「飛ばない仕様」と合わせ、打者不利というゲーム内容に拍車をかけている。 + 画像 左・前作の移動限界/右・本作の移動限界 なぜか右投げのBチーム「ふるみそ」。モデルとなった阪急・古溝克之は左投げである。データ間違いを犯してまで彼を入れるなら、この年規定投球回に達し7勝3セーブを挙げた佐藤義則を入れたほうがよかったのではという声も聞かれた。(*3) 妙な色使いのSチームユニフォーム。Dチームのモデル球団である中日のユニフォームが1987年より変更されたことを受け、前作のSチームのユニフォームカラー「青+グレー」がそのままDチームに転用された。そのためSチームのユニフォームも変更されたが、モデル球団であるヤクルトのユニフォームから大きく乖離した「深緑+紫」という奇妙なものに変更されている。 このカラーリングについては、当時のヤクルトのユニフォームに使用されていた赤と青を混ぜて紫とし、それに加えて親会社カラーかつ当時の球団旗に使われていた緑も使用した、と解釈することも出来なくはないが…。 次作『 88』以降はビジターユニフォームをモチーフとした「青+水色」に変更され、結果的に初代のDチームとそのまま入れ替わった形となった。ただし、緑はその後も球団選択画面のアイコンに使用されている。 本作では西武をモデルとしたLチームのカラーリングが当時のビジターユニフォームと同様の真っ青に変更されており、「青+水色」では色系統が重複するため使用できなかった可能性もある。 余談だが、近年では実際のヤクルトもユニフォームに緑を使用することが多くなっている(*4)。 + 画像 左・本作Sチーム/中・前作Sチーム/右・本作Dチーム 総評 打高投低で本塁打を連発でき、よく言えば「派手で豪快な試合内容」、悪く言えば「大味なゲーム展開」だった前作を反省し、打球の伸びを抑えた本作であったが、ユーザーやゲームライターからは「ホームランが出にくくてつまらない」(*5)「地味な試合になりがち」(*6)「弱くなった阪神をこれ以上いじめてどうする」(*7)(*8)など概ね不評であった。 この評価を受け『 88』からは再び打者有利の内容に戻ることになる。 余談 本作の箱・カートリッジ・説明書はそれぞれ前作のハードケースとカセットラベルをそのまま使用し(*9)、タイトル部分の横に「87年度版」と書かれたシールを貼っただけで、取扱説明書にいたってはゲーム画像と文章を数箇所変えただけという手抜き仕様である。その大胆な手の抜きようをゲーム雑誌が好意的に受け取る筈もなく「手抜きのパッケージとカセット」(*10)「馬鹿野郎、シール貼っただけ」(*11)と嘲笑やネタの対象物となってしまった。参考画像(Googleイメ検) 前作の3球団連合だったレイルウェイズは南海ホークスが16人中たった3人と明らかに冷遇されていたが、阪急ブレーブスが単独チーム化のブラボーズとして抜けたことで本作では16人中7人もが名を連ねている。 投打のバランスは上記の通り次回作で元に戻るのだが、後の1990年にゲームボーイでシリーズ初作品の『ファミスタ』を出した時には本作以上に投高打低なバランスでの登場となった。 この時はゲームボーイ初作品ということもあってハード自身に対して慣れなかったことが考えられる(ゲームボーイでの2作目『ファミスタ2』ではそれなりに是正されている)。 ゲーム中、最多の本塁打を誇る「まくが」のモデル「マーク・マグワイア」のスペルは「McGwire」なのでスタッフが「マクガイアー」と誤読したと思われる。同姓のミッキー・マクガイア選手が1973~74年に広島に在籍しており、そのため当時の日本球界ではMcGwireはマクガイアと読むのが一般的となっていた事もあるだろう。 そのため、当時マグワイアを知っている数少ない者でも、「まくが」のモデルがそれと気づかない人が少なくなかった。 また本塁打61本はロジャー・マリスの記録で(1961年)それまでベーブルースの持っていた60本の記録を塗り替えた伝説的なものだったので「まくが」=「マリス」と誤解した人もいたことだろう(「ま」しか合っていないが)。実際マグワイアは1987年シーズンの本塁打は49本、デビュー年である前年の3本を足した累計でも52本で61本には遠く及ばないことから61本と結びつくものがない。 後の1998年にマグワイアはそれまでのマリスが持っていた記録を塗り替える62号を放ち、当時は野茂や伊良部など少ないながら日本人メジャーリーガーもいたことから日本でも大々的にニュースで新聞で取り上げられ(*12)、同時に本作にマグワイアその人がいたこともちょっとした話題となった。 ナムコスターズの代打に入っている「かにかに」は、現在からすればナムコがアーケードで導入した「カニカニパニック」と思いそうだが、当該のゲーム筐体がアーケードで稼働を開始したのは4年後の1991年のことであり、本作発売当時はまだ存在していない。それどころか「カニカニパニック」の母体である「ワニワニパニック」にしても1988年2月の稼働開始で当時は存在していない。 本作の上記選手は『さんまの名探偵』に登場するグラフィックウィンドウから特定場所を指定して調べたり取ったりする対象を選ぶ「カニカーソル」(カーソルがカニの形)がルーツとなっている(このカーソルを使う時、さんまが「かにかにどこかに?」と言う)。つまり主人公の「さんま」共々同ゲームからの登場となる。 後の『スーパーファミスタ2』(SFC・1993年3月12日発売)等で登場する「カニカニ」は、そのまま「カニカニパニック」に由来している。
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本稿ではオリジナルのFC版及び、リメイク作品であるWSC版を併せて解説する。 ファイナルファンタジー 概要 特徴・評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 移植 その後の展開 ファイナルファンタジー (WSC版) 概要(WSC) 特徴(WSC) 評価点(WSC) 問題点(WSC) 総評(WSC) 余談(WSC) ファイナルファンタジー 【ふぁいなるふぁんたじー】 ジャンル RPG 高解像度で見る 裏を見る 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売・開発元 スクウェア 発売日 1987年12月18日 定価 5,900円(税別) プレイ人数 1人 セーブデータ 1個(バッテリーバックアップ) レーティング CERO A(全年齢対象)(*1) 配信 バーチャルコンソール【Wii】2009年5月26日/476Wiiポイント【WiiU】2013年11月13日/476円【3DS】2013年12月18日/476円(各税別) 判定 良作 ポイント 記念すべきシリーズ1作目この頃からビジュアル面を強く意識した作り ファイナルファンタジーシリーズ そして……探求の旅は始まった 概要 今や国内を代表するRPGの一つとなった『ファイナルファンタジー』シリーズの記念すべき第1作。 プレイヤーはクリスタルに導かれし光の4戦士となり、世界に平和を取り戻すべく旅に出る。 特徴・評価点 ジョブシステム、白、黒、赤魔道士のグラフィック、クリスタル、メインテーマやファンファーレといった音楽、飛空船(後の飛空艇)、SF要素等々、1作目にして後のシリーズに引き継がれるゲーム性の基礎、デザイン等の多くがこの作品の時点で確立されている。 この時期のRPGはコンピューター上で如何にテーブルトークRPGを再現するか模索しており、色々と実験的な試みがされている。 パーティー編成 最初に、4人の主人公それぞれに6つの職業(戦士・モンク・シーフ・赤魔術士・白魔術士・黒魔術士)を選ぶことになる。 編成は完全に自由。同じ職業を複数入れても良い。その組み合わせは126通りにも及ぶ。 物語の途中でクラスチェンジイベントが発生、それぞれ上級職に変わる。クラスチェンジを行うことでキャラクターのグラフィックが大幅に変化する。その際の、頭身の上がったキャラクター達は多くのプレイヤーに(良くも悪くも)強烈な印象を与えた。 以降のシリーズ作品にも上級職のネーミングが残ったものは存在するが、頭身の上がったデザイン自体は二度と使われていない。本作そのもののリメイクですら、大半の上級職はまるきり違う外見に変更されている。 編成はゲーム中に変更することは一切できないため、この時の編成次第で冒険の難易度が大幅に変わる。クラス毎の使い勝手の差が激しいため相当苦戦を強いられる編成もあるが、それ故に熱くなるプレイヤーも多かった。詳細は「クラス格差」の項に譲る。 パラメータの成長にはランダム要素が大きく絡んでおり、同じ職業のキャラでも微妙に違った個性が分かれてくる。 戦士と白・黒・赤魔術士のデザインは、微妙にリファインされつつ以降のシリーズ中でも常連となる。上級職の中では忍者のみが唯一、以降の作品中にもデザイン継承されている。 システム面 魔法は自然には覚えず、魔法屋で魔法を購入して習得する。クラスによって習得可能な魔法に制限がある。 『Wizardry』と同様の「魔法レベル別使用回数制」であり「Lv1の魔法を○回」「Lv2の魔法を○回」というように各Lv毎に完全に独立した使用回数が割り当てられている。 魔法は各レベルに白黒それぞれ四種ずつ存在するが、1レベルにつき三種までしか習得できない(赤魔術士のみ白黒合わせて三種まで)。一度習得した後の変更は不可能。プレイヤーは各魔法使いにどの魔法を習得させるか選ぶ必要があり、独特のカスタマイズ性を醸し出している。 バッテリーバックアップ方式を導入。 回復拠点である宿屋はゲームを進める上で必ず利用することになるが、その宿屋がセーブポイントを兼ねている。 また、フィールド上の任意の場所でもセーブが可能。ただし、その際は消耗品である寝袋・テント・コテージのいずれかを使う必要がある。 高度なプログラミング技術。 ナーシャ・ジベリ氏のプログラムによる表現力は当時のファミコンソフトとは一線を画している。船に乗ると歩行時の2倍、飛空船では4倍の速度で移動可能になり、4方向へのなめらかな高速スクロールはプレイヤーを唸らせた。 飛空船4倍速の高速スクロールに加え、浮かび上がる演出と影まで表示される(*2)。当時のRPGの演出としては群を抜いて優れている。 他にもフィールドから街などの画面切り替えにマップを割るワイプを使ったりしている。 高度かは不明だが、街の住民等のNPCを押すと、早足で居る位置から離れる。 隠しミニゲームである「15パズル」は、容量の空きにこっそり仕込んだものだという裏話がある。 後述するように細かいバグや設定ミスはあるが、ゲームの進行やバランスに多大な影響を及ぼすようなバグは確認されていない。 グラフィック面 初代の頃からビジュアル面、演出面を強く意識している。 敵味方が左右に分かれて対峙し、ちびキャラ風に描かれたキャラクターがちょこまかとアニメーションしながら攻撃などのアクションを見せるというビジュアルメインの演出は、ユーザーに驚きを与えた。味方がアニメーションをする戦闘画面を採用したゲームは本作が初となる。 今日ではこの形式はサイドビューと呼ばれるようになり、様々なRPGに影響を与えている。 キービジュアルおよびモンスターデザインを、天野喜孝氏が担当。『ドラクエ』シリーズのコミカルで親しみ易い絵柄と対照的に、絵画的なタッチで幻想的な雰囲気の作風が持ち味である氏のイラストにより、硬派なファンタジーRPGの雰囲気を作り出している。 なお、天野氏は『FF6』までキャラクター及びモンスターイラストを担当し続けた。『FF7』以降は多忙のため前述の仕事は降板したものの、ナンバリング最新作でもメインタイトルやイメージイラストは必ず担当するなど、FFシリーズを語る上で欠かせない人物となっている。 ただしドッターの渋谷員子氏によると、厳密には一部のモンスターは天野氏でなく社内スタッフがデザインから描き起こしているらしい。 ドラクエは『II』から戦闘画面の背景が黒一色になったが、こちらはファミコン用全作で(画面上部のみではあるが)事前に踏んでいた地形に合わせた背景パターンを並べている。 サウンド面 のちのシリーズでも恒例となる植松伸夫氏の手による、『ドラクエ』シリーズとはまた違った方向性の雰囲気とメロディセンスによる楽曲群は、数は少ないながらも世界観や雰囲気の違いを明確に印象付けている。 冒頭のアバンタイトルを終えたのち、城を出て橋を渡った瞬間に表示される1枚絵とともに流れるシリーズテーマ「ファイナルファンタジー」は特に印象深く、のちのシリーズにも引き継がれている。 以上のように、全ての要素に硬派かつマニアックな要素が取り入れられており、当時発売されたRPGの多くがドラクエのスタイルの模倣に留まっていた中で、本作は『ドラクエ』と異なる作風を強固に打ち出し、意欲的な試みに満ちた野心作として鮮烈な印象を残している。 賛否両論点 「逃げる」を多用することを前提としたバランス調整 本作は魔法使用回数の少なさや、シーフの売りが「敵から逃げやすいこと」であることからも分かるとおり、ある程度まで積極的に敵から逃げ回ることが推奨されるバランスとなっている。この調整そのものには賛否あるが、独特のゲームバランスを成立させてはいる。 特にダンジョン探索時は、目的を果たすまでに非常に多くのモンスターと遭遇することになる。ジョブの選択やレベルにもよるが、全てと戦っていたらMPやアイテムはまず持たない。 ただし、逃走判定は各々の行動時に行われるので無傷で進めるわけではないし、雑魚戦でも絶対に逃げられない戦闘も発生するので、常に逃げ続けるのが正解というわけではない。時には積極的に戦った方が被害を減らせる場合もある。 一方で「絶対に逃げられない敵(厳密には敵ではなくエンカウントパターン)」が雑魚モンスターとして頻出することについても、やはり賛否の分かれる部分ではある。どのモンスターが逃走を封じているのかといったヒントも作中にはなく、逃走不可であること自体も明確には示されず(逃走失敗のメッセージは1通りしかない)判別が困難なため、「基本的には逃げやすい」というゲームバランスに気づかないプレイヤーも出た。 本作は「雑魚敵の数が多く、特技や状態異常を駆使してきて非常に強い」と通常戦闘では苦労する一方、「ボスのHPは低くその時点での最強武器でヘイストを掛けて突撃すれば数ターンで終わる」というゲームバランスである。 ダンジョンの構造自体は適度な難易度であり、初期のドラクエのように「ダンジョンに無限ループ箇所があって一旦引っ掛かると目的地にまでたどり着けない」ということはあまりない。暗闇や隠し通路といったものも一切存在しておらず、小部屋にはちゃんと扉が存在しているため、初期のDQのように壁か部屋かわかりづらい、ということは起こらない。 ランダムエンカウントは実質的に歩数制でかつ完全固定(マップによってエンカウント頻度が変化することはある)なので、少なくとも1~2歩歩いたら次のエンカウントが発生して…ということはほとんど起こらない。エンカウント率自体はそこそこの高さではあるものの当時としてはかなり快適な部類である。 ただ固定エンカウントのマスが存在しており、該当するマスに足を踏み入れると歩数に関係なくエンカウントしてしまう。多くの場合はそのダンジョンのボス的な配置か、宝箱を守るように配置されている。 さらに固定エンカウントであることはゲーム内で一切示されず、分かりづらい。なおかつ、罠のように多数の固定エンカウントが敷き詰められた通路まで存在する。 後半は戦闘中に使うと魔法の効果を発動する装備品が登場するため、どんな編成であってもある程度ならゴリ押しがきくようになる。 全体火力魔法や一撃必殺、状態異常から果ては回復魔法を発動できる武具まで存在し、これらを活用することによって戦力を温存可能となる。これらの装備を持ちさえすれば誰でも無制限に魔法が使えてしまうので、充実するほど本職魔法使いの肩身は狭くなっていく。 効果発動の際に装備しておく必要は無い。持ってさえいれば装備できないキャラクターでも魔法を引き出せる。 ただし装備品は所持数制限が重く、武器・防具とも一人あたりそれぞれ四個ずつまでしか持てない。ことに防具は鎧・兜・小手・盾でフル装備するとそれだけで枠が埋まってしまう関係上、魔法効果の装備のための枠を割くのが悩ましいといった課題が出てくる。 どの装備品に魔法が込められているのかは、ネーミングから推測する以外にヒントらしいヒントが一切ない。このため、実際に使ってみないと分からないのが、ネックといえばネックではある。 「いやしのかぶと」等、ある程度予想がつく物もあれば「ガントレット」や「レイズサーベル」といった初見ではまず気付かないような装備品も多い。一応、「ガントレット」から魔法が発動できるというのは『Wizardry』のパロディと思われるが、一般的な武具名でもあるため、これを手掛かりに気付いたなどという人はほぼいないだろう。 また、「魔法効果の装備がある」こと自体もほぼノーヒント。本作は「装備品が戦闘中にアイテムとして使える」仕様のため、カンの良い人は気付く可能性があるが、本当に気付かない人はそんなことには全く気付かないままゲームを終えてしまう可能性も高い。 魔法使いには装備の枠を割かずに多数の魔法を所持できること、移動中にも魔法が使えること、アイテムでは再現できない魔法もあることなどが活路として残る。MP制限と購入費用の壁は高いが…。 独特なセーブシステム 宿屋に泊まると強制的にセーブされ、セーブせずに宿泊する事はできない。宿泊の際にセーブする事は通知され、そこで宿泊をキャンセルする事はできる。 当時のFCではセーブ機能自体が珍しいものであり、セーブの意味を知らない人でもノーセーブで進めてしまう事のないように設計されている。