約 3,732,436 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4079.html
ハルヒの2回目の世界改変、それは全ての終わりを意味していた。でもまぁ俺にとっちゃあどうって事も無いんだが。 宇宙人、未来人、超能力者。ハルヒが願い、集めた奴等。 ある日、俺は団活をして普通に帰った。別に、普通に古泉とチェスをしただけだがな。帰り道俺はふと思い出した。長門がカミングアウトした次の日に、朝倉が俺を殺そうとしたこと、それを長門が命を懸けて阻止してくれたこと。俺は長門に頼り過ぎている。分かりきった事なのだがほとんどの事件を長門の力が解決しているような気がする。そんなことを考えている内に後数十メートルで家に着く距離まで来ていた。 俺の目は信じられない物を見た。目の前の少し離れたところに“朝倉”が居た。今まで気付かないのがおかしい。 「あっ!」 俺は声を出してしまった。だが、こちらに気が着いていない様だ。このまま立っていれば見つけられ、何かのアクションを起こすだろう。逃げなければ。すぐさま反対方向へと駆け出し、回り道をして家に帰った。不思議な事に、家に着くまで朝倉は追って来なかったし、おかしな事にもなっていない。 「明日長門に聞いてみよう。って何も反省できてないじゃないか、俺!」 いつあいつが来るのか脅えながらも俺は数時間を過ごした。寝る前に気付いたのだが、あいつは俺の記憶が読めているのだろか。長門によれば数十メートル程の近い距離ならば有機生命体の記憶をいつも感じ取れるって言ってたが、それならば俺が朝倉に気付く前にあいつは何かする筈だが、何も無かった。何なんだ。俺に興味が無くなったのならそれで良いが、宇宙人、いやTFEI端末というべきか、まぁそのTFEI端末についての記憶があるのならすぐさま記憶操作をする筈・・・考えれば考えるほど矛盾してくる。もう考えるのをやめよう。明日にゃあ明日の風が吹く~ってな。
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@未明 今回の事件の重要人物と思われる一人。こっちの世界でハルヒ的行動を起こして、サダキョンによって「クラスの女子がハルヒになった(゚A゚)」スレで状況報告されていた。 偽ハルヒが鍵となる人物に自らの存在を伝えることが今回の鍵だったと思われる。 17日になる直前に鍵となる人物にメールを送信。それによって改変はとまった模様。
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. 【作品名】涼宮ハルヒシリーズ 【名前】涼宮ハルヒ 【属性】女子高生、SOS団団長、世界の中心 【大きさ】女子高生並 【攻撃力】【防御力】【素早さ】 スポーツ万能の女子高生並。 【特殊能力】 世界改変:無意識のうちに世界を改変したり、新しい世界(時空)を作れる。 望んだことが現実になるが本人は能力を知らない、任意では使えない。 ただし、作中で能力は世界改変ではないとの意見も一部ある上、 その他も色々詳細不明なとこが多いので省略する。 【長所】運動能力は高い 【短所】詳細不明な能力 【備考】続刊、新情報待ちで今は特殊能力をカットした状態。 神に等しいながらも無自覚で唯我独尊、傍若無人に突き進むヒロイン ―old― 【名前】 涼宮ハルヒ(暴走状態) 【作品名】ハルヒシリーズ 【属性】 世界の中心 【大きさ】人間並み 【攻撃力】一般的な体育会系女子高生並み 【防御力】一般的な女子高生並み 【素早さ】一般的な体育会系女子高生並み 【特殊能力】 新しい時空を生み出し、その時空に移動する。 次元断層の隙間に閉鎖空間を生み出す能力の延長線と思われる。 この新しい時空は最初の内は元の時空と繋がりが有るが、極めて入りにくい。 次元断層の隙間の閉鎖空間に入れる能力者が何人も(少なくとも7~8人)全力を振り絞り、 ようやく幻のような存在を一人送り込み、数分の伝言を届けられる程度。 長門有希も干渉を試みたが、新時空のパソコンに文字情報を送り数分間会話するのがやっとだった。 しばらくすると(長くて数時間)、本来の時空間との連結が完全に消滅し、 更にしばらくすると、本来の現実空間が閉鎖空間に変わってしまうらしい。 古泉曰く『世界の破滅』。 これによる勝ち、あるいは『優勢・封印勝ち』を狙う。 現実空間が閉鎖空間に変わるのに掛かる時間は作中の記述から推測して 長くてもせいぜい丸1日程度。現実空間側からは干渉できない。 世界から逃げられる奴なら別世界に退避してドローには持ち込めると思われる。 ……と、考えたいところだが 実際には世界は滅びていないので単なる時空生成能力である可能性がある。 【長所】 とりあえず運動能力は人並み以上。 【短所】たとえ目の前に宇宙人や未来人や異世界人や超能力者がいても気づかない可能性がある。 この能力で世界を破滅させた実績が無い。(能力を使った時点で逃亡負け) 【戦法】「対戦相手」が何者であるかを知ろうとする。 その後、相手への興味を無くした場合は新時空に移動する。 【備考】ハルヒの無意識が能力を発動するつもりになりそうなぐらい、 この世界をつまらないと思っている状態で参戦。 old-- 【名前】 涼宮ハルヒ(暴走状態) 【作品名】ハルヒシリーズ 【属性】 世界の中心 【大きさ】人間並み 【攻撃力】徐々に世界が崩壊する。長門有希を圧倒する影響力。 【防御力】本人は人並み。ただし新しい時空間に居る。 【素早さ】人間並み。ただし新時空の発動は本人の反応に関係しない。 【特殊能力】 新しい時空を生み出す。 次元断層の隙間に閉鎖空間を生み出す能力の延長線と思われる。 この新しい時空は最初の内は元の時空と繋がりが有るが、極めて入りにくい。 次元断層の隙間の閉鎖空間に入れる能力者が何人も(少なくとも7~8人)全力を振り絞り、 ようやく幻のような存在を一人送り込み、数分の伝言を届けられる程度。 長門有希も干渉を試みたが、新時空のパソコンに文字情報を送り数分間会話するのがやっとだった。 しばらくすると(長くて数時間)、本来の時空間との連結が完全に消滅し、 更にしばらくすると、本来の現実空間が閉鎖空間に変わってしまうらしい。 古泉曰く『世界の破滅』。 これによる勝ち、あるいは『優勢・封印勝ち』を狙う。 現実空間が閉鎖空間に変わるのに掛かる時間は作中の記述から推測して 長くてもせいぜい丸1日程度。現実空間側からは干渉できない。 世界から逃げられる奴なら別世界に退避してドローには持ち込めると思われる。 【長所】能力者でも殆ど侵入できないハルヒ時空に居る。本人の反応が無関係。 【短所】ハルヒ時空に侵入されると一般人としての描写しかない。 【戦法】開始と同時(本人の反応とは無関係)に世界から消失し、新時空に現れる。 後は待つ。新時空に侵入されたら投了。 【備考】ハルヒの無意識が能力を発動するつもりになった瞬間で参加。 31スレ目 594 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/01(日) 18 19 02 ID 5niD0JMR 作成者ではないが、修正待ちの涼宮ハルヒを修正 野球バット装備も考えたが ルールの「・装備品の武器利用に関して」に引っ掛かるようなのでパス ザ・スニの短編「ハルヒ劇場」のとこから装備や描写引っ張れるかもしれないが自分は今手元に無い なのでそのへんは持ってる人にまかす。 取り合えずのところはこれで考察待ちにいけるかな? 642 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/19(木) 23 42 44 ID Kr8Ajs8+ 594涼宮ハルヒの考察 リニア>涼宮ハルヒ>高須竜児> 30スレ目 459 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2007/11/19(月) 10 58 13 ID i0ET+sI5 WB勢、一方通行、ハルヒ勢、この辺はもう定番だねぇ。 ハルヒの特殊能力なんてまだ推測の部分が色々あるだろ こんなもんマッハ没で考慮外にでもしてしまって。 【戦法】「対戦相手」が何者であるかを知ろうとする。 その後、相手への興味を無くした場合は新時空に移動する。 【備考】ハルヒの無意識が能力を発動するつもりになりそうなぐらい、 この世界をつまらないと思っている状態で参戦。 基本は全力で戦闘、性質ならともかく性格は考慮外、ハルヒは自分の能力知らない。 考察する人のイメージによって、ハルヒが対戦相手に興味持つか持たないか左右されるなんて×。 何者かを知ろうとか、興味がどうとか抜きで戦法は殴り蹴り。 そもそも今の「つまらないと思ってる」状態はルールからすれば作中「最強」の状態ではないだろ(逃亡負けの可能性があるから) これは「新しい時空を生み出せれる」状態でね? 「暴走」でなく「平常」の状態で参戦して 【特殊能力】は詳細不明で考慮外、あるいはルール的に考察不能なので省略のどちらかにして 【戦法】は殴り蹴り、【備考】は消して 新刊でるか完結するまで、スポーツ万能の女子高生並として参戦、あるいは修正待ち送り これでめんどいことにはならない。 460 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2007/11/20(火) 01 27 14 ID lSMOyESz 459 むしろハルヒの雑魚っぷりはネタとして残しておいていいと思うが 下手に普通の女子高生並みにするより特殊能力で自滅させとくほうが信者も諦めがつきやすいと思うぞ …その信者ってのは俺のことだがなorz 長門の初期のテンプレ、今見ると信者臭バリバリで痛すぎる… 461 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2007/11/20(火) 08 12 04 ID CWNpoSFc ネタとして本音は残したいのは分かるが、建前としてルール的に微妙だから普通の方がいいだろ。 信者目線からすると、自滅になるから逆に腹たってあげたくなるんじゃね? 19スレ目 932 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/15(火) 21 51 52 ID 0/lDETpn 930 上級超能力ぐらいで既に核無効が結構あるし渡り合えるんじゃない? ところでよく考えたら、 バルーンマン ハルヒに負け、かおりに勝ち(蚊の雌じゃ萎まないよね?) 涼宮ハルヒ かおりに逃亡負け、バルーンマンに勝ち 吉永かおり ハルヒに勝ち、バルーンマンに負け 秋庭里香>バルーンマン=吉永かおり=涼宮ハルヒ>エルメス だね 14スレ目 779 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 11 47 00 ID PpYT8cW1 とりあえず 暴走ハルヒ テンプレの問題点 しばらくすると(長くて数時間)、本来の時空間との連結が完全に消滅し、 更にしばらくすると、本来の現実空間が閉鎖空間に変わってしまうらしい。 古泉曰く『世界の破滅』。 これによる勝ち、あるいは『優勢・封印勝ち』を狙う。 本来の現実世界が破滅するというのは作中人物の勝手な予想であり、作品内には現 実世界が破滅する描写は無く、過去にハルヒが世界を破滅させたという事実も無い。 描写のみを信用する限りでは、 自分が生み出した閉鎖空間に移動して、現実世界と 閉鎖空間との間の連結を切断する までしかできないので 「最終的に攻撃に繋がる戦術もなしに逃げつづけるのは不可」のルールに反する。 【戦法】開始と同時(本人の反応とは無関係)に世界から消失し、新時空に現れる。 後は待つ。新時空に侵入されたら投了。 【備考】ハルヒの無意識が能力を発動するつもりになった瞬間で参加。 ルール1-4「お互い対戦相手の前情報は無し。ただし、対戦相手の存在は知っている ものとする」によると対戦開始時点でハルヒは 何者かは不明だが敵であることはわ かっている者 が存在することを知っていることになる。 ハルヒならば、そんな奴に興味を持つのは当然で、能力の発動自体を(もちろん無 意識的に)やめたり、ハルヒ自身に加えて対戦相手も同時に閉鎖空間に移動させて しまう可能性がある(作中描写ではハルヒとキョンを移動させた)のでこの戦法は 成立しない。 780 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 12 11 04 ID O4GLDjg+ 性格非考慮な最強スレにおいて本人の性格に左右される能力は考察しずらい 781 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 12 33 27 ID XkptX9KS 杓子定規に考えれば、普通の女子高校生で飽きたら逃亡して敗北というキャラか 782 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 16 18 27 ID PpYT8cW1 ハルヒの能力の発動条件を 対戦相手への興味を失うこと に設定して、能力を使っ たら逃亡負けというルールで考察してみる。 ちなみにハルヒは校内でもトップクラスの運動能力を持っています。 ?エベネゼル 普通のパソコンにしか見えないならば逃亡負け。超常現象的な特徴 (しゃべるとか)があれば電源を切って勝利。その後、変なパソコンをSOS団に勧誘。 ○エルメス 蹴り倒して勝利。その後、しゃべるバイクをSOS団に勧誘。 ○藤崎隆文 半分にちぎれた人間に意表をつかれて能力の発動が遅れる。隆文の 自爆負け。 ×秋庭里香 肝心の 敵 が病弱なだけの女子高生と知って失望。逃亡負け。 ?ライオット 普通人と見分けがつかなければ逃亡負け。ロボットらしい外見 ならば殴り倒してSOS団に(ry △L様 異世界人らしい格好をしているならばSOS団に勧誘。勝てないけど。 ×福沢祐巳 失望逃亡負け。 ○ルーミィ シルバーブロンドの幼女が変な言葉をしゃべり始めたと思ったら、杖 から炎が! ひっぱたいてからSOS(ry ○モエかん 常人以上の動きで少女だかアンドロイドだかが襲い掛かってきたら ハルヒだって本気で応戦する。 ×主人公(卓ビー) 主婦が重そうな盾持ってるだけじゃハルヒの興味は引けんだろ。 ×姉原聡史郎 少し強めの男子高生が相手だとさすがに無理か。 783 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 16 36 04 ID H7SsLQ0L L様は見えんぞ。異世界挟んで開始だし。 