約 1,172,344 件
https://w.atwiki.jp/center_math/pages/142.html
内大衛星群 1.ミマス 2.エンケラドゥス 3.テティス 外大衛星群 4.ディオネ 5.レア 6.タイタン 7.ヒペリオン 8.イアペトゥス 羊飼い衛星群 共有軌道衛星 G環 内大衛星のトロヤ衛星 アルキオニデス イヌイット群 北欧群 ガリア群
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6448.html
前ページ次ページゼロの花嫁 ゼロの花嫁15話「老兵参戦」 彼方へと飛び去って行くシルフィードを見送り、キュルケはつまらなそうにしながら学園へ戻ろうとする。 その視界に黒い点が映った。 空中に浮かぶそれはぐんぐんと大きくなって来て、その姿がわかるぐらいになると、キュルケは後ろを向いて逃げ出したい衝動に駆られる。 「このバカ者があああああああああ!!」 オールドオスマンの怒声が聞こえてくる。 どうやら貧乏くじを引くハメになったようだ。 滑り込むように着地すると、木の陰からネズミが一匹飛び出して来て、オールドオスマンの肩にすすいっとよじ昇る。 冷汗の止まらないキュルケ。 オールドオスマンの使い魔、モートソグニルがこんな側に居たという事は、つまり今までの話全部聞かれていたという事であって、誤魔化せと言われていたミッションは初っ端から大ピンチなわけで。 「ご、御機嫌よう、オールドオスマン」 目一杯可愛げを出してそんな事を言ってみたが、効果は無かった。 「御機嫌ようではないわっ! 仮にも王家の人間を拉致しようという連中が! 策も何も立てずに突っ込むとかどうかしとるぞ貴様等!」 やはり完膚なきまでにバレていた。 「それは、つまり、あれです。若さ故の過ちという事で一つ」 「自分で言うなあああああああああああ!!」 最近はほとんど見せていなかった地が全開で飛び出してしまっている辺り、オールドオスマンの焦りようが伝わろうというものだ。 前回の件で、トリステイン魔法学院狂気のバカルテット(ロングビル命名)の面倒を見るのにコルベールでは役不足と痛感したオールドオスマンは、バカ騒ぎの主軸を担うと思われるルイズの側に密かに使い魔のネズミを走らせ様子を探らせていたのだ。 なので、ルイズが様子のおかしいタバサの後をつけ、シルフィードが飛び去った先から潜伏先の街がトリスタニアであると睨み、聞き込みをしつつ例の鍛冶屋を見つける所から、部屋に戻って燦と共に推理し、タバサの目的を知って先回りした所まで、更には今までのやりとり全てを聞き知っていた。 一度部屋に戻って策を練り、しかる後突入であろう。 そう考え、その時にバカ共の前に顔を出してやるつもりだったオールドオスマンの思惑は、出た所勝負で生きてきた四人組の行動力に敢え無く粉砕されてしまった。 オールドオスマンは周囲をきょろきょろと見回した後、木陰に移動し、ちょいちょいとキュルケに手招きする。 『こ、これは所謂由緒正しき女の武器で黙らせてサインでは!? 枯れきった出涸らしのような体で無茶をしてくれるわオールドオスマン! 心臓止まったらこれ誰が責任取るのよ!?』 しかしキュルケは考え直す。そう、相手はトリステイン魔法学院にその人アリと謳われたオールドオスマンだ。 『ま……まさか相手はリトルジョーではなくビッグバイパーだというの!? 長年培った技術に若々しきウェポン装着の無敵状態!? あ、ありうるわ……なればこその学園長!? オールドと呼ばれているのは伊達じゃない!?』 だがキュルケも又只者ではない。 流した浮名は数知れず。魔法学院夜の帝王の座はそうそう譲り渡せない。いや、今はもうからっきしだが。 そんなキュルケの匠の思考が導き出した答え。 『遊んでいる風に見えるけど実はウブというフェイク要素! 少し強がりつつ、ここぞでドン引く事で敵の更なる踏み込みを招き、最後の最後で全てを引っくり返す! この作戦よ!』 策は纏まった。後はこの枯れ木ジジイ相手にその気になれるかどうか、最早自己暗示の世界である。 ルイズにもタバサにも燦にも、この分野だけは任せられない。チームの中で頼れるのは己が身一つのみ。 おずおずと、木陰に向かうキュルケ。 オールドオスマンは、そこでようやく口を開いた。 「流石に学院から見える場所では……な。ともかくだ、今更早馬を飛ばした所で間に合うまい。となれば事後処理を完璧に備えるしかあるまいて」 「は、はい」 オールドオスマンは苦々しく眉間に皺を寄せる。 「全てはバレておるのだ、こうなったからにはお主にも手間をかけてもらうぞ。ツェルプストー家ならば爵位の一つぐらい手に入れられるであろう? 大至急手配するのじゃ」 少し話がズレてきた。 「あ、あれ? いや、それ結構難しいですけど……あ、いや出来ない事は無いと思いますが、それでどうするんです?」 「連中が作戦を成功してガリアの王族かっ攫って来たら、それがトリステインに居るとバレたら、国際問題所か戦争になりかねんぞい」 奴等がその正体を見つかる事無く、ガリアから拉致って来れたのなら手はある。 しかし、もしバレた上で攫ってきていた場合、連中、特にルイズの身分をトリステイン籍にしておく事は出来ない。 拉致に動く前からルイズはトリステイン貴族ではなかった、そう言い張るしかない。 幸い恩赦により許されたとはいえ、王の裁可で一度は貴族位剥奪の判決を受けているので、これをゴリ押す事になろう。 もちろんそのような犯罪者をトリステインは許さず、ガリアに協力してルイズを追捕する事になる。 そうなった場合、ルイズ達はトリステインから逃げるしか無くなるが、母君の身柄を置いてある国はイコールガリアにケンカを売っているとなるわけで。 そんな真似してくれそうなのはアルビオンの反乱軍ぐらいであるが、王族死ねとか言ってる連中に王族の保護など頼めるはずもなく。 まさかそんな所に頼む訳にもいかず、何処かに隠れ住むしかない。 ならば仮の身分は非常に有効なカードとなろう。 そんな説明をつらつらとしたオールドオスマンは、キュルケが聞いているんだかいないんだかボケた顔をしているので、問いただす。 「あ、いえ、いえいえいえいえいえ。聞いてますけど……いやてっきり私、屋外でご無体あーれーを強要されるとばかり……」 「……自分の生徒に手を出す程落ちぶれてはおらんわ。どっからそういう発想が出て来たんじゃ……」 流石に赤面しながらキュルケは手をぶんぶん振る。 「いえいえ、そうですわね。貴族の範たるオールドオスマンですし。何で私、木によりかかって後ろからーとか、ちょっと腰落とすぐらいでちょうどかなーとか考えてたんだろ……」 オールドオスマンの目が物凄い細くなる。 「……妙に詳しいのう。お主まさか……」 「いえいえいえいえいえ! き、聞きかじった話ですわ! 最近の本は進んでおりますのよ! おほほほほほほ!」 ツッコんでも不毛と思ったか、矛を収めるオールドオスマン。 「ふん、まあ良い。大体外でなぞと、周囲の音が気になりすぎて、まともに出来るものか」 「あら、そこは女の側が引き寄せる努力を怠らなければいいだけの話ですわ」 再度、もんのすごい細目になるオールドオスマン。 「……きゅーるーけー・あうぐすたー・ふれでりかー・ふぉんー・あんはるつー・つぇるぷすとー」 「本! 本を読んだのですわ! ぶっくぶっく! 知識豊富ネ!」 流石に学長に夜遊びがバレるのは大層よろしくないのか、キュルケも必死である。 派手に嘆息してみせるオールドオスマン。 「頼むから子供こさえたとか言いださんでくれよ。これ以上もうほんの一欠けらも不祥事は勘弁なんじゃから……」 「……最近はみんな恐がって近寄って来ませんから、ご心配には及びませんわ……」 物悲し気に語るも、オールドオスマンの同情は買えなかった模様。 「当たり前じゃ。ともかく、爵位の件はお主が何とかするのじゃ。 後は……連中が戻って来て状況を確認してからじゃな。他の手配はワシがやっておく。 くれぐれも言っておくが、この件口外なぞするでないぞ。気配を悟られる事すら許さぬ。出来るな?」 アホな話に乗ったり、文句を言ったりしつつ、オールドオスマンは連中が戻って来れない可能性に関しては口にしなかった。 その可能性に怯えた所で最早何も出来ない。 ならば今は前を向いて成すべき事を成すしか無いだろう。 『ワシも生徒には甘いのう……』 生徒達を守るのは教師の役目だ。 もちろん貴族の子弟を預かる際の責任範囲に関しては明確に文章化してあり、見捨てても契約だけ見るのなら何とでも言い逃れできよう。 しかし教師とは、理屈だけでは決して無い信頼関係あってこそ成り立つ仕事だと、オールドオスマンは良く知っていたのだ。 『そうは言っても出来る限りしかする気は無いがの。それでダメならワシも知らんっ』 ドライな部分もきっちり持ち合わせているようだが。 医師の治療が終わり、天井に穴の空いた寝室ではなく、客間のベッドに横たわるオルレアン大公夫人は、はらはらと涙を溢す。 驚いた医師が何処か痛い所でも、と問うも、夫人は答えようともせず、弱り果てた医師が常から寄り添っている執事を頼ると、執事ベルスランが夫人の耳元で涙の理由を訊ねる。 医師と同じく困った顔でベルスランは言う。 「……大変申し訳ありません。奥様はどうも、お医者さまが恐ろしいそうで……」 わざわざ治療に来てやった相手にそれは無いだろう。とは医師は思わなかった。 貴族様のやる事に一々文句をつけてたらキリが無いのだ。 見た限りにおいてはこれ以上治療の必要は無いと判断した医師は、一礼して屋敷を辞する。 夫人は心配そうにしているベルスランも遠ざけ、ただ一人寝室に残った。 大貴族の令嬢に相応しい儚げな所もある夫人に、現実は余りに非情すぎる。 それでも娘を守れたのは、一重に母の力だ。 それが今、再び試されようとしている。 オルレアン大公夫人としては、無理であったろう。 頼もしい夫に庇護されたままの彼女であったのなら。 だが、夫人は同時に母でもあったのだ。 それでも尚、決断には時間を要する。 医師とベルスランを追い出し、ゆっくりと考える時間だけは取れた。 何度も何度も考え直し、しかし、か弱い自身にはそれ以外の方法を選び取る事も出来ず、我が身の儚さに一人涙を溢す。 正常に戻ったとはいえ、全ての記憶をその内に収めるには、夫人の心は余りにも弱すぎた。 