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日産自動車の車がすきなんですよ。 それでヒマだったからちょこっと検索してみたんです。 そうしたらお気に入りに思わず入れてしまったサイトがあったので 紹介してみますね。 日産自動車カタログ R35 日産GT-Rブラックエディション 日産セレナ ライダー パフォーマンススペック(2WD) 日産ティーダ アクシス 日産ノートライダーハイパフォーマンススペック 日産マーチ 中古車 日産キューブ 中古車 こんな感じです。 なかなかいいのでこれからも期待してます。
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ハナヒメ*アブソリュート! 【はなひめあぶそりゅーと】 ジャンル 花姫バトルADV 対応機種 Windows 7~10 メディア DVD-ROM 発売・開発元 mirai 発売日 2016年8月26日 定価 9,800円(税別) セーブデータ 10×10 レーティング アダルトゲーム 判定 なし ポイント 過去作で続いたシナリオの強みが消滅設定や伏線が投げっぱなしでキャラの魅力も生かせてないバトルは過去作から改善点もあるが爽快感減発売開始後7ヶ月目でようやくバグ修正シナリオ以外は良くも悪くも普通のゲーム何故か出来の良いあやねルート 概要 ストーリー 主な登場人物 特徴 問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 概要 『プリンセスうぃっちぃず』などの製作指揮を執ったかんなぎれい氏がみなとそふとへ入社後関連ブランドの1つであるmiraiのデビュー作として指揮を執り製作したゲーム。 「『ティンクル☆くるせいだーす』スタッフが送る完全新作」という点を推しておりその出来に期待したユーザーは多かったのだが……。 ストーリー 2025年――。 王子達の国「ステラクラウン」と姫達の国「フロリスハーツ」の戦いを描くソーシャルゲーム「クラウンハーツ」が大ヒットし、 プロゲーマーがプロスポーツ選手と同じように人気の世界。 主人公の愛内虎春は天真爛漫な幼なじみで期待の新人プロゲーマーである「猫屋敷メア」や 誰にでも優しく、ちょっとブラコン気味な妹「愛内陽良子」 陽良子の友人で大人気のネットアイドル「熊埜御堂あやね」たちと一緒に、私立ルミナス学園に通い楽しい毎日を送っている。 そんなある日、年に一度開催されるクラウンハーツの一大イベント「神冠大戦」のオープニングセレモニーに訪れる虎春達。 しかしそこで行われたのは、最新のVR技術を利用し現実世界でリアルにバトルを楽しめる『クラウンハーツVR』の発表。 そしてそのVRシステムで行われる神冠大戦、「神冠大戦VR」の開催宣言だった。 更に神冠大戦VRでは、「優勝すると何でも好きな願いをひとつ叶えてくれる」という噂もささやかれていた。 かくして16名のトッププレイヤーたちのバトルロイヤル、「神冠大戦VR」が幕を明けるのだった。 「――クラウンハーツ、ゲットレディ! バトル!」(公式サイトからの引用) 主な登場人物 + クリックで開閉。 愛内虎春(あいうちこはる) 本作の主人公。しっかり物で困ってる人を放っておけない、世話焼きな性格。姫達のツッコミ役。 基本的に女の子達に甘く、妹の陽良子には特に甘いが、自覚が弱い。 プロゲーマーの母親の指導のたまもので、幼少よりゲームは何でもこなし、腕前は達人の域。 そのゲームの腕前と、知将然としたプレイスタイルをポリーナに見出され、花姫達の王として今回の神冠大戦に参加する。 公式サイトの説明に反し実際は無個性で無難な主人公となってしまっているが、あるルートではとんでもないことを平然としていたりする。 また、何故かあやねルートのみその性格が活かされており、主人公らしさを発揮している。 猫屋敷メア(ねこやしき-) 学生ナンバーワンと称されるプロゲーマー。特に格闘ゲームでは無類の強さを誇る、ゲーム界のアイドル的存在。 明るく真っ直ぐな性格で、男女どちらからも人気があるが、お調子者で気分屋などゲーム以外に関しては割りとダメな面も。 虎春とは小学校から一緒の幼馴染。同じタワーマンションのお隣さん。 虎春に対し、あくまでも「友情」で接していたつもりだったが、それがいつの間にか恋心にかわっていることを自覚して戸惑っている。 彼女自体はギャルゲー・エロゲーによくある王道ヒロインだが、後述の明かされない伏線の多さから彼女のルートの評価は高くない。 玲奈・リル・レーフェン(れいな-) フランスの有名大手ゲームメーカーのご令嬢で、自身もゲームデザイナー、プログラマーとしていくつものゲームを製作してしてる(公式サイトの表記そのまま)超天才。 ゲームも得意で、メアとは良きライバル。派手で魅せるプレイスタイルを好む。 一見優雅なお嬢様だが、フランス暮らしが長かった 特撮やアニメから知識を得てたため日本に対しての認識が相当おかしく、ずれた行動を取ることもしばしば。 虎春のことはあまりにメアが楽しそうに語るので、ヤキモチを焼き、攻撃対象に設定している。 ポリーナ・ミーロヴナ・フォン・シュヴァルツァハーゼ 虎春をリアルクラウンハーツへ導いた謎の少女。元はゲームのナビゲートキャラクターだが、現実世界に滞在し、虎春達と一緒に生活することになる 本人は記憶喪失だと言っているが、微妙にポンコツだったりバグったりしている様が散見される。…が、自分ではしっかり者だと思っている。 ゲームの世界で毎日同じことを繰り返していたので、現実世界で見るもの全てが新鮮。特に食べるという事を知らなかったので食欲がつきない。 愛内陽良子(あいうちひよこ) 虎春の妹。直球のブラコンでお兄ちゃん大好き。虎春と本気で結婚するつもりでいて常日頃それを隠さずベタベタ。 エロゲーによくある義理の妹や異父母兄妹ではなく血の繋がった実の妹であるが、アグレッシブに求愛行為を繰り返しておりかなり手遅れ。この設定が主人公の異常な行動を際立たせている。 基本的にしっかりしている部分もあり、やれば出来る子であるが両親と虎春から甘やかされて育ったため、ややだらしない部分が見られる。 とにかくついてるアルティメットラッキー娘。商店街の福引やゲームのレアアイテムの引きで威力を発揮するが、その代償として年に一度誕生日の日には宇宙の法則が乱れるほどの大凶運が訪れる。 狼谷イヴ(かりや-) ルミナス学園の生徒会長。しっかり者で穏やかな性格。生徒、教員からの人望も厚いが、勘違いが多く慌て者な面も。 妄想力たくましく、変にエロ方向に想像を膨らませてしまう癖がある。が、傍から見ると真面目な顔をしているので、考え事に没頭しているように見える(シンキングワールド)。 実は本町にある古本屋。そこでの手伝いや、本を読んでいるうちに小説が好きになり将来はゲーム関係のライターになりたいと思っている。 鳳杏子(おおとりあんこ) ミッション系の有名女子校に通うお嬢様。生まれも育ちも岬浜中華街だが、本籍は中国で、中国名は鳳杏(FengXing)。実家は中華街を仕切る香港マフィアで、そのボスの一人娘。 護身用にと大量の重火器や武器などを持たされている。普段はスカートの裏などに隠している。 なぜか大金を手にしたいらしく、普段からかえるのがま口を持ち歩き、大切に貯金を積み重ねている。 強がっているが根は優しく、本人が気が付いていないだけで愛され系。 中華街の人々に、ものすごく可愛がられている。杏子自身も中華街や街の人々が大好き。 熊埜御堂あやね(くまのみどう-) 陽良子の同級生で、小学生の時に出会って依頼の親友。性格は全然違うのに、なぜか気があった。虎春ともそのころからの遊び仲間。 基本的にアホの子だが、年齢性別を超え、誰とでも友達になれるコミュ力の高さを持つ。ネットアイドルとして自分で番組を配信していて、結構人気。 ギターは勿論DTMも得意。アイドルマニアの兄がいて、その影響を受けて現在に至る。 ゲームはあまり得意ではないが、クラウンハーツでは廃課金(兄におねだり)によるごり押しで花姫の地位を最近手に入れた。 龍宮寺ナオ(りゅうぐうじ-) NoRNのCEOにして、ルミナス学園の理事長も勤めるスーパーな人。お忍びでクラウンハーツにも参加していて、ゲームの腕も高い。 いつもニコニコしていて軽く、おふざけや突飛な行動が多い。 一見頼りなくみえるが、人をその気にさせて実力を引き出すことに長け、経営者としても理事長としてもかなり有能 無類のウサギ好き。理事長質に牧場を作り、30匹以上のウサギに全て名前を付け、かわいがっている。 『プリっち』の世界観や魔法と何らかの関わりがあると思われる描写が多く見られるが、それらの詳細がゲーム本編で明かされることはない。 (公式サイトより引用。一部改変、追記あり。) 特徴 本作では『クルくる』と同じくADVパート中にバトルゲームが挿入されている。バトルシステムは『クルくる』のものとほぼ同じ。 ただし一部システム、UI、演出の変更から賛否が分かれる内容となっている。詳細は後述。 また、クリア済でなくとも最初からバトルをスキップすることが可能。初心者に対する配慮だろう。 問題点 シナリオが薄く、キャラの魅力も生かせていない。 過去作に存在した熱いシーンや笑えるギャグシーンがほぼ無くなってしまっており、日常パートの繰り返しのような内容となってしまっている。 電子領域(*1)が現実世界に影響を与えるなど、見所のあるイベントも無いわけではないのだが、盛り上がりに欠ける。 『プリっち』『クルくる』と同じく派手なエフェクトや効果音が多用されているが、それがどうでもいい場面で多用されているため寒い。 主人公が無個性? シナリオが薄い原因の1つに、主人公「愛内虎春」がエロゲーにありがちな「無個性な主人公」であることが挙げられる。 『プリっち』『クルくる』では主人公が魅力的かつ戦闘に直接参加しヒロイン達をサポートしていたが、本作の主人公はヒロイン達と一緒に戦闘することはない(*2)、基本的に後ろで指揮をしているだけ。 性格も普通のお人好しと無難であり、「ゲームの実力はプロゲーマー並の腕」という設定があるもののその設定もあまり活かされない。 その一方で『プリっち』『クルくる』とは別の方向で主人公の頭のネジがぶっ飛んでいるとしか思えない描写もある。 陽良子ルートにおいて陽良子のバストアップ運動(胸を揉む)の手伝いをしそのまま流れで陽良子のオナニーを手伝い行為に発展するイベントがあるのだが、その後主人公が実の妹との関係に葛藤する描写が一切無い。このイベントの最初に多少躊躇するのみ。 更にその後、陽良子にフェラをさせるイベントがあるのだが、そのイベントでも「このことはみんなには内緒だぞ」で済ませるだけ。 一方で、陽良子はこれらの行為の後に実の兄への恋と、実の兄と関係を持つ事に悩んでしまい、本作のラスボスに付け入られるきっかけとなってしまう。 エロゲーとしてはこれでいいのかもしれないが、特殊な性癖を持っているわけでもないのに何の葛藤も無く実の妹と近親交配に及ぶのはどうなのだろうか。 ゲーム「クラウンハーツ」の説明がほとんどされず、どのようなゲームかプレイヤーに伝わらない。 一応『初代』が据え置きハードのオンラインゲーム、『2作目』がスマホによるソーシャルゲーム、そして『VR』とプラットフォームが変わっている過程は判明する。 伏線が投げっぱなしのシナリオ 主にメインヒロインであるメアルートで語られる伏線の多くが投げっぱなしとなってしまっている。 例を挙げるとビーズちゃん(*3)とナオの関係、ナオの正体や野望及び魔女界との関連性、『プリっち』との世界観の繋がりなど数多くの伏線が完全に丸投げとなっており「何のために伏線を出したのか?」と言わざるを得ない。 特にメアルートのクライマックスに『プリっち』の「世界樹」が出現するシーンはプリっちをプレイしたユーザーを脅かせたが、世界樹が何なのか語られないままシナリオは終了してしまう。 「クラウンハーツ」を利用した大規模な魔法の実験を行ったことや、魔法を使用してポリーナの実体化を行ったところまでは推測することができるが、あくまでもプレイヤーの推測レベルであり、何のためにナオがそれらを行ったのかは作中の描写からは推測しようがない。 『プリっち』関連のネタについてはブランド移籍の関係で自重せざるを得なかったのかもしれない。 ……が、本作のビジュアルファンブック(以下VFB)には『プリっち』の「春日かれん」と「ベルナルド」のイラスト、『クルくる』の「パッキー」のイラストが普通に掲載されていたりする。ゲームとVFBでは規制の度合いが違うのかもしれないが。 全体的なバトルの難易度は低下しているが、理不尽な難易度のバトルがわずかだが存在する 例としてはSTAGE40「雲霞のごとくに駆け上がれ!」 ここで登場する敵は「レアチョロモン」という一見ただのザコ敵だが、ノーマル以上の難易度だと属性の有利不利の影響を受けにくい「ノータイプ」が2体、どの属性にも有利な「ゴッドタイプ」が2体、合計4体で編成されている。このため攻撃によるノックバックの効果が低下しておりゴリ押しがしにくい。 加えて、敵が所持するEX技が「自分以外の待機時間の減少」であり、サポートスキルも味方の待機時間を減少させる「ユニゾンバースト」タイプ。このためノーマル以上の難易度だと普通にプレイした場合手数で押し負けてしまう。 サポートスキルを連発されると何も出来ずに終わる事も……特にサポートキャラが3体いるハードモードでこのような状態に陥りやすい。 バトルで強制終了することが顕著。修正パッチである程度改善されたが、環境によってはそれでも落ちることがある。 これはADVパートとバトルパートのゲームエンジンが別々であるために発生する問題。以前と同じように同じエンジンでまとめることはできなかったのだろうか。 バトルの不具合がほぼ解消されたVer1.30でもADVパートとバトルパートの切替により強制終了する現象は完全には修正されていない。 一部ステージが重い 敵味方が合計12人以上で戦う戦闘において、高スペックなPCにおいても処理落ちが発生することがある。 + かつて存在していた多くのバグ 本作の敵である星王子達をポリーナルートの終盤、星王子ルートでは味方として使えるのだが、味方使用時に不具合が多い。かつての最新パッチ(Ver1.21)でも修正されていなかった。 烏丸善行はキャラクター画面ではアタックタイプとなっているのだが、戦闘に入るとスピードタイプとなることがある。更に1度攻撃するとアタックタイプに変化し、以後はアタックタイプのまま。 EX技もおかしくなっており、ステータス画面、戦闘画面において技の名前と技の効果が入れ替わって表示されている。 遊馬有紀はキャラクター選択画面ではスピードタイプとなっているが、戦闘が始まるとアタックタイプに変化したり、戦闘開始時にはスピードタイプであっても1~2回攻撃するとアタックタイプに変化してしまう。 猪瀬連十郎はキャラクター選択画面ではアタックタイプとなっているが、戦闘開始時にランダムでディフェンスタイプに変化してしまう。 ただし彼はEX技で任意にアタックタイプとディフェンスタイプを切り替えることが出来るため、仕様の可能性もある。 ナオには目に見えて分かるバグは特に無い。…と思いきや、実際にはEXゲージ関連のバグが存在していた。 上記のバグは目に見えてわかるバグであり、実際は更に多くのバグが存在していた。詳しくはこちら。(電撃姫.comの修正パッチ置き場) これらのバグは2017年3月24日に配信されたVer1.30のパッチでようやく修正されている。 賛否両論点 バトルシステムの変更点については賛否両論 ロケットダッシュの廃止 『クルくる』に存在したロケットダッシュが廃止され、戦闘に参加するメンバーの素早さにより味方の初期配置が決まるようになった。 初期配置をコントロールできなくなったが、戦闘メンバーによって配置をある程度固定できるというメリットもある。 冗長なアニメーション 攻撃時のアニメーションが長く、テンポが悪い。ユニゾンアタック時は攻撃の度にアニメーションが入るため更に悪化する。 肝心のアニメーション自体も「出来が良い」とは言いがたい。せめてアニメーションのオンオフを切り替えられれば良かったのだが。 EX技が攻撃後の入力ではなく行動前に先行入力する方式となり、爽快感が減った ただし範囲EX技の命中する相手や、EX技によるノックバックが入力の際に分かるように変更されたため、戦略性は上がっている。 『クルくる』と違い基本的に敵味方共に攻撃Lvは全て1、サポートスキル、チャージを使用しても最大で2までしか上昇しない。 ストーリーが進行しても攻撃Lvが全く上昇しないため、ヒロイン達の成長が体感できないという意見がある。 その代わり属性による相性がより重要となっており(*4)、こちらも戦略性は上がっている。 また、ストーリー中に特訓イベントにより新EX技が習得できるため、成長が全く体感できないことはない。 「サポートスキル」が分かりにくい 本作のバトルでは直接バトルに参加していないキャラクターも「サポートキャラ」として戦闘に参加できる。 『クルくる』では特定のキャラの攻撃後に一定確率で割り込んでくる形式だったが、本作ではバトル中ランダムでサポートスキルの発動、ユニゾン攻撃時に一定確率でサポートキャラも攻撃に参加、という形となっている。 このサポートスキルだが、非常にわかりにくい。戦闘前に見られる各キャラクターのステータス画面の左下に記号で「C」「H」「U」「EX(橙色)」「EX(紫色)」と使用できるサポートスキルが表示されているだけである。どれがどのような効果なのか確認することもできない。 ちなみに効果はそれぞれ「HP回復」「任意の味方1人がチャージ状態となる(*5)」「Actバーから1番遠い味方を2番目に遠い味方とユニゾンさせる」「EXゲージ回復」「EXゲージダウン」である。 それぞれの正式名称はビジュアルファンブックによると「チャージバースト」「ヒーリングプラス」「ユニゾンブースト」「EXブースト」「EXカット」となっている。 バトルの難易度が低めに設定されている これは中盤以降、範囲EX技を持つ味方が増えて相手のスタンゲージを削りやすくなるためである。そのため範囲EX技を連発し、相手を気絶状態にしてゴリ押すことが容易。 範囲EX技はEXゲージの回収率も良いため、使い勝手もいい。 その性能から範囲技に目が行きがちだが、杏子の単体EX技「紅蓮鳳翼蹴」も強力でスタンゲージこそ1しか減らないものの、ゲージ回収率、ラッシュ数、ダメージ全てが優秀。 また、序盤からあやねが使えるEX技「ラピッド☆サーキュレーション」が強力で、3回まで敵の攻撃を無効にする。EX技によるごり押しが不可能な序盤では非常に強力であり、初心者への救済や難易度の低下にも一役買っている。 これについては「ヌルゲーになった」という声もあれば、「理不尽だったクルくる(ハードモード)と比べて楽になってよかった」という声もある。 また、普通にプレイする分には難易度は下がっているが、『クルくる』同様戦闘評価GODを取るのはかなり難しい。 あるソーシャルゲームのトッププレイヤー達が一つの街に集まっている異常な設定。 もっとも、これはナオが意図的にトッププレイヤーを選抜した可能性が高いが。 評価点 「キャラクターそのもの」は魅力的である。 最低限のADVの水準には達している出来であり、このゲーム単体としてはそこそこ楽しめる。 「女の子とイチャイチャするゲーム」として見ればそこまで悪い出来ではない。バトルも強制終了にさえ耐えられれば充分楽しめる出来である。 もっとも、女の子とイチャイチャするゲームとして見ると、クラウンハーツの設定やバトルの存在意義が怪しくなるのだが……。 実際にクラウンハーツの設定が最低限しか使われていないサブキャラクターの杏子、あやねのルートのシナリオはHシーンが無いという点を除けばメインヒロインのシナリオより出来が良い。 ただし杏子ルートでは虎春はプロゲーマー並の腕を持つはずなのにプロゲーマーに全く歯が立たないといったおかしな描写がある(*6)他、勢いだけでシナリオが進む場面もありメインヒロイン達のシナリオよりはマシとはいえ良い出来とは言いがたい。 あやねルートは『クルくる』の聖沙ルートを彷彿とさせるメアの心理描写や、主人公らしさを発揮する虎春などそれなりに見所があり、シナリオそのものは短いが良い出来である。 音楽は『プリっち』『クルくる』に引き続きアメディオが担当しており良曲が揃っている。特にfripSideのOP曲である「Absolute wish」はシリアス調で非常にかっこいい。 総評 『プリっち』『クルくる』のシナリオから熱さ、面白さ、コミカルさがほぼ消えてしまっており旧来からのファンをガッカリさせてしまった作品。 「『クルくる』のスタッフがほぼ続投してこの出来」という点も批判の対象となってしまった。 上記を抜きにしても薄いシナリオ、雑な設定、本編では明かされない伏線の多さから褒められた内容ではない。 単品として見た場合はクソゲーではないが「バトルがそこそこ面白いがバグが多くシナリオが薄い凡作」と言わざるを得ない出来となってしまっている。 登場人物達は魅力的なため残念な作品である。 グッズ販売、追加シナリオの配布、新シナリオを付録にしたビジュアルファンブックの発売など公式がなんとか本作を盛り上げようとしていることが窺えるが、現状のゲーム内容では今後は厳しいだろう。 余談 公式サイトの「ゲームシステム」の「長く楽しめるやり込み要素」の内容が公開されていない。 花繋がりかDMM(現FANZA)ゲームズのアダルトブラウザゲームの一つである『FLOWER KNIGHT GIRL(フラワーナイトガール)』とのコラボが実施された。 本作には初回特典として『FKG』用の装備アイテムのシリアルコードが付いている。 また、『FKG』本編にもメアをモチーフとした花騎士(フラワーナイト)である“ナイトメア(カタクリ)”が最高レアリティで実装された。 キャンペーン中は「5000円でガチャ11回・内1回はカタクリ確定」と言うのもあった。キャンペーン終了後も確率に勝てればだが入手は可能。 本作の公式サイトでは「このナイトメアさんは、剣花姫でゲームアイドルのメアさんのイメージが、花騎士の世界で具現化された物です。だから似てるようで別人なんですよ」と明言されている。要するにメアが別作品の主人公に寝取られた訳ではないのでご安心を。 因みに名前のナイトメアはナイト(騎士)とメアを掛けたものであるとされており、花騎士名がカタクリなのは3月24日生まれであるメアの誕生花だからである。 尚、かんなぎれいがデザインした花騎士“イキシア”も最高レアリティで登場している。 ビジュアルファンブックではメアがゲームの達人となった理由や大まかではあるがナオの正体が記載されている。本編で語られなかった事が惜しい内容である。 また、『プリっち』『クルくる』が本作と世界観を共有していることが記載されている。明言はされていないが『パティシエなにゃんこ』も世界観を共有している可能性が高い。