784 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 16 51 52 ID CASWFQK/ 大河原リキコ>柴崎倖一>クレア>宇野辺虎雄>堀田陽介>雨霧八雲>矢吹真吾>黒峰キリコ>洗脳装置>藤倉冬麻>イッコ ×リキコ~キリコ ○洗脳装置 武器ありで勝てる。 ○藤倉 武器があるから勝てる。 ○イッコ 武器あり価値。 785 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 17 35 13 ID PpYT8cW1 間違えたorz 「モエかん」は作品名だ 786 名前:782[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 17 40 00 ID PpYT8cW1 783 正確にはリナを勧誘 787 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 17 42 17 ID CASWFQK/ 786 どっちにしろ、開始距離がトンデモナク離れてるから無理だと思うんだが。 788 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 17 58 23 ID UPx95pRm 784 それは 777の考察? 786 なんか勘違いしてない? L様はL様単体でエントリしてるからリナもクソも無いぞ 相手が見えずつまらなくなって逃亡負け 789 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 18 01 53 ID CASWFQK/ 788 両方に答えるが、その通りです。 790 名前:782[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 18 04 07 ID PpYT8cW1 勘違いしてた。 世界4つ分離れた位置にいるリナに憑依しているL様ということだな。 △L様 異世界人らしい格好をしているならばSOS団に勧誘。勝てないけど。 ↓ ×L様 対戦相手が現れないことに失望して逃亡負け。 822 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/25(木) 13 46 48 ID w54ycOBn ハルヒの勝敗はこうなるか。 ○エベネゼル パソコンをいじっているうちに人間並みの知能を持つ変なパソコン だとわかったので電源を切って勝利。その後SOS団に勧誘。 ○エルメス 蹴り倒して勝利。その後、しゃべるバイクをSOS団に勧誘。 ○藤崎隆文 半分にちぎれた人間に意表をつかれて能力の発動が遅れる。隆文の 自爆負け。 ×秋庭里香 肝心の 敵 が病弱なだけの女子高生と知って失望。逃亡負け。 ×ライオット 髪を染めただけの少年にしか見えない。逃亡負け。 ×L様 敵が現れない。逃亡負け。 ×福沢祐巳 論外。逃亡負け。 ○ルーミィ シルバーブロンドの幼女が変な言葉をしゃべり始めたと思ったら、杖 から炎が! ひっぱたいてからSOS(ry ○リニア 常人以上の動きで少女だかアンドロイドだかが襲い掛かってきたら ハルヒだって本気で応戦する。 ×主人公(卓ビー) 主婦が重そうな盾持ってるだけじゃハルヒの興味は引けんだろ。 ×姉原聡史郎 少し強めの男子高生が相手だとさすがに無理か。 13スレ目 55 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 14 26 22 ID O2OyQ3Wu そういえば暴走ハルヒってダメだったの? 性格とか考えなければいけるような気がする 56 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 14 38 36 ID WXe7lOrX 55 実際に戦闘させた場合何が起こるかわからん過ぎるから無理。 ないから。 67 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 17 06 13 ID fL3oWVL5 まあ実は半分程度しか読んでないから知らない所も有るんだけど。 50 射程は接触が必要。 空飛べる奴には当てられないか? でかい奴なら最初に乗っかってしまう手が有るだろうけど。 瞬間移動してたはずだが、転移可能距離がよく判らないしな。 51 阻害されなければ~ 阻害されてしか使ってない。 だからその時の『阻害されまくって数分』のテンプレとなる。 能力消去 前のテンプレ書いた人、ヘルプ。知らないのだ、この場面は。 異空間の存在を感知し侵入 異空間転移だったと思う。 52 それだ。その描写を希望。読んでない巻っぽいので。 55 暴走ハルヒは本人に戦ってるという意識自体が無いから違うだろという話になった。 戦闘方法も本人さえ気づかない内に世界を滅ぼして勝利、だし。 56 いや、暴走ハルヒの行動は相手とか関係無く判りきってる。 このスレのルールだと相手を視認する前に自分の能力が発動して本人が異世界に消えちゃうから。 73 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 17 26 58 ID DGAwpdMI ハルヒのテンプレ見てきたが突っ込みどころ満載だな なんで最初から別空間にいるねんとか能力発動直前で参戦とか無理にきまってるじゃんみたいな 97 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 22 14 19 ID fbddNcfB 73 別空間に居るのは開始と同時に能力が発動するからだろう。 能力発動直前なのは条件を満たすと自動発動する能力だからかと。 本人の意識が関係しない常時発動能力の一種だから、開始と同時に発動。 常時発動能力が開始と同時に発動する状態で参戦してる奴は他にも居ると思うが。 98 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 22 21 35 ID yh5EEUWj 97 まず第一にハルヒの能力は常時発動じゃない訳だが あれは制御不能な任意全能キャラだろ 99 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 22 22 17 ID DGAwpdMI ハルヒの意思(まぁ無意識みたいだけど)が世界を改変する以上 ハルヒの思考よりも能力発動が早いとはかんがえられん 100 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 22 42 17 ID fbddNcfB 99 無意識だからな。 本人の世界への感想が『飽きちゃった』になった状態だともう自動発動じゃないか? ああ、ただこれを作中最強『状態』と見るかは微妙かもね。 作中最強の精神状態ではあるんだけど。 101 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 22 58 20 ID i+m0wjmd 飽きた瞬間能力が自動発動して異世界飛ぶからアウト 飽きる前は自力で能力発動できないからこれもアウト 飽きる直前とかいう訳解らん精神状態もアウト 102 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 23 12 22 ID DGAwpdMI ハルヒがこんな世界いやだとか飽きたとすいう思考によって能力発動なんだから 最低でもハルヒが思考しなきゃ発動しないだろ 103 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 23 24 59 ID PHK3VHbo どっちにしろ消極的過ぎて参戦するのは無理だろ 自発的に相手に攻撃すらしないんだから 115 名前:100[sage] 投稿日:2006/05/08(月) 01 50 38 ID S08StwoG 101 だからその一つ目はなぜいかん? 102 その無意識の方針は既に決まって能力が『世界崩壊』になってるのが 作中最強状態の『暴走状態』と考えてます。 でもこれを作中最強『状態』と見るか、戦闘始まってからすべき『思考』 (まあ自発的にそんな思考は出来ないわけだけど)と見るべきかが微妙、と。 103 まあ、なんだかんだ言っても結局そういう事だよね。 120 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/08(月) 02 32 43 ID E3bASHDh 115 試合開始場ルール。戦闘開始はお互い向き合った状態で。異世界にいる状態でエントリーは不可 121 名前:120[sage] 投稿日:2006/05/08(月) 02 46 43 ID E3bASHDh 連投で補足すれば飽きた瞬間発動するなら試合開始前すでに異世界にいる状態になる 飽きてるけど異世界に移動していないってのはいわゆるかめはめ波を撃って発動したけど 相手に到達していない状態(もしくはチャージ全開で溜めありの技をいつでも撃てる状態)と同義になるので反則 あと思考は完全に自発行動だから状態ではない。「暴走状態」という すでに完成したステータスは成立するけどハルヒはその場合異世界に移動してしまうからルール違反 6スレ目 232 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/05(土) 17 14 57 ID yC2k8G2V とりあえずプロメテウスには勝てそうにないな 後は任意全能集団でかてるかどうかで全能っぽい力なきゃ負け 233 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/05(土) 17 32 27 ID zNl1kxDk 現実空間が閉鎖空間に変わるのに掛かる時間は不明だが 不明ならテンプレとして認められないと思うよ。 234 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/05(土) 17 37 07 ID yHKFktdv そもそも開始前から別時空にいるってのが無しだと思うんだが。 どう考えても戦闘開始後に展開だろ。 任意に能力使えないから姉原聡史郎以下か? 235 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/05(土) 17 41 58 ID 7FceyZ+R 231 この能力は自分で任意でしているわけじゃなさそうだし そのあと勝手に戦闘が終わるという話だから消極的過ぎてダメじゃないか? 任意で攻撃もしないようだし、やっていることは餓死狙いと変わらと思うけど 237 名前:231 投稿日:2005/11/05(土) 18 37 13 ID aodRcTb9 233 じゃあ作中の記述から推測。長くてもせいぜい丸1日程度。 234 ハルヒの無意識が能力を発動するつもりになった瞬間で参加だ。 開始と同時(空間支配などと同じ扱い)であって、戦闘開始後ではない。 その後、思考すらなくその瞬間に発動し、ハルヒは消失してハルヒ時空に現れる。 235 餓死とはハルヒの力による破滅(現実空間の閉鎖空間化及び破滅)が訪れる点が違う。 ただ、消極的すぎるというのは否定しない。 そもそもハルヒ自体制御できてないどころか気づいてもいない能力だし。 参戦してるキャラだと、古猟邦夫が赤ちゃんの時期に参戦するような物か。 自動発動とか空間支配と同列には扱えないだろうか? 扱えないならこのテンプレは引っ込める。 253 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/06(日) 16 03 47 ID 8QvMMC6+ 結局、 231のハルヒのテンプレはどっかルールに引っかかるのかな? エントリー出来るならナイトウォッチの前後になりそうだけど。 入りにくい別時空に入った事が有るキャラが殆ど居ないから。 プロメテウス~クルスディア ×?○○△?○○×○△?? ×:プロメテウスにはどーにもならん。 ?:ナイトウォッチは物質を異次元に吹っ飛ばす攻撃が効果有るか判らないため。 ?:ジャグヘッドは時間軸ごと吸い込む攻撃が一瞬前のハルヒを巻き込んだり出来るのか判らん。 ×:姫城玲の超光速指弾は時間を遡るため、戦闘開始前のハルヒを撃破できる。 △:竜鬼神は少なくとも世界崩壊からエスケープ出来るだろう。ハルヒ世界に入れても人間殺せず。 ?:戦天使も同じく。もしハルヒ世界に入れればサックリ。 ?:クルスディアは任意全能でやられるかわからん。 254 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/06(日) 16 16 17 ID UEBSl0bu 任意で能力を展開できないってツッコミは無視してるのか? 255 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/06(日) 16 20 58 ID 8QvMMC6+ 254 自動発動能力で戦うのは結局無しなのか? 例えば、古猟邦夫は能力を制御できる前だと参戦出来ないの? それによってルールに引っかかるかどうかが決まりそうなんだけど。 256 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/06(日) 16 27 51 ID 3bWAaesY その前に消極的過ぎてダメだと思うんだ あきらかに自分の意思で攻撃しているわけではないし 空間に移動したあとも自分で任意に攻撃することなし これで相手と戦ってるといわれても疑問に思わないか? 261 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/06(日) 16 46 17 ID GCC1eWNn ハルヒの別時空への移動と、元いた世界の破壊をするためにはこの世界がつまらないと思う必要がある。 目の前に何かわからないものが存在する時点でつまらないとは思わんだろうね。 相手が何であるかを知り、それでもつまらないと思わなければ別次空への移動は無理じゃないか? どんなに高くても殺人鬼の壁を越える事は不可能か。 263 名前:253 投稿日:2005/11/06(日) 16 47 44 ID 8QvMMC6+ 256 ああ、そういう事か。 確かに戦ってると言えるような物では無いな。納得。 .
