約 2,472,813 件
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/645.html
「1のしま到着しましたー!」 …ん、あたい眠ってたのかな? それよりもどうしようか?やっぱり飛び込むしかないかな? 乗るときは簡単にいけたんだけどな。 いろいろと島を通ったから人が多くて隙がないや。 …よし。せっかくここまできたんだ。このチャンスを逃すくらいなら…。 海ぐらいへっちゃらだーーーーー! ※ ※ ※ ………う、ここはどこだ? なんか頭をつつかれてる様な…。 「あら、起きた?」 なんだこいつ?お日さま? 「えっ?!あんたはだれなのさ?」 あたいは飛び起きて戦闘態勢をとる。 なんなんだこいつ?後ろにお日さまみたいなわっか持ってるし、浮いてるし。 「ひどいわねぇ。せっかく助けてあげたのに」 「そうなのか?だったらごめん…」 (面白そうだから突っついてただけだったんだけどね~) 「なんか…顔がにやけてるぞ、おまえ」 「えっ?!そ、そんなことないわよ?」 服を乾かしてもらってる間、そいつからいろいろ話をきいた。 まずこいつはソルロックという萌えもんらしい。火とかだせてなんかすごいやつだ。 そしてここは1のしまにあるともしび山のふもとだという。 けっこう流されたんだな、あたい。 「で、あんたはなんで流れてきたのよ。」 「あたいはさ、船に乗って来たんだけどさ、」 「ご主人様とでもはぐれちゃったわけ?」 「あたいはつかまってなんかないよ!」 「じゃあ、人間に見つからないように降りようとして飛び込んだのね?」 「…おまえ頭いいな」 あたいは素直に感心した。 だってあたいは何にも言ってないのに、あたいがしたことを言い当てたんだもん。 「なんでって?私はエスパータイプだからね~」 「そうか~それならなっとくだ」 なっとくしたら笑われた。なんかむかつく。 「そんなのエスパーじゃなくてもわかるわよ。」 ?なんでだかわからない。 とりあえずむかつくことだけはわかった。 「で、なんでここまできたのよ。あんた、6のしまとか7のしまからきたんでしょ?」 「そこまでわかるなんて…エスパーすごいな」 「もういいから…さっさと言いなさいよ」 「あたいはね……ある萌えもんを追っかけてるのさ」 「ふ~ん。それで?どんな萌えもんなのよ」 「そいつはハブネークなんだけどさ、まるで人間見たいってゆうか…とにかくなんか変なやつだったんだよ」 「…あんたの説明じゃよくわかんないわ。とにかくハブネークなのね?」 「う…とりあえずは…」 「それなら無駄よ。少なくとも私はハブネークなんかみたことないし、ほかの連中は山からおりてこないしね」 「そうか…どこに行ったらいいんだろ?」 「……とりあえずあんたは体を洗った方がいいわ。海にも落ちたんだし。ついてきなさい。」 「どこにいくのさ?」 「温泉よ、温泉。」 ~続く~ ~後書き~ 中途半端で申し訳ないorz 次は温泉での話しになるけど、へんな期待なんかしちゃダメなんだからね! 後は設定とか~ ザングース 前回のクロスしたときのザングースさんと同じです。 アヤメさんには名前あるのにこの娘にはない… でもこの娘につけたらほかの娘にもつけないと… どうみても作者の技量不足です。本当にありがとうござ(ry ソルロック 基本的に鹿ver基準です。生息地とかドット絵とか。いやほかのやつを見たことないだけだけど… お姉さんなんだけど人をからかうのが好きな困った人。 基本的にはいい人なんだよ? でも、なによりも楽しいことを優先するからいい人の部分が見えてこない。 なぜ彼女は山からおりるのかというと、楽しい事を探すためのお散歩をしているのです。 じゃ、今回はここまで。また次回で会いましょう。でわ~
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/306.html
前回のあらすじ。 国家権力氏ね やれやれ、ひどい目に遭った・・・ なんとかフシギダネたんも俺の事庇いたててくれ、 あの石頭な警官を説き伏せてくれた。 あやうく前科者になるところだったぜ。 マスター「はぁ・・・やれやれ」 フシギダネ「マスター、私のせいで・・ごめんなさい」 いやいやいやいやいや!流石にそんなわけはない。 冷静に考えてみれば、どう見ても変質者が 幼女にセクハラしてるようにしか見えなかったわけだ。 謝られるとすごく申し訳ない気持ちになる。 マスター「フシギダネは悪くないよ。 俺のやり方が悪かったんだ。 今度はなるべく人目の付かない所でな・・・」 フシギダネ「はーい。」 ああ、あそこまでやってまだ俺の事を信頼してくれてる・・ 俺はもう一生フシギダネたんを大切にするぞ!ゴルァ! なんにせよ以前の訓練で俺も倒れたわけだ(いろんな意味で) フシギダネたんも割りとレベルが上がったと思う。 さぁいろんなことに阻まれたが今度こそ旅に出るぞ! マスター「さてさて、今から隣町に向かうわけだが どれくらいかかるのやら・・・」 隣町のトキワシティ。距離的にそう遠くはない筈だが いかんせん、脱ひきこもりをしたばかりの俺にはちときついかもしれん。 フシギダネ「マスター、がんばりましょう!」 フシギダネたんのお言葉におら力がわいてきたぞ! 歩くぐらいがなんだ!がんばろう!! 旅というのはこれほどまでに楽しいものだったのか。 とまぁ、隣町目指しててくてく歩く俺とフシギダネたん。 この辺は平和なもので、しばしば野生の萌えもん達が仲良く遊んでるとこを目にしたりする。 ああ・・・カメラがないのが惜しい。必殺の肉眼 脳みそでしっかりと焼き付けておこう。 マスター「かわいいのうwwかわいいのうwww」 フシギダネ「マスター、はやくいきましょーよー」 マスター「おっとっと、すまんすまん一緒に行こうなー」 フシギダネ「はい!」 ああ・・・幸せだ・・ っと幸せに浸りつつ歩を進めていると なにやら雑貨店の制服を着たお兄さんが突っ立ってるではないか。 興味本位でなんとなく話しかけてみた。 マスター「すいませーん」 店員「どうされましたかー?」 マスター「ああ、いえ・・なにをしているのかなぁ・・と」 店員「今ちょっとした宣伝活動中でして」 マスター「ほうほう」 店員「私フレンドリィショップの店員です。 便利な道具屋ですからトキワシティで、 是非よってくださいね!」 なるほど、トキワシティの店員さんか。 こんなとこで宣伝して効果あるのか甚だ疑問だが なかなかの好印象。 店員「そうだ!見本をさしあげましょう、 ・・・どうぞ!」 おお、キズぐすりをただでもらったぞ。これはイイサービスでつね。 店員「後・・これもどうぞ。フレンドリィショップへの地図です。 萌えもんを捕まえる、モンスターボール買うときもショップへいらしてください!」 ふむ、フレンドリィショップは萌えもんを捕まえるときに必要な道具も揃えてるらしい。 地図ももらったことだ。これは一度寄る必要があるかもしれないな。 モンスターボールってのは多分フシギダネたんが入ってたこのボールのことだろう。 さて、前途洋々、なかなかにいいかんじでのスタートだ。 予想外のトラブルがあったが・・・ まぁそんなこんなで歩き続けていると。 マスター「お、町が見えてきたぞ」 隣町のトキワシティに到着した。 思ったより早くついたな。 フシギダネ「これからどうするんですか?」 マスター「どうするもなにも、萌えもんセンターを探すのさ。 何事も無理はよくないからな」 フシギダネ「それじゃ、一緒に探しましょー」 確か旅の先々に萌えもんセンターなるものがあり、 萌えもんの無料回復+トレーナーの寝床・食事の格安提供 をしてくれるという、なんとも至れり尽くせりな施設があるのだ。 誰が何の目的で云々はもう突っ込まない。 フシギダネ「んっと・・・あ!あれが萌えもんセンターかも!」 マスター「おお、ナイスだフシギダネ」 んむ、看板にもそう書いてあるな。早速中へ入る。 マスター「おー、なんとも立派な施設」 フシギダネ「広いですねー」 田舎に似つかない立派なつくりだ。 目の前の受付に行けばいいのかな? 受付「ようこそ!萌えもんセンターへ、 ここでは萌えもんの体力回復を致します」 マスター「それじゃお願いします。」 受付「かしこまりました!では、お預かりいたしますので お手持ちの萌えもんをモンスターボールの中にお願いします。」 マスター「だそうだ、フシギダネ」 フシギダネ「わかりましたー」 というわけでフシギダネたんをボールの中にしまう。 一緒に歩き回りたいという気持ち半分、 こんな狭いボールの中じゃ窮屈だろうという気持ちが半分で、 普段はボールから出すようにしている。 それにしても便利な世の中だ。 受付「それではお預かりいたします」 テンテンテレテーン♪ あっという間に終わってしまった。 うーむ、ハイテク文化とはかくも偉大なり。 受付「おまちどおさまでした! お預かりした萌えもんは元気になりましたよ! またのご利用をお待ちしてます!」 さてさて、フシギダネたんの回復も終わったことだ。 フシギダネたんと適当な話をしつつしばし小休止... ・ ・ ・ マスター「んじゃ、そろそろいくか」 フシギダネ「いきましょー」 お互いの体もバッチリリフレッシュ! さぁ、次の町に向け出発だー! と・・思いきや おばちゃん「あらら、爺ちゃん! こんなとこで寝ちゃって。 しょうがないわね!酔いが醒めるまで待つしかないわ」 マスター「・・・」 フシギダネ「寝ちゃってますねー・・・」 まったく、酔っ払いとは非生産的なことしかできないのか。 生産するものと言えばせいぜい嘔吐物ぐらいか。 まぁ横を通り過ぎれば問題ない。やれやれだぜ・・ じじい「ういーっ!ひっく・・・まちやがれ! わしのはなしをきけ!」 しかもからみ酒ときたもんだ・・迷惑千万! そんなもん無視だ無視 じじい「・・・こら!いくな!といっとろーが!」 UZEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!! おばちゃん「ごめんなさいねぇ。じいちゃん下戸なのよ」 また旅を阻まれてしまった。今日は厄日なのか? マスター「やれやれ・・どうする?フシギダネ」 フシギダネ「んー・・・」 どうしたものか。とりあえず時間つぶしの方法でも・・・・っと そういえば、さっきフレンドリィショップの店員さんと遭遇したんだった。 ショップまでの地図ももらったことだ。せっかくだし寄ってみることにしよう。 マスター「フレンドリィショップにいってみようか」 フシギダネ「はーい。場所は分かるんですか?」 マスター「地図をもらった。今度は探さなくても平気さ」 さて、地図を頼りにフレンドリィショップに到着。 品揃えの把握でもしてみるか。 店員「お!君はマサラタウンからきたんだね?」 マスター「はぁ、そうですが」 店員「オーキド博士を知ってるね?」 マスター「はい。一応」 店員「これ頼まれてるんだけど渡してくれるかい?」 いきなりぶしつけな店員だ。 さっきの店員を見習えこのバカチンめ。 まぁ暇なことだし引き受けてもいいか・・・ マスター「わかりました」 店員「じゃ!オーキド博士によろしく!」 そんなわけでまたマサラタウンに逆戻り。 ああ・・いつになったら本格的に旅ができるのやら。 続く...
