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【パーソナル】 名前:フェーナ=ムーリリル 性別:男 外見年齢:5歳 【設 定】 ケルピーが突然変異で魔族になった珍しい魔族。 とはいえ自分が魔族ということを自覚しておらずに、ケルピーと思っている。 デストリアやケルピーとは大の友達で風のうわさで知ったフォーツバルという人に憧れる。 フォーツバルに会うために、魔馬馬車という馬蔵に張り型をつけた運送で大魔都への旅金を稼ぐ。 そしてついに溜まったので道先で仲間の魔馬たちとともに大魔都へと移動中である。 魔馬の性格の数は不明だが戦闘能力は一切ない。だがリーダーのデザイアだけが巨大なデストリア。 性的知識はいっさいなく、張り型の馬蔵に乗せることはただの礼儀だと思っている。 性経験も一切なく、デザイアをはじめ誰もフェーナには性行為を行わない。 性格は、どこか弱弱しく儚げないが、何事にも一生懸命でとっても素直。 【外 見】 (魔族時) 美しい紫の水草のようなロングヘアーに青色の瞳。そして桃色のリップをしている。 白い肌は抱きしめたら折れそうなほど細くか細い。 白のスパッツレオタードに白いレザー手袋と白のヒールを履いている。 その上から水の羽衣を纏い、その姿はとても愛らしい。 60cmの巨根に太さ13cm超巨大真性包茎でまだ童貞。菊穴も未開発。 しかし、勃起すらしたことない今の状態では5cm太さ1cm程度の短小である。 身長85cm 体重12Kg 線の細い体型。 (本体)シェイプチェンジ・獣化使用時 美しい紫の水草のロングヘアーのたてがみ。 純白の体に尻尾は美しい青である。 蹄は純銀でできており、ケルピーとしても例をみないほど美しく可愛らしい。 青い馬蔵にはさまざまな張り型をセットできるようになっている。 高さ70cm 体長120cm(尾70cm)とかなりの小型。 ペニスは魔族時とまったく同じようになっている。 (デストリア) 5mはある巨大な漆黒のフタナリのデストリア。 非常に筋肉質だがこれでもまだ5歳。 人間時は筋肉のないロリっ子体系になるがペニスだけは一切変わらない。 瞳や髪も黒く、髪は地面に着くほど伸びておりとても美しい。 身長108cm 体重16kg B50(45)W43H52と小さい子 ペニスは長さ120cm太さ20cmの超巨根。 【旅の記録】 『第1話』 【能力】(魔人★) HP:30 MP:30 PP:25 戦闘:5 運動:7 情報:5 調教:6 奉仕:7 誘惑:7+2 体力:6+1 魔力:6 自尊:5 装甲:3 【魔族特性】 21:獣化(運動+1/自尊-1) 随時特定の獣や蟲に変身でき、隠密性や運動能力を得る。ただし変身しても体の大きさはほぼ変わらない。 41:名器(奉仕+1/戦闘-1) 特殊な生殖器を持ち、交合者に大きな快楽を与える。形状や特徴は好きにデザインしてよい。 45:傾国の美(誘惑+1/情報-1) 魔族の中にあってなお美しく輝かんばかりの容姿を持つ。ましてや人間の目には危うすぎるほどの美だ。 【コモンアイテム】 24 水の羽衣 衣装 魔界の娼婦が着る禍々しく扇情的な衣装。装甲+3、誘惑+2。 36 魔馬の腕輪 装飾 体力+1する凶悪な意匠の腕輪。 52 張り型一式 装飾 様々な淫猥な責め具。調教・奉仕の際、使用する描写を行なえば判定+2。 【一般アイテム】 白い手袋 片手 片手装備用の盾。回避時のみ運動+1の修正を得ることができる。 デザイア 配下 1セッションに1度だけHP・MP・PPのいずれかを10点だけ回復する。 魔馬軍団 装飾 亜空間結界の宝珠がついた指輪。奴隷化した存在を閉じ込めておき、任意に呼び出せる。 所持金:2ソウル 【呪文】判定値:魔力7 43 デストリア 10 デストリア1体をシナリオ終了まで、召喚支配する。 64 シェイプチェンジ 4 変身の魔術。1日の間、対象の性別や外見年齢、魔族特性のいずれか1つを術者の望むままに変化させる。 【奴隷】なし 【DP】0
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このページはこちらに移転しました パズルピース 作詞/44スレ266 作曲/HUG 顔も見えない頃から、僕らは欠けた何かを互いに求めていたんだね 赤い糸だなんてそこにはなかった あったのは少しの距離と言葉だけの交換 手の温もりは、感じれないけど ただ君の声は嘘じゃないと思うんだ 欠けたのは僕の中のどの部分だっただろう 君がその綻びた、場所を紡いでくれたの? 少しだけ…でも途方もない、そんな遠くで 君は知らぬ誰かに、心を埋めてもらうのだろう 音源 パズルピース(メロ) パズルピース(オケ) (このページは旧wikiから転載されました)
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磨き屋ソース ドロップアイテム乱数 ソース 磨き屋 ランク 確率 剣 鎧 盾 兜 0 51/256 くろがねのつるぎ どうのむねあて せいどうのたて せんしのかめん 1 51/256 みかづきとう てつのよろい くろがねのたて くろがねのかぶと 2 39/256 えいゆうのつるぎ くろがねのよろい えいゆうのたて えいゆうのかぶと 3 38/256 ぎんのつるぎ えいゆうのよろい ぎんのたて ぎんのかぶと 4 33/256 いだいなつるぎ ぎんのよろい わらうたて くろがねのかぶと 5 26/256 かぜのつるぎ まもりのよろい りりょくのたて みかくしのかぶと 6 12/256 まふうけん はじゃのよろい かぜのたて しんじつのかめん 7 6/256 ゼウスのつるぎ ゼウスのよろい ゼウスのたて ゼウスのかぶと ソース + ... 02BE91 A2 08 ldx #$08 ; 初期ランクを 7 に設定 02BE93 CA dex 02BE94 BD D0 BE lda $bed0,x 02BE97 C5 B6 cmp $b6 02BE99 90 F8 bcc $02be93 ; 境界値 = (乱数の上位 8 bit) となるまで、ランクを 7 → 0 に下げる ; 02BE9B E0 07 cpx #$07 02BE9D D0 0C bne $02beab ; ゼウスシリーズの... ; 02BE9F A4 DF ldy $df 02BEA1 B9 71 1E lda $1e71,y 02BEA4 D0 ED bne $02be93 ; 当該の装備を既に入手している場合、ランクを 6 にする ; 02BEA6 A9 01 lda #$01 02BEA8 99 71 1E sta $1e71,y ; 未入手の場合、入手フラグを立てる ; 02BEAB 06 DF asl $df 02BEAD 06 DF asl $df 02BEAF 06 DF asl $df 02BEB1 8A txa 02BEB2 18 clc 02BEB3 65 DF adc $df 02BEB5 AA tax 02BEB6 AC 3E 10 ldy $103e 02BEB9 BD D8 BE lda $bed8,x ; アイテム ID 取得 02BEBC 99 98 14 sta $1498,y 02BED0 .db FF CC 99 72 4C 2B 11 05 ; 境界値 02BED8 .db 03 07 22 04 05 0B 0F 0E ; 剣 02BEE0 .db 3F 3E 40 41 42 46 3A 45 ; 鎧 02BEE8 .db 53 54 55 56 5A 5F 5B 5E ; 盾 02BEF0 .db 63 62 64 66 62 69 6B 6F ; 兜 ドロップアイテム アイテム入手判定は 1 → 2 の順です。 アイテムを 2 つ持っている場合、後者の入手確率は 7/256 になります。 ID (16進) ID (10進) モンスター名称 アイテム1 (1/8) アイテム2 (1/32) 01 1 おおさそり さびたよろい 02 2 ホーンビートル 03 3 キャットモール かいふくやく 04 4 スネークへッド 05 5 ハープレーン たてごと ねむりのたてごと 06 6 キラーフィッシュ 07 7 ミノサウラー 08 8 エスカルゴン エスカルゴのにく 09 9 ビックマウス きんのおんさ 0a 10 マッドマン 0b 11 ボーンイーター さびたたて わらうたて 0c 12 マーンイーター さびたたて くびきりのおの 0d 13 ガルドイーター さびたたて くびきりのおの 0e 14 ブルファイター さびたつるぎ どくろのやり 0f 15 ブルバトラー さびたつるぎ どくろのやり 10 16 ブルナイト さびたつるぎ どくろのやり 11 17 きこうへい てつのよろい 12 18 へルきこうへい さびたよろい うつしみのよろい 13 19 きこうジェネラル さびたよろい うつしみのよろい 14 20 スターダスト きんのネクタル 15 21 ハイラット やくそう 16 22 クモラ どくけしそう どくけしそう 17 23 センチピート 18 24 デスチャリオット 19 25 シータンク うろこのよろい いのりのたてごと 1a 26 ニードルへッド 1b 27 ビューマー しろいネクタル 1c 28 ネプトラン さびたかぶと いばらのかんむり 1d 29 シースネーク 1e 30 なやめるせんし 1f 31 トーラゴス さびたつるぎ くろがねのつるぎ 20 32 ポレマルク やくそうぶくろ 21 33 へルへロット さびたつるぎ まふうけん 22 34 ハンギングバード さびたつるぎ まふうけん 23 35 ディロキト 24 36 かげのしんかん てんしのゆみ 25 37 やみのしんかん やくそうぶくろ 26 38 イサカット くろしんじゅ ちからのたてごと 27 39 バーサーク さびたよろい しんくのおの 28 40 ネオバーサーク さびたよろい しんくのおの 29 41 ナッツキッド 2a 42 てんくうのつかい 2b 43 てんくうのまもり さびたたて りりょくのたて 2c 44 デスロブスター やくそうぶくろ やすらぎのつえ 2d 45 スコルピオン きんのネクタル 2e 46 デスビートル 2f 47 ファランクス 30 48 デスマッド 31 49 ワースライム やくそう 32 50 マッドビースト 33 51 フライングアイ よるのとばり 34 52 フライングアイ 35 53 デビルアイ あかいネクタル 36 54 ドロップ 37 55 ドロップ しろいネクタル 38 56 マッドスライム やくそう 39 57 ほこうじゅ さびたかぶと こくたんのたて 3a 58 べブウッド かいふくやく 3b 59 デスオーメン 3c 60 オーク さびたかぶと どうのむねあて 3d 61 オークブロス さびたつるぎ くろがねのつるぎ 3e 62 ポイズンモール さびたかぶと こくたんのたて 3f 63 パラライズモール にんじん 40 64 ポイズンバード どくけしそう どくけしそう 41 65 キメラバード きんのネクタル 42 66 ランブルタスク 43 67 パラマウザー さびたたて さびたたて 44 68 フォノンラット 45 69 ミリクリア あかいネクタル 46 70 デスクモラ 47 71 ネオクモラ かいふくやく 48 72 クモラヒッター やくそうぶくろ 49 73 ミノスバード 4a 74 ミノスレッガー たびのつばさ 4b 75 ドリーマイマイ さびたつるぎ 4c 76 アシッドマイマイ どくけしそう どくけしそう 4d 77 ラフガロス めいどのみやげ しんくのおの 4e 78 ブラッドクレーン 4f 79 ロッカゴス さびたたて ハデスのたて 50 80 ストラテゴス さびたかぶと ハデスのかぶと 51 81 ナッツファイター さびたたて さびたたて 52 82 ナッツサリッサー さびたかぶと いばらのかんむり 53 83 なやめるきょじん さびたつるぎ めいふのけん 54 84 カオスイーター ほばしらのたま 55 85 ブラッドブル きんのネクタル 56 86 ロードアーマー さびたつるぎ ハデスのつるぎ 57 87 テンタクラー 58 88 スコロぺンドラー きんのネクタル 59 89 エスキーマ くろしんじゅ ちからのたてごと 5a 90 アイクリーチャー きんのネクタル 5b 91 クリスタルレイン きんのネクタル 5c 92 クラウドバイター どくけしそう どくけしそう 5d 93 しんかん666 のろいのゆびわ くろばらのこだち 5e 94 へルビガー さびたよろい ハデスのよろい 5f 95 バスターラット きんのネクタル 60 96 ボムスカッド 61 97 キングオーク マント タナトスのかま 62 98 アルビオン 63 99 ハデス 64 100 エピアルテス 65 101 オートス 66 102 アーグリオ よるのとばり 67 103 ケルべロス めいどのみやげ しんくのおの 68 104 オルトロス めいどのみやげ しんくのおの 69 105 ゲーラス ほばしらのたま 6a 106 バオール 6b 107 テュポーン ほばしらのたま 6c 108 ナーガ ちのマニキュア 6d 109 モーモス やくそうぶくろ やすらぎのつえ 6e 110 バロック のろいのゆびわ 6f 111 アルビオン 70 112 まくろきもの 71 113 アーグリオ 72 114 まくろきもの 73 115 アルビオン 74 116 アルビオン 乱数 アイテムドロップ判定には 16-bit 疑似乱数生成器を用いています。 