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シュクラケン No179 特殊技:スプレッドボム 前方円形・大 イラストレーター:タカヤマ トシアキ でした、編集お願いします。 -- (nanasi) 2009-01-13 18 55 30 ブルージェムじゃなくてブージャムだよ -- (名無しさん) 2009-01-13 19 07 22 ナーガNO178 イラスト:緑川美帆 編集お願いします -- (名無しさん) 2009-01-13 19 19 31 ブージャム No,181 全長:一定しない 重量:一定しない 生息地:心の隙間 武器:不安を煽る 捕食対象:困惑した感情お前と俺が、同じ形、同じ色、同じ匂いでものを感じていると証明するなんて、誰にも出来はしない。 だが、わかるよ。俺は、信じるよ。 「あれ」とあったものだけがするその表情。 あの時の俺の顔と、そっくり同じだもん。 スピードは2。スキルはゲートとサーチ。 ATK30 DEF40 特殊技は帯電コーティング 絵師は前川悠一 -- (名無しさん) 2009-01-13 19 36 48 ブージャムまで修正。でも、ブージャムのデータのところなにか一個抜けてません?カード持ってる方、確認よろしく。フレーバーテキストも改行適当です。指摘宜しく。 -- (名無しさん) 2009-01-13 20 22 58 エクストラコモンのスライム出ました光る以外違いなしです -- (えむえすまぁくつぅ) 2009-01-13 21 35 42 ブージャム修正しました。繁殖方法だった・・・。 あとナーガは20コスであってるのかな? 15コス? -- (名無しさん) 2009-01-13 21 54 35 ↑15コスです。 -- (名無しさん) 2009-01-13 23 08 36 ナーガ 全長5.0m 重量800kg 最高速度80km/h 生息域マゼンタ諸島近海 宿敵ガルーダ 捕食対象生きている獲物 脱皮したての新兵ども! 海兵とは何かを教育してやる!(改)絶対かなわぬ空の敵! だがあいつは立ち向かった!(改)波間から躍り上がり、敵のエースに食らいついた!(改)敵は慌てて空に逃げ、それきりあいつも帰ってこない!(改)だがあいつの墓はない! 我らナーガ海兵隊にとって、(改)あいつは五千年間、空中戦を継続中となっているのだ!(改)―アムリト遺跡の解読困難な碑文より -- (名無しさん) 2009-01-14 01 13 30 エクストラコモンのアリオーシュがでました。 銅枠のレアっぽくて NOのとこにEXC.064とある以外、コモンと同じ模様。 -- (お茶づけ) 2009-01-14 02 49 15 ナーガ追加しておきました。コメントも書いておいたけど、ちょいとネガり過ぎかも(´・ω・`) -- (名無しさん) 2009-01-14 03 59 22 ブージャムのとこにC(コモン)が書いてないよ -- (名無しさん) 2009-01-14 07 20 35 ローレライは+40だと思います。わだつみに掛けたらDEF86→126になりました。3回やって確認しましたが、もし見間違いだったらごめんなさい( _ ) -- (名無しさん) 2009-01-14 17 41 55 ローレライ・ブージャムの効果時間、解る人いませんか? -- (名無しさん) 2009-01-14 18 14 56 シュクラケン 全長:50m(成体) 重量:不明 移動力:潮流次第 生息域:北方の海 知性:きわめて高い 捕食対象:近づくもの全て 見張りが叫んだ。「あの島を見ろ! 黄金でいっぱいだ!」(改行)水夫長が叫んだ。「あの島を見ろ! 美女が手招いてる!」(改行)船長が叫んだ。「上陸するぞ! この発見は勲章ものだ!」(改行)生き残ったのは年寄り水夫。海に飛び込み、泳いで逃げた。(改行)「みんな自分の夢をぶら下げられて、誘われてっちまった。(改行)あれが島なんかじゃねぇのはすぐにわかったさ。なにせ手招き(改行)してやがったからな。何年も前にこの手で殺した女房が…」 -- (名無しさん) 2009-01-14 21 45 13 ごめん、シュクラケンの修正 きわめて→極めて 近づくもの全て→近づくものすべて -- (名無しさん) 2009-01-14 21 47 17 ブージャムは試していないからわからないけど、ローレライの効果は3Cだった。アンヘルの効果も3Cだし、単体効果の時間変わったのかな…? -- (名無しさん) 2009-01-14 21 50 52 単体防御は多分3c…というか10秒が基本。テティスもそうだったはず。 -- (名無しさん) 2009-01-14 22 48 15 アルビオンの説明部分、画像を参照したので読みとれない部分が多々あります。??にしてありますので、分かる方、修正or指摘頼みます。 -- (名無しさん) 2009-01-15 10 39 32 ナーガの説明で玄武とほぼコンパチって書いてあるけど、速度と特殊の種類以外共通点が見当たらないんだが -- (名無しさん) 2009-01-15 11 25 57 DEFとATKがひっくりかえってるっていいたいんじゃないか?>ナーガと玄武 -- (名無しさん) 2009-01-15 12 31 29 同コス罠持で比べたいのはわかるが… -- (名無しさん) 2009-01-15 12 45 44 【】カードを「コンパチ」と表現してるのは間違いかと. 互換性(compatibility)が無いので寧ろ逆. -- (名無しさん) 2009-01-15 20 59 15 とはいえ、こういうときによく使われるのは「使いまわし」の意味じゃないかね。【】よりはロレライとかが当てはまるけど -- (名無しさん) 2009-01-15 21 07 33 使いまわしをコンパチって言ってるのが間違いだろ。 -- (名無しさん) 2009-01-15 23 53 58 日本語って難しいね・・・、本文ちょっと修正。これで海種のページは一段落でしょうか。終わってみると、追加これだけなんだなぁと実感してちょっと悲しくなる・・・・。 -- (名無しさん) 2009-01-16 01 45 24 次のUpDataは海種機甲祭りでありますように・・・と願います。でなければ悲しすぎます・・・でもローレライには期待大です。 -- (名無しさん) 2009-01-16 14 40 59 ↑いや、海種は結構良かった方じゃない?超はイカレてるぐらいきたけど… -- (名無しさん) 2009-01-16 20 17 42 【憤怒】アルビオンの趣味ワロタw憤怒のとおせんぼって(´△`;) -- (名無しさん) 2009-01-17 02 08 31 新カード無くても海のみで韋駄天区mwる -- (?) 2009-01-17 09 36 28 ↑おちつけw -- (名無しさん) 2009-01-17 15 04 34 ↑×3 Ver.1.0の頃からの趣味ですね。「とおせんぼ」 -- (名無しさん) 2009-01-20 16 57 59 ブージャムって、どう考えても機甲用客将使い魔だよな -- (名無しさん) 2009-01-20 21 17 18 確かに客将カードな感じはありますが、自分はニクサーとセットでよく使ってますよ<ブージャム(相手に雷なかったら泣けてきますが・・・) -- (大海の巨鯨目指して猛進中) 2009-01-20 21 58 31 リリスは単攻も短くなるんだから、憤怒バインドもサクリ使用後は敵プレイヤー弱体ぐらいサービスしてもいいのに -- (名無しさん) 2009-01-23 22 09 45 ↑そうだよね。開幕サクリされた後、憤怒の特殊技の使い道ないし・・・ -- (名無しさん) 2009-01-23 22 40 18 ↑むしろ、サクリ禁止で安定ですよねー -- (名無しさん) 2009-01-25 14 00 55 ↑ミス!サクリ解除、の間違いです -- (名無しさん) 2009-01-25 14 01 23 ですよねー -- (名無しさん) 2009-01-25 17 33 00 開幕サクリは読めない上に特殊が貯まらないからなぁ -- (名無しさん) 2009-01-25 17 33 42 シュクラケンの特殊でドタドタとコッチくるのがキモかったw -- (名無しさん) 2009-01-29 04 34 07 憤怒アルビの禁止時間1/29アップデートで短くなったようです。 -- (名無しさん) 2009-01-29 21 13 33 え~。。。何故に効果時間低下・・・ -- (物見(仮)) 2009-01-30 00 48 41 てか、憤怒のコメントの攻撃力50がボーダー云々はなんのことだ?わだつみ、リヴァ、アルビオン、クラーケン、みずちとかいるだろ。 -- (名無しさん) 2009-02-01 01 29 12 ↑ver1.1から追加された全ての海使い魔見てみ。55以上一体たりともいないから。初期のは別だけどね。 -- (名無しさん) 2009-02-01 07 20 45 ↑×2と3 逆でしょ。伸びたんじゃないの -- (名無しさん) 2009-02-02 13 58 19 ×3と4だった二重すんまそ… -- (名無しさん) 2009-02-02 14 09 03 8cくらいに伸びたとか。溜まってれば、割と早めに打っといてもいい時間じゃないかな? -- (噂好き) 2009-02-02 15 34 11 憤怒アルビについて訂正します。確認した所、7c、8cぐらいに伸びてました。 -- (名無しさん) 2009-02-07 01 42 10 一番上になぜかかかれてたコメントを転載。「海種Ver1.2は追加5種の内、3種が撃、2種が炎の攻撃属性を持ち、魔種、超獣&亜人への対応力が上がった。残念ながらシールド持ちが追加されなかった為、数少ないシールド持ちのアルビオン、オケアノスはまだまだ海単で現役続行。というか炎撃の追加しかなかったため、現状超亜魔以外は、コスト以外のデッキ構成はほぼ変わらない。海機甲の開発担当、もっと発言力をUPして頑張ってくれ・・・スキル無しだがローレライが他種1TOP型デッキへの客将候補となりうるか・・・今回SR追加が無い。スクエニには機甲と共に待遇改善を要求するべきか・・・」 -- (名無しさん) 2009-02-12 13 37 12 う~ん炎 -- (名無しさん) 2009-02-12 14 52 22 正直ローレライ以外いらんわ -- (名無しさん) 2009-02-15 10 02 23 俺は炎罠いいからナーガとかも好きだがな。っていうか、SRないけど海種別にどれも言うほどひどくないけどなぁ…シールド持ち追加なかったのは確かに残念だが種族ボーナス減ったし客将いれやすくなったからまぁいいや。と、思った -- (名無しさん) 2009-02-15 10 47 31 ↑? シュクラケンは強いですよ?他は知りませんが… -- (名無しさん) 2009-02-15 11 05 43 連続で申し訳ない ↑2ですね -- (名無しさん) 2009-02-15 11 07 44 シュクラがサーチあれば希望が少しは持てたのになぁ… -- (名無しさん) 2009-02-15 21 59 00 サーチ有無だけで希望無くすなよ…w -- (名無しさん) 2009-02-15 22 59 56 シュクラケン、壁になる以外はアクアライダーの弱体版です。せめて4速にするか単体大ダメにしろよ~ -- (名無しさん) 2009-02-16 17 45 05 弱体じゃないですよ。一応パラは上がってる。ただなんで壁範囲二枚?という疑問は確実にありますが。 -- (名無しさん) 2009-02-16 19 56 34 シュクラケン&クラーケンのWクラゲ強いぜ!! -- (名無しさん) 2009-02-23 14 17 17 ↑イカじゃ・・・なかったの・・・か? -- (名無しさん) 2009-02-23 23 59 39 憤怒のコメの長さがすごいなw -- (名無しさん) 2009-02-24 14 22 33 アルビオンだが何故他の種族、別属性と比べる?比較対象ならまだバハやおろちだろうに… -- (名無しさん) 2009-02-24 14 55 49 個人的にアルビオン比較するならスカドラやラースだと思ってる、相手に罠持ちいないと元々特殊が死に技だしさ、それに30コスの罠解除じゃ玄武とか大体食らうよね、だからラースとかはほとんど攻撃面しかみられてないしアルビオンも炎複数を頑張って使ってサクリ封じが上手く決まったらラッキー程度にとらえれば実用範囲かと思います(悪魔で個人的意見なのであしからず -- (名無しさん) 2009-03-07 13 32 30 憤怒のコメント書いた者です。