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/6853.html
今日 - 合計 - もんすたあ★レース おかわりの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 16時26分48秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/504.html
「…なんか、急にあったかくなってきたな」 「火山のせいでしょうか。今は活動していない、はずなんですけど…」 ハードプラント習得の次の日。俺達は、『ルビー』を探すためにともしびやまへ向かっていた。 シャワーズの助けを借りて遠浅の海を渡り、濡れた服を乾かしたい衝動を堪えて陸地を進んでいく。 途中で出てきた野生の萌えもんを捕獲、もしくは撃退して進んでいくにつれ、肌に感じる熱気が強まってくるのを感じる。 俺の隣を歩いているシャワーズも、少々暑そうだ。だからって服であおぐな。いろいろ見えそうになってるから。 「って、あれ…何だ?」 「洞窟…でも、上から湯気が出てますね」 火山、湯気…ひょっとして…というか、もうそれしかねーよな。 「やっぱり、温泉だ」 「温泉?」 「まぁ、要するに天然の風呂だな。地下水が地熱で暖められて湧き上がってくるやつだ。 普通の風呂よりも、水の質もいいし鉱物によるさまざまなプラスの効果がある…と聞いた。 ちょうどいい。ここに入っている間に服を乾かそう」 俺はシャワーズを連れて温泉の入口へ向かっていった。 向かわなきゃよかった。 温泉は、広大な洞窟内のあちこちに沸いているようだった。それぞれの湯のまわりには簡単に壁が張られ、 管理人に申請して一室を借りて入る、という形になっているらしい。 ちょうど俺達が入ったのが昼前と言う事もあって空いている。 簡単に一室借りることができた。(ひと組に一室しか借りられないらしい) で。 「いや、予想してしかるべきだったんだけどな」 「何いってんの、マスター?早くはいってきてよ」 「御主人さま、ここのお湯すっごい気持ちいーよ!」 まぁ、風呂の外に仕切りはあっても、中には仕切りがない訳だ。要するに混浴だ。 「いや待て、お前ら先入ってろ、俺はしばらく外で時間つぶしてくるから――」 「それは困るね、マスター。服が濡れている状態で外に出て風邪でもひかれたら、修行どころじゃないじゃないか」 「いや、でもな――」 「…分かった、ではこうしよう。シャワーズ、プテラ、手伝え。無理やりにでもマスターの服を脱がす。風邪をひかれては困るのでな」 「ごめん俺が悪かった一緒に入ってやるからそれは勘弁してくれ」 「遠慮しなくてもいいよ、私が上から下まで徹底的に優しく服を一枚一枚剥いでやろうじゃないか」 「フーディン、キャラが変わってます…」 …と言うわけで。 なんだかセキチクの一件を思い出すが、俺達7人は全員で温泉へと入ることになった。 「ふむ…予想以上に湯が熱いな」 「私としてはそんなに感じないが…そこまで熱いか、フーディン?」 「プテラは、熱いのには強いみたいですね」 「ボクたちはいいとしても、年少組が茹であがっちゃうよ…」 「ぐにゃー…」 「ふにゅー…」 「いかん、水の栓はいずこ!?」 「シャワーズ、君の後ろのそれじゃないかな?」 「えっと、これ?…熱っつぅ!これ、源泉ですよ!?」 「あ、たぶんこっちだ!水入れるよー」 もちろん全員タオルは巻いている。…みんな予想以上にくつろいでんな、オイ。 「…ライチュウ」 「なーに、フーちゃん」 「進化しても体はあまり成長してないんだな」 「うー…あたしはこれから大きくなるんだよ!そのうちハナちゃんみたいになるよね、マスター!?」 「俺に振るな、あと湯船で泳ぐな、例え俺達しかいなくても」 …まぁ、確かにライチュウもキュウコンも、進化しても性格は変化していない。…あと体つきも。 フシギバナほどになるかどうかはわからないが、成長はこれからなのだろう。 ただ、変化した点ももちろんある。 「なぁ、ライチュウ、キュウコン」 「なーに?」 「はい…」 「お前ら、髪…解かないのか、それ?」 そう、外見だ。ライチュウはストレートだった髪を左右に分けてツインテールに、 キュウコンは伸びた髪を纏めて九つの房に分けている。進化前は見れなかったうなじがちょっと色っぽい…かもしれない。 「ますたー」 「…どうした」 「かみの毛ほどきますから、あたま洗ってくれますか?」 「あーっズルイ!マスターあたしも!」 「じゃあ御主人さま、ボクもボクも!」 「マスター、あの、よかったら私も…」 「御主人、で、できれば私も…」 「お前ら落ち着け、そして洗うにしても一人ずつだから。そもそもお前ら揃いも揃ってなぜ俺に頼む」 「そんなこと言わずに、役得として受け取りたまえ。あと私もお願いしよう」 ぼやく俺の隣から、フーディンが何気にトンデモない事を口にしやがった。 …結局、一時間近い時間をこの温泉で過ごすこととなった。やましい事はしてないぞ、マジで。 * * * 気を取り直して、俺達はとうとうともしび山に到着した。 とりあえずそれなりに急な山道を登っていくと、上に進む道と横へ逸れる小さな道がある。 普通に登っていれば確実に見のがす小さな道だが、足もとに注意していたため気づくことができた。 どっちへ向かうか。とりあえず、上にのぼるのは後にしたい所…横道へ行くか。 「で、ひとつ目のパスワードは…『またまた タマタマ』…」 何やら話し声が聞こえてくる。物陰からのぞいてみると、見覚えのある黒服の人間が二人いた。 犯罪組織ロケット団。話すと長くなるので割愛するが、俺はこいつらが死ぬほど大嫌いだ。 ここで何をしているのか。相手は二人…ボールは腰に2つずつ、か。 …俺的には、こいつら相手に遠慮も仮借も手加減も必要ない。徹底的に、殺して解して揃えて並べて晒してくれよう。 足もとに落ちていた小石を拾いあげて、同時にリュックに入れていたスタンスティックを取り出す。 伸縮、放電ともに異常なし。…これ、タマムシのロケット団アジトから頂戴した代物なんだよな。萌えもん調教、鎮圧用の。 「…さて、やるか」 まずは小石を投擲。地面にあたって音をたてた石のほうへ、二人の男の意識が集中するその一瞬。 俺は物影から飛び出して3歩で一人目の目の前に飛び出し、スタンスティックを叩きつけてトリガーを引く! 細かい事はわからないが、象でも一瞬で気絶する電撃を浴びて平然としている人間はいまい。 倒れた一人目は無視、スティックを伸ばして二人目のボールに伸びていた手を思いきり叩いた。 痛みに喚く暇も与えず、顎を蹴り上げてさらにスティックで一撃。もちろん電撃のおまけつきだ。 「…ま、これで2,3時間は起きてこれねーな」 「私はいつも思うのだが、マスターは素手でギャラドスやニドリーノくらい軽く倒せるんじゃないか?」 「別に大したことねーよ、こんなの。義父さんは素手でカイリュー投げ飛ばしてたぜ」 「………それは、君の基準がおかしいんだよ」 * * * ロケット団が入ろうとしていた洞窟へ侵入する。ライチュウに頼んでフラッシュで暗闇を払って、 奥へ奥へと降りて行くと―― 「マスター、なに、これ」 「遺跡…かな」 その壁にはよくわからない文字が刻まれ、石室の中には壁と同じような文字が刻まれているテーブルがある。 部屋の隅には、下に降りる階段があった。 「ライチュウ、降りてみよう」 「うん」 降りてみると、今度は小さな部屋の中央に何かが置かれているのが目に入った。 真紅の輝きを放つ、手のひら大の宝石。これが、噂に聞いていた『ルビー』か。 手を伸ばして、台座から取ってみる。…ひょっとしたらトラップが発動するかも、とは思ったのだが、何もおきない。 「…これ、俺がこっちにこなかったらロケット団に取られてたんだな」 「でも、これでニシキさんよろこぶね!」 「そうだな。とりあえずリュックに入れておくか」 俺達は洞窟を出て(ついでにロケット団は縛り挙げたうえで1の島の警察に通報しておいた)、 元の道にもどって頂上へ登って行った。 * * * 「…頂上だ」 古くて長い階段を登り終えると、そこはともしび山の頂上だった。火口はちょうど俺達の登ってきた反対側の下にあるらしい。 振り返ると、1の島と2の島が見えた。3の島は遠くにかすんでいる。 「で、マスター。登ってどうするのだね」 「…いや、昨日頂上にいったらいいって言われたからとりあえず来てみたんだけど」 「やれやれ、…マスター、下がって。上からくる」 「?」 フーディンに言われるまま数歩後退して、空を見上げる。 晴天に赤く輝く影、その姿は―― (…あれ、萌えもんか?どう見たって火の鳥だよな?) (おそらくは間違いないね。マスター、気をつけて) 空から舞い降りてきた火の鳥は、その名のとおりと言うかなんというか、全身を炎に包まれていた。…しかし、それにしても体が大きい。 「ともしび山へようこそ、人間とその仲間たち。私(わたくし)はファイアー。伝説と呼ばれる炎の守護者たる萌えもんの一つ」 「ファイアー…図鑑にデータがある。…以前に確認されたのは、チャンピオンロードで数回の目撃情報のみ、か」 と、火の鳥――ファイアーが纏っていた炎が吹き飛び、その中からファイアーの本体が現れた。…あれ、なんか3回りくらい縮んだな。 しかし、その体からにじみ出る威厳と迫力は全く変わらない。今にも息がつまりそうだ。 「それで、私に何用です?観光、と言うわけでもなさそうですが?そもそも観光ならここではなく向こうの火口を目指した方が…」 「いや、ある人にここに行くといいって言われたんだけれど…」 …ああ、なるほど。そう言う事か。全く、あの人はいったい何者なのか。 「特に用はないというのですか?」 「いや、待ってくれ。…一つあるんだな、これが」 そう言って、俺は腰から順番にボールを取り出して、手持ち6人全員を展開する。 「勝負だファイアー!俺達の力試しとして、相手になってもらうぜ!」 「…ふふ、この私に向かってくる、その意気やよし」 ファイアーが穏やかな口調で、優雅に微笑む。そして、周囲の雰囲気が一変した。 壮絶な覇気と殺気。空気が一気に重くなり、俺の額に冷や汗が吹き出す。 「いいでしょう、挑戦は受けます。そして私に牙をむけたこと、後悔させてさしあげますわ!」 「…ッ!!来るぞみんな、一度固まれ!ライチュウ、光の壁!フーディンはリフレクター!プテラとシャワーズは攻撃の準備! フシギバナ、キュウコンは援護に回れ!」 「うん、分かった!」「任せたまえ」 「はい!」「承知!」 「了解ーっ!」「わかり、ました…!」 ファイアーは上空へ飛び上がり、エネルギーを集中させている。炎を貯めている所をみると、火炎放射か。 …って、あれが火炎放射か!?見た感じだけでも昨日見た『ブラストバーン』と同威力かそれ以上はあるぞ!? 「く、あんなモンくらったらバリア越しでも持たないぞ!キュウコン、フシギバナ、妨害は間に合わない、あいつの火にタイミングを合わせろ! 少しでも威力を削るんだ!フーディンとライチュウは出来るだけ防御を厚くし――」 「遅いわ、焼かれなさい」 空中から俺たちに向けて、撃ちこまれる火炎放射。ワンテンポ遅れて、こちらからも火炎放射と破壊光線が放たれたが、威力が違い過ぎる!! 瞬く間に飲み込まれ、そして光の壁とリフレクターに激突する。 「んぐ…!」 「くっ、う…なんてすさまじいエネルギー…」 「頑張ってくれ、ライチュウ、フーディン!…くそ、フシギバナ!あいつの攻撃を妨害できるか!? シャワーズは時間差で攻撃をかけろ!」 「うん、やってみる!」「…はい!」 バリアの後方から、フシギバナがはっぱカッターを放つ。ファイアーはこれを避けようともせず―― すべて、『防ぎきった』。 分厚い炎の壁が彼女を取り囲み、攻撃を遮断したのだ。 「ますたー、あれは…」 「ああ、分ってる!炎の渦の応用ってわけか!なら、水の攻撃でどうだ!?」 シャワーズが放った水の波動が、炎の壁を打ち消す。ファイアーは美しい顔を若干ゆがめて、此方をにらみつけてくる。 「時間の無駄です、終わらせましょう。…ゴッドバード」 つぶやくと同時に、ファイヤーの全身が炎に包まれ、降りてきた時と同じように火の鳥の姿へと変化する。 その姿のまま――こっちへ突っ込んでくる! 「まずい、みんな、逃げ――」 間に合わない。