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New スーパールイージ U 【にゅー すーぱーるいーじ ゆー】 ジャンル アクション 対応機種 Wii U 発売・開発元 任天堂 発売日 ダウンロード版(*1):2013年6月19日パッケージ版(*2):2013年7月13日 定価 ダウンロード版:2,100円パッケージ版:3,885円(共に税込) 判定 良作 ポイント マリオじゃない ルイージの年にちなんだ作品の一つトッテンまさかのプレイアブルキャラ化単体パッケージ版以外、単独購入は不可短いゲームの中にてごわさを凝縮 マリオシリーズ・関連作品リンク 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 『New スーパーマリオブラザーズ U』(以下、マリオU)の追加コンテンツとして開発された、外伝的作品。 発売された2013年はルイージ生誕30周年を祝う「ルイージの年」であることから、それにちなんだ作品の一つである。 そのため、同年に限りパッケージ版も限定生産されていたが、基本は追加コンテンツとしてのゲームである。 現在店頭に残っているものが消化され次第、本ゲームは元の『マリオU』の追加コンテンツとして購入しない限りプレイ出来ない。 なお、『マリオU』を既に所有しているのであれば安く手に入る追加コンテンツでの購入がお得である。 特徴 ストーリーなどはまったく同じだが、今回はなんとマリオが一切登場しない。冒頭でマリオの帽子がポツンと置いてあるくらいである。パッケージでもブラザーズの部分にバツ印がついている。 プレイアブルキャラはルイージと黄・青キノピオ、そしてマリオの代わりに『マリオU』では敵キャラクターだったトッテンが新たに追加された。 トッテンは一切のダメージを受けないが、アイテムが取れないという特殊なキャラ。 トッテンは基本的に2P以降の専用救済キャラであるが、裏技により一人プレイでもルイージと交代して使うことができる。 プレイヤーの能力はキノピオ達を含めて『スーパーマリオブラザーズ2』のルイージにちなんだお馴染みの調整になっており、高く飛べるが、滑りやすくなっている。 ラスボス撃破後は『マリオU』と同性能の状態(つまりジャンプ力は低くなるが、滑りにくくなる)でプレイすることも可能になる。 基本的には『マリオU』と変わらず、マップも『マリオU』のものを流用している。これだけ聞くとキャラをルイージにすり替えただけのゲームに聞こえるが、なんと今回は82コース全てがこのゲームのために全面的なリメイクが施されており、もう一周違う形でマリオUを楽しむことが出来る。 重要な点として、全てのコースのタイムカウントが100しかない。そのためシリーズお馴染みとなるタイムアップ間近のアラームが、開始直後から鳴る。 これに合わせてコースの一つ一つも短くなっている…が、その分最初のドングリへいやから早速容赦ないコースたちが勢揃いする。砦にはいきなりバーナーがあちこちに配置され、1面後半から早くもハンマーブロスがお目見え、アスレチックコースでは無数のパックンが手ぐすねひいてお待ちかね……など、目を疑うような配置が序盤からルイージを迎え撃つ。 タイムカウントの焦りとルイージの滑りやすさもかなり嫌らしく作用している。悠長にスターコインを探すことが出来ず、収集要素的な意味でも難易度を高めている。 評価点 完全に別ゲーム……とまでは言えないものの、元の『マリオU』では物足りないという人に向けた、かなりやりごたえのあるゲームとなった。位置付けとしては初代『スーパーマリオブラザーズ』とFCD版『2』の関係に近い。 ルイージの使用感はこれまでとは結構異なっている。「ちょっと違うだけだろう」と侮っていると地味に痛い目に合う。 全てのコースがほぼ完全に作りなおされておりコース構成の使い回しは感じられない。 ボス戦ではカウントが100プラスされるので、道中で慌てすぎる必要はない。 値段を考えれば、価格相応以上の内容といえる。また、タイムアタックにも適している。 コースの短さは後述のような問題もあるが、短いおかげでとても回転率がよいという側面はある。 スターコイン、隠しゴールとは別に「すべてのコースにルイージが何らかの形で隠れている」というオマケ要素がある。達成度には関係ないお遊び的要素である。 ファミコンドットのルイージや、ルイージの顔をした石像、絵画等様々なパターンで隠れている。 期間限定とはいえ、パッケージ版を用意したこと。 「マンネリ感の漂う『マリオU』を今更買ってまでプレイするのはちょっと…」という人のための救済策にはなっている。 とはいえ元のゲームも安定した出来であり、こちらを買ったうえで追加コンテンツとして購入したほうが、2,000円少々で約164コースが遊べてお得である。 内容が難しい分、ダメージを受けないキャラであるトッテンを用意することで初心者にも配慮してある。 賛否両論点 ヨッシーの性能は『マリオU』と一切変わらない。 本作のルイージの操作感に慣れないのであれば、なるべくヨッシーに乗ることを心掛けていればある程度問題なく進めてしまう。良く言えば救済措置とも言える。 問題点 コースの短さの弊害 単純にボリュームの薄さという面だけでなく、これもまた難易度を上げる要因にもなっている節がある。 コインを大量に獲得出来るポイントは増えているものの、じっくり取っている暇は当然なく、このことも合わせて残機が少々増やしづらい。 無限1UPポイントもあるにはあるが、制限時間の都合上増やしつつクリアは困難。 重要な点として、基本的に中間ポイントが存在しない。これに上述の残機の増やしづらさが合わさると「死んで覚える」ということも厳しく、地味に面倒くさい。 総評 上級者であり、かつ時間のない人向けにまとめ上げられた、WiiU版の『マリオ2』といった作品。 「ルイージが好き」というファン心理だけでプレイすると非常に痛い目を見る難易度である。 操作感の違いは意外にも深刻であり、空中制御は楽になった反面地上戦で苦労する仕様となっているため、慣れないうちはとにかく苦労する。 『マリオU』本編だけでは物足りない、というプレイヤーであれば、2,000円で別ゲーに近いものが楽しめるというのは相当お得な話である。 余談 本作のCMは近年の任天堂では珍しいネタ一直線だったため、話題になった。 涙目になりながらマリオに助けを求めるピーチ…しかし視線の先に居たのはマリオではなくルイージで、思わずピーチが「マリオ…ジャナーイ!」と日本語で叫び、どアップになったピーチの瞳に輝く光と共に爽やかな笑顔を浮かべるルイージが映し出されるという非常にシュールな内容である。 要するに「ピーチが不安がっているのは助けに来てくれるのがマリオではなくルイージだから」という趣旨の内容になっているのだ。いじられキャラがすっかり板についたルイージならではのネタである。 同じくルイージの年に発売されたWiiU版『スーパーマリオ 3Dワールド』との連動要素があり、本作のセーブデータがあると『3D』側で隠し要素『ルイージブラザーズ』がいきなり遊べるようになる。 また、本作に存在した隠れルイージの要素は『スーパーマリオ 3Dワールド』と『ファミコンリミックス2』にも同様に存在する。 2019年1月11日にNintendo Switchで、『マリオU』と本作を2作まとめてカップリングした上で新要素を加えた『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス(DELUXE)』が発売された。
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注意 ここではセガ・エンタープライゼス(現セガ)原作のアーケードゲーム『ゴールデンアックス』の、PCエンジン版移植を紹介しています。 ゴールデンアックス 【ごーるでんあっくす】 ジャンル ベルトスクロールアクション 対応機種 PCエンジン CD-ROM2 発売元 日本テレネット 開発元 レノベーションプロダクツ 発売日 1990年3月16日 定価 6,780円 判定 劣化ゲー ポイント ショボいグラフィック操作性劣悪ビジュアルシーンとBGMは高クオリティ ゴールデンアックスシリーズ 概要 特徴 問題点 評価点 総評 余談 概要 1989年にセガ・エンタープライゼスからリリースされ、人気を博したベルトスクロールアクションである『ゴールデンアックス』。同年にメガドライブ版が移植発売され、そこそこの移植度で評価された。そして、その翌年にPCエンジン版も移植された。 発売はビジュアルとBGMに定評のある日本テレネットである。テレネットらしく豪華声優陣を起用したキャラ達の会話やビジュアルを交えたストーリー演出が加えられている。 しかし、「ビジュアルとBGMだけなら抜群」というユーザー間の評価通り、ゲーム本編が極めてお粗末な代物となってしまっていたのであった。 特徴 本格的なビジュアルシーン ゲームを起動すると、ラスボス「デス・アダー」が降臨するビジュアルシーンが始まる。これはなかなか力が入っている。 声優陣の演技もさることながら、無数の蛇が集結してデス・アダーの体を形成するシーンは気持ち悪くてインパクト大である。蛇が苦手な人は、トラウマになる事は必至であろう。 ゲームを始めると、「アックス・バトラー」「ティリス・フレア」「ギリウス・サンダーヘッド」の三人の中から一人を選びゲームスタートとなる。残念ながら原作にあった二人同時プレイは削除されてしまったが、選んだキャラによってビジュアルシーンが変わるというお楽しみがあるのは嬉しいところ。 「アックス編」傭兵らしき二人の男がデス・アダー側の敵に襲われ一人が殺害、もう一人が窮地に立たされるところをアックスが現れて敵のほとんどを瞬殺、生き残った敵に対してデス・アダーにアックスの宣戦布告を伝えるように命令するという流れ。 「ティリス編」繁栄を栄えたファイアウッド王国にて、誕生日を迎えた王女ティリスを祝う祭典が行われていた最中に、デス・アダー軍が攻め込み、その場にいた全員を殺害、両親を目の前で殺されたティリスだけは幸運にも生き残り、成長した彼女がデス・アダーに復讐を誓うという流れ。 「ギリウス編」ティリス祭典と同時間に、野原にて焚き火をしてくつろいでいたファイアウッド親衛隊に所属するギリウス一行、しかしその最中にファイアウッドはデス・アダーの凶行に落ち、それを阻止しよう乗り込んだギリウス一行はデス・アダーに挑むも歯が立たず、ギリウスの目の前で共に行動していた実の弟を殺されてしまう、辛うじて生き残った彼はデス・アダーの復讐を決意するという流れ。 デス・アダー戦前で3回目のビジュアルシーンが流れ、物語がクライマックスへ突入する。追い詰められるも余裕を崩さないデス・アダーに彼ら三人は勝利する事ができるのか? 4回目のビジュアルシーンは念願のエンディング。デス・アダーは英雄達の手でこの世から消え、世界に平和が訪れた。彼らがその後どういう人生を送ったのか、それはここでは伏せておく。 問題点 ビジュアルのかっこよさからして、「こいつはすげえ期待だぜ!」と胸を膨らましてしまいそうだが、そのゲームパートに待っている現実…それはあまりにもお粗末なものであった。 まず、CD-ROM2で作られたゲームなのに、やたらと小ぢんまりとしたファミコン並のグラフィックが嫌でも目に付いてしまう。どうみても1990年製作のPCエンジンのゲームとは思えない。 前年発売のMD版はこれに比べれば原作に近いグラフィックだった。ならば「きっとPCEの性能の問題」と思われるかもしれないが、同じセガ原作のPCE移植作である『獣王記(NECアベニュー発売)』『忍(アスミック発売)』が、相応の頑張った外見だった事を考えると、ビジュアルに力を入れすぎて力尽きたと考えるのが妥当だろう。 余談だが、日本テレネットの作品はスーパーシステムカード(256KB)専用ソフトはそれなりに見られるものが多い一方で、旧システムカード(64KB)対応ゲームは悲惨なものばかりである(例:『レギオン』)。 原作にあった倒した敵が白化する演出などが削除されたのはまだいいとして、原作の魅力だった使用キャラのアクションや魔法によるド派手な演出すらも、目を覆いたくなる程にショボくなっている。 アクションには全く躍動感がなく、魔法に関してもちゃっちい魔法が「ボ ホ ゙ボ ボ」とヘボい音と共に発動されるだけである。 ビジュアルでは声優陣の熱演を入れているくせに、ゲームパートでは何故かボイスなしである。 原作では敵を倒す時と倒された時に英語風の断末魔の叫びを上げていたのが「ペロロンポロロン」といった感じの情けない音と共に死ぬ。お前ら本当に人間か? しかも、効果音すらもショぼく、原作の豪快さが大幅オミットされているのが寂しすぎる。 外見が悪いなら操作性も悪い。 とにかくキャラが動かしにくく、原作同様の行動ができない有様。キャラの動きはもっさりの極み、特にアックスは軸移動が遅すぎて敵との間合いを調整する事すら不可能に近い。 ステージが始まる度に微妙に長いロードが入り、テンポの面でも悪化している。 他メーカーのCD-ROM2系のゲームは何かしらの工夫を駆使し、その辺を緩和する配慮がなされている事が多く、「ディスクだから仕方ない」なんて言い訳は通用しない。 他にも上記の通り二人同時プレイ削除や、全体的なボリューム不足が挙げられる。但し、前者は本当にPCEの性能の問題でそうなったかもしれないし、後者に至っては原作からしてそうなのでPCEだけを責めるのは早計である。 スタッフロールが何故か削除されている。頑張ってエンディングを見た人は残念がっている。 評価点 上記の通り、力の入ったビジュアルシーンと豪華声優陣を起用した熱演は凄い。はっきりいって、ゲームがおまけでこっちがメインだろうといわんばかりのクオリティ。 声の出演は青二プロダクション率いる10人のキャスト。もうこの辺で製作予算を多く費やしているとしか思えない。 ビジュアルシーンはクオリティは高い反面、4回しかビジュアルが発生しないので、ボリューム的には褒められるものではない。 テレネットの例に漏れず、アレンジされたBGMは良曲揃い。ゲームのショボさとは温度差が激しすぎて泣けるが…。 ゲームパートの原作移植度はガタガタだが、一応はステージ数や敵配置などはそれなりに原作尊重である。 総評 「テレネットにアーケードの移植をまかせるとロクな結果にならない」 。まさにそれの一言に尽きるだろう。 主に2~3ヶ月程度の制作期間しか取らなかった経営側の問題(スタッフインタビュー記事)、一応最低限度の形にしている制作スタッフはむしろ頑張っていると言える。もちろん買う側からすれば製品の完成度が全てで納期が短いなどは知ったことではないわけだが。 余談 7月に権利取得し年末発売予定だったらしくかなり急ピッチでの開発だったと当時のスタッフが語っている。(実際の発売は翌年3月) ちなみに後にテレネットがHuカードにて『コラムス』の移植を行っているが、こっちは特に酷評は聞かれていない。 ファンの中では、豪華声優陣によるボイスに惹かれて現在もPCE版をプロジェクトEGGに配信してほしいという人もいるが、本作のPCE版の配信が困難になっている。