状態 x は次の式で更新されます x ← (x × 5 + 0x3711) mod 0x10000 ソース $00 9369 乱数更新処理 $01 8411 アイテムドロップ処理 + ... ... 018424 A9 07 lda #$07 ; アイテム 1 の入手確率 (1/8) 018426 20 43 84 jsr $8443 018429 B0 06 bcs $018431 01842B E8 inx 01842C A9 F8 lda #$f8 ; アイテム 2 の入手確率 (1/32) 01842E 20 43 84 jsr $8443 018431 60 rts ... 018443 85 19 sta $19 018445 BF AF EC 19 lda $19ecaf,x 018449 F0 29 beq $018474 ; ドロップアイテム ID が 0 の場合は処理を飛ばす 01844B 8D D0 1A sta $1ad0 01844E 20 04 81 jsr $8104 ; 乱数を更新し、上位 8 bit を取得する 018451 24 19 bit $19 018453 D0 1F bne $018474 ; 入手失敗 ; 018455 DA phx 018456 A9 AF lda #$af 018458 20 35 81 jsr $8135 01845B A9 B0 lda #$b0 01845D 20 35 81 jsr $8135 018460 AD D0 1A lda $1ad0 018463 85 0C sta $0c 018465 9C 76 13 stz $1376 018468 A9 7C lda #$7c 01846A 22 4F DD 02 jsl $02dd4f 01846E EE 76 13 inc $1376 018471 FA plx 018472 38 sec 018473 60 rts 018474 18 clc 018475 60 rts
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【CLASS】 ランサー 【真名】 メリュジーヌ/ランスロット・アルビオン 【出典】 Fate/Grand Order 【性別】 雌型 【ステータス】 筋力:C 耐久:A+ 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:B 宝具:A+ 【属性】 中立・悪 【クラス別能力】 【保有スキル】 ドラゴンハート:B 竜の炉心、あるいは竜の宝玉と呼ばれる、メリュジーヌの魔術回路を指す。 汎人類史においては『魔力放出』に分類される、生体エネルギーの過剰発露状態。 “竜の妖精”として自身を再構築したメリュジーヌは、竜種ではないものの竜と同じ生体機能を有している。 無窮の武練:B 汎人類史の英霊、ランスロットから転写されたスキル。 どのような精神状態であれ、身につけた戦闘技術を十全に発揮できるようになる。 過度の修練により肉体に刻み込まれた戦闘経験……といえるものだが、生まれつき強靱なメリュジーヌにはあまり必要のないスキルだった。 このスキルの存在そのものをメリュジーヌは嫌っている。生まれつき強い生き物に技は必要ないのである。 レイ・ホライゾン:A イングランドに伝わる、異界への門とされる「地平線」「境界」を守る竜(ミラージュ)の逸話より。 メリュジーヌはあくまで『妖精』としての名と器であり、本来の役割は『境界』そのものである。 ……メリュジーヌ本来の姿に変貌するための手順。 【宝具】 『今は知らず、無垢なる湖光』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2~10 最大捕捉:1匹 イノセンス・アロンダイト。 自らの外皮から『妖精剣アロンダイト』を精製し、対象にたたきつけるシンプルな宝具。 ランスロットのアロンダイトの槍版。 ダメージは低いが、回転率はトップランク。 まるで通常攻撃のような気軽さで展開される宝具。 なぜダメージが低いかというと、メリュジーヌにとってこの宝具はあくまでランスロットの宝具であって自分の宝具ではない借りもの(偽物)だからだ。 『誰も知らぬ、無垢なる鼓動』 ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:20~500 最大捕捉:500匹 ホロウハート・アルビオン。 第三スキルによって『本来の姿』になったメリュジーヌが放つドラゴンブレス。 『本来の姿』になったメリュジーヌはもはや妖精と呼べるものではなく、その威容の心臓からこぼれる光は広域破壊兵器となる。 その様は境界にかかる虹とも、世界に開いた異界へのゲート(異次元模様)ともとれる。 使用後、メリュジーヌは『そうありたい』と願った妖精の器に戻れず、人知れず消滅する。 異聞帯のアルビオンは『無の海』を飛び続け、やがて死に絶えたが、どの人類史であれ『星に帰り損ねた竜』は無残な最期を迎える、という事の証左でもある。 【weapon】 通常は『今は知らず、無垢なる湖光』を使用。その他にも、上空から魔力弾を打ち出す『爆撃』等も得意としている。 【人物背景】 妖精國ブリテンにおける円卓の騎士、その一角。汎人類史における円卓の騎士・ランスロットの霊基を着名した妖精騎士。ブリテンでただ一種の“竜”の妖精。 無慈悲な戦士として振る舞うが、その所作、流麗さ、そして他の妖精たちとは一線を画した姿から、妖精國でもっとも誇り高く、美しい妖精、と言われている。 彼女が存在した妖精國ブリテンはモルガンの術式により特異点化、汎人類史へと編入されたため、彼女の存在も英霊の座に刻まれた。 その経緯故に、彼女はブリテンの終わり――あの奈落の穴を破り、空高く飛翔した最後の記憶を残しながら現界している。 【サーヴァントとしての願い】 なし。強いて言うなら、マスターが聖杯を手に入れた暁にはアルスとやらとどちらの方が強いのか試すこと。 【方針】 聖杯を狙う。
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ゴグマゴグ タイプ 魔人 タイプ アルビオン 種族 魔種 ジョブ アタッカー HP 450 ATK 70 DEF 40 コスト 40 アビリティ 召喚 なし 覚醒 なし 超覚醒 リベンジアップD 奴で最後だ。コーンウォールに立て篭った最後の巨人。 奴は誇り高い。きっと一騎打ちに応じるだろう。引く訳には行かない。 この島は、まつろわぬ民となった我々が、やっと見つけた安住の地なのだ。 我が将は、奴を討ち取った暁には、「最後まで神の国に抵抗した者」と呼ぼうと笑った。 愚かしい話だ。神など関係ない。これは、我々と奴らの純粋な生存闘争だ。 神とは何だ。そもそも我々こそが神に見捨てられた――いや、よそう。 今は、あの黒く、巨大で、偉大な戦士との戦いを楽しもう。 奴はあそこで、静かに私を待っている。 身長 12[meter] 体重 12.7[t] 最高速度 110[km/h] 生息域 アルビオーン島 性格 リーダー気質 宿敵 コリネウス イラストレーター 伊藤 暢達
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前ページIDOLA have the immortal servant 六人と一匹を抱えているシルフィードは今ひとつ本来の速度を出すことができなかった。 だが、レコン・キスタは、オルガ・フロウとの交戦に手一杯だった。 ウェールズとジェームズ一世の脱出も知る由がなかったし、察知できたとしても、その場合は追撃部隊を最優先でオルガ・フロウが叩く。結局はシルフィードを追うことなど叶わなかっただろう。 一行は敵に追い立てられることも無くアルビオンを離脱し、夕方頃にはトリステイン魔法学院の近くまで無事帰ってくることができたのである。 その間キュルケ達はデルフリンガーから『女神の杵』亭で別れた後の経緯の説明を受けていた。ルイズから話を聞こうにも、アルビオンを脱出してからこっち、殆ど放心状態だったからだ。 「先住で、人間に姿を変えられる者もいる」 フロウウェンの変身について話が及ぶと、タバサはそう口にした。事実として、彼女の使い魔であるシルフィードがそうなのだ。 「じゃあ、あれがおじさまの本来の姿だって言うの?」 「わからない」 タバサは首を横に振った。あれが本来の姿なのか、それとも一時的に姿を変えられるのか。テクニックの類ではないとも言い切れないが、少なくともルイズもデルフリンガーも、あれを知らなかったようだ。 シルフィードが肩越しに振り返ってタバサを見やる。 主の話に、シルフィードは補足を入れたかったが、口にヴェルダンデを咥えたままで何も喋れないのがもどかしい。最も、何も咥えていなくても、タバサは皆の前でのシルフィードの発言を許してはくれなかっただろうが。 シルフィードがあれに感じたのは、本能的な恐怖だ。それを後押しするように、精霊達があれは忌むべきものだと教えてくれた。 「デルフリンガー。マグは何か知らないの?」 マグはフロウウェンの文明の防具であるが、独自の意思と知性を持っている。そしてデルフリンガーはマグとの意思疎通が可能であった。それを思い出して、キュルケが問う。 「マグは、あれは自分達とは似てるが違うって言ってるな。俺もあれを見てから、なんか引っかかるものはあるんだが、一向に思い出せねえ。まあ……何だ。思い出せたらすぐ知らせる」 困ったような声でデルフリンガーが答える。 「おじさまに関しては、現時点じゃ、情報が少なすぎるわね」 キュルケが肩を竦めた。 「ワルド子爵について。情報の漏れ方からして、白い仮面のメイジは遍在」 タバサが言うと、ウェールズが頷いて、その推論に同意する。 「恐らくはそうだろうな。だが、レコン・キスタとは袂を分かつような口振りだった。だとするなら、何故ラ・ヴァリエール嬢や僕に襲い掛かったのだろうな」 「クロムウェルは虚無の力を持つと、噂が流れたことがあろう」 それまで話を黙って聞いていたジェームズ一世が静かに口を開いた。 「それが『アンドバリ』の指輪を根拠にしたものだとしたら、虚無に魅せられて従う者もおろう。じゃが、秘密さえ知ってしまえば子爵にとってレコン・キスタは不要。 大方、手柄を立てて信頼を得て、クロムウェルの寝首をかこうと思ったのではあるまいか」 一同はなるほどと頷いた。