もうすぐそこまで来て―― 「うわああああああああああああああぁっ!!」 * * * 「く………」 「へぇ、意外としぶといのが一人、いますわね」 「あと一瞬テレポートが遅れていれば私も戦闘不能だったがね。しかし、手加減してくれるとは思わなかったな」 「むやみに命を奪う趣味は持ち合わせておりませんの。…ですけど、主人を見捨てて一人逃げるとは薄情では無くて?」 「私もそう思うけどね、その主人の命令だ、仕方無い」 『フーディン、お前だけテレポートで離脱しろ!お前さえ無事ならなんとかなる!』 『…了解』 「へえ、随分と手下想いな主ですこと。…もういいわ、さっさと尻尾を巻いてお逃げなさい、負け犬!」 「…屈辱ではあるが、そう言ってくれるならありがたく逃げさせてもらおう」 * * * 目が覚めて、最初に見えたのは天井。続いて、ベッド横に座っているフーディンの顔。 「ぐ……フー…ディン?」 「…マスター?目が覚めたのか」 「ここは?」 「一の島、センター内の我々の部屋だ」 「そう、か…」 意識がまだはっきりしないが、俺の体はちゃんとベッドに横たわっているらしい。 頭を触ってみると、額に包帯が巻かれている。体のところどころにも包帯や湿布が張られているのがわかった。 「…みんな、は?」 「私を含め全員治療施設で回復済みだ。私以外の皆は、もう少しかかるそうだけれど…命に別条はない」 「…よか、った、…」 「よくない」 フーディンが強い口調で俺の言葉を阻む。 「よくないよ、マスター。…無事だったから、いいってものじゃない」 「フー…ディン?」 「私が、わたしがもっと早くに反応していたら、マスターに言われる前に動いていたら、全員無事で逃げられたんだ。 特に、マスターは人間なんだ…倒れても、センターの治療施設じゃ治せないかもしれない…」 ぼろぼろ、と。俺を見下ろすフーディンの顔から、熱い滴りが零れおちてくるのが分かった。 俺はヤマブキからこいつと一緒に旅をしてきた訳だが、フーディンが泣いた所なんて、見たことがない。 「ほんとに、マスターが、死んじゃっ、たら、どうし、よう、って…わたしの、わたしの、せ、せいで… 相手に、情けまで、かけられて…マスターが、悪く、言われ、ちゃって…」 「違うよ…フーディン。お前のせいじゃない。今回の敗けは、全部、トレーナーの、俺の責任だ。 相手の実力も測れずに無理な戦いを挑んだ、俺のせいだ。お前は何も悪くない」 腕を伸ばして、フーディンの頬から涙を払う。 「お前のせいじゃない。…思いきり泣いたっていい。その分早めに泣きやんで、また俺を助けてくれ」 「マス、ター…ひぐ、ぐすっ…う、うえぇっ…」 ベッドに横たわる俺の胸に顔を押しつけて泣くフーディンの頭を、母親のように俺は撫でてやった。 * * * 泣き疲れて眠ったフーディンを俺の代わりにベッドに寝かせ、みんなの様子でも見に行こうかと考える。 ああ、そういえば…ともしび山で入手したルビーをニシキさんに渡さなきゃいけないんだったか。 通信制御施設に入ると、ニシキさんが駆け寄ってきた。 とりあえずルビーを手渡すと、彼は信じられないような眼でこちらを見てきた。 「あの…ひょっとして、これを探してその怪我を?」 「いえ、これはその後ちょっと手ごわい奴とやりあって…フーディンのお陰で、命からがら逃げてきたって感じなんですけどね」 「あ、あの子ですか…必死の形相であなたを引きずってセンターに入ってきたものですから、みんなびっくりして」 …後でフーディンにちゃんとお礼言い直しておこうか。 「でも、これでまた通信システムの強化、進みますかね」 「もちろんです!…まぁ、細かい調整なんかは一つ一つやっていくしかないんですけどね。 いつまでも先輩のやり方を頼ってはいられないし、オレなりのやり方で頑張りますよ!」 一つ一つ…俺なりのやり方…か。…そうか… 「クリムさん、本当にあり――「ニシキさん、ありがとうございました。何か、ちょっと目が覚めました!」――え?」 俺は、仲間たちを迎えに走り出した。そう、俺は大事なことを忘れていたんだ。 ジョーイさんのところで聞いてみると、今ちょうどみんな治療が終わり、部屋へ走って行ったらしい。 …まずい予感がするな。急いで俺も追いかけよう。 * * * 「どおしよう、マスターがいなくなってるよー!」 「ひょっとして、けがしてる所を攫われたり――」 「ますたぁ…どこですか…」 「落ち着いてみんな、皆で探せばすぐ見つかるから…」 「シャワーズ、お前が落ち着くんだ!ソファーの下にマスターがいるはずないだろう!」 「…お前ら、怪我治ったばっかりで走り回ってんじゃねーよ」 「マスター!?」 「御主人!どこに行っておられたのだ!」 「そうですよ!一番安静にしてるべきなのはマスターじゃないですか!」 「いや、もうだいぶマシになった。お前らを迎えに行こうと思ったらスレ…じゃなくて、すれ違いになったみたいだな」 …こいつらにも、言わなきゃな。俺の覚悟と、決意を。 「みんな、聞いてくれ。今回の負けは、全部俺のミスだ。…本当にゴメン」 「マスター…」 「けど、今度は負けない。みんな、俺にもう一度チャンスをくれ。今度はあいつのペースに乗せられる必要はない。 おれ達のやり方で、あいつに、ファイヤーに目にもの見せてやるんだ」 「良く言った!それでこそボク達の御主人さまだよ!」 「私、もっともっと頑張ります…勝ちましょう、マスター!」 「もう、まけない、です」 「負けっぱなしと言うのは症にあわんな。御主人、今度こそ勝とうぞ」 「さっすがマスター!あたしもそう言おうと思ってたんだよ!」 「お、お前ら…」 「楽しそうだね、君たちは。私を放っておいてそれは無いよ」 「フーディン!?お前、もういいのか?」 「おかげさまで、だいぶ気が晴れたよ。ありがとう、マスター。 …それで、勝算はあるのかい?」 「ああ。…細かい作戦は明日話す。まずはとにかく…晩ごはんにしないか」 「…そういえば、もう7時を回ってるんですね…急いで作ります!」 「ボクもいってくるよ!」 「おなか…すきました」 「…まぁ、健康で何よりだな」 * * * で、次の日。朝食を食べ終えて一息ついた面々に、俺が作戦の説明を始める。 「まず、昨日の戦いで分かったことを纏めてみよう。おおよそだが、3つある。 一つ・ファイヤーはゴッドバード、火炎放射の技を使う前にチャージ時間がある。 二つ・炎の壁はシャワーズの水の波動で消すことが可能。他の物でも消せるかもな。 三つ・俺達の防御力では、火炎放射でさえ防ぐのがやっとだ。つまり、回避する方向で考えよう」 「そして、ヤツに対する俺達の有利な点はこうだ。 まず、こちらは6人、相手はひとりと言う事だ。散開すれば、火炎放射で一網打尽、なんてことはない。 もう一つ。一度俺たちに勝ったから、ヤツは俺たちを甘く見ている。そこにつけこむことができれば、勝ち目は充分ある」 「これから、各自に作戦を言い渡す。現場で指示を出すこともあるだろうけど、そうでないときはこれに従って自分で動け。 今回の戦いのカギは…フシギバナ、お前だ。わかってるだろ?」 「うん。アレを使うんだね!」 * * * ともしび山、頂上。昼下がりの山頂で、俺達とファイヤーは再び対峙した。 「あら、人間。またやられに来たのですか?」 「あいにく負けたままじゃ気が済まないんでな。リベンジマッチと行かせてもらうぜ」 「…ふふ、いいでしょう。今度も手加減してさしあげます」 「そいつはどうも!行くぜ、皆!」 俺がみんなに出した指示はこうだ。 まず、フシギバナは『フーディンの後ろでタイミングを待て、必要なら援護しろ』 そしてフーディンには、『とにかくフシギバナを守れ、そして仲間の支援を行え』 残りの4人にはこう言った『とにかくファイヤーを一度地面にたたき落とせ』 まず、先鋒はライチュウ。素早く前に走り出て、攻撃に入ろうとしたファイヤーに10万ボルトを放つ。 さらにキュウコンが続き、火炎放射で牽制をしかけた。 ファイヤーはこれを驚きもせずに炎の壁で散らす。しかし、すかさず放たれたシャワーズの水の波動がバリアを打ち消した。 「どうしました、これでは昨日とおなじですわよ!」 「それはどうかな!?」 高らかに叫びながら、さらに高空へと上昇、炎を放射する構えを取るファイヤー。 しかし、背後に回ったプテラが真上から破壊光線を放つ! 「甘い!」 一瞬で軌道を見きって、空中で回避しやがった!反動で動けないプテラを放っておいて、再度火炎放射の構えを取るファイヤー。 だが、その油断が命取りだ! 「イーナーズーマー…」 「なっ!?」 「キィーック!!」 プテラの背に隠れていたライチュウが、そこから飛び出し――ファイヤーに、渾身の雷撃と蹴りを打ち込んだ!! 油断していたところに背中から蹴りを受けて、一直線に地面に落ちるファイヤー。 (いいぞ…そのまま下まで…!!) しかし、敵もさるもの。空中で翼を広げ、地上数メートルで留まって、再び上昇しようとする。 だが、天空より駆け降りてくるプテラとライチュウがそれをさせない! 「大人しく落ちちゃえっ!」 「これで終わりだ!」 落下の勢いを利用した、メガトンパンチとすてみタックルが直撃。今度こそ完全に、地面に叩きつけられた! 「こ、この…調子に乗って…!」 立ち上がろうとするファイヤーだが、真上からすさまじい念力に押されて、膝をつくのが精いっぱいらしい。 フーディンが俺の目の前で、全身全霊の力でファイヤーを押さえつけているのだ。 「それはこっちのセリフだよ。一度勝った程度で調子に乗らないでほしいものだな…! 今だ、やれ!!」 「はいっ!」 「おいうち、です!」 「行くよ!」 「任せろ!」 4方向から襲い来る、徹底的な破壊の嵐。爆炎と土埃が舞い上がって、視界を隠す。 「フシギバナ、やれ!フーディンは念力で奴の位置を掴んでフシギバナを誘導!」 「了解!…見えた!右21度、まっすぐ撃ちこめ!」 「行くよ…だああああああああああああああああああぁぁっ!!」 フシギバナの絶叫とともに、彼女の『力』が地下から持ち上がり、煙の中にいるファイヤーに殺到していく。 視界の晴れたファイアーが見たものは、自分の視界をさらに埋め尽くす無数の根だった。 「あ、きゃあああああっ!?」 「やった!御主人さま!」 「おう!」 狙いを定め、ハイパーボールを倒れたファイヤーに投げつける。…意外なほどあっさりと抵抗が止み、ボールが火山の岩肌に転がる。 「…御主人さま、やったの?」 「ああ。…ファイヤー、ゲットだぜ!」 「意外とあっさり捕まってしまったね。…もっと苦戦するかとも思ったんだけど」 「…そうだな。とりあえず、センターに戻るか!」 * * * で、センターの自室に戻って、治療のすんだファイヤーをボールから出してみる。 たとえ伝説級の萌えもんとはいっても、ボールに入ってしまえば俺に危害を与える事はできない…と思う。 「…で、とりあえず捕まえちゃった訳なんだが…」 「敗北した以上、殺されても文句は言えませんものね。このファイヤー、謹んで貴方の供となりますわ。どうぞよろしく、御主人様」 「あー、それなんだけど…まぁいいや。どうせもう今日は遅いだろうから」 「マスター、ファイヤーさん、晩御飯用意できましたよ。歓迎も兼ねて、御馳走にしてみたんですけど…」 「あら、恐れ入ります。それとシャワーズ、同じマスターに仕えるのだから、別に敬称はいりませんよ? それではマスター、先に食堂へ行っていますね」 「あ、ああ…」 なんか、さっきまでとだいぶキャラが違うな。…何というか、実力を認めてもらったのだろうか。 「それではマスター、私はこれで失礼いたします。おやすみなさいませ」 「ああ、お休み。…早いな」 「その気になれば、1日中でも起きていられるのですけれど…少し、疲れたみたいでして…」 「そうか…まぁ、ゆっくり休みなよ」 「おやすみなさい、ファイヤーおねえちゃん」 「おやすみなさい、キュウコン。それでは」 「…なんだかなぁ」 「拍子ぬけ、と言った感じだね。もっと抵抗してくるかと思ったんだけれど…」 「ますたー」 「ん、どした、ロコン?」 「ねむい、です…わたしも、ねます」 「マスター、あたしも寝るね…おやすみー」 「あの、私も…」 「そっか…まぁ、今日はがんばったからな。お休み」 なんか、やけにみんな寝付くのが早いな。…あれ、俺もちょっと眠くなって… 「マスター?」 「悪いフーディン、俺もちょっと疲れてるみたいだ…」 「当然だ、君は一応はけが人なんだぞ。