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γ-1 「もしもし」 山びこのように返ってきたその声は、ハルヒだった。 ハルヒが殊勝にも、「もしもし」なんていうのは珍しいな。 「あんた、風呂入ってるの?」 「ああ、そうだ。エロい想像なんかすんなよ」 「誰もそんな気色悪いことなんかしないわよ!」 「で、何の用だ?」 「あのさ……」 ハルヒは、ためらうように沈黙した。 いつも一方的に用件を言いつけるハルヒらしからぬ態度だ。 「……明日、暇?」 「ああ、特に何の予定もないが」 「じゃあ、いつものところに、9時に集合! 遅れたら罰金!」 ハルヒは、そう叫ぶと一方的に電話を切った。いつものハルヒだ。 さっきの間はいったいなんだったんだろうな? 俺はそれから2分ほど湯船につかってから、風呂を出た。 γ-2 寝巻きを着て部屋に入り、ベッドの上でシャミセンが枕にしていた携帯電話を取り上げてダイヤルする。 相手が出てくるまで、10秒ほどの時間がたった。 「古泉です。ああ、あなたですか。何の御用です?」 俺の用件ぐらい、察してると思ったんだがな。とぼけてるのか? 「今日のあいつら、ありゃ何者だ?」 「そのことなら、長門さんに訊いた方が早いでしょう。僕が話せるのは、橘京子を名乗る人物についてぐらいです」 「それでかまわん」 「彼女は、『機関』の敵対組織の幹部といったところですよ。まあ、敵対とはいっても血みどろの抗争を繰り広げているというわけでもないですが」 「なら、どんなふうに敵対してるってんだ?」 「彼女たちも僕たちも、そうは変わらないんですよ。似たような思想のもとで動いてますが、解釈が違うといいますかね。まあ、幸い、彼女はまだ話が通じる方です。組織の中では穏健派寄りのようですからね。あの朝比奈さん誘拐事件も、彼女の本意ではなかったと思いますよ」 ほう。お前が弁護に回るとはな。 「それはともかくとして、橘京子の動きは僕たちがおさえます。別口の未来人の方は、朝比奈さんに何とかしてもらいましょう」 まあな。朝比奈さん(大)だって、あのいけ好かない野郎に好き勝手させるつもりはないだろう。 「問題は、情報統合思念体製ではない人型端末です。何を考えてるのか、全く読めません。長門さんの手に余るようなことがあれば、厳しい状況ですね」 「長門だけに負担をかけるようなことはしないさ。俺たちでも何かできることはあるだろ」 「僕もできる限りのことはしますよ。でも、万能に近い宇宙存在に比べると、我々はどうしても不利です。こればかりは、いかんともしがたい」 それを覆す切り札がないわけではないがな。 だが、それは諸刃の刃だ。 「ところで、おまえのところにハルヒから連絡がなかったか?」 「いえ、何もありませんでしたが、何か?」 「いや、明日の朝9時に集合って一方的に通告されたんだが」 古泉のところに連絡がないとすれば、どうやら、明日ハルヒのもとに召喚されるのは、俺だけらしいな。 「ほう。デートのお誘いですか? これはこれは。羨ましい限りですね」 「んなわけないだろ。どうせ、俺をこき使うような企みがあるに違いないぜ」 「涼宮さんも、佐々木さんとの遭遇で、気持ちに変化が生じたのかもしれませんよ。奇妙な閉鎖空間については、先日お話ししたかと思いますが」 「あのハルヒに限って、それはありえんね」 「修羅場にならないことを祈りますよ。僕のアルバイトがさらに忙しくなるようなことは避けてほしいですね」 「勝手に言ってろ」 古泉との電話はそれで打ち切られた。 次は、長門だ。 今度は、ワンコールで出た。 「…………」 「俺だ。今日会ったあの宇宙人なんだが」 「彼女は、広域帯宇宙存在の端末機」 即答だった。 「俺たちを雪山で凍死させようとしやがった奴ってことで合ってるか?」 「そう」 「あの宇宙人とは、何らかの意思疎通はできたのか?」 「思考プロセスにアクセスできなかった。彼女の行動原理は不明」 「広域帯宇宙存在とやらの考えも分からんか」 「情報統合思念体は彼らの解析に全力を尽くしているが、成果は出ていない」 「そうか」 このあと、長門は、淡々とした口調でこう告げてきた。 「私は、情報統合思念体から、最大限の警戒態勢をとるよう命じられた」 長門の抑揚のない声が、異様なまでに重く感じられた。 γ-3 ハルヒにこき使われるに違いない明日に備えて寝ようとしたところを、妹が襲撃してきやがった。 しぶしぶ、妹の宿題につきあうこと1時間。 シャミセンと戯れ始めた妹を、シャミセンごと追い出すと、俺はようやく眠りについた。 γ-4 翌、日曜日。 妹のボディプレスで起こされた俺は、朝飯を食って、家を出た。 「遅い! 罰金!」 もはや規定事項となった団長殿の宣告も、今日ばかりは耳に入らなかった。 なぜなら、ハルヒの隣に意外な人物が立っていたからだ。 「なんで、おまえがここにいるんだ?」 ハルヒの隣には、佐々木の姿があった。 「酷いな、キョン。僕がここにいるのがそんなに不思議かい? まあ、驚くのは無理もないが、そんなに驚くことはないじゃないか。昨日、涼宮さんに電話で提案してみたのだよ。昨日会ったのも何か縁だろうから、いろいろと話し合いたいとね」 「あたしも聞きたいことがいろいろとあるし、快諾したってわけ」 ハルヒ。佐々木がお前の電話番号を知っていることを不思議に思わなかったのか? まあ、橘京子あたりが調べて佐々木に教えたんだろうけどな。 「事情は分かった。だが、なんで俺まで一緒なんだ? 話し合いたいことがあるなら、二人で話し合えばいいことだろ?」 「キョン、君は相変わらずだね。この調子じゃ、涼宮さんもだいぶ苦労してるんじゃないかな」 待て。なんでそんなセリフが出てくるんだ? この唯我独尊団長様に苦労させられてるのは、俺の方だぜ。 「フン。いつものところに行くわよ!」 なぜか不機嫌になったハルヒの号令のもと、俺たちはいつもの喫茶店に向かった。 ハルヒは、俺の財政事情には何の考慮も払わず、ガンガン注文を出しまくった。 話し合いというのは、何のことはない。 俺の中学時代と高校時代のことを互いに話すというものだった。 まずは、ハルヒが、佐々木に、高校時代の俺のことについて話した。 なんというか、話を聞いているうちに、俺は自分で自分をほめたくなってきたね。ハルヒにあれだけさんざん振り回されてきても、自我を保持している自分という存在を。 「キョン。君は、実に充実した学生生活を送っているようだね」 それが佐々木の感想だった。 なんだかんだいっても、充実していたというのは事実だろう。 だが、俺はこう答えた。 「ただ単にこき使われてるだけだ」 「くっくっ。まあ、そういうことにしておこうか」 次は、佐々木が、ハルヒに、中学時代の俺のことについて話した。 話を聞いているうちに、ハルヒの顔がどんどん不機嫌になっていく。 聞き終わったハルヒは、不機嫌な顔のままで、こう質問してきた。 「ふーん。で、二人はどういう関係だったわけ?」 「友人よ」 さらりとそういった佐々木を、ハルヒはじっとにらんでいた。 「あのなぁ、ハルヒ。確かに誤解する奴はごまんといたが、俺たちは友人だったんだ。やましいことなんて何もないぜ」 「友人以上ではなかったってこと?」 「それは違うわよ、涼宮さん。正確には、友人『以外』ではありえなかったというべきね。少なくても、キョンにとってはそうだったはず」 どこが違うんだ? 俺のその疑問には、誰も答えてはくれなかった。 「はぁ……」 ハルヒは、大げさに溜息をつきやがった。 「あんたが嘘をついてるなんて思わないわよ。でも、嘘じゃないなら、なおのこと呆れ果てるしかないわね。あんた、そのうち背中からナイフで刺されるわよ」 おいおい、物騒なこというなよ。 ナイフで刺されるのは、朝倉の件だけで充分だ。 「僕も同感だね」 佐々木まで賛同しやがった。 俺がいったい何をしたってんだ? 茶店代は当然のごとく俺の払いとなった。 総務省に俺を財政再建団体の指定するよう申請したい気分だ。俺の懐具合が再建するまでには、20年はかかるだろうね。 そのあと、三人で不思議探索となった。 傍から見れば、両手に花とでもいうべきなんだろうが、この二人じゃ、そんな風情じゃないわな。 そういえば、ハルヒとペアになるのは、あの日以来か。 結局のところ、俺はハルヒにさんざん振り回され、佐々木の小難しいセリフを聞き流しながら、一日をすごすハメになった。ついでにいうと、昼飯までおごらされた。 そして、駅前での別れ際。 俺がふと振り返ると、ハルヒと佐々木は二人でまだ何か話していた。 何を話しているかは聞こえなかった。 知りたいとも思わなかった。この時には。 γ-5 月曜日、朝。 昨日の疲れがとれず、俺は重い足取りで、あのハイキングコースを這い上がった。 学校に着いたころにはずっしりと疲れてしまい、早くも帰りたくなってきた。そんなことは、俺の後ろの席に陣取る団長様が許してくれるわけもないが。 ハルヒは、微妙にそわそわした感じだった。 また、何か企んでいるのだろうか? 俺が疲れるようなことでなければいいのだが。 疑問には思ったが、疲れた体がそれ以上考えることを拒否し、俺は午前中の授業のほとんどを睡眠という体力回復行為に費やした。 寝ている間に、何か長い夢を見たような気がしたのだが、目が覚めたときにはきれいさっぱり忘れていた。 昼休み。 なぜかハルヒが俺の前の席に陣取り、椅子をこちらに向けてドカッと座った。 俺の机の上に、弁当箱を置く。 「今日は弁当なのか?」 「そうよ。そんな気分だったから」 机の上には、俺の弁当箱とハルヒの弁当箱が並んでいる。 こうして、二人で向かい合って、弁当を食うハメとなった。 なにやら誤解を受けそうな光景だ。実際、クラスのうち何人かがこちらをちらちら見ながら、こそこそと話をしている。 ハルヒは、相変わらず健啖ぶりで、弁当を平らげていた。 「その唐揚げ、おいしそうね」 ハルヒは、そういうや否や、俺の弁当箱から、唐揚げを取り上げ、食いやがった。 「ひとのもん勝手にとるな」 「うっさいわね。しょうがないから、これをやるわよ」 ハルヒは、自分の弁当箱から玉子焼きを箸でつまむと、そのまま俺の口に突っ込んだ。 「むぐ」 クラスの女子から、キャーというささやき声が聞こえる。 とんだ羞恥プレイだな。 こりゃいったい何の罰ゲームだ? 「感想は?」 ハルヒが、挑むような目つきで訊いてきた。 「うまい」 実際、それはうまかった。 「当たり前でしょ! 団長様の手作りなんだからね!」 そういいながら、ハルヒの顔は上機嫌そのものだった。 だがな、ハルヒよ。 いくらお前が鋼の神経をしているとはいえ、こういう誤解を受けかねないような行為は避けるべきだと思うぞ。 まあ、誤解する奴はいくら説明してやったってその誤解を解くようなことはないんだけどな。 俺が中学3年生時代の経験で学んだことといえば、それぐらいのものだ。 その日の放課後、俺とハルヒはホームルームを終えた担任岡部が教卓を降りると同時に席をたち、とっとと教室を後にした。 いつものように部室に行くのかと思いきや、 「キョン、先に行っててくんない? あたしはちょっと寄るところがあるから」 ハルヒは鞄を肩掛けすると、投擲されたカーリングの石よりも滑らかな足取りで走り去った。 はて、何を企んでるんだろうね? そういや、あいつは、朝から妙にそわそわした感じだったな。 まあ、考えても仕方がないので、俺はそのまま部室に向かった。 γ-6 部室に入ると、既に長門と朝比奈さんと古泉がそろっていた。 「涼宮さんは?」 古泉がそう訊いてきたので、答えてやった。 「授業が終わったとたんにどっかにすっ飛んでいきやがったぜ」 「そうですか。何かサプライズな出来事を持ってきてくれるかもしれませんね」 「世界が終わるようなサプライズは勘弁してほしいぜ」 「まあ、それはないでしょう」 そこに、SOS団の聖天使兼妖精兼女神様である朝比奈さんがお茶を出してくれた。 「どうぞ」 「ありがとうございます」 「ところで、昨日はどうだったんですか?」 古泉がにやけ顔で訊いてきやがった。 いつもだったら無視しているところだが、あの佐々木の周りにはSOS団と敵対している超常野郎が集まっている。一応、古泉の見解も聞いてみたかった。 俺は昨日の出来事をはしょりながら説明してやった。 「おやおや。まさに両手に花ではありませんか?」 「あの二人じゃ、とてもじゃないがそんな気分にはなれなかったね」 「まったく、あなたという人は」 「それより、佐々木のやつは、あいつらに操られてるんじゃないだろうな?」 心配なのは、そこのところだ。 「それはないと思いますよ。昨日の一件は、佐々木さんの自由意思でしょう。問題は、その自由意思を利用しようとする輩が現れることです。先日もお話ししましたが、特に警戒すべきは周防九曜を名乗る個体です」 俺は、長門の方を見た。 「長門の意見はどうだ?」 長門は、分厚いハードカバーから視線を離さず、淡々と答えた。 「私も、古泉一樹の意見に同意する」 「そうか」 一応、もう一人のお方にも聞いておくか。 「朝比奈さん」 「はい?」 「二月に会った、あの未来人のことですが」 「ああ、はい。覚えてます」 「あいつらが企んでいることって何ですか? ハルヒの観察ってわけでもないらしいって感じなんですが」 「えーっと……あの人の目的は、そのぅ、あたしには教えられていません。でも、悪いことをするために来たんじゃないと思います」 うーん。自分を誘拐した犯人たちの仲間だというのに、不思議なことに、朝比奈さんはあの野郎には悪い印象は持ってないようだ。 仏様のように広い御心の持ち主なのは結構ですが、もうちょっと警戒心とかを持った方がいいと思いますよ。 それはともかく、とりあえず、警戒すべきは周防九曜を名乗る宇宙人もどきであるというのが、結論になりそうだな。 その話題は、そこで打ち切りになった。 「どうです、一勝負」 古泉が出してきたのは、囲碁かと思ったら、連珠とかいう古典ゲームらしい。 「五目並べのようなものです。覚えたら簡単ですよ」 俺は古泉の言うままに盤上に石を置きながら、実地でだいたいの遊び方を教わった。 朝比奈さんのお茶を片手に二、三試合するうち、たちまち俺は古泉に連戦連勝するようになる。 いつもどおりまったりと時間が過ぎていった。 それにしても、ハルヒは遅いな。 そう思った瞬間に、爆音とともに扉が開いた。 「ごめんごめん。待たせたわね!」 部室にいた団員全員の視線が、ハルヒに集ま……らなかった……。 団員の視線は、ハルヒの後ろに立っている人物に集中していた。 「みんな! 今日から入団した学外団員を紹介するわ! 佐々木さんよ!」 そこにいたのは、紛れもなく佐々木だった。 続き 涼宮ハルヒの驚愕γ(ガンマ)