『II』以降やリメイク版では任意セーブになった。 フィールド上で寝袋・テント・コテージを使った際に任意セーブができる。回復だけしてセーブしない事も可能。 問題点 システム面 セーブ可能なデータは1個のみ。 せっかくパーティー編成や育成・探索の自由度が高いにもかかわらず、データが一つきりしか残せないため他のパターンを模索しづらい。 加えて初期のバッテリーバックアップ機能ということでデータが消えやすいため、1個しかデータ保持できないのはそのことに関しても難点である。 ちなみに本作と発売予定時期が同じだったライバルソフト『ドラゴンクエストIII』のセーブ個数は3つである。 電源投入の時点でメッセージ表示速度がデフォルトで最も遅い設定になっている上に、ゲーム中の変更は不可。コンティニューするたびに変更する必要がある。 戦闘中のメッセージ速度に影響するが、ボタンを押しても送ることが出来ない。速度変更に気付かないと非常にテンポの悪いゲームに思えてしまう。 街での会話などのウインドウ開閉も遅い。2作目からはある程度改善。シリーズが進むにつれて瞬時に開く様になる。 戦闘のコマンドが紛らわしい。 「もちもの」といえば普通はポーションや毒消しなどの所持アイテムを想像するだろうが、本作の「もちもの」コマンドは装備品を指す。 その上、選択肢としては武具が表示されるにもかかわらず、戦闘中の持ち替えを想定したコマンドでもない(*3)。武具に込められた魔法効果を引き出すためのものである。 ポーション・毒消しは「くすり」コマンドから使う。ただし、このコマンドではそれら以外のアイテムを使えないため、中盤以降はほぼ無意味となる。 一部の設定ミス・バグ プレイヤーに不利なもの 対象の攻撃力や命中率を高める「ストライ」「セーバー」が効果無し。 敵の回避率を下げる「シェイプ」系の魔法が設定ミスで「敵の回避率を上げる」というマイナス効果に反転している。 耐性を打ち消す「デスペル」は、モンスターが使った場合のみ機能する。味方がモンスターに対して唱えても何の効果もない。 モンク(スーパーモンク)はレベルが上がるたびに、防具の有無に関わらず防御力が無装備相当になる。詳細を述べると、モンク(及びスーパーモンク)は防具を装備していない状態だと、レベルの値がそのまま防御力になる。防具を1つでも装備している場合は防具の防御力のみによって決まる仕様。それ故に、やりこみの域の高レベル帯を除けば、大抵の場合は防具装備時の本来の値より低くなってしまう。もっとも、防具メニューを開くことで再計算されて元に戻るため、これに関しては回避可能ではある。 「知性」のパラメータが無意味。ただし、本来はどういう効果があったのかは説明書を読んでも不明であるため、これに関してはバグではなく本当に無意味なパラメータとして設定していたのかもしれないが。 コテージを使用してセーブし、電源を切ると再開時にMPが回復していない。魔法使用回数が回復した状態でフィールド上でのセーブをしたければ、コテージでMP回復後にもう1回寝袋などを使ってセーブする必要がある。 武器の属性と種族特効が機能していない。 プレイヤーに有利なもの モンスターに弱点属性がある場合、物理攻撃による追加効果の属性に上書きされる。例えば炎に弱いグール等の麻痺効果は、炎耐性のアイスシールド等で防げる。ほとんどのケースでは上記のように精神属性が炎属性などに上書きされるので、より早い段階から多くの防具で防げるのでプレイヤー有利と言える。 武器のクリティカル率が、本来の値ではなく武器の通し番号に依存する。ごく初期の武器を除くと本来の設定値より大幅に高くなり、(おそらく本来の意図よりも)高いダメージを出しやすい反面、高クリティカル率が売りであるはずの武器の価値が失われている。 「バファイ」等の耐性を付加する魔法は敵側が使っても機能しない。前述の「デスペル(耐性消去)」は逆に敵側が味方に対して使った場合のみ機能することを踏まえると、つまりモンスター側の耐性は戦闘中に変化しないようだ。 その他、特定の階段の昇降を繰り返すことでフリーズの可能性があるバグが存在するが、通常プレイではまず行わない操作であるため、そこまで心配はいらない。 買い物のテンポが悪い。 店ではアイテムを1つずつしか購入できず、おまけに一つ購入するたび複数回の選択が求められる。このため特定の商品を大量購入しようとすると、時間も手間もかかってストレスがたまる。 大量購入したい商品といったらポーションくらいのものではあるが、本作はこのポーションを買えるだけ買い込むことが大前提に近いゲームバランス。頻繁に数十個単位での補充が必要となり、購入処理に煩わされる。 武器は武器屋でしか売れず、防具は防具屋でしか売れない。さらにポーション等の消費アイテムは売却自体が不可能である。 そのジョブで装備できない武具でも買えてしまうので、購入の時点では誰がどれを装備できるのか、全くわからない。 魔法を購入する際、魔法を覚える人を選ぶ⇒魔法を選ぶ⇒習得できない場合、「その魔法は覚えられないようだ」と断られる…という手順になっているのも不便。 装備品の管理がやや不自由。 本作では所持品が「アイテム」「武器」「防具」の三分類に分かれ、それぞれ完全に独立した管理が求められる。 「アイテム」は後発シリーズで一般的にみられる、パーティー共有資産扱いの一括管理。ここにはイベントアイテムと消耗品のみが入る。次作以降と違い、武器や防具はアイテム欄に入らない。 消費アイテムは、それぞれ99個まで所持可能。ただし本作中の消耗品は「ポーション」「毒消し」「金の針」「寝袋」「テント」「コテージ」の6種のみ。 ちなみにアイテム分類枠からは、ポーションと毒消しのみが戦闘中にも使用できる。 「武器」と「防具」は個人管理。どちらも各人それぞれ四個まで持てる。ただ問題は装備するかどうかを問わず、この四枠内でやりくりしなければならないということ。 武器については各人一つしか装備できないので、さほど不自由することもない。一人あたり三つまで予備を持ち歩ける。なお、装備していなければ素手で殴る。 問題は防具で、明らかに枠が不足している。頭・体・腕・盾で四種類まで装備できるが、裏を返すと四種揃えたら、それだけで所持欄がすべて埋まってしまう。フル装備状態のキャラは新たな装備を手に入れた時、いちいち別の仲間に預けた上で交換するか、あるいは一つを捨てるか売るかしなければならない。 ちなみに武器・防具とも、装備できないものでも持ち歩くことはできる。装備は更に装備欄の中で個別に行う。武器を四つ持っているけど装備はせずに素手のままとか、防具を四つ持っているけど身につけずに裸、なんて状態も維持可能。この仕様には利点もいくつかあるのだが、分かりにくいという意味からは、ささやかながら難点の一つともなっている。 パーティ全員の武器または防具を一画面で一括表示しつつ、装備や交換をスムーズに行えるインターフェイス自体は優れている。 また、装備画面では、何を装備してもいくつ数値が上がったかは一切わからず、いちいち戻ってステータスを確認しなければならないので面倒。 状態異常への対抗手段が少ない。 序盤から毒を受ける機会が多いにもかかわらず、75ギルもする「毒消し」を使わないと解除できない。宿屋では回復しない。 毒消しの魔法「ポイゾナ」ならMPがある限り何度でも使えるが、なんと4000ギルもする。MP自体も限られる中、元を取れるのはいつになるのか…。 しかも魔法レベル4のため毒が厄介な時期ではあまり使えない。もっとも同ランクの白魔法は他3つが「フィアー」「バコルド」「ボキャル」といずれも使い勝手が微妙なものばかりなのでレベル4のMPは全部これに充てても気にならないが。 また、比較的序盤から麻痺を使うモンスターが大量に出現する。こちらは戦闘後に自然回復するが、戦闘中は一定確率で復帰するまでは一切の行動が不可能になる。 いずれも耐性を付ければ高確率で防げるが、耐性を持った装備は終盤にしか登場しない。それまではレベルを上げて隠しパラメータである魔法防御力を高める以外に、防ぐ手段が存在しない。 さらに中盤以降には打撃の追加効果で『即死』させる「マインドフレイア」という雑魚敵が出現する。それが発動するとメッセージにダメージ表示がなく「いのちをうばわれた……」と出て死亡する。初見では何が起こったか理解できず大抵の人はわけもわからない絶望感に襲われた。 この即死攻撃は防具の即死耐性が通じない。しかも「マインドブラスト(全体を麻痺)」まで使うので、こちらを動けなくしてから即死の可能性がある打撃をジワジワ繰り出してくるという超凶悪コンボとなる。おまけにそのモンスターはサイズが一番小さいクラスで大量に現れる(最大9体)。 ただし先に登場する色違いの「ピスコディーモン」と違い普通に逃亡できるので逃走により戦闘は回避可能。また内部レベルが低めであり、こちらがLv30付近になると自分から逃げるようになる。 上記に比べると、多少脅威では劣るが同時期に即死呪文「デス」をバシバシ使いまくる雑魚敵も出現する。こちらは出現数が少なめなのが救い。 1では戦闘不能の回復手段はレイズ系魔法だけで、しかも戦闘中には使えないため、余計に即死攻撃が恐ろしい。 戦闘で、複数のキャラで同じ敵を攻撃した場合、早い番のキャラで倒してしまうと、他のキャラの攻撃は他の敵に振り替えられず、無駄攻撃で「こうかがなかった」になってしまう。 いわゆるオートターゲットが存在しない。もっともこれ自体は当時のRPGでは珍しいものではない。 回復しない状態異常にかかると戦闘後に隊列順が変わる。 治療した上でいちいちまた戻すのが面倒。しかも押し出し式でなく、先頭がかかるとなぜか4人目と入れ替わる。最後尾のキャラが最前列になってしまうため、戻し忘れて再び戦闘に入るとエラい目に遭うことに。 いくつかの宝箱は中身を共有していて、特定の場所の宝箱を開けると別の宝箱の中身がカラになる。 中身は同じためどこの場所を開けようとプレイヤーに損はないのだが、この仕様について全く説明がない。 中には扉が封印されていて、カギ入手後でないと開けられない部屋もあるのだが、いざ開けてみると、宝箱の中身は安いギルだったり店でも買えるアイテムだったりすることがある。それらはわざわざ封印した部屋に置くには見合わない。 宝箱は開封しても見た目が変わらないので、ダンジョンを複数回に分けて探索する場合は記憶やメモが必要。 上述の中身を共有している宝箱はかなり紛らわしい。 ある程度進むと武器も防具も買う必要が無くなる。 ダンジョンの宝箱で武器も防具もラストまで順々に賄えてしまう。探索の褒美としては良いかもしれないが、買い物が中盤以降は殆ど魔法とポーションだけとなる。 戦闘時のBGMは1曲のみ。 さらにはザコからラスボスまで一貫して同じBGMであるため、ボス戦やラスボス戦でも緊迫感や盛り上がりに欠けてしまう。FC版『ドラクエ』の『I』と『II』でもラスボス戦には専用曲が存在し、本作発売時点でも既にRPGでは「ラスボス=ラスボス専用曲が流れる」演出はお約束となっていたため、初見ではラスボスを倒した後にEDが唐突に始まる印象さえあった。 一応MSX2版でも裏技のサウンドテストでラスボス曲らしき未使用曲を聴く事はできる(実際に使用されているわけではないため推測でしかないが)。なお、リメイク版ではさすがに戦闘時のBGMは追加されている。 ゲームバランス面 『FF』シリーズで比較しても、比較的難易度は高め。 『D D』や『Wizardry』を意識してか魔法は1レベルにつき9回までしか使えず、さらにダンジョン内で使用できるMP回復アイテムが存在しない。 また、これら2作のように戦闘を積極的に回避する手段も存在せず、ダンジョン探索では大量のランダムエンカウントを避けられない。ゆえに、「白魔術士がいても結局大量のポーションが必要になる」「黒魔術士のMPがすぐに枯渇しお荷物になる」といった問題が発生する。 一部の敵が強力。 絶対に逃げられなかったり、麻痺付与の物理攻撃で延々と殴ってきたり、強力な全体攻撃魔法を連発してあっという間に全滅に追い込んだり、全体へ麻痺の特殊攻撃→即死効果が付与された物理攻撃の凶悪コンボを行ってきたり…。 おまけに上記に当て嵌まる雑魚敵に限って、小型で複数体出るケースが多い。大量出現時に先手を取られると悲惨な事になる事もしばしば。 終盤は魔法アイテムや強力な武具でゴリ押しが効く、というよりも、ゴリ押ししなければやってられない難度となってくる。 他社製品からの流用問題 かなり多数(というよりほぼ全て)のモンスターの能力設定とデザイン、アイテム、システムの根幹部分がテーブルトークRPGの有名作『ダンジョンズ ドラゴンズ(D D)』『アドバンスト・ダンジョンズ ドラゴンズ(AD D)』(*4)からの模倣となっている。 しかし、発売当初は全てオリジナルと発言するなど、著作権などの扱いが緩かった時代の作品ならではの現象ではある。 大半のモンスターは「D D」の名称がそのまま用いられている。当時の日本では馴染みの薄いものも多く、能力や弱点をイメージしづらかった。 特に有名なのはビホルダーで、その特徴的なデザインと能力から他の作品でも引用が激しかったうえに、漫画『BASTARD!』の「鈴木土下座ェ門事件(*5)」で有名になったためか特に問題視された。そしてFC版『I&II』以降は、本作でもビホルダーのみ名前とグラフィックが変更されている。 ただし「ビホルダー」とは「見つめる者」と言う意味の一般名詞でしかないので、名前だけの使用なら問題はなく、続編でも全く姿形の違う「ビホルダー」が登場している(*6)。 なお近年のリメイク作でさえビホルダー以外はそのまま。ビホルダーだけが問題なわけではないのだが…。 一方で海外移植版での英語表記に関しては、ビホルダー以外の危険そうな名前もこっそり変更されていたりする。見た目は変わっていないのだが、名前が違えば言い訳としては立つのだろう。 「体防具扱いの腕輪」「ドラゴン全般に特効するウィルム(翼竜)キラー」「使うとレイズではなくクラウダが発動するレイズサーベル」などもこれらの元ネタを再現したものである。非常に紛らわしい。 こういった要因により、大きな声では言えないが、一部には、本作のことを「D Dを再現したコンピュータRPGとしての傑作」として、『Wizardry』に並ぶか次ぐなどと評価する声もある。 クラス格差 クラスの能力格差がかなり激しいうえ、別クラスには転職できないため、初期編成が攻略難易度に直結する。前述のようにセーブデータは1つだけなので、複数のデータで特性を試しながら使い分けることもできない。 とはいえ「シーフ×4」や「黒魔術士×4」といった極端すぎる編成でもなければ普通にクリアは可能であるし、最強武器「マサムネ」が全クラス装備可能であったりといった救済措置も存在する。普通に進めるならば「戦士、(前衛)、白魔、魔術士系」または「戦士、(前衛×2)、赤魔or白魔」あたりが無難な編成か。 FC版の場合、ゲーム開始時のデフォルト設定は「戦士、シーフ、モンク、赤魔術士」となっている。それなりにバランスのとれた編成だが、序盤は赤魔術士を2番手に配置したほうが安定感が増す。 一方でWSC等のリメイク版では「戦士、シーフ、白魔術士、黒魔術士」となっている。使い勝手の悪いシーフと黒魔術士の二人が揃ってしまっているため、このまま始めてしまうとかなり苦労する。最低でもどちらか一人をもう一人の戦士か、赤魔術士と入れ替えたほうがいい。 なお、「テレポ」か「ダテレポ」を使えるジョブを入れておかないとラストダンジョンから帰れなくなってしまうので、全員戦士系といったパーティの場合は大変な事になる。 + 各クラスの使い勝手・簡単な評価など 戦士→ナイト HPの伸びがよく、装備が充実しているため攻守に渡り最後まで活躍が見込める。ナイトにクラスチェンジすると低Lvの白魔法も使えるようになる。 最序盤だけは全員がどんぐりの背比べ状態だが、戦士はそこから真っ先に頭一つ抜けて実力を発揮してくれる。攻撃力だけは終盤以降(リメイク等では中盤より)モンクのチートぶり(後述)に追い抜かれるが、それでも十分に一線級。そして防御面は最後まで優秀で、安心感がある。 序盤は装備品購入のための費用がかさむのが欠点。鉄鎧とブロードソードを揃えるまでは鉄板か? それ以降では宝箱から入手出来る装備で二人分ほどはカバー可能。もっとも、装備すら出来ない他のジョブからすれば贅沢な悩みと言える。 クラスチェンジで装備はさらに充実する。低Lvの白魔法も習得可能になるので「ブリンク」で回避率を上げてさらなる鉄壁化も可能。回復魔法も移動中であればポーションの節約になる。 そもそも防具の都合上、最低でも1人はナイトがいないと最終的にPTメンバーで主要な耐性を揃えることができず、難易度が大きく変わる。 耐久面が最も安定しているため、魔法アイテムを最も活用できるのも結局は本職となる。 ただし戦士は普通に殴っているだけでも強い。他ジョブの仲間がいて欠点を補えるなら、そちらに持たせておいた方がいい。 力や体力は無論のこと幸運の成長率も高く、遅くともLv18になるころには後述の「シーフ並の逃走率」を確保できる。 隠しパラメータである魔法防御力の成長度もモンクに次いで高い。クラスチェンジで鈍ることもなく、ゲーム全般通して状態異常に強いのも頼もしい。 シーフ→忍者 前衛内では恐らく最弱。というのも装備面での貧弱さゆえに戦闘能力は(魔法抜きですら)赤魔を大きく下回る。もちろん魔法も使えない。素早さも高いように見えて、実は他のジョブと変わらない。 特に序盤で活躍出来る要となる「ミスリルソード」は装備不可。赤魔は装備可能であり、一気に水をあけられてしまう。クラスチェンジすると装備可能となるが、この頃になるともっと強い武器が手に入るのでほとんど意味がない。 