愛する娘を苦しめ、地獄の業火に突き落としながら、唯一それのみが自らが生き延びる手段であった。 娘は文句の一つも言わず、黙々とその役割を果たし、無情な暴君と成り果てた母を守り抜いた。 他の誰でもない、最愛の娘を最も傷つけていたのは母である自身なのだ。 こんな事に耐えられるものか。 心優しいシャルロット、あどけない様で良く笑うシャルロット、この世の幸福全てをその手にするはずだったシャルロット。 どうか、この愚かな母を、許して下さい。 貴女は自由です。 全ての楔から解き放たれ、大空を舞う鳥のように、あの頃の笑顔で飛びまわる貴女を夢に見られるというのなら、母は思い残す事はありません。 夫人はベッドから起き出し、窓を開き、外を眺める。 抜けるような青い空が、少し悲しかった。 不意にドアの外からベルスランの驚いた声が聞こえてきました。 彼があんな大声を出す所など、ついぞ記憶にありません。 気にかかって後ろを振り返ると、そこに、夢がありました。 シャルロット…… そう呟くと、あの子は叱られた子供のようにびくっと体を震わせます。 神よ、始祖ブリミルよ、貴方はどうしてこんなにも残酷なのでしょう。 私にそんな資格は無いのに。 赦されるはずもないのに。 夢の続きを望んでしまいます。 もう少しだけ、あの子を見ていたい。 もう少しだけ、あの子に触れていたい。 もう少しだけ、あの子を……抱き締めてあげたい。 シャルロット…… 二度目の呟きが、私の限界でした。 何年ぶりかの親子の抱擁。 執事を名乗った彼は、感極まって床に崩れ落ちている。 私はお邪魔よね。 もらい泣きしてるサンを引っ張って部屋の外に出ると、サンは涙を拭いながら私を見た。 流石サンね。もう切り替えてるわ。 「そこの貴方。場を弁える程度の配慮は出来るみたいだけど、その殺気は何かしら?」 廊下の奥に向かって声をかけるも返事は無い。 「部屋の中は取り込み中よ。話は私が聞いてあげるから、表に出なさい」 言うだけ言ってサンを伴い屋敷の外に出る。 うん、付いてきてる。 しかし……何よコイツ。こんな気味の悪い雰囲気初めてよ。 一体何者? 屋敷の正門をくぐり外に出ると、見渡す限りの野原が広がっている。 空から屋敷に入ってきた時確認してある。 周囲は全てオルレアン大公夫人の屋敷の敷地内である。 わざわざ侵入してくるような無礼な平民も居ないだろう。 「……いい加減姿を現したらどう?」 ルイズの声に応えたのか、目深にフードを被った男がルイズ達の前に姿を現す。 正面に見据えると強烈だ。 今までのがまるで別人であったかのように、強大な存在感を放っている。 それも全てを圧する覇気ではなく、夜道をひっそりと、しかし確実に迫ってくる闇のような圧迫感。 男はゆっくりとフードを上げる。 その両耳が尖っている事が、彼がエルフであると何より饒舌に物語っていた。 さしもの豪胆なルイズも息を呑む。 それ程にハルケギニアに住む人間にとって、エルフとは触れざる存在であったのだ。 エルフは、それすら驚きの対象であるが、ルイズにもわかる言葉で静かに告げる。 「蛮人、何処の手の者か言え。そうすればタダで殺してやる」 言葉は偉大だ。 その一言で、いや、たった一つの単語でルイズの金縛りが解ける。 「ばん……じん? 今、貴方、私を指して蛮人と言ったのかしら? この私を見て、そう言ったというの?」 「他に貴様等を形容する言葉を知らぬ」 恐怖はある。 しかし、それ以上の怒りと、必要であると悟ったが故に、ルイズは燦に告げる。 「手加減抜きよ。しょっぱなから全力で行くわ」 エルフの恐怖を知らぬ燦とて、彼の異質さには気付いている。 故に不用意に踏み込む事もしなかったが、怖気ずくなどと無縁であった燦は即座に了承する。 「人魚古代歌詞(エンシェントリリック)! 英雄の詩!!」 先と同じ、全身に漲るを通り抜け迸ってしまう程の力が沸いてくる。 エルフはそこで初めて警戒の色を見せる。 「魔法? いや、違う……それは一体……」 そこまでで言葉を止めたのは、エルフ自身の意思ではない。 真正面に捉えていたはずのルイズが、彼の反射神経を遙かに凌駕した速度で、すぐ目の前に迫っていたせいだ。 大きく真後ろにまで振りかぶった右拳。 背中がエルフに見える程捻りきった体。 敢えて言うのであれば、この一瞬のみがエルフにとって唯一の攻撃チャンスであっただろう。 それもまた、この速度と唐突さに反応出来れば、の話であるが。 「ああああああああああっ!!」 ルイズは雄叫びと共に拳を叩きつける。 大地を踏みしめる足、がっしりと地面を捕えた足裏の力により、凄まじい回転の捻りにも足元は微動だにしない。 足から伝わる腰の回転、この勢いだけでエルフの耳には轟音が聞こえてくる。 しかしそれ以上の音は拳とそれを繋ぐ腕から発せられる。 目に見えぬ大気をも切り裂く速度と、触れる物全てを消滅させる破壊力。 この二つをあわせ持った拳に、エルフは僅かにだが恐怖を覚えた。 極限まで凝縮した肉に、鋼鉄の塊を巨人の腕力で打ち付ける音。 鈍くくぐもった重苦しい衝撃音を形容するならばそんな所であろうか。 ルイズの拳は、鉄程に強化されたゴーレムすら破砕しうるその豪腕は、エルフの眼前数サントの位置で不自然に止められていた。 ルイズの腕に信じられぬ圧力がかかる。 今も全力を込めているというのに、腕ごと引き千切らん勢いでエルフから『力』が放たれている。 これこそがエルフ、ビダーシャルを無敵の超人とする秘技、反射である。 それがいかなる力であろうと、ビダーシャルに辿り着く前に中和され、同じだけの力を逆方向に放つ事が出来るのだ。 自らが放った、ハルケギニアに自然に存在する事象を遙かに超越した衝撃を、まともにその腕に受けるルイズ。 それすらも、ルイズと燦の絆は凌駕する。 「こんのおおおおおおおお!! 私を! 見くびるんじゃ無いわよおおおおおおおお!!」 一度完全に静止してしまった腕が、少しづつ、少しづつエルフへと進み出す。 驚愕に歪むエルフに、拳は迫りよって行き、 『アンタ何かに負けるもんですか! 私達が一番強いのよっ!』 遂に中和しうる限界値を越え、ルイズの拳が振りぬかれた。 濁流を流れる木切れのように跳ね飛び、転がり回るエルフ。 ようやく運動エネルギーが消失してくれた頃には、最初の位置から数十メイルも離れた場所までふっ飛んでいた。 跳ね飛ばされ、地面に何度も叩き付けられた衝撃は『反射』の能力で無効化出来たが、最初の一撃、ルイズの拳のみそれが適わなかった。 生まれてこの方味わった事の無い激しい振動と衝撃に、脳は思考を拒否し、視界は呆として落ち着かない。 だから、天の光を遮る影にも気付けない。 転がりまわるエルフを追い、止まるのとほぼ同時に追いついたルイズは、とても家族には見せられぬ顔で言った。 「悪いけど、私達がここに居た事を知られると後々厄介なのよ。だから……」 右腕に有らん限りの力を込める。 「貴方はここで死になさい!」 振り下ろした鉄拳。 それでもエルフの反射は生きていたようだが、先程の反射能力は望めず。 更に、真上から振り下ろす拳に衝撃を中空に逃がす事も出来ず。 その圧力は、大地に直径数メイルの巨大なへこみ、クレーターを作り出す程であった。 反射を破られた事によるものか、エルフは全身に圧力を受け、手足がひしゃげ、胴体は醜く押し潰れている。 その苦痛に歪む顔を見たルイズは、そうしてしまった自らの拳を堅く握り締める。 「何よ……エルフって言ったって私達と大して変わらないじゃない」 勝鬨ではなく悲しさから、ルイズはそう呟いた。 意識して殺した始めての相手。 その顔をルイズは当分の間忘れられそうに無い。 そう思ったが、是非も無し、と踵を返し燦の元へと戻って行った。 オルレアン大公夫人は、タバサが連れて逃げるつもりである事を聞くと表情を曇らせる。 自らとシャルロットの価値を知っている夫人は、それによる様々な影響を恐れたのだ。 しかしタバサは決して譲らなかった。 ガリアに居ては、何時また同じ事をされるかわからない。 何時の間にか母より余程強情になっていた娘の言葉に、夫人は抗しきれなかった。 執事ベルスランも、当然のごとくこの逃避行に参加を表明する。 地獄の果てまでもお供しますと言った彼の静かな迫力には、貴族にすら滅多に見られぬ全てを受け入れる覚悟があった。 結局ルイズ、タバサ、燦にオルレアン大公夫人とベルスランを加えた五人は、全員がシルフィードに乗ってトリステインへと向かう事となった。 ルイズはエルフの一件を「王の見張りは人知れず黙らせておいたわ」の一言だけで済ませていた。 落ち着くまでは無駄な心配をかけぬようにとの配慮であった。 シルフィードが過剰重量に音を上げる寸前、どうにかこうにかトリステイン魔法学院へと戻った一行。 彼女達を迎えたキュルケは、学院から少し離れた場所にある屋敷へと案内する。 キュルケが屋敷の持ち主の名を告げ、入り口の扉を開くと、ルイズ、タバサ、燦の表情が固まる。 「ごめんっ! バレてた!」 両手を合わせて謝るキュルケ。 屋敷の主は、にこやかな表情で大公夫人を出迎えた。 「遠路遥々ようこそおこし下さいました。ワシの名はオスマン。トリステイン魔法学院学長オールドオスマンで通っておりますじゃ」 コルベールは学長室に入ると、何時もの様に暢気な様子で椅子に腰掛けているオールドオスマンに必要事項を報告する。 生徒達の成績やら素行の定期調査に関する書類をテーブルに置くと、コルベールはちらと部屋を見渡す。 「ミス・ロングビルはどうされました? 最近姿を見ないようですが……」 オールドオスマンは鼻の中に指をつっこんで、中の毛を引っ張りながら答える。 「ああ、ミス・ロングビルなら辞めたぞ」 「は?」 寝耳に水である。驚きに問い返す事すらできずに居ると、オールドオスマンは冗談を言って和ませに来た。 「今はワシの愛人をやっとる。人間楽に生きられるならそれが一番じゃて」 「…………」 趣味の悪い冗談に、コルベールは眉をひそめる。 「で、ミス・ロングビルはどうなさったんで?」 「だからワシの愛人しとると言うてるじゃろうが。屋敷も与えてやったし、使用人も揃えた。ふふふん、いやぁやはり女子は良いのぉ」 じーっとオールドオスマンを見つめるコルベール。 「……冗談では無いのですか?」 「何でそんなつまらん冗談を言わねばならん。お主もそんな頭しといて、男の価値は見た目だなどと抜かすつもりはなかろうな」 頭皮の事は言うなボケが、というのはさておき、俄かには信じがたい話だ。 