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クロスソード 【くろすそーど】 ジャンル アクション 対応機種 アーケード 使用基板 Multi Video System(MVS) 販売・開発元 アルファ電子 稼働開始日 1991年7月25日 配信 Wii バーチャルコンソール2011年9月20日/900Wiiポイント PS4/One/Switch アーケードアーカイブス2018年8月23日/823円(税込) 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 3章が鬼門防御が自殺行為化するバクスレイ戦等どんな敵にも頑なに一対一を通す硬派さ 概要 システム 問題点 評価点 総評 家庭用移植・続編 概要 ベルカナ地方に突如現れ、魔族の軍団を率いてベルカナ地方を支配しようとする魔人ナウシズに対し、主無き旅の騎士、エドモンドとリチャードが立ち向かうという設定の後方視点アクションゲーム。 ジャンルは違うがストーリー的には同社過去作品『マジシャンロード』の続編に位置する。 システム 『パンチアウト!!』(任天堂)あるいはネオジオ『ザ・スーパースパイ』(SNK)などに似た基本システムを持つ剣劇アクションである。 8方向レバー+2ボタン(通常攻撃、魔法攻撃)で操作。全7面。 プレイヤーの操作する騎士は、画面上にワイヤフレームで表示されている。ゲームは後方視点のため常に騎士の背中を見ながら戦うことになるが、向こう側が透けて見える線画表示のため「操作キャラが敵などを隠してしまい邪魔」になることが無い。 レバーを上方向に入れると上段ガード、下方向に入れると下段ガードとなる。 Bボタンで持っている武器に応じた魔法が発動する。但し武器ごとに回数制限あり。 A+Bボタン同時押しで、体力を消耗するが「気導連斬(連続斬り)」「気導障壁(緊急回避)」「気導弾(飛び道具)」といった特殊攻撃が出る。 敵は一度に1体ずつ襲ってくる。複数現れる事も多いが、その場合も1体目を倒すと次の敵が前に出て…という連戦方式。 各シーンの敵を全滅させると経験値が加算され、一定の値まで溜めるとレベルアップして最大体力・攻撃力が上昇していく。 また、GOLDを溜めて回復アイテムや新しい武器を買ったり、イベントで装備品を貰ったりと、RPG的な要素も兼ね備えている。 本作では、ゲーム操作説明にある「剣術の基本は避けてから斬る」という説明の通り、敵の攻撃をかわし、その隙を突いて攻撃するプレイを要求される。 ガードで受け止めることも出来なくはないが、敵が上下どちらに攻撃してくるかは基本的にランダム(*1)なため、攻撃モーションの違いを見切れるほどに熟練しないと運任せのガードになってしまう。 プレイヤー側から下手に攻撃を仕掛けても、超反応で防がれて反撃に遭うことが多い。 問題点 高い難易度 2章までの敵はさほど強くなく、「避けてから斬る」「強い敵にはボタン同時押しの気導連斬を使う」といった事を守ればクリア出来る。しかし、3章以降から敵が強くなっていく。 特に、3章からちょくちょく登場する「レッドウィング」という漆黒の鎧に赤いマントを羽織った敵の凶悪さは失禁モノである。 攻撃の出がやたら早く、攻撃力も高いため、1度に2、3回あっという間に斬りつけ、こちらの体力ゲージの半分以上を奪っていく。また敵を足止めする「ミスト」の魔法を使ってもすぐに後方に逃げられ、気導連斬を使ってもタイミングが良く無い限りこれも途中で後方に逃げられる(ただし、いずれも連続攻撃を止めさせる手段としては非常に有効である)。 3章からこんな敵が出てくるのに、一撃で体力の8割を持って行く4章のパタフロッグ(上段ガードしていれば問題ないのだが)、ガード動作が異常に速いサタンゴートや(6章のボス戦のみ登場)、斜め斬り等こちらがガード不可能な攻撃を仕掛けてくる敵まで出現する。ボスの中でも特に5章の「バクスレイ」は非常に強敵であり、ここで挫折してしまったプレイヤーも多いだろう。 それでも頑張ればプレイを重ねていくことで確実に上達できる度量を兼ね備えているだけ、難易度極悪なゲームがひしめき合う初期のネオジオの作品の中ではまだまともな難易度ともいえるのだが。 最終的には上下段(どころかガード不能も)関係なく、「剣術の基本は避けてから斬る」を忠実に守ったタイミング良く横に避ける攻略法が確立されて、難易度が大幅に下がることとなった。 評価点 グラフィック、BGMは中世ファンタジーの世界観をかなりうまく表現できている。 敵も敵騎士・各種モンスター・悪魔・巨大生物・昆虫といったものまでよりどりみどり。 でありながら、どの敵も一対一を頑なに守り通す騎士道精神に溢れる者ばかりで、本作最大の雰囲気作りを担っている(*2)。 中盤以降の各ステージで立ちはだかる敵幹部「デスマスカレイド(道化師)」「クディソホウ(骸骨戦士)」「バクスレイ(騎士)」「ガルドウイング(悪魔)」「サタンゴート(ヤギ騎士)」も基本的に各ザコキャラの色違いでありながら全く格が違う様が非常にカッコ良い。ラスボス戦直前で全員と再戦する際の演出の盛り上がりもあり、プレイ中彼らにカリスマ的な魅力を感じずにはいられないだろう。 しかもラスボスの魔人ナウシズは「ここまで来た君達の勇気に敬意を表し、姫君はお返ししよう。安心して死ぬがよい」と戦う前に言うのである。こんな潔いラスボスはなかなかいないであろう。 ちなみにこの魔人ナウシズは続編でもラスボスとして再登場し、エンディングで意外な事実が判明するのだが...(*3)。 先述の通り、プレイを重ねることで敵の動きを見切ることもできるようになり、上達を実感できるようになっている。いかにパターン化して攻略するかのやり込み度も非常に高い。 総評 敵の動きを見切ることによる熱い戦い、またやりこみ度も高いゲームであり、特にゲームセンター全盛期においては、腕を競い合うプレイヤーとギャラリー達で連日賑わいを見せていた。今でも根強いファンは多い。 初期のネオジオ作品にはとにかく作品のラインナップを増やそうとした余り、調整不足でゲームバランスが不安定な作品も多かった。本作もゲームシステムや世界観には見るべきものがあり、もう少しハードルが低ければ…と思わせる作品である。 家庭用移植・続編 クロスソード(家庭用ネオジオ 1991年10月1日発売 21,800円) 業務用と同等。2011年9月20日にWiiバーチャルコンソールでの配信が開始された。 2018年8月23日にはPS4/XbOne/Switch版がアーケードアーカイブスにて配信されている。但し、こちらはMVS版ベースでの配信。 クロススウォード(ネオジオCD 1994年10月31日発売 4,800円) 内容はネオジオ版と同じ。小容量タイトルのためCDからのローディングは最初の1回のみ。15~30秒程度。 なぜかタイトルがクロス"スウォ"ードに変更された。 クロススウォード II(ネオジオCD 1995年5月2日発売 5,800円) ネオジオCDでのみ出た続編(*4)。再びベルカナに襲来したナウシズに三人の勇者が立ち向かう。 前作のネオジオCD移植版を踏襲してタイトルがスウォード表記。 なおSNK非公認の、アーケード筐体できちんと商用利用できるように改造されたロムカセットと、パッケージまで作られた家庭用ネオジオ用ロムカセットも一部に出回っている。モノがモノだけに国内の基板ショップで売られている事はまず無い。
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ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮 【ぽけもんふしぎのだんじょん まぐなげーととむげんだいめいきゅう】 ジャンル ローグライクゲーム 対応機種 ニンテンドー3DS 発売元 ポケモン 販売元 任天堂 開発元 スパイク・チュンソフトポケモン 発売日 2012年11月23日 定価 4,800円(税込) プレイ人数 1人 判定 なし ポイント 第五世代のポケモンが新たに登場(全種類出る訳ではない)システム面などの薄すぎる内容改善点もあるが改悪点も多いまさかの有料DLCBGMとストーリーは変わらず良好 ポケットモンスターシリーズ 不思議のダンジョンシリーズ 概要 新要素 評価点・前作からの改善点 賛否両論点 問題点・前作からの改悪点 総評 余談 概要 シリーズ第4作。株式会社ポケモンの石原社長曰く「決定版」(任天堂公式ページに発売前に掲載された岩田社長との対談より)。しかし蓋を開けてみると…… 新要素 ポケモンパラダイス 本作では主人公とパートナーの家の周りの土地を開拓し、冒険に便利な施設を建てることができる「ポケモンパラダイス」作りを楽しめる。 施設を建てるには、資金と依頼で手に入る「材料」が必要。さらに貴重な材料を手に入れれば施設をグレードアップすることもできる。 ちなみにポケモンパラダイスにはダンジョンで仲間にしたポケモンが集まっている。 なかまモード 一旦主人公たちの冒険をセーブして中止し、ポケモンパラダイスに待機している仲間を操作してプレイできるモード。ダンジョン内以外ならいつでも行うことが可能。 このモードで倉庫に預けた道具は主人公たちの倉庫につながるので、道具稼ぎに使える。 はっけん!マグナゲート タイトル画面からプレイできる、3DSのカメラ機能を使ったモード。身の回りにある丸いものを写すと「マグナゲート」が見つかることがあり、ここからダンジョンに行くことができる。 プレイヤーとして操作できるポケモンは、最初に主人公及びパートナーとして選べるポケモンとその進化系からランダムに決まる。 手に入れた道具は本編に持ち込める。 わざの使いこみ ダンジョンで「わざ」を使いこむと技のレベルが上がる。 レベルが上がると威力・命中率・PPが上がり、さらに同じ名前の技なら上がったレベルをチームで共有できる。 この仕様により、初代から前作まで存在していた技の威力を上げる道具「カテキン」は抹消されている。 強力だが当たり辛い、PPが少ない……といった技も使いこんだり、アイテムの「ひけつ」を使う事によって欠点の無い完璧な技にする事もできる。 Vウェーブ 特定のタイプのポケモンが「技の威力が上がる」「経験値増加(該当ポケモンが敵にとどめを刺した場合のみ)」「PP消費を少なく抑えられる」などの様々な恩恵を受けることができる。対象となるタイプは毎日変化する。 当然敵にも効果があるので、高難易度のダンジョンに行く際は注意。 みんなでアタック ダンジョン内で歩いたり、敵を倒したりすることで「心のはどう」が溜まると使える。 多くの敵に大ダメージを与えることができ、更にリーダーにしているポケモンのタイプによって良い効果が起ったりもする。 不思議度 クリア後は各ダンジョン・依頼に「不思議度」というパラメータが付加される。1~5まであり、高いほどダンジョン内で不思議な現象が起こりやすい。 不思議度の影響は各フロア開始時に「不思議なひずみ」となってランダムで発生。「敵が全員鈍足」などプラスのものも、「装備品が効果を発揮しない」などマイナスのものもある。 中でも凶悪なのが「食べ物を食べられない」効果。おなか(空腹度)要素ありのダンジョンでは当然ながら餓死に直結するし、更に恐ろしいのは死亡時に復活できる保険アイテムの「ふっかつのタネ」が無効になることである。 時空が歪んで別のダンジョンに飛ばされることも。飛んだ先でしか仲間にできないポケモンもいる。 なお、依頼でダンジョンに行く場合、どのフロアでどのようなひずみが発生してどこに飛ばされるか否かがあらかじめ決まっている。(依頼を受けない場合はランダム) ローカル通信 シリーズ初のマルチプレイ対応。なかまモードで遊んでるときにメニューからローカル通信を選ぶと、近くでこのゲームを遊んでる友達と一緒にチャレンジ掲示板の依頼(おたずねものや伝説のポケモンとの戦い)を協力して行う事ができる。依頼の報酬は参加したプレイヤー全員に与えられる。 評価点・前作からの改善点 グラフィックを細やかな3Dに一新。 同じ携帯機だったDSの『救助隊』『探検隊』では2D、据え置きのWiiの『冒険団』ではデフォルメした簡易的な3Dだったが、本作では本格的な3Dグラフィックを実現している。 『ポケモンバトルレボリューション』などの作品よりも繊細な3Dで、表情や仕草の変化も細かく表現されている。3D化によりカメラワークの自由度も広がっており、ムービーを用いた迫力ある演出も評価できる。 「ドット絵の方が味があってよい」という声もあるにはあるが。 また、後述する問題点から「無理にそんなことをしなくていいからポケモンを増やして欲しい」という声も上がった。 往年のシリーズでも好評だったストーリー・BGMはやはり高評価。 「希望」をテーマとする事もあり、序盤のドテッコツたちのエピソードからクライマックスまで、どんな絶望にも屈せずに仲間を増やして立ち向かう感動のストーリーが繰り広げられる。 特にパートナーは主人公レベル程の働きぶりに加え、エンディング以降もひたむきに主人公を慕う健気さには心を打たれるばかりである。 本作に於いても、『探検隊』と同様に表裏を裏返すかのような衝撃的な展開も用意されている。 + ネタバレ注意! 実は本編冒頭でサザンドラに襲われていたムンナはキュレムの配下で、主人公に襲いかかる。(*1) 逆にサザンドラの正体はというと、この世に存在する生き物達の心が一つになった「命の声」の化身であり(*2)、完全に主人公達の味方。凶暴そうなビジュアルに反してのあどけなくてお茶目で可愛げのある性格から、プレイヤーたちからの人気が高い。 BGMも音源の向上により序盤から高音質の良曲揃い。本家ポケモンにはない壮大なBGMが揃っており、聴いてて飽きない。 倉庫の中のアイテムは、同一アイテムの場合は全て1つの枠で束としてまとめられるようになった(『救助隊』と同じ仕様に戻った)。 例としてリンゴを倉庫に複数預けた場合、『探検隊』『冒険団』では「リンゴ/リンゴ/リンゴ」のように個別にバラけていたが、今作では「リンゴ 10」のように1枠扱いになる。 そのため倉庫がいっぱいになることはほとんどなくなった。 技マシンが『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』同様に何度でも使えるようになった。 過去作と比較すると、全ての技マシンが前作までの「ひでんマシン」に相当する仕様になったということ。 前作までは、通常のわざマシンを使うと「しようごマシン」という残骸となっていた。「しようごマシン」は倉庫に預けられない上、ダンジョン内で直す技「リサイクル」を覚えられるポケモンも少ないので、大抵はそのまま捨てられていたか、売られていた。 そのためか、本作の技マシンは全体的にレアになり、レベルリセットダンジョンではこれが問題になることに…。 ポケモンパラダイスに待機しているポケモンにも経験値が入る仕様に変更され、レベル上げがしやすくなった。また、ダンジョン内で進化もできるようになった。 さらに「なかまモード」の存在で、ストーリー中にイベントでポケモンパラダイスに戻れない時にレベルの上がったポケモンを使用できるので、ダンジョンで仲間にしたポケモンの存在意義が上がった。 エモンガ、ノコッチ、ビリジオンなどストーリー中で強制出撃を要求されるポケモンがいることに対する配慮でないかと思われる。 ただし、使っていないポケモンも強制的にレベルアップしてしまうため、前作までのように「依頼で序盤のダンジョンに行く時は低レベルのポケモンを選び緊張感を保つ」ということができない。まあ、今作では序盤のダンジョンで美味しい報酬という依頼自体が少ないのだが。 前作までの欠点だったテンポの悪さが改善された。 操作ポケモンの四つの技がABXYの四ボタンに割り振られており、Lボタン+ABXYのどれかのボタンでいちいち技メニューを開かずともすべての技を繰り出せるようになった(*3)。 Yボタンで技演出をスキップ。多くの敵に当たる部屋全体攻撃技もヒット時のアニメーションを省略可能。 しかし、技ショートカットで発動した場合もYでスキップなので、場合によっては二度手間になったり、押し忘れて無駄な時間を消費したりすることも。 「みわたす」コマンドで広い部屋の様子を遠くまで見られるようになった。このコマンド自体は改善点と言ってもよいが、後述する視界の悪さのせいでこれを使わないとやってられない状態。 リーダー交代も復活。しかしメニューボタンでは誰をリーダーにするか選べず、ステータスウィンドウにおける操作ポケモンの次のポケモンが自動でリーダーになるのでやや面倒。 実は、「ステータス」→「さくせんかいぎ」からもリーダーを変更できる。一つ後ろの仲間と交代するときはこちらの方が便利かも。 技の調整 強すぎる性能だった「ふういん」や「オウムがえし」などの技も原作準拠で無難な効果に変更されている。 逆に「みねうち」は原作準拠で有用性が薄い効果だったが、「倒した敵が仲間になりやすくなる」という役立つものに変更されている。 地味だが、「まるくなる」使用後に一回だけ「ころがる」の威力が上がるようになった。(再び使用するにはもう一度「まるくなる」必要あり) もっとも、「ころがる」が、「外れるまで最大5回連続攻撃」のみ(当たるごとに威力が倍増したりしない)という仕様になったのだが。技を鍛えられる本作でそんな仕様があったらバランス大崩壊ものだから仕方ないか。 ポケモンパラダイスを発展させる町造り要素。 タネ・きのみ系アイテムを増やす「畑」、技の熟練度を1日1回格安で上げてくれる「道場」などの施設は活用すればとても有用。 ミニゲームを遊べる施設もある。上手くクリアすればレアアイテムが手に入ることも。 荒地が開拓され、施設が並び、仲間にしたポケモン達で賑わっていく様子は見ていて楽しい。『救助隊』の「ともだちエリア」の発展形とも言えるだろう。 賛否両論点 ステータス「おなか」の事実上抹消と、通常攻撃の仕様変更。 行動の度に減少し0になるとHPが減っていく「おなか」の消失により、ダンジョンを動き回りやすくなった。一方でPP消費なしに使える通常攻撃(技ではない攻撃)は最大で5ダメージしか出せないようになり、実用度が大きく下がっている。 これにより、『「おなか」ではなくわざのPPや飛び道具が尽きた(=通常攻撃しか出来なくなった)ら探索限界』と言うバランスに変更されている。 従来の「不思議のダンジョン」系ゲームとバランスが大きく異なる変更点であり、賛否両論。ただ、通常攻撃かわざかを選択する自由度が下がった点、仲間が通常攻撃を使ってしまう点は問題と言えるだろう。 似たシステムとして『風来のシレン4』及び『5』の「夜」が挙げられる。こちらは夜になると1フロアあたり様々な効果を発揮する技が8回まで使えるかわりに技以外の攻撃が1ダメージ固定になる。この「夜」も賛否両論ではあるが、うまく利用すればメリットも多く、肯定的な意見も少なくない。 「おなか」のステータスが無くなった影響で、従来作の「かいふくリボン」にあった「おなか」が減りやすくなる性質が無くなって純粋なプラス装備になったり、壁の中では「おなか」の代わりにHPが最大値の5%ずつ減るようになったという変更点も。 壁ダメージは仲間も受けるので、仲間を壁の中に放置しておくと勝手に死んでしまうという問題も同時に生み出したが。 一応、クリア後の高難易度ダンジョンやDLC配信ダンジョンのごく一部のみ、例外として「おなか」が存在するダンジョンもある。これに限り過去作と同様におなかが減り、リンゴなどの食べ物も出現。 ポケモンシリーズとしては初の、有料DLCの存在 有料DLCの内容は、仲間にしにくいポケモンや珍しい道具を簡単に入手、高難易度の冒険が楽しめるダンジョンに行けるようになるものが配信されているのだが……値段に釣り合う価値があるかどうかは人それぞれと言ったところだろうか。 + 購入可能なDLC一覧、価格は消費税込み ポケの森 (154円) ポケ(お金)がたくさん落ちているステージ。難易度は低く、序盤から挑戦できる。 確かに落ちているお金は多いが、1個あたりの金額は10ポケ程度と、とても少ない。 クリア後であれば、このダンジョンでお金を集めるくらいなら普通のダンジョンに向かった方がよほど稼げる。恩恵を受けられるのは序盤くらいであろう。 そもそもクリア後は熟睡していた敵が起きてしまうので、アイテムを拾われまくるストレスフルなダンジョンになってしまっているのだが。 きのえだが手に入るのも密かなポイント。隅々まで探せば50本ほど手に入る。 ゴローンのいし以外の飛び道具は、施設での入手以外では原則エンディング後の依頼が発生しないダンジョンにしか出現しない貴重品。通常攻撃よりもはるかに高いダメージを出せるため、PPの節約に役立つ。 野生のデスカーンが出現する唯一のダンジョンでもある。 また、このダンジョンのみ期間限定で無料DLできた(現在は有料)。 つたつたパーク、みじゅいろビーチ、ぴかぴかランド、キバキバロック、ぽかぽかマウンテン (各154円) それぞれ対応する主人公・パートナー候補のポケモンが出現し、しかも仲間に出来る可能性があるダンジョン。 もっとも仲間に出来る可能性はかなり低いので、根気がいる。 しかし、通常はこれらのポケモンは、クリア後ダンジョンの迷い込み(特定ダンジョンの確率で発生)でのみ低確率で出現するものなので、早く仲間にしたい場合などには有用。 難易度は普通。 各種ドーピングアイテムの他、ダンジョンに応じてデバイスというアイテムが入手可能(つたつたパークにはくさのデバイス、みじゅいろビーチにはみずのデバイス等)。対応するタイプのHP以外の能力を2上昇させるドーピングアイテム。 通常は、エンディング後のダンジョンに依頼無しで潜らないと入手できないという、入手条件自体に気付きにくいアイテムだったりする。 また、技が成長しやすいオマケも存在する。 修行の山 (205円) 技を鍛えるためのダンジョン。技の成長率はかなり高い。普段は後述のわきみちにしかないわざれんスイッチも出現する。 かくとうタイプのポケモンが多く出現する。ドッコラー、ドテッコツはここ以外ではエンディング後の迷い込みでしか仲間にできない。 …が、肝心の敵の初期配置が少なく、0体の時もあったりする。制限時間も短い。