「アイテムを盗む」「罠を見破る」「宝箱や扉を開錠する」などのシーフらしい特技は一切持っていない。 数少ない強みは「運が良くて逃げやすい」こと…なのだが、実は「幸運が16以上、かつ隊列の二番目まで」であればどのジョブでも高確率で(というか100%確実に)逃げられる。要は他のジョブの幸運が16以上になればこの長所は意味があまりなくなってしまう。 一応シーフはLv2で必ず16になる強みはあるが、防具の貧弱さから三番目以下に下げられてしまうことも多いので、前情報無しの通常プレイではあまり活かせないことが多い。また、逃げられないように設定されている敵からはたとえシーフがいても逃げられない。 忍者にクラスチェンジ後は装備可能品が増加し、低Lvの黒魔法も使えるようになる。攻撃回数を増やす「ヘイスト」が有用なのはもちろん、中位止まりとはいえ任意の属性の全体攻撃魔法を使えるので、味方との連携で殲滅を狙えるのは強み。 しかしクラスチェンジの前後くらいから魔法アイテムが充実しだし、結果的にジョブ間の格差が緩和されるため、この時期になってからテコ入れされても手遅れ感が強い。そして初期ほど辛くはなくなるだけで、やっぱり相対的な評価は低めのまま。 忍者になって装備可能となる武具の中には、「登場時点で装備できていたなら強かっただろうが、今更?」と言いたくなるものも多い。その筆頭例が前述の「ミスリルソード」。 肉弾戦ではナイトに劣り、魔法では赤魔道士に劣る。最終的には両者を足して2で割ったような性能に落ち着く。 モンク→スーパーモンク 序盤は武器も防具もパッとしない。HPも中盤までは決して高いわけではない。ただし「レベルアップに応じて素手時の攻撃力、及び防具を全て外した時の防御力が上昇する」という仕様があるので、終盤では(リメイク等では中盤からは)拳一つで戦士を凌駕するダメージを叩き出すようになる。 極まったモンクはラスボスすら一撃の下に葬り去れる。ただしそこまで達する頃には、モンク抜きでも余裕でゲームを終わらせられるというのが残念なところ。 武器はヌンチャク2種と杖系を装備可能なのだが、これらを装備してしまうと絶対的な破壊力を発揮できずに弱いジョブになってしまう。しかし序盤は素手も弱いので、貧弱なこれらの武器に頼るほかない。素手の特性は説明書には書かれていないために、プレイヤーが気付けなければ地雷ジョブになる事も。 また防御力を高めるために「防具を全て外す」ということは、防具由来の属性耐性を得られなくなることも意味する。 本作では状態異常を回避するのにも属性耐性がかかわり、また終盤ほど防具による耐性の恩恵が大きくなるため、これを活用できないのは痛い。身に着けられる防具は最後まで最弱クラスだが、それでも装備しておくことが推奨されている。 ただし耐性を諦めるなら防具も着なくてよくなるので、開き直って装備はせずに、身に着けられない魔法効果の防具をかき集めるということも可能。またこの場合、仲間の防具スロットの調整役としても働ける。ただし素手の攻撃力と違い、素肌防御は群を抜いて高いわけではないので物理面でもやや危険だが。 最終的には「高HP、単体高威力、高被弾」というピーキーな性能と化す。敵の数の多いFF1ではこの消耗の大きさも難点ではある。 結論として『序盤は弱め、中盤は戦士とトントン、後半で爆発!』といったところ。防御面で不安、終盤はバランスブレイカーすれすれだがそこまで行くと何をやっても余裕…となる点を考えると、「大器晩成」「ロマンを追及する」「貧弱な子がジワジワ強くなる姿を愛でる」やり込みクラスと言える。 なお、モンクのみクラスチェンジのメリットが一切無く、それどころか魔法防御力の成長度が下がるという不可解な仕様がある。 設定ミスなのか意図的な仕様なのかどうかは不明だが、WSC版・PS版でもそのままで、GBA版でようやくクラスチェンジ後の方が魔法防御がより成長するように変更された。 白魔術士→白魔道士 回復の専門家という触れ込みなのだが、肝心の回復魔法があまりあてにならないのがネック。 魔法抜きだと基礎能力は貧弱で、戦力として期待できない。 魔術士系全般に言えることだが、Lvを上げても魔法の使用回数は各Lv毎に9回が限度。おまけに回復魔法の回復量も異様に少ない。白魔がいても結局、大量のポーションを準備しておく必要がある。 とはいえ蘇生魔法「レイズ」をクラスチェンジ前に使えるといった白魔術士のみの強みもあるので、黒魔術士と比べたらはるかにマシとは言える。 厄介なアンデッドを一掃できる「ディア」系統の魔法も、こと序盤から中盤においてかなり活躍する。ただしどういうモンスターが「アンデッド」なのか、作中に一切説明はないのが問題ではある。 回復魔法中では最上級の「ケアルガ」のみ、一発でHPを完全回復でき、おまけに状態異常も治療するため実用レベル。ただし高レベルゆえ使用回数の伸びが悪く、購入可能になるのも遅めで使える機会が限られる。 同じく魔術士系全般に言える事だが、魔法の価格が中盤・後半とどんどんインフレしていき、装備品のコストパフォーマンスも悪いので、実際には戦士よりもはるかに金食い虫である。 黒魔術士→黒魔道士 乏しい魔法使用回数制の被害を最も大きくこうむっている苦難のジョブ。序盤はほんの数回で打ち止めとなる魔法が貴重な命綱、中盤以降もMPの伸びより戦闘回数が増える負担増の方が激しく、魔法の使いどころが難しい。 後半は魔法効果の発動できるアイテムがばら撒かれ、誰でも中級クラスの全体攻撃魔法が使い放題となる。このため黒魔の取り柄は上級魔法くらいとなるが、ゲームが進行するほど敵の魔法回避が高くなり、魔法の効き目が鈍くなるため活用しにくい。 HPが絶望的に低く、最後列へ配置していても、事故的に飛んできた軽い被弾で簡単に沈む。ボスどころか、ザコに殴られ即死することも珍しくない。中盤以降は全体攻撃に晒されることも増えるため、HP・防御力に欠ける黒魔はなおのこと死にやすくなる。 中盤以降は魔法の価格が暴騰し始め、パーティーの財政事情まで圧迫するのも問題点である。 後半戦では大量の雑魚掃除に「フレアー」を撃つ、「ヘイスト」を前衛にかけて支援するくらいしか活躍の場がない。ただし「ヘイスト」は忍者と赤魔も使える。そして彼らと違い魔法使用回数が無くなると途端にお荷物と化す。 「知性」のパラメータが非常に高いのが特徴だが、実は本作の知性は何の効果も無い。攻撃魔法の威力は完全に使用した魔法と相手の耐性に依存しており、同じ魔法なら他のジョブがアイテム使用で発動させた場合も効果は全く変わらない。 一応、序盤から中盤におけるピンポイントの切り札としてならば黒魔術士にも活路はある。序盤の攻撃魔法はそこそこ頼りになるし、全体攻撃魔法が早いうちから扱えるのも便利。中盤以降に期待されるのは、ほとんど「ヘイスト」役となってしまうが。 また、強力な魔法アイテムを装備欄を圧迫することなく持てるのは黒魔術士のみである。 赤魔術士→赤魔道士 「白魔法と黒魔法を両方使えるが、中には使えない魔法もある」という触れ込みなのだが…。実は魔法ばかりでなく、物理面もかなりのハイスペックという優遇クラス。 特にクラスチェンジ前においては、戦士に次ぐ防御力を誇る堂々の前衛クラスである。攻撃力もシーフやモンクより高い。 さすがに中盤以降は専門クラスに追いつかれ、やがて抜かれる。 魔法を使わなくても普段は打撃でそこそこ戦える。こと前半は物理面でもシーフやモンクより強く、戦士に準ずる優秀な戦力となる。その上で必要に応じ魔法も使えるのだから超強力。 黒魔術士と同様、かなり早めの時点から、全体攻撃魔法で敵を一掃可能となる点も魅力の一つ。使用回数こそやや劣るが、いざというとき用の切り札や、金稼ぎの効率を高めるための手段としてならさほど問題ない。 また白魔道士や黒魔道士より魔法使用回数が少ないと言っても、そもそも彼らでさえ前述した通り使用回数は9回で頭打ちなので、さほど気にならない。 一方でレベル8の魔法は一切覚えられない(何故か使用回数はレベルに伴い増加する)。レベル7の魔法も「ブリザガ」「バマジク」を除いては覚えられないため、魔法欄に空欄が出来てしまう。 しかしながら、全体攻撃魔法・テレポ系・蘇生魔法のレイズと、クリアするために最低限必要な魔法はすべて揃っているため、一人いれば攻略上はぐっと楽になる。 弱点は魔法も武器も防具も揃えなくてはならないためトップクラスの金食い虫であることと、HPが黒魔の次に低いこと。後半に入ってからは装備可能な防具が他の魔法使いと大差なくなることも重なり、耐久面に不安が出てくる。 とはいえ、中盤までは戦士のお下がり装備がそのまま流用出来る事も多く、一人居ればPTの戦力が一回り上がるお手軽感は非常に便利。ジョブ間の戦力差が際立つ難所は前半に集中しているため、この時期を支えてくれる赤魔は極めて頼もしい。 総評 前年発売された『ドラゴンクエスト』に端を発するRPGブームの中で制作された作品ではあるが、『ドラクエ』の模倣に終始せず様々な実験的な試みが盛り込まれているため、趣きは大きく異なる。「RPGブームを作ったドラクエの後を追う形で発売された」という意味ではドラクエフォロワーと言えるが、実際のところは様々な要素を『ダンジョンズ ドラゴンズ』シリーズから取り入れているため、言ってみれば「D Dフォロワー」に近い。 シリーズ初作ゆえにいろいろと粗も目立つが、多作品の模倣には賛否はあれど様々な意欲的かつ大胆な新機軸を取り入れた結果、単なる亜流作品に留まらない独自のカラーを第1作目にして確立し、後のシリーズの礎を作り上げたことは特筆すべき点であろう。 余談 先述の「マヒした」→「いのちをうばわれた……」の超凶悪コンボは、全体マヒ技の名前が「ブラスター」になっただけで次作でも引き継がれる。 ただ「そのモンスターはだいぶ終盤にならないと出ない」「出現数も少なくなり最大で6体(タフさでは増しているのであまり意味はないかも知れないが)」「魔法防御をとことん鍛えまくることで対処可能」と、その脅威はだいぶ軽減されている。 また同名の「マインドブラスト」は『III』で復活するが、それの使い手はボス1体のみで、死の追加効果も持っていないのでそれほど脅威ではない。また一応こちらも多少運に左右されるが使用可能。一方で「ブラスター」は『IV』で再度復活した際、そのものに即死効果が加わり「マヒまたは即死(*7)」となった。何故か「打撃追加効果での死」の要素が混じった形になった。 本作の白魔法「デスペル」は本来の意味は「デ スペル」であって「デス ペル」ではないのだが当時のRPGの代表格『ドラゴンクエストシリーズ』では、下位の名前に何かを付加するのが恒例だったことで説明書のない中古購入者などは黒魔法「デス」の強化版という誤解した人もいた。 『II』でも存在するため同様のケースで同様の誤解を生じさせたことがあった。 文字数の有効範囲が広がった『IV』で「ディスペル」と誤解のない名前になった。 『III』では似た位置付けの魔法は黒魔法として「イレース」がある。 当時としては画期的な要素を多く取り込んだ意欲作ではあったが、発売前はあまり評判になっていなかった。 ドラクエとはまた異なる幻想的かつリアルなファンタジー世界がパソコンマニア層のRPGファンをひきつけたことで徐々に知名度と売り上げを伸ばしていったという。 週刊少年ジャンプの当時のゲームコーナー「ファミコン神拳」におけるレビューではかなりの低評価であったが、発売後にその際の記述がおかしいとして問題視された。 ちなみにコーナー担当の1人が堀井雄二であったため、ライバル的存在への攻撃と目された。ファミコン神拳によるこきおろしは続編でも展開されるが、ファミコン神拳の後継企画である『芸魔団』では新作情報(『V』『VI』)を取り上げたり開発陣へインタビューしたりと、ファイナルファンタジーシリーズへの歩み寄りを見せている。 後に「日本初のネガキャン」と揶揄される程の酷さで、ジャンプ以外でもコーナー担当者達はファイナルファンタジーをこき下ろす批評をおこなっている。 特にキム皇に関しては、他紙ファミリーコンピュータマガジンですら『II』までこき下ろしで、しかも、このゲームカタログに書かれている様な問題点を掲げずに「嫌い」という一点でのレビューはかなりの不評であった。 『ドラクエIII』の発売延期に救われたタイトルとしても有名。 あちらの当初の発売予定とほぼ同時期に重なっていたため、『ドラクエ』側が延期しなかったなら『FF』は本当に幻想のまま隠れた名作として終わっていたかもしれない。実際にはあちらが延期してくれたおかげで、RPGというジャンルへ興味を示した一部のマニアを余分に呼び込む結果となった。 クリスマス直前という絶好の商機を、同ジャンル最大のライバル抜き、かつ話題性だけは急騰中という好条件で迎えられたことも大きい。結果として『FF』は日本が世界に誇るRPGシリーズとなった。 この頃のスクウェアは経営が非常に苦しく倒産寸前の状態で、「本作がヒットしなかったら会社を畳む」という話が出ていたほどだったという。まさに『ファイナルファンタジー』というタイトルにふさわしく土壇場でスクウェアを救ったソフトと言えよう。 ただし、製作者の坂口氏は「会社が当時苦しかったのは事実だが、Fで始まる単語ならなんでもよかった」と命名に直接関連はないとして否定するコメントを出している。 命名を「最後の夢を託すー」としたにしては、音楽以外が外注多めである。 「デスマシーン」というレアモンスターが存在する。 エンカウントは終盤のダンジョンの短い一本道のみ、しかも電源を入れてから100回以上戦闘しないと遭遇すら出来ないが、その強さはそのダンジョンのボス以上で、運悪く先制攻撃を仕掛けられたら一瞬で壊滅状態になることも。 『魔界塔士Sa・Ga』及び『Sa・Ga2 秘宝伝説』では全く同名で容姿も類似したボスキャラが登場している。 船で上陸できるのは本来なら港に限られるが、船とカヌーを所持していてかつ川と海が繋がっている箇所ならば、海上の船から川のカヌーに直接乗り移って移動できる。つまり河口が港の代わりになる。 バグのようにも見えるがストーリー進行が破綻する箇所はなく、そもそも説明書の乗り物紹介にも河口からカヌーに乗って移動している写真が使われているのでれっきとした仕様である模様。後の移植版でも再現されている。 『Sa・Ga』2作も後述の版権問題となった上記の「ビホルダー」が「ビホールダー」と呼称が若干違うだけで登場しているため影響を受けている。 本作では「ビホルダー」が「イビルアイ」で、「デスビホルダー」が「デスアイ」だが『Sa・Ga』では「イビルアイ」は「イーブルアイ」と呼称が微妙に違う形で既存だったため「ビホールダー」が「デスアイ」となった。 『III』以降の後年作品ではいずれも「飛空艇」で呼称が統一されているが、実は本作と次作の時点では「飛空船」であった。 ただ本作の攻略書籍では一部「飛空艇」表記が使われているものもある。 また上記飛空船入手に必要なアイテム「浮遊石」に関しても、前年公開されたスタジオジブリのアニメ映画『天空の城ラピュタ』でヒロインのシータが持っていた「飛行石」と似たようなニュアンスとして被っていることもあり、これに関してもごっちゃにした名称を誤認されがち。 実際『ラピュタ』でも、似たような空飛ぶプロペラ船が登場する(もっともこれは『ラピュタ』に限らず宮崎アニメ全般に言えること)。 移植 2000年代に入ってから多くの機種に移植されるようになったが、同時代の他機種移植はMSX2版(1989年12月22日発売)だけである。 しかもスクウェア自身の手による移植ではなく、他社(マイクロキャビン)によるものであった。 なお、オリジナル版(厳密には下にも書く通り『I・II』版)はWii/WiiU/3DSのバーチャルコンソールで、PSリメイク版はPS3/PSPのゲームアーカイブスで配信されてもいる。 MSX2版 1989年12月22日発売。サウンドはFM音源対応で強化されたが、スクロールが劣化していたりROMカセットでなかったりのため、ゲームとしてやり辛いモノに。 ゲームを起動するとウィンドウのベースカラー(最初のメッセージの背景色)が何故か水色。同時発色数がファミコンより多めなのでBGキャラクタパターンがアレンジされ綺麗になっている。 一方でスクロールはガクガク(*8)であり、戦闘ごとに長いディスクアクセスのある仕様(ファンファーレを鳴らすのにもアクセスあり)で快適とは言いがたいものだった。 セーブ用に空きディスクを1枚使う。これについてはディスクの所持数が許す限りバックアップ用や別パーティー用にセーブデータを増やせる利点になったが、1枚に複数セーブは出来ない。 モンクの性質が全く異なる。素手の攻撃力が成長しない代わりに武器装備時でも攻撃回数が倍増する。装備制限は同様なので、序盤と最終盤に特化した癖の強いジョブに。 FC版『ファイナルファンタジーI・II』 1994年2月27日発売。ニューファミコンに合わせて発売された、FC版I・IIを1本のソフトに収めたカップリング作品。簡易的な攻略本も付属。 同時期にSFCリメイク版『ドラゴンクエストI・II』が発売されていたこともあり、本作もそのタイトルからリメイクと勘違いされることもあったが、実際はバンドルにした復刻版である。 タイトル画面で両タイトルを選択する方式で、内容はオリジナルであるFC版から基本的に変わらないものの、Iは諸事情(版権問題)によりビホルダーとデスビホルダーのグラフィックのみが差し替えられた。ゲーム中のモンスター名は変わっていないが、ソフト付属の攻略本では名前も変わっている。 余談だが『II』のほうでもオープニングの脱字が修正されている。バグは修正されていないが、付属の攻略本で注意を促している。 バーチャルコンソール版はこちらの移植が準拠となっている。 