長くてスマンw 文章書くの好きなもので・・・。レナスの辺りは誰かが追加した一文ですね。まぁ、25コスの複攻と言う事で比べたかったのかもしれませんけど。あっちはあからさまに優遇スペックですから。スキル面で見ると、ラースあたりと比べるのがいいような気がするのは自分も同意。ただ、ラースと違って、使いドコロを自分で選べるのが憤怒のいいところかなぁと。とりあえず戦闘開始でかけとこう的な運用はやはり便利。ヨルムン、愛染、ドワーフなどを(一定時間内に)安全に落とせるようになるのはやはりでかいですわ。 -- (名無しさん) 2009-03-08 18 54 26 憤怒・・・オナ兄とは比べられないって事ですね -- (名無しさん) 2009-03-09 01 54 22 憤怒のコメント長すぎwあと60複数のリヴァイアサンが居るじゃないか -- (名無しさん) 2009-03-09 01 56 55 リヴァイアサンはニコ動に上がってる勝率4割ていう題名のを見てみれば中々良さが分かると思う -- (名無しさん) 2009-03-09 02 53 18 憤怒・・・・使われない使い魔の考察が使われる奴の倍以上か・・・・、海は愛されてるな -- (名無しさん) 2009-03-09 02 54 35 【優雅】ポセはちょっとした壊れの予感。効果時間次第では…まぁどうせ即修正乙だが -- (名無しさん) 2009-04-02 11 29 05 【】ポセ特殊もいいけど4速でC20炎40複のところが個人的には嬉しいな。デッキの幅広がりそうだわぁ -- (名無しさん) 2009-04-02 19 59 32 新ポセは炎複数ATK40DEF40スキルなしだったか。テティスと合わせると50コスがスキルなしになるのか…。4速行動したいけど海に4速サーチって何が居たっけ。海神と水乗り少女は覚えてるけど。 -- (名無しさん) 2009-04-02 20 37 09 試した人に聞きたいのだけど、防御補正って、スキルで増やしたぶんも効果対象?たとえば相殺波紋とか、アシストコーラス併用しても、前ほど効果なし? もしそうならスキル自体が死にスキルになりかなねないのだが。。。 -- (名無しさん) 2009-04-26 03 53 36 ↑乱戦状態だったんで微妙なんだが、波紋+アシスト状態のテティスが弱点突かれずに殴られて2桁くらったよ。そんでも10〜20くらいだけど。 -- (名無しさん) 2009-04-28 05 41 04 主にver1.3対応の文章を、色々追加しておきました。 -- (名無しさん) 2009-06-01 07 38 57
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このページはこちらに移転しました パズルピース 作詞/44スレ266 作曲/HUG 顔も見えない頃から、僕らは欠けた何かを互いに求めていたんだね 赤い糸だなんてそこにはなかった あったのは少しの距離と言葉だけの交換 手の温もりは、感じれないけど ただ君の声は嘘じゃないと思うんだ 欠けたのは僕の中のどの部分だっただろう 君がその綻びた、場所を紡いでくれたの? 少しだけ…でも途方もない、そんな遠くで 君は知らぬ誰かに、心を埋めてもらうのだろう 音源 パズルピース(メロ) パズルピース(オケ) (このページは旧wikiから転載されました)
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前ページ次ページゼロのロリカード アーカードとワルドが互いに睨み合っている中、突如周囲から魔法がとんだ。 SR-71の直撃を免れたメイジ達が次々と魔法を放ったのである。敵と思しき少女に一人が攻撃しだすと、それは連鎖的に広がった。 恐らく本人たちもあまりわけがわかっていない。状況を理解し切れていないが、それでも魔法は浴びせられ続けた。 少女の小さな体躯は引き裂かれ、焼かれ、粉々になりながら吹き飛ぶ。 しかし四散した肉片はたちまち霧のように変化し、生き物のように動き始める。 黒い霧は影となり、影は腕となり、腕は枝のように分かれて全方位に広がる。 それは人間や竜を問わず生物を一瞬にして貫き、砕き、潰した。 レキシントン号に起きた異変を確かめるべく、哨戒を中断して戻ってきた竜騎兵達も、空中で兵士と竜共々刺し貫かれる。 瞬く間にレキシントン号の甲板上は死体に溢れ、もはやその中で生きている者はワルドだけとなった。 「前菜を食い散らかすのは、もうこの辺でいいだろう」 「お・・・おォぉぉオォオオオオオオッッ!!」 ワルドは雄叫びをあげた、己を奮い立たせる為の叫び。目前の化物への畏怖が、分泌されたアドレナリンで麻痺する。 続いてワルドは詠唱、『偏在』を使って数の優位に立つ。 それは最低条件、化物相手にするのだ。真正面から相対するのだけは避けうるべきことである。 間髪入れず、偏在達は魔法を四方からアーカードに叩き込む。本体のワルドも『ライトニング・クラウド』を放った。 炎上で発生し続ける煙が漂う中、アーカードの姿はいつの間にか消えていた。 魔法が命中したところまでは確実に視認していた、魔法を吸収する面倒な剣も構えていない。 (一体どこに消えた!?) 必死に姿を確認しようと目を凝らしていると、突然背後に気配を感じた。 すぐにワルドは振り向きざまに右手に持ったレイピアを気配のする方向へと突き出す。 しかし気付けばレイピアは虚空を貫き、アーカードの左手がレイピアを持ったワルドの右腕を掴んでいた。 「悲鳴をあげろ、豚の様な」 アーカードは掴んだワルドの右腕をグイと引っ張った。と、同時に聞こえたのは音である。 何かがちぎれるような音。そして体の芯、脳髄の奥まで響くような鈍くも・・・軽い音。 その方向に自然と視線が向かう。見ると右足の膝が逆の方向に曲がり、筋繊維がブチブチと悲鳴をあげていた。 ピンク色の肉がこびりついた白い骨が露出し、赤い鮮やかな血が飛び散っていた。 「ひぎぃぃィィいイいイイイイイィャァアアあアあアアッッ!!??」 あまりの光景にワルドは絶叫した。反射的に『ウインド・ブレイク』を放ち、アーカードとの距離が開く。 それは鍛えられた戦士としての反応か、兎にも角にもアーカードとワルドの間合いは開いた。 体制を立て直そうにも、バランスの取れなくなったワルドはその場に崩れ落ちる。 同時にレイピアも右手から離れ、地に転がった。腕に・・・力が入らない、掴まれた時に粉砕されていたのだ。 まともに立つことすらできなくなったワルドは、もはや坐して死を待つだけとなった。 「しょせんこんな物か、小僧」 大きく嘆息する。目の前には戦意の喪失した・・・ただの、ただの人間がいるだけ。 人間は脆い。腕が砕け、足が折れただけで、もうまともに動くことなどできやしない。 それでも魔法で応戦するのを期待していたが、もう目の前の人間にそれを期待するのは無理なようだった。 エサ 「さようならだ、ワルド。お前は犬の肉だ」 アーカードは微塵の感慨なく言った。その言葉に応じるかのように黒犬獣バスカヴィルは咆哮をあげ、ワルドをその顎門で噛み砕く。 ワルドは咀嚼され、飲み込まれ、呆気なく、ボロ雑巾のように死に逝った。 「さて・・・と」 アーカードは艦内に残った人間を鏖しにすべく、歩き出した。 ◇ 燃えるタルブの上空、トリステイン軍とアルビオン軍が鎬を削っていた。 目的は敵を倒す為ではなく、時間を稼ぐこと。しかし食い下がるだけの戦にも拘わらず、トリステイン軍の損耗は激しかった。 この調子でいけばゲルマニアからの援軍が到着するまでに、嬲り尽くされ負けるのは想像に難くない。 それだけアルビオン軍には勢いがあり、それほど戦力差は明らかであった。 「殿下、大丈夫ですか?」 アニエスに呼ばれ、アンリエッタはいつの間にか震えている自分に気が付く。 目の前で起きている戦争。自分の命令で、兵は戦い死んでゆく。さらに相手を殺している。 英断・・・なのかもしれない。このままいけば犠牲は増えるばかり、そして負けるのも・・・・・・目に見えている。 ならば、そうなる前に降伏するのも―――。 「霧が・・・」 最初に気付いたのはアンリエッタの隣にいたルイズだった。 雲一つない空で幻獣や魔法、砲弾が飛び交い舞う中。そして日光が照らす中、不自然に発生した霧。 次第に濃くなりつつある霧にアンリエッタは考える、霧中の中で戦えば混戦は必至。 命令系統も崩れ、士気は大いに乱れる可能性が高い。ただでさえ劣勢なのだ、それは致命打になりかねない。 多くの人が死ぬ、一時撤退もやむをえない。そして・・・戦うか降伏するかの選択も―――。 その時、霧がいきなり濃くなった。その所為で陽の光が遮られ、辺りが薄暗くなる。 否、そうではない。濃霧も原因であるが、太陽を遮ったのは霧の所為ではない。 真上に巨大な影が出現したのである。よく見るとそれは船、それも旗艦級の大きさである。 「アルビオン軍の・・・レキシントン号!?」 その姿を見知っていた一人の兵が叫んだ。 「殿下をお守りしろ!」 マザリーニが叫ぶ。本陣の真上に敵艦が突如現れたとあっては、とてつもない異常事態である。 アンリエッタはすぐさまユニコーンから下ろされ近衛が取り囲んだ。 レキシントン号はなんらアクションを起こすことはなく、ただ進んでいた。 しかしこれを捨て置き、放置すれば、トリステイン軍は挟撃の形になってしまうだろう。それだけは防がなければならない。 幸い真下なら砲撃はこない、これはチャンスでもあった。アンリエッタは攻撃の指示を出そうとする。 「待って!姫さま!!」 アンリエッタが指示を出す直前、それを制したのはルイズであった。 「ルイズ!?」 アンリエッタは理由を問い質そうとする、しかしルイズはその前に話し出した。 「わかる・・・なんとなくわかるんです。あれは・・・敵じゃない・・・・・・あれは・・あれは・・・・」 「一体何を言っている!?」 アニエスが叫んだ、敵艦なのに敵じゃないとは一体どういうことか。 「アーカードッ!!」 ルイズは己の使い魔の名前を叫ぶと、同時に馬を走らせた。アンリエッタは咄嗟に言う。 「アニエス!ルイズをお願い!!」 アニエスはハッとするもすぐに行動に移った。近衛騎士の本分ではない、だが命令に体が反応する。 馬に乗ってすぐに走らせる、船は尚もその真上で異様な存在感を放っていた。 ◇ かつて、ある吸血鬼が英国にやって来た。自らが渇望する、一人の女を手に入れるために。 その吸血鬼が乗り込んだ帆船は、霧の中を波から波へととび移り、ありえない速度で疾走した。 ――――――乗組員を皆殺しにしながら。 そして遂に死人と棺を満載した幽霊船はタルブの草原へと着港した。 船の名は『デメテル』号。ロシア語でデミトリ号である。 「なつかしい、においがする」 船の突端に立ったアーカードは呟く。 「突き刺される男のにおい、斬り倒される女のにおい、焼き殺される赤児のにおい、薙ぎ倒される老人のにおい」 アーカードは薄く笑みを浮かべた。 「死のにおい、戦のにおい」 ◇ アルビオン軍の指揮官らは怪訝に思った。いきなり示威行為をしていたはずの『レキシントン』号が出現したのだから。 旧『レキシントン』号はトリステイン軍には目も向けず、迂回しながらアルビオン艦隊へと迫った。 アルビオン軍総司令サー・ジョンストンはすぐに連絡の為の騎兵をやった。 艦に近付いた竜騎兵は何事かと目を疑った。それはもはや『レキシントン』号ではなかったのだ。 巨大な十字架が突き立てられた黒い船。黒いマストから伸びる黒い枝。さながら大木のような、その鋭利な枝の先に・・・刺さっている"モノ"。 あまりにも凄惨な光景に騎兵は嘔吐を催した。それは見る影も無いが・・・間違いなくアルビオン軍の兵士、何十人もの"人間だったもの"が、無惨に串刺しにされていたのである。 思わず目を覆いたくなるほどの惨状、誰がこのような非人道的所業を行ったのか。 そして生存者のいない船が動く理由、一体『レキシントン』号に何が起こったというのか。 そこで竜騎兵は何かを確認した、凝視すると少女が船の中央で佇んでいた。この死船の中で恐らく―――まだ生きている? 次の瞬間その竜騎兵は浮遊感に襲われた、竜が地に向かって落ちていたのだ。何事かと思うと乗っていた竜に穴が開いていた。 よくよく見ると血が大量に流れ出ている。なんだ・・・自分の胸にも、大きな、穴が、開いているではないか。 そこまで思ったところで竜騎兵は地へと堕ちた。 それを契機に次々と他の竜騎兵も落ち始める。 響き渡る破裂音。アーカードはその眼で遠くの竜騎兵を確実に捕捉し、カスール改造銃はその弾丸で飛行している竜騎兵らを正確に撃ち抜いていった。 中には火竜の油袋に引火し、爆散し跡形もなく残らない場合もあった。 