だが、確かに地位も名誉もそれ以外も唸る程持っているオールドオスマンだ。女性を一人囲う事ぐらい訳無いであろう。 セクハラ三昧の頃はミス・ロングビルから露骨に嫌がってるオーラが出ていたが、それが収まってきた最近は、仲が良くなったとは思っていた。 しかしそれが男女の仲であるとは想像もしなかった。 「事実は小説より奇なりじゃよ」 それが無茶苦茶奇妙な事だって自分でわかってるではないか、と言いたかったが、妙に上機嫌なオールドオスマンの気分を損ねるのも何なのでコルベールは黙っておいた。 一人が消え、一人が現れた。 オールドオスマンは単に当てはめただけである。 ミス・ロングビルが居た場所にオルレアン大公夫人を置き、周囲との接点を無くしてしまえば、そこに不自然さは無くなる。 正体が明かされた土くれのフーケであったが、その一件は無かった事になっている。 である以上、土くれのフーケであったミス・ロングビルが居ないのは不自然であった。 幾つか適当な解決策を考えてあったのだが、今回はこれ幸いとオルレアン大公夫人をそこに組み込んだのだ。 これで、双方の事件に於いて減ったり増えたりした人数はゼロ。 日々はつつがなく続いて行くのである。 ワルド子爵は本気で悔しがっていたが、愛人として屋敷を与え囲っている相手に直接会っては間男扱いされるだけだ。 いずれ間を計って忍び込むぐらいしか会う方法が残されていないので、今は、手を引く事にした。 こうして、対外的にも全く不自然さを持たぬまま、オルレアン大公夫人は隠れ家を手に入れる事が出来たのだ。 又、没落貴族との触れ込みであったミス・ロングビルに、オールドオスマンは旧来の家を復権させるべく尽力もしている。 その為の手段が、ゲルマニアのツェルプストー家であり、キュルケである。 本来ゲルマニアの貴族であったミス・ロングビルが手放した爵位を買い戻してやるという話で、綺麗に全ては纏まってくれる。 貴族であれば尚の事、オールドオスマンのお相手として相応しく、これだけの待遇も誰しもが納得するであろうから。 懸案だった身近に居るであろうガリアの諜報員だが、これはタバサからもたらされた情報をワルド子爵に適度に漏らす事で、うまく彼が立ち回ってくれた。 ちょうど彼は非合法ガリア諜報機関への攻撃を開始していた時でもあり、渡りに船はお互い様であった。 一つだけあった問題としては、トリステインエロ愛好家達が「一人の女に執着するなぞ何たる堕落! エロ師匠は死んだ!」と大いに嘆いたという事だが、まあどうでもいいのでオールドオスマンはさらっと無視した。 ガリア王は、テーブルの上に置いたチェス板を見つめながら、事態の推移を推理する。 オルレアン大公夫人誘拐事件の犯人は不明。そしてこれは王がうまい事揉み消したが、その場にはエルフの遺体が一つ。 敵の多い王の事、それを為す心当たりは山ほどあったが、やはりこの場合一番に挙がるのは彼女、シャルロットである。 すぐに周辺の調査を行いたいと思っていたのだが、現在トリステインでガリアの密偵は派手に動けぬ事情があった。 麻薬密輸事件。 アルビオンでの作戦中、トリステインが手を出して来ては厄介だ。 ならば国内で社会問題となるような大きなトラブルを起こしてやれと仕掛けた作戦だ。 手を出すのを止められなかったにしても、又その後アルビオン反乱軍がトリステインにちょっかいを出すにしても、平民レベルで麻薬が行きかっているというのは都合が良い。 恐怖を無くす効果もある為、軍所属の平民達に使ってしまう者も出てくるだろう。そうなれば、軍組織は相当ヒドイ事になってくれる。 どう転んでも悪くはない策だったのだが、やはりトリステインは一筋縄ではいかぬ。 万全の体勢で望んだ布陣をいともあっさり突き破り、黒幕のガリアにまで手をかけてきた。 非公式ではあるが、抗議の文面がとても強い口調で送られてきている。 幾分かはこちらから妥協せねば、今後外交を成立する事も難しかろう。 そしてトリステインの平民達に流行していた麻薬の大元が、公にされておらぬとはいえ、ガリアが関わっているかもしれぬ、とされたのだ。 これを明らかにしたグリフォン隊隊長ワルド子爵指揮の下、国内のガリア勢力に対する大掃除が行われていた。 女王の信頼をも得ている彼は、その巨大な権限を余す事無く駆使し、ガリア王が手配していた非合法系の拠点や人員を次々削り取って行く。 ガリア王にとってワルド子爵は、既に息のかかった手の内の駒の一つであった。 しかしそれはあくまでアルビオン反乱軍経由での事。 ワルド子爵自身もガリアがその黒幕である事を知らされていない。 そこまで深く踏み込ませるつもりもあったのだが、どうもワルド子爵の動きが鈍く、関係はそこまで進んではいなかったのだ。 右の手が左の手を殴っているような事態に、ガリア王は目を覆わんばかりだ。 オルレアン大公夫人誘拐事件の犯人は、エルフすら凌駕しうる能力を持っている。 今のギリギリの状況で強引に話を進めても、良い結果に結びつくとも思えない。 当然、虚無の力を真っ先に思い出したガリア王であったが、王の知る虚無ならばエルフを倒すにあのような戦い方はしない。 報告を受けた限りでは、巨大な砲弾か何かを至近距離から打ち込んだ様だと聞いている。 あのエルフ、ビダーシャルの反射の能力を貫くには、確かに戦艦の大砲でも使わねば適わぬであろう。 しかし、周囲に火薬や弾欠や砲台を移動した形跡は見つからない。 まともな魔法では話にならぬ反射能力である。やはり虚無の力と考えるのが妥当だが、ガリア王は断定はしない。 仮にこの件にロマリア連合皇国が絡んでいるとなれば、不可能ではないかもしれないからだ。 そこまで考えて少し頭を冷やすべく飲料を口にする。 まずはオルレアン大公夫人誘拐の件からだと決め、他の様々な思考を頭から追いやる。 公的にトリステインでの存在が認められている、ガリアの人間からの報告を元に考えてみる。 当然のごとく、シャルロット周辺での動きは無し。 王都での舞台があっただの、使い魔品評会で一位をとっただの、取るに足りない話ばかりだ。 しかし学院自体は妙に動きが活発だ。 ヴァリエール家の娘とゲルマニアのツェルプストー家の娘がトリステインの伯爵相手に問題を起こした。 派手な決闘騒ぎを起こした二人、彼女達とシャルロットは同学年で決闘騒ぎの際に関わりがあるという。 更にガリア王が気にかけていたのは、麻薬密輸事件発覚の時の人員に学院の秘書が加わっていたという話だ。 その秘書はどうやら学長子飼いらしく、家まで与えられている。 しかし学院という、そこだけでほとんどの事が完結してしまう特殊な閉鎖空間は、それ以上の調査を許さなかった。 工作員を放り込むにも、年齢制限がネックとなっており(学園は年齢に関して大らかだが、幾らなんでも二十代、三十代のメイジを送り込む事も出来ない為)優秀な工作員を向かわせる事も出来ない。 そう考えるとシャルロットは学院対策として実に優秀な駒であったのだが、今回に限っては彼女の言葉は信用出来ない。 人質が人質として効果を発揮しつつ、シャルロット以外でも情報収集の手段がある、そういう状況でなくば彼女を利用する事は出来ないのだ。 幾らなんでも不可解すぎる。そして様々な事の間が悪すぎる。 直感に近いが、やはりガリアの事情を深く知るシャルロットと誘拐事件には関連があると考えるべきだろう。 オルレアン大公夫人の居場所を公的な形で特定出来れば、外交筋でどうとでも好きに出来るのだが、シャルロット絡みというのは勘にすぎず証拠も何も無い。 現時点で色々と手を出す方法も無くはないが、一連の流れが統一された意思の元行われていたとすると、対策も用意されていよう。 ならばここは現状維持のまま、敵の動きを待つ。 もちろんシャルロットへの調査も、トリステイン内の新たな諜報組織の確立も平行して行う。 連中がもし現状維持に無理をしているというのなら、何処かに歪みが現れるはず。 狂気に冒された夫人をいつまでも隠しておくなぞ、そう簡単に出来る事ではないのだから。 それを、ゆっくりと待ち構えるとしよう。 関係者が特定出来ているというのであれば、何も焦る事はない。 人質不在である以上不要となった駒、シャルロットを呼び出して謀殺するのは後でも良い。 相手が油断し、隙を見せるまで大きくは動かぬ。 むしろ、もし本当にトリステインに大公夫人が居るというのなら、先々の展開はガリア王に有利に働く。 アルビオン反乱軍、これがアルビオンを征した後はトリステインだ。 こいつらが強硬に侵入し、トリステイン国内で夫人を確保してしまえば最早言い逃れも出来まい。 そうなれば大手を振ってガリアはトリステインへと侵攻出来る。 戦力に関しては、麻薬以外にもトリステインを圧倒しうる腹案はある。 ガリアとアルビオン反乱軍との関係は、誰にも見抜きようが無いのだから、この手だけは絶対に読めまい。 その時こそ、シャルロットを抱え込み、エルフをも倒しうる力を持ち、数多の予防線を張り巡らせた何者かに、思い知らせる時だ。 タバサはオールドオスマンから幾つかの注意を受けていた。 最も細心の注意を払うべきは、国許からの手紙である。 予想される指示は二種類。国許への帰還命令か、オールドオスマンの愛人誘拐。 前者は言わずもがな、人質を失った事により有用な存在から有害な存在へと変わったタバサの謀殺を目論んでの事。 後者は少々複雑で、こう指示してくるという事は、ミス・ロングビル=オルレアン大公夫人であると疑いを持っているという事だ。 これを指示しうる程、こちらの情報に精通しているとなると、やや問題なのである。 オールドオスマンに授けられたそれらへの対応策を確認し、さあいつでもかかって来いと待ち構えているのだが、一向に国許から連絡が来ない。 不安になってオールドオスマンに訊ねると、彼はかんらかんらと笑って言った。 「油断すべきではないが、下手すると連中ワシらの事まるで気付いとらん可能性もあるのう。ハッハッハ」 オールドオスマンも幾つか手持ちのソースを当たり情報を集めているが、目立った動きは無かったのだ。 という訳で。タバサは週に数回の母との逢瀬を存分に楽しんでいた。 「はい、シャルロット。あーん」 ケーキを一口サイズに切り分け、フォークですくってタバサの口元へと運ぶ大公夫人。 「あーん」 目尻が全開で垂れ下がり、普段の凛々しい姿など見る影もなくなっているタバサ。 「おいしい?」 「うん」 かれこれ七回もこのやりとりを繰り返しているのに、まるで飽きる様子が無い。 