確かに、それならばワルドの行動にはつじつまが合う。 そうすると、ルイズに求婚していたのは、虚無の力を欲するが故の行動ということになる。 やっぱりろくでもない男だった、とキュルケは溜息をついてルイズの方を横目で見やるが、彼女はワルドの話が出ても無反応で押し黙ったままであった。 やがて、草原の向こうにトリステイン魔法学院が見えてくる。すると、学院からもこちらの姿を確認したのか、学院上空を舞っていたマンティコアが編隊を成し、シルフィードに向かって飛んでくる。 「私はトリステイン王国魔法衛士隊マンティコア隊隊長、ド・ゼッサールである。貴公らは何者か!」 マンティコアの背に跨る、髭面の男の誰何の声が飛んだ。 「こちらにおわすのはアルビオン王国国王ジェームズ一世陛下であらせられる。私はアルビオン王国皇太子ウェールズ・テューダー。至急、アンリエッタ王女陛下に取り次ぎを願いたい」 「へ、陛下と、皇太子殿下にあらせられる!? こ、これは知らぬこととは言えとんだご無礼を……!」 隊長は二人の顔を認めると、蒼白になって帽子を脱いだ。 「このような状況では詮方ないことだ」 ウェールズは笑う。ド・ゼッサールはその言葉に胸を撫で下ろした。 マンティコア隊が一行の周囲を飛んで守りを固め、ド・ゼッサールは一足先にジェームズ一世到着の報をアンリエッタに知らせる為、魔法学院へと飛んだ。 一行はマンティコア隊に中庭へと誘導される。シルフィードが着地し、ウェールズとジェームズがその背から降り立つと、アルビオンの貴族達が歓声を上げて二人に詰め寄った。 「陛下! 殿下! ご無事でしたか!」 「突然ゲートが閉じてしまったので、何が起きたのかと心配しておりもうした!」 「あいや、各々方。心配をかけた。これこの通り、朕らは健在であるぞ」 ジェームズ一世が言うと、一同は笑い合った。 「アンリエッタ姫殿下と、オールド・オスマンがお待ちしております。こちらへ」 「うむ。では参ろうか」 ド・ゼッサールが、一行を本塔へと案内すべく先導する。アルビオン王党派が口々に謝意を述べて一行を見送った。 後になって聞いたことだが、突然ゲートが消えたのでかなりの混乱があったらしい。アンリエッタとオスマンが宥めたので一先ずは落ち着いたが、二人の身に何かがあれば、アンリエッタはかなりまずい立場になっていただろう。 そんな経緯もあって、アルビオン貴族達は国王と皇太子の身を案じていた。その反動故か、二人が顔を見せた時の王党派の喜びようといったら凄まじいものがあったのである。 学院長室にルイズらが通されると、そこにはアンリエッタとオスマンが待っていた。 アンリエッタはウェールズとジェームズに微笑みかけたが、一行の中に血と泥で汚れたルイズを認めると、血相を変えてルイズに駆け寄り、彼女を抱き締めた。 「よ、汚れます。姫さま」 「汚れがなんだというのです。ルイズ。ああルイズ。よく無事に帰ってきてくださいました」 「姫さま……」 アンリエッタのねぎらいの言葉に、ルイズの頬を涙が伝う。 「怪我をしているのですね。ルイズ」 ルイズはあちこちを擦り剥いていたが、アンリエッタが治癒の魔法でそれを塞いでくれた。 「勿体のうございます。姫さま……。どうか、わたしなどのことより、陛下と皇太子殿下を」 「ルイズ……」 アンリエッタはルイズと数瞬の間見詰め合っていたが、彼女から離れると公人の顔に戻り、ジェームズとウェールズに向き直って恭しく挨拶をした。 「陛下。ウェールズさま。遠路、よく参られました。トリステイン王国はアルビオン王家を心より歓迎致しますわ」 「此度の姫の御厚意、誠に痛み入る。朕と、朕の臣民らに代わり、心より御礼申し上げる」 それから、アンリエッタは二言三言、ジェームズと言葉を交わすと、キュルケ達に言う。 「あなた達も、よくルイズを助けてくださいました」 「勿体無いお言葉にございます」 「ワルド子爵と、ルイズの使い魔が見えないようですが?」 一行を見渡して、アンリエッタは尋ねる。 「子爵は……貴族派の手の者でした」 「そんな……魔法衛士隊にまで裏切り者が……?」 その言葉に、アンリエッタは衝撃の色を隠せない。 ルイズの婚約者ですら裏切りを働くとは、最早誰を信じればいいのかすらわからない。 「やはり……『アンドバリ』の指輪の力ですか?」 「いいえ。ワルド子爵は自分の意思で動いていたようです。わたしの使い魔は……」 ルイズは俯いて言い淀む。 「フロウウェン殿は、朕らを逃がす為に囮となってアルビオン艦隊の足止めに向かった」 ルイズの言葉を、ジェームズが引き継いだ。アンリエッタはルイズとジェームズの顔を交互に見て、蒼白になった。 「そ、それでは彼は……!?」 「アルビオンに残られた。かの者がいなければ、朕らは生きてトリステインの土を踏むことも無かったであろう」 「そんな……。一体何があったというのです!?」 アンリエッタの言葉を受けて、キュルケがデルフリンガーから聞いていた顛末を語る。 傭兵の襲撃。ラ・ロシェールからの脱出。空賊に偽装したウェールズと出会ったこと。亡命を決めた矢先の艦の消失。ワルドの裏切り。フロウウェンの変容。アルビオンからの脱出。 傍らで涙を堪えながら話を聞いているルイズの姿が、アンリエッタの目に痛ましかった。ルイズの心はどれほど傷つけられたであろうか。 ワルドを同行させさえしなければという後悔と自責の念に駆られ、アンリエッタは目を伏せた。 しかし、ルイズが自分から志願しなければ、恐らくアンリエッタはワルド単独で密使を送ることになっていたはずだ。 その場合、王党派の亡命も無かっただろうし、手紙は奪われ、『アンドバリ』の指輪の情報を掴んだことが、ただ漏れてしまうだけという最悪の結果に終わっていたはずだった。そういう意味では、アンリエッタに運があったのだと言える。 オスマンが口を開いた。 「姫。ミス・ヴァリエールは長旅で疲れておる様子。詳しい話は後日伺うとして、今日のところは休ませてやるのがよろしいでしょう」 その提案にアンリエッタは頷き、一行は学院長室から退出した。 退出した途端、全て終わったという実感が押し寄せてきて、ルイズの身体から力がどっと抜けていった。 ルイズは俯いて、嘆息した。改めて自分の身体を見れば、酷い有様だった。 『エア・ハンマー』で弾き飛ばされ、鍾乳洞を転がった時に付いた泥。それからフロウウェンの血。それらで衣服は勿論、髪も、顔も、手も、足も汚れていた。 ブラウスについた血の痕を見ながら呆然としているルイズに、キュルケは首を横に振る。それから、彼女の腕を取った。 「何よ、ツェルプストー……」 いつもなら自分が触れようものなら烈火の如く怒り狂うであろうルイズだが、振り払おうともしない。相当重傷だ。 「まずはお風呂よね。長旅で汗でべた付いて、気持ち悪いったらないわ。着替え持ったらみんなで大浴場行くわよ。じゃあ、またね、ギーシュ」 「ん? あ、ああ。また」 キュルケはそのまま有無を言わさず、ルイズを引っ張っていく。タバサもそれに着いていった。 「……女の子同士の友情、か」 ギーシュは三人の後ろ姿を羨望の眼差しで見送りながら、溜息をついた。 ルイズとはそれほど親しかったわけではないが、最近何故か行動を共にする機会が多かった。 あの勝気なルイズが、あんなに落ち込むのを見るのは、初めてだった。 「やっぱり……誰であれ女の子の悲しむ顔は、見たくないな」 モンモランシーや姫殿下が、笑顔でいてもらう為に。自分には何ができるのだろう。 生きて帰ってこれた喜びも束の間のものだ。自分は兄達と違って魔法の才能に乏しい。 だが、もう少しできることはあるはずだ。 生徒達が平時に利用する時間とはズレていたので、大浴場はキュルケ達の貸切であった。正確には、大浴場の掃除に来ていたシエスタがいた。 「ど、どうしたんですかっ! ミス・ヴァリエール!?」 乾いた血と泥と涙と汗の痕で、ルイズは普段の毅然とした姿が想像できないほどボロボロだった。思わず詰め寄って、シエスタは事情を尋ねていた。 「あなた。名前は?」 隣にいたキュルケが問う。 「シエスタ、です」 「もしかしてヴァリエールと親しいの?」 「いえ、その。ヒースクリフさんとよく話をしているもので」 「そう。おじさまと……」 キュルケは目を閉じると、アルビオンに行ったことと、やむなくフロウウェンが敵の目を引き付ける為に囮として残ったことを、掻い摘んでシエスタに説明した。シエスタはその言葉に衝撃を受けたらしい。 「じゃ、じゃあヒースクリフさんは!?」 「わからないわ」 青い顔で問うシエスタに、キュルケは首を横に振った。 「あたしは、無事だって信じてるけどね。ねえ、シエスタ」 「……なん……でしょうか」 「あなたも一緒にどう?」 キュルケは大浴場の湯船を指差して言う。 「え?」 いきなり何を言い出すのだろう、ミス・ツェルプストーは。自分にも一緒に入れ、ということだろうか。 だが、貴族の風呂に平民が入ることは許されてはいないはずだ。 シエスタが戸惑っていると、キュルケは声を潜めて、シエスタに言った。 「ヴァリエールがあんなだし、ちょっと頼めないかしら。あたしとヴァリエールは不倶戴天の敵だし、ね」 不倶戴天の敵などと言いながら、彼女はルイズのことを気にかけているのだ。それが解ったから、シエスタは頷いた。 シエスタはタオルを身体に巻くと、ルイズを座らせ髪を濯ぎ、次いで泥と渇いた血と汗を、桶に汲んだ湯で丁寧に洗い流していく。その間も、心ここに在らずといった調子で、ルイズはされるがままであった。 華奢な身体だった。白蝋のような肌理細やかな肌はシエスタから見ても羨ましいくらいだが、暗く沈んだ表情と合間って、余計に弱々しく見える。 シエスタはルイズが学院でどんな立場であったかを、見て知っている。それでも、こんなにルイズが小さく見えたことは無い。 いつも胸を張って歩いて、気難しい拗ねたような顔をして、小さな身体でも精一杯自分を大きく見せている少女だった。 それでもフロウウェンが来てからは、肩肘を張るようなところが少なくなって、自然に振舞うようになってきたと思う。そんな少女に、始祖ブリミルはどうしてまた大事な人を取り上げてしまうような運命を課すのだろう。 ブリミル教の司祭あたりならこれも試練などと言いそうなものだが、ブリミルはメイジ達の崇める存在であるし、シエスタは殊更信心深いというわけでもない。ただ、ルイズが気の毒で、フロウウェンの身が心配だった。 ルイズの身体を一通り洗うと、その手を引いて湯船に導くと、縁に背を預けさせた。 「…………」 キュルケに連れられるまま大浴場に来たが、自分はどうしてこんなところにいるのだろう、何をしているのだろうと、ルイズは自問する。取りとめの無い思考が頭を埋め尽くす。 疲労と湯船の心地よさで鈍った思考では、考えは少しも纏らなかった。ただ、フロウウェンのことだけが、片時も頭を離れない。 フロウウェンはどうなったのだろう。こちらの合図に気付いて、ちゃんと逃げてくれただろうか。 (どうして、あの時わたしは―――) 皆、ルイズの側にいたが、あまり多くの言葉は発しなかった。大丈夫だと安請け合いなどできないし、慰めを口にすればフロウウェンが帰ってこないことを認めてしまうことになる。 側にいてやることぐらいしか自分達にできることはない。けれどそれは、今は気付かなくても支えになってくれるものだと、タバサもキュルケも、シエスタも知っていた。 戦闘の時間はわずかだったが、レコン・キスタの被った損害は計り知れなかった。陸軍は兵器も軍馬も使い物にならず、負傷者を見れば怪我をしていない人員を数えた方が早いという惨状だ。 では空軍はといえば、あの短時間の戦闘の間に多数の艦が航続能力を失くし、竜騎兵も多数が撃墜され、相当な被害を受けた。 だというのに、死者の数は全軍が受けた損害の割にはさほどでもない。その内訳の殆どは陸軍では仲間に踏み潰された結果だとか、空軍の場合、同士討ちの流れ弾や竜が撃墜されて逃げ遅れたというものであった。 水の秘薬はあっという間に足りなくなり、傷病兵の治療もままならない状況だ。多数の傭兵達が脱走していることも手伝って、士気もどんどん下がっている。 戦闘から二日を経過した今でもレコン・キスタは軍の立て直しができていなかった。