「これで最後か」 そう言って最後のマガジンを装填する。最後に放たれた六発の弾丸は残った竜騎兵全てをピッタリ撃ち落とした。 銃をしまったアーカードは次の標的を見定める。 当然敵の旗艦、司令塔を失った軍は烏合の衆。手っ取り早く崩すには頭を潰す。 本来それは容易なことではない、しかし敵艦を装ってる今ならばそれも難しいことではなかった。 アーカードは搭載されている大砲を一発、敵旗艦に撃ち込んだ。 次に串刺しにしていた者達を己の内に取り込んだ後、マストをへし折る。 そして突然の砲撃に混乱している敵旗艦に向かって無造作に投げ放った。 マストは敵旗艦のど真ん中に深々と突き刺さり、その機能と機動力とを奪う。 アーカードはただ一度だけ大きく跳躍し、敵旗艦へと降り立った。 飛び移る最中に取り出したトミーガンを、視界内に見える兵士達に向かって撃ち放った。 何発も体に弾丸を撃ち込まれたアルビオン兵士達は、体が少し跳ねたかと思うと次々にその場に崩れ落ち絶命する。 アーカードを敵と認識したメイジ達が魔法を放つ。 何度も何度も、放たれた魔法がアーカードを蹂躙する。どう見ても、とっくに死んでるだろうにも拘わらず・・・それは尚も続いた。 人の形すらなくなり、魔法を当てるべき目標がわからなくなったところでようやくそれは止まる。 「はぁ・・・はァ・・・やったか!?」 メイジの一人が言った、上半身がバラバラになった少女を見てもう一人が口を開く。 「殺しすぎでしょう、こりゃ」 「っち、一体なんだったんだ、クソッ!」 さらに一人が死んだ仲間を見て毒づいた。その瞬間、甲板に声が響いた。 「走狗め」 心に直接響いてくるようなその声に、兵士達全員が驚愕する。 「狗では、私は、殺せない」 原型を留めていない上半身がゆっくりと浮き、起き上がる。 兵士たちは呆けた顔で目を見開き、その非現実的な光景を見守るしかなかった。 「化物を打ち倒すのは、いつだって"人間"だ」 その言葉を皮切りに、いつの間にか元の形に戻っていた少女は一人の兵士の首に、その牙を突き立てた。 そのまま大きく振り回し、吸血鬼の咬合力で頭と体が泣き別れになる。 周囲に飛び散る鮮血と、動かなくなった首のない体、そして転がる頭はその場にいた者の思考を麻痺させるには充分であった。 後はただただ一方的な暴虐。 家畜を屠殺するかの如く、踏み潰した虫けらの数を数えるように、アーカードは笑いながら暴力を振るう。 眼前の恐怖に、兵士達は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。アーカードはトミーガンを拾い上げ、緩慢に歩いて追跡する。 必死に扉を閉めようとするところに、トミーガンを挟み込む。 「 O p e n S e s a m e 」 できた隙間からさらに左手を捻じ込み、扉は開け放たれた。 「兵士諸君、任務御苦労。さようなら」 身震いするほど禍々しくて悍ましい。死と生の上でダンスを刻む者。狂気と正気を橋渡しする存在。 その少女の姿に、地獄を見る。アルビオン軍兵士達は、わけのわからないまま、ただ生きていることを恐怖し、そして後悔した。 ◇ ルイズはひたすら馬で戦場を駆けていた。 生々しい戦の惨状を目の当たりにしながらも、心を強く保つ。 次の瞬間、走っている目の前に何かが落ちてきた。 馬は驚きルイズは振り落とされる、咄嗟の事ながらもルイズはかろうじて受身を取った。馬はそのまま走り去っていく。 それは焼け焦げた鞍のようだった。空中から落ちてきたこと、さらには大きさから鑑みるにおそらくは竜の・・・。 「ふぅ~・・・」 ルイズは大きく息を吐いた。 アーカードから体捌き等を教えてもらう以前の自分だったら、きっと無様に地面に叩き付けられ怪我を負っていたことだろう。 「あっ・・・」 次にルイズは目の前に落ちた物に気付いた。それは姫さまから預かった『始祖の祈祷書』であった。 受身を取れたはいいものの、弾みで落ちてしまったしまったようだ。 ルイズは手早く拾うと同時に、何か違和感を感じた。 (光ってる・・・??) 『始祖の祈祷書』は僅かに発光していた。同時に姫さまから頂いた水のルビーも、ルイズの指で同じように仄かな光を発している。 恐る恐る開くと、白紙だったはずのページにずらっと古代ルーン文字が羅列されていた。 ルイズの鼓動が大きく脈打つ。それを読み進めていく内に、思わず胸の辺りを手でギュッと握った。 読める。内容がわかる。これは――――――。 空に目を向ける、敵旗艦とレキシントン号は遠めでも肉薄するくらいの距離まで近付いていた。 (・・・・・・マスト?) 敵旗艦に突き刺さったナニカ、そしてレキシントン号からなくなっているモノから推察する。 (アーカードは相変わらず随分な無茶を・・・) あんな破天荒なことを出来るのは、自分の使い魔しかいないだろう。 彼女は彼女の策で示威行動をしていた敵艦を潰し、しかもそれを奪って援軍として駆けつけてくれたのだ。 「すゥ~~~・・・はァ~~~・・・」 ルイズは何度か深呼吸をする。心が妙に落ち着き、少しずつ高揚してくるのがわかる。 『始祖の祈祷書』に書かれていたこと、それが意味すること。 そうだ、一体何故自分が『ガンダールヴ』を召喚したのか。 幼き頃から誰一人として説明できなかった、発動しないのではなく『爆発』という失敗。 そして『始祖の祈祷書』に書かれたその内容。 たった今自分から湧き上がってくる不思議な感覚。全てを照らし合わせて見えてくる結果。 ゼロ 『虚無』のルイズ。 ルイズはギュッと拳を握り締めた。そうだったんだ、落ちこぼれだった理由も・・・その所為だったんだ。 杖を取り出し、始祖の祈祷書を読み進める。知らず知らず唇の端をあげルイズは笑っていた。 ルイズは周囲の様子を一度だけ確認する。 敵軍は混乱していた、それもその筈。敵艦を乗っ取り暴れ回っている自分の使い魔がいるのだから。 だから戦場のど真ん中に立つ一人の少女なんて気にも留まらない。 そもそも制空圏を奪っていた機動力に優れる竜騎兵達は、あらかたアーカードが撃墜したのだから当然だった。 敵艦隊は思うように動けず、地上軍は遠目で見る限りはまだまだ離れている。 ルイズは一呼吸を置き、詠唱を始める。自分の中でナニカが渦巻き、それが高められていくのが分かる。 期待が確信に、推測に過ぎなかったものが事実へと変わった。 嬉しさの余り叫びたくなるものの、詠唱を始めた以上中断するわけにはいかない。 しかしそんな雑念もすぐに振り払われていった。 ◇ アニエスは必死に馬を走らせ、ようやくルイズの姿を確認した。 桃色の髪を伸ばした小柄な少女。乗っていた馬はどこに消えたのか、たった一人戦場の中で立っていた。 「ヴァリエール殿!!」 アニエスは叫んだ、周囲に敵影がないとはいえ戦場に突っ立ってるなど危険すぎる。 いつ砲弾が飛んでくるかもわからないのだ、しかし声を掛けるものの応答がない。 馬でルイズの前方へと回り込む、そこでようやくルイズが詠唱しているということに気付いた。 馬から降りて近付く、しかしルイズは自分に気付く様子はなかった。 「ラ・ヴァリエール殿?」 再度声を掛けるもののそれを意に介さず、それぞれ書と杖を片手に詠唱を続けていた。恐ろしいまでの集中力である。 アニエスは空を見上げる。 レキシントン号はトリステイン軍に見向きもせず、アルビオン艦隊旗艦まで接近していた。 信じ難いがルイズの言った通り、あそこにはアーカードが乗っているというのか。 俄かには信じ難い。しかしあの少なくとも敵ではない艦が現れてから、流れが大きく変わったのは事実であった。 そしてアルビオン軍は乱れていた。指揮系統のトップに位置した旗艦は炎上し、艦隊はまともに動けなくなっている。 たった一隻の船が戦局を変えてしまった。劣勢であったが今攻めれば恐らく同等の戦いは出来るだろう。 もしそれがたった一人の使い魔がもたらした結果であるなら、その者は英雄というより他ない。 普通の魔法では考えられない長い長い詠唱を終えた。 ルイズはその威力を理解する、アーカードを巻き込んでしまうのが問題だったがそれも杞憂に終わった。 対象を選べる。全てを消し飛ばすか、一部を破壊するか。 尤も全てを吹き飛ばしたところで、己の使い魔だけはきっと何食わぬ顔をしてるんだろうな、などと思っていたが。 艦隊とは距離がある、しかし問題はない。 標的は敵旗艦、そして周囲の艦隊、その全て。 いつの間にか目の前にアニエスがいるが、気にしない。 ルイズは万感の想いを胸に、杖を振り下ろした。 風を切る音に、アニエスは振り向く。見ればルイズがその鳶色の瞳を見開き、掲げていた杖を振り下ろしていた。 その視線は自分よりも遥か後方、アルビオン艦隊を真っ直ぐ見つめていた。 アニエスはまたアルビオン艦隊の方向へと視線をやる、形容するならそれは太陽。 燦々と照りつける、遥か空の上の太陽とは別に、中空に光球が出現した。 光は見る見るうちに艦隊を包み込み、音もなく爆発する。 全てが終わった後に見た光景は、艦隊の全てが炎上する姿。 そしてそれら全部が、ゆっくりと一斉に地上へと墜落していく。普通見ることなどありえない、とてつもない光景であった。 (一体何が・・・・・・!?) そこではっとしてアニエスはルイズへと再度振り向いた。 ルイズは崩れ落ち、トスっと地べたに座り込んだ。そして大きく息を吐く。 これはまさか――――――ヴァリエール殿が・・・? タイミングまさにそれだった。ルイズが杖を振り下ろし、そして光が膨れ上がった。 これまでの状況を鑑みるに・・・、一連の不可解な行動、その全てにある種の一貫性があるように感じた。 「ぁぁ・・・そういえばアニエス、こんなところで何やってるの・・?」 思惟に耽るアニエスを、ルイズは呆けた目で見つめる。 「あ・・あぁ、姫さまに頼まれて・・・ラ・ヴァリエール殿を守るようにと」 「そう」とルイズはそっけなく言い、次に破顔一笑する。 「はぁ~~~・・・・・・、アーカード大丈夫かなあ?」 そう言って大の字に寝転がる。アニエスはそんな少女を暫し呆然と見つめていたが、跳ねるようにルイズの上半身が起き上がった。 「そうよ!早く姫さまのトコに行かないと!!」 次にルイズは弾かれたように立ち上がる。 「アニエス、馬どこかに行っちゃったから後ろに乗せて。あなたも近衛なんだから、すぐ姫さまのところに行かないと――――」 しかしアニエスは首を振った。 「アルビオン軍は空の主力を失い、謎の攻撃で士気は大いに下がっている。即ち敵はまともな支援も受けられない上に混乱している状況。 即ち今は絶好の機と言えます、これをみすみす逃すとは到底思えません。つまり・・・――――――」 そこまで言ったところで、遠くから怒号のようなものが聞こえる。 方角はルイズやアニエスがきた方向、トリステイン軍がいる陣であった。 「なるほど」 ルイズは納得した。自分達から行かなくても向こうからきてくれる、チャンスは今この時を以って他にないのだ。 「しかしここは通り道になるでしょう、早く離れる必要はあります」 アニエスはそう言うと馬に乗る、ルイズも頷いて後ろに乗った。諸々ルイズに聞きたいことがあったが、アニエスは黙っていた。 表情には出してないがかなり疲労してるようだし、自分の背に体を預けてくるのがわかったからである。 トリステイン軍は勝てる。流れは完全にこちら、勢いもある。 それもこれも恐らくは、自分の後ろにいる小さな英雄のおかげだろう。 そして小さな英雄が放った魔法を、最大限効率的に作用させる為に、艦隊を足止めしたその使い魔。 確たる根拠はない。が、アニエスは何故か確信に近い思いを抱いていた。 ◇ 草原は墜落した艦隊の墓場のようになっていた。残骸の一部から手が伸び、一人の少女が這い上がって姿を現した。 「ケホッ・・・ケホッ」 艦内にいた筈なのに・・・いきなり視界に光が満ちた、と思えば船が落ちた。 周囲を見る、上空を見る。艦隊全てが落ちていたようだった。 追い詰め殺し損ねた連中が、自分の姿を見つけ逃げているようだったがそれすらも気にならない。 「わけが・・・わからん」 アーカードは空を仰いだまま一人ごちた。 前ページ次ページゼロのロリカード