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俺は洞窟の片隅で、身を屈め、音を殺し、いずれ来るだろう奴を待っていた。 空を切る羽の音が響き、ペイントボール独特の匂いが洞窟の中を満たす。 (……来たか) 丸い穴の開いた天井から、身体中に傷を負った《大怪鳥イャンクック》が姿をあらわした。 巨体を揺らす《イャンクック》が着地するのを、今か今かと待ちながら、胸の高鳴りを押さえる。 《イャンクック》の着地と同時に土煙があがり、身体が傾き、地面に沈む。 (……今だ) 落とし穴によって体の半分近くが埋まり、身動きがとれずにいる《イャンクック》めがけて走る。 「うおおおおぉぉぉぉ」 俺の背中に掛かる大剣《バスターソード改》の柄を握り、全体重を掛けて振り下ろした―― 馬車に揺られながらも、俺は荷物を大事に抱えていた。 「これで《街》に行ける……」 思わず呟いてしまってから辺りで、くすり、と忍び笑いが起こったことに気付く。慌てて唇を引き締めるが、喜びが込み上げてくる。 家業を継ぐと思っていた親は、ハンターになるのを反対したが、 「一ヶ月で《イャンクック》を倒せるなら考えやろう」 と、親父が条件を出してきた。 俺は死に物狂いでランポスと戦い、防具と武器を揃え、経験を積んだ。 閃光玉や落とし穴などを使いながらも、一ヶ月で《イャンクック》を倒せるまでになった。 そして、俺は街に向かっている。 一ヶ月で倒したのなら早い成長だろうが、今年で十七になる俺の年齢的には遅い方かもしれない。 街では同い年で《飛竜》を狩る奴がいると聞いている。 ハンターとしてはまだまだ半人前なのは分かるが、嬉しさが込み上げてくるのは仕方がない。 街に着いた俺は、酒場に向けて歩いた。 ここでハンターとして活動するには、ギルドの組合に登録をしないといけない。 酒場の扉の無い入り口をくぐると、煙草と酒の匂いが満たしている。ここにいるだけで酔ってしまいそうだ。 カウンターに向かって歩くが、誰も俺を見ようともしない。 それもそうだろう。武器もそうだが、防具は《ハンターシリーズ》で揃えてある。 新人ハンターが来た、としか認識していないのだろう。 「おや? 君は新人かい? 今めがっさ忙しいから、奥にいる喜緑さんに登録を頼むといいにょろ」 そう言って変な語尾を使う女性は、ジョッキを手に持ち奥のテーブルにいった。 俺はその人が言った方へ行き、喜緑さんらしき人に声をかけた。 「あなたが喜緑さんですか?」 荷物の中から紹介状を取り出し、カウンターの上に置く。 「ここの《ギルド》に登録したい」 喜緑さんは折り畳んだそれを丁寧に開き確認する。 読み終わると、一冊の帳面を出して、俺の前に置いた。 「ここの記入事項に答えて」 帳面を受け取り、羽ペンで、名前、年、性別、得意な武器、を書き込む。 喜緑さんは帳面を受け取ると、 「登録証を作るから待ってて」 そう言って、カウンターの奥の扉の向こうに話かけた。 「会長(マスター)、彼の《ハンターランク》はどうします?」 喜緑さんの声に対して、壁の向こうから返事がする。 「《レンジャー》」 返ってきたのは、たった一言。 「それで十分」 いや、二言で俺のランクは決まった。 登録証を受け取った俺は、荷物を宿舎に持って行くことにした。 「ちょっと待って」 後ろから喜緑さんが呼び止める。 「《アプトノス》のステーキをサービスしとくから、荷物を置いたら来てね」 今日は何も食ってなかったことに気付いた俺は、お言葉に甘えさせてもらおうことにた。 「有難うございます」 俺は荷物を部屋に置くと、すぐに酒場へと向かった。 「今、手が離せないの。別の子に持ってこさせるから、適当なとこに座って待ってて」 別の子ね……。変な語尾を使う女性が持ってきてくれるのだろうと思いつつ、席を探す。 どこもかしこも席は埋まっているが、一つのテーブルだけ空いている。 いや、正確に言うと、一人のハンターの周り、半径三メートルに人がいないのだ。 そのハンターは《グラビィトンハンマー》という巨大なハンマーを背中に負って、腕と腰と足には《レイアシリーズ》の防具を身につけ、 胴鎧は《スティールメイル》、頭には兜ともいえない、黄色いリボンの付いたカチューシャをつけている。 しかも、美人と言っていいほどの女性がそこにいた。 長い髪を一つに纏めたポニーテールが、なんとも良い。 男の一人や二人、近くにいてもいいくらいだ。が、誰もいない。 席も空いているし、せっかくなので声ぐらい掛けておこうと思ったこの俺を、誰が責められよう。 「この席、座ってもいいか?」 問う俺に、鋭い眼光が刺さる。 「あんた何? 新人?」 その問いに俺は頷いた。 「なら、向こうに行ってくれる。ただのハンターには興味ないから。 あたしが求めているのは凄腕のハンター。もしくは古龍種の情報のみ。 だから、あっちに行ってくれる。邪魔だから」 まるで眼だけで《飛竜》を殺そうとするように俺を睨む。それと同時に、周りから笑い声があがった。 訳の解らない俺は、物凄く居心地が悪い。早くここから立ち去りたい。それほど気恥ずかしい。 「おーい、新人!」 奥のテーブルから声がする。振り向くと同い年くらいの男が手を振っている。 「こっちに来いよ!」 丁度いい。この女の下から離れられるなら。 俺は駆け足でその場を去った。 「お前、あの涼宮に声かけただろ」 今では太刀に分類される《鉄刀・神楽》を背負った男が言う。 俺もこんな武器が欲しいと、恨めしく思いながら話を聞くことにした。 それと同時に《アプトノス》のステーキが目の前に置かれた。 「お待たせしましたぁー」 舌足らずな声だが、可愛らしい。 礼を言おうと振り向くと、受け付け服からはち切れんばかりの胸を、横から突き出した女性がいた。 「有難うございます」 礼を言うと、女性は軽く会釈して立ち去った。 「鼻の下のばしてないで話を聞け」 男の言葉で我に返った俺は、肉に噛り付き、話を聞いた。 「いいか。あの女の名前は《涼宮ハルヒ》って言う、この街のハンターの中でも、ずば抜けた変人だ」 「みくるちゃーん! ビール!」 後ろから、あの女の声が聞こえる。 「腕がいいから、いろんな隊に呼ばれてんだけど……」 「ちょっと待ってくださぁ~い」 俺にステーキを持ってきてくれた女性の、とても可愛らし声が返ってくる。 「一度、隊に入れた奴らは、二度と組もうとはしないらしい……」 「また始まるのか」 と、周りのハンターの声。 「涼宮と組んだ隊は必ず依頼を成功させ、生きて返ってくるが……」 「うりゃー!」 「いやああああぁぁぁぁ」 飛び掛かるような声。 そして、天使の声が悲鳴に変わり、俺は涼宮なる女の方へ振り向いた。 「必ず、何らかのトラウマを植え付けていくらしい」 「いやぁ、ひゃぁ、はふぅ」 天使の声は途切れ途切れに聞こえ、それと同時に胸が揺れる。 涼宮と言う女は、後ろから抱きつき、服の中を天使の胸を弄っていた。 (たしかに変人だな……) 《涼宮ハルヒ》と言う変人に出会って、もう一ヶ月経つ。 けっして忘れる事がないだろう名前とともに、腕の良いハンターや受け付け嬢の人達の名前も、ある程度覚えた。 この《街》や宿舎での暮らしにも慣れ、ハンターとしての一歩を踏み出している。 そんなある日、俺は大剣《バスターブレイド》を背負い、走っていた。 「早くしろ、キョン」 俺はその声の主を追い、馬車に足を掛け、中に乗り込む。 ちなみに、《キョン》と言うのは俺のあだ名だ。 そして、その名を呼ぶのは《涼宮ハルヒ》のことを教えてくれた男、谷口だ。 「キョンは本当、昔から変わってないね」 そう言ったのは、国木田という男。 そして、《キョン》というあだ名を広めた本人だ。 国木田とは小さい頃からの友達で、その時から俺のことを《キョン》というあだ名で呼んでいた。 三年程前に、国木田は両親と一緒に村を離れたが……まあ、いろいろとあったのだろう。 旅の途中でモンスターに襲われるなんて事は、よくあることだ。 まあ、詳しい話は知らないが、俺がハンターになる二年程前にハンターになっていた。 「準備はいいか? 行くぞ!」 谷口と国木田の隊のリーダーで、俺達より十程歳上の先輩ハンターの岡部が言うのと同時に馬車は動き出す。 今日は待ちに待った、街に来て初の狩りである。 今まで、肉やキノコを集めては収納し、鉱石類を採掘して街に帰るといったことしかしていなかった。 そんなとき、谷口が声を掛けてきた。 「街に来て一ヶ月経つが、そろそろ狩りがしたいんじゃないか?」 と。そして、付け加えるように、 「《イャンクック》の討伐依頼を受けて、明日、三人で行くんだが……どうだ? 行くんなら、契約金は俺達がだしとくけど」 俺は谷口の言葉に歓喜し、二つ返事で承諾した。 この日をどれだけ楽しみにしていたか。 胸の高鳴りを押さえつつ、俺達の乗る馬車は《森と丘》に向かっていた。 その頃、街の酒場の奥の部屋に、一つの依頼書が届いていた。 その依頼書を受け取った男の瞳が、眼鏡の奥から覗き込む。 会長と呼ばれているマスターは、眼鏡をついと指で押し上げると一人の受け付け嬢を呼び止た。 「喜緑くん。この依頼書の対応を頼む」 呼び止められた受け付け嬢《喜緑江美里》は、依頼書を受け取るとカウンターに戻り、内容を確認した。 『《リオレウス》を村に住むハンター達で撃退したが、また戻って来るかもしれない。 その前に、そちら側のハンターで討伐してほしい』 そう書かれていた依頼書には、村長の名前、報酬金、逃げた場所が書かれてあった。 「困まりましたわ……」 小さな溜め息を吐く。 一度、ハンター達の攻撃から生き延びた《飛竜》は、知識をつけ、さらに手強くなる。 腕の良いハンターならどうにか出来るため、差程問題では無いが、如何せん場所が悪かった。 依頼書に記された場所は《森と丘》。 そこには今、四人のハンターが《イャンクック》の討伐依頼を受けて、馬車は走らせている。 そのハンター達は、この事を知らない。 例え《リオレウス》に気付いたとしても、新人ハンターを連れて、手強くなった《リオレウス》と戦うのは自殺行為に等しい。 本来なら、運が無かった。と言われるだろうが、何の対応もしなかったら、ギルドの信頼性を落とすことになる。 喜緑さんは考えた挙句、一人の女性を呼び止めた。 「鶴屋さん。少し宜しいですか?」 呼ばれた女性は、手に持っていたビールをテーブルに置くと、長い髪を揺らし、カウンターの前までやってきた。 「ん? あたしに用かい?」 喜緑さんは依頼書をカウンターの上に置くと、簡単な説明をした。 「そりゃー困ったね。あたしが行かなきゃならないとこだけど、ちょっち用事があるから、みくるに頼んでみるよ」 「お願いします。それでは、私は馬車の準備を頼みにいきますので」 喜緑さんは背を向けると、酒場から出ていった。 「みっくるー! 今すぐカウンター前に集合ー!」 鶴屋さんの声は酒場の中に響き渡り、何人かのハンターは耳を押さえる。 そんな中を胸を揺らし、《朝比奈みくる》はカウンター前に駆け寄った。 「何ですか? 鶴屋さん」 朝比奈さんの問いに、鶴屋さんは依頼書の事を説明した。そして、今から四人のハンターに事情を説明するように、と。 「戻って来るなら、契約金の方は返すからって言っといてよ」 「はい」 「あ! それと、そこに置いてある《傘》とトランクを持っていっていいよ!」 「分かりました」 朝比奈さんはそう言うと、傘に手を伸ばし、掴もうとした。 「どこ行くの、みくるちゃん?」 それを遮るように、誰かが腕を掴む。涼宮ハルヒだ。 「今日は、あたしの相手をしてくれるんじゃないの?」 「あ、いえ、あの……今から《森と丘》に行かないといけないので……」 「《森と丘》?」 涼宮ハルヒはその言葉を聞くと、クエストボードを睨み、カウンターの上に視線を移し、歩を進めた。 鶴屋さんはカウンターの上にある物に気付き、手を伸ばすが、遅かった。 涼宮ハルヒは神速の動きで依頼書を手に取り、内容を読む。そして、場所を確認したその顔が、驚きと笑顔に変わる。 「みくるちゃん、《リオレウス》の討伐に行くの! それなら、あたしも行くわよ!」 その言葉に、朝比奈さんは言葉を失った。 これは別に感動しているわけでは無い。逆に心配で仕方ないのだ。自分の命が……。 「違うんだよ、ハルにゃん!」 涼宮ハルヒを呼び止め、鶴屋さんはすぐに事情を説明したが、 「どっちにしても、暇だからついていくわ」 その言葉に、鶴屋さんも言葉を失った。 涼宮ハルヒがどんなハンターか、この街の人間は知っている。 だからこそ、心配で仕方なく、どうする事も出来ないのだ。 鶴屋さんは、誘拐されるように連れていかれる朝比奈さんを、ただ、見守る事しか出来なかった。 二人が酒場から出ようとしたとき、《フルフルシリーズ》に身を包んだ一人の少女が中に入ってきた。 その少女の顔を見た鶴屋さんは、すぐに二人を呼び止め、 「有希っ子。そこの二人についていってくれないかい?」 鶴屋さんの言葉に《長門有希》は、了承の返事をし、二人に近づいた。 「有希って言ったかしら? あなたと隊を組むのは初めてね」 「そう」 「よろしくね」 「わかった」 そう言って、三人は酒場を出ていった。 三人を見送る鶴屋さんは、胸の中にある不安が、「隊を組む」の言葉によって確信へと変わった。 涼宮ハルヒは《リオレウス》の討伐をするだろう、と。 《森と丘》に到着した俺達は、馬車から荷物を降ろしていた。 ある程度、荷物を降ろし終わると、岡部はランス《ブロスホーン》を地面に置き、 支給品で届いた携帯食料を噛みながら、調合した爆薬を大タルに詰め込んでいく。 国木田はライトボウガン《グレネードボウガン》用の弾を作り、谷口は閃光玉と音爆弾を作りだした。 俺も何かしないといけないと思い、馬車に積んでいた荷物に手を伸ばす。 「何してんだ?」 調合を終えた谷口が言う。 「テントを造るんだが」 当たり前のように答えたが、なぜか谷口達は笑っていた。 「ここに何日いるつもりだ?」 「それは《イャンクック》を討伐すりまでに決まっているだろ」 「それは何日だ?」 「知らん」 この俺の言葉に、谷口達は溜め息をついた。 「俺達は四人で狩りに来ているだぜ。 《リオレウス》ならまだしも、《イャンクック》相手に、二、三日戦い続ける奴なんて街にはいないぜ」 荷物を持ち上げ、付け加えるように、 「俺達は、ハンターになって一ヶ月で《イャンクック》を倒した、お前の度胸だけは評価しているだからな」 谷口は大タル爆弾を背負い歩きだす。 なるほど。お前が言いたい事は、よく分かった。 つまり、今日中に《イャンクック》を狩って帰る、と。 なんだか馬鹿にされた気分だが、最後の言葉は褒め言葉として受け取っておくよ。 「何をしている? 準備はいいのか」 谷口の作った閃光玉と音爆弾を手にした岡部が言う。 「キョン、これを持っていきなよ」 国木田が駆け寄り、閃光玉を一つ渡してきた。 「もしもの時は、これを使って逃げなよ」 俺はそれを受け取りつつ「逃げねーよ」と、返事をした。 「それじゃ、行くとするか」 岡部が言い、歩きだす。俺も岡部が用意しておいた大タル爆弾を背負い、後をついていった。 《アプトノス》の群れを避け、森の中に入り込み《ランポス》がいないか確認する。 馬車の中であらかじめ《イャンクック》のいそうな場所を検討していた俺達は、身をかがめながら奥の水場に向かった。 先頭の岡部が歩を止めて、数十メートル先を見据える。 そこには《大怪鳥イャンクック》が辺りを見回していた。 茂みの中に身を隠していた俺達に気付いた様子は無いが、顔を持ち上げ、警戒している。 