既存作のカップリング版ながらテレビでのCMも行われた。ただしゲーム画面は一切出てこないものだった。また、これは全てのファミコンソフトで最後のCMとなった。 WSC版 2000年12月9日発売。『FF』初のリメイクである。グラフィックは完全に描き直され、より遊びやすい仕様に変更されている。WSCのキラータイトルとなった。 詳しくは本項内で後述。 PS版 2002年10月31日発売。前述のように一部の仕様はFC版に逆戻りしている。 WSC版をベースにグラフィックやBGMを強化。オープニングムービーやモンスター図鑑、ギャラリーモードも追加された。 メモファイルによるクイックセーブ&ロードに対応。移動中ならどこでもセーブでき、電源を落とさない限り何度でもロードできるので難易度は低下。 レベルアップが早く魔法の使用回数が大幅に増えたイージーモードも搭載。 ケータイアプリ(imode・EZアプリ)版 2004年3月1日発売。同じくWSC版がベースだが、グラフィックやBGMは一部FC版のものを流用している。 GBA版『ファイナルファンタジーI・II アドバンス』 2004年7月29日発売。テキストやゲームシステムに大きく手が加えられ、オリジナルとはかなり異なる内容になっている。以降のリメイクは基本的にこちらに準拠している。 詳しくは個別項目を参照。 PSP版 2007年4月19日発売。上記GBA版がベース+追加要素。 詳しくは個別項目を参照。 iPhone / iPod touch版 上記PSP版とほぼ同一の内容。 Android版 システムやゲームバランスはPSP版がベースだが、追加ダンジョンなどがオミットされている。 3DS版 2015年1月21日発売。3DSの立体視表示に合わせてグラフィックが若干作り直されている程度で、基本的にはPSP版とほぼ同様。 『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』(パッケージ版)の早期購入特典として無料で先行配信された後、単体で1,100円(税10%込)で販売されている。 ピクセルリマスター版(Steam/iOS/Android) 2021年7月29日発売。 詳しくは個別項目を参照。 その他 本作が発売されてから年月がかかり、コミック版が発売されたり、ゲームブック版が発売されたりした。 コミック ゲームのストーリーをベースに予め用意されたオリジナルキャラクター「パフィ・トルテ」という女性戦士を主人公としたコミック版。作者は海明寺裕。原作では非戦闘NPCのマトーヤが最初から仲間にいる上、セーラやビッケ、さらにはバハムートまでもがパーティーメンバーに加入するなどのオリジナル要素が満載。 ゲームブック 双葉社刊『ファミコン冒険ブック ファイナルファンタジー 勇者に光あれ!』と剄文社刊『アドベンチャーヒーローブックス ファイナルファンタジー クリスタル継承伝説』の2冊が出ている。 双葉社版 冒険の舞台は本作の大陸が湖、海が陸地になっている水陸が入れ替わった別世界。主人公はトーイ(戦士)、ロム(シーフ)、マレク(モンク)、ギア(赤魔術士)の4人。エンディングで役目を終えたクリスタルの光が消え、倒すべき闇が別の世界へ逃げ去った事、本作のOPで流れる光の戦士の言い伝えの一説が語られるなど本作への繋がりを想起させるストーリーとなっている。 剄文社版 本作の約200年前、オンラクの海底神殿で目覚めた水のカオスクラーケンを倒すため、謎の少女ティアに導かれ水のクリスタルを捜す旅に出た少年アレフが主人公。エンディングでクラーケンを深手を負わせ一時の平和を取り戻すが、完全に倒す事は出来ず、後世に水のクリスタルを受け継いでいくという本作へ続く内容になっている。 その後の展開 2021年6月に『NINJA GAIDEN』や『仁王』で知られるTeam NINJAとスクウェア・エニックスが共同開発するアクションRPG『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』が発表された。 同作には「光の戦士」や「カオス」と言ったワードやタイトルの「ORIGIN (起源)」等、シリーズ第1作である本作を連想させる要素がある。対応機種はPS5/XSX/PS4/One/Winで、2022年の発売が予定されている。 ファイナルファンタジー (WSC版) 【ふぁいなるふぁんたじー】 対応機種 ワンダースワンカラー 発売 スクウェア 開発元 KAN NAVI 発売日 2000年12月9日 定価 4,800円(税別) プレイ人数 1人 セーブデータ 8個(バッテリーバックアップ) 備考 WSC同梱版 2000年12月9日/9,999円(税別) 判定 良作 ポイント FF初のリメイク作品ワンダースワンのキラータイトル 概要(WSC) 『ファイナルファンタジー』のワンダースワンカラーによるリメイク。 当時、『FF』シリーズは既に『ドラクエシリーズ』と並ぶ大作シリーズであったが、ドラクエシリーズでは原点となる『I・II』がSFCでリメイクされていたために触れやすかったのに対し、『FF』シリーズで『I』を遊ぶにはFC版のオリジナル、またはカップリング移植の『I・II』をプレイするしかなかった。 これはスクウェアの「作品をリメイクするぐらいならば、そのリソースを使って新作を作った方がよい」という方針(*9)により、リメイクそのものに消極的だったためであるが、2000年に入るとFC(及びニューファミコン)は完全に旧式のハードとなってしまい、プレイするハードルが高くなっていた。 そんな中、新たに発売された携帯機のワンダースワンカラーにて『ファイナルファンタジー』『II』『III』のリメイクが発表され、『I』から順に発売される事となった。 それまでの移植とは異なり、シリーズで初めて大々的なリメイクを行ったものであり、グラフィックをはじめ、ゲームバランスやインターフェースがSFCシリーズ(『IV』~『V』付近)に近い物へと改良されている。 特徴(WSC) グラフィックを刷新 グラフィック全般を刷新。各ジョブのグラフィックはオリジナル版ではなく、現行のシリーズにおけるイメージに沿った物へと描きかえられている。 たとえばFC版の「シーフ」は水色の髪をした厳つい雰囲気の男で、後に『II』のガイへと流用されているが、WSC版ではバンダナを巻いた身軽そうな若者風で、『V』のシーフ(バッツ)に近い姿になっている。 上級職になった際も頭身が上がるのではなく、服装や外見が大きく変わるようになった。ゴリマッチョなFC版のグラを懐かしむプレイヤーもいるとか…。 モンスターのグラフィックも描きなおされており、概ねは原作の構図と同じだが、中ボスのアストスが雑魚敵のダークエルフの色違いではなく、巨大なボスとして描かれている等の違いがある。 特にエレメントカオス等の巨大ボスは面影を残しつつも、より詳細に迫力のあるドット絵に描きなおされている。 BGMの追加 イベントシーンのBGMや教会BGMなど新規BGMが追加。ボス戦BGMは全てFC版戦闘BGMのアレンジで4曲追加されている。 後のPS版以降のリメイク作品ではBGMにイントロが加わるといった大きくアレンジが施されたが、本作のBGMは譜面的にはFC版に近い物となっている。 インターフェースの改善 素早く移動する「ダッシュ」と、ターゲットが死んだり逃げた際に別の敵を攻撃する「オートターゲット」を実装。 オリジナルでは効果がなかった、戦闘中の「レイズ」「アレイズ」「ストナ」「きんのはり」を有効にする事も可能。 上の機能は、使用の可否を任意に切り替えることが可能。オリジナルの仕様に近づけたければ切ることも出来る。 ショップの内部の追加、および仕様の改善。特にアイテムのまとめ買いが出来るようになったのでポーションや毒消しを揃えやすくなった。 また、購入処理のテンポの悪さも解消された。 セーブデータの増加。8つのファイルを自由に選んでセーブが可能。 セーブの手段自体はFC版と同様。宿に泊まるか、フィールド上で宿泊アイテムを使用することにより記録できる。 演出の強化 一部のテキストの変更。 基本的にテキストはFC版に忠実ではあるが、ボス戦前等の重要イベントはテキストが変更されていることが多い。…と、いうのも、FC版はメッセージウィンドウがスクロールしないため、どうしてもセリフを1ウィンドウ内で収める必要があり、駆け足気味でストーリーの背景がつかみにくかった(*10)。これにより、一部のボスが喋るようになったり、より詳細な背景が描かれるようになった。 イベントの強化 コーネリア王に橋を作ってもらうなどのシーン等の追加イベントに加え、ムービー風のイベントシーンが追加された。 リュートを使用すると先頭のキャラが奏でるなど、キャラクターのアニメーションも行われるようになった。 エフェクトの強化 各武器の太刀筋や魔法のエフェクトにも専用のものが用意され、全体的に見栄えが良くなった。 初心者へのフォローの追加 FC版では開始時にイベントを無視していきなり最初のボスであるガーランドに挑む事が出来たが、WSC版ではコーネリアの街に入った時点で入り口に兵士が配置されてコーネリア王の下へ連れていかれるイベントが追加された。 加えてコーネリア王からガーランド討伐を依頼されるまではカオス神殿の扉が通れなくなり、ストーリーが全くわからないまま進むという事が無くなった。 追加された宿の内部マップにはシリーズお馴染みの「初心者の館」に相当する施設があり、システムやモンスターの詳しい解説を聞く事が出来る。 アイテムや装備品等を使用した際の効果がヘルプメッセージで表示されるようになったため、攻略情報なしでも魔法アイテムの存在がわかるようになった。 バランスの調整 装備品が「武器防具をそれぞれ一人4つずつ」という個人管理ではなくなり、共通でかつ無限に所持できるようになった。魔法アイテムを保持しやすくなり、難易度の低下に一役買っている。 覚えた魔法を忘れることが可能になったため、不要な魔法を消して別の魔法を買い直すことができるようになった。 FC版ではバグにより動作していなかった魔法が一部修正され、正常に動作するようになった。 これにより空気魔法だった「ストライ」で攻撃力の底上げを図れるようになり、一気に主力魔法に転じる事になった。 自身の命中率と攻撃力を底上げする「セーバー」も効果が発揮できるようになり、使うとセーバーが発動する「きょじんのこて」もアイテム管理の仕様変更により保持しやすく、「ナイト」等の主力をお手軽に底上げする事が可能。本来の使用者である黒魔道士ではやっぱり使わない魔法だが… また、FC版では効果が全く無かった「シェイプ」は正常に敵単体の回避率を下げるようになった。一方でバグにより、敵全体の回避率を上げる「シェイラ」には修正が入っておらず、全てのバグが取りきれたわけではない。もっともストライやセーバーと違い、そもそも本作には回避率の高いモンスターがほとんどおらずシェイプ・シェイラ共に使い道が薄いものであったため、重大視されることはなかった(*11)。 一部のモンスターの行動パターンの変更。大量に出現して絶えず全体魔法の「ファイラ」を使う難敵だった「ラクシャーサ」の使用魔法が単体攻撃の「ファイア」に弱体化する等、一部のモンスターの行動パターンが緩和されている。 一部のボスのHPが増加。 FC版に比べ、HPが倍増しているためにボスの手ごわさが増した。それでもスーパーモンクの一撃で沈む点はあまり変わっていないが。 クリティカル率や属性にまつわる一部のバグや設定ミスがきちんと修正されている。 「シャープソード」は能力が低い代わりにクリティカル率が高いという設定だったため、これで初めて光を見た。後の移植版では、(おそらく意図的に)FC版と同様の設定に戻されてしまいガッカリ武器に舞い戻っていたが、ピクセルリマスター版では再び正しく設定されている。 ただし、この修正により、ほとんどの武器のクリティカル率はFC版と比べて低下し、しかも後半の武器ほど低下幅は大きくなってしまっている。この修正で強化されたのはほぼ「レイピア」と「ヌンチャク」だけと言っていい。クリティカルヒットは防御力無視の追加ダメージなので、敵の防御力が高くなる後半ほど重要度は高くなるのだが、この修正のせいで目に見えて中盤以降の武器火力は低下してしまっている。終盤の武器で言えばエクスカリバーは約8分の1、マサムネでも約4分の1の発生率に…。 逃走判定の計算式の仕様変更。 「隊列の1番目か2番目のキャラの幸運が16以上あれば(逃げられる敵構成であれば)100%確実に逃走可能」であったFC版と異なり、確実に逃走可能な手段はなくなってしまったものの、17以上の幸運の数値や3番目&4番目のキャラの幸運にもちゃんと意味が出てきた他、FC版で完全なる死にステータスであった知性が逃走率に関係するように。これにより、黒魔の無意味に高かった知性にも(他ステータスに比べると有用性の低さは否めないものの)一応意味が出てきた。 その他の変更点 ビホルダーとデスビホルダーの完全差し替え 版権的に問題があった2体だが、本作では「イビルアイ」「デスアイ」に改称され、グラフィックも含めて完全に差し替えられた。 15パズルのクリアタイムが記録され、更新するたびに多額の賞金を得られるようになった。 毒を受けた際などに順番が強制変更されるような事は無くなり、煩雑さが改善されている。 評価点(WSC) オリジナルを尊重しつつも非常に快適。 様々な改善によってプレイしやすくなったものの、必要以上に易しくはなっておらずにFC版譲りの骨太なバランスを楽しむ事が出来る。 バグや設定ミスの大半が修正され、それでいて基本的な仕様や設定面は概ねそのまま維持されている。おそらくはこのWSC版が、FC版の本来目指していたバランスに最も近いFF1だろう。 問題点(WSC) 一部のバランスの悪化 一部の敵はFC版よりも強化されており、特に最難関のダンジョンである「氷の洞窟」に登場する「ダークウィザード」の行動パターンが「1ターン目にデス」から「1ターン目にファイガ」に変更されており、凶悪さが増した。FC版ならば一人に対する即死魔法で済んでいたのが、食らったら即全滅級の全体魔法に変更されており、ただでさえ難しい「氷の洞窟」の難易度が跳ね上がった。 もっとも、既にFC版の時点でダークウィザードは2ターン目にファイガと同じく強力な全体攻撃魔法であるサンガーを使ってくる非常に危険な敵であったため、正直なところそこまで大きく変わりはないのだが。 ランダムエンカウントの確率が全体的に引き上げられた。これは以降のリメイク版にも引き継がれている。 FC版の歩数エンカウントが廃止され、完全なランダムエンカウントになった。しかもそのエンカウント率がFC版と比較して顕著に高く、エンカウントしない最低保障歩数も一切存在していないため、数歩歩くだけで次のエンカウントが発生するなんて事態が起こるようになってしまっている。 更に原作では敵パーティのエンカウントパターンもマップによって固定であったため、上級テクニックではあるが危険な敵を意図的に回避して攻略することも可能な仕様だったのだが、こちらも修正されて完全にランダムになっている。 前述したボスのHP倍増により味方側にも耐久力が求められ、結果としてジョブ格差がさらに広がってしまった。特に選択肢の限られる序盤において顕著である。 逃走判定において「幸運」パラメータの比重が減り、「敵から逃げやすい」というシーフ本来の特性がほとんど実感できなくなった。 ただし、比重が減ったとはいえ逃走判定には今までと変わらず幸運も関係している他、幸運が16以上に達すれば別にシーフでなくともよかった幸運にちゃんと意味も出てきていると、一概に悪い事ばかりではないのだが。 回復アイテム「ポーション」のメニュー画面での使用時の回復量がFC版の固定30から16~32に変更されており、期待値にして2割ほど減少してしまっている。長期戦になるダンジョン攻略ではかなり響く。 魔法アイテムが持ち放題になったことで、白魔道士と黒魔道士の立場がより悪くなってしまっている。 上記のエンカウント率上昇やボスのHP上昇、クリティカルバグ修正に伴う火力の低下により、システムに慣れたプレイヤーからすると全体的な難易度はFC版よりやや高い。 良くも悪くも忠実な点 魔法の使用回数の最大は9のままであったり、シーフの弱さも据え置き(それどころか、前述のように変更点の多くが結果としてシーフに対して不利に働いている)であったり。追加シナリオや周回プレイ等のおまけ要素も、特に追加はされていない。 内容面がFC版ほぼ据え置きのままで、なまじ操作性が快適になったため、WSC時代のゲームとしてはボリューム不足が感じられる。初見であっても、よほど苦しい編成にしない限り、30時間前後くらいでクリアできる。 本作に慣れたプレイヤーなら、レベルを最大まで育てるようなプレイをしても十数時間で攻略しきれる。 個性的なメッセージの削除 アイテムや魔法を使用する際の「どくだなんてかっこわるいですよ!」「げげっしんでしまった!」といった妙なテンションのナレーションが悉くシリアスなものに差し替えられてしまった。 店のメッセージもウィンドウの仕様が変わった事により変更された。オリジナルと同じく軽いメッセージではあるが、簡素なものとなっている。 おもしろいメッセージだったために差し替えられた事を惜しむユーザーが多数いた。一応、噴水や井戸等を調べた時のメッセージなどは変更されていないため、名残はある。 総評(WSC) 待ち望まれていた原点のリメイクであり、クオリティも高く、また久々の2Dドット絵のFFシリーズでもあった事もあいまってこぞって売れた。 結果的にワンダースワンカラーの最高売り上げを記録し、見事にハードのキラータイトルとなった。 余談(WSC) 本作の成功から、ワンダースワンカラーには過去の作品のカラーリメイクが数多く発売されるようになった。 スクウェアの作品で言えば『半熟ヒーロー』『魔界塔士Sa・Ga』等、他社作で言えば『聖闘士星矢 黄金伝説編 Perfect Edition』等、多岐にわたる。 PS版や携帯電話(フィーチャーフォン)版は本作がベースであり、以後の『FFI』のリメイクの基礎となった作品でもある。 ただし、後にゲームボーイアドバンスで発売された『ファイナルファンタジーI・II アドバンス』は演出やグラフィックこそこれが基準となっているものの、システムが一新されており、メッセージの大規模な改変が行われているためかなり別物となっている。以降GBA版を境に、後の『I』のリメイクは新システムおよび新テキストに準拠しているため、元祖に近いリメイクは実質的にWSC・PS・携帯電話版までとなる。 本作と『II』は無事にワンダースワンカラーにてリメイクが発売されたが、WSCの不振から『III』だけは発売されずに終わり、後にDSで内容が大幅にアレンジされ3Dグラフィック化したリメイクが発売された。 この未発売に終わった『III』は本作と同様にFC版の色を強く残したリメイクであり、3D化とともに主人公たちも個性化されたDSリメイク版とは明らかに異なる。戦闘画面のスクリーンショット等も公開されていた。 ちなみに、WSCには『IV』も移植という形で発売されている。