Lv6以降はなかなか上がりにくいので、道場を併用して効率よく稼ぎたい。 手数を稼ぐよう工夫すれば、Lv1から一周でMAXにすることも可能ではある。 さらに、「ひけつ」も床落ちアイテムで入手可能。てつのトゲやぎんのはりといった飛び道具も手に入る。 後半には進化形の強力なポケモンがいるにもかかわらず、熟睡している敵がいない。後述のスキル・トレジャーと難易度を間違えているんじゃないかと思いたくなることも。 スキル・トレジャー (205円) 宝箱の出現率が高く、チームスキルを探したい場合に有用なダンジョン。 しかし、このダンジョンで入手した宝箱からは「モモンのみ」や「10ポケ」といったハズレが大量に出現する。 宝箱の開封にかかるお金を無駄にしたくない場合、リロードを駆使する必要がある。 エンディング後のダンジョンでしか入手できないようなスキルも入手できるため、引き次第ではゲームバランスが崩壊することも。 各種進化アイテムも床落ちで手に入る。 特にほのおのいし、みずのいし、リーフのいしはミニゲームで入手できない代物なのでかなり重要。 カクレオンのバザー (205円) カクレオンの店がほぼ毎層出現するダンジョン。売られているアイテムは技マシンやひでんマシン、各種フラッグ。 ギフト(後述)や金額1桁のポケが落ちている。ギフト集めにはもってこい。ただし、タイプ専用のギフトは出にくい。 しかし、今作は持ち込めるお金の上限が低く、技マシンも高価なので1周あたりではほとんど買えない。 また、今作の泥棒は難易度が高く(後述)、アイテムを持ち逃げすることも難しい。 他には野生のイーブイやミネズミ等がいる。ほとんどがレベル5であまり強くない上、ギフトの現地調達も可能。ここ以外ではエンディング後の迷い込みでしか仲間にできないものばかり。 特に「にげあし」ミネズミは、本作唯一の「はっこう」持ちであるミルホッグに進化可能な貴重な存在(「するどいめ」は進化前後で変化しない)。他のダンジョンで「はっこう」ミルホッグを直接仲間にすることもできなくはないが。 スイーツ・ロード (205円) このダンジョンの限定アイテム「ミニドーナツ」「ドーナツ」「ビッグドーナツ」を入手可能。 「ドーナツ」は食べると経験値が獲得できる(おなかの存在するダンジョンでは、おなかも回復する)。 究極の荒野 (309円) 上級者向けのダンジョン。 レベルリセット(Lv5からスタート)、99F、アイテム持ち込み不可、1匹のみ挑戦、チームスキル無効 と、今作のレベルリセットダンジョンでは最高難易度。 一応ふっかつのタネ(倒れた場合復活できる)が使用できるので、過去作の「うんめいのとう」ほど難しくはない。 しかし、ダンジョンとしての評価は悪い。詳細は後述。 クリアすると限定アイテムがもらえるが、効果は既存アイテムの上位互換なだけで、それ以外に何か特別なものが手に入るというわけではない。 倒れるとアイテムが全部なくなってしまうので、アイテムを持ち帰るにはあなぬけのたまで脱出するかクリアする必要がある。 ダンジョンの仕様上、実はエンディング前でも出動する仲間を自由に選ぶことができる。 最強の山道 (257円) 上級者向けのダンジョン。 レベルリセットなしで、過去作の「ゼロのしま ほくぶ」や「ゼロのしま ちゅうおうぶ」に相当する。 こちらのダンジョンの難易度調整も「究極の荒野」同様微妙。 道中で便利なアイテムも拾えず、クリアしても究極の荒野同様、大したものはもらえない。 一応、宝箱やキラキラ床から各種デバイスが入手できる他、技成長度も高いのだが、難易度の高さのせいでそれどころじゃない場合も。 DLCのオマケに過去作の曲を聴ける、という特典があるのだが、購入するとトップメニューの音楽が聴けなくなってしまう問題がある。 本編シリーズとしてではないものの、ポケモンシリーズで有料DLCを採用するのはどうなのか、という不評の意見も存在する。 Vウェーブは「Vルーレット」を回すことで好みのものに変更できるのだが、一日一回しか回せないうえに場合によってはルーレットの回転が非常に速く、目押しはかなり厳しい。 ポケを払って当たる確率を増やす事が出来るのだが、それに必要な金額はとにかく高い。確実に当てられるようにするには7777ポケ必要。 まあ前述の恩恵を考えれば妥当な仕様なのかもしれないが。 ルーレットの速度は遅い時もあるのでセーブ&リセットを繰り返すのもありかも。 前作まではBGMが突然止まり、「……おや、なにかがうごいた。」というどこかホラー染みた演出であった警告メッセージは、BGMが止まらず「風が吹いてきた!」という普通の(?)演出に変更されている。 あるダンジョンの特定のフロアには「わきみち」が存在する。カギを使ったり、あるタイプのポケモンを連れていったりすることで、閉ざされた道が開き、奥に進めるというものである。向こうには、強い敵ポケモン、ごうかなはこ、わざれんスイッチ、特別な効果を持つ床などが存在している。パラダイスの「わきみちあんない」でわきみちを利用するための様々なサポートを受けられる(見つけたり、入ったりしたわきみちはここで見ることができる)。 だがカギは四種類あり、デスカーンの店で交換するか、「わきみちあんない」を最大までグレードアップして購入(こちらは一日一個ずつ)する必要がありやや面倒。と言うより、わざわざ四つに分ける必要性はあるのだろうか。 中にあるものはというと…… 強い敵ポケモン→わき道に入ると同時に中にいるポケモンが起きて襲いかかってくるが、これが(そのダンジョンに登場する他の敵と比較して)かなり強く、最初から二つ目のダンジョンにいきなりLv54のウォーグルがいたりする。クリア前のレベルだとあっという間にやられてしまう。道具で対処したり、入らないようにすれば済む話かもしれないが。 ごうかなはこ→一応スキルがやや出やすいという利点はあるものの、特にここでしか入手できない珍しい道具などは出てこない。 特別な床→場所によって様々な効果があるものの、わきみちでしか利用できないため結局空気。不思議なひずみで通常のフロアにも発生する事があり、わきみちにしか出ないわけではないため貴重性も薄い。 依頼の際には目標に設定されたフロアまでしか進めないため、依頼の時に立ち寄るためには深い階層が目的地の依頼を受ける必要がある。 シナリオ中盤、他の仲間を連れていけなかったダンジョンにも依頼時限定のわきみちが存在するが、「わきみちあんない」では判別できないのでたちが悪い。 期間限定のダンジョンにもわきみちが存在するが、こちらは機会を逃しても迷い込みで訪れることが可能になっている。 問題点・前作からの改悪点 少なすぎるポケモンの種類 『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』で初登場したポケモン156種類の大半と、第四世代以前のポケモンのごく一部が登場する。つまり、第五世代ですら、すべてのポケモンが登場するわけではない。 例えば、プルンゲルのような雌雄で外見の異なるポケモンは何れも省かれている。 登場するポケモンは全152種類(*4)。そのうち144種類が仲間にできるが、この数は救助隊どころか初代ポケモン未満である。 そのため、序盤から同じポケモンが登場するダンジョンが続き、中盤に進んでもそのポケモンの進化系ばかりが登場する。 今作に登場するポケモン自体は精細な3Dグラフィックなのだが、ポケモンの登場数そのものが減ってしまっては元も子もない。 前作まではその当時までの本編シリーズのポケモンがほぼ全て登場し(*5)、序盤から同じポケモンが違うダンジョンで出続けることはなかった。 『救助隊』『探検隊』では往年のシリーズの御三家が全て選べ、その他のポケモンも多数いたのだが…… また、往年のシリーズでおなじみの性格によるポケモン診断もなく、ただ5種類の内から選ぶだけとなっている。 心理テストに関しては3作目『冒険団』でも存在しなかったが、あちらはシリーズでは異色の外伝に近く、またチーム候補のポケモンが多数存在して序盤から任意に入れ替え可能であった。 主人公の性別選択が無くなり、代わりにパートナーの性別を選択する。 仲間ポケモンが固定の場面が多い。 せっかくダンジョンで仲間にしたポケモンはストーリー中外さなければならないことが大半で(*6)、ストーリーの進行上必ず仲間になるポケモン以外は蚊帳の外のようなセリフ・演出多数。 ゲーム開始画面にいるチラーミィやチュリネ、デモ映像でゾロアが仲間になっていたが、それらのようなポケモンも蚊帳の外なため好きなポケモンで旅をしてもイマイチ釈然としない。 ちなみに強制的に仲間になるポケモンにはパートナー以外名前を付けられないので、人によっては愛着が沸きにくい。 れんけつの廃止 前作『冒険団』同様、「わざのれんけつ」は本作も存在しない。『空の探検隊』まではわざを連結することによって1ターンで技を複数繰り出すことができた。例えば「いやなおと」と「たいあたり」を連結することで、相手の防御を下げつつ体当たりで攻撃したりと、一見地味な技だったり、低レベルで弱い技しか無い場合でも活用することができたが、前作では廃止され今作でも復活はしなかった。因みに連結した技で敵を倒すと経験値が多めになるメリットがあったが、当然廃止。 また、『冒険団』にはれんけつに代わるシステムとしてポケモン同士が積み重なって連続技を繰り出す「ポケモンタワー」があったのだが、こちらも同様に廃止。 ダンジョンの構造が悪く、画面の視界が極端に狭い。 通路が多く小部屋が多い構造となる場合が多く探索が非常に面倒。通路を歩くより「ワープスカーフ」を持ち歩き、時々生じる強制ランダムワープで運任せに部屋を渡り歩く方が早いとまで言われる始末。 おまけに本作の敵は部屋にある道具を積極的に拾うので、運良く同じ部屋に道具が落ちているか(同じ部屋に操作キャラや仲間がいれば攻撃を優先してくる)、次のフロアに着いてすぐに「ひきよせのたま」を使うかしない限り、フロアのほとんどの道具が敵の手に渡る事になる 所持者が死んだ時に自動復活する「ふっかつのタネ」(敵にも有効)など、拾われたらまず間違いなく使われてしまう道具もある。 もっとも、敵が道具を使うのはクリア後やDLCの一部のダンジョンのみなので、普段依頼をこなす上などではそれほど気にするものではない。探すのが面倒なだけで…… 他の物体との距離感がつかみにくい。時折仲間の4匹目が見えなくなることもある。一応マップに物体の位置が表示されるが、それでも分かりづらい。 メッセージ履歴にはちゃんと残っているので、気になるならチェックしておこう。天候ダメージで誰がいるのかもある程度分かる。 一部のシステムの抹消により、それぞれのポケモンの個性が失われてしまった。 ステータス上の性別の区別がなくなった。主人公の性別選択も無くなり、パートナーの性別を選択するのみとなった。 パートナーの性別選択に関しても、会話シーンでの口調が変わるだけでダンジョンでは区別がなくなる(*7)。 主人公の性別選択が無くなったため、主人公をピカチュウにした場合のグラフィックは♂の姿で固定。性別の概念が無かった『救助隊』でも主人公の性別だけは選べたのだが…… 前作『冒険団』同様、『空の探検隊』では全ポケモン分用意されていた「専用道具」は本作でも抹消されている。主人公やパートナーにできるポケモンにさえ存在しない。 ダンジョン内で味方のポケモンとの会話ができなくなった。 「かしこさ」の抹消。「かしこさ」はグループにより性能差にばらつきがあったため改善点と見れなくもないが、やはりポケモンを育てる楽しみが無くなってしまったのは痛い。 上記「かしこさ」の代わりに導入された「チームスキル」だが、これも多くの問題を抱えていた。 これは敵を倒した時に手に入る宝箱から確率で入手できるものであるが、そのランダムな入手性により、狙いのスキルを獲得するのは難しい。 また、1度手に入れればチーム全員に適用されるため、個性も出ない。 さらに、この「チームスキル」に前作にあったかしこさ「わざだけつかう」に当たるものがないため、仲間に補助技だけを使わせるために補助技のみを登録しているのに、敵に隣接すると前述の貧弱な通常攻撃を出してしまうという問題が生じている。そもそも通常攻撃をゴミ同然にしておいて「わざだけつかう」を無くすとは意味がわからない。 チームスキルの中でも「にどめのスキル」は微妙な存在。このスキルは攻撃を外すと次の攻撃が当たりやすくなる、というものであるが、2度目でも低確率だが外す上、相手が「どたんばスキル」で回避した場合そちらが優先されることでさらに当てにくくなり、スキル入手の有無で差を感じられないことがある。 また、「かわらずスキル」は仲間が進化しなくなる(レベルアップ時に進化確認が出なくなる)スキルだが、何故かこのスキルも宝箱から手に入れなければならない。効果としては初期から持っていても良さそうなスキルだが…。 そして、ストーリー中盤以降は敵もチームスキルを習得している。(ストーリー中ではボス戦に状態異常の回復が速いポケモンがいるだけだが) 特に「いあつのスキル」・「ふんばりスキル」・「どたんばスキル」を有している敵はかなり厄介。攻撃が通りにくく、ダメージを与えても耐え、さらに回避されやすいと、ただただしぶとい。 しかもクリア後やDLCの高難易度ダンジョン、レベルリセットダンジョンでは主にチームスキルでバランスをとっているものがある。難易度調整の仕方としては間違っていない気もするが、上記の通り「強い」のではなく、ただ「しぶとい」だけであるため、効率が悪くなり、ストレスが溜まりやすい。そのためプレイヤーからの評判は非常に悪い。 掲示板での依頼が1つずつしか受けられなくなった。 前作までのように、同じダンジョンの依頼をまとめて受けることは出来なくなった。そのためアイテムやランクを上げるために必要なポイントが稼ぎにくくなった。 ランクを最高のパーフェクトランクまで上げるのは苦行の一言。ちなみにそこまで上げないと、サウンドテストで聞ける曲は全曲解禁されない。 この仕様により施設の開拓に必要な材料も集めにくくなっている。施設を最高までグレードアップするために必要な材料に関しては、入手できる依頼自体の出現率が低いためさらに入手しづらい。 おそらく、施設が簡単に最大まで育ってしまうのを防ぐための仕様。簡単に育ちすぎても飽きが早くなってしまうので難しいところだが、材料のレア度を上げる代わりに(ただし高級材料の比率は高めにした上で)複数の依頼を受けられるように……といった形でも良かったのではないだろうか? 高級材料以外はミニゲームの「おたからサルベージ」やでゲットできるため、早めに作ると楽かも。だが、何故か水系の素材は一切出ない(水に関係したミニゲームのはずなのに)。 「くじびきてん」でも、各種くじの大当たり枠に材料があるが、セーブ&リセットで当たるまで粘れるスクラッチくじ以外ではとても狙って入手できるものではない上、こちらも水系の素材は入手できない。 救助の方法がすれちがい通信のみ。 前作までのWi-Fi救助、パスワード救助は全て抹消。つまり救助を求めるなら街中で運よくすれ違わないと救助してもらえない。 一応、起動中のゲーム以外でもすれちがい通信可能な3DSなので都市部に住んでいたり、すれちがい中継所を利用すれば、すれちがいの機会は多いが…… 実はあまり利用価値がない「はっけん!マグナゲート」。 拾えるアイテムはシナリオが進めばダンジョンでも依頼でも手に入れられるようなものばかりだし、わざわざこのモードでアイテム稼ぎをする必要性はほとんどない。技マシンが拾えることがあるのが数少ない利点か(*8)。 技の威力・命中率・PPを上昇させる「ひけつ」系アイテムも拾えるため、お気に入りの技を育てたいプレイヤーなら重宝するかも。 また、前述のようにプレイヤーが育てたポケモンで挑むことができない。 技は本編のチームと共有しているので、使用される技を鍛えておけばいくらか楽にはなる。 これまた利用価値の微妙なローカル通信。 「自分の行動→仲間の行動→敵の行動」といった順番で行動するターン制を採用している不思議のダンジョンシリーズでは自分の行動を選んだ後、他のプレイヤーが行動を選び終わるまで待つことになるため、(一人で遊ぶ時より)テンポが悪い。チャレンジ掲示板の依頼(ボスとの戦い)しかできないのも納得がいく。そもそも不思議のダンジョンに限らずRPG(バトルがリアルタイム制のものを除き)は多人数プレイと相性が悪いので仕方のない事ではあるが…… そして、技の成長はどれだけ事前に鍛えていようとも全員とも(依頼の間だけ)初期化されるため、ポケモンも技も十分に鍛えた後は一人で挑んだ方が簡単な事も。もっとも、ポケモンが弱いうちは強い人と組んで難しい依頼をクリアしてもらうという事も一応できる。 仲間のAIが賢くない 使用する技が完全にランダム。その敵ポケモンに対し効果抜群になる技を覚えていても、それを使ってくれるかは運次第。 効果がないタイプの技であろうとそれを使って攻撃したり、敵と隣接しながらステータス上昇技を使うなど、イライラを募らせることもある。 このため、時と場合によっては技のオンオフをいちいち切り替えないと仲間がまともに戦ってくれず、全員を連れているとその管理も面倒になってくる。 ただし、これについては前作までと同様の仕様である。 連続技の脅威 通常、連続攻撃できる技というのは数回攻撃できる分、1発1発の威力が下げられていることでその技の強さが調整されている。 しかし、このゲームでは敵が使う連続技のダメージが単発の技のダメージとほぼ同等である。そのため、1発でも食らってしまうと相当な痛手になり、運が悪いと何もできずにHPが0になってしまう。 ただし、これについても前作までと同様の仕様である。 メインのポケモンの1匹、ノコッチがあまりにも弱すぎる。 初期レベルが低い点はポケモンパラダイスに放置して経験値を稼げば問題ないが、レベルを上げてもステータスの成長率が極端に低く、全く使えない。必ず使わなければならない局面はないが、本作ではその弱気なキャラから比較的人気があるポケモンなので、主要ポケモンらしくステータスが成長しやすくしたほうが良かったのではなかろうか。 一応、最終的にはこうげきがかなり高くなるうえ、自力で覚える技も優秀なので、「すてみタックル」あたりをメインウエポンにして活躍させることはできなくもない。高レベルになればとぐろをまく→ころがるで無双もできる。 シナリオ中だと弱いが、ただの大器晩成型かもしれない。そこまで我慢して育てるプレイヤーがどれだけ居るのかという問題はあるが。 対応するポケモンを必ず仲間に出来る「ギフト」という道具が追加されたが、これを作るための道具のレートがあまりにも高すぎるものがある。 大半はオレンのみといった各種木の実などが数個とレートは低いのだが、中にはエンディング後の高難易度のダンジョンでしか手に入らないような道具が材料であるものがある。 その一例として「メグロコギフト」←「ノーてんバンダナ×1」(*9)などが挙げられる。メグロコがクリア前から登場するにもかかわらずであり、プレイヤーに使わせる気がまずない。実際戦っていればいずれは仲間になるのだが、いったい誰がこんな貴重な道具を手放してまで作るのだろう。 一番酷いと思われるのが、ヒトモシ(*10)用の「ヒトモシギフト」←「みとおしメガネ×1」(*11)。 エンディング後は、多少のエピローグとダンジョンが増えるだけ。エンディング後も多数のエピソードが展開された『救助隊』『探検隊』のプレイヤーから見れば物足りない。 一応依頼をこなしてランクを上げればコバルオンやテラキオンといった伝説のポケモンを仲間に出来る依頼が出現するが、前述の依頼が1つずつしか受けられなくなった仕様によりランクを上げる前に飽きる、というプレイヤーも多い。 過去シリーズとは違い、エピローグではしばらくパートナーが事実上の主人公となるため、マンネリ化の打破には繋がっていると一応フォローする事はできる。 依頼を受けるときは「なかまモード」を使わないと主人公とパートナーをチームから外す事が出来ない。前作までは普通に外す事もできたのだが、こうしないと「なかまモード」の存在価値が皆無になってしまうからだろうか。 依頼に関係のない冒険に行く時は出撃前にメンバーの入れ替えができる。