大タル爆弾の爆薬の匂いが、風に乗り届いたのだろう。 「先制攻撃を掛けるぞ」 そう岡部が言うと、荷物を降ろして中から音爆弾を取り出す。 「キョン。俺達も行くぞ」 谷口は荷物を地面に置き、大タル爆弾を抱え直す。 俺もそれに従い、大タル爆弾を抱え、《イャンクック》めがけて走った。 ―――クワカッカカカカ 俺達に気付いた《イャンクック》が吠える。 見据える先は、俺と谷口。 本来、大タル爆弾を持った状態で突っ込むのは危険な行為だが、それでも俺達は突っ込んだ。 後ろにいる岡部を信じて。 「くらえ! ハンドボールで鍛えたこの投球術を!」 岡部が高らかに叫び、音爆弾を投げた。 力投珠を身に付けた、防具の重さを感じさせない投球は、俺達の頭上を越え、《イャンクック》の目の前で爆発する。 耳のいい《イャンクック》は、聴覚にダメージをおい、脳を揺する。 頭を揺らし、足をふらつかせ、なんとかそこに立っている。 「今のうちに」 谷口は懐に潜り込み、足下に大タル爆弾を仕掛ける。 つづけて俺も大タル爆弾を仕掛けて、《イャンクック》から距離をとった。 直後、一発の銃声とともに爆発が起こる。 熱風が体を突き抜け、土煙があがる。 その中で《イャンクック》は、甲殻に穴をあけ、片足が吹き飛び、地面に倒れた。 その中に岡部が走り込み、甲殻の穴にランスを一直線に突き刺す。 谷口は背中の太刀を引き抜き、逃げられないように翼膜を斬りきざむ。 そして俺も大剣の柄を握り、顔面に振り下ろした。 「これが隊の狩りだ」 と、《イャンクック》の甲殻の一つを剥ぎなが岡部が言う。 確かに、一人で狩りをした時より断然早さが違う。 それは、隊の人間一人一人が役割を果たしたからだろう。 「よし。俺達は先に帰らせてもらうとするか。依頼が成功した証拠があれば十分だから、他の素材はお前にやるよ」 と岡部が言い、背中を向けてもと来た道へ帰っていく。 谷口と国木田も岡部のあとを追って歩きだす。 俺はお言葉に甘えて、イャンクックの素材を剥ぎ取ることにした。 腰のナイフを抜いて、イャンクックの身体に刃をとおし甲殻と鱗を剥ぐ。 荷物の余裕を確認し、火炎袋をイャンクック身体から取り出す。 手についたイャンクックの血が糸を引き、垂れ落ちる。 剥ぎ取りを終えた手で額の汗を拭き、重くなった荷物を抱えなおす。 そこに風がそよぐ。木が獣のように唸る。大地に写る巨大な影。 俺は手に持つ荷物を強く握り締め、上空を見た。 ―――ギャオオォゥゥ 雄叫びをあげ、舞い降りたのは《雄火竜リオレウス》。 こんな話は聞いてない。 《リオレウス》がここにいるなんて。 あれか。二週間前に卵を持って行ったのが原因か? いや、あれだ。それとは関係なく、ただ、水を飲みに来ただけだろう。 そうだ! そうに違いない! 俺は気づかれないように一歩、また一歩、後ろに下がる。 バキッ! え? 俺の足が、枝を踏んでいた。 《リオレウス》はその音に気付いたのだろう。 振り返り、俺を睨み、怒りの叫びをあげた。 これは危険だ。逃げたほうがいい。 本能が体の中を駆け巡り、国木田から貰った閃光玉を投げていた。 まばゆい光を放ち、《リオレウス》は動きを止める。 そのままおとなしくしてくれればいいものの、《リオレウス》は尾を振り回し暴れている。 もと来た道には《リオレウス》がいるため、進めない。 周り道にはなるが、丘を経由して行くしかないようだ。 重い荷物を抱え直し、全速力で逃げた。 百、二百近く走ったあたりで、俺は足を止めた。 多少入り組んでいるせいか、背後には《リオレウス》の姿は見えていない。 途中出会うと思っていた《ランポス》は、何故か死んでいた。 安心した俺は、乱れた呼吸を整えようと大きく深呼吸した。 ―――ギャオオォゥゥ 遠くにいるはずの《リオレウス》の雄叫びが間近に響く。 そして俺の目の前に降り立った。 本日二回目。 そんなに俺に会いたかったのか……俺に……。 正直嬉しくない。逃げ切る自信が無い。 そんな俺の心境に関係なく、《リオレウス》は突撃する。 そしてその攻撃は、俺にあたらなかった。 一発の銃声が、弾丸が《リオレウス》の足に当たり、爆発した。 お陰で《リオレウス》は地面に頭から激突する。 俺は《リオレウス》から距離をとり、銃声のした方へ振り向く。 そこには、涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、長門有希の三人がいた。 「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人がうわっ!」 前口上を唱えていた涼宮は、起き上がった《リオレウス》が炎弾を飛ばすや否や、横に飛び込むようにして避けた。 「くっ! ちょっと何よ今の! 前口上ぐらい言わせなさいよ!」 涼宮は通じることのないだろう文句吐いて走りだしす。 長門有希も片手剣を引き抜き走りだした。 目指すは《雄火竜リオレウス》。 思わぬ救援に俺は歓喜し、見入っていた。 長門は脚を攻撃し、涼宮はハンマーを頭に叩き込む。 《リオレウス》が反撃しようとしたときには距離をとり、そこに朝比奈さんが弾丸を打ち込む。 流れるような攻撃に、《リオレウス》の身体から鱗が剥げ、甲殻にヒビが入る。 好機と察した涼宮は、手に持つハンマーに力を込める。 「もらったー!」 振り抜く一撃を《リオレウス》は首を反らして回避した。 「うそ!」 態勢を崩した涼宮に《リオレウス》は反らした頭を利用して頭突きを繰り出す。 避けることができず、もろに直撃した涼宮の体を吹っ飛ばし、二回、三回地面を転がり、動きを止める。 「おい! 大丈夫か!」 俺は涼宮に駆け寄り、抱き起こした。 「くっ……前……」 涼宮は吐き出すように言葉をもらし、前を振り向くと《リオレウス》の口から炎弾が吐き出されていた。 炎弾は俺の防具では防ぎきれずに燃えつきるだろう。 涼宮だって同じだ。剥き身の部分にあたればどうしようもない。 どうせ死ぬなら……。 俺は《リオレウス》に背を向けて、涼宮の身体を覆い隠す。 せめてこいつぐらいは、涼宮ぐらいは救けてみせようと。 ポニーテー……いや、考えるのは止そう。理由なんてどうでもいい。 「え……」 腕の中にいる涼宮が声を洩らす。 そして、俺の背にハンマーで叩きつけるような衝撃が伝わる。 「うあっ」 全身を突き抜ける炎に、燃えるような痛みを感じながら、遠くで悲鳴にならない声を聞きながら、俺の意識は途絶えた。 暗い暗い闇の世界。 俺は死んだのか? ここは地獄なのか? 思考の中にある答えは、体を駆け巡る痛み。 その痛みを和らげるかのような冷たさと温もり。 そして、俺は目を覚ました。 「目が覚めた?」 俺の瞳を覗き込むように涼宮は顔を近付けた。 ガタガタと揺れるのを背中に感じ、身体を起こす。 不意に動かしたせいか、身体が悲鳴をおこし、痛みに顔が歪む。 「ちょっと、無理に動かなくていいわよ」 涼宮は両手で俺の体を押し倒す。 「俺は……生きて……」 身体を横にしながら辺りを見回し、自分が荷馬車の中にいることを確認する。 「生きてるわよ。……たく、あんた大剣使いで良かったわね。 それが背中に無かったら、全身が丸焦げになってたわよ」 その言葉に俺は自分の身体を確認した。 上半身裸になっていたのは気になるが、俺の両肩には熱したように赤々としている。 「みくるちゃんが持ってきたトランクの中に薬があったから、手当てしといたわ」 成る程。それで裸に……。 「……涼宮」 「なに」 「……ありがとう」 俺は簡単な言葉で礼を言った。 「礼を言うのは、あたしの方よ」 そう言って涼宮は、 「けどね……あたしは言葉で礼をする気はないわ。借りたものは三倍にして返す」 それはどういう事だ? 俺に何かしてくれるのか? 「あたしと隊を組みなさい!」 ………………は? 『礼』と『隊を組む』のがどう関係しているんだ? 「救けてもらったからには、あたしがあんたを三回救ける」 「ちょっと待……」 「拒否権はないから」 「いや、しかし……」 「返事!」 その瞳の鋭さに畏怖し、 「は……はい……」 返事をしていた。 「うん。よろしい!」 その時の涼宮の笑みは、とても輝いてみえた。 出会った時とは大違いだ。 「それと、涼宮と呼ぶのはやめて。ハルヒと呼んでちょうだい! いい?」 ……わかったよ。ハルヒ。 あれから数日後。 ハルヒに呼ばれて酒場に俺と長門と朝比奈さんは集まっていた。 集まった俺達にハルヒが言ったことは、 「SOS団! これがあたし達の隊の名前よ!」 涼宮ハルヒは酒場に居たハンター達に宣言して、席に着いた。 周りがどよめき、変な言葉が飛びかっているが、気にしないでおこう。 「ハンマーに大剣に片手剣にボウガン……。あと、ランス使いが欲しいわね……」 あらぬことか、ハルヒは五人目のハンターを望みはじめた。 五人目なんて、不吉な事を言いやがる。 「おい、ハルヒ。さすがに五人目は……」 「大丈夫よ。あたし達は『隊』じゃなくて『団』だから。一人二人増えたところで変わりないわよ」 ハルヒにとって、俺の意見など無意味なのだろ。 団であるという理由で打ち切られた。 せめて長門や朝比奈さんに危害が及ばないようにしないとな。 そう心に決め、この日は酒を飲み交わして一日を過ごした。 そして翌日。 五人目のランス使いが仲間に加わったのは、言うまでもないだろう。
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古泉が病室を出て行き、部屋の中には俺とハルヒの二人っきりとなった。 ……何だ、この沈黙は? なぜだか全くわからないが微妙な空気が流れる。 おそらくまだ1、2分程度しか経っていないだろうが、10分くらい経った気がする。 やばいぜ、ちょっと緊張してきた。何か喋らないと。 『涼宮ハルヒの交流』 ―最終章― 沈黙を破るため、とりあえずの言葉を口にする。 「すまなかったな。迷惑かけて」 「別にいいわ。けどいきなりだったから心配したわよ。……もちろん団長としてよ」 「なんでもいいさ。ありがとよ」 再び二人とも言葉に詰まる。 「……あんた、ホントにだいじょうぶなの?」 「どういう意味だ?」 「だってこないだ倒れてからまだ半年も経ってないのよ。何が原因なのかは知らないけどちょっと異常よ。 ひょっとして、あたしが無茶させすぎちゃったりしてるからなの?」 確かに、普通はそんなにしょっちゅう意識不明にはならないよな。 けど今回の原因はハルヒだなんて言えねぇし。 どうでもいいが無茶させてる自覚があるならもっと優しく扱ってくれ。 「だいじょうぶさ。もうピンピンしてる。別に体に問題があるわけでもない」 「そう……、ならいいけど」 ハルヒに元気がないな。そんなに心配してくれてたってのか? それともここも実は異世界で、これは違うハルヒだったりするのか?いやいや、そんな馬鹿な。 ……ん?そうだな、そういえば言わなきゃいけないことがあったな。 「ハルヒ、昨日はすまなかったな」 ハルヒは不思議そうな顔で目を向ける。 「だから、別にいいって言ったでしょ」 「……ああ、いや、そのことじゃない。昨日の昼のことだ」 「ああ、……あれね」 途端に不機嫌な顔になる。やっぱかなり怒ってんのか。 「つい、つまらないことでムキになっちまったな。すまん。 けどな、お前からはつまらないことかもしれないけど、俺にとっては結構大事なことだったんだ」 「………」 あのハルヒと同じように黙ったままだ。 「別にSOS団として不思議を探すのは構わん。宇宙人、未来人、超能力者を探すのも構わん。 お前が手伝って欲しいってんならできる限りのことはやってやりたい。できる限りはな。 けど、な。……そいつらを見つけたら、俺は用済みになるのか?」 「そんなことは言ってないでしょ!」 「言ってはないかもしれんが、ひょっとしたらそうなんじゃないかって思ってしまったんだ。 そうしたら、きっと怖くなっちまったんだろうな」 「そんなことあるわけないでしょ。あんたあたしが信じられないの?」 「そうだったのかもしれない。いや、信じられなかったのは俺自身なのかもしれない。 そんなやつらがいる中で、いつまでもお前の側にいられるような資格がないと思ったのかもしれないな」 「そんなことないわ。だってキョンは、……キョンはあたしにとって……。あたしはキョンが……」 「でも、もうそんなことはどうでもよくなった」 ハルヒは驚いて悲しそうな顔になった。心なしか、涙が浮かんでいるようにも見える。 「まさか……もうやめるって言うの?なんでよ!?」 ああ、そういう風に捉えますか。というか言い方がまずかった気はしないでもないな。すまん。 「いや、すまん。そういう意味じゃない。俺はこれからもSOS団の一人としてやっていくつもりだ。 俺が言いたいのは、そのなんていうか……簡単に言うと自信が付いたってこと、か?」 「何言ってるのあんた。全然意味わかんないわよ」 だろうな。俺もよくわからん。どうやって話を進めたらいいやら。 「昨日言っただろ。普通じゃない人間なんて見つかりこないって。あれは本当のことだ。 けど、それはそういうやつらがいないって意味じゃない。こっちからは見つけられないって意味だ。 だっていきなり『お前は宇宙人か?』って聞かれて、はいそうです、って、本物だとしても答えるわけないだろ?」 「じゃあどうしろっていうのよ!」 「別に何もしなくていいと思うぞ。強いて言うなら、そういうやつらが現れるのを願い続けることだな。 そうすれば、お前の周りにいるそいつらは、時がくれば自分からそのことをお前に告げてくれるさ」 「あのねぇ、あたしには気長に待ってる暇はないのよ。時っていつよ?こないならこっちから探すしか――」 俺はハルヒの小さな肩に手をやり、ほんの少しだけこちらに引き寄せる。 「その時ってのは今だ」 「あんた何言ってんの?」 「あのな、ハルヒ。実は俺、異世界人なんだ」 「は?」 さすがに目が点になってるな。そりゃそうか。 「俺は異世界人なんだ」 「ちょっと、あんた。本気で言ってんの?んなわけないでしょ」 「本気だ。俺は異世界人なんだ。まぁそりゃあ普通の人間には簡単には信じられないかもしれないだろうがな。 それにしてもせっかく待ちに待った異世界人が現れたってのに、信じないなんてもったいない話だよな」 「わ、わかったわ。仕方ないから信じてあげるわよ」 なんて簡単に挑発にかかるんだ。こいつは。 「だからな……」 「だから何よ」 ハルヒの肩に置いていた手に、ギュッと力を込める。 やべぇ、めちゃくちゃ緊張してきた。 「俺は普通の人間じゃない異世界人だから、俺と付き合ってくれないか?」 ああ、ついに言っちまった。 「は!?あ、あんたちょっとまじで言ってるの?」 「ああ、俺は大まじだ。お前言ってただろ?普通の人間じゃないやつがいたら付き合うって。ありゃ嘘か?」 「嘘なんかつかないわよ。けど……、まぁあんたが異世界人だってんならしょうがないわね。 わかったわ。そこまで言うなら付き合ってあげるわよ」 意外とすんなりいったな。『あんたが異世界人だっていう証拠は?』