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「修正依頼」が出ています。問題点を追記できる方はご協力をお願いします。 G.Gシリーズ EXCITING RIVER 【じーじーしりーず えきさいてぃんぐりばー】 ジャンル カヤック操縦アクション 対応機種 ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア) 発売元 ジェンタープライズ 開発元 朱雀 配信開始日 2010年3月17日 価格 200DSiポイント プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所 レーティング CERO A(全年齢対象) 備考 『G.Gシリーズコレクション+』の1タイトルとしても収録 判定 なし ポイント カヤック使用の水上レースゲームカヤック操縦であるが故のクセあり操作性 G.Gシリーズ 概要 特徴・主なルール 評価点 総評 余談 概要 『G.Gシリーズ』の一角である、縦視線による水上レースゲームにあたる。 競技用カヌーの一種であるカヤックを操作し、様々な川辺コースをチャレンジしていく設定。 オートセーブ方式。 特徴・主なルール クセあり操作のカヤックレースアクション。 本作の自機はカヤックである関係上、一般的なレースゲーム感覚でプレイすると苦戦は避けられないだろう。 パドル漕ぎ操作は方向転換と加速の両面を兼ねている。すなわち、左右交互によるパドル漕ぎによる加速を行いつつも、方向転換も併用で行わなければならない事を意味する。 方向転換と加速が同じボタンの操作である為、あらかじめ方向転換をする角度をイメージしておかないと、加速中の方向転換が極めて困難となる恐れが高い。 ステージ中は常に様々な方向転換が求められる場面が多い。「パドル単発漕ぎ・旋回・クイックターン」の3段階のターンを随所に使い分ける的確性も必要となる。 ブーストの使いどころも近道クリアへの重要ポイントとなる。適切な場面で使えばクリア時間が縮まるが、使いどころを誤るとブーストゲージ消費が無駄になるだけで終わってしまう。 パターン把握は要必至。 これはレースゲーム全般にいえる事だが、本作を好成績でクリアするには、操作の極め以上にパターン把握が重要となってくる。 スクロールの速さや"クセあり操作"の件もあり、障害物やリンゴアイテムを見てからの回避(取得)はまず不可能。よって、あらかじめ障害物などの配置パターンの暗記をしなければならない。 ノーマルコース位ならば比較的パターン無視のごり押しクリアは可能だが、ハードコース以上でアドリブクリアするのはまず無理に近い。特にスペシャルコースに関しては、「リンゴアイテムを逃がさずに取得し、的確なるブースト使用で駆け抜けないと確実に制限時間が切れる」程にシビアなバランス調整がされている。 コース選択について。 ゲームを始めると三段階のコースが選択できる。 各コースは「ノーマルコース」「ハードコース」「スペシャルコース」が用意されている。 ゲーム初期時ではノーマル・ハードコースしか選べないが、特定条件を満たせばスペシャルコースも選べる様になる。 各難易度共に全5ステージ(*1)構成。『G.Gシリーズコレクション+』版においては、クリアしたコース内でプレイした範囲のステージセレクトが可能となる。 ゲームの流れ・ゲームオーバー条件について。 カヤック(以下 自機)を操作し、各ステージに定められたゴール地点にたどり着けばステージクリアとなる。 各ステージには制限時間が設けられており、ゴールに到達する前に時間が尽きてしまうとゲームオーバー。その後は該当ステージ最初からの無制限コンティニューが可能。 ステージ中間には2回のチェックポイントがあり、そこを通過すれば特定量の制限時間が回復するボーナス。 敵カヤックや障害物などに自機が触れるとタイムロスのペナルティ。確実にクリアしたいのならば、これらの回避・及び下記のブーストの使いどころが重要となるだろう。 操作系統。 自機の操作は以下の通り。 + 操作の詳細 十字ボタンのいずれか・もしくはLボタンで操縦者左側のパドルを漕ぐ。 押しっぱなしで左旋回、素早く2回押すと左方向へのクイックターンができる。 パドル左漕ぎ・左旋回・左クイックターンの各操作は、自機を左側へと方向旋回させる効果がある。後者になる程に旋回の勢いが激しくなる。 Aボタン・もしくはRボタンで操縦者右側のパドルを漕ぐ。 押しっぱなしで右旋回、素早く2回押すと右方向へのクイックターンができる。 パドル右漕ぎ・右旋回・右クイックターンの各操作は、自機を右側へと方向旋回させる効果がある。後者になる程に旋回の勢いが激しくなる。 上記のパドル漕ぎを左右交互に行うと自機が加速する。その途中でYボタンを押すとブレーキがかかる。 パドル漕ぎの交互操作があまりにも早いと、自機に汗マークが表示され加速が伸びなくなってしまう。 Bボタンでブーストが発動できる。ブーストに関しては下記にて。 アイテム効果・ブーストについて。 特定条件を満たす事で、自機の性能を一時的に上げられる「ブースト」が発動できる。 各ステージには定期的に「リンゴアイテム」が配置されている。これを取得すれば画面右側に表示された「ブーストゲージ」が少し増加する。 ブーストゲージが少しでも溜まっている状態で上記操作を行えば、自機がブースト状態となる。ブースト中は通常よりも自機スピードが増し、一部の障害物を体当たりで破壊できる。 ブースト中は時間経過でブーストゲージが消費され、ゲージが尽きると強制的に通常状態に戻ってしまう。 各ステージ開始前のブーストゲージ状態に関して。 各コースにおける最初のステージでは、既にブーストゲージが最大の状態となっている。これをどう活かすかはプレイヤー次第である。 次ステージに進むとブーストゲージがそのままの状態で引き継がれる(ゲージは一切回復されず)。よって、あまり暴発的にブーストを発動してしまうと、後のステージで苦戦する恐れが高まる。 仕掛け(障害物など)について。 各ステージには以下の仕掛けが用意されている。 + 仕掛けの詳細 「リンゴアイテム」…効果の程は上記のアイテム効果の項参照の事。 「敵カヤック」…自機の前方で走行しているカヤック。これに自機が触れると失速ペナルティ。ブースト状態で触れるとノーペナルティで吹き飛ばせる。 「岸辺」…いわゆる外壁。これに触れると失速ペナルティ。各ステージのほぼ全域に敷き詰められている。ブースト状態で触れても若干の失速は避けられない。 「丸太」…これに自機が触れると失速ペナルティの後に丸太が破壊される。ブースト状態で触れるとノーペナルティで破壊できる。 「岩場」…これに自機が触れると自機陥没による大失速ペナルティ。ブースト状態で触れるとノーペナルティで破壊できる。 「沼地」「外壁岩場」…岸辺の代わりにこれらが配置されている場面がある。双方共に自機が触れると自機陥没による大失速ペナルティ。前者はブースト状態でも回避できない。 「危険標識」…水流や急カーブが発生する前に表示される標識。水流注意・カーブの曲がり具合を示す矢印が示される。 「水流」…自機が水流方向へと流されやすくなる。水流とのセットで岩場と沼地(外壁岩場)が配置されている場面が多い。 「急カーブ」…水上の中には急カーブの曲がり道がある。クイックターンを駆使しないと岸辺に激突しやすい。 「チェックポイント」「ゴール地点」…前者を通過すると制限時間延長のボーナス。後者を通過するとステージクリア。 ステータス表示について。 下画面右側には常に下記ステータス表示がされており、色々なプレイの目安となる。 + ステータス表示の詳細 「現ステージ数」…今プレイ中のステージ数が表示される。 「経過時間」…ステージ中の経過時間が表示される。 「制限時間」…ステージをクリアするまでの制限時間が表示されている。 「敵カヤック打倒数」…ステージ内で抜かした敵カヤック数が表示されている。 「ブーストゲージ」…ブーストゲージの残量が表示されている。残量が最大まで溜まっていると"MAX"の表示もされる。 「時速」…今現在の自機時速表示がされている。 「スコア」…今現在のスコア・及びプレイコースのハイスコアが表示される。この表示は上画面に示されている。 評価点 清涼感溢れるグラフィック・BGM周り。 川辺のレースゲームらしく、爽やかな水辺らしさが強調された色彩が強調されている。 ゆるいコミカルポップ調な雰囲気でありながら、「敵カヤックや障害物を避けながら、川辺の流れに乗りながらゴールを目指す」エキサイティングなノリも感じさせる。 民族音楽を彷彿とさせる和み系BGMに癒される。 あんまりレースゲームっぽくない気もしないでもないが、これはこれで清涼感がより増強されていていい感じ。 総評 ターンやブーストを駆使してカヤックを川辺を操作する様が楽しい作品。 操作性にややクセはあるが、それがまた本作の味わいを醸し出している。 余談 『G.Gシリーズコレクション+』版における本作は、スポーツウェアと競技用ヘルメットを着用したナビゲートキャラが表示される。 他タイトルのナビコスプレに比べれば無難すぎて地味なファッションだが、なかなか様になっている。
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抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? 【ぬきげーみたいなしまにすんでるわたしはどうすりゃいいですか】 ジャンル ビッチなんかに絶対負けたりしないスタイリッシュ逃亡 バトルADV 対応機種 Windows 7/8.1/10 発売・開発元 Qruppo 発売日 【限定版】2018年7月27日【通常版】2018年8月31日 定価 【限定版】9,800円(税別)【通常版】8,800円(税別) 配信 FANZA 2018年10月5日/8,580円 レーティング アダルトゲーム 判定 良作 ポイント タイトル通り抜きゲーみたいな設定・世界観シナリオ面は意外と真面目&シリアスタイトルから誤解されやすいが「抜きゲー」ではない Qruppo作品ぬきたし / ぬきたし2 / ヘンタイ・プリズン 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 アダルトゲームメーカーQruppoの処女作。 タイトルの「貧乳」は「わたし」と読む。公式の略称は『ぬきたし』。 タイトルにある「抜きゲー」とはエロに比重を置いたエロゲーのこと。 このジャンルにおいては「極端な男女比」「エロパワーで何でも解決」といったエロシーンに持ち込むためのぶっ飛んだ設定等も多い。 ストーリー 青藍島…ここは通称『ドスケベ条例』によって変態的交尾が許可されている楽園(パラダイス)。そこに転校してきた主人公『橘淳之介(たちばなじゅんのすけ)』は、誇り高き童貞であると同時に、骨の髄まで処女厨であった。だがドスケベ条例は彼の通うことになった水乃月学園も例外でなく、「セックスしないことは校則違反!そして同時に条例違反!即逮捕・即尺八・即プレイ!」規律を絶対遵守させる生徒会と風紀委員会、通称"SS"の魔の手から、淳之介は逃れられるのか……!?仲間と共に童貞を死守せよ!淳之介の戦いが今はじまる!(公式サイトより引用) SHOの恐怖による支配、そして同調圧力の蔓延する青藍島。しかしそこにもたしかに、セックスに恐怖する人間たちは存在していた。同性が好きで、兄以外の異性を受け入れられない妹。ビッチだと勘違いされているギャル同級生。ロリだと思われてセックスの相手にもされない先輩。自分の体型を晒すことに抵抗のある少女。そして自分のある一部にコンプレックスを持った少年。そんな少女たちを主人公―橘淳之介は密かに糾合していき、反交尾勢力を標榜する秘密結社"NLNS"を結成する。彼らに基地を提供し、資金を渡す"謎の老人"が出した条件はただ一つ。「とある少女を見つけ、保護すること」その少女こそが、青藍島、ドスケベ条例を崩壊させるための鍵だという―ならば、やるべきことはひとつ。SHOを欺いて貞操を守り抜き、件の少女を探し出す。そして―「―この俺が、ドスケベ条例をぶっ潰す!」(公式サイトより引用) 特徴 基本的なシステムはよくあるノベルゲームとほぼ同じ。 序盤から中盤にかけて、それぞれのヒロインのルート分岐の選択肢が一箇所あるが、それ以外は一本道。 登場人物 橘淳之介 本作の主人公。誇り高き童貞を自負した処女厨であり、過去の様々な経験から非処女を嫌っている。 橘麻沙音 主人公の妹。同性が好きであり、中でもギャルが好み。 渡会ヒナミ 外見がロリにしか見えないせいで、周りから全く見向きもされない少女。背が低いため、常にパイプ椅子を持ち歩いている。 片桐奈々瀬 ギャルっぽい見た目から学園ではビッチだと思われており、それを利用してエッチから逃げ続けている。 畔美岬 存在感の薄い文学少女。清楚っぽい印象だが、実は登場人物の中でも屈指のボケキャラ。 評価点 ぶっ飛んだ世界観・設定 清々しいほど、エロに全振りしたといっても過言ではないほど、ドスケベな世界観は、本作の魅力の一つ。 敵対勢力がエッチを推奨しているという設定でそこら中にドスケベのためのアダルトグッズが設置・販売されている。 どこでも尻壁プレイが楽しめる「尻壁オブジェ」、体に文字を書くとその場所が性的に欲情する「催淫ペン」といった謎技術で作られたアダルトグッズもいくつか登場する。 主人公たちが使う武器やアイテムは敵の持ち物検査を欺くためにアダルトグッズを催しているという設定になっている。冒頭でバイブ片手に戦闘が行われるシーンは説明なしの初見では困惑必須であろう。 上記のような常にエロと隣り合わせな世界観・設定なのでエッチシーンへの導入が非常にスムーズに感じられる。 「日常生活の中にエロが入る」というより、「エロの中で日常生活が行われる」といった感じなので、いきなりエロいシーンに入っても違和感を感じさせない。世界観が強烈すぎて感覚がマヒしているともいえるが。 他にも「ギロチンの刑」のシーンも語り草。 設定上は「条例に違反した人物を強制的に性行為させる公開処刑」であり、これだけ聞くとかなり残酷な行為なのだが、股を広げた状態で縛られた女性の下に男性が寝そべって配置されているという絵面のせいでどう見てもギャグにしか見えない。いわゆるシリアスな笑いである。 ぶっ飛んでいる割には練られている設定面 一見、何も考えずにエロに特化したような作風ではあるが、設定面は練られており、一定の説得力がある。これが本作を単なるバカゲー・抜きゲーに終わらせない魅力となっている。 一例を挙げると、性病や妊娠の徹底的な対策が行われている、ドスケベ条例は過疎化した島を復興させるために作られたため支持を得ている、など。 ドスケベ条例はエッチな行為なら何でもよいというわけでもなく、危険な性行為は相手との合意が必要、条例対象年齢未満のロリやショタに手を出すのはご法度など、一定の良識があるものとなっている。近親同士のエッチはセーフらしいなど、疑問が残るところはあるが。 その一方で、身体的なコンプレックスによりエッチをしたくない人や同性愛者などのマイノリティーのことが考えられていないなど、同調圧力による迫害が起きている問題点も描写される。これらが主人公たちがドスケベ条例から逃げつつも戦う理由となっている。 ストーリーの後半で第三勢力としてヤクザが関わってくるが、その理由は青藍島のドスケベ条例のせいで本島の性産業に影響が出ており、ヤクザのシノギを妨害しているという説得力のあるもの。 自重しないパロディネタ パロディ元は2010年代の直近の作品から、昔ながらの有名作品、ネットスラングまで幅広いが、多くの日本人が知っている著名な作品が元ネタである場合が殆ど。 チャプターごとのタイトルは大抵は何かしらのパロディネタとなっている。 ただし、世界観に準じてパロディネタの多くは下ネタに関連付けられてしまっている(後述)。 意外とシリアスなシナリオ 公式サイトの情報やタイトルからして、馬鹿馬鹿しいノリの抜きゲーのように思うかもしれないが、シナリオ面では意外とシリアスな展開が繰り広げられる。 上記の通り設定面はかなりぶっ飛んでいるため、ギャグシーンとシリアスシーンの落差も含めて、非常に濃いストーリーが展開されていくことになる。 