無理をせず休みたまえ」 「あ、ああ…消灯、頼むな」 「わかっているよ。お休み、マスター」 寝間着に着替えて、俺もベッドに入る。…不自然なくらい、あっさりと眠りに落ちた。 「フシギバナ、もういいぞ。ボールは確保した」 「うん。でも何で、ファイヤーにいたずらするの?」 「昨日の借りを返してやろうかと思ってね。楽しいし見てて面白いと思うから手伝ってくれ」 「わかったー。じゃあ、どこに行くの?」 「隣の治療室へ行こう。あそこなら音も漏れまい」 * * * 「御主人様、起きてくださいませ…」 「う、ん…」 やけに深い眠りだった気がする。いつもなら自分で目を覚ますところを、起こしてもらう事になるとは… って、あれ? 「ファイヤー?」 「な、何でしょう?」 「いや…いいや。起こしてくれてありがとうな」 ファイヤーに先導されて、朝食の場へ向かう。 「ますたー、おはようございます」 「お早うございます、マスター」 「おはよー!マスター!」 「御主人、お早う。寝坊とは珍しいな」 「あ、ああ…」 …俺の隣にいるファイヤーの顔が紅い。なんかやけに紅い。その視線をたどってみると… 「あ、御主人さま!」 「やぁマスターお早う。今日は寝坊かい?」 …まさか、まさかな。 「なぁ、ファイヤー」 「…な、なんでしょう、御主人様?」 「お前さ、昨日…フーディンやフシギバナと何かあったのか?」 ステーンガタガタブルブルドンガラガッシャーン!! (な、何だ今のギャグ漫画みたいな謎の擬音!?何の音だ!?) 「なななななな何をおっしゃっているのかしら御主人様!?私は昨日御主人様より早く床に就いたのですわよ!? 御主人様やキュウコンにもきちんと挨拶したはずですわよ!?」 「あー、悪かった。俺の気のせいだ。忘れてくれ」 …聞かない方が、よさそうだ。 「ところでマスター、ファイヤーはどうするんだい?このままマサラの方へ行ってもらうか、 それとも手持ちメンバーに加えるのか…」 フーディンがいきなり核心をついてきやがった。 …しかたないな。話を始めるか。 「…捕まえておいて何だが、逃がそうと思っている」 「「「「「「え!?」」」」」」 「今後、俺達はチャンピオンリーグに挑戦するわけだ。もちろん、沢山のトレーナーや観客がいる。 もしそんなところに伝説の萌えもんを連れていってみろ、ファイヤーは確実に研究機関に奪われて、何をされるか分かったもんじゃない。 マサラに連れていっても結果は一緒だ。それに、守護者のいないともしび山も危険が高まる可能性が高い。 このあたりの事を考えて、ファイヤーにはともしび山に残ってもらうのが最善だと思うんだが…」 「…確かに、その通りですわね。分かりました。私はここへ残りますわ。 その代わりと言うのもなんですが、もしよろしければ御主人様の故郷、マサラまでは私に送らせて下さいませんか?」 「そうだな…頼むよ、ファイヤー」 「お任せ下さいませ」 * * * 1の島の海岸に、俺とファイヤーが立っていた。ニシキさんへの挨拶も済ませ、部屋も引き払ってきた。 「じゃあ、ファイヤー、頼む」 「分かりました。では、とりあえず私におぶさってくださいませ」 ファイヤーの背中に乗ると、彼女の炎の熱がじんわりと伝わってきて暖かい。 「それでは、飛びますわよ!」 言った瞬間、俺達はもうすでに空にいた。かなりの速度で、地面や海が流れて行く。 「飛行形態をとります。熱くはないですから、安心して捕まってくださいね」 「え?」 轟っ!! 「うぉうっ!?」 突如としてファイヤーの全身が燃え上がり、初めて見たときと同じ火の鳥の姿になる。 この大きさだと、背中に乗っても全然安定感がある。 「それでは御主人様、しばし空の旅をお楽しみくださいませ♪」 火の鳥に乗って、俺達は一路マサラへと向かう。 * * * マサラタウンに降り立つと、ファイヤーは即座に変身を解除して人型に戻った。 「それでは御主人様、なごり惜しいですが、ここでお別れですわね…」 「ああ。…まぁ、何だ。寂しかったらいつでもウチに遊びに来てくれ。伝説が来た程度で驚く家族じゃあないからな」 「うふふ、ありがとうございます。…でしたら、これをお持ち下さいませ」 ファイヤーは丁寧に俺の手を握って、何かを手渡してくれた。 「羽根…か?」 「はい、私の羽根ですわ。もしも私の力が必要になった時、その羽を高く掲げて私を呼んで下されば、 世界のどこであろうと分かります。すぐに駆けつけますわ」 「…そっか、ありがとうな、ファイヤー!」 「ええ。…それではごきげんよう、御主人様」 最後に深々と礼をして、彼女は火の鳥に変身し、自らの故郷へ帰って行った。 しかし、考えてみれば5日間でここまでとんでもない事に巻き込まれるとは思っていなかった。 まぁ、修業としては悪くない旅だったかもしれない。少なくとも、得たものは決して小さくはないだろう。 俺は小さくなっていく伝説の火の鳥を見送りながら、そんなことを考えていた。 おしまい。 あとがき 今回は…まぁ、比較的まともだったはずです。 ファイヤー相手のバトルメインでしたが、いかがでしょうか。 実は僕は、バトル描写はかなり好きなんですよね。 心理描写とかよりこっちの方が楽でいいんです。 …まぁ、うまく書けるかは別問題なのですが。 それでは、また次回にお会いしましょう。 最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/warhawk/pages/63.html
カスタムデータ キャラクター ユーカディア 基本 ヘッド 2 3 4 ボディ 2 3 4 5 フット 2 3 チェルノヴァン 基本 ヘッド 2 3 4 ボディ 2 3 4 5 フット 2 3 画像募集中 現在操縦士まで編集中、それより上位のカスタムがありましたら、 このページに画像ファイルに添付をお願いします。 なし -- teru= (2009-05-03 22 24 38) http //www.warhawkstats.com/customizations/ に全画像があるよ -- 名無しさん (2009-07-05 04 55 54) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/621.html
…許してくれとは言わない。 …許してもらうつもりもない。 …あの日、俺は彼女を裏切ってしまったのだから。 ~紫苑の花を片手に~ 「マスタぁー! 早く、早く~っ!」 「ちょ――ちょ、待てよぉ」 そう、岩山トンネルの出口から俺を急かす、疲れ知らずの嫁。こと、ピカチュウ。 俺はそれにSM○Pのイケメン風に答えてみせるが、疲労困憊のせいで、いまいち役になりきれなかった。 常磐の森でピチューな頃の彼女と偶然出くわし、即保護。 水着姿のカスミ氏に現を抜かして、何度もコテンパンにされながらも(主に俺のメンバー達に)、 お月見山で迷った甲斐あって、晴れてピチューは今のピカチュウに進化。 あの素早さで天使のキッス、10万ボルトのコンボは実に強烈。 最後のスターミーには苦戦したが、見事、でんこうせっかで勝利をもぎ取ってくれた、俺の素晴らしい相棒だ。 ピチューのころの名残か、無邪気で人懐っこくて、一夫多妻についても――……なぜだろう? 最近、ダブルバトルで他のメンバーと顔合わせさせると、笑い合っているのに、なぜか寒気を感じる……不思議だ。 「もぉー! マスター、はやくしないと本当に置いていきますよぉ~?」 だが、今感じるのはジメジメとした空気ではなく、出口から流れてくる爽やかな風。 そして、眩しすぎる逆光に照らされ、影ごとかき消えそうになっているピカチュウ。 ――? 不意に頭の中で、不思議な情景が浮かんだ……が、それはあまりにも唐突であったため、 記憶することもできなかった…。 (きっと疲れているせいだな。あぁ、これもすべてはA製作者の「鬼畜の洗礼」のせいだ。彼の鬼畜MAPには、 ほとほと泣かされたぜ…。んで、勇気を振り絞って穴から堕ちたら、 まさか真下に山男さんがいるとは気が付かず(つーか、ありゃバグだろ…完璧…)、ごっつんこ。 それに何を勘違いしたのか山男さん、gtmtフラグ立てやがって、こっちとらぁ逃げるに必死で暗闇の中、 さらに迷子になっちまったじゃねーかよ……orz。…だけど、噂ではこれで鬼畜MAPは終わりらしい。 ピカチュウが元気なのも納得がいく。どら、早くピカチュウのところに行ってやるとするか) 「あぁ…! …だから……ちょ――ちょ待てよぉ~!」 ……………………。 …………。 ……。 …うん、もう一度、場の寒気を感じたのは気のせいじゃないよな……。 「…やっぱり、似てないです……」 そう嘆息を吐き捨てながら仰いやがったピカチュウ女士。 「疲れてんだよ。暗かったんだよ。怖かったんだよ(主に山男が)。それにそこまでハッキリと言うんじゃねーよ… 俺の芸人魂が2ミリほどハートブレイクしちまっちゃったじゃねーかよ…」 岩山トンネル内のひんやりとした地べたでorzとなる俺。 「また2ミリって、ずいぶんと微妙ですね…」 そんなヘタレ状態の俺の背中を「よしよし」と宥めてくれるピカチュウ。 …にしては、どうにも手がゴツイ気がする。 (…MASAKA…) 振り返りたくもないが、それでも振り返ってしまうのが、人間の性というものなのか? 「ほんと、かわいそうね~。今度こそ、私がそのプリティなお尻を慰めて…あ・げ・る」 忘れよう! いますぐ忘れよう! さぁ忘れよう! ――そして、 「なにやってんだ、ピカチュウ! 早くしないと置いていくぞぉぉぉぉぉぉぉぉ…ッ!!!!!!」 ――駆けた。俺は一瞬で音速を超え、光をも超絶した。 この身が満身創痍だということも忘れ、全力で走った。 四肢よ、ちぎれよ。とばかりに。 「ドップラー効果?! マスターいつの間に高速移動を覚え――」 「あらあら、貴女のマスターってほんと、照れ屋なのね……――それじゃ、代わりに貴女を…――」 「ラジャーッ! どこまでもついていくッスよ! マスタあぁぁぁぁぁぁぁぁ……ッ!!!」 「ん~、イケズな子達ねぇ……――まぁいいわ。 ここまで来たついでに、ちょっくら萌えもんタワーにでも寄るとするか…」 ☆ 「じ、死ぬかと思ったぜぇ…!」 「はぁはぁ…! ま、マスターのせいですからね…!」 途切れた息を整える俺達。 危なかったぜ。 あまりの必死さに呼吸すらも忘れて、真っ白に燃え尽きるところだったぜ…! そしてほどなく、脳内に酸素が行き渡ったところで気が付いた。 「…ここ…どこだ?」 「…さぁ?」 どこを見渡せど、一面、樹木しかない。 まさか、常磐の森の悲劇再来?! (…ぅ宇和ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!! タウンマップ! タウンマップ! ――って、タウ○ページじゃねーよ!) 今一度、必死でリュックサックを漁る俺。 (…まったく、つくづく思うのだが、このリュックサック、いくら物を入れても型通り。 それでありながら、軽く、無限とも言えるアイテムが入るのだ。おまけに自転車も入るという摩訶不思議な珍品。 まったく、モンスターボールといい、このリュックサックといい、 この世界の技術力に心底驚かされるぜ…――と、タウンマップ。タウンマップっと…) 今度こそタウンマップを取り出し、木漏れ日から溢れる青空の下、広げ、ピカチュウと一緒に覗き込む。 「…うん、どうやらまだ10道路にいるらしいな。ここをこーいって、あーいけば、シオンタウンにいけるな」 「それじゃ、わかりませんよ…読者的な意味で」 「よーするに、南下していけばいつか辿り着く。以上」 「…はぁ。こんなんだからトキワの森で5時間、お月見で1時間半、岩山で2時間近くも迷うんですよ…」 「なんかいったか?」 「べっつにぃ~」 わざとらしく、そっぽを向き、一人歩き出すピカチュウ。 ちゃんと南下していっているあたりが、どうにも素直じゃなくて気に障るが… まぁ、あの件に関してはピカチュウにはなんの非がなく、あれは完全に俺のせいだ。 だが、俺は忘れない…。 常磐生まれ、常磐育ちでありながら、常磐の森で迷子になっていたお前の姿を…。 (あのまま俺と出逢わなければ、コイツ、永遠と生まれ故郷で迷い、果てていたんだろうなぁ… ――恐るべしは、A氏の鬼畜な思考!) 