貴族派は無人のニューカッスルを遠巻きに陣から囲んだまま、未だ恐怖と混乱から立ち直れず、あの城に近付くことができずにいるのだ。 神聖なる王権に杖を向けた報いなのではないかという噂が広がっていた。王党派の降将や貴族議会の過半数、有力なアルビオン貴族が戦闘中に突然死したことにもそれに拍車を掛けている。 実際のところは、『アンドバリ』の指輪の制御を断たれてしまったからだ。全軍で同時に起こったことである為に目撃者は数え切れず、今更指輪の力を再度行使して大っぴらに生き返らせるわけにもいかなかった。 クロムウェルが死者を蘇らせる『虚無』を用いることができるというのは、公になっていることではないからだ。 公にしてロマリアに目を付けられてしまえば、虚無を標榜した以上は力を見せろと審問されるだろう。精査されれば指輪の力がバレてしまう可能性がある。 また、『アンドバリ』の指輪自体が伝承やら御伽話の類として伝わっていて、クロムウェルの能力に思い当たる者がいないとも言い切れない。 だから、神秘性を高めることで自分のカリスマを高める手段として指輪を利用してはいたが、クロムウェルは一部の者にしかその力を見せていなかったのである。 それも、裏目に働いていた。 虚無の力が真実であってもなくても、制御が解けてしまったことで、クロムウェルの復活の魔法は完全では無いということを、その「一部の者達」に知らしめてしまう結果になった。 王権に歯向かった報いなどという噂が広まっていれば尚のこと。虚無の加護はクロムウェルになどないという結論に達してしまう。 そういった背景もあって、クロムウェルはゆっくりと確実に求心力を失いつつあった。 それでも戦さに勝てれば良いはずなのだが、ほぼ全軍を示威の為にニューカッスルに結集させていたのが致命的だった。例え、他国と結ばないトリステイン軍単独と戦っても、大敗は火を見るより明らかなのだ。 問題は「既に見えている負け戦」を、どう少ない被害で切り抜けるかという段階なのだが、これをそつなくこなせる者は古今名将と呼ばれるだろう。勿論クロムウェルに、そんな手腕は無い。 傭兵が我先に逃げ出している状況だ。レコン・キスタの現状は遅からずトリステインに伝わる。こちらから講和などと言い出せば弱っていると告白するに等しい。 クロムウェル自身もその現状を把握していた。だができることはと言えば、トリステインの貴族らが日和見で、こちらに攻めてこないことを祈るだけだ。 ガリアの援軍は期待できない。傀儡に過ぎない自分がこれほどの失態を犯せば、陰謀の漏洩を恐れてシェフィールドがそのまま刺客になることだって有り得る。故に信頼には足らないが、他に縋るものもないので邪険にもできない。 トリステインとアルビオンの立場は、たった数日で逆転していた。 「どうすればいい。どうすればいいのだ……」 焦燥し切った顔で天幕の中を右往左往するクロムウェル。シェフィールドはそれを冷やかな眼差しで見やる。自問自答するような調子ではあったが、その実自分にアイデアを求めているのが解ったからだ。 『アンドバリ』の指輪をクロムウェルに知らせたのはガリア王ジョゼフと、その使い魔のシェフィールドであったが、それは始祖と虚無を貶めてやろうという目的があったからこそだ。 クロムウェルがシェフィールドをどう思っているかは知らないが、無様に怯えて指輪の制御を手放してしまうような男を助ける義務など彼女にはない。 何より既にジョゼフの興味の対象は、あの黒い巨人に移っている。これからの流れを見届け、レコン・キスタがどうなるかに目算がついたら、シェフィールドは巨人の調査に向かうことになるだろう。 伝令の兵がクロムウェルの天幕に駆けつけてきて、報告した。 「申し上げます! ニューカッスルに遣わした使者の報告によりますと、ニューカッスル城は無人とのこと!」 「無人……?」 クロムウェルは眉を顰めた。巨人がニューカッスルを護るように現れ、王党派は行方知れず。何とも、不気味な話だ。 あの巨人さえ現れていなければ、恐れをなして逃げ出したのだと笑うこともできただろうに。 それから数刻後、ようやくレコン・キスタはニューカッスル城に足を踏み入れるに至る。 そして、ウェールズの部屋から発見されたアンリエッタの書状は、これ以上無いほどクロムウェルの肝胆を寒からしめたのであった。 自分の名を呼ぶ声と、ドアをノックする音。 ルイズは目を覚ました。 部屋は薄暗かった。空は厚い雲に覆われて、静かに雨が降っている。 「っ……」 首に手をやってルイズは眉をしかめる。 寝起きの気分は最悪だった。首が痛む。枕が無かったからだ。 ワルドにエア・ハンマーで撃たれた時に手放して、そのままニューカッスル城の港に置いてきてしまったらしい。 覚醒しきらない意識のままベッドを這い出して、機械的に扉を開ける。と、そこにシエスタが立っていた。 「……シエスタ……」 ぼうっとした表情で、ルイズが言う。 「はい。お昼になっても姿がお見えにならないので、その……」 キュルケからはそれとなくルイズを見ていて欲しいと頼まれている。シエスタ自身も同じ気持ちでいた。 「そう……。もう、お昼、なんだ」 気の無い返事を返すルイズを、シエスタは心配そうな目で見やった。 ルイズは緩慢な動作で部屋の中に戻って着替え始めた。 シエスタがそれを手伝おうとすると、ルイズは首を振って止める。 「いいの。一人でできるから」 「も、申し訳ありません。ミス・ヴァリエール」 かえって迷惑だったか、とシエスタが俯く。そんなシエスタを見て、ルイズは申し訳ないような、居た堪れない気分になった。だから視線を逸らして、ぶっきらぼうに言った。 「別に……邪魔っていうわけじゃないわ。ヒースとの約束だからそうしてるだけ。だから……そうだ。わたし昼食に行って来るから、部屋の掃除をしておいて貰えると嬉しいんだけど」 「掃除、ですか?」 「わたしの部屋、少し人の出入りが激しかったから」 王党派の避難経路に使われたということもあり、床が汚れていた。誘導にあたったアルビオン兵の手際が見事だったせいか、部屋の中のものが荒らされた形跡はないが。 「わかりました」 シエスタはにこりと微笑んで頷く。 ルイズはシエスタの笑顔を背中に受けながら見送られ、アルヴィーズの食堂に向かった。 食堂に一歩立ち入るなり、自分に視線が集まるのがわかる。 最賓の客であるジェームズ一世と、皇太子ウェールズ、王族の親類縁者は学院に逗留しているがアルビオンから亡命してきた人々は、土メイジを総動員して学院の隣に作らせた仮設の建物で過ごしている。 見慣れぬ人々が別の建物に隔離されたということもあり、学院にはどこか緊迫した空気が流れてはいたが、表向きは平穏を取り戻していた。 ただ―――ルイズがアルビオン貴族の出現に何か関係しているのではと噂が広がっていたのだ。 王党派が避難を始めたのは生徒達が朝食の為に食堂に向かってからだったので、ルイズの部屋から避難民が溢れてくる光景を目撃した者はいない。 だがそれでも、女子寮からアルビオンの貴族が出てきたことまでは隠せていない。 さらに魔法衛士隊のワルドと共に彼女が学院を出て行く姿を何人かの生徒が見ていた。 歳相応の好奇心と想像力もあって、それとアルビオン貴族を結び付ける者がいたのである。 アルヴィーズの食堂でも昼食をとるために現れたルイズらは注目の的であった。 だが、キュルケはあけっぴろげに見えてその実口が堅く、タバサに聞いてみても暖簾に腕押し。お調子者のギーシュですら、欠席中のことを聞くと歯切れが悪くなるのだ。 消去法で残ったルイズはというと、現れてみれば目に見えて暗い表情であった。 皆は彼女の纏った雰囲気に尻込みして何も聞けずにいたが、自分の顔を伺っている者が多いことはルイズにも解る。余り気分の良いものではなかった。 味もよく解らない、つまらない食事を終えて自室に戻ると、床の掃除はもう終わっていて、シエスタがベッドを整えているところだった。 戻ってきたルイズの顔を認めると、シエスタが少し申し訳なさそうな顔で言ってきた。 「ミス・ヴァリエール。あの、ベッドの中から封筒を見つけたんですが」 「封筒……?」 ルイズの反応で、シエスタは封筒の存在を、彼女が知らなかったことを悟った。 「あ。もちろん、中は見てませんよ? くしゃくしゃになっちゃうといけないと思って、机の上に置いてあります」 見れば、その言葉通り机の上に封筒が一通、置いてある。封筒には一言、「ルイズへ」と記されていた。 「……―――!」 呆けたような面持ちであったルイズは、それを認めた瞬間、大きく目を見開いて封筒に飛びついた。 慌ててそれを開いて、中に入っていた手紙を広げる。左から、右へと視線が動いて、文字を追う。 『ルイズへ。 もし、この手紙を見付けた時、オレの身に何もなく、日々が平穏であるなら、ここから先は読まずに、この手紙を見つけたことも忘れて欲しい。 そうでない時。つまり、オレがお前の前から姿を消して、帰ってこないような場合だけこの手紙を読んで欲しいのだ。そう思ってこれを認めている。 ところで、しっかりと読める文章になっているだろうか。なにぶん、こちらの文字は覚えたばかりだから、きちんとオレの意図が伝わっているかは不安が残る。実はこの手紙も、何度か書き直しているものなんだ。 ―――と、話が逸れたな。 もし、オレが自分の意思でお前の前から姿を消す時が来るなら、それはオレがオレで無くなった時だろう。 こう言っても何のことか解らないだろうから、最初からオレのことや、ラグオルを取り巻く状況を説明しておく必要があるだろうな』 ―――間違いない。これは、フロウウェンが自分に宛てた手紙だ。 逸る心を抑えて、手紙を読み進める。そこには、想像を絶することが記されていた。 パイオニア計画とラグオルの真実の姿。フロウウェンの立場。理想と現実の間で揺らぐ苦悩。 ラグオル地下の巨大遺跡。古代宇宙船内部の亜生命体。その討伐部隊の指揮を取ったこと。 生還の代償に受けたD因子の傷。正気の沙汰とは思えぬオスト博士の実験。政府の裏切り。爆発と覚醒。そして、リコ・タイレル。 まるで、物語を読んでいるようでもあり、悪夢の中に迷い込んだようでもある。 そこまで読んだ頃には、フロウウェンが何故自分の前から姿を消さねばならなかったか、ルイズも察しがつくようになっていた。ルイズの考えを裏付けるように、文面は続く。 『この星では奴からの精神への干渉を感じない。あの傷もない。だから一時は逃れられたのかとも思った。 だが、ラグドリアン湖の水の精霊がオレのことを連なる者、と言ったことを覚えているだろうか。 水の精霊は、オレの身は人の血肉を持ちながら自分達に近い物であり、しかし違う何かだという意味で『自分達に連なる者』だと言った。そして、水の精霊の知りえない不確定の要素が二つあるとも言った。 これについて、オレはこう推測する。生体AIオル=ガのコアとD因子のことではないのかと。 もしもまだ、オレの体内にD因子が存在しているのであれば、お前の近くにいるわけにはいかない。 侵食が始まらないのは、ここには本体である存在がいないからなのかも知れん。再びあの化物の姿となったとしても、奴からの干渉さえ無ければ、或いは自我を保てるのかも知れん。 だが、例えそうであっても、D因子の存在を野放しにするわけにはいかないと思っている。 これが、お前の前から姿を消さなければならない理由の全てだ』 やがて、くしゃりと、ルイズの表情が歪んで、その両目から涙がぽろぽろと零れた。それでも歯を食いしばって、手紙を読み進める。最後まで読むことが、自分の責務だと言わんばかりに。 『そうはならないことを祈っている。 オレは、ハルケギニアに召喚されたことも、ここで過ごす日々も、悪くは無いと感じている。ここは居心地が良い。だからこそ惑うのだ。ここにいて良いものかどうか。 オレがお前の前から消えた場合は……オレのことを身勝手な人間だと罵ってくれても構わない。 だが、力は無くとも意思を支えに戦うお前の姿は尊いものだ。 祖国にも理想にも裏切られたオレではあるが、お前だけには剣を捧げる価値はあると思えた。だからどうか、その心を忘れないでいて欲しい。 願わくば、ルイズの道行きに幸多からんことを』 最後に記された、ヒースクリフ・フロウウェンの署名までを読み終え、やがてぽつりと、ルイズが言った。 