とあるヒロインのルートでは性産業の負の側面が強調され、ある人物の過去描写もあって、バカゲーの皮を被った泣きゲーと評されることも。 賛否両論点 下ネタ・淫語を含むパワーワードの連発 上記のような設定のエロゲなので当然……と言ってしまえばそれまでかもしれないが、本作には下ネタや淫語がかなり多い。 中でも顕著なのがモブキャラたちのボイス付きの実況や淫語で、「島では積極的なエッチが推奨されている」という設定上、ストーリーを進める上で、モブキャラたちがエッチをしている場面にしょっちゅう出くわすことになる。 その言い回しの中には下品に改変したパロディネタや直球な下ネタなども多く、人を選ぶ。 「パワーワード」として笑える人ならばとことん笑えるが、あまりに下ネタが多いため、下ネタに耐性がない人の場合はうんざりしてくる可能性も。 18禁のアダルトゲームだからこそできる芸当と言えるし、本作の魅力の一つにもなってはいるが、下ネタである以上一概に評価点とも問題点とも決め難い。 問題点 若干ご都合主義な部分も ネタバレになるため詳細は省くが、シリアスなバトル部分(特に終盤)のシナリオはお世辞にも練られているとは言い難く、若干ご都合主義的な感じで勝利してしまうことも。 特にとあるヒロインのルートはバカゲーに片足を突っ込んでいるような流れで話が進んでいくため、勢い重視の「深く考えたら負け」的なシナリオとなっている。 シナリオ全体に統一感がない 好感度でヒロインが決まりストーリーが分岐していくシンプルなシステムだがヒロインごとの物語の温度みたいなものが違いすぎる。これをシリアスとバカゲーを共存していると捉えるなら1粒で2度おいしいと言えるが悪く言えば統一できなかったともいえる。上記でバトル部分のご都合主義的なものがあると触れているがご都合主義が発動するヒロインとそうじゃないヒロインがいるのでまるでアンソロジー作品のように1つの題材を複数の人間が書きそれを乱雑にまとめただけに見えるのが問題点と言える。メタ的な話になってしまうがシナリオライター同士でどこまでネタに走るか、シリアスな部分を残すかの連携が上手くいかなかった為に担当したキャラ毎のシナリオによって温度差ができてしまったのではないかと思われる。 総評 一見ぶっ飛んだ設定のバカエロゲーに見せかけて、シリアスな物語が展開されていく作品なのでそこを受け止められるかによって評価が変わる。 タイトルを見て気楽に楽しめるゲームだと思って購入したプレイヤーからすれば唐突なシリアスや重い展開は期待外れであり、そこを許容できるかそうでないかが個人個人のゲームとしての評価を分ける部分であろう。 しかしインターネットで情報が簡単に行き来し獲得できる現代だからこそタイトルはバカゲーっぽいが中身は一味違うゲームとして有名になりプレイ人数が増え結果的にはアニメ化や漫画化したりするなど商業的には大成功した作品と言える。 総じて前述したエロに全振りしたぶっ飛んだ世界観こそ許容するという大前提はあるが、それさえ受け止めることができるのであれば、笑いあり、愛あり、涙あり、エロありの濃厚な物語を存分に楽しめる作品と言えるだろう。 余談 メインクリエイターは本作以前に同人サークル「はとのす式製作所」で活動していた。 このサークルで発売されたタイトル『雨衣カノジョ』のポスターが、本作の主人公の部屋に貼られている。 公式同人誌『ぬきたしお疲れ様本』等もこちらのサークル名義で発売されている。 2020年3月に放送されたテレビ番組『勇者ああああ』の「勇者ああああ GAME OF THE YEAR 2019」において、芸人であるマヂカルラブリーの野田クリスタルによる本作の紹介が行われた(*1)。 他のノミネート作品がゲーム映像やパッケージを直接出して紹介していたのに対し、ごりっごりのエロゲーである本作を深夜番組とはいえ、地上波で直接紹介できるわけがないため、野田クリスタルが描いた下手過ぎて全く似てない登場人物の似顔絵によって、紹介が行われた。 前述した「ギロチンの刑」なども紹介され、まさかの地上波デビューにSNS上では話題となった。 その後、2020年8月に同番組で行われた「徹底討論! ド~なる!? ギャルゲーの未来」において、またしても野田クリスタルが「一番泣けるゲーム」として、下手くそな似顔絵と共に『ぬきたし』を紹介。 しかし、ヒロインの一人である畔美岬の紹介と共にア〇メ漱石のパワーワードが出た時点で、番組スタッフから「ここ広げても使えない」と言われてしまい、野田クリスタルによる『ぬきたし』の紹介は殆どカットされてしまった。 ちなみにこの回に共演していた天津の向曰く、この番組で野田クリスタルが本作をプレゼンしたことによって、下記のプレミア化に拍車をかけた模様。 動画サイト・SNS等を通じて普段エロゲをしない層にまで広がり、初回版や予約特典はプレミア価格となっている。 続編の発売時に『1+2』のセット販売もされたが、そちらもプレミア化している。DL版が手を出しやすいだろう。 また、本作の影響からか同人サークル時代のオリジナルタイトルもプレミア化している。 2020年12月25日からまんが王国にて、コミカライズ版が連載開始された。 タイトルは『ぬきたし-抜きゲーみたいな島に住んでるわたしはどうすりゃいいですか?-』。原作の「貧乳」部分はひらがなの「わたし」に変更されている。 2021年10月16日にはウルトラジャンプでも連載開始されることが発表された。 2021年3月11日に稼働したマーベラスのAC音ゲー『WACCA Lily R』に本作の1stOP主題歌「非実在系女子達はどうすりゃいいですか?」が収録されてしまった。 AC音ゲーにアダルトゲームの楽曲が収録されることはこれまでもあったが、『ぬきたし』の主題歌収録はあまりにも衝撃的過ぎたため話題を呼びTwitterでのトレンド入りも果たした。 また、2022年9月15日にセガの『CHUNITHM NEW PLUS!!』にも「非実在系女子達はどうすりゃいいですか?」が収録された。 2024年1月28日にはアニメ化が発表された。 タイトルは『ぬきたし THE ANIMATION』、サブタイトルは『▢▢▢▢みたいな島に住んでる▢▢▢▢▢▢▢はどうすりゃいいですか?』と白く塗りつぶした異例の形になっている。もう何が何だか分からねぇよ その後の展開 約1年後の2019年7月26日に『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? 2』が発売された。詳細はリンク先を参照。 2022年1月28日にQruppoの新作として『ヘンタイ・プリズン』が発売。 2023年6月23日には『NUKITASHI』のタイトルで英語・中国語対応でSteam版が発売。パブリッシャーはShiravune。 ただし、日本語はボイスしかサポートしておらず、いわゆる「おま語」となっている。 2024年6月28日にリマスター版『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? 1+2 Remaster パック』が発売された。
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「検証依頼」が出ています。依頼内容は「通信対戦の仕様について」です。対応できる方はご協力をお願いします。 格闘料理伝説ビストロレシピ 激闘★フードンバトル編/決闘★ビストガルム大陸編 【かくとうりょうりでんせつびすとろれしぴ げきとうふーどんばとるへん/けっとうびすとがるむたいりくへん】 ジャンル ロールプレイング 対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通) 発売元 バンプレスト 開発元 レッドカンパニー 発売日 フードンバトル編:1999年10月8日ビストガルム編:1999年12月10日 定価 各3,980円 判定 クソゲー ポイント 2つを合わせても薄いボリューム集めたモンスターの存在意義がない眠り攻撃を先に当てるかどうかだけで決まる勝負 ストーリー 概要 特徴 問題点 評価点 総評 余談 ストーリー 料理から生まれるモンスター「フードン」の存在する世界。世界は「ドン・クック」率いるフードンを悪用する悪の軍団「ビショッカー」に悩まされていた。 主人公「まくのうち ゼン」の父で、優秀な料理人であった「ツキジ」はビショッカーに目を付けられ、さらわれてしまう。 父をビショッカーの手から救い出すべく、かけだしの料理人「ゼン」は妹「カリン」や仲間たちと共に、フードンを駆使してビショッカーに挑んでゆく。 概要 当時隆盛を誇ったポケモンフォロワーのRPGの一つ。二つのバージョンが発売されたが、二本のソフトで前編・後編のストーリーが分けられており、後編に当たるビストガルム編はフードンバトル編より二カ月後の発売である。 漫画・アニメなどのメディアミックスも行われている。 特徴 フードン 料理に「レシピカード」と呼ばれるカードを貼って命名することで、「フードン」と呼ばれるモンスターを生み出すことができる。 敵を倒した後に手に入れたレシピと食材を基に、食材を集めて料理をする。ミニゲームをし、その結果によってフードンの初期レベルが変わる。 規定の点数に足りなかった場合、料理は失敗し、料理名「だいしっぱい」のフードン「マックロン」という実用性のないモンスターが生まれてしまう。 レシピに必要な食材以外を使ってオリジナル料理に挑戦することもできる。特定の組み合わせだと、通常の料理で生まれるのと違うフードンが生まれる。 「ハンバーグ」+「パン」=「ハンバーガー」、「オムレツ」+「こめ」=「オムライス」のような納得できるものが多いが、「ななくさがゆ」+「チーズ」=「リゾット」や、「ホットケーキ」+「りんご」=「アップルパイ」のような少々疑問なものもある。 明らかに間違っていると思われるものもある。例えば、グリーンカレーは「インドカレー」+「ほうれんそう」で生み出せるが、グリーンカレーが緑色なのは緑色のスパイスやハーブを使っているからで、ほうれんそうで色付けしているわけではない。なお、このゲームに登場するレシピで「ほうれんそう」を使用するのはグリーンカレーのみで、このレシピのためにアイテムを1つ作っているにもかかわらずそのレシピが間違っている。 トッピング 通常のRPGにおける、いわゆるアイテム使用にあたる。戦闘中にフードンに食材を投げて「トッピング」する。外れることもある。 基本的には「チャーハン」なら「こめ」「たまご」など、フードンに使われている食材を与えれば回復し、その他の相性の良い食材を与えると能力アップなどが起こる。 トッピングは相手に投げつけることもでき、明らかに合わない調味料は状態異常を与えることができる。例えば、「さとう」は相手を眠らせる、「わさび」は相手をしびれさせる効果がある。 しかし、上記の料理の相性を考えないと逆に相手の能力を上げることになりかねない。前述の「さとう」ならおかし系、「わさび」ならおすし系の敵は逆に能力をアップさせてしまう。 相手が何の料理のモンスターなのかを考えながら、料理に合う食材、合わない食材を考えながら戦う必要があり、この作品の独自の面白みの一つと言えるだろう。 状態異常はどの料理でも基本的に「ハーブ」をトッピングすれば回復できるが、「ハーブ」を使った料理は上記の「料理に使われた食材を使うと回復」が優先されてしまい、戦闘中の状態回復ができない。 前編ではトッピングの効果を戦闘中に試すしかなかったが、後編ではアイテムを消費せず実験できるモードが追加された。 体力回復したい場合でも、トッピングが外れる場合があるので運次第である。 問題点 あまりにも内容が薄い 前後編に分けられて販売されたにもかかわらず、両方合わせても他のGBで販売されたRPGより内容が薄い。特に前編は、あからさまに続編前提の終わり方をしている。 フィールドを歩き回るようなことはなく、すごろくのようなマップを1マスずつ進んでそのマスの敵を倒し、次のマスに進むという形で、謎解きや探索のような通常のRPGにある要素はない。 クリア後のイベントはなく、ラスボスを倒した後は同じモンスターを出す雑魚敵を延々と倒すくらいしかすることがない。 ラスボスとの再戦すらできない。 全体的にキャラの掘り下げが足らず、とってつけたような設定が多い。 ビショッカーに両親をさらわれたためビショッカー打倒を目指している「ピータン」というキャラが仲間になるが、彼の両親は一切登場していない上に、結局両親の所在は不明。にもかかわらず、彼が仲間になった後は話題にすら上がらない。結末でも彼はビショッカー撃破を喜びこそすれ、両親のことには一切触れない始末である。 ビショッカーのトップである「ドン・クック」は、ラスボスとして唐突に登場するのみである。 同様に「ハオヂィ」も、主人公たちについてくる理由や後編で勝負を挑んでくる理由が薄い。 フードンのデザイン イラストのタッチやゲーム中のドット自体は悪くないのだが、料理を基にしたモンスターではどうしても格好良さに限界のあるデザイン。 頭に「トム」「ヤム」と書かれた二人の子供の「トムヤムくん」、ライオンとカバとブタが串に刺さっている「シシカバブン」など、単なるダジャレフードンも多い。 料理モチーフという中で頑張ってモンスターを作ろうとはしているようだが……。 技モーションの使いまわしが多い 技モーションが少なく、「ラッシュ」「にぎりつぶし」などの腕を使う技は全て同じパンチのモーションなど、使い回しが多い。酷いところだとラスボス専用技「ダークスピン」は「たいあたり」と同じモーションである。 モーションや効果は使いまわしで名前のみではあるが、一応フードンごとの専用技は多い。 戦闘関連 大味すぎるバランス。 他RPGでいうHPの「FP」は、いわゆるMPと共用のステータスであり、初期技以外の技を使うたびに自分の体力も消費してしまう。 技の説明が最低限しかなく、威力や命中率、属性がわからない。 なぜかと言えば、はっきり言って説明するほどの内容がないからである。威力はせいぜいFP消費技の方が強いといったレベルでしか差がなく、命中率はせいぜい状態異常攻撃命中率が低めな程度。属性に至っては「何の属性も持たない技」「フードン自身と同じ属性の技」の2種類しか扱えない。 おかし系のうちバニラアイスなどが使える氷攻撃、マンゴープリンが使える眠り攻撃などの技は重ね掛けがきいてしまうので一方的にハメ殺せてしまう。(*1) 技が外れることもあるが、どのみち1ターン外れた程度で解除はされないので意味はない。ハーブのトッピングで治療していれば解放されることにはなるが、逆にいえば外れるまでハーブを消費し続けることになるということである。ハーブの方も外れる。 ハメ技よりはマシであるが、能力変化に限界がないのでまもりアップで防御をあげ切られると状態異常しか打つ手がない。 そのまもりアップでさえ、まもりが上がりきる前にハメられたらなす術がない。 「うん」というパラメータを「うんアップ」で上げることができる。だが、「うん」の存在意義が不明。クリティカルは存在しないゲームであり、回避は時たまあるが「うんアップ」を連打しても回避する様子はない。 逆に「うんダウン」も存在する。こちらも命中率が下がっているような様子もなく、同様に存在意義がない。 実際には命中率ははやさに依存している。あくまで憶測に過ぎないが、本来うんに依存するべき命中率がバグではやさに依存している可能性もある。 二回攻撃系のわざは基本的に弱い。なぜならば本作では多少のまもりの変化ではほとんどダメージ量に差がみられないのにもかかわらずある一定のラインまでまもりアップなどで耐久が上がると急に1ダメージになる仕様が存在し、一発あたりの威力の低い二回攻撃技はこのラインを簡単に下回ってしまうからである。 また、一発目が外れると二発目は不発に終わる。逆に一発目は命中したのに二発目が外れるということもあり、外れる機会が他のわざよりも多いデメリットとなってしまっている。 FP消費技の連続技の場合、FPは2回分必要になる。通常のわざならばFPが足りないとそもそも選択できないが、連続技は1回分のFPで選択できてしまう。その場合1度だけ攻撃して2撃目は不発に終わる。 充分な火力で殴ったとしても他のわざに比べ特別威力が出るようなこともない。 ただし、「ラッシュ」に関しては充分な火力で殴れば基本技にもかかわらずFP消費技を上回るダメージ効率となる。それはそれでバランスが悪い。 まともな戦術もそれを使えるフードンも限られておりパーティが固定化されがち。 というか、突き詰めていくと最強パーティーはプリンパフェ×5という面白味も何もないメンツになる。プリンパフェは凍らないうえにおかし系の特徴として素早さが高く、無効化される相手のいない眠り攻撃を先制して使って後は永眠というパターンにするのが一番お手軽かつ最強だからである。 ふつうポケモンやそのフォロワーは相性の概念でこういった事態を防いでいるのだが、本作でおかし系を得意とする3系統は全ておかし系に比べ遅いので何もできずにハメ殺されるだけである。おかし系より速いたまご系はおかし系に弱い。結果プリンパフェに対処するにはよりレベルの高いプリンパフェで先制してやられるまえにやるという身も蓋もない事態となる。 ならばハメ技を封印したらまともな勝負になるのか。残念ながら答えはNOである。なぜならば本作の戦略性はハメ技以外にないと言っても過言ではないからである。その他には「まもりアップで泥仕合」「焼け石に水レベルのその他の能力アップ技」「やけどやカビでスリップダメージを与える」「FP消費技での単なる殴り合い」以上。誇張抜きでこのレベルである。