「? どうしたんですか、マスター? いつまでも突っ立っていますと日が暮れちゃいますよ?」 ――この瞬間を待っていたぜ――! 「ちょ待てよぉー」 「わぁー、すごい! 紫苑のお花畑だぁ~!」 「聞けよ、コラ」 癪に障った。 どうやらアイツはいまひとつ、主従関係ってもんがわかっちゃいねぇーようだな。 どれ、ここらで調教してや―― 「…か」 そこは思わず声を漏らしまうほどの…いや、本来は声すら上がらないであろう秋の風情。 さきほどの一面樹木とは打って変わって、ちょっと進むとそこは紫苑の花畑が広がっていた。 優に500坪近くあるんじゃねーか? おい…。 ――いや、まったくもってのテキトーだが……。 「ねっ? すごいですよね!」 その花畑の中、子供のようにはしゃぎ、自由に舞い踊るピカチュウ。 一輪の紫苑に触れては、自分の頬と、黄色の心花と合わせ、至上の笑顔を見せる。 あれがピカチュウという種族のコミュニケーションのようで、 よく頬を擦り合わせ、なんかを確かめ合っているらしい。 …………――うん、なにを確かめ合ってるのか、俺の知ったこっちゃない。 「聞けよ、コラ」 花と戯れているピカチュウを軽く小突く。 むろん、帰った来たのは、さきほどの天使の笑顔とは打って変わった、ふくれッ面。 「ったく…急に、こんな開けるなんて、どう考えもおかしいだろ? 考えられるとしたら人の敷地しかない。 つまりこれから出荷されるかもしれない大事な商品かもしれない。そして他にも傷付いたメンバーがいるんだ。 ほら、わかったさっさと行くぞ」 「ぶぅー!」 さらにむくれるピカチュウ。 赤い頬からピリピリと放電しているところを見ると、かなり機嫌を損ねてしまったらしい。 こりゃ頑として動いてくれそうにないぜ…。 …さてどうしたもんか。コイツ、ピカチュウは閉所恐怖症という名のモンスターボール嫌い。 …ちょい意識しすぎなんじゃねぇ? と思うほどのボール嫌いなのだ。 いや、一応ボールマーカーは付けたから、その気になれば戻せるんだが、 あとで10万ボルトを喰らうのもいやだし、ってか死ぬし…。 しばし熟考する俺。 そして深く溜息を吐く。 業者さんの人、さきに謝っておきます。ごめんなさい。 「…ほらよ」 「――えっ?」 「えっ? じゃねーよ、ほら、これでガマンしておけ」 そう、俺は無造作に摘み取った一輪の紫苑の花を、無造作にピカチュウへと差し出した。 …なぜだろう、なんでこんなにもピカチュウの顔がまともに見れねぇんだ? 差し出した紫苑の花をピカチュウは、虫の羽音よりもちいさな小声で 「ありがと…ございます…」 っと俯きながら、そう…呟いた。 ……参った。こんな気まずい空気になるとは予想外だったぜ……。 なんとかこの状況を打破しようと、コラッタよりも小さな頭脳をフル回転させる。 あぁ、気まずい! 気まずい! 気まずい! 気まずいッ! 「…あの」 「木まずいっ!」 …しまった。なんだ、と聞くはずだったのだが、とんでもなく間違えてしまった。しかもガチで誤植…。 そりゃピカチュウも驚き、身を縮込ませているわけだ。 あぁ…終わった。なにもかも終わった……。いっぺん死んでこよう…。 「ピカチュウ、俺に10万b――」 「あの…! このお花、萌えもんタワーにいる娘たちにもあげていいですかっ?」 「…っは?」 あまりの唐突ぶりに俺の思考、一時停止。 ……New Loading…………。 ……New Loading…………。 ……New Loading…………。 残念ながら、俺にはM1基盤が差さっておりませ――って、んなもん端っからねーよッ! 「…だめ…でしょうか?」 トパーズ色の瞳を潤ませながら、俺を見つめてくるピカチュウ。 ヤバイ――! 別の意味で死ぬ! 「え? あ、いや、そんなことはないぞ? うん…!」 途端、雨雲一風爽快、まぶしい太陽がお見えになった。 「マスタぁー!」 「ちょ! おま! 抱きつく――電気――! 静電気が――ちょぉおお?!」 ピカチュウに押され、紫苑の花畑へと倒れこむ俺達。 ピチューのときからそうだが、コイツはなにか良い事があると、事あるごとに俺に頬ずりしてくるクセがある。 …うん、つまりなにが言いたいかというとだな……――特性のせいで痺れるんだよ、ピリピリと! 地味に痛んだYO! 勝手に表情筋が動くんだYO! 小顔になっちまうYO! そんな痺れる俺をよそに、ぐりぐりすりすりと頬を擦り合わせるピカチュウ。 …仮にもし、この状況で俺がわずかにでも首を動かしたら、いったいどうなるんだろか……? …………うん、とりあえず、マヒなおしプリーズ。 いつものことなので、言わずとも、ひとしきり満足したピカチュウにマヒなおしをかけてもらい、復活。 …またしても無駄な出費が……orz 「はい! そうと決まったら、善は急げ! いこっ! マスター!」 落ち込んでいいやら、怒っていいやら、どちらにもつくことができない俺の手を引くピカチュウ。 …彼女がなぜ、萌えもんタワーに花を手向けに行こうとするのかはわからないが、これだけは言える。 「そうだな。それに有力なウワサじゃあ、あそこにはムーマが出るらしいからな! ムーマ! ムーマ!」 思わず、高く振り上げた拳を何度も上げ下ろしする俺。 図で表しちゃうと、こんな感じだZE! ∩ ( ゚∀゚)彡 ムーマ! ⊂彡 ムーマ! 「…やっぱ萌えもんタワー行くのよそうかな……」
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/1390.html
アキラがトキワジムに腰を落ち着けて約半月。 クリム主導の鍛錬(当然、マスターも鍛える)に慣れてきた頃、アキラ宛に一通のメールが届いた。 『Trust and distrust』 「マサキから呼び出しだって?」 朝練を終え、少し遅めの朝食を摂りながらクリムは聞く。 アキラはというと、半分死にかけの状態でそれに答えた。 「あぁ……なんか、近いうちにノッサとユキメさんとスイクン連れて来てくれって……何の用だろう」 「あー、んじゃアレだな。この辺じゃ珍しい萌えもんのデータが欲しいんだろ」 「萌えもんのデータ?」 意味がわからず、首を捻るアキラ。 その様子に苦笑しながら、クリムは話を続ける。 「お前、マサキについてどのくらい知ってるんだ?」 「あー……直接の面識は無いし、パソコンでの萌えもん預かりシステムの開発者ってくらいか」 「ま、一般人の認識としちゃそんなもんか」 「?」 「いやな、マサキは萌えもんマニアなんだよ。預かりシステム作ったのも、色々な萌えもんのデータが欲しいからって話があるくらいだ」 「データねぇ……」 アキラは怪訝な表情をしながらコーヒーをすする。 「……変なことに使うんじゃないだろうな」 「その辺は大丈夫だろ。俺はあいつと会ったことあるけど、悪いやつじゃなかったぜ」 「まぁ、クリムがそう言うならそうなんだろうけどな」 「お、んじゃ行くのか?」 「そうだな……相変わらず放蕩してるスイクンが見つかり次第行くか」 そう言って食事を終えたアキラが立ち上がった時。 突然彼の背後から、底抜けに明るい声が響いた。 「あっるじっ様ーっ!呼んだ?」 「ってうぉあ!スイクン!?」 「……前にも思ったが、ホント一口に伝説っつっても色んな性格の奴が居るんだな」 「むむむっ、失礼な。あたしこれでも伝説よ?伝説なのよ?」 「じゃ、せめてそれっぽく振舞えばいいだろうに……つか、今度はどこに行ってたんだ」 「んとね、灯火山のてっぺん」 「ってファイヤーのとこかよ!?」 「そーそー。あ、そういえば聞いてよ。ファイヤーってばまた美味しいお酒隠してて……」 「……なぁアキラ。仮にもファイヤーのトレーナーとして色々と言いたい事があるんだが」 「わかってる……つか注意もしてるんだが、もう数十年はこういう関係だそうだしなぁ」 「「……はぁ」」 「そんでね……ってちょっと、聞いてる?」 数日後。 指定のメンバーの他にデル、メリィ、ホウを連れ、一行は岬の小屋の前に立っていた。 「ここがマサキの家か……」 「なんか、予想してたのと違うね」 「そうですね。預かりシステムの開発者という程ですから、もっとこう……」 「ほらほらみんな、ひとんちの前でお喋りしてても仕方ないっしょ。ってことでおじゃましまーっす♪」 「僕、スイクンさんは少し自重したほうがいいと思います……」 そんなこんなで上がりこんだ先には、エーフィ族の少年が一人。 「ん?あんたら誰や?」 「ああ、俺はトキワジムのアキラ。マサキって人に呼ばれて来たんだけど」 「おお、あんさんがアキラか!わいは見ての通りエーフィ……ってちゃうちゃう、萌えもんマニアのマサキや!」 「……へ?」 一同、硬直。 それもそうだろう。皆、マサキが萌えもんだなどとは夢にも思っていなかった。 「何やその反応は。あんさんら信用してへんな?」 「信用って言われても……」 「ねぇ……?」 「ホンマやって!実験に失敗してしもうて、萌えもんと一つになってもうたんや!」 必死で訴えてくるエーフィ(マサキ?)。 その様子に、もしかしたら本当にそうなのではないかと思い始めた時だった。 「せやから、わいはこの機械に入るさかい。そこのパソコンで……」 「……ハ~マ~?」 「……ってその声はムドォ!?何でや!?何で今ここに居るん!?」 いつのまにか彼の後ろにはブラッキーの少女が肉薄しており、振り向いたエーフィの顔面をぐわし、と掴むと。 そのまま握り締めて持ち上げていた。 要はアイアンクローである。 「あんた……悪戯も大概にしなさああああああいっ!!!」 「ああいがががががががががくぁwせdrftgyふじこlp!?!?!?!?!?」 エーフィは暫く声にならない悲鳴を上げていたかと思うと、泡を吹いて気絶した。 そしてブラッキーはポカーンとしているアキラに向き直ると、頭を下げた。 「ごめんなさい、うちのが変なこと言ってたみたいで」 「あ、え、いや、別にいいけど。君は?」 「あ、そうだった。申し送れました。わたしはマサキ兄ちゃんの助手の一人で、ムドっていいます。そこのバカはハマ。あんまり認めたくないですが、わたしの双子の弟です」 「そうか……マサキは今は居ないのか?」 「はい、でもすぐに戻ると思いますよ。よろしければ皆さん、奥でお待ちになりませんか?」 「なら、お言葉に甘えようかな」 「わかりました。こちらへどうぞ」 そして奥に通されて数分後。 「やー、君がアキラか。わいがマサキや。よろしく!」 「あ、どうもよろしくお願いします。マサキさん」 「硬いなー、わいもアキラって呼ぶけん、わいのことも呼び捨てでええで」 「そのほうがいいならそうさせてもらうよ、マサキ」 「おおきに。ほな早速、データ取らしてもらうで。その間そこのパソコンで、わいの萌えもんコレクションでも見てき。データしか無いけどな!」 そういって、マサキは三人を連れて別室へと去っていった。 残された四人は、勧められた通りにパソコンで萌えもんのデータを見ることにした。 「……御主人様!見てください、これ!」 「なんだなんだ……ヘルガー族のデータか」 「はい。このデータによりますと、私の種族の平均的な胸の大きさはAらしいですよ!別に私が特別小さいわけじゃないみたいです!」 「……でもデルちゃん、身長の平均は160cmよりも上だよ」 「……っ!」 「……それに、デルのサイズはAA。平均より全然下。しかも、種族的に成長は見込めない」 「Σ( ̄□ ̄;)」 「うわ、ホウちゃんキッパリ言い過ぎ……」 「まぁ、何だ。デル……あんま気を落とすな。俺は嫌いじゃないぞ、小さくても」 「うぅ……御主人様の優しさが地味に痛いです……orz」 「これは……デンリュウ族のデータか」 「え、見せて見せてー!」 「……普通ですね」 「……人間と殆ど変わらないな」 「……面白みが無い」 「えー……普通でいいよぉ」 「そこはほら、話のネタにならないじゃないですか」 「……読者も、読んでて面白くないはず」 「ホウ、あんまメタな話はナシで頼む」 「んで、これはヨルノズク族のだな」 「……おっきいね」 「……(ギリギリ」 「……それほどでもない。普通」 「お前のサイズでデル達に普通って言っても嫌味にしか聞こえんからな。種族内では普通でも」 「くぅ……飛行タイプの種族の方々は何故皆胸が大きめなのでしょう……」 「一説には、羽ばたく時に胸の筋肉を使うから、その近くに栄養分となる脂肪を溜め込むようになっているとか何とか」 「どこの誰がそんなこと決めたんでしょうね……」 「……多分、トーヨー史に詳しくて胸とお尻が大好きでピジョットが嫁の人」 「だからメタな話はよそうか」 ……十数分後。 