しかし、「なかまモード」では依頼以外の冒険に行けないため、固定メンバーで決まったダンジョンを周回したい場合は、毎回編成し直す必要がある。 主人公やパートナーを進化させると顔グラフィックの変化が無くなってしまうという問題は、初代からずっと改善されていない。 ポケダン恒例のレベルリセットダンジョン(今作ではレベル5からスタート)。だが、これらも色々な問題点を抱えていた。 + 今作のレベルリセットダンジョンについて(一応ネタバレ注意!!) 「かえらずの地」 全99F、道具やお金を持ち込めず、リーダー一匹で挑む。過去作でいうところの「きよらかなもり」「ゼロのしまなんぶ」に該当するのだが…… 前述の通り技マシンが何度でも使えるためか一切出現しないため、使用ポケモンは毎回技構成が同じになってしまう。過去作ではダンジョン内に技マシンが落ちており、運が良ければ強力な技を習得できる……などのランダム要素があった。 深層の敵の強さが前述のチームスキル頼み。低層から中層には厄介な技を持つ注意すべきポケモンもいるのだが、深層になると(これまでのシリーズと比較して)あまり強力な技を持っておらず、ステータスもさほど高くないポケモンばかり。(もちろん全てではないが) 大して強くもないのにひたすら攻撃を耐えてくるため、鬱陶しいことこの上ない。 「ほりあてやダンジョン」 出現条件が少々特殊で、パラダイスに一定確率で出現するモグリューにお金を払って土地を掘ってもらう事によって出現し、入れるようになる。ダンジョンの風景や敵は掘る地形によって異なり、仲間を四匹まで連れていける、どうぐ持ち込み可の10F程度のレベルリセットダンジョンで、仲間ポケモンの進化に使う道具を入手できる旨味のあるダンジョンではあるが…… 中層、時には1Fからかえらずの地深層に登場する敵に匹敵するほどのレベルとステータスを持った敵がそれなりの出現率で複数種類出現する。こちらがレベル5スタートであるにもかかわらず。固定ダメージを与える技や道具があれば十分対処可能ではあるものの、それでも理不尽感が漂う。 救助隊シリーズの「しあわせのとう」にも理不尽な強さの敵が多いが、こちらも技や道具で十分対処できる。(特にヤバい敵に関しては)ある程度味方が育っていることが前提のフロアに出てきており、出現率もあまり高くはなく、それぞれの出現期間も離れている。 土地を掘る際に場所によってはすでにある施設を潰す必要があり、最大にまでグレードアップした施設の場合はあきらめざるを得ない。(万が一潰すと建て直す際にまた材料と資金が必要になる) さらに探検の成功、失敗にかかわらず一度入ると入口が消滅してしまう。上に挙げたような理不尽さがあるのに探検に失敗しても入口が消えてしまうのはどうなのか。 「眠りの氷穴」 DLCを除けばここで挙げた中でもっとも問題点が多いといえる。ちなみに条件は「ほりあてやダンジョン」と同じで技マシンなども持ち込める。 出現する敵は「かえらずの地」とほぼ一緒。せいぜい道中に1、2匹ほどの+αがある程度。これまではレベルリセットダンジョン同士でも出現する敵には色々と変更が加えられていたのだが…… 深層の敵の強さも当然スキル頼み。仲間や道具が存在する分、対処は容易ではあるが。 BGMはなんと1Fから98Fまで(99Fの宝物部屋を除く)ずっと同じ。この曲(グレッシャーパレス 東の塔)自体はむしろ良曲ではあるが、最初から最後まで聴かされれば流石に飽きる。(一応救助隊の「しあわせのとう」にも言えることではあるが) ストーリーの終盤で東の塔に続けて訪れる事になる「グレッシャーパレス 西の塔」や「グレッシャーパレス 大結晶の塔」のBGMも東の塔のBGM同様に良曲だが、何故ここで使われなかったのだろうか? 「究極の荒野」 先述の通り、DLCのレベルリセットダンジョン。”究極の難易度を有するレベルリセットダンジョン”とのことだが、その実態は「眠りの氷穴」よりも…… DLCであるにもかかわらず、ここで挙げるダンジョンの中では問題が最も多い。 やはり出現する敵は「かえらずの地」と同じところが多い。DLCでありながらこれでは、ただの手抜きにしか見えない。 敵は最初からスキル頼みの強さ。仲間もいないため対処も難しい。 しかもBGMは最下層まで同じ。BGMは過去作の曲で評価も高いが、いつまでも聞かされると流石に飽きる。 一応、エンディング前にも挑戦でき、「かえらずの地」と同様のアイテムも手に入ること、限定アイテムの効果は序盤で大きな効力を発揮することから、Vウェーブ解禁直後ぐらい(*12)に攻略すれば、ゲームバランス崩階級の恩恵が受けられるダンジョンでもあるのだが。 これまでのレベルリセットダンジョンはみな、道具や仲間ポケモンなど、「ここでしか手に入らないもの」がそれぞれに存在していた。 一応「かえらずの地」にもレアな装備品(店売り限定)がこれまでの高難度ダンジョン同様に存在するので、行くメリットはある。 「究極の荒野」もクリアで限定の装備品が手に入る。苦労に見合った効果かどうかは微妙なところだが。 しかし、それ以外のレベルリセットダンジョンで出る道具はほかでも入手可能なものばかりで、ドーピングアイテムなどのレアな道具が入手しやすいというわけでもない。 また、この作品の他のレベルリセットダンジョン同様敵ポケモンも仲間にできない。つまり、わざわざ行くメリットは早い話皆無である。 総評 同じ携帯機版である第2作の完全版『空の探検隊』が非常に高評価だったこともあり、本作に寄せられる期待も当然大きなものであった。 だが、追加した新要素は結局その面白さを最大限に生かすことができず、むしろそれら新要素と引換えになる形での「ゲーム性の大幅劣化・喪失」が目立ってしまう形となってしまった。 ローグライクゲームのルールからは決して逸脱してはおらず、ローグライクを初めてプレイするプレイヤーならある程度は楽しめる内容となっている。 従来プレイヤーにとってもストーリーやBGMのクオリティをそのままに、グラフィックを一新したりと評価点も無い訳ではない。 しかし「初心者から熱心なポケダンシリーズファンまで、すべてのプレイヤーが楽しめる内容か?」と問われると、どうしても疑問符をつけざるを得ない「惜しい」作品である。 余談 シリーズ(冒険団除く)では唯一主人公に明確な記憶喪失の描写が無いのが特徴。作中、とあるアイテムを見て人間界の道具を連想するという場面もある。 過去作と違い、ダンジョンのカクレオンの店での泥棒が多少難しくなっている。「ひきよせのたま」を使用しても店の商品を引き寄せることができなくなり、店の商品を拾ってから「せいなるタネ」を使ってもワープした直後にその部屋にカクレオンが現れる仕様になったためである。 それでもワープ後に「てきおびえだま」などのアイテムを使えば切り抜けられるので、『チョコボの不思議なダンジョン2』等の泥棒に比べればまだまだ楽ではある。 本作だけの特徴の1つとしてエンディング後のストーリーイベントに バッドエンド が存在するという点がある。冒険団シリーズにも序盤に偽バッドエンド演出はあったものの、こちらは正真正銘のバッドエンドであり、パートナー達の努力や願いが完全に水泡に帰す後味の悪い結末を迎える事となる。とはいえ、問題の場面でわざとらしい選択肢を選ばなければ回避できるものであり、仮にバッドエンドを迎えたとしても初めから冒険に失敗した扱いになり改めてダンジョンに挑戦する事ができる。 本作の発売前にアニメーション及び実写によるPVが3作公開された。ピカチュウ役に釘宮理恵、ミジュマル役に小清水亜美を起用するなど豪華キャストが勢揃いしている。 後に、上記のアニメPVの完全版を収録したDVDがTSUTAYAで無料レンタルが行われた。現在では、ニンテンドーeショップで視聴可能。 救助隊・探検隊と同じようなものを期待していたファンからは「ポケダンの黒歴史」「マグナゲートなんてなかった」といった扱いを受けてしまう事も少なくない。 今作の一部の問題点は、実質的な次回作である『世界樹と不思議のダンジョン』で、ある程度改善はされているのだが…… ストーリーやBGMなどの点を評価しているファンも当然存在するため、SNSや掲示板等での書き込みの際にはその点を考慮すること。 本作の発売前の2012年1月30日に株式会社enishの育成RPG「ポケダンモンスターズ」がGREEで配信された。当然ポケモン不思議のダンジョンシリーズとはまったく無関係であるため、「ポケダン」と聞いてポケダン最新作を期待したプレイヤーは大いに肩透かしを食らう事となった。これが影響したかは不明だが、「ポケダンモンスターズ」はその後「ぼくらのポケットダンジョン2」へと名称変更されている。 その後、2023年10月に任天堂、クリーチャーズ、ゲームフリークの3社が突如「ポケダン」を商標登録。恐らく「ポケダンモンスターズ」の商標切れに伴う商標登録と思われる。 後に、本作のシステムをベースに登場ポケモンを大幅増加したポケダンシリーズ5作目『ポケモン超不思議のダンジョン』が発売されている。
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新人類 【しんじんるい】 ジャンル アクションシューティング(公称 リアルサバイバルゲーム) 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 Rix Soft 開発元 ハドソン 発売日 1987年2月10日 定価 4,900円(税別) 判定 なし ポイント 役に立たない長州力のアドバイス 概要 ストーリー 特徴 評価点 問題点 総評 余談 概要 恐竜時代、人類の大先祖として生まれた「マックス」が、石オノやブーメランを手に、巨大恐竜に立ち向かうという設定の強制縦スクロールアクションシューティング。 長州力とタイアップしている。「 力 (リキ)の強さはハンパじゃない!!」や「 力 (リキ)がすべてだ!!」というキャッチコピーが記された販促チラシや、当時放送されたテレビCMにも長州力が出演していた。 ストーリー ムカ~シ昔の大昔。恐竜チラノザウルスやプテラノドンが、地上をノッシノッシと歩きまわっていたころ。我らがヒーローマックスは、石→オノ→ブーメラン→タイマツと4段階にパワーアップする武器を手に、冒険へと旅立った。ある時は鳥になって池を渡り、またある時は"リキ"となってリキラリアートの分身攻撃をしながら進む。目指すは、4頭の巨獣の棲む洞窟…。サァ超パワフルな 新人類 の旅へと出発しよう!! (チラシより引用) 特徴 全4ステージ、1つのステージは4つのエリアに分けられ、それぞれがミス時の復活ポイントになっている。 ステージ4クリア後はステージ1に戻るループゲーム。 無限コンティニューが可能。(コマンドは説明書に記載) ボスである超巨獣は、プテラノドン、チラノザウルス、瞬間移動能力を持つ大コブラ、そして多数の手下を操り分身の術を使うマックスの冒険最大の敵(ラスボス)である巨大バエ。 十字キーで移動、Bボタンで攻撃、Aボタンでジャンプ。 画面上にある花やツボ、ガイコツといった障害物を攻撃するとアイテムが出現し、得点アップ、パワーアップ、移動速度アップ、ライフ上限アップといったメリットが得られる。 プレイヤーの攻撃はパワーアップアイテムを取るごとに、投石→石オノ→ブーメラン→たいまつ乱射と派手になっていく。 自機は原始人の「マックス」、すなわち生身の人間である。『ガンスモーク』、『魔城伝説』、『キングスナイト』など人間が自機のシューティングゲームは当時でもある程度存在はしていたが、人間が自機であることに加えジャンプの概念があるシューティングゲームというのは珍しかったと言えるだろう。 壁などの地形・物体に当たってもダメージやミスにはならないが、池や谷、砂地獄に落ちた場合はミスになる。 壁とスクロールに挟まれるとライフとショットパワーが最低値まで減少する。 最大のポイントは隠しアイテムである「リキ」マークを取る事により、プレイヤーがオタスケマン「リキ」に変身する事である。 リキ状態になると、長州力の得意技である「リキラリアート」で攻撃できるのだが、その「リキラリアート」は画面上にリキの分身を飛ばすというシュールなものである。敵を貫通するとは言え、画面上に2発しか出せないのでたいまつと比較すると必ずしも使いやすいとは言えない部分もある。 評価点 強制縦スクロールSTGにアクションゲーム的なジャンプの概念を導入した点。 後述の問題点もあったが、他STGとの差別化には成功していたと言える。 BGMは数こそ少ないが、各ステージにマッチしており出来は良い。 作曲は多くのハドソンゲーに楽曲を提供していた国本剛章氏と井上大介氏によるもの。井上氏はステージBGM、国本氏は短いジングルを担当していた。 難易度は序盤ステージはゆるめで力押しでも進めるが、後半ステージは攻略法をしっかり固めないとクリアできない厳しさがあり、やりごたえは十分にある。 無限コンティニューが可能なうえ、コンティニュー時の再開場所がステージ内のエリア単位でステージの最初に戻されることがないのでプレイヤーの根気が報われやすい。 リキ化すると、チビキャラが筋骨隆々の大男になるため作風・絵柄的にリアルではないとはいえ強くなった実感が得られた。攻撃方法も自分自身を飛ばすというものだが、大男の攻撃方法としては違和感がなかった。 問題点 ハドソンのゲームらしい敵の意地悪な配置、動きもあいまってゲームの難易度は高い。 ライフ制+残機制を併用しているとは言え、敵や敵の弾に当たると1段階移動速度及び攻撃がパワーダウンしてしまうのでかなり苦しくなる。 敵編隊も高速で自機に突っ込んでくるタイプや自機の周りを包囲して近づいてくるタイプ、通常のショットでは動きを止めるだけで倒せない敵(*1)などが存在し手強い。 後半は敵の量、敵弾の量、トラップの数もかなり増える。またジャンプの操作性が悪く、落下判定の大きさ、分かりづらさもあって、狭い足場をジャンプして進んでいくシーンはかなり難しい。 説明書でも「羽を使って飛ばなければクリアするのは難しい」と書かれているくらいだが、Aボタン押しっぱなしで空を飛べるようになるアイテム「羽」マークという救済処置がある。 ただし、「羽」マークはすべて隠しアイテム扱い(あてずっぽうに撃ちまくって探すが必須)というなかなかに酷い仕様。 この頃のハドソンは「子供は上達が早くてすぐに解いてしまうから難易度は高い方がいい」という考え方があった。 CMを見てキャラが巨大化して見た目も強さも手に入れられることを期待してプレーしたら、実はリキ化は隠し要素で見つけられないと巨大化できないままでプレーを進めなければなかったため、CMとのギャップがあった。 リキ化すると攻撃のインパクトはあるものの、最大2連射しかできないため通常時のたいまつと比べると連射性能に劣る部分がある。 リキラリアートは全ての敵を一撃で倒せる貫通攻撃のため、連射せずとも敵を蹴散らすには十分である。 また、リキ化はボス戦に持ち越すことができず解除されてしまう。「リキの強さはハンパじゃない!!」ことをボスに見せつけることはできないのである。 アイテムが自機のショットを遮断してしまう。 本作は特定の障害物や隠し場所を撃ってアイテムを出すシステムなのだが、出現後のアイテムにも当たり判定が残るため、自機の全てのショットを遮断してしまう。このせいでショットが満足に敵編隊に届かないという状況が発生しやすい。 移動速度アップは取得デメリットもあるため、邪魔な存在になりやすい。まさに最大の敵はアイテム。 説明書記載のコンティニュー方法の記述に不備がある。 説明書にはゲームオーバー画面で「十字キーとスタートボタンを同時に押す」とあるが、実際は「十字キーのいずれかを押した状態でスタートボタンを押し、スタートボタンを離す」が正しい。 同時押しの場合、スタートボタンを押すタイミングが十字キーよりも早いとコンティニューに失敗しやすい。 エンディングが無い。 ラスボスを倒してもその後何事もなく、すぐ2周目が始まる。苦労してクリアしてもこれでは… 1987年発売のゲームでエンディング無しはさすがに古臭いと言わざるを得ない。 総評 CMでは大きくプッシュされていたリキ化が実は隠し要素だったという誇大広告な部分はあったものの、ジャンプによる地形の対応方法はこれまでのシューティングゲームとは違うゲーム性を体験できた。 ただ、後半の高難易度に加えて、落下でミスとなる池や穴といった地形の多さや、見た目との実際の判定がわかりにくい面があったことは当時のハドソンらしい作品だった(*2)。 余談 パッケージアートは「魔物ハンター妖子」などで知られる、アートミック所属時代の宮尾岳である。 なおパッケージに描かれている女性キャラはゲームに登場しない。 まだ開発中画面すら公開されていなかった頃は『ファミカセ新人類』という仮名で載っていた時期があった。 まるでディスク時代に反旗を掲げるようなタイトルである。因みにハドソンはディスクシステムのハードそのものを提唱しながらも発売したソフトは『ボンバーマン』を後の1990年4月に書換専用移植として出したのみ。 ハドソン開発なのに何故か別のメーカーから発売されているが、これは当時の任天堂がファミコンソフトの販売メーカーに対して粗製乱造を防ぐために課していた「年間に販売できるタイトル数に上限を設ける」という制限回避のため。 発売元の「Rix Soft」とは株式会社リコーの子会社「リコーエレメックス社」がファミリーコンピュータ用半導体を製造していた関係でゲーム事業への本格参入のために立ち上げたゲームレーベルで、両者の利害が一致してこのような形態でのソフト販売がなされることとなった。ただし、ハドソン提供番組等でCMが打たれたり、高橋名人がCMに登場するなど、ハドソン開発であることが半ば明かされていたようなものだった。 海外版ではタイトルが「Adventures of Dino Riki」となり、ゲーム内容に大きな変更はないが、設定上の主人公の名称が「Dino Riki」変身後の名称が「Macho Ricky」と設定され、タイトル名とは裏腹に長州力もリコーエレメックス社も無関係なハドソンオリジナルソフトとして発売された。 「Macho Ricky」のグラフィックもハドソンつながりで高橋名人をモデルにしたような風貌のキャラクターに書き換えられている。 これが『高橋名人の冒険島』にも逆輸入されたか1992年発売の『高橋名人の大冒険島』(SFC)『高橋名人の冒険島III』(FC)ではゲーム中の武器にそれまでの石斧に加えてブーメランが導入された。 岩崎啓眞氏のブログに関係者の証言が掲載されており、それによれば「新人類」というタイトルは「当時の新人プログラマー中心で制作されたため」、縦スクロールシューティングになったのは「MSXの『魔城伝説』を参考にしたため」とされている。 リキの「自分の分身を飛ばす」攻撃方法は前年稼働のアーケードSTG『ダーウィン4078』の隠し進化形態「BLACK DEAME」に似ているという指摘がネット上で散見されている。 説明書の最後には「長州力のワンポイントアドバイス」が記載されている。 + 心の中でのツッコミはご自由に。 やあ、みんな、毎日元気にあそんでいるかい? ちゃんと勉強もしてるかな? あそんでばかりでも、勉強ばかりでもヒーローにはなれないぞ! じゃあここで、リキがキミだけにゲームがうまくなる方法をちょっとだけ教えてあげよう。 まず第1は、ファミコンも体力だ、ってこと。 青っちょろいモヤシっ子は、いくらゲームだけやってもダメ。 まず外に出て、サッカーでもやって体力をつけろ。 キャラクターのフットワークもみちがえるように軽くなるぞ。 第2は、ファミコンも集中力だ、ってこと。 だらだらと何時間もやったってうまくはならない。 1日1時間なら1時間、集中してガッととりくめ。 リキは、集中力では誰にもまけない。キミもガンバレよ。 そして最後は、ファミコンも頭だ。 自分の頭を使って、いろんな攻略法や可能性を見つけ出すんだ。 人に頼ったりしないで、自分で考えて、応用力を身につけていこう。 そうすれば、初めてプレイするゲームだって高得点がマークできるようになるぞ。 このアドバイスをしっかり守って、キミもヒーローめざしてガンバレ!!