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水氷の塔【水属性限定/水無し】 概要 フロア1.忍び寄る魔手 フロア2.鏡水の回廊 フロア3.神威の騎士 フロア4.灼熱の御霊 フロア5.海を裂く大槍 コメント 水氷の塔【水属性限定/水無し】 概要 風樹の塔をクリアすると出現する。 全てのフロアをクリアすると魔法石を1つもらえる。 「 メイン属性が 水属性 のモンスターのみ 」で編成されたPTだけが挑戦でき、さらに「 水ドロップが出現しない 」制限付きダンジョン。 通常の方法では攻撃できないので、以下のいずれかを満たすモンスターが必須となる。 ドロップ変換系のスキルを持つモンスター サブ属性に 水属性 以外 のモノを持つモンスター (おすすめ:樹のアイスオーガ) 攻撃スキルを持つモンスター 「ケルピー」を入手することができる唯一のダンジョンである。 常設ダンジョン(ノーマル/テクニカル)の中では「氷結獄・フロストデーモン」を進化した状態で入手することができる唯一のダンジョンでもある。 すべてクリアすると次ダンジョンは猛炎の塔 モンスター名 HP 防御 攻撃 タ | ン 使用スキル 備考 スキル名 効果 マリンゴブリン 28 646 3 回復妨害 回復ドロップがお邪魔ドロップに変化 Lv2マリンゴブリンをドロップ サファイアドラゴン 192 2 Lv1サファイアドラゴンをドロップ バブルキメラ 50 248 2 連続攻撃 連続攻撃348(174×2)ダメージ Lv1バブルキメラをドロップ ペンペンドラ 204 2 ようすを見ている 何も起こらない Lv1ペンペンドラをドロップ 神化の碧面 18 60,000 9,999 6 ファイアバインド 火属性モンスターが数ターンの間、行動不能 Lv1神化の碧面をドロップ サファペンドラ 192 2 ようすを見ている 何も起こらない ※稀に出現 Lv1サファペンドラをドロップ フロア4以降出現 フロストデーモン 773 1 リーフバインド 木属性モンスターが数ターンの間、行動不能 ※フロア4以降出現 Lv2フロストデーモンをドロップ ※備考に特別な記載がなければそのモンスターは「 全フロアで出現 」します。 ※出現フロアが限られているものの情報は備考欄へお願いします。(記載例:※フロア3以降出現) ※HPは、グラビティ系を使用しての推測値です。 ※各フロアで固定バトル(Boss含む)のモンスターは 宝箱のみドロップします(卵のドロップはありません) 。 ※一部例外があり、他のノーマル/テクニカルダンジョンで入手手段があるものは卵をドロップする模様。 フロア1.忍び寄る魔手 【スタミナ:13 バトル:7】 獲得経験値の目安:870 バ ト ル モンスター名 HP 防御 攻撃 タ | ン 使用スキル 備考 スキル名 効果 B7 クラーケン×2 143,787 220 2,732 3 大連撃 連続攻撃4,917(1,639×3)ダメージ Boss 宝箱(10,000)をドロップ ※HPは、グラビティ系を使用しての推測値です。 フロア2.鏡水の回廊 【スタミナ:13 バトル:7】 獲得経験値の目安:1455 バ ト ル モンスター名 HP 防御 攻撃 タ | ン 使用スキル 備考 スキル名 効果 B7 愛と水の精霊・ウンディーネ 186,220 294 2,668 2 スキルガード 10ターンの間状態異常を無効化 Boss 宝箱(10,000)をドロップ キュアー HP中回復(50%程度?) ※HPは、グラビティ系を使用しての推測値です。 フロア3.神威の騎士 【スタミナ:13 バトル:7】 獲得経験値の目安:1517 バ ト ル モンスター名 HP 防御 攻撃 タ | ン 使用スキル 備考 スキル名 効果 B6 神化の碧面×3 18 60,000 9,999 6 ファイアバインド 火属性モンスターが数ターンの間、行動不能 Lv1神化の碧面をドロップ B7 フェンリルナイト・カムイ 116,514 3,800 1,545 1 氷刃乱舞 連続攻撃2,472(618×4)ダメージ Boss 宝箱(15,000)をドロップ 攻撃態勢 5ターン攻撃力上昇(1.25倍) ・通常攻撃:1,931ダメージ ・氷刃乱舞:3,090ダメージ ※HPは、グラビティ系を使用しての推測値です。 フロア4.灼熱の御霊 【スタミナ:13 バトル:7】 獲得経験値の目安:903 バ ト ル モンスター名 HP 防御 攻撃 タ | ン 使用スキル 備考 スキル名 効果 B6 ケルピー×2 4,287 54,000 5,658 3 攻撃力2倍(一体になると使用) Lv2ケルピーをドロップ B7 焔の霊魂・ウィルオーウィスプ 4,367 54,000 2,896 1 Boss 宝箱(15,000)をドロップ ※HPは、グラビティ系を使用しての推測値です。 フロア5.海を裂く大槍 【スタミナ:16 バトル:10】 獲得経験値の目安:1850 バ ト ル モンスター名 HP 防御 攻撃 タ | ン 使用スキル 備考 スキル名 効果 B5 ケルピー×3 4,287 54,000 5,658 3 Lv2ケルピー/宝箱をドロップ B8 氷結獄・フロストデーモン 170,280 320 2035 1 イビルスラッシュ 連続攻撃3,666(511×6)ダメージ Lv2氷結獄・フロストデーモン/宝箱(10,000)をドロップ B9 焔の霊魂・ウィルオーウィスプ 4,367 54,000 2,896 1 ファイアーボール 3520 宝箱(10,000/15,000)をドロップ B10 海王神・ネプチューン 53,327 30,000 10,868 3 気合溜め 海神の槍 次回攻撃時ダメージ2倍(21,736ダメージ) 連続攻撃16,302(8,151x2)ダメージ Boss 宝箱(15,000)をドロップ ※HPは、グラビティ系を使用しての推測値です。
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前ページIDOLA have the immortal servant 六人と一匹を抱えているシルフィードは今ひとつ本来の速度を出すことができなかった。 だが、レコン・キスタは、オルガ・フロウとの交戦に手一杯だった。 ウェールズとジェームズ一世の脱出も知る由がなかったし、察知できたとしても、その場合は追撃部隊を最優先でオルガ・フロウが叩く。結局はシルフィードを追うことなど叶わなかっただろう。 一行は敵に追い立てられることも無くアルビオンを離脱し、夕方頃にはトリステイン魔法学院の近くまで無事帰ってくることができたのである。 その間キュルケ達はデルフリンガーから『女神の杵』亭で別れた後の経緯の説明を受けていた。ルイズから話を聞こうにも、アルビオンを脱出してからこっち、殆ど放心状態だったからだ。 「先住で、人間に姿を変えられる者もいる」 フロウウェンの変身について話が及ぶと、タバサはそう口にした。事実として、彼女の使い魔であるシルフィードがそうなのだ。 「じゃあ、あれがおじさまの本来の姿だって言うの?」 「わからない」 タバサは首を横に振った。あれが本来の姿なのか、それとも一時的に姿を変えられるのか。テクニックの類ではないとも言い切れないが、少なくともルイズもデルフリンガーも、あれを知らなかったようだ。 シルフィードが肩越しに振り返ってタバサを見やる。 主の話に、シルフィードは補足を入れたかったが、口にヴェルダンデを咥えたままで何も喋れないのがもどかしい。最も、何も咥えていなくても、タバサは皆の前でのシルフィードの発言を許してはくれなかっただろうが。 シルフィードがあれに感じたのは、本能的な恐怖だ。それを後押しするように、精霊達があれは忌むべきものだと教えてくれた。 「デルフリンガー。マグは何か知らないの?」 マグはフロウウェンの文明の防具であるが、独自の意思と知性を持っている。そしてデルフリンガーはマグとの意思疎通が可能であった。それを思い出して、キュルケが問う。 「マグは、あれは自分達とは似てるが違うって言ってるな。俺もあれを見てから、なんか引っかかるものはあるんだが、一向に思い出せねえ。まあ……何だ。思い出せたらすぐ知らせる」 困ったような声でデルフリンガーが答える。 「おじさまに関しては、現時点じゃ、情報が少なすぎるわね」 キュルケが肩を竦めた。 「ワルド子爵について。情報の漏れ方からして、白い仮面のメイジは遍在」 タバサが言うと、ウェールズが頷いて、その推論に同意する。 「恐らくはそうだろうな。だが、レコン・キスタとは袂を分かつような口振りだった。だとするなら、何故ラ・ヴァリエール嬢や僕に襲い掛かったのだろうな」 「クロムウェルは虚無の力を持つと、噂が流れたことがあろう」 それまで話を黙って聞いていたジェームズ一世が静かに口を開いた。 「それが『アンドバリ』の指輪を根拠にしたものだとしたら、虚無に魅せられて従う者もおろう。じゃが、秘密さえ知ってしまえば子爵にとってレコン・キスタは不要。 大方、手柄を立てて信頼を得て、クロムウェルの寝首をかこうと思ったのではあるまいか」 一同はなるほどと頷いた。確かに、それならばワルドの行動にはつじつまが合う。 そうすると、ルイズに求婚していたのは、虚無の力を欲するが故の行動ということになる。 やっぱりろくでもない男だった、とキュルケは溜息をついてルイズの方を横目で見やるが、彼女はワルドの話が出ても無反応で押し黙ったままであった。 やがて、草原の向こうにトリステイン魔法学院が見えてくる。すると、学院からもこちらの姿を確認したのか、学院上空を舞っていたマンティコアが編隊を成し、シルフィードに向かって飛んでくる。 「私はトリステイン王国魔法衛士隊マンティコア隊隊長、ド・ゼッサールである。貴公らは何者か!」 マンティコアの背に跨る、髭面の男の誰何の声が飛んだ。 「こちらにおわすのはアルビオン王国国王ジェームズ一世陛下であらせられる。私はアルビオン王国皇太子ウェールズ・テューダー。至急、アンリエッタ王女陛下に取り次ぎを願いたい」 「へ、陛下と、皇太子殿下にあらせられる!? こ、これは知らぬこととは言えとんだご無礼を……!」 隊長は二人の顔を認めると、蒼白になって帽子を脱いだ。 「このような状況では詮方ないことだ」 ウェールズは笑う。ド・ゼッサールはその言葉に胸を撫で下ろした。 マンティコア隊が一行の周囲を飛んで守りを固め、ド・ゼッサールは一足先にジェームズ一世到着の報をアンリエッタに知らせる為、魔法学院へと飛んだ。 一行はマンティコア隊に中庭へと誘導される。シルフィードが着地し、ウェールズとジェームズがその背から降り立つと、アルビオンの貴族達が歓声を上げて二人に詰め寄った。 「陛下! 殿下! ご無事でしたか!」 「突然ゲートが閉じてしまったので、何が起きたのかと心配しておりもうした!」 「あいや、各々方。心配をかけた。これこの通り、朕らは健在であるぞ」 ジェームズ一世が言うと、一同は笑い合った。 「アンリエッタ姫殿下と、オールド・オスマンがお待ちしております。こちらへ」 「うむ。では参ろうか」 ド・ゼッサールが、一行を本塔へと案内すべく先導する。アルビオン王党派が口々に謝意を述べて一行を見送った。 後になって聞いたことだが、突然ゲートが消えたのでかなりの混乱があったらしい。アンリエッタとオスマンが宥めたので一先ずは落ち着いたが、二人の身に何かがあれば、アンリエッタはかなりまずい立場になっていただろう。 そんな経緯もあって、アルビオン貴族達は国王と皇太子の身を案じていた。その反動故か、二人が顔を見せた時の王党派の喜びようといったら凄まじいものがあったのである。 学院長室にルイズらが通されると、そこにはアンリエッタとオスマンが待っていた。 アンリエッタはウェールズとジェームズに微笑みかけたが、一行の中に血と泥で汚れたルイズを認めると、血相を変えてルイズに駆け寄り、彼女を抱き締めた。 「よ、汚れます。姫さま」 「汚れがなんだというのです。ルイズ。ああルイズ。よく無事に帰ってきてくださいました」 「姫さま……」 アンリエッタのねぎらいの言葉に、ルイズの頬を涙が伝う。 「怪我をしているのですね。ルイズ」 ルイズはあちこちを擦り剥いていたが、アンリエッタが治癒の魔法でそれを塞いでくれた。 「勿体のうございます。姫さま……。どうか、わたしなどのことより、陛下と皇太子殿下を」 「ルイズ……」 アンリエッタはルイズと数瞬の間見詰め合っていたが、彼女から離れると公人の顔に戻り、ジェームズとウェールズに向き直って恭しく挨拶をした。 「陛下。ウェールズさま。遠路、よく参られました。トリステイン王国はアルビオン王家を心より歓迎致しますわ」 「此度の姫の御厚意、誠に痛み入る。朕と、朕の臣民らに代わり、心より御礼申し上げる」 それから、アンリエッタは二言三言、ジェームズと言葉を交わすと、キュルケ達に言う。 「あなた達も、よくルイズを助けてくださいました」 「勿体無いお言葉にございます」 「ワルド子爵と、ルイズの使い魔が見えないようですが?」 一行を見渡して、アンリエッタは尋ねる。 「子爵は……貴族派の手の者でした」 「そんな……魔法衛士隊にまで裏切り者が……?」 その言葉に、アンリエッタは衝撃の色を隠せない。 ルイズの婚約者ですら裏切りを働くとは、最早誰を信じればいいのかすらわからない。 「やはり……『アンドバリ』の指輪の力ですか?」 