「……ったの」 「え?」 ルイズは嗚咽を漏らし、途切れ途切れに言う。 「ヒースが、怖かった……。わたし、助けてもらったのに……怖がったから、行っちゃったのかなって……。 わたしが、いけなかったのかなって……ヒースは、わたしのこと……こんなに、考えて、くれてた、のに……!」 手紙を握り締めてルイズは涙を零す。 シエスタはルイズの肩を抱いた。 ルイズが驚いたような表情で見上げると、シエスタは真っ直ぐその目を見詰め首を横に振った。 「ミス・ヴァリエール……わたしは良く事情を存じませんけど……そうじゃないと思うんです」 シエスタは詳しい経緯を知らない。けれど、ルイズが怖がったからいなくなったというのは、違うと思う。シエスタの目にはいつだってフロウウェンは穏やかで優しい人に見えた。 子供の頃、シエスタはタルブの近くの森で、野犬に襲われたことがある。窮地を救ってくれたのは父親だった。 野犬も怖かったが、山刀を振り回して野犬を撃退した父の形相も恐ろしくて。助かったというのに混乱して泣き出してしまったことがある。 そして、それを後悔した。 「大事な人を守りたいから、必死になるんです。それはきっと優しい姿にはなれないけれど」 フロウウェンはきっと、ルイズを笑って許してくれるだろう。悪いことをされたとも感じないに決まっている。 けれど、ルイズが後悔しているのはそういうことではない。 シエスタには解っていた。大事な人を怖がってしまった、自分が許せないのだ。 ルイズの目にまた新しい涙が溢れてきた。 シエスタの胸に顔を埋めて、ルイズはごめんなさい、ごめんなさいと謝りながら泣きじゃくる。 怖がるのも仕方ないと弁護することはできよう。だが自分が許せないというのは、他者にはどうすることもできない。 自分の場合は、後で母親に泣きついて、それから父親に謝った。 せめて―――誰かに心情を吐露することで、少しでも楽になれるなら。 シエスタはただルイズの小さな肩を抱き締めて、柔らかな桃色の髪を撫で続けた。 前ページIDOLA have the immortal servant
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「……これは何?」 「……団子虫の一種かしら?」 「ふむ……珍しい使い魔だな。もしかすると幻獣の一種かもしれない」 確かにルイズはサモン・サーヴァントに成功した。 しかしそれによって呼び出された使い魔は、 博識で知られるコルベールでさえも全く知らないものだった。 それは子犬ぐらいの大きさの、ずんぐりとした形の、団子虫に似ているものだった。 外皮は硬そうな外骨格、そして腹部にはたくさんの節足、 そして頭部には青色の目が何列も並んでいた。 「まあ、無事に召喚できたようだし、儀式を続けなさい」 「はーい」 それなりの使い魔を召喚できたおかげか、嬉しそうに返事をしながら ルイズは『契約』の儀式を開始する。 しかし、幸か不幸か、彼らは実はその召喚された使い魔が、 戦争によって文明が崩壊した異世界から召喚されたものだとは 最後まで知る事が無かった。 その後。 「……ねえ、ルイズ」 「……なによ、キュルケ」 「この子、ずいぶん大きくなったわね」 「そうね、ちょっと育ちすぎたかもしれないわね」 「……ちょっとどころじゃないわよ」 ルイズが召喚した団子虫のような使い魔。 当初、この珍しい使い魔にどんな餌をやったら良いのか頭を悩ませたルイズであったが、それはすぐに解決した。 どうやらこの地に自生する植物が余程気に入ったのか、適当な草であれば何でもよく食べるのである。 (なお、特に良く食べたのははしばみ草であり、それこそ一心不乱という形容詞を具現化したかの如く それを延々と食べつづけるこの使い魔に、タバサが密かに対抗意識を持ったのは余談である) しかし、それにしてもよく食べる。 まあ、そこらの野山の草を適当に食べさせておけば良いのでルイズの懐は痛まなかったが、 それでも限度はある。ただ食べるだけなら良いのだが、 食べた分に見合ったレベルで延々と大きくなり続けるのはいささか問題があるだろう。 何度も脱皮を繰り返し、今では馬よりも大きくなっている。 当初、ルイズの部屋で飼われていた使い魔は、 もう部屋の扉を通る事ができなくなったため、 他の大型の使い魔と一緒に外の小屋で飼われていた。 ところで脱皮した皮はコルベール先生が嬉しそうに持ち帰っていたけど 一体何に使うつもりなのだろうか。ルイズは気になったけど、 ゴミを処理する手間が省けたと思って気にしない事にした。 さらにその後。 「……ねえ……」 「…………なによ………」 「言わなくてもわかるでしょ」 「わかってるけどわかりたくないわ」 ルイズとキュルケの目の前にいる使い魔。 もはや育ったとかいうようなレベルではなかった。 なんと二階建ての家ぐらいの大きさである。 魔法学院内の、あらゆる使い魔よりもずっと大きかった。 既に学院からは「使い魔の餌はどこかの山の草木を与える事」という指示が下っている。 なにしろこの巨体である。ルイズがちょっと目を離した隙に 学院の花壇をあっという間に全滅させてしまったのは記憶に新しい。 「それにしてもよく育つわね」 「きっとこれはそういう種類なのよ」 彼女たちは知らなかったが、もし仮にこの使い魔が召喚された世界の、 この使い魔の生態を知る人物がこれを知ったら恐らく驚愕したに違いない。 どうやらこの世界の植物がよほど肌に合ったらしく、 この使い魔は本来の速度の何十倍もの速度で育ちつづけているのであった。 ついでに食事量も本来の何十倍もの量であった。 「……でも、この子、どこまで大きくなるんだろう……?」 バキバキと豪快な音をたてながら一心不乱に木を食べ続ける使い魔を見上げると、 この先を想像することは恐ろしくてとてもできなかった。 さらにさらにその後。 「…………………………(唖然)」 「…………………………(呆然)」 もはや、巨大な使い魔という形容詞すら生ぬるかった。 高さは40メイル、全長は100メイルはあるだろうか。文字通り、動く山といった感じの巨体である。 「……どうするのよ、これ」 「……いいい、いいじゃないの、せせせ戦争には、かかか勝ったんだからぁ!」 可哀想なのはアルビオン軍の一般将兵である。 地上にいたアルビオン軍の兵士は、この超巨大な使い魔が通っただけで文字通り粉砕され、 艦隊の方も、うかつに地上近くを航行していた何隻もの艦船がこの使い魔によって地面に引きずり降ろされて撃沈された。 そしてその硬い外皮はアルビオン軍の大砲ごときでは掠り傷ぐらいにしかならず、 かえって目を不気味に赤く光らせながら怒りで大暴走する使い魔の怒涛の体当たりを喰らうだけだった。 そのあまりのとんでもなさにアルビオン軍は、大混乱に陥ったまま敗走するしかできなかった。 「……それと、あれはどうするのよ」 「……あああ、あれはそう、不可抗力よ、不幸な事故よ、天災だったのよ。 だから私にはどうする事もできなかったのよ!!」 キュルケが視線を向けたその先。 そこは、使い魔に食い尽くされてすっかり禿山になってしまった山々があった。 そして、ご主人様の気持ちも知らず、その禿山を作った使い魔は今日も延々と食べつづけるのであった。 「これ、いつまで大きくなるのよ」 「私に聞かないで」 ~おしまい~ -「風の谷のナウシカ」の王蟲を召喚
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ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、自らが召喚した使い魔に驚愕した 彼女はトリスティン魔法学院の制服、白いブラウスにマント、黒いTバックのパンティ姿のまま立ち尽くす 召喚されたのは平民の男だった、身長2メイル以上もある大男、肌にピッタリした扇情的な服を着ている 偉そうに葉巻など吹かすその使い魔にルイズは契約のキスをした、ちょっといい男だな、と思った その男、かつて宇宙海賊として名を馳せた男はルイズの使い魔としての日々を送ることになった その使い魔はメイドの娘にちょっかいを出したが、逆に仕事の手伝いをさせられる羽目になる 「ハーイ、坊ちゃん嬢ちゃん達、イタズラかお菓子か、行儀いいコにはケーキをあげるよ~」 彼は香水のビンを拾い上げた事がきっかけでギーシュに決闘を挑まれた ギーシュの出したゴーレムから、そのやたら逃げ足の早い使い魔は必死で逃げる 「平民よ、その剣をとりたまえ」 その時、使い魔の左手に刻まれたガンダールフの刻印が光った、が、使い魔はその左手を投げ捨てた 「これが答えだ!」 使い魔の左手があった所に「銃」が現れた、銃は光を放ちゴーレムを撃ち飛ばす 「・・・まいった・・・せめて名前を教えてくれ」 「俺か?…そうだな、ワイアット・アープとでも呼んでくれ」 その後、使い魔はルイズと共にアルビオンに向かい、ワルドと対決することになる 「土は偏在する、私は土の力で自らの体を水晶に作り替えた、貴様の持つ光の銃は効かない」 その時、使い魔は左手で腰から下げたコルトパイソンを抜き、目にもとまらぬ早撃ちで鉛の弾を浴びせる クリスタル・ワルドの水晶の体は砕け散った 「…女からの贈り物は大事にするもんだってな…」 後に戦艦レキシントンを「タートル号」なる異世界の船で撃沈し アルビオンの7万の兵をアーマロイド・レディなる鉄の女と共に退けた使い魔は勇者として語り継がれた ルイズは忘れ去られた
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◆海種 ver.1.2 超獣 ver.1.1 ver.1.2 ver.1.3 ver.1.4 / 亜人 ver.1.1 ver.1.2 ver.1.3 ver.1.4 / 神族 ver.1.1 ver.1.2 ver.1.3 ver.1.4 / 魔種 ver.1.1 ver.1.2 ver.1.3 ver.1.4 / 海種 ver.1.1 ver.1.2 ver.1.3 ver.1.4 / 機甲 ver.1.1 ver.1.2 ver.1.3 ver.1.4 / 不死 ver.1.1 ver.1.2 ver.1.3 ver.1.4 【憤怒】アルビオン ナーガ シュクラケン ローレライ ブージャム 【憤怒】アルビオン (R) No 177 名前 【憤怒】アルビオン コスト 25 種族 海種 HP 440 ATK 50 DEF 55 移動速度 3 攻撃対象 複数 攻撃属性 炎 弱点属性 雷 スキル - 特殊技 ソウルバインド 分類 妨害 特殊技効果 敵プレイヤーキャラクタのサクリファイスを一定時間、使用禁止にする 効果範囲 前方円形(大) イラストレータ 山宗 DATA 身長 2.3[meter] 英雄気取りの愚か者を鉄球の染みにする日々に嘆いていた自らを破る真の英雄の来訪ではなく、神魔霊獣を超越する絶対的な強者との邂逅を強く渇望する。善悪道理に拘りなく、ただ圧倒的な破壊の権化を。海神として生まれ落ちた彼だが、戦いを欲する海の怪物へ、その内面から変じつつあった。 重量 180[kg] 武器 回転粉砕大鉄球 生息域 沿岸地域 趣味 とおせんぼ 好きなもの 海産物全般 コメント 「新たなる胎動」の目玉のひとつである【】持ちの使い魔。 当時、【掌握】セラフに次いで発表。 どこをどう憤怒したのか、海種において貴重な炎複攻を伴って再登場した。 (発表当初は、なんでアルビオン?という反応の方が多かった) 特殊技のサクリファイス封印効果は、およそ8カウントと長め。 サクリファイス使用による逆転を封じるのはおもしろいが、使用されると無用の産物になるのは痛い。 先読み・保険代わりに使用していきたい。 ただ、愛染明王(ニーズへッグ)対策にお勧めの旧アルビオンの使い勝手が良く、こちらの扱いが難しいのが本音。 (旧アルビオンとNoは違うが、【】持ちと併用不可に設定されている) 速度3のシールド持ちが増えたためデッキの幅は増えたが、自身が攻撃型の能力のため、号令系シールド持ち、つまりオケアノスを外すことはおそらくないだろう。 LoVIIになり、アルティメットスペルが登場。