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仮面ライダーカブト 【かめんらいだーかぶと】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 プレイステーション2 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 デジフロイド 発売日 2006年11月30日 定価 6,279円 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 仮面ライダー対戦格闘シリーズ 概要 デジフロの軌跡 デジフロの奇跡(評価点) キャラクター 戦闘システム ゲームモード ネタ面 問題点 ゲームシステムの問題 原作再現の問題 賛否両論点 総評 余談 天の道を往き、総てを司る! 概要 同名の特撮ヒーロー番組を原作としたソフト。 有限会社デジフロイドが開発を担当した仮面ライダー対戦格闘ゲームの第5作にして、現状最後の作品となっている。 デジフロの軌跡 02年の『龍騎』以降、毎年仮面ライダーの格闘ゲームを開発していたデジフロイドであったが、どれも格闘ゲームとしては非常にレベルが低く、「よくあるクソキャラゲー」という評価が定着していた。必殺技を使おうとすると急に連打勝負になったり、デジタルカード収集のために原作無関係の作業系ミニゲームをやらされたり、挙句の果てには弱攻撃しかできないキャラまで出てくる始末。 一応戦闘前後に各キャラにマニアックな台詞を言わせたり、『剣』でたい焼き名人アルティメットフォームを登場させたりと、「原作を知る者にはニヤリとできるネタ」を多く取り込んではいたのだが、それを考慮に入れても「子供でも騙せそうにないゲーム」という声が一般的であった。 そして06年5月、同社は『宇宙刑事魂』の開発も担当した。これは80年代の特撮番組を原作としたものであり、当然高年齢層がターゲットであるため、ライダーゲーの様な露骨な子供騙しは無いだろうと予想されたのだが…実際はそれらより遥かに劣る駄作であった。内容は薄い上にゲームバランスもいい加減、しかもネタ度もサッパリ。更にラスボス役で出演した特撮界の名女優・曽我町子氏が発売直前に急死したことで遺作となってしまったため、「曽我さんの遺作を汚した」と壮絶に叩かれ、遂にはクソゲーオブザイヤーで話題にされ次点になってしまったほどであった。 この事で特撮ファンからの総スカンを買ってしまったデジフロ。『カブト』のゲームも開発する事は決まっていたが、ダメ特撮ゲーを5作も出し続けた実績故に「どーせまたクソゲーだろう」と、世間からはまったく期待されていなかった。 デジフロの奇跡(評価点) しかしそんな諦めムードの中で発売された本ソフトは、まさかの良作であった。 キャラクター + クリックで展開 仮面ライダー マスクドフォームからキャストオフする面々 カブト ザビー(矢車・影山・加賀美) 風間ドレイク 神代サソード ガタック ダークカブト 最初からライダーフォームである面々 キックホッパー パンチホッパー ケタロス へラクス コーカサス カブトハイパーフォーム ガタックハイパーフォーム ワーム怪人 サナギ体(緑)から脱皮する面々 アラクネア(ルボア・フラバス・ニグリティア) ベルバー ベルバーロタ フォルミュカアルビュス セパルチュラ アキャリナアンバー 最初から成体 タランテスパープラ スコルピオ ウカ ゼクトルーパー 通常 シャドウ 敵専用キャラ サナギ体(白) 原作に登場していたライダーが、後述する「三島ザビー」以外は全員登場しており、質・量共に充実した構成となっている。 ザビーは矢車・影山・加賀美の3バージョンが登場している。加賀美はガタックからモーションを流用しているが、影山ザビーとパンチホッパー、矢車ザビーとキックホッパーはモーション、性能共に完全に別キャラ。特に影山ザビーとパンチホッパーは共にパンチ主体でありながらきちんと差別化が図られている。 劇場版に登場した3ライダーも出演。この事はパッケージでもウリの1つとして書かれている。 ライダーゲーでは、劇場版限定キャラは基本的に冷遇されていた。『アギト』ではG4は出ていたがボイス一切無し。『555』~『響鬼』ではライダーも怪人も一切出ていなかった(*1)。 ただし、ケタロスとコーカサスの声は代役である。ケタロスは演じた虎牙光輝氏に海外での仕事が入っていたため、平成仮面ライダーシリーズでおなじみのうなり声しかあげない雑魚怪人役の声優・塩野勝美氏が代役を務めている。コーカサスは原作では格闘家・武蔵氏が演じており、流石に当時現役真っ盛りであった彼をゲームにまで呼ぶことはできず、最初から代役を予定していたと思われる。しかし、映画での武蔵氏の演技がたどたどしかったため、代役の中田譲治氏(*2)の方がキャラに合っているとまで言われた。本作に触れてから映画を見てガッカリした者も少なくない。元々コーカサス(黒崎一誠)自体、「筋骨隆々の大男が青薔薇片手にキザな台詞を吐きまくる」というギャップを特徴としたキャラクターのため、武蔵氏の起用もミスキャストだったというわけではないのだが…。 果ては、幼年誌『てれびくん』の通販品であるDVDにのみ登場した「ガタックハイパーフォーム」まで登場している。 但し台詞は只のガタックと完全に同一。また、説明書で出ている事がバラされてしまっている。 同キャラ対戦はできない(『アギト』以降恒例)が、ゲーム上で別キャラ扱いになっている組み合わせなら原作の設定に関係無く対戦可能。 「変身者が異なるザビー同士の対戦」「カブトハイパーフォーム 対 ザビー・ドレイク・サソード」など。 『剣』では、キングフォームとスペードのアンデッドは対戦できなかった。 戦闘システム 見下ろし型視点、平坦なフィールドを敵味方が動き回る3Dアクション。 戦闘は2対2のタッグマッチが可能となった。またゼクトルーパーやサナギワームは1キャラ枠で複数体のセットになっているため、最大3対3のチームバトルも可能。 キャストオフとクロックアップ 『宇宙刑事魂』の超人連携システム(*3)を受け継いだと思しきゲージシステム。 ゲージを溜めることでキャストオフ(*4)やクロックアップ(*5)が可能。 キャストオフ可能なライダーは、各戦闘の初めはキャストオフゲージを溜めるためにマスクドフォームで戦うことになる。 各状態には長所と短所がある。短所の目立つマスクドフォームも、本作ではキャストオフ時に一瞬無敵になる利点があり、クロックアップ対策として機能する。勿論敵もキャストオフやクロックアップを発動して攻めてくるので、使いどころがカギとなる。 これにより単なる連打では勝てなくなり、駆け引きが必要となった。 なお、クロックアップは設定通り全ライダーで発動可能。原作では結局未使用に終わったキックホッパーなど(*6)も例外なく発動できるのも嬉しいところ。 ワームの場合はキャストオフではなく「だっぴ」になる。体力が回復する。 クロックアップはライダー同様に全員が発動可能。 多彩な技とコンボ ボタンと左スティック(または方向キー)の組み合わせや、その場の状況によって、様々な技が繰り出せる。 各技から別の技へと連続攻撃が可能。敵を上空に浮かせる技などもあり、コンボの組み合わせの幅は広い。 一部ライダーの必殺技は原作で見せた準備動作を再現したようなボタン入力を要求される。 例えばカブトの「ライダーキック」は必殺技ボタンを三回押さなければ発動しない。(ボタンを一回押すごとにカウントダウンの電子音声も入る)この際、通常攻撃を間に挟んで敵のガードを破壊するなど原作で見せたコンボを再現することもできる。 キックホッパーの「ライダーキック」は発動中に追加入力することで攻撃回数が増え、方向キーを使うことで複数の敵に攻撃を振り分けることができる。これも原作で多くのファンを魅了したアクションの再現である。 ゲームモード ストーリーモード 「カブト」「その他のライダー」「ワーム」の3本のルートが用意されている。「カブト」以外のルートでは、へラクスでコーカサスを倒すなど、原作での勝敗を無視した展開となる。 サバイバルモードが登場した(正確には『クウガ』にもあったが)。 1人プレイでは100人抜きを目指し、2人プレイでは無制限に出てくる敵を何体まで倒せるかに挑戦する。 使用できるキャラはライダーだけであり、敵キャラは全て怪人達だが、ダークカブト使用時のみ怪人ではなくライダーやゼクトルーパーが敵として登場する。 恒例のデジタルカード収集は無くなり、替わりに一度見たデモを再生できる「デモビューワ」機能が登場した。 特定の条件下でないと見られないデモもあるため、簡単には収集できない。ただし、コンプリートしても特典等は一切ない。 必殺技デモの場合は、技を浴びせる相手と背景を任意で選択できる。 ネタ面 原作を知る者をニヤリとさせる…を通り越して大爆笑させるネタのオンパレードであった。 ゲーム起動時の「プレイする時は部屋を明るくし~」という注意書きを、天道が「おばあちゃんが言っていた」という例の口調で読み上げてくれる。更に隠しの神代版も。 サバイバルモードでは、豆腐・ザル蕎麦・ラーメン・鯖味噌煮といった原作に出た料理が回復アイテムとして登場している。 しかも入手すると、「ラ・メーン(*7)パワー」「サバミソパワー」などと変身アイテムのボイスと同じ声が読み上げてくれる。 『555』以降恒例である戦闘前後の台詞パターンも増強されている。 原作に登場する怪人ワームが「人の姿から記憶まで忠実にコピーする能力」を持っている設定を活かしており、同一人物であるキャラを対決させるとなんとも意味深な台詞が聞けたりする。 これまでは、同一人物であるキャラ、例を挙げるとファイズとそのブラスターフォームなどを対戦させても「行くぞ!」などといった無難な台詞しか言わなかった。 その他、サソードをコーカサスと対決させると薔薇繋がり(*8)の台詞を発したりと、細かい設定や描写を取り入れた掛け合いもある。 OPデモに、主役以外のライダーを登場させる事ができる。 これは前作『響鬼』にもあった機能だが、本作は更にもう1段階進化していて、各ライダーがマシンに乗って走るシーンから、必殺技で敵を倒すところまで用意されている。 但しザビーは矢車版しか出すことはできない。 同デモでは、玩具だけで原作に登場しなかったホッパーやサソード用のマシンゼクトロンも登場。ダークカブトに至っては、「ダークエクステンダー」というオリジナルマシンに乗っている。 残念ながらゼクター登場と変身シーン等の前半の映像はカブトで固定されており、他のキャラのシーンは拝む事が出来ない。 条件を満たすと、原作での「天道語録」の台詞を聞くことができる。 但し7種類ある台詞の中からランダムで再生されるだけで、任意の台詞を聞く事はできない。 …と、この様にネタ・ゲーム性共に非常に完成度の高い作品となっており、「デジフロの奇跡」「スタッフはワームに擬態されてるんじゃないか」とまで騒がれた。 問題点 しかし、同時に無視できない点も残っていた。 ゲームシステムの問題 難易度が高い 「強い・普通・弱い・とても弱い」の4段階から選択できるのだが、「普通」でも敵がかなり手強い。逆に「弱い」では簡単すぎる。 隠しキャラの殆どは「普通」以上で条件を満たさないと出現しないため、「子供には揃えるのは無理ではないか」という声が多かった。 一応隠しコマンドやその他の条件で出現させる事もできるので、救済措置はあるのだが。 プラクティスやトレーニングモードに当たるものが無い 操作方法が特殊でやれることが多いので、自由に練習できるモードは欲しいところ。 低難易度などでコンボを練習しようとしても、割とすぐに相手の体力が尽きてしまう。 つかみ技・投げ技が優遇されすぎている 全ての技の中で自分のゲージ上昇量が最も大きく、敵のゲージ上昇量が最も小さい。つかみ技を決め続ければ、敵にクロックアップを使わせずにプレイヤーはクロックアップを連発できて非常に有利になる。 出が遅いので高難易度では決まりにくいが、それでも十分積極的に狙っていける。 クロックアップ中以外はひたすらつかみ技を連発した方が良い場合もある。特にマスクドフォームの場合。 タッグバトルの場合、CPU操作の味方キャラの動きが悪く、棒立ちになっていることが多い。 今作のワーム勢は誰1人として必殺技を使えない。 故にライダー勢と違って明らかに決め手に欠ける。 『555』~『響鬼』では怪人キャラにも必殺技が用意されていたのだが。 ヘラクスやキックホッパーなど無限コンボを持っているキャラがいる。 しかも結構手軽にできるので禁止するプレイヤーもいる。 全キャラでモーションが使い回しのアクションも多い。 バトルステージが少なく、選択もできない(毎度の事だが)。 パッケージ裏を見ると、開発段階ではスーパーマーケットのステージもあったらしいのだが。 キャストオフ・クロックアップ・必殺技のデモはストーリーモードでしか表示されない。 それ故、オプションによるデモの切り替え機能を欲する声が多かった。 ライダーキックなどの必殺技の演出は、ストーリーモード専用のデモ以外では地味でやや物足りない。カメラワークが変わったりすることもない。 原作再現の問題 ストーリーモードのストーリーが簡素すぎる。 「原作のストーリーを追体験できる」という触れ込みだが、実際はナレーションによるストーリー説明なども無く、簡単な台詞のやり取りだけで済まされている。 しかも途中からパラレルワールドであるはずの劇場版のエピソードが挿入され、その後はただ色々な敵と戦うだけになったりと、「原作の追体験」はどこかに行ってしまう。 ただしTV本編の後半にかけてのストーリー評価が低めなこともあり(*9)、難点ばかりというわけではなく、自分の正体を思い出して絶望するスコルピオをカブトが優しく諭す展開があるなど、いい意味で原作から改変されている部分もある。 また、原作は出演キャストの都合で中盤以降のストーリーが明らかに変更になったと思われる部分が多数あり、(結局パラレルという扱いになったが)元々劇場版を本編の前日談として設定していたのでは?と考えられる点も多い。そのため開発が渡されていたシナリオが実際のものと異なっていた可能性は十分にある。 プットオン(キャストオフとは逆に、ライダーフォームからマスクドフォームに戻る機能)が発動できない。 原作でもプットオンを利用する場面はほとんど無かったが、それでも使えないよりは使えた方が、より遊びの幅は広がっただろう。 とはいえ、もし使用できたとしてもバランス調整が物凄く難しくなると思われるほか、操作や仕様がより複雑になっていた可能性はある。 劇場版限定ライダーが必殺技としてのショルダータックルを発動できない。 劇場版限定ライダーはいずれも右肩のショルダーブレードを使った「ショルダータックル(*10)」を発動できるのだが、劇中未使用なためか本作には採用されていない。 しかし本作では、ケタロスが劇中未使用のライダービートを繰り出せるという例があるので、せめて通常攻撃として採用して欲しかったところ。一応、通常攻撃には肩から体当たりするものも存在するが、専用エフェクトなどはなくモーションも他ライダーの使い回しである。 カブトハイパーフォームの必殺技の中に、ハイパーライダーキックが存在しない。 本作では常にパーフェクトゼクターを所持して戦うスタイルとなっており、マキシマムハイパーサイクロンとマキシマムハイパータイフーンは必殺技として使える。 原作のカブトはキック技が印象的であったため、この点を「このゲーム1番の問題点」と呼ぶ声もある。 ただし、上記2種の必殺技に加えてさらに3つ目の必殺技を与える形になるので、これもゲームバランスなどを考慮したと考えられる。 上述のカブトと同様に、コーカサスもライダービートを発動できない。 映画本編でもこの技を発動するシーンがあったのみで、実際に技を決めたシーンが無かった。だがケタロスとヘラクスは今作では必殺技として発動できる上、彼の立ち位置は映画のラスボスという重要なポジションであるので、同じ最強形態の立ち位置であるカブトハイパーフォームの様な形で「任意で切り替えて発動できる必殺技のうちの一つ」として使用できるようにして欲しかったところ。 なお、内部データにこの技に関するものだと思われる音声が収録されており、開発時には採用する予定があったのかもしれない。 台詞・音声のミスなど。 ガタックはケタロスを倒すと、嬉しそうに「やったぜ!」と叫ぶが、これは台詞のミスだろうか? キックホッパーを矢車ザビーと対決させると「仮面ライダーザビー…」と呟くが、これはNG。『カブト』の劇中世界では基本的に「マスクドライダー」の総称で呼ばれており、「仮面ライダー」という単語は存在しない。 …筈なのだが、番組でも脚本ミスで「仮面ライダードレイク」という単語が出ていたりする…。 原作ではガタックのみベルトの音声が他のライダーと異なっているのだが、本作ではキャストオフの音声が他のライダーと同じ音声になってしまっている。 ダークカブトのキャストオフのデモ時にゼクター音声でキャストオフの音声がない。 敵がライダーのペア・ワームのペア・ライダーとワームのペアだった場合、汎用セリフが再生されるのだが、これは自分のパートナーや敵の細かい組み合わせに関係無く同じセリフが再生される為、間抜けな状況も生まれてしまう。 ガタックはライダーとワームのペアと戦うと「一体どういうつもりだ、ワームと手を組むなんて!?」と激昂する。自分もワームとペアを組んでいても。 影山ザビーはライダーペアを倒すと「今日からお前はZECTの一員、まずはカブトを倒して貰おうか」と発言する。相手がカブト本人であっても。 スタッフロールで、ドレイクとコーカサスの変身者の本名が「風間大介」「黒崎一誠」ではなく「風間大輔」「黒崎一成」と誤表記されている。 賛否両論点 マスクドフォームの使い辛さ 「必殺技・クロックアップ使用不可」「各攻撃のステップキャンセルが利かない」という仕様のため立ち回りが非常に不利であり、それに代わる長所も防御力が高い程度しかないので、原作のようにカッコ良く戦うことも困難になっている。 攻撃を仕掛けても潰されたり、隙を狙われやすいので、近距離技を振る意義も薄く、特定の飛び道具やつかみ技を連発するだけの戦法になりやすい。 もっとも「キャストオフを発動するまでの前座程度の扱い」といった位置付け自体は原作通りである。前述したように、本作ではクロックアップ対策としての役割もあるため、一概に調整不足と言い切れない部分もある。 発売時期の関係で、原作との相違点があったり、原作終盤に活躍したキャラが登場しなかったりする。 上述したカブトハイパーフォームの必殺技2種は、なぜか天道も技名を宣言して発動する。原作では無言で発動していた。 原作では必殺技名をクールに宣言するのが特徴であるため、番組当初は宣言する予定だったのかもしれない。 また、マキシマムハイパータイフーンの演出も原作と異なり、本作ではYを描くように2回斬り付けるという独自の演出となっている。 これはゲーム開発中では原作ではまだこの技が披露されたエピソードが未放送だった為、パーフェクトゼクターの玩具CMのエフェクトを参考にしたからである。 原作終盤に登場した強敵カッシスワームや、三島正人が変身したザビーこと「三島ザビー」、ラスボスのグリラスワームも登場しない。三島ザビーはともかく、カッシスとグリラスは開発時期を考えれば出せる筈がないが。 それだけに、事実上のラスボスが変身者となっている「三島ザビー」がオミットされたのは惜しいところか。 キックホッパーはTV登場前からゲームキャラとして開発されていたのだが、いざTVで登場したキックホッパーの必殺技がゲームとまったく違うものだったので、ゲームスタッフが徹夜でモーションを作り直したという逸話がある。おかげで劇中同様の連続キックが可能となっているなど、その努力と拘りは評価すべきところである。 しかし急遽作り直したためか、必殺技のデモはおかしな点がある。大筋は再現されているのだが、何も無い空中に張り付いてからキックを出したり、敵にキックを命中させた後の着地時の向きが明らかに逆になっていたりと違和感が目立つ。 また、パンチホッパーのモーションまでは流石に作り直せなかったようで、本作では百烈拳のような演出となっている。 ダークカブトの性格がTV本編とはまったく違い、他の作品に登場するダークライダーである『アギト』のアナザーアギトや『龍騎』のリュウガのようなキャラになっている。 とはいえ、他の作品のダークライダーもこのような性格のものばかりなのでTVでもこうなる予定だったのかもしれない。例えば当時の児童誌では「時空を飛び回りながらカブトと戦う」と書かれるなど、実際の展開と異なる文章はしばしば見られていた。 ダークカブトのライダーキックは、原作ではカブト同様の回し蹴りだが、今作ではかかと落としからそのまま踏み抜くという独特の攻撃方法であり、この点は原作よりも良いという評価もある。 本編ではお世辞にも扱いが良いとは言えない声もあり、上述の雑誌のエピソードの事も含めて戦闘スタイルや台詞を聞いただけでもこのゲームでの方がキャラが立っていてまさしくダークなカブトであった為、こちらのダークカブトの活躍を本編でも見てみたかったと言うファンも少なくない。 実写要素について 恒例のデジタルカードモードがないため、原作の劇中写真は一切収録されていない。故に変身前の役者のファンにとっては少々魅力に欠ける点がある。 上記に関連して、OPデモには変身前の天道は登場するものの、顔が可能な限り映らないようにアングルが調整されている。 総評 主にゲームバランス関連の問題点は残るものの、「『仮面ライダーカブト』という番組のゲーム」としては非常に完成度が高く、「神ゲーならぬ天ゲー」と評価された。 『龍騎』から少しずつ発展してきたネタ度の高さに、『宇宙刑事魂』の数少ない良点だったサバイバルモードとゲージシステムの導入など、デジフロの特撮ゲームの集大成とでも呼ぶべき作品に仕上がっており、作品のファンには是非とも遊んでもらいたい一作である。 余談 前述のように、本作はデジフロのライダーゲーとしては最終作であり、翌年以降の『電王』『キバ』と2年続けてゲームは発売されなかった。 本作のデベロッパーあるデジフロイド自身も「本作で開発を担当するのが最後と決められていたためガチな格ゲーを作り上げた」とか。事実、電王の時は公式ブログで電王のゲームは出ないことがアナウンスされた。 こうして飢餓感を煽られていたファン達は、その後に発表された『仮面ライダー クライマックスヒーローズ』に期待を寄せたのだが…。詳しくは該当項目を参照。 本作は、内容的には前3作より遥かに充実しているのだが、なぜか前3作と違って攻略本が発売されなかった。 その代わりということなのか、開発元が自社サイトの商品紹介欄に自ら攻略サイト(にしか見えない細かい攻略コーナー)を設けていた。 上述したように単独の平成ライダーをテーマとしたゲーム作品の中では随一の完成度を誇るものの惜しい点もある為、本作のプレイヤーから完全版の発売及びリメイクやリマスター化を望む声は決して少なくない。 しかし、版権や俳優事情が相まってか発売から10年以上経った現在でも未だに制作の目処は立っていない。 本作の矢車ザビーとキックホッパーのボイスは、後に『仮面ライダー 超クライマックスヒーローズ』に流用された。 本作で採用されなかったコーカサスのライダービートは、『仮面ライダー バトライド・ウォーII』で正式に攻撃技として採用されている。 三島ザビーはおよそ15年程の時を経て『仮面ライダーバトル ガンバライジング』にて、演者本人によるアフレコ収録もされた上で正式に実装された。(参考)