一度ルイズ達もひょこっと遊びに行ったのだが、あんまりにあんまりすぎるタバサの有様に、二度と近づくまいと心に決めたのである。 屋敷に出向いている時以外は、むしろ自分の手で母を守るんだという気概に満ち溢れ、油断や隙の欠片も見られないだけに、このギャップが耐えられなかった模様。 屋敷に行く時も、それこそオールドオスマンのモートソグニルですら気付かれる程の警戒能力を発揮する為、その辺は皆安心しているのだが。 何時もの四人は、漸く何時もどおりの昼食の時間を取り戻す。 あまり頻繁に会いに行くのも怪しまれる。 そう言い出したのは他ならぬタバサであるが、やはり何時でも会っていたいのだろう。 ふと気が付くと母の住んでいる屋敷の方に視線を向けている。 そんなタバサの様子を微笑ましげに見守りながら、キュルケはしかし真剣な口調で口を開く。 「幾つか、聞き逃せない話あるわよね。エルフがどうしてタバサの実家に居たのか、とか」 ルイズもその点は気になっていた。 「タバサ、ガリアがエルフと組んでいるなんて話あるの? いや、そもそもそんな事出来るの? 偶然あそこに居たなんて話、誰も信じないわよ」 「わからない。そのエルフを倒したっていうルイズの事も含めて」 言いたい事はわかる。ルイズは苦笑した。 「英雄の詩って、そんな警戒するほど無敵でもないわよ」 キュルケが即座に答える。 「サンよね。普段のサンなら何が起ころうと自力で突破出来そうだけど、歌を歌ってちゃ……ねえ」 エルフとやりあった時、実はルイズはかなり追い詰められていたのである。 後ろに居る燦を狙うような真似された場合、それが魔法による攻撃であったならルイズには自らの体を盾にする以外防ぐ手段が無い。 だからこそ相手がそれに気づく前に、速攻で倒しきる必要があったのだ。 嘆息するルイズ。 「そうなのよねぇ。状況によっては二人で戦ってた方が有利な事もあるし」 本来のサンは魔法があってさえ、到底倒しうるような相手ではない。 特に体力が充分な時の燦は、タバサやキュルケの魔法ですら捉える事が出来ない程だ。 「サンはムラがある、物凄く」 タバサがぼそっとツッコムと、燦もわかっているのか首を傾げる。 「よくわからんけど、大抵最初の内は絶好調でびっくりするぐらい動けるんじゃけど、ずーーーーーーっと剣振り回してると、体力まだあるのに、動きががくーって鈍くなったりするんよ」 何度もルイズと剣を合わせて実感した事だ。 実は、最初の内は燦の持つガンダールブの力が発揮されており、それが時間制限で切れているという話なのだが、当然ガンダールブにも虚無にも気付いていない四人はそんな事に思い至れない。 ガンダールブの力には手に持った武器の使い方がわかるといった能力もあるのだが、燦は剣しか持っておらず、剣の使い方は元々知っていたので、それがわかっても不思議に思わなかったのだ。 さりげなくデルフリンガーが使い手だの何だのと言っていたが、それすら、ふーん、で済ませてしまっている。 伝承に謳われたガンダールブの力すら、調子が良いの一言で片付けてしまう。正に天然恐るべしである。 ルイズはばしーっと結論を出す。 「つまりよ! サンが歌を歌いながら剣を振るえれば万事解決! そうよねサン!?」 「あー、それちょっと難しいー」 「何言ってるの! 人間努力さえすればどんな事だって出来ない事はないのよ! 今日から早速特訓よ!」 体育会系のノリが全身に染み付いたルイズ。 それをルイズに教え込んだのは他ならぬ燦である。 「そうじゃな……うん! 私頑張るでルイズちゃん!」 「その意気よ! 私もあの歌で顔が変形するのどーにかして見せるわ!」 キュルケとタバサは、妙に盛り上がる二人に聞こえないよう、ぼそぼそと話す。 「……これ以上強くなってどーするってのよ。それに歌いながら剣て、ハタから見たら可哀想な人にしか見えないんじゃ……」 「……あの顔、自分の意思でやってたんじゃないんだ……」 タバサ母より、とても凛々しいご友人ね、との評価を賜った英雄の詩後のルイズの劇画顔は、やはり当人には不評の様で。 ルイズにもまだ女性としての自覚があったのか、などと尤もらしく頷くタバサであった。 事も無く日々は流れて行くが、ある日キュルケが実家に戻ると言い出した。 例の爵位の件で、より適切な条件の爵位を見つける為には、どうしても自身がゲルマニアに出向く必要があったのだ。 オールドオスマンに相談すると、ならばルイズも燦を連れて実家に戻れと言い出した。 領地が隣同士なので、これなら途中まで三人で移動出来るという安全面での話ももちろんあったが、それ以外の理由が大きい。 ガリアがまるでちょっかいをかけて来ないのは、恐らく学院メンバーが大公夫人誘拐に関わっているという確証が持てないからだ。 ならば、こちらに大公夫人が居るのならとてもやらないような事をやって、より混乱させてやろうという話だ。 いずれ先々で戦力全てを出しつくすような戦いになる。その時、今外を出歩いているメンバーが主力であるなどと連中は考え得ないだろうという事でもある。 強硬手段は、ワルド子爵の大暴れで打つだけの戦力を用意出来ないだろうという読みもあった。 もちろん数日の内に戻るのが大前提ではあったが。 一人タバサを残す事に不安もあったが、オールドオスマンが、いざという時はワルド子爵に泣き付くわい、と言った事であっさりと納得する。 謁見の間で口添えをしてくれた事もあり、子爵の頼もしさ、誠実さを、ルイズ達は欠片も疑っていなかったのだから。 前ページ次ページゼロの花嫁
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5008.html
前ページUM☆アルティメットメイジ UM☆アルティメットメイジ 第四話 【さらばアルティメットメイジ】 「・・・やれやれ それにしたって夜勤ってのは退屈ですね 隊長」 「お仕事だよ お仕事! 無駄口叩いてないでしっかり見張れ!」 「へーい」 アルビオン大陸-ニューカッスル城。 かつて、アルビオン王家が一時的な滅亡を迎える事となった古城で、ゲルマニア兵達の暢気な声が響く。 旧主を滅ぼし、この城の主となった神聖アルビオン共和国皇帝 オリヴァー・クロムウェルも、既にこの世の者ではない。 トリステイン・ゲルマニア両国の侵攻と、大国ガリアの突然の軍事介入により、彼等の母体であった【レコン・キスタ】は、瞬く間に壊滅、 アルビオン大陸は列国に分轄統治される事となり、現在では、この城はゲルマニアの治めるところとなっていた。 近年のガリアの怪しげな策動により、ハルケギニアの国家間には微妙な溝が出来つつあったが、 この古城は、そんなキナ臭さとは無縁の状態にあった。 現在のアルビオンには列国で結ばれた協定があり、トリステイン・ガリア・ゲルマニア3国の軍隊が駐屯しているのである。 仮に1国が軍事行動を起こした所で、残る2国に袋叩きに遭うのは自明の理であり、 若さを持て余す新兵が、見張りに不熱心なのも仕方がない事と言えた。 「・・・ねえ 隊長」 「何だ?」 「俺 ここでの任務が終わったら 故郷の馴染みと式を挙げようと思うんですよ それで―」 新兵の言葉をそこで遮りながら、隊長と呼ばれてた初老の男は、何かに気づいたように、頭上の双月をじっと睨みつけた。 「どうかしましたか?」 「今 一瞬 月明かりが何かに遮られたような・・・」 「そんな まさか・・・?」 その時であった。 突如、轟音と振動が周囲に広がり、巨大な怪物が、城を取り囲むように、次々と落下してきた。 闇世の中で、巨人達の両眼が炎のように瞬き、古城のあちこちでパニックが巻き起こる。 「ゴ ゴ ゴーレムゥ!?」 「いや!? コイツは・・・!!」 二人が会話出来たのはそこまでだった。怪物の拳が居城の外壁を砕き、飛び散る瓦礫が二人に容赦なく浴びせられた。 朦朧とした意識の中、男は見た。月明かりに照らし出される巨大な戦艦、そして、二本の杖を模した国旗―。 「ガリアだと・・・? バカな 無能王は世界を敵に回す気か・・・?」 男の意識はそこで途絶えた。 その夜、ガリアはアルビオンの主要都市に向け同時に進行を開始―。 電撃的な作戦により、空を彷徨う大陸は、瞬く間にガリア軍の手に落ちた・・・。 ガリア軍、アルビオンを占拠―。 伝令からもたらされた急報に対処すべく、都市国家ロマリアでは、 現教皇ヴィットーリオと、トリステイン女王アンリエッタの間で緊急の対談が行われていた。 もともと、ロマリア陣営の狙いは、戦略の鍵を握る【虚無】を餌として、ガリア王ジョゼフの陰謀を釣り上げる事にあり、 アンリエッタのロマリア巡幸はその前段階であった。 ゆえに、今回のガリアのアルビオン侵攻は、敵に完全に肩透かしを喰らった形であった。 アンリエッタもまた、驚きを隠すことが出来ずにいた。 今度の戦いは謀略劇に終始するであろうと推測していた彼女にとって、 ガリアの電撃的な軍事行動は、正に晴天の霹靂であり、自己の見通しの甘さを悔やまずにはいられない事態だった。 だが、それぞれの思惑はどうあれ、情勢はロマリア陣営に有利に運んでいた。 ガリアの背信行為は、情勢を静観するゲルマニアを味方に引き入れる余地をもたらすであろう。 更に、ガリア軍の主力はいまや自領を離れ、遠くアルビオンの地にある。 無能王の政策に不満を持つ、当地の軍閥を吸収しつつ攻め上ったならば、一気にジョゼフを廃位に追い詰める事も可能と思われた。 だが、それゆえに一抹の不気味さも拭えなかった。 逆に考えるならば、ジョゼフはガリア一国を失う危険を冒す価値を、アルビオンに見出していた事になる。 事ここに至って、無能王は白の国に何を求めたというのか・・・? 会議室に第二報が飛び込んできたのは、両国が詰めの協議に入ろうとしていた時だった。 「密偵より報告! アルビオンが・・・ アルビオンが・・・ッ!!」 「どうした? 落ち着いて報告せよ」 「ハッ・・・失礼! ア アルビオンが・・・ 移動しております・・・!!」 「・・・何?」 「み、密偵からの報告によれば この時期 かの大陸が本来あるはずの座標を大きく外れ 緩やかに南下を開始していると・・・ このままの軌道と速度で進めば 明日の明朝には トリステイン王国・タルブ地方の上空に到達する見込み・・・!」 「そ そのような事が・・・!」 「バカな! 何かの間違いではないのか!?」 太陽が西から昇るかのような突拍子の無い報告に、会議室が困惑をきたす。 