彼の特殊技で封じられるのはこの内のサクリファイス系統のみとなってしまった。つまり、リターンゲート、シーリング、キュアオールなどを相手が登録していた場合、この使い魔は完全なバニラと化す。 ナーガ (C) No 178 名前 ナーガ コスト 15 種族 海種 HP 460 ATK 30 DEF 50 移動速度 2 攻撃対象 単体 攻撃属性 炎 弱点属性 雷 スキル サーチ・ゲート 特殊技 クリムゾンツイスター 分類 罠 特殊技効果 マップに炎属性ダメージのトラップを仕掛ける。トラップの範囲内に敵がいた場合、全てに炎属性のダメージを与える。(トラップセット後、一定時間を待ち、再度特殊技ボタンを押すことにより発動) 効果範囲 自分中心・円状 イラストレータ 緑川美帆 DATA 全長 5.0[meter] 脱皮したての新兵ども! 海兵とは何かを教育してやる!絶対かなわぬ空の敵! だがあいつは立ち向かった!波間から躍り上がり、敵のエースに食らいついた!敵は慌てて空に逃げ、それきりあいつも帰ってこない!だがあいつの墓はない! 我らナーガ海兵隊にとって、あいつは五千年間、空中戦を継続中となっているのだ!―アムリト遺跡の解読困難な碑文より 重量 800[kg] 最速 80[km/h](水中) 生息域 マゼンタ諸島近海 宿敵 ガルーダ 補食対象 生きている獲物 コメント 海種速度2編成でお勧め出来る。待望の炎属性、炎罠持ちの使い魔。 基本、玄武に近いものがあるが、こちらは防御寄り。 残念ながらシールドはないが、スキルも2つ持っている。 他のシールド持ちと組み合わせるのがいいだろう。 特殊技の効果範囲は狭いが、速度2の罠の威力は抜群。 弱点ダメージが緩和されたと言え、超亜が踏んだらほぼ蒸発する。 欠点の攻撃力不足は、トリトンと組ませて解消しよう。 (お勧め使い魔:ウォーターリーパー・スヨトロール・トリトンなど) ちなみにナーガは本来半身半蛇の姿とされているが、 法華経が古代インドから中国を経て日本に伝わった際に、 ナーガラジャ(ナーガの王)が八大龍王という龍の姿となり、一般的なイメージとなった。 シュクラケン (C) No 179 名前 シュクラケン コスト 20 種族 海種 HP 500 ATK 45 DEF 50 移動速度 3 攻撃対象 単体 攻撃属性 撃 弱点属性 雷 スキル ゲート 特殊技 スプレッドボム 分類 攻撃 特殊技効果 範囲内の敵全てに撃属性のダメージをあたえる。 効果範囲 前方円形 イラストレータ タカヤマ トシアキ DATA 全長 50.0[meter] 見張りが叫んだ。「あの島を見ろ! 黄金でいっぱいだ!」水夫長が叫んだ。「あの島を見ろ! 美女が手招いてる!」船長が叫んだ。「上陸するぞ! この発見は勲章ものだ!」生き残ったのは年寄り水夫。海に飛び込み、泳いで逃げた。「みんな自分の夢をぶら下げられて、誘われてっちまった。あれが島なんかじゃねぇのはすぐにわかったさ。なにせ手招きしてやがったからな。何年も前にこの手で殺した女房が…」 重量 不明 移動力 潮流次第 生息域 北方の海 知性 極めて高い 補食対象 近づくものすべて コメント コスト20の撃属性・複数ダメージ持ち。 機動力・コストはアクアライダーに劣るものの、こちらは頑丈。 速度4にこだわらなければ使い勝手は良い。 ゲストで亜人マジシャンを連れてきたり、全て撃属性にした対魔種編成を作ってみるのもおもしろい。 ローレライ (C) No 180 名前 ローレライ コスト 10 種族 海種 HP 380 ATK 30 DEF 45 移動速度 4 攻撃対象 単体 攻撃属性 撃 弱点属性 雷 スキル - 特殊技 アシストコーラス 分類 強化 特殊技効果 範囲内の味方1体の防御力を一定時間、大幅に上げる。 効果範囲 前方円形 イラストレータ 駒田 絹 DATA 全長 1.9[meter] 恋人の裏切りに世を儚んだ絶世の美女は、岩山の上から身を投げて、男を惑わす水妖に変じたという。きっと、まだその男のことが恋しいんだろうね。男全てへの復讐に執着するほど、想い続けているんだもの。羨ましさを感じたりするのは、他人事だからなのかな。―――まじめだけが取り柄の三十路男 重量 120[kg] 最速 60[km/h](水中) 生息域 ラインの流 趣味 歌 大事なもの 黄金の櫛 コメント ver1.2で追加された待望の速度4の海種10コス。 韋駄天編成に入れやすいのは大きいが、スキルがないのが痛い。 特殊技は種族に関係なく3Cの間、防御力を40上昇させるもの。 テティスの特殊を最速で、誰にでも使える表現がわかりやすいだろうか。 ただ、VER1,3からDEFが高くなると大幅下方修正が入るようになった。 その為、わだつみ・テティスなど高DEF持ちと相性が悪くなったと言える。 DEFの低い主人公や長持ちさせたい使い魔、海種韋駄天のお供にお勧め。 ブージャム (C) No 181 名前 ブージャム コスト 10 種族 海種 HP 400 ATK 30 DEF 40 移動速度 2 攻撃対象 単体 攻撃属性 撃 弱点属性 雷 スキル サーチ・ゲート 特殊技 耐電コーティング 分類 強化 特殊技効果 範囲内の味方一体が雷属性の攻撃に対して、一定時間無敵になる。 効果範囲 前方円形 イラストレータ 前河 悠一 DATA 全長 一定しない お前と俺が、同じ形、同じ色、同じ匂いでものを感じていると証明することはできない。「あれ」の存在を証明するなんて、誰にも出来はしない。だが、わかるよ。俺は、信じるよ。「あれ」とあったものだけがするその表情。あの時の俺の顔と、そっくり同じだもん。 重量 一定しない 生息地 心の隙間 武器 不安を煽る 繁殖方法 不明 補食対象 困惑した感情 コメント 紫色のスライム。 脚の遅さはともかく、コスト10で単体属性無敵は強力。 速度を犠牲にしても良いなら、高コスト使い魔の護衛に最適。 ただ、コスト15で全体雷無効のハイスペック使い魔のRケートスや同コストで同じ特殊技を持つ速度3シールド持ちのローパーが登場。 使い勝手は劣るものの、スキル二つ持ちと属性の違いから、編成次第ではまだ十分使っていける。 余談 元ネタはおそらくルイス・キャロルの書いた「スナーク狩り」という長編の詩に登場する怪物。 しかし、その詩のほとんどがナンセンスで構成されているため、「スナーク狩り」に登場するブージャムがどのような怪物かは不明。 ルイス・キャロルと言えば「不思議の国のアリス」を書いたことで有名で、最近では彼の考えたキャラクターがゲームなどに引用されることも多いが、 多分、アリスより先にブージャムが登場するゲームはlovだけである。 スタッフに、ルイス・キャロルのファンが居たのだろうか? 海種 Ver 1.0 海種 Ver 1.1 海種 Ver 1.3 海種 Ver 1.4 コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします 憤怒・・・オナ兄とは比べられないって事ですね -- (名無しさん) 2009-03-09 01 54 22 憤怒のコメント長すぎwあと60複数のリヴァイアサンが居るじゃないか -- (名無しさん) 2009-03-09 01 56 55 リヴァイアサンはニコ動に上がってる勝率4割ていう題名のを見てみれば中々良さが分かると思う -- (名無しさん) 2009-03-09 02 53 18 憤怒・・・・使われない使い魔の考察が使われる奴の倍以上か・・・・、海は愛されてるな -- (名無しさん) 2009-03-09 02 54 35 【優雅】ポセはちょっとした壊れの予感。効果時間次第では…まぁどうせ即修正乙だが -- (名無しさん) 2009-04-02 11 29 05 【】ポセ特殊もいいけど4速でC20炎40複のところが個人的には嬉しいな。デッキの幅広がりそうだわぁ -- (名無しさん) 2009-04-02 19 59 32 新ポセは炎複数ATK40DEF40スキルなしだったか。テティスと合わせると50コスがスキルなしになるのか…。4速行動したいけど海に4速サーチって何が居たっけ。海神と水乗り少女は覚えてるけど。 -- (名無しさん) 2009-04-02 20 37 09 試した人に聞きたいのだけど、防御補正って、スキルで増やしたぶんも効果対象?たとえば相殺波紋とか、アシストコーラス併用しても、前ほど効果なし? もしそうならスキル自体が死にスキルになりかなねないのだが。。。 -- (名無しさん) 2009-04-26 03 53 36 ↑乱戦状態だったんで微妙なんだが、波紋+アシスト状態のテティスが弱点突かれずに殴られて2桁くらったよ。そんでも10〜20くらいだけど。 -- (名無しさん) 2009-04-28 05 41 04 主にver1.3対応の文章を、色々追加しておきました。 -- (名無しさん) 2009-06-01 07 38 57 名前 コメント すべてのコメントを見る
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前ページ次ページ虚無のパズル 大きな風竜に跨がったワルドは、薄い笑みを浮かべながら、蹂躙されたかつての祖国を見渡した。 上陸前のつゆ払いのため、ワルドはタルブの村と、その見事な小麦畑に容赦なく火をかけた。 焼け野原となったタルブの草原には、三色の『レコン・キスタ』の旗を掲げたアルビオン軍が展開している。 その数はおよそ三千。上空に大艦隊の支援を持つ、まさに鉄壁の布陣である。 ワルドの元に、偵察から戻った竜騎士が近付いた。 「申し上げます!トリステイン軍はラ・ロシェールの町に到着!拠点とし、兵の展開を進めているもよう!」 「数は?」 「およそ二千!」 「なるほど、それが緊急に配備できる限界ということか」 そばに控えた、別の竜騎士がワルドに進言する。 「子爵殿。村の連中は森の中に逃れたようですが、いかがします。森に火を放ちますか」 「よい、捨ておけ。奴らは餌だ」 「餌、ですか?」 ワルドはにやりと凶暴な笑みを浮かべた。 「そうとも。殺してしまっては、いまだ戦の準備の整わぬトリステインの軍勢を、ここまで誘き寄せることはできんだろう?」 タルブの村の南に位置する森。 村を焼き出された村人たちは、森の中に身を隠していた。 「コルベール先生!」 コルベールは、その声に振り返った。 「ティトォくん!無事だったのか」 息を切らせながらこちらに走ってくるのは、朝から姿の見えなかったティトォと、それを探しにいったシエスタであった。 シエスタは倒れている母の姿を見ると、青くなって駆け寄った。 「お母さん!」 「落ち着きなさい、シエスタ。母さんは気絶しているだけだよ」 シエスタを落ち着かせるように、父が肩を軽く叩いた。 シエスタは泣きそうな声になって、父親の腕を取った。 「お父さんも、火傷してるじゃない……、大丈夫なの?」 「こんなのは、大したこたあない。だが、ひどい火傷を負った奴もいる。連中、村に火をかけたんだ。なんとか村のものは全員逃げ出すことができたんだが、治療の薬が全然足りないんだ」 あちこちから、アルビオン軍の襲撃でけがを負った村人たちのうめき声が聞こえる。 火竜のブレスによって焼き出された村人たちは、多くの人が火傷を負っていた。 「ひどい……」 シエスタは、思わず口を抑えた。 骨折などの外傷は、村の医者の応急処置である程度なんとかなったが、火傷はそうも行かない。 こんな森の中では治療に必要な油薬を用意することなどできないので、火傷を負った人たちは、痛みにうめいていた。 見ると、コルベールが重症のものを優先して、『水』の治癒魔法をかけていた。 突然、コルベールの身体がふらりとなったので、ティトォはあわてて駆け寄った。 「コルベール先生!大丈夫ですか?」 「おお、すまない……、いや、私は『火』の系統のメイジ、治療の『水』魔法は本領ではないのだ」 『水』はコルベールの得意とする系統ではないので、コルベールの精神力を大きく削っているのだった。 「しかし、だからと言って黙って見ているわけにもいくまい」 コルベールは額の汗を拭うと、身体を起こそうとする。