妙に生き生きとしている三人を連れて、マサキが戻ってきた。 「やー、ホンマにおおきに!……どないしたんやお二人さん、えらい落ちこんどるけど」 「いや、ちょっとな……それよりもそっちこそどうしたんだ?」 アキラが聞くと、ユキメが柔らかく笑いながら答えた。 「実は、データ取りのついでにリフレッシュもしてもらったんですの」 「リフレッシュって、どんな?」 「そうですわね、私の場合は氷雪浴とでも言いましょうか……仮想とはいえ、久しぶりに一面の銀世界に触れられて素敵でしたわ」 「へぇ……ノッサやスイクンも?」 「はい!僕は全身のマッサージと整体みたいのをやってもらいました!」 「あたしも、好きなだけお酒飲めたしさいっこー♪」 「はは、喜んでもらえたなら何よりやわ」 後の部屋から「何やこの額はー!?」「伝説のデータと引き換えなら安いものって言ってたわよ」という声が聞こえてきたが、アキラはとりあえず今は気にしないで後でスイクンを〆ることにした。 「色々と世話になったみたいだな。さんきゅ」 「えーってえーって。ところでアキラ、帰りにハナダ寄る用事ある?」 「ハナダ?まぁ折角だしカスミさんに挨拶くらいはしてこうかと思ってるけど」 その答えを聞くと、マサキは真面目な顔になって言った。 「……せやったら、なるべく寄り道せーへん方がええで」 「……なにかあったのか?」 「あったっちゅーか、現在進行形やな。実はな……」 マサキの話を要約すると、こうだ。 先の萌えもんの暴走事件以来、被害を受けた市民の間で萌えもんに対する不信感が強まってきている。 また、詳細が伏せられていることから、この事件自体が萌えもん協会が起こした不祥事ではないか?と勘繰る者まで出ている。 それを受けて「全ての萌えもんは管理されるべきである」という思想を持つ市民団体と、ハナダジムとの間で何度か衝突があった。 ……それらの話を聞いたアキラは、完全に面食らっていた。 「んな、ばかな……あの事件の顛末は詳細にした方が混乱するからって伏せられてたのに」 「ま、市民の感情も理解できへん訳やないがな。仲のよい隣人やと思うてたら、突然暴走して家を壊され、傷を負わされ……人によっては家族を奪われとる」 「だからって……その状況から救ってくれたのも萌えもんだろうに!」 「せやな。せやけどそうも思わん連中も居るっちゅうことや。気つけとき」 「……ああ、情報ありがとう。またな」 そうして、アキラはマサキの家を後にした。 その後、ハナダジムへ飛ぶこと数分。 降り立とうとすると、なにやらジムの前に人だかりができているのが見えた。 「なんだあれ……まさか、マサキの言ってた市民団体ってアレのことか?」 「……アキラ君、どうする?」 「そうだな……人目につかないように、ジムの裏に降りるぞ。ちょっと様子を見よう」 ハナダジム前。 そこでは市民団体が一人の少女を取り囲んでいた。 もっとも、取り囲まれている少女も怯んではいない。 胸を張って腕を組み、彼らを正面から睨み返している。 ピリピリと張り詰めた空気の中、均衡を崩したのは少女……ハナダシティジムリーダー・カスミのほうであった。 「あんたたちねえ……いい加減な言いがかりはもうやめてもらえないかしら?」 「言いがかりだと!?」 「言いがかりよ!あれはロケット団残党による犯行で、ちゃんと協会が派遣したトレーナーが止めてきたって報告があったでしょ!」 「嘘をつけ!自分たちに都合が悪いからって隠すな!」 「勝手な妄想はやめなさい!それに全萌えもんを管理するですって?バカらしい、彼らの意思はどうするって言うのよ!」 「奴らの意思なんか関係ない!我々の安全のためには、全てを管理する必要があるんだ!」 「そんなことが許されると思って……!」 「うるせぇ黙れ!協会の犬風情が!」 そう吼えた男がカスミに石を投げつける。 反射的に自らをかばうカスミ。 だが、その石は見えない壁によって弾かれた。 「な、何だ!?」 「おいおい……女性一人を取り囲み、挙句石を投げるとか、あんたら人として恥ずかしくないのか」 「誰だてめぇ!出て来い!」 「言われなくとも……っと」 罵声に応えるように、屋根の上からヨルノズクを伴った青年が降りてくる。 アキラとホウである。 二人はカスミと人だかりの間に立ちふさがり……背後から怒鳴られた。 「ちょっとあんた!突然割り込んでなんのつもりよ!部外者はどいてなさい!」 「ちょっ……部外者は酷いな、知り合いが囲まれてたからマズいと思ったのに」 「知り合い……って、ああああああっ!あんた、うちの子たちをヘルガー一人でボコしてバッジ取ってったナメ男!」 「……流石にその物言いは傷つくんだが」 「うっさいわね!相性良い筈の炎タイプの子にジムバッジ戦とはいえ3タテストレート負け食らったあたしのプライドの方が傷だらけよ!」 突然繰り広げられた喧嘩(というには一方的だが)に面食らう市民たち。 が、延々と彼らをスルーして続けられるそれにとうとう先の石を投げた男が食いかかった。 「てめぇ、ナメやがって……!ただのカッコツケならどいてろ、怪我したくなかったらな!」 「だから知り合い……つか一応関係者なんだな、これが」 「は?あんた、とおりすがりのトレーナーやってたんじゃなかったっけ」 「ちょいと思うところがあってな……今はトキワジムでサブリーダーやってる。今日はその挨拶も兼ねて来たんだけどな」 「なによそれ、聞いてないわ!」 「だから今日言いに来たんだって。それに書類には書いてあっただろうに」 「顔は覚えてたけど名前まで覚えてないわよ!」 「さいですか……」 と、再び始まる漫才(?)。 そんな時、人だかりの外側がガヤガヤ言い出したと思うと、すっと道ができて一人の男が通ってきた。 「まあまあ皆さん、そんなに熱くならないでもよろしいでしょう」 「ら、ラーク様!?」 「様付け……?カスミさん、彼は?」 「……奴らの幹部よ。面倒なのが出てきたわね」 そういって嫌そうな顔をするカスミ。 そんな彼女に、男……ラークはうやうやしく挨拶をした。 「これはこれはジムリーダー殿。ご無沙汰しております」 「一昨日ぶりのどこがご無沙汰なんだか。顔も見たくなかったわ」 「おやおや、嫌われていますね。そちらの方は……見ない顔ですね」 「まぁ俺は新参だし、リーダーでもないから当たり前か。トキワのリーダーの補佐をやってる」 「なるほど、あなたがあのトキワの……こちらから挨拶しに行く手間が省けましたよ」 「挨拶ね……あんたは何者なんですか?」 「おお、これは失礼いたしました。わたくし、アッシュ団幹部のラークと申します。以後、お見知りおきを」 「んで、どうしてこうなってるのか説明してもらえないですかね?」 「どうしてもこうしても、彼女が我々の言葉に耳を傾けて頂けないのがいけないのです」 「誰があんな話をマトモに聞くもんですか!萌えもんがかわいそうじゃないの!」 「ですが、次同じようなことが無いとも言い切れません。そんな時、あなたたちは街を護れるのですか?」 「そんなの、当たり前じゃないの!」 「ええそうでしょう。当たり前です。『護れるはずがありません』」 「っ!」 「おい、どういうことだ!」 「今回の暴走のときのこと、ご存じないのですか?リーグがあるからとジムを空け、肝心なときに不在。 挙句戻ってきた後も、ヘタな戦いをして悪戯に被害を増やす。 さて問題です。『今回護れなかったのに、次は護れるという根拠は何でしょう?』」 「うるさい……うるさいうるさい!もっと勉強するし、対策だって考えるわよ!」 「しかし、その対策に意味は無い。なぜなら、事件を起こしたのはあなた方協会……無論、リーグ中に事件があったのも自然に各地を手薄にするため」 「違う!そんなのデタラメよ!」 のらりくらりと語るラークに、過熱していくカスミ。 見ていられず、アキラは間に割り込んでいた。 「カスミさん、一旦落ち着くんだ。確かに奴の言ってることはデタラメだけど、デタラメだという証明ができないんじゃ仕方ない」 「それは……そうだけどっ!」 「いいから。とにかく、こうやって話してても不毛だし……これ以上文句付ける気なら、相手になるぜ?」 そう言ってアキラはボールに手をかけ、ホウは一歩前に踏み出る。 が、ラークは表情を全く変えずに一歩前に出た。 「……おい、何のつもりだ?」 「おやおや、我々の話を聞いていなかったのですか?我々は萌えもんによって被害を被った者。故に、萌えもんを連れてはおりませんよ?」 「だから何だってんだよ?」 「いいえ、何も。ただ……丸腰の相手に萌えもんで攻撃を仕掛けるほど、貴方も愚かではないでしょう?」 「……なるほどね。ここで実力行使に出れば、その時点で『萌えもんが人間に害を為した』証拠が取れるって寸法か」 「人聞きの悪い。私はただ単に戦う意思は無いと言っているに過ぎません」 「戯言はもう十分だ。んで、どうすんだよ」 「……これでは埒が明きませんね。本日のところはこのくらいにしておきましょう。皆さん、解散です。お疲れ様でした」 ラークがそう言って手をたたくと、蜘蛛の子を散らすように市民達は去っていった。 それを確認して、ラークは再びアキラ達にその能面のような微笑を崩さずに「では、御機嫌よう」と挨拶すると、何事も無かったかのように去っていった。 残されたのは、アキラ、ホウ、カスミの三人だけ。 「……アキラ君」 「何だ?」 「疲れた……」 「お前、もうちょっと空気読んで発言してくれ……」 「……戻ってていい?」 「いいよ、お疲れ……カスミさん?」 ホウをボールに戻し、アキラはさっきから黙ったままのカスミに声をかける。 カスミは今にも泣きそうな表情で、ギリギリと歯を食いしばっていた。 「あの、謂れの無いこと言われて悔しいのはわかります。でも……」 「違うのよ……全部、事実よ……」 「え?」 「あたしがトレーナー引き連れてリーグ行ったのも……建物ごと暴走萌えもんを押し流したのも……事実だわ……言い返せなかった……ッ!」 「カスミさん……」 「ゴメン、あんたにつっかかったりして……あと悪いけど、今日は帰ってもらえる?ちょっと、落ち着いて話できる気分じゃないわ」 「……わかりました。でも何かあったら連絡してくださいよ。俺は当然、クリムだって、きっと力になってくれるはずですから」 「……ありがとう。あとなんか堅苦しいから、敬語はやめてくれる?年だって大して違わないでしょ」 「それ、マサキにも言われたな……了解、カスミ。これでいいか?」 「OK。じゃ、ね」 「ああ」 そうして二人は別れ、それぞれの帰るべき場所へと帰るのだった。 「ただいまー……あー、疲れた」 トキワジムに戻るなり、アキラはレストルームのソファに倒れこむ。 奥からクリムとシャワーズが、淹れたてのコーヒーを持って来てアキラに差し出した。 「お疲れ様です。どうぞ」 「ああ、さんきゅ……あー、ったく参るなぁ」 「お疲れ。つかどうした。やたら遅かったが、何かあったのか?」 「何かも何も……エラい奴らに会った」 そう前置きして、アキラはハナダであった事を話した。 その話が進むにつれ、クリムは渋く、シャワーズの方は悲しげな表情になっていく。 「……ってことがあったんだよ」 「アッシュ団……か。ったく、漸くロケット団を潰して落ち着いたと思ったらこれだ」 「それにしても、あの事件でそれほどまで萌えもんに不信感や危機感を感じている人々が居たなんて……」 「まぁ、ハナダシティはあの事件で最も大きな被害を受けてるからわからないじゃないけれど」 「にしても動きが早いな。ロケット団の元傘下か、それとも似たような対抗勢力だったのか……どっちにしろ、放ってはおけないな」 コーヒーを飲み干し、クリムは立ち上がる。 それを追う様に、アキラも立ち上がった。 「けど、挨拶が省けたってことはこっちにも勢力伸ばすつもりだろうし、迂闊には動けないぞ」 「いや、大丈夫だ。こっちにはリーダークラスの人間が二人居る」 「マスター、それってもしかして……」 「ああ。俺かアキラ、どっちかがジムを守り、どっちかが捜査する。これならいけるだろ」 「なるほどな……確かに、俺たち二人で防衛しなきゃならない敵なんてそう居ないか」 「居たとしたら、それこそミュウツークラスだろうし。その時は四天王の応援要請もするさ。