とか言われたらどうしようかと思ってたが。 証拠なんてないしな。行き方も知らない。まぁハルヒは実は自分で知っているわけだが。 俺が本物かどうかなんてたいした問題じゃないってことなのか? まぁなんでもいいさ。 「一つ聞いてもいい?」 「なんだ?質問にもよるぞ」 「あんたの言う異世界ってどんな世界?」 どんな世界、か。どう言えばいいものか。ここと変わんねぇんだよなぁ。 「基本的にはこことほとんど同じだな。よくいうパラレルワールドってやつか?人もほとんど同じだ」 「ふーん、てことはあたしとかもいるわけ?」 「ああ、いるぜ。ちゃんとSOS団もある」 「じゃあ、何が違うの?全く一緒ってわけじゃないんでしょ」 そうだな?何が違うんだ?あまり違和感がなかったからな。 「なんだろうな。人の性格とかに微妙に違和感があるくらいか?」 「例えば?」 例えば、か。何かあったかな。 「あ、長門の料理がうまかった。昼の弁当もうまかったし」 ハルヒの目付きが変わる。 「へえー、有希に弁当とか作ってもらってたんだぁ」 いや、まて、それはだな。いろいろあって、とりあえず落ち着け。な。 「……まぁいいわ。そっちのあたしはどんな感じ?」 どんなって言われてもなぁ。確かにちょっと違ってはいたが。力のこともあるし。 「……お前をさらに強気にした感じだ」 としか言いようがない。 「なるほどね。まぁいいわ」 「というかお前案外簡単に信じるんだな」 「嘘なの?」 「いや、そういう意味じゃないが」 「ならいいじゃない。あんたが本当って言ってるならそれでいいのよ。何か問題あるの?」 「いや、ちょっと話がうまく行き過ぎてて。ハルヒ、本当に俺でいいのか?」 「あたしがいいって言ってんだからそれでいいのよ。何?取り消したいの?」 「そんなわけあるか!俺はお前のことが、……本当に好きなんだから」 空いているもう片方の手もハルヒの肩に置く。 「ならさっさと好きって言いなさいよね。全く。こっちだって不安なんだから」 「そうだな、すまん。……ハルヒ、好きだ」 「あたしもよ。……キョン」 両の手に少し力を入れて引き寄せると、それに従いハルヒも近づいてくる。 ……あと20cm。 俺が顔を近付けるとハルヒも顔を近付ける。 ……あと10cm。 残りわずかのところでハルヒが目を瞑る。 ……あと5cm。 顔を少し傾け、目を閉じているハルヒの唇に俺の唇をそっと重ね―― コンコン! バッ!! ドアがノックされる音に慌ててハルヒの体を引き離す。 「入りますよ」 そういって古泉が入ってくる。そういえばジュースを買いに行ってたんだっけ? というか手ぶらじゃねぇか。どういうことだ?その満面の笑みは何だ? 「いえいえ、なんでもありませんよ。」 古泉の後ろには隠れるようにしている二人の姿が見える。 お見舞いのフルーツセットと、それとは別にお見舞いの品の袋を持った朝比奈さんとなぜか大量の本を持った長門の姿が。 「長門、それに朝比奈さんも。来てくれたんですね」 「……来ていた」 「キョ、キョンくん、具合はどうですかぁ?」 ん?なんか様子が変だ。朝比奈さんに至っては顔が真っ赤だし。 ってハルヒも顔が真っ赤になってるな。しかも口を開けたまんま固まっている。どういうことだ? 「古泉、何かあったか?ジュースはどうした?」 「ああ、そういえば飲み物を買いに出たのでしたね。うっかりしてました」 「は?じゃあお前はジュースも買わずに今までどこ……って、お前まさか!?」 「いやあ、この部屋を出たところで偶然このお二方と会いましてね。中に入ろうかとも思いましたが……ねえ?」 と、長門の方に振る。 「……いいところだった」 嘘だろ?まさかこいつら全部聞いてたんじゃ。 「……古泉、どこからだ?」 「そうですね。『すまなかったな。迷惑かけて』からですね。最初の方でしょうか?」 最初の方っていうか一番最初だぜこのヤロー。 ……そこから全部聞かれてたってことなのか?そんな馬鹿な。ぐあっ、死にてえ。 思わず頭を抱える。ハルヒはまだ固まっている。 「キョンくん、気を落とさないでください。だいじょうぶですよぉ。カッコ良かったですぅ」 いえ、朝比奈さん。それ全くフォローになってませんから。 「まぁいいじゃないですか。一件落着ですよ」 くそっ、こいつに言われると腹立つな。 どうでもいいけどお前間違いなく開けるタイミング狙ってただろ。 「さて、なんのことでしょう?」 くそっ、いまいましい。 ハルヒいい加減正気に戻れ。 「わ、わかってるわよ。うっさい」 まぁいいさ。これでこの一件は無事に終わったってわけだ。やっぱりこういう世界が一番だな。 あんな悪夢のような時間は出来ればもう過ごしたくないものだ。 俺はここでこのSOS団のみんなと俺は楽しく過ごしていくさ。 だからそっちのSOS団もそっちで楽しくやってくれ。そっちの俺たちも仲良くな。頑張れよ、『俺』。 「とりあえず元気そうで良かったですぅ」 「安心した」 二人からちゃんとしたお見舞いの言葉をもらっていると、 「やっぱりキョンを雑用係にして酷使し過ぎたのがまずかったのかしらね」 だから自覚あるならやめろっての。 ハルヒは朝比奈さんが持ってきた俺へのお見舞いのメロンを食べ終えて言った。 ってお前、そのメロン全部食ったのかよ。それ俺のだろ? 「そうかもしれませんね」 古泉、お前思ってないだろ。とりあえずその手に持ったバナナの束を置け。 「だからキョンには新しい役職を与えて、雑用はみんなで分担することにするわね」 そう言ってハルヒはどこからともなく腕章とペンを取り出した。 って、どこから出したんだよ。ってかなんでそんな物持ってんだよ。 キュキュっとペンを走らせ、それを俺に突きつける。 「これでどう?嬉しいわよね」 渡された腕章には大きな字でこう書かれていた。 『団長付き人』 やれやれ、これからも大変そうだな。 今日からは俺も異世界人、これでSOS団の一員として新しくスタートってわけだ。 確かに向こうに行ってた時間は悪夢のような時間だったかもしれない。 けど、こうなってみると、この結果になったのは間違いなく異世界のおかげと言えるだろう。 異世界でのSOS団の出会い、ハルヒとの出会いがなければ俺はハルヒに告白なんてできなかったたろう。 ハルヒ。ひょっとしてこれもお前の望んだとおりの結果なのか? 異世界との交流を通して、俺に答えを出すことを望んだのか? まぁなんでもいいさ。 お前も望んでくれるなら、俺はいつまでもハルヒの隣にいたいと思う。 「ああ、ありがたく頂くよ。これからもよろしくな」 さて、これからはどんな新しいものとの交流が待っていることやら。 今から楽しみだぜ。 「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」 「いや、それ朝比奈さんが俺のお見舞いに持ってきたやつだから。しかも俺は食ってないぞ」 周りを見渡す。長門が食べていた。 長門はハルヒの方を向いて僅かだけ微笑みを感じさせる顔で言う。 「プリンくらいはあなたから貰ってもいいはず」 ◇◇◇◇◇ 最終章後編へ
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SOS団に平和な空気が広がり 長門と古泉は膝を突き合わせてヒソヒソ話し合っている 今日はハルヒも来ないし つまらないので帰ろうかなと思っていた するとドアに小さなノックがあった 長門も古泉も立ち上がろうとしないので、仕方なく俺が立ってドアを開けた そこには俺の精神安定剤的頭痛不安イライラ解消お人形さんが立っていた 「あの…あのぅ…わわわわたし…」 どうしたんですか朝比奈さん? ご無事で何よりです とても大活躍だったそうで、まあいろいろありました こんな所に立ってないで、さあ中にどうぞ 「あのっ、わたし、ここに入ってもいいんでしょうか?」 朝比奈さん? どうしたんですか? 朝比奈さんはカバンを胸に抱え、内股に閉じたかわいい膝小僧をカクカクさせている この姿はまさに、最初にハルヒに拉致されてきた時と同じだ 「何か全然覚えてないんですぅ…学校に来て授業を受けて、その後何をしたらいいのか全然分からないんです でも何となくここに来なくちゃいけないような気がして、それで…」 まあどうぞ朝比奈さん、とにかく入りましょう 俺は小さな朝比奈さんの肩を抱くようにしてとりあえず中に案内した フワリとした巻き毛から爽やかな香りが立ち昇る ああこれは気持ちがいい 「え、ええとあの、わたしはここで何をしたらいいんでしょうか?」 えっと、まずはメイド服に着替えて、それからお茶を入れて、それはいいですからまずはどうぞ座って下さい 「あの…キョンくんってあなたですか?」 はい? まさか朝比奈さん 本当に覚えてないんですか? 俺の事もハルヒの事も? 「ななななんとなくは記憶があるんですけど、禁則事項で禁則事項してから後の事とか、禁則事項に行って転んで泥だらけになって禁則事項に会って、そして禁則事項の事がちょっと気になって禁則事項で調べたたら今度はは禁則……」 ああもういいです朝比奈さん とりあえず座って落ちつきましょう 「あの…今朝学校に来てから気がついたんですけど、私のカバンにこんな物が入っていて、それでキョンくんに…」 そう言って朝比奈さんはカバンから封筒を取り出した かわいい花柄のファンシーな封筒の送り主はもちろんすぐに分かった 表書きにはきれいな大人文字で『これをキョンくんに渡して下さい』と書かれ、裏面には小さく『朝比奈みくる』と書いてある 俺の頭に?が点滅した はて? 朝比奈さん(大)の存在は俺にも分かっている 何せつい今朝死ぬほど厳しいお説教を食らった直後だ でも朝比奈さん(小)には禁則のはず 朝比奈さん(小)に手紙をことづけるのにわざわざ自分の名前を書くとは? おっちょこちょいの朝比奈さん(大)が慌てる所を想像したがすぐに気付いた 朝比奈さんは俺に手紙を出すとも言っていた 早朝に現れたのはイレギュラーだから予定にない行動だったのだろう あの時はもう現在の朝比奈さんに手紙を持たせた後だったのかもしれない なのに朝比奈さんは何も言わなかったって事はこれは規定事項なのか? 考えるより行動した方が早い 俺は封筒を開けて中から1枚の便箋を取り出した 今の朝比奈さん(小)よりもかなり達筆になった筆跡で書かれていた 「キョンくんへ あなたのおかげで未来は正常な姿に戻りました 本当に感謝しています いつまでも自分に正直に生きて下さい そうすれば、あなたの想いは必ず実を結びます 涼宮さんを大切にしてあげて下さいね 朝比奈みくる P,S, そこにいる私はかなり混乱しているはずです めまぐるしい時間移動でTPDDのキャパシティがオーバーロードしちゃいました。あの異世界空間の影響と涼宮さんの力が合わさって、通常では考えられない動作をしちゃったので、しばらくその状態が続くと思います もしかしたら長門さんが修理してくれるかもしれないけど、数日経てば元に戻りますから心配はいりません それでも若干記憶が欠損してる部分もあると思いますので すみませんけどいろいろ教えてやって下さい あなたには禁則事項はありませんから これからもそこにいる私をよろしくお願いします」 俺は3回読み返してから手紙を朝比奈さんに渡した もうこの手紙を見せてもいいだろうと思った どうやら今回の事で、朝比奈さんは出世の階段を1つ上がったようだ 少なくとも朝比奈さん(大)の存在を明らかにしてもいいという事が まるでルーブル美術館から強奪されたフランス人形のように、かわいそうにぶるぶる震えている朝比奈さんはおっかなびっくりその手紙を読んでいたが、当然事情は全く把握できていない 「ななな何で私の名前が書いてあるんですかぁー? 何で記憶がなくなってるんですかぁ? TPDDって何なんですかー? 禁則事項って、もしかしたら禁則事項の事かなぁー?」 朝比奈さん ちょっと落ち着きましょう とりあえず心配はいりませんから ここはあなたの部室です 手紙に書いてある通り、すぐに記憶は戻りますから 何でしたら長門がすぐに 「禁則」 ああそうだった とにかく心配する事はありませんから 「これは面白いですね TPDDにも副作用があったとは やはり長門さんのおっしゃる通り、まだまだ開発途中だという事ですか」 「通常はあのような条件でTPDDを多用する事はないと想定されていた あれはあくまでイレギュラーなイベント でも開発者は今後十分認識しておく必要がある あの時の朝比奈みくるのTPDDの使用方法はまさに画期的 これからの改良に多大な経験値を与える事になる、はず」 気がつくと古泉と長門も朝比奈さんの背後に立って一緒に手紙を読んでいた 古泉の手がさりげなく長門の腰にまわされている ムカつく 「何も心配いりませんよ朝比奈さん 僕たちがついてますから この手紙に書いてある通り、あなたはすごい事を成し遂げた これは自慢すべき事です」 「そっそっそっそうなんですかぁー?」 ようやく朝比奈さんが落ち着いたので 本来ならここで俺にとってのルイ13世である、朝比奈ブランドの最高級日本茶などを味わいたい気分なのだが、メイド姿に着替える事も忘れている今の朝比奈さんにそれを要求するのは酷だろう 古泉と長門はヒソヒソ何かを話しているし、仕方ないか 俺は立ち上がってお茶の用意をした ヤカンでお湯を沸かしながら急須にお茶っ葉を投げ入れる お湯が湧くのを待っている間に胸ポケットに入れた携帯がブルブル震えた ハルヒからだった しかもメールじゃないか いつものハルヒはメールを送るようなまどろっこしい事は絶対にしない こちらの都合も考えずに名前も名乗らず用件だけを告げ、返事も聞かずに切ってしまうようなヤツが何でわざわざメールなんかするのだろう そもそもあいつがメールの打ち方を知っていたとは初耳だ 「駅前にバイキングのお店が新しくできたみたいよ 本日17時オープンしかも初日に限って半額だって!」 時間を見るとまだ4時10分過ぎだ お茶を飲んでからでも間に合うだろう お湯が沸騰したので急須に注ぎ、全員に配ってやる 古泉の前に置く時だけは憎しみを込めてドンと叩きつけた 自分の席に座ってさしてうまくもないお茶をズルズルすすり 呼吸を整えてからハルヒに返信した 「お茶飲んだらみんなで行くからそこで待っててくれ」 携帯を閉じて胸ポケットにしまい、再び湯呑みを手にするとまた電話だ 今度はハルヒからの普通の電話だった また携帯を取り出して開き、耳に当てた 「バカキョン!!!!!!!!!!」 携帯の小さなスピーカーから聞こえてきたほとんど原音のままの大音響は、俺の右耳から入って脳内を7周半ほど高速で駆け巡り、左の耳から抜けて部室中に轟音をとどろかせた おそらく部屋の全員が聞いていたのだろう 古泉も長門も、そして朝比奈さんまでもが口をポカンと開けていた 「な…な…何だったんですか今のは?」 俺はすでに切れていた携帯を閉じて、5秒で状況を説明した まだ鼓膜がジンジンしていて右耳がおかしい 鼓膜が破れたらハルヒに治療費全額負担させてやる 「やれやれ……」 おい古泉 それは俺のセリフだ 「長門さんと話していたのですが、今回の事で涼宮さんの精神に重大な変化があったようです。