その身体を、ティトォが抑えた。 「待って。ぼくも手伝います、先生は少し休んでいてください」 「しかし……」 「大丈夫、ぼくも魔法使いです」 「なんだって?」 コルベールは驚いて、目をぱちくりさせた。ティトォとは三週間のあいだ、共同で研究を進めていたが、その間にティトォが魔法を使ったことはなかったので、彼のことは平民だと思っていたのだった。 ティトォは懐から小さな装置を取り出した。コルベールはそれが、以前見せてもらった『ライター』という着火装置であることに気が付いた。 考えてみれば彼の妹だという、あの小さな女の子……、アクアは、強力な爆発を操る、おそらくは『火』のメイジであった。 「ティトォくん、きみも『火』の……?」 ティトォはライターの回転ヤスリを擦って、火を付けた。ライターから勢いよく火柱が立ち上がった。 炎はみるみるうちにその色を変え、白く輝きはじめた。 「マテリアル・パズル……、炎の力よ、変換せよ!」 全身にひどい火傷を負った村の若者に、ティトォはその炎を叩き込んだ。 炎はまたたく間に若者の全身に広がり、勢いよく燃え上がった。 「きゃあ!ティトォさん!」 シエスタはあまりのことに、気絶してしまった。 村人たちもあわてて騒ぎ出す。 「ああ、なんてこと!誰か、水持ってこい、水!早く火を消さないと!」 「お前!いったいなにをするんだ!」 村人の一人が、乱暴にティトォの胸ぐらを掴んだ。 しかし、すぐに村人たちの顔は、恐怖から驚きへと変わっていった。 なんと、その白い炎に包まれた若者の身体から、傷が消えていったのだ。 醜く爛れた身体は、みるみるうちに血色を取り戻し、細かな傷も塞がっている。 ティトォを掴み上げていた村人の腕から力が抜け、解放されたティトォは尻餅をついた。 「げほ!げほげほ!」 「こ、これは、いったい……?」 コルベールは、驚きのあまりぽかんと口を開けていた。 古来より、傷を癒すのは、人の体に流れる水を操る『水』の系統の魔法なのである。 『火』の系統が傷を癒すなど、常識では、ありえない。魔法の法則から、大きく逸脱している。 それなのに、ティトォは秘薬の助けもなしに、『火』の力で、これほど強力な治癒の魔法を使ってみせた。 「……これが、ぼくの魔法。炎の魔力を変換し、傷を治す癒しの力にする。けが人をここに集めてください。ぼくが全員、治します」 「あ、ああ!わかった!おおい!おおい!怪我をしているものはこっちに集まれ!治療術を使える貴族がいらっしゃるぞ!」 シエスタの父は、気絶した母とシエスタを子供たちに任せて、村人たちに声をかけた。 足を怪我した者を運ぶのを手伝いながら、コルベールは目を輝かせてティトォを見ていた。 見つけた。 見つけたぞ。 きみこそ、私の……! トリステイン魔法学院に、アルビオンの宣戦布告の報が入ったのは、翌朝のことだった。 王宮は混乱を極めたため、連絡が遅れたのであった。 ルイズは魔法学院の玄関先で、王宮からの馬車を待っているところであった。 その身は、儀礼用の巫女服に包まれている。なにも今から着付けしていく必要はないのだが、気分というやつであった。 しかし、やってきたのは馬車ではなく、一騎の竜騎兵であった。 王宮からの使者であるという竜騎士の少年は、オスマン氏の居室をルイズに尋ねると、息せき切って駆け出していった。 「今の、ルネじゃないの」 使者としてやってきた少年は、いつかの日に『竜籠』を操ってルイズとオスマン氏を王宮まで送った、あの竜騎士見習いの少年・ルネであった。 ルイズは、ルネの尋常ならざるようすに胸騒ぎを覚え、こっそりと後を追った。 「宣戦布告とな?戦争かね?」 式に出席するための準備をしていたオスマン氏は、飛び込んできた使者の少年の言葉に、顔色を変えた。 「いかにも!アルビオンの宣戦布告を受け、姫殿下の式は無期延期となりました!王軍は、現在ラ・ロシェールに展開中!したがって学院におかれましては、安全のため、生徒および教員の禁足令を願います!」 「アルビオン軍は、強大だろうて」 使者の少年、ルネは、悲しげな声で言った。 「敵軍は、旗艦『レキシントン』号を筆頭に、戦列艦は十数隻。さらに、三千と見積もられる敵兵力が、タルブの草原に陣を張り、ラ・ロシェールに展開した我が軍と睨み合いを続けております。 しかし、我が軍の艦隊主力は既に全滅……、完全に敵に頭を抑えられてしまったのです。かき集めた兵力も、わずか二千にすぎません。敵軍は空から砲撃をくわえ、難なく我が軍を蹴散らすでしょう」 「現在の戦況は?」 「敵の竜騎兵によって、タルブの村は炎で焼かれているそうです……。同盟に基づき、ゲルマニアへ軍の派遣を要請しましたが、先陣が到着するのは三週間後とか……」 オスマン氏はため息をついて言った。 「……見捨てる気じゃな。三週間の間、アルビオン軍を食い止めることはできまい。艦隊がやられた時点で、すでに勝敗は見えておる」 「ああ、そんな……、それでは、指揮を執られている姫殿下も……」 ルネは打ちひしがれるように、膝を付いた。オスマン氏はルネの言葉に、驚いて尋ねた。 「なんと言ったね、きみ。まさか、姫殿下おん自ら前線に……?」 「そうなのです。不毛な対策会議を続ける宮廷貴族たちに発破をかけるように、姫殿下おん自ら兵を率い、タルブへ向かったのです」 「おお、なんということじゃ……」 これにはさすがのオスマン氏も驚いたようすであった。 オスマン氏は、椅子に深く腰かけると、右手で顔を覆った。 教員室の扉に張り付き、聞き耳を立てていたルイズは、戦争と聞いて蒼白になった。 そして、タルブと聞いて顔色が変わった。シエスタの村じゃないの。 さらに、アンリエッタが戦地に向かったと聞いて、卒倒しそうになった。姫さまが、戦に? たまらなくなって、ルイズは駆け出した。 走って、走って、学院の正門に辿り着いたとき、ふと我に返った。 わたし、今、なにをしようとしたの? 決まっている。タルブに向かおうとして、走り出したのだ。 姫さまを助けないと。シエスタを救けないと。 でも、ダメよ、ルイズ。あんたになにができるっていうの。 戦争なのよ。 相手は、空に浮かんだ巨大な戦艦。 『ゼロ』のあんたが行ったって、どうすることもできないわ…… ルイズはきゅっと唇を噛み締めて、ゆっくりときびすを返した。 学院の寮の、自分の部屋に向かって歩き出す。 そうよ、禁足令が出ているんだから……、部屋に戻らないと…… 『待つのだ、ルイズよ』 「──誰!」 突然何者かに呼び止められ、ルイズは振り返った。 『いいのか?このまま引き返してしまって。もう二度と、友に会うことはできなくなってしまうのだぞ』 「誰よあんた!どこにいるのッ!」 ルイズは辺りを見回したが、朝もやの中に、それらしい人影は見えない。 『今すぐ、友の元へ向かうのだ』 「向かえって……、無理よ、戦争してるのよ。魔法が使えないわたしなんかがいたって、邪魔なだけよ……、足手まといになるだけだわ……」 『それでも向かうのだ。邪魔であろうが、足手まといであろうが、危機に陥っているのであれば手を差し伸べなければならない、それが友というものだ。ここで逃げることは、友から、そして自分から逃げることだぞルイズ』 ルイズはハッとして、自分の右手を見つめた。その手には、メイジの命ともいえる杖が握られている。 そうだ、わたしは、魔法は使えないけれど…… ルイズは杖を振るい、早口に呪文を唱えた。 「ウル・カーノ……」 突然、魔法学院の正門近くで爆発が巻き起こった。門の外に控えていたルネの風竜は、驚いて威嚇の鳴き声を上げた。 「ジエーラ!」 先ほどより巨大な爆発が起こり、魔法学院の正門はガラガラと音を立てて崩れた。 「ジュラ・イル・ゲーボ!」 さらに連続して爆発が巻き起こり、崩れ落ちる瓦礫をすべて、さらに細かく砕いた。 ぱらぱらと小石ほどの大きさになった瓦礫が、正門前に降り積もった。 ルイズは深呼吸して、きっと前を見据えた。 そうだ、わたしには、この爆発がある……、昔だったら、これはあらぬところを爆発させるだけの、失敗の証でしかなかった。 でも、今なら。ティトォの魔法で、爆発をコントロールできるようになった今なら、これは立派な武器になるわ!半端な『火』の呪文なんかより、よっぽど強力な、わたしの力よ! 「うわ!なんだこりゃ!」 素っ頓狂な声に、ルイズは振り向いた。粉々に砕かれた門を見て驚いているのは、学院長室から戻ったルネであった。 「ちょうどよかったわ。あなた、わたしをタルブに連れていきなさい」 「み、巫女様?」 ルネはルイズの服装、式典用の巫女服姿を見て、怪訝な声を上げた。 「って、きみは。いつかの日に、オスマン氏と一緒に王宮へ送り届けた子じゃないか。なに言ってるんだよ。だめだよ、そんなこと。ぼくはまだ見習いだし、きみは学生じゃないか!」 ルイズが杖を振るうと、近くの地面が爆発した。土ぼこりが舞い上がり、ルネは目を丸くした。 「わたしはトライアングルクラスの『火』メイジよ」 ルイズは嘘をついた。ルネを納得させるには、得体の知れない爆発よりも、こっちのほうが通りがいいと思ったからだった。 「必ず姫殿下のお力になれるわ。連れていって」 「し、しかしだね。学院には禁足令が出ているんだよ」 ルネはそれを伝えに、こうして使者としてやってきているのである。 ルイズは懐から、一枚の書簡を取り出してルネの鼻先に突きつけた。 「……ひ、姫殿下の許可証?」 「わたしは姫殿下直属の女官です。姫殿下の御身の危機には、駆けつける義務があるわ!」 それを見て、ようやくルネの決心も付いたようであった。 「うむ……、そうだ、そのとおり!今は危急のとき!見習いだろうが、関係ない!トリステインの危機に駆けつけずして、どうして未来の竜騎士隊を名乗れようか!」 ルネはふとっちょの身体からは信じられないくらい身軽な動きで、風竜の背中に跨がった。 「よし行くぞ、目指すはタルブの村!きみも早く乗って!」 ルイズが風竜の背中によじ上ると、ルネは手綱を打ち、風竜を羽ばたかせた。 ルイズはすごいスピードで飛ぶ竜の背中の上で、ポケットを探り、アンりエッタからもらった『水のルビー』を指にはめた。 その指を、祈るように握りしめる。 姫さま……、どうか無事でいて。 それから、シエスタも……。わたしによくしてくれる、笑顔がすてきなシエスタ。どうか、無事でいて……。 ……そういえばティトォもいるはずなんだっけ。ついでに、無事でいて……。 それから、懐に忍ばせた『始祖の祈祷書』に手を伸ばした。 伝統に倣い、肌身離さず身に持っていたのである。 ルビーを嵌めた右手で、『始祖の祈祷書』をそっと撫でる。 「始祖ブリミルよ……、どうぞ我らをお守り下さい」 その瞬間、『水のルビー』と『始祖の祈祷書』がぼんやりと光りだした。 しかし、『始祖の祈祷書』は懐に入れていたため、ルイズはそのことには気付かなかった。 タルブの村の火災はおさまっていたが、そこは無惨な戦場へと変わり果てていた。草原には大部隊が集結し、港町ラ・ロシェールに立てこもったトリステイン軍との結線の火蓋が切って落とされるのを待ち構えていた。 空には、部隊を上から守るため、『レキシントン』号から発艦したアルビオンの竜騎士隊が飛び交っている。散発的にトリステイン軍の竜騎士隊が攻撃をかけてきたが、いずれもなんなく撃退に成功していた。 決戦に先立ち、トリステイン軍に対し艦砲射撃が実施されることになっていた。 そのため『レキシントン』号を中心としたアルビオン艦隊はタルブの草原の上空で、砲撃の準備を進めていた。 タルブの村の上空を警戒していた竜騎士隊の一人が、自分の上空、千五百メイルほどの一点に、近付く一騎の竜騎兵を見つけた。 竜に跨がった騎士は竜を鳴かせて、味方に敵の接近を告げた。 ルイズは風竜から身を乗り出して、眼下のタルブの村を見つめた。 素朴で美しかったであろう村の姿はもはやどこにもなく、家々は醜く焼けこげ、ドス黒い煙が立ちのぼっている。 広大な小麦畑はすっかり焼け野原となり、アルビオンの兵隊たちが陣を張っていた。 シエスタが帰省した日、門の前ではち会わせた時の会話が、ルイズの脳裏に甦った。 『タルブの村は、小麦の名産地なんですよ。一面に小麦畑が広がって、とっても綺麗なんです。