折角近いんだしな」 「あはは……」 そんなクリムの物言いに、アキラは苦笑した。 「にしても、相手が萌えもんを連れていないとなると厄介だな。押しかけられてもこっちからは手出しができん」 「最悪、門を閉めて立てこもるしかありませんね」 「それにもう一つ気になることがある。連中、全萌えもんの管理っつってたんだろ?具体的に何するつもりなんだ?」 「言われてみれば……そもそも現状のトレーナーと萌えもんの関係だって、言い方は悪いが萌えもんを管理してるようなものだし」 「全萌えもん、と言っているくらいですから、野生の存在を認めないということでしょうか」 「それとも、今のトレーナーと萌えもんの関係をより人間優位に変えていくつもりか……あるいは、両方かもな」 「……私、怖いです。もし本当に彼らの言うような世界になってしまったら、私とマスターの関係も……」 「大丈夫、変わらねーよ。そもそも、そんな世界にはさせねえ。シャワーズ、俺を信じろ」 「マスター……」 「シャワーズ……」 クリムの言葉に、瞳を潤ませるシャワーズ。 見つめあった後、瞼を閉じたシャワーズにクリムが口付け……ようとした所でアキラは咳払いをした。 「あー、ゴホン。お二人さん、そういうのはせめて二人でいる時にやってくれ。俺一人置いてきぼりじゃねーか」 「へ?あ、う、あ、ごごご、ごめんなさいいぃぃぃっ!!!」 「なんだアキラ、混ざりたいならそう言えば混ぜてやっぞ。当然、制限つきだが」 「マ、マスター!?何言ってるんですかぁっ!?」 「誰が混ざりたいと言った。つかシャワーズが沸騰しかけてるがいいんか」 「無論だ。こうなってるシャワーズも可愛いだろ?」 「か、か、かわ、わ、わはぁぅ……(プシュー」 「あ、のぼせた」 「やれやれ、しゃーねぇ。アキラ、俺はとりあえずシャワーズ寝かせてくるから後片付け宜しくな」 「おめーの事だから寝かせてくるだけじゃ済まないんだろーな……まぁいいや。仲良くしてこい」 クリムがシャワーズを抱き上げて去っていくのを見送りつつ、今夜はどうデル達を可愛がってやろうかと想いを馳せるアキラだった。 ほぼ同じ頃、カントー某所。 嫌らしくない程度に豪華な部屋に、二人の男が居た。 片方はいかにもビジネスマンといった出で立ちの若い男。 もう片方はぼさぼさの頭にくたびれたシャツ、薄汚れた白衣という、如何にも研究員然とした老人だった。 若い方の男は読んでいた書類を机に置くと、老人の方に視線を向けた。 「なるほど、開発のほうは順調のようだね」 「ええ、そうですとも。何せ、理論と根幹の設計だけは既に出来上がっていましたからなぁ」 「素晴らしいね。これが完成すれば……フフフ、世界を変えられるだけの力が手に入る」 「わしゃ力なんぞ興味ありゃしませんが……ひひひ、研究さえ続けさせとくれるんならいくらでも協力しまさぁ」 「勿論さ。じゃあ早速だけど、これの試作品のテストをしたいね」 「でしたら、お月見山なんぞどうでしょ?」 「お月見山かい?」 「ええ、あの山には珍しい萌えもんの集落があるという噂。そこの住人ならば……試した後、高く売れるかと」 「フフフ……なるほど。では早速手配するとしよう」 「人選はどうなされますかぃ?」 「僕が今決めよう。そうだな……バージニア、ケント、フィリップの三人を向かわせろ」 「わかりました、伝えときまさぁ」 「宜しく頼むよ、グレイ博士」 「こちらこそ、シガー社長」 そう言葉を交わし、博士と呼ばれた男は部屋を後にする。 残された社長と呼ばれた男は、ガラス張りの壁……外は高層ビルの森が眼下に広がっている……に歩み寄り、笑いを零す。 「そう、力だ……力があってこそ全てを制するのだ……フフフ……フハハハハハハハハハハ!!!」 月は、もうあとわずかで満月になろうとしていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き どうもこんにちわ、曹長です。 ……気がつけばまた半年近く放置。もっとがんばらにゃ。 さて、今回のお話ですが……えー、ほのぼの日常話、一話で終了のお知らせが入りました(ヲイ どーも私はなにかと若干ハード目な話が好きなようで。 今後の人間と萌えもんの関係はどうなってしまうのか? アッシュ団とは何者なのか? アキラ達はそれにどう立ち向かうのか? それはまた次回以降、乞うご期待! そして毎度のことになりますが、キャラ貸し出し・クロスオーバー等、ストーム7氏に感謝です。 それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/1415.html
ゴールデンボールブリッジ カスミを突破したデオキシスとそのトレーナーは、レベルアップを目指しトレーナーが多く集う場所を訪れた。 その為の場所として選んだのはハナダシティジムから少しある居場所にある、橋、通称「ゴールデンボールブリッジ」。 ハナダの名所でもあるそこには普段から複数のトレーナーが屯しているので経験値を稼ぐには丁度良いと二人は考えたからだ。 さぁ行くぞと意気込んでデオキシスとそのトレーナーが橋を渡ろうとしたその時、橋の方からトンガリ頭の友人が歩いてきた。 「よぉ、○○○!久し振りだな!」 「相変わらずそいつを連れて歩いているのか。」 「デオキシス以外は連れていない?」 「…あぁ、そう言えばお前は捕獲が苦手だったな。」 「けど手持ちが一体だけってのはトレーナーとして問題だと思うぜ。」 「手持ちが一体が増えるだけでも他の萌えもん達への負担は一気に減るからな。」 「そういうのを考えて手持ち萌えもん達を補佐するのが一端の萌えもんトレーナーってもんだろ?」 「今度、草むらにでも行って手持ちになってくれそうな奴を探してみたらどうだ?」 「…と、長話過ぎたな。俺らしくもねぇ。」 「さてと、折角出会って話をしただけじゃつまらないな。」 「たった一体で戦うお前に、俺達がどれくらい強くなったか見せてやるよ!」 「先ずはそうだな、ポッポ!君に決めた!」 トンガリ頭がデオキシスの天敵だったと記憶している萌えもんが入ったボールに手を掛けて決めポーズと共にボールを戦闘の場へと投げる。 しかし次の瞬間にはトンガリ頭の手持ち萌えもんは全てデオキシスによって倒されたのでトレーナーは勝利を収めた。 「!なっ。何が起きた!?『勝負を始めたと思った』のに何で『全て倒されている』!?」 「今、勝負と言う過程を吹き飛ばし勝利と言う結果を残した…これが私の真の能力…その名も、キングッ」 「単にサイコキネシス連打で無双出来て面白く無かったから勝負描写をカットしただけなんだけどな。」 「ちょっと待て、戦闘カットは酷くないか。俺、一応ライバルだぜ?こう、もっと、読者も見ていて燃え上がるような戦いをだな。」 「カスミ戦の方が、と言うよりは、カスミのスターミーは普通に戦っても強いから印象に残り易いんだよ。今のライバルはちょっと。」 「ちょっと…何だよ。その先を言えよ!」 「ついでに賞金も貰っておいたから。」 トンガリ頭は財布を確認しデオキシスの言う通り所持金が減っている事に気付いた。僅かな間少なくなった財布と見つめ合った後、いそいそと財布と荷物を片付け、 「この先には預かりシステムを開発したマサキって奴が住んでるぜ!」 「お前も預かりシステムの世話になるつもりがあるのなら、挨拶をしに行ったらどうだ?」 「じゃあな、アデュー!」 等と捨て台詞を吐いてからトンガリ頭を風に揺らしつつも二人の横を通り過ぎそのまま歩き去る。 段々と小さくなっていく友人の背中を見ながらもトレーナーは一言呟く。 「…、どっちかというと、時間飛ばしはあの人が使った方がしっくりくるな。」 「あの人の名前は『クリム』ゾンだからね。」 クチバシティジム 港町として盛んな街、クチバシティ。 この街のジムリーダーは電気タイプ萌えもんを専門とする通称『イナズマアメリカン』マチス。 マチスのジムにはある特殊な仕掛けが施されていて挑戦者であるトレーナーは仕掛けを突破し始めてマチスに挑む事が出来る。 突破しなければならない仕掛けとは端的に言えばゴミ箱漁りである。こうして書くと一種の嫌がらせのように聞こえる。実際に嫌がらせなのかもしれないが。 ジムトレーナー曰く「用心深い」マチスは自分の部屋を施錠している。そして施錠を解除させる二つのスイッチがゴミ箱の中に在る。 トレーナーはゴミ箱の中からスイッチを探し出すことが出来ればマチスが待つ部屋に入る事が出来る、ということである。 三十箱ものゴミ箱の中から二つのスイッチを探し出すこの嫌がらせに苦戦するトレーナーは多い。また一人、そうして仕掛けにデオキシスを連れたトレーナーも苦戦していた。 デオキシスは苦々しい表情と共にゴミ箱の中に手を突っ込んで掻きまわすが、目的のスイッチが無かった事に落胆し愚痴を垂らした。 「ジムトレーナー。本当にゴミ箱の中にスイッチが入っているのだろうな。」 「ジムトレーナー全員がそう言ってるし確かなんだろ。ほら、次のゴミ箱を探るぞ。」 「マスターはどうなんだ?スイッチは見つかったか?」 「いや、全く。」 「もう二十五箱は探っているのにな…何でスイッチ一つ見つからないんだ。運が悪過ぎるだろう。」 「あぁ、それ多分、俺の所為。」 「俺の所為?どういう事だ?」 訳が分からない、とも言いたげなデオキシスに、トレーナーは言葉を選ぶ為に少しの間をおいた後で、その訳を説明し始めた。 「俺は運が悪いんだ。」 「運が悪い?余計に訳が判らないよ。」 「そのままの意味なんだけどな。例えばほら、俺は捕獲が苦手だろ?」 「そんな設定があったね。」 「俺が捕獲が苦手なのは運が悪いからなんだよ。弱らせて、ボールを当てても、結局最後にものを言うのは運だから。」 「なるほど、わからん。」 こうは言いながらもデオキシスはトレーナーの言おうとしている事は何となく理解できていた。 今までトレーナーはどんな萌えもんも捕まえる事が出来なかった。ちゃんと弱らせた上でモンスターボールをにぶつけてもだ。 それがたった一度なら『運が悪い』で済むかもしれない。しかしトレーナーの場合、それが何度も何度もあった。デオキシスはそれを見てきた。 確実に捕まえるマスターボールを除けば、例えどのような技術を用いても捕獲に絶対は無い。結局最後に必要なのは運だ。 致命的ではないにしろトレーナーにはそれが欠けていた。例えどんな好条件の下であってもトレーナーは萌えもんを捕まえる事が出来ないのである。 「それは単に運が悪いからで、この運の悪さが、ジムのスイッチ探しにも影響を与えているのではないかと。」 「何と言うかもう能力みたいなものなんだね…もしかして右手が幻想殺しだったりする?」 「いや、それは無い。まぁ、運が悪いと言っても不幸ってわけじゃないからな。」 「? 運が悪いと不幸になるものではないのか?」 「今の俺はそこそこ幸せだよ。嫌いじゃない奴と一緒に旅が出来るのだから。」 「嫌いじゃない奴?私の事か?…、嫌いじゃない、か。ふふ。」 デオキシスは再びゴミ箱の中を漁る。しかしスイッチは見つからない。 運が悪いトレーナーの手持ち萌えもんになると苦労するものだと、デオキシスは楽しげに呟いた。 「ジム戦より仕掛けを解除する方が手間取った気がするのだが、気の所為だろうか?」 「気の所為じゃないと思うぞ。ジム戦はサイコキネシスで無双出来たし。マチスよりゴミ箱の方が強敵だった。」 萌えもんタワー 運が悪いトレーナーと朱色と青緑の少女デオキシスは無事イワヤマトンネルを潜り抜け、シオンタウンの萌えもんタワーに来ていた。 萌えもんタワーとは多くの萌えもんの墓が集められ建てられた塔であり、毎日のようにかつて寵愛した萌えもんの墓参りに来る人々が訪れる場所である。 墓場という環境の所為かこの場所には未だ謎多き身体構造を持つゴーストタイプ萌えもんが出現する。 不謹慎ながら、墓参りではなくゴースト萌えもんを目当てに萌えもんタワーを訪れる萌えもんトレーナーも少なくはない。 野生の萌えもんを捕まえる事が出来ないトレーナーの目的は墓参りであった。 近くにあるタマムシシティのデパートで買った色取り取りの花を二階にあった小さな墓の前に供え、黙祷する。 研究所で暮らしていたデオキシスは研究所の近くに住んでいたトレーナーとの付き合いこそ長いが全てを知っているわけではない。 トレーナーが誰に祈りを捧げているのか分からず居心地が悪そうに周囲に気を配りながらもトレーナーを眺めていた。 やがて黙祷を終えて墓前から離れたトレーナーは、私用で待たせてしまったデオキシスに対し申し訳なさそうに話し掛ける。 「悪かったな。俺の私事で時間を使ってしまって。」 「誰の墓なんだ?君の以前まで手持ちだった萌えもんのものか?それとも御両親の?」 「いや、俺の妹の墓だよ。」 「君は人間だろ?妹が萌えもんというのはおかしくないか?」 「義理の、が付くんだけどな。俺にはズバットの妹が居たんだよ。」 「初めて聞いたな。」 「言ってなかったからな。」 「…彼女の死因は何だったんだ?」 「交通事故。母さんとの買い物帰りに大型トラックがぶつかったんだ。」 そう言えば、あいつが一番最初の手持ちだった。 トレーナーの台詞に過去を懐かしむかのような様子は無く、感情の篭っていない声音で淡々と語る。 「そう言えば俺が萌えもんを捕まえられなくなったのはあいつが死んでからだったな。」 「妹が君を呪っていると?」 「そうかもしそうじゃないかもしれない。いつも俺にくっついてたから今でも俺に憑いているのかも。」 「悪趣味な洒落だよ、それ。」 「そうか。悪かったな。しかし、こう身内が死を目の当たりにすると、悲しいと思うより死ぬとか生きるとかについて考えさせられるよ。」 「具体的には?」 「人はどうして生きるのかとか、人は死ぬとどうなるのか。人はなぜ出会うのかとか。」 「答えは出たのか?」 「いや。今でも分からん。」 「そんなものだろうな。」 「そんなもんだろう。」 それからは二人とも、萌えもんセンターの宿泊部屋に着くまで、一言も言葉を発する事は無かった。 「さっきはすまなかった。言い辛い事を聞いてしまって。」 「今度の墓参りにはお前も付き合ってくれ。一人が二人に増えれば、あいつも喜ぶだろうから。」