だが、時の経過と共に各方面から次々と飛び込んでくる情報が、報告の確かさを裏付け始める。 「・・・にわかには信じがたい事ではあるが それならば全ての事情がつながる 虚無の魔法なのか 何らかのマジックアイテムの力によるものなのかは分からぬが とにかくジョゼフは アルビオンの理を司る精霊に干渉する術を知ったのでしょう こうなると 今のガリア軍は 戦場を自由に移動できる 巨大な要塞を得たに等しい・・・」 『違うッ! これは そんな生易しい作戦ではないッ!!』 教皇の推測を遮り、ハリのある声が響き渡る。 室内に静寂が満ち、その場に居合わせた者全てが一点に視線を向ける。 発言の主は、アンリエッタ付きの女官、ルイズ・フランソワーズが使い魔・・・。 「・・・どうしたの? UFOマン」 『私はかつて 何億光年もの星の海を渡り歩き 様々な生命の営みを そして戦争の形を見てきた・・・ それゆえに 顔も見た事も無いガリアの王が企てる おぞましい作戦の全容が分かってしまうのだ・・・』 「おぞましい・・・ 作戦?」 『・・・ 【アルビオン落とし】 だ・・・ 敵は アルビオンがハルケギニア大陸の真上に差し掛かったところで 精霊の働きを遮断し 浮遊する大陸を 丸ごと地表にぶつける気なのだ・・・』 「 !? 」 アルビオン落とし。 その響きの禍々しさに、そして、神をも恐れぬ悪魔の所業に一同が絶句する。 「そんな・・・ あんな物が激突したら タルブは・・・」 『質量が違いすぎる タルブどころかトリステイン全土・・・ そして 隣国ゲルマニアにまで壊滅的な打撃を与えて なお釣りがくる』 「・・・そして 舞い上がる粉塵は太陽の恵みを遮断し 大陸に生きる数多の生命に深刻な影響を与える アルビオンの鎖を失った精霊たちの暴走も考えれば 本当にハルケギニア全土が滅びかねない・・・」 UFOマンの言葉を引き継ぎ、ヴィットーリオの使い魔・ジュリオが推測を述べる。その額に大粒の汗が滲む。 「でも・・・ そんな ありえませんわ! そんな事をしたら ガリアだってッ!!」 「いや・・・」 取り乱すアンリエッタの声を遮り、明晰なる教皇が、異性人の推測を現実に照らし合わせていく。 「ジョゼフの狙いはあくまで虚無・・・ 世界の混乱を助長させることは それだけ彼奴の暗躍する余地が増える事を意味する 仮にハルケギニア全土を滅亡寸前まで追い込んだとて それと引き換えに 虚無の力を 全て己が物にできたなら それは悪くない取引・・・ そう考えていたとしても なんら おかしくの無い男です」 「そ そんな・・・!」 「姫様!?」 突如、母国トリステイン襲った危機の巨大さに、危うく意識を失いかけたアンリエッタであったが 国家元首として義務感のみを最後の支えに、かろうじて踏みとどまった。 近寄ろうとしたルイズを片手で制すと、頭をひとつ振るい、ゆっくりとヴィットーリオの方へ向き直った。 「聖下 この場はこれにてお暇させていただきます 私は国許にガリアの思惑を伝え その野心を断つべく 発布を下さねばなりませぬ」 少女の瞳に宿る強靭な意志を確認し、教皇も静かにうなずく。 「ウム・・・ 誇り高きトリステインの聖女に 始祖ブリミルの導きがあらん事を」 アンリエッタは軽く一礼すると、側近たちに指令を下しながら、早足で議場を後にした。 ヴィットーリオも又、重臣たちを集めるよう、ジュリオへと指示を出す。 場を支配していた重い空気が、あわただしく動き出す。 ―そして室内には、若き教皇とアンリエッタの女官、そして彼女の使い魔だけが残った・・・。 「ミス・ヴァリエール? いかがなされました? 女王陛下の腹心たる あなたが動かなければ・・・」 「聖下に 折り入って頼みがございます」 「・・・・・・」 「聖下の虚無で 私をかの地へ タルブの地へとお運びください」 眼前の少女の真意を推し量るように、暫く目を細めていた教皇だったが、やがて、落ち着いた口ぶりでいった。 「・・・やはり 近年 ハルケギニア各地に現れた【イーヴァルディの女神】 アルティメットメイジの正体は あなただったのですね」 「・・・・・・」 「けれども あなたの奇跡をもってしても あれだけの質量が止められますかどうか・・・ アルティメットメイジは その力を限られた時間しか 行使する事が出来ないのでしょう?」 「・・・確かに私では 力不足かもしれません けれども今の私には 今日 この日のために彼の力を・・・ この使い魔を授かったように思えてならないのです ここで私が勇気を出さねば 私の力が通じぬようなら おそらく他に アルビオンを止める手立ては・・・」 「私たちの力が通じぬようなら でしょ? ルイズ」 突然の馴染みある声に、反射的にルイズが振り返る。 そこにいたのは、幾度と無く窮地を共に乗り越えてきた、ふたりの少女。 「いまさら一人でデートの準備なんて それはないんじゃない? ヴァリエール」 クセの強い赤毛をかき上げながら、褐色の肌の少女が嘯く。 「薄情者・・・」 あくまで淡々と、青髪の少女が呟く。 「キュルケ・・・ タバサ・・・ 気持ちは嬉しいけど これは UFOマンを呼び出した私の使命・・・ これ以上 アンタ達を危険に付き合わせる事わにぃぃぃぃっ!」 深刻な面持ちで2人を説き伏せようとするルイズだったが、キュルケに思い切りほほを引っ張り上げられ、話にならない。 「アンタ ちゃんと話きいてたの~? アルビオンが落ちれば ゲルマニアもガリアも終わりだって言ってたでしょ 今更よそよそしくするもんじゃないわよ」 「一蓮托生」 「わひゃっひゃっ! ふれふぇふっ!! ふれへくわよぉぉぉ~! まっひゃふ あひょれないひゃっへ ひららいはひょ~!!」 まるで、ハイキングに行くかのような気軽さで世界の危機と向き合う3人。 その余りの前向きさに、教皇も思わず笑みを漏らす。 「ミス・ヴァリエール 貴殿の願い 確かに承った 知恵比べで無能王に惨敗した 今の私に出来ることは 残されたチップの全てを 3人の女神に張る事だけのようだ」 こんな事でも無ければ一生涯聞くことの出来ぬであろう、現教皇・聖エイジス32世の諧謔に、少女達がニヤリと笑う。 「ハルケギニアを頼む アルティメットメイジよ・・・ 地上で最も困難なる試練に臨むイーヴァルディの女神に 始祖ブリミルの加護のあらん事を!」 トリステイン王国・タルブ地方 国内で最大の規模を持つ広大な平原地帯を、薄闇のヴェールが包み上げる。 夜明け前、天地の狭間が静寂で満ちる時間。 肌に触れるひんやりとした空気が、群青色の空と、光を失いつつある星たちが 3人の少女の胸に、どこか言いようの無い寂寥感をもたらす。 「アルビオン・・・ 姫様の密命を受けて渡ったときも アンタらと一緒だったっけ?」 「まさかこんな形で もう一度かの地を訪れ・・・ いえ かの地が私たちを訪れるとわね」 「・・・おしゃべりはそこまで 見えたわ・・・」 タバサが示した杖の先には、僅かに輝き始めた地平の彼方に浮かぶ、小さな黒点が見えた。 世界最後の日の始まりを告げる光景に、自然、肌があわ立つ。 『さて まずは誰が あれに挑むんだい?』 UFOマンの問いに、少しの間、互いを見渡した3人だったが、 やがて、誰からと言うことも無く頷きあった。 「ここまで来て いちいちお色直しをしてる余裕はないわよ」 ルイズが右手を伸ばす。 「珍しく意見があったわね ヴァリエール」 キュルケが右手を伸ばす。 「みっつの心が ひとつになれば・・・」 タバサが左手を伸ばす。 『3人同時!? こんなの アニメじゃない・・・!』 「出来るわよ! これから世界を救おうってのに この程度の奇跡もおきないようじゃ話にもならないわ!」 『うおおお! 俺は今 モーレツに感動している!!』 「さあ いくわよッ! 二人とも」 「「「変身ッ!! アルティメットメイジ!」」」 『 イ ッ キ ま ー す ! ! 』 高らかとUFOマンを掲げた3人の姿が、白色のエナジーに包まれる。 眩い光の中、衣服が塵のように消え去り、少女達が一つになっていく。 光の拡大と共に肉体が膨らみ続け、全てが終わった時、 そこには通常の倍、100メイルはあろうかという白色の乙女が誕生していた・・・。 「やはり現れたね アルティメットメイジ! いつぞやの借り 返して貰うよッ!!」 巨神の出現を確認したシェフィールドの合図を皮切りに アルビオンの前方を固めていた艦隊が、一斉に突撃を開始する。 いずれの艦も、因縁深い、件の騎士人形を抱えている。 「ヨルムンガント・・・ なんて数なの!!」 「ルイズ アンタの虚無は温存よ! アイツらの相手は・・・」 「私にまかせて ただし・・・」 タバサの声に合わせ、乙女の巨体がやや縮み、髪の毛が青みを帯び始める。 動きを止めた乙女に対し、好機と踏んだか、騎士人形の一体が急降下に入る。 突っ込んでくるヨルムンガントの軌道に合わせ、乙女が指を差し出す。 パッチィイイイン という、乾いた音が空気を切り裂き、ヨルムンガントの巨体が、乙女の眼前で自動ドアのようにふたつに分かたれる。 分断された鉄塊が乙女の両脇を通過し、轟音と共にタルブの大地を揺るがした。 「ただし 真っ二つ よ・・・」 戦闘開始からおよそ10分弱―。 力の試しあいは終わり、戦闘は『量』の勝負へと移っていた。 すなわち、タバサの魔力が底を尽きるのが先か、騎士人形の大軍が全滅するのが先か、である。 日の出と共に、初めは小さな点だったアルビオンが、徐々に大きな影となって迫りつつある。 そのプレッシャーも又、タバサの精神力を揺るがせる要因であった。 「タバサ 左右から来るわ!」 「・・・ッ!」 タバサの足が止まったのを確認し、計10体のヨルムンガントが取り囲み 戦いの決着を付けるべく、一斉に突進を開始する。 タバサにも余力はない。短く詠唱を唱えると、右手に5本、左手に5本の氷槍を作る。 身を低くして極限まで引き付け、一息に周囲に撃ち出す。 一撃必殺の槍が同時に炸裂し、鋼鉄の巨体が次々に大地を揺るがす。 「いけないッ!? 上よ!」 「もらったよォッ! アルティメットメイジ!!」 シェフィールドの叫びと共に、一際大きな騎士人形が、タバサの頭上目掛け落下してくる。 神の頭脳の狙いは、敵を殲滅した乙女が、気を緩める一瞬であった。 渾身の力を出し尽くした直後のタバサには、頭上からの一撃を避ける余力は無いように見えた。 