「いいえ。ワルド子爵は自分の意思で動いていたようです。わたしの使い魔は……」 ルイズは俯いて言い淀む。 「フロウウェン殿は、朕らを逃がす為に囮となってアルビオン艦隊の足止めに向かった」 ルイズの言葉を、ジェームズが引き継いだ。アンリエッタはルイズとジェームズの顔を交互に見て、蒼白になった。 「そ、それでは彼は……!?」 「アルビオンに残られた。かの者がいなければ、朕らは生きてトリステインの土を踏むことも無かったであろう」 「そんな……。一体何があったというのです!?」 アンリエッタの言葉を受けて、キュルケがデルフリンガーから聞いていた顛末を語る。 傭兵の襲撃。ラ・ロシェールからの脱出。空賊に偽装したウェールズと出会ったこと。亡命を決めた矢先の艦の消失。ワルドの裏切り。フロウウェンの変容。アルビオンからの脱出。 傍らで涙を堪えながら話を聞いているルイズの姿が、アンリエッタの目に痛ましかった。ルイズの心はどれほど傷つけられたであろうか。 ワルドを同行させさえしなければという後悔と自責の念に駆られ、アンリエッタは目を伏せた。 しかし、ルイズが自分から志願しなければ、恐らくアンリエッタはワルド単独で密使を送ることになっていたはずだ。 その場合、王党派の亡命も無かっただろうし、手紙は奪われ、『アンドバリ』の指輪の情報を掴んだことが、ただ漏れてしまうだけという最悪の結果に終わっていたはずだった。そういう意味では、アンリエッタに運があったのだと言える。 オスマンが口を開いた。 「姫。ミス・ヴァリエールは長旅で疲れておる様子。詳しい話は後日伺うとして、今日のところは休ませてやるのがよろしいでしょう」 その提案にアンリエッタは頷き、一行は学院長室から退出した。 退出した途端、全て終わったという実感が押し寄せてきて、ルイズの身体から力がどっと抜けていった。 ルイズは俯いて、嘆息した。改めて自分の身体を見れば、酷い有様だった。 『エア・ハンマー』で弾き飛ばされ、鍾乳洞を転がった時に付いた泥。それからフロウウェンの血。それらで衣服は勿論、髪も、顔も、手も、足も汚れていた。 ブラウスについた血の痕を見ながら呆然としているルイズに、キュルケは首を横に振る。それから、彼女の腕を取った。 「何よ、ツェルプストー……」 いつもなら自分が触れようものなら烈火の如く怒り狂うであろうルイズだが、振り払おうともしない。相当重傷だ。 「まずはお風呂よね。長旅で汗でべた付いて、気持ち悪いったらないわ。着替え持ったらみんなで大浴場行くわよ。じゃあ、またね、ギーシュ」 「ん? あ、ああ。また」 キュルケはそのまま有無を言わさず、ルイズを引っ張っていく。タバサもそれに着いていった。 「……女の子同士の友情、か」 ギーシュは三人の後ろ姿を羨望の眼差しで見送りながら、溜息をついた。 ルイズとはそれほど親しかったわけではないが、最近何故か行動を共にする機会が多かった。 あの勝気なルイズが、あんなに落ち込むのを見るのは、初めてだった。 「やっぱり……誰であれ女の子の悲しむ顔は、見たくないな」 モンモランシーや姫殿下が、笑顔でいてもらう為に。自分には何ができるのだろう。 生きて帰ってこれた喜びも束の間のものだ。自分は兄達と違って魔法の才能に乏しい。 だが、もう少しできることはあるはずだ。 生徒達が平時に利用する時間とはズレていたので、大浴場はキュルケ達の貸切であった。正確には、大浴場の掃除に来ていたシエスタがいた。 「ど、どうしたんですかっ! ミス・ヴァリエール!?」 乾いた血と泥と涙と汗の痕で、ルイズは普段の毅然とした姿が想像できないほどボロボロだった。思わず詰め寄って、シエスタは事情を尋ねていた。 「あなた。名前は?」 隣にいたキュルケが問う。 「シエスタ、です」 「もしかしてヴァリエールと親しいの?」 「いえ、その。ヒースクリフさんとよく話をしているもので」 「そう。おじさまと……」 キュルケは目を閉じると、アルビオンに行ったことと、やむなくフロウウェンが敵の目を引き付ける為に囮として残ったことを、掻い摘んでシエスタに説明した。シエスタはその言葉に衝撃を受けたらしい。 「じゃ、じゃあヒースクリフさんは!?」 「わからないわ」 青い顔で問うシエスタに、キュルケは首を横に振った。 「あたしは、無事だって信じてるけどね。ねえ、シエスタ」 「……なん……でしょうか」 「あなたも一緒にどう?」 キュルケは大浴場の湯船を指差して言う。 「え?」 いきなり何を言い出すのだろう、ミス・ツェルプストーは。自分にも一緒に入れ、ということだろうか。 だが、貴族の風呂に平民が入ることは許されてはいないはずだ。 シエスタが戸惑っていると、キュルケは声を潜めて、シエスタに言った。 「ヴァリエールがあんなだし、ちょっと頼めないかしら。あたしとヴァリエールは不倶戴天の敵だし、ね」 不倶戴天の敵などと言いながら、彼女はルイズのことを気にかけているのだ。それが解ったから、シエスタは頷いた。 シエスタはタオルを身体に巻くと、ルイズを座らせ髪を濯ぎ、次いで泥と渇いた血と汗を、桶に汲んだ湯で丁寧に洗い流していく。その間も、心ここに在らずといった調子で、ルイズはされるがままであった。 華奢な身体だった。白蝋のような肌理細やかな肌はシエスタから見ても羨ましいくらいだが、暗く沈んだ表情と合間って、余計に弱々しく見える。 シエスタはルイズが学院でどんな立場であったかを、見て知っている。それでも、こんなにルイズが小さく見えたことは無い。 いつも胸を張って歩いて、気難しい拗ねたような顔をして、小さな身体でも精一杯自分を大きく見せている少女だった。 それでもフロウウェンが来てからは、肩肘を張るようなところが少なくなって、自然に振舞うようになってきたと思う。そんな少女に、始祖ブリミルはどうしてまた大事な人を取り上げてしまうような運命を課すのだろう。 ブリミル教の司祭あたりならこれも試練などと言いそうなものだが、ブリミルはメイジ達の崇める存在であるし、シエスタは殊更信心深いというわけでもない。ただ、ルイズが気の毒で、フロウウェンの身が心配だった。 ルイズの身体を一通り洗うと、その手を引いて湯船に導くと、縁に背を預けさせた。 「…………」 キュルケに連れられるまま大浴場に来たが、自分はどうしてこんなところにいるのだろう、何をしているのだろうと、ルイズは自問する。取りとめの無い思考が頭を埋め尽くす。 疲労と湯船の心地よさで鈍った思考では、考えは少しも纏らなかった。ただ、フロウウェンのことだけが、片時も頭を離れない。 フロウウェンはどうなったのだろう。こちらの合図に気付いて、ちゃんと逃げてくれただろうか。 (どうして、あの時わたしは―――) 皆、ルイズの側にいたが、あまり多くの言葉は発しなかった。大丈夫だと安請け合いなどできないし、慰めを口にすればフロウウェンが帰ってこないことを認めてしまうことになる。 側にいてやることぐらいしか自分達にできることはない。けれどそれは、今は気付かなくても支えになってくれるものだと、タバサもキュルケも、シエスタも知っていた。 戦闘の時間はわずかだったが、レコン・キスタの被った損害は計り知れなかった。陸軍は兵器も軍馬も使い物にならず、負傷者を見れば怪我をしていない人員を数えた方が早いという惨状だ。 では空軍はといえば、あの短時間の戦闘の間に多数の艦が航続能力を失くし、竜騎兵も多数が撃墜され、相当な被害を受けた。 だというのに、死者の数は全軍が受けた損害の割にはさほどでもない。その内訳の殆どは陸軍では仲間に踏み潰された結果だとか、空軍の場合、同士討ちの流れ弾や竜が撃墜されて逃げ遅れたというものであった。 水の秘薬はあっという間に足りなくなり、傷病兵の治療もままならない状況だ。多数の傭兵達が脱走していることも手伝って、士気もどんどん下がっている。 戦闘から二日を経過した今でもレコン・キスタは軍の立て直しができていなかった。貴族派は無人のニューカッスルを遠巻きに陣から囲んだまま、未だ恐怖と混乱から立ち直れず、あの城に近付くことができずにいるのだ。 神聖なる王権に杖を向けた報いなのではないかという噂が広がっていた。王党派の降将や貴族議会の過半数、有力なアルビオン貴族が戦闘中に突然死したことにもそれに拍車を掛けている。 実際のところは、『アンドバリ』の指輪の制御を断たれてしまったからだ。全軍で同時に起こったことである為に目撃者は数え切れず、今更指輪の力を再度行使して大っぴらに生き返らせるわけにもいかなかった。 クロムウェルが死者を蘇らせる『虚無』を用いることができるというのは、公になっていることではないからだ。 公にしてロマリアに目を付けられてしまえば、虚無を標榜した以上は力を見せろと審問されるだろう。精査されれば指輪の力がバレてしまう可能性がある。 また、『アンドバリ』の指輪自体が伝承やら御伽話の類として伝わっていて、クロムウェルの能力に思い当たる者がいないとも言い切れない。 だから、神秘性を高めることで自分のカリスマを高める手段として指輪を利用してはいたが、クロムウェルは一部の者にしかその力を見せていなかったのである。 それも、裏目に働いていた。 虚無の力が真実であってもなくても、制御が解けてしまったことで、クロムウェルの復活の魔法は完全では無いということを、その「一部の者達」に知らしめてしまう結果になった。 王権に歯向かった報いなどという噂が広まっていれば尚のこと。虚無の加護はクロムウェルになどないという結論に達してしまう。 そういった背景もあって、クロムウェルはゆっくりと確実に求心力を失いつつあった。 それでも戦さに勝てれば良いはずなのだが、ほぼ全軍を示威の為にニューカッスルに結集させていたのが致命的だった。例え、他国と結ばないトリステイン軍単独と戦っても、大敗は火を見るより明らかなのだ。 問題は「既に見えている負け戦」を、どう少ない被害で切り抜けるかという段階なのだが、これをそつなくこなせる者は古今名将と呼ばれるだろう。勿論クロムウェルに、そんな手腕は無い。 傭兵が我先に逃げ出している状況だ。レコン・キスタの現状は遅からずトリステインに伝わる。こちらから講和などと言い出せば弱っていると告白するに等しい。 クロムウェル自身もその現状を把握していた。だができることはと言えば、トリステインの貴族らが日和見で、こちらに攻めてこないことを祈るだけだ。 ガリアの援軍は期待できない。傀儡に過ぎない自分がこれほどの失態を犯せば、陰謀の漏洩を恐れてシェフィールドがそのまま刺客になることだって有り得る。故に信頼には足らないが、他に縋るものもないので邪険にもできない。 トリステインとアルビオンの立場は、たった数日で逆転していた。 「どうすればいい。どうすればいいのだ……」 焦燥し切った顔で天幕の中を右往左往するクロムウェル。シェフィールドはそれを冷やかな眼差しで見やる。自問自答するような調子ではあったが、その実自分にアイデアを求めているのが解ったからだ。 『アンドバリ』の指輪をクロムウェルに知らせたのはガリア王ジョゼフと、その使い魔のシェフィールドであったが、それは始祖と虚無を貶めてやろうという目的があったからこそだ。 クロムウェルがシェフィールドをどう思っているかは知らないが、無様に怯えて指輪の制御を手放してしまうような男を助ける義務など彼女にはない。 何より既にジョゼフの興味の対象は、あの黒い巨人に移っている。これからの流れを見届け、レコン・キスタがどうなるかに目算がついたら、シェフィールドは巨人の調査に向かうことになるだろう。 伝令の兵がクロムウェルの天幕に駆けつけてきて、報告した。 「申し上げます! ニューカッスルに遣わした使者の報告によりますと、ニューカッスル城は無人とのこと!」 「無人……?」 クロムウェルは眉を顰めた。巨人がニューカッスルを護るように現れ、王党派は行方知れず。何とも、不気味な話だ。 あの巨人さえ現れていなければ、恐れをなして逃げ出したのだと笑うこともできただろうに。 それから数刻後、ようやくレコン・キスタはニューカッスル城に足を踏み入れるに至る。 そして、ウェールズの部屋から発見されたアンリエッタの書状は、これ以上無いほどクロムウェルの肝胆を寒からしめたのであった。 自分の名を呼ぶ声と、ドアをノックする音。 ルイズは目を覚ました。 部屋は薄暗かった。空は厚い雲に覆われて、静かに雨が降っている。 「っ……」 首に手をやってルイズは眉をしかめる。 寝起きの気分は最悪だった。首が痛む。枕が無かったからだ。 ワルドにエア・ハンマーで撃たれた時に手放して、そのままニューカッスル城の港に置いてきてしまったらしい。 覚醒しきらない意識のままベッドを這い出して、機械的に扉を開ける。と、そこにシエスタが立っていた。 「……シエスタ……」 ぼうっとした表情で、ルイズが言う。 「はい。