戦闘で使えるコマンドは「たたかう」「トッピング」のみで、交代すらできない(*2)ため、満足に弱点を突くことすらできない。 後半手に入れたレシピの意義が薄い 料理ミニゲームの出来で仲間にしたキャラの初期レベルが変わるが、高得点を出してもレベルは1ケタにしかならない。序盤ならともかく、中盤以降はフードンを仲間にしてもまず使えないだろう。 ラスボス戦直前にある人物から「ダークレシピ」に対抗できる伝説のレシピ「ワンダーレシピ」を教えてもらえるイベントがあるが、この時点でレベル1ケタのフードンを作っても対抗のしようがない。 せっかく、作ったフードンの種類数などによって主人公の肩書き(さらあらいなど)が変わるシステムなのだから、初期レベルを高くして料理の上達を表すなどやり方はいくらでもあったはずだ。 ならば序盤組は優遇かといえば実はそうでもない。オリジナル料理を作ると作った料理はベースよりもランクが高いものになる(*3)のだが、ランクの高いものは完全上位互換になる。 例を挙げるとプリン→マンゴープリン→プリンパフェと言った具合にランクが高いのだが、プリン・マンゴープリン共に技構成・ステータスともにプリンパフェに劣るため、プリン及びマンゴープリンは単なる踏み台にしかならず、プリンパフェのレシピを手に入れたら作る意味がなくなるのである。「進化」の概念を出せば完全上位互換でも何の問題もなかったのではないだろうか。 やたら多い属性 ごはん、パン、にもの、フライ、カレー、たまご、おすし、パスタ、めん、やさい、おかし、スープ、にく、てんしん、てっぱん、どんぶり、だいしっぱい、???と、やたら属性が多い。(*4)「カレーはやさいに強く、スープに弱い」などの相性も法則性がなく、覚えづらい。属性によっては属するフードンがほとんどいないものすらある。 特ににもの系は数が少ないため、にもの系に相性のいいフードンは相対的に割を食う形となっている。 なぜかパスタ系は素早さが最低レベルなのに他の能力も高くないと理不尽な扱いを受けている。 ごはん系はバランスが良いという触れ込みなのだが、実際には相性が良い属性は0種類、弱点は3種類と弱すぎる。弱点属性がメジャーなのも痛い。 料理を無理矢理属性分けしているため、料理によっては属性が違和感のあるものになっている。例えば、タコス、冷ややっこ、麻婆豆腐は全て「やさい系」である。 ゲーム中に「得意な属性」は書いてあっても、「弱点となる属性」や「攻撃が通りにくい属性」(*5)の表記が一切ない。 というかハメ技のせいで本気で戦うとおかし以外は存在価値なしになる。 スープ系はカレー系とたまご系に相性がいいと書いてあるが、実際にはにもの系にも相性がいい。 にもの系の肉じゃがはステータス欄にはおかし系とめん系に強いとあるのだが、実際にはおかし系とめん系の他、たまご系にも強い。(*6) はやさが遅い系統は極めて不遇。その他のステータスであるFP・ちから・まもりはどのフードンも大差ないため、20~70程度とやたら差が激しいはやさで差がつきやすいからである。おまけに命中率は、はやさに依存しているらしくはやさが低いフードンは攻撃を外しまくる。 そのほかに、和食・洋食・中華・エスニックといった分類のようなものも存在するが、ほとんど活用されていない。四天王の所持フードンがこれに則って決められているぐらいだろうか。 「エスニック」の分類はかなり雑多で、東南アジア、インド、韓国、中南米など和・洋・中に分類できない料理がとりあえず入れられているという印象が強い。なぜか「パエリア」などもエスニックに含まれている。 パスワード専用モンスターが多い 後編終盤のボス専用モンスターや「ホイコロン」「にくジャガー」「ピザーラン」はゲーム内で入手する方法がなく、コミックボンボンに掲載されたパスワードを使う以外入手方法がない。ボンボン読者以外は前後編両方プレイしたとしてもコンプリートできなかった。 また、前編・後編の間でレシピの引き継ぎはできないため、片方のソフトのフードンをもう片方で使いたい場合、一体ずつパスワードや通信を使って引き継がなければならない。 そのパスワードも、フードン数は180とポケモン並みに存在する割には預かってもらえる限界が40ほどしかなく、いちいちわかれる作業が必要となる。 「だいしっぱい」以外の料理はすべて片方のバージョン限定なので、カタログを完成させるためにはかなりの回数のパスワード入力が必要。 フォントが見辛いうえにパスワードが長く、入力に時間がかかるうえに見間違いでの失敗もしやすい。 決していいとは言えないゲームテンポ GBにもかかわらず、中盤以降FPが多くなるとダメージを受けた後のゲージの減りが必ず処理落ちしてガクガクになってしまう。 そもそも、戦闘バランス自体がデフレ気味であり敵を倒すのにたいていの場合3~5発程度を要する。こうかバツグンでようやく2発で倒せるくらい。無属性の攻撃が多い上に半減は少ないため半減ばかりで長引くことはないのが救い。 マップ上を移動する際、ショップマスや食材交換イベントマス(*7)に着くと指定した箇所にまだ着いていなくてもそこで止まってしまう。 特に食材交換イベントはセリフが長くストレスを感じやすい。 状態異常になっているフードンがいるとターン終わりにいちいち「オムレッサーはねむっている」などとメッセージが出る。特に前述のハメ技に入った場合などは何度もこれを見させられることになり鬱陶しい。 育成関連 パスワードで出したフードンにはニックネームをつけることができない。名前を変更する手段もないため、パスワード専用フードンやもう片方のバージョンで出るフードンにニックネームをつけて育成することができない。 初めから覚えているわざが再び習得できるフードンがいる。そのわざを忘れていなかったとしても習得ができてしまい、同じわざが二個ある状態が作れるバグが起きる。当然ながらデメリットしかないが、単に習得済みのわざが来ても覚えなければいいだけの話ではある。 経験値は自分と相手のレベル差に応じて加算され、全レベル共通で100貯まるとレベルアップするという仕様なのだが、5レベル差くらいから、経験値は0になってしまう。 このため、フードンのレベル上げの限界が早い。具体的には敵フードンでの最高レベルが76なので、理論上81程度が限界と思われる。 しかも本作ではラスボスとの再戦すら不可能なのが問題で、ここまでフードンを鍛えようと思えば通信環境と前後編を揃えた上で初期化した後編に育てたフードンを送り込んで2周目プレイをする必要がある。さすがにそれは現実的ではないため、実際には70前後がいいところ。 評価点 ウリであるトッピングシステムについてはなかなかよくできている。 ケーキやどらやきのキャラなどは、かわいいマスコットキャラとして見られるデザインではある。 クソゲーの常か、BGMは特別高い評価でないにしてもまずまず。 前編のオープニングの曲は前半と後半でわざわざ別の曲が使用されている。さらにボス戦のBGMの種類もそこそこあるなどかなり力を入れている。 しかし前述の通りボスとの再戦は不可能なので、戦闘曲はほとんどが2度と聴けなくなってしまう。サウンドテストモードがあれば楽しめたと思えるだけに惜しい。 ドットの公式絵再現率や、一枚絵は当時のGBソフトにしては出来が良い。 前述のハメ技や「まもりアップ」が使えるキャラは早い段階で手に入るようになっており、ストーリー中で「まもりアップ」の対抗手段となるやけど攻撃の手段を持つフードンが最序盤に手に入るなど、味方が限られていてもチョイス自体は悪くない。 通常攻撃は命中率が高い他、はやさにある程度の補正がかかり先制しやすくなる。(*8)このため「最後っ屁に先制で通常攻撃を撃つ」「瀕死の相手に通常攻撃を撃ち、最後っ屁を打たせない」「あえてFP消費わざを使って後攻を取ることで相手に先に殴らせてねむりから覚めて攻撃」といった駆け引きが生まれる。本作における数少ない戦略性である。 ただしあまりにもはやさに差のあるフードンの場合通常攻撃でも先制はできない。 6文字のニックネームをフードンに付けられる。当時名前を決められるシステムのあるゲームでは大抵が4~5文字までであり、6文字ネームは地味に珍しかった。 アイテムが種別ごとに自動的に整頓される。見やすく便利。 ひろば(フードンの預かり所)にいるフードンも手持ちの控えにいたフードン同様、戦ったフードンの半分の経験値を得ることができる。(*9) 前述したフードンの加入レベルが遅い問題をある程度補っている良仕様。 結局加入レベルが低いことには変わりはなく、また直接戦ったフードンの半分の経験値のみであるため根本的な解決にはなっていないのは残念なところ。 総評 料理モチーフの新しい要素はあるものの、当時の水準でもポケモンフォロワーのRPGとして低水準であり、ただでさえ薄いストーリーを前後編に分ける意味も薄い。 前編からわずか二ヵ月でほとんど改善点のない後編を販売したことから見ても、開発期間があまりにも短く完成度も低いと言わざるを得ない。 また、モンスター収集要素はあるものの、料理したフードンのレベルが低すぎる仕様により序盤以外のキャラがどうしても使いようがないのはポケモンフォロワーのゲームとして「致命的」だと言えよう。 余談 1999~2000年にかけて、コミックボンボン誌上で津島直人によるコミカライズがされている。ストーリーはゲームとの関わりが薄く、オリジナル展開が多い。理由は不明だが、打ち切りのような形で最初の四天王を倒したところで終わってしまった。 漫画版の評価自体は高く、お色気シーンなどは今でも語り草である。 同時期のコミックボンボンで同じくコミカライズされたゲーム作品としては『クロスハンター』がある。こちらも、内容の薄さ、無駄に多い属性、大味なゲームバランス、ほぼ無意味な分割商法と共通点が多い。もっとも、わずかながらも評価点が存在する上にシステムに目を瞑れば楽しめる水準には辛うじて達している『ビストロレシピ』と比べて、『クロスハンター』は漫画版も含めてさらに評価が悪い。 2001年にNHK衛星放送でアニメ版も放送されている。漫画版のストーリーを原作としており、こちらは最後まで完結した。 『Fighting Foodons』のタイトルでアメリカでも放送された。 1999年9月にワンダースワン版も発売されている。GB版の前編より発売が早いが、内容は前編と後編の間の時系列となっている。こちらにはマップ上の移動なども存在している。 その後本作と同じく料理を題材にした恋愛RPG『ビストロ・きゅーぴっと』シリーズが発売された。尤も製作したのは香港のゲーム会社だが。
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ストライダー飛竜 (2014) 【すとらいだーひりゅう】 ジャンル ハイスピード探索アクション 対応機種 プレイステーション3プレイステーション4(PlayStation Store)Xbox360、XboxOne(Xbox LIVE ARCADE)Windows VistaSP2/7/8 64Bit(Steam) メディア 【PS3】BD-ROM/ダウンロードソフト【PS4/360/One/Win】ダウンロード専売ソフト 発売元 カプコン 開発元 Double Helix Gamesカプコン 発売日 【PS3/PS4】2014年2月22日【360】2014年2月26日【One/Win】2014年9月4日 定価 【PS3】3,800円【PS4/360】1,905円【One】1,900円【Win】1,852円(全て税別) レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 シリーズファンから不評 ゲームバランスが不安定 ポイント 探索&弾幕ゲー化全体的に『らしくない』内容日本語ボイス無し ストライダー飛竜シリーズストライダー飛竜 / ストライダー飛竜2 / ストライダー飛竜 (2014) 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 1と2の設定を再構築(リビルド)して現代に送り出された『“新生”ストライダー飛竜』。10年間隔で展開されるのは何の因果か? 過去作と違って今作は「ハイスピード探索アクション」と銘打たれており、そのジャンル名が示す通りに様々なアイテムを探索して自機をアップグレードによってパワーアップさせていく。 開発は『SILENT HILL HOMECOMING』や『Killer Instinct(2013):Season 1』、『FRONT MISSION EVOLVED』を手がけたアメリカのDouble Helix Games(*1)とカプコンの日米共同開発となっている。 特徴 美麗なグラフィック、爽快でダイナミックなアクション、独特の世界観とキャラクターデザインは健在。 収集要素が非常に多く、全要素を開放しようとすると中々歯ごたえのあるボリュームとなっている。 アップグレードはそれぞれ、ライフ(体力上限増加)、エネルギー(後述するクナイやオプションなどの一部の技に使用するゲージの増加)、エネルギーチャージ(後述するチャージアタックのタメ時間の削減)、クナイ射程(飛距離が伸びる)、クナイ投射本数(クナイの投げる数が増加)などがある。 アップグレードで大量に追加される新アクションが目白押し。サイファーには「属性」が追加された。その他、1から復活した強力な「オプション」、敵を宙に打ち上げて無防備にする「特殊斬り」、サイファーの攻撃力を高めた「チャージアタック」、スライディングに攻撃判定を付属した「アサルトファング」、空中から直下軌道で急降下突きを繰り出す「ダウンストライク」、かゆい所に手が届く万能拡散飛び道具「クナイ」、地上空中の方向を問わずに一定距離を高速で突進する空中ダッシュ「プラズマカタパルト」など。 サイファーの属性は夫々、敵の銃弾を反射して弾き返す『リフレクトサイファー』、基本の攻撃力が高い上に敵を燃焼させて一定時間断続的な追加ダメージを与える『バーストサイファー』、基本攻撃力は最低だが敵を凍結させて動きを封じ、一部の凍結させた敵を足場としても利用出来る『コールドサイファー』、刃から一定距離を循環して手元に戻ってくるブーメラン型の飛び道具を放ち、遠距離から敵を仕留める事も可能な『マグネティックサイファー』の4種類が存在。 マグネティックサイファーの飛び道具は最大2連射までとなり、2つの飛び道具が画面内に存在している間はサイファーによる攻撃判定が無くなるという仕様。今までのシリーズの飛竜には無かった完全に遠距離ベースの飛び道具となる攻撃で、本作を特徴付ける面白い性能となっている。 世界観に関しては、様々な国を駆け巡っていた過去作と異なりあくまでカザフシティ&その周辺一辺倒。歴史地区、地下世界、プリズン、カーボンチャージエリア、地下寺院、研究施設、カザフシティ上空、冥王の塔といったステージ構成の全てが『新生ストライダー飛竜内のカザフという国』に収まっている。 ステージ構成は2寄りで、1の様な目まぐるしい足場の変化や高低差は控えめ。そこにアップグレードや収集要素の探索が加わる事で縦横無尽な移動を展開出来、それらがステージの突破口となっていく。「行動」を飽きさせない趣向は凝っているが、ステージそのものは割と単調で目を引く要素は少ない。 アーケード展開の無い家庭用オンリーでのリビルドという点に伴い、残機やスコアの概念は無くなった。加えて、家庭用ならではのサバイバルモード、ファストランナー(タイムアタックモード)といった専用モードも搭載されている。 ファストランナーは最初から選べず、ステージの随所に設置されている収集要素の『POWアイテム』を入手する事でそれぞれのファストランナーステージが解禁される仕様。 評価点 ボス戦は概ね高評価。各ボスの攻撃のバラエティが多彩でアクションゲームの理に適っており、ある程度のパターンも多くのボス戦で有効なので、意図的な縛りプレイ等で程良い難易度を楽しむ事が出来る。ソロ、トルネード、西王母、ジュロングなどは近年のアクションゲームのボスの中でもかなり多くの攻撃パターンがあり、こちらの現状アップグレードと絶妙に噛み合った強さで何度戦っても飽きが来ない良質なボスである。 賛否両論点 キャラクターデザインは「過去作との変更点が世界観と比べてそれらしくない」という意味では人を選ぶかも知れない。 やたらとメカニカルなデザインが目立つ上、飛竜が原作漫画やMVCシリーズでトレードマークとして着用していたマフラーは今作では『プラズマ粒子をそれらしく見せている』という設定。 東風の陰陽魚太極図をお団子ヘアで囲んだ髪型や西王母、ジュロングの全体デザインなど、1では時代が時代故に凝ったデザインでなくともキャラ立ちしていたものが、ともすれば最初にデザインありきで設定は二の次…という風な見方も取れてしまう。 設定そのものが未来世界なのでメカニカルデザインの比率が高いのは問題ではないが、生身のキャラはあくまで有機質なシンプルなデザインなのが飛竜シリーズの特色でもあったために、コンセプトアートで各キャラの設定画を見たプレイヤーにとって最初の違和感は物凄いものと思われる。 問題点 敵の弾幕が非常にストレスが溜まる。制作側も避けるよりもゴリ押しを推奨している…と言うよりも調整放棄したとさえ見える不条理な銃弾の嵐。 終盤になると「動きを止める冷凍弾の5WAYホーミング」+「連続被弾で体力5割が一瞬で奪われるレーザーマシンガン」の連携が頻繁に現れる。某スレでは「殺意が湧く」とまで書かれる極悪コンボである。 それ以外でも、体力の減り自体はそこまで多くはないものの序盤から弾幕の比率は非常に多く、ステージのいたる所に回復用のライフポッドが設置されているのがゴリ押しに拍車を掛ける始末。 他のサイトでのレビューでも、マイナス点の大多数を占めるのがこの弾幕の仕様である。 