これは機関も同意見です 近々我々の任務にも大きな変革が訪れるかと期待していたのですが、長門さんによるとあくまで暫定的なものらしいですね 朝比奈さんからの手紙がどういう意味を持つのか、それは今から考える事ですが、長門さんの暫定的という意味が今分かったような気がします」 何だ古泉 もうちょっと分かりやすく言え 「つまり涼宮さんの精神は今は安定していますが、それはあくまで一時的なもののようですね 再び爆発する可能性が非常に高いという事です そして次に爆発するとしたら、その原因を作るのは間違いなくあなた あなたの今後の行動次第では、すでに力を自覚してしまった涼宮さんが何を始めてしまうか、予想するだに恐ろしいとはまさにこの事です」 すまん古泉 俺の取った行動のどこがおかしいのか、箇条書きにして説明してくれ 「あっあの・・・キョンくん すっすっ涼宮さんは、キョンくんと2人で行きたかったんじゃないかしら?」 うっ 「だから内緒でメールにしたんだと思いますぅ」 「ふふふ、お分かりでしょう。もう涼宮さんは大きく変わり始めています 早起きして弁当を作ったり、あなたが居眠りなどしないように気を配ったり そこまで献身的にあなたの事を考えてくれている涼宮さんなのに 当のあなたがこの調子ではね」 分かったよ じゃあこのお茶飲んだら行くから みんなも気をつけて帰れよ その時長門が突然立ち上がった 何年か前にどこかのアニメでやっていたような舌足らずのゆっくりした声で 俺は長門が物真似までできる事を初めて知った 「まったくお前はどこまで他人に迷惑ばっかりかけて生きているんだ そろそろ他人の気持ちを考えられるように努力できないのかよ いつになったらお前は学習能力というものを身につけるんだ いいからさっさと出て行きやがれ、この大バカ野郎」 俺は長門のすさまじい殺気を感じた 急いでカバンを引っつかみ、部室を出ようとした 追い打ちをかけるように、長門の詠唱が響く まさかこの俺が、長門の呪文の餌食になってしまうとは… 「………」 間一髪、有機情報連結の解除から逃れた俺は校門に急いだ 昇降口で靴を履きかえるのももどかしく、転がるように学校の外に出た その瞬間だった 背中を見えない手で押され、俺は時速100km近い速度で坂を駆け下りた 途中で何人もの通行人とすれ違うが、そのたびに鋭い横移動に体を揺さぶられ、襲いかかる横Gに気分が悪くなってくる 赤信号は全て俺の手前で青に変わり、2分もかからずに駅前の広場に着いた 腕組みをして待ち構えるハルヒの目の前数cmの所で、俺は急停止した 「わ……」 すさまじい加速と激しい横G,それに恐怖と緊張感で、俺は汗びっしょりだった 吐き気が喉元に突き上げてくる トイレはどこだ? 「あんた、えらい早かったじゃないの。ってか早すぎ」 ちょっと待っててくれハルヒちゃん 俺は公園のトイレに急ぎ、汚物を処理した 何度もうがいをして顔を洗い、ようやく一息ついてからハルヒの元に戻った 「1人なの?キョン」 ああ1人だ 「みんな連れて来るって言ったじゃないの」 いやそれは訂正します 訂正させられた 「何でこんなすごい勢いで走ってきたの?」 それは禁則で ああもう禁則じゃないのか 長門が怒り狂って俺に呪文をかけた 「有希が?呪文?」 そうだよお前ももう見ただろ 「あたしにもかけてくれるかしらね?」 長門に聞いてみろ 「面白そうねそれ!ちょっと学校に戻りましょうよ、今すぐに!」 ハルヒ、それは明日でいいだろ 今から学校に帰ったら俺は間違いなく長門に殺される 「何よもうキョン!」 ハルヒ 俺は学校で長門に呪文かけられて喜んでるお前よりも 俺と2人でメシ食ってるお前を見てる方が今は楽しいんだ 「キョン?」 本当だ。だから今日はメシ食いに行こう。半額なら俺がおごってやれるから お願いですから俺と一緒にバイキング食べに行って下さい ハルヒはやっと笑顔に戻ってくれた 両目と口が同じ大きさの正三角形になった 「ふっふーん!いいわ!あんたがそう言うんならね! でもまだ早いからちょっと歩きましょう!」 そう言ってハルヒは俺の腕を取り、さっそうと歩き出した ハルヒの髪からは甘いいい匂いが漂い、柔らかな胸のふくらみが俺の腕に伝わってくる ありがとう長門、俺を分かってくれて お前のジョークにはこれからさんざん振り回されそうな予感がするけど いいんだよなこれで SOS団は全員がハッピーエンドを迎えるんだよ そう 全員だぞ絶対に 涼宮ハルヒの共学 完
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俺たちは森さんたちのいる場所へ無事に戻り、帰還の準備を始めていた。 しかし、ここに来てやっかいな事実が露呈する。ハルヒの足が動かないということだ。 何でも朝比奈さん(長門モード)に確認したところによると、2年近く部室に拘束状態にされ、身動き一つ取れなかったらしい。 そのためか、身体の一部――特に全く使えなかった足に支障を着たし、自立歩行が困難な状態に陥っていた。 そんなハルヒの足の状態を、新川さんに調べてもらったわけだが、 「大丈夫でしょう。外傷もありませんし、リハビリをすればすぐに元通りになるレベルかと」 という診断結果を聞いてほっと胸をなで下ろす。ちなみに、拘束状態にだったはずのハルヒが 何で神人に捕まっていたのかというと、朝比奈さん(通常)が説明してくれたんだが、 「ええとですね。突然、部室にキョンくんが現れたんです。そして、涼宮さんの拘束をほどいてくれて――」 「こらみくるちゃん! それは絶対内緒っていったでしょ! それ以上しゃべったら、巫女さんモードで 一週間登下校の刑にするからね!」 「ひえええええ! これ以上はしゃべれませんんん」 で、強制終了だ。まあ大した話じゃなさそうだし、朝比奈さんのためにもこれ以上の追求は止めておくか。 空を見上げると、この辺り一帯はまだ灰色の空に覆われているが、地平線はほどほどに明るくなりつつあった。 古泉に言わせれば、閉鎖空間があまりに巨大化していたので、正常になるのにも少々時間がかかるのだろうとのこと。 ってことは、外に脱出するまでしばらく時間がかかるって事か。面倒だな。その間、奴らも黙って見てはいないだろう。 「とりあえず、この場所にとどまっているのは危険です。できるだけ早く閉鎖空間から脱出できるように、 こちらも徒歩で移動します」 森さんの決定。ハルヒは新川さんが背負っていってくれることになった。ハルヒも自分の身体の状態をよく理解しているらしく、 快く了承している。 と、新川さんに背負われたハルヒが俺の元に寄ってきて、 「ちょっと聞きたいんだけどさ。その――外はどうなっているの? ずっとこんなところに閉じこめられていたから……」 ハルヒの問いかけに、俺はどう答えるか躊躇してしまった。素朴な疑問なのか、全世界の憎しみを背負わされていることに 感づいているのか、どちらかはハルヒの表情からは読み取れなかった。 しばらく考えていたが、俺は無理やり笑顔を取り繕って、 「色々あったが、何とか平常を取り戻しつつあるよ。それから、お前の事は世界中が知っている。 この灰色の世界の拡大を止める鍵であるってな。救世の女神様扱いさ」 「そう……よかったっ!」 ハルヒの100Wの笑み。これを見たのもずいぶん久しぶりだな。 あっさりと納得してくれたのか、ハルヒは元気よく腕を振って、さあ行きましょう!と声を張り上げている。 その様子を見ていたのか、古泉が俺の耳元で、 「いいんですか? いざ外に出たらすぐに嘘だとわかってしまいますが」 「……嘘は言ってねえよ。ハルヒが個人的な理由でこんな大混乱を引き起こしたどころか、死力を尽くして、 被害の拡大を抑えていたんだからな。閉鎖空間だって、奴らを閉じこめる一方で無関係の人を巻き込まないようにするのが 目的だったんだ。自覚があったのかは知らないが。間違っているのは世界中の人々の認識の方さ。 だったらそっちの方を正してやるべきだと思うぞ」 はっきりとした俺の返答に、古泉は驚きを込めた笑みを浮かべ、 「あなたの言うとおりです。修正されるべきは、機関を含めた外野の方ですね。その誤解の解消には及ばずながら僕も全力を 尽くしたいと思います。ええ、機関の決定なんて気にするつもりもありません」 「頼むぜ、副団長殿」 俺がそう肩を叩いてやると、古泉は親指を上げて答えた。何だかんだで、こいつもすっかり副団長の方が似合っているよな。 俺も団員その1の立場になじんでしまっているが。 「では出発しましょう。そろそろ、敵も動いてくるでしょうからね」 古泉の言葉に一同頷き、徒歩での移動を開始した。 ◇◇◇◇ 俺たちは山を下り、市街地へと足を踏み入れる。今のところ、奴らが仕掛けてくる様子はない。 だからといって、和気藹々とピクニック気分で歩くわけにも行かず、張りつめた雰囲気で足を進める。 ……自分の彼女を自慢しまくる谷口と、それに疑惑と悪態で応対し続けるハルヒをのぞいてだが。 ちょうど、俺の隣には朝比奈さん(長門モード)が歩いていたので、この際状況確認を兼ねていろいろと話を聞いている。 「で、結局連中の正体はわかったが、奴らはこれからどうするつもりなんだ?」 「わからない。ただ、彼らの涼宮ハルヒへの執着心は無くなることはないと考えている」 まるでストーカーじゃないか。しかも、面倒な能力を持っている奴らも多いとなると、たちが悪いな。 と、ふと思い出し、 「そういや、連中はハルヒの頭の中を一部だけ乗っ取っていたんだろ? あれはまだ継続しているのか?」 「その状態は、わたしたちという鍵がそろった時点で解消された。意識領域の一部に発生した欠損をあなたの存在が埋めたから。 今ではわたしの介入もなく、彼女は自力で自我を保っている」 なら少なくても何でもできるような力はなくしているって事だな。だが、待てよ? ハルヒの能力を得る前の状態でも お前の親玉にアクセスできるような連中がいたなら、そいつらはまだ得体の知れない力が使えるって事か? 「情報統合思念体への不正アクセスは、彼らからのアクセス要求経路が判明した時点で使用できなくしている。 現状では彼らは情報統合思念体を利用できないと考えてもいい」 なるほどな。もう奴らもすっかり普通の人間の仲間入りってことか。 だが、そんな状態なのに、まだハルヒをどうこうできると思っているのか? 「【彼ら】はもう涼宮ハルヒなしには存在できない。少なくとも彼らはそう考えているはず。 だから能力があろうが無かろうが、彼らは涼宮ハルヒを手に入れることしか考えられない」 「……奴らに無駄だとわからせる方法はないのか?」 「きわめて難しい――不可能と断言できると思う。彼らの自我もまた統一された情報に塗り替えられ、涼宮ハルヒと接触する前の 記憶が残っているかどうかすらわからない。例え脳組織の情報から涼宮ハルヒという存在を抹消しても、人格すら残らないだろう。 それほどまでに彼らは狂ってしまっている」 長門は淡々と説明してくれたが、全身からにじみ出している感情は明らかに負のものだった。 ハルヒに責任はないが、彼らもまた得体の知れない情報爆発とやらの犠牲者なのかも知れない。 ただ、それでもハルヒを「手段」として扱い、あまつさえ俺たちの事なんてどうなってもいいと思っていたんだ。 その点を見るだけでも、同情の余地は少ないと思う。 「ん、そういやハルヒは自分の力について自覚しているのか? これだけの大事になってもまだ気が付かないほど 鈍感でポジティブな思考回路をしているとは思えないが」 「はっきりとは明言していない。涼宮ハルヒ本人も自分が普通ではないと言うことは理解しているが、 完全に把握できていないと推測できる。ただし、自分がやるべき事は理解しているはず。だからこそ、混乱状態にもならず 自分がすべき事を実行している」 なるほどな……理解することよりも、まずこの状況をどうにかすることが先決だと考えているって事か。ハルヒらしいよ。 そんな話をしばらく続けていたが、ふと先頭を歩く森さんが歩みを止めたことに気が付く。俺たちの左側には民家が並び、 右隣には小さな林が広がっていた。民家の方はそれなりに見通しが効いたが、林の方は薄暗い閉鎖空間のため、 夜のようにその中はまっ暗に染まり、林の中がどうなっているのか全く見えない。 ――パキッ。 俺の耳にははっきりと何かが折れる音が聞こえた。閉鎖空間内にいるのは、俺たちをのぞけばあいつらだけだ。 「……全員、身を伏せて物陰に隠れて」 森さんの冷静ながらとぎすまされた声が響く。俺たちは一斉に民家の物陰に身を隠す。新川さんも一旦ハルヒをおろし、 俺のそばに置いた。ハルヒは持ち前の鋭い眼光で林の方を睨み続け、朝比奈さんは長門モードになっているらしく、 平静さを保っている。 俺も銃を構えて、林の方を伺い続ける。野郎……どこにいやがる。とっとと出てこい…… 唐突だった。俺の背後にあった民家の屋根が爆発し、そこら中に残骸が降り注いだ。同時に林の中から、 あの化け物と化した連中の大群が津波の如く押し寄せ始める。 「撃ち返して!」 森さんの合図を起点に、俺たちは化け物の群れにめがけて乱射を始める。耐久力はないようで、一発命中するだけで どんどん倒れ込んでいった。しかし、数が多い! 撃っても撃ってもきりがない。 さらに、少数ながらこっちにも銃弾が飛んでくるようになってきた。向かってくる全員ではないが、 ちょくちょく銃らしきものを撃ちながら、こっちに走ってくる奴もいる。国連軍から奪ったものを使用しているのかもしれない。 押し寄せ続ける敵に対して、特に森さんたち機関組が前に出て、敵を次々と倒していく。ん? 新川さんの姿が見えないが、 どこに行ったんだ? しばらく撃ち合いの応酬が続いたが、突然林の方から新川さんが現れたかと思うと、こっちに向けてダッシュしてくる。 そして、見事な運動神経で敵の手をかいくぐりつつ、俺たちの元に戻ってきた。 「首尾は!?」 「全く問題ありませんな。タイミングの指示をお願いします」 「わかりました。合図はわたしが出します!」 そんな森さんと新川さんのやりとり。何だかわからないが、とりあえず任せておくことにしよう。 こっちの攻撃に対して有効だと悟ってきたのか、飛んでくる敵の銃弾の数が増えてきた。俺の周りにも次々と命中し、 壁の破片が全身に降りかかってきた。当たらないだけラッキーだが。 そんな状況が続いたが、突然黒い化け物の群れの数が激増した。津波どころか、黒い壁がこっちに向かってきているように 見えてしまうほどだ。 そこで森さんの指示が飛ぶ。 「全員、身を隠して! 新川、お願い!」 全員が一気に身を伏せるなりすると、同時に林の方で数発の爆発が発生した。 どうやら新川さんが地雷か何かを仕掛けていたらしい。全くとんでもない人たちだよ、本当に。 「本部に連絡が取れるかどうか確認! 可能なら航空支援の要請を!」 さらなる森さんの支持に、谷口が国木田から引き継いでいた無線機で連絡を試み始める。 