ミス・ヴァリエールにも、ぜひお見せしたいなあ』 アルビオン軍はゆっくりと行進していく。焼け残った稲穂が、兵隊たちに踏みにじられた。 ルイズは唇を噛んだ。血の味が滲む。 こちらに気付いた一騎の竜騎士が、上昇してくるのが見えた。 「叩き落としてやる」 低く唸り、自分の身体と、風竜の身体とをロープできつく結びつけた。 「ルネ!突っ込んで!作戦は分かってるわね!」 「ああ、バッチリだ!しかし、本当にやれるのかい?」 「わたしは姫殿下直属の女官で、巫女で、トライアングルメイジよ!信じなさいッ!」 「了解だ、巫女さま!始祖ブリミルよ、我らに勝利のお導きを!」 ルネの叫びとともに、二人を乗せた風竜が急降下を開始した。 「一騎とは、舐められたものだな」 急降下してくる竜騎兵を迎え撃つため、竜を上昇させた騎士が呟く。 しかもよく見れば、あれは風竜である。 アルビオン竜騎兵の主戦力である火竜に比べ、風竜はブレスの威力で大きく劣る。戦向きの竜ではない。 竜騎士は、急降下してくる風竜の竜騎兵を待ち受けた。 さすが風竜だけあって、早い。 だが、アルビオンに生息する『火竜』のブレスの一撃を食らったら、風竜など一瞬で羽を焼かれ、地面に叩き付けられるだろう。 じりじりと急接近する敵を引きつける。間もなくこちらのブレスの射程に入る。 まだ、 まだ、 まだ……、 今だ! ブレスを吐くために、火竜が口を開けた。 その瞬間、目の前の空間が爆発した。 「なッ!」 火竜は驚き、バランスを崩す。次の瞬間、またしても爆発が巻き起こり、羽を傷付けられた火竜は真っ逆さまに墜落した。 「やったぞ!」 「はしゃがないで!三騎、右下から来るわ!」 ルイズの言葉どおり、三騎が横に広がって上がってくる。 三騎の火竜は、ぼんぼんと炎のブレスを吐きかけた。ルネはすかさず風竜を操り、垂直に急降下する軌道を水平にした。 「うぐ……!」 急な機動の変化にルイズは振り落とされそうになったが、身体に結んだロープがルイズを支えた。 ごうと音を立てて、ルイズのすぐそばを火竜のブレスがかすめる。 「がんばれ、ベルヴュー。当たるなよ」 ルネは相棒の風竜の背中を、優しくぽんと叩いた。 風竜は大きく羽ばたき、加速した。背後から吐きかけられるブレスを避けながら、火竜の騎兵隊を引き離していく。 アルビオンの竜騎兵は、チッと舌打ちをした。風竜はブレスの威力で火竜に劣るが、スピードで勝るのである。 風竜は旋回して、ふたたび突撃してくる。すかさずブレスを放ったが、右へ左へと巧みに避けた。 「ええい!ちょこまかと……」 それ以上言うより先に、竜騎士の後ろの空間が爆発した。 爆風に押されて火竜はつんのめるようになり、背中に乗っていた竜騎士は振り落とされて、ぎゃあああああ……という長い悲鳴を残して、地面に落ちていった。 ルイズたちの作戦はいたってシンプルだ。 ルネが風竜で、魔法の射程ぎりぎりをひたすら逃げ回り、ルイズが爆発の魔法で攻撃する。それだけである。 しかし、この急ごしらえの作戦は、戦闘開始早々に二騎の竜騎士を落とすという大戦果をあげた。 なにしろルイズの爆発魔法は、狙った場所を直接爆発させることができるのである。 『ファイヤーボール』の呪文のように火の玉を飛ばすわけではないので、魔法の軌道を見切ることはできない。 魔法を使うルイズ本人以外には、どこが爆発するか分からないという、恐ろしい攻撃なのであった。 「すごい!すごいよルイズ!天下無双と謳われたアルビオンの竜騎士を、二騎も撃墜したんだ!きみはまさしく戦巫女様……、いや、聖女様だ!」 ルネは興奮して叫んだ。見習いの自分が立てたとんでもない手柄に、舞い上がっているのだ。 しかしルイズはそれどころではなかった。次々吐きかけられるブレスを、右に、左に、宙返りで避ける風竜の機動に、乗り物酔いを起こしかけているのだった。 「うぶ……、あんまり叫ばないで。気持ち悪くなってきちゃった……」 「うわ!やめてくれよ、こんなとこで吐かれたらたまらないよ!いや、待てよ。聖女様の体から出されるものならば、それは聖水のようなものじゃないだろうか?するとぼくは,きみのをこの身に受け止めるべきなのだろうか?ううむ……」 ルネがなんだかろくでもないことを言い出したので、ルイズはますます気分が悪くなった。 しかし、ルイズはぶんぶんと頭を振って、なんとか酔いを振り払った。 右から十ばかりの竜騎士が、こちらにめがけて飛んでくる。 ぶおおッ!と、火竜のブレスが飛んできた。風竜は左にかわす。 「ルネ、もう少し近付いて!魔法の射程圏外よ!」 「十騎の中に突っ込むのは無理だ!引き離しながら、各個撃破を狙おう!」 ルネが手綱を操ると、風竜はぐんと加速した。 ばきばきばき!と木の枝を折って、森の中に竜騎士が墜落してきた。 森に隠れている村人たちは、びくっと身をすくませた。 落ちてきた竜騎士は、死んではいないようだが、全身を強く打って身動きが取れないようだった。 村人たちは、おそるおそる空を見上げる。アルビオンの竜騎士隊と、一騎の竜騎士が飛び回りながら戦っている。 「王軍の騎士様かい?」 「しかし、一騎だけってのもおかしな話じゃないか」 そうして見守っていると、またしても味方の竜騎士が、敵を一騎落とすのが見えた。 おおお!と歓声が上がる。村を燃やした侵略者が、次々撃ち落とされている! 村人たちはその竜騎士の活躍に熱狂した。 そんな喧噪の中、ティトォは怪我人の治療を続けていた。 ほとんど休まずに魔法を使い続けているティトォは、傍目にも消耗して見えた。 目を覚ましたシエスタが、心配そうにティトォを見つめている。 ティトォは額に浮いた大粒の汗をぐいと拭うと、目の端で空の戦いを見た。 「ルイズ……、来たのか……、ほんとに、無茶するな……」 ティトォは誰にも聞こえないほどの声で、ぽつりと呟いた。 50人目の治療を終え、ティトォは声を上げた。 「次の怪我人を、こっちへ……」 しかし、足下がふらりとなって、ティトォはよろめいた。その身体をコルベールが受け止める。 「無茶だ、少し休みたまえ。このままではきみが潰れてしまう」 「でも……」 「大丈夫だ、きみのおかげで、あとは軽傷のものばかりだ」 それを聞くと、ティトォは少し安心したような表情を浮かべた。 「本当ですか、それなら、少し……」 その瞬間、ティトォの心臓が、ずぐんと跳ねた。 ティトォは胸を抑えるとうずくまり、ごぼりと大量の血を吐いた。 足下の草花が、ティトォの血で真っ赤に染まる。 「きゃあああああッ!」 シエスタが悲鳴を上げた。村人たちも動揺し、ティトォの元に集まってきた。 「ティトォ君!」 コルベールが蒼白になる。 ティトォは荒い呼吸を繰り返し、焦点の合わない目で、地面に倒れるように横たわった。 とうとう、来ちゃったか。肉体の限界が…… ぼくの魔法『ホワイトホワイトフレア』は、生物の肉体強化。 だから、アクアやプリセラと違って、こうなることはまずないはずだけど……、 アルビオンへの密命や、宝探しの冒険旅行、それにタルブ村の怪我人の治療。魔力を使いすぎたか…… 「ティトォ君、しっかりしたまえ!」 どんどん呼吸が浅くなっていくティトォの姿に、コルベールは取り乱した。 「ああ、そんな。鼓動が弱くなっていく……、だめだ、死なないでくれ。死んではだめだ。きみは、私の夢なんだ……」 コルベールは、横たわるティトォにすがりついた。 「きみは、『火』の魔法で、傷を癒した。ここにいる人たちは、きみが救ったんだ。きみのようになりたいんだ、私は。 私の『火』で、誰かの傷を癒したいんだ。魔法を平和のために役立てたいんだ!私は、きみのことがもっと知りたい!きみの魔法が!きみの力が!だから、お願いだ……、お願いだから……、死なないでくれ……」 最後の方は声がかすれて、ほとんど聞き取れないほどだった。 コルベールはまるで祈るように、ティトォの右手を握りしめる。 ティトォは左手で、そっとコルベールの手に触れた。 「大丈夫です……、また、会えますよ」 その言葉は弱々しかったが、穏やかな響きだった。 コルベールは思わず顔を上げ、ティトォを見た。 「ぼくは……、『ぼくたち』は、死んでも魂が入れ替わるだけ……、永遠に、その繰り返し……」 「……なんだって……?」 コルベールは言葉の意味が分からず、困惑した。 ティトォは首を回し、その人形のような瞳でコルベールを見つめた。 「ぼくたちは、先生の思っているような……、立派な人間じゃありません。ぼくたちは、罪人……、確かにぼくの魔法は、癒しの魔法。戦いには向きません。でも……、平和のためじゃない……」 すでにティトォの命は消えかけていた。しかし、ティトォは強い意志を込めて、言い放った。 「ぼくたちは、戦うために魔法の力を身に付けたんだ」 突然、ティトォの身体が光を放ち、膨大な魔力が吹き出した。 「きゃあッ!」 周りで見守っていた、シエスタや村の人々は、吹き荒れる魔力の嵐にあとじさった。 ティトォの身体は、まるでパズルのピースのようにばらばらに崩れ、吹き荒れる魔力に乗って宙を飛び回る。 「これは、いったい……!」 コルベールは光から目を庇いながら、その様子を見守った。 やがて、パズルのピースは一ヶ所に集まり、組み上がって、なにかを形作ってゆく。 ばらばらになったティトォの身体が、『別の何か』になってゆく…… 「なんだと?この短時間で四騎が落とされただと?ばかな!」 艦砲射撃実施のため、タルブの草原の上空三千メイルに遊弋していた『レキシントン』号の後甲板で、艦隊司令官サー・ジョンストンは伝令からの報告に眉をひそめた。 「単騎で四騎を討ち果たしてのけたか。ふむ、英雄ですな」 隣に控えた『レキシントン』号艦長ボーウッドが、感心したように呟く。 「なにを悠長なことを!私がクロムウェル閣下から預かった兵だぞ!たった一騎の敵になにをやっておるのだ!」 伝令は身を縮こまらせながら、報告した。 「て、敵は竜の背に、竜騎士とメイジを乗せているらしいのです。風竜の素早い動きでこちらの攻撃をかわしつつ、メイジが魔法を撃ってくるので、どうしようもなく……」 「二人乗り?馬鹿な、いかに風竜といえど人間を二人乗せて素早く飛ぶことはできまい」 「それが、どうもどちらも鎧を身に着けず、かなりの軽装らしく……、メイジの方はかなり小柄で、しかもおかしなことに、巫女服を纏っているとか」 「巫女装束?」 ジョンストンが頓狂な声を上げる。 「『聖女』を気取るつもりですかな。まさしく英雄ということか。しかし、たがが英雄。所詮は『個人』にすぎませぬ。いかほどの力を持っていようと、個人には、変えられる流れと、変えられぬ流れがあります」 ボーウッドは落ち着き払って答えた。この艦は後者に当てはまる。 「艦隊前進。左砲戦準備」 しばらくすると遥か眼下に、周りを岩山に囲まれたラ・ロシェールの港町に布陣したトリステインの軍勢が見えてきた。 まず、空からの艦砲射撃により軍勢の体勢を崩し、しかる後に『レコン・キスタ』軍の一斉攻撃を開始するのだ。 水兵たちにより、砲戦の準備が進められる中、またも伝令の声が響き渡った。 「竜騎士一騎撃墜!」 またしても自慢の竜騎士を撃墜されたとあって、ジョンストンは顔色を変えた。 ボーウッドはため息をつく。 敵の竜騎士の一騎など、捨ておいても戦局に変化はないだろうが、放っておくのも目障りだ。士気に関わる。 「ワルド子爵」 ボーウッドは呟いた。 『はっ』 ボーウッドの耳に、ワルドの声が響く。 ワルドは艦隊のはるか後方を飛んでいる。声を『風』の魔法で、『レキシントン』号のブリッジまで運んだのである。 「単騎に何を手こずっているのか。遊ばせるために貴官に竜騎士隊を預けたのではないぞ」 『これは手厳しい。しかしご安心召されよ、すぐさま打ち取ってごらんにいれましょう』 ワルドはそう呟くと、はるか眼下の、竜騎士隊と戦っている一騎の風竜を見つめた。 風竜の背中には二人の人影があり、一人は儀礼用の巫女装束を纏っている。 ヘッドピースが風に揺れ、見慣れたルイズの桃色がかったブロンドの髪が覗いた。 ワルドは口の端を吊り上げた。 生きていたか、ルイズ。 ワルドは、騎乗する風竜を急降下させると、声を『風』の魔法に乗せ、残った竜騎士隊に指令を下しはじめた。 前ページ次ページ虚無のパズル