敵の弾は、被弾した際に仰け反りを伴わないものと、空中で被弾した際のみ仰け反って問答無用で垂直落下してダウンするものとに分かれている。前者の被弾の仕様によりプレイヤーがこのゲームに対して「被弾前提のゴリ押しを推奨するもの」と印象付けておいて、序盤も過ぎた頃に唐突に後者の仕様の弾が登場し、以降は両者が複合した敵の攻撃配置となる。このためジャンプをするだけでも敵配置によって感覚の切り替えが難しく、適切な行動を把握するまでの敷居が高い。場所によっては縦に非常に長い空間を空中復帰出来ずに地面まで落とされるので、単純なストレスが大きい。 ラスボスを務めるグランドマスター、及び第二形態の冥王プライムははっきり言ってただの作業プレイ。 特に冥王プライムはラスボスとしての難易度が「地形効果による操作性の悪さから来る回避行動に対しての混乱」・「カメラワークの悪さ」が大部分を占めており、攻撃パターンは非常に少なく火力も控えめ。 そもそも、周囲の設けられた小型グラビトロンが(地形効果による操作性の悪さがあるにしても)重力効果で画面外への落下を防ぐ救済措置になっている上、接触するとプラズマカタパルトで敵の食らい判定の間近へと接近出来るカタパルトリングがある時点で『これを使って余を倒してね!』と言っている様なものである。ラスボスがこれでは拍子抜けにも程がある。デザインのインパクトはあるだけに尚更勿体無い所。ボス戦ではあまり出番の無いリフレクトサイファー&カタパルトが最大限生きるという利点はあるのだが…。 バラエティ豊かとは言え、西王母の紫&赤弾の弾幕やメカポンのジャンプ上昇時の常時攻撃判定など、避けるのが非常に厳しかったり一見して攻撃に見えない動作など、チラホラと『萎える』攻撃があるのは残念な所。特にハードモードでのこの2名?は相当な鬼門。 西王母の弾幕はオプションCで速攻沈められるので対策はあるにしても、画面中央から広がる向かい風によって自機の動きが制限される中で攻撃方法そのものへの対策(弾幕に被弾しないパターン)が全く構築出来ない、リフレクトで数回跳ね返す事で攻撃を止める事が出来る赤弾を跳ね返すのがどうやっても無理なパターンがある(=画面中央からの向かい風によって回避がほぼ不可能な紫弾にゆっくりと追い詰められ、何も対策が取れないまま大ダメージを食らうしかない)という、正攻法での攻略を真っ向から否定したゲームバランスとしてあってはならないレベル。 メカポンの場合は先のジャンプ上昇時の見えるはずの無い攻撃判定に加え、『垂直ジャンプ→斜め下にロケットパンチを出して急降下プレス×3』の攻撃を画面端で食らった場合は、自機の吹き飛び方向と敵側の攻撃判定の大きさ故に次の同技を回避するのが非常に難しく、最悪の場合(それでも頻繁にある)は立て続けに4割ダメージ×3という地獄が待っている。ボスからの一定の理不尽な攻撃による瞬殺ぶりは、かのドM育成ゲーとして名高い『GOD HAND』並である。 随所で導入されるボスの顔アイコン付きの字幕演出が画面を隠してしまうせいで、敵の銃弾やレーザーが把握出来ずにいきなり食らってしまうという、ゲームにおける演出として導入しているのにゲームバランスを壊しているという本末転倒な自体となっている。 困ったことに、多くのボス戦でも当てはまる仕様。せめて上下の黒画面を活用すべきである。 「テストプログラム」の仕様が酷い。掻い摘んで言えばただの強制戦闘エリアだが、特定のエリアに行くためには必ずこのテストプログラムを経由しなくてはならない。 それだけでもかなり面倒な作業プレイなのだが、経由して進んだ先のエリアから「強制的にテストプログラムの少し前のエリアに戻るポイント」が存在する。 このポイントは、触れてしまえば勝手に戻されるためにアップグレード探索中には非常に厄介で、再び来ようとすれば当然ながらテストプログラムを経由しなければならない。前述の仕様だけでも非常に面倒にも拘わらず、この組み合わせはひどすぎる。何故ポイント同士を行き来出来る仕様にしなかったのか…。 ちなみに、このプリズンにおけるテストプログラムを突破するとライフアップグレードを入手出来るのだが、このUGに限り強制取得となる(設置場所の高低差が狭く、ジャンプで飛び越えられない)。 研究施設や神への道などの一部におけるステージ構成の仕様で、建築物の死角や影に隠れる形となる進行箇所が存在する。 この仕様のせいで『敵の存在を把握していない状態でレーザーマシンガンを真正面から大量に食らって、何が何だか分からないまま、気付いたら一瞬で死んでいた』といった理不尽極まりない状況にしばしば陥る。 被弾覚悟でオプションAやカタパルトを駆使すれば、ゴリ押しで正面突破出来ないこともないが、予備知識無しでライフアップグレードも乏しい場合はまず死ぬ。 神への道の場合は、後半になるとせり上がる両端の足場と一段下の足場の境目の壁に張り付いた状態では自機が完全に隠れる形となり、さらに四方八方からの超火力の弾幕(比喩ではない)、壁張り付き時の動きの制限も合わさって、ひどいとしか言い様がない展開になる。 元々フィクション性の強い2Dアクション故に、この様な理不尽なリアリティにする位ならば透過処理を施すなどの対応があってしかるべきである。 翻訳が日本語の会話として変な部分がある。 西王母との戦闘中のセリフなど、あからさまに「英文を中学生レベルで直訳しただけで日本語としてのニュアンスを考えていない」文章がいくらか見受けられる。また、シュランゲの各セリフは状況に応じてのチェックをしっかりとやったのかも怪しく、最後のセリフがメカポンとの戦闘開始前のものと全く同じだったりする。また、飛竜自身も特定の会話にて「知っている事を全て『しゃべれ』」という、ピンポイントで違和感のある妙な言葉を使う。「話せ」ではダメな理由でもあったのか…。 序盤の飛竜の体術がショボい。せめて初期状態で2段ジャンプ位はあってもよかったのではないだろうか? しかしそうすると、2段ジャンプをアップグレードとして残すボスキャラ、南風の存在意義がまるで無くなってしまうのだが…。 相変わらずストーリーは『飛竜がグランドマスターを倒しに行く』の一言で片付けられる、簡素なもの。 過去の2作では、1は言うに及ばず、2では1との2000年の時間の隔たりや様々な設定への解釈もあくまでファンの憶測であり、真実は語られないというのが飛竜シリーズの世界観の表現に一役買っているというものであったが、今作ではいくら『新生』という言葉を掲げたとしても、流石にもう少し別の方向性を見出せたのではないか。 『STRIDER』シリーズではなく、『ストライダー飛竜』シリーズはあくまでも飛竜がグランドマスターを倒しに行くという、それだけで語り終われるものだと言い切れるのだろうか。 ゲームクリア時の引継ぎが無い。 それ自体はカプコンのアクションゲームのタイトルでは珍しくは無いが、問題はギャラリー要素であるコンセプトアート、環境情報、ファストランナー&サバイバルのNEWステージ等の『POWアイテム』までもがリセットされて再配置されてしまう事にある。 一度解放したギャラリー要素は解放されたままなので、その点は問題無いが、クリア後のニューゲームで残りのギャラリー要素を解放するためにPOWアイテムを探すとなると、再配置されたものによって再度最初から隅々まで調べて漏れを探すハメになる。無論、一度入手したPOWアイテムを再度取る意味は全く無いので、二度手間どころの問題ではない。 『クナイ』に関しては過去作でサイファーとオプションで戦ってきた飛竜のイメージに合わず(忍者と言えばクナイという発想だったと思われるが、そもそも飛竜、転じてストライダーズは忍者を『モチーフとした』諜報組織、特務機関であり、特定の国家に属さないフリーの情報部=エージェントである。何もかも忍者そのもののイメージを壊さずに現在まで存在している設定ではない。だからと言って付けるなとも言えないが…)、『アサルトファング』という洒落たネーミングも何か違う気もするが。 また、ゲーム内のギャラリーモードやPS3版の特典「特A級リミテッドエディション」も、「暗躍のイメージがぶち壊し」といったタイトル・キャラクター性のミスマッチぶりに苦言があった。 NES版やリターンズ等を知っているプレイヤーからしてみれば、リターンズは流石に抜きにしても、「せっかくザインプロジェクトの設定やNES版のBGMを掘り起こしてくれたのだから、原作のザインの母体を本編終了後の隠しボス辺りに持って来て欲しかった」…などという人もいたと思われる。 登場キャラの前口上がいちいち長い上に頻度も多く、更には過去作と比較して「ちゃち」な台詞ばかり並べるために、飛竜シリーズ特有の『セリフで印象付ける』作用が悉く蛇足と化している。 プロパガンダ区域での軍政官ミキエルの演説や南風の警告、研究施設でのシュランゲの語りなど、普通にステージを進行しているだけで何度も表示されるので非常に煩わしい。 ついでに言うと字幕が小さく日本語音声非対応なので、迫力に欠けて没入感を逆に妨げる要素にさえなっている(特にバルログ最深部でのソロ2戦目)。 総評 ひとつの探索ゲームとしての出来は悪くはないものの、ろくにテストプレイをしたのかも怪しい敵兵士の弾幕仕様やステージの構成、『飛竜シリーズ』としてのデザインやUIなど、古参のファンにとっては首を傾げる点も決して少なくはない。文字通りのゲームとして人を選ぶバランスの悪さが目立つ。 プレイしたユーザーからの感想としては「飛竜でメトロイドやってる感じ」「飛竜でやる意味が見受けられない」「でも飛竜じゃないとこの内容ではオリジナルタイトルとしてはリリース出来ないよね」と、言わば「飛竜節」を望むプレイヤーからの声は明るくはなかった。海外のプレイヤーから「飛竜にはクレイジーなキャラとゲーム性を求めている」という感想が上がった事からも、本作は『無難な内容故に飛竜シリーズが持つイメージとの合致感が無い』という評価に落ち着くだろう。 余談 プロデューサーのアンドリュー氏のインタビューにおいては、何かにつけてひたすら「飛竜はカッコいい」を連呼するだけでゲーム内容についてはほとんど触れておらず、飛竜をよく知るユーザーにとっては不信感へと繋がる有様であった。 流石にUMVC3で大不評を買った「ストライダー飛竜、参る」「目標を確認、任務を開始する」などといったキャラクターを全く掴んでいないセリフは無かったが… 『MARVEL VS. CAPCOM INFINITE』におけるシネマティックストーリーモードのムービーにて本作のデザインでのグランドマスターが登場するのだが、飛竜とガモーラの交差攻撃によって空中に浮遊した状態で何もしないまま無抵抗で葬られるという完全にかませ犬扱いに終わってしまった。対抗しての攻撃はおろか、回避どころか防御さえせずに本当に何もしないままにただただハリボテを壊したかの如くぞんざいな扱いであり、茶番臭溢れる展開となっている。
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ディスクファクスイベントシリーズリンク 機種はすべてファミコンディスクシステムで任天堂発売。 タイトル 発売日 イベント終了日 ジャンル 概要 判定 ゴルフJAPANコース 1987年2月21日 1987年5月10日(*1) SPG FC草創期の1984年に発売された『ゴルフ』をベースにマイナーチェンジ。キャラクターをマリオに差し替えコースを一新。 スルメ ゴルフUSコース 1987年6月14日 1987年8月31日 SPG 上記をベースにコースを一新し、グラフィックを大画面化するなどアレンジを加えた発展形。 スルメ ファミコングランプリ F1レース 1987年10月30日 1987年12月15日 RCG トップビューのレースゲームで24台の豊富なマシンから自分に向いたものを選び最速を目指す。 良 アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール 1987年12月1日 1988年2月29日(*2) ADV 学園生活のドタバタの中で中山美穂と出会い、彼女との愛を育てるアドベンチャー。別名「恋愛シミュレーションゲーム」 良 ファミコングランプリII 3Dホットラリー 1988年4月14日 1988年5月31日 RCG 3D対応。フィールドビューによる抜群のスピード感だけでなく飛んだり跳ねたりもする躍動感あふれるレースゲーム。 良 関連作品 タイトル 発売日 イベント終了日 ジャンル 概要 判定 パンチアウト!! - - SPG 『ゴルフUSコース』イベント参加者10,000名に配布された賞品で、ロムカセットソフトのボクシングゲーム。その後、実在ボクサーのマイク・タイソン氏とタイアップした『マイクタイソン・パンチアウト!!』として1987年11月21日に一般販売された。 良 リサの妖精伝説 1988年6月21日 1988年8月20日 ADV ディスクファクスイベントではないがイベント用青カードを採用。テレフォンサービスでゲーム本編とリンクしたメッセージ配信を行った。 良 帰ってきたマリオブラザーズ 1988年11月30日 1989年5月31日 ACT ディスクファクスイベントでも青カード専用でもないが任天堂公認でキャンペーンイベントが行われたディスクソフト。 良 メーカーは『リサの妖精伝説』のみコナミで他は全て任天堂。 『パンチアウト!!』のみロムカセット。 シリーズ概要 シャッター付の青ディスクカードで発売されたシリーズで、当該のカードの対象ソフトは同じ青ディスクカードでしか書換ができないものだった。 反対に青ディスクカードで『ゼルダの伝説』など、普通のディスクソフトへの書換は可能だったので青カード自体は上位互換である。 青カードは全国400店舗に設置された「ディスクファクス」を介して任天堂とスコアやセーブデータをやり取りすることが可能で、この機能を利用して1987年2月から1988年5月まで全5回のイベントが行われた(期間は発売から大体2~3ヶ月程度)。 ジャンルとしては主にゴルフとレースゲームで、プレイヤーはスコアなどプレーデータをディスクファクスを通じて任天堂に送り、そのスコアやタイムを任天堂が集計しランキング化し、その順位等に応じて賞品が貰えるというもの。 会場に来場して一発勝負となるハドソンのゲーム大会「全国キャラバン」とは異なり、プレー自体はそれぞれが自分のハードで行う形で、その中でベストを競う形になっており「やり込むほどスコアを伸ばせる」という点でも差別化のされたものだった。 任天堂からは「サービスデータ」を受け取るという形式になっており、その時点での暫定ランキングなど途中経過の発表を中心とし、各プレイヤーのメッセージの開示、次回イベントの予告などがあった。 一大イベントということもあって一部(後述)を除いて看板キャラであるマリオが起用されておりマリオシリーズにも数えられる。 第4弾『中山美穂のトキメキハイスクール』に関してはその中でも異色な存在でマルチエンディングのアドベンチャーとなっており、テレフォンサービスとの併用でゲーム本編とリンクしたメッセージをゲーム中に画面で表示された番号に電話してメッセージを聞くことでストーリーの進行を補填したりヒントになるようなものが聞ける趣向が盛り込まれていた。 そのためサービスデータも途中経過のランキング発表等ではなく、進行状況に応じた中山美穂や登場キャラのメッセージなどが主体で中山美穂本人のレコードリリース等の情報も含まれるなど他と一線を隔したものになっていた。また、この作品のみマリオが一切登場しない(*3)。 第5弾『ファミコングランプリII 3Dホットラリー』を最後に1988年5月31日、このイベントは幕を閉じ直後に発売された『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 後編』の広告に併載する形で発表された。 この時同時に当該イベントは「ディスクシステムの構想を完成させる実験的な位置付け」で行われていたという意図も公表している(*4)。 その実験という言葉にたがわず21世紀現在は進化したオンライン技術を活かし、これを発展させたような形のゲーム大会などは任天堂に限らず日常的に行われている。 ディスクファクスイベントはまさに、そんな現代のオンラインゲーム大会の昭和版モデルだったと言えるだろう。 イベントが絡んでいることもあって残念ながらこれらの作品は移植などもされていないが、その血は後の作品に脈々と受け継がれている。 『ゴルフJAPANコース』『ゴルフUSコース』は後の『マリオオープンゴルフ』(ファミコンロムカセット 1991年9月20日発売)に繋がり現在も続く『マリオゴルフシリーズ』の原点と呼ばれている。 『ファミコングランプリ』に始まったマリオのカーレースゲームは後の『スーパーマリオカート』(スーパーファミコン 1992年8月27日発売)に繋がり、以後『マリオカートシリーズ』として新ハード毎に新作が発売されている。 イベントを抜きにしてもゲーム自体も任天堂作品らしく非常に良質なものが多く、現在でもレトロゲーム愛好家に好まれているカテゴリの1つでもある。 対象ソフトの説明書には日本全国のディスクファクス設置店舗がズラリと一覧で載せられている(*5)。 あれから長い年月を経た現在では失われた店舗が少なくはなく、今見返してみれば記憶の片隅で忘れかけていた懐かしい店の名前に出会えるかもしれない。 番外的な存在として当該イベントではないが、イベントが終了した1988年6月にコナミから青カード専用ソフトとして発売された『リサの妖精伝説』がある。 『中山美穂のトキメキハイスクール』を踏襲し、ゲーム本編とリンクしたメッセージをテレフォンサービスで配信するという形式が取られている。