ズンッ という蛮刀の唐竹割りが、タバサを頭上から足元まで縦一文字に切り裂き、大地を砕いた。 「な・・・!?」 だが、驚きの声を上げたのは、斬ったシェフィールドの方だった。 手ごたえが全く無かったのだ。 一陣のつむじ風が乙女の残像を消し去り、気づいた時、タバサはヨルムンガントの背後にいた。 「偏在・・・か?」 背後から流れてくる湿り気を帯びた空気で、彼女は全てのトリックを理解した。 タバサは自身の周囲に水蒸気の壁を作り出し、光を屈折させる事で姿を消し去っていたのだ。 この時、偏在を1体のみ作り出したのも、絶大な効果を発揮した。 不完全な迷彩であったにも関わらず、明晰なる神の頭脳は、タバサが姿を消した事にすら気付かなかったのだ。 「ジーザス・・・」 ミョズニトニルンの呻きと同時にスナップ音が響き、巨体が真空の渦で微塵切りとなる。 崩れ落ちる鉄クズに飲み込まれながら、シェフィールドの狂声が響く。 「・・・クッ ククッ ハッハッ ハァアァアア!! 全ては・・・ あのお方の計算どおりさッ!! この戦いの決着なんざァ! 何の意味も持たないんだよ!! 私は・・・ 私は所詮ッ 捨てゴマに過ぎないんだからねッ!!」 ―直後、轟音と衝撃が大気を震わせ、アルビオンが火柱を噴き上げる。 巻き上がる黒煙と、ゆっくりと均整を失っていく大陸が、敵に決定的な一手を打たれた事を即座に理解させる。 「全ては終わりだよォォ! デッカイのォ!! 絶望の悲鳴をあげなアアァァァ!!」 狂ったような笑い声を響かせながら、神の頭脳が瓦礫の中へと消えた・・・。 「それ以上は無理よ 交代して タバサ!」 悲劇的結末を回避すべく、アルティメットメイジが大地を駆ける。 その背が徐々に伸び、髪の色、肌の色が変化を始める。 降下を始めた大陸の真正面に立ちはだかった時には、その姿は、真紅の乙女へと変貌していた。 「何をする気? キュルケ」 「加速がついてからでは間に合わない! 私の魔法で押し返して 何とか海上に着水させる!」 圧倒的なサイズ差を誇る対手を前に、キュルケは大きく深呼吸すると、左手をかざし、静かに瞳を閉じた。 眼前に迫る絶望的な状況が、少女の集中力をかつてない境地へと踏み込ませる。 波ひとつ無い静かなる精神が、その魔力を金色のオーラへと変えていく・・・。 「見せてやるッ! キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーが最終奥義ィ!! 」 ―驚ッ!! 力強く突き出された右腕から、金色のオーラが一直線に飛び出していく。 キュルケの魔力が、生命が、魂が巨大な掌底となって、アルビオンを真正面から受け止める。 大陸の持つ質量と、一個のプライドが釣り合い、落下が止まる。 「でやあああアアアァァァッ!!」 18年の人生全てを右腕に込め、更なるオーラをキュルケが放つ。 「大陸を押し返してる・・・! スゴイ これなら!!」 「・・・ダメ 消耗が大きすぎる・・・」 タバサが絶望的な呻きを漏らす。 彼女の言うとおりだった。 巨大な大陸の質量は一定であり、一人のメイジの魔力には限界がある・・・。 しばらくの間、均衡を保っていた両者であったが、やがて、ゆっくりと大陸が反撃を始めた・・・。 「限界よ あたしと交代して! キュルケ!」 「アンタは・・・ すっこんでなさい ヴァリエール・・・」 「強がってる場合じゃないでしょ!? このままじゃ!」 『ルイズ・・・ ここは彼女に任せるんだ』 「UFOマン!? アンタ 何を・・・」 『分からないのか? 何故 敵が近場のラ・ロシェールでは無く タルブの地を目標にしたのか・・・?』 「・・・?」 それっきり、押し黙ってしまったUFOマンに代わり、タバサが言葉を繋ぐ。 「ラ・ロシェールは交通の要所 対して タルブは集落の少ない平原地帯・・・ 周囲に人の目が無い状況では M.O.Eは発動しない」 「・・・!」 「ルイズ ・・・あなたの虚無は ここでは その真価を発揮出来ないのよ」 絶望的な事実を突きつけられ、ルイズが言葉を失う。 ズズズッ、と地響きを上げながら、キュルケの体が、徐々に押し返されていく。 「・・・それが それが 何だっていうのよ!」 「・・・」 「私達の力で アレをなんとかするんでしょ? 一蓮托生だと言ったのは アンタ達じゃないの!? 大切な仲間の危機に 指を咥えて見ている私だと思ってんの!!」 『・・・ルイズ』 「アンタじゃ役者不足よ とっとと代わりなさいッ! ツェルプストー!! 世界を救うのは この ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの仕事よッ!」 「・・・フン」 ルイズの威勢の良い啖呵を耳にして、キュルケがニヤリと笑う。 直後、金色のオーラが途切れ、真紅の乙女がガックリと膝を突く。 「まったく・・・ ムカつくわね・・・ 一番おいしいところを・・・ヴァリエール・・・に」 キュルケの言葉はそこで途切れ、乙女の巨体が縮み始める。 スーツが鮮やかな紅から淡いピンクへと代わり、クセの強い赤毛が、桃色がかったブロンドへと変化する。 鳶色の瞳をカッと見開くと、新たな力が宿った巨神が立ち上がった。 巨大な大陸は、既に目と鼻の先まで迫っていた。 「・・・これから どうするの?」 タバサが問う。だが、答えは聞くまでも無い。 案の定、予想通りの声がふたつ、返ってきた。 『たかが石っコロひとつ!』「そうッ! 私の虚無で押し出してやるッ!!」 ルイズの気合が、その身に宿した虚無の力を、新たな形へと変える。 体から発した魔力が虹色に瞬き、蝶の羽の如く姿をなして、少女の体を中空へと躍らせる。 「たりゃあああああああああッ!!」 全身でアルビオンへと抱きつき、白の国を押し返しにかかるルイズ。 主の感情に合わせ、虚無もまた形を変え始める。 大陸を包むように虹色の羽が、金色の糸へと変わっていく。 「これは・・・繭?」 「これがルイズの虚無・・・ 金色の繭の中で アルビオンを再生しようと言うの?」 始祖ブリミルが残した、物質の大元に作用する力、伝説の系統・虚無。 あと少し、ルイズに力が、あるいは時間があったならば、目の前の悲劇を回避できたハズである・・・ ―が、 ズ ズズズ ズズズズズ・・・ 「ダメッ! ルイズ 加速がついたアルビオンは止まらない!」 「逃げるのよ! このままじゃ地面とサンドイッチよ!」 「だ だれが・・・」 ルイズにはもはや、言い返す余裕も無い。 強大な圧力になすすべも無く、やがて、ゆっくりと大地へと押し返され始める。 同時に絶望的な点滅音が鳴り響き、全身を覆うスーツに、虫食いのような穴が広がりだす。 『すまない・・・ どうやら私の方が 先に限界が来てしまった・・・』 「UFOマン・・・ くっ こんな こんなものおおおお!!」 ルイズの裂帛の気合も、それ以上の奇跡を呼ぶ事は出来ない。 その背にピタリと大地を負い、既に、脱出も不可能となっていた。 (ここまで・・・ なの? ゴメン・・キュルケ・・タバサ・・・ これ以上は もう・・・) ドンッ! 「・・・えっ?」 突如、至近距離で炸裂した砲撃に、ルイズが呆けたような声を上げる。 反射的に見上げた先には、勇ましく黒煙を吹き上げる戦艦の姿があった。 「見ろ コルベール君! やはりイーヴァルディマン・Pが戦っておるぞ! イーヴァルディマン・Pは 世界の危機に必ず現れると思い ネオ・オストラント号の開発を急ピッチで進めておいて正解じゃった!」 「スゴイ! まるで立派な教育者みたいです 学院長! よし 砲弾を釣瓶打ちにしろ! アルビオンの質量を少しでも削ぎ落とすんだ!」 「せ 先生・・・ キャッ!」 援軍は戦艦だけでは無かった。 突如、後方から烈風が巻き起こり、それがルイズ達への神風となる。 大陸の圧力が一瞬、僅かにゆるんだ隙を突いて、ルイズは体勢を立て直すことに成功した。 「新生魔法衛士隊・到着!」 「風術の壁を作れ! 大陸を押し上げるのだ」 「この風・・・ まさかお母さ・・・いえ 烈風のカリン!」 「トリステインは我等が大地! イーヴァルディの女神よ 及ばずながら加勢致します!」 彼らだけではない。故国の危機を救うため、トリステイン軍が続々とタルブの地へと集結しだす・・・。 「負けないで! アルティメットメイジ あなた達の後ろには 私達トリステインの民がついています!」 「女王陛下!? どうやってここに!」 驚くルイズの眼前を、シルフィードに乗った青年が飛んでいく。 「戦場に総大将がいないんじゃ話にもならないだろ? 聖下の慈愛に感謝してくれよ」 「ジュリオ! そう 聖下が・・・」 アンリエッタの号令の下、トリステイン全軍が行動を開始する。 「今こそ突撃を! イーヴァルディの女神を支えるのです!」 「あれこそは トリステインの窮地に現れるという伝説の乙女! 皆 恐れず戦うのだ!」 「銃士隊 前へ! くれぐれも乙女には当てるな」 「ヴァリエールやグラモンだけが貴族では無い! モット一族の底力を見せるのだ!!」 「大公国の軍事力は世界一イイイイイイイ!! クルデンホルフ空中装甲騎士団 ただ今到着!!」 ―そして最後に、居並ぶ諸侯を掻き分けながら、トリステイン最年少の騎士団が前線に到着した。 「道を開けてくれッ! この場はわれら 水精霊氣志團が仕切らせてもらう」 「やってくれ! マリコルヌ 男をあげるチャンスだッ!!」 「オオッ!」 勢い良く上着を投げ捨てると、10人がかりで運んできた丸太に飛びつくマリコルヌ 絶叫を上げながら、ぽっちゃりとした丹田に気合を込める。 「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」 やがて、魔法でも道具でもなく、純然たるド根性で、ゆっくりと丸太が持ち上がり始める。 その先端に取り付けられたバケモノ国旗が、烈風でタルブの大地にしかとはためく。 「よし! いくぞ!! 水精霊氣志團名物・【大鐘音】!!」 「オゥ!!」 團長・ギーシュの先導の下、全身全霊を込めた漢達のエールが、タルブの地へと響き渡る。 「フレェーーーー フレェーーーー アールティメーット!!」「フレェーーーー フレェーーーー アールティメーット!!」 「フレェーーーー フレェーーーー イーヴァルディ!!」「フレェーーーー フレェーーーー イーヴァルディ!!」 奇跡とは、偶然の積み重ねではない。 人と人との魂の結びつきがもたらす、運命のリレーなのだ。 