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/650.html
わたしはルージュラ、こおりエスパーの萌えもん 身長140cm、体重は4・・39.6kg! 趣味は踊り、夢は素敵な雄萌えもんと添い遂げること わたし達の種族には雄が居ない なので子孫を残そうと思ったら、他のひとがた萌えもんと結ばれる必要があるのだ ある日、わたしのマスターであるおじいさんが日課の釣りに行くというので着いて行くことにした なんでもニョロゾが欲しくて欲しくてたまらないらしい ニョロゾはあんまり好みじゃないのよねぇ・・・内臓透けてるし・・・ 近くの池に向かう途中、通りかかった草むらで雄のケーシィに出会ったの 同じひとがた萌えもんだし、おじいさんもケーシィも戦う意思なんてないし、ってことで おじいさんの釣りを見学しながら色々お話してたの そのうちお互いの萌えもんの話になってきて 聞けばケーシィは雄の数が多くてフリーな雌ケーシィを探すのも大変だって言うじゃない こりゃラッキー☆って思ったわよ この子ケーシィとしてはどうなのかは知らないけど わたしの好みとしては十分OK! ちょっと眠そうにしてて、ぽやぽやーとしてる感じが母性本能を擽ってきてたまらない 早速、おねぇさんっぽく誘惑してあげてら真っ赤になっちゃって、これがまたかわいいのよ! 「ねぇ・・・キス、ってしたことある?」 「えっ・・・?あの・・・その・・・・・・な、ないです・・・」 「じゃあ、おねえさんと・・・してみよっか?」 「ああああ、あの・・・はい、ど、どうぞ・・・」 「ふふっ・・・目を閉じちゃダーメ、しっかりとわたしの目を見て」 「は、はい・・・・・・って、うわああああああああああっっっっっ!!!!(ヒュンッ)」 あっと言う間もなくテレポートで逃げちゃった ここまできて逃げるって失礼だと思わない? あれから何度かおじいさんの釣りついでに探しに来てるんだけど 結局あれ以来、あの子とは出会うことはなかった はぁ・・・わたしって良縁に恵まれてないのかなぁ ---------------------------------------- 補足 あくまのキッス おそろしい かおで むりやり キスを して あいてを ねむりの じょうたいに する。
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/1018.html
前回のあらすじ 世界大戦勃発 ギャラドス「ハドーケン!ハドーケン!ハドーケン!(↓\→+P)」 コラッタ「ウーッワ ウーッワ ウーッワ」 マスター「ドゥーン!ドゥーン!ドゥーン!ハッ!ハッ!フゥッ!」 ピカチュウ「落ち着け」 「いやーん!世界の萌えもんなのに・・・」 マスター「絶好調!世界制覇も目じゃねーぜ!」 ピカチュウ「世界制覇ってほどのことじゃないような気が・・・」 フーディン「勝手に勢いに乗ってくれるのでほっときましょう」 フシギソウ「マスターもギャラドスさんも元気だなぁ・・・」 つーわけで がんがんいこうぜ! 「ふなのり魂もお前には負けた!」 マスター「俺の萌えもん魂の勝利だ!」 ピカチュウ「随分歪んだ魂ね」 「こういう元気な子供、俺は好きだぜ!」 マスター「アッー!」 フシギソウ「ま、マスターはそっちの趣味の人じゃないです!」 「うっしゃー!負けたら海に突き落とすぞー!」 マスター「通報しますた」 ギャラドス「突き落とす程度じゃ死なんだろうな」 「君は強い萌えもんと珍しい萌えもん、どっちに価値を感じるかね?」 マスター「愛しさと切なさと心強さに価値を感じます!」 フーディン「多様且つ余計な価値観ですね。」 息つかせる間もない戦いの連続。まさにパーティだ!フゥーハハァー! ていうかパーティまだー? 「あら?あなた船上パーティの時いたっけ?」 「パーティならもう終わったぞ・・・?」 「・・・パーティ?船上パーティはもう終わった頃じゃないかな」 ・・・え? もうパーティが終わっていた・・・だと・・・? なんてこった!!バトルに夢中で気づかなかった!! ピカチュウ「あーあ・・・」 フシギソウ「わ、私は気にしてないですよ?」 ・・・ マスター「ちっきしょー!どっからでもかかってこいやー!!」 ギャラドス「負けねーぞくぉらー!」 フシギソウ「ひゃっ!?」 ピカチュウ「ギャラドスまでキレた。」 フーディン「このバイタリティーは私も少々見習うべきなのでしょうか。」 マスター「船上パーティが楽しめないならこっちは戦場パーティじゃああああ!!」 フシギソウ「上手いこといっちゃった・・・」 ピカチュウ「怒りのぶつけようがないからって無様よね」 ・ ・ ・ 「油断したか」 「強いな、ビックリしたぜ」 「やるものだね!」 マスター「進め進めー!全ての敵を蹴散らせー!」 フシギソウ「マスター!落ち着いてください!」 マスター「俺もパーティ参加したかったよおおおおうぇーん」 ピカチュウ「どぉどぉ」 マスター「ふごーふごー」 フーディン「まるで猛獣ですね」 ギャラドス「・・・」←我に返って後悔している ・ ・ ・ フシギソウ「マスター、この先は船長室だそうですよ。」 マスター「船長か・・・確か居合い切りの達人なんだっけ?」 フーディン「技をご教授してもらっては?」 マスター「剣技なんかゲームだけでよかです。」 フーディン「いえ、マスターではなく、私達に」 ふーむ、そういやバッジのおかげでいあいぎり伐採しても 良くなったんだっけ? 好都合だし、教えてもらうとするか。 シゲル「ボンジュール!」 マスター「よーし、船長室に入るぞー」 シゲル「無視すんな!」 ピカチュウ「あ、でた」 うわぁ~、興奮冷めやらぬ気持ちが一気にクールダウンしたなりぃ。 シゲル「おやおや!こんなところで会うとは・・・! お前・・・招待されてたっけ?」 マスター「招待される権利を譲渡してもらいますた」 シゲル「ふーん・・・ それで、萌えもん図鑑のデータは集まったか! 俺なんかもう40種類捕まえたぜ!」 この野郎、俺の2倍近く捕まえてやがる。 くやしいっ・・・ビクビク シゲル「道一本違うだけで捕れる萌えもんも違うぜ! ちゃんと草むら入って探してみろ!」 くそっ、こいつに出会わないように立ち回ってたのが裏目にでたか・・・! フーディン「(この方はどなたですか?)」 フシギソウ「(マスターの幼馴染のシゲルさんだよ。)」 ピカチュウ「(マスターの天敵ね)」 ギャラドス「(なんだかんだでバトルは無敗だがな)」 ライバルの シゲルが しょうぶを しかけてきた! ・ ・ ・ ライバルの シゲルとの しょうぶに かった! マスター「イッチバーーーーーン!」 シゲル「ふん・・・!とにかく・・・萌えもんはそこそこ育ててるようだな!」 ピカチュウ「随分早い決着だったね・・・」 フーディン「皆さん気が立ってらっしゃるようで」 ギャラドス「図鑑で負けてる以上負けるわけにはいかないぜ」 シゲルざまぁwwww あばばばばばばばばwwwwwwww ピカチュウ「どう見てもやつあたりね」 マスター「気のせいですよ><」 シゲル「居合い切りの名人が船に乗ってるって言うからよ 会ってみたらこれがただの船酔い親父! でもこの技がまた使えるんだよなー! お前も会ってみるといいぜ!じゃーあばよ!」 テッテッテテレレテーレレッテッテッテー♪ そう言ってシゲルは去っていった。 マスター「ただの船酔い親父・・・?」 フシギソウ「体を悪くしてるんならなんとかしなくちゃ」 ギャラドス「とりあえず行ってみよーぜ」 というわけで船長室にお邪魔します。 船長「おえー・・・! 船酔いで・・・すっかりダウンだ くるしい・・・・・・うえ!」 マスター「グロ注意」 ギャラドス「よく船長やってられるな・・・」 フシギソウ「大丈夫ですか?」 フシギソウは せんちょうの せなかを さすって あげた! すりすり・・・ すりすり・・・ すりすり・・・ すりすり・・・ 船長「ふう・・・ありがとう、だいぶ楽になったみたいだ。」 フシギソウ「お役に立てて何よりです。」 ギャラドス「あそこは本来マスターが背中をさするべきだったんだじゃないか?」 マスター「気にすんな。」 フーディン「実はこの船の船長が居合い切りの名人だと聞いてやってきたのですが。」 船長「・・・ほう、なんだ秘伝の技を見に来たのか 元気な時なら自慢の居合い切りをみせるんだがなあ・・・」 フシギソウ「無理はしないでくださいね。」 船長「はは、分かってるとも。しかしどうしたものか・・・ そうだ!かわりにこれをあげよう! これを君の萌えもんに教えれば、戦っていない時でも いつでも居合い切りが見られる!」 そう言って船長はわざマシンらしきアイテムを譲ってくれた。 ただ、今まで手に入れたわざマシンとはなんか違う気がする・・・ 船長「いあいぎりを使えば細い気も切れる! ためしに・・・クチバシティにある木でも切ってみたまえ。」 てことはこれ使えば「いあいぎり」が使えるようになるわけか。 ありがたやありがたや。 船長「・・・ふう!楽になったし・・・そろそろ時間だ! もうすぐサント・アンヌは出発するよ!」 マスター「お元気で」 船長「またクチバにくるときまでごきげんよう!」 俺達はサント・アンヌ号を出た。 サント・アンヌ号は大海原へと旅立っていった、 1年たったらまた来よう。そして次こそパーティに参加してやる。 そう思った。 ギャラドス「しっかしあの船長大丈夫なのか?」 ピカチュウ「案外、船酔い気質なせいで1年に1度停泊するのかもね」 フシギソウ「忙しいんだろうなぁ・・・」 マスター「さて、居合い切り誰に覚えさせようか?」 ギャラドス「俺はむりっぽい」 ピカチュウ「私も」 フーディン「私もですね」 てことは・・・ フシギソウ「私ですね」 マスター「ほんじゃ使うぞー」 フシギソウは たいあたりの つかいかたを きれいに わすれた! そして・・・ わざマシン セット! キュピーン テテテテーン! フシギソウは あたらしく いあいぎりを おぼえた! さようならたいあたり、こんにちわいあいぎり。 マスター「さぁ、これで細木伐採ができるようになったぞ!」 フーディン「これからどうなさいますか?」 マスター「とりあえず目が治るまでこの辺をブラブラするよ。 この辺の街もなかなか栄えてるみたいだしな 色々見て回れる物もあるだろう。」 フーディン「わかりました。」 マスター「ふひひ罪悪感を感じてるか?ww」 フーディン「謝りませんよ」 マスター「ですよねーw」 なにはともあれ暫く萌えもんセンターでグータラしつつ観光できるぞ! 続く・・・