爆発のショックか、一時的に奴らの動きは止まったが、程なくしてまたこちらへの突撃を再開した。俺はできるだけ弾を無駄に しないように的確に奴らを仕留めていく。 発射!という森さんの次の指示に多丸兄弟が肩に抱えたロケットランチャーを発射した。そういや、プラスチックでできた 重さ数百グラムの携行式のもの持っていたが、ようやく出番になったか。弾頭が林の入り口付近にいた化け物に直撃し、 周りを巻き込んで吹っ飛ぶ。 一方の谷口は無線機で呼びかけを続けていたが、どうやらつながってくれないらしい。ダメだという苦渋の表情に加えて、 首を振っているのですぐわかった。 森さんはそれを確認すると、手榴弾を投げ始めた。釣られて俺たちもそれに続く。ロケットランチャーに続いて、 手榴弾も次々と炸裂していく状況に、奴らの突撃の速度がやや鈍ったのがはっきりとわかった。 すぐにそれを好機と見た森さんは、 「後退します! あなたたちは涼宮さんを連れて先に行って、残りの者はラインを保ちつつ、ゆっくりと後退します!」 そう言って俺と谷口、古泉にハルヒたちを連れて行くように指示を飛ばした。森さんたちを置き去りにするようで気分は悪いが、 ここでまたハルヒをあいつらの手に渡すわけにはいかない。 俺はハルヒを背負って――とすぐに思い直して、ハルヒの身体を肩に抱えるように持ち上げた。 「ちょっと、どうしてこんな不安定な持ち方するのよ! これじゃあんたも動きづらいでしょ!」 「背負ったら、俺に向かって飛んでくる弾がお前にあたっちまうだろうが!」 そう怒鳴りながら住宅街の中めがけて走り出す。隣には朝比奈さん(長門モード)がちょこちょこと付いてきて、 俺の背後を谷口と古泉が守ってくれていた。 100メートルほど進んで、一旦立ち止まり森さんたちの援護を始める。まだ林の前で奴らを食い止めていた機関組だったが、 やがて俺たちの援護に呼応するようにゆっくりと後退を始めた。 だが、奴らもそれを黙ってみているわけがない。こっちが引き始めたとわかるや、また怒濤の突撃を再開してきた。 さらに、どこから持ち出してきたのか知らないが、ロケット弾のようなものまで飛んでくるようになる。 命中率が酷く悪いところを見ると、ろくに使い方もわからずに撃ちまくっているみたいだ。 この後、しばらく同じ動きが続いた。まず俺たちが数百メートル後方まで移動し、その後、俺たちの援護の下森さんたちが 後退する。だが、どんどん連中の数が増えるのに、こっちの残弾は減る一方だ。すでに前方でがんばっている多丸兄弟は 自動小銃の弾を撃ちつくし、今ではオートマチックの短銃で奴らを食い止めている。ただ、幸いなことに外側と ようやく連絡が取れて、すぐにこっちに援護機を出してくれることになった。 だが、下手な鉄砲でも数撃てば当たると言ったものだ。ついに多丸圭一さんに被弾し、地面に倒れ込む。 隣にいた新川さんが手当をしようと試みるが、どんどん激しさを増す銃弾の嵐にそれもままならない。 「助けないと!」 ハルヒの叫びに反応した俺は、すぐさま飛び出そうとするが、古泉に制止された。同時に森さんからの指示が 無線機を通して入ってくる。 『こっちはいいから先に逃げなさい! あとで追いかけます!』 いくら森さんたちでもけが人一人抱えながら後退なんて無理に決まっている。こんな指示には従えねえぞ! 俺はそれを無視して、古泉を振り切ろうとするが、 「ダメです! 指示に従ってください!」 「ふざけるな! 森さんたちを見捨てろって言うのかよ!?」 そうつばを飛ばして抗議するが、古泉は見たことのない怒りの表情を浮かべ、 「バカ言わないでください! 森さんたちがこんな事で死ぬわけがありません! 死んでたまるか!」 あまりの迫力に俺は何も言い返せなくなってしまう。古泉はすっと苦みをかみつぶした顔つきで、森さんたちの方を見ると、 「根拠がないって訳じゃないんです。敵にとっての目的は涼宮さんただ一人。そして、閉鎖空間が崩壊するまで あまり時間がありません。相手にしても価値のない森さんたちは無視してこちらに向かってくるはずです。きっとそうです!」 俺は古泉の言い分に納得するしかなかった。確かに、超人じみた森さんたちの能力を見くびってはならない。 大体、あの人たちがピンチになったからと言って、凡人である俺に救えるのか? 傲慢もほどほどにしろ。 なら俺にできることをやったほうがいい。 二、三度頭を振るうと、俺は古泉に頷いた。ハルヒを連れて行く。今俺ができることはそれで精一杯だ。 「おいキョン! 見てみろ!」 谷口が指している方角をみると、小高い丘の上がゆっくりと明るくなって来ている。閉鎖空間の外側はもうすぐだ。 あの丘の向こう側にそれがある。 俺はまたハルヒを抱えると、丘めがけて走り出した。いい加減、足もふらふら息も限界に近づいているが、 そんなことは気にしている余裕すらない。 丘の前を走っている川を渡ると、背丈ぐらいまである草を払いながら丘を登り始めた。古泉たちも俺に続く。 ふと、背後を振り返ると、森さんが川の前まで走ってきて、自動小銃の弾が尽きたのか短銃を敵めがけて撃っていた。 新川さんと多丸裕さんも姿もなくなっている。くそ、何にもできない自分が腹立たしい。 「森さん! 受け取ってください!」 古泉がそんな森さんに向けて、自分の自動小銃を放り投げた。すぐさま、余っていたマガジンも全て投げる。 ――その時、自動小銃をキャッチした森さんの顔は、距離が離れているためはっきりとは見えなかったが、 優しげに微笑んでいるように見えた。だが、すぐに俺たちに背を向けると、敵めがけて撃ちまくり始める。 その時だった。 「うぐおわっ!」 足に受けた強い衝撃で俺の口から自然と飛び出た情けない悲鳴とともに、ハルヒごと地面に倒れた。 見れば、左足のふくらはぎに銃弾が命中したらしく、ズボンの中からダクダクと血が噴き出している。 「キョン大丈夫!? ちょっと待っててすぐに手当てするから!」 ハルヒは自分のセーラー服の袖を破ると、俺の太ももの部分をそれで締め上げ始めた。傷口を押さえるよりも、 根本で血の流れを止めた方がいいと判断したんだろう。さすがにこういうことには完璧な働きをしてくれる。 そして、出血が少なくなったことを確認すると、再度ハルヒを肩にかけ、朝比奈さん(長門モード)の肩を借りつつ、 丘の上目指して歩き始めた。背後では古泉と谷口が何とか敵の動きを食い止めている。 「もうちょっと……だ!」 「キョン! もう少しで丘の上よ! がんばりなさい!」 ハルヒの励ましに、俺は酸素と血液不足で意識がもうろうとしながらも、丘を登り続ける。 ふと、背後を振り返ってみると、すでに奴らは小川を渡り始めていた。まだ距離はあるが、俺の足がこんな状態だと すぐに追いつかれるぞ。 「行け行けキョン! とっとと行け!」 絶叫に近い谷口の声。あいつ、あれだけへたれだったのに、ずいぶん男らしくなったもんだな。 昔だったら、危なくなったら真っ先に逃げ出していたタイプだったのによ。 そんなことを考えている内に、俺はようやく丘の上に出ることができた。そこからしばらく緩い下り坂が続いていたが、 その途中からまるで雲の切れ目のように光が差し込んできている。あそこが閉鎖空間との境界だ。あそこにたどり着けば…… 朝比奈さん(長門モード)に支えられながら、俺たちはゆっくりと丘を下り始める。 と、ここで谷口が丘の頂上にたどり着き、俺たちへ背を向けつつ撃ちまくり始める。だが、見通しの効く場所だったせいか、 一斉に銃撃が集中され、谷口の身体に数発が命中した。悲鳴を上げることすらできず、谷口は地面に倒れ込んだ。 俺はしばらくそれを見ていたが、迷いを打ち消すように頭を激しく振って、 「朝比奈さん、長門! ハルヒを頼みます!」 そう言ってハルヒの身体を朝比奈さん(長門モード)に預けると、谷口に向かって足を引きずりつつ向かう。 背後からハルヒが何かを叫んでいたが、耳に入れて理解している余裕はなかった。 森さんたちとは違い、谷口も俺ともあまり大差ない一般人だ。このまま見捨てておけば、死んでしまうかも知れない。 それに、谷口の話を聞かされている以上、どうしても置いていける訳がねえ! しつこく銃弾がこちらに飛んでくるので、俺は地面に伏せて匍匐前進で谷口の元に向かう。すぐ近くからも発砲音が 聞こえてくるところを見ると、古泉がまだ応戦しているようだ。 ほどなくして、谷口のところにたどり着く。見れば、腹に数発の銃弾を受けて、出血が酷かった。 首筋に手を当ててみると、脈もかなり弱まっている。 「おい谷口! しっかりしろ! 死ぬな! 死ぬんじゃねえぞ!」 「ははっ……最期の最期で……ドジっちまったな……」 すでに声も力なくなっていた。まずい、このままだと消耗する一方だ! すっと谷口は俺の腕をつかむと、 「すまねえ……伝えておいて欲しいことがある……あの子に……あ!」 「聞こえねえぞ! 絶対に聞くつもりはねえ! いいか! 絶対に死なせねえぞ――お前が死ぬ気になっても俺が許さない!」 奴らの謀略で谷口の死を一度目撃した。あんな気持ちは2度とごめんだ! 遺言なんて糞食らえだ! 絶対に、どんな手を使っても死なせねえ! しかし、俺の言葉は谷口の命を奮い立たせるほどのものでもなく、次第に力がなくなっていくことがはっきりとわかった。 くそ――どうすりゃいい―― 俺ははっと思い出し、谷口のポケットから恋人の写真を撮りだした。そして、それを目の前に差し出し、 「いいか、谷口! おまえ、こんな可愛い子を置いていく気か!? お前みたいなスチャラカ野郎に惚れてくれるなんて 世界中探しても二人もいねえぞ! 当然、天国だか地獄でもだ! こんなことは奇跡と言っていい! ここであっさりと死んじまったら、お前は一生独り身だ! この子がお前のところに行くときには別の男がそばにいるかもな! そんなんでいいのか、谷口!」 とんでもなく酷い言いようだったが、さすがにこれには堪えたらしい。谷口は上半身を上げて俺につかみかかると、 「――嫌だ! 死にたくねー! 助けてくれキョン! 俺は――俺はまだ何も――!」 「ああ、いいぞ。そうやってずっと抗っておけ! 古泉、来てくれ!」 何とか谷口を奮い立たせることに成功したが、このままだと本当に死んでしまうことは確実。何とか、手当てをしてやらないと。 「今行きます!」 古泉はしばらく短銃を撃ちまくっていたが、ほどなくして俺のところへやってきた。 「どんな具合ですか? 手当は?」 「出血が酷くて、脈も弱いんだ。とてもじゃないが、血を止められそうにねえ」 「早く医者に診せないとまずいですね……!」 古泉もお手上げの状態だ。谷口は半べそかきながら、俺に死にたくないと懇願を続けている。 と、ここで谷口が持っていた無線機から、声が漏れていることに気が付いた。同時に、上空を数機の攻撃機が飛び交い始める。 ようやく来てくれたか! まだ閉鎖空間内だったのによくやってくれるよ。 古泉は無線機を取り、連絡を取り始める。数回この辺り上空を旋回後、自分たちのいる位置から北側に向けて 爆撃して欲しい。そんな内容だった。恐らく森さんたちに攻撃開始を悟ってもらうために、すぐには攻撃を仕掛けないのだろう。 古泉らしい冷静な配慮だと思った。 俺は古泉の指示通りに、発煙弾を自分たちのいる場所に置いて、位置を知らせる。 と、あの黒い化け物たちがかなり近くまで来ていることに気が付き、あわてて銃を撃って奴らを食い止めた。 無線機から、こちらの場所を確認したと連絡が入る。俺たち3人はそれぞれ頷き、攻撃を要請した。 その間も次々と奴らが迫ってきていたので、俺と古泉で必死にそれを食い止める。 ふと、脳裏に奴らのことが過ぎった。ハルヒの情報爆発によって何らかの影響をもたらされた人々。 それ自体は別に悪いことでもないし、むしろ巻き込まれたという点から見れば、かわいそうな部類に入るだろう。 だが、ハルヒに手を出そうとしたのは間違いだ。実際にハルヒのことを調査していたなら、あいつが自分の持っている力について 自覚していないことなんてわかっているはずだからな。理由は知らないが、ハルヒの意思を無視してそれを奪おうとした。 しかも、人間として扱わなく、自分の願望を叶えるための道具として扱おうとした。とても許せる話ではない。 何よりも、俺たちSOS団をバラバラにしようとした。そんなに叶えたい願い事があるなら、 こっちに穏便に接触してくればよかったんだ。最初から暴力的手段に訴えた時点で、お前たちは俺の敵だ! 容赦しねえぞ! ……やがて、低空で飛ぶ4機の攻撃機が俺たちの前を過ぎるように飛んできた。 死ぬなよ、森さんたち……! 神でも仏でも何でも良いから祈り続ける俺の目の前を爆弾が投下され、辺り一面大地震のような地鳴りと熱風が吹き荒れる。 丘や民家一帯にいたあの化け物たちは、次々と爆風と炎に呑まれ、倒れていった。 「キョンっ!」 爆撃が一段落した辺りで、ハルヒの声が聞こえた。振り返ってみれば、朝比奈さんに抱えられたハルヒの姿がある。 そして、上空からバタバタと大きな音が響き渡ってきた。ヘリが数機、俺たちの上空をかすめて飛んでいる。 ここでようやく気が付いた。空の色が、あの閉鎖空間の灰色ではなく、雲一つ無い青空であることに。 ――俺たちは閉鎖空間を抜けていた。 ~~エピローグへ~~
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涼宮ハルヒの出会い 『アイツノソンザイ』プロローグ 私はただの人間だった………… そう自覚してから何年がたったのかしら? もう3年もたったのね… 明日は入学式か~ 『…つまんない』 平凡な入学式、ホントつっまんない そしてこのクラスもホント見るからに平凡、なんでなの? なんで私だけ… そんなこと考えてるうちに自己紹介とかいう平凡な行為の時間になったらしい たんたんと終わっていく、前の奴の自己紹介なんて頭に入ってなかった 別に目立ちたいとかじゃない、けど気がついたら私はこういっていた 『東中学出身、涼宮ハルヒ』 『ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者 がいたら、あたしのところに来なさい、以上』 涼宮ハルヒの出会い 『アイツノソンザイ』エピローグ02 別にどう思われてもいい、でももしかしたら、って思うと… だからって別に後悔なんかしてない、平凡なことはいやなの! 数日後、前の席の奴に話しかけられた 「しょっぱなの自己紹介のアレ、どのへんまで本気だったんだ?」 やっぱりね…そうだよね、普通に考えたら誰でもそうだよね… わかってた、私は何度も自分に言い聞かせた だからかな、冷静に対応もできなかった、ただただ返事をしただけで… でもその後なのよね、なんかこいつは違うな~って思えたの 髪型に気がついたときはって思ったし、それに話も面白いのよ 合わせてくれるっていうのかしら?でも今までと違う感じがした すごく私は面白かった、それからSOS団を作ったのはすぐだったわね 終 第1章