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アクアノートの休日2 【あくあのーとのきゅうじつつー】 ジャンル 海底散策ゲーム(SLG) 対応機種 プレイステーション 発売・開発元 アートディンク 発売日 1999年7月1日 定価 5,800円(税別) 周辺機器 ポケットステーション対応 廉価版 ARTDINK BEST CHOICE2000年8月3日/2,800円(税別) 配信 ゲームアーカイブス2008年8月13日/600円(税5%込) 判定 良作 アクアノートの休日シリーズ1 / MEMORIES OF SUMMER 1996 / 2 / AQUANAUT S HOLIDAY~隠された記録~ 概要 前作からの変更点 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 前作『アクアノートの休日』を多くの面でパワーアップさせたゲーム。 環境ゲームであるため、人を選ぶという面は同じ。 前作からの変更点 グラフィックの大幅進化 前作から4年の歳月を経て大きくグラフィックが進歩したことで、よりリアルな海中探索になった。 ターゲットスコープ 海中の生物をロックオンすることで、自動操縦でその生物を追跡するシステムが導入された。 これによって操縦することなく目的の生物を観察できるようになった。 顕微鏡の役割もはたし、ミジンコやエビのフィロソーマをログブックに登録できる。 ログブック 前述のターゲットスコープでロックオンした生物はログブックに記録される。 コレクション要素であり、今作の一応の目的はこのログブックをすべて埋めることである。 ロックオンできる生物や海中のオブジェクトは400種類近くあり、そう簡単には埋まらない。 前作にあった漁礁機能は廃止された。 評価点 前作の問題点をほぼ解消した。 グラフィックが向上したことでほとんど違和感がなくなった。 魚の種類も多く、場所ごとに暖かい海、寒い海、極寒の海、淡水のエリアと種類も分けられている。 ログブックを50%完成させると、ログブック閲覧時△ボタンで女性ダイバーを表示し、生物と大きさの比較ができる。 賛否両論点 古代生物が登場する 古生代、中生代、新生代の生物が登場する海域があるが、ゲーム中では特に何の説明もない(*1)。 問題点 ログブックのコンプリートがかなり大変 なかなか発見できない生物もいる上に、ヒントなどは一切ないためコンプリートは非常に困難。 前作と同様であるが、海底散歩という面を除くと、岩場だらけの荒野を移動するだけのようなもので好みが分かれるゲームである。 コンプリートすると見られるエンディングは、ログブックを終了した時に始まりキャンセルする事はできない。 コンプリート後、ログブックを開く度に見せられタイトルに戻ってしまう。 総評 ゲーム性はログブックのコレクション要素のみ。遊び方はプレイヤー次第なのは変わらず。 しかし圧倒的な水中風景はせわしなく手や頭を動かす必要のあるゲームに疲れたプレイヤーを癒してくれるだろう。 余談 本作は製作途中でディレクターが退職したため、アートティングへ転職したてだった漫画家の田中圭一氏が後を引き継ぎ完成させた。 田中氏は『アクアノートの休日』をアート的な作品として捉えており、転職間もなくディレクターが退職してしまったためにノウハウを引き継げなかったことを理由に挙げて、「『アクア』本来の夢の中を漂う浮遊感が失われた」と自己評価している。
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このページはVer. 1.0.1f (2024年5月2日更新)を基準にしています。 ゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。アップデートによる評価等の追記は1ヶ月経過してからお願いします。 Balatro 【ばらとろ】 ジャンル デッキ構築ローグライク 対応機種 Windows(Steam)Mac(Steam)Linux(Steam(*1))Xbox Series X/SXbox OneNintendo SwitchPlayStation 5PlayStation 4 メディア ダウンロード専売 発売元 Playstack 開発元 LocalThunk 発売日 【Steam/Switch】2024年2月20日【Xbox/PS】2024年2月21日 定価 【Steam】1,700円【Xbox】1,750円 プレイ人数 1人 レーティング IARC 3+ → IARC 18+ 備考 Switch/PS5/PS4版は日本発売停止(余談参照) 判定 良作 ポイント ポーカーをテーマとしたデッキ構成ゲームコンボ次第で爽快な超スコアが狙える日本語訳はやや難あり 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 ポーカーをテーマとしたデッキ構成のローグライク(ローグライト)ゲーム。 トランプで構成される手札からカードを出してポーカーの役を成立させて目標スコアを超えることを目指していく。 ポーカーがテーマとなっているため、ゲーム内では様々なポーカーの用語が用いられているが、あくまでポーカーのルール、というよりは手役を用いているだけであり普通のポーカーとは全く異なる毛色となっている。 特徴 ゲーム内の専門用語が多いため、可能な限りわかりやすい語を用いて説明する。なお、括弧内の用語がゲーム内の用語である。 ゲームのルールとしては手持ちのトランプ(デッキ)を用いて各ステージ(ブラインド)ごとに定められたスコア以上を獲得できればステージクリア。逆に指定されたスコアに到達しなければゲームオーバーとなるデッキ構成型のローグライト。 各ブラインドが対戦相手と言えるかもしれないが、通常のポーカーのように対戦相手と手役を競うというシステムではない。 ゲームは3つのステージを1つのグループ(アンティ)として、ステージ1がスモールブラインド、ステージ2がビッグブラインド、ステージ3がボスブラインドとなっている。 ボスブラインドをクリアすると、アンティが1段階上がり、またステージ1から再開する。アンティが増えるごとに目標スコアが増えていくため、ステージの難易度が上がっていく仕組み。 アンティ8のボスブラインドをクリアすればゲームクリアとなる。クリア後はエンドレスゲームとしてプレイを続けることができ、その後はアンティ9以上となり、ステージクリアできなくなるまでゲーム継続可能。 スモールブラインドとビッグブラインドは挑戦そのものをスキップすることも可能であるが、ボスブラインドはスキップ不可。そのため、各アンティで最低でもボスブラインドだけはクリアする必要がある。 挑戦スキップすると後述する「クリア報酬が手に入らない」、「ショップを利用できない」というデメリットがあるが、「タグが入手できる」というメリットもある。 ブラインドをプレイ(ラウンド)する場合は、指定された手数(ハンド)の間に、ブラインドで指定されている目標スコアを稼ぐことができれば勝利となりラウンドクリア。ハンド回数が残っていたとしても目標スコアを超えればその時点で勝利となる。一方ハンド回数が0になった時点で目標スコアに達していない場合はその時点でゲームオーバー。 ラウンドを開始すると、デッキから一定枚数(ハンドサイズによって決まる。デフォルトは8枚)のカードがランダムでドローされる。ドローされた手札の中から最大5枚のカードを選んで勝負(ハンドをプレイ)するか、選んだカードを捨て(ディスカード)て新たなカードをドローすることができる。 ディスカードはラウンドで利用できる回数が決められているが、回数さえ残っていれば何度でも連続で使えるため、極端な話、ディスカードの回数を使い切った上で1回目のハンドをプレイすることも可能。 ディスカードするか、ハンドをプレイしてもまだ目標スコアに到達していない場合は、手札がハンドサイズに至るまでの枚数が新たにドローされる。 例えばハンドサイズが8の状態で4枚のカードを使ってプレイ(手札が残4枚)した場合は、新たに4枚のカードがドローされる。 例外的に、後述のタロットカードを利用するなどして、ハンドサイズが8なのに手札が10枚ある状態で5枚のカードを使ってプレイ(手札が残5枚)した場合は、利用した枚数である5枚ではなく、ハンドサイズ不足分の3枚のみがドローされる。 なお、ブラインドの内、スモールブラインドとビッグブラインドは単純に目標スコアが設定されている(スモールブラインドを基準とし、ビッグブラインドは目標スコアが1.5倍となる)のみだが、ボスブラインドは目標スコアとは別に、プレイヤーにとって不利に働く特殊効果を持っているため、強敵となっている。 ボスブラインドの効果はアンティ開始時にランダムで決定される。なお、アンティ8のボスブラインドは他のアンティのボスとは異なる特殊なものが設定される。 ちなみに、アンティ8だけでなく、アンティ16,24と言った具合にアンティが8の倍数となるボスブラインドは全て特殊なボスブラインドが設定される。 + ブラインドの一覧 名称 特殊効果 目標スコア 備考 スモールブラインド なし 1.0倍 各アンティの1ステージ ビッグブラインド なし 1.5倍 各アンティの2ステージ フック ハンドがプレイされる度にランダムなカードを2枚捨てる 2.0倍 8の倍数以外のアンティの3ステージボスブラインド 雄牛 そのランで最もプレイされたハンドをプレイすると所持金が0になる 2.0倍 家 ラウンド開始時の手札は全て裏向きでドローされる 2.0倍 壁 目標スコアが通常より高い 4.0倍 ホイール ドローされたカードが7分の1の確率で裏向きになる 2.0倍 腕 プレイされたポーカーハンドの手役のレベルを1下げる(点数計算前に減少) 2.0倍 クラブ 全てのクラブのカードがデバフ状態になる 2.0倍 魚 ハンドをプレイした直後のカードは裏向きでドローされる 2.0倍 サイキック 5枚のカードをプレイしなければスコアされない 2.0倍 ゴアド 全てのスペードのカードがデバフ状態になる 2.0倍 水 ディスカードの回数が0で開始する 2.0倍 窓 全てのダイヤのカードがデバフ状態になる 2.0倍 手枷 ハンドサイズ-1 2.0倍 目 同じポーカーハンドは1回しかスコアされない 2.0倍 口 1回目にプレイしたポーカーハンドと同じハンドでしかスコアされない 2.0倍 プラント 全てのフェイスカードがデバフ状態になる 2.0倍 サーペント プレイまたはディスカードした後手札の枚数にかかわらず3枚のカードがドローされる 2.0倍 柱 同一アンティで既にプレイしたカードはデバフ状態になる 2.0倍 ニードル ハンド回数が1で開始する 1.0倍 頭 全てのハートのカードがデバフ状態になる 2.0倍 歯 プレイしたカード1枚につき1ドル失う 2.0倍 フリント 手役の基本スコアのチップ数と倍率が半減する 2.0倍 マーク 全てのフェイスカードが裏向きでドローされる 2.0倍 琥珀色のドングリ 全てのジョーカーカードが裏向きになり順番がシャッフルされる(裏向きでも効果は出る) 2.0倍 8の倍数のアンティの3ステージボスブラインド 青々とした葉 ジョーカーを1枚売却するまで全てのカードがデバフ状態になる 2.0倍 バイオレットベッセル 目標スコアが通常より高い 6.0倍 クリムゾンハート 1枚のジョーカーが常にデバフ状態になる 2.0倍 セルリアンベル ランダムで1枚のカードが強制的に選択される 2.0倍 ブラインドに勝利すると、清算が行われお金を入手することができる。 内訳としては、ブラインドごとに指定された勝利報酬に加えて、ハンド回数が残っていればその回数が加算されるほか、所持金が5ドル以上である場合、5ドルにつき1ドル(最大5ドルまで)の報酬が加算される。 なお、目標スコアギリギリでクリアしようと、目標スコアの10倍以上のスコアでクリアしようと清算で入手できるお金に一切影響はない。 ブラインド勝利後はショップ画面に移行する。ショップ画面ではプレイ中に入手したお金を用いて以下のアイテムを購入可能。 カード……ジョーカーやタロットカードなどのカードを購入できる。各ショップごとに基本的に2枚がランダムで配置される。5ドルを支払えば再抽選(リロール)も可能である。 再抽選のたびに必要金額が1ドルずつ増えるが、ラウンドが変われば5ドルに戻る。 カードパック……アルカナパック、ジョーカーパックなどが存在し、それぞれのパックに対応するカードの内ランダムで選ばれたカードの内から1~2枚のカードを選んで入手できる。各ショップごとに2種類のパックが配置される(再抽選は不可)。 バウチャー……プレイ中常に効果が出る特典。バウチャーは各アンティごとに1つが選ばれ、購入するとボスブラインドクリアするまでは補充されない。 購入しないまま当該アンティのボスブラインドをクリアすると別のバウチャーに切り替わる。 ブラインドをスキップすると、ブラインドに設定されているタグを入手できる。 タグは、特定のカードパックが取得できたり、次のショップでレアジョーカーや強化ジョーカーが確定出現&無料入手できたりと強力なものが多いが、ブラインドをスキップすると当該ブラインドで獲得できるはずだったお金が入手できないほか、ショップも利用できないため強化チャンスそのものは減ってしまうためハイリスクハイリターン。 ラウンド中のハンドプレイ時のスコアは「チップ数×倍率」の計算式で算出される。このチップ数と倍率は様々な要素で大幅に強化することができるようになっており、強化によって最終スコアを大幅にアップさせることこそが本作の醍醐味である。 基本的なスコアはポーカーの手役によって決まる。なお、手役によって決まる基本的なスコアは惑星カードを利用することで強化できる。 なお、通常のポーカーと異なり、ハンドをプレイする際に必ず5枚のカードを利用しなければならないわけではなく、4枚以下で完成する手役(ワンペアやフォーカードなど)を狙うなら必要な枚数だけプレイに利用すればいい。というよりも、ハンドをプレイした際に実際に利用されるカードは手役を構成するカードのみであるため、手役の構成に関係ないカードを入れたとしても、そのカードはプレイに利用した扱いにならない。もっとも、手役の構成に関係ないカードを入れた場合もカードとしては使用済みになるため不要なカードをディスカードを使わず手札からなくす戦略はもちろんあり。 チップ数については最も分かりやすい加算条件として、カードそのものに設定されたチップ数が挙げられる。2~10のナンバーカードはその数値、J、Q、Kのフェイスカードは一律で10、エースは11のチップ数を標準で持つ。 このため、例えば同じスリーカードでも2の3カード(チップ2×3で+6)とAの3カード(チップ11×3で+33)では大きくスコアが異なることになる。基本的には通常のトランプで強いカードが強いと思っておけばおおよそその認識で間違いはない。 スコアを大きく稼ぐ上で欠かせないのが様々な効果を持つジョーカーである。 一般的なポーカーでは使う場合はワイルドカードとして利用されがちなジョーカーだが、本作ではワイルドカードとしての役割は一切ない上、デッキカードとみなされることもない特殊効果枠となっている。 ジョーカーを持つことで、ハンドをプレイした際にチップ数や倍率を増やしたり、手役の構成条件を緩和したり、お金を入手したりと様々な恩恵を受けることができる。デフォルトではジョーカーは5枚持つことができ、その組み合わせがスコア、ひいてはゲームプレイに大きな影響を与える。 ジョーカーはなんと全部で150種類存在し、それぞれが個性的な効果を持っている。単体で強力なものもあれば、単体ではほとんど恩恵を得られないが、特定のジョーカーと組み合わせた時のシナジーが格別なものも。 また、初期状態ではいわゆるフルセットのトランプ52枚を持っているが、このトランプの構成そのものも強化したり、カードそのものを入れ替えたりすることが可能。 自由にカードを入れ替えることができるというわけではなく、下記の消耗カードを利用したり、一部ジョーカーの効果を受けたりすることでカードを入れ替えることができる。 運の要素はあるものの、やろうと思えば「全てのカードをスペードにする」「デッキのカードを30枚くらいにする」といったことも可能であり、通常のポーカーではありえない「全て同じスートのファイブカード(本作ではフラッシュファイブという役でカウントされる)」なども実現可能。 ジョーカーに合わせてデッキを整えるのが本作で高いスコアを稼ぐためには必要不可欠となる。 なお、ジョーカーとトランプカードそのもの以外として以下の消耗カードが存在し、利用することでプレイを有利に進めることができる。 惑星カード……利用すると惑星カードに対応する手役の基本スコアを1段階強化することができる。全12種類。 タロットカード……デッキのカードを強化したり、スートを変更したりとトランプカードを強化するものが多いが、その他もある。全22種類。 スペクトルカード……タロットよりも強力な効果を持つものが多いが、明確なデメリットが存在するものもある。ゲーム内で入手できる機会が惑星カードやタロットカードと比べると少ない。全18種類。 + 手役の一覧 複数の手役の条件を同時に満たした場合は、上位の手役が優先される。 ここでいう上位は役としての上下関係であるため、プレイヤーが強化した結果、下位役の方がスコアが高くなる場合であっても一切考慮されない。 いずれの役についてもプレイしたカードとみなされるのは役を構成するカードのみである。 フラッシュファイブ、フラッシュハウス、ファイブカードの3種類は初期状態では手役一覧に表示されず、ラウンドで1回でも役を成立させた段階で表示されるようになる。 また、この3種類の役の強化惑星カードについてもラウンドで1回でも役を成立させることが出現条件となっている。 以下の表については後のものほど上位役である。 役名 基本スコア 増加スコア 条件 強化惑星カード ハイカード 5×1 +5×+2 以下のいずれの役にも該当しない場合最もランクの高いカード1枚が適用 冥王星 ワンペア 10×2 +15×+1 同じランクのカードを2枚 水星 ツーペア 20×2 +20×+1 ワンペアを2組 天王星 スリーカード 30×3 +20×+2 同じランクのカードを3枚 金星 ストレート 30×4 +30×+3 連続する数字の5枚のカードの組み合わせ(*2) 土星 フラッシュ 35×4 +15×+2 同じスートのカードを5枚 木星 フルハウス 35×4 +25×+2 スリーカードとワンペアの組み合わせ 地球 フォーカード 60×7 +30×+3 同じランクのカードを4枚 火星 ストレートフラッシュ 100×8 +40×+4 同じスートのストレート 海王星 ロイヤルフラッシュ 10,J,Q,K,Aのストレートフラッシュ(*3) ファイブカード 120×12 +35×+3 同じランクのカードを5枚 プラネットX フラッシュハウス 140×14 +40×+4 全て同じスートのフルハウス セレス フラッシュファイブ 200×16 +50×+3 全て同じスートのファイブカード エリス + カードの強化 カードの強化には「強化カード」「シール」「エディション」の3種類があり、同一種の強化はいずれか1種類のみ適用可能だが、異種の強化は同時につけることが可能である。 例えば、倍率カードにボーナスカードを付与すると、倍率カードの効果は失われるが、倍率カードにフォイルの効果を付与し、レッドシールも合わせて付与すれば倍率カード+フォイル+レッドシールという3種類の強化を1枚のカードに施すことができる。 種類 効果 強化カード ボーナスカード プレイした際にチップ+30 倍率カード プレイした際に倍率+4 ワイルドカード どのスートのカードとしても扱われる グラスカード 倍率 ×2 プレイした後4分の1の確率でカードが割れて消滅する スチールカード ハンドをプレイした後、このカードが手札にある場合、倍率 ×1.5 ゴールドカード ラウンド終了時、このカードが手札にある場合、報酬+3ドル ラッキーカード プレイした際に5分の1の確率で倍率+2015分の1の確率で20ドル獲得どちらの効果も同時に発動する場合もある ストーンカード プレイした際にチップ+50ただし、ランクとスートは存在しないものとして扱われる(*4) エディションジョーカーの場合、ハンドプレイ後にそれぞれ効果適用 フォイル プレイした際にチップ+50 ホログラム プレイした際に倍率+10 ポリクローム プレイした際に倍率 ×1.5 ネガティブ ジョーカー(消耗品)スロット+1この効果はジョーカーまたは消耗品カードのみ適用される シール ゴールドシール プレイした際に3ドル獲得 レッドシール このカードの効果をもう1度発動 ブルーシール ラウンド終了時、このカードが手札にある場合、ラウンドで最後に作った手役に対応する惑星カードを1枚作成する パープルシール このカードをディスカードした際、ランダムなタロットカードを1枚作る 初期デッキは全部で15種類存在し、デッキによって異なったルールが適用される。 