大鐘音のエールにシンクロするかのように、今、タルブの地で、ひとつの伝説が始まろうとしていた・・・。 「今こそ 我らの玉座に正当な主を迎える時! ガリア東薔薇騎士団 及ばずながら加勢いたす!」 「貴族の勇気 今こそ見せるときだ!」 「カステルモール・・・ それにオリヴァン・・・!」 「アルビオンは我らの故郷! 一命に代えても守り抜くのだッ!!」 「ウェ! ウェールズ皇太子!? ウソ! だって あなたはニューカッスルで・・・」 「死んだハズだよ・・・かい? 言ったハズだよ 私は不死身だと!!」 「我らゲルマニア空軍・超ド級火力艦隊もいるぞ!!」 「へ 陛下御自ら・・・ そ それに・・・ あなたはまさか!? 【かの高名なゲルマニアの錬金魔術師 シュペー卿】!? 初めてナマで見たわ・・・」 「フォッフォッフォ! サインなら後じゃ お若いの! まずは このデカブツをなんとかせねばの」 「おらおらァ~! どきなッ 国家の犬ども! 悪党のお通りだよッ!!」 「土くれのフーケ! それに 出番をカットされたハズのワルド!?」 「フッ ライバルの座から降格し 微妙な扱いのまま作者に忘れ去られるのもツライ事だが・・・ 初めからいなかった事にされるのは もっとツライからね! 助太刀させてもらおう!!」 「ハルケギニアがダメになるかどうかなんだ! やってみる価値はありますぜ!!」 「メンヌヴィル! そんな・・・ キャラまで変わって・・・!」 「皆 大いなる意思に耳を傾けるのだ 失われつつある かの大陸の【理】を取り戻せ」 「エルフですって・・・ まさか! ビダーシャルなのッ!?」 「勘違いするなよシャイターン・・・ 貴様を倒すのは 大いなる意思だッ!」 「タルブのみんな! いまこそ立ち上がるときよッ!! 私達の住む世界を 誰かに委ねているだけでは駄目!!」 「そうだ! シエスタの言うとおりだべ!」 「力の無いオラたちにだって できることはあるハズだ!」 「女神さエールっこば届けるだ!! 大鐘音さ加わるべェ!!」 「フレェーーーー フレェーーーー アールティメーット!!」「フレェーーーー フレェーーーー アールティメーット!!」 「フレェーーーー フレェーーーー イーヴァルディ!!」「フレェーーーー フレェーーーー イーヴァルディ!!」 「負けるなァー!! アルティメットメイジ!」 「あなたの後ろには 私達がついてるわ!」 「オレ達の世界を救ってくれ! イーヴァルディの女神!!」 人々の願いが、叫びが、魂が、新たなる力となり、3人の少女を包み込む。 「あったかい・・・ みんなの思いが 伝わってくる・・・!」 「わたしたちは 一人じゃない・・・」 『これが・・・ これが人の 思いの力・・・ イケる! やれるぞッ! ルイズ!!』 「・・・・・・」 『・・・ルイズ?』 「もおおおおおお~~~ッ!! いいから見ないで~ッ!!」 「「「あ」」」 忘れていた。 世界が奇跡で結ばれてる間に、ルイズは既に、99%全裸になっていた。 世界中の人々が注目する中、少女の決定的な最後の砦が、プツンと音を立てて切れる。 「 も う い や あ あ あ あ あ あ あ あ あ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ! ! ! ! ! 」 時間と空間を飛び越えたルイズの魂の叫びが、 トリステインに、アルビオンに、ゲルマニアに、ガリアに、ロマリアに、サハラに、聖地に、遥かな東方、ロバ・アル・カリイエに そして宇宙の果て、太陽系第3惑星地球の島国、日本の首都・東京が誇る電脳都市・秋葉原にまで響き渡る。 『な なんというパワー! なんというMOE! こんなの初めて・・・!』 「落ち着いてえええ! ルイズ!! ハルケギニアが壊れちゃう~!!」 「ああ! そうか そうだったんだ・・・!」 「 ふ え え え え え え え え え え え え ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ん 」 まばゆい輝きの中、少女の背中の虹色の羽が世界を覆い、金色の繭がアルビオンを包み込む。 まるで時間を巻き戻すかのように、破損した大陸が修復を始め、白の国が、ゆっくりと宙に浮き上がっていく。 光が収まり、皆が気がついた時には、既にアルビオンは地平線の彼方にあった。 「俺達・・・ 助かった・・・ の か?」 「アルビオンが あんな遠くに・・・」 「女神様はどこに行ったの・・・?」 「・・・ルイズ」 アルティメットメイジの姿は、地上から消え去っていた・・・。 前ページUM☆アルティメットメイジ
https://w.atwiki.jp/cbaxis/pages/24.html
弩兵の役割 銃兵とほぼ同じ射程での戦闘が主になる。弩兵は雨天による影響を受けない。毒や防御値ダウンのデバフをもつ兵団もいる。 ☆2 ノルマン弩兵 ☆3 ガリア十字弩兵 播州連弩兵 ☆5 アペニン弩兵
https://w.atwiki.jp/clockgrail/pages/98.html
【クラス】 ライダー 【真名】 シストセルカ・グレガリア 【属性】 混沌・悪 【ステータス】 筋力E~A 耐久EX 敏捷C+ 魔力B 幸運A 宝具EX 【クラススキル】 騎乗:EX 『シストセルカ・グレガリア』という群体そのもの。 群れを構成する一体一体が彼ないし彼女の騎乗物であり、その権利は決して侵害されない。 【保有スキル】 蝗害:A 飛蝗の群体及びそれを構成する一匹一匹を介して、己の領域を広げるスキル。 陣地の概念に対してきわめて有効。一匹でもライダーの侵入を許せばその陣地は彼らに侵される。 土地・陣地・結界を構成する魔力の中で有益なものだけを選んで食い潰すため、活動に必要な魔力は自動的に供給される。 神代渡り:A 神代から現代まで存在し続けている厄災の虫、という性質が反映されたスキル。 攻撃を行う際に神秘・耐久値の有無や高低を互いに参照せず、あらゆる存在に対して平等のダメージ判定を行う。 一体の神と一枚の葉を同じ要領(ルール)で食い尽くす。飛蝗の捕食を免れるには、対粛清防御クラスの備えが必要になる。 黒い群生相:EX 狂化スキルに類似する。基本的に話が通じず、人間の倫理観を理解しない。 『はじまりの六人』であるイリスは世界の理から放逐された存在であるため、たまたま話が通じているだけに過ぎない。 通常のマスターがライダーを召喚した場合、大概は対話もままならずに食い尽くされる羽目になる。 精神干渉の一律無効。 【宝具】 『ただ滅び逝く地平の暴風(Schistocerca gregaria)』 ランク:EX 種別:対文明宝具 レンジ:1~3000 最大捕捉:1~∞ 黙示録の黒騎士の触腕、神代から現代までを漂う災害、天地神明の暴食者。 人類を滅ぼす第三の災い、"飢饉"の権能に類する昆虫。それがライダーの正体である。 そしてこの宝具はライダーという存在そのもの。彼ら、彼女ら、無量大数に匹敵する飛蝗の軍勢すべてを指す。 世界に召喚された瞬間から領土の拡大を開始し、最終的には舞台となる世界・土地のすべてを蝗害で支配する。 そうなってしまえばもはや根絶は困難。無限に押し寄せる飛蝗の軍勢がすべての命を喰らい尽くすのを待つより他にない。 『剣、飢饉、死、獣(KICK BACK)』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:99 最大捕捉:999 宝具の読み方は流行りの曲を聴き漁ったライダーが勝手に決めたらしい。 己の侵食領域内において他者に"飢饉"を与える数多の現象を具現化させ、その力を行使する。 環境が完全に整えば、神話における"終末"を魔力が許す範囲でのみ再現することも可能。 プリテンダーとして黙示録の黒騎士・ブラックライダー/もしくは奈落・アバドンを詐称し召喚された場合は、この宝具を限定的な範囲で解放出来る。 ただし今回は詐称者としてではなく、『シストセルカ・グレガリア』という種を名指しで召喚しているため使えない。 仮にイリスが彼をその形で召喚できていたなら、東京都は本戦の開始を待つことなく数日と保たない内に飢餓地獄に変貌していた。 【weapon】 変幻自在。単純な構造の武器ならば大体なんでも個体数に物を言わせて作れる。 今のお気に入りは金属バットや鉄パイプなどのヤンキースタイルらしい。 そういうのがカッコいいと思ってるみたい。 【人物背景】 地平線のすべてを喰らい尽くす飛蝗の軍勢で全身を構成した異形の英霊。 物理的手段では滅ぼせず、魔術的手段でも根絶は困難な暴食の軍勢。 真名をシストセルカ・グレガリア。和名で言うところのサバクトビバッタ。 神話の時代から現代までを生き延びる、厄災である。 プリテンダーとして『ブラックライダー』『アバドン』の真名を詐称することもある。 だが彼を詐称者として召喚した場合、大原則として意思の疎通が完全に取れず、また曲がりなりに人間と関わろうとすることもしない。 それ以前に、普通の聖杯戦争ではまず出てこないし呼ぶこともできないたぐいのモノ。 彼が出張ってきたことがまず、この聖杯戦争の異常性を物語っている。 食事大好き。現代のサブカルも大好き。人間って得だな~と思ってる。 死ぬほどミーハーなのでSNSもいっぱいやってる。 【外見・性格】 フード付きのつなぎを着用した黒髪の男性、という形を好んで取る。流行りの俳優か何かを元にキャラメイクしたらしい。 前髪で基本的に目が隠れており、その下の眼光は暴食者らしく爛々と輝く。 【身長・体重】 基本の姿では178cm/65kg。 可変。 【聖杯への願い】 存在しない。だって今も生きてるし。 強いて言うなら美味いものをしこたま食べたい。 【マスターへの態度】 面白いヤツ。なので当面は付き合ってやる予定でいる。 現代をもう少し満喫したいのでそういう意味でもサーヴァントの責務は果たす。 ただ飽きたら普通に食べてねぐらに帰るかもしれない。
https://w.atwiki.jp/chibaho/pages/343.html
謎のブルガリア人ジョニー【なぞのぶるがりあじんじょにー】 ニコニコ動画のニックネーム「isso」 11月に2回くらい?投稿した高校生 最初の動画で名前を募集してこの名前に決めた ルックスが栗原菜月に似ているというコメントがよくついていた 動画は割とすぐに削除された?