お昼になっても姿がお見えにならないので、その……」 キュルケからはそれとなくルイズを見ていて欲しいと頼まれている。シエスタ自身も同じ気持ちでいた。 「そう……。もう、お昼、なんだ」 気の無い返事を返すルイズを、シエスタは心配そうな目で見やった。 ルイズは緩慢な動作で部屋の中に戻って着替え始めた。 シエスタがそれを手伝おうとすると、ルイズは首を振って止める。 「いいの。一人でできるから」 「も、申し訳ありません。ミス・ヴァリエール」 かえって迷惑だったか、とシエスタが俯く。そんなシエスタを見て、ルイズは申し訳ないような、居た堪れない気分になった。だから視線を逸らして、ぶっきらぼうに言った。 「別に……邪魔っていうわけじゃないわ。ヒースとの約束だからそうしてるだけ。だから……そうだ。わたし昼食に行って来るから、部屋の掃除をしておいて貰えると嬉しいんだけど」 「掃除、ですか?」 「わたしの部屋、少し人の出入りが激しかったから」 王党派の避難経路に使われたということもあり、床が汚れていた。誘導にあたったアルビオン兵の手際が見事だったせいか、部屋の中のものが荒らされた形跡はないが。 「わかりました」 シエスタはにこりと微笑んで頷く。 ルイズはシエスタの笑顔を背中に受けながら見送られ、アルヴィーズの食堂に向かった。 食堂に一歩立ち入るなり、自分に視線が集まるのがわかる。 最賓の客であるジェームズ一世と、皇太子ウェールズ、王族の親類縁者は学院に逗留しているがアルビオンから亡命してきた人々は、土メイジを総動員して学院の隣に作らせた仮設の建物で過ごしている。 見慣れぬ人々が別の建物に隔離されたということもあり、学院にはどこか緊迫した空気が流れてはいたが、表向きは平穏を取り戻していた。 ただ―――ルイズがアルビオン貴族の出現に何か関係しているのではと噂が広がっていたのだ。 王党派が避難を始めたのは生徒達が朝食の為に食堂に向かってからだったので、ルイズの部屋から避難民が溢れてくる光景を目撃した者はいない。 だがそれでも、女子寮からアルビオンの貴族が出てきたことまでは隠せていない。 さらに魔法衛士隊のワルドと共に彼女が学院を出て行く姿を何人かの生徒が見ていた。 歳相応の好奇心と想像力もあって、それとアルビオン貴族を結び付ける者がいたのである。 アルヴィーズの食堂でも昼食をとるために現れたルイズらは注目の的であった。 だが、キュルケはあけっぴろげに見えてその実口が堅く、タバサに聞いてみても暖簾に腕押し。お調子者のギーシュですら、欠席中のことを聞くと歯切れが悪くなるのだ。 消去法で残ったルイズはというと、現れてみれば目に見えて暗い表情であった。 皆は彼女の纏った雰囲気に尻込みして何も聞けずにいたが、自分の顔を伺っている者が多いことはルイズにも解る。余り気分の良いものではなかった。 味もよく解らない、つまらない食事を終えて自室に戻ると、床の掃除はもう終わっていて、シエスタがベッドを整えているところだった。 戻ってきたルイズの顔を認めると、シエスタが少し申し訳なさそうな顔で言ってきた。 「ミス・ヴァリエール。あの、ベッドの中から封筒を見つけたんですが」 「封筒……?」 ルイズの反応で、シエスタは封筒の存在を、彼女が知らなかったことを悟った。 「あ。もちろん、中は見てませんよ? くしゃくしゃになっちゃうといけないと思って、机の上に置いてあります」 見れば、その言葉通り机の上に封筒が一通、置いてある。封筒には一言、「ルイズへ」と記されていた。 「……―――!」 呆けたような面持ちであったルイズは、それを認めた瞬間、大きく目を見開いて封筒に飛びついた。 慌ててそれを開いて、中に入っていた手紙を広げる。左から、右へと視線が動いて、文字を追う。 『ルイズへ。 もし、この手紙を見付けた時、オレの身に何もなく、日々が平穏であるなら、ここから先は読まずに、この手紙を見つけたことも忘れて欲しい。 そうでない時。つまり、オレがお前の前から姿を消して、帰ってこないような場合だけこの手紙を読んで欲しいのだ。そう思ってこれを認めている。 ところで、しっかりと読める文章になっているだろうか。なにぶん、こちらの文字は覚えたばかりだから、きちんとオレの意図が伝わっているかは不安が残る。実はこの手紙も、何度か書き直しているものなんだ。 ―――と、話が逸れたな。 もし、オレが自分の意思でお前の前から姿を消す時が来るなら、それはオレがオレで無くなった時だろう。 こう言っても何のことか解らないだろうから、最初からオレのことや、ラグオルを取り巻く状況を説明しておく必要があるだろうな』 ―――間違いない。これは、フロウウェンが自分に宛てた手紙だ。 逸る心を抑えて、手紙を読み進める。そこには、想像を絶することが記されていた。 パイオニア計画とラグオルの真実の姿。フロウウェンの立場。理想と現実の間で揺らぐ苦悩。 ラグオル地下の巨大遺跡。古代宇宙船内部の亜生命体。その討伐部隊の指揮を取ったこと。 生還の代償に受けたD因子の傷。正気の沙汰とは思えぬオスト博士の実験。政府の裏切り。爆発と覚醒。そして、リコ・タイレル。 まるで、物語を読んでいるようでもあり、悪夢の中に迷い込んだようでもある。 そこまで読んだ頃には、フロウウェンが何故自分の前から姿を消さねばならなかったか、ルイズも察しがつくようになっていた。ルイズの考えを裏付けるように、文面は続く。 『この星では奴からの精神への干渉を感じない。あの傷もない。だから一時は逃れられたのかとも思った。 だが、ラグドリアン湖の水の精霊がオレのことを連なる者、と言ったことを覚えているだろうか。 水の精霊は、オレの身は人の血肉を持ちながら自分達に近い物であり、しかし違う何かだという意味で『自分達に連なる者』だと言った。そして、水の精霊の知りえない不確定の要素が二つあるとも言った。 これについて、オレはこう推測する。生体AIオル=ガのコアとD因子のことではないのかと。 もしもまだ、オレの体内にD因子が存在しているのであれば、お前の近くにいるわけにはいかない。 侵食が始まらないのは、ここには本体である存在がいないからなのかも知れん。再びあの化物の姿となったとしても、奴からの干渉さえ無ければ、或いは自我を保てるのかも知れん。 だが、例えそうであっても、D因子の存在を野放しにするわけにはいかないと思っている。 これが、お前の前から姿を消さなければならない理由の全てだ』 やがて、くしゃりと、ルイズの表情が歪んで、その両目から涙がぽろぽろと零れた。それでも歯を食いしばって、手紙を読み進める。最後まで読むことが、自分の責務だと言わんばかりに。 『そうはならないことを祈っている。 オレは、ハルケギニアに召喚されたことも、ここで過ごす日々も、悪くは無いと感じている。ここは居心地が良い。だからこそ惑うのだ。ここにいて良いものかどうか。 オレがお前の前から消えた場合は……オレのことを身勝手な人間だと罵ってくれても構わない。 だが、力は無くとも意思を支えに戦うお前の姿は尊いものだ。 祖国にも理想にも裏切られたオレではあるが、お前だけには剣を捧げる価値はあると思えた。だからどうか、その心を忘れないでいて欲しい。 願わくば、ルイズの道行きに幸多からんことを』 最後に記された、ヒースクリフ・フロウウェンの署名までを読み終え、やがてぽつりと、ルイズが言った。 「……ったの」 「え?」 ルイズは嗚咽を漏らし、途切れ途切れに言う。 「ヒースが、怖かった……。わたし、助けてもらったのに……怖がったから、行っちゃったのかなって……。 わたしが、いけなかったのかなって……ヒースは、わたしのこと……こんなに、考えて、くれてた、のに……!」 手紙を握り締めてルイズは涙を零す。 シエスタはルイズの肩を抱いた。 ルイズが驚いたような表情で見上げると、シエスタは真っ直ぐその目を見詰め首を横に振った。 「ミス・ヴァリエール……わたしは良く事情を存じませんけど……そうじゃないと思うんです」 シエスタは詳しい経緯を知らない。けれど、ルイズが怖がったからいなくなったというのは、違うと思う。シエスタの目にはいつだってフロウウェンは穏やかで優しい人に見えた。 子供の頃、シエスタはタルブの近くの森で、野犬に襲われたことがある。窮地を救ってくれたのは父親だった。 野犬も怖かったが、山刀を振り回して野犬を撃退した父の形相も恐ろしくて。助かったというのに混乱して泣き出してしまったことがある。 そして、それを後悔した。 「大事な人を守りたいから、必死になるんです。それはきっと優しい姿にはなれないけれど」 フロウウェンはきっと、ルイズを笑って許してくれるだろう。悪いことをされたとも感じないに決まっている。 けれど、ルイズが後悔しているのはそういうことではない。 シエスタには解っていた。大事な人を怖がってしまった、自分が許せないのだ。 ルイズの目にまた新しい涙が溢れてきた。 シエスタの胸に顔を埋めて、ルイズはごめんなさい、ごめんなさいと謝りながら泣きじゃくる。 怖がるのも仕方ないと弁護することはできよう。だが自分が許せないというのは、他者にはどうすることもできない。 自分の場合は、後で母親に泣きついて、それから父親に謝った。 せめて―――誰かに心情を吐露することで、少しでも楽になれるなら。 シエスタはただルイズの小さな肩を抱き締めて、柔らかな桃色の髪を撫で続けた。 前ページIDOLA have the immortal servant
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『きょむコン! ~Intercept the Albion forces!~』 朝靄に包まれた小高い丘に、二人の少女が佇んでいた。 一人は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 桃色がかったブロンドの髪が腰まで伸び、鳶色の瞳を持っている。 体形はスレンダーであり、本人の名誉の為に言うなら均整のとれた身体つきである。 その身に黒いマントをまとい、その下には白のブラウスとグレーのプリーツスカートが見てとれる。 いつも強気な表情を浮かべている彼女であったが、今は不安を露わにした表情であった。 もう一人は、パチュリー・ノーレッジ。 藤色の髪が腰まで伸び、アメジストの様な色の瞳を持っている。 頭の上には布製のブカブカな帽子の様な物を被り、三日月を模したアクセサリーが付属している。 体形はルイズよりもスレンダーであり、ある種の儚さを感じさせる。 その身に前の開いたローブをまとい、その下にはゆったりとしたワンピースが見て取れた。 いつも眠そうな顔をしているが、早朝の為か更に眠そうな顔であった。 そして、二人に共通するのは、脇に古めかしい本を抱えている事であった。 二人の立つ小高い丘は、アルビオンの主要都市の一つであるシティオブサウスゴータ南西百五十リーグに位置する場所である。 現在はトリステイン・ゲルマニア連合軍と、アルビオンとの戦争中であった。 連戦連勝を重ねていた連合軍であったが、今はアルビオンの姦計により内部より反乱を起され敗走中であった。 連合軍側は軍港のあるロサイスにて全軍撤退中であり、アルビオン側は追撃するべく、七万の軍勢で迫っていた。 そしてそのアルビオンの七万の軍勢の先陣が、朝靄の中より二人の視線の先に見え始めた。 それに対峙する連合軍側は、ルイズとパチュリーの二人以外は誰もいない。 「パ、パチュリー、き…、来たわ」 まだ数リーグ離れているとはいえ、七万の軍勢を前にして、ルイズは恐怖と緊張感を露わにしていた。 「あら、ルイズ。貴方はこれを何とかすべく殿(しんがり)を引き受けたのでしょ? 何を今さら怖気づいているのよ」 対するパチュリーは無感動とも思える口調であった。 「まさかルイズ、貴方は勢いで引き受けたんじゃないでしょうね? それに巻き込まれた『使い魔』の身にもなってほしいわ」 パチュリーは眉をひそめてルイズを非難する。 パチュリーは、ルイズが春の使い魔召喚で呼びだした『使い魔』である。 彼女は『幻想郷』と呼ばれる、ハルケギニアとは違う異世界に住まう『魔法使い』であった。 そして人間ではなく、『魔法使い』という種族であり、十代半ばの外見ではあるが、百年以上の歳を重ねている。 召喚された当初は『使い魔』として呼び出された事に憤慨していたが、図書館を自由に使用出来るなどの便宜を条件に、何とかルイズは契約を果たした。 「まあ、所詮人間は数十年の寿命だし、異世界の知識に触れられるしいいか。 やろうと思えば、帰る方法なんていつでも見つかるだろうし。 むきゅ~」 と、パチュリー本人の弁。 「い、勢いで引き受けてないわよ。だだだだ、だってそう命令されただけだし…」 「断ろうとすれば出来たはずよ」 「…あ、いや、それは」 「…やっぱり勢いで引き受けたわね」 パチュリーは溜め息をつく。 「で? ルイズはどうやってあの軍勢を止めるつもりなのかしら?」 「それは…、ありったけの精神力でエクスプロージョンを…」 「それは無理。今のルイズじゃ数十人を吹っ飛ばして打ち止めよ。 その程度じゃ僅かな時間しか稼げないわ。連合軍は全滅ね」 パチュリーはルイズの意見をすぐさま却下する。 「じゃ、じゃあ、パチュリーの魔法で…」 ルイズはかつてパチュリーが、アンリエッタとウェールズの放ったヘクサゴン・スペルとすら拮抗する魔法を使えたのを思い出し言う。 「それも無理。さすがに私でもあの数を正面から迎え撃っても、大した時間は稼げないわ」 パチュリーは次の意見も却下する。 「じゃあ、どうしろって言うのよッ!!」 ルイズは立て続けに意見を却下されて苛立つ。 自分で勝手に引き受けておいての逆ギレだが。 その様子を見て、パチュリーは嘆息する。 まったく、素質は十分にあるのに感情の起伏が激しいのが欠点よね。 魔法を扱う者にとっては、心の有り様こそが大事なのに。 「ふう、心の動くままに行動する欠点はいつか直しなさいよ…」 パチュリーは眠たげな目でルイズを見つめる。 「ねえルイズ。戦争する上で重要な事って何だと思う?」 「え? あ、う…、強さとか?」 「そうとも言えるけど、抽象的過ぎるわ。 戦争に勝つには、数こそが重要なのよ。数こそが強さであり、戦争に勝利する為の要素の一つ。 戦争とは数、と何処かの次男も言っていたわ」 そう語るパチュリーを見て、ルイズはある疑問を持つ。 「数って言っても、味方は全軍撤退中よ? 味方は誰もいなくて、ここには二人しかいないじゃないッ!」 戦争は数と言うなら、七万を相手に二人では敗北の二文字しか無い。 「簡単よ。味方がいなければ、作ればいいじゃない」 「は?」 パチュリーの言葉を聞き、ルイズは絶句する。 ミカタヲツクル? ナニヲイッテイルノデショウカ? コノムラサキモヤシハ? 「何を絶句しているのかしら?」 「ななななな、何言ってるのよッ! みみみ、味方を作るって、どどどど、どうやってよッ!!」 ルイズは感情を昂ぶらせてパチュリーに詰め寄る。 「はいはい、落ち着きない。どうどう。 今からやってみせてあげるから…」 パチュリーはそう言ってから七万の軍勢に向き直り、左手を斜め前に突き出す。 左手の甲には使い魔の印たるルーンが刻まれており、それは伝説の使い魔のルーン『ガンダールヴ』であった。 「来なさい、デルフリンガー…。アポート(物質転送)」 そう呟くと手の先の空間が歪み始め、その一瞬の後に虚空から軽い反りを持った長剣が現れ、地面へと突き刺さった。 「うおッ! なんでい、『使い手』のはずなのに、剣なんて振り回しているのが全然似合わないどころか、想像も出来ないような相棒じゃねぇか」 自称・伝説の魔剣デルフリンガーは、出てくるなりボヤキ始めた。 「俺なんてよぉ、学院に置き去りにされて、もしかして錆び剣に出戻りかなぁって思って…」 「黙りなさい」 パチュリーが静かな声で言うと、デルフリンガーはピタリを喋るのと止める。 「力を貸しなさい」 「力を貸せって…。うおッ! おでれーた、何だいあれは…。六、七万はいるんじゃねぇか? 無理無理ムリムリ絶対に無理。俺に出来るのは身体操作と、魔法を吸うぐらいだ。 例え『ガンダールヴ』が屈強な奴でもあんなのは無理ッ!」 デルフリンガーは鍔をカタカタと鳴らして拒否を表明する。 「あれを相手に切った張っただなんて、馬鹿な真似はしないわ。 貴方の中に日頃から貯め込み続けた魔力を解放しろって言っているのよ」 「貯め込み? おい、ちょっと待て。日頃から俺にバカスカ魔法を撃ち込みまくっているのは、虐待の一種だと思っていたぞ?」 「馬鹿な事言わないで欲しいわ。貴方の特性を知った上でやっていたのよ。 こういう時の為の外付け魔力貯蔵庫とする為にね」 パチュリーは唇を軽く釣り上げて嗤う。 「う、嘘だッ! その顔は嘘をついてる顔だ。それに、第一俺にはそんな事を出来る能力なんて無いぞ。 せいぜい貯め込んだ魔法の力で『使い手』の体を動かすぐらいだッ!」 「んー、まあ、ストレス発散の部分が有ったのは否定しないわ。 貯蔵庫云々に関しては、ルーンを“いじった”から出来るようになっているわ」 パチュリーはデルフリンガーの柄に手を添えた。 「うにゃ? う、お、あ…、な、なんでいこれは? ち、力が抜けていくぅぅぅ…」 デルフリンガーが情けない声を上げる。 「さて、魔力は充分ね」 パチュリーは魔力が自分に還元されていくのを感じとる。 「何? 一発ドカンとぶっ放すの?」 「違うわ。味方を作るって言ったでしょ?」 パチュリーはルイズの言を否定すると、手に持った魔導書を体の前に掲げ、手放して中に浮かせる。 そして、軽く手を振ると魔導書は独りでにページを開く。 とあるページで止まった時、パチュリーの左右に二つずつ約五メイル間隔で地面に発光する円が描かれる。 光がおさまると、円の中に六芒星の収まった魔法陣が合計四個出来ていた。 「さて、後は…」 パチュリーは懐に手をやり、コルク栓で封をされたガラスの試験管の様な物を取り出す。 その中には、少し癖の付いた金髪が一束入っていた。 「それで、何をするのよ?」 「まあ、見てなさい…。我、土くれに命を……」 パチュリーは小声でかつ早口でスペルを唱える。そして、唱えていくに従い、試験管の中の金髪が減っていく。 ルイズは視界の端に、何やら動くものを見つける。視線を向けると魔法陣の中で土が盛り上がり、人型を形成していくのが見て取れた。 「味方を作るって、ゴーレムなの……、って、えええええぇぇぇぇッッ!!!!!」 その土くれはただ人型になるに止まらず、外見が人そのものを模していく。 そして、ルイズが驚愕したのは、そこにいたのはギーシュ。 『青銅』の二つ名を持つ、ギーシュ・ド・グラモンであったからだ。 「ななななななな、何でギーシュが…、ひッ! ギーシュが…、た、たくさん…、いる」 ルイズは意識を手放しそうになった。そこにはギーシュモドキのゴーレムが次々を現われてきたからであった。 そして、そこには百体のギーシュ・ゴーレムが現れていた。 「ね、ねぇ…、なんなのよ、これ…」 「こっちの世界で何度かゴーレムを見ているとき、自分でも操りたくなって、ゴーレム製造の魔法を独自のアレンジをしてみたのよ。 髪の毛を埋め込むとその持ち主の姿と能力をコピーした自立型ゴーレムに成るようにね」 パチュリーは何かを操作するように指先を動かしながら答える。 「そ、そうなの…。あ、でも、なんでギーシュなの? ヘタレなギーシュなんかより、もっと強い人の方がよかったんじゃない?」 ルイズはドット・クラスのメイジのギーシュがでは、百人いても役に立たないだろうと思案する。 「理由は二つ有るわ。 一つは、ギーシュの基本性能が低いから、ゴーレムの製造の為のコストが少なく済む事。つまり数を揃えるのに丁度よかったという事。 もう一つは、ギーシュの持つ能力が、今の状況に求められている事に合致するという事よ…。 さあ、ギーシュ。敵が来たわッ! 迎え撃ちなさいッ!!」 パチュリーは軽く説明したのち、滅多に出す事の無い大声で号令を放つ。 「ギーシュ・ド・グラモン 、参るッ!」×百人 百人のギーシュ・ゴーレムが一斉に唱和し、薔薇の造花の杖を振るう。 そしてそれぞれが、青銅の人の等身大ゴーレムのワルキューレを、七体ずつ出現させる。 ルイズとパチュリーの前に合計七百体のワルキューレが現れた。 「言ったでしょ? 戦争とは数だと…。 進路、敵陣中央。楔形陣形で突撃」 そう命令が下されると、ギーシュ・ゴーレム達はワルキューレの背に乗り、七万の軍勢へと駆けだした。 「アンリエッタ女王陛下が為にぃぃぃぃッ!!」 そう叫びながら突っ込んで来る集団に最初に接触したのは、前衛の捜索騎兵隊であった。 すぐさま迎撃態勢を取るが、七百の青銅のワルキューレに一瞬にして飲み込まれ、すり潰されていく。 その光景をフクロウの使い魔の視界にて見ていた銃兵隊を指揮する士官は、すぐさま部下に命じて弾を込めさせる。 「第一列構えッ!! まだ撃つなよ。もう少し引きつけてからだ……。 よし、てぇッ!!(撃て)」 横列に並んだ銃兵隊の一列目が、一斉射撃にてワルキューレ群に弾を放つ。 統制された射撃は、敵前面に居たワルキューレ数十体を破壊し、それを操っていたらしいメイジも何名かを射殺する。 「第二列前へ…。ん? な、なにぃッ!!」 銃兵隊の士官は驚愕した。敵集団は進撃速度を、いささかも落とす事無く突っ込んで来る。 それは味方の死も、自らの死も厭わない保身無き突撃であった。 「恐れるなッ! 第二れ…」 士官は貴族の矜持ににて恐怖を押し殺し、指揮を続けようとする。しかし、部下たちは迫る“それ”に恐慌を起こし始めていた。 そして、その銃兵隊をもすり潰し、ギーシュ・ゴーレムと青銅のワルキューレは、ただひたすらに進撃していく。 パチュリーの両脇にある魔法陣は、倒された分だけギーシュ・ゴーレムを再生産していき、現れたギーシュ・ゴーレムは再び突撃して行く。 アルビオン軍は倒しても倒しても、次から次へと現れる青銅のワルキューレと、全てが同じ顔をしたメイジたちで混乱状態となっており、進軍は停滞していた。 「こ、これなら何とかなるかしら?」 「無理ね。今は一時的な混乱で対処出来てないだけで、統制が回復すれば、七百程度じゃどうにもならないわ」 パチュリーはすぐさま否定する。 「じゃ、じゃあどうするのよ…」 「近接型で足止めして、遠距離攻撃を行う弾幕型を投入するのよ」 そう言うと、パチュリーは新たな試験管を取り出す。 それには、緑色の髪の毛が封入されていた。 「ええい、どうなっているッ!!」 七万の軍勢を指揮する歴戦の将軍であるホーキンスは、状況を把握するべく部下を走らせていた。 保身無き突撃。 しかも、何故か全員同じ顔だというメイジの集団。 前衛は混乱の極みに陥っており、進軍はほぼ完全に止まってしまった。 敵連合軍のこの攻撃は、余りにも不可解過ぎた。 この突撃の目的は時間稼ぎであるのは明白だ。しかし、あまりにも大雑把過ぎる。 ゴーレムは攻城戦に使われるのが常だ。小型ゴーレムを大量にかつ集中運用するのは、確かに野戦でもある程度は有効であろう。 しかしこの、まるでメイジを使い捨てにするがごときの挺身攻撃は何なのであろうか? 平民の兵士なら使い捨てにするのはまだ理解出来る。だがメイジ、貴族を使い捨てにするなんて普通は出来ない。 実はそのメイジもゴーレムであるという事を知らぬが故に、ホーキンスも少なからず混乱していた。 そして報告を聞きながら思案し、統制を回復するべく指示を出していると、連続した轟音と怒声と悲鳴が周囲で響き始めた。 ホーキンスが何事かと視線を巡らせると、恐ろしいものを見た。 突撃を受けたのと同じ方向から、一メイル程の岩塊が飛来して来てきた。 全長三十メイルのゴーレムが二十体も並ぶのは壮観であった。 「まさか、『土くれのフーケ』とはね…」 それぞれの巨大ゴーレムの脇には、トリステイン王国をはじめ各国にて怪盗として恐れられていた、『土くれのフーケ』ことマチルダ・オブ・サウスゴータが立っていた。 無論、パチュリーが作り出したマチルダ・ゴーレムである。 巨大ゴーレムたちは巨腕を振るい、指先を立てて地面へと付き入れる。そして土の塊を掴み上げると、マチルダ・ゴーレムは錬金の魔法にて岩塊へと変えた。 そして、巨大ゴーレムは次々と岩塊をアルビオン軍へと投擲していく。 その攻撃によりアルビオン軍は前衛のみならず、後衛の部隊も混乱に陥っていた。 時折、魔法にて岩塊を迎撃しようとする動きはあるが、一メイルの岩塊の重量はそれをものともせず着弾し、アルビオンの軍勢を消耗させていく。 一部の部隊はギーシュ・ゴーレムたちを突破し突撃してくるが、再生産されるギーシュ・ゴーレムの波状攻撃にてすり潰されていくのであった。 「あ、待ってパチュリー、白旗が揚がったわ…。降伏するみたい」 巨大ゴーレムの連続岩塊投擲によりルイズたちの周囲の地形が変わり始めた時であった。 アルビオン軍後衛中央にて白い布が巻き付けられたパイク(長槍の一種)が振られているのが見て取れた。 「あら、残念…。そろそろ飛行型を投入しよかと思っていたのにね」 パチュリーの手には、青い鱗の様な物が封入された試験管が握られていた。 「む、無理…、もう、これ…、以上は死んで、まう」 デルフリンガーの息も絶え絶えな言葉は、見事に無視されていたのであった。 この後、引き返してきたトリステイン・ゲルマニア連合軍は、ガリア王国の大艦隊による攻撃を受ける事になる。 しかし、パチュリーの作り出したルイズ・ゴーレムによるエクスプロージョン乱れ撃ちにより、ガリア艦隊は全艦隊が落とされる事によって事無きを得るが、それは割愛。 「ねえ、パチュリー。どうして私のゴーレムだけ消さないの?」 「あら、いいじゃない。面白いし…。特に私が」 「そうね。ところで、一体ぐらい、ちびルイズを持っていっていいかしら? アカデミーで調べてみたいし」 「あら、なら私も一人お持ち帰り~♪ いいでしょ?」 「エレオノール姉様も、ちいねえさまもダメーーーーッ!!」 ルイズは微妙に受難な日々であったとさ。
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「……これは何?」 「……団子虫の一種かしら?」 「ふむ……珍しい使い魔だな。もしかすると幻獣の一種かもしれない」 確かにルイズはサモン・サーヴァントに成功した。 しかしそれによって呼び出された使い魔は、 博識で知られるコルベールでさえも全く知らないものだった。 それは子犬ぐらいの大きさの、ずんぐりとした形の、団子虫に似ているものだった。 外皮は硬そうな外骨格、そして腹部にはたくさんの節足、 そして頭部には青色の目が何列も並んでいた。 「まあ、無事に召喚できたようだし、儀式を続けなさい」 「はーい」 それなりの使い魔を召喚できたおかげか、嬉しそうに返事をしながら ルイズは『契約』の儀式を開始する。 しかし、幸か不幸か、彼らは実はその召喚された使い魔が、 戦争によって文明が崩壊した異世界から召喚されたものだとは 最後まで知る事が無かった。 その後。 「……ねえ、ルイズ」 「……なによ、キュルケ」 「この子、ずいぶん大きくなったわね」 「そうね、ちょっと育ちすぎたかもしれないわね」 「……ちょっとどころじゃないわよ」 ルイズが召喚した団子虫のような使い魔。 当初、この珍しい使い魔にどんな餌をやったら良いのか頭を悩ませたルイズであったが、それはすぐに解決した。 どうやらこの地に自生する植物が余程気に入ったのか、適当な草であれば何でもよく食べるのである。 (なお、特に良く食べたのははしばみ草であり、それこそ一心不乱という形容詞を具現化したかの如く それを延々と食べつづけるこの使い魔に、タバサが密かに対抗意識を持ったのは余談である) しかし、それにしてもよく食べる。 まあ、そこらの野山の草を適当に食べさせておけば良いのでルイズの懐は痛まなかったが、 それでも限度はある。ただ食べるだけなら良いのだが、 食べた分に見合ったレベルで延々と大きくなり続けるのはいささか問題があるだろう。 何度も脱皮を繰り返し、今では馬よりも大きくなっている。 当初、ルイズの部屋で飼われていた使い魔は、 もう部屋の扉を通る事ができなくなったため、 他の大型の使い魔と一緒に外の小屋で飼われていた。 ところで脱皮した皮はコルベール先生が嬉しそうに持ち帰っていたけど 一体何に使うつもりなのだろうか。ルイズは気になったけど、 ゴミを処理する手間が省けたと思って気にしない事にした。 さらにその後。 「……ねえ……」 「…………なによ………」 「言わなくてもわかるでしょ」 「わかってるけどわかりたくないわ」 ルイズとキュルケの目の前にいる使い魔。 もはや育ったとかいうようなレベルではなかった。 なんと二階建ての家ぐらいの大きさである。 魔法学院内の、あらゆる使い魔よりもずっと大きかった。 既に学院からは「使い魔の餌はどこかの山の草木を与える事」という指示が下っている。 なにしろこの巨体である。ルイズがちょっと目を離した隙に 学院の花壇をあっという間に全滅させてしまったのは記憶に新しい。 「それにしてもよく育つわね」 「きっとこれはそういう種類なのよ」 彼女たちは知らなかったが、もし仮にこの使い魔が召喚された世界の、 この使い魔の生態を知る人物がこれを知ったら恐らく驚愕したに違いない。 どうやらこの世界の植物がよほど肌に合ったらしく、 この使い魔は本来の速度の何十倍もの速度で育ちつづけているのであった。 ついでに食事量も本来の何十倍もの量であった。 「……でも、この子、どこまで大きくなるんだろう……?」 バキバキと豪快な音をたてながら一心不乱に木を食べ続ける使い魔を見上げると、 この先を想像することは恐ろしくてとてもできなかった。 さらにさらにその後。 「…………………………(唖然)」 「…………………………(呆然)」 もはや、巨大な使い魔という形容詞すら生ぬるかった。 高さは40メイル、全長は100メイルはあるだろうか。文字通り、動く山といった感じの巨体である。 「……どうするのよ、これ」 「……いいい、いいじゃないの、せせせ戦争には、かかか勝ったんだからぁ!」 可哀想なのはアルビオン軍の一般将兵である。 地上にいたアルビオン軍の兵士は、この超巨大な使い魔が通っただけで文字通り粉砕され、 艦隊の方も、うかつに地上近くを航行していた何隻もの艦船がこの使い魔によって地面に引きずり降ろされて撃沈された。 そしてその硬い外皮はアルビオン軍の大砲ごときでは掠り傷ぐらいにしかならず、 かえって目を不気味に赤く光らせながら怒りで大暴走する使い魔の怒涛の体当たりを喰らうだけだった。 そのあまりのとんでもなさにアルビオン軍は、大混乱に陥ったまま敗走するしかできなかった。 「……それと、あれはどうするのよ」 「……あああ、あれはそう、不可抗力よ、不幸な事故よ、天災だったのよ。 だから私にはどうする事もできなかったのよ!!」 キュルケが視線を向けたその先。 そこは、使い魔に食い尽くされてすっかり禿山になってしまった山々があった。 そして、ご主人様の気持ちも知らず、その禿山を作った使い魔は今日も延々と食べつづけるのであった。 「これ、いつまで大きくなるのよ」 「私に聞かないで」 ~おしまい~ -「風の谷のナウシカ」の王蟲を召喚
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【CLASS】 ランサー 【真名】 メリュジーヌ/ランスロット・アルビオン 【出典】 Fate/Grand Order 【性別】 雌型 【ステータス】 筋力:C 耐久:A+ 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:B 宝具:A+ 【属性】 中立・悪 【クラス別能力】 【保有スキル】 ドラゴンハート:B 竜の炉心、あるいは竜の宝玉と呼ばれる、メリュジーヌの魔術回路を指す。 汎人類史においては『魔力放出』に分類される、生体エネルギーの過剰発露状態。 “竜の妖精”として自身を再構築したメリュジーヌは、竜種ではないものの竜と同じ生体機能を有している。 無窮の武練:B 汎人類史の英霊、ランスロットから転写されたスキル。 どのような精神状態であれ、身につけた戦闘技術を十全に発揮できるようになる。 過度の修練により肉体に刻み込まれた戦闘経験……といえるものだが、生まれつき強靱なメリュジーヌにはあまり必要のないスキルだった。 このスキルの存在そのものをメリュジーヌは嫌っている。生まれつき強い生き物に技は必要ないのである。 レイ・ホライゾン:A イングランドに伝わる、異界への門とされる「地平線」「境界」を守る竜(ミラージュ)の逸話より。 メリュジーヌはあくまで『妖精』としての名と器であり、本来の役割は『境界』そのものである。 ……メリュジーヌ本来の姿に変貌するための手順。 【宝具】 『今は知らず、無垢なる湖光』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2~10 最大捕捉:1匹 イノセンス・アロンダイト。 自らの外皮から『妖精剣アロンダイト』を精製し、対象にたたきつけるシンプルな宝具。 ランスロットのアロンダイトの槍版。 ダメージは低いが、回転率はトップランク。 まるで通常攻撃のような気軽さで展開される宝具。 なぜダメージが低いかというと、メリュジーヌにとってこの宝具はあくまでランスロットの宝具であって自分の宝具ではない借りもの(偽物)だからだ。 『誰も知らぬ、無垢なる鼓動』 ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:20~500 最大捕捉:500匹 ホロウハート・アルビオン。 第三スキルによって『本来の姿』になったメリュジーヌが放つドラゴンブレス。 『本来の姿』になったメリュジーヌはもはや妖精と呼べるものではなく、その威容の心臓からこぼれる光は広域破壊兵器となる。 その様は境界にかかる虹とも、世界に開いた異界へのゲート(異次元模様)ともとれる。 使用後、メリュジーヌは『そうありたい』と願った妖精の器に戻れず、人知れず消滅する。 異聞帯のアルビオンは『無の海』を飛び続け、やがて死に絶えたが、どの人類史であれ『星に帰り損ねた竜』は無残な最期を迎える、という事の証左でもある。 【weapon】 通常は『今は知らず、無垢なる湖光』を使用。その他にも、上空から魔力弾を打ち出す『爆撃』等も得意としている。 【人物背景】 妖精國ブリテンにおける円卓の騎士、その一角。汎人類史における円卓の騎士・ランスロットの霊基を着名した妖精騎士。ブリテンでただ一種の“竜”の妖精。 無慈悲な戦士として振る舞うが、その所作、流麗さ、そして他の妖精たちとは一線を画した姿から、妖精國でもっとも誇り高く、美しい妖精、と言われている。 彼女が存在した妖精國ブリテンはモルガンの術式により特異点化、汎人類史へと編入されたため、彼女の存在も英霊の座に刻まれた。 その経緯故に、彼女はブリテンの終わり――あの奈落の穴を破り、空高く飛翔した最後の記憶を残しながら現界している。 【サーヴァントとしての願い】 なし。強いて言うなら、マスターが聖杯を手に入れた暁にはアルスとやらとどちらの方が強いのか試すこと。 【方針】 聖杯を狙う。
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お探しの戦艦がある場合は(『Ctrl』+『F』)を押して、検索をかけてみてください。 戦艦 戦艦名 HP EN 耐久 移動 コスト 機体ランク 搭乗Lv 派生先 特殊 ミデア 3000 500 2 5 10000 S 90 ガルダ 補給システム搭載 コロンブス補給艦 2700 700 2 4 10000 S 90 なし 補給システム搭載 サラミス級 4300 380 2 5 10000 S 90 マゼラン級 補給システム搭載 マゼラン級 4800 400 2 5 10000 S 90 ペガサス級 補給システム搭載 ペガサス級 5300 450 2 5 10000 S 90 アルビオン 補給システム搭載 マッドアングラー 4700 400 2 5 10000 S 90 なし 補給システム搭載水中特化 ガウ攻撃空母 5600 330 2 7 10000 S 90 なし 補給システム搭載 ムサイ級 4500 380 2 6 10000 S 90 チベ級 補給システム搭載 チベ級 4700 400 2 6 10000 S 90 ザンジバル級 補給システム搭載 ザンジバル級 5000 430 2 5 10000 S 90 グワジン級 補給システム搭載 グワジン級 5800 550 2 6 10000 S 90 ドロス級 補給システム搭載 ドロス級 5800 550 2 5 10000 S 90 なし 補給システム搭載 アルビオン 5300 480 2 6 10000 S 90 アーガマ 補給システム搭載 アーガマ 5500 500 2 6 10000 S 90 ネェル・アーガマ 補給システム搭載 ガルダ 5200 500 2 6 10000 S 90 なし 補給システム搭載 ジュピトリス 4500 830 2 4 10000 S 90 なし 補給システム搭載 ネェル・アーガマ 5700 510 2 6 10000 S 90 ラーカイラム 補給システム搭載 ラー・カイラム 5800 530 2 6 10000 S 90 なし 補給システム搭載 フリーデン 5300 480 2 6 10000 S 90 なし 補給システム搭載 アークエンジェル 6100 400 2 5 10000 S 90 なし 補給システム搭載 クサナギ 5600 440 2 5 10000 S 90 エターナル 補給システム搭載 エターナル 5300 470 2 6 10000 S 90 なし 補給システム搭載 レセップス 5300 430 2 5 10000 S 90 なし 補給システム搭載 ヴェサリウス 5500 440 2 5 10000 S 90 なし 補給システム搭載 ガーディ・ルー 5900 440 2 5 10000 S 90 なし 補給システム搭載透過システム搭載 ミネルバ 6200 450 2 6 10000 S 90 なし 補給システム搭載 プトレマイオス 5500 500 2 6 10000 S 90 なし GNフィールド搭載補給システム搭載