また、難易度(ステーク)も8段階存在し、上位になればなるほど様々な制限や目標スコアの増加などにより難しくなる。 + デッキの一覧 名称 ルール レッドデッキ ディスカードの回数+1 ブルーデッキ ハンド回数+1 イエローデッキ 初期の所持金が10ドル加算される(14ドルでスタート) グリーンデッキ ラウンドクリア時の報酬がハンド回数1につき2ドル、ディスカード回数1につき1ドルとなるただし、利息はない ブラックデッキ ジョーカースロット+1だが、ハンドサイズ-1 マジックデッキ 水晶玉のバウチャーと、愚者のタロットカード2枚を持って開始 ネビュラデッキ 望遠鏡のバウチャーを持って開始消耗品スロットサイズ-1 ゴーストデッキ ショップでスペクトルカードが出現するようになるヘックスのスペクトルカードを持って開始 アバドンデッキ フェイスカード(J,Q,K)がない状態(全40枚)で開始 チェッカーデッキ スペード26枚、ハート26枚(各ランク2枚ずつ)で開始 ゾディアックデッキ タロット商人、プラネット商人、オーバーストックのバウチャーをそれぞれ持って開始 ペイントデッキ ハンドサイズ+2だが、ジョーカースロット-1 アナグリフデッキ ボスブラインドクリア時にダブルタグを入手できる プラズマデッキ スコア計算時にチップと倍率をそれぞれ同値になるように配分される各ブラインドの目標スコアが2倍になる イラティックデッキ 52枚のカードのスートとランクが全てランダムで開始 + ステークの一覧 上位のステークは下位のステークの制限が全て適用される。 上位のステークは当該デッキで1つ下位のステークでクリアすることでアンロックされる。 ステーク 制限 ホワイトステーク 制限なし レッドステーク スモールブラインドの基本報酬(2ドル)がなくなる グリーンステーク アンティ2以降の目標スコアが増える ブラックステーク 入手できるジョーカーがたまにエターナルカードになるエターナルカードは処分・売却・破壊が一切できない ブルーステーク ディスカードの回数-1 パープルステーク アンティ2以降の目標スコアが更に増える オレンジステーク 入手できるジョーカーがたまに摩耗カードになる摩耗カードは5ラウンド経過後デバフが掛かり事実上使用不可となる ゴールドステーク 入手できるジョーカーがたまにレンタルカードになるレンタルカードはどのようなカードでも1ドルで購入できるが、毎ラウンド終了時に3ドル消費するなお、摩耗カードやエターナルカードと重複することもある 評価点 中毒性のあるゲーム内容 上で述べたルールは一見難しそうに見えるが、やるべきことはなるべく高いスコアをたたき出してひたすらステージをクリアしていく、ただそれだけである。 ポーカーを題材にしていることから、考えるべきことは多くとも、作るべき手役は非常に分かりやすいため、ルールは非常に覚えやすい。 もっともジョーカーをはじめとして出現するカードはプレイごとに変わっていくため、どのようなジョーカーを使い、どのようなデッキ構成にするかをしっかりと吟味する必要がある。 望みのカードがなかなか来ないと思ったようにスコアを伸ばせないが、望みのカードと戦略がバッチリと決まった際にはボスブラインドですらワンパンかつオーバーキルも容易にできるため爽快感もかなり高い。 ジョーカーの種類が非常に多く、要求される戦略は出現するジョーカー次第で大きく変わるため、繰り返しのプレイにも耐えられる内容。 あるときはひたすら同一スートでフラッシュを狙い、あるときはワンペアやツーペアなどペアを狙い……といった具合にジョーカーの内容次第で作るべき役、そして揃えるべきデッキカードも大きく変わる。 もちろん、思い通りにいかない場合も多いため、その都度自身の戦略も見直す必要がある。運の要素こそ強いが、アンティ8をクリアするだけであればある程度の応用力の有無が成否を分かつことももちろんある。 絶妙に計算されたバランス 本作のスコア計算はチップ数と倍率の乗算により算出されるため、倍率やチップ数のどちらか一方を高めるだけではスコアが頭打ちになりやすい仕様になっている。 分かりやすくいえば、例えば合計1000の数値を配分するとチップ数900、倍率100であれば900×100で90000だが、チップ数500、倍率500であれば500×500で250000となり大きくスコアが変わる。そのため、ジョーカーやカード強化についてもいずれか一辺倒で強化するよりもどちらもバランスよく強化した方が強くなる。 チップ数はある程度までは増やしやすいが、倍率と異なり乗算で増やすものが存在しないため、高倍率をたたき出せるようになるとチップ数の伸び悩みでスコアが失速しがち。 一方の倍率は、序盤こそ増やしにくいが、加算と乗算をうまく組み合わせれば最終的に超高倍率が狙える。 序盤はどのように倍率を増やしていくか、最終的にはチップ数をどう増やしていくか、といった具合にどちらかに偏ってはいけないが、どちらが重視されるかがタイミングで変わる絶妙な設計となっている。 ジョーカーについては持てる枚数が5枚しかないため、倍率を強化するジョーカーとチップ数を強化するジョーカーをしっかりとバランス良く入れることが求められる。 ネガティブエディションを付与できればジョーカーを6枚以上持つことも可能だが、任意のカードにネガティブを付与できるかは運の要素が強いため、基本的には運が良ければ何かしらのカードを追加で持てる程度の扱いになりがち。 ジョーカーの中には手役の成立を容易にしてくれるもの、他のジョーカーの補助をしてくれるもの、お金の入手量を増やしてくれるものなどスコアに直接寄与しないが、持っておくとゲームが有利になるものも数多い。 スコアを直接増やすべきか、その他のジョーカーを使って結果的にスコアを稼いだり、後の強化の費用を捻出するかなどもしっかりと熟考する必要がある。 ゲームの性質上、ストレートやスリーカードと比べるとフラッシュは作りやすく序盤は強力だが、後半に失速しやすい形でバランスがとられている。 フラッシュ関係のジョーカーはストレートと比べると弱い、惑星カードによる強化割合が明らかに低い(スリーカードより下、チップ数だけでいえばツーペアにすら劣る)といった具合に、フラッシュだけで攻めようとするとかなり強化しておくことが事実上不可避。 一方で、フラッシュは上位版の「ストレートフラッシュ」、「フラッシュハウス」や「フラッシュファイブ」があるため、フラッシュからそちらに乗り換えるのも戦略の一つとなっている。 カード強化も同様であり、手札に置いておく方が強力なもの、使わなければ意味がないものなど様々であり、不要なカードであればそもそも破壊することも踏まえて計算していく必要がある。 最終的には手元にあると倍率が1.5倍になるスチールカードがかなり強力だが、ハンドサイズが小さいと使える枚数が限られてくるのが難点。 ブラインド勝利時の利息についても、5ドル以上持っておく、つまりお金をなるべく残しておくことで入手できるお金をより増やすことができるため、ついついお金をある程度残しておきたくなるが、ショップでの強化が遅れるとそれだけラウンドが苦しくなるようになっており、どれだけお金を置いておくかとどこまで使うかをよく考えることが要求される。 賛否両論点 運の要素がかなり強い ローグライトゲームなので当たり前といえば当たり前だが運の要素はかなり強い。 自身の想定する戦略が決まれば爽快なスコアをたたき出せるのは間違いないが、そのためには「ジョーカー」「タロットカード」「惑星カード」など様々な要素がうまく噛み合わなければならない。 「このジョーカーが来ればうまくいくのに」とか「このタロットカードをあのカードに適用したいのに選択肢に出てこない」といった具合に運の要素はかなり強く、大抵の場合は、爽快なスコアをたたき出すというよりは、ギリギリの戦いを強いられることになる。 ボスブラインドの能力は種類こそ多いが、自分の戦略をバッチリと阻害してくる能力が選ばれてしまうとそこまで順風満帆であっても一気に崩されてしまうこともある。 例えば手札をスペード一色のフラッシュ手にしている場合にスペードデバフ(*5)のボスブラインドが来てしまうとほぼ絶望的である。ボスブラインドの能力は該当するアンティに到達するまで分からないため、事前に後のボスブラインドに備えておくといったこともできない。 特にアンティが進んでくるとある程度は特化しなければそもそもスコアを稼げない仕様なので、その戦略を完全に潰すようなボスブラインドが出現すると理不尽といってもいい負け方をすることもある。 ボスブラインドについては「ディレクターズカット」のバウチャーを入手するか、「ボスタグ」のタグのどちらかを入手しなければリロールできない。タグについては同一アンティ内でタグが存在しなければならないし、バウチャーも出現するかどうかは完全に運であるため、ボスブラインドをリロールしたい時に限ってリロールできないという事態にも陥りがち。 もっとも、こういった運の要素も含めて楽しむジャンルのゲームであるため、運の要素が強いのは当たり前という意見ももちろんある。 とはいえ、それを踏まえても上位ステークの場合は運の要素が強いを通り越して運ゲーといっていい内容となってしまっている(問題点で言及)。 アンロックしたジョーカーが増えると望みのジョーカーが出にくくなる 本作では150種類のジョーカーがあるが、そのうちの3分の1程度は初期状態ではロックされており、一定条件を満たさなければそもそもゲーム内で登場することがない。 一方で、一度条件を満たしてアンロックすると以後のプレイでは普通に出現するようになる。 使えるジョーカーが増えるというのはメリットでもあるが、正直使い道に乏しいジョーカーもあるため、そういったジョーカーが増えてしまうと、結果的に出てきてほしいジョーカーの出現率が下がってしまう。 アンコモンやレアのジョーカーについてはただでさえ出現しづらく、仮にタグで強制出現させたとして使い勝手の悪いジョーカーになってしまう確率が増えてしまう。一度アンロックしたジョーカーの一部のみを出現しないようにすることはできないため、アンロックしない以外の対策はない。 アンティ9以降の目標スコアの増加量がとんでもない ゲームクリア後のエンドレスゲームでプレイできるアンティ9以降であるが、特に10,11以降の目標スコアの増加幅がえげつないことになる。 簡単に言ってしまえばアンティが1つ進むだけで目標スコアが文字通り2桁(100倍)以上変わる。直前のボスブラインドはワンパンで突破できたが、次のスモールブラインドではハンド回数を使い切っても目標スコアの足下にも及ばないということが普通に起きる。 あくまでクリア後のゲームの増加量がとんでもないだけで、アンティ8まではそれほど理不尽な増え方をしないため、ゲームクリアを目指すだけなら何ら問題はない。 とはいえ、ある種の無理ゲーといえるような目標スコアですらうまくはまれば突破できるゲームバランスなのだが。 やや不遇なスリーカードやストレート 本作の仕様上、同一ランクのカード3枚で完成するスリーカードやランクを連続で5枚揃えるストレートはやや不遇である。 スリーカードは3枚で完成するわけだが、逆に言うとスコア対象のカードが3枚になってしまうため、下位ランクのツーペアよりスコアが劣ってしまいやすい。 本作では、カードの強化によってカードのスートはタロットカードで一気に3枚変更できるのに対し、ランクは2枚を1つ上のランクのカードに変更するか、1枚を別のカードと同一のカードに置き換えてしまうかくらいの方法しか基本的にない(*6)ため、やはり揃えづらい。 フラッシュは特定のスートさえ作ればいいので、タロットカードによる強化がやりやすいが、ストレートは、そもそも各ナンバーが何枚あるかも考えてデッキを調整しなければならないためやはり作りづらい。 その上、特定の役が含まれる時にチップ数や倍率を増やすジョーカーを利用する場合、ストレートは性質上、ワンペアやツーペアなどと重複しないため、スート変換次第ではワンペアやツーペアなどと重複もできるフラッシュと比べて汎用性に欠ける。 もっとも、3枚で役構成できる=手札が多く残せるという意味なのでそれを活かしたジョーカー構成でワンペアやスリーカードを主軸としたり、ランダムなスートで強化されるジョーカーを有効活用するために様々なスートを持ちストレートを狙ったりといった戦術ももちろんあるため、不遇ではあるが全く使えない役というわけではない。 アップデートでストレートがやや強化されたため、相対的には強くなったといえるが、それでもフラッシュ系と比べて使いにくいのは変わりない。 どのような場合でも上位役が優先されてしまう ポーカーの手役については実際に得られるスコアの高低や状況に関わらずどのような場合であっても上位役が優先される。 例えばストレートフラッシュとストレートが重複する場合は強化具合でストレートの方が有利であってもストレートフラッシュとして処理される。 ボスブラインドによっては「1つのハンドしかスコアにカウントされない」「同じハンドだとスコアにカウントされない」といった制約を受けることがあり、この場合に「ストレートとして処理してほしい」と考えたとしても上位役の条件を満たす限りはどうしようもない。 とはいえ、それも含めて戦略と考えることもできるため、下位役を優先してほしい場合には、上位役が成立しないようなデッキ構成を目指すというのも戦略の一つといえる。 問題点 上位難易度は半ば運ゲーになってしまう 賛否両論点にも記載のとおり、本作は運の要素が強いが、上位の難易度になると運の要素が強いというだけに留まらず運ゲーといっていい内容になる。 低難易度の場合は思い通りのジョーカーや強化カードが来なかった場合のプランBでなんとか挽回を狙うことが許容されるが、高難易度の場合、思い描いた戦略がとれないとそのままゲームオーバー直結ということが多い。 その上、一度入手すると手放せず戦略変更を許さないエターナルカードや以後の強化に必要な資金を消費してしまうレンタルカードなど、そもそもプランBを許さない制限も増えてしまう。 結果的に、高難易度の場合は、「そもそもクリアできるパターンが出るまでやり直す」というのが最適解とすら言われてしまっている。 実績や統計を意識しないのであれば最高難易度であるゴールドステークはクリアできなくても構わないが、2番目に高い難易度であるオレンジステークについてはデッキ解放条件になっているので、いずれかのデッキで1度はクリアする必要がある。 日本語訳に問題がある 本作は日本語に対応しているが、一部のカードについては翻訳のせいで効果を勘違いしやすい。 「ハンド-1 ラウンドごとに」という表記は「ラウンドごとにハンド回数が1ずつ減っていく」と勘違いしがちだが、この効果は正確には「ラウンドごとのハンド回数-1」という意味である。 さすがに毎ラウンドハンド回数が減っていくことはないだろう、と思えても、シビアなゲームバランスの中で誤解を招く文言なので万一を考えると選びにくいのが実際のところである。 ただ、ジョーカーの中には「ハンドサイズ+5、ただしラウンドごとに-1」という効果を持つものがあり、このカードは本当にラウンドごとに1ずつ効果が減っていく。 ランナーやスクエアジョーカーなどの、条件を満たすと「チップ+○を得る」の効果は、条件を満たした際に獲得できるチップ枚数が増えるが、チップの入手そのものは条件を満たさなくても可能であるが、やはり条件を満たさないといけないとそもそもチップをもらえないと勘違いしがち。 ボスブラインドについても一部勘違いしやすいものがある。 「このアンティの前にプレイされたカードにデバフがかかる」は、正確には「このアンティにおいて、以前プレイされたカード(つまり、同一アンティのスモールブラインドとビッグブラインドでプレイしたカード)にデバフがかかる」である。 日本語訳のファイル自体がゲーム本体に取り込まれてしまっているため、翻訳を書き換えて修正することもできない。家庭用ゲーム機版でも当然修正不可。英語でプレイすれば問題ないわけだが、英語が苦手だとなかなか厳しいところである。 勘違いどころか、効果が正しく分からないジョーカーとして「ToDoリスト」が存在した。 効果はラウンドごとに決められた手役をプレイすることで5ドルが入手できるというものなのだが、翻訳ミスで「$5をプレイするたびに$5を獲得」という意味が分からない文章になってしまっており、日本語でプレイするなら、ほぼ有効活用できないカードになってしまっている。 日本語訳はVer.1.0.1fで修正されたため、正常な効果が分かるようになっている。 理不尽な実績の存在 本作には一定条件を満たすことで解放される実績が存在するが、「完全主義者+」と「完全主義者++」の2つについてはもはや理不尽と言っていい領域の難易度となっている。 前者の条件は全てのデッキを最高難易度であるゴールドステークでクリアすることが条件。 上記のとおり、高難易度は運ゲーと化していくため、ゴールドステーククリアはリセマラ必須の運ゲーと化す。また、デッキごとに難易度もばらつきがあるため、全てのデッキをゴールドステークでクリアするのは非常に難しい。 ゴールドステークを1つクリアすることで入手できる実績である「ハイステーク」についても2024年6月16日現在達成率は9.2%と高難易度実績の位置づけとなっている。 それに加えて上位の難易度はそもそも当該デッキで1つ下の難易度をクリアしないと出現しないため各デッキをホワイトステークから順に8回ずつクリアしていく必要があり、全てのデッキをゴールドステークでクリアするためには最低120回クリアする必要がある。 なお、この実績の達成率は0.4%(2024年6月16日現在)。とはいえ、それでも、次の「完全主義者++」と比べると断然マシな難易度だが……。 後者の「完全主義者++」の条件は「全てのジョーカーにゴールドステッカーをつけること」である。 ゲームクリアすると、クリアした際に持っていたジョーカーに難易度に応じたステッカーが付与される。例えばホワイトステークでクリアした際に持っていたジョーカーにはホワイトステッカーが付与されるわけである。 つまり、この実績の条件は言い換えるならば「全てのジョーカーでゴールドステークをクリアせよ」ということである。基本的に1ラウンドで持てるジョーカーは5枚なので、基本的に30回はゴールドステークをクリアする必要がある。 ゴールドステークはジョーカーについても吟味に吟味を重ねることでようやくクリアが見込める難易度である。そんな中で実績のために何枚も要らないジョーカーを持つなどといったことは到底できず、基本的には有用なジョーカーで固めつつなんとか1枚不要ジョーカーを持つ程度が限界である。 そんな中で、ジョーカーそのものが150種類もあるせいで「そもそもステッカー未付与のジョーカーが出現するかどうか」といった訳の分からない運も試されてしまう。 また、アンティ8のボスブラインドは「ジョーカー1枚を売らないと全カードデバフ」の効果が1/5の確率で出現してしまうため、こうなるとほぼ不要ジョーカーを持つことは絶望的になってしまう。 この実績の達成率は2024年6月16日現在0.1%であり、発売から2ヶ月後の4月末の時点では0%であったことからもその異常な難易度が窺い知れる。 実績であるため、できなかったとしても特に問題がないのは確かだが、もう少し現実的な難易度の実績にしてほしかったところだろう。 これらの実績と比べるとまだマシだが、「チャレンジモードを全てクリアする」ことを要求される実績「ルールブレイカー」もかなり難しい。 序盤はまだしも、終盤のステージはもはや嫌がらせのような課題が続く。最後には、「ジョーカーが使えない中でクリアを目指す」という本作のコンセプトに真っ向から対立する超難関課題が与えられる。 総評 ポーカーという既にあるゲームをデッキ構築ゲームとして味付けしたローグライトゲーム。 戦略を問われる場面は多数存在するが、ポーカーを題材としていることから作るべきものは非常に分かりやすくすぐに熱中することができる。 多数存在するジョーカーの組み合わせ次第で、数億点というとんでもないスコアをたたき出すことも可能となっており、自分が考えた最強のデッキがバッチリと決まった快感は筆舌に尽くしがたい。 繰り返して遊べるバランスとなっており、遊ぶたびに新たなコンボを開拓することが可能となっており、隙間時間に遊ぶようなゲームでありながらやめ時を見つけにくい一作である。 余談 リリースからしばらくした段階で突如、一部のストアページで本作が削除されるという事態が発生した。 原因としてはどうやら、当初IARC3+(全年齢)のレーティングを取得していた本作が、急遽IARC18+(つまり18禁)のレーティングに格上げされてしまったためのようである。 本作はポーカーを題材にしているが、賭博要素は一切ない(そもそもプレイヤーはスコアを稼ぐことだけが目的の1人プレイゲームである)ことから、当初は全年齢のレーティングを取得していたのだが、突如レーティングが変更されてしまった様子。 結果的に、日本国内のSwitch/PSそれぞれのストアページからは削除され、2024年6月18日現在Switch/PS5/PS4版は購入不可(*7)となっている。 同じくローグライト系のゲームに『Brotato』というタイトルの作品が存在するが、全く関係はない。