https://w.atwiki.jp/zerolibrary/pages/53.html
【種別】 マジックアイテム 【解説】 トリステイン、ガリア、アルビオン、ロマリアの四つの国に伝わる秘宝。 始祖の祈祷書、始祖の香炉、始祖のオルゴールが現在において判明している。 虚無の素質が有るものが始祖のルビーをはめることによって虚無の呪文を体得することが出来る。
https://w.atwiki.jp/hebiquest/pages/27.html
難易度 ★★★★★★★ いよいよ本番 回復ポイント 四回戦と五回戦の間 敵グループ1 敵グループ2 備考 第1回戦 巨大ミミズ、スライムメス、スライム、木箱 スライムメス×2、スライム×2、木箱 第2回戦 巨大さそり、スライムメス、木箱 スチールアント、スライムメス×3、スライム 寄り道ポイント 店、武器倉庫、寄り道無し、の三択 店 まほうつかい、旅の商人 エレキスライム、旅の商人 武器倉庫 エレキスライム、木箱×4 爆弾こぞう、木箱×4 木箱からは弓、こん棒、木刀、銅の剣 第3回戦 爆弾こぞう、スチールアント、スライムメス、スライム、木箱 巨大さそり、スチールアント、スライムメス、スライム、シルバースライム 第4回戦 まほうつかい、爆弾こぞう、旅の商人 巨大さそり、爆弾こぞう、旅の商人 回復直前なので、ヒャ-Dやイ-Oのラーニングを狙おう 第5回戦 プチサタン×2、スチールアント、スライムメス、スライム くちびるおばけ、プチサタン、巨大ミミズ、スライムメス、スライム 第6回戦 まほうつかい、プチサタン、巨大さそり、木箱、木箱 プチサタン、エレキスライム、宝箱 戦闘回避可能 第7回戦 くちびるおばけ×2、プチサタン×2、旅の商人 爆弾こぞう、プチサタン×3、旅の商人 分岐点1 この分岐点で西を選ぶと皮の盾、東を選ぶと鋼のつるぎが入手できる 西ルート 第8回戦 くちびるおばけ、ビードル×2、木箱、木箱 戦闘回避可能 第9回戦 うろつく鎧、エレキスライム、プチサタン このうろつく鎧は皮の盾をドロップする 第10回戦 爆弾こぞう、くちびるおばけ×2、巨大さそり、木箱 爆弾こぞう、くちびるおばけ×2、シルバースライム、宝箱 増援=ビードル×2、エレキスライム×2 くちびるおばけを上手く利用して増援に備えよう 第11回戦 巨大めだま、プチサタン×3、旅の商人 巨大めだま、まほうつかい×2、プチサタン、旅の商人 第12回戦 キラードリル、ブラウニー、サンドウォーム、茶色木箱 ブラウニー、キラードリル×2、茶色木箱、ガップル 第13回戦 ブラウニー、スライムオート、ガップル×3 ブラウニー、スライムオート、ビードル×3 増援=爆弾こぞう×2、旅の商人、キラードリル×3 ブラウニーやビードルを上手く利用して増援に備えよう 東ルート 第8回戦 ボーガン頭巾、まほうつかい×2 ボーガン頭巾×2、まほうつかい、木箱、木箱 戦闘回避可能 第9回戦 うろつく鎧、エレキスライム、プチサタン、スライムメス、スライム このうろつく鎧は鋼のつるぎをドロップする 第10回戦 ボーガン頭巾×2、プチサタン×2、木箱 ボーガン頭巾×3、プチサタン、木箱 増援=ガップル×2、エレキスライム×2 ボーガン頭巾を上手く利用して増援に備えよう 分岐点2 ここで西ルートを選択すると前述の第十一回戦に合流する。東ルートは難易度が高いのでよく考えて決めよう 更に東ルート 第11回戦 カメレオンジャック×2 カメレオンジャック、シルバースライム、カメレオンジャック 第12回戦 巨大めだま、スライムオート、ガメラ×2、旅の商人 第13回戦 うろつく鎧、エレキスライム×4 エレキスライム×4、宝箱 増援=ガメラ×2、旅の商人、カメレオンジャック、サンドウォーム×3 後半戦 全ての分岐が合流する地点 第14回戦 人面ウド、エレキスライム 樽、人面ウド、エレキスライム 敵グループ1ではエレキスライムを人面ウドに寄せて戦おう 第15回戦 巨大めだま、エレキスライム、人面ウド、闇の商人 巨大めだま、エレキスライム、人面ウド、樽、闇の商人 増援=人面ウド×2 商品化できる唯一の戦闘 第16回戦 キメラ×2、ガップル、カメレオンジャック キメラ、ガップル、カメレオンジャック×2 第17回戦 キメラ、ブラウニー×2、樽、スライムオート キメラ、スライムオート×2、くちびるおばけ、旅の商人 戦闘回避可能 最終戦 巨大めだま、エレキスライム、巨大めだま 巨大めだま、シルバースライム×3、エレキスライム 増援=うろつく鎧×2、ガメラロード、キメラ×3 クリアボーナス 総資産+10000円 攻略動画 前編 http //www.nicovideo.jp/watch/sm14878858 後編 http //www.nicovideo.jp/watch/sm14896532 運に左右されましたが持ち込みナシでもクリアできました。高い武器を避ければ15回戦で守備力3の鎧が買えました。 -- かなへび (2011-07-17 19 48 09) 武器倉庫の木箱からは「銅の剣」も出る -- q (2011-08-05 08 31 19) 海辺からワープしてクリア(倉庫から持ち出し) -- (名無しさん) 2013-02-11 08 06 43 店側低確率はエレキスライム(中央にいる)16戦目低確率はキメラ、ガップル、カメレオンジャック×2 -- (名無しさん) 2014-11-04 16 39 18 まだ攻略してない方は銅の剣、メーR×6つを推奨。素手2個とメ-R×10もなしではないが最初の木箱からそこそこの武器が来ないと厳しい -- (ブルーノート) 2017-05-20 17 31 56 分岐点は個人的に西ルートを激しくオススメする。銅の剣と皮の盾、両者の値段は同じだが盾は「武器覧を圧迫しない」点で有利。剣の場合は後半、別の優秀な武器が手に入ると捨てることにもなるが、盾の場合は上位の盾を買うまでずっと持ったままなワケだし最終戦まで効果を発揮し続けるからね。あと上位の盾は基本的に値段がお高い・・・ってのもある。 -- (名無しさん) 2018-01-11 02 55 01 3000円で確実にクリアしたいんだけど、何を持っていけばいいんだろう -- (ソウル) 2018-02-07 20 19 13 銅の剣@未作成、こん棒、木の棒で完全勝利。終盤で攻撃力が高い武器がなかったため苦しかったゾ。初心者は持ち出し金上げるか、スライムソードを、スライム系統から、出そう! -- (名無しさん) 2018-03-30 12 32 09 ↑銅のつるぎだったゾ。許してください難デモしますから! -- (名無しさん) 2018-03-30 12 34 56 勝てない(´・ω・`) -- (ホコリ君) 2022-01-05 11 19 56 ブーメラン・聖なるダガー・鱗の鎧 でクリアできた 福袋3つ出したけど -- (名無しさん) 2023-12-31 02 05 33 0円でクリア当然倉庫持ち出しもない -- (名無しさん) 2024-04-06 20 09 14 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/armhead/pages/252.html
ヘブンに住む人々の使う言葉は、実は我々地球人の使う言葉と変わらない。 ヘブンの言語と地球の言語は、次のように対応している。 御蓮語=日本語 アプルーエ語=英語 ウェスティニア語=ドイツ語 愛沙語=中国語 ガリア語=フランス語 ニアプス語=スペイン語 イラチ語=イタリア語
https://w.atwiki.jp/sohomon/pages/257.html
霧隠・才蔵 種族:天竜 襲名:霧隠・才蔵 所属:真田教導院 ガリア方面制圧軍副団長、千歳 隠形 人化し忍者としての隠形術を使用 流体刃 人化